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特表2024-533201二次電池製造のための多目的ジグおよびこれを利用した製造装置のセッティング方法
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  • 特表-二次電池製造のための多目的ジグおよびこれを利用した製造装置のセッティング方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】二次電池製造のための多目的ジグおよびこれを利用した製造装置のセッティング方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/536 20210101AFI20240905BHJP
   B23K 20/10 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
H01M50/536
B23K20/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514111
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 KR2022016494
(87)【国際公開番号】W WO2023120938
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0182734
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、サンフン
【テーマコード(参考)】
4E167
5H043
【Fターム(参考)】
4E167AA06
4E167AA08
4E167BE04
4E167BE07
4E167DA04
4E167DB09
5H043AA19
5H043CA08
5H043HA11E
5H043HA36E
(57)【要約】
発明の実施形態による二次電池製造装置のセッティングのための多目的ジグは、本体部、前記本体部の長さ方向の一端から突出した第1測定部、および前記本体部の長さ方向の他端に段差を有するように形成された第2測定部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の製造のための装置のセッティングのための多目的ジグであって、
本体部、
前記本体部の長さ方向の一端から突出した第1測定部、および
前記本体部の長さ方向の他端に段差を有するように形成された第2測定部を含む二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項2】
前記第1測定部は、前記本体部の厚さ方向の中心から突出する、請求項1に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項3】
前記第1測定部の位置が、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブの位置に対応する、請求項2に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項4】
前記第1測定部の厚さは、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブの厚さに対応する、請求項2に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項5】
前記第2測定部の側面には、前記段差のうち外側にさらに突出した突出部に形成された目盛り部が位置する、請求項1に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項6】
前記多目的ジグは3Dプリンタにより構成された、請求項1に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の二次電池製造のための多目的ジグを利用して二次電池製造装置をセッティングする方法であって、
前記多目的ジグを前記二次電池製造装置でセッティングのためのセッティング部位に、前記第1測定部が向かうように移動させる段階、および
前記第1測定部を基準として前記セッティング部位の位置を設定する段階を含む二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項8】
前記セッティング部位は、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブを基準として上部装置と下部装置を含み、
前記セッティング部位の位置を設定する段階は、前記上部装置および前記下部装置のうちの少なくとも一つが前記第1測定部の上部面および下部面のうちの少なくとも一つと接するか否かを確認する段階を含む、請求項7に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載の二次電池製造のための多目的ジグを利用して二次電池製造装置をセッティングする方法であって、
前記多目的ジグを前記二次電池製造装置でセッティングのためのセッティング部位に、前記第2測定部が向かうように移動させる段階、および
前記第2測定部を基準として前記セッティング部位の位置を設定する段階を含む二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項10】
前記セッティング部位は、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブを基準として上部装置と下部装置を含み、
前記セッティング部位の位置を設定する段階は、前記上部装置と前記下部装置のそれぞれが前記二次電池が配置される作業台から互いに同一距離だけ離隔して整列したか否かを前記第2測定部を通じて確認する段階を含む、請求項9に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項11】
前記第2測定部の側面には、前記段差のうち外側にさらに突出した突出部に形成された目盛り部が位置する、請求項10に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項12】
前記第2測定部を通じて確認する段階は、
前記突出部の端部と前記上部装置とを接触して前記目盛り部により前記作業台と前記上部装置との間の第1間隔を測定する段階、
前記多目的ジグをひっくり返して前記突出部の端部と前記下部装置とを接触して前記目盛り部により前記作業台と前記下部装置との間の第2間隔を測定する段階、および
前記第1間隔と前記第2間隔とが同一であるか否かを確認し、これらが同一になるように前記セッティング部位を補正する段階を含む、請求項11に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項13】
前記第2測定部を通じて確認する段階は、
前記上部装置と前記下部装置との間に電極タブが配置されるように前記作業台上に二次電池を配置する段階、
前記二次電池上に、前記二次電池の側面と前記目盛り部とが平行になるように前記多目的ジグを配置する段階、および
前記目盛り部により前記二次電池の分離膜端部と前記上部装置との間の間隔を所定の値にセッティングする段階を含む、請求項11に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
本出願は、2021年12月20日付韓国特許出願第10-2021-0182734号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池製造のための多目的ジグに関し、より具体的には二次電池製造装置のセッティングのために使用することができるジグに関する。また、本発明は、このような多目的ジグを利用した二次電池の製造装置のセッティング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料の使用の急激な増加により代替エネレギー、清浄エネルギーの使用に対する要求が増加しており、その一環として最も活発に研究されている分野が電気化学を利用した発電、蓄電分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを利用する電気化学素子の代表的な例として二次電池が挙げられ、日増しにその使用領域が拡大している傾向にある。
【0005】
最近は携帯用コンピュータ、携帯用電話、カメラなどの携帯用機器に対する技術開発と需要が増加することに伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加しており、そのうち、高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池に対して多くの研究が行われてきており、また商用化されて幅広く使用されている。
【0006】
また、環境問題に対する関心が大きくなることに伴い、大気汚染の主要原因の一つであるガソリン車両、ディーゼル車両など化石燃料を使用する車両を代替することができる電気自動車、ハイブリッド電気自動車などに対する多くの研究が行われている。このような電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力源としては、主にニッケル水素金属二次電池が使用されているが、高いエネルギー密度と放電電圧のリチウム二次電池を使用する研究が活発に行われており、一部は商用化段階にある。
【0007】
一般的に二次電池は、正極、負極、および正極と負極との間に介されたセパレータを含む電極組立体がカンやパウチのケースに収容された構成を有する。
【0008】
このような二次電池が製造される時に、正極、負極およびセパレータを含む電極組立体は、複数の正極と複数の負極が有するそれぞれの電極タブを互いに連結するプリ溶接(pre-welding)工程、プリ溶接された電極タブを一定の長さに切断する切断工程、溶接された電極タブにリードを溶接するメイン溶接(main-welding)などを経て製造され得る。
【0009】
これを行うための装置は、製造される二次電池の構成、例えば積層電極アセンブリーにおいて溶接される複数のタブの位置を考慮して溶接部の位置を正確にセッティングしてこそ良好な二次電池を生産することができる。
【0010】
通常このようなセッティングは実際の二次電池を使用して行っている。
【0011】
しかし、実際の製品を使用する場合には、周囲環境により二次電池の状態が簡単に変形されることがあり、それぞれの二次電池による偏差が存在して正確度および所要時間的に非効率的であるという問題がある。また使用される二次電池の状態により同一工程内の多数の設備間偏差が発生することがあり、正確な工程の進行が不可能であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、二次電池製造装置のセッティングを便利かつ正確にしながらも、工程中の全ての組立設備のセッティングを一つのジグを通じて行うことができる二次電池製造用多目的ジグとこれを利用した製造装置のセッティング方法を提供することにある。
【0013】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の実施形態による二次電池製造のための多目的ジグは、二次電池の製造のための装置のセッティングのための多目的ジグであって、本体部、前記本体部の長さ方向の一端から突出した第1測定部、および前記本体部の長さ方向の他端に段差を有するように形成された第2測定部を含む。
【0015】
前記第1測定部は、前記本体部の厚さ方向の中心から突出することができる。
【0016】
前記第1測定部の位置が、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブの位置に対応することができる。
【0017】
前記第1測定部の厚さは、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブの厚さに対応することができる。
【0018】
前記第2測定部の側面には、前記段差のうち外側にさらに突出した突出部に形成された目盛り部が位置することができる。
【0019】
前記多目的ジグは3Dプリンタにより構成され得る。
【0020】
本発明の他の実施形態による二次電池製造装置のセッティング方法は、前述の二次電池製造のための多目的ジグを利用して二次電池製造装置をセッティングする方法であって、前記多目的ジグを前記製造装置でセッティングのためのセッティング部位に、前記第1測定部が向かうように移動させる段階、および前記第1測定部を基準として前記セッティング部位の位置を設定する段階を含む。
【0021】
前記セッティング部位は、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブを基準として上部装置と下部装置を含み、前記セッティング部位の位置を設定する段階は、前記上部装置および前記下部装置のうちの少なくとも一つが前記第1測定部の上部面および下部面のうちの少なくとも一つと接するか否かを確認する段階を含むことができる。
【0022】
本発明のまた他の実施形態による二次電池製造装置のセッティング方法は、前述の二次電池製造のための多目的ジグを利用して二次電池製造装置をセッティングする方法であって、前記多目的ジグを前記製造装置でセッティングのためのセッティング部位に、前記第2測定部が向かうように移動させる段階、および前記第2測定部を基準として前記セッティング部位の位置を設定する段階を含む。
【0023】
前記セッティング部位は、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブを基準として上部装置と下部装置を含み、前記セッティング部位の位置を設定する段階は、前記上部装置と前記下部装置のそれぞれが前記二次電池が配置される作業台から互いに同一距離だけ離隔して整列したか否かを前記第2測定部を通じて確認する段階を含むことができる。
【0024】
前記第2測定部の側面には、前記段差のうち外側にさらに突出した突出部に形成された目盛り部が位置することができる。
【0025】
前記第2測定部を通じて確認する段階は、前記突出部の端部と前記上部装置とを接触して前記目盛り部により前記作業台と前記上部装置との間の第1間隔を測定する段階、前記多目的ジグをひっくり返して前記突出部の端部と前記下部装置とを接触して前記目盛り部により前記作業台と前記下部装置との間の第2間隔を測定する段階、および前記第1間隔と前記第2間隔とが同一であるか否かを確認し、これらが同一になるように前記セッティング部位を補正する段階を含むことができる。
【0026】
前記第2測定部を通じて確認する段階は、前記上部装置と前記下部装置との間に電極タブが配置されるように前記作業台上に二次電池を配置する段階、前記二次電池上に、前記二次電池の側面と前記目盛り部とが平行になるように前記多目的ジグを配置する段階、および前記目盛り部により前記二次電池の分離膜端部と前記上部装置との間の間隔を所定の値にセッティングする段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
実施形態による二次電池製造のための多目的ジグは、作業者が一つのジグにより製造装置の工程中の多くの位置でのセッティングが可能であるため、工程間偏差を最小化してセッティングの精密度を向上させると同時に、製造装置のセッティング時間を短縮させることができるところ、生産性を向上させることができる。
【0028】
また、実施形態により製造される二次電池は、常時一定にセッティングされる装置により製造不良なしに良質の製品で製造され得る。
【0029】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態による二次電池製造のための多目的ジグを示す斜視図である。
図2図1の多目的ジグでII-II断面を示す図面である。
図3図1の多目的ジグで、III部分を正面で拡大して示す図面である。
図4図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第1使用例を説明するために示す図面である。
図5図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第2使用例を説明するために示す図面である。
図6a図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第3使用例を説明するために示す図面である。
図6b図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第3使用例を説明するために示す図面である。
図7図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第4使用例を説明するために示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0032】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0033】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0034】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0035】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0036】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0037】
以下、図1から図3を参照して本発明の実施形態による二次電池製造のための多目的ジグについて説明する。
【0038】
図1は本発明の実施形態による二次電池製造のための多目的ジグを示す斜視図であり、図2図1の多目的ジグでII-II断面を示す図面であり、図3図1の多目的ジグで、III部分を正面で拡大して示す図面である。
【0039】
実施形態による多目的ジグは、一つのジグにより二次電池製造装置の多くの部位をセッティングすることができるように構成される。実施形態による二次電池製造装置は、パウチ型二次電池を製造するための装置であり得る。例えば二次電池製造装置は、パウチ型二次電池において電極組立体を構成する複数の正極または負極にそれぞれ提供される複数の正極タブまたは負極タブを溶接を通じて固定するいわゆるプリ溶接工程、または溶接された正極タブまたは負極タブの一部を切断する切断工程、または溶接された正極タブまたは負極タブにリードをいわゆるメイン溶接するための装置であり得る。
【0040】
図1に示されているように、多目的ジグ10は、本体部100、本体部100の長さ方向の一端から突出した第1測定部200、および本体部100の長さ方向の他端に段差を有するように形成された第2測定部300を含む。ここで、本体部100の長さ方向は、図面でy軸方向であり得、第1測定部200が形成された一端はy軸方向の-方向端部であり得、第2測定部300が形成された他端はy軸方向の+方向端部であり得る。
【0041】
本体部100は、z軸方向の上部(+)と下部(-)にそれぞれ形成された上面120と下面130と、これらを連結する側面110とを含む四角管形態であり得る。実質的に本体部100は二次電池の電極組立体で電極およびセパレータが積層された部分に対応する大きさおよび形状を有することができる。つまり、本体部100の厚さaは、電極組立体の電極およびセパレータが積層された部分の厚さであり得、本体部100の長さbは電極組立体の電極およびセパレータが積層された部分の厚さであり得る。
【0042】
本体部100と一体に形成されて、本体部100の長さ方向の一端から突出した第1測定部200は、二次電池の電極組立体で電極タブと類似の形態を有することができる。つまり、図2に示されているように第1測定部200は、本体部100から延長された傾斜部220、および傾斜部220から突出したタブ形状部210を含む。この時、タブ形状部210は、本体部100の厚さ方向の中心から突出するように形成される。つまり、本体部100の上面120とタブ形状部210との間の高さh1と、本体部100の下面130からタブ形状部210までの高さh2とが同一になるように形成される。これによって、製造装置の設備で中心を設定する時、当該タブ形状部210を利用して設定することが可能であるところ、これについての詳細な事項は後述する。
【0043】
一方、タブ形状部210の厚さdは、電極タブの厚さに対応するように形成され得る。製造する二次電池のスペックにより電極タブの厚さも変わり得るところ、各二次電池に対応する多目的ジグ10を製造する時、タブ形状部210の厚さdを二次電池の各電極タブの厚さと同一にすることによって、電極タブと関連した設備、例えば溶接工程時に適用されるタブガイドや電極タブ切断部などで上下部装置を適切な高さにセッティングすることができる。これについても具体的な利用例について後述する。
【0044】
図1および図3を参照すれば、本体部100と一体に形成されて、本体部100の長さ方向の他端に段差を有するように形成された第2測定部300は、段差を形成するように本体部100の長さ方向と同一の方向に突出した突出部310と、本体部100の側面110に形成され、突出部310に対応する部分まで形成された目盛り部320とを含むことができる。また、突出していない部分の側面110に補助目盛り部321をさらに含むことができる。一方、本実施形態では、段差を階段形状で示したが、これは例示的な形態であり、これに限定されず、斜線で傾いた形態などを有することができるが、特に限定されない。第2測定部300を利用して上、下部装置が分離されている器具の整列が正確な位置に行われたか否かを確認してセッティングすることができる。これについては具体的な利用例を挙げて後述する。
【0045】
このように構成される実施形態の多目的ジグ10は、3Dプリンタにより製造され得、材質としては樹脂を含む。これによって、多目的ジグ10は軽量で正確なサイズを有するように製造され得る。
【0046】
以下、図4から図7を参照して、実施形態による多目的ジグを二次電池製造装置のセッティングのために利用する使用例について説明する。
【0047】
図4図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第1使用例を説明するために示す図面であり、図5図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第2使用例を説明するために示す図面であり、図6aおよび図6bは図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第3使用例を説明するために示す図面であり、図7図1の多目的ジグが二次電池製造装置のセッティングに使用される第4使用例を説明するために示す図面である。
【0048】
図4を参照すれば、多目的ジグ10を利用して電極タブカッター30の中心をセッティングすることができる。つまり、電極タブカッター30は、電極タブが位置する部分を中心に上刃31と下刃32を含むことができるが、この時、上刃31と下刃32の位置が電極タブを中心に正確な位置にセッティングされてこそカッティング作業を正確に行うことができる。
【0049】
このために、まず下刃32を動作位置に上昇させ、多目的ジグ10を作業台20上に配置して第1測定部200のタブ形状部210を下刃32が位置する部分に挿入する。この時、下刃32とタブ形状部210との間に干渉が発生すると電極タブカッター30が正確な位置にセッティングされたと判断する。反面、これとは異なり、タブ形状部210より高い位置に下刃32が突出したり、タブ形状部210と下刃32が接触せずに干渉しない場合には、正確な位置にセッティングされていないと判断して装置を再度セッティングする。このように多目的ジグ10を利用して電極タブカッター30の位置をセッティングすることによって、カッティング工程での不良率を減少させると同時に、反復的なセッティングを行っても多目的ジグ10の形状自体が一定であるため、正確な位置に再度セッティングすることが可能であるところ、正確かつ迅速なセッティングが可能である。
【0050】
一方、本使用例では、電極タブカッターの中心をセッティングすることを例に挙げて説明したが、これに限定されず、電極タブを間に置いて上、下部の高さを合わせる他の装置、例えば電極タブプレスなどの装置で上下位置をセッティングすることに本実施形態の多目的ジグ10を利用することができる。
【0051】
図5を参照すれば、多目的ジグ10を利用して、溶接時にタブガイド40の上、下部ガイド41、42の上下位置をセッティングすることができる。
【0052】
つまり、パウチ型二次電池の電極組立体が含む複数の正極または複数の負極にそれぞれ連結された複数の正極タブまたは複数の負極タブを連結するために溶接が行われ得、この時、複数の電極タブを集めて固定するためにタブガイド40が適用され得る。タブガイド40により固定された電極タブは、溶接装置50を通じて溶接され得、この時、溶接装置50は溶接台(またはアンビル、anvil)51および溶接機(またはホーン、horn)52を含むことができる。
【0053】
タブガイド40は、上部ガイド41および下部ガイド42を含み、これら上部および下部ガイド41、42の間に電極タブが配置され得るようにセッティングされる。このために、多目的ジグ10を作業台20上に配置し、第1測定部200のタブ形状部210を上部ガイド41と下部ガイド42との間に位置させる。この時、上部ガイド41と下部ガイド42のそれぞれがタブ形状部210と接触する位置にセッティングされることが最も好ましく、少なくともタブ形状部210と各ガイド41、42との間のギャップが0.5mm以内であることが好ましい。
【0054】
また本実施形態では、タブガイド40の位置をセッティングすることを例に挙げて説明したが、これに限定されず、溶接装置50の位置を直接セッティングしたり、それ以外に電極タブを間に置いて上、下部装置を含む他の装置の位置セッティングおよび点検にも活用することが可能である。このように多目的ジグ10を利用して溶接に使用される装置の上下位置をセッティングすることによって、溶接不良や電極タブ断線などの不良発生を最小化することができ、迅速かつ正確な装置セッティングが可能であるため、製造工程の効率性を向上させることができる。
【0055】
図6aおよび図6bを参照すれば、多目的ジグ10を利用して、溶接時にタブガイド40の上、下部ガイド41、42の相対的な位置整列をセッティングすることができる。
【0056】
つまり、図5では、第1測定部200を活用してタブ形状部210を基準とした上、下部ガイド41、42の高さをセッティングしたとすれば、本使用例では、第2測定部300を活用して、上、下部ガイド41、42のy軸方向位置をセッティングする。まず、図6aに示されているように、突出部310の端部が上部ガイド41と接触するように作業台20の上に多目的ジグ10を位置させる。その後、目盛り部320を確認して、作業台20の端部と上部ガイド41とが所定の間隔を有するように上部ガイド41を配置させる。
【0057】
次に、図6bに示したように、多目的ジグ10をひっくり返して、突出部310の端部が下部ガイド42と接触するように配置させる。その後、目盛り部320を確認して、作業台20の端部と下部ガイド42とが上部ガイド41での所定の間隔と同一の間隔を有するように下部ガイド42を配置させる。この時、上、下部ガイド41、42と突出部310だけが接した状態で目盛り部320を確認するため、全体的に多目的ジグ10が二次電池と同一の厚さを有するように十分な厚さを有しても、突出部310と接する部分以外で発生し得る干渉を防止することができる。したがって、目盛り部320を通じて確実に密着した状態での間隔を測定することが可能である。
【0058】
これによって、上、下部ガイド41、42が同一の位置に誤差なしに整列され得る。そのために、タブガイド40が二次電池の長さ方向、つまり、y軸方向にも定められた位置に正確に配置されるようにすることによって、溶接時に電極タブを正確に支持することが可能であり、また上、下部ガイド41、42の位置整列に誤差なしに同一の位置に整列されるようにすることによって溶接時に電極タブ支持不良による溶接誤差などの発生を防止することができる。
【0059】
また本実施形態では、タブガイド40だけを例示して説明したが、二次電池の長さ方向を基準として整列が必要な多様な装置のセッティングに適用可能であり、また目盛り部320と共に段差の内側に形成された補助目盛り部321を用いて多様な位置および姿勢でのセッティングが可能である。
【0060】
図7を参照すれば、多目的ジグ10を利用して、溶接時に二次電池の電極組立体60が配置された状態で電極組立体60とタブガイド40との間の間隔をセッティングすることができる。
【0061】
つまり、電極組立体60の電極タブ61が上部ガイド41と下部ガイド42との間に介されるように電極組立体60が作業台20上に配置された状態で、電極組立体60上部に多目的ジグ10の第2測定部300、つまり、突出部310が上部ガイド41に向かうように配置する。そして電極組立体60の分離膜端部と上部ガイド41との間の間隔eが所定の間隔以下、例えば1mm以下になるか否かを、目盛り部320を通じて確認し、このような条件を満たすように電極組立体60の位置を調整することができる。一般的に電極組立体60が正位置に挿入された否かは単に肉眼で把握して概略位置だけを確認した後に工程が行われたが、本実施形態でのように多目的ジグ10を利用する場合、目盛り部320を通じてより精密にその位置を設定することができるところ、複数回の工程を進行する過程でも同一の位置に正確に装置の位置をセッティングすることが可能である。
【0062】
このように本発明の実施形態による多目的ジグは、一つのジグを利用して二次電池製造装置でセッティングが必要な多くの部位のセッティングを容易かつ迅速に達成することができる。また反復して複数回のセッティングを行っても、同一の条件で同一の位置のセッティングが可能であるため、製造された二次電池間の誤差発生なしに製造することが可能である。
【0063】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0064】
10:多目的ジグ
100:本体部
200:第1測定部
210:タブ形状部
300:第2測定部
310:突出部
320:目盛り部
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の製造のための装置のセッティングのための多目的ジグであって、
本体部、
前記本体部の長さ方向の一端から突出した第1測定部、および
前記本体部の長さ方向の他端に段差を有するように形成された第2測定部を含む二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項2】
前記第1測定部は、前記本体部の厚さ方向の中心から突出する、請求項1に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項3】
前記第1測定部の位置が、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブの位置に対応する、請求項2に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項4】
前記第1測定部の厚さは、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブの厚さに対応する、請求項2に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項5】
前記第2測定部の側面には、前記段差のうち外側にさらに突出した突出部に形成された目盛り部が位置する、請求項1に記載の二次電池製造のための多目的ジグ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の二次電池製造のための多目的ジグの製造方法であって、
3Dプリンタにより構成する段階を含む製造方法
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池製造のための多目的ジグを利用して二次電池製造装置をセッティングする方法であって、
前記多目的ジグを前記二次電池製造装置でセッティングのためのセッティング部位に、前記第1測定部が向かうように移動させる段階、および
前記第1測定部を基準として前記セッティング部位の位置を設定する段階を含む二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項8】
前記セッティング部位は、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブを基準として上部装置と下部装置を含み、
前記セッティング部位の位置を設定する段階は、前記上部装置および前記下部装置のうちの少なくとも一つが前記第1測定部の上部面および下部面のうちの少なくとも一つと接するか否かを確認する段階を含む、請求項7に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池製造のための多目的ジグを利用して二次電池製造装置をセッティングする方法であって、
前記多目的ジグを前記二次電池製造装置でセッティングのためのセッティング部位に、前記第2測定部が向かうように移動させる段階、および
前記第2測定部を基準として前記セッティング部位の位置を設定する段階を含む二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項10】
前記セッティング部位は、前記二次電池が含む複数の電極に連結された電極タブを基準として上部装置と下部装置を含み、
前記セッティング部位の位置を設定する段階は、前記上部装置と前記下部装置のそれぞれが前記二次電池が配置される作業台から互いに同一距離だけ離隔して整列したか否かを前記第2測定部を通じて確認する段階を含む、請求項9に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項11】
前記第2測定部の側面には、前記段差のうち外側にさらに突出した突出部に形成された目盛り部が位置する、請求項10に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項12】
前記第2測定部を通じて確認する段階は、
前記突出部の端部と前記上部装置とを接触して前記目盛り部により前記作業台と前記上部装置との間の第1間隔を測定する段階、
前記多目的ジグをひっくり返して前記突出部の端部と前記下部装置とを接触して前記目盛り部により前記作業台と前記下部装置との間の第2間隔を測定する段階、および
前記第1間隔と前記第2間隔とが同一であるか否かを確認し、これらが同一になるように前記セッティング部位を補正する段階を含む、請求項11に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【請求項13】
前記第2測定部を通じて確認する段階は、
前記上部装置と前記下部装置との間に電極タブが配置されるように前記作業台上に二次電池を配置する段階、
前記二次電池上に、前記二次電池の側面と前記目盛り部とが平行になるように前記多目的ジグを配置する段階、および
前記目盛り部により前記二次電池の分離膜端部と前記上部装置との間の間隔を所定の値にセッティングする段階を含む、請求項11に記載の二次電池製造装置のセッティング方法。
【国際調査報告】