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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/10 20060101AFI20240905BHJP
   F26B 25/08 20060101ALI20240905BHJP
   F26B 25/22 20060101ALI20240905BHJP
   F26B 25/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
F26B17/10 Z
F26B25/08 Z
F26B25/22 Z
F26B25/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514352
(86)(22)【出願日】2023-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2023059784
(87)【国際公開番号】W WO2024042503
(87)【国際公開日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】2211361.7
(32)【優先日】2022-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080070
【氏名又は名称】コムテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、ポール
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA07
3L113AB04
3L113AC52
3L113AC67
3L113BA02
3L113CA02
3L113CA03
3L113CA05
3L113CB01
3L113CB23
3L113DA02
3L113DA06
(57)【要約】
微粒子材料から水分を除去するための装置100が提供される。装置100は、マスタチャンバ102へのガスの供給のためのマスタ流入口104を有するマスタチャンバ102を備える。装置100は更に、少なくとも部分的にマスタチャンバ102内に配置されている複数の乾燥チャンバ106を含む。少なくとも部分的にマスタチャンバ102内に配置されている各乾燥チャンバ106は、第1の端部及び第2の端部を有し、各乾燥チャンバ106はガスによって運ばれる微粒子材料の流れを、乾燥チャンバ106の当該第1の及び第2の端部の間で方向付けるように構成されている。各乾燥チャンバ106は、ガスをマスタチャンバ102から乾燥チャンバ106へと方向付け、乾燥チャンバ106内の上記ガスによって運ばれる微粒子材料の流れと相互作用させるための複数の乾燥器流入口を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子材料から水分を除去するための装置であって、
前記装置は、マスタチャンバへのガスの供給のためのマスタ流入口を有する前記マスタチャンバを備え;
前記装置は更に、少なくとも部分的に前記マスタチャンバ内に配置されている複数の乾燥チャンバを備え;
少なくとも部分的に前記マスタチャンバ内に配置されている各乾燥チャンバは、第1の端部及び第2の端部を有し、各乾燥チャンバはガスによって運ばれる微粒子材料の流れを、前記乾燥チャンバの前記第1の端部及び前記第2の端部の間で方向付けるように構成されており;
更に各乾燥チャンバは、ガスを前記マスタチャンバから前記乾燥チャンバへと方向付け、前記乾燥チャンバ内の前記ガスによって運ばれる微粒子材料の流れと相互作用させるための複数の乾燥器流入口を有する、
装置。
【請求項2】
使用の際に、前記マスタチャンバは、前記マスタ流入口を介して加圧下ガスのソースと流体連通して配置され、それによって各乾燥チャンバが前記複数の乾燥器流入口を介して加圧下ガスの流れを提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は:
各乾燥チャンバの前記第1の端部及び/又は前記第2の端部における又はそれに隣接する流れをモニタリングし;
各乾燥チャンバに関して、前記モニタリングされた流出流から乾燥性能を示す特性(例えば、水分含有量、微粒子材料濃度、流速など)を判定し;
前記乾燥チャンバのうちの1つにおける乾燥性能を示す前記特性が閾値未満であると判定された場合、下記の段階:
ガスによって運ばれる微粒子材料の前記乾燥チャンバへの流入流を低減する段階;
前記マスタチャンバへ供給されるガスの温度を上昇させる段階;及び
前記乾燥チャンバからの流出流を阻止する段階
のうちの1つ又は複数を実施する
ように構成されている制御システムを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記制御システムは更に、前記マスタチャンバへ供給されるガスの速度を、前記乾燥チャンバの前記モニタリングされた流出流に応じて及び/又は阻止されている乾燥チャンバの数に応じて変動させるように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記制御システムは、前記乾燥チャンバのうちの1つ又は複数が阻止されている場合、前記マスタチャンバへ供給されるガスの前記速度を低減するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記乾燥チャンバのうちの1つの前記第1の端部及び/又は前記第2の端部において又はそれに隣接して各々位置する複数の制御バルブを更に備え、各制御バルブは前記各乾燥チャンバからの流出流を阻止するための閉状態及び前記各乾燥チャンバからの流出流を許可するための開状態を有するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記制御システムは、前記各乾燥チャンバからの流出流を制御するために、各制御バルブの開位置を調節するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記制御システムは、前記複数の乾燥チャンバからの流出流のバランスをとるために、前記複数の制御バルブの前記開位置を調節するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
各乾燥チャンバは、前記第1の端部及び前記第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成であり;オプションで、各乾燥チャンバは、前記第1の端部及び前記第2の端部の間の流れの略水平方向に対して少なくとも略水平に配置されることが意図される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
各複数の乾燥器流入口は、離間した乾燥器流入口のアレイを含み、前記乾燥器流入口は、前記各乾燥チャンバの前記長手方向軸に沿って直列に離間している、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内に互いに対して平行に配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内に互いから離間して配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内の各乾燥チャンバの外縁部の周囲のガスの流れのために、各乾燥チャンバの前記外縁部の周囲に空隙を有して配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の乾燥チャンバは、1つ又は複数の共通の支持部上に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記マスタチャンバは、前記マスタチャンバの第1の端部及び第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記マスタチャンバは、互いに対向する端部プレートを有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の乾燥チャンバは、前記端部プレートによって支持されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記端部プレートは、前記乾燥チャンバがそれを通って延在する開口部を画定する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、前記端部プレートの前記開口部及び前記各乾燥チャンバの間に複数の耐熱シール(例えば、耐熱圧縮性シール)を備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
各乾燥チャンバは、各乾燥チャンバの長手方向軸が水平に配置されて取り付けられるように意図されている、請求項1から19のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、石炭又はバイオマスのような微粒子材料から水分を除去する際に使用するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水分、特に表面水分を除去するために熱乾燥プロセスを使用して、湿った微粒子材料(例えば、湿炭、飛散灰、など)を乾燥させることが知られている。しかしながら、熱乾燥プロセスは、非常にエネルギー集約的であり、これはコスト及び環境上の悪影響をもたらす。低減された熱入力を用いる乾燥プロセスは、これらの悪影響を軽減するために多大な価値があるが、そのようなプロセスを用いて高水準の乾燥性能及び/又はスループットを保つことは困難であり得る。
【0003】
本開示は、従来技術の1つ又は複数の問題を克服するか、又は少なくとも軽減しようとするものである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様に係り、微粒子材料から水分を除去するための装置が提供されており、
前記装置は、マスタチャンバへのガスの前記供給のためのマスタ流入口を有する前記マスタチャンバを備え;
前記装置は更に、少なくとも部分的に前記マスタチャンバ内に配置されている複数の乾燥チャンバを備え;
少なくとも部分的に前記マスタチャンバ内に配置されている各乾燥チャンバは、第1の端部及び第2の端部を有し、各乾燥チャンバはガスによって運ばれる微粒子材料の流れを、前記乾燥チャンバの前記第1の及び第2の端部の間で方向付けるように構成されており;
更に各乾燥チャンバは、ガスを前記マスタチャンバから前記乾燥チャンバへと方向付け、前記乾燥チャンバ内の前記ガスによって運ばれる微粒子材料の流れと相互作用させるための複数の乾燥器流入口を有する。
【0005】
複数の乾燥チャンバを有することは、同様のサイズ/構造の単一の乾燥チャンバを有する装置と比較して、装置を通じてより大きなスループットを可能にすることが理解されるであろう。更に、少なくとも部分的にマスタチャンバ内に配置されている複数の乾燥チャンバを有することは、各々が別個の完全なチャンバ内に配置されている複数の乾燥チャンバを有するよりもコンパクトな構成をもたらす。
【0006】
マスタチャンバからのガスが乾燥チャンバへと方向付けられているので、このガスと乾燥チャンバ内のガスによって運ばれる微粒子材料の流れとの相互作用(例えば、ガスによって運ばれる微粒子材料の衝突及び衝撃)が装置の乾燥への寄与をもたらすことが理解されるであろう。この乾燥への寄与は非熱的であり、これは従来の「加熱」乾燥チャンバとは著しく対照的である。
【0007】
例示的な実施形態において、マスタチャンバへ供給されるガスは、マスタ流入口を通って装置に入る前に加熱され得る。しかしながら、そのような応用の乾燥への寄与は、依然として上記で議論された非熱的プロセスである。装置の外側でのガスの予めの加熱は、ガスと乾燥チャンバ内のガスによって運ばれる微粒子材料の流れとの相互作用によって微粒子材料から除去された水分を保持するガスの能力を向上させることによって、補助的な寄与をもたらすのみである。
【0008】
例示的な実施形態において、使用の際に、前記マスタチャンバは、前記マスタ流入口を介して加圧下ガスのソースと流体連通して配置され、それによって各乾燥チャンバが前記乾燥器流入口を介して加圧下ガスの流れを提供される。
【0009】
加圧下ガスのそのような流れは、乾燥チャンバ内のガスによって運ばれる微粒子材料の流れと相互作用し、これは当該微粒子物質の乾燥を促進する。
【0010】
例示的な実施形態において、前記装置は:
各乾燥チャンバの前記第1の又は第2の端部からの流出流をモニタリングし;
各乾燥チャンバに関して、前記モニタリングされた流出流から乾燥性能を示す特性(例えば、水分含有量、微粒子材料濃度、流速など)を判定し;
前記乾燥チャンバのうちの1つにおける乾燥性能を示す前記特性が閾値未満であると判定された場合、下記の段階:
ガスによって運ばれる微粒子材料の前記乾燥チャンバへの前記流入流を低減する段階;
前記マスタチャンバへ供給されるガスの温度を上昇させる段階;及び
前記乾燥チャンバからの前記流出流を阻止する段階
のうちの1つ又は複数を実施する
ように構成されている制御システムを備える。
【0011】
乾燥性能を示すそのような特性は、加圧下ガスがそれぞれの乾燥チャンバに入りそれを通って流れる経路も示すことが理解されるであろう。ガスによって運ばれる微粒子材料の当該乾燥チャンバへの流入流を低減することによって、乾燥性能は向上し得る。同様に、マスタチャンバへ供給されるガスの温度を上昇させることによって、乾燥性能は向上し得る。ある乾燥チャンバ内の好適な乾燥性能を実現することができない場合、当該乾燥チャンバからの流出流を阻止することによって、他の乾燥チャンバの性能に影響することなく当該乾燥チャンバを(例えば当該乾燥チャンバへの流入流も阻止することによって)遮断することができ、これは阻止された乾燥チャンバ内の圧力が、マスタチャンバ内の圧力と等しくなるからである。
【0012】
例示的な実施形態において、前記制御システムは更に、前記マスタチャンバへ供給されるガスの前記速度を、前記乾燥チャンバの前記モニタリングされた流出流に応じて及び/又は阻止されている乾燥チャンバの数に応じて変動させるように構成されている。
【0013】
複数の乾燥チャンバがマスタチャンバ内の加圧下ガスの共通のソースによって供給されているので、1つのチャンバの乾燥性能に関する何らかの問題(例えば、阻止されている乾燥器流入口に起因する)は、マスタチャンバ内のガスの特性に対する影響(例えば、圧力の上昇)を与えることになる。これは他の乾燥チャンバの流れの速度及び/又は乾燥性能に波及効果を与えることになる。従って、モニタリングされた流出流及び/又は阻止されている乾燥チャンバの数に応じてマスタチャンバへ供給されるガスの速度を変動させるように構成されている制御システムは、乾燥のために適切なガス圧力/流れを保つことを可能にする。
【0014】
例示的な実施形態において、前記制御システムは、前記乾燥チャンバのうちの1つ又は複数が阻止されている場合、前記マスタチャンバへ供給されるガスの前記速度を低減するように構成されている。
【0015】
そのような制御システムは、乾燥のために適切なガス圧力/流れを保つことを可能にする。
【0016】
例示的な実施形態において、前記装置は、前記乾燥チャンバのうちの1つの前記第1の又は第2の端部において各々位置する複数の制御バルブを備え、ここで各制御バルブは前記それぞれの乾燥チャンバからの流出流を阻止するための閉状態及び前記それぞれの乾燥チャンバからの前記流出流を許可するための開状態を含む。
【0017】
そのような制御バルブは、乾燥チャンバからの流出流を選択的に阻止する単純な手段を提供する。
【0018】
例示的な実施形態において、前記制御システムは、前記それぞれの乾燥チャンバからの流出流を制御するために、各制御バルブの開位置を調節するように構成されている。
【0019】
例示的な実施形態において、前記制御システムは、前記複数の乾燥チャンバからの流出流のバランスをとるために、前記制御バルブの前記開位置を調節するように構成されている。
【0020】
そのような構成は、異なる乾燥チャンバにおける均一な乾燥性能を促進する。
【0021】
例示的な実施形態において、各乾燥チャンバは、前記第1の及び第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成である。
【0022】
例示的な実施形態において、各複数の乾燥器流入口は、離間した乾燥器流入口のアレイを含み、前記乾燥器流入口は、前記それぞれの乾燥チャンバの前記長手方向軸に沿って直列に離間している。
【0023】
離間した乾燥器流入口のそのようなアレイは、効果的な乾燥性能を促進することが発見されている。
【0024】
例示的な実施形態において、前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内に互いに対して平行に配置されている。
【0025】
そのような構成は、コンパクトな装置を提供する。
【0026】
例示的な実施形態において、前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内に互いから離間して配置されている。従って、例示的な実施形態において、前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内の各乾燥チャンバの前記外縁部の周囲のガスの流れのために、各乾燥チャンバの外縁部の周囲に空隙を有して配置されている。
【0027】
そのような構成は、ガスがマスタチャンバじゅうに自由に流れ、その結果、各乾燥チャンバが乾燥器流入口を通してガスの実質的に等しい流れを受け取ることを確実にする。
【0028】
例示的な実施形態において、前記複数の乾燥チャンバは1つ又は複数の共通の支持部上に取り付けられている。
【0029】
これは、マスタチャンバ内に乾燥チャンバを位置決めするための単純な手段を提供する。
【0030】
例示的な実施形態において、前記マスタチャンバは、前記マスタチャンバの第1の及び第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成である。
【0031】
そのような細長い構成は、複数の細長い乾燥チャンバを収容するためのコンパクトなチャンバを提供する。
【0032】
例示的な実施形態において、前記マスタチャンバは、互いに対向する端部プレートを有する。
【0033】
例示的な実施形態において、前記複数の乾燥チャンバは、前記端部プレートによって支持されている。
【0034】
これは、別個の追加の支持部構成要素を必要としない単純な構成を提供する。
【0035】
例示的な実施形態において、前記端部プレートは、前記乾燥チャンバがそれを通って延在する開口部を画定する。
【0036】
そのような開口部は、乾燥チャンバを支持する単純な手段を提供する。
【0037】
例示的な実施形態において、前記装置は、前記端部プレートの前記開口部及び前記それぞれの乾燥チャンバの間に複数の耐熱シール(例えば、耐熱圧縮性シール)を備える。
【0038】
そのような耐熱シールは、マスタチャンバの内側のガスを高圧に保つことを助ける。
【0039】
例示的な実施形態において、各乾燥チャンバは、各乾燥チャンバの長手方向軸が水平に配置されて取り付けられるように意図されている。
【0040】
各乾燥チャンバが、長手方向軸が水平に配置されて取り付けられるように意図されているそのような例示的な実施形態において、微粒子材料は水平方向に乾燥チャンバを通過することが理解されるであろう。この水平な流れを実現するために、微粒子材料はガスによって運ばれ、乾燥チャンバの第1の及び第2の端部の間を横に推進させられる。これは、微粒子材料の流れが専ら又は主に鉛直である公知の乾燥システム(例えば、微粒子材料が重力の力の下で鉛直に下方向へ流れる重力送りシステム)とは著しく対照的である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示はここで、例としてのみ、下記の図を参照して説明される:
【0042】
図1】1つの実施形態に係る、微粒子材料から水分を除去するための装置の等角図である。
図2図1の装置の端面図である。
図3】制御システムに接続されている図1及び図2の装置の側面図である。
図4図1図3の装置の乾燥チャンバの概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
まず図1図3を参照すると、マスタチャンバ102へのガスの供給のためのマスタ流入口104を有するマスタチャンバ102を有する、微粒子材料から水分を除去するための装置100が提供されている。
【0044】
図示されるように、装置100は、少なくとも部分的にマスタチャンバ102内に配置されている複数の乾燥チャンバ106を含む。
【0045】
各乾燥チャンバ106は、第1の端部及び第2の端部を有し、各乾燥チャンバ106はガスによって運ばれる微粒子材料の流れを、乾燥チャンバ106の当該第1の及び第2の端部の間で方向付ける(例えば、図3における矢印Aの水平方向に)ように構成されていることが理解されるであろう。
【0046】
マスタチャンバ102は、マスタチャンバ102の第1の及び第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成の本体108を有する。本体108は、内部プレナム110を画定する。各乾燥チャンバ106の端部の片方又は両方は、微粒子材料の流れを導入又は回収するために必要な任意の機構(図示せず)がマスタチャンバ102の外側に位置するように、マスタチャンバ102の本体108又はプレナム110の外部に位置し得る。
【0047】
各乾燥チャンバ106は、ガスをマスタチャンバ102のプレナム110から乾燥チャンバ106へと方向付け、乾燥チャンバ106内の上記ガスによって運ばれる微粒子材料の流れと相互作用させるための複数の乾燥器流入口112を(図4中に概略的に示されるように)含む。
【0048】
例示的な実施形態において、使用の際に、マスタチャンバ102は、上記マスタ流入口104を介して、加圧下ガスのソース114と流体連通して配置され(図3中に概略的に示されている)、それによって各乾燥チャンバ106が上記乾燥器流入口112を介して加圧下ガスの流れを供給される。
【0049】
図3中に図示される実施形態において、装置100は、各乾燥チャンバ106の第1の又は第2の端部からの流出流をモニタリングするように構成されている制御システム116を含む。制御システム116は、各乾燥チャンバに関して、モニタリングされた流出流から乾燥性能を示す特性(例えば、水分含有量、微粒子材料濃度、流速など)を判定するようにも構成されている。乾燥チャンバのうちの1つにおける乾燥性能を示す特性が閾値未満であると判定された場合、制御システム116は、下記の段階:ガスによって運ばれる微粒子材料の上記乾燥チャンバ106への流入流を低減する段階;マスタチャンバ102へ供給されるガスの温度を上昇させる段階;及び上記乾燥チャンバ106からの流出流を阻止する段階のうちの1つ又は複数を実施するように構成されている。
【0050】
乾燥チャンバ106からの流出流を選択的に阻止するために、装置100は、それぞれの乾燥チャンバ106の端部(すなわち、ガスによって運ばれる微粒子物質が乾燥チャンバ106を出る際に通る端部)に各々位置する複数の制御バルブ118を含む。各制御バルブ118は、それぞれの乾燥チャンバ106からの流出流を阻止するための閉状態及びそれぞれの乾燥チャンバ106からの流出流を許可するための開状態を有する。
【0051】
例示的な実施形態において、制御システム116は、それぞれの乾燥チャンバ106からの流出流を制御するために、各制御バルブ118の開位置を調節するように構成されている。いくつかの実施形態において、制御システム116は、複数の乾燥チャンバ106からの流出流のバランスをとるために、制御バルブ118の開位置を調節するように構成されており、このことが異なる乾燥チャンバ106における均一な乾燥性能を促進する。
【0052】
例示的な実施形態において、制御システム116は、加圧下ガスのソース114からマスタチャンバ102へ供給されるガスの速度を、乾燥チャンバ106のモニタリングされた流出流に応じて及び/又は阻止されている乾燥チャンバの数(すなわち、閉状態にある制御バルブ118の数)に応じて変動させるように構成されている。例えば、例示的な実施形態において、制御システム116は、乾燥チャンバのうちの1つ又は複数が阻止されている場合(すなわち、制御バルブ118のうちの1つ又は複数が閉じられている場合)、マスタチャンバ102へ供給されるガスの速度を低減するように構成されている。
【0053】
例示的な実施形態において、上記複数の乾燥チャンバ106のうちの1つ又は複数は、PCT/GB2017/053312又はPCT/GB2012/000348において説明及び図示されている乾燥器と同様の種類及び構成又は目的のものであり得る。
【0054】
図示されるように、各乾燥チャンバ106は、上記第1の及び第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成である。各乾燥チャンバ106は、図中に示されるように、その長手方向軸が水平に配置されて取り付けられることが意図されていることが理解されるであろう。
【0055】
各複数の乾燥器流入口112は、離間した乾燥器流入口のアレイを有し、例えば当該乾燥器流入口112は(図4中に概略的に示されるように)それぞれの乾燥チャンバ106の長手方向軸に沿って直列に離間している。
【0056】
図示される実施形態において、上記複数の乾燥チャンバ106は、マスタチャンバ102内に互いに対して平行に配置されている。つまり、乾燥チャンバの長手方向軸は互いに対して平行である。
【0057】
図示される実施形態において、複数の乾燥チャンバ106は、マスタチャンバ102内に互いから離間して配置されている。特に、複数の乾燥チャンバ106は、マスタチャンバ102内の各乾燥チャンバ106の外縁部の周囲のガスの流れのために、(図2中に最も良好に図示されているように)各乾燥チャンバの外縁部の周囲に空隙を有して配置されている。
【0058】
図示される実施形態において、複数の乾燥チャンバ106は、共通の支持部上に取り付けられている。特に、マスタチャンバ102は、互いに対向する端部プレート120を有し、複数の乾燥チャンバ106が端部プレート120によって支持されている。端部プレート120は、乾燥チャンバ106がそれを通って延在する開口部122を画定する。
【0059】
例示的な実施形態において、装置は、端部プレート120の開口部122及びそれぞれの乾燥チャンバ106の間に複数の耐熱シール(例えば、耐熱圧縮性シール)を備える。
【0060】
本開示は1つ又は複数の実施形態に関して説明されているが、添付の特許請求の範囲において定義されるとおりの本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更又は修正がなされ得ることが理解されるであろう。例えば、図示される実施形態は1つのマスタチャンバ102内の5つの乾燥チャンバ106のアレイを示すが、当該複数の乾燥チャンバ106は、より多くの又はより少ない数の乾燥チャンバ106(例えば、2つ及び10個の間の乾燥チャンバ106)であり得る。当該複数の乾燥チャンバ106の乾燥チャンバ106の合計数に関する決定は、例えば、微粒子材料の流れの望ましい速度及び実現すべき乾燥の望ましい水準(例えば、乾燥チャンバ106の一方の端部から他方への所与の通過中の水分含有量におけるパーセンテージ低減)の観点で実行可能な商業活動に適合するために、サイズ及びスケールの多くの要因に左右される。そのような要因は、長さ及び内部穴サイズの観点でマスタチャンバ102及び乾燥チャンバ106のサイズも決定する。
【0061】
添付の特許請求の範囲は上記で説明された特徴の特定の組み合わせを記載しているが、本開示の範囲はこの後に特許請求されている特定の組み合わせに限定されず、むしろ拡張して本明細書で開示されている特徴の任意の組み合わせを包含することにも留意されたい。
(他の可能な項目)
(項目1)
微粒子材料から水分を除去するための装置であって、
前記装置は、マスタチャンバへのガスの前記供給のためのマスタ流入口を有する前記マスタチャンバを備え;
前記装置は更に、少なくとも部分的に前記マスタチャンバ内に配置されている複数の乾燥チャンバを備え;
少なくとも部分的に前記マスタチャンバ内に配置されている各乾燥チャンバは、第1の端部及び第2の端部を有し、各乾燥チャンバはガスによって運ばれる微粒子材料の流れを、前記乾燥チャンバの前記第1の及び第2の端部の間で方向付けるように構成されており;
更に各乾燥チャンバは、ガスを前記マスタチャンバから前記乾燥チャンバへと方向付け、前記乾燥チャンバ内の前記ガスによって運ばれる微粒子材料の流れと相互作用させるための複数の乾燥器流入口を有する、
装置。
(項目2)
使用の際に、前記マスタチャンバは、前記マスタ流入口を介して加圧下ガスのソースと流体連通して配置され、それによって各乾燥チャンバが前記乾燥器流入口を介して加圧下ガスの流れを提供される、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記装置は:
各乾燥チャンバの前記第1の及び/又は第2の端部における又はそれに隣接する流れをモニタリングし;
各乾燥チャンバに関して、前記モニタリングされた流出流から乾燥性能を示す特性(例えば、水分含有量、微粒子材料濃度、流速など)を判定し;
前記乾燥チャンバのうちの1つにおける乾燥性能を示す前記特性が閾値未満であると判定された場合、下記の段階:
ガスによって運ばれる微粒子材料の前記乾燥チャンバへの前記流入流を低減する段階;
前記マスタチャンバへ供給されるガスの温度を上昇させる段階;及び
前記乾燥チャンバからの流出流を阻止する段階
のうちの1つ又は複数を実施するように構成されている制御システムを備える、項目1又は2に記載の装置。
(項目4)
前記制御システムは更に、前記マスタチャンバへ供給されるガスの前記速度を、前記乾燥チャンバの前記モニタリングされた流出流に応じて及び/又は阻止されている乾燥チャンバの数に応じて変動させるように構成されている、項目3に記載の装置。
(項目5)
前記制御システムは、前記乾燥チャンバのうちの1つ又は複数が阻止されている場合、前記マスタチャンバへ供給されるガスの前記速度を低減するように構成されている、項目4に記載の装置。
(項目6)
前記乾燥チャンバのうちの1つの前記第1の及び/又は第2の端部において又はそれに隣接して各々位置する複数の制御バルブを更に備え、各制御バルブは前記それぞれの乾燥チャンバからの流出流を阻止するための閉状態及び前記それぞれの乾燥チャンバからの流出流を許可するための開状態を有するように構成されている、前述の項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目7)
前記制御システムは、前記それぞれの乾燥チャンバからの流出流を制御するために、各制御バルブの開位置を調節するように構成されている、項目6に記載の装置。
(項目8)
前記制御システムは、前記複数の乾燥チャンバからの流出流のバランスをとるために、前記制御バルブの前記開位置を調節するように構成されている、項目7に記載の装置。
(項目9)
各乾燥チャンバは、前記第1の及び第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成であり;オプションで、各乾燥チャンバは、前記第1の及び第2の端部の間の流れの略水平方向に対して少なくとも略水平に配置されることが意図される、前述の項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目10)
各複数の乾燥器流入口は、離間した乾燥器流入口のアレイを含み、前記乾燥器流入口は、前記それぞれの乾燥チャンバの前記長手方向軸に沿って直列に離間している、項目9に記載の装置。
(項目11)
前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内に互いに対して平行に配置されている、項目9又は10に記載の装置。
(項目12)
前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内に互いから離間して配置されている、項目11に記載の装置。
(項目13)
前記複数の乾燥チャンバは、前記マスタチャンバ内の各乾燥チャンバの外縁部の周囲のガスの流れのために、各乾燥チャンバの前記外縁部の周囲に空隙を有して配置されている、項目11又は12に記載の装置。
(項目14)
前記複数の乾燥チャンバは、1つ又は複数の共通の支持部上に取り付けられている、前述の項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目15)
前記マスタチャンバは、前記マスタチャンバの第1の及び第2の端部の間に延在する長手方向軸を有する細長い構成である、前述の項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目16)
前記マスタチャンバは、互いに対向する端部プレートを有する、項目15に記載の装置。
(項目17)
前記複数の乾燥チャンバは、前記端部プレートによって支持されている、項目16に記載の装置。
(項目18)
前記端部プレートは、前記乾燥チャンバがそれを通って延在する開口部を画定する、項目17に記載の装置。
(項目19)
前記装置は、前記端部プレートの前記開口部及び前記それぞれの乾燥チャンバの間に複数の耐熱シール(例えば、耐熱圧縮性シール)を備える、項目18に記載の装置。
(項目20)
各乾燥チャンバは、各乾燥チャンバの長手方向軸が水平に配置されて取り付けられるように意図されている、前述の項目のいずれか1項に記載の装置。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】