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特表2024-533167ディスプレイドライバとスペクトル拡散映像輸送との集積化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ディスプレイドライバとスペクトル拡散映像輸送との集積化
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240905BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240905BHJP
   G09G 3/3208 20160101ALI20240905BHJP
   G09G 3/3275 20160101ALI20240905BHJP
【FI】
G09G3/20 611C
G09G3/36
G09G3/3208
G09G3/3275
G09G3/20 633A
G09G3/20 633H
G09G3/20 633P
G09G3/20 611A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513948
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022042207
(87)【国際公開番号】W WO2023034417
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,630
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/280,017
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/317,336
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/346,064
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519316313
【氏名又は名称】ハイファイ ユーエスエー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】アレックス ヘンゼン
(72)【発明者】
【氏名】トッド ロックオフ
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
5C006AC28
5C006AF82
5C006BC16
5C006BF22
5C006FA32
5C080AA06
5C080AA10
5C080GG10
5C080GG11
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080KK43
5C080KK50
5C380AA01
5C380AC16
5C380BA09
5C380CA04
5C380CA12
5C380CA16
5C380CA17
5C380CA31
5C380CA42
5C380CE22
5C380CF09
5C380CF24
5C380CF48
5C380CF56
5C380CF62
5C380CF63
5C380CF64
(57)【要約】
映像ディスプレイは、ゲートドライバとソースドライバとを有するディスプレイパネルを含む。前記ソースドライバの各々は、伝送媒体上の映像ストリームを表す離散時間連続振幅信号を受信するように、ソースドライバの出力上の出力のための複数のサンプルを生成するために復調を使用して信号を復号化するように配置される。ソースドライバの少なくとも1つは、上記信号からゲートドライバタイミング制御信号を抽出するように、ゲートドライバとソースドライブの出力とを同期させるためにゲートドライバ制御信号をゲートドライバへ出力するように、配置され、これにより、映像ストリームはディスプレイユニットのディスプレイパネル上に表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲートドライバと複数のソースドライバとを含むディスプレイパネルを含む映像ディスプレイユニットであって、
前記ソースドライバの各々は、伝送媒体上の映像ストリームを表す順序系列のアナログレベルを受信するように、及び、前記各ソースドライバの出力上の出力のための複数のサンプルを生成するために復調を使用して前記アナログレベルを復号化するように配置され、
これにより、前記映像ストリームは前記ディスプレイユニットの前記ディスプレイパネル上に表示される、映像ディスプレイユニット。
【請求項2】
ディジタル表現の前記映像ストリームを受信し、前記ソースドライバの各々への配送のための前記順序系列のアナログレベルへの変調を使用して前記映像ストリームを符号化する、映像信号送信器
を更に含む請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項3】
外部ディスプレイコントローラから前記順序系列のアナログレベルを受信する入力ポート
を更に含む請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項4】
前記ソースドライバの各々が、ディジタル画素データをアナログ画素データへ変換する目的のためのD/A変換器を含まない、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項5】
前記ソースドライバの各々が複数の復号器を含み、電磁気的経路の数に等しい数の復号器が、前記アナログレベルを前記伝送媒体上で前記各ソースドライバへ送信するために使用される、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項6】
前記映像信号送信器が、映像プロセッサとは別個の集積回路内に実装される、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項7】
前記映像信号送信器は映像プロセッサと併せてシステム・オン・モジュールとして実装される、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項8】
前記映像信号送信器は映像プロセッサ内に集積化される、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項9】
前記ソースドライバの少なくとも1つは、前記ゲートドライバと前記各ソースドライバの前記出力とを同期させるために、前記アナログ信号からゲートドライバ制御信号を抽出するように、及び前記ゲートドライバ制御信号を前記複数のゲートドライバへ出力するように配置される、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項10】
前記ソースドライバの各々が、
前記系列のアナログレベルの各々を、各々が長さLのN個の相互直交コードの所定コード組を参照してN個のアナログサンプルの出力ベクトルへ復号化する復号器であって、前記N個のコードの各々が前記サンプルのうちの1つに関連付けられ、前記系列の各々がL個のアナログレベルを有し、L≧N≧2である、復号器と、
前記復号器からN個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを収集するように、及び、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを並列に出力するように配置されたバッファと、
前記出力ベクトルの前記アナログサンプルを増幅するように、及び、前記アナログサンプルの各々をディスプレイパネルの列へ出力するように配置された複数の増幅器を含む、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項11】
電磁気的経路から複数の順序系列のL個のアナログ入力値を受信するために配置された受信器と、
前記系列のL個のアナログ入力値の各々を、各々が長さLのN個の相互直交コードの所定コード組を参照してN個のアナログサンプルの出力ベクトルへ復号化する復号器であって、前記N個のコードの各々が前記サンプルのうちの1つに関連付けられ、L≧N≧2である、復号器と、
前記復号器からN個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを収集するように、及び、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを並列に出力するように配置されたバッファと、
前記出力ベクトルの前記アナログサンプルを増幅するように、及び、前記アナログサンプルの各々をディスプレイパネルの列へ出力するように配置された複数の増幅器と
を含むソースドライバ。
【請求項12】
前記所定コード組が、前記順序系列のL個のアナログ入力値を符号化するために使用されたコード組と同じである、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項13】
前記複数の順序系列のL個のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニット内の送信器から受信される、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項14】
前記複数の順序系列のL個のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニットの外部の送信器から受信される、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項15】
前記ソースドライバが、ディジタル画素データをアナログ画素データへ変換する目的のためのD/A変換器(DAC)を含まない、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項16】
前記ディスプレイパネルがC個の列を含み、前記順序系列のL個のアナログ入力値が周波数freq(SSVT)で連続的に受信され、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルの各々が、周波数freq(sample)=freq(SSVT)/Nで前記復号器から出力され、前記バッファが、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを周波数freq(line)=freq(sample)×N/Cで並列に出力する、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項17】
前記N個のコードの各々がインデックス付けされ、前記ソースドライバが更に、
一組のN個の2入力相関器であって、各相関器は前記出力ベクトルのN個の場所のうちの1つに関連付けられ、各相関器は、1つの入力として前記順序系列のL入力値内の値を、及び、もう1つの入力としてN個の場所のうちの前記1つに関連付けられた前記コード内の対応値を有する、2入力相関器と、
一組のN個の2入力加算回路であって、各加算回路はN個の場所のうちの前記1つに関連付けられ、各2入力加算回路は、1つの入力として対応する2入力相関器の前記出力を、及び、もう1つの入力として対応する出力ベクトルの場所のコンテンツを有する、一組のN個の2入力加算回路と
を含む、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項18】
前記順序系列のL個のアナログ入力値が、前記受信器において連続的に受信され、N個のアナログサンプルの前記各出力ベクトルが、前記復号器から並列に出力される、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項19】
電磁気的経路から複数の順序系列のL個のアナログ入力値を受信するために配置された受信器と、
前記系列のL個のアナログ入力値の各々を、各々が長さLのN個の相互直交コードの所定コード組を参照して、N個のアナログサンプルの出力ベクトルへ復号化する復号器であって、前記N個のコードの各々は、前記サンプルのうちの1つに関連付けられ、L≧N≧2である、復号器と、
前記出力ベクトルの各々の前記アナログサンプルを増幅するように、及び前記出力ベクトルの各々を出力するように配置された複数の増幅器と、
前記増幅器からのN個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを収集するように、及び、ディスプレイパネルの列に並列に前記アナログサンプルの各々を出力するように配置されたバッファと
を含むソースドライバ。
【請求項20】
前記所定コード組が、前記順序系列のL個のアナログ入力値を符号化するために使用されたコード組と同じである、請求項19に記載のソースドライバ。
【請求項21】
前記複数の順序系列のL個のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニット内の送信器から受信される、請求項19に記載のソースドライバ。
【請求項22】
前記複数の順序系列のL個のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニットの外部の送信器から受信される、請求項19に記載のソースドライバ。
【請求項23】
前記ソースドライバが、ディジタル画素データをアナログ画素データへ変換する目的のためのD/A変換器(DAC)を含まない、請求項19に記載のソースドライバ。
【請求項24】
前記ディスプレイパネルがC個の列を含み、前記順序系列のL個のアナログ入力値が周波数freq(SSVT)で連続的に受信され、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルの各々が、周波数freq(sample)=freq(SSVT)/Nで前記復号器から出力され、前記バッファが、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを周波数freq(line)=freq(sample)×N/Cで並列に出力する、請求項19に記載のソースドライバ。
【請求項25】
前記N個のコードの各々がインデックス付けされ、前記ソースドライバが更に、
一組のN個の2入力相関器であって、各相関器が、前記出力ベクトルのN個の場所のうちの1つに関連付けられ、各相関器が、1つの入力として順序系列のL入力値内の値を、及び、もう1つの入力としてN個の場所の前記1つに関連付けられた前記コード内の対応値を有する、2入力相関器と、
一組のN個の2入力加算回路であって、各加算回路がN個の場所のうちの前記1つに関連付けられ、各2入力加算回路が、1つの入力として対応する2入力相関器の出力を、及び、もう1つの入力として対応する出力ベクトルの場所のコンテンツを有する、一組のN個の2入力加算回路と
を含む、請求項19に記載のソースドライバ。
【請求項26】
前記順序系列のL個のアナログ入力値が、前記受信器において連続的に受信され、N個のアナログサンプルの前記各出力ベクトルが、前記復号器から並列に出力される、請求項19に記載のソースドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照のためその全体を本明細書に援用する2021年9月3日申請の米国仮特許出願第63/240,630(Docket No.HYFYP009P1)号明細書、2021年11月16日申請の米国仮特許出願第63/280,017号明細書(Docket No.HYFYP009P2)、2022年3月7日申請の米国仮特許出願第63/317,336(Docket No.HYFYP014P)号明細書及び2022年3月26日申請の米国仮特許出願第63/346,064(Docket No.HYFYP014P2)号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本出願はまた、参照のため2018年3月19日申請の米国特許出願第15/925,123(Docket No.HYFYP001)号明細書、2019年9月17日申請の米国特許出願第16/494,901(Docket No.HYFYP002)号明細書、2022年8月2日申請の米国特許出願第17/879,499(Docket No.HYFYP003)号明細書、2022年3月4日申請の米国特許出願第17/686,790(Docket No.HYFYP004AX1)号明細書、2022年8月15日申請の米国特許出願第17/887,849(Docket No.HYFYP006)号明細書、2022年6月28日申請の米国特許出願第17/851,821(Docket No.HYFYP007)号明細書、2022年8月16日申請の米国特許出願第63/398,460(Docket No.HYFYP008P)号明細書、及び2022年7月21日申請の米国特許出願第63/391,226(Docket No.HYFYP013P3)号明細書を援用する。
【0003】
本発明は一般的には、ディスプレイユニットのディスプレイパネル上に映像を表示することに関する。具体的には、本発明は表示のためにアナログ信号を復号化するソースドライバに関する。
【背景技術】
【0004】
イメージセンサ、ディスプレイパネル及び映像プロセッサは、より大きなフォーマット、より大きな色深度、より高いフレーム速度及びより高い分解能を実現するために絶えず競争している。ローカルサイト映像輸送は、スループットを絞る性能スケーリングボトルネックを含み、さらにより多くの費用及び電力を消費する一方で性能に妥協する。これらのボトルネックをなくすことで利点を提供し得る。
【0005】
例えば、ディスプレイ分解能が増加するにつれ、映像ソースからディスプレイ画面へ転送される映像情報のデータ速度は、10年前のフルHDの3Gbpsから新8K画面の160Gbpsまで指数関数的に増加している。通常、4Kディスプレイ分解能を有するディスプレイは60Hzにおいて約18Gbpsの帯域幅を必要とする一方で120Hzでは36Gbpsを必要とする。8Kディスプレイは60Hzにおいて72Gbps、120Hzにおいて144Gbpsを必要とする。
【0006】
今まで、データは、低電圧差動シグナリング(LVDS)データ転送の変形形態を使用して、信号対当たり16Gbpsのビットレートを使用して、必要合計ビットレートを実現するために対を並列にすることによりディジタル的に転送される。5ns/mの配線遅延により、ディジタル接続上のあらゆるビットの波長は12mmであり、これはこのタイプの接続の限界に近く、従って使用可能データを取得するために広範なデータ同期を必要とする。次に、このディジタル情報は、ディスプレイのソースドライバにおいて超高速ディジタル/アナログ(D/A)変換を使用してオンザフライでアナログ画素情報へ変換される必要がある。
【0007】
今日、D/A変換器は8ビットを使用するが、間もなく、D/A変換は10ビット又は更には12ビットを必要とし得、次に、十分に高速なデータ速度において精確に変換することが非常に困難になるであろう。従って、ディスプレイは、非常に短い量の時間内にD/A変換を行わなければならず、変換のために利用可能な時間もまたより短くなっており、その結果、D/A変換の安定化がまた問題となる。
【0008】
従って、新しい装置及び技術は、ディスプレイのソースドライバにおけるD/A変換の必要性をなくすこと、帯域幅を増加すること、及びディスプレイユニットの外側で又はその中で生成されたアナログ映像信号を利用することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
前述のことを実現するために、本発明の目的によると、アナログ信号をディスプレイパネルにより期待される電圧へ復号化するディスプレイユニット内のディスプレイパネルのソースドライバが開示される。
【0010】
映像信号は一連の輝度値である。固定ビット幅(すなわちディジタル)輝度値を精確に維持することは映像輸送に関し非効率的であるということが理解され、これらの輝度値のビット精確再生のための要件がないのでアナログ電圧ははるかに大きなダイナミックレンジを提示する。従って、本発明は、ディスプレイパネル映像信号をディジタル信号よりむしろアナログ信号として輸送することを提案する。
【0011】
利点は電源消費を削減することを含む。従来技術では、電力消費はシステム性能を著しく制約するが;本発明を使用して、最大60%少ない電力が消費される。更に、いくつかの実施形態は、ディスプレイパネルのEMI/RFI放射が、義務付けられた限度を十分に下回ることになるという点で雑音耐性及びEMステルス性を提供する。また更に、新規アナログ信号の送信範囲は従来のEthernet又はHDBaseT信号のものよりもはるかに大きい。従来の輸送は高速ディジタル回路のための高価混合信号処理を使用するが、本発明の実施形態は、より大きな柔軟性及びより低い製造費用のために低価格アナログ処理を利用する。
【0012】
更に、ディスプレイパネルのディスプレイコントローラとソースドライバとの間のデータ転送のための新規アナログスペクトル拡散映像輸送(SSVT:spread-spectrum video transport)信号の使用は、シリコンチップ及びその複雑性の費用を劇的に低減する。例えば、4K/60Hzパネル及び8K/120Hzパネルに関して、信号ソースとソースドライバ受信器(D/A変換器を有する)との間の伝統的輸送(LVDS又はVx1伝送器を介する)と、新規SSVT送信器と新規SSVT受信器との間の輸送を使用して実装された等価機能とを比較するとそれぞれ3:1チップ面積節約及び10:1チップ面積節約である。
【0013】
本発明は、直接スペクトラム拡散方式(SSDS)から変調ベース符号分割多重アクセス方式(CDMA)チャネル共有を借りる技術を使用して、映像ソースと映像シンクとの間で送信されるアナログ映像データを復号化するための回路に向けられる。以下に更に詳細に説明されるように、映像ソースから受信された入力映像サンプルの数及びコンテンツは、映像ソースにおける動作時の色空間に依存する。どの色空間が使用されるかにかかわらず、各映像サンプルは指定色空間内で感知又は測定された量の光を表す。
【0014】
入力ディジタル映像サンプルのストリームが符号化器において受信されると、入力ディジタル映像サンプルは、疑似雑音特性を有する複数の複合EM信号を生成するために、(1)入力映像サンプルを所定配列に従って符号化器入力ベクトル内へ割り当てることにより繰り返し分散され、(2)SSDSベース変調を複数の符号化器入力ベクトルの各々へ適用すること(直交コードを適用すること)により符号化される。(3)アナログEM信号は伝送媒体上で送信される。受信側では、(4)入力アナログEM信号は、サンプルを出力ベクトル内へ再構築するために同じ直交コードを使用してSSDSベース復調を適用することにより復号化され、次に(5)出力ベクトルは電圧としてディスプレイへ提示される。この結果、色及び画素関連情報を含む時系列映像サンプルの元ストリームが映像ソースから映像シンクへ伝えられる。
【0015】
映像ソースにおいて捕捉され、変換されると、ディジタル映像データは、符号化され、近実時間表示のために映像ディスプレイへ送信され得る。捕捉された映像データもまた、後で時間シフトモードで視るために格納され得る。いずれの場合も、アナログSSVT信号が、映像ソース(又はストレージデバイス)から受信されたディジタル映像データをディスプレイ(又はストレージ)の映像シンクへ送信するために使用される。SSVT信号は、コンピュータ又は他のプロセッサから発し、ディスプレイユニット(映像シンク)へ配送され得、従ってディスプレイユニットの外側で発生し得る、又はSSVT信号はディスプレイユニット又はディスプレイパネル自体内で生成され得る。
【0016】
本発明は、そのさらなる利点と共に、添付図面と併せて取り込まれた以下の説明を参照することにより、最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ディスプレイユニット内のディスプレイパネルへのディジタル信号の従来技術の配送を示す。
図2】ディスプレイパネルなどのディスプレイの従来技術のディスプレイドライバアーキテクチャを示す。
図3】ディスプレイユニットのSoCの近くの変換を使用することによるアナログ映像信号のディスプレイパネルへの配送を示す。
図4】ローカルサイト映像システムのディジタル映像プロセッサの近くで変換を使用することによるアナログ映像信号のディスプレイユニットへの配送を示す。
図5】ディスプレイユニット内の変換及び符号化を使用することによるSSVTアナログ映像信号のディスプレイパネルへの配送を示す。
図6】ディスプレイソースドライバの例を示す。
図7】復号化ユニット及びその出力のより詳細な図を示す。
図8】サンプルをバッファし、次に増幅するソースドライバを示す。
図9図8からの復号器656のうちの1つの復号器のブロック線図である。
図10図8からの収集器のブロック線図である。
図11】現世代GPUだけでなくSSVT送信器も含むカスタムプリント回路基板であるGPU・ツー・ザ・ガラス(GPU-to-the-glass)プラットホームを示す。
図12】システム・オン・モジュールが現世代GPUだけでなくSSVT送信器も含むGPU・ツー・ザ・ガラスシステム・オン・モジュール(SoM:system on module)を示す。
図13】強化型GPUが完全集積化SSVT送信器を含む強化型GPU・ツー・ザ・ガラスシステムを示す。
図14】どのように信号サンプル(この場合はアナログ値)が符号化器内で符号化され、次に電磁気的経路上で送信されるかを示す例である。
図15】ディジタル値である信号サンプルへ適用可能である新規符号化技術を示す。
図16図14の符号化器を使用して符号化されたアナログ入力レベルの復号を示す。
図17A】アナログ符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。
図17B】ディジタル符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。
図17C】電磁気的経路上で到達した符号化アナログ信号を復号化するためのディジタル復号器の使用を示す。
図18】電磁気的経路を介し送信されたSSVT波形のシミュレーションを示す。
図19】4つの復号器のうちの1つの復号器の論理図である。
図20】示されたような代表的復号器トラック回路の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
映像ディスプレイシステムでは、入射光の信号への変換は通常、ソースアセンブリにより行われ、所定変換は、1又は複数の電磁気的経路上でソースアセンブリから、所定フォーマットを受信し、受信されたペイロードを人が視るために好適な放射光を生成するための好適な出力デバイスと共に使用される信号へ変換するシンクアセンブリ(ディスプレイ又は映像プロセッサであり得る)へ運ばれるペイロードのフォーマットを判断することになる。
【0019】
映像信号のディジタル化は、本システムの信号ソースにおいて(しばしばGPUにおいて)発生し、次に、ディジタル信号は、通常、高性能配線系の組み合わせを使用して、ディスプレイソースドライバへ転送されることが理解され、ここで、ディジタル信号は、表示画素上へロードされるアナログ信号へ再び戻される。従って、ディジタル化のただ一つの目的は映像ソースから表示画素へのデータ転送である。従って、我々は、ディジタル化を(可能な程度に)纏めて回避することと、アナログデータを映像ソースからディスプレイドライバへ直接転送することとがはるかに有益であるということを理解する。これは我々の新規SSVT符号化を使用して行われ得、それにより、ソースドライバにおいて再び復号化される精確なアナログ電圧が得られる。アナログデータは高精度を有するので、高ビット深度の必要性はない。これは、サンプルレートがディジタル転送の場合よりも少なくとも10倍低く、拡張のためのさらなる帯域幅を残すことを意味する。
【0020】
更に、ディスプレイパネルを実際に駆動する必要がある端点における電力よりもより少ない電力が必要とされる点で、D/A変換を行うことがはるかに容易であることが認識される。従って、映像ソースからアナログ信号が生成される必要のある場所まで、ディジタル信号をずっと輸送する代わりに、ディジタル化により通常有するだろうサンプルレートよりも非常に低いサンプルレートで、アナログ信号をディスプレイへ輸送する。これは以下のことを意味する:毎秒ギガビットを多くの線上で送信する必要がある代わりに、アナログ信号の場合には毎秒僅か数メガサンプルで済ませることができ、従って、使用する必要があるチャネルの帯域幅を低減する。更に、従来技術のディジタル輸送により、あらゆるビットは約1.25cmだけを占める(ケーブル内の伝搬は約0.2m/nsであることを考慮すると、16Gbpsは1/16ns/bitを意味するので、1ビットは0.2/16メートルである)一方で、アナログデータを輸送することは利用可能な空間の量が10倍増加する結果となり、追加の利用可能な帯域幅を意味する。
【0021】
更に、ディジタルデータ内のビットは良好に定義されなければならない。この定義はエラー及び雑音にかなり敏感であり、高点及び低点を非常に精確に検出することができる必要がある。一方、提案されたアナログ輸送は、はるかに低感度である。これは(例えば、ディスプレイ内の一方の側から他方の側に延びる)ケーブルの品質が高くなくてもよいということを意味する。
【0022】
本発明は、コンピュータシステム、テレビ、モニター、マシンビジョン、自動車ディスプレイ、仮想又は拡張現実ディスプレイ、その他において使用される高分解能高ダイナミックレンジディスプレイに特に適用可能である。
【0023】
(映像情報のディスプレイパネルへの従来(ディジタル)輸送)
図1は、ディジタル信号のディスプレイユニット100内のディスプレイパネルへの従来技術の配送(いわゆる「ディスプレイ接続性」)を示す。本開示の目的のために、「ディスプレイパネル」は、視るための光を生成する画素を実装するディスプレイの内部部分を指す一方で、「ディスプレイユニット」は、ディスプレイパネル、パネルアセンブリ、フレーム、ドライバ、ケーブル布線、及び映像を生成するための関連エレクトロニクスを含む、(通常は)矩形の筐体全体を指す。一般的に、各々が表示間隔(フレーム速度の逆数)当たりO(N)回更新されるO(N)画素を含む大量生産可能ディスプレイパネルは、O(N)電圧により制御される。
【0024】
ディスプレイユニットのシステムオンチップ(SoC:system-on-a-chip)110へのHDMI(登録商標)コネクタ(RJ45コネクタなど)を介したディスプレイユニット内へのディジタル映像信号112の入力を示す。SoC110は、V-by-OneHS標準116を介し、ディジタル信号をタイミングコントローラ120(TCON:timing controller)へ輸送する。次に、タイミングコントローラ120は、ディジタル信号をディスプレイパネルの画素内への入力のためのアナログへ変換するために、ディスプレイパネル118のソースドライバ内の任意数のDAC(D/A変換器)122へのビットシリアル輸送121(例えばSerDes、LVDS又はCEDS)を使用する。ディジタル輸送はまた、MLVDS、DDIなどを使用し得る。制御信号114は映像フレーミングフラグ(Vsync、Hsync、など)、構成パラメータ、ゲートドライバ制御信号、FRCグレイスケール、ドライバパラメータ設定、バックライト制御、コントラスト制御、などを提供する。
【0025】
上記欠点に加えて、このディスプレイ接続性ディジタル輸送は、高速ディジタル回路への依存に起因してより高いEMI/RFI懸念を生じ、高電力を必要とし、同期するのが困難であり、及び、比較的高価な集積回路プロセスを使用して実現されなければならない。更に、例えば8K V-by-One HSは、3.5Gbpsにおいて48個の配線対を必要とする。
【0026】
更に、ディスプレイ接続性のこれらの欠点は、ローカルサイト映像接続性においても同様に存在する。例えば、コンピュータのGPUは(V-by-One HS、MLVDS、DDI、などを介し)ディスプレイユニットへディジタル的に輸送される映像信号を生成し、ここで、再び、ソースドライバ内のDACは信号をアナログへ変換する。通常、GPUチップはマイクロプロセッサにできるだけ近いシステム/マイクロプロセッサボード上に配置される。
【0027】
従って、SoC、GPU又はディジタル映像プロセッサにできるだけ近いディジタルからアナログへのディジタル映像信号の変換を行うことは、ディスプレイパネルのソースドライバ内のDACの必要性をなくすだけでなく、ディスプレイユニット内の又はディスプレイユニットへのディジタル信号の代わりにアナログ信号を輸送する際の上記利点も実現することが認識されよう。
【0028】
図2は、ディスプレイパネル118などのディスプレイの従来技術のディスプレイソースドライバアーキテクチャを示す。ソースドライバ200(通常900~1,000以上の出力を有する)が示されている。DIO1及びDIO2が系列のうちの任意の2つを(シフトレジスタ220を介し)接続するように、最上行を介して一緒にカスケードされるあらゆるディスプレイ内には、このソースドライバの複数のインスタンスが存在する。従ってドライバは水平方向に伸び、典型的なディスプレイユニット内には、これらのドライバのうちの1~20が存在する。データ入力210は、SoCのタイミングコントローラから来る直列ディジタルデータである。各ソースドライバは、通常、ディジタル部202と、DAC230を含むアナログ部204とを有する。出力240-244は、当該技術領域においてよく知られているように、各画素のソースを駆動するためにディスプレイ列内へ(すなわちディスプレイのガラス内へ直接)出力される。
【0029】
ソースドライバ200は、そのドライバ領域の大部分が、ディスプレイの列ラインへ提供される関連信号より10x高いデータ速度を必要とするディジタルエレクトロニクスにより使用されるということを必要とする。これは、任意の(ディジタル又はアナログ)回路により消費される全電力がスイッチング周波数(通常はクロック周波数)に線形に依存するので不利である。
【0030】
(ディスプレイ接続性)
図3は、ディスプレイユニット300のSoC110において又はその近くにおいて変換を使用するアナログ映像信号のディスプレイパネル318への配送を示す。この実施形態では、ディジタル映像信号のアナログSSVT信号への変換及び符号化はディスプレイユニット自体内で(更にはパネルアセンブリ内で)発生し、従ってディスプレイ接続性を改善する。示されるのは、HDMIコネクタ(又は、本発明はインターネット上でストリームされたコンテンツと共に動作するので、RJ45コネクタなど)を介する、ディジタル映像信号312のシステムオンチップ310への入力である。ディジタル信号は、SSVT送信器315(集積回路(例えばチップ)内に実装され得る)へ、V-by-One(又は他のビットシリアル送信)を介して送信され、SSVT送信器は、新規SSVTソースドライバ320によりディスプレイパネル318へ輸送されるディジタル映像信号を、スペクトル拡散映像輸送(SSVT)信号316に変換する。示されないのは、SoC310とSSVT送信器315との間に配置されるタイミングコントローラ(TCON)である。一実施形態では、SSVT送信器315はそれ自身の集積回路内に実装され、SoCとTCONとは分離されており、別の実施形態では、SSVT送信器315及びTCONの両方は単一集積回路内に合成され、別の実施形態では、送信器315、TCON及びSoCはすべて単一集積回路内に合成される。この図では示されていないが、TCONが別個であれば、SoC310とSSVT送信器315との間に配置されるだろう。
【0031】
制御信号314もまた、上述のようにゲートドライバ制御信号、FRCグレイスケール、ドライバパラメータ設定、バックライト制御、コントラスト制御などを提供し得るが、これは必須ではない。ディスプレイパネル318は、任意数のSSVTソースドライバ320(任意数のチップとして実装される)同士を関連付けた。次に、SSVTソースドライバ320は、以下に更に詳細に述べられるように、アナログSSVT信号316をディスプレイパネルにより期待されるアナログ電圧へ復号化する。ディスプレイパネルドライバチップセットが集積回路315及び320を含むことが企図される。
【0032】
いかなるDAC(D/A変換器)も、ディスプレイパネルにおいて必要とされず、以下に説明される新規ソースドライバ内にも必要とされない、ということに留意されたい。有利には、ディスプレイユニット300は成熟ICプロセスにおいて実現され得、EMI/RFI放射は義務付けられた限度を十分に下回り、1/2の電力だけが必要とされ、同期することが容易であり、8Kディスプレイは、1.6GHzにおいて8つの配線対、又は680MHzにおいて18の配線対をのみ必要とすることになる。対照的に、システムオンチップ(SoC)からのディスプレイユニット内のディジタル映像信号の従来技術の輸送は、比較的高価なICプロセスにおいて実現されなければならず、高速ディジタル回路への依存に起因してEMI/RFI放射が懸念され、8K/60Hzディスプレイは16Gbpsにおいて8つの配線対、又は3.5Gbpsにおいて36の配線対を必要とすることになる。
【0033】
(ローカルサイト映像接続性)
図4は、ローカルサイト映像システムのディジタル映像プロセッサ近くの変換を使用する、アナログ映像信号のディスプレイパネルへの配送400を示す。この実施形態では、ディジタル映像信号のアナログSSVT信号への変換及び符号化は、ディスプレイユニット401又はディスプレイパネルの外側で発生する。従って、ディスプレイユニット401への入力はアナログSSVT信号である。ディジタル映像信号を生成するコアAI/ML GPU410が示され;SSVT送信器414は、ディスプレイユニットへ、従ってディスプレイパネル418へ輸送されるディジタル信号を、アナログスペクトル拡散映像輸送(SSVT)信号416へ符号化する。ディスプレイユニットは任意数のSSVTソースドライバ420を含み、次に、SSVTソースドライバ420は、以下に更に詳細に述べるように、SSVT信号を、ディスプレイパネルにより期待されるアナログ電圧へ復号化する。いかなるDAC(D/A変換器)も、ディスプレイユニット内で、ディスプレイパネルにおいて、又はドライバ内で必要とされないということに留意されたい。
【0034】
映像データが処理されるGPU410はコンピュータ内にあり得る。SSVT送信器414により変換され、符号化されると、アナログ信号416はディスプレイユニット401へ輸送される。ディスプレイユニットは、すぐ近くに、10メートル離れたところに、又は更に遠くにあり得る。従って、グラフィック又は映像プロセッサ(実効的にコンピュータであり得る)からの情報経路は、当該データ経路内のいかなる場所においても決してディジタルであることなく、多くの転送接続を通ってディスプレイユニットへ直接行く。元来、映像信号は、それがGPU410へ輸送される、図4に示すようなカメラ又は同様なデバイスにおいて始まり得る。映像信号はまた、カメラ、映像プロセッサ又はインターネットモデムから発し得、この場所において、送信器414を使用してSSVT信号に変換され得る。
【0035】
有利には、SSVT信号へのD/A変換及び符号化を行う(すなわち、ディスプレイユニット自体内で変換及び符号化を行わない)ディスプレイユニットのさらなる上流側では、圧縮ディジタル映像信号をHDMIケーブル全体にわたって転送するために圧縮を行う必要がないので、より多くの利点が得られる。この特定の実施形態では、GPU内の全分解能ディスプレイ情報を扱い、次に、GPUにおいてチップに対する変換及び符号化を行い、次に、すべての転送は、当該信号がディスプレイユニットに到達するまで比較的低周波のSSVT信号を介する。この場合、我々は、いかなる内部圧縮もなしに、GPUソースからディスプレイユニット終点までの全表示分解能を全フレーム速度で扱った。
【0036】
(ディスプレイ接続性詳細)
図5は、ディスプレイユニット内の変換及び符号化を使用する、ディスプレイユニット500のディスプレイパネル550へのSSVTアナログ映像信号の配送を示す。この実施形態では、ディジタル映像信号のアナログSSVT信号への変換及び符号化はディスプレイユニット500自体内で発生し、従ってディスプレイ接続性を改善する。ディスプレイユニットのSoC及びTCONは示されていない。上述のように、以下の3つ以上の商業的実施形態が存在し得る:SSVT送信器が混合信号集積回路中に埋め込まれ、TCON及びSoCが個別部品である(SSVT送信器「アダプタチップ」が、レガシーTCONと本明細書において説明される新規ソースドライバとの間に挿入される:SSVT送信器は、TCON出力信号をSSVT信号に翻訳する)ディスクリート実装形態;SSVT送信器が単一IC内のTCONと共に集積化され、SoCはディスクリートである、混合実装形態;及び、できるだけ多くの機能がカスタム混合信号集積回路内に集積化される(SSVT送信器はTCON及びSoCと共に集積化される)完全集積化実装形態。
【0037】
実証システム(示されない)では、SOCディジタル機能は、HDMI2.0を介しFPGAキャリア基板と通信するGPU内に実装され、FPGAキャリア基板は、アナログサブシステム内のSSVT送信器を実装するカスタム混合信号PCBと通信する、TCONディジタル機能を実装する。SoC機能(圧縮されたディジタル映像信号を圧縮解除することなど)はGPU内のソフトウェアで行われる一方で、TCON機能(ゲート及びソースドライバのタイミング信号を生成することなど)は、ソフトウェアにおいて、FPGA上のソフト回路中で行われる。
【0038】
図5のこの例では、ディスプレイパネル550は、55”HDR 4K60ディスプレイユニット内にある示されたパネルフレーム551内にある。示されるように、SSVT送信器540及びパネルフレーム551はすべてディスプレイユニット500内にある。ディスプレイパネル550は任意のサイズのディスプレイパネルであり得、VRヘッドセット内のディスプレイ又はディスプレイ群であり得、フロントガラス、サンバイザーの画面などの上へ表示が投影されるヘッドアップディスプレイ(HUD)であり得る。
【0039】
入力信号がたとえSSVTでなくても、ディスプレイユニット内のSSVT信号(すなわちディジタル映像信号である)を内部で使用すると、著しい利点がある。従来技術のディスプレイユニットでは、我々は、HDMI信号を圧縮解除し、次に、ディスプレイユニットの受信端からディスプレイユニット内のすべての場所へ転送されなければならない完全(full fledged)全ビットレートディジタルデータを有する。それらの接続は64又は80インチディスプレイにとって極めて長くなり得る;即ち、ディジタルデータを、入力があるユニットの片側から最終ディスプレイソースドライバがある反対側へ転送しなければならない。従って、ディジタル信号を内部的にSSVTに変換し、次に当該SSVT信号をソースドライバが配置されたディスプレイユニットのすべての場所へ送信するという利点がある。具体的には、これらの利点は、より低い周波数、より低いEMI信号を使用し、埋め込まれた同期/低遅延初期化から恩恵を受けることが可能であるということである。
【0040】
図5内にはまた、ソースドライバ586のSSVT符号592と、ゲートドライバ560の電力及び制御信号590とを生成する、SSVT送信器540が示される。剛体PCB582と、各々がディスプレイパネルのソース電圧を生成するソースドライバ586を保持する個々のフレキシブルPCB584とが含まれる。以下に更に詳細に述べるように、信号608は任意に、SSVT信号の符号化を支援するために、ディスプレイパネルに関する情報を送信器540に提供する。ゲートドライバ制御信号590の生成はソースドライバからの同期情報に基づきタイミングコントローラ(又は他の特定ハードウェアにより)により行われ得る。
【0041】
通常、SSVT送信器とSSVT受信器(この場合ソースドライバ586)とは、伝送媒体により接続される。様々な実施形態では、伝送媒体は、ケーブル(HDMI、フラットケーブル、光ファイバケーブル、金属ケーブル、非金属カーボントラックフレックスケーブルなどの)であってもよいし無線であってもよい。伝送媒体の無数のEM経路(符号化器当たり1つの経路)が存在し得る。SSVT送信器は分配器及び複数の符号化器を含む。SSVT受信器は複数の、符号化器と同じ数の復号器を含むことになる。伝送媒体上の経路の数は1~2以上の任意の数の範囲である。この例では、媒体は、ケーブル、PCB上のトレース、IC内部接続、及び当業者により使用される他の媒体の組み合わせとなる。
【0042】
動作中、色値及び画素関連情報を含む時系列映像サンプルのストリームが、ディスプレイユニット500において映像ソースから受信され、SoC及びTCONを介しSSVT送信器540へ配送される(SoCによる処理は当該技術領域において知られているように行われ得る)。映像ソースから受信された入力映像サンプルの数及びコンテンツはソースにおける動作中の色空間に依存する(サンプルは白黒であり得る)。どの色空間が使用されるかにかかわらず、各映像サンプルは指定色空間内の感知又は測定された量の光を表す。
【0043】
入力ディジタル映像サンプルのストリームがSSVT送信器内で受信されると、入力ディジタル映像サンプルは、(1)映像サンプルを所定配列(符号化器当たり1つのベクトル)に従って符号化器入力ベクトル内へ割り当てることにより繰り返し分散され、(2)疑似雑音特性を有する複数のコンポジットEM信号(各符号化器から1つのアナログ信号)を生成するために直交コードを使用して複数の符号化器入力ベクトルの各符号化器入力ベクトルへSSDSベース変調を適用することにより符号化される。次に、(3)アナログEM信号(経路当たり1つの信号)が伝送媒体上で送信される。
【0044】
説明の目的のため、4つのベクトルV、V、V及びVを構築するために分配器により実施される1つの可能な配列は各々が色情報のN個サンプルを含む配列である。この例では、幾つかの組のサンプルの露出された色情報はそれぞれ「RGB」である。この例における幾つかの組のサンプルの露出されたRGBサンプルは、左から右へベクトルV、V、V及びVへ割り当てられる。換言すれば、最も左側のサンプルの”R”、”G”及び”B”値並びに次の組のサンプルの”R”信号はベクトルVへ割り当てられる一方で、次のサンプルの次の(左から右への)”G”、”B”、”R”及び”G”値はベクトルVへ割り当てられ、次の(左から右への)”G”、”B”、”R”、及び”G”値はベクトルVへ割り当てられ、次の(左から右への)”R”、”G”、”R”、及び”R”値はベクトルVへ割り当てられる。第4のベクトルVがその信号へ割り当てられると、上記プロセスは、4つのベクトルV、V、V及びVの各々がNサンプルを有するまで繰り返される。様々な実施形態では、Nサンプルの数は広く変動し得る。
【0045】
一例として、N=60を有する実施形態を考察する。この場合、4つのベクトルV、V、V及びVに含まれるNサンプルの合計数は240(60×4=240)である。4つの符号化器入力ベクトルV、V、V及びVは、完全に構築されると、80(240/3=80)の個別組のサンプル(ここで、S=3)を含む。換言すれば:
●ベクトルVはサンプルP、N~P、NN-1を含み;
●ベクトルVはサンプルP、N~P、NN-1を含み;
●ベクトルVはサンプルP2、N~P2、NN-1を含み;及び
●ベクトルVはサンプルP、N~P、NN-1を含む。
【0046】
上記例は単に例示的であり、従って制限と解釈されるべきでないということが理解されるべきである。サンプルの数Nは大体60であり得る。また、各組のサンプルの露出された色情報は任意の色情報(例えばY、C、Cr、Cb、など)であり得、RGBに制限されないということが理解されるべきである。伝送媒体上のEM経路の数もまた広範に変動し得る。従って、ベクトルVの数及び符号化器の数もまた広範に1から2以上の任意の数まで変動し得る。数にかかわらずベクトルを構築するために使用される配列方式は任意であるということも理解されるべきである。任意の配列方式が使用され得、送信側で使用されるどちらの配列方式がまた受信側で使用されるかによってのみ制限される。
【0047】
次に、Nサンプルの各ベクトルは、その対応符号化器により符号化され、本明細書において説明され、図14-17において具体的に示される符号化方式を使用して、並列のL出力レベルを生成する。好適には、L≧N≧2。説明したように、符号化はアナログ(DACが符号化器の前に置かれる)であってもよいし、ディジタル(L個のレベルが送信される前にDACによりアナログへ変換される)であってもよい。次に、Lアナログ出力レベルはSSVT信号の一部としてそのEM経路上でSSVT受信器(この場合ソースドライバ586である)へ送信される。有利には、SSVT信号はアナログ信号であり、いかなるDACもソースドライバにおいて必要とされない。
【0048】
図5には示されないが、SSVT送信器540もまたディスプレイユニットの外側に配置され得る。
【0049】
(ディスプレイパネルソースドライバ)
図6はディスプレイソースドライバ586を示す。複数のソースドライバが当該技術領域において示され、知られているようにカスケード化される;すなわちこれらは次にディスプレイパネルを駆動する。示されるように、ソースドライバ586は、従来技術のソースドライバにおいて必要とされるようなDACを(表示のためにディジタルサンプルをアナログサンプルに変換するための信号パス内に)必要としない。各ソースドライバの復号化ユニット610への入力は、本明細書において説明されるようにディスプレイユニット自体内で又はディスプレイユニットの外部においてのいずれかの上流側で符号化されたアナログSSVT信号592である。示されるように、SSVT信号592はソースドライバ間でデージーチェイン化される。代替実施形態では、各ソースドライバはそれ自身のSSVT信号を有することになり、TCONはタイミング情報を各ソースドライバチップへ提供する。
【0050】
復号化ユニット610は任意数(P)の復号器を有し得るが単一復号器だけを有することも可能である。ユニット610は(以下に更に詳細に述べられるように)SSVT信号又は信号群を復号化し、無数の再構築されたアナログサンプルストリーム612(すなわちアナログ電圧(ソースドライバの出力の数に対応する数のサンプル)を出力する。これらのアナログ出力612は、ディスプレイパネルにより必要とされる電圧範囲内でない場合があるので、スケーリングを必要とし得、及びレベルシフタ620へ入力され得、レベルシフタ620は、電圧を、アナログ変換を使用してディスプレイパネルを駆動するための電圧範囲内の電圧へシフトする。当該技術領域において知られているような任意の好適なレベルシフタ(ラッチ型又はインバータ型のような)が使用され得る。レベルシフタは増幅器とも呼ばれ得る。
【0051】
一例として、復号化ユニットから出て来る電圧範囲は0~1Vであり得、レベルシフタから出て来る電圧範囲は-8~8Vであり得る(電圧を1フレームおきにフリップする(すなわち、範囲は1フレームに関して-8~0Vになり、次のフレームに関して0V~+8Vになる)ようにレベルシフタに通知するために反転信号622を使用して)。このようにして、SSVT信号はその電圧をフレーム毎にフリップさせる必要がない;復号化ユニットは(例えば)正電圧範囲を提供し、レベルシフタは、ディスプレイパネルにより期待されるように電圧を1フレームおきにフリップする。復号化ユニットはまた、ライン反転及びドット反転を実施し得る。反転信号は、どの電圧が切り替わるべきかをレベルシフタに告げる。OLEDなどのいくつかのディスプレイパネルはこの電圧を1フレームおきにフリップさせる必要がない。この場合、反転信号は必要とされなく、従ってレベルシフタは電圧を1フレームおきにフリップしないだろう。LCDなどのディスプレイパネルはこの電圧フリップを必要とする。反転信号622は以下に説明されるように復号化ユニットから回復される。
【0052】
また、レベルシフタ620への入力は利得及びガンマ値であり得;利得は、どれだけの増幅が適用されるかを判断し、ガンマ曲線は、光束と光束の人の光知覚を線形化する知覚された輝度とを関係付ける。通常、従来技術のソースドライバでは、利得及びガンマの両方はディスプレイパネルの製造特性により判断される設定値である。アナログレベルシフタ620では、利得及びガンマは以下のように実現され得る。ガンマは一実施形態ではシステムのディジタル部において実現され、レベルシフト及び利得は出力段増幅を設定することによりドライバにおいて実現される。ガンマの場合、この実現はまた、非線形増幅特性を実現することにより出力ドライバにおいて可能である。シフトされると、サンプルは、当該技術領域において知られているように、ディスプレイパネルのそれらの対応列内のソース電極を駆動するために使用される出力634内へ出力される。
【0053】
特定ディスプレイパネル上の最終表示のためにSSVT符号を適切に符号化するために(ディスプレイユニット自体内で又は当該ディスプレイユニットの外側のより遠い上流側で符号化されるかにかかわらず)、当該ディスプレイパネルの様々な物理的特徴又は特性がGPU(又は他のディスプレイコントローラ)により必要とされる(即ち、どのエンティティがSSVT符号化を行うかにかかわらず)。これらの物理的特性は、608とラベル付けされ、とりわけ分解能、モザイク化、バックライトレイアウト、色プロファイル、アスペクト比及びガンマ曲線を含む。分解能は特定ディスプレイパネルに関して定数であり;モザイク化は、パネルの面をいくつかの領域へ規則的所定やり方でフラクチャ化するやり方を指し、画素の単位であり;バックライトレイアウトは、バックライトパネルの分解能及び拡散特性を指し;色プロファイルはすべて原色の精確な輝度応答であり、画像の精確な色を提供し;、ディスプレイパネルのアスペクト比は離散的な既知値を有することになる。
【0054】
特定ディスプレイパネルのこれらの物理的特徴は、多種多様なやり方で特定ディスプレイコントローラへ配送、ハードワイヤード、又は提供され得る。図5に示す例では、信号608は、これらの物理的特徴の値をディスプレイパネルから(又はディスプレイユニット内の別の場所から)SSVT送信器540へ直接配送する。又は、特定ディスプレイユニット内に埋め込まれたSSVT送信器540は、送信器内でハード符号化されたこれらの値を伴う。又は、特定ディスプレイコントローラは特定タイプのディスプレイパネルだけと共に使用されるように意図されており、その特性値は当該ディスプレイコントローラ内へハード符号化される。
【0055】
ディスプレイパネルへの入力はまた、バックライトのLEDを(すなわち、いつスイッチオンされるべきかと、どのレベルでかとを)指示するバックライト信号604であり得る。換言すれば、ディスプレイパネルへの入力は通常、画像の低分解能表現であり、このことは次のことを意味する:バックライトLEDは、ディスプレイが明るくなる必要がある場所で点灯し、ディスプレイが薄暗い必要がある場所で薄暗くなる。バックライト信号は、SSVT信号内へも埋め込まれ得るモノクロ信号であり得(すなわち、他の並列映像信号、(例えば)R、G及びBと共に進む別の並列且つ独立な映像信号であり得)、低分解能又は高分解能のものであり得る。
【0056】
復号化ユニット610からの出力は、ゲートドライバとソースドライバとを同期させるためにディスプレイパネルの左縁のゲートドライバ560とタイミング制御情報を共有するゲートドライバ制御信号606である。通常、各復号化ユニットはゲートドライバの同じタイミング制御情報を取得するタイミング取得回路を含み、ソースドライバフレックスフォイルの1又は複数(通常最左端及び/又は最右端ソースドライバ)が当該タイミング制御情報をゲートドライバへ導くことになる。ゲートドライバのタイミング制御情報は、SSVT信号内に埋め込まれており、従って、確立されたスペクトル拡散技術を使用して当該信号から回復される。
【0057】
通常、従来ディスプレイドライバは「COF」(チップオンフレックス:Chip-on-Flex又はチップオンフォイル:Chip-on-Foil)ICパッケージを使用してガラスへ直接接続される;従来COG(チップオンガラス)も可能であるが、大型ディスプレイに関しては一般的でない。これらのドライバを図6及び7の新規ソースドライバにより置換する(従って既存ディスプレイパネルをSSVT使用可能パネルへ転換する)ことが可能である。これらのICの入力は通常、PCBAにより纏めて接続され、映像ソース及びタイミングコントローラからの入力信号を提供する。これらのICの入力は、ディスプレイパネルに近くてもよいしそれから遠く離れていてもよく、映像及び制御信号を低価格配線全体にわたって転送する。
【0058】
(SSVT復号化及びソースドライバとの集積化の詳細)
受信側では、各ソースドライバの復号器は、伝送媒体上で受信された差動EMレベル信号のストリームを復号化してディスプレイに好適なフォーマットへ戻す責任がある。好適なフォーマットでは、サンプル内に含まれる映像コンテンツはフレームからフレームへ映像ディスプレイ上に提示され得る。その結果、任意の映像ソースによる映像捕捉は映像シンクにより再生成され得る。代替的に、復号化された映像情報は時間シフトモードで後での表示のために格納され得る。
【0059】
図7はソースドライバの復号化ユニット610のより詳細な図を示す。Pは、送信側で符号化器により互いに密集したやり方で生成されたことが知られている入力された電磁的対の数を表し、各対は(等時性信号であるということを除いて)他のものから独立したSSVT信号を運ぶ。ソースドライバはP個の復号器780と収集器(ブロック782、786)とを含む。復号器780は、送信側のその対の符号化器の逆変換を行い、その入力差動EMレベル信号をN個の再構築されたサンプルの出力ベクトルへ再構築する(差動入力よりむしろシングルエンド入力が使用され得るが)。収集器は復号器出力ベクトルサンプル(又は「再構築されたサンプル」)をソースドライバ入力612内のその所定位置へ割り当てる。ソースドライバ入力612は、ディスプレイパネル内の駆動された列のグループに対応するS個の再構築されたサンプルを含む。再タイマー機能が収集器内に含まれる。
【0060】
P個の復号器780(0~P-1とラベル付けされた)が差動EMレベル信号Level~LevelP-1(702-704)をそれぞれ受信するために配置される。それに応答して、復号器780の各々は、再構築されたサンプル(サンプル~サンプルN-1)のN個の差動対を生成する。4つの復号器780(P=4)が存在するケースでは、4つのベクトルV、V、V及びVがそれぞれ構築される。サンプルの数Nは、早期符号化のために使用される直交コードの数に正確に等しい。すなわち、使用されるN個の直交コード(コードブックからのN個のコードを意味する)が存在する。
【0061】
再構築バンク782は、各復号化間隔の終わりに4つの復号器出力ベクトルV、V、V及びVの各復号器出力ベクトルのN個の再構築されたサンプル(サンプル~サンプルN-1)の差動対の各々をサンプル&ホールドする。次に、これらの受信された差動対の電圧信号は4つのベクトルV、V、V及びVの各ベクトルのサンプル(サンプルN-1~サンプル)としてそれぞれ出力される。本質的に、各再構築バンクは差動対電圧から単一電圧へ再構築する。中継バンク786は、以下に更に詳細に述べられるように、4つの復号器出力ベクトルV、V、V及びVの各ベクトルのすべての再構築されたサンプル(Nn-1~N)を受信し、アナログ出力バッファとして働く。中継バンク786内へ移動されると、サンプルは、復号化されたSSVT信号から導出されたラッチ信号632によりトリガされる。ラッチ信号はソースドライバ間でデージーチェイン化され得る。中継バンクから解放されると、サンプルはレベルシフタ620へ送信される。
【0062】
復号化ユニット610はまた、チャネルアライナ787と、各復号器780からフレーミング情報及びアパーチャ情報を受信する中継コントローラ789とを含む。それに応答して、中継コントローラ789は、すべてのサンプルが共通時間間隔(レベル信号がSSVT送信器により送信された)から来るということを保証するために中継バンク786のタイミングをコーディネートする。この結果、伝送媒体の個別チャネルは、チャネルアライナ787及び中継コントローラ789がいかなるタイミング差も補償するので必ずしもすべてが同じ長さを有する必要はない。ゲートドライバ制御信号606は、タイミング情報をゲートドライバへ(又は中間回路構成へ)提供し、ゲートドライバは延いては正しいタイミング及び制御信号をゲートドライバへ提供し、ゲートドライバ制御信号606はチャネルアライナ787から発し得る。
【0063】
図7は中継バンク786内のサンプルをバッファし次にレベルをシフトする(増幅する)復号器を開示するということに留意されたい;レベルをシフトし、次に出力のサンプルをバッファすることも可能である。
【0064】
(ディスプレイパネルソースドライバアレイ)
図8は、ソースドライバのアレイを実装するための代替実施形態を示す。アレイ650は、8K分解能及び144Hzリフレッシュ率を有するディスプレイパネル(すなわち「8K144」パネル)との使用に好適である。図8は、この実施形態では各ソースドライバが単一復号器(すなわち1つの復号器の復号化ユニット)に続いて収集器及び増幅器を含むことを示す一方で、図6及び7は、各ソースドライバがソースドライバの復号化ユニット内に多くの復号器を有し得るということを示す。いずれの手法も使用され得る。
【0065】
示されるのは、各々がSSVT送信器540からの撚線対である24個の720MHzSSVT信号652-654である:すなわち、各撚線対は送信器の符号化器から発している。各対は復号器656-658のうちの1つへ入力され、各復号器は11.25MHzの周波数で64個のアナログサンプルを出力する。これらのサンプルの各々は24個の収集器662-664のうちの1つへ入力され、各収集器は以下により詳細に示されるように、15復号化間隔毎に一回その出力を更新する前に15組のこれらのサンプルを収集する。上述のように、各収集器は中継バンク+再構築バンク(この図面では明示的に示されない)から成る。次に、各収集器からのこれらの960個のアナログサンプルは、増幅されたアナログレベル670として750kHz(11.25MHz×64/960)の周波数でディスプレイパネルのディスプレイ列上へ出力される前に増幅のために750kHzの周波数において増幅器666-668のうちの1つへ入力される。明瞭さのために、示されないのは図6、7に示される信号604、606、608、622、632である。
【0066】
理論的に、増幅器又はレベルシフタは、符号化されたSSVT信号がより高い電圧であれば、復号化された信号がディスプレイにより必要とされるサンプル電圧を生じれば省略され得る。しかし、SSVT信号は通常低電圧となる(より高い電圧出力がディスプレイのために必要とされる)ので、増幅が必要である。
【0067】
図8はサンプルを収集器664内にバッファし次に増幅する復号器を開示するということに留意されたい;すなわち出力のためにサンプルを増幅し、次に収集(バッファ)することも可能である。いずれの実施形態も使用され得る。
【0068】
図9図8からの復号器656のうちの1つの復号器のブロック線図である。示されるのは、復号器へ入力されるSSVT信号652のうちの1つである。復号器は、チップカウンタ680、符号化及び復号化のために使用される直交コードを含むRAM内に通常は格納されるコードブック682、並びに64個の出力アナログサンプル688の各サンプルの各復号化回路のブロック線図684を含む。64個のアナログサンプルの各グループは、11.25MHzにおけるLサイクルからの1サイクル毎に「有効」として出力される。復号化は特定回路線図と共に以下に更に詳細に説明される。
【0069】
図10は、図8からの収集器のブロック線図であり、図7からの中継バンク786のより詳細を示す。基本的に、個々の収集器は区分化された行バッファ内への直/並列変換を行う。収集器662-664の各々への示された入力は、11.25MHzの周波数における各復号器からの一組の64個アナログサンプル690-692である(示されないのは再構築バンク782である)。示されるように、各復号化間隔中、入力する64個の再構築されたサンプルの新しい組が収集器内に格納され、各収集器は復号化間隔毎に一回満たされる。各15復号化間隔後、各収集器からの960個の格納されたサンプル698は、示されるように、ディスプレイパネルの対応列へ配送される前にそれらの対応増幅器666-668内へ出力される。
【0070】
一特定実施形態では、図8のソースドライバの各々(例えば復号器658、収集器664及び増幅器668)は集積回路内に実装され、各このような集積回路は、図5に示すようにフレキシブルPCB584上に搭載され得る。
【0071】
(特定ディスプレイパネル実施形態)
第1の特定実施形態では、本発明は、特性(8K144分解能/フレーム速度;少なくとも10ビットの副画素色深度)を有するTFT LCDパネルフレームアセンブリなどの大面積ディスプレイパネル(LDP:large-area display panel)内で実施され得;、65”以上のディスプレイ内の使用に好適である。この実施形態では、SSVT送信器540は単一集積回路内に実装され、24個のソースドライバ586があり、各々は単一集積回路内に実装される。送信器540は、各々が最大780MspsのfSSVTを有する24個の配線対592(SSVT信号)を出力し、各ソースドライバの各入力は最大780MspsのfSSVTを有する単一SSVT信号配線対である。この実施形態の光学的特性(例えば色再生、輝度、コントラスト、応答時間)は従来LDPと同等である。
【0072】
第2の特定実施形態では、本発明は、8K240分解能/フレーム速度;少なくとも10ビットの副画素色深度の特性を有するLCDパネルフレームアセンブリなどの大面積ディスプレイパネル(LDP)内に実装され得;、65”以上のディスプレイ内の使用に好適である。この実施形態では、SSVT送信器540は単一集積回路内に実装され、それぞれが単一集積回路内に実装された24個のソースドライバ586が存在する。送信器540への入力はCEDS(クロック埋め込み差動シグナリング:clock-embedded differential signaling)を介し、送信器540は、それぞれ最大1,300MspsのfSSVTを有する24の配線対592(SSVT信号)を出力し;各ソースドライバの各入力は最大1,300MspsのfSSVTを有する単一SSVT信号配線対であり、各ソースドライバは960列を出力する。この実施形態の光学的特性(例えば色再生、輝度、コントラスト、応答時間)は従来のLDPと同等である。
【0073】
(SSVT送信器集積化実施形態)
以下は、GPUを有するSSVT送信器の様々なレベルの集積化について述べる様々な実施形態である。これらの実施形態は、ゲームプレイ、ホームシアター、小売店看板、屋外看板、公共ディスプレイ及びテレビなどの様々な使用ケースに関して上に論述された利点を提供する。下記のこれらの実施形態の各々では、SSVT信号がディスプレイユニットの外部で生成され、次に、映像データをディスプレイユニット内のディスプレイパネル上に表示するための当該ディスプレイユニットのソースドライバへ配送される。従来ディジタル映像輸送技術と比較して、これらの実施形態は、最大10倍の到達距離、100倍の雑音耐性を提供し、(集積化のレベルに依存して)より少ない電力を使用する。
【0074】
図11は、GPU・ツー・ザ・ガラスプラットホーム実施形態800を示し、ここでは、GPU・ツー・ザ・ガラスプラットホームは、現世代(又は「レガシー」)GPUIC804だけでなくSSVT送信器IC806も含むカスタムプリント回路基板802である。この実施形態では、SSVT送信器はGPU内に集積化されない。映像データは、ストレージ、カメラ、インターネットなど808から受信され、SSVT送信器806によりSSVT信号810へ変換され符号化される前にGPU804により処理される。次に、この信号は、任意の好適なEM経路(物理的配線、無線周波数又は光ファイバケーブル)を介しディスプレイユニット819へ運ばれ、ここで、信号はソースドライバ812-818の各々へ配送され、次に、上に説明されたように復号化され、ディスプレイパネル上に表示される。ディスプレイユニットは、上述のような任意の大きなフォーマット、高ダイナミックレンジ、高フレーム速度、高分解能ディスプレイを含み得る。このPCBレベル集積化実施形態は従来の技術と比較して20%少ない電力を使用する。
【0075】
図12はGPUツー・ザ・ガラスシステム・オン・モジュール(SoM:system-on-module)実施形態820を示し、ここでは、SoM822は現世代GPUIC824だけでなくSSVT送信器IC826も含み;これらのICは良品ダイ(KGD:known-good-die)であり得る。この実施形態では、SSVT送信器はGPU内に集積化されない。映像データは、ストレージ、カメラ、インターネットなど(828)から受信され、SSVT送信器826によりSSVT信号830に変換され符号化される前に、GPU824により処理される。次に、この信号は、任意の好適なEM経路(物理的配線、無線周波数又は光ファイバケーブル)を介しディスプレイユニット839へ運ばれ、ここで、信号はソースドライバ832-838の各々へ配送され、次に、上に説明されたように復号化され、ディスプレイパネル上に表示される。ディスプレイユニットは、上述のような任意の大きなフォーマット、高ダイナミックレンジ、高フレーム速度、高分解能ディスプレイを含み得る。この高レベル集積化実施形態は、従来の技術と比較して50%少ない電力を使用する。
【0076】
図13は強化型GPUツー・ザ・ガラス実施形態840を示し、ここでは、強化型GPU844がGPUダイ内に完全集積化SSVT送信器846を含む。映像データは、ストレージ、カメラ、インターネットなど848から受信され、SSVT送信器846によりSSVT信号850へ変換され符号化される前に、GPU844により処理される。次に、この信号は、任意の好適なEM経路(物理的配線、無線周波数又は光ファイバケーブル)を介しディスプレイユニット859へ運ばれ、ここで、信号はソースドライバ852-858の各々へ配送され、次に、上に説明されたように復号化され、ディスプレイパネル上に表示される。ディスプレイユニットは、上述のような任意の大きなフォーマット、高ダイナミックレンジ、高フレーム速度、高分解能ディスプレイを含み得る。この最高レベル集積化実施形態は、従来の技術と比較して60%少ない電力を使用する。更に、GPUは同じシリコン内へ集積化されたSSVT送信器を有する。従って、すべてのディジタル輸送が非常に短い距離内で発生しているので、単一チップ上の高データレートはそれほど重要ではない。
【0077】
(SSVT信号、符号化及び復号化)
先に述べたように、本発明の様々な実施形態は、他の利点の中でも「アナログSSVT信号が、ソースドライバ内のDACの必要性を省くために、映像情報をディスプレイユニット内へ(又はディスプレイユニットへ)輸送するために使用される」ということを開示する。以下に説明されるのは当該信号の符号化及び復号化のための技術である。
【0078】
本開示の目的のために、電磁気信号(EM信号)は、その振幅が時間の経過と共に変化する電磁エネルギーとして表される変数である。EM信号は、配線対(又はケーブル)、自由空間(又は無線)及び光又は導波管(ファイバ)などのEM経路を介し送信器端子から受信器端子へ伝播する。EM信号は、2次元(時間及び振幅)のうちの一方の次元において独立に連続的又は離散的であるとして特徴付けられ得る。「純粋アナログ」信号は連続時間及び連続振幅EM信号であり;「ディジタル」信号は離散時間及び離散振幅EM信号であり;、「サンプリングされたアナログ」信号は離散時間及び連続振幅EM信号である。本開示は、既存SSDS-CDMA信号を越える改善である「スペクトル拡散映像輸送」(SSVT:spread-spectrum video transport)信号と呼ばれる新規離散時間、連続振幅EM信号を開示する。SSVTは、改善された直接スペクトラム拡散方式(SSDS:spread-spectrum direct sequence)ベース変調を使用するEM経路又は経路上の電磁気信号の伝送を指す。
【0079】
符号分割多重アクセス方式(CDMA:Code Division Multiple Access)は、セル電話通信を含む無線通信技術のために一般的に使用される周知のチャネルアクセスプロトコルである。CDMAは、いくつかの異なる送信器が情報を単一通信路上で同時に送信し得る多重アクセスの一例である。電気通信アプリケーションでは、CDMAは、複数のユーザが他のユーザからの干渉無しに特定周波数帯を共有することを可能にする。CDMAは、各ユーザのデータを符号化するために一意的コードに依存する直接スペクトラム拡散方式(SSDS)符号化を採用する。一意的コードを使用して、複数のユーザの送信は、ユーザ間の干渉無しに組み合わされ、送信され得る。受信側では、同じ一意的コードは、各ユーザが送信を復調して各ユーザのデータをそれぞれ回復するために使用される。
【0080】
SSVT信号はCDMAとは異なる。入力映像(例えば)サンプルのストリームが符号化器において受信されると、これらは、SVTS信号を生成するために複数の符号化器入力ベクトルのそれぞれへSSDSベース変調を適用することにより符号化される。次に、SSVT信号は伝送媒体上で送信される。受信側では、入力SSVT信号は、符号化されたサンプルを再構築するために対応SSDSベース復調を適用することにより復号化される。この結果、色及び画素関連情報を含む時系列映像サンプルの元ストリームが、複数のユーザからのデータを複数の受信器へ配送するCDMAと異なり、単一映像ソースから単一映像シンクへ運ばれる。
【0081】
図14は、どのように信号サンプル(この場合はアナログ値)が符号化器内で符号化され、次に電磁気的経路上で送信されるかを示す単純例を示す。示されるのは、映像フレーム内の個々の画素の電圧を表すN個のアナログ値902-908の入力ベクトルである。これらの電圧は、白黒画像の輝度又は画素内の特定色値の光度(例えば画素のR、G又はB色値)を表し得る(すなわち、各値は指定色空間内の感知又は測定された量の光を表す)。画素電圧がこの例では使用されるが、この符号化技術は、センサからの多種多様な信号のうちの任意のもの(LIDAR値、音声値、触覚値、エアロゾル値、など)を表す電圧により使用され得、アナログ値は電流などの他のサンプルを表し得る。ディジタル値である信号サンプルも符号化され得、このディジタル符号化は以下で説明される。更に、たとえ1つの符号化器及び1つのEM経路が示されたとしても、本発明の一実施形態は、それぞれがEM経路上で送信する複数の符号化器と共にうまく働く。
【0082】
好適には、開始信号サンプル電圧は通常、SSVT信号内の符号化された電圧より高い。符号化後、電圧の範囲は通常、効率に関して0~1Vであるが、異なる範囲が可能である。低電圧は、消費されるより少ない電力を意味し、将来使用され得る。
【0083】
これらの電圧は通常、特定順番でフレームの行内の画素から採られるが、別の慣習が、これらの画素を選択し順序付けるために使用され得る。どの慣習が、これらの画素を選択するために、符号化のためにそれらを順序付けるために使用されるかに関わらず、当該の同じ慣習は、これらの電圧を同じ順番で復号化するために、それらが属する結果フレーム内にそれらを置くために、復号器により受信端において使用されることになる。同様に、フレームがカラーにおけるものであり、RGBを使用すれば、この符号化器における慣習は、R画素電圧のすべてが最初に符号化されることであり得、次にG及びB電圧又は慣習は、電圧902-906が当該行内の画素のRGB値である、及び、次の3つの電圧908-912が次の画素のRGB値を表すことであり得る。再び、電圧を順序付けて符号化するためにこの符号化器により使用される同じ慣習が、受信端において復号器により使用される。アナログ値902-908を順序付けるためのいかなる特定慣習(色値による、行による、等々にかかわらず)も、復号器が同じ慣習を使用する限り使用され得る。示されるように、任意数N個のアナログ値902-908が、コードブック920を使用して一度に符号化するために提示され得、コードブック内のエントリの数のみにより制限される。
【0084】
先に述べたように、コードブック920は任意数N個のコード932-938を有する;すなわちこの単純例ではコードブックは4つのコードを有し、このことは次のことを意味する:4つのアナログ値902-908が一度に符号化される。127個のコード、255個のコードなどの多くのコードが使用され得るが、回路複雑性などの実際的考慮に起因して、より少ないコードが使用されることが好ましい。当該技術領域において知られているように、コードブック920は、それぞれが長さLのN個の相互直交コードを含む;この例ではL=4。通常、各コードはSSDSコードであるが、必ずしも本明細書に論述された拡散コードである必要はない。示されるように、各コードはL時間間隔(「チップ」とも呼ばれる)へ分割され、各時間間隔は当該コードの2進値を含む。コード表現942に示されるように、コード934は伝統的2進形式”1100”で表され得るが、同コードはまた、以下に説明されるように、値を変調する際の使い易さのためにコード表現944に示すように”11-1-1”として表れ得る。コード932及び936-938もまた、コード942で又は944で表され得る。長さLの各コードは、CDMAにおいて行われるように、異なるコンピューティングデバイス(電話など)、異なる人、又は異なる送信器に関連付けられないということに留意されたい。
【0085】
従って、4つのアナログ値902-908を伝送媒体34上で受信器(対応復号器を有する)へ送信するために、以下の技術が使用される。各アナログ値は、その対応コードの表現944内の各チップにより変調されることになる;例えば値902(すなわち.3)はコード932の表現944内の各チップにより順次変調される(948)。変調948は乗算演算子であり得る。従って、コード932により.3を変調することで系列”.3,3,3,3”を生じる。コード934により.7を変調することで”.7,7,-.7,-.7”となる;値”0”は”0,0,0,0”となり;、値”1”は”1,-1,1,-1”となる。通常、各コードの第1のチップはその対応アナログ値を変調し、次に、各コードの次のチップはそのアナログ値を変調するが、一実装形態はまた、次のアナログ値へ移る前にそのコードのすべてのチップにより特定アナログ値を変調し得る。
【0086】
時間間隔毎に、変調されたアナログ値は、アナログ出力レベル952-958を取得するために951(この図では垂直方向に知覚される)において合計される;例えば、これらの時間間隔の変調値の合計は2,0,6,-1.4の出力レベルを生じる。これらのアナログ出力レベル952-958は、伝送線路の電圧制約に整合するように更に正規化又は増幅され得、次に、伝送媒体34の電磁気的経路(差動撚線対など)上で当該順に生成されると順次送信され得る。次に、受信器は、それらの出力レベル952-958を当該順に受信し、次に、ここに示された符号化方式の逆を使用して同じコードブック920を使用してそれらを復号化する。次に、結果画素電圧902-908は、使用される慣習に従って受信端においてディスプレイのフレーム内に表示され得る。従って、アナログ値902-908は、効果的に同期的に符号化され、一連のL個のアナログ出力レベル952-958で単一電磁気的経路上で送信される。無数の符号化器及び電磁気的経路がまた、本明細書において示され、説明されたように使用され得る。更に、このやり方で符号化され得るNサンプルの数は、コードブックにおいて使用される直交符号の数に依存する。
【0087】
有利には、頑強なSSDS技術(拡散コードなど)の使用が帯域幅の著しい低下を生じたとしても、相互直交コードの使用、その対応コードのチップによる各サンプルの変調、合計、及びL個の出力レベルを使用することによる並列でのNサンプルの送信は著しい帯域幅利得を生じる。2進数が連続的に符号化され次に合計される伝統的CDMA技術とは対照的に、本発明は、対応コード内の各チップにより全サンプル(すなわち単一ビットではなく全アナログ又はディジタル値)を最初に変調し、次に、各特定時間間隔の結果アナログ電圧レベルを取得するためにコードの各時間間隔においてそれらの変調を合計し、こうして結果波形の振幅を活用する。伝送媒体上で送信されるのはこれらのアナログ出力レベルであり、2進数の表現ではない。更に、本発明は、様々な人々、様々なデバイス、又は様々なソースによる複数回アクセスを可能にし複数のシンクへ送信するCDMA技術と異なり、1つの映像ソースからの別の映像シンクへ、すなわち終点から終点へアナログ電圧を送信することを容易にする。更に、サンプル値の輸送のための圧縮は必要とされない。
【0088】
図15は、ディジタル値である信号サンプルへ適用可能である、この新規符号化技術を示す。ここでディジタル値902’-908’は電圧のディジタル表現である。電圧の様々な例を使用して、値902’は「1101」であり、値904’は「0011」であり、値906’は「0001」であり、値908’は「1000」である。各ディジタル値は、各コードの表現944により(すなわち、変調されるディジタル値に対応するコードのチップに依存して「1」又は「-1」により)変調される(ディジタル的に乗算される)。各コードの最初の時間間隔940だけを考慮し、符号ビットである最上位ビット(MSB)を加算すると、「1101」の変調は「01101」(MSB「0」は正値を意味する)を生じ、「0011」の変調は「00011」を生じ、「0001」の変調は「00001」を生じ、「1000」の変調は「01000」を生じる。これらの変調値は最初の時間間隔上に示され注釈される。(示さないが、-1チップにより変調することは、負値の好適な2進法表現を使用して2進で表現され得る負値を生じる)。
【0089】
ディジタル的に合計することにより、最初の時間間隔内のこれらの変調値はディジタル値952’「011001」を生じる(再び、MSBは符号ビットである);他のディジタル値954’-958’はこの例では示されないが同じやり方で計算される。ベース10内のこの合計を考慮すると、我々は、変調値13、3、1及び8が25に合計されることを検証し得る。この例では示されなかいが、通常、追加MSBが、合計が6ビット以上を必要とし得るという点で結果レベル952’-958’のために利用可能となる。例えば、値902’-908’が4ビットを使用して表されるならば、レベル952’-958’は、64個のコードが存在する(64ビットのlog2を加える)ケースでは最大10ビットを使用して表され得る。又は、32個の変調値が合計されるならば、更に5つのビットが加えられる。出力レベルのために必要とされるビットの数はコードの数に依存する。
【0090】
出力レベル950’は、DACの入力要件に適応するように最初に正規化され得、次に、各ディジタル値をEM経路上の伝送のためのその対応アナログ値へ変換するために、DAC959へ順次供給され得る。DAC959は、MAX5857 RF DAC(クロック逓倍PLL/VCO及び14ビットRF DACコアを含み、複雑な経路はRF DACコアに直接アクセスするためにバイパスされ得る)であり得、示されない帯域フィルタ、次に利得可変増幅器(VGA)が続き得る。いくつかの状況では、レベル950’において使用されるビットの数はDAC959により許容される数より大きく、例えば、レベル952’は10ビットにより表されるが、DAC959は8ビットDACである。これらの状況では、適切な数のLSBが廃棄され、残りのMSBはDACにより処理され、ディスプレイにおける結果画像の視覚的品質の損失はない。
【0091】
有利には、全ディジタル値が変調され、次にこれらの全変調ディジタル値は、変換及び送信のためのディジタル出力レベルを生成するためにディジタル的に合計される。この技術は、ディジタル値の各2進数を変調し、次にこれらに変調されたビットを合計して出力を生成するCDMAとは異なる。例えば、各ディジタル値内にBビットがあると仮定すると、CDMAでは、送信するべき合計B×L出力レベルがあることになる一方で、この新規ディジタル(又はアナログ)符号化技術では、送信するべき合計L出力レベルだけがあることになり、従って利点を有する。
【0092】
図16は、図14の符号化器を使用して符号化されたアナログ入力レベルの復号化を示す。示されるように、L個の入力レベル950が、伝送媒体34の単一電磁気的経路上で受信された。本明細書において説明され、先に注意したように、コードブック920は、入力レベル950を復号化してN個のアナログ値902-908、すなわち、上述のように符号化された同じアナログ値902-908の出力ベクトルを生成するために使用される、N個の直交コード932-938を含む。復号化を行うために、垂直矢印により指示されるように、各入力レベル952-958は、出力ベクトル902-908内の特定指標に対応する各コードの各チップにより変調される(961)。第1のコード932によるレベル952-958の変調を考慮すると、このような変調は変調値の系列”2,0,6,-1.4”を生成する。第2のコード934によるレベル952-958の変調は変調値”2,0,-.6,1.4”の系列を生成する。第3のコード936による変調は”2,0,-.6,-1.4”を生成し、第4のコード938による変調は”2,0,6,1.4”を生成する。
【0093】
次に、水平矢印により指示されるように、各系列の変調値はアナログ値902-908のうちの1つを生成するために合計される。例えば、第1の系列はアナログ値”1.2”(”4”のスケール係数を使用して正規化された後に”.3”になる)を生成するために合計される。同様なやり方で、他の3つの系列の変調値は、アナログ値”2.8”、”0”及び”4”を生成するために合計され、正規化された後に、アナログ値902-908の出力ベクトルを生じる。各コードは入力レベルを変調し得、次に、当該系列は合計され得る、又は、すべてのコードは、各系列が合計される前に入力レベルを変調し得る。従って、N個のアナログ値902-908の出力ベクトルはL個の出力レベルを使用して並列に輸送された。
【0094】
これらの例においては、復号化ディジタル入力レベルの例は示されていないが、当業者は、上記説明内のディジタル値の符号化を読むことにより、このような復号化を行うことが単純且つ明瞭であると分かるであろう。
【0095】
図17A、17B及び17Cは、符号化器及び復号器がアナログサンプル又はディジタルサンプルのいずれかに作用し得るということを示す。様々なアナログ及びディジタル符号化器並びに復号器は、上記ですでに説明された。上に説明したように、場合に応じて、2つ以上のEM経路と、従って2つ以上の符号化器/復号器対と、対応する数のDAC又はADCとが存在し得る。
【0096】
図17Aは、アナログ符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。アナログ符号化器900への入力は、アナログ符号化器において配置されたDAC972によりアナログへ変換されたアナログサンプル970又はディジタルサンプル971のいずれかである。このやり方で、アナログ符号化器に到着するアナログ又はディジタルサンプルのいずれかは伝送媒体34上の電磁気的経路上の送信のために符号化され得る。アナログ復号器900’は、出力のためのアナログサンプル970を生成するために、符号化されたアナログサンプルを復号化する。アナログサンプル970はそのまま使用されてもよいし、ADC(示されない)を使用してディジタルサンプルへ変換されてもよい。
【0097】
図17Bは、ディジタル符号化器及び対応アナログ復号器の使用を示す。ディジタル符号化器901への入力は、ディジタル符号化器において配置されたADC973によりディジタルへ変換されたディジタルサンプル971又はアナログサンプル970のいずれかである。符号化器はディジタルであるので、符号化器において配置されたDAC959は、電磁気的経路上での送信の前に、符号化されたサンプルをアナログへ変換する。このやり方で、ディジタル符号化器に到着するアナログ又はディジタルサンプルのいずれかは伝送媒体34上の電磁気的経路上の送信のために符号化され得る。アナログ復号器900’は、出力のためのアナログサンプル970を生成するために、符号化されたアナログサンプルを復号化する。アナログサンプル970はそのまま使用されてもよいし、ADC(示されない)を使用することディジタルサンプルへ変換されてもよい。
【0098】
図17Cは、伝送媒体34上の電磁気的経路上で到達した符号化アナログ信号を復号化するためのディジタル復号器の使用を示す。符号化されたアナログ信号は、すぐ上で説明されたアナログ符号化器又はディジタル符号化器のいずれかを使用して送信される。ディジタル復号器976において配置されたADC974は、電磁気的経路を介し送信された符号化済みアナログサンプルを受信し、このサンプルをディジタルへ変換する。次に、これらの符号化済みディジタルサンプルはディジタル復号器976によりディジタルサンプル978内へ復号化される(電磁気的経路上の送信の前に元々符号化されたサンプルの入力ベクトルの値に対応する)。ディジタルサンプル978は、そのまま使用されてもよいし、DACを使用してアナログサンプルへ変換されてもよい。
【0099】
図18は、アナログ符号化器から出力された後の(又はディジタル的に符号化され、次にDACにより変換された後の)電磁気的経路を介し送信されたSSVT波形602のシミュレーション(理想化されたオシロスコープトレースに似た)を示す。縦軸は電圧であり、横軸は100psオシロスコープ測定時間間隔である。SSVT信号602は、ディジタル信号よりむしろアナログ波形であり(すなわち、信号は2進数を表さない)、この実施形態では、約-15V~約+15Vの電圧の範囲を輸送し得るということに留意されたい。アナログ波形の電圧値は十分にアナログである(又は少なくともそうであり得る)。また、電圧は或る最大値に制限されないが、高い値は非実用的である。
【0100】
前に説明したように、アナログ電圧レベルは電磁気的経路上で連続して送信され、各レベル(DACを通された後の上記アナログ出力レベル952-958又は上記ディジタル出力レベル952’-958’)は時間間隔毎に変調されたサンプルの合計である。送信される際、これらの出力レベルは波形602などの波形として現れる。特に、電圧レベル980は、変調されたサンプルの特定時間間隔内の合計(すなわち出力レベル)を表す。単純例を使用して、一連の電圧レベル980-986は4つの出力レベルの送信を表す。この例では、32個のコードが使用され、このことは32個のサンプルが並列で送信され得るということを意味し;従って、電圧レベル980-986(コードL内のチップの数に依存する多くのその後の電圧レベルが続く)は、32個の符号化されたサンプル(映像ソースからの画素電圧など)の並列の送信を形成する。当該送信後、波形602の次の組のL個の電圧レベルは次の32個のサンプルの送信を表す。一般的に、波形602は、コンポジットアナログ波形を形成するためのアナログ又はディジタル値のアナログ出力レベルへの符号化並びに離散時間間隔内のそれらのレベルの送信を表す。
【0101】
減衰としてのこのような現象、インピーダンス不整合に起因する反射、及び侵害する侵略者信号に起因して、あらゆる電磁気的経路は、それを介し伝播する電磁気信号を劣化させ、従って、受信端子における入力レベルの採取された測定結果は常に、送信端末において利用可能にされた対応出力レベルに関するエラーに晒される。従って、受信器における入力レベルのスケーリング(又は送信器における出力レベルの正規化又は増幅)が、当該技術領域において知られているように、補正するために行われ得る。更に、プロセス利得に起因して(すなわちまた電気的弾性エネルギーも増加させるLの増加に起因して)、復号器における復号化された入力レベルは、当該技術領域において知られているように、送信された出力レベルを回復するためにコード長を使用してスケール係数により正規化される。
【0102】
(復号器詳細実施形態)
図19は4つの復号器780のうちの1つの論理図である。復号器780は、伝送媒体上で受信された4つの差動EMレベル信号のうちの1つを受信し、サンプル&ホールドするように配置された差動増幅器1092及びサンプル&ホールド回路1094を含む。入力EMレベル信号を受信し、サンプル&ホールドするように配置された他のタイプの回路(受信器)もまた使用され得る。次に、サンプリングされたEMレベル信号はN個の復号器トラック回路1096(Nn-1~N)の各々へ提供される。シーケンサーコントローラ1098は、送信側でそれぞれ適用された同じSSDSチップをN個の復号器トラック回路1096の各々へ提供する。この結果、サンプル出力(Nn-1~N)は再構築バンク782へ提供される。送信側で使用されたのと同じSSDSチップが復号器トラック回路1096の各々により使用されるので、復調されたサンプルNn-1~Nは送信側の変調の前のものと同じである。
【0103】
復号器780の各々の復号器のコントローラ1098もまた、ストローブ信号、エンドオブバンク(EOB)信号、アパーチャ信号及びフレーミング信号を含む多くの制御信号を生成する。EOB信号は、再構築バンク782へ提供され、中継バンク786がサンプルにより完全に一杯になるタイミングを表す。これが発生すると、EOB信号がアサートされ、次の組の再構築されたサンプル(Nn-1~N)を予想して、復号器トラック1096及び中継バンク786の両方をクリアする。アパーチャ制御信号はサンプル&ホールド回路1094へ提供され、フレーミング信号は、チャネルアライナ787へ、また中継コントローラ789へ提供される。
【0104】
図20を参照すると、代表的符号化器トラック回路1096の線図が示される。復号器トラック回路1096は乗算器部及び累算器部を含む。乗算器部は、第1の対のスイッチS1-S1、第2の対のスイッチS2-S2、第3の対のスイッチS3-S3、及び第1の(正)及び第2の(負)電源レール上の1対のキャパシタC1-C1を含む。累算器部は、追加対のトランジスタS4-S4、S5-S5、S6-S6及びS7-S7、演算増幅器、並びに第1の(正)及び第2の(負)電源レール上の1対のキャパシタCF-CFをそれぞれ含む。
【0105】
復調サイクル毎に、差動EMレベル信号対が第1のレベル入力(レベル+)端子及び第2のレベル入力(レベル-)端子において受信される。差動EMレベル信号対は、受信SSDSチップの値に依存して正(1)又は負(-1)のいずれかにより乗算することによる条件付き反転により乗算器部内で復調される。
【0106】
SSDSチップが(+1)の値を有すれば、clk1が活性状態であるときトランジスタ対S1-S1及びS3-S3は閉じ一方S2-S2は開いたままである。この結果、第1のレベル入力(レベル+)端子及び第2のレベル入力(レベル-)端子における電圧値が、渡され、正負のレール上の2つのキャパシタC1及びC1によりそれぞれ格納される。換言すれば、入力値は(+1)により乗算され、反転は発生しない。
【0107】
SSDSチップが-1の値を有すれば、S1-S1スイッチは両方ともオフである一方で、スイッチS2-S2及びS3-S3はclk1が活性状態になるとすべてオンにされる。この結果、正又は第1の(+)端子及び負又は第2の(-)端子において受信された電圧値はスワップされる。換言すれば、第1又は正端子において提供された入力電圧値はより低い負レール上のキャパシタC1へ導かれ、その上に格納される一方で、第2又は(-)端子上に提供された電圧値は正の上側レール上のキャパシタC1へ切り替えられ、その上に格納される。従って、入力端子における受信電圧値は反転されるすなわち(-1)により乗算される。
【0108】
clk1が不活性状態に移行すると、C1及びC1上の蓄積された電荷は残ったままである。clk2が活性状態へ移行すると、トランジスタ対S4-S4が開く一方でトランジスタ対S5-S5及びS6-S6は閉じる。次に、下側又は負のレール上のキャパシタC1及び上側又は正のレール上のC1上の蓄積された電荷は演算増幅器の差動入力へ提供される。演算増幅器の出力は、送信側の符号化に先立って元の+/-サンプル対である。
【0109】
2つのキャパシタC1及びC1上の蓄積された電荷もまた、Clk2が活性状態であると、上側又は正のレール上のキャパシタCF及び下側又は負のレール上のキャパシタCFへ渡される。各復調サイクルにより、上側上のキャパシタC1及び下側レール上のキャパシタC1上の電荷は、上側及び下側レール上の2つのキャパシタCF及びCF上へそれぞれ蓄積される。clk1及びEOB信号が両方とも活性状態になると、トランジスタ対S7-S7は両方とも閉じられ、キャパシタCF及びCFの各々のキャパシタのプレート同士を短絡する。この結果、蓄積された電荷は除去され、2つのキャパシタCF及びCFはリセットされ、次の復調サイクルのための準備状態になる。
【0110】
各復号器780はN個の復号器トラック回路1096を有するので、N個の復号化された又は元の+/-サンプル対は復調サイクル毎に再生成される。次にこれらのN個の+/-サンプル対は再構築バンク782へ、次に中継バンク786へ提供される。この結果、元の組のサンプルはその元の色コンテンツ情報(例えばRGBに関してS=3)により再生成される。
【0111】
復号器トラック1096は、一連のLサイクルにわたって入力レベルサンプルを再構築し、当該トラックのコードの逐次SSDSチップにより各逐次入力レベルを復調する。L個の復調の各復調の結果はフィードバックキャパシタCF上に蓄積される。EOBが復号化サイクルの第1の復調サイクルに対応するclk1中にアサートされると、CFは、零ボルト又は或る他のリセット電圧から再び蓄積することを始めるように、EOB後にクリアされる。様々な非排他的実施形態では、Lの値は所定パラメータである。一般的に、パラメータLが高ければ高いほどSSDSプロセス利得は大きくなり、伝送媒体上のSSVT信号の送信の電気的弾力性より良くなる。他方で、パラメータLが高ければ高いほどSSVT変調の適用のための必要周波数は高くなり、伝送媒体により引き起こされる挿入損に起因して信号品質を落とし得る。
【0112】
上記復調サイクルは、復号器の各々により何度も何度も繰り返される。最終結果は、各々がそれらの元のカラーコンテンツ情報を有する元の時系列組のサンプル(すなわち、一組のSサンプル)の回復である。
【0113】
前述の発明は理解の明瞭さの目的のためにかなり詳細に説明されたが、幾つかの変形及び修正形態が添付の特許請求の範囲内で実行され得るということが明白になる。従って、説明された実施形態は、例示的であるが制約的ではないと捉えられるべきであり、本発明は本明細書に記載された詳細に制限されるべきでなく、以下の特許請求項及びそれらの等価物の完全な範囲により定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲートドライバと複数のソースドライバとを含むディスプレイパネルを含む映像ディスプレイユニットであって、
前記ソースドライバの各々は、前記各ソースドライバの出力上の出力のための複数のサンプルを生成するために、伝送媒体上の映像ストリームを表す順序系列のアナログレベルを受信するように配置され、
これにより、前記映像ストリームは前記ディスプレイユニットの前記ディスプレイパネル上に表示される、映像ディスプレイユニット。
【請求項2】
前記複数のサンプルを生成するように前記順序系列のアナログレベルを相互直交コードの所定コード組を参照して復号化する、前記ソースドライバの各々の復号器を更に含み、前記コード組は単位行列である、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項3】
前記複数のサンプルを生成するように前記順序系列のアナログレベルを相互直交コードの所定コード組を参照して復号化する、前記ソースドライバの各々の復号器を更に含む請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項4】
ディジタル表現の前記映像ストリームを受信し、前記ソースドライバへの配送のための前記順序系列のアナログレベルに前記映像ストリームを変換する映像信号送信器を更に含む請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項5】
外部ディスプレイコントローラから前記順序系列のアナログレベルを受信する入力ポートを更に含む請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項6】
前記ソースドライバの各々が、ディジタル画素データをアナログ画素データへ変換する目的のためのD/A変換器を含まない、請求項1に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項7】
電磁気的経路から複数の順序系列のアナログ入力値を受信するために配置された受信器と、
各順序系列のアナログ入力値をアナログサンプルの出力ベクトルに収集するように配置されたバッファであって、当該バッファからアナログサンプルの前記出力ベクトルを並列に出力するように配置されたバッファと、
前記出力ベクトルの前記アナログサンプルを増幅するように、及び、前記アナログサンプルの各々をディスプレイパネルの列へ出力するように配置された複数の増幅器と
を含むソースドライバ。
【請求項8】
各系列のL個のアナログ入力値を、各々が長さLのN個の相互直交コードの所定コード組を参照してN個のアナログサンプルの出力ベクトルへ復号化する復号器であって、前記N個のコードの各々が前記サンプルのうちの1つに関連付けられ、L=N≧2である、復号器を更に含み、前記コード組は単位行列である、請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項9】
前記系列のL個のアナログ入力値の各々を、各々が長さLのN個の相互直交コードの所定コード組を参照してN個のアナログサンプルの出力ベクトルへ復号化する復号器であって、前記N個のコードの各々が前記サンプルのうちの1つに関連付けられ、L≧N≧2である、復号器を更に含む請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項10】
前記複数の順序系列のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニット内の送信器から受信される、請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項11】
前記複数の順序系列のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニットの外部の送信器から受信される、請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項12】
前記ソースドライバが、ディジタル画素データをアナログ画素データへ変換する目的のためのD/A変換器(DAC)を含まない、請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項13】
複数のゲートドライバと複数のソースドライバとを含むディスプレイパネルを含む映像ディスプレイユニットであって、
前記ソースドライバの各々は、伝送媒体上の映像ストリームを表す順序系列のアナログレベルを受信するように、及び、前記各ソースドライバの出力上の出力のための複数のサンプルを生成するために復調を使用して前記アナログレベルを復号化するように配置され、
これにより、前記映像ストリームは前記ディスプレイユニットの前記ディスプレイパネル上に表示される、映像ディスプレイユニット。
【請求項14】
ディジタル表現の前記映像ストリームを受信し、前記ソースドライバの各々への配送のための前記順序系列のアナログレベルへの変調を使用して前記映像ストリームを符号化する、映像信号送信器
を更に含む請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項15】
外部ディスプレイコントローラから前記順序系列のアナログレベルを受信する入力ポート
を更に含む請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項16】
前記ソースドライバの各々が、ディジタル画素データをアナログ画素データへ変換する目的のためのD/A変換器を含まない、請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項17】
前記ソースドライバの各々が複数の復号器を含み、電磁気的経路の数に等しい数の復号器が、前記アナログレベルを前記伝送媒体上で前記各ソースドライバへ送信するために使用される、請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項18】
前記映像信号送信器が、映像プロセッサとは別個の集積回路内に実装される、請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項19】
前記映像信号送信器は映像プロセッサと併せてシステム・オン・モジュールとして実装される、請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項20】
前記映像信号送信器は映像プロセッサ内に集積化される、請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項21】
前記ソースドライバの少なくとも1つは、前記ゲートドライバと前記各ソースドライバの前記出力とを同期させるために、前記アナログ信号からゲートドライバ制御信号を抽出するように、及び前記ゲートドライバ制御信号を前記複数のゲートドライバへ出力するように配置される、請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項22】
前記ソースドライバの各々が、
前記系列のアナログレベルの各々を、各々が長さLのN個の相互直交コードの所定コード組を参照してN個のアナログサンプルの出力ベクトルへ復号化する復号器であって、前記N個のコードの各々が前記サンプルのうちの1つに関連付けられ、前記系列の各々がL個のアナログレベルを有し、L≧N≧2である、復号器と、
前記復号器からN個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを収集するように、及び、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを並列に出力するように配置されたバッファと、
前記出力ベクトルの前記アナログサンプルを増幅するように、及び、前記アナログサンプルの各々をディスプレイパネルの列へ出力するように配置された複数の増幅器を含む、請求項13に記載の映像ディスプレイユニット。
【請求項23】
電磁気的経路から複数の順序系列のL個のアナログ入力値を受信するために配置された受信器と、
前記系列のL個のアナログ入力値の各々を、各々が長さLのN個の相互直交コードの所定コード組を参照してN個のアナログサンプルの出力ベクトルへ復号化する復号器であって、前記N個のコードの各々が前記サンプルのうちの1つに関連付けられ、L≧N≧2である、復号器と、
前記復号器からN個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを収集するように、及び、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを並列に出力するように配置されたバッファと、
前記出力ベクトルの前記アナログサンプルを増幅するように、及び、前記アナログサンプルの各々をディスプレイパネルの列へ出力するように配置された複数の増幅器と
を含むソースドライバ。
【請求項24】
前記所定コード組が、前記順序系列のL個のアナログ入力値を符号化するために使用されたコード組と同じである、請求項23に記載のソースドライバ。
【請求項25】
前記複数の順序系列のL個のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニット内の送信器から受信される、請求項23に記載のソースドライバ。
【請求項26】
前記複数の順序系列のL個のアナログ入力値が、前記ディスプレイパネルを含むディスプレイユニットの外部の送信器から受信される、請求項23に記載のソースドライバ。
【請求項27】
前記ソースドライバが、ディジタル画素データをアナログ画素データへ変換する目的のためのD/A変換器(DAC)を含まない、請求項23に記載のソースドライバ。
【請求項28】
前記ディスプレイパネルがC個の列を含み、前記順序系列のL個のアナログ入力値が周波数freq(SSVT)で連続的に受信され、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルの各々が、周波数freq(sample)=freq(SSVT)/Nで前記復号器から出力され、前記バッファが、N個のアナログサンプルの前記出力ベクトルを周波数freq(line)=freq(sample)×N/Cで並列に出力する、請求項23に記載のソースドライバ。
【請求項29】
前記N個のコードの各々がインデックス付けされ、前記ソースドライバが更に、
一組のN個の2入力相関器であって、各相関器は前記出力ベクトルのN個の場所のうちの1つに関連付けられ、各相関器は、1つの入力として前記順序系列のL入力値内の値を、及び、もう1つの入力としてN個の場所のうちの前記1つに関連付けられた前記コード内の対応値を有する、2入力相関器と、
一組のN個の2入力加算回路であって、各加算回路はN個の場所のうちの前記1つに関連付けられ、各2入力加算回路は、1つの入力として対応する2入力相関器の前記出力を、及び、もう1つの入力として対応する出力ベクトルの場所のコンテンツを有する、一組のN個の2入力加算回路と
を含む、請求項23に記載のソースドライバ。
【請求項30】
前記順序系列のL個のアナログ入力値が、前記受信器において連続的に受信され、N個のアナログサンプルの前記各出力ベクトルが、前記復号器から並列に出力される、請求項23に記載のソースドライバ。

【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
P個の復号器780(0~P-1とラベル付けされた)が差動EMレベル信号Level0~LevelP-1(702-704)をそれぞれ受信するために配置される。それに応答して、復号器780の各々は、再構築されたサンプル(サンプル0~サンプルN-1)のN個の差動対を生成する。4つの復号器780(P=4)が存在するケースでは、4つのベクトルV0、V1、V2及びV3がそれぞれ構築される。サンプルの数Nは、早期符号化のために使用される直交コードの数に正確に等しい。すなわち、使用されるN個の直交コード(コードブックからのN個のコードを意味する)が存在する。好ましくは、コード組は単位行列である。

【国際調査報告】