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特表2024-533163スプライソソーム構成要素のリクルートを介したRNA編集
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】スプライソソーム構成要素のリクルートを介したRNA編集
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20240905BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20240905BHJP
   C12N 15/861 20060101ALI20240905BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20240905BHJP
   C12N 15/867 20060101ALI20240905BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240905BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240905BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12N15/113 Z ZNA
C12N15/861 Z
C12N15/864 100Z
C12N15/867 Z
C12N5/10
A61K31/7088
A61P21/00
A61P43/00 105
A61K48/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513942
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022042486
(87)【国際公開番号】W WO2023034582
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,428
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/345,660
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523389442
【氏名又は名称】タシト・セラピューティクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ネルス, デイビッド エー.
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065AB01
4B065AC14
4B065AC20
4B065BA02
4B065CA23
4B065CA44
4B065CA46
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZA941
4C084ZA942
4C084ZB211
4C084ZB212
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA94
4C086ZB21
(57)【要約】
トランススプライシングを促進するための方法及び組成物が開示される。いくつかの実施形態において、組成物は、標的RNA分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAを含む。組成物は、RNAドナー分子を更に含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的RNA分子とRNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAを含む、組成物。
【請求項2】
標的RNA分子とRNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAを含む、組成物であって、前記RNAドナー分子は、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)前記置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、及び(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメインを含む、前記組成物。
【請求項3】
前記RNAドナー分子が、操作された核内低分子RNAドメインを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記操作された核内低分子RNA分子が、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択されるヒト核内低分子RNA遺伝子から誘導または単離される、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記操作された核内低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子またはU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離され、前記RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的で5’末端から16核酸塩基未満で始まるRNAモチーフを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記操作された核内低分子RNA分子が、前記RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的なRNAモチーフを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記RNAモチーフが、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記操作された低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子またはU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記操作された低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子及び前記U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記U1核内低分子RNA遺伝子の前記バリアントが、vU1.4、vU1.11、vU1.8、vU1.7、vU1.5、及びvU1.12からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記核内低分子RNA分子が、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
RNAドナー分子を含む組成物であって、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)前記置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、及び(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメイン、及び(d)前記RNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAドメインを含む、前記組成物。
【請求項13】
前記操作された核内低分子RNAドメインが、前記RNAドナー分子中のスプライスドナー部位から200塩基未満離れて位置する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記操作された核内低分子RNAドメインが、ヒト核内低分子RNA遺伝子から単離または誘導される、請求項12~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記ヒト核内低分子RNA遺伝子が、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記操作された核内低分子RNAドメインが、合成であり、スプライソソームの構成要素と結合する、請求項12~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記操作された核内低分子RNAドメインが、前記ヒトU1遺伝子のバリアントから単離または誘導された配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記操作された核内低分子RNAドメインが、前記ヒトU1核内低分子RNA遺伝子及び前記U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導された配列を含む、請求項12~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記RNAドナー分子が、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記RNAドナー分子と前記標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記操作された核内低分子RNA分子が、少なくとも4ヌクレオチド長であり、前記RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記RNAモチーフが、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記RNAドナー分子が、少なくとも4ヌクレオチド長であり、前記RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記RNAドナー分子が、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記翻訳増強エレメントが、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及び鉄応答性エレメントからなる群から誘導または単離される配列を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記RNAドナー分子と前記標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記RNAドナー分子が、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記核酸分子が、異種プロモーターを更に含む、請求項1~27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物を含む、ベクター。
【請求項30】
前記ベクターが、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、ナノ粒子、ミセル、リポソーム、リポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックス、及びデンドリマーからなる群から選択される、請求項29に記載のベクター。
【請求項31】
請求項29または30に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項32】
疾患を治療するための方法であって、請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物または請求項29もしくは30に記載のベクターを含む治療上有効な量の治療を、それを必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項33】
対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物または請求項29もしくは30に記載のベクターを前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項34】
疾患を治療するための方法であって、請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物または請求項29もしくは30に記載のベクターを、治療上有効な量の治療を必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項35】
対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物または請求項29もしくは30に記載のベクターを前記対象に投与することを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月3日に出願された米国仮出願第63/240,428号、及び2022年5月25日に出願された米国仮出願第63/345,660号の利益を主張するものであり、これらの出願は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
疾患の原因となるRNA配列を置き換えるというニーズは、長年望まれているが、未だ満たされていない。本開示は、ヒト細胞のRNA分子中の特定のRNA配列を置換するための組成物及び方法を提供する。特定の態様において、本開示は、標的RNA内の選択されたRNA配列を置換するための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ヒト遺伝子療法との関係において、スプライソソームの構成要素をRNAドナーにリクルートし、標的RNAの編集を促進して、疾患を治療する、操作された核内低分子RNAとともに使用されるRNAドナー分子を提供する。
【0003】
ヒト遺伝子疾患の効果的な治療は、ヒト細胞の欠陥的遺伝子配列を効率的に置換することが必要である。RNA編集は、ヒト遺伝子治療として提案されているが、効率が低く、RNA編集のサイズ及び組成が限られているため、臨床試験では成功していない。更に、RNA及びDNAの編集に免疫原性タンパク質を使用することは、安全性の問題が伴う。本開示は、長年望まれているが満たされていないこのニーズに対処し得るRNA編集の改善について記載する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
特定の態様において、本明細書で開示されるのは、標的RNA分子とRNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAを含む、組成物である。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、操作された核内低分子RNAドメインを含む。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択されるヒト核内低分子RNA遺伝子から誘導または単離される。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、U1核内低分子RNA遺伝子またはU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離され、RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的で5’末端から16核酸塩基未満で始まるRNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的なRNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、操作された低分子RNA分子は、U1核内低分子RNA遺伝子またはU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された低分子RNA分子は、U1核内低分子RNA遺伝子及びU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む。いくつかの実施形態において、U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントは、vU1.4、vU1.11、vU1.8、vU1.7、vU1.5、vU1.12からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、核内低分子RNA分子は、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラを含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、組成物は、RNAドナー分子と標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、少なくとも4ヌクレオチド長であり、RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、少なくとも4ヌクレオチド長であり、RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、翻訳増強エレメントは、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及び鉄応答性エレメントからなる群から誘導または単離される配列を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、RNAドナー分子と標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラを含む。いくつかの実施形態において、核酸分子は、異種プロモーターを更に含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、本明細書で開示される請求項の組成物を含むベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、ナノ粒子、ミセル、リポソーム、リポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックス、及びデンドリマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載されるベクターを含む細胞である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、疾患を治療するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを含む治療上有効な量の治療を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを当該対象に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、疾患を治療するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを、治療上有効な量の治療を必要とする患者に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを当該対象に投与することを含む、方法である。
【0005】
特定の態様において、本明細書で開示されるのは、標的RNA分子とRNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAを含む、組成物であって、RNAドナー分子は、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、及び(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメインを含む、組成物である。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、操作された核内低分子RNAドメインを含む。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択されるヒト核内低分子RNA遺伝子から誘導または単離される。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、U1核内低分子RNA遺伝子またはU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離され、RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的で5’末端から16核酸塩基未満で始まるRNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的なRNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、操作された低分子RNA分子は、U1核内低分子RNA遺伝子またはU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された低分子RNA分子は、U1核内低分子RNA遺伝子及びU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む。いくつかの実施形態において、U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントは、vU1.4、vU1.11、vU1.8、vU1.7、vU1.5、vU1.12からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、核内低分子RNA分子は、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラを含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、組成物は、RNAドナー分子と標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、少なくとも4ヌクレオチド長であり、RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、少なくとも4ヌクレオチド長であり、RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、翻訳増強エレメントは、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及び鉄応答性エレメントからなる群から誘導または単離される配列を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、RNAドナー分子と標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラを含む。いくつかの実施形態において、核酸分子は、異種プロモーターを更に含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、本明細書で開示される請求項の組成物を含むベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、ナノ粒子、ミセル、リポソーム、リポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックス、及びデンドリマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載されるベクターを含む細胞である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、疾患を治療するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを含む治療上有効な量の治療を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを当該対象に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、疾患を治療するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを、治療上有効な量の治療を必要とする患者に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを当該対象に投与することを含む、方法である。
【0006】
特定の態様において、本明細書で開示されるのは、RNAドナー分子を含む組成物であって、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、及び(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメイン、及び(d)RNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAドメインを含む、組成物である。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNAドメインは、RNAドナー分子中のスプライスドナー部位から200塩基未満離れて位置する。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNAドメインは、ヒト核内低分子RNA遺伝子から単離または誘導される。いくつかの実施形態において、ヒト核内低分子RNA遺伝子は、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNAドメインは、合成であり、スプライソソームの構成要素と結合する。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNAドメインは、ヒトU1遺伝子のバリアントから単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNAドメインは、ヒトU1核内低分子RNA遺伝子及びU1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、組成物は、RNAドナー分子と標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子は、少なくとも4ヌクレオチド長であり、RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、少なくとも4ヌクレオチド長であり、RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、翻訳増強エレメントは、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及び鉄応答性エレメントからなる群から誘導または単離される配列を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、RNAドナー分子と標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラを含む。いくつかの実施形態において、核酸分子は、異種プロモーターを更に含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、本明細書で開示される請求項の組成物を含むベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、ナノ粒子、ミセル、リポソーム、リポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックス、及びデンドリマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載されるベクターを含む細胞である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、疾患を治療するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを含む治療上有効な量の治療を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを当該対象に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、疾患を治療するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを、治療上有効な量の治療を必要とする患者に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載されるベクターを当該対象に投与することを含む、方法である。
【0007】
参照による援用
本明細書で言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書に援用されることが具体的かつ個別に示される場合と同様に、参照により本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】A~Cは、本明細書に記載される方法の一実施形態を示す。Aは、直接的に疾患に寄与する(「RNA病原性」)または疾患原因タンパク質への翻訳を介して間接的に疾患に寄与する(「病原性タンパク質の翻訳」)、変異した(「欠陥的」)DNA配列がRNAに転写されるヒト遺伝子疾患の概念を示す。Bは、ドナーRNA及び操作された核内低分子RNA(「esnRNA」)から構成されるシステムを示す。RNAドナー分子とesnRNAを組み合わせることで、変異を持つ標的RNAにRNAドナーがハイブリダイゼーションし、続いて、esnRNAとRNAドナーが会合することにより、スプライソソーム構成要素がリクルートされ、RNAドナー分子と標的RNAとの間でトランススプライシングが生じることにより、変異したRNAが修正される。これにより、標的RNA中の選択された配列がRNAドナー分子で置き換えられた、修正された標的RNAが得られる。Cは、構成要素がどのように相互作用するかを示す。RNAドナーと標的RNAとの間の塩基対形成により、これらの分子が近接する。esnRNAとRNAドナーとの間の塩基対形成により、スプライソソーム構成要素が近接し、標的RNAとRNAドナーとの間のトランススプライシング反応が促進される。
【0009】
図2】A~Bは、2つの非限定的な実施形態を示す。Aは、標的RNA分子内の内部配列に置換をもたらすバージョンを示す。この実施形態では、標的RNAの5’末端及び3’末端を保持しながら、内部配列をRNAドナー分子で置き換える。Bは、標的RNAの3’末端を保持しながら、標的RNAの5’末端部分の置換をもたらすことを示す。
【0010】
図3】A~Bは、2つの非限定的な実施形態を示す。一実施形態(A)において、esnRNA及びRNAは、別個の分子であり、esnRNA及びRNAドナーは、図1Cに概説する様式で会合する。Bでは、esnRNAは、RNAドナー内のドメインである。どちらの場合も、esnRNA配列は、同じ機序で作用し、スプライソソーム構成要素をRNAドナーにリクルートすることで、標的RNAとRNAドナーとの間のトランススプライシングを駆動する。
【0011】
図4】A~Dは、標的RNA中の内部配列の置換との関係におけるesnRNAの重要性を明らかにするために設計された実験を示す。Aは、GFPのN末端及びC末端部分(「C-GFP」)を持つが、蛍光に必要な内部GFP配列を欠くスプリットGFPレポーターの設計を示す。レポーターでは、この内部GFP配列は、イントロンによって挟まれた終止コドンを持つ短いエクソンで置き換えられている。内部配列は、1つのイントロンドメイン及び1つのアンチセンスドメインによって挟まれたRNAドナー分子内の置換配列である。Bは、レポーター単独の活性を示すものであり、シススプライシングにより終止コドンで中断されたGFP配列が生成されるので、GFPシグナルは生成されない。Cは、esnRNAを含まないRNAドナー分子の存在下でのレポーターの活性を示すものであり、同様にシススプライシングが主に生じることから、GFPシグナルは生成されない。Dは、esnRNAを含むRNAドナー分子の存在下でのレポーターの活性を示すものであり、トランススプライシングが主に生じることから、GFPシグナルが生成される。
【0012】
図5】A~Bは、標的RNA中の5’末端配列の置換との関係におけるesnRNAの重要性を明らかにするために設計された実験を示す。Aは、GFPのC末端部分(「C-GFP」)を持つが、蛍光に必要なN末端GFP配列を欠くスプリットGFPレポーターの設計を示す。レポーターでは、このN末端GFP配列は、イントロンによって挟まれた短いエクソンで置き換えられている。N末端配列(「N-GFP」)は、1つのイントロン配列及び1つのアンチセンスドメインによって挟まれたRNAドナー分子内の置換配列である。Bは、レポーター単独の活性を示すものであり、シススプライシングによりGFPのN末端部分が欠けたGFP配列が生成されるので、GFPシグナルは生成されない。Cは、esnRNAを含まないRNAドナー分子の存在下でのレポーターの活性を示すものであり、同様にシススプライシングが主に生じることから、GFPシグナルは効率的に生成されない。Dは、esnRNAを含むRNAドナー分子の存在下でのレポーターの活性を示すものであり、トランススプライシングが主に生じることから、GFPシグナルが効率的に生成される。
【0013】
図6】Aは、標的RNA内の特定の配列の置換との関係におけるesnRNAの特定の特徴の重要性を調べた実験データである。ヒトU1 snRNAから誘導されるが、RNAドナー分子に対して相補的な領域を生成する変異を5’末端に持つ、様々なesnRNA(A~Hと表記)を構築した。これらのアンチセンスドメインの標的をBに概説する。ヒト細胞を、図5に記載されるレポーターシステムとともに、RNAドナー及び様々なesnRNAで処理した。それにより得られたGFPシグナルは、2つのesnRNA(「esnRNA B」及び「esnRNA C」)が最も高いGFPシグナルを示し、したがって、標的RNAへRNAドナー分子が最も効率的に挿入されたことを示している。これらのデータは、esnRNAによる標的RNAへのRNAドナー配列への効率的な挿入を達成するには、標的部位の選択が重要な因子であることを示している。「陰性対照」は、RNAドナーがレポーターを標的とするアンチセンスドメインを含有しない実験条件を指す。「wt esnRNA」は、RNAドナーが確かにレポーターを標的とするが、esnRNAが未改変の野生型ヒトU1 snRNAと同一である実験条件を指す。
【0014】
図7】標的RNA内の特定の配列の置換との関係におけるesnRNAの存在の重要性を調べた実験データである。esnRNA分子が存在しない場合、シーケンシングしたクローンは、全長GFPとアライメントしなかった(右パネルに示した23個のシーケンシングしたクローンのうち0個)。esnRNAの存在下では、4つのクローンが全長GFPとアライメントした(右パネルに示した24個のシーケンシングしたクローンのうち4個)。これらの完全にアライメントしたクローンを「クローン1~4」と表示した。RNAドナー由来の配列と標的RNA由来の配列の接合部で隣接するこれらのクローンの配列は、全てのクローン間で完全なアライメントを示し、予想される全長GFP配列を示している。
【0015】
図8】A~Bは、標的RNA内の特定の配列の置換との関係におけるesnRNAの様々な特徴の重要性を調べた実験データである。細胞を、esnRNA BまたはesnRNA Bの様々な変異型、及び図5に概説したレポーターシステム(RNAドナー及びレポーター)でトランスフェクトした。それにより得られたGFPシグナルは、esnRNA内のステムループ構造の存在がesnRNAの活性に重要であることを示している。実際、スプライソソーム因子をリクルートするステムループ構造(ステムループ1、ステムループ2、またはステムループ4)の除去または変異は、標的RNAへのRNAドナーの挿入を低下させる。Aは、結果を示す。Bは、様々な変異を示す。
【0016】
図9】A~Bは、標的RNA内の特定の配列の置換との関係におけるesnRNA内のアンチセンスドメインの重要性を調べた実験データである。細胞を、esnRNA BまたはesnRNA Bの様々な変異型、及び図5に概説したレポーターシステム(RNAドナー及びレポーター)でトランスフェクトした。それにより得られたGFPシグナル(A)は、RNAドナーに対して相補的なesnRNA中の配列の長さを減らすと、GFPシグナルが低くなり、それにより、標的RNAへのRNAドナーの効率的な挿入が少なくなることを示している。esnRNA「+」は、RNAドナーに対して10塩基の相補配列を含有するesnRNAの存在を示す。「9b」、「4b」、及び「2b」は、esnRNAとRNAドナーとの間にそれぞれ9塩基、4塩基、及び2塩基の相補配列があることを示す(B)。RNAドナーの「+」は、標的RNAに対して相補的な配列を含有するRNAドナーの存在を示し、「-」は、標的RNAに対して相補的でない対照RNAドナーの存在を示す。Aは、結果を示す。Bは、様々な変異を示す。
【0017】
図10】標的RNA内の特定の配列の置換との関係における様々なesnRNAの活性を記述する実験データである。U1 snRNA及びU1 snRNAのバリアントから誘導される様々なesnRNA(番号1~61及びesnRNA Bと比較)を構築した。esnRNAは全て、RNAドナー分子に対して相補的な領域を生成する変異を5’末端に持っている。ヒト細胞を、図5に記載されるレポーターシステムとともに、RNAドナー及び様々なesnRNAで処理した。それにより得られるGFPシグナルは、RNA編集に関連する効率を示す。これらのデータは、U1 snRNAのバリアントから誘導された配列の使用がトランススプライシングによるRNA編集効率を高めるのに重要な手段であることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一態様において、本明細書で開示されるのは、生細胞内の特定のRNA分子中の任意の配列の置換を可能にするRNA技術である。理論に拘束されるものではないが、RNAトランススプライシングに基づくこの技術は、このトランススプライシングプロセスの触媒活性を提供するために、ヒト細胞内に自然に存在するスプライソソームを利用する。典型的に、RNAスプライシングは、RNA分子内で生じ、未成熟メッセンジャーRNA分子(pre-mRNA)から、エクソンが連結され、イントロンが除去されて、成熟メッセンジャーRNA分子(mRNA)が形成される。このプロセスは、シススプライシングと称される。RNAトランススプライシングは、スプライソソームが明確に異なる別個のRNA分子から誘導されるエクソンを連結するプロセスである。このプロセスは、ヒト細胞では稀にしか生じないが、RNAトランススプライシングを促進する最新システムは、低レベルで活性である。本明細書に記載されるのは、RNAトランススプライシングの効率を高める組成物である。これらの改善されたRNAトランススプライシング組成物は、標的RNA分子内の変異配列を置き換えて、ヒト疾患に対処するために使用することができる。任意のRNA配列の置換は、無数の特定用途がある一般的な能力であり、そのいくつかは、関連する実証実験として探求されている。RNAトランススプライシングは、操作された配列を標的RNAに挿入し、RNA安定性の改変またはRNA翻訳の改変など、標的RNAに新たな活性を付与することができる。この特徴を使用して、標的RNAによるタンパク質の生成を増加させることができる。その最も広範な意味で、このRNAトランススプライシング技術は、標的RNAのコーディング領域とノンコーディング領域の両方に任意の変化を与えることができる。
【0019】
RNAドナー分子及びesnRNA分子の使用を伴う本開示のRNAトランススプライシング技術は、複数のRNA標的に対するRNAトランススプライシングを高効率で示す初めての技術である。高効率のRNAトランススプライシングは、これまでのRNAトランススプライシングシステムにはない3つの主な利点がある。第1に、この効率の改善により、変異遺伝子の活性を再構成するのに十分なレベルで欠陥的RNA配列を置き換え、劣性遺伝子障害を治療することができる。事実、多くの劣性遺伝子障害の治療には少なくとも15%の効率が必要であり、100%の効率は標的RNA内の配列の完全な置換である。第2に、この効率の改善により、毒性獲得型変異を伴う遺伝子障害を治療するのに十分なレベルで欠陥的RNA配列を置き換えることができる。これらの疾患を治療するには、毒性変異を持つRNAを排除することが必要とされるため、このクラスの多くの疾患には、変異配列の高効率での置換が必要である。その結果、更に高い効率が求められる(50%+)。最後に、本明細書に記載されるRNAトランススプライシング技術は、複数の標的RNAを修正する幅広い能力があることから、この技術のなかでも広く適用可能で効率的なものであることを示している。これは、極めて一般的な能力であり、本開示は、複数の標的RNAの配列を効率的に置き換えることができるRNAトランススプライシングシステムの実証を提供する。
【0020】
本技術を形成するためにesnRNA分子を組み込むことで、標的RNAのコーディング配列とノンコーディング配列の両方を改変することを更に可能にする能力が得られる。標的RNAの5’または3’非翻訳領域を高効率で置き換えることによって、翻訳またはターンオーバーなどのRNAの挙動を変えることができる。これらの作用の最終結果として、標的RNAからのタンパク質の増加またはRNAレベルの変化に伴う他の下流への効果が生じる。
【0021】
トランススプライシングを促進するためのRNA分子
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される組成物は、トランススプライシングを促進するためのRNA分子を含む。一態様において、本明細書に記載されるのは、RNAドナー分子である。いくつかの実施形態において、RNAドナーは、標的RNA分子及びesnRNA分子と結合して、トランススプライシングを促進する。別の実施形態において、RNAドナー分子は、esnRNAドメインを含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、esnRNAドメインを含まない。一例は、図3Aに示される。一態様において、本明細書に記載されるのは、esnRNA分子及び3つのドメインを含むRNAドナー分子である。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、置換ドメインを含む。置換ドメインは、トランススプライシング反応を介して標的RNA分子に挿入され得る。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、標的RNAに対して相補的なアンチセンスドメインを含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、RNAドナー分子と標的RNAとの間のトランススプライシング反応を促進するイントロンドメインを含む。いくつかの実施形態において、esnRNA分子は、ヒト核内低分子RNA遺伝子から単離または誘導されるが、RNAドナー分子に対して相補的な配列を含有するように改変されている。理論に拘束されるものではないが、トランススプライシングRNAドナー分子と、RNAドナー分子と接触するesnRNAの組み合わせにより、ヒト細胞の疾患原因RNA配列を十分に効率的に置き換えて疾患に対処する様式で、標的RNA内の選択された配列の置換がもたらされる。いくつかの実施形態において、本開示は、配列特異的な様式で疾患原因RNA分子を標的とし、これらのRNA分子内の疾患原因RNA配列を高効率で置き換えるための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子及びesnRNAの実装は、疾患原因配列の置換または操作された配列の標的RNAへの挿入を含む様々な状況において有用性を示す。いくつかの実施形態において、操作された配列は、標的RNAの翻訳または安定性を改変し、タンパク質産生または標的RNAレベルを増加または減少させることができる。いくつかの実施形態において、本開示は、RNAドナー分子及びesnRNA分子を含むかまたはコードする、ベクター、組成物及び細胞、ならびにトランススプライシングRNA組成物を使用する方法を提供する。
【0023】
特定の態様において、本明細書に記載されるのは、ヒトスプライソソームsnRNA遺伝子から誘導または単離された操作された核内低分子RNA(「esnRNA」)分子と、(a)トランススプライシングを促進する少なくとも1つのドメイン(「イントロンドメイン」)、(b)ヒト細胞内に存在するpre-mRNA(「標的RNA」)に対して相補的な配列を含むかまたはそれからなる少なくとも1つの結合ドメイン(「アンチセンスドメイン」)、及び(c)トランススプライシングを介して標的RNAに挿入されるコーディングドメイン(「置換ドメイン」)を含むRNAドナー分子とを含む、組成物である。esnRNA分子がRNAドナー分子と結合し、スプライソソーム構成要素をリクルートすることで、RNAドナー分子と標的RNAとの間のトランススプライシングが促進され、それにより、RNAドナー分子配列が標的RNAに挿入される。他の実施形態において、本開示は、RNAドナー分子及びesnRNA分子をコードする核酸配列を含む、組成物を提供する。他の実施形態において、本開示は、RNAドナー分子及びesnRNAをそれぞれコードする2つの核酸配列を含む、組成物を提供する。
【0024】
特定の態様において、本明細書に記載されるのは、2つのドメイン(RNAドナードメイン及びesnRNAドメイン)を含有する単一のRNA分子であり、ここで、単一のRNA分子は、標的RNA分子と選択的に結合し、標的RNA分子とのトランススプライシング反応を高効率で促進する。特定の態様において、本開示は、単一のRNA分子を含むかまたはコードする、ベクター、組成物及び細胞を提供する。特定の態様において、本開示は、疾患または障害を治療するために、本開示の単一のRNA分子、ベクター、組成物及び細胞を使用する方法を提供する。
【0025】
いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、esnRNAドメインを含む。一例は、図3Bに示される。一態様において、本明細書で開示されるのは、少なくとも4つのドメインを含むRNAドナー分子である。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、置換ドメインを含む。置換ドメインは、トランススプライシング反応を介して標的RNA分子に挿入され得る。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、標的RNAに対して相補的なアンチセンスドメインを含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、RNAドナー分子と標的RNAとの間のトランススプライシング反応を促進するイントロンドメインを含む。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、ヒト核内低分子RNA遺伝子から単離または誘導されたesnRNAドメインを含む。
【0026】
本開示は、いくつかの実施形態において、(a)トランススプライシングを促進する少なくとも1つのドメイン(「イントロンドメイン」)、(b)ヒト細胞内に存在するpre-mRNA(「標的RNA」)に対して相補的な配列を含むかまたはそれからなる少なくとも1つの結合ドメイン(「アンチセンスドメイン」)、(c)トランススプライシングを介して標的RNAに挿入されるコーディングドメイン(「置換ドメイン」)、及び(d)esnRNA配列を含む操作された核内低分子RNA(「esnRNA」)ドメインを含むRNAドナー分子を含む、組成物を提供する。esnRNAドメインは、スプライソソーム構成要素をリクルートすることで、RNAドナー分子と標的RNAとの間のトランススプライシングが促進され、それにより、RNAドナー分子配列が標的RNAに挿入される。他の実施形態において、本開示は、RNAドナー分子をコードする核酸配列を含む、組成物を提供する。
【0027】
esnRNA分子及びドメイン
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法及び組成物は、esrRNAドメインを含むesnRNA分子を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法及び組成物は、esRNAドメインを含むRNAドナー分子を含む。いくつかの実施形態において、esnRNAドメインは、ヒト核内低分子RNA遺伝子から誘導または単離され、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択される。
【0028】
本明細書で開示されるesnRNA分子及びesnRNAドメインを含む組成物は、ヒト核内低分子RNA遺伝子から誘導または単離された任意の配列を含む。核内低分子RNA遺伝子には、限定するものではないが、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12が含まれる。esnRNA分子は、RNAドナー分子に対して相補的な配列を含有し得る。この相補配列は、esnRNA分子の5’末端またはその近傍に位置し得る。相補配列には、限定するものではないが、5’CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’が含まれる。いくつかの実施形態において、上記の相補配列は、チミジン塩基の一部または全てがウラシルに置き換えられていてもいなくてもよく、トランススプライシングエンハンサー配列は、限定するものではないが、5’-CGAGCUCUCU-3’、5’-AACGAGCUCU-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-UAUCGCAACG-3’、5’-AAUAAUAUCG-3’、5’-UAAGAGAGCU-3’、5’-AAGAGAGCUC-3’、5’-AGAGAGCUCGUUGC-3’、5’-GAGAGCUCGU-3’、5’-AGAGCUCGUUGCGA-3’、及び5’-GAGCUCGUUG-3’を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、esnRNAドメインは、ヒト核内低分子RNA遺伝子から誘導または単離された1つ以上のステムループ形成RNA配列を含有する。一実施形態において、そのようなesnRNAドメインは、その対応する野生型配列または元の配列に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する。一実施形態において、そのようなesnRNAドメインは、その対応する野生型配列または元の配列に対して、最大約80%、最大約85%、最大約90%、最大約91%、最大約92%、最大約93%、最大約94%、最大約95%、最大約96%、最大約97%、最大約98%、最大約99%、または100%の配列同一性を有する。
【0030】
いくつかの実施形態において、esnRNA分子またはesnRNAドメインは、いかなる生物にも由来せず、スプライソソームタンパク質と結合する合成配列から構成される。
【0031】
いくつかの実施形態において、esnRNAドメインは、置換ドメインから少なくとも約1ヌクレオチド離れて位置する。いくつかの実施形態において、esnRNAドメインは、RNAドナー分子中の置換配列の最初または最後のヌクレオチドから5’方向に、少なくとも約2ヌクレオチド、少なくとも約3ヌクレオチド、少なくとも約4ヌクレオチド、少なくとも約5ヌクレオチド、少なくとも約6ヌクレオチド、少なくとも約7ヌクレオチド、少なくとも約8ヌクレオチド、少なくとも約9ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約11ヌクレオチド、少なくとも約12ヌクレオチド、少なくとも約13ヌクレオチド、少なくとも約14ヌクレオチド、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約16ヌクレオチド、少なくとも約17ヌクレオチド、少なくとも約18ヌクレオチド、少なくとも約19ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約21ヌクレオチド、少なくとも約22ヌクレオチド、少なくとも約23ヌクレオチド、少なくとも約24ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約26ヌクレオチド、少なくとも約27ヌクレオチド、少なくとも約28ヌクレオチド、少なくとも約29ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約31ヌクレオチド、少なくとも約31ヌクレオチド、少なくとも約32ヌクレオチド、少なくとも約33ヌクレオチド、少なくとも約34ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約36ヌクレオチド、少なくとも約37ヌクレオチド、少なくとも約38ヌクレオチド、少なくとも約39ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約41ヌクレオチド、少なくとも約42ヌクレオチド、少なくとも約43ヌクレオチド、少なくとも約44ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約46ヌクレオチド、少なくとも約47ヌクレオチド、少なくとも約48ヌクレオチド、少なくとも約49ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約130ヌクレオチド、少なくとも約140ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約160ヌクレオチド、少なくとも約170ヌクレオチド、少なくとも約180ヌクレオチド、少なくとも約190ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約250ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、または500ヌクレオチド以上離れて位置する。いくつかの実施形態において、esnRNAドメインは、RNAドナー分子中の置換配列の最初または最後のヌクレオチドから5’方向に、最大約2ヌクレオチド、最大約3ヌクレオチド、最大約4ヌクレオチド、最大約5ヌクレオチド、最大約6ヌクレオチド、最大約7ヌクレオチド、最大約8ヌクレオチド、最大約9ヌクレオチド、最大約10ヌクレオチド、最大約11ヌクレオチド、最大約12ヌクレオチド、最大約13ヌクレオチド、最大約14ヌクレオチド、最大約15ヌクレオチド、最大約16ヌクレオチド、最大約17ヌクレオチド、最大約18ヌクレオチド、最大約19ヌクレオチド、最大約20ヌクレオチド、最大約21ヌクレオチド、最大約22ヌクレオチド、最大約23ヌクレオチド、最大約24ヌクレオチド、最大約25ヌクレオチド、最大約26ヌクレオチド、最大約27ヌクレオチド、最大約28ヌクレオチド、最大約29ヌクレオチド、最大約30ヌクレオチド、最大約31ヌクレオチド、最大約31ヌクレオチド、最大約32ヌクレオチド、最大約33ヌクレオチド、最大約34ヌクレオチド、最大約35ヌクレオチド、最大約36ヌクレオチド、最大約37ヌクレオチド、最大約38ヌクレオチド、最大約39ヌクレオチド、最大約40ヌクレオチド、最大約41ヌクレオチド、最大約42ヌクレオチド、最大約43ヌクレオチド、最大約44ヌクレオチド、最大約45ヌクレオチド、最大約46ヌクレオチド、最大約47ヌクレオチド、最大約48ヌクレオチド、最大約49ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約55ヌクレオチド、最大約60ヌクレオチド、最大約65ヌクレオチド、最大約70ヌクレオチド、最大約75ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約85ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約95ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約130ヌクレオチド、最大約140ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約160ヌクレオチド、最大約170ヌクレオチド、最大約180ヌクレオチド、最大約190ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約250ヌクレオチド、最大約300ヌクレオチド、最大約400ヌクレオチド、最大約500ヌクレオチド、または最大約500ヌクレオチド以上離れて位置する。
【0032】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、トランススプライシングを促進するesnRNA配列が存在し得る。本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAは、ヒトU1 snRNA遺伝子から誘導または単離される。本開示の組成物のいくつかの実施形態において、配列esnRNAは、U1 snRNAバリアントから誘導または単離される。本開示の組成物のいくつかの実施形態において、U1 snRNAバリアントは、以下からなるリストから選択される(名称の後の括弧内はUCSCヒトゲノムアセンブリ2006に従ったゲノム位置である):tU1.1[chr1:16713367-16712967]、tU1.2[chr1:16866030-16865630]、vU1.1[chr1:142438700-142438300]、vU1.2[chr1:142464813-142464413]、vU1.4[chr1:143022739-143022339]、vU1.5[chr1:143202968-143202568]、vU1.7[chr1:144680790-144680390]、vU1.8[chr1:145022927-145022527]、vU1.9[chr1:145977791-145977391]、vU1.10[chr1:146301289-146300889]、vU1.11[chr1:146327427-146327027]、vU1.15[chr1:146871696-146871296]、vU1.16[chr1:147033726-147033326]、vU1.17[chr1:147460893-147460493]、vU1.18[chr1:147490845-147490445]、vU1.19[chr1:147780880-147780480]、tU1.3[chr1:16939762-16940162]、tU1.4[chr1:17095226-17095626]、vU1.3[chr1:142478876-142479276]、vU1.6[chr1:144094114-144094514]、vU1.12[chr1:146341486-146341886]、vU1.13[chr1:146460770-146461170]、vU1.14[chr1:146608089-146608489]、vU1.20[chr1:147872535-147872935]。
【0033】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA1):CGAGCTCTCTgCAGGGGAAAGCGCGAACGCAGTACCACTACCACAAATTATGCAATCGAGTTTCCCACATTTGGGGAAATCGCAGGGGTCAACACATCTGGAGTGCAATGGATAAGCCTCGCCCTGGGAAAACCACCTTCGTGATCATGTTATCTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0034】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA2):CGAGCTCTCTgTCCAGGGGAAAGCACAAACAGTTCCCCACTGCCACAAATTATGTAGTCGAGATTCCCTCATTTGGGGAAATCACAGGGGTCAGCACATCCAGAGTAAAATTGCTAAGCCTTGCCCTGGAAAAACCACCTTCGTGATCATAACATTTCTTCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0035】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA3):CGAGCTCTCTgCAGGGAAAAACACAGACACAGTTCCCCACTGCCACAAATTATGTAATCAAGATTCCCACATTCGGGGAAATCACAGGGGTCAGCACATCCACAGTAAAACTGCTAAGCCTTGCTCTGGAAAAACCACCTTCGTGATCATAACATTTCTTCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0036】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA4):CGAGCTCTCTgCAGGGGAAAGCGCGGACGCAGTCCCCCACTACCACAAATTATGCAGTCGAGTTTCCCACATTTGGGGAAATCGCAGGGGTCAGCACATCCGGAGTGCAATGGATAAGCCTCGCCCTGGGAAAACCACCTTCGTGATCATGGTATCTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0037】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA5):CGAGCTCTCTgGGGGGAAAAGAGCGAACGCAGTCTCCCACTACCACAAATTATGCAGTCGAGCTTCCCACATTTGGGGAAGTTGCACGAATTAGCTTCGCCCTGCGAAAACCACCTTCGTAAACACGATTTTTCTTCTGCTAGGTAAATGTGAGTCTGCACGCを含むか、またはそれらからなる。
【0038】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA6):CGAGCTCTCTgCAGAGGACAGCGCGAACGCAGTCCCCCACTACCACAAATTATGCAGTCGAGTTTCCCACATTTGGGGAAACGGCAGGGGTCAGCACATCCGGAGTGCAATGGATAAGCCTCTCCCTGGGAAAACCACCTTCGTGATCATCGTATCTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0039】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA7):CGAGCTCTCTgTCCAGGGGAAAGCACAAACAGTTCCCCACTGCCACAAATTATGTAGTCGAGATTCCCTCATTTGGGGAAATCACAGGGGTCAGCACATCCAGAGTAAAATTGCTAAGCCTTGCCCTGGAAAAACCACCTTCGTGATCATAACATTTCTTCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0040】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA8):CGAGCTCTCTgCAGAGGAAAGCGCGAACGCAGTCCCCCACTACCACAAATTATGCAATCGAGTTTCCCACGTTTGGGGAAATCGCAGAGGTCAGCACATCCGGAACACAATGGATAACCCTCGCCCTGAGAAAAACCACCTTCGTTTAGATAATAGTATCTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0041】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA9):CGAGCTCTCTgCAAGAGAAAGCGCGAACGTAGTTCCCTACTATCACAAATTATGCACTCGAGTTTCCCACACTTGGGGAAATCGCAGGGGTCAGCACATCCGGAACGCAATGGATAAGCTTCGCCCTGAGAAAAACCACCTTCGTGATCATGGTATCTCCCCTTを含むか、またはそれらからなる。
【0042】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA10):CGAGCTCTCTgCAGGGGAAAGCGCGAACGCAGTCCCCTACTATCACAAGTTATGCAGTCGAGTTCCTCACATTGGGGGAAAATGGCAGGGGTCAGTACACCCGGAACATAACGGATAAGCCTCGCCCTGAGAAAACCACCTTCGTGATCATGGTATCTCCCCCGを含むか、またはそれらからなる。
【0043】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA11):CGAGCTCTCTgCAGGGGAAAACGCGAACACAGTCCCCTACTATCACAAGTTATGCAGTCGAGTTCCTCACATTGGGGGAAAATGGCAGGGGTCAGTACACCCGGAACATAACGGATAAGCCTCGCCCTGAGAAAACCACCTTCGTGATCATGGTATCTCCCCCGを含むか、またはそれらからなる。
【0044】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA12):CGAGCTCTCTgCAGGGGAGATAGTATGATCATGAAAGTGGTTTTTCCAGAGCGAGGCTTATCCATTGCACTCCGGATGTGTTGACCTCTGCGATTTCCCCAACTGTGGGAAACTCGACTGCGTAATTTGTGGTAGTGGGGGACTGCGTTCGCGCTTTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0045】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA13):CGAGCTCTCTgCAGGGGAGATACTATTATCAAACGAAGGTGGTTTTTCTCAGGGCGAGGCTTATCCATTGTGTTCCGGATGTGCTGACCTCTGCGATTTCCCCAAACGTGGGAAACTCGACTGCATAATTTGTGGTAGTGGGGGACTGCGTTCGCGCTTTCCTCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0046】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA14):CGAGCTCTCTgCAGAAGAAATGTTATGATCACGAAGGTGGTTTTTCCAGAGCAAGGCTTAGCAGTTTTACTGTGGATGTGCTGACCCCTGTGATTTCCCCGAATGTGGGAATCTTGATTACATAATTTGTGGCAGTGGGGAACTGTGTCTGTGTTTTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0047】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA15):CGAGCTCTCTgcagggGAAAGCGCGAACGCAGTACCACTACCACAAcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0048】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA16):CGAGCTCTCTgcagggGGGAAAGCACAAACAGTTCCCCACTGCCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0049】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA17):CGAGCTCTCTgcagggAAAAACACAGACACAGTTCCCCACTGCCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0050】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA18):CGAGCTCTCTgcagggGAAAGCGCGGACGCAGTCCCCCACTACCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0051】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA19):CGAGCTCTCTgcagggAAAAGAGCGAACGCAGTCTCCCACTACCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0052】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA20):CGAGCTCTCTgcagggGACAGCGCGAACGCAGTCCCCCACTACCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0053】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA21):CGAGCTCTCTgcagggGGGAAAGCACAAACAGTTCCCCACTGCCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0054】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA22):CGAGCTCTCTgcagggGAAAGCGCGAACGCAGTCCCCCACTACCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0055】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA23):CGAGCTCTCTgcagggGAAAGCGCGAACGTAGTTCCCTACTATCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0056】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA24):CGAGCTCTCTgcagggGAAAGCGCGAACGCAGTCCCCTACTATCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0057】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA25):CGAGCTCTCTgcagggGAAAACGCGAACACAGTCCCCTACTATCACcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0058】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA26):CGAGCTCTCTgcagggGAGATAGTATGATCATGAAAGTGGTTTTTCcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0059】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA27):CGAGCTCTCTgcagggGAGATACTATTATCAAACGAAGGTGGTTTTcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0060】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA28):CGAGCTCTCTgcagggGAAATGTTATGATCACGAAGGTGGTTTTTCcagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0061】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA29):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccATTATGCAATCGAGTTTCCCACATTTGGGGAAATCGCAGGGGTCcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0062】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA30):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAATTATGTAGTCGAGATTCCCTCATTTGGGGAAATCACAGGGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0063】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA31):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAATTATGTAATCAAGATTCCCACATTCGGGGAAATCACAGGGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0064】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA32):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAATTATGCAGTCGAGTTTCCCACATTTGGGGAAATCGCAGGGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0065】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA33):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAATTATGCAGTCGAGCTTCCCACATTTGGGGAAGTTGCACGAAcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0066】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA34):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAATTATGTAGTCGAGATTCCCTCATTTGGGGAAATCACAGGGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0067】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA35):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAATTATGCAATCGAGTTTCCCACGTTTGGGGAAATCGCAGAGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0068】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA36):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAATTATGCACTCGAGTTTCCCACACTTGGGGAAATCGCAGGGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0069】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA37):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAGTTATGCAGTCGAGTTCCTCACATTGGGGGAAAATGGCAGGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0070】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA38):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccAAGTTATGCAGTCGAGTTCCTCACATTGGGGGAAAATGGCAGGGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0071】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA39):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccCAGAGCGAGGCTTATCCATTGCACTCCGGATGTGTTGACCTCTGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0072】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA41):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccTCTCAGGGCGAGGCTTATCCATTGTGTTCCGGATGTGCTGACCTcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0073】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA42):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttccCAGAGCAAGGCTTAGCAGTTTTACTGTGGATGTGCTGACCCCTGcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0074】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA44):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgAACACATCTGGAGTGCAATGGATAAGactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0075】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA46):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgTCAGCACATCCAGAGTAAAATTGCTAactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0076】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA47):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgTCAGCACATCCGGAGTGCAATGGATAactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0077】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA48):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgTTAGCTTCGCCCTGCGAAAACCACCTactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0078】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA49):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgTCAGCACATCCGGAGTGCAATGGATAactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0079】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA51):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgTCAGCACATCCAGAGTAAAATTGCTAactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0080】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA52):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgTCAGCACATCCGGAACACAATGGATAactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0081】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA53):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgTCAGCACATCCGGAACGCAATGGATAactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0082】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA54):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgGTCAGTACACCCGGAACATAACGGATactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0083】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA55):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgGTCAGTACACCCGGAACATAACGGATactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0084】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA56):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgCGATTTCCCCAACTGTGGGAAACTCGactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0085】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA57):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgCTGCGATTTCCCCAAACGTGGGAAACactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgを含むか、またはそれらからなる。
【0086】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA58):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtCTTCGTGATCATGTTATCTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0087】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA59):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtACCTTCGTGATCATAACATTTCTTCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0088】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA60):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtACCTTCGTGATCATAACATTTCTTCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0089】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、esnRNAの配列は、(esnRNA61):CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtACCTTCGTGATCATGGTATCTCCCCTGを含むか、またはそれらからなる。
【0090】
アンチセンスドメイン
本開示のいくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスドメインは、標的配列に結合する。本開示のいくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスドメインは、標的RNAに結合する。
【0091】
本開示のいくつかの実施形態において、アンチセンスドメインは、トランススプライシングの成功により、標的RNA中のマイクロオープンリーディングフレームが除去されるように選択される。このようにして、トランススプライシングシステムは、マイクロオープンリーディングフレームを除去し、標的RNAからのタンパク質産生を増加させる。
【0092】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、アンチセンスドメインを含む配列は、標的RNA配列に対して、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%またはその間の任意のパーセンテージの相補性を有する。いくつかの実施形態において、アンチセンスドメインを含む配列は、標的RNA配列に対して、最大約50%、最大約55%、最大約60%、最大約65%、最大約70%、最大約75%、最大約80%、最大約87%、最大約90%、最大約91%、最大約92%、最大約93%、最大約94%、最大約95%、最大約96%、最大約97%、最大約98%、最大約99%またはその間の任意のパーセンテージの相補性を有する。いくつかの実施形態において、アンチセンスドメインは、標的RNA配列に対して100%の相補性を有する。いくつかの実施形態において、アンチセンスドメインは、標的RNA配列に対して相補的である間に、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約130ヌクレオチド、少なくとも約140ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約160ヌクレオチド、少なくとも約170ヌクレオチド、少なくとも約180ヌクレオチド、少なくとも約190ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約210ヌクレオチド、少なくとも約220ヌクレオチド、少なくとも約230ヌクレオチド、少なくとも約240ヌクレオチド、少なくとも約250ヌクレオチド、少なくとも約260ヌクレオチド、少なくとも約270ヌクレオチド、もしくは少なくとも約270を超えるヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、アンチセンスドメインは、標的RNA配列に対して相補的である間に、最大約20ヌクレオチド、最大約30ヌクレオチド、最大約40ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約60ヌクレオチド、最大約70ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約130ヌクレオチド、最大約140ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約160ヌクレオチド、最大約170ヌクレオチド、最大約180ヌクレオチド、最大約190ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約210ヌクレオチド、最大約220ヌクレオチド、最大約230ヌクレオチド、最大約240ヌクレオチド、最大約250ヌクレオチド、最大約260ヌクレオチド、最大約270ヌクレオチド、または最大約270を超えるヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。
【0093】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、標的配列は、少なくとも約5ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約125ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約175ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約225ヌクレオチド、少なくとも約250ヌクレオチド、少なくとも約275ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約325ヌクレオチド、少なくとも約350ヌクレオチド、少なくとも約375ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約425ヌクレオチド、少なくとも約450ヌクレオチド、少なくとも約475ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、または500を超えるヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、標的配列は、最大約5ヌクレオチド、最大約10ヌクレオチド、最大約15ヌクレオチド、最大約20ヌクレオチド、最大約25ヌクレオチド、最大約30ヌクレオチド、最大約35ヌクレオチド、最大約40ヌクレオチド、最大約45ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約55ヌクレオチド、最大約60ヌクレオチド、最大約65ヌクレオチド、最大約70ヌクレオチド、最大約75ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約85ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約95ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約125ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約175ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約225ヌクレオチド、最大約250ヌクレオチド、最大約275ヌクレオチド、最大約300ヌクレオチド、最大約325ヌクレオチド、最大約350ヌクレオチド、最大約375ヌクレオチド、最大約400ヌクレオチド、最大約425ヌクレオチド、最大約450ヌクレオチド、最大約475ヌクレオチド、もしくは最大約500ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、標的配列は、約5~約500ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、標的配列は、約50~約250ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、標的配列は、約5~約50ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。
【0094】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、病原性RNA分子は、標的RNAである。いくつかの実施形態において、標的RNAは、本開示のトランススプライシングRNAのアンチセンスドメインに対して相補的な標的配列を含む。
【0095】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、標的配列は、標的RNAの単一の連続ストレッチ内に含まれる。いくつかの実施形態において、標的配列は、標的RNAの単一の連続ストレッチ間に広がっていない1つ以上のヌクレオチドから構成されるか、またはそれを含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、アンチセンスドメインは、疾患原因変異を持つ場合がある標的RNAをコードする遺伝子(角括弧内は対応するアクセッション番号、括弧内は対応する疾患)に対して相補的であり、以下からなる群から選択される:TNFRSF13B[ENSG00000240505](分類不能型免疫不全症);ADA、CECR1[ENSG00000196839、ENSG00000093072](アデノシンデアミナーゼ欠損症);IL2RG[ENSG00000147168](X連鎖重症複合免疫不全症);HBB[ENSG00000244734](ベータ-サラセミア);HBA1、HBA2[ENSG00000206172、ENSG00000188536](アルファ-サラセミア);U2AF1[ENSG00000160201](骨髄異形成症候群);SOD1、TARDBP、FUS、MATR3、SOD1、C9ORF72[ENSG00000142168、ENSG00000120948、ENSG00000089280、ENSG00000015479、ENSG00000142168、ENSG00000147894](筋萎縮性側索硬化症);MAPT、PGRN[ENSG00000186868、ENSG00000030582](パーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症);CDH23、MYO7A、USH2A[ENSG00000107736、ENSG00000137474、ENSG00000042781](アッシャー症候群);GALC[ENSG00000054983](クラッベ病);SMPD1、NPC1、NPC2[ENSG00000166311、ENSG00000141458、ENSG00000119655](ニーマン・ピック病);PRNP[ENSG00000171867](プリオン病);SCN1A[ENSG00000144285](ドラヴェ症候群);PINK1、ATPGAP2[ENSG00000158828](若年性パーキンソン病);ATXN1、ATXN2、ATXN3、PLEKHG4、SPTBN2、CACNA1A、ATXN7、TTBK2、PPP2R2B、KCNC3、PRKCG、ITPR1、TBP、KCND1、FGF14[ENSG00000124788、ENSG00000204842、ENSG00000066427、ENSG00000196155、ENSG00000173898、ENSG00000141837、ENSG00000163635、ENSG00000128881、ENSG00000156475、ENSG00000131398、ENSG00000126583、ENSG00000150995、ENSG00000112592、ENSG00000102057、ENSG00000102466](脊髄小脳失調症);SCN1A、SCN2A、CACNA1A、GRIN2B、GRIN2A、MECP2、FOXG1、SLC6A1、PRRT2、PTEN、KCNQ2、KCNQ3、STARD7、CLRN1[ENSG00000144285、ENSG00000136531、ENSG00000141837、ENSG00000273079、ENSG00000183454、ENSG00000169057、ENSG00000176165、ENSG00000157103、ENSG00000167371、ENSG00000171862、ENSG00000075043、ENSG00000184156、ENSG00000084090、ENSG00000163646](遺伝性てんかん障害);ATM[ENSG00000149311](毛細血管拡張性運動失調症);GLB1[ENSG00000170266](GM1ガングリオシドーシス);GBA[ENSG00000177628](ゴーシェ病);GM2A[ENSG00000196743](GM2ガングリオシドーシス);UBE3A[ENSG00000114062](アンジェルマン症候群);SLC2A1[ENSG00000117394](グルコーストランスポーター1欠損症);LAMP2[ENSG00000005893](ダノン病);GLA[ENSG00000102393](ファブリー病);PKD1、PKD2[ENSG00000008710、ENSG00000118762](常染色体優性多発性嚢胞腎疾患);GAA[ENSG00000171298](ポンペ病);PCSK9、LDLR、APOB、APOE[ENSG00000169174、ENSG00000130164、ENSG00000084674、ENSG00000130203](家族性高コレステロール血症);MYOC、OPTN、TBK1、WDR36、CYPIB1[ENSG00000034971、ENSG00000123240、ENSG00000183735、ENSG00000134987、ENSG00000138061](開放隅角緑内障);IDUA[ENSG00000127415](ハーラー症候群またはムコ多糖症1型);IDS[ENSG00000010404](ハンター症候群またはムコ多糖症2型);CLN3[ENSG00000188603](バッテン病);DMD[ENSG00000198947](デュシェンヌ型筋ジストロフィー);LMNA[ENSG00000160789](肢帯型筋ジストロフィー1B型);DYSF[ENSG00000135636](肢帯型筋ジストロフィー2B型);SGCA[ENSG00000108823](肢帯型筋ジストロフィー2D型);SGCB[ENSG00000163069](肢帯型筋ジストロフィー2E型);SGCG[ENSG00000102683](肢帯型筋ジストロフィー2C型);SGCD[ENSG00000170624](肢帯型筋ジストロフィー2F型);DUX4[ENSG00000260596](顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー);F9[ENSG00000101981](血友病B);F8[ENSG00000185010](血友病A);USHA2A、RPGR、RP2、RHO、PRPF31、USH1F、PRPF3、PRPF6[ENSG00000156313、ENSG00000102218、ENSG00000163914、ENSG00000105618、ENSG00000150275、ENSG00000117360、ENSG00000101161](網膜色素変性症);CFTR[ENSG00000001626](嚢胞性線維症);GJB2、GJB6、STRC、DFNA1、WFS1[ENSG00000165474、ENSG00000121742、ENSG00000242866、ENSG00000131504、ENSG00000109501](常染色体優性聴覚障害);POU3F3[ENSG00000198914](非症候群性難聴)。
【0097】
置換ドメイン
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法及び組成物は、置換ドメインを含むRNAドナー分子を含む。いくつかの実施形態において、置換ドメインは、標的RNAから誘導または単離される。
【0098】
いくつかの実施形態において、置換ドメインは、ヒト遺伝子から誘導または単離された配列から構成される。いくつかの実施形態において、置換ドメインを含む配列は、ヒト遺伝子と、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%またはその間の任意のパーセンテージの同一性を有する。いくつかの実施形態において、置換ドメインを含む配列は、ヒト遺伝子と、最大約50%、最大約55%、最大約60%、最大約65%、最大約70%、最大約75%、最大約80%、最大約87%、最大約90%、最大約95%、最大約97%、最大約99%またはその間の任意のパーセンテージの同一性を有する。いくつかの実施形態において、置換ドメインは、ヒト遺伝子から誘導または単離された配列と100%の同一性を有する。いくつかの実施形態において、置換ドメインは、少なくとも約2ヌクレオチド、少なくとも約5ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約130ヌクレオチド、少なくとも約140ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約160ヌクレオチド、少なくとも約170ヌクレオチド、少なくとも約180ヌクレオチド、少なくとも約190ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約210ヌクレオチド、少なくとも約220ヌクレオチド、少なくとも約230ヌクレオチド、少なくとも約240ヌクレオチド、少なくとも約250ヌクレオチド、少なくとも約260ヌクレオチド、少なくとも約270ヌクレオチド、270を超えるヌクレオチド、もしくはその間の任意数のヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、置換ドメインは、最大約2ヌクレオチド、最大約5ヌクレオチド、最大約10ヌクレオチド、最大約20ヌクレオチド、最大約30ヌクレオチド、最大約40ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約60ヌクレオチド、最大約70ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約130ヌクレオチド、最大約140ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約160ヌクレオチド、最大約170ヌクレオチド、最大約180ヌクレオチド、最大約190ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約210ヌクレオチド、最大約220ヌクレオチド、最大約230ヌクレオチド、最大約240ヌクレオチド、最大約250ヌクレオチド、最大約260ヌクレオチド、最大約270ヌクレオチド、もしくはその間の任意数のヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。
【0099】
本明細書で開示される置換ドメインを含む組成物は、RNA配列の置換または挿入が有効な治療法となり得るあらゆる戦略を含む。置換ドメインの例としては、限定するものではないが、以下の遺伝子(角括弧内は遺伝子アクセッションID及び括弧内は関連する疾患)から誘導または単離された配列が挙げられる:TNFRSF13B[ENSG00000240505](分類不能型免疫不全症);ADA、CECR1[ENSG00000196839、ENSG00000093072](アデノシンデアミナーゼ欠損症);IL2RG[ENSG00000147168](X連鎖重症複合免疫不全症);HBB[ENSG00000244734](ベータ-サラセミア);HBA1、HBA2[ENSG00000206172、ENSG00000188536](アルファ-サラセミア);U2AF1[ENSG00000160201](骨髄異形成症候群);SOD1、TARDBP、FUS、MATR3、SOD1、C9ORF72[ENSG00000142168、ENSG00000120948、ENSG00000089280、ENSG00000015479、ENSG00000142168、ENSG00000147894](筋萎縮性側索硬化症);MAPT、PGRN[ENSG00000186868、ENSG00000030582](パーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症);CDH23、MYO7A、USH2A[ENSG00000107736、ENSG00000137474、ENSG00000042781](アッシャー症候群);GALC[ENSG00000054983](クラッベ病);SMPD1、NPC1、NPC2[ENSG00000166311、ENSG00000141458、ENSG00000119655](ニーマン・ピック病);PRNP[ENSG00000171867](プリオン病);SCN1A[ENSG00000144285](ドラヴェ症候群);PINK1、ATPGAP2[ENSG00000158828](若年性パーキンソン病);ATXN1、ATXN2、ATXN3、PLEKHG4、SPTBN2、CACNA1A、ATXN7、TTBK2、PPP2R2B、KCNC3、PRKCG、ITPR1、TBP、KCND1、FGF14[ENSG00000124788、ENSG00000204842、ENSG00000066427、ENSG00000196155、ENSG00000173898、ENSG00000141837、ENSG00000163635、ENSG00000128881、ENSG00000156475、ENSG00000131398、ENSG00000126583、ENSG00000150995、ENSG00000112592、ENSG00000102057、ENSG00000102466](脊髄小脳失調症);SCN1A、SCN2A、CACNA1A、GRIN2B、GRIN2A、MECP2、FOXG1、SLC6A1、PRRT2、PTEN、KCNQ2、KCNQ3、STARD7、CLRN1[ENSG00000144285、ENSG00000136531、ENSG00000141837、ENSG00000273079、ENSG00000183454、ENSG00000169057、ENSG00000176165、ENSG00000157103、ENSG00000167371、ENSG00000171862、ENSG00000075043、ENSG00000184156、ENSG00000084090、ENSG00000163646](遺伝性てんかん障害);ATM[ENSG00000149311](毛細血管拡張性運動失調症);GLB1[ENSG00000170266](GM1ガングリオシドーシス);GBA[ENSG00000177628](ゴーシェ病);GM2A[ENSG00000196743](GM2ガングリオシドーシス);UBE3A[ENSG00000114062](アンジェルマン症候群);SLC2A1[ENSG00000117394](グルコーストランスポーター1欠損症);LAMP2[ENSG00000005893](ダノン病);GLA[ENSG00000102393](ファブリー病);PKD1、PKD2[ENSG00000008710、ENSG00000118762](常染色体優性多発性嚢胞腎疾患);GAA[ENSG00000171298](ポンペ病);PCSK9、LDLR、APOB、APOE[ENSG00000169174、ENSG00000130164、ENSG00000084674、ENSG00000130203](家族性高コレステロール血症);MYOC、OPTN、TBK1、WDR36、CYPIB1[ENSG00000034971、ENSG00000123240、ENSG00000183735、ENSG00000134987、ENSG00000138061](開放隅角緑内障);IDUA[ENSG00000127415](ハーラー症候群またはムコ多糖症1型);IDS[ENSG00000010404](ハンター症候群またはムコ多糖症2型);CLN3[ENSG00000188603](バッテン病);DMD[ENSG00000198947](デュシェンヌ型筋ジストロフィー);LMNA[ENSG00000160789](肢帯型筋ジストロフィー1B型);DYSF[ENSG00000135636](肢帯型筋ジストロフィー2B型);SGCA[ENSG00000108823](肢帯型筋ジストロフィー2D型);SGCB[ENSG00000163069](肢帯型筋ジストロフィー2E型);SGCG[ENSG00000102683](肢帯型筋ジストロフィー2C型);SGCD[ENSG00000170624](肢帯型筋ジストロフィー2F型);DUX4[ENSG00000260596](顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー);F9[ENSG00000101981](血友病B);F8[ENSG00000185010](血友病A);USHA2A、RPGR、RP2、RHO、PRPF31、USH1F、PRPF3、PRPF6[ENSG00000156313、ENSG00000102218、ENSG00000163914、ENSG00000105618、ENSG00000150275、ENSG00000117360、ENSG00000101161](網膜色素変性症);CFTR[ENSG00000001626](嚢胞性線維症);GJB2、GJB6、STRC、DFNA1、WFS1[ENSG00000165474、ENSG00000121742、ENSG00000242866、ENSG00000131504、ENSG00000109501](常染色体優性聴覚障害);POU3F3[ENSG00000198914](非症候群性難聴)。
【0100】
いくつかの実施形態において、置換ドメインは、コドン最適化される。
【0101】
ヒト遺伝子から誘導された配列に加えて、置換ドメインは、標的RNAの安定性、翻訳、プロセシング、または局在を変えるために、他の生物から誘導された配列を含み得る。非ヒト源から誘導された置換ドメインの例としては、限定するものではないが、タンパク質産生を増加させる配列、例えば、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及びCAGYCX(Y=UまたはA;X=U、C、またはA)型の鉄応答性エレメントから誘導または単離された配列が挙げられる。
【0102】
イントロンドメイン
特定の態様において、本明細書に記載されるRNAドナー分子は、イントロンドメインを含む。いくつかの実施形態において、イントロンドメインは、疾患原因変異を含むRNA結合タンパク質によって優先的に標的とされる結合部位を保持する。いくつかの実施形態において、これらの変異RNA結合タンパク質とイントロンドメインの解離定数は、変異のないRNA結合タンパク質とイントロンドメインの解離定数よりも低い。
【0103】
RNAモチーフ
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるesnRNA分子は、RNAドナー分子に対して相補的なRNAモチーフを含有する。本開示の組成物のいくつかの実施形態において、RNAモチーフは、esnRNA分子の5’末端から始まる。いくつかの実施形態において、esnRNA分子中の少なくとも約3塩基、少なくとも約4塩基、少なくとも約5塩基、少なくとも約6塩基、少なくとも約7塩基、少なくとも約8塩基、少なくとも約9塩基、少なくとも約10塩基、少なくとも約11塩基、少なくとも約12塩基、少なくとも約13塩基、少なくとも約14塩基、少なくとも約15塩基、少なくとも約16塩基、少なくとも約17塩基、少なくとも約18塩基、少なくとも約19塩基、少なくとも約20塩基、少なくとも約21塩基、少なくとも約22塩基、少なくとも約23塩基、少なくとも約24塩基、少なくとも約25塩基、少なくとも約26塩基、少なくとも約27塩基、少なくとも約28塩基、少なくとも約29塩基、少なくとも約30塩基、少なくとも約31塩基、少なくとも約32塩基、少なくとも約33塩基、少なくとも約34塩基、少なくとも約35塩基、少なくとも約36塩基、少なくとも約40塩基、少なくとも約50塩基、少なくとも約60塩基、少なくとも約70塩基、少なくとも約80塩基、少なくとも約100塩基、またはそれ以上が、RNAドナー分子に対して相補的である。いくつかの実施形態において、esnRNA分子中の最大約3塩基、最大約4塩基、最大約5塩基、最大約6塩基、最大約7塩基、最大約8塩基、最大約9塩基、最大約10塩基、最大約11塩基、最大約12塩基、最大約13塩基、最大約14塩基、最大約15塩基、最大約16塩基、最大約17塩基、最大約18塩基、最大約19塩基、最大約20塩基、最大約21塩基、最大約22塩基、最大約23塩基、最大約24塩基、最大約25塩基、最大約26塩基、最大約27塩基、最大約28塩基、最大約29塩基、最大約30塩基、最大約31塩基、最大約32塩基、最大約33塩基、最大約34塩基、最大約35塩基、最大約36塩基、最大約40塩基、最大約50塩基、最大約60塩基、最大約70塩基、最大約80塩基、または最大約100塩基が、RNAドナー分子に対して相補的である。
【0104】
いくつかの実施形態において、esnRNA分子は、esnRNA分子の最初のヌクレオチドから5’方向に、少なくとも約1ヌクレオチド、少なくとも約2ヌクレオチド、少なくとも約3ヌクレオチド、少なくとも約4ヌクレオチド、少なくとも約5ヌクレオチド、少なくとも約6ヌクレオチド、少なくとも約7ヌクレオチド、少なくとも約8ヌクレオチド、少なくとも約9ヌクレオチド、少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約11ヌクレオチド、少なくとも約12ヌクレオチド、少なくとも約13ヌクレオチド、少なくとも約14ヌクレオチド、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約16ヌクレオチド、少なくとも約17ヌクレオチド、少なくとも約18ヌクレオチド、少なくとも約19ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約21ヌクレオチド、少なくとも約22ヌクレオチド、少なくとも約23ヌクレオチド、少なくとも約24ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約26ヌクレオチド、少なくとも約27ヌクレオチド、少なくとも約28ヌクレオチド、少なくとも約29ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約31ヌクレオチド、少なくとも約31ヌクレオチド、少なくとも約32ヌクレオチド、少なくとも約33ヌクレオチド、少なくとも約34ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約36ヌクレオチド、少なくとも約37ヌクレオチド、少なくとも約38ヌクレオチド、少なくとも約39ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約41ヌクレオチド、少なくとも約42ヌクレオチド、少なくとも約43ヌクレオチド、少なくとも約44ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約46ヌクレオチド、少なくとも約47ヌクレオチド、少なくとも約48ヌクレオチド、少なくとも約49ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約130ヌクレオチド、少なくとも約140ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約160ヌクレオチド、少なくとも約170ヌクレオチド、少なくとも約180ヌクレオチド、少なくとも約190ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約250ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド以上、またはその間の任意のヌクレオチド数離れている、RNAドナー分子に対して相補的なRNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、esnRNA分子の最初のヌクレオチドから5’方向に、最大約1ヌクレオチド、最大約2ヌクレオチド、最大約3ヌクレオチド、最大約4ヌクレオチド、最大約5ヌクレオチド、最大約6ヌクレオチド、最大約7ヌクレオチド、最大約8ヌクレオチド、最大約9ヌクレオチド、最大約10ヌクレオチド、最大約11ヌクレオチド、最大約12ヌクレオチド、最大約13ヌクレオチド、最大約14ヌクレオチド、最大約15ヌクレオチド、最大約16ヌクレオチド、最大約17ヌクレオチド、最大約18ヌクレオチド、最大約19ヌクレオチド、最大約20ヌクレオチド、最大約21ヌクレオチド、最大約22ヌクレオチド、最大約23ヌクレオチド、最大約24ヌクレオチド、最大約25ヌクレオチド、最大約26ヌクレオチド、最大約27ヌクレオチド、最大約28ヌクレオチド、最大約29ヌクレオチド、最大約30ヌクレオチド、最大約31ヌクレオチド、最大約31ヌクレオチド、最大約32ヌクレオチド、最大約33ヌクレオチド、最大約34ヌクレオチド、最大約35ヌクレオチド、最大約36ヌクレオチド、最大約37ヌクレオチド、最大約38ヌクレオチド、最大約39ヌクレオチド、最大約40ヌクレオチド、最大約41ヌクレオチド、最大約42ヌクレオチド、最大約43ヌクレオチド、最大約44ヌクレオチド、最大約45ヌクレオチド、最大約46ヌクレオチド、最大約47ヌクレオチド、最大約48ヌクレオチド、最大約49ヌクレオチド、最大約50ヌクレオチド、最大約55ヌクレオチド、最大約60ヌクレオチド、最大約65ヌクレオチド、最大約70ヌクレオチド、最大約75ヌクレオチド、最大約80ヌクレオチド、最大約85ヌクレオチド、最大約90ヌクレオチド、最大約95ヌクレオチド、最大約100ヌクレオチド、最大約110ヌクレオチド、最大約120ヌクレオチド、最大約130ヌクレオチド、最大約140ヌクレオチド、最大約150ヌクレオチド、最大約160ヌクレオチド、最大約170ヌクレオチド、最大約180ヌクレオチド、最大約190ヌクレオチド、最大約200ヌクレオチド、最大約250ヌクレオチド、最大約300ヌクレオチド、最大約400ヌクレオチド、最大約500ヌクレオチド、最大約500ヌクレオチド以上離れている。
【0105】
いくつかの実施形態において、esnRNA分子は、RNAドナー分子に対して相補的なRNAモチーフを含有し、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-CGAGCTCTCT-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-AACGAGCTCT-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-CGCAACGAGC-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-TATCGCAACG-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-AATAATATCG-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-TAAGAGAGCT-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-AAGAGAGCTC-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-GAGAGCTCGT-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’を含む。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、5’-GAGCTCGTTG-3’を含む。
【0106】
いくつかの実施形態において、esnRNA分子は、RNAドナー分子に対して、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%またはその間の任意のパーセンテージの相補性である、RNAドナー分子に相補的であるRNAモチーフを含有する。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、RNAドナー分子に対して、最大約50%、最大約55%、最大約60%、最大約65%、最大約70%、最大約75%、最大約80%、最大約87%、最大約90%、最大約91%、最大約92%、最大約93%、最大約94%、最大約95%、最大約96%、最大約97%、最大約98%、最大約99%またはその間の任意のパーセンテージの相補性である。いくつかの実施形態において、RNAモチーフは、RNAドナー分子に対して100%相補的である。
【0107】
いくつかの実施形態において、esnRNA分子及びRNAドナー分子は、esnRNA-ドナー複合体と呼ばれる複合体を形成する。
【0108】
いくつかの実施形態において、esnRNA-ドナー複合体は、塩基対形成を介して標的RNAと会合する。
【0109】
UTR
いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、5’非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、5’非翻訳領域は、RNAドナー分子の安定性を高める。いくつかの実施形態において、5’非翻訳領域は、RNAドナー分子の安定性を低下させる。いくつかの実施形態において、5’非翻訳領域は、RNAドナー分子の局在を変化させる。いくつかの実施形態において、5’非翻訳領域は、RNAドナー分子のプロセシングを変化させる。
【0110】
いくつかの実施形態において、RNAドナー分子は、3’非翻訳領域を更に含む。いくつかの実施形態において、3’非翻訳領域は、RNAドナー分子の安定性を高める。いくつかの実施形態において、3’非翻訳領域は、RNAドナー分子の安定性を低下させる。いくつかの実施形態において、3’非翻訳領域は、RNAドナー分子の局在を変化させる。いくつかの実施形態において、3’非翻訳領域は、RNAドナー分子のプロセシングを変化させる。
【0111】
核酸修飾
いくつかの実施形態において、RNAドナー分子またはesnRNAは、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッドであり、及び/または核酸類似体、化学修飾核酸、もしくは2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラのうちの少なくとも1つを含む。本明細書で使用される場合、「核酸類似体」という用語は、DNAまたはRNAに存在する標準的なプリン塩基またはピリミジン塩基と構造的な類似性を有する化合物を指す。核酸類似体は、DNAまたはRNAに天然に存在するプリン塩基またはピリミジン塩基と比較して、修飾糖及び/または修飾核酸塩基を含有し得る。いくつかの実施形態において、核酸類似体は、2’-デオキシリボヌクレオシド、2’-リボヌクレオシド、2’-デオキシリボヌクレオチドまたは2’-リボヌクレオチドであり、ここで、核酸塩基には、修飾塩基(例えば、キサンチン、ウリジン、オキサニン(オキサノシン)、7-メチルグアノシン、ジヒドロウリジン、5-メチルシチジン、C3スペーサー、5-メチルdC、5-ヒドロキシブチニル-2’-デオキシウリジン、5-ニトロインドール、5-メチルイソデオキシシトシン、イソデオキシグアノシン、デオキシウラジン、イソデオキシシチジン、他の0-1プリン類似体、N-6-ヒドロキシルアミノプリン、ネブラリン、7-デアザヒポキサンチン、他の7-デアザプリン、及び2-メチルプリンなど)が含まれる。いくつかの実施形態において、核酸類似体は、イノシン、7-デアザ-2’-デオキシイノシン、2’-アザ-2’-デオキシイノシン、PNA-イノシン、モルホリノ-イノシン、LNA-イノシン、ホスホロアミダート-イノシン、2’-O-メトキシエチル-イノシン、及び2’-OMe-イノシンからなる群から選択され得る。他の実施形態において、核酸類似体は、核酸模倣体(例えば、人工核酸及びゼノ核酸(XNA)など)である。
【0112】
核酸
また、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載される遺伝子導入及び発現技術に使用するための、本明細書で開示されるRNAドナー分子及びesnRNA分子をコードする核酸配列である。必ずしも明示的に述べられているわけではないが、本明細書で提供される配列は、発現産物だけでなく、同じ生物学的特性を有するタンパク質を産生する実質的に同一の配列を提供するために使用することができることを理解されたい。これらの「生物学的に同等な」または「生物学的に活性な」または「同等な」ポリペプチドは、本明細書に記載される同等なポリヌクレオチドによってコードされる。これらは、デフォルト条件下で実行される配列同一性法を使用して比較した場合に、参照核酸配列に対して、少なくとも60%、または代替的に少なくとも65%、または代替的に少なくとも70%、または代替的に少なくとも75%、または代替的に少なくとも80%、または代替的に少なくとも85%、または代替的に少なくとも90%、または代替的に少なくとも95%、または代替的に少なくとも98%同一の核酸配列を有し得る。特定の実施形態の例として、いくつかの具体的な配列が提供される。更に、同等なポリヌクレオチドは、参照ポリヌクレオチドまたはその相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするものである。
【0113】
本明細書で開示される核酸配列(例えば、ポリヌクレオチド配列)は、コドン最適化され得る。コドン最適化は、特定のコドンの使用頻度が様々な細胞で異なるという事実を指す。このコドンバイアスは、その細胞型における特定のtRNAの相対存在量の偏りに対応する。対応するtRNAの相対存在量と一致するように配列中のコドンを変えることによって、発現を増加させることが可能である。また、対応するtRNAが特定の細胞型において稀であるコドンを意図的に選択することによって、発現を減少させることも可能である。コドン使用頻度表は、哺乳動物細胞だけでなく、様々な他の生物にも使用され得る。遺伝コードに基づいて、様々な置換ドメインをコードする核酸配列を生成することができる。いくつかの実施形態において、そのような配列は、開示される方法が実施される、置換ドメインを含有するRNAドナー分子を発現させるために使用される宿主細胞など(哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞など)の宿主細胞または標的細胞における発現に対して最適化される。特定の種のコドン選好及びコドン使用頻度表を使用することで、特定種のコドン使用選好性を利用した、置換ドメインをコードする単離された核酸分子(その対応する野生型タンパク質に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するタンパク質をコードするものなど)を操作することができる。例えば、本明細書で開示される置換ドメインは、特定の目的生物によって優先的に使用されるコドンを有するように設計することができる。一例において、置換ドメインの核酸配列は、その対応する野生型核酸配列または元の核酸配列に対して、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するものなど、ヒト細胞における発現に対して最適化される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの置換ドメイン(ベクターの一部であり得る)をコードする単離されたRNAドナー分子は、真核細胞における発現に対してコドン最適化された少なくとも1つの置換ドメインコーディング配列、またはヒト細胞における発現に対してコドン最適化された少なくとも1つの置換ドメインコーディング配列を含む。一実施形態において、そのようなコドン最適化置換ドメインコーディング配列は、その対応する野生型配列または元の配列に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する。別の実施形態において、真核細胞のコドン最適化核酸配列は、その対応する野生型または元のタンパク質に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも9約2%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する置換ドメインをコードする。別の実施形態において、配列は異なるが、同じ置換ドメインタンパク質配列をコードする核酸など、機能的に同等の核酸を含有する様々なクローンを常法により生成することができる。コーディング配列中のサイレント変異は、複数のコドンが同じアミノ酸残基をコードすることができる遺伝コードの縮重(すなわち、重複性)に起因する。そのため、例えば、ロイシンは、CTT、CTC、CTA、CTG、TTA、またはTTGによってコードされ得、セリンは、TCT、TCC、TCA、TCG、AGT、またはAGCによってコードされ得、アスパラギンは、AATまたはAACによってコードされ得、アスパラギン酸は、GATまたはGACによってコードされ得、システインは、TGTまたはTGCによってコードされ得、アラニンは、GCT、GCC、GCA、またはGCGによってコードされ得、グルタミンは、CAAまたはCAGによってコードされ得、チロシンは、TATまたはTACによってコードされ得、イソロイシンは、ATT、ATC、またはATAによってコードされ得る。標準的な遺伝コードを示す表は、様々な情報源で見出すことができる(例えば、Stryer,1988,Biochemistry,3.sup.rd Edition,W.H.5 Freeman and Co.,NY参照)。
【0114】
「ハイブリダイゼーション」は、1つ以上のポリヌクレオチドが反応して、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化された複合体を形成する反応を指す。水素結合は、ワトソン・クリック塩基対、ホーグステイン結合、または任意の他の配列特異的様式によって生じ得る。複合体は、二重鎖構造を形成する二本鎖、多重鎖複合体を形成する3本以上の鎖、自己ハイブリダイズする一本鎖、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。ハイブリダイゼーション反応は、PC反応の開始、またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素切断など、より広範なプロセス中の1つの工程を構成し得る。
【0115】
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例としては、約25℃~約37℃のインキュベーション温度、約6x SSC~約10x SSCのハイブリダイゼーション緩衝液濃度、約0%~約25%のホルムアミド濃度、及び約4x SSC~約8x SSCの洗浄液が挙げられる。中程度のハイブリダイゼーション条件の例としては、約40℃~約50℃のインキュベーション温度、約9x SSC~約2x SSCの緩衝液濃度、約30%~約50%のホルムアミド濃度、及び約5x SSC~約2x SSCの洗浄液が挙げられる。高ストリンジェンシー条件の例としては、約55℃~約68℃のインキュベーション温度;約1x SSC~約0.1x SSCの緩衝液濃度が挙げられる。
【0116】
「相同性」または「同一性」または「類似性」は、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は、比較の目的で整列され得る各配列中の位置を比較することによって決定することができる。比較配列中のある位置が同じ塩基またはアミノ酸で占められている場合、その分子はその位置で相同である。配列間の相同性の程度は、配列により共有されるマッチング位置または相同位置の数の関数である。「無関係」または「非相同」配列は、本明細書に記載される配列の1つと、40%未満の同一性、または代替的に25%未満の同一性を有する。
【0117】
プロモーター
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、RNAドナー分子をコードする配列は、真核細胞内でRNAドナー分子を発現することが可能なプロモーターをコードする配列を更に含む。
【0118】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、操作された核内低分子RNA分子をコードする配列は、真核細胞内で操作された核内低分子RNA分子を発現することが可能なプロモーターをコードする配列を更に含む。
【0119】
ベクター
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示のベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、レトロウイルスから単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、レンチウイルスから単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、アデノウイルスから単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)から単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、複製不能である。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、単離されたものか、または組み換えである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、自己相補型である。
【0120】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)から単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、血清型AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11またはAAV12のAAVから単離または誘導された末端逆位反復配列またはカプシド配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、複製不能である。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、単離されたものか、または組み換え(rAAV)である。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、自己相補型(scAAV)である。
【0121】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示のベクターは、非ウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、ナノ粒子、ミセル、リポソームもしくはリポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックス、エキソソームもしくはデンドリマーを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、ベクターは、発現ベクターまたは組み換え発現系である。本明細書で使用される場合、「組み換え発現系」という用語は、組み換えによって形成された特定の遺伝子材料を発現させるための遺伝子構築物を指す。
【0122】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本明細書で提供される発現ベクター、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターは、限定するものではないが、発現制御エレメントを含む。本明細書で使用される「発現制御エレメント」は、遺伝子などのコーディング配列の発現を調節する任意の配列を指す。発現制御エレメントの例としては、プロモーター、エンハンサー、マイクロRNA、転写後調節エレメント、ポリアデニル化シグナル配列、5’または3’非翻訳領域、及びイントロンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
発現制御エレメントは、例えば、構成的、誘導的、抑制的、または組織特異的であり得る。「プロモーター」は、転写の開始及び速度を制御するポリヌクレオチド配列の領域である制御配列である。プロモーターは、RNAポリメラーゼ及び他の転写因子などの調節タンパク質及び調節分子が結合し得る遺伝子エレメントを含有し得る。いくつかの実施形態において、プロモーターによる発現制御は、組織特異的である。プロモーターの非限定的な例としては、CMV、CBA、CAG、Cbh、EF-1a、PGK、UBC、GUSB、UCOE、hAAT、TBG、デスミン、MCK、C5-12、NSE、シナプシン、PDGF、MecP2、CaMKII、mGluR2、NFL、NFH、nβ2、PPE、ENK、EAAT2、GFAP、MBP、H1及びU6プロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態において、プロモーターは、トランスファーRNA(tRNA)の発現を駆動することが可能なプロモーターから単離または誘導された配列である。いくつかの実施形態において、プロモーターは、アラニンtRNAプロモーター、アルギニンtRNAプロモーター、アスパラギンtRNAプロモーター、アスパラギン酸tRNAプロモーター、システインtRNAプロモーター、グルタミンtRNAプロモーター、グルタミン酸tRNAプロモーター、グリシンtRNAプロモーター、ヒスチジンtRNAプロモーター、イソロイシンtRNAプロモーター、ロイシンtRNAプロモーター、リジンtRNAプロモーター、メチオニンtRNAプロモーター、フェニルアラニンtRNAプロモーター、プロリンtRNAプロモーター、セリンtRNAプロモーター、トレオニンtRNAプロモーター、トリプトファンtRNAプロモーター、チロシンtRNAプロモーター、またはバリンtRNAプロモーターから単離または誘導される。いくつかの実施形態において、プロモーターは、バリンtRNAプロモーターから単離または誘導される。
【0124】
本開示の組成物のいくつかの実施形態において、真核細胞は、動物細胞である。いくつかの実施形態において、動物細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、動物細胞は、ヒト細胞である。
【0125】
「エンハンサー」は、活性化タンパク質が結合して、転写の可能性または頻度を増加させることができるDNAの領域である。エンハンサー及び転写後調節エレメントの非限定的な例としては、CMVエンハンサー及びWPREが挙げられる。
【0126】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本明細書で提供される発現ベクター、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターは、限定するものではないが、「マルチシストロン性」または「ポリシストロン性」または「バイシストロン性」または「トリシストロン性」構築物の構造、すなわち、二重または三重または多重のコーディング領域またはエクソンを有する構造を得るためのIRESまたは2Aペプチド部位などのベクターエレメントを含み、それ自体が単一の構築物から2つ以上のタンパク質をmRNAから発現する能力を有する。マルチシストロン性ベクターは、同じmRNAから2つ以上の別個のタンパク質を同時に発現する。マルチシストロン性構造を構築するために広く使用される2つの戦略は、IRESまたは2A自己切断部位の使用によるものである。「IRES」は、ポリシストロン性ベクター構築物内に使用される、ウイルス、原核生物、または真核生物を起源とする配列内リボソーム進入部位またはその一部を指す。いくつかの実施形態において、IRESは、キャップ依存的な翻訳開始を可能にするRNAエレメントである。「自己切断ペプチド」または「自己切断ペプチドをコードする配列」または「2A自己切断部位」という用語は、リボソームスキッピングを促進し、それにより単一のプロモーターから2つのポリペプチドを生成する部位を組み込むためにベクター構築物内に使用される連結配列を指す。そのような自己切断ペプチドには、限定するものではないが、T2A及びP2Aペプチドまたは自己切断ペプチドをコードする配列が含まれる。
【0127】
いくつかの実施形態において、ベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、またはレンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、レトロウイルスベクター、アデノウイルス/レトロウイルスキメラベクター、単純ヘルペスウイルスIもしくはIIベクター、パルボウイルスベクター、細網内皮症ウイルスベクター、ポリオウイルスベクター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、または2つ以上のウイルスベクターの好ましい態様を組み込んだ任意のハイブリッドもしくはキメラベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、ポリヌクレオチドに作動可能に連結された1つ以上の発現制御エレメントを更に含む。いくつかの実施形態において、ベクターは、1つ以上の選択マーカーを更に含む。いくつかの実施形態において、AAVベクターは、低毒性である。いくつかの実施形態において、AAVベクターは、宿主ゲノムに組み込まれず、それにより、挿入変異誘発を引き起こす確率が低くなる。いくつかの実施形態において、AAVベクターは、.3kb~4.75kbの範囲の総ポリヌクレオチドをコードし得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物、システム、方法、及びキットのいずれかに使用され得るAAVベクターの例としては、AAV1ベクター、改変AAV1ベクター、AAV2ベクター、改変AAV2ベクター、AAV3ベクター、改変AAV3ベクター、AAV4ベクター、改変AAV4ベクター、AAV5ベクター、改変AAV5ベクター、AAV6ベクター、改変AAV6ベクター、AAV7ベクター、改変AAV7ベクター、AAV8ベクター、AAV9ベクター、AAV.rh10ベクター、改変AAV.rh10ベクター、AAV.rh32/33ベクター、改変AAV.rh32/33ベクター、AAV.rh43ベクター、改変AAV.rh43ベクター、AAV.rh74ベクター、改変AAV.rh74ベクター、AAV.rh64R1ベクター、及び改変AAV.rh64R1ベクターならびにその任意の組み合わせまたは同等物を挙げることができる。いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、インテグラーゼコンピテントレンチウイルスベクター(ICLV)である。いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターは、導入遺伝子プラスミドベクターだけでなく、関連プラスミド(例えば、パッケージングプラスミド、rev発現プラスミド、エンベローププラスミド)と組み合わせた導入遺伝子プラスミドベクター、及びウイルスまたはウイルス様侵入機構により外因性核酸を細胞に導入することが可能なレンチウイルス系粒子を指し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物、システム、方法、及びキットのいずれかで使用され得るレンチウイルスベクターの例としては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1ベクター、改変ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1ベクター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)2ベクター、改変ヒト免疫不全ウイルス(HIV)2ベクター、スーティーマンガベイサル免疫不全ウイルス(SIVSM)ベクター、改変スーティーマンガベイサル免疫不全ウイルス(SIVSM)ベクター、アフリカミドリザルサル免疫不全ウイルス(SIVAGM)ベクター、改変アフリカミドリザルサル免疫不全ウイルス(SIVAGM)ベクター、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ベクター、改変ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)ベクター、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)ベクター、改変ネコ免疫不全ウイルス(FIV)ベクター、ビスナ/マエディウイルス(VNV/VMV)ベクター、改変ビスナ/マエディウイルス(VNV/VMV)ベクター、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)ベクター、改変ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)ベクター、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)、または改変ウシ免疫不全ウイルス(BIV)を挙げることができる。
【0128】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、ベクターは、RNAドナー分子及びesnRNA分子を含むか、またはコードする。いくつかの実施形態において、ベクターは、少なくともRNAドナー分子及びesnRNA分子を含むか、またはコードする。いくつかの実施形態において、ベクターは、1つ以上の本開示のRNAドナー分子(複数可)及びesnRNA分子(複数可)を含むか、またはコードする。いくつかの実施形態において、ベクターは、2つ以上の本開示のRNAドナー分子及びesnRNA分子を含むか、またはコードする。本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、ベクターは、RNAドナー分子を含むか、またはコードする。いくつかの実施形態において、ベクターは、少なくともRNAドナー分子を含むか、またはコードする。いくつかの実施形態において、ベクターは、1つ以上のRNAドナー分子(複数可)を含むか、またはコードする。いくつかの実施形態において、ベクターは、2つ以上のRNAドナー分子を含むか、またはコードする。
【0129】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示のベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、レトロウイルスから単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、レンチウイルスから単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、アデノウイルスから単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)から単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、複製不能である。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、単離されたものか、または組み換えである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、自己相補型である。
【0130】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)から単離または誘導された配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、血清型AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11またはAAV12のAAVから単離または誘導された末端逆位反復配列またはカプシド配列を含む。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、複製不能である。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、単離されたものか、または組み換え(rAAV)である。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、自己相補型(scAAV)である。
【0131】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示のベクターは、非ウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、ナノ粒子、ミセル、リポソームもしくはリポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックスもしくはデンドリマーを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態において、ベクターは、発現ベクターまたは組み換え発現系である。本明細書で使用される場合、「組み換え発現系」という用語は、組み換えによって形成された特定の遺伝子材料を発現させるための遺伝子構築物を指す。
【0132】
いくつかの実施形態において、リポソーム、リポプレックス、またはナノ粒子は、非カチオン性脂質、PEGコンジュゲート脂質、ステロール、またはこれらの任意の組み合わせを更に含み得る。
【0133】
いくつかの実施形態において、リポソーム、リポプレックス、またはナノ粒子は、非カチオン性脂質を更に含み、ここで、非カチオン性脂質は、ジステアロイル-sn-グリセロ-ホスホエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、モノメチル-ホスファチジルエタノールアミン(16-O-モノメチルPEなど)、ジメチル-ホスファチジルエタノールアミン(16-O-ジメチルPEなど)、18-1-trans PE、l-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、スフィンゴミエリン(SM)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジエルコイルホスファチジルコリン(DEPC)、パルミトイルオレイオルホスファチジルグリセロール(POPG)、ジエライドイル-ホスファチジルエタノールアミン(DEPE)、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、卵スフィンゴミエリン(ESM)、ケファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、リン酸ジセチル、リゾホスファチジルコリン、ジリノレオイルホスファチジルコリン及び、例えば、WO2017/099823またはUS2018/0028664に記載される非カチオン性脂質からなる群から選択される。
【0134】
いくつかの実施形態において、リポソーム、リポプレックス、またはナノ粒子は、コンジュゲート脂質を更に含み、ここで、コンジュゲート脂質、ここで、コンジュゲート脂質は、PEG-ジアシルグリセロール(DAG)(l-(モノメトキシ-ポリエチレングリコール)-2,3-ジミリストイルグリセロール(PEG-DMG)など)、PEG-ジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEG-リン脂質、PEG-セラミド(Cer)、PEG化ホスファチジルエタノーロアミン(PEG-PE)、PEGスクシネートジアシルグリセロール(PEGS-DAG)(4-0-(2’,3’-ジ(テトラデカノイルオキシ)プロピル-l-0-(w-メトキシ(ポリエトキシ)エチル)ブタンジオエート(PEG-S-DMG)など)、PEGジアルコキシプロピルカルバム、N-(カルボニル-メトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンナトリウム塩からなる群から選択される。
【0135】
いくつかの実施形態において、リポソーム、リポプレックス、またはナノ粒子は、コレステロールまたはコレステロール誘導体を更に含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、リポソーム、リポプレックス、またはナノ粒子は、イオン化可能脂質、非カチオン性脂質、粒子の凝集を阻害するコンジュゲート脂質、及びステロールを更に含む。イオン化可能脂質、非カチオン性脂質、粒子の凝集を阻害するコンジュゲート脂質、及びステロールの量は、独立して変えることができる。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子は、粒子中に存在する総脂質のうち約20モル%~約90モル%の量のイオン化可能脂質、粒子中に存在する総脂質のうち約5モル%~約30モル%の量の非カチオン性脂質、粒子中に存在する総脂質のうち約0.5モル%~約20モル%の量の、粒子の凝集を阻害するコンジュゲート脂質、及び粒子中に存在する総脂質のうち約20モル%~約50モル%の量のステロールを含む。
【0137】
総脂質とDNAベクターの比率は、必要に応じて変えることができる。例えば、総脂質とDNAベクター(質量または重量)の比率は、約10:1~約30:1であり得る。
【0138】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本明細書で提供される発現ベクター、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターは、限定するものではないが、発現制御エレメントを含む。本明細書で使用される「発現制御エレメント」は、遺伝子などのコーディング配列の発現を調節する任意の配列を指す。発現制御エレメントの例としては、プロモーター、エンハンサー、マイクロRNA、転写後調節エレメント、ポリアデニル化シグナル配列、及びイントロンが挙げられるが、これらに限定されない。発現制御エレメントは、例えば、構成的、誘導的、抑制的、または組織特異的であり得る。「プロモーター」は、転写の開始及び速度を制御するポリヌクレオチド配列の領域である制御配列である。プロモーターは、RNAポリメラーゼ及び他の転写因子などの調節タンパク質及び調節分子が結合し得る遺伝子エレメントを含有し得る。いくつかの実施形態において、プロモーターによる発現制御は、組織特異的である。プロモーターの非限定的な例としては、CMV、CBA、CAG、Cbh、EF-1a、PGK、UBC、GUSB、UCOE、hAAT、TBG、デスミン、MCK、C5-12、NSE、シナプシン、PDGF、MecP2、CaMKII、mGluR2、NFL、NFH、nβ2、PPE、ENK、EAAT2、GFAP、MBP、及びU6プロモーターが挙げられる。「エンハンサー」は、活性化タンパク質が結合して、転写の可能性または頻度を増加させることができるDNAの領域である。エンハンサー及び転写後調節エレメントの非限定的な例としては、CMVエンハンサー及びWPREが挙げられる。
【0139】
細胞及び組織
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の細胞は、真核細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は、ウシ、マウス、ネコ、ウマ、ブタ、イヌ、サル、またはヒトの細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は、非ヒト霊長類細胞などの非ヒト哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、体細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、生殖系列細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の生殖系列細胞は、ヒト細胞ではない。
【0140】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の細胞は、幹細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、胚幹細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の胚幹細胞は、ヒト細胞ではない。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、多能性幹細胞または万能性幹細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、成体幹細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)である。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、造血幹細胞(HSC)である。
【0141】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の免疫細胞は、リンパ球である。いくつかの実施形態において、本開示の免疫細胞は、Tリンパ球(本明細書においてT細胞とも称される)。本開示のT細胞の例としては、ナイーブT細胞、エフェクターT細胞、ヘルパーT細胞、メモリーT細胞、制御性T細胞(Treg)及びガンマデルタT細胞が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本開示の免疫細胞は、Bリンパ球である。いくつかの実施形態において、本開示の免疫細胞は、ナチュラルキラー細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の免疫細胞は、抗原提示細胞である。
【0142】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の筋肉細胞は、筋芽細胞または筋細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の筋肉細胞は、心筋細胞、骨格筋細胞または平滑筋細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の筋肉細胞は、横紋筋細胞である。
【0143】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の体細胞は、上皮細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の上皮細胞は、扁平細胞上皮、立方細胞上皮、円柱細胞上皮、重層細胞上皮、偽重層細胞上皮または移行細胞上皮を形成する。いくつかの実施形態において、本開示の上皮細胞は、限定するものではないが、松果体、胸腺、下垂体、甲状腺、副腎、アポクリン腺、ホロクリン腺、メロクリン腺、漿液腺、粘液腺及び脂腺を含む、腺を形成する。いくつかの実施形態において、本開示の上皮細胞は、限定するものではないが、肺、脾臓、胃、膵臓、膀胱、腸、腎臓、胆嚢、肝臓、喉頭または咽頭を含む、器官の外表面と接触する。いくつかの実施形態において、本開示の上皮細胞は、血管または静脈の外表面と接触する。
【0144】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の脳細胞は、神経細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の神経細胞は、中枢神経系のニューロンである。いくつかの実施形態において、本開示の神経細胞は、脳または脊髄のニューロンである。いくつかの実施形態において、本開示の神経細胞は、脳神経または視神経のニューロンである。いくつかの実施形態において、本開示の神経細胞は、末梢神経系のニューロンである。いくつかの実施形態において、本開示の神経細胞は、神経膠細胞またはグリア細胞である。いくつかの実施形態において、本開示のグリア細胞は、限定するものではないが、オリゴデンドロサイト、アストロサイト、上衣細胞、及びミクログリアを含む、中枢神経系のグリア細胞である。いくつかの実施形態において、本開示のグリア細胞は、限定するものではないが、シュワン細胞及びサテライト細胞を含む、末梢神経系のグリア細胞である。
【0145】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の肝臓細胞は、肝細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の肝臓細胞は、肝星細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の肝臓細胞は、クッパー細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の肝臓細胞は、類洞内皮細胞である。
【0146】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の網膜細胞は、光受容体である。いくつかの実施形態において、本開示の光受容体は、桿体である。いくつかの実施形態において、本開示の網膜細胞は、錐体である。いくつかの実施形態において、本開示の網膜細胞は、双極細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の網膜細胞は、神経節細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の網膜細胞は、水平細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の網膜細胞は、アマクリン細胞である。
【0147】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の心臓細胞は、心筋細胞である。いくつかの実施形態において、本開示の心臓細胞は、心臓ペースメーカー細胞である。
【0148】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の体細胞は、プライマリー細胞である。
【0149】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の体細胞は、培養細胞である。
【0150】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の体細胞は、in vivo、in vitro、ex vivoまたはin situのものである。
【0151】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の体細胞は、自己由来または同種異系である。
【0152】
使用方法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、2つのRNA分子(RNAドナー及び操作された核内低分子RNAまたはesnRNA)を含む組成物であり、ここで、RNAドナーは、標的RNA分子と選択的に結合し、一方、esnRNAは、RNAドナー分子と結合し、標的RNA分子とのトランススプライシング反応を促進する。特定の態様において、本明細書に記載されるのは、非天然RNAドナー分子を標的とし、内因性スプライソソームによるRNAドナー分子の認識を増加させる非天然esnRNA分子である。本開示は、RNAドナー分子及びesnRNA分子を含むかまたはコードする、ベクター、組成物及び細胞を提供する。本開示は、疾患または障害を治療するために、本開示のRNAドナー分子及びesnRNA分子、ベクター、組成物ならびに細胞を使用する方法を提供する。
【0153】
理論に拘束されるものではないが、トランススプライシングRNAドナー分子と、RNAドナー分子と接触するesnRNAの組み合わせにより、ヒト細胞の疾患原因RNA配列を十分に効率的に置き換えて疾患に対処する様式で標的RNA内の選択された配列の置換がもたらされる。いくつかの実施形態において、本開示は、配列特異的な様式で疾患原因RNA分子を標的とし、これらのRNA分子内の疾患原因RNA配列を高効率で置き換えるための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子及びesnRNAの実装は、疾患原因配列の置換または操作された配列の標的RNAへの挿入を含む様々な状況において、有用性を示す。いくつかの実施形態において、操作された配列は、標的RNAの翻訳または安定性を改変し、タンパク質産生または標的RNAレベルを増加または減少させることができる。いくつかの実施形態において、本開示は、RNAドナー分子及びesnRNA分子を含むかまたはコードする、ベクター、組成物及び細胞、ならびにトランススプライシングRNA組成物を使用する方法を提供する。
【0154】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、4つのドメインを含むRNAドナー分子である。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子中の4つのドメインの組み合わせにより、ヒト細胞の疾患原因RNA配列を十分に効率的に置き換えて疾患に対処する様式で、標的RNA内の選択された配列の置換がもたらされる。いくつかの実施形態において、本開示は、配列特異的な様式で疾患原因RNA分子を標的とし、このRNA分子内の疾患原因RNA配列を高効率で置き換えるための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態において、RNAドナー分子の実装は、疾患原因配列の置換または操作された配列の標的RNAへの挿入を含む様々な状況において、有用性を示す。いくつかの実施形態において、操作された配列は、標的RNAの翻訳または安定性を改変し、タンパク質産生または標的RNAレベルを増加または減少させることができる。いくつかの実施形態において、本開示は、RNAドナー分子を含むかまたはコードする、ベクター、組成物及び細胞、ならびにトランススプライシングRNA組成物を使用する方法を提供する。
【0155】
いくつかの実施形態において、esnRNA及びRNAドナーは、図1A~1Cに示されるように、遺伝子疾患を修復するために使用される。いくつかの実施形態において、RNAドナーは、変異を持つ標的RNAにハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、RNAドナーと標的RNAとの間の塩基対形成により、これらの分子が近接する。いくつかの実施形態において、esnRNAとRNAドナーとの間のb形成により、スプライソソーム構成要素が近接し、標的RNAとRNAドナーとの間のトランススプライシング反応が促進される。いくつかの実施形態において、esnRNAは、RNAドナーと接触する。いくつかの実施形態において、RNAドナーとesnRNAの接触により、スプライソソーム構成要素がリクルートされる。いくつかの実施形態において、トランススプライシングは、RNAドナー分子と標的RNAとの間で生じ、これにより、標的RNA中の選択された配列がRNAドナー分子で置き換えられた、修復された標的RNAが得られる。
【0156】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は、標的RNAの内部配列を編集することができる。一例は、図2Aに示される。一実施形態において、RNAドナー及びesnRNAは、内部配列を編集する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は、標的配列の末端部分を編集することができる。一例は、図2Bに示される。
【0157】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を改変する方法であって、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む、方法である。
【0158】
本開示は、RNA分子によってコードされるタンパク質の活性を改変する方法であって、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む、方法を提供する。
【0159】
本開示は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95、または100%の効率で改変する方法であって、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を最大約15%、最大約20%、最大約25%、最大約30%、最大約35%、最大約40%、最大約45%、最大約50%、最大約55%、最大約60%、最大約65%、最大約70%、最大約75%、最大約80%、最大約85%、最大約90%、最大約95、または100%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約15%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約20%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約30%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約40%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約50%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約60%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約70%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約80%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、RNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の配列を少なくとも約90%の効率で改変することを含み、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む。
【0161】
本開示は、RNA分子の非翻訳領域の配列を改変する方法であって、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む、方法を提供する。
【0162】
本開示は、WPREまたは類似の活性を有する配列の挿入によってRNAの発現を増加させる方法であって、RNAドナー分子(またはその一部)のうちの1つ以上とRNA分子との結合及びトランススプライシングに好適な条件下で、組成物とRNA分子を接触させることを含む、方法を提供する。
【0163】
本開示は、標的RNAによってコードされるタンパク質の組成物を改変する方法であって、組成物と標的RNAを含む細胞を、組成物及び標的RNAとの間のトランススプライシングに好適な条件下で接触させることを含む、方法を提供する。
【0164】
本開示は、標的RNAの組成を少なくとも約20%の効率で改変する方法であって、組成物と標的RNAを含む細胞を、組成物及び標的RNAとの間のトランススプライシングに好適な条件下で接触させることを含み、100%の効率は、標的RNA内の選択された配列の完全な置換を構成する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約89%、少なくとも約%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%である。いくつかの実施形態において、効率は、最大約20%、最大約25%、最大約30%、最大約35%、最大約40%、最大約45%、最大約50%、最大約55%、最大約60%、最大約65%、最大約70%、最大約75%、最大約89%、最大約%、最大約85%、最大約90%、最大約95%、または100%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約20%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約40%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約60%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約70%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約80%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約90%である。いくつかの実施形態において、効率は、約100%である。
【0165】
本明細書に記載されるように、標的RNAによってコードされるタンパク質の組成を少なくとも約20%の効率で改変する方法であって、組成物と標的RNAを含む細胞を、組成物及び標的RNAとの間のトランススプライシングに好適な条件下で接触させることを含み、100%の効率は、標的RNA内の選択された配列の完全な置換を構成する、方法である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約89%、少なくとも約%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%である。いくつかの実施形態において、効率は、最大約20%、最大約25%、最大約30%、最大約35%、最大約40%、最大約45%、最大約50%、最大約55%、最大約60%、最大約65%、最大約70%、最大約75%、最大約89%、最大約%、最大約85%、最大約90%、最大約95%、または100%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約20%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約40%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約60%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約70%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約80%である。いくつかの実施形態において、効率は、少なくとも約90%である。いくつかの実施形態において、効率は、約100%である。
【0166】
本開示は、標的RNAの組成を高効率で改変する方法であって、組成物と標的RNAを含む細胞を、組成物及び標的RNAとの間のトランススプライシングに好適な条件下で接触させることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、細胞は、in vivo、in vitro、ex vivoまたはin situである。いくつかの実施形態において、組成物は、本開示のRNAドナー分子を含むかまたはコードする、ベクターを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、本開示のRNAドナー及びesnRNAを含むかまたはコードする、ベクターを含む。いくつかの実施形態において、ベクターは、AAVである。
【0167】
本開示は、標的RNAによってコードされるタンパク質の組成を高効率で改変する方法であって、組成物と標的RNAを含む細胞を、組成物及び標的RNAとの間のトランススプライシングに好適な条件下で接触させることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、細胞は、in vivo、in vitro、ex vivoまたはin situである。いくつかの実施形態において、組成物は、本開示のRNAドナー分子を含むかまたはコードする、ベクターを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、本開示のRNAドナー分子及びesnRNA分子を含むかまたはコードする、ベクターを含む。いくつかの実施形態において、ベクターは、AAVである。
【0168】
本開示は、治療上有効な量の本開示の組成物を対象に投与することを含む、疾患または障害を治療する方法を提供する。
【0169】
本開示は、治療上有効な量の本開示の組成物を対象に投与することを含む、疾患または障害を治療する方法であって、ここで、組成物は、本開示のRNAドナー分子を含むかまたはコードするベクターを含み、組成物は、本開示のRNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の発現レベルを改変する、方法を提供する。
【0170】
本開示は、治療上有効な量の本開示の組成物を対象に投与することを含む、疾患または障害を治療する方法であって、ここで、組成物は、本開示のRNAドナー分子及びesnRNA分子を含むかまたはコードするベクターを含み、組成物は、本開示のRNA分子またはRNA分子によってコードされるタンパク質の発現レベルを改変する、方法を提供する。
【0171】
本開示は、治療上有効な量の本開示の組成物を対象に投与することを含む、疾患または障害を治療する方法であって、ここで、組成物は、本開示のRNAドナー分子を含むかまたはコードするベクターを含み、組成物は、RNA分子によってコードされるタンパク質の活性を改変する、方法を提供する。
【0172】
本開示は、治療上有効な量の本開示の組成物を対象に投与することを含む、疾患または障害を治療する方法であって、ここで、組成物は、本開示のRNAドナー分子及びesnRNA分子を含むかまたはコードするベクターを含み、組成物は、RNA分子によってコードされるタンパク質の活性を改変する、方法を提供する。
【0173】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、遺伝子性疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、遺伝子性疾患または障害は、単一遺伝子疾患または障害である。いくつかの実施形態において、単一遺伝子疾患または障害は、常染色体優性疾患もしくは障害、常染色体劣性疾患もしくは障害、X染色体連鎖(X連鎖)疾患もしくは障害、X連鎖優性疾患もしくは障害、X連鎖劣性疾患もしくは障害、Y連鎖疾患もしくは障害またはミトコンドリア病もしくは障害である。いくつかの実施形態において、単一遺伝子疾患または障害は、分類不能型免疫不全症、アデノシンデアミナーゼ欠損症、X連鎖重症複合免疫不全症、ベータ-サラセミア、アルファ-サラセミア、骨髄異形成症候群、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症、アッシャー症候、クラッベ病、ニーマン・ピック病、プリオン病、ドラヴェ症候群、若年性パーキンソン病、脊髄小脳失調症、遺伝性てんかん障害、毛細血管拡張性運動失調症、GM1ガングリオシドーシス、ゴーシェ病、GM2ガングリオシドーシス、アンジェルマン症候群、グルコーストランスポーター1型欠損症、ダノン病、ファブリー病、常染色体優性多発性嚢胞腎疾患、ポンペ病、家族性高コレステロール血症、開放隅角緑内障、ハーラー症候群またはムコ多糖症1型、ハンター症候群またはムコ多糖症2型、バッテン病、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー1B型、肢帯型筋ジストロフィー2B型、肢帯型筋ジストロフィー2D型、肢帯型筋ジストロフィー2E型、肢帯型筋ジストロフィー2C型、肢帯型筋ジストロフィー2F型、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、血友病B、血友病A、網膜色素変性症、嚢胞性線維症、常染色体優性聴覚障害、及び非症候群性難聴であるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、遺伝子疾患または障害は、多遺伝子性疾患または障害である。いくつかの実施形態において、遺伝子疾患または障害は、多遺伝子性疾患または障害である。いくつかの実施形態において、単一遺伝子疾患または障害は、限定するものではないが、ハンチントン病、神経線維腫症1型、神経線維腫症2型、マルファン症候群、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、遺伝性多発性外骨腫症、フォン・ウィルブランド病、及び急性間欠性ポルフィリン症を含む、常染色体優性疾患または障害である。いくつかの実施形態において、単一遺伝子疾患または障害は、限定するものではないが、色素欠乏症、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症、テイ・サックス病、ニーマン・ピック病、脊髄性筋萎縮症、及びロバーツ症候群を含む、常染色体疾患または障害である。いくつかの実施形態において、単一遺伝子疾患または障害は、限定するものではないが、筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、血友病、副腎白質ジストロフィー(ALD)、レット症候群、及び血友病Aを含む、X連鎖疾患または障害である。いくつかの実施形態において、単一遺伝子疾患または障害は、限定するものではないが、レーベル遺伝性視神経症を含む、ミトコンドリア障害である。
【0174】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、免疫疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、免疫疾患または障害は、限定するものではないが、B細胞欠損症、T細胞欠損症、好中球減少症、無脾症、補体欠損症、後天性免疫不全症候群(AIDS)及び医学的介入による免疫不全(医学的治療法の意図された作用または有害作用としての免疫抑制)を含む、免疫不全疾患または障害である。いくつかの実施形態において、免疫疾患または障害は、限定するものではないが、アカラシア、アジソン病、成人スチル病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイド症、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性蕁麻疹、軸索&ニューロンニューロパチー(AMAN)、バロー病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病(CD)、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・ストラウス症候群(CSS)もしくは好酸球性肉芽腫症(EGPA)、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合クリオグロブリン血症、エバンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症、グレーヴス病、ギランバレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)、妊娠性疱疹もしくは妊娠性類天疱瘡(PG)、化膿性汗腺炎(HS)(反対型ざ瘡)、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫血小板減少性紫斑病(ITP)、封入体筋炎(IBM)、間質性膀胱炎(IC)、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎(JM)、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA疾患(LAD)、ループス、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多巣性運動ニューロパチー(MMN)もしくはMMNCB、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、新生児ループス、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ(PR)、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症(PCD)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリー・ロンベルク症候群、毛様体扁平部炎(周辺部ブドウ膜炎)、パーソネージ・ターナー症候群、天疱瘡、末梢性ニューロパチー、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血(PA)、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、多腺性症候群I型、II型、III型、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆(PRCA)、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群(RLS)、後腹膜線維症、リウマチ熱、リウマチ様関節炎、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群(SPS)、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎(SO)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群(THS)、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎(UC)、分類不能結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、フォークト・小柳・原田病、またはウェゲナー肉芽腫症を含む、自己免疫疾患または障害である。
【0175】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、炎症性疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。
【0176】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、代謝性疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。
【0177】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、変性または進行性の疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、変性または進行性の疾患または障害には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、アルツハイマー病、及び老化が含まれるが、これらに限定されない。
【0178】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、感染性疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。
【0179】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、小児科または発達性の疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。
【0180】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、心血管疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。
【0181】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、増殖性疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、増殖性疾患または障害は、がんである。いくつかの実施形態において、がんには、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、AIDS関連癌、カポジ肉腫(軟部組織肉腫)、AIDS関連リンパ腫(リンパ腫)、CNS原発リンパ腫(リンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、消化管カルチノイド腫瘍、星状細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系(脳癌)、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、脳腫瘍、乳癌、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、癌腫、心臓性(心臓)腫瘍、胎児性腫瘍、胚細胞性腫瘍、CNS原発リンパ腫、子宮頸癌、肝内胆管癌、脊索腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性新生物、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌、胚芽腫、子宮内膜癌(子宮癌)、上衣腫、食道癌、鼻腔神経芽細胞腫(頭頸部癌)、ユーイング肉腫(骨癌)、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、眼癌、小児眼球内黒色腫、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、卵管癌、骨の悪性線維性組織球腫、及び骨肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)(軟部組織肉腫)、小児消化管間質腫瘍、胚細胞性腫瘍、小児頭蓋外胚細胞性腫瘍、性腺外胚細胞性腫瘍、卵巣胚細胞性腫瘍、精巣癌、妊娠性絨毛疾患、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、心臓腫瘍、肝細胞(肝臓)癌、組織球増殖症、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌(頭頸部癌)、眼内黒色腫、膵島細胞腫瘍、膵神経内分泌腫瘍、カポジ肉腫(軟部組織肉腫)、腎臓(腎細胞)癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌(頭頸部癌)、白血病、口唇・口腔癌(頭頸部癌)、肝臓癌、肺癌(非小細胞及び小細胞)、小児肺癌、リンパ腫、男性乳癌、骨の悪性線維性組織球腫及び骨肉腫、黒色腫、メルケル細胞癌(皮膚癌)、中皮腫、原発不明転移性頸部扁平上皮癌(頭頸部癌)、NUT遺伝子変化を伴う正中線癌、口癌(頭頸部癌)、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫(リンパ腫)、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、鼻腔・副鼻腔癌(頭頸部癌)、鼻咽頭癌(頭頸部癌)、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌、口唇・口腔癌及び口腔咽頭癌、骨肉腫及び骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、膵臓癌、膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)、乳頭腫症、傍神経節腫、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌(頭頸部癌)、褐色細胞腫、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、妊娠期乳癌、中枢神経系(CNS)原発リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、直腸癌、再発性癌、腎細胞(腎臓)癌、網膜芽細胞腫、小児横紋筋肉腫(軟部組織肉腫)、唾液腺癌(頭頸部癌)、肉腫、小児横紋筋肉腫(軟部組織肉腫)、小児血管腫瘍(軟部組織肉腫)、ユーイング肉腫(骨癌)、カポジ肉腫(軟部組織肉腫)、骨肉腫(骨癌)、子宮肉腫、セザリー症候群、リンパ腫、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、皮膚の扁平上皮細胞癌、頸部扁平上皮癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽頭癌(頭頸部癌)、鼻咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、胸腺腫及び胸腺癌、甲状腺癌、腎盂及び尿管の移行上皮癌、腎細胞癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、血管腫瘍(軟部組織肉腫)、外陰癌、ウイルムス腫瘍ならびに他の小児腎腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
【0182】
本開示の組成物及び方法のいくつかの実施形態において、本開示の疾患または障害には、増殖性疾患または障害が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、増殖性疾患または障害は、がんである。いくつかの実施形態において、がんは、DNAの欠失または転座により2つの遺伝子に由来する配列を含むキメラRNAを生成する遺伝子融合の存在を伴う。遺伝子融合のペアには、MAN2A1及びFER、DNAJB1及びPRKACA、BCR-ABL1、TMPRSS2及びERG、EWSR1及びFLI1、PML及びRARA、EML4及びALK、KIAA1549及びBRAF、CCDC6及びRET、SS18及びSSX1、RUNX1及びRUNX1T1、PAX3及びFOXO1、NCOA4及びRET、ETV6及びRUNX1、FUS及びDDIT3、SS18及びSSX2、NPM1及びALK、KMT2A及びAFF1、TCF3及びPBX1、STIL及びTAL1、COL1A1及びPDGFB、CRTC1及びMAML2、NAB2及びSTAT6、EWSR1及びATF1、ETV6及びNTRK3、EWSR1及びERG、EWSR1及びWT1、DNAJB1及びPRKACA、PAX7及びFOXO1、FUS及びCREB3L2、CBFA2T3及びGLIS2、PAX8及びPPARG、KMT2A及びMLLT1、EWSR1及びNR4A3、KMT2A及びMLLT3、ASPSCR1及びTFE3、HMGA2及びLPP、JAZF1及びSUZ12、KIF5B及びRET、FUS及びERG、SLC45A3及びERG、NUP214及びABL1、SET及びNUP214、CD74及びROS1、ETV6及びABL1、TPM3及びNTRK1、PRKAR1A及びRET、EWSR1及びCREB1、KMT2A及びAFDN、EWSR1及びDDIT3、CLTC及びALK、ETV6及びPDGFRB、TPM3及びALK、KMT2A及びMLLT10、TMPRSS2及びETV1、BRD4及びNUTM1、NUP98及びKDM5A、RANBP2及びALK、CTNNB1及びPLAG1、KMT2A及びELL、TAF15及びNR4A3、FGFR3及びTACC3、PCM1及びJAK2、YWHAE及びNUTM2B、STRN及びALK、CRTC3及びMAML2、CDH11及びUSP6、CDKN2D及びWDFY2、CIC及びDUX4、SLC34A2及びROS1、ATIC及びALK、CD74及びNRG1、MYB及びNFIB、PRCC及びTFE3、KIF5B及びALK、TMPRSS2及びETV4、KMT2A及びSEPT9、EWSR1及びPOU5F1、FGFR1及びPLAG1、MN1及びETV6、TBL1XR1及びTP63、KMT2A及びEPS15、SLC45A3及びELK4、DHH及びRHEBL1、HEY1及びNCOA2、EZR及びROS1、GOPC及びROS1、HMGA2及びWIF1、KMT2A及びCREBBP、SS18及びSSX4B、FAM131B及びBRAF、EWSR1及びFEV、EWSR1及びPBX1、TPM4及びALK、SND1及びBRAF、ACTB及びGLI1、KMT2A及びKNL1、KMT2A及びSEPT6、SDC4及びROS1、TFG及びALK、HNRNPA2B1及びETV1、PTPRK及びRSPO3、JAZF1及びPHF1、HMGA2及びRAD51B、KMT2A及びMLLT11、TPR及びNTRK1、AKAP9及びBRAF、FUS及びCREB3L1、ETV6及びJAK2、HMGA2及びNFIB、KMT2A及びAFF3、CHCHD7及びPLAG1、VTI1A及びTCF7L2、LIFR及びPLAG1、EWSR1及びETV1、SRGAP3及びRAF1、KMT2A及びAFF4、MEAF6及びPHF1、PAX3及びNCOA1、HAS2及びPLAG1、EWSR1及びNFATC2、HIP1及びALK、GOLGA5及びRET、BCR及びJAK2、EWSR1及びETV4、DCTN1及びALK、MBTD1及びCXorf67、NDRG1及びERG、CARS及びALK、SFPQ及びTFE3、KMT2A及びARHGAP26、KMT2A及びEP300、KMT2A及びTET1、PAX5及びJAK2、PPFIBP1及びALK、YWHAE及びNUTM2A、LRIG3及びROS1、TFG及びNTRK1、TPM3及びROS1、SLC45A3及びETV1、ERC1及びRET、SEC16A及びNOTCH1、KTN1及びRET、SEC31A及びJAK2、TCEA1及びPLAG1、QKI及びNTRK2、RNF130及びBRAF、EIF3E及びRSPO2、EWSR1及びZNF444、LMNA及びNTRK1、PPFIBP1及びROS1、PWWP2A及びROS1、EWSR1及びYY1、FUS及びATF1、PAX3及びNCOA2、ZC3H7B及びBCOR、BRD3及びNUTM1、CANT1及びETV4、CIC及びFOXO4、COL1A1及びUSP6、EWSR1及びZNF384、KMT2A及びABI1、KMT2A及びACTN4、KMT2A及びCEP170B、KMT2A及びFOXO3、KMT2A及びGAS7、KMT2A及びMLLT6、KMT2A及びSEPT2、KMT2A及びSEPT5、MSN及びALK、VCL及びALK、EZR及びERBB4、RELCH及びRET、SLC3A2及びNRG1、TRIM24及びBRAF、KLC1及びALK、ARID1A及びMAST2、GPBP1L1及びMAST2、NFIX及びMAST1、NOTCH1及びGABBR2、TADA2A及びMAST1、ZNF700及びMAST1、TRIM24及びRET、TRIM33及びRET、SSBP2及びJAK2、KMT2A及びEEFSEC、CLCN6及びBRAF、GNAI1及びBRAF、MKRN1及びBRAF、NACC2及びNTRK2、FGFR1及びTACC1、TRIM27及びRET、HMGA2及びFHIT、HOOK3及びRET、PCM1及びRET、CEP89及びBRAF、CLIP1及びROS1、ERC1及びROS1、HLA及びA及びROS1、LSM14A及びBRAF、MYO5A及びROS1、SHTN1及びROS1、TP53及びNTRK1、TPM3及びROS1、ZCCHC8及びROS1、FGFR3及びBAIAP2L1、KLK2及びETV1、ACSL3及びETV1、NUP107及びLGR5、HMGA2及びCCNB1IP1、HMGA2及びCOX6C、GATM及びBRAF、HACL1及びRAF1、HERPUD1及びBRAF、ZSCAN30及びBRAF、SLC45A3及びBRAF、HMGA2及びLHFPL6、COL1A2及びPLAG1、ESRP1及びRAF1、IRF2BP2及びCDX1、TFG及びNR4A3、CLTC及びTFE3、EWSR1及びMYB、NONO及びTFE3、FCHSD1及びBRAF、HMGA2及びEBF1、ACBD6及びRRP15、AGPAT5及びMCPH1、AGTRAP及びBRAF、ARFIP1及びFHDC1、ATG4C及びFBXO38、BBS9及びPKD1L1、CENPK及びKMT2A、CNBP及びUSP6、DDX5及びETV4、EIF3K及びCYP39A1、EPC1及びPHF1、ERO1A及びFERMT2、ETV6及びITPR2、EWSR1及びNFATC1、EWSR1及びPATZ1、EWSR1及びSMARCA5、EWSR1及びSP3、FBXL18及びRNF216、FGFR1及びZNF703、FN1及びALK、FUS及びFEV、GMDS及びPDE8B、HMGA2及びALDH2、IL6R及びATP8B2、INTS4及びGAB2、JPT1及びUSH1G、KLK2及びETV4、KMT2A及びABI2、KMT2A及びARHGEF12、KMT2A及びBTBD18、KMT2A及びCASP8AP2、KMT2A及びCBL、KMT2A及びCIP2A、KMT2A及びCT45A2、KMT2A及びDAB2IP、KMT2A及びFOXO4、KMT2A及びFRYL、KMT2A及びGMPS、KMT2A及びGPHN、KMT2A及びLASP1、KMT2A及びLPP、KMT2A及びMAPRE1、KMT2A及びMYO1F、KMT2A及びNCKIPSD、KMT2A及びNRIP3、KMT2A及びPDS5A、KMT2A及びPICALM、KMT2A及びPRRC1、KMT2A及びSARNP、KMT2A及びSH3GL1、KMT2A及びSORBS2、KMT2A及びTOP3A、KMT2A及びZFYVE19、MBOAT2及びPRKCE、MIA2及びGEMIN2、NF1及びASIC2、NFIA及びEHF、NTN1及びACLY、OMD及びUSP6、PLA2R1及びRBMS1、PLXND1及びTMCC1、RAF1及びDAZL、RBM14及びPACS1、RGS22及びSYCP1、SEC31A及びALK、SEPT8及びAFF4、SLC22A1及びCUTA、SLC26A6及びPRKAR2A、SLC45A3及びETV5、SQSTM1及びALK、SS18L1及びSSX1、SSH2及びSUZ12、SUSD1及びPTBP3、TCF12及びNR4A3、TECTA及びTBCEL、THRAP3及びUSP6、TMPRSS2及びETV5、TPR及びALK、UBE2L3及びKRAS、WDCP及びALK、SS18及びUSP6が含まれるが、これらに限定されない。
【0183】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、疾患または障害と診断されている。いくつかの実施形態において、本開示の対象は、疾患または障害の少なくとも1つの徴候または症状を呈する。いくつかの実施形態において、対象は、疾患または障害の発症リスクを予測するバイオマーカーを有する。いくつかの実施形態において、バイオマーカーは、遺伝子変異である。
【0184】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、雌である。本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、雄である。いくつかの実施形態において、本開示の対象は、2本のXX染色体またはXY染色体を有する。いくつかの実施形態において、本開示の対象は、2本のXX染色体またはXY染色体と、XまたはYのいずれかの第3の染色体を有する。
【0185】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、新生児、乳児、小児、成人、中年成人、または高齢成人である。本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、生後少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、少なくとも約10日、少なくとも約11日、少なくとも約12日、少なくとも約13日、少なくとも約14日、少なくとも約15日、少なくとも約16日、少なくとも約17日、少なくとも約18日、少なくとも約19日、少なくとも約20日、少なくとも約21日、少なくとも約22日、少なくとも約23日、少なくとも約24日、少なくとも約25日、少なくとも約26日、少なくとも約27日、少なくとも約28日、少なくとも約29日、少なくとも約30日、または少なくとも約31日である。本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、生後少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、または少なくとも約12ヶ月である。本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、少なくとも約1歳、少なくとも約2歳、少なくとも約3歳、少なくとも約4歳、少なくとも約5歳、少なくとも約6歳、少なくとも約7歳、少なくとも約8歳、少なくとも約9歳、少なくとも約10歳、少なくとも約15歳、少なくとも約20歳、少なくとも約25歳、少なくとも約30歳、少なくとも約35歳、少なくとも約40歳、少なくとも約45歳、少なくとも約50歳、少なくとも約55歳、少なくとも約60歳、少なくとも約65歳、少なくとも約70歳、少なくとも約75歳、少なくとも約80歳、少なくとも約85歳、少なくとも約90歳、少なくとも約95歳、少なくとも約100歳またはその間の任意の年齢もしくは部分的な年齢である。
【0186】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、哺乳動物である。いくつかの実施形態において、本開示の対象は、非ヒト哺乳動物である。
【0187】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の対象は、ヒトである。
【0188】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、治療上有効な量は、本開示の組成物の単回用量を含む。いくつかの実施形態において、治療上有効な量、治療上有効な量は、本開示の組成物の少なくとも1用量を含む。いくつかの実施形態において、治療上有効な量、治療上有効な量は、本開示の組成物の1用量以上(複数可)を含む。
【0189】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、治療上有効な量は、疾患または障害の徴候または症状を排除する。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、疾患または障害の徴候または症状の重症度を軽減する。
【0190】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、治療上有効な量は、疾患または障害を排除する。
【0191】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、治療上有効な量は、疾患または障害の発症を予防する。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、疾患または障害の発症を遅らせる。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、疾患または障害の徴候または症状の重症度を軽減する。いくつかの実施形態において、治療上有効な量は、対象の予後を改善する。
【0192】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の組成物は、対象に全身投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、静脈内経路によって対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、注射または注入によって対象に投与される。
【0193】
本開示の方法のいくつかの実施形態において、本開示の組成物は、対象に局所投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、骨内、眼内、脳脊髄内または脊髄内経路によって対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、中枢神経系の脳脊髄液に直接投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、眼球の組織または液体に直接投与されるが、眼球構造外では生物学的利用能を持たない。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、注射または注入によって対象に投与される。
【0194】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるRNAドナー分子を含む組成物は、医薬組成物として製剤化される。簡潔に述べると、本明細書で開示される使用のための医薬組成物は、融合タンパク質(複数可)、または任意選択により免疫直交性でもあるAAV中に任意選択により含まれる融合タンパク質(複数可)をコードするポリヌクレオチドを、1つ以上の薬学的または生理学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせて含み得る。そのような組成物は、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液;グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン、マンニトールなどの炭水化物;タンパク質;ポリペプチドまたはグリシンなどのアミノ酸;抗酸化剤;EDTAまたはグルタチオンなどのキレート剤;アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム);及び保存剤を含み得る。本開示の組成物は、経口、静脈内、局所、経腸、眼内、及び/または非経口投与用に製剤化され得る。ある特定の実施形態において、本開示の組成物は、静脈内投与用に製剤化される。
【0195】
番号付き実施形態
特定の態様において、本明細書で開示されるのは、以下の実施形態である。
1.RNAドナー分子を含む組成物であって、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)前記置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメイン、及び(d)前記RNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAドメインを含む、前記組成物。
2.操作された核内低分子RNA分子及びRNAドナー分子を含む組成物であって、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)前記置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、及び(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメインを含む、前記組成物。
3.前記操作された低分子RNA分子が、前記RNAドナー分子内の配列に対して相補的なモチーフを含有し、前記モチーフは、次の配列:5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’のうちの1つである、実施形態2に記載の組成物。
4.前記操作された核内低分子RNA分子が、5’末端から開始して、前記RNAドナー分子中の配列に対して相補的な配列、それに続くヒトU1遺伝子から誘導または単離された配列で構成される、実施形態2に記載の組成物。
5.前記操作された核内低分子RNA分子が、5’末端から開始して、前記RNAドナー分子中の配列に対して相補的な配列、それに続くヒトsnRNA遺伝子から誘導または単離された配列で構成される、実施形態2に記載の組成物。
6.前記操作された核内低分子RNAが、5’末端から開始して、合成またはヒトU1遺伝子から誘導もしくは単離された配列、それに続く前記RNAドナー分子中の配列に対して相補的な配列、それに続くヒトsnRNA遺伝子から誘導または単離された別の配列で構成される、実施形態2に記載の組成物。
7.前記操作された核内低分子RNAが、5’末端から開始して、ヒトU1遺伝子から誘導または単離された配列、それに続くRNAドナー分子中の配列に対して相補的な配列で構成される、実施形態2に記載の組成物。
8.前記置換ドメインが、GLB1(GM1ガングリオシドーシス);GBA(ゴーシェ病);GM2A(GM2ガングリオシドーシス);PCSK9、LDLR、APOB、APOE(家族性高コレステロール血症);GAA(ポンペ病);MYOC、OPTN、TBK1、WDR36、CYPIB1(開放隅角緑内障);IDS(ハンター症候群またはムコ多糖症2型);IDUA(ハーラー症候群またはムコ多糖症1型);CLN3(バッテン病);F9(血友病B);F8(血友病A)、LAMP2(ダノン病);GLA(ファブリー病);SLC2A1(グルコーストランスポーター1型欠損症);UBE3A(アンジェルマン症候群);MYOC、OPTN、TBK1、WDR36、CYPIB1(開放隅角緑内障);IDUA(ハーラー症候群またはムコ多糖症1型);IDS(ハンター症候群またはムコ多糖症2型);CLN3(バッテン病);LMNA(肢帯型筋ジストロフィー1B型);DMD(デュシェンヌ型筋ジストロフィー);DYSF(肢帯型筋ジストロフィー2B型);SGCB(肢帯型筋ジストロフィー2E型);SGCG(肢帯型筋ジストロフィー2C型);SGCA(肢帯型筋ジストロフィー2D型);SGCD(肢帯型筋ジストロフィー2F型);DUX4、D4Z4(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー);USHA2A、RPGR、RP2、RHO、PRPF31、USH1F、PRPF3、PRPF6(網膜色素変性症)からなる群から選択されるヒト遺伝子から誘導または単離される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物。
9.前記置換ドメインが、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及び鉄応答性エレメントからなる群から選択される発現増強配列から誘導または単離される、実施形態1~7に記載の組成物。
10.前記アンチセンスドメインが、TNFRSF13B(分類不能型免疫不全症)、ADA、CECR1(アデノシンデアミナーゼ欠損症)、IL2RG(X連鎖重症複合免疫不全症)、HBB(ベータ-サラセミア)、HBA1、HBA2(アルファ-サラセミア)、U2AF1(骨髄異形成症候群)、SOD1、TARDBP、FUS、MATR3、SOD1、C9ORF72(筋萎縮性側索硬化症)、MAPT、PGRN(パーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症)、CDH23、MYO7A、USH2A(アッシャー症候)、GALC(クラッベ病)、SMPD1、NPC1、NPC2(ニーマン・ピック病)、PRNP(プリオン病)、SCN1A(ドラヴェ症候群)、PINK1、ATPGAP2(若年性パーキンソン病)、ATXN1、ATXN2、ATXN3、PLEKHG4、SPTBN2、CACNA1A、ATXN7、TTBK2、PPP2R2B、KCNC3、PRKCG、ITRP1、TBP、KCND1、FGF14(脊髄小脳失調症)、SCN1A、SCN2A、CACNA1A、GRIN2B、GRIN2A、MECP2、FOXG1、SLC6A1、PRRT2、PTEN、KCNQ2、KCNQ3、STARD7、CLRN1(遺伝性てんかん障害)、ATM(毛細血管拡張性運動失調症)、GLB1(GM1ガングリオシドーシス)、GBA(ゴーシェ病)、GM2A(GM2ガングリオシドーシス)、UBE3A(アンジェルマン症候群)、SLC2A1(グルコーストランスポーター1型欠損症)、LAMP2(ダノン病)、GLA(ファブリー病)、PKD1、PKD2(常染色体優性多発性嚢胞腎疾患)、GAA(ポンペ病)、PCSK9、LDLR、APOB、APOE(家族性高コレステロール血症)、MYOC、OPTN、TBK1、WDR36、CYPIB1(開放隅角緑内障)、IDUA(ハーラー症候群またはムコ多糖症1型)、IDS(ハンター症候群またはムコ多糖症2型)、CLN3(バッテン病)、DMD(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)、LMNA(肢帯型筋ジストロフィー1B型)、DYSF(肢帯型筋ジストロフィー2B型)、SGCA(肢帯型筋ジストロフィー2D型)、SGCB(肢帯型筋ジストロフィー2E型)、SGCG(肢帯型筋ジストロフィー2C型)、SGCD(肢帯型筋ジストロフィー2F型)、DUX4、D4Z4(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)、F9(血友病B)、F8(血友病A)、USHA2A、RPGR、RP2、RHO、PRPF31、USH1F、PRPF3、PRPF6(網膜色素変性症)、CFTR(嚢胞性線維症)、GJB2、GJB6、STRC、DFNA1、DFNA14(常染色体優性聴覚障害)、POU3F3(非症候群性難聴)からなる群から選択されるヒト遺伝子から誘導または単離された配列に対して相補的である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の組成物。
11.前記RNAドナー分子が、前記RNAドナー分子及び/または前記esnRNAの局在、プロセシング、または輸送を変える非翻訳領域を含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の組成物。
12.前記RNAドナー分子及び/またはesnRNAを含む配列が、トランススプライシング効率を高めるRNA結合タンパク質によって結合される配列を含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載の組成物。
13.RNAドナー分子が、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物。
14.前記RNAドナー分子が、異種プロモーターを更に含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の組成物。
15.前記esnRNAが、異種プロモーターを更に含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の組成物。
16.前記プロモーターが、トランスファーRNA(tRNA)の発現を駆動することが可能なプロモーターから単離または誘導される、実施形態15のいずれか1つに記載の組成物。
17.標的RNA分子とRNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAを含む、組成物。
18.標的RNA分子とRNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAを含む、組成物であって、前記RNAドナー分子は、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)前記置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、及び(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメインを含む、前記組成物。
19.前記操作された核内低分子RNA分子が、ヒト核内低分子RNA遺伝子から単離または誘導される、実施形態17~18に記載の組成物。
20.前記操作された核内低分子RNAドメインが、合成であり、スプライソソームの構成要素と結合する、実施形態19に記載の組成物。
21.前記ヒト核内低分子RNA遺伝子が、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択される、実施形態17~20に記載の組成物。
22.前記操作された核内低分子RNAドメインが、前記ヒトU1遺伝子のバリアントから単離または誘導された配列を含む、実施形態17~21に記載の組成物。
23.前記操作された核内低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子またはバリアントから誘導または単離され、前記RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的で5’末端から16核酸塩基未満で始まるRNAモチーフを含有する、実施形態17~22に記載の組成物。
24.前記操作された核内低分子RNA分子が、前記RNAドナー分子に対して部分的または完全に相補的なRNAモチーフを含有する、実施形態17~23に記載の組成物。
25.前記RNAモチーフが、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される、実施形態24に記載の組成物。
26.前記RNAドナー分子が、少なくとも4ヌクレオチド長であり、前記RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する、実施形態17~25に記載の組成物。
27.前記操作された低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子またはバリアントから誘導または単離される配列を含む、実施形態17~26に記載の組成物。
28.前記操作された低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子及び前記U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む、実施形態17~27に記載の組成物。
29.前記RNAドナー分子が、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含んでいる、実施形態17~28に記載の組成物。
30.前記翻訳増強エレメントが、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及び鉄応答性エレメントからなる群から誘導または単離される配列を含む、実施形態29に記載の組成物。
31.前記RNAドナー分子と前記標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む、実施形態17~30に記載の組成物。
32.前記RNAドナー分子及び核内低分子RNA分子が、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラである、実施形態17~31のいずれか1つに記載の組成物。
33.RNAドナー分子を含む組成物であって、(a)作動可能に連結された治療配列をコードする1つ以上の置換ドメイン、(b)前記置換ドメインのRNAスプライシングを促進する1つ以上のイントロンドメイン、及び(c)標的RNA分子への結合を促進する1つ以上のアンチセンスドメイン、及び(d)前記RNAドナー分子のトランススプライシングを促進する操作された核内低分子RNAドメインを含む、前記組成物。
34.前記操作された核内低分子RNA分子が、ヒト核内低分子RNA遺伝子から単離または誘導される、実施形態33に記載の組成物。
35.前記操作された核内低分子RNAドメインが、ヒト核内低分子RNA遺伝子から単離または誘導される、実施形態33または34に記載の組成物。
36.前記操作された核内低分子RNAドメインが、合成であり、スプライソソームの構成要素と結合する、実施形態33~35に記載の組成物。
37.前記ヒト核内低分子RNA遺伝子が、U1、U2、U4、U5、U6、U7、U11、及びU12からなる群から選択される、実施形態33~36に記載の組成物。
38.前記操作された核内低分子RNAドメインが、前記ヒトU1遺伝子のバリアントから単離または誘導された配列を含む、実施形態37に記載の組成物。
39.前記操作された核内低分子RNAドメインが、前記ヒトU1核内低分子RNA遺伝子及び前記U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導された配列を含む、実施形態37に記載の組成物。
40.前記操作された核内低分子RNAドメインが、前記RNAドナー分子中のスプライスドナー部位から200塩基未満離れて位置する、実施形態39に記載の組成物。
41.前記RNAモチーフが、5’-CGAGCTCTCT-3’、5’-AACGAGCTCT-3’、5’-CGCAACGAGC-3’、5’-TATCGCAACG-3’、5’-AATAATATCG-3’、5’-TAAGAGAGCT-3’、5’-AAGAGAGCTC-3’、5’-AGAGAGCTCGTTGC-3’、5’-GAGAGCTCGT-3’、5’-AGAGCTCGTTGCGA-3’、及び5’-GAGCTCGTTG-3’からなる群から選択される、実施形態40に記載の組成物。
42.前記RNAドナー分子が、少なくとも4ヌクレオチド長であり、前記RNAドナー分子中の配列に対して部分的または完全に相補的である、RNAモチーフを含有する、実施形態33~41に記載の組成物。
43.前記操作された低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子または前記U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む、実施形態33~42に記載の組成物。
44.前記操作された低分子RNA分子が、U1核内低分子RNA遺伝子及び前記U1核内低分子RNA遺伝子のバリアントから誘導または単離される配列を含む、実施形態33~43に記載の組成物。
45.前記RNAドナー分子が、翻訳を増強させる非翻訳領域を更に含んでいる、実施形態44に記載の組成物。
46.前記翻訳増強エレメントが、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)、MALAT1由来の三重らせん、B型肝炎ウイルスのPRE(HPRE)、及び鉄応答性エレメントからなる群から誘導または単離される配列を含む、実施形態45に記載の組成物。
47.前記RNAドナー分子と前記標的RNA分子との間の相互作用を強化し、トランススプライシング効率を高める、RNA結合タンパク質を更に含む、実施形態17~46に記載の組成物。
48.前記RNAドナー分子及び核内低分子RNA分子が、RNA、DNA、DNA/RNAハイブリッド、核酸類似体、化学修飾核酸、または2つ以上の核酸もしくは核酸類似体から構成されるキメラである、実施形態17~47のいずれか1つに記載の組成物。
49.前記核酸分子が、異種プロモーターを更に含む、実施形態17~48に記載の組成物。
50.実施形態17~49に記載の組成物を含む、ベクター。
51.前記ベクターが、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、ナノ粒子、ミセル、リポソーム、リポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックス、及びデンドリマーからなる群から選択される、実施形態50に記載のベクター。
52.実施形態51に記載のベクターを含む、細胞。
53.疾患を治療するための方法であって、実施形態17または実施形態18に記載のRNAドナー分子及び操作された核内低分子RNA分子を含む治療上有効な量の治療を、それを必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
54.対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、実施形態17~49に記載のRNAドナー分子及び操作された核内低分子RNA分子を前記対象に投与することを含む、前記方法。
55.疾患を治療するための方法であって、実施形態17~49に記載のRNAドナー分子を含む治療上有効な量の治療を、それを必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
56.対象の遺伝的欠陥を修復するための方法であって、実施形態17~49に記載のRNAドナー分子を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【0196】
定義
2つ以上の一連の数値の最初の数値の前(最後の数値の後)に「少なくとも」、「より大きい」、または「以上」という用語がある場合は常に、「少なくとも」、「より大きい」または「以上」という用語は、その一連の数値の各数値に適用される。例えば、1、2、または3以上は、1以上、2以上、または3以上と同等である。
【0197】
2つ以上の一連の数値の最後の数値の後に「を超えない」、「未満」、または「以下」という用語がある場合は常に、「を超えない」、「未満」、または「以下」という用語は、その一連の数値の各数値に適用される。例えば、3、2、または1以下は、3以下、2以下、または1以下と同等である。
【0198】
本明細書で使用される場合、「結合」という用語は、2つ以上の原子または分子の間の弱いまたは強い相互作用を指し得る。相互作用は、1つ以上の分子によって直接的または間接的に媒介され得る。
【実施例
【0199】
以下の実施例は、例示のみを目的として含まれるものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。
【0200】
実施例1:操作された核内低分子RNAの特定
この研究は、RNAトランススプライシングとの関係において、改変した核内低分子RNAの活性を評価するものである。まず、RNAドナー分子に対して相補的な様々な配列を含有する8つの操作された核内低分子RNAが、RNAドナー分子のRNAトランススプライシングの効率を高めることができるかどうかを評価した(図6A~6B)。これらのバリアントRNAドナー分子は、スプリットGFPレポーターを標的とし、RNAドナー分子とのトランススプライシングが成功した後にのみ蛍光を発する(図4A~4D、5A~5D)。このアッセイは、定性的なもので、完全に定量的なものではないが、細胞生物学のエンドユーザーがRNAの存在、不在、または全般的な程度に関する科学的な質問に答えようとするときに多く使うものであるため、有用である。したがって、GFPトランススプライシングレポーターは、RNAトランススプライシング技術の研究で広く使用されている。GFPレポーターを使用して、トランススプライシング反応の効率に対する様々なトランススプライシングエンハンサー配列の相対的な影響を比較した。
【0201】
図6A~6Bに記載されるデータを収集するための実験を、3つの一過性トランスフェクト構成要素:レポータープラスミド、RNAドナー(プラスミドにもコードされ、CMVプロモーターによって駆動される)、及びesnRNA(プラスミドにコードされ、ネイティブU1プロモーターによって駆動される)を用いて実施した。esnRNAは、ヒトU1 snRNAから誘導され、RNAドナー分子内の様々な配列に対して完全に相補的な10~14塩基長の領域を持つ改変された5’末端を持つ。ヒト細胞株HEK293Tを37℃、5%CO2中に維持し、24ウェルプレートの各ウェルに300,000細胞でプレーティングした。リポフェクタミン3000(Invitrogen)を製造元の指示に従って用いて、細胞を上記のプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクトした全プラスミドの1/5はレポーター、1/5はRNAドナープラスミド、2/5はesnRNAプラスミド、1/5はmCherryの発現を駆動するCMVプロモーターをコードするトランスフェクション制御プラスミドであった。mCherry制御の目的は、GFPレポーターによって生成されたシグナルを正規化する手段を提供することである。トランスフェクションから48時間後、細胞を回収し、Sony Spectral Analyzerを用いた蛍光活性化セルソーティングを使用して蛍光測定に供した。mCherryシグナルが陽性であった細胞を特定し、次いで、この集団のGFP及びmCherryシグナルの平均値を評価した。GFPシグナルをmCherryシグナルに対して正規化し、結果を図6A~6Bに報告した。相補配列を変えたほとんどのesnRNAは、未改変のU1 snRNA(野生型または「wt」esnRNA)と比較して、GFPシグナルの顕著な増加をもたらさない。図6A~6Bで使用したesnRNAの完全な配列は、次のとおりである:esnRNA A:GCTCTCTTACgcaggggagataccatgatcacgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA B:CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA C:AACGAGCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA D:CGCAACGAGCgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA E:TATCGCAACGgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA F:AATAATATCGgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA G:atCTCTCTTACCTCggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA H:atAGCTCTCTTACCTCggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag。図6で使用したレポーターは、CMVプロモーター、ヒトCOL17A1遺伝子のエクソン81、ヒトCOL17A1遺伝子のイントロン81、及びacGFPのC末端部分(127アミノ酸残基)を含有する(5’→3’方向)。このレポーターの配列は、次のとおりである:CGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTCTCTGGCTAACTAGAGAACCCACTGCTTACTGGCTTATCGAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCCAAGCTGGCTAGCGTTTAAACTTAAGCTTGGTACCGAGCTCGGATCCACTAGTCCAGTGTGGTGGAATTCAAGCTTGGTGGTCATGGAGACCCTGGACCACCTGGTGCCCCGgtgagtgaccagggaacactgcctggtgagggtctggaagggctgggataggcattggccacagctgatgagccaggccttctctgtgttaatccctgagccctgttccctgcccttgacccttttctctGGATCCTTTTCCCTCCAGGTGAAGTTCGAGGGCGATACCCTGGTGAATCGCATCGAGCTGACCGGCACCGATTTCAAGGAGGATGGCAACATCCTGGGCAATAAGATGGAGTACAACTACAACGCCCACAATGTGTACATCATGACCGACAAGGCCAAGAATGGCATCAAGGTGAACTTCAAGATCCGCCACAACATCGAGGATGGCAGCGTGCAGCTGGCCGACCACTACCAGCAGAATACCCCCATCGGCGATGGCCCTGTGCTGCTGCCCGATAACCACTACCTGTCCACCC

AGAGCGCCCTGTCCAAGGACCCCAACGAGAAGCGCGATCACATGATCTACTTCGGCTTCGTGACCGCCGCCGCCATCACCCACGGCATGGATGAGCTGTACAAGTGA。
【0202】
次に、図6A~6Bで特定されたesnRNAが、異なるレポーターシステムとの関係において、高忠実のRNAトランススプライシングを促進することができるかどうかを評価した(図7)。図6Aでは、ヒトCOL17A1遺伝子由来の配列を含むレポーターを使用し、図7では、ヒトSCN1A由来の配列をレポーターに使用した。したがって、これらの2つの標的の間でトランススプライシングが成功することは、この方法が多くの標的に対処できる幅広い適用可能性があることを示す。RNAドナー分子のトランススプライシングが成功した後にのみ蛍光を発するスプリットGFPレポーターを用いる類似のアッセイを使用した。(図5A~5D)。
【0203】
図7に記載されるデータを収集するための実験を、3つの一過性トランスフェクト構成要素:レポータープラスミド、RNAドナー(プラスミドにもコードされ、CMVプロモーターによって駆動される)、及びesnRNA B(プラスミドにコードされ、ネイティブU1プロモーターによって駆動される)を用いて実施した。ヒト細胞株HEK293Tを37℃、5%CO2中に維持し、24ウェルプレートの各ウェルに300,000細胞でプレーティングした。リポフェクタミン3000(Invitrogen)を製造元の指示に従って用いて、細胞を上記のプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクトした全プラスミドの1/5はレポーター、1/5はRNAドナープラスミド、2/5はesnRNAプラスミド、1/5はmCherryの発現を駆動するCMVプロモーターをコードするトランスフェクション制御プラスミドであった。トランスフェクションから48時間後、細胞を回収し、RNAeasyカラム(Qiagen)を使用してRNAを細胞から抽出した。次に、細胞をDNAse(TurboDNAse、Thermo)で処理し、逆転写(Superscript III、Thermo)に供した。次に、cDNAを、シススプライスとトランススプライスの両方のレポーター産物を増幅するプライマーを使用するPCRによって、次のプライマー:フォワード:TAATACGACTCACTATAGGGAGACCC及びリバース:CTCCATCTTATTGCCCAGGAを使用して、増幅した。これらのPCR産物をTOPO-TAベクター(Thermo)にクローニングし、サンガー法によって配列決定した。配列決定の結果を全長GFPに対してアライメントし(図7)、完全またはほぼ完全なアラインメントを持つクローンを図7で比較した。全長は、esnRNAの存在下でのみ観察され、25個のクローンのうち4個で全長GFPが得られた(esnRNAの非存在下で全長GFPが得られたのは、24個のクローンのうち0個であった)。図7で使用したレポーターは、CMVプロモーター、ヒトSCN1A1遺伝子のエクソン15、ヒトSCN1A遺伝子のイントロン15、及びacGFPのC末端部分(127アミノ酸残基)を含有する(5’→3’方向)。このレポーターの配列は、次のとおりである:GTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTCTCTGGCTAACTAGAGAACCCACTGCTTACTGGCTTATCGAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCCAAGCTGGCTAGCGTTTAAACTTAAGCTTGGTACCGAGCTCGGATCCACTAGTCCAGTGTGGTGGAATTCAAGCTTCTCCGAGTGTTCAAGTTGGCAAAGTCTTGGCCCACACTGAATATGCTCATTAAGATCATTGGTAACTCGGTGGGAGCACTGGGCAACCTGACTCTGGTGTTGGCCATCATTGTCTTTATTTTTGCCGTGGTTGGCATGCAGCTGTTTGGAAAAAGTTACAAAGATTGTGTCTGCAAAATTGCCACTGACTGCAAACTCCCACGTTGGCACATGAACGACTTCTTCCACTCGTTCCTGATCGTGTTCCGCGTGCTGTGTGGGGAGTGGATAGAGACCATGTGGGACTGCATGGAGGTGGCAGGACAAGCTATGTGCCTTACTGTCTTCATGATGGTCATGGTGATTGGGAACCTTGTGgtatgtacccaagttagatatgcatttcagaaatacatcaataacataacaaatttgtgcccaatttattaaaaaatgactttcatgataaataattttaaatgcctctgatcttaagatatgtttatcttcttattctaaaaatataccgcaacatggcaaagtatagtatcacaatctactatggtaatatagaaatacatcttaaaacaaatgtatgcacattaatattacctatgatattttactctcaaatccatattttacagctctatttttttaagacaaggtttctttctgtatccctggctgtcctggaacttgctctgtagatctagctgggcttgaactcagagatccacctgcctctccatcccaagtacttggattaaagtgattgtgccacctggcttctcaactctattttattcagtcacttcattgcatttagttattaaattgcataggactgttaaaaatttacacaaatatgttatgtgcgtgtgtttgtgtgtgatgtctatgtgtgcgtgtgcatgtgagggagaaagggggcaatttttgctatagaatagtgctaacaagaatggtccatgcatatgttgaagactttcattctaaatttggtcatgactatgatttttttcagttatcatccaacaacacaaaatcatgaagagagaaaacccaaaatacatttaaataaataattgcaaatattaatcatttttaaatttggaattgttaaagtatctcagtaaatatatcttcttttactcatataatattaaatataatgataaactaattcattcaagttcttcatttcatgtatgggagatcttgagagcagtagaaagaatgcctcatgtacatagagatggagcaatatcacaaattcagagtgctcaaaacttttctagggcggagtgttgaacccagggcctcatgttttctggtcttggcccacttaacttctagcaatgcctgtgctgtatcttgctcatatagcattcggttattcattctatagctaaaggaataagccatcctatgtcctctgtgttgtggtgaacacatacttatgtctgttttcaagGTcAAGTTCGAGGGCGATACCCTGGTGAATCGCATCGAGCTGACCGGCACCGATTTCAAGGAGGATGGCAACATCCTGGGCAATAAGATGGAGTACAACTACAACGCCCACAATGTGTACATCATGACCGACAAGGCCAAGAATGGCATCAAGGTGAACTTCAAGATCCGCCACAACATCGAGGATGGCAGCGTGCAGCTGGCCGACCACTACCAGCAGAATACCCCCATCGGCGATGGCCCTGTGCTGCTGCCCGATAACCACTACCTGTCCACCCAGAGCGCCCTGTCCAAGGACCCCAACGAGAAGCGCGATCACATGATCTACTTCGGCTTCGTGACCGCCGCCGCCATCACCCACGGCATGGATGAGCTGTACAAGTGA
【0204】
次に、RNAドナーと標的RNAとの間のトランススプライシング効率を高めるためには、esnRNAの特定の特徴が必要かどうかを評価した。図6で特定されたesnRNA(esnRNA B)から開始し、特定のスプライソソーム構成要素と相互作用するesnRNAの様々な欠失または変異部分を欠失または変異させた(図8B)。具体的には、スプライソソーム構成要素と相互作用する様々なテムループ構造をアデノシンの反復領域に変異させるか、または欠失させた。図8Aに報告されるこれらのデータは、esnRNAによるスプライソソームのリクルートが、観察されたトランススプライシング活性の増強に必要であることを示している。
【0205】
図8Aに記載されるデータを収集するための実験を、3つの一過性トランスフェクト構成要素:レポータープラスミド、RNAドナー(プラスミドにもコードされ、CMVプロモーターによって駆動される)、及びesnRNA B(プラスミドにコードされ、ネイティブU1プロモーターによって駆動される)を用いて実施した。野生型ヒトU1 snRNAの様々な特徴を欠くesnRNA Bのバリアントを比較した。ヒト細胞株HEK293Tを37℃、5%CO2中に維持し、24ウェルプレートの各ウェルに300,000細胞でプレーティングした。リポフェクタミン3000(Invitrogen)を製造元の指示に従って用いて、細胞を上記のプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクトした全プラスミドの1/5はレポーター、1/5はRNAドナープラスミド、2/5はesnRNAプラスミド、1/5はmCherryの発現を駆動するCMVプロモーターをコードするトランスフェクション制御プラスミドであった。トランスフェクションから48時間後、細胞を回収し、Sony Spectral Analyzerを用いた蛍光活性化セルソーティングを使用して蛍光測定に供した。mCherryシグナルが陽性であった細胞を特定し、次いで、この集団のGFP及びmCherryシグナルの平均値を評価した。GFPシグナルをmCherryシグナルに対して正規化し、結果を図8に報告した。ステムループ1、2、または4を欠失または変異させると、GFPシグナルが劇的に減少した。この結果は、esnRNAがRNAドナーと標的RNAとの間のトランススプライシングを増加させる機序として、スプライソソーム構成要素のリクルートが考えられることを示している。図8A~8Bで使用したesnRNAの完全な配列は、次のとおりである:esnRNA B:CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag;esnRNA「mSL4」:CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgcttAAAAAtgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag、esnRNA「-SL4」:CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtaactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag、esnRNA「-SL1、-SL2」:CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTggtggttttcccagggcgaggcttatatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag。図8Aで使用したレポーターは、CMVプロモーター、ヒトCOL17A1遺伝子のエクソン81、ヒトCOL17A1遺伝子のイントロン81、及びacGFPのC末端部分(127アミノ酸残基)を含む(5’→3’方向)。配列は、上に示すとおりである。
【0206】
次に、効率的なトランススプライシングを誘導するために必要なesnRNAとRNAドナー分子との間の逆相補性の程度を評価した。図6A~8Bは、RNAドナーと標的RNAとの間の効率的なトランススプライシングを誘導するためには、esnRNAによるRNAドナーの認識及びスプライソソーム因子のリクルートが必要であることを示しているが、次に、esnRNA BとRNAドナー分子との逆相補性を低下させると、トランススプライシング効率も低下するかどうかを調べた。esnRNA Bは、レポーターに対して相補的な10ヌクレオチド配列を含有している。レポーターに対して相補的な9ヌクレオチド、4ヌクレオチド及び2ヌクレオチド配列を有するesnRNA Bの連続変異を作製した(図9B)。実際、逆相補性の程度を低下させると、トランススプライシング活性も同時に低下する(図9A)。この結果は、トランススプライシング活性を高めるためには、esnRNA分子とRNAドナー分子との会合が必要であることを示している。
【0207】
図9A~9Bに記載されるデータを収集するための実験を、3つの一過性トランスフェクト構成要素:レポータープラスミド、RNAドナー(プラスミドにもコードされ、CMVプロモーターによって駆動される)、及びesnRNA Bまたは様々な変異体(プラスミドにコードされ、ネイティブU1プロモーターによって駆動される)を用いて実施した。ヒト細胞株HEK293Tを37℃、5%CO2中に維持し、24ウェルプレートの各ウェルに300,000細胞でプレーティングした。リポフェクタミン3000(Invitrogen)を製造元の指示に従って用いて、細胞を上記のプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクトした全プラスミドの1/5はレポーター、1/5はRNAドナープラスミド、2/5はesnRNAプラスミド、1/5はmCherryの発現を駆動するCMVプロモーターをコードするトランスフェクション制御プラスミドであった。トランスフェクションから48時間後、細胞を回収し、Sony Spectral Analyzerを用いた蛍光活性化セルソーティングを使用して蛍光測定に供した。mCherryシグナルが陽性であった細胞を特定し、次いで、この集団のGFP及びmCherryシグナルの平均値を評価した。GFPシグナルをmCherryシグナルに対して正規化し、結果を図9Aに報告した。図9Aで使用したesnRNAの完全な配列は、次のとおりである:esnRNA B:CGAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag、esnRNA 9b:GAGCTCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag esnRNA 4b:aagaaaCTCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag esnRNA 2b:aagaaaaaCTgcaggggagataccaTGATCAcgaaggtggttttcccagggcgaggcttatccattgcactccggatgtgctgacccctgcgatttccccaaatgtgggaaactcgactgcataatttgtggtagtgggggactgcgttcgcgctttcccctgactttctggagtttcaaaagtagactgtacgctaagggtcatatctttttttgttttggtttgtgtcttggttggcgtcttaaatgttaatcctacagtggagggctgcggaataggaagtaacatgtcgcctgcacgccataggagaaaaagcgagcatcagccgtatcggctttgtaacacaaattagctatcgtgaagtccgctcag。図9で使用したレポーターは、CMVプロモーター、ヒトCOL17A1遺伝子のエクソン81、ヒトCOL17A1遺伝子のイントロン81、及びacGFPのC末端部分(127アミノ酸残基)を含む(5’→3’方向に)。配列は、上に示すとおりである。
【0208】
実施例2:特定の標的RNAの翻訳を増加させるためのesnRNA及びRNAドナー分子の使用
RNA内の特定の変異配列を非変異配列で置き換えることに加えて、標的mRNA分子に対する別の有用な操作は、mRNAによって産生されるタンパク質を増加させることである。特定のmRNAからのタンパク質産生が不十分であるというこの問題に対処するために、多くの試みがなされてきたが、いずれのアプローチも大きな欠点がある。実際、終止コドンのリードスルーを促進することによって翻訳を増加させる低分子薬物は、非標的mRNAのリードスルーを促進することから、広範なオフターゲットに悩まされる。更に、未成熟終止コドンは、タンパク質レベルが不足する多くの原因の1つにすぎない。未成熟終止コドンを遮断するように操作されたtRNAは、これと同じ根本的な問題に悩まされている(WO2018/161032Al)。対照的に、RNAトランススプライシングシステムは、任意の標的mRNA内の配列を翻訳増幅配列に置き換えて、タンパク質産生を増加させることができる。イントロントランススプライシング増強配列(トランススプライシングエンハンサー配列)によって媒介される効率的なRNAトランススプライシングは、特定のmRNAからのタンパク質産生の標的増幅を促進する手段という、長年望まれているが満たされていないこのニーズに対処することができる。
【0209】
筋強直性ジストロフィーは、スプライシング因子MBNL1と結合する反復的な「CUG」領域を持つRNAによって引き起こされる。MBNL1のタイトレーションがその典型的な標的から外れることで、RNA選択的スプライシングの機能不全が広範囲に起こり、患者におけるほとんどの疾患発現の原因となる。効率的なRNAトランススプライシングアプローチによりMBNL1タンパク質産生を増加させれば、選択的スプライシング制御におけるその典型的な活性を再構成するのに十分なMBNL1タンパク質が産生され、この疾患に対処することができる。
【0210】
トランススプライシングエンハンサー配列を含有するRNAトランススプライシングシステムが特定のmRNAからのタンパク質産生を増加させる能力を評価するために、様々なシススプライシングエンハンサー配列及びウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)転写後調節エレメント(WPRE)を持つRNAトランススプライシングシステムを作製した。ホタルルシフェラーゼをコードする配列と、MBNL1の最後の2エクソン及び介在するイントロンとを含有するレポーターを作製した。
【0211】
実験は、実施例1に記載されている方法を使用して、一過性にトランスフェクトしたレポーター、RNAドナー、及びesnRNAまたはレンチウイルスにパッケージされたシステムのいずれかで実施した。いくつかの翻訳増強3’配列は、RNAドナーとesnRNAの組み合わせによって生成されるGFPレポーターの量を増加させた。結果を図10に示す。
【0212】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されてきたが、そのような実施形態がほんの一例としてのみ提供されることは当業者には自明であろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形形態、変更及び置換を想起するであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替が本発明の実施において採用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造ならびにそれらの等価物を包含することが意図される。
図1
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【国際調査報告】