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特表2024-533105アセトバクターを阻害するためのサイレージ接種剤
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  • 特表-アセトバクターを阻害するためのサイレージ接種剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】アセトバクターを阻害するためのサイレージ接種剤
(51)【国際特許分類】
   A23K 10/12 20160101AFI20240905BHJP
   C12N 1/16 20060101ALI20240905BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20240905BHJP
   A23K 30/18 20160101ALI20240905BHJP
【FI】
A23K10/12
C12N1/16 G
C12N1/20 A
A23K30/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513547
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 US2022075563
(87)【国際公開番号】W WO2023034734
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/238,388
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500207899
【氏名又は名称】パイオニア ハイ-ブレッド インターナショナル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】デニス,スコット マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アイムス,ジョン シー
(72)【発明者】
【氏名】マハンナ,ウィリアム シー
(72)【発明者】
【氏名】スマイリー,ブレンダ
【テーマコード(参考)】
2B150
4B065
【Fターム(参考)】
2B150AA01
2B150AA02
2B150AA03
2B150AA04
2B150AA05
2B150AB20
2B150AC05
2B150AC06
2B150AD03
2B150AD08
2B150AE01
2B150AE26
2B150BB01
2B150EB02
2B150EE01
4B065AA30X
4B065AA79X
4B065CA43
(57)【要約】
サイレージの発酵及び安定化を増加させることによって好気的安定性を向上させるようにサイレージを処理するための方法が開示される。方法は、そのサイレージ保存活性、並びに/又はLB7148及びLN7149によってそれぞれ生成される抗アセトバクター属(Acetobacter spp)成分を保持する、その混合物又は変異株を含む、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうち1つ以上を含む組成物でサイレージ又は飼料を処理することを含む。本明細書で開示されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))及びラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))の株は、精製され、単離され、予めサイロ貯蔵された植物性材料に適用されたときに、アセトバクター属(Acetobacter spp)の増殖を阻害し、サイレージの好気的安定性を改善することが判明している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の菌株、予めサイロ貯蔵された植物性材料、及び好適なキャリアを含む組成物であって、前記第1の菌株は、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうちの任意の1つであるか、又はこれらの組み合わせである、組成物。
【請求項2】
第2の菌株を更に含み、前記第2の菌株は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株のうち1つ以上から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酵母菌株を更に含み、前記酵母菌株は、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496のうち1つ以上から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物は、第2の菌株を含み、前記第2の菌株は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689のうち1つ以上を更に含む、請求項1又は3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、1グラムの前記予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の前記第1の菌株の生菌を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、1グラムの前記予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の前記第1の菌株の生菌を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記予めサイロ貯蔵された植物性材料は、イネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、穀類、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理するための方法であって、前記方法は、前記予めサイロ貯蔵された植物性材料に第1の菌株及び好適なキャリアを添加することを含み、前記第1の菌株は、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうちの任意の1つであるか、又はこれらの組み合わせである、方法。
【請求項9】
第2の菌株を前記予めサイロ貯蔵された植物性材料に添加することを更に含み、前記第2の菌株は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株のうち1つ以上から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
酵母菌株を前記予めサイロ貯蔵された植物性材料に添加することを更に含み、前記酵母菌株は、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496のうち1つ以上から選択される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の菌株は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689のうち1つ以上を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の菌株は、1グラムの前記予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の前記第1の菌株の生菌を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の菌株は、1グラムの前記予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の前記第1の菌株の生菌を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記予めサイロ貯蔵された植物性材料は、イネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、穀類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
動物の食肉及び母乳性能を改善する方法であって、前記方法は、動物サイレージを給餌することを含み、前記サイレージは、第1の菌株及び好適なキャリアを含む接種剤で処理された予めサイロ貯蔵された植物性材料を含み、前記第1の菌株は、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうちの任意の1つであるか、又はこれらの組み合わせである、方法。
【請求項16】
前記接種剤は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株、及びこれらの混合物のうち1つ以上から選択される第2の菌株を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記接種剤は、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496、及びこれらの混合物のうち1つ以上から選択される酵母菌株を更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記接種剤は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689のうち1つ以上を含む第2の菌株を更に含む、請求項15又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記接種剤は、1グラムの前記予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の前記第1の菌株の生菌を含有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記接種剤は、1グラムの前記予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の前記第1の菌株の生菌を含有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記予めサイロ貯蔵された植物性材料は、イネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、穀類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、好気的安定性を向上させるように動物飼料を処理し、サイレージを保存する組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイロ貯蔵プロセスは、湿潤性のまぐさ(forage)を保存する方法であり、全世界で用いられている。サイレージは、西欧及び米国のみで年間2億トンを超える乾燥物質を貯蔵する。このプロセスは、嫌気条件下で乳酸菌が水溶性炭水化物を発酵させて有機酸を形成する自然発酵を伴う。これはpHを低下させるため、続いて有害な微生物が阻害され、それにより湿潤性のまぐさが保存される。
【0003】
好気的不安定性は、サイレージ生産における主な問題である。従来は、推奨により、サイレージの消化性を高めるのを助けるために、サイレージを給餌前に少なくとも30日間発酵させることが認められてきた。送出するためにサイレージの貯蔵ユニットを開放する前であっても、管理上の問題(すなわち、不十分なパッキング又は封止)が原因でサイレージが酸素に曝露される場合がある。こうした種類の好気条件下では、酵母菌及びカビが急速に増殖し、そのためサイレージが加熱されて腐敗し、その栄養価が低減する。適切に発酵されなかった作物を動物に給餌すると、乾燥物質摂取量(DMI)を低下させ、産乳量を低減させ、消化不良を引き起こす可能性がある。十分な発酵のための時間を与えれば、最適なDMI及び産乳量のためのより美味で且つ消化に良い飼料が作られる。
【0004】
好気的不安定性は、従来であれば「良好な」発酵と考えられるもの、すなわち、急激なpHの低下及び低い終末pHを経験した接種済みのサイレージであっても問題となる場合がある。同種発酵性乳酸菌(pHを効率的に低下させるための)及び異種発酵性ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))(酵母菌を阻害するための)の両方の組み合わせを含むサイレージ接種剤は、「初期段階」の発酵を促進し、送出時の「最終段階」の加熱を低減するのに効果的な管理手段であることが証明済みである。しかしながら、これらの条件下で不安定性に寄与する酵母菌生物は、酸性条件に耐性のあるもの、及び発酵中に乳酸菌によって産生される乳酸を代謝できるものである場合がある。サイレージの加熱は、酵母菌数が少ない場合であっても起きる場合もある。酵母菌は、サイレージが空気に曝露されたときに加熱を開始する主な原因であると考えられているが、近年、アセトバクター属(Acetobacter spp)も加熱を開始することが報告されている(Mahanna and Dennis,September 10,2017,issue of Hoard’s Dairyman,W.D.Hoard and Sons Company,Fort Atkinson,Wisconsin)。
【0005】
アセトバクター属(Acetobacter spp)は、酸耐性の非常に高いグラム陰性の好気性菌であるため、低いpHはその生存を阻害するものではない。これらは土壌及び水を含む環境中に遍在し、且つ風媒性である。アセトバクター属(Acetobacter spp)は、酸素の存在下でエタノールを酢酸へと選択的に変換する能力を有する。これらは、エタノール濃度が枯渇したときに乳酸及び酢酸を二酸化炭素、水、及び熱へと変換する能力も有する。アセトバクター属(Acetobacter spp)及び酵母菌は、サイレージが空気に暴露されたとき、同時に成長することが多い。アセトバクター属(Acetobacter spp)は、酢酸塩が多いが加熱が発生した、問題あるサイレージ中では比較的高濃度(10E6~10E8cfu/g)で検出された。これらのサイレージの一部は、L.ブフネリ(L.buchneri)を含有する接種剤を接種されてきた。一部の場合では、飼料摂取量の問題も報告されている。
【0006】
サイレージ接種株の生産及びサイロ貯蔵プロセスは複雑であり、多数の化学的及び微生物学的プロセスの相互作用を伴う。たとえ同じ種であっても異なる株は同一の性質を持たず、その発酵及び産生の特徴が異なる。更に、異なるサイレージ及び異なるサイロ貯蔵法は、様々な異なるニーズを提起する。したがって、当該技術分野には、アセトバクター及び酵母菌を阻害することが可能な好気的安定性を向上させるサイレージ接種剤に対するニーズが引き続き存在する。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、その混合物又は変異株を含む、サイレージ品質の保存及びアセトバクター属(Acetobacter spp)阻害性の異種発酵性乳酸菌種を含むサイレージ接種剤を用いる組成物及び方法を提供する。本開示の組成物は、アセトバクター属(Acetobacter spp)の望ましくない効果を阻害し、サイロ貯蔵されたまぐさの好気的安定性を改善し、サイレージの発酵及び安定化を増加させるために用いられ得る。
【0008】
一態様では、こうした組成物は、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうちの任意の1つであるか、又はこれらの組み合わせである第1の菌株、予めサイロ貯蔵された植物性材料、並びに好適なキャリアを含み得るが、これらに限定されない。この態様の特定の例では、第1の菌株(LB7148、LB7149、又はこれらの組み合わせ)は、可逆的不活性化(例えば第1の菌株をフリーズドライ又は凍結乾燥すること)によって包装及び貯蔵するため調製される。可逆的に不活性化された第1の菌株を含むパッケージ又は容器も提供され、これは本明細書に開示される好適なキャリアを更に含み得る。上記の開示される組成物は、一部の場合では、第2の菌株を更に含んでもよく、第2の菌株は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株のうち1つ以上(これらの混合物を含む)から選択される。故に、第2の株は、上記の株のうち1、2、3、4、5、6、又は7個を含み得る。更なる態様では、組成物は、酵母菌株を更に含んでもよく、酵母菌株は、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496、及びこれらの混合物のうち1つ以上から選択される。一態様では、第2の菌株は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689のうち1つ以上(これらの混合物を含む)を含んでもよい。故に、第2の株は、上記の株のうち2、3、4、5、6、又は7個を含み得る。第1の菌株に関して上記で説明したように、第1及び第2の菌株の組み合わせは、不可逆的に不活性化することができ、且つ/又は好適なキャリアと共に容器中で包装若しくは貯蔵することができる。
【0009】
別の態様では、第1の菌株(上記の第2の菌株の有無を問わず)及び予めサイロ貯蔵された植物性材料を含む組成物が提供され、組成物は、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の第1の菌株中の各株(又は両方の株)の生菌を含む。例えば、これらの組成物は、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の第1の菌株中の各株(又は両方の株)の生菌を含んでもよく、或いは、こうした組成物は、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10、10、10、10、10、10、10、10、10、又は1010個の第1の菌株中の各株(又は両方の株)の生菌を含んでもよい。一態様では、予めサイロ貯蔵された植物性材料は、イネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、穀類、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一態様では、本開示の組成物で有用なキャリアは、限定するものではないが炭酸カルシウム、デンプン、マルトデキストリン、及びセルロースなどの液体又は固体であり得る。
【0010】
一態様では、本開示は、予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理するための方法を提供し、方法は、予めサイロ貯蔵された植物性材料に、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうちの任意の1つであるか、又はこれらの組み合わせである第1の菌株、並びに好適なキャリアを添加することを含む。一態様では、予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法は、第2の菌株を予めサイロ貯蔵された植物性材料に添加することを更に含み得、第2の菌株は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株のうち1つ以上(これらの混合物を含む)から選択される。故に、第2の株は、上記の株のうち2、3、4、5、6、又は7個を含み得る。更なる態様では、予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法は、予めサイロ貯蔵された植物性材料に酵母菌株を添加することを更に含み得、酵母菌株は、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496、及びこれらの混合物のうち1つ以上から選択される。一態様では、本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用な第2の菌株は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689、及びこれらの混合物のうち1つ以上を含み得る。故に、第2の株は、上記の株のうち2、3、4、5、6、又は7個を含み得る。一態様では、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の第1の菌株中の各株(又は両方の)株の生菌は、本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用である。一態様では、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の第1の菌株中の各株(又は両方の株)の生菌は、本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用である。或いは、こうした方法は、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10、10、10、10、10、10、10、10、10、又は1010個の第1の菌株中の各株(又は両方の株)の生菌を添加することを含んでもよい。本開示の方法で有用な予めサイロ貯蔵された植物性材料は、イネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、穀類、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。特定の例では、第1の菌株(及び任意で第2の菌株)は、予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する前に水又は水性液体で再活性化される。特定の例では、本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用なキャリアは、限定するものではないが炭酸カルシウム、デンプン、マルトデキストリン、及びセルロースなどの液体又は固体であり得る。本開示の処理方法は、第1の菌(及び/又は第2の菌株)を含む組成物を、予めサイロ貯蔵された植物性材料上に噴霧することを含み得る。
【0011】
一態様では、本開示は、動物の食肉及び母乳性能を改善するための方法を提供し、方法は、動物サイレージを給餌することを含み、サイレージは、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうちの任意の1つであるか、又はこれらの組み合わせである第1の菌株と、好適なキャリアとを含む接種剤で処理された予めサイロ貯蔵された植物性材料を含む。一態様では、動物の食肉及び母乳性能を改善する方法は、接種剤に第2の菌株を添加することを更に含み得、第2の菌株は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株のうち1つ以上(これらの混合物を含む)から選択される。故に、第2の株は、上記の株のうち2、3、4、5、6、又は7個を含み得る。更なる態様では、動物の食肉及び母乳性能を改善する方法は、接種剤に酵母菌株を添加することを更に含み得、酵母菌株は、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496、及びこれらの混合物のうち1つ以上から選択される。一態様では、本開示の動物の食肉及び母乳性能を改善する方法で有用な接種剤に添加される第2の菌株は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)株(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689のうち1つ以上(これらの混合物を含む)を含み得る。故に、第2の株は、上記の株のうち2、3、4、5、6、又は7個を含み得る。一態様では、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の第1の菌株中の各株(又は両方の株)の生菌は、本開示の動物の食肉及び母乳性能を改善する方法で有用である。一態様では、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の第1の菌株中の各株(又は両方の)株の生菌は、本開示の動物の食肉及び母乳性能を改善する方法で有用である。或いは、この方法は、動物の食肉及び母乳性能を改善するために、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10、10、10、10、10、10、10、10、10、又は1010個の第1の菌株中の各株(又は両方の株)の生菌で処理された動物サイレージを給餌することを含み得る。一態様では、本開示の動物の食肉及び母乳性能を改善する方法で有用な予めサイロ貯蔵された植物性材料は、イネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、穀類、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一態様では、本開示の動物の食肉及び母乳性能を改善する方法で有用なキャリアは、限定するものではないが炭酸カルシウム、デンプン、マルトデキストリン、及びセルロースなどの液体又は固体であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の株、すなわちラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-67991(LB7148)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-67992(LN7149)のそれぞれの、Eco RIで消化し、1×TAE緩衝液中0.7%LEアガロース上で電気泳動されたトータルDNAプロファイルを含有する臭化エチジウム染色アガロースゲルを、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))ATCC 202118(LN3957)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-30865(LB1154)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-30866(LN4888)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50731(LB5328)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50732(LB7123)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-50733(LN7125)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2493(LN1391)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2494(LN4637)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2495(LN4750)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-6138(LN4017)の、Eco RIで消化し、1×TAE緩衝液中0.7%LEアガロース上で電気泳動されたトータルDNAプロファイルと比較して示す。図1に示すように、各株は固有のEco RIトータルDNAプロファイルを有する。これらの株のそれぞれは、互いに固有であり異なる株であることが示された。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本明細書中の開示をより詳細に説明するが、ここでは可能な態様の全てではなく一部を示す。実際には、開示は、多くの異なる形態で具現化が可能であり、本明細書中に記載した態様に限定されると解釈すべきではなく、これらの態様は、本開示が適用法の要件を満たすように提供される。
【0014】
本明細書で開示されている多くの変更及び他の態様は、本開示の組成物及び方法が関連する技術分野の当業者であって、以下の説明で提示された教示の恩恵を有する者であれば、思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の態様に限定されるべきではなく、変更及び他の態様が添付の請求項の範囲に含まれることが意図されるものと理解されたい。本明細書中には特定の用語が使用されるが、それらは、一般的且つ記述的意味でのみ使用されるものであって、限定を目的として使用されるものではない。
【0015】
本明細書に使用される専門用語は、単に特定の態様を説明するためのものであり、限定を目的とするものではないことも理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用するとき、用語「含む」には、「からなる」の態様が含まれ得る。他に定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本開示の組成物及び方法が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同一の意味を有する。本明細書に記載されるものに対して同様の、修正された、又は同等の多くの方法及び材料が、過度の実験を行うことなく本開示の実施形態の実施で使用することができ、好ましい材料及び方法が本明細書に記載される。本明細書及びそれに続く特許請求の範囲では、本明細書で定義される多くの用語が引用されることになる。
【0016】
単位、接頭語及び記号は、それらのSIに承認された形態で表記され得る。本明細書内で列挙される数字範囲は、その範囲を定義する数値を含み、定義された範囲内の各整数を含む。
【0017】
冠詞「a」及び「an」は、本明細書では、冠詞の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の文法的目的語を指すために使用される。一例として、「要素(an element)」は、1つ以上の要素を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「動物の性能」とは、食肉、母乳、卵、子孫、又は労働の産量を意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき「サイロ貯蔵する」又は「サイロ貯蔵された」とは、飼料及びバイオ燃料用のまぐさ、未熟な穀類作物、及びその他のバイオマス作物を保存するために用いられる嫌気的発酵プロセスを指す。いくつかの実施形態では、サイロ貯蔵のプロセスは、まぐさを微生物接種剤と接触させ、混合物を嫌気条件下で貯蔵する工程を含む。特定の実施形態では、サイロ貯蔵のプロセスは、空気を排除するようなやり方で、まぐさを嫌気条件下で貯蔵する工程を含む。本明細書の他の箇所に記載されている微生物接種剤を接種されたまぐさも、空気を排除するようなやり方で包装及び貯蔵される。まぐさの含水量は、貯蔵手段、圧縮量、及び貯蔵中に予期される水分損失に応じて約50%~約80%であり得る。サイロ貯蔵又は貯蔵は、サイロ、サイレージヒープ(silage heap)、サイレージピット(silage pit)、サイレージベール、又は後で使用するために選択された植物性材料をサイロ貯蔵及び貯蔵するのに適した任意の他の方法で行われ得る。本明細書の他の箇所で説明される微生物接種剤を含む植物性材料は、所望の成熟段階でサイレージを生産するのに適した任意の時間サイロ貯蔵され得る。いくつかの実施形態では、サイロ貯蔵は、約7、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約55、約60、約65、約70日、約4ヶ月、約8ヶ月、約12ヶ月、約18ヶ月、若しくは約24ヶ月間、又は実行者によって好適だと見なされる任意の期間行われる。サイロ貯蔵プロセスは、任意の雰囲気温度、例えば0~45℃の雰囲気温度で行われ得る。しかしながら、サイロ貯蔵される植物性材料の温度は45℃超まで上昇し得る。成熟したサイレージは、動物飼料用に使用されてもよく、後に使用するために冷凍及び貯蔵されてもよく、又はバイオガスを生産するためにバイオガス発生装置に添加されてもよい。
【0020】
本明細書で使用するとき、「機能的変異体」とは、天然で発生するか人工的かを問わず遺伝子改変された参照される株を意味し、遺伝子改変された参照される株は、参照される株の活性の少なくとも50%を保持する。遺伝子改変は、化学的変異原、イオン化放射線、トランスポゾンに基づく変異誘発、又は、遺伝物質のレシピエント若しくはドナーのいずれかとして参照される株を用いる接合、形質導入、若しくは形質転換を介してなどであるがこれらに限定されない任意の手段を介して達成することができる。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「異種発酵性乳酸菌種」とは、非限定的であるが、リューコノストック属(leuconostocs)、一部のラクトバシラス属(lactobacillus)、オエノコッカス属(oenococci)、及びワイセラ属(weissella)の種を含むと解釈されるものとする。ヘテロ発酵生物は、乳酸、エタノール、酢酸、及び二酸化炭素を産生し、その比率は利用可能な基質に応じて変化する。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「同種発酵性乳酸菌種」とは、非限定的であるが、エムデン-マイヤーホフ(E-M)経路によってヘキソースを発酵させる一部のラクトバシラス属(lactobacilli)、並びにエンテロコッカス属(enterococci)、ラクトコッカス属(lactococci)、ペジオコッカス属(pediococci)、ストレプトコッカス属(streptococci)、テトラジェノコッカス属(tetragenococci)、及びバゴコッカス属(vagococci)のうち大半の種を含むと解釈されるものとする。同種発酵性とは、乳酸が主要代謝物であり、二酸化炭素の産生がないことを表す。各六炭糖分子で、同種発酵性乳酸菌は、2個の乳酸分子を産生する。
【0023】
本明細書で使用するとき、「単離された」とは、未接種のサイレージ又は他の植物性材料を含むがこれに限定されない天然源から除去されたことを意味する。
【0024】
本明細書で使用するとき、「微生物接種剤」又は「接種剤」とは、少なくとも1種の細菌培養物及び好適なキャリアを含む組成物を指す。「組み合わせ微生物接種剤」又は「組み合わせ接種剤」は、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、又はこれ以上の細菌培養物、及び好適なキャリアを含む。細菌培養物は、少なくとも1種の菌株を含み、例えば少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、又はこれ以上などの複数の菌株を含んでもよい。本明細書で開示される方法及び組成物で有用な細菌培養物としては、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の方法及び組成物で有用な、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない他の菌株と組み合わせてもよい。本開示の組成物及び方法で有用な、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149と組み合わせてもよい特定の菌株としては、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP3710(特許寄託番号PTA-6136)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP3779(特許寄託番号PTA-6137)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109(特許寄託番号PTA-6139)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB1154(特許寄託番号NRRL B-30865)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。更に、別の菌株の有無に関わらず、酵母菌も、本明細書で開示される方法及び組成物で有用な特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149と組み合わせてもよく、この酵母菌としては、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書で使用するとき、「予めサイロ貯蔵された植物性材料」としては、発酵前のイネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、ホソムギ、穀草類、油糧種子類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの全てが、本開示の実施形態の接種剤で成功裏に処理することが可能である。本開示の実施形態の接種剤は、高水分コーン(high moisture corn、HMC)の処理においても有用である。
【0026】
本明細書で使用するとき、「油糧種子」としては、ヒマワリ、キャノーラ、ダイズ、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用するとき、「精製された」は、細菌種又は株が、それが単離された供給源で見出される酵母菌、カビ、及び/又は他の細菌種若しくは株から実質的に分離され、且つこれらと比較して富化されていることを意味する。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「サイレージ」とは、イネ科牧草サイレージ、アルファルファサイレージ、コムギサイレージ、マメ科牧草サイレージ、ヒマワリサイレージ、オオムギサイレージ、ホールプラントコーンサイレージ(whole plant corn silage、WPCS)、ソルガムサイレージ、発酵穀類、及びイネ科牧草混合物などが挙げられるがこれらに限定されない、あらゆる種類の発酵農産物を包含することが意図されている。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「株」又は「株(複数可)」は、非限定的であるが、本明細書で開示される組成物、方法、及び実施例によって説明及び定義されるようにまぐさの好気的安定性を改善する機能的活性を保持する、本明細書で開示される様々な菌株、例えば、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149の任意の変異体又は誘導体を含むと解釈されるものとする。
【0030】
サイロ貯蔵されたまぐさの好気的安定性を改善し、サイレージの発酵及び安定化を増加させ、アセトバクター属の増殖を阻害する微生物が単離及び精製されている。L.ブフネリ(L.buchneri)又はL.ブレビス(L.brevis)種の特定の株は、アセトバクター属の増殖を阻害して乳酸レベルを低減させることのみではなく、サイレージ中で好気的不安定性を生じさせることに寄与する微生物を阻害する物質を産生することによって、サイレージの好気的安定性を強化することが示されている。
【0031】
サイロ貯蔵まぐさの主要な目的は、作物中の元の乾燥物質、栄養素、及びエネルギーを、後の時点で給餌するために最大量で保存することである。このプロセスは、サイレージ発酵の4つの一般的段階を特徴とすることができる。
【0032】
サイロ貯蔵ユニットを封止したとき、植物粒子間にまだ酸素が存在しており、且つpHが6.0~6.5である場合、サイレージ発酵の第1の段階は好気性である。これらの条件は、継続的な植物の呼吸、プロテアーゼ活性、並びに好気性及び通性好気性の微生物の活性を可能にする。
【0033】
サイレージ発酵の第2の段階は発酵であり、これはサイレージが嫌気性になってから数日~数週間持続する。乳酸菌は増殖して主要な微生物個体群となり、それにより乳酸及び他の有機酸を産生し、pHを3.8~5.0に低下させる。
【0034】
サイレージ発酵の第3の段階は安定であり、空気がサイロ貯蔵ユニットに侵入するのを防いでいる限りは、まぐさ特性の変化はほとんど発生しない。
【0035】
サイレージ発酵の最終段階は送出であり、サイレージが最終的にサイロ貯蔵ユニットから取り出されて空気に曝露される。これは、腐敗の原因となり得る好気性微生物、主に酵母菌、カビ、桿菌、及び酢酸菌の再活性化をもたらす。
【0036】
この状態の予防に役立つように用いられる管理技法としては、サイロ貯蔵プロセス中にサイレージを十分に充填するように配慮すること(急速充填、圧密化、封止処理、及び表面管理を含む)、及び、残留するサイレージの曝気を最小限にするよう給餌用のサイレージの取り出しに配慮することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
サイレージの好気的な劣化のしやすさの度合いは、物理的、化学的、及び微生物学的な要因によって決まる。圧密化及び取り出し速度が挙げられるがこれらに限定されない管理は、サイレージ内への酸素の移動に大きな影響を与える。送出中に、空気は最大でサイレージ表面の1メートル後ろまで浸透して、酸素への曝露が長期化する可能性がある。発酵の酸及びpHは微生物の増殖速度を抑制するが、腐敗の速度は、利用可能な基質上での微生物の数及び好気性微生物の増殖速度の影響も受ける。
【0038】
乳酸菌(LAB)は、成長中の植物上の正常な微生物相の一部として存在する。LABは、その一次代謝最終産物に応じて、グルコースの代謝から乳酸のみを産生する同種発酵性、並びに乳酸、エタノール、酢酸塩、及びCOを産生する異種発酵性の2つの種類のうちの1つとして分類され得る。これらの種類のLABの発生は、作物ごとに、また場所ごとに、種類及び数の両方の点で極めて変化しやすい。
【0039】
主に同種発酵性の乳酸菌を含むサイレージ接種剤は、世界の多くの地域で主要な添加剤となった。その機能は、作物の水溶性炭水化物の迅速且つ効率的な利用を促進して、乳酸の集中的な産生、及びpHの急速な低下をもたらし、乾燥物質の損失を最小化することである。しかし、同種発酵性接種剤は、腐敗性生物によって利用される容易に入手可能な基質を保存するため、好気的安定性に悪影響を及ぼす場合が多い。
【0040】
接種剤中における異種発酵性乳酸菌の使用は、近年好まれるようになった。酢酸塩などの非解離揮発性脂肪酸のレベルが増加すると、好気的な劣化を引き起こす他の微生物が阻害され得る。ヘテロ発酵生物は、乳酸、エタノール、酢酸、及び二酸化炭素を産生する。産生される乳酸、エタノール、酢酸、及び二酸化炭素の割合は、利用可能な基質に応じて変化する。産生された酢酸塩は、サイレージ中の有害生物を阻害し得る。更に、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))などのヘテロ発酵生物は、嫌気性条件下で乳酸を代謝して、酢酸塩及び1,2プロパンジオールに変えることができる。こうした機序では、炭素の6分の1がグルコースの発酵中に二酸化炭素へと消失し、乳酸の炭素の3分の1が嫌気性変換中に酢酸へと消失する。しかしながら、乾燥物質の1%、又はおそらく最大で2%のわずかな消失は、好気性微生物のその腐敗作用による遥かに大きな消失によって容易に相殺される。たとえ同じ種であっても異なる株は同一の性質を持たず、そのアセトバクター属を阻害する能力が異なり、また、異なった発酵特性を有する。一部の接種剤は、動物の性能も改善し得る。
【0041】
本開示の実施形態では、アセトバクター属及び腐敗の原因となるその他の生物の阻害は、L.ブフネリ(L.buchneri)又はL.ブレビス(L.brevis)種の生物、特に、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148(特許寄託番号NRRL B-67991)、及び/又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)株LN7149(特許寄託番号NRRL B-67992)、並びにこれらの組み合わせでサイレージを処理することによって達成される。
【0042】
本開示の一実施形態は、アセトバクター属を阻害し、発酵を変質させ、サイレージの安定化を強化する、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び/又は特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149、並びにこれらの混合物を含む微生物接種剤である。
【0043】
本開示の一実施形態は、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148の生物学的に純粋な培養物、及び/又は生物学的に純粋な培養物である特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149である。
【0044】
本開示の更なる実施形態は、動物飼料又はサイレージを処理する方法を含み、方法は、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び/又は特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149を含むサイレージ接種剤を、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料、動物飼料、又はサイレージあたり約10~約1010個の生菌から約10~約10個の生菌で飼料又はサイレージに投与することを含む。更に、本開示は、動物の性能を改善する方法を提供し、方法は、本明細書に記載のサイレージ接種剤を接種された動物飼料を動物に給餌することを含む。
【0045】
本開示の実施形態は、その上でのアセトバクター属、並びに酵母菌、カビ、及び芽胞形成性細菌から選択される腐敗性生物の増殖を阻害することによってサイレージを処理するための方法を含み、方法は、予めサイロ貯蔵された植物性材料に、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149のうちの任意の1つであるか、又はこれらの組み合わせである第1の菌株、並びに好適なキャリアを添加することを含む。予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法は、第2の菌株を予めサイロ貯蔵された植物性材料に添加することを更に含み得、第2の菌株は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)株、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)株、ラクトバチルス・パラリメンタリウス(Lactobacillus paralimentarius)株、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株、又はエンテロコッカス・ファシウム(Enterococcus facium)株、及びこれらの混合物のうち1つ以上から選択される。予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法は、予めサイロ貯蔵された植物性材料に酵母菌株を添加することも更に含み得、酵母菌株は、特許寄託番号NRRL Y-50734として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE206、特許寄託番号NRRL Y-50735として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1241、又は特許寄託番号NRRL Y-50736として寄託されるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株YE1496、及びこれらの混合物のうち1つ以上から選択される。本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用な第2の菌株は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP678(特許寄託番号PTA-6134)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP287、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP318、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP319、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP346、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP347、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP286、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4017、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4637、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP329、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum))株LP7109、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7125、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN4888(特許寄託番号NRRL B-30866)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)株EF301、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)株EF202、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7123、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB5328、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)(リモシラクトバチルス・ロイテリ(Limosilactobacillus reuteri)株)LR4933(特許寄託番号NRRL B-30867)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)LI2127(特許寄託番号NRRL B-30868)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、株LI2350(特許寄託番号NRRL B-30869)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、株LI2366(特許寄託番号NRRL B-30870)、ラクトバチルス(Lactobacillus)未知種、株UL3050(特許寄託番号NRRL B-30871)、又はラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN5689、及びこれらの混合物のうち1つ以上を備え得る。1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の第1の菌株中の生菌は、本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用である。更に、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の第1の菌株中の生菌は、本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用である。本開示の方法で有用な予めサイロ貯蔵された植物性材料は、イネ科牧草類、トウモロコシ、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、穀類、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない様々な植物源から製造され得る。また、本開示の実施形態の接種剤は、貯蔵する際にサイレージに添加してもよい。サイレージは、サイレージベール、サイレージバッグ、サイレージバンカー、サイレージピット、ステーブサイロ、又はサイレージパイルの形態を含む様々な方法でサイロ貯蔵され得る。本実施形態の組成物を用いたサイレージを処理する方法は、アセトバクター属を阻害する量の特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び/又は特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149、並びに好適なキャリアをサイレージに添加することを含む。本開示の予めサイロ貯蔵された植物性材料を処理する方法で有用なキャリアは、限定するものではないが炭酸カルシウム、デンプン、マルトデキストリン、及びセルロースなどの液体又は固体であり得る。
【0046】
本開示の実施形態は、アセトバクター属を阻害する量の特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148及び/又は特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149を含むサイレージを更に含む。
【0047】
本開示は、動物飼料用のサイレージを本開示のサイレージ接種剤で処理する方法、並びに処理された動物飼料、又はサイレージ自体を提供する。多くの場合、動物飼料又はサイレージは、ホールプラントコーンサイレージ(WPCS)又は高水分コーン(HMC)になる。本開示の実施形態は、接種済みのサイレージを動物に給餌することによって動物の性能を改善する方法も提供する。本開示のサイレージ接種剤及びキャリアを含む容器も含まれる。
【0048】
本開示の実施形態の恩恵を受ける動物は、反芻動物、ウマ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、及びトリ種、例えば家禽が挙げられるが、これらに限定されない哺乳類及び鳥類である。
【0049】
本開示の実施形態で使用される組成物は、液状又は乾燥形態のいずれかであってよく、追加の菌株を含んでよい。固体の処理剤形態では、組成物は、キャリアと共に、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148及び/又は特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149を含む混合細菌培養物を含んでもよい。
【0050】
キャリアは、水性又は非水性の液体又は固体の性質であってよい。固体の形態では、組成物は、固体キャリア、固体希釈剤、又は物理的増量剤を含んでもよい。こうした固体キャリア、固体希釈剤、又は物理的増量剤の例としては、マルトデキストリン、デンプン、炭酸カルシウム、セルロース、乳清、粉末状コーン穂軸、及び二酸化シリコーン(silicone dioxide)が挙げられる。液体キャリアは、非限定的に、乳剤、懸濁剤、マイクロエマルション及び/又はサスポエマルションを含むエマルション、並びに任意選択的に増粘してゲルにすることが可能な同様のもの、の形態の溶液であってよい。つまり、キャリアは、有機又は無機の物理的増量剤であってよい。固体組成物は、軽質パウダー散布形態でまぐさに直接適用することも可能であり、或いはこれが液体キャリア中で分配される場合は、まぐさ上に成功裏に噴霧することも可能である。
【0051】
当業者であれば、他の好適なキャリア及び剤形が分かるであろうし、或いは日常的な実験を用いてこれを確認することが可能であろう。更に、様々な組成物の投与が、当業者には一般的な標準的技法を用いて実施可能である。
【0052】
本開示の一実施形態は、特許寄託番号NRRL B-67991として寄託されるラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及び/若しくは特許寄託番号NRRL B-67992として寄託されるラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149、並びに/又はその機能的変異体、並びに好適なキャリアを含む、サイレージ接種剤として使用するための組成物である。本開示の一実施形態では、組成物は、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約1010個の第1の菌株の生菌、又はその機能的変異体を含有する。本開示の更なる実施形態では、組成物は、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の第1の菌株の生菌、又はその機能的変異体を含有する。本開示のなお更なる実施形態では、組成物は、1グラムの予めサイロ貯蔵された植物性材料あたり約10~約10個の第1の菌株の生菌、又はその機能的変異体を含有する。
【0053】
本開示の方法に従いサイロ貯蔵又は貯蔵に好適な材料は、好気的腐敗を起こしやすい任意のものである。この材料は、通常であれば少なくとも25重量%の乾燥物質を含有するであろう。こうした材料としては、ライムギ若しくは従来のイネ科牧草、トウモロコシ、例えば高水分コーン、ホールプラントコーン、アルファルファ、コムギ、マメ科牧草類、穀草類、油糧種子、ソルガム、ヒマワリ、オオムギ、又は他のホールクロップ草類が挙げられるが、これらに限定されない。サイレージ貯蔵管理としては、ベール(好気的腐敗を特に起こしやすい形態)、酸素制限袋、バンカー、縦型ステーブサイロ、酸素制限サイロ、袋、パイル、又は好気的腐敗を起こしやすい可能性のある任意の他の貯蔵形態中が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
本開示に関連するアセトバクター属阻害活性は、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))及びラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))の他の株、ラクトバチルス(Lactobacillus)、例えばラクトバチルス・ケフィア(Lactobacillus kefir)、ラクトバチルス・パラケフィア(Lactobacillus parakefir)、ラクトバチルス・パラブチネリ(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・サケイ(Latilactobacillus sakei)、ラクトバチルス・カルバタス(Latilactobacillus curvatus)の他の種、乳酸菌の他の種に、またおそらく他の属にも見出され得る。
【0055】
本明細書で使用するとき、用語「株」又は「株(複数可)」は、本明細書に開示される菌株、例えばラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148(特許寄託番号NRRL B-67991)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)株LN7149の任意の変異体又は誘導体を含むと解釈されるものとする。本明細書に開示される方法及び実施例によって説明及び定義される、アセトバクター属の増殖を阻害する能力及びまぐさの好気的安定性を改善する機能的活性を保持する特許寄託番号NRRL B-67992。
【0056】
本開示の実施形態のラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148(特許寄託番号NRRL B-67991)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)株LN7149(特許寄託番号NRRL B-67992)を、それぞれコーンから精製及び単離した。
【0057】
特定の株を精製及び単離した後、株を同定するために分類研究を行った。株は、L.ブフネリ(L.buchneri)又はL.ブレビス(L.brevis)と同定され、それぞれ原型番号LN7149又はLB7148を付与した。本開示の組成物及び方法に従い、これらの株、これらの株を含む組成物、及び/又はこれらの株によって産生された因子を用いて、まぐさ材料を処理する。
【0058】
寄託
ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149は、2020年10月29日付でブダペスト条約の条項に基づき、国立農業利用研究センター(National Center for Agricultural Utilization Research、NCAUR)内の農業研究事業団(Agricultural Research Service、ARS)カルチャー・コレクション(Culture Collection)(NRRL)にそれぞれ寄託され、それぞれ承認された。ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))株LB7148は、特許寄託番号NRRL B-67991を付与され、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))株LN7149は、特許寄託番号NRRL B-67992を付与された。NCAURの寄託保存機関(deposit collection)の住所は、1815 N.University Street,Peoria,IL,61604である。寄託は、特許が発行され次第、取消不能に且つ制限又は条件なく公衆に公開される。しかしながら、寄託の公開は、政府行為により交付された特許権を取り消して本開示を実践する許可をなすものではないことを理解されたい。本出願人は、寄託時に試料の生存能力の指標を提供することを含め、米国特許法施行規則第1.801~1.809条の全ての要件を満たしている。各寄託は、公的寄託機関であるNRRL寄託機関において、30年間、若しくは最後の請求から5年間、又は本特許の効力が続く期間のいずれか長い期間にわたり制限なしに管理され、該期間中に生存不能となった場合は交換される。
【0059】
過去に開示された株寄託としては、米国特許第6,403,084号明細書で開示された寄託番号PTA-2494の株LN4637、米国特許第9,822,334B2号明細書で開示された寄託番号NRRL B-50733の株LN7125、米国特許第5,747,020号明細書で開示された寄託番号DSM18112の株LP286、及び米国特許第5,747,020号明細書で開示された寄託番号ATCC55942の株LP329が挙げられる。
【0060】
本明細書で言及された全ての刊行物及び公開特許文献は、本開示が属する技術分野の当業者の水準を示すものである。全ての特許、刊行物、及び公開特許出願は、あたかも個々の特許、刊行物、又は公開特許出願が、具体的且つ個別に参照によりその全体が組み込まれるよう指示された場合と同程度で、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
上記の開示は、理解を明確にする目的で、図面及び実施例を用いてある程度詳細に説明したが、特定の変更及び修正が添付の請求項の範囲内で実施可能である。以下の実施例は、例示として提供するものであって、限定を意図するものではない。
【実施例
【0062】
本開示の態様を以下の実施例で更に詳細に定義にするが、実施例中、特に明記しない限り、部及びパーセンテージは重量基準であり、度はセ氏である。これらの実施例は、本開示の態様を示すが、単に例示として示すものである。上記の説明及びこれらの実施例から、当業者であれば、本開示の態様の本質的な特徴を解明することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、これらの様々な変更及び修正を行い、様々な用途及び条件に適合させることができる。したがって、本明細書に示され記載されているものに加えて、様々な修正が、上記の説明から当業者には明らかとなるであろう。こうした修正も添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0063】
実施例1:株の選択
Pioneer Hi-Bred International,Incの機密且つ専有であるForage Additive Researchカルチャー・コレクションからの乳酸菌を、アセトバクター属分離株の阻害に関してスクリーニングした。
【0064】
実施例2:乾燥粉末化再水和ホールプラントコーンのサイレージパケット中におけるアセトバクター属の数に対する乳酸菌サイレージ接種剤の効果
現場で採取したホールプラントコーンまぐさを60℃で48時間乾燥させ、6mmの細断長に粉砕した。ハイブリッド混合物からなる乾燥粉砕ホールプラントコーンまぐさを、乾燥物質が44%になるまで無菌脱イオン水で再水和し、-80℃で1ヶ月貯蔵した。まぐさを使用前に解凍し、開始pHは4.82であった。ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacilus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))(LB)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)(LL)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))(LN)株を、インハウスで増殖させた新鮮な培養物として供給した。各株をMaximum Recovery Diluent(HiMedia Laboratories,Mumbai,India)中の溶液としてまぐさに適用して、20μL/gの速度で適用して推定で1×10CFU/gのまぐさ(log5.00)を供給するようにした。log cfu/gサイレージ単位で報告されるホールプラントコーンサイレージに対する細菌接種剤の適用量を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
アセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)負荷を、対照を含む全てのパケットで使用し、20μL/gの速度で適用して6.10×10cfu/gまぐさ(log5.79)で適用した。各パケットに10gmのまぐさを充填した。全ての処理剤をパケット中でまぐさに直接適用し、指で15秒間絞ることによって十分に混合してから真空封止剤(MiniPak(登録商標)-Torre真空封止剤、Dupey Equipment Co,Clive,IA)で封止した。各処理剤及び時点で、2つの実験用15×20.5cmパケットを室温で充填、封止、及び貯蔵した。
【0067】
7、14、28、63、及び84日間のサイロ貯蔵後、20mlの滅菌DNアーゼ/RNアーゼ不含有水を各パケットに添加し、サイレージを指で30秒間絞ることによって十分に混合した。フィルター内層を備えたストマッカーバッグ(Seward,Bohemia,NY カタログ番号BA6141/STR)の中に注ぎ込むことによって抽出物からサイレージ植物粒子を除去し、続いて抽出物をデカントした。卓上型pH計測器(sympHony(商標)pH計測器、VWR,Radnor,PA)を用いて個々の処理剤複製物(reps)のpH読み取り値を取り、平均pHを報告した。アセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)の数は、処理複合体から得た。アセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)の数を、改質MRS寒天(Hill and Hill,1986)上で評価し、30℃で6日間の好気的インキュベーションの後、アニリンブルー染料でコットンブルー染料を置き換えた。アセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)の数は、まぐさ1グラムあたりのlogコロニー形成単位として表した。
【0068】
表2は、7、14、28、63、及び84日間のサイロ貯蔵後の、ホールプラントコーンサイレージのpHに対する細菌接種剤の効果を示す。基質の代謝が実証された。未処理対照のpHは、7日目から63日目にかけて低下し、84日目にわずかに上昇した。LB7148は最高のpH減少を示し、LL3116及びLL4539は最低のpH減少を示した。
【0069】
【表2】
【0070】
表3は、7、14、28、63、及び84日間のサイロ貯蔵後の、log cfu/gサイレージ単位で報告したホールプラントコーンサイレージのアセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)数に対する接種剤の効果を示す。LB7148は、63日目を除く全ての開放日において、対照と比較してアセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)数が減少し、28日目に3.26のlogの差、及び84日目に少なくとも3.10のlogの差を示した。LN7149は、14日目に開始してアセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)数の相対対照を減少させ、28日目に1.29のlogの差、84日目に2.93のlogの差を示した。LL3116、LL4539、LN4867、及びLN5549は、LN4867の14日目及び28日目を除いて、アセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)数を対照と比較して増加させた。
【0071】
【表3】
【0072】
実施例3:細菌を株レベルで差別化するためのDNAプロファイリング
トータルDNA限定酵素消化及び電気泳動を用いて、制限断片長トータルDNAプロファイル(restriction fragment length total DNA profiles)を生成し、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-67991(LB7148)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-67992(LN7149)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))ATCC 202118(LN3957)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-30865(LB1154)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-30866(LN4888)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50731(LB5328)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50732(LB7123)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-50733(LN7125)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2493(LN1391)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2494(LN4637)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2495(LN4750)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-6138(LN4017)菌株を差別化した。
【0073】
ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-67991(LB7148)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-67992(LN7149)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))ATCC 202118(LN3957)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-30865(LB1154)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-30866(LN4888)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50731(LB5328)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50732(LB7123)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-50733(LN7125)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2493(LN1391)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2494(LN4637)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2495(LN4750)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-6138(LN4017)のそれぞれのMRS培養液中1.5ml終夜培養物をペレット化し、TE(10mMのTris(pH8.0)、1mMのEDTA(pH8.0))で洗浄し、400μlのTE中に再懸濁させた。続いて、各添加後に、5μlの0.5M EDTA、12.5μlの20%Triton X-100、及び20μlのムタノリシン(H2O中10単位/μl)(Sigma)を、ボルテックスしながら順々に添加し、管を37℃で2時間インキュベートした。続いて、30μlのプロナーゼ(10mg/ml)を添加し、37℃で更に30分間インキュベートした。30μlの20w/v%SDS、50mMのTris(pH8.0)、20mMのEDTA(pH8.0)を添加し、管を数回反転させ、65℃で10分間、続いて37℃で20分間インキュベートした。層を分離するために、混合物を、Phase Lock Gel Light(Thermo Fisher NC1092951)を用いて500μlのTris緩衝フェノール(pH7.9)(Amresco)で抽出し、続いてPhase Lock Gel Heavy(Thermo Fisher NC1093153)を用いて500μlのクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)で抽出した。DNAをEtOHで沈殿させ、洗浄し、続いて、40μg/mlのRNアーゼを含有する50μlのHO中に再懸濁させた。DNAを4℃で貯蔵した。
【0074】
DNAを、0.5mLの薄壁管を備えるQubit dsDNA HS Assay Kit(Thermo Fisher)で定量化した。制限消化を、提供された緩衝液中で、700ng又は17μlのDNA、及び40単位のEco RI(Roche又はThermo Fisher)を用いて行い、37℃で2時間インキュベートした。
【0075】
0.8mmの歯櫛を備えた20cm(幅)×30cm(長さ)のゲルトレイ中の1×TAE(40mM Tris-酢酸塩、2mM EDTA)中で、0.7%のアガロースゲル(Seakem LE agarose,BMA)を用いて、大型のOnePhorAllゲルボックス(Jordan Scientific Co.)用の水平型サブマリンゲルを調製した。サイズ標準(バクテリオファージλDNAとDNA Molecular Weight Marker IV Sigma-Aldrich)との混合物)をゲルの左側及び右側並びに中央に投入した。ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-67991(LB7148)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-67992(LN7149)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))ATCC 202118(LN3957)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-30865(LB1154)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-30866(LN4888)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50731(LB5328)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50732(LB7123)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-50733(LN7125)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2493(LN1391)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2494(LN4637)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2495(LN4750)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-6138(LN4017)のEco RI消化物を投入した後、ゲルを、内蔵式攪拌子で攪拌しながら、室温の1×TAE中、60ボルトで16時間ランし、臭化エチジウムで染色し、ゲルイメージャ(Bio-Rad Gel Doc(商標)XR+)上で画像化した。
【0076】
ゲル画像をBioNumerics(バージョン7.5;Applied Maths)に入力した。正規化のための参照標準は、線状λDNA、及びRoche Molecular Weight Marker IVであった。Eco RIの消化パターンは複雑であるため、ピアソンの積率相関係数(Pearson product-moment correlation)を用いてDNAパターンの類似度を計算した。この方法は、各バンド位置だけではなく、ゲルレーンプロファイル全体の形状を明らかにする。算術平均を用いた非加重ペアグループ法(unweighted pair group method using arithmetic averages、UPGMA)を用いて、類似度マトリックスからデンドログラムを構築した。
【0077】
図1に示すように、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-67991(LB7148)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-67992(LN7149)はそれぞれ、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))ATCC 202118(LN3957)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-30865(LB1154)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-30866(LN4888)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50731(LB5328)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)(レビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis))NRRL B-50732(LB7123)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))NRRL B-50733(LN7125)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2493(LN1391)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2494(LN4637)、ラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-2495(LN4750)、及びラクトバチルス・ブフネリ(Lactobacillus buchneri)(レンチラクトバチルス・ブフネリ(Lentilactobacillus buchneri))PTA-6138(LN4017)によって生成されたそれぞれのプロファイルとは異なる固有のEco RIトータルDNAプロファイルを有する。これらの微生物菌株はそれぞれ、Eco RIトータルDNAプロファイリングによって固有且つ異なる株であると判定された(Chan,R.K.,Wortman,C.R.,Smiley B.K.,&Hendrick,C.A. 2003.Construction and use of a computerized DNA fingerprint database for lactic acid bacteria from silage. J.of Microbiol.Methods 55:565-574を参照されたい)。
【0078】
実施例4:ホールプラントコーンサイレージの発酵及び好気的安定性に対するラクトバチルス(Lactobacillus)微生物菌株の効果
この結果に基づき、高乾燥物質であり、パッキング密度が低く、好気的で、且つ微生物チャレンジを受けたサイレージモデルを用いて、ミニサイロ中で、ホールプラントコーンサイレージ(WPCS)の発酵及び好気的安定性に対するラクトバチルス(Lactobacillus)微生物菌株の影響を研究するための試験を行った。本治験は、北イタリアにあるUniversity of Turinの実験農場で実施された。コーンは、細断長12mmの精密まぐさハーベスターを用いて、細断ホールクロップとして直接採取した。まぐさの採取時DM含量は41.1%、pHは6.02であった。採取時に酵母菌、カビ、及び乳酸菌の数は7log cfu/gを超えており、一方で酢酸菌及び腸内細菌は8log cfu/gを超えていた。
【0079】
乳酸菌処理剤を、標準法に従い増殖させてフリーズドライし、使用前に水に再懸濁させた。4種の酢酸菌(AAB)アセトバクター・パスツリアナス(Acetobacter pasteurianus)チャレンジ株の混合物を新鮮増殖させた。全ての処理剤は、表4に示す用量で、予めサイロ貯蔵された植物性材料(ホールプラントコーンまぐさ)上に手回し噴霧機で均一に噴霧することによって適用した。対照サイレージを含む全てのサイレージを、約1.0×10cfu/gまぐさの用量のAABチャレンジで処理した。接種中は、まぐさを絶え間なく手動混合した。
【0080】
【表4】
【0081】
空気注入用の穴及び気体放出を可能にする蓋を備える20リットルのプラスチック製サイロ中で、約400kg FM/m(144kg DM/m)のパッキング密度でまぐさを手動パッキングした。1つの処理剤あたり3つの複製をサイロ貯蔵した。サイロを雰囲気温度(20±1℃)で118日間貯蔵した。腐敗を促進するための空気注入(AI)チャレンジを、28日目及び42日目に実施した。空気注入は、サイロ側部の直径8mmの2つの穴によって行われた。空気注入は、サイロ両端の2つの穴をそれぞれ被覆するテープ(agバッグサイロ補修テープ)を24時間取り外すことによって行われた。
【0082】
118日間のサイロ貯蔵後、サイロを空にし、サイレージを十分に混合してからサブサンプリングして、DM含量、発酵プロファイル、微生物数、及び好気的安定性を決定した。30gの試料を無菌均質化バッグに移し、ペプトン塩溶液中に1:9w/v(1リットルあたり1gの細菌学的ペプトン(bacteriological peptone)及び9gの塩化ナトリウム)で懸濁させ、実験室用Stomacherブレンダー(Seward Ltd,London,UK)中で4分間均質化した。連続希釈を調製した。カビ及び酵母菌の数は、酵母菌及びカビをそれぞれ3日間及び5日間25℃でインキュベートした後に、40.0g/Lの酵母エキスブドウ糖クロラムフェニコール寒天培地(Yeast Extract Glucose Chloramphenicol Agar)(YGC寒天、DIFCO,West Molesey,Surrey,UK)を用いる混釈平板技法を使用して決定した。酵母菌及びカビのコロニー形成単位(cfu)を、プレート上のそのマクロ形態学的特徴に基づいて個別に列挙した。乳酸菌(LAB)は、Spoelstra et al.(1988)に従い、追加のナタマイシン(0.25g/L)を用いて30℃の嫌気条件下で3日間ペトリ皿をインキュベートすることにより、MRS寒天(Merck,Whitehouse Station,NY)上で決定した。腸内細菌の数は、Violet Red Bile Dextrose寒天(Merck,Whitehouse Station,NY)上で決定し、酢酸菌(AAB)は、わずかな変更を施したSpoelstra et al.(1988)に従って計数した。
【0083】
好気的安定性は、空気に曝露された試料の微生物活動に起因する温度上昇を監視することにより決定した。約2~3キログラムの各サイロを、17リットルのポリスチレンボックス内の調温室(20℃±1℃)中で7日間好気的に劣化させた。一層の調理用アルミ箔を、乾燥及び粉塵汚染を防ぐが、同時に空気の貫通を可能にするように各ボックス上に配置した。室温及びサイレージ温度を、データロガーによって1時間ごとに測定した。好気的安定性は、室温よりも2℃超高く上昇するまでの安定状態をサイレージが維持した時間数として定義した(Ranjit and Kung,2000)。より多い時間数は、腐敗が生じるまでの時間がより長いことを示して望ましい。実際のサイレージ温度曲線と雰囲気温度によって描かれた線との間の面積の積分を計算した(cummDD)。より少ないcummDDは、加熱合計がより少ないことを示して望ましい。
【0084】
118日間保存した後、良好な発酵が実証され、対照を含む全ての処理剤でpHは4.0未満であった。118日間保存した後のコーンサイレージの化学的特性及び発酵特性を表5に示す(様々な小文字は結果が著しく異なることを示している)。統計的に低い乳酸-酢酸比及び高い酢酸レベルがTRT2で検出され、TRT4、5、6、8では数値の改善があった。TRT2、4、5、6、及び8では酢酸レベルが改善した。化学物質1,2-プロパンジオールがTRT2及びTRT8で発見された。
【0085】
【表5】
【0086】
118日間の保存後のコーンサイレージの微生物特性及び好気的安定性を表6に示す。酵母菌数は平均で5.2log cfu/gであり、対照と比較して最大の減少がTRT6及びTRT8で見出された。全ての処理剤で対照と比較して酢酸菌レベルの数値的低減が観察された。対照のサイレージは40時間の好気的安定性を示した。ラクトバチルス(Lactobacillus)株の組み合わせは、サイレージの好気的安定性を数値的に改善し、対照(TRT1)と比較して最大の改善はTRT2(+29時間)、TRT6(+15時間)、及びTRT8(+25時間)であった。これらの処理剤は、TRT7とあわせて、対照と比較して最大の合計加熱時間の低減も示した。
【0087】
【表6】
【0088】
上記は、サイレージ腐敗モデルを用いた好気的安定性に対するラクトバチルス微生物菌株の影響を実証し、ここでは高乾燥物質、低いパッキング密度、空気注入、及び多い酢酸菌が、腐敗チャレンジをもたらした。酢酸菌は、サイレージ中に8log cfu/gを超えるレベルで天然に存在し、追加の実験室培養用量は、十分なレベルを確実にするために加えられた。これらの困難な作業条件にも関わらず、評価された治療剤は、118日間保存後の好気的安定性、酵母菌数、及び酢酸菌数の点で対照との数値の差を示し、TRT2、6、7、及び8は腐敗及びサイレージの加熱に対する最も強い保護を提供した。
【0089】
本開示の実施形態の原理を例示及び説明したが、当業者であれば、本開示の実施形態がこうした原理から逸脱することなく構造及び詳細を修正され得ることは明らかであろう。したがって、本開示は、文字通りに又は同様な意味合いで特許請求の範囲に含まれるあらゆる代替的な実施形態を包含するものである。
【0090】
様々な好ましい実施形態が上記で示され且つ説明されて、本開示の異なる可能な特徴、及びこれらの特徴を組み合わせることが可能な様々な方法を例示したことが理解されよう。上記の実施形態の異なる特徴を様々な方法で組み合わせることの他に、その他の修正も本開示の範囲に含まれると見なされる。
図1
【国際調査報告】