(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ブロックチェーンで管理される医療インプラント
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20240905BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513735
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 US2022042188
(87)【国際公開番号】W WO2023034405
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521234397
【氏名又は名称】カールスメッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー ナイル パトリック
(72)【発明者】
【氏名】コルドニアー マイケル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フセイン シャリク
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
医療用インプラントを使用して患者の医療記録を追跡するシステム及び方法が本明細書に記載される。医療用インプラントは、患者の身体に医療用インプラントを固定するように構成された物理的構造体と、物理的構造体に物理的に結合された近接通信構成要素と、近接通信構成要素に動作可能に結合されたメモリと、を備えることができる。メモリは、秘密鍵を格納することができ、メモリは、近接通信構成要素を通じて秘密鍵を外部デバイスに提供して、外部デバイスが電子医療記録のブロックチェーン分散型台帳からインプラントを移植された患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスできるようにするように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の医療記録を管理する方法であって、
患者に関連する秘密鍵に対するリクエストを生成するステップであって、前記リクエストは、前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可に対するリクエストを含む、ステップと、
前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を受信するステップと、
前記患者の身体に移植されたブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトを確立するステップであって、前記通信コンタクトが近接通信モードを使用して確立される、ステップと、
前記患者の認可に基づいて、前記ブロックチェーン対応医療用インプラント上に格納された秘密鍵にアクセスするステップと、
前記受信した秘密鍵を使用して、電子医療記録の分散型台帳から前記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスするステップであって、前記分散型台帳が、前記1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表しており、前記各電子医療記録が、前記電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納され、前記患者に関連する前記秘密鍵が、前記患者に関連する前記ハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするのに使用される、ステップと、
前記患者に関連する前記1又は2以上の電子医療記録を表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記患者が、確認機構を使用して前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を提供し、前記確認機構は、音声確認、ソフトウェアアプリケーションへのパスワードの入力、ウェブアプリケーションへのパスワードの入力、モバイルアプリケーションへのパスワードの入力、又は医師への電子署名の提供である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記近接通信モードが、無線周波数通信モードである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記秘密鍵にアクセスするステップが、
無線周波数通信モードに従って前記ブロックチェーン対応医療インプラントから符号化されたデータを受信するステップと、
前記患者の認可又はその一部を使用して、前記符号化されたデータを復号化することに基づいて前記秘密鍵を生成するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電子医療記録の分散型台帳が、前記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ブロックチェーン対応医療用インプラントとの前記通信コンタクトは、前記患者の身体に装着又は移植されて前記ブロックチェーン対応医療用インプラントに通信可能に結合された仲介デバイスを介して確立され、前記秘密鍵は、前記仲介デバイスを介してアクセスされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセスされた1又は2以上の電子医療記録が、前記アクセスのために前記患者によって以前に提供されたアクセス許可設定に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
患者の電子医療記録を管理する方法であって、
患者に関連する患者治療情報を受信するステップであって、前記患者治療情報は、患者の診断及び治療に関連する情報を含む、ステップと、
電子医療記録を生成するステップであって、前記電子医療記録は、受信した前記患者治療情報及び一意の患者識別子に関連する詳細を含む、ステップと、
前記電子医療記録、公開鍵及び秘密鍵に基づいてブロックチェーントランザクションを生成するステップであって、前記公開鍵及び秘密鍵は、前記一意の患者識別子に直接関連付けられたマッチングペアであり、前記秘密鍵は、前記ブロックチェーントランザクションの詳細にアクセスするように構成され、前記秘密鍵は、前記患者の身体に移植されるブロックチェーン対応医療インプラント上に格納される、ステップと、
前記ブロックチェーントランザクションを前記患者に関連するトランザクションの分散型台帳に追加するステップであって、前記ブロックチェーントランザクションは、プライベート台帳に追加され、又はパブリック台帳にプライベートトランザクションとして追加される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記患者治療情報が、患者データ、前記患者に関連する1又は2以上の医療画像、前記患者に関連する1又は2以上のスキャン、前記患者に関する人口統計学的情報、前記患者の識別情報、過去の患者治療データ、メトリクス、患者治療計画、前記患者の病理学関連情報を提供するデータ、提供者、患者フィードバックデータ、バイタルサイン、診断結果、前記患者の病気又は医療問題の家族歴、及び/又は前記患者の処方薬歴を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電子医療記録は更に、前記患者に治療を提供する医師に関連する情報及び/又は患者に治療を提供する施設に関連する情報を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記トランザクションの分散型台帳が、前記患者に関連するトランザクションの秘密台帳であり、前記トランザクションの分散型台帳にアクセスするために、前記患者に関連する前記秘密鍵が必要とされる、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記トランザクションの分散型台帳が、前記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記トランザクション分散型台帳が、前記トランザクションの公開台帳であり、前記患者に関連する秘密鍵が、前記トランザクションの公開台帳に格納された前記患者に関連するトランザクションにアクセスするために使用される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記電子医療記録は更に、前記医療記録の1又は2以上の部分を特定のユーザによりアクセスできるように定義する1又は2以上の許可を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
医療用インプラントであって、
前記医療用インプラントを患者の身体に固定するように構成された物理的構造体と、
前記物理的構造体に物理的に結合された近接通信構成要素と、
前記近接通信構成要素に動作可能に結合されたメモリであって、前記メモリが秘密鍵を格納しており、前記メモリは、前記近接通信構成要素を介して前記秘密鍵を外部デバイスに提供するように構成されて、前記外部デバイスが電子医療記録のブロックチェーン分散型台帳から前記医療用インプラントが移植された患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスできるようにする、メモリと、
を備える、医療用インプラント。
【請求項16】
前記医療用インプラントが、椎弓根スクリュー、患者専用インプラント、椎体間インプラントシステム、人工椎間板、拡張可能椎体間インプラント、仙腸関節インプラント、プレート、整形外科関節用関節形成デバイス、非構造インプラント、又は多目的インプラントである、請求項15に記載の医療用インプラント。
【請求項17】
前記患者の解剖学的要素によって加えられる圧力、荷重、又は力を測定するように構成された1又は2以上のセンサと、
プロセスを行うように構成された1又は2以上のプロセッサと
を更に備え、
前記プロセスが、
前記1又は2以上のセンサからデータを受信するステップと、
受信された前記データに基づいて、活動レベル、実行された活動、又は疾患の進行のうちの1又は2以上を決定するステップと、
近接通信構成要素により、活動レベル、実行された活動、又は疾患の進行の1又は2以上を外部のコンピューティングシステムに通信するステップと、
を含む、請求項15に記載の医療用インプラント。
【請求項18】
第2の近接通信構成要素を含む二次インプラントであって、前記近接通信構成要素が前記第2の近接通信構成要素と通信する、二次インプラントを更に備え、
前記第2の近接通信構成要素が、前記近接通信構成要素及び1又は2以上の外部コンピューティングデバイスと通信する、請求項15に記載の医療用インプラント。
【請求項19】
前記医療用インプラントが、ブロックチェーン対応脊椎インプラントであり、前記二次インプラントが、皮下デジタルインプラントである、請求項18に記載の医療用インプラント。
【請求項20】
前記メモリは、前記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録を更に格納する、請求項15に記載の医療用インプラント。
【請求項21】
前記メモリは、前記患者の電子医療記録に関連するトランザクションのプライベート分散型台帳を更に格納する、請求項15に記載の医療用インプラント。
【請求項22】
システムであって、
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行されると、前記システムに患者の医療記録を管理するためのプロセスを実行させる命令を格納する1又は2以上のメモリと、
を備え、
前記プロセスが、
患者に関連する秘密鍵に対するリクエストを生成するステップであって、前記リクエストは、前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可に対するリクエストを含む、ステップと、
前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を受信するステップと、
前記患者の身体に移植されたブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトを確立するステップであって、前記通信コンタクトが近接通信モードを使用して確立される、ステップと、
前記患者の認可に基づいて、前記ブロックチェーン対応医療用インプラント上に格納された秘密鍵にアクセスするステップと、
前記受信した秘密鍵を使用して、電子医療記録の分散型台帳から前記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスするステップであって、前記分散型台帳が、前記1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表しており、前記各電子医療記録が、前記電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納され、前記患者に関連する前記秘密鍵が、前記患者に関連する前記ハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするのに使用される、ステップと、
前記患者に関連する前記1又は2以上の電子医療記録を表示するステップと、
を含む、システム。
【請求項23】
前記患者は、確認機構を用いて前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を提供し、前記確認機構は、音声確認、ソフトウェアアプリケーションへのパスワード入力、ウェブアプリケーションへのパスワード入力、モバイルアプリケーションへのパスワード入力、又は医師への電子署名のうちの少なくとも1つである、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記近接通信モードが、無線周波数通信モードである、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記秘密鍵にアクセスするステップが、
無線周波数通信モードに従って前記ブロックチェーン対応医療インプラントから符号化されたデータを受信するステップと、
前記患者の認可又はその一部を使用して、前記符号化されたデータを復号化することに基づいて前記秘密鍵を生成するステップと、
を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記電子医療記録の分散型台帳が、前記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記ブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトは、前記患者の身体に装着又は移植されて前記ブロックチェーン対応医療用インプラントに通信可能に結合された仲介デバイスを介して確立され、前記秘密鍵は、前記仲介デバイスを介してアクセスされる、請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記アクセスされた1又は2以上の電子医療記録が、前記アクセスのために前記患者によって以前に提供されたアクセス許可設定に対応する、請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
コンピューティングシステムによって実行されると、前記コンピューティングシステムに患者医療記録を管理するための動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記動作が、
患者に関連する秘密鍵に対するリクエストを生成するステップであって、前記リクエストは、前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可に対するリクエストを含む、ステップと、
前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を受信するステップと、
前記患者の身体に移植されたブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトを確立するステップであって、前記通信コンタクトが近接通信モードを使用して確立される、ステップと、
前記患者の認可に基づいて、前記ブロックチェーン対応医療用インプラント上に格納された秘密鍵にアクセスするステップと、
前記受信した秘密鍵を使用して、電子医療記録の分散型台帳から前記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスするステップであって、前記分散型台帳が、前記1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表しており、前記各電子医療記録が、前記電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納され、前記患者に関連する前記秘密鍵が、前記患者に関連する前記ハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするのに使用される、ステップと、
前記患者に関連する前記1又は2以上の電子医療記録を表示するステップと、
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記患者が、確認機構を使用して前記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を提供し、前記確認機構は、音声確認、ソフトウェアアプリケーションへのパスワードの入力、ウェブアプリケーションへのパスワードの入力、モバイルアプリケーションへのパスワードの入力、又は医師への電子署名の提供である、請求項29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項31】
前記近接通信モードが、無線周波数通信モードである、請求項29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記秘密鍵にアクセスするステップが、
無線周波数通信モードに従って前記ブロックチェーン対応医療インプラントから符号化されたデータを受信するステップと、
前記患者の認可又はその一部を使用して、前記符号化されたデータを復号化することに基づいて前記秘密鍵を生成するステップと、
を含む、請求項29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記電子医療記録の分散型台帳が、前記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、請求項29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記ブロックチェーン対応医療用インプラントとの前記通信コンタクトは、前記患者の身体に装着又は移植されて前記ブロックチェーン対応医療用インプラントに通信可能に結合された仲介デバイスを介して確立され、前記秘密鍵は、前記仲介デバイスを介してアクセスされる、請求項29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記アクセスされた1又は2以上の電子医療記録が、前記アクセスのために前記患者によって以前に提供されたアクセス許可設定に対応する、請求項29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連アプリケーションとの相互参照)
本出願は、2021年8月31日に出願された米国仮特許出願第17/463,054号の優先権を主張するものであり、その開示内容は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン技術は、ブロックチェーン暗号化プロセスの一部として生成されたトークンを使用して資産を移転するために使用される。資産(例えば、電子コイン、ブロックチェーンベースの商品、個人識別子、及びその他)は、ある当事者から別の当事者に所有権を移転するトランザクションの連鎖によって表される。ブロックチェーン上で資産の所有権を移転するには、新しいトランザクションが生成されて、ブロック内のトランザクションのスタックに追加される。新しい所有者の公開鍵を含む新しいトランザクションは、所有者の秘密鍵で所有者によって電子署名され、新しい所有者の公開鍵で表される新しい所有者に所有権が移転される。ブロックが一杯になると、ブロックはブロック内の全トランザクション識別子のハッシュダイジェストであるブロックヘッダで「キャップ」される。ブロックヘッダは、チェーンの次のブロックの最初のトランザクションとして記録され、「ブロックチェーン」と呼ばれる数学的階層が形成される。現在の所有者を確認するには、トランザクションのブロックチェーンをたどって、最初のトランザクションから最後のトランザクションまでの各トランザクションを確認することができる。新しい所有者は、資産を譲渡したトランザクションの公開鍵と一致する秘密鍵を有するだけでよい。ブロックチェーンは、セキュリティ識別子(例えば公開鍵)によって表されるエンティティにおける所有権の数学的証明を作成し、これは擬似匿名とすることができる。
【0003】
ブロックチェーン技術は、トランザクションの分散型台帳を維持することができる。分散型台帳では、ある資産の全トランザクションの台帳が、ブロックチェーンネットワークの複数のノード(すなわち、コンピュータ)に冗長に格納される。各ノードの台帳はブロックチェーンとして格納される。ブロックチェーンでは、トランザクションはノードが受信した順に格納される。ブロックチェーンネットワークの各ノードは、ブロックチェーン全体の完全なレプリカを有している。ブロックチェーンシステムはまた、ノードが異なる順序でトランザクションを受信しても、各ノードが同一のブロックチェーンを保存することを保証する技術を実装している。あるノードに格納された台帳のトランザクションが矯正されていることを確認するために、ブロックチェーンのブロックに古いものから新しいものへとアクセスし、ブロックの新しいハッシュを生成し、新しいハッシュとブロックが作成された時に生成されたハッシュを比較することができる。ハッシュが同じであれば、そのブロックのトランザクションが検証される。ブロックチェーンシステムはまた、ブロックの作成時にブロックに追加されるノンスを生成する計算コストの高い技術を採用することで、トランザクションを変更してブロックチェーンを再生成することが実行不可能であることを保証する技術も実装している。ブロックチェーン台帳は、まだ使用されていない全てのトランザクションの出力を追跡するため、未使用トランザクション出力(「UXTO」)セットと呼ばれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第16/207,116号明細書
【特許文献2】米国特許出願第16/987,113号明細書
【特許文献3】米国特許出願第63/218,190号明細書
【特許文献4】米国特許第10,902,944号明細書
【特許文献5】米国特許出願第17/342,439号明細書
【特許文献6】米国特許出願第17/463,054号明細書
【特許文献7】米国特許第16/990,810号明細書
【特許文献8】米国特許出願第16/699,447号明細書
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】開示されたシステムが動作するコンピュータシステム及び他のデバイスの少なくとも一部に典型的に組み込まれる構成要素の一部を示すブロック図である。
【0006】
【
図1B】本技術の実施形態による例示的な医療用インプラントを示す図である。
【0007】
【
図2】幾つかの実施形態において開示されるシステムが動作するコンピューティング環境の一例を示すシステム図である。
【0008】
【
図3】幾つかの実施態様において、開示された技術を採用するシステムにおいて使用できる構成要素を示すブロック図である。
【0009】
【
図4】医療用インプラントに格納された台帳に患者データを作成するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0010】
【
図5】患者の医療記録にアクセスするための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0011】
【
図6】一実施形態による、患者固有の医療ケアを提供するためのシステムを示すネットワーク接続図である。
【0012】
【
図7】一実施形態による、本明細書に記載の方法に関連して使用できる例示的な患者データセットを示す図である。
【0013】
【
図8】一実施形態による、本明細書に記載の方法に関連して使用及び/又は生成できる例示的な手術計画報告書を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ブロックチェーン技術は、資産を一意に識別する情報の暗号化一方向ハッシュを使用して、物理的又はデジタル資産のIDトークンを生成するために使用することができる。トークンはまた、追加の公開鍵/秘密鍵ペアを使用する所有者を有する。所有者の公開鍵はトークン所有者の識別子として設定され、トークンに対してアクションを実行する際には、所有者の秘密鍵によって生成された署名を提供し、トークンの所有者として記載された公開鍵に対して検証することで、所有者証明が確立される。これにより、固有のトークンの所有者に関連する記録などのデジタル資産のトランザクションを、ブロックチェーントランザクションを用いて正確に追跡することができる。
【0015】
ブロックチェーン技術は、トランザクションの分散型台帳を維持し、資産を一意に識別する情報の暗号学的一方向ハッシュを使用して、物理資産又はデジタル資産のIDトークンを生成することができる。トークンはまた、追加の公開鍵と秘密鍵のペアを使用する所有者を有する。所有者の公開鍵はトークンの所有者IDとして設定され、トークンに対してアクションを実行する際には、所有者の秘密鍵によって生成された署名を提供し、トークンの所有者として記載された公開鍵に対して検証することで、所有者証明が確立される。人物は、例えば、ユーザ名、社会保障番号、及び生体情報(指紋など)の組み合わせを使用して、一意に識別することができる。製品(冷蔵庫など)は、例えば製造者名及びシリアル番号を使用して一意に識別できる。それぞれのIDトークンは、このような組み合わせの暗号化一方向ハッシュである。エンティティ(例えば、個人又は会社)のIDトークンは、公開/秘密鍵ペアの公開鍵とすることができ、秘密鍵はエンティティにより保持される。IDトークンは、人、機関、商品、契約、コンピュータ・コード、株式、デリバティブ、債券、保険、ローン、文書などを識別するために使用できる。また、IDトークンは資産のコレクションを識別するためにも使用できる。コレクションのIDトークンは、コレクション内の資産のデジタルトークンの暗号化一方向ハッシュとすることができる。ブロックチェーンにおける資産のIDトークンの作成は、資産の証明性を確立し、IDトークンはブロックチェーンに格納された資産のトランザクション(売買、保険など)で使用することができ、トランザクションの完全な監査証跡を作成する。
【0016】
ブロックチェーンに単純なトランザクションを記録するには、トランザクションに関わる各当事者及び資産が、デジタルトークンで識別されるアカウントを必要とする。例えば、ある人が車を別の人に譲渡したい場合、現在の所有者と次の所有者がアカウントを作成し、現在の所有者も車両識別番号で一意に識別されるアカウントを作成する。車のアカウントは現在の所有者を識別する。現所有者は、車のアカウントに対してトランザクションを作成する。このトランザクションは、トランザクションが所有権の移転であることを示し、現所有者と次の所有者の公開鍵(すなわちIDトークン)を示し、及び車のIDトークンを示す。このトランザクションは、現所有者の秘密鍵によって署名され、次の所有者が現所有者であることを示す証拠となる。
【0017】
ブロックチェーン上のデータの可視性を制限するために、プライベートブロックチェーンを採用することができる。プライベートブロックチェーンは、メインのネットワーク・ブロックチェーンに書き込むことなく、複数の当事者が契約の状態を共有できる状態チャネルとして機能する。ガバナンスの役割を有する1又は2以上のユーザが、プライベート・チェーン上のメンバーシップと状態を更新する権限を管理するために、ガバナンス・コントラクトがプライベート・チェーンに展開される。プライベートブロックチェーンは、権限を管理することで電子医療記録を管理できる。
【0018】
例えば、電子医療記録(1又は複数の「EMR」)は、ブロックチェーントランザクションを使用して患者の追跡が可能である。患者が医療処置を受けると、各医療処置は、患者のEMRに関連付けられたブロックチェーンの「トランザクション」として記録することができる。各手術は、手技の種類、手技の日付、手技の結果、手技のフォローアップ措置、手技に関連するデータ、及び/又は手技に関連するその他の情報等の手技に関する情報を含むことができる。新しい患者データはトランザクションとして記録することもできる。
【0019】
医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)を遵守するため、患者の医療記録は、患者が医療記録の共有に同意しない限り、秘密に保たれなければならない。ブロックチェーンは非公開にすることもできるが、ほとんどのブロックチェーンは公開空間にあり、ブロックチェーンに関連する台帳のトランザクションが検証できるようになっている。患者のために医療記録を秘密に保ちつつ、医療処置の台帳を患者のためのトランザクションとして維持するために、永続メモリなどのコンピューティング構成要素を備えた医療移植されたインプラントを使用して、患者の治療に関連する医療記録、台帳情報、及び/又はブロックチェーン台帳に格納されたプライベートな医療記録にアクセスするための秘密鍵を格納することができる。患者がEMRを治療プロバイダと共有することを望む場合、患者は、患者のインプラントチップに固有のキーを治療プロバイダに提供することができ、これにより、治療プロバイダは、医療処置、患者データ(例えば、病歴、医師のメモ、医療画像、及びスキャン)、手術計画、医療プロバイダ情報、インプラントデータ、及びその他の関連する医療データの台帳に、インプラント自体又はアクセスするためにキーを必要とするプライベート台帳からアクセスすることができる。幾つかの実施形態では、患者は、例えば、EMRの選択された部分へのアクセス許可を設定することができる。
【0020】
幾つかの実施形態において、本技術は、分散型台帳(例えば、公開台帳)及び/又はブロックチェーンで管理されたデジタルファイリングキャビネットにヘルスケアデータを格納、管理、及びアクセスするためのシステム及び方法を含む。例えば、多くの実施形態において、本技術は、患者固有のインプラント等の移植されるインプラントに関連するヘルスケアデータを提供することに向けられている。システムは、ソース(例えば、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、ブロックチェーンデバイス、インプラント、医療提供者デバイス等)から患者のヘルスケアデータを受信及び保存することができる。システムは、認証レベルに基づいてヘルスケアデータへのアクセスを管理することができる。認証レベルには、限定されないが、地理的位置、生体データ、ブロックチェーン、トークン(例えば、非可溶性トークン)、又は任意の認証方法に基づいてユーザを認証することが含むことができる。システムは、患者ヘルスケアデータを非可溶トークンなどのトークンに変換することができる。インプラント上のヘルスケアデータへのアクセスを要求するユーザの決定された認証レベルに基づいて、システムは、ユーザがヘルスケアデータの一部又は全てにアクセスすることを許可することができる。システムは、ヘルスケアデータ、患者情報、電子医療記録、及び/又は追加の患者関連情報を格納する1又は2以上のヘルスケアデジタルファイリングキャビネットを含むことができる。幾つかの実施形態では、システムは、デジタルファイリングキャビネットを使用することなく、ネットワークを介してデータ(例えば、ヘルスケアデータ、患者情報、電子医療記録、及び/又は追加の患者関連情報)を共有することができる。デジタルファイリングキャビネットは、様々なブロックチェーントランザクションを管理するように構成することができる。
【0021】
ユーザは、家族、医師、医療提供者、又は他のユーザが、選択されたデータ、データの種類、処置に関連するデータ、ユーザに関連するデータ、又はこれらにアクセスすることを承認することができる。デジタルファイリングキャビネットは、例えば、手術計画、インプラントデータ、健康記録、医療保険情報、デジタル財布、及び他のヘルスケアデータを含むことができる。幾つかの実施態様では、デジタルファイリングキャビネットは、受信データに基づいてヘルスケアデータを自動的に更新することができる。幾つかの実施態様において、デジタルファイリングキャビネットは、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、非可溶性トークン、又はユーザのバイオメトリクスを収集することができる他のデバイス等のユーザデバイスからデータを自動的に受信することができる。ユーザのデジタルファイリングキャビネットは、1又は2以上のアカウントをリンクして、アカウント間の通信を提供することができる。例えば、アカウントは、医療提供者アカウント、家族メンバーアカウント、保険提供者アカウント、政府機関アカウント、又はデジタルファイリングキャビネットがデータを要求及び受信することを可能にする他のアカウントとすることができる。ユーザは、トークン(例えば、コンテナ化されたNFT)、トークンにリンクされたデータ(例えば、NFTにリンクされたデータ)等内の保存データの第三者アクセス(例えば、閲覧のみ、編集、注釈等)を管理することができる。これにより、ユーザは、例えば医師がリアルタイム又はほぼリアルタイムで収集したデータを閲覧するためのアクセスを許可することができる。医師は、デジタルファイリングキャビネットを介して患者にリアルタイム又はほぼリアルタイムのフィードバックを提供することができる。患者は、デジタルファイリングキャビネット又は患者アカウントを使用して、例えば、医師のフィードバック、診断、治療計画(例えば、手術計画、介入計画、治療計画等)、予測される治療結果、費用見積もり、保険情報等を確認することができる。
【0022】
データ管理システムは、失敗した認可の試みに応答してデジタルファイリングキャビネットをロックし、潜在的な詐欺師、詐欺行為等をユーザに通知することができる。データ管理システムは、収集されたデータを分析して、治療後の計画を生成することができる。幾つかの実施形態では、データ管理システムは、1又は2以上のモデルを使用して術後収集データを分析し、治療計画、新たな手術計画等の治療後計画を生成又は修正することができる。術後分析は、デジタルファイリングキャビネット又は他のデータベースに保存することができる。これにより、データ管理システムは、異なるデータ源からのデータを定期的又は継続的に分析し、患者に応じた医療を提供することができる。データ管理システムは、利用可能なデータに基づいて選択されたモデル(例えば、機械学習モデル)を選択することができる。新たなデータが利用可能になった場合、データ管理システムは、新たに利用可能になったデータを分析するのに適した1又は2以上のモデルを特定することができる。これにより、データ管理システムは、分析を強化するために機械学習モデルを適応的に選択することができる。データソースとしては、限定されるものではないが、診断機器(例えば、画像装置)、患者用ウェアラブル、病院診断機器等を挙げることができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、医療管理システムは、例えばデジタルウォレット、ユーザに関連する1又は2以上のデバイス、又は医師/医療提供者に関連するデータソースからのデータを統合するデジタルファイリングキャビネットを含む。ヘルスケア管理システムは、患者の新たなスキャン、診断データ、新たな患者の医療記録等、術後データに基づいて術後分析を生成することができる。医療管理システムは、例えば、自動設定、プライバシー管理、更新記録管理等を介して、認証、患者ウォレット、及び/又はデジタルファイリングキャビネットを管理することができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、ポイント・オブ・ケアデバイスを医療管理システムと統合することができる。ポイント・オブ・ケアデバイスからのデータは、患者のデジタルファイリングキャビネットに自動的に送信することができる。これにより、患者は、デジタルファイリングキャビネット(例えば、インプラント製造者が管理するデジタルファイリングキャビネット、医療提供者が管理するデジタルファイリングキャビネット等)にアクセスし、リアルタイム又はほぼリアルタイムでデータを閲覧及び/又は管理することができる。
【0025】
図1Aは、開示されたシステムが動作するコンピュータシステム及び他のデバイスの少なくとも一部に典型的に組み込まれる構成要素の一部を示すブロック図である。様々な実施形態において、これらのコンピュータシステム及び他のデバイス100は、サーバコンピュータシステム、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップコンピュータシステム、ネットブック、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、テレビ、カメラ、自動車コンピュータ、電子メディアプレーヤー、ウェブサービス、モバイルデバイス、時計、ウェアラブル、眼鏡、スマートフォン、タブレット、スマートディスプレイ、仮想現実デバイス、拡張現実デバイス等を含むことができる。様々な実施形態において、コンピュータシステム及びデバイスは、以下:コンピュータプログラムを実行するための中央処理装置(CPU)101、施設及び関連データ、カーネルを含むオペレーティングシステム、及びデバイスドライバを含む、使用中のプログラム及びデータを格納するためのコンピュータメモリ102、プログラム及びデータを永続的に格納するためのハードドライブ又はフラッシュドライブ等の永続記憶デバイス103;コンピュータ可読媒体に格納されたプログラム及びデータを読み取るための、フロッピー、CD-ROM、DVDドライブ等の、一過性の伝播信号を含まない有形格納手段であるコンピュータ可読媒体ドライブ104;及び、インターネット又は別のネットワーク及びそのネットワーキング・ハードウェア(スイッチ、ルータ、リピータ、電気ケーブル及び光ファイバ、発光器及び受光器、無線送受信器等)をビアする等、データを送信及び/又は受信するためにコンピュータ系を他のコンピュータ系に接続するためのネットワーク接続105の各々のうちのゼロ又は1以上を含む。上記のように構成されたコンピュータシステムは、典型的には、施設の運用をサポートするために使用されるが、当業者であれば、様々なタイプ及び構成のデバイスを使用し、様々な構成要素を有する施設を実施することができることを理解するであろう。
【0026】
図1Bは、本発明の幾つかの実施形態による例示的な医療用インプラント150を示す。医療用インプラント150は、標的移植部位(例えば、1又は2以上の椎体又は終板の間)において及び/又は近接して、1又は2以上の特定された解剖学的構造(例えば、1又は2以上の椎体又は終板)とインタフェースするように構成された本体152を含む椎間デバイスとすることができる。インプラント本体152は、1又は2以上の特定された解剖学的構造と係合するように設計された1又は2以上の構造的特徴を含むことができる。例えば、図示された実施形態では、インプラント150は、脊椎の椎体に対して着座するように構成された上側面165及び下側面(図示せず)を含むことができる。幾つかの実施形態では、上側表面165及び下側面は、それらが係合する対応する椎体終板の輪郭と「嵌合」するように、椎体終板の輪郭と一致する輪郭を有することができる。寸法、輪郭、トポロジー、構成、及び/又は他のインプラントデータは、EMRの一部とすることができる。図示された実施形態のような幾つかの実施形態では、上側面165及び/又は下側面は、(例えば、粗面化、ローレット、リッジ等を介して)テクスチャリングすることができる。テクスチャリングデータは、EMRに格納された製造データの一部とすることができる。脊柱前弯矯正のために、上側表面165及び下側表面は、互いに対して角度を付けることができ、EMRは、これらの表面の角度及びサイズを含むことができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、インプラント150は、それぞれの棘突起を受容するように設計されたU字形部分の形態の構造的特徴を有する棘突起間スペーサとすることができる。U字形部分の寸法は、棘突起の寸法と一致させることができる。他の実施形態では、構造的特徴は、1又は2以上の解剖学的構造(例えば、組織、骨構造等)と係合(例えば、接触、受容等)するように設計された陥凹部、アーム又は他の接触特徴を含むことができる。EMRは、インプラントの構成、特徴、移植手順/計画、及び/又は意図される使用を含むことができる。
【0028】
ユーザ(例えば、医師、医療提供者など)は、検索機能160を使用してEMRにアクセスすることができる。例えば、検索特徴160が固有識別子に対応するバーコードである実施形態では、ユーザは、例えば、コンピュータデバイス上の1又は2以上のカメラを使用して検索特徴160をスキャンし、及び/又は他の方法で固有識別子をコンピュータデバイスに入力することができる。一意の識別子がコンピューティングシステムに入力されると、コンピューティングシステムは、対応する患者固有の手術データセットを提供する要求とともに、一意の識別子を遠隔サーバに(例えば、通信ネットワークを介して)送信することができる。要求に応じて、及び上述したように、サーバは、一意の識別子に関連付けられた特定のデータセットを探し出し、ユーザに表示するためにデータセットをコンピュータデバイスに送信することができる。インプラント150は、台帳へのアクセス及びEMRの閲覧を支援する他の特徴を含むことができる。
【0029】
特定された解剖学的特徴を係合するのに適した追加のインプラントのタイプ、構成、及び構造的特徴は、例えば、2018年12月1日に出願された米国特許出願第16/207,116号、及び2020年8月6日に出願された米国特許出願第16/987,113号に記載されており、これらの開示内容は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、医療用インプラントは、椎弓根スクリュー、患者特異的インプラント、椎体間インプラントシステム、人工椎間板、拡張可能椎体間インプラント、仙腸関節インプラント、プレート、整形外科関節用関節形成デバイス、非構造インプラント、又は引用により本明細書に組み込まれる特許及び出願にて開示される他のデバイスとすることができる。
【0030】
医療用インプラント150は、患者に移植される医療データを追跡及び監視するために使用される。米国特許出願第63/218,190号は、データを収集し、重み付け/値を割り当てて、他のデバイスと通信することができるインプラントを開示している。この監視は、米国特許第10,902,944号及び米国特許出願第17/342,439号に開示されているシステムなどの処方システムとともに使用することができる。例えば、患者のデータは、引用により組み込まれる特許及び出願に開示される機械学習システム又は他のシステムのための1又は2以上のトレーニングセットに組み込むことができる。
【0031】
医療用インプラント150はまた、多目的インプラントとすることもでき、患者の体内の医学的問題に対処するための構造を提供すると同時に、患者に関する情報を運ぶこともできる。例えば、医療用インプラント150は、ペースメーカー、以前に骨折した骨又は骨のセットを正しく位置決めするためのプレート又はピン等とすることができる。
【0032】
検索機能160は、ブロックチェーン台帳に格納された患者の医療記録を解除するための秘密鍵などの患者データを伝達するのに使用することができる。幾つかの実装では、医療インプラント150は、患者に関連するEMRを追跡するためのプライベートブロックチェーン台帳も含む。患者が様々な治療を受けると、患者の新しいEMR及び既存のEMRの更新が生成され、ブロックチェーン台帳に「トランザクション」として格納される。患者に関連付けられたEMRにアクセスするには、医療インプラント150からの秘密鍵を使用して、ブロックチェーン台帳に格納されたEMRを「アンロック」する必要がある。患者は、この秘密鍵を、安全なプラットフォーム、モバイルアプリケーション、デジタルキー又はこれらに類するものによって、医療提供者及び他の関係者に提供することができる。幾つかの実施形態では、EMRは、医療提供者が復号化する暗号化キーを使用して暗号化される。加えて又は代替的に、リキー・プロトコル、認証管理プロトコル(例えば、登録認証プロトコル、トランザクション認証プロトコル等)、及び他のプロトコルを利用し、可変アクセス及び許可のために利用することができる。患者はEMRのデータを管理し、選択したデータのみを共有することができる。例えば、患者はEMRの一部を非公開にしながら、別の部分を共有することができる。また、システムは、未成年者、家族、親族、及び/又は他のユーザ制御設定等のユーザ制御設定を可能にする。
【0033】
EMRは、インプラントの設計及び設計過程に関連する患者データを含むことができる。例えば、インプラントが人工椎間板である場合、格納されたデータは、運動学的データ(例えば、術前患者データ、標的運動学的データ等)、製造データ、設計パラメータ、目標耐用年数データ、医師の推奨/注釈等を含むことができる。椎間板は、椎骨内板と一致するように輪郭が設計されたプレートを有する移植されるインプラント本体、患者固有の動きを提供するためのプレート間のカスタム関節部材等を含むことができる。移植されるインプラントが椎間ケージである場合、格納されるデータには、インプラント本体の材料仕様、インプラント本体の寸法、製造データ、設計パラメータ、標的耐用年数データ、医師の推奨/注釈等を含めることができる。引用により組み込まれる出願及び特許は、検索機能160に移植できるデータ(例えば、手術計画、インプラント仕様、データセット等)を開示している。
【0034】
幾つかの実装では、患者は、ブロックチェーン台帳に格納されたトランザクション及び詳細へのアクセスのための可変の許可を設定することができる。例えば、特定の医療提供者には、特定の種類の医療処置に関連する特定のトランザクションへのアクセス権のみを与えることができる。他の実施態様では、インプラントを有する子供のための子供設定を有するなど、許可を患者に基づいて設定することができる。
【0035】
医療インプラント150は、患者の様々な健康関連データを追跡及び監視することもできる。例えば、医療用インプラント150は、例えば、活動、負荷等を監視するために解剖学的要素によって移植される圧力、負荷、又は力を測定するように構成された1又は2以上のセンサを含むことができる。医療用インプラント150は、活動レベル、実行された活動、疾患の進行等を示すデータを連続的又は定期的に収集することができる。例えば、インプラント150全体の荷重を一定期間にわたって追跡することができる。引用により組み込まれる出願及び特許は、監視、データ収集、及びデータ送信のための技術を開示している。幾つかの実施形態では、医療用インプラント150は、過剰な負荷、脊椎の不均衡、又はそのようなもののような事象を特定することができる。幾つかの実施形態では、患者は、活動(例えば、外科的処置、状態の変化等)、障害(例えば、新たな障害、障害の進行等)、及び/又は医療イベントに基づく自動ブロックチェーン更新で監視される。ヘルスケアイベントは、ブロックチェーンに符号化できる画像、診断、治療、及び/又は結果及びイベントデータを含むことができる。収集されたデータは、別の患者を治療するために使用される過去の患者データとして使用することができる。引用により組み込まれる出願及び特許は、ブロックチェーンに符号化できる履歴データ、画像データ、手術計画、シミュレーション、モデル化された転帰、治療プロトコル、及び転帰値の使用法も開示する。
【0036】
幾つかの実施態様では、2つ以上のインプラントを使用することができる。例えば、患者は、秘密鍵及び/又は患者のEMRを含むプライベートブロックチェーン台帳を含む移植されたチップを有する脊椎インプラントと、皮下デジタルインプラントの両方を有することができる。皮下デジタルインプラントは仲介デバイスとして機能し、秘密鍵及び/又はプライベートブロックチェーン台帳を含む脊椎インプラントと、患者治療コンピューティングシステム等の外部コンピューティングデバイスの両方と通信する。皮下デジタルインプラントはまた、患者識別情報、生体データ及びそのようなもののような、それ自身のデータを含むことができる。幾つかの実施形態では、皮下デジタルインプラントは、患者のEMRを含む秘密鍵及び/又はプライベートブロックチェーン台帳を含むことができる。
【0037】
図2は、幾つかの実施形態において開示されるシステムが動作するコンピューティング環境の一例を示すシステム図である。幾つかの実施形態では、環境200は、1又は2以上のクライアントコンピューティングデバイス205A~Dを含み、その例はシステム100をホストすることができる。クライアントコンピューティングデバイス205は、サーバコンピューティングデバイス等の1又は2以上のリモートコンピュータへのネットワーク230を介した論理接続を使用して、ネットワーク環境で動作する。幾つかの実施態様では、クライアントコンピューティングデバイス205は、
図1Bに関連して上述した医療インプラント150などの医療インプラントを含むこともできる。
【0038】
幾つかの実施形態では、サーバ210は、クライアント要求を受信し、サーバ220A~C等の他のサーバを介してこれらの要求の履行を調整するエッジサーバである。幾つかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイス210及び220は、システム100のようなコンピューティングシステムを備える。各サーバコンピューティングデバイス210及び220は、論理的には単一のサーバとして表示されるが、サーバコンピューティングデバイスはそれぞれ、同じ又は地理的に離れた物理的位置に配置された複数のコンピューティングデバイスを包含する分散コンピューティング環境とすることができる。幾つかの実施形態では、各サーバ220は、サーバのグループに対応する。
【0039】
クライアントコンピューティングデバイス205及びサーバコンピューティングデバイス210、220はそれぞれ、他のサーバ又はクライアントデバイスに対するサーバ又はクライアントとして動作することができる。幾つかの実施形態では、サーバ(210、220A~C)は、対応するデータベース(215、225A~C)に接続する。上述したように、各サーバ220は、サーバのグループに対応することができ、これらのサーバの各々は、データベースを共有することができ、又は独自のデータベースを有することができる。データベース215及び225は、ユーザのバイオメトリック情報、ユーザの医療記録を含むブロックチェーントランザクション、及び他のデータ等の情報を保管(例えば、記憶)する。データベース215及び225は、論理的には単一のユニットとして表示されるが、データベース215及び225はそれぞれ、複数のコンピュータデバイスを包含する分散コンピューティング環境とすることができ、対応するサーバ内に配置することができ、又は同じ物理的位置又は地理的に異なる物理的位置に配置することができる。
【0040】
ネットワーク230は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)とすることができるが、他の有線又は無線ネットワークとすることもできる。幾つかの実施形態では、ネットワーク230は、インターネット又は他のパブリックネットワーク又はプライベートネットワークである。クライアントコンピューティングデバイス205は、有線又は無線通信等のネットワークインターフェースを介してネットワーク230に接続される。サーバ210及びサーバ220間の接続は、別個の接続として示されているが、これらの接続は、ネットワーク230又は別個の公衆又は私設ネットワークを含む、あらゆる種類のローカル、広域、有線又は無線ネットワークとすることができる。
【0041】
図3は、幾つかの実施態様において、開示された技術を採用するシステムにおいて使用することができる構成要素300を示すブロック図である。構成要素300は、ハードウェア302、一般的なソフトウェア320、及び特殊な構成要素340を含む。上述したように、開示される技術を実装するシステムは、処理ユニット304(例えば、CPU、GPU、APU)を含む様々なハードウェアを使用することができる。CPU、GPU、APU等)、ワーキングメモリ306、ストレージメモリ308(ローカルストレージ又はストレージ215又は225等のリモートストレージへのインタフェースとして)、及び入出力デバイス310を含む様々なハードウェアを使用することができる。様々な実装において、ストレージメモリ308は、ローカルデバイス、リモートストレージデバイスへのインタフェース、又はこれらの組み合わせの1又は2以上とすることができる。例えば、ストレージメモリ308は、システムバスを介してアクセス可能な1又は2以上のハードドライブ(例えば、独立ディスクの冗長アレイ(RAID))のセットとすることができ、又は1又は2以上の通信ネットワークを介してアクセス可能なクラウドストレージプロバイダ又は他のネットワークストレージ(例えば、ストレージ215又は他のサーバ220を介して提供されるストレージ等のネットワークアクセスストレージ(NAS)デバイス)とすることができる。構成要素300は、クライアントコンピューティングデバイス205のようなクライアントコンピューティングデバイス、又はサーバコンピューティングデバイス210又は220のようなサーバコンピューティングデバイス上に実装することができる。
【0042】
一般ソフトウェア320は、オペレーティングシステム322、ローカルプログラム324、及び基本入出力システム(BIOS)326を含む様々なアプリケーションを含むことができる。専門構成要素340は、ローカルプログラム324などの一般ソフトウェアアプリケーション320のサブ構成要素とすることができる。専門構成要素340は、ブロックチェーンモジュール344、EMRモジュール346、患者治療データモジュール348、術後分析モジュール350、機械学習モジュール352、認証モジュール354、制御モジュール356、ポイントオブケアモジュール358、及びインタフェース342のような、ユーザインタフェースを提供し、データを転送し、専門構成要素を制御するために使用できる構成要素を含むことができる。幾つかの実施態様では、構成要素300は、複数のコンピュータデバイスにわたって分散されたコンピューティングシステム内にあることができ、又は特化された構成要素340の1又は2以上を実行するサーバベースのアプリケーションへのインタフェースであることができる。別個の構成要素として描かれているが、特化された構成要素340は、機能の論理的又は他の非物理的な差別化であってもよく、及び/又は1又は2以上のアプリケーションのサブモジュール又はコードブロックであってもよい。
【0043】
ブロックチェーンモジュール344は、システムにブロックチェーン機能を提供する。ブロックチェーンモジュール344は、新しい/既存のブロックチェーン分散型台帳のための新しいブロックの作成、新しいブロックのハッシュ化、及び患者のプライベートブロックチェーン及び分散型台帳への新しいブロックの追加を可能にする。ブロックチェーンモジュール344は、患者のための複数のパブリックブロックチェーン、プライベートブロックチェーン、及び/又は他の分散型台帳を管理することができる。幾つかの実装では、各患者が患者の医療記録及びデータのための個別のブロックチェーン及び/又は台帳を維持するため、各患者のブロックチェーンのプライバシーを確保することができる。他の実装では、トランザクションは患者に関連する秘密鍵と一致する公開鍵を含む。これらの実装では、トランザクションは公開台帳に追加されるが、トランザクションの詳細には秘密鍵が使用された場合にのみアクセスできるため、患者データのプライバシーが確保される。
【0044】
ブロックチェーン及び/又は台帳の新しいブロックは、EMRモジュール346から受信したEMRに基づいて作成される。幾つかの実装では、作成されたブロックチェーン台帳は、患者のインプラントの永続メモリに格納することができる。他の実施態様では、作成されたブロックチェーン台帳は、システムに関連付けられたメモリに格納することができ、及び患者のみに関連付けられたプライベートブロックチェーン台帳又は患者のグループに関連付けられたパブリックブロックチェーン台帳とすることができる。ブロックチェーン台帳が公開台帳である場合、各ブロックは異なる患者に関連付けることができるが、医療専門家が台帳内の特定のブロックで識別される患者に関連付けられた秘密鍵を所有していない限り、閲覧のためにアクセスすることはできない。患者グループは複数の方法で細分化できる。例えば、患者グループは、特定の医療施設の全ての患者、特定の医療専門家の治療を受けている全ての患者、特定の医療保険提供者がカバーする全ての患者、類似の病理、治療、転帰を有する全ての患者、及びそのようなものとして定義することができる。
【0045】
EMRモジュール346は、患者の電子医療記録を管理する。EMRは、患者データ(例えば、画像、スキャンなど)、患者に関する人口統計学的情報、患者の識別情報、過去の患者の治療データ、メトリクス、計画(例えば、術前計画、矯正計画、手術計画、術後計画など)、病理学関連情報を提供するデータ、プロバイダ情報(例えば、医師、病院、手術チーム等)、患者フィードバック(例えば、QOLアンケート、調査、患者報告転帰測定等を用いて取得されたフィードバック)、バイタルサイン、診断結果、及び/又は、様々な病気又は医学的問題の家族歴、処方薬歴等の患者に関する他の医学的に関連する情報を提供するデータである。EMRモジュール346はまた、受けた医療処置、移植されたインプラント情報(例えば、患者固有の設計、組成、移植日、製造等)、実施された薬物療法、参加した臨床試験、及び患者の健康のために行われた他の関連する医療行為等の患者の治療記録を維持することができる。各医療行為には、主治医、処方医、行為の日時、患者の医療反応医療行為の実施、及び他の関連医療データポイント等の様々な追加データポイントも含めることができる。幾つかの実施態様では、EMRはまた、医療画像、血液検査結果等の医療アクションに関連する様々な関連画像及びスキャン(例えば、CTスキャン、3D CTスキャン、CMCTスキャン、MRI、PETスキャン等)、画像(例えば、X線画像、磁気共鳴画像、超音波画像等)を含むことができる。EMRモジュール346は、EMRに基づいてトランザクションを生成するために、ブロックチェーンモジュール344にEMRを提供することができる。
【0046】
患者治療データモジュール348は、様々な医療システムから、医療イベント又は医療行為(例えば、入院、医療処置、薬物療法レジーム等)に関する患者データを収集する。一例では、患者治療データモジュール348は、患者を識別する識別情報、定期的な医師の診察の結果、及び、撮影された様々な医療画像、血圧値、心拍数、血中酸素濃度、肥満度指数、及び/又は他の医療データ等の診察に関連する任意の関連データを受信することができる。患者治療データモジュール348は、このデータをEMRモジュール346にEMRで提供し、患者のための新しいEMRを作成することができる。
【0047】
術後分析モジュール350は、患者情報、患者の目標、患者に対する医療提供者の目標、医療処置の結果、健康指標目標(例えば、BMI、血圧等)、処置又は患者の検査からの医療提供者のメモ等を収集及び分析する。例えば、医療処置の後、術後分析モジュール350は、医療処置が成功したかどうかを判定するためにX線画像を分析した。術後分析モジュール350は、患者の可動性(例えば、手足又は指の可動域)等の収集された健康指標に基づいて、患者が理学療法に出席すべきか否かを決定することができる。術後分析モジュール350は、癌を示す可能性のあるMRIの新たなスポットなど、医療オペレータが確認すべきEMRを特定することができる。幾つかの実装では、術後分析はトークンに変換される。
【0048】
機械学習モジュール352は、デジタルファイリングキャビネット内のユーザヘルスケアデータを分析して、イベント(例えば、緊急事態、予約、健康目標など)を通知することを決定するように構成することができる。機械学習モジュール352は、ユーザのヘルスケア情報、目標、及び健康状態を反映する少なくとも1つのデータセットに基づいてトレーニングされた少なくとも1つの機械学習アルゴリズムに基づいてヘルスケアデータを分析するように構成することができる。少なくとも1つの機械学習アルゴリズム(及びモデル)は、データベースにローカルに、及び/又はデータベース(例えば、クラウドデータベース及び/又はクラウドサーバ)に外部に保存することができる。クライアントデバイスは、これらの機械学習アルゴリズムにアクセスし、ヘルスケアデータをインテリジェントに分析し、ユーザの過去のヘルスケアデータに基づいて訓練された少なくとも1つの機械学習モデルに基づいてユーザに通知するように装備することができる。例えば、ユーザが頻繁に血糖値を上昇させる場合、ユーザの健康指標を収集して機械学習モデルを訓練し、ユーザの血糖値を下げるために運動するようユーザに自動的に通知することができる。
【0049】
本明細書で説明するように、機械学習(ML)モデルは、1又は2以上の文字列、クラス、オブジェクト、結果セット又はイベントにわたる確率分布を決定するため、及び/又は1又は2以上の予測因子から応答値を予測するために使用できる予測又は統計ユーティリティ又はプログラムを指すことができる。モデルは、1又は2以上のルールセット、機械学習、ニューラルネットワーク等に基づくか、又はこれらを組み込むことができる。デバイスの例では、MLモデルは、クライアントデバイス、サービスデバイス、ネットワークアプライアンス(例えば、ファイアウォール、ルータ等)、又はこれらの組み合わせに配置されてもよい。MLモデルは、ユーザのヘルスケアデータ及びユーザの健康指標の他のデータストアを処理して、ユーザに対する通知を生成するタイミングを決定することができる。ユーザのヘルスケアデジタルファイリングキャビネット、ウェアラブルデバイス、及び他のユーザデータストアからのデータの集約に基づいて、少なくとも1つのMLモデルが訓練され、その後、ヘルスケア通知を自動的に生成するために展開することができる。訓練されたMLモデルは、1又は2以上のデバイスに展開することができる。具体例として、訓練されたMLモデルのインスタンスは、サーバデバイス及びクライアントデバイスに展開することができる。サーバデバイスに展開されたMLモデルは、例えば、クライアントデバイスがインターネットに接続されているときに、クライアントデバイスによって使用されるように構成される。逆に、クライアントデバイスに展開されたMLモデルは、例えば、クライアントデバイスがインターネットに接続されていないときに、クライアントデバイスによって使用されるように構成される。一部の事例では、クライアントデバイスがインターネットに接続されていなくても、ヘルスケアデータを含む衛星信号を受信するように構成することができる。このような例では、MLモデルはクライアントデバイスによってローカルにキャッシュすることができる。幾つかの実施態様では、機械学習モジュール352は、デジタルファイリングキャビネット内の新しいヘルスケアデータを識別し、新しいヘルスケアデータに基づいて患者の健康目標又はメトリクスを更新する。
【0050】
認証モジュール354は、利用者(例えば、患者、家族、医療提供者、承認された利用者など)に対して、患者固有のヘルスケアデータの認証管理を提供する。認証モジュール354は、ジオロケーション、バイオメトリクス、ブロックチェーン、トークン(例えば、NFT)、又はユーザ認証のためのキー機能に基づいて、ヘルスケアデータへのアクセス(例えば、読み取り専用、編集機能、プライバシー保護等)を管理することができる。認証モジュール354は、ヘルスケアデータにアクセスするためのユーザ認証のためのトークン機能を提供する。認証モジュール354は、ユーザが医療記録にアクセスするためのトークンを生成することができる。幾つかの実装では、トークンは、ユーザが医療記録にアクセスできる閾値時間だけ有効である。ユーザは、認証モジュール354にトークンを要求及び受け取ることができる。幾つかの実装では、認証モジュール354は、医療データにアクセスするためのユーザ認証のための主要機能を提供する。認証モジュール354は、認証時にユーザがヘルスケアデータにアクセスするための認証鍵(例えば、対称鍵又は非対称鍵)を、安全なチャネルを介してユーザと共有することができる。
【0051】
認証モジュール354は、ヘルスケアデータにアクセスするためのユーザ認証のためのバイオメトリクス機能を提供する。ユーザは、自分のバイオメトリクス情報(例えば、音声、顔スキャン、指紋、虹彩スキャン、歯の記録、身長、体重など)を認証モジュール354に提供することができる。認証モジュール354は、生体情報を保存することができる。ユーザが医療データにアクセスしようとすると、認証モジュール354は、医療記録へのアクセスをユーザに許可する前に、生体情報に基づいてユーザの身元を確認することができる。場合によっては、認証モジュール354は、医療記録へのアクセスをユーザに許可する前に、指紋及び音声等の2種類以上の生体情報をユーザに提供することを要求する。
【0052】
認証モジュール354は、医療データにアクセスするためのユーザ認証のためのジオロケーション機能を提供する。認証モジュール354は、医療データへのアクセスをユーザに許可するか否かを決定する際に、医療データにアクセスしようとするユーザデバイスの位置又は患者のデバイスの位置を確認することができる。一例では、医療提供者は医療施設においてのみ患者の医療記録にアクセスできる。別の例では、医療提供者は、患者が医療提供者の医療施設にいる場合にのみ、患者の医療記録にアクセスすることができる。
【0053】
認証モジュール354は、ヘルスケアデータにアクセスするためのユーザ認証のためのブロックチェーン機能を提供する。認証モジュール354は、新しい/既存のブロックチェーン分散型台帳のための新しいブロックの作成、新しいブロックのハッシュ化、及び患者のプライベートブロックチェーン及び分散型台帳への新しいブロックの追加を可能にする。認証モジュール354は、患者のための複数のパブリックブロックチェーン、プライベートブロックチェーン及び/又は他の分散型台帳を管理することができる。幾つかの実装では、各患者が患者の医療記録及びデータのための個別のブロックチェーン及び/又は台帳を維持するため、各患者のブロックチェーンのプライバシーを確保することができる。他の実装では、トランザクションは患者に関連する秘密鍵と一致する公開鍵を含む。これらの実装では、トランザクションは公開台帳に追加されるが、トランザクションの詳細には秘密鍵が使用された場合にのみアクセスできるため、患者データのプライバシーが確保される。
【0054】
ブロックチェーン及び/又は台帳の新しいブロックは、受け取った医療データに基づいている。幾つかの実装では、作成されたブロックチェーン台帳は、患者のインプラントの永続メモリに格納することができる。他の実施態様では、作成されたブロックチェーン台帳は、システムに関連するメモリに格納することができ、及び患者のみに関連するプライベートブロックチェーン台帳又は患者のグループに関連するパブリックブロックチェーン台帳とすることができる。ブロックチェーン台帳が公開台帳である場合、各ブロックは異なる患者に関連付けることができるが、医療専門家が台帳内の特定のブロックで識別される患者に関連付けられた秘密鍵を所有していない限り、閲覧のためにアクセスすることはできない。患者グループは複数の方法で細分化できる。例えば、患者グループは、特定の医療施設の全ての患者、特定の医療専門家の治療を受けている全ての患者、特定の医療保険提供者がカバーする全ての患者、類似の病理、治療、転帰を有する全ての患者、及びそのようなものとして定義することができる。
【0055】
制御モジュール356は、医療提供者デジタルファイリングキャビネット内の患者医療データを制御する。制御モジュール356は、デジタルファイリングキャビネットに追加する追加データを定期的又は継続的に検索するための自動設定を決定することができる。制御モジュール356は、患者のヘルスケアデータにアクセスしようとするあらゆるユーザに認証資格情報(認証モジュール354に記載されている)を要求することによって、ヘルスケアデータのプライバシーを管理することができる。幾つかの実施態様では、制御モジュール356は患者ヘルスケアデータを暗号化する。制御モジュール356は、新しいヘルスケアデータを識別し、新しいヘルスケアデータを含むように医療提供者のデジタルファイリングキャビネットを更新することができる。
【0056】
ポイント・オブ・ケア(POC)モジュール358は、医療提供者デバイス(例えば、医療器具、チャーティングデバイス、患者監視デバイス等)又は患者デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス、インプラント、スマートフォン等)等のPOCデバイスを識別し、POCデバイスから収集データを取り出す。POCモジュール358は、POCデバイスから、健康履歴データ、治療データ、患者の健康メトリクス、患者の地理的位置、保険情報、生体測定データ、又は支払い情報を収集することができる。POCモジュール358は、医療提供者が患者に示すために、健康データのバージョンをユーザデバイス上に表示することができる。例えば、POCモジュール358は、患者が手術処置後に移植されるインプラントを見ることができるように、X線画像をユーザインタフェース上に表示する。POCモジュール358は、デジタルファイリングキャビネットに入力されたヘルスケアデータから特定された事象に基づいてアラートを提供する。例えば、アラートは、ウェアラブルデバイスから収集された監視データからのユーザ(例えば、医師、ドクター、患者等)通知である。POCモジュール358は、追加又は更新された患者情報、予約のスケジューリング、緊急事態の通知等を要求するためのアラートを生成することができる。例えば、POCモジュール358は、患者の健康指標(例えば、心拍数、血圧、体温等)が健康指標閾値(例えば、医療提供者によって決定された閾値又は範囲)の外にある場合に、アラートを生成することができる。
【0057】
図4は、医療用インプラントに格納された台帳に患者データを作成するためのプロセス例400を示すフローチャートである。
【0058】
ブロック402において、プロセス400は患者の治療情報を受信する。患者情報は、患者識別情報、患者の診断、診断に関連するデータ、患者の治療計画、患者の治療計画に関連するデータ、診断又は治療計画に関連する医療画像データ、EMR、及び/又は患者の診断及び治療に関連する他の患者情報を含むことができる。患者治療情報は、患者診断ソフトウェアシステム、患者治療ソフトウェアシステム、患者検査ソフトウェアシステム、及び/又は患者診断及び治療に関連する他のソフトウェアシステムから受け取ることができる。
【0059】
ブロック404において、プロセス400は受信した患者治療情報に基づいて新しいトランザクションを生成する。トランザクションは、受信した患者治療情報の詳細を含み、及び一意の患者識別子、治療を提供する医師、治療を提供する施設、及び/又は治療に関連する他の情報に関連する情報等の追加情報を含むこともできる。トランザクションには、一致する秘密鍵を有する者がトランザクションの詳細にアクセスできるようにする公開鍵も含まれる。患者は秘密鍵の所有権を有し、及び将来、医療提供者と秘密鍵を共有し、台帳の過去のトランザクションにアクセスすることができる。
【0060】
ブロック406で、プロセス400は生成されたトランザクションをブロックチェーン台帳に追加する。幾つかの実装では、トランザクションは患者治療コンピューティングシステムで生成され、及び1又は2以上の無線データ通信手段を介して医療インプラント上に格納されたブロックチェーン台帳に送信される。このトランザクションは、最新のトランザクションとして医療用インプラント上に格納された台帳に追加され、トランザクションの全ての詳細を含むことができる。他の実施態様では、生成されたトランザクションは医療記録ソフトウェアシステム内のプライベート分散型台帳に追加され、患者の医療用インプラント上に格納された秘密鍵を使用してのみ移植することができる。この実施態様では、秘密鍵は患者に移植される。移植される秘密鍵は、整形外科、脊椎、皮下、又は他のインプラントに存在するように構成することができる。更なる実施態様では、生成されたトランザクションはプライベートトランザクションとして公開台帳に追加することができる。公開台帳からプライベートトランザクションにアクセスするためには、患者に関連するプライベート鍵(例えば、移植された鍵)が使用されなければならない。鍵なしでトランザクションにアクセスしようとするユーザは、トランザクションに関連する詳細を見ることができない。この実装では、各患者の健康データのプライバシーを維持しながら、様々な患者が公開台帳上で医療記録を追跡することができる。
【0061】
図5は、患者の医療記録にアクセスするためのプロセス例500を示すフローチャートである。
【0062】
ブロック502において、プロセス500は、患者に関連付けられた秘密鍵を受信する。幾つかの実施態様では、秘密鍵は、患者のインプラントと無線通信コンタクトを確立することによって受信される。インプラントは、秘密鍵を含む永続メモリを含み、この秘密鍵は、インプラントとプロセス500を実行するコンピューティングシステム(患者治療ソフトウェアシステムなど)との間で無線通信コンタクトが確立された場合にのみアクセスされる。秘密鍵は患者に固有であり、患者に関連する記録にアクセスする唯一の方法である。幾つかの実施態様では、秘密鍵のリクエストは、プロセス500を実行するコンピューティングシステムによって生成することができる。この要求には、秘密鍵にアクセスするための患者の認可の要求を含めることができる。
【0063】
幾つかの実施態様では、患者は、インプラントからの秘密鍵をプロセス500と共有することに同意することが要求されうる。例えば、音声による確認、ソフトウェアアプリケーション、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション等へのパスワードの入力、医師への電子署名の提供、及び他の適切な確認機構等の確認機構を使用することができる。インプラントからの秘密鍵は、無線周波数及び近接電気通信技術の他のモード等の電気通信方法を使用して共有することができる。患者が秘密鍵の共有に成功するまでは、秘密鍵は医師又は医療提供者に提供されない。
【0064】
例示的な例として、患者の認可は、医療用インプラントから読み取られたデータを復号化するために使用できるユーザパスワード、アクセスコード/フレーズ等を含むことができる。構成要素300の1つ又は2つ以上(例えば、ブロックチェーンモジュール344)は、ユーザパスワード等を使用して、1つ又は2以上の所定の復号化機構を使用して医療用インプラントから提供されたデータを復号化し、それにより秘密鍵にアクセスすることができる。代替的に又は追加的に、患者の認可は、1又は2以上のユーザーアカウントに特に結び付けられる場合がある。例えば、患者は、1又は2以上の特定の医療提供者の人員(例えば、プライマリケア提供者又は指定された専門医)、医療提供者の一般的なカテゴリー、家族、認可された/選択された擁護者等に属するアカウントに対して、認可、異なるアクセスレベル、及び/又はアクセス条件を提供又はプリセットすることができる。秘密鍵にアクセスしようとする者/組織は、対応するアカウントを使用することを要求される場合があり、アカウント情報は秘密鍵へのアクセスを許可するために使用される場合がある。
【0065】
医療用インプラント及び対応するシステムは、特定の医療緊急事態の場合など、条件に応じてアクセスレベルを変えることができる。例えば、患者の状態(例えば、生理学的マーカー及び/又は患者デバイスによって報告された状態)が1又は2以上の所定のパターンに一致する場合に、救急医療提供者又は家族に秘密鍵へのアクセスを(例えば、上述の1又は2以上の方法/機構によって)許可することができる。患者の状態は、ユーザに関連する1又は2以上の他のデバイス(例えば、ウェアラブルヘルスモニタ)又はインプラントに結合できるインタフェース医療用インプラントを通じて決定することができる。秘密鍵にアクセスしようとする試みは、移植される医療用インプラント及び/又は他のデバイスにステータスチェックを実施させるために、(RFID又はNFC通信プロトコルの場合等)開始又は給電することができる。ステータスチェックが緊急状態(例えば、所定のテンプレートシナリオ及び/又は閾値の1つ)に一致すると、インタフェース医療用インプラントは、受信システムに対して指示を提供することができる。受信した表示に基づいて、システムは、所定のアカウント保有者セットが秘密鍵及び/又はEMRの許可された部分にアクセスすることを許可することができる。
【0066】
ブロック504において、プロセス500は、受信した秘密鍵を使用して、患者のEMRを含むブロックチェーン台帳にアクセスする。幾つかの実装では、ブロックチェーン台帳は、患者のインプラントの永続メモリに格納されたプライベートブロックチェーン台帳である。これらの実施態様では、プロセス500は、インプラントとの無線通信コンタクトを確立又は維持し、秘密鍵を使用してブロックチェーン台帳を「アンロック」し、その後、医師が閲覧するためにインプラントからブロックチェーン台帳を受信する。幾つかの実施形態では、医師は、新しいスキャン、診断、検査結果等、追加の患者データを含むように、ロック解除されたブロックチェーン台帳を修正することができる。他の実施形態では、プロセス500は、受信した秘密鍵を使用して、プライベートブロックチェーン台帳を「アンロック」し、又はパブリックブロックチェーン台帳内の患者に関連する1又は2以上のブロックにアクセスする。
【0067】
ブロック506において、プロセス500は、アクセスされた患者のEMRを、秘密鍵を所有する医療提供者に表示する。EMRは、表、データベース、チャート、グラフィック、又はテキストを含む馴染みのあるフォーマットで表示することができる。引用により組み込まれる出願及び特許にも、例示的なEMRが開示されている。
【0068】
図6は、実施形態による、ヘルスケアデータを管理、保存及びアクセスするためのコンピューティングシステム600を示すネットワーク接続図である。本明細書で更に詳細に説明するように、システム600は、
図1~5のシステムの構成要素を含むことができ、又は
図1~5のシステムに組み込むことができる。システム600は、例えば、ヘルスケアデータを収集、保存、監視、及び/又は更新するように構成することができる。システム600は、限定するものではないが、1又は2以上の電子医療記録(EHR)、EMR、患者情報、デジタルウォレット(例えば、署名されたメッセージ、鍵、暗号通貨、トークン、クレジットカード、支払い情報等)、及びヘルスケアデータを含むことができる1又は2以上のデジタルファイリングキャビネット680を含むことができる。デジタルファイリングキャビネット680は、ヘルスケアデータを受信し、及びデジタル・フォーマットに変換して、ヘルスケアデータの所在を特定し、検索する効率を高めることができる。
【0069】
コンピューティングシステム600は、暗号プラットフォームとして機能することができる。デジタルファイリングキャビネット680は、ブロックチェーン技術を使用して、ヘルスケアデータを暗号トークンに変換することができる。幾つかの実施形態では、コンピューティングシステム600は、ブロックチェーン技術に基づくトークンプラットフォームとして動作するように構成される。ブロックチェーン技術を使用すると、データにアクセスするためのユーザの認証要件に基づいて、ヘルスケアデータのセキュリティを高めることができる。トークンは、アクセス認証情報(例えば、公開鍵及び秘密鍵)を認証することによってデジタルヘルスケアデータの検証を提供し、データの改ざんを排除し(データの完全性)、患者の健康記録の真実の情報源を提供することができる。トークンは、データの所有権、データへのアクセシビリティ、データのポータビリティ、検証可能な患者データに基づく患者固有のソリューション、治療のための患者固有のアルゴリズム、患者が選択可能なデータの共有、患者データの追跡可能な使用、及びデータの使用に対する経済的価値の生成を提供することができる。ブロックチェーン技術及びトークンを使用することにより、システム600に、ヘルスケアデータを安全に追跡し、所有権を識別し、リンクし、及び/又は移転する(例えば、意図された受取人に移転する)方法を提供することができる。幾つかの実施形態では、トークンは、データにアクセスするための有効期限、意図されたレシピエントの確認、移植されるための指示(例えば、手術ロボット)、追跡可能な保管の連鎖(例えば、サプライチェーン)、データの真正性の確保(偽造品の排除)、及び暗号通貨での製品(検証済み、追跡可能)に対する支払い(払い戻し)を有することができる。
【0070】
デジタルファイリングキャビネット680は、患者、医療提供者、医療保険エンティティ、銀行エンティティ、及び/又は医療データを有するストレージデバイスから医療データを受け取ることができる。ヘルスケアデータの種類に基づいて、デジタルファイリングキャビネット680は、認証レベルごとにヘルスケアデータを整理することができる。例えば、患者は全てのヘルスケアデータにアクセスできるが、医療提供者は医療記録に限定され、患者の医療保険又は支払い情報にはアクセスできない。デジタルファイリングキャビネット680は、患者ヘルスケアデータ608を含み、データ608a、608b、608c、及び608dのような異なる認証レベルによって患者ヘルスケアデータを整理する。ヘルスケアデータ608a、608b、608c、及び608dの各グループ又はセットは、ユーザがアクセスするために異なる認証レベルを必要とする。ヘルスケアデータセット及びヘルスケアデータの例については、
図7~8に関連して説明する。ユーザの認証レベルが特定されると、システム600は、特定された認証レベルに関連するヘルスケアデータをユーザに送信することができる。幾つかの実施態様では、システム600は、ヘルスケアデータを、ユーザが取り出すために患者のインプラント650に、又はユーザデバイスに送信する。
【0071】
ヘルスケアデータのグループの数、許可設定、保存データ、組織スキーム、及び/又は他の設定は、ユーザ、ヘルスケア提供者等によって設定することができる。データは自動的に収集され、適切なデータグループに組み込まれる。クラウドベースの実施態様では、デジタルファイリングキャビネット680は、リモートアクセスを提供するためにクラウドサーバ上に格納することができる。幾つかの実装では、デジタルファイリングキャビネット680は、いつでも記録へのアクセスを提供するためにローカルに格納することができる。更に、ブロックチェーン情報を含むデジタルウォレットを有するデジタルファイリングキャビネット680をローカルに保存することができる。ヘルスケアデータ608a、608b、608c、及び608dの各グループは、ユーザ(又はデータ管理システム)によって、例えば、手順、医師、医療提供者、及び/又は医療製造と関連付けられることができる。ユーザは、ヘルスケアデータ608a、608b、608c及び608dに、注釈、個人的なメモ、及び他のユーザによって閲覧可能であっても閲覧不可能であってもよい他の情報を含む情報を追加することができ、認可/アクセスのタイプ、量、及び/又はレベルを選択することができる。幾つかの実装では、ヘルスケアデータ608a、608b、608c及び608dは、ブロックチェーンデータ、ウォレット、トークン、トークンにリンクされたデータ、コンテナ化されたデータ、鍵、固有ID、暗号化プログラム等を含むことができる。
【0072】
幾つかの実施形態では、ヘルスケアデータ群608aは、患者のインプラント650(図示せず)に関連付けることができ、インプラント650の手術計画、インプラント650の製造データ、通知(例えば、リコール通知)、予測される治療後分析、医師情報、及びインプラント650又は手術に関連付けられた他の情報(例えば、術前、術中、及び/又は術後情報)を含むことができる。ユーザは、許可されたユーザがヘルスケアデータ608a又はヘルスケアデータ608にアクセス(例えば、全て又は一部)することを許可するための1又は2以上の規則を設定することができる。例えば、ユーザは、ユーザの治療計画を修正するために術後に収集されたデータにアクセスできる理学療法士による術後データ608aの閲覧を許可することができる。ユーザは、一般的なヘルスケア治療を提供するために、プライマリケア医がヘルスケアデータ608にアクセスすることを許可することができ、外科医が手術結果を評価し、将来の外科的介入などの追加治療を推奨するために、ヘルスケアデータ608aにアクセスすることを許可することができる。
【0073】
ヘルスケアデータ608bは、例えば、インプラントに関連しない健康記録を含む患者の一般的な電子医療記録(EMR)を含むことができる。ユーザは、一般的なヘルスケア治療を提供するために、主治医がヘルスケアデータ608bにアクセスすることを許可することができる。ユーザは、家族及び第三者にヘルスケアデータ608bへのアクセスを許可することができる。従って、ヘルスケアデータ608a及び608bに対するアクセス設定は、同じであっても異なっていてもよい。
【0074】
ヘルスケアデータ608cは、例えば、ユーザデバイス入力からのデータを含むことができる。データは、例えば、ウェアラブル(例えば、スマートウォッチ、歩数計等)、スマートフォン、生体センサ(例えば、分析物センサ、グルコースセンサ等)、心臓モニタ、運動モニタ機器等から得ることができる。ユーザは、例えば、食事目標、運動目標、又は他のユーザ目標の遵守を支援するために、データ608cにアクセスすることを家族に許可することができる。
【0075】
データは、デジタルファイリングキャビネット680に自動的に提供することができる。幾つかの実施形態では、例えば、インプラント検索機能660は、デジタルファイリングキャビネット680にアクセスするための指示を提供することができる。画像処理装置(例えば、MRI装置、X線装置、スキャナなど)は、検索機能660から情報を読み取ることができる。含まれる情報は、通信ネットワーク604を介して、デジタルファイリングキャビネット680に送信することができる。送信された情報は、限定されるものではないが、認可情報(例えば、デジタルファイリングキャビネットのログイン情報)、患者識別、移植される識別子、及び/又はデータを認可、検索、及び/又は分類するために使用する他の情報を含むことができる。
【0076】
デジタルファイリングキャビネット680は、通信ネットワーク604ビアを介して、製造システム624から送信されたデータを格納することができ、及び受信されたデータを分析し、製造データ等のデータと受信されたインプラントデータとを相関させることができる。相関設定は、ユーザによって変更又は設定することができる。更に、手術計画は、通信ネットワーク604を介して、システム606からデジタルファイリングキャビネット680に送信することができる。手術計画は、製造データ、インプラントデータ、及びインプラント650に関連する他の情報と関連付けられることができる。デジタルファイリングキャビネット680は、通信ネットワーク604を介して、患者のヘルスケアデータをシステム606に送信することができる。これにより、新たに利用可能になったデータを自動的に又は定期的に分析システム606に送信することができる。分析システム606は、クライアントコンピューティングデバイス602、デジタルファイリングキャビネット680、製造システム624、医師等に分析を提供するために、例えば、1又は2以上のモデルを使用して、新たに受信されたデータを分析することができる。クライアントコンピューティングデバイス602は、例えば、デジタルファイリングキャビネット680、分析システム606、及び/又は他のデータソースから、分析及び通知を受信することができる。
【0077】
幾つかの実施形態では、システム600は、ユーザデバイス、クラウドベースデバイス、及び/又は医療提供者デバイス上の患者ヘルスケアデータを管理するように構成される。ヘルスケアデータは、患者の医療記録、医療保険情報、ウェアラブルデバイスからの健康メトリクス、手術情報、手術計画、技術推奨(例えば、デバイス及び/又は器具推奨)、及び/又は医療デバイス情報(例えば、移植された医療デバイス(本明細書では「インプラント」又は「移植されたデバイス」とも呼ばれる)又はインプラント送達器具)を含むことができる。デジタルウォレットは、ブロックチェーン医療データ(例えば、ブロックチェーンEHR、EMR等)、保険アクション(例えば、支払い、請求書提出等)又はこれらを管理するために使用することができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、システム600は、医療記録にアクセスするために必要な認証を管理する。認証は、ブロックチェーン、トークン、鍵、生体認証、ジオロケーション、パスワード、又は任意の認証クレデンシャルを含むことができる。患者に固有のヘルスケアデータは、本明細書では「患者固有」又は「パーソナライズされた」ヘルスケアデータと呼ばれる。デジタルファイリングキャビネット680は、電子医療記録のブロックチェーン分散型台帳から患者に関連する電子医療記録を含むデータにアクセスするための1又は2以上の鍵(例えば、秘密鍵、公開鍵等)、認証情報、及び/又は他の情報を格納することができる。米国特許出願第17/463,054号は、例えば鍵を使用して患者の医療記録を追跡するシステム及び方法を開示しており、引用によりその全体が組み込まれる。システム600は、引用によりその全体が組み込まれる米国特許第16/990,810号に開示されているように、医療デバイスを患者データとリンクさせるためのシステム及び機能を含むことができる。デジタルファイリングキャビネットは、引用によりその全体が組み込まれる米国特許出願第16/699,447号に記載されているように、ユーザーフィードバックを受け取るために使用することができる。本明細書に開示されたシステムは、米国特許出願第16/699,447号に開示された方法を用いて医療デバイスを設計するためのデジタルファイリングキャビネットを含むことができる。例えば、コンピューティングシステム600は、トークン、鍵などを使用して、電子医療記録の分散型台帳から医療データにアクセスするために使用することができる。分散型台帳は、1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表すことができる。各電子医療記録は、電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納することができる。患者又はインプラント650に関連付けられた秘密鍵は、患者に関連付けられたハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするために使用することができる。デジタルファイリングキャビネット680から取り出された患者に関連する電子医療記録は、閲覧のために表示することができる。
【0079】
システム600は、クライアントコンピューティングデバイス602を含み、このクライアントコンピューティングデバイスは、スマートフォン、モバイルデバイス、ラップトップ、デスクトップ、パーソナルコンピュータ、タブレット、ファブレット、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、又は当該技術分野において公知の他のそのようなデバイス等のユーザデバイスとすることができる。本明細書で更に議論されるように、クライアントコンピューティングデバイス602は、1又は2以上のプロセッサ、及び本明細書で説明される方法を実行するために1又は2以上のプロセッサによって実行可能な命令を格納するメモリを含むことができる。クライアントコンピューティングデバイス602は、医療提供者又は患者に関連付けることができる。
図6は、単一のクライアントコンピューティングデバイス602を示しているが、代替実施形態では、クライアントコンピューティングデバイス602は、代わりに、クライアントコンピューティングデバイス602に関して本明細書で説明される動作が代わりにコンピューティングシステム及び/又は複数のコンピューティングデバイスによって実行できるように、複数のコンピューティングデバイスを包含するクライアントコンピューティングシステムとして実装することができる。
【0080】
クライアントコンピューティングデバイス602は、患者に関連する患者ヘルスケアデータ608を受信するように構成される。患者ヘルスケアデータ608は、患者の状態、解剖学的構造、病理学的構造、病歴、嗜好、及び/又は患者に関連する他の情報又はパラメータを代表するデータを含むことができる。例えば、患者ヘルスケアデータ608は、病歴、外科的介入データ、治療結果データ、経過データ(例えば、医師のメモ)、患者フィードバック(例えば、QOLアンケート、アンケートを使用して取得されたフィードバック)、臨床データ、提供者情報(例えば、医師、病院、外科チーム)、患者情報(例えば、 人口統計、性別、年齢、身長、体重、病態の種類、職業、活動レベル、組織情報、健康評価、併存疾患、健康関連QOL(HRQL))、バイタルサイン、診断結果、投薬情報、アレルギー、画像データ(例.カメラ画像、磁気共鳴画像(MRI)画像、超音波画像、コンピュータ断層撮影(CAT)スキャン画像、陽電子放出断層撮影(PET)画像、X線画像)、診断機器情報(例えば、製造業者、モデル番号、仕様、ユーザが選択した設定/構成等)、又はこれらに類するものである。幾つかの実施形態では、患者ヘルスケアデータ608は、患者識別番号(ID)、年齢、性別、肥満度指数(BMI)、腰椎前弯、コブ角、骨盤入射、椎間板の高さ、セグメントの柔軟性、骨質、回転変位、可動域、障害スコア、及び/又は脊椎の治療レベルの1又は2以上を表すデータを含む。幾つかの実施形態では、クライアントコンピューティングデバイス602は、デジタルファイリングキャビネット680、ヘルスケアデータ608、及び/又は他の情報をローカルに格納することができる。クライアントコンピューティングデバイス602は、ログイン資格情報の有無にかかわらず、ユーザがリモートデジタルファイリングキャビネット又はアカウントに自動的にアクセスすることを可能にするためのアカウント情報を格納することができる。幾つかの実施形態では、クライアントコンピューティングデバイス602は、新たに利用可能になったデータ(例えば、ウェアラブルからのバイオメトリクス、ユーザ入力等)を定期的又は連続的に受信することができ、新たに利用可能になったデータの全て又は一部を、例えば、デジタルファイリングキャビネット680、サーバ606等のリモートストレージシステムに送信することができる。
【0081】
クライアントコンピューティングデバイス602は、通信ネットワーク604を介してサーバ606に動作可能に接続され、従って、クライアントコンピューティングデバイス602とサーバ606との間のデータ転送を可能にする。通信ネットワーク604は、有線及び/又は無線ネットワークとすることができる。通信ネットワーク604は、無線である場合、可視光通信(VLC)、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMAX)、ロングタームエボリューション(LTE)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、赤外線(IR)通信、公衆交換電話網(PSTN)、電波、及び/又は当該技術分野において公知の他の通信技術等の通信技術を使用して実装することができる。
【0082】
ヘルスケアデータネットワーク」又は「ヘルスケアデータ分析ネットワーク」とも呼ばれ得るサーバ606は、1又は2以上のコンピュータデバイス及び/又はシステムを含むことができる。本明細書で更に議論されるように、サーバ606は、1又は2以上のプロセッサ、及び本明細書で説明される方法を実行するために1又は2以上のプロセッサによって実行可能な命令を格納するメモリを含むことができる。幾つかの実施形態では、サーバ606は、ハードウェア及び/又は仮想コンピューティングリソースの任意の好適な組み合わせにわたる分散「クラウド」コンピューティングシステム又は設備として実装される。
【0083】
クラウド分析統合プラットフォーム626は、通信ネットワーク604に接続される。分析統合プラットフォーム626は、ヘルスケアデータを分析し、患者及びヘルスケア提供者から収集されたデータをデジタルファイリングキャビネットに統合することができる。分析統合プラットフォーム626は、手術計画及び患者計画を統合し、患者にとって懸念される健康指標を特定し、患者情報及び目標を表示し、術後分析を実行し、医療提供者又は患者通知を生成する(例えば、ウェアラブルからのデータに基づく監視、更新情報の要求、予約のスケジューリング、又は緊急事態の通知)ことができる。
【0084】
医療用インプラント650は、標的移植部位(例えば、1又は2以上の椎体又は終板の間)において及び/又は近接して、1又は2以上の特定された解剖学的構造(例えば、1又は2以上の椎体又は終板)とインタフェースするように構成された本体652を含む椎間デバイスとすることができる。インプラント本体652は、1又は2以上の特定された解剖学的構造と係合するように設計された1又は2以上の構造的特徴を含むことができる。例えば、図示された実施形態では、インプラント650は、脊椎の椎体に対して着座するように構成された上側面665及び下側面(図示せず)を含むことができる。幾つかの実施形態では、上側表面665及び下側面は、それらが係合する対応する椎体終板と「嵌合」するように、椎体終板の輪郭に一致する輪郭を有することができる。寸法、輪郭、トポロジー、組成、及び/又は他のインプラントデータは、EMRの一部とすることができる。図示された実施形態のような幾つかの実施形態では、上側面665及び/又は下側面は、(例えば、粗面化、ローレット、リッジ等を介して)テクスチャリングすることができる。テクスチャリングデータは、EMRに格納された製造データの一部とすることができる。脊柱前弯矯正のために、上側表面665及び下側表面は、互いに対して角度を付けることができ、EMRは、これらの表面の角度及びサイズを含むことができる。
【0085】
ユーザ(例えば、医師、医療提供者、患者など)は、検索機能660を使用してEMRにアクセスすることができる。例えば、検索特徴660が固有識別子に対応するバーコードである実施形態では、ユーザは、例えばコンピュータデバイス上の1又は2以上のカメラを使用して検索特徴660をスキャンし、及び/又は他の方法で固有識別子をコンピュータデバイスに入力することができる。一意の識別子がコンピューティングシステムに入力されると、コンピューティングシステムは、対応する患者固有のヘルスケアデータセットを提供する要求とともに、一意の識別子を(例えば、通信ネットワークを介して)リモートサーバに送信することができる。要求に応じて、及び上述したように、サーバは、一意の識別子に関連付けられた特定のデータセットを探し出し、ユーザに表示するためにデータセットをコンピュータデバイスに送信することができる。インプラント650は、台帳へのアクセス及びEMRの閲覧を支援する他の機能を含むことができる。
【0086】
検索機能660は、1又は2以上のトークン(例えば、NFT)、鍵(例えば、ブロックチェーン台帳に格納された患者医療記録を解除するための秘密鍵)、又はブロックチェーンデータ等の患者データを運ぶために使用することができる。医療インプラント650は、近接通信モードを使用して通信コンタクトを確立するためにブロックチェーン対応にすることができる。検索機能660に格納された秘密鍵を使用して、患者固有のヘルスケアデータにアクセスすることができる。幾つかの実施態様では、医療インプラント650は、患者に関連するEMRを追跡するためのプライベートブロックチェーン台帳も含む。患者が様々な治療を受けると、患者の新しいEMR及び既存のEMRの更新が生成され、ブロックチェーン台帳に「トランザクション」として格納される。患者に関連するEMRにアクセスするには、医療用インプラント650の秘密鍵を使用して、ブロックチェーン台帳に格納されたEMRを「アンロック」する必要がある。患者は、この秘密鍵を、安全なプラットフォーム、モバイルアプリケーション、デジタルキー又はこれらに類するものによって、医療提供者及び他の関係者に提供することができる。幾つかの実施形態では、医療提供者が復号化する暗号化キーを用いてEMRが暗号化される。加えて又は代替的に、リキー・プロトコル、認証管理プロトコル(例えば、登録認証プロトコル、トランザクション認証プロトコル等)、及び他のプロトコルを、可変アクセス及び許可のために利用することができる。患者は、選択したデータのみを共有するようにEMRのデータを管理することができる。例えば、患者はEMRのあるセクションを非公開にしながら、別のセクションを共有することができる。また、本システムは、未成年者、家族、親族、及び/又は他のユーザ制御設定等のユーザ制御設定も可能である。
【0087】
EMRは、インプラントの設計及び設計過程に関連する患者データを含むことができる。例えば、インプラントが人工椎間板である場合、格納されたデータは、運動学的データ(例えば、術前患者データ、標的運動学的データ等)、製造データ、設計パラメータ、目標耐用年数データ、医師の推奨/注釈等を含むことができる。椎間板は、椎骨内板と一致するように輪郭が設計されたプレートを有する移植されるインプラント本体、患者固有の動きを提供するためのプレート間のカスタム関節部材等を含むことができる。移植されるインプラントが椎間ケージである場合、格納されるデータには、インプラント本体の材料仕様、インプラント本体の寸法、製造データ、設計パラメータ、標的耐用年数データ、医師の推奨/注釈等を含めることができる。引用により組み込まれる出願及び特許は、検索機能660に移植できるデータ(例えば、手術計画、インプラント仕様、データセット等)を開示している。
【0088】
幾つかの実装では、患者は、ブロックチェーン台帳に格納されたトランザクション及び詳細へのアクセスに対して可変の許可を設定することができる。例えば、特定の医療提供者には、特定の種類の医療処置に関連する特定のトランザクションへのアクセス権のみを与えることができる。他の実施態様では、インプラントを有する子供のための子供設定を有するなど、患者に基づいて権限を設定することができる。
【0089】
医療インプラント650は、患者の様々な健康関連データを追跡及び監視することもできる。例えば、医療用インプラント650は、例えば、活動、負荷等を監視するために、解剖学的要素によって移植される圧力、負荷、又は力を測定するように構成された1又は2以上のセンサを含むことができる。医療用インプラント650は、活動レベル、実行された活動、疾患の進行等を示すデータを連続的又は定期的に収集することができる。例えば、インプラント650全体の荷重を一定期間にわたって追跡することができる。引用により組み込まれる出願及び特許は、監視、データ収集、及びデータ送信のための技術を開示している。幾つかの実施形態では、医療用インプラント650は、過剰な負荷、脊椎の不均衡、又はそのようなもののような事象を特定することができる。幾つかの実施形態では、患者は、活動(例えば、外科処置、状態の変化等)、障害(例えば、新たな障害、障害の進行等)、及び/又は医療イベントに基づく自動ブロックチェーン更新で監視される。ヘルスケアイベントは、ブロックチェーンに符号化できる画像、診断、治療、及び/又は結果及びイベントデータを含むことができる。収集されたデータは、別の患者を治療するために使用される過去の患者データとして使用することができる。引用により組み込まれる出願及び特許は、ブロックチェーンに符号化できる履歴データ、画像データ、手術計画、シミュレーション、モデル化された転帰、治療プロトコル、及び転帰値の使用法も開示する。デジタルファイリングキャビネットはまた、患者の様々な健康関連データを追跡及び監視することができ、ブロックチェーンデータを管理するためのブロックチェーンデジタルウォレット、台帳ウォレット等の1又は2以上のデジタルウォレットを含むことができる。デジタルウォレットの数、構成、及び/又は内容は、ユーザ、医師等によって選択することができる。デジタルウォレットを使用してブロックチェーンにアクセスし、任意の数のインプラントのブロックチェーンを自動的に更新することができる。
【0090】
幾つかの実施態様では、2つ以上のインプラントを使用することができる。例えば、患者は、秘密鍵及び/又は患者のEMRを含むプライベートブロックチェーン台帳を含む移植されたチップを有する脊椎インプラントと、皮下デジタルインプラントの両方を有することができる。皮下デジタルインプラントは仲介デバイスとして機能し、秘密鍵及び/又はプライベートブロックチェーン台帳を含む脊椎インプラントと、患者治療コンピューティングシステム等の外部コンピューティングデバイスの両方と通信する。皮下デジタルインプラントはまた、患者識別情報、生体データ及び同様のものなど、それ自身のデータを含むことができる。幾つかの実施形態では、皮下デジタルインプラントは、患者のEMRを含む秘密鍵及び/又はプライベートブロックチェーン台帳を含むことができる。患者固有のインプラントは、本明細書又は引用により本明細書に組み込まれる特許文献に記載されるインプラントの何れかとすることができる。例えば、患者固有のインプラントは、スクリュー(例えば、骨スクリュー、脊椎スクリュー、椎弓根スクリュー、ファセットスクリュー)、椎体間インプラントデバイス(例えば、 椎間インプラント)、ケージ、プレート、ロッド、ディスク、融合デバイス、スペーサ、ロッド、拡張可能デバイス、ステント、ブラケット、タイ、足場、固定デバイス、アンカー、ナット、ボルト、リベット、コネクタ、テザー、ファスナー、関節置換体(例えば、人工椎間板)、股関節インプラント、又はこれらに類するものである。患者固有のインプラントの設計は、インプラントの物理的特性(例えば、サイズ、形状、体積、材料、質量、重量)、機械的特性(例えば、剛性、強度、弾性率、硬度)、及び/又は生物学的特性(例えば、骨統合、細胞接着、抗細菌特性、抗ウイルス特性)の1又は2以上を表すデータを含むことができる。例えば、整形外科用インプラントの設計は、インプラントの形状、サイズ、材料、及び/又は有効剛性(例えば、格子密度、ストラットの数、ストラットの位置等)を含むことができる。
【0091】
特定された解剖学的特徴と係合するのに適した追加のインプラントのタイプ、構成、及び構造的特徴は、例えば、2018年12月1日に出願された米国特許出願第16/207,116号、及び2020年8月6日に出願された米国特許出願第16/987,113号に記載されており、これらの開示内容は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、医療用インプラントは、椎弓根スクリュー、患者特異的インプラント、椎体間インプラントシステム、人工椎間板、拡張可能椎体間インプラント、仙腸関節インプラント、プレート、整形外科関節用関節形成デバイス、非構造インプラント、又は引用により本明細書に組み込まれる特許及び出願に開示される他のデバイスとすることができる。
【0092】
医療用インプラント650は、患者に移植される医療データを追跡及び監視するために使用することができる。米国特許出願第63/218,190号は、データを収集し、重み付け/値を割り当て、及び他のデバイスと通信することができるインプラントを開示している。この監視は、引用によりその全体が組み込まれる米国特許第10,902,944号及び米国特許出願第17/342,439号に開示されているシステム等の処方システムと共に使用することができる。例えば、患者のデータは、引用により組み込まれる特許及び出願に開示された機械学習システム又は他のシステムのための1又は2以上のトレーニングセットに組み込むことができる。医療用インプラント650は、多目的インプラントとすることもでき、患者の体内の医学的問題に対処するための構造を提供すると同時に、患者に関する情報を運ぶこともできる。例えば、医療用インプラント650は、ペースメーカー、以前に骨折した骨又は骨のセットを正しく配置するためのプレート又はピン、及びこれらに類するものとすることができる。トークンは、米国特許第10,902,944号及び米国特許出願第17/342,439号に開示されているデータの保存、追跡、認証、送信及び又はハンドルに使用することができる。例えば、手術計画、術前データ、術後データ、転帰分析、移植されるインプラント設計、トランザクション、ヘルスケアデータなどをトークンを使用して管理することができる。また、デジタルファイリングキャビネット680は、米国特許第10,902,944号及び米国特許出願第17/342,439号に開示されたシステムに組み込んで、患者が管理する医療データを追跡及び監視することもできる。
【0093】
クライアントコンピューティングデバイス602及びサーバ606は、ヘルスケアデータを保存及び検索するために、本明細書に記載される様々な方法を個々に又は集合的に実行することができる。例えば、本明細書に記載の方法のステップの一部又は全部は、クライアントコンピューティングデバイス602単独、サーバ606単独、又はクライアントコンピューティングデバイス602及びサーバ606の組み合わせによって実行することができる。幾つかの実施形態では、クライアントコンピューティングデバイス602は、1又は2以上のデジタルファイリングキャビネット680を含む。従って、本明細書では、特定の動作がサーバ606に関して説明されているが、これらの動作は、クライアントコンピューティングデバイス602によっても実行することができ、及びその逆もまた同様であることが理解されよう。
【0094】
サーバ606は、本明細書に記載されるインプラント方法からの患者固有のヘルスケアデータの提供、管理、又は分析に有用な参照データを格納するように構成された少なくとも1つのデータベース610を含む。参照データは、同一又は他の患者からの履歴データ及び/又は臨床データ、同一又は他の医療提供者による患者の以前の手術及び/又は他の治療から収集されたデータ、医療デバイス設計に関連するデータ、研究グループ又は研究グループから収集されたデータ、診療データベースからのデータ、学術機関からのデータ、インプラントメーカー又は他の医療デバイスメーカーからのデータ、画像研究からのデータ、シミュレーションからのデータ、臨床試験、人口統計データ、治療データ、転帰データ、死亡率等を含むことができる。
【0095】
幾つかの実施形態では、データベース610は、複数の参照患者データセットを含み、各患者参照データセットは、対応する参照患者に関連付けられる。例えば、参照患者は、以前に治療を受けた患者又は現在治療を受けている患者とすることができる。各参照患者データセットは、対応する参照患者の状態、解剖学的構造、病理学的構造、病歴、疾患の進行、嗜好、及び/又は参照患者に関連する他の情報又はパラメータを代表するデータ、例えば、ヘルスケアデータ608に関して本明細書で説明されるデータの何れかを含むことができる。幾つかの実施形態では、基準患者データセットは、術前データ、術中データ、及び/又は術後データを含む。例えば、基準患者データセットは、患者ID、年齢、性別、BMI、腰椎前弯、コブ角、骨盤入射、椎間板の高さ、セグメントの柔軟性、骨質、回転変位、及び/又は脊椎の治療レベルの1又は2以上を表すデータを含むことができる。別の例として、基準患者データセットは、外科的処置又は介入(例えば、外科的アプローチ、骨切除、外科的操作、矯正操作、インプラント又は他のデバイスの配置)の説明など、基準患者に行われた少なくとも1つの治療処置に関する治療データを含むことができる。幾つかの実施形態では、治療データは、物理的特性(例えば、サイズ、形状、体積、材料、質量、重量)、機械的特性(例えば、剛性、強度、弾性率、硬度)、及び/又は生物学的特性(例えば、骨統合、細胞接着、抗細菌特性、抗ウイルス特性)など、参照患者の治療に使用される少なくとも1つの医療デバイスの医療デバイス設計データを含む。更に別の例では、基準患者データセットは、矯正解剖学的メトリクス、癒合の有無、HRQL、活動レベル、職場復帰、合併症、回復時間、有効性、死亡率、及び/又は追跡手術のような、基準患者の治療の結果を表す結果データを含むことができる。
【0096】
幾つかの実施形態では、サーバ606は、複数の医療提供者コンピューティングシステム(例えば、システム612a~612c、集合的に612)、デジタルファイリングキャビネット、又はこれらの組み合わせから基準患者データセットの少なくとも一部を受信する。サーバ606は、1又は2以上の通信ネットワーク(図示せず)を介して医療提供者コンピューティングシステム612に接続することができる。各医療提供者コンピューティングシステム612は、対応する医療提供者(例えば、医師、外科医、診療所、病院、医療ネットワークなど)に関連付けることができる。各医療提供者コンピューティングシステム612は、対応する医療提供者によって治療された参照患者に関連付けられた少なくとも1つの参照患者データセット(例えば、参照患者データセット614a~614c、集合的に614)を含むことができる。参照患者データセット614は、例えば、電子医療記録、電子健康記録、生物医学データセットなどを含むことができる。参照患者データセット614は、医療提供者コンピューティングシステム612からサーバ606によって受信することができ、データベース610に格納するために異なるフォーマットに再フォーマットすることができる。任意選択的に、基準患者データセット614は、表された患者パラメータが本明細書に記載される治療計画方法において有用である可能性が高いことを確実にするために処理(例えば、クリーニング)することができる。
【0097】
本明細書で更に詳細に説明するように、サーバ606は、参照データに基づいて患者固有の治療計画データ(例えば、治療手順、医療デバイス)を生成する1又は2以上のアルゴリズムで構成することができる。幾つかの実施形態では、患者固有データは、患者データセット608及び参照データ間の相関関係に基づいて生成される。任意選択的に、サーバ606は、回復時間、臨床エンドポイントに基づく有効性、成功の可能性、予測死亡率、予測関連フォローアップ手術、又はそのようなものを含む転帰を予測することができる。幾つかの実施形態では、サーバ606は、患者データ(患者滞在中に得られた患者データを含む)を連続的又は定期的に分析して、ほぼリアルタイム又はリアルタイムのリスクスコア、死亡率予測等を決定することができる。
【0098】
幾つかの実施形態では、サーバ606は、本明細書に記載の患者固有の治療計画方法の1又は2以上のステップを実行するための1又は2以上のモジュールを含む。例えば、描かれている実施形態では、サーバ606は、データ分析モジュール616及び治療計画モジュール618を含む。代替の実施形態では、これらのモジュールの1又は2以上を互いに組み合わせることができ、又は省略することができる。従って、本明細書では、特定の操作を特定のモジュール又はモジュールに関して説明するが、これは限定を意図するものではなく、そのような操作は、代替の実施形態では、異なるモジュール又はモジュールによって実行することができる。
【0099】
データ分析モジュール616は、患者固有の治療計画を策定する際に有用である可能性が高いデータベース610からの参照データのサブセットを特定するための1又は2以上のアルゴリズムを備えて構成される。データベース610は、クライアントコンピューティングデバイス602、デジタルファイリングキャビネット680、又は他のデータソースからデータを取得又は受信することができる。例えば、データ分析モジュール616は、患者固有のデータ(例えば、クライアントコンピューティングデバイス602から受信された患者データセット608)をデータベース610からの参照データ(例えば、参照患者データセット)と比較して、類似のデータ(例えば、参照患者データセット内の1又は2以上の類似の患者データセット)を特定することができる。参照データは、ネットワーク604を介してアクセス可能な他の患者データを用いてリアルタイム又はほぼリアルタイムで更新することができる。比較は、年齢、性別、BMI、腰椎前弯、骨盤入射率、及び/又は治療レベル等の1又は2以上のパラメータに基づくことができる。パラメータは、各参照患者の類似性スコアを計算するために使用することができる。類似性スコアは、患者データセット608及び参照患者データセット間の統計的相関を表すことができる。従って、類似性スコアが、指定された閾値を上回るか、下回るか、又は指定された閾値にあるかどうかに基づいて、類似患者を特定することができる。例えば、以下により詳細に説明するように、各パラメータに値を割り当て、対象患者及び各参照患者間の差の集計を決定することにより、比較を実行することができる。集計された差異が閾値以下である参照患者は、類似患者とみなすことができる。
【0100】
データ解析モジュール616は、例えば、患者データセット608及び/又は対応する参照患者の治療結果との類似性に基づいて、参照患者データセットのサブセットを選択する1又は2以上のアルゴリズムで更に構成することができる。例えば、データ解析モジュール616は、参照患者データセット内の1又は2以上の類似患者データセットを識別し、及び類似患者データセットが好ましい又は所望の治療結果を示すデータを含むか否かに基づいて、類似患者データセットのサブセットを選択することができる。転帰データは、矯正解剖学的指標、癒合の有無、HRQL、活動レベル、合併症、回復時間、有効性、死亡率、又は追跡手術等の1又は2以上の転帰パラメータを表すデータを含むことができる。幾つかの実施形態では、以下に更に詳細に説明するように、データ解析モジュール616は、各結果パラメータに値を割り当てることによって、結果スコアを計算する。転帰スコアが所定の閾値以上、以下又は閾値にある場合、患者は良好な転帰を有すると考えられる。
【0101】
幾つかの実施形態では、データ解析モジュール616は、(例えば、臨床医、外科医、医師、又は医療提供者からの)ユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて、基準患者データセットのサブセットを選択する。例えば、ユーザ入力は、類似の患者データセットを識別する際に使用することができる。幾つかの実施形態では、類似性及び/又は結果パラメータの重み付けは、臨床医の入力に基づいて類似性及び/又は結果スコアを調整するために、医療提供者又は医師によって選択することができる。更なる実施形態では、医療提供者又は医師は、類似性及び/又は転帰スコアを生成するために使用される類似性及び/又は転帰パラメータのセットをそれぞれ選択する(又は新たな類似性及び/又は転帰パラメータを定義する)ことができる。
【0102】
幾つかの実施形態では、データ解析モジュール616は、患者パラメータ以外の基準に基づいて基準患者データセットのセット又はサブセットを選択するために使用される1又は2以上のアルゴリズムを含む。例えば、1又は2以上のアルゴリズムが、医療提供者パラメータ(例えば、病院/医師の専門性、実施された処置の数、病院ランキング等の医療提供者ランキング/スコアに基づく)及び/又は医療資源パラメータ(例えば、診断機器、設備、手術ロボット等の手術機器)、又は現在の医療提供者に対する処置の結果及びリスクプロファイルを予測するために使用できる他の非患者関連情報に基づいて、サブセットを選択するために使用することができる。例えば、類似の診断機器から取り込まれた画像を有する参照患者データセットを集約して、診断機器間のばらつきによる不規則性を低減又は制限することができる。更に、患者固有の治療計画は、類似の医療提供者(例えば、伝統的に類似の転帰を有する医療提供者、医師の専門知識、手術計画など)からのデータを用いて、特定の医療提供者のために作成することができる。幾つかの実施形態では、参照医療提供者データセット、病院データセット、医師データセット、手術チームデータセット、治療後データセット及び他のデータセットを利用することができる。一例として、戦場手術を行うための患者固有の治療計画は、類似の戦場手術からの参照患者データ及び/又は戦場手術に関連するデータセットに基づくことができる。別の例では、患者固有の治療計画は、利用可能なロボット手術システムに基づいて生成することができる。参照患者データセットは、同様の条件下(例えば、手術チームの規模及び能力、病院資源等)で同等のロボット手術システムを用いて手術された患者に基づいて選択することができる。
【0103】
治療計画モジュール618は、データ分析モジュール616からの出力に基づいて、少なくとも1つの治療計画(例えば、術前計画、手術計画、術後計画等)を生成する1又は2以上のアルゴリズムを用いて構成される。幾つかの実施形態では、治療計画モジュール618は、″処方モデル」とも呼ばれる患者固有の治療計画を生成するための少なくとも1つの予測モデルを開発及び/又は実装するように構成される。予測モデルは、臨床知識、統計、機械学習、AI、ニューラルネットワーク又はこれらを用いて開発することができる。幾つかの実施形態では、データ解析モジュール616からの出力は、データセット、患者パラメータ、医療提供者パラメータ、医療リソースパラメータ、治療手順、医療デバイス設計、及び/又は治療結果間の相関関係を特定するために(例えば、統計学、機械学習、ニューラルネットワーク、AIを使用して)解析される。これらの相関関係を用いて、治療計画が特定の患者にとって好ましい結果をもたらす可能性を予測する少なくとも1つの予測モデルを開発することができる。予測モデルは、例えば、データをモデルに入力し、モデルの出力を期待される出力と比較することにより、検証することができる。
【0104】
幾つかの実施形態において、治療計画モジュール618は、参照患者からの以前の治療データに基づいて治療計画を生成するように構成される。例えば、治療計画モジュール618は、参照患者データセット及び/又は類似患者データセットの選択されたサブセットをデータ解析モジュール616から受信し、選択されたサブセットから治療データを決定又は特定することができる。治療データは、例えば、対応する患者の好ましい又は所望の治療結果に移植される治療手順データ(例えば、外科的手順又は介入データ)及び/又は医療デバイス設計データ(例えば、インプラント設計データ)を含むことができる。治療計画モジュール618は、治療手順データ及び/又は医療デバイス設計データを分析して、治療される患者に対する最適な治療プロトコルを決定することができる。例えば、治療手順及び/又は医療デバイス設計に値を割り当て、集計して治療スコアを生成することができる。患者固有の治療計画は、スコア(例えば、より高い又は最も高いスコア;より低い又は最も低いスコア;指定された閾値を上回る、下回る、又は指定された閾値にあるスコア)に基づいて治療計画を選択することによって決定することができる。パーソナライズされた患者固有の治療計画は、患者固有の技術又は患者固有の選択された技術に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0105】
代替的に又は組み合わせて、治療計画モジュール618は、データセット間の相関関係に基づいて治療計画を生成することができる。例えば、治療計画モジュール618は、(例えば、データ分析モジュール616によって特定されるような)良好な転帰を有する類似の患者からの治療手順データ及び/又は医療デバイス設計データを相関させることができる。相関分析は、相関係数値を値又はスコアに変換することを含むことができる。値/スコアは、1又は2以上の統計的有意性を決定するために、集計、フィルタ、又は他の方法で分析することができる。これらの相関は、治療される患者にとって最適である又は好ましい結果をもたらす可能性が高い治療手順及び/又は医療デバイス設計を決定するために使用することができる。
【0106】
代替的に又は組み合わせて、治療計画モジュール618は、1又は2以上のAI技術を用いて治療計画を生成することができる。AI技術は、人間の知能の側面、例えば、学習、推論、計画、問題解決、意思決定などをシミュレートすることができるコンピューティングシステムを開発するために使用することができる。AI技術には、ケースベース推論、ルールベースシステム、人工ニューラルネットワーク、決定木、サポートベクターマシン、回帰分析、ベイジアンネットワーク(例えば、ナイーブベイズ分類器)、遺伝的アルゴリズム、セルオートマトン、ファジー論理システム、マルチエージェントシステム、群知能、データマイニング、機械学習(例えば、教師あり学習、教師なし学習、強化学習)、及びハイブリッドシステムが含むことができるが、これらに限定されない。
【0107】
幾つかの実施形態では、治療計画モジュール618は、1又は2以上の訓練された機械学習モデルを用いて治療計画を生成する。様々な種類の機械学習モデル、アルゴリズム、及び技術が、本技術と共に使用するのに適している。幾つかの実施形態では、機械学習モデルは、モデルのパラメータ(例えば、人工ニューラルネットワークにおける「ニューロン」間の結合の重み)を適合させるために使用される例のデータセットである訓練データセットで最初に訓練される。例えば、訓練データセットは、複数の参照患者データセット又はその選択されたサブセット(例えば、複数の類似患者データセット)のような、データベース610に格納された参照データの何れかを含むことができる。
【0108】
幾つかの実施形態では、機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク又はナイーブベイズ分類器)は、教師あり学習法(例えば、勾配降下又は確率的勾配降下)を使用して、訓練データセット上で訓練することができる。トレーニングデータセットには、生成された「入力ベクトル」と、関連する対応する「回答ベクトル」(一般に標的と表記される)とのペアを含めることができる。現在のモデルは、訓練データセットと共に実行され、訓練データセットの各入力ベクトルについて、標的と比較される結果を生成する。比較の結果及び使用されている特定の学習アルゴリズムに基づいて、モデルのパラメータが調整される。モデルフィッティングは、変数選択及びパラメータ推定の両方を含むことができる。適合されたモデルは、検証データセットと呼ばれる第2のデータセット中のオブザベーションに対する応答を予測するために使用できる。検証データセットは、モデルパラメータをチューニングしながら、トレーニングデータセットでのモデルフィットの不偏評価を提供できる。検証データセットは、早期の停止、例えば、検証データセット上の誤差が増加したときにトレーニングを停止することによって、正則化に使用することができる。幾つかの実施形態では、検証データセットの誤差は訓練中に変動する可能性があり、オーバーフィッティングが本当に始まったときを決定するためにアドホックルールを使用することができる。最後に、テストデータセットを使用して、トレーニングデータセットに対する最終的なモデルのフィットの偏りのない評価を提供することができる。
【0109】
治療計画を生成するために、患者データセット608を訓練された機械学習モデルに入力することができる。参照患者データセット及び/又は類似患者データセットの選択されたサブセット、及び/又は選択されたサブセットからの治療データ等の追加データも、訓練された機械学習モデルに入力することができる。次いで、訓練された機械学習モデルは、様々な候補治療手順及び/又は医療デバイス設計が、患者に好ましい結果をもたらす可能性が高いか否かを計算することができる。これらの計算に基づいて、訓練された機械学習モデルは、患者のための少なくとも1つの治療計画を選択することができる。複数の訓練された機械学習モデルが使用される実施形態では、モデルを順次又は同時に実行して結果を比較することができ、訓練データセットを使用して定期的に更新することができる。治療計画モジュール618は、モデルの予測精度スコアに基づいて機械学習モデルの1又は2以上を使用することができる。
【0110】
治療計画モジュール618によって生成される患者固有の治療計画は、少なくとも1つの患者固有の治療手順(例えば、手術手順又は介入)及び/又は少なくとも1つの患者固有の医療デバイス(例えば、インプラント又はインプラント送達器具)を含むことができる。患者固有の治療計画は、手術計画全体又はその一部を含むことができる。更に、1又は2以上の患者特異的医療デバイスは、対応する外科処置のために特別に選択又は設計することができ、従って、患者特異的技術の様々な構成要素を組み合わせて患者を治療するために使用することができる。
【0111】
幾つかの実施形態では、患者特異的治療手順は、脊椎手術、股関節手術、膝関節手術、顎関節手術、手関節手術、肩関節手術、肘関節手術、全関節再建術(関節形成術)、頭蓋骨再建術、足関節手術又は足首関節手術等の整形外科手術手順を含む。脊椎手術には、後側腰椎椎体間固定術(PLIF)、前側腰椎椎体間固定術(ALIF)、横側腰椎椎体間固定術又は経椎体腰椎椎体間固定術(TLIF)、側方腰椎椎体間固定術(LLIF)、直接側方腰椎椎体間固定術(DLIF)、又は極側方腰椎椎体間固定術(XLIF)などの脊椎固定術を含めることができる。幾つかの実施形態では、患者特異的治療手順は、患者特異的手術手順の1又は2以上の態様を実行するための説明及び/又は指示を含む。例えば、患者特異的外科処置は、外科的アプローチ、矯正操作、骨切除、又は移植されるインプラントの配置の1又は2以上を含むことができる。
【0112】
幾つかの実施形態では、患者特異的医療デバイス設計は、整形外科インプラントの設計及び/又は整形外科インプラントを送達するための器具の設計を含む。このようなインプラントの例としては、ネジ(例えば、骨ネジ、脊椎ネジ、椎弓根スクリュー、ファセットスクリュー)、椎体間インプラントデバイス(例えば、椎体間インプラント)、ケージ、プレート、ディスク、融合デバイス、スペーサ、ロッド、拡張可能デバイス、ステント、ブラケット、タイ、スキャフォールド、固定デバイス、アンカー、ナット、ボルト、リベット、コネクタ、テザー、ファスナー、人工関節、股関節インプラント等が挙げられるが、これらに限定されない。器具の例としては、スクリューガイド、カニューレ、ポート、カテーテル、挿入器具等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
患者固有の医療デバイスの設計は、対応する医療デバイスの物理的特性(例えば、サイズ、形状、体積、材料、質量、重量)、機械的特性(例えば、剛性、強度、弾性率、硬度)、及び/又は生物学的特性(例えば、骨統合、細胞接着、抗細菌特性、抗ウイルス特性)の1又は2以上を表すデータを含むことができる。例えば、整形外科インプラントの設計は、インプラントの形状、サイズ、材料、及び/又は有効剛性(例えば、格子密度、ストラットの数、ストラットの位置等)を含むことができる。幾つかの実施形態では、生成された患者固有の医療デバイス設計は、デバイス全体の設計である。或いは、生成された設計は、デバイス全体ではなく、デバイスの1又は2以上の構成要素に対する設計とすることができる。
【0114】
幾つかの実施形態では、設計は、標準的な既製の構成要素と共に使用することができる1又は2以上の患者特異的デバイス構成要素のためのものである。例えば、脊椎手術では、椎弓根スクリュー・キットは、標準的な構成要素及び患者特異的にカスタマイズされた構成要素の両方を含むことができる。幾つかの実施形態では、生成された設計は、標準的な既製の送達器具と共に使用できる患者固有の医療デバイスのためのものである。例えば、インプラント(スクリュー、スクリューホルダー、ロッドなど)は患者用に設計及び製造することができ、インプラントを送達する器具は標準的な器具とすることができる。このアプローチにより、移植される構成要素を患者の解剖学的構造及び/又は外科医の好みに基づいて設計及び製造し、治療を強化することができる。本明細書に記載された患者固有のデバイスは、患者の体内への送達、治療部位への配置、及び/又は患者の解剖学的構造との相互作用を改善することが期待される。
【0115】
患者固有の治療計画が医療デバイスを移植する手術手順を含む実施形態では、治療計画モジュール618は、インプラントパラメータ(例えば、種類、寸法)、インプラントの利用可能性、術前計画の側面(例えば、患者の解剖学的構造の初期インプラント構成、検出、及び測定等)、インプラントのFDA要件(例えば、FDA規制に準拠するための特定のインプラントパラメータ及び/又は特性)、又はそのようなもののような様々な種類のインプラント手術情報も格納することができる。幾つかの実施形態では、治療計画モジュール618は、インプラント手術情報を機械学習ベースのモデル及びアルゴリズムに使用可能な形式に変換することができる。例えば、インプラント手術情報は、数式のための特定の識別子でタグ付けできるか、又は訓練された機械学習モデルに供給するのに適した数値表現に変換することができる。治療計画モジュール618はまた、解剖学の2次元又は3次元画像又はモデル等の患者の解剖学に関する情報、及び/又は解剖学の生物学、幾何学、及び/又は機械的特性に関する情報を格納することができる。解剖学的情報は、インプラントの設計及び/又は配置を知らせるために使用することができる。
【0116】
治療計画モジュール618によって生成された治療計画は、ユーザ(例えば、臨床医、外科医、医療提供者、患者)に出力するために、通信ネットワーク604を介してデジタルファイリングキャビネット680及び/又はクライアントコンピューティングデバイス602に送信することができる。幾つかの実施形態では、クライアントコンピューティングデバイス602は、治療計画を出力するためのディスプレイを含むか、又はディスプレイに動作可能に結合される。ディスプレイは、治療計画の様々な側面を視覚的に描写するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むことができる。例えば、ディスプレイは、外科的アプローチ、治療レベル、矯正操作、組織切除、及び/又は移植されるインプラントの配置など、患者に実施される外科的処置の様々な態様を示すことができる。視覚化を容易にするために、外科処置の仮想モデルを表示することができる。別の例として、ディスプレイは、患者に移植される医療デバイスのデザイン(デバイスデザインの2次元又は3次元モデルなど)を表示することができる。ディスプレイはまた、外科処置が行われる場所及び/又はデバイスが移植される場所である患者の解剖学的構造の二次元又は三次元画像又はモデル等の患者情報を表示することができる。クライアントコンピューティングデバイス602は、ユーザが表示された治療計画を修正、選択、承認、及び/又は拒否することを可能にする1又は2以上のユーザ入力デバイス(図示せず)を更に含むことができる。
【0117】
幾つかの実施形態では、治療計画モジュール618によって生成された医療デバイス設計は、クライアントコンピューティングデバイス602及び/又はサーバ606から、インプラント又は対応する医療デバイスを製造するための製造システム624に送信することができる。製造システム624は、オンサイト又はオフサイトに配置することができる。インプラントは、任意の適切な製造システムによって製造することができる。デジタルファイリングキャビネット680は、生成された医療デバイス設計、製造データ(例えば、CAMデータ、印刷データ等)、製造情報、手術計画を生成するためのデータ、手術計画、手術計画報告書、術後データ(例えば、治療計画、予測される転帰等)、及び/又は医療デバイスに関連する他の情報を格納することができる。
【0118】
様々なタイプの製造システムが、本明細書の実施形態に従って使用するのに適している。例えば、製造システム624は、三次元(3D)印刷、ステレオリソグラフィ(SLA)、デジタル光処理(DLP)、溶融堆積モデリング(FDM)、選択的レーザ焼結(SLS)、選択的レーザ溶融(SLM)などの付加製造用に構成することができる、選択的熱焼結(SHM)、電子ビーム溶解(EBM)、積層造形(LOM)、粉末床印刷(PP)、熱可塑性樹脂印刷、直接材料堆積(DMD)、インクジェット写真樹脂印刷、又はこれらに類似する技術、或いはこれらの組み合わせである。代替的に又は組み合わせて、製造システム624は、CNC機械加工、放電加工(EDM)、研削加工、レーザ切断、ウォータージェット機械加工、手動機械加工(例えば、フライス加工、旋盤/旋削加工)、又は同様の技術、又はこれらの組み合わせのような、減法的(従来の)製造のために構成することができる。製造システム624は、製造指示又はデータ(例えば、CADデータ、3Dデータ、デジタル設計図、立体造形データ、又は本明細書に記載される様々な製造技術に適した他のデータ)に基づいて、1又は2以上の患者特異的医療デバイスを製造することができる。システム600の異なる構成要素は、製造システム624によって使用される製造データの少なくとも一部を生成することができる。製造データは、限定するものではないが、製造命令(例えば、付加製造装置、減算製造装置等によって実行可能なプログラム)、3Dデータ、CADデータ(例えば、CADファイル)、CAMデータ(例えば、CAMファイル)、パスデータ(例えば、プリントヘッドパス、ツールパス等)、材料データ、公差データ、表面仕上げデータ(例えば、表面粗さデータ)、規制データ(例えば、FDA要件、償還データ等)等を含むことができる。製造システム624は、受信した製造データに基づいてインプラントデザインの製造可能性を分析することができる。インプラントの設計は、形状、表面等を変更し、及び製造指示を生成することによって最終化することができる。幾つかの実施形態では、サーバ606は製造データの少なくとも一部を生成し、このデータは製造システム624に送信される。製造システム624は、例えば、トークン、キー、台帳又はそのようなものを使用して、データを受信及び送信することができる。
【0119】
製造システム624は、CAMデータ、印刷データ(例えば、粉末床印刷データ、熱可塑性樹脂印刷データ、写真樹脂データ等)等を生成することができ、及び付加製造装置、減算製造装置、熱処理装置等を含むことができる。積層造形装置は、3Dプリンタ、立体造形デバイス、デジタル光処理デバイス、溶融堆積造形デバイス、選択的レーザ焼結デバイス、選択的レーザ溶融デバイス、電子ビーム溶融デバイス、積層造形デバイス、パウダーベッドプリンタ、熱可塑性樹脂プリンタ、直接材料堆積デバイス、又はインクジェット写真樹脂プリンタ、又はこれらに類する技術とすることができる。減法的製造装置としては、CNCマシン、放電加工機、グラインダー、レーザーカッター、ウォータージェットマシン、手動マシン(フライス盤、旋盤等)、又はこれらに類する技術を挙げることができる。複雑な形状、表面仕上げ、材料特性等を有する移植されるインプラントを製造するために、加法的技術及び減法的技術の両方が使用することができる。生成された製作指示は、製造システム624に、患者固有の設計と一致する又は治療上同一の患者固有の整形外科インプラントを製造させるように構成することができる。生成された製作指示は、製作トークンにトークン化することができる。幾つかの実施形態では、患者特異的医療デバイスは、製造を簡略化するために、設計間で共有される特徴、材料及び設計を含むことができる。例えば、異なる患者用の展開可能な患者特異的医療デバイスは、同様の内部展開機構を有するが、異なる展開構成を有することができる。幾つかの実施形態では、患者特異的医療デバイスの構成要素は、利用可能なプレハブ構成要素のセットから選択され、選択されたプレハブ構成要素は、製造指示又はデータに基づいて変更することができる。
【0120】
治療計画に従って患者の治療を行った後、治療の進捗状況を1又は2以上の期間にわたって監視して、データ分析モジュール616及び/又は治療計画モジュール618を更新することができる。治療後データは、データベース610に格納された参照データに追加され、術後分析に使用することができる。治療後データは、患者固有の治療計画、患者固有の医療デバイス、又はこれらの組み合わせを開発するための機械学習モデルを訓練するために使用することができる。
【0121】
システム600の構成要素は、多くの異なる方法で構成できることが理解されよう。例えば、代替実施形態では、データベース610、データ分析モジュール616及び/又は治療計画モジュール618は、サーバ606ではなく、クライアントコンピューティングデバイス602の構成要素とすることができる。別の例として、データベース610、データ分析モジュール616、及び/又は治療計画モジュール618は、単一のサーバ606又はクライアントコンピューティングデバイス602ではなく、複数の異なるサーバ、コンピューティングシステム、又は他のタイプのクラウドコンピューティングリソースにわたって配置することができる。
【0122】
更に、幾つかの実施形態において、システム600は、多数の他のコンピューティングシステム環境又は構成で動作可能である。本技術と共に使用するのに適したコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成の例としては、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドデバイス又はラップトップデバイス、携帯電話、ウェアラブル電子デバイス、タブレットデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、プログラマブル家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステム又はデバイスの何れかを含む分散コンピューティング環境等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
図7は、トークンに変換可能なヘルスケアデータセット700(例えば、
図5のステップ502で受信したもの)の例を示す。ヘルスケアデータ700は、ヘルスケアデータに関して先に説明した情報の何れかを含むことができる。例えば、ヘルスケアデータは、患者情報(例えば、患者識別番号、患者MRN、患者名、性別、年齢、肥満度指数(BMI)、手術日、外科医など)、診断情報(例えば、 Oswestry Disability Index(ODI)、VAS-back score、VAS-leg score、術前骨盤入射率、術前腰椎前弯、術前PI-LL angel、術前腰椎coronal cobb等)、画像データ702(X線、CT、MRI等)。
【0124】
図8は、トークン上で変換され、及び患者に送信できる患者手術計画レポート800の例を示す一連の画像を提供する。手術計画レポート800は、手術計画の概要、患者の画像、患者のメトリクス、手術の詳細、及び患者が見ることができる関連情報を含むことができる。患者手術計画レポート800は、コンピューティングデバイス(例えば、
図6に示されるクライアントコンピューティングデバイス602)のデジタルディスプレイ上で患者に提示することができる。幾つかの実施形態では、レポート800は対話式であり、患者はレポート800の様々な側面を操作することができる(例えば、ビューの調整、ズームイン、ズームアウト、注釈など)。患者は、医療提供者に対して質問又はコメントを提供することができ、この質問は、分析及び回答のために手術計画レポート800を生成したコンピューティングシステムに送り返すことができる。
【実施例】
【0125】
実施例1. 患者の医療記録を管理する方法であって、
患者に関連する秘密鍵に対するリクエストを生成するステップであって、上記リクエストは、上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可に対するリクエストを含む、ステップと、
上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を受信するステップと、
上記患者の身体に移植されたブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトを確立するステップであって、上記通信コンタクトが近接通信モードを使用して確立される、ステップと、
上記患者の認可に基づいて、上記ブロックチェーン対応医療用インプラント上に格納された秘密鍵にアクセスするステップと、
上記受信した秘密鍵を使用して、電子医療記録の分散型台帳から上記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスするステップであって、上記分散型台帳が、上記1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表しており、上記各電子医療記録が、上記電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納され、上記患者に関連する上記秘密鍵が、上記患者に関連する上記ハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするのに使用される、ステップと、
上記患者に関連する上記1又は2以上の電子医療記録を表示するステップと、
を含む、方法。
実施例2. 上記患者が、確認機構を使用して上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を提供し、上記確認機構は、音声確認、ソフトウェアアプリケーションへのパスワードの入力、ウェブアプリケーションへのパスワードの入力、モバイルアプリケーションへのパスワードの入力、又は医師への電子署名の提供である、実施例1に記載の方法。
実施例3. 上記近接通信モードが、無線周波数通信モードである、実施例1又は2の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例4. 上記秘密鍵にアクセスするステップが、
無線周波数通信モードに従って上記ブロックチェーン対応医療インプラントから符号化されたデータを受信するステップと、
上記患者の認可又はその一部を使用して、上記符号化されたデータを復号化することに基づいて上記秘密鍵を生成するステップと、
を含む、実施例~3の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例5. 上記電子医療記録の分散型台帳が、上記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、実施例1~4の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例6. 上記ブロックチェーン対応医療用インプラントとの上記通信コンタクトは、上記患者の身体に装着又は移植されて上記ブロックチェーン対応医療用インプラントに通信可能に結合された仲介デバイスを介して確立され、上記秘密鍵は、上記仲介デバイスを介してアクセスされる、実施例1~5の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例7. 上記アクセスされた1又は2以上の電子医療記録が、上記アクセスのために上記患者によって以前に提供されたアクセス許可設定に対応する、実施例1~6の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例8. 患者の電子医療記録を管理する方法であって、
患者に関連する患者治療情報を受信するステップであって、上記患者治療情報は、患者の診断及び治療に関連する情報を含む、ステップと、
電子医療記録を生成するステップであって、上記電子医療記録は、受信した上記患者治療情報及び一意の患者識別子に関連する詳細を含む、ステップと、
上記電子医療記録、公開鍵及び秘密鍵に基づいてブロックチェーントランザクションを生成するステップであって、上記公開鍵及び秘密鍵は、上記一意の患者識別子に直接関連付けられたマッチングペアであり、上記秘密鍵は、上記ブロックチェーントランザクションの詳細にアクセスするように構成され、上記秘密鍵は、上記患者の身体に移植されるブロックチェーン対応医療インプラント上に格納される、ステップと、
上記ブロックチェーントランザクションを上記患者に関連するトランザクションの分散型台帳に追加するステップであって、上記ブロックチェーントランザクションは、プライベート台帳に追加され、又はパブリック台帳にプライベートトランザクションとして追加される、ステップと、
を含む、方法。
実施例9. 上記患者治療情報が、患者データ、上記患者に関連する1又は2以上の医療画像、上記患者に関連する1又は2以上のスキャン、上記患者に関する人口統計学的情報、上記患者の識別情報、過去の患者治療データ、メトリクス、患者治療計画、上記患者の病理学関連情報を提供するデータ、提供者、患者フィードバックデータ、バイタルサイン、診断結果、上記患者の病気又は医療問題の家族歴、及び/又は上記患者の処方薬歴を含む、実施例8に記載の方法。
実施例10. 上記電子医療記録は更に、上記患者に治療を提供する医師に関連する情報及び/又は患者に治療を提供する施設に関連する情報を含む、実施例8~9の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例11. 上記トランザクションの分散型台帳が、上記患者に関連するトランザクションの秘密台帳であり、上記トランザクションの分散型台帳にアクセスするために、上記患者に関連する上記秘密鍵が必要とされる、実施例8~10の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例12. 上記トランザクションの分散型台帳が、上記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、実施例8~11の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例13. 上記トランザクション分散型台帳が、上記トランザクションの公開台帳であり、上記患者に関連する秘密鍵が、上記トランザクションの公開台帳に格納された上記患者に関連するトランザクションにアクセスするために使用される、実施例8~12の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例14. 上記電子医療記録は更に、上記医療記録の1又は2以上の部分を特定のユーザによりアクセスできるように定義する1又は2以上の許可を含む、実施例8~13の何れか1つ又はその組み合わせに記載の方法。
実施例15. 医療用インプラントであって、
上記医療用インプラントを患者の身体に固定するように構成された物理的構造体と、
上記物理的構造体に物理的に結合された近接通信構成要素と、
上記近接通信構成要素に動作可能に結合されたメモリであって、上記メモリが秘密鍵を格納しており、上記メモリは、上記近接通信構成要素を介して上記秘密鍵を外部デバイスに提供するように構成されて、上記外部デバイスが電子医療記録のブロックチェーン分散型台帳から上記医療用インプラントが移植された患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスできるようにする、メモリと、
を備える、医療用インプラント。
実施例16. 上記医療用インプラントが、椎弓根スクリュー、患者専用インプラント、椎体間インプラントシステム、人工椎間板、拡張可能椎体間インプラント、仙腸関節インプラント、プレート、整形外科関節用関節形成デバイス、非構造インプラント、又は多目的インプラントである、実施例15に記載の医療用インプラント。
実施例17. 上記患者の解剖学的要素によって加えられる圧力、荷重、又は力を測定するように構成された1又は2以上のセンサと、
プロセスを行うように構成された1又は2以上のプロセッサと
を更に備え、
上記プロセスが、
上記1又は2以上のセンサからデータを受信するステップと、
受信された上記データに基づいて、活動レベル、実行された活動、又は疾患の進行のうちの1又は2以上を決定するステップと、
近接通信構成要素により、活動レベル、実行された活動、又は疾患の進行の1又は2以上を外部のコンピューティングシステムに通信するステップと、
を含む、実施例15~16の何れか1つ又はその組み合わせに記載の医療用インプラント。
実施例18. 第2の近接通信構成要素を含む二次インプラントであって、上記近接通信構成要素が上記第2の近接通信構成要素と通信する、二次インプラントを更に備え、
上記第2の近接通信構成要素が、上記近接通信構成要素及び1又は2以上の外部コンピューティングデバイスと通信する、実施例15~17に記載の医療用インプラント。
実施例19. 上記医療用インプラントが、ブロックチェーン対応脊椎インプラントであり、上記二次インプラントが、皮下デジタルインプラントである、実施例15~18の何れか1つ又はその組み合わせに記載の医療用インプラント。
実施例20. 上記メモリは、上記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録を更に格納する、実施例15~19の何れか1つ又はその組み合わせに記載の医療用インプラント。
実施例21. 上記メモリは、上記患者の電子医療記録に関連するトランザクションのプライベート分散型台帳を更に格納する、実施例15~20の何れか1つ又はその組み合わせに記載の医療用インプラント。
実施例22. システムであって、
1又は2以上のプロセッサと、
上記1又は2以上のプロセッサによって実行されると、上記システムに患者の医療記録を管理するためのプロセスを実行させる命令を格納する1又は2以上のメモリと、
を備え、
上記プロセスが、
患者に関連する秘密鍵に対するリクエストを生成するステップであって、上記リクエストは、上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可に対するリクエストを含む、ステップと、
上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を受信するステップと、
上記患者の身体に移植されたブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトを確立するステップであって、上記通信コンタクトが近接通信モードを使用して確立される、ステップと、
上記患者の認可に基づいて、上記ブロックチェーン対応医療用インプラント上に格納された秘密鍵にアクセスするステップと、
上記受信した秘密鍵を使用して、電子医療記録の分散型台帳から上記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスするステップであって、上記分散型台帳が、上記1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表しており、上記各電子医療記録が、上記電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納され、上記患者に関連する上記秘密鍵が、上記患者に関連する上記ハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするのに使用される、ステップと、
上記患者に関連する上記1又は2以上の電子医療記録を表示するステップと、
を含む、システム。
実施例23. 上記患者は、確認機構を用いて上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を提供し、上記確認機構は、音声確認、ソフトウェアアプリケーションへのパスワード入力、ウェブアプリケーションへのパスワード入力、モバイルアプリケーションへのパスワード入力、又は医師への電子署名のうちの少なくとも1つである、実施例22に記載のシステム。
実施例24. 上記近接通信モードが、無線周波数通信モードである、実施例22~23の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例25. 上記秘密鍵にアクセスするステップが、
無線周波数通信モードに従って上記ブロックチェーン対応医療インプラントから符号化されたデータを受信するステップと、
上記患者の認可又はその一部を使用して、上記符号化されたデータを復号化することに基づいて上記秘密鍵を生成するステップと、
を含む、実施例22~24の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例26. 上記電子医療記録の分散型台帳が、上記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、実施例22~25の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例27. 上記ブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトは、上記患者の身体に装着又は移植されて上記ブロックチェーン対応医療用インプラントに通信可能に結合された仲介デバイスを介して確立され、秘密鍵は、上記仲介デバイスを介してアクセスされる、実施例22~26の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例28. 上記アクセスされた1又は2以上の電子医療記録が、上記アクセスのために上記患者によって以前に提供されたアクセス許可設定に対応する、実施例22~27の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例29. コンピューティングシステムによって実行されると、上記コンピューティングシステムに患者医療記録を管理するための動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
上記動作が、
患者に関連する秘密鍵に対するリクエストを生成するステップであって、上記リクエストは、上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可に対するリクエストを含む、ステップと、
上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を受信するステップと、
上記患者の身体に移植されたブロックチェーン対応医療用インプラントとの通信コンタクトを確立するステップであって、上記通信コンタクトが近接通信モードを使用して確立される、ステップと、
上記患者の認可に基づいて、上記ブロックチェーン対応医療用インプラント上に格納された秘密鍵にアクセスするステップと、
上記受信した秘密鍵を使用して、電子医療記録の分散型台帳から上記患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスするステップであって、上記分散型台帳が、上記1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表しており、上記各電子医療記録が、上記電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納され、上記患者に関連する上記秘密鍵が、上記患者に関連する上記ハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするのに使用される、ステップと、
上記患者に関連する上記1又は2以上の電子医療記録を表示するステップと、
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施例30. 上記患者が、確認機構を使用して上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を提供し、上記確認機構は、音声確認、ソフトウェアアプリケーションへのパスワードの入力、ウェブアプリケーションへのパスワードの入力、モバイルアプリケーションへのパスワードの入力、又は医師への電子署名の提供である、実施例29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施例31. 上記近接通信モードが、無線周波数通信モードである、実施例29~30の何れか1つ又はその組み合わせに記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施例32. 上記秘密鍵にアクセスするステップが、
無線周波数通信モードに従って上記ブロックチェーン対応医療インプラントから符号化されたデータを受信するステップと、
上記患者の認可又はその一部を使用して、上記符号化されたデータを復号化することに基づいて上記秘密鍵を生成するステップと、
を含む、実施例29~31の何れか1つ又はその組み合わせに記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施例33. 上記電子医療記録の分散型台帳が、上記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、実施例29~32の何れか1つ又はその組み合わせに記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施例34. 上記ブロックチェーン対応医療用インプラントとの上記通信コンタクトは、上記患者の身体に装着又は移植されて上記ブロックチェーン対応医療用インプラントに通信可能に結合された仲介デバイスを介して確立され、上記秘密鍵は、上記仲介デバイスを介してアクセスされる、実施例29~33の何れか1つ又はその組み合わせに記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施例35. 上記アクセスされた1又は2以上の電子医療記録が、上記アクセスのために上記患者によって以前に提供されたアクセス許可設定に対応する、実施例29~34の何れか1つ又はその組み合わせに記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施例36. 患者の医療記録を管理するための動作を実行するためのコンピューティングシステムであって、上記動作が、
上記患者に関連付けられた秘密鍵に対するリクエストを生成するステップであって、上記リクエストは、上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可の要求を含む、ステップと、
上記秘密鍵にアクセスするための上記患者の認可を受け取るステップと、
上記患者に関連付けられた上記秘密鍵にアクセスするステップと、
受信した秘密鍵を使用して、電子医療記録の分散型台帳から患者に関連する1又は2以上の電子医療記録にアクセスするステップと、
を含み、
上記分散型台帳は、1又は2以上の電子医療記録をプライベートトランザクションとして格納するプライベートブロックチェーン台帳又はパブリックブロックチェーン台帳を表しており、上記電子医療記録の1又は2以上が、電子医療記録の分散型台帳にハッシュ化されたトランザクションとして格納され、上記患者に関連する上記秘密鍵は、上記患者に関連するハッシュ化されたトランザクションの詳細にアクセスするために使用される、コンピューティングシステム。
実施例37. 上記患者が、確認機構を用いて上記秘密鍵にアクセスするための患者の認可を提供し、上記確認機構は、音声確認、ソフトウェアアプリケーションへのパスワード入力、ウェブアプリケーションへのパスワード入力、モバイルアプリケーションへのパスワード入力、及び医師への電子署名のうちの少なくとも1つである、実施例36に記載のシステム。
実施例38. 近接通信モードが、無線周波数通信モードである、実施例36~37の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例39. 秘密鍵にアクセスするステップが、
無線周波数通信モードに従って上記ブロックチェーン対応医療インプラントから符号化されたデータを受信するステップと、
上記患者の認可又はその一部を使用して、上記符号化されたデータを復号化することに基づいて上記秘密鍵を生成するステップと、
を含む、実施例36~38の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例40. 上記電子医療記録の分散型台帳が、上記ブロックチェーン対応医療用インプラントのメモリに格納される、実施例36~39の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例41. 上記ブロックチェーン対応医療用インプラントとの上記通信コンタクトは、上記患者の身体に装着又は移植されて上記ブロックチェーン対応医療用インプラントに通信可能に結合された仲介デバイスを介して確立され、上記秘密鍵は、上記仲介デバイスを介してアクセスされる、実施例36~40の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
実施例42. 上記アクセスされた1又は2以上の電子医療記録が、上記アクセスのために上記患者によって以前に提供されたアクセス許可設定に対応する、実施例36~41の何れか1つ又はその組み合わせに記載のシステム。
【0126】
(結論)
文脈上明らかにそうでないことが要求されない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通して、用語「備える」、「備えている」等は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈される、すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味である。本明細書で使用される場合、用語「接続された」、「結合された」又はその変形形態は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的な任意の接続又は結合を意味し、すなわち、要素間の結合又は接続は、物理的、論理的又はこれらの組み合わせとすることができる。更に、用語「本明細書」、「上方」、「下方」及び類似の用語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す限り、上記の詳細な説明において単数又は複数の数を使用する語は、それぞれ複数又は単数の数を含むことができる。
2又はそれ以上の項目のリストに関する用語「又は」は、この用語の以下の解釈:リスト中の項目の何れか、リスト中の項目の全て、及びリスト中の項目の任意の組み合わせの全てをカバーする。
【0127】
本技術の実施例に関する上記の詳細な説明は、網羅的であること、又は本技術を上記に開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本技術に関する具体的な実施例は、例示を目的として上述されているが、関連技術の当業者であれば認識するように、本技術の範囲内で様々な均等な変更形態が可能である。例えば、プロセス又はブロックが、所与の順序で示されているが、幾つかの代替実施形態は、ステップを有するルーチンを異なる順序で実行し、又はブロックを有するシステムを採用することができ、幾つかのプロセス又はブロックは、代替又は部分的組み合わせを提供するために、削除され、移動され、追加され、細分化され、組み合わされ、及び/又は変更することができる。これらのプロセス又はブロックの各々は、様々な異なる方法で実施することができる。また、プロセス又はブロックは、直列に実行されるものとして示されることもあるが、これらのプロセス又はブロックは、代わりに、並列に実行又は実施されてもよく、又は異なる時間に実行されてもよい。更に、本明細書において記載される任意の特定の数値は、例示に過ぎず、代替の実施形態は、異なる値又は範囲を採用することができる。
【0128】
本明細書で提供される技術の教示は、必ずしも上述したシステムでなくても、他のシステムに適用することができる。上述の様々な実施例の要素及び動作を組み合わせて、本技術の更なる実施形態を提供することができる。本技術の幾つかの代替の実施形態は、上述した実施形態に追加的な要素を含むだけでなく、より少ない要素を含むこともできる。
【0129】
本明細書に記載される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法及び技術は、幾つかの実施形態において、以下に記載される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法及び技術の何れか1又は2以上と同様とすることができる。
2017年7月27日に出願された米国特許出願第16/048,167号、発明の名称「外科手術を支援及び増強するためのシステム及び方法」;
2019年1月8日に出願された米国特許出願第16/242,877号、発明の名称「脊髄手術の間スクリュー配置を用いて外科医を支援するシステム及び方法」;
2018年12月1日に出願された米国特許出願第16/207,116号、発明の名称「マルチ平面整形外科アライメントのためのシステム及び方法」;
2019年3月13日に出願された米国特許出願第16/352,699号、発明の名称「整形外科インプラント固定のためのシステム及び方法」;
2019年4月12日に出願された米国特許出願第16/383,215号、発明の名称「整形外科インプラント固定のためのシステム及び方法」;
2019年9月12日に出願された米国特許出願第16/569,494号、発明の名称「整形外科インプラントのためのシステム及び方法」;
2019年11月29日に出願された米国特許出願第16/699,447号、発明の名称「整形外科インプラントのためのシステム及び方法」;
2020年10月30日に出願された米国特許出願第17/085,564号、発明の名称「組織特性に基づく整形外科インプラントを設計するためのシステム及び方法」;
2020年1月6日に出願された米国特許出願第16/735,222号、発明の名称「患者固有の医療手術及びデバイス、並びに関連のシステム及び方法」;
2020年8月6日に出願された米国特許出願第16/987,113号、発明の名称「患者固有の人工椎間板及びに関連のシステム及び方法」;
2020年11月20日に出願された米国特許出願第17/100,396号、発明の名称「位置決め機能を備えた患者固有の椎体インプラント」;
2020年8月11日に出願された米国特許出願第16/990,810号、発明の名称「患者固有のデータを有する患者固有デバイスのリンク付け並びに関連するシステム、デバイス、及び方法」;
2021年8月31日に出願された米国特許出願第17/463,054号、発明の名称「ブロックチェーン管理医療インプラント」;
2020年10月30日に出願された米国特許出願第17/085,564号、発明の名称「組織特性に基づいて整形外科インプラントを設計するためのシステム及び方法」
2022年2月23日に出願された米国特許出願第17/678,874号、発明の名称「医療ケアデータを格納及びアクセスするための非代替性トークンシステム及び方法」;
2020年11月20日に出願された米国特許出願第17/100,396号、発明の名称「位置決め機能を備えた患者固有の椎体インプラント」;及び
2021年6月8日に出願された米国特許出願第17/342,439号、発明の名称「患者固有の医療手続き及びデバイス、並びに関連するシステム及び方法」。
【0130】
上記で特定された特許及び出願の全ては、引用によりその全体が組み込まれる。
【0131】
これら及びその他の変更は、上記の詳細な説明に照らして本技術に加えることができる。上記の説明は、本技術の特定の実施例を記載し、企図される最良のモードを記載しているが、上記が文中でどのように詳細に記載されていたとしても、本技術は様々な方法で実施することができる。システムの詳細は、本明細書で開示された技術により包含されているとしても、その具体的な実施構成においてかなり異なる可能性がある。上述したように、本技術の特定の特徴又は態様を説明する際に使用される特定の用語は、本明細書において、その用語が関連する本技術の特定の特徴、特徴、又は態様に限定されるように再定義されることを意味するものと解釈すべきではない。一般に、添付の特許請求の範囲で使用される用語は、上記の「詳細な説明」においてでそのような用語が明示的に定義されていない限り、本明細書で開示される具体例に技術を限定するものと解釈されるべきではない。従って、本技術の実際の範囲は、開示された実施例のみならず、特許請求の範囲に記載された技術を実施又は実装する全ての均等な方法を包含する。
【0132】
請求項の削減するために、本技術の特定の態様を特定の請求項の形態で以下に示すが、出願人は、本技術の様々な態様をあらゆる数の請求項の形態で企図する。例えば、本技術の1つの態様のみをコンピュータ読み取り可能な媒体のクレームとして記載しているが、他の態様も同様にコンピュータ読み取り可能な媒体のクレームとして、又はミーンズ・プラス・ファンクションのクレームで具現化されるような他の形態で具現化することができる。米国特許法第112(f)条に基づき処理されることを意図するクレームは、「means for」という言葉で始まるが、他の文脈で「for」という用語を使用することは、米国特許法第112(f)条に基づく手続きを行使することを意図するものではない。従って、出願人は、本出願後、本出願又は継続出願の何れかにおいて、かかる追加の請求の形態を追求する権利を留保する。
【符号の説明】
【0133】
150 医療用インプラント
200 環境
205A、205B、205C、205D クライアントコンピューティングデバイス
210 サーバ
215 データベース
220A、220B、220C サーバコンピューティングデバイス
225A、225B、225C データベース
230 ネットワーク
【国際調査報告】