(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】画像誘導レーザ療法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/20 20060101AFI20240905BHJP
A61N 5/067 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61B18/20
A61N5/067
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513514
(86)(22)【出願日】2022-08-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 US2022041775
(87)【国際公開番号】W WO2023034154
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509038083
【氏名又は名称】キュテラ アイエヌシー.
【氏名又は名称原語表記】CUTERA INC.
【住所又は居所原語表記】3240 Bayshore Boulevard Brisbane, California 94005 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ハンジカー、 ルーカス
【テーマコード(参考)】
4C026
4C082
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB08
4C026BB10
4C026GG06
4C082RA01
4C082RC09
4C082RC10
4C082RJ06
(57)【要約】
少なくとも第1の画像を取得するために患者の第1の皮膚領域を撮像することによって、治療用レーザ光を用いて患者の皮膚を治療し、第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を少なくとも1つのプロセッサで処理して、第1の皮膚領域内で少なくとも1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域を識別し、識別された1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいて、第1の皮膚領域の治療マップを生成し、生成された治療マップに基づいて、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも一部分を、治療用レーザ光を用いて治療するためのシステム、デバイス、及び方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用レーザ光を用いて患者の皮膚組織を治療するためのシステムであって、
a)患者の第1の皮膚領域を撮像して、前記第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を取得することができる少なくとも1つの撮像ユニットと、
b)前記少なくとも第1の画像内の陰影、色、及び形状のうちの少なくとも1つに基づいて、前記少なくとも第1の画像を処理して、前記少なくとも第1の画像内の少なくとも1つの標的皮膚領域と少なくとも1つの非標的皮膚領域とを識別するための画像プロセッサと、
c)治療用レーザ光パルスを生成するように構成された治療用レーザ光源と、
d)前記治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータであって、前記治療用レーザ光源から前記治療用レーザ光パルスを受け取り、前記治療用レーザ光パルスを前記患者の前記皮膚に向けるように構成されている、アプリケータと、
e)識別された前記少なくとも1つの標的皮膚領域の少なくとも一部分に対応する前記患者の皮膚領域を、前記治療用レーザ光パルスを前記少なくとも第1の画像内の前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の実質的に皮膚領域のみに向けることと、前記少なくとも第1の画像内の識別された前記少なくとも1つの非標的皮膚領域に対応する前記患者の皮膚の領域に治療用レーザ光パルスを向けることを実質的に回避することと、によって治療するために前記アプリケータを制御するためのコントローラと、を備える、システム。
【請求項2】
f)紫外、可視、及び赤外波長範囲のうちの少なくとも1つにおいて光を生成することができる少なくとも1つの光源を更に備え、前記少なくとも1つの撮像ユニットが、前記第1の皮膚領域を撮像して、紫外、可視、及び赤外照明条件のうちの少なくとも1つの下で前記少なくとも第1の画像を取得するように適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの撮像ユニットが、前記少なくとも第1の画像を捕捉するためのカメラを備える、請求項1に記載のシステム
【請求項4】
前記アプリケータが、前記治療用レーザ光パルスを、前記少なくとも第1の画像内の前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の実質的に皮膚領域のみに向け、前記少なくとも第1の画像内の前記識別された少なくとも1つの非標的皮膚領域に対応する前記患者の皮膚の領域に治療用レーザ光パルスを向けることを実質的に回避するための少なくとも1つの可動光学素子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記画像プロセッサが、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域及び前記識別された少なくとも1つの非標的皮膚領域に基づいて、治療マップを生成するように適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記治療マップが、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域の地理的場所のマップと、前記第1の皮膚領域内の前記識別された少なくとも1つの非標的皮膚領域と、を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記治療マップが、前記治療用レーザ光パルスの各々が、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域において適用されるべき前記地理的場所のマップを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記治療マップが、複数のビーム直径を有する治療用レーザ光パルスが、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対して適用されるべき前記地理的場所のマップを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記治療マップが、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対する地理的場所に複数の治療用レーザ光パルスを連続的に適用するためのパターンシーケンスを含み、前記コントローラが、前記複数の治療用レーザ光パルスの各々を前記パターンシーケンスに従って前記治療マップ内の前記地理的場所に対応する前記患者の前記皮膚上の地理的場所に連続的に向けることによって前記アプリケータを制御する、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記パターンシーケンスが、治療用レーザ光パルスによる隣接領域への温度上昇を最小化することと、異なる治療用レーザ光パルスを隣接領域に送達する前に、治療用レーザ光パルスからの熱放散を確実にすることと、治療時間を最小化することと、標的皮膚領域組織の過剰治療を最小化することと、標的皮膚領域の治療不足を最小化することと、標的皮膚領域の治療を最大化することと、非標的皮膚領域の治療を最小化することと、非標的皮膚領域の治療を回避することと、から選択される少なくとも1つの臨床目的を達成するために、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域にパルスの前記シーケンスを適用するための経路を定義する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記治療マップが、互いの治療用レーザパルスに対して特定の時間に、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対する地理的場所に、各治療用レーザ光パルスを適用するためのタイミングシーケンスを含み、前記コントローラが、前記タイミングシーケンスに従って、前記治療マップ内の前記地理的場所に対応する前記患者の前記皮膚上の地理的場所に各治療用レーザ光パルスを向けるように前記アプリケータを制御する、請求項5に記載のシステム。
【請求項12】
前記治療マップが、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に前記治療用レーザ光パルスを適用するための命令セットを含み、前記命令セットが、タイミングパラメータ、ビーム直径、フルエンス、前記少なくとも1つの標的皮膚領域に対する地理的場所、パルス波長、及びパルス持続時間、から選択される各治療用光パルスに対する1つ以上のパラメータを含み、前記コントローラが、前記治療マップ命令セットにおいて特定された場所に対応する前記患者の前記皮膚上の地理的場所に前記命令セットに従って各治療用光パルスを向けるように前記アプリケータを制御する、請求項5に記載のシステム。
【請求項13】
f)ディスプレイを備えるユーザインターフェースであって、前記ディスプレイ上に前記治療マップを表示する、ユーザインターフェースを更に含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項14】
前記画像プロセッサが、
1)1つ以上の皮膚病変の場所を、前記少なくとも第1の画像内の標的皮膚領域として識別することと、
2)前記少なくとも第1の画像内の前記1つ以上の皮膚病変の境界を識別することと、
3)前記少なくとも第1の画像内の前記少なくとも1つの非標的皮膚領域の場所を識別することと、
4)前記1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の治療マップを決定することと、
5)前記少なくとも第1の画像内の1つ以上の標的皮膚領域を治療するための1つ以上の治療用レーザ光パルスパラメータを決定することであって、前記1つ以上の治療用レーザ光パルス治療パラメータが、a)1つ以上の他の治療用レーザ光パルスを適用する時間に対する1つ以上の治療用レーザ光パルスを適用する前記時間、b)ビーム直径、c)フルエンス、d)少なくとも1つの標的皮膚領域に1つ以上の治療用レーザ光パルスを適用するための地理的場所、e)治療用レーザ光パルスの波長、及びf)治療用レーザ光パルス持続時間、のうちの少なくとも1つを含む、決定することと、
6)前記少なくとも第1の画像内の前記少なくとも1つの標的皮膚領域の各々の1つ以上の部分を、前記少なくとも第1の画像内の陰影、前記少なくとも第1の画像内の色、前記少なくとも第1の画像内の形状、及び前記少なくとも第1の画像が捕捉された照明条件のうちの少なくとも1つに基づいて病変のタイプとして分類することと、
7)前記コントローラが、前記治療用レーザ光パルスを、前記少なくとも第1の画像内の前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の前記皮膚上の1つ以上の地理的場所に向けることを可能にするように前記アプリケータ内のスキャナモジュールの制御のための1つ以上の空間座標を決定することと、
8)前記コントローラが任意の治療パルスを任意の標的皮膚領域に向けるように前記アプリケータを制御する前に、1つ以上の治療前画像を前記少なくとも第1の画像として捕捉することと、
9)前記少なくとも1つの標的皮膚領域への1つ以上のパルスの送達後に、1つ以上の治療後画像を少なくとも1つの第2の画像として捕捉することと、
10)1つ以上の治療前画像を1つ以上の治療後画像と比較することによって治療分析を開始することと、
11)前記治療分析に基づいて、1つ以上の推奨される治療後手順を決定することと、
12)前記治療分析に基づいて1つ以上の更なる治療手順を決定することと、から選択される少なくとも1つのアクションを実行するために、1つ以上の画像処理アルゴリズムを実行するように適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、
f)ディスプレイを備えるユーザインターフェースであって、前記ディスプレイ上に前記治療マップを表示し、前記ユーザインターフェースが、前記ユーザが、
1)治療マップに表示される1つ以上の標的皮膚領域を確認することと、
2)治療マップに表示される1つ以上の標的皮膚領域を拒絶することと、
3)前記画像プロセッサによって、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域の分類分析を開始することであって、前記分類分析が、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域の各々の1つ以上の部分を、前記少なくとも第1の画像内の陰影、色、及び形状のうちの少なくとも1つに基づいて、病変のタイプとして分類することを含む、開始することと、
4)前記画像プロセッサによって生成された治療マップを修正することと、
5)前記少なくとも第1の画像における前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の皮膚領域の治療を開始することと、
6)前記撮像ユニットを使用して、前記少なくとも第1の画像として1つ以上の治療前画像の前記捕捉を開始することと、
7)前記撮像ユニットを使用して、前記少なくとも1つの標的皮膚領域への1つ以上のパルスの送達後に、少なくとも1つの第2の画像として、1つ以上の治療後画像の前記捕捉を開始することと、
8)治療用レーザ光パルスを用いて前記患者の皮膚領域の治療後の治療結果の分析を開始することと、
9)前記少なくとも第1の画像の分析を開始して、1つ以上の推奨される治療手順を決定することと、
10)前記1つ以上の治療後画像の分析を開始して、推奨される治療後手順及び推奨される更なる治療手順のうちの少なくとも1つを決定することと、から選択される1つ以上の動作を実行することができるように適合されている、ユーザインターフェースを更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラが、治療用レーザ光パルスを、毎秒2,000パルスを超える速度で、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の前記皮膚領域に向けるように前記アプリケータを制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラが、治療用レーザ光パルスを、a)ユーザによる介入なしで自動的に、及びb)ユーザによる前記レーザパルスの前記送達の開始後に、ユーザによる更なる介入なしで自動的に、のうちの1つの前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の前記皮膚領域に向けるように、前記アプリケータを制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
治療用レーザ光を用いて患者の皮膚組織を治療するためのシステムであって、
a)カメラを備え、患者の第1の皮膚領域を撮像して、前記第1の皮膚領域の1つ以上の画像を取得することができる少なくとも1つの撮像ユニットと、
b)前記1つ以上の画像を処理して、1つ以上の画像内の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域を、前記1つ以上の画像内の陰影、色、及び形状のうちの1つ以上に基づいて識別するための画像プロセッサと、
c)前記患者の皮膚組織への適用のための治療用レーザ光パルスを生成するように構成された治療用レーザ光源と、
d)前記治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータであって、1つ以上の可動光学素子を備え、前記治療用レーザ光源から前記治療用レーザ光パルスを受け取り、パルス化治療用レーザ光を前記患者の前記皮膚に向けるように適合される、アプリケータと、
e)前記1つ以上の画像内の識別された前記標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいて前記アプリケータの前記1つ以上の可動素子を制御して、前記治療用レーザ光パルスを、前記第1の皮膚領域の前記1つ以上の画像内の前記識別された標的皮膚領域に対応する前記患者の実質的に皮膚領域のみに向け、前記治療用レーザ光パルスを、前記1つ以上の画像内の前記識別された非標的皮膚領域に対応する皮膚領域に向けることを実質的に回避する、ためのコントローラと、を備える、システム。
【請求項19】
f)前記患者の前記第1の皮膚領域の少なくとも一部分に対する前記アプリケータ及び前記撮像ユニットのうちの少なくとも1つの位置を決定するための場所追跡デバイスであって、前記コントローラが、前記第1の皮膚領域の少なくとも一部に対する前記アプリケータの前記位置に少なくとも部分的に基づいて前記1つ以上の可動素子を制御して、前記治療用レーザ光パルスを前記第1の皮膚領域の前記1つ以上の画像内の前記識別された標的皮膚領域に対応する前記患者の実質的に第1の皮膚領域のみに向ける、場所追跡デバイス、を更に備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記画像プロセッサが、前記識別された標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいて治療マップを生成するように適合されており、前記治療マップが、前記識別された標的領域の少なくとも一部分に前記治療用レーザ光パルスを適用するための命令セットを含み、前記命令セットが、タイミングパラメータ、ビーム直径、フルエンス、標的皮膚領域内に前記パルスを送達するための地理的場所、パルス波長、及びパルス持続時間、から選択される各治療用光パルスに対する1つ以上のパラメータを含み、前記コントローラが、前記治療マップ命令セットにおいて特定された場所に対応する前記患者の前記皮膚上の地理的場所に前記命令セットに従って各治療用光パルスを向けるように前記アプリケータを制御する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記命令セットが、前記標的皮膚領域に一連のパスで適用される複数の命令セットを含み、前記複数の命令セットの各命令セットが、前記標的皮膚領域の1つ以上の部分に連続的に送達される同じパルスパラメータを有する複数のパルスを定義し、各命令セットの前記パルスパラメータが、全ての他の命令セットの前記パルスパラメータと異なる少なくとも1つのパルスパラメータを含み、前記コントローラが、別の命令セットの任意のパルスを送達する前に、命令セットによって定義された前記パルスの全てを送達する、請求項21に記載のシステム。
【請求項22】
前記画像プロセッサが、
1)1つ以上の皮膚病変の場所を、前記1つ以上の画像内の標的皮膚領域として識別することと、
2)前記1つ以上の画像内の前記1つ以上の皮膚病変の境界を識別することと、
3)前記1つ以上の画像内の少なくとも1つの非標的皮膚領域の場所を識別することと、
4)1つ以上の標的皮膚領域を治療するための治療マップを決定することと、
5)前記1つ以上の画像内の1つ以上の標的皮膚領域を治療するための1つ以上の治療用レーザ光パルスパラメータを決定することであって、前記1つ以上の治療用レーザ光パルス治療パラメータが、a)1つ以上の治療用レーザ光パルスを前記標的皮膚領域に適用するタイミング、b)ビーム直径、c)フルエンス、d)少なくとも1つの標的皮膚領域に1つ以上の治療用レーザ光パルスを適用するための地理的場所、e)治療用レーザ光パルス波長、及びf)治療用レーザ光パルス持続時間、のうちの少なくとも1つを含む、決定することと、
6)前記1つ以上画像内の前記標的皮膚領域の1つ以上の部分を、前記1つ以上の画像内の陰影、前記1つ以上の画像内の色、前記1つ以上の画像内の形状、及び前記1つ以上の画像が捕捉された照明条件のうちの少なくとも1つに基づいて、病変のタイプとして分類することと、
7)前記アプリケータ内のスキャナモジュールの制御のための1つ以上の空間座標を決定して、前記コントローラが前記治療用レーザ光パルスを、前記1つ以上の画像内の前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の前記皮膚上の1つ以上の地理的場所に向けることができるようにすることと、
8)前記コントローラが任意の治療パルスを任意の標的皮膚領域に向けるように前記アプリケータを制御する前に、前記1つ以上の治療前画像を前記1つ以上の画像として捕捉することと、
9)前記少なくとも1つの標的皮膚領域への1つ以上のパルスの送達後に、1つ以上の治療後画像を少なくとも1つの第2の画像として捕捉することと、
10)1つ以上の治療前画像を1つ以上の治療後画像と比較することによって治療分析を開始することと、
11)前記治療分析に基づいて、1つ以上の推奨される治療後手順を決定することと、
12)前記治療分析に基づいて1つ以上の更なる治療手順を決定することと、から選択される少なくとも1つのアクションを実行するために、1つ以上の画像処理アルゴリズムを実行するように適合されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記システムが、
f)ディスプレイを備えるユーザインターフェースであって、前記ディスプレイ上に前記治療マップを表示し、前記ユーザインターフェースが、前記ユーザが、
1)治療マップに表示される1つ以上の標的皮膚領域を確認することと、
2)治療マップに表示される1つ以上の標的皮膚領域を拒絶することと、
3)前記画像プロセッサによって、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域の分類分析を開始することであって、前記分類分析が、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域の各々の1つ以上の部分を、前記1つ以上の画像の陰影、色、及び形状、のうちの少なくとも1つに基づいて、病変のタイプとして分類することを含む、開始することと、
4)前記画像プロセッサによって生成された治療マップを修正することと、
5)前記1つ以上の画像内の前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の皮膚領域の治療を開始することと、
6)前記撮像ユニットを使用して、前記1つ以上の画像として1つ以上の治療前画像の前記捕捉を開始することと、
7)前記撮像ユニットを使用して、前記少なくとも1つの標的皮膚領域に1つ以上のパルスを送達した後、少なくとも1つの第2の画像として、1つ以上の治療後画像の前記捕捉を開始することと、
8)治療用レーザ光パルスを用いて前記患者の皮膚領域の治療後の治療結果の分析を開始することと、
9)1つ以上の推奨される治療手順を決定するために、前記1つ以上の画像の分析を開始することと、
10)前記1つ以上の治療後画像の分析を開始して、推奨される治療後手順及び推奨される更なる治療手順のうちの少なくとも1つを決定することと、から選択される1つ以上の動作を実行することができるように適合されている、ユーザインターフェースを更に備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
治療用レーザ光を用いて患者の皮膚組織を治療するためのシステムであって、
a)患者の第1の皮膚領域を撮像して、第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を取得することができる少なくとも1つの撮像ユニットと、
b)前記少なくとも第1の画像内の陰影、色、及び形状のうちの少なくとも1つに基づいて、前記少なくとも第1の画像を処理して、前記少なくとも第1の画像内の少なくとも1つの標的皮膚領域と少なくとも1つの非標的皮膚領域とを識別するための画像プロセッサと、
c)治療用レーザ光パルスを生成するように構成された治療用レーザ光源と、
d)前記治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータであって、前記治療用レーザ光源から前記治療用レーザ光パルスを受け取り、前記治療用レーザ光パルスを前記患者の前記皮膚に向けるように構成されている、アプリケータと、
e)前記治療用レーザ光パルスを実質的に少なくとも1つの標的皮膚領域にのみ向けることによって、及び治療用レーザ光パルスを前記少なくとも1つの非標的皮膚領域に向けることを実質的に回避することによって、前記アプリケータを制御して、前記少なくとも1つの標的皮膚領域の少なくとも一部分を治療するためのコントローラと、を備える、システム。
【請求項25】
f)紫外、可視、及び赤外波長範囲のうちの少なくとも1つにおいて光を生成することができる少なくとも1つの光源を更に備え前記少なくとも1つの撮像ユニットが、前記第1の皮膚領域を撮像して、紫外、可視、及び赤外照明条件のうちの少なくとも1つの下で前記少なくとも第1の画像を取得するように適合されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記画像プロセッサが、
1)1つ以上の皮膚病変の場所を、前記少なくとも第1の画像内の前記少なくとも1つの標的皮膚領域として識別することと、
2)前記少なくとも第1の画像内の前記1つ以上の皮膚病変の境界を識別することと、
3)前記少なくとも第1の画像内の前記少なくとも1つの非標的皮膚領域の場所を識別することと、
4)1つ以上の標的皮膚領域の治療マップを決定することと、
5)1つ以上の標的皮膚領域を治療するための1つ以上の治療用レーザ光パルスパラメータを決定することであって、前記1つ以上の治療用レーザ光パルス治療パラメータが、a)1つ以上の他の治療用レーザ光パルスを適用する時間に対する1つ以上の治療用レーザ光パルスを適用するタイミング、b)ビーム直径、c)フルエンス、d)前記治療用レーザ光パルスの各々を前記1つ以上の標的皮膚領域に適用するための地理的場所、e)治療用レーザ光パルスの波長、及びf)治療用レーザ光パルス持続時間、のうちの少なくとも1つを含む、決定することと、
6)前記少なくとも第1の画像内の前記少なくとも1つの標的皮膚領域の各々の1つ以上の部分を、前記少なくとも第1の画像内の陰影、前記少なくとも第1の画像内の色、前記少なくとも第1の画像内の形状、及び前記少なくとも第1の画像が捕捉された照明条件のうちの少なくとも1つに基づいて病変のタイプとして分類することと、
7)前記コントローラが前記患者の前記皮膚上の前記少なくとも1つの標的皮膚領域に前記治療用レーザ光パルスを向けることができるように、前記アプリケータ内のスキャナモジュールの制御のための1つ以上の空間座標を決定することと、
8)前記コントローラが任意の治療パルスを任意の標的皮膚領域に向けるように前記アプリケータを制御する前に、1つ以上の治療前画像を前記少なくとも第1の画像として捕捉することと、
9)前記少なくとも1つの標的皮膚領域への1つ以上のパルスの送達後に、1つ以上の治療後画像を少なくとも1つの第2の画像として捕捉することと、
10)1つ以上の治療前画像を1つ以上の治療後画像と比較することによって治療分析を開始することと、
11)前記治療分析に基づいて、1つ以上の推奨される治療後手順を決定することと、
12)前記治療分析に基づいて1つ以上の更なる治療手順を決定することと、から選択される少なくとも1つのアクションを実行するために、1つ以上の画像処理アルゴリズムを実行するように適合されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記システムが、
f)ディスプレイを備えるユーザインターフェースであって、前記ディスプレイ上に前記治療マップを表示し、前記ユーザインターフェースが、前記ユーザが、
1)治療マップに表示される1つ以上の標的皮膚領域を確認することと、
2)治療マップに表示される1つ以上の標的皮膚領域を拒絶することと、
3)前記画像プロセッサによって、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域の分類分析を開始することであって、前記分類分析が、前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域の各々の1つ以上の部分を、前記少なくとも第1の画像内の陰影、色、及び形状、のうちの少なくとも1つに基づいて、病変のタイプとして分類することを含む、開始することと、
4)前記画像プロセッサによって生成された治療マップを修正することと、
5)前記少なくとも第1の画像における前記識別された少なくとも1つの標的皮膚領域に対応する前記患者の皮膚領域の治療を開始することと、
6)前記撮像ユニットを使用して、前記少なくとも第1の画像として1つ以上の治療前画像の前記捕捉を開始することと、
7)前記撮像ユニットを使用して、前記少なくとも1つの標的皮膚領域への1つ以上のパルスの送達後に、少なくとも1つの第2の画像として、1つ以上の治療後画像の前記捕捉を開始することと、
8)治療用レーザ光パルスを用いて前記患者の皮膚領域の治療後の治療結果の分析を開始することと、
9)前記少なくとも第1の画像の分析を開始して、1つ以上の推奨される治療手順を決定することと、
10)前記1つ以上の治療後画像の分析を開始して、推奨される治療後手順及び推奨される更なる治療手順のうちの少なくとも1つを決定することと、から選択される1つ以上の動作を実行することができるように適合されている、ユーザインターフェースを更に備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記コントローラが、前記アプリケータを制御して、治療用レーザ光パルスを、毎秒100~10,000パルスの速度で前記少なくとも1つの標的皮膚領域に向ける、請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記コントローラが、前記アプリケータを制御して、治療用レーザ光パルスを、a)ユーザによる介入なしに自動的に、及びb)ユーザによる前記レーザパルスの前記送達の開始後に、ユーザによる更なる介入なしで自動的に、のうちの前記少なくとも1つの標的皮膚領域に向ける、請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記コントローラが、前記アプリケータを制御して、0.01~5.0mmの範囲内のビーム直径を有する治療用レーザ光パルスを、前記少なくとも1つの標的皮膚領域に向けるように適合されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
前記画像プロセッサが、前記少なくとも第1の画像を処理して、病変領域を含む少なくとも1つの標的皮膚領域及び非病変領域を含む少なくとも1つの非標的皮膚領域を識別し、前記コントローラが、前記アプリケータを制御して、前記治療用レーザ光パルスを前記病変領域に向け、前記治療用レーザパルスを前記非病変領域に向けないようにする、請求項1、18、及び24のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月22日に出願された「Image Guided Laser Therapy」と題された米国特許出願第17/677,974号の優先権を主張し、これは、2022年1月14日に出願された「Image Guided Laser Therapy」と題された米国特許出願第17/576,902号の継続であり、これは、2021年8月28日に出願された米国仮特許出願第63/238,126号の優先権を主張する。本出願は、前述の出願の各々に対する優先権の利益を主張し、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、医療デバイスに関し、より具体的には、レーザエネルギーを使用して病変又は他の医学的及び/又は皮膚科学的状態を治療するための方法、装置、及びシステムに関する。
【0003】
関連技術の説明
現在、市販のレーザベースの皮膚治療システムは、典型的には、多くのタイプの皮膚病変を治療するために、2~5ミリメートル(mm)のスポットサイズを利用する。
【0004】
そのような現在の市販のシステムを利用して、皮膚病変のレーザ治療は、病変を診断し、適切なレーザ治療パラメータを選択し、特定のスポットサイズ及びパラメータのレーザパルスのシーケンスを病変に適用するためにレーザハンドピースを手動で位置決めするための重要なオペレータスキルを必要とする、冗長な、時間のかかるプロセスであり得る。例えば、典型的な患者は、10~30の顔面病変を有し得、それらの各々は、適切な治療パラメータを決定するために個別に診断される必要があり、ハンドピースからのレーザビームは、レーザ治療パルスを適用するために、約1mmの精度で各病変に手動で順次整列される必要がある。このプロセスは、システムオペレータからの高度なスキルを必要とし、比較的熟練したオペレータでさえ、病変又はその一部などの標的皮膚領域、又は治療が望まれないが、誤りによって、又はレーザスポットサイズが標的(例えば、病変)領域のみに限定することができないために治療される非病変領域の両方を含む、重要な皮膚領域を過剰治療又は治療不足し得る。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、本開示は、病変又は他の医学的事象を誘導レーザ療法で治療するシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【0006】
別の態様では、本開示は、治療領域及び非治療領域をマッピングするための手順を利用するシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【0007】
別の態様では、本開示は、1つ以上の治療領域の1つ以上の特性に基づいていてもいなくてもよい1つ以上の治療パラメータを決定するシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【0008】
別の態様では、本開示は、1つ以上の治療領域の1つ以上の特性に基づいていてもいなくてもよい1つ以上の治療パラメータを決定するシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【0009】
別の態様では、本開示は、1つ以上の多要素コンフルエント治療を利用するシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【0010】
別の態様では、本開示は、1つ以上の多要素フラクショナル治療を利用するシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【0011】
別の態様では、本開示は、治療ハンドピースの速度及び/又は時間データを決定するシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【0012】
別の態様では、本開示は、患者の皮膚領域内の標的領域及び非標的領域をマッピングし、標的領域の治療を選択的に最大化及び最適化し、非標的領域の治療を最小化するための自動化された治療プロセスを提供するためのシステム、デバイス、及び/又は方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、添付の図面と併せて取られる以下の説明を参照することによって理解され得る。
【0014】
【
図1】一実施形態による、レーザ皮膚治療システムの例示である。
【
図2】一実施形態による、レーザ皮膚治療システムの別の例示である。
【
図5A】一実施形態による、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の治療マッピング手順の例示である。
【
図5B】一実施形態による、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の治療マッピング手順の例示である。
【
図5C】一実施形態による、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の治療マッピング手順の例示である。
【
図5D】一実施形態による、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の治療マッピング手順の例示である。
【
図6A】一実施形態による、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の治療マッピング手順の例示である。
【
図6B】一実施形態による、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の治療マッピング手順の例示である。
【
図7】一実施形態による、治療される1つ以上の標的皮膚領域又はサブ領域の治療マッピング手順及び治療パラメータマッピングを例示する。
【
図8】一実施形態による、1つ以上の標的皮膚領域内の標的皮膚領域のサブ領域の治療のための治療パターンシーケンスを伴う治療マッピング手順を例示する。
【
図9A】一実施形態による、しわ治療手順のための治療マッピング手順の例示である。
【
図9B】一実施形態による、しわ治療手順のための治療マッピング手順の例示である。
【
図10】一実施形態による、異なるレーザスポットサイズを使用するレーザ皮膚治療システムの精度の比較を例示する。
【
図11】一実施形態による、治療される1つ以上の標的皮膚領域又はサブ領域の治療マッピング手順及び治療パラメータマッピングを例示する。
【
図12】一実施形態による、多要素コンフルエント治療手順を例示する。
【
図13】一実施形態による、多要素フラクショナル治療手順の例示を示す。
【
図14】一実施形態による、異なる治療手順の結果比較の例示である。
【
図15】一実施形態による、治療手順のうちの1つの臨床例示である。
【
図16A】一実施形態による、異なるスポットサイズ及び強度を有するレーザの皮膚組織への光及び/又はエネルギー貫入の例示である。
【
図16B】一実施形態による、異なるスポットサイズ及び強度を有するレーザの皮膚組織への光及び/又はエネルギー貫入の例示である。
【
図16C】一実施形態による、異なるスポットサイズ及び強度を有するレーザの皮膚組織への光及び/又はエネルギー貫入の例示である。
【
図17】一実施形態による、治療手順の例示である。
【
図18】一実施形態による、治療フローチャートである。
【
図19】一実施形態による、治療フローチャートである。
【
図20】一実施形態による、治療フローチャートである。
【
図21】一実施形態による、治療フローチャートである。
【
図22】一実施形態による、治療フローチャートである。
【
図23】一実施形態による、治療フローチャートである。
【0015】
本開示は、様々な修正及び代替形態の影響を受けやすいが、その固有の実施形態は、例として図面に示されており、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、固有の実施形態の本明細書の説明は、開示される特定の形態に本開示を限定することを意図するものではなく、逆に、本開示の趣旨及び範囲内にある全ての修正、等価物、及び代替物を包含することを意図することを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載される。明確にするために、実際の実装形態の全ての特徴が詳細に提供されるわけではない。任意の実際の実施形態において、設計固有の目標を達成するために、多数の実装固有の判定が行われなければならない。そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示が与えられた当業者にとって日常的なタスクである。
【0017】
本出願は、名前が異なるが機能が異なる構成要素を区別することを意図するものではない。「含む(including)」及び「含む(includes)」は、オープンエンドの方法で使用され、「含むがこれらに限定されない」を意味すると解釈されるべきである。「結合(couple)」又は「結合(couples)」は、直接的又は間接的な電気的接続のいずれかを意味することが意図される。「又は」は、反対の固有の使用が明示的に記載されていない限り、包括的な意味で使用される(すなわち、「及び/又は」)。
【0018】
本明細書で使用される場合、「皮膚病変」は、それを取り巻く領域に類似しない皮膚の表面的成長又は領域を指す。皮膚病変は、一次病変及び二次病変に分類され得る。一次病変には、出生時に存在する痣及び母斑、並びに感染症、アレルギー反応、及び疣贅、乾癬、蕁麻疹、日焼けなどの環境影響に起因するものが含まれ得る。二次病変は、一次病変の結果である皮膚の変化であり、自然な進行として、又は患者が病変に関与した結果として(例えば、引っ掻いたり、絞ったりすることによって)のいずれかである。既知の病変のタイプには、黒子、母斑、色素沈着過剰及び色素沈着低下、肝斑、シバット多形皮症を含む色素沈着病変、限定されないが、血管腫、毛細血管拡張症、ポートワイン汚れ、及び酒さを含む、血管病変、しわ、傷跡、乾癬、皮膚黒色腫又は癌腫、及び皮膚の毛穴と腺、を含むが、これらに限定されない。本明細書のいくつかの実施形態では、病変には入れ墨が含まれる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「標的皮膚領域」は、その少なくとも一部分において、1つ以上のレーザパルスを(例えば、皮膚状態のための療法又は治療として)受け取る目的のために単位として治療される皮膚の領域を指す。本開示の実施形態では、標的皮膚領域は、標的皮膚領域(その少なくとも一部分は、1つ以上のレーザパルスで治療されることが意図されている)及びレーザパルスで治療されることが識別されていない/意図されていない非標的皮膚領域の両方を含む、より大きな皮膚領域の画像から決定又は識別された領域を含む。標的皮膚領域は、全て又は実質的に全ての領域がレーザパルスを受け取ることを意図されている領域(例えば、前述の皮膚状態の1つを含む病変、入れ墨、又は周囲の非標的領域とは異なる別の領域)、又は総面積の一部分又は割合のみにレーザパルスを適用することによって治療される領域(例えば、対象となる皮膚領域の総面積の所定のパーセンテージを含むフラクショナル治療)だが、全体のどの部分がレーザパルスを受け取るかの検討の単位として考慮される領域を含み得る。したがって、標的皮膚領域は、非標的皮膚領域とは対照的に、治療の一部としてレーザパルスを受け取らない皮膚領域を含み得、非標的皮膚領域の一部は、レーザパルスを受け取ることを意図していない。本明細書で使用される場合、「コンフルエント治療」は、レーザスポットが名目上連続する治療として定義される。本明細書で使用される場合、「フラクショナル治療」は、レーザスポットがある程度の公称量だけ離間される治療として定義される。
【0020】
図1では、一実施形態による、レーザ皮膚治療システム100の例示が示される。レーザ皮膚治療システム100は、コンソール102、ユーザインターフェース104、レーザ106、熱コントローラ108、レーザ電源110、制御ボード112、1つ以上の通信ライン114、臍帯116、光学送達システム118、及び/又はハンドヘルドハンドピース120を含み得る。一例では、熱コントローラ108及び制御ボード112及び/又は任意の他のコントローラは、単一のコントローラであり得る。更に、
図3のコントローラは、1つ以上のコントローラであり得る。本開示は、選択された領域内の皮膚病変のレーザ治療のために、選択された皮膚領域(又は1つ以上の潜在的な治療領域の1つ以上の画像)の画像を捕捉するためのカメラ及び照明システムの使用に関し、ソフトウェアアルゴリズム及び画像プロセッサを使用して、画像内の病変の1つ以上の二次元空間マップを作成し、次いで、これらのマップを使用して、レーザによる病変の自動化された、又はユーザ誘導された、空間的に選択的な治療を実行する(
図2を参照)。一実施形態では、画像内の病変は、レーザで治療される標的皮膚領域を含み、非病変領域は、レーザ治療が望まれない非標的領域を含む。
【0021】
治療は、コンソール102と、臍帯116によってコンソール102に結合されたハンドヘルドデバイス120とで構成されるレーザシステムによって提供される。
図1に示されるように、コンソール102は、レーザ106、レーザ電源110、及びレーザ106を駆動する熱管理システム(例えば、熱コントローラ108)を含む。更に、システム100は、ユーザがシステム100を動作させ及び/又は修正することを可能にするための制御を備えたユーザインターフェース104(例えば、グラフィカルユーザインターフェース)、全てのシステム100の動作の全体的な制御及び調整を提供するCPU112を備えたマスター制御ボード、及びハンドピース120に電力及び通信を提供するための臍帯116への電気インターフェース(図示せず)を含み得る。レーザ放射は、ファイバ、関節屈曲アーム、又は他の光学結合システム若しくは構成要素等の、臍帯116の一部である光学送達システムを通して、レーザ106から誘導される。レーザ106は、アプリケーションの要件及び/又は治療される皮膚状態に応じて、ダイオードレーザ、ファイバレーザ、DPSSレーザ、又は電磁スペクトルの可視、近赤外、又は中赤外部分で放射される別のタイプのレーザであり得る。
【0022】
図2では、一実施形態による、治療システムの一部分の別の例示が示されている。
図2に示されるように、ハンドヘルドデバイス200(例えば、ハンドピース)は、スキャナデバイス210(例えば、レーザ光を標的皮膚領域の一部に向けるために電気モータによって駆動される可動ミラー)、画像プロセッサ212、カメラ214、照明源216、電子機器、及びレーザビーム220を皮膚表面上の標的領域224の所望の部分(例えば、小さなスポット)に集束させる光学素子206を含み得る。別の例では、ハンドヘルドデバイス200は、臍帯インターフェース202、レーザ入力領域204、集束光学系206、集束光学系206を通って移動するレーザビーム208、スキャナデバイス210、画像プロセッサ212、カメラ214、及び/又は光源216(例えば、LEDなど)を含み得る。この例では、ハンドヘルドデバイス200は、レーザビーム光学素子206、スキャナ210、カメラ214、及びLED照明源216、及び画像プロセッサ212を含む主な内部要素を有する。ハンドヘルドデバイス200は、スキャナ210を使用して皮膚領域230と相互作用して、レーザビーム220をスキャン経路222に沿って向けて、照明源216によって照射される視野218を有するカメラ214によって捕捉された画像プロセッサ212からの画像と調整して、標的皮膚領域224(例えば、224に示されるように、スキャン経路222に沿って位置する1つ以上のスポット)を治療し得る。一例では、スキャン経路222は、治療される標的皮膚領域(例えば、225、226、227)及び治療されないままにされる非標的領域の両方を含む撮像された又は選択された皮膚領域228に位置する色素沈着病変225、226、227(及び/又は他の任意の医療状態)の全て又は一部を治療するように、画像プロセッサ212によって決定され得る。更に、ハンドヘルドデバイス200は、好ましくは、スキャナ210がユーザによるハンドヘルドデバイス200の移動(意図的であろうと意図的でなかろうと)の存在下であっても、所望の治療場所でレーザビーム220を維持し、及び/又はスキャン経路222に沿って所望の治療場所のシーケンスに移動できることを確実にするために、ハンドヘルドデバイス200が移動するときに、好ましくは高いデータサンプリングレート(例えば、1000-10,000Hz以上)で、場所データ(例えば、3D座標)及び/又は移動データ(例えば、速度、加速度、角度など)を提供し得る、場所追跡デバイス240を含み得る。
【0023】
一例では、カメラ214は、センサからの背景光を遮断する画像センサ及び/又は光学フィルタ上に治療面の画像を投影するレンズシステム(図示せず)を含有し得る。レンズシステムは、1つ以上のレンズ(例えば、2~6個のレンズ)を採用して、作業距離、視野、及び空間解像度の所望の組み合わせを提供し、システムがスキャナ210の移動を制御して、レーザ光(例えば、スキャン経路222に沿ったスポット224の1つ以上のパルス)を病変226などの標的皮膚領域に適用することを可能にし得る。画像センサは、所望の空間解像度に応じて、100万~2000万ピクセル以上を有するCMOS又はCCDセンサであり得る。カメラ214及び/又は画像プロセッサ212は、例えば、波長、偏光、又はアプリケーションに応じた他の要因に基づいて、所望の照明条件下で画像データを捕捉するための光学フィルタを含み得る。光源216は、標的及び非標的の皮膚領域を含有する選択された又は撮像された領域を照射するLEDなどの光エミッタを含有し得る。
【0024】
様々な実施形態では、光源216は、LED又は他の光エミッタを使用して、紫外(UV)、可視、又は赤外(例えば、近赤外又はNIR、中間赤外又はMIR、又は遠赤外又はFIR)の光を提供し得、対応するパスバンドフィルタと協調して使用して、処理された画像内の1つ以上の病変タイプのコントラストを増加させ得る。例えば、紫外光は、UV光又は近IR光よりも色素沈着した病変によってはるかに強く吸収される。したがって、色素沈着した病変は、UV光によって照射され、UVパスバンドフィルタを介して画像センサによって捕捉されるとき、はるかに暗く、より大きなコントラストで現れるであろう。同様に、近IR照明源及びフィルタは、血管病変のコントラストを増加させる。治療される皮膚状態/病変のタイプに応じて、周囲光、UV光、IR光、及び/又は任意の他の光源の組み合わせが、様々な実施形態で利用され得る。
【0025】
図3は、一実施形態による、1つ以上の標的皮膚領域に対して画像ベースのレーザ治療を提供するためのシステムのブロック
図300を示す。ブロック
図300は、
図1及び
図2のものなどの実施形態の特定の構成要素又はサブシステムを識別する。本開示のシステムは、1つ以上のプロセッサ302、メモリ304、1つ以上のコントローラ306、トランシーバ308、スキャナ310(例えば、レーザ治療パルスを撮像された皮膚領域内の標的皮膚領域に向けるためのミラーなどの可動デバイス)、撮像デバイス312(例えば、カメラ)、画像プロセッサ314、1つ以上の光源316、1つ以上のレーザ光源318、集束光学系320、臍帯322、1つ以上の治療モジュール324、1つ以上の医療状態識別子モジュール326、ユーザインターフェース328、1つ以上の患者モジュール330、及び/又は1つ以上のレーザパラメータモジュール332を含み得る。
【0026】
一実施形態では、ブロック
図300によって説明されるシステムは、インターネット334(又はセルラー通信などの別の通信チャネル)を介して、1つ以上のリモートデバイス336に通信し得る。別の実施形態では、ブロック
図300のシステムは、インターネット334なしで(例えば、直接接続又は有線接続によって)リモートデバイスに通信し得る。一例では、1つ以上の治療モジュール324は、治療データ、パラメータデータ、治療結果、治療パターン、及び/又は標的皮膚領域に提供される1つ以上の治療に関連する任意の他の情報を含み得る。別の例では、1つ以上の医療状態識別子モジュール326は、血管病変データ、色素沈着病変データ、リモデリングデータ、コラーゲンデータ、及び/又は本明細書に開示された、又は本開示を考慮して当業者に明らかな他の医療状態識別子データを含み得る。医療状態識別子モジュール326は、捕捉された画像を処理して、医療状態に関連付けられた標的皮膚領域を識別し、及び/又はそのための治療パラメータを決定するために使用され得る。
【0027】
一例では、本開示のシステムは、患者の皮膚上の入れ墨領域を撮像し得、画像を処理して、レーザ光フルエンス、周波数(例えば、532、760、又は1064nm、又は他の波長)、又は他のパラメータを決定して、処理された画像内の色及び色強度に基づいて入れ墨を除去するために最適化された治療(例えば、ピクセル単位で)を提供し得る。別の例では、ユーザインターフェース328は、治療前及び治療後の結果に、捕捉された画像、治療マップ(アルゴリズムによって作成された、及び/又はユーザによって修正された)、1つ以上の推奨手順、及び/又は本明細書に開示される任意の他のユーザディスプレイ情報を表示するための1つ以上のユーザインターフェースを含み得る。別の例では、1つ以上の患者モジュール330は、本明細書に開示された、又は当業者に明らかな任意の患者データを含み得る。別の例では、1つ以上のレーザパラメータモジュール332は、本明細書に記載の、又は当業者には明らかな任意のレーザパラメータ及び/又は治療パラメータを含み得る。
【0028】
図4は、本明細書の一実施形態によるハンドヘルドデバイス400に存在し得る特徴、構成要素、又はサブシステムを識別する、別の実施形態によるブロック図を示す。ハンドヘルドデバイス400は、標的皮膚領域に送達するためのレーザ光を提供するレーザユニット430に結合されてもよく、インターネット432に結合されてもよく、又はデバイス434(例えば、ハンドヘルドデバイス又は電話などのコンピュータ)を取り外すために結合されてもよい。ハンドヘルドデバイス400は、臍帯インターフェース402、レーザ光を標的の皮膚領域に適用するための集束光学系404、レーザビーム伝送デバイス406、スキャナ408(例えば、撮像された皮膚領域内の標的皮膚領域にレーザ光を適用するためのモータによって駆動される可動ミラー)、1つ以上のプロセッサ410、1つ以上のコントローラ412、ユーザインターフェース414、レーザ光が向かうハンドピース及び/又は皮膚領域の場所を追跡するための場所追跡デバイス416、1つ以上の画像プロセッサ418、撮像デバイス420(例えば、カメラ)、1つ以上の光源422、メモリ424、ハンドピース400の移動を決定するための移動デバイス426、及びトランシーバ428を含み得る。本明細書に開示される各及び全ての構成要素は、本開示に従ってハンドピース内に提供され得、各及び全ての構成要素は、任意選択であり、ハンドヘルドデバイス400から別個に省略又は提供され得る。
【0029】
図5A~
図5Dでは、一実施形態による、1つ以上の選択された、又は撮像された皮膚領域(例えば、非治療領域内の標的皮膚領域)の治療マッピング手順の例示を示す。画像が記録された後、記録された画像は画像プロセッサ(例えば、
図2の画像プロセッサ212)に渡され、画像を処理して、撮像された皮膚領域内の病変及びその境界を識別及び位置させる画像処理アルゴリズムを適用する。一実施形態では、これは、画像に対してセグメンテーションアルゴリズムを実行することを伴い得る。
図5A及び
図5Bは、それぞれ、画像セグメンテーションアルゴリズムを使用して捕捉された画像の処理の前後の、色素沈着した皮膚病変を有する皮膚の領域の画像を示す。
図5Bは、図に示される選択された(撮像された)皮膚領域内の複数の標的皮膚領域の境界を示し、残りの部分はレーザ治療を受けない非標的領域である。いくつかの実施形態では、
図5Bに示される境界は、ユーザが、撮像された領域内の処理アルゴリズムによって識別された標的皮膚領域の全てを視覚化又は確認するのを助けてもよい。代替的な実施形態では、境界は省略され得る。画像処理アルゴリズムは、一実施形態では、画像内の各ピクセルを健常組織又は病変組織として分類し、ピクセルデータを使用して、治療される全ての標的皮膚領域のマップを作成することができる。
図5Bに示される実施形態では、これは、各病変領域の境界、並びに治療を提供しない非標的領域を含む非病変領域を識別することを含む。
図5Cは、画像をピクセル座標から治療平面内の空間座標に再スケーリングした後の治療マップの例を例示する。
【0030】
一実施形態では、画像処理アルゴリズムは、いくつかの方法で画像データを分析して、処理された画像のピクセルレベルまで延長し得る、所望の詳細レベルで各病変領域又はサブ領域を治療するための最適なレーザパラメータを決定し得る。例えば、アルゴリズムは、病変の暗さ又は色、又は病変内のサブ領域が存在する標的発色団の密度を指し示し得る、陰影付き(例えば、グレースケール又は色分けされた)画像を作成し得る。次に、陰影付き画像を使用して、過剰治療なしに最大の治療用効果を達成するレーザフルエンスを決定し得る。画像処理アルゴリズムの一実施形態によって決定されるように、推奨されるレーザフルエンス設定のマップの例を
図5Dに示す。異なる病変(又は単一の病変内の異なるサブ領域)は、他の病変又は病変サブ領域よりも明るい又は暗いとして
図5Dに描写されており、各標的皮膚領域(例えば、病変)又はその一部を治療するための治療用レーザパルスのためのレーザフルエンスを決定するために、各ピクセル(又はいくつかの実施形態ではピクセルのグループ)のグレースケール又は色分類をアルゴリズムで使用してもよい。フルエンス値に加えて、アルゴリズムはまた、標的病変領域又はサブ領域の最適な治療パラメータを決定するだけでなく、非標的領域の望ましくない治療(すなわち、レーザ光への曝露)を最小限にするために、レーザ電力、パルス幅、ビーム直径/スポットサイズなどの病変領域又はサブ領域の1つ以上の付加的な治療パラメータを決定し得る。
【0031】
図5A~
図5Dは全体として、色素沈着病変の1つの画像処理シーケンスの一例である。
図5Aでは、画像が処理される前に、画像センサから取得された治療領域及び非治療領域を含む選択された皮膚領域の画像が示される。
図5B~
図5Dは、様々な実施形態による
図5Aの画像の異なる処理されたバージョンを示す。
図5Bでは、画像処理アルゴリズムによって決定されるように、画像上の病変境界の投影が示される。
図5Cでは、ピクセル座標から物理的治療平面座標にスケーリングした後の全ての病変場所(黒色)を指し示す治療マップが示されている。
図5Dでは、病変ピクセルの光学密度(例えば、グレースケール又はカラー値)からアルゴリズムによって決定されたレーザフルエンス設定の推奨値のマップが示されている。
【0032】
図5Aは、Y座標軸502、X座標軸504、第1の病変506、第2の病変508、第3の病変510、第4の病変512、及び/又はN番目の病変514を含み得る第1の画像500を示す。一例では、第1の病変506は、各々に2つの部分を有する2つの主な領域を含む。第1の病変506の第1の領域は、病変本体の左上に位置し、より明るい心臓形状の領域を有するより暗い点領域を有する。第1の病変506の第2の領域は、第1の領域の右下に位置し、より明るいリム領域を有する暗いレンズ形状の領域を含む。別の例では、第2の病変508は、中程度の暗い領域に囲まれた重い暗い領域を有する。第3の病変510は、より明るい領域に囲まれたいくつかの暗いスポットを有する。第4の病変512は、小さくて明るい領域である。別の例では、N番目の病変514は、明るい領域に囲まれた暗い中心を有する。5つの病変は全て、異なる陰影及び/又は色、異なるサイズ、及び異なる形状を有する。第2の病変508は、最も暗い病変であり、第1の病変506、第3の病変510、第4の病変512、次いでN番目の病変514が続く。第3の病変510は、最大の病変であり、第1の病変506、第2の病変508、N番目の病変514、次いで第4の病変512が続く。
【0033】
図5Bは、第1の病変の境界538、第2の病変の境界534、第3の病変の境界536、第4の病変の境界542、及び/又はN番目の病変の境界540を含み得る第2の画像530を示す。一例では、第1の病変境界538は、不規則な形状を有し、第2の病変境界534は、近似的な円形を有し、第3の病変境界536は、近似的な楕円形を有し、第4の病変境界542は、円形を有し、N番目の病変境界540は、円形を有する。好ましい実施形態では、画像処理アルゴリズムは、形状が任意であり、画像内の識別された各病変のグレースケール又はカラーピクセル値に基づいて画像境界を決定し得る。
【0034】
図5Cは、撮像された皮膚領域内で治療されるべき標的皮膚領域を識別する第3の画像550(例えば、治療マップ)を示し、残りの画像は、非治療のままにされるべき非標的領域を含む。マッピングされた標的皮膚領域は、第1の治療領域566、第2の治療領域558、第3の治療領域560、第4の治療領域564、及び/又はN番目の治療領域562を含み得る。この例では、
図5Cのピクセル座標(
図5B)から物理的治療平面座標にスケーリングした後、治療される領域を非治療のままにする領域(すなわち、標的及び非標的領域)から区別するために治療マップが作成される。
【0035】
図5Dは、標的及び非標的領域を例示するだけでなく、各標的領域又はサブ領域を治療するために使用されるべきであるレーザフルエンスの差異の指標を提供する、段階的な治療マップを含む第4の画像580を示す。示される実施形態では、図の下部のグレースケール値594のスケールは、各標的皮膚領域及び/又はサブ領域における対応するグレースケール値を治療するのに好適なレーザフルエンス値を相関させるためのフルエンススケールを提供する。
図5Dは、各標的領域に使用されるレーザフルエンス(グレースケールの陰影によって指し示される)を具体的に開示しているが、
図7に関連してより完全に議論されるように、
図5Dはまた、レーザパルス持続時間などの他のパラメータを組み込み得ることが本開示の観点から理解されるであろう。
【0036】
図5Dは、各標的皮膚領域における陰影の密度に基づいた治療パラメータの第1のセットを含む治療マップを例示する。適切なレーザフルエンスパラメータは、図の下部のグレースケール値594のスケールから決定され得る。図は、2つの異なる治療フルエンス592、593が第1の病変506を治療するために使用されてもよく、治療フルエンス584の第2のセットが第2の病変508を治療するために使用されてもよく、治療パラメータ586の第3のセットが第3の病変510を治療するために使用されてもよく、治療パラメータ590の第4のセットが第4の病変512を治療するために使用されてもよく、及び/又は治療パラメータ588のN番目のセットがN番目の病変514を治療するために使用されてもよいことを例示する。
【0037】
一例では、アルゴリズムは、各病変領域又はサブ領域に陰影値のスケール594を適用して、フルエンス値又は他の治療パラメータを決定し得る。
図5Dの例では、アルゴリズムは、第1の病変506の第1の部分593が8J/cm
2~11J/cm
2の範囲を使用して治療されるべきであり、第1の病変506の第2の部分592が16J/cm
2~18J/cm
2の範囲を使用して治療されるべきであることを指し示すために、第1の病変506のスケール594を使用し得る。別の例では、アルゴリズムは、第2の病変508の治療パラメータ584の第2のセットが5J/cm
2~6J/cm
2の範囲のフルエンスを使用することを含むべきであると決定し得る。別の例では、アルゴリズムによって決定される第3の病変510の治療パラメータ586の第3のセットは、第3の病変510全体が18J/cm
2~20J/cm
2の範囲を使用して治療されるべきであることを指し示す。別の例では、第4の病変512の治療パラメータ590の第4のセットは、第4の病変全体が12J/cm
2~14J/cm
2の範囲を使用して治療されるべきであることを指し示す。別の例では、治療パラメータのN番目のセット588は、N番目の病変514全体が13.5J/cm
2~14.4J/cm
2の範囲で治療されるべきであることを指し示す。
【0038】
別の例では、第1の病変506の治療パラメータの第1のセットは、第1の病変506の第1の部分が8.2J/cm2~11.1J/cm2の範囲を使用して治療されるべきであることを指し示す。一方、第1の病変506の第2の部分は、15.9J/cm2~18.1J/cm2の範囲を使用して治療されるべきである。別の例では、第2の病変508に設定された第2の治療パラメータは、第2の病変508全体が5.3J/cm2~5.7J/cm2の範囲を使用して治療されるべきであることを指し示す。別の例では、第3の病変510の治療パラメータ586の第3のセットは、第3の病変510全体が17.5J/cm2~20J/cm2の範囲を使用して治療されるべきであることを指し示す。別の例では、第4の病変512の治療パラメータの第4のセットは、第4の病変全体が12J/cm2~14J/cm2の範囲を使用して治療されるべきであることを指し示す。別の例では、治療パラメータの第5のセットは、この病変が14.1J/cm2~14.9J/cm2の範囲で治療されるべきであることを指し示す。別の例では、治療パラメータのN番目のセットは、N番目の病変514全体が、13.8J/cm2~14.2J/cm2の範囲で治療されるべきであることを指し示す。
【0039】
本開示のマッピング及び治療プロセスは、様々な病変タイプに使用することができる。
図6A~
図6Bでは、一実施形態によれば、
図5A~
図5Dに示されるものとは異なるタイプの病変について、標的皮膚領域を決定及び治療するための治療マッピング手順の例示を示す。画像セグメンテーションアルゴリズムの適用前及び適用後のびまん性血管病変の例を、それぞれ
図6A及び
図6Bに示す。
図6Aでは、画像センサから取得された複数の標的皮膚領域を有する選択された皮膚領域の画像が示される。
図6Bでは、画像処理アルゴリズムによって決定されるような、画像上への病変境界の投影が示されている。
【0040】
図6Aは、選択された皮膚領域の第1の画像600を示す。画像600は、Y座標軸601、X座標軸605、第1の病変602、第2の病変604、第3の病変606、及び/又はN番目の病変608を含み得る。一例では、第1の病変602は、2つの一次静脈分岐を有するウィッシュボーン形状を有する。別の例では、第2の病変604は、4つ~5つの一次静脈分岐を有する。別の例では、第3の病変606は、1つの一次静脈分岐を有する。別の例では、N番目の病変608は、1つの一次静脈分岐を有する。4つの病変は全て、異なる色、異なるサイズ、及び異なる形状又は構成を有する。第2の病変604は、最も暗い病変であり、続いて第3の病変606、第1の病変602、次いでN番目の病変608が続く。第2の病変604は、第1の病変602、N番目の病変608、次いで第3の病変606に続いて最大である。
【0041】
図6Bは、第1の病変境界622、第2の病変境界624、第3の病変境界626、及び/又はN番目の病変境界628を含み得、残りの領域は、レーザ治療を受けない非標的領域を含み得る第2の画像620を示す。
図6Bに示されるように、これらの病変境界の各々は、不規則な形状を有する。
【0042】
一例では、血管病変の場合、画像データはまた、レーザパルス持続時間のための最適設定を決定するために使用され得る。特定の実施形態では、血管病変を治療するとき、レーザパルス持続時間は、治療有効性を最大化するために血管の熱弛緩時間にほぼ等しく設定される。熱弛緩時間は、順番に、容器の直径によって決定される。したがって、画像処理アルゴリズムは、画像分析を実行して、特定の血管病変の場所に関連付けられた血管直径を識別し(例えば、病変を定義するピクセルを使用して)、血管病変に関連付けられた各領域又はサブ領域の治療のために計算される最適なレーザパルス持続時間を決定し得る。特に、ピクセルごとの分析アルゴリズムを使用して、各ピクセルが病変全体を含むより大きな標的皮膚領域のサブ領域として個別に治療される血管病変の詳細なマップを作成してもよい。アルゴリズムはまた、レーザ波長、レーザパルス間の遅延時間、特定の場所又はピクセルで発射されたパルスの数(「パルススタッキング」)、及び/又は連続したパルス間の空間的重複又は分離距離を含み得る、付加的なレーザ治療パラメータを計算又はそうでなければ決定し得る。結果として、アルゴリズムは、非病変(すなわち、非標的)皮膚領域を治療しない間に病変組織を標的とする精度を向上させるために、治療アレイの各次元における要素の数である、3次元、n×m×kアレイの形態の治療マップを作り出し得る。次元のうちの2つは、治療平面内の各ピクセルの空間座標を提供し、第3の次元は、
図7に示されるように、治療パラメータの1つ以上の値を提供する。他の実施形態では、付加的な寸法(例えば、四次元、五次元、又はN次元アレイ)を使用して、各病変領域又はサブ領域の治療において更に高い精度を提供し得る。
【0043】
図7では、一実施形態による、選択された、又は撮像された皮膚領域内の1つ以上の治療(例えば、標的)領域の治療マッピング手順及び治療パラメータマップの例示が示されている。特に、2つのより小さい血管に分岐する一次血管を有する血管病変の25×25ピクセル画像の例を示す。第1の画像700(「病変画像(Lesion Image)」)では、治療平面内の物理座標に変換されたピクセル座標を有する生の画像データが示される。第2の画像720(「治療マップ(Treatment Map)」)では、どのピクセル/領域が治療されるべきであり、どのピクセル/領域が治療されるべきではないか(すなわち、標的領域及び非標的領域)を指し示す治療マップが示される。第3の画像740(「Fluence Map」)及び第4の画像770(「Pulse Duration Map」)では、第1の画像700で観察された病変密度に基づいて、標的病変の各サブ領域についてのレーザフルエンス量及びパルス持続時間の決定及び/又は推奨設定がそれぞれ示され、マップ内の異なる数は、各標的サブ領域/ピクセルのより高い又はより低いレーザフルエンス又はパルス持続時間が示される。
【0044】
第1の画像700は、Y-座標軸702、X-座標軸704、一次病変幹706、第1の病変分岐708、及び/又は第2の病変分岐710を含む。第1の画像700の第1の凡例712は、低密度病変領域712A、中密度病変領域712B、及び/又は高密度病変領域712Cを識別するために使用され得る。代替的な実施形態では、
図5Dに提供されるものなどのより段階的なスケールは、提供される治療パラメータのより大きな範囲に対応する病変密度のより大きな範囲を指し示すために使用され得る。一例では、一次病変幹706及び第1の病変分岐708の一部は、いくつかの中程度の密度領域を有する主に高密度であり、第2の病変分枝710は、いくつかの低密度領域を有する主に中程度の密度である。
【0045】
図7は、標的/治療領域又はサブ領域を非標的領域から区別するために、病変706、708、710についての治療マップ722を有する第2の画像720を含む。第2の画像720の第2の凡例724は、治療マップ722内の非病変画像領域724Aと病変画像領域724Bとを区別するために使用され得る。治療マップ722は、病変(706、708、及び710)全体、並びに非陰影ピクセル又は非病変ピクセルに対応する非治療領域をカバーする。様々な他の例では、治療マップ722は、病変706、708、及び710の任意の部分(例えば、99.9%、…、99.0%、…、90.0%、…、70.0%、…、50.0%、…、1.1%、…、0.001%)をカバーし得る。
【0046】
図7はまた、病変706、708、710のフルエンスマップ742を含み得る第3の画像740を含む。フルエンスマップ742は、第1のフルエンス数744(例えば、4)、第2のフルエンス数746(例えば、3)、及び/又はN番目のフルエンス数748(例えば、2)を含み得、これは、フルエンス値に対応する治療領域(例えば、1つ以上のピクセル)を治療するのに必要なフルエンスに応じて異なり得る。更に、第3の画像740の第3の凡例750は、第2のフルエンス数746が3J/cm
2に等しいことを示し得る。治療される病変のタイプ、レーザパルスの電力及び/又はビーム直径、並びに他のシステム固有及び患者固有のパラメータに応じて、異なる凡例が使用されてもよいことが理解されるであろう。
図5Dに関連して以前に議論したように、レーザフルエンス数は、1つ以上の病変特性(例えば、色合い、色、標的発色団など)に基づいて決定され得る。
【0047】
図7は、病変706、708、710についてのパルス持続時間マップ772を含み得る第4の画像770を更に含む。パルス持続時間マップ772は、第1のパルス持続時間774(例えば、9)、第2のパルス持続時間776(例えば、5)、第3のパルス持続時間778(例えば、7)、及び/又はN番目のパルス持続時間780(例えば、3)を含み得る。更に、第4の画像770は、病変706、708、710の個別のサブ領域の場所(例えば、ピクセル又は空間座標)に対応するn座標784及びm座標786を有し得る。更に、第4の凡例782は、N番目のパルス持続時間780が3ミリ秒(ms)に等しいことを示し得る。一実施形態では、レーザパルス持続時間は、治療有効性を最大化するために、病変706、708、710の特定の領域又は領域における血管の熱弛緩時間にほぼ等しく設定され得る。熱弛緩時間は、順番に、容器の直径によって決定される。一例では、第1のパルス持続時間774は、血管の直径に基づく。この例では、第1のパルス持続時間774は9に等しく、第1の画像700に示されるように、容器706の直径が最大であるため、利用される最大のパルス持続時間である。別の例では、第3のパルス持続時間778は、この領域が第2の最大直径を有するため、7に等しい。別の例では、第2のパルス持続時間776は、この領域(病変分岐708)が第3の最大直径を有するため、5に等しい。更に、N番目のパルス持続時間780は、この領域(病変分岐710)が最小の直径を有するため、3に等しい。パルス持続時間は、本開示に開示される任意の数及び/又は任意の数であり得ることに留意されたい。
【0048】
例えば、第1の画像700内のより暗い点又はピクセルは、より低いフルエンス(フルエンスマップ742内のより低い数値によって指し示される)を必要とし得、より明るい点は、より高いフルエンス(フルエンスマップ742内のより高い数値によって指し示される)を必要とし得る。第4の画像770では、各ピクセル場所の近傍の静脈の幅に基づいたレーザパルス持続時間の推奨設定が指定される。この例では、マップ722、742、及び772は、x及びy空間座標のための完全な命令セット、どのピクセルが治療されるか、レーザフルエンス設定、及び関心のある治療領域のためのパルス持続時間設定を提供する3×25×25アレイを形成する。
【0049】
特定の実施形態では、レーザ治療システムは、マップ(例えば、722、742、及び772)からのデータを使用して、所望のスケール(例えば、ピクセル単位)で調製された空間的に選択的な治療を実行するように提供される。空間座標は、画像プロセッサからスキャナモジュール内のドライバに送信され、スキャナモジュールは、光学スキャン要素(例えば、可動ミラー)を位置決めして、レーザパルスを皮膚表面上の指定された位置に向ける。一実施形態では、治療アレイ内のピクセルに対応する、各病変場所又はサブ場所についてのフルエンス及びパルス持続時間などのレーザパラメータ設定は、制御ボード112を介してレーザ電源110に送信され、非標的領域へのレーザパルスの送達を回避又は最小化しながら、画像処理アルゴリズムによって決定された1つ以上のパラメータを有するレーザパルスを生成し、所望の標的体領域又はサブ領域に適用するようにレーザ106(
図1)を構成する。レーザパルスが標的領域(例えば、ピクセル)に発射された後、プロセスは、標的皮膚領域内の全ての病変が治療されるまで、各病変領域/ピクセルに対して自動化された方式で繰り返されてもよい。
【0050】
図8では、一実施形態による、レーザ光(例えば、所望のビーム直径、フルエンス、パルス幅などを有するレーザパルス)を1つ以上の治療領域に向けるためのパターンシーケンシングを用いて治療マッピング手順の例示が示されている。ラスタースキャンパターンを使用してもよく、それによって、スキャナ(例えば、電気モータによって移動可能なミラー)は、ピクセルアレイの第1の行の第1のピクセル場所にレーザビームを最初に位置決めし、(各病変ピクセル又はピクセルグループで要求されたパラメータ設定でレーザ発射を用いて)一度に1ピクセルずつ行をわたってビームをスキャンし、次の行の第1のピクセルにビームを移動させ、第1の画像800に例示されるように領域全体が治療されるまでプロセスを繰り返す。代替的なスキャンパターンもまた、固有の臨床目的を達成するために採用され得る。例えば、レーザパルスによって小さな皮膚領域(例えば、1つ以上のピクセルに関連付けられたスポット)に堆積した熱は、隣接領域への伝導によって放散し、熱弛緩時間にほぼ等しい期間、治療されたスポット及び隣接領域の組織温度を上昇させる。したがって、物理的に隣接する病変ピクセルを治療する前の時間遅延が弛緩時間よりも小さいか、又はそれに匹敵する場合、隣接するピクセルは、以前のピクセルから伝導される熱のためにわずかに高い組織温度で治療され、過剰治療をもたらし得る。隣接する領域からの熱漏れ効果を最小化するために、一実施形態では、第2の画像820に示されるように、疑似ランダムスキャンパターンが採用され得、それによって、病変ピクセルは、遅延を最大化して、隣接する領域にパルスが適用される前に、隣接するピクセルの治療の間の伝導によって受け取られる任意の熱が放散されることを確実にするシーケンスで治療される。
【0051】
病変802及び第1の治療パターンを含み得る第1の画像800。第1の治療パターンは、第1の経路804、第2の経路806、及び/又はN番目の経路808を含み得る。この例では、第1の治療パターンは、第1の経路804、第2の経路806、及び/又はN番目の経路808上の各々及び全ての病変ピクセルを順番に治療する。第1の画像800及び第2の画像820の第1の凡例830は、非病変画像ピクセル830A、非治療の病変画像ピクセル830B、及び/又は治療された病変画像ピクセル830Cを含み得る。第1の画像及び第2の画像800、820の第2の凡例832は、第1の治療画像経路832A及び第2の治療画像経路832Bを含み得る。第1の治療画像経路832Aでは、治療は、矢印エンドポイント及び画像経路内にあるこれらのエンドポイントの間の全ての病変ピクセルで発生する。第2の治療画像経路832Bにおいて、治療は、矢印エンドポイントピクセルにおいてのみ発生する。
【0052】
第2の画像820は、病変802及び第1の画像800のものとは異なる第2の治療パターンを含み得る。第2の治療パターンは、第1の経路822、第2の経路824、第3の経路826、及び/又はN番目の経路828を含み得る。この例では、第2の治療パターンは、第1の経路822、第2の経路824、第3の経路826、及び/又はN番目の経路828の端点でのみ病変ピクセルを治療する。この治療パターンは、レーザパルスが隣接するピクセルに適用される前に、治療されたピクセルからの熱を完全に放散することを可能にし、過剰治療のリスクを最小化するが、スキャナのより大きな動きを伴う。
【0053】
図8は、病変の治療のためのスキャンパターンの例を示す。第1の画像800では、連続した病変ピクセル及び列が順次治療されるラスタースキャンパターンを使用した病変の治療が示される。レーザビームの移動は、(1)~(5)のシーケンスに従い、ここで、実線矢印は、実線矢印経路内の全ての交差した病変ピクセルでの治療を指し示し、破線矢印は、矢印エンドポイントでの治療のみを指し示し、矢印又は経路エンドポイント以外のピクセルの治療は省略する。画像820では、画像800と同じ病変の治療が、組織内の熱の蓄積を制限するために疑似ランダムスキャンパターンを使用して示される。簡潔にするために、最初の5つの病変ピクセルの治療のみが示されている。画像800及び820の両方について、スキャンパターンは、全ての病変ピクセルが治療されるまで継続し得る。
【0054】
一例では、レーザパルスによって加熱された体積は、吸収組織層の厚さに等しい厚さの平面要素として近似され得る。次に、熱弛緩時間τは、次元分析によって、次式になると推定され得る:
【数1】
式中、dは、吸収層の厚さであり、κは、組織の熱拡散率
【数2】
である。色素沈着病変の場合、吸収層は、τ=3msに対して(表皮におけるメラニン濃度の深さによる)約0.05mmの厚さに近似することができる。したがって、熱は、約3msの時定数の治療されたスポットから指数関数的に放散する。結果として、温度の蓄積を最小化するために疑似ランダムスキャンパターンで色素沈着病変を治療する場合、隣接するピクセルを治療する間の時間は、熱の放散を最大化するために>3ms、好ましくは>10msでなければならない。様々な例では、利用される遅延時間は、3ms、…、3.1ms、…、3.5ms、…、4.0ms、…、4.5ms、…、15ms、…、及び/又は100msであり得る。
【0055】
場合によっては、一部の病変ピクセルが非治療のままになるように、フラクショナル治療を実施するスキャンパターンを使用することが好ましい場合がある。別の言い方をすれば、フラクショナル治療では、非標的領域が非治療のまま残されるだけでなく、標的皮膚領域の全面積の所定のパーセンテージのみが治療される。例えば、
図8の病変802などの病変では、フラクショナル治療では、レーザパルスは、病変を含む全標的皮膚領域の割合又は所望のパーセンテージ(例えば、10%、20%、30%、40%、50%など)のみに適用される。一例では、治療手順は、小さな治療スポット(0.5mm以下に等しい直径)を有する病変領域の皮膚表面の所望の割合(10~30%)にレーザパルスを適用してもよい。フラクショナル治療は、各治療場所を部分的又は完全に健康な組織に囲まれたままにするという利点を有し、これは、創傷治癒プロセスを加速し、過剰治療並びに関連する損傷及び不快感を最小化し、患者のダウンタイムを低減する。フラクショナル治療はまた、非フラクショナル治療と比較してより高いレーザフルエンスを使用することを可能にすることができ、これは治療の有効性を更に改善することができる。本開示の文脈では、このモダリティは、画像データを活用して、病変の暗さに合わせて調整された空間的に変化する治療密度を提供することによって拡張され得る。例えば、より低い治療密度(すなわち、レーザパルスを受け取る病変内の全皮膚領域のより低いパーセンテージ)は、病変のより暗い領域を治療するために使用され得、逆もまた同様である。代替的に、治療密度は、病変の密度に合わせて調整されてもよい。例えば、しわを治療するとき、
図9A~
図9Bに示されるように、より高い治療密度を用いて、より高い密度又はより顕著なしわを有する領域を治療し得る。
【0056】
図9Aは、患者の第1の画像900を示す。
図9Bは、患者の第2の画像910を示す。第2の画像910は、第1の治療領域タイプ912、第2の治療領域タイプ914、及び/又はN番目の治療領域タイプ916を有する1つ以上の選択された皮膚領域を含み得る。
図9Bは、治療の密度(すなわち、レーザパルスで治療される病変の総面積のパーセンテージ)がしわの密度及び深さに調整される、しわに対するフラクショナルレーザ治療の例を示す。この例では、数字3によって設計された選択された皮膚領域(例えば、N番目の治療領域タイプ916)は、鼻から唇の端部まで延びる深い鼻唇のしわのために、比較的高い密度のレーザ治療スポットを必要とする。対照的に、数字2(例えば、第2の治療領域タイプ914)及び1(例えば、第1の治療領域タイプ912)によって指定された選択された皮膚領域は、頬に沿ったしわの相対密度及び深さがより少ないため、中程度(例えば、第2の治療領域タイプ914)及び低い治療密度(例えば、第1の治療領域タイプ912)を必要とする。
【0057】
図10では、一実施形態による、標的皮膚領域の過剰治療及び非標的皮膚領域の治療を最小化することにおいて高い精度を有する治療方法の実施形態の例示を示す。
図10は、Y-座標軸1002、X-座標軸1004、病変1006、第1の治療パルス1008、第2の治療パルス1010、第3の治療パルス1012、第4の治療パルス1014、及び/又はN番目の治療パルス1016を含み得る、選択された皮膚領域の第1の画像1000を示す。第1の画像1000及び第2の画像1050に利用される第1の凡例1017は、非治療のカラム1018、治療されたカラム1020、及び/又は二重治療されたカラム1022を含み得る。第1の凡例1017は、非治療の非標的(すなわち、非病変)領域1024、非治療の標的(例えば、病変)領域1026、治療された非標的領域1028、治療された標的領域1030、二重治療された非標的領域1032、及び/又は二重治療された標的領域1034を含み得る。更に、第2の凡例1056は、個々のレーザパルス(例えば、ビーム又はスポットサイズ)の中心及び周囲を示すために、第1の画像1000及び第2の画像1050の両方とともに利用される。第2の画像1050は、画像1000と同じ病変1006を例示し、第1の治療パルス1052、及びN番目の治療パルス1054を描写する。第1の画像1000と第2の画像1050とを比較することによって、第2の画像1050は、レーザパルス1052、1054のうちの1つ又は両方によって不注意に治療される、著しく多くの非標的組織を有することが分かる。更に、第1の画像1000は、二重治療された非標的領域を有さず、二重治療された病変(例えば、標的)領域を有さない。対照的に、第2の画像1050は、かなりの量の二重治療された非標的(例えば、非病変)領域及び二重治療された標的(例えば、病変)領域を有する。
【0058】
一例では、レーザスポットサイズは、治療表面上の2つ以上のピクセルをカバーし得る。この場合、単一のレーザパルス/スポットによって覆われたピクセルの最適レーザパラメータの平均を治療に使用してもよく、治療はスポットサイズによって定義される空間スケールで、ショットツーショット単位で進行する。これは、
図8に示される同じ病変1006についての画像誘導治療手順のための最初の5つのパルス1008、1010、1012、1014、及び1016を、全ての病変ピクセルの少なくとも一部分を治療するようにプログラムされるスポット間の空間オーバーラップを伴わないラスタースキャンを使用して示す、第1の画像1000に例示される。この場合、各レーザパルスは、約2×2ピクセル四方の病変組織を治療し、治療マップ(k=1)は、治療平面内の病変組織1006を治療するために必要な全てのレーザスポット中心のx座標及びy座標のセットからなり、非標的組織領域の治療又は二重治療を最小化すること、標的組織領域の治療を最大化すること、及び標的組織領域の過剰治療(例えば、二重治療、三重治療など)を最小化することなどの1つ以上の治療目標を満たす。治療マップは、式2に示すように特定することができ、式中、pは、スポットの総数に等しい:
治療マップ={(x
1,y
1),(x
2,y
2),(x
3,y
3)、…、(x
p,y
p)}式2
【0059】
一例では、治療は、患者の不快感及び回復時間を最小化するために、好ましくは標的(例えば、病変)組織領域のみをレーザ照射に曝露するが、第1の画像1000に例示される手順では、有限のレーザスポットサイズは、それぞれ、3及び1の非標的組織ピクセル領域の部分を治療する第1のスポット及び第4のスポットをもたらす。したがって、本開示の実施形態は、非標的領域の治療を最小化し、標的皮膚領域の治療を最大化するために使用され得るが、標的皮膚領域のみを正確に治療し、非標的領域の治療を完全に回避することが常に実用的又は可能であるとは限らないことが理解されよう。しかしながら、本開示は、非標的皮膚領域の治療を最小化する、標的皮膚領域の治療を最大化し、開示されたシステム及び方法を使用して、標的又は非標的皮膚領域のいずれかの過剰治療を回避するように、多くの病変タイプのはるかに正確な標的化を容易にする。
【0060】
図10では、レーザスポットサイズが治療平面内の複数のピクセルを覆う病変の治療の例が示されている。第1の画像1000では、各レーザパルスによって治療された領域(例えば、ピクセル)間の空間オーバーラップを達成しないように、治療アルゴリズムを備えたラスタースキャンを使用した治療手順、及び全ての病変ピクセルの少なくとも一部分の治療のために、最初の5つのパルスが示される。別の言い方をすれば、治療アルゴリズムは、標的(例えば、病変)皮膚領域の二重治療を最小化しながら、標的(例えば、病変)皮膚領域の治療を最大化し、標的皮膚領域の治療を最大化する治療目標を達成するように実装される。他の又は付加的な治療目標(例えば、非標的皮膚領域の面積が、治療されている特定の標的皮膚領域の面積の所望のパーセンテージ(例えば、50%、40%、30%、25%、20%、10%、5%、又は1%未満)以下であることを確実にし、標的及び非標的皮膚領域の面積がマッピングアルゴリズムに基づいて決定され、標的皮膚領域/病変を治療するために使用される1つ以上のレーザビーム/スポットサイズ)が実装され得ることが理解されよう。
【0061】
第2の画像1050では、比較的大きなスポットサイズ及びシステムユーザによる病変領域へのレーザパルスの手動適用を利用する従来技術のシステムの典型的な治療が示されている。第2の画像1050は、本明細書に開示されるような画像誘導スキャンシステムの助けを借りずにハンドピースを移動させるユーザによって手動で病変に位置合わせされる大きなスポットサイズのレーザビームを例示する。ハンドピースの重量は、オペレータの手と目の協調及び視力の限界と組み合わされ、非病変組織の治療、重複する斑点による病変組織の過剰治療、及び斑点間の空間による病変組織の治療不足が全て最小化される、第1の画像1000に示されるように、正確な次元アレイでレーザスポットを一貫して正確に位置合わせさせることが困難である。前述の人間のオペレータの制限は、多くの(おそらくは数百の)斑点が、大きな表面積を覆うために正確に位置合わせされる必要があるため、大きな病変又は多くの病変を小さな斑点で手動で治療する場合に拡大される。そのような場合、非標的皮膚領域の治療を最小化すること、標的皮膚領域の治療を最大化すること、及び標的領域又は非標的領域のいずれかの過剰治療を回避又は最小化することなどの1つ以上の目標を達成することは、本質的に不可能になり得る。
【0062】
これらの理由により、現在のシステム及び治療方法では、より大きなスポットが典型的に使用される。第2の画像1050に示されるように、これは、病変組織の過剰及び治療不足領域の比較的高いレベル、並びに非標的組織の望ましくない治療をもたらす。付加的に、提供される治療の空間分解能は、より大きなスポットサイズによって本質的に制限されるため、病変特性の空間的変動に対する治療パラメータを調整する能力は制限される。そのような現在のシステムはまた、コンソールに取り付けられたタッチスクリーンなどのシステム制御を使用して手動で治療パラメータを変更する必要がある。これは、オペレータにとって時間がかかる可能性があり、結果として、はるかに小さい領域の治療パラメータを自動的に決定及び設定し、人間のオペレータによって達成することが不可能なシステム及び速度及び精度又は精度の自動化された治療を提供し得る本開示とは対照的に、治療パラメータが病変特性の空間的変動に対して最適化される頻度を低減する。これらの因子の累積効果は、各患者の標的領域及び非標的領域の過剰治療及び治療不足の両方をもたらし、本開示のシステム及び方法と比較して、より長い回復時間及びより低い有効性の両方をもたらす。
【0063】
上記の議論から、スポットサイズを最小化することが臨床アウトカムを最適化するための重要な因子であることが明らかである。しかしながら、スポットサイズを低減させることは、組織への入射レーザ光の貫入深さ(したがって治療深さ)を低減させるという望ましくない結果をもたらす。典型的なフルエンスでは小さなスポットの貫入が限られているため、今日の商用システムで一般的に提供される最小スポットサイズは2mm又は3mmである。実際、スポットサイズは、典型的には、治療深さを最大化する、治療時間を最小化するために、病変サイズと等しいか、又は病変サイズよりわずかに大きいように調整される。例えば、4mm幅の色素沈着病変は、一般に、直径4mm又は5mmのスポットで治療される。これは、ほぼ全ての病変の著しい過剰治療及び治療不足の両方をもたらすが、所望の貫入深度を達成し、合理的な期間内にオペレータによって実行され得る治療のトレードオフとして受け入れられる。
【0064】
図11は、
図7からの病変706、708、710、第1の色素沈着病変1102、及び第2の色素沈着病変1104を含み得る第1の画像1100(「病変画像」)を示す。第1の画像1100の第1の凡例712は、低密度領域/ピクセル712A、中密度領域/ピクセル712B、及び/又は高密度領域/ピクセル712Cを識別するための陰影を含み得る。一例では、病変領域706及び708は、いくつかの中程度の密度領域/ピクセルを有する主に高密度であり、一方、第2の病変分岐710は、いくつかの低密度領域/ピクセルを有する主に中程度の密度である。別の例では、第1の色素沈着病変1102は、低密度の領域によって包囲される中程度の密度の中心領域を有する。最後に、第2の色素沈着病変1104は、低密度の領域に囲まれた中程度の密度の中心領域を有する。
【0065】
図11は更に、病変706、708、710についての治療マップ722、第1の色素沈着病変1102についての第1の治療マップ1122、及び第2の色素沈着病変1104についての第2の治療マップ1124を有する第2の画像1120(「治療マップ」)を示す。治療マップ722、1122、及び1124は、治療を非治療領域から区別し、異なる病変タイプを区別するための陰影を提供する。第2の画像1120の第2の凡例1126は、非病変ピクセル1126Aを識別するための第1の陰影、血管病変ピクセル1126Bを識別するための第2の陰影、及び色素沈着病変ピクセル1126Cを識別するための第3の陰影を含み得る。異なる病変タイプ(例えば、しわ)を識別するために、他の陰影が提供され得ることが理解されるであろう。第2の画像1120に示されるように、治療マップ722は、血管病変706、708、710全体をカバーする。様々な他の例では、治療マップ722は、血管病変706の任意の部分(例えば、99.9%、…、99.0%、…、90.0%、…、70.0%、…、50.0%、…、1.1%、…、0.001%)をカバーし得、病変の領域は、治療マップ722において、治療されていない病変領域を識別する病変組織として識別されない(例えば、治療マップ722は、病変706、708、710のフラクショナル治療のための治療マップを提供し得る)。描写される第1の治療マップ1122は、第1の色素沈着病変1102全体をカバーするが、様々な他の例では、第1の治療マップ1122は、第1の色素沈着病変1102の任意の部分(例えば、99.5%、…、93.3%、…、79.9%、…、60.0%、…、45.0%、…、1.1%、…、0.001%)をカバーして、血管病変706、708、710に関連して上記のようなフラクショナル治療マップを提供し得ることが理解されるであろう。更に、示されるような第2の治療マップ1124は、第2の色素沈着病変1104全体をカバーするが、様々な他の例では、第2の治療マップ1124は、第2の色素沈着病変1104の任意の部分(例えば、99.9%、…、99.3%、…、89.9%、…、88.0%、…、87.0%、…、1.1%、…、0.001%)をカバーし得る。
【0066】
図11はまた、血管病変706、708、710のためのフルエンスマップ742、第1の色素沈着病変1102のための第1のフルエンスマップ1142、及び第2の色素沈着病変1104のための第2のフルエンスマップ1144を含み得る第3の画像1140(「フルエンスマップ(Fluence Map)」)を示している。フルエンスマップ742は、血管病変706、708、710を含む各ピクセル又はサブ領域の治療のために、第1のフルエンス数744(例えば、4)、第2のフルエンス数746(例えば、3)、及び/又はN番目のフルエンス数748(例えば、2)(第4の画像770、
図7を参照)を含み得る。
図7の第4の画像770に示されるように、レーザフルエンス数は、1つ以上の病変特性(例えば、グレースケールの陰影、色、ピクセルのサイズ/数など)によって決定され得る。更に、第3の凡例1154は、第2のフルエンス数746が3J/cm
2に等しいことを示し得る。付加的な又は異なる凡例を使用して、例えば、病変のタイプ、パルス電力、ビーム直径などを区別することができる。第1のフルエンスマップ1142は、第1の色素沈着病変1102の治療のための第1のフルエンス数1146(例えば、2)及び第2のフルエンス数1148(例えば、1)を含み得る。第2のフルエンスマップ1144は、第2の色素沈着病変1104の治療のための第3のフルエンス数1150(例えば、2)及び第4のフルエンス数1152(例えば、1)を含み得る。この例では、第1の色素沈着病変1102の第1のフルエンス数1146及び第2の色素沈着病変1104の第3のフルエンス数1150は同じ数であるが、これらの数は、各病変の画像処理結果に応じて異なる可能性がある。この例では、第1の色素沈着病変1102の第2のフルエンス数1148と第2の色素沈着病変1104の第4のフルエンス数1152は同じ数であるが、これらの数も異なる可能性がある。
【0067】
図11は、病変706、708、710についてのパルス持続時間マップ772を含み得る第4の画像1170(「パルス持続時間マップ(Pulse Duration Map)」)を含む。パルス持続時間マップ772は、第1のパルス持続時間774(例えば、9)、第2のパルス持続時間776(例えば、5)、第3のパルス持続時間778(例えば、7)、及び/又はN番目のパルス持続時間780(例えば、3)を含み得る。更に、第4の画像1170は、病変706、708、710の個別のサブ領域の場所(例えば、ピクセル又は空間座標)に対応するn座標1184及びm座標1186を有し得る。第4の凡例1180は、N番目のパルス持続時間780が3msに等しいことを示し得る(第4の画像770、
図7を参照)。第4の画像1170は、第1の色素沈着病変1102についての第1のパルス持続時間マップ1172及び第2の色素沈着病変1104についての第2のパルス持続時間マップ1174を含み得る。第1の色素沈着病変1102の第1のパルス持続時間マップ1172は、第1のパルス持続時間1176(例えば、1ナノ秒)を含み得、第2の色素沈着病変1104の第2のパルス持続時間マップ1174は、第2のパルス持続時間1178(例えば、1ナノ秒)を有し得る。第5の凡例1182は、第1のパルス持続時間1176及び第2のパルス持続時間1178の両方が1ナノ秒(ns)の値を有することを示す。しかしながら、これらの持続時間数は、異なる場合があり、1ns~100nsの範囲であり得る。より一般的には、パルス持続時間マップ772は、各々が1つ以上のレーザパルスで治療される病変に対応する1つ以上のマップサブ領域を含んでもよく、マップは、各々が治療される病変の1つ以上のピクセル/サブ領域に対応する1つ以上のパルス持続時間パラメータを含んでもよく、いくつかの実施形態では、凡例は、各病変のパルス持続時間マップで使用されるパルス持続時間のうちの1つ以上を指し示すために提供されてもよいことが理解されるであろう。最後に、各病変のマップは、いくつかの病変領域が非治療のままであるフラクショナルマップを含み得る(すなわち、病変フルエンスマップは、ゼロのフルエンスが提供される領域を含み得る)。
【0068】
一実施形態では、レーザパルス持続時間は、治療有効性を最大化するために、血管の熱弛緩時間とほぼ等しいか、又はそれ以下に設定されてもよい。血管病変の場合、熱弛緩時間は、次いで、血管の直径によって決定される。一例では、第1のパルス持続時間774は、血管の直径に基づく。この例では、第1のパルス持続時間774は9に等しく、
図7に示されるような血管領域706の直径が最大であるため、利用される最大のパルス持続時間である。別の例では、第3のパルス持続時間778は、病変706のこの領域が第2の最大の直径を有するため、7に等しい。別の例では、第2のパルス持続時間776は、この領域が第3の最大の直径を有するため、5に等しい。更に、N番目のパルス持続時間780は、この領域が最小の直径を有するため、3に等しい。パルス持続時間は、本開示に開示される任意の数及び/又は任意の数であり得、治療中の病変に応じて、1ピコ秒(ps)から100ミリ秒(ms)以上の範囲のパルス持続時間を含み得ることに留意されたい。
【0069】
図12では、一実施形態による、選択された第1の皮膚領域の第1の皮膚画像1200(「病変画像」)が、ピクセル化された形態で示される。第1の皮膚領域画像1200は、病変1202を含む。第1の凡例1204は、非病変領域/ピクセル1204A及び病変領域/ピクセル1204Bを識別するための陰影を含み得る。
図12はまた、レーザパルス、例えば、第1の血管治療レーザパルス1222によって治療された病変1202の領域を識別する第1の治療パスマップ1220(「第1の治療パス」)、及びN番目の血管治療レーザパルス1224を含み、レーザパルスは、病変領域/ピクセル1204Bの画像上に重ねられる。第2の凡例1226は、血管病変の治療に使用されるレーザパルス1228、及び色素沈着病変を治療するために使用されるレーザパルス1230を指し示し得る。
図12は更に、レーザパルス、例えば、第1の色素沈着病変治療レーザパルス1252、及びN番目の色素沈着病変治療レーザパルス1254によって治療された病変1202の領域を識別する第2の治療パスマップ1250(「第2の治療パス」)を示す。第3の凡例1256は、血管病変治療レーザパルス及び色素沈着病変治療パルスの両方のための様々な治療パラメータを示す。
【0070】
一例では、第1の血管治療パルス1222及び第1の治療パスマップ1220内のN番目の血管治療パルス1224までの全ての血管治療パルスは、第2の治療パスマップ1250に示される治療が開始される前の第1の治療期間中に発生する。この例では、第1の色素沈着病変治療パルス1252及びN番目の色素沈着病変治療パルス1254までの全ての色素沈着病変治療パルスが、第2の治療期間中に発生する。一例では、血管病変治療パルス(例えば、1222、…、1224)は、5J/cm2~20J/cm2のフルエンス、0.5~50msのパルス持続時間、0.5~2mmのスポット直径、及び/又は532~1064ナノメートル(nm)の波長を有する。別の例では、色素沈着病変治療パルスは、0.2J/cm2~5J/cm2のフルエンス、0.5~50ナノ秒(ns)のパルス持続時間、0.2~1mmのスポット直径、及び/又は532~1064nmの波長を有する。
【0071】
前述のパルスパラメータのいずれかは、標的皮膚領域内の1つの治療スポット又はピクセル領域から別の治療スポット又はピクセル領域に移動するときに変更及び/又は修正され得ることに留意されたい。例えば、第1の血管治療パルス1222は、5J/cm2のフルエンス、0.5msのパルス持続時間、1mmのスポット直径、及び532nmの波長を有してもよく、一方、第2の血管治療パルスは、6J/cm2のフルエンス、0.7msのパルス持続時間、1.1mmのスポット直径、及び600nmの波長を有し得る別の実施形態では、第2の血管治療パルスは、6J/cm2のフルエンス、0.7msのパルス持続時間、1.0mmのスポット直径、及び532nmの波長を有し得る。第3の血管治療パルスは、10J/cm2のフルエンス、3msのパルス持続時間、2mmのスポット直径、及び1000nmの波長を有し得、その後の血管治療パルス(例えば、1224)は、フルエンス、パルス持続時間、ビーム/スポット直径、及び波長の任意の所望のパラメータ値を有し得る。別の例では、パルスパラメータの全ては、パルス間で同じままであってもよい。更に、パルスパラメータのいくつかは、パルス間で同じままであり得る。
【0072】
別の例では、第1の色素沈着病変治療パルス1252は、0.2J/cm2のフルエンス、1.5nsのパルス持続時間、0.3mmのスポット直径、及び700nmの波長を有してもよく、第2の色素沈着病変治療パルスは、0.4J/cm2のフルエンス、1.1nsのパルス持続時間、0.3mmのスポット直径、及び700nmの波長を有し得る。別の実施形態では、第2の色素沈着病変治療パルスは、1.1J/cm2のフルエンス、40nsのパルス持続時間、0.9mmのスポット直径、及び532nmの波長を有し得る。第3の色素沈着病変治療パルスは、3J/cm2のフルエンス、3nsのパルス持続時間、0.7mmのスポット直径、及び980nmの波長を有し得る。別の例では、パルスパラメータの全ては、パルス間で同じままであってもよい。更に、パルスパラメータのいくつかは、パルス間で同じままであり得る。
【0073】
更に、血管病変及び/又は色素沈着病変治療パルスのビーム直径/スポットサイズは、病変(例えば、病変1202)の所望の病変カバレッジ目標を達成するために選択されてもよい。例えば、ビーム直径は、非標的皮膚領域(例えば、非病変領域)へのレーザパルスの適用を最小化又は制限するように選択されてもよい。一実施形態では、ビーム直径は、標的皮膚領域マッピング手順の一部として決定された非標的皮膚領域にレーザパルスを提供しないという、所定の、又はユーザが選択可能な(例えば、プログラム可能な)目標を達成するように自動的に選択されてもよい。一実施形態では、ビーム直径は、標的皮膚領域に隣接する非標的皮膚領域へのレーザパルスの適用を、標的皮膚領域の面積の10%に制限するという目標を達成するために選択されてもよい。別の実施形態では、ビーム直径は、以前に議論されたようなマッピング手順中に識別された病変などの標的皮膚領域の特定の割合(例えば、0~100%)を治療するという目標を達成するように選択され得る。更に別の例では、ビーム直径は、レーザパルスで治療された非標的皮膚領域の面積の第1の目標、及びレーザパルスで治療された標的皮膚領域の面積の第2の目標を達成するために選択され得る。
【0074】
図13では、第1の皮膚領域1300の画像(「病変画像」)は、第1の病変領域1302を含み得る。第1の病変領域1302は、影付きピクセルによって描写される血管色素沈着病変領域1304B、及び/又は血管色素沈着病変領域1304B内の湾曲線によって描写される表面変形病変1304Cを更に含む。第1の凡例1304は、非病変サブ領域/ピクセル1304Aを第1の皮膚領域の影のない領域として識別し、血管色素沈着病変領域1304Bを影のあるピクセルとして描写し、表面変形病変1304Cを示す湾曲線を提供する。
【0075】
図13はまた、第1の皮膚領域1300の病変1302のオーバーレイとして提供され得る多要素フラクショナル治療マップ1320を示す。多要素フラクショナル治療マップ1320は、第2の凡例1330に識別され、治療マップ1320に示されるように、1つ以上の血管治療レーザパルス1322、1つ以上の色素治療レーザパルス1324、1つ以上のリモデリング治療レーザパルス1326、及び治療パルス1322、1324、1326によってオーバーレイされない陰影なしで指定された1つ以上の非治療領域を含む。第3の凡例1338は、血管治療パルス1322、色素治療パルス1324、及び/又はリモデリング治療パルス1326の様々な治療パラメータを示す。一例では、血管治療パルス1332、色素治療パルス1334、及び/又はリモデリング治療パルス1336は、3つの別個の連続した治療パスで発生してもよい。言い換えると、全ての血管治療パルスは、マップ1320に示される領域に適用され、次に、全ての色素治療パルスが示されるように適用され、次に、全てのリモデリング治療パルスが適用される。別の例では、血管治療パルスの一部(全てではないが)は、マップ1320に示されるように適用され、次いで色素治療パルスの一部(全てではない)が適用され、次いでリモデリング治療パルスの一部(全てではない)が適用され、シーケンス(血管パルスに続いて色素パルスに続いてリモデリングパルス)が、全ての治療領域がマップ1320が指定するように治療されるまで繰り返される。別の例では、治療は、各治療パスについて1つ以上のパターンに従ってもよく(
図8を参照)、どの治療パルスが所与のパスに適用されているか(例えば、血管、色素、又はリモデリングパルス)に応じて異なるパターンが使用されてもよい。別の例では、血管、色素、又はリモデリングパルスのうちの1つ以上が、治療される対象の皮膚領域の部分に同時に適用されてもよい。
【0076】
一例では、凡例1338に示されるように、血管治療パルスは、5J/cm2から20J/cm2の間の流動性、0.5から50msの間のパルス持続時間、0.5から2mmの間のスポット直径、及び/又は532から1064nmの間の波長を有する。別の例では、色素治療パルスは、0.2J/cm2~5J/cm2のフルエンス、0.5~50nsのパルス持続時間、0.2~1mmのスポット直径、及び/又は532~1064nmの波長を有する。別の例では、リモデリング治療パルス(例えば、コラーゲン治療パルス)は、0.2J/cm2~5J/cm2のフルエンス、0.5~50ns(又は0.5~5ns)のパルス持続時間、0.1~0.5mmのスポット直径、及び/又は1064nmの波長を有する。これらのパラメータのいずれかは、選択された/撮像された皮膚領域内の標的皮膚領域を治療するために、1つの治療スポットから別の治療スポットに移動するときに変更及び/又は修正されてもよいことに留意されたい。例えば、第1の血管治療パルス1222(
図12)は、5J/cm
2のフルエンス、15msのパルス持続時間、2mmのスポット直径、及び750nmの波長を有してもよく、第2の血管治療パルス(例えば、異なる血管直径を有する領域に適用される)は、20J/cm
2のフルエンス、0.5msのパルス持続時間、0.5mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有してもよい。代替的に、第2の血管治療パルスは、18J/cm
2のフルエンス、0.7msのパルス持続時間、0.8mmのスポット直径、及び1000nmの波長を有し得る。更に、第3の血管治療パルスは、12J/cm
2の流量、13msのパルス持続時間、2mmのスポット直径、及び600nmの波長を有し得る。画像領域を分析する治療アルゴリズムは、標的皮膚領域(例えば、病変)内の複数のサブ領域を識別し得、各サブ領域に固有の血管パルスパラメータを指定し得ることが理解されるであろう。別の例では、第1の色素沈着治療パルス1252(
図12)は、0.3J/cm
2のフルエンス、1.0nsのパルス持続時間、0.4mmのスポット直径、及び725nmの波長を有し得、一方、第2の色素沈着治療パルスは、0.5J/cm
2のフルエンス、1.1nsのパルス持続時間、0.3mmのスポット直径、及び710nmの波長を有し得る。代替的に、第2の色素沈着治療パルスは、1.2J/cm
2のフルエンス、50nsのパルス持続時間、0.66mmのスポット直径、及び550nmの波長を有し得る。更に、色素沈着治療パルスは、3J/cm
2のフルエンス、3nsのパルス持続時間、0.7mmのスポット直径、及び980nmの波長を有し得る。別の例では、第1のリモデリング(例えば、コラーゲン)治療パルス1326は、1.1J/cm
2のフルエンス、50nsのパルス持続時間、0.1mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得、第2のリモデリング治療パルスは、1.0J/cm2のフルエンス、45nsのパルス持続時間、0.2mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得る。代替的に、第2のリモデリング治療パルスは、1.1J/cm
2のフルエンス、45nsのパルス持続時間、0.1mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得る。更に、第3のリモデリング治療パルスは、5.0J/cm
2のフルエンス、0.5nsのパルス持続時間、0.5mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得る。
【0077】
図14は、従来技術及び本開示の一実施形態による、異なるフラクショナルレーザ治療手順の結果比較の例示である。
図9A及び
図9Bに関連して上で議論されたフラクショナル治療は、標的皮膚領域の全体が治療される非フラクショナル治療と比較して、いくつかの潜在的な利点(例えば、より速い治癒、過剰治療及び関連する不快感の低減)を提供する。しかしながら、低密度カバレッジ(例えば、治療のために選択された標的皮膚領域の面積の5%以下)を伴うフラクショナル治療を除いて、標的皮膚領域のより高いカバレッジのフラクショナル治療を提供する現在の方法は、フラクショナル治療を受ける標的皮膚領域内で、不十分な治療不足のゾーン及び過剰治療を提供する漸進的に高いリスクを生じる。本開示の特定の実施形態は、病変などの標的皮膚領域の所望のフラクショナル治療密度(すなわち、1つ以上のレーザパルスを受け取る標的皮膚領域のパーセント又は割合)を提供するための改善されたシステム及び方法を提供する。
【0078】
標的皮膚領域の所望のフラクショナル治療密度を達成するための好ましい方法は、標的皮膚領域に複数の低密度パスを適用することである。例えば、30%の累積治療密度は、各々5%の治療密度を有する6パスを適用することによって達成され得る。複数のパスの適用を容易にするために、ハンドピースは典型的にはローラを備えているため、滑らかな「塗装」タイプの動きで皮膚にわたって移動することができる。この技術は、最終治療密度で適用される標的皮膚領域のシングルパス治療と比較して複数の利点を提供するため、好ましい。第一に、複数の低密度パスを使用する治療は、後続のパスでより多くのエネルギーが標的皮膚領域に適用される前に、所与の治療パスからの廃熱が放散する時間を提供する。これは、治療スポットの外側の皮膚における巨視的な熱の蓄積を制限し、それによって、患者の不快感及び紅斑、浮腫、又は水疱のような有害な熱的に開始された事象のリスクを低減する。結果として、マルチパス技術を使用して、より高い最終治療密度を達成することもでき、これにより、オペレータが、所与の領域に適用されるパスの数を制御することによって、病変密度及び組織感度の巨視的空間的変動に対応するために、累積治療密度をリアルタイムで手動で調整することができる。
【0079】
これらの利点にもかかわらず、マルチパス技術が今日の分野で実装される方式は、重大な制限を有する。具体的には、この技術は、規則的な間隔ではなく、むしろより多くのランダム分布に似ている治療領域にわたるレーザスポットの最終的な治療パターンを作り出す。フラクショナルレーザ療法の基本的な前提は、特定の病変及びレーザ治療パラメータのセットについて、有効性を最大化する、回復時間を最小化する最適な治療密度が存在することである。現在の実装形態は、この最適化を達成することができず、したがって、臨床アウトカムの品質を制限する。
【0080】
現在のデバイスにおけるこの制限の根本的な原因は、市販のデバイスがマルチパス技術のための累積治療パターンをどのように生成するかを確認することによって理解することができる。第一に、ハンドピースが皮膚にわたって横断される速度(「手の速度」)は、センサ(典型的には光学的又は電磁的)を使用してローラの回転速度を測定することによって計算される。次いで、この情報を使用して、レーザのパルス反復率を調整し、ハンドピース内のスキャナがビームを皮膚に掃引して、手の速度の変動とは無関係に、等間隔の治療スポット(固定された治療密度)のパターンを作り出す。制限は、治療領域上の後続のパス(例えば、第2の、第3の、又はN番目のパス)が、前のパスのいずれともいかなる方法でも同期されないために起こる。結果として、各パスの治療パターンは、ランダムな方式で空間的にシフトされ、累積治療パターンは、パスの数が増加するにつれてランダムなパターンに近づく。しかしながら、個々のパスは、互いに対してそれぞれランダムに配向されていないため、例示1420により明確に示されるように、標的皮膚領域における一連のオーバーレイされたパスにわたる正味の結果は、均一に分散された治療パルスのセットではなく、均等に離間された治療のサブ領域、並びに過剰治療及び治療不足のサブ領域を有する領域である。
【0081】
図14は、3つの例示1400、1420、及び1450を含み、例示1400は、各々が同じフラクショナルカバレッジパーセンテージを有する4つの治療パス(1402、1404、1406、1408)が円形皮膚領域の異なる部分において互いに角度を付けて適用される、概して円形の皮膚領域を描写している。治療パス凡例1454は、第1のパス1402に関連付けられたレーザパルス1456、第2のパス1404に関連付けられたレーザパルス1458、第3のパス1406に関連付けられたレーザパルス1460、及び第4のパス1408に関連付けられたレーザパルス1462を区別する陰影を指し示す。例示1400を再び参照すると、中心標的皮膚領域1410は、4つの治療の各々の一部分が1402、1404、1406、1408をパスする共通の標的皮膚領域を表す。各治療パス1402~1408が中心標的皮膚領域1410に近づき、パスして進行し、遠ざかって進行するにつれて、4つの治療パスの各々からのパルスを含む中心標的領域を含む、各治療パスのレーザパルス間に重複領域が作成される。
【0082】
中心標的皮膚領域1410内のパルス1456、1458、1460、及び1462がランダムに分布していることが例示1400に現れ得るが、中心例示1420に示される中心標的皮膚領域の拡大図は、治療不足1428及び過剰治療1430の領域がその中に存在することをより明確に明らかにする。凡例1422は、治療パルスが提供されない領域を示すために、点線の円形又は楕円形の形状1424によって治療不足の領域1428を指定し、実線の円形又は楕円形の形状1426によって過剰治療の領域1430を指定し、異なるパスからの1つ以上のレーザパルスが、2つのレーザパルスを受け取る領域上で少なくとも部分的に重複する。
【0083】
本開示の一実施形態において、治療不足1428及び/又は過剰治療1430の領域を低減するための方法及びシステムが提供される。例示1450は、本明細書に先に記載されるような画像誘導療法方法を使用して、中心標的皮膚領域内のパルスの分布を描写する。特に、中心標的皮膚領域1410を含む画像を捕捉し得る。中心標的皮膚領域1410の高密度フラクショナル治療(及び代替的に、例示1400に示される一般的に円形の皮膚領域の残りの部分の低密度フラクショナル治療)は、中心標的皮膚領域1410(及び/又は例示1400のより大きな一般的に円形の領域)にわたって各々のパルスが、中心標的皮膚領域が一部である画像に基づいて均一に分布するように提供され得る。例示1450に示される高密度フラクショナル治療は、
図18、19、20、21、22、及び/又は23の方法のうちの1つ以上を使用して達成され得る。
【0084】
図15では、一実施形態による、治療方法の効果の臨床例示1500が示される。前治療画像1502は、第1のマーカー1518、第2のマーカー1520、及び標的皮膚領域1504を示す。治療直後に撮影された治療画像1506は、曇り状態にある標的皮膚領域1508を示す。治療の5日後に撮影された治療画像1510は、かさぶた状態にある標的皮膚領域1512を示す。最後に、治療の18日後に撮影された治療画像1514は、治療領域1522が周囲の皮膚領域からほとんど区別できなくなったが、第1のマーカー1518及び第2のマーカー1520に対するその位置に基づいて位置し得ることを示す。標的皮膚領域1522は、クリアランス又は治癒状態にある。
【0085】
スポットサイズの縮小が治療深さにどのように影響するかをよりよく理解するために、3mm及び0.3mmのスポット直径についての皮膚におけるレーザ光の伝播をシミュレートするための研究を行った。ほとんどの病変の幅は0.5mm以上であるため、0.3mmのスポットサイズは、高空間分解能でほとんどの病変を治療するのに十分であるべきである。シミュレーションには532nmのレーザ波長を使用し、レーザビームをトップハット又はガウス強度プロファイルのいずれかを有するようにモデル化した(この波長及びビームプロファイルは、皮膚病変の治療に一般的に使用される)。0.1mm厚の表皮層と2mm厚の真皮層からなる皮膚のコンピュータモデルを作成した。各層の光散乱及び吸収係数を含め、モンテカルロアルゴリズムを使用して、組織内の光を三次元に伝播させた。等しい治療用効果を達成するために必要な条件を比較するために、3mmのトップハットビームに1ワット(W)の任意の入射電力を選択し、次いで、0.3mmのトップハットビームの電力を調整して、ビーム軸に沿った光強度が、真皮-表皮(DE)接合部(組織内の0.1mmの深さ)の3mmのビームの光強度と一致するようにした。色素沈着病変(表皮基底層)及び浅表層血管病変(真皮乳頭層)の標的組織が位置しているため、強度はこの深さで一致した。0.4mmガウスビーム(1/e2直径)の伝搬もシミュレートした。0.3mm及び0.4mmの直径ビームは、DE接合部における1W、3mmビームの強度と一致するために、1.5W及び1.7Wの入射電力が必要であった。ビーム軸を通ってとられる三次元光強度分布の断面積は、それぞれ、
図16A及び
図16Bの3mmビーム及び0.3mmビームについて、ビーム軸からの深さ及び半径方向距離に対してプロットされる。等強度線は、強度が深さとどのように減少するかを比較するのに役立つように追加されている。
図16Cは、ビーム軸に沿った全てのビームの強度対深さを示す。
【0086】
現在のシステムで使用されるスポットサイズは、典型的には、病変をクリアするのに高い有効性を達成するために、周囲の非病変組織を損傷する閾値に近づけるように入射強度を設定する必要がある。したがって、より小さいビームのための有意に高い入射電力の必要性は、それらの臨床的有用性を排除するように思われる。しかしながら、
図16A~
図16Cの結果の分析は、これは2つの効果のためにそうではないという非直感的な結論につながる。
【0087】
第一に、
図16Cは、0.3mmのトップハットビームの必要な入射電力がレーザから送達されるときに50%高くなるが、皮膚内の最大強度はわずか11%高くなることを示す。組織内の強度のより小さな差は、ビームのエッジからビーム中心に向かって光が散乱することに起因し、これは、ビーム軸に沿った光の強度を増加させる。この効果は、ビームサイズが2mm未満の場合にはそれほど顕著ではなく、0.3mmビームに必要なより高い電力を相殺する。
【0088】
第二に、光強度の差が最も大きい表皮の表面部分(深さ<0.05mm)では、光吸収組織発色団の濃度が比較的低い。一般に、吸収発色団は、DE接合部(真皮及び表皮接合部)の近くに局在する。例えば、メラニンの濃度は、皮膚表面からDE接合部まで2倍単調に増加し、ヘモグロビンは、DE接合部の直下の乳頭真皮に位置する血管に限定される。したがって、レーザ組織相互作用の程度は、表皮において低く、表皮(対真皮)組織の過剰治療のための閾値強度は、より高い。別の言い方をすれば、DE接合部で同じ相対強度を達成するために直径の小さいビームに必要なより高い電力は、真皮に比べて損傷する(及び痛みを引き起こす)構造が比較的少ないため、表皮でより良好に許容される。そして、より小さい直径のビームの強度は、より大きな直径のビームと比較して皮膚表面からより速く下がるので、より小さい直径のビームのより高い初期電力は、
図16Cに示され、以下でより完全に説明されるように、DE接合部で完全に消え去る。
【0089】
図16A~
図16Cは、皮膚における532nmの波長レーザビームの伝搬のモンテカルロシミュレーション結果を示す。
図16Aは、深度軸1602、位置軸1604、第1の光1608、第1の等強度線1610、第2の等強度線1612、第3の等強度線1616、皮膚表面線1618、及び/又は真皮及び表皮接合部線1620を含み得る第1の画像1600を示す。この例では、第1の光1608は、1W、3mmの直径のビームに対応し、これは、第1の等密度線1610、第2の等密度線1612、及び第3の等密度線1616を有するビームをもたらす。第1の凡例1606は、カラーグラフを介して皮膚内の様々な位置における第1の光1608の相対強度を例示する。
図16Bは、第1の等角線1644、第2の等角線1646、第3の等角線1648、第4の等角線1650、及び第5の等角線1652を作成する、1.5W、0.3mmの直径のビームに対応する第2の光1642を含み得る第2の画像1640を示す。
【0090】
図16Cは、相対強度(単位面積当たりの電力)軸1672、深さ軸1674、第1の凡例1676、第1の線1678、第2の線1680、第3の線1682、真皮及び表皮の接合部の深さ1684、及び/又は皮膚表面の深さ1686を含み得る第3の画像1670を示す。第1の凡例1676は、第1の線1678(3mm、1Wトップハットビームに対応)、第2の線1680(0.3mm、1.5Wトップハットビームに対応)、及び第3の線1682(0.4mm、1.7Wガウスビームに対応)を識別する。線1678、1680、及び1682の各々は、線に関連付けられたそれぞれのレーザビームの強度対深度を例示する。直径0.3mmのビームからの電力レベルは、直径3.0mmのビームからの電力レベルよりも50%高く(1.5W対1.0W)、直径0.4mmのビームからの電力レベルは、直径3.0mmのビームよりも70%高い(1.7W)。それらのはるかに小さい面積を考えると、0.3及び0.4mmビームの相対強度は、より大きな3.0mmビームの相対強度よりも有意に大きいことが予想される。しかしながら、両方の例において、皮膚表面に近いより小さいビームの相対強度は、皮膚の表面からの後方散乱のために、より大きい3.0mmビームの相対強度よりも小さい。特に、3.0mmビームの相対強度は、皮膚表面で約1.8から1.9に上昇する一方、0.3mmビームのリスクは、皮膚表面で約1.7から約1.75に上昇し、0.4mmビームは、約1.3で同じ領域内で本質的に平坦なままであることが、皮膚表面のすぐ左側で見ることができる。より小さいビームは、より大きいビームよりもビームからの反射された後方散乱が著しく少ない。更に、0.4mmビームは、ビーム全体の強度のプロファイルがトップハットではなくガウスであるため、後方散乱が更に低減され、ビームへの反射後方散乱が更に低減される。
【0091】
より小さいビームは、大幅に高い電力及びはるかに小さい面積を有するため、表面におけるそれらの相対強度は、より大きいビームよりも大幅に上昇する。一例では、第1の領域1686は、皮膚表面における各ビームの様々な相対強度レベルを示す(線1618)。特に、直径3.0mmの1Wビームは、皮膚表面で2.0をわずかに下回る相対強度を有する。逆に、皮膚表面での1.5Wの電力レベルでの0.3mm直径ビームの相対強度は、約2.22であり、3.0mmビームのそれよりも高いが、わずか11%であり、3.0mm直径ビームの光の皮膚におけるはるかに高い散乱に起因して、ビーム電力及び直径のみに基づいて予想されるよりも大幅に大きなビームに近い。したがって、直径0.3mmのビームからの電力レベルは、直径3.0mmのビームからの電力レベルよりも50%大きいが、直径0.3mmのビームの強度は、皮膚表面1618での直径3.0mmのビームの強度よりもわずか11%高いだけである。
【0092】
同様に、第1の領域1686は、同様に、皮膚表面での1.7Wの電力レベルでの0.4mm直径ビームの相対強度が約2.3であり、これは、3.0mm直径ビームよりもわずか15%高いだけであることを示す。したがって、直径0.4mmのビームからの電力レベルは、直径3.0mmのビームからの電力レベルよりも70%大きく、その面積は、3.0mmのビームよりも約56倍小さいが、直径0.4mmのビームの強度は、皮膚表面1618における直径3.0mmのビームの強度よりもわずか15%高いだけである。したがって、
図16Cは、より小さいビームが、おそらくより大きいビームの相対強度の50倍以上の強度を含むように見えるが、実際には、DE接合部で治療可能な強度レベルを達成するのに十分な電力レベルに対して、わずかに高いが相対的に比較可能な相対強度を提供することを例示する。これは、
図16Cの第2の領域1684によって示され、これは、第1の線1678(3mmビーム)、第2の線1680(0.3mmビーム)、及び第3の線1682(0.4mmビーム)の強度が、真皮/表皮(D/E)接合部1620で同様の強度を有することを示す。
【0093】
再び
図16Aを参照すると、トップハット強度プロファイルを有する直径1W、3mmのビームについて、ビーム軸を通ってプロットされた三次元光強度分布の断面積対ビーム軸からの深さ及び半径距離が示される。
図16Bでは、トップハット強度プロファイルを有する直径1.5W、0.3mmのビームの断面図が示されている。
図16Cでは、3mm及び0.3mmのトップハットビーム並びに直径1.7W、0.4mmのガウスビームのビーム軸に沿った強度プロファイルが示されている。
図16A及び
図16Bは、
図16Cの相対強度グラフとともに、従来の期待に反して、多くの皮膚科学的レーザ治療システムのために最も小さいスポットサイズとしてしばしば使用される典型的な3mmビームの幅のわずか10分の1である0.3mmビームを使用して、D/E接合部で同様の強度を達成することが可能であることを示す。本開示に開示される自動マッピング及び自動化されたレーザパルス送達制御と併せて、治療のシステム及び方法を提供して、様々な皮膚科学的状態に対する病変のより大きな治療有効性、疼痛及び過剰治療の低減、より速い治療時間、及びより正確な標的化を達成することができる。
【0094】
上記の考察を考慮して、本開示は、皮膚病変の画像誘導レーザ療法を提供するための方法及びデバイス設計を定義し、ビームを病変に手動で位置合わせし、撮像システムによって提供される医学的診断データの利点なしに連続的な方式で治療パラメータを選択する必要性を排除する。一般に、システムは、照明源、カメラ、及びスキャナが複数の病変を含有する治療領域をカバーするように設計されており、これにより、現在のシステムで可能とされているよりも高い精度及び速度で治療パラメータの分析及び決定(及びいくつかの実施形態では自動的に治療を実装する)が可能になる。1つのモダリティでは、治療領域が撮像され、治療され、次いで、隣接領域内の病変がある場合、関心領域全体(例えば、顔の側面)が治療されるまでハンドピースは治療のために隣接領域に移動される。別のモダリティでは、ハンドピースは連続的な方式で移動され、ハンドピース内のモーションセンサは、病変の空間座標が、それらがカメラの視野をわたって移動するときに、好ましくは毎秒100~10,000回のサンプリング又は更新レートでリアルタイムで更新され得るように、ハンドピースの変位を測定して、レーザパルスが、ユーザによるハンドピースの移動よりも有意に速いタイムスケールで、標的皮膚領域内の所望の場所に送達され得ることを確実にする。
【0095】
図17は、第1の治療ビーム1702及びN番目の治療ビーム1704がカバレッジ領域と重複する第1の治療ビーム1702及びN番目の治療ビーム1704を示す。更に、N番目の治療ビーム1704は、第1の治療ビーム1702の終了の間にデルタ時間が経過した後に開始され得、これにより、N番目の治療ビーム1704が適用される前に、治療領域が第1の治療ビーム1702の適用から部分的又は完全に回復することが可能になる。一例では、N番目の治療ビーム1704を遅延させることによって、第1の治療ビーム1702によってすでに治療された領域は、オーバーラップ領域の二重治療からの負の影響を低減又は最小化する、回復するのに十分な時間を有し得る。
【0096】
図18では、一実施形態による、治療方法1800が示される。治療方法1800に示される各ステップの組み合わせは、本開示で開示される。したがって、各及び全てのステップは、他のステップのいずれかと組み合わせてもよく、及び/又は各ステップは、任意選択であってもよい(したがって、治療において省略されてもよい)。治療方法は、撮像デバイスを使用して、1つ以上の標的皮膚領域(例えば、治療される撮像された皮膚領域内の領域)及び非標的領域(例えば、治療が意図されていない撮像された領域内の領域)を含む第1の又は選択された皮膚領域の1つ以上の画像を捕捉することを含み得る(ステップ1802)。画像を捕捉することは、画像が捕捉されている間に、紫外、可視、又は赤外(例えば、LEDデバイスを使用して)のうちの1つ以上を放射する光源で皮膚領域を照射することを含み得る。1つ以上の画像を捕捉することは、異なる照明条件下で複数の画像を捕捉すること(例えば、紫外照明条件下で1つ以上の第1の画像を捕捉すること、可視照明条件下で1つ以上の第2の画像を捕捉すること、及び赤外(例えば、近赤外又はNIR)照明条件を使用して1つ以上の第3の画像を捕捉すること)を更に含み得る。
【0097】
治療方法は、捕捉された1つ以上の画像を処理又は分析して、その少なくとも一部分においてレーザパルスを受け取る1つ以上の標的皮膚領域(例えば、病変又はその一部)、及び非標的領域を識別することを含み得る(ステップ1804)。捕捉された画像を処理することは、(例えば、治療される領域及び/又はサブ領域を識別するために画像のセグメンテーションアルゴリズムを実行することによって)1つ以上の標的皮膚領域の場所を決定すること、治療のための標的皮膚領域/サブ領域を分類すること(例えば、治療される各領域又はサブ領域の病変タイプを識別すること)、及び/又は捕捉された画像内の着色又は陰影の変動を識別すること、のうちの1つ以上を含んでもよく、標的皮膚領域を識別及び/又は分類するために、及び/又は治療パラメータを決定するために順番に使用されてもよい。捕捉された画像内の標的皮膚領域を決定することは、陰影、着色、形状、幾何形状、サイズなどのうちの1つ以上に基づいて領域を識別するために画像を処理することを含み得る。一実施形態では、標的皮膚領域及び非標的皮膚領域を識別するステップは、1つ以上の捕捉された画像をピクセル単位で(例えば、各ピクセルを分析して、ピクセルによって表される皮膚領域が標的皮膚領域であるか非標的皮膚領域であるかを決定する)、マルチピクセル単位で(例えば、4×4ピクセル、8×8ピクセルを含む領域)、又はサイズが0.03mm~2.0mmの範囲の少なくとも1つのレーザビームサイズ(例えば、レーザスポット直径)に対応する領域)、病変単位で、及び/又はステップ1812において、領域を構成するピクセルの少なくとも閾値パーセンテージ(例えば、100%、90%、80%、75%、50%など)が治療されるべき連続ピクセルの1つ以上のグループを識別することによって、処理又は分析することを含む。
【0098】
更なる実施形態では、捕捉された1つ以上の画像を処理又は分析することは、標的皮膚領域の治療計画を決定することを含み得る(例えば、標的皮膚領域への1つ以上の治療パルスのパルス送達場所を決定することによって)。一実施形態では、処理された画像を分析することは、
図9A~
図9B、
図13の第1及び第2の画像1000、1050(
図10)、第1及び第2の治療パスマップ1220、1250(
図12)、及び多要素フラクショナル治療マップ1320に例示するように、複数の治療パルスの各々が撮像された皮膚領域内の標的皮膚領域に適用される場所を決定することを含み得る。
【0099】
治療方法は、画像の処理又は分析で識別された標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいてマップを作成することを更に含み得る(ステップ1806)。一実施形態では、これは、例えば、空間座標及び/又は治療設定を標的及び非標的領域に割り当てることによって、撮像された皮膚領域内の標的及び非標的皮膚領域を示すマップ(例えば、治療されるべき標的領域及び非治療のままにされるべき非標的領域を示す画像)を生成することを伴い得る。一実施形態では、マップは、標的皮膚領域のみを例示してもよく(例えば、病変タイプ又は治療パラメータの指標なしで)、一方、別の実施形態では、マップは、標的及び/又は非標的皮膚領域の両方、並びに標的皮膚領域に関連付けられた付加的な情報(例えば、病変タイプ、サイズ、又は重症度、治療パラメータなど)を例示してもよい。一実施形態では、マップは、1つ以上の標的皮膚領域、非標的皮膚領域を識別する、捕捉された及び/又は処理された画像のグラフィカル又は数値表現を含み得る。
【0100】
治療方法1800はまた、標的及び非標的の皮膚領域のマップをユーザ及び/又はオペレータに提供することを含み得る(ステップ1808)。ユーザにマップを提供すること(1808)は、捕捉又は処理された画像又はその一部における1つ以上の標的皮膚領域及び/又は非標的皮膚領域を識別する(例えば、着色、陰影付け、数値記号、及び/又はグラフィカル記号によって)グラフィカル又は数値表現を提示することを伴い得る。いくつかの実施形態では、ユーザへのマップ(複数可)の提示(1808)はまた、1つ以上の標的皮膚領域の治療計画を提示することを含んでもよい。一実施形態では、治療計画を提示することは、処理された画像の一部にオーバーレイされた治療パラメータ及び/又はレーザスポットを表示すること(例えば、レーザパルスが1つ以上の標的皮膚領域に適用される場所の視覚的指標を表示すること)を含み得る。いくつかの実施形態では、マップを表示することは、レーザパルスの一部が標的皮膚領域の外側に延び、非標的皮膚領域に入る場所を指し示すことを含み得る。代替の実施形態では、書面による治療計画は、マップとは別に提示されてもよい。(治療計画の有無にかかわらず)マップを提示することは、レビュー又は検討のためにマップを画面又はモニターに表示することを含み得る。
【0101】
治療方法1800は、ステップ1808でユーザに提示された治療計画及び/又は治療マップ(ステップ1810)のうちの1つ以上をユーザ又はオペレータの入力応答(例えば、検証又は修正)を受信することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、マップ1808を表示するステップは、ユーザがマップの表示を操作することを可能にする相互作用マップを表示することを含んでもよい(例えば、画像又は特定の治療又は非治療領域をズームイン又はズームアウトして、表示されたマップで識別された診断された病変を診断又は検証することによって、又は画像又はその一部の紫外、可視、及び/若しくは赤外ビュー間を切り替えることによって)。ユーザは、治療マップ及び/又は計画を検証、確認、及び/又は修正するために、1つ以上の入力を(例えば、タッチスクリーン又は他の入力/出力デバイスを介して)提供してもよい。
【0102】
治療方法1800は、捕捉された1つ以上の画像の処理又は分析に基づいて、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも1つを治療することを含み得る(1812)。一実施形態では、治療ステップ1812は、ステップ1804で識別された標的皮膚領域の各々に1つ以上のレーザパルスを適用することを含む。一実施形態では、治療ステップ1812は、ステップ1806で作成されたマップ、ステップ1808でユーザに提供されたマップ又は治療計画、又はステップ1810でユーザによって検証又は修正されたマップ又は治療計画のうちの1つ以上に基づいてもよい。一実施形態では、方法1800は、ステップ1806、1808、及び1810のうちの1つ以上を省略し、治療ステップ1812は、ステップ1804で捕捉された1つ以上の画像の処理又は分析に直接基づいている。また別の実施形態では、治療ステップ1812は、ステップ1804での画像の処理又は分析に基づいて、1つ以上のレーザパルスを少なくとも1つの標的皮膚領域に自動的に適用することを含む。例えば、これは、例えば、レーザパルスを患者の皮膚に向けるために使用される可動ミラーの位置決めを制御することによって、1つ以上の標的皮膚領域へのレーザパルスの送達を自動的に制御するコントローラを提供することを含み得る。一実施形態では、コントローラは、可動ミラーの位置を1つ、2つ、又は3つの軸で制御する1つ以上のモータの動作を制御することによって、可動ミラーの位置を制御する。
【0103】
いくつかの実施形態では、治療方法1800は、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも一部分を治療した後に画像を捕捉することを更に含み得る(ステップ1814)。1つ以上の治療後画像を捕捉することは、1つ以上の画像を捕捉することを含むが、これに限定されない、様々な時点のいずれかで1つ以上の画捉することを含み得る。1)全ての治療パルスよりも少ないが少なくとも1つのパルスを送達した(例えば、治療中/部分治療画像を捕捉する)後、2)特定のパルスの治療後の所定の時間間隔で、3)治療パス後の所定の時間間隔で、4)標的皮膚領域全体の治療後、又は5)撮像された皮膚領域内の全ての標的皮膚領域の治療後。
【0104】
治療方法1800は、1つ以上の後治療画像を処理すること(ステップ1816)を更に含み得、これは、治療ステップ1812の1つ以上の結果又は効果を決定することを含み得る。1つ以上の後治療画像を処理することは、療法有効性の検証又は評価、過剰治療又は治療不足の1つ以上の領域の識別、副作用の識別、付加的な治療パルスが必要であることの決定などを含む様々な目的のために実行され得る。
【0105】
治療方法1800は、1つ以上の治療後画像に基づいて、ユーザにデータを提示することを更に含み得る(ステップ1818)。提示されたデータは、フォローアップ治療計画、前後の比較、有効性評価レポート、有害事象レポート、副作用レポートなどの様々な情報を含み得る。一例では、患者は、治療ステップ1812の結果又は有効性を示すために、前治療画像(例えば、画像1502、
図15)及び治療後画像(例えば、画像1514、
図15)を示され得る。一実施形態では、1つ以上のフォローアップ治療計画が、捕捉又は処理された後治療画像に少なくとも部分的に基づいて生成され、ユーザに提示され得る。例えば、患者は、血管治療を完了してもよく、システム、デバイス、及び/又は方法は、色素沈着病変及び/又はリモデリング/コラーゲン治療が血管治療の後に行われるべきであると決定し得る。患者についての報告が生成及び/又は表示されてもよく、有効性の正及び負の両方の指標(例えば、治療が成功した、失敗した、及び/又は1つ以上の有害事象をもたらしたという指標)を含み得る。ステップ1818はまた、ユーザに提示されるデータを格納すること、及び/又は治療方法1800の1つ以上の他のステップの間に収集されるデータを格納することを含み得る。
【0106】
好ましい実施形態では、画像(1804)を処理又は分析するステップは、治療ステップ(1812)を誘導するために採用される。一例では、ステップ1804は、1つ以上の病変を識別するために捕捉された画像を分析することを含み得る。そのような識別は、例えば、以前に議論された
図5Aの第1の画像500に示されており、処理ステップ1804は、例えば、捕捉された画像の異なる陰影/色、異なるサイズ、及び異なる形状又は構成に基づいて、第1の病変506、第2の病変508、第3の病変510、第4の病変512、及びN番目の病変514を識別するために使用され得る。
【0107】
一実施形態では、画像(1804)を分析するステップは、
図5Bに関連して以前に議論されたように、第1の病変境界538、第2の病変境界534、第3の病変境界536、第4の病変境界542、及びN番目の病変境界540などの1つ以上の標的皮膚領域の各々の境界を決定することによって、治療ステップ(1812)を誘導するために使用される。
【0108】
図19では、一実施形態による、治療方法1900が示される。治療方法1900は、1つ以上の標的皮膚領域(例えば、病変)及び非標的領域(例えば、非病変又は透明な皮膚領域)を含む第1の又は選択された皮膚領域の1つ以上の画像を捕捉することを含み得る(ステップ1902)。1つ以上の画像を捕捉することは、画像が捕捉されている間に、紫外、可視、又は赤外光のうちの1つ以上で皮膚領域を照明しながら実行されてもよく、異なる照明条件下で複数の画像を捕捉すること(例えば、紫外照明条件下で1つ以上の第1の画像を捕捉すること、可視照明条件下で1つ以上の第2の画像を捕捉すること、及び赤外照明条件を使用して1つ以上の第3の画像を捕捉すること)を伴い得る。1つ以上の画像を捕捉することは、カメラを使用することを含み得、様々な実施形態では、これは、CCD若しくはCMOS画像センサ若しくは他のデジタルセンシング素子を含むデジタルカメラ、又はアナログカメラを含み得る。
【0109】
治療方法1900は、1つ以上の標的皮膚領域及び非標的領域を識別するために、捕捉された1つ以上の画像を処理又は分析することを含み得る(ステップ1904)。捕捉された画像を処理することは、捕捉された画像内の着色又は陰影付けの変化を識別すること(これは、標的皮膚領域の治療パラメータを識別、分類、又は決定するために使用され得る)、1つ以上の標的皮膚領域の場所を決定すること(例えば、画像のセグメンテーションアルゴリズムを使用する)、及び治療のための標的皮膚領域/サブ領域を分類すること(例えば、各標的皮膚領域又はサブ領域のための1つ以上の病変タイプを識別すること)のうちの1つ以上を含み得る。捕捉された画像内の標的皮膚領域の場所を決定することは、陰影、着色、形状、幾何形状、サイズなどの1つ以上に基づいて領域を識別するために画像を処理することを伴い得る。標的及び非標的皮膚領域を識別するステップは、1つ以上の捕捉された画像を、ピクセル単位、マルチピクセル単位、又は病変単位で処理又は分析すること、又は標的皮膚領域の全領域の少なくとも閾値パーセンテージ(例えば、100%、90%、80%、75%、50%、40%など)がレーザパルスで治療されるべきである、接触しているピクセルの1つ以上のグループを識別することを含む。
【0110】
治療方法1900は、捕捉された1つ以上の画像の処理又は分析に基づいて、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも1つを治療することを含み得る(1906)。一実施形態では、治療ステップ1906は、ステップ1904で識別された標的皮膚領域の各々に1つ以上のレーザパルスを適用することを含む。一実施形態では、治療ステップ1906は、画像処理又は分析ステップ1904に基づいて、1つ以上の標的皮膚領域のうちの少なくとも1つにレーザパルスを適用することを含み得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、治療ステップ1906は、
図18に関連して議論されているように、1つ以上のマップ、治療計画、又はユーザ入力に基づいてもよい。好ましい実施形態では、治療ステップ1906は、ステップ1904における画像の処理又は分析に基づいて、1つ以上のレーザパルスを1つ以上の標的皮膚領域に自動的に適用することを含む。本明細書で使用される場合、「自動的に」は、レーザパルスの場所がユーザによって決定されない皮膚組織へのレーザパルスの送達を指す。これは、例えば、1つ以上の標的皮膚領域内の特定の場所へのレーザパルスの送達を自動的に制御するためのコントローラを提供することを含み得る。コントローラは、例えば、可動ミラーの位置を1、2、又は3軸で制御する1つ以上のモータの動作を制御することによって、レーザパルスを患者の皮膚に向けるために使用される可動ミラーの位置決めを制御し得る。いくつかの実施形態では、レーザパルスの1つ以上の標的皮膚領域へのレーザパルスの自動送達は、レーザパルスの送達を認証又はトリガするユーザ入力に応答してのみ開始され得ることを必要とする安全インターロックが提供され得るが、一度開始されると、ステップ1904における処理又は分析に基づいて自動的に完了され得る。
【0112】
本開示が促進するレーザパルスの送達を(使用者によるレビュー又は療法の開始の有無にかかわらず)自動化することは、患者の安全性及び手順の使用者による制御を確保しながら、現在利用可能であるよりもかなり速く、より正確な病変の治療を可能にする。一実施形態では、1つ以上の標的皮膚領域へのレーザパルスの自動化された送達は、毎秒100パルス、毎秒1000パルス、毎秒2000パルス、毎秒5000パルス、又は毎秒10,000パルスのうちの1つを超える周波数で発生し得る。一実施形態では、パルスは、毎秒100~10,000パルスの範囲内のパルス送達速度で送達されてもよく、一方、別の実施形態では、パルスは、毎秒1,000~10,000パルスの範囲内の速度で送達されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、治療方法1900は、
図19に関連してより詳細に議論されるように、治療ステップ1906中又は後に1つ以上の画像を捕捉し、データ、レポート、又は他のフィードバックをユーザに提供することを更に含み得る。
【0114】
図20では、一実施形態による、非標的皮膚領域及び少なくとも1つの標的皮膚領域を含む選択された皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域を治療するための治療フローチャートが示される。治療フローチャートに示される各ステップの組み合わせは、本明細書に開示され、方法の各ステップは、他のステップのいずれかと組み合わせてもよく、及び/又は各ステップは任意選択であり得る。治療方法2000は、1つ以上の標的皮膚領域上のレーザパルスパラメータの第1のセットを用いて、第1のレーザ治療手順を開始することを含み得る(ステップ2002)。治療方法2000は、1つ以上の標的皮膚領域上のレーザパルスパラメータの第2のセットを用いて、第2のレーザ治療手順を開始することを更に含み得る(ステップ2004)。治療方法2000は、1つ以上の標的領域上でN番目セットのレーザパルスパラメータを用いてN番目レーザ治療手順を開始することを更に含み得る(ステップ2006)。
【0115】
図20の治療方法の一例は、
図12に示されることを参照して説明され、第1の治療手順は、第1の治療パスマップ1220に示されるように第1の治療パスを一緒に含む第1の直列レーザパルス1222、…、1224を適用することによって提供される。第1のパスのパルス1222、…、1224は、病変1202のための血管治療を提供し、第1の治療パスのパルスの各々は、血管病変の治療に好適なパラメータを有し、「血管治療パルス」として説明され得る。第1の治療におけるN番目の血管治療1224までの血管治療パルス1222の各々及び各血管治療は、第2の治療手順/パスを開始する前に発生する。第2の治療手順は、病変1202を治療するために、マップ1250に示されるように、一緒に第2の治療パスを含む第2の一連のレーザパルス1252、…、1254を適用することによって提供される。第2の治療パスの各パルスは、色素沈着した病変を治療するのに好適なパラメータを有し、「色素治療パルス」として説明され得る。第1の色素治療パルス1252及びN番目の色素治療パルス1254までの全ての色素治療は、第2の治療中に発生し、別の(例えば、第3、第4、N番目など)治療手順を開始する前に完了する。
【0116】
一例では、全ての血管治療パルスは、同じパルス治療パラメータ、例えば、5J/cm2~20J/cm2のフルエンス、0.5~50msのパルス持続時間、0.5~2mmのスポット直径、及び/又は532~1064nmの波長を有する。別の例では、全ての色素治療パルスは、同じパルス治療パラメータ、例えば、0.2J/cm2~5J/cm2のフルエンス、0.5~50nsのパルス持続時間、0.2~1mmのスポット直径、及び/又は532~1064nmの波長を有する。別の例では、血管又は色素治療パルスの1つ以上のパラメータは、第1の治療パス又は第2の治療パスで1つの治療スポットから別の治療スポットに移動するときに変更及び/又は修正されてもよい。例えば、第1の血管治療パルス1222は、5J/cm2のフルエンス、0.5msのパルス持続時間、1mmのスポット直径、及び532nmの波長を有してもよく、第2の血管治療パルスは、血管病変の治療に適した範囲内に留まりながら、病変1202の異なるサブ領域の治療を最適化するために変更されるわずかに異なるパラメータを有してもよい。特定の例では、第2の血管治療パルスは、6J/cm2のフルエンス、0.7msのパルス持続時間、1.1mmのスポット直径、及び/又は600nmの波長を有し得る。代替的に、第2の血管治療パルスは、6J/cm2のフルエンス、0.7msのパルス持続時間、1.0mmのスポット直径、及び532nmの波長を有し得る。更に、第1の治療パスにおける第3の血管治療パルスは、10J/cm2のフルエンス、3msのパルス持続時間、2mmのスポット直径、及び1000nmの波長を有し得る。
【0117】
別の例では、第2の治療パス(マップ1250を参照)の第1の色素沈着治療パルス1252は、0.2J/cm2のフルエンス、1.5nsのパルス持続時間、0.3mmのスポット直径、及び700nmの波長を有し得、第2の色素沈着治療パルスは、0.4J/cm2のフルエンス、1.1nsのパルス持続時間、0.3mmのスポット直径、及び700nmの波長を有し得る。代替的に、第2の色素沈着治療パルスは、1.1J/cm2のフルエンス、40nsのパルス持続時間、0.9mmのスポット直径、及び532nmの波長を有し得る。更に、第3の(又は第4の、又はN番目の)色素沈着治療パルスは、3J/cm2のフルエンス、3nsのパルス持続時間、0.7mmのスポット直径、及び980nmの波長を有し得る。
【0118】
図21では、一実施形態による、非標的皮膚領域及び少なくとも1つの標的皮膚領域を含む選択された皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域を治療するための治療フローチャートが示される。治療フローチャートに示される各ステップの組み合わせは、本明細書に開示され、各ステップは、他のステップのいずれかと組み合わせてもよく、及び/又は任意選択であってもよい(したがって省略されてもよい)。治療方法2100は、第1のレーザパルスパラメータの第1のセットを有するレーザパルスを、治療手順の第1の部分の間、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第1の部分に適用することによって、第1のレーザ治療手順を開始することを含み得る(ステップ2102)。治療方法2100は、第2のレーザパルスパラメータの第2のセットを有するレーザパルスを、治療手順の第2の部分の間、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第2の部分に適用することによって、第2のレーザ治療手順を開始することを含み得る(ステップ2104)。治療方法2100は、治療期間のN番目の部分中に、1つ以上の標的皮膚領域の少なくともN番目の部分に、N番目のセットのレーザパルスパラメータを有するレーザパルスを適用することによって、N番目のレーザ治療手順を開始することを更に含み得る(ステップ2106)。
【0119】
一例では、血管治療パルス、色素治療パルス、及び/又はリモデリング治療パルスは、3つの別個の治療が経過すると、1つ以上の標的皮膚領域に適用されて得る。言い換えると、血管治療パルスの全てが標的皮膚領域に適用され、次いで、色素治療パルスの全てが標的皮膚領域(複数可)に適用され、次いで、リモデリング治療パルスの全てが標的皮膚領域に適用される。そのようなパスは、血管、色素、及び/又はリモデリング治療パルスの間でパラメータを切り替えることに関連する遅延を回避することによって、総治療時間を最小化することができる。別の例では、血管治療パルスのいくつかが適用され、次いで色素治療パルスのいくつかが適用され、次いでリモデリング治療パルスのいくつかが適用され、異なるタイプの治療パルスの治療パルス適用サイクルは、治療領域の全てが治療されるまで繰り返されてもよい。このアプローチは、例えば、比較的大きな第1のビーム直径を有する第1のパルスを適用して標的皮膚領域の比較的大きい割合を治療し、その後、第1のビーム直径より小さい第2のビーム直径を有する第2のパルスを適用して標的皮膚領域の第2の割合を治療し続いて、第2のビーム直径よりも小さい第3のビーム直径を有する第3のパルスを適用し、1つ以上の所望の治療領域の制約(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は100%などの全標的皮膚領域の所望の割合又はパーセンテージの治療、任意の非標的皮膚領域の治療の回避、又は1%以下、5%以下、10%以下、25%以下のような総又は治療された標的皮膚領域の所望の割合又はパーセンテージ未満である総非標的皮膚領域を治療すること)が得られるまで、ビーム直径が徐々に小さくなるパルスを適用する、ことによって、時間を最小化することができる。別の例では、治療パルスは、上記の治療アプローチのうちのどれが利用されるかを決定する治療パルスのタイプ(例えば、血管、色素、及び/又はリモデリング)を適用して、1つ以上のパターン(
図8を参照)で1つ以上の標的皮膚領域に適用され得る。別の例では、複数のレーザ光源が使用されてもよく、血管、色素、及び/又はリモデリングパルスのうちの1つ以上が、1つ以上の標的皮膚領域の異なる部分に同時に適用されてもよい。パルスは、小さい距離(例えば、0.5~5mm、及び/又は使用されるビーム直径の1、2、又は3倍未満の距離)によって分離された、同じ標的皮膚領域へ、又は標的皮膚領域への異なるパルスタイプの同時送達を回避又は最小化するために、コントローラによって制御されるパターンで適用され得る。
【0120】
一例では、血管治療パルス及び色素治療パルスは、
図20に関連して説明されるようなパラメータを有し得る。別の例では、リモデリング又はコラーゲン治療パルスは、0.2J/cm2~5J/cm2のフルエンス、0.5~50nsのパルス持続時間、0.1~0.5mmのビーム直径又はスポットサイズ、及び/又は1064nmの波長を有し得る。これらのパラメータのいずれかは、
図20における血管及び色素治療パルスの説明に関連して説明されるように、並びに
図13の凡例1338に示されるように、1つの治療スポットから別の治療スポットに移動するときに変更及び/又は修正され得る。別の例では、第1のリモデリング/コラーゲン治療パルス1326は、1.1J/cm2のフルエンス、50nsのパルス持続時間、0.1mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得、第2のリモデリング治療パルスは、1.0J/cm2のフルエンス、45nsのパルス持続時間、0.2mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得る。代替的に、第2のコラーゲン治療パルスは、1.1J/cm2のフルエンス、45nsのパルス持続時間、0.1mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得る。更に、第3のコラーゲン治療パルスは、5.0J/cm2のフルエンス、0.5nsのパルス持続時間、0.5mmのスポット直径、及び1064nmの波長を有し得る。様々な実施形態では、スポット又はビーム直径は、0.01~5.0mmの範囲内の直径を含み得る。
【0121】
図22では、一実施形態による、1つ以上の標的皮膚領域を治療する方法の治療フローチャートを示す。治療フローチャートに示される各ステップの組み合わせは、本明細書に開示され、各ステップは、他のステップのいずれかと組み合わせてもよく、及び/又は任意選択であってもよい。治療方法2200は、デジタルカメラ又はアナログカメラなどの1つ以上の撮像デバイスを介して第1の皮膚領域を撮像することを含み得る(ステップ2202)。治療方法2200は、第1の皮膚の画像に基づいて1つ以上の標的皮膚領域を識別することを含み得る(ステップ2204)。治療方法2200は、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性を決定することを含み得る(ステップ2206)。治療方法2200は、第1の標的皮膚領域からN番目の標的皮膚領域までの1つ以上の治療パラメータを決定することを含み得る(ステップ2208)。治療方法2200は、1つ以上のレーザパルス(例えば、ステップ2208で決定されたパラメータを有するパルス)を第1の標的皮膚領域からN番目の治療領域に適用することを開始することを含み得る(ステップ2210)。治療方法2200は、治療デバイスの速度を決定することを含み得る(ステップ2212)。一実施形態では、治療デバイスは、上記の
図2に関連して説明されたハンドヘルドデバイス200などのハンドピースを含み得る。治療方法2200は、治療デバイスの現在の位置に基づいて、1つ以上の標的皮膚領域までの1つ以上の距離を決定することを含み得る(ステップ2214)。治療方法2200は、1つ以上の治療領域までの1つ以上の距離及び治療デバイスの速度に基づいて、1つ以上の標的皮膚領域までの1つ以上の時間を決定することを含み得る(ステップ2216)。治療方法2200は、1つ以上のプロセッサを介して、ステップ2216で決定された1つ以上の標的皮膚領域への時間値がゼロに等しいかどうかを決定することを含み得る(ステップ2218)。時間値がゼロに等しくない場合、治療方法2200は、ステップ2212に戻ることを含み得、時間値がゼロに等しい場合、治療方法2200は、レーザパルスを第1の標的皮膚領域の1つ以上からN番目の標的皮膚領域に適用することを含み得る(ステップ2220)。治療方法2200は、1つ以上のプロセッサを介して、N番目の標的皮膚領域が治療されたかどうかを決定することを含み得る(ステップ2222)。N番目の標的皮膚領域が治療されていない場合、治療方法2200は、ステップ2210に戻ることを含み得る。N番目の標的皮膚領域が治療された場合、治療方法2200は停止し得る(ステップ2224)。
【0122】
一例では、様々な治療パラメータを有する治療計画は、本文書に開示される1つ以上の方法を用いてステップ2202、2204、2206、及び2208を遂行することによって、3つの治療領域について決定される。システム、デバイス、及び/又は方法は、第1の標的皮膚領域、第2の標的皮膚領域、及び第3の標的皮膚領域への1つ以上のレーザパルスの適用を開始し得る。システム、デバイス、及び/又は方法は、治療デバイスの1つ以上の移動特性を決定し得る。例えば、システム、デバイス、及び/又は方法は、治療デバイスの移動の速度、加速度、及び/又は角度を決定し得る。システム、デバイス、及び/又は方法は、時間Xで、治療デバイスが1秒以内に第1の皮膚領域に到達し、治療デバイスが4秒以内に第2の標的皮膚領域に到達し、治療デバイスが5秒以内に第3の標的皮膚領域に到達すると決定し得る。システム、デバイス、及び/又は方法は、各標的皮膚領域への時間がゼロ値に到達するまで、各標的皮膚領域の到着時間を計算し続けることができる。時間がゼロ値に到達すると、対応する標的皮膚領域へのレーザパルスの適用が開始される。
【0123】
図23は、治療方法を示す。治療方法2300は、1つ以上の事前の治療スポットを決定することを含み得る(ステップ2302)。治療方法2300は、1つ以上の事前の治療スポットを決定することに基づいて新しい治療スポットの座標を調整することを含み得る(ステップ2304)。治療方法2300は、新しい治療スポットで治療を開始することを含み得る(ステップ2306)。例えば、システム、デバイス、及び/又は方法は、位置Yでの以前の治療スポットを決定してもよい。システム、デバイス、及び/又は方法は、位置Xでの今後の治療スポットが位置Yでの以前の治療スポットに近すぎると決定してもよい。この情報に基づいて、システム、デバイス、及び/又は方法は、次の治療スポットをX’の位置に調整及び/又は移動してもよい。別の例では、システム、デバイス、及び/又は方法は、前の治療スポットが位置Zにあったと決定してもよい。システム、デバイス、及び/又は方法は、X’の位置にある次の治療スポットが、位置Zの前の治療スポットに近すぎると決定してもよい。この情報に基づいて、システム、デバイス、及び/又は方法は、次の治療スポットをX’’の位置に調整及び/又は移動してもよい。システム、デバイス、及び/又は方法は、1つ以上の以前の治療スポット(及び互いとの任意の相互作用-以前の治療スポット1は以前の治療スポット2と相互作用するなど)を利用して、次の治療スポットをどこに位置させるべきか、及び/又は治療パラメータの任意の修正を決定してもよい。
【0124】
様々な実施形態では、本開示は、以下の番号付き段落の主題に関する。
101.患者の皮膚を治療用レーザ光を用いて治療する方法であって、
a)患者の第1の皮膚領域を撮像して、少なくとも第1の画像を取得することと、
b)第1の皮膚領域内の、
1)1つ以上の標的皮膚領域と、
2)非標的皮膚領域と、を識別するために、第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を少なくとも1つのプロセッサで処理することと、
c)識別された1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいて、第1の皮膚領域の治療マップを生成することと、
d)非標的領域を治療用レーザ光を用いて実質的に非治療のままにしながら、生成された治療マップに基づいて、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも一部分を治療用レーザ光を用いて治療することと、を含む、方法。
102.1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも一部分を治療することが、
1)パルス化治療用レーザ光を生成することができるパルス化治療用レーザ光源を提供することと、
2)治療用レーザ光源に光学的に結合された少なくとも1つの可動光学素子を提供し、パルス化治療用レーザ光を受け取り、1つ以上の標的皮膚領域の所望の部分に向けることと、
3)可動光学素子を制御して、パルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の所望の部分に向けるための少なくとも1つのコントローラを提供することと、
4)治療用レーザ光源を使用してパルス化治療用レーザ光を生成することと、
5)コントローラを使用して、1つ以上の治療用レーザ光パルスを、1つ以上の標的皮膚領域の選択された1つの第1の所望の部分に向けるように、可動光学素子を制御することと、
6)コントローラを使用して可動光学素子を移動させて、第1の所望の部分とは異なる標的皮膚領域の選択された1つの所望の部分に1つ以上の治療用レーザ光パルスを向けることと、
7)1つ以上の標的皮膚領域のうちの選択された1つの所望の割合が治療用レーザ光パルスを用いて治療されるまで、ステップ6を1回以上繰り返すことと、を含む、段落101に記載の方法。
103.
8)ステップ5~7を1回以上繰り返すことであって、ステップ5の各繰り返しが、1つ以上の治療用レーザ光パルスを、1つ以上の標的皮膚領域の異なる選択された1つに適用することを含む、繰り返すことを更に含む、段落102に記載の方法。
104.第1の皮膚領域を撮像することが、紫外照明下の画像、赤外照明下の画像、及び視覚照明下の画像のうちの少なくとも1つを取得することを含む、段落101に記載の方法。
105.少なくとも第1の画像を処理して、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも1つを識別することが、1つ以上の標的皮膚領域を、非標的皮膚領域と比較して、異なる皮膚の色及び異なる皮膚色素沈着の少なくとも1つを有する領域として識別することを含む、段落101に記載の方法。
106.1つ以上の標的皮膚領域の治療マップを生成することが、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の各々の地理的場所及び境界を識別するマップを生成することを含む、段落101に記載の方法。
107.ステップ(5)~(7)を自動的に実行して、生成されたパルス治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の所望の部分に向けながら、生成されたパルス治療用レーザ光を非標的皮膚領域に向けない、段落102に記載の方法。
201.治療用レーザ光を用いて患者の皮膚組織を治療するためのシステムであって、
a)パルス化治療用レーザ光を生成することができる治療用レーザ光源と、
b)治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取り、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向けるための治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータであって、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の所望の部分に向けるための少なくとも1つの可動光学素子を含む、アプリケータと、
c)患者の第1の皮膚領域を撮像して、第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を取得することができる少なくとも1つの撮像ユニットと、
d)コントローラであって、1つ以上のプロセッサであって、
1)少なくとも第1の画像の陰影、色、及び形状のうちの少なくとも1つに基づいて、第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を処理し、第1の皮膚領域内で、
A)1つ以上の標的皮膚領域と、
B)非標的皮膚領域と、を識別することと、
2)識別された1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいて、第1の皮膚領域の治療マップを生成することと、
3)治療マップを使用して可動光学素子を制御して、生成されたパルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の第1の所望の部分に向けることと、
4)生成されたパルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の第2の所望の部分に向けるように可動光学素子を移動させることと、
5)非標的皮膚領域を実質的に非治療のままにしながら、1つ以上の標的皮膚領域がパルス化治療用レーザ光で治療されるまで、ステップ4を1回以上繰り返すことと、のためのプロセッサを有する、コントローラと、を備える、システム。
301.治療デバイスであって、
撮像デバイスと、
カメラと、
スキャナと、
光源と、
レーザデバイスと、
カメラ画像データを介して生成するように構成されたプロセッサであって、1つ以上の治療領域を決定するように構成され、1つ以上の治療領域の1つ以上の特性を決定するように構成され、1つ以上の治療領域の決定された特性に基づいて、決定された1つ以上の治療領域の治療のための1つ以上のレーザデバイスパラメータを決定するように構成された、プロセッサと、を備える、治療デバイス。
302.光源が、可視光、紫外(UV)光、及び近赤外(NIR)光のうちの少なくとも1つを放射することが可能である、段落301に記載の治療デバイス。
303.光源がLEDデバイスである、段落301に記載の治療デバイス。
304.光源が、周囲光及び電動光源から選択される、段落301に記載の治療デバイス。
400.治療用レーザ光を用いて患者の皮膚組織を治療するためのシステムであって、
a)治療用レーザ光源及びアプリケータを制御するように構成されたコントローラと、
b)パルス化治療用レーザ光を生成するように構成された治療用レーザ光源であって、生成されたパルス化治療用レーザ光の1つ以上のパラメータを調整するように構成されている、治療用レーザ光源と、
c)治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取るように構成された治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータであって、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向けるように構成され、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の標的部分に向けさせるための1つ以上の可動光学素子を含む、アプリケータと、を備える、システム。
401.コントローラが、1つ以上のプロセッサを介して1つ以上の標的皮膚領域を決定するように構成されている、段落400に記載のシステム。
402.コントローラが、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性に基づいて、1つ以上のプロセッサを介して少なくとも1つの療法手順を決定するように構成されている、段落401に記載のシステム。
403.1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性が、領域の色、サイズ、厚さ、層、及び/又は形状のうちの少なくとも1つである、段落402に記載のシステム。
404.第1の療法手順が、多要素コンフルエント治療を含む、段落402に記載のシステム。
405.多要素コンフルエント治療が、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第1の部分で完了する第1の療法治療を含み、第1の療法治療が1つ以上の標的皮膚領域で完了した後、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第2の部分で第2の療法治療を開始する、段落404に記載のシステム。
406.少なくとも第1のスポットサイズ及び第2のスポットサイズが、第1の療法治療中に利用され、第3のスポットサイズが、第2の療法治療中に利用される、段落405に記載のシステム。
407.コントローラが、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性に基づいて、第1のスポットサイズの寸法、第2のスポットサイズの寸法、及び第3のスポットサイズの寸法のうちの少なくとも1つを決定するように構成されている、段落406に記載のシステム。
408.第2の療法手順が、多要素フラクショナル治療を含む、段落402に記載のシステム。
409.多要素フラクショナル治療が、第1の医療状態のための少なくとも第1の治療手順及び第2の医療状態のための第2の治療手順を含む、段落408に記載のシステム。
410.第1の治療手順が、第1のスポットサイズを利用し、第2の治療手順が、第2のスポットサイズを利用する、段落409に記載のシステム。
411.アプリケータが、1つ以上の調整可能素子を介して、パルス化治療用光のサイズを調整するように構成されている、段落400に記載のシステム。
500.治療用レーザ光を用いて患者の皮膚組織を治療するためのシステムであって、
a)治療用レーザ光源及びアプリケータを制御するように構成されたコントローラと、
b)パルス化治療用レーザ光を生成するように構成された治療用レーザ光源であって、生成されたパルス化治療用レーザ光の1つ以上のパラメータを調整するように構成されている、治療用レーザ光源と、
c)治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取るように構成された治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータであって、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向けるように構成され、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の標的部分に向けさせるための1つ以上の可動光学素子を含む、アプリケータと、を備える、システム。
501.コントローラが、1つ以上のプロセッサを介して1つ以上の標的皮膚領域を決定するように構成されている、段落500に記載のシステム。
502.コントローラが、1つ以上のプロセッサを介して、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性に基づいて1つ以上の療法手順を決定するように構成される、段落501に記載のシステム。
503.1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性が、領域の色、サイズ、厚さ、層、及び/又は形状のうちの少なくとも1つである、段落502に記載のシステム。
504.第1の療法手順が、多要素コンフルエント治療を含む、段落502に記載のシステム。
505.多要素コンフルエント治療が、第1のパルス化治療用レーザ光の第1のパス中に、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第1の部分で完了される第1の療法治療、及び第2のパルス化治療用レーザ光の第2のパス中に、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第2の部分で完了される第2の療法治療を含む、段落504に記載のシステム。
506.第1の空間治療手順が第1の療法治療中に利用され、第2の空間治療手順が第2の療法治療中に利用される、段落505に記載のシステム。
507.第2の療法手順が、多要素フラクショナル治療を含む、段落502に記載のシステム。
508.多要素フラクショナル治療が、第1の医療状態のための少なくとも第1の治療手順及び第2の医療状態のための第2の治療手順を含む、段落507に記載のシステム。
509.第1の治療手順が、第1のパルス持続時間を利用し、第2の治療手順が、第2のパルス持続時間を利用する、段落508に記載のシステム。
510.第1の治療手順が、第2の治療手順と同時に発生する、段落508に記載のシステム。
511.第1の治療手順と第2の治療手順との間に遅延期間が利用される、段落508に記載のシステム。
600.治療用レーザ光を用いて患者の皮膚組織を治療するためのシステムであって、
a)治療用レーザ光源及びアプリケータを制御するように構成されたコントローラと、
b)パルス化治療用レーザ光を生成するように構成された治療用レーザ光源であって、生成されたパルス化治療用レーザ光の1つ以上のパラメータを調整するように構成されている、治療用レーザ光源と、
c)治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取るように構成された治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータであって、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向けるように構成され、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の標的部分に向けさせるための1つ以上の可動光学素子を含む、アプリケータと、を備える、システム。
d)1つ以上の治療領域の撮像データをコントローラに提供するように構成された撮像デバイスであって、コントローラが、センサを介してアプリケータの速度を決定するように構成され、コントローラが、1つ以上の治療領域の撮像データに基づいて、1つ以上の治療領域までの1つ以上の距離を決定するように構成され、コントローラが、アプリケータの速度及び1つ以上の治療領域までの1つ以上の距離に基づいて、1つ以上の治療領域までの1つ以上の時間を決定するように構成され、コントローラが、ゼロ値に達する1回以上の回数に基づいて、1つ以上の治療領域に対して1つ以上の治療を開始するように構成されている、撮像デバイスと、を備える、システム。
601.1つ以上の治療が、複数回のパス治療手順の一部である、段落600に記載のシステム。
602.複数回のパス治療手順が、アプリケータの複数回のパス中に治療層を提供する、段落601に記載のシステム。
603.治療層が1つ以上の治療領域上に位置する、段落602に記載のシステム。
604.治療層が、25パーセント~35パーセントの密度の標的値を有する、段落603に記載のシステム。
605.治療層が、30パーセントの密度の標的値を有する、段落602に記載のシステム。
606.1つ以上の治療が、第1のパルス化治療用レーザ光の第1のパスの間の1つ以上の治療領域の少なくとも第1の部分に対する第1の療法治療、及び第2のパルス化治療用レーザ光の第2のパスの間の1つ以上の治療領域の少なくとも第2の部分に対する第2の療法治療を含む多要素コンフルエント治療を含む、段落600に記載のシステム。
【0125】
一実施形態では、治療用レーザ光を用いて患者の皮膚を治療する方法は、患者の第1の皮膚領域を撮像して少なくとも第1の画像を取得することと、第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を少なくとも1つのプロセッサで処理して、第1の皮膚領域内で、1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域を識別することと、識別された1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいて、第1の皮膚領域の治療マップを生成することと、及び/又は非標的領域を治療用レーザ光を用いて治療しないままにしながら、生成された治療用レーザマップに基づいて、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも一部分を治療用レーザ光を用いて治療することと、を含み得る。
【0126】
別の例では、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも一部分を治療することは、パルス化治療用レーザ光を生成できる治療用レーザ光源を提供(及び/又は使用)することと、パルス化治療用光を受け取り、1つ以上の標的皮膚領域の所望の部分に向けるために、治療用レーザ光源に光学的に結合された少なくとも1つの可動光学素子を提供(及び/又は使用)することと、パルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の所望の部分に向けるように可動光学素子を制御するための少なくとも1つのコントローラを提供(及び/又は使用)することと、治療用レーザ光源を使用してパルス化治療用レーザ光を生成することと、コントローラを使用して可動光学素子を制御して、1つ以上の治療用レーザ光パルスを、1つ以上の標的皮膚領域のうちの選択された1つの第1の所望の部分に向けることと、コントローラを使用して可動光学素子を移動させて、1つ以上の治療用レーザ光パルスを、第1の所望の部分とは異なる標的皮膚領域のうちの選択された1つの所望の部分に向けることと、及び/又はコントローラを使用して可動光学素子を移動させ、第1の所望の部分とは異なる標的皮膚領域のうちの選択された1つの所望の部分に1つ以上の治療用レーザ光パルスを向けるステップを1つ以上の標的皮膚領域のうちの選択された1つの所望の部分が治療用レーザ光パルスを用いて治療されるまで1回以上繰り返すことと、を含み得る。
【0127】
別の例では、方法は、治療用レーザ光源を使用してパルス化治療用レーザ光を生成することを繰り返すことと、1つ以上の治療用レーザ光パルスを1つ以上の標的皮膚領域の選択された1つの第1の所望の部分に向けてコントローラを使用して可動光学素子を制御することと、1つ以上の治療用レーザ光パルスを第1の所望の部分とは異なる標的皮膚領域の選択された1つの所望の部分に1回以上のステップで向けてコントローラを使用して移動させることと、を含み得、治療用レーザ光源ステップを使用してパルス化治療用レーザ光を生成する各繰り返しは、1つ以上の治療用レーザ光パルスを1つ以上の標的皮膚領域の異なる選択された1つに適用することを含み得る。
【0128】
別の例では、第1の皮膚領域を撮像することは、紫外照明下の画像、赤外照明下の画像、及び視覚照明下の画像のうちの少なくとも1つを取得することを含む。別の例では、少なくとも第1の画像を処理して1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも1つを識別することは、1つ以上の標的皮膚領域を、非標的皮膚領域と比較して、異なる肌の色及び異なる皮膚色素沈着の少なくとも1つを有する領域として識別することを含む。別の例では、1つ以上の標的皮膚領域の治療マップを生成することは、第1の皮膚領域内の1つ以上の標的皮膚領域の各々の地理的場所及び境界を識別するマップを生成することを含む。
【0129】
別の例では、治療用レーザ光源を使用してパルス化治療用レーザ光を生成することと、1つ以上の治療用レーザ光パルスを1つ以上の標的皮膚領域の選択された1つの第1の所望の部分に向けてコントローラを使用して可動光学素子を制御することと、1つ以上の治療用レーザ光パルスを第1の所望の部分とは異なる標的皮膚領域の選択された1つの所望の部分に向けてコントローラを使用して可動光学素子を移動させることと、のステップが、生成されたパルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の所望の部分に向けて、生成されたパルス化治療用レーザ光を非標的皮膚領域に向けないように、自動的に実行される。
【0130】
別の実施形態では、治療用レーザ光を用いて患者の皮膚を治療するためのシステムは、パルス化治療用レーザ光を生成することができる治療用レーザ光源と、治療用レーザ光源に光学的に結合され、治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取り、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向けるためのアプリケータであって、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の所望の部分に向けるための少なくとも1つの可動光学素子を備える、アプリケータと、患者の第1の皮膚領域を撮像して、第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を取得することができる少なくとも1つの撮像ユニットと、及び/又は第1の皮膚領域の少なくとも第1の画像を処理して、第1の皮膚領域内で、1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域を識別することと、識別された1つ以上の標的皮膚領域及び非標的皮膚領域に基づいて、第1の皮膚領域の治療マップを生成することと、治療マップを使用して可動光学素子を制御して、生成されたパルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の第1の所望の部分に向けることと、可動光学素子を移動させて、生成されたパルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の第2の所望の部分に向けることと、及び/又は非標的皮膚領域を実質的に非治療のままにしながら、1つ以上の標的皮膚領域がパルス化治療用レーザ光で治療されるまで、可動光学素子を移動させて生成されたパルス化治療用レーザ光を1つ以上の標的皮膚領域の第2の所望の部分に向けるステップを1回以上繰り返すことと、のための1つ以上のプロセッサを有する、コントローラと、を含み得る。
【0131】
別の実施形態では、治療デバイスは、撮像デバイス、カメラ、スキャナ、光源、レーザデバイス、及び/又はカメラ画像データを介して生成するプロセッサを含み、プロセッサは、1つ以上の治療領域を決定し、プロセッサは、1つ以上の治療領域の1つ以上の特性を決定し、プロセッサは、1つ以上の治療領域の決定された特性に基づいて、決定された1つ以上の治療領域の治療のための1つ以上のレーザデバイスパラメータを決定する。
【0132】
別の例では、光源は、可視光を放射することが可能である。別の例では、光源は、紫外(UV)光を放射することが可能である。別の例では、近赤外(NIR)光を放射することができる光源。別の例では、光源はLEDデバイスである。別の例では、光源は、周囲光及び電気的に駆動される光源から選択される。別の例では、本明細書に開示される光源のいずれかは、任意の方式で利用及び/又は組み合わせられてもよい。
【0133】
別の実施形態では、治療用レーザ光で患者の皮膚を治療するためのシステムは、コントローラであって、治療用レーザ源とアプリケータを制御し、治療用レーザ光源はパルス化治療用レーザ光を生成し、治療用レーザ光源は、生成されたパルス化治療用レーザ光の1つ以上のパラメータを調整し、及び/又は治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータは、治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取り、アプリケータは、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向け、アプリケータは、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の標的部分に向けるための1つ以上の可動光学素子を含み、アプリケータは、1つ以上の調整可能な素子を介してパルス化治療用光のサイズを調整する、コントローラを含む。
【0134】
別の例では、コントローラは、1つ以上のプロセッサを介して、1つ以上の標的皮膚領域を決定する。別の例では、コントローラは、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性に基づいて、1つ以上のプロセッサを介して少なくとも1つの療法手順を決定する。別の例では、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性は、領域の色、サイズ、厚さ、層、及び/又は形状のうちの少なくとも1つである。別の例では、第1の療法手順は、多要素コンフルエント治療を含む。別の例では、多要素コンフルエント治療は、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第1の部分で完了し、第1の療法治療が1つ以上の標的皮膚領域で完了した後、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第2の部分で第2の療法治療を開始する第1の療法治療を含む。別の例では、少なくとも第1のスポットサイズ及び第2のスポットサイズは、第1の療法治療中に利用され、第3のスポットサイズは、第2の療法治療中に利用される。別の例では、コントローラは、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性に基づいて、第1のスポットサイズの寸法、第2のスポットサイズの寸法、及び第3のスポットサイズの寸法のうちの少なくとも1つを決定する。別の例では、第2の療法手順は、多要素フラクショナル治療を含む。別の例では、多要素フラクショナル治療は、第1の医療状態のための少なくとも第1の治療手順及び第2の医療状態のための第2の治療手順を含む。別の例では、第1の治療手順は、第1のスポットサイズを利用し、第2の治療手順は、第2のスポットサイズを利用する。
【0135】
別の実施形態では、治療用レーザ光を用いて患者の皮膚を治療するためのシステムは、治療用レーザ光源及びアプリケータを制御するように構成されたコントローラを含み、治療用レーザ光源は、パルス化治療用レーザ光を生成するように構成され、治療用レーザ光源は、生成されたパルス化治療用レーザ光の1つ以上のパラメータを調整するように構成され、及び/又は治療用レーザ光源に光学的に結合されたアプリケータは、治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取るように構成され、アプリケータは、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向けるように構成され、アプリケータは、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の一部に向けるための1つ以上の可動光学素子を含む。
【0136】
別の例では、コントローラは、1つ以上のプロセッサを介して、1つ以上の標的皮膚領域を決定する。別の例では、コントローラは、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性に基づいて、1つ以上のプロセッサを介して1つ以上の療法手順を決定する。別の例では、1つ以上の標的皮膚領域の1つ以上の特性は、領域の色、サイズ、厚さ、層、及び/又は形状のうちの少なくとも1つである。別の例では、第1の療法手順は、多要素コンフルエント治療を含む。別の例では、多要素コンフルエント治療は、第1のパルス化治療用レーザ光の第1のパス中に、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第1の部分で完了される第1の療法治療、及び第2のパルス化治療用レーザ光の第2のパス中に、1つ以上の標的皮膚領域の少なくとも第2の部分で完了される第2の療法治療を含む。別の例では、第1の空間治療手順は、第1の療法治療中に利用され、第2の空間治療手順は、第2の療法治療中に利用される。別の例では、第2の療法手順は、多要素フラクショナル治療を含む。別の例では、多要素フラクショナル治療は、第1の医療状態のための少なくとも第1の治療手順及び第2の医療状態のための第2の治療手順を含む。別の例では、第1の治療手順は、第1のパルス持続時間を利用し、第2の治療手順は、第2のパルス持続時間を利用する。別の例では、第1の治療手順は、第2の治療手順と同時に発生する。別の例では、遅延期間は、第1の治療手順と第2の治療手順との間で利用される。
【0137】
別の実施形態では、別の実施形態では、治療用レーザ光を用いて患者の皮膚を治療するためのシステムは、治療用レーザ源及びアプリケータを制御するように構成されたコントローラであって、治療用レーザ光源は、パルス化治療用レーザ光を生成するように構成され、治療用レーザ光源は、生成されたパルス化治療用レーザ光の1つ以上のパラメータを調整するように構成され、アプリケータは、治療用レーザ光源に光学的に結合され、治療用レーザ光源からパルス化治療用レーザ光を受け取るように構成され、アプリケータは、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚に向けるように構成され、アプリケータは、パルス化治療用レーザ光を患者の皮膚の標的部分に向けるための1つ以上の可動光学素子を含む、コントローラと、及び/又は1つ以上の治療領域の撮像データをコントローラに提供する撮像デバイスであって、コントローラは、センサを介してアプリケータの速度を決定するように構成され、コントローラは、1つ以上の治療領域の撮像データに基づいて、1つ以上の治療領域までの1つ以上の距離を決定するように構成され、コントローラは、アプリケータの速度及び1つ以上の治療領域までの1つ以上の距離に基づいて、1つ以上の治療領域までの1つ以上の時間を決定するように構成され、コントローラは、ゼロ値に達する1回以上の回数に基づいて、1つ以上の治療領域に対して1つ以上の治療を開始するように構成されている、撮像デバイスと、を含む。
【0138】
別の例では、1つ以上の治療は、複数回のパス治療手順の一部である。別の例では、複数回のパス治療手順は、アプリケータの複数回のパス中に治療層を提供する。別の例では、治療層は、1つ以上の治療領域上に位置する。別の例では、治療層は、25パーセント~35パーセントの密度の標的値を有する。別の例では、治療層は、30パーセントの密度の標的値を有する。別の例では、治療層は、5パーセント~45パーセントの密度の標的値を有する。別の例では、1つ以上の治療は、多要素コンフルエント治療を含む。別の例では、多要素コンフルエント治療は、第1のパルス化治療用レーザ光の第1のパス中に、1つ以上の治療領域の少なくとも第1の部分で完了される第1の療法治療、及び第2のパルス化治療用レーザ光の第2のパス中に、1つ以上の治療領域の少なくとも第2の部分で完了される第2の療法治療を含む。
【0139】
本明細書で使用される場合、「モバイルデバイス」という用語は、随時変化する位置を有し得るデバイスを指す。そのような位置の変化は、方向、距離、及び/又は向きの変化を含み得る。特定の例では、モバイルデバイスは、携帯電話、無線通信デバイス、ユーザ機器、ラップトップコンピュータ、他のパーソナル通信システム(「PCS」)デバイス、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、パーソナルオーディオデバイス(「PAD」)、ポータブルナビゲーションデバイス、又は他のポータブル通信デバイスを含み得る。モバイルデバイスはまた、機械可読命令によって制御される機能を実行するように適合されたプロセッサ又はコンピューティングプラットフォームを含み得る。
【0140】
本明細書に記載の方法及び/又は方法論は、特定の例によるアプリケーションに応じて、様々な手段によって実装され得る。例えば、そのような方法論は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る。ハードウェア実装形態では、例えば、処理ユニットは、1つ以上の特定用途向け集積回路(「ASIC」)、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、デジタル信号処理デバイス(「DSPD」)、プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書に記載される機能を実行するように設計された他のデバイスユニット、又はそれらの組み合わせ内に実装され得る。
【0141】
この詳細な説明のいくつかの部分は、固有の装置又は特殊目的のコンピューティングデバイス又はプラットフォームのメモリに記憶されたバイナリデジタル信号上の動作のアルゴリズム又はシンボリック表現の観点から提示される。本明細書の文脈では、プログラムソフトウェアからの命令に従って特定の動作を実行するようにプログラムされると、固有の装置などという用語には汎用コンピュータが含まれる。アルゴリズムは、所望の結果につながる動作の自己一貫性のあるシーケンス又は同様の信号処理であると考えられる。この文脈では、動作又は処理は、物理量の物理的操作を伴う。典型的には、必ずしもそうではないが、そのような量は、記憶される、転送される、組み合わされる、比較される、又はそうでなければ操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとり得る。主に一般的な使用の理由から、ビット、データ、値、要素、記号、文字、用語、数、数字などの信号を参照することが便利であることが証明されている。しかしながら、これら又は同様の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられ、単なる便利なラベルであることを理解されたい。特に明記されない限り、「処理する」、「コンピューティングする」、「計算する」、「決定する」などの本明細書の用語は、特殊目的のコンピュータ又は電子コンピューティングデバイスなどの固有の装置のアクション又はプロセスを指す。したがって、本明細書の文脈では、特殊目的のコンピュータ又は電子コンピューティングデバイスは、特殊目的のコンピュータ又は同様の特殊目的の電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、又は他の情報記憶デバイス、伝送デバイス、又はディスプレイデバイス内の物理電子的又は磁気的な量として典型的に表される信号を操作又は変換することができる。
【0142】
本明細書全体を通して、「1つの例」、「一例」、「実施形態」、「方法」、及び/又は「別の例」への言及は、特定の特徴、構造、又は特性が1つ以上の例で組み合わせられ得ることを意味するとみなされるべきである。本開示の任意の要素と本開示の任意の他の要素との任意の組み合わせが本明細書で開示される。例えば、ページ3の要素は、この文書内の任意の要素(例えば、ページ6の要素)と組み合わせることができる。別の例では、第1のフローチャート(
図14)からの任意の要素は、N番目のフローチャート(
図22)内の任意の要素及び/又は任意の他のフローチャート内の任意の他の要素及び/又はこの文書内の任意の他の要素と組み合わせられてもよい。
【0143】
現在例示的な特徴であると考えられるものが例示され、説明されてきたが、開示された主題から逸脱することなく、様々な他の修正が行われ得、等価物が置き換えられ得ることが当業者によって理解されるであろう。付加的に、本明細書に記載の中心概念から逸脱することなく、特定の状況を開示された主題の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、開示される主題は、開示される特定の実施例に限定されない。
【国際調査報告】