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特表2024-533211クリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】クリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/20 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H02K7/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514373
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 MY2022050078
(87)【国際公開番号】W WO2023033642
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】PI2021005066
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080933
【氏名又は名称】エコ クアサ テクノロジー エスディーエヌ ビーエイチディー
【氏名又は名称原語表記】EKO KUASA TECHNOLOGY SDN BHD
【住所又は居所原語表記】49-2, Jalan Puteri 1/4, Bandar Puteri, Puchong, Selangor, 47100 Malaysia
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】ビン アブドゥラー ムハンマド サー ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】リー コ ヨン
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB02
5H607BB07
5H607FF33
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、クリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステムに関する。したがって、システム(100)は、i)少なくとも一つの機械装置(400)を静止始動して駆動軸(300)を回転させるように動作する少なくとも一つの電源(200)と、ii)巻線界磁コイル(522)を備えるステータ(520)を有する少なくとも一つの同期発電機(500)とを含み、ステータ(520)は、磁界発生手段(542)のアレイを備えるロータ(540)に囲まれ、駆動軸(300)は、結合シャフトであり、少なくとも一つの同期発電機(500)のロータ(540)を同期して回転させるように動作し、駆動軸(300)は、複数個のアレイまたは等間隔に設けられた磁界手段(322)を有するフライホイール(320)を備え、磁界手段(322)は、励磁コイル(340)と磁気的に相互作用し、単一方向へのフライホイール(320)の回転を誘起してロータ(540)を回転させるように適合され、同期発電機(500)は、ステータ(520)とロータ(540)との間の交差磁界励起によりロータ(540)の回転速度を電流に変換するように適合され、同期発電機(500)は、閉ループエネルギーシステム(600)内の少なくとも一つの機械装置(400)に電力を供給し返す、あるいは、他の電気装置のための電源として電力を出力(700)に送るように動作する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステムであって、前記システム(100)は、
i)少なくとも一つの機械装置(400)を静止始動して駆動軸(300)を回転させるように動作する少なくとも一つの電源(200)と、
ii)巻線界磁コイル(522)を備えるステータ(520)を有する少なくとも一つの同期発電機(500)とを含み、前記ステータ(520)は、磁界発生手段(542)のアレイを備えるロータ(540)により囲まれ、
前記駆動軸(300)は、結合シャフトであり、前記少なくとも一つの同期発電機(500)の前記ロータ(540)を同期して回転させるように動作し、前記駆動軸(300)は、複数個のアレイまたは等間隔に設けられた磁界手段(322)を有するフライホイール(320)を備え、前記磁界手段(322)は、励磁コイル(340)と磁気的に相互作用し、フライホイール(320)の単一方向への回転を誘起してロータ(540)を回転させるように適合され、
前記同期発電機(500)は、前記ステータ(520)と前記ロータ(540)との間の交差磁界励起により、前記ロータ(540)の回転速度を電流に変換するように適合され、前記同期発電機(500)は、閉ループエネルギーシステム(600)内の前記少なくとも一つの機械装置(400)に電力を供給し返す、あるいは、他の電気装置のための電源として少なくとも一つの出力(700)に電力を送るように動作する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記電源(200)は、前記閉ループエネルギーシステム(600)内の少なくとも一つの電力貯蔵部(620)からの、または、補助電力供給からの電力供給を含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、前記電力貯蔵部(620)は、一つ以上の充電可能な電池、または、電力貯蔵の他の適用可能な形態を含む、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、前記補助電力供給は、直接電源端子からの電力供給、または、電力供給の他の適用可能な形態を含む、システム。
【請求項5】
請求項2に記載のシステムであって、前記電力供給は、前記駆動軸(300)の速度を制御するための少なくとも一つの制御器(800)により管理される、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの制御器(800)は、交流(AC)制御器であり、前記AC制御器は、自動切換えAC制御器を含む、システム。
【請求項7】
請求項2に記載のシステムであって、前記閉ループエネルギーシステム(600)は、マイクロコントローラ(900)により管理される、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの機械装置(400)は、電動機または発電機として二者択一的に機能するように適合される、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの機械装置(400)は、前記電源(200)からの電力供給により電動機として一時的に動作し、前記駆動軸(300)を静止始動して回転速度を加速し、前記同期発電機(500)を十分に始動するように適合される、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記同期発電機(500)が、前記閉ループエネルギーシステム(600)内の前記少なくとも一つの制御器(800)を介して前記少なくとも一つの機械装置(400)に電力を供給し返すように動作開始すると、前記少なくとも一つの機械装置(400)は、発電機として動作するように切り替えられる、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの同期発電機(500)の前記ステータ(520)は、巻線歯(523)が突出している周囲に等間隔に設けられた複数個の巻線界磁コイル(522)を有する電機子(524)を含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、各巻線界磁コイル(522)は、各巻線歯(523)に巻かれ、前記電機子(524)の周囲に等間隔に設けられる、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、各巻線界磁コイル(522)は、前記ロータ(540)の一回転あたり一回以上、逆起電力(EMF)により励磁されるように適合される集電励磁コイルまたは電磁コイルとして動作する、システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの同期発電機(500)の前記ロータ(540)は、その内周面に等間隔に設けられた前記磁界発生手段(542)のアレイを含む、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記ロータ(540)の前記磁界発生手段(542)は、NS極を備える、鉄心の永久磁石、または、帯磁体に引き付けられる手段である、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの同期発電機(500)の前記ロータ(540)は、通気のために、前記ロータ(540)の少なくとも一つの空間開口部(545)上に構成される一つ以上のクリップ羽根ファン(544)を備える、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記クリップ羽根ファン(544)は、前記ロータ(540)の前記少なくとも一つの空間開口部(545)を介して空気力学的気流を与え、前記ステータ(520)の前記巻線界磁コイル(522)の温度を低下できるように適合される、システム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの同期発電機(500)の前記ロータ(540)は、フライホイールとして作用するように適合され、前記フライホイールは、突発的負荷により生じる磁束摩擦を除去することで、前記ロータ(540)の回転を軽くする、システム。
【請求項19】
請求項5に記載のシステムであって、前記駆動軸(300)の回転速度が増加するたびに、フライホイールとしても作用する前記同期発電機(500)の前記ロータ(540)が、定格始動速度に加速される、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、前記ロータ(540)の始動速度により、前記同期発電機(500)は、自律的になって電力を生成し、前記少なくとも一つの制御器(800)を介して前記機械装置(400)を駆動する、あるいは、他の電気装置のための電源として電力を送出する、システム。
【請求項21】
請求項1に記載のシステムであって、前記フライホイール(320)の前記磁界手段(322)は、同じ極性を有する、鉄心の永久磁石、または、磁石を模した励磁コイルである、システム。
【請求項22】
請求項1に記載のシステムであって、前記励磁コイル(340)は電磁石である、システム。
【請求項23】
請求項1に記載のシステムであって、前記同期発電機(500)の前記ロータ(540)および前記ステータ(520)に設けられる列に並んだNS極を有する磁極の周期的整列および不整列の結果である交差磁界励起により、前記電流が形成される、システム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムであって、交差磁界励起は、磁気波キンク束(magnetic wave kink flux)を含む、システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムであって、NS極配置を備える磁極における前記ステータ(520)の前記巻線界磁コイル(522)に供給される前記磁気波キンク束の方向は、同期していなければならず、交差磁界励起のために前記ステータ(520)の前記巻線界磁コイル(522)に必要とされる、前記ロータ(540)の前記磁界発生手段(542)からの磁界は、前記ステータ(520)の前記巻線界磁コイル(522)の極性に対応していなければならない、システム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムであって、生じた力が反対方向になるたびに、前記生じた力がゼロから最大値に変化し再びゼロに戻る期間より短い期間の間、前記ステータ(520)の前記巻線界磁コイル(522)は励磁される、システム。
【請求項27】
請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの同期発電機(500)から生成された電力は、送電線(526)を介して送出される、システム。
【請求項28】
請求項27に記載のシステムであって、前記送電線(526)は、前記少なくとも一つの同期発電機(500)から前記少なくとも一つの電力貯蔵部(620)へ、またはその逆に前記電力を送るために、整流器または直流/交流(AC/DC)変換器(530)を備えてもよい、システム。
【請求項29】
請求項27に記載のシステムであって、前記送電線(526)は、前記少なくとも一つの同期発電機(500)から前記少なくとも一つの出力(700)への定電圧出力のための調整器(550)を備えてもよい、システム。
【請求項30】
請求項29に記載のシステムであって、前記少なくとも一つの出力(700)に対する電気的スイッチとして作用するように動作し、過負荷からの過剰電流または短絡により生じ得る損傷から任意の電気回路を保護するための遮断器(570)が設けられる、システム。
【請求項31】
請求項28および29に記載のシステムであって、前記閉ループエネルギーシステム(600)内の少なくとも一つの整流器または交流/直流(AC/DC)変換器(530)を介して前記少なくとも一つの電力貯蔵部(620)からの、または、別の閉ループエネルギーシステム内の前記調整器(550)および遮断器(570)を介して直接前記少なくとも一つの同期発電機(500)から前記少なくとも一つの出力(700)への電力供給を管理するために、同期されたシステム(1000)が設けられる、システム。
【請求項32】
請求項31に記載のシステムであって、前記同期されたシステム(1000)は、任意で、前記システム内の両同期発電機(500)(オルタネータとしても知られる)の出力を安定化または均衡化できるように、ジャイロメータ、遠隔コントローラ(RC)、または、スーパー・キャパシタを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電のためのシステムに関し、より特定的にはクリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化は、過去10年間で極めて危機的かつ重要な問題となっている。その理由の一つとして、世界中で燃料発電機が多く使用されていたことがある。化石燃料発電機などの従来の燃料発電機は、温室効果の一因となる二酸化炭素(CO2)の大きな排出源であり、気候変動および大気汚染の主要原因であると考えられるため、未来の電気需要を満たす施設としては問題がある。人間が引き起こしたこれらの温室効果ガス排出は、地球温暖化の主要原因であろう。そのうえ、人類が燃料源の高い需要を達成するため、地殻や地球の採掘および掘削を計画すれば、深刻な大気汚染や自然および生態系の均衡崩壊が実質的に引き起こされ、環境は悪化し、脅威や課題が拡大するであろう。
【0003】
大気汚染や気候変動を軽減するために、効果的なクリーンで再生可能かつ持続可能なエネルギー手段が、将来利用されるエネルギー需要を満たすのに必要とされている。これに鑑みて、世界の研究は、エネルギー消費および持続可能なエネルギー源利用に対する効率改善に徐々に向かっている。
【0004】
従来の設計パラダイムには、従来のクリーンで再生可能かつ持続可能な機械発電機の運用に欠点が検出されるものがある。こうした欠点の中には、例えば、これに限られるものではないが、機械発電機の不安定性、保守に労力が必要であることによる保守の難しさ、共振の発生による実質的な振動、不安定かつ/または非効率的な電力出力が挙げられる。そのため、機械発電機の適切な運用を守るためには特別な注意が必要である。
【0005】
機械発電機の安定性および効率性を改良するために様々な取り組みがなされてきた。しかしながら、一つ以上の理由により、ほとんどの取り組みは完全に満足のいくものでなかった。例えば、機械発電機の中には、複雑な設計、構成、材料、何らかの欠陥のあると思われる部品のために、満足できるものでないため、広く用いられていないものがある。その他の取り組みでは、共振を軽減し、かつ機械発電機の適正な運用および実行有効性を確保するために、保守において過剰な監督が必要な場合があり、かなりの費用がかかることがある。さらには、機械発電機のある種の部品は小さすぎて手が届かないため、保守作業がより一層困難で時間がかかる場合がある。
【0006】
上記およびその他の欠点に鑑み、クリーンで再生可能かつ持続可能な発電のための効果的なシステムであって、上述した限界や欠点を克服可能とするシステムを提供することが望まれている。したがって、本発明は、従来の設計または先行技術に対して、上記欠点や問題の一つ以上を効率的かつ費用対効果の高い態様で克服するように適合される。本発明およびその特徴の組合せは、詳細な説明に記載され例示される。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、クリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステムに関する。したがって、本システムは、i)少なくとも一つの機械装置を静止始動して駆動軸を回転させるように動作する少なくとも一つの電源と、ii)巻線界磁コイルを備えるステータを有する少なくとも一つの同期発電機とを含み、ステータは、磁界発生手段のアレイを備えるロータに囲まれ、駆動軸は、結合シャフトであり、少なくとも一つの同期発電機のロータを同期して回転させるように動作し、駆動軸は、複数個のアレイまたは等間隔に設けられた磁界手段を有するフライホイールを備え、磁界手段は、励磁コイルと磁気的に相互作用し、単一方向へのフライホイールの回転を誘起してロータを回転させるように適合され、同期発電機は、ステータとロータとの間の交差磁界励起によりロータの回転速度を電流に変換するように適合され、同期発電機は、閉ループエネルギーシステム内の少なくとも一つの機械装置に電力を供給し返す、あるいは、他の電気装置のための電源として電力を少なくとも一つの出力に送るように動作する。
【0008】
本発明の好ましい例示において、電源は、閉ループエネルギーシステム内の少なくとも一つの電力貯蔵部からの電力供給を含む。電源は、任意で、補助電力供給から得てもよいことが理解される。例として、これに限られるものではないが、電力貯蔵部は、一つ以上の充電可能な電池、または、電力貯蔵の他の適用可能な形態を含んでもよい。補助電力供給は、直接電源端子からの電力供給、または、電力供給の他の適用可能な形態を含んでもよい。
【0009】
好ましい例示では、電力供給は、好ましくは、少なくとも一つの制御器により管理されるが、これに限られない。制御器は、駆動軸の速度を制御するように動作する。好ましくは、これに限られるものではないが、制御器は、交流(AC)制御器である。本発明の閉ループエネルギーシステムは、好ましくは、マイクロコントローラにより管理されるが、これに限られるものではないことが理解される。
【0010】
本発明の好ましい例示において、少なくとも一つの機械装置は、電動機または発電機として二者択一的に機能するように適合される。したがって、少なくとも一つの機械装置は、電源からの電力供給により電動機として一時的に動作し、駆動軸を静止始動して回転速度を加速し、同期発電機を十分に始動するように適合される。同期発電機が、閉ループエネルギーシステム内の少なくとも一つの制御器を介して少なくとも一つの機械装置に電力を供給し返すように動作開始すると、少なくとも一つの機械装置は、発電機として動作するように切り替えられてもよい。
【0011】
本発明の好ましい例示において、少なくとも一つの同期発電機のステータは、巻線歯が突出している周囲に等間隔に設けられた複数個の巻線界磁コイルを有する電機子を含む。したがって、各巻線界磁コイルは、好ましくは、これに限られるものではないが、各巻線歯に巻かれ、電機子の周囲に等間隔に設けられる。なお、各巻線界磁コイルは、集電励磁コイルまたは電磁コイルとして作用するように適合される。したがって、巻線界磁コイルは、ロータの一回転あたり一回以上、逆起電力(EMF)により励磁されるように適合される。
【0012】
なお、少なくとも一つの同期発電機のロータは、その内周面の周りに等間隔に設けられた磁界発生手段のアレイを含んでもよい。例として、これに限られるものではないが、ロータの磁界発生手段は、好ましくは、NS極を備える、鉄心の永久磁石、または、帯磁体に引き付けられる手段であってもよい。
【0013】
少なくとも一つの同期発電機のロータは、好ましくは、通気のために、ロータの少なくとも一つの空間開口部上に構成される一つ以上のクリップ羽根ファンをさらに備えてもよいことが理解される。したがって、クリップ羽根ファンは、ロータの少なくとも一つの空間開口部を介して空気力学的気流を与え、ステータの巻線界磁コイルの温度を低下できるように適合される。少なくとも一つの同期発電機のロータは、フライホイールとして作用するように適合され、突発的負荷により生じる磁束摩擦を除去することで、ロータの回転を軽くすることが理解される。
【0014】
なお、駆動軸の回転速度が増加するたびに、フライホイールとしても作用する同期発電機のロータが、定格始動速度に加速される。ロータのそのような始動速度により、同期発電機は、自律的になって電力を生成し、少なくとも一つの制御器を介して機械装置を駆動する、あるいは、他の電気装置のための電源として電力を送出する。
【0015】
なお、本発明のフライホイールの磁界発生手段は、同じ極性を有する、鉄心の永久磁石、または、磁石を模した励磁コイルであってもよい。好ましくは、これに限られるものではないが、本発明の励磁コイルは、電磁石であってもよい。
【0016】
本発明の好ましい例示において、同期発電機のロータおよびステータに設けられる列に並んだNS極を有する磁極の周期的整列および不整列の結果である交差磁界励起により、電流が形成される。したがって、交差磁界励起は、磁気波キンク束(magnetic wave kink flux)を含む。
【0017】
なお、NS極配置を備える磁極におけるステータの巻線界磁コイルに供給される磁気波キンク束の方向は、同期していなければならず、交差磁界励起のためにステータの巻線界磁コイルに必要とされる、ロータの磁界発生手段からの磁界は、ステータの巻線界磁コイルの極性に対応していなければならない。したがって、生じた力が反対方向になるたびに、生じた力がゼロから最大値に変化し再びゼロに戻る期間より短い期間の間、ステータの巻線界磁コイルは励磁される。
【0018】
本発明の少なくとも一つの同期発電機から生成される電力は、好ましくは、送電線を介して送出されてもよいことが理解される。例として、これに限られるものではないが、送電線は、好ましくは、少なくとも一つの同期発電機から少なくとも一つの電力貯蔵部へ、またはその逆に電力を送るために、整流器または直流/交流(AC/DC)変換器を備えてもよい。また、送電線は、少なくとも一つの同期発電機から少なくとも一つの出力への定電圧出力のための調整器を備えてもよいことが理解される。好ましくは、これに限られるものではないが、少なくとも一つの出力への電気的スイッチとして作用するように動作し、過負荷からの過剰電流または短絡により生じ得る損傷から任意の電気回路を保護するための遮断器を設けてもよい。
【0019】
本発明の好ましい例示において、好ましくは、閉ループエネルギーシステム内の少なくとも一つの整流器または交流/直流(AC/DC)変換器を介して少なくとも一つの電力貯蔵部からの、または、別の閉ループエネルギーシステム内の調整器および遮断器を介して直接少なくとも一つの同期発電機から少なくとも一つの出力への電力供給を管理するために、同期されたシステムが設けられてもよい。
【0020】
本発明は、以下に詳細に記載され添付の明細書および図面に例示されるいくつかの新規の特徴および部品の組合せからなるが、本発明の範囲から逸脱したり本発明の利益を何ら犠牲にしたりすることなく、細部の様々な変更が可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面のいくつかは本開示の概略的表現にすぎないことが理解される。そのため、構成要素の一部は、図をわかりやすくするために実際の寸法通りではない場合がある。本発明は、以下に記載する詳細な説明および添付の図面により十分に理解されよう。これらの詳細な説明および図面は、あくまでも例示にすぎず本発明を限定するものでない。
【0022】
図1図1は、本発明の好ましい例示に従うクリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステムの概略図である。
【0023】
図2図2は、本発明の好ましい例示に従う、駆動軸を備える機械装置、ならびにステータおよびロータを有する少なくとも一つの同期発電機の分解図である。
【0024】
図3図3は、本発明の好ましい例示に従う同期発電機のステータであって、巻線歯が突出している周囲に等間隔に設けられた複数個の巻線界磁コイルを有する電機子を含むステータを示す。
【0025】
図4図4は、本発明の好ましい例示に従う、ロータの回転時のステータの巻線界磁コイルの切断位置(cutting position)の例を示す。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0026】
本発明は、発電のためのシステムに関し、より特定的にはクリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステムに関する。以下、本出願明細書は本発明の好ましい例示に従って発明を記載する。しかしながら、発明の好ましい例示に説明を限定することは、単に本発明の考察を容易にするためにすぎないことが理解されよう。当業者であれば、添付の請求の範囲から逸脱することなく、様々な変形および均等物を考案できることが想定される。
【0027】
添付の図面と関連付けて以下に述べる詳細な説明は、本発明の様々な例示の実施形態の記載として意図され、本発明が実施され得る実施形態のみを表すものでない。以下の説明において、説明の目的で、本発明をより完全に理解するために、具体的な構造詳細、配置および材料を述べる。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに本発明を実施可能であることは当業者には明らかであろう。略語やその他の説明的用語は、便宜上明確性のために用いられるにすぎず、発明の範囲を限定するものでない。
【0028】
本発明は、前述の限界や欠点の一つ以上を克服するために、環境に優しい発電システムを提供することを目的とする。したがって、本発明のクリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステムは、自然の生態系均衡を維持し、調和のとれた環境を確立するために発電汚染から非エネルギー源を使用する。
【0029】
本発明の好ましい態様において、本システムは、簡素かつ効果的であり、構成および設置が比較的手軽であり、しかもクリーンで再生可能かつ持続可能な発電を可能とするように適合された同期発電機を利用する。さらに、本発明のシステムは、他の電力エネルギー生産装置に比べて温室効果ガスを排出することなく運用可能である。また、本発明のシステムは、保守のためのアクセスが容易であり、よって操業停止時間および保守費用を実質的に低減し、使用の信頼性が向上する。
【0030】
なお、本システムの同期発電機は、電流生成のためにロータの永久磁石磁界とステータの電磁誘導との間の交差磁界励起の原理に基づいて作動する。したがって、同期発電機は、ステータとロータとの間の交差磁界励起によりロータの回転速度を電流に変換するように適合されるため、当該同期発電機は、少なくとも一つの機械装置に電力を供給し返す、あるいは、他の電気装置のための電源として出力に電力を供給するように動作する。
【0031】
添付の図面を参照し、図1図5を個別にまたはいずれかを組み合わせて、本発明を実施する最良の態様に従うクリーンで再生可能かつ持続可能な発電のための発電機システムを以下に説明する。
【0032】
図1および図2を参照し、本発明のクリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステム(100)は、一般に、少なくとも一つの電源(200)と、駆動軸(300)を備える少なくとも一つの機械装置(400)と、ステータ(520)およびロータ(540)を有する少なくとも一つの同期発電機(500)とを含む。
【0033】
本発明の好ましい例示において、少なくとも一つの電源(200)は、少なくとも一つの機械装置(400)を静止始動して駆動軸(300)を回転させるように動作する。したがって、電源(200)は、閉ループエネルギーシステム(600)内の少なくとも一つの電力貯蔵部(620)からの電力供給を含んでもよい。任意で、電源(200)は、必要に応じて補助電力供給(図示せず)から得られてもよい。
【0034】
例として、これに限られるものではないが、電力貯蔵部(620)は、一つ以上の充電可能な電池、または、静止始動のための十分な電力を供給可能な電力貯蔵の他の適用可能な形態を含んでもよい。補助電力供給(図示せず)は、直接電源端子からの電力供給、または、電力供給の他の適用可能な形態を含んでもよいことが理解される。なお、電力貯蔵部(620)は、例示であって、上記例に限定されるものではなく、設計または使用要件に応じて変更されてもよい。そのため、本明細書に記載する電力貯蔵部(620)は、いかなる態様でも限定的に解釈されるべきでない。
【0035】
本発明の少なくとも一つの機械装置(400)は、好ましくは、電動機または発電機として作用するように動作する回転機であってもよいことが理解される。したがって、機械装置(400)は、動作条件に応じて電動機または発電機として二者択一的に機能するように適合される。特定的には、機械装置(400)は、電源(200)からの電力供給により電動機として一時的に動作し、駆動軸(300)を静止始動して回転速度を加速し、同期発電機(500)を十分に始動するように適合される。そして、同期発電機(500)が、閉ループエネルギーシステム(600)内の少なくとも一つの制御器(800)を介して機械装置(400)に電力を供給し返すように動作開始すると、機械装置(400)は発電機として動作するように切り替えられてもよい。
【0036】
なお、少なくとも一つの機械装置(400)の駆動軸(300)は、好ましくは結合シャフトである。したがって、駆動軸(400)は、少なくとも一つの同期発電機(500)のロータ(540)を同期して回転させるように動作する。好ましい例示では、駆動軸(300)は、好ましくは、複数個のアレイまたは等間隔に設けられた磁界手段(322)を有するフライホイール(320)を備え、磁界手段(322)は、励磁コイル(340)と磁気的に相互作用し、フライホイール(320)の単一方向への回転を誘起してロータ(540)を回転させるように適合される(図2参照)。例として、これに限られるものではないが、フライホイール(320)は、同じ極性を有する、鉄心の永久磁石、または、磁石を模した励磁コイルであってもよい。好ましくは、これに限られるものではないが、励磁コイル(340)は電磁石であってもよい。
【0037】
本発明の好ましい例示において、少なくとも一つの同期発電機(500)のステータ(520)は、好ましくは、巻線歯(523)が突出している周囲に等間隔に設けられた複数個の巻線界磁コイル(522)を有する電機子(524)を含む(図2および図3参照)。したがって、各巻線界磁コイル(522)は、好ましくは、これに限られるものではないが、各巻線歯(523)に巻かれ、電機子(524)の周囲に等間隔に設けられる。なお、各巻線界磁コイル(522)は、集電励磁コイルまたは電磁コイルとして作用するように適合される。したがって、巻線界磁コイル(522)は、ロータ(540)の一回転あたり一回以上、逆起電力(EMF)により励磁されるように適合される。なお、ステータ(520)の巻線界磁コイル(522)は、例示であって上記例に限定されるものではなく、設計または使用要件に応じて変更されてもよい。そのため、本明細書に記載されるステータ(520)の巻線界磁コイル(522)は、いかなる態様でも限定的に解釈されるべきでない。
【0038】
ステータ(520)の各巻線歯(523)に配置される巻線界磁コイル(522)は、例として、銅、銀、アルミニウム、または、その他の導電手段からなってもよいが、これらに限られるものではない。ステータ(520)の巻線界磁コイル(522)の形状および断面は、円形、方形、三角形、長方形、および、適切とみられるその他のものなど様々であってもよい。例えば、これに限られるものではないが、コイルに巻かれる巻線および層の数、ならびに得られるオーム抵抗;単層巻き、二重巻き、二重巻き同方向、二重巻き反対方向、左から右、右から左、編み込み巻き(interwoven winding)などの、各巻線歯(523)への巻き方;などの設計構成の他の変形例が、上記例が一つの巻線歯(523)に巻かれるかについて、本発明を実施する最良の態様として想定され得るが、いかなる態様でも限定的に解釈されるべきでない。
【0039】
少なくとも一つの同期発電機(500)のロータ(540)は、その内周面の周りに等間隔に設けられた磁界発生手段(542)のアレイを含んでもよい。例として、これに限られるものではないが、ロータ(540)の磁界発生手段(542)は、好ましくは、NS極を備える、鉄心の永久磁石、または、帯磁体に引き付けられる手段であってもよい。少なくとも一つの同期発電機(500)のロータ(540)は、通気のために、ロータ(540)の少なくとも一つの空間開口部(545)上に構成される一つ以上のクリップ羽根ファン(544)をさらに備えてもよい。したがって、クリップ羽根ファン(544)は、ロータ(540)の少なくとも一つの空間開口部(545)を介して空気力学的気流を与え、ステータ(520)の巻線界磁コイル(522)の温度を低下できるように適合される。なお、少なくとも一つの同期発電機(500)のロータ(540)は、フライホイールとして作用するように適合され、突発的負荷により生じる磁束摩擦を除去することで、ロータ(540)の回転を軽くする。なお、ロータ(540)の磁界発生手段(542)およびクリップ羽根ファン(544)は、例示であって上記例に限定的に解釈されず、設計または使用要件に応じて変更されてもよい。そのため、上述したロータ(540)の磁界発生手段(542)およびクリップ羽根ファン(544)は、いかなる態様でも限定的に解釈されるべきでない。
【0040】
例として、限定するものではないが、ステータ(520)における巻線界磁コイル(522)の数とロータにおける磁界発生手段(542)の数とは、様々な組合せで構成されてもよく、以下に限られない。
(i)ロータの3個の磁石と1~5個のステータコイルを用いてもよい。
(ii)ロータの5個の永久磁石と1~9個のステータコイルを用いてもよい。
(iii)ロータの8個の永久磁石と1~3または9個のステータコイルを用いてもよい。
(iv)出力は各組合せで異なる。
【0041】
ステータ(520)からの電流出力は、単相出力でも三相出力でもよいことが理解される。好ましい例示では、ロータの8個の永久磁石と、三相ステータ(520)の24個の歯かつ23個の巻線コイルとが使用される。なお、上記組合せは例示であってこれに限定されるものではなく、設計または使用要件に応じて変更されてもよい。そのため、上述した組合せは、いかなる態様でも限定的に解釈されるべきでない。
【0042】
本発明の好ましい例示において、同期発電機(500)は、ステータ(520)とロータ(540)との間の交差磁界励起によりロータ(540)の回転速度を電流に変換するように適合され、同期発電機(500)は、閉ループエネルギーシステム(600)内の少なくとも一つの機械装置(400)に電力を供給し返す、あるいは、他の電気装置のための電源として少なくとも一つの出力(700)に電力を送出するように動作する。
【0043】
好ましい例示では、電源(200)からの、または、補助電力供給からの電力供給は、好ましくは、これに限られるものではないが、少なくとも一つの制御器(800)により管理される。したがって、制御器(800)は、駆動軸(300)の速度を制御するように動作する。好ましくは、これに限られるものではないが、制御器(800)は、交流(AC)制御器であり、このAC制御器は、自動切換えAC制御器を含んでもよい。本発明の閉ループエネルギーシステム(600)は、好ましくは、マイクロコントローラ(900)により管理されるが、これに限られるものではないことが理解される。
【0044】
なお、駆動軸(300)の回転速度が増加するたびに、フライホイールとしても作用する同期発電機(500)のロータ(540)が、定格始動速度に加速される。ロータ(540)のそのような始動速度により、同期発電機(500)は、自律的になって電力を生成し、少なくとも一つの制御器(800)を介して機械装置(400)を駆動する、あるいは、他の電気装置のための電源として電力を送出する。
【0045】
本発明の好ましい例示において、好ましくは、同期発電機(500)のロータ(540)およびステータ(520)に設けられる列に並んだNS極を有する磁極の周期的整列および不整列の結果である交差磁界励起により、電流が形成される(図4参照)。したがって、交差磁界励起は、磁気波キンク束(magnetic wave kink flux)を含む。なお、NS極配置を備える磁極におけるステータ(520)の巻線界磁コイル(522)に供給される磁気波キンク束の方向は、同期していなければならない。すなわち、交差磁界励起のためにステータ(520)の巻線界磁コイル(522)に必要にとされる、ロータ(540)の磁界発生手段(542)からの磁界は、ステータ(520)の巻線界磁コイル(522)の極性に対応していなければならない。したがって、生じた力が反対方向になるたびに、生じた力がゼロから最大値に変化し再びゼロに戻る期間より短い期間の間、ステータ(520)の巻線界磁コイル(522)は励磁される。
【0046】
本発明の少なくとも一つの同期発電機(500)から生成される電力は、好ましくは、送電線(526)を介して送出されてもよい。例として、これに限られるものではないが、送電線(526)は、好ましくは、少なくとも一つの同期発電機(500)から少なくとも一つの電力貯蔵部(620)へ、またはその逆に電力を送るために、整流器または直流交流(AC/DC)変換器(530)を備えてもよい。また、送電線(526)は、少なくとも一つの同期発電機(500)から少なくとも一つの出力(700)への定電圧出力のための調整器(550)を備えてもよいことが理解される。好ましくは、これに限られるものではないが、少なくとも一つの出力(700)への電気的スイッチとして作用するように動作する遮断器(570)を設けて、過負荷からの過剰電流または短絡により生じ得る損傷から任意の電気回路を保護してもよい。
【0047】
本発明の好ましい例示において、好ましくは、閉ループエネルギーシステム(600)内の少なくとも一つの整流器または交流/直流(AC/DC)変換器(530)を介して少なくとも一つの電力貯蔵部(620)からの、あるいは、別の閉ループエネルギーシステム内の調整器(550)および遮断器(570)を介して少なくとも一つの同期発電機(500)から少なくとも一つの出力(700)への電力供給を管理するために、同期されたシステム(1000)が設けられてもよい。同期されたシステム(1000)は、任意で、システム内の両同期発電機(500)(オルタネータとしても知られる)の出力を安定化または均衡化できるように、ジャイロメータ、遠隔コントローラ(RC)、または、スーパー・キャパシタを含んでもよい。
【0048】
なお、本発明のクリーンで再生可能かつ持続可能な発電のためのシステム(100)は、例示であって、本発明の機能を記載するにあたり本明細書で用いられる。また、本発明のクリーンで再生可能かつ持続可能なシステム(100)は、例えば、これに限られるものではないが、携帯用小規模電源モジュールシステムから中規模発電所システム、大規模発電所システムまで、意図される目的に適切とみなされる場合であれば、その他の発電システムにも適用され使用されてもよい。
【0049】
また、装置、構成要素または部品、材料、さらには上記システムを実施するために使用される様々な要素の構成および配置は、例示にすぎず、本発明を限定するのもでない。当業者であれば、こうした装置、構成要素または部品、材料、さらには本明細書に記載される様々な要素の構成および配置は、種々の最適な効果または所望の動作特性が得られるような態様で変形され得ることを理解するであろう。そのため、以上の記載は、いかなる態様でも限定的に解釈されるべきでなく、発明を実施するために発明者が想定する最良の態様として解釈されるべきである。
【0050】
本明細書において「例示」とは、一例、事例、例証を意味するものとして使用される。「例示」として本明細書に記載されるいずれの実施形態も、他の実施形態に対して好ましいか有利であると解釈されるとは限らない。同様に、システム、装置、デバイスまたは製品の「実施形態」と言う用語は、発明のすべての実施形態が、記載された構成要素、構造、特徴、機能、工程、利点、利益、または、動作形態を含むことを要しない。
【0051】
本明細書に記載される、実質的に複数および/または単数を表す用語の使用に関しては、当業者であれば、複数から単数へ、かつ/または、単数から複数へ、文脈および/または用途に応じて適切に変換できるであろう。様々な単数/複数の入れ替えは、説明をわかりやすくするために本明細書に明示的に述べられる場合がある。
【0052】
さらに、導入されたクレーム記載の特定の数が意図される場合には、そのような意図はクレームに明示的に記載され、そのような記載がない場合にはそのような意図が存在しないことは、当業者であれば理解するであろう。例えば、理解を助けるため、以下の添付の請求の範囲は、クレーム記載を導入する「少なくとも一つの」または「一つ以上の」という導入句の使用を含む場合がある。しかしながら、たとえ、同じクレームが「一つ以上の」または「少なくとも一つの」などの導入句や、単数の不定冠詞を含む場合でも、そのような句を使用することで、単数の不定冠詞によるクレーム記載の導入が、そのような導入されたクレーム記載を含む特定のクレームを一つのみのそのような記載を含む発明に限定することを暗示すると解釈されるべきでない(例えば、単数の不定冠詞は典型的には「少なくとも一つの」または「一つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)。これはクレーム記載を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。さらに、導入されたクレーム記載の特定の数が明示的に記載されたとしても、そのような記載は、少なくとも記載された数を典型的には意味する(例えば、他の修飾語句なしに「二つの」とのみ記載された場合は、典型的には、少なくとも二つまたは二つ以上を意味する)と解釈すべきであることは当業者であれば理解するであろう。
【0053】
本発明を以上に記載したが、本発明は多くの態様で変形され得ることは明らかである。そのような変形は、発明の原理および範囲を逸脱するものとみなされるべきでなく、そのような変形はすべて、当業者には自明であり以下の請求の範囲内にあることが意図される。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】