IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイオド カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図1
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図2
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図3a
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図3b
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図4
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図5
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図6
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図7
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図8
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図9
  • 特表-浮遊式紫外線発生器 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】浮遊式紫外線発生器
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61N5/06 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514090
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 KR2022010375
(87)【国際公開番号】W WO2023033353
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0115746
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524078837
【氏名又は名称】アイオド カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ,ボン ソク
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA03
4C082PC01
4C082PC10
4C082PE10
4C082PJ06
(57)【要約】
【課題】浴槽に浮遊させた状態で水中の身体に向けて特定波長領域の紫外線(UV-B)を照射することにより、体内のビタミンD合成または皮膚疾患の治療に役立てることができる浮遊式紫外線発生器を提供する。
【解決手段】本発明による浮遊式紫外線発生器は、下方に隆起した隆起部の中央に一定面積の開口を有する下部ケースと、下部ケースとの間に外部から断絶された実装空間を区画するように結合される上部カバーと、外部から断絶された実装空間に設置され、UV光源を実装した基板と、を含み、外部から断絶された実装空間に満たされた空気(AIR)によって水に浮かび、下部ケースの開口にUV透過窓が密封状態で結合され、UV透過窓と対応する位置の前記基板の下面中央に、UV透過窓にUV光を透過させるUV光源が実装され、下部ケースと接触する基板の周りに水との接触を感知するウォーターディテクタ(water detector)が少なくとも2つ実装される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に一定面積の開口を有する下部ケースと、
下部ケースとの間に外部から断絶された実装空間を区画するように結合される上部カバーと、
外部から断絶された前記実装空間に設置され、UV光源を実装した基板と、を含み、
外部から断絶された前記実装空間内の浮力発生手段によって水に浮かび、
下部ケースの前記開口にUV光源と所定の距離離隔するUV透過窓が密封状態で結合され、
UV透過窓と対応する位置の前記基板の下面中央に、前記UV透過窓にUV光を透過させる前記UV光源が実装され、
下部ケースと接触する基板の周りに水との接触を感知するウォーターディテクタ(water detector)が少なくとも2つ実装されたことを特徴とする浮遊式紫外線発生器。
【請求項2】
UV光源が実装された面の反対側の基板上面に実装されるメインコントローラをさらに含み、
前記メインコントローラに重力センサ(G Sensor)が備えられることを特徴とする請求項1に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項3】
前記メインコントローラは、
スイッチオン(Switch ON)状態で少なくとも2つの前記ウォーターディテクタのうちの一部で水との接触が感知されなければ、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を直ちに中断させることを特徴とする請求項2に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項4】
前記メインコントローラは、
スイッチオン(Switch ON)状態で前記重力センサの出力が設定された正常出力範囲を超えると、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を直ちに中断させることを特徴とする請求項2に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項5】
水中に設置され、ロードセル(Load cell)と情報送信のための無線送信機とを含むユーザ検出パッドをさらに含み、
ユーザ検出パッドが送信した信号を、前記基板上に実装される無線受信機が受信することを特徴とする請求項2に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項6】
前記メインコントローラは、
スイッチオン(Switch ON)状態でユーザ検出パッドにユーザの荷重が検出されなければ、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を直ちに中断させることを特徴とする請求項5に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項7】
前記メインコントローラには、設定時間が経過すると、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を中断させるタイマー機能が付加されたことを特徴とする請求項2に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項8】
前記ウォーターディテクタは、静電容量センサ(Capacitance Sensor)または水の電気抵抗を測定する抵抗測定センサであり、少なくとも2つが基板の周りに均等間隔で配置されることを特徴とする請求項1に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項9】
前記浮力発生手段は、外部から断絶された前記実装空間に満たされた空気(Air)、又は比重が1より小さい物質からなる浮具であることを特徴とする請求項1に記載の浮遊式紫外線発生器。
【請求項10】
水中に浮かべて使用する際に、水中に位置したユーザの身体との最小限の安全距離を維持するために前記下部ケースに結合される安全距離維持部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の浮遊式紫外線発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線発生器に関し、より具体的には、半身浴または全身浴の際に浴槽に満たされた水の上に浮遊した状態で水中の身体に向けて体内のビタミンD合成または皮膚疾患の治療に効果がある特定波長領域(280~320nm)の紫外線(UV-B)を照射する浮遊式紫外線発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光線、紫外線および赤外線から構成された太陽光のうち、紫外線(Ultraviolet、UV)とは、波長がX線より長く可視光線よりも短い電磁波をいう。電磁波スペクトルから見ると、紫外線は、紫色の帯に近く、人の目には見えない100~3800Åの波長領域を有する。紫外線は、一般のX線またはガンマ線よりも透過性が小さいが、可視光線よりもエネルギーが高いため、ヒトの皮膚または小さな生物体に影響を及ぼすことが知られている。これにより、一般に殺菌及び消毒用に用いられ、化学作用が強いため、紫外線は化学線とも呼ばれる。紫外線は、体内でビタミンDを合成し、殺菌作用をするなどの有益な役割を果たす。このような紫外線は、波長領域によってUV-A、UV-B、UV-Cの3つに大別される。その中でも、殺菌効果に優れたUV-Cがオゾン層で遮断され、UV-AとUV-Bが皮膚に影響を及ぼす。
【0003】
UV-Aは、紫外線の90%以上を占め、皮膚老化の主な原因として挙げられる。これに対し、UV-Bは、UV-Aよりも波長が短いため、皮膚の奥深くには浸透しないが、プロビタミンDを免疫細胞生産のために作用するビタミンDに変換させ、皮膚疾患の治療にも効果があることが知られている。ただし、目がUV-Bに直接さらされる場合、目の損傷、例えば白内障などが発生する可能性があり、細心の注意が必要である。
【0004】
一方、UV-Cは、優れた殺菌効果のため、緑藻除去器、家庭用消毒装置、家庭または産業用空気浄化器、水処理装置などの産業の多方面にわたって様々な形態で使用されている。これに対し、UV-Bは、前述したように体内のビタミンD合成または皮膚疾患の治療に効果があるにも拘らず、従来技術の問題点により広く用いられていない実情である。
【0005】
UV-Bを体内のビタミンD合成または皮膚疾患の治療に用いる従来技術としては、スタンド型スキンケア機を例示することができる。これは、スタンドの上端に紫外線ランプをつけて紫外線を照射するものであり、このような製品を使用するためには、安全のために専用ゴーグル(紫外線遮断用ゴーグル)を着用しなければならず、身体がさらされなければならないので、短い服で着替えをした状態で利用しなければならないという煩わしさがある。すなわち、従来の公知のスタンド型スキンケア機は、使用のために必ず専用ゴーグルを着用しなければならず、別途皮膚がさらされる服で着替えをしなければならないという煩わしさがあり、かつ、紫外線ランプを一定の高さに固定させるためのスタンドにより保管も不便であり、使い勝手が劣るという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2018-0107074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、半身浴または全身浴を楽しむ際に浴槽に満たされた水の上に浮遊した状態で水中の身体に向けて特定波長領域(280~320nm)の紫外線(UV-B)を照射することにより、体内のビタミンD合成または皮膚疾患の治療に役立てることができる浮遊式紫外線発生器を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、水の上に浮遊した状態で持ち上げたり、波などによる機器の上下揺れまたはひっくり返りが発生したりすると、これを自動的に感知し、直ちに紫外線(UV-B)の発生を中断させることにより、ユーザの目が紫外線(UV-B)に直接さらされるのを遮断して安全な使用を図ることができる浮遊式紫外線発生器を提供することにある。
本発明が解決しようとする別の技術的課題は、着替えによる煩わしさを減らすことができ、付加された安全機能(上下揺れまたはひっくり返りが発生すると、これを自動的に感知し、直ちに紫外線(UV-B)の発生を中断させる機能)によって専用ゴーグルが不要であり、保管が容易であって使い勝手を増すことができる浮遊式紫外線発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の浮遊式紫外線発生器は、中央に一定面積の開口を有する下部ケースと、下部ケースとの間に外部から断絶された実装空間を区画するように結合される上部カバーと、外部から断絶された前記実装空間に設置され、UV光源を実装した基板と、を含み、外部から断絶された前記実装空間内の浮力発生手段によって水に浮かび、下部ケースの前記開口にUV透過窓が密封状態で結合され、UV透過窓と対応する位置の前記基板の下面中央に、前記UV透過窓にUV光を透過させる前記UV光源が実装され、下部ケースと接触する基板の周りに水との接触を感知するウォーターディテクタ(water detector)が少なくとも2つ実装されたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、UV光源が実装された面の反対側の基板上面に実装されるメインコントローラをさらに含むことができ、メインコントローラに重力センサ(G Sensor)が備えられることができる。
【0010】
この場合、前記メインコントローラは、スイッチオン(Switch ON)状態で少なくとも2つの前記ウォーターディテクタのうちの一部で水との接触が感知されなければ、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を直ちに中断させるように駆動できる。
【0011】
また、前記メインコントローラは、スイッチオン(Switch ON)状態で前記重力センサの出力が設定された正常出力範囲を超えると、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を直ちに中断させるように駆動できる。
【0012】
また、本発明は、メインコントローラと電気的に接続され、上部カバーの周面に実装される複数の身体感知センサをさらに含むことができ、この場合、スイッチオン(Switch ON)状態で前記身体感知センサの設定された感知範囲内に身体が感知されなければ、前記メインコントローラは、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を直ちに中断させることができる。
【0013】
また、本発明は、水中に設置され、ロードセル(Load cell)と情報送信のための無線送信機を含むユーザ検出パッドをさらに含むことができ、ユーザ検出パッドが送信した信号を、前記基板上に実装される無線受信機が受信してメインコントローラに伝達するように構成できる。
【0014】
この場合、前記メインコントローラは、スイッチオン状態でユーザ検出パッドにユーザの荷重が検出されなければ、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を直ちに中断させるように駆動できる。
【0015】
また、本発明に適用される前記メインコントローラには、設定時間が経過すると、UV光源への電源供給を遮断してUV光の照射を中断させるタイマー機能が付加できる。
【0016】
また、本発明による浮遊式紫外線発生器は、水中で反射されたUV光が水面の上に戻ってくることを遮断する遮光用ひさしが前記上部カバーまたは下部ケースの半径方向の最外面に周方向に連続して形成できる。
【0017】
また、前記ウォーターディテクタは、好ましくは、静電容量センサ(Capacitance Sensor)または水の電気抵抗を測定する抵抗測定センサであってもよく、少なくとも2つが基板の周りに均等間隔で配置されることができる。
【0018】
また、本発明による浮遊式紫外線発生器に適用される前記浮力発生手段は、外部から断絶された前記実装空間に満たされた空気(Air)、又は比重が1より小さい物質からなる浮具、例えば発泡スチロールであってもよい。
【0019】
また、本発明による浮遊式紫外線発生器は、水に浮かべて使用する際に、水中に位置したユーザの身体との最小限の安全距離を維持するために前記下部ケースに結合される安全距離維持部材をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による浮遊式紫外線発生器によれば、自体浮力によって水の上に浮かぶことができ、水の上に正常姿勢で浮かんだ状態で水中に向けて特定波長領域(280~320nm)の紫外線(UV-B)を照射するように構成される。これにより、ユーザは、半身浴または全身浴の際に本発明を用いて体内のビタミンD合成または皮膚疾患の治療効果を得ることができる。
【0021】
また、本発明は、水の上に浮遊した状態でユーザが任意に機器を持ち上げたり、安全を脅かすべきイベント、例えば、波などによる機器の上下揺れまたはひっくり返りなどが発生したりしたとき、これを自動的に感知し、その直ちに紫外線(UV-B)の発生を中断させることにより、ユーザの目が紫外線(UV-B)に直接さらされることによる安全上の事故を予防することができ、結果として安全に対する信頼度を向上させることができる。
【0022】
また、本発明は、半身浴または全身浴の際に水に浮かべて使用するものなので、従来技術のような着替え及びそれによる煩わしさを減らすことができ、付加された安全機能(上下揺れまたはひっくり返りが発生すると、これを自動的に感知し、直ちに紫外線(UV-B)の発生を中断させる機能)によって専用ゴーグルが不要であり、保管が容易であって使い勝手を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態による浮遊式紫外線発生器を分解して示す分解斜視図である。
図2図1に示された浮遊式紫外線発生器の結合斜視図である。
図3a図2に示された浮遊式紫外線発生器をA-A線の方向から見た断面図である。
図3b】ウォーターディテクタとして水と直接接触する方式の抵抗測定センサが適用された場合の浮遊式紫外線発生器を示す断面図である。
図4図1に示された基板の底面斜視図である。
図5】本発明の実施形態による浮遊式紫外線発生器の概略図である。
図6】本発明の実施形態による浮遊式紫外線発生器の使用状態を示す使用状態例示図である。
図7】本発明による浮遊式紫外線照射器の好適な他の実施形態を示す図である。
図8】本発明による浮遊式紫外線照射器の好適な別の実施形態を示す図である。
図9】本発明による浮遊式紫外線照射器の好適な別の実施形態を示す図である。
図10】本発明による浮遊式紫外線照射器の好適な別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0025】
明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0026】
また、「第1」、「第2」などの用語は、様々な構成要素の説明に使用できるが、前記構成要素は、これらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
これに加えて、明細書に記載されている「…部」、「…ユニット」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能または動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現できる。
【0027】
添付図面は、同一の構成要素については同一の図面参照符号を付与し、これについての重複説明は省略する。そして、本発明を説明するにあたり、関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明確にするおそれがある場合、その詳細な説明を省略する。
【0028】
図1は、本発明の実施形態による浮遊式紫外線発生器を分解して示す分解斜視図、図2は、図1に示された浮遊式紫外線発生器の結合斜視図、図3aは、図2に示された浮遊式紫外線発生器をA-A線の方向から見た断面図、図4は、図1に示された基板の底面斜視図、図5は、本発明の主要部の構成のみを抽出して示す本発明の概念図である。
【0029】
図1乃至図5を参照すると、本発明の実施形態による浮遊式紫外線発生器10は、大きく、下部ケース20、これに結合する上部カバー50、および下部ケース20と上部カバー50との結合による実装空間(外部から断絶された内部空間)に設置される基板40を含む。ここで、下部ケース20、上部カバー50、及び基板40を図面には八角形の形状で示しているが、これに限定されるものではない。下部ケース20は、図面の例示の如く、上部カバー50が結合される上部が開放され、特定の高さで下方に隆起した隆起部22を有する多角形(または円形)の容器の形態であり得る。下部ケース20は、プラスチックなどの絶縁体で構成でき、下方に隆起した前記隆起部22の中央には、一定面積の開口24が形成できる。そして、前記開口24にUV透過窓30が密封状態で結合されることができる。
【0030】
図面の例示の如く、下部ケース20が特定の高さで下方に隆起した隆起部22が形成され、このような隆起部22よりも高い位置に後述のウォーターディテクタ46を配置させた場合、下部ケースの底部が全体的に平坦であり、透過窓と略同一線上にウォーターディテクタを配置する構成(図示せず)に比べて、小さな波にもウォーターディテクタ46が水面から離隔してこれを感知することができるようになるので、作動敏感度が増大してより安全な使用を図ることができる。
【0031】
UV透過窓30は、後述のUV光源42が発生させた紫外線(UV-B)が透過することが可能な透明または半透明の合成樹脂またはガラスで構成できる。そして、このようなUV透過窓30にUV光を透過させるUV光源42が基板40の一面に実装されることができる。好ましくは、図3aおよび図5の如く、製品の高さ方向を基準に、前記UV透過窓30と対応する位置の基板40の下面中央にUV光源42が実装できる。
【0032】
UV光源42は、好ましくは、光の波長領域が280~320nmのUV-Bを発生させるUV LED(Ultraviolet Light Emitting Diode)であってもよく、UV光源42が実装された面の反対側の他面(基板40の上面)にはメインコントローラ44が実装されてもよい。このとき、メインコントローラ44は、後述のウォーターディテクタ46および重力センサ48の出力に基づいて、内蔵バッテリ(図示せず)とUV光源42との間の電源供給・遮断を制御することができる。
【0033】
上部カバー50は、下部ケース20とは逆に、下部が開放された多角形(または円形)の容器の形態で構成できる。上部カバー50は、下部ケース20と同様にプラスチックなどの絶縁体で構成でき、下部ケース20の上部で前記下部ケース20と緊密に結合して、その間に、水分浸透から内部基板40を保護することができるように外部から断絶された実装空間を区画する。上部カバー50と下部ケース20との結合においては、例えば、図示(図3の断面図)の如く、上部カバー50の開放端の内側面と下部ケース20の開放端の外側面に周方向に相互嵌合可能な突起と溝(55および25、または溝と突起)をそれぞれ構成することにより、突起-溝(または溝-突起)嵌合方式で相互緊密な結合を実現することができる(上部カバー50と下部ケース20の平面形状が多角形である場合)。
【0034】
もちろん、図示してはいないが、上部カバー50の開放端の内側面に雌ねじ山を構成し、下部ケース20の開放端の外側面には雄ねじ山を構成することにより、雌ねじ山と雄ねじ山との相互螺合を介して上部カバー50と下部ケース20とが相互緊密に結合されるようにすることもできる。このような結合方式は、上部カバー50と下部ケース20の平面形状が円形である場合に適用可能な結合方式である。
【0035】
上述した上部カバー50と下部ケース20との緊密な結合によって、内部には前述のように外部から断絶された、すなわち密閉された実装空間が形成される。このとき、密閉された実装空間内の浮力発生手段によって、本発明の実施形態による紫外線発生器は水に浮かぶことができ、下部ケース20の縁部と接触する基板40の周りにウォーターディテクタ(Water detector)46が実装できる。
【0036】
ここで、本発明による浮遊式紫外線発生器に適用される前記浮力発生手段は、外部から断絶された前記実装空間に満たされる空気(Air)であってもよく、比重が1より小さい物質からなる浮具、例えば発泡スチロールであってもよい。ウォーターディテクタ46は、本発明の実施形態による紫外線発生器が自体浮力(密閉された実装空間に満たされた空気による浮力)で水に浮かんでいるときに水との接触を感知する役割を果たす。ウォーターディテクタ46は、好ましくは、水接触の際に変化する静電容量から水との接触を感知する静電容量センサ(Capacitance Sensor)であってもよく、基板40の周りに2つ以上実装されてもよい。
【0037】
ウォーターディテクタ46が静電容量センサに限定されるものではない。場合によっては、水と直接接触して電気抵抗を測定する抵抗測定センサがウォーターディテクタとして適用されることもある。この場合、ウォーターディテクタ46のそれぞれは、図3bに示すように、下部ケース20の対応する位置に形成されるセンサ貫通孔(図示符号省略)を貫通して下端の一部が下部ケース20の下方に突出するように構成できる。
【0038】
ウォーターディテクタ46は、少なくとも2つが基板40の下面縁部(製品組立の際に下部ケース20の縁部と接触する部分)に周方向にわたって均等間隔で配置されることができる。例えば、図4に示すように、8つの場合、45度の間隔で基板40の下面縁部に実装でき、このようなウォーターディテクタ46によって感知された情報(水との接触有無)は、メインコントローラ44に提供できる。
【0039】
メインコントローラ44は、ウォーターディテクタ46から提供された情報に基づいて前記UV光源42への電源供給・遮断を制御することができる。より具体的には、本発明の実施形態による紫外線発生器10がスイッチオン(Switch ON)された状態で、複数のウォーターディテクタ46のうちの一部が水との接触を感知しなければ、UV光源42への電源供給を遮断することにより、UV光の照射を直ちに中断させることができる。言い換えれば、メインコントローラ44は、本発明による紫外線発生器10が水の上に安定的に浮遊して全てのウォーターディテクタ46が水に接触した場合には、正常にUV光源42への電源供給を許容し、水の上に浮遊した状態でユーザの接触または波などによって機器が上下に揺れたりひっくり返ったりして一部が水から離れると、その直ちに電源供給を遮断することにより、ユーザの目がUVにさらされるのを防ぐ。
【0040】
これについては、図6の作動状態図を参照してより具体的に説明する。図6は、本発明の実施形態による浮遊式紫外線発生器の使用状態を例示した図であって、浴槽に満たされた水の上に本発明の実施形態による紫外線発生器を浮かべた状態で半身浴又は全身浴を行う様子を示す本発明の使用状態例示図である。
【0041】
図6の使用状態例示図の如く、本発明の実施形態による浮遊式紫外線発生器10は、浴槽に満たされた水の上に浮かべて使用することができる。より具体的には、ユーザがスイッチ(図示せず)をオン(ON)にした状態で水の上に浮かべて複数のウォーターディテクタ46の全てで水との接触が感知されると、メインコントローラ44の統制によりUV光源42が発光する。
【0042】
言い換えれば、スイッチオン(ON)状態であっても、全てのウォーターディテクタ46で水との接触が感知されてはじめて、メインコントローラ44は、本発明の実施形態による紫外線発生器10が水の上に安定的に浮かんでいると判断し、UV光源42への電源供給を許容するのであり、電源供給の許容によってUV光源42が発光すると、水中の身体に向けて紫外線(UV-B)が照射されることにより、体内のビタミンD合成又は皮膚疾患の治療効果が発揮できるのである。
【0043】
一方、ユーザの目が紫外線(UV-B)に直接さらされる場合、眼の損傷、例えば白内障などが発生するおそれがあり、注意が要求される。そこで、本発明は、水に浮かんだ状態でユーザの接触または波などによって機器10(「紫外線発生器」を指す)が上下に揺れたりひっくり返ったりしてウォーターディテクタ46のうちの一部で水との接触が感知されなければ、その直ちにUV光源42への電源供給を遮断させるように構成されることにより、紫外線にユーザの目がさらされるのを防ぐことができる。
【0044】
このように、本発明は、機器10が水に安定的に浮かんでいる状態(全てのウォーターディテクタ46で水との接触が感知された状態)では、UV光源42が正常に作動し、ユーザの動きによる波などにより機器が上下に揺れたりひっくり返ったりしてウォーターディテクタ46のいずれでも水面から離れると、その瞬間に電源供給を遮断してユーザの目が紫外線にさらされる状況を未然に防止することにより、安全な使用を図ることができる。
【0045】
本発明の一実施形態による浮遊式紫外線発生器10は、前記ウォーターディテクタ46の他に追加の安全装置として重力センサ(Gセンサ)48を含むことができる(図3参照)。重力センサ48は、機器に作用する重力方向の変化を感知してメインコントローラ44に電圧信号の形態で提供することができる。このような重力センサ48は、前述したメインコントローラ44にモジュールの形態で備えられるか、或いは基板40に別途実装されることができる。
【0046】
メインコントローラ44は、重力センサ48の検出情報を受信して重力方向の変化有無を判断する。より具体的には、機器10がスイッチオン(Switch ON)状態で前記重力センサ48の出力(電圧信号)が設定された正常出力範囲を超えると、ユーザの動きによる波などによって機器が傾いたかひっくり返ったと判断し、UV光源42への電源供給を直ちに遮断してUV光の照射を中断させることができる。
【0047】
このようにウォーターディテクタ46と共に、重力センサ48が安全装置として付加された場合、前記メインコントローラ44には、機器10が水面に浮遊して正常作動する状態で複数のウォーターディテクタ46のうちの一部で水との接触が感知されないか、或いは重力方向の変化を感知する重力センサ48の出力が設定範囲を超えると、その直ちにUV照射を中断させるようにプログラミングされたプロセッサが搭載できる。
【0048】
すなわち、ウォーターディテクタ46と重力センサ48が共に安全装置に適用された場合、メインコントローラ44は、全てのウォーターディテクタ46で水接触が感知され、重力センサ48の出力が正常範囲である条件でのみ機器10が正常に水に浮かんでいると判断してUV光の照射を許容し、その他の条件は、ユーザの安全に影響を及ぼす可能性のある条件と判断し、UV光の照射を直ちに中断させる。
【0049】
図7は、本発明の好適な他の実施形態に係る浮遊式紫外線照射器の使用状態を示す使用状態例示図であり、前述した実施形態の構成に加えて、身体感知センサがさらに付加された構成を示す図である。図7に示すように、本発明による浮遊式の紫外線発生器10は、身体感知センサ49をさらに含むことができる。身体感知センサ49は、上部カバー50の周方向に一定間隔で実装され、基板40の上面の前記メインコントローラ44と電気的に接続されることができ、機器10が正常姿勢で水面に浮遊した状態、すなわち水に浮かんでいる状態で設定された感知範囲内で水面の上に身体が露出するかを感知して当該情報をメインコントローラ44に伝達する役割を果たす。
【0050】
紫外線発生器10が正常姿勢で浴槽に満たされた水の上に浮かんでいる状態で設定された感知範囲内に人が検出されなかったというのは、別の意味で、浴槽に人がいないか、或いは浴槽の水の中に人が完全に潜水した状況(体格の小さい子供がいたずらで水中に潜るなどの行為を行う状況)なので、この場合(機器が正常姿勢で水の上に浮かんでいるが、身体が感知されない場合)、メインコントローラ44は節電及びユーザの安全のためにUV光の照射を中断するように設定できる。
【0051】
節電によるより長時間の使用のために、場合によっては、前記メインコントローラ44にタイマー機能が付加できる。タイマー機能は、本発明の実施形態による紫外線照射器が正常に作動する中で設定時間が経過すると、自動的にUV光源42への電源供給を遮断してUV光の照射を中断させる機能であって、上部カバー50側に別途設けられる入力装置(図示せず)を介して設定することができる。
【0052】
図8は、本発明の好適な別の実施形態による浮遊式紫外線照射器の使用状態を示す使用状態例示図であり、前述した身体感知センサとは異なり、水中の浴槽の底部にユーザ検出パッド60を設けて節電及びユーザの安全を図ることができるようにした実施形態である。
【0053】
図8を参照すると、本発明の好適な別の実施形態による浮遊式紫外線照射器は、前述した一実施形態による単一オブジェクト形態の浮遊式紫外線照射器10に加えて、水中の浴槽の底部に設置され、ユーザの荷重を検出する荷重検出要素、好ましくはロードセル(Load cell)62と、情報送信のための無線送信機64とを含むユーザ検出パッド60を含む。ユーザ検出パッド60が送ってきた信号を無線受信することができるように、基板40上には無線受信機66が実装でき、スイッチオン(Switch ON)の後に機器10が正常姿勢で水の上に浮かんでいる状態でユーザ検出パッド60からユーザの荷重が検出されなかったという情報が伝達されると、UV光源42への電源供給を遮断してUV光の照射を中断させるようにプログラミングされたプロセッサがメインコントローラ44に搭載できる。
【0054】
このような構成の本発明の別の実施形態は、スイッチオン状態で機器10が正常姿勢で水の上に浮かんでおり、ユーザ検出パッド60からユーザの荷重が検出されると、UV光を正常に照射し、機器が正常姿勢で水の上に浮かんでいるが、ユーザのハウジングが検出されなければユーザがいないと判断し、節電および安全のために作動を中止させるのである。
【0055】
一方、図9および図10は、本発明による浮遊式照射器の好適な別の実施形態を示す図である。まず、図9は、上部カバー50または下部ケース20の半径方向の最外面に周方向に連続するように遮光用ひさし70を付加した変形例であって、水に浮かんでいる状態で水中に照射されたUV光が浴槽の表面に反射されて水面の上に戻ってくることにより、ユーザの目がUV光にさらされる状況が演出されることを前記遮光用ひさし70を介して確実に遮断することができるようにした実施形態である。
【0056】
そして、図10は、本発明による浮遊式紫外線発生器を水に浮かべて使用する場合、水中に位置したユーザの身体がUV光源42にあまり近接しないように最小限の安全距離を維持させる安全距離維持部材80を付加した実施形態である。ここで、安全距離維持部材80は、下部ケース20に結合されて下部ケース20よりも下方に延びて水中に位置する構成であってもよい。
【0057】
好ましくは、前記安全距離維持部材80は、図面(図10)の例示の如く、周方向に複数の通水孔82が設けられたスカート(Skirt)又は筒状であり得るが、これに限定されるものではない。水中に位置しながら水中のユーザの身体が下部ケース20に直接触れる前に、水中で先に身体に触れて機器の上下揺れを誘導することができる構造であれば、如何なる形態でもよい。
【0058】
以上で述べた本発明による浮遊式紫外線発生器の様々な実施形態は、水の上に浮かぶことができ、水の上に浮かんだ状態で水中に向けて特定波長領域(280~320nm)の紫外線(UV-B)を照射するように構成される。これにより、ユーザは、半身浴または全身浴の際に本発明を用いて体内のビタミンD合成または皮膚疾患の治療効果を得ることができる。
【0059】
また、本発明は、水の上に浮遊した状態でユーザが任意に機器を持ち上げたり、波などによる機器の上下揺れまたはひっくり返りが発生したりしたときにこれを自動的に感知し、その直ちに紫外線(UV-B)の発生を中断させることにより、ユーザの目が紫外線(UV-B)に直接さらされることによる安全上の事故を予防することができ、結果として安全に対する信頼性を向上させることができる。
【0060】
以上の本発明の詳細な説明では、それによる特別な実施形態についてのみ述べた。しかしながら、本発明は、詳細な説明で言及される特別な形態に限定されるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲内にある全ての変形物、均等物および代替物を含むものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0061】
10 紫外線発生器
20 下部ケース
22 隆起部
24 開口
25 突起
30 UV透過窓
40 基板
42 UV光源
44 メインコントローラ
46 ウォーターディテクタ
48 重力センサ
49 身体感知センサ
50 上部カバー
55 溝
60 ユーザ検出パッド
62 ロードセル
64 無線送信機
66 無線受信機
70 遮光用ひさし
80 安全距離維持部材
82 通水孔
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】