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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ケイ素-炭素複合繊維
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/023 20060101AFI20240905BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20240905BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C01B33/023
H01M4/38 Z
H01M4/36 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513869
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 US2022075876
(87)【国際公開番号】W WO2023034947
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,135
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/242,525
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520085268
【氏名又は名称】ユニフラックス アイ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ザオ、ダンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ゾイトス、ブルース ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェンボ
(72)【発明者】
【氏名】ケルサル、アダム
(72)【発明者】
【氏名】キャナン、チャド ディー.
【テーマコード(参考)】
4G072
5H050
【Fターム(参考)】
4G072AA01
4G072BB04
4G072GG02
4G072GG03
4G072HH14
4G072JJ02
4G072JJ08
4G072JJ09
4G072NN11
4G072NN13
4G072RR04
4G072RR11
4G072RR15
4G072TT06
4G072TT08
4G072TT09
4G072TT30
4G072UU30
5H050AA07
5H050AA08
5H050BA16
5H050CA17
5H050CB11
5H050EA08
5H050FA13
5H050FA16
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA05
5H050HA06
5H050HA07
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 複合繊維は、元素状ケイ素を含む多孔質ケイ素相と、元素状炭素を含む多孔質炭素相とを含む。ケイ素相と炭素相は、複合繊維中で相互に絡み合った網目構造を形成し、ケイ素相と炭素相のそれぞれが複合繊維全体にわたって相互に接続され連続する。ケイ素相と炭素相は合わせて複合繊維の少なくとも50wt%を構成する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合繊維であって、
元素状ケイ素を有する多孔質ケイ素相と、
元素状炭素を有する多孔性炭素相と、
を有し、
前記ケイ素相および前記炭素相は、前記ケイ素相および前記炭素相の各々が前記複合繊維全体にわたって相互接続され連続するように、前記複合繊維中で絡み合ったネットワーク構造を形成し、
前記ケイ素相および前記炭素相は、合わせて前記複合繊維の少なくとも50wt%を構成し、
前記元素状炭素は、前記複合繊維の総重量に基づいて、前記複合繊維の少なくとも29wt%を構成し、
前記複合繊維の総重量に基づき、前記複合繊維中の前記元素状炭素のwt%をXcで表し、前記複合繊維中の前記元素状ケイ素のwt%をXsiで表すと、以下の式:
Xsi/(100-Xc)≧0.62
0.3025Xc+3.70Xsi/(100-Xc)+57.97≧70.3.
を満たすものである、複合繊維。
【請求項2】
請求項1に記載の複合繊維において、前記元素状炭素が、前記複合繊維の少なくとも37wt%を構成し、(0.3025Xc+3.70Xsi/(100-Xc)+57.97)は少なくとも72.7である、複合繊維。
【請求項3】
請求項1に記載の複合繊維において、前記元素状炭素が、前記複合繊維の少なくとも46wt%を構成し、(0.3025Xc+3.70Xsi/(100-Xc)+57.97)が少なくとも75である、複合繊維。
【請求項4】
請求項1に記載の複合繊維において、前記ケイ素相が、6~25nmのサイズを有するケイ素結晶子を有し、および
前記ケイ素相は、前記ケイ素相の総重量に基づいて、少なくとも50wt%の結晶ケイ素を有する、複合繊維。
【請求項5】
請求項1に記載の複合繊維において、前記複合繊維が、0~0.3cm/gより大きい細孔容積を有する、複合繊維。
【請求項6】
請求項1に記載の複合繊維において、前記複合繊維が、5~30nmの中央孔径を有する、複合繊維。
【請求項7】
請求項1に記載の複合繊維において、前記複合繊維が、0.1~10ミクロンの平均直径を有し、直径に対する繊維長のアスペクト比が少なくとも3である、複合繊維。
【請求項8】
請求項1に記載の複合繊維において、前記炭素相が、1~100nmの範囲の結晶子を有する、複合繊維。
【請求項9】
請求項8に記載の複合繊維において、前記炭素相が、前記炭素相の総重量に基づき、少なくとも50wt%の結晶性炭素を有する、複合繊維。
【請求項10】
請求項1に記載の複合繊維であって、リチウムをさらに含み、前記リチウムおよび前記ケイ素相からのケイ素の少なくとも一部がLiSi合金を形成し、xが0超~4である、複合繊維。
【請求項11】
方法であって、
元素状炭素または元素状ケイ素の一方を有する多孔性繊維テンプレートを形成する工程と、
前記多孔性繊維テンプレートに、元素状炭素または元素状ケイ素の他方を有する浸透相を浸透させて複合繊維を形成する工程と、を有し、
前記多孔性繊維テンプレート相および前記浸潤相が、前記多孔性繊維テンプレート相および前記浸潤相の各々が前記複合繊維全体にわたって相互に接続され連続するように、前記複合繊維中に絡み合ったネットワーク構造を形成し、
前記元素状ケイ素および前記元素状炭素は、合わせて前記複合繊維の少なくとも50wt%を構成し、
前記元素状炭素は、前記複合繊維の総重量に基づき、前記複合繊維の少なくとも29wt%を構成し、および
前記複合繊維の総重量に基づき、前記複合繊維中の前記元素状炭素のwt%をXcで表し、前記複合繊維中の前記元素状ケイ素のwt%をXsiで表すと、以下の式:
Xsi/(100-Xc)≧0.62
0.3025Xc+3.70Xsi/(100-Xc)+57.97≧70.3.
を満たすものである、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記多孔性繊維テンプレートが、元素状炭素を有する、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、前記多孔性繊維テンプレートが、元素状ケイ素を含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、前記浸潤相の孔径の中央値が、前記多孔性繊維テンプレートの孔径の中央値よりも0.1~5nm小さい、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、前記多孔性繊維テンプレートを浸透させる工程が、化学蒸着、物理蒸着、スパッタリング、原子層蒸着、または熱分解を有する、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法において、前記多孔性繊維テンプレートが、50~95wt%の結晶性ケイ素または結晶性炭素を有し、前記結晶性ケイ素または前記結晶性炭素が6~25nmの結晶子サイズを有する、方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法において、前記多孔性繊維テンプレートが、150~400m/gのBET比表面積、8~30nmの中央孔直径、および0.5~0.9cm/gの孔容積を有する、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
前記複合繊維をリチウム源と反応させ、LiSi合金を形成する工程を有し、または
前記多孔性繊維テンプレートが元素状ケイ素を有する場合、浸入前に、前記多孔性繊維テンプレートをリチウム源と反応させてLiSi合金を形成する、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の前記複合繊維を有する電極活物質。
【請求項20】
請求項23に記載の前記電極活物質を有する電極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月2日に出願された「ケイ素-炭素複合繊維」という名称の米国仮特許出願第63/240,135号および2021年9月10日に出願された「ケイ素-炭素複合繊維」という名称の米国仮特許出願第63/242,525号に対して優先権を主張するものであり、これらの各出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ケイ素-炭素複合繊維、ならびにその製造方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオンバッテリーは過去10年間に急速に普及し、現在では電子機器、コードレス機器、自動車にポータブルパワーを供給する電源として選ばれてきた。テクノロジーがますますリチウムイオン・バッテリー・パワーに依存するようになるにつれ、リチウムイオン・バッテリー業界は、エンドユーザーに最大限の汎用性を提供するため、セルの性能の拡張に取り組んできた。
【0004】
グラファイトは、数百サイクルにわたり、ほとんど容量が低下することなく安定した状態を保ち、その機能を果たすことができるため、リチウムイオン電池に一般的に使用されている。ケイ素は、現在の業界標準であるグラファイト(372mAh/g)に対して非常に高い容量(4000mAh/g)を持つため、負極材料として大きな可能性を秘めている。しかしケイ素には、リチウム化によって350%膨潤するという限界がある。この膨潤は、セル内部構造の深刻な破壊を引き起こし、セル構成部品が損傷し、陽極自体が細かく粉砕され、最終的に電気的接続性を失うため、急速な容量低下を招く。したがって、改良されたケイ素含有アノード材料およびそのようなケイ素含有アノード材料を調製する方法が引き続き必要とされる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の様々な実施形態は、以下に示す詳細な説明および添付図面からより完全に理解されるだろう。図面において、同様の参照番号は、同一または機能的に同様の要素を示す場合がある。以下、添付の図を参照して実施形態を詳細に説明する:
【0006】
図1図1は、本開示の実施形態による複合繊維上の高速リチウムイオン輸送と低速リチウムイオン輸送の違いを示す説明図である。
図2図2は、本開示の実施形態による多孔性ケイ素繊維テンプレート(PSFT)の断面のSEM画像である。
図3図3は、本開示の一実施形態によるSi-C複合繊維の断面の2つのSTEM画像である。
図4図4は、本開示の一実施形態による、STEM-EELSによるSi-C複合繊維断面の元素マッピングである。
図5図5は、本開示の実施形態による複合繊維について、1stサイクルの比リチウム化容量、1stサイクルのクーロン効率(FCE)、および炭素含有量(Cwt%)の関係を示すグラフである。
図6図6は、本開示の実施形態によるPSFTにおける細孔容積と結晶ケイ素含有量との関係を示すグラフである。
図7図7は、本開示の実施形態による、比脱離能、FCE、およびC%の関係を示すグラフである。
図8図8は、本開示の実施形態による規格化容量とC%との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の開示は、多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を簡略化するために、構成要素および配置の具体例を以下に説明する。もちろん、これらは単なる例示であり、限定を意図するものではない。さらに、本開示は、様々な例において参照数字および/または文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡略化及び明瞭化のためであり、それ自体、議論される様々な実施形態及び/又は構成間の関係を指示するものではない。
【0008】
本開示は、ケイ素相(「Si相」)と炭素相(「C相」)とを有するケイ素-炭素複合繊維(「Si-C複合繊維」または「複合繊維」)を提供する。Si相とC相は、繊維中で絡み合ったネットワーク構造を形成し、各相が繊維全体で相互に接続され連続している。Si相はナノ結晶またはアモルファスの元素状ケイ素を有する。Si相は繊維中に0wt%以上100wt%未満の範囲で存在する。C相はアモルファスまたは結晶性炭素を有し、繊維中に0wt%以上100wt%未満の範囲で存在する。いくつかの実施形態では、Si相とC相の合計は50wt%~100wt%の範囲である。いくつかの実施形態では、C相は繊維の少なくとも30wt%を構成し、および/またはSi相は繊維の少なくとも20wt%を有する。
【0009】
いくつかの実施形態において、複合繊維は、少なくとも29wt%、少なくとも35wt%、37wt%、少なくとも39wt%、少なくとも40wt%、少なくとも41wt%、少なくとも42wt%、少なくとも43wt%、少なくとも44wt%、少なくとも45wt%、少なくとも46wt%、29~63wt%、37~63wt%、39~63wt%、または46~63wt%の量の炭素を有する。
【0010】
複合繊維中の炭素の含有量をXc(複合繊維の総重量に基づいて、wt%)で表し、複合繊維中の元素状ケイ素(シリカを除く)の含有量をXsi(複合繊維の総重量に基づき、wt%)で表す場合、複合繊維は、以下の式1および式2によって特徴付けられ得る:
Xsi/(100-Xc) 式1
0.3025Xc+3.70Xsi/(100-Xc)+57.97 式2
【0011】
いくつかの実施形態において、複合繊維は、少なくとも0.62または少なくとも0.69の式1の値を有する。いくつかの実施形態において、複合繊維は、少なくとも70.3、少なくとも72.7、または少なくとも75の式2の値を有する。
【0012】
いくつかの実施形態において、複合繊維は、少なくとも29wt%の炭素含有量、少なくとも0.62の式1の値、および少なくとも70.3の式2の値という特性のすべてを有する。いくつかの実施形態において、複合繊維は、少なくとも37wt%の炭素含有量、少なくとも0.69の式1の値、および少なくとも72.7の式2の値という特性のすべてを有する。いくつかの実施形態において、複合繊維は、少なくとも39wt%の炭素含有量、少なくとも0.69の式1の値、および少なくとも72.7の式2の値という特性のすべてを有する。いくつかの実施形態では、複合繊維は、少なくとも46wt%の炭素含有量、少なくとも0.69の式1の値、および少なくとも75の式2の値という特性のすべてを有する。これらの条件が満たされると、複合繊維は高いハーフセルFCE(例えば、少なくとも70.5%、少なくとも73%、または少なくとも75%)を提供することができる。ケイ素は一般的にFCEが悪く、すなわち、1stサイクルのリチウム化中にケイ素を含む電極に輸送されたリチウムイオンの大部分(1-FCE)は、次のデリチウム化工程で不可逆的になる。ケイ素活物質のFCE向上は、電極の1つにケイ素を含むリチウムイオン電池セルのエネルギー密度を高めるために重要である。複合繊維を完全な電池に組み込んだ場合、この活物質の損失は負極(複合繊維を含む)と正極の両方で発生し、いったん活物質が活かされなくなると、電池は使用可能な残りの寿命の間、このデッドウェイトを背負わなければならない。そのため、FCEを可能な限り向上させることは、良好なエネルギー密度を達成するために非常に重要であり、FCEのわずかな向上でも、バッテリー性能の大幅な向上(例えば、EVの航続距離の延長)をもたらすことができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、複合繊維はまた、非晶質または結晶質の酸化ケイ素、SiO(x≦2)を含んでもよい。複合繊維はまた、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、窒素(N)、酸化炭素(CO)(x≦2)、および/または炭化水素鎖などの他の不純物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複合繊維は、5wt%以下、4wt%以下、3wt%以下、2wt%以下、または1wt%以下のAlを有する。いくつかの実施形態において、複合繊維は、5wt%以下、4wt%以下、3wt%以下、2wt%以下、または1wt%以下のMgを有する。いくつかの実施形態では、複合繊維は、40wt%以下、35wt%以下、30wt%以下、25wt%以下、20wt%以下、15wt%以下、10wt%以下、または5wt%以下の非晶質または結晶質の酸化ケイ素、SiO(x≦2)を有する。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、本開示の複合繊維は、0超~20m/g、0超~10m/g、0超~5m/g、1超~150m/g、5超~150m/g、10超~140m/g、20超~130m/g、30超~120m/g、または50超~100m/gのBET比表面積(「SSA」)を有する。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、複合繊維は、0~0.3cm/gより大きい、0.01~0.3cm/gより大きい、0~0.1cm/gより大きい、0~0.05cm/gより大きい、または0.05~0.25cm/gより大きい細孔容積を有する。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、複合繊維は、5~30nmまたは10~20nmの中央孔径を有する。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、複合繊維は、0.1~10ミクロン、0.5~6ミクロン、1~8ミクロン、または2~5ミクロンの平均直径を有する。
【0018】
1つまたはそれ以上の実施形態において、複合繊維は、少なくとも3、少なくとも5、または少なくとも10の直径に対する繊維長のアスペクト比を有する。
【0019】
Si相のナノ結晶ケイ素は、1~100nm、1~50nm、または5~25nmの範囲の結晶子を有することができる。いくつかの実施形態では、Si相は、Si相の総重量に基づいて、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、または少なくとも80wt%のナノ結晶ケイ素を有する。他の実施形態では、Si相は、多くとも50wt%、多くとも40wt%、多くとも30wt%、多くとも20wt%、または多くとも10wt%のナノ結晶ケイ素を有する。いくつかの実施形態では、Si相は、多くとも50wt%、多くとも40wt%、多くとも30wt%、多くとも20wt%、または多くとも10wt%のアモルファスまたは結晶性酸化ケイ素SiO(x≦2)を有する。他の実施形態では、Si相は、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、または少なくとも80wt%の非晶質または結晶質の酸化ケイ素、SiO(x≦2)からなる。いくつかの実施形態では、Si相は、ナノ結晶ケイ素、アモルファスケイ素、およびアモルファスまたは結晶性酸化ケイ素SiO(x≦2)からなる。
【0020】
C相は、1~100nm、1~50nm、または5~20nmの範囲の結晶子を有することができる。いくつかの実施形態では、C相は、C相の総重量に基づいて、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、または少なくとも80wt%の結晶性炭素を有する。他の実施形態では、C相は、多くとも50wt%、多くとも40wt%、多くとも30wt%、多くとも20wt%、または多くとも10wt%の結晶性炭素を有する。いくつかの実施形態では、C相は、多くとも50wt%、多くとも40wt%、多くとも30wt%、多くとも20wt%、または多くとも10wt%の非晶質炭素を有する。他の実施形態では、C相は、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、または少なくとも80wt%の非晶質炭素を有する。いくつかの実施形態では、C相は結晶性炭素と非晶質炭素からなる。
【0021】
1つまたは複数の実施形態において、Si相またはC相の一方は、それぞれの相の重量に基づいて、50wt%を超える結晶含有量を有する一方、Si相またはC相の他方は、50wt%未満の結晶含有量を有する。いくつかの実施形態では、Si相またはC相の一方は60wt%を超える結晶含有率を有し、Si相またはC相の他方は40wt%未満の結晶含有率を有する。いくつかの実施形態では、Si相またはC相の一方は70wt%を超える結晶含有率を有し、Si相またはC相の他方は30wt%未満の結晶含有率を有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、複合繊維は炭素構造にケイ素を浸透させることによって形成される。例えば、複合繊維は、最初に多孔性炭素繊維を作製し、次いで孔構造にケイ素を浸透させることによって形成することができる。ケイ素の浸透は、シランやトリクロロシランなどのケイ素前駆体ガスを用いた化学気相成長(CVD)プロセスによって行うことができる。多孔性炭素繊維の製造には複数の工程が含まれる。例えば、まずポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ、レーヨン、樹脂などのポリマーで合成ポリマー繊維を作る。次に、合成ポリマーを熱分解して炭素繊維を作る。炭素繊維を多孔質にするためには、炭素繊維を活性化処理や化学剥離処理する必要がある。賦活法では、酸化性雰囲気下で炭素繊維を熱処理(例えば700~1000℃)することにより、炭素繊維の多孔質構造を形成する。化学的剥離法では、炭素繊維を酸などの剥離剤で処理し、繊維に電荷を印加してもよい。あるいは、例えばPANとポリメチルメタクリレート(PMMA)を混合したポリマーブレンドをポリマー繊維に繊維化し、これを酸化して相分離させてもよい。PMMAは熱分解によって除去され、多孔質炭素繊維が残る。
【0023】
いくつかの実施形態において、多孔性炭素繊維(C相)にケイ素(Si相)を浸透させた後、複合繊維を炭素材料でさらに被覆してもよい。炭素コーティングは、SEIがFCEを低下させるため、Si相の露出部分を固体電解質間相(SEI)形成から保護するように作用し得る。いくつかの実施形態では、複合繊維の表面積の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または約100%が炭素で被覆されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、ケイ素(Si相)を浸透させる前の多孔性炭素繊維(C相)は、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、または少なくとも80wt%の結晶性炭素を有する。多孔性炭素繊維は、多くとも50wt%、多くとも40wt%、多くとも30wt%、多くとも20wt%、または多くとも10wt%の非晶質炭素を有する。多孔性炭素繊維は、多くとも15wt%、多くとも10wt%、または多くとも5wt%の不純物(結晶性炭素または非晶質炭素以外の成分)を有してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、多孔性炭素繊維にケイ素を部分的に浸透させ、その後に炭素を浸透させて、C-Si-C複合繊維を形成する。炭素の浸潤(C浸潤相)は、Si相をSEI形成から保護するように作用し得る。いくつかの実施形態では、C-Si-C複合繊維は、C-Si-C複合繊維の総重量に基づいて、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、または少なくとも40wt%のC相と、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、または少なくとも40wt%のSi相と、少なくとも5wt%、少なくとも10wt%、または少なくとも20wt%のC浸透相とを含む。C-Si-C複合繊維において、C相およびSi相は、本明細書に記載されるとおりであってよい。C浸潤相は、本明細書に記載のC相と同じ特性を有してもよく、非晶質炭素、結晶性炭素、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、Si相は、C相および/またはC浸透相によって実質的にまたは完全に覆われる。例えば、Si相の表面積の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または約100%が、C相および/またはC浸透相によって覆われてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、複合繊維はケイ素構造に炭素を浸透させることによって形成される。例えば、複合繊維は、まず金属ケイ素からなる多孔性ケイ素繊維テンプレート(PSFT)を作製し、次いで細孔に炭素を浸透させることによって形成することができる。PSFTを作るには、まずSiOを含む繊維、すなわち前駆体繊維を作る。この前駆体繊維は、ゾル-ゲル繊維化法によって作製されたシリカ繊維であっても、酸化物ガラス繊維を酸浸出することによって作製されたものであってもよい。
【0027】
前駆体繊維は、例えばマグネシウム熱還元によって金属ケイ素を有するPSFTに還元される。その後、PSFTに炭素を浸透させる。例えば、アセチレンなどの炭素源を用いた化学気相成長(CVD)プロセスや、物理気相成長、スパッタリング、原子層堆積などの他の堆積プロセスを使用したり、多孔質繊維にまず炭化水素ポリマー(樹脂、ポリ酢酸ビニル(PVA)など)を浸透させ、熱分解によってポリマーを炭素に変換したりする。
【0028】
金属ケイ素を含むPSFTは、炭素を組み込んで複合繊維を形成するためのテンプレートマトリックスとして機能する。金属ケイ素含有繊維は、3~50nmの範囲のメジアン細孔直径、0.1~1.5cm/gの範囲の細孔容積、および10~500m/gの範囲の比表面積を有する。PSFTは、50~95wt%の結晶性ケイ素含有量(Si%)および5~30nmのケイ素結晶子サイズを有することができる。一部の実施形態では、PSFTは、約50~90wt%、約60~90wt%、または少なくとも約69wt%の元素状ケイ素含有量(Si%)を有する。一部の実施形態では、PSFTは、約6~26nm、少なくとも約7nm、少なくとも約8nm、または約8~25nmのケイ素結晶子(Si結晶子サイズ)を有する。一部の実施形態では、PSFTは、約120~400m/g、約150~400m/g、約170~395m/g、または約200~350m/gの比表面積(SSA)を有する。一部の実施形態では、PSFTは、約9~30nm、約10~30nm、または約11~29nmのメジアン細孔直径(細孔径)を有する。一部の実施形態では、PSFTは約0.45~0.95cm/g、または約0.5~0.9cm/gの細孔容積を有する。
【0029】
いくつかの実施形態において、炭素を浸透させる前のPSFTは、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、または少なくとも80wt%の結晶ケイ素(ナノ結晶ケイ素)を有する。PSFTは、多くとも50wt%、多くとも40wt%、多くとも30wt%、多くとも20wt%、または多くとも10wt%のアモルファスまたは結晶性酸化ケイ素を有する。PSFTは、多くとも15wt%、多くとも10wt%、または多くとも5wt%の不純物(ケイ素または酸化ケイ素以外の成分)から構成されることがある。
【0030】
材料特性は、例えば、還元レシピの設計、焼成温度プログラム、後熱処理、および/または焼成炉の設計を通じて制御することができる。例えば、結晶ケイ素含有量(Si%)、Si結晶子サイズ、細孔容積、細孔直径はそれぞれ、一般的に原料のMg/SiO比とともに増加する。一方、比表面積(SSA)は、Si%と結晶子サイズの両方に関係している。具体的には、SSAはSi%とともに増加するが、Si結晶子サイズが大きくなると減少する。Si%とSi結晶子サイズの両方は、レシピ、特にMg/SiO比に影響される。Si結晶子サイズ、SSA、細孔容積、細孔径は、使用する温度やモデレーターの量を調整することでさらに変化させることができる。SiOとMgの反応中に発生する発熱は、バッチ中のモデレーターによって吸収される。Mgに対するモデレーターの割合が減少すると、発熱反応中のバッチの温度上昇が増加し、Si結晶子の成長が促進され、焼結が進み、SSAと気孔容積が減少する。バッチの保持温度を高くすると、結晶子サイズ、SSA、細孔容積に減速材と同様の効果がある。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、複合繊維を形成するために、PSFTに炭素を浸透させる。そのような実施形態では、Si-C複合繊維は、25~65wt%、少なくとも29wt%、少なくとも35wt%、少なくとも37wt%、少なくとも39wt%、少なくとも46wt%、29~63wt%の炭素含有量を有することができる、39~63wt%、または46~63wt%であり、ハーフセル試験において、1stサイクルのクーロン効率(FCE)が60~85%、1stサイクルの比脱離容量(1SDC)が800~2200mAh/gである。
【0032】
1つまたはそれ以上の実施形態において、複合繊維中の元素の大部分は、例えば、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも99wt%、または少なくとも99.5wt%のSi、C、および酸素(O)である。
【0033】
本開示の実施形態によれば、複合Si-C繊維は、Si繊維と炭素材料(例えば、炭素ブラックまたはグラファイト)との単純な混合物と比較して、優れた特性を提供することができる。理論に束縛されることなく、これは、少なくとも部分的には、繊維内の相互接続された炭素ネットワークのために、電子およびリチウムイオンの輸送および拡散速度が改善されるためであると考えられる。電子とリチウムイオンは、ケイ素よりも炭素の方が拡散率が高い。複合繊維内の相互接続された炭素ネットワークは、複合繊維の外表面から複合繊維の内部への電子およびリチウムイオンの輸送、または複合繊維の内部から複合繊維の外表面への輸送を促進する。そのため、電子やリチウムイオンの数や輸送速度は、繊維中の炭素含有量が多いほど増加する。
【0034】
また、拡散速度の向上は、デリチエーションステップにおけるSiドメイン表面の引張応力蓄積の露出時間を短縮し、ケイ素ドメインの割れを回避するのに役立つ(右上のパネルと比較した図1の左上のパネルを参照)。また、速度の向上は、デリチエーションステップにおける繊維表面の引張応力蓄積の露出時間を短縮するのに役立ち、その結果、繊維表面の割れを回避することができる(右下パネルと比較した図1の左下パネルを参照)。
【0035】
いくつかの実施形態において、複合繊維は、リチウムと、Si相からのケイ素の少なくとも一部とが、LiSi合金を形成し、xが0超~4である、リチウムを含んでもよい。いくつかの実施形態において、リチウム含有複合繊維は、LiSiOをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、リチウム含有複合繊維は、ケイ素または炭素の一方のナノ多孔質繊維状構造を作製し、続いて炭素またはケイ素の他方のナノ多孔質繊維状構造を浸潤させ、次いで浸潤させた構造をリチウム源と反応させてLiSi合金を形成することによって形成することができる。他の実施形態では、リチウム含有複合繊維は、ケイ素のナノ多孔質繊維状構造体を作り、次にその構造体をリチウム源と反応させてLiSi合金を形成し、最後にその構造体に炭素を浸透させることによって形成することができる。さらに他の実施形態では、Si-C複合繊維にリチウムを導入してLiSi合金を形成することにより、リチウム含有複合繊維を形成することができる。
【実施例1】
【0036】
実施例1
マグネシウム熱還元後に酸洗浄を行い、望ましくない反応生成物を除去してPSFTを形成し、以下に詳述するように分析した。図2は、金属ケイ素を有するPSFTの断面のSEM像である。直径数十ナノメートルの細孔が観察される。また、図2のPSFTをX線回折(XRD)分析したところ、リートベルト分析により、50~95wt%の結晶ケイ素と、5~50wt%のアモルファス酸化ケイ素(SiOx)から構成されていることが示された。PSFT中の非晶質酸化ケイ素は、化学量論的(SiO)または非化学量論的(SiO、x<2)である。
【実施例2】
【0037】
実施例1のPSFTに炭素を浸透させ、以下に詳述するように分析した。図3は、Si-C複合繊維のSTEM像を示しており、Si結晶子、炭素、SiOxが相互に連結した多孔質ネットワークを形成している。複合繊維のXRDは、炭素がほとんど非晶質であるか、炭素ブラックに似た弱い秩序構造を示すことを示している。場合によっては、SiとCの界面で化学結合が形成されることもある。すなわち、界面にSiC化合物(炭化ケイ素)が形成されることがある。
【0038】
典型的なケイ素の結晶子サイズは、ケイ素のX線回折ピークのリートベルト解析またはシェラー解析、あるいはSTEM画像の結晶子の直接測定によって決定される直径5~30nmの範囲である可能性がある。図3は、Si-C複合材料のSTEM画像を示す。HAADF(高角度暗視野)画像は繊維中の結晶粒の形態を示し、明視野(BF)画像は周期的な縞を示し、HAADF画像中の結晶粒はほとんどが単結晶ケイ素、すなわち結晶子であることを示す。ケイ素結晶子の形状が不規則な場合、粒子の長軸を直径と定義する。
【0039】
図4は、STEM-EELSによるSi-C複合繊維中のSi(右上)とC(左下)の元素マッピングを示す。SiとCの元素マッピング画像(右下)を重ね合わせたように、SiとCは繊維構造において相補的である。これは、炭素がSi繊維テンプレートの多孔質空間に浸透し、Si結晶子と密接に接触していることを示す。ケイ素結晶子は、隣接するケイ素結晶子やアモルファスケイ素酸化物との接続を介して相互接続する。したがって、初期PSFTは、ケイ素と酸化ケイ素が相互接続した多孔性ネットワークであることが確認された。
【実施例3】
【0040】
実施例3
同じPSFTから、異なる量の炭素を浸透させたサンプルを多数作製した。図5は、サンプルの1stサイクル比リチウム化能、FCE、およびC%の関係を示す。この結果から、特定のPSFTでは、C%が増加するにつれて比リチウム化容量が減少する傾向があることがわかる。
【実施例4】
【0041】
実施例4
さまざまな細孔容積を持つPSFTを調製し、炭素を浸透させて複合繊維を形成した。PSFTの細孔容積とSi%を図6に示す。PSFTに浸透させることができる炭素の量は、一般にPSFTの細孔容積、すなわち炭素がアクセス可能なボイドスペースによって制限される。細孔容積が大きいほど、より多くの炭素を浸透させることができ、その結果、炭素含有量を増やすことができる。
【0042】
その後、複合繊維をハーフセルに成形し、試験を行った。結果を図7図8に示す。炭素またはケイ素がPSFTまたは炭素繊維に浸透するにつれて、形成されたSi-C複合材料の総体積は、元のPSFTまたは炭素繊維テンプレートに対して変化しない。しかし、FCEは著しく改善され(例えば、図7に示すように40%~75%)、(図8の例に示すように)単一繊維の充放電体積容量は増加する。
【実施例5】
【0043】
実施例5
マグネシウム熱還元によりPSFTを形成し、PSFTの特性を測定した。還元に使用した原料と測定結果を以下の表1にまとめた。
【表1】
【0044】
表1の材料を炭素で浸透させてSi-C複合繊維を形成した。Si-C複合繊維を含む電極とリチウム金属電極を対にしてハーフコインセルを形成し、FCEと1stサイクル比脱離容量(1SDC)の試験を行った。Si-C複合繊維の特性とハーフセル試験の結果は、以下の表2にまとめた。
【表2】
【0045】
上述したように、複合繊維が以下の特性:少なくとも29wt%の炭素含有量、少なくとも0.62の式1値、および少なくとも70.3の式2値のすべてを有する場合、FCEは73%より大きかった。さらに、複合繊維が、少なくとも37wt%の炭素含有量、少なくとも0.69の式1値、および少なくとも72.7の式2値のすべての特性を有する場合、FCEは73%より大きかった。さらに、複合繊維が、少なくとも46wt%の炭素含有量、少なくとも0.69の式1の値、および少なくとも75の式2の値という以下の特性のすべてを有する場合、FCEは75%より大きかった。逆に、比較例5は式1の値が0.69、炭素含有量が31.7wt%であったが、式2の値は70.1しかなかった。その結果、比較例5は63.8%のFCEしか達成できなかった。
【0046】
様々な実施形態が示され、説明されてきたが、本開示は、そのような実施形態に限定されず、当業者に明らかである全ての修正および変形を含むと理解されるだろう。したがって、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図するものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲内に入るすべての修正、等価物、および代替物を対象とすることを意図していることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
グラファイトは、数百サイクルにわたり、ほとんど容量が低下することなく安定した状態を保ち、その機能を果たすことができるため、リチウムイオン電池に一般的に使用されている。ケイ素は、現在の業界標準であるグラファイト(372mAh/g)に対して非常に高い容量(4000mAh/g)を持つため、負極材料として大きな可能性を秘めている。しかしケイ素には、リチウム化によって350%膨潤するという限界がある。この膨潤は、セル内部構造の深刻な破壊を引き起こし、セル構成部品が損傷し、陽極自体が細かく粉砕され、最終的に電気的接続性を失うため、急速な容量低下を招く。したがって、改良されたケイ素含有アノード材料およびそのようなケイ素含有アノード材料を調製する方法が引き続き必要とされる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2020/0152983号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2020/0269207号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2018/0269471号明細書
【国際調査報告】