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特表2024-533128サンプル検査のためにシールを穿通する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】サンプル検査のためにシールを穿通する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G01N35/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513786
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022075949
(87)【国際公開番号】W WO2023034995
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/241,033
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】トルイット パトリック ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ダウニー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】レンツ アモン ディー
(72)【発明者】
【氏名】シェドロスキー アリッサ ニコライセン
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC08
2G058GA01
(57)【要約】
本明細書に開示するものは、サンプル検査での使用に適する方法、構成、及びキットを含む。サンプル検査システムは、サンプルを受け入れるためのカートリッジ本体と、カートリッジ本体に結合された少なくとも1つの反応チャンバと、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の少なくとも1つのシールとを含むことができる。サンプル検査システムは、少なくとも1つのシールを破裂させてサンプル流体の予め決められた部分容積をカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中に分注するように作動可能なサンプル分注機構を含むことができる。サンプル分注機構は、少なくとも1つのシールに少なくとも1つの開口部を形成することによって少なくとも1つのシールを破裂させる少なくとも1つの穿通先端を含む分注ロッドを含むことができる。穿通先端は、少なくとも1つのシールに大きい開口部を発生させるように構成された幾何学形状を含むことができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル検査システムであって、
生体サンプル又は環境サンプルを、カートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中に受け入れてサンプル流体を調製するための、前記カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体にカプリングされた少なくとも1つの反応チャンバと、
前記カートリッジ本体と前記少なくとも1つの反応チャンバとの間の流体移動を防止する少なくとも1つのシールであって、任意的に、前記少なくとも1つのシールが、前記カートリッジ本体と前記少なくとも1つの反応チャンバとの間に位置し、更に任意的に、前記少なくとも1つのシールが、穿通先端によって穿刺されることが可能であり、それによって前記カートリッジ本体と前記少なくとも1つの反応チャンバとの間の流体移動を可能にする前記少なくとも1つのシールと、
前記カートリッジ本体の中への挿入のためのサンプル分注機構と、
を含み、
前記サンプル分注機構は、サンプル流体が前記カートリッジ本体から前記少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするために前記少なくとも1つのシールを破裂させ、かつ前記カートリッジ本体と前記少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながら、前記カートリッジ本体から前記少なくとも1つの反応チャンバの中にそこでの検査のために前記サンプル流体の予め決められた部分容積を分注するように作動可能であり、
前記サンプル分注機構は、前記少なくとも1つのシールに少なくとも1つの開口部を形成することによって前記少なくとも1つのシールを破裂させる少なくとも1つの穿通先端を含む分注ロッドを含み、前記少なくとも1つの穿通先端は、前記少なくとも1つのシールに大きい開口部を発生させるように構成された幾何学形状を含む、
サンプル検査システム。
【請求項2】
前記カートリッジ本体は、前記生体サンプル又は環境サンプルを担持するスワブを用いて前記カートリッジ本体内で前記サンプル調製流体を撹拌し、前記生体サンプル又は環境サンプルを前記スワブから前記サンプル調製流体の中に洗い流すことができるように障害物のない開放容積を初期状態で提供する、請求項1に記載のサンプル検査システム。
【請求項3】
前記生体サンプル又は環境サンプルの受け入れ後の前記カートリッジ本体及びその中にある前記サンプル分注機構を密封するためのクロージャを含み、
任意的に、前記クロージャ及び前記カートリッジ本体のうちの少なくとも一方は、前記流体がサンプル検査システム内で密封状態に留まるように前記カートリッジ本体からの前記クロージャの取り外しを防止する又は少なくとも抑制するように構成される、
請求項1又は2に記載のサンプル検査システム。
【請求項4】
前記サンプル分注機構は、前記カートリッジ本体に前記クロージャを付加する行為が前記カートリッジ本体の中への前記サンプル分注機構の前記挿入も引き起こすように前記クロージャに取り付けられる、請求項3に記載のサンプル検査システム。
【請求項5】
ユーザによる単一アクションが、前記サンプル分注機構に前記少なくとも1つのシールを破裂させ、前記サンプル流体を前記カートリッジ本体から前記少なくとも1つの反応チャンバの中に分注させる、請求項1から4のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項6】
前記ユーザによる前記単一アクションは、前記カートリッジ本体に対して前記クロージャに印加される持続的なネジ込みアクションであり、
前記ネジ込みアクションは、前記サンプル分注機構の作動を引き起こし、前記カートリッジ本体を密封し、任意的に、前記クロージャは、ネジ山を含む、
請求項5に記載のサンプル検査システム。
【請求項7】
前記ユーザによる前記単一アクションは、前記カートリッジ本体に対して前記クロージャに印加される下向きの力であり、
前記下向きの力は、前記クロージャと前記カートリッジ本体との間にスナップ留めを形成し、
前記下向きの力は、前記サンプル分注機構の作動を引き起こし、前記カートリッジ本体を密封し、任意的に、前記下向きの力は、レバー手段の前記下向きの力を含む、
請求項5に記載のサンプル検査システム。
【請求項8】
前記クロージャは、前記ユーザによる前記単一アクション時に前記カートリッジ本体の遠位端とのスナップ留めを形成するように構成された1又は2以上のスナップ留め部材を含むスナップ式分注キャップを含む、請求項7に記載のサンプル検査システム。
【請求項9】
使用の前に前記サンプル調製流体を前記カートリッジ本体内に密封し、前記カートリッジ本体に収容された前記サンプル調製流体に前記生体サンプル又は環境サンプルが追加されることを可能にするために取り外される第2のクロージャを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項10】
前記サンプル分注機構は、
分注チャンバ内に前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積を捕捉するために前記少なくとも1つのシールに対して第2のシールを形成する分注チャンバと、
前記分注チャンバの内面との摺動シールを形成するプランジャ機構であって、前記摺動シールが、前記分注チャンバの前記内面に沿って摺動し、そこから前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積を前記少なくとも1つの開口部を通して前記少なくとも1つの反応チャンバの中に分注するように構成される前記プランジャ機構と、
を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項11】
前記分注チャンバは、外面から延びる相互離間チャンバ位置付け特徴部を有する外面を含み、前記相互離間チャンバ位置付け特徴部は、前記分注チャンバを前記カートリッジ本体の中心に位置合わせし、前記サンプル分注機構が前記カートリッジ本体の中に挿入される時にサンプル流体が前記チャンバ位置付け特徴部の間を流れることを可能にするように構成される、請求項10に記載のサンプル検査システム。
【請求項12】
前記サンプル分注機構は、ユーザによって実行される単一アクションが、前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積を前記分注チャンバ内に捕捉する作動の第1ステージと前記サンプル流体が前記分注チャンバから分注される作動の第2ステージとを含む前記サンプル分注機構の作動の2つのステージを引き起こすように構成される、請求項10又は11に記載のサンプル検査システム。
【請求項13】
前記サンプル分注機構は、前記作動の第2ステージを可能にするように再構成又は破壊される力優先順位付け構成要素を含む、請求項12に記載のサンプル検査システム。
【請求項14】
前記力優先順位付け構成要素は、前記サンプル分注機構の作動が前記作動の第1ステージから前記作動の第2ステージに進行することを可能にするために壊れるように構成された破壊可能構成要素を含む、請求項13に記載のサンプル検査システム。
【請求項15】
前記力優先順位付け構成要素は、前記作動の第1ステージで前記分注チャンバを押圧してシールし、前記作動の第2ステージで圧潰されて又は押し潰されて前記シールを維持し、穿孔アクションを実行させ、前記サンプル流体を前記分注チャンバから分注するように前記プランジャを作動させる、圧潰可能又は押し潰し可能なスペーサを含む、請求項13に記載のサンプル検査システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの穿通先端は、ボールポイント先端を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの穿通先端は、矢尻形先端を含む、請求項1から16のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの穿通先端は、切頭円錐形先端を含む、請求項1から17のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの穿通先端は、尖鋭先端を含まない、請求項1から18のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの穿通先端の遠位部分は、平坦面を含み、任意的に、前記平坦面は、前記少なくとも1つのシールの面に対して約20°、約15°、約10°、約5°、又は約1°未満の角度をなす、請求項1から19のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの穿通先端は、縦溝付きである、請求項1から20のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの穿通先端は、1又は2以上の流れチャネルを含み、任意的に、前記1又は2以上の流れチャネルは、(i)前記少なくとも1つの穿通先端の近位端に、(ii)前記少なくとも1つの穿通先端の遠位端に、又は(iii)前記少なくとも1つの穿通先端の長さにわたって位置決めされる、請求項1から21のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項23】
前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積の少なくとも一部分が、前記1又は2以上の流れチャネルを通じて前記少なくとも1つの開口部を通じて流れ、任意的に、前記流体流れは、前記少なくとも1つの穿通先端が1又は2以上の流れチャネルを含まないサンプル検査システムと比較してより高い流量にある、請求項22に記載のサンプル検査システム。
【請求項24】
1又は2以上の流れチャネルが、前記少なくとも1つの穿通先端に沿って延びる長手溝を含む、請求項22又は23に記載のサンプル検査システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのシールを破裂させる前記少なくとも1つの穿通先端は、前記少なくとも1つのシールを貫通して前記少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動する前記少なくとも1つの穿通先端を含む、請求項1から24のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの開口部は、前記少なくとも1つの穿通先端が前記少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動するときにサイズを拡大させる、請求項25に記載のサンプル検査システム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの開口部は、前記少なくとも1つの穿通先端が前記少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動するときに実質的に同じサイズに留まる、請求項25に記載のサンプル検査システム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの反応チャンバは、捕捉された気体を含み、
前記カートリッジ本体は、前記サンプル流体の上方に気体ヘッドスペースを含み、任意的に、前記分注ロッドは、前記少なくとも1つのシールが破裂した後に前記気体ヘッドスペースと前記少なくとも1つの反応チャンバとの間の圧力を均等化するように構成される、
請求項1から26のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの穿通先端は、前記分注ロッドを通って延びる通気管腔に至る少なくとも1つの通気開口部を含み、
前記分注ロッドは、前記気体ヘッドスペースに位置決めされて前記分注ロッドの前記通気管腔と流体連通する通気ポートを含む、
請求項28に記載のサンプル検査システム。
【請求項30】
前記サンプル分注機構は、少なくとも1つの疎水性フィルタを含み、任意的に、前記少なくとも1つの通気ポートと前記少なくとも1つの通気開口部との間を通るいずれの流体も、前記疎水性フィルタを過通しなければならない、請求項29に記載のサンプル検査システム。
【請求項31】
前記通気開口部は、(i)前記少なくとも1つの穿通先端の近位端に、(ii)前記少なくとも1つの穿通先端の遠位端に、又は(iii)前記少なくとも1つの穿通先端の長さにわたって位置決めされる、請求項29又は30に記載のサンプル検査システム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの穿通先端及び/又は前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積によって変位された前記捕捉された気体は、前記少なくとも1つの通気開口部を通じて前記気体ヘッドスペースに漏出することができる、請求項29から31のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項33】
前記少なくとも1つのシールを破裂させる前記少なくとも1つの穿通先端は、1又は2以上のフラップを発生させることができ、
前記1又は2以上のフラップは、前記少なくとも1つの穿通先端によって破裂した前記少なくとも1つのシールの1又は複数の部分を含む、
請求項1から32のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項34】
前記フラップは、前記少なくとも1つの穿通先端に付着しない及び/又は前記開口部を通る流体流れを妨げない、請求項33に記載のサンプル検査システム。
【請求項35】
前記穿通先端は、前記少なくとも1つの穿通先端及び/又は前記1又は2以上のフラップへの前記サンプル流体のウィッキングを低減するように構成された幾何学形状を含む、請求項1から34のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項36】
前記大きい開口部は、前記少なくとも1つのシールの表面積の少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%の穿刺を含む、請求項1から35のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項37】
前記少なくとも1つのシールの前記表面積の少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%が、前記少なくとも1つの穿通先端との接触状態になる、請求項1から36のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項38】
前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積の少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%が、前記少なくとも1つの反応チャンバに流入する、請求項1から37のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項39】
前記少なくとも1つのシールが破裂した後に、前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積の約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、又は約1%未満が、前記分注チャンバ、前記少なくとも1つのシール、及び/又は前記少なくとも1つの穿通先端内又は上に留まる、請求項1から38のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項40】
前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積は、前記サンプル流体のうちの少なくとも約10μL、約15μL、約20μL、約25μL、約30μL、約35μL、約40μL、約45μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約110μL、約120μL、約128μL、約130μL、約140μL、約150μL、約160μL、約170μL、約180μL、約190μL、又は約200μLを含む、請求項1から39のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項41】
前記サンプル分注機構は、前記分注ロッド及び/又は前記分注チャンバの少なくとも一部分の面上に配置されたオーバーモールド層を含む、請求項1から40のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項42】
前記オーバーモールド層は、シール、任意的に円筒形シールを形成する、請求項41に記載のサンプル検査システム。
【請求項43】
前記オーバーモールド層は、前記分注ロッド及び/又は前記分注チャンバの少なくとも一部分とは異なるジュロメーター硬度の熱可塑性エラストマー(TPE)を含み、任意的に、前記オーバーモールド層は、約20~30のショアDジュロメーター硬度又はショアAジュロメーター硬度を示す、請求項41又は42に記載のサンプル検査システム。
【請求項44】
前記分注チャンバは、前記サンプル分注機構が前記カートリッジ本体の中に挿入されるときに、前記サンプル流体が、前記分注チャンバの中に流れ込む前に前記分注チャンバの外側の周りで流れるように強制されるように初期状態で構成され、
前記分注チャンバの外側の周りを流れる前記流体は、粒子及び異物を保持及び/又は捕捉する、及び/又は、さもなければサンプル検査を阻害又は妨害する場合がある前記サンプル流体の成分に結合する又はこれらを捕捉する生体成分又は化学成分を組み込んだ、フィルタ又は多孔質充填材料を通して流される、
請求項10から43のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項45】
前記カートリッジ本体は、前記サンプル調製流体と共に1又は2以上の磁性粒子を含み、
前記磁性粒子の面が、前記磁性粒子が前記サンプル流体内に混合された時に前記生体サンプル又は環境サンプルの少なくとも1つの予め決められたターゲット化学種に結合されてそれらを捕捉するように被覆又は官能化され、
前記サンプル分注機構は、前記サンプル分注機構が前記カートリッジ本体の中に挿入されるときに、前記サンプル流体が前記分注チャンバを通って流れるように強制されるように構成され、
1又は2以上の磁石が、前記サンプル流体内に含まれてターゲット化学種を捕捉した磁性粒子が前記分注チャンバの内面に引き寄せられて保持されるように、前記分注チャンバの前記内面に近接して位置付けられ、それにより、前記分注チャンバの前記内面との摺動シールを形成する前記プランジャ機構は、前記内面に対して保持された前記磁性粒子を収集して前記少なくとも1つの反応チャンバの中に分注し、前記少なくとも1つの反応チャンバの中に分注された前記サンプル流体の前記予め決められた部分容積内に、前記少なくとも1つの予め決められたターゲット化学種の濃度の増加を提供する、請求項10から44のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項46】
前記少なくとも1つの反応チャンバは、2つの反応チャンバであり、
前記少なくとも1つの穿通先端は、2つの穿通先端であり、任意的に、前記反応チャンバは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)チューブを含み、更に任意的に、前記2つの反応チャンバは、混合ビーズを含む、
請求項1から45のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項47】
前記反応チャンバは、それぞれの異なる検査を実行するように及び/又はそれぞれの異なるターゲットエンティティを検出するように選択された異なる試薬を含む、請求項46に記載のサンプル検査システム。
【請求項48】
前記カートリッジ本体は、サンプル調製試薬を含み、
前記反応チャンバのうちの少なくとも1つが、逆転写反応及び/又は増幅反応のための1又は2以上の試薬を含む、
請求項1から47のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項49】
前記カートリッジ本体は、検査装置の1又は2以上の嵌合スロットに位置合わせされてそれと係合するように構成された1又は2以上の位置合わせ特徴部を含み、任意的に、前記1又は2以上の位置合わせ特徴部は、前記カートリッジ本体が前記検査装置の定位置にあるときに前記カートリッジ本体の回転を防止し、更に任意的に、前記1又は2以上の位置合わせ特徴部は、ユーザが前記第2のクロージャを取り外すこと及び/又は前記単一アクションを片手オペレーションで実行することを可能にする、請求項1から48のいずれか1項に記載のサンプル検査システム。
【請求項50】
請求項1から49のいずれか1項に記載の前記サンプル検査システムのカートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中に、その中でのサンプル流体の調製のために生体サンプル又は環境サンプルを追加する段階と、
前記追加する段階の後に、サンプル分注機構を前記カートリッジ本体の中に挿入し、そこにクロージャを付加する段階と、
サンプル流体が前記カートリッジ本体から前記少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするために前記カートリッジ本体と前記少なくとも1つの反応チャンバとの間の少なくとも1つのシールを破裂させ、前記カートリッジ本体と前記少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながら前記カートリッジ本体から前記少なくとも1つの反応チャンバの中にそこでの検査のために前記サンプル流体の予め決められた部分容積を分注するように、前記サンプル分注機構を作動させる段階と、
を含むサンプル検査方法。
【請求項51】
前記追加する段階の前に、内部の前記生体サンプル又は環境サンプルに対する検査を実行するように構成された検査装置の受け入れポートの中に前記サンプル検査システムを置く段階を含む、請求項50に記載の検体検査方法。
【請求項52】
請求項1から49のいずれか1項の前記サンプル検査システムを受け入れるように構成された受け入れポートであって、検査装置が、内部の前記生体サンプル又は環境サンプルに対する検査を実行するように構成される前記受け入れポート、
を含む検査装置。
【請求項53】
前記受け入れポートに置かれた前記サンプル検査システムに下向きの力を印加するように構成されたレバー手段を更に含み、
任意的に、前記単一アクションは、前記レバー手段を通じて前記カートリッジ本体に対して前記クロージャに印加される下向きの力であり、更に任意的に、前記下向きの力は、前記クロージャと前記カートリッジ本体との間にスナップ留めを形成する、
請求項52に記載の検査装置。
【請求項54】
前記レバー手段は、ヒンジ蓋を含み、任意的に、前記ヒンジ蓋は、前記クロージャの面に接触するように構成されたリッジを含む、請求項53に記載の検査装置。
【請求項55】
前記レバー手段を格納するためのスリーブを更に含む、請求項53又は54に記載の検査装置。
【請求項56】
前記ヒンジ蓋は、前記スリーブ内に格納されたときに前記カートリッジ本体に対して実質的に平行であり、
前記ヒンジ蓋の少なくとも一部分が、ユーザによって持ち上げられるときに前記スリーブから上向きにかつ外側に摺動して前記ヒンジ蓋のヒンジを露出するように構成され、
前記ヒンジが露出されるときに、前記ヒンジ蓋は、前記カートリッジ本体に対して実質的に垂直な水平位置にピボット回転することができる、
請求項55に記載の検査装置。
【請求項57】
検査装置が、カートリッジ本体の1又は2以上の位置合わせ特徴部と位置合わせされてそれと係合するように構成された1又は2以上の嵌合スロットを含み、任意的に、前記1又は2以上の嵌合スロットは、前記受け入れポートに位置し、任意的に、前記1又は2以上の位置合わせ特徴部は、前記カートリッジ本体が検査装置内の定位置にあるときに前記カートリッジ本体の回転を防止し、更に任意的に、前記1又は2以上の位置合わせ特徴部は、ユーザが前記第2のクロージャを取り外すこと及び/又は前記単一アクションを片手オペレーションで実行することを可能にする、請求項52から56のいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
この出願は、2021年9月6日出願の米国仮特許出願第63/241,033号の「35 U.S.C.§119(e)」の下での利益を主張するものであり、この関連出願の内容は、全ての目的に対してその全体が引用によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の開示は、一般的にサンプル調製及び検査の分野に関連し、より具体的には、サンプル内の特定の検体の有無の検出及び/又はサンプル内のそれらの分量の決定に基づいて、例えば、環境、農業、科学、獣医学、又は医学診断を支援するために生体サンプルを調製及び検査する方法、構成、システム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
核酸の増幅は、医学、生物医学、環境、獣医学、及び食品安全性検査を含む多くの分野で重要である。核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は等温増幅によって増幅することができる。DNA増幅の後に、検査溶液内にターゲット遺伝子配置の多数のコピーが存在することになる。診断検査アッセイでは、ターゲット配置にリンクすることになり、かつ接合された状態で検査チューブの外部で検出することができる光学信号又は光学変化を提供することになる特定マーカーを設計することができる。この光学信号は、特定光学波長でのサンプルの光学吸収の変化によって測定されるサンプルの色及び/又は不透明度の変化である場合がある。出力信号はまた、マーカーがターゲット接合事象によって活性化された時に生体発光光出力の放出をトリガするサンプルからの直接光出力によるものである場合がある。光学検出出力はまた、蛍光マーカービーコンからのものとすることができる溶液の蛍光の変化によるものである場合がある。この場合に、各マーカー分子は、蛍光クエンチャーが蛍光原子又は原子の配置に近接するように構成することができる。このマーカー分子は、それが検査溶液内のターゲットDNA配置に選択的に結合する時にクエンチャーとフルオロフォアが分離され、かつ次に強い蛍光信号をフルオロフォアの作用によって検出することができるように構成することができる。この配置では、ターゲット溶液の全体蛍光強度は、検査溶液内のターゲット遺伝物質の相対量を示している。この信号は、次に、検査下のサンプル内のターゲット物質の有無及び相対分量を決定するための診断検査の基礎を形成するのに使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在のサンプル検査のシステム及び装置、特に核酸増幅及び検出計器は、典型的には大きくて複雑かつ高価であり、計器とは独立に行わなければならないサンプル調製段階を必要とする。これらの調製段階は、典型的には、訓練を受けた技術オペレータを必要とし、このオペレータ及び検査準備環境は、体液及び感染病原体のような有害サンプルに露出される可能性があり、そのプロセスは、こぼれ及び不正試薬追加を含む不正手動オペレーションからのリスクがある。得られる検査サンプルは、次に、手動移し替え段階、典型的には熟練ピペット分注オペレーションによって正確にサブサンプリングされて移し替えなければならない。この手法は、訓練を受けた技術オペレータと、その全てがサンプルによって汚染されることになり、かつ正しく取り扱われて個々に廃棄されなければならないいくつかの別々のチューブ及び移し替えデバイスとを必要とする。これらの手法では、検査サンプルは、サンプル調製及び検査計器内の検査チューブの中への移し替えのプロセス中に環境から密封されない。サンプルへのこの露出は、ユーザ及び他の者に感染病原体リスクを呈する可能性があり、かつ検査計器及び検査区域を汚染し、その後の検査で不正な診断結果をもたらす可能性もある。
【0005】
代替手法は、カートリッジ本体(例えば、サンプル調製リザーバ)が、部分容積(例えば、カートリッジ本体からのサンプル流体の予め決められた部分容積)がカートリッジ本体及びカプリングされた反応チャンバ(例えば、検査チューブ)間の他には密封された壁内の穿孔を通して分注されるような時までサンプル調製溶液をそこに確実に保持する段階を伴う。しかし、望ましい化学性能を達成するために、カートリッジ本体から反応チャンバの中に分注されるサンプル流体の量は、小さい許容範囲内で正確でなければならない。カートリッジ本体からこの反応チャンバの中に分注されるサンプル流体の流れ及び精度を改善する方法、構成、システム、及び装置に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示するものは、サンプル検査システムを含む。一部の実施形態では、サンプル検査システムは、カートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中にそこからのサンプル流体の調製のために生体サンプル又は環境サンプルを受け入れるためのカートリッジ本体を含む。一部の実施形態では、サンプル検査システムは、カートリッジ本体にカプリングされた少なくとも1つの反応チャンバを含む。一部の実施形態では、サンプル検査システムは、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の流体移動を防止するためにカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間に少なくとも1つのシールを含む。一部の実施形態では、サンプル検査システムは、カートリッジ本体の中への挿入(例えば、そこへの生体サンプル又は環境サンプルの受け入れ後の)のためのサンプル分注機構を含む。サンプル検査システムは、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の流体移動を防止するために少なくとも1つのシールを含むことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つのシールは、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間に位置している。一部の実施形態では、少なくとも1つのシールは、穿通先端によって穿刺され、それによってカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の流体移動を可能にすることができる。
【0007】
一部の実施形態では、サンプル分注機構は、サンプル流体がカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするように少なくとも1つのシールを破裂させ、かつカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながらカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中にそこでの検査のためにサンプル流体の予め決められた部分容積を分注するように作動可能である。一部の実施形態では、サンプル分注機構は、少なくとも1つのシールをそこに少なくとも1つの開口部を形成することによって破裂させる少なくとも1つの穿通先端を含む分注ロッドを含み、少なくとも1つの穿通先端は、少なくとも1つのシールに大きい開口部を発生させるように構成された幾何学形状を含む。一部の実施形態では、カートリッジ本体は、生体サンプル又は環境サンプルを担持するスワブを用いてカートリッジ本体内のサンプル調製流体を撹拌し、かつ生体サンプル又は環境サンプルをスワブからサンプル調製流体の中に洗い流すことができるように初期状態で障害物のない開放容積を提供する。
【0008】
サンプル検査システムは、生体サンプル又は環境サンプルの受け入れ後のカートリッジ本体及びそこにあるサンプル分注機構を密封するためのクロージャを含むことができる。一部の実施形態では、クロージャ及びカートリッジ本体のうちの少なくとも一方は、流体がサンプル検査システム内で密封状態に留まるようにカートリッジ本体からのクロージャの取り外しを防止する又は少なくとも抑制するように構成される。一部の実施形態では、サンプル分注機構は、カートリッジ本体にクロージャを付加する行為がカートリッジ本体の中へのサンプル分注機構の挿入も達成するようにクロージャに取り付けられる。シールは、シール穿刺の前の流体移動を防止することができる。一部の実施形態では、カートリッジ本体の形状は、キャップをネジ留めする時の回転を防止し、かつ複数の反応チャンバを特定の位置に向ける。一部の実施形態では、ユーザによる単一アクションは、サンプル分注機構に少なくとも1つのシールを破裂させ、かつサンプル流体をカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中に分注させる。一部の実施形態では、ユーザによる単一アクションは、カートリッジ本体に対してクロージャに印加される持続的なネジ込みアクションであり、ネジ込みアクションは、サンプル分注機構の作動を引き起こし、かつカートリッジ本体を密封する。一部の実施形態では、クロージャは、ネジ山を含む。サンプル検査システムは、使用前にサンプル調製流体をカートリッジ本体内に密封し、かつカートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体に生体サンプル又は環境サンプルが追加されることを可能にするために取り外される第2のクロージャを含むことができる。一部の実施形態では、ユーザによる単一アクションは、カートリッジ本体に対してクロージャに印加される下向きの力である。一部の実施形態では、下向きの力は、クロージャとカートリッジ本体間にスナップ留めを形成する。一部の実施形態では、下向きの力は、サンプル分注機構の作動を引き起こし、かつカートリッジ本体を密封する。一部の実施形態では、下向きの力は、レバー手段の下向きの力を含む。一部の実施形態では、クロージャは、ユーザによる単一アクション時にカートリッジ本体の遠位端とのスナップ留めを形成するように構成された1又は2以上のスナップ留め部材を含むスナップ留め分注キャップを含む。
【0009】
一部の実施形態では、サンプル分注機構は、分注チャンバ内にサンプル流体の予め決められた部分容積を捕捉するために少なくとも1つのシールに対する第2のシールを形成する分注チャンバと、分注チャンバの内面との摺動シールを形成するプランジャ機構とを含み、摺動シールは、分注チャンバの内面に沿ってそこからサンプル流体の予め決められた部分容積を少なくとも1つの開口部を通して少なくとも1つの反応チャンバの中に分注するために摺動するように構成される。一部の実施形態では、分注チャンバは、外面を含み、外面は、外面から延び、かつ分注チャンバをカートリッジ本体の中心に位置合わせしてサンプル分注機構がカートリッジ本体の中に挿入される時にサンプル流体がチャンバ位置付け特徴部の間を流れることを可能にするように構成された相互離間チャンバ位置付け特徴部を有する。
【0010】
一部の実施形態では、サンプル分注機構は、ユーザによって実行される単一アクションが、サンプル流体の予め決められた部分容積を分注チャンバ内に捕捉する作動の第1ステージとサンプル流体が分注チャンバから分注される作動の第2ステージとを含むサンプル分注機構の作動の2つのステージを引き起こすように構成される。一部の実施形態では、サンプル分注機構は、作動の第2ステージを可能にするように再構成又は破壊される力優先順位付け構成要素を含む。一部の実施形態では、力優先順位付け構成要素は、サンプル分注機構の作動が作動の第1ステージから作動の第2ステージに進行することを可能にするために壊れるように構成された破壊可能構成要素を含む。一部の実施形態では、力優先順位付け構成要素は、作動の第1ステージで分注チャンバに対して押圧してそれを密封させ、作動の第2ステージで圧潰されて又は押し潰されてシールを維持し、穿孔アクションを実行し、かつサンプル流体が分注チャンバから分注されるようにプランジャを作動する圧潰可能又は押し潰し可能なスペーサを含む。
【0011】
一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、ボールポイント先端を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、矢尻形先端を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、切頭円錐形先端を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、尖鋭先端を含まない。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端の遠位部分は平坦面を含む。一部の実施形態では、平坦面は、少なくとも1つのシールの面に対して、約20°、約15°、約10°、約5°、又は約1°未満の角度をなす。
【0012】
一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、縦溝付きである。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、1又は2以上の流れチャネルを含む。一部の実施形態では、1又は2以上の流れチャネルは、(i)少なくとも1つの穿通先端の近位端に、(ii)少なくとも1つの穿通先端の遠位端に、又は(iii)少なくとも1つの穿通先端の長さにわたって位置決めされる。一部の実施形態では、サンプル流体の予め決められた部分容積の少なくとも一部分は、1又は2以上の流れチャネルを通って少なくとも1つの開口部を貫流する。一部の実施形態では、流体流れは、少なくとも1つの穿通先端が1又は2以上の流れチャネルを含まないサンプル検査システムと比較して高い流量にある。一部の実施形態では、1又は2以上の流れチャネルは、少なくとも1つの穿通先端に沿って延びる長手溝を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つのシールを破裂させる段階は、少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つのシールを貫通し、少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動する段階を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動する時に、少なくとも1つの開口部はサイズを拡大させる。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動する時に、少なくとも1つの開口部は、実質的に同じサイズに留まる。
【0013】
一部の実施形態では、少なくとも1つの反応チャンバは捕捉気体を含み、カートリッジ本体は、サンプル流体の上方に気体ヘッドスペース(gaseous head space)を含む。一部の実施形態では、分注ロッドは、少なくとも1つのシールが破裂した後に気体ヘッドスペースと少なくとも1つの反応チャンバとの間で圧力を均等化するように構成される。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、分注ロッドを通って延びる通気管腔に至る少なくとも1つの通気開口部を含み、分注ロッドは、気体ヘッドスペースに位置決めされて分注ロッドの通気管腔と流体連通する通気ポートを含む。一部の実施形態では、サンプル分注機構は、少なくとも1つの疎水性フィルタを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの通気ポートと少なくとも1つの通気開口部間を通過するいずれの流体も疎水性フィルタを過通しなければならない。一部の実施形態では、通気開口部は、(i)少なくとも1つの穿通先端の近位端に、(ii)少なくとも1つの穿通先端の遠位端に、又は(iii)少なくとも1つの穿通先端の長さにわたって位置決めされる。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端及び/又はサンプル流体の予め決められた部分容積によって変位された捕捉気体は、少なくとも1つの通気開口部を通じて気体ヘッドスペースに漏出することができる。
【0014】
一部の実施形態では、少なくとも1つのシールを破裂させる少なくとも1つの穿通先端は、1又は2以上のフラップを発生させる機能を有し、1又は2以上のフラップは、少なくとも1つの穿通先端によって破裂した少なくとも1つのシールの一部分を含む。一部の実施形態では、フラップは、少なくとも1つの穿通先端に接着しない及び/又は開口部を通る流体流れを中断させない。一部の実施形態では、穿通先端は、少なくとも1つの穿通先端及び/又は1又は2以上のフラップへのサンプル流体のウィッキングを低減するように構成された幾何学形状を含む。
【0015】
大きい開口部は、例えば、少なくとも1つのシールの面積の少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%の穿刺を含むことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つのシールの面積の少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%は、少なくとも1つの穿通先端との接触状態になる。一部の実施形態では、サンプル流体の予め決められた部分容積の少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%は、少なくとも1つの反応チャンバに流入する。一部の実施形態では、少なくとも1つのシールが破裂した後に、サンプル流体の予め決められた部分容積の約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、又は約1%未満のサンプル流体は、分注チャンバ、少なくとも1つのシール、及び/又は少なくとも1つの穿通先端内又は上に留まる。一部の実施形態では、サンプル流体の予め決められた部分容積は、サンプル流体のうちの少なくとも約10μL、約15μL、約20μL、約25μL、約30μL、約35μL、約40μL、約45μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約110μL、約120μL、約128μL、約130μL、約140μL、約150μL、約160μL、約170μL、約180μL、約190μL、又は約200μLを含む。
【0016】
一部の実施形態では、サンプル分注機構は、分注ロッド及び/又は分注チャンバの少なくとも一部分の面上に配置されたオーバーモールド層を含む。一部の実施形態では、オーバーモールド層は、シールを形成する。一部の実施形態では、それは、円筒形シールである。一部の実施形態では、オーバーモールド層は、分注ロッド及び/又は分注チャンバの少なくとも一部分とは異なるジュロメーター硬度の熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。一部の実施形態では、オーバーモールド層は、約20~30のショアDジュロメーター硬度又はショアAジュロメーター硬度を示す。
【0017】
一部の実施形態では、分注チャンバは、サンプル分注機構がカートリッジ本体の中に挿入される時に、サンプル流体が分注チャンバの中に流れ込むことができる前に分注チャンバの外側の周りで流れるように強制されるように初期状態で構成され、分注チャンバの外側の周りを流れる流体は、フィルタ又は多孔質充填材料に貫流させられ、フィルタ又は多孔質充填材料は、粒子及び異物を保持及び/又は捕捉し、及び/又は、さもなければサンプル検査を阻害又は妨害する可能性があるサンプル流体成分に結合するか又はこれらを捕捉する生体成分又は化学成分を組み込んでいる。
【0018】
一部の実施形態では、カートリッジ本体は、サンプル調製流体と共に1又は2以上の磁性粒子を含み、これらの磁性粒子がサンプル流体の中に混合された時に生体サンプル又は環境サンプルの少なくとも1つの予め決められたターゲット化学種に結合されてそれらを捕捉するようにこれらの粒子の面が被覆又は官能化され、サンプル分注機構がカートリッジ本体の中に挿入される時にサンプル流体を分注チャンバに強制的に貫流させるようにサンプル分注機構が構成され、サンプル流体内に含まれてターゲット化学種を捕捉した磁性粒子が分注チャンバの内面に引き寄せられてそれに対して保持されるように1又は2以上の磁石が分注チャンバの内面に近接して位置付けられ、そのために分注チャンバの内面との摺動シールを形成するプランジャ機構は、内面に対して保持された磁性粒子を収集し、それらを少なくとも1つの反応チャンバの中に分注し、その中に分注されたサンプル流体の予め決められた部分容積中に、少なくとも1つの予め決められたターゲット化学種の濃度の増加を発生させる。
【0019】
一部の実施形態では、少なくとも1つの反応チャンバは、2つの反応チャンバであり、少なくとも1つの穿通先端は、2つの穿通先端である。一部の実施形態では、反応チャンバは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)チューブを含む。一部の実施形態では、2つの反応チャンバは、1又は2以上の混合ビーズを含む。一部の実施形態では、反応チャンバは、それぞれの異なる検査を実行する及び/又はそれぞれの異なるターゲットエンティティを検出するように選択された異なる試薬を含む。一部の実施形態では、カートリッジ本体は、サンプル調製試薬を含み、反応チャンバのうちの少なくとも1つは、逆転写反応及び/又は増幅反応に適する1又は2以上の試薬を含む。一部の実施形態では、カートリッジ本体は、検査装置の1又は2以上の嵌合スロットに位置合わせされてそれに係合するように構成された1又は2以上の位置合わせ特徴部を含む。一部の実施形態では、1又は2以上の位置合わせ特徴部は、カートリッジ本体が検査装置に位置決めされた時にカートリッジ本体の回転を防止する。一部の実施形態では、1又は2以上の位置合わせ特徴部は、ユーザが第2のクロージャを取り外すこと及び/又は単一アクションを片手オペレーションで実行することを可能にする。
【0020】
本明細書に開示するものは、サンプル検査方法を含む。一部の実施形態では、サンプル検査方法は、本明細書に開示するサンプル検査システムのカートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中にシステムでのサンプルの調製のために生体サンプル又は環境サンプルを追加する段階と、追加段階の後に、サンプル分注機構をカートリッジ本体の中に挿入し、カートリッジ本体にクロージャを付加する段階と、サンプル流体がカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするためにカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の少なくとも1つのシールを破裂させ、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながら、少なくとも1つの反応チャンバでの検査のためにカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中にサンプル流体の予め決められた部分容積を分注するようにサンプル分注機構を作動させる段階とを含む。本方法は、追加段階の前に、生体サンプル又は環境サンプルに対する検査をそこで実行するように構成された検査装置の受け入れポートの中にサンプル検査システムを置く段階を含むことができる。
【0021】
一部の実施形態では、検査装置を提供する。検査装置は、本明細書に提供するサンプル検査システムを受け入れるように構成された受け入れポートを含むことができる。一部の実施形態では、検査装置は、生体サンプル又は環境サンプルに対する検査をそこで実行するように構成される。一部の実施形態では、検査装置は、受け入れポートに位置決めされたサンプル検査システムに下向きの力を印加するように構成されたレバー手段を更に含む。一部の実施形態では、この単一アクションは、レバー手段を通じてカートリッジ本体に対して下向きの力をクロージャに印加することである。一部の実施形態では、下向きの力は、クロージャとカートリッジ本体間にスナップ留めを形成する。一部の実施形態では、レバー手段は、ヒンジ蓋を含む。一部の実施形態では、ヒンジ蓋は、クロージャの面に接触するように構成されたリッジを含む。一部の実施形態では、検査装置は、レバー手段を格納するためのスリーブを更に含む。一部の実施形態では、ヒンジ蓋は、スリーブの中に格納されている時にカートリッジ本体に対して実質的に平行である。一部の実施形態では、ヒンジ蓋の少なくとも一部分は、ユーザによって持ち上げられた時にスリーブの上方に摺動してスリーブから抜け出し、ヒンジ蓋のヒンジを露出させるように構成される。一部の実施形態では、ヒンジが露出された時に、ヒンジ蓋は、カートリッジ本体に対して実質的に垂直な水平位置にピボット回転する機能を有する。一部の実施形態では、検査装置は、カートリッジ本体の1又は2以上の位置合わせ特徴部に位置合わせされてそれに係合するように構成された1又は2以上の嵌合スロットを含む。一部の実施形態では、1又は2以上の嵌合スロットは、受け入れポートに位置している。一部の実施形態では、1又は2以上の位置合わせ特徴部は、カートリッジ本体が検査装置に位置決めされた時にカートリッジ本体の回転を防止する。一部の実施形態では、1又は2以上の位置合わせ特徴部は、ユーザが第2のクロージャを取り外すこと及び/又は単一アクションを片手オペレーションで実行することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】挿入サンプル分注機構(二重穿通先端を含む)が初期位置にある二重反応チャンバカートリッジの非限定的な例示的概略図である。
図2】挿入サンプル分注機構(二重穿通先端を含む)が初期位置にある二重反応チャンバカートリッジの非限定的な例示的概略図である。
図3】サンプル分注機構が完全に挿入され、その結果、シールが穿通先端によって完全に穿通され、カートリッジ本体からのサンプル流体の予め決められた部分容積が二重反応チャンバの中に分注される図1及び図2に示すカートリッジの非限定的な例示的概略図である。
図4】サンプル分注機構が完全に挿入され、その結果、シールが穿通先端によって完全に穿通され、カートリッジ本体からのサンプル流体の予め決められた部分容積が二重反応チャンバの中に分注される図1及び図2に示すカートリッジの非限定的な例示的概略図である。
図5】かぎ括弧に示すサンプル分注機構のオーバーモールド層を有する穿通先端のボールポイント流れチャネル実施形態の非限定的な例示的概略図である。
図6】穿通先端のボールポイント流れチャネル実施形態の別の非限定的な例示的概略図である。
図7】穿通先端の遠位端に通気開口部が位置決めされた本明細書に提供する穿通先端のボールポイント実施形態の非限定的な例示的概略図である。
図8】穿通先端の長さにわたって通気開口部が位置決めされたサンプル分注機構の非限定的な例示的概略図である。
図9】内部チャンバに至る気体通気開口部を示す図8に示すサンプル分注機構の側断面図の非限定的な例示的概略図である。
図10】穿通先端の長さにわたって通気開口部が位置決めされた穿通先端の非限定的な例示的概略図である。
図11】穿通先端が流れチャネルとより大きい開口部への移行部とを含む分注キャップアセンブリの非限定的な例示的概略図である。
図12】穿通先端の遠位端に通気開口部が位置決めされたサンプル分注機構の非限定的な例示的概略図である。
図13】疎水性フィルタを有する内部通気経路を示す図12に示すサンプル分注機構の側断面図の非限定的な例示的概略図である。
図14】本明細書に提供する穿通ロッドの断面図の非限定的な例示的概略図である。
図15】尖鋭先端を持たない穿通先端を含む分注ロッドの非限定的な例示的概略図である。
図16】縦溝付き矢状穿通先端を含む分注ロッドの非限定的な例示的概略図である。
図17】2つの診断検査リザーバ(例えば、反応チャンバ)を有するカートリッジの非限定的な例示的概略図である。
図18図17の二重反応チャンバカートリッジの非限定的な例示的概略図である。
図19】サンプル物質を二重反応チャンバカートリッジのカートリッジ本体の開放容積内に蓄積させるために出荷キャップが取り外され、スワブがこの容積の中に挿入されている図17及び図18のカートリッジの非限定的な例示的概略図である。
図20】キャップと二重反応チャンバカートリッジのカートリッジ本体の中に挿入される直前の二重反応チャンバ分注機構の実施形態とを含むキャップアセンブリの非限定的な例示的概略図である。
図21】分注チャンバ(例えば、分注インサート)が分注ロッドから分離された二重反応チャンバ分注機構の非限定的な例示的概略図である。
図22】分注機構が部分的に挿入された二重反応チャンバカートリッジの側断面図の非限定的な例示的概略図である。
図23】分注機構の分注チャンバがカートリッジのベースに対して着座しているが穿孔及び分注の前である分注機構が更に挿入された二重反応チャンバカートリッジの側断面図の非限定的な例示的概略図である。
図24】分注機構が完全に挿入され、従って、穿孔及び分注アクションが完了した二重反応チャンバカートリッジの側断面図の非限定的な例示的概略図である。
図25図24の通りにキャップアセンブリに完全に係合した後の二重反応チャンバカートリッジの外観図の非限定的な例示的概略図である。
図26】分注機構がカートリッジの中に押し込まれる時に分注インサートの中及びその周りを通る時の混合を含む流体流れの非限定的な例示的概略図である。
図27】隔離された分注チャンバの非限定的な例示的概略図である。
図28】インサートボアのベースが密封されてインサートがカートリッジの中に押し込まれる時に、サンプル及びサンプル試薬流体がインサートの外側迂回領域を通ってしか流れることができず、その後に、インサートボアの上部に流れて戻り、迂回領域が、サンプル流体内のいずれの粒子も除去又は捕捉し、これらの粒子が検査リザーバに流入することを防止するためにフィルタ、多孔質材料、又は充填材料を含むことができる分注チャンバの代替実施形態を示す側断面図の非限定的な例示的概略図である。
図29】インサートのアセンブリがカートリッジの中に押し込まれる時にサンプル流体がインサートの内部ボアを通ってしか流れることができず、迂回領域が塞がれていることでサンプル流体がインサートバレルを迂回することができず、インサートが磁気ビーズの面上に捕捉されたDNA及びRNAを収集して濃縮するための磁石をボアの周りに含む分注チャンバの更に別の代替実施形態を示す側断面図の非限定的な例示的概略図である。
図30A】スナップ式分注キャップアセンブリと二重反応チャンバカートリッジの間にスナップ留めが形成される前の初期位置にあるキャップアセンブリ及びカートリッジの上面図の非限定的な例示的概略図である。
図30B】矢印がスナップを係合させるためにユーザによって印加される下向きの力を示すスナップ式分注キャップアセンブリと二重反応チャンバカートリッジの間にスナップ留めが形成される前の初期位置にあるキャップアセンブリ及びカートリッジの斜視図の非限定的な例示的概略図である。
図30C】スナップ式分注キャップアセンブリと二重反応チャンバカートリッジの間にスナップ留めが形成される前の初期位置にあるキャップアセンブリ及びカートリッジの側面図の非限定的な例示的概略図である。
図30D】スナップ式分注キャップアセンブリと二重反応チャンバカートリッジの間にスナップ留めが形成される前の初期位置にあるキャップアセンブリ及びカートリッジの側面図の非限定的な例示的概略図である。
図31A図30A図30Dに示すスナップ式分注キャップアセンブリ及びそれに完全に係合してスナップ留めが形成された後の二重反応チャンバカートリッジの上面図の非限定的な例示的概略図である。
図31B】矢印がスナップ留めを示す図30A図30Dに示すスナップ式分注キャップアセンブリ及びそれに完全に係合してスナップ留めが形成された後の二重反応チャンバカートリッジの斜視図の非限定的な例示的概略図である。
図31C図30A図30Dに示すスナップ式分注キャップアセンブリ及びそれに完全に係合してスナップ留めが形成された後の二重反応チャンバカートリッジの側面図の非限定的な例示的概略図である。
図31D図30A図30Dに示すスナップ式分注キャップアセンブリ及びそれに完全に係合してスナップ留めが形成された後の二重反応チャンバカートリッジの側面図の非限定的な例示的概略図である。
図32A】スナップ式分注キャップアセンブリ及び二重反応チャンバカートリッジ(これらの間にスナップ留めが形成される前の初期位置にある)が受け入れポートに位置決めされた検査装置の斜視図の非限定的な例示的概略図である。
図32B】スナップ式分注キャップアセンブリ及び二重反応チャンバカートリッジ(これらの間にスナップ留めが形成される前の初期位置にある)が受け入れポートに位置決めされた検査装置の側面図の非限定的な例示的概略図である。
図33A】矢印がスナップを係合させるためにユーザがヒンジ蓋上で押下することができる場所を示すスナップ式分注キャップの上部でヒンジ蓋が押圧されてスナップ留めが形成された後の図32A図32Bに示す検査装置の斜視図の非限定的な例示的概略図である。
図33B】スナップ式分注キャップの上部でヒンジ蓋が押圧されてスナップ留めが形成された後の図32A図32Bに示す検査装置の側面図の非限定的な例示的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。これらの図面では、状況が他に定めない限り、一般的に類似の記号が類似の構成要素を識別する。詳細説明、図面、及び特許請求の範囲で説明する例示的実施形態は、限定的であるように意図したものではない。本明細書に提供する主題の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、他の変更を加えることができる。本明細書で一般的に説明して図に例示する本発明の開示の態様は、広範な異なる構成で配置、置換、組合せ、分離、かつ設計することができ、その全ては、本明細書で明示的に企図されており、かつ本明細書の本発明の開示の一部とされることは容易に理解されるであろう。
【0024】
本明細書で参照する全ての特許、公開特許出願、他の文献、並びにGenBank及び他のデータベースからのシーケンスは、関連技術に関してその全内容が引用によって組み込まれている。
【0025】
本明細書に開示するものは、サンプル検査システムを含む。サンプル検査システムは、カートリッジ本体からのサンプル流体の調製のためにカートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中に生体サンプル又は環境サンプルを受け入れるためのカートリッジ本体を含むことができる。一部の実施形態では、サンプル検査システムは、カートリッジ本体にカプリングされた少なくとも1つの反応チャンバを含む。一部の実施形態では、サンプル検査システムは、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の流体移動を防止するためにカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間に少なくとも1つのシールを含む。一部の実施形態では、サンプル検査システムは、カートリッジ本体の中への生体サンプル又は環境サンプルの受け入れ後のカートリッジ本体の中への挿入のためのサンプル分注機構を含む。
【0026】
一部の実施形態では、サンプル分注機構は、サンプル流体がカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするために少なくとも1つのシールを破裂させ、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながら、少なくとも1つの反応チャンバでの検査のためにカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中にサンプル流体の予め決められた部分容積を分注するように作動可能である。一部の実施形態では、サンプル分注機構は、少なくとも1つのシールをそこに少なくとも1つの開口部を形成することによって破裂させる少なくとも1つの穿通先端を含む分注ロッドを含み、少なくとも1つの穿通先端は、少なくとも1つのシールに大きい開口部を発生させるように構成された幾何学形状を含む。一部の実施形態では、カートリッジ本体は、生体サンプル又は環境サンプルを担持するスワブを用いてカートリッジ本体内でサンプル調製流体を撹拌し、生体サンプル又は環境サンプルをスワブからサンプル調製流体の中に洗い流すことができるように初期状態で障害物のない開放容積を提供する。
【0027】
本明細書に開示するものは、サンプル検査方法を含む。サンプル検査方法は、例えば、本明細書に開示するサンプル検査システムのカートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中にシステムでのサンプルの調製のために生体サンプル又は環境サンプルを追加する段階と、追加段階の後に、サンプル分注機構をカートリッジ本体の中に挿入し、カートリッジ本体にクロージャを付加する段階と、サンプル流体がカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするためにカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の少なくとも1つのシールを破裂させ、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながら、少なくとも1つの反応チャンバでの検査のためにカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中にサンプル流体の予め決められた部分容積を分注するようにサンプル分注機構を作動させる段階とを含むことができる。本方法は、追加段階の前に、生体サンプル又は環境サンプルに対する検査をそこで実行するように構成された検査装置の受け入れポートの中にサンプル検査システムを置く段階を含むことができる。
【0028】
他に定めない限り、本明細書に使用する科学技術用語は、本発明の開示が属する当業技術での当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、Singleton他著「Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2nd ed.(微生物学及び分子生物学辞典第2版」、J.Wiley & Sons(米国ニューヨーク州NY、1994年)、Sambrook他著「Molecular Cloning,A Laboratory Manual(分子クローニング、実習マニュアル)」、Cold Spring Harbor Press(米国ニューヨーク州コールドバネハーバーNY、1989年)を参照されたい。本発明の開示の目的で以下の用語を定める。
【0029】
一部の実施形態では、サンプル検査の方法、構成、システム、及び装置を提供する。本明細書に開示するものは、患者サンプルアッセイ及び穿通サンプルアッセイに向けてシールを穿通する方法、構成、システムを含む。一部の実施形態では、二重ロッド穿通及び流体分注デバイスを提供する。このデバイスは、分子ポイントオブケア高速検査システムの消耗品の一部とすることができる。消耗品デバイスは、二部構成システムを含むことができる。システムの第1の部分は、キャップと、希釈剤(サンプル調製流体)が充填されたカートリッジ本体と呼ぶ上側セクション(例えば、サンプル調製リザーバ)と、乾燥分子試薬と混合ビーズとを各々が含む対称な反応チャンバペアである二重チューブと呼ぶ下側セクションとを含み、上側セクションと下側セクションとがホイルシール及び弾性ガスケットによって分離された主カートリッジを含むことができる。システムの第2の部分は、分注ロッド及び/又はキャップアセンブリを含むことができる。
【0030】
本明細書に提供する使用の一部の実施形態では、一般的に、スワブを用いて収集された患者サンプルがカートリッジ内で希釈剤の中に混合される。スワブは、取り出すことができ、次に、分注ロッドをカートリッジ内で希釈剤の中に挿入することができる。一部の実施形態では、分注ロッドのキャップ及びキャップアセンブリをネジ込む段階は、カートリッジ本体を通して下向きに分注ロッドを駆動し、2つの反応チャンバの各々のすぐ上でホイルシールを穿通し、シールを貫通して反応チャンバの中に入るようにサンプル流体を駆動する。望ましい化学性能を達成するために、反応チャンバの中に分注される流体の量が、小さい許容範囲内で正確でなければならない。
【0031】
一部の実施形態では、分注流体の流れ及び精度を改善するように構成された分注ロッドを提供する。本明細書では、ホイル内により大きい開口部を発生させること及び液体流れを通して誘導するより大きい容積の経路を発生させることを中心目的とする様々な穿通先端幾何学形状を提供する。
【0032】
現在利用可能な構成及び方法は、液体が密封反応チャンバの中に押し込まれ、チャンバ内の気体を圧縮し、シールに対する圧力を発生させ、漏れが発生する機会を高め、更にそれによって分注容積の精度を低減するというカートリッジ設計の欠点を抱えている。本明細書に提供する実施形態は、反応チャンバ内の気体がカートリッジ本体のヘッドスペースの中に通気して圧力を均等化し、それによってシールの信頼性及び分注容積の精度を改善することを可能にする様々な幾何学形状を企図している。一部の実施形態では、ホイルを穿通してアッセイに向けて患者サンプルを押し、カートリッジ本体から試薬二重チューブ領域の少なくとも1つの反応チャンバの中にサンプル流体の予め決められた部分容積(例えば、100uL)を送出分注する複合プラスチック使い捨て用品を本明細書に提供する。
【0033】
一部の実施形態では、穿通先端幾何学形状は、反応チャンバへの最大分注を可能にする最大開口部が提供されるようなものである。一部の実施形態では、穿通先端幾何学形状は、一定分量のウィッキングを限定する及び/又は試薬チャンバ内に捕捉された気体を通気するようにも設計される。本明細書に提供する分注ロッドの実施形態と穿通先端の実施形態とを組み合わせることができ、例えば、分注される一定分量の精度を高めるために捕捉気体の通気を可能にする幾何学形状を追加することができる。一部の実施形態では、本明細書に提供する先端幾何学形状は、より的確な容積の分注、並びに閉鎖チャンバ内に捕捉された気体の可能な通気に適するより大きい穿刺オリフィスを可能にする。
【0034】
尖鋭先端は、ALシールのようなシールを穿通することができるが、シャフトの周りで閉じて戻り、不十分な流れ及び流体の付着を引き起こす場合がある。本明細書に説明する穿通先端のボールポイント先端は、より大きい穿刺を可能にして流体流れを増加させ、ホイルのようなシールが分注ロッドのシャフトの上に捕捉される傾向を防止することができる。本明細書に説明する穿通先端の縦溝付き先端設計は、より大きい穿刺を可能にし、同時に通気を可能にし、更に流体が縦溝を通って流れることを可能にすることができる。本明細書に説明する穿通先端の矢尻形設計は、流体の流れを改善し、分注される一定分量の精度を高めることができる。
【0035】
本明細書では、分量の一定化に向けて流体分注及び二重穿通分注ロッドを改善するために独特な幾何学形状を有するホイル穿通ロッドを提供する。一部の実施形態では、PCRホイル分注ロッドを提供する。本明細書に開示する分注ロッドのような本明細書に提供する方法、構成、システム、及び装置は、PCRチューブ以外の様々な分注状況では使用することができる。本明細書に説明する構成、システム、及び方法は、サンプル流体の予め決められた部分容積がチャンバ(例えば、反応チャンバ)の中に分注される様々な異なる環境で有用である。
【0036】
いずれの特定の理論にも束縛されることなく、本明細書に開示する方法、構成、システム、及び装置は、本明細書に提供する実施形態の流体流れの改善、流体付着の低減、及び/又は捕捉気体の通気に起因して現在利用可能な方法及びシステムと比較して改善された性能をもたらす。
【0037】
本明細書に開示するものは、サンプル検査システムを含む。サンプル検査システムは、カートリッジ本体からのサンプル流体の調製のためにカートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中に生体サンプル又は環境サンプルを受け入れるためのカートリッジ本体を含むことができる。サンプル検査システムは、カートリッジ本体にカプリングされた少なくとも1つの反応チャンバを含むことができる。サンプル検査システムは、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の流体移動を防止するためにカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間に少なくとも1つのシールを含むことができる。サンプル検査システムは、カートリッジ本体の中への生体サンプル又は環境サンプルの受け入れ後のカートリッジ本体の中への挿入のためのサンプル分注機構を含むことができる。
【0038】
一部の実施形態では、サンプル分注機構は、サンプル流体がカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするために少なくとも1つのシールを破裂させ、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながら、少なくとも1つの反応チャンバでの検査のためにカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中にサンプル流体の予め決められた部分容積を分注するように作動可能にすることができる。サンプル分注機構は、少なくとも1つのシールに少なくとも1つの開口部を形成することによってそのシールを破裂させる少なくとも1つの穿通先端を含む分注ロッドを含むことができる。少なくとも1つの穿通先端は、少なくとも1つのシールに大きい開口部を発生させるように構成された幾何学形状を含むことができる。大きい開口部は、少なくとも1つのシールの面積の少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲の穿刺を含むことができる。一部の実施形態では、カートリッジ本体は、生体サンプル又は環境サンプルを担持するスワブを用いてカートリッジ本体内でサンプル調製流体を撹拌し、生体サンプル又は環境サンプルをスワブからサンプル調製流体の中に洗い流すことができるように初期状態で障害物のない開放容積を提供する。
【0039】
サンプル分注機構は、分注チャンバの中にサンプル流体の予め決められた部分容積を捕捉するために少なくとも1つのシールに対する第2のシールを形成する分注チャンバを含むことができる。サンプル分注機構は、サンプル流体の予め決められた部分容積を分注チャンバから少なくとも1つの開口部を通して少なくとも1つの反応チャンバの中に分注するために分注チャンバの内面に沿って摺動するように構成された分注チャンバの内面との摺動シールを形成するプランジャ機構を含むことができる。一部の実施形態では、分注チャンバは、その外面から延びて分注チャンバをカートリッジ本体の中心に位置合わせするように構成された相互離間チャンバ位置付け特徴部であって、サンプル分注機構がカートリッジ本体の中に挿入される時にサンプル流体がチャンバ位置付け特徴部の間を流れることを可能にするように構成された上記チャンバ位置付け特徴部を有する外面を含むことができる。
【0040】
サンプル分注機構は、ユーザによって実行される単一アクションが、サンプル流体の予め決められた部分容積を分注チャンバ内に捕捉する作動の第1ステージと、サンプル流体が分注チャンバから分注される作動の第2ステージとを含むサンプル分注機構の作動の2つのステージを引き起こすように構成することができる。サンプル分注機構は、作動の第2ステージを可能にするように再構成又は破壊される力優先順位付け構成要素を含むことができる。力優先順位付け構成要素は、サンプル分注機構の作動が作動の第1ステージから作動の第2ステージに進行することを可能にするために壊れるように構成された破壊可能構成要素を含む。力優先順位付け構成要素は、作動の第1ステージでは分注チャンバに対して押圧して分注チャンバを密封し、作動の第2ステージでは圧潰されて又は押し潰されてシールを維持し、穿孔アクションを実行し、サンプル流体が分注チャンバから分注されるようにプランジャを作動させる圧潰可能又は押し潰し可能なスペーサを含むことができる。
【0041】
少なくとも1つの穿通先端は、ボールポイント先端を含むことができる。少なくとも1つの穿通先端は、矢尻形先端を含むことができる。少なくとも1つの穿通先端は、切頭円錐形先端を含むことができる。図1及び図2は、挿入サンプル分注機構50(二重穿通先端52を含む)が初期位置にある二重反応チャンバカートリッジの非限定的な例示的概略図を描いている。二重反応チャンバ54は、本明細書に提供するカートリッジ本体56に接合することができる。カートリッジ本体と反応チャンバとの間のシール58は、カートリッジ本体と反応チャンバの間の流体移動を防止することができる。図3及び図4は、サンプル分注機構が完全に挿入され、その結果、シール58が穿通先端によって完全に穿通され、カートリッジ本体56からのサンプル流体の予め決められた部分容積が二重反応チャンバ54の中に分注される図1及び図2に示すカートリッジの非限定的な例示的概略図を描いている。
【0042】
本明細書に提供するサンプル検査システムの一部の実施形態は、1又は2以上のオーバーモールド層を含む。本明細書に提供するカートリッジの1又は2以上の構成要素は、熱可塑性エラストマー(TPE)を含むことができる。本明細書では、異なるジュロメーター硬度の1又は2以上のオーバーモールド層を含むカートリッジを提供する。TPE及びそのジュロメーター硬度の選択は、実施形態とオーバーモールド層の性質及び目的とに依存して異なることができる。一部の実施形態では、サンプル分注機構は、分注ロッド及び/又は分注チャンバの少なくとも一部分の面上に配置されたオーバーモールド層を含む。オーバーモールド層は、円筒形シールのようなシールを形成することができる。オーバーモールド層は、例えば、分注ロッド及び/又は分注チャンバの少なくとも一部分のようなオーバーモールド層が覆う面とは異なる熱可塑性エラストマー(TPE)を含むことができる。TPEのジュロメーター硬度は、様々な実施形態で異なることができる。一部の実施形態では、TPEのジュロメーター硬度は、ショアAスケール又はショアDを単位として1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲とする又はこれらの前後とすることができる。一部の実施形態では、TPEのジュロメーター硬度は、ショアAスケール又はショアDを単位として最小又は最大で1、最小又は最大で2、最小又は最大で3、最小又は最大で4、最小又は最大で5、最小又は最大で6、最小又は最大で7、最小又は最大で8、最小又は最大で9、最小又は最大で10、最小又は最大で11、最小又は最大で12、最小又は最大で13、最小又は最大で14、最小又は最大で15、最小又は最大で16、最小又は最大で17、最小又は最大で18、最小又は最大で19、最小又は最大で20、最小又は最大で21、最小又は最大で22、最小又は最大で23、最小又は最大で24、最小又は最大で25、最小又は最大で26、最小又は最大で27、最小又は最大で28、最小又は最大で29、最小又は最大で30、最小又は最大で31、最小又は最大で32、最小又は最大で33、最小又は最大で34、最小又は最大で35、最小又は最大で36、最小又は最大で37、最小又は最大で38、最小又は最大で39、最小又は最大で40、最小又は最大で41、最小又は最大で42、最小又は最大で43、最小又は最大で44、最小又は最大で45、最小又は最大で46、最小又は最大で47、最小又は最大で48、最小又は最大で49、最小又は最大で50、最小又は最大で51、最小又は最大で52、最小又は最大で53、最小又は最大で54、最小又は最大で55、最小又は最大で56、最小又は最大で57、最小又は最大で58、最小又は最大で59、最小又は最大で60、最小又は最大で61、最小又は最大で62、最小又は最大で63、最小又は最大で64、最小又は最大で65、最小又は最大で66、最小又は最大で67、最小又は最大で68、最小又は最大で69、最小又は最大で70、最小又は最大で71、最小又は最大で72、最小又は最大で73、最小又は最大で74、最小又は最大で75、最小又は最大で76、最小又は最大で77、最小又は最大で78、最小又は最大で79、最小又は最大で80、最小又は最大で81、最小又は最大で82、最小又は最大で83、最小又は最大で84、最小又は最大で85、最小又は最大で86、最小又は最大で87、最小又は最大で88、最小又は最大で89、最小又は最大で90、最小又は最大で91、最小又は最大で92、最小又は最大で93、最小又は最大で94、最小又は最大で95、最小又は最大で96、最小又は最大で97、最小又は最大で98、最小又は最大で99、最小又は最大で100とすることができる。一部の実施形態では、オーバーモールド層は、約20~30のショアDジュロメーター硬度又はショアAジュロメーター硬度を示す。図5は、サンプル分注機構(かぎ括弧に示す)のオーバーモールド層60を有する穿通先端のボールポイント流れチャネル実施形態の非限定的な例示的概略図を描いている。穿通先端の遠位端で始まって穿通先端の長さに沿って延びる流れチャネル62が示されている。図6は、穿通先端のボールポイント流れチャネル実施形態の別の非限定的な例示的概略図を描いている。図11は、穿通先端が流れチャネル76とより大きい開口部への移行部とを含む分注キャップアセンブリ(キャップ72と分注ロッド74とを含む)の非限定的な例示的概略図を描いている。
【0043】
分注ロッドは、少なくとも1つの穿通先端を含むことができる。穿通先端の個数は変えることができる。穿通先端の個数は、カートリッジ内の反応チャンバの個数に対応することができる。例えば、二重反応チャンバカートリッジは、二重機能穿通先端を有する分注ロッドを含むことができる。分注ロッド上の穿通先端の個数は、様々な実施形態で異なることができる。一部の実施形態では、分注ロッド上の穿通先端の個数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲とする又はこれらの前後とすることができる。一部の実施形態では、分注ロッド上の穿通先端の個数は、最小又は最大で1、最小又は最大で2、最小又は最大で3、最小又は最大で4、最小又は最大で5、最小又は最大で6、最小又は最大で7、最小又は最大で8、最小又は最大で9、最小又は最大で10、最小又は最大で11、最小又は最大で12、最小又は最大で13、最小又は最大で14、最小又は最大で15、最小又は最大で16、最小又は最大で17、最小又は最大で18、最小又は最大で19、最小又は最大で20、最小又は最大で21、最小又は最大で22、最小又は最大で23、最小又は最大で24、最小又は最大で25、最小又は最大で26、最小又は最大で27、最小又は最大で28、最小又は最大で29、最小又は最大で30、最小又は最大で31、最小又は最大で32、最小又は最大で33、最小又は最大で34、最小又は最大で35、最小又は最大で36、最小又は最大で37、最小又は最大で38、最小又は最大で39、最小又は最大で40、最小又は最大で41、最小又は最大で42、最小又は最大で43、最小又は最大で44、最小又は最大で45、最小又は最大で46、最小又は最大で47、最小又は最大で48、最小又は最大で49、最小又は最大で50、最小又は最大で51、最小又は最大で52、最小又は最大で53、最小又は最大で54、最小又は最大で55、最小又は最大で56、最小又は最大で57、最小又は最大で58、最小又は最大で59、最小又は最大で60、最小又は最大で61、最小又は最大で62、最小又は最大で63、最小又は最大で64、最小又は最大で65、最小又は最大で66、最小又は最大で67、最小又は最大で68、最小又は最大で69、最小又は最大で70、最小又は最大で71、最小又は最大で72、最小又は最大で73、最小又は最大で74、最小又は最大で75、最小又は最大で76、最小又は最大で77、最小又は最大で78、最小又は最大で79、最小又は最大で80、最小又は最大で81、最小又は最大で82、最小又は最大で83、最小又は最大で84、最小又は最大で85、最小又は最大で86、最小又は最大で87、最小又は最大で88、最小又は最大で89、最小又は最大で90、最小又は最大で91、最小又は最大で92、最小又は最大で93、最小又は最大で94、最小又は最大で95、最小又は最大で96、最小又は最大で97、最小又は最大で98、最小又は最大で99、最小又は最大で100、最小又は最大で200、最小又は最大で300、最小又は最大で400、最小又は最大で500、最小又は最大で600、最小又は最大で700、最小又は最大で800、最小又は最大で900、又は最小又は最大で1000とすることができる。カートリッジ本体にカプリングされる反応チャンバの個数は、様々な実施形態では異なることができる。一部の実施形態では、カートリッジ本体にカプリングされる反応チャンバの個数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲とする又はこれらの前後とすることができる。一部の実施形態では、カートリッジ本体にカプリングされる反応チャンバの個数は、最小又は最大で1、最小又は最大で2、最小又は最大で3、最小又は最大で4、最小又は最大で5、最小又は最大で6、最小又は最大で7、最小又は最大で8、最小又は最大で9、最小又は最大で10、最小又は最大で11、最小又は最大で12、最小又は最大で13、最小又は最大で14、最小又は最大で15、最小又は最大で16、最小又は最大で17、最小又は最大で18、最小又は最大で19、最小又は最大で20、最小又は最大で21、最小又は最大で22、最小又は最大で23、最小又は最大で24、最小又は最大で25、最小又は最大で26、最小又は最大で27、最小又は最大で28、最小又は最大で29、最小又は最大で30、最小又は最大で31、最小又は最大で32、最小又は最大で33、最小又は最大で34、最小又は最大で35、最小又は最大で36、最小又は最大で37、最小又は最大で38、最小又は最大で39、最小又は最大で40、最小又は最大で41、最小又は最大で42、最小又は最大で43、最小又は最大で44、最小又は最大で45、最小又は最大で46、最小又は最大で47、最小又は最大で48、最小又は最大で49、最小又は最大で50、最小又は最大で51、最小又は最大で52、最小又は最大で53、最小又は最大で54、最小又は最大で55、最小又は最大で56、最小又は最大で57、最小又は最大で58、最小又は最大で59、最小又は最大で60、最小又は最大で61、最小又は最大で62、最小又は最大で63、最小又は最大で64、最小又は最大で65、最小又は最大で66、最小又は最大で67、最小又は最大で68、最小又は最大で69、最小又は最大で70、最小又は最大で71、最小又は最大で72、最小又は最大で73、最小又は最大で74、最小又は最大で75、最小又は最大で76、最小又は最大で77、最小又は最大で78、最小又は最大で79、最小又は最大で80、最小又は最大で81、最小又は最大で82、最小又は最大で83、最小又は最大で84、最小又は最大で85、最小又は最大で86、最小又は最大で87、最小又は最大で88、最小又は最大で89、最小又は最大で90、最小又は最大で91、最小又は最大で92、最小又は最大で93、最小又は最大で94、最小又は最大で95、最小又は最大で96、最小又は最大で97、最小又は最大で98、最小又は最大で99、最小又は最大で100、最小又は最大で200、最小又は最大で300、最小又は最大で400、最小又は最大で500、最小又は最大で600、最小又は最大で700、最小又は最大で800、最小又は最大で900、又は最小又は最大で1000とすることができる。一部の実施形態では、シールの個数は、最小又は最大で1、最小又は最大で2、最小又は最大で3、最小又は最大で4、最小又は最大で5、最小又は最大で6、最小又は最大で7、最小又は最大で8、最小又は最大で9、最小又は最大で10、最小又は最大で11、最小又は最大で12、最小又は最大で13、最小又は最大で14、最小又は最大で15、最小又は最大で16、最小又は最大で17、最小又は最大で18、最小又は最大で19、最小又は最大で20、最小又は最大で21、最小又は最大で22、最小又は最大で23、最小又は最大で24、最小又は最大で25、最小又は最大で26、最小又は最大で27、最小又は最大で28、最小又は最大で29、最小又は最大で30、最小又は最大で31、最小又は最大で32、最小又は最大で33、最小又は最大で34、最小又は最大で35、最小又は最大で36、最小又は最大で37、最小又は最大で38、最小又は最大で39、最小又は最大で40、最小又は最大で41、最小又は最大で42、最小又は最大で43、最小又は最大で44、最小又は最大で45、最小又は最大で46、最小又は最大で47、最小又は最大で48、最小又は最大で49、最小又は最大で50、最小又は最大で51、最小又は最大で52、最小又は最大で53、最小又は最大で54、最小又は最大で55、最小又は最大で56、最小又は最大で57、最小又は最大で58、最小又は最大で59、最小又は最大で60、最小又は最大で61、最小又は最大で62、最小又は最大で63、最小又は最大で64、最小又は最大で65、最小又は最大で66、最小又は最大で67、最小又は最大で68、最小又は最大で69、最小又は最大で70、最小又は最大で71、最小又は最大で72、最小又は最大で73、最小又は最大で74、最小又は最大で75、最小又は最大で76、最小又は最大で77、最小又は最大で78、最小又は最大で79、最小又は最大で80、最小又は最大で81、最小又は最大で82、最小又は最大で83、最小又は最大で84、最小又は最大で85、最小又は最大で86、最小又は最大で87、最小又は最大で88、最小又は最大で89、最小又は最大で90、最小又は最大で91、最小又は最大で92、最小又は最大で93、最小又は最大で94、最小又は最大で95、最小又は最大で96、最小又は最大で97、最小又は最大で98、最小又は最大で99、最小又は最大で100、最小又は最大で200、最小又は最大で300、最小又は最大で400、最小又は最大で500、最小又は最大で600、最小又は最大で700、最小又は最大で800、最小又は最大で900、又は最小又は最大で1000とすることができる。
【0044】
サンプル流体の予め決められた部分容積の容積は、様々な実施形態では異なることができる。サンプル流体の予め決められた部分容積は、少なくとも約10μL、約15μL、約20μL、約25μL、約30μL、約35μL、約40μL、約45μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約110μL、約120μL、約128μL、約130μL、約140μL、約150μL、約160μL、約170μL、約180μL、約190μL、又は約200μL、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲を含む。
【0045】
同じカートリッジにカプリングされる反応チャンバは、それぞれの様々な検査を実行する及び/又はそれぞれの様々なターゲットエンティティを検出するように選択された様々な試薬を含むことができる。一部の実施形態では、異なるタイプの試薬の個数は、最小又は最大で2、最小又は最大で3、最小又は最大で4、最小又は最大で5、最小又は最大で6、最小又は最大で7、最小又は最大で8、最小又は最大で9、最小又は最大で10、最小又は最大で20、最小又は最大で30、最小又は最大で40、最小又は最大で50、最小又は最大で60、最小又は最大で70、最小又は最大で80、最小又は最大で90、最小又は最大で100、最小又は最大で200、最小又は最大で300、最小又は最大で400、最小又は最大で500、最小又は最大で600、最小又は最大で700、最小又は最大で800、最小又は最大で900、最小又は最大で1000、最小又は最大で10000、又は最小又は最大で100000とすることができる。試薬は、例えば、凍結乾燥、熱乾燥、フリーズドライされたもの、又は安定した緩衝液中にあるとすることができる。検査の前にカートリッジ内に含有される検査試薬は、必ずしも核酸増幅を利用するとは限らない他のタイプの検査に対して構成することができる。例えば、一部の実施形態では、サンプル内の微量元素又は追加物の存在を検出するために化学反応の直接検出を使用することができる。任意的に、希釈されて1又は2以上の反応チャンバ(例えば、検査チューブ)の中に分注されたサンプル物質中にある一定の蛋白質に直接に接合させて、その検出を提供するためにイムノアッセイ検出方法を使用することができる。
【0046】
少なくとも1つのシールを破裂させる少なくとも1つの穿通先端は、1又は2以上のフラップを発生させる機能を有することができる。1又は2以上のフラップは、少なくとも1つの穿通先端によって破裂した少なくとも1つのシールの一部分を含むことができる。一部の実施形態では、フラップは、少なくとも1つの穿通先端に接着しない及び/又は開口部を通る流体流れを中断させない。穿通先端は、少なくとも1つの穿通先端及び/又は1又は2以上のフラップへのサンプル流体のウィッキングを低減するように構成された幾何学形状を含むことができる。
【0047】
一部の実施形態では、少なくとも1つのシールの面積の少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲は、少なくとも1つの穿通先端との接触状態になる。一部の実施形態では、予め決められた部分容積の少なくとも約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲のサンプル流体は、少なくとも1つの反応チャンバに流入する。一部の実施形態では、少なくとも1つのシールが破裂した後に、サンプル流体の予め決められた部分容積の約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、又は約1%未満、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲のサンプル流体は、分注チャンバ、少なくとも1つのシール、及び/又は少なくとも1つの穿通先端内又は上に留まる。
【0048】
図16は、縦溝78を有する矢状穿通先端を含む分注ロッドの非限定的な例示的概略図を描いている。少なくとも1つの穿通先端は、縦溝付きとすることができる。少なくとも1つの穿通先端は、1又は2以上の流れチャネルを含むことができる。1又は2以上の流れチャネルは、(i)少なくとも1つの穿通先端の近位端に、(ii)少なくとも1つの穿通先端の遠位端に、又は(iii)少なくとも1つの穿通先端の長さにわたって位置決めすることができる。一部の実施形態では、サンプル流体の予め決められた部分容積の少なくとも一部分は、1又は2以上の流れチャネルを通って少なくとも1つの開口部を貫流する。流体流れは、少なくとも1つの穿通先端が1又は2以上の流れチャネルを含まないサンプル検査システムと比較して高い流量(例えば、少なくとも約1.5倍(例えば、1.5倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、又はこれらの値のいずれかの間である倍数又は倍数範囲)高い流量)にあるとすることができる。1又は2以上の流れチャネルは、少なくとも1つの穿通先端に沿って延びる長手溝を含むことができる。少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つのシールを破裂させる段階は、少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つのシールを貫通し、少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動する段階を含むことができる。少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動する時に、少なくとも1つの開口部は、サイズを拡大させることができる。少なくとも1つの穿通先端が少なくとも1つの反応チャンバの少なくとも一部分の中に移動する時に、少なくとも1つの開口部は、実質的に同じサイズに留まることができる。図14は、本明細書に提供する穿通ロッドの断面図の非限定的な例示的概略図を描いている。
【0049】
一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端は、尖鋭先端を含まない。図15は、尖鋭先端を持たない穿通先端を含む分注ロッドの非限定的な例示的概略図を描いている。少なくとも1つの穿通先端の遠位部分は、平坦面を含むことができる。平坦面は、少なくとも1つのシールの面に対して約20°、約15°、約10°、約5°、又は約1°未満の角度をなすことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端の平坦面は、少なくとも1つのシールの面に対して約1°、約2°、約3°、約4°、約5°、約6°、約7°、約8°、約9°、約10°、約11°、約12°、約13°、約14°、約15°、約16°、約17°、約18°、約19°、約20°、約21°、約22°、約23°、約24°、約25°、約26°、約27°、約28°、約29°、約30°、約31°、約32°、約33°、約34°、約35°、約36°、約37°、約38°、約39°、約40°、約41°、約42°、約43°、約44°、約45°、約46°、約47°、約48°、約49°、約50°、約51°、約52°、約53°、約54°、約55°、約56°、約57°、約58°、約59°、約60°、約61°、約62°、約63°、約64°、約65°、約66°、約67°、約68°、約69°、約70°、約71°、約72°、約73°、約74°、約75°、約76°、約77°、約78°、約79°、約80°、約81°、約82°、約83°、約84°、約85°、約86°、約87°、約88°、約89°、約90°、約91°、約92°、約93°、約94°、約95°、約96°、約97°、約98°、約99°、約100°、約110°、約120°、約130°、約140°、約150°、約160°、約170°、約180°又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲の角度をなすことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの穿通先端の平坦面は、少なくとも1つのシールの面に対して最小又は最大で1°、最小又は最大で2°、最小又は最大で3°、最小又は最大で4°、最小又は最大で5°、最小又は最大で6°、最小又は最大で7°、最小又は最大で8°、最小又は最大で9°、最小又は最大で10°、最小又は最大で11°、最小又は最大で12°、最小又は最大で13°、最小又は最大で14°、最小又は最大で15°、最小又は最大で16°、最小又は最大で17°、最小又は最大で18°、最小又は最大で19°、最小又は最大で20°、最小又は最大で21°、最小又は最大で22°、最小又は最大で23°、最小又は最大で24°、最小又は最大で25°、最小又は最大で26°、最小又は最大で27°、最小又は最大で28°、最小又は最大で29°、最小又は最大で30°、最小又は最大で31°、最小又は最大で32°、最小又は最大で33°、最小又は最大で34°、最小又は最大で35°、最小又は最大で36°、最小又は最大で37°、最小又は最大で38°、最小又は最大で39°、最小又は最大で40°、最小又は最大で41°、最小又は最大で42°、最小又は最大で43°、最小又は最大で44°、最小又は最大で45°、最小又は最大で46°、最小又は最大で47°、最小又は最大で48°、最小又は最大で49°、最小又は最大で50°、最小又は最大で51°、最小又は最大で52°、最小又は最大で53°、最小又は最大で54°、最小又は最大で55°、最小又は最大で56°、最小又は最大で57°、最小又は最大で58°、最小又は最大で59°、最小又は最大で60°、最小又は最大で61°、最小又は最大で62°、最小又は最大で63°、最小又は最大で64°、最小又は最大で65°、最小又は最大で66°、最小又は最大で67°、最小又は最大で68°、最小又は最大で69°、最小又は最大で70°、最小又は最大で71°、最小又は最大で72°、最小又は最大で73°、最小又は最大で74°、最小又は最大で75°、最小又は最大で76°、最小又は最大で77°、最小又は最大で78°、最小又は最大で79°、最小又は最大で80°、最小又は最大で81°、最小又は最大で82°、最小又は最大で83°、最小又は最大で84°、最小又は最大で85°、最小又は最大で86°、最小又は最大で87°、最小又は最大で88°、最小又は最大で89°、最小又は最大で90°、最小又は最大で91°、最小又は最大で92°、最小又は最大で93°、最小又は最大で94°、最小又は最大で95°、最小又は最大で96°、最小又は最大で97°、最小又は最大で98°、最小又は最大で99°、最小又は最大で100°、最小又は最大で110°、最小又は最大で120°、最小又は最大で130°、最小又は最大で140°、最小又は最大で150°、最小又は最大で160°、最小又は最大で170°、又は最小又は最大で180°の角度をなすことができる。
【0050】
少なくとも1つの反応チャンバは、捕捉気体を含むことができる。カートリッジ本体は、サンプル流体の上方に気体ヘッドスペースを含むことができる。分注ロッドは、少なくとも1つのシールが破裂した後に気体ヘッドスペースと少なくとも1つの反応チャンバとの間で圧力を均等化するように構成することができる。少なくとも1つの穿通先端は、分注ロッドを通って延びる通気管腔に至る少なくとも1つの通気開口部を含むことができる。分注ロッドは、気体ヘッドスペースに位置決めされて分注ロッドの通気管腔と流体連通する通気ポートを含むことができる。サンプル分注機構は、少なくとも1つの疎水性フィルタを含むことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの通気ポートと少なくとも1つの通気開口部間を通過するいずれの流体も疎水性フィルタを過通しなければならない。通気開口部は、(i)少なくとも1つの穿通先端の近位端に、(ii)少なくとも1つの穿通先端の遠位端に、又は(iii)少なくとも1つの穿通先端の長さにわたって位置決めすることができる。少なくとも1つの穿通先端及び/又はサンプル流体の予め決められた部分容積によって変位された捕捉気体は、少なくとも1つの通気開口部を通じて気体ヘッドスペースに漏出する機能を有することができる。図7は、穿通先端の遠位端に通気開口部64が位置決めされた本明細書に提供する穿通先端のボールポイント実施形態の非限定的な例示的概略図を描いている。図8は、穿通先端の長さにわたって通気開口部66が位置決めされたサンプル分注機構の非限定的な例示的概略図を描いている。図9は、分注ロッドを通って延びる通気管腔に至る気体通気開口部66を示す図8に示すサンプル分注機構の側断面図の非限定的な例示的概略図を描いている。図10は、穿通先端の長さにわたって通気開口部70が位置決めされた穿通先端の非限定的な例示的概略図を描いている。図12は、穿通先端の遠位端に通気開口部78が位置決めされたサンプル分注機構の非限定的な例示的概略図を描いている。図13は、疎水性フィルタを有する内部通気経路80を示す図12に示すサンプル分注機構の側断面図非限定的な例示的概略図を描いている。
【0051】
一部の実施形態では、(診断)検査装置(「計器」とも呼ぶ)と、生体サンプル又は環境サンプルに対して検査を実行するために検査計器と併用するのに適するサンプル検査システム(本明細書では参照の都合上「カートリッジ」とも呼ぶ)とを提供する。本明細書に説明するカートリッジ及び計器は、一般的な検査室の機器を必要とすることなくユーザが作動させることが容易なものとすることができる。診断検査アセンブリと診断検査装置とを含むサンプル検査システムは、米国特許出願公開第2020/0278368号明細書に開示されており、この文献は、その全内容が引用によって本明細書に組み込まれている。
【0052】
一部の実施形態では、検査サンプルの追加を可能にするために取り外し可能なクロージャ又はキャップを有する検査カートリッジであって、サンプルの調製を支援するための緩衝液又は溶解液のようなサンプル調製流体を含むカートリッジ本体を組み込み、サンプル細胞の中からのターゲットDNA物質の分離箇所を含むことができる上記カートリッジを提供する。カートリッジのサンプル調製流体貯留セクション(例えば、カートリッジ本体)は、このリザーバと、それにカプリングされた反応チャンバとの間で他の箇所では十分に密封された壁内の穿孔を通して部分容積(例えば、カートリッジ本体からのサンプル流体の予め決められた部分容積)が分注されるような時までサンプル調製溶液を確実に保持するための閉鎖容積とすることができる。任意的に、カートリッジは、サンプルの調製及び検査に必要とされる化学的及び生物学的な試薬を組み込んでいる。一部の実施形態では、これらの試薬は、等温核酸増幅方法を用いた核酸増幅、遺伝子配置結合、及び光出力に対して構成されたものを含む。任意的に、カートリッジは、ポリメラーゼ連鎖反応法、PCR法、核酸増幅方法を用いたサンプル調製、核酸増幅、及び遺伝子配置検出に必要とされる化学的及び生物学的な試薬を組み込んでいる。
【0053】
一部の実施形態では、サンプル検査システムは、検査(例えば、診断検査)の前に製造され、1又は2以上の診断検査の特定のセットを実行するための前駆体化学成分(例えば、試薬)の全てを予め組み込んだ使い捨て可能診断検査カートリッジの形態で達成される。一部の実施形態では、サンプル検査システム/カートリッジは、環境からの汚染を伴わずに、又は検査物質によるユーザ又は環境の汚染を引き起こすことなく、又はこれらの化学成分との干渉を引き起こすことなく、又は診断検査計器との対話を必要とすることができるカートリッジのその後のアクションに他に影響を及ぼすことなく安全に処理することができるように構成される。
【0054】
生体サンプル又は環境サンプルに対する検査を行いたいと望むサンプル検査システムのユーザは、サンプルをカートリッジの中に導入する。この段階では、カートリッジのクロージャが取り外された状態で、カートリッジは、障害物のない開放容積を提供し、すなわち、この段階を妨げると考えられる障害物に遭遇することなく、生体サンプル又は環境サンプルを担持するスワブを手軽に用いてカートリッジ本体内のサンプル調製流体を撹拌し、生体サンプル又は環境サンプルをスワブからサンプル調製流体の中に洗い流すことができる。しかし、これはカートリッジ内の開放容積を特徴付けるが、スワブを使用することは全く必要ではなく、あらゆる適切な形態にあるサンプルをあらゆる適切な手段によってサンプル調製流体に追加することができることは当業者に明らかであろう。
【0055】
サンプル検査システムは、生体サンプル又は環境サンプルの受け入れ後のカートリッジ本体及びそこにあるサンプル分注機構を密封するためのクロージャを含むことができる。流体がサンプル検査システム内で密封された状態に留まるように、クロージャ及びカートリッジ本体のうちの少なくとも一方をカートリッジ本体からのクロージャの取り外しを防止するか又は少なくとも抑制するように構成することができる。サンプル分注機構は、カートリッジ本体にクロージャを付加する行為が、カートリッジ本体の中へのサンプル分注機構の挿入も達成するようにクロージャに取り付けることができる。一部の実施形態では、ユーザによる単一アクションが、サンプル分注機構に少なくとも1つのシールを破裂させて、サンプル流体をカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中に分注させる。ユーザによる単一アクションは、カートリッジ本体に対してクロージャに印加される持続的なネジ込みアクションとすることができ、ネジ込みアクションは、サンプル分注機構の作動を引き起こしてカートリッジ本体を密封する。クロージャは、ネジ山を含むことができる。サンプル検査システムは、使用前にサンプル調製流体をカートリッジ本体内に密封し、カートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体に生体サンプル又は環境サンプルが追加されることを可能にするために取り外される第2のクロージャを含むことができる。
【0056】
生体サンプルの場合に、カートリッジ本体内のサンプル調製流体にサンプルを追加する段階は、内含されるRNA核酸又はDNA核酸を含むサンプル物質を検査のために調製するための特定の生物学的又は化学的なサンプル希釈及び細胞溶解のプロセスを開始する。しかし、システムは、生物学的検査に限定されず、例えば、いずれかのタイプのサンプル内の微量元素の存在を検出するために又はこれらの微量元素の量を測定するのに使用することができる。当業者には、本発明の開示を踏まえて他の適切なタイプの診断検査が明らかであろう。
【0057】
カートリッジは、検査を実行する前の出荷時及び保存時に試薬を保護し、診断検査の進行中には検査プロセスを支援する。一部の実施形態では、検査の完了時を含む全ての時点でカートリッジの中に検査試薬、増幅遺伝子生成物、及び汚染物質が保持される。密封カートリッジは、検査の完了時に廃棄に向けて取り外すことができ、一部の実施形態では、計器は、流体及び汚染から常時保護される。
【0058】
生体サンプルがカートリッジに追加され、次に、その中に密封された後のその後の検査プロセス中及び廃棄に向けてカートリッジが取り外された後に、ユーザをサンプルの生物学的又は化学的な危険から保護することができる。
【0059】
本明細書に提供するシステム(例えば、診断検査カートリッジ)は、カートリッジ内のカートリッジ本体に分離壁によって密接にカプリングされた本明細書では便宜上「検査チューブ」とも呼ぶ1又は2以上の反応チャンバを含むことができる。一部の実施形態では、カートリッジ本体は、カプリングされた反応チャンバから完全に密封され、一般的に、ある量のサンプル調製流体が事前充填され、取り外し可能クロージャを有する状態で供給される。
【0060】
使用時に、カートリッジは、検査装置内で支持及び加熱することができ、サンプルを追加するために取り外し可能クロージャが取り外される。一部の実施形態では、サンプルは、適切な診断検査試薬及び検査表示化学作用試薬がカプリングされた検査チューブの中に組み込まれたいずれかの生体サンプル又は化学サンプルとすることができる。
【0061】
一部の実施形態では、検査カートリッジは、分注機構が取り付けられた追加キャップが供給される。一部の実施形態では、この追加キャップは、分注機構を組み込み、最初のキャップが取り外されてサンプルが追加された後に装着される。一部の実施形態では、追加キャップ及び分注機構が挿入され、キャップがそれをネジ込んで閉めることのようなアクションによって閉鎖された時に、分注機構は、サンプルチャンバのベースを穿孔し、測定容積の調製されたサンプル流体を1又は2以上の反応チャンバの中に分注する。次に、このキャップは閉められてサンプルをカートリッジアセンブリの中に密封する。
【0062】
これに代えて、第1のキャップは、取り外されると、別の作動において、第1のキャップに装着され、分注機能を実行してカートリッジを閉鎖するように再装着するのに準備が整った状態の付属の分注機構を備えた追加キャップを形成する、分注機構を有することができる。
【0063】
任意的に、サンプルが追加された後に、分注機構が独自に直接挿入され、次に、キャップが装備され、キャップをネジ込んで閉じることのようなこのキャップを閉じるアクションが、分注機構を作動させてカートリッジを閉鎖する。
【0064】
一部の実施形態では、サンプル検査方法を提供する。一部の実施形態では、サンプル検査方法は、本明細書に開示するサンプル検査システムのカートリッジ本体に収容されたサンプル調製流体の中にシステムでのサンプルの調製のために生体サンプル又は環境サンプルを追加する段階と、追加段階の後に、サンプル分注機構をカートリッジ本体の中に挿入し、カートリッジ本体にクロージャを付加する段階と、サンプル流体がカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバに流入することを可能にするためにカートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の少なくとも1つのシールを破裂させ、カートリッジ本体と少なくとも1つの反応チャンバとの間の更に別の流体移動を防止しながら、少なくとも1つの反応チャンバでの検査のためにカートリッジ本体から少なくとも1つの反応チャンバの中にサンプル流体の予め決められた部分容積を分注するようにサンプル分注機構を作動させる段階とを含む。本方法は、追加段階の前に、生体サンプル又は環境サンプルに対する検査をそこで実行するように構成された検査装置の受け入れポートの中にサンプル検査システムを置く段階を含むことができる。
【0065】
カートリッジの多重化
単一検査ウェル内に、いくつかの異なるターゲット遺伝子DNA配置への接合に基づいて光出力を供給することになるいくつかの異なるマーカーを存在させることができる。この場合に、いくつかの異なるセンサ又は1よりも多い選択的出力を有するセンサが使用される。例えば、2チャネルシステムでは、2つの異なる蛍光マーカーを使用することができ、これらのマーカーは、これらのチャネルを区別することを可能にするためにそれぞれの蛍光マーカーに特有の各々の周波数範囲の放出を検出するように構成された2つの異なる蛍光センサによって検出されることになる。
【0066】
検査プロセスが適正に実行されている場合に対照ターゲットが常に存在しなければならないように検査アッセイ化学作用が構成された対照チャネルを本明細書に提供する実施形態を用いて設けることができる。この場合に、対照チャネルの出力は、検査プロセスがシステムによって適正に実行されていることを確認するために及び他のチャネルによって得られてシステムによって測定された検査結果が有効であることを確認するのに使用される。本明細書に提供する実施形態は、各検査ウェル内で1よりも多いターゲット遺伝子配置を検査するために多重検査として使用することができる。各々が別様に構成された増幅化学作用及び異なるターゲットマーカーセットを処理する複数の検査ウェルを使用することができる。対照チャネルは、1又は2以上のウェル内で作動し、検査では他のウェルを用いて実行される検査を網羅することができる。この配置により、いくつかの検査を異なる多重化手法として単一サンプルに対して行うことができる。
【0067】
1よりも多いDNA又はRNAのターゲット配置及び対照チャネルを単一反応チャンバ内で検出することができる点で、単一反応チャンバ内の検査(例えば、増幅検査)を多重化することができる。システムが検出方法として蛍光を使用する場合に、当業技術で検出チャネルと呼ばれる様々な蛍光波長で放出を行うプローブを用いて異なるターゲットを検出することができる。本明細書に説明する計器では、2つの検出チャネルを含めることができる。本明細書に説明する単チューブ(例えば、反応チャンバ)カートリッジと、本明細書に説明する2チャネル検出計器とを使用すると、システムは、2つの異なるDNAターゲット又はRNAターゲットの検出を可能にすることができる。他の実施形態では、同じサンプルから追加のターゲットを単一診断検査の中に多重化することを必要とする場合に、追加の反応チャンバを提供することができる。このようにして、計器内で同じ個数の検出センサを用いながら、追加のターゲット及び対照チャネルを含めることができる。例えば、2つの計器センサチャネルと2つの反応チャンバとを有する実施形態の場合に、システムは、調製されてカートリッジ本体から反応チャンバの中に分注された単一サンプルから4つの独立したDNA検出チャネル又はRNA検出チャネルの検出の機能を有する。一部の実施形態では、1又は2以上の反応チャンバ(例えば、検査チューブ)を含むカートリッジを提供する。カートリッジ毎の反応チャンバの個数は変えることができ、約、最小で、又は最大で1、約、最小で、又は最大で2、約、最小で、又は最大で3、約、最小で、又は最大で4、約、最小で、又は最大で5、約、最小で、又は最大で6、約、最小で、又は最大で7、約、最小で、又は最大で8、約、最小で、又は最大で9、約、最小で、又は最大で10、約、最小で、又は最大で20、約、最小で、又は最大で30、約、最小で、又は最大で40、約、最小で、又は最大で50、約、最小で、又は最大で60、約、最小で、又は最大で70、約、最小で、又は最大で80、約、最小で、又は最大で90、約、最小で、又は最大で100、又はこれらの値のいずれかの間である数値又は範囲とすることができる。増幅段階は、2又は3以上のターゲット核酸配置の多重化増幅を含むことができる。検出段階は、これら2又は3以上のターゲット核酸配置から導出された2又は3以上の核酸増幅生成物の多重化検出を含むことができる。2又は3以上のターゲット核酸配置は、2又は3以上の異なる生物に特有のものである場合がある。少なくとも1つの反応チャンバは、2つの反応チャンバとすることができる。少なくとも1つの穿通先端は、2又は3以上の穿通先端とすることができる。反応チャンバは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)チューブを含むことができる。2つの反応チャンバは、1又は2以上の混合ビーズを含むことができる。これらの反応チャンバは、それぞれの異なる検査を実行する及び/又はそれぞれの異なるターゲットエンティティを検出するように選択された異なる試薬を含むことができる。カートリッジ本体は、サンプル調製試薬を含むことができる。反応チャンバのうちの少なくとも1つは、逆転写反応及び/又は増幅反応に適する1又は2以上の試薬を含むことができる。
【0068】
反応チャンバは、例えば、増幅試薬及び核酸検出試薬のような1又は2以上の試薬を含むことができる。増幅反応の成分(例えば、1又は2以上の増幅試薬)は、例えば、1又は2以上のプライマー(例えば、個々のプライマー、プライマー対、プライマーセット、オリゴヌクレオチド、及び多重化増幅に適する複数のプライマーセットなど)、核酸ターゲット(例えば、サンプルからのターゲット核酸)、1又は2以上のポリメラーゼ、ヌクレオチド(例えば、dNTPなど)、及び適切な緩衝液(例えば、界面活性剤、還元剤、一価イオン、及び二価イオンを含む緩衝液)を含むことができる。一部の実施形態では、増幅は、逆転写酵素及び/又は逆転写プライマーを更に含むことができる。一部の実施形態では、増幅反応は、本明細書に説明する検出剤のうちの1又は2以上のような1又は2以上の検出剤を更に含むことができる。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とを含む又はこれらから構成される。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、逆転写酵素と、逆転写プライマーと、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とを含む又はこれらから構成される。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、検出剤と、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とで構成される。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、逆転写酵素と、逆転写プライマーと、検出剤と、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とを含む又はこれらから構成される。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、本質的に、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とで構成される。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、本質的に、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、逆転写酵素と、逆転写プライマーと、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とで構成される。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、本質的に、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、検出剤と、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とで構成される。一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、本質的に、プライマーと、ターゲット核酸と、ポリメラーゼと、逆転写酵素と、逆転写プライマーと、検出剤と、ヌクレオチドと、適切な緩衝液とを含む又はこれらから構成される。1又は2以上の増幅試薬が基本的にある一定の成分から構成される時に、増幅に対して有意な効果を持たない及び/又は検出可能な生成物を発生させるのに必要ではない追加の成分又は特徴が含まれる場合がある。例えば、約10分又はそれ以内に等温条件下で増幅をもたらして検出可能な増幅生成物を発生させるための本明細書の成分及び条件の機能に対して有意な効果を持たない追加の成分又は特徴が含まれる場合がある。そのような追加の成分又は特徴を非本質的成分と呼ぶ場合があり、これらの成分又は特徴は、塩、緩衝液、界面活性剤、イオン、油、蛋白質、ポリマー、などのような典型的な反応成分及び/又は一般的な追加物を含む場合がある。一部の実施形態では、増幅条件は、酵素活性を含む。一般的に、酵素活性は、ポリメラーゼによって与えられ、一部の実施形態では、ポリメラーゼと逆転写酵素とによって与えられる。一部の実施形態では、酵素活性は、ポリメラーゼ活性から構成される。一部の実施形態では、酵素活性は、ポリメラーゼ活性と逆転写酵素活性とで構成される。従って、一部の実施形態では、酵素活性は、他の酵素、例えば、ヘリカーゼ、トポイソメラーゼ、リガーゼ、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、制限酵素、ニッキング酵素、及びリコンビナーゼなどによって与えられる酵素活性を含まない。一部の実施形態では、ポリメラーゼ活性及び逆転写酵素活性は、別々の酵素又は別々の酵素型(例えば、ポリメラーゼ及び逆転写酵素)によって与えられる。一部の実施形態では、ポリメラーゼ活性及び逆転写酵素活性は、単一酵素又は酵素型(例えば、ポリメラーゼ)によって与えられる。一部の実施形態では、増幅は、ループ媒介増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配置ベース増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ローリングサークル増幅(RCA)、多重置換増幅(MDA)、ラミフィケーション(RAM)、環状ヘリカーゼ依存性増幅(cHDA)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、RNA技術の信号媒介増幅(SMART)、自家持続配置複製(3SR)、ゲノム指数関数的増幅反応(GEAR)、及び等温多重置換増幅(IMDA)のうちの1又は2以上を含む。
【0069】
一部の実施形態では、1又は2以上の増幅試薬は、非酵素成分及び酵素成分を含むことができる。非酵素成分は、例えば、プライマー、ヌクレオチド、緩衝液、塩、還元剤、界面活性剤、及びイオンを含むことができ、一般的に、蛋白質(例えば、核酸接合蛋白質)、酵素、又は酵素活性を有する蛋白質、例えば、ポリメラーゼ、逆転写酵素、ヘリカーゼ、トポイソメラーゼ、リガーゼ、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、制限酵素、ニッキング酵素、及びリコンビナーゼなどを含まない。一部の実施形態では、酵素成分は、ポリメラーゼを含むことができ、又はポリメラーゼと逆転写酵素とを含むことができる。従って、そのような酵素成分は、他の蛋白質(例えば、核酸接合蛋白質及び/又は酵素活性を有する蛋白質)、例えば、ヘリカーゼ、トポイソメラーゼ、リガーゼ、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、制限酵素、ニッキング酵素、及びリコンビナーゼなどを除外すると考えられる。
【0070】
本明細書に説明する検査試薬は、核酸増幅生成物を検出及び/又は定量するための試薬を更に含むことができる。適切な検出試薬及び定量試薬は、選択される検出方法及び/又は定量方法に基づいて当業者によって選択することができる。増幅生成物は、例えば、本明細書に説明するいずれかの検出方法又は定量方法を含むあらゆる適切な検出方法及び/又は定量方法によって検出及び/又は定量することができる。検出方法及び/又は定量方法の非限定例は、分子ビーコン(例えば、実時間、終点)、横方向流動、蛍光共鳴エネルギ移動(FRET)、蛍光偏光(FP)、面取り込み、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性加水分解プローブ(例えば、TAQMAN)、挿入/接合染料、吸光度法(例えば、比色、濁度)、電気泳動(例えば、ゲル電気泳動キャピラリー電気泳動)、質量分析、核酸シーケンシング、デジタル増幅、プライマー伸長法(例えば、iPLEX(登録商標))、Affymetrixからの分子反転プローブ(MIP)技術、制限酵素断片長多型(RFLP解析)、対立遺伝子特定オリゴヌクレオチド(ASO)解析、メチル化特定PCR(MSPCR)、パイロシーケンシング解析、acycloprime解析、リバースドットブロット、GeneChipマイクロアレイ、動的対立遺伝子特定ハイブリダイゼーション(DASH)、ペプチド核酸(PNA)プローブ及びロック核酸(LNA)プローブ、AlphaScreen、SNPstream、genetic bit analysis(GBA)、マルチプレックスミニシーケンシング、SNaPshot、GOODアッセイ、マイクロアレイminiseq、アレイ化プライマー伸長法(APEX)、マイクロアレイプライマー伸長法、タグアレイ、符号化マイクロスフェア、テンプレート指定組み込み(TDI)、比色オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)、配置符号化OLA、マイクロアレイライゲーション、リガーゼ連鎖反応、錠型プローブ、invaderアッセイ、少なくとも1つのプローブを用いたハイブリダイゼーション、少なくとも1つの蛍光標識プローブを用いたハイブリダイゼーション、クローニング及びシーケンシング、ハイブリダイゼーションプローブ及び定量的実時間ポリメラーゼ連鎖反応(QRT-PCR)の使用、ナノポアシーケンシング、チップ、及びその組合せを含む。一部の実施形態では、核酸増幅生成物を検出する段階は、実時間検出方法の使用を含む(すなわち、生成物は、増幅プロセス中に検出及び/又は連続モニタされる)。一部の実施形態では、核酸増幅生成物を検出する段階は、終了点検出方法の使用を含む(すなわち、生成物は、増幅プロセスを完了又は停止した後に検出される)。核酸検出方法は、ターゲット配置の中又はターゲットに対する相補的配置を含有するプローブの中に直接組み込まれた標識ヌクレオチドの使用を使用することができる。そのような標識は、本質的に放射性及び/又は蛍光性とすることができ、本明細書で議論する方式のうちのいずれかで分解することができる。一部の実施形態では、核酸増幅生成物の定量は、下記で説明する1又は2以上の検出方法を用いてもたらすことができる。一部の実施形態では、検出方法は、核酸増幅生成物の定量に向けて信号強度の測定、及び/又は標準曲線及び/又はルックアップテーブルの発生(又は参照)と併用することができる。
【0071】
図17は、非限定的な例示的2チューブカートリッジアセンブリ実施形態を示している。反応チャンバは、カートリッジの本体に接続された別々の検査チューブとすることができるが、図17に示す例では、成形プラスチックチューブ構成要素103は、カートリッジ本体101に接続された2つの独立反応チャンバと同等の2つの内部キャビティを組み込んでいる。図17は、検査の開始前に出荷構成にあるカートリッジを示しており、この場合に、出荷キャップ102は、成形ラッチ特徴部109に接触せず、検査の開始時にユーザによって取り外すことができる。
【0072】
サンプル調製試薬は、液体形態にあるとすることができ、その一部が反応チャンバに追加されると、検査サンプルのDNA又はRNAを希釈して溶液の中に露出するための水溶液を提供し、更に凍結乾燥又は乾燥させた試薬を溶解するか又は再懸濁させるための流体を提供することができる。検査試薬(例えば、増幅試薬)は、調製、装填、保存、及び出荷に最適であるように乾燥又は凍結乾燥させたもの又はゲル状又は液体状とすることができる。
【0073】
一部の実施形態では、サンプル調製流体及び検査試薬(例えば、増幅試薬及び検出試薬)は、使用前の製造時にカートリッジの中に装填して密封することができる。
【0074】
使用前の出荷構成では、キャップは、その下縁がカートリッジの本体上の成形ラッチカムに接触しないようにより短い長さを有することができる。出荷キャップのこの構成は、このキャップが、カートリッジ本体内のサンプル調製液体試薬を密封することを可能にするが、検査を開始するためにユーザが取り外し可能であることを可能にすることができる。
【0075】
一部の実施形態では、カートリッジ本体は、カートリッジが計器内の定位置にある時にカートリッジの回転を防止するために計器内の嵌合スロットに位置合わせされて係合する位置合わせ特徴部110を有する。この回転防止特徴部は、ユーザが、出荷キャップを簡単に取り外し、その後に検査キャップを装着することを全て片手オペレーションで行うことを可能にする。
【0076】
カートリッジ本体は、キャップが装着された時に反応チャンバへの流体連通を持たない密封された容器又はリザーバを形成するような場所にシールをそのベース上に含むので、サンプル調製流体を閉じ込めることができる。
【0077】
一部の実施形態では、反応チャンバは、別々のパッケージ内で供給され、検査を開始する直前に初めてカートリッジ本体上の定位置にクリップ留めされるか又はネジ込まれる。
【0078】
診断検査アセンブリ又は「カートリッジ」は、サンプルリザーバ又はサンプルチャンバと、少なくとも1つの検査リザーバ又は反応チャンバ(本明細書では増幅リザーバ又は増幅チャンバとも呼ぶ)と、サンプル調製リザーバと少なくとも1つの診断検査リザーバ間の流体移動を防止するためにサンプル調製リザーバと少なくとも1つの診断検査リザーバ間の少なくとも1つのシールとを含むことができる。一部の実施形態では、サンプルリザーバ又はサンプルチャンバは、円筒形カートリッジ本体の形態にあり、増幅リザーバ又は増幅チャンバは、固定リング又は固定クリップとエラストマーシールとによってカートリッジ本体にカプリングされた増幅チューブの形態にある。エラストマー構成要素は、増幅チューブの内容物が使用前に環境汚染による影響を受けることにはならず、使用最中及び後に流出することができないように増幅チューブとカートリッジの成形本体間にシールを提供することができる。本発明の開示を踏まえて、当業者には、他の接合及び密封の配置及び構成が明らかであり、これらを他の実施形態に使用することができるであろう。一部の実施形態では、使用前の出荷構成では、サンプルリザーバ又はサンプルチャンバは、出荷キャップによって密封され、サンプル調製流体又は試薬流体が部分的に充填され、反応チャンバは、検査試薬(例えば、核酸増幅試薬及びそれに関わる検出プローブ試薬)が部分的に充填される。これらの試薬は、液体、ゲル、乾燥、又は凍結乾燥の形態とすることができる。一部の実施形態では、液体形態にあるサンプル試薬の一部が増幅チューブに追加された時に、このサンプル試薬は、検査サンプルのDNA又はRNAを希釈して溶液の中に露出するための水溶液を提供し、更に凍結乾燥又は乾燥させた試薬を溶解するか又は再懸濁させるための流体を提供することを有利とすることができる。増幅試薬は、調製、装填、保存、及び出荷に最適であるように乾燥又は凍結乾燥させたもの又はゲル状又は液体状とすることができる。
【0079】
図18は、チューブ構成要素103が2つの内部反応チャンバ107及び108を組み込んだ図18に示すものと同じカートリッジを示している。これらのチューブは、必要とされる、DNA又はRNAの増幅のための前駆体試薬と検出プローブとを一般的に乾燥形態又は凍結乾燥形態で保持することができる。各チューブ107、108の中に組み込まれる試薬は、同じサンプルから様々な検査を行うために異なることができ、又は追加の検査の再現性の保証を与えるために同じ試薬とすることができる。チューブ構成要素103は、カートリッジ本体101のベースにある嵌合陥入特徴部104内の定位置にクリップ留めすることができる。成形カートリッジ本体とチューブアセンブリとの間にエラストマーシール105が収容され、このシールは、反応チャンバ107、108と環境間の漏れを防止するためのシールを形成する。雌ネジ128、少なくとも1つのシール321、カートリッジサンプル容積106、成形ラッチカム109も示されている。
【0080】
カートリッジ本体は、一般的に液体形態にあり、一般的に製造中に追加されるサンプル調製試薬111を含有する。サンプル試薬111を1又は2以上の部分の別々の容器内に供給し、検査の前にキャップが取り外された時にこれらの試薬をカートリッジに追加することはオプションである。このカートリッジは、単一反応チャンバ実施形態に関するものと類似の方式で作動させることができ、この場合に、サンプル調製試薬111は、それが追加された時にサンプルからのDNA又はRNAを露出して保持するための及び部分容積(例えば、予め決められた部分容積)のサンプル希釈流体が分注アクションによって水溶液をチューブ107、108の中に追加された時にチューブ107、108内で検査試薬(例えば、増幅試薬)を再懸濁させるか又は溶解するための水溶液を形成する。
【0081】
検査を行うために、カートリッジを計器ポートの中に挿入し、サンプル試薬流体111を支持して加熱し始めることができる。この加熱は、細胞溶解を含むサンプル調製プロセスを補助、加速、又は可能にする。一部の実施形態では、カートリッジは、計器内で支持及び作動されるが、図17図18図19図20図21図22図23図24、及び図25に示すカートリッジの図面内には例示目的で計器構成要素を示していない。
【0082】
図19は、キャップが取り外され、スワブ115がカートリッジ本体101内に収容されているサンプル試薬流体111内でスワブ115を濯ぐことによってサンプル物質を追加するのに使用される検査開始時の2チューブカートリッジを示している。
【0083】
サンプルは、多くのタイプのうちの1つとすることができ、例えば、流体サンプルのピペット追加又は液滴追加、小さい組織サンプル又は体液サンプル、又は環境サンプル、獣医学サンプル、食品サンプル、又は農生成物サンプルの追加のようなあらゆる適切な方法によってサンプル調製流体の中に含めることができる。一部の実施形態では、検査は、感度が非常に高いとすることができる核酸増幅を用い、従って、検査では効果を作用するのにごく少量のサンプル物質しか必要とされない。サンプル又は検査サンプルは、被検体又はその一部から単離又は得られるいずれかのサンプルとすることができる。サンプルの非限定例は、血液又は血液製剤(例えば、血清、又は血漿など)、臍帯血、骨髄、絨毛膜絨毛、羊水、脳脊髄液、脊髄液、洗浄液(例えば、気管支肺胞洗浄液、胃洗浄液、腹腔洗浄液、チューブ洗浄液、耳洗浄液、関節鏡洗浄液)、生検サンプル、体腔穿刺サンプル、細胞(例えば、血球)又はその一部(ミトコンドリア、核、又は抽出液など)、女性生殖器官の洗浄液、尿、糞便、痰、唾液、鼻水、前立腺液、洗浄液、精液、リンパ液、胆汁、涙、汗、母乳、胸液、硬組織(例えば、肝臓、脾臓、腎臓、肺臓、又は卵巣)、類似のもの又はその組合せを含むがこれらに限定されず、被検体からの流体又は組織を含む。血液という用語は、全血、血液生成物、又は血液のいずれかの部分、例えば、従来の定義による血清、血漿、又はバフィーコートなどを包含する。血漿は、全血のうちで抗凝血剤によって処理された血液の遠心分離からもたらされる部分を意味する。血清は、血液サンプルが凝固された後に残る水様流体部分を意味する。多くの場合に、流体サンプル又は組織サンプルは、病院又は診療所が一般的に従う標準プロトコルに従って採取される。血液に関しては、多くの場合に適正量(例えば、3~40ミリリットルの間)の末梢血が採取され、調製の前又は後に標準の手順に従って保存することができる。
【0084】
適切なサンプルは、唾液サンプル、血液サンプル、血清サンプル、血漿サンプル、尿サンプル、吸引液サンプル、及び生検サンプルを含むがこれらに限定されない。従って、患者に関する「サンプル」という用語は、血液及び他の生体からの液体サンプル、生検サンプル、組織培養物、又はこれらから分注された細胞、及びその子孫のような固体組織サンプルを包含する。この定義は、サンプルの準備の後に試薬を用いた処理、洗浄、又は癌細胞のようなある一定の細胞集団に関する富化等によるいずれかの手法でオペレーションされたサンプルも含む。この定義は、特定のタイプの分子、例えば、RNAに関して富化されたサンプルも含む。「サンプル」という用語は、臨床サンプル、例えば、血液、血漿、血清、吸引液、脳脊髄液(CSF)のような生体サンプルを包含し、更に外科的切除によって得られる組織、生検によって得られる組織、培養細胞、細胞上清液、細胞溶解液、組織サンプル、臓器、及び骨髄なども含む。「生体サンプル」は、生体から分注された生体液(例えば、癌細胞、感染細胞のような)、例えば、そのような細胞から得られるRNAを含むサンプル(例えば、RNAを含む細胞溶菌液)を含む。
【0085】
一部の実施形態では、サンプルの出所は、病的な(又はそうであることが疑われる)細胞、流体、組織、又は臓器である。一部の実施形態では、サンプルの出所は、正常(非病的)な細胞、流体、組織、又は臓器である。一部の実施形態では、サンプルの出所は、病原体に感染した(又はそうであることが疑われる)細胞、組織、又は臓器である。例えば、サンプルの出所は、感染していてもいない場合がある個体とすることができ、サンプルは、個体から採取されたいずれかの生体サンプル(例えば、血液、唾液、生検材料、血漿、血清、気管支肺胞洗浄液、唾液、糞便サンプル、脳脊髄液、細針吸引液、スワブサンプル(例えば、頬部スワブ、子宮頸部スワブ、鼻腔スワブ)、間質液、滑液、鼻汁、涙、バフィーコート、粘膜サンプル、上皮細胞サンプル(例えば、上皮細胞掻き取り物)のような)とすることができると考えられる。一部の実施形態では、サンプルは、細胞不含液体サンプルである。一部の実施形態では、サンプルは、細胞を含む場合がある液体サンプルである。病原体は、ウイルス、真菌、蠕虫、原虫、マラリア寄生虫、マラリア原虫寄生虫、トキソプラズマ寄生虫、住血吸虫寄生虫などを含む。「蠕虫」は、回虫、犬糸状虫、植食性線虫(ネマトーダ)、吸虫(トレマトーダ)、鉤頭虫類、及び条虫(セストーダ)を含む。原虫感染症は、ジアルジア種、トリコモナス種、アフリカトリパノソーマ症、アメーバ赤痢、バベシア症、バランチジウム性赤痢、シャーガス病、コクシジウム症、マラリア、及びトキソプラズマ症からの感染症を含む。寄生虫/原虫病原体は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、クルーズトリパノソーマ、及びトキソプラズマ原虫を含むがこれらに限定されない。真菌病原体は、クリプトコッカス及びネオフォルマンス、ヒストプラズマ及びカプスラーツム、コクシジオイデス及びイミチス、ブラストミセス及びデルマチチジス、クラミジア及びトラコマチス、及びカンジダ及びアルビカンスを含むがこれらに限定されない。病原性ウイルスは、例えば、免疫不全ウイルス(例えば、HIV)、インフルエンザウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、ヘルペスウイルス、黄熱ウイルス、C型肝炎ウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、パピローマ及びウイルス、などを含む。病原性ウイルスは、パポーバウイルス(例えば、ヒトパピローマウイルス(HIV)、ポリオーマウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス(HBV))、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスリンパ球向性ウイルス、ばら色粃糠疹、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)、アデノウイルス(例えば、アタデノウイルス、アビアデノウイルス、イクタデノウイルス、マストアデノウイルス、シアデノウイルス)、ポックスウイルス(例えば、天然痘、ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス、サル痘ウイルス、オルフウイルス、偽牛痘、ウシ丘疹性口炎ウイルス、タナポックスウイルス、ヤバサル腫瘍ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス(MCV))、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)、パルボウイルスB19、ヒトボカウイルス、ブファウイルス、ヒトパルボウイルス4 G1)、ジェミニウイルス科、ナノウイルス科、フィコドナウイルス科、などのようなDNAウイルスを含むことができる。病原体は、例えば、DNAウイルス[例えば、パポーバウイルス(例えば、ヒトパピローマウイルス(HIV)、ポリオーマウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス(HBV))、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスリンパ球向性ウイルス、ばら色粃糠疹、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)、アデノウイルス(例えば、アタデノウイルス、アビアデノウイルス、イクタデノウイルス、マストアデノウイルス、シアデノウイルス)、ポックスウイルス(例えば、天然痘、ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス、サル痘ウイルス、オルフウイルス、偽牛痘、ウシ丘疹性口炎ウイルス、タナポックスウイルス、ヤバサル腫瘍ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス(MCV))、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)、パルボウイルスB19、ヒトボカウイルス、ブファウイルス、ヒトパルボウイルス4 G1)、ジェミニウイルス科、ナノウイルス科、及びフィコドナウイルス科など]、結核菌、B群連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、レジオネラ及びニューモフィラ、A群連鎖球菌、大腸菌、淋菌、髄膜炎菌、肺炎球菌、クリプトコックス及びネオフォルマンス、ヒストプラズマ及びカプスラーツム、ヘモフィルスインフルエンザ菌B型、梅毒トレポネーマ、ライム病スピロヘータ、緑膿菌、らい菌、ウシ流産菌、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、ヒト血清パルボ様ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、水痘-帯状疱疹ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、アデノウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、エプスタイン-バーウイルス、マウス白血病ウイルス、ムンプスウイルス、水疱性口内炎ウイルス、シンドビスウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、疣贅ウイルス、ブルータングウイルス、センダイウイルス、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、ポリオウイルス、シミアンウイルス40、マウス乳腺腫瘍ウイルス、デングウイルス、風疹ウイルス、西ナイルウイルス、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、トキソプラズマ原虫、ランゲルトリパノソーマクルーズトリパノソーマ、ローデシアトリパノソーマ、ブルーストリパノソーマ、マンソン住血吸虫、日本住血吸虫、ウシバベシア、ニワトリ盲腸コクシジウム、回旋糸状虫、熱帯リーシュマニア、結核菌、旋毛虫、タイレリア及びパルバ、胞状条虫、ヒツジ条虫、無鉤条虫、単包条虫、ネズミ中殖条虫、マイコプラズマ及びアルスリチジス、マイコプラズマ及びヒオリニス、マイコプラズマ及びオラーレ、マイコプラズマ及びアルギニニ、アコレプラズマ及びレイドロウィ、マイコプラズマ及びサリバリウム、及びマイコプラズマ及びニューモニエを含むことができる。病原体は、SARS-CoV-2、インフルエンザA、インフルエンザB、及び/又はインフルエンザCのうちの1又は2以上を含むことができる。
【0086】
一部の実施形態では、サンプリングスワブは、開いたカートリッジの中に導入される。サンプリングスワブが使用される場合に、スワブは、ユーザによってサンプルチャンバの中に導入され、サンプル調製流体内で濯がれる。サンプル調製流体は、サンプル物質をスワブから洗い流すように構成することができ、例えば、DNA又はRNAのターゲット物質を含むサンプル物質がその後の核酸増幅に対して適切なものになるように、サンプル物質の核酸成分をサンプルチャンバ溶液の中に露出するために細胞を分離して細胞壁の溶解を引き起こす塩、希釈流体、又は界面活性剤を含有することができる。
【0087】
スワブの代替物として他のサンプリング方法又はサンプルタイプを検査カートリッジに適用することができる。これらのサンプリング方法及びサンプル追加法は、(i)サンプル流体を追加するのへのピペットの使用、(ii)直接指針刺部からの全血液滴の使用、及び(iii)全血のような流体サンプルを採取し、それをサンプル調整洗浄流体の中に追加するための吸収パッド又は吸収膜の使用を含むことができるがこれらに限定されない。
【0088】
サンプルの追加に続いて、計器ディスプレイは、計器ソフトウエアの制御下でサンプル調製及び細胞溶解が効果を作用するほど十分な時間を掛けることを可能にする期間にわたって待機するようにユーザに促すことができる。細胞溶解の手順及び試薬は、当業技術で公知であり、一般的に、化学的溶手法(例えば、界面活性剤、低張性溶液、及び酵素手順など又はその組合せ)、物理的溶手法(例えば、フレンチプレス及び音波処理など)、又は電解溶手法によって実施することができる。あらゆる適切な溶解手順を利用することができる。例えば、一般的に、化学的方法は、溶解剤を用いて細胞を破裂させ、細胞から核酸を分注し、これらの段階にカオトロピック塩による処理を続ける。一部の実施形態では、細胞溶解は、界面活性剤(例えば、イオン性、非イオン性、アニオン性、双性イオン性)の使用を含む。一部の実施形態では、細胞溶解は、イオン性界面活性剤(例えば、ナトリウムドデシルスルファート(SDS)、ナトリウムラウリルスルファート(SLS)、デオキシコラート、コラート、サルコシル)の使用を含む。
【0089】
サンプル調製期間が完了した状態で、ユーザは、分注キャップアセンブリを挿入することができる。図20は、キャップ120と、本明細書に提供する一部の実施形態に従ってユーザがカートリッジ本体101の中に挿入するための定められた位置にある分注機構とを示している。この図にあるサンプル検査システム(例えば、分注キャップアセンブリ)は、見えている以下の構成要素、すなわち、分注キャップ120と、分注ロッド121と、分注チャンバ(例えば、分注インサート)122とで構成される。
【0090】
図21は、上述の分注アセンブリを分解組立図に示している。2チューブカートリッジは、上部セクションでは、ネジキャップが装着されることを可能にするために断面が円形であるが、下部セクションでは平坦な側部を有する。一部の実施形態では、分注チャンバ122は、カートリッジの上側円形断面内では緩いが、カートリッジの平坦断面部分内では密な摺り嵌合である。一部の実施形態では、密な摺り嵌合は、分注チャンバ122がカートリッジのベースにある嵌合特徴部に位置合わせされ、更に2つの円筒ボアがカートリッジ本体101から2つの反応チャンバ103の中にサンプル流体が流出することを可能にする穿孔点に位置合わせするような定位置に分注チャンバ122を案内するのに使用される。一部の実施形態では、円形断面から平坦断面への移行は、分注チャンバ122が挿入される時に断面が自然に回転して分注チャンバを位置合わせ状態に案内するように形態の捻りを用いて漸変する。カートリッジ本体101の形態の円形から平坦へのこの移行は、図17の蓋位置付け特徴部13とキャップロッキング特徴部109間の本体セクションに示されている。
【0091】
非限定的な例示的分注アセンブリが、図21の分解組立図に示されている。一部の実施形態では、分注ロッド121は、分注アセンブリ122が挿入される時のカートリッジの平坦断面内への進入に伴って分注アセンブリ122の位置合わせを支援するために自由に回転することができるようにキャップ120の中にクリップ留めされる。一部の実施形態では、分注ロッド121は、2つの突出部305及び306を有する。突出部305、306の各々に関してその下部セクションは、対応するOリングシール303、304を有する対応するピストンを形成し、各ピストンの下方に対応する穿通先端307、308を形成する。
【0092】
穿通先端307、308は、穿通中に流体が点307、308を流れ過ぎることを支援するように構成された幾何学形状を含むことができる。説明する実施形態では、穿通先端307、308は、少なくとも1つのシールに大きい開口部を発生させるように構成された幾何学形状を含むことができる。大きい開口部は、このような少なくとも一方のシールの面積の少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の数値又は範囲の穿刺を含むことができる。
【0093】
分注チャンバ122が分注ロッド121の中に組み込まれる時に、分注ロッド突出部305、306の穿通先端307、308は、分注チャンバ122の円筒ボアの中に突出するが、その容積を埋め尽くすことはない。これらのボアは、図22の断面に示されている。一部の実施形態では、この分注チャンバセクションは、図20及び図21に示しており、分注ロッド121の突出部305、306の間に密接に適合し、それらの上に摺動するスライド309を有する。装着されると、分注チャンバ122は、分注ロッド上の小さいブリッジ310と接触するまで摺動することができる。小さいブリッジ310との接触は、使用前の通常の取り扱い時の更に別の進行を防止し、分注ロッド121上へのインサート122の摺動装着は、制御方式で分注チャンバ122を保持して位置合わせすることができ、通常の取り扱いで分注チャンバ122が取り外されることにならないような堅固な装着である。
【0094】
図22は、カートリッジアセンブリの中に部分的に押し込まれた非限定的な例示的2反応チャンバ(例えば、2チューブ)分注チャンバ122を断面図に示している。一部の実施形態では、分注チャンバ122は、ロッド121上に摺動装着され、小さいブリッジ310によって更に別の進行が阻止される。一部の実施形態では、分注チャンバ122は、2つの開口端終端円筒ボア301、302を組み込んでいる。分注ロッドは、密封「O」リング124を含むことができる。
【0095】
図23は、ネジキャップ120の雌ネジがカートリッジ本体上のネジ山に係合し、分注チャンバ122がカートリッジ本体のベース127にある薄い材料セクションと接触したばかりの点まで分注機構がカートリッジの中に進入した場所を断面図に示している。一部の実施形態では、分注チャンバ122のベースは、カートリッジ本体のベースに嵌合してそれとの圧入部を形成し、円筒ボア301、302の各々のベースの周りに流体シールを形成する特徴部を有する。一部の実施形態では、分注ロッド121上のブリッジ310は、分注チャンバをカートリッジ本体のベースにある密封特徴部の中に剛的に着座させるほど十分な力を分注ロッドが分注チャンバに対して印加することを可能にする。一部の実施形態では、この部分が着座されると、ユーザによるキャップ120の継続的な回転によって引き起こされるキャップネジ山の更に別の前進が小さいプラスチックブリッジ310を破断させ、分注突出部305、306が分注チャンバ122の中に更に進行して入ることを可能にする。
【0096】
一部の実施形態では、この時点で、穿通先端307、308がカートリッジ本体のベースにある薄い材料セクションを穿孔し始め、Oリングシールを有するピストン特徴部又はシリンジ特徴部303、304が前進して2つの円筒ボア301、302の上部を密封する。
【0097】
一部の実施形態では、ユーザによってネジキャップ120が更に閉められる時の更に別の進行により、突出部310が偏向又は破断し、突出部305及び306上のOリング303及び304が分注バレルの上部を密封してそれぞれの分注ボア301、302の中に流体の閉容積を形成する。一部の実施形態では、ユーザがキャップ閉鎖アクションを完了すると、Oリング密封ピストンが係合されたネジ山付きキャップ120のアクションによって押され、分注チャンバ122がカートリッジ本体101の中に押し込まれ、2つの分注挿入ボア301、302を通って全距離を進行し、捕捉サンプル流体を増幅リザーバ又は検査リザーバ103の各々の中に分注する。
【0098】
一部の実施形態では、カートリッジ本体101は、1ミリリットルから3ミリリットルのサンプルと存在するサンプル希釈流体111とを有することになり、分注アクションは、約50マイクロリットルから100マイクロリットル程度の少量の流体を反応チャンバ103の各々の中に分注することになる。この実施形態の形態に変更を加えることなく、使用される部分のスケールを変更し、サンプル希釈液容積と反応チャンバ103の各々の中に分注される容積の両方を変更することができる。
【0099】
図24は、完全分注された構成のカートリッジを非限定的な例示的断面図に示している。一部の実施形態では、分注キャップ120は出荷キャップよりも長く、その下縁は、カートリッジ本体101上の成形カム特徴部109にわたってラッチした位置合わせ特徴部又は回転防止特徴部129を有する。一部の実施形態では、このラッチは、キャップ120が簡単に取り外されることを防止し、検査サンプルが追加されて分注キャップが装着された後に検査サンプルがカートリッジの中に完全に密封されることを保証する。一部の実施形態では、このロッキング機能は、オペレータの安全性及び検査の信頼性に関して有意な利点を有し、使用中及びその後の使用されたカートリッジアセンブリの取り外し、取り扱い、及び廃棄でのユーザ及び検査システムの汚染を防止する。
【0100】
図25は、分注キャップ120がカートリッジ本体101の上に完全に位置付けられてロックされた完全分注された構成にあるカートリッジの非限定的な例示的全体外観図を示している。一部の実施形態では、分注アセンブリキャップ120は、その形態では回転及び取り扱いを支援する特徴部を有するが、キャップ120のいずれの他の特徴部よりも外方及び/又は下方に突出する独特な成形特徴部129も含む。一部の実施形態では、本明細書に開示する計器は、この特徴部の位置又は近接度を検出するセンサを組み込むことができる。一部の実施形態では、このセンサの出力は、計器のコントローラ及びその制御ソフトウエアによって用いられ、キャップ120が完全に閉められて完全閉鎖位置まで回されていることを確認することができる。典型的な計器適用ワークフローでは、ユーザは、キャップ全閉特徴部129が上述のように検出されるような時まで分注アセンブリキャップ120を装着して閉めるように促される。この場合に、診断検査は、この検出の後にしか検査結果の増幅、検出、及び発生に進まない。長い時間の後にキャップ120が検出されない場合に、任意的にこれを計器が障害又は誤用をもたらしたと決定し、エラーメッセージを計器のLCDディスプレイ上に表示する又はデータインタフェースのうちの1又は2以上に通信することができる。この配置は、カートリッジが適切な時間範囲で適正に使用されることが確認され、分注機能が完全に完了した場合にのみ検査が診断結果を発生させる段階に進むという利点を有する。この確認は、計器による自己検査を可能にすることができ、最終検査結果の信頼性を改善する。
【0101】
一部の実施形態では、押圧キャップ(例えば、スナップ式キャップ)を有する分注アセンブリが設けられる。一部の実施形態では、分注キャップは、押圧され(例えば、ユーザが力を下方に印加し)、定位置(カートリッジ本体上の)にスナップ式に装着される。図30A図30Dは、スナップ式分注キャップアセンブリと二重反応チャンバカートリッジ間にスナップ留めが形成される前の初期位置にあるこのキャップアセンブリ及びカートリッジの非限定的な例示的概略図を描いている。分注キャップアセンブリは、スナップ式分注キャップアセンブリ324とすることができる。スナップ式分注キャップアセンブリは、スナップ式分注キャップ326と、分注ロッド328と、分注チャンバ(例えば、分注インサート)330とを含むことができる。カートリッジ本体(例えば、二重反応チャンバカートリッジ332)は、遠位端334(例えば、開口部)を含むことができる。遠位端334は、1又は2以上の凹部又は突起(例えば、棚部336)を含むことができる。スナップ式分注キャップ326は、1又は2以上のスナップ留め部材338を含むことができる。スナップ留め部材338は、突起又はタブ340を含むことができ、内向きにすることができる。スナップ式分注キャップ326は、カートリッジ本体の遠位端334(例えば、開口部)にスナップ式に接続されるように構成することができる。スナップ式分注キャップ326は、カートリッジ本体の遠位端334よりも軟質及び/又は柔軟な材料、例えば、軟質ゴム又は柔軟プラスチックから形成することができる。スナップ式分注キャップ326は、射出成形又は当業技術で公知の別の適切な成形工程によって形成することができる。一部の実施形態では、スナップ式分注キャップ326は、カートリッジの遠位端334に係合するように構成された1又は2以上のスナップ留め部材338を含む。スナップ留め部材338は、遠位端334とのスナップ式係合部を形成するように構成することができる。スナップ留め部材338は、半径方向内向きに延びる1又は2以上の突出部(例えば、突起又はタブ340)を含むことができ、遠位端334は、1又は2以上の凹部又は突起(例えば、棚部336)を有することができ、1又は2以上の突出部は、これら1又は2以上の凹部又は突起に係合してスナップ留めを形成することができる。一部の実施形態では、スナップ留め部材338は、カートリッジ本体の遠位端334の一部分に係合してスナップ留め部材338と遠位端334とのスナップ式係合を補うように構成された1又は2以上の突起又はタブ340を含む。一部の実施形態では、遠位端334は、突起又はタブ340に係合するように位置決めされた1又は2以上の凹部又は突起336を含む。例えば、遠位端334は、タブ340に接触してそれとの適切な接続部を形成するように構成された棚部336を含むことができる。スナップ式分注キャップ326の内向きに延びるタブ340は、棚部336を把持する(例えば、それとのスナップ式係合部を形成する)ように構成することができる。図31A図31Dは、スナップ式分注キャップアセンブリを完全に係合させてスナップ留めを形成した後の図30A図30Dに示すスナップ式分注キャップアセンブリ及び二重反応チャンバカートリッジの非限定的な例示的概略図を描いている。一部の実施形態では、スナップ式分注キャップは、半径方向内向きに延びる環状リングを含み、カートリッジの遠位端は、1又は2以上の凹部又は突起を定め、スナップ式分注キャップの環状リングは、1又は2以上の凹部又は突起に係合してスナップ留めを形成する。一部の実施形態では、スナップ式分注キャップは、半径方向内向きに延びる1又は2以上の突出部を含み、カートリッジの遠位端は、1又は2以上の凹部又は突起を定め、スナップ式分注キャップの1又は2以上の突出部は、カートリッジの遠位端の1又は2以上の凹部又は突起に係合してスナップ留めを形成する。一部の実施形態では、クロージャは、直接ユーザによって又は検査計器に結合されたレバーによってカートリッジ本体の上にスナップ留めされる。ユーザによるこの単一アクションは、カートリッジ本体に対して下向きの力をクロージャに印加することとすることができる。下向きの力は、クロージャとカートリッジ本体間にスナップ留めを形成することができる。一部の実施形態では、下向きの力は、サンプル分注機構の作動を引き起こしてカートリッジ本体を密封する。下向きの力は、レバー手段の下向きの力を含むことができる。クロージャは、ユーザによる単一アクション時にカートリッジ本体の遠位端とのスナップ留めを形成するように構成された1又は2以上のスナップ留め部材を含むスナップ式分注キャップを含むことができる。
【0102】
一部の実施形態では、分注キャップアセンブリは、保護パケット内で完全組立状態で供給され、ユーザによって取り出されて挿入されるが、他の実施形態では、その必要はない。例えば、一部の実施形態では、サンプル分注機構は、キャップアセンブリを形成するためにユーザによって取り出された出荷キャップに取り付けることができ、一部の他の実施形態では、サンプル調製リザーバの中に配置し、キャップ(取り外しされた出荷キャップ又は異なるキャップ)をサンプル調製リザーバに付加する行為によって分注機構にカプリングすることができる。一部の実施形態では、サンプル分注機構は、少なくとも1つの診断検査リザーバでの診断検査及び検出に向けて少なくとも1つのシールを破断して又は他に破裂させて又は開封してサンプル流体がサンプル調製リザーバから少なくとも1つの診断検査リザーバに流入することを可能にし、サンプル調製リザーバと少なくとも1つ診断検査リザーバ(例えば、反応チャンバ)間の更に別の流体移動を防止しながら、サンプル流体の予め決められた部分容積をサンプル調製リザーバから少なくとも1つの診断検査リザーバの中に分注するように作動可能である。
【0103】
一部の実施形態では、分注インサート(例えば、分注チャンバ)は、分注ロッドの一端に装着される。一部の実施形態では、分注ロッドは、分注インサートの円筒ボア又は「シリンダ」の中に挿入された状態でプランジャ又はピストンを含むフランジを組み込んでいる。一部の実施形態では、ピストンは、円筒ボアとの密接適合によって摺動シールを形成するが、他の実施形態では、シールを改善するためにエラストマーシールを組み込んでいる。一部の実施形態では、ピストンが分注インサートの円筒ボア内で摺動する時のピストンに対するシールを改善するために「O」リングが使用される。
【0104】
一部の実施形態では、分注インサート(例えば、分注チャンバ)は、その上側セクション内にスロットの形態にある開口部を組み込んでいる。一部の実施形態では、これらのスロットは、アセンブリがカートリッジの中に挿入される時の分注ロッドピストンの初期構成で内部Oリングがスロットのベースの上方に位置決めされるように位置決めされ、更にこれらのスロットは、インサートがサンプル調製リザーバ内の奥まで押圧される時に流体がインサートの円筒ボアの外側を通り過ぎ、それと共にインサートの円筒ボアを通っても流れることができるようにインサートの外径まで延びる。一部の実施形態では、この構成は、挿入中に圧力増大を防止し、サンプル流体の混合を支援する。例えば、この機能を達成するために、インサートがサンプル調製リザーバの内壁とのシールを形成せず、従って、サンプル調製リザーバの中に保持されたサンプル流体を通してインサートを容易に移動することができる孔又は溝のような他の適切な形態の開口部及び構成が当業者には明らかであろう。一部の実施形態では、インサートが挿入される時にサンプル調製リザーバ内で同じく容易に降下するように(サンプル流体からの有意な抵抗力を受けずに)、分注インサートの外径及び形態は、インサートが押し込まれる時にサンプル調製リザーバ内でインサートが中心に位置決めされて位置合わせされることを可能にする。一部の実施形態では、これは、分注インサートのベースがサンプル調製リザーバのベース内の嵌合凹部と正確に位置合わされることを可能にする。
【0105】
一部の実施形態では、分注ロッドは、密封「O」リングを有するピストンフランジを含み、更に分注ロッドの端部に穿通先端を含む。一部の実施形態では、分注アセンブリが十分に挿入されると、キャップ内の雌ネジが、カートリッジの本体上の雄ネジに係合する。一部の実施形態では、これらのネジ山が互いに係合すると、ユーザは、徐々にキャップをネジ込んで閉めるように促され、かつそうすることができる。一部の実施形態では、キャップをネジ込んで閉めるアクションは、内部構成要素に係合してサンプル調製リザーバのベースでシールを穿孔し、サンプル部分容積のサンプル流体をサンプル調製リザーバから診断検査リザーバの中に分注するためにサンプル調製リザーバを通る分注アセンブリの進行を容易にする機械的な利点を提供する。
【0106】
一部の実施形態では、分注インサート(例えば、分注チャンバ)は、カートリッジ本体のベースと接触した後で、分注ロッドが分注インサートのボアの中に更に深く進入することができる前にある程度の追加の力を必要とするように分注ロッド上で保持される。一部の実施形態では、この追加の力は、分注インサートのベースを摩擦下で押圧して又はサンプル調製リザーバのベースにある凹部内の嵌合特徴部又は面特徴部内の定位置にスナップ留めさせてサンプル調製リザーバとの流体シールを形成することを可能にする。一部の実施形態では、このシールの形成を支援するために、分注インサート又はサンプルチューブのいずれかの上に小さいエラストマーシールが含められる。しかし、一部の実施形態では、分注インサートの射出成形形態のベース及びサンプル調製リザーバ内の嵌合特徴部は、これらの部分が相互接触状態になる時に圧縮力下で流体シールを形成するのに十分である。一部の実施形態では、分注ロッド内の円形溝と分注インサート上の対応する環状リングとによって形成された戻り止めが存在する。一部の実施形態では、この戻り止めは、分注オペレーションの完了前にネジキャップの継続的な回転アクションの下で戻り止めの抵抗力が打ち負かされて分注ロッドが分注インサートを通って進行し始める時に分注インサートをサンプル調製リザーバのベース内の定位置にロックして密封しようとする初期離脱力を与える。分注インサート密封力を与える他の配置が利用可能であり、本発明の開示を踏まえて当業者には明らかであろう。
【0107】
一部の実施形態では、インサートは、それと分注ロッドから延びる係合特徴部との両方の間に圧潰可能又は押し潰し可能なスペーサを捕捉することによって分注ロッドの上に装着される。一部の実施形態では、分注キャップアセンブリがネジキャップアクションによってカートリッジの中に押し込まれる時に、分注インサートがカートリッジのサンプルチャンバのベースと接触する。一部の実施形態では、圧潰可能スペーサは、ネジ込みアクションが密封アクションに関与する力を印加することを可能にし、分注インサートの円筒ボアのベースは、カートリッジのベース内の嵌合特徴部の中に押し込まれる。一部の実施形態では、キャップネジ込みアクションが追加の力及び進行を印加する時に、スペーサは、分注インサートを定位置に押し込み、次に、分注ロッド上の「O」リングプランジャが分注機構の管状ボアセクションに進入することを可能にするように制御された方式で圧潰するように構成される。一部の実施形態では、分注インサートが定位置に保持又はロックされた後に、分注ロッド上の「O」リングプランジャは、分注機構の管状セクションに進入し、ピストンとシリンダ又はシリンジとを形成するようになっている。一部の実施形態では、「O」リングプランジャが流体容積を分注チューブの中に捕捉する時に、分注ロッドの穿通先端は、分注インサート内のチューブのベースにあるカートリッジ内のプラスチックセクションを穿孔する。一部の実施形態では、この穿孔アクションは、このプラスチックセクションを貫き、更に増幅チューブの上部を覆うホイル又はプラスチック膜を貫く孔を打ち抜く。一部の実施形態では、次に、プランジャの継続的な進行は、捕捉流体容積を増幅チューブの中に分注する。一部の実施形態では、この円筒セクション内に捕捉された流体は、サンプルチャンバのベース内の穿孔を通してその下方に装着された増幅チューブの中に分注される固定されて予め決められた容積のサンプル流体である。
【0108】
任意的なチャンバ流体分注機能
一部の実施形態では、分注チャンバ(例えば、分注インサート)がカートリッジ本体1の中に挿入される時に、図26に示すように、分注チャンバの周りに及び開口端円筒分注ボアを通ってサンプル流体が流れる。図27は、分注チャンバを等角投影図に示している。一部の実施形態では、分注チャンバ22は、円筒ボアの外側を通り過ぎる流れチャネルを有するフィン、並びに分注チャンバの長さの一部分のみを下るスロットを有する。その結果、密封プランジャが分注チャンバ22の中実又は「スロットなし」部分の中に完全には押し込まれていない時に、円筒ボアに流入したサンプル流体はスロットを通って流出することができる。図26は、典型的な流体流線を示している。この説明は、図21に示す2チューブインサート122のような多反応チャンバカートリッジ内の分注チャンバの場合にも同等に当て嵌めることができる。
【0109】
フィルタ構成要素
一部の実施形態では、分注チャンバは、サンプル分注機構がカートリッジ本体の中に挿入される時に、サンプル流体が、分注チャンバの中に流れ込むことができる前に分注チャンバの外側の周りで流れるように強制され、分注チャンバの外側の周りを流れる流体をフィルタ又は多孔質充填材料に貫流させるように初期状態で構成され、フィルタ又は多孔質充填材料は、粒子及び異物を保持及び/又は捕捉し、及び/又はサンプル検査を他に阻害又は妨害する可能性があるサンプル流体成分に結合するか又はこれらを捕捉する生体成分又は化学成分を組み込んでいる。
【0110】
図28は、分注チャンバに流入し、その後に、カプリングされた反応チャンバ又は反応チューブの中に分注されるサンプル流体からその内部の粒子又は含有物を除去することができるようにフィルタ322を含めることを可能にする分注チャンバ(例えば、分注インサート)22の代替実施形態を示している。この実施形態では、分注チャンバ22は、その下側にシール(例えば、膜)321によって閉じられた円筒ボア320へのその望ましくない入口を有する。サンプルが追加された後のカートリッジアセンブリの中に分注チャンバ22が押し込まれる時に、押し出されたサンプル流体の全ては、閉じた円筒ボア320の外側の周りに設けられた流れチャネルを通って流れる。図28にクロスハッチングに示すように、これらの流れチャネルの中に1又は2以上のフィルタ構成要素322を含めることができる。これらのフィルタ322は、圧縮ガラス繊維のような繊維系材料又は多孔質発泡体又は多孔質プラスチック材料とすることができる。1又は2以上のフィルタ構成要素322は、単一環状材料円盤又は利用可能な流路の各々の中に置かれたいくつかのより小さい部分とすることができる。
【0111】
一部の実施形態では、フィルタ構成要素322は、検査リザーバの中に分注されることになるサンプル流体を他に汚染すると考えられる粒子又は物質を物理的に捕捉するか又は閉じ込める。フィルタ構成要素322は、検査プロセス又は増幅プロセスを他に阻害又は妨害する可能性があるサンプル流体の成分に結合するか又はそれらを捕捉する生体成分又は化学成分を組み込むことができる。一部の実施形態では、フィルタ構成要素322を通した流体は、次に、分注器スロットの部分がサンプル流体内に沈む時にこれらのスロットを通って上部から中心円筒分注ボア320を充填することになる。次に、この濾過されたサンプル流体は、その後の密封と取り付けられた検査チューブ内への穿孔を通じた分注とに向けて分注器ボア320内で利用可能にすることができる。
【0112】
磁気ビーズベースの核酸濃縮
一部の実施形態では、カートリッジ本体は、サンプル調製流体と共に1又は2以上の磁性粒子を含み、これらの磁性粒子がサンプル流体の中に混合された時に生体サンプル又は環境サンプルの少なくとも1つの予め決められたターゲット化学種に結合されてそれらを捕捉するようにこれらの粒子の面が被覆又は官能化され、サンプル分注機構がカートリッジ本体の中に挿入される時にサンプル流体を分注チャンバに強制的に貫流させるようにサンプル分注機構が構成され、サンプル流体内に含まれてターゲット化学種を捕捉した磁性粒子が分注チャンバの内面に引き寄せられてそれに対して保持されるように1又は2以上の磁石が分注チャンバの内面に近接して位置付けられ、そのために分注チャンバの内面との摺動シールを形成するプランジャ機構は、内面に対して保持された磁性粒子を収集し、それらを少なくとも1つの反応チャンバの中に分注し、その中に分注されたサンプル流体の予め決められた部分容積中に、少なくとも1つの予め決められたターゲット化学種の濃度の増加を発生させる。
【0113】
図29は、磁気ビーズ濃縮機能をカートリッジアセンブリ内で発生させることを可能にする分注チャンバ(例えば、分注インサート)22の代替構成を示している。この実施形態では、分注チャンバ22は、円筒ボア320の外側を通り過ぎるいずれの流れチャネルも持たず、分注チャンバ22がカートリッジの中に挿入される時に押し出されたサンプル流体の全ては、円筒ボア320を通って流れるようになっている。この実施形態では、サンプル調製流体は、磁性粒子を含有する又はこれらの粒子を検査プロセス段階として追加することができる。一部の実施形態では、粒子の面は、サンプル流体内に混合された又は溶解している少なくとも1つの着目するターゲット化学種と結合してそれを捕捉するように被覆又は官能化される。例えば、核酸物質、DNA物質、又はRNA物質は、カートリッジ1のサンプル容積6に収容されているサンプル流体の中に混在するので、典型的な用途は、これらの粒子を磁性粒子の官能化面コーティングの上に結合することである。磁性粒子は、非常に小さく、典型的には、0.5マイクロメートルから10マイクロメートル内にあるとすることができる。これらの磁性粒子は、サンプル流体内に自由に混在して懸濁状態に留まり、ターゲット分子と結合してそれらを粒子自体の面コーティングの上に捕捉する。
【0114】
一部の実施形態では、分注インサート又は分注チャンバは、カートリッジの内面との摺動シールを有するように構成され、この場合に、インサート322の中実セクションは、中心シリンダの外側を通り過ぎて流れる流体を遮断し、それによってサンプルチャンバ内の流体の全ては、中心円筒ボア320を強制的に貫流させられる。図29の流線は、典型的な流路を示している。この実施形態では、分注チャンバ構成要素は、その成形プラスチックの中に取り込まれ、かつ円筒ボア320の内面の近くに位置付けられた1又は2以上の永久磁石331を組み込んでいる。典型的な配置は、ボア320の内側を取り囲むリング磁石331を使用するものであり、この場合に、この磁石331は、インサート322が射出成形される時に成形工程の中に導入され、この部分322のプラスチック構造の中に取り込まれる。一部の実施形態では、内部磁石231に近接して分注シリンダをサンプル流体が貫流する時に、磁性粒子が分注シリンダの側壁に対して磁場によって引っ張られ、円筒分注チューブ320内で捕捉されたいずれのDNA物質又はRNA物質と共に保持される。
【0115】
分注構成要素がサンプルチャンバのベースにあるシールの中に押し込まれ、ピストン構成要素がチャンバの上部に係合してそれを密封すると、穿孔構成要素は、サンプルチャンバ1のベースにある薄い材料を突き破る。分注プロセス中に、シリンダの内壁に対して磁気的に保持された磁気ビーズは、Oリング密封プランジャによってボア320を下って拭き取られ、それによって分注シリンダの中に捕捉されたサンプル流体の中に混ぜ戻され、この流体と磁気ビーズとの全ては、反応チャンバ内へのピストンの漸進により、カプリングされた検査チューブの中に分注される。これは、サンプル流体内でDNA物質又はRNA物質を濃縮し、反応チャンバ107、108の中に送出する。これは、サンプルから取り出されるDNA又はRNAの核酸物質を濃縮及び精製し、より感度が高く、信頼性の高い診断検査をもたらすという利点を有する。検査チューブ107、108内の試薬は、追加サンプル流体によって溶出された状態で、磁性粒子に選択的に結合された分子と反応することができる。検査チューブ試薬は、反応チャンバ107、108内の磁性粒子の面からの捕捉物質の放出に適してこれらの成分の反応及び検出を支援する塩、化学物質、又はpHを含有することができる。
【0116】
手動オペレーション式視覚読取式非計装式カートリッジオペレーション
一部の用途では、カートリッジは、計器なしの手動で使用される。例えば、一部の実施形態では、カートリッジは片手で保持され、第1のキャップが他方の手で取り外され、サンプルが追加され、第2の(分注)キャップが装着され、ネジ込んで閉められる。反応チャンバが視覚的に透明である一部のそのような実施形態では、反応チャンバ内への流体の分注を視覚的に観察し、経時的な色又は濁度の変化を観察して診断検査の読取又は表示を可能にすることができる。この手法は、サンプルが追加されると完全に密封されるカートリッジを用いてオペレーションを行うという利点、及び希釈されて調製されたサンプル流体の測定された容積を検査チューブの中に外部流体移し替え段階を使用することなく内部的に分注するという利点を使用する。
【0117】
任意的に、第1のキャップを取り外し、サンプルを追加し、分注キャップとそれに対応する機構とを装着して閉じる目的でカートリッジを支持するのに簡単なスタンドを提供することができる。
【0118】
任意的に、サンプルとカートリッジアセンブリの検査チューブチャンバとの温度制御を提供するために加熱器ブロックを提供することができるが、カートリッジは、1又は2以上のカプリングされた反応チャンバ内で見ることができる検査結果を観察するために手動で引き出される。
【0119】
検査計器
本明細書に提供する一部の実施形態では、カートリッジは、検査(例えば、診断検査)を行うために検査装置又は「計器」内で作動させることができる。本明細書に開示するサンプル検査システムは、検査装置/計器を含むことができる。下記では、本明細書に提供する構成、システム、及び方法の一部の実施形態によるカートリッジ及び検査計器を説明する。サンプル調製試薬及び検査試薬をカートリッジの中に事前装填することにより、1又は2以上の検査(例えば、診断検査)の特定の予め決められたセットを実行して検査結果の少なくとも1つの表示を提供するようにサンプル検査システムを構成することができる。多岐にわたる検査タイプ及び診断用途を網羅するために、同じ物理的構成を有するが異なる装填試薬を有する異なるバージョンのカートリッジを製造することができる。一部の実施形態では、計器は、カートリッジの識別子(視覚的又は他の)から実行されることになる診断検査のタイプを自動的に決定することができ、決定された診断検査を実行することができ、かつ診断検査の完了時にその1つ/複数の結果をユーザインタフェースディスプレイ上に表示することによって及び/又は計器のいくつかの通信インタフェースのうちのいずれかを通して1つ/複数の結果を1又は2以上の電子記録の形態又は他の電子データの形態で提供することによって診断検査結果をユーザに提供することができる。
【0120】
一部の実施形態では、検査装置を提供する。検査装置は、本明細書に提供するサンプル検査システムを受け入れるように構成された受け入れポートを含むことができる。検査装置は、その内部で生体サンプル又は環境サンプルに対して検査を実行するように構成することができる。一部の実施形態では、検査装置は、受け入れポートに位置決めされたサンプル検査システムに下向きの力を印加するように構成されたレバー手段を更に含む。この単一アクションは、レバー手段を通じてカートリッジ本体に対して下向きの力をクロージャに印加することとすることができる。下向きの力は、クロージャとカートリッジ本体間にスナップ留めを形成することができる。一部の実施形態では、レバー手段(例えば、ヒンジ蓋)を有する計器(例えば、検査装置)を提供する。計器上のヒンジ蓋は、機械的な利点に起因してユーザが弱めの力でクロージャ(例えば、分注キャップ)を押下することを可能にすることができる。一部の実施形態では、蓋は、スリーブ内に垂直方向に格納される。一部の実施形態では、オペレーション中に、ユーザは、ヒンジ蓋を持ち上げてそれを水平位置にピボット回転させる。図32A図32Bは、スナップ式分注キャップアセンブリ及び二重反応チャンバカートリッジ(これらの間にスナップ留めが形成される前の初期位置にある)が受け入れポートに位置決めされた検査装置の非限定的な例示的概略図を示しており、それに対して図33A図33Bは、スナップ式分注キャップの上部でヒンジ蓋が押圧されてスナップ留めが形成された後の図32A図32Bに示す検査装置の非限定的な例示的概略図を描いている。検査装置346は、ヒンジ蓋342を含むことができる。検査装置346は、使用状態にない時にヒンジ蓋342を格納するためのスリーブ344を含むことができる。ヒンジ蓋342は、クロージャの面に接触するように構成された増大部分又は隆起部分(例えば、リッジ348)を含むことができる。検査装置は、レバー手段を格納するためのスリーブを含むことができる。ヒンジ蓋は、スリーブの中に格納されている時にカートリッジ本体に対して実質的に平行にすることができる。一部の実施形態では、ヒンジ蓋の少なくとも一部分は、ユーザによって持ち上げられた時にスリーブの上方に摺動してスリーブから抜け出し、ヒンジ蓋のヒンジを露出させるように構成することができる。一部の実施形態では、ヒンジが露出された時に、ヒンジ蓋は、カートリッジ本体に対して実質的に垂直な水平位置にピボット回転する機能を有することができる。
【0121】
検査装置は、カートリッジ本体の1又は2以上の位置合わせ特徴部に位置合わせされてそれに係合するように構成された1又は2以上の嵌合スロットを含むことができる。1又は2以上の嵌合スロットは、受け入れポートに置くことができる。1又は2以上の位置合わせ特徴部は、カートリッジ本体が検査装置内の定位置にある時にカートリッジ本体の回転を防止することができる。1又は2以上の位置合わせ特徴部は、ユーザが片手オペレーションで第2のクロージャを取り外すこと及び/又は単一アクションを実施することを可能にすることができる。
【0122】
クロージャの取り外し、ウォームアップ、サンプル追加、サンプル調製、サンプル分注、カートリッジ閉鎖、及び検査結果測定を支援するために、カートリッジは、サンプル検査装置/計器により、支持することができ、それと位置合わせすることができ、それによって加熱することができ、及び/又は測定することができる。一部の実施形態では、計器は、カートリッジ内のサンプル調製と反応チャンバとの独立した温度制御のための別々の加熱器領域を含む。検査シーケンスの一部の実施形態では、サンプル調製流体が収容されているカートリッジが計器の中に挿入され、計器は、カートリッジの存在を検出し、サンプル調製流体を加温し始める。サンプル調製流体が望ましい温度に達した時に、計器は、次に、分析されることになる生体サンプル又は環境サンプルを追加するようにユーザに促すことができる。サンプル調製流体の加熱は、迅速で効率的なサンプル調製を支援する際に有利とすることができる。
【0123】
その後に又は計器によって促された時に、ユーザは、次に、カートリッジ本体にクロージャを付加することができ、クロージャを作動させるこのアクションは、サンプル及びサンプル調製流体をカートリッジの中に密封するだけでなく、カートリッジ本体内の分注機構を作動して予め決められた容積のサブサンプルをカートリッジ内の1又は2以上の反応チャンバの中に送出することができる。
【0124】
一部の実施形態では、計器は、次に、1又は2以上の反応チャンバの温度と、そこに収容されているサンプル流体及び検査試薬の温度とを制御する。この温度制御は、固定温度を維持することができ、又は例えば予め決められた時変温度プロファイルを辿ることができ、又はPCR反応の場合に様々な固定温度の間で加熱及び冷却による熱循環に受けさせることができる。いずれの場合にも、反応チャンバの内容物の循環系列又は時系列の光学測定値を計器によって取得することができる。計器は、これらの測定値を処理して後にユーザに対して表示するか又は他に出力として提供することができる検査結果を決定することができる。
【0125】
本明細書に提供するのは、(i)プラスチックカートリッジアセンブリを受け入れるためのアクセスポートを有する計器ハウジング、(ii)装置の中に挿入されるカートリッジの挿入又は存在を検出するためのセンサ又はスイッチ、(iii)ソフトウエアプログラムを実行し、将来の再現及び使用に向けてデータを保存するためのコントローラ電子機器及び付属の内部電子機器、マイクロプロセッサ及びメモリ、(iv)USB接続、シリアル接続、又はイーサネット接続の周囲インタフェース及び外部メモリデバイスの接続のための電気接合コネクタ、(v)計器、カートリッジの処理を順序付けし、検査結果の解釈決定に向けて診断検査測定値を取得する機能を提供するための組み込みソフトウエア、(vi)カートリッジアセンブリの上側サンプルチャンバセクションの加熱及び温度制御を提供するための温度制御式サンプルチャンバ加熱器ブロック、(vii)挿入されたカートリッジ内で上側接触特異性反応チャンバ(例えば、増幅検査ウェル)の加熱及び温度を提供することを目的とし、カートリッジウェル内の流体に温度循環を含む制御式温度を適用することができる温度制御式加熱器ブロック、及び/又は(viii)検査実行途中及び検査完了時に反応チャンバ内の試薬及び追加サンプル流体の反応の光学吸収特性、蛍光特性、又は生体発光特性を検出してこれらの測定値を提供するためのセンサのうちの1又は2以上を含む検査計器又は検査装置を備える及び/又は使用する構成、システム、及び方法である。
【0126】
計器装置は、1又は2以上の光センサを組み込むことができ、この場合に、これらのセンサを検査ウェルの列に沿って走査し、1又は2以上の異なるセンサを用いて各検査ウェルに関する多数の測定値を記録することを可能にすることができる。一部の実施形態では、計器コントローラは、物理的な本体からリモートに、例えば、リモートサーバ上に位置付けることができ、計器コントローラは、インターネットのような通信ネットワーク上で装置の作動を管理及び制御することができる。一部の実施形態では、センサのうちの1又は2以上は、発光ダイオードからの光学フィルタリングされた放出光又は選択的な波長範囲のレーザ照明光がセンサレンズから放出される同軸蛍光センサである。一部の実施形態では、この照明光は、検査ウェル内のサンプルの光学励起をもたらし、この同じレンズは、サンプルからの異なるシフト波長の蛍光放出光を更に取り込む。一部の実施形態では、このサンプル蛍光放出光は測定され、診断検査結果を決定するのに使用される測定値を形成する。一部の実施形態では、センサのうちの1又は2以上は、検査サンプルを光学的に励起するための別々の励起照明光源と得られる蛍光放出光を測定するための別々のセンサとを用いて、各検査ウェル内に収容されているサンプル内の蛍光を検出することができる。一部の実施形態では、センサのうちの1又は2以上は、特定の光学照明光波長範囲の反射率又は透過率を用いて各検査ウェル内に収容されている検査サンプル内の光学反射又は光学吸収を測定する。一部の実施形態では、センサのうちの1又は2以上は、検査サンプルからの光放出を測定し、この場合に、この放出は、検査サンプル内の発光又は生体発光によって引き起こされる。一部の実施形態では、センサは、定速でウェルの全てを通り過ぎるように走査され、多数の測定値が得られる。この測定値データセットのその後の処理は、各検査ウェルに割り当てるべき測定値を決定することができる。この分析は、各測定値の相対位置又は取得時間、及び取得測定値を網羅する内挿曲線に関連付けられた局所ピークのような特性を考慮することができる。
【0127】
一部の実施形態では、計器装置は、1又は2以上の紫外線源を組み込み、この場合に、この紫外照明光は、計器コントローラによって点灯又は消灯することができる。一部の実施形態では、計器装置は、蛍光センサ又は光学吸収センサの視野範囲に1又は2以上の基準ターゲットを組み込んでいる。一部の実施形態では、検査装置は、クロージャの回転度及び/又はネジ山の前進度を決定するように構成された少なくとも1つの感知構成要素を含み、クロージャ作動が不完全であることを少なくとも1つの感知構成要素が決定した場合にクロージャ作動を完了するようにユーザに促し、クロージャ作動が完了したと決定された場合に診断検査の次のステージに自動的に進行するように構成される。
【0128】
一部の実施形態では、少なくとも1つの反応チャンバのうちの少なくとも1つは透明であり、検査装置は、少なくとも1つの反応チャンバ内の1又は2以上の波長での放出及び/又は吸収の変化を検出又は測定することにより、少なくとも1つの反応チャンバでの検査結果を決定するように構成され、任意的に、少なくとも1つの反応チャンバを照明して検出又は測定を改善するか又は提供するように構成される。一部の実施形態では、検査装置及びサンプル検査システム(例えば、診断検査アセンブリ)は、サンプル検査システムが検査装置に対する予め決められた位置合わせ状態で受け入れられることを保証し、生体サンプル又は環境サンプルの受け入れ後のカートリッジ本体及びそこにあるサンプル分注機構にクロージャが付加される時に位置合わせを維持する、相互係合するように構成されたそれぞれの位置合わせ特徴部及び支持特徴部を含む。
【0129】
検査装置は、変化及び/又は移動する磁場をサンプル検査システムに印加してカートリッジ本体及び少なくとも1つの反応チャンバのうちの少なくとも1つの中に磁性粒子の対応する移動をもたらし、それによってカートリッジ本体及び少なくとも1つの反応チャンバ内にサンプルとサンプル調製流体との混合を引き起こすように構成された1又は2以上の構成要素を含むことができる。
【0130】
一部の実施形態では、検査装置及びサンプル検査システムは、検査装置がカートリッジ本体及び少なくとも1つの反応チャンバの温度を独立に制御することを可能にするように構成される。
【0131】
一部の実施形態では、検査装置は、サンプル検査システムの少なくとも一部分の1又は2以上の画像を表す画像データを発生させるように構成された1又は2以上の画像センサを含み、これらの画像は、(i)少なくとも1つの反応チャンバ及びカートリッジ本体のうちの少なくとも1つの中の流体分布であって、検査装置が、その画像データを処理してサンプル流体の分注をモニタし、分注が完了したことをこのモニタ段階が決定した場合に診断検査の次のステージに進行するように構成される上記流体分布と、(ii)少なくとも1つの反応チャンバ内に収容されている流体の容積であって、検査装置が、その画像データを処理して分注流体の容積許容範囲の補償を可能にし、かつ検査結果決定の改善を可能にするように構成される上記流体容積とのうちの少なくとも一方を表している。一部の実施形態では、検査装置は、光センサがサンプル検査システムの1又は2以上の選択反応チャンバから光学吸収、光学放出、又は蛍光を測定することができるように検査装置のコントローラの制御下にある並進台に装着された1又は2以上の光センサを含む。
【0132】
一部の実施形態では、検査装置は、サンプル流体がサンプル検査システムから流出した場合の汚染を抑制するためにサンプル検査システム内に収容されているサンプルを診断検査に続いて変性させるための少なくとも1つの紫外線(UV)放出源を含む。
【0133】
計器の中に組み込むことができる1又は2以上の画像センサは、カートリッジのデジタル画像、分注機構構成要素の前進のデジタル画像、及びカートリッジ内に含有されている流体の状態及び推移のデジタル画像を取り込むことができる。画像センサによって及びその後の画像解析で得られる画像データは、コントローラが用いて反応チャンバ107、108の各々内の分注サンプル流体の液位を決定し、この液位を用いてサンプル流体分注が適正に完了したことを決定することができる。カートリッジ内の1又は2以上の反応チャンバ107、108の各々の中に分注された流体の液位を用いて、分注オペレーションでの許容範囲に対して検査結果を補償することができる。各検査チューブに関連付けられた流体の液位は、コントローラが、チューブ107、108の数学モデルを使用することによって又はルックアップテーブルを使用することによって容積に変換することができる。分注流体の容積は、分注流体の中に溶出した後の検査試薬の検査チャンバ流体内の濃度に影響を及ぼす可能性がある。分注サンプル流体の容積を測定することにより、各検査チューブ107、108内の試薬の濃度を計算することができる。過去に行われた一連の実験から又は検査反応のモデルから、検査結果に対する及びそれを解釈するための検査の時系列測定の解釈に対する検査試薬濃度の効果を知って装置内で調整又は補償することができる。カートリッジ内に貯留されている流体サンプル調製試薬は、染料を用いて着色することができる。この染料は、画像センサによって用いられ、カートリッジ反応チャンバ107、108内への色付きの又は造影された流体流れを視覚的に撮像して分注アクションを確認し、更に分注容積を確認することができる。カプリングされた反応チャンバ107、108のうちの1又は2以上の中に分注される流体の画像の画像解析を用いて、チューブ107、108内の容積を測定することができ、この測定値を用いて増幅容積に関する検査結果計算を補償することができる。この補償は、検査チューブ107、108内の試薬の濃度が測定及び反応応答に影響を及ぼす場合がある定量的検査結果に対して特に有意なものとすることができる。
【0134】
一部の実施形態は、検査結果を決定するのに反応チャンバの光学測定を使用するが、代替測定法を使用するセンサを同じ検査装置/計器内で本明細書に説明する診断検査カートリッジを用いて作動させることができる。これらのセンサは、検査結果を決定するのに適切な測定値を取得するために検査流体の磁気的、電気的、原子的、又は物理的な性質を使用することができる。
【0135】
カートリッジ本体及び反応チャンバ混合
本明細書に提供する構成及び方法の一部の実施形態は、カートリッジ本体又は反応チャンバのいずれかの内容物の混合を企図しており、この混合は、一部の実施形態では検査の信頼性又は精度を改善することができる。カートリッジの試薬装填中(例えば、カートリッジの初期製造中)に混合を引き起こすために、カートリッジ本体及び/又は反応チャンバ107、108内に鋼鉄又はフェライトの小球のような磁気インサートを含めることができる。一部の実施形態は、サンプル流体及び/又は反応チャンバの中に混合を誘導するためにカートリッジ本体に外部磁場を印加する(例えば、検査装置が永久磁石又は複数の磁石を付近に移動することによって与えられる)ように企図している。カートリッジ本体内の混合を用いて、導入サンプル物質をサンプル調製流体と混合し、増幅に向けてサンプル物質を調製することができる。この調製混合は、サンプル内の細胞溶解、並びにターゲットDNA又はRNAの核酸物質の抽出及び調製を改善することができる。
【0136】
上述の実施形態の少なくとも一部では、実施形態に使用される1又は2以上の要素を別の実施形態で交換可能に使用することは、そのような交換が技術的に実現可能でない限り可能である。上述した方法及び構造に対して主張する主題の範囲から逸脱することなく様々な他の除外、追加、及び修正を行うことができることは当業者によって理解されるであろう。全てのそのような修正及び変更は、特許請求の範囲によって定められる主題に収まるように意図している。
【0137】
本明細書の実質的にあらゆる複数及び/又は単数用語の使用に関して、当業者は、関連及び/又は用途に関して適切である場合に、当該用語を複数から単数に及び/又は単数から複数に変換することができる。様々な単数/複数置換を本明細書に明瞭化の目的で明示的に示す場合がある。本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用する場合に、状況が他に明確に定めない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示物を含む。本明細書での「又は」へのいずれの参照も、他に指定しない限り「及び/又は」を包含するように意図している。
【0138】
一般的に、本明細書に用いる特に特許請求の範囲(例えば、特許請求の範囲の本文)に使用する用語は、一般的に「非限定的」な用語であるように意図していることは当業者によって理解されるであろう(例えば、「~を含んでいる」という用語は、「~を含んでいるがそれらに限定されない」として解釈し、「~を有している」という用語は、「少なくとも~を有している」として解釈し、「~を含む」という用語は、「~を含むがそれらに限定されない」として解釈されたい)。特定個数の導入請求項の記載が意図されている場合に、そのような意図を請求項内に明示的に説明することとし、そのような記載がない場合に、そのような意図が存在しないことは当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解の一助として以下の特許請求の範囲は、請求項の記載事項を導入するのに「少なくとも1つの」及び「1又は2以上の」という導入句の使用を含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、そのような句を使用しない請求項の記載事項の導入がそのように導入される請求項の記載事項を含むいずれかを特定の請求項を1つのそのような記載事項のみを含む実施形態に限定することを示唆するものと解釈すべきではなく、これは、同じ請求項が「1又は2以上の」又は「少なくとも1つの」という導入句を有する請求項の記載事項と、そのような導入句を伴わない請求項の記載事項とを含む場合であっても適用され、更に不定冠詞「a」又は「an」を有する請求項の記載事項を含むことを特徴とする請求項に対しても適用される。更に、特定個数の導入請求項の記載事項を明示的に説明する場合であっても、そのような記載を少なくとも記載個数の導入請求項の記載事項を意味すると解釈される(例えば、他の修飾語句を伴わない「2つの記載事項」という簡単な記載が、少なくとも2つの記載事項又は2又は3以上の記載事項を意味する)ことは当業者によって認識されるであろう。更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」と類似の慣用表現を使用する事例では、一般的に、そのような構文は、当業者が当該慣用表現を理解すると考えられる意味であるように意図している(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとを一緒に、AとCとを一緒に、BとCとを併せて、及び/又はAとBとCとを併せて有するシステムを含むがこれらに限定されない)。本明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれのものであるかに関わらず、2又は3以上の代替項目を提供する事実上あらゆる離接語及び/又は離接句は、項目のうちの1つ、項目のうちのいずれか、又は両方の項目を含む可能性を企図していると理解しなければならないことは当業者によって更に理解されるであろう。
【0139】
これに加えて、本発明の開示の特徴又は態様をマーカーッシュ群に関して説明する場合に、それによって本発明の開示も、マーカーッシュ群のいずれか個々の構成要素又はその部分群に関して説明されていることは当業者によって認識されるであろう。
【0140】
当業者によって理解されるように、書面による明細を提供することなどに関するあらゆる全ての目的で、本明細書に開示する全ての範囲は、あらゆる全ての可能な部分的範囲及び当該範囲の部分的範囲の組合せも包含することを当業者は理解するであろう。列挙するいずれの範囲も、このような範囲が少なくとも均等な2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分解されることを十分に説明し、かつ可能にするものと容易に認識することができるであろう。非限定例として本明細書で議論する各範囲は、下側3分の1と中間の3分の1と上側3分の1とに容易に分解することができる。同じく当業者によって理解されるように、「最大で~」、「最小で~」又は「少なくとも~」、「~よりも大きい」、「~よりも小さい」などのような全ての文言は、説明する数字を含み、その後に上記で議論したように部分的範囲に分解することができる範囲を意味する。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、各個々の構成要素を含む。従って、例えば、1~3個の項目を有する群は、1個、2個、又は3個の項目を有する群を意味する。同様に、1~5個の項目を有する群は、1個、2個、3個、4個、又は5個の項目を有する群を意味し、他も同様である。
【0141】
本明細書で様々な態様及び実施形態を開示したが、他の態様及び実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書に開示した様々な態様及び実施形態は、例示を目的としたものであり、限定を意図したものではなく、真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲に示している。
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【国際調査報告】