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特表2024-533189排便事象を検知するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】排便事象を検知するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240905BHJP
   A61B 5/392 20210101ALI20240905BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61B10/00 310
A61B5/392
A61B5/00 101R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514074
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2022042354
(87)【国際公開番号】W WO2023034511
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】20210100581
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(31)【優先権主張番号】63/261,154
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100227927
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 拓
(72)【発明者】
【氏名】アネッタ,ニコラス ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】アッシュ,マシュー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,コリー ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】バルーク,ユーリ エリーザー
(72)【発明者】
【氏名】ブランチ,ジョシュア リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ダン,シャンナン
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,イェレナ ニコライェヴナ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス-マルトス バルソン,マリア
(72)【発明者】
【氏名】フォーダム,マシュー キース
(72)【発明者】
【氏名】フォートニー,クラーク エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ファンクハウザー,クローイ マリー
(72)【発明者】
【氏名】ゴットリーブ,クラウス セオドア
(72)【発明者】
【氏名】ハート,アリソン クレア
(72)【発明者】
【氏名】ハッカビー,スティーブン エルドリッジ
(72)【発明者】
【氏名】コーティス,イラクリス
(72)【発明者】
【氏名】コーティス,ランプロス
(72)【発明者】
【氏名】キュート,ステファニー ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】ラナム,クリストファー シェイン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ,エリック クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン,フィリップ ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】プラットフット,ネイサン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】プラット,ジェシカ アリス
(72)【発明者】
【氏名】シェルフォード,リー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】スパーベック,レイチェル レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】スターン,トーマス ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ウィンガー,ブライアン エリス
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジエン
【テーマコード(参考)】
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB01
4C117XC11
4C117XD26
4C117XE30
4C117XE52
4C127AA04
4C127LL13
(57)【要約】
システム及び方法は、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、及び慢性便秘などの消化器疾患を治療するための治療のための臨床試験の参加者などの対象の排便事象を検知し、記録することを容易にする。システム及び方法はまた、排便事象を検知し、記録するために、個々の患者によって使用することができ、結果として生じるデータは、患者の胃腸の健康及び/又は治療を評価するときに、医療提供者によって精査することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、スリープモード及びアクティブモードで動作可能であり、前記ウェアラブルデバイスは、
第1の刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサと、
前記対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、を備える、ウェアラブルデバイスと、
前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記ウェイクアップセンサによって検知された前記第1の刺激に基づいて、前記ウェアラブルデバイスを前記スリープモードから前記アクティブモードに切り替えるように構成され、前記アクティブモードにおいて、前記ウェアラブルデバイスは、前記プロセッサと通信して、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記対象の前記腹筋運動信号は、第2の刺激であり、前記システムは、前記プロセッサに動作可能に結合され、第3の刺激を検知するように構成された第3のセンサを更に備え、前記アクティブモードにおいて、前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び前記第3のセンサによって検知された前記第3の刺激に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第3のセンサは、前記ウェアラブルデバイス内に配置され、放屁を検知するように構成されたガスセンサを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第3のセンサは、トイレ水洗音を検知するように構成された音声センサである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第3のセンサは、前記対象の筋肉電気信号を検知するように構成された筋電図電極である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第3のセンサは、前記対象の姿勢の変化を検知するように構成された慣性測定ユニットである、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に備え、前記パッチは、前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサを担持する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記パッチは、前記プロセッサを更に担持する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、前記ベルトは、前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサを担持する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ベルトは、前記プロセッサを更に担持する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ウェイクアップセンサは、前記対象が下半身衣類を脱ぐときを検知するように構成された光学センサ及び抵抗力センサのうちの1つを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の健康に関連付けられた健康刺激を検知するように構成された健康センサを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記健康センサは、前記対象の便中の血液を検知するように構成された血液センサを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記血液センサは、1つ以上の揮発性有機化合物を検知するように構成された固体蒸気検出センサを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、
前記対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、
放屁を検知するように構成されたガスセンサと、を備える、ウェアラブルデバイスと、
前記筋音図センサ及び前記ガスセンサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された放屁に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された前記腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された前記放屁のうちの一方が、前記筋音図センサによって検知された前記腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された前記放屁のうちの他方に先行することを含む一連の事象に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ウェアラブルデバイスは、前記筋音図センサ、前記ガスセンサ、及び前記プロセッサを担持する基部を更に備える、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上及び前記対象によって着用された下半身衣類の下に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知するように構成された光学センサを備える、ウェアラブルデバイスと、
前記光学センサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記光学センサによって検知された前記増加した光に少なくとも部分的に基づいて排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項19】
前記ウェアラブルデバイスは、アクティブモード及びスリープモードで動作可能であり、前記プロセッサは、前記光学センサによって検知された前記増加した光に応答して、前記対象が前記下半身衣類を脱いだことを判定すると、前記ウェアラブルデバイスを前記スリープモードから前記アクティブモードに切り替えるように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサであり、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェアラブルデバイスが前記アクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に備え、前記第2の刺激は、前記第1の刺激とは異なり、前記プロセッサは、前記第2のセンサに動作可能に結合され、前記プロセッサは、前記第2のセンサから受信された信号に基づいて前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサであり、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェアラブルデバイスが前記アクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に備え、前記第2の刺激は、前記第1の刺激とは異なり、前記プロセッサは、前記第2のセンサに動作可能に結合され、前記プロセッサは、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサから受信された信号に基づいて前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2のセンサは、筋音図センサである、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に備え、前記パッチは、前記光学センサ及び前記プロセッサを担持する、請求項18~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、前記ベルトは、前記光学センサ及び前記プロセッサを担持する、請求項18~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
対象の排便事象を検知するための方法であって、前記方法は、
前記対象の胴体上に担持されたウェアラブルデバイスの光学センサによって、前記対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、
前記ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、前記対象の腹筋運動信号を検知することと、
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光と、前記対象の検知された前記腹筋運動信号とに少なくとも部分的に基づいて、前記排便事象の発生を判定することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記ウェアラブルデバイスのガスセンサによって、放屁を検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記放屁に少なくとも部分的に基づく、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、前記対象の前記腹筋運動信号を検知する前に、前記対象による着座の動きを検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記着座の動きに少なくとも部分的に基づく、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、前記放屁を検知した後の前記対象による起立の動きを検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記起立の動きに少なくとも部分的に基づく、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
一定期間にわたって前記対象の複数の排便事象を検知することを更に含む、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記対象の前記複数の排便事象の各々を検知することは、
前記ウェアラブルデバイスの前記筋音図センサによって、前記対象の腹筋運動信号を検知することと、
前記光学センサによって、前記対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、
前記対象の検知された前記腹筋運動信号及び前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の排便事象の各々の発生を判定することと、を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに前記光学センサによって前記増加した光を検知することは、前記筋音図センサによって前記対象の前記腹筋運動信号を検知することに先行する、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記筋音図センサによって、前記対象の前記腹筋運動信号を検知することは、前記光学センサによって、前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに前記増加した光を検知することに先行する、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光に基づいて、前記ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成することを更に含み、前記スリープモードでは、前記筋音図センサは非アクティブであり、前記アクティブモードでは、前記筋音図センサは、前記対象の前記腹筋運動信号を検知するように構成されている、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムであって、前記システムは、
第1のウェアラブルデバイスであって、前記第1のウェアラブルデバイスは、前記対象の身体上に担持されるように構成され、前記第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第1の刺激を検知するように構成された第1の排便事象センサを備える、第1のウェアラブルデバイスと、
前記対象の前記身体上に担持されるように構成された第2のウェアラブルデバイスであって、前記第2のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第2の刺激を検知するように構成された第2の排便事象センサを備える、第2のウェアラブルデバイスと、
前記第1の排便事象センサ及び前記第2の排便事象センサに動作可能に結合され、前記1つ以上の第2の刺激に基づいて前記対象の検出された排便事象の発生を判定し、前記検出された排便事象の所定の期間内に前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
【請求項35】
前記1つ以上のプロセッサは、前記対象の排便事象に関連付けられた、前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、
前記第1のウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、前記第1のウェアラブルデバイスが前記第1の排便事象センサを介して前記対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成され、
前記1つ以上のプロセッサは、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている、請求項34又は35に記載のシステム。
【請求項37】
前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサに動作可能に結合された第1のプロセッサと、前記第2の排便事象センサに動作可能に結合された第2のプロセッサと、を備え、前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサは、互いに動作可能に結合されている、請求項34~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサ及び前記第2の排便事象センサに動作可能に結合されたシングルプロセッサからなる、請求項34~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記第1のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチを含む、請求項34~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記第2のウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを備える、請求項34~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1のウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項34~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、前記第1のウェアラブルデバイスと無線通信する、請求項34~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、異なるタイプの刺激である、請求項34~42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、同じタイプの刺激である、請求項34~42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
対象の排便事象を検出するために第1のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法であって、前記方法は、
前記第1のウェアラブルデバイスによって担持された第1の排便事象センサによって、1つ以上の第1の刺激を検知することと、
第2のウェアラブルデバイスによって担持された第2の排便事象センサによって、1つ以上の第2の刺激を検知することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記第2の刺激に基づいて前記対象の検出された排便事象の発生を判定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記検出された排便事象の所定の期間内に前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を前記対象の排便事象に関連付けることと、を含む、方法。
【請求項46】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記対象の排便事象に関連付けられた前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、前記第1のウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、前記第1のウェアラブルデバイスが前記第1の排便事象センサを介して前記対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成され、前記方法は、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けることを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサに動作可能に結合された第1のプロセッサと、前記第2の排便事象センサに動作可能に結合された第2のプロセッサと、を備え、前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサは、互いに動作可能に結合されている、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサ及び前記第2の排便事象センサに動作可能に結合されたシングルプロセッサからなる、請求項45~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記第1のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチを含む、請求項45~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記第2のウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを備える、請求項45~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記第1のウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項45~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、前記第1のウェアラブルデバイスと無線通信する、請求項45~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、異なるタイプの刺激である、請求項45~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、同じタイプの刺激である、請求項45~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムであって、前記システムは、
ウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の身体上に担持されるように構成され、前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上の刺激を検知するように構成された排便事象センサを備える、ウェアラブルデバイスと、
排便事象が発生した排便時点を示す前記対象からのユーザ入力を受信するように構成されたモバイルデバイスと、
前記排便事象センサ及び前記モバイルデバイスと動作可能に結合され、前記排便時点の所定の期間内に前記排便事象センサによって検知された刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
【請求項57】
前記1つ以上のプロセッサは、前記対象の排便事象に関連付けられた、前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、
前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、前記ウェアラブルデバイスが前記排便事象センサを介して前記対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成され、
前記1つ以上のプロセッサは、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている、請求項56又は57に記載のシステム。
【請求項59】
前記モバイルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項56~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記ウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項56~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたスマートウォッチ及びパッチのうちの少なくとも1つを備える、請求項56~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
対象の排便事象を検出するためにウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法であって、前記方法は、
前記ウェアラブルデバイスによって担持された排便事象センサによって、1つ以上の刺激を検知することと、
排便事象が発生した排便時点を示す、前記対象のモバイルデバイスを介したユーザ入力を受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記排便時点の所定の期間内に前記排便事象センサによって検知された刺激を前記対象の排便事象に関連付けることと、を含む、方法。
【請求項63】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記対象の排便事象に関連付けられた、前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときにスリープモードからアクティブモードに移行するように構成され、前記方法は、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けることを更に含む、請求項62又は63に記載の方法。
【請求項65】
前記モバイルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記ウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、請求項62~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたスマートウォッチ及びパッチのうちの少なくとも1つを備える、請求項62~66のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象の排便事象を自動的に検知するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、かかる事象に関連付けられた1つ以上の動作を検知することによって排便事象を検知するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排便事象データ(例えば、かかる事象の頻度及び/又はタイミング)を正確に取得することは、典型的には、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome、IBS)、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease、IBD)、及び慢性便秘などの種々の消化器疾患の診断、評価、治療、及び/又は管理に必要とされる。しかしながら、かかるデータを取得することは、煩雑である場合があり、通常は患者の記憶に依存するため、不正確になる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、排便事象を容易かつ正確に検知し、排便事象データを取得するためのシステム及び方法を提供する。これらのシステム及び方法は、患者の記憶に依存する必要はない。
【0004】
本開示の一実施形態によれば、対象の排便事象を検知するためのシステムは、対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、スリープモード及びアクティブモードで動作可能である。ウェアラブルデバイスは、第1の刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサと、対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図(mechanomyogram、MMG)センサと、を含む。プロセッサは、ウェイクアップセンサ及びMMGセンサに動作可能に結合されている。プロセッサは、ウェイクアップセンサによって検知された第1の刺激に基づいて、ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成する。アクティブモードにおいて、ウェアラブルデバイスは、プロセッサと通信して、MMGセンサによって検知された腹筋運動信号に基づいて対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0005】
一部の実施形態では、対象の腹筋運動信号は、第2の刺激であり、システムは、プロセッサに動作可能に結合され、第3の刺激を検知するように構成された第3のセンサを更に含む。アクティブモードでは、プロセッサは、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び第3のセンサによって検知された第3の刺激に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0006】
一部の実施形態では、第3のセンサは、ウェアラブルデバイス内に配置され、放屁を検知するように構成されたガスセンサを含む。
【0007】
一部の実施形態では、第3のセンサは、トイレ水洗音を検知するように構成された音声センサである。一部の実施形態では、音声センサはまた、衣類の移動、例えば、下半身衣類を脱ぐ際の擦れによって生じる、又はそれに関連付けられた音を検知するように構成され得る。
【0008】
一部の実施形態では、第3のセンサは、対象の筋肉電気信号を検知するように構成された筋電図電極である。
【0009】
一部の実施形態では、第3のセンサは、対象の姿勢の変化を検知するように構成された慣性測定ユニットである。
【0010】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に含み、パッチは、ウェイクアップセンサ及び筋音図センサを担持する。
【0011】
一部の実施形態では、パッチは、プロセッサを更に担持する。
【0012】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に含み、ベルトは、ウェイクアップセンサ及び筋音図センサを担持する。
【0013】
一部の実施形態では、ベルトは、プロセッサを更に担持する。
【0014】
一部の実施形態では、ウェイクアップセンサは、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知するように構成された光学センサ及び抵抗力センサのうちの1つを含む。
【0015】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の健康に関連付けられた健康刺激を検知するように構成された健康センサを更に含む。
【0016】
一部の実施形態では、健康センサは、対象の便中の血液を検知するように構成された血液センサを含む。
【0017】
一部の実施形態では、血液センサは、1つ以上の揮発性有機化合物を検知するように構成された固体蒸気検出センサを含む。
【0018】
本開示の別の実施形態によれば、対象の排便事象を検知するためのシステムは、対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、放屁を検知するように構成されたガスセンサと、を含む。プロセッサは、筋音図センサ及びガスセンサに動作可能に結合される。プロセッサは、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及びガスセンサによって検知された放屁に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0019】
一部の実施形態では、プロセッサは、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及びガスセンサによって検知された放屁のうちの一方が、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及びガスセンサによって検知された放屁のうちの他方に先行することを含む一連の事象に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0020】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、筋音図センサ、ガスセンサ、及びプロセッサを担持する基部を更に含む。
【0021】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検知するためのシステムは、対象の胴体上及び対象によって着用される下半身衣類の下に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知するように構成された光学センサを含む。プロセッサは、光学センサに動作可能に結合され、プロセッサは、光学センサによって検知された増加した光に少なくとも部分的に基づいて、排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0022】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、アクティブモード及びスリープモードで動作可能であり、プロセッサは、光学センサによって検知された増加した光に応答して、対象が下半身衣類を脱いだことを判定すると、ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成する。
【0023】
一部の実施形態では、光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサである。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがアクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に含む。第2の刺激は、第1の刺激とは異なる。プロセッサは、第2のセンサに動作可能に結合され、プロセッサは、第2のセンサから受信される信号に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0024】
一部の実施形態では、光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサである。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがアクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に含む。第2の刺激は、第1の刺激とは異なる。プロセッサは、第2のセンサに動作可能に結合され、プロセッサは、第1のセンサ及び第2のセンサから受信される信号に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0025】
一部の実施形態では、第2のセンサは筋音図センサである。
【0026】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に含み、パッチは、光学センサ及びプロセッサを担持する。
【0027】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、ベルトは、光学センサ及びプロセッサを担持する。
【0028】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検知するための方法は、対象の胴体上に担持されるウェアラブルデバイスの光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することと、少なくとも部分的に、対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光、及び対象の検知された腹筋運動信号に基づいて、排便事象の発生を判定することと、を含む。
【0029】
一部の実施形態では、方法は、ウェアラブルデバイスのガスセンサによって、放屁を検知することを更に含み、排便事象が発生したという判定は、検知された放屁に少なくとも部分的に基づく。
【0030】
一部の実施形態では、方法は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、対象の腹筋運動信号を検知する前に、対象による着座の動きを検知することを更に含み、排便事象が発生したという判定は、検知された着座の動きに少なくとも部分的に基づく。
【0031】
一部の実施形態では、方法は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、放屁を検知した後の対象による起立の動きを検知することを更に含み、排便事象が発生したという判定は、検知された起立の動きに少なくとも部分的に基づく。
【0032】
一部の実施形態では、方法は、一定期間にわたって対象の複数の排便事象を検知することを更に含む。
【0033】
一部の実施形態において、対象の複数の排便事象の各々を検知することは、ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することと、光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、少なくとも部分的に、対象の検知された腹筋運動信号及び対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に基づいて、複数の排便事象の各々の発生を判定することと、を含む。
【0034】
一部の実施形態では、光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することは、筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することに先行する。
【0035】
一部の実施形態では、筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することは、光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することに先行する。
【0036】
一部の実施形態では、方法は、対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に基づいて、ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成することを更に含み、スリープモードでは、筋音図センサは、非アクティブであり、アクティブモードでは、筋音図センサは、対象の腹筋運動信号を検知するように構成されている。
【0037】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムは、対象の身体上に担持されるように構成された第1のウェアラブルデバイスを含む。第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第1の刺激を検知するように構成された第1の排便事象センサを含む。システムは、対象の身体上に担持されるように構成された第2のウェアラブルデバイスを更に含む。第2のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第2の刺激を検知するように構成された第2の排便事象センサを含む。システムは、第1の排便事象センサ及び第2の排便事象センサに動作可能に結合され、1つ以上の第2の刺激に基づいて対象の検出された排便事象の発生を判定し、検出された排便事象の所定の期間内に第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサを更に備える。
【0038】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている。
【0039】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に含む。第1のウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、第1のウェアラブルデバイスが第1の排便事象センサを介して対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成されている。1つ以上のプロセッサは、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている。
【0040】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1の排便事象センサに動作可能に結合された第1のプロセッサと、第2の排便事象センサに動作可能に結合された第2のプロセッサと、を備え、第1のプロセッサ及び第2のプロセッサは、互いに動作可能に結合される。
【0041】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1の排便事象センサ及び第2の排便事象センサに動作可能に結合されたシングルプロセッサからなる。
【0042】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチを含む。
【0043】
一部の実施形態では、第2のウェアラブルデバイスは、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを含む。
【0044】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、第1のウェアラブルデバイスと無線通信する。
【0046】
一部の実施形態では、第1の刺激及び第2の刺激は、異なるタイプの刺激である。
【0047】
一部の実施形態では、第1の刺激及び第2の刺激は、同じタイプの刺激である。
【0048】
本開示の別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するために第1のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法は、第1のウェアラブルデバイスによって担持された第1の排便事象センサによって、1つ以上の第1の刺激を検知することと、第2のウェアラブルデバイスによって担持された第2の排便事象センサによって、1つ以上の第2の刺激を検知することと、1つ以上のプロセッサによって、第2の刺激に基づいて、対象の検出された排便事象の発生を判定することと、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の所定の期間内に第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を対象の排便事象に関連付けることと、を含む。
【0049】
一部の実施形態では、方法は、1つ以上のプロセッサによって、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む。
【0050】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、第1のウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、第1のウェアラブルデバイスが第1の排便事象センサを介して対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成されている。方法は、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けることを更に含む。第2の所定の期間は、所定の期間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0051】
本開示の別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムは、対象の身体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、1つ以上の刺激を検知するように構成された排便事象センサを含む。システムは、排便事象が発生した排便時点を示す対象からのユーザ入力を受信するように構成されたモバイルデバイスを更に含む。システムは、排便事象センサ及びモバイルデバイスと動作可能に結合され、排便時点の所定の期間内に排便事象センサによって検知された刺激を対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサを更に含む。
【0052】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている。
【0053】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、ウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、ウェアラブルデバイスが排便事象センサを介して対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成されている。1つ以上のプロセッサは、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている。第2の所定の期間は、所定の期間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0054】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するためにウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法は、ウェアラブルデバイスによって担持された排便事象センサによって、1つ以上の刺激を検知することを含む。方法は、対象のモバイルデバイスを介して、排便事象が発生した排便時点を示すユーザ入力を受信することを更に含む。方法は、1つ以上のプロセッサによって、排便時点の所定の期間内に排便事象センサによって検知された刺激を、対象の排便事象に関連付けることを更に含む。
【0055】
一部の実施形態では、方法は、1つ以上のプロセッサによって、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む。
【0056】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、ウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときにスリープモードからアクティブモードに移行するように構成され、方法は、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の上述の、及び他の利点及び目的、並びにそれらを達成する様式は、添付の図面に関連してなされた本発明の実施形態の以下の記述を参照することによって、より明らかになり、かつ本発明自体がよりよく理解されるであろう。
図1】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するためのシステムの概略図である。
図2】本開示の別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの斜視図である。
図3図2のウェアラブルデバイスの底面図である。
図4A】本開示の別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの正面斜視図である。
図4B】本開示の別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの背面斜視図である。
図5】本開示の更に別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの斜視図である。
図6】本開示の更なる実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの斜視図である。
図7図6のウェアラブルデバイスの平面図である。
図8図6のウェアラブルデバイスの底面図である。
図9】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための方法のフロー図である。
図10】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図11】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図12】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図13】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図14】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図15】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図16】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図17】本開示の一実施形態による、第2のウェアラブルデバイスを使用することによって排便事象を検知するように第1のウェアラブルデバイスを訓練するための方法のフロー図である。
図18】本開示の一実施形態による、対象のモバイルデバイスを介して受信された手動ユーザ入力を使用して排便事象を検知するようにウェアラブルデバイスを訓練するための方法のフロー図である。
【0058】
複数の図面全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。図面は、本発明の実施形態を表すものであるが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明をより良好に例示及び説明するために、ある特徴は、いくつかの図面で誇張又は省略されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本開示の実施形態によるシステム及び方法は、排便事象に関連付けられた1つ以上の刺激を検知することによって、対象の排便事象を検知することを容易にする。対象は、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、及び慢性便秘などの胃腸疾患の治療のための臨床試験の参加者であり得る。代替的に、本開示の実施形態によるシステム及び方法は、排便事象を検知及び記録するために個々の患者によって使用されてもよく、結果として生じるデータは、患者の胃腸の健康及び/又は治療を評価するときに、医療提供者によって精査されてもよい。
【0060】
ここで図1を参照すると、本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するためのシステム100が、概略的に示されている。概して、システム100は、対象によって着用され、対象に取り付けられ、又は別様で対象によって担持されるように構成されたウェアラブルデバイス102を含む。ウェアラブルデバイス102は、対象の排便事象を示す1つ以上の刺激を検知する。ウェアラブルデバイス102は、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合され(例示的には、無線通信を介して-本出願で使用されるように、用語「動作可能に結合される」は、1つ以上の介在デバイス又は構成要素を介して直接的又は間接的であるかどうかにかかわらず、有線データ通信及び無線データ通信を含み、かかるデータ通信は、連続的又は断続的であり得る)、ウェアラブルデバイス102は、排便事象に関するデータをリモートデバイス104に送信する。リモートデバイス104は、排便事象に関するデータを分析し、表示し、又は別様で、臨床試験管理者、ヘルスケア提供者、又は対象自身などの1人以上のユーザに提供することができる。これらの態様は、以下で更に詳しく説明される。
【0061】
引き続き図1を参照すると、ウェアラブルデバイス102は、対象に取り付けられるか、又は別様で対象によって担持されるように構成された基部106を含む。基部106は、対象の排便事象を検知し記録することを容易にする電子機器アセンブリ108を担持する。図示される実施形態では、電子機器アセンブリ108は、排便事象に先行する「ウェイクアップ」刺激を検知する、1つ以上のウェイクアップセンサ110を含む。ウェイクアップセンサ110は、(例示的に、有線通信を介して)プロセッサ112に動作可能に結合する。ウェイクアップセンサ110が1つ以上のウェイクアップ刺激を検知したときに、プロセッサ112は、デバイス102をスリープモードからアクティブモードに再構成する。スリープモードでは、電子機器アセンブリ108の1つ以上の構成要素は、低電力消費状態で動作してもよく(例えば、より低いクロックレート、より低い電圧、若しくは両方で動作する)、又は非アクティブ若しくは「オフ」であってもよい。一部の実施形態では、スリープモードにおいて、プロセッサ112は、センサから出力された信号が無視されるか、処理されないか、又は記憶されない状態にあり得る。アクティブモードでは、電子機器アセンブリ108の1つ以上の構成要素は、高電力消費状態で動作してもよく(例えば、より高いクロックレート、より高い電圧、若しくは両方で動作する)、又はアクティブ若しくは「オン」であり得る。例示的に、かかる構成要素は、排便事象中に刺激を検知する1つ以上の排便事象センサ114を含んでもよい。一部の実施形態では、アクティブモードにおいて、プロセッサ112は、センサから出力された信号が処理及び/又は記憶される状態にされてもよい。別の言い方をすれば、ウェイクアップセンサ110は、潜在的な排便事象のためにデバイス102を起動してもよく、排便事象センサ114は、その後、排便事象の発生を確認するために使用されてもよい。
【0062】
ウェイクアップセンサ110は、種々の形態をとることができる。例えば、ウェイクアップセンサ110は、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知する1つ以上の光学センサ及び/又は1つ以上の抵抗力センサを含んでもよい。より具体的には、光学センサは、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知し、抵抗力センサは、下半身衣類によって加えられる接触力の欠如を検知する。別の例として、ウェイクアップセンサ110は、対象が下半身衣類を脱ぐときに1つ以上の対応する音を検知する1つ以上の音声センサを含み得る。更に別の例として、ウェイクアップセンサ110は、例えば、着座又は起立に関連付けられたユーザの姿勢の変化を検出する1つ以上の加速度計及び/又は慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)を含み得る。ウェイクアップセンサによって検知され、電子アセンブリ108を非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替えさせるウェイクアップ刺激は、単一の検知された刺激、例えば、増加した光、抵抗力センサからの接触力の除去、及び/又は衣類を脱いだことに関連付けられた音を含み得る。代替的に又は追加的に、ウェイクアップ刺激は、特定のシーケンスで検知されるか又は時間的に近接してグループ化される複数の刺激(例えば、前述の刺激のうちのいずれか)を含み得る。かかるウェイクアップセンサを含むウェアラブルデバイスの特定の実施形態が、以下で更に詳細に説明される。
【0063】
同様に、排便事象センサ114は、種々の形態をとることができる。例えば、排便事象センサ114は、対象の腹筋電気信号を検知するための1つ以上の筋電図(electromyogram、EMG)電極を含んでもよく、これは、排便事象中、例えば、バルサルバ法中のそれらの筋肉の収縮を示すことができる。別の例として、排便事象センサ114は、対象の心臓電気信号を検知するための1つ以上の心電図(electrocardiogram、ECG)電極及び/又は1つ以上のフォトプレチスモグラフィ(photoplethysmography、PPG)センサを含んでもよく、これはバルサルバ法中の心拍数の減少及びその後の増加を示すことができる。別の例として、排便事象センサ114は、対象の腹筋の低周波振動を検知するための1つ以上の筋音図(MMG)センサを含んでもよく、これは排便事象中のそれらの筋肉の収縮を示すことができる。別の例として、排便事象センサ114は、対象の姿勢の変化、より具体的には排便事象前の着座姿勢への変化及び/又は排便事象後の起立姿勢への変化を検知するための1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、対象の腸から発せられる音、トイレ水洗音、及び/又は放屁に関連する音を検知するための1つ以上の音声センサを含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、放屁を検知するように構成された1つ以上のガスセンサを含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、排便事象前又は排便事象中に発生し得る腸の温度変化を検知するための1つ以上の温度センサを含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知する1つ以上の光学センサ及び/又は1つ以上の抵抗力センサを含み得る。かかる排便事象センサを含むウェアラブルデバイスの特定の実施形態は、以下で更に詳細に説明される。
【0064】
図1を継続して参照すると、図示される実施形態では、電子機器アセンブリ108は、対象の健康に関連付けられた刺激を検知する1つ以上の健康センサ115を更に含む。健康センサ115は、種々の形態をとることができる。例えば、健康センサ115は、1つ以上の胃腸疾患を示し得る対象の便中の血液を検出する、血液センサであってもよい。より具体的には、血液センサは、「金属臭」を生成する1つ以上の揮発性有機化合物(volatile organic compound、VOC)(例えば、血液中のイオンと便中の脂質との反応によって形成される、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、及び/又は1-オクテン-3-オン)を検出する、固体蒸気検出センサであり得る。一部の実施形態では、健康センサ115は、通常、スリープモードにあってもよく、健康センサ115は、排便事象センサ114のうちの1つ以上が排便事象を検出すると、アクティブモードに再構成されてもよい。代替的に、健康センサ115は、通常、スリープモードにあってもよく、健康センサ115は、ウェイクアップセンサ110のうちの1つ以上が1つ以上のウェイクアップ刺激を検知したときにアクティブモードに再構成されてもよい。
【0065】
図1を更に参照すると、プロセッサ112は、プロセッサ112によって実行されたとき、ウェアラブルデバイス102に本明細書で説明する機能を実行させる、記憶されたソフトウェア及び/又はファームウェアコードを実行することが可能な任意のデバイス又は構成要素であり得る。プロセッサ112は、例えば、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、ハードワイヤードロジック、それらの組み合わせなどであってもよい。
【0066】
プロセッサ112は、欠陥事象及び/又は対象の健康に関するデータを記憶するためのメモリ116に(例示的には、有線通信を介して)動作可能に結合する。かかるデータは、例えば、排便事象時間、事象の長さ、事象を検知したウェイクアップセンサ110及び/又は排便事象センサ114、事象を検知しなかったウェイクアップセンサ110及び/又は排便事象センサ114、健康センサ115から受信したデータなどを含み得る。メモリ116は、プロセッサ112によってアクセス可能な任意の適切なコンピュータ可読媒体であり得る。メモリ116は、単一の記憶デバイス又は複数の記憶デバイスであってもよく、プロセッサ112の内部又は外部に位置してもよく、揮発性及び不揮発性媒体の両方を含んでもよい。メモリ116は、例えば、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(electrically erasable programmable ROM、EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気記憶デバイス、光ディスク記憶装置、又はデータを記憶することができ、プロセッサ112によってアクセス可能な任意の他の適切な媒体であってもよい。
【0067】
プロセッサ112はまた、ウェイクアップセンサ110、排便事象センサ114、及び健康センサ115を含む、電子機器アセンブリ108の種々の構成要素に電力を提供するために、電源118に動作可能に結合する(例示的に、有線通信を介して)。電源118は、例えば、1つ以上の再充電可能バッテリ、1つ以上の誘導/無線電力受信機などであり得る。
【0068】
図1を継続して参照すると、プロセッサ112はまた、ユーザインターフェース122に動作可能に結合する(例示的に、有線通信を介して)。ユーザインターフェース122は、1つ以上のユーザ入力を受信するように(例えば、排便事象の発生を手動で確認するように)、並びに/又はシステム100によって生成されるデータ、情報、及び/若しくはプロンプトを表示するように動作する。ユーザインターフェース122は、ユーザ入力を受信するための少なくとも1つの入力デバイスを含み得る。ユーザインターフェース122は、データを表示し、ユーザ入力を受信するように動作可能なタッチスクリーンディスプレイを有するグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を含み得る。代替的に、ユーザインターフェース122は、非タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、スピーカ、それらの組み合わせなどを含み得る。
【0069】
プロセッサ112は更に、メモリ116によって記憶された排便事象情報及び/又は対象の健康データなどの情報をリモートデバイス104に無線送信するための送信機120に(例示的には、有線通信を介して)動作可能に結合する。送信機120は、例えば、Bluetooth(登録商標)送信機、IEEE 802.11送信機、セルラー通信送信機、近距離通信送信機などであり得る。送信機120は、リモートデバイス104に連続的に結合されるか又は間欠的に結合され得る。リモートデバイス104からウェアラブルデバイス102への情報の提供を容易にするために、送信機120の代わりにトランシーバ(図示せず)が使用され得る。かかる情報は、例えば、ソフトウェア更新を含み得る。
【0070】
リモートデバイス104は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、又はタブレットデバイスなどのモバイルデバイス、パーソナルコンピュータ、リモートコンピュータ又はデータベースなどであり得る。臨床試験設定では、リモートデバイス104は、種々のウェアラブルデバイス102から受信された排便事象データ及び/又は対象健康データを分析し、ウェアラブルデバイス102を使用して対象に提供される1つ以上の治療の有効性を評価することが可能であり得る。他の設定では、リモートデバイス104は、ウェアラブルデバイス102を使用して、医療提供者又は対象などのユーザに排便事象データ及び/又は対象健康データを提供するための1つ以上のディスプレイを含むか、又はそれに動作可能に結合されてもよい。
【0071】
システム100、より具体的にはウェアラブルデバイス102は、種々の様式で変更することができる。例えば、送信機120は、有線通信を介して、リモートデバイス104に結合してもよく、又はプロセッサ112は、無線通信を介して、電子機器アセンブリ108の他の構成要素のうちの1つ以上に動作可能に結合してもよい。同様に、一部の実施形態では、ウェアラブルデバイス102は、プロセッサ112を欠いてもよく、センサ110、114、115は、代わりに、スマートフォンのプロセッサなどのリモートデバイス104のプロセッサに動作可能に結合されてもよい。一部の実施形態では、ウェアラブルデバイス102は、ユーザインターフェース122を含まなくてもよく、代わりに、リモートデバイス104との無線通信に依存し、ユーザに情報を伝達し、かつ/又はユーザから命令を受信してもよい。更なる例として、一部の実施形態では、それぞれがリモートデバイス104に動作可能に結合された2つ以上のウェアラブルデバイス102があってもよい。例えば、スマートウォッチの形態をとる第1のウェアラブルデバイス102と、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチの形態をとる第2のウェアラブルデバイス102とが存在してもよく、両方のウェアラブルデバイスは、リモートデバイス104(例えば、スマートフォン)に動作可能に結合される。かかる実施形態では、全てのウェアラブルデバイスは、同様のセンサ110、114、及び/若しくは115を備えてもよく、又はウェアラブルデバイスは、異なるセンサ110、114、及び/又は115を備えてもよい。具体的な例として、スマートウォッチの形態をとる第1のウェアラブルデバイス102は、排便事象センサとして機能する音声センサ及び加速度計/動きセンサを含んでもよい一方、胴体パッチの形態をとる第2のウェアラブルデバイス102は、他の種類の排便事象センサ(例えば、ガスセンサ、筋音図センサ、及び/又は筋電図センサ)を備えてもよい。全てのウェアラブルデバイスがリモートデバイス104に動作可能に結合されているため、リモートデバイス104は、排便事象を検出するために、全ての動作可能に結合されたウェアラブルデバイスからの入力を使用することができる。
【0072】
ここで図2及び図3を参照すると、本開示の一実施形態によるウェアラブルデバイス202が示されている。ウェアラブルデバイス202は、上述のウェアラブルデバイス102のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス202は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス202はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス202は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部又はハウジング206を含む。より具体的には、基部206は、対象の胴体に接着固定することができるパッチである。基部206の患者を向く側222は、対象に接着固定され得る。基部206の患者を向く側222はまた、1つ以上の排便事象センサ214、より具体的には、対象の腹筋電気信号を検知するための複数の筋電図電極224を含む。基部206はまた、1つ以上のウェイクアップセンサ210、より具体的には、下半身衣類の下に配置され、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知するように構成された細長い光学センサ226を担持する。基部206は、プロセッサ212及び電源218を内部に担持する。一部の実施形態では、基部206は、慣性測定ユニット、ガスセンサ、筋音図センサ、又は本明細書で企図される他のセンサのいずれかなどの追加のセンサを担持することができる。
【0073】
図4A及び図4Bを参照すると、本開示の別の実施形態によるウェアラブルデバイス302が示されている。ウェアラブルデバイス302は、上述のウェアラブルデバイス102の別のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス302は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス302はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス302は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部306を含む。より具体的には、基部306は、対象の胴体に接着固定することができるパッチである。基部306の患者を向く側322は、対象に接着固定され得る。基部306の患者を向く側322はまた、1つ以上の排便事象センサ314、より具体的には、対象の腹筋電気信号を検知するための複数の筋電図電極324と、対象の腹筋運動信号を検知するための筋音図センサ325(図4B)と、を含む。基部306の反対側328は、排便事象センサ314に動作可能に結合するハブ330(図4A)を取り外し可能に担持する。ハブ330は、プロセッサ(図示せず)、メモリ(図示せず)、及び電源(図示せず)を担持する。ハブ330は、電源の再充電を容易にするために基部306から取り外されてもよい。ハブ330はまた、ユーザインターフェース320(図4A)、より具体的には、対象への情報の提供のための1つ以上のライト332及びスピーカ334を担持する。一部の実施形態では、基部306は、光学センサ、音声センサ、慣性測定ユニット、ガスセンサ、又は本明細書で検討される他のセンサのうちのいずれかなどの追加のセンサを担持してもよい。
【0074】
図5を参照すると、本開示の更に別の実施形態によるウェアラブルデバイス402が示されている。ウェアラブルデバイス402は、上述のウェアラブルデバイス102の更に別のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス402は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス402はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス402は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部406を含む。より具体的には、基部406は、対象の胴体の周囲に延在可能であり、胴体に固定可能なベルトである。基部406の患者を向く側422はまた、1つ以上の排便事象センサ414、より具体的には、複数の筋電図電極424、慣性測定ユニット436、及び筋音図センサ438を含む。一部の実施形態では、基部406は、光学センサ、音声センサ、又は本明細書で検討される他のセンサのうちのいずれかなどの追加のセンサを担持してもよい。
【0075】
ここで図6図8を参照すると、本開示の更に別の実施形態によるウェアラブルデバイス502が示されている。ウェアラブルデバイス502は、上述のウェアラブルデバイス102の更に別のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス502は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス502はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス502は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部又はハウジング506を含む。より具体的には、基部506は、対象の胴体に接着固定することができるパッチ540(図6)を担持する。基部506はまた、1つ以上の排便事象センサ514(図8)を担持する。より具体的には、基部506は、対象の腹筋運動信号を検知するための筋音図センサ524と、腸の温度変化を検知するための温度センサ542と、を担持する。基部506は、プロセッサ512(図8)及びバッテリ(図示せず)を内部に担持する。基部506は更に、ユーザインターフェース520(図7)を担持する。ユーザインターフェース520は、デバイス502をスリープモードからアクティブモードに再構成するように作動可能な第1の入力544を含む。ユーザインターフェース520は、デバイス502をアクティブモードからスリープモードに再構成するように作動可能な第2の入力546を更に含む。一部の実施形態では、基部506は、光学センサ、慣性測定ユニット、音声センサ、ガスセンサ、筋電図センサ、又は本明細書で検討される他のセンサのいずれかなどの追加のセンサを担持してもよい。
【0076】
本開示の実施形態によるシステムは、種々の様式で排便事象の発生を判定することができる。例えば、一部の実施形態では、システムは、少なくとも特定の数の排便事象センサ114が対応する刺激を検知した場合(より具体的な例として、排便事象センサ114の大部分が対応する刺激を検知した場合)、排便事象の発生を判定することができる。他の実施形態では、システムは、排便事象センサ114の全てが対応する刺激を検知した場合に排便事象の発生を判定することができる。一部の実施形態では、システムは、機械学習を使用して、特定の対象の排便事象の発生を判定する精度を高めることができる。より具体的には、一部のシステムは、1つ以上の特定の刺激が、特定の対象の排便事象の前又は間に一貫して検知されることを認識することができ、システムは、排便事象の発生を判定するときに、対応するセンサから受信された情報をより重く重み付けすることができる。一部の実施形態では、システムは、排便事象センサ114が特定のシーケンス又はアルゴリズムに従って対応する刺激を検知した場合に、排便事象の発生を判定することができる。同様に、一部の実施形態では、ウェイクアップセンサ110が特定のシーケンス又はアルゴリズムに従って対応する刺激を検知した場合、システムは、デバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成することができる。
【0077】
図9を参照すると、本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための方法600が示されている。方法600を開始する前に、本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのいずれかなどのウェアラブルデバイスが、対象の胴体に取り付けられる。方法600は、ブロック602において、ウェアラブルデバイスの光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することによって開始する。方法600は、ブロック604において、ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することによって継続する。方法600は、対象の検知された腹筋運動信号及び対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に少なくとも部分的に基づいて、排便事象の発生を判定することによって、ブロック606で終了する。
【0078】
方法600は、種々の様式で修正されてよく、かつ/又は種々の追加の動作を含んでよい。例えば、方法600は更に、筋音図センサが非アクティブであるスリープモードから、筋音図センサが、対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に基づいて、対象の腹筋運動信号を検知するように構成される、アクティブモードに、ウェアラブルデバイスを再構成することを含んでもよい。別の例として、方法600は、ウェアラブルデバイスのガスセンサによって、放屁を検知することを更に含んでもよく、排便事象が発生したという判定は、検知された放屁に少なくとも部分的に基づいてもよい。更に別の例として、方法600は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、放屁を検知した後の対象による起立の動きを検知することを更に含んでもよく、排便事象が発生したという判定は、検知された起立の動きに少なくとも部分的に基づいてもよい。更に別の例として、方法600は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、対象の腹筋運動信号を検知する前に、対象による着座の動きを検知することを更に含んでもよく、排便事象が発生したという判定は、検知された着座の動きに少なくとも部分的に基づいてもよい。別の例として、方法600は、複数の日、週、月、又は年などの一定期間にわたって、複数の排便事象を判定するために繰り返されてもよい。代替的な例として、ブロック604における腹筋運動信号の検知は、ブロック602における増加した光の検知に先行してもよい。
【0079】
図10図16は、本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。方法を開始する前に、本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのうちのいずれかなどのウェアラブルデバイス702が、対象Sの胴体に取り付けられる。図10に示されるように、方法は、(A)ウェアラブルデバイス702の筋音図センサ(図示せず)によって、対象Sの腹筋運動信号を検知すること、(B)ウェアラブルデバイス702の温度センサ(図示せず)によって、対象の腸の温度変化を検知すること、及び/又は(C)ウェアラブルデバイス702の音声センサ(図示せず)によって、対象の腸から発せられる音を検知することによって開始する。図11に示されるように、方法は、ウェアラブルデバイス702の光学センサ(図示せず)によって、対象Sが下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することによって継続する。図12に示されるように、方法は、次に、ウェアラブルデバイス702の慣性測定ユニット(図示せず)によって、対象Sの着座の動きを検知することを含む。図13に示されるように、方法は、ウェアラブルデバイス702の筋音図センサ(図示せず)によって、対象Sの腹筋運動信号を検知することによって継続する。図14に示されるように、方法は、次に、ウェアラブルデバイス702のガスセンサ(図示せず)によって、放屁を検知することを含む。図15に示されるように、方法は、ウェアラブルデバイス702の慣性測定ユニット(図示せず)によって、対象Sの起立の動きを検知することによって継続する。図16に示されるように、方法は、次に、(A)リモートデバイス、例示的には対象Sによって装着されるスマートウォッチ704の慣性測定ユニット(図示せず)によって、トイレを流すための手の運動を検知すること、及び/又は(B)リモートデバイスの音声センサ(図示せず)によって、トイレ水洗音を検知することを含む。方法は、以前に検知された刺激のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、排便事象の発生を判定することによって終了する。図10図16に提示された排便事象を検知するための方法は、以前に提示されたステップのうちの1つ以上を省略すること、以前に提示されたステップのうちの一部の間に追加のステップを追加すること、及び/又は提示されたステップの順序を並び替えることによって修正されてもよい。例えば、一部の実施形態では、方法は、(図10に示されるように)対象の腸から発せられる腸温度変化及び/又は音を検知することを含まなくてもよいが、代わりに、(図11に示されるように)対象Sが下半身衣類を脱ぐと、増加した光の検知から開始してもよい。一部の実施形態では、方法は、(図14に示されるように)放屁の検知を省略してもよい。更に他の実施形態では、方法は、図13及び図15に示されるように、慣性測定ユニットによる姿勢の変化の検知を省略してもよい。提示されたステップの全て又は任意のサブセットの任意のシーケンスを使用して、排便事象の発生を判定することができる。
【0080】
対象の排便事象を検出するための本明細書に記載されるシステム及び方法の感度及び特異性は、機械学習技術を使用して改善され得る。図17を参照すると、本開示の実施形態による、排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するための方法800が示されている。方法800を開始する前に、スマートウォッチ又は本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのいずれかなどの第1のウェアラブルデバイス、及び本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのいずれかなどの第2のウェアラブルデバイスが、対象の身体への取り付けのために対象に提供され得る。両方のウェアラブルデバイスは、本明細書に記載されるウェアラブルデバイス102の形態をとってもよい(例えば、図1を参照)。第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第1の刺激を検知するように構成された第1の排便事象センサ114を備えてもよく、第2のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第2の刺激を検知するように構成された第2の排便事象センサ114を備えてもよい。第1のウェアラブルデバイス及び第2のウェアラブルデバイスは、本明細書で企図される様式のうちのいずれかで、無線で、又は有線接続を通してのいずれかで、1つ以上のプロセッサに動作可能に結合される。一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された(例えば、第1のウェアラブルデバイス内に埋め込まれる、又はそれと無線通信する)第1のプロセッサと、第2のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された(例えば、第2のウェアラブルデバイス内に埋め込まれる、又はそれと無線通信する)第2のプロセッサと、を備え得る。かかる実施形態では、第1のプロセッサは、2つのプロセッサが方法800を実装するために一緒に機能し得るように、第2のプロセッサに動作可能に結合され得る。一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1のウェアラブルデバイス及び第2のウェアラブルデバイスの両方に動作可能に結合されたシングルプロセッサからなってもよい。このシングルプロセッサは、第1のウェアラブルデバイス上、第2のウェアラブルデバイス上、又は両方のウェアラブルデバイスと動作可能に結合されたリモートデバイス104(例えば、スマートフォン)上に存在し得る。
【0081】
方法800は、ブロック802において、第1のウェアラブルデバイスによって担持される1つ以上の第1の排便事象センサによって、1つ以上の第1の排便刺激を検知することによって開始する。方法800は、ブロック804において、第2のウェアラブルデバイスによって担持された1つ以上の第2の排便事象センサによって、対象の1つ以上の欠陥事象に関連付けられた1つ以上の第2の刺激を検知することによって継続する。(第1の排便事象センサ及び第2の排便事象センサの両方によって)検知される刺激は、本明細書で企図される刺激のうちのいずれかであり得る。一部の実施形態では、第1の排便刺激及び第2の排便刺激は、異なるタイプの刺激であり得る。例えば、第2の排便事象センサは、EMG電極及び/又はMMGセンサであってもよく、第2の刺激は、対象の腹筋電気信号及び/又は腹筋運動信号であってもよく、第1の排便事象センサは、慣性測定ユニットであってもよく、第1の刺激は、対象の動きであってもよい。他の実施形態では、第1の排便刺激及び第2の排便刺激は、同じタイプの刺激であってもよい。方法800は、1つ以上のプロセッサによって、第2の刺激に基づいて、対象の検出された排便事象の発生を判定することによって、ブロック806に続く。この決定は、本明細書で論じられる方法のいずれかを通して達成され得る。方法800は、ブロック808において、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の所定の期間内(例えば、検出された排便事象の前及び/又は後の60、120、180、及び/又は240秒以内)に第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を対象の排便事象に関連付けることによって継続する。1つ以上のプロセッサは、次いで、対象の排便事象に関連付けられた、第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することができる。
【0082】
方法800は、第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を使用して対象の排便事象を検出するように、1つ以上のプロセッサ上に実装された機械学習アルゴリズムを訓練するために有用であり得る。特に、方法800は、第2の排便事象センサが最初は第1の排便事象センサよりも高い感度及び/又は特異性で排便事象を検出することができるが、最終的には第1の排便事象センサのみを使用して、又は主に第1の排便事象センサを使用して排便事象を検出することが望ましい状況において有用であり得る。
【0083】
例示的かつ非限定的な例として、第2のウェアラブルデバイスは、本明細書に説明されるように、対象の胴体に固着されるように構成されたパッチであり得る。このパッチは、MMGセンサ、EMGセンサ、ECGセンサ、光学センサ、ガスセンサ、及び/又は本明細書に説明されるような他のセンサを備え得る。第1のウェアラブルデバイスは、対象の腕に装着されるように構成されたスマートウォッチであり得る。スマートウォッチは、加速度計/慣性測定ユニット(IMU)及び/又は音声センサなどの追加の又は異なるセンサを備え得る。第2のウェアラブルデバイスは、最初に、第1のウェアラブルデバイスよりも高い特異性及び感度で排便事象を検出することが可能であってもよいが、対象が長期間にわたって装着することは、より煩わしく、かつ/又は不便である可能性がある。したがって、第2のウェアラブルデバイスの支援なしに排便事象を検出するために、第1のウェアラブルデバイス(すなわち、スマートウォッチ)のみを使用するように1つ以上のプロセッサを最終的に訓練することが望ましい場合がある。この訓練を達成するために、第2のウェアラブルデバイスは、本明細書に記載される技術を使用して排便事象を検出すると、1つ以上のプロセッサに、最近(例えば、検出された排便事象の前又は後60又は120秒以内)にスマートウォッチによって記録された運動及び/又は音声信号を排便に関連付けるように命令してもよい。このようにして、第2のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチが排便に関連付けられた運動及び/又は音声信号を排便に関連付けられない運動及び/又は音声信号と区別することを可能にするグラウンドトゥルースラベルを提供する。経時的に、ウェアラブルパッチが1つ以上のプロセッサを訓練するにつれて、プロセッサは、スマートウォッチによって検知された刺激を使用して、より高い精度で排便を予測及び/又は検出することができる。最終的に、スマートウォッチ(又はモバイルデバイス)が完全に訓練されると、対象は、装着型パッチの装着を停止し、排便事象を検出するためにスマートウォッチのみに依存してもよい。
【0084】
1つ以上のプロセッサにおける機械学習アルゴリズムの訓練は、任意の既知の機械学習技術を使用して達成することができる。例えば、1つ以上のプロセッサは、ノードの複数の層を有するニューラルネットワークを使用して、第1の排便な事象センサによって検知された刺激に基づいて欠陥事象を予測又は検出してもよい。かかるニューラルネットワークの感度及び特異性は、排便事象に関連付けられる第1の刺激の例、及び排便事象に関連付けられない第1の刺激の例を提供するグラウンドトゥルースデータを使用して、ノードのかかる層に関連付けられ重みを調整することによって改善され得る。かかるグラウンドトゥルースデータは、本明細書に記載されるように、第2のウェアラブルデバイス上の第2の排便事象センサによって提供され得る。ニューラルネットワーク内の重みは、特定の第1の刺激に基づいて予測された出力を、かかる第1の刺激が排便事象に関連付けられるか否かを示す第2のウェアラブルデバイスによって提供されるグラウンドトゥルースラベルと比較する反復訓練手順を使用して調整され得る。ニューラルネットワークの予測がグラウンドトゥルースラベルと一致しない場合、重みは、ネットワークの予測とグラウンドトゥルースラベルとの間の一致を改善するために、損失関数に従って調整され得る。このようにして、特定の第1の刺激が排便事象に関連付けられるか否かを示すグラウンドトゥルースラベルを提供することによって、ニューラルネットワークの重みは、第1の刺激のみに基づいて排便事象のネットワークの検出を改善するように調整され得る。
【0085】
方法800は、種々の様式で修正されてよく、かつ/又は種々の追加の動作を含んでよい。例えば、1つ以上のプロセッサは、第1のウェアラブルデバイスの1つ以上の排便事象センサが特定のシーケンス又はアルゴリズムに従って対応する刺激を検知した場合に排便事象の発生を判定するように訓練されてもよい。別の例として、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え得る。第1のウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、第1のウェアラブルデバイスが第1の排便事象センサを介して、対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように更に構成されてもよい。方法800は、1つ以上のプロセッサに、検出された排便事象の第2の所定の期間内(例えば、検出された排便事象の前及び/又は後の60、120、180、及び/又は240秒以内)にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を排便事象に関連付けさせることによって修正されてもよい。第2の所定の期間は、所定の期間と同じであってもよいし、所定の期間と異なっていてもよい。このようにして、1つ以上のプロセッサは、より高い感度及び特異性で排便事象を検出するだけでなく、かかる排便事象をより高い精度で検出するためにスリープモードからアクティブモードにウェイクアップするようにも訓練することができる。これは、1つ以上のプロセッサ及び/又は第1のウェアラブルデバイスによって使用される電力を節約するのに役立ち得る。
【0086】
図18を参照すると、本開示の一実施形態による、排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するための別の方法900が示されている。方法900を開始する前に、本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのうちのいずれかなどのウェアラブルデバイスが、対象の身体への取り付けのために対象に提供され得る。ウェアラブルデバイスは、本明細書に記載されるウェアラブルデバイス102(例えば、図1を参照)の形態をとってもよく、1つ以上の刺激を検知するように構成された排便事象センサ114を備えてもよい。ウェアラブルデバイス、及びその中に提供される排便事象センサは、1つ以上のプロセッサに動作可能に結合され得る。1つ以上のプロセッサは、ウェアラブルデバイス上に提供されてもよく、又はウェアラブルデバイスと無線通信してもよい。例えば、1つ以上のプロセッサは、リモートデバイス104(例えば、スマートフォン)上に存在してもよい。
【0087】
方法900は、ウェアラブルデバイスの排便事象センサによって、1つ以上の刺激を検知することによって、ブロック902から開始する。方法900は、対象のモバイルデバイス(例えば、リモートデバイス104)を介して、排便事象が発生した排便時点を示すユーザ入力を受信することによって、ブロック904に続く。ユーザ入力は、ユーザが入力を提供した時点で排便事象が発生したという対象からの手入力(例えば、物理的ボタン及び/又はタッチスクリーン上の仮想ボタンの作動、音声入力)を含み得る。代替的に、又は追加的に、ユーザ入力は、排便事象が過去の特定の時点で発生したことを示す、対象からの手入力を含み得る。代替的に、又は追加的に、ユーザ入力は、排便事象が発生しようとしていること(例えば、対象が排便をしようとしていること)を示す、対象からの手入力を含み得る。
【0088】
方法900は、1つ以上のプロセッサによって、対象から受信された排便時点の所定の期間内(例えば、排便時点の前及び/又は後の60、120、180、及び/又は240秒以内)に排便事象センサによって検知された刺激を排便事象に関連付けることによって、ブロック906に続く。1つ以上のプロセッサは、次いで、対象の排便事象に関連付けられた、第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することができる。このようにして、排便事象センサによって検知された刺激に基づいて排便事象を検出するために1つ以上のプロセッサによって実装される機械学習アルゴリズムは、対象によって手動で提供されるグラウンドトゥルースデータを使用して訓練することができる。かかる訓練は、本明細書で説明される技術のいずれかを使用して実装され得る。
【0089】
本発明は、好ましい設計を有するものとして示され、説明されたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で変更されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適応化を包含することを意図する。更に、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知の又は慣習的な実施内にある、本開示からのかかる逸脱を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、スリープモード及びアクティブモードで動作可能であり、前記ウェアラブルデバイスは、
第1の刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサと、
前記対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、を備える、ウェアラブルデバイスと、
前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記ウェイクアップセンサによって検知された前記第1の刺激に基づいて、前記ウェアラブルデバイスを前記スリープモードから前記アクティブモードに切り替えるように構成され、前記アクティブモードにおいて、前記ウェアラブルデバイスは、前記プロセッサと通信して、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記対象の前記腹筋運動信号は、第2の刺激であり、前記システムは、前記プロセッサに動作可能に結合され、第3の刺激を検知するように構成された第3のセンサを更に備え、前記アクティブモードにおいて、前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び前記第3のセンサによって検知された前記第3の刺激に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第3のセンサは、前記ウェアラブルデバイス内に配置され、放屁を検知するように構成されたガスセンサを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第3のセンサは、トイレ水洗音を検知するように構成された音声センサである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第3のセンサは、前記対象の筋肉電気信号を検知するように構成された筋電図電極である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第3のセンサは、前記対象の姿勢の変化を検知するように構成された慣性測定ユニットである、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に備え、前記パッチは、前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサを担持する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記パッチは、前記プロセッサを更に担持する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、前記ベルトは、前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサを担持する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ベルトは、前記プロセッサを更に担持する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ウェイクアップセンサは、前記対象が下半身衣類を脱ぐときを検知するように構成された光学センサ及び抵抗力センサのうちの1つを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の健康に関連付けられた健康刺激を検知するように構成された健康センサを更に備える、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記健康センサは、前記対象の便中の血液を検知するように構成された血液センサを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記血液センサは、1つ以上の揮発性有機化合物を検知するように構成された固体蒸気検出センサを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、
前記対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、
放屁を検知するように構成されたガスセンサと、を備える、ウェアラブルデバイスと、
前記筋音図センサ及び前記ガスセンサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された放屁に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された前記腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された前記放屁のうちの一方が、前記筋音図センサによって検知された前記腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された前記放屁のうちの他方に先行することを含む一連の事象に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ウェアラブルデバイスは、前記筋音図センサ、前記ガスセンサ、及び前記プロセッサを担持する基部を更に備える、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上及び前記対象によって着用された下半身衣類の下に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知するように構成された光学センサを備える、ウェアラブルデバイスと、
前記光学センサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記光学センサによって検知された前記増加した光に少なくとも部分的に基づいて排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項19】
前記ウェアラブルデバイスは、アクティブモード及びスリープモードで動作可能であり、前記プロセッサは、前記光学センサによって検知された前記増加した光に応答して、前記対象が前記下半身衣類を脱いだことを判定すると、前記ウェアラブルデバイスを前記スリープモードから前記アクティブモードに切り替えるように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサであり、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェアラブルデバイスが前記アクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に備え、前記第2の刺激は、前記第1の刺激とは異なり、前記プロセッサは、前記第2のセンサに動作可能に結合され、前記プロセッサは、前記第2のセンサから受信された信号に基づいて前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサであり、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェアラブルデバイスが前記アクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に備え、前記第2の刺激は、前記第1の刺激とは異なり、前記プロセッサは、前記第2のセンサに動作可能に結合され、前記プロセッサは、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサから受信された信号に基づいて前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2のセンサは、筋音図センサである、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に備え、前記パッチは、前記光学センサ及び前記プロセッサを担持する、請求項18~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、前記ベルトは、前記光学センサ及び前記プロセッサを担持する、請求項18~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
対象の排便事象を検知するための方法であって、前記方法は、
前記対象の胴体上に担持されたウェアラブルデバイスの光学センサによって、前記対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、
前記ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、前記対象の腹筋運動信号を検知することと、
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光と、前記対象の検知された前記腹筋運動信号とに少なくとも部分的に基づいて、前記排便事象の発生を判定することと、を含む、方法。
【請求項26】
前記ウェアラブルデバイスのガスセンサによって、放屁を検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記放屁に少なくとも部分的に基づく、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、前記対象の前記腹筋運動信号を検知する前に、前記対象による着座の動きを検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記着座の動きに少なくとも部分的に基づく、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、前記放屁を検知した後の前記対象による起立の動きを検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記起立の動きに少なくとも部分的に基づく、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
一定期間にわたって前記対象の複数の排便事象を検知することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記対象の前記複数の排便事象の各々を検知することは、
前記ウェアラブルデバイスの前記筋音図センサによって、前記対象の腹筋運動信号を検知することと、
前記光学センサによって、前記対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、
前記対象の検知された前記腹筋運動信号及び前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の排便事象の各々の発生を判定することと、を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに前記光学センサによって前記増加した光を検知することは、前記筋音図センサによって前記対象の前記腹筋運動信号を検知することに先行する、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記筋音図センサによって、前記対象の前記腹筋運動信号を検知することは、前記光学センサによって、前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに前記増加した光を検知することに先行する、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光に基づいて、前記ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成することを更に含み、前記スリープモードでは、前記筋音図センサは非アクティブであり、前記アクティブモードでは、前記筋音図センサは、前記対象の前記腹筋運動信号を検知するように構成されている、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象の排便事象を自動的に検知するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、かかる事象に関連付けられた1つ以上の動作を検知することによって排便事象を検知するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排便事象データ(例えば、かかる事象の頻度及び/又はタイミング)を正確に取得することは、典型的には、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome、IBS)、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease、IBD)、及び慢性便秘などの種々の消化器疾患の診断、評価、治療、及び/又は管理に必要とされる。しかしながら、かかるデータを取得することは、煩雑である場合があり、通常は患者の記憶に依存するため、不正確になる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、排便事象を容易かつ正確に検知し、排便事象データを取得するためのシステム及び方法を提供する。これらのシステム及び方法は、患者の記憶に依存する必要はない。
【0004】
本開示の一実施形態によれば、対象の排便事象を検知するためのシステムは、対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、スリープモード及びアクティブモードで動作可能である。ウェアラブルデバイスは、第1の刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサと、対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図(mechanomyogram、MMG)センサと、を含む。プロセッサは、ウェイクアップセンサ及びMMGセンサに動作可能に結合されている。プロセッサは、ウェイクアップセンサによって検知された第1の刺激に基づいて、ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成する。アクティブモードにおいて、ウェアラブルデバイスは、プロセッサと通信して、MMGセンサによって検知された腹筋運動信号に基づいて対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0005】
一部の実施形態では、対象の腹筋運動信号は、第2の刺激であり、システムは、プロセッサに動作可能に結合され、第3の刺激を検知するように構成された第3のセンサを更に含む。アクティブモードでは、プロセッサは、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び第3のセンサによって検知された第3の刺激に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0006】
一部の実施形態では、第3のセンサは、ウェアラブルデバイス内に配置され、放屁を検知するように構成されたガスセンサを含む。
【0007】
一部の実施形態では、第3のセンサは、トイレ水洗音を検知するように構成された音声センサである。一部の実施形態では、音声センサはまた、衣類の移動、例えば、下半身衣類を脱ぐ際の擦れによって生じる、又はそれに関連付けられた音を検知するように構成され得る。
【0008】
一部の実施形態では、第3のセンサは、対象の筋肉電気信号を検知するように構成された筋電図電極である。
【0009】
一部の実施形態では、第3のセンサは、対象の姿勢の変化を検知するように構成された慣性測定ユニットである。
【0010】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に含み、パッチは、ウェイクアップセンサ及び筋音図センサを担持する。
【0011】
一部の実施形態では、パッチは、プロセッサを更に担持する。
【0012】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に含み、ベルトは、ウェイクアップセンサ及び筋音図センサを担持する。
【0013】
一部の実施形態では、ベルトは、プロセッサを更に担持する。
【0014】
一部の実施形態では、ウェイクアップセンサは、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知するように構成された光学センサ及び抵抗力センサのうちの1つを含む。
【0015】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の健康に関連付けられた健康刺激を検知するように構成された健康センサを更に含む。
【0016】
一部の実施形態では、健康センサは、対象の便中の血液を検知するように構成された血液センサを含む。
【0017】
一部の実施形態では、血液センサは、1つ以上の揮発性有機化合物を検知するように構成された固体蒸気検出センサを含む。
【0018】
本開示の別の実施形態によれば、対象の排便事象を検知するためのシステムは、対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、放屁を検知するように構成されたガスセンサと、を含む。プロセッサは、筋音図センサ及びガスセンサに動作可能に結合される。プロセッサは、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及びガスセンサによって検知された放屁に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0019】
一部の実施形態では、プロセッサは、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及びガスセンサによって検知された放屁のうちの一方が、筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及びガスセンサによって検知された放屁のうちの他方に先行することを含む一連の事象に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0020】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、筋音図センサ、ガスセンサ、及びプロセッサを担持する基部を更に含む。
【0021】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検知するためのシステムは、対象の胴体上及び対象によって着用される下半身衣類の下に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知するように構成された光学センサを含む。プロセッサは、光学センサに動作可能に結合され、プロセッサは、光学センサによって検知された増加した光に少なくとも部分的に基づいて、排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0022】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、アクティブモード及びスリープモードで動作可能であり、プロセッサは、光学センサによって検知された増加した光に応答して、対象が下半身衣類を脱いだことを判定すると、ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成する。
【0023】
一部の実施形態では、光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサである。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがアクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に含む。第2の刺激は、第1の刺激とは異なる。プロセッサは、第2のセンサに動作可能に結合され、プロセッサは、第2のセンサから受信される信号に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0024】
一部の実施形態では、光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサである。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがアクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に含む。第2の刺激は、第1の刺激とは異なる。プロセッサは、第2のセンサに動作可能に結合され、プロセッサは、第1のセンサ及び第2のセンサから受信される信号に基づいて、対象の排便事象の発生を判定するように構成されている。
【0025】
一部の実施形態では、第2のセンサは筋音図センサである。
【0026】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に含み、パッチは、光学センサ及びプロセッサを担持する。
【0027】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、対象の胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、ベルトは、光学センサ及びプロセッサを担持する。
【0028】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検知するための方法は、対象の胴体上に担持されるウェアラブルデバイスの光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することと、少なくとも部分的に、対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光、及び対象の検知された腹筋運動信号に基づいて、排便事象の発生を判定することと、を含む。
【0029】
一部の実施形態では、方法は、ウェアラブルデバイスのガスセンサによって、放屁を検知することを更に含み、排便事象が発生したという判定は、検知された放屁に少なくとも部分的に基づく。
【0030】
一部の実施形態では、方法は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、対象の腹筋運動信号を検知する前に、対象による着座の動きを検知することを更に含み、排便事象が発生したという判定は、検知された着座の動きに少なくとも部分的に基づく。
【0031】
一部の実施形態では、方法は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、放屁を検知した後の対象による起立の動きを検知することを更に含み、排便事象が発生したという判定は、検知された起立の動きに少なくとも部分的に基づく。
【0032】
一部の実施形態では、方法は、一定期間にわたって対象の複数の排便事象を検知することを更に含む。
【0033】
一部の実施形態において、対象の複数の排便事象の各々を検知することは、ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することと、光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、少なくとも部分的に、対象の検知された腹筋運動信号及び対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に基づいて、複数の排便事象の各々の発生を判定することと、を含む。
【0034】
一部の実施形態では、光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することは、筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することに先行する。
【0035】
一部の実施形態では、筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することは、光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することに先行する。
【0036】
一部の実施形態では、方法は、対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に基づいて、ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成することを更に含み、スリープモードでは、筋音図センサは、非アクティブであり、アクティブモードでは、筋音図センサは、対象の腹筋運動信号を検知するように構成されている。
【0037】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムは、対象の身体上に担持されるように構成された第1のウェアラブルデバイスを含む。第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第1の刺激を検知するように構成された第1の排便事象センサを含む。システムは、対象の身体上に担持されるように構成された第2のウェアラブルデバイスを更に含む。第2のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第2の刺激を検知するように構成された第2の排便事象センサを含む。システムは、第1の排便事象センサ及び第2の排便事象センサに動作可能に結合され、1つ以上の第2の刺激に基づいて対象の検出された排便事象の発生を判定し、検出された排便事象の所定の期間内に第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサを更に備える。
【0038】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている。
【0039】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に含む。第1のウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、第1のウェアラブルデバイスが第1の排便事象センサを介して対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成されている。1つ以上のプロセッサは、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている。
【0040】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1の排便事象センサに動作可能に結合された第1のプロセッサと、第2の排便事象センサに動作可能に結合された第2のプロセッサと、を備え、第1のプロセッサ及び第2のプロセッサは、互いに動作可能に結合される。
【0041】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1の排便事象センサ及び第2の排便事象センサに動作可能に結合されたシングルプロセッサからなる。
【0042】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチを含む。
【0043】
一部の実施形態では、第2のウェアラブルデバイスは、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを含む。
【0044】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、第1のウェアラブルデバイスと無線通信する。
【0046】
一部の実施形態では、第1の刺激及び第2の刺激は、異なるタイプの刺激である。
【0047】
一部の実施形態では、第1の刺激及び第2の刺激は、同じタイプの刺激である。
【0048】
本開示の別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するために第1のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法は、第1のウェアラブルデバイスによって担持された第1の排便事象センサによって、1つ以上の第1の刺激を検知することと、第2のウェアラブルデバイスによって担持された第2の排便事象センサによって、1つ以上の第2の刺激を検知することと、1つ以上のプロセッサによって、第2の刺激に基づいて、対象の検出された排便事象の発生を判定することと、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の所定の期間内に第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を対象の排便事象に関連付けることと、を含む。
【0049】
一部の実施形態では、方法は、1つ以上のプロセッサによって、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む。
【0050】
一部の実施形態では、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、第1のウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、第1のウェアラブルデバイスが第1の排便事象センサを介して対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成されている。方法は、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けることを更に含む。第2の所定の期間は、所定の期間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0051】
本開示の別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムは、対象の身体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスを含む。ウェアラブルデバイスは、1つ以上の刺激を検知するように構成された排便事象センサを含む。システムは、排便事象が発生した排便時点を示す対象からのユーザ入力を受信するように構成されたモバイルデバイスを更に含む。システムは、排便事象センサ及びモバイルデバイスと動作可能に結合され、排便時点の所定の期間内に排便事象センサによって検知された刺激を対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサを更に含む。
【0052】
一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている。
【0053】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、ウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、ウェアラブルデバイスが排便事象センサを介して対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成されている。1つ以上のプロセッサは、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている。第2の所定の期間は、所定の期間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0054】
本開示の更に別の実施形態によれば、対象の排便事象を検出するためにウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法は、ウェアラブルデバイスによって担持された排便事象センサによって、1つ以上の刺激を検知することを含む。方法は、対象のモバイルデバイスを介して、排便事象が発生した排便時点を示すユーザ入力を受信することを更に含む。方法は、1つ以上のプロセッサによって、排便時点の所定の期間内に排便事象センサによって検知された刺激を、対象の排便事象に関連付けることを更に含む。
【0055】
一部の実施形態では、方法は、1つ以上のプロセッサによって、対象の排便事象に関連付けられた第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む。
【0056】
一部の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、ウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときにスリープモードからアクティブモードに移行するように構成され、方法は、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の第2の所定の期間内にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を対象の排便事象に関連付けることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の上述の、及び他の利点及び目的、並びにそれらを達成する様式は、添付の図面に関連してなされた本発明の実施形態の以下の記述を参照することによって、より明らかになり、かつ本発明自体がよりよく理解されるであろう。
図1】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するためのシステムの概略図である。
図2】本開示の別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの斜視図である。
図3図2のウェアラブルデバイスの底面図である。
図4A】本開示の別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの正面斜視図である。
図4B】本開示の別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの背面斜視図である。
図5】本開示の更に別の実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの斜視図である。
図6】本開示の更なる実施形態による、対象の排便事象を検知するためのウェアラブルデバイスの斜視図である。
図7図6のウェアラブルデバイスの平面図である。
図8図6のウェアラブルデバイスの底面図である。
図9】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための方法のフロー図である。
図10】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図11】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図12】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図13】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図14】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図15】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図16】本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。
図17】本開示の一実施形態による、第2のウェアラブルデバイスを使用することによって排便事象を検知するように第1のウェアラブルデバイスを訓練するための方法のフロー図である。
図18】本開示の一実施形態による、対象のモバイルデバイスを介して受信された手動ユーザ入力を使用して排便事象を検知するようにウェアラブルデバイスを訓練するための方法のフロー図である。
【0058】
複数の図面全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。図面は、本発明の実施形態を表すものであるが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明をより良好に例示及び説明するために、ある特徴は、いくつかの図面で誇張又は省略されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本開示の実施形態によるシステム及び方法は、排便事象に関連付けられた1つ以上の刺激を検知することによって、対象の排便事象を検知することを容易にする。対象は、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、及び慢性便秘などの胃腸疾患の治療のための臨床試験の参加者であり得る。代替的に、本開示の実施形態によるシステム及び方法は、排便事象を検知及び記録するために個々の患者によって使用されてもよく、結果として生じるデータは、患者の胃腸の健康及び/又は治療を評価するときに、医療提供者によって精査されてもよい。
【0060】
ここで図1を参照すると、本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するためのシステム100が、概略的に示されている。概して、システム100は、対象によって着用され、対象に取り付けられ、又は別様で対象によって担持されるように構成されたウェアラブルデバイス102を含む。ウェアラブルデバイス102は、対象の排便事象を示す1つ以上の刺激を検知する。ウェアラブルデバイス102は、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合され(例示的には、無線通信を介して-本出願で使用されるように、用語「動作可能に結合される」は、1つ以上の介在デバイス又は構成要素を介して直接的又は間接的であるかどうかにかかわらず、有線データ通信及び無線データ通信を含み、かかるデータ通信は、連続的又は断続的であり得る)、ウェアラブルデバイス102は、排便事象に関するデータをリモートデバイス104に送信する。リモートデバイス104は、排便事象に関するデータを分析し、表示し、又は別様で、臨床試験管理者、ヘルスケア提供者、又は対象自身などの1人以上のユーザに提供することができる。これらの態様は、以下で更に詳しく説明される。
【0061】
引き続き図1を参照すると、ウェアラブルデバイス102は、対象に取り付けられるか、又は別様で対象によって担持されるように構成された基部106を含む。基部106は、対象の排便事象を検知し記録することを容易にする電子機器アセンブリ108を担持する。図示される実施形態では、電子機器アセンブリ108は、排便事象に先行する「ウェイクアップ」刺激を検知する、1つ以上のウェイクアップセンサ110を含む。ウェイクアップセンサ110は、(例示的に、有線通信を介して)プロセッサ112に動作可能に結合する。ウェイクアップセンサ110が1つ以上のウェイクアップ刺激を検知したときに、プロセッサ112は、デバイス102をスリープモードからアクティブモードに再構成する。スリープモードでは、電子機器アセンブリ108の1つ以上の構成要素は、低電力消費状態で動作してもよく(例えば、より低いクロックレート、より低い電圧、若しくは両方で動作する)、又は非アクティブ若しくは「オフ」であってもよい。一部の実施形態では、スリープモードにおいて、プロセッサ112は、センサから出力された信号が無視されるか、処理されないか、又は記憶されない状態にあり得る。アクティブモードでは、電子機器アセンブリ108の1つ以上の構成要素は、高電力消費状態で動作してもよく(例えば、より高いクロックレート、より高い電圧、若しくは両方で動作する)、又はアクティブ若しくは「オン」であり得る。例示的に、かかる構成要素は、排便事象中に刺激を検知する1つ以上の排便事象センサ114を含んでもよい。一部の実施形態では、アクティブモードにおいて、プロセッサ112は、センサから出力された信号が処理及び/又は記憶される状態にされてもよい。別の言い方をすれば、ウェイクアップセンサ110は、潜在的な排便事象のためにデバイス102を起動してもよく、排便事象センサ114は、その後、排便事象の発生を確認するために使用されてもよい。
【0062】
ウェイクアップセンサ110は、種々の形態をとることができる。例えば、ウェイクアップセンサ110は、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知する1つ以上の光学センサ及び/又は1つ以上の抵抗力センサを含んでもよい。より具体的には、光学センサは、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知し、抵抗力センサは、下半身衣類によって加えられる接触力の欠如を検知する。別の例として、ウェイクアップセンサ110は、対象が下半身衣類を脱ぐときに1つ以上の対応する音を検知する1つ以上の音声センサを含み得る。更に別の例として、ウェイクアップセンサ110は、例えば、着座又は起立に関連付けられたユーザの姿勢の変化を検出する1つ以上の加速度計及び/又は慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)を含み得る。ウェイクアップセンサによって検知され、電子アセンブリ108を非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替えさせるウェイクアップ刺激は、単一の検知された刺激、例えば、増加した光、抵抗力センサからの接触力の除去、及び/又は衣類を脱いだことに関連付けられた音を含み得る。代替的に又は追加的に、ウェイクアップ刺激は、特定のシーケンスで検知されるか又は時間的に近接してグループ化される複数の刺激(例えば、前述の刺激のうちのいずれか)を含み得る。かかるウェイクアップセンサを含むウェアラブルデバイスの特定の実施形態が、以下で更に詳細に説明される。
【0063】
同様に、排便事象センサ114は、種々の形態をとることができる。例えば、排便事象センサ114は、対象の腹筋電気信号を検知するための1つ以上の筋電図(electromyogram、EMG)電極を含んでもよく、これは、排便事象中、例えば、バルサルバ法中のそれらの筋肉の収縮を示すことができる。別の例として、排便事象センサ114は、対象の心臓電気信号を検知するための1つ以上の心電図(electrocardiogram、ECG)電極及び/又は1つ以上のフォトプレチスモグラフィ(photoplethysmography、PPG)センサを含んでもよく、これはバルサルバ法中の心拍数の減少及びその後の増加を示すことができる。別の例として、排便事象センサ114は、対象の腹筋の低周波振動を検知するための1つ以上の筋音図(MMG)センサを含んでもよく、これは排便事象中のそれらの筋肉の収縮を示すことができる。別の例として、排便事象センサ114は、対象の姿勢の変化、より具体的には排便事象前の着座姿勢への変化及び/又は排便事象後の起立姿勢への変化を検知するための1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、対象の腸から発せられる音、トイレ水洗音、及び/又は放屁に関連する音を検知するための1つ以上の音声センサを含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、放屁を検知するように構成された1つ以上のガスセンサを含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、排便事象前又は排便事象中に発生し得る腸の温度変化を検知するための1つ以上の温度センサを含み得る。別の例として、排便事象センサ114は、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知する1つ以上の光学センサ及び/又は1つ以上の抵抗力センサを含み得る。かかる排便事象センサを含むウェアラブルデバイスの特定の実施形態は、以下で更に詳細に説明される。
【0064】
図1を継続して参照すると、図示される実施形態では、電子機器アセンブリ108は、対象の健康に関連付けられた刺激を検知する1つ以上の健康センサ115を更に含む。健康センサ115は、種々の形態をとることができる。例えば、健康センサ115は、1つ以上の胃腸疾患を示し得る対象の便中の血液を検出する、血液センサであってもよい。より具体的には、血液センサは、「金属臭」を生成する1つ以上の揮発性有機化合物(volatile organic compound、VOC)(例えば、血液中のイオンと便中の脂質との反応によって形成される、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、及び/又は1-オクテン-3-オン)を検出する、固体蒸気検出センサであり得る。一部の実施形態では、健康センサ115は、通常、スリープモードにあってもよく、健康センサ115は、排便事象センサ114のうちの1つ以上が排便事象を検出すると、アクティブモードに再構成されてもよい。代替的に、健康センサ115は、通常、スリープモードにあってもよく、健康センサ115は、ウェイクアップセンサ110のうちの1つ以上が1つ以上のウェイクアップ刺激を検知したときにアクティブモードに再構成されてもよい。
【0065】
図1を更に参照すると、プロセッサ112は、プロセッサ112によって実行されたとき、ウェアラブルデバイス102に本明細書で説明する機能を実行させる、記憶されたソフトウェア及び/又はファームウェアコードを実行することが可能な任意のデバイス又は構成要素であり得る。プロセッサ112は、例えば、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、ハードワイヤードロジック、それらの組み合わせなどであってもよい。
【0066】
プロセッサ112は、欠陥事象及び/又は対象の健康に関するデータを記憶するためのメモリ116に(例示的には、有線通信を介して)動作可能に結合する。かかるデータは、例えば、排便事象時間、事象の長さ、事象を検知したウェイクアップセンサ110及び/又は排便事象センサ114、事象を検知しなかったウェイクアップセンサ110及び/又は排便事象センサ114、健康センサ115から受信したデータなどを含み得る。メモリ116は、プロセッサ112によってアクセス可能な任意の適切なコンピュータ可読媒体であり得る。メモリ116は、単一の記憶デバイス又は複数の記憶デバイスであってもよく、プロセッサ112の内部又は外部に位置してもよく、揮発性及び不揮発性媒体の両方を含んでもよい。メモリ116は、例えば、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(electrically erasable programmable ROM、EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気記憶デバイス、光ディスク記憶装置、又はデータを記憶することができ、プロセッサ112によってアクセス可能な任意の他の適切な媒体であってもよい。
【0067】
プロセッサ112はまた、ウェイクアップセンサ110、排便事象センサ114、及び健康センサ115を含む、電子機器アセンブリ108の種々の構成要素に電力を提供するために、電源118に動作可能に結合する(例示的に、有線通信を介して)。電源118は、例えば、1つ以上の再充電可能バッテリ、1つ以上の誘導/無線電力受信機などであり得る。
【0068】
図1を継続して参照すると、プロセッサ112はまた、ユーザインターフェース122に動作可能に結合する(例示的に、有線通信を介して)。ユーザインターフェース122は、1つ以上のユーザ入力を受信するように(例えば、排便事象の発生を手動で確認するように)、並びに/又はシステム100によって生成されるデータ、情報、及び/若しくはプロンプトを表示するように動作する。ユーザインターフェース122は、ユーザ入力を受信するための少なくとも1つの入力デバイスを含み得る。ユーザインターフェース122は、データを表示し、ユーザ入力を受信するように動作可能なタッチスクリーンディスプレイを有するグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を含み得る。代替的に、ユーザインターフェース122は、非タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、スピーカ、それらの組み合わせなどを含み得る。
【0069】
プロセッサ112は更に、メモリ116によって記憶された排便事象情報及び/又は対象の健康データなどの情報をリモートデバイス104に無線送信するための送信機120に(例示的には、有線通信を介して)動作可能に結合する。送信機120は、例えば、Bluetooth(登録商標)送信機、IEEE 802.11送信機、セルラー通信送信機、近距離通信送信機などであり得る。送信機120は、リモートデバイス104に連続的に結合されるか又は間欠的に結合され得る。リモートデバイス104からウェアラブルデバイス102への情報の提供を容易にするために、送信機120の代わりにトランシーバ(図示せず)が使用され得る。かかる情報は、例えば、ソフトウェア更新を含み得る。
【0070】
リモートデバイス104は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、又はタブレットデバイスなどのモバイルデバイス、パーソナルコンピュータ、リモートコンピュータ又はデータベースなどであり得る。臨床試験設定では、リモートデバイス104は、種々のウェアラブルデバイス102から受信された排便事象データ及び/又は対象健康データを分析し、ウェアラブルデバイス102を使用して対象に提供される1つ以上の治療の有効性を評価することが可能であり得る。他の設定では、リモートデバイス104は、ウェアラブルデバイス102を使用して、医療提供者又は対象などのユーザに排便事象データ及び/又は対象健康データを提供するための1つ以上のディスプレイを含むか、又はそれに動作可能に結合されてもよい。
【0071】
システム100、より具体的にはウェアラブルデバイス102は、種々の様式で変更することができる。例えば、送信機120は、有線通信を介して、リモートデバイス104に結合してもよく、又はプロセッサ112は、無線通信を介して、電子機器アセンブリ108の他の構成要素のうちの1つ以上に動作可能に結合してもよい。同様に、一部の実施形態では、ウェアラブルデバイス102は、プロセッサ112を欠いてもよく、センサ110、114、115は、代わりに、スマートフォンのプロセッサなどのリモートデバイス104のプロセッサに動作可能に結合されてもよい。一部の実施形態では、ウェアラブルデバイス102は、ユーザインターフェース122を含まなくてもよく、代わりに、リモートデバイス104との無線通信に依存し、ユーザに情報を伝達し、かつ/又はユーザから命令を受信してもよい。更なる例として、一部の実施形態では、それぞれがリモートデバイス104に動作可能に結合された2つ以上のウェアラブルデバイス102があってもよい。例えば、スマートウォッチの形態をとる第1のウェアラブルデバイス102と、対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチの形態をとる第2のウェアラブルデバイス102とが存在してもよく、両方のウェアラブルデバイスは、リモートデバイス104(例えば、スマートフォン)に動作可能に結合される。かかる実施形態では、全てのウェアラブルデバイスは、同様のセンサ110、114、及び/若しくは115を備えてもよく、又はウェアラブルデバイスは、異なるセンサ110、114、及び/又は115を備えてもよい。具体的な例として、スマートウォッチの形態をとる第1のウェアラブルデバイス102は、排便事象センサとして機能する音声センサ及び加速度計/動きセンサを含んでもよい一方、胴体パッチの形態をとる第2のウェアラブルデバイス102は、他の種類の排便事象センサ(例えば、ガスセンサ、筋音図センサ、及び/又は筋電図センサ)を備えてもよい。全てのウェアラブルデバイスがリモートデバイス104に動作可能に結合されているため、リモートデバイス104は、排便事象を検出するために、全ての動作可能に結合されたウェアラブルデバイスからの入力を使用することができる。
【0072】
ここで図2及び図3を参照すると、本開示の一実施形態によるウェアラブルデバイス202が示されている。ウェアラブルデバイス202は、上述のウェアラブルデバイス102のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス202は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス202はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス202は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部又はハウジング206を含む。より具体的には、基部206は、対象の胴体に接着固定することができるパッチである。基部206の患者を向く側222は、対象に接着固定され得る。基部206の患者を向く側222はまた、1つ以上の排便事象センサ214、より具体的には、対象の腹筋電気信号を検知するための複数の筋電図電極224を含む。基部206はまた、1つ以上のウェイクアップセンサ210、より具体的には、下半身衣類の下に配置され、対象が下半身衣類を脱ぐときを検知するように構成された細長い光学センサ226を担持する。基部206は、プロセッサ212及び電源218を内部に担持する。一部の実施形態では、基部206は、慣性測定ユニット、ガスセンサ、筋音図センサ、又は本明細書で企図される他のセンサのいずれかなどの追加のセンサを担持することができる。
【0073】
図4A及び図4Bを参照すると、本開示の別の実施形態によるウェアラブルデバイス302が示されている。ウェアラブルデバイス302は、上述のウェアラブルデバイス102の別のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス302は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス302はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス302は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部306を含む。より具体的には、基部306は、対象の胴体に接着固定することができるパッチである。基部306の患者を向く側322は、対象に接着固定され得る。基部306の患者を向く側322はまた、1つ以上の排便事象センサ314、より具体的には、対象の腹筋電気信号を検知するための複数の筋電図電極324と、対象の腹筋運動信号を検知するための筋音図センサ325(図4B)と、を含む。基部306の反対側328は、排便事象センサ314に動作可能に結合するハブ330(図4A)を取り外し可能に担持する。ハブ330は、プロセッサ(図示せず)、メモリ(図示せず)、及び電源(図示せず)を担持する。ハブ330は、電源の再充電を容易にするために基部306から取り外されてもよい。ハブ330はまた、ユーザインターフェース320(図4A)、より具体的には、対象への情報の提供のための1つ以上のライト332及びスピーカ334を担持する。一部の実施形態では、基部306は、光学センサ、音声センサ、慣性測定ユニット、ガスセンサ、又は本明細書で検討される他のセンサのうちのいずれかなどの追加のセンサを担持してもよい。
【0074】
図5を参照すると、本開示の更に別の実施形態によるウェアラブルデバイス402が示されている。ウェアラブルデバイス402は、上述のウェアラブルデバイス102の更に別のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス402は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス402はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス402は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部406を含む。より具体的には、基部406は、対象の胴体の周囲に延在可能であり、胴体に固定可能なベルトである。基部406の患者を向く側422はまた、1つ以上の排便事象センサ414、より具体的には、複数の筋電図電極424、慣性測定ユニット436、及び筋音図センサ438を含む。一部の実施形態では、基部406は、光学センサ、音声センサ、又は本明細書で検討される他のセンサのうちのいずれかなどの追加のセンサを担持してもよい。
【0075】
ここで図6図8を参照すると、本開示の更に別の実施形態によるウェアラブルデバイス502が示されている。ウェアラブルデバイス502は、上述のウェアラブルデバイス102の更に別のより具体的な実施形態である。したがって、ウェアラブルデバイス502は、同じ構成要素のうちの一部を含み、上記で説明したウェアラブルデバイス102と同じ様式で動作する。ウェアラブルデバイス502はまた、上述のように、1つ以上のリモートデバイス104に動作可能に結合する。ウェアラブルデバイス502は、対象によって取り外し可能に装着されるように構成された基部又はハウジング506を含む。より具体的には、基部506は、対象の胴体に接着固定することができるパッチ540(図6)を担持する。基部506はまた、1つ以上の排便事象センサ514(図8)を担持する。より具体的には、基部506は、対象の腹筋運動信号を検知するための筋音図センサ524と、腸の温度変化を検知するための温度センサ542と、を担持する。基部506は、プロセッサ512(図8)及びバッテリ(図示せず)を内部に担持する。基部506は更に、ユーザインターフェース520(図7)を担持する。ユーザインターフェース520は、デバイス502をスリープモードからアクティブモードに再構成するように作動可能な第1の入力544を含む。ユーザインターフェース520は、デバイス502をアクティブモードからスリープモードに再構成するように作動可能な第2の入力546を更に含む。一部の実施形態では、基部506は、光学センサ、慣性測定ユニット、音声センサ、ガスセンサ、筋電図センサ、又は本明細書で検討される他のセンサのいずれかなどの追加のセンサを担持してもよい。
【0076】
本開示の実施形態によるシステムは、種々の様式で排便事象の発生を判定することができる。例えば、一部の実施形態では、システムは、少なくとも特定の数の排便事象センサ114が対応する刺激を検知した場合(より具体的な例として、排便事象センサ114の大部分が対応する刺激を検知した場合)、排便事象の発生を判定することができる。他の実施形態では、システムは、排便事象センサ114の全てが対応する刺激を検知した場合に排便事象の発生を判定することができる。一部の実施形態では、システムは、機械学習を使用して、特定の対象の排便事象の発生を判定する精度を高めることができる。より具体的には、一部のシステムは、1つ以上の特定の刺激が、特定の対象の排便事象の前又は間に一貫して検知されることを認識することができ、システムは、排便事象の発生を判定するときに、対応するセンサから受信された情報をより重く重み付けすることができる。一部の実施形態では、システムは、排便事象センサ114が特定のシーケンス又はアルゴリズムに従って対応する刺激を検知した場合に、排便事象の発生を判定することができる。同様に、一部の実施形態では、ウェイクアップセンサ110が特定のシーケンス又はアルゴリズムに従って対応する刺激を検知した場合、システムは、デバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成することができる。
【0077】
図9を参照すると、本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための方法600が示されている。方法600を開始する前に、本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのいずれかなどのウェアラブルデバイスが、対象の胴体に取り付けられる。方法600は、ブロック602において、ウェアラブルデバイスの光学センサによって、対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することによって開始する。方法600は、ブロック604において、ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、対象の腹筋運動信号を検知することによって継続する。方法600は、対象の検知された腹筋運動信号及び対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に少なくとも部分的に基づいて、排便事象の発生を判定することによって、ブロック606で終了する。
【0078】
方法600は、種々の様式で修正されてよく、かつ/又は種々の追加の動作を含んでよい。例えば、方法600は更に、筋音図センサが非アクティブであるスリープモードから、筋音図センサが、対象が下半身衣類を脱ぐときに検知された増加した光に基づいて、対象の腹筋運動信号を検知するように構成される、アクティブモードに、ウェアラブルデバイスを再構成することを含んでもよい。別の例として、方法600は、ウェアラブルデバイスのガスセンサによって、放屁を検知することを更に含んでもよく、排便事象が発生したという判定は、検知された放屁に少なくとも部分的に基づいてもよい。更に別の例として、方法600は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、放屁を検知した後の対象による起立の動きを検知することを更に含んでもよく、排便事象が発生したという判定は、検知された起立の動きに少なくとも部分的に基づいてもよい。更に別の例として、方法600は、ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、対象の腹筋運動信号を検知する前に、対象による着座の動きを検知することを更に含んでもよく、排便事象が発生したという判定は、検知された着座の動きに少なくとも部分的に基づいてもよい。別の例として、方法600は、複数の日、週、月、又は年などの一定期間にわたって、複数の排便事象を判定するために繰り返されてもよい。代替的な例として、ブロック604における腹筋運動信号の検知は、ブロック602における増加した光の検知に先行してもよい。
【0079】
図10図16は、本開示の一実施形態による、対象の排便事象を検知するための別の方法に関連付けられた動作を示す。方法を開始する前に、本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのうちのいずれかなどのウェアラブルデバイス702が、対象Sの胴体に取り付けられる。図10に示されるように、方法は、(A)ウェアラブルデバイス702の筋音図センサ(図示せず)によって、対象Sの腹筋運動信号を検知すること、(B)ウェアラブルデバイス702の温度センサ(図示せず)によって、対象の腸の温度変化を検知すること、及び/又は(C)ウェアラブルデバイス702の音声センサ(図示せず)によって、対象の腸から発せられる音を検知することによって開始する。図11に示されるように、方法は、ウェアラブルデバイス702の光学センサ(図示せず)によって、対象Sが下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することによって継続する。図12に示されるように、方法は、次に、ウェアラブルデバイス702の慣性測定ユニット(図示せず)によって、対象Sの着座の動きを検知することを含む。図13に示されるように、方法は、ウェアラブルデバイス702の筋音図センサ(図示せず)によって、対象Sの腹筋運動信号を検知することによって継続する。図14に示されるように、方法は、次に、ウェアラブルデバイス702のガスセンサ(図示せず)によって、放屁を検知することを含む。図15に示されるように、方法は、ウェアラブルデバイス702の慣性測定ユニット(図示せず)によって、対象Sの起立の動きを検知することによって継続する。図16に示されるように、方法は、次に、(A)リモートデバイス、例示的には対象Sによって装着されるスマートウォッチ704の慣性測定ユニット(図示せず)によって、トイレを流すための手の運動を検知すること、及び/又は(B)リモートデバイスの音声センサ(図示せず)によって、トイレ水洗音を検知することを含む。方法は、以前に検知された刺激のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、排便事象の発生を判定することによって終了する。図10図16に提示された排便事象を検知するための方法は、以前に提示されたステップのうちの1つ以上を省略すること、以前に提示されたステップのうちの一部の間に追加のステップを追加すること、及び/又は提示されたステップの順序を並び替えることによって修正されてもよい。例えば、一部の実施形態では、方法は、(図10に示されるように)対象の腸から発せられる腸温度変化及び/又は音を検知することを含まなくてもよいが、代わりに、(図11に示されるように)対象Sが下半身衣類を脱ぐと、増加した光の検知から開始してもよい。一部の実施形態では、方法は、(図14に示されるように)放屁の検知を省略してもよい。更に他の実施形態では、方法は、図13及び図15に示されるように、慣性測定ユニットによる姿勢の変化の検知を省略してもよい。提示されたステップの全て又は任意のサブセットの任意のシーケンスを使用して、排便事象の発生を判定することができる。
【0080】
対象の排便事象を検出するための本明細書に記載されるシステム及び方法の感度及び特異性は、機械学習技術を使用して改善され得る。図17を参照すると、本開示の実施形態による、排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するための方法800が示されている。方法800を開始する前に、スマートウォッチ又は本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのいずれかなどの第1のウェアラブルデバイス、及び本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのいずれかなどの第2のウェアラブルデバイスが、対象の身体への取り付けのために対象に提供され得る。両方のウェアラブルデバイスは、本明細書に記載されるウェアラブルデバイス102の形態をとってもよい(例えば、図1を参照)。第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第1の刺激を検知するように構成された第1の排便事象センサ114を備えてもよく、第2のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第2の刺激を検知するように構成された第2の排便事象センサ114を備えてもよい。第1のウェアラブルデバイス及び第2のウェアラブルデバイスは、本明細書で企図される様式のうちのいずれかで、無線で、又は有線接続を通してのいずれかで、1つ以上のプロセッサに動作可能に結合される。一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された(例えば、第1のウェアラブルデバイス内に埋め込まれる、又はそれと無線通信する)第1のプロセッサと、第2のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された(例えば、第2のウェアラブルデバイス内に埋め込まれる、又はそれと無線通信する)第2のプロセッサと、を備え得る。かかる実施形態では、第1のプロセッサは、2つのプロセッサが方法800を実装するために一緒に機能し得るように、第2のプロセッサに動作可能に結合され得る。一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1のウェアラブルデバイス及び第2のウェアラブルデバイスの両方に動作可能に結合されたシングルプロセッサからなってもよい。このシングルプロセッサは、第1のウェアラブルデバイス上、第2のウェアラブルデバイス上、又は両方のウェアラブルデバイスと動作可能に結合されたリモートデバイス104(例えば、スマートフォン)上に存在し得る。
【0081】
方法800は、ブロック802において、第1のウェアラブルデバイスによって担持される1つ以上の第1の排便事象センサによって、1つ以上の第1の排便刺激を検知することによって開始する。方法800は、ブロック804において、第2のウェアラブルデバイスによって担持された1つ以上の第2の排便事象センサによって、対象の1つ以上の欠陥事象に関連付けられた1つ以上の第2の刺激を検知することによって継続する。(第1の排便事象センサ及び第2の排便事象センサの両方によって)検知される刺激は、本明細書で企図される刺激のうちのいずれかであり得る。一部の実施形態では、第1の排便刺激及び第2の排便刺激は、異なるタイプの刺激であり得る。例えば、第2の排便事象センサは、EMG電極及び/又はMMGセンサであってもよく、第2の刺激は、対象の腹筋電気信号及び/又は腹筋運動信号であってもよく、第1の排便事象センサは、慣性測定ユニットであってもよく、第1の刺激は、対象の動きであってもよい。他の実施形態では、第1の排便刺激及び第2の排便刺激は、同じタイプの刺激であってもよい。方法800は、1つ以上のプロセッサによって、第2の刺激に基づいて、対象の検出された排便事象の発生を判定することによって、ブロック806に続く。この決定は、本明細書で論じられる方法のいずれかを通して達成され得る。方法800は、ブロック808において、1つ以上のプロセッサによって、検出された排便事象の所定の期間内(例えば、検出された排便事象の前及び/又は後の60、120、180、及び/又は240秒以内)に第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を対象の排便事象に関連付けることによって継続する。1つ以上のプロセッサは、次いで、対象の排便事象に関連付けられた、第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することができる。
【0082】
方法800は、第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を使用して対象の排便事象を検出するように、1つ以上のプロセッサ上に実装された機械学習アルゴリズムを訓練するために有用であり得る。特に、方法800は、第2の排便事象センサが最初は第1の排便事象センサよりも高い感度及び/又は特異性で排便事象を検出することができるが、最終的には第1の排便事象センサのみを使用して、又は主に第1の排便事象センサを使用して排便事象を検出することが望ましい状況において有用であり得る。
【0083】
例示的かつ非限定的な例として、第2のウェアラブルデバイスは、本明細書に説明されるように、対象の胴体に固着されるように構成されたパッチであり得る。このパッチは、MMGセンサ、EMGセンサ、ECGセンサ、光学センサ、ガスセンサ、及び/又は本明細書に説明されるような他のセンサを備え得る。第1のウェアラブルデバイスは、対象の腕に装着されるように構成されたスマートウォッチであり得る。スマートウォッチは、加速度計/慣性測定ユニット(IMU)及び/又は音声センサなどの追加の又は異なるセンサを備え得る。第2のウェアラブルデバイスは、最初に、第1のウェアラブルデバイスよりも高い特異性及び感度で排便事象を検出することが可能であってもよいが、対象が長期間にわたって装着することは、より煩わしく、かつ/又は不便である可能性がある。したがって、第2のウェアラブルデバイスの支援なしに排便事象を検出するために、第1のウェアラブルデバイス(すなわち、スマートウォッチ)のみを使用するように1つ以上のプロセッサを最終的に訓練することが望ましい場合がある。この訓練を達成するために、第2のウェアラブルデバイスは、本明細書に記載される技術を使用して排便事象を検出すると、1つ以上のプロセッサに、最近(例えば、検出された排便事象の前又は後60又は120秒以内)にスマートウォッチによって記録された運動及び/又は音声信号を排便に関連付けるように命令してもよい。このようにして、第2のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチが排便に関連付けられた運動及び/又は音声信号を排便に関連付けられない運動及び/又は音声信号と区別することを可能にするグラウンドトゥルースラベルを提供する。経時的に、ウェアラブルパッチが1つ以上のプロセッサを訓練するにつれて、プロセッサは、スマートウォッチによって検知された刺激を使用して、より高い精度で排便を予測及び/又は検出することができる。最終的に、スマートウォッチ(又はモバイルデバイス)が完全に訓練されると、対象は、装着型パッチの装着を停止し、排便事象を検出するためにスマートウォッチのみに依存してもよい。
【0084】
1つ以上のプロセッサにおける機械学習アルゴリズムの訓練は、任意の既知の機械学習技術を使用して達成することができる。例えば、1つ以上のプロセッサは、ノードの複数の層を有するニューラルネットワークを使用して、第1の排便な事象センサによって検知された刺激に基づいて欠陥事象を予測又は検出してもよい。かかるニューラルネットワークの感度及び特異性は、排便事象に関連付けられる第1の刺激の例、及び排便事象に関連付けられない第1の刺激の例を提供するグラウンドトゥルースデータを使用して、ノードのかかる層に関連付けられ重みを調整することによって改善され得る。かかるグラウンドトゥルースデータは、本明細書に記載されるように、第2のウェアラブルデバイス上の第2の排便事象センサによって提供され得る。ニューラルネットワーク内の重みは、特定の第1の刺激に基づいて予測された出力を、かかる第1の刺激が排便事象に関連付けられるか否かを示す第2のウェアラブルデバイスによって提供されるグラウンドトゥルースラベルと比較する反復訓練手順を使用して調整され得る。ニューラルネットワークの予測がグラウンドトゥルースラベルと一致しない場合、重みは、ネットワークの予測とグラウンドトゥルースラベルとの間の一致を改善するために、損失関数に従って調整され得る。このようにして、特定の第1の刺激が排便事象に関連付けられるか否かを示すグラウンドトゥルースラベルを提供することによって、ニューラルネットワークの重みは、第1の刺激のみに基づいて排便事象のネットワークの検出を改善するように調整され得る。
【0085】
方法800は、種々の様式で修正されてよく、かつ/又は種々の追加の動作を含んでよい。例えば、1つ以上のプロセッサは、第1のウェアラブルデバイスの1つ以上の排便事象センサが特定のシーケンス又はアルゴリズムに従って対応する刺激を検知した場合に排便事象の発生を判定するように訓練されてもよい。別の例として、第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え得る。第1のウェアラブルデバイスは、ウェイクアップセンサが対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、第1のウェアラブルデバイスが第1の排便事象センサを介して、対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように更に構成されてもよい。方法800は、1つ以上のプロセッサに、検出された排便事象の第2の所定の期間内(例えば、検出された排便事象の前及び/又は後の60、120、180、及び/又は240秒以内)にウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を排便事象に関連付けさせることによって修正されてもよい。第2の所定の期間は、所定の期間と同じであってもよいし、所定の期間と異なっていてもよい。このようにして、1つ以上のプロセッサは、より高い感度及び特異性で排便事象を検出するだけでなく、かかる排便事象をより高い精度で検出するためにスリープモードからアクティブモードにウェイクアップするようにも訓練することができる。これは、1つ以上のプロセッサ及び/又は第1のウェアラブルデバイスによって使用される電力を節約するのに役立ち得る。
【0086】
図18を参照すると、本開示の一実施形態による、排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するための別の方法900が示されている。方法900を開始する前に、本明細書で企図されるウェアラブルデバイスのうちのいずれかなどのウェアラブルデバイスが、対象の身体への取り付けのために対象に提供され得る。ウェアラブルデバイスは、本明細書に記載されるウェアラブルデバイス102(例えば、図1を参照)の形態をとってもよく、1つ以上の刺激を検知するように構成された排便事象センサ114を備えてもよい。ウェアラブルデバイス、及びその中に提供される排便事象センサは、1つ以上のプロセッサに動作可能に結合され得る。1つ以上のプロセッサは、ウェアラブルデバイス上に提供されてもよく、又はウェアラブルデバイスと無線通信してもよい。例えば、1つ以上のプロセッサは、リモートデバイス104(例えば、スマートフォン)上に存在してもよい。
【0087】
方法900は、ウェアラブルデバイスの排便事象センサによって、1つ以上の刺激を検知することによって、ブロック902から開始する。方法900は、対象のモバイルデバイス(例えば、リモートデバイス104)を介して、排便事象が発生した排便時点を示すユーザ入力を受信することによって、ブロック904に続く。ユーザ入力は、ユーザが入力を提供した時点で排便事象が発生したという対象からの手入力(例えば、物理的ボタン及び/又はタッチスクリーン上の仮想ボタンの作動、音声入力)を含み得る。代替的に、又は追加的に、ユーザ入力は、排便事象が過去の特定の時点で発生したことを示す、対象からの手入力を含み得る。代替的に、又は追加的に、ユーザ入力は、排便事象が発生しようとしていること(例えば、対象が排便をしようとしていること)を示す、対象からの手入力を含み得る。
【0088】
方法900は、1つ以上のプロセッサによって、対象から受信された排便時点の所定の期間内(例えば、排便時点の前及び/又は後の60、120、180、及び/又は240秒以内)に排便事象センサによって検知された刺激を排便事象に関連付けることによって、ブロック906に続く。1つ以上のプロセッサは、次いで、対象の排便事象に関連付けられた、第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することができる。このようにして、排便事象センサによって検知された刺激に基づいて排便事象を検出するために1つ以上のプロセッサによって実装される機械学習アルゴリズムは、対象によって手動で提供されるグラウンドトゥルースデータを使用して訓練することができる。かかる訓練は、本明細書で説明される技術のいずれかを使用して実装され得る。
【0089】
本発明は、好ましい設計を有するものとして示され、説明されたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で変更されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適応化を包含することを意図する。更に、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知の又は慣習的な実施内にある、本開示からのかかる逸脱を包含することが意図されている。
【0090】
以下の態様が挙げられるがそれらに限定されない、様々な態様が、本開示に記載されている。
態様1.対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、スリープモード及びアクティブモードで動作可能であり、前記ウェアラブルデバイスは、
第1の刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサと、
前記対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、を備える、ウェアラブルデバイスと、
前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記ウェイクアップセンサによって検知された前記第1の刺激に基づいて、前記ウェアラブルデバイスを前記スリープモードから前記アクティブモードに切り替えるように構成され、前記アクティブモードにおいて、前記ウェアラブルデバイスは、前記プロセッサと通信して、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
態様2.前記対象の前記腹筋運動信号は、第2の刺激であり、前記システムは、前記プロセッサに動作可能に結合され、第3の刺激を検知するように構成された第3のセンサを更に備え、前記アクティブモードにおいて、前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び前記第3のセンサによって検知された前記第3の刺激に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、態様1に記載のシステム。
態様3.前記第3のセンサは、前記ウェアラブルデバイス内に配置され、放屁を検知するように構成されたガスセンサを含む、態様2に記載のシステム。
態様4.前記第3のセンサは、トイレ水洗音を検知するように構成された音声センサである、態様2に記載のシステム。
態様5.前記第3のセンサは、前記対象の筋肉電気信号を検知するように構成された筋電図電極である、態様2に記載のシステム。
態様6.前記第3のセンサは、前記対象の姿勢の変化を検知するように構成された慣性測定ユニットである、態様2に記載のシステム。
態様7.前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に備え、前記パッチは、前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサを担持する、態様1~6のいずれか一つに記載のシステム。
態様8.前記パッチは、前記プロセッサを更に担持する、態様7に記載のシステム。
態様9.前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、前記ベルトは、前記ウェイクアップセンサ及び前記筋音図センサを担持する、態様1~6のいずれか一つに記載のシステム。
態様10.前記ベルトは、前記プロセッサを更に担持する、態様9に記載のシステム。
態様11.前記ウェイクアップセンサは、前記対象が下半身衣類を脱ぐときを検知するように構成された光学センサ及び抵抗力センサのうちの1つを含む、態様1~10のいずれか一つに記載のシステム。
態様12.前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の健康に関連付けられた健康刺激を検知するように構成された健康センサを更に備える、態様1~11のいずれか一つに記載のシステム。
態様13.前記健康センサは、前記対象の便中の血液を検知するように構成された血液センサを含む、態様12に記載のシステム。
態様14.前記血液センサは、1つ以上の揮発性有機化合物を検知するように構成された固体蒸気検出センサを含む、態様13に記載のシステム。
態様15.対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、
前記対象の腹筋運動信号を検知するように構成された筋音図センサと、
放屁を検知するように構成されたガスセンサと、を備える、ウェアラブルデバイスと、
前記筋音図センサ及び前記ガスセンサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された放屁に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
態様16.前記プロセッサは、前記筋音図センサによって検知された前記腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された前記放屁のうちの一方が、前記筋音図センサによって検知された前記腹筋運動信号及び前記ガスセンサによって検知された前記放屁のうちの他方に先行することを含む一連の事象に基づいて、前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、態様15に記載のシステム。
態様17.前記ウェアラブルデバイスは、前記筋音図センサ、前記ガスセンサ、及び前記プロセッサを担持する基部を更に備える、態様15又は16に記載のシステム。
態様18.対象の排便事象を検知するためのシステムであって、前記システムは、
前記対象の胴体上及び前記対象によって着用された下半身衣類の下に担持されるように構成されたウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知するように構成された光学センサを備える、ウェアラブルデバイスと、
前記光学センサに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記光学センサによって検知された前記増加した光に少なくとも部分的に基づいて排便事象の発生を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
態様19.前記ウェアラブルデバイスは、アクティブモード及びスリープモードで動作可能であり、前記プロセッサは、前記光学センサによって検知された前記増加した光に応答して、前記対象が前記下半身衣類を脱いだことを判定すると、前記ウェアラブルデバイスを前記スリープモードから前記アクティブモードに切り替えるように構成されている、態様18に記載のシステム。
態様20.前記光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサであり、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェアラブルデバイスが前記アクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に備え、前記第2の刺激は、前記第1の刺激とは異なり、前記プロセッサは、前記第2のセンサに動作可能に結合され、前記プロセッサは、前記第2のセンサから受信された信号に基づいて前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、態様19に記載のシステム。
態様21.前記光学センサは、第1の刺激として光を検知するように構成された第1のセンサであり、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェアラブルデバイスが前記アクティブモードにあるときに第2の刺激を検知するように構成された第2のセンサを更に備え、前記第2の刺激は、前記第1の刺激とは異なり、前記プロセッサは、前記第2のセンサに動作可能に結合され、前記プロセッサは、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサから受信された信号に基づいて前記対象の排便事象の発生を判定するように構成されている、態様19に記載のシステム。
態様22.前記第2のセンサは、筋音図センサである、態様20又は21に記載のシステム。
態様23.前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体上に担持されるように構成されたパッチを更に備え、前記パッチは、前記光学センサ及び前記プロセッサを担持する、態様18~22のいずれか一つに記載のシステム。
態様24.前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の前記胴体の周囲に延在するように構成されたベルトを更に備え、前記ベルトは、前記光学センサ及び前記プロセッサを担持する、態様18~22のいずれか一つに記載のシステム。
態様25.対象の排便事象を検知するための方法であって、前記方法は、
前記対象の胴体上に担持されたウェアラブルデバイスの光学センサによって、前記対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、
前記ウェアラブルデバイスの筋音図センサによって、前記対象の腹筋運動信号を検知することと、
前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光と、前記対象の検知された前記腹筋運動信号とに少なくとも部分的に基づいて、前記排便事象の発生を判定することと、を含む、方法。
態様26.前記ウェアラブルデバイスのガスセンサによって、放屁を検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記放屁に少なくとも部分的に基づく、態様25に記載の方法。
態様27.前記ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、前記対象の前記腹筋運動信号を検知する前に、前記対象による着座の動きを検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記着座の動きに少なくとも部分的に基づく、態様25又は26に記載の方法。
態様28.前記ウェアラブルデバイスの慣性測定ユニットによって、放屁を検知した後の前記対象による起立の動きを検知することを更に含み、前記排便事象が発生したという前記判定は、検知された前記起立の動きに少なくとも部分的に基づく、態様25~27のいずれか一つに記載の方法。
態様29.一定期間にわたって前記対象の複数の排便事象を検知することを更に含む、態様25~28のいずれか一つに記載の方法。
態様30.前記対象の前記複数の排便事象の各々を検知することは、
前記ウェアラブルデバイスの前記筋音図センサによって、前記対象の腹筋運動信号を検知することと、
前記光学センサによって、前記対象が下半身衣類を脱ぐときに増加した光を検知することと、
前記対象の検知された前記腹筋運動信号及び前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の排便事象の各々の発生を判定することと、を含む、態様29に記載の方法。
態様31.前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに前記光学センサによって前記増加した光を検知することは、前記筋音図センサによって前記対象の前記腹筋運動信号を検知することに先行する、態様25~30のいずれか一つに記載の方法。
態様32.前記筋音図センサによって、前記対象の前記腹筋運動信号を検知することは、前記光学センサによって、前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに前記増加した光を検知することに先行する、態様25~30のいずれか一つに記載の方法。
態様33.前記対象が前記下半身衣類を脱ぐときに検知された前記増加した光に基づいて、前記ウェアラブルデバイスをスリープモードからアクティブモードに再構成することを更に含み、前記スリープモードでは、前記筋音図センサは非アクティブであり、前記アクティブモードでは、前記筋音図センサは、前記対象の前記腹筋運動信号を検知するように構成されている、態様25~30のいずれか一つに記載の方法。
態様34.対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムであって、前記システムは、
第1のウェアラブルデバイスであって、前記第1のウェアラブルデバイスは、前記対象の身体上に担持されるように構成され、前記第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第1の刺激を検知するように構成された第1の排便事象センサを備える、第1のウェアラブルデバイスと、
前記対象の前記身体上に担持されるように構成された第2のウェアラブルデバイスであって、前記第2のウェアラブルデバイスは、1つ以上の第2の刺激を検知するように構成された第2の排便事象センサを備える、第2のウェアラブルデバイスと、
前記第1の排便事象センサ及び前記第2の排便事象センサに動作可能に結合され、前記1つ以上の第2の刺激に基づいて前記対象の検出された排便事象の発生を判定し、前記検出された排便事象の所定の期間内に前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
態様35.前記1つ以上のプロセッサは、前記対象の排便事象に関連付けられた、前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている、態様34に記載のシステム。
態様36.前記第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、
前記第1のウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、前記第1のウェアラブルデバイスが前記第1の排便事象センサを介して前記対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成され、
前記1つ以上のプロセッサは、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている、態様34又は35に記載のシステム。
態様37.前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサに動作可能に結合された第1のプロセッサと、前記第2の排便事象センサに動作可能に結合された第2のプロセッサと、を備え、前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサは、互いに動作可能に結合されている、態様34~36のいずれか一つに記載のシステム。
態様38.前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサ及び前記第2の排便事象センサに動作可能に結合されたシングルプロセッサからなる、態様34~36のいずれか一つに記載のシステム。
態様39.前記第1のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチを含む、態様34~38のいずれか一つに記載のシステム。
態様40.前記第2のウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを備える、態様34~39のいずれか一つに記載のシステム。
態様41.前記第1のウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、態様34~40のいずれか一つに記載のシステム。
態様42.前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、前記第1のウェアラブルデバイスと無線通信する、態様34~40のいずれか一つに記載のシステム。
態様43.前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、異なるタイプの刺激である、態様34~42のいずれか一つに記載のシステム。
態様44.前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、同じタイプの刺激である、態様34~42のいずれか一つに記載のシステム。
態様45.対象の排便事象を検出するために第1のウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法であって、前記方法は、
前記第1のウェアラブルデバイスによって担持された第1の排便事象センサによって、1つ以上の第1の刺激を検知することと、
第2のウェアラブルデバイスによって担持された第2の排便事象センサによって、1つ以上の第2の刺激を検知することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記第2の刺激に基づいて前記対象の検出された排便事象の発生を判定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記検出された排便事象の所定の期間内に前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を前記対象の排便事象に関連付けることと、を含む、方法。
態様46.前記1つ以上のプロセッサによって、前記対象の排便事象に関連付けられた前記第1の排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む、態様45に記載の方法。
態様47.前記第1のウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、前記第1のウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、前記第1のウェアラブルデバイスが前記第1の排便事象センサを介して前記対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成され、前記方法は、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けることを更に含む、態様45に記載の方法。
態様48.前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサに動作可能に結合された第1のプロセッサと、前記第2の排便事象センサに動作可能に結合された第2のプロセッサと、を備え、前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサは、互いに動作可能に結合されている、態様45~47のいずれか一つに記載の方法。
態様49.前記1つ以上のプロセッサは、前記第1の排便事象センサ及び前記第2の排便事象センサに動作可能に結合されたシングルプロセッサからなる、態様45~48のいずれか一つに記載の方法。
態様50.前記第1のウェアラブルデバイスは、スマートウォッチを含む、態様45~48のいずれか一つに記載の方法。
態様51.前記第2のウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたパッチを備える、態様45~50のいずれか一つに記載の方法。
態様52.前記第1のウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、態様45~51のいずれか一つに記載の方法。
態様53.前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つは、前記第1のウェアラブルデバイスと無線通信する、態様45~51のいずれか一つに記載の方法。
態様54.前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、異なるタイプの刺激である、態様45~52のいずれか一つに記載の方法。
態様55.前記第1の刺激及び前記第2の刺激は、同じタイプの刺激である、態様45~52のいずれか一つに記載の方法。
態様56.対象の排便事象を検出するように1つ以上のプロセッサを訓練するためのシステムであって、前記システムは、
ウェアラブルデバイスであって、前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の身体上に担持されるように構成され、前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上の刺激を検知するように構成された排便事象センサを備える、ウェアラブルデバイスと、
排便事象が発生した排便時点を示す前記対象からのユーザ入力を受信するように構成されたモバイルデバイスと、
前記排便事象センサ及び前記モバイルデバイスと動作可能に結合され、前記排便時点の所定の期間内に前記排便事象センサによって検知された刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように構成された1つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
態様57.前記1つ以上のプロセッサは、前記対象の排便事象に関連付けられた、前記排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練するように更に構成されている、態様56に記載のシステム。
態様58.前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、
前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときに、スリープモードから、前記ウェアラブルデバイスが前記排便事象センサを介して前記対象の排便事象を検知するように構成されるアクティブモードに移行するように構成され、
前記1つ以上のプロセッサは、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けるように更に構成されている、態様56又は57に記載のシステム。
態様59.前記モバイルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、態様56~58のいずれか一つに記載のシステム。
態様60.前記ウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、態様56~59のいずれか一つに記載のシステム。
態様61.前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたスマートウォッチ及びパッチのうちの少なくとも1つを備える、態様56~60のいずれか一つに記載のシステム。
態様62.対象の排便事象を検出するためにウェアラブルデバイスに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを訓練するための方法であって、前記方法は、
前記ウェアラブルデバイスによって担持された排便事象センサによって、1つ以上の刺激を検知することと、
排便事象が発生した排便時点を示す、前記対象のモバイルデバイスを介したユーザ入力を受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記排便時点の所定の期間内に前記排便事象センサによって検知された刺激を前記対象の排便事象に関連付けることと、を含む、方法。
態様63.前記1つ以上のプロセッサによって、前記対象の排便事象に関連付けられた、前記排便事象センサによって検知された第1の刺激を示すデータを用いて、前記対象の排便事象を検出するための機械学習アルゴリズムを訓練することを更に含む、態様62に記載の方法。
態様64.前記ウェアラブルデバイスは、1つ以上のウェイクアップ刺激を検知するように構成されたウェイクアップセンサを更に備え、前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェイクアップセンサが前記対象の排便事象に関連付けられたウェイクアップ刺激を検知したときにスリープモードからアクティブモードに移行するように構成され、前記方法は、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記検出された排便事象の第2の所定の期間内に前記ウェイクアップセンサによって検知されたウェイクアップ刺激を前記対象の排便事象に関連付けることを更に含む、態様62又は63に記載の方法。
態様65.前記モバイルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、態様62~64のいずれか一つに記載の方法。
態様66.前記ウェアラブルデバイスは、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つを備える、態様62~65のいずれか一つに記載の方法。
態様67.前記ウェアラブルデバイスは、前記対象の胴体上に担持されるように構成されたスマートウォッチ及びパッチのうちの少なくとも1つを備える、態様62~66のいずれか一つに記載の方法。
【国際調査報告】