(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】リンパ球集団およびその産生方法
(51)【国際特許分類】
C07J 7/00 20060101AFI20240905BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20240905BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240905BHJP
A61P 37/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20240905BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240905BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240905BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20240905BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C07J7/00 CSP
A61K31/573
A61P31/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/00
A61P21/02
A61P17/00
A61P25/00
A61P3/10
A61P31/14
A61P31/18
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513469
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022042147
(87)【国際公開番号】W WO2023034377
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513164509
【氏名又は名称】エーブイエム・バイオテクノロジー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】デイシャー、 テレサ
(72)【発明者】
【氏名】マッケイ、 スコット ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】パルタサラティ、 ヴァイシュナビ
(72)【発明者】
【氏名】ザヒド、 ユムナ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C091
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084MA52
4C084NA14
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4C084ZA012
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4C084ZA942
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4C084ZB132
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4C084ZC352
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA10
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4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZB13
4C086ZB26
4C086ZB27
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4C086ZC35
4C086ZC41
4C091AA01
4C091BB03
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4C091PA03
4C091PA05
4C091PA09
4C091PB02
4C091QQ01
(57)【要約】
本発明は、リンパ球の新規な集団、これらを産生する方法、および疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) の集団を作製する方法であって、デキサメタゾン塩基の少なくとも約6 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量でグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤をヒト対象に投与することを含み、
ここで、前記NKT細胞の集団は、前記細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記NKT様細胞の集団は、前記細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%が、
i) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34、および/またはICAM3を発現すること;
ii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/または
iii) CD4を発現しないこと
を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記NKT様細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現し、かつ、
i) CD16およびNKp44;
(ii) TCRアルファ/ベータ;
(iii) CD16、NKp44、およびTCRアルファ/ベータ;
(iv) CD16、NKp44、CD8、CD14、およびCD19;
(v) CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、およびCD45;または
(vi) CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、およびTCRアルファ/ベータを発現する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記NKT様細胞が、
i) CD3+/dim;
ii) CD8+/dim;
iii) CD3+/dimかつCD8+/dim
であり、任意で、発現レベルは、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤と接触されていない共通の供給源に由来する参照細胞の集団における平均発現レベルに対して決定される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤がグルココルチコイドであり、任意で、グルココルチコイドがデキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾンおよびベクロメタゾンからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
グルココルチコイドが、デキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾンからなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
グルココルチコイドが、デキサメタゾンまたはベタメタゾンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
デキサメタゾンが、リン酸デキサメタゾンナトリウムである、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
グルココルチコイドが、およそ以下のもの:
i) 少なくとも6~12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
ii) 少なくとも6 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iii) 少なくとも12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iv) 少なくとも15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
v) 少なくとも21 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vi) 少なくとも24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vii) 15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
viii) 24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);または
ix) 45 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED)
と同等な用量で投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記グルココルチコイドが単回急性投与として、または約72時間にわたって投与される総用量として投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
グルココルチコイドの一以上のさらなる用量を投与することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤を対象に投与する工程をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤が、グルココルチコイドの投与後1時間以内またはその前後に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
対象が、がん、自己免疫疾患、または感染性疾患からなる群から選択される疾患を有しているか、有している疑いがあるか、または有していると診断された対象であり、および/または、NKT様細胞が、対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患からなる群から選択される疾患を治療する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記がんが固形腫瘍がんである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記がんがリンパ腫であり、好ましくはB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、もしくは非ホジキンリンパ腫であり、または白血病、好ましくはT-ALLまたはB-ALLである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
NKT様細胞が腫瘍浸潤を介してがんを治療する、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
NKT様細胞が他の免疫細胞の腫瘍への浸潤を促進する、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
NKT様細胞がCD1d誘導性アポトーシスを介してがん細胞を直接殺傷する、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
NKT様細胞が腫瘍壊死を引き起こすことによってがんを治療する、請求項14~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
自己免疫疾患が、多発性硬化症、全身性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、1型糖尿病 (T1D) 、強皮症、天疱瘡、およびループスからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記感染性疾患が、HIVまたはCOVID-19などのコロナウイルスによる感染から生じる疾患である、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
対象からまたは対象由来の試料からNKT様細胞の集団を単離する工程をさらに含み、
任意で、単離する工程は、
i) グルココルチコイド投与の少なくとも48時間後;または
ii) グルココルチコイド投与の48時間~13日後
に行われる、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記試料が、血液、血漿、腫瘍生検または外科的に切除された腫瘍、骨髄、肝臓、および脂肪または脂肪組織からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
単離されたNKT様細胞を増殖させる工程をさらに含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
単離されたNKT様細胞をNKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤で活性化する工程をさらに含み、
任意でNKT細胞活性化剤が、アルファGalCerおよびスルファチドから選択され;
任意でT細胞活性化剤が、ゾレドロネートおよびメバスタチンから選択され;および
任意でNK細胞活性化剤が、IL-2、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21からなる群より選択される、
請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記単離されたNKT様細胞に、タンパク質をコードする核酸を導入し、前記タンパク質の発現を促進する条件下で前記細胞を培養する工程をさらに含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記タンパク質が、T細胞受容体 (TCR) 、キメラ抗原受容体 (CAR) 、およびsplit, universal and programmable CAR (SUPRA-CAR) のうちの一つ以上からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
NKT様細胞を増殖させる工程をさらに含む、請求項23~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤でNKT様細胞を活性化する工程をさらに含む、請求項23~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載の単離されたNKT様細胞の治療的有効用量を対象に投与する工程を含む、対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患を治療する方法。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか一項に記載の方法における使用のためのグルココルチコイド。
【請求項33】
請求項1~31のいずれか一項に記載の方法における使用のための医薬の製造のための、グルココルチコイドの使用。
【請求項34】
請求項1~33のいずれか一項に記載の方法によって産生される、単離されたNKT様細胞またはNKT様細胞の集団。
【請求項35】
単離されたNKT様細胞であって、該細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現し、任意で、
i) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現すること、
ii) CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/または
iii) CD4を発現しないこと
を特徴とする、細胞。
【請求項36】
前記NKT様細胞またはその前駆体が、TCRガンマ/デルタを発現するようにトランスフェクション、形質導入、または他の方法で改変されていない、請求項35に記載の単離されたNKT様細胞。
【請求項37】
前記NKT様細胞またはその前駆体が、iTCRを発現するようにトランスフェクション、形質導入、またはその他の方法で改変されていない、請求項35または36に記載の単離されたNKT様細胞。
【請求項38】
前記NKT様細胞またはその前駆体が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34、および/またはICAM3を発現するようにトランスフェクション、形質導入、または他の方法で改変されていない、請求項35~37のいずれか一項に記載の単離されたNKT様細胞。
【請求項39】
細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現し、任意で、
i) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現すること、
ii) CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/または
iii) CD4を発現しないこと
を特徴とする、NKT様細胞の単離された集団。
【請求項40】
対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患の治療方法における使用のためのグルココルチコイドであって、前記方法は、デキサメタゾン塩基の約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与することを含み、
ここで、グルココルチコイドは、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現し、任意で、
i) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現すること、
ii) CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/または
iii) CD4を発現しないこと
を特徴とするNKT様細胞の集団を誘導する、使用のためのグルココルチコイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リンパ球の新規集団、これらを産生する方法、および疾患の治療におけるそれらの使用に関する。より詳細には、本開示は、高用量グルココルチコイド、グルココルチコイド受容体アゴニスト、およびICAM3調節剤を用いて、ナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) の新規集団を産生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは以前に、高濃度のグルココルチコイドを用いて、養子T細胞療法などの細胞免疫療法の効力を増強するために患者をコンディショニングできることを見出した。国際特許出願PCT/US2018/025517 (WO2018/183927として公開) に記載されている。その出願において、発明者らは、脾臓の細胞性を非選択的に破壊すると考えられている化学療法および放射線媒介プレコンディショニングに関連する毒性に注目した。発明者らは、細胞免疫療法を受けるがん患者に有益となる、グルココルチコイド (ステロイドのサブクラス) およびその他の非毒性のリンパ球枯渇薬を急性用量で提供した。
【0003】
国際特許出願PCT/US2019/054395 (WO2020/072713として公開) において、本発明者らはまた、高濃度のグルココルチコイドを使用して、他の細胞の細胞カウントに実質的に影響を与えることなく末梢血リンパ球のリンパ球枯渇(lymphodepletion)を引き起こすことを記載している。その出願において、発明者らは、高濃度のグルココルチコイドは、例えば、糖尿病自己免疫に関与する膵島特異的自己反応性T細胞を含む末梢血リンパ球を枯渇させることができるが、好中球、血小板、RBCおよび幹細胞 (HSCおよびMSCの両方) は温存することを報告した。発明者らは、化学療法に匹敵する有効性で安全な免疫リセットを行うことができる骨髄非破壊的レジメンとしてグルココルチコイドを提供した。
【0004】
細胞毒性化学療法の使用を減らすことは、米国国立癌研究所の最優先目標である。癌腫は、しばしば固形腫瘍と呼ばれ、全がんの80~90%を占めるが、新しいがん療法の開発で標的にすることは困難であることが示されてきている。キメラ抗原受容体 (CAR) T細胞療法は、CD-19発現B細胞急性リンパ性白血病の治療において顕著な成功を示している。しかし、固形腫瘍に対するCAR T細胞療法を制限する多くの障害がある。すなわち、腫瘍へのトラフィッキングが無効であることや、固形腫瘍における免疫抑制性微小環境が、T細胞の有効性を制限する。さらに、CAR T療法は、サイトカイン放出症候群 (CRS)、神経浮腫、移植片対宿主病 (GvHD) などの重篤な副作用と関連付けられてきている。さらに、 CAR T療法は治癒的ではなく、最小残存病変が陰性であっても最大50%の被験者が12カ月以内に再発する(Nie et al, 2020)。CAR T注入前の前処置あるいは「プレコンディショニング」は生存期間の延長と関連しており、高用量化学療法によるプレコンディショニングは最良の転帰と関連しているが、最も重度の毒性も有している。再発を減らすようにデザインされた二重特異性CAR T製品は、CAR T標的抗原の発現の消失または腫瘍における抗原の不均一な発現による腫瘍回避に起因すると考えられているが、第一世代CAR Tよりも有効にはならないと見られる(Gill et al, 2021)。CAR Tのこれらの限界に対処するために、この分野はナチュラルキラー (NK)、NK/NKT細胞CAR、およびガンマデルタ(γδ)T細胞製品に向かいつつある。
【0005】
ナチュラルキラーT細胞 (NKT) は、T細胞とナチュラルキラー (NK) 細胞の両方の特性を共有するT細胞の非均一なグループである。従来型のT細胞とは対照的に、NKTは胸腺を出る時点で機能的に成熟しており、迅速なサイトカイン産生のために準備されている。NKTは、CD1dを発現するがん細胞および腫瘍微小環境マクロファージを直接殺傷し、IFNガンマおよびIL-4などの免疫活性化サイトカインを迅速に産生および放出し、樹状細胞 (DC)、NK細胞、BおよびTリンパ球などの他の免疫細胞を活性化することができる。臨床的には、インバリアントNKT(iNKT)は、「自家(autologous)培養活性化iNKT」の注射、αGal Cer(NKT活性化剤)がロードされた樹状細胞または単球を投与して内因性NKTを活性化すること、またはNKT活性化抗体もしくはαGal Cerの合成アナログであるKRN7000などのリガンドを投与することによって、様々な異なるがんに対して使用されている。
【0006】
しかしながら、iNKT産生を誘導するために使用されるこれらの方法のいずれも、がん患者において有効であることが示されていない。がん患者においてiNKTレベルは低下し、臨床試験は期待外れであった。iNKTレベルは高齢者でも同様に低い(その全体が参照により本明細書に組み込まれるTarazona et al., 2003)。メラノーマに対する「自家培養活性化NKT」の使用は9例中3例で有効であり、転帰は腫瘍浸潤NKT数と直接関連していた(その全体が参照により本明細書に組み込まれるWolf et al., 2018およびNair et al., 2017)。しかし、このアプローチは、がん患者におけるNKT数の低さと、IFNガンマ1型と腫瘍促進IL-4 2型の間の間を行き来するiNKTの可塑性とによっても制限された。
【0007】
がん治療において、キナーゼ阻害剤 (KI) は、従来型の細胞毒性化学療法と比較して忍容性が良好である。しかし、疲労、高血圧、発疹、創傷治癒障害、骨髄抑制、および下痢、ならびに甲状腺機能、骨代謝、線状成長、性腺機能、胎児発育、副腎機能、および糖代謝の異常など、キナーゼ阻害剤には依然として顕著な毒性が付随している。多くの患者は、慢性的に服用しなければならないKIの毒性のために用量低減が必要となる(その全体が参照により本明細書に組み込まれているLodisch et al., 2013)。さらに、KIに対する耐性は一般的であり、治療に時間依存する(その全体が参照により本明細書に組み込まれているBhullar 2018)。
【0008】
がん治療に関連する毒性を低減する努力にもかかわらず、これらの毒性に対処するための身体的負担と医療コストは依然として重大な懸念事項である。例えば、血液がん患者のうち41%までもが、新規のキナーゼ/プロテアソーム阻害剤または生物製剤に関連する身体的および経済的な毒性のために、これらの薬剤の服用を中止することを選択する(それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているMato 2018、Kadri 2017、Mato 2016およびBarrett 2010)。
【0009】
T細胞は、免疫応答において重要な役割を果たすリンパ球の一種である。T細胞は、その細胞表面上のT細胞受容体の存在によって他の種類のリンパ球から区別される。T細胞受容体 (TCR) は、主要組織適合抗原複合体 (MHC) 分子に結合した抗原断片を認識する役割を担っており、2つの異なるタンパク質鎖のヘテロ二量体である。ヒトでは、95%のT細胞のTCRはアルファ (α) 鎖およびベータ (β) 鎖(それぞれTRAおよびTRBによってコードされる)からなり、5%のT細胞のTCRはガンマおよびデルタ (γ/δ) 鎖(それぞれTRGおよびTRDによってコードされる)からなる。この比率は疾患状態 (白血病など) によって変化する。
【0010】
MHC拘束性アルファベータT細胞とは対照的に、ガンマデルタT細胞は抗原プロセシングやペプチドエピトープの主要組織適合抗原複合体 (MHC) 提示を活性化のために必要としないが、MHCクラスIb分子を認識するものもある。ガンマデルタT細胞の中には、感染や腫瘍形成に起因する細胞ストレスのマーカーを認識するものもある。また、ガンマデルタT細胞は脂質抗原の認識にも関与していると考えられている。
【0011】
ガンマデルタT細胞は、感染/形質転換細胞の認識後、サイトカイン(IFN-γ、TNF-α、IL-17)やケモカイン(RANTES、IP-10、リンホタクチン)の産生、感染または形質転換した標的細胞の細胞溶解(パーフォリン、グランザイム、TRAIL)、および他の細胞との相互作用により、幅広い機能的可塑性を示す。ガンマデルタT細胞は、MHC非拘束的に多様ながんを認識して溶解することができ、感染性疾患において保護的機能を有し、様々な感染性疾患の進行や予後と関連していることが示されている(Gogoi et al, 2013; Pauza et al, 2018; Zheng et al, 2012; Dong et al, 2018; Zhao et al 2018;すべてその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ガンマデルタT細胞の中には、状況によっては抗原提示細胞として振舞うものもある(Himoudi et al, 2012)。ガンマデルタT細胞は従って免疫療法の開発において大きな関心を集める。
【発明の概要】
【0012】
現在利用可能な治療法よりも安全で、毒性が少なく、かつ/または有効性が高い、がん、自己免疫性障害、および感染性疾患(微生物疾患とも呼ばれる)に対するさらなる治療法が必要とされている。よりシンプルで、毒性が低く、低コストの治療が望まれる。
【0013】
概要
本発明は、高用量のグルココルチコイドがナイーブな被験者において多くのタイプの末梢血リンパ球のリンパ球枯渇を引き起こす一方で、ナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) の新規集団の産生/活性化/動員も誘導するという驚くべき発見に基づいている。既知のNKT細胞の特性を示すことに加えて、このNKT様細胞の新規集団は、がん細胞を直接貪食することができ、したがって固形がんの治療的処置としての高濃度グルココルチコイドの可能性を拡大する。本明細書の他の箇所でより詳細に記述されるように、これらの細胞はCD3高CD49b+であり、CD3高CD49b-集団に由来し、それらが発現する表面タンパク質のパターンによって特徴付けられ得る。
【0014】
がん、自己免疫疾患または感染性疾患を有する患者のような非ナイーブ被験者において、高用量のグルココルチコイドは疾患性/がん性リンパ球を枯渇させるが、正常リンパ球は温存する。理論に縛られることなく、発明者らは、ナイーブな被験者においてリンパ球枯渇が起こるががん患者では起こらないのは、高用量のグルココルチコイドによって誘導/動員されるNKT様細胞がガンマデルタTCRを発現するためだという仮説を立てており、このガンマデルタTCRは、がん、自己反応性リンパ球、感染細胞を含むストレスを受けた細胞においては100~1000倍多く発現するかあるいは選択的に発現するリン酸化抗原を認識する。病原体/疾患のない環境であるナイーブな被験者では、NKT様細胞が認識するための被ストレス細胞が存在せず、被ストレス細胞の非存在下ではNKT様細胞は正常リンパ球を認識して枯渇させる可能性がある。
【0015】
発明者らはまた、グルココルチコイド分子が、高用量投与後に、ICAM3のような細胞間接着分子を結合し遮断できることを発見した。その結合は協働的であり、26個にまで至る分子がICAM3の最初のIgドメインに結合することができる。ICAM3は、リンパ球、単球および好中球のような細胞、ならびにメラノーマおよび骨肉腫のようながん細胞型にかなりのレベルで発現される。デキサメタゾンとICAM3の間の相互作用の分子モデリングは、これらが低親和性水素結合を介して相互作用することを確認する。理論に縛られることなく、本発明者らは、本発明の新規なNKT様細胞の誘導および/または動員が、ICAM3とグルココルチコイド、グルココルチコイド受容体アゴニスト、および本明細書の他の箇所でより詳しく記載されるようなICAM3調節剤との間のこれらの低親和性水素結合相互作用を介して起こり得るという仮説を立てる。
【0016】
従って、第一の態様において、本発明は、ナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) の集団を作製する方法を提供する。この方法は、デキサメタゾン塩基の少なくとも約6 mg/kgヒト等価用量 (HED) に相当する用量でグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤(デキサメタゾンなどのグルココルチコイドであり得る)を対象に投与することを含み、このグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤が、対象においてNKT様細胞の集団を誘導および/または動員する。
【0017】
本発明のNKT様細胞は、マーカー発現の新規なパターンを示す。特に、本明細書に記載された方法によって産生/動員されたNKT様細胞は、CD56およびTCRガンマ/デルタ(γδTCR)、ならびにインバリアントTCR(iTCR)を発現する。したがって、いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現することで特徴付けられる。本明細書に記載された方法によって産生/動員されたNKT様細胞は、活性化された細胞のマーカーであるCD16およびNKp44も発現する。したがって、いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD16およびNKp44を発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、およびNKp44を発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD、および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/またはCD4を発現しないことで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34、および/またはICAM3を発現すること;および/またはCD4を発現しないことで特徴付けられる。
【0018】
いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD16およびNKp44を発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、およびNKp44を発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータを発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、およびTCRアルファ/ベータを発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、およびCD19を発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、CD19、およびTCRアルファ/ベータを発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19、およびCD45を発現する。いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19、CD45、およびTCRアルファ/ベータを発現する。
【0019】
いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現するとことで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD16およびNKp44を発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、およびNKp44を発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータを発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、およびTCRアルファ/ベータを発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、およびCD19を発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、CD19、およびTCRアルファ/ベータを発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19、およびCD45を発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19、CD45、およびTCRアルファ/ベータを発現することで特徴付けられる。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、およびTCRアルファ/ベータを発現することで特徴付けられる。
【0020】
いくつかの実施形態において、NKT様細胞はCD4を発現しない。いくつかの実施形態において、NKT様細胞の集団は、少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%の細胞がCD4を発現しないことで特徴付けられる。
【0021】
ある態様において、本開示のNKT様細胞は、CD3を発現し得る。あるそのような態様において、本開示のNKT様細胞は、CD3+/dimであり得る。ある態様において、本開示のNKT様細胞は、CD8を発現し得る。あるそのような態様において、本開示のNKT様細胞は、CD8+/dimであり得る。NKT様細胞は、CD3+/dimおよび/またはCD8+/dimとして記述され得る。
NKT様細胞は、ナイーブな対象においてこれらの特性を有するものとして記述され得る。NKT様細胞は、腫瘍/がん性または自己免疫状態においてこれらの特性を有するものとして記述され得る。細胞マーカーの発現レベルは、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤と接触されていない、共通の供給源に由来する参照NKT様細胞の集団における平均発現レベルに対して決定することができる。マーカーの発現は、例えば本明細書に記載された装置、試薬、および/または条件(単離してまたは組み合わせて用いられる)を用いて実施される、フローサイトメトリーによって測定することができる。
【0022】
グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤は、グルココルチコイドであってもよい。ある態様において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾンおよびベクロメタゾンからなる群より選択される。
【0023】
好ましい態様において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ベタメタゾンおよびメチルプレドニゾン (好ましくはデキサメタゾンまたはベタメタゾン) からなる群より選択される。
【0024】
いくつかの実施形態において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンヘミスクシネート、デキサメタゾンコハク酸ナトリウム、デキサメタゾンスクシネート、デキサメタゾンイソニコチネート、デキサメタゾン-21-アセテート、デキサメタゾンホスフェート、デキサメタゾン-21-ホスフェート、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-バレラート、デキサメタゾンアセテート一水和物、デキサメタゾンピバレート、デキサメタゾンパルミテート、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオネート、デキサメタゾンプロピオネート、デキサメタゾンアセテート無水、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオネート、デキサメタゾン-21-スルホベンゾエート、デキサメタゾンヘモサルフェート、デキサメタゾンサルフェート、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフラート、デキサメタゾンカルボキシミド、デキサメタゾンシペシラート、デキサメタゾン21リン酸二ナトリウム塩、デキサメタゾンメシラート、デキサメタゾンリノレート、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、デキサメタゾンヨードアセテート、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオ-デキサメタゾン、デキサメタゾンビスエトキシム、デキサメタゾンエポキシド、デキサメタゾンリノールエライデート、デキサメタゾンメチルオルトバレレート、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、デキサメタゾントリブチルアセテート、デキサメタゾンアスパラギン酸、デキサメタゾンガラクトピラノース、デキサメタゾンヒドロクロリド、ヒドロキシデキサメタゾン、カルボキシデキサメタゾン、デスオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメタゾン、オキソデキサメタゾン、プロピオニルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンガラクトジ、デキサメタゾンイソニコチネート、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブレート、デキサメタゾントリデシルレート、デキサメタゾンクロトネート、デキサメタゾンメタンスルホネート、デキサメタゾンブチルアセテート、デヒドロデキサメタゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチルチオエーテル、デキサメタゾンブロモアセテート、デキサメタゾンヘミグルタレート、デオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンクロラムブシレート、デキサメタゾンメルファラネート、ホルミルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブチレート、デキサメタゾンラウレート、デキサメタゾンアセテート、およびデキサメタゾンの一形態を含有する任意の併用療法からなる群より選択される。
【0025】
ある態様において、グルココルチコイドはデキサメタゾンであり、これはリン酸デキサメタゾンナトリウムであってもよい。
【0026】
本発明の方法は、特定のグルココルチコイド用量の投与が関わるものであり得る。ある態様において、グルココルチコイドは、約:
・6~12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
・少なくとも6 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
・少なくとも12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
・少なくとも15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
・少なくとも18 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
・少なくとも21 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
・少なくとも24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
・45 mg/kgまでのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED)
と等価な用量で投与される。
いくつかの好ましい態様において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基の少なくとも約18 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量で投与される。いくつかの他の好ましい態様において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基の少なくとも約6~18 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量で投与される。いくつかの他の好ましい態様において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基の少なくとも約15~18 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量で投与される。
【0027】
いくつかの態様において、グルココルチコイドは、約:
・6~12 mg/kgのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED);
・少なくとも6 mg/kgのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED);
・少なくとも12 mg/kgのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED);
・少なくとも15 mg/kgのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED);
・少なくとも18 mg/kgのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED);
・少なくとも21 mg/kgのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED);
・少なくとも24 mg/kgのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED);
・45 mg/kgまでのリン酸デキサメタゾンのヒト等価用量 (HED)
と等価な用量で投与される。
いくつかの好ましい態様において、グルココルチコイドは、リン酸デキサメタゾンの少なくとも約18 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量で投与される。いくつかの他の好ましい態様において、グルココルチコイドは、リン酸デキサメタゾンの少なくとも約6~18 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量で投与される。いくつかの他の好ましい態様において、グルココルチコイドは、リン酸デキサメタゾンの少なくとも約15~18mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量で投与される。
【0028】
グルココルチコイド用量は、mg/kg値のある範囲からのあるmg/kg値を有するデキサメタゾンのヒト等価用量 (HED) として定義することができ、この範囲は、上記のmg/kg値のうちの二つによって画定される。例えば、グルココルチコイド用量は、6~45 mg/kgのデキサメタゾンHEDとして定義され得る。別の例において、グルココルチコイド用量は、12~24 mg/kgのデキサメタゾンHEDとして定義され得る。
【0029】
グルココルチコイドは、単一の急性用量として、または約72時間にわたって投与される総用量として投与され得る。さらに、方法は、グルココルチコイドの1つ以上のさらなる用量を投与することを含み得る。いくつかの態様において、1つ以上のさらなる用量は、先行するグルココルチコイド投与の24時間~120時間後;先行するグルココルチコイド投与の24時間~48時間後;先行するグルココルチコイド投与の72時間~120時間後;第1のグルココルチコイド投与後に24、48、72、96、120、144、または168時間後ごと;第1のグルココルチコイド投与後に週ごとに一回;第1のグルココルチコイド投与後に二週間ごとに一回;第1のグルココルチコイド投与後に月ごとに一回;または第1のグルココルチコイド投与後に週ごとに二回、投与される。
【0030】
開示された方法は、本開示のNKT様細胞を活性化する工程を含むことができる。したがって、いくつかの態様において、本方法は、NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤を対象に投与する工程をさらに含むことができる。NKT細胞活性化剤は、アルファGalCer、スルファチド、またはNKT活性化抗体からなる群から選択され得る。NKT細胞活性化剤は、アルファGalCerがロードされた樹状細胞または単球であってもよい。T細胞活性化剤は、ゾレドロネート、メバスタチン、またはT細胞活性化抗体からなる群から選択され得る。NK細胞活性化剤は、IL-2、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21、またはNK細胞活性化抗体からなる群から選択され得る。NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤は、グルココルチコイドの投与後1~48時間以内またはその前後に投与され得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、対象は、ヒト免疫系 (HIS) マウスなどの、ヒト化免疫系を有する哺乳類の対象である。好ましくは対象はヒトである。
【0032】
対象は、がん、自己免疫疾患、または感染性疾患 (微生物疾患とも呼ばれる) を有しているか、または有していることが疑われる (または有していると診断された) 対象であり得る。がんは固形腫瘍であってもよい。あるいは、がんはリンパ腫、好ましくはB細胞リンパ腫またはT細胞リンパ腫であってもよい。いくつかの好ましい実施形態では、がんは非ホジキンリンパ腫であり得る。
【0033】
がんは、扁平上皮がん (上皮扁平上皮がんなど);肺がん (小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がんおよび肺の扁平上皮がんを含む);腹膜がん;肝細胞がん;消化器がんを含む胃がん;膵がん;膠芽腫;子宮頸がん;卵巣がん;肝臓がん;膀胱がん;肝臓がん;乳がん;結腸がん;直腸がん;大腸がん;子宮内膜がんまたは子宮がん;唾液腺がん;腎臓がんまたは腎臓がん;前立腺がん;外陰がん;甲状腺がん;肝細胞がん;肛門がん;陰茎がん;頭頸部がんからなる群から選択されてもよい。
【0034】
本発明のNKT様細胞は、腫瘍浸潤を介してがんを治療することができる。本発明のNKT様細胞は、免疫活性化サイトカインの放出を介してがんを治療することができる。本発明のNKT様細胞は、がん細胞を貪食して殺すことによってがんを治療することができる。本発明のNKT様細胞は、腫瘍への他の免疫細胞の浸潤を促進することによってがんを治療することができる。本発明のNKT様細胞は、CD1d誘導性アポトーシスを介してがんを治療することができる。本発明のNKT様細胞は、腫瘍壊死を介してがんを治療することができる。本発明のNKT様細胞は、本発明のNKT様細胞上のガンマ-デルタT細胞受容体の発現を介して、腫瘍細胞によって産生される高レベルのリン酸化抗原を認識することによってがんを治療することができる。したがって、いくつかの態様において、本発明は、本発明のNKT様細胞を誘導、動員、または投与することによって腫瘍壊死を引き起こす方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、本発明のNKT様細胞を誘導、動員、または投与することによってがん細胞のCD1d誘導性アポトーシスを引き起こす方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、本発明のNKT様細胞を用いてがん細胞を貪食および/または殺す方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、がん細胞リン酸化抗原によるガンマ-デルタ発現NKT様細胞の活性化の方法を提供し、これはNKT様細胞上のNK受容体(複数可)を介してがん細胞を認識し殺す。
【0035】
対象が自己免疫疾患を有する、または有することが疑われる (または有すると診断された) 実施形態において、自己免疫疾患は、多発性硬化症、全身性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、1型糖尿病 (T1D) 、強皮症、天疱瘡または狼瘡であり得る。対象が感染性疾患を有する、または有することが疑われる (または有すると診断された) 実施形態において、感染性疾患は、HIV、ヘルペス、肝炎またはヒトパピローマウイルスであり得る。いくつかの実施形態において、感染性疾患はHIVである。いくつかの好ましい実施形態において、感染性疾患はCOVID-19(コロナウイルス2019;重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患)であり得る。
【0036】
本発明の方法は、単離および/または増殖工程を含み得る。例えば、本方法は、対象からまたは対象由来の試料からNKT様細胞の集団を単離する工程を含み得る。任意で、単離する工程は、グルココルチコイド投与の少なくとも48時間後;グルココルチコイド投与の48時間~13日間後;またはグルココルチコイド投与の6~48時間後に実施され得る。いくつかの実施形態(例えば対象ががん、感染性疾患もしくは微生物疾患、または自己免疫疾患を有する実施形態)において、NKT様細胞を単離する工程は、グルココルチコイド投与後3時間以内に、好ましくはグルココルチコイド投与後1時間以内に実施され得る。いくつかの実施形態において、単離する工程は、グルココルチコイド投与の30~60分後に実施され得る。
【0037】
試料は、血液、血漿、腫瘍生検または外科的に切除された腫瘍、骨髄、肝臓、脾臓生検、および脂肪または脂肪組織からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、本方法は、単離されたNKT様細胞を増殖させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、本方法は、単離されたNKT様細胞をNKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤で活性化する工程を含む。NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤は、本明細書の他の箇所に記載されているものであり得る。
【0038】
本発明の単離されたNKT様細胞は、例えば核酸で細胞をトランスフェクションすることによって、さらに操作され得る。したがって、いくつかの実施形態において、本方法は、単離されたNKT様細胞にタンパク質をコードする核酸を導入し、該タンパク質の発現を促進する条件下で細胞を培養する工程をさらに含む。タンパク質は、T細胞受容体 (TCR) 、キメラ抗原受容体 (CAR) 、split, universal and programmable CAR (SUPRA-CAR) のうちの1つ以上であり得る。CARおよび/またはTCRは、CD19、CD20、CD22、GD2、CD133、EGFR、GPC3、CEA、MUC1、メソテリン、IL-13R、PSMA、ROR1、CAIX、Her2からなる群から選択される抗原に結合する抗原結合ドメインを含む。
【0039】
本発明のNKT様細胞は、医学における用途を見出す。例えば、本発明の単離されたNKT細胞は、医学的に、例えば、対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患 (微生物疾患とも呼ばれる) の治療において使用することができる。これらの態様において、本方法は、本明細書に開示された方法を介して単離されたNKT様細胞の治療有効用量を、前述の疾患の1つに罹患している対象に投与することを含み得る。ある態様において、単離されたNKT様細胞が投与される対象は、NKT様細胞が単離された対象と同じである。あるいは、単離されたNKT様細胞が投与される対象は、NKT様細胞が単離された対象と異なる。
【0040】
NKT様細胞は、静脈内注射、腹腔内注射、リンパ管内注射、髄腔内注射、脳脊髄液 (CSF) への注射、腫瘍への直接注射からなる群から選択される方法によって、および固形腫瘍上またはその近くに配置されるゲルとして、対象に投与される。
【0041】
本発明はまた、本明細書に開示される治療方法で使用するための医薬の製造におけるグルココルチコイドの使用にも及ぶ。
【0042】
本発明はさらに、NKT様細胞の集団を誘導するためのデキサメタゾンまたは他のグルココルチコイドの使用にも及ぶ。ここで、NKT細胞の集団は、ステートメント101~148のいずれか1項に記載の方法によって誘導される。
【0043】
本発明はさらに、NKT様細胞の集団を動員するためのデキサメタゾンまたは他のグルココルチコイドの使用にも及ぶ。ここで、NKT細胞の集団は、ステートメント101~148のいずれか1項に記載の方法によって動員される。
【0044】
また、本発明のNKT様細胞に由来する人工多能性幹細胞も提供される。したがって、一態様では、本発明は、人工多能性幹細胞 (iPSC) を作製する方法を提供し、この方法は、本明細書に開示される方法によって単離されたNKT様細胞を再プログラミングしてiPSCを作製することを含む。再プログラミングは、Oct3/4、Klf4、Sox2、およびC-mycをコードする1つ以上の核酸をNKT様細胞に導入することを含み得る。核酸は、DNA (例えばDNA発現カセット)またはRNA分子であり得る。再プログラミングは、Sox1、Sox3、Sox15、Klf1、Klf2、Klf5、L-myc、N-myc、Nanog、および/またはLIN28のうちの1つ以上をコードする1つ以上の発現カセットをNKT様細胞に導入することをさらに含み得る。再プログラミングは、Sox1、Sox3、Sox15、Klf1、Klf2、Klf5、L-myc、N-myc、Nanog、および/またはLIN28をコードするmRNAのうちの1つ以上をNKT様細胞に導入することをさらに含み得る。次いで、iPSCは、例えばNKT様細胞またはNKT細胞系譜へと分化を誘導され得る。
【0045】
本発明はまた、単離されたナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) または本明細書に開示された方法によって産生されたNKT様細胞の集団を提供する。関連して、本発明のNKT様細胞は、本明細書の他の箇所に記載されているような発現プロファイル(複数化)によって規定され得る。例えば、本発明は、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現し、任意でCD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータの1つ以上を発現し、および/またはCD4を発現しないことを特徴とする単離されたナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) を提供する。単離されたNKT様細胞は、非疾患対象由来であってもよい。
【0046】
本発明はまた、ナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) の単離された集団を提供する。NKT様細胞の単離された集団は、本明細書の他の箇所に記載されているような発現プロファイル(複数化)によって規定されてもよい。例えば、NKT様細胞の単離された集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現し、および/またはCD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータの一つ以上を発現し、および/またはCD4を発現しないという点において特徴づけられ得る。
【0047】
本発明は、対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患 (微生物疾患とも呼ばれる) の治療方法において使用するためのグルココルチコイドを提供する。この方法は、デキサメタゾンの約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) と等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与することを含み、ここで、グルココルチコイドは、本明細書に定義されるように、本発明のNKT様細胞の集団を誘導/活性化/動員する。例えば、本発明は、がん患者において腫瘍壊死を誘導し、腫瘍浸潤を引き起こし、免疫活性化サイトカインを放出し、腫瘍細胞を貪食および死滅させ、腫瘍への他の免疫細胞の浸潤を促進し、および/またはCD1d誘導性アポトーシスを引き起こす方法において使用するためのグルココルチコイドを提供する。この方法は、デキサメタゾンの約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) と等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与して、本明細書に定義される本発明のNKT様細胞の集団を誘導することを含む。例えば、本発明は、がん患者において、腫瘍壊死を誘導する、腫瘍浸潤を引き起こす、免疫活性化サイトカインを放出する、腫瘍細胞を貪食および死滅させる、他の免疫細胞の腫瘍への浸潤を促進する、および/またはCD1d誘導性アポトーシスを引き起こす方法で使用するためのグルココルチコイドを提供し、この方法は、約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) デキサメタゾンと等価な用量でグルココルチコイドを患者に投与して、本明細書に定義されるように、本発明のNKT様細胞の集団を動員することを含む。例えば、本発明は、ウイルス死を誘導し、免疫活性化サイトカインを放出し、ウイルス感染細胞を貪食および死滅させ、ウイルス感染臓器への他の免疫細胞の浸潤を促進する方法において使用するためのグルココルチコイドを提供し、この方法は、デキサメタゾンの約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与して、本明細書に定義されるように、本発明のNKT様細胞の集団を誘導することを含む。デキサメタゾンのHEDは、本明細書に開示された値の範囲から任意の値を取ることができる。
【0048】
本開示の原理を説明する実施形態および実験を、添付の図を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】急性高用量デキサメタゾンは、ナイーブマウスにおいてマウスリンパ球数を減少させる。高用量デキサメタゾン (18 mg/kg HEDリン酸デキサメタゾン (DP) ) 投与の6時間、24時間、48時間、7日、13日および21日後に全血球カウント(cells/ul = CBCから得られた絶対数)によって測定された絶対リンパ球数(ALCマイナスNKおよびNKT細胞)は、プラセボ(Placebo)と比較して有意に減少している。投与6時間後および48時間後にほぼ完全なリンパ球除去が観察され、その効果は標準的なCy/Flu化学療法 (13 mg/kg HEDのシクロホスファミドおよび0.8 mg/kg HEDのフルダラビン) で達成されたものに匹敵している。
【0050】
【
図2】急性高用量デキサメタゾンは、ナイーブマウスにおけるマウスBリンパ球数を減少させる。高用量デキサメタゾン (18 mg/kg HEDのDP) 投与の6時間後、24時間後、48時間後、7日後、13日後および21日後に全血球カウント (cells/ul=CBCから得られた絶対数) により測定したBリンパ球数は、プラセボ(Placebo)と比較して有意に減少している。Bリンパ球についてのリンパ球除去効果は、標準的なCy/Flu化学療法 (13 mg/kg HEDのシクロホスファミドおよび0.8 mg/kg HEDのフルダラビン) で達成されたものに匹敵している。
【0051】
【
図3】急性高用量デキサメタゾンは、ナイーブマウスのマウス単球数を減少させる。高用量デキサメタゾン (18 mg/kg HEDのDP) の6時間後、24時間後および48時間後に全血球カウント (cells/ul=CBCから得られた絶対数) で測定された単球数は、プラセボ(Placebo)と比較して有意に減少している。単球についての除去効果は、標準的なCy/Flu化学療法 (13 mg/kg HEDのシクロホスファミドおよび0.8 mg/kg HEDのフルダラビン) で得られたものよりも優れている。
【0052】
【
図4】急性高用量デキサメタゾンは、ナイーブマウスのマウス好中球数を減少させる。高用量デキサメタゾン (18 mg/kg HEDのDP) の6時間後、24時間後、48時間後に全血球カウント (cells/ul=CBCから得られた絶対数) で測定された好中球数は、プラセボと比較して有意に減少している。
【0053】
【
図5】急性高用量デキサメタゾンはマウス血小板を温存する。急性高用量デキサメタゾン (18 mg/kg HEDのDP) は、全血球カウント (cells/ul=CBCから得られた絶対数) で測定された血小板数に影響を及ぼさない。したがって、急性高用量デキサメタゾンは輸血の必要性を排除し、化学療法レジメンより安全で非毒性の代替を提供する。血小板はグルココルチコイド受容体 (GR) を発現するため、血小板への影響の不在は、グルココルチコイド受容体非依存性の作用機序を示唆する。
【0054】
【
図6】急性高用量デキサメタゾンは造血幹細胞を温存する。ナイーブマウスをプラセボ(Placebo)または急性高用量デキサメタゾンで処置した6時間~35日後の時点で測定した生存造血幹細胞数を示す。急性高用量デキサメタゾン (18 mg/kg HEDのDP) は、生存造血幹細胞数を有意に変化させなかった。したがって、急性高用量デキサメタゾンに代表される骨髄非破壊的レジメンは、免疫リセット後の造血回復のための幹細胞注入の必要性を排除することができる。
【0055】
【
図7】急性高用量デキサメタゾンは、NKTのアップレギュレーション (
図7) とNKT細胞の新しい集団 (AVM-NKT) の産生を誘導する。高用量デキサメタゾン (18 X mg/kg HED DP) の6時間後と24時間後に全血球カウントで測定した総NKT細胞数 (cells/ul=CBCから得られた絶対数) は、プラセボ(Placebo)と比較して減少している。驚くべきことに、高用量デキサメタゾンの48時間後までに、全血球カウントで測定された総NKT細胞数は増加し、その後、高用量デキサメタゾン処置の約13日後まで徐々に減少する。標準的なCy/Flu化学療法 (13mg/kg HEDシクロホスファミドと0.8 mg/kg HEDフルダラビン) の投与では、処置の48時間後にNKT細胞数のこのような増加は観察されなかった。
【0056】
【
図8】高用量デキサメタゾンによる処置後、末梢血中に二つのNKT集団を同定することができる。急性高用量デキサメタゾン後の末梢血をフローサイトメトリーで検査したところ、二つのNKT細胞集団が同定された。CD3medCD49b+(ヒトではCD56)と定義され以前に記述されたNKT細胞に相当するNKT細胞(中央の長方形ゲート)と、CD3highCD49b+(ヒトではCD56;AVM-NKT細胞;中央右の長方形ゲート)と定義される新規のNKT細胞集団である。AVM-NKT細胞はCD49b+(ヒトではCD56)であり、CD3 very brightであり、これは、AVM-NKTよりも1/2から1ログ低い平均蛍光強度 (MFI) でCD3を発現する既知のNKT細胞と対比される。
【0057】
【
図9】AVM-NKTアップレギュレーションの時間経過。CBCおよびフローサイトメトリー結果を用いた、血液マイクロリットル当たりのAVM-NKT細胞の定量。AVM-NKT細胞は、一回の高用量デキサメタゾン (HED 18.1 mg/kg DP PO) 処置の48時間~13日間後のナイーブマウスの血液中に明らかに見られている。*=統計学的に有意。
【0058】
【
図10A】高用量デキサメタゾン (HED 18 mg/kg DP) 処置により誘導されるA20腫瘍環境の変化。48時間後、プラセボ(Placebo)と比較して、高用量デキサメタゾン処置したマウスの腫瘍では壊死の増加が明らかである。
【0059】
【
図10B】AVM-NKT細胞は、18 mg/kg HEDデキサメタゾンリン酸塩投与後3時間以内にマウスの脇腹に移植したA20リンパ腫は最大に除去され (左側の図) 、血液および胸腺へのA20転移は投与後24時間で最大に根絶され (中央の図) 、骨髄へのA20転移は投与後48時間で最大に根絶された (右側の図) 。マウスの脇腹に、100μLの冷却マトリゲルと混合した100μLのPBS中のA20リンパ腫2 x 10
6細胞を接種した。3、24および48時間後にマウスを安楽死させ、腫瘍(Tumor)、血液(Blood)、骨髄(BM)および胸腺(Thymus)を採取し、生きたA20細胞をフローサイトメトリーで検出するためにシングルセル懸濁液とした。
【0060】
【
図11】急性高用量デキサメタゾン(AVM0703;HED 18.1 mg/kg経口)はプラセボ(Placebo)と比較してA20 B細胞リンパ腫の増殖を有意に遅延させる。高用量デキサメタゾンまたはプラセボ投与の日を矢印で示す。
【0061】
【
図12】3-6 mg/kgのDSPで処置された変形性関節症患者のCD45/CD56散布図。AVM-NKT細胞 (長方形のボックスで示す) が同定され、マウスでのものと同様にCD45 dimかつCD56 very bright(マウスではCD49b)である。
【0062】
【
図13】6 mg/kgのAVM0703の投与1時間後(1 hr post)および3時間後(3 hr post)の健常血液ドナー(healthy blood donor)および前立腺(prostate)がん患者からのフローサイトメトリーデータ。前立腺がん患者では、注入1時間後に新規のCD45dim CD56bright細胞集団 (丸で囲っている) が明らかである。これらのデータは、ヒト患者が、マウスで同定されたAVM-NKT細胞に対応する細胞を動員することを示している。
【0063】
【
図14】AVM0703処置患者についての溶解全血フローサイトメトリーの結果は、生細胞CD56+ゲートからの二重陽性γδTCRおよびiTCR細胞を示している。CD56+細胞をγδTCRとiTCRのスキャッタグラム上に示している (左) 。CD56+細胞の51%はγδTCRとiTCRの両方について陽性である。次に、γδTCR+ iTCR+ 象限(AVM_NKT)をCD16とNKp44の発現について評価した (右) 。CD16とNKp46は、AVM_NKT細胞のほぼ100%で発現されて、活性化状態を示していた。
【0064】
【
図15】101-001のAVM_NKT細胞のサイズ (FSC) および複雑性 (SSC) 散布図。1時間かけてIV注入された6 mg/kg AVM0703 (DP) 注入の1時間後、全血を採取し、AVM Biotechnologyに常温輸送した。血液を、室温の暗所で15分間に基づくパネル抗体で染色した。RBC溶解は、MilliQ水で希釈した1X BD FACS溶解溶液 (BD Bioscience) 1 mLの添加により、室温の暗所で10分間行った。サンプルを2 mLの1X DPBS CMF (Gibco) で洗浄し、300uLの1X DPBS CMFに再懸濁した後、生/死細胞決定のために5 uLの7AAD (Biolegend) を各サンプルに添加し、室温の暗所で5分間インキュベートした。250 uLのサンプルが、Macsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でのデータ取得のために取り込まれた。生白血球を、ガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを共発現するCD56+細胞についてゲートし、前方対側散乱図において赤色で標識した。赤色標識された細胞は、好中球および大型顆粒リンパ球のような大型顆粒細胞が入ることが知られている前方対側方スキャッタグラム内に入っている。
【0065】
【
図16】患者101-001のCD56+γδTCR+invTCR+細胞のフローサイトメトリーデータ。左上スキャッタグラム:注入前;右上スキャッタグラム:注入後1時間;左下スキャッタグラム:注入後3日;右下スキャッタグラム:注入後14日。
図15について記載されているように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示すスキャッタグラム上にブロードキャストした。CD56、ガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各スキャッタグラムの右上象限に見出される。この患者は、AVM0703 6 mg/kg注入の14日後に、有意な数のCD56+gdTCR+invTCR+細胞 (79細胞/マイクロリットル血液) の証拠を示した。
【0066】
【
図17】患者103-002のCD56+γδTCR+invTCR+細胞のフローサイトメトリーデータ。左上散布図:注入前;右上散布図:注入後1時間;左下散布図:注入後3日;右下散布図:注入後14日。
図15に記載されているように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示す散布図上にブロードキャストした。CD56およびガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各散布図の右上象限に見出される。この患者は、循環CD56+gdTCR+invTCR+細胞のベースラインエビデンス(89細胞/マイクロリットル)を有しており、腫瘍環境がこれらのNKT様細胞を誘導し動員することができるという腫瘍担持マウスにおける観察と一致していた。6 mg/kg投与の3日後、これらのCD56+gdTCR+invTCR+細胞は、366細胞/マイクロリットルの循環レベルに達した。
【0067】
【
図18】患者103-005のCD56+γδTCR+invTCR+細胞のフローサイトメトリーデータ。左上の散布図:注入前;右上の散布図:注入後1時間;下:注入後3日。
図15に記載したように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示すスキャッタグラム上にブロードキャストした。CD56、ガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各スキャッタグラムの右上象限に見出される。9 mg/kgの注入の1時間後に、ベースラインCD56+gdTCR+invTCR+細胞 (347細胞/μL) は、22細胞/μLに有意に減少した。これは、9 mg/kgのDPに反応して循環細胞が活性化され、腫瘍ホーミングしたことを示唆しており、これはこの患者における腫瘍フレアの臨床的観察と一致しており、また、腫瘍環境はこれらのNKT様細胞の産生を誘導することができるが、これらの細胞を最適に活性化し腫瘍細胞にホーミングさせて根絶させるためには、リン酸デキサメタゾンその他のグルココルチコイドが必要であるという、A20リンパ腫を有するマウスにおける観察と一致している。
【0068】
【
図19】患者108-001の初回注入についてのCD56+γδTCR+invTCR+細胞のフローサイトメトリーデータ。左上の散布図:注入前;右上の散布図:注入後1時間;下:注入後3日。
図15に記載されているように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示す散布図上にブロードキャストした。CD56、ガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各散布図の右上象限に見出される。9 mg/kg AVM0703注入の一時間後、血中のCD56+gdTCR+iTCR+細胞は、ベースラインから約20倍増加し (5.8から112細胞/uL) 、3日目にも上昇したままであった (36細胞/uL) 。この患者は、AVM0703注入後3日目に視力の回復を伴う有意な臨床反応を示した。
【0069】
【
図20】患者108-003のCD56+γδTCR+invTCR+細胞のフローサイトメトリーデータ。左上散布図:注入前;右上散布図:注入後1時間;左下散布図:注入後3日;右下散布図:注入後14日。
図15に記載されているように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示す散布図上にブロードキャストした。CD56、ガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各散布図の右上象限に見出される。CD56+γδTCR+invTCR+細胞は、ベースライン時の24細胞/マイクロリットル血液から、12 mg/kg注入後14日で94細胞/マイクロリットルにまで経時的に増加した。この患者は、腫瘍フレア反応および頸部リンパ節への劇的な免疫ホーミングを示した。これらのリンパ節は、14日目に入院を必要とした咽頭炎の病変部位であった。この患者の臨床反応およびフローサイトメトリーによるCD56+γδTCR+invTCR+細胞の検出は、腫瘍部位へのこれらの細胞の優先的ホーミングと符合する。
【0070】
【
図21】患者108-004のCD56+γδTCR+invTCR+細胞のフローサイトメトリーデータ。左上の散布図:注入前;右上の散布図:注入後1時間;下:注入後3日。
図15に記載されているように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示す散布図上にブロードキャストした。CD56およびガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各散布図の右上象限に見出される。患者108-004はいずれの時点においてもCD56+γδTCR+invTCR+細胞の証拠を示さず、6 mg/kg以上の急性高用量DPで処置されて、抗腫瘍活性がこれらのNKT様細胞の誘導および動員によって媒介されていることと符合する処置への臨床反応を有さなかった唯一の患者である。
【0071】
【
図22】患者108-002のCD56+γδTCR+invTCR+細胞のフローサイトメトリーデータ。左上の散布図:注入前;右上の散布図:注入後1時間;左下の散布図:注入後3日;右下の散布図:注入後14日。
図15に記載のように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示す散布図上にブロードキャストした。CD56、ガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各散布図の右上象限に見出される。
【0072】
【
図23A-C】見かけ上健康な血液ドナーからのγδTCR+ invTCR+ 二重特異的CD56+細胞の散布図。12人の健康な血液ドナーについての総CD56+ WBCからのγδTCR+iTCR+細胞の散布図を示す。
図15に記載されているように全血を処理し、サンプルをMacsquant 16フローサイトメーター(Miltenyi、シリアル番号40150)でデータ取得した。生きた白血球をCD56+細胞についてゲートし、次いで、これらのCD56+細胞を、ガンマデルタTCR対インバリアントTCR染色を示す散布図上にブロードキャストした。CD56、ガンマデルタTCRおよびインバリアントTCRを発現する細胞は、各散布図の右上象限に見出される。一部の「健康な」血液ドナーは、CD56+γδTCR+invTCR+細胞の循環レベルを有するが、これは、これらの細胞を全く有さないナイーブマウスとは対照的である。ナイーブマウスは、本質的に病原体フリーの状態で維持され、感染を有さないが、「健康な」血液ドナーはそうではなく、これらのNKT様細胞の発現を誘導した無症候性もしくは未診断の感染、または自己免疫疾患もしくはがんを有している可能性がある。
【0073】
【
図24】AVM0703は、γδTCR+ invTCR+ 二重特異的CD56+細胞のヒト化マウス血液中への動員を誘導する。AVM0703は、CD56+TCRγδ+ (hCD45+細胞の12%) を誘導し、これはCD16+であり活性化状態を示唆する (マウス10 Taconic NOG-EXL) 。マウス白血球をLIVE集団についてゲートし、次にヒトCD45+細胞についてゲートする。他の実験から新規AVM-NKT細胞を含む集団であることが同定されたヒトCD45+dim細胞(左上の図、青で標識して囲っている)を、CD56およびgdTCRの散布図にブロードキャストしている (右上の図) 。CD56+gdTCR+ 細胞は右上の象限にある。青色で着色されたヒトCD45+dim細胞のほとんどすべては、CD56+gdTCR+の右上象限にある。次いで、ヒトCD45+dim、CD56+、gdTCR+細胞を、CD8 (左下の図) およびCD16 (右下の図) 発現に関する平均蛍光強度 (MFI) のヒストグラム上で青色で同定している。80%以上の細胞がCD8陽性であり、これは細胞傷害性細胞型を示し、またCD16陽性であり、これは活性化細胞型を示す。
【0074】
【
図25】>18 mg/kg AVM0703 HEDは、hCD45+細胞の2~12%の二重特異的免疫細胞動員を誘導する(上図:マウスM5 5.14%;下図マウスM7 2.37%;CRL-NCGヒト化マウス)。白血球を、LIVE細胞について、次いでヒトCD45+細胞についてゲートし、次いで、CD56およびgdTCR発現についての散布図にブロードキャストされている (左側の図) 。hCD45+、CD56+、gdTCR+細胞は、右上の象限に見出され、赤色で標識されている。次いで、ヒトCD45+CD56+gdTCR+細胞は、インバリアントTCRについてのMFIを示すヒストグラム上にブロードキャストされている (右側の図) 。これらの細胞の97%以上がインバリアントTCRも発現している。
【0075】
【
図26】>18 mg/kg AVM0703 HEDは、hCD45+細胞の2~12%の二重特異的免疫細胞の動員を誘導する(上図:マウスM1 3.35%;下図マウスM3 4.13%;CRL-NCGヒト化マウス)。白血球をLIVE細胞についてゲートし、次いでヒトCD45+細胞についてゲートし、次いで、CD56およびgdTCR発現についての散布図にブロードキャストしている (左側の図) 。hCD45+、CD56+、gdTCR+細胞は、右上の象限に見出され、赤色で標識されている。次いで、ヒトCD45+CD56+gdTCR+細胞は、インバリアントTCRについてのMFIを示すヒストグラム上にブロードキャストされている (右側の図) 。これらの細胞の97%超がインバリアントTCRも発現している。
【0076】
【
図27】AVM0703はヒト化マウスにおいてγδTCR+invTCR+二重特異的活性化CD56+骨髄細胞を誘導する。>18 mg/kg AVM0703 HED処置ヒト化マウスは、骨髄においてhCD45+細胞の0.3~8.5%の二重特異的免疫細胞を有している(上図:マウスM90;下図マウスM88;Taconic-NOG-EXLヒト化マウス)。二重特異的γδTCR+invTCR+細胞の約90%はCD16+であり、活性化状態を示している。左上図でiTCDはiTCRである。骨髄細胞をLIVE細胞についてゲートし、次にCD56発現ヒトCD45+細胞をgdTCRおよびinvTCR発現についての散布図にブロードキャストしている (左図) 。次にヒトCD45+CD56+gdTCR+invTCR+細胞を、CD16についてのMFIを示すヒストグラム上にブロードキャストしている (右図) 。これらの細胞の約90%がCD16を発現し、活性化状態を示している。
【0077】
【
図28】AVM0703は、ヒト化マウスにおいてγδTCR+invTCR+二重特異的活性化CD56+骨髄細胞を誘導する。>18 mg/kg AVM0703 HED処置ヒト化マウスは、骨髄中にhCD45+細胞の0.3~8.5%の二特異的免疫細胞を有する(上図:マウスM5;下図マウスM7;CRL-NCGヒト化マウス)。二重特異的γδTCR+invTCR+細胞の約90%はCD16+であり、活性化状態を示している。骨髄細胞をLIVE細胞についてゲートし、次にCD56発現ヒトCD45+細胞を、gdTCRおよびinv TCR発現についての散布図にブロードキャストしている (左側の図) 。次に、ヒトCD45+CD56+gdTCR+invTCR+細胞を、CD16についてのMFIを示すヒストグラム上にブロードキャストしている (右側の図) 。これらの細胞の約90%がCD16を発現し、活性化状態を示している。
【0078】
【
図29】AVM0703はヒト化マウスにおいて骨髄系細胞産生を誘導する。二匹のプラセボマウス (上のプロット) と一匹のAVM0703投与マウス (下のプロット) から得られた、AVM0703またはプラセボの初回用量後のデータを示す。左上:M12プラセボマウス;右上:M90プラセボマウス;下:M88 32 mg/kg AVM0703処置マウス。前方および側方散布図を示しており、リンパ球は散布図上で丸で囲んでいる。プラセボ処置ヒト化マウス (上図) では、非リンパ球細胞がランダムに出現し、明確な集団事象は認められない。AVM0703投与マウス (下側のプロット) は、初回用量後に、リンパ球集団よりも高い側方散乱を示す、明確な非リンパ球集団の証拠を有している。
図30に示すような反復用量は、この非リンパ球集団をさらに誘導し、これは骨髄細胞および大型顆粒リンパ球で予想されるシグナルと同様の前方対側方散乱シグナルを有している。
【0079】
【
図30】AVM0703はヒト化マウスにおいて骨髄細胞産生を誘導する。2回目のAVM0703またはプラセボ用量後の、二匹のプラセボマウス (上のプロット) および一匹のAVM0703処置マウス (下のプロット) のデータを図示している。左上:M12プラセボマウス;右上:M90プラセボマウス;下:M88 32 mg/kg AVM0703処置マウス。反復用量により、AVM0703投与マウスでは非リンパ球集団がさらに誘導され、これは骨髄細胞および大顆粒リンパ球で予想されるシグナルと同様の前方散乱シグナル対側方散乱シグナルを有している。
【0080】
【
図31】ヒト化マウスは、大部分ヒトリンパ球細胞を有している。M12プラセボマウスでは、初回用量後のリンパ球は大部分がヒトCD45+ (上プロット) であり、少数の骨髄細胞は大部分がmCD45+ (下プロット) である。プラセボ処置マウスについての前方対側方散乱図が示されており、ヒト化マウスではリンパ球は大部分がヒトCD45+ (上プロットで緑色に標識されている) であり、少数の骨髄細胞は大部分がmCD45+ (下プロットで赤色に標識されている) であることが示されている。
【0081】
【
図32】AVM0703投与はヒト化マウスにおいて骨髄細胞産生を誘導する。M12プラセボ:マウスリンパ球はマウス総WBCの13%である (左上);ヒトリンパ球はヒト総WBCの60%である (右上);総リンパ球は総WBCの45%である。
【0082】
【
図33】AVM0703投与はヒト化マウスにおいて骨髄系細胞の産生を誘導する。M90プラセボ:マウスリンパ球は総WBCのわずか12.5%である;ヒトリンパ球は総ヒトWBCの31.5%である;総リンパ球は総WBCの30%である。
【0083】
【
図34】AVM0703投与はヒト化マウスにおいて骨髄系細胞の産生を誘導する。M88 AVM0703:マウスリンパ球は総WBCのわずか5.7%である;ヒトリンパ球は総ヒトWBCの58%である;総リンパ球は総WBCの32%である。この図のデータは、プラセボ処置ヒト化マウスと比較してAVM0703投与後には、総リンパ球集団が総WBCの約45%から約32%に減少することを示している。骨髄細胞産生の誘導は、リンパ球であるWBCのパーセンテージを減少させる。
【0084】
【
図35】AVM0703投与は、ヒト化マウスにおいて骨髄細胞産生を誘導する。M01 AVM0703:マウスリンパ球は全WBCのわずか6.7%である;ヒトリンパ球は全ヒトWBCの67%である;総リンパ球は全WBCの35%である。この図のデータは、プラセボ処置ヒト化マウスと比較してAVM0703投与後には、総リンパ球集団が全WBCの約45%から全WBCの約35%に減少することを示している。骨髄系細胞産生の誘導は、リンパ球であるWBCのパーセンテージを減少させる。
【0085】
【
図36】AVM0703投与は、ヒト化マウスにおいて骨髄系細胞産生を誘導する。M03 AVM0703:マウスリンパ球は全WBCのわずか23.7%である;ヒトリンパ球は全ヒトWBCの47%である;総リンパ球は全WBCの40%である。この図のデータは、プラセボ処置ヒト化マウスと比較してAVM0703投与後には、総リンパ球集団が全WBCの約45%から全WBCの約40%に減少することを示している。骨髄細胞産生の誘導は、リンパ球であるWBCのパーセンテージを減少させる。
【0086】
【
図37】AVM0703投与は、ヒト化マウスにおいて骨髄細胞産生を誘導する。M05 AVM0703:マウスリンパ球は全WBCのわずか2.0%である;ヒトリンパ球は全ヒトWBCの50.1%である;総リンパ球は全WBCの20.9%である。この図のデータは、プラセボ処置ヒト化マウスと比較してAVM0703投与後には、総リンパ球集団が全WBCの約45%から全WBCの約21%に減少することを示している。骨髄系細胞産生の誘導は、リンパ球であるWBCのパーセンテージを減少させる。
【0087】
【
図38】AVM0703投与は、ヒト化マウスにおいて骨髄系細胞産生を誘導する。M07 AVM0703:マウスリンパ球は全WBCのわずか20.4%である;ヒトリンパ球は全ヒトWBCの58.2%である;全リンパ球は全WBCの41.9%である。
【0088】
【
図39】AVM0703投与はヒト化マウスにおいて骨髄細胞産生を誘導する。M10 AVM0703:マウスリンパ球は全WBCのわずか5.2%である;ヒトリンパ球は全ヒトWBCの37.5%である;総リンパ球は全WBCの28.1%である。この図のデータは、プラセボ処置ヒト化マウスと比較してAVM0703投与後には、総リンパ球数が全WBCの約45%から全WBCの約30%に減少することを示している。骨髄系細胞産生の誘導は、リンパ球であるWBCのパーセンテージを減少させる。
【0089】
【
図40】AVM0703処置マウス由来のACT AVM-NKT細胞は、AVM0703でプレコンディショニングされたマウスの腫瘍(tumor) (左上) および脾臓(spleen) (右上) における生存MOPC315細胞の総数を有意に減少させた。AVM0703プレコンディショニング後のACTは、血液(blood) (左下) および骨髄(bone marrow) (右下) における生存MOPC315細胞の減少傾向も示した。シングルセル処理およびフローサイトメトリー (CD138+CD4+) 後に分析したbalb/cマウスの皮下 (左上) 腫瘍、 (右上) 脾臓、 (左下) 骨髄および (右下) 血液における異なる群の生存MOPC315細胞分布を示す。細胞レシピエント群 (n=8) は、養子細胞移植 (ACT) の48時間前に18 mg/kg HEDのAVM0703 (強制経口投与) でプレコンディショニングされた。49匹のナイーブドナーbalb/cマウスに45 mg/kgのAVM0703を経口投与し、ACTのために二重特異的γδTCR+invTCR+NKT様細胞を誘導した。一方、8匹のナイーブドナーbalb/cマウスには、ACT(マウスあたり330万個の脾細胞を静脈内投与;AVM0703またはプラセボ投与マウスからの脾臓細胞をそれぞれプールした)の96時間前にプラセボ(Placebo)を経口投与した。群名の最初の部分はプレコンディショニング (PC) 受容群を示し、2番目の部分はドナー細胞がAVM0703マウス由来かプラセボ由来かを示している(例えば、AVM18 PC-AVM ACTは、ACTの48時間前に18 mg/kgのAVM0703でプレコンディショニングされ、収穫の96時間前に1x 45 mg/kgを投与したマウスからの脾細胞を静脈内投与した群である)。すべてのマウスはACT後約18時間に屠殺した。プレコンディショニング時の平均腫瘍体積は約130 mm
3であった。(*) P<0.05(Kruskal-Wallis検定―各群を「Placebo PC-Placebo ACT群」と比較)。AVM0703処置マウス由来のACT細胞は、AVM0703でプレコンディショニングしたマウスの腫瘍および脾臓における生存MOPC315細胞の総数を有意に減少させた。さらに、減少は統計的に有意ではなかったが、AVM0703プレコンディショニングに続くプラセボ処置マウス由来細胞のACTは、生存MOPC315細胞の減少の傾向を示したが、これはMOPC315接種マウスにおいて内因性の二重特異的NKT様細胞を誘導/動員するAVM0703プレコンディショニングの能力に基づいて予測されたことである。結果は統計的に有意ではなかったが、AVM0703でプレコンディショニングした後にACTを行うと血液および骨髄においても生存MOPC315が減少する傾向が示された。
【0090】
【
図41】患者103-007 (マントル細胞リンパ腫) 。絶対的リンパ球数 (ALC) は、ベースラインでリンパ球増加症を有していた一人の患者においてのみ、AVM0703によりリンパ球が減少したことを示している。
【0091】
【
図42】患者103-007において、単球(monocytes)、血小板(platelets)、ヘマトクリット(hematocrit)およびRBCはAVM0703投与後に減少しなかった。
【0092】
【
図43】超薬理学的用量に相当する濃度でGCR活性化の欠如を示すEx Vivo/In VitroデキサメタゾンCRC。マウス全血 (WB) および脾細胞 (spl) を、増加していく複数の濃度のデキサメタゾン塩基と6時間インキュベートし、次いで、Viobility(商標)(Miltenyi Biotec) およびeBioscience(商標)Calcein AM Viability Dye (Invitrogen, ThermoFisher Scientific)を用いて生/死細胞について共染色した後、CBC分析 (WB) またはフローサイトメトリー (spl) によって細胞数 (WB) またはアポトーシス (spl) を測定した。
【発明を実施するための形態】
【0093】
本開示は、ナチュラルキラーT細胞様細胞(NKT様細胞)の集団を生成/活性化/動員する方法、このような方法によって生成された単離されたNKT様細胞または単離されたNKT様細胞の集団、およびNKT様細胞が対象において誘導されるか、または対象に投与される処置の方法に関する。本開示は、高用量のグルココルチコイド受容体モジュレート剤、例えば、グルココルチコイドデキサメタゾンは、インバリアントTCR(iTCR+)も発現するγδナチュラルキラーT様細胞(CD56+γδTCR+)の生成および動員を誘導できるという著者らの発見に基づいている。これらの新規に発見された細胞およびこれらの細胞の集団は、本明細書においてナチュラルキラーT細胞様細胞(NKT様細胞)と呼ばれるが、例えば、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、CD56+γδTCR+iTCR+NKT細胞、またはAVM-NKT細胞と呼ばれる場合もある。本明細書で使用される場合、「細胞の集団」という用語は、同様の特性を共有する細胞の収集物または群、例えば、表面タンパク質の発現の特徴的なパターンを共有する複数の細胞の収集物または群を指す場合がある。例として、細胞の集団は、すべてCD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現する細胞の群または収集物を指す場合がある。
【0094】
本明細書で使用される場合、このような細胞を「動員する」ことは、リンパ器官/組織(例えば、胸腺および脾臓)から全身循環へのこれらの移動(次いで、他の部位、例えば、腫瘍部位へ移動する場合がある)を促進することを意味する場合がある。開示された方法は、上記の態様のうち複数を含み得る。例えば、本開示の方法は、胸腺および/または脾臓および/または骨髄において本明細書に記載されるようなNKT様細胞の集団の生成を誘導し得る、ならびに胸腺および/または脾臓および/または骨髄から本明細書に記載されるようなNKT様細胞の集団を動員し得る。
【0095】
本明細書に開示されるように、NKT様細胞の集団を生成する方法は、対象にグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤を投与することを含む。ICAM3モジュレート剤は、対象においてICAM3シグナル伝達を活性化する、またはICAM3脱落を引き起こしてNKT様細胞が誘導されるようにする可能性がある。グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤は、対象においてNKT様細胞の集団を誘導する。グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤は、対象においてNKT様細胞の集団を動員し得る。
【0096】
また、開示された方法によって生成され得る、単離されたNKT様細胞の集団および単離されたNKT様細胞も開示される。
【0097】
開示されたNKT様細胞は、それらが発現する表面タンパク質のパターンによって特徴付けることができる。一部の実施形態では、開示されたNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現し得る。一部の実施形態では、開示されたNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現し得る。一部の実施形態では、開示されたNKT細胞は、CD4を発現しない場合がある。
【0098】
一部の実施形態では、NKT様細胞は、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現する。
【0099】
一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD16を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現する。
【0100】
一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD16およびNKp44を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現する。
【0101】
一部の実施形態では、NKT様細胞は、TCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、TCRアルファ/ベータおよびCD16を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、TCRアルファ/ベータ、CD16およびNKp44を発現する。
【0102】
一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44およびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19およびCD45を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19、CD45およびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14およびCD19を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、CD19およびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、TCRアルファ/ベータおよびCD8を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD8を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD8およびCD3を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、CD34およびICAM3を発現する。一部の実施形態では、NKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、CD34、ICAM3およびNKp44を発現する。
【0103】
開示されたNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、上記で概説されたマーカーまたはマーカーの組合せを発現することを特徴とする場合がある。
【0104】
したがって、開示されたNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現することを特徴とする場合がある。開示されたNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする場合がある。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD4を発現しないことを特徴とする場合がある。
【0105】
一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団が、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とする。
【0106】
一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD16を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現することを特徴とする。
【0107】
一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD16およびNKp44を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD16を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現することを特徴とする。
【0108】
一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、TCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、TCRアルファ/ベータおよびCD16を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、TCRアルファ/ベータ、CD16およびNKp44を発現することを特徴とする。
【0109】
一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44およびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19およびCD45を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD19、CD45およびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14およびCD19を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、CD19およびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、TCRアルファ/ベータおよびCD8を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびCD8を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD8およびCD3を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、CD34およびICAM3を発現することを特徴とする。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、CD34、ICAM3およびNKp44を発現することを特徴とする。
【0110】
細胞上での表面タンパク質の発現は、当業者に周知の技術、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、磁気活性化細胞選別(MACS)またはフローサイトメトリー技術を使用して容易に決定できる。フローサイトメトリーは、蛍光タグが付けられた抗体が結合した細胞から散乱される光特性を使用して、目的の表面タンパク質を発現する細胞を同定する。フローサイトメトリーによって、細胞が目的のタンパク質を発現しているか否かを決定できるだけでなく、蛍光の強度に基づいて細胞によって発現されるタンパク質の量も示すことができる。フローサイトメトリーの読み取りにおいて、本明細書で使用される場合、「+」(または「陽性」)は、所与の表面タンパク質の発現を示し、「-」(または「陰性」)は、所与の表面タンパク質の発現がないことを示し、「+/-」は、所与の表面タンパク質の二峰性発現を示す。「bright」(high」または「++」ということもある)、「dim」(「低」ということもある)、および「moderate」などの発現は、特定の細胞表面タンパク質の相対量を示すために使用される。
【0111】
[CD3]
CD3(表面抗原分類3)は、T細胞共受容体であり、細胞傷害性T細胞(CD8+ナイーブT細胞)およびヘルパーT細胞(CD4+ナイーブT細胞)を活性化するのに役立つ。CD3はT細胞活性化に必要であるので、それを標的とする薬物(例えば、モノクローナル抗体)は、1型糖尿病および他の自己免疫疾患の免疫抑制療法(例えば、オテリキシズマブ)として調査されている。本発明のNKT様細胞は、活性化後にCD3発現を失う(T細胞活性化の公知の現象。例えば、Valle et al, J Immunol. 2015 Mar 1;194(5):2117-27を参照されたい)、したがって、CD3蛍光強度(例えば、細胞がCD3+/dimであるか、CD3+/brightであるか)は、細胞が活性化されているか否かに応じて変わり得る。
【0112】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD3を発現する。一部の実施形態では、本開示のNKT細胞は、CD3+/dimである。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%は、CD3を発現し得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%は、CD3+/dimであり得る。一部の実施形態では、本開示のNKT細胞は、CD3+/brightである。一部の実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%は、CD3+/brightであり得る。
【0113】
[CD4]
CD4(表面抗原分類4)は、ヘルパーT細胞および単球を含む免疫細胞の表面で見出される糖タンパク質である。CD4は、T細胞受容体(TCR)の共受容体であり、抗原誘導性T細胞活性化のために抗原提示細胞との情報交換において補助する。CD4の架橋は、Fasリガンド経路を介してT細胞アポトーシスを誘導することができる。
【0114】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD4を発現しない。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD4を発現しない場合がある。
【0115】
[CD8]
CD8(表面抗原分類8)は、T細胞受容体(TCR)の共受容体として働く膜貫通糖タンパク質である。細胞傷害性T細胞の表面上で主に発現されるが、ナチュラルキラー細胞上でも発現される。T細胞上では、T細胞-抗原相互作用およびT細胞シグナル伝達において役割を果たす。
【0116】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD8を発現する。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD8+/dimである。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD8+/moderateである。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD8+/brightである。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%は、CD8を発現し得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%は、CD8+/dimであり得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%は、CD8+/moderateであり得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%は、CD8+/brightであり得る。
【0117】
[CD14]
CD14(表面抗原分類14)は、自然免疫系の一部としてマクロファージによって主に発現されるタンパク質である。リポ多糖類に結合することによって身体において細菌を検出するために役立ち、最初に記載されたパターン認識受容体であった。
【0118】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD14を発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD14を発現し得る。
【0119】
[CD19]
CD19(表面抗原分類19、Bリンパ球抗原CD19、Bリンパ球表面抗原B4、T細胞表面抗原Leu-12およびCVID3としても知られる)は、すべてのB系統細胞において発現される膜貫通タンパク質である。ヒトB細胞では、細胞質シグナル伝達タンパク質を細胞膜に補充するアダプタータンパク質として作用し、また、CD19/CD21複合体内で、B細胞受容体シグナル伝達経路の閾値を低下させるように働く。
【0120】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD19を発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD19を発現し得る。
【0121】
[CD34]
CD34(表面抗原分類34)は、細胞間接着因子として機能し、T細胞がリンパ節に入るために必要である細胞表面糖タンパク質である。CD34を発現する細胞は、普通、造血性細胞として臍帯および骨髄において、または血管の内皮前駆体細胞、内皮細胞において見出されるが、リンパ管(胸腔リンパ管を除く)、間質および皮膚の真皮の付属器中の肥満細胞、樹状細胞の亜集団(第XIIIa因子陰性である)ならびに軟部組織腫瘍中の細胞では見出されない。
【0122】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD34を発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD34を発現し得る。
【0123】
[CD45]
CD45(表面抗原分類45、タンパク質チロシンホスファターゼ、受容体型、PTPRCとしても知られる)は、T細胞およびB細胞抗原受容体シグナル伝達の必須レギュレーターおよびすべての白血球細胞のマーカーである。CD45発現は、TCRによるT細胞活性化にとって必須である。CD45は、CD26の受容体であり得る。
【0124】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD45を発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD45を発現し得る。
【0125】
CD45は、CD45の任意のアイソフォーム、例えば、CD45RA、CD45ROおよび/またはCD45RABC(CD45Rとしても知られる、B220としても知られる)であり得る。
【0126】
[CD56]
CD56(表面抗原分類56、神経細胞接着分子、NCAMとしても知られる)は、ニューロン、グリアおよび骨格筋の表面上で発現される同種親和性結合性糖タンパク質である。CD56発現は、ナチュラルキラー細胞と関連している。
【0127】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56を発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56を発現し得る。
【0128】
[ICAM3]
ICAM-3(細胞間接着分子3、CD50としても知られる)は、リンパ球、単球、好酸球および好中球(ならびに細気管支上で、およびリンパ腫細胞および一部の黒色腫、肉腫および他のがん細胞によって)によって発現される。
【0129】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、ICAM3を発現する。本開示のNKT細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、ICAM3を発現し得る。
【0130】
[主要組織適合性複合体;MHC]
【0131】
MHCは、1936年にGorer and Snell et alによって発見された。マウスを用いるそれらの皮膚移植実験によって、自己および非自己認識が遺伝的背景に応じて異なることが明らかとなった。Sell et alは、自己/非自己を決定するマウス遺伝子の群を組織適合性-2(H-2)と名付けた。MHCのゲノム遺伝子座は、MHC古典的クラスIおよびクラスII分子(抗原)として知られる多型細胞膜結合型糖タンパク質をコードし、これは断片化されたタンパク質のペプチドをそれぞれ、循環細胞傷害性およびヘルパーTリンパ球に提示することによって免疫応答を調節する。古典的MHCクラス1タンパク質は、HLA-A、HLA-BおよびHLA-Cとして細分されている(その全体で参照により本明細書に組み込まれるNakamura et al, 2019)。他方、HLA-E、HLA-F、HLA-G、MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA)およびFcRn等は、非古典的MHCクラスIとして分類されている。
【0132】
MHC古典的クラスI分子は、ほとんどの組織において発現され、それらはb2-ミクログロブリンと非共有結合的に会合して、細胞内でプロセシングされたペプチド抗原(8~11アミノ酸の長さである)を特定のCD8+T細胞のT細胞受容体に対して提示して、その活性化および/または細胞傷害性を誘導する(その全体で参照により本明細書に組み込まれる、Shiina et al 2016)。プロセシングされたペプチドは、細胞自身のプロテオームから、または外来の細胞内病原体から生じ得る。成熟樹状細胞は、MHCクラスIシステムを使用してエンドサイトーシスによって捕捉された抗原に由来するペプチド提示する。このプロセスは、交差提示と呼ばれ、末梢リンパ器官における特定のT CD8+リンパ球の応答の開始において重大な役割を果たす(Shiina et al)。さらに、MHC古典的クラスIタンパク質は、細胞傷害性T細胞およびナチュラルキラー細胞の細胞傷害活性を調節するキラー細胞免疫グロブリン様受容体ならびに骨髄性単球および他の白血球系統で発現される白血球免疫グロブリン様受容体のリガンドとして作用し得る。古典的クラスI抗原とは対照的に、古典的クラスII抗原は、免疫系のCD4+ヘルパーTリンパ球への、リンパ球系細胞の表面上での外因性ペプチド(15~25個のアミノ酸長)の提示に特殊化したヘテロ二量体構造を形成する。クラスII遺伝子発現は、主に、リンパ球系細胞、例えば、B細胞、単球、マクロファージ、内皮細胞、樹状細胞および活性化されたT細胞に制限されている。MHCクラスIIタンパク質は、HLA-DR、HLA-DPおよびHLA-DQとして同定される。MHCクラスII遺伝子には、α鎖をコードするHLA-DRA1、HLA-DQA1、HLA-DPA1、β鎖をコードするHLA-DRB1、HLA-DRB3、HLA-DRB4、HLA-DRB5(HLA-DRB3/4/5)、HLA-DQB1およびHLA-DPB1が含まれる。HLA-DRA1は、HLA-DRB1またはHLA-DRB3/4/5(Nakamura et al)とヘテロ二量体を形成する。同様に、HLA-DQA1およびHLA-DPA1はまた、それぞれ、HLA-DQB1およびHLA-DPB1と会合する。HLA-DRは、抗原基に応じてDR1、DR51、DR52、DR53およびDR8からなる5群に分けられる。DR1およびDR8群は両方とも、発現された遺伝子としてDRB1のみからなる。他方、DR51、DR52およびDR53群は、共通してDRB1を含有し、さらに、それぞれ発現された遺伝子として、遺伝子重複によってDRB1遺伝子から生成されると考えられているDRB5、DRB3およびDRB4からなる(Nakamura et al)。
【0133】
古典的クラスIおよびクラスII遺伝子は両方とも、おそらくは抗原提示能力の個体間変動性を保ち、種が、種々の感染性病原体からの自然淘汰圧から防御し、生き延びることに役立つために、高度に多型であることが多い。非古典的クラスIおよびクラスII抗原は、その古典的クラスIまたはクラスII対応物と構造が類似しているが、普通、あまり多型ではなく、可変のまたは制限された組織発現および古典的クラスIまたはクラスII抗原のものとははっきりと異なっていることが多い機能を有する。さらに、いくつかの非古典的MHCクラスI遺伝子は、MHCの外側に位置する(Shiina et al)。
【0134】
HLA複合体(例えば、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DR、HLA-DQおよびHLA-DP)の遺伝子座は、多数の多型を有し、そのため、組合せ(ハプロタイプ)は非常に大きい。しかし、MHCは、強い連鎖不平衡を示し、これは複数の遺伝子座における対立遺伝子の非ランダムな会合の出現である。MHC領域におけるこの連鎖不平衡は、MHCの各遺伝子座の特定の組合せを引き起こすことが多い。同一染色体上に2つの遺伝的多型性が存在する場合には、2つの多型は連鎖性と分類される(Nakamura et al)。遺伝子組換えが生物学的に従来の方法で生じたことを考慮すると、別々の部位での多型を連鎖性状態にあると決定することはできない。しかし、連鎖不平衡は、別個の部位での多型の情報に基づいてある特定の遺伝子多型を極めて高い確率で予測できる状態である。MHCでは、遺伝子座は、6番染色体の狭い領域中に濃縮されており、そのため、各遺伝子間の組換えが起きる可能性は低い。したがって、HLA-A、HLA-B、HLA-CおよびHLA-DRB1などの遺伝子は、連鎖不平衡状態で遺伝されることが多い。HLA遺伝子多型分析が進行するにつれ、特定の民族において頻繁に見出される特定の疾患と関連するハプロタイプが解明された。これらの民族特異的ハプロタイプは、民族を形成するプロセスに関与していると考えられている。したがって、これらのハプロタイプは、民族のルーツを探すためによく使用されている。
【0135】
ヒトでは、MHC古典的クラスI遺伝子は、造血性幹細胞移植後の臓器移植拒絶および移植片対宿主病において臨床的に関与している。HLAクラスI分子と、多数の自己免疫疾患ならびに感染性疾患および薬物有害反応の間に種々の関連が証明されている。適応免疫応答の生成における重要な役割とは別に、MHCクラスI遺伝子の役割は、妊娠維持、配偶者選択および血縁識別などの生殖の種々の工程において実証された。MHCはまた、主に性的選択および近親交配を避けることのためのシステムであり、組織適合性は二次的役割を果たすと考えられてきた。MHCクラスI遺伝子産物はまた、中枢神経系発達および可塑性、神経学的細胞相互作用、シナプス機能および挙動、大脳半球の特殊化ならびに神経学的および神経医学的障害に対しても影響を及ぼす。したがって、ヒトMHCクラスI領域は、最も生物医学的に多様な、重要なゲノム領域のものである(Shiina et al)。
【0136】
[TCRガンマ/デルタ]
T細胞受容体ガンマデルタ(TCRガンマ/デルタ、TCRγδ)は、1つのγ(ガンマ)鎖および1つのδ(デルタ)鎖で構成されているT細胞受容体である。TCRガンマ/デルタを発現するT細胞(ガンマデルタT細胞)は、がん細胞ならびにがん細胞、微生物およびウイルス感染細胞および自己反応性リンパ球などのストレスを受けた細胞によって発現された脂質抗原の重要な認識装置である。ガンマデルタT細胞は、さまざまな外来物質に対して迅速な有益な応答を可能にするより進化的に原始的な自然免疫系と、BおよびT細胞が、遅いが非常に抗原特異的な免疫応答を調整し、同一抗原によるその後の曝露に対して長期持続記憶をもたらす適応免疫系の間の境界にそれらを位置付けるいくつかの特徴を示す。ガンマデルタT細胞は、TCR遺伝子を再編成して接合部の多様性をもたらし、記憶表現型を発達させることができる点で適応免疫性の成分と考えることができる。
【0137】
最も一般的なヒトガンマデルタバリアントは、血液中のVガンマ9/Vデルタ2バリアントであり、腫瘍中のVデルタ1型ガンマデルタT細胞は、予後と関連していた。CMV感染後にがんリスクを低減したVデルタ2陰性バリアントが記載されたように、Vデルタ3バリアントもまた記載されている。MHC制限的アルファベータT細胞とは対照的に、ガンマデルタT細胞は、一部のものはMHCクラスIbを認識できるが、抗原プロセシングおよびペプチドエピトープのMHC提示を必要としない。結果として、腫瘍細胞は、MHCを下方制御することによって検出を逃れることはできず、したがって、ガンマデルタT細胞はまた突然変異荷重が低い腫瘍を死滅させる同等の可能性を有し、耐性の問題によって影響を受ける可能性は低い。ガンマデルタT細胞腫瘍浸潤はまた、生存および移植片対宿主病のより低い罹患率と最も高く相関している。ガンマデルタT細胞は、種々の組織に天然にホーミングして腫瘍を検出し、アルファベータT細胞よりも同種異系の療法にとって好ましい。
【0138】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、TCRガンマ/デルタを発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、TCRガンマ/デルタを発現し得る。NKT様細胞は、デルタ1(δ1)、デルタ2(δ2)、デルタ3(δ3)またはデルタ5(δ5)デルタ鎖を含むTCRガンマ/デルタを発現し得る。すなわち、本開示のNKT様細胞は、デルタ1またはデルタ2またはデルタ3またはデルタ5陽性であり得る。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、デルタ1またはデルタ2またはデルタ3またはデルタ5陽性であり得る。
【0139】
[インバリアントTCR(iTCR)]
インバリアントTCR(iTCR)は、ヒトでは、Vβ11鎖に繋げられたVα24-Jα18鎖からなる、マウスでは、Vβ2、Vβ7またはVβ8.2鎖と優先的に対形成するVα14-Jα18鎖からなる高度に保存されたインバリアント受容体である。iTCRは、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)、従来のT細胞およびナチュラルキラー細胞両方の特徴を有する独特の自然型Tリンパ球によって発現される。これらの細胞は、腫瘍細胞を直接的に死滅させ、樹状細胞(DC)、ナチュラルキラー(NK)細胞ならびにTおよびB細胞の抗腫瘍機能をトランス活性化する。iNKT細胞活性化は一般に、糖脂質抗原を提示するCD1dによるiTCRの会合を必要とする。
【0140】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、iTCRを発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、iTCRを発現し得る。
【0141】
[TCRアルファ/ベータ]
T細胞受容体アルファベータ(TCRアルファ/ベータ、TCRαβ)は、1つのα(アルファ)鎖および1つのβ(ベータ)鎖で構成されている主なTCRヘテロ二量体である。
【0142】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、TCRアルファ/ベータを発現し得る。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、TCRアルファ/ベータを発現し得る。
【0143】
[CD16]
CD16(表面抗原分類16、FcγRIIIとしても知られる)は、活性化されたナチュラルキラー細胞上に存在する膜貫通タンパク質および細胞活性化のマーカーである。
【0144】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD16を発現し得る。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD16を発現し得る。
【0145】
[NKp44]
NKp44(表面抗原分類336としても知られる、天然細胞傷害性誘発受容体2)は、活性化されたNK細胞上で選択的に発現される細胞表面受容体および細胞活性化のマーカーである。
【0146】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、NKp44を発現する。本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、NKp44を発現し得る。
【0147】
本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現し得る。本開示のNKT様細胞は、CD4を発現しない場合がある。一部の好ましい実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現する。一部の好ましい実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD16およびNKp44を発現する。一部の好ましい実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現する。一部の好ましい実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の好ましい実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44およびTCRアルファ/ベータを発現する。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44ならびにCD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータのうち1つまたは複数を発現する。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44およびTCRアルファ/ベータならびにCD3、CD8、CD14、CD19および/またはCD45のうち1つまたは複数を発現する。
【0148】
一部の特に好ましい実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD56、TCRガンマ/デルタおよび/またはiTCRを発現する。
【0149】
本開示のNKT様細胞の集団に関連する実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とし得る。一部のこのような実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD4を発現しないことを特徴とし得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とし得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD16およびNKp44を発現することを特徴とし得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44を発現することを特徴とし得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCRおよびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とし得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44およびTCRアルファ/ベータを発現することを特徴とし得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16およびNKp44ならびにCD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータのうち1つまたは複数を発現することを特徴とし得る。一部の実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44およびTCRアルファ/ベータならびにCD3、CD8、CD14、CD19および/またはCD45のうち1つまたは複数を発現することを特徴とし得る。
【0150】
一部の特に好ましい実施形態では、NKT様細胞の集団は、NKT様細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とし得る。
【0151】
[ガンマデルタT細胞]
ガンマデルタT細胞表面マーカー特徴は、(それだけには限らないが)CD3、CD4、CD8、CD69、CD56、CD27、CD40、CD40L、CD45RA、CD45、CD83、CD16、CD16a、CD16b、ICOS、CD161、Fas、CLEC7A/デクチン-1、FasL、Eカドヘリン、IL-18Rアルファ、IL-23R、NKG2D/CD314、NKG2E、オクルディン、TKR2、TRAIL、TCR-Vg9、TCR-Vd2、TCR-Vd1、TCR-Vd3、TCR-pan g/d、NKG2D、モノクローナルケモカイン受容体抗体CCR5、CCR6、CCR7、CXCR3、CXCR4またはCXCR5またはそれらの組合せを含み得る。本発明のNKT様細胞の表面マーカー特徴は、これらのうち1つ/複数を含み得る。ガンマデルタT細胞は、(以下を含むがそれだけには限らない)CCL2/JE/MCP-1、CXCL13/BLC/BCA-1、ベータ-デフェンシン2、ベータ-デフェンシン3、アルファ-デフェンシン1、EGF、KGF/FGF-7、FGF-10、GM-CSF、グラニュライシン、グランザイムA、グランザイムB、IFN-ガンマ、IGF-I/IGF-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-12、IL-12/IL-23 p40、IL-12 p70、IL-13、IL-17/IL-17A、IL-22、IL-6/IL-6Rアルファ複合体、LAP(TGF-ベータ1)、TGF-ベータおよび/またはTNF-アルファを分泌し得る。本発明のNKT様細胞は、これらのうち1つ/複数を分泌し得る。
【0152】
本開示のNKT様細胞およびNKT様細胞の集団は、これらの細胞が、CD56、TCRガンマ/デルタおよびiTCRを発現することを特徴とし得る。TCRガンマ/デルタおよびiTCRの両方を発現する細胞を製造できるが(例えば、iTCRを用いるTCRガンマ/デルタ陽性細胞の形質導入によって)、著者らの知識の限りでは、これらは、天然に生じる(すなわち、これらのうち一方または両方が組換えによって導入されていない)とはこれまでに記載されていない。したがって、本開示のNKT様細胞は、高用量のグルココルチコイドの投与後に対象において天然に存在する、生成および/または動員される点で独特である。すなわち、本開示のNKT様細胞は、これらの一方または両方の組換え発現を必要とせず、TCRガンマ/デルタおよびiTCRの両方を発現し、製造されたγδTCR/iTCR細胞株の使用と関連する欠点を有利に避けられる点で独特である。したがって、本開示の単離されたNKT様細胞およびNKT様細胞の集団は、天然に生じると記載することができる。本開示の細胞および細胞の集団は、TCRガンマ/デルタを発現するように、トランスフェクト、形質導入またはその他の方法で遺伝子改変されていない。本開示の細胞および細胞の集団は、TCRガンマ/デルタをコードする核酸を、細胞(単数または複数)中に導入することによって改変されていない。本開示の細胞および細胞の集団は、iTCRを発現するように、トランスフェクト、形質導入またはその他の方法で遺伝子改変されていない。本開示の細胞および細胞の集団は、iTCRをコードする核酸を、細胞(単数または複数)中に導入することによって改変されていない。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、TCRアルファ/ベータを発現するように、トランスフェクト、形質導入またはその他の方法で遺伝子改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、TCRアルファ/ベータをコードする核酸を、細胞(単数または複数)中に導入することによって改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現するように、トランスフェクト、形質導入またはその他の方法で遺伝子改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現するように、トランスフェクト、形質導入またはその他の方法で遺伝子改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3をコードする核酸を、細胞(単数または複数)中に導入することによって改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータをコードする核酸を、細胞(単数または複数)中に導入することによって改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34またはICAM3を発現するように、トランスフェクト、形質導入またはその他の方法で遺伝子改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45またはTCRアルファ/ベータを発現するように、トランスフェクト、形質導入またはその他の方法で遺伝子改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34またはICAM3をコードする核酸を、細胞(単数または複数)中に導入することによって改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45またはTCRアルファ/ベータをコードする核酸を、細胞(単数または複数)中に導入することによって改変されていない場合がある。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、対象から単離できる。対象は、本明細書において別の場所で定義されるような対象であり得る。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、それらが誘導/動員された対象から単離できる。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、対象へのグルココルチコイドの投与後にそれらが誘導/動員された対象から単離できる。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、本明細書において別の場所に開示されるような方法を介してそれらが誘導/動員された対象から単離できる。一部の実施形態では、本開示の細胞および細胞の集団は、本明細書において別の場所に開示されるような方法によって生成および単離できる。
【0153】
本開示の文脈においてICAM3モジュレート剤は、ICAM3に結合し、本発明のNKT様細胞の誘導および/または動員を促進するものである。ICAM3に結合するICAM3モジュレート剤は、代わりにICAM3結合分子、ICAM3結合剤等と呼ばれる場合もある。ICAM3モジュレート剤は、ICAM3アンタゴニスト/ICAM3阻害剤であり得る、またはICAM3アゴニスト/アクチベーターであり得る。
【0154】
このようなICAM3モジュレート剤には、例えば、抗ICAM3に対して産生されたICAM3抗体またはその部分、ICAM3の小分子モジュレーター(例えば、ICAM3のアクチベーターまたは阻害剤)およびICAM3に結合するペプチド剤/タンパク質が含まれ得る。ICAM3モジュレート剤を同定する適した手段は、当技術分野で周知であろう。例えば、抗ICAM3抗体は、抗体分子のライブラリーおよびICAM3エピトープを接触させること、および前記エピトープに結合できるライブラリーの1つまたは複数の特異的抗体分子を選択することを含み得る方法によって同定できる。あるいは、これらは、公知の抗ICAM3抗体を使用する競合結合アッセイを使用して同定できる可能性があり、競合は、例えば、ELISAまたはフローサイトメトリーを使用して決定される。同様に、ICAM3の小分子モジュレーターは、放射性リガンド結合アッセイおよび機能アッセイなどの日常的なスクリーニング実験によって同定できる。
【0155】
上記ですでに記載されたように、本著者は、グルココルチコイド受容体モジュレート剤(例えば、デキサメタゾンおよび他のグルココルチコイド)のICAM3に結合し、ICAM3に対するモジュレート作用を発揮する驚くべき能力を発見した。したがって、一部の実施形態では、ICAM3モジュレート剤は、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤であり得る。一部の実施形態では、ICAM3モジュレート剤は、a グルココルチコイド、例えば、デキサメタゾンまたはベタメタゾンであり得る。ICAM3モジュレート剤は、デキサメタゾンなどのグルココルチコイドと同一のICAM3の領域に結合する分子であり得る。ICAM3モジュレート剤は、ICAM3中のSER31および/またはMET49残基との相互作用を介してICAM3に結合する分子であり得る。ICAM3モジュレート剤は、ICAM3中のTHR38、LEU40、LEU56、VAL59および/またはILE65残基との相互作用を介してICAM3に結合する分子であり得る。ICAM3モジュレート剤は、ICAM3中のPHE21、VAL22、GLU32、LYS33、TRP51および/またはALA52残基との相互作用を介してICAM3に結合する分子であり得る。ICAM3モジュレート剤は、ICAM3中のSER25、ASN23、GLU37、PHE54および/またはGLN75残基との相互作用を介してICAM3に結合する分子であり得る。ICAM3モジュレート剤は、ICAM3中のPHE21、VAL22、ASN23、SER25、SER31、GLU32、LYS33、GLU37、THR38、LEU40、MET49、TRP51、ALA52、PHE54、LEU56、VAL59、ILE65および/またはGLN75残基との相互作用を介してICAM3に結合する分子であり得る。ICAM3モジュレート剤は、抗ICAM3抗体、ICAM3の小分子モジュレーター(ICAM3のアクチベーターおよび阻害剤を含む)またはICAM3への結合についてデキサメタゾンなどのグルココルチコイドと競合するICAM3に結合するペプチド剤/タンパク質などの任意の分子であり得る。ICAM3モジュレート剤は、抗ICAM3抗体、例えば、ICR 8.1またはそのヒト化バージョンであり得る。当業者ならば、例えば、分子モデリングまたは競合結合アッセイによるなど、ICAM3の同一領域への結合を決定できる適した技術を承知している。
【0156】
本明細書で使用される場合、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤という用語には、グルココルチコイド、グルココルチコイド受容体アゴニストおよびグルココルチコイド受容体に結合する任意の化合物が含まれる。グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤、例えば、グルココルチコイドは、遺伝子発現を活性化または抑制する膜GRおよび細胞質GRの両方を介してその効果を発揮する。グルココルチコイドおよびGRモジュレート剤の望ましいリンパ枯渇性効果の一部は、膜GRまたは他のゲノム効果に加えてそれらの非ゲノム効果によって媒介されると考えられている。グルココルチコイドは、投与されたグルココルチコイドの濃度および処置の持続期間に応じてリンパ球レベルに対して変動する効果を有すると報告されている。一般に、グルココルチコイドは、慢性療法のために通常使用される低用量で、リンパ球を末梢血から骨髄中へ再分布すると報告されており、グルココルチコイドは中用量で、骨髄、脾臓および胸腺から末梢血中への白血球の再分布であると考えられる白血球増多症を引き起こすと報告されており、グルココルチコイドは高用量で、アポトーシスおよびネクロプトーシスを誘発することによってリンパ球に対してリンパ球毒性を有する。効果の持続期間はまた、用量レベルに応じて変わる;例えば、Fauci et al (1976)では、単回経口0.24mg/kgのデキサメタゾン用量が、末梢血TおよびBリンパ球を80%抑制し、12時間で回復が始まり、24時間までに正常レベルとなることが報告されている。本著者は、(国際特許出願PCT/US2019/054395において)3mg/kgまたはそれより多いデキサメタゾンの急性経口用量が、投与の24~48時間後に末梢血TおよびB細胞を低減するために必要であり、ベースラインレベルへの回復が投薬のおよそ5~14日に生じることをこれまでに実証している。
【0157】
開示された方法において使用できるグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤には、例えば、選択的グルココルチコイド受容体モジュレーター(SEGRM)および選択的グルココルチコイド受容体アゴニスト(SEGRA)が含まれる。開示された方法において利用できるグルココルチコイド、選択的グルココルチコイド受容体モジュレーターおよび選択的グルココルチコイド受容体アゴニスト(SEGRA)は、当業者には周知である。
【0158】
一部のこのようなグルココルチコイドとして、それだけには限らないが、デキサメタゾン、デキサメタゾン含有剤、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾン(methylpredisone)、プレドニゾン、コルチコン(corticone)、ブデソニド、ベタメタゾンおよびベクロメタゾンが挙げられる。他のグルココルチコイドとして、プレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロンアセトニドおよびメチルプレドニゾロンが挙げられる。
【0159】
したがって、本開示の方法の一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、グルココルチコイドであり得る。一部のこのような実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾンおよびベクロメタゾンからなる群から選択され得る。一部の好ましい実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ベタメタゾンおよびメチルプレドニゾンからなる群から選択され得る。一部の特に好ましい実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾンまたはベタメタゾンであり得る。
【0160】
本開示の方法の一部の実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、ヘミコハク酸デキサメタゾン、コハク酸デキサメタゾンナトリウム、コハク酸デキサメタゾン、イソニコチン酸デキサメタゾン、デキサメタゾン-21-アセテート、リン酸デキサメタゾン、デキサメタゾン-21-ホスフェート、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-バレレート、酢酸デキサメタゾン一水和物、ピバル酸デキサメタゾン、パルミチン酸デキサメタゾン、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオネート、プロピオン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン無水物、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオネート、デキサメタゾン-21-スルホベンゾエート、デキサメタゾンヘモサルフェート、硫酸デキサメタゾン、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフレート、デキサメタゾンカルボキシミド、シペシル酸デキサメタゾン、デキサメタゾン21-リン酸二ナトリウム塩、メシル酸デキサメタゾン、リノール酸デキサメタゾン、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、ヨード酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオデキサメタゾン、デキサメタゾンビスエトキシム(dexamethasonebisethoximes)、デキサメタゾンエポキシド、リノールアイジン酸デキサメタゾン、メチルオルト吉草酸デキサメタゾン、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、トリブチル酢酸デキサメタゾン、アスパラギン酸デキサメタゾン、デキサメタゾンガラクトピラノース、塩酸デキサメタゾン、ヒドロキシデキサメタゾン、カルボキシデキサメタゾン、デスオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメタゾン、オキソデキサメタゾン、プロピオニルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンガラクトジエ(dexamethasone galactodie)、イソニコチン酸デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブレート(dexamethasone pivlate)、デキサメタゾントリデシレート、クロトン酸デキサメタゾン、メタンスルホン酸デキサメタゾン、デキサメタゾンブチルアセテート、デヒドロデキサメタゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチルチオエーテル、ブロモ酢酸デキサメタゾン、ヘミグルタル酸デキサメタゾン、デオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンクロラムブシレート、デキサメタゾンメルファラネート、ホルミルオキシデキサメタゾン、酪酸デキサメタゾン、ラウリン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、およびデキサメタゾンの一形態を含有する任意の併用療法からなる群から選択され得る。一部の好ましい実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基またはデキサメタゾンリン酸ナトリウムであり得る。
【0161】
本開示の一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレート剤は、上記で列挙された薬剤のうち1つまたは複数ではない場合がある。
【0162】
本開示の方法では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基の約少なくとも6mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で、またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも6mg/kg HEDに相当する用量で投与される。
【0163】
別のグルココルチコイドまたはグルココルチコイド受容体モジュレート剤の等価用量は、公的に利用可能なコルチコイド変換アルゴリズム、好ましくは、http://www.medcalc.comを使用して容易に、簡単に計算できる。例として、3~12mg/kgのデキサメタゾンは、19~75mg/kgのプレドニゾンに変換される。デキサメタゾンの生物学的半減期が約36~54時間であるがプレドニゾンの生物学的半減期は約20時間であるので、プレドニゾンは、同等の生物学的投薬のために24時間毎に19~75mg/kgの間で投与されるであろう。より詳しくは、デキサメタゾンの12mg/kgの用量は、24時間毎に約2~約3用量の反復投薬を必要とするプレドニゾロンの75mg/kgの用量に相当する。ベタメタゾンの10mg/kgの用量は、約12mg/kgのデキサメタゾンであり、デキサメタゾンと同様の薬力学的(生物学的)半減期を有する。
【0164】
本出願における実施例におけるデキサメタゾン用量は、ヒト等価用量(HED)として示されている。ヒト等価用量(HED)を計算する方法は、当技術分野で公知である。例えば、FDAの医薬品評価研究センター(CDER)は、2005年に高度に引用されるガイダンス文書(米国保健省CDER、2005年)発行し、その文書の7頁の表1に、体表面積に基づいて動物用量をHEDに変換するための確立されたアルゴリズム(種間で用量を推定するための一般的に許容された方法)が記載されている。参照のために、表1を以下に再現する。当業者は、以下に説明されるmg/kgでの動物用量、HEDは、表1の右側の列中の標準変換係数を使用して容易に計算されることは理解している:
【表1】
【0165】
本開示の方法の一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも12mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で投与される。他の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも15mg/kgまたは約少なくとも18mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で投与される。他の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも21mg/kgまたは少なくとも約24mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で投与される。一部の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約12mg/kgのヒト等価用量(HED)、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約15mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約18mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約21mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約24mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約30mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約45mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で投与される。
【0166】
本開示の方法の一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも6~45mg/kgのヒト等価用量(HED)、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも15~24mg/kgのヒト等価用量(HED)、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも6~12mg/kgのヒト等価用量(HED)、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも6~18mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも12~15mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも18~30mg/kgのヒト等価用量(HED)またはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約少なくとも15~18mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で投与される。感染性疾患がコロナウイルス、例えば、COVID-19による感染に起因する疾患である実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、好ましくは、デキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンの約18~30mg/kgのヒト等価用量(HED)の間に相当する用量で投与され得る。
【0167】
本開示の方法では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤は、単回急性用量として、または約24、48または72時間の期間にわたって与えられる総用量として投与され得る。一部の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、単回急性用量として投与される。他の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、約72時間の期間にわたって与えられる総用量として投与される。
【0168】
対象が感染性疾患、例えば、コロナウイルス(COVID-19など)による感染に起因する疾患を有する、それを有すると疑われる、またはそれと診断されている一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレート剤(好ましくは、デキサメタゾンまたはベタメタゾンであり得る)は、水性媒体中の溶液として投与され得る。一部のこのような実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基の約18~30mg/kgのヒト等価用量(HED)の間の最終標的用量で、約1~2時間の期間にわたって静脈内(IV)注入によって投与される、約24mg/mlのリン酸デキサメタゾン(20mg/mlのデキサメタゾン塩基、26.2mg/mlのデキサメタゾンリン酸ナトリウム)に相当する濃度で提供され得る。他の実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基の約18~30mg/kgのヒト等価用量(HED)の間の最終標的用量で、オレンジジュースまたはクエン酸(pH3.3~4.2)に溶解され、経口的にまたは胃管によって投与されるデキサメタゾン錠として提供され得る。
【0169】
本開示の方法の一部の実施形態では、方法は、対象へのグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の1つまたは複数の用量を投与する工程を含み得る。
【0170】
これに関連して、1つまたは複数の用量が、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の第1のまたは先行する用量に付け加えて投与され、したがって、後続の、または第2の、第3の、第4の等の用量と呼ばれる場合がある。したがって、一部の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)の約24、48、72、96、120、144または168時間後に投与され得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)後、約24、48、72、96、120、144または168時間毎に投与され得る。一部の他の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)後、週に1回、2週間に1回、3週間に1回または月に1回投与され得る。一部の他の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)後、週に2回投与され得る。
【0171】
一部の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)後、約24時間から168時間の間に投与され得る。他の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)後、約24時間から120時間の間、約24時間から72時間の間、または約24時間から48時間の間投与され得る。一部の他の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)後、約48時間から168時間の間、約48時間から120時間の間または約48時間から72時間の間投与され得る。一部の他の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、先行する用量(投与)後、約72時間から168時間の間または約72時間から120時間の間投与され得る。
【0172】
一部の実施形態では、後続用量は、最初の用量の7日後に与えられる。一部の実施形態では、後続用量は、最初の用量の14日後に与えられる。一部の実施形態では、後続用量は、最初の用量の21日後に与えられる。
【0173】
対象がT細胞リンパ腫を有する、それを有すると疑われる、またはそれと診断されている一部の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、医師によって決定され得る期間の間、21日毎に、または14日毎にまたは5~7日毎に投与され得る。
【0174】
対象がB細胞リンパ腫を有する、それを有すると疑われる、またはそれと診断されている一部の実施形態では、1つまたは複数のさらなる用量は、医師によって決定され得る期間の間、21日毎に、または14日毎にまたは5~7日毎に投与され得る。
【0175】
本開示の方法の一部の実施形態では、方法は、対象にNKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターを投与する工程をさらに含み得る。
【0176】
本明細書で使用される場合、NKT細胞アクチベーターという用語は、NKT細胞の活性化を誘発する任意の薬剤または分子を含む。NKT細胞の活性化は、活性化マーカーおよびTh1およびTh2サイトカインおよびケモカインの上方制御と関連している。開示された方法において利用できるNKT細胞アクチベーターは、当業者に周知である。
【0177】
一部のこのようなNKT細胞アクチベーターとして、それだけには限らないが、アディポカイン、レプチン、アディポネクチン、アペリン、ケメリン、MCP-1、PAI-1、RBP4、ビスファチン、オメンチン、バスピン(vaspin)、プログラニュリン、CTRP-4、サイトカイン、IL-1α、IL-1β、IL-1RA. IL-18、IL-33、IL-36α、IL-36β、IL-36γ. IL-36RA、IL-37、IL-38、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-21、IFN-α、IFN-β、IFN-δ、IFN-ε、IFN-κ、IFN-τ、IFN-ω、IFN-γ、IFN-λ1、IFN-λ2、IFN-λ3、IFN-λ4、IL-6、IL-11、IL-31、CLCF1、CNTF、レプチン、LIF、OSM、iL-12、IL-17A、IL-17B、IL-17C、IL-17D、IL-17E、IL-17F、4-1BBL、BAFF、CD40LG、CD70、CD95L/CD178、EDA-A1、LTA/TNF-β、TNF-α、TNFSF4、TNFS8、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF12、TNFSF13、TNFSF15、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、IL-13、G-CSF、GM-CSF、CSF1.ケモカイン、CXCL1-CXCL17、CC、CCL1-CCL28、CX3CL1、XCL1、XCL2、マイオカイン、BDNF、デコリン、イリシン(irisin)、ミオスタチン、ミオネクチン(myonectin)、オステオネクチン、プロスタグランジン、PGI2、PGD2、PGE2、PGF2α、プロスタミド、プロスタミドI2、プロスタミドD2、プロスタミドE2、プロスタミドF2α、ビロカイン(Virokines)、増殖因子、アドレノメデュリン、アンジオポエチン、自己分泌運動性因子、骨形成タンパク質、繊毛様神経栄養因子、白血病阻害因子、M-CSF、EGF、エフリン(ephrine)A1-A5、エフリン(ephrine)B1-B3、エリスロポエチン、FGF1-FGF23、胎児ウシソマトトロフィン(somatotrophin)、GDNF、ニュールツリン、パーセフィン、アルテミン(artemin)、成長分化因子-9、肝細胞増殖因子、肝細胞由来増殖因子、インスリン、インスリン様成長因子1/2、ケラチノサイト増殖因子、遊走刺激因子、マクロファージ刺激タンパク質、ニューレグリン1-4、ニューロトロフィン3/4、神経成長因子、胎盤増殖因子、血小板由来増殖因子、レナラーゼ、T細胞増殖因子、TGF-α、TGF-β、VEGF、Wntシグナル伝達経路、抗NKG2D抗体またはそのリガンドMICA(MHCクラスI鎖関連配列A)、DNAM-1結合、4-1BB結合、PD-1阻害剤、NKTアクチベーター、α-ガラクトシルセラミド、α-グルコロノシルセラミド(glucoronosylceramide)、α-ガルクツロンシルセラミド(galcturonsylceramide)、α-ガラクトシルジアシルギロセロール(galactosyldiacylgylocerol)、ホスファチジルイノシトール-マノシダーゼ(manosidase)、α-グルコシルジアシルグリセロール、コレステロールα-グルコシド、β-グラアクトクシルセラミド(glaactocsylceramide)、イソグロボトリヘキソシルセラミド(isoglobotrihexosylceramide)、ジアシアロガングリオシド(diasialoganglioside)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルコリン、ハウスダスト抽出物、GSL-1、NKp44L、ULBP、病原体由来分子構造、PAMP、LPS、病原体由来RNA、病原体由来DNA、ウイルスリガンド、合成α-ガラコシルセラミド(galacosylceramide)、KRN7000、PBS44、PBS57、抗炎症剤、IL-10、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-28A、IL-28B、IL-29が挙げられる。
【0178】
本開示の一部の実施形態では、NKT細胞アクチベーターは、上記で列挙された薬剤のうち1つまたは複数ではない場合がある。
【0179】
活性化後、NKT細胞は、NKp44を発現し、CD3およびCD49b発現を低下させ、IL-10、TGF-β、IFNガンマ、IL-4およびいくつかのTh1およびTh2サイトカイン、ヒトクラスI制限的T細胞関連分子(CRTAM)、CCL3/MIP1a、CCL4/MIP1hおよびCCL5/RantesおよびXCL1/リンホタクチン、グランザイム、CD45RO+CD62L+、CD25、IL2Rベータ、GM-CSF、IL-2、IL-13、TNFアルファ、IL-17、IL-21、CD44、CD69およびIL-22を発現する。さらに、腫瘍環境では、NKT細胞は、あらゆる方向から腫瘍細胞に向けて移動する線に組織化されるようになる。
【0180】
本開示の方法の一部の好ましい実施形態では、NKT細胞アクチベーターは、アルファGalCer(アルファ-ガラクトシルセラミド、α-GalCer)スルファチド(3-O-スルホガラクトシルセラミド、SM4、硫酸化ガラクトセレブロシド)もしくはNKT活性化抗体からなる群から選択され得る、またはパーフォリン、一酸化窒素、IL-2、インターフェロンアルファおよびガンマ、TGFベータ、TNFアルファ、TNFベータ、G-CSF、VEGF、FGF-18、IL-17、CXCL5、CXCR2、CXCR5、CCR4-CCL17/22、CCR8-CCL1、CCR10-CCL28およびCXCR3-CCL9/10/11、CCL5、CXCR9、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CXCL9またはCXCL10、インターフェロン(IFN)γ誘導性ケモカインCXCL9、CXCL10およびCXCL11、CCL5およびCXCL9、CCR5、IL-32、IL-6、IL-7、IL-10、IL-18、G-CSF、M-CSF、MCP-1、MCP-3、IP-10、MIGもしくはMIP-1αであり得る。本開示の方法の一部の他の好ましい実施形態では、NKT細胞アクチベーターは、アルファGalCer負荷樹状細胞または単球であり得る。
【0181】
本明細書で使用される場合、T細胞アクチベーターという用語には、T細胞の活性化を誘発する任意の薬剤または分子が含まれる。T細胞は、抗原性ペプチドおよびMHCとのTCRの相互作用を介して、および非抗原特異的共刺激分子(サイトカインインターロイキン1など)を介して活性化され得る。T細胞の活性化は、サイトカインおよびケモカイン生成の増大、樹状細胞成熟の誘導、マクロファージの動員および細胞溶解活性の増大と関連している。ガンマデルタT細胞の活性化はまた、上皮完全性を維持する増殖因子(IGF-1、VEGFおよびFGF-2など)の生成の増大ならびにアルファベータT細胞の抗原提示と関連している場合もある。T細胞の活性化はまた、表面マーカーの発現のパターンの変化と関連している場合もある。ガンマデルタT細胞について、これには以下のマーカー表現型のうち1つまたは複数が含まれ得る:CD5-、CD4-/CD8-(二重陰性)、CD3+、CD69、CD56、CD27、CD45RA+、CD45、TCR-Vg9+、TCR-Vd2+、TCR-Vd1+および/またはTCR-Vd3+。開示された方法において利用できるT細胞アクチベーターは、当業者に周知である。
【0182】
一部のこのようなT細胞アクチベーターとして、それだけには限らないが、アディポカイン、レプチン、アディポネクチン、アペリン、ケメリン、MCP-1、PAI-1、RBP4、ビスファチン、オメンチン、バスピン(vaspin)、プログラニュリン、CTRP-4、サイトカイン、IL-1α、IL-1β、IL-1RA. IL-18、IL-33、IL-36α、IL-36β、IL-36γ. IL-36RA、IL-37、IL-38、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-21、IFN-α、IFN-β、IFN-δ、IFN-ε、IFN-κ、IFN-τ、IFN-ω、IFN-γ、IFN-λ1、IFN-λ2、IFN-λ3、IFN-λ4、IL-6、IL-11、IL-31、CLCF1、CNTF、レプチン、LIF、OSM、iL-12、IL-17A、IL-17B、IL-17C、IL-17D、IL-17E、IL-17F、4-1BBL、BAFF、CD40LG、CD70、CD95L/CD178、EDA-A1、LTA/TNF-β、TNF-α、TNFSF4、TNFS8、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF12、TNFSF13、TNFSF15、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、IL-13、G-CSF、GM-CSF、CSF1.ケモカイン、CXCL1-CXCL17、CC、CCL1-CCL28、CX3CL1、XCL1、XCL2、マイオカイン、BDNF、デコリン、イリシン(irisin)、ミオスタチン、ミオネクチン(myonectin)、オステオネクチン、プロスタグランジン、PGI2、PGD2、PGE2、PGF2α、プロスタミド、プロスタミドI2、プロスタミドD2、プロスタミドE2、プロスタミドF2α、ビロカイン(Virokine)、増殖因子、アドレノメデュリン、アンジオポエチン、自己分泌運動性因子、骨形成タンパク質、繊毛様神経栄養因子、白血病阻害因子、M-CSF、EGF、エフリン(ephrine)A1-A5、エフリン(ephrine)B1-B3、エリスロポエチン、FGF1-FGF23、胎児ウシソマトトロフィン(somatotrophin)、GDNF、ニュールツリン、パーセフィン、アルテミン(artemin)、成長分化因子-9、肝細胞増殖因子、肝細胞由来増殖因子、インスリン、インスリン様成長因子1/2、ケラチノサイト増殖因子、遊走刺激因子、マクロファージ刺激タンパク質、ニューレグリン1-4、ニューロトロフィン3/4、神経成長因子、胎盤増殖因子、血小板由来増殖因子、レナラーゼ、T細胞増殖因子、TGF-α、TGF-β、VEGF、Wntシグナル伝達経路、NKTアクチベーター、α-ガラクトシルセラミド、α-グルコロノシルセラミド(glucoronosylceramide)、α-ガルクツロンシルセラミド(galcturonsylceramide)、α-ガラクトシルジアシルギロセロール(galactosyldiacylgylocerol)、ホスファチジルイノシトール-マノシダーゼ(manosidase)、α-グルコシルジアシルグリセロール、コレステロールα-グルコシド、β-グラアクトクシルセラミド(glaactocsylceramide)、イソグロボトリヘキソシルセラミド(isoglobotrihexosylceramide)、ジアシアロガングリオシド(diasialoganglioside)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルコリン、ハウスダスト抽出物、GSL-1、NKp44L、ULBP、病原体由来分子構造、PAMP、LPS、病原体由来RNA、病原体由来DNA、ウイルスリガンド、合成α-ガラコシルセラミド(galacosylceramide)、KRN7000、PBS44、PBS57、抗炎症剤、IL-10、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-28A、IL-28B、IL-29が挙げられる。
【0183】
本開示の方法の一部の好ましい実施形態では、T細胞アクチベーターは、ゾレドロネート、メバスタチンまたはT細胞活性化抗体からなる群から選択され得る。
【0184】
本開示の一部の実施形態では、T細胞アクチベーターは、上記で列挙された薬剤のうち1つまたは複数ではない場合がある。
【0185】
本明細書で使用される場合、NK細胞アクチベーターという用語は、NK細胞の活性化を誘発する任意の薬剤または分子を含む。
【0186】
一部のこのようなNK細胞アクチベーターとして、それだけには限らないが、アディポカイン、レプチン、アディポネクチン、アペリン、ケメリン、MCP-1、PAI-1、RBP4、ビスファチン、オメンチン、バスピン(vaspin)、プログラニュリン、CTRP-4、サイトカイン、IL-1α、IL-1β、IL-1RA. IL-18、IL-33、IL-36α、IL-36β、IL-36γ. IL-36RA、IL-37、IL-38、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-21、IFN-α、IFN-β、IFN-δ、IFN-ε、IFN-κ、IFN-τ、IFN-ω、IFN-γ、IFN-λ1、IFN-λ2、IFN-λ3、IFN-λ4、IL-6、IL-11、IL-31、CLCF1、CNTF、レプチン、LIF、OSM、iL-12、IL-17A、IL-17B、IL-17C、IL-17D、IL-17E、IL-17F、4-1BBL、BAFF、CD40LG、CD70、CD95L/CD178、EDA-A1、LTA/TNF-β、TNF-α、TNFSF4、TNFS8、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF12、TNFSF13、TNFSF15、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、IL-13、G-CSF、GM-CSF、CSF1.ケモカイン、CXCL1-CXCL17、CC、CCL1-CCL28、CX3CL1、XCL1、XCL2、マイオカイン、BDNF、デコリン、イリシン(irisin)、ミオスタチン、ミオネクチン(myonectin)、オステオネクチン、プロスタグランジン、PGI2、PGD2、PGE2、PGF2α、プロスタミド、プロスタミドI2、プロスタミドD2、プロスタミドE2、プロスタミドF2α、ビロカイン(Virokine)、増殖因子、アドレノメデュリン、アンジオポエチン、自己分泌運動性因子、骨形成タンパク質、繊毛様神経栄養因子、白血病阻害因子、M-CSF、EGF、エフリン(ephrine)A1-A5、エフリン(ephrine)B1-B3、エリスロポエチン、FGF1-FGF23、胎児ウシソマトトロフィン(somatotrophin)、GDNF、ニュールツリン、パーセフィン、アルテミン(artemin)、成長分化因子-9、肝細胞増殖因子、肝細胞由来増殖因子、インスリン、インスリン様成長因子1/2、ケラチノサイト増殖因子、遊走刺激因子、マクロファージ刺激タンパク質、ニューレグリン1-4、ニューロトロフィン3/4、神経成長因子、胎盤増殖因子、血小板由来増殖因子、レナラーゼ、T細胞増殖因子、TGF-α、TGF-β、VEGF、Wntシグナル伝達経路、NKTアクチベーター、α-ガラクトシルセラミド、α-グルコロノシルセラミド(glucoronosylceramide)、α-ガルクツロンシルセラミド(galcturonsylceramide)、α-ガラクトシルジアシルギロセロール(galactosyldiacylgylocerol)、ホスファチジルイノシトール-マノシダーゼ(manosidase)、α-グルコシルジアシルグリセロール、コレステロールα-グルコシド、β-グラアクトクシルセラミド(glaactocsylceramide)、イソグロボトリヘキソシルセラミド(isoglobotrihexosylceramide)、ジアシアロガングリオシド(diasialoganglioside)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルコリン、ハウスダスト抽出物、GSL-1、NKp44L、ULBP、病原体由来分子構造、PAMP、LPS、病原体由来RNA、病原体由来DNA、ウイルスリガンド、合成α-ガラコシルセラミド(galacosylceramide)、KRN7000、PBS44、PBS57、抗炎症剤、IL-10、IL-19、IL-20、IL-22、IL-24、IL-28A、IL-28B、IL-29が挙げられる。
【0187】
本開示の方法の一部の好ましい実施形態では、NK細胞アクチベーターは、IL-2、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21またはNK細胞活性化抗体からなる群から選択され得る。
【0188】
本開示の一部の実施形態では、NK細胞アクチベーターは、上記で列挙された薬剤のうち1つまたは複数ではない場合がある。
【0189】
本開示の方法の一部の実施形態では、NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターは、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の用量の投与の1、3、24、48、72、96、120、144または168時間以内に投与され得る。一部の好ましい実施形態では、NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターは、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の用量の投与の1、3もしくは48時間以内またはおよそ1、3もしくは48時間後に投与され得る。一部の特に好ましい実施形態では、NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターは、グルココルチコイドの用量の投与の1、3もしくは48時間以内またはおよそ1、3もしくは48時間後に投与され得る。
【0190】
「対象」および「患者」という用語は、本明細書において同義的に使用され、ヒトまたは動物を指す。本開示の方法の一部の実施形態では、対象は、哺乳動物であり得る。一部の好ましい実施形態では、対象は、任意の性別または人種のヒトであり得る。一部の実施形態では、ヒトは、成人ヒトである。本開示の方法の一部の実施形態では、対象は、健康な対象、例えば、健康な成人ヒト対象であり得る。これに関連して、健康な対象は、疾患に罹患していない対象である。好ましくは、対象は、ヒトまたはヒト化免疫系を有する哺乳動物、例えば、ヒト免疫系(HIS)マウスである。最も好ましくは、対象はヒトである。
【0191】
本開示の方法の一部の実施形態では、対象は、がん、自己免疫疾患または感染性疾患(微生物病とも呼ばれる)からなる群から選択される疾患を有する場合がある、それを有すると疑われる場合がある、またはそれと診断されている場合がある。
【0192】
本明細書で使用される場合、「がん」とは、異常な細胞の制御されない成長を特徴とする疾患を指す。がん細胞は、局所的に、または血流およびリンパ系を介して身体の他の部分に広がる場合がある。種々のがんの例が本明細書に記載され、それだけには限らないが、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮頸がん、皮膚がん、膵臓がん、結腸直腸がん、腎がん、肝臓がん、脳がん、リンパ腫、白血病、肺がんなどが挙げられる。「腫瘍」および「がん」という用語は、本明細書において同義的に使用され、例えば、両用語は、固形および液体、例えば、びまん性または循環腫瘍を包含する。本明細書で使用される場合、「がん」または「腫瘍」という用語は、前悪性ならびに悪性がんおよび腫瘍を含む。
【0193】
本開示の一部の実施形態では、がんは、唇の悪性新生物、扁桃腺の悪性新生物、舌の悪性新生物、歯茎の悪性新生物、口腔の悪性新生物、耳下腺の悪性新生物、唾液腺の悪性新生物、咽頭の悪性新生物、食道の悪性新生物、胃の悪性新生物、小腸の悪性新生物、結腸の悪性新生物、直腸S状結腸移行部の悪性新生物、直腸の悪性新生物、肛門の悪性新生物、肝臓の悪性新生物、胆嚢の悪性新生物、胆道の悪性新生物、膵臓の悪性新生物、腸管の悪性新生物、脾臓の悪性新生物、鼻腔および中耳の悪性新生物、副鼻腔の悪性新生物、喉頭の悪性新生物、気管の悪性新生物、気管支および肺の悪性新生物、胸腺の悪性新生物、心臓、縦隔および胸膜の悪性新生物、呼吸器系および胸腔内臓器中の部位の悪性新生物、四肢の骨および関節軟骨の悪性新生物、頭蓋および顔面の骨の悪性新生物、脊柱の悪性新生物、肋骨、胸骨および鎖骨の悪性新生物、骨盤、仙骨および尾骨の悪性新生物、皮膚の悪性黒色腫、唇の悪性黒色腫、眼角を含む眼瞼の悪性黒色腫、耳および外耳道(external auricular canal)の悪性黒色腫、顔面の悪性黒色腫、肛門皮膚の悪性黒色腫、乳房の皮膚の悪性黒色腫、肩を含む四肢の悪性黒色腫、メルケル細胞癌、唇の皮膚の基底細胞がん、唇の皮膚の扁平上皮がん、他のおよび不特定の悪性新生物皮膚/眼角を含む眼瞼、悪性新生物皮膚/耳および外耳道(external auric canal)、他のおよび不特定の悪性新生物皮膚/および顔面の不特定部分、顔面の他のおよび不特定の部分の皮膚の基底細胞がん、顔面の、および顔面の不特定の部分の皮膚の扁平上皮がん、頭皮および頸部の皮膚の基底細胞がん、頭皮および頸部の皮膚の扁平上皮がん、躯幹の皮膚の基底細胞がん、肛門の皮膚の基底細胞がん、乳房の皮膚の基底細胞がん、躯幹の皮膚の扁平上皮がん、肛門皮膚の扁平上皮がん、乳房の皮膚の扁平上皮がん、躯幹の他の部分の皮膚の扁平上皮がん、他のおよび不特定の悪性新生物皮膚/肩を含む四肢、基底細胞がん皮膚/肩を含む四肢、扁平上皮がん皮膚/肩を含む四肢、臀部を含む四肢の皮膚の基底細胞がん、臀部を含む四肢の皮膚の扁平上皮がん、中皮腫、カポジ肉腫、末梢神経および自律神経系の悪性新生物、後腹膜および腹膜の悪性新生物、他の結合組織および軟部組織の悪性新生物、胸部の結合組織および軟部組織の悪性新生物、腹部の結合組織および軟部組織の悪性新生物、骨盤の結合組織および軟部組織の悪性新生物、躯幹の結合組織および軟部組織の悪性新生物、不特定、結合組織および軟部組織の重複部位の悪性新生物、結合組織および軟部組織の悪性新生物、不特定、消化管間質性腫瘍、乳房の悪性新生物、外陰部の悪性新生物、膣の悪性新生物、子宮頸部の悪性新生物、子宮体の悪性新生物、不特定の子宮部分の悪性新生物、卵巣の悪性新生物、他のおよび不特定の女性生殖器の悪性新生物、胎盤の悪性新生物、陰茎の悪性新生物、前立腺の悪性新生物、精巣の悪性新生物、他のおよび不特定の男性生殖器の悪性新生物、腎臓の悪性新生物、腎盂の悪性新生物、尿管の悪性新生物、膀胱の悪性新生物、他のおよび不特定の尿路の悪性新生物、眼および付属器の悪性新生物、髄膜の悪性新生物、脳の悪性新生物、脊髄、脳神経の悪性新生物、視神経の悪性新生物、他のおよび不特定の脳神経の悪性新生物、中枢神経系の悪性新生物、不特定、甲状腺の悪性新生物、副腎の悪性新生物、内分泌線(endo glands)および関連構造の悪性新生物、悪性神経内分泌腫瘍、悪性カルチノイド腫瘍、続発性神経内分泌腫瘍、頭部、顔面および頸部の悪性新生物、胸部の悪性新生物、腹部の悪性新生物、骨盤の悪性新生物、四肢の悪性新生物、下肢の悪性新生物、リンパ節の続発性および不特定悪性新生物、呼吸器および消化臓器の続発性悪性新生物、腎臓および腎盂の続発性悪性新生物、膀胱ならびに他のおよび不特定の尿路の続発性悪性新生物、皮膚の続発性悪性新生物、脳および大脳髄膜の続発性悪性新生物、神経系(nervous sys)のおよび神経系(nervous sys)の不特定の部分の続発性悪性新生物、骨および骨髄の続発性悪性新生物、卵巣の続発性悪性新生物、副腎の続発性悪性新生物、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、非濾胞性リンパ腫、小細胞B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、リンパ芽球性(びまん性)リンパ腫、バーキットリンパ腫、他の非濾胞性リンパ腫、非濾胞性(びまん性)リンパ腫、不特定、成熟T/NK細胞リンパ腫、セザリー疾患、末梢T細胞リンパ腫、非分類、未分化大細胞リンパ腫、ALK陽性、未分化大細胞リンパ腫、ALK陰性、皮膚T細胞リンパ腫、不特定、他の成熟T/NK細胞リンパ腫、成熟T/NK細胞リンパ腫、不特定、他のおよび不特定の種類の非ホジキンリンパ腫、悪性免疫増殖性疾患(immunoproliferative dis)およびある特定の他のB細胞リンパ、多発性骨髄腫および悪性形質細胞新生物、リンパ性白血病、急性リンパ性白血病[ALL]、B細胞種の慢性リンパ球性白血病、B細胞型の前リンパ球性白血病、へアリー細胞白血病、成人T細胞リンパ腫/白血病(HTLV-1関連)、T細胞型の前リンパ球性白血病、成熟B細胞白血病バーキット型、他のリンパ性白血病、リンパ性白血病、不特定、骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、BCR/ABL陽性、非定型慢性骨髄性白血病、BCR/ABL陰性、骨髄性肉腫、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、11q23異常を有する急性骨髄性白血病、他の骨髄性白血病、骨髄性白血病、不特定、単球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、他の単球性白血病、単球性白血病、不特定、特定の細胞種の他の白血病、急性赤血球白血病、急性巨核芽球性白血病、肥満細胞白血病、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、骨髄異形成疾患、非分類、他の特定の白血病、不特定の細胞種の白血病、不特定の細胞種の慢性白血病、白血病、不特定、リンパ系の他のおよび不特定の悪性新生物、造血組織、口腔、食道および胃の上皮内癌、結腸の上皮内癌、直腸S状結腸移行部の上皮内癌、直腸の上皮内癌、肛門および肛門管の上皮内癌、腸の他のおよび不特定部分の上皮内癌、腸の不特定部分の上皮内癌、腸の他の部分の上皮内癌、肝臓、胆嚢および胆管の上皮内癌、他の特定の消化臓器の上皮内癌、消化臓器の上皮内癌、不特定、中耳および呼吸器系の上皮内癌、喉頭の上皮内癌、気管の上皮内癌、気管支および肺の上皮内癌、呼吸器系の他の部分の上皮内癌、上皮内黒色腫、唇の上皮内黒色腫、眼角を含む眼瞼の上皮内黒色腫、耳および外耳道の上皮内黒色腫、顔面の不特定部分の上皮内黒色腫、頭皮および頸部の上皮内黒色腫、躯幹の上皮内黒色腫、肛門皮膚の上皮内黒色腫、乳房(皮膚)(軟部組織)の上皮内黒色腫、肩を含む上肢の上皮内黒色腫、臀部を含む下肢の上皮内黒色腫、他の部位の上皮内黒色腫、皮膚の上皮内癌腫、唇の皮膚の上皮内癌腫、眼角を含む眼瞼の皮膚の上皮内癌腫、耳および外耳道の皮膚の上皮内癌腫、顔面の他のおよび不特定の部分の皮膚の上皮内癌腫、頭皮および頸部の皮膚の上皮内癌腫、躯幹の皮膚の上皮内癌腫、肩を含む上肢の皮膚の上皮内癌腫、臀部を含む下肢の皮膚の上皮内癌腫、他の部位の皮膚の上皮内癌腫、乳房の上皮内癌腫、乳房の上皮内小葉癌、乳房の上皮内乳管癌、乳房の他の特定の種類の上皮内癌、乳房の不特定の種類の上皮内癌、子宮頸部の上皮内癌、子宮頸部の他の部分の上皮内癌、子宮頸部の上皮内癌、不特定、他のおよび不特定の生殖器の上皮内癌、子宮内膜の上皮内癌、外陰部の上皮内癌、膣の上皮内癌、他のおよび不特定の女性生殖器の上皮内癌、陰茎の上皮内癌、前立腺の上皮内癌、不特定の男性生殖器の上皮内癌、陰嚢の上皮内癌、他の男性生殖器の上皮内癌、膀胱の上皮内癌、他のおよび不特定の尿路の上皮内癌、眼の上皮内癌、甲状腺および他の内分泌線の上皮内癌、口腔および咽頭の良性新生物、大唾液腺の良性新生物、結腸、直腸、肛門および肛門管の良性新生物、消化系のおよび消化系の不明瞭な部分の良性新生物、食道の良性新生物、胃の良性新生物、十二指腸の良性新生物、小腸の他のおよび不特定の部分の良性新生物、肝臓の良性新生物、肝外胆管の良性新生物、膵臓の良性新生物、内分泌膵臓の良性新生物、消化系内の不明瞭な部位の良性新生物、中耳および呼吸器系の良性新生物、呼吸器系の良性新生物、不特定、他のおよび不特定の胸腔内臓器の良性新生物、胸腺の良性新生物、心臓の良性新生物、縦隔の良性新生物、他の特定の胸腔内臓器の良性新生物、胸腔内臓器の良性新生物、不特定、骨および関節軟骨の良性新生物、上肢の短骨の良性新生物、下肢の長骨の良性新生物、下肢の短骨の良性新生物、頭蓋および顔面の骨の良性新生物、下顎骨の良性新生物、脊柱の良性新生物、肋骨、胸骨および鎖骨の良性新生物、骨盤、仙骨および尾骨の良性新生物、骨および関節軟骨の良性新生物、不特定、良性脂肪腫性新生物、頭部、顔面および頸部の皮膚、皮下の良性(Ben)脂肪腫性新生物、胸腔内臓器の良性脂肪腫性新生物、腹腔内臓器の良性脂肪腫性新生物、精索の良性脂肪腫性新生物、他の部位の良性脂肪腫性新生物、腎臓の良性脂肪腫性新生物、泌尿生殖器の良性脂肪腫性新生物、血管腫およびリンパ管腫、任意の部位、血管腫、血管腫不特定部位、皮膚および皮下組織の血管腫、頭蓋内構造の血管腫、腹腔内構造の血管腫、他の部位の血管腫、リンパ管腫、任意の部位、中皮組織の良性新生物、後腹膜および腹膜の軟部組織の良性新生物、結合組織および他の軟部組織の他の良性新生物、色素性母斑、唇の色素性母斑、眼角を含む眼瞼の色素性母斑、不特定の眼角を含む眼瞼の色素性母斑、耳および外耳道の色素性母斑、顔面の他のおよび不特定の部分の色素性母斑、頭皮および頸部の色素性母斑、躯幹の色素性母斑、肩を含む上肢の色素性母斑、臀部を含む下肢の色素性母斑、色素性母斑、不特定、眼角を含む眼瞼の皮膚の他の良性新生物、他の良性新生物皮膚/耳および外耳道、他の良性新生物皮膚/左耳および外耳道(external auric canal)、顔面の他のおよび不特定の部分の皮膚の他の良性新生物、顔面の他の部分の皮膚の他の良性新生物、頭皮および頸部の皮膚の他の良性新生物、躯幹の皮膚の他の良性新生物、他の良性新生物皮膚/肩を含む上肢、臀部を含む下肢の皮膚の他の良性新生物、皮膚の他の良性新生物、不特定、乳房の良性新生物、不特定の乳房の良性新生物、子宮の平滑筋腫、子宮の他の良性新生物、卵巣の良性新生物、他のおよび不特定の女性生殖器の良性新生物、男性生殖器の良性新生物、尿路の良性新生物、腎臓の良性新生物、腎盂の良性新生物、尿管の良性新生物、膀胱の良性新生物、尿道の良性新生物、他の特定の尿路の良性新生物、尿路の良性新生物、不特定、眼および付属器の良性新生物、結膜の良性新生物、角膜の良性新生物、網膜の良性新生物、脈絡膜の良性新生物、毛様体の良性新生物、涙腺および涙管の良性新生物、眼窩の不特定部位の良性新生物、眼の不特定部分の良性新生物、髄膜の良性新生物、脳および中枢神経系の良性新生物、甲状腺の良性新生物、他のおよび不特定の内分泌腺の良性新生物、他のおよび不特定の部位の良性新生物、リンパ節の良性新生物、末梢神経および自律神経系の良性新生物、他の特定の部位の良性新生物、良性神経内分泌腫瘍、他の良性神経内分泌腫瘍、口腔および消化臓器の不確定挙動の新生物、大唾液腺の不確定挙動の新生物、咽頭の不確定挙動の新生物、口腔の部位の不確定挙動の新生物、胃の不確定挙動の新生物、小腸の不確定挙動の新生物、虫垂の不確定挙動の新生物、結腸の不確定挙動の新生物、直腸の不確定挙動の新生物、肝臓の不確定挙動の新生物、GB&胆管、他の消化臓器の不確定挙動の新生物、消化臓器の不確定挙動の新生物、中耳および胸腔内臓器の新生物、喉頭の不確定挙動の新生物、気管、気管支および肺の不確定挙動の新生物、胸膜の不確定挙動の新生物、縦隔の不確定挙動の新生物、胸腺の不確定挙動の新生物、他の呼吸器系臓器の不確定挙動の新生物、呼吸器系臓器の不確定挙動の新生物、不特定、女性生殖器の不確定挙動の新生物、子宮の不確定挙動の新生物、卵巣の不確定挙動の新生物、不特定の卵巣の不確定挙動の新生物、胎盤の不確定挙動の新生物、男性生殖器の不確定挙動の新生物、尿路の不確定挙動の新生物、腎臓の不確定挙動の新生物、不特定の腎臓の不確定挙動
の新生物、腎盂の不確定挙動の新生物、尿管の不確定挙動の新生物、膀胱の不確定挙動の新生物、他の尿路の不確定挙動の新生物、不特定の尿路の不確定挙動の新生物、髄膜の不確定挙動の新生物、大脳髄膜の不確定挙動の新生物、脊髄髄膜の不確定挙動の新生物、髄膜の不確定挙動の新生物、不特定、脳の不確定挙動の新生物、脳の不確定挙動の新生物、脳の不確定挙動の新生物、テント下、脳の不確定挙動の新生物、不特定、脳神経の不確定挙動の新生物、脊髄の不確定挙動の新生物、中枢神経系の不確定挙動の新生物、内分泌腺の不確定挙動の新生物、甲状腺の不確定挙動の新生物、副腎の不確定挙動の新生物、不特定の副腎の不確定挙動の新生物、副甲状腺の不確定挙動の新生物、下垂体腺の不確定挙動の新生物、頭蓋咽頭管の不確定挙動の新生物、松果体の不確定挙動の新生物、頸動脈小体の不確定挙動の新生物、大動脈小体および他の傍神経節の不確定挙動の新生物、不特定の内分泌腺の不確定挙動の新生物、真性赤血球増加症、骨髄異形成症候群、環状鉄芽球を伴わない不応性貧血、そのように記載される、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、芽球増加を伴う不応性貧血[RAEB]、骨髄異形成症候群、不特定、リンパ組織、造血組織の不確定挙動の他の新生物、不確定挙動の組織球性および肥満細胞腫瘍、慢性骨髄増殖性疾患、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、本態性(出血性)血小板血症、骨髄線維症、リンパ組織、造血組織の他の不確定挙動の新生物、リンパ、造血&不特定の不確定挙動の新生物、他のおよび不特定の部位の不確定挙動の新生物、骨/関節(artic)軟骨の不確定挙動の新生物、結合/軟部組織の不確定挙動の新生物、末梢神経および自律神経系の不確定挙動の新生物、後腹膜の不確定挙動の新生物、腹膜の不確定挙動の新生物、皮膚の不確定挙動の新生物、乳房の不確定挙動の新生物、消化系の不特定の挙動の新生物、呼吸器系の不特定の挙動の新生物、骨、軟部組織および皮膚の不特定の挙動の新生物、乳房の不特定の挙動の新生物、膀胱の不特定の挙動の新生物、他の泌尿生殖器の不特定の挙動の新生物、腎臓の不特定の挙動の新生物、他のGU臓器の不特定の挙動の新生物、脳の不特定の挙動の新生物、内分泌腺(endo glands)および神経系(nervous sys)の他の部分の不特定の挙動の新生物、網膜および脈絡膜の不特定の挙動の新生物または不特定部位の不特定の挙動の新生物であり得る。
【0194】
本開示の一部の実施形態では、がんは、上記で列挙されたがんのうち1つではない場合がある。
【0195】
本開示の一部の好ましい実施形態では、がんは、リンパ腫、扁平上皮がん(上皮扁平上皮がんなど);小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がんおよび肺の扁平上皮癌を含む肺がん;腹膜のがん;肝細胞がん;胃腸がんを含む胃(gastric)または胃(stomach)がん;膵臓がん;神経膠芽腫;子宮頸がん;卵巣がん;肝臓がん;膀胱がん;肝細胞腫;乳がん;結腸がん;直腸がん;結腸直腸がん;子宮内膜または子宮癌;唾液腺がん;腎臓がんまたは腎がん;前立腺がん;外陰がん;甲状腺がん;肝癌;肛門癌;陰茎癌;および頭頸部がんからなる群から選択され得る。本開示の一部の特に好ましい実施形態では、がんは、リンパ腫であり得る。本開示のより特に好ましい実施形態では、がんは、B細胞リンパ腫またはT細胞リンパ腫であり得る。本開示の一部の特に好ましい実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫であり得る。本開示の一部の特に好ましい実施形態では、がんは、バーキットリンパ腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、B細胞急性リンパ性白血病(B-ALL)またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)であり得る。他の好ましい実施形態では、がんは、移植後リンパ増殖性障害であり得る。本開示の一部の他の特に好ましい実施形態では、がんは、固形腫瘍がんであり得る。
【0196】
本開示の方法が、がんを有する、それを有すると疑われる、またはそれと診断されている対象で実施される実施形態では、これらの方法によって生成されたNKT様細胞は、がんを処置できる。これに関連して、「処置する」とは、対象において有益な治療効果を発揮すること意味し、これは、本開示の方法に由来する任意の全体的な臨床的利益であり得る。この全体的な臨床的利益は、例えば、生存の延長、部分的または完全疾患緩解(例えば、骨髄芽球および/または細胞株の正常成熟%によって評価されるような)、疾患進行の減速または存在しないこと(例えば、c%の変化によって評価されるような)、腫瘍の縮小(例えば、5、10、20、30、40%またはそれより多い腫瘍体積の低減)、腫瘍量の低減(例えば、5、10、20、30、40%またはそれより多い腫瘍量の低減)、腫瘍拡大の減速または存在しないこと、腫瘍量の増大の減速または存在しないこと、生活の質の改善(例えば、がん治療の機能評価(Functional Assessment of Cancer Therapy)(FACT)質問票などの健康に関連する生活の質質問票を使用して評価されるような)、無増悪生存期間、全生存期間、血液学的改善(例えば、血液ヘモグロビン、血小板数および/または好中球数の増大)、骨髄応答(例えば:≦5%骨髄芽球を有する骨髄、
骨髄芽球の30%、40%、50%またはそれより多い低減;循環骨髄芽球およびアウエル小体を有する骨髄芽球が存在しないこと;骨髄外疾患が存在しないこと)、血液学的回復(例えば:末梢血における≧11g/dLヘモグロビン、≧100x109/L血小板および/または≧1x109/L好中球)、遺伝子マーカー(例えば、CEBPA、NPM1またはFLT3)の陰性応答または任意の他の陽性患者アウトカムの陰性応答のいずれかであり得る。
【0197】
全体的な臨床的利益は、「抗腫瘍効果」であり得る。本明細書で使用される場合、「抗腫瘍効果」とは、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、腫瘍細胞増殖の減少、転移数の減少、全生存期間または無増悪生存期間の増大、平均余命の増大または腫瘍と関連する種々の生理学的症状の寛解として存在し得る生物学的効果を指す。抗腫瘍効果はまた、腫瘍の発生の防止を指す場合もある、例えば、ワクチン。例えば、コンピューター断層撮影法(CT)または磁気共鳴イメージング(MRI)イメージング技術、X線イメージング、例えば、マンモグラフィー、超音波イメージング、核イメージング、例えば、陽電子放射型断層撮影(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャンまたはメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン、バイオルミネセンスイメージング(BLI)、蛍光イメージング(FLI)、BD ToF(赤外ベースの3D飛行時間型カメラ)イメージングを使用する、腫瘍体積/腫瘍量を決定するための適した方法は、当業者に周知である。
【0198】
したがって、一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、腫瘍浸潤によってがんを処置できる。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、免疫活性化サイトカインの放出を介してがんを処置できる。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、対象においてがん細胞を貪食し、死滅させ得る。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、腫瘍中への他の免疫細胞の浸潤を促進する。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、CD1dによって方向付けられたアポトーシスを介してがん細胞を直接的に死滅させる。
【0199】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、アポトーシスを誘導することによって、例えば、標的細胞上のデスレセプターに結合するリガンドを発現させることによってがん細胞を直接的に死滅させる。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、対象においてがん細胞を取り込むまたは貪食することができる。一部の実施形態では、NKT様細胞は、がん細胞を死滅させる細胞傷害性分子を分泌し得る。一部の実施形態では、NKT様細胞は、TCRガンマ/デルタおよびインバリアントTCR(iTCR)の両方による二重特異性攻撃を介してがんを処置できる。
【0200】
「自己免疫疾患」とは、本明細書で使用される場合、自己免疫障害および免疫系が対象自身の構成物を異常に攻撃する異常な免疫状態に起因する他の疾患を指す。(健康な対象では、免疫系は、対象自身の構成物に対する耐性を確立することによって損傷を与える自己免疫反応を回避する)。種々の自己免疫疾患の例は、本明細書に記載されており、それだけには限らないが、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、一過性骨粗しょう症、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチおよび全身性エリテマトーデスが挙げられる。
【0201】
自己反応性免疫細胞は、高レベルのリン酸化抗原(phosphoantigens)を発現し、これは、ストレスを受けた細胞ならびにマイコバクテリア、大腸菌(E.coli)およびマラリア原虫のような微生物が発現するような二リン酸含有代謝産物、特に、(E)-4-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-2-エニルピロホスフェート(HMB-PP)によって生成されたリン酸化抗原である。ヒトは、HMB-PPを産生しないが、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、クロストリジウム・ディフィシル(clostidrium difficile)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、マライア原虫(malaria parasites)およびトキソプラズマ原虫(toxoplasma gondii)および日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)を含むグラム陰性菌の大多数は、産生する。ガンマデルタT細胞/受容体は、HMB-PP、ゾレドロネートおよびイソペンチルピロホスフェート(IPP)、ミコリルアラビノガラクタンペプチドグリカン(mAGP)およびイソ-ブチルアミン(IBA)に極めて応答性である。BTN2A1、BTN3A1、BTNL3、BTNL8、BTNL1、BTNL6、Skint1、Skint2のようなブチロフィリンファミリーメンバーは、リン酸化抗原のガンマデルタT細胞認識において重要な役割を果たす。末梢血単核細胞(PBMC)のアミノビスホスホネート刺激はまた、ガンマデルタT細胞受容体を活性化できる。IL-18は、リン酸化抗原に対するガンマデルタT細胞受容体の応答を増強できる。
【0202】
本開示の一部の実施形態では、自己免疫疾患は、アレルギー、喘息、移植片対宿主病(GvHD)、ステロイド抵抗性GvHD、アカラシア、アジソン病、成人スチル病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、脱毛症、一過性骨粗しょう症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫血管性浮腫、自己免疫自律神経障害、自己免疫脳脊髄炎、自己免疫肝炎、自己免疫内耳疾患(AIED)、自己免疫心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫精巣炎、自己免疫膵炎、自己免疫網膜症、自己免疫じんま疹、軸索&ニューロン神経障害(AMAN)、バロ病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病(CD)、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・ストラウス症候群(CSS)または好酸球性肉芽腫症(EGPA)、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素疾患、先天性心臓ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、ヘルペス状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎(neuromyelitis optic))、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合型クリオグロブリン血症、エヴァンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨大細胞動脈炎(側頭動脈炎)、巨大細胞心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)、妊娠ヘルペスまたは妊娠性類天疱瘡(PG)、化膿性汗腺炎(HS)(反対型ざ瘡)、低ガンマグロブリン血症(Hypogammalglobulinemia)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫血小板減少性紫斑病(ITP)、封入体筋炎(IBM)、間質性膀胱炎(IC)、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎(JM)、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破壊性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、リニアIgA病(LAD)、ループス、ライム病慢性、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多巣性運動ニューロパチー(MMN)またはMMNCB、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、新生児ループス、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ(PR)、PANDAS、腫瘍随伴小脳変性(PCD)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、毛様体扁平部炎(末梢ブドウ膜炎)、パーソネージ・ターナー症候群、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血(PA)、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、多腺性症候群I、II、III型、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆(PRCA)、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発性軟骨炎、下肢静止不能症候群(RLS)、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子と精巣の自己免疫、全身硬直症候群(SPS)、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎(SO)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨大細胞動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群(THS)、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎(UC)、未分化結合組織病(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、フォークト・小柳・原田病、血球貪食性リンパ組織球症、多発性骨髄腫、アレルゲン特異的免疫療法、常染色体優性ハプロ不全、前骨間神経症候群、チャーグ・ストラウス症候群、全身性血管炎、慢性移植片対宿主病、眼球クローヌス-ミオクロヌス症候群、壊死性自己免疫筋疾患(NAM)、肺肉腫様癌腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、妊孕性、ベーチェット病、円形脱毛症(AA)、慢性肝炎の急性増悪、黒色腫、「器質化細気管支炎症候群」または脳炎であり得る。一部の実施形態では、自己免疫疾患は、関節リウマチ、リウマチ熱、多発性硬化症、実験的自己免疫脳脊髄炎、乾癬、ブドウ膜炎、糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、湿疹、強皮症、多発性筋炎/強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、潰瘍性直腸炎(uncerative protitis)、重症複合免疫不全(SCID)、ディジョージ症候群、毛細血管拡張性運動失調、季節性アレルギー、通年性アレルギー、食物アレルギー、アナフィラキシー、肥満細胞症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、脾機能亢進、白血球粘着不全症、X連鎖リンパ増殖性疾患、X連鎖無ガンマグロブリン血症、選択的免疫グロブリンA欠乏症、hyper IgM 症候群、HIV、自己免疫性リンパ増殖症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群、慢性肉芽腫性疾患、分類不能型免疫不全症(CVID)、高グロブリン血症E症候群、橋本甲状腺炎、急性特発性血小板減少性紫斑病、慢性特発性血小板減少症紫斑病、皮膚筋炎、シドナム舞踏病、重症筋無力症、多腺性症候群、水疱性類天疱瘡、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、連鎖球菌感染後腎炎、結節性紅斑、多形性紅斑、gA腎症、高安動脈炎、アジソン病、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、結節性多発性動脈炎、強直性脊椎炎、グッドパスチャー症候群、閉塞性血栓血管炎(thromboangitisubiterans)、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変、橋本甲状腺炎、甲状腺中毒症、慢性活動性肝炎、多発性軟骨炎、尋常性天疱瘡(pamphigus Vulgaris)、ウェジナー肉芽腫症、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄癆(tabesdorsalis)、巨大細胞動脈炎/多発性筋痛、悪性貧血(peraiciousa nemia)、急速進行性糸球体腎炎、乾癬、線維性肺胞炎またはがんであり得る。
【0203】
本開示の一部の実施形態では、自己免疫疾患は、上記で列挙された自己免疫疾患のうち1つでない場合がある。
【0204】
本開示の一部の好ましい実施形態では、自己免疫疾患は、多発性硬化症、全身性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、1型糖尿病(T1D)、強皮症、天疱瘡およびループスからなる群から選択され得る。本開示の一部の他の好ましい実施形態では、自己免疫疾患は、移植片対宿主病(GvHD)および喘息などのアレルギー性障害からなる群から選択され得る。本開示の一部の特に好ましい実施形態では、自己免疫疾患は、1型糖尿病(T1D)であり得る。
【0205】
本開示の方法が自己免疫疾患を有する、それを有すると疑われる、またはそれと診断されている対象で実施される実施形態では、これらの方法によって生成されたNKT様細胞は、自己免疫疾患を処置できる。これに関連して、「処置する」とは、対象において有益な治療効果を発揮することを意味し、これは、本開示の方法に由来する任意の全体的な臨床的利益であり得る。この全体的な臨床的利益は、例えば、疲労の低減、筋肉痛の低減、腫脹および発赤の低減、低度発熱の低減、集中力の低減、手足および腕または脚のしびれおよびピリピリ感の低減、排尿の低減、脱毛の低減、皮疹の低減、正常血糖への回復、Cペプチドの増大、創傷治癒の改善、下痢の低減、筋肉痙攣の低減、筋緊張および筋肉制御の改善、皮膚上の皮疹もしくはうろこ状のプラークまたは変色の低減、体重維持の改善、筋肉または関節痛の低減、消化管の快適性の改善、正常な心拍数、不安神経症の低減、総合障害度評価尺度(EDSS)スコアの低減、ガドリニウム強化MRIによって測定される脳中の特有の活性病変の低減のうちいずれかであり得る。
【0206】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、自己反応性Tおよび/またはBリンパ球を直接死滅させること、Treg:Tリンパ球比率を増大すること、自己反応性Tおよび/またはBリンパ球の活性を阻害すること、炎症を低減すること、または自己反応性リンパ球の輸送を低減することを介して、自己免疫疾患を処置できる。
【0207】
「感染性疾患」(または「微生物病」)とは、本明細書で使用される場合、感染性病原体(病原体)、例えば、ウイルス、細菌または真菌による対象の身体の感染に起因する疾患または疾病を指す。本開示の一部の実施形態では、感染性疾患は、アシネトバクター感染症(アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii))、放線菌症(アクチノミセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)、アクチノマイセス・ゲレンセリエ(Actinomyces gerencseriae)およびプロピオバクテリウム・プロピオニクス(Propionibacterium propionicus))アフリカ睡眠病またはアフリカトリパノソーマ症(トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei))、AIDS(後天性免疫不全症候群)(ヒト免疫不全ウイルス)、アメーバ症(エントアメーバ・ヒストリチカ(Entamoeba histolytica))、アナプラズマ症(アナプラズマ属(Anaplasma)の種)、住血線虫症(アンギオストロンギルス属(Angiostrongylus))、アニサキス症(アニサキス属(Anisakis))、炭疽病(炭疽菌(Bacillus arthracis))、溶血性アルカノバクテリア感染(溶解性アルカのノバクテリア(Arcanobacterium haemolyticum))、アルゼンチン出血熱(フニンウイルス)、回虫症(回虫(Ascaris lumbricoides))、アスペルギルス症(アスペルギルス属(Aspergillus)の種)、アストロウイルス感染(アストロウイルス科(Astroviridae))、バベシア症(バベシア属(Babesia)の種)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)感染(バチルス・セレウス)、細菌性肺炎(複数の細菌)、細菌性腟症(細菌性腟症の微生物叢のリスト)、バクテロイデス属(Bacteroides)感染(バクテロイデス属の種)、バランチジウム症(大腸バランチジウム(Balantidium coli))、バルトネラ症(バルトネラ属(Bartonella))、アライグマ回虫感染(バイリサスカリス属(Baylisascaris)の種)、BKウイルス感染(BKウイルス)、ブラックピエドラ(Black piedra)(ピエドライア・ホルタエ(Piedraia hortae))、ブラストシストーシス(Blastocystosis)(ブラストシスチス属(Blastocystis)の種)、ブラストミセス症(ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis))、ボリビア出血熱(マチュポウイルス)、ボツリヌス中毒(および乳児ボツリヌス中毒)(クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum);注記:ボツリヌス中毒は、クロストリジウム・ボツリヌムによる感染ではないが、ボツリヌス毒素の取り込みによって引き起こされる)、ブラジル出血熱(サビアウイルス)、ブルセラ症(ブルセラ属(Brucella)の種)、腺ペスト(細菌の科、腸内細菌科(Enterobacteriaceae))、バークホルデリア属(Burkholderia)感染、普通、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)および他のバークホルデリア属の種、ブルーリ潰瘍(マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans))、カリシウイルス感染(ノロウイルスおよびサポウイルス)(カリシウイルス科)、カンピロバクター症(カンピロバクター属(Campylobacter)の種)、カンジダ症(モニリア症;口腔カンジダ症)(普通、カンジダ・アルビカンス(Cabdida albicans)および他のカンジダ属(Candida)の種)、毛細虫症(フィリピン毛細虫(Capillaria philippinensis)による腸疾患、肝毛頭虫(Capillaria hepatica)による肝疾患およびカピラリア・アエロフィラ(Capillaria aerophila)による肺疾患)、カリオン病(バルトネラ・バシリホルミス(Bartonella bacilliformis))、ネコひっかき病(バルトネラ・ヘンセラ(Bartonella henselae))、蜂巣炎(普通、A群連鎖球菌およびブドウ球菌)、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)(トリパノソーマ・クルージ(Trypanosoma cruzi))、軟性下疳(ヘモフィルス・デュクレイ(Haemophilus ducreyi))、水痘(水痘帯状疱疹ウイルス(VZV))、チクングニア(アルファウイルス)、クラミジア(クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis))、肺炎クラミジア感染(台湾急性呼吸器物質またはTWAR)(肺炎クラミジア)、コレラ(ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)、黒色分芽菌症(普通、フォンセカエ・ペドロソイ(Fonsecaea pedrosoi))、ツボカビ症(カエルツボカビ(Batrachochytrium dendrabatidis))、肝吸虫症(肝吸虫(Clonorchis sinensis))、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)大腸炎(クロストリジウム・ディフィシル)、コクシジオイデス症(コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)およびコクシジオイデス・ポサダシ(Coccidioides posadasii))、コロラドダニ熱(CTF)(コロラドダニ熱ウイルス(CTFV))、感冒(急性ウイルス性鼻咽頭炎、急性鼻感冒)(普通、ライノウイルスおよびコロナウイルス)、コロナウイルス、クロイツフェルト・ヤコブ病病(CJD)(PRNP)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)(クリミア・コンゴ出血熱ウイルス)、クリプトコッカス症(クリプトコッカス・ネオフォルマンス)、クリプトスポリジウム症(クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)の種)、皮膚幼虫移行症(CLM)(普通、ブラジル鉤虫(Ancylostoma braziliense);複数の他の寄生虫)、シクロスポラ症(シクロスポラ・カイエタネンシス(Cyclospora cayetanensis))、嚢虫症(有鉤条虫(Taenia solium))、サイトメガロウイルス感染(サイトメガロウイルス)、デング熱(デングウイルス(DEN-1、DEN-2、DEN-3およびDEN-4)-フラビウイルス)、デスモデスムス属(Desmodesmus)感染(緑藻デスモデスムス・アルマツス(Desmodesmus armatus))、二核アメーバ症(二核アメーバ(Dientamoeba fragilis))、ジフテリア(コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae))、裂頭条虫症(Diphyllobothrium)、メジナ虫症(Dracunculus medinensis)、エボラ出血熱(エボラウイルス(EBOV))、エキノコックス症(エキノコックス属(Echinococcus)の種)、エーリキア症(エーリキア属(Ehrlichia)の種)、腸蟯虫症(蟯虫感染)(蟯虫(Enterobius vermicularis))、エンテロコッカス感染(エンテロコッカス属(Enterococcus)の種)、エンテロウイルス感染(エンテロウイルス属(Enterococcus)の種)、発疹チフス(発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii))、伝染性紅斑(第五病)(パルボウイルスB19)、突発性発疹(第六病)(ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)およびヒトヘルペスウイルス7(HHV-7))、肝蛭症(Fasciolasis)(肝蛭(Fasciola hepatica)および巨大肝蛭(Fasciola gigantica))、肥大吸虫症(肥大吸虫(Fasciolopsis buski))、致死性家族性不眠症(FFI)(PRNP)、フィラリア症(フィラリア上科(Filarioidea superfamily))、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)による食物中毒(クロストリジウム・パーフリンジェンス)、自由生活性アメーバ感染(複数)、フソバクテリウム感染(フソバクテリウム属(Fusobacterium)の種)、ガス壊疽(クロストリジウム筋壊死)(普通、クロストリジウム・パーフリンジェンス、他のクロストリジウム属(Clostridium)の種)、ゲオトリクム症(ゲオトリクム・カンジダム(Geotrichum candidum))、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)(PRNP)、ジアルジア症(ランブル鞭毛虫)鼻疽(バークホルデリア・マレイ(Burkholderia mallei))、顎口虫症(有棘顎口虫(Gnathostoma spinigerum)および剛棘顎口虫(Gnathostoma hispidum))、淋病(ナイセリア・ゴノレー(Neisseria gonorrhoeae))、鼠径肉芽腫(鼠径リンパ肉芽腫症) (クレブシエラ・グラニュロマティス(Klebsiella granulomatis))、A群連鎖球菌感染(化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes))、B群連鎖球菌感染(ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae))、インフルエンザ菌感染(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae))手足口病(HFMD)(エンテロウイルス、主に、コクサッキーAウイルスおよびエンテロウイルス71(EV71))、ハンタウイルス肺症候群(HPS)(シンノンブルウイルス)、ハートランドウイルス疾患(ハートランドウイルス)、ピロリ菌感染(ピロリ菌(Helicobacter pylori))、溶血性尿毒症症候群(HUS)、大腸菌O157:H7、O111およびO104:H4、腎症候群を伴う出血熱(HFRS)(ブニヤウイルス科(Bunyaviridae))、A型肝炎(A型肝炎ウイルス)、B型肝炎(B型肝炎ウイルス)、C型肝炎(C型肝炎ウイルス)、D型肝炎(D型肝炎ウイルス)、E型肝炎(E型肝炎ウイルス)、単純ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1および2(HSV-1およびHSV-2))、ヒストプラスマ症(ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum))、鉤虫感染(ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)およびアメリカ鉤虫(Necator americanus))、ヒトボカウイルス感染(ヒトボカウイルス(HBoV))、ヒトエウィンギーエーリキア症(エーリキア・エウィンギー(Ehrlichia ewingii))、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)(アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum))、ヒトメタニューモウイルス感染、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、ヒト単球性エーリキア症(エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis))、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(ヒトパピローマウイルス(HPV))、ヒトパラインフルエンザウイルス感染(ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV))、膜様条虫症(小形条虫(Hymenolepis nana)および縮小条虫(Hymenolepis diminuta))、エプスタイン・バーウイルス伝染性単核球症(Mono)(エプスタイン・バーウイルス(EBV))、インフルエンザ(flu)(オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae))イソスポーラ症(イソスポーラ・ベリ(Isospora belli))、川崎病(未知;エビデンスはそれが感染性であることを支持する)角膜炎(複数)、キンゲラ・キンゲ感染(キンゲラ・キンゲ(Kingella kingae))、クールー(PRNP)、ラッサ熱(ラッサ熱ウイルス)、レジオネラ症(レジオネラ病)(レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila))、レジオネラ症(ポンティアック熱)(レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila))、リーシュマニア症(リーシュマニア属(Leishmania)の種)、らい病(らい菌(Mycobacterium leprae)およびマイコバクテリウム・レプロマトーシス((Mycobacterium lepromatosis)、レプトスピラ症(レプトスピラ属(Leptospira)の種)、リステリア症(リステリア・モノサイトジェネス(Listeria monocytogenes))、ライム病(ライム病(Lyme borreliosis))(ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、ボレリア・ガリニ(Borrelia garinii)およびボレリア・アフゼリ(Borrelia afzelii))、リンパ管フィラリア症(象皮症)(バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)およびマレー糸状虫(Brugia malayi))、リンパ球性脈絡髄膜炎(リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV))、マラリア(マラリア原虫の種)、マールブルグ出血熱(MHF)(マールブルグウイルス)、麻疹(麻疹ウイルス)、中東呼吸器症候群(MERS)(中東呼吸器症候群コロナウイルス)、類鼻疽(ホイットモア病)(バークホルデリア・シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei))、髄膜炎(複数)、髄膜炎菌性疾患(ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis))、横川吸虫症(普通、横川吸虫(Metagonimus yokagawai))、微胞子虫症(ミクロスポリジア・フィルム(Microsporidia phylum))、伝染性軟属腫(MC)(伝染性軟属腫ウイルス(MCV))、サル痘(サル痘ウイルス)、流行性耳下腺炎(ムンプスウイルス)、発疹熱(Murine typhus)(発疹熱(Endemic typhus))(リケッチア・チフィ(Rickettsia typhi))、マイコプラズマ肺炎(マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae))、菌腫(曖昧さ回避)(細菌の多数の種(放線菌腫)および真菌(真菌性菌腫))、ハエ幼虫症(寄生性の双翅目ハエの幼虫)、新生児結膜炎(新生児眼炎)(最も一般的なクラミジア・トラコマチスおよびナイセリア・ゴノレー)、ノロ
ウイルス(小児および乳児)((新規)バリアントクロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、nvCJD)、PRNP)、ノカルジア感染症(普通、ノカルジア・アステロイデス(ノカルジア属 asteroides)および他のノカルジア属(Nocardia)の種)、オンコセルカ症(河川盲目症)(回旋糸状虫(Onchocerca volvulus))、オピストルキス症(タイ肝吸虫(Opisthorchis viverrini)およびネコ肝吸虫(Opisthorchis felineus))、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)(南アメリカ分芽菌(Paracoccidioides brasiliensis))、肺吸虫症(普通、ウェステルマン肺吸虫(Paragonimus westermani)および他のパラゴニムス属(Paragonimus)の種)、パスツレラ症(パスツレラ属(Pasteurella)の種)、アタマジラミ寄生症(アタマジラミ)(アタマジラミ(Pediculus humanus capitis))、コロモジラミ症(コロモジラミ)(コロモジラミ(Pediculus humanus corporis))、ケジラミ症(ケジラミ(Public lice)、ケジラミ(Crab lice))(ケジラミ(Phthirus pubis))、骨盤内炎症性疾患(PID)(複数)、百日咳(Pertussis)(百日咳(Whooping cough))(ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis))、ペスト(エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis))、肺炎球菌感染(肺炎連鎖球菌(Streptoscoccus pneumoniae))、ニューモシスチス肺炎(PCP)(ニューモシスチス・ジロベシ(Pneumocystis jirovecii)、肺炎(複数)、灰白髄炎(ポリオウイルス)、プレボテラ感染(プレボテラ属(Prevotella)の種)、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)(普通、ネグレリア・フォーレリ(Naegleria fowleri))、進行性多巣性白質脳症(JCウイルス)、オウム病(クラミドフィラ・シタッシ(Chlamydophila psittaci))、Q熱(コクシエラ・ブルネッティ(Coxiella burnetii))、狂犬病(狂犬病ウイルス)、再発性発熱(ボレリア・ヘルムシー(Borrelia hermsii)、ボレリア・リカレンチス(Borrelia recurrentis)および他のボレリア属(Borrelia)の種)、呼吸器合胞体ウイルス感染(呼吸器合胞体ウイルス(RSV))、リノスポリジウム症(リノスポリジウム・セーベリ(Rhinosporidium seeberi))、ライノウイルス感染(ライノウイルス)、リケッチア感染(リケッチア属(Rickettsia)の種)、リケッチア痘症(リケッチア・アカリ(Rickettsia akari))、リフトバレー熱(RVF)(リフトバレー熱ウイルス)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)(リケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii))、ロタウイルス感染(ロタウイルス)、風疹(風疹ウイルス)、サルモネラ症(サルモネラ菌属(Salmonella)属の種)、SARS(重症急性呼吸器症候群)(SARSコロナウイルス)、疥癬(ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei))、住血吸虫症(住血吸虫属(Schistosoma)の種)、敗血症(複数)、細菌性赤痢(Shigellosis)(細菌性赤痢(Bacillary dysentery))(赤痢菌属(Shigella)の種)、帯状疱疹(Shingles)帯状疱疹(Herpes zoster))(水痘帯状疱疹ウイルス(VZV))、天然痘(痘瘡)(大痘瘡または小痘瘡)、スポロトリクム症(スポロトリックス・シェンキイ(Sporothrix schenckii))、ブドウ球菌の食物中毒(ブドウ状球菌(staphylococcus)の種)、ブドウ球菌の感染(ブドウ球菌属(Staphylococcus)属の種)、糞線中症(糞線虫(Strongyloides stercoralis))、亜急性硬化性全脳炎(麻疹ウイルス)、梅毒(梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum))、条虫症(条虫属(Taenia)属の種)、テタヌス(開口障害)(クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani))、白癬性毛瘡(床屋疹しん)(普通、白癬菌属(Trichophyton)の種)、頭部白癬(頭皮の白癬)(普通、トリコフィトン・トンズランス(Trichophyton tonsurans))、体部白癬(体部の白癬)(普通、トリコフィトン属(Trichophyton)の種)、股部白癬(頑癬)(普通、エピデルモフィトン・フロッコーサム(Epidermophyton floccosum)、トリコフィトン・ラブラム(Trichophyton rubrum)およびトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes))、手白癬(手の白癬)(トリコフィトン・ラブラム)、黒癬(普通、ホルタエア・ウェルネキイ(Hortaea werneckii))、足白癬(水虫)(普通、トリコフィトン属の種)、爪白癬(爪真菌症)(普通、トリコフィトン属の種)、癜風(Tinea versicolor)(癜風(pityriasis versicolor))(マラセチア属(Malassezia)の種)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))(イヌ回虫(Toxocara canis)またはネコ回虫(Toxocara cati))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM)) (イヌ回虫またはネコ回虫)、トラコーマ(クラミジア・トラコマチス)、トキソプラズマ症(トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii))、旋毛虫症(旋毛虫(Trichinella spiralis))、トリコモナス症(腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis))、鞭虫症 (鞭虫感染)(鞭虫(Trichuris trichiura))、結核(普通、結核菌)、野兎病(野兎病菌(Francisella tularensis))、腸チフス熱(サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)亜種エンテリカ(enterica)、血清型typhi)、チフス熱(リケッチア属)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)感染(ウレアプラズマ・ウレアリチカム)、谷熱(コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)またはコクシジオイデス・ポサダシ(Coccidioides posadasii))、ベネズエラウマ脳炎(ベネズエラウマ脳炎ウイルス)、ベネズエラ出血熱(グアナリトウイルス)、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)感染(ビブリオ・バルニフィカス)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)腸炎(腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus))、ウイルス性肺炎(複数のウイルス)、ウエストナイル熱(ウエストナイルウイルス)、ホワイトピエドラ(White piedra)(白癬菌(Tinea blanca))(トリコスポロン・ベイゲリ(Trichosporon beigelii))、偽結核エルジニア菌(Yersinia Pseudotuberculosis)感染(偽結核エルジニア菌(Yersinia Pseudotuberculosis))、エルシニア症(エンテロコリチカ菌(Yersinia enterocolitica))、黄熱(黄熱病ウイルス)、接合菌症(ケカビ目(Mucorales)(ムコール症)およびハエカビ目(Entomophthorales)(エントモフトラ症))ヒト免疫不全ウイルス[HIV]疾患、感染症および寄生虫疾患を伴うHIV疾患、マイコバクテリア感染を伴うHIV疾患、サイトメガロウイルス疾患を伴うHIV疾患、他のウイルス感染を伴うHIV疾患、カンジダ症を伴うHIV疾患、他の真菌症を伴うHIV疾患、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystic carinii)肺炎を伴うHIV疾患、悪性新生物を伴うHIV疾患、カポジ肉腫を伴うHIV疾患、バーキットリンパ腫を伴うHIV疾患、他の種類の非ホジキンリンパ腫を伴うHIV疾患、リンパ、造血および関連組織の他の悪性新生物を伴うHIV疾患、複数の悪性新生物を伴うHIV疾患、他の悪性新生物を伴うHIV疾患、不特定悪性新生物を伴うHIV疾患、脳症を伴うHIV疾患、リンパ性間質性間質性肺炎を伴うHIV疾患、消耗症候群を伴うHIV疾患、別の場所で分類される複数の疾患を伴うHIV疾患、他の状態を伴うHIV疾患、HIV疾患急性HIV感染症候群、(遷延性)全身性リンパ節腫脹を伴うHIV疾患、血液学的および免疫学的異常を伴うHIV疾患、他の特定の状態を伴うHIV疾患または不特定のHIV疾患であり得る。本開示の一部の実施形態では、感染性疾患は、ウイルス、例えば、ウイルスの以下の科のうち1つに由来するウイルス:a)アデノウイルス科(Adenoviridae)、例えば、アデノウイルス種;b)ヘルペスウイルス科、例えば、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン-バーウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス8型種;c)パピローマウイルス科(Papillomaviridae)、例えば、ヒトパピローマウイルス種;d)ポリオーマウイルス科(Polyomaviri dae)、例えば、BKウイルス、JCウイルス種;e)ポックスウイルス科(Poxviridae)、例えば、天然痘種:f)ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)、例えば、B型肝炎ウイルス種;g)パルボウイルス科(Parvoviridae)、例えば、ヒトボカウイルス、パルボウイルスB19種;h)アストロウイルス科(Astroviridae)、例えば、ヒトアストロウイルス種:i)カリシウイルス科(Caliciviridae)、例えば、ノーウォークウイルス種;j)フラビウイルス科(Flaviviridae)、例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)、黄熱病ウイルス、デングウイルス、ウエストナイルウイルス種;k)トガウイルス科(Tigaviridae)、例えば、風疹ウイルス種;1)ヘペウイルス科(Hepeviridae)、例えば、E型肝炎ウイルス種;m)レトロウイルス科(Retroviridae)、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)種;n)オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviri daw)ファミリー、例えば、インフルエンザウイルス種;o)アレナウイルス科(Arenaviridae)、例えば、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサ熱ウイルス、マチュポウイルスおよび/またはサビアウイルス種;p)ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、例えば、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス種;q)フィロウイルス科(Filoviridae)、例えば、エボラウイルスおよび/またはマールブルグウイルス種;パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、例えば、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルスおよび/またはニパウイルス種;r)ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)の属、例えば、狂犬病ウイルス種;s)レオウイルス科(Reoviridae)、例えば、ロタウイルス、オルビウイルス(Orbivi rus)、コルティウイルスおよび/またはバンナウイルス種による感染であり得る。
【0208】
本開示の一部の実施形態では、感染性疾患は、上記で列挙された感染性疾患のうち1つではない場合がある。
【0209】
一部の実施形態では、感染性疾患は、インフルエンザA(Flu A)ウイルスによる感染によって引き起こされる疾患であり得る。一部の実施形態では、インフルエンザウイルスは、鳥類またはブタ起源パンデミックインフルエンザウイルス、例えば、H5N1、H7N3、H7N7、H7N9およびH9N2(鳥類サブタイプ)またはH1N1、H1N2、H2N1、H3N1、H3N2もしくはH2N3(ブタサブタイプ)であり得る。
【0210】
本開示の一部の好ましい実施形態では、感染性疾患は、HIV、例えば、残存HIV疾患、ヘルペス、肝炎またはヒトパピローマウイルスであり得る。他の好ましい実施形態では、感染性疾患は、コロナウイルス、例えば、COVID-19(コロナウイルス2019;重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患)による感染に起因する疾患であり得る。
【0211】
本開示の方法が、感染性疾患を有する、それを有すると疑われる、またはそれと診断されている対象で実施される実施形態では、これらの方法によって生成されたNKT様細胞は、感染性疾患を処置できる。これに関連して、「処置する」とは、対象において有益な治療効果を発揮すること意味し、これは、本開示の方法に由来する任意の全体的な臨床的利益であり得る。この全体的な臨床的利益は、例えば、発熱の低減、下痢の低減、咳の低減、筋肉痛の低減、疲労の低減、CRPの低減、人工呼吸器を付ける時間の低減、余分の酸素の必要性の低減、回復後の臓器損傷の低減のいずれかであり得る。
【0212】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、感染性生物を貪食することおよび死滅させること、他の自然および適応免疫細胞を活性化すること、他の免疫細胞を感染の部位(例えば、ウイルスによって感染した臓器)に補充すること、ウイルスによって感染した免疫細胞(例えば、COVID-19によって活性化された単球)を枯渇させることを介して、感染性疾患を処置できる。
【0213】
一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、免疫活性化サイトカインの放出を介して感染性疾患を処置できる。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、抗菌または抗ウイルス作用を有するサイトカイン(例えば、TNF-アルファ、IFN-ガンマ)の放出を介して感染性疾患を処置できる。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、アポトーシスを誘導することによって、例えば、標的細胞上のデスレセプターに結合するリガンドを発現させることによって感染性疾患を処置できる。一部の実施形態では、NKT様細胞は、感染性生物を死滅させる細胞傷害性分子を分泌できる。一部の実施形態では、本開示のNKT様細胞は、感染性生物を取り込むまたは貪食することができる。
【0214】
感染性疾患が、コロナウイルス、例えば、COVID-19による感染に起因する疾患である実施形態では、本開示のNKT様細胞は、コロナウイルスを貪食することおよび死滅させること、ならびに/または他の自然および適応免疫細胞を活性化することを介して疾患を処置できる。
【0215】
したがって、本開示はまた、対象においてコロナウイルスによる感染に起因する疾患を処置する方法であって、デキサメタゾン塩基の約少なくとも6mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤を対象に投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、グルココルチコイド、好ましくは、デキサメタゾンまたはベタメタゾンであり得る。一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基の約少なくとも15mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で投与され得る。一部の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、デキサメタゾン塩基の約18mg/kgから30mg/kgのヒト等価用量(HED)の間に相当する用量で投与され得る。一部の好ましい実施形態では、疾患は、COVID-19(コロナウイルス2019;重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患)またはSARS-CoVまたはMERSである。一部の実施形態では、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤は、本明細書において別の場所で開示されるようなNKT様細胞の集団を誘導/動員する。
【0216】
一部の好ましい実施形態では、本開示は、対象においてCOVID-19(コロナウイルス2019;重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患)を処置する方法であって、デキサメタゾン塩基の約15mg/kgから30mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する用量で、対象にデキサメタゾンまたはベタメタゾンを投与することを含む方法を提供する。
【0217】
感染性疾患が、コロナウイルスによる感染に起因する疾患、例えば、COVID-19である実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレート剤は、プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール)および/またはヒドロコルチゾンと組み合わせて投与され得る。これに関連して、「と組み合わせて」とは、同時投与を意味する場合も、任意の順序の別個のおよび/または逐次投与を意味する場合もある。
【0218】
本開示の方法の一部の実施形態では、NKT様細胞の集団を生成/動員する方法は、本開示のNKT様細胞または本開示のNKT様細胞の集団を、対象から、または対象に由来する試料から単離する工程をさらに含み得る。したがって、本開示は、単離されたNKT様細胞、ならびに単離されたNKT様細胞の集団を提供する。単離された細胞および単離された細胞の集団は、上記で概説されたようにそれらが発現する表面タンパク質のパターンを特徴とし得る。
【0219】
混合試料から細胞および細胞の集団を単離するための適した方法は、当業者に周知であり、例えば、フローソーティング(例えば、蛍光活性化セルソーティング;FACS)および磁性粒子ソーティング(例えば、磁性活性化セルソーティング;MACS)、マイクロ流体セルソーティング、密度勾配遠心分離、免疫密度細胞単離、増殖因子および培地中の他の構成成分に基づく細胞培養での拡大増殖がある。本開示の一部の好ましい実施形態では、単離する工程は、蛍光活性化セルソーティング(FACS)または磁気活性化細胞選別(MACS)によって実施される。
【0220】
NKT様細胞が、対象に由来する試料から単離される実施形態では、試料は、血液、血漿、腫瘍生検または外科的に採取された腫瘍、骨髄、肝臓、脾臓生検および脂肪または脂肪組織からなる群から選択され得る。
【0221】
一部の実施形態では、単離する工程は、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の投与の少なくとも約1、3、12、24、48、72、96、120、144または168時間後に実施され得る。一部の実施形態では、単離する工程は、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の投与の少なくとも約1、3、8、9、10、11、12、13、14または15日後に実施され得る。一部の好ましい実施形態では、単離する工程は、前記投与の少なくとも約48時間後に実施される。一部の他の好ましい実施形態では、単離する工程は、前記投与の約1、3または48時間後に実施される。一部の実施形態では、単離する工程は、グルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の投与後、約1、3もしくは48時間から13日の間、約1、3もしくは48時間から168時間の間、約1、3もしくは48時間から120時間の間、約1、3もしくは48時間から96時間の間、または約1、3もしくは48時間から72時間の間に実施され得る。一部の好ましい実施形態では、単離する工程は、前記投与後、約1、3または48時間から72時間の間に実施される。一部の実施形態では、単離する工程は、グルココルチコイド投与後、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10時間以内に実施され得る。一部の好ましい実施形態では、単離する工程は、グルココルチコイド投与後、3時間以内に実施され得る。一部の特に好ましい実施形態では単離する工程は、グルココルチコイド投与後1時間以内に実施され得る。他の特に好ましい実施形態では、単離する工程は、グルココルチコイド投与後30から60分の間に実施され得る。対象ががん、感染性疾患または自己免疫疾患を有する一部の好ましい実施形態では、NKT様細胞を単離する工程は、対象から得た血液試料で、グルココルチコイド投与後3時間以内に、好ましくは、グルココルチコイド投与後1時間以内に、例えば、グルココルチコイド投与後30から60分の間に実施され得る。
【0222】
単離する工程を含む方法の一部の好ましい実施形態では、対象は、健康な対象、例えば、健康な成人ヒト対象であり得る。これに関連して、健康な対象は、疾患に罹患していない対象である。
【0223】
本開示の単離されたNKT様細胞および単離されたNKT様細胞集団は、培養で拡大増殖させることができる。細胞を培養および拡大増殖させるための適した方法および試薬は、当業者に周知である。例えば、IL-2、可溶性抗CD28抗体、抗CD3イプシロン抗体、抗TCRベータ抗体、およびグリコシド、例えば、KRN7000、PBS44またはPBS57を用いる長期培養は、NKT細胞の頑強な拡大増殖を生成すると示されている(全体で参照により本明細書に組み込まれるWatarai et al 2008)。したがって、本開示の方法の一部の実施形態では、NKT様細胞の集団を生成する方法は、NKT様細胞または単離する工程によって単離されたNKT様細胞を拡大増殖させる工程をさらに含み得る。本開示の方法の一部の実施形態では、方法は、上記で詳細に記載されるとおりであり得る、NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターを用いて単離された細胞を活性化する工程を(拡大増殖させる工程の前または後のいずれかにおいて)さらに含み得る。
【0224】
一部の実施形態では、対象からの、または対象に由来する試料からのNKT様細胞またはNKT様細胞の集団の単離後、本開示の方法は、タンパク質をコードする核酸を、単離された細胞(単数または複数)中に導入する工程をさらに含み得る。核酸を細胞中に導入するための適した方法は、当業者に周知であり、例えば、エレクトロポレーション、ソノポレーション、細胞マイクロインジェクション、微粒子送達、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクションおよびリポソームベースのトランスフェクションを含む物理的または化学的方法またはウイルス性形質導入がある。タンパク質をコードする核酸を導入した後、細胞(単数または複数)をコードされるタンパク質の発現を促進する条件下で培養してもよい。細胞を培養するための適した方法、試薬および条件は、当業者に周知である。タンパク質をコードする核酸が導入されている細胞(単数または複数)は、本明細書においてトランスフェクトされた細胞、または形質転換された細胞と呼ばれ得る。
【0225】
本開示の一部の実施形態では、タンパク質をコードする核酸は、T細胞受容体(TCR)、キメラ抗原受容体(CAR)、分割された、ユニバーサルな、プログラム可能なCAR(a split, and universal and programmable CAR)(SUPRA-CAR)のうち1つまたは複数からなる群から選択されるタンパク質をコードする核酸である。
【0226】
単離後、本開示のNKT様細胞を、特定の標的に向けて遺伝子操作できる。例えば、細胞をIL-2によって拡大増殖させ、GalCer(ガラクトシルセラミド)を用いて活性化し、自己の照射済PBMCにパルスし、次いで、形質導入して、CARまたは組換えTCR(rTCR)を発現させることができる。CARまたはrTCRは、GD2(ジシアロガングリオシド)およびCD19から選択される標的に特異的に結合できる。例えば、CARは、NCT03294954(GD2に特異的に結合する)またはNCT03774654(CD19に特異的に結合する)であり得る。
【0227】
さらに、単離された細胞は、標的化された活性化を起こすことができる。例えば、以下の手順を利用できる:受動的および能動的送達用のナノベクター;NKT様細胞の腫瘍への標的化された活性化のためのa-GalCer負荷APC;α-GalCerのi.v.投与;および/または培養細胞へのα-GalCerの添加によるバルクPBMC刺激(2~3回)(iNKT細胞が濃縮された集団を生成し、これを次いで患者に注入して戻すため)
【0228】
さらに、単離された細胞を、腫瘍標的化部分(腫瘍細胞またはTME上のいずれか)に直接連結できる。NKT細胞、T細胞およびNK細胞に対する刺激物質の化学修飾(α-GalCer類似体による免疫応答の極性化)も使用できる。
【0229】
「キメラ抗原受容体」(CAR)という用語は、本明細書で使用される場合、強力なT細胞アクチベータードメインに融合された抗体の抗原結合ドメインを含有する構築物に関するが、排他的ではない。CAR構築物で改変されたT細胞は、抗原に結合でき、結合を受けた細胞を攻撃するように刺激され得る。人工T細胞受容体(キメラT細胞受容体、キメラ免疫受容体、キメラ抗原受容体(CAR)としても知られる)は、免疫エフェクター細胞上に任意の特異性を移植する、操作された受容体である。受容体は、異なる供給源からの部分から構成されるのでキメラと呼ばれる。キメラ抗原受容体T細胞または細胞性免疫療法によって発現された受容体/リガンドまたは抗体は、単一または二重特異性または多特異性であり得る。
【0230】
一部の実施形態では、TCR、CAR、および/またはSUPRA-CARは、癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼABL1、シトルリン化抗原、ErbB2/HER2、CD16、WT-1、KRAS、グリピカン3、CD3、CD20、CD226、CD155、CD123、HPV-16 E6、メラン-A/MART-1、DR4受容体に結合したTRAIL、LMP、MTCR、ESO、NY-ESO-1、gp100、4SCAR-GD2/CD56、メソテリン(CAK1抗原またはプレプロ巨核球増強因子またはMSLN);DNA合成阻害剤;ヒスタミンH1受容体(HRH1)アンタゴニスト;プロスタグランジンG/Hシンターゼ2(シクロオキシゲナーゼ2またはCOX2またはプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ2またはPHS IIまたはプロスタグランジンH2シンターゼ2またはPTGS2またはEC 1.14.99.1)阻害剤、CD19(Bリンパ球表面抗原B4または分化抗原CD19またはT細胞表面抗原Leu 12またはCD19)、細胞接着分子5(がん胎児性抗原またはCEAまたは胎便抗原100またはCD66eまたはCEACAM5);インターロイキン2受容体(IL2R)アゴニスト、上皮成長因子受容体(癌原遺伝子c ErbB 1または受容体チロシンタンパク質キナーゼerbB 1またはHER1またはERBB1またはEGFRまたはEC 2.7.10.1);DNAリガーゼ(EC 6.5.1.)阻害剤;DNAリガーゼ(EC 6.5.1.)、DNAポリメラーゼアルファ(POLAまたはEC 2.7.7.7)阻害剤;DNAプライマーゼ(EC 2.7.7.6)阻害剤;リボヌクレオシド二リン酸レダクターゼ(リボヌクレオチドレダクターゼまたはRRMまたはEC 1.17.4.1)阻害剤;RNAポリメラーゼII(RNAP IIまたはPol IIまたはEC 2.7.7.6)阻害剤、DNAポリメラーゼ(EC 2.7.7.7)阻害剤;DNAトポイソメラーゼII(EC 5.99.1.3)阻害剤;CD22、メソ、DNAプライマーゼ(EC 2.7.7.6);プログラム細胞死1リガンド1(PD L1またはB7ホモログ1またはCD274)阻害剤;RNAポリメラーゼII(RNAP IIまたはPol IIまたはEC 2.7.7.6)、ヒストンリシンNメチルトランスフェラーゼEZH2(ENX1またはゼステホモログ2のエンハンサーまたはリシンNメチルトランスフェラーゼ6またはEZH2またはEC 2.1.1.43)阻害剤;プログラム細胞死1リガンド1(PD L1またはB7ホモログ1またはCD274)、C-X-Cケモカイン受容体4型(FB22またはフーシンまたはHM89またはLCR1または白血球由来7回膜貫通ドメイン受容体またはリポ多糖類関連タンパク質3または間質細胞由来因子1受容体またはNPYRLまたはCD184またはCXCR4)アンタゴニスト;顆粒球コロニー刺激因子受容体(CD114またはGCSFRまたはCSF3R)アゴニスト、アデノシンデアミナーゼ(アデノシンアミノヒドロラーゼまたはADAまたはEC 3.5.4.4)阻害剤;腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー17(B細胞成熟抗原またはCD269またはTNFRSF17)、不活性チロシンタンパク質キナーゼ膜貫通型受容体ROR1(神経栄養性チロシンキナーゼ受容体関連1またはROR1またはEC 2.7.10.1)を発現する細胞に対して細胞傷害性;T細胞表面糖タンパク質CD3イプシロン鎖(T細胞表面抗原T3/Leu 4イプシロン鎖またはCD3E);ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFRまたはEC 1.5.1.3)阻害剤;エフリンA型受容体2(上皮細胞キナーゼまたはチロシンタンパク質キナーゼ受容体ECKまたはEPHA2またはEC 2.7.10.1)阻害剤;グルココルチコイド受容体(GRまたは核体サブファミリー3C群メンバー1またはNR3C1)アゴニスト;肥満細胞/幹細胞増殖因子受容体Kit(癌原遺伝子c Kitまたはチロシンタンパク質キナーゼKitまたはv Kitハーディー・ザッカーマン4ネコ肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログまたはまだら形質タンパク質またはp145 c KitまたはCD117またはKITまたはEC 2.7.10.1)阻害剤;血小板由来増殖因子受容体ベータ(ベータ型血小板由来増殖因子受容体またはCD140抗原様ファミリーメンバーBまたは血小板由来増殖因子受容体1またはCD140bまたはPDGFRBまたはEC 2.7.10.1)阻害剤;チュブリン阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼCSK(C Srcキナーゼまたはタンパク質チロシンキナーゼCYLまたはCSKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼFyn(癌原遺伝子Synまたは癌原遺伝子c FynまたはSrc様キナーゼまたはp59 FynまたはFYNまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼLck(白血球C末端Srcキナーゼまたはタンパク質YT16または癌原遺伝子LckまたはT細胞特異的タンパク質チロシンキナーゼまたはリンパ球細胞特異的タンパク質チロシンキナーゼまたはp56 LCKまたはLCKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼYes(癌原遺伝子c Yesまたはp61 YesまたはYES1またはEC 2.7.10.2)阻害剤、腫瘍壊死因子(カケクチンまたはTNFアルファまたは腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー2またはTNF aまたはTNF)阻害剤、シグナル伝達および転写活性化因子3(急性期反応因子またはDNA結合タンパク質APRFまたはSTAT3)阻害剤、Bcr-Ablチロシンキナーゼ(EC 2.7.10.2)阻害剤;ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFRまたはEC 1.5.1.3);エフリンA型受容体2(上皮細胞キナーゼまたはチロシンタンパク質キナーゼ受容体ECKまたはEPHA2またはEC 2.7.10.1);肥満/幹細胞増殖因子受容体Kit(癌原遺伝子c Kitまたはチロシンタンパク質キナーゼKitまたはv Kitハーディー・ザッカーマン4ネコ肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログまたはまだら形質タンパク質またはp145 c KitまたはCD117またはKITまたはEC 2.7.10.1);血小板由来増殖因子受容体ベータ(ベータ型血小板由来増殖因子受容体またはCD140 抗原様ファミリーメンバーBまたは血小板由来増殖因子受容体1またはCD140bまたはPDGFRBまたはEC 2.7.10.1);チュブリン;チロシンタンパク質キナーゼCSK(C Srcキナーゼまたはタンパク質チロシンキナーゼCYLまたはCSKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼFyn(癌原遺伝子Synまたは癌原遺伝子c FynまたはSrc様キナーゼまたはp59 FynまたはFYNまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼLck(白血球C末端Srcキナーゼまたはタンパク質YT16または癌原遺伝子LckまたはT細胞特異的タンパク質チロシンキナーゼまたはリンパ球細胞特異的タンパク質チロシンキナーゼまたはp56 LCKまたはLCKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼYes(癌原遺伝子c Yesまたはp61 YesまたはYES1またはEC 2.7.10.2)阻害剤、カスパーゼ9(アポトーシスプロテアーゼMch 6またはアポトーシスプロテアーゼ活性化因子3またはICE様アポトーシスプロテアーゼ6またはCASP9またはEC 3.4.22.62)アクチベーター;前立腺幹細胞抗原(PSCA)、腫瘍において優先的に発現される黒色腫抗原(がん/精巣抗原130またはOpa相互作用タンパク質4またはOIP4または黒色腫の優先的に発現される抗原またはPRAME)、シグナル伝達および転写活性化因子3(急性期反応因子またはDNA結合タンパク質APRFまたはSTAT3)阻害剤、CD44抗原(CDw44またはエピカンまたは細胞外マトリックス受容体IIIまたはGP90リンパ球ホーミング/接着受容体またはHUTCH Iまたはヘパラン硫酸プロテオグリカンまたはヘルメス抗原またはヒアルロン酸受容体または食作用性糖タンパク質1またはCD44)、AXL(アネクセレクト(anexelekto))受容体チロシンキナーゼ、GAS6、TAM受容体チロシンキナーゼ、TYRO-3(Brt、Dtk、Rse、SkyおよびTifとしても知られる)、AXL(Ark、Tyro7およびUfoとしても知られる)およびMER(Eyk、NymおよびTyro12としても知られる)、CTLA4、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー8(CD30L受容体またはKi 1抗原またはリンパ球活性化抗原CD30またはCD30またはTNFRSF8)、カスパーゼ9(アポトーシスプロテアーゼMch 6またはアポトーシスプロテアーゼ活性化因子3またはICE様アポトーシスプロテアーゼ6またはCASP9またはEC 3.4.22.62)アクチベーター;ガングリオシドGD2を発現する細胞に対して細胞傷害性;プロスタグランジンG/Hシンターゼ1(シクロオキシゲナーゼ1またはCOX1またはプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ1またはプロスタグランジンH2シンターゼ1またはPTGS1またはEC 1.14.99.1)阻害剤;サイトカイン、インターロイキン、クローディン6(SkullinまたはCLDN6)、NKG2D、MICA、MICBおよびULBP 1-6、NKp30、B7H6(NCR3LG1)、Bag6、B7ファミリー、CD40リガンド(T細胞抗原Gp39またはTNF関連活性化タンパク質または腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー5またはCD154またはCD40LG)アクチベーター;インターロイキン12(IL12)アクチベーター、インターロイキン3受容体サブユニットアルファ(IL3RA)、肥満/幹細胞成長因子、受容体Kit (癌原遺伝子c Kitまたはチロシンタンパク質キナーゼKitまたはv Kitハーディー・ザッカーマン4ネコ肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログまたはまだら形質タンパク質またはp145 c KitまたはCD117またはKITまたはEC 2.7.10.1)アンタゴニスト;癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼ受容体Ret(カドヘリンファミリーメンバー12または癌原遺伝子c RetまたはRETまたはEC 2.7.10.1)阻害剤;受容体型チロシンタンパク質キナーゼFLT3(FMS様チロシンキナーゼ3またはFLサイトカイン受容体または幹細胞チロシンキナーゼ1または胎児肝臓キナーゼ2またはCD135またはFLT3またはEC 2.7.10.1)アンタゴニスト;血管内皮増殖因子受容体1(Fms様チロシンキナーゼ1またはチロシンタンパク質キナーゼ受容体FLTまたはチロシンタンパク質キナーゼFRTまたは血管透過性因子受容体またはVEGFR1またはFLT1またはEC 2.7.10.1)アンタゴニスト;血管内皮増殖因子受容体2(胎児肝臓キナーゼ1またはキナーゼ挿入ドメイン受容体またはタンパク質チロシンキナーゼ受容体flk 1またはVEGFR2またはCD309またはKDRまたはEC 2.7.10.1)アンタゴニスト;血管内皮増殖因子受容体3(Fms様チロシンキナーゼ4またはチロシンタンパク質キナーゼ受容体FLT4またはVEGFR3またはFLT4またはEC 2.7.10.1)アンタゴニスト、カスパーゼ9(アポトーシスプロテアーゼMch 6またはアポトーシスプロテアーゼ活性化因子3またはICE様アポトーシスプロテアーゼ6またはCASP9またはEC 3.4.22.62)アクチベーター、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4またはCD152またはCTLA4)アンタゴニスト、骨髄性細胞表面抗原CD33(シアル酸結合性Ig様レクチン3またはgp67またはCD33)、肝細胞増殖因子受容体(癌原遺伝子c Metまたはチロシンタンパク質キナーゼMetまたはHGF/SF受容体または散乱因子受容体またはMETまたはEC 2.7.10.1)、上皮細胞接着分子(腺がん関連抗原または細胞表面糖タンパク質Trop 1または上皮細胞表面抗原または上皮糖タンパク質314またはKS 1/4抗原またはKSAまたは腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子1またはCD326またはEPCAM)、ガングリオシドGD2、ルイスY抗原(CD174)、潜在膜タンパク質1(タンパク質p63またはLMP1)、ムチン1(乳房癌関連抗原DF3またはエピシアリンまたはH23AGまたはクレブス・フォン・デン・ルンゲン6またはPEMTまたはピーナッツ反応性尿ムチンまたは多型上皮ムチンまたは腫瘍関連上皮膜抗原または腫瘍関連ムチンまたはCD227またはMUC1)、T細胞受容体ベータ1鎖C領域(TRBC1)、血管内皮増殖因子受容体2(胎児肝臓キナーゼ1またはキナーゼ挿入ドメイン受容体またはタンパク質チロシンキナーゼ受容体flk 1またはVEGFR2またはCD309またはKDRまたはEC 2.7.10.1)、BCMA、PD-1、インターロイキン-6 受容体、NKR2、CX-072、Tリンパ球タンパク質4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4またはCD152またはCTLA4)アンタゴニスト;セリン/スレオニンタンパク質キナーゼB Raf(p94または癌原遺伝子B Rafまたはv Rafマウス肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログB1またはBRAFまたはEC 2.7.11.1)阻害剤、ムチン16(卵巣がん関連腫瘍マーカーCA125または卵巣癌抗原CA125またはMUC16);Bcr-Ablチロシンキナーゼ(EC 2.7.10.2) 阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼCSK(C Srcキナーゼまたはタンパク質チロシンキナーゼCYLまたはCSKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼFyn(癌原遺伝子Synまたは癌原遺伝子c FynまたはSrc様キナーゼまたはp59 FynまたはFYNまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼLck(白血球C末端Srcキナーゼまたはタンパク質YT16または癌原遺伝子LckまたはT細胞特異的タンパク質チロシンキナーゼまたはリンパ球細胞特異的タンパク質チロシンキナーゼまたはp56 LCKまたはLCKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤;チロシンタンパク質キナーゼYes(癌原遺伝子c Yesまたはp61 YesまたはYES1ま
たはEC 2.7.10.2) 阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ1(p34タンパク質キナーゼまたは細胞分裂タンパク質キナーゼ1または細胞分裂制御タンパク質2ホモログまたはCDK1またはEC 2.7.11.22またはEC 2.7.11.23)阻害剤;サイクリン依存性キナーゼ2(p33タンパク質キナーゼまたは細胞分裂タンパク質キナーゼ2またはCDK2またはEC 2.7.11.22)阻害剤;顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファ(CDw116またはCD116またはCSF2RA)アゴニスト、EGFRVIII、チロシンタンパク質キナーゼSYK(脾臓チロシンキナーゼまたはp72 SykまたはSYKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤、アルファフェトプロテイン(アルファ1フェトプロテインまたはアルファフェトグロブリンまたはAFP)、がん/精巣抗原1(自己免疫原性(Autoimmunogenic)がん/精巣抗原またはがん/精巣抗原6.1またはL抗原ファミリーメンバー2またはCTAG1AまたはCTAG1B);HBV抗原、EGFRファミリーメンバー、ヘリン(Herin)、チロシンタンパク質キナーゼBTK(ブルトンチロシンキナーゼまたはB細胞前駆体キナーゼまたは無ガンマグロブリン血症チロシンキナーゼまたはBTKまたはEC 2.7.10.2)阻害剤、CD4、上皮細胞接着分子(腺がん関連抗原または細胞表面糖タンパク質Trop 1または上皮細胞表面抗原または上皮糖タンパク質314またはKS 1/4抗原またはKSAまたは腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子1またはCD326またはEPCAM)、プロリルエンドペプチダーゼFAP(170kDaの黒色腫膜結合ゼラチナーゼまたはジペプチジルペプチダーゼFAPまたは膜内在性セリンプロテアーゼまたは線維芽細胞活性化タンパク質アルファまたはゼラチン分解プロテアーゼFAPまたはセプラーゼまたはFAPまたはEC 3.4.21.26またはEC 3.4.14.5)、神経細胞接着分子1(モノクローナル抗体5.1H11またはCD56またはNCAM1によって認識される抗原);上皮成長因子受容体(癌原遺伝子c ErbB 1または受容体チロシンタンパク質キナーゼerbB 1またはHER1またはERBB1またはEGFRまたはEC 2.7.10.1)アンタゴニスト、チロシンタンパク質キナーゼ膜貫通型受容体 ROR1 (神経栄養チロシンキナーゼ受容体関連1またはROR1またはEC 2.7.10.1);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT33またはWT1);インターロイキン13受容体サブユニットアルファ2(インターロイキン13結合タンパク質またはCD213a2またはIL13RA2)、栄養芽細胞糖タンパク質(M6P1または5T4がん胎児性抗原または5T4がん胎児性栄養芽細胞糖タンパク質またはWnt活性化された阻害因子1またはTPBG)、SLAMファミリーメンバー7(CD319または膜タンパク質FOAP 12またはCD2様受容体活性化細胞傷害性細胞または新規Ly9またはタンパク質19AまたはCD2サブセット1またはCS1またはSLAMF7)、B細胞リンパ腫2(Bcl 2)阻害剤;DNA(シトシン5)メチルトランスフェラーゼ1(CXXC型ジンクフィンガータンパク質9またはDNAメチルトランスフェラーゼHsaIまたはMCMTまたはDNMT1またはEC 2.1.1.37)阻害剤、ROR1、CD19&CD40L、アビジン(EGFRiiiv)、葉酸受容体、CD30、pmel CD*8 T、CD33、NKR2、上皮腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、黒色腫関連抗原、rasの異常な生成物、p53、アルファフェトプロテイン(AFP)、CA-125、CA15-3、CA27-29、CA19-9、カルシトニン、カルレチニン、CD34、CD99MIC 2、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン(種々の種類:TPA、TPS、Cyfra21-1)、デスミン、上皮膜抗原(EMA)、第VIII因子、CD31 FL1、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、免疫グロブリン、インヒビン、ケラチン(種々の種類)、リンパ球マーカー(種々の種類)、BCR-ABL、Myo D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、神経フィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、前立腺特異的抗原(PSA)、PTPRC(CD45)、S100タンパク質、平滑筋アクチン(SMA)、シナプトフィジン、チミジンキナーゼ、チログロブリン(Tg)、甲状腺転写因子-1(TTF-1)、腫瘍M2-PK、ビメンチン、SV40、アデノウイルスE1b-58kd、IGF2B3、遍在性(低レベル)、カリクレイン4、KIF20A、レングシン(Lengsin)、メロエ(Meloe)、MUC5AC、未熟ラミニン受容体、タグ-72、HPV E6、HPV E7、BING-4、カルシウム活性化塩素イオンチャネル2、サイクリン-B1、9D7、Ep-CAM、EphA3、テロメラーゼ、SAP-1、BAGEファミリー、CAGEファミリー、GAGEファミリー、MAGEファミリー、セージファミリー、XAGEファミリー、LAGE-1、PRAME、SSX-2、pmel17、チロシナーゼ、TRP-1/-2、P.ポリペプチド、MC1R、β-カテニン、前立腺特異的抗原、BRCA1、BRCA2、CDK4、CML66、フィブロネクチン、MART-2、Ras、TGF-ベータ受容体II、T細胞受容体(TCR)、BLOC1S6、CD10/ネプリライシン、CD24、CD248、CD5/表面抗原分類5、CD63/Tspan-30/テトラスパニン-30、CEACAM5/CD66e、CT45A3、CTAG1A、CXORF61、DSE、GPA33、HPSE、KLK3、LCP1、LRIG3、LRRC15、巨核球増強因子、MOK、MUC4、NDNL2、OCIAD1、PMPCB、PTOV1、RCAS1/EBAG9、RNF43、ROPN1、RPLP1、SARNP、SBEM/MUCL1、TRP1/TYRP1、CA19-9、不活性チロシンタンパク質キナーゼ膜貫通型受容体ROR1(神経栄養チロシンキナーゼ受容体関連1またはROR1またはEC 2.7.10.1)、ALKチロシンキナーゼ受容体(未分化リンパ腫キナーゼまたはCD246またはALKまたはEC 2.7.10.1)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、腫瘍において優先的に発現される黒色腫抗原(がん/精巣抗原130またはOpa相互作用タンパク質4またはOIP4または黒色腫の優先的に発現される抗原またはPRAME)、シグナル伝達および転写活性化因子3(急性期反応因子またはDNA結合タンパク質APRFまたはSTAT3)阻害剤、CD44抗原(CDw44またはエピカンまたは細胞外マトリックス受容体IIIまたはGP90リンパ球ホーミング/接着受容体またはHUTCH Iまたはヘパラン硫酸プロテオグリカンまたはヘルメス抗原またはヒアルロン酸受容体または食作用性糖タンパク質1またはCD44)、CD40リガンド(T細胞抗原Gp39またはTNF関連活性化タンパク質または腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー5またはCD154またはCD40LG)アクチベーター;腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー13B(膜貫通アクチベーターおよびCAML相互作用物質またはCD267またはTACIまたはTNFRSF13B);腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー17(B細胞成熟抗原またはCD269またはTNFRSF17)を発現する細胞に対して細胞傷害性、CD276抗原(B7ホモログ3または4Ig B7 H3または共刺激分子またはCD276)、骨髄性細胞表面抗原CD33(シアル酸結合性Ig様レクチン3またはgp67またはCD33)、ADPリボシルシクラーゼ/サイクリックADPリボースヒドロラーゼ1(サイクリックADPリボースヒドロラーゼ1またはT10または2'ホスホADPリボシルシクラーゼ/2'ホスホサイクリックADPリボーストランスフェラーゼまたはADPリボシルシクラーゼ1またはCD38またはEC 3.2.2.6またはEC 2.4.99.20)、C型レクチンドメインファミリー14メンバーA(上皮成長因子受容体5またはEGFR5またはCLEC14A)、肝細胞増殖因子受容体(癌原遺伝子c Metまたはチロシンタンパク質キナーゼMetまたはHGF/SF受容体または散乱因子受容体またはMETまたはEC 2.7.10.1)、上皮細胞接着分子(腺がん関連抗原または細胞表面糖タンパク質Trop 1または上皮細胞表面抗原または上皮糖タンパク質314またはKS 1/4抗原またはKSAまたは腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子1またはCD326またはEPCAM)、ガングリオシドGD3、インターロイキン13受容体サブユニットアルファ2(インターロイキン13結合タンパク質またはCD213a2またはIL13RA2);カッパ骨髄腫抗原(KMA)、ラムダ骨髄腫抗原(LMA)、潜在膜タンパク質1(タンパク質p63またはLMP1)、黒色腫関連抗原、Tリンパ球活性化抗原CD80(活性化B7-1抗原またはCTLA 4対抗受容体B7.1またはCD80)を発現する細胞に対して細胞傷害性;Tリンパ球活性化抗原CD86(活性化B7-2抗原またはCTLA 4対抗受容体B7.2またはCD86)を発現する細胞に対して細胞傷害性、不活性チロシンタンパク質キナーゼ膜貫通型受容体ROR1(神経栄養チロシンキナーゼ受容体関連1またはROR1またはEC 2.7.10.1)、Fasアポトーシス阻害性分子3(IgM Fc断片受容体またはFas誘導性アポトーシスのレギュレーターTosoまたはTOSOまたはFAIM3またはFCMR)、T細胞受容体ベータ1鎖C領域(TRBC1)、血管内皮増殖因子受容体2(胎児肝臓キナーゼ1またはキナーゼ挿入ドメイン受容体またはタンパク質チロシンキナーゼ受容体flk 1またはVEGFR2またはCD309またはKDRまたはEC 2.7.10.1)、アルファフェトプロテイン(アルファ1フェトプロテインまたはアルファフェトグロブリンまたはAFP)、がん/精巣 抗原1(自己免疫原性がん/精巣抗原NY ESO 1またはがん/精巣抗原6.1またはL抗原ファミリーメンバー2またはCTAG1AまたはCTAG1B)、T細胞表面糖タンパク質CD5(リンパ球抗原T1/Leu 1またはCD5)、プロリルエンドペプチダーゼFAP(170kDaの黒色腫膜結合ゼラチナーゼまたはジペプチジルペプチダーゼFAPまたは膜内在性セリンプロテアーゼまたは線維芽細胞活性化タンパク質アルファまたはゼラチン分解プロテアーゼFAPまたはセプラーゼまたはFAPまたはEC 3.4.21.26またはEC 3.4.14.5)、神経細胞接着分子1(モノクローナル抗体5.1H11またはCD56またはNCAM1によって認識される抗原)、C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(骨髄阻害性C型レクチン様受容体または樹状細胞関連レクチン2またはC型レクチン様分子1またはCLEC12A)、インテグリンアルファV(ビトロネクチン受容体サブユニットアルファまたはCD51またはITGAV);インテグリンベータ6(ITGB6)を発現する細胞に対して細胞傷害性、インターロイキン13受容体サブユニットアルファ2(インターロイキン13結合タンパク質またはCD213a2またはIL13RA2)、栄養芽細胞糖タンパク質(M6P1または5T4がん胎児性抗原または5T4がん胎児性栄養芽細胞糖タンパク質またはWnt活性化された阻害因子1またはTPBG)、栄養芽細胞糖タンパク質(M6P1または5T4がん胎児性抗原または5T4がん胎児性栄養芽細胞糖タンパク質またはWnt活性化された阻害因子1またはTPBG)、C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(骨髄阻害性C型レクチン様受容体または樹状細胞関連レクチン2またはC型レクチン様分子1またはCLEC12A)、SLAMファミリーメンバー7(CD319または膜タンパク質FOAP 12またはCD2様受容体活性化細胞傷害性細胞または新規Ly9またはタンパク質19AまたはCD2サブセット1またはCS1またはSLAMF7)、SLAMファミリーメンバー7(CD319または膜タンパク質FOAP 12またはCD2様受容体活性化細胞傷害性細胞または新規Ly9またはタンパク質19AまたはCD2サブセット1またはCS1またはSLAMF7)、免疫グロブリン、多剤耐性関連タンパク質3(MRP3)、癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼABL1、前立腺酸性ホスファターゼ、OY-TES-1、ACSM2A、アルファ-アクチニン-4、ペリリピン-2、アルファ-フェトプロテイン、リンパ性急性転化がん遺伝子(Lbc)腫瘍性タンパク質、アルデヒドデヒドロゲナーゼ1ファミリーメンバーA1(ALDH1A1)、AML、ANKRD17、NY-BR-1、アネキシンII、ARHGAP17、ARHGAP30、ARID1B、小胞体常在タンパク質、5'-アミノイミダゾール-4-カルボキサミド-1-ベータ-d-リボヌクレオチドトランスフホルミラーゼ/イノシニカーゼ(inosinicase)(AICRT/I)、ATR、ATXN2、ATXN2L、BAGE1、BCL11A、Bcl-xL、切断点クラスター領域、サバイビン、リビン(Livin)/ML-IAP、HM1.24、BTBドメイン含有2(BTBD2)、C6ORF89、炭酸脱水酵素IX、CLCA2、CRT2、CAMEL、CANタンパク質、カスパーゼ-5、カスパーゼ-8、KM-HN-1、CCDC88B、サイクリンB1、サイクリンD1、CCNI、CDC2、CDC25A、CDC27、CDK12、腸カルボキシルエステラーゼ、CEP95、CHAF1A、コアクトシン(Coactosin)様1、CPSF、CRYBA1、TRAG-3、マクロファージコロニー刺激因子、CSNK1A1、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、カテプシンH、北九州肺がん抗原1、P450 1B1またはCYP1B1、DDR1、DEKがん遺伝子、DEK-CAN、Dickkopf-1(DKK1)、DNAJC8、DSCAML1、EEF2、延長因子Tu GTP結合ドメイン含有またはSNRP116、EIF4EBP1、ヒトメナ(Mena)タンパク質、EP300、ETV5、TEL1またはETV6、ゼステホモログ2のポリコーム群タンパク質エンハンサー(EZH2)、F2R、F4.2、FAM53C、
線維芽細胞成長因子5またはFGF5、白血球1中のフォルミン関連タンパク質(FMNL1)、フィブロモジュリン(FMOD)、FNDC3B、FKHR、GDP-L-フコース、GAS7、GFI1、GIGYF2、GPNMB、O、A1、GPSM3、GRK2、GRM5、H3F3A、HAUS3、HERC1、HERV-K-MEL、HIVEP2、HMGN、HMHA1、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)、HNRPL、ヘパラナーゼ、HMSD-vにコードされたmHA、HSPA1A、Hsp70、HSPB1、最初期応答遺伝子(immediate early response gene)X-1(IEX-1)、インスリン様成長因子(IGF)-II mRNA結合タンパク質3(IMP-3)、IP6K1、IRS2、ITGB8、JUP、RU2AS、KANSL3、KLF10、KLF2、KLK4、KMT2A、K-ras、低密度脂質受容体(LDLR)、LDLR-FUT、Mac-2-結合タンパク質、KIAA0205、LPP、LRP1、LRRC41、LSP1、LUZP1、リンパ球抗原6複合体遺伝子座K(LY6K)、MACF1、MAP1A、MAP3K11、MAP7D1、マルトリン-2、Mcl-1、MDM2、リンゴ酸酵素、MEF2D、MEFV、乳脂肪球膜タンパク質BA46(ラクトアドヘリン(lactadherin))、メラノトランスフェリン、GNT-VまたはN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(acetylglucosaminytransferase)V、MIIP、MMP14、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2、MORC2、黒色腫抗原p15、MUC2、MUM、MYC、MYL9、非従来的ミオシンクラスI遺伝子、N4BP2、NCBP3、NCOA1、NCOR2、NFATC2、NFYC、NIFK、ナインイン(Ninein)、NPM、NPM1-ALK1、N-ras、OAS3、Pポリペプチド、OGT、OS-9、ErbB3結合タンパク質1、PAGE-4、P21活性化されたセリンキナーゼ2(PAK2)、ネオ-PAP、PARP12、PAX3、PAX3-FKHR、PCBP2、ホスホグリセリン酸キナーゼ1(PKG1)、PLEKHM2、前骨髄球性白血病またはPML、PML-RARA、POLR2A、シクロフィリンB、PPP1CA、PPP1R3B、ペルオキシレドキシン5、プロテイナーゼ3、副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)、受容体様タンパク質チロシンホスファターゼカッパ、MG50、NY-MEL-1またはRAB38、RAGE、RALGAPB、RARアルファ、RBM、RCSD1、リカバリン、RERE、RGS5、RHAMM/CD168、RPA1、リボソームタンパク質L10a、リボソームタンパク質S2、RREB1、RSRP1、RTCB、SART、SCAP、マンマグロビンA、セセルニン(Secernin)1、SDCBP、SETD2、SF3B1、腎遍在性タンパク質1、SIK1、SIRT2、SKI、ヘアピン結合タンパク質、SLC35A4、プロステイン、SLC46A1、SNRPD1、SOGA1、SON、SOX10、SOX11、SOX2、SOX-4、精子タンパク質17、SPEN、SRRM2、SRSF7、SRSF8、SSX1、SSX2またはHOM-MEL-40、SSX4、STAT1、STEAP、STRAP、ART-1、SVIL、HOM-TES-14/SCP1、CD138、SYNM、SYNPO、SYT、SYT15、SYT-SSX1、SYT-SSX2、SZT2、TAPBP、TBC1D10C、TBC1D9B、hTERT、THNSL2、THOC6、TLK1、TNS3、TOP2A、TOP2B、ATP依存性インターフェロン応答性(ADIR)、TP53、トリオースリン酸イソメラーゼまたはTPI1、トロポミオシン-4、TPX2、TRG、T細胞受容体ガンマ代替リーディングフレームタンパク質(TARP)、TRIM68、前立腺特異的タンパク質一過性受容体電位-p8(trp-p8)、TSC22D4、TTKタンパク質キナーゼ(TTK)、チミジル酸シンターゼ(TYMS)、UBE2A、ユビキチンコンジュゲート酵素バリアントKua、COA-1、USB1、NA88-A、VPS13D、BING4、WHSC1L1、WHSC2、WNK2、WT1、XBP1、XPO1、ZC3H14、ZNF106、ZNF219、パピローマウイルス結合因子(PBF)、E3ユビキチンタンパク質リガーゼUBR4からなる受容体/リガンド/標的の群から選択される抗原に結合する抗原結合ドメインを含み得る。
【0231】
本開示の一部の実施形態では、TCR、CARおよび/またはSUPRA-CARは、受容体/リガンド/標的の上記で列挙された群から選択される抗原に結合する抗原結合ドメインを含まない場合がある。
【0232】
一部の好ましい実施形態では、TCR、CARおよび/またはSUPRA-CARは、CD19、CD20、CD22、GD2、CD133、EGFR、GPC3、CEA、MUC1、メソテリン、IL-13R、PSMA、ROR1、CAIX、Her2からなる群から選択される抗原に結合する抗原結合ドメインを含み得る。
【0233】
タンパク質をコードする核酸の導入後、NKT様細胞(単数または複数)を、培養で拡大増殖させることができる。細胞を培養および拡大増殖させるための適した方法および試薬は、当業者に周知である。拡大増殖後、本開示の方法は、NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターを用いて細胞を活性化する工程をさらに含み得る。NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよびNK細胞アクチベーターは、上記で詳細に記載されたとおりであり得る。
【0234】
一部の実施形態では、上記のような本開示の細胞または標的化された細胞を使用して、ペイロード、例えば、核酸、dsRNA、siRNA、マイクロRNA、dsDNA、ssDNA、cDNA、rRNA、mRNA、tRNA、siRNA、dsRNAi、RNAi、有機化合物、細胞傷害性薬物、抗体、ベドチン(vedotin)、オゾガマイシン、エムタンシン(emtansine)、デルクステカン、メルタンシン、マホドチン(mafodotin)、チュブリン阻害剤、ドラスタチン-10のペプチド類似体であるモノメチルアウリスタチン-E(MMAE)およびモノメチルアウリスタチン-F(MMAF)、マイタンシノイド、ビンカアルカロイドs、カリケアマイシン、ディオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、タリリン(talirine)、テシリン(tesirine)、インドリノベンゾジアゼピン疑似二量体、ソラブタンシン(soravtansine)、DM1、DM4、神経伝達物質、DNAインターカレーター、代謝拮抗物質、エンドスタチン、ニューロトロフィン、化学療法もしくは増殖因子または抗体、毒素、放射能、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、受容体、ウイルス、サイトカイン、脂質、ケモカイン、ペプチドおよびタンパク質、抗寄生虫薬、ホルモン、抗原、向神経活性剤、受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、小分子または任意の種類の生物学的ペイロードまたは生物学的に活性なペイロードを送達できる。
【0235】
本開示の一部の実施形態では、本開示の細胞を使用して、上記で列挙されたペイロードのうち1つまたは複数ではないペイロードを送達してもよい。
【0236】
また、対象においてがん、自己免疫疾患または感染性疾患(微生物病とも呼ばれる)を処置する方法処置する方法も本開示によって提供される。一部の実施形態では、処置の方法は、本明細書において別の場所に記載されるように対象においてNKT様細胞の集団を生成する方法である。一部の実施形態では、処置の方法は、本明細書において別の場所に記載されるように対象においてNKT様細胞の集団を動員する方法である。これらの実施形態では、NKT様細胞は、本明細書において別の場所に記載される1つの機序によってがん、自己免疫疾患または感染性疾患を処置できる。他の実施形態では、処置の方法は、本開示の単離されたNKT様細胞の治療上有効用量を対象に投与することを含む方法である。これらは、上記の、拡大増殖された、および拡大増殖されていない、ならびに/または活性化された、もしくは活性化されていない、ならびに/またはトランスフェクトされた、もしくはトランスフェクトされていない細胞を含む、上記で概説された単離されたNKT様細胞またはNKT様細胞の集団のいずれかであり得る。これらの実施形態では、対象、がん、自己免疫疾患、感染性疾患および/または治療効力の機序は、上記で詳述されたとおりであり得る。
【0237】
処置の方法が、本開示の単離されたNKT様細胞の治療上有効用量を対象に投与することを含む方法である実施形態では、単離細胞が投与される対象は、細胞が単離された同一対象であり得る。このような実施形態では、処置は、自己細胞処置と呼ばれる場合がある。「自己」という用語は、個体が、ヒトであるか、他の動物であるかに関わらず、後に再導入される同一個体に由来する任意の材料を指す。処置の方法が本開示の単離されたNKT様細胞の治療上有効用量を対象に投与することを含む方法である他の実施形態では、単離細胞が投与される対象は、細胞が単離された対象とは異なっている場合がある。このような実施形態では、処置は、同種異系細胞処置と呼ばれる場合がある。「同種異系の」という用語は、個体が、ヒトであるか、他の動物であるかに関わらず、ある個体に由来する、同一種の別の個体に次いで導入される任意の材料を指す。すなわち、処置の方法が本開示の単離されたNKT様細胞の治療上有効用量を対象に投与することを含む方法である実施形態では、細胞は、自己または同種異系供給源のいずれかからのものであり得る。本開示の単離されたNKT様細胞が対象に投与される方法の治療効力は、実施例16に記載されている。
【0238】
本開示に従って対象においてがん、自己免疫疾患または感染性疾患を処置する方法は、NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターを対象に投与する工程をさらに含み得る。これらは、上記で詳述されたとおりであり得る。本開示に従って対象においてがん、自己免疫疾患または感染性疾患を処置する方法は、本開示のグルココルチコイドまたは細胞を対象に、1つまたは複数のさらなる薬剤、例えば、上記で概説されるようなNKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/もしくは樹状NK細胞アクチベーター、または化学療法薬、例えば、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することを含み得る。これに関連して、「と組み合わせて」とは、同時投与を意味する場合も、任意の順序の別個のおよび/または逐次投与を意味する場合もある。
【0239】
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、当業者に公知の種々の方法および送達システムのいずれかを使用する対象への薬剤の物理的導入を指す。本明細書で開示される薬剤の例示的投与経路には、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄または他の非経口投与経路、例えば、注射または注入によってが含まれる。「非経口投与」という語句は、本明細書で使用される場合、経腸および局所投与以外の投与様式、普通、注射によってを意味し、制限するものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、リンパ内、病巣内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入、ならびにin vivoエレクトロポレーションが含まれる。一部の実施形態では、本明細書で開示される薬剤は、非経口ではない経路によって、例えば、経口的に投与され得る。他の非経口ではない経路には、局所、上皮または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内に、経腟、経直腸、舌下または局所的が含まれる。
【0240】
「全身性注射」という語句は、本明細書で使用される場合、中でも静脈内、腹膜内、皮下、鼻腔粘膜下を介して、舌、気管支鏡検査を介して、静脈内、動脈内、筋肉内、眼内、線条体内、皮下、皮内、皮膚パッチに(dermal patch)よって、皮膚パッチ(skin patch)によって、パッチによって、脳脊髄液中、門脈中、脳中、リンパ系中、胸腔内、後眼窩、皮膚内、脾臓中、リンパ内に関するが、排他的ではない。
【0241】
「注射の部位」という用語は、本明細書で使用される場合、中でも腫瘍内または腎臓もしくは肝臓もしくは膵臓もしくは心臓もしくは肺もしくは脳もしくは脾臓もしくは眼などの臓器内、筋肉内、眼内、線条体内、皮内、皮膚パッチ(dermal patch)によって、皮膚パッチ(skin patch)によって、パッチによって、脳脊髄液中、脳中に関するが、排他的ではない。
【0242】
本開示の一部の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレート剤は、経口投与され得る。本開示の処置の方法が、本開示の単離されたNKT様細胞の治療上有効用量を対象に投与することを含む方法である実施形態では、細胞は、中でも、コラーゲンマトリックス、細胞外マトリックス組成物、フィブリンまたは他の細胞外マトリックス材料から作られた生体高分子マイクロスレッド、細胞外マトリックスおよび生分解性材料を含有するパッチ、フィブリンパッチ、アルギン酸またはアガロースベースのパッチ、細胞外マトリックス材料と、臓器特異的抗原もしくは結合分子を用いて幹細胞をコーティングするデキストランなどの構成成分に非排他的に関連する可能性がある生分解性の生理学的に不活性な材料から構成された足場、足場またはex vivo消化された臓器ドナーもしくは死体臓器からの脱細胞化した臓器としても知られる残存細胞外マトリックスならびにコンタクトレンズを介して臓器または腫瘍に直接適用される場合がある。好ましくは、細胞は、静脈内注射、腹膜内注射、リンパ内注射、くも膜下腔内注射、脳脊髄液(CSF)中への注射、腫瘍中への直接注射、または固形腫瘍上もしくはその付近に配置されたゲルとしてからなる群から選択される方法によって対象に投与される。
【0243】
本開示の一部の実施形態では、本明細書で開示される薬剤および細胞の投与経路は、上記で列挙された経路のうち1つまたは複数ではない場合がある。
【0244】
本開示はまた、上記で詳述されるようにNKT様細胞の集団を生成/動員する方法において使用するためのグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤およびICAM3モジュレート剤を提供する。本開示はまた、対象においてがん、自己免疫疾患または感染性疾患(微生物病とも呼ばれる)を処置する方法において使用するためのグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤およびICAM3モジュレート剤を提供し、処置の方法は、上記で詳述されるようにNKT様細胞の集団を生成/活性化/動員する方法である。好ましい実施形態は、上記で詳述されるようにNKT様細胞の集団を生成および/または動員する方法において使用するためのグルココルチコイドおよび対象においてがん、自己免疫疾患または感染性疾患を処置する方法において使用するためのグルココルチコイドを含み、処置の方法は、上記で詳述されるように対象においてNKT様細胞の集団を生成および/または動員する方法である。他の好ましい実施形態は、上記で詳述されるようにNKT細胞の集団を動員する方法において使用するためのグルココルチコイドを含む。一部の特に好ましい実施形態では、グルココルチコイドはデキサメタゾンである。
【0245】
また、上記で詳述されるようにNKT様細胞の集団を生成/動員する方法において使用するための医薬の製造におけるグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の使用も本開示によって提供される。本開示はまた、対象においてがん、自己免疫疾患または感染性疾患(微生物病とも呼ばれる)を処置する方法において使用するための医薬の製造におけるグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の使用も提供し、処置の方法は、上記で詳述されるように対象においてNKT様細胞の集団を生成および/または動員する方法である。
【0246】
本開示はまた、NKT様細胞の集団を誘導および/または動員するためのグルココルチコイド受容体(GR)モジュレート剤またはICAM3モジュレート剤の使用を提供し、NKT様細胞の集団は、上記で詳述されるように対象において細胞の集団を生成および/または動員する方法によって誘導される。
【0247】
本開示はまた、人工多能性幹細胞(iPSC)を生成する方法を提供し、方法は、本開示のNKT様細胞をiPSCを生成するように再プログラムすることを含む。iPSCを生成する方法において使用されるべき本開示のNKT様細胞は、上記で詳述されるような方法によって生成および単離されたNKT様細胞であり得る。
【0248】
iPSCを生成する開示された方法の一部の実施形態では、再プログラムすることは、Oct3/4、Klf4、Sox2およびC-mycをコードする1つまたは複数の発現カセットを本開示の細胞中に導入することを含む。一部の実施形態では、再プログラムすることは、Oct3/4、KLF4、Sox2およびc-mycをコードするmRNAを細胞中に導入することを含む。iPSCを生成する開示された方法の一部の他の実施形態では、再プログラムすることは、Sox1、Sox3、Sox15、Klf1、Klf2、Klf5、L-myc、N-myc、Nanogおよび/またはLIN28のうち1つまたは複数をコードする1つまたは複数の発現カセットを細胞中に導入することをさらに含み得る。他の実施形態では、再プログラムすることは、Sox1、Sox3、Sox15、Klf1、Klf2、Klf5、L-myc、N-myc、Nanogおよび/またはLIN28をコードするmRNAのうち1つまたは複数を細胞中に導入することをさらに含み得る。発現カセットまたはコードするmRNAを細胞中に導入するための適した方法は、当業者に周知であり、例えば、エレクトロポレーション、細胞マイクロインジェクションまたはリポソームベースのトランスフェクション方法によるものがある。iPSCにおいて非多能性細胞を再プログラムするためのレンチウイルスおよびアデノウイルスシステムを含むレトロウイルスシステムの使用が記載されている(全体で参照により本明細書に組み込まれる、Stadtfeld et al, 2008)。iPSCへの成人細胞の再プログラミングはまた、ウイルストランスフェクションシステムを使用せずに、プラスミドによって達成することもできる(全体で参照により本明細書に組み込まれる、Okita et al, 2008)。
【0249】
[Oct-3/4]
Oct-3/4(Pou5f1;Bioclone、San Diego、CAから入手可能なcDNA)は、オクタマー(「Oct」)転写因子のファミリーの1つであり、多能性の維持において重大な役割を果たす。Oct-3/4+細胞、例えば、卵割球および胚幹細胞中にOct-3/4が存在しないと、自然発生的トロホブラスト分化につながり、Oct-3/4が存在すると、したがって、胚幹細胞の多能性および分化能を生じさせる。Oct-3/4の近縁遺伝子、Oct1およびOct6を含む「Oct」ファミリー中の種々の他の遺伝子は、誘導を誘発できず、したがって、Oct-3/4が誘導プロセスに排他的であることを実証している。
【0250】
[Klfファミリー]
遺伝子のKlfファミリーのKlf4は、マウスiPS細胞の生成のための因子である。Klf2(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)およびKlf4(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)は、iPS細胞を作成可能な因子であり、関連遺伝子Klf1(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)およびKlf5(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)も同様であるが、効率は低減していた。
【0251】
[Soxファミリー]
遺伝子のSoxファミリーは、Oct-3/4と同様の多能性の維持と関連しているが、もっぱら多能性幹細胞において発現されるOct-3/4とは対照的に、多分化能性および単能性幹細胞と関連している(全体で参照により本明細書に組み込まれる、Bowles et al, 2000)。Sox2(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)は誘導のために使用された最初の遺伝子であり、Soxファミリー中の他の遺伝子は、誘導プロセスにおいて同様に働くことがわかっている。Sox1(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)は、Sox2と同様の効率でiPS細胞をもたらし、遺伝子Sox3(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なヒトcDNA)、Sox15およびSox18もまた、iPS細胞を作成するが、効率は低下していた。
【0252】
[Mycファミリー]
遺伝子のMycファミリーは、がんに関与する癌原遺伝子である。C-myc(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)は、マウスiPS細胞の作成に関与する因子である。しかし、c-mycは、ヒトiPS細胞の作成に不必要である場合がある。iPS細胞の誘導における遺伝子の「myc」ファミリーの利用は、c-myc誘導性iPS細胞を移植したマウスの25%が致死性の奇形腫を発症したので、臨床療法としてのiPS細胞の結末について問題が生じている。N-myc(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)およびL-mycは、c-mycの代わりに同様の効率で誘導すると同定されている。
【0253】
[Nanog]
胚幹細胞では、Nanog(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)、Oct-3/4およびSox2とともに、多能性の促進において必要である(全体で参照により本明細書に組み込まれる、Chambers et al, 2003)。
【0254】
[LIN28]
LIN28(Bioclone、Inc.、San Diego、CAから入手可能なcDNA)は、分化と増殖に関連する胚性幹細胞および胚性癌細胞において発現されるmRNA結合タンパク質である(全体で参照により本明細書に組み込まれる、Moss & Tang, 2003)。
【0255】
一部の実施形態では、iPSCを生成する開示された方法は、本開示のiPSCの分化を誘導する工程をさらに含む。一部の好ましい実施形態では、開示された方法は、NKT細胞へ本開示のiPSCの分化を誘導することをさらに含み得る。したがって、本開示はまた、NKT細胞の集団を生成する方法を提供し、方法は、本開示の方法によって生成されたiPSCをNKT細胞系統に分化させることを含む。一部の実施形態では、開示された方法は、T細胞へ本開示のiPSCの分化を誘導することをさらに含み得る。したがって、本開示はまた、T細胞の集団を生成する方法を提供し、方法は、本開示の方法によって生成されたiPSCをT細胞系統に分化させることを含む。このような分化した細胞は、本開示に従って、対象においてがん、自己免疫疾患または感染性疾患(微生物病とも呼ばれる)を処置する方法において使用され得る。
【0256】
本開示はまた、本明細書において別の場所に開示されるような、ナチュラルキラーT細胞様細胞(NKT様細胞)の集団、単離されたNKT様細胞または単離されたNKT様細胞の集団を生成するin vitro法を提供する。本開示のin vitro法は、CD3 high CD49b-細胞または細胞の集団を得ること、およびCD3 high CD49b-細胞(単数または複数)を、1つまたは複数のサイトカインと接触させることを含む場合があり、接触させる工程は、細胞(単数または複数)を本開示のNKT様細胞になるように誘導する。NKT様細胞は、本明細書において別の場所に記載されるような、発現する表面タンパク質のパターンを特徴とし得る。一部の実施形態では、CD3 high CD49b-細胞または細胞の集団は、対象、例えば、ヒト対象から得ることができる。対象は、本明細書において別の場所で定義されるような対象であり得る。一部の実施形態では、接触させる工程は、細胞(単数または複数)を、本明細書において別の場所で記載されるようなNKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターと接触させることを含み得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、NKT細胞アクチベーター、T細胞アクチベーターおよび/またはNK細胞アクチベーターとして本明細書において別の場所に記載される1つまたは複数のサイトカインを含み得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、本明細書において別の場所に記載される1つまたは複数のサイトカインを含み得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインには、IL-2およびIFNガンマが含まれ得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインには、IL-2、IFNガンマおよび1つまたは複数のさらなるサイトカインが含まれ得る。本開示のin vitro法は、本明細書において別の場所に記載されるような、核酸の単離、活性化、拡大増殖、導入、標的に対する遺伝子工学、腫瘍標的化部分への連結などの工程をさらに含み得る。本開示のin vitro法によって生成された細胞(単数または複数)は、NKT様細胞が対象に投与される処置の方法において、ならびに本明細書において別の場所に記載されるような人工多能性幹細胞(iPSC)を生成する方法において使用できる。
【0257】
また、本明細書で開示される方法のいずれかによって生成または動員された単離されたNKT様細胞ならびに本明細書で開示される方法のいずれかによって生成または動員された単離されたNKT様細胞の集団が本開示によって提供される。また、本明細書において別の場所で詳述される表面タンパク質のパターンを特徴とするNKT様細胞および単離されたNKT様細胞の集団、ならびに本開示の処置の方法におけるこのような細胞の使用が提供される。
【実施例】
【0258】
以下の例は、高用量グルココルチコイド受容体アゴニストが、末梢血リンパ球のほぼ完全なリンパ球枯渇を引き起こすこと(好中球、血小板、RBCおよび幹細胞の細胞数に影響を及ぼすことなく)に加えて、ヒト免疫系 (HIS) マウスおよびヒトを含む対象において、新規のNKT様細胞集団の産生および動員を誘導できることを実証する。
【0259】
これらの例はまた、高用量グルココルチコイド受容体アゴニストによって誘導されたNKT様細胞集団が、NKT細胞の既知の特性を示すことに加えて、表面タンパク質の新規な発現パターンを有することを示しており、これにより、これらの細胞はがん細胞を直接貪食し固形がんに対して増強された細胞傷害性効力を示すことができる。
【0260】
したがって、高用量グルココルチコイド受容体アゴニストは、がん、およびリンパ球等の免疫細胞によって媒介される疾患の治療における使用のための有望な療法を表す。
【0261】
[略語]
用語:
・ab アルファベータ
・A20 マウスBリンパ腫
・AVM_NKT CD56+ gdTCR+ invTCR+ ヒト細胞
・BM 骨髄
・CanMod がんモデル
・CBC 全血球数
・CD Cluster of differentiation
・CD19 Bリンパ球マーカー
・CD3 Tリンパ球マーカー
・CD4 ヘルパーTリンパ球マーカー
・CD45 白血球マーカー
・CD49b マウスナチュラルキラーマーカー
・CD56 ヒトナチュラルキラーマーカー
・CD8 細胞傷害性Tリンパ球マーカー
・CNS 中枢神経系
・CR 完全応答
・Cy/Flu シクロホスファミド/フルダラビン
・DN ダブルネガティブ
・DP リン酸デキサメタゾン
・DOB 誕生の日付
・DOM 製造年月日
・DSP リン酸デキサメタゾンナトリウム
・FDA 米国食品医薬品局
・FSC 前方散乱 (細胞サイズ)
・gd ガンマデルタ
・GMP 適正製造規範
・GP 祖父母
・hCD45 ヒトCD45
・HED ヒト等価用量
・Inv 不変(インバリアント)
・LyDep リンパ球枯渇試験
・mCD45 マウスCD45
・MCL マントル細胞リンパ腫
・MFI 平均蛍光強度
・Neoadj ネオアジュバント
・NHL 非ホジキンリンパ腫
・NK ナチュラルキラー細胞
・NKT ナチュラルキラーT細胞
・NKT new AVM NKT細胞
・NOD 非肥満糖尿病マウス
・PBS リン酸緩衝生理食塩水
・PFA パラホルムアルデヒド
・PR 部分応答
・R/R 再発/難治性
・SBIR 中小企業イノベーション研究
・SD 安定疾患
・SSC 側方散乱 (細胞複雑性)
・TCRα/β T細胞受容体アルファベータ
・TCRg/d T細胞受容体ガンマデルタ
・TCRinv T細胞受容体インバリアント
・UC 臍帯
・WBC 白血球
【0262】
[材料および方法]
急性高用量デキサメタゾンは、本明細書において、Dex、AugmenStem(商標)、PlenaStem(商標)またはAVM0703とも称され得る。急性高用量デキサメタゾン (AVM0703) の投与後に誘導されるNKT様細胞の新規集団は、本明細書において、NKT細胞またはAVM-NKT細胞とも称され得る。
【0263】
最初のリンパ球枯渇研究のために、ナイーブC57BL/6マウスを経口強制投与により18 mg/kg HEDのDPで処置した。雄C57BL/6マウスはTaconic Bioscience (Germantown, NY)から入手し、少なくとも一週間実験室条件に馴化させた。マウスに18 mg/kgのリン酸デキサメタゾン (DP) またはプラセボを一度経口投与し、タイムポイントまで維持した。各投与タイムポイント群には、表3に従って同じ週齢および条件のプラセボ群を伴わせた。タイムポイント24時間、48時間、72時間、5日、7日、11日、13日はGLPグレードのAVM0703およびプラセボを用いて投与した。タイムポイント6時間、21日、28日、35日はGMPグレードのAVM0703およびプラセボを用いて投与した。マウスが試験タイムポイントに達したとき、以下のようにして安楽死させた。マウスをイソフルランガスで麻酔した。麻酔後、血液を心臓穿刺によって採取し、直ちにヘパリンで裏打ちしたマイクロチューブに入れた。10 mLの5 U/mLヘパリン/PBSを使用して、血管系からすべての残存血液を洗い流すための腹部大動脈を介した逆行灌流のためにゆっくりと押すことによって注入した。その後、250 uLの血液をラベンダー蓋EDTA裏打ちマイクロチューブに移し、フローサイトメトリーによる分析のためにFlow Contract Site Labs (Bothell, WA)のLynette Brownに輸送した。残りの血液は、完全血球計数および臨床化学のためにPhoenix Labs (Mukilteo, WA)に送られた。
【0264】
ヒトにおけるNKT様細胞(AVM-NKT)の誘導/動員集団の特徴づけのために、ヒト被験者からの全血がK2 EDTA Vacuutainerチューブ(367862, BD Biosciences, NJ)に採取され、室温でAVM Biotechnologyに輸送された。100μlの全血を以下の抗体で染色し:CD45 AF700 (2D1)、CD16 APC (3G8) 、iNKT PECy7 (6B11) 、CD8 PE (SK1) 、CD14 FITC (M5E2) 、CD56 BV650 (5.1H11) 、γδTCR BV510 (B1) 、CD19 BV421 (HIB19) 、NKp44 APC (P44-8)(すべてBiolegend, San Diego, CAから)、そしてCD3 APCVio770 (BW264/56) 、(Miltenyi Biotec, San Jose, CA)、7-AAD (Biolegend, San Diego, CA)を、生細胞および死細胞を区別するために含めた。抗体染色は室温で15分間行った。試料中に存在する赤血球を、BD FACS溶解液(BD Biosciences, San Diego CA)を用いて室温で10分間溶解した後、洗浄し、300μlの1X DPBS CMFに再懸濁した。BloodWorks (Seattle, WA)からの健康な患者血液、非染色、およびfluorescence minus one (FMO) を対照として含めた。250μlの試料をMACSQuant 16 (シリアル番号40150、Miltenyi Biotec, San Jose, CA)フローサイトメーターで分析した。データは、異なる免疫集団についてKaluza 2.1 (Beckman Coulter Lifesciences, Indianapolis, IN)ソフトウェアを用いて分析した。Kaluzaによって分析されたフローサイトメトリーから得られたデータを組み合わせて、生CD45リンパ球からゲートされた以下の異なる細胞集団を決定した:D3+ 細胞、CD8+ 胞傷害性T細胞、CD3+CD56+ (NKT細胞) CD3-CD56+、CD3-CD56bright (NK細胞) およびCD3-CD19+ (B細胞) 、CD3+γδTCR+細胞、CD3+γδTCR bright細胞、CD3+iTCR+細胞、生WBC CD3-CD16bright顆粒球、生WBC CD3-CD14+ 単球。数は%WBCおよび細胞/μlとして報告した。
【0265】
ヒト化マウス実験では、活性医薬成分であるリン酸デキサメタゾンナトリウムを含有するAVM0703の高濃度大容量製剤を使用した。AVM0703は、26.23 mg/mLリン酸デキサメタゾンナトリウム(24 mg/mLのリン酸デキサメタゾン、DPに相当)、10 mg/mLクエン酸ナトリウム、0.5 mg/mLエデト酸二ナトリウム、および0.035 mg/mL亜硫酸ナトリウム (無水) を含有する。これらの研究に使用されたAVM0703材料はGMPグレードであり、オーストラリアのHospiraによって製造された。本報告におけるすべてのAVM0703用量情報は、リン酸デキサメタゾンに関して言及される。雌huNOG-EXLマウス (n=6) は、Taconic Bioscience (Germantown, NY)から入手した。雌huCD34-NCGマウス (n=8) は、Charles River (Wilmington, MA)から入手した。両施設のマウスを少なくとも5~6日間、実験室条件に順応させた。
【0266】
マウスに32 mg/kgのリン酸デキサメタゾン (DP) またはプラセボを3回経口投与し、タイムポイントまで維持した。最初の投与 (03/01/2021) および1週間後の2回目の投与 (03/08/2021) の後、マウスが所定のタイムポイントに達したとき、頬穿刺によりマウスあたり70 uLまで採血した。血液はフローサイトメトリーにより分析した。前回の投与から28日後の3回目の投与(04/05/2021)後、マウスが研究タイムポイントに達したとき、ここに要約する標準操作手順に従って安楽死させた。マウスをイソフルランガスで麻酔した。麻酔後、心臓穿刺により血液を採取し、少なくとも300 uLの血液を直ちにEDTAで裏打ちしたマイクロチューブに入れ、フローサイトメトリーにより分析し、300~400 uLの血液を標準的なマイクロ遠心チューブで別々に採取し、血清収集のための凝固させた。
【0267】
10 mLの5 U/mLヘパリン/PBSを、血管系からすべての残存血液を洗い流すための腹部大動脈を介した逆行潅流のためのゆっくりとしたプッシュによる注入に使用した。脾臓、胸腺、大腿骨、および胸骨をすべてのマウスについて採取した。脾臓および胸腺をフローサイトメトリーにより分析するためにシングルセル懸濁液に処理した。70%エタノールに浸したガーゼを使用して骨から筋肉を除き、フローサイトメトリーにより分析するための骨髄用に処理した。膵臓と結腸の切除はビデオとインストラクションJoVEファイルに従って行われた。結腸から22ゲージ胃管で氷冷PBSを投与することによって糞便が排出された。小腸、盲腸、腎臓、肺、肝臓のような他の臓器も採取された。すべての臓器重量は、外部から過剰な液体を除去した後に記録された。軟部臓器は、最初に4% PFAで固定し、24時間後に70%エタノールに移し、4℃で保存した。骨は、4℃で70%エタノールに直接保存した。血液は、フローサイトメトリー分析および血清採取のために処理された。CBCは実施されなかった。
【0268】
すべてのフローサイトメトリーは社内で実施された。血液、脾臓、胸腺および骨髄は、フローサイトメトリーのための標準的な染色プロトコルを介して処理された。フローサイトメトリーにはMACSQUANT 16が使用された。抗体パネルは、1回目、2回目および3回目の投与量の間でわずかに変えられた。初回投与分析後のフローパネルのマーカーには、Live/Dead、hCD45、mCD45、hCD56、hTCRgd、hCD3、hCD8、hCD16、hCD19、hCD14が含まれた。2回目投与後のフローパネルのマーカーには、上記のすべてに加えてhTCRabとhiTCRが含まれていた。2回目投与後の血液分析では、7AAD、CD14およびCD19がダンプチャネルに一緒に含まれた。後に、この新規AVM-NKTはユニークなCD19およびCD14発現プロファイルも有し得ることが発見された。3回目の投与パネルデザインでは、完全sacが行われたとき、上記のすべてのマーカーは重複を避けるために固有のチャネルに割り当てられたが、TCRabはオープンチャネルの制限のために最終パネルには含まれなかった。
【0269】
頬採血については、70ulの血液をEDTAコーティングマイクロテーナーに採取し、免疫染色のために処理した。パネルにおいて使用された抗体は、マウスCD45 (クローン:30F-11)、ヒトCD45 (クローン:2D1);ヒトCD3 (クローン:HIT3a);ヒトCD8 (クローン:SK1);ヒトCD16 (クローン:3G8);ヒトCD14 (クローン:M5E2);ヒトTCRgd (クローン:B1);ヒトCD56 (クローン:5.1H11);ヒトCD19 (クローン:HIB19)であった。血液を室温で10分間、生死マーカーについて染色し、次いで暗所で室温で20分間、上記の表面抗体について染色した。RBCをBD FACS溶解緩衝液で溶解し、DPBSで洗浄し、300ul DBPSに再懸濁した。サンプルの250ulをMACSquant 16フローサイトメーターで流した。
【0270】
[実施例1―急性高用量グルココルチコイド受容体アゴニストは末梢血リンパ球をほぼ完全にリンパ球枯渇させるが、NKT細胞の独特の集団を誘導する]
国際特許出願PCT/US2019/054395において本発明者らは、高用量グルココルチコイド受容体アゴニストが末梢血リンパ球をほぼ完全にリンパ球枯渇させ、リンパ器官における胚中心の数を減少させ、胸腺リンパ球を枯渇させることができることを示す一連の実験を提示した。これらの効果は、好中球、血小板、赤血球および幹細胞(造血幹細胞 (HSC) と間葉系幹細胞 (MSC) の両方)の細胞数に実質的な影響を与えることなく達成される。
【0271】
ここで、ナイーブマウスで実施された研究は、高用量のグルココルチコイド受容体アゴニストの投与が、好中球、血小板、赤血球(RBC)および幹細胞 (HSCおよびMSCの両方) の細胞数に実質的な影響を与えることなく、末梢血リンパ球のほぼ完全なリンパ球枯渇をもたらすことを示している。興味深いことに、高用量のグルココルチコイド受容体アゴニストは、NKT細胞のアップレギュレーションを誘導することも見出された。
【0272】
図1に示すように、ナイーブマウスでは、高用量デキサメタゾン (18 mg/kg HED DP) は、プラセボと比較して、リンパ球の絶対数 (ALCからNKおよびNKT細胞を除いた数) を有意に減少させ、この効果は投与後21日間まで持続する。投与6時間後および48時間後には、ほぼ完全なリンパ球除去が観察され、その効果は標準的なCy/Flu化学療法 (13 mg/kg HEDシクロホスファミドおよび0.8 mg/kg HEDフルダラビン) で達成される効果に匹敵する。
【0273】
ナイーブマウスでは、高用量デキサメタゾンは、標的臨床用量においてTおよびBリンパ球(標準的なCy/Flu化学療法と同等;
図2)、単球(Cy/Flu化学療法を上回る;
図3)を選択的に除去し、好中球をリンパ球枯渇する (
図4) 。好塩基球 (6時間時点でのみ減少) 、好酸球 (24時間時点および48時間時点でのみ減少) 、血小板 (
図5参照) 、およびRBCはすべて温存され、HSC (
図6) およびMSCは温存されりかまたは増加する(*p<0.05;#p<0.0001)。
【0274】
驚くべきことに、高用量デキサメタゾンは、NKTのアップレギュレーション (
図7) および新規NKT細胞集団 (AVM-NKT) の産生も誘導することが示された。フローサイトメトリーで調べると、これらの新規AVM-NKT細胞はCD49b+かつCD3 very bright (CD3highCD49b+) である。以前に報告されたNKT細胞は、AVM-NKT細胞よりも1ログ低いMFIでCD3を発現する(CD3medCD49b+;
図8)。AVM-NKT細胞は、高用量 (HED 18.1 mg/kg) のグルココルチコイド受容体アゴニストデキサメタゾンおよびベタメタゾンの投与48時間後のナイーブマウスの血液中に出現するが、標準的なCy/Flu化学療法によっては誘導されない。
【0275】
用量漸増研究は、6~12mg/kg HEDデキサメタゾン塩基の単回投与がAVM-NKT細胞を誘導できることを示している。15 mg/kg HEDデキサメタゾン塩基は、時点0で6 mg/kg、24時間後に6 mg/kgの6+6 mg/kg HED投与スケジュールと同様に、AVM-NKT細胞の特にロバストな産生を誘導する。
【0276】
[実施例2―AVM-NKT細胞は、in vivoでのTおよびBリンパ球除去に関与する]
ナイーブ雄C57Bl/6マウスの末梢血からの単核細胞またはシングルセル脾細胞を、in vivoで急性高用量AVM0703のピーク血中濃度が達成するのと同等の濃度のAVM0703とインキュベートした。in vitroでの末梢血単核細胞またはシングルセル脾細胞へのAVM0703の添加後72時間まで、アポトーシスは観察されなかった。末梢血単核細胞または脾細胞のin vitroでのアポトーシスの欠如は、in vivoでのリンパ球除去が主としてAVM-NKT細胞の誘導によるものであることを示す。
【0277】
[実施例3―AVM-NKT細胞は腫瘍部位へホーミングする]
予備的研究では、ナイーブC57Bl/6マウスを高用量デキサメタゾンで処置し、異なる免疫集団を特徴づけるために所定の時間間隔でフローサイトメトリーにより末梢血を検査した。高用量デキサメタゾン投与後、2つのNKT集団が同定された。すなわち、CD3medCD49b+と定義されるNKT細胞と、CD3highCD49b+と定義されるAVM-NKTの新規集団である (
図8) 。
【0278】
AVM-NKT細胞は、超薬理学的用量 (HED 18.1 mg/kg) のデキサメタゾン (AVM0703) またはベタメタゾン投与後48時間のナイーブマウスの血液中に出現することが見出された。逆に、これらの細胞は、標準的なCy/Flu化学療法またはメチルプレドニゾンによっては有意な程度まで誘導されない。
【0279】
図9および表2に示すように、正常マウスでは、AVM-NKT細胞は、デキサメタゾン投与後48時間以内に脾臓に誘導され、デキサメタゾン投与後48時間から末梢血中に明らかになり、デキサメタゾン投与後13日目まで血流中に見られ続ける。AVM-NKT細胞は、ナイーブプラセボ処置マウスの脾臓では検出されない。シクロホスファミド/フルダラビン投与は、この新規NKT集団を誘導しない。
【表2】
【0280】
正常な、疾患フリーのマウスで観察されるAVM-NKTのアップレギュレーションの時間経過とは対照的に、A20 B細胞リンパ腫腫瘍保持マウスにおけるAVM-NKT細胞の定量化は、末梢血中にAVM-NKT細胞が存在しないことを明らかにした。その代わりに、これらの腫瘍保持マウスでは、AVM-NKT細胞は腫瘍部位にホーミングするようであり、そこではデキサメタゾン投与の48時間後に調べると壊死の増加が明らかである (
図10A) 。追加の時間経過研究は、AVM-NKT細胞が18 mg/kg HEDデキサメタゾンリン酸投与後3時間以内に、マウスの脇腹に移植されたA20リンパ腫を最大に除去し、血液および胸腺へのA20転移は投与後24時間で最大に除去され、骨髄へのA20転移は投与後48時間で最大に除去されることを実証した (
図10B) 。
【0281】
これと一致して、高用量デキサメタゾンはA20モデルにおいて腫瘍増殖を有意に遅延させることが示された(
図11;実施例6)。A20細胞はin vitroで高用量デキサメタゾン処置後72時間で約30%のアポトーシスしか受けないため、AVM-NKT細胞は腫瘍増殖を制御する役割を果たすと考えられる。
【0282】
採取時の細胞密度が1.8e7細胞/mLのA20 Bリンパ腫細胞を200万個、等体積のMatrigelと混合し(各100μl)、BALB/cマウスの左側腹部に皮下注射して(200μl合計体積)、B細胞リンパ腫の固形腫瘍モデルを作製した。腫瘍が確立された後(約7日または約100~150 mm3であり、これは十分に確立された腫瘍である)、下記に示す投与表に従ってマウスを処置した。キャリパーを用いて週三回、腫瘍体積を測定し、式V=L x W2 x 0.5を用いて腫瘍体積を計算した。また、週三回および投与日に体重も測定し、適切な投与量を決定した。マウスは、腫瘍体積が1500 mm3に達した時点、または体重減少が20%を超えた時点で試験のエンドポイントとみなした。マウスが試験のエンドポイントに達した時点で、以下のように安楽死させた。マウスをイソフルランガスで麻酔した。麻酔後、心臓穿刺により血液を採取し、10 mLの5 U/mLヘパリン/PBSで灌流した。マウスの右後側部の皮膚を剥がすことにより右側脇腹から腫瘍を切除した。皮膚を伸ばしてピンで固定し、腫瘍をメスで優しく擦ることにより皮膚から分離した。腫瘍を48時間固定した後、70%エタノールに移し、4℃でカセットに保存した。腫瘍は、切片化および染色のためにHistotoxLabs(Bolder, CO)に輸送した。腫瘍中のNKT細胞は、NKp46染色により同定した。
【0283】
[実施例4―血液がんは、末梢血中のAVM-NKT細胞の濃度を高める]
マウスに、対数増殖期にある1~5Mのリンパ腫細胞を尾静脈注射することにより、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫を接種する。6時間から13日後に、マウスから血液を採取し、血中のAVM-NKT数を、CD3 very high(Tリンパ球よりも少なくとも0.5 log高いMFI)およびCD49b陽性の細胞をゲートするフローサイトメトリーにより、またはNKp46をゲートすることにより決定する。ナイーブマウスまたはMatrigelに包まれ側腹部に皮下移植されたTまたはBリンパ腫細胞のような固形腫瘍を有するマウスと比較して、循環TまたはBリンパ腫細胞を有するマウスは、有意に増加した末梢血中AVM-NKT数を有する。
【0284】
[実施例5―ナイーブBalb/cマウスにおいて、約29 mg/kg以上のAVM0703用量 (DPとして) の48時間後に、骨髄および脂肪組織でAVM-NKTが誘導される]
Balb/cマウスはMHCハプロタイプ「d」を有し、H-2Kはd (H-2Kd) である。H-2Dはd (H-2Dd) である。H2-Lはd (H-2Ld) である。Aαβはd, dである。Eαβはd, dである。Mls1はbである。Mls2はaである。I-Aはd (I-Ad) である。I-Eはd (I-Ed) である。Qa-1はb (Qa-1b) である。Qa-2はa (Qa-2a) である。
【0285】
C57Bl/6マウスは「b」MHCハプロタイプを有し、H-2Kはb (H-2Kb) である。H-2Dはb (H-2Db) である。H2-Lはnullである。Aαβはb, bである。Eαβはb, bである。Mls1はbである。Mls 2はbである。I-Aはb (I-Ab) である。I-Eはnullである。Qa-1はb (Qa-1b) である。Qa-2はa (Qa-2a) である。
【0286】
ナイーブBalb/cマウスで誘導されるAVM NKTは、ナイーブC57Bl/6マウスで誘導される末梢血AVM-NKTと同様にCD3 MFI highであり、ナイーブBalb/cマウスのAVM-NKTはTCRガンマ/デルタ陽性である。多くの細胞は、活性化されていないことを示すNKp46陰性である。この例は、MHC発現が標的器官を決定し得ることを示している。
【0287】
MHCが、AVM_NKT細胞のトラフィッキングをコントロールし得る。AVM_NKT細胞は、ナイーブAVM0703処置オスC57Bl6マウスの血中に存在する。AVM_NKT細胞は、ナイーブAVM0703処置オスBalb/cマウスの脂肪および骨髄中に存在する。AVM_NKT細胞は、AVM0703処置オス腫瘍保持Balb/cマウスの腫瘍中に存在する。ナイーブBalb/cマウスにおける新規NKTはまた、tCRgd陽性、B220-、NKp46+/-、Ly6G-、CD4-、CD8-、CD3high、MFI 10492、およびCD49b+である。
【0288】
[実施例6―急性高用量デキサメタゾンは、T細胞およびB細胞リンパ腫において腫瘍殺傷効果を有し、自然発症糖尿病NODマウスにおいて高血糖を予防または遅延させ、早期発症の確立された糖尿病のNODマウスにおいて糖尿病を回復させる]
高用量デキサメタゾンは、A20 B細胞リンパ腫腫瘍モデルにおいて腫瘍増殖を有意に遅延させることが示された(
図11)。その後の一連の実験(PCT/US2021/019773に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、A20 B細胞リンパ腫腫瘍モデルおよびT細胞リンパ腫の異種移植モデル (CCRF-CEM) における急性高用量デキサメタゾンの腫瘍殺傷効果を確認し、高用量デキサメタゾンが高血糖症を予防し、早期発症の確立した糖尿病のNODマウスにおける糖尿病を回復させる能力を実証した。
【表3】
【0289】
[実施例7―急性高用量デキサメタゾンで処置されたヒト被験者におけるAVM-NKT細胞の同定]
マウスにおけるAVM-NKT細胞の同定に続いて、高用量デキサメタゾンで処置されたヒト被験者からのファイル上のデータが再分析された。
【0290】
変形性関節症患者において、「Physician Practice of Medicine」のガイドラインの下で、3~6 mg/kgのジェネリックのデキサメタゾンが4人の患者に投与された(Brighton, MIの高度整形外科専門医Loniewski博士による)。
【0291】
4人の患者がマウスにおいてAVM_NKTを最大に誘導するために使用された用量よりも6倍低いデキサメタゾン用量で処置された48時間後の4人の患者から取られたのフローサイトメトリーデータのレビューが行われた。四人の患者のうちの一人からのCD/CD56散乱図は、マウスで同定されたAVM-NKT細胞に対応する細胞の新しい集団が処置後約48時間で出現したことを示している (
図12) 。
【0292】
図13に示すように、4回目のAVM0703処置を6 mg/kgで注入した1時間後の前立腺がん患者においても、新規のCD56 very bright細胞集団が観察された。この前立腺がん患者は、複数年にわたるがん治療後の選択肢のない患者であり、少なくとも28日間隔で合計4回のAVM0703注入を受けた。
【0293】
健康な血液ドナーと比較して、前立腺がん患者は新規のCD3 dim集団の証拠を有していたが、これはAVM0703の1時間後にはもはや明らかではなく、しかし、その後、新たなCD56 very bright細胞集団が血液中に明らかになり、これは注入の3時間後にはもはや観察されなかった。
【0294】
健康な血液ドナーと比較して、前立腺がん患者は注入前にCD3dimおよびNKp46dimの細胞集団を有しており、6 mg/kgのAVM0703注入の1時間後には、該患者はCD45 dim/陰性およびCD4/CD8二重陰性である新たなCD56 very bright CD3dim集団を有していた。
【0295】
[実施例8―ヒト化マウスにおけるヒトAVM-NKT細胞の産生および動員]
マウスBおよびTリンパ球ならびにNK細胞を欠くが機能的なマウス補体系を有する照射マウスにヒト臍帯血CD34+幹細胞を移植することにより作製された、GenowayからのBalb/cバックグラウンド上BRGSFヒト化マウスにHED 18-45 mg/kg DSPを経口投与し、24-48時間後に、非ヒトマウスで同定されたAVM-NKT細胞に対応する細胞の新規集団を観察することができる。ヒトCD56+細胞は、約36時間後から13日後に至るまで血液中で観察することができる。
【0296】
[HuCD34-NCGマウスモデル]
Charles RiverからのHuCD34-NCGマウスは、CD34+幹細胞の養子移入により作製されたヒト様免疫系を有する研究可能なマウスモデルである。HuCD34-NCGマウスは、ヒト免疫系を調節する化合物の有効性を評価するための理想的なin vivoプラットフォームである。ヒト化マウスは移植片対宿主病 (GvHD) を発症しないかまたは発症が遅いため、長期研究に適している。
【0297】
骨髄除去の後、NCGマウスをヒト臍帯血由来CD34+幹細胞を用いた養子移植によりヒト化した。4人のドナー (ドナーあたりn=2) から得たNCGマウスにHED 18-45 mg/kgのDSPを経口投与し、24-48時間後にフローサイトメトリーで、非ヒトマウスで同定されたAVM-NKT細胞に相当する細胞が総脾細胞の約0.2~3%として観察できる。ヒトCD56+細胞は約36時間後から13日後に至るまで血液中に観察することができる。
【0298】
[huNOG-EXLマウスモデル]
TaconicからのhuNOG EXLは、平均54%のCD45細胞がヒトCD45について陽性である。3人のドナー (ドナーあたりn=2) からの6匹のhuNOG EXLヒト化免疫系マウスにHED 18-45 mg/kg DSPを経口投与し、24-48時間後にフローサイトメトリーで、非ヒトマウスで同定されたAVM-NKT細胞に相当する細胞が総脾細胞の約0.2~3%であることが観察できる。ヒトCD56+細胞は、約36時間後から13日後に至るまで血液中に観察することができる。
【0299】
[実施例9―ヒト対象において誘導/動員されたAVM-NKT (NKT様細胞) の特性評価]
前臨床的に、AVM0703誘導AVM-NKT細胞は特性評価されており、マウス黒色腫、マウスBリンパ腫、ヒト異種移植Tリンパ腫および糖尿病に対する活性が示されている。
【0300】
AVM0703で処置されたヒトがん患者から血液サンプルを採取し、上記のヒト全血表面染色プロトコールによって細胞を特徴づけした。AVM0703は、γδナチュラルキラーT様細胞 (CD56+γδTCR+) の産生と動員を誘導する。興味深いことに、動員されたNKT様細胞はiTCRを発現することも見出された (
図14) 。この発見は、iNKTとγδT細胞は一般に一方の疾患に対しては活性を示すが他方に対しては活性を示さないと言われていながら、AVM0703で誘導された細胞ががんと1型糖尿病の両方に対して活性を有する理由を説明し得る。動員された細胞は、典型的にはCD16+とNKp44+でもある (
図14) 。
【0301】
AVM0703投与後、注入後30分以内にCD56+γδTCR+ (WBCの1.64%) 細胞が全血中に動員された。これらの細胞は、すべての生きたWBC (白血球) からゲートされた。代表的な被験者において、これらの細胞は、iNKT陽性 (新規細胞の約96%) 、NKp44陽性 (新規細胞の約97%) 、CD8 dim/- (新規細胞の約98%) 、CD19+ (新規細胞の85%) 、CD16+ (新規細胞の86%) 、CD14+ (新規細胞の67%)であった。ここで報告されている数は、% CD56+γδTCR+である。CD56+γδTCR+iTCR+細胞は、CD3、CD45を発現し、一部のケースではCD4を発現しないことも見出された。一部のCD56+γδTCR+iTCR+細胞は、αβTCRを発現することも見出された。
【0302】
[実施例10―AVM-NKT細胞を単離し増殖させた後、細胞療法の前に患者をプレコンディショニングするために使用する]
自己または同種AVM-NKT細胞を、細胞療法が投与される6時間から96時間前に患者にIVまたはIPのいずれかで投与する。細胞療法は、再生目的、がんの治療、自己免疫疾患の治療、または感染性疾患もしくは細胞療法が正当化されるその他の医学的状態の治療のために行われ得る。
【0303】
[実施例11―AVM-NKTによる腫瘍崩壊症候群の誘発]
AVM-NKTは腫瘍を標的とし、四方八方から軍隊のように腫瘍に侵入する攻撃細胞のバンドを形成する。腫瘍崩壊症候群が発生し、マウスでは治療できず死に至ることがある。腫瘍崩壊症候群の臨床化学マーカー (尿酸など) が上昇する。腫瘍の肉眼的検査では、腫瘍膜に包まれたスラッジ状の油が示される。
【0304】
[実施例12―AVM-NKT細胞を使用して、がんまたは他の重篤な医療処置のために患者を準備する]
自己または同種AVM-NKT細胞は、化学療法、細胞療法、臓器もしくは骨髄移植などの医学療法を受けることが妨げられるパフォーマンスステータスを有する患者にIVまたはIPのいずれかで投与される。患者のパフォーマンスステータスは、医学療法に適格となるように改善される。
【0305】
[実施例13―AVM-NKT細胞は腫瘍の偽進行を引き起こす]
AVM-NKT細胞で処置された腫瘍は増殖し続けるように見えるが、サイトカインおよびケモカインの放出または他の免疫細胞への直接的な関与のいずれかによって、AVM-NKT細胞が腫瘍に引き付ける他の免疫細胞のために、この増殖は腫瘍の偽進行である。最終的に、腫瘍は完全に無細胞化し、吸収される。
【0306】
[実施例14―AVM-NKT細胞は、あらゆる種類のがん、移植片対宿主病、自己免疫、または免疫療法の免疫関連有害事象の治療に使用される]
AVM-NKT細胞は、血液および固形がんの両方、筋腫腫瘍、良性腫瘍、ならびに自己反応性TおよびBリンパ球にホーミングし、それらを標的とする。
【0307】
[実施例15―AVM-NKT細胞は、急性高用量のデキサメタゾンで処置されたヒトR/R NHL被験者および急性高用量のデキサメタゾンで処置されたヒト化マウスにおいて検出される]
[概要]
【0308】
ヒトR/R NHL臨床試験患者において、6 mg/kg~18 mg/kgのAVM0703用量後30~60分以内に、二重特異的ガンマデルタTCR+およびインバリアントTCR+細胞が血液中に動員される。この新規の誘導された免疫細胞は、病原体が存在しない環境にある健康なマウスの血液中にも、健康なヒトドナー(病原体が存在しない環境にいない)の血液中にも全く認められない。しかし、がん患者では、ベースライン時に、CD56 (ナチュラルキラーのマーカー) も発現するこの新規の二重特異的細胞が低レベルで発現していた。したがって、この細胞はガンマデルタTCR+インバリアントTCR+二重特異的ナチュラルキラーT様細胞である。
【0309】
本発明者らは、がん環境がこれらの細胞の誘導を引き起こし得るが、これらの細胞はAVM0703の投与後まで血中に最大限には動員されないという仮説を立てており、これは、マウスA20リンパ腫モデルでみられた結果と同様である(
図11、実施例3および6)。CNS扁平上皮がんを有する一人の人道的使用患者については、18 mg/kgのAVM0703注入開始後30分以内に、脳の左側のCNS腫瘍領域に限定された皮膚の発赤を特徴とする免疫浸潤が観察された (データは示していない) 。
【0310】
興味深いことに、これらのCD56+γδTCR+iTCR+細胞の存在は、R/R NHL臨床試験の患者における臨床反応と関連している。ベースライン時にもAVM0703投与後にもこれらの細胞の証拠を示さなかった唯一の患者(108-004)は、AVM0703後に客観的な臨床的有益反応を示さなかった唯一の患者である。
【0311】
マウスにおいて、AVM0703は、デキサメタゾンリン酸として計算される18 mg/kgのヒト等価用量 (HED) において、脾臓、骨髄および胸腺におけるCD3 high細胞の産生を誘導し、A20細胞が側腹部に注入された固形腫瘍にあるか骨髄、脾臓、胸腺または血液中にあるかにかかわらず、上記細胞を脾臓から血液中へ、そしてA20マウスB細胞リンパ腫へと動員する。最も迅速かつ主要な動員は腫瘍への動員であり、そこでは投与後約3時間でA20細胞を殺す最大の効果が観察される。
【0312】
ナイーブマウスは、通常、検査したどの臓器においてもこれらの細胞を発現しない。これらの細胞を誘導および動員するためのAVM0703に対する感受性はマウスの系統によって異なり、腫瘍環境自体が脾臓におけるこれらの細胞の産生を誘導し得るが、細胞の最適な動員および腫瘍標的化にはAVM0703を要し得る。
【0313】
Charles River社およびTaconic社から購入した、ヒトリンパ区画を有するヒト化マウスも、AVM0703投与後にhCD45+CD56+γδTCR+invTCR+細胞を動員する。
【0314】
[AVM0703 R/R NHL臨床試験患者からのヒトデータの概要]
【0315】
101-001 (6 mg/kg):CD56+γδTCR+は注入前には低いレベルで血中に存在し、6 mg/kgのAVM0703注入後1時間で全CD45+細胞の1.6% (76細胞/uL血液) から3.48% (165細胞/uL血液) に増加した。CD56+γδTCR+細胞をinvTCRおよびαβTCR発現のヒストグラムにゲートすると、これらの細胞はinvTCR+でもあり、この患者ではαβTCR+でもある。大きさと複雑さから、これらの細胞は主に大型顆粒リンパ球様細胞である(FSC対SSCプロット上に赤い点として見えている;
図15)。
【0316】
CD56+ WBCをX軸にγδTCR、Y軸にinvTCRを有する散布図にゲートする別のゲート化アプローチを用いると、CD56+γδTCR+iTCR+トリプル陽性細胞は、注入前0.15% (7細胞/uL) および注入1時間後0.24% (11.4細胞/uL) にてWBC中に存在する。これらの細胞は、注入後3日目には認められず、これは腫瘍部位への細胞のホーミングを示唆しており、14日目には全WBCの1.74% (78.7細胞/uL) であった。この患者は、28日目のPET/CTまでに腫瘍フレアおよび安定疾患 (SD) の証拠を示した。これらのデータを
図16に示し、%GPゲート (GPはWBCである) とともに下記表4にまとめる。
【表4】
【0317】
103-002 (6 mg/kg):血中CD56+γδTCR+細胞は注入前に高値であり(全CD45+細胞の9.3%、735細胞/μL血液)、注入1時間後に減少した(全CD45+細胞の6.54%、517細胞/μL血液)。この患者では28日目のPET/CTで腫瘍フレアとPRの証拠が認められたことから、AVM0703注入後にAVM-NKTが腫瘍にターゲティングされたことが示唆される。この患者の細胞はすべて二重特異性ではなく、invTCRを共発現するCD56+γδTCR+細胞は約10%のみであった。この患者は、CD8 MFI high細胞を含め、CD8の発現レベルも高かった。
【0318】
CD56+WBCを、X軸にγδTCR、Y軸にinvTCRを有するスキャッタグラムにゲートするという異なるゲート化アプローチを用いて、CD56+γδTCR+iTCR+三重陽性細胞を測定し、発現マーカーの特徴づけを行った。3日目には、CD56+γδTCR+iTCR+細胞の4%を除き、どの細胞にもCD19染色は認められなかったが、リンパ球集団はFCS対SSCで明らかであり、フローでは60%のみがCD3陽性であった。これらのデータを
図17に示し、下記表5に要約する。
【表5】
【0319】
103-005 (9 mg/kg):ベースラインのCD56+γδTCR+細胞はCD45+細胞の2.7%であり、すべてがinvTCRについて二重特異的であった (
図18左上) 。αβTCRはこのフローパネルには含まれなかった。大部分はCD8陰性であったが、95%はCD14陽性、60%はCD16陽性であり、活性化状態を示していた。13%はCD19陽性であった。
【0320】
9 mg/kg AVM0703投与の1時間後 (
図18右上) 、CD56+γδTCR+細胞はCD45+細胞の0.21%に減少し、この患者は28日目のPET/CTまでに腫瘍フレアとPRの証拠を示したことから、AVM-NKT細胞が腫瘍部位にターゲティングされたことが示唆される。
【0321】
CD56+WBCを、X軸にγδTCR、Y軸にinvTCRを有するスキャッタグラムにゲートするという、異なるゲートアプローチを用いて、CD56+γδTCR+iTCR+トリプル陽性細胞を測定し、発現マーカーを特徴づけした。1週間以内にPIにより臨床的応答が認められ28日目のPET/CTまでにPRを示したこの患者は、9 mg/kgのAVM0703注入1時間後に血中で劇的に低下した、高レベルの細胞を有し、腫瘍ホーミングが示唆された。これらのデータを
図18に示し、下記表7に要約する。
【表7】
【0322】
103-006 (9 mg/kg):ベースラインのCD56+γδTCR+細胞はCD45+の3.84%であった。αβTCRおよびinvTCRはこのフローパネルには含まれなかった。CD56+γδTCR+細胞はCD16, CD34, ICAM3についても陽性で (ICAM3のMFIは294であり、健常者対照のMFIは760)、42%がNKp44について陽性であった。大部分はCD8陰性であったが、95%はCD14陽性、20%はCD16陽性で活性化状態を示した。13%はCD19陽性であった。
【0323】
9 mg/kg AVM0703の投与1時間後、血中のCD56+γδTCR+細胞の数や発現に変化はなかったが、ただし25%のみがその時NKp44+であった。ICAM3 MFIに変化はなかった。3日目にCD56+γδTCR+細胞は全WBCの2.2%であり、92%がCD16を発現し、19%がNKp44を発現し、ICAM3 MFIは240であった。14日目にCD56+γδTCR+細胞は全WBCの2.2%であり、92%がCD16を発現し、19%がNKp44を発現し、ICAM3 MFIは240であった。14日目にCD56+γδTCR+細胞は全WBCの0.11%のみであった。
【0324】
108-001 (9 mg/kg):AVM0703注入後1時間で血中CD56+γδTCR+iTCR+細胞はベースラインの約20倍に増加し (5.8から112細胞/uL)、3日目も高値を維持した (36細胞/uL) 。この患者はAVM0703注入後3日目に視力の回復を伴って著しい臨床的応答を示した。興味深いことに、この患者ではベースラインまたはいずれの時点でもCD19+リンパ球は非常に少なかった。初回注入後のCD56+γδTCR+iTCR+フローサイトメトリー特性を
図19に示し、下記表8に要約した。αβTCRはこのフローパネルには含まれなかった。
【表8】
【0325】
AVM_NKT CD56+γδTCR+iTCR+細胞は、ベースライン時または2回目の9 mg/kg AVM0703注入1時間後に認められたが、3日目には10倍に増加した。この患者は、2回目の9 mg/kg注入後にCNS固形腫瘍が見られずCSF芽球が40%減少し、応答が継続していた。データを下記表9に要約する。
【表9】
【0326】
AVM_NKT CD56+γδTCR+iTCR+細胞は3回目の9 mg/kg AVM0703注入後の血液中には認められず、これは3回目の注入に対する患者の応答の消失と一致した。
【0327】
108-003 (12 mg/kg):患者108-003におけるCD56+γδTCR+iTCR+細胞に関するデータを
図20に示し、下記表10に要約する。
【表10】
【0328】
108-004 (12 mg/kg):注入前のCD56+γδTCR+invTCR+細胞は全細胞の0.09% (4.6細胞/uL) であった。AVM0703注入の1時間後、3日後、14日後に増加は認められなかった。興味深いことに、患者108-004は、PET/CT、臨床化学検査、CBCまたは臨床症状のいずれかで測定されるところの客観的な有益反応を示さなかった唯一の患者である。
図21に示すように、108-004はCD56+γδTCR+invTCR+細胞を動員しなかった。
【0329】
108-002 (18 mg/kg):ベースラインで全WBCの2.8%がCD56+γδTCR+iTCR+ であり(163.2 細胞/uL)、AVM0703 18 mg/kg注入後1時間の時点でこれは変化しなかった。3日目にこれらの新規細胞は血中で0.04%に減少して、マウスモデルで観察された腫瘍ホーミングが示唆され、14日目には血中で2.12%に戻った。患者108-002はPET/CTでのSDを伴う継続したPRを有しており、2021年8月30日の投与日から生存している。データを
図22に示し、下記表11に要約する。
【表11】
【0330】
[用量漸増AVM-NKTと臨床反応およびPET/CT反応との関連の要約]
【0331】
R/R NHL、用量漸増期についてのAVM0703の要約を下記表12に示す。2022年7月15日現在; 12人の患者に投与された;平均5.6の先行治療で、12人中7人がHSCTまたはCarTで不治だった。フローサイトメトリーが測定されたなかで新規AVM-NKTのエビデンスがなかった唯一の患者は、治療にも反応しなかった (108-004) 。新規AVM-NKT細胞のエビデンスを有したすべての患者は、臨床的および/またはPET/CTでSD/PR/CRの反応を示した。
【表12】
【0332】
[ヒト健常対照血液ドナーからのデータの要約]
健常対照血液ドナーにおいて:CD56+γδTCR+細胞は通常存在しない。存在する少数の細胞は、典型的にはinvTCR共発現細胞であり、CD14およびCD16についても陽性である。全CD56+WBCからのγδTCR+iTCR+細胞の散布図を、12人の健康な血液ドナーについて
図23に示す。
【0333】
血液中にいくらかの低いレベルが見られる健康なドナーについてのCD56+γδTCR+iTCR+マーカー発現を表13に示す。発現したマーカーは、R/R NHL患者の血液中のこれらの細胞によって発現されるマーカーと一致しており、これらの「健康な」血液ドナーは実際には、病原体フリーの環境で維持されるプラセボマウスでは決して見られないこれらの細胞の産生を誘導した感染または他の無症候性の問題を有している可能性があると我々は仮定している。健康な血液ドナーに存在する場合のこれらの細胞の特徴は、AVM0703-001試験患者におけるこれらの細胞の特徴に類似している。%GPゲートは表に記載された%である (GPはWBCである) 。
【表13】
【0334】
[ヒト化マウス実験LYDEP 43および45からのデータの要約]
【0335】
新生マウスに放射線を照射し臍帯 (UC) CD34+細胞を移植することによって作製された部分的ヒト血液細胞を有するマウスにおいて、AVM0703で処置されたナイーブマウスおよびヒト患者で観察された細胞と同様の新規ヒト免疫細胞が、同じヒトUC血液CD34+ドナー由来のプラセボマウスと比較した場合にAVM0703処置後には血中で増加している。1週間後に再投与したマウスでは、プラセボ投与マウスと比較して、より多くのマウスでhCD45+CD56+TCRγδ+ヒト免疫細胞が増加した。これらのヒト化マウスは、マウスとヒトの両方の骨髄細胞を欠いており、興味深いことに、AVM0703投与後にはヒトとマウスの両方の骨髄細胞を産生し始めた。さらに、3回目のAVM0703投与後に、ヒト化マウスはhCD45+mCD45+二重陽性細胞を有した。
【0336】
雌huNOG-EXLマウス (n=6) は、Taconic Bioscience (Germantown, NY)から入手した。雌huCD34-NCGマウス (n=8) は、Charles River (Wilmington, MA)から入手した。両施設からのマウスを少なくとも5日から6日の間、実験室条件に馴化させた。
【0337】
マウスに32 mg/kgのリン酸デキサメタゾン (DP) またはプラセボを3回経口投与し、タイムポイントまで維持した。1回目の投与 (03/01/2021) および1週間後の2回目の投与 (03/08/2021) の後、マウスが所定のタイムポイントに達した時に、頬穿刺により最大70 uLの血液/マウスを採取した。血液はフローサイトメトリーにより分析した。
【0338】
前回の投与から28日後の3回目の投与後 (04/05/2021) 、48時間または60時間の研究タイムポイントに達した時に、マウスを標準操作手順に従って安楽死させた。
【0339】
検討した雌のヒト化マウスは、合計6人の異なる臍帯血ドナーと2つの異なる販売業者から得たものである。AVM0703に対する反応は、両方の販売業者と6人のドナーすべてに渡り一貫しており、下記に要約する。AVM0703は、ヒトCD56+γδTCR+invTCR+免疫細胞の発現と動員を誘導し、骨髄区画をほとんど欠くマウスにおいて骨髄細胞の産生も誘導した。
【表14】
【0340】
Taconicから購入したヒト化マウスは、AVM0703の初回投与後に、Charles Riverから購入したマウスよりも多くのhCD45+CD56+γδTCR+細胞を動員した。2回目の投与についてのフローパネルにはinvTCRのマーカーが含まれていたが、初回投与については含まれていなかった。しかし、再投与の際に、Charles Riverから購入したマウスは、初回投与後よりも多くのhCD45+CD56+γδTCR+invTCR+細胞を動員した一方、Taconicから購入したマウスは、再投与時にプラセボと比較して同じ動員を示した。すべてのマウスが致死的な放射線照射を受けた後にヒト臍帯血CD34+細胞を移植されているため、プラセボ処置マウスはナイーブマウスとみなすことはできない。したがって、プラセボ処置マウスがこれらの新規免疫細胞のベースラインレベルを有し得ることは驚くべきことではない。なぜなら、マウスががんまたは糖尿病を有している場合、これらの細胞は存在するがAVM0703処置後まで最適動員がされないことを我々は示していたからである。
【表15】
【0341】
ヒト患者と同様に、AVM0703はヒト化マウスにおいてCD56+TCRγδ+invTCR+二重特異的免疫細胞動員を誘導する。
図24に示すように、AVM0703はCD16+であるCD56+TCRγδ+細胞を誘導し (hCD45+細胞の12%)、活性化状態を示唆した (マウス10 Taconic NOG-EXL) 。
図25および26に示すように、>18 mg/kgのAVM0703 HEDは、hCD45+細胞の2~12%の二重特異的免疫細胞動員を誘導する。
図27および28に示すように、AVM0703はヒト化マウスにおいてγδTCR+invTCR+二重特異的活性化CD56+骨髄細胞を誘導し、これはヒト患者からのデータと相関する。60%超のヒトCD45+CD56+細胞は、TCRγδおよびインバリアントTCRについて二重特異的であり、CD16陽性であり、活性化状態を示した。骨髄は、AVM0703 32 mg/kg HEDの3回目の反復用量の48-60時間後に分析した。
【0342】
図29および30は、AVM0703の1回目 (
図29) および2回目 (
図30) 用量後のヒト化マウスについてのFSC対SSCを示す。マウスは骨髄コンパートメントを持たないことがCharles RiverおよびTaconicによって報告されているが、AVM0703投与後、マウスはヒトとマウスの両方の骨髄細胞を作り始めた。二匹のプラセボマウス(
図29および
図30の上側プロット;プラセボマウスM12左上、プラセボマウスM90右上)およびAVM0703処置マウス(
図29および30の下側プロット;マウスM88)についての散布図を示す。マウス88は、AVM0703処置ヒト化マウス全12匹のうち、骨髄細胞の増加が最も早かった。平均すると、プラセボ処置マウスでは、マウス総WBCの12.7%がリンパ球細胞であったのに対し、AVM0703処置マウスでは、マウス総WBCの10.62%がリンパ球細胞であった (2%~20.4%の範囲) 。
【0343】
マウスが好中球を含む骨髄細胞を産生し始めるというこの観察結果は、AVM0703投与後に健康な活性好中球を産生し始めたドイツの人道的使用患者からの報告と一致している。この18歳男性は、AVM0703で処置される6年前の最初の化学療法サイクル以降、好中球を産生していなかった。同様に、R/R NHLにおける我々のAVM0703-001試験のヒト患者はすべて、好中球増加の証拠を示している。
【0344】
図31~33は、ヒト化マウスが主にヒトリンパ系細胞を有することを示している。これらの図は、プラセボ処置マウスにおけるリンパ系細胞と骨髄系細胞の起源についての別の見方を表しており、ここでもやはり、少数の骨髄系細胞は大部分がマウス起源である一方、リンパ系細胞の大部分はヒト起源であることが示されている。これらのフローサイトメトリーサンプルにはかなりのデブリがあり、非ゲートhCD45対mCD45散布図の多くの点がヒトとマウスの両方のCD45について陰性であるのはそのためである。
【0345】
図31は、プラセボ処置マウスにおいて、リンパ球が大部分ヒトCD45+であり (
図31上段) 、少数の骨髄細胞が大部分mCD45+であることを示している (
図31下段) 。
図32~33は、AVM0703投与がヒト化マウスにおいて骨髄細胞産生を誘導することを示す。mCD45+細胞 (左上) およびhCD45+細胞 (右上) 上についてゲートされたFSC対SSC、およびhCD45+細胞対mCD45+細胞 (下) の散布図を示す。
図32はプラセボマウスM12からのデータを示し、マウスリンパ球がマウス総WBCの13%であり (
図32左上)、ヒトリンパ球はヒト総WBCの60%であり (
図32右上) 、総リンパ球は総WBCの45%である。
図33はプラセボマウスM90からのデータを示し、マウスリンパ球がマウス総WBCの12.5%であり (
図33左上) 、ヒトリンパ球はヒト全WBCの31.5%であり (
図33右上) 、総リンパ球は全WBCの30%である。
【0346】
図34~39は、AVM0703投与によりヒト化マウスにおいて骨髄系細胞産生が誘導されることを示している。これらは、AVM0703初回用量後のAVM0703処置マウスのフローサイトメトリー散布図である。散布図では、リンパ球は丸で囲まれているが、骨髄系細胞はSSCが高くリンパ球の上にプロットされている。これらのFSC対SSC散布図は、プラセボと比較して、マウス由来骨髄系細胞の数が有意に多いことを示しており(左上)、ヒトの臨床試験患者および人道的使用患者で観察されたようにAVM0703投与が骨髄系細胞産生を誘導することを示唆している。リンパ系細胞集団は、大部分がhCD45+起源のままである (右上) 。ヒトCD45+細胞がmCD45+細胞の約2倍であるプラセボ処置ヒト化マウスと比較して、AVM0703処置ヒト化マウスは、マウスCD45+細胞とヒトCD45+細胞の数がほぼ等しい (下) 。
【0347】
図34は、AVM0703処置マウスM88からのデータを示しており、マウスリンパ球は全WBCのわずか5.7%である (
図34左上) 。ヒトリンパ球は全ヒトWBCの58%である (
図34右上) 。総リンパ球は全WBCの32%である。
図35は、AVM0703処置マウスM01からのデータを示しており、マウスリンパ球は総WBCのわずか6.7%である (
図35左上) 。ヒトリンパ球はヒト総WBCの67%である (
図35右上) 。総リンパ球は総WBCの35%である。
図36は、AVM0703処置マウスM03からのデータを示しており、マウスリンパ球は総WBCのわずか23.7%である (
図36左上) 。ヒトリンパ球はヒト総WBCの47%である (
図36右上) 。総リンパ球は総WBCの40%である。
図37は、AVM0703処置マウスM05からのデータを示しており、マウスリンパ球は総WBCのわずか2.0%である (
図37左上) 。ヒトリンパ球はヒト総WBCの50.1%である (
図37右上) 。総リンパ球は総WBCの20.9%である。
図38は、AVM0703処置マウスM07からのデータを示しており、マウスリンパ球は総WBCのわずか20.4%である (
図38左上) 。ヒトリンパ球はヒト総WBCの58.2%である (
図38右上) 。総リンパ球は総WBCの41.9%である。
図39は、AVM0703処置マウスM10からのデータを示しており、マウスリンパ球は総WBCのわずか5.2%である (
図39左上) 。ヒトリンパ球はヒト総WBCの37.5%である (
図39右上) 。総リンパ球は総WBCの28.1%である。
【0348】
[実施例16―AVM0703で誘導されその後養子移入された免疫細胞のin vivo抗がん活性]
In vivoで活性化された免疫細胞を、MOPC315多発性骨髄腫細胞が側腹部に注入され脾臓、血液および骨髄にも転移したマウスに、養子移入 (ACT) した。AVM0703は、単離されその後養子移入された二重特異的γδTCR+invTCR+NKT様細胞を誘導するためだけでなく、AVM0703がシクロホスファミド/フルダラビン (Cy/Flu) などの細胞毒性プレコンディショニングレジメンに取って代わることができるかどうかを判断するためのプレコンディショニング剤としても使用された。予測通り、AVM0703処置マウスからのACT細胞の統計学的に有意な効果を得るには、プレコンディショニングが必要であった。AVM0703でプレコンディショニングされたマウスは、受け取ったACT細胞に加えて、自身の内因性の新規免疫細胞も動員する。
【0349】
AVM0703でプレコンディショニングしたマウスの腫瘍 (
図40左上) および脾臓 (
図40右上) では、AVM0703処置マウス由来のACT細胞が、生存MOPC315細胞の総数を有意に減少させた。さらに、この減少は統計的に有意ではなかったが、AVM0703でプレコンディショニングした後にプラセボ処置マウス由来の細胞をACTしたところ、生存MOPC315細胞が減少する傾向が示された。これは、MOPC315接種したマウスにおいてAVM0703プレコンディショニングが内因性の二重特異的NKT様細胞を誘導/動員する能力に基づいて予想されたことである。結果は統計的に有意ではなかったが、AVM0703プレコンディショニング後のACTは、血液 (
図40左下) および骨髄 (
図40右下) でも生存MOPC315の減少の傾向を示した。このMOPC315の研究は、NCI SBIRグラント1R43CA246896-01A1の支援を受けた。
【0350】
[実施例17―デキサメタゾンなどの高用量グルココルチコイドは低親和性水素結合を介してICAM3に結合し、これが本発明の新規NKT様細胞の誘導および/または動員を媒介し得る]
本発明者らはまた、高用量投与後に、グルココルチコイド分子がICAM3のような細胞間接着分子に結合してブロックできることを発見した。例えば、WO 2021 247473に記載されている。デキサメタゾンとICAM3の相互作用の分子モデリングから、デキサメタゾンの水素分子とICAM3のSER31残基、およびデキサメタゾンの酸素分子とICAM3のMET49残基の間の相互作用を含め、これらの間の相互作用は低親和性水素結合を介していることが予測されている。ICAM3と他のいくつかのリガンドとの相互作用の分子モデリングから、アゴニスト抗体は疎水性ポケットでICAM3に結合し、残基THR38、LEU40、LEU56、VAL59、およびILE65と相互作用すること、抗ICAM3抗体ICR 8.1は残基PHE21、VAL22、GLU32、LYS33、TRP51、およびALA52と相互作用すること、および、インテグリンリンパ球機能関連抗原1 (LFA-1) は残基SER25、ASN23、GLU37、PHE54、およびGLN75と相互作用することが予測されている。
【0351】
発明者らは、本発明の新規NKT様細胞の誘導および/または動員は、グルココルチコイド受容体非依存性の作用機序において、ICAM3とグルココルチコイドの間のこの相互作用によって媒介され得ると考えている。
【0352】
図41に示すように、12 mg/kgのAVM0703注入後のマントル細胞リンパ腫患者 (患者103-007) において、リンパ球増加症はAVM0703後の4日目から7日目の間に正常なリンパ球レベルまで減少した。このことは、AVM0703の免疫活性化ががん細胞を優先的に認識し、リンパ球、単球、血小板およびRBCを含む正常な血液細胞を温存することを示唆している (
図42) 。ヘマトクリットとヘモグロビンも温存され、R/R MCL患者における9 mg/kgのAVM0703注入後にヘモグロビンは実際に臨床的に有意に増加した。AVM0703に反応してリンパ球減少症が認められないことは、グルココルチコイド受容体 (GCR) 非依存性の作用機序を支持している。同様に、血小板への影響が認められないことおよび好中球の増加も、GCR非依存性の作用機序を支持している。
【0353】
濃度-反応曲線は、膜貫通型GCRに結合することが知られている濃度 (10 nMから100 uM) では、単離マウス脾臓細胞および全血に対するデキサメタゾン塩基の予想されるアポトーシス効果を示している。しかし、
図43に示すように、100 uM(これは約2.8 mg/kgヒト等価用量 (HED) からのin vivo等価血中濃度ピークである)超では、二相性の反応曲線が観察され、濃度が上がるにつれアポトーシスは減少している。二相性の反応曲線はケモカイン(Olsen I, J Immunol Methods. 2013 Apr 30;390(1-2):106-12; Florini J R, Am J Physiol. 1986 May;250(5 Pt 1):C771-8)および成長因子(Parris, Dose Response. 2015 May 20;13(2): dose-response.14-020; Kanodia J, Cell Commun Signal. 2014 May 15;12:34)についてよく記述されてきており、受容体の脱感作/内在化または新しい低親和性(Olsen, 2013; Florini, 1986)であるが非常に高密度の受容体が因子を吸収するがゆえにその因子が高親和性であるがアクセスしにくい受容体に結合できなくなる結果であることが示されている(Kanodia, 2014; Koledova Z, Front Cell Dev Biol. 2019 Dec 12;7:331)。
【0354】
同様に、R/R NHL患者におけるAVM0703-001用量漸増期から、WBC、リンパ球、血小板およびRBCは、6 mg/kgから18 mg/kgの用量で枯渇しなかった。WBC、血小板、単球、リンパ球および脾臓細胞はGCRアルファを発現することが知られており、1 nMから10 uMの間のデキサメタゾン塩基濃度でこれらの細胞集団に見られる効果と符合している。二相性CRCは、低親和性であるが非常に高密度の非GCR受容体が高濃度を吸収し、GCRの結合と活性化を妨げることを示唆している(Kanodia, 2014)。GCRを発現しないRBCは、どの濃度のex vivoデキサメタゾン塩基にも反応しなかった(データは示していない)。ICAM3は、文献検索およびヒトプロテオームデータベース検索を通じて、デキサメタゾンの超薬理学的濃度にとっての潜在的な低親和性受容体として同定され、2人の独立したコンサルタントによって行われた分子ドッキング研究によって確認された。
【0355】
ICAM3はデキサメタゾン結合後にシェディングすることが報告されており(Juan M, 1999)、発明者らは、この結合が超薬理学的用量では共有結合性でありAVM0703がGCRに結合するのを妨げるという仮説を立てており、これは、PK分析よりAVM0703が血液から除去されたように見えるなかGCR活性化が観察されない理由を説明する。シェディングされたICAM3に共有結合したAVM0703は血液の血漿/血清画分中に見出され、結合したAVM0703はLC-MS/MS分析中にICAM3から放出されるだろうが、GCRに結合し活性化することは妨げられるであろう。あるいは、AVM0703の構造がICAM3結合後に修飾されて、血中に遊離していてももはやGCRに結合できないようになる可能性もある。
【0356】
[参考文献]
本発明およびそれが関係する技術水準をより完全に説明および開示するために、多数の刊行物が上記で引用されている。各参考文献は、その全体を参照により本明細書に援用する。これらの参考文献の完全な引用を以下に提供する。
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【0357】
[開示のステートメント]
本開示の態様を概説する以下の番号付きステートメントは、本明細書の一部である。
【0358】
ヒト免疫系NKT様細胞 (AVM-NKT細胞) を作製する方法
101. ナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT細胞) の集団を作製および/または動員する方法であって、デキサメタゾン塩基の少なくとも約6 mg/kgヒト等価用量 (HED) と等価な用量でグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤を対象に投与することを含むみ、
グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤が、対象においてNKT様細胞の集団を誘導および/または動員する、方法。
【0359】
細胞マーカーの発現
102. 細胞の集団が、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が
i) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現すること;
ii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/または
iii) CD4を発現しないこと
を特徴とする、ステートメント101記載の方法。
103. 細胞が、
(i) TCRガンマ/デルタ、およびiTCR;
(ii) CD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCR;
(iii) CD45、TCRガンマ/デルタ、およびiTCR;
(iv) CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCR;
(vi) TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータ;
(vii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータ;
(viii) CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータ;
(ix) CD45、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータ;
(x) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびCD16;
(xi) CD45、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびCD16;
(xii) CD16およびNKp44;
(xiii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、およびNKp44;
(xiv) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータ;
(xv) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、およびTCRアルファ/ベータ;
(xvi) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、およびCD19;
(xvii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、およびCD45;または
(viii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、およびTCRアルファ/ベータ
を発現する、ステートメント102に記載の方法。
104. 細胞がCD4を発現しない、ステートメント102~103のいずれか1項に記載の方法。
105. 前記細胞が、
i) CD3+/dim;
ii) CD8+/dim;
iii) CD3+/dimかつCD8+/dim
であり、任意で、発現レベルが、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤と接触されていない、共通の供給源に由来する参照細胞の集団における平均発現レベルに対して決定される、ステートメント102~104のいずれか1項に記載の方法。
106. 発現がフローサイトメトリーによって測定され、任意で、フローサイトメトリーが、本明細書に記載の装置、試薬、および/または条件を(単離してまたは組み合わせて)用いて実施される、ステートメント102~105のいずれか1項に記載の方法。
【0360】
グルココルチコイド
107. グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤またはICAM3調節剤がグルココルチコイドであり、任意で、グルココルチコイドがデキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾンおよびベクロメタゾンからなる群から選択される、ステートメント102~106のいずれか1項に記載の方法。
108. グルココルチコイドがデキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾンからなる群から選択され、好ましくは、グルココルチコイドがデキサメタゾンまたはベタメタゾンである、ステートメント107に記載の方法。
109. 前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンヘミスクシネート、デキサメタゾンコハク酸ナトリウム、デキサメタゾンスクシネート、デキサメタゾンイソニコチネート、デキサメタゾン-21-アセテート、デキサメタゾンホスフェート、デキサメタゾン-21-ホスフェート、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-バレラート、デキサメタゾンアセテート一水和物、デキサメタゾンピバレート、デキサメタゾンパルミテート、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオネート、デキサメタゾンプロピオネート、デキサメタゾンアセテート無水、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオネート、デキサメタゾン-21-スルホベンゾエート、デキサメタゾンヘモサルフェート、デキサメタゾンサルフェート、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフラート、デキサメタゾンカルボキシミド、デキサメタゾンシペシラート、デキサメタゾン21リン酸二ナトリウム塩、デキサメタゾンメシラート、デキサメタゾンリノレート、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、デキサメタゾンヨードアセテート、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオ-デキサメタゾン、デキサメタゾンビスエトキシム、デキサメタゾンエポキシド、デキサメタゾンリノールエライデート、デキサメタゾンメチルオルトバレレート、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、デキサメタゾントリブチルアセテート、デキサメタゾンアスパラギン酸、デキサメタゾンガラクトピラノース、デキサメタゾンヒドロクロリド、ヒドロキシデキサメタゾン、カルボキシデキサメタゾン、デスオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメタゾン、オキソデキサメタゾン、プロピオニルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンガラクトジ、デキサメタゾンイソニコチネート、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブレート、デキサメタゾントリデシルレート、デキサメタゾンクロトネート、デキサメタゾンメタンスルホネート、デキサメタゾンブチルアセテート、デヒドロデキサメタゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチルチオエーテル、デキサメタゾンブロモアセテート、デキサメタゾンヘミグルタレート、デオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンクロラムブシレート、デキサメタゾンメルファラネート、ホルミルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブチレート、デキサメタゾンラウレート、デキサメタゾンアセテート、およびデキサメタゾンの一形態を含有する任意の併用療法からなる群より選択される、ステートメント107~108のいずれか一項に記載の方法。
110. デキサメタゾンがリン酸デキサメタゾンナトリウムである、ステートメント109に記載の方法。
【0361】
グルココルチコイド用量
111. グルココルチコイドがおよそ以下のもの:
i) 少なくとも6~12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
ii) 少なくとも6 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iii) 少なくとも12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iv) 少なくとも15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
v) 少なくとも18 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vi) 少なくとも24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vii) 15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
viii) 24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
ix) 30 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
x) 45 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);または
xi) mg/kg値の範囲からのmg/kg値を有するデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) であって、前記範囲は、上記i)~x)に記載のmg/kg値のうちの二つによって画定される量
と同等な用量で投与される、ステートメント101~110のいずれか一項に記載の方法。
112. グルココルチコイドは、単回急性用量として、または約72時間にわたって投与される総用量として投与される、ステートメント101~111のいずれか一項に記載の方法。
113. グルココルチコイドの一以上のさらなる用量を投与することを含む、ステートメント101~112のいずれか一項に記載の方法。
114. 前記一以上のさらなる用量が、
i) 先行するグルココルチコイド投与後24時間から120時間の間;
ii) 先行するグルココルチコイド投与後24時間から48時間の間;
iii) 先行するグルココルチコイド投与後72時間から120時間の間;
iv) 最初のグルココルチコイド投与後24、48、72、96、120、144、または168時間ごと;
v) 最初のグルココルチコイド投与後二週間ごとに一回;
vi) 最初のグルココルチコイド投与後毎月一回; または
vii) 最初のグルココルチコイド投与後週二回
投与される、ステートメント113に記載の方法。
【0362】
細胞活性化
115. NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤を対象に投与する工程をさらに含む、ステートメント101~114のいずれか一項に記載の方法。
116. NKT細胞活性化剤が、アルファGalCer、スルファチド、またはNKT活性化抗体からなる群より選択される、ステートメント115記載の方法。
117. NKT細胞活性化剤が、アルファGalCerがロードされた樹状細胞または単球である、ステートメント116に記載の方法。
118. T細胞活性化剤が、ゾレドロネート、メバスタチン、またはT細胞活性化抗体からなる群より選択される、ステートメント115に記載の方法。
119. NK細胞活性化剤が、IL-2、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21、またはNK細胞活性化抗体からなる群より選択される、ステートメント115に記載の方法。
120. NKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤が、グルココルチコイドの投与後48時間以内またはその前後に投与される、ステートメント115~119のいずれか一項に記載の方法。
【0363】
対象
121. 対象が、ヒト、またはヒト免疫系 (HIS) マウスなどのヒト化免疫系を有する哺乳動物である、ステートメント101~120のいずれか一項に記載の方法。
122. 対象が、がん、自己免疫疾患、または感染性疾患からなる群から選択される疾患を有しているか、有している疑いがあるか、または有していると診断された対象である、ステートメント101~121のいずれか一項に記載の方法。
123. がんが固形腫瘍がんである、ステートメント122に記載の方法。
124. がんが、扁平上皮がん (上皮扁平上皮がんなど);肺がん (小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がんおよび肺の扁平上皮がんを含む);腹膜がん;肝細胞がん;消化器がんを含む胃がん;膵がん;膠芽腫;子宮頸がん;卵巣がん;肝臓がん;膀胱がん;肝臓がん;乳がん;結腸がん;直腸がん;大腸がん;子宮内膜がんまたは子宮がん;唾液腺がん;腎臓がんまたは腎臓がん;前立腺がん;外陰がん;甲状腺がん;肝細胞がん;肛門がん;陰茎がん;および頭頸部がんからなる群から選択される、ステートメント122に記載の方法。
125. がんがリンパ腫であり、好ましくはB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫である、ステートメント122に記載の方法。
126. 誘導/動員された細胞が、腫瘍浸潤を介してがんを治療する、ステートメント122~125のいずれか1項に記載の方法。
127. 誘導/動員された細胞が、免疫活性化サイトカインの放出を介してがんを治療する、ステートメント126に記載の方法。
128. 誘導/動員された細胞が、がん細胞を貪食して殺す、ステートメント126または127に記載の方法。
129. 誘導/動員された細胞が、腫瘍への他の免疫細胞の浸潤を促進する、ステートメント126~128のいずれか1項に記載の方法。
130. 誘導/動員された細胞が、CD1d誘導性アポトーシスを介してがん細胞を直接殺す、ステートメント126~129のいずれか1項に記載の方法。
131. 誘導/動員された細胞が腫瘍壊死を引き起こす、ステートメント126~130のいずれか一項に記載の方法。
132. 自己免疫疾患が、多発性硬化症、全身性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、1型糖尿病 (T1D) 、強皮症、天疱瘡、およびループスからなる群より選択される、ステートメント122に記載の方法。
133. 自己免疫疾患が、1型糖尿病 (T1D) である、ステートメント122に記載の方法。
134. 感染性疾患が、HIVおよびヘルペス、肝炎、ヒトパピローマウイルス、またはCOVID-19などのコロナウイルス感染から生じる疾患からなる群より選択される、ステートメント122に記載の方法。
135. 前記感染性疾が、
i) HIV;または
ii) COVID-19
である、ステートメント122に記載の方法。
【0364】
単離/増殖ステップ
136. 対象からまたは対象由来の試料から、誘導/動員された細胞の集団を単離する工程をさらに含み、
任意で、単離する工程は、
i) グルココルチコイド投与の30~60分後;
ii) グルココルチコイド投与の少なくとも48時間後;
iii) グルココルチコイド投与の48時間~13日後;または
iv) グルココルチコイド投与の6時間~48時間後
に行われる、ステートメント101~135のいずれか一項に記載の方法。
137. 試料が、血液、血漿、腫瘍生検または外科的に切除された腫瘍、骨髄、肝臓、および脂肪または脂肪組織からなる群より選択される、ステートメント136記載の方法。
138. 単離された細胞を増殖させる工程をさらに含む、ステートメント136または137に記載の方法。
139. 単離された細胞をNKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤で活性化する工程をさらに含み、
任意でNKT細胞活性化剤が、アルファGalCer(アルファ-ガラクトシルセラミド;α-GalCer)およびスルファチド(3-O-スルホガラクトシルセラミド;SM4;硫酸化ガラクトセレブロシド)から選択され;
任意でT細胞活性化剤が、ゾレドロネートおよびメバスタチンから選択され;および
任意でNK細胞活性化剤が、IL-2、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21からなる群より選択される、
ステートメント136~138のいずれか一項に記載の方法;
【0365】
単離された細胞のトランスフェクション
140. タンパク質をコードする核酸を単離細胞に導入し、該タンパク質の発現を促進する条件下で細胞を培養する工程をさらに含む、ステートメント136~139のいずれか一項に記載の方法。
141. 前記タンパク質が、T細胞受容体 (TCR) 、キメラ抗原受容体 (CAR) 、スプリット、ユニバーサルおよびプログラム可能なCAR (SUPRA-CAR) のうちの一つ以上からなる群より選択される、ステートメント140に記載の方法。
142. 前記CARおよび/またはTCRが、CD19、CD20、CD22、GD2、CD133、EGFR、GPC3、CEA、MUC1、メソテリン、IL-13R、PSMA、ROR1、CAIX、Her2からなる群より選択される抗原に結合する抗原結合ドメインを含む、ステートメント141に記載の方法。
143. 前記細胞を増殖させる工程をさらに含む、ステートメント140~142のいずれか一項に記載の方法。
144. 前記細胞をNKT細胞活性化剤、T細胞活性化剤、および/またはNK細胞活性化剤で活性化する工程をさらに含む、ステートメント140~143のいずれか一項に記載の方法。
【0366】
単離された細胞の投与
145. 対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患を治療する方法であって、該方法は、ステートメント136~144のいずれか一項に従って単離された細胞の治療的有効用量、またはステートメント201~211のいずれか一項の単離された細胞もしくは細胞集団の治療的有効用量を対象に投与することを含む、方法。
146. 単離された細胞が投与される対象が、細胞が単離されたところの対象と同一である、ステートメント145に記載の方法。
147. 単離された細胞が投与される対象が、細胞が単離されたところの対象と異なる、ステートメント145に記載の方法。
148. 単離された細胞が、静脈内注射、腹腔内注射、リンパ管内注射、髄腔内注射、脳脊髄液 (CSF) への注射、腫瘍への直接注射、および固形腫瘍上またはその付近に置かれたゲルとして、からなる群より選択される方法によって対象に投与される、ステートメント145~147のいずれか一項に記載の方法。
【0367】
医療用途
149. ステートメント101~148のいずれか1項に記載の方法で使用するためのグルココルチコイド。
150. ステートメント101~148のいずれか1項に記載の方法で使用するための医薬の製造のための、グルココルチコイドの使用。
151. NKT様細胞の集団を誘導および/または動員するためのデキサメタゾンの使用であって、前記細胞の集団は、ステートメント101~148のいずれか1項に記載の方法によって誘導および/または動員される、使用。
【0368】
AVM-NKT由来iPSC
152. 人工多能性幹細胞 (iPSC) を作製する方法であって、ステートメント136~138のいずれか1項に記載の方法によって単離された細胞を再プログラミングしてiPSCを作製することを含む、方法。
153. 再プログラミングすることが、Oct3/4、Klf4、Sox2、およびC-mycをコードする一つ以上の発現カセットを細胞に導入することを含む、ステートメント152記載の方法。
154. 再プログラミングすることが、Oct3/4、KLF4、Sox2、およびc-mycをコードするmRNAを細胞に導入することを含む、ステートメント152記載の方法。
155. 再プログラミングすることが、Sox1、Sox3、Sox15、Klf1、Klf2、Klf5、L-myc、N-myc、Nanog、および/またはLINのうちの1つ以上をコードする1つ以上の発現カセットを細胞に導入することをさらに含む、ステートメント153または154記載の方法。
156. 再プログラミングすることが、Sox1、Sox3、Sox15、Klf1、Klf2、Klf5、L-myc、N-myc、Nanog、および/またはLINのうちの一つ以上をコードするmRNAを細胞に導入することをさらに含む、ステートメント153または154記載の方法。
157. iPSCの分化を誘導することをさらに含む、ステートメント152~156のいずれか1項に記載の方法。
158. iPSCがNKT細胞に分化される、ステートメント157に記載の方法。
159. NKT様細胞の集団を作製する方法であって、ステートメント152~156のいずれか1項に記載の方法によって作製されたiPSCをNKT細胞系譜に分化させる工程を含む、方法。
【0369】
単離されたヒト免疫系NKT様細胞
201. ステートメント101~159のいずれか1項に記載の方法によって作製された、単離されたナチュラルキラーT細胞様細胞 (NKT様細胞) またはNKT様細胞の集団。
202. CD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現することを特徴とする、単離されたNKT様細胞。
203.
i) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34、および/またはICAM3を発現する;
ii) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータを発現する;
iii) 細胞はCD4を発現しない;
iv) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、およびNKp44を発現する;
v) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータを発現する;
vi) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、およびTCRアルファ/ベータを発現する;
vii) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、およびCD19を発現する
viii) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、およびCD45を発現する;
ix) 細胞はCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、およびTCRアルファ/ベータを発現する;および/または
x) 細胞はステートメント103で定義されたマーカーの組み合わせを発現する
ことを特徴とする、ステートメント202に記載の単離された細胞。
204. 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、およびiTCRを発現することを特徴とする、NKT様細胞の単離された集団。
205. 細胞の集団が以下のことを特徴とする、ステートメント204に記載の細胞の単離された集団:
i) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34、および/またはICAM3を発現する;
ii) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、および/またはTCRアルファ/ベータを発現する;
iii) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD4を発現しない;
iv) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、およびNKp44を発現する;
v) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、およびTCRアルファ/ベータを発現する;
vi) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、およびTCRアルファ/ベータを発現する;
vii) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD8、CD14、およびCD19を発現する;
viii) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、およびCD45を発現する;
ix) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がCD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、およびTCRアルファ/ベータを発現する;および/または
x) 細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98、または99%がステートメント103に定義されたマーカーの組み合わせを発現する。
206. 細胞または細胞群は、ステートメント101~159のいずれか一項に記載の方法によって産生される、ステートメント202~205のいずれか一項に記載の単離された細胞または細胞の単離された集団。
207. 細胞または細胞群は、天然に生じる細胞である、ステートメント202~205のいずれか一項に記載の単離された細胞または細胞の単離された集団。
208. 細胞または細胞群は、TCRガンマ/デルタを発現するようにトランスフェクション、形質導入、または他の方法で改変されていない、ステートメント202~205および207のいずれか一項に記載の単離された細胞または細胞の単離された集団。
209. 細胞または細胞群は、iTCRを発現するようにトランスフェクション、形質導入、または他の方法で改変されていない、ステートメント202~205および207~208のいずれか1項に記載の単離された細胞または細胞の単離された集団。
210. 細胞または細胞群は、TCRアルファ/ベータを発現するようにトランスフェクション、形質導入、または他の方法で改変されていない、ステートメント202~205および207~209のいずれか1項に記載の単離された細胞または細胞の単離された集団。
211. 細胞または細胞群は、CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現するようにトランスフェクション、形質導入、または他の方法で改変されていない、ステートメント202~205および207~210のいずれか1項に記載の単離された細胞または細胞の単離された集団。
【0370】
治療方法
301. 対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患の治療方法における使用のためのグルココルチコイドであって、前記方法はデキサメタゾン塩基の約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与することを含み、
ここで、グルココルチコイドは、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が:
i) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現すること;
ii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/または
iii) CD4を発現しないこと
を特徴とするNKT様細胞の集団を誘導する、使用のためのグルココルチコイド。
302. 対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患を治療する方法における使用のためのグルココルチコイドであって、前記方法はデキサメタゾン塩基の約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与することを含み、
ここで、グルココルチコイドは、ステートメント101~159のいずれかに記載のNKT様細胞の集団を誘導する、使用のためのグルココルチコイド。
303. 対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患を治療する方法であって、前記方法はデキサメタゾン塩基の約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与することを含み、
ここで、グルココルチコイドは、細胞の少なくとも60、70、80、90、95、96、97、98または99%が:
i) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45、TCRアルファ/ベータ、CD34および/またはICAM3を発現すること;
ii) CD56、TCRガンマ/デルタ、iTCR、CD16、NKp44、CD3、CD8、CD14、CD19、CD45および/またはTCRアルファ/ベータを発現すること;および/または
iii) CD4を発現しないこと
を特徴とするNKT様細胞の集団を誘導する、方法。
304. 対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患を治療する方法であって、前記方法はデキサメタゾン塩基の約6~45 mg/kgヒト等価用量 (HED) に等価な用量でグルココルチコイドを対象に投与することを含み、
ここで、グルココルチコイドは、ステートメント101~159のいずれかに記載のNKT様細胞の集団を誘導する、方法。
305. 対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患を治療する方法において使用するための、単離されたNKT様細胞またはNKT様細胞の集団であって、前記方法は、それを必要とする対象に、
i) ステートメント136~144のいずれか一項に従って単離された細胞;
ii) ステートメント201~211のいずれか一項に記載の細胞
の治療的有効用量を投与することを含む、単離されたNKT様細胞またはNKT様細胞の集団。
306. 対象におけるがん、自己免疫疾患、または感染性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に、
i) ステートメント136~144のいずれか一項に従って単離された細胞;
ii) ステートメント201~211のいずれか一項に記載の細胞
の治療的有効用量を投与する工程を含む、方法。
【国際調査報告】