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特表2024-533164廃液流に背圧を印加するフローサイトメトリシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】廃液流に背圧を印加するフローサイトメトリシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1409 20240101AFI20240905BHJP
【FI】
G01N15/1409 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513943
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2021049013
(87)【国際公開番号】W WO2023033834
(87)【国際公開日】2023-03-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520431409
【氏名又は名称】ザルトリウス バイオアナリティカル インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】モレル、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】フェルドッテ、ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】エッサー、リヒャルト
(57)【要約】
フローサイトメトリ評価システムは、フローサイトメトリ評価中に調査ゾーンを出る流体サンプルの流出液を受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、調査ゾーンから流出流体入口への流出流体導通路と、を含むサンプル流出システムを含む。サンプル流出システムと流体連通する加圧ガス送達システムは、加圧ガスを流体サンプル流出システムに印加して、フローサイトメトリ調査中に流出流体導通路を通って流出流体入口に向かう流体の流れを妨げる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメトリ評価システムであって、
調査ゾーンを含むフローサイトメトリ調査システムであって、前記調査ゾーンが、フローサイトメトリ評価中に流体サンプルの流れを受けるように構成されている、前記フローサイトメトリ調査システムと、
サンプル流出システムであって、
フローサイトメトリ評価中に前記調査ゾーンを出る前記流体サンプルの流出液を受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
前記調査ゾーンから前記流出流体入口への流出流体導通路と、を含む前記サンプル流出システムと、
前記サンプル流出システムと流体連通している加圧ガス送達システムと、を備え、
前記加圧ガス送達システムが、フローサイトメトリ調査中に前記流出流体導通路を通って前記流出流体入口に向かう流体の流れを妨げるために、加圧ガスを印加して前記流体サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧するように構成されている、フローサイトメトリ評価システム。
【請求項2】
前記加圧ガスが、前記調査ゾーン内の最低の高さよりも低い前記サンプル流出システム内の高さで前記サンプル流出システムに印加される、請求項1に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項3】
前記加圧ガスは、前記流出液回収容器内に印加される正の背圧である、請求項1または2に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項4】
前記フローサイトメトリ調査のために前記調査ゾーンに前記流体サンプルを供給するために、前記調査ゾーンへの流体サンプル導通路をさらに備え、
前記流体サンプル導通路、前記調査ゾーン、前記流出流体導通路、及び前記流出液回収容器が、前記フローサイトメトリ調査中に加圧フルイディクスシステムを成すように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項5】
前記フルイディクスシステムにおける最高の高さが、前記流体サンプル導通路内で前記流出流体入口よりも高い高さである、請求項4に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項6】
印加ガス圧力が、前記流体サンプル導通路内の最高の高さと前記流出流体入口の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と少なくとも同じ大きさのゲージ圧で前記流出液回収容器に印加される、請求項5に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項7】
複数のサンプル容器に収容された前記複数の流体サンプルのいくつかを受け、フローサイトメトリ評価のために前記いくつかの流体サンプルを前記流体サンプル導通路に送達するように構成されたオートサンプラーをさらに備える請求項4~6のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項8】
前記フローサイトメトリ調査システムと前記オートサンプラーとが内部にスタック関係で配置されたハウジングを備え、
第1のスタック場所が、前記オートサンプラーが内部に配置された前記ハウジング内の第1の区画室内にあり、第2のスタック場所が、前記フローサイトメトリ調査システムが内部に配置された前記ハウジング内の第2の区画室内にあり、前記第2の区画室は、前記第1の区画室より下に配置されている、請求項7に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項9】
前記オートサンプラーが、フローサイトメトリ評価のために前記複数の流体サンプルのいくつかを収容した複数のサンプル容器を受け入れるように構成されたサンプル受け入れ場所を含み、
前記オートサンプラーが、フローサイトメトリ評価のために前記調査ゾーンに送達するために前記複数のサンプル容器から前記複数の流体サンプルを引き出すように構成されたサンプル送達プローブを含み、
前記サンプル受け入れ場所が、前記調査ゾーン内の最高の高さよりも高い高さに配置される、請求項7又は8に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項10】
前記フローサイトメトリ調査システムおよび前記オートサンプラーは、単一ユニット機器モジュールの一部である、請求項7~9のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項11】
前記加圧ガス送達システムが、前記サンプル流出システムと流体連通しているガス圧力調整器を含み、
前記ガス圧力調整器が、加圧ガス入力を受け取り、調整されたガス出力を供給して、前記サンプル流出システムに、印加ガス圧力を供給するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項12】
前記フローサイトメトリ調査システムが、光学構成要素取り付け部材上に支持された光学処理システムを含み、前記光学処理システムが、前記調査ゾーンを有するフローセルと、前記調査ゾーンに先立って入力光を集束させる集光素子と、前記調査ゾーンからの応答放射を検出する光検出システムとを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項13】
前記フローサイトメトリ調査システムが、前記入力光を供給する光源を含み、
前記光源が、光ファイバを備える入口光伝導路によって前記集光素子に光学的に接続されている、請求項12に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項14】
フローサイトメトリ評価中に前記フローサイトメトリ調査システムが配置される内部空間と、
前記フローサイトメトリ調査システムが支持される、平行移動可能に取り付けられた部材であって、前記フローサイトメトリ調査システムが前記内部空間に配置される第1の位置と、前記フローサイトメトリ調査システムの少なくとも一部が前記内部空間の外側に配置される第2の位置との間で平行移動可能である、前記平行移動可能に取り付けられた部材と、をさらに備える請求項12または13に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項15】
前記光学処理システムが内部に配置されたハウジング内の温度を制御する温度制御システムをさらに備え、
前記温度制御システムが、
温度センサ読み取り値及び参照読み取り値にそれぞれ対応する第1のデジタル出力及び第2のデジタル出力を含む温度判定データセットを定期的に収集するように構成されたコントローラユニットを含み、
前記温度判定データセットの収集が、
電流を第1の方向付けして、前記第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間後に前記センサ読み取り値に対応する前記第1のデジタル出力を取得することと、
前記第1のデジタル出力を取得することの後に、電流を第2の方向付けして、前記第2の方向付けの開始に続く第2の信号セトリング期間後に、前記参照読み取り値に対応する前記第2のデジタル出力を取得することと、を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項16】
前記温度制御システムが、
前記温度判定データセットを収集することのために前記第1の方向付けることの開始と前記第2の方向付けることの開始との間の第1の持続時間を計時する第1のタイマと、
第1の信号セトリング期間の第2の持続時間を計時する第2のタイマと、を備える、請求項15に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項17】
単一のマイクロチップ上にある電流源、アナログ-デジタル変換器、コントローラユニット、第1のタイマ及び第2のタイマをさらに備える請求項16に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項18】
前記コントローラユニットと通信する前記マイクロチップ上のパルス幅変調ユニットであって、前記コントローラユニットからの温度制御命令を受け取り、前記ハウジング内の環境を加熱するように加熱ユニットの動作を駆動する駆動命令を指示する前記パルス幅変調ユニットをさらに備える請求項17に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項19】
前記フローサイトメトリ評価システムの動作に関連する流体を収容するために、少なくとも1つの流体容器を受け入れ位置において受け入れる受け入れ場所と、
前記受け入れ場所において前記受け入れ位置にある前記容器内の内部空間を照明するように構成された光照明システムと、をさらに備える請求項1~18のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項20】
フローサイトメトリ評価のための方法であって、
フローサイトメトリ調査システムの調査ゾーンを通して流体サンプルを流すことであって、前記調査ゾーンの下流端がサンプル流出システムと流体連通しており、前記サンプル流出システムが、
流出液回収容器であって、フローサイトメトリ評価中に前記調査ゾーンを出る前記流体サンプルの流出液を受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
前記調査ゾーンから前記流出流体入口への流出流体導通路と、を備える、流すことと、
前記調査ゾーン内の前記流体サンプルの流れのフローサイトメトリ調査を実行することと、
前記調査ゾーンを出る前記流体サンプルの流出液を、前記流出流体導通路を通して、前記流体サンプルの流出液が回収される前記流出液回収容器に導くことと、
前記調査ゾーンを通して前記流体サンプルを流すことの間に、前記流出流体導通路を通って前記流出液回収容器の前記流出流体入口に向かう流体の流れを妨げるために、加圧ガスを印加して前記流体サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧することと、を備える方法。
【請求項21】
前記流体サンプル導通路を通して前記流体サンプルを前記調査ゾーンに供給することをさらに備え、
前記流体サンプル導通路、前記調査ゾーン、前記流出流体導通路、及び前記流出液回収容器が、加圧フルイディクスシステムを成し、前記フルイディクスシステムを通って前記流出液回収容器に向かう方向の流体の流れが、印加ガス圧力からの背圧によって妨げられる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の流体サンプルのいくつかのフローサイトメトリ評価をさらに備え、
前記フローサイトメトリ評価が、オートサンプラーによって複数のサンプル容器から前記いくつかの流体サンプルを引き出すことと、前記いくつかの流体サンプルの各々に対するフローサイトメトリ調査の実行のために前記いくつかの流体サンプルを前記調査ゾーンに送達することとを含み、
前記引き出すことの間、前記複数のサンプル容器のいくつかが、前記調査ゾーン内の最高の高さよりも高い高さにある、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記フローサイトメトリ調査システムが、光学構成要素取り付け部材上に支持された光学処理システムを含み、前記光学処理システムが、前記調査ゾーンを有するフローセルと、前記調査ゾーンに先立って前記入力光を集束させる前記入力光伝導路の入口光集束素子と、前記調査ゾーンからの応答放射を検出する光検出システムと、を含み、
前記方法は、
コントローラユニットの指示で温度制御システムを用いて前記光学構成要素取り付け部材の温度を制御することをさらに備え、
前記制御することが、
温度センサ読み取り値及び参照読み取り値にそれぞれ対応する前記第1のデジタル出力及び前記第2のデジタル出力を含む温度判定データセットを前記コントローラユニットによって定期的に収集することを含み、
前記温度判定データセットを収集することが、
電流を第1の方向付けして、前記第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間後に前記センサ読み取り値に対応する前記第1のデジタル出力を取得することと、
前記第1のデジタル出力を取得することの後に、電流を第2の方向付けして、前記第2の方向付けの第2の開始に続く第2のセトリング期間後に、前記参照読み取り値に対応する前記第2のデジタル出力を取得することと、を含む、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
請求項1~19のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システムにおいて実行される請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
流体サンプルのフローサイトメトリ評価を実行するための、請求項1~19のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システムの使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フローサイトメトリは、対象の標的粒子の存在について流体サンプルを評価するための分析技術である。フローサイトメトリは、流体サンプルの流れを刺激(典型的には、レーザなどからの光)にさらし、応答(典型的には応答放射)を検出し、その応答を分析して標的粒子の存在を同定することを含む。応答検出能力は、前方散乱光及び/又は側方散乱光などの光散乱特性のうちの1つ以上の検出を含み得る、1つ以上の放射応答特性の検出と、標的粒子の特定の特徴を蛍光標識するために流体サンプルに添加され得る、蛍光染色の1つ以上の蛍光発光指標の検出とを含み得る。フローサイトメトリとは、2~20ミクロンの範囲のサイズであることが多い、細胞及び他の同様のサイズの粒子の存在を評価するために使用される一般的な技術である。このような用途に使用されるフローサイトメータは、一般的に、異なる光散乱特性の検出を可能にする複数の光散乱検出器を用いた光散乱検出と、異なる蛍光染色によって提供される複数の異なる蛍光発光指標の検出を可能にする複数の蛍光発光検出器を用いた蛍光発光検出能力との両方を含む。フローサイトメトリ評価システムはまた、フローサイトメータをオートサンプラーと組み合わせてもよく、このオートサンプラーは、流体サンプルの連続的なフローサイトメトリ調査を実行するために、フローサイトメータへの流体サンプルの連続的な自動送達のために、多くの流体サンプルを収容したサンプルトレイの自動処理が可能である。このようなシステムは、同様のサイズの細胞及び粒子を分析する際に広く使用され、比較的短時間での多くの流体サンプルのフローサイトメトリ分析のための便利で費用効果の高い技法を提供する。
【0002】
より最近では、ウイルス粒子(ビリオン)、ウイルス様粒子、及びエキソソームを含む細胞外小胞、ならびに他の同様のサイズの粒子など、はるかに小さい粒子を分析する能力を有するフローサイトメータが開発されている。便宜上、このような粒子を本明細書では一般にウイルスサイズ粒子と呼ぶ。このようなウイルスサイズ粒子は、20ナノメートル~1ミクロンの範囲のサイズであることが多く、200ミクロン未満又はさらに100ミクロン未満の粒子サイズが非常に一般的であり得る。フローサイトメトリによってこのようなウイルスサイズ粒子の存在について流体サンプルを評価する場合、細胞及び同様のサイズの粒子のフローサイトメトリ分析についてはうまく機能する技術及び実践が、ウイルスサイズ粒子の分析用にはうまく変換されないことが多い。このようなウイルスサイズ粒子の分析のために設計されたフローサイトメータの例は、Virus Counter 3100フローサイトメータ(Sartorius Stedim Biotech社製)であり、これは、はるかに小さい流体サンプルをはるかに低い流量で処理し、光散乱検出なしで蛍光発光検出のみを使用する。使用、点検、及び保守が容易でもあり、堅牢かつ正確なシステムにおいて、フローサイトメータと、ウイルスサイズ粒子について分析できる柔軟性を有するオートサンプラーとを組み合わせるのは難しく、そのようなシステムに対する大きなニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様は、流出液回収容器(例えば、廃棄物容器)に向かう流体サンプルの流れを妨げるために背圧(back pressure)が印加されるフローサイトメトリ評価システム(flow cytometry evaluation system)に関する。様々な実装において、このようなフローサイトメトリ評価システムは、
調査ゾーン(investigation zone)を含むフローサイトメトリ調査システムであって、調査ゾーンが、フローサイトメトリ評価中に流体サンプル(fluid sample)の流れを、流体サンプルの流れの中の粒子の存在についての調査ゾーン内でのフローサイトメトリ調査のために受けるように構成されている、フローサイトメトリ調査システムと、
サンプル流出システムであって、
フローサイトメトリ評価中に調査ゾーンを出る流体サンプルの流出液を流出液回収容器内に受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
調査ゾーンから流出流体入口への流出流体導通路と、を備える、サンプル流出システムと、
サンプル流出システムと流体連通している加圧ガス送達システムと、を備え得、加圧ガス送達システムが、流出流体導通路内に正の背圧を提供してフローサイトメトリ調査中に流出流体導通路を通って流出流体入口に向かう流体の流れを妨げる印加ガス圧力で、流体サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧するために、加圧ガスを印加するように構成されている。
【0004】
第1の態様のフローサイトメトリ評価システムは、オートサンプラー(autosampler)と組み合わせて好都合に適応可能であることが判明しており、ウイルスサイズ粒子の存在について流体サンプルを分析するように設計されたフローサイトメータと共にオートサンプラーを使用するための柔軟性をもたらして、正確かつ堅牢なフローサイトメトリ評価システムを提供するものであり、このフローサイトメトリ評価システムは、使用、点検、及び保守に便利であり、オートサンプラーがフローサイトメトリ調査システムよりもスタック構造において高い位置に好都合に位置決めされたスタック構成(stacked configurations)を含む様々なシステム構成に柔軟性を提供する。
【0005】
本開示の第2の態様は、フローサイトメトリ評価のための方法であって、流体サンプルのフローサイトメトリ調査中に、印加背圧が、流出液回収容器(例えば、廃棄物容器)に向かう流体サンプルの流れを妨げる方法に関する。様々な実装において、このような方法は、
フローサイトメトリ調査システムの調査ゾーンを通して流体サンプルを流すことであって、調査ゾーンの下流端がサンプル流出システムと流体連通しており、このサンプル流出システムが、
フローサイトメトリ評価中に調査ゾーンを出る流体サンプルの流出液を流出液回収容器内に受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
調査ゾーンから流出流体入口への流出流体導通路と、を備える、流すことと、
調査ゾーン内の流体サンプルの流れのフローサイトメトリ調査を実行することと、
調査ゾーンを出る流体サンプルの流出液を、流出流体導通路を通して、流体サンプルの流出液が回収される流出液回収容器に導くことと、
調査ゾーンを通して流体サンプルを流すことの間に、流出流体導通路内に正の背圧を供給して流出流体導通路を通って流出液回収容器の流出流体入口に向かう流体の流れを妨げる印加ガス圧力で、流体サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧するために、加圧ガスを印加することと、を含み得る。
【0006】
第2の態様の方法は、第1の態様のフローサイトメトリ評価システムを用いて実行することができる。
以下の説明(番号付けされた例示的な実装の組み合わせを含む)、図面、及び添付の特許請求の範囲に開示されるように、様々な他の特徴の改良及び追加の特徴が、本開示のこれらの態様及び他の態様の各々に適用可能である。これらの特徴の改良及び追加の特徴は、上記で要約された態様又は本明細書に開示される他の態様の主題内で、個別に又は任意の組み合わせで使用され得る。任意のそのような特徴の改良又は追加の特徴は、必須ではないが、本明細書に開示される任意の他の特徴又は特徴の組み合わせと共に使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第1の態様の例示的なフローサイトメトリ評価システムの一般的な特徴を示す概略図である。
図2】フローサイトメトリ調査ゾーンよりも高い位置にオートサンプラーが配置されたスタック構造の図1のフローサイトメトリ評価システムの例示的な構成を含む、例示的な機器モジュールの斜視図である。
図3】フローサイトメトリ調査システムを支持するため摺動可能なシェルフ特徴部を示すために、側部アクセスパネルが取り外された図2の機器モジュールの一部の部分斜視図である。
図4】いくつかの試薬及び廃棄物回収容器の接続構成を示す、図2の機器モジュールの一部の部分斜視図である。
図5図2の機器モジュールの摺動可能なシェルフ及びフローサイトメトリ調査システムの一部の部分斜視図である。
図6図2の機器モジュールのフローサイトメトリ調査システムの特徴の部分上面図である。
図7図2の機器モジュールのフローサイトメトリ評価システムの流体フルイディクス図である。
図8図2の機器モジュールのフローサイトメトリ評価システムの温度制御システムの概略図である。
図9図8の温度制御システムにおいて温度判定データセットを取得するための例示的なタイムラインを示す。
図10図8の温度制御システムの温度センサ及び抵抗加熱素子を含む、図2の機器モジュールのフローサイトメトリ調査システムの光学処理システムの構成要素を取り付けるための共通光学構成要素取り付けプラットフォームの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、例えば、フローサイトメトリ評価中に重力駆動流体流れ効果(gravity-driven fluid flow effects)を部分的に又は完全に打ち消すために、流出流体導通路内に正の背圧を提供してフローサイトメトリ調査ゾーンから流出液回収容器への流体の流れを妨げる印加ガス圧力を有するフローサイトメトリ評価システム100の例示的な実施形態を示す。図1に示されるフローサイトメトリ評価システム100は、流体サンプルがフローサイトメトリ評価の一環として調査を受けるフローサイトメトリ調査システム102を含む。フローサイトメトリ調査システム102は、調査のために流体サンプルの流れのための制御された流れ導通路を提供する調査ゾーン104と、流体サンプルの調査のために入力光108を調査ゾーン104に供給する放射送達システム106と、フローサイトメトリ評価の一環として、調査ゾーン104を通過する、入力光108にさらされる流体サンプルからの応答放射を検出する放射検出システム110とを含む。放射送達システム106は、調査ゾーン104に1つ又は複数の異なる光ビームを供給するための1つ又は複数の光源を含み得る。そのような異なる光ビーム同士は、調査ゾーン104を通って流れる流体サンプル中の粒子の異なる特性について調査するために、異なる特性(例えば、異なる波長帯域の光)を有し得る。例えば、放射送達システム106は、放射検出システム110による検出対象である1つ以上の放射応答を刺激するために1つ以上の特定の波長を有する光を供給する、1つ以上のレーザ及び/又はLEDなどの他の光源を含み得る。放射送達システム106が複数の異なる光源を収容している場合、そのような光源同士は、調査ゾーン104に沿って間隔が空けられ、異なる光源同士間の干渉を最小限にするために互いから十分に遮蔽され得る。調査ゾーン104は、流体サンプルの流れ自体を受けるように構成されてもよいし、又はシース液(sheath fluid)によって取り囲まれた流体サンプルの流体力学的に集束した流れを受けるように構成されてもよい。調査ゾーン104は、フローサイトメータのフローセル(flow cell)を通る通路として設けられ得る。調査ゾーン104は、連続した長さの透明導管であってもよいし、又はより長い導管システムのうちの不連続な透明部分から成ってもよい。放射検出システム110は、調査ゾーン104から来る様々に異なる応答放射特性を検出するために、1つ以上の異なる放射検出器を含んでもよい。このような放射検出器は、例えば、光電子増倍管、シリコン光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、及び選択フォトダイオードからなる群から選択されてもよく、非常に弱い信号を検出及び処理することが望ましい場合には、光電子増倍管が好まれることが多い。複数の放射検出器が含まれる場合、放射検出器は、異なる波長範囲の信号を検出してもよいし、又は異なる方向からの信号を受け取るように位置決めされてもよい。放射検出システム110によって検出される応答放射には、粒子を染色する蛍光標識からの1つ以上の蛍光信号が含まれてもよいし、及び/又は光散乱、例えば、前方散乱光及び/又は側方散乱光もまた含まれてもよい。細胞程度のサイズ(例えば、約2~20ミクロン)の粒子を検出する場合、前方散乱光検出及び/又は側方散乱光検出が、粒子同定を補助するためによく使用され得、1つ以上の蛍光標識からの蛍光信号の検出により、粒子の特定の特性を同定するための情報が提供される。ウイルス粒子程度のサイズ(例えば、約20ナノメートル~約1ミクロン)の粒子を検出する場合、放射検出システム110による検出は、粒子属性を同定するためにウイルスサイズ粒子を染色した蛍光標識からの蛍光信号の検出のみを含み得る。図1に示される例では、放射検出システム110は、第1の蛍光信号を検出するための第1の検出器112と、第2の蛍光信号を検出するための第2の検出器114と、前方散乱光を検出するための第3の検出器116と、側方散乱光を検出するための第4の検出器118とを含む、4つの放射検出器を含むように示される。理解されるように、放射検出システム110は、図1に示されるように4つの例示的な放射検出器よりも少ない又は多い放射検出器を含んでもよい。異なる放射検出器同士は、所望の応答放射の効果的な検出のために、調査ゾーン104に沿って適切に配向され、間隔が空けられ得る。
【0009】
フローサイトメトリ評価システム100は、フローサイトメトリ調査システム102におけるフローサイトメトリ調査の調査ゾーン104を出るサンプル流出液(廃棄物)を取り扱うためのサンプル流出システムを含む。図1に示されるサンプル流出システムは、調査ゾーン104からの流体サンプルの流出液を受ける流出液回収容器120と、調査ゾーン104からの流体サンプルの流出液を流出液回収容器120に導く(conduct)流出流体導通路122とを含む。流出液回収容器120は、流体サンプルの流出液が流出液回収容器120に入る流出流体入口124を有する。サンプル流出システムについて言及する場合、このようなシステムは、調査ゾーンから流体サンプルの流出液を導き、流体サンプルの流出液を回収するように構成されている。しかしながら、サンプル流出システムは、必ずしも流体サンプルの流出液のみを導くこと及び回収することに限定されるものではなく、フローサイトメトリ調査ゾーンを出るか否かにかかわらず、また流体サンプルの流出液と混合されるか否かにかかわらず、他の液体流出液(例えば、廃液)もまた導く及び回収してもよい。理解され得るように、図1のフローサイトメトリ評価システム100におけるフローサイトメトリ調査が、流体サンプルを取り囲むシース液の使用を含む場合、流出液回収容器120内に回収される調査ゾーン104からの流出流体は、流体サンプルの流出液とシース液の流出液との混合物を含むことになる。加えて、流体サンプルが、駆動液(drive liquid)によって調査ゾーン104に押し込まれて通過すると、調査ゾーン104を出る駆動液の流出液もまた流出液回収容器120内に流出流体として回収されることになる。
【0010】
図1に示されるように、フローサイトメトリ評価システム100は、流出液回収容器120と流体連通しており、加圧ガス供給ライン128からの加圧ガスを印加して流出液回収容器120を加圧する加圧ガス送達システム126を含む。図1に示されるフローサイトメトリ評価システム100では、加圧ガスは、流出流体入口124の位置決めと同様に、流出液回収容器120の上部に位置決めされたガス入口130を通して流出液回収容器120に送達される。図1に示されるように、流出液回収容器120は、加圧ガス送達システム126から加圧ガス供給ライン128によって供給される印加ガス圧力の加圧ガスヘッドスペース(pressurized gas headspace)132を有する。理解され得るように、流出液回収容器120が廃液134で充填されるにつれて、加圧ガスヘッドスペース132のサイズは、減少することになるが、加圧ガス送達システム126によって調整され、加圧ガス供給ライン128によって提供される印加ガス圧力に維持されることになる。流出液回収容器120は、流出液回収容器120内の廃液134のレベルが上昇するにつれて加圧ガスヘッドスペース132から加圧ガスを放出することを可能にするために、圧力逃がしベントを装備してもよい。あるいは、加圧ガス送達システム126は、流出液回収容器120内の印加ガス圧力の所望のレベルを維持するために、必要に応じて圧力を抜くように構成されてもよい。
【0011】
流体サンプルを調査ゾーン104に連続的に導いて流体サンプルの連続的なフローサイトメトリ調査を実行するように、複数のサンプル容器146から流体サンプルを連続的に引き出し、複数の流体サンプルを順に流体サンプル導通路142に送達するために、図1に示すように、フローサイトメトリ評価システム100は、オートサンプラー140の形態のサンプル送達システムを含む。図1の例示では、オートサンプラー140は、プラットフォームの形態のサンプル受け入れ場所144を有し、このサンプル受け入れ場所144において、複数のサンプル容器146が連続的な処理のために受け入れられ得る。複数のサンプル容器146は、例えば、マルチ容器トレイ内に設けられ得る。このようなマルチ容器トレイは、複数の流体サンプル容器146がプレートの複数のウェル(wells)であるマルチウェルプレート(multi-well plate)の形態であってもよい。このようなマルチウェルプレートは、任意の数のウェルを有してよく、例えば、24個のウェルのプレート、48個のウェルのプレート、96個のウェルのプレート、又はそれ以上のウェルのプレートであり得る。このようなマルチ容器トレイは、代替的に、トレイの複数のレセプタクル(receptacles)内に受け入れられるサンプル容器146として複数のバイアル(vials)を有する、バイアルトレイの形態であってもよい。このようなバイアルトレイは、任意の数のバイアルレセプタクルと、それらのバイアルレセプタクルに受け入れられる任意の数のバイアルとを含んでもよい。そのようなバイアルトレイは、例えば、24個、48個、96個、又はより多数のサンプルバイアルを含んでもよい。
【0012】
図1に示される例示的なオートサンプラー140は、例えば皮下注射針の形態のサンプル送達プローブ148を含み、このサンプル送達プローブ148は、流体サンプルの連続的なフローサイトメトリ調査のために、流体サンプルを調査ゾーン104へ導通するように流体サンプル導通路142へ送達するために、一度に複数のサンプル容器146に挿入され、複数のサンプル容器146から順に流体サンプルを引き出すように構成されている。オートサンプラーに典型的であるように、サンプル送達プローブ148及び複数の流体容器146は、サンプル送達プローブ148が複数の流体容器146のうちの異なる容器の各々と相互作用することを可能にするために、割り出しされ(indexed)互いに対して移動可能である。例えば、複数の流体容器146は、静止したままであってもよいが、サンプル送達プローブ148は、複数の流体容器146の領域の上を空間的に移動し、垂直方向に上下に移動して複数のサンプル容器146の各々の中への挿入を可能にし、サンプル容器146から流体サンプルを一度に1つずつ順に引き出す。別の例では、サンプル送達プローブ148は静止したままであってもよいが、サンプル受け入れ場所144が、サンプル送達プローブ148に対して移動する。サンプル受け入れ場所144は、サンプル容器の内部にサンプル送達プローブ148を挿入させるように高さが変わるように構成されてもよく、又はサンプル送達プローブ148は、各サンプル容器の内部への挿入を可能にするためにサンプル送達プローブ148を上昇及び下降させる機構上にあってもよい。
【0013】
例示的なオートサンプラー140はさらに、サンプル保持ゾーン150を有して構成されており、このサンプル保持ゾーン150において、サンプル容器から引き出された流体サンプルが、最初に、多位置弁(multi-positional valve)152を通してサンプル送達プローブ148から送達され、この多位置弁152は、サンプル送達プローブ148を流体サンプル保持ゾーン150に流体接続するように、かつ、サンプル送達プローブ148及び流体サンプル保持ゾーン150を、流体導通路142から調査ゾーン104までと流体的に隔離するように位置決めされる。流体サンプルがサンプル保持ゾーン150内に装填された後、次いで多位置弁152が、流体サンプル保持ゾーン150をサンプル送達プローブ148から流体的に隔離し流体サンプル保持ゾーン150を調査ゾーン104と流体接続するように変更されてもよく、流体サンプルのフローサイトメトリ調査のために、流体サンプルが、サンプル保持ゾーン150から多位置弁152及び流体サンプル導通路142を通って調査ゾーン104に押し出されることを可能にする。
【0014】
処理のための流体サンプルを最初に受けるために流体サンプル保持ゾーン150を使用することにより、流体容器146から所望の体積の流体サンプルを取り出すための動作と、その所望の体積の流体サンプルを、調査ゾーン104に導き通過させることとの分離及び独立制御が可能になる。理解され得るように、多位置弁152が、フローサイトメトリ調査のために流体サンプル保持ゾーン150から調査ゾーン104へ流体サンプルの流れを導くように位置決めされた状態では、流体サンプル保持ゾーン150及び多方向弁を通る流路は、調査ゾーン104への流体サンプル導通路142の一部を構成する。また、多位置弁152が、流体サンプル保持ゾーン150から調査ゾーン104に流体サンプルを導くように位置決めされると、流体サンプル導通路142、調査ゾーン104、流出流体導通路122、及び流出液回収容器120は全て、フローサイトメトリ調査中に加圧フルイディクスシステム(pressurized fluidics system)を成し、このフルイディクスシステムを通って流出液回収容器120に向かう方向の流体の流れは、加圧ガス送達システム126からの加圧ガス供給ライン128によって提供される流出液回収容器120内の印加ガス圧力からの正の背圧によって妨げられる。
【0015】
加圧ガス供給ライン128によって流出液回収容器120に印加される背圧は、いくつかの利点をもたらす。典型的なフローサイトメトリシステムは、廃棄物タンクよりも高い位置に位置付けられた調査ゾーンを有することが多く、流体サンプルは、調査ゾーンを出た後にその廃棄物タンクの中に回収される。調査ゾーンから廃棄物タンクへの流れは重力によって促進される。しかしながら、調査ゾーンからのこのような重力促進による排水により、サイフォン型効果の性質上、調査ゾーン及び調査ゾーンより上流のフルイディクスを通して吸引が適用される可能性があり、調査ゾーンを通る流量の制御をより困難にする可能性がある。流量の小さな変動は、典型的にはフローサイトメトリの結果には大きく影響しないので、主に細胞程度のサイズの粒子を検出及び評価するために設計されたフローサイトメータでは、これは、典型的には重大な問題ではない。しかしながら、ウイルスサイズ粒子などの非常に小さな粒子のフローサイトメトリ評価に使用されることが多い、例えば毎分400ナノリットル~毎分3000ナノリットル程度の非常に低い流量で動作する場合、そのような重力誘起流れ効果は、フロー制御とフローサイトメトリ結果の精度との両方に関してより問題となり得る。加圧ガス供給ライン128の適用によって正の背圧を提供することによって、図1に示されるようなシステムでは、そのような重力効果は、大部分が低減又は排除されることができる。好ましくは、印加される背圧は、システム内の重力誘起圧力と少なくとも同じ大きさであり、より好ましくはそれより大きい。理解され得るように、フローサイトメトリ中のそのような重力誘起圧力は、フローサイトメトリ評価中にフローサイトメトリ評価システム100を通る流体流路内の液塊(liquid mass)の上昇と上昇の間で液塊によって及ぼされる液体ヘッド圧(liquid head pressure)に等しくてもよい。このような液体ヘッド圧は、流体流路内の流体サンプル、シース液、及び/又は駆動液によって及ぼされ得る。このような流体は、典型的には、水の密度にたとえ等しくなくても近い密度を有し、したがって水のヘッド圧に近いヘッド圧を及ぼす水性液体である。1つの好ましい実装では、印加される背圧は、流出流体入口124と調査ゾーン104の最も低い高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と少なくとも同じ大きさであり、より好ましくはそれより大きい。さらにより好ましくは、印加される背圧は、流出流体入口124と、流体経路内の最高の高さであって、それを通して流体サンプルがフローサイトメトリ調査に関連して調査ゾーン104に導かれ通過され流出液回収容器120に至る流体経路内の最高の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と、少なくとも同じ大きさであり、さらにより好ましくはそれより大きい。サイフォン型効果は、調査ゾーンの直後に圧力遮断を設けることによって低減されることができるが、図1に示されるフローサイトメトリシステムなどのフローサイトメトリシステム内の重力誘起流れ効果を打ち消すために、圧力効果に対する、より大きな制御が、正の背圧の印加によって提供される。また、フローサイトメトリ調査中のフルイディクスシステム内の重力誘起吸引効果は、流体サンプル内により多くのより大きな気泡の発生をもたらす可能性があり、これは均一な液体流及びフローサイトメトリ性能に悪影響をもたらし得る。これらの問題を低減するために、フローサイトメータでは気泡除去デバイスが使用されてきたが、このようなデバイスを使用しても気泡の発生は依然として問題である。本システムを通して正の背圧を印加することにより、重力誘起吸引効果を打ち消して、より多くの又はより大きい気泡の発生を低減することができる。加えて、追加された背圧は、フローサイトメトリ評価中に調査ゾーン104及び流体サンプル導通路142内に、より高い圧力のシステムをもたらし、より多くの又はより大きな気泡がシステム内で発生する可能性をさらに低減する。さらに、流出システムからの背圧を印加することにより、フローサイトメトリシステム設計により大きな柔軟性がもたらされる。オートサンプラーをフローサイトメータと統合したシステムについての一般的な設計では、オートサンプラーをフローサイトメータより低い高さ又はほぼ同じ高さに位置付けられる。しかしながら、オートサンプラーをフローサイトメータよりも高い高さに位置付けることには、動作上及び点検上の利点があり得るが、そうすることで、流体サンプルを押すために余分な圧力を印加する液柱の重力ヘッド圧の点でフルイディクス上の問題が生じ、これによりフロー制御が複雑になる。図1に示されるように正の背圧を印加することを通してそのような重力誘起流れ効果が対処されると、他の利点を達成する上でフローサイトメトリシステム設計についてより大きな柔軟性が得られる。
【0016】
図1に示されるような正の背圧の使用によって促進される1つの好都合な設計は、オートサンプラー140がフローサイトメトリ調査システム102と比べて高いスタック位置(stack position)に位置決めされるスタックシステム設計である。スタック設計は、オートサンプラーとフローサイトメータとが横に並んだ配置と比べて、設置面積がより小さいという利点をもたらす。スタック設計における自然な位置決めは、オートサンプラーをより低い高さに位置付け、フローサイトメータをより高い高さに位置付けることであり、これは部分的には、オートサンプラーから調査ゾーンへの流体サンプルの流れに悪影響をもたらす重力誘起流れ効果を部分的に回避するためである。しかしながら、ユーザの観点からは、スタック設計においてより高い位置に位置付けられたオートサンプラーを有することにより、処理のために流体サンプルのトレイを装填し、処理の終わりにトレイを取り出し、オートサンプラーにおいて必要に応じて試薬容器を観察及び交換し、立っている人が、前屈みになったり屈んだりすることなくオートサンプラーの性能を必要に応じて観察するのにより都合の良いアクセスが可能になる。フローサイトメトリ調査システムは、典型的には、保守及び点検のためにのみアクセスされ、それは、フローサイトメトリ調査システムの構成部分を、取り外す及び交換する及び/又は調整することを含み得る。その構成部分をより低いレベルに有することで、そのような構成部分を取り外して保守するためのアクセスを提供することがより容易になる。図1は、フローサイトメトリ評価システム100内の様々な高さを示す。図1の例では、E4は、流体サンプル導通路142内で最高の高さであり、この高さは、フローサイトメトリ調査のために流体サンプルを流体サンプル保持ゾーン150から調査ゾーン104に導くように多位置弁152が位置決めされている場合に、流体サンプル保持ゾーン150内にある。E3は、オートサンプラー140のサンプル受け入れ場所144の高さであり、これは、調査ゾーン104の高さE2よりも高い。高さE2は、流出液回収容器120の流出流体入口124の高さE1よりも高い。一般に、この設計は、オートサンプラー140がフローサイトメトリ調査システム102よりも高い位置に位置決めされたスタック設計構成によく適している。これにより、調査ゾーン104の向きの設計の多様性が促される。例えば、調査ゾーン104は、調査ゾーン104を通る流路の長手方向に水平方向に延びるように向き付けされてもよく、又は、調査ゾーン104は、例えば、機器設計にとってより都合が良い場合には、流路の長手方向に対して垂直に傾斜して配向されてもよい。そのような垂直な傾斜は、流れ方向において垂直に上昇又は下降するスロープであってもよく、又は上向き又は下向き方向の流れで完全に垂直(水平に対して90°の角度)であってもよい。図1に示されるように背圧を印加することにより、調査ゾーン104を通る流路が垂直傾斜していることによる重力誘起流れ効果を打ち消し得る。理解され得るように、調査ゾーン104が水平流路で配向されている場合、調査ゾーン104内の最高の高さと調査ゾーン内の最低の高さとの間にはほとんど差がないことになるが、調査ゾーン104の流路が垂直な傾斜を含む場合、調査ゾーン104内の最高の高さと最低の高さとの間の差は、はるかに大きくなり得る。
【0017】
ここで、図1と組み合わせて図2図7を参照する。図2図7は、オートサンプラー140及びフローサイトメトリ調査システム102がスタック構成である、図1の一般的なフローサイトメトリ評価システム100の1つの例示的な構成を含む例示的な単一ユニット機器モジュール200の特徴を示す。単一ユニットとは、機器モジュールが、単一部品として移動可能な1つの統合された構造であり、物理的に一緒に接続されていない別個のユニットで構成されておらず、好ましくは、すべてのオートサンプラー及びフローサイトメータ構成部分が、共通の支持フレーム上及び共通のハウジング内に支持されていることを意味する。具体的には、オートサンプラー140は、フローサイトメトリ調査システム102よりもスタック内の高い位置に位置決めされ、流体サンプルのフローサイトメトリ調査の実行中にフルイディクスシステムを通る流体の流れに背圧を提供するための加圧ガス送達システム126を含む。図2図7に示される同様の特徴についての参照番号は、図1の特徴について使用された参照番号と同じである。
【0018】
まず図1と組み合わせて図2図4を参照すると、フローサイトメトリ機器モジュール200は、ハウジング202を含み、このハウジング202内で、上部区画室204が、オートサンプラー140の構成部分を収容しており、下部区画室206(図3に見ることができる)が、フローサイトメトリ調査システム102の構成部分を収容している。上部区画室204内に配置されたオートサンプラー140は、複数のサンプル容器146を受け入れるための受け入れ場所144と、サンプル容器146とインタフェースして(interface)、連続的なフローサイトメトリ調査のために流体サンプルを引き出すように構成されたサンプル送達プローブ148とを含む。上部区画室204内に配置されたオートサンプラー140はまた、オートサンプラー140の動作と共に使用される洗浄液又はリンス液などの液体試薬が入った1つ以上の容器を含んでもよい。ハウジング202は、ヒンジドア208を含み、このヒンジドア208は、処理のために流体サンプルのトレイをオートサンプラー140内に装填し、流体サンプルのフローサイトメトリ評価後に処理済みのトレイを取り外し、オートサンプラー140によって使用される試薬を容器に交換又は再充填するために、ユーザにアクセスを提供する。ドア208は、ユーザがフローサイトメトリ評価の実行中にオートサンプラー140の動作を観察することができる窓を有する。下部区画室206内のフローサイトメトリ調査システム102は、通常、フローサイトメトリ調査中にはユーザによってアクセスされることはない。ハウジング202は、取り外し可能な側部アクセスパネル210の形態の取り外し可能な部材を含み、この側部アクセスパネル210は、例えば、フローサイトメトリ調査システム102の点検又は保守を実行するために、下部区画室206内へのアクセスを提供するように移動され得る。図3は、下部区画室206内へのアクセスを提供するためにアクセスパネル210が取り外された機器モジュール200を示す。代替構成では、アクセスパネル210は、完全に取り外し可能であるのではなく、ヒンジ接続であってもよい。側部アクセスパネル210の取り外しはまた、上部区画室204内の構成部分の点検及び保守のために上部区画室204内へのアクセスも提供する。また、例えば、オートサンプラー140の点検及び保守のためにオートサンプラー140に都合良くアクセスするために上部区画室204への追加のアクセスを提供するために、アクセスパネル210とは反対側のハウジング202の側部にアクセスドア又はパネルが設けられてもよい。上部区画室204内のオートサンプラー140への都合の良い点検及び保守アクセスを提供するために、例えば、別個のアクセスパネルなどの可動カバー部材を、アクセスパネル210とは反対側のハウジング202の側部に設けてもよい。上部区画室及び下部区画室への言及は、ハウジング内の別個の空間のみを指しており、上部区画室の空間は、下部区画室の空間と比べてハウジング内でより高いところにあることを理解されたい。これらの空間を区画室として言及することは、それぞれの区画室の空間が、それらの間の物理的障壁によってハウジング202内で互いに必ず隔離されていることを示すものではない。
【0019】
機器モジュール200はまた、下部区画室206の前に位置付けられた前部区画室212を含み、前部区画室212の中に、フローサイトメトリ評価中に使用するための試薬液を保持し、またフローサイトメトリ評価システム100の動作からの廃液を受け入れるための流体容器が配置される。第1の容器214は、調査ゾーン104におけるフローサイトメトリ調査のために流体サンプルを流体力学的に集束させるためのシース液を保持するための試薬容器であり得る。第2の容器216は、フローサイトメトリ調査中に調査ゾーン104に流体サンプルを押し込み、通過させるための駆動液を保持するための試薬容器であり得る。第3の容器は、フローサイトメトリ調査中に調査ゾーン104を出る流体サンプルの流出液を回収するための、流出液回収容器120の形態の廃棄物容器であり得る。第4の容器220は、例えば、流体サンプル間でオートサンプラー140の構成要素を洗い流して洗浄するためにオートサンプラー140の動作において使用された廃液を回収するための廃棄物容器であり得る。流出液回収容器120は、加圧ガス送達システム126から加圧ガスライン128を通して供給される加圧ガスからの印加ガス圧力で加圧され、この加圧ガス送達システム126は、例示的な機器モジュール200においては、ガス圧縮機224によって加圧される加圧タンク222を含む。加圧ガスは、典型的には空気であるが、好ましい場合には窒素のような別の加圧ガスであってもよい。代替として、加圧ガス送達システム126は、搭載圧縮機を有するのではなく、外部加圧ガス源への接続を含んでもよく、又は加圧ガス容器のみで動作することもできる。図4に見られるように、加圧ガスが、ガス供給ライン226を通して第1の容器214に送達され、シース液が、出口ライン228を通して第1の容器214から押し出される。第2の容器216及び第4の容器220は、加圧されない。第2の容器216は、処理中に駆動液が出口ライン232を通って第2の容器216から出されるときに圧力等化のために濾過された空気が第2の容器216内に入ることを可能にするために、空気入口ライン230に接続されている。加圧ガスは、加圧ガス供給ライン128を通して流出液回収容器120に送達され、流体サンプル及びシース液の流出液を含む廃液は、調査ゾーン104から流出流体導通路122を通して流出液回収容器120に送達される。第4の容器220は加圧されず、2つの廃棄物入口ライン238、240を通してオートサンプラー140から廃液を受ける。
【0020】
前部区画室212は、フローサイトメトリ評価システム100内の流体接続のために、容器214、216、120、220の各々を異なる受け入れ位置において受け入れるための受け入れ場所を提供する。図2で最もよくわかるように、機器モジュール200は、容器214、216、120、220の各々の内部の内部空間を照明する光照明システムを含む。図2に見られるように、容器214、216、120、220は各々、光照明システムの別個の照明素子215、217、121、221によって背面照明される。このような照明素子としては、例えば、発光ダイオード(LED)(好ましくは)、白熱灯、蛍光灯、又は他の光源が挙げられ得る。図2に示されるように、照明素子215、217、121、221の各々は、各容器の背後で前部区画室212の内側に位置付けられ、容器214、216、120、220の各々の内部空間を照らす。これにより、好都合なことに、ユーザが正面から機器モジュール200を観察して、容器内の液体レベルを容易に識別することが可能になる。具体的には、ユーザは、容器が液体で充填されている又は液体が空になっている程度を迅速かつ容易に識別して、容器に試薬(シース液もしくは駆動液)を充填するか又は廃液(流体サンプルの流出液又はオートサンプラー廃液)を空にするかのいずれかの保守の必要性を予測することができる。理解されるように、光照明システムは、光照明システムが容器214、216、120、220の内部空間を適切に照明して、人がこれらの容器内の液体レベルを容易に観察することを可能にするのであれば、図2に示されたものとは異なるように構成されてもよい。例えば、光照明システムは、全ての容器の背後に延びた照明光ストリップ(illuminated light strip)を含んでもよい。他の例として、照明素子は、下から容器内を上向きに、上から容器内を下向きに、又は容器の底部付近の前方の照明素子から容器内を上向きに角度を付けて照らすように配向されてもよい。理解されるように、容器214、216、120、220は、液体レベルの容易な観察を可能にするために十分に透明な材料から作製される必要がある。加えて、前部区画室212は、機器モジュール200の前方に位置する観察者が、容器214、216、120、220、及びそれらの容器内の液体レベルを容易に観察することができるように、少なくとも前部区画室212の前方部分で光学的に透明な(例えば、光透過性プラスチック材料の)ハウジングによって覆われている。図2に示される例では、前部区画室212は、下部区画室206の前方、かつ上部区画室204の高さよりも下に都合良く位置付けられ、上部区画室204へのアクセスを損なうことなく、容器214、216、120、220の都合の良い視覚的観察を提供する。
【0021】
また、図4で最もよくわかるように、ガス供給ライン128、空気入口ライン230、ガス供給ライン226の各々は、それぞれ、インラインフィルタ(in-line filter)121、231、227を有する。フィルタ227、231は、シース液及び駆動液がそれぞれガスによって運ばれ得る塵粒子で汚染されることを防止するために、第1の容器214及び第2の容器216に送達される加圧ガス流(典型的には空気)を濾過する。
【0022】
フィルタ129は、流出液回収容器120に出入りする加圧ガス流(典型的には空気)を濾過する。通常動作中、流出液回収容器120がフローサイトメトリ調査からの流出液体で充填されるにつれて、ガス流は、概ね流出液回収容器120から出る方向になり、フィルタ129が、退出ガス内に混入する可能性がある通常であれば安全上の危険を引き起こし得るウイルス粒子を、濾過して除去する。流出液回収容器120に入るガス流は、例えば、フローサイトメトリ評価の実行に備えて所望のレベルの背圧を印加するために、流出液回収容器120の初期加圧中に生じ得る。また、フィルタ129は、流出液回収容器がフィルタ129のレベルまで水性流出液体で充填された場合に、フィルタ129を通る液体の流れに対する妨害物として作用する疎水性材料から作製されることによって追加の安全機能を果たすことができ、フローサイトメトリ調査システム102のフルイディクスシステムを通る流体の流れを監視する流量センサが、流れの妨害物を検知し、例えば流出液回収容器120を空にするか又は交換することによって妨害物が除去されるまで、フローサイトメトリ評価システム100を通って流出液回収容器120に向かう全ての追加の流体の流れの停止へと制御システムを導くことになる。
【0023】
図3に見られるように、フローサイトメトリ調査システム102の構成要素は、摺動可能なシェルフ(slidable shelf)244の形態の平行移動可能に取り付けられた部材上に支持され、この摺動可能なシェルフ244は、スライドシステム上に摺動可能に支持され、例えば、キャビネット引出し又は摺動可能なキャビネットシェルフに一般的に使用されるようなスライドレールなどのスライドレール上に摺動可能に支持される。摺動可能なシェルフ244は、摺動可能なシェルフ244が下部区画室206の収容内部空間内に完全に格納される第1の位置と、摺動可能なシェルフ244が下部区画室206の外側に少なくとも部分的に延びており、フローサイトメトリ調査システム102の少なくとも一部が下部区画室206の収容内部空間の外側に配置される第2の位置との間で平行移動可能である。理解され得るように、第1の位置とは、フローサイトメトリ評価システム100の通常の使用のためにフローサイトメトリ調査システム102が下部区画室206内の収容内部空間に完全に収容され、また側部アクセスパネル210が使用中にフローサイトメトリ調査システム102を保護するために図2に示されるように閉位置の定位置にある、通常位置となる。摺動可能なシェルフ244は、例えば、ラッチ又はつまみねじによって、第1の位置において定位置に係止されてもよい。摺動可能なシェルフ244はまた、例えば、別のラッチ又はつまみねじによって、第2の位置においても定位置に係止されてもよい。第2の位置は、点検及び保守のためにフローサイトメトリ調査システム102の構成要素へのアクセスの向上をもたらす。
【0024】
下部区画室206内の摺動可能なシェルフ244上のフローサイトメトリ調査システム102の位置、取り付け、及び構造は、多くの動作上の利点をもたらす。上述したように、摺動可能なシェルフ244上にフローサイトメトリ調査システム102の構成部分を取り付けることにより、点検及び保守に都合の良いアクセスが提供される。使い勝手の観点から、オートサンプラー140を上部区画室204に位置付けることは、通常動作中にオートサンプラー140にアクセスしてその動作を観察するユーザに利点をもたらす。上部区画室204内にオートサンプラー140を位置付けることと組み合わせて、下部区画室206内の摺動可能なシェルフ244上にフローサイトメトリ調査システム102を取り付けることで、ユーザによるフローサイトメトリ評価システム100の有用性の向上と、フローサイトメトリ調査システム102の点検及び保守のためのアクセスの向上との好都合な組み合わせが提供される。
【0025】
主に図3図5、及び図6を参照すると、フローサイトメトリ調査システム102は、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の形態の共通光学構成要素取り付け部材上に取り付けられた光学処理システム250を含む。図3では、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の構成部分及び光学処理システム250の構成部分の多くは、保護カバー253によって視界から遮断されているため見えない。しかしながら、図5は、保護カバー253が取り外された状態の光学処理システム250及び共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252を示している。摺動可能なシェルフ244は、摺動可能なシェルフ244が第1の位置にある場合に側部アクセスパネル210寄りに配置される前縁部256と、前縁部256の反対側にあり、摺動可能なシェルフ244が第2の位置にある場合に側部アクセスパネル210から離れて配置される後縁部258とを含む。共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252は、前縁部256寄りに配置され、摺動可能なシェルフ244より上の高い位置に2つの支持部材262、264によって支持されている。また、摺動可能なシェルフ244には、フローサイトメトリ調査システム102の様々な構成要素を動作させるための電子機器を有する回路基板288が取り付けられている。フローサイトメトリ調査システム102の様々な特徴を明確に示すために、フローサイトメトリ調査システム102の構成要素と回路基板288との間の電気的接続は、図に示されていない。
【0026】
図5及び図6に示されるように、共通支持プラットフォーム252上に支持された光学処理システム250は、フローセル268を含み、このフローセル268は、フローサイトメトリ調査のためにシース液によって取り囲まれた流体サンプルが流れる調査ゾーン104を含む。放射送達システム106からの入力光108は、集光素子270からの集束光としてフローセル268の調査ゾーン104に送達され、フローセル268内の流体サンプルの流れに集束光を当てる。入力光108は、放射送達システム106と集光素子270との間の光導管284を含む光伝導路を通して集光素子270に伝達される。図2図6に示される例示的な構成では、放射源106はレーザの形態であり、光導管284は光ファイバを含む。集光素子270は、例えば、入力光108をフローセル268への送達に所望される程度に集束させる光学構成要素又は光学構成要素(例えば、集光レンズ、集光ミラー、テーパ状ライトガイド)の組み合わせであってもよいし、又はそれを含んでもよい。光学処理システム250内には、放出された光を光検出器に集束させる集光レンズがある。一例として、光学処理システム250は、例えば光電子増倍管として示される2つの光検出器272、274と、フローセル268から光検出器272、274への応答放射伝導路とを含む。応答放射伝導路は、筐体276内に配置され、空間フィルタ(図示せず)と、その後に応答放射を波長ごとに分離して第1の光検出器272又は第2の光検出器274のいずれかに送達するダイクロイックミラー(図示せず)とを含む。光検出器272、274の各々によって検出されることが所望される光の波長を通過させるために、光検出器272、274の前に光学フィルタがあってもよい。例えば、光検出器272及び光検出器274の前に、検出対象である様々に異なる蛍光染色からの異なる蛍光発光指標に対応する光検出器272、274の各々へ、検出のために異なる波長の光を通過させるための、異なる光学フィルタがあってもよい。
【0027】
放射送達システム106のレーザは、下部区画室206内に配置されたフローサイトメトリ調査システム102の構成部分の主要な発熱素子であり、レーザは、光源によって生成された熱を放散するための冷却フィンを有するヒートシンク280に熱的に結合されている。熱除去は、機器モジュール200のハウジング202の背面パネルに取り付けられた排気ファン(図示せず)によって促進され、第2の区画室206から暖かい空気を排出し、より冷たい周囲空気を引き込み得る。好ましくは、このような排気ファンは、ヒートシンク280に隣接した背面パネル上に位置付けられる。共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252上に取り付けられた光学処理システム250の性能は、材料の膨張及び収縮による、特に光学処理システム250の構成要素が取り付けられている共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の膨張及び収縮による、温度の変化に伴う構成要素間隔及びアライメントの変化の影響を受けやすい。共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252は、任意の所望の剛性材料から作製されてもよく、金属材料(例えば、鋼、アルミニウム)が好ましい。共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の熱膨張及び収縮から生じる変化は、主に、細胞程度のサイズのより大きい粒子の存在について流体サンプルを評価するように設計されたフローサイトメトリシステムにとっては重大な問題ではないことが多いが、例えば、より小さい粒子によって生成される光学信号は一般的により弱いために、ウイルスサイズ粒子などの非常に小さい粒子について評価するときには、比較的小さい変化であってもより大きな影響を有することがある。温度の変化による性能への悪い影響の可能性を打ち消すために、フローサイトメトリ調査システム102は、上述の排気ファンに加えて、好都合な設計特徴を含む。
【0028】
1つの好都合な設計特徴は、光源278と光学処理システム250の光学構成要素との間にある程度の熱隔離を設けることである。その点に関して、光源278は、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252上には取り付けられない。図2図6に示される例では、放射送達システム106のレーザは、ヒートシンク280に取り付けられており、このヒートシンク280は、摺動可能なシェルフ244に取り付けられており、共通支持プラットフォーム252の直接伝導加熱を低減し、またレーザ及びヒートシンク280の周りの空気流に対して大きな露出面積を提供して、レーザによって生成される熱を除去して上述の排気ファンによって第2の区画室206から効率的に排出されるようにする。
【0029】
別の好都合な設計特徴は、保護光導管284内に封入された光ファイバを利用して、光源278と集光素子270との間の入力光伝導路を通して、光源からフローセル104に入力光108を供給することである。光導管284内の光ファイバは、光源278からの入力光108を受けるために光源278に隣接して光学的に結合された第1の端部と、集光素子270に隣接して光学的に結合された第2の端部とを有する。入力光108を光源278から集光素子270に伝導するために光ファイバを使用することにより、入力光伝導路が温度の変化に対して本質的に非感受性になることが可能になり、加えて、一部のフローサイトメータにおいては一般的であるように、フローセルに光を方向付けるために1つ以上のミラーを利用する光入力伝導路によって通常であれば生じる光学系アライメント問題を簡素化する。
【0030】
さらなる好都合な設計特徴は、共通光学構成要素取り付けプラットフォームの効果的な温度制御を可能にする自己発熱が低減された温度制御システムの使用を通じて、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の温度の温度制御を提供することである。この温度制御システムは、図8図10を参照して以下で別に説明される。
【0031】
ここで、機器モジュール200の例示的な流体システム構成のフルイディクス図を含む図7を参照する。図7のフルイディクス図は、システム配管図又は流体フロー図と呼ばれることもある。図7は、オートサンプラー140、フローサイトメトリ調査システム102、及び加圧ガス送達システム126内を含む、機器モジュール200内に含まれるフローサイトメトリシステム100の例における流体の流れ及び流体取り扱い特徴を示す。流体の特徴のみが図7に示されている。光学的特徴は示されていない。
【0032】
図7を参照すると、フローサイトメトリ調査のための流体サンプルの処理は、複数の流体容器146のうちの1つからサンプル送達プローブ148によって流体サンプルを引き出すことから始まる。図7に示されるように、オートサンプラー140は、図7においてそれぞれV1、V2、V3とも指定される3つの多成分弁152、300、302を含む。流体容器146から流体サンプルを引き出すために、弁152は位置4が位置5に接続されるように設定され、弁300は位置4が位置5に接続されるように設定され、弁302は位置2がシリンジ304に接続されるように設定される。弁152、300、302が上記のように設定されると、シリンジ304のプランジャ(plunger)306が後退され、弁302、弁300、弁152を通してサンプル送達プローブ148に流体吸引を適用し、サンプル容器146から流体サンプルを引き出す。プランジャ306は、フローサイトメトリ調査のために所望の体積の流体サンプルを、図7に示されるようなチューブのコイルの形態であるサンプル保持ゾーン150内に引き込むのに十分なだけ後退させられる。所望の体積の流体サンプルがサンプル保持ゾーン150内に引き込まれた後、次いで、プランジャ306の後退が停止する。サンプル保持ゾーン150への送達のためにサンプル送達プローブ148内に流体サンプルを引き込むためのプランジャ306の後退の開始に先立って、弁302、流体ライン310、弁300、流体ライン312(サンプル保持ゾーン150を含む)、流体ライン314、及びサンプル送達プローブ148を通る、シリンジ304からの流体経路は、第2の容器216から事前に供給された駆動液で充填される。プランジャ306の後退を停止した後、流体ライン312は、弁152からサンプル保持ゾーン150のチューブコイルの一部を通して流体サンプルで充填されることになり、流体ライン312の弁300までの残りの部分は、駆動液で充填されることになる。所望の体積の流体サンプルがサンプル保持ゾーン150内に引き込まれ、プランジャ306の後退が停止した後、次いで弁300及び弁152の位置決めが変更されて、それらの弁の各々で位置5及び位置6のみが開き、加圧ガス送達システム126からの加圧ガスが、ガス圧力調整器316から調整された圧力で供給され、流体ライン318を通り、弁300の開いた弁位置6及び弁位置5を通って、駆動液及び駆動液の前の流体サンプルを押し、それらの液は、弁152の開いた位置5及び位置6を通り、流体サンプル導通路142を通って、フローサイトメトリ調査のためにフローセル268内の調査ゾーン104に到達して通過し、その後、流出液回収容器120内での廃液134の一部としての回収のために、流出流体導通路122を通って流出流体入口124へ到達する。
【0033】
駆動液を押して、流体サンプルをサンプル保持ゾーン150から調査ゾーン104を通って流出液回収容器120へ押し出すためには、駆動液の後ろに十分なガス圧を印加して、加圧ガス供給ライン128を通って流出液回収容器120までのフルイディクスシステム内の印加ガス圧力からの正の背圧の影響を克服することが必要である。
【0034】
流体サンプルに対するフローサイトメトリ調査に続いて、オートサンプラー140の流体成分は、試薬容器320からのリンス試薬を使用したリンスサイクルにさらされ、それに続いて、シリンジ304から弁302、弁300、サンプル保持ゾーン150、弁152、流体ライン314、及びサンプル送達プローブ148を通る流体経路が、第2の容器216からの駆動液で充填され、次のフローサイトメトリ調査のために複数の流体容器146のうちの別の1つから次の流体サンプルをサンプル送達プローブ148を介して引き出すのに備える。リンスサイクルの詳細はここでは説明しない。リンスサイクルに続いて、弁302の位置1が開いた状態で、シリンジのプランジャ306を前進位置から後退させて、駆動液を、第2の容器216から流体ライン322を介してシリンジ304内に吸引し、それに続いて、弁302の位置1が閉じられ、弁302の位置2が開かれ、弁300及び弁152の各々の位置4及び位置5が開いた状態で、次いでプランジャ306を前進させて、駆動液を、流体経路を通してサンプル送達プローブ148の先端まで押し、サンプル送達プローブは、余分な駆動液を除去してリンスステーション358に入れるように位置決めされており、余分な駆動液は、廃棄物入口ライン238を通して導かれ第4の容器220内に回収される。図7に示されるように、ドリップパン322が、オートサンプラー140からの任意の液体漏出を捕捉して、廃棄物入口ライン240を通して第4の容器220へ導くように位置決めされている。
【0035】
図7に示されるように、機器モジュール200のフローサイトメトリ評価システム100の例示的な構成は、フローセル268内の調査ゾーン104内のフローサイトメトリ調査のために流体サンプルを取り囲むシース液を含む。図7に示されるように、流体サンプルのフローサイトメトリ調査104中に、シース液が第1の容器214からフローセル268の集束ゾーン324に送達され、そこで、シース液が流動流体サンプルの周りに導入され、調査ゾーン104におけるフローサイトメトリ調査のために、流れている流体サンプルを流体力学的に集束させる。シース液の流出液は、流体サンプルの流出液と共に調査ゾーン104を出て、流体サンプルの流出液と共に流出液回収容器120内に廃棄物として回収される。
【0036】
いくつかの他の構成要素もまた図7に示されている。空気入口330は、圧縮機224への空気取り入れ口を提供する。ガス圧力調整器316は、加圧ガスがシステムの異なる部分に送達される圧力を調整するための圧力制御弁334、336、338を含む。フィルタ340、342、344、346、348は、様々なガス流を濾過するために様々なガスラインに配置される。遮断弁350、352は、流出液回収容器120及び第1の容器214をシステムの残りの部分から選択的に隔離することを可能にする。サンプル流量センサ354は、流体サンプルの流れを測定し、シース流量センサ356は、フローサイトメトリ調査のためのフローセル268へのシース液の流れを測定する。サンプル送達プローブ148は、サンプル送達プローブ148を通じて様々に異なる動作を実行するために、サンプル容器146と、試薬ボトル320と、リンスステーション358における位置との間で移動可能である。
【0037】
ここで図8を参照すると、図8は、ハウジング202内で機器モジュール200の下部区画室206内に配置された例示的な温度制御システム400であって、好ましくは、温度制御システム400の全ての構成要素が摺動可能なシェルフ244上に支持されている温度制御システム400を示す。図8に示されるように、例示的な温度制御システム400は、下部区画室206内の環境を加熱するように選択的に動作可能な電気加熱ユニット402を含み、好ましくは、電気加熱ユニット402は、伝導によって共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252に直接熱を加えて、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252を目標設定点温度付近の温度に維持するように位置決めされる。その点に関して、電気加熱ユニット402は、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252上に取り付けられてもよいし、又は共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252内に埋め込まれてもよいし、又は共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の一部を形成してもよい。図8に示されるように、電気加熱ユニット402は、抵抗加熱素子を含む。温度制御システム400は、ハウジング202の下部区画室206内の温度状態に対応する温度センサ読み取り値を供給するために、好ましくはサーミスタを含む温度センサ404を含む。好ましくは、温度センサ404は、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の温度を直接検知するように配置される。その点に関して、温度センサ404は、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252上に取り付けられてもよいし、又は共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252内に埋め込まれてもよいし、又は共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の一部を形成してもよい。温度制御システム400は、温度判定を行うために、対応する温度センサ読み取り値と組み合わせて使用するための参照読み取り値を供給するために、参照抵抗器406を含む。アナログ-デジタル変換器408は、温度センサ読み取り値を受け取るために温度センサ404に、又は参照読み取り値を受け取るために参照抵抗器406に、二者択一的に選択的に接続可能であり、いずれの場合も、それぞれの読み取り値に対応するデジタル出力を供給する。電流源410は、センサ読み取り値を得るために温度センサ404に、又は参照読み取り値を得るために参照抵抗器406に、AC電流を二者択一的に供給するように構成されている。例えばマルチプレクサの形態のスイッチユニット412は、電流源410からの電流の方向を温度センサ404又は参照抵抗器406に選択的に切り替えるように、及び温度センサ読み取り値又は参照読み取り値を受け取るためにアナログ-デジタル変換器408への入力を選択的に切り替えるように、動作可能である。スイッチユニット412は、任意の所望の数のスイッチを含み得る。図8の例示では、スイッチユニット412は、3つのスイッチ432、434、436を有し、各々、第1の位置(位置1)と第2の位置(位置2)との間で切り替え可能である。コントローラユニット414は、温度制御システム400の動作を制御するように構成されており、これは、温度判定データセットを定期的に収集することであって、各データセットが、センサ読み取り値に対応するアナログ-デジタル変換器408からの第1のデジタル出力及び参照読み取り値に対応するアナログ-デジタル変換器408からの第2のデジタル出力を含む、収集することと、そのような温度判定データセットに少なくとも部分的に基づいて定期的に温度判定を行うことと、熱を提供して制御された環境(例えば、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252)を設定点温度に向けて加温するために、及び制御された環境の温度を設定点温度付近に維持するために、必要に応じて電気加熱ユニットの動作を指示することとを含む。図8に示されるように、電流源410は、コントローラユニット414による指示に従ってDC電源からAC電流を供給するデジタル-アナログ変換器によって提供される。
【0038】
温度制御システム400はまた、第1のタイマ420及び第2のタイマ422を含み、これらの第1のタイマ420及び第2のタイマ422はそれぞれ、チョッパ安定化動作(chopper-stabilized operation)を提供する第1の割り込みサービスルーチン及び第2の割り込みサービスルーチンをトリガーする。温度制御システム400はまた、温度判定に基づいてコントローラユニット414から温度制御命令を受け取るパルス幅変調(pulse width modulation : PWM)ユニット424を含み、PWMユニット424は、好ましくは固定設定点温度である設定点温度の維持に向けて、制御された環境を加熱するためのレベル及び持続時間で電気加熱ユニットを動作させるために、ヒータ駆動命令をドライバユニット424に出力する。ドライバユニット426は、PWMユニット424からの命令に従ってコントローラユニット414の指示で制御された環境を加熱する又は加熱しないために、電気加熱ユニット402に電力を供給する又は供給しないようにオンモードとオフモードとの間で切り替え可能な電源であってもよいし、又はそのような電源を含んでもよい。ドライバユニット426は、制御された環境を様々に異なる速度で加熱するように電気加熱ユニット402を動作させるための様々に異なるレベルの電力を供給する可変電力出力を有してもよく、又はドライバ426は、電力がドライバユニット426から電気加熱ユニット402に供給される期間にわたって固定速度で電気加熱ユニット402を動作させるための固定電力出力を有してもよい。
【0039】
閉鎖空間内の環境の精密公差温度制御に伴う重大な問題は、局所的な温度変化の影響から生じ得る、及び温度センサの動作によって生成される熱による温度センサの自己加熱から生じ得る誤差の可能性である。温度測定のための既存の技術としては、絶対測定技術及びレシオメトリック測定技術(ratiometric measurement techniques)が挙げられる。絶対温度測定は簡単であるが、温度センサの供給電圧及び/又は参照電圧の変化によって導入される測定誤差の問題、ならびに、典型的には温度センサに連続的に供給される、温度センサの動作のために印加される電流による温度センサの自己加熱の問題を有する。レシオメトリック温度測定は、測定誤差としての電圧変動を除去するが、温度に対する、オフセット、ノイズ、及びドリフトに関する、ならびに温度センサの自己加熱に関する問題もまた有している。図8の温度制御システム400の重要な態様は、温度判定を定期的に行い必要に応じて温度制御命令を提供するために、コントローラユニット414によって使用される温度判定データセットの定期的な収集に関連付けられた第1のタイマ420及び第2のタイマ422によってトリガーされる割り込みサービスルーチンを含むチョッパ安定化動作である。チョッパ安定化動作は、所望のサンプリング間隔で温度センサ読み取り値を得ながら、かつ半導体電子機器を高周波数で動作させていわゆる1/f半導体ノイズを低減しながら、温度センサの自己発熱を大幅に低減する。その点に関して、半導体特徴の電力関連ノイズは、より低い周波数範囲(例えば、約10~100Hz未満の周波数)では電力周波数の逆数(1/f)に比例することが多く、より高い周波数範囲(例えば、約100Hzを超える周波数)では周波数にほとんど依存しないように遷移する。好ましい動作では、電流源410からの電力及びアナログ-デジタル変換器408の動作は、そのようなより高い周波数範囲内にある。
【0040】
好都合には、図8に示されるように、アナログ-デジタル変換器408、電流源410、スイッチユニット412、コントローラユニット414、第1のタイマ420、第2のタイマ422、及びPWMユニット424の機能は、全て、単一のマイクロチップ430に含まれてもよく、機器モジュール200のための簡素化された回路基板設計を促進し、電子構成部分の設置面積及びコストを大幅に低減する。ドライバユニット426及び参照抵抗器406は、マイクロチップと共通の回路基板である回路基板288上に電子部品として都合良く取り付けることができる。図5は、温度センサ404及び回路基板288上のマイクロチップ430の例示的な場所を示す。参照抵抗器406及びドライバユニット426もまた、回路基板288上に取り付けられた構成要素であってもよい。
【0041】
図8及び図9を参照すると、コントローラユニット414の指示で温度制御システム400を用いて温度判定データセットを収集するための例示的な手順が、図9に示されるタイムラインにおいて説明されている。図9は、温度センサ読み取り値に対応するアナログ-デジタル変換器408からの第1のデジタル出力と、参照読み取り値に対応するアナログ-デジタル変換器408からの第2のデジタル出力とを含む温度判定データセットを収集するためのタイムラインを示す。時間ゼロ(t)は、第1のタイマ420によってトリガーされる第1の割り込みサービスルーチンを開始するための第1のタイマ420の割り込み(I1,1)と一致する。tで開始する第1の割り込みサービスルーチンは、第1のタイマ420を再開始して、第1のタイマ420の第1の持続時間(Δt)にわたって実行することと、スイッチユニット412についてのループカウンタの値に従って、スイッチユニット412のスイッチ332、334、336の各々を位置1に設定し、電流源410からの電流を温度センサ404に方向付けることと、第2のタイマ422を開始して、第2のタイマ422の第2の持続時間(Δt)にわたって実行することとを含む。tにおける第2の持続時間(Δt)の満了後、第2のタイマ422の割り込み(I2,1)が発生して、第2のタイマ422によってトリガーされる第2の割り込みサービスルーチンを開始する。tで開始する第2の割り込みサービスルーチンは、第2のタイマ422をオフにすること、及びアナログ-デジタル変換器408を開始することを含む。続く第3の持続時間(Δt)の間に、デジタル出力結果がアナログ-デジタル変換器から利用可能になると、次いで割り込みがトリガーされ、温度センサ読み取り値に対応する第1のデジタル出力がコントローラユニット414によって取得及び保存され、アナログ-デジタル変換器408がオフにされ、(測定点を温度センサ404又は参照抵抗器406であるとして指定する)ループカウンタがインクリメントされる。図8に示されるように、温度センサ読み取り値は、温度センサ404における電圧降下を含み、温度センサ読み取り値はアナログ-デジタル変換器408に入力される。tにおける第1の持続時間(Δt)の満了時に、第1のタイマ420の割り込み(I1,2)が発生して、第1のタイマ420によってトリガーされる次の第1の割り込みサービスルーチンを開始する。tで開始する第1の割り込みサービスルーチンは、第1のタイマ420を再開始して、第1のタイマ420の第1の持続時間(Δt)にわたって実行することと、スイッチユニット412についてのループカウンタの値に従って、スイッチユニット412のスイッチ432、434、436の各々を位置2に設定し、電流源410からの電流を参照抵抗器406に方向付けることと、第2のタイマ422を開始して、第2のタイマ422の第2の持続時間(Δt)にわたって実行することとを含む。tにおいて第2の持続時間(Δt)が満了した後、第2のタイマの割り込み(I2,2)が発生し、第2のタイマ422によってトリガーされる第2の割り込みサービスルーチンを開始する。tで開始する第2の割り込みサービスルーチンは、第2のタイマ422をオフにすること、及びアナログ-デジタル変換器408を開始することを含む。続く第3の持続時間(Δt)の間に、デジタル出力結果がアナログ-デジタル変換器から利用可能になると、次いで割り込みがトリガーされ、参照読み取り値に対応する第2のデジタル出力がコントローラユニット414によって取得及び保存され、アナログ-デジタル変換器408がオフにされ、対応するループカウンタがインクリメントされる。図8に示されるように、参照読み取り値は、参照抵抗器406における電圧降下であり、参照読み取り値はアナログ-デジタル変換器408に入力される。tで第1の持続時間(Δt)が満了すると、第1のタイマ420の割り込み(I1,3)が発生して、次の温度判定データセットを同様に取得するための次の第1の割り込みサービスルーチンを開始する。理解され得るように、温度判定データセットは、代替的に、参照読み取り値に対応する第2のデジタル出力が温度センサ読み取り値に対応する第1のデジタル出力に先立って取得されたデジタル出力ペアを含んでもよい。
【0042】
温度判定データセットを収集した後、コントローラユニット414は、温度判定を実行してもよく、この温度判定は、温度判定データセットが収集されるたびに、又は前の温度判定から一定数の温度判定データセットが収集された後にのみ実行され得る。温度判定データセットは、温度センサ(Vsensor)における電圧降下に関して温度センサ読み取り値に対応する第1のデジタル出力によって供給される第1のデータと、参照抵抗器(Vref)における電圧降下に関して参照読み取り値に対応する第2のデジタル出力によって供給される第2のデータとを含む。温度判定は、Vsensor及びVrefについての以下の関係を使用して行われ得る。
【0043】
Vsensor=Isensor×Rsensor
Vref=Iref×Rref
ここで、Isensorは温度センサ読み取り値に対応する温度センサ404を通る電流であり、Rsensorは温度センサ読み取り値に対応する温度センサ404の抵抗であり、Irefは参照読み取り値に対応する参照抵抗器406を通る電流であり、Rrefは参照読み取り値に対応する参照抵抗器406の抵抗である。電流源410から供給される電流は本質的に一定であるので、Isensorは本質的にIrefに等しくなり、Rrefの値は参照抵抗器406について既知であるので、未知の変数Rsensorは以下のように計算され得る。
【0044】
Rsensor=(Vsensor/Vref)×Rref
計算されたRsensor値は、次いで、コントローラユニット414によって、温度センサ404についての温度対Rsensorの相関テーブルと比較されて、温度センサ読み取り値に対応する温度を判定することができ、この温度は、制御された環境の温度(例えば、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の温度)を設定点温度の近傍に維持するために電気加熱ユニット202が動作される必要があるか否か、及びどれだけ動作される必要があるかを決定するために、設定点温度と比較するためにコントローラユニット414によって使用される。相関テーブルは、例えば、コントローラユニット414のコンピュータプロセッサによってアクセス可能なコントローラユニット414の非一時的メモリに保存され得る。コントローラユニット414はまた、電気加熱ユニット402が動作される必要があるか否か、及びどれだけ動作される必要があるかを決定する際に、複数の温度判定の傾向を分析してもよい。理解されるように、機器モジュール200のフローサイトメトリ調査システム102の動作中に下部区画室206内で予想される周囲空気温度よりも高い設定点温度を選択することが重要である。
【0045】
第2の持続時間(Δt)は、温度センサ404又は参照センサ406への電流の切り替えに続く信号セトリング(signal settling)を可能にするように十分長くなるように選択される必要がある。第1の持続時間(Δt)は、少なくとも第2の持続時間(Δt)に等しい時間に、その後の、アナログ-デジタル変換器408のサイクル時間に基づいてアナログ-デジタル変換器408からデジタル出力を取得するのに適切な時間を加えた時間にわたって延長される必要がある。
【0046】
温度判定データセットを収集するための温度制御システム400のチョッパ安定化動作の重要な利点は、電流が温度センサ404に連続的に供給されないことであり、これは、重大な温度センサ読み取りエラーにつながり得る、悪影響をもたらす温度センサの自己加熱の可能性を大幅に低減し、一方で、同時に、電流源410及びアナログ-デジタル変換器408は、1/fノイズ領域の外側の高周波数で動作され得る。
【0047】
温度制御ユニット400についての1つの例示的な動作変数のセットでは、第2のタイマ422の第2の持続時間1ミリ秒と、アナログ-デジタル変換器の変換周波数600Hz(サイクル時間1.66ミリ秒)とが提供される。第1のタイマ420の第1の持続時間は、少なくとも2.66ミリ秒(1ミリ秒+1.66ミリ秒)であり、アナログ-デジタル変換器408からのデジタル変換の取得を確実にするためにそれよりもいくらか長いことが好ましい。
【0048】
ここで図10を参照すると、光学処理システム250の構成要素が取り付けられた共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252に対する温度センサ404及び電気加熱ユニット402の抵抗加熱素子を位置決めするための1つの好ましい構成が示されている。図10は、光学処理システムの構成要素が取り付けられる取り付け側450と、反対側452とを有する共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252を示す。温度センサ404は、取り付け側450に取り付けられ、2つの抵抗加熱素子454、456(例えば、抵抗加熱材料からなる印刷又は接着フィルム)が、反対側452に隣接して配置される。また、温度センサ404が、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の長手方向中央付近に位置付けられる一方で、抵抗加熱素子454、456は、温度センサ404と抵抗加熱層454、456との間に共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252を介して熱電対のある程度の分離距離を設けるために、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の長手方向端部寄りに配置される。抵抗加熱素子454、456は、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252の反対側452の隣接した部分から突出するように示されているが、代替構成では、共通光学構成要素取り付けプラットフォーム252は、内部に抵抗加熱層を配置することができる凹部を反対側452に有してもよい。
【0049】
例示的な実装の組み合わせ
上記又は本明細書の他の箇所に開示されるような追加の特徴の有無にかかわらず、本開示の様々な態様についての実装の組み合わせのいくつかの他の企図される実施形態は、以下のように要約される。
【0050】
(項1)
フローサイトメトリ評価システムであって、
調査ゾーンを含むフローサイトメトリ調査システムであって、調査ゾーンが、フローサイトメトリ評価中に流体サンプルの流れを、流体サンプルの流れの中の粒子の存在についての調査ゾーン内でのフローサイトメトリ調査のために受けるように構成されている、フローサイトメトリ調査システムと、
サンプル流出システムであって、
流出液回収容器であって、フローサイトメトリ評価中に調査ゾーンを出る流体サンプルの流出液を流出液回収容器内に受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
調査ゾーンから流出流体入口への流出流体導通路と、を備えるサンプル流出システムと、
サンプル流出システムと流体連通している加圧ガス送達システムと、を備え、加圧ガス送達システムが、流出流体導通路内に正の背圧を供給してフローサイトメトリ調査中に流出流体導通路を通って流出流体入口に向かう流体の流れを妨げる印加ガス圧力で、流体サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧するために、加圧ガスを印加するように構成されている、フローサイトメトリ評価システム。
【0051】
(項2)
加圧ガスが、調査ゾーン内の最低の高さよりも低いサンプル流出システム内の高さでサンプル流出システムに印加される、項1に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0052】
(項3)
印加ガス圧力が、加圧ガスがサンプル流出システムに印加される場所の高さと調査ゾーンの最低の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と比べて、少なくとも同じ大きさの、好ましくは大きい、より好ましくは少なくとも0.1psi(0.69kPa)大きい、さらにより好ましくは少なくとも0.2psi(1.38kPa)大きいゲージ圧である、項2に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0053】
(項4)
調査ゾーンの最低の高さと、加圧ガスが印加されるサンプル流出システム内の高さとの間の高さの差が、少なくとも15センチメートル、好ましくは少なくとも30センチメートル、任意選択で120センチメートル以下、又は好ましくは80センチメートル以下である、項2又は項3に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0054】
(項5)
加圧ガスが、流出液回収容器に印加される、項1~4のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0055】
(項6)
流出流体入口が、調査ゾーンの最低の高さよりも低い高さにあり、流出液回収容器内の印加ガス圧力が、流出液体入口の高さと調査ゾーンの最低の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と比べて、少なくとも同じ大きさの、好ましくは大きい、より好ましくは少なくとも0.1psi(0.69kPa)大きい、さらにより好ましくは少なくとも0.2psi(1.38kPa)大きいゲージ圧である、項5に記載のフローサイトメトリ評価システム。任意選択で、印加ガス圧力のゲージ圧は、流出液体入口の高さと調査ゾーンの最低の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と比べて、1.0psi(6.89kPa)を超えて大きくない。
【0056】
(項7)
調査ゾーンの最低の高さと流出液体入口の高さとの間の高さの差が、少なくとも15センチメートル、好ましくは少なくとも30センチメートルであり、任意選択で120センチメートル以下、又は好ましくは80センチメートル以下である、項6に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0057】
(項8)
フローサイトメトリ調査のために調査ゾーンに流体サンプルを供給するために、調査ゾーンへの流体サンプル導通路を備える、項1~7のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0058】
(項9)
流体サンプル導通路、調査ゾーン、流出流体導通路、及び流出液回収容器が、フローサイトメトリ調査中に加圧フルイディクスシステムを成すように構成されており、フルイディクスシステムを通って流出液回収容器に向かう方向の流体の流れが、印加ガス圧力からの背圧によって妨げられる、項8に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0059】
(項10)
フルイディクスシステムにおける最高の高さが、流体サンプル導通路内にある、項9に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0060】
(項11)
流体サンプル導通路内の最高の高さが、調査ゾーン内の最高の高さよりも高く、流出流体入口の高さよりも高い、項8~10のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0061】
(項12)
印加ガス圧力が、流体サンプル導通路内の最高の高さと流出流体入口の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と比べて、少なくとも同じ大きさ、好ましくは大きい、より好ましくは少なくとも0.1psi(0.69kPa)大きい、さらにより好ましくは少なくとも0.2psi(1.38kPa)大きいゲージ圧で流出液回収容器に印加される、項11に記載のフローサイトメトリ評価システム。任意選択で、印加ガス圧力のゲージ圧は、流体サンプル導通路内の最高の高さと流出流体入口の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と比べて、1.0psi(6.89kPa)を超えて大きくない。
【0062】
(項13)
調査ゾーン内の最高の高さと流体サンプル導通路内の最高の高さとの間の高さの差が、少なくとも15センチメートル、好ましくは少なくとも30センチメートルであり、任意選択で120センチメートル以下、又は好ましくは80センチメートル以下である、項11又は項12のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0063】
(項14)
複数のサンプル容器に収容された複数の流体サンプルのいくつかを受け、いくつかの流体サンプルの連続的なフローサイトメトリ評価のために調査ゾーンへ連続的に導通するために、いくつかの流体サンプルを流体サンプル導通路に順に送達するように構成されたオートサンプラーを備え、
フローサイトメトリ調査システムとオートサンプラーとが、スタック関係にあり、フローサイトメトリ調査システムが配置された第2のスタック場所より上の第1のスタック場所にオートサンプラーが配置されている、項8~13のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0064】
(項15)
フローサイトメトリ調査システムとオートサンプラーとが内部に配置されたハウジングを備え、第1のスタック場所がハウジング内の第1の区画室内にあり、第2のスタック場所が、第1の区画室より下に配置された、ハウジング内の第2の区画室内にある、項14に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0065】
(項16)
オートサンプラーが、連続的なフローサイトメトリ評価のために複数の流体サンプルのいくつかを収容した複数のサンプル容器を受け入れるように構成されたサンプル受け入れ場所を含み、
オートサンプラーが、連続的なフローサイトメトリ評価のために複数の流体サンプルのいくつかを調査ゾーンに連続的に送達するためにサンプル容器から流体サンプルを引き出すように構成されたサンプル送達プローブを備え、
サンプル受け入れ場所が、調査ゾーン内の最高の高さよりも高い高さ、好ましくは少なくとも15センチメートル高い高さ、より好ましくは少なくとも30 30センチメートル高い高さに配置され、任意選択で、調査ゾーン内の最高の高さよりも120センチメートル以下、好ましくは80センチメートル以下高い高さに配置される、
項14又は項15のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0066】
(項17)
オートサンプラーから廃液を受けるためにオートサンプラーと流体連通している廃棄物容器を備え、廃棄物容器が加圧されない、項14~16のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0067】
(項18)
加圧ガス送達システムが、サンプル流出システムと流体連通しているガス圧力調整器を備え、ガス圧力調整器が、加圧ガス入力を受け取り、調整されたガス出力を供給して、サンプル流出システムに、好ましくは流出液回収容器に、印加ガス圧力を提供するように構成されている、項1~17のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0068】
(項19)
加圧ガス送達システムが、ガス圧力調整器と流体連通しているガス圧縮機を備える、項18に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0069】
(項20)
フローサイトメトリ調査システムが、単一ユニット機器モジュールの一部である、項1~19のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0070】
(項21)
項19のガス圧縮機を備え、ガス圧縮機が機器モジュールの一部である、項20に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0071】
(項22)
項14~17のいずれか一項に記載のオートサンプラーを備え、オートサンプラーが機器モジュールの一部である、項20又は項21のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0072】
(項23)
項19に記載のガス圧縮機と、項14~17のいずれか一項に記載のオートサンプラーとを備え、オートサンプラー及びガス圧縮機が、機器モジュールの一部であり、機器モジュールの共通ハウジング内に配置されている、項20に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0073】
(項24)
フローサイトメトリ調査システムが、共通光学構成要素取り付け部材(任意選択で、プラットフォーム)上に支持された光学処理システムを備え、光学処理システムが、調査ゾーンを有するフローセルと、調査ゾーンに先立って入力光を集束させる集光素子と、調査ゾーンからの応答放射を検出する光検出システムとを備える、項1~23のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0074】
(項25)
フローサイトメトリ調査システムが、入力光を供給する光源を備え、光源が、光ファイバを備える入口光伝導路によって集光素子に光学的に接続される、項24に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0075】
(項26)
光源が、光ファイバに光学的に結合されたレーザであって、入力光を、入力光伝導路を通して集光素子に伝導するために、光ファイバに供給するレーザを備える、項24に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0076】
(項27)
光源が、共通光学構成要素取り付け部材上に支持された光学処理システムの一部ではない、項25又は項26のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0077】
(項28)
光ファイバが、光源から入力光を受けるために光源に隣接した第1の端部と、入力光を集光素子に供給するために共通光学構成要素取り付け部材上に支持された第2の端部とを有する、項27に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0078】
(項29)
収容内部空間を収容したハウジングであって、収容内部空間内に、フローサイトメトリ評価中にフローサイトメトリ調査システムが配置される、ハウジングと、
フローサイトメトリ調査システムが支持される、平行移動可能に取り付けられた部材であって、フローサイトメトリ調査システムが収容内部空間に配置される第1の位置と、フローサイトメトリ調査システムの少なくとも一部、好ましくは全てが収容内部空間の外側に配置される第2の位置との間で、フローサイトメトリ調査システムへの向上した保守アクセスをもたらすために平行移動可能である、平行移動可能に取り付けられた部材と、を備える項24~28のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0079】
(項30)
ハウジングがアクセス部材を備え、このアクセス部材が、ハウジングを開くように移動可能であり、平行移動可能な部材を第1の位置から第2の位置へ平行移動させるために平行移動可能な部材へのアクセスを提供する、項29に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0080】
(項31)
アクセス部材が閉位置にあるとき、平行移動可能な部材が、ハウジング内の収容内部空間内に完全に収容される、項30に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0081】
(項32)
アクセス部材が、取り外し可能なアクセスパネルを備える、項30又は項31のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0082】
(項33)
共通光学構成要素取り付け部材が、共通光学構成要素取り付け部材が支持される少なくとも1つの支持部材によって摺動可能部材から間隔が空けられ、光源が、上記支持部材に取り付けられている、項29~32のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0083】
(項34)
光学処理システムが内部に配置されたハウジング内の温度を制御する温度制御システムを備え、この温度制御システムが、
温度センサ読み取り値及び参照読み取り値にそれぞれ対応する第1のデジタル出力及び第2のデジタル出力を含む温度判定データセットを定期的に収集するように構成されたコントローラユニットを備え、温度判定データセットの収集が、
電流を第1の方向付けして、第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間後に上記センサ読み取り値に対応する上記第1のデジタル出力を取得することと、
上記第1のデジタル出力を取得することの後に、電流を第2の方向付けして、第2の方向付けの開始に続く第2の信号セトリング期間後に、上記参照読み取り値に対応する上記第2のデジタル出力を取得することと、を含み、
任意選択で、温度制御システムが、
ハウジング内に配置され、ハウジング内の環境を加熱するように選択的に動作可能な電気加熱ユニットと、
ハウジング内部に配置され、温度条件に対応する温度センサ読み取り値を供給するように動作可能な温度センサと、
ハウジング内部に配置され、参照読み取り値を供給するように動作可能な参照抵抗器と、
温度センサからの上記温度センサ読み取り値又は参照抵抗器からの上記参照読み取り値を二者択一的に受け取り、対応するデジタル出力を供給するように選択的に接続可能なアナログ-デジタル変換器と、
電流を、上記温度センサ読み取り値を生成するために温度センサに、又は上記参照読み取り値を生成するために参照抵抗器に、二者択一的に供給する電流源と、
電流の方向を温度センサ又は参照抵抗器に選択的に切り替え、上記温度センサ読み取り値又は上記参照読み取り値を受け取るためにアナログ-デジタル変換器への入力を選択的に切り替えるスイッチユニットと、
温度制御システムの動作を制御するように構成されたコントローラユニットと、を備え、この動作が、
上記センサ読み取り値及び上記参照読み取り値に対応するアナログ-デジタル変換器からの上記第1のデジタル出力及び上記第2のデジタル出力を含む温度判定データセットを定期的に収集することと、
上記温度判定データセットを使用して温度判定を定期的に行うことと、
上記温度判定に少なくとも部分的に基づいて電気加熱ユニットの動作を指示することと、を含み、
温度判定データセットを収集することが、
スイッチユニットを用いて電流を温度センサへ、及び結果として生じるセンサ読み取り値をアナログ-デジタル変換器へ、第1の方向付けすることと、
第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間の後に、コントローラユニットによって上記センサ読み取り値に対応する上記第1のデジタル出力を取得することと、
上記第1のデジタル出力を取得することの後に、スイッチユニットを用いて電流を参照抵抗器へ、及び結果として生じる参照読み取り値をアナログ-デジタル変換器へ、第2の方向付けすることと、
第2の方向付けすることの開始に続く第2の信号セトリング期間の後に、コントローラユニットによって上記参照読み取り値に対応する上記第2のデジタル出力を取得することと、を含む、項24~33のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0084】
(項35)
温度制御システムが、
上記温度判定データセットを収集することのために上記第1の方向付けることの開始と上記第2の方向付けることの開始との間の第1の持続時間を計時する第1のタイマと、
第1の信号セトリング期間の第2の持続時間を計時する第2のタイマと、を備える、項34に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0085】
(項36)
第1の信号セトリング期間及び第2の信号セトリング期間が各々、第2の持続時間に等しく、各々、第2のタイマによって計時される、項35に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0086】
(項37)
温度判定データセットの収集のための第2の方向付けることの開始と、次の上記温度判定データセットの収集のための次の上記第1の方向付けることの開始との間の持続時間が、第1の持続時間に等しく、第1のタイマによって計時される、項35又は項36のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0087】
(項38)
電流源、アナログ-デジタル変換器、コントローラユニット、第1のタイマ及び第2のタイマが、単一のマイクロチップ上にある、項35~37のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0088】
(項39)
コントローラユニットと通信するマイクロチップ上に、コントローラユニットからの温度制御命令を受け取り、環境を加熱するために加熱ユニットの動作を駆動する駆動命令を指示するパルス幅変調ユニットを備える、項38に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0089】
(項40)
毎秒10回~毎秒150回の範囲の頻度で上記温度判定データセットを収集することを実行するように構成されている、項34~39のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0090】
(項41)
温度センサが、共通光学構成要素取り付け部材の温度を検知するように配置される、項34~40のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0091】
(項42)
温度センサが、光学処理システムが取り付けられている共通光学構成要素取り付け部材の取り付け側の温度を検知するように配置される、項34~41のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0092】
(項43)
電気加熱ユニットが、共通光学構成要素取り付け部材の取り付け側とは反対の側で共通光学構成要素取り付け部材の表面に隣接した電気加熱素子を備える、項42に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0093】
(項44)
温度センサがサーミスタを備える、項34~43のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0094】
(項45)
コントローラユニットが、25℃~45℃の範囲、より好ましくは28℃~33℃の範囲に設定点温度を維持するように構成されている、項34~44のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0095】
(項46)
フローサイトメトリ評価システムの動作に関連する流体を収容するために、少なくとも1つの流体容器を受け入れ位置において受け入れる受け入れ場所と、
受け入れ位置において受け入れ場所にあるときに上記流体容器内の内部空間を照明するように構成された光照明システムと、
を備える項1~45のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0096】
(項47)
受け入れ位置にある上記流体容器が、上記流体容器の前側から観察可能であり、光照明システムが、前側とは反対の流体容器の後ろ側を通して照らすように配置された、LEDを任意選択で備える、照明素子を備える、項46に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0097】
(項48)
受け入れ場所が、上記内部空間が光照明システムによって照明された状態で、複数の上記流体容器を各々別個の上記受け入れ位置に受け入れるように構成されている、項46又は項47のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0098】
(項49)
光照明システムが、複数の流体容器の各上記流体容器を照明する別個の照明素子を備える、項48に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0099】
(項50)
受け入れ場所が、光学的に透明なハウジング部分を有する容器区画室内に配置され、光照明システムによって照明されると、光学的に透明なハウジング部分を通して、上記受け入れ位置にある各上記流体容器が観察可能である、項46~49のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0100】
(項51)
光照明システムが、少なくとも1つの照明素子を備え、この照明素子が、任意選択で、項50の容器区画室内に配置され、上記流体容器が受け入れ位置において受け入れ場所に配置された場合に上記流体容器の上記内部空間内を照らすように向き付けされる、項46~50のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0101】
(項52)
少なくとも1つの上記流体容器、任意選択で、複数の上記流体容器を備え、これら流体容器が、各々上記受け入れ位置において受け入れ場所に配置される、項46~51のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0102】
(項53)
上記受け入れ位置において受け入れ場所に配置された流出液回収容器を備える項52に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0103】
(項54)
上記受け入れ位置において受け入れ場所に配置されたシース液容器を備え、シース液容器が、上記フローサイトメトリ評価において使用するためのシース液を収容し、調査ゾーンと流体接続されている、項52又は項53のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0104】
(項55)
上記受け入れ位置において受け入れ場所に配置された駆動液容器をさらに備え、駆動液容器が、上記フローサイトメトリ評価中に調査ゾーンに流体サンプルを押し込み、通過させるための駆動液を収容し、調査ゾーンへの流体サンプル導通路に流体接続されている、項52~54のいずれか一項に記載の項のフローサイトメトリ評価システム。
【0105】
(項56)
オートサンプラーであって、任意選択で項14~17のいずれか一項に記載のオートサンプラーである、オートサンプラーと、
オートサンプラーの動作からの廃液を回収するために、上記受け入れ位置において受け入れ場所に配置された廃棄物容器と、をさらに備える項52~55のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0106】
(項57)
項14~17のいずれか一項に記載の組み合わせにおけるオートサンプラーをさらに備え、
上記受け入れ位置が、第1の区画室よりも低い高さで第2の区画室の前に位置付けられる、項52~56のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【0107】
(項58)
フローサイトメトリ評価のための方法であって、
フローサイトメトリ調査システムの調査ゾーンを通して流体サンプルを流すことであって、調査ゾーンの下流端がサンプル流出システムと流体連通しており、このサンプル流出システムが、
流出液回収容器であって、フローサイトメトリ評価中に調査ゾーンを出る流体サンプルの流出液を流出液回収容器内に受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
調査ゾーンから流出流体入口への流出流体導通路と、を備える、流すことと、
調査ゾーン内の流体サンプルの流れのフローサイトメトリ調査を実行することと、
調査ゾーンを出る流体サンプルの流出液を、流出流体導通路を通して、流体サンプルの流出液が回収される流出液回収容器に導通することと、
調査ゾーンを通して流体サンプルを流すことの間に、流出流体導通路内に正の背圧を提供して流出流体導通路を通って流出液回収容器の流出流体入口に向かう流体の流れを妨げる印加ガス圧力で、流体サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧するために、加圧ガスを印加することと、を含む、方法。
【0108】
(項59)
流体サンプル導通路を通して流体サンプルを調査ゾーンに供給することを含み、フローサイトメトリ調査中に、流体サンプル導通路、調査ゾーン、流出流体導通路、及び流出液回収容器が、加圧フルイディクスシステムを成し、フルイディクスシステムを通って流出液回収容器に向かう方向の流体の流れが、印加ガス圧力からの背圧によって妨げられる、項58に記載の方法。
【0109】
(項60)
複数の流体サンプルのいくつかの連続的なフローサイトメトリ評価を含み、連続的なフローサイトメトリ評価が、オートサンプラーによって複数のサンプル容器からいくつかの流体サンプルを順に引き出すことと、いくつかの流体サンプルの各々に対するフローサイトメトリ調査の実行のために調査ゾーンへの連続的な送達のためにいくつかの流体サンプルを流体サンプル導通路に順に送達することとを含み、
引き出すことの間、複数のサンプル容器のいくつかが、調査ゾーン内の最高の高さよりも高い高さにある、項59に記載の方法。
【0110】
(項61)
フローサイトメトリ調査システムが、入力光を供給する光源と、フローサイトメトリ調査のために入力光を光源から調査ゾーンに伝導する入力光伝導路とを備える、項58~60のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
(項62)
入力光伝導路が光ファイバを備える、項61の方法。
(項63)
フローサイトメトリ調査システムが、共通光学構成要素取り付け部材上に支持された光学処理システムを含み、光学処理システムが、調査ゾーンを有するフローセルと、調査ゾーンに先立って入力光を集束させる入力光伝導路の入口光集束素子と、調査ゾーンからの応答放射を検出する光検出システムとを備える、項58~62のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
(項64)
コントローラユニットの指示で温度制御システムを用いて共通光学構成要素取り付け部材の温度を制御することを含み、制御することが、温度センサ読み取り値及び参照読み取り値にそれぞれ対応する上記第1のデジタル出力及び上記第2のデジタル出力を含む温度判定データセットをコントローラユニットによって定期的に収集することを含み、温度判定データセットを収集することが、
電流を第1の方向付けして、第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間後に上記センサ読み取り値に対応する上記第1のデジタル出力を取得することと、
上記第1のデジタル出力を取得することの後に、電流を第2の方向付けして、第2の方向付けの第2の開始に続く第2のセトリング期間後に、上記参照読み取り値に対応する上記第2のデジタル出力を取得することと、を含み、
任意選択で、温度制御システムが、
光学処理システムもまた収容するハウジング内に配置された電気加熱ユニットであって、ハウジング内の環境を加熱するように選択的に動作可能である電気加熱ユニットと、
ハウジング内部に配置され、温度条件に対応する温度センサ読み取り値を供給するように動作可能な温度センサと、
ハウジング内部に配置され、参照読み取り値を供給するように動作可能な参照抵抗器と、
温度センサからの温度センサ読み取り値又は参照抵抗器からの参照読み取り値を二者択一的に受け取り、対応するデジタル出力を供給するように選択的に接続可能なアナログ-デジタル変換器と、
電流を、温度センサ読み取り値を得るために温度センサに、又は参照読み取り値を得るために参照抵抗器に、二者択一的に供給する電流源と、
電流の方向を温度センサ又は参照抵抗器に選択的に切り替え、温度センサ読み取り値又は参照抵抗器読み取り値を受け取るためにアナログ-デジタル変換器への入力を選択的に切り替えるスイッチユニットと、
温度制御システムの動作を制御するように構成されたコントローラユニットと、を備え、この動作が、
センサ読み取り値及び参照読み取り値に対応するアナログ-デジタル変換器からの上記第1のデジタル出力及び上記第2のデジタル出力を含む温度判定データセットを定期的に収集することと、
上記データセットを使用して上記温度判定を定期的に行うことと、
上記温度判定に少なくとも部分的に基づいて電気加熱ユニットの動作を指示することと、を含み、
温度判定データセットを収集することが、
スイッチユニットを用いて電流を温度センサへ、及び結果として生じるセンサ読み取り値をアナログ-デジタル変換器へ、第1の方向付けすることと、
第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間の後に、コントローラユニットによって上記センサ読み取り値に対応する上記第1のデジタル出力を取得することと、
上記第1のデジタル出力を取得することの後に、スイッチユニットを用いて電流を参照抵抗器へ、及び結果として生じる参照読み取り値をアナログ-デジタル変換器へ、第2の方向付けすることと、
第2の方向付けすることの第2の開始に続く第2のセトリング期間の後に、コントローラユニットによって上記参照読み取り値に対応する上記第2のデジタル出力を取得することと、を含む、項63に記載の方法。
【0113】
(項65)
コントローラユニットの指示で、電気加熱ユニットの動作によって供給される熱によって共通光学構成要素取り付け部材を加熱することをさらに含む項64に記載の方法。
【0114】
(項66)
項1~45のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システムにおいて実行される、項58~65のいずれか一項に記載の方法。
【0115】
(項67)
項1~57のいずれか一項に記載されたフローサイトメトリ評価システムの動作を含む、項58~66のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
(項68)
流体サンプルの、任意選択で複数の流体サンプルの各々の、フローサイトメトリ評価を実行するための、項1~57のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システムの使用。
【0117】
本発明およびその様々な態様の前述の説明は、例示および説明のために提示されている。さらに、その説明は、本発明を本明細書に開示される形態に限定することを意図するものではない。したがって、上記の教示に相応する変形および修正、ならびに関連技術の技術および知識は、本発明の範囲内である。上記で説明された実施形態は、本発明を実施する既知のモードを説明し、他の当業者が、そのようなまたは他の実施形態において、本発明の特定の用途または使用によって要求される種々の修正を伴って、本発明を利用することを可能にするようにさらに意図される。添付の特許請求の範囲は、従来技術によって許容される程度まで代替の実施形態を含むと解釈されることが意図される。
【0118】
特定の組合せにおける1つまたは複数の特徴の説明は、特定の組合せの変形形態に追加の1つまたは複数の特徴を含めることを排除しない。処理ステップおよび順序付けは、例示のみのためであり、そのような例示は、必ずしも両立しないわけではない程度まで、他のステップまたはステップの他の順序付けの包含を排除しない。追加のステップは、必ずしも互換性がないわけではない程度まで、任意の図示された処理ステップの間に、または任意の図示された処理ステップの前もしくは後に含まれ得る。
【0119】
「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語、ならびにそれらの用語の文法上の変形は、そのような用語の使用が、述べられた条件または特徴の存在を示すが、任意の他の条件または特徴の存在も排除しないという点で、包含的および非限定的であることが意図される。用語「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」および「有する(having)」ならびにこれらの用語の文法上の変形の使用は、1つまたは複数の構成要素、下位構成要素または材料の存在に言及する際に、用語「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」または「有する(having)」(またはそのような用語の変形)が、場合によっては、より狭い用語「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」または「のみからなる(consisting of only)」(またはそのようなより狭い用語の任意の適切な文法上の変形)のいずれかによって置き換えられる、より具体的な実施形態も含むことおよび開示することが意図される。例えば、何かが述べられた要素(単数または複数)を「含む」という記述はまた、述べられた要素(単数または複数)「から本質的になる」もの、および述べられた要素(単数または複数)「からなる」もののより具体的なより狭い実施形態を含むことおよび開示することが意図される。様々な特徴の例が例示の目的で提供されており、「例」、「例えば」などの用語は、限定するものではなく、1つまたは複数の特徴を任意の特定の例に限定するものとして解釈または解釈されるべきではない例示的な例を示す。数が後に続く用語「少なくとも」(例えば、「少なくとも1つ」)は、その数またはその数よりも多い数を意味する。「少なくとも一部(at least a portion)」という用語は、全部または全部よりも少ない部分を意味する。「少なくとも一部(at least a part)」という用語は、全部または全部よりも少ない部分を意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメトリ評価システムであって、
調査ゾーンを含むフローサイトメトリ調査システムであって、前記調査ゾーンが、フローサイトメトリ評価中に流体サンプルの流れを受けるように構成されている、前記フローサイトメトリ調査システムと、
サンプル流出システムであって、
フローサイトメトリ評価中に前記調査ゾーンを出る前記流体サンプルの流出液を受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
前記調査ゾーンから前記流出流体入口への流出流体導通路と、を含む前記サンプル流出システムと、
前記サンプル流出システムと流体連通している加圧ガス送達システムと、を備え、
前記加圧ガス送達システムが、フローサイトメトリ調査中に前記流出流体導通路を通って前記流出流体入口に向かう流体の流れを妨げるために、加圧ガスを印加して前記サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧するように構成されている、フローサイトメトリ評価システム。
【請求項2】
前記加圧ガスが、前記調査ゾーン内の最低の高さよりも低い前記サンプル流出システム内の高さで前記サンプル流出システムに印加される、請求項1に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項3】
前記フローサイトメトリ調査のために前記調査ゾーンに前記流体サンプルを供給するために、前記調査ゾーンへの流体サンプル導通路をさらに備え、
前記流体サンプル導通路、前記調査ゾーン、前記流出流体導通路、及び前記流出液回収容器が、前記フローサイトメトリ調査中に加圧フルイディクスシステムを成すように構成されている、請求項1または2に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項4】
前記フルイディクスシステムにおける最高の高さが、前記流体サンプル導通路内で前記流出流体入口よりも高い高さである、請求項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項5】
印加ガス圧力が、前記流体サンプル導通路内の最高の高さと前記流出流体入口の高さとの間の高さの差に等しい垂直高さの水柱のヘッド圧と少なくとも同じ大きさのゲージ圧で前記流出液回収容器に印加される、請求項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項6】
前記フローサイトメトリ評価システムは、
複数のサンプル容器に収容された前記複数の流体サンプルのいくつかを受け、フローサイトメトリ評価のために前記いくつかの流体サンプルを前記流体サンプル導通路に送達するように構成されたオートサンプラーと、
前記フローサイトメトリ調査システムと前記オートサンプラーとが内部にスタック関係で配置されたハウジングと、さらに備え、
第1のスタック場所が、前記オートサンプラーが内部に配置された前記ハウジング内の第1の区画室内にあり、第2のスタック場所が、前記フローサイトメトリ調査システムが内部に配置された前記ハウジング内の第2の区画室内にあり、前記第2の区画室は、前記第1の区画室より下に配置されている、請求項3~5のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項7】
前記オートサンプラーが、フローサイトメトリ評価のために前記複数の流体サンプルのいくつかを収容した複数のサンプル容器を受け入れるように構成されたサンプル受け入れ場所を含み、
前記オートサンプラーが、フローサイトメトリ評価のために前記調査ゾーンに送達するために前記複数のサンプル容器から前記複数の流体サンプルを引き出すように構成されたサンプル送達プローブを含み、
前記サンプル受け入れ場所が、前記調査ゾーン内の最高の高さよりも高い高さに配置される、請求項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項8】
前記フローサイトメトリ調査システムが、光学構成要素取り付け部材上に支持された光学処理システムを含み、前記光学処理システムが、前記調査ゾーンを有するフローセルと、前記調査ゾーンに先立って入力光を集束させる集光素子と、前記調査ゾーンからの応答放射を検出する光検出システムとを備
記フローサイトメトリ調査システムが、前記入力光を供給する光源を含み、
前記光源が、光ファイバを備える入口光伝導路によって前記集光素子に光学的に接続されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項9】
前記フローサイトメトリ調査システムが、光学構成要素取り付け部材上に支持された光学処理システムを含み、前記光学処理システムが、前記調査ゾーンを有するフローセルと、前記調査ゾーンに先立って入力光を集束させる集光素子と、前記調査ゾーンからの応答放射を検出する光検出システムとを備え、
前記フローサイトメトリ調査システムが、
フローサイトメトリ評価中に前記フローサイトメトリ調査システムが配置される内部空間と、
前記フローサイトメトリ調査システムが支持される、平行移動可能に取り付けられた部材であって、前記フローサイトメトリ調査システムが前記内部空間に配置される第1の位置と、前記フローサイトメトリ調査システムの少なくとも一部が前記内部空間の外側に配置される第2の位置との間で平行移動可能である、前記平行移動可能に取り付けられた部材と、をさらに備える、請求項に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項10】
前記光学処理システムが内部に配置されたハウジング内の温度を制御する温度制御システムをさらに備え、
前記温度制御システムが、
温度センサ読み取り値及び参照読み取り値にそれぞれ対応する第1のデジタル出力及び第2のデジタル出力を含む温度判定データセットを定期的に収集するように構成されたコントローラユニットを含み、
前記温度判定データセットの収集が、
電流を第1の方向付けして、前記第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間後に前記センサ読み取り値に対応する前記第1のデジタル出力を取得することと、
前記第1のデジタル出力を取得することの後に、電流を第2の方向付けして、前記第2の方向付けの開始に続く第2の信号セトリング期間後に、前記参照読み取り値に対応する前記第2のデジタル出力を取得することと、を含む、請求項8または9に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項11】
前記温度制御システムが、
前記温度判定データセットを収集することのために前記第1の方向付けることの開始と前記第2の方向付けることの開始との間の第1の持続時間を計時する第1のタイマと、
第1の信号セトリング期間の第2の持続時間を計時する第2のタイマと
単一のマイクロチップ上にある電流源、アナログ-デジタル変換器、前記コントローラユニット、前記第1のタイマ及び前記第2のタイマと、
前記コントローラユニットと通信する前記マイクロチップ上のパルス幅変調ユニットであって、前記コントローラユニットからの温度制御命令を受け取り、前記ハウジング内の環境を加熱するように加熱ユニットの動作を駆動する駆動命令を指示する前記パルス幅変調ユニットと、を備える、請求項10に記載のフローサイトメトリ評価システム。
【請求項12】
フローサイトメトリ評価のための方法であって、
フローサイトメトリ調査システムの調査ゾーンを通して流体サンプルを流すことであって、前記調査ゾーンの下流端がサンプル流出システムと流体連通しており、前記サンプル流出システムが、
流出液回収容器であって、フローサイトメトリ評価中に前記調査ゾーンを出る前記流体サンプルの流出液を受けるための流出流体入口を有する流出液回収容器と、
前記調査ゾーンから前記流出流体入口への流出流体導通路と、を備える、流すことと、
前記調査ゾーン内の前記流体サンプルの流れのフローサイトメトリ調査を実行することと、
前記調査ゾーンを出る前記流体サンプルの流出液を、前記流出流体導通路を通して、前記流体サンプルの流出液が回収される前記流出液回収容器に導くことと、
前記調査ゾーンを通して前記流体サンプルを流すことの間に、前記流出流体導通路を通って前記流出液回収容器の前記流出流体入口に向かう流体の流れを妨げるために、加圧ガスを印加して前記サンプル流出システムの少なくとも一部を加圧することと、を備える方法。
【請求項13】
体サンプル導通路を通して前記流体サンプルを前記調査ゾーンに供給することをさらに備え、
前記流体サンプル導通路、前記調査ゾーン、前記流出流体導通路、及び前記流出液回収容器が、加圧フルイディクスシステムを成し、前記フルイディクスシステムを通って前記流出液回収容器に向かう方向の流体の流れが、印加ガス圧力からの背圧によって妨げられる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記フローサイトメトリ調査システムが、光学構成要素取り付け部材上に支持された光学処理システムを含み、前記光学処理システムが、前記調査ゾーンを有するフローセルと、前記調査ゾーンに先立って入力光を集束させる入力光伝導路の入口光集束素子と、前記調査ゾーンからの応答放射を検出する光検出システムと、を含み、
前記方法は、
コントローラユニットの指示で温度制御システムを用いて前記光学構成要素取り付け部材の温度を制御することをさらに備え、
前記制御することが、
温度センサ読み取り値及び参照読み取り値にそれぞれ対応する第1のデジタル出力及び第2のデジタル出力を含む温度判定データセットを前記コントローラユニットによって定期的に収集することを含み、
前記温度判定データセットを収集することが、
電流を第1の方向付けして、前記第1の方向付けすることの開始に続く第1の信号セトリング期間後に前記センサ読み取り値に対応する前記第1のデジタル出力を取得することと、
前記第1のデジタル出力を取得することの後に、電流を第2の方向付けして、前記第2の方向付けの第2の開始に続く第2のセトリング期間後に、前記参照読み取り値に対応する前記第2のデジタル出力を取得することと、を含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載のフローサイトメトリ評価システムにおいて実行される請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】