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特表2024-533196回転式ディスクサスペンションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】回転式ディスクサスペンションシステム
(51)【国際特許分類】
   B60B 19/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B60B19/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514101
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 KR2021017132
(87)【国際公開番号】W WO2023033249
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0115800
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524079188
【氏名又は名称】シムバイオティック、アグリ.インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SYMBIOTIC,AGRI.INC.
【住所又は居所原語表記】315ho,1447 Pyeongchang-daero Daehwa-myeon,Pyeongchang-gun Gangwon-do 25354,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】マリア、トスケティ ジアン
(57)【要約】
本発明は移動体を構成する互いに異なる部品を連結する回転式ディスクサスペンションシステムであって、移動体のいずれか一つの部品に回転可能に連結される内部ディスクと、移動体の他の部品に結合され、内部ディスクと互いに対向するように配置され、かつ内部ディスクに回転可能に結合される外部ディスクを含んで、走行中に移動体から受ける力を線形運動から回転運動に変換することによって移動体の動的変形率および動的応力に、より能動的に対応でき、これによって移動体が運行中に凸凹の凹凸地形または傾斜地形に出会っても傾かずに水平な状態を維持することができる。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に適用されるサスペンションシステムであって、
車体に回転可能に結合される内部ディスク;および
車輪に結合され、前記内部ディスクと互いに対向するように配置され、かつ前記内部ディスクに回転可能に結合される外部ディスク;を含むものの、
前記内部ディスクの偏心した位置には前記車体に連結される支持軸が備えられ、前記外部ディスクの偏心した位置には前記車輪に連結される連結軸が備えられたことを特徴とする、回転式ディスクサスペンションシステム。
【請求項2】
前記内部ディスクと前記外部ディスクの対向する面にベアリングが設置されたことを特徴とする、請求項1に記載の回転式ディスクサスペンションシステム。
【請求項3】
前記内部ディスクと前記外部ディスクには前記各ディスクの回転を制限する制動手段が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の回転式ディスクサスペンションシステム。
【請求項4】
前記内部ディスクと外部ディスクに連結されて前記各ディスクに回転力を提供するアクチュエータがさらに備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の回転式ディスクサスペンションシステム。
【請求項5】
前記アクチュエータは前記内部ディスク側に備えられて前記内部ディスクに回転力を提供する内側アクチュエータと、前記外部ディスク側に備えられて前記外部ディスクに回転力を提供する外側アクチュエータからなることを特徴とする、請求項4に記載の回転式ディスクサスペンションシステム。
【請求項6】
移動体を構成する互いに異なる部品を連結するサスペンションシステムであって、
前記移動体のいずれか一つの部品に回転可能に連結される内部ディスク;および
前記移動体の他の部品に結合され、前記内部ディスクと互いに対向するように配置され、かつ前記内部ディスクに回転可能に結合される外部ディスク;を含むものの、
前記内部および外部ディスクの動きは下記の数学式によって識別されることを特徴とする、回転式ディスクサスペンションシステム。
【数1】
(ここで、θBはA地点とB地点を通る直線とA地点を座標軸とするY軸がなす角度であり、θCはB地点とC地点を通る直線とB地点を座標軸とするY軸がなす角度である。rは内部ディスクの半径であり、Rは外部ディスクの半径である。そして、A地点は内部ディスクと部品が連結される部位であり、B地点は内部ディスクと外部ディスクの中心が連結される部位であり、「C」地点は外部ディスクと部品が連結される部位である。)
【請求項7】
車両に適用されるサスペンションシステムであって、
前記車両の車輪に結合されるものであって、自体回転が可能なディスク;および
前記ディスクに連結されて前記ディスクの回転力を提供するアクチュエータを含むものの、
前記ディスクの偏心した位置には車体または車輪に連結される支持軸が備えられて前記ディスクの回転により前記車体または車輪の高さが変更されることを特徴とする、回転式ディスクサスペンションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両、航空機、ロボットなどの移動体に適用されるサスペンションシステムに関し、より詳細には移動体が曲面または傾斜地面などで移動しても移動体のバランシングを維持する回転式サスペンションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常的に、サスペンションは路面の衝撃が車体や搭乗者に伝達されないように衝撃を吸収する装置であり、一般的にショックアブソーバ、スプリング、サスペンションアームなどが最も一般的に使われている。
【0003】
最近では、車両が多様な用途で広く使われることになったことにより多様な地形に移動することになり、車両が不均一な地形を通過できるようにする新しい類型のサスペンションに対する技術開発がなされている。
【0004】
一般的に、山岳用のバイクと呼ばれるレジャー用の車両や農業用車両は、未舗装道路や山岳地形のように一般の車両の進入や運行が難しい作業環境で物資や人を運搬するために使われる運搬車である。このような車両は主に屈曲の多い険しい道路または傾斜道路を走行するので、車体に座っている運転者はひどく揺れて真面な運行操作が困難であるだけでなく、物資を積載して運搬する場合には地面の屈曲によりひどく揺れる車体のために積載されている物資が運搬車量の外に落ちる場合も発生し得る。
【0005】
また、最近では新型コロナウイルスの拡散により非対面社会が早められて、食堂内で注文を受けて食べ物を配達するサービングロボット移動体によって飲食物を注文者に伝達する技術が商用化されており、さらに配達アプリを利用した注文が活性化したことにより物品を売り場から注文者の居住地まで直接運搬する自律走行型配達ロボット移動体も導入されている。
【0006】
ところで、一般的なロボット移動体は、飲食物や物品を運搬する過程で地面の高さの変化などのような要因によって揺れが発生することになって運搬体の水平の維持に困難があり、これによって飲食物がこぼれたりまたは物品の安全な配送を阻害する問題点がある。
【0007】
したがって、通常の車両はもちろん、レジャー用車両、農業用車両、配達ロボット、サービングロボットなどのような運搬体が曲面または傾斜地面のような不均一な地面を通過する時に車体の水平姿勢を維持できる技術開発が必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、平地で走行する時に水平状態を維持していた移動体が屈曲のある地面に会っても傾かずにそのまま水平状態を維持できるようにして安定した走行を具現できる回転式サスペンションシステムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するための本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムは、車体に回転可能に結合される内部ディスクと、車輪に結合され、前記内部ディスクと互いに対向するように配置され、かつ前記内部ディスクに回転可能に結合される外部ディスクを含んで、前記車両から受ける力を線形運動から回転運動に変換するものである。
【0010】
ここで、前記内部ディスクの偏心した位置には前記車体に連結される支持軸が備えられ、前記外部ディスクの偏心した位置には前記車輪に連結される連結軸が備えられる。
また、前記内部ディスクと前記外部ディスクの対向する面にベアリングが設置される。
そして、前記内部ディスクと前記外部ディスクには前記各ディスクの回転を制限する制動手段が備えられる。
また、前記内部ディスクと外部ディスクの間には前記各ディスクに回転力を提供するアクチュエータが備えられる。
【0011】
具体的には、前記内部ディスクと前記外部ディスクに連結されて前記内部ディスクに回転力を提供する内側アクチュエータと、前記外部ディスク側に備えられて前記外部ディスクに回転力を提供する外側アクチュエータからなる。
【0012】
一方、本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムは、移動体のいずれか一つの部品に回転可能に連結される内部ディスクと、前記移動体の他の部品に結合され、前記内部ディスクと互いに対向するように配置され、かつ前記内部ディスクに回転可能に結合される外部ディスクを含んで、前記移動体から受ける力を線形運動から回転運動に変換する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る回転式ディスクサスペンションは、移動体のローリングを能動的に制限しながら移動体から受ける力を線形運動から回転運動に変換するので、移動体の動的変形率および動的応力に能動的に反応できる利点がある。
【0014】
このような回転式サスペンションシステムが車両に適用される場合には、車体と車輪の間に設置されると、状況に応じてディスクが回転しながら車輪と車体の高低を調節することによって、車両の運行中に凸凹の道や傾斜した道に会っても車体が傾かずに平地を運行する時と同一の水平状態を維持できるようになる。
【0015】
また、本発明に係るサスペンションはディスクが回転しながら外力を吸収する構造であるため、直線垂直運動で外力を吸収する従来ピストン方式のサスペンションに比べて作動空間を大幅に減らすことができ、これによって車両でサスペンションの設置空間を最小化できる利点がある。
【0016】
また、従来ピストン方式のサスペンションは、車両の全体サスペンションの作動のために中央集中式ポンプによって各ピーストンで流体の移動を調整する方式であるため、いずれか一つのサスペンションの故障によって全体のサスペンションが作動できない短所がある反面、本発明に係る回転式ディスクタイプのサスペンションはこのような中央集中式システムが不要であるため、さらに高い信頼性を保障し、また、維持管理の側面でも費用を減らすことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムが適用された車両を示した図面である。
図2】本発明の第1実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムが適用された車両を示した図面である。
図3図1に図示された本発明の回転式ディスクサスペンションシステムを示した図面である。
図4図1に図示された本発明の回転式ディスクサスペンションシステムを示した図面である。
図5】(a)は図1に図示された車両が平地を運行する時の姿を示した図面であり、(b)は図1に図示された車両が上り坂の地形を運行する時の姿を示した図面である。
図6】(a)は図1に図示された車両が平地を運行する時の姿を示した図面であり、(b)は図1に図示された車両が下り坂の地形を運行する時の姿を示した図面である。
図7】無人方式である時の本発明の第1実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムが適用された車両を示した図面である。
図8】本発明の第2実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムが適用された車両を示した図面である。
図9図8に図示された本発明の回転式ディスクサスペンションシステムを示した図面である。
図10図8に図示された本発明の回転式ディスクサスペンションシステムが無限軌道トラックに結合される状態を示した図面である。
図11図8に図示された本発明の回転式ディスクサスペンションシステムの側断面を示した図面である。
図12図8に図示された車両が上り坂の地形を運行する時の姿を示した図面である。
図13図8に図示された車両の支持部がスプリングである時の姿を示した図面である。
図14】本発明の第3実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムの結合された姿を示した図面である。
図15】本発明の第3実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムの分解された姿を示した図面である。
図16】本発明の第3実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムの動作状態を示した図面である。
図17】本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムで内部および外部ディスクの動きをX-Y平面で図式化したものであって、図17は内部および外部ディスクが基準状態(原点状態)での位置を図式化した図面である。
図18】本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムで内部および外部ディスクの動きをX-Y平面で図式化したものであって、図18は内部および外部ディスクが基準状態から一定の高さに移動した特定位置を図式化した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
前記の課題を解決するための本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムは、車体に回転可能に結合される内部ディスクと、車輪に結合され、前記内部ディスクと互いに対向するように配置され、かつ前記内部ディスクに回転可能に結合される外部ディスクを含んで、前記車両から受ける力を線形運動から回転運動に変換するものである。
【0019】
また、本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムは、移動体のいずれか一つの部品に回転可能に連結される内部ディスクと、前記移動体の他の部品に結合され、前記内部ディスクと互いに対向するように配置され、かつ前記内部ディスクに回転可能に結合される外部ディスクを含んで、前記移動体から受ける力を線形運動から回転運動に変換することができる。
【0020】
本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムは、車両、ロボットなどのような移動可能な物体を構成する互いに異なる部品を連結して移動体から受ける力を線形運動から回転運動に変換するものである。このようなサスペンションは回転可能に結合される2個のディスクが同心円上で互いに対向するように配置されている。この時、第1ディスク(内部ディスク)は移動体のいずれか一つの部品(第1部品)に回転可能に連結され、第2ディスク(外部ディスク)は移動体の他の部品(第2部品)に回転可能に連結される。この時、移動体の各部品は第1および第2ディスクに偏心するように、すなわち第1および第2ディスクの中心軸から外れた位置に連結される。これによって、移動体が平地から屈曲地面を通過しても、第1および第2ディスクが第1および第2部品の高さ(位置)の変化に追従しながら回転することによって第1および第2部品間でバランスを維持し、これによって移動体全体のバランシングを維持することができる。
【0021】
ここで、回転式ディスクサスペンションは、移動体が動く時に移動体の重さを支持しながら上下運動される部品に適用されることが好ましい。例えばロボットの足関節部位または車両で車体と車輪が連結される部位などに適用され得る。
【0022】
以下では、本発明の回転式ディスクサスペンションを説明するにおいて、説明の便宜上移動体の中で車両に適用されるサスペンションシステムを例にして説明することにする。
【0023】
本発明に係る回転式ディスクサスペンションが車両に適用される時、第1ディスク(内部ディスク)に連結される部品は車体側に備えられる部品(例えば、車体フレームまたはサスペンションキール(suspension keel)など)であり、第2ディスク(外部ディスク)に連結される部品は車輪側に備えられる部品(例えば、ホイールハブなど)である。
以下、本発明に係る回転式ディスクサスペンションシステムが車両に適用される実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1および図2は本発明の第1実施例によるサスペンションシステムが適用された車両を示した図面であり、図3および図4図1に図示された本発明のディスクサスペンションを示した図面である。
【0025】
そして、図5の(a)は図1に図示された車両が平地を運行する時の姿を示した図面であり、(b)は図1に図示された車両が上り坂の地形を運行する時の姿を示した図面であり、図6の(a)は図1に図示された車両が平地を運行する時の姿を示した図面であり、(b)は図1に図示された車両が下り坂の地形を運行する時の姿を示した図面である。
また、図7は無人方式である時の本発明の第1実施例によるサスペンションシステムが適用された車両を示した図面である。
【0026】
本発明の第1実施例に係る車体バランシング機能を具備したサスペンションは、車体10側に設置される内部ディスク20と、前記内部ディスク20の外側に内部ディスク20と対向するように設置される外部ディスク30で構成される。前記外部ディスク30は車輪40側に結合される構成である。
【0027】
前記車体10は車両の基本フレームをなす部分であって、運転者が座るシート11が上面に備えられる。このような車体10には下記の支持軸12が連結される。
【0028】
前記支持軸12は内部ディスク20で偏心した位置に設けられる。すなわち内部ディスク20の中央から外側に外れた位置に備えられる。このような支持軸12は外周面に鋸歯12aが形成され、この鋸歯12aが形成された部分が車体10の内部に挿入される。
【0029】
敷衍すると、車体10の側面には支持軸12に形成された鋸歯12aと相応する形の鋸歯ホールが連結され、この鋸歯ホールに支持軸12が挿入される。したがって支持軸12は車体10で回転しない。
【0030】
前記内部ディスク20と外部ディスク30は車体10と車輪40側にそれぞれ連結され、互いに独立的に回転可能に設置されて、地面の状態に応じてこれらが回転しながら車輪40は高低が変わるものの車体は水平状態が維持されるジンバル式サスペンションの機能を遂行することになる。
前記内部ディスク20は一定の厚さの円板状に形成されるものであり、支持軸12によって縁が貫通されながら支持軸12を中心に回転可能である。
【0031】
前述した通り、支持軸12は外周面の一側に鋸歯12aが形成された部分が存在し、残りの部分には鋸歯が形成されないが、この鋸歯が形成されていない部分が円柱状に形成されて内部ディスク20の偏心した地点を貫通する。したがって、内部ディスク20は支持軸12を中心に回転が可能である。
【0032】
そして、内部ディスク20は縁に一つの挿入ホール20aが形成される。このような挿入ホール20aは後述するスライディングピン13が差し込まれる空間である。
【0033】
前記外部ディスク30は一定の厚さの円板状に形成されるものであり、内部ディスク20の中央を貫通する中央ピン42により中央が貫通され、前記中央ピン42を中心に回転可能である。
【0034】
すなわち、円柱状の中央ピン42が内部ディスク20の中央部分を貫通しながら、これと同時に外部ディスク30の中央部分を貫通するが、この中央ピン42を中心に内部ディスク20と外部ディスク30は独自に回転が可能である。例えば、内部ディスク20が中央ピン42を中心に時計回り方向に回転するのであれば、外部ディスク30は時計回り方向に回転することも可能であって反時計回り方向に回転することも可能である。
このような外部ディスク30には、内部ディスク20を眺める面にベアリング31が挿入設置される。
【0035】
より詳しく説明すると、外部ディスク30の一側面と内部ディスク20の一側面は互いに面で接触するように設置されるが、このように面で接触された状態で内部ディスク20と外部ディスク30が相対的に回転運動をすれば、内部ディスク20と外部ディスク30が接する面には摩擦が発生する。したがって、このような摩擦をなくすために、本発明では外部ディスク30にベアリング31を設置した。
【0036】
また、内部ディスク20と外部ディスク30には、これらディスク20、30の回転を制限する制動手段が備えられる。制動手段は内部ディスク20と外部ディスク30で互いに対応する位置に形成された各孔にピンが差し込まれることによって各ディスクの回転を制限することができる。
【0037】
このために、外部ディスク30は縁に沿って多数の連通ホール30aが一定の間隔で形成される。このような連通ホール30aは内部ディスク20に形成された挿入ホール20aと互いに連通する。
【0038】
前記スライディングピン13は車体10側に連結されるが、このスライディングピン13は電気信号により作動して内部ディスク20の挿入ホール20aと外部ディスク30の連通ホール30aの内外部を出入りする。スライディングピン13が挿入ホール20aと連通ホール30aの内部に進入した時には、内部ディスク20と外部ディスク30が一体化されて外部ディスク30は内部ディスク30に対して相対的回転ができなくなる。ここで、電気信号は車両全体のバランスを監督するIMU(Inertial Measurement Unit)のような位置認識システムを通じて獲得した走行中の地形情報に基づいてコントローラからスライディングピン13に送られる信号を意味する。
【0039】
本発明に係る回転式ディスクサスペンションが適用された車両が平地のような屈曲のない地面を通過する時には内部ディスク20と外部ディスク30の相対的回転が不要であるため、この時にはスライディングピン13が挿入ホール20aと連通ホール30aの内部に進入する。
前記車輪40には外部ディスク30の縁、すなわち偏心した位置で回転可能に設置された連結軸41が結合される。
【0040】
より詳しく説明すると、連結軸41は外周面の一側に鋸歯41aが形成された部分が存在し、残りの部分には鋸歯が形成されない。この鋸歯が形成されていない部分は円柱状に形成されて外部ディスク30の偏心した地点に挿入される。また、鋸歯41aが形成された部分は車輪40部分に連結される。
【0041】
したがって、車輪40が屈曲した地面を通過して上昇する時に連結軸41は車輪40に引きずられて車輪40とともに上昇し、この上昇する力によって外部ディスク30は中央に連結された中央ピン42を中心に回転することになる。
【0042】
一方、車輪40は内部に動力装置が装着されて自体動力で回転される。すなわち、車体10に別途のエンジンが備えられてエンジンから回転力が伝達されて車輪40が回転する方式ではなく、車輪40が自主的に回転力を発生させてその力で回転するのである(別名「TIRE ENGINE」という)。
【0043】
本発明のディスクサスペンションが適用された車両は、人が直接運転できる有人運搬車だけでなく、周辺事物を認識できる多様なセンサおよびGPSが搭載されて運搬車が自ら運転される無人方式の自律走行運搬車にも適用され得る。
【0044】
このように、自律運行方式の運搬車に適用する時は、食べ物の配達または物品の配達などのような使用目的に応じて車体の形態を多様に設計することができる。例えば、物品を運搬または配達する場合には図7に図示されたように、車体10の上側をボックスの形態に構成して内部に物を積載できる空間を確保することが好ましい。
前記のように構成された本発明の回転式ディスクサスペンションが適用された車両の動作過程を簡単に説明すると、次の通りである。
【0045】
車両が平地を運行していて、一側が高く上がっている上り坂の地面を通過する時は(図5参照)車輪40は回転しながら上り坂の地面に沿って上り、連結軸41は車輪40に引きずられて車輪40とともに回転しながら上側に移動する。
【0046】
同時に外部ディスク30は連結軸41に引きずられて中央ピン42を中心に自転をすることになる。この時、内部ディスク20は回転せずに車両が平地を運行していた状態(車体の水平状態)をそのまま維持する。
【0047】
この時、平地運行時に挿入ホール20aと連通ホール30aの内部に差し込まれていたスライディングピン13は、上り坂の地形に進入する前に連通ホール30aの中から抜け出なければならない。この時、車両全体のバランスを監督するIMU(Inertial Measurement Unit)のような位置認識システムを通じて獲得した走行中の地形情報を持続的に制御部に伝送し、この信号の伝送を受けた制御部は地形の状態に応じてスライディングピン13を挿入ホール20aと連通ホール30aの内部に差し込むか、差し込まれていたスライディングピン13を連通ホール30aの内部から取り出すようにする。
【0048】
そして、車両が平地を運行していて、一方がペコンと窪んでいる下り坂の地面を通過する時は(図6参照)車輪40は連結軸41を中心に回転しながら連結軸41と共に下側に移動することになる。
【0049】
これと同時に、下側に移動する連結軸41の力が外部ディスク30と内部ディスク20に提供されて内部ディスク20は支持軸12を中心に下側に回転することになるが、この時、内部ディスク20は中央ピン42により一体化された外部ディスク30とともに回転することになる。
【0050】
もちろん、この時にも平地運行時に挿入ホール20aと連通ホール30aの内部に差し込まれていたスライディングピン13は、下り坂の地形に進入する前に挿入ホール20aと連通ホール30aの中から抜け出なければならない。
【0051】
前記のように車両が平地を運行していて、一側が高く上がっている上り坂の地面を通過する時や、一方がペコンと窪んでいる下り坂の地面を通過する時に、本発明に係る車両の車体10はいずれか一方に傾かずに平地を運行する時と同一の水平状態をそのまま維持することができる。
【0052】
以上、図1図7を参照して本発明の第1実施例に係る回転式ディスクサスペンションについて説明をしたし、これからは図8図12を参照して本発明の第2実施例に係る回転式ディスクサスペンションについて説明することにする。
【0053】
図8は本発明の第2実施例に係る回転式サスペンションシステムが適用された車両を示した図面であり、図9図8に図示された本発明の回転式ディスクサスペンションを示した図面であり、図10図8に図示された本発明の回転式ディスクサスペンションが無限軌道トラックに結合される状態を示した図面である。
【0054】
そして、図11図8に図示された本発明のディスクサスペンションの側断面を示した図面であり、図12図8に図示された車両が上り坂の地形を運行する時の姿を示した図面である。
【0055】
図8~12に図示された本発明の第2実施例に係る車体バランシング機能を具備したサスペンションは、前記車体50に設置される内部ディスク60と、前記内部ディスク60の外側面に内部ディスク60と対向するように配置される外部ディスク70を含んで構成される。ここで、前記外部ディスク70は車輪側に結合される。図8図12では車両の車輪を無限軌道80として図示したが、本発明ではこれに限定されず、前述した実施例のように、一般の円形タイヤ形態の車輪にも適用される。
【0056】
前記車体50は物を収納できる空間が備えられており、前方の両側端と後方の両側端に後述する支持軸52がそれぞれ連結される。支持軸52には支持ピン52bとスライディングピン52aが備えられている。
【0057】
前記支持ピン52bは内部ディスク60を貫通して設置され、内部ディスク60は支持ピン52bを中心に回転可能である。図9および図11を参照してより具体的に説明すると、支持軸52の一側端部分は車体50側に連結され、他側端部分は内部ディスク60に連結される。外部ディスク70にはスライディングピン52aが前後にスライディング可能に挿入される連通ホール70aが形成されている。この時、外部ディスク70は、スライディングピン52aによって拘束される場合には回転が制限されていて、地面の状況に応じてスライディングピン52aが外部ディスク70の挿通ホール70aに抜け出るようになると回転が可能となる。整理すると、支持ピン52bは車体に結合されて内部ディスク60の回転軸の役割を遂行するものであり、スライディングピン52aは外部ディスク70が内部ディスク60に対して相対的回転を制限する役割を遂行するものである。
【0058】
前記内部ディスク60は一定の厚さを有する円弧状の型板で形成されるものであって、上部中央が中央ピン51により貫通されながら外部ディスク70に連結される。
このような内部ディスク60は外部ディスク70を眺める面にベアリング61が挿入設置される。
【0059】
より詳しく説明すると、内部ディスク60の一側面と外部ディスク70の一側面は互いに面で接触するように設置されるが、このように面で接触された状態で内部ディスク60と外部ディスク70が相対的に回転運動をすれば内部ディスク60と外部ディスク70が接する面には摩擦が発生する。したがって、このような摩擦をなくすために、本発明では内部ディスク60にベアリング61が設置される。もちろん、外部ディスク70にベアリング61が設置されることも可能である。
【0060】
そして、内部ディスク60は下部の縁に多数の挿入ホール60aが一定の間隔で形成される。このような挿入ホール60aはスライディングピン52aが差し込まれる空間である。
【0061】
前記外部ディスク70は内部ディスク60と同一の形態を有するものであって、中央ピン51により上部中央が貫通されながら中央ピン51を中心に回転可能である。
このような外部ディスク70は下部中央に球状の連結軸71が無限軌道80側に向かって突出備えられる。
【0062】
そして、外部ディスク70は下部の縁に多数の連通ホール70aが一定の間隔で形成される。このような連通ホール70aは内部ディスク60に形成された挿入ホール60aと互いに連通する。
【0063】
車体50にはスライディングピン52aが連結されるが、このスライディングピン52aは電気信号により作動して内部ディスク60の挿入ホール60aと外部ディスク70の連通ホール70aの内外部を出入りする。スライディングピン52aが挿入ホール60aと連通ホール70aの内部に進入した時には内部ディスク60と外部ディスク70が一体化されて外部ディスク70が内部ディスク60に対して相対的回転をできなくなる。
【0064】
本発明に係る回転式ディスク形態のサスペンションが適用された車両が平地のような屈曲のない地面を通過する時には内部ディスク60と外部ディスク70の相対的回転が不要であるため、この時にはスライディングピン52aが挿入ホール60aと連通ホール70aの内部に進入する。
前記無限軌道80は中央部分に外部ディスク70の連結軸71が回転可能に挿入される。
【0065】
このような無限軌道80は多数のスプロケット81と、前記多数のスプロケット81の中央に配置されるセンターキャップ82と、一端が前記多数のスプロケット81に連結され他端が前記センターキャップ82に連結される支持部83と、前記多数のスプロケット81を囲む軌道ベルト84で構成される。
前記多数のスプロケット81は三角形態で配置される。
前記センターキャップ82は内部に外部ディスク70の連結軸71が回転可能に挿入される。
【0066】
前記支持部83は三角形態で配置されるスプロケット81の配置状態を維持するものであって、リンクの形態で構成されてもよいがスプリング(図13に図示)またはショックアブソーバで構成されてもよい。このように支持部83がスプリングまたはショックアブソーバで構成される場合には運行中に発生する衝撃をよりよく吸収することができる。
前記のように構成された本発明に係る回転式ディスクサスペンションが適用された車両の動作過程を簡単に説明すると、次の通りである。
【0067】
車両が平地を運行する時は、内部ディスク60と外部ディスク70が中央ピン51により支持されながら互いに対向する面が互いに接触した状態を維持する。このように平地を運行する時にはスライディングピン52aが内部ディスク60の挿入ホール60aと外部ディスク70の連通ホール70aに差し込まれた状態を維持する。
【0068】
車両が平地を運行していて、一側が高く上がっている上り坂の地面を通過する時は(図12参照)無限軌道80が上り坂の地面に沿って上り、外部ディスク70が中央ピン51を中心に回動することになる。この時、内部ディスク60は中央ピン51上で回転せず平地で運行していた状態をそのまま維持する。
【0069】
ここで、平地運行時挿入ホール60aと連通ホール70aの内部に差し込まれていたスライディングピン52aは、上り坂の地形に進入する前に連通ホール70aの中から抜け出る。
【0070】
この時、車両には車両全体のバランスを監督するIMU(Inertial Measurement Unit)のような位置認識システムを通じて獲得した走行中の地形情報を車体50に備えられた制御部に持続的に伝送し、この信号が伝送された制御部は地形の状態に応じてスライディングピン52aを挿入ホール60aと連通ホール70aの内部に差し込むか、差し込まれていたスライディングピン52aを挿入ホール60aと連通ホール70aの内部から取り出すようにする。
【0071】
次に、本発明の第3実施例に係る回転式ディスクタイプのサスペンションシステムを説明することにする。本発明の第3実施例に係る回転式ディスクサスペンションシステムは、内部および外部ディスクを回転させる駆動部(アクチュエータ)が内蔵されている点で、前述した第1および第2実施例と差がある。
【0072】
図14は本発明の第3実施例に係る回転式ディスクタイプのサスペンションシステムの結合された姿を示した図面であり、図15は本発明の第3実施例に係るディスクタイプのサスペンションシステムの分解された姿を示した図面であり、図16は本発明の第3実施例に係るディスクタイプのサスペンションシステムの動作状態を示した図面である。
【0073】
図14図16を参照すると、本発明の第3実施例に係るディスクサスペンションシステムは、車体側に結合される内部ディスク91と、車輪側に結合される外部ディスク92と、内部および外部ディスク91、92の間に備えられて各ディスク91、92に回転力を提供するアクチュエータ93、94を含む。
【0074】
前記内部ディスク91の外側縁、すなわち内部ディスク91の偏心した位置には車体側に結合される支持軸91aが備えられる。外部ディスク92の外側縁にも車輪側に結合される連結軸92aが備えられる。これによって、内部および/または外部ディスク91(92)が回転することになると、これらディスク91、92に備えられた支持軸91aと連結軸92aが各ディスク91、92の縁に沿って上下の位置が変動しながら車輪と車体の高さも変動することになる。
【0075】
前記アクチュエータはディスクに内蔵されて各ディスク91、92の回転力を提供する動力装置である。アクチュエータは内部ディスク91の回転を担当する内側アクチュエータ93と外部ディスク92の回転を担当する外側アクチュエータ94からなる。内側および外側アクチュエータ93、94は同一の構成を有して内部および外部ディスク91、92の間の中央で両側に対称となるように配置される。これに伴い、内部ディスク91と外部ディスク92は互いに独立的に回転できるようになる。
【0076】
前記内側および外側アクチュエータ93、94は各ディスク91、92と連係される固定子(stator:93a、94a)と回転子(rotator:93b、94b)からなる。
前記固定子93a、94aは中央があけられている円錐状の円板形態からなり、内側には永久磁石が装着される。
【0077】
前記回転子93b、94bは全体的にリング状で固定子93a、94aを囲むように配置される。回転子93b、94bは複数の電磁石からなる電磁石セット93b1、94b1がリング本体93b2、94b2の内側面に装着される。
【0078】
前記内部および外部ディスク91、92はこれらが配属された回転子93b、94bと互いに連結されている。これに伴い、回転子93b、94bの回転力が各ディスク91、92に伝達され得る。
一方、内部および外部ディスク91、92の間にはこれらディスク91、92の回転を案内する中央ピン95とセンタリング96が設置される。
【0079】
前記中央ピン95は固定子93a、94aと前記回転子93b、94bの中心を貫通するように設置され、両端部分が内部および外部ディスク91、92に連結されて内部および外部ディスク91、92の回転を案内することができる。
【0080】
前記センタリング96は内部および外部ディスク91、92の間で回転子93b、94bを囲むように設置される。このようなセンタリング96は内側にゴムが密着するように配置されているので回転が制限される。すなわち、センタリング96は回転しない構成である。
【0081】
したがって、内部および外部ディスク91、92はセンタリング96によって相互間の回転力が伝達されない。換言すると、内部ディスク91が回転してもセンタリング96により外部ディスク92は回転しなくなる。その反対に、外部ディスク92が回転してもセンタリング96により内部ディスク91は回転しなくなる。もちろん、センタリング96を中心に各ディスク91、92がこれらに配属されているアクチュエータ93、94によって独自に回転することも可能である。
【0082】
この時、内部および外部ディスク91、92が同じ方向に回転することになると、全体サスペンションが車輪と車両の位置を変更せずに回転することになり、内部および外部ディスク91、92が互いに反対方向に回転することになると、各ディスクの緩衝効果によって車両を持ち上げたり下げたりすることができる。一方、各アクチュエータ93、94は電磁ブレーキ(制動手段)を使って各ディスク91、92の位置を固定することができる。
【0083】
前述した構成を有するディスクサスペンションシステムは、回転子93b、94bに電源が供給されると電磁力が発生して固定子93a、94aを中心に回転子93b、94bが回転する。回転子93b、94bはディスク91、92に連結されているため、回転子93b、94bが回転するにつれて各ディスク91、92も回転することになる。この時、回転子93b、94bへの電源の供給は車両全体のバランスを監督するIMU(Inertial Measurement Unit)のような位置認識システムを通じて獲得した走行中の地形情報に基づいて電源の供給が制御される。
【0084】
図16に図示された通り、前述した構成を有する第3実施例に係るディスクサスペンションシステムは、アクチュエータによって内側および外部ディスクを自ら回転させることによって多様な地形による地面の高さの変化に、より能動的に対応することができる。
【0085】
図17および図18は本発明に係る内部および外部ディスクの動きをX-Y平面で図式化したものであって、図17は内部および外部ディスクが基準状態(原点状態)での位置を図式化したものであり、図18は内部および外部ディスクが基準状態から一定の高さに移動した特定位置を図式化したものである。
【0086】
本発明に係る回転式ディスクサスペンションは、車輪を通じて車体に加えられる力を回転するディスクによって線形運動から回転運動に変換することを核心技術原理としている.
このようなディスクの回転動作について、図17および図18を参照してより具体的に説明することにする。
まず、A地点は内部ディスクが車体のフレームに連結される部位であって、ディスク位置移動の基準となる基準座標、すなわち原点座標(0.0)で図示した。
【0087】
次に、「C」地点は外部ディスクが車輪のホイールハブに連結される部位であって、この地点は外部ディスクが回転することによって位置(座標)が移動される。
【0088】
そして、「B」地点は外部ディスクと内部ディスクの中心が連結される部位であって、この地点は内部ディスクが回転することによって位置(座標)が移動される。ここで、「B」地点と「C」地点の位置(座標)は、下記の三角関数を利用した数学式によって決定される。
【数1】
【0089】
(ここで、θBはA地点とB地点を通る直線とA地点(原点)を座標軸とするY軸がなす角度であり、θCはB地点とC地点を通る直線とB地点を座標軸とするY軸がなす角度である。rは内部ディスクの半径(
)であり、Rは外部ディスクの半径(
)である。)
このように内部および外部ディスクの回転によって車体と車輪の位置は、前記数1による円周の軌跡に沿って回転運動をすることになる。
【0090】
具体的には、内部ディスクの半径(
)は円周に沿って車体フレームに連結されるその地点を中心に回転しながら車体フレームに対して「B」地点の位置が前記数学式(xb;yb)で指定される。
【0091】
そして、外部ディスクの半径(
)は内部ディスクと中心で連結されるその地点を中心に回転しながら車体フレームに対して「C」地点の位置が前記数学式(xc;yc)で指定される。
【0092】
前述した回転式ディスクサスペンションの回転運動について、図3を参照して第1実施例のディスクサスペンションで説明すると、内部ディスク20の支持軸12がA地点であり、中央ピン42が「B」地点であり、外部ディスク30の連結軸41が「C」地点である。ここで、内部ディスク20と外部ディスク30の中心が連結される中央ピン(42:B地点)は支持軸(12:A地点)を中心に円周方向に沿って位置が可変され、外部ディスク30の連結軸(41:C地点)は中央ピン(42:B地点)を中心に円周方向に沿って位置が可変される。このようなディスクの回転運動による位置変化は残りの実施例でも同一に適用される。
【0093】
前述した構成を有する本発明に係るディスクタイプの回転式サスペンションは、車両の運転中に出会う多様な障害物からくる力を能動的に分散させることができ、高速または重い荷重による物理的力のバランスを取ることができ、そして、傾斜面で安全に作動するために中心質量を能動的に移動できるようになる。
【0094】
以上では、本発明の好ましい実施例について図示し説明したが、本発明は前述した特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることは言うまでもなく、このような変形実施は本発明の特許請求の範囲に属すると言える。
【産業上の利用可能性】
【0095】
未舗装道路や山岳地形のように、一般車両の進入や運行が難しい環境で物資や人を運搬するために使われる作業用車両やレジャー用車両などと産業/技術的関連が深く、これらの産業に幅広く利用され得る。
【符号の説明】
【0096】
10 車体
11 シート
12 支持軸
12a 鋸歯
13 スライディングピン
20 内部ディスク
20a 挿入ホール
30 外部ディスク
30a 連通ホール
31 ベアリング
40 車輪
41 連結軸
41a 鋸歯
42 中央ピン
50 車体
51 中央ピン
52 支持軸
52a スライディングピン
52b 支持ピン
60 内部ディスク
60a 挿入ホール
61 ベアリング
70 外部ディスク
70a 連通ホール
71 連結軸
80 無限軌道
81 スプロケット
82 センターキャップ
83 支持部
84 軌道ベルト
91 内部ディスク
91a 支持軸
92 外部ディスク
92a 連結軸
93 内側アクチュエータ
93a 固定子
93b 回転子
93b1 電磁石セット
93b2 リング本体
94 外側アクチュエータ
95 中央ピン
96 センタリング

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】