(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】高速堅牢型コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/75 20110101AFI20240905BHJP
【FI】
H01R12/75
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513798
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022042176
(87)【国際公開番号】W WO2023034396
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520359882
【氏名又は名称】エフシーアイ・ユーエスエー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】コーエン・マデン
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB59
5E223AB60
5E223AB65
5E223BA01
5E223CB24
5E223CB26
5E223CC12
5E223CD01
5E223DA33
(57)【要約】
自動車などの厳しい環境において高いシグナルインテグリティを提供するために経済的に組み立てることができる構成要素を伴うモジュール式コネクタシステムである。いくつかのコネクタでは、信号導体として供する導電体が、管へと形成される伝導性シートによって少なくとも部分的に取り囲まれ得る。管は、縁から延びるタブ部分を伴うシートの反対の縁同士を結合することで形成され得る。タブ部分は、空洞から径方向外方へ延びるように曲げられ、一体に圧着させることができ、遮蔽体に機械的完全性を提供するだけでなく、絶縁筐体への不正確な挿入を阻止するために遮蔽体に極性を与え、筐体において遮蔽体に外れ止めするために、絶縁筐体における構成要素と係合することができるタブも提供する。他の開示されている技術は、導電体を接地構造に対して経済的に安定して位置決めし、その導電体は、信号端子として供することができるか、遮蔽体に電気的および機械的に接続することができるか、または、インピーダンス変化を補償することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの導電体と、
第1の縁および第2の縁を伴うシートを備える遮蔽体と
を備え、
前記第1の縁は、前記シートによって境界付けられる周辺で空洞を少なくとも部分的に取り囲むために、前記第2の縁に結合され、
前記少なくとも1つの導電体の少なくとも一部が前記空洞の中に配置され、
前記シートは、前記周辺に対して直交する方向において前記空洞から離れるように延びるタブを備える、電気コネクタ。
【請求項2】
前記タブは外れ止めの特徴を備える、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記第1の縁は、前記第1の縁および前記第2の縁における突起と開口とを相互係止することを介して、前記第2の縁に結合される、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記タブは前記シートの前記第1の縁から延びる、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記タブは、前記シートから延びる第1のタブ部分と、部分を延びる第2のタブ部分とを備え、
前記第1のタブ部分は前記第2のタブ部分と平行に隣接する、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記第1のタブ部分は前記第1の縁において前記シートから延び、
前記第2のタブ部分は前記第2の縁において前記シートから延びる、
請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記電気コネクタは嵌合端を備え、
前記空洞は前記コネクタの前記嵌合端において開放しており、
前記タブは、前記嵌合端を向く第1の縁と、前記第1の縁と反対の第2の縁とを有し、
前記タブの前記第1の縁は前記コネクタの前記嵌合端に向けて先細りとされ、
前記タブの前記第2の縁は前記周辺に対して直交している、
請求項6に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記電気コネクタは、開口を備える絶縁筐体をさらに備え、
前記絶縁筐体は、片持ちの端を備える梁と、前記開口へと延びる前記片持ちの端における外れ止め部とを備え、
前記遮蔽体は前記開口へと挿入され、
前記梁は、前記遮蔽体が前記空洞へと完全に挿入されるとき、前記外れ止め部が前記タブの前記第2の縁と位置合わせされるように構成される、
請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記外れ止め部はカム表面を備え、
前記梁は、前記遮蔽体が前記空洞へと部分的に挿入されるとき、前記タブの前記第1の縁が前記外れ止め部の前記カム表面と位置合わせされるように構成される、
請求項8に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導電体は信号端子の対を備える、
請求項9に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記遮蔽体は第1の遮蔽体を備え、
前記タブは第1のタブを備え、
前記電気コネクタは、前記空洞を少なくとも部分的に取り囲む第2の遮蔽体を備え、
前記第2の遮蔽体は、前記周辺に対して直交する方向において前記空洞から離れるように延びる第2のタブを備える、
請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記空洞へと延び、前記第2のタブと係合する部材を備える位置確保デバイスをさらに備える、
請求項11に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記第1の遮蔽体は伸長の軸を有し、
前記第1の遮蔽体は、前記第2の遮蔽体と同心であり、前記第2の遮蔽体に電気的に接続され、
前記第1のタブは、前記伸長の軸の方向において前記第2のタブと位置合わせされる、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
嵌合端と、前記嵌合端の反対のケーブル終結端とを伴う電気コネクタであって、
少なくとも1つの導電体と、
空洞の第1の部分を取り囲む第1のシートを備える第1の遮蔽体と、
前記空洞の第2の部分を取り囲む第2のシートを備える第2の遮蔽体であって、前記空洞の前記第2の部分は、重なりの領域において前記空洞の前記第1の部分と重なり、
前記少なくとも1つの導電体の少なくとも一部が前記空洞の中に配置され、
前記重なりの領域において、前記第2の遮蔽体は前記第1の遮蔽体の内側にあり、前記第2の遮蔽体は外方へ延びるエンボスを備える、
第2の遮蔽体と
を備える、電気コネクタ。
【請求項15】
前記エンボスは前記第1の遮蔽体と前記第2の遮蔽体とを電気的に接続する、
請求項14に記載の電気コネクタ。
【請求項16】
前記第2の遮蔽体は伸長の軸と周辺とを備え、
前記エンボスは、前記周辺の少なくとも40%の周りで延びる隆条を備える、
請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項17】
前記第2の遮蔽体は、前記重なりの領域において、第1の線形区分および第2の線形区分によって結合された第1の湾曲区分および第2の湾曲区分を備える長円の断面を有し、
前記エンボスは、前記第1の湾曲区分および前記第2の湾曲区分からそれぞれ延びる第1の隆条および第2の隆条を備える、
請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記第1の遮蔽体は梁を備え、
前記第2の遮蔽体はスロットを備え、
前記梁の遠位部分は、前記第1の遮蔽体が前記第2の遮蔽体に機械的に接続されるように前記スロットを通じて延びる、
請求項17に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
前記梁は前記第1のシートにおいて切断され、
前記第2の遮蔽体の前記スロットは前記第2の遮蔽体の前記第1の線形区分に配置される、
請求項18に記載の電気コネクタ。
【請求項20】
前記梁は、前記第1のシートと平行な第1の区分と、前記第1の区分を横断する第2の区分とを備え、前記第2の区分は前記開口を通じて延びる、
請求項19に記載の電気コネクタ。
【請求項21】
前記梁は第1の梁であり、
前記第1の遮蔽体は第2の梁を備え、
前記スロットは第1のスロットであり、
前記第2の遮蔽体は、前記第1のスロットと平行なスロットを備え、
前記第2の梁の遠位端が第2のスロットを通じて延びる、
請求項20に記載の電気コネクタ。
【請求項22】
前記電気コネクタは、ケーブル遮蔽体を備えるケーブルに終結させられ、
前記ケーブル遮蔽体が露出されている前記ケーブルの端が前記空洞に挿入され、
前記第2の遮蔽体は、前記空洞に挿入された前記ケーブルを取り囲み、露出されている前記ケーブル遮蔽体に電気的に接続し、
前記第1の遮蔽体は、相補的なコネクタの接地構造と嵌まり合うように構成される接触梁を備え、
前記第1の遮蔽体の前記接触梁は、前記第1の遮蔽体、前記エンボス、および前記第2の遮蔽体を通じて前記ケーブル遮蔽体に電気的に連結される、
請求項21に記載の電気コネクタ。
【請求項23】
前記第1の遮蔽体は少なくとも1つの梁を備え、
前記第2の遮蔽体は少なくとも1つのスロットを備え、
前記少なくとも1つの梁の各々の梁の遠位部分が前記少なくとも1つのスロットのそれぞれのスリットを通じて延び、
前記第2の遮蔽体への前記第1の遮蔽体の機械的な取り付けは、前記少なくとも1つの梁と前記少なくとも1つのスロットとの係合と、前記エンボスと前記第1の遮蔽体との間の摩擦とから本質的に成る、
請求項14に記載の電気コネクタ。
【請求項24】
電気コネクタで終結させられたケーブルを備えるケーブル組立体であって、
前記電気コネクタは、
空洞の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むコネクタ遮蔽体と、
前記空洞の中の金属部材であって、前記金属部材はそれ自体を通る開口を備える、金属部材と
を備え、
前記ケーブルは、
前記空洞の外側の第1の部分であって、
第1の絶縁導電体、
第2の絶縁導電体、および、
前記第1の絶縁導体と前記第2の絶縁導体とが第1の中心間の間隔で離間されている状態で、前記第1の絶縁導電体および前記第2の絶縁導電体を少なくとも部分的に包囲するケーブル遮蔽体
を備える、第1の部分と、
前記空洞の中に配置される第2の部分であって、前記第1の絶縁導体と前記第2の絶縁導体とが第2の中心間の間隔で離間されている状態で、前記第1の絶縁導電体および前記第2の絶縁導電体を備える、第2の部分と
を備え、
前記ケーブルの前記第2の部分は前記金属部材の前記開口を通過する、
ケーブル組立体。
【請求項25】
前記第2の中心間の間隔は前記第1の中心間の間隔よりも大きく、
前記金属部材は、前記ケーブルの前記第2の部分のインピーダンスを前記ケーブルの前記第1の部分に一致させるように構成される、
請求項24に記載のケーブル組立体。
【請求項26】
前記ケーブル遮蔽体は前記第2の部分にない、
請求項24に記載のケーブル組立体。
【請求項27】
前記コネクタ遮蔽体は前記ケーブル遮蔽体に電気的に接続される、
請求項26に記載のケーブル組立体。
【請求項28】
前記コネクタは、
第1の環状部分と、第2の環状部分と、前記第1の環状部分を前記第2の環状部分に結合する複数の腕部とを備えるフェルールをさらに備え、
前記ケーブルは前記第1の環状部分および前記第2の環状部分を通過し、
前記第2の環状部分は前記第1の環状部分と前記金属部材との間にある、
請求項27に記載のケーブル組立体。
【請求項29】
前記第1の環状部分は前記ケーブル遮蔽体に接触する、
請求項28に記載のケーブル組立体。
【請求項30】
前記コネクタ遮蔽体は前記第1の環状部分の周りで圧着され、
前記コネクタは、前記第1の絶縁導体および前記第2の絶縁導体のそれぞれの導体に圧着される第1の接点および第2の接点をさらに備える、
請求項29に記載のケーブル組立体。
【請求項31】
前記金属部材はインピーダンスアダプタである、
請求項29に記載のケーブル組立体。
【請求項32】
前記フェルールは、管へと形成された第1の金属シートを備え、
前記インピーダンスアダプタは、管へと形成された第2の金属シートを備え、
前記第1の金属シートおよび前記第2の金属シートは、同じ材料のものであり、同じ厚さを有する、
請求項31に記載のケーブル組立体。
【請求項33】
前記金属部材は、第1の端と第2の端とを、前記開口が前記第1の端と前記第2の端との間で延びる状態で備え、
前記第1の端における前記開口は長円として成形され、
前記開口は、前記第2の端において、主軸と、前記主軸に向けて延びるエンボスとを伴う長円として成形され、
前記エンボスは前記第1の絶縁導電体と前記第2の絶縁導電体との間にある、
請求項24に記載のケーブル組立体。
【請求項34】
室を備える伝導性筐体と、
前記伝導性筐体の中で、前記伝導性筐体に電気的および機械的に係合される遮蔽部材と、
前記室の中に配置される端子組立体であって、前記端子組立体は、絶縁部材、および、前記絶縁部材によって保持される導電体を備え、前記絶縁部材は、前記導電体の少なくとも一部分と前記遮蔽部材とを分離するスペーサを備える、端子組立体と
を備える電気コネクタ。
【請求項35】
前記絶縁部材は本体を備え、前記スペーサは、前記本体から延びるリブを備える、
請求項34に記載の電気コネクタ。
【請求項36】
前記導電体は、嵌合接触部分と、接触後部と、前記嵌合接触部分と前記接触後部とを結合する中間部分とを備える端子を備え、
前記嵌合接触部分および前記接触後部は垂直方向において延び、
前記スペーサは、前記遮蔽部材と、前記接触後部と平行な前記導電体の一部分とを分離する、
請求項34に記載の電気コネクタ。
【請求項37】
前記接触後部と平行な前記導電体の第1の部分のインピーダンスが、前記嵌合接触部分と平行な前記導電体の第2の部分のインピーダンスと一致する、
請求項36に記載の電気コネクタ。
【請求項38】
前記導電体の前記第2の部分は前記伝導性筐体の前記室の中に配置され、
前記導電体の前記第1の部分は前記スペーサによって前記遮蔽部材から分離される、
請求項37に記載の電気コネクタ。
【請求項39】
前記電気コネクタは、嵌合接合部と、前記嵌合接合部に対して直角の搭載接合部とを備える直角コネクタであり、
前記遮蔽部材は前記搭載接合部に対して垂直である、
請求項34に記載の電気コネクタ。
【請求項40】
前記室は第1の室であり、前記伝導性筐体は、前記第1の室を含め、列方向に延びる列で配置される複数の室を備え、
前記遮蔽部材は第1の遮蔽部材であり、前記電気コネクタは、前記伝導性筐体の中で、前記伝導性筐体に電気的および機械的に係合される複数の遮蔽部材を備え、前記複数の遮蔽部材は前記第1の遮蔽部材を含み、
前記複数の遮蔽部材の各々は、前記列方向と平行な方向に延びる平面部分を備え、
前記端子組立体は第1の端子組立体であり、前記電気コネクタは、前記第1の端子組立体を含め、複数の端子組立体を備え、前記複数の端子組立体の各々は前記複数の室のそれぞれの室に配置され、
前記複数の端子組立体の各々は、前記複数の遮蔽部材のそれぞれの遮蔽部材の前記平面部分に隣接するスペーサを備える、
請求項34に記載の電気コネクタ。
【請求項41】
前記列は第1の列であり、
前記複数の室は第1の複数の室であり、
前記伝導性筐体は、前記列方向に延びる第2の列で配置される第2の複数の室を備え、
前記電気コネクタは、前記伝導性筐体の中で、前記伝導性筐体に電気的および機械的に係合される第2の複数の遮蔽部材を備え、
前記電気コネクタは第2の複数の端子組立体を備え、前記第2の複数の端子組立体の各々は前記第2の複数の室のそれぞれの室に配置され、
前記第2の複数の端子組立体の各々は、前記第2の複数の遮蔽部材の遮蔽部材に隣接するスペーサを備える、
請求項40に記載の電気コネクタ。
【請求項42】
前記第1の複数の端子組立体および前記第2の複数の端子組立体の各々の端子組立体は導電体の1つの対を備え、前記対の各々の導電体は、前記端子組立体の前記スペーサによって、隣接する遮蔽部材から同じ距離に位置決めされる、
請求項41に記載の電気コネクタ。
【請求項43】
前記電気コネクタは、印刷回路基板への搭載のために構成された搭載接合部を備える基板コネクタであり、
前記伝導性筐体は内向き表面を備え、前記内向き表面のうちの少なくとも2つは溝を備え、
前記遮蔽体は、前記搭載接合部に対して垂直に保持されるように、前記内向き表面の前記溝の中に配置される縁を備える、
請求項34に記載の電気コネクタ。
【請求項44】
室を備える伝導性筐体と、
前記室の中に配置される端子組立体であって、前記端子組立体は、それ自体を通る通路を伴う絶縁部材、ならびに、嵌合接触部分、後部、および、前記嵌合接触部分と前記後部とを結合する中間区分を備える導電体を備え、
前記接触部分および前記後部は前記絶縁部材から延び、
前記中間区分は、
前記通路の中に配置され、
前記通路の中で、それ自体の長さの50%超にわたって第1の幅を有し、
前記第1の幅よりも広い第2の幅を伴い、前記絶縁部材と係合する掛り部を備え、
前記第1の幅よりも狭い第3の幅を伴って前記掛り部に近接する導体部分を備える、
端子組立体と
を備える、電気コネクタ。
【請求項45】
前記導体部分はインピーダンス補償部分を備える、
請求項44に記載の電気コネクタ。
【請求項46】
前記通路は、第1の通路幅を伴う第1の通路部分を有し、
前記通路は、前記第1の通路幅よりも狭い第2の通路幅を伴う第2の通路部分を有し、
前記第1の幅を伴う前記導電体の前記中間区分の一部分が前記第1の通路部分に配置され、
前記導体部分が前記第2の通路部分の中に配置される、
請求項44に記載の電気コネクタ。
【請求項47】
前記通路は第1の通路であり、前記絶縁部材は、前記第1の通路と平行な第2の通路を備え、
前記導電体は第1の導電体であり、前記端子組立体は、前記第2の通路の中に配置される第2の導電体を備える、
請求項46に記載の電気コネクタ。
【請求項48】
前記第1の導電体と前記第2の導電体とは差動対として構成される、
請求項47に記載の電気コネクタ。
【請求項49】
前記第1の導電体と前記第2の導電体とは同じ形を有し、
前記第1の通路と前記第2の通路とは同じ形を有する、
請求項47に記載の電気コネクタ。
【請求項50】
前記電気コネクタは直角コネクタであり、前記嵌合接触部分と、前記第1の導電体の後部および前記第2の導電体の後部とは、直交する方向において、前記第1の通路と前記第2の通路とからそれぞれ延びる、
請求項49に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、電子組立体を相互接続するために使用される、電気コネクタを含むものなど、相互接続システムに関し、より詳細には、車両など、厳しい環境のための相互接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタが多くの電子システムにおいて使用される。電気コネクタで一緒に繋げられ得る別々の電子組立体としてシステムを製造することは、概してより容易であり、よりコスト効果がある。コネクタは、組立体がシステムの一部として一緒に動作することができるように、相互接続する組立体のために使用され得る。コネクタは、例えば、コネクタを嵌め合わせることで接続される2つの組立体の中の印刷回路基板に搭載され得る。他のシステムにおいて、それらの印刷回路基板におけるコネクタを直接的に嵌め合うことによって2つの印刷回路基板を繋げることは、非実用的であり得る。例えば、システムが組み立てられるとき、それらの印刷回路基板は、印刷回路基板に搭載されたコネクタ同士の間の直接的な接続には距離が大きすぎることにより、分けられる可能性がある。
【0003】
いくつかのシステムでは、組立体同士の間の接続はケーブルを通じて行うことができる。ケーブルは、印刷回路基板に搭載されたコネクタと嵌まり合うコネクタで終結させられ得る。この方法では、組立体同士の間の接続は、ケーブル組立体の一部であるコネクタを、印刷回路基板に搭載されたコネクタへと差し込むことで行うことができる。他のシステムアーキテクチャでは、ケーブルを終結するコネクタが、他のケーブルを終結する他のコネクタと嵌め合わされ得る。
【0004】
組立体同士がケーブルを通じて接続されるシステムの例は、現代の自動車である。例えば、自動車車両は、エンジン、トランスミッション(TCU)、安全システム、排ガス制御システム、照明、先進運転支援システム(ADAS)、エンタテインメントシステム、ナビゲーションシステム、およびカメラなど、様々な車両システムを制御するための電子制御ユニット(ECU)を含む。これらの制御ユニットは、別々の組立体として製造でき、これらの組立体の間において経路の定められたケーブルで形成された1つまたは複数の車両ネットワークにわたって接続され得る。自動車の製造を単純化するために、組立体は、別々に形成され、次に、他のケーブルを終結する相手側コネクタ、または、組立体の中の印刷回路基板に取り付けられた相手側コネクタへの接続を可能にするコネクタで終結させられたケーブルを介して、接続することができる。
【0005】
自動車は、電気コネクタにとって厳しい環境を提供する。自動車は振動する可能性があり、これは、コネクタの嵌まり合いを緩め、コネクタの機能をすべて停止させる可能性がある。振動がコネクタの動作を完全に妨げない場合であっても、振動は電子ノイズを引き起こす可能性があり、これは、コネクタを含む相互接続を通じて繋げられた電子機器の動作と干渉する可能性がある。ノイズは、例えば、コネクタの中の構成要素の相対移動から生じる可能性があり、これは、コネクタの電気的性質を変化させる可能性がある。電気的性質における変化は、さらに、相互接続を通過する信号に、基礎信号の処理と干渉するノイズの形態である振動を引き起こす。
【0006】
自動車の環境では、電気ノイズは、電磁放射を発生させる自動車構成要素からも生じる可能性がある。その放射は、コネクタの伝導性構造と結び付き、その伝導性構造にわたって通過する信号においてノイズを作り出すことができる。自動車では、スパークプラグ、オルタネータ、または電源スイッチなど、数多くのあらゆる構成要素が電磁放射を発生させる可能性がある。ノイズは、自動車ネットワークにわたってデータを通信するために使用されるような、高速信号にとって特に破壊的となる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示されているような概念は、少なくとも1つの導電体と、第1の縁および第2の縁を伴うシートを備える遮蔽体とを備える電気コネクタとして具現化できる。第1の縁は、シートによって境界付けられる周辺で空洞を少なくとも部分的に取り囲むために、第2の縁に結合され得る。少なくとも1つの導電体の少なくとも一部が空洞の中に配置でき、シートは、周辺に対して直交する方向において空洞から離れるように延びるタブを備え得る。
【0008】
このような電気コネクタは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0009】
タブは外れ止めの特徴を備えることできる。
【0010】
第1の縁は、第1の縁および第2の縁における突起と開口とを相互係止することを介して、第2の縁に結合されてもよい。
【0011】
タブはシートの第1の縁から延びることできる。
【0012】
タブは、シートから延びる第1のタブ部分と、部分を延びる第2のタブ部分とを備えてもよく、第1のタブ部分は第2のタブ部分と平行に隣接してもよい。任意選択で、第1のタブ部分は第1の縁においてシートから延び、第2のタブ部分は第2の縁においてシートから延びる。
【0013】
電気コネクタは嵌合端を備えてもよく、空洞はコネクタの嵌合端において開放してもよく、タブは、嵌合端を向く第1の縁と、第1の縁と反対の第2の縁とを有してもよく、タブの第1の縁はコネクタの嵌合端に向けて先細りとされ、タブの第2の縁は周辺に対して直交してもよい。
【0014】
電気コネクタは、開口を備える絶縁筐体をさらに備えてもよい。絶縁筐体は、片持ちの端を備える梁と、開口へと延びる片持ちの端における外れ止め部とを備えてもよい。遮蔽体は開口へと挿入され、梁は、遮蔽体が空洞へと完全に挿入されるとき、外れ止め部がタブの第2の縁と位置合わせされるように構成される。任意選択で、外れ止め部はカム表面を備えてもよく、梁は、遮蔽体が空洞へと部分的に挿入されるとき、タブの第1の縁が外れ止め部のカム表面と位置合わせされるように構成されてもよい。
【0015】
少なくとも1つの導電体は信号端子の対を備えてもよい。任意選択で、遮蔽体は第1の遮蔽体を備えてもよく、タブは第1のタブを備えてもよい。電気コネクタは、空洞を少なくとも部分的に取り囲む第2の遮蔽体を備えてもよく、第2の遮蔽体は、周辺に対して直交する方向において空洞から離れるように延びる第2のタブを備えてもよい。電気コネクタは、空洞へと延び、第2のタブと係合する部材を備える位置確保デバイスをさらに備えてもよい。
【0016】
第1の遮蔽体は伸長の軸を有してもよく、第1の遮蔽体は、第2の遮蔽体と同心であり、第2の遮蔽体に電気的に接続され、第1のタブは、伸長の軸の方向において第2のタブと位置合わせされる。
【0017】
他の態様では、本明細書に開示されているような概念は、嵌合端と、嵌合端の反対のケーブル終結端とを備える電気コネクタとして具現化できる。電気コネクタは、少なくとも1つの導電体と、空洞の第1の部分を取り囲む第1のシートを備える第1の遮蔽体と、第2のシートを備える第2の遮蔽体とを備え得る。第2のシートは空洞の第2の部分を取り囲むことができ、空洞の第2の部分は、重なりの領域において空洞の第1の部分と重なる。少なくとも1つの導電体の少なくとも一部が空洞の中に配置されてもよい。重なりの領域において、第2の遮蔽体は第1の遮蔽体の内側にあり、第2の遮蔽体は外方へ延びるエンボスを備える。
【0018】
このような電気コネクタは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0019】
エンボスは第1の遮蔽体と第2の遮蔽体とを電気的に接続することができる。
【0020】
第2の遮蔽体は伸長の軸と周辺とを備えてもよく、エンボスは、周辺の少なくとも40%の周りで延びる隆条を備えてもよい。任意選択で、第2の遮蔽体は、重なりの領域において、第1の線形区分および第2の線形区分によって結合された第1の湾曲区分および第2の湾曲区分を備える長円の断面を有することができ、エンボスは、第1の湾曲区分および第2の湾曲区分からそれぞれ延びる第1の隆条および第2の隆条を備えてもよい。
【0021】
代替または追加で、第1の遮蔽体は梁を備えてもよく、第2の遮蔽体はスロットを備えてもよく、梁の遠位部分は、第1の遮蔽体が第2の遮蔽体に機械的に接続されるようにスロットを通じて延び得る。
【0022】
代替または追加で、梁は第1のシートにおいて切断されてもよく、第2の遮蔽体のスロットは第2の遮蔽体の第1の線形区分に配置される。
【0023】
代替または追加で、梁は、第1のシートと平行な第1の区分と、第1の区分を横断する第2の区分とを備えてもよく、第2の区分は開口を通じて延びる。
【0024】
代替または追加で、梁は第1の梁とでき、第1の遮蔽体は第2の梁を備えてもよく、スロットは第1のスロットとでき、第2の遮蔽体は、第1のスロットと平行なスロットを備えてもよく、第2の梁の遠位端が第2のスロットを通じて延びてもよい。
【0025】
他の態様では、電気コネクタは、ケーブル遮蔽体を備えるケーブルに終結させられ得る。ケーブル遮蔽体が露出されているケーブルの端が空洞に挿入されてもよく、第2の遮蔽体は、空洞に挿入されたケーブルを取り囲んでもよく、露出されているケーブル遮蔽体に電気的に接続してもよく、第1の遮蔽体は、相補的なコネクタの接地構造と嵌まり合うように構成される接触梁を備えてもよく、第1の遮蔽体の接触梁は、第1の遮蔽体、エンボス、および第2の遮蔽体を通じてケーブル遮蔽体に電気的に連結されてもよい。
【0026】
代替または追加で、第1の遮蔽体は少なくとも1つの梁を備えてもよく、第2の遮蔽体は少なくとも1つのスロットを備えてもよく、少なくとも1つの梁の各々の梁の遠位部分が少なくとも1つのスロットのそれぞれのスリットを通じて延びてもよい。
【0027】
第2の遮蔽体への第1の遮蔽体の機械的な取り付けは、少なくとも1つの梁と少なくとも1つのスロットとの係合と、エンボスと第1の遮蔽体との間の摩擦とから本質的に成り得る。
【0028】
他の態様では、本明細書に開示されているような概念は、電気コネクタで終結させられたケーブルを備えるケーブル組立体として具現化できる。電気コネクタは、空洞の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むコネクタ遮蔽体と、空洞の中の金属部材であって、金属部材はそれ自体を通る開口を備える、金属部材とを備えてもよい。ケーブルは、空洞の外側の第1の部分であって、第1の絶縁導電体と、第2の絶縁導電体と、第1の絶縁導体と第2の絶縁導体とが第1の中心間の間隔で離間されている状態で、第1の絶縁導電体および第2の絶縁導電体を少なくとも部分的に包囲するケーブル遮蔽体とを備える第1の部分を備えてもよい。ケーブルは、空洞の中に配置される第2の部分であって、第1の絶縁導体と第2の絶縁導体とが第2の中心間の間隔で離間されている状態で、第1の絶縁導電体および第2の絶縁導電体を備える第2の部分を備えてもよい。ケーブルの第2の部分は金属部材の開口を通過してもよい。
【0029】
このようなケーブル組立体は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0030】
第2の中心間の間隔は第1の中心間の間隔よりも大きくてもよく、金属部材は、ケーブルの第2の部分のインピーダンスをケーブルの第1の部分に一致させるように構成されてもよい。
【0031】
ケーブル遮蔽体は第2の部分になくてもよい。
【0032】
代替または追加で、コネクタ遮蔽体はケーブル遮蔽体に電気的に接続される。
【0033】
代替または追加で、コネクタは、第1の環状部分と、第2の環状部分と、第1の環状部分を第2の環状部分に結合する複数の腕部とを備えるフェルールをさらに備えてもよい。ケーブルは第1の環状部分および第2の環状部分を通過してもよく、第2の環状部分は第1の環状部分と金属部材との間にあってもよい。
【0034】
代替または追加で、第1の環状部分はケーブル遮蔽体に接触してもよい。
【0035】
代替または追加で、コネクタ遮蔽体は第1の環状部分の周りで圧着されてもよく、コネクタは、第1の絶縁導体および第2の絶縁導体のそれぞれの導体に圧着される第1の接点および第2の接点をさらに備えてもよい。
【0036】
代替または追加で、金属部材はインピーダンスアダプタであってもよい。
【0037】
代替または追加で、フェルールは、管へと形成された第1の金属シートを備えてもよく、インピーダンスアダプタは、管へと形成された第2の金属シートを備え、第1の金属シートおよび第2の金属シートは、同じ材料のものであり、同じ厚さを有する。
【0038】
金属部材は、第1の端と第2の端とを、開口が第1の端と第2の端との間で延びる状態で備えてもよく、第1の端における開口は長円として成形されてもよく、開口は、第2の端において、主軸と、主軸に向けて延びるエンボスとを伴う長円として成形されてもよく、エンボスは第1の絶縁導電体と第2の絶縁導電体との間にあってもよい。
【0039】
他の態様では、本明細書に開示されているような概念は、室を備える伝導性筐体と、伝導性筐体の中で、伝導性筐体に電気的および機械的に係合される遮蔽部材と、室の中に配置される端子組立体であって、絶縁部材、および、絶縁部材によって保持される導電体を備える端子組立体とを備える電気コネクタとして具現できる。絶縁部材は、導電体の少なくとも一部分と遮蔽部材とを分離するスペーサを備えてもよい。
【0040】
このような電気コネクタは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0041】
絶縁部材は本体を備えてもよく、スペーサは、本体から延びるリブを備えてもよい。
【0042】
導電体は、嵌合接触部分と、接触後部と、嵌合接触部分と接触後部とを結合する中間部分とを備える端子を備えてもよく、嵌合接触部分および接触後部は垂直方向において延びてもよく、スペーサは、遮蔽部材と、接触後部と平行な導電体の一部分とを分離することができる。
【0043】
代替または追加で、接触後部と平行な導電体の第1の部分のインピーダンスが、嵌合接触部分と平行な導電体の第2の部分のインピーダンスと一致してもよい。
【0044】
代替または追加で、導電体の第2の部分は伝導性筐体の室の中に配置されてもよく、導電体の第1の部分はスペーサによって遮蔽部材から分離される。
【0045】
電気コネクタは、嵌合接合部と、嵌合接合部に対して直角の搭載接合部とを備える直角コネクタであってもよく、遮蔽部材は搭載接合部に対して垂直であってもよい。
【0046】
室は第1の室であってもよく、伝導性筐体は、第1の室を含め、列方向に延びる列で配置される複数の室を備えてもよい。遮蔽部材は第1の遮蔽部材であってもよく、電気コネクタは、伝導性筐体の中で、伝導性筐体に電気的および機械的に係合される複数の遮蔽部材を備えてもよく、複数の遮蔽部材は第1の遮蔽部材を含んでもよい。複数の遮蔽部材の各々は、列方向と平行な方向に延びる平面部分を備えてもよい。端子組立体は第1の端子組立体であってもよく、電気コネクタは、第1の端子組立体を含め、複数の端子組立体を備えてもよい。複数の端子組立体の各々は複数の室のそれぞれの室に配置されてもよく、複数の端子組立体の各々は、複数の遮蔽部材のそれぞれの遮蔽部材の平面部分に隣接するスペーサを備えてもよい。
【0047】
代替または追加で、列は第1の列であってもよい。複数の室は第1の複数の室であってもよい。伝導性筐体は、列方向に延びる第2の列で配置される第2の複数の室を備えてもよく、電気コネクタは、伝導性筐体の中で、伝導性筐体に電気的および機械的に係合される第2の複数の遮蔽部材を備えてもよい。電気コネクタは第2の複数の端子組立体を備えてもよく、第2の複数の端子組立体の各々は第2の複数の室のそれぞれの室に配置される。第2の複数の端子組立体の各々は、第2の複数の遮蔽部材の遮蔽部材に隣接するスペーサを備えてもよい。
【0048】
代替または追加で、第1の複数の端子組立体および第2の複数の端子組立体の各々の端子組立体は導電体の1つの対を備えてもよく、対の各々の導電体は、端子組立体のスペーサによって、隣接する遮蔽部材から同じ距離に位置決めされる。
【0049】
電気コネクタは、印刷回路基板への搭載のために構成された搭載接合部を備える基板コネクタであってもよい。伝導性筐体は内向き表面を備えてもよく、内向き表面のうちの少なくとも2つは溝を備えてもよい。遮蔽体は、搭載接合部に対して垂直に保持されるように、内向き表面の溝の中に配置される縁を備えてもよい。
【0050】
他の態様では、本明細書に開示されているような概念は、室を備える伝導性筐体と、室の中に配置される端子組立体とを備える電気コネクタとして具現化できる。端子組立体は、それ自体を通る通路を伴う絶縁部材と、嵌合接触部分と後部、および、嵌合接触部分と後部とを結合する中間区分を備える導電体とを備えてもよい。接触部分および後部は絶縁部材から延びてもよい。中間区分は、通路の中に配置でき、通路の中で、それ自体の長さの50%超にわたって第1の幅を有してもよく、第1の幅よりも広い第2の幅を伴い、絶縁部材と係合する掛り部を備えてもよく、第1の幅よりも狭い第3の幅を伴って掛り部に近接する導体部分を備えてもよい。
【0051】
このような電気コネクタは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0052】
導体部分はインピーダンス補償部分を備えてもよい。
【0053】
通路は、第1の通路幅を伴う第1の通路部分を有してもよく、通路は、第1の通路幅よりも狭い第2の通路幅を伴う第2の通路部分を有してもよく、第1の幅を伴う導電体の中間区分の一部分が第1の通路部分に配置されてもよく、導体部分が第2の通路部分の中に配置されてもよい。
【0054】
代替または追加で、通路は第1の通路であってもよく、絶縁部材は、第1の通路と平行な第2の通路を備え、導電体は第1の導電体であり、端子組立体は、第2の通路の中に配置される第2の導電体を備える。
【0055】
代替または追加で、第1の導電体と第2の導電体とは差動対として構成されてもよい。
【0056】
代替または追加で、第1の導電体と第2の導電体とは同じ形を有してもよく、第1の通路と第2の通路とは同じ形を有してもよい。
【0057】
代替または追加で、電気コネクタは直角コネクタであってもよく、嵌合接触部分と、第1の導電体の後部および第2の導電体の後部とは、直交する方向において、第1の通路と第2の通路とからそれぞれ延びてもよい。
【0058】
添付の図面は、示されている大きさに限定されない。明確性の目的のために、すべての構成要素がすべての図面において必ずしも符号付けされていない可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】いくつかの実施形態による、例示の相互接続システムの斜視図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、
図1の基板コネクタ100の分解斜視図である。
【
図3A】いくつかの実施形態による、例示の基板コネクタの断面図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、
図3Aの基板コネクタの後面図である。
【
図3C】いくつかの実施形態による、
図3Aの基板コネクタの断面図である。
【
図3D】いくつかの実施形態による、
図3Aの基板コネクタの電気接触部の斜視図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、例示のマルチポート基板コネクタの斜視図である。
【
図4B】
図4Aにおける線4B-4Bに沿って切り取られた
図4Aのマルチポート基板コネクタの断面図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、
図1のケーブルコネクタ200の斜視図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、
図5のケーブルコネクタの分解斜視図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、
図6の例示のケーブルコネクタの断面図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、キャリア接触位置確保デバイス(CCPA)が部分的に挿入されている状態での
図6のケーブルコネクタの斜視断面図である。
【
図8B】いくつかの実施形態による、キャリア接触位置確保デバイス(CCPA)が完全に挿入されている状態での
図6のケーブルコネクタの斜視断面図である。
【
図9A】いくつかの実施形態による、ケーブルコネクタの例示の前遮蔽体に接続された
図6のケーブルコネクタの例示の後遮蔽体の斜視図である。
【
図9B】いくつかの実施形態による、
図9Aにおける平面262においての
図9Aのケーブルコネクタの断面図である。
【
図9C】いくつかの実施形態による、
図9Aにおける平面272においての
図9Aのケーブルコネクタの断面図である。
【
図9D】いくつかの実施形態による
図9Aのケーブルコネクタの例示の導電体の斜視図である。
【
図9E】いくつかの実施形態による、
図9Aのケーブルコネクタの例示のフェルールの斜視図である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、例示のエンボスを含む、ケーブルに取り付けられた
図9Aの後遮蔽体の上からの斜視図である。
【
図10B】いくつかの実施形態による、
図9Aの後遮蔽体の下からの斜視図である。
【
図10C】いくつかの実施形態による、エンボスを含む
図10Aのケーブルコネクタの一部分の断面図である。
【
図10D】いくつかの実施形態による、
図10Aのケーブルコネクタの他の断面図である。
【
図11A】いくつかの実施形態による、剥ぎ取られたケーブルの斜視図である。
【
図11B】いくつかの実施形態による、端子がケーブル導体に圧着された状態での
図11Aのケーブルの斜視図である。
【
図11C】いくつかの実施形態による、フェルールがケーブルに組み立てられた状態での
図11Bのケーブルの斜視図である。
【
図11D】いくつかの実施形態による、ケーブルの編組がフェルールにわたって曲げられた状態での
図11Cのケーブルの斜視図である。
【
図11E】いくつかの実施形態による、インピーダンスアダプタがケーブルに組み立てられた状態での
図11Dのケーブルの斜視図である。
【
図11F】いくつかの実施形態による、後遮蔽体がケーブルに部分的に取り付けられている状態に接触キャリア筐体および後遮蔽体がある状態での
図11Eのケーブルの斜視図である。
【
図11G】いくつかの実施形態による、前遮蔽体の一部分が後遮蔽体の一部分にわたって滑らされる状態での
図11Fのケーブルの上からの斜視図である。
【
図11H】いくつかの実施形態による、前遮蔽体が後遮蔽体に外れ止めされる前の
図11Gのケーブルの下からの斜視図である。
【
図11I】いくつかの実施形態による、前遮蔽体が後遮蔽体へと外れ止めされている状態での
図11Hのケーブルの斜視図である。
【
図11J】いくつかの実施形態による、前遮蔽体が後遮蔽体へと外れ止めされているところを追加の詳細で示す
図11Iのケーブルの一部分の断面図である。
【
図12A】いくつかの実施形態による、インピーダンスアダプタの後からの斜視図である。
【
図12B】いくつかの実施形態による、インピーダンスアダプタの前からの斜視図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、
図5のケーブルコネクタと嵌まり合うようにケーブルコネクタを構成するための例示のケーブルコネクタ構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明者らは、経済的に製造できるが、自動車によって提供される厳しい環境において確実に動作することができる高いデータ速度の伝送を提供するためのコネクタを作るための技術を認識および理解した。このようなコネクタは、例えば自動車ネットワークにおける相互接続する組立体に適する。これらの技術は、構成要素のセットが複数の構成のいずれかにおいてコネクタを形成するために組み合わせることができるモジュール式コネクタシステムにおいて適用することができる。このモジュール式は、本明細書に記載されている種類のコネクタを製造することに関連するコストを低減する。
【0061】
各々のコネクタ構成は、少なくともコネクタの嵌合接合部を確立する絶縁性外側筐体で形成され得る。外側筐体は、絶縁性とでき、外れ止めの特徴を提供することもできる。構成要素のセットは、相補的な構成での絶縁性外側筐体を含んでもよく、その絶縁性外側筐体は、互いに嵌まり合って外れ止めすることになる2つのコネクタ構成を形成するために使用され得る。
【0062】
空洞を少なくとも部分的に取り囲む伝導性構造が外側筐体の中に位置決めされ得る。空洞は、嵌合接合部へと延びる嵌合端において開放していてもよい。構成要素のセットは、伝導性構造を、互いに嵌まり合う1つまたは複数の構成で備えてもよい。伝導性構造は、例えば、空洞を伴うダイカストであり得る、または、管へと形成される金属の1つまたは複数のシートであり得る。セットのうちの1つの伝導性構造を形成する管は、伝導性構造が嵌まり合うことができるように、他の伝導性構造の空洞への開口の中に嵌まるような大きさとされ得る。代替で、セットは、より大きい半径の管の中に嵌まるような大きさとされる1つの半径の管を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の伝導性構造が、異なる大きさのコネクタを構成するために、同じ絶縁性外側筐体へと組み込まれてもよい。代替または追加で、ダイカストの伝導性構造に異なる数の空洞が形成されてもよい。嵌合接合部の中に可変の数の空洞を提供することで、いくつかのコネクタは1x1の嵌合接合部を伴って構成でき、他のコネクタは、例えば2x2の嵌合接合部または2x3の嵌合接合部など、他の大きさの嵌合接合部を伴って形成されてもよい。
【0063】
筐体の中に組み込まれる空洞の数に拘わらず、端子組立体が空洞へと挿入されてもよい。各々の端子組立体は、コネクタの端子として各々が供することができる1つまたは複数の導電体を受け入れる端子キャリアとして供する絶縁部材を有することができる。コネクタ構成要素のセットは、ピンおよびレセプタクルの方式の端子など、互いに嵌まり合うように構成される端子の少なくとも2つの方式を含み得る。端子は、後部が、印刷回路基板に、またはケーブルの導体に取り付けられるように構成されている状態で、異なる方式の後部を有してもよい。
【0064】
異なる嵌合または搭載の構成が、コネクタの相互の嵌まり合いを可能にする嵌合接合部を伴う基板コネクタまたはケーブルコネクタを形成するために、組み合わせで使用されてもよい。例えば、基板コネクタがケーブルコネクタと嵌まり合うことができる、または、2つのケーブルコネクタが嵌まり合うことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、各々の端子キャリアは、シングルエンド信号としてであれ、差分信号としてであれ、1つの信号を搬送するように構成され得る。以下に示されている例示の実施形態では、各々の端子キャリアは、差分信号を搬送するのに適した導電体の対を有する。端子キャリアが挿入される空洞を境界付ける伝導性構造は、端子キャリアによって搬送される信号のための遮蔽体として供することができる。嵌合接合部は、相手側コネクタの端子が、伝導性構造がそれらの端子の周りに遮蔽体を形成するとき、機械的および電気的の両方で嵌まり合うようにされ得る。
【0066】
本発明者らは、接続に高いシグナルインテグリティ(SI)を提供するために、コネクタシステムの構成要素に適用することができる様々な技術を認識および理解した。SI向上は、コネクタを通る信号経路の電気的性質を制御することから、および/または、コネクタが使用される厳しい自動車の環境にも拘らず効果的に動作するようにコネクタを構成することから生じ得る。
【0067】
例えば、1つまたは複数の金属シートから形成された管を遮蔽体が含む実施形態では、シートは、シートの縁から延びるタブを伴って、プレス加工され得る。シートがシートへと形成され、縁において結合されるとき、タブは、遮蔽体によって包囲された空洞から離れる方向に曲げられ得る。
【0068】
タブは、遮蔽体を絶縁筐体において保持するのに役立つことができる外れ止めの特徴として供することができる。1つまたは複数のこのようなタブは、管状の遮蔽体に沿って提供されてもよい。いくつかの実施形態では、外れ止めの特徴は、コネクタの筐体に対する接触のための停止部を形成してもよい。さらに、遮蔽体の外れ止めの特徴と、コネクタの筐体における対応する凹部が、外側絶縁筐体に対する遮蔽体の適切な配向を確保するための極性を与える特徴として使用されてもよい。例えば、外れ止めの特徴は、対応する凹部が筐体の一方の側にある状態で、遮蔽体の一方の側に設けられてもよく、これによって、遮蔽体が筐体へと所望の配向のみにおいて挿入できることを確保する。
【0069】
いくつかの実施形態では、タブ部分は、シートが管へと形成されるときに当接する金属シートの2つの縁から延びてもよい。両方のタブ部分は互いと平行に隣接するように曲げられ得る。この位置において、タブ部分は、タブを形成するために、および、結果的にできた管に機械的な完全性を提供するために、圧着されてもよく、これはさらに、遮蔽体によって形成される空洞における遮蔽体と導体との相対位置における変化を低減することで、シグナルインテグリティを増加させる。したがって、単純に形成されたタブは、いくつかの実施形態において、複数の機能を提供することができる。さらに、シートの縁から延びるタブ部分の使用を通じてシートの縁を固定することで、空洞を取り囲むシートの一部分における大きな開口を切断することなく、シートの相対する側の確実な結合を可能にする。空洞を遮蔽するように意図されたシートの一部分における開口は、遮蔽効果を低減するため、タブを介してシートの端を結合することは、高いシグナルインテグリティに寄与する。
【0070】
他の技術の例として、管状の遮蔽体が、信頼できるがなおも経済的に電気的および機械的に接続される第1の遮蔽体および第2の遮蔽体として形成されてもよい。第1の遮蔽体は、例えば、前遮蔽体とでき、例えば、嵌合接合部を含んでもよい。第2の遮蔽体は、後遮蔽体とでき、ケーブルに取り付けられるように構成されてもよい。第2の遮蔽体の一部分が第1の遮蔽体の一部分の中に嵌まることができ、その逆も可能である。遮蔽体のうちの一方が、重なりの領域においてエンボスを含んでもよい。エンボスは、遮蔽体同士の間の接触、摩擦、および/または電気接続性を提供することができる。第1の遮蔽体と第2の遮蔽体との間の機械的結合が、遮蔽体のうちの一方へと切り込まれ、遮蔽体のうちの他方におけるスロットへと嵌まるように曲げられる片持ちの端を有する1つまたは複数の梁によって提供されてもよい。
【0071】
さらなる技術が、ケーブル組立体の一部として、ケーブルを終結するコネクタにおいて適用されてもよい。このようなコネクタでは、ケーブルの端が、遮蔽体によって少なくとも部分的に折り囲まれた空洞へと挿入されてもよい。ケーブルの端は、ケーブルのバルクと比較して、その一部分におけるケーブルの電気的性質を変える形でケーブルコネクタに取り付けられるように準備されてもよい。例えば、ケーブル遮蔽体が除去されてもよく、Twinaxケーブルについては、ケーブルの導体が、端子を導体に取り付けることができるように分離されてもよい。ケーブル構造のこの取り扱いは、ケーブルのこの一部分のインピーダンスを変化させる可能性があり、これはシグナルインテグリティを低下させる可能性がある。別々の金属部材が、ケーブルのこの一部分に配置され、遮蔽体に電気的に連結され得る。金属部材は、ケーブルの導体と、接地に接続され得る遮蔽体との間の間隔を小さくする。信号-接地間隔におけるこの変化の結果として、ケーブルの終結の一部分におけるインピーダンスは、バルクケーブルにおけるインピーダンスにより良好に一致することができる。この方法では、別々の金属部材がインピーダンスアダプタとして供することができる。インピーダンスアダプタは、インピーダンスの一致のための信号-接地間隔を提供するように遮蔽体を成形するために必要とされる複雑な製造動作への必要性を回避することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、遮蔽体はケーブルに圧着され得る。フェルールが、ケーブル遮蔽体を伴う電気接触部においてケーブルにわたって搭載でき、コネクタ遮蔽体がフェルールの周りで圧着され得る。いくつかの実施形態では、フェルールとインピーダンスアダプタとの両方が、管へと形成される金属のシートを備え得る。インピーダンスアダプタおよびフェルールを形成するために使用される金属は、同じ材料の性質および厚さを有してもよく、それら両方を、金属の同じシートから切られた帯片から、経済的に形成することができる。
【0073】
他の技術が、伝導性筐体として構成されているダイカスト伝導性構造で形成されている基板コネクタなどのコネクタで使用されてもよい。このようなコネクタでは、端子組立体は、端子組立体の周りの遮蔽の一部分を形成し得る伝導性筐体における空洞へと挿入させることができる。別体の遮蔽部材が伝導性筐体へと挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、端子組立体の絶縁部材にスペーサが形成され得る。コネクタは、スペーサが、端子組立体において、挿入された遮蔽部材と1つまたは複数の導電体との間に分離を確立するように構成され得る。スペーサは、例えばリブであり得る。この方法では、コネクタの構成要素は、別々に製造でき、所望の信号-接地間隔を確立する結果として所望の電気的性質を提供する方法で容易に組み立てることができる。
【0074】
他の技術が、不十分なシグナルインテグリティをもたらし得るインピーダンスの変化を導入することなく、端子組立体の中での導電体の機械的安定性を提供してもよい。掛り部などの1つまたは複数の保持の特徴が、端子組立体の絶縁部材の中に保持される導電体の中間部に設けられてもよい。このような保持の特徴は、厳しい環境におけるコネクタの通常の使用の間の力および振動に抗することを含め、安定した接触の位置決めを生み出すのに十分な大きさであり得る。代替または追加で、導電体は、絶縁部材における通路へと挿入されてもよく、通路は、絶縁材料の他の部品においてよりも、掛り部を取り囲む区域においてより狭くてもよい。しかしながら、このような掛り部は、導電体に沿ってインピーダンスを明らかに変化させるのに十分な大きさであり得る。インピーダンス補償区域は掛り部に隣接して含まれてもよい。インピーダンス補償区域では、導電体は狭くされてもよい。
【0075】
これらの技術は、単独または組み合わせで使用されてもよい。これらの技術は、例えば、自動車において組立体同士の間に物理的接続を作るために使用され得る相互接続システムとの関連で、以下において例示されている。
【0076】
図1は、いくつかの実施形態による、例示の相互接続システムの斜視図である。相互接続システムは、2つの電子デバイスを互いに接続するために使用され得る。いくつかの実施形態では、相互接続システム100が、高いデータ速度の伝送用途(例えば、自動車車両のECUを含む用途)で使用される。この例では、相互接続システムは、印刷回路基板160に搭載された基板コネクタ100と、ケーブル213を終結するケーブルコネクタ200とを備える。図示の簡潔性のために、印刷回路基板160の一部分およびケーブル213の一部分だけが示されている。
【0077】
図2は、いくつかの実施形態によるケーブルコネクタ200に嵌め合わされていないときの
図1の例示の基板コネクタ100の分解斜視図である。基板コネクタ100は筐体150の開口158を含み、開口158は、導電体の通過を許容するように配置され得る。基板コネクタ100の嵌合接合部は開口158の中に配置され得る。
図1に示されているように、ケーブルコネクタ200などの第2のコネクタの嵌合接合部は、基板コネクタ100と嵌まり合うために、開口158へと挿入されてもよい。
【0078】
基板コネクタ100は伝導性筐体140も含む。伝導性筐体140は、例えばダイカスト構成要素であり得る。この例では、伝導性筐体140は、絶縁筐体150が伝導性筐体140に取り付けられるときに開口158へと延びる嵌合部分146を有する。
図2の実施形態では、伝導性筐体140は単一の構成要素として示されている。他の実施形態では、伝導性筐体140は複数の構成要素から形成でき、複数の構成要素は、一体に結合されてもよい、または、絶縁筐体または基板コネクタ100の他の構造によって一体に保持されてもよい。
【0079】
伝導性筐体140は、1つまたは複数の端子組立体が挿入される1つまたは複数の室を含むことができ、各々の端子組立体は、コネクタのための端子として供する1つまたは複数の導電体を含むことができる。この例では、伝導性筐体140は、1つの端子組立体を受け入れる1つの室を有する。端子組立体は、絶縁体120と、絶縁体120によって保持される1つまたは複数の導電体とによって形成されてもよい。
【0080】
図示されているように、基板コネクタ100は、信号導体として供することができる導電体を含む。この例では、図示されている端子組立体が差分信号を通過させるように構成されるように、導電体の対が示されている。コネクタを通る1つまたは複数の信号を伝送することに加えて、導電体は、一端における嵌合接触部分と、反対の端における後部と、それらの間の中間部分とを有し得る。したがって、導電体はコネクタのための接触部として供することができる。
【0081】
図2の例では、導電体の嵌合接触部分は、基板コネクタ100がヘッダとして構成されるように、ピンとして成形される。他の実施形態では、ヘッダコネクタにおける導電体の嵌合接触部分は、ブレードとして成形されてもよい、または、他の形を有してもよい。代替または追加で、いくつかの実施形態では、基板コネクタは、レセプタクルとして成形される嵌合接触部分を伴う導電体を有してもよい。
【0082】
図2は、信号導体110Aおよび110Bを含む複数の導電体を示している。信号導体の嵌合接触部分が開口158へと延びる。信号導体110Aおよび110Bの後部が、ここでは印刷回路基板160として示されている基材への搭載のために、基板コネクタ100の搭載接合部から延びる。信号導体110Aおよび110Bは、基板160における導電性メッキ孔162および163をそれぞれ介して、印刷回路基板160の中の配線または他の伝導性構造に電気的に接続され得る。
【0083】
開口158は、相手側コネクタを受け入れるための形および大きさとされ得る。相手側コネクタは、相互接続システムが嵌まり合った構成にあるとき、信号導体110Aおよび110Bの嵌合接触部分に電気的に接続するように構成される導電体を同様に含み得る。
【0084】
複数の導電体は、端子組立体を形成するために、絶縁体120の中で保持され得る。絶縁体は、導電体を受け入れるための形および大きさとされ得る。例えば、信号導体110Aおよび110Bは、絶縁体120の開口を通過することができる、および/または、絶縁体120の表面に沿って通路へと挿入させることができる。絶縁体120は、伝導性筐体140の中の空洞へと挿入させることができる。この方法では、伝導性筐体は、端子組立体と端子組立体における導電体とを少なくとも部分的に取り囲むことになる。この例では、伝導性筐体は、伝導性筐体の後部および底部が開放しているため、3つの側面および上部において端子組立体を実質的に取り囲む。
【0085】
伝導性筐体140は、基材への取り付けを容易にするための特徴を含み得る。この例では、1つまたは複数の取付柱141が、伝導性筐体140を基板160に電気的および機械的に連結するように構成される。例えば、1つまたは複数の取付柱141は、基板160における接地ビアであり得る1つまたは複数の孔161へと延びてもよい。伝導性筐体140を接地することで、伝導性筐体は、端子組立体のための遮蔽体として、および、端子組立体における導体の対として、供することができる。
【0086】
基板コネクタ100は、1つまたは複数のさらなる遮蔽部材を備えてもよい。ここで、さらなる遮蔽体は遮蔽体130として示されている。遮蔽体130は、端子組立体をさらに取り囲むために、伝導性筐体140の空洞へと挿入されもする。ここで、遮蔽体130は、空洞の後部を閉じる大きさとされ、端子組立体が挿入された後に設置され得る。遮蔽体130は、同じく接地され得るように、伝導性筐体140に電気的および機械的に連結される。遮蔽体130は、絶縁体120におけるスペーサと併せて、端子組立体を空洞の中で位置決めするようにも供することができ、そのようにするとき、端子組立体の中の導電体のための信号-接地間隔を確立することができる。このような構成は、所望の安定したインピーダンスを提供することができる。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、伝導性筐体140は内向き表面を備えてもよい。いくつかの実施形態では、内向き表面のうちの少なくとも2つはそれぞれ溝131(
図3C)を備え得る。遮蔽体130は、搭載接合部に対して垂直に保持されるように、内向き表面の溝の中に配置される縁を備え得る。遮蔽体130は、溝131において摩擦嵌めを形成する大きさとでき、遮蔽体130と絶縁筐体150との間の機械的および電気的な接続を容易にする。
【0088】
図3Aは、
図2における線3A-3Aに沿って切り取られた
図1および
図2の例示の基板コネクタ100の断面図である。図示されている実施形態では、端子組立体の一部分を形成する絶縁体120が、本明細書ではリブ121として形成されているスペーサを備え得る。リブ121または他のスペーサは、端子組立体を遮蔽体130に対して位置決めする。スペーサは、端子組立体の中において遮蔽体130と信号導体110Aおよび110Bとの間に距離を確立するような大きさおよび配置とされ得る。この例では、リブ121は、遮蔽体130と、基板160に対して垂直な信号導体110Aおよび110Bの一部分との間に分離を確立し、その分離は、信号導体110Aおよび110Bの接触後部と平行である。遮蔽体130が信号導体のこれらの一部分のための隣接する接地であるため、この分離は、コネクタのそれらの一部分のインピーダンスを確立する上で重要な因子である。リブ121の適切な大きさおよび形は、所望のインピーダンスを提供するように選択され得る。遮蔽体130は、リブ特徴部121の1つの側面に接触することができる。
【0089】
本明細書に記載されているように、絶縁体120と遮蔽体130とは伝導性筐体140において係合させられ得る。伝導性筐体140および/または絶縁体120は、端子組立体を伝導性筐体140の中に安定して位置決めするのに役立つ1つまたは複数の他の特徴を含むことができ、これは、コネクタを通過する信号の安定性に寄与し、コネクタによって導入されるノイズを低減する。この例では、伝導性筐体140は、絶縁体120の移動を防止し、絶縁体120の力を吸収するための保持特徴部141を含む。保持特徴部141は、絶縁体120の壁に接触するように構成されたリブであり得る。
図3Aの例では、保持特徴部は、絶縁体120の平坦な表面の方を向く平坦な縁を有する。これらの表面は、伝導性筐体140の中の絶縁体120の位置を確立するように係合する。保持特徴部141の反対の縁は、同じく
図3Aに示されているように、絶縁筐体150における空洞への端子組立体の挿入を容易にするように取り除かれ得る。
【0090】
伝導性筐体140は、絶縁筐体150に係合するための特徴をさらに含んでもよい。この例では、伝導性筐体140は凹部152を含む。筐体150は、伝導性筐体140の凹部152へと延びるように構成されている保持特徴部151を含み得る。この例では、凹部152および対応する保持特徴部151は、伝導性筐体140の周辺の周りに実質的に延びている。
【0091】
図3Bは、いくつかの実施形態による、
図3Aの基板コネクタ100の後面図である。遮蔽体130と伝導性筐体140とのいずれかまたは両方が、遮蔽体130を伝導性筐体140において保持するのに役立つ保持特徴部も含み得る。遮蔽体130は、遮蔽体130と伝導性筐体140との間の摩擦を増加させる隆起、エンボス、バネフィンガ、または他の突出する構造を含み得る。このような特徴は、追加で、または、いくつかの実施形態では代替で、端子組立体のスペーサに押し付くように遮蔽体130を前方へ付勢することができる。これらの実施形態では、保持特徴部は、遮蔽体130の後面の上方に突出することができる。
【0092】
代替または追加で、伝導性筐体140は、遮蔽体130を保持するために、保持特徴部142および143など、保持特徴部を有してもよい。この例では、保持特徴部は、遮蔽体130のための締まり嵌めを作り出す変形可能構造である。保持特徴部142および143は、例えば、溝131の中の絶縁材料であり得、伝導性筐体140の中での遮蔽体130のぴったりとした嵌まりを確保することができる。この例では、保持特徴部は、熱可塑性または硬化性の材料を溝131へと注入することで形成することができる。他の実施形態では、保持特徴部142および143は、遮蔽体130にわたって成形された絶縁材料、または、遮蔽体130に他に付着させられた絶縁材料によって、代替または追加で形成されてもよい。
【0093】
図3Cは、いくつかの実施形態による、
図3Bの線3C-3Cに沿っての基板コネクタ100の断面図である。この図では、遮蔽体130の縁を受け入れるように構成された溝131が視認可能であるが、遮蔽体130は簡潔性のために示されていない。
【0094】
図3Cは、伝導性筐体140の室145の中に挿入されている端子組立体が視認可能であることも示している。絶縁筐体150を伝導性筐体140に保持するためのさらなる保持特徴部341も視認可能である。保持特徴部341は、筐体150の対応する凹部342へと挿入される突出区域を備え得る。
【0095】
信号導体110Aおよび110Bの各々は、端子組立体の絶縁体120における接触の移動を防止するように構成された1つまたは複数の保持特徴部を含み得る。例えば、信号導体110Aは、絶縁体の中の接触の保持を提供するように構成された掛り部112を含む。この例では、絶縁体120は、信号導体110Aおよび110Bの各々を受け入れる通路を含む。掛り部112は、接触部をしっかりと保持するために、通路の側面における絶縁体に埋まる。この例では、通路は、掛り部112に近接してより狭くなり、掛り部から離れるにつれてより広くなっている。信号導体110Aを受け入れる通路は、信号導体110Bを受け入れる通路と平行に設けられ得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、通路の掛り部および/または幅は、信号導体110Aおよび110Bに沿ってインピーダンスに明らかに影響を与えることができる。信号導体および/または絶縁体には、保持特徴部に近接するインピーダンス補償区域が設けられ得る。この例では、インピーダンス補償区域は、信号導体110Aおよび110Bの各々における狭い部分111によって形成される。
【0097】
図示されている実施形態では、信号導体110Aまたは110Bは同じ形を有する。したがって、信号導体110Aまたは110Bは同じ保持特徴部および同じインピーダンス補償区域を有し得る。同様に、信号導体110Aおよび110Bの各々を受け入れる通路は、掛り部112に近接してより狭くなり、掛り部から離れるにつれて広くなるように、同じ形を有し得る。例えば、
図3Cでは、信号導体110Bのための通路は、第1の幅を有する第1の部分343と、第2の幅を有する第2の部分344とを有する。第2の幅は第1の幅よりも狭くされている。より狭い部分は、例えば、適切な保持を提供することができ、一方、より広い部分は、インピーダンスおよび/または損失などの所望の電気的性質を提供することができる。
【0098】
図3Dは、いくつかの実施形態による、
図3Aの基板コネクタの電気接触部の斜視図である。電気の信号導体110Aは、嵌合接触部分115と、後部113と、嵌合接触部分115と後部113とを結合する中間区分114とを備え得る。中間区分は、通路の中において、その長さの50%超にわたる第1の幅117Bを有し、通路の中に配置されている。
【0099】
中間区分は掛り部112も含み得る。掛り部は、中間区分の幅117Bよりも大きい幅117Aを有し得る。掛り部112は絶縁部材120と係合してもよい。中間区分は、第1の幅117Bよりも狭い第3の幅117Cを有し、掛り部112に近接する導体部分118をさらに備え得る。
図3Dの例によれば、嵌合接触部分115と後部113とは、直角に交わる方向に、または、実質的に直角に交わる方向に延び得る。いくつかの実施形態では、導電体110Bの中間区分の一部分が、対応する通路の第1の部分343に配置される。いくつかの例では、導体部分は、対応する通路の第2の部分344の中に配置される。同様に、導電体110Aの中間区分の一部分が、導体110Aを受け入れる通路の第1の部分343に対応する一部分に配置される。
【0100】
図3Dの例では、掛り部112は、嵌合接触部分の近くの中間区分の端にある。信号導体の長さに沿って2つ以上の保持特徴部があってもよい。各々の保持特徴部と、保持特徴部に近接するインピーダンス補償区域とは、同様に成形されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、接触の長さに沿っての保持特徴部は、異なる大きさまたは異なる形を有してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態によれば、コネクタ100は直角コネクタである。いくつかの例では、開口158の中に配置される基板コネクタ100の嵌合接合部は、印刷回路基板160への搭載のために、搭載接合部に対して直角であり得る。いくつかの実施形態によれば、遮蔽部材は搭載接合部に対して垂直に位置合わせされ得る。信号導体110Aおよび110Bの嵌合接触部分および後部分は、それぞれの通路から直交する方向にそれぞれ延び得る。
【0102】
図3Dは、直角の基板搭載コネクタでの使用のために成形された信号導体110Aを示している。掛り部112に加えて、信号導体における曲げの近くの第2の掛り部112'と、後部の近くのさらなる保持特徴部112"とがある。
【0103】
図2~
図3Dに示されている基板コネクタは、差分信号を通過させるために構成されている。基板コネクタは、1つの差分信号を通過させるように構成されている1つのポートを有する。他の実施形態では、同様のコネクタ構築技術が、複数の差分信号を通過させるために適したコネクタを構築するために使用され得る。
図4Aは、いくつかの実施形態による、例示のマルチポート基板コネクタ400の斜視図である。例えば、
図4Aは、2つのポートが2列で配置されている4つのポートを含む2行2列のコネクタ400を示している。
【0104】
コネクタ400は絶縁筐体と伝導性筐体とを同様に含む。伝導性筐体は、相手側要素を受け入れるようにそれぞれが構成されるポート470A~470Dを伴って示されている。ポーとの各々は、同じ相手側要素がいずれかのコネクタと嵌まり合うことができるように、基板コネクタ100の嵌合部分146と同じ構成を有してもよい。基板コネクタ100と同様に、伝導性筐体440は基板460に搭載されるように構成されている。より大きなコネクタのために絶縁筐体150と同じ機能性を提供する絶縁筐体450が、伝導性筐体440に取り付けられている。
【0105】
図4Bは、いくつかの実施形態による、
図4Aの線4B-4Bに沿っての断面図の一部分を示している。
図4Bの表示では、ポートのうちの2つの各々における接触部が視認可能である。コネクタ100と同様に、コネクタ400は各々のポートにおいて接触部の対を有する。この例では、各々のポートにおける接触部は、ポーとの各々について1つで、4つの端子組立体があるように、別々の絶縁体で保持される。図示されている実施形態では、端子組立体の各々に対応する遮蔽体が、端子組立体の取り外れるのを妨げる伝導性筐体440へと挿入されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、複数のポートの構造を形成する構成要素が組み合わされてもよい。例えば、絶縁体が2つ以上のポートのための信号導体を保持してもよい、または、遮蔽体が2つ以上のポートのための絶縁体の後に挿入されてもよい。
【0106】
コネクタ400の端子組立体のための絶縁体は、コネクタ100について先に記載されている絶縁体120と同じ機能を有し得る。例えば、導電体410Aが、スペーサとして供するリブ421Aを備える絶縁体420Aに配置される。導電体410Bが、リブ421Bを備える絶縁体420Bに配置される。リブ421Aおよび421Bは、それぞれの端子組立体をそれぞれの遮蔽体430Aおよび430Bに対してそれぞれ位置決めする。リブ421Aおよび421Bは、コネクタ100について先に記載されているリブ121と同じ機能を実施することができる。遮蔽体430A~430Bおよび絶縁体420A~420Bの各々が伝導性筐体440において係合させられ、伝導性筐体440は絶縁筐体450にさらに配置される。
【0107】
例示の実施形態は、1つのポートを有する1行1列の基板コネクタと、4つのポートを有する2行2列の基板コネクタとを示しているが、マルチポート基板コネクタは、任意の構成を有する任意の数のポートを含むことができる。例えば、代替の実施形態では、マルチポート基板コネクタは、2つのポートの3つの列で配置された6つのポートを有する2行3列といった、6つのポートを含んでもよい。ポートの数に拘わらず、ポートの各々が、基板コネクタ100の嵌合部分146と同じ構成を有してもよい。
【0108】
例えば、伝導性筐体は、列で配置された2つ以上の室を含んでもよい。例えば、
図4Aの例では、第1の室に対応するポート470Cと、第2の室に対応するポート470Dとが、第1の方向における列で配置されている。遮蔽部材130など、遮蔽部材が室の各々の中に配置されてもよい。遮蔽部材は伝導性筐体に電気的および/または機械的に係合させられ得る。いくつかの例では、遮蔽部材はそれぞれ、室の列が配置されている第1の方向と平行な方向に延びる平面部分を備える。このような実施形態では、遮蔽体は、存在する室よりも少ない遮蔽体が存在するように、複数の室と位置合わせするのに十分な距離で列方向に延びることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、端子組立体が、本明細書に記載されているものなど、各々のそれぞれの室に配置されてもよい。いくつかの例では、端子組立体の各々は、それぞれの遮蔽部材の平面部分に隣接するスペーサを備える。
【0110】
本明細書に記載されているように、伝導性筐体は、列で配置された2つ以上の室を含んでもよい。伝導性筐体は2つ以上の列を含んでもよい。例えば、
図4Aでは、コネクタは、ポート470Cおよび470Dに対応する室を備える第1の列を含み、ポート470Aおよび470Bに対応する室を備える第2の列も含み得る。本明細書に記載されているように、各々の端子組立体は導電体の1つの対を備えてもよく、対の各々の導電体は、端子組立体のスペーサによって、隣接する遮蔽部材から同じ距離に位置決めされてもよい。
【0111】
先に記載されているような嵌合接合部を有するコネクタが、相補的な嵌合接合部を有する第2のコネクタと嵌まり合うことができる。相補的な嵌合接合部は、1つまたは複数のポートを同様に含み得る。第2のコネクタの各々のポートの嵌合接合部は、例えば、端子組立体が配置される空洞を少なくとも部分的に包囲する遮蔽体を含み得る。端子組立体は、先に記載されているように、第1のコネクタの信号導体の嵌合接触部分と嵌まり合うように位置合わせされる嵌合接触部分を伴う信号導体を含み得る。第2のコネクタを第1のコネクタに嵌め合わせるとき、第2のコネクタの遮蔽体は、伝導性筐体の室の中に嵌まり、伝導性筐体と遮蔽体との間に電気的および機械的な接触を作ることができる。同様に、電気的および機械的な接続が、第1のコネクタの各々のポートの信号導体と、第2のコネクタの対応するポートとの間に形成され得る。
【0112】
第2のコネクタは、例えばケーブルコネクタであり得る。
図5は、いくつかの実施形態による、ケーブルコネクタ200の斜視図である。ケーブルコネクタ200は、単一のポートのコネクタであり、
図1に示されているように、単一のポートの基板コネクタ100と嵌まり合うように構成されている。
【0113】
ケーブルコネクタ200は、外側絶縁筐体と、遮蔽体として作用する内側伝導性筐体と、遮蔽体の中の空洞の内側の端子組立体とを含め、基板コネクタ100について先に記載されている構成要素と同様の構成要素を有することができる。しかしながら、外側絶縁筐体は、ケーブルコネクタ200が基板コネクタ100と嵌まり合うことができるように、基板コネクタ100における嵌合接合部および外れ止め特徴部と相補的である嵌合接合部および外れ止め特徴部を有し得る。同様に、内側伝導性筐体は、嵌合部分146と嵌まり合うように構成された嵌合部分を有し得る。さらに、端子組立体だけでなく他の構成要素も、印刷回路基板における搭載ではなく、ケーブル213を終結するように構成されてもよい。例えば、接触部がケーブルの1つまたは複数の導体に電気的に連結されてもよい。
【0114】
図6は、いくつかの実施形態による、例示のケーブルコネクタ200の分解斜視図である。
図5および
図6に示されているように、例示のケーブルコネクタ200はケーブル213を終結するように構成される。ケーブルコネクタ200は、嵌合端520と、嵌合端と反対のケーブル終結端522とを備える。空洞279(
図9B)は嵌合端520において開放している。コネクタは、ケーブル終結端522においてケーブル213を終結する。
【0115】
ケーブルの端は、コネクタ200への終結を容易にするように取り扱われ得る。ケーブルのバルクは、ここでは絶縁導体210Aおよび210Bとして示されている1つまたは複数の絶縁導体を備え得る。提供されている例では、ケーブルは、ケーブル遮蔽体によって包囲され、次に絶縁被覆によって覆われる絶縁導体の対を含む。ケーブル遮蔽体は、例えば、編まれた遮蔽体であってもよい。終結のために、被覆は除去され、ケーブル遮蔽体を露出させることができる。絶縁導体は遠位端において分離させることができ、絶縁体は導体の端において除去させることができる。絶縁導体がバルクケーブルにおいて一体に撚られているケーブルについて、絶縁導体を分離することは、導体を解くことを伴う可能性がある。
【0116】
ケーブルのこの取り扱いは、絶縁導体の導体をコネクタの端子に取り付けさせることができる。端子240はケーブルの導体に圧着させることができる。端子は、ここでは接触キャリア筐体250として示されている絶縁体を伴う端子組立体の一部分であり得る。筐体250は、例えば、圧着端が露出されている端子240の周りに、例えば、形成され得る、または、端子240は、ケーブル213の導体に圧着した後、筐体250における孔へと挿入され得る。
【0117】
ケーブルコネクタ200の伝導性内側筐体は、ここでは、電気的および機械的に連結され得る後遮蔽体260および前遮蔽体270から形成されて示されている。前遮蔽体270は、相補的なコネクタに嵌まり合うための嵌合接合部を含んでもよく、後遮蔽体260は、ケーブルに圧着させることができ、ケーブル遮蔽体に電気的に連結されてもよい。ケーブルコネクタ200はフェルール220をさらに含む。ケーブル被覆の一部分を除去することで露出されたケーブル遮蔽体の一部分(
図6に示されていない)が、フェルール220にわたって折り重ねることができ、次に、後遮蔽体260がフェルール220の周りで圧着され、ケーブル遮蔽体とコネクタ遮蔽体との間に接続を形成することができる。
【0118】
ケーブルコネクタ200は、ケーブル213の周りに配置され得るインピーダンスアダプタ230をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、インピーダンスアダプタは、金属とでき、コネクタ遮蔽体を伴う電気接触部であり得る。インピーダンスアダプタ230は、コネクタ遮蔽体よりもケーブル213の絶縁導体に近く、ケーブル遮蔽体が除去または折り返された絶縁されたケーブル導体の一部分を実質的に覆うことができる。インピーダンスアダプタは、ケーブルのバルクの中の導体のインピーダンスと一致するインピーダンスを提供するために、ケーブル導体から離間され得る。
【0119】
これらの構成要素、すなわち、ケーブル213の導体に取り付けられた端子240、接触キャリア筐体250、フェルール220、インピーダンスアダプタ230、後遮蔽体260、および前遮蔽体270は、部分組立体として一体に組み立てることができる。部分組立体はケーブルコネクタ筐体290へと挿入させることができる。その部分組立体における特徴部は、筐体290における特徴部と係合することができる。部分組立体は、接触キャリア位置確保部(CCPA: Contact Carrier Position Assurance)280を使用する筐体290の中に係止させることができる。部分組立体が筐体290の中の所望の位置へと挿入されるとき、CCPA280は筐体290へと押し込むことができ、部分組立体の引き戻しを阻止することができる。部分組立体が筐体290へと部分的に挿入されるだけの場合、部分組立体はCCPA280の挿入を阻止することができる。
【0120】
図7は、いくつかの実施形態による、
図6の例示のケーブルコネクタの断面図である。インピーダンスアダプタ230は、ケーブル終結の分離された領域および/または解かれた領域231にある。ケーブルが取り扱われた領域231は、ケーブルの導体への接触部の圧着過程を実施するための区間を提供する。しかしながら、ケーブルの取り扱いは導体のインピーダンスを変えてしまう。インピーダンスアダプタ230は、インピーダンスのこの変化を防止するために、ケーブルに近接して提供される。インピーダンスアダプタは金属をケーブルの導体のより近くに持って行く。図示されている実施形態では、インピーダンスアダプタは、インピーダンスアダプタを接地に接続する後遮蔽体と接触することにもなり、ケーブルの導体のための信号-接地間隔を確立し、これはさらに、バルクケーブルのインピーダンスに一致するための所望のインピーダンスを確立する。本明細書で使用されているように、インピーダンスは一致させるために同一である必要がない。むしろ、インピーダンスは、性能を破壊するインピーダンス不連続を提供しないような十分な近さにあればよい。例えば、一致したインピーダンスは、いくつかの実施形態では、±5%内または±3オーム内であり得る。
【0121】
ケーブル213を終結するために、ケーブルの端は、終結のための準備がされ得、フェルール220およびインピーダンスアダプタ230を通じて挿入され得る。ケーブル遮蔽体は、フェルール220にわたって折り重ねることができ、ケーブル213の導体が端子240に圧着させることができる。次に、端子240は接触キャリア筐体250へと挿入させることができる。次に、後遮蔽体260はフェルール220の周りで圧着させることができる。次に、前遮蔽体270は、後遮蔽体260に係合させることができ、所定位置で外れ止めがされ得る。これらの構成要素は、筐体290へと挿入される終結したケーブル部分組立体を形成することができる。筐体290は、終結したケーブル部分組立体を受け入れるための開口292を含み得る。
【0122】
終結したケーブル部分組立体は、筐体における梁を、コネクタ遮蔽体のうちの1つから延びるタブに外れ止めすることなどで、筐体290に外れ止めさせることができる。筐体290は、例えば、片持ちの端291を備える梁294と、開口292へと延びる片持ちの端291における外れ止め部293とを備えてもよい。外れ止め部293はカム表面295を有することができ、終結したケーブル部分組立体のタブは、先細りとされる前方の縁を有することができる。終結したケーブル部分組立体が筐体290へと挿入されるとき、タブの先細りとされた表面は外れ止め部293のカム表面と係合することができ、タブの後縁がカム表面を越えるまで、外れ止め部293を上方へ押す。その位置において、歪められた梁294におけるバネ力が梁を下向きに押し、タブを所定位置で外れ止めすることになる。
【0123】
代替または追加で、位置確保デバイスが、筐体290において終結したケーブル部分組立体に係合するために使用され得る。例えば、接触キャリア位置確保部(CCPA)は、ひとたび係合されると、タブから外れ止め解除する方向への梁の動きと干渉することで、さらなる機械的完全性を提供することができる。図示されている実施形態では、CCPA280は、遠位端においてフック式外れ止め部をそれぞれ伴う2つの外れ止め腕部284(
図6)を有する。筐体290は、各々の側面において(
図5)、外れ止め腕部284のフック式外れ止め端をそれぞれが受け入れることができる2つの窓部524および524'を有する。
図5に示されている動作状態において、CCPA280は筐体290へと完全に挿入させられ、外れ止め腕部284のフック端は窓部524'において外れ止めされる。この状態で、終結したケーブル部分組立体は筐体290に係止させることができる。CCPA280が筐体290に部分的に挿入されるだけの場合、外れ止め腕部284のフック端は窓部524において外れ止めされ得る。この状態で、終結したケーブル部分組立体は筐体290へと挿入され得る。
【0124】
図8Aは、接触キャリア位置確保部(CCPA)が部分的に挿入されている状態での
図6のケーブルコネクタの斜視断面図である。CCPAは、コネクタ筐体290における開口281へと挿入させることができる部材282を備え得る。部分的に挿入された状態で、部材282は開口281を塞がず、終結したケーブル部分組立体が筐体290へと適切に挿入されるためのクリアランスを提供する。CCPAは、梁294の歪みを阻止させることができる梁支援部材285も備え得る。しかしながら、
図8Aの部分的に挿入された状態において、梁支援部材285は、タブ271が外れ止め部293を越えて押されることができるように梁294が十分に撓むことができ、それによって、終結したケーブル部分組立体が筐体290へと挿入されるときに外れ止め部293がタブ271と係合することができるように、梁294から分離される。
【0125】
終結したケーブル部分組立体が筐体290へと適切に挿入されるとき、後遮蔽体のタブが開口281の前方にあることになる。CCPAは、後遮蔽体のタブの後方への動きを阻止することで、接触キャリア筐体250を筐体290において固定することができる。
図8Bは、いくつかの実施形態による、接触キャリア位置確保部(CCPA)が完全に挿入されている状態での
図6のケーブルコネクタの斜視断面図である。タブ271の外れ止め部293の機能は、前遮蔽体270と、前遮蔽体270によって形成された空洞の中に配置されたコネクタの構成要素とが、コネクタ筐体290に対して移動するのを防止するように構成されている停止機能を提供することができる。さらに、この状態において、梁支援部材285は、梁294が外れ止め部293にタブ271を係合解除させることができるのに十分に撓むことがないように、梁294の移動を防止する。
【0126】
図9Aは、いくつかの実施形態による、ケーブルコネクタの例示の前遮蔽体に電気的および機械的に接続された
図6のケーブルコネクタの例示の後遮蔽体の斜視図である。本明細書において記載されているように、前遮蔽体270および後遮蔽体260などの遮蔽部品が、シートによって境界付けられる周辺で空洞を少なくとも部分的に取り囲む管へと金属のシートを形成することで、それぞれ構築することができる。第1の縁は金属シートの第2の縁に結合することができる。図示されている実施形態では、第1の縁は、結果的にできた管が空洞を実質的に取り囲むように、第2の縁に当接する。
【0127】
1つまたは複数の導電性の端子が空洞の中に配置されてもよい。
図9Aの例では、端子240など、信号端子の対が空洞の中に配置されてもよく、それら信号端子は、信号導体110Aおよび110Bのピンと嵌まり合うためのレセプタクルとして成形され得る。
【0128】
いくつかの例では、金属シートの第1および第2の縁は、1つまたは複数の相互係止する突起および開口など、1つまたは複数の相互係止特徴部を有し得る。例えば、前遮蔽体270は突起266aと対応する開口266bとを有する。前遮蔽体270を形成するとき、第1の縁と第2の縁とは、突起266aが開口266bに嵌められることで、ひとたび相互係止されると、結果的にできた管にさらなる機械的完全性が提供され得るように、結合され得る。
【0129】
シートは、周辺に対して直交する方向において空洞から離れるように延びるタブを提供するようにプレス加工および形成されてもよい。この方法で遮蔽部品を形成することは、製造過程を単純化することができる。いくつかの実施形態によれば、タブは第1の縁においてシートから延び得る。いくつかの実施形態では、タブは、シートから延びる第1のタブ部分、および/または、シートから延びる第2のタブ部分から形成することができる。タブをシートの縁において形成することでシートに孔を形成することを回避し、これは、結果的にできた遮蔽体の遮蔽効率を高めることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、タブは第1および第2のタブ部分から構築することができる。第1のタブ部分はシートの第1の縁から延びることができ、第2のタブ部分はシートの第2の縁から延びることができる。いくつかの例では、タブ部分は、第1のタブ部分が第2のタブ部分と平行に隣接するように曲げられてもよい。この状態において、2つのタブ部分は、タブおよび/または遮蔽体により大きな完全性を提供するために、圧着または他の方法で一体に結合させられ得る。いくつかの実施形態では、タブは第1および/または第2の縁において形成でき、タブは外れ止めの特徴を形成するように構成でき、その外れ止めの特徴は、コネクタ筐体の相補的な外れ止めの特徴(梁など)と係合することができる、および/または、CCPAの一部分によって係合させることができる。
図9Aの例では、タブ261が、後遮蔽体260を形成するシートの両方の縁から延び、外れ止めの特徴を備える。タブ271が、他の外れ止めの特徴を形成するために、前遮蔽体270を形成するシートの両方の縁から延びる。複数の外れ止め特徴部は、複数の方法によって、終結したケーブル部分組立体を固定させることができる。タブ271は、例えば、CCPAと係合するために、筐体290の内側の梁およびタブ261によって外れ止めさせることができる。いくつかの実施形態によれば、前遮蔽体270は、伸長の軸300を有し、後遮蔽体260と同心であり、後遮蔽体260に電気的に接続される。後遮蔽体のタブ261は、伸長の軸300の方向において、前遮蔽体270のタブ271と位置合わせされ得る。
【0131】
タブ271は、嵌合端520を向く第1の縁277aと、第1の縁と反対の第2の縁277bとを有する。第1の縁277aはコネクタの嵌合端の方へと先細りにさせることができ、第2の縁277bは周辺278に対して直交することができる。先細りとされた縁277aは、先に記載されているように、筐体290への終結したケーブル部分組立体の挿入の間に梁を歪めるカム表面を形成することができる。遮蔽体を開口へ挿入することで、遮蔽体270が筐体290に配置されるとき、筐体の梁294は、遮蔽体270が開口へと完全に挿入されるとき、片持ちの端291における外れ止め部293がタブ271の第2の縁277bと位置合わせされるように構成される。いくつかの実施形態では、前遮蔽体270が筐体290の空洞279へと部分的に挿入されるとき、梁294は、タブ271の第1の縁277aが外れ止め部293のカム表面295と位置合わせされるように構成される。
【0132】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタブは延びて、コネクタの筐体に対する接触のための停止部を形成することができる。代替または追加で、遮蔽体の1つまたは複数のタブと、コネクタの筐体290における対応する凹部とは、遮蔽体と筐体とを接続するための案内部として使用することができる。例えば、外れ止め特徴部は、遮蔽体の一方の側面において、筐体の一方の側面における対応する凹部が設けられ得る。これは、外れ止め特徴部をそれぞれの凹部へと滑り込ませることで、遮蔽体を適切な配向(例えば、正しい極性)で筐体へと案内することができる。
【0133】
いくつかの実施形態によれば、終結したケーブル部分組立体では、接触キャリア筐体250は前遮蔽体270の空洞279へと延びる。前遮蔽体270は端子240の嵌合端を取り囲む。前遮蔽体270は、基板コネクタ100など、相補的なコネクタの接地構造と嵌まり合うように構成される接触梁310を備える。いくつかの実施形態では、前遮蔽体270の接触梁310は、前遮蔽体270、エンボス962、および後遮蔽体260を通じてケーブル遮蔽体に電気的に連結される。図示されている実施形態では、梁310は、前遮蔽体270の遠位部分にあり、相手側コネクタのポートを形成する室への挿入においてそのコネクタの伝導性筐体と嵌まり合うために径方向外方へ延びる接触面を有する。
【0134】
図9Bは、いくつかの実施形態による、
図9Aにおける平面272に沿って切り取られた
図9Aのケーブルコネクタの断面図である。本明細書において記載されているように、前遮蔽体270のシート274が第1の縁273aと第2の縁273bとを有する。前遮蔽体270のシート274の第1の縁273aは、シートによって境界付けられた周辺278で空洞279を少なくとも部分的に取り囲むために、シート274の第2の縁273bに結合されている。
図9Bの断面では、外れ止め特徴部を備える前遮蔽体270のタブ271が視認可能である。
【0135】
タブ271は、周辺278に対して直交する方向において空洞279から離れるように延びる。タブ271は、第1の縁273aにおいてシート274から延びる第1のタブ部分275a、および/または、第2の縁273bにおいてシート274から延びる第2のタブ部分275bを含み得る。第1のタブ部分は第2のタブ部分と平行に隣接してもよい。
【0136】
図9Bの例では、後遮蔽体260の一部分が空洞279へと挿入される。前遮蔽体270は、後遮蔽体260と同心であり、後遮蔽体260と電気的に接続される。
【0137】
図9Cは、いくつかの実施形態による、
図9Aにおける平面262に沿って切り取られた
図9Aのケーブルコネクタの断面図である。本明細書において記載されているように、後遮蔽体260のシート264が第1の縁263aと第2の縁263bとを有する。後遮蔽体260のシート264の第1の縁263aは、シートによって境界付けられた周辺268で空洞279の一部分269を少なくとも部分的に取り囲むために、シート264の第2の縁263bに結合されている。
図9Cの断面では、後遮蔽体260のタブ261は外れ止め特徴部を備える。後遮蔽体は伸長の軸301を有する。
【0138】
タブ261は、周辺に対して直交する方向において空洞279から離れるように延びる。タブ261は、第1の縁263aにおいてシート264から延びる第1のタブ部分265a、および/または、第2の縁263bにおいてシート264から延びる第2のタブ部分265bを含み得る。第1のタブ部分は第2のタブ部分と平行に隣接してもよい。タブ261は、接触キャリア位置確保部280など、位置確保デバイスの部材282によって係合させることができる。
【0139】
図9Dは、いくつかの実施形態による
図9Aのケーブルコネクタの例示の導電体の斜視図である。本明細書に記載されているように、導電体は、ケーブル213のバルクの中で、および、コネクタ200の中のその長さの一部分にわたって、絶縁させられ得る。導体210Aおよび210Bは、ケーブルの長さを通じて同じ距離で分離させることができる。その距離は、例えば、絶縁導体を覆い、絶縁導体を一体に保持するために絶縁導体を撚る均一な厚さの絶縁体によって確立させることができる。同じ実施形態によれば、絶縁体217Aおよび217Bで絶縁された導体210Aおよび210Bは、第1の領域において互いから第1の距離と、第2の領域において第2の距離とで設けることができる。例えば、
図9Dの一部分288Aは、後遮蔽体260の空洞269などの遮蔽体の空洞の中に配置されるケーブルの一部分を描写し得る。いくつかの例では、一部分288Bは、ケーブル遮蔽体が除去されたケーブルの一部分を含み得る。一部分288Bは、ケーブル遮蔽体が折り戻されるフェルール220の一部分の前方のケーブルの一部分を描写し得る。
【0140】
一部分288Aでは、第1の絶縁導体210Aと第2の絶縁導体210Bとは第1の中心間の間隔289Aで分離でき、一部分288Bでは、第1の絶縁導体210Aと第2の絶縁導体210Bとは第2の中心間の間隔289Bで分離できる。いくつかの例によれば、間隔289Bは間隔289Aよりも大きくなり得る。
【0141】
図9Dの例では、ケーブルの一部分288Bは、インピーダンスアダプタ(例えば、インピーダンスアダプタ230)など、金属部材の開口を通過することができる。いくつかの例では、金属部材は、ケーブルの一部分288Aのインピーダンスをケーブルの一部分288Bに一致させるように構成され得る。
【0142】
図9Eは、いくつかの実施形態による、
図9Aのケーブルコネクタ200の例示のフェルール220の斜視図である。ケーブルコネクタは、フェルール220など、1つまたは複数の環状部分を含み得るフェルールを含み得る。いくつかの実施形態によれば、フェルール220は金属であり得る。いくつかの例では、フェルールは管へと形成される金属シートを備え得る。
【0143】
図9Eの例では、フェルール220は第1の環状部分221Aと第2の環状部分221Bとを備える。第1の環状部分と第2の環状部分とは、例えば、1つまたは複数の腕部を使用して接続され得る。2つの環状部分は、終結したケーブルの接地導体同士の間に確実な電気接続を提供し、機械的支持も提供し、それらは一緒になって、実質的な振動を伴う環境においても、ケーブル組立体におけるノイズを低減する。
【0144】
フェルール220は、環状部分221Aおよび221Bを接続する腕部222Aおよび222Bを含む。この例では、環状部分221Aおよび221Bは、異なる直径のものであるが、同心である。いくつかの例によれば、ケーブルは第1の環状部分221Aおよび第2の環状部分221Bを通過する。
図6に示されている構成では、第2の環状部分221Bは、インピーダンスアダプタ230など、第1の環状部分と金属部材との間に設けられる。
【0145】
いくつかの実施形態によれば、フェルール220を通過するケーブル213の一部分は、その被覆が除去されており、ケーブル遮蔽体を露出させている。第1の環状部分221Aは、露出された遮蔽体とケーブル遮蔽体とが電気的に接続されるように、露出された遮蔽体にわたって嵌まり、ケーブル遮蔽体に接触する。いくつかの実施形態では、ケーブル遮蔽体は環状部分221Aおよび221Bの間の開口を通じて引っ張ることができ、環状部分221Bにわたって折り返すことができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、コネクタ遮蔽体は環状部分221Bの周りで圧着される。環状部分221Aは、ケーブル遮蔽体が除去された状態で、ケーブルの一部分に機械的支持および遮蔽を提供することができる。
【0147】
先に記載されているように、終結したケーブル部分組立体は、ケーブル遮蔽体に取り付けられた後遮蔽体260と、後遮蔽体に電気的および機械的に連結された前遮蔽体270とによって遮蔽されることになる。いくつかの実施形態では、単純でなおも堅牢な機構が、前遮蔽体と後遮蔽体とを電気的および機械的に接続するために提供されてもよい。その機構は、遮蔽体のうちの1つにエンボスを含み得る、および/または、他の遮蔽体のスロットの中に嵌まる1つの遮蔽体の1つもしくは複数の梁を含み得る。
図10Aは、いくつかの実施形態による、
図9Aの例示の後遮蔽体のエンボス962の上からの斜視図である。エンボス962は後遮蔽体260の外面に設けられ得る。例えば、エンボスは、後遮蔽体260のシートの2つの縁を結合することで形成される空洞から離れる方向において外方へ突出することができる。
図10Aおよび
図10Bにおいて見ることができるように、エンボスは、隆条として成形でき、後遮蔽体260の周辺の、40%超、50%超、または60%超など、実質的な部分の周りで延びることができる。
【0148】
図10Bは、いくつかの実施形態による、
図9Aの後遮蔽体260の下からの斜視図である。いくつかの例によれば、後遮蔽体は、前遮蔽体から固定部材を受け入れるための1つまたは複数の特徴を含み得る。この例では、それらの特徴はスロットとして成形されている。いくつかの例では、1つまたは複数のスロットが後遮蔽体260の第1の線形区分303aに配置され得る。
【0149】
図10Bでは、後遮蔽体260は2つのスロット267aおよび267bを含む。スロットは前遮蔽体(例えば、例示の前遮蔽体270)を後遮蔽体に固定するために使用できる。例えば、前遮蔽体の梁の遠位部分(例えば、遠位端)は、前遮蔽体270が後遮蔽体に機械的に接続されるように、後遮蔽体260のスロットへと挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、後遮蔽体260への前遮蔽体270の機械的な取り付けは、前遮蔽体270の1つまたは複数の梁と後遮蔽体260の1つまたは複数のスロットとの係合と、エンボス962と前遮蔽体270との間の摩擦とから本質的に成る。
【0150】
図10Cは、エンボス962を含む
図10Aのケーブルコネクタの一部分の断面図である。本明細書に記載されているように、前遮蔽体270は、空洞279の第1の部分を取り囲むシート274を備え、第2のシートは空洞の第2の部分269を取り囲む。前遮蔽体と後遮蔽体とは重なりの領域259において重なる。エンボス962は重なりの領域259に形成されている。エンボス962は、前遮蔽体270と後遮蔽体260とを電気的に接続するように、前遮蔽体270との接触、摩擦、および/または電気接続性を提供するように構成される。いくつかの実施形態によれば、エンボスは、後遮蔽体260の周辺の少なくとも40%の周りで延びる隆条を備える。
【0151】
遮蔽体の他の特徴が、特徴の形成から結果的に生じる前遮蔽体と後遮蔽体との一方における開口が他の遮蔽体によって少なくとも部分的に塞がれるように、重なりの領域において形成されてもよい。スロット267aおよび267bは、例えば、重なりの領域に形成されてもよい。同様に、梁272aおよび272b(
図11I)が重なりの領域に形成されてもよい。
【0152】
図10Dは、いくつかの実施形態による、
図10Aにおけるケーブルコネクタの他の断面図である。後遮蔽体260は、重なりの領域259において長円の断面を有し得る。長円の断面は、第1の線形区分303aおよび第2の線形区分303bによってそれぞれ結合された第1の湾曲区分304aおよび第2の湾曲区分304bを含み得る。エンボス962は、第1の隆条305aおよび第2の隆条305bが第1の湾曲区分304aおよび第2の湾曲区分304bから延びるように、第1の隆条305aおよび第2の隆条305bをそれぞれ含み得る。
【0153】
図11A~
図11Kは、ケーブルコネクタを組み立てる方法を示している。例えば、ケーブルコネクタ200が、本明細書に提供されている方法を使用して組み立てられ得る。
図11Aは、いくつかの実施形態による、剥ぎ取られたケーブル213の斜視図である。ケーブル213は接地部分211を含み得る。ケーブルは、絶縁体212でそれぞれ絶縁された複数の導体210Aおよび210Bを含み得る。絶縁体212は、導体210Aおよび210Bの一部分を露出させるために、領域214において剥ぎ取られ得る。
【0154】
図11Bは、いくつかの実施形態による、圧着動作に続いてのケーブルコネクタ200の端子240の斜視図である。露出された導体210Aおよび210Bは、端子240へと挿入され、導体を端子240において固定するために圧着され得る。
【0155】
図11Cは、いくつかの実施形態による、ケーブルコネクタ200の組み立てられたフェルール220の斜視図である。フェルール220は、ケーブルの遮蔽部分211がフェルールの第2の環状部分221Bの中に配置されるまで、ケーブルへと滑らせることができる。(ケーブル213のための遮蔽を提供する接地編組が、簡潔性のために
図11Cには示されていない。) ケーブルの接地編組は、次に、第1の環状部分221Aと第2の環状部分221Bとの間でフェルールにおける開口を通じて引っ張ることができ、次に、第2の環状部分221Bにわたって折り返すことができる。例えば、
図11Dは、いくつかの実施形態によれば、編組を折り重ねるための動作の後の接地接続211の編組214の斜視図である。
【0156】
図11Eは、いくつかの実施形態による、ケーブルにおいて組み立てられたインピーダンスアダプタ230の斜視図である。インピーダンスアダプタ230は、ケーブル終結の解かれた領域231にある。インピーダンスアダプタ230は導体210Aおよび210Bの一部分を絶縁体212で覆うことができ、これは、インピーダンスアダプタ230が導体210Aおよび210Bと短絡するのを不可能にしている。インピーダンスアダプタ230は、金属を備えることができ、信号を搬送するケーブル導体に近接して金属を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、インピーダンスアダプタは、インピーダンスアダプタを接地にも接続する後遮蔽体と接触することにもなる。
【0157】
図12Aおよび
図12Bにおいて以下に示されているように、インピーダンスアダプタ230は、環状であり得、端子240および導体210Aおよび210Bの絶縁部分にわたって滑らせることができる。インピーダンスアダプタ230は、後遮蔽体によって、または、任意の他の適切な方法で、保持されてもよい。
【0158】
次に、端子240は接触キャリア筐体250へと挿入させることができ、次いで後遮蔽体は取り付けることができる。
図11Fは、いくつかの実施形態による、固定されている過程における、取り付けられた接触キャリア筐体250および後遮蔽体の斜視図である。本明細書に記載されているように、後遮蔽体260を形成するシートの2つの縁が、シートによって取り囲まれた空洞を形成するために結合され得る。結合は、タブ部分をタブへと圧着すること、および/または、突起と凹部とを相互係止することによって、達成され得る。
【0159】
後遮蔽体が取り付けられた状態で、前遮蔽体が次に取り付けられてもよい。前遮蔽体は、管へと形成することができ、後遮蔽体の前方部分へと滑らせることができる。本明細書に記載されているように、前遮蔽体270のシートの2つの縁が、シートによって取り囲まれた空洞を形成するために結合され得る。例えば、後遮蔽体260の一部が空洞の中に配置され得る。
図11Gは、いくつかの実施形態による、ケーブルの前遮蔽体が後遮蔽体へと滑らされたところの上からの斜視図である。
【0160】
前遮蔽体は、エンボス962の外面と前遮蔽体の内面との間の摩擦の結果として、後遮蔽体に電気的および機械的に連結させることができる。代替または追加で、接続は他の係合の特徴を通じて行われてもよい。
図11Hは、いくつかの実施形態による、ケーブルの
図11Gの前遮蔽体の下からの斜視図である。前遮蔽体270は、シート274において切られた梁272aおよび梁272bをさらに含み得る。いくつかの例では、梁272aおよび272bの各々が遠位部分276aおよび276bをそれぞれ有する。遠位部分276aおよび276bは、第1の遮蔽体が第2の遮蔽体に機械的に接続されるように、後遮蔽体260のそれぞれのスロット(例えば、スロット215aおよび215b)を通じて延びるように構成される。梁272aは、第1のシート274と平行な第1の区分277aaと、第1の区分を横断する第2の区分277abを備える遠位部分とを備えることができる。梁272bは、第1のシート274と平行な第1の区分277baと、第1の区分を横断する第2の区分277bbを備える遠位部分とを備えることができる。いくつかの例では、2つ以上の梁および対応するスロットが提供され得る。
【0161】
図11Hに示されている状態において、梁272aおよび272bは前遮蔽体270の周辺から外方へと歪められる。この構成において、遠位部分276aおよび276bは、前遮蔽体270が後遮蔽体260にわたって滑らされ得るように、前遮蔽体270内の空洞から取り外される。前遮蔽体270が後遮蔽体260に対して位置決めされると、梁272aおよび272bは、遠位部分276aおよび276bが後遮蔽体260の特徴と係合し、前遮蔽体と後遮蔽体殿を一緒に外れ止めするように、歪んでいない状態に戻され得る。
【0162】
図11Iは、いくつかの実施形態による、前遮蔽体が後遮蔽体へと外れ止めされている状態での終結したケーブル部分組立体の斜視図である。
【0163】
図11Jは、いくつかの実施形態による、前遮蔽体が後遮蔽体へと外れ止めされているところの追加の詳細での断面図である。いくつかの実施形態では、凹部251が、第1の区分277baおよび第1の区分277bbが接触キャリア筐体250に当たらず、区分277aaおよび277baを前筐体270の周辺と面一の状態へと戻すことができることを確保するために、接触キャリア筐体250に設けられてもよい。
【0164】
図12Aは、いくつかの実施形態による、インピーダンスアダプタ230などの例示のインピーダンスアダプタの後からの斜視図である。
図12Bは、例示のインピーダンスアダプタの前からの斜視図である。本明細書に記載されているように、インピーダンスアダプタ230は、ケーブル213の周りに配置でき、フェルールの開口がインピーダンスアダプタの開口233と位置合わせするようにフェルールに隣接してもよい。いくつかの実施形態によれば、インピーダンスアダプタは金属とでき、例えば、インピーダンスアダプタは、管へと形成される金属シートを備え得る。金属シートは、フェルールを形成する金属シートとして、同じまたは実質的に同じ厚さおよび/または材料のものとできる。このような構成は、フェルールとしての製造を単純化することができ、インピーダンスアダプタは金属の同じシートから形成することができる。インピーダンスアダプタ230は、ケーブル終結の解かれた領域231に設けられ得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、インピーダンスアダプタ230は概して長円の断面を有し得る。例えば、第1の端238にわたるインピーダンスアダプタ230は、第1の線形区分236Aおよび第2の線形区分236Bによってそれぞれ結合された符号237Aおよび237Bなどの第1の湾曲区分および第2の湾曲区分を備える長円の断面を有し得る。この形は、インピーダンスアダプタを、解かれた状態において隣り合って位置決めされるケーブル213の2つの絶縁導体にわたって嵌めさせることができる。
【0166】
インピーダンスアダプタ230は、第2の端239にわたって長円の断面を有してもよい。長円は主軸235を有し得る。インピーダンスアダプタは、エンボス232Aおよびエンボス232Bなど、1つまたは複数のエンボスを有し得る。エンボスは、(例えば、金属の周辺によって形成された空洞の方向において)主軸に向けて延びてもよい。エンボス232Aおよび232Bは、第1および第2の絶縁導電体212の間にあり得る。
【0167】
この例では、エンボス232Aおよび232Bは、長さの25から75%の間、または、いくつかの実施形態では40~60%など、インピーダンスアダプタの長さの一部分のみに沿って延びる。この構成では、エンボスは、より広く分離されるケーブルの導体の位置と位置合わせする。エンボスのないインピーダンスアダプタの領域は、あまり広く分離されていないケーブルの導体の位置と位置合わせする。インピーダンスアダプタ230は、ケーブルの遮蔽されていない部分のインピーダンスを、遮蔽された部分に対してだけでなく、ケーブルの遮蔽されていない部分の長さに沿っても一致させようとする。
【0168】
図示されている例では、エンボスは、概してインピーダンスアダプタ230の長さの一部分に沿って均一である。この構成は、ケーブルの遮蔽されていない部分の長さに沿って適切なインピーダンス一致を提供することが見出された。しかしながら、他の実施形態では、エンボスは、ケーブルの導体同士の間の分離に関して、体積が変化してもよく、より高くなる、および/または、より広くなる。代替または追加で、エンボスは、インピーダンスアダプタ230の全長に沿って延びてもよい、または省略されてもよい。
【0169】
ケーブルコネクタ200は、ピンヘッダとして構成された基板コネクタ100と嵌まり合うように構成されたレセプタクルコネクタとして示されている。本明細書に記載されている構築技術は、
図6に示されているものについて、少数の構成要素を置き換えることで、ピンで構成された嵌合接触部分を伴うケーブルコネクタに適用されてもよい。
図13は、いくつか実施形態による、
図5のケーブルコネクタ200と嵌まり合うように構成されたケーブルコネクタ1300を形成するために、
図6に示された構成要素を置き換えることができる図示の構成要素の斜視図である。ケーブルコネクタ1300は、筐体290の代わりに筐体1390で形成され、前遮蔽体270の代わりに前遮蔽体1370で形成され、端子240の代わりに端子1340で形成され得る。いくつかの実施形態では、他の構成要素が代替または追加で置き換えられてもよい。例えば、端子1340を保持するように構成された接触キャリア筐体が、接触キャリア筐体250の代わりに使用されてもよい。
【0170】
前遮蔽体1370は筐体1390に配置させることができ、コネクタ200の嵌合端520と嵌まり合うように構成された開口1371を有し得る。筐体1390は、コネクタ200の嵌合端520と嵌まり合うように構成された開口1391も含み得る。端子1340は前遮蔽体1370に配置され得る。この例では、端子は、レセプタクルとして構成された端子を伴うケーブルコネクタと嵌まり合うことを容易にするために、ピンとして成形された嵌合接触部分を有する。ケーブルコネクタ1300の嵌合接合部および外れ止め特徴部は、同様に、コネクタ200の嵌合接合部および外れ止め特徴部と相補的となる。他に、後遮蔽体、フェルール、およびインピーダンスアダプタなどの他の構成要素は、コネクタ200で使用されているものと同じまたは実質的に同じとなり得る。
【0171】
本明細書に記載されている技術は、先に記載されている構成以外の構成を有するコネクタで使用されてもよい。例えば、本明細書に記載されている技術は、メザニンコネクタまたはバックプレーンコネクタで使用されてもよい。このような代替のコネクタ構成は、本明細書に記載されている特徴のすべてと、または、任意の適切な数の特徴の部分集合と使用することができる。さらに、本明細書に記載されている構造、材料、および構築技術のすべてが一緒に使用され得るが、いくつかの実施形態では、構造、材料、または技術のうちのいくつかまたは全部が省略されてもよい。
【0172】
さらなる係合の特徴は、2つの構成要素を電気的および/または機械的に係合するように記載されている。図示の目的のために、係合の特徴が一方の部品または他方の部品にある例示の実施形態が記載されている。係合の特徴の位置は逆にされてもよい。
【0173】
他の例として、ケーブルコネクタが、後遮蔽体におけるタブ261と、前遮蔽体におけるタブ271とで示された。各々のタブは外れ止めの特徴を形成するように構成でき、その外れ止めの特徴は、コネクタ筐体の相補的な外れ止めの特徴(梁など)と係合することができる、および/または、CCPAの一部分によって係合させることができる。本明細書において記載されているように、前遮蔽体は伸長の軸を有することができ、後遮蔽体と同心とすることができ、後遮蔽体に電気的に接続でき、前遮蔽体のタブは後遮蔽体のタブと同じ方向に延びて示されている。しかしながら、前遮蔽体におけるタブと後遮蔽体におけるタブとは、同じ方向において位置合わせされる必要はない、または、同じ方向に延びる必要はない。前タブおよび後タブの異なる構成であれば、前遮蔽体が後遮蔽体に固定されている状態で終結したケーブル組立体を受け入れる筐体が、これらのタブを受け入れるために複数のスロットを有する。前遮蔽体および後遮蔽体においてタブの複数の可能な位置を提供することで、複数の終結したケーブル組立体の構成が可能であり、それらの構成の各々が、タブを受け入れるスロットの特定の構成を伴う筐体の中だけに嵌まることになる。この方法では、複数の鍵付きの構成を作り出すことができる。いくつかの実施形態において、後遮蔽体のタブは、前遮蔽体のタブに対して、終結したケーブル部分組立体の反対側にあることができる、および/または、前遮蔽体のタブの方向とは反対の方向において、空洞から離れるように延びることができる。
【0174】
他の例として、接触部分と後部とが直角に配向されている基板コネクタがある。代替の実施形態では、接触部分と後部とは同じ方向に延びてもよい。接触部分と後部とは、代替で、同じ軸に沿って、反対の方向において、端子の部分組立体の絶縁部材の通路から延び得る。
【0175】
このような変更、改良、および向上は、本開示の一部となるように意図されており、本発明の精神および範囲の中にあるように意図されている。さらに、本発明の利点が指示されているが、本発明のすべての実施形態がすべての記載されている利点を含むわけではないことは、理解されるべきである。いくつかの実施形態は、本明細書でいくつかの例において有利であるとして記載されている特徴を実施しなくてもよい。したがって、前述の記載および図面は例だけを用いている。
【0176】
本発明の様々な態様は、単独で、組み合わせで、または、先に記載されている実施形態において明確には検討されていない様々な配置で使用されてもよく、そのため、その適用において、先の記載において述べられているかまたは図面において示されている詳細および構成要素の配置に限定されない。例えば、一実施形態において記載されている態様は、他の実施形態において記載されている態様と任意の手法で組み合わせることができる。
【0177】
本明細書において定義および使用されているようなすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれている文献における定義、および/または、定義された用語の通常の意味を管理するように理解されるべきである。
【0178】
請求の要素を変えるための請求項における「第1の」、「第2の」、「第3の」などの順序の用語の使用は、それ自体において、ある請求の要素の他の請求の要素に対する優先、優位、もしくは順位、または、方法の行為が実施される時間的な順番を含意することはないが、請求の要素を区別するために、特定の名称を有する1つの請求の要素を、(通常の用語の使用のために)同じ名称を有する他の要素から区別するためのラベルとして使用されているだけである。
【0179】
本明細書および特許請求の範囲で使用されているような不定冠詞「1つ(a、an)」は、相容れないと明確に指示されていない場合、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0180】
本明細書および特許請求の範囲で使用されているように、1つまたは複数の要素の列記を参照しての「少なくとも1つ」という文言は、要素の列記における要素のうちの任意の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するように理解されるべきであるが、要素の列記の中において明示的に列記された各々の要素およびすべての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素の列記における要素の任意の組み合わせを排除しない。この定義は、「少なくとも1つ」という文言が言及する要素の列記の中で、明確に特定される要素以外の要素が、それらの明確に特定される要素に関係してもしなくても、任意選択で存在することができることも許容する。
【0181】
本明細書および特許請求の範囲で使用されているような「および/または」という文言は、そのように結合された要素、つまり、ある場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列記された複数の要素は、同じ様態で解釈されるべきであり、つまり、そのように結合された要素のうちの「1つまたは複数」で解釈されるべきである。「および/または」の箇条によって明確に特定された要素以外の他の要素が、明確に特定された要素に関係してもしなくも、任意選択で存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への参照は、「備える」などのオープンエンドの文言と併せて使用されるとき、一実施形態体では、Aのみに言及することができ(任意選択で、B以外の要素を含む)、他の実施形態では、Bのみに言及することができ(任意選択で、A以外の要素を含む)、なおも他の実施形態では、AとBとの両方に言及することができる(任意選択で、他の要素を含む)などとなる。
【0182】
本明細書および特許請求の範囲で使用されているように、「または」は、先の定義されているような「および/または」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、列記における項目を分けるとき、「または」または「および/または」は、包含的になるとして解釈され、つまり、いくつかの要素または要素の列記のうちの少なくとも1つを含むが2つ以上も含み、任意選択で、列記されていない追加の項目も含むとして解釈される。「~のうちの1つだけ」もしくは「~のうちの正確に1つ」、または、特許請求の範囲では「~から成る」など、相容れないように明確に指示されている用語だけは、いくつかの要素または要素の列記のうちの正確に1つの要素を含むように言及することになる。概して、本明細書で使用されているような「または」という用語は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つだけ」、または「~のうちの正確に1つ」など、排他性の表現によって先行されるとき、排他的な選択肢(つまり、「一方または他方であるが、両方ではない」)を指示するとしてのみ解釈される。「~本質的に成る」は、特許請求の範囲で使用されるとき、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有することになる。
【0183】
また、本明細書で使用されている言葉遣いおよび用語は、記載の目的のためだけであり、限定として解釈されるべきではない。本明細書における「~を含む」、「~を備える」、または「~を有する」、「~を包含する」、「~を伴う」、およびそれらの変形の使用は、以後に列記された項目およびそれらの均等だけでなく、追加の項目も網羅するように意味されている。
【符号の説明】
【0184】
100 相互接続システム、基板コネクタ
110A、110B 信号導体
111 狭い部分
112、112'、112" 掛り部
113 後部
114 中間区分
115 嵌合接触部分
117A 掛り部の幅
117B 中間区分の幅
117C 導体部分の幅
118 導体部分
120 絶縁体、絶縁部材
121 リブ、リブ特徴部
130 遮蔽体、遮蔽部材
131 溝
140 伝導性筐体
141 取付柱、保持特徴部
142、143 保持特徴部
145 室
146 嵌合部分
150 絶縁筐体
151 保持特徴部
152 凹部
158 開口
160 印刷回路基板
161 孔
162、163 導電性メッキ孔
200 ケーブルコネクタ
210A、210B 絶縁導体
211 接地部分、遮蔽部分
212 絶縁体、絶縁導電体
213 ケーブル
214 編組
220 フェルール
221A 第1の環状部分
221B 第2の環状部分
222A、222B 腕部
230 インピーダンスアダプタ
231 分離された領域、解かれた領域
232A、232B エンボス
235 主軸
236A 第1の線形区分
236B 第2の線形区分
237A 第1の湾曲区分
237B 第2の湾曲区分
238 第1の端
240 端子
250 接触キャリア筐体
259 重なりの領域
260 後遮蔽体
261 タブ
262 平面
263a 第1の縁
263b 第2の縁
264 シート
265a 第1のタブ部分
265b 第2のタブ部分
266a 突起
266b 開口
267a、267b スロット
268a、268b スロット
269 空洞279の一部分
270 前遮蔽体
271 タブ
272 平面
272a、272b 梁
273a 第1の縁
273b 第2の縁
274 第1のシート
275a 第1のタブ部分
275b 第2のタブ部分
276a、276b 遠位部分
277a 第1の縁
277aa 第1の区分
277ab 第2の区分
277b 第2の縁
277ba 第1の区分
277bb 第2の区分
278 周辺
279 空洞
280 接触キャリア位置確保部、CCPA
284 外れ止め腕部
285 梁支援部材
288A、288B ケーブルの一部分
289A 第1の中心間の間隔
289B 第2の中心間の間隔
290 ケーブルコネクタ筐体
291 片持ちの端
292 開口、空洞
293 外れ止め部
294 梁
295 カム表面
300 伸長の軸
301 伸長の軸
303a 第1の線形区分
303b 第2の線形区分
304a 第1の湾曲区分
304b 第2の湾曲区分
310 接触梁
341 保持特徴部
342 凹部
343 第1の部分
344 第2の部分
400 マルチポート基板コネクタ
410A、410B 導電体
420A、420B 絶縁体
421A、421B リブ
440 伝導性筐体
450 絶縁筐体
460 基板
470A、470B、470C、470D ポート
520 嵌合端
522 ケーブル終結端
524、524' 窓部
962 エンボス
1300 ケーブルコネクタ
1340 端子
1370 前遮蔽体
1371 開口
1390 筐体
1391 開口
【国際調査報告】