(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】サスペンションシステム
(51)【国際特許分類】
B60G 3/18 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B60G3/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514041
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022042241
(87)【国際公開番号】W WO2023034439
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524078055
【氏名又は名称】サスペンション システムズ テクノロジーズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ウォレス ジョンソン
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA48
3D301AA74
3D301DA14
3D301DA60
(57)【要約】
空間節約型サスペンション装置であって、粗動サスペンションデバイスと、機械アセンブリと、基部フレーム又は被支持フレームのいずれかの力及び/又は変位が、基部フレーム及び被支持フレームのうちの他方の反対に方向付けられた力及び/又は変位をもたらすように、被支持フレームを中立高さで基部フレームに結合する、微動サスペンションデバイスと、を備える、空間節約型サスペンション装置。いくつかの実施形態では、中立高さは調節可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載物を支持するためのサスペンション装置であって、前記サスペンション装置は、
基部フレームと、前記基部フレームに結合された被支持フレームと、を備え、前記被支持フレームは、積載物荷重を有する積載物が前記被支持フレーム上に配置されるときに、前記基部フレームを上回る中立高さで垂直に配置されるように構成されており、前記サスペンション装置は、前記被支持フレームと前記基部フレームとの間の最小高さから最大高さまでの略垂直方向における相対変位を支持するように構成されており、前記中立高さは、前記最小高さと前記最大高さとの間にあり、前記被支持フレームは
シザーリンク機構であって、前記シザーリンク機構は、中心枢軸を中心にともに枢動可能に結合された2つの交差シザーアームを備え、前記2つの交差シザーアームの各々は、前記基部フレームから前記被支持フレームまで延在し、各アームは、前記被支持フレーム及び前記基部フレームが互いに近づく及び/又は遠ざかるように移動するときに、他方のアームに対して自由に回転する、シザーリンク機構と、
前記基部フレームを前記被支持フレームに結合する粗動サスペンションデバイスであって、前記粗動サスペンションデバイスは、前記略垂直方向における前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の相対変位に対抗するように構成され、前記粗動サスペンションデバイスは、前記シザーリンク機構に直接結合されておらず、前記粗動サスペンションデバイスは、前記積載物を前記中立高さで支持するように調整可能である、粗動サスペンションデバイスと、
前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の前記略垂直方向における相対変位を略水平変位に変換するように構成された機械アセンブリと、
前記機械アセンブリからの前記水平変位に対して減衰を提供するように、前記機械アセンブリに動作可能に結合された微動サスペンションデバイスであって、前記機械アセンブリ及び前記微動サスペンションデバイスは、前記基部フレームを前記被支持フレームに結合し、前記機械アセンブリ及び前記微動サスペンションデバイスは、前記シザーリンク機構に直接結合されていない、微動サスペンションデバイスと、を介して、前記基部フレームに結合されており、
前記略垂直方向において、前記基部フレーム及び前記被支持フレームのうちの一方に印加される力は、前記基部フレーム及び前記被支持フレームのうちの他方に略反対の力を印加させる、サスペンション装置。
【請求項2】
前記粗動サスペンションデバイスは、前記基部フレーム及び前記被支持フレームに直接結合されている、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項3】
前記粗動サスペンションデバイスは、1つ以上の空気ばね又は機械ばねを備える、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項4】
前記粗動サスペンションデバイスは、前記積載物荷重及び前記中立高さに基づいて、異なる空気圧に調整されるように構成された1つ以上の空気ばねを備える、請求項3に記載のサスペンション装置。
【請求項5】
前記粗動サスペンションデバイスは、1つ以上のブロックを更に備える、請求項3に記載のサスペンション装置。
【請求項6】
前記1つ以上のブロックは、前記積載物を前記中立高さで支持するように、前記粗動サスペンションデバイスを調整することを容易にするように構成されている、請求項5に記載のサスペンション装置。
【請求項7】
前記中立高さは、前記最小高さよりも前記最大高さに近い、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項8】
前記中立高さは、前記最大高さよりも前記最小高さに近い、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項9】
前記微動サスペンションデバイス及び前記機械アセンブリによって提供される前記減衰は、(a)前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の垂直距離、及び(b)前記機械アセンブリからの前記略水平変位の速度、の両方の関数として変動する、請求項8に記載のサスペンション装置。
【請求項10】
前記微動サスペンションデバイス及び前記機械アセンブリによって提供される前記減衰は、前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の前記垂直距離が、前記中立高さを上回って増加し、かつ前記中立高さを下回って減少する際に増加する、請求項9に記載のサスペンション装置。
【請求項11】
前記微動サスペンションデバイス及び前記機械アセンブリによって提供される前記減衰は、前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の前記垂直距離が、前記中立高さに等しくない最小減衰高さを上回って増加し、かつ前記中立高さに等しくない最小減衰高さを下回って減少する際に増加する、請求項9に記載のサスペンション装置。
【請求項12】
前記微動サスペンションデバイス及び前記機械アセンブリによって提供される前記減衰は、前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の前記垂直距離が前記中立高さを所与の量Xだけ上回って増加するときよりも、前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の前記垂直距離が前記中立高さを所与の量Xだけ下回って減少する際に大きい、請求項10に記載のサスペンション装置。
【請求項13】
前記中立高さは、前記最小高さから前記最大高さまでの走行距離の20%~45%である、請求項8に記載のサスペンション装置。
【請求項14】
前記中立高さは、前記最小高さから前記最大高さまでの走行距離の55%~80%である、請求項8に記載のサスペンション装置。
【請求項15】
前記機械アセンブリは、
2アーム垂直リンク機構であって、
上部リンクアームと、
前記上部リンクアームに枢動可能に結合された下部リンクアームと、を備える、2アーム垂直リンク機構と、
第1の端部及び第2の端部を有するレバーアームであって、前記レバーアームの前記第1の端部は、前記2アーム垂直リンク機構の端部に結合されており、前記第2の端部は、前記微動サスペンションデバイスに結合されるように構成されている、レバーアームと、を備える、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項16】
前記レバーアームの前記第1の端部は、略垂直方向における、前記被支持フレームと前記基部フレームとの間の相対変位によって引き起こされる前記2アーム垂直リンク機構の移動に応答して、略水平軸を中心に回転するように構成されている、請求項15に記載のサスペンション装置。
【請求項17】
前記レバーアームは、前記レバーアームが前記略水平軸を中心に回転する間、前記レバーアームに結合された前記2アーム垂直リンク機構の前記端部との角度関係を維持するように構成されている、請求項16に記載のサスペンション装置。
【請求項18】
前記レバーアームと前記2アーム垂直リンク機構の前記端部との間に維持される前記角度関係は、15~165度の角度を含む、請求項17に記載のサスペンション装置。
【請求項19】
前記レバーアームと前記2アーム垂直リンク機構の前記端部との間に維持される前記角度関係は、30~90度の角度を含む、請求項18に記載のサスペンション装置。
【請求項20】
前記レバーアームと前記2アーム垂直リンク機構の前記端部との間の角度は、およそ60度である、請求項19に記載のサスペンション装置。
【請求項21】
前記シザーリンク機構が前記粗動サスペンションデバイス及び前記微動サスペンションデバイスに直接結合されていないことは、前記サスペンション装置の摩擦の低減をもたらす、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項22】
前記略垂直方向における前記基部フレームの変位は、前記基部フレームとは略反対方向における前記被支持フレームの変位を引き起こす、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項23】
前記基部フレームの前記変位によって引き起こされる前記被支持フレームの前記変位は、前記基部フレームの前記変位におよそ等しい、請求項22に記載のサスペンション装置。
【請求項24】
前記微動サスペンションデバイスは、前記基部フレーム及び前記被支持フレームのうちの一方に枢動可能に結合されている、請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項25】
積載物を支持するためのサスペンション装置であって、前記サスペンション装置は、
基部フレームと、前記基部フレームに結合された被支持フレームと、を備え、前記被支持フレームは、積載物荷重を有する積載物が前記被支持フレーム上に配置されるときに、前記基部フレームを上回る中立高さに垂直に配置されるように構成されており、前記サスペンション装置は、前記被支持フレームと前記基部フレームとの間の最小高さから最大高さへの略垂直方向における相対変位を支持するように構成されており、前記被支持フレームは、
シザーリンク機構であって、前記シザーリンク機構は、中心枢軸を中心にともに枢動可能に結合された2つの交差シザーアームを備え、前記2つの交差シザーアームの各々は、前記基部フレームから前記被支持フレームまで延在し、各アームは、前記被支持フレーム及び前記基部フレームが互いに近づく及び/又は遠ざかるように移動するときに、他方のアームに対して自由に回転する、シザーリンク機構と、
前記基部フレームを前記被支持フレームに結合する粗動サスペンションデバイスであって、前記粗動サスペンションデバイスは、前記略垂直方向における前記基部フレームと前記被支持フレームとの間の相対変位に対抗するように構成されており、前記粗動サスペンションデバイスは、前記シザーリンク機構に直接結合されておらず、前記粗動サスペンションデバイスは、前記積載物を前記中立高さで支持するように調整可能である、粗動サスペンションデバイスと、
前記基部フレーム及び前記被支持フレームのうちの一方に結合された微動サスペンションデバイスであって、前記微動サスペンションデバイスは、前記略垂直方向において引き起こされる前記基部フレームに印加される第1の力に応答して、水平減衰力を提供するように構成されている、微動サスペンションデバイスと、
前記微動サスペンションデバイスに動作可能に結合された機械アセンブリであって、前記機械アセンブリは、前記水平減衰力を、前記基部フレームに印加される前記第1の力とは反対の略垂直方向において前記被支持フレームに印加される第2の力に変換するように構成されている、機械アセンブリと、を介して、前記基部フレームに結合されている、サスペンション装置。
【請求項26】
前記機械アセンブリ及び前記微動サスペンションデバイスは、前記シザーリンク機構に結合されることなく、前記基部フレームを前記被支持フレームに結合する、請求項25に記載のサスペンション装置。
【請求項27】
前記第2の力は、前記第1の力と略異位相である、請求項25に記載のサスペンション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年9月1日に出願された米国仮特許出願第63/239,637号の優先権を主張し、この出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、輸送中の積載物に対する変位及び振動を最小限に抑えるためのサスペンションシステム及び関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
サスペンションシステムは、積載物をある場所から別の場所へ輸送するために用いられる様々な輸送モードと併せて使用される。ほとんどの事例では、様々な形態の輸送中の移動から生じる力、移動/変位、振動などの形態で積載物に伝達されるエネルギーの量を低減することが有利である。例えば、自動車内の運転者及び/又は乗客に伝達される道路振動の量の低減は、道路振動によって引き起こされ得る背痛などの不快感及び/又は傷害を最小限に抑えるのに役立ち得る。同様の利点は、他のタイプの積載物(例えば、繊細な又は影響を受け易い材料)及び他の形態の輸送(例えば、空気、水など)に適用されるであろう。したがって、実質的にあらゆる積載物に対して及び実質的にあらゆる移動環境に対して衝撃吸収性能を向上させるための努力が続けられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般に、本開示は、輸送中に積載物、乗客、又は運転者を支持するためのサスペンションシステムに関する。本開示は、被支持フレームを基部フレームに結合するように動作する、粗動サスペンションデバイス、機械アセンブリ、及び微動サスペンションデバイスを有するサスペンション装置を含む実施形態を記載する。いくつかの実施形態では、被支持フレームは、基部フレーム又は被支持フレームのいずれかに作用する力及び/又は変位が、基部フレーム及び被支持フレームのうちの他方に反対に方向付けられた力及び/又は変位をもたらすように、サスペンション装置によって基部フレームを上回る中立高さに支持される。いくつかの実施形態では、中立高さは調整可能であり得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、サスペンション装置は、受動的構成要素のみで動作する空間節約型デバイスである。いくつかの実施形態では、サスペンション装置のサイズ低減は、略垂直方向における基部フレーム又は被支持フレームの力及び/又は変位を略水平方向における力又は変位に変換する機械アセンブリを介して達成され得る。次いで、変換された水平方向の力又は変位は、微細サスペンション装置によって減衰され、微動サスペンションデバイスは、概して水平に配置され、それによって、空間節約(例えば、サスペンション装置全体に必要とされる垂直方向の空間がより少ない)を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、垂直方向の力及び/又は変位の水平方向の力及び/又は変位への変換は、基部フレーム又は被支持フレームのうちの他方の反対に方向付けられた(又は「異位相の」)力及び/又は変位を更に可能にするように構成され得る。すなわち、いくつかの実施形態によれば、基部フレーム上の上向きの力は、被支持フレーム上の下向きの力をもたらし、その逆もまた同様である。これは、様々な実施形態によれば、機械アセンブリと微動サスペンションデバイスとの間の相互作用、並びに被支持フレーム及び基部フレームへのそれらの結合に起因して生じ得る。
【0007】
1つ以上の例の詳細は、添付図面及び下の説明に記載されている。他の機能、目的及び利点は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面は、本発明の特定の実施形態を例示するものであり、したがって、本発明の範囲を限定するものではない。図面は、以下の説明において説明と併せて使用することを意図するものである。本発明の実施形態は、以下、添付図面と併せて説明され、同様の符号は、同様の要素を表す。
【
図1】従来の受動的加速/振動緩和システムを例示するブロック図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、受動的な加速、移動、及び振動の緩和能力を伴う新規サスペンション装置を例示するブロック図である。
【
図3A】本開示による新規サスペンション装置に対する従来のサスペンション装置の概略図及び比較であり、各々が、窪みに遭遇するとき(左端画像)、平坦な表面上で定常状態にあるとき(中央画像)、及び隆起に遭遇するとき(右端画像)に動作する。
【
図3B】本開示による新規サスペンション装置に対する従来のサスペンション装置の概略図及び比較であり、各々が、窪みに遭遇するとき(左端画像)、平坦な表面上で定常状態にあるとき(中央画像)、及び隆起に遭遇するとき(右端画像)に動作する。
【
図3C】本開示による新規サスペンション装置に対する従来のサスペンション装置の概略図及び比較であり、各々が、窪みに遭遇するとき(左端画像)、平坦な表面上で定常状態にあるとき(中央画像)、及び隆起に遭遇するとき(右端画像)に動作する。
【
図4A】従来のサスペンションシステム(上側画像)対本開示によるサスペンションシステム(下側画像)における、ばね要素、減衰要素、及びサスペンションシステム要素の組み合わせによって摩擦がどのように作り出されるかの概略図及び比較である。
【
図4B】従来のサスペンションシステム(上側画像)対本開示によるサスペンションシステム(下側画像)における、ばね要素、減衰要素、及びサスペンションシステム要素の組み合わせによって摩擦がどのように作り出されるかの概略図及び比較である。
【
図5A】従来のサスペンションシステムを本開示の実施形態によるサスペンションシステムと比較する性能図である。
【
図5B】従来のサスペンションシステムを本開示の実施形態によるサスペンションシステムと比較する性能図である。
【
図6A】従来のサスペンション装置によって提供される固定又は線形減衰(上側画像)と、本開示の実施形態によるサスペンション装置によって提供される可変又は非線形減衰(下側画像)との性質の概略図及び比較を提供する。
【
図6B】従来のサスペンション装置によって提供される固定又は線形減衰(上側画像)と、本開示の実施形態によるサスペンション装置によって提供される可変又は非線形減衰(下側画像)との性質の概略図及び比較を提供する。
【
図6C】本開示の実施形態による、サスペンション装置に可変減衰を提供するように構成された機械アセンブリ及び微動サスペンションデバイスの概略図である。
【
図6D】本開示の実施形態による、サスペンション装置に可変減衰を提供するように構成された機械アセンブリ及び微動サスペンションデバイスの概略図である。
【
図7】(a)一定の減衰レート(一定の勾配)及び速度が増加する際に線形に増加する線形減衰(力出力)を有する従来のサスペンション装置(細い灰色の直線)と、(b)可変減衰レート(可変勾配)及び速度が増加する際に増加する非線形減衰(力出力)を有する本開示の実施形態によるサスペンション装置(太い黒色の曲線)による、減衰体力対減衰体速度のプロットを示す。
【
図8A】本開示の実施形態による、サスペンション装置を用いて減衰体速度が比較的低いときのランダム振動状態に対する減衰体力応答を示す、
図7のプロットの部分(
図7の破線はめ込み部)の拡大画像である。
【
図8B】本開示の実施形態による、サスペンション装置を用いて減衰体速度が比較的低いときのランダム振動状態に対する減衰体力応答を示す、
図7のプロットの部分(
図7の破線はめ込み部)の拡大画像である。
【
図9A】本開示の実施形態による、サスペンション装置の複雑な減衰挙動の例示であり、速度及び高さの両方の関数として変動する減衰体力を示す。
【
図9B】本開示の実施形態による、サスペンション装置の複雑な減衰挙動の例示であり、速度及び高さの両方の関数として変動する減衰体力を示す。
【
図9C】本開示の実施形態による、サスペンション装置の複雑な減衰挙動の例示であり、速度及び高さの両方の関数として変動する減衰体力を示す。
【
図10A】本開示の実施形態による、ブロックを伴う、及びブロック伴わない、粗動サスペンションデバイスを有する、サスペンション装置のいくつかの構成の概略図である。
【
図10B】本開示の実施形態による、ブロックを伴う、及びブロック伴わない、粗動サスペンションデバイスを有する、サスペンション装置のいくつかの構成の概略図である。
【
図10C】本開示の実施形態による、ブロックを伴う、及びブロック伴わない、粗動サスペンションデバイスを有する、サスペンション装置のいくつかの構成の概略図である。
【
図11】従来のサスペンション及び本開示の実施形態によるサスペンションシステムの両方についての、サスペンション高さの関数としての機械効率のプロットである。
【
図12A】それぞれ、従来のサスペンション(
図12A)及び本開示の実施形態によるサスペンションシステム(
図12B)について、速度及びサスペンション高さの両方の関数としてプロットされた減衰体機械効率を示す概略図及びプロットである。
【
図12B】それぞれ、従来のサスペンション(
図12A)及び本開示の実施形態によるサスペンションシステム(
図12B)について、速度及びサスペンション高さの両方の関数としてプロットされた減衰体機械効率を示す概略図及びプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、いかなる形であれ本発明の範囲、適用性、又は構成を限定することを意図するものではない。むしろ、以下の記載は、本発明の例示的な実施形態を実装するためのいくつかの実用的な例示を提供する。当業者には、述べられる実施例の多くが様々な好適な代替形態を有することが認識されよう。
【0010】
従来のサスペンションシステムは、サスペンションの下部、上部、及び/又は側部に印加される入力された加速、振動、速度、及び移動にさらされる。
図1は、従来の受動的加速/振動緩和システムを例示するブロック図である。多くのそのような現在及び市販されている従来のサスペンションシステムでは、入力された加速、振動、速度、及び移動にさらされるとき、粗動機械的減衰要素(
図1の右側及びより暗い陰影領域)の剛性かつ主に線形の結合により、従来のサスペンションシステム積載物101が、入力された移動及び/又は振動と概して同位相でかつ/又は一致して移動する(例えば、
図3Aの左及び右側画像を参照)。
【0011】
加えて、
図1の左側及びより明るい陰影領域に示されるように、ばね要素は、減衰要素と並列に機能する。
図1の左端に示すように、ばね要素は、積載物荷重に基づいてサスペンションの粗動位置決めを調整する。加えて、
図1の明るい陰影領域の右側に示されるように、ばね要素はまた、サスペンション要素の微動移動を制御するのに役立つことによって振動の緩和を提供する。最後に、ばね要素及び減衰要素を1つ又は複数のサスペンション要素に接続する矢印付きの線によって示されるように、ばね要素、減衰要素及びサスペンション要素は全て相互接続され、互いに結び付けられている。最終的な結果として、サスペンション要素は、減衰要素に直接かつ堅固に接続されている結果としての静摩擦及び粘性摩擦、並びにばね要素に直接接続されている結果としての抵抗にさらされる。加えて、ばね要素が1つ又は複数のサスペンション要素に接続されている場合、ばねの上向き及び下向きの移動は、静摩擦及び粘性摩擦によって、減衰要素に相互接続されないように拘束される。
【0012】
図2は、本開示の様々な実施形態による、本明細書では積載物を支持するためのサスペンション装置とも称される、受動的な加速、移動、及び振動の緩和システムを例示するブロック図である。
図2に示すように、サスペンション装置100は、支持取付部又は基部フレーム103、及び基部フレーム103に結合された被支持フレーム102を含む。被支持フレーム102は、積載物荷重118を有する積載物101が被支持フレーム102上に配置及び/又は支持されているときに、基部フレーム103を上回る中立高さに垂直に配置されるように構成されている。サスペンション装置100は、被支持フレーム102と基部フレーム103との間の最小高さから最大高さまでの略垂直方向における相対変位を支持するように構成されている。中立高さ(例えば、被支持フレーム102が、例えば、定常状態条件中に基部フレーム103を上回って垂直に配置される高さ)は、最小高さと最大高さとの間のどこかであろう。いくつかの実施形態では、中立高さは、基部フレーム103と被支持フレーム102との間のおよそ中間であり得る。他の実施形態では、中立高さは、最小高さよりも最大高さの近くであり得る。更に他の実施形態では、中立高さは、最大高さよりも最小高さの近くであり得る。いくつかの実施形態では、中立高さは、最小高さから最大高さまでの走行距離の55%~80%であり得る。いくつかの実施形態では、中立高さは、最小高さから最大高さまでの走行距離の20%~45%であり得る。
【0013】
被支持フレーム102は、シザーリンク機構、粗動サスペンションデバイス、機械アセンブリ、及び微動サスペンションデバイスを含む、
図2に示されるいくつかの要素を介して基部フレーム103に結合され得る。例えば、シザーリンク機構120などのサスペンション要素は、中心枢軸を中心に一緒に枢動可能に結合された一対の交差シザーアーム(例えば、細長いレール又はバー)を備え得る。各シザーアームは、基部フレーム103から被支持フレーム102まで延在し、被支持フレーム102及び基部フレーム103が互いに近づく及び/又は遠ざかるように移動するときに、他方のシザーアームに対して自由に回転する。いくつかの実施形態では、例えば、シザーリンク機構120を形成する二対以上の交差シザーアームであり得る。
【0014】
図2のブロック図には、粗動サスペンションデバイス106が例示されており、基部フレーム103を被支持フレーム102に結合している。例えば、粗動サスペンションデバイス106は、1つ以上のばね要素を備え得、ばね要素は、いくつかの実施形態では機械ばね(例えば、コイルばね)を、又はいくつかの他の実施形態では空気ばねを備え得る。いくつかの実施形態では、ばね要素の特性は調整可能であり得る。空気ばねの場合、1つ以上の空気ばねに関連付けられた空気圧は、そのばね特性を変動させるために増加又は減少され得る。例えば、1つ以上の空気ばねは、積載物荷重118及び/又は中立高さに基づいて異なる空気圧に調整され得る。粗動サスペンションデバイス106は、略垂直方向における基部フレーム103と被支持フレーム102との間の相対変位(例えば、略垂直方向における基部フレーム103及び被支持フレーム102のうちの1つ以上に付与される力によって引き起こされ得る変位)に対抗するように構成されている。本開示のいくつかの実施形態によれば、粗動サスペンションデバイス106は、シザーリンク機構120に直接結合されていない。いくつかの実施形態では、粗動サスペンションデバイス106は、基部フレーム103及び/又は被支持フレーム102に直接結合されている。いくつかの実施形態によれば、粗動サスペンションデバイス106は、積載物荷重118の積載物101をある特定の中立高さで支持するように調整可能であり得る。例えば、比較的重い積載物荷重118を有する積載物101は、本開示のいくつかの実施形態によれば、ある特定の所望の中立高さを達成するために、粗動サスペンションデバイス106の1つ以上の空気ばねの圧力を増加させる調整を必要とし得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、粗動サスペンションデバイス106は、基部フレーム103及び被支持フレーム102のいずれか又は両方に結合された1つ以上の要素を更に備え得る。
図10A~
図10Cは、いくつかの実施形態による、粗動サスペンションデバイス106に好適であり得るいくつかの異なる構成を示している。例えば、
図10Aは、直列構成で互いに結合された2つのばね要素107(例えば、空気ばね、コイル状機械ばねなど)を備える粗動サスペンションデバイス106を示しており、各ばね要素107は、基部フレーム103又は被支持フレーム102のいずれかに直接結合されている。複数のばね要素107を備える粗動サスペンションデバイス106を有するサスペンション装置100の実施形態では、個々のばね要素107は、例えば、そのばね定数を変動させるように別個に調節可能であり得ることが企図される。空気ばねの場合、これは、具体的な要件に従って(例えば、基部フレームと被支持フレームとの間の距離を、例えば、特定の積載物荷重に適切であると考えられる中立高さに変動させるように、粗動サスペンションデバイス106の全体的特性を調節するため)各々における空気圧を変動させることによって達成され得る。いくつかの実施形態では、「ブロック」108は、基部フレームと被支持フレームとの間の垂直距離の一部を占有するために、及び/又は基部フレーム及び被支持フレームのいずれか又は両方に直接結合するために用いられ得る。
図10B及び
図10Cは、それぞれ、1つのブロック108及び2つのブロック108を使用するサスペンション装置100の実施形態を示している。このように1つ以上のブロック108を使用する(例えば、基部フレームと被支持フレームとの間の利用可能な走行の一部を占有するために)ことは、粗動サスペンションデバイス106を調整する際に有用及び/又は望ましい場合がある。各ブロック108は、剛性(又は少なくともいくらか剛性)構成要素を備え得るが、いくつかの実施形態では、基部フレームと被支持フレームとの間の垂直走行距離をより多く又はより少なく占有するように調整可能であり得る。ブロック108は、ばね要素107への結合を容易にするための締結具、並びにブロック108によって占有される垂直空間を延長及び/又は短縮するための調整機構(例えば、親ねじ構成又はラチェット構成など)を備え得る。上述したように、1つ以上のブロック108の使用は、積載物101を中立高さで支持するように、及び/又は被支持フレーム102の最小高さから被支持フレーム102の最大高さまでの走行距離を変動させるか又は制御するように、粗動サスペンションデバイス106を調整することを容易にし得る。
【0016】
機械アセンブリ105(例えば、いくつかの実施形態によれば、円形カム又はシャフト及び3つのレバーアーム)が、微動サスペンションデバイス116(例えば、いくつかの実施形態によれば、減衰要素)と同様に、
図2のブロック図に例示されている。機械アセンブリ105及び微動サスペンションデバイス116はともに、基部フレーム103を被支持フレーム102に結合する。いくつかの実施形態では、微動サスペンションデバイス116は、機械アセンブリ105に結合又は係合される減衰要素を備え得る。いくつかの実施形態によれば、微動サスペンションデバイス116の機械アセンブリ105への結合又は係合は、機械アセンブリ105の作用又は動作に起因して非線形であり得る。
図2に示される実施形態では、機械アセンブリ105は、基部フレーム103を微動サスペンションデバイス116に結合しており、微動サスペンションデバイス116は、機械アセンブリ105を被支持フレーム102に結合している。しかしながら、この実施形態は単なる例示であることに留意されたい。例えば、いくつかの代替的な実施形態によれば、基部フレーム103及び被支持フレーム102に対する機械アセンブリ105及び微動サスペンションデバイス116の配置及び結合構成は、逆にすることができる。機械アセンブリ105は、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の略垂直方向における相対変位を水平変位に変換するように構成され得る。次に、機械アセンブリ105は、微動サスペンションデバイス116に動作可能に結合され、それによって、機械アセンブリ105によって変換又は生成された水平変位を減衰させるために、微動サスペンションデバイス116によって減衰が提供される。本開示のいくつかの実施形態によれば、機械アセンブリ105は、シザーリンク機構120に直接結合されておらず、微動サスペンションデバイス116にも直接結合されていない。いくつかの実施形態では、2つ以上の微動サスペンションデバイス116が存在し得る。例えば、2つの微動サスペンションデバイス116が存在できるが、1つの可能な実施例として、その1つが粗動サスペンションデバイス106のいずれかの側に取り付けられる。
【0017】
上述のように、微動サスペンションデバイス116は減衰要素を備え得る。微動サスペンションデバイス116のための好適な減衰要素は、限定ではないが、例えば、典型的には振動及び/又は衝撃インパルスを吸収することができる機械デバイス及び/又は油圧デバイスである衝撃吸収体などの減衰体を含み得る。好適な減衰体又はダッシュポットは、いくつかの実施例として、例えば、粘性摩擦を介して運動に抵抗し得、いくつかの場合では、ばね及び/若しくはクッション、又は弁及び/若しくはオリフィスの使用と組み合わせられ得る。当業者に公知の他の減衰要素が、本開示の範囲から逸脱することなく、微動サスペンションデバイス116として、又は微動サスペンションデバイス116とともに用いられ得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、微動サスペンションデバイス116及び機械アセンブリ105によって提供される減衰は、機械アセンブリからの水平変位の速度、及び基部フレームと被支持フレームとの間の垂直距離の両方の関数として変化する。いくつかの更なる実施形態では、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の垂直距離が増加及び/又は減少する際に、微動サスペンションデバイス116及び機械アセンブリ105によって提供される減衰が増加する。いくつかの実施形態では、微動サスペンションデバイス116及び機械アセンブリ105によって提供される減衰は、中立高さに対応する最小値を有し、それにより、微動サスペンションデバイス116及び機械アセンブリ105によって提供される減衰は、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の垂直距離が中立高さを上回って増加し、かつ中立高さを下回って減少する際に増加する。しかしながら、必ずしもそうである必要はなく、状況によっては、中立高さに等しくない最小減衰高さを有することが保証され得る。これは、例えば、通常よりも重い(又は通常より軽い)積載物の場合であり得る。更に別の実施形態では、減衰量は、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の垂直距離が中立高さを上回って増加し、かつ中立高さを下回って減少する際に非線形に増加する。例えば、中立高さが最大高さよりも最小高さに近い実施形態では、微動サスペンションデバイス116及び機械アセンブリ105によって提供される減衰は、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の垂直距離が同じ所与の量Xだけ中立高さを上回って増加するときよりも、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の垂直距離が中立高さを下回って所与の量Xだけ減少する際に大きくなる。
【0019】
サスペンション装置100は、略垂直方向において基部フレーム103又は被支持フレーム102のいずれかに印加される力(及び得られた変位)が、基部フレーム103及び被支持フレーム102のうちの他方に印加される略反対の力をもたらすように機能を果たす。この得られた力はまた、印加される初期力と「異位相」であると記述され得る。いくつかの実施形態によれば、機械アセンブリ105及び微動サスペンションデバイス116は、この効果を生み出すために、互いに組み合わせて動作し得る。
【0020】
特定の例示的な実施形態によるサスペンション装置100の記載は、上述の概念及びそれらの潜在的な利点をより良く例示する役割を果たし得る。例えば、サスペンション装置100の例示的な実施形態は、最小高さ(例えば、最大圧縮下)から最大高さ(例えば、最大張力又は伸長下)までの距離のおおむね3分の1である中立高さ(例えば、「静止」すなわち定常状態条件下での基部フレーム103と被支持フレーム102との間の垂直距離)を有するように構成され得る。このような実施形態が路面の窪み(例えば、甌穴など)の上を走行するとき、基部フレーム103の下向きへの運動は、機械アセンブリ105、リンクアーム150、152、レバーアーム154、及びカム/シャフト156による略垂直方向の力の略水平方向の力への変換などを介して、被支持フレーム102に印加される略反対又は異位相の力をもたらす。この作用は、例えば、このシナリオにおけるサスペンション装置100の中立高さ又はその付近での非常に低い摩擦抵抗(例えば、静摩擦及び/又は粘性摩擦)の存在によって促進され得る。いくつかのそのような場合、基部フレーム103に対する被支持フレーム102の高さは、最大高さ(例えば、比較的大きい甌穴又は窪みに対応する)まで延在し得る。サスペンション装置100のこの結果として生じる状態は、後続の急速な圧縮事象(例えば、甌穴又は窪みの反対側に接触すること)を事前に予期し得る。サスペンション装置100はその最大高さにあり、その後の速度は典型的に高いことになるので、急速な圧縮事象に応答するために利用可能な減衰体力の量もはるかに高くなることになり、これは非常に望ましい結果である。非線形減衰力応答と、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の異位相の変位関係との組み合わせが、これまで受動的サスペンションシステムに存在しなかったサスペンション装置100の望ましい特性をもたらす同様のシナリオを容易に想定することができる。
【0021】
図4Aは、従来のサスペンションシステムにおいてばね要素によって摩擦がどのように作り出されるか(左側画像)、減衰要素によって摩擦がどのように作り出されるか(中央画像)、及び組み合わされた全てのサスペンション要素がどのように摩擦を作り出すか(右側画像)、の3つの概略図を含む。
図4Aに示すように、ばね要素及び減衰要素が互いに結び付けられ、可動サスペンション要素に堅固に結合される望ましくない結果は、いくつかの追加の摩擦源を作り出すことである。これらの付加的な静摩擦源及び粘性摩擦源は、より低速のランダムな振動/移動、並びに中程度から高い周波数の移動及び振動の両方を減衰させる、従来のサスペンションシステムの能力を制限することになる。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態では、シザーリンク機構120を粗動サスペンションデバイス106又は微動サスペンションデバイス116に直接結合させないことにより、サスペンション装置100の摩擦の低減をもたらし得る。例えば、
図4Bには、摩擦の低減は、シザーリンク機構120が粗動サスペンションデバイス106及び/又は微動サスペンションデバイス116に直接結合されていないことから生じ得る、サスペンション装置100の部分を示している。
図4Bは、本開示によるサスペンションシステムにおいてばね要素によって少なくとも4倍の摩擦低減がどのように作り出され得るか(左側画像)、減衰要素によって少なくとも20倍の摩擦低減がどのように作り出されか(中央画像)、及び全てのサスペンション要素が少なくとも20倍の摩擦低減をどのように作り出すか(右側画像)、の3つの概略図を含む。
【0023】
図1及び
図2の明るい領域及び暗い領域、並びにばね要素及び減衰要素のブロックのサイズ、並びに
図5の明るい陰影及び暗い陰影によって示されるように、復元ばね及び1つ又は複数の摩擦負荷減衰要素からの移動及び振動の緩和の量は、従来のサスペンションシステムと代替的なサスペンションシステムとの間で異なる。
図1及び
図5の左部分の従来のサスペンションシステムの場合、1つ又は複数の摩擦負荷減衰要素のためのより暗い陰影領域のより大きな割合及びブロックのより大きなサイズは、摩擦負荷減衰要素が、復元ばね要素と比較して振動及び移動の緩和により寄与することを示している。逆に、
図2及び
図5の右部分に示される代替的なサスペンションシステムの場合、
図5のより明るい陰影領域のより大きな割合及び
図2の1つ又は複数のばね要素のブロックのより大きなサイズは、復元ばね要素が、摩擦負荷減衰要素と比較して振動及び移動の緩和により寄与することを示している。最終結果は、従来のサスペンションシステムが、より柔らかい又は剛性の低いばね及び摩擦負荷減衰要素である復元ばね要素を有し、代替的なサスペンションシステムに対してより大きな減衰を伴うことである。
図4(及び以下で考察する
図8A及び
図8B)に示すように、従来のサスペンションシステムにおけるより大きな減衰は(
図4の上側画像、及び
図8A及び
図8Bの対応する薄い灰色の線)、ばね要素及びサスペンション要素の両方を作り出し、従来のサスペンションシステムの性能を低減させる少なくとも20倍の静摩擦及び粘性摩擦にさらされる。
図4の下側画像に示すように、最終的な結果は、代替的なサスペンション装置100が、従来のサスペンションと比較して、有意に低い摩擦(いくつかの場合には、摩擦の1/20程度又はより良好な低減)を有し得ることである。
【0024】
図3A~
図3Cの左端画像に示すように、サスペンションシステムが窪み上を走行するとき、下向きの加速が作り出される(太い黒色の実線矢印)。従来のサスペンションシステムでは、窪み上を走行するとき、従来のサスペンションシステムの基部は、下向きに、かつ路面と一致して移動し、下向きの加速を引き起こし(
図3Aの左側画像におけるより大きい/より長い太い黒色下向き矢印)、ばね要素及び減衰体要素は、伸長して、下向きの加速の一部を吸収することになる(
図3Aの左側画像内短い平行なほぼ垂直な破線によって示される減衰体移動)。しかし、ばね要素及び減衰体要素は、従来のサスペンションシステムにおけるサスペンション要素へのそれらの取り付けに起因して、独立して機能することができず、それらはともに、窪み(
図3Aの左側画像と中央画像との間の破線における高さの差)の上を走行するときに従来のサスペンションシステムの上部を下向きに引っ張る。
【0025】
最終的な結果は、窪み上を走行するとき、従来のサスペンションシステムの上部もまた、従来のサスペンションシステムの基部とほぼ同位相でかつ一致して下向きに移動することである。
図3Aの左側画像、中央画像、及び右側画像にわたって延びる破線は、従来のサスペンションシステムの上部の移動を示している。窪みに遭遇する前の従来のサスペンションシステムの上部(
図3Aの中央画像)を、窪み上を走行するときの従来のサスペンションシステムの上部(
図3Aの左側画像)と比較するために破線を使用すると、従来のサスペンションシステムの上部は、窪み上を走行するときにわずかに低い。窪み上を走行するときの従来のサスペンションシステムの上部の高さ(
図3Aの左側画像)が、窪みの前の従来のサスペンションシステムの上部の高さ(
図3Aの中央画像)と比べて低いことは、従来のサスペンションシステムの上部にいくらかの残留下向き加速が残ること(より短い太い黒色矢印、
図3Aの左側画像)、及びこの残りの/残留加速が、従来のサスペンションシステムの上部に載っている積載物(灰色の楕円、
図3A)によって経験されることを意味する。
【0026】
図3A~
図3Cの右端画像に示すように、サスペンションシステムが隆起上を走行するとき、上向きの加速が作り出される(太い灰色の矢印)。従来のサスペンションシステムでは、隆起上を走行するとき、従来のサスペンションシステムの基部は、上向きの加速の結果として、上向きに、同位相で、かつ一致して移動する(
図3Aの右側画像における細い上向きの矢印が、隆起によって引き起こされる上向きの垂直変位の量を示すことに留意されたい)。従来のサスペンションシステムにおけるばね要素及び減衰体要素は、1つ又は複数のサスペンション要素に結び付けられているため、独立して機能することができず、並行して動作し、加速の一部を吸収するために短くなることになる(
図3Aの右側画像における短い平行でほぼ垂直な破線によって示される減衰体移動)。しかし、1つ又は複数のばね要素及び減衰体要素はまた、サスペンションシステムにおけるそれらの堅固な取付けに起因して、隆起を乗り越えるときにサスペンションシステムの上部を押し上げる(
図3Aの右側画像)。
【0027】
最終結果は、隆起上を走行するとき、従来のサスペンションシステムの上部もまた、従来のサスペンションシステムの基部とほぼ同位相でかつ一致して上向きに移動することである(
図3Aの右側画像)。破線を使用して、隆起に遭遇する前の従来のサスペンションシステムの上部(
図3Aの中央画像)を、隆起上を走行するときの従来のサスペンションシステムの上部(
図3Aの右側画像)と比較すると、従来のサスペンションシステムの上部は、隆起上を移動するときにわずかに高い。隆起を乗り越えるときのより高いサスペンションの上部の高さは、いくらかの残留上向き加速が従来のサスペンションシステムの上部に残ること(
図3Aの右側画像におけるより小さい太い灰色の矢印)、この残りの/残留加速が、従来のサスペンションシステムの上部に載っている積載物(灰色の楕円、
図3A)によって経験されることを意味する。
【0028】
従来のサスペンションシステム(
図1及び
図3A)におけるサスペンション要素へのばね要素の剛性結合及び粗動機械的減衰要素の線形又は曲線の結合の代替形態が開示される。
図2及び
図3Bに示すように、本サスペンションシステムの形状に変化が加えられ得る。ばね要素の疎結合が含まれ得る。粗動機械的減衰要素は、非剛性及び/又は非線形の方式で疎結合され得る。3つのレバーアームを備える機械アセンブリが使用され得る。そのようなサスペンションシステム設計では、3つのレバーアームを介して機械アセンブリに疎結合されたばね要素及び減衰要素を用いて、代替的なサスペンションシステムの上部の移動に変化を加え、従来のサスペンションシステムの上部とは異なるように移動させることができる。
【0029】
加えて、
図3B、及び
図2の左側及び薄い陰影領域に示されるように、本サスペンションシステムにおけるばね要素は、いずれのサスペンション要素とも直接結び付けられていない。これは、ばね要素が可動サスペンション要素に堅固に結合される従来のサスペンションシステム(
図3A、及び
図1の左中央の暗い陰影領域)とは対照的である。
図4Bに示すように、ばね要素が可動サスペンション要素に結び付けられていないことの望ましい結果は、ばね要素及び減衰体要素がサスペンション要素に直接結合されていないことに起因する減衰体関連の摩擦の大幅な低減(いくつかの場合には、少なくとも20倍の低減)である。摩擦のこの大幅な低減は、代替的なサスペンションシステムの、中程度からより高い周波数の移動及び振動を減衰させる能力を促進する。
【0030】
追加的に、
図3B、及び
図2の左側及び薄い陰影領域に示すように、代替的なサスペンションシステムにおけるばね要素及び減衰要素は、カム及び相互接続されたレバーアームシステムに疎結合され、かついずれのサスペンション要素とも結び付けられない。これは、ばね要素及び減衰要素が互いに結び付けられ、可動サスペンション要素に堅固に結合され、独立して機能することができず、並行して一緒に機能しなければならない、従来のサスペンションシステムとは対照的である(
図1及び
図3A)。
図4Bに示すように、ばね要素及び減衰要素が互いに疎結合され、独立した可動サスペンション要素に直接結び付けられていないことの望ましい結果は、独立した可動サスペンション要素に与えられる摩擦の大幅な低減(いくつかの場合には、少なくとも20倍の低減)である。この摩擦低減は、代替的なサスペンションシステムが、より低速のランダムな振動及び移動、並びに中程度から高い周波数の移動及び振動の両方を減衰させる能力を促進する。
【0031】
加えて、代替的なサスペンションシステムにおけるカム及びレバーアームの形状に変化を加えることによって、本サスペンションシステムの上部の移動は、従来のサスペンションシステムのように本サスペンションシステムの下部と一致してかつ同位相で移動することから、広範な様々な異なる移動パターンに変化を加えることができる。移動パターンの1つの変更では、本サスペンションシステムの上部の移動は、主に異位相(約150~180度)で、本サスペンションシステムの基部の移動の方向と反対に移動するように変化が加えられる。この後者の移動は、本サスペンションシステムの上部が従来のサスペンションシステムの上部の反対方向に移動し、本サスペンションシステムの基部の移動とも反対であり、加速、振動、及び移動の緩和/相殺モードと称されることになる。代替的なサスペンションシステムのこの独特な加速、振動、及び移動の緩和/相殺モードについて、ここで更に詳細に記載することになる。
【0032】
図3Bの左側画像に示すように、本サスペンションシステムが窪み上を走行するとき、下向きの加速が作り出される(
図3Bの左側画像における黒い太い下向きの矢印)。従来のサスペンションシステムの基部(
図3Aの左側画像)と同様に、本サスペンションシステムの基部も下向きに移動し(
図3Bの左側画像)、下向きの加速(
図3Bの左側の黒い太い下向きの矢印)を受け、それを経験する。従来のサスペンションシステムにおける減衰体要素と同様に、本サスペンションにおける減衰体要素は、下向きの加速の一部を吸収するように伸長する(中立高さ、定常状態条件からの減衰体移動は、
図3Bの左側画像における短く平行な垂直に整列した破線によって示されている)。しかしながら、従来のサスペンションシステム(
図3A)とは対照的に、新しいサスペンションシステム(
図3B)における減衰体は、3つの相互接続されたレバーアーム及び円形カム(
図3Bに示される3つの回転/円形軸)に疎結合される(例えば、
図3Bに示される減衰体の終端部における回転/円形軸において枢動可能に結合される)。
【0033】
窪みを乗り越えるとき(
図3Bの左側画像)、減衰体要素が3つの相互接続されたレバーアーム及びカムに疎結合される最終結果は、減衰要素、3つの相互接続されたレバーアーム、及びカムの幾何学的構成に起因して、サスペンションシステムの上部が、サスペンションシステムの上部を、同じ量/距離(上向きの太い灰色矢印、
図3Bの左側画像)であるが、反対方向(上向き)に、主にサスペンションシステム基部の移動(下向きの太い黒色矢印、
図3Bの左側画像)と異位相(約150~180度)で移動させることである。これは、従来のサスペンションシステムの基部とほぼ同位相でかつ一致して、下向きに移動する従来のサスペンションシステムの上部と対照的である(
図3Aの左側画像の、より小さく、より短く太い黒色下向き矢印)。
図5Bの性能図に示すように、本開示の実施形態によるサスペンションシステムの場合、サスペンションの上部のこの異位相移動は、主に3~12Hzの間で生じる。これは、窪み上を走行して下向きの移動にさらされるときの、本サスペンションシステムの2つの加速、振動、及び移動の相殺モダリティのうちの1つである。
【0034】
加えて、疎結合された減衰要素の幾何学的構成、相互接続されたレバーアーム、及びカム/シャフト構成(例えば、機械アセンブリ105の)に起因して、窪み(
図3Bの左側画像)上を走行するとき、このカム及びレバーアームシステムは、本サスペンションシステムの上部を押し上げ、本サスペンションシステムの下部で作り出される下向きの加速(
図3Bの左側画像の大きく太い黒色下向き矢印)とおおむね等しく反対の上向きの加速(
図3Bの左側画像の大きく灰色上向き矢印)を本サスペンションシステムの上部で作り出することができる。いくつかの場合には、これは、本サスペンションシステムの基部上で車両の質量が引き下げられることに関連付けられた荷重によるものであり得、この力は、カム及びレバーアームシステム(例えば、機械アセンブリ)の反時計回り(
図3Bに見られるように)回転に作用し、それを引き起こし得、それは、例えば、本サスペンションシステムの上部を押し上げるレバーアームの上向きの力をもたらし得る。本サスペンションシステムの上部の移動が、本サスペンションシステムの下部の移動とおおむね等しくかつ反対であり(
図3Bの左側画像)、本サスペンションシステムの上部の高さが、窪みに遭遇する前のその定常状態にあるときの本サスペンションシステムの高さとおおむね等しい場合(
図3Bの左側画像及び中央画像にわたる破線)、本サスペンションシステムの上部及び下部における加速はおおむね相殺され、本サスペンションシステムの上部における積載物(
図3Bの左側画像における灰色の楕円)は、加速、振動、及び/又は移動をほとんど又は全く受けない/経験しない。これは、本サスペンションシステムが下向きの加速及び移動にさらされるときの、2つの加速、振動、及び移動の相殺モダリティの第1の形態である。
【0035】
追加的に、
図3A及び
図3Bの右側画像に示すように、対応するサスペンションシステムが隆起上を走行するとき、上向きの加速が作り出される(太い灰色の矢印、
図3A及び
図3Bの右側画像)。従来のサスペンションシステムの基部(
図3Aの右側画像)と全く同様に、新しいサスペンションシステムの基部も上方に移動し(
図3Bの右側画像)、上向きの加速を受け/それを経験する(
図3A及び
図3Bの右側画像における濃い灰色の上向きの矢印)。従来のサスペンションシステム(
図3Aの右側画像)における堅固に接続された減衰体要素の短縮と同様に、代替的なサスペンションシステムでは、上向きの加速の一部を吸収するように、カム及び3つのレバーアームに接続された疎結合された減衰体要素も短縮する(
図3Bの右側画像においてほぼ水平方向の矢印によって示される)。
【0036】
しかしながら、従来のサスペンションシステムの定常状態(
図3Aの中央画像)に対して、隆起上を走行するとき、従来のサスペンションシステムの上部は、従来のサスペンションシステムの基部(
図3Aの右側画像)とほぼ同位相でかつ一致して、上向き(
図3Aの中央画像に対する
図3Aの右側画像におけるサスペンションの上部の高さ)に移動する。対照的に、新しいサスペンションシステムの上部は、カム及び3つのレバーアームへの減衰要素の幾何学的構成及び疎結合により、同じ量/距離だけ下向きに移動するが(
図3Bの右側画像)、サスペンションシステムの下部の移動(
図3Bの右側画像)とは反対方向(下向き)に、主に異位相(約150~180度)で移動する。
図5Bに示すように、サスペンションの上部のこの異位相移動は、主に3~20Hzの間で生じる。これは、サスペンションシステムが隆起並びに上向きの加速及び移動にさらされるときの、2つの加速、振動、及び移動の相殺モダリティのうちの第2のものである。
【0037】
加えて、カム及び3つのレバーアームに疎結合された減衰要素の幾何学的構成により、このカム及びレバーアームシステムは、サスペンションシステムの上部を引き下げることができ、おおむね等しくかつ反対の下向きの加速を作り出し、サスペンションシステムの上部に印加することができる(太い黒色矢印、
図3Bの右側画像)。サスペンションの上部の移動が、サスペンションシステムの下部とおおむね等しくかつ反対であり(
図3Bの右側画像における細い上向き及び下向きの矢印)、サスペンションシステムの上部の高さが、窪みに遭遇する前のその定常状態にあるときのサスペンションシステムの高さとおおむね等しい(
図3Bの中央及び右側画像にわたる破線)場合、サスペンションシステムの上部及び下部における加速は相殺され、サスペンションシステムの上部における積載物(灰色の楕円形、
図3Bの右側画像)は、加速又は移動を受けない/経験しない。これは、サスペンションシステムが隆起上を走行するときに上向きの加速及び移動にさらされるときの、2つの加速、振動、及び移動の相殺モダリティのうちの第2のものである。
【0038】
図2、
図3B、及び
図4Bに示すように、新しいサスペンションシステム設計の別の有益な結果は、ばね要素及び減衰要素が互いに堅固に結び付けられておらず、サスペンション要素に直接結び付けられていないことに起因して、ばね要素及び減衰体要素が、高周波数及び低周波数の極値において擬似直列方式で互いに差動的かつ比較的独立して機能し、中間周波数において一緒にかつ並列に機能することができることである。結果として、
図5Bの本サスペンションシステムの性能図に示すように、最低周波数及び最高周波数において、ばね要素及び減衰体要素は、互いに半独立に又は差動的に機能することができる。次いで、中間周波数からより高い周波数(約4~20Hz)に進むと、主に移動の緩和を提供するばね要素からの寄与は、それらの寄与を低減し、移動及び振動の緩和の両方を提供するように減衰要素と並行して機能する。より高い周波数(約20Hzを超える)では、減衰体要素が優勢であり、より高い周波数の振動の緩和の大部分を提供する。より低い周波数(約4Hz未満)で、かつより低い周波数の衝撃及び揺れを含むサスペンションシステムの共振(この実施例では2Hz)まで下がると、従来のサスペンションシステムにおける速度ベースの減衰体は、付加的な低周波加速緩和を提供するために差動的に係合される。最後に、本サスペンションシステムの共振を下回る周波数では、本サスペンションシステムの上部及び下部は一致して又は同位相で移動し、ばね要素及び減衰体要素の両方は、加速又は移動の緩和をほとんど又は全く提供しない。
【0039】
対照的に、
図1、
図3A、及び
図4Aに示すように、従来のサスペンションシステム設計では、ばね要素及び減衰要素が互いに堅固に結び付けられ、サスペンション要素に直接結び付けられているため、ばね要素及び減衰体要素は、互いに独立して又は差動的に機能することができず、全ての周波数にわたって一緒にかつ並列に動作しなければならない。その結果、
図5Aの従来のサスペンションシステムの性能図に示すように、ばね要素及び減衰要素は、互いに独立して機能することができず、ばね要素及び減衰要素からの差動性能及び寄与は制限される。差動寄与及び独立性の欠如は、中間からより高い周波数(約4~約20Hz)における従来のサスペンション性能に悪影響を及ぼす。より低い周波数(約4Hz未満)で、かつより低い周波数の衝撃及び揺れを含む従来のサスペンションシステムの共振(この実施例では2Hz)まで下がると、速度ベースの減衰体は、本サスペンションシステムにおけるように差動的に係合されておらず、同じ追加の差動低周波数加速緩和を提供しない。最後に、従来のサスペンションシステムの共振を下回る周波数では、従来のサスペンションシステムの上部及び下部は、一致して又は同位相で移動し、ばね要素及び減衰体要素の両方は、加速又は移動の緩和をほとんど又は全く提供しない。
【0040】
図6Aは、一定の減衰レート(一定の勾配)及び線形減衰(力出力)を有し、サスペンション高さが収縮直角三角形及び/又は三角形減衰形状に基づく従来のサスペンション(左上画像)を示している。
図6Bは、可変減衰レート(例えば、可変勾配)と、速度とともに変動することに加えてサスペンション高さ(本開示による円形形状に基づく)とともに変動する非線形減衰(力出力)とを有する、本開示によるサスペンション装置100(左下画像)を示している。
【0041】
図6C及び
図6Dは、
図6Bのサスペンション装置100の水平断面図であり、サスペンション装置100のある特定の部分をより詳細に示している。例えば、機械アセンブリ105は、
図6Cにおいて、例えば、微動サスペンションデバイス116、粗動サスペンションデバイス106、基部フレーム103、被支持フレーム102、及びシザーリンク機構120を形成する2つの交差アームなど、他の構成要素に対するものとして示されている。
図6Dは、ある特定の実施形態による、機械アセンブリ105と、機械アセンブリ105が微動サスペンションデバイス116とその動作可能に結合されていることの更なる詳細を示す拡大図である。(粗動サスペンションデバイス106は、機械アセンブリ105の更なる詳細を示すために
図6Dから除去されている。)
図6Dは、互いに枢動可能に結合された上部リンクアーム150及び下部リンクアーム152を含む2アーム垂直リンク機構を備える機械アセンブリ105を示している。次に、実質的に
図6Dに示すように、上部リンクアーム150は、被支持フレーム102に枢動可能に結合されており、下部リンクアーム152は、基部フレーム103に枢動可能に結合されている。機械アセンブリ105は、2アーム垂直リンク機構の端部に結合された第1の端部を有するレバーアーム154を更に備える。例えば、レバーアーム154の第1の端部は、軸を中心に回転するように構成されたカム又はシャフト156において下部リンクアーム152の端部に結合されている。
【0042】
レバーアーム154の第1の端部の下部リンクアーム152の端部への結合は、下部リンクアーム152の端部を基部フレーム103に枢動可能に結合するのと同じ結合部で行われ得る。いくつかの実施形態では、この結合部は、回転可能なカム又はシャフト156を備え得、このカム又はシャフト156は、その向きがほぼ水平である軸を中心に回転するように構成される。レバーアーム154の第1の端部及び下部リンクアーム152の両方の回転可能なカム又はシャフト156への結合部は、例えば、レバーアーム154及び下部リンクアーム152の両方の回転可能なカム又はシャフト156への確実な結合部を含み得、それにより、レバーアーム154及び下部リンクアーム152が回転可能なカム/シャフト156の略水平な回転軸を中心に回転又は旋回するときに、レバーアーム154と下部リンクアーム152との間に一定の角度関係158が維持される。この構成により、レバーアーム154の第1の端部は、2アーム垂直リンク機構150、152の移動に応答して略水平軸を中心に回転することを可能にし、この移動は、略垂直方向における被支持フレーム102と基部フレーム103との間の相対変位によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、レバーアーム154と下部リンクアーム152(2アーム垂直リンク機構の)との間で維持される角度関係は、30~90度の角度を含む。ある特定の実施形態では、レバーアーム154と2アーム垂直リンク機構(例えば、下部リンクアーム152)の端部との間に維持される角度は、およそ60度である。
【0043】
レバーアーム154はまた、微動サスペンションデバイス116に結合されるように構成された第2の端部を有する。レバーアーム154の微動サスペンションデバイス116への結合部は、例えば、機械アセンブリ105が基部フレーム103と被支持フレーム102との間の相対的な垂直変位を水平変位に変換する機構を提供し得る。
図6Dに示すように、回転可能なカム156を中心としたレバーアーム154の第1の端部の回転は、レバーアーム154の第2の端部の略水平方向(例えば、左から右へ、及びその逆)の移動をもたらすことができる。微動サスペンションデバイス116に結合され得るレバーアーム154の第2の端部の移動は、円形の回転経路160の一部である円弧に沿っている。しかしながら、
図6Dに示すように、レバーアーム154の第2の端部の移動は、サスペンション装置100の動作中に実質的に水平な変位成分を有する円弧に沿うように構成されている。いくつかの実施形態では、レバーアーム154は、例えば、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の変位の最大高さ及び最小高さにそれぞれ対応する、その回転の動作範囲にわたって、おおむね7時の位置からおおむね5時の位置まで回転するように構成され得る。代替的に記述すると、レバーアーム154の回転の範囲は、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の変位の最大高さ及び最小高さに対応する300~330度の相対回転に及び得る。微動サスペンションデバイス116は、微動サスペンションデバイス116に結合されているレバーアーム154の第2の端部の略水平方向の変位に対して減衰を提供するように、レバーアーム154の第2の端部に結合されている。いくつかの実施形態では、微動サスペンションデバイス116は、それがレバーアーム154の第2の端部に結合されている場所とは反対側の微動サスペンションデバイス116の端部において、基部フレーム103に枢動可能に結合され得る。代替的な実施形態では、微動サスペンションデバイス116は、それがレバーアーム154の第2の端部に結合されている場所とは反対側の微動サスペンションデバイス116の端部において、被支持フレーム102に枢動可能に結合され得る。
【0044】
図6Dに関して上で説明した実施形態に対して好適な変更が行われ得ることに留意されたい。例えば、円形の回転経路160の直径は、例えば、レバーアーム154の長さを変化させることによって変更が加えられ得る。同様に、カム/シャフト156、上部リンクアーム150及び下部リンクアーム152、並びにレバーアーム154を含む機械アセンブリ105に対して、図示の角度及び長さに対する様々な変更を行うことができ、これらの変更は、サスペンション装置100によって吸収され、かつ/又は積載物に伝達される加速、振動、及び移動の位相、大きさ、及び周波数に変更を加えるように機能を果たす。機械アセンブリ105の構成要素の直径、角度、及び長さを変更することは、本明細書では、カム形状に変更を加えることと称され得る。
【0045】
第一に、サスペンション装置100のカム形状は、入力された加速、振動、及び移動に対して積載物が移動する位相を変化させるように変更が加えられ得る。カム形状は、積載物が、従来のサスペンションシステムのように、入力された加速、振動、及び移動と同位相で/一致して移動するように、入力された加速、振動、及び移動と完全に異位相で/反対に移動するように、変化を加えることができる。カム形状が同位相/一致移動を促進することは、積載物を、より長く、より低い周波数のより低い加速、振動、及び移動と同位相で/一致して移動させるために望ましいことがある。逆位相の/反対の移動を促進するカム形状は、積載物を、より短く、より低い周波数から中間周波数への過渡的な加速及び移動に対して異位相で/反対に移動させるために望ましいことがある。
【0046】
第二に、加速、振動、及び移動が緩和又は増幅される大きさ/量を変化させるために、サスペンション装置100のカム形状、ばね要素、減衰要素、及び任意選択の外部空気タンク(図示せず)に変更を加えることができる。
【0047】
第三に、加速、振動、及び移動が緩和又は増幅される周波数範囲及び中心(最も有効な)周波数を変化させるために、サスペンション装置100のカム形状、ばね要素、減衰要素、及び任意選択の外部空気タンクに変更を加えることができる。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態によるサスペンション装置100は、略垂直方向における基部フレーム103の変位が、基部フレーム103の変位又は力の方向と略反対方向における被支持フレーム102の変位(又はそれに対する力)を引き起こすように動作し得る。いくつかの実施形態では、結果として生じる被支持フレーム102の変位は、基部フレーム103の変位と大きさがおよそ等しくなり得る。いくつかの実施形態では、微動サスペンションデバイス116は、基部フレーム103に略垂直方向における印加される第1の力に応答して水平減衰力を提供するように構成される。次に、機械アセンブリ105は、微動サスペンションデバイス116に動作可能に結合され、水平減衰力を、基部フレーム103に印加される第1の力の方向とは反対の略垂直方向において被支持フレーム102に印加される第2の力に変換するように構成され得る。これは、様々な実施形態に従って望ましい場合がある、入力された力に対する異位相の応答をもたらし得る。例えば、被支持フレーム102に印加される上述の第2の力は、基部フレーム103に印加される第1の力と略異位相であり得る。いくつかの代替実施形態では、第1の力を受けるのは被支持フレーム102であり得、得られた第2の力は、例えば、基部フレーム103及び被支持フレーム102に対して機械アセンブリ105及び微動サスペンションデバイス116の構成及び/又は結合を逆にすることによって、基部フレーム103に印加され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、機械アセンブリ105及び/又は微動サスペンションデバイス116は、基部フレーム103を、シザーリンク機構120に結合されることなく、被支持フレーム102に結合し得る。これにより、上述したように、サスペンション装置100の摩擦における大幅な低減をもたらし得る。
【0049】
図7は、一定の減衰レート(一定の勾配)と、速度が増加する(いずれかの方向に)につれて線形に増加する線形減衰(力出力)とを有する、従来のサスペンションシステムについての減衰体力対減衰体速度のプロット(細い灰色のプロット線)を含んでいる。また、
図7には、可変減衰レート(可変勾配)と、速度が(いずれかの方向に)増加する際に増加する非線形減衰(力出力)とを有する、本開示によるサスペンション装置100の減衰体力対減衰体速度の対応するプロット(太い黒色のプロット線)が示されている。
【0050】
図7にプロットされた薄い灰色の線は、従来のサスペンションシステムの減衰特性が一定であり(例えば、固定された線形勾配を有する)、勾配が、通常動作中にサスペンションが受け得る異なる速度によって変化しないことを示している。加えて、従来のサスペンションでは、減衰レート(例えば、線の勾配)は、サスペンションが圧縮状態/収縮状態/重力で下向きに移動しているときと、サスペンションが引張状態/膨張状態/重力に逆らって上向きに移動しているときとで同じである。対照的に、
図7の太い黒線は、サスペンション装置が通常動作中により高い速度を受けるときに、代替的なサスペンション100の減衰特性が非線形であることを示している。加えて、代替的なサスペンションシステム100では、減衰の量(例えば、線の勾配)は、代替的なサスペンションシステム及び積載物の上向きの移動に抵抗する下向きの重力の効果が印加されることに起因して、サスペンションが引張状態/拡張状態/重力に対抗して上向き移動状態にあるときよりも(例えば、減衰体速度の所与の大きさに対して)、サスペンションが圧縮状態/収縮状態/重力を伴って下向き移動状態にあるときの方が大きくなり得る。
【0051】
図8A及び
図8Bは、減衰体速度が比較的低いときのランダム振動条件下での
図7からのプロットの中央部分(
図7において「YY」とラベル付けされた破線挿入図に対応する)を示す拡大プロットである。本開示によれば、代替的なサスペンション装置の有効減衰(太い黒線)は、
図8A及び
図8Bに示される速度範囲にわたって(例えば、比較的低い速度範囲にわたって)、従来のサスペンションの減衰(細い灰色線)よりも著しく低い。低速度での減衰のこの低減は、摩擦(例えば、
図8Aに示されるような粘性摩擦、及び
図8Bに示されるような静摩擦)の量を低減し、それによってサスペンション性能を改善する。
図8A及び
図8Bは、それぞれ、全体摩擦に対する粘性摩擦及び静摩擦の寄与を別々にプロットしている。粘性摩擦は、例えば、
図8Aに示されるように、減衰要素の運動中の減衰体勾配に対応し得、静摩擦は、
図8Bに示すように、ゼロから低速度で克服されなければならない減衰体抵抗の量に対応し得る。
【0052】
図9A~
図9Cは、本開示によるサスペンション装置100の複雑な減衰挙動を示している。
図9Aの左部分(「機械アセンブリの前」とラベル付けされた)は、微動サスペンションデバイス116の端部で測定された、減衰体速度の関数としての減衰体力のプロットを示している。
図9Aの中央部分(「機械アセンブリの後」とラベル付けされた)は、機械アセンブリ105との結合によって変更されたときの、減衰体速度の関数としての、及びサスペンション高さ(例えば、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の垂直変位)の関数としての減衰体力の複数のプロットを示している。
図9Aの右部分は、サスペンション装置100によって作り出される減衰力の三次元プロットであり、減衰力は、いくつかの要因、すなわち、1)圧縮/閉鎖又は引張/拡張のいずれかにおけるサスペンションの速度と、2)機械アセンブリ105並びにレバーアーム150、152、及び154の向きとに依存し、これらは、今度は、サスペンションの高さ(サスペンション装置100の基部フレーム103と被支持フレーム102との間の距離)に依存する。
【0053】
更に、
図9Aは、代替的なサスペンションシステムの複雑な減衰を示している。
図9Aの左側画像は、機械アセンブリ105(例えば、レバーアーム及び回転シャフト/カムシステム)に到達/進入又は相互作用する前の速度の関数として、代替的なサスペンションシステムの減衰体(例えば、微動サスペンションデバイス116)の端部で測定された力を示している。
図9Aの中央画像は、機械アセンブリ105及びレバーアームシステムを通過した後に代替的なサスペンションの上部に印加される減衰体力を示している。機械アセンブリ105及びレバーシステムを通過する減衰体の最終結果は、通常動作中の代替的なサスペンションシステムの上部と下部との間の様々な距離の関数として変動する多数の減衰力である。最後に、右側画像は、代替的なサスペンションの上部と下部との間の様々な移動速度と、基部フレーム103と被支持フレーム102との間の様々な高さとに基づく、代替的なサスペンションシステムの複雑な三次元減衰を示している。
【0054】
図9Bは、従来のサスペンションシステム(
図9Bの右側プロット)及び本開示によるサスペンション装置100(
図9Bの左側プロット)の両方について、減衰体速度の関数として、いくつかの異なるサスペンション高さにわたる減衰力のいくつかの重ね合わせたプロットを提供する。
図9Bに示すように、従来のサスペンションは、プロットされた全てのサスペンション高さに対してほぼ線形の応答曲線を有し、その全てがかなり急な勾配を有し、印加される減衰力のレートがほぼ一定のままであることを示している。対照的に、プロットされた様々なサスペンション高さに対して、サスペンション装置100は、グラフの中心付近で非常に小さい勾配(例えば、低い/小さい速度に対応する)を有するが、圧縮又は引張のいずれかにおいて、速度が増加する際に増加するレートで増加する勾配を有する。この非線形応答は、比較的安定した条件に対応する速度で摩擦を大幅に低減し、例えば、より高い負荷及び力の下でより良好な性能を提供するために、より高い速度でより高い減衰レートをもたらす。
【0055】
図9Cは、本開示の代替的なサスペンション装置100が様々な条件下で従来のサスペンションシステムとどのように異なるかについての追加の詳細を提供する。例えば、
図9Cの左側プロットは、減衰体速度の関数としての代替的なサスペンション装置100の非線形減衰体力を示している。プロットは、減衰体移動の方向に基づく2つの線を含み、一方は、減衰体が圧縮に向かって移動しているときの力に対応し、他方は、減衰体が引張に向かって移動しているときの力に対応することに留意されたい。(例えば、減衰体力は、減衰体が圧縮状態にあり、かつ更なる圧縮に向かって移動しているときに最大であり得るが、これに対して、減衰体力は、同じ速度でより低くなるが、圧縮から離れて、又は引張に向かって移動し得るなど)。この場合も、代替的なサスペンション装置100は、低速度では非常に低く、速度が増加する際に(圧縮状態又は引張状態のいずれでも)非線形的に上昇する減衰レート(例えば、勾配)を有するが、これに対して、従来のサスペンションは、非常に線形な勾配(例えば、ほぼ一定の減衰レート)を有し、これは、低速度を含む全ての速度において比較的高い。
図9Cに示されるプロットは、プロットされた速度及び方向に対応するサスペンション高さの様々な範囲にわたって取られた平均であることに留意されたい。
【0056】
図11は、従来のサスペンション(およそ0.20のレベルの平坦な灰色の線)と、本開示のいくつかの実施形態による代替的なサスペンションシステム100(黒色の曲線)との両方についての、サスペンション高さの関数としての相対機械効率のプロットである。減衰体速度に基づく相対減衰体機械効率曲線は、減衰体要素(例えば、本開示の代替的なサスペンション装置100の場合の微動サスペンションデバイス116)の終端部で測定された総力(垂直成分及び水平成分のベクトル和)に対する、機械アセンブリ105によって印加される垂直力(例えば、本開示の代替的なサスペンション装置100の場合)、又は減衰体ローブの終端部から発する垂直力(例えば、従来のサスペンション装置の場合)を示している。代替的なサスペンション100の増加した機械効率の一部は、少なくとも部分的に、サスペンション装置100の機械アセンブリ105による引張及び圧縮において、減衰体要素(例えば、微動サスペンションデバイス116)に付与されるより大きい速度に起因し得る。
図7を参照して分かるように、所与の減衰体力に対して、速度は代替的なサスペンションの方が高く、全ての力におけるこの増加した減衰体速度は、代替的なサスペンションのより大きな機械効率に寄与する。
【0057】
従来のサスペンションでは、全減衰体力の20%しか垂直力に変換されておらず、機械的利点は、サスペンションが動作するときにサスペンションの垂直高さとともに変化しない。対照的に、本開示の代替的なサスペンション装置では、総減衰体力の約60~120%が、得られた垂直力に変換され得、機械的利点は、中立高さ又は定常状態高さに対するサスペンションの垂直高さとともに変動する。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示によるサスペンション装置の機械アセンブリ105及び微動サスペンションデバイス116は、従来のサスペンションシステムを上回る有意な機械的利点を提供し得、それによって、はるかに低い減衰能力を伴う(例えば、より低い粘性摩擦及び静摩擦を有する)減衰体要素(例えば、微動サスペンションデバイス116)が使用されることを可能にする。本開示のいくつかの実施形態によるサスペンション装置は、従来のサスペンションシステムに対して3~6倍もの機械的利点を提供し得る。
【0059】
図12A及び
図12Bは、それぞれ、従来のサスペンション(
図12A)及び本開示の実施形態によるサスペンションシステム(
図12B)について、速度及びサスペンション高さの両方の関数としてプロットされた減衰体機械効率を示す概略図及びプロットである。例えば、
図12Aに概略的に示される従来のサスペンションシステムは、おおむね20%の減衰体機械効率を有し、これは、
図12Aの右側プロットに示すように、サスペンション高さの変化に応じて有意に変動しない。対照的に、本開示のいくつかの実施形態によるサスペンション装置(例えば、
図12Bの左側に概略的に図示されるシステム)は、
図12Bの右側プロットに示すように、減衰体速度及びサスペンション高さの変化の両方に応じて変動する減衰体機械効率を有する。
【0060】
ある特定の開示された実施形態を参照して様々な実施例が記載されてきた。実施形態は、限定ではなく図示する目的で提示されている。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、適合、及び修正を行うことができることを理解するであろう。
【国際調査報告】