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特表2024-533212繊維原料処理システム及びその運用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】繊維原料処理システム及びその運用方法
(51)【国際特許分類】
   D21C 5/02 20060101AFI20240905BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20240905BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20240905BHJP
   D21B 1/32 20060101ALI20240905BHJP
   D21B 1/14 20060101ALI20240905BHJP
   D21D 5/02 20060101ALI20240905BHJP
   B09B 101/67 20220101ALN20240905BHJP
【FI】
D21C5/02
B09B3/35 ZAB
B09B5/00 Z
D21B1/32
D21B1/14
D21D5/02
B09B101:67
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514382
(86)(22)【出願日】2022-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2022043906
(87)【国際公開番号】W WO2023044078
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,796
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/272,159
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/272,164
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080461
【氏名又は名称】イー チュン グリーン テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YI CHUN GREEN TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 761, Section 2, Youguan Road, Luzhu District Taoyuan City, 338 (TW)
(71)【出願人】
【識別番号】524080472
【氏名又は名称】シェン ジェニファー
【氏名又は名称原語表記】SHEN, Jennifer
【住所又は居所原語表記】20557 Summertown Street Walnut, California 91789 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー ペイージェン
【テーマコード(参考)】
4D004
4L055
【Fターム(参考)】
4D004AA48
4D004AA50
4D004AB10
4D004CA02
4D004CA12
4D004CB12
4D004CB27
4L055AA11
4L055AA20
4L055AC09
4L055BA05
4L055BA11
4L055BB02
4L055BB04
4L055CA02
4L055CA03
4L055CA06
4L055CA10
4L055CB23
4L055CB25
4L055CB26
4L055FA30
(57)【要約】
【課題】繊維原料処理システム及びその運用方法の提供。
【解決手段】本発明の繊維原料処理システム及びその運用方法は、当該繊維原料処理システムが、順に連接された切断モジュールと、バルクパルプ化モジュールと、塩スラリー処理モジュールと、圧力スクリーンと、分離モジュールと、傾斜選別モジュールと、押出装置と、リサイクルモジュールと、を含み、前記繊維原料処理システムの運用方法が、紙おむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品を処理し、当該繊維原料処理システムのモジュールにより実行される浄化と分離の工程を通じて材料を保持し、綿状繊維原料とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維原料処理システムであって、切断モジュールと、バルクパルプ化モジュールと、塩スラリー処理モジュールと、圧力スクリーンと、分離モジュールと、傾斜選別モジュールと、押出装置と、リサイクルモジュールと、を含み、
前記バルクパルプ化モジュールが、前記切断モジュールに連接され、少なくとも1つのスポイラーと、第1ローターと、少なくとも2つのブレードから構成され、
前記塩スラリー処理モジュールが、前記バルクパルプ化モジュールに連接され、
前記圧力スクリーンが、前記塩スラリー処理モジュールに連接され、第2ローターと、第1濾過孔と、廃棄物出口から構成され、
前記分離モジュールが、前記圧力スクリーンに連接され、
前記傾斜選別モジュールが、前記分離モジュールに連接され、斜面と、第2濾過孔と、液体出口から構成され、
前記押出装置が、前記傾斜選別モジュールに連接され、
前記リサイクルモジュールが、前記押出装置と、前記傾斜選別モジュールと、前記バルクパルプ化モジュールに連接される、
ことを特徴とする、繊維原料処理システム。
【請求項2】
前記塩スラリー処理モジュールがさらに、緩衝槽と、沈澱槽と、スラリー貯蔵槽またはそれらの組み合わせを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維原料処理システム。
【請求項3】
前記分離モジュールがさらに、第1遠心分離機と、希釈槽と、第2遠心分離機またはそれらの組み合わせを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維原料処理システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスポイラーが、前記バルクパルプ化モジュール内に独立して設けられたスポイラーボードである、ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維原料処理システム。
【請求項5】
前記第1ローターが、円柱状ローターである、ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維原料処理システム。
【請求項6】
前記少なくとも2つのブレードが、前記バルクパルプ化モジュールの底面に設けられる、ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維原料処理システム。
【請求項7】
前記第1濾過孔が、スピンドル濾過孔であり、前記第2濾過孔が、直径の異なる複数の孔によって構成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維原料処理システム。
【請求項8】
繊維原料処理システムの運用方法であって、
(A)請求項1に記載の繊維原料処理システムを提供する工程と、
(B)前記切断モジュール内に切断する吸収性物品を投入する工程と、
(C)切断された前記吸収性物品を前記バルクパルプ化モジュールに移送し、前記バルクパルプ化モジュールが遠心力による分離破壊により、前記吸収性物品を破壊して分離し、吸収性リサイクル材料が残る工程と、
(D)前記吸収性リサイクル材料を前記塩スラリー処理モジュールに移送し、一次繊維材料を分離する工程と、
(E)前記圧力スクリーンで前記一次繊維材料を濾過し、前記圧力スクリーンにより二次繊維材料と不純物を濾過する工程と、
(F)前記分離モジュールで前記二次繊維材料を濾過し、前記分離モジュールにより遠心力を通じて前記二次繊維材料の廃棄物を除去し、綿状繊維原料前駆物質を形成する工程と、
(G)前記綿状繊維原料前駆物質を前記傾斜選別モジュールに移送して濾過し、一次綿状繊維原料生成物が残る工程と、
(H)前記一次綿状繊維原料生成物を前記押出装置に移送して絞り、脱水して繊維原料を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項9】
前記バルクパルプ化モジュールが、工程(C)において遠心力による破壊と分離により一次プラスチックを除去する、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項10】
前記バルクパルプ化モジュールがさらに、第1ローターを含み、工程(C)において遠心力による破壊と分離後に前記吸収性物品が丸まって詰まることを防止する、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項11】
前記バルクパルプ化モジュールがさらに、少なくとも1つのスポイラーを含み、工程(C)において前記バルクパルプ化モジュールが回転し、少なくとも1つの渦と液体の下降流を形成することを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項12】
前記バルクパルプ化モジュールがさらに、少なくとも2つのブレードを含み、工程(C)において前記吸収性物品の遠心力による破壊と分離を加速させる、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項13】
前記塩スラリー処理モジュールがさらに、沈澱槽を含み、工程(D)において、前記吸収性リサイクル材料に含まれる吸収性ポリマーを重力により沈澱させることができる、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項14】
前記塩スラリー処理モジュールがさらに、スラリー貯蔵槽を含み、前記スラリー貯蔵槽が、工程(D)において流体に伴い前記スラリー貯蔵槽に移動した前記一次繊維材料を分離し、工程(E)へと進む、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項15】
前記一次繊維材料が、工程(E)において、前記圧力スクリーンに含まれる第2ローターと、第1濾過孔またはそれらの組み合わせにより処理され、前記二次繊維材料が残る、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項16】
前記一次繊維材料が、工程(E)において前記圧力スクリーンに含まれる廃棄物出口から、前記二次繊維材料を除去することなく前記不純物を除去する、ことを特徴とする、請求項15に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項17】
前記分離モジュールがさらに、第1遠心分離機と、希釈槽と、第2遠心分離機またはそれらの組み合わせを含み、工程(F)において前記二次繊維材料に吸水性塩が残らないよう確約する、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項18】
前記分離モジュールがさらに、前記塩スラリー処理モジュールに連接され、工程(F)で吸収性ポリマーを除去するために、前記廃棄物が再び前記塩スラリー処理モジュールに戻される、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項19】
前記綿状繊維原料前駆物質が、工程(G)において前記傾斜選別モジュールに含まれる斜面と第2濾過孔により濾過される、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【請求項20】
リサイクルモジュールが、工程(G)の前記傾斜選別モジュールに含まれる液体出口からの液体と、工程(H)の前記押出装置による絞りと脱水からの液体をリサイクルし、前記液体がさらに前記バルクパルプ化モジュールに戻され、工程(C)から工程(H)が繰り返される、ことを特徴とする、請求項8に記載の繊維原料処理システムの運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維原料処理システム及びその運用方法に関し、特に、異なる種類の吸収性物品の処理に用いられる廃棄物処理システムおよび方法であって、本発明のシステムは、吸収性物品を分解・浄化・リサイクルし、効果的に再利用することができる、繊維原料処理システム及びその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙おむつや生理用ナプキンなど、市販の吸収性物品は、現代の生活の中で使用されている。あらゆる世代のユーザーが、それぞれのニーズに応じて吸収性物品を使用する場合がある。人々の消費習慣や生活習慣の発展、工業生産能力の発展などによるものである。吸収性物品は、安価、軽量、清潔、衛生、使用後の廃棄などの利点を示している。
【0003】
しかしながら、吸収性物品は使い勝手が良いかもしれないが、吸収性物品は通常、肌に触れるために使用される肌に優しい不織布と、優れた液体吸収能力を示す吸収層と、防水性プラスチックからなる防水層から構成され、尿や便などの排泄物が吸収性物品によって包み込まれる。吸収性のあるこれらの化学物質は、吸収性廃棄物の処理の複雑さ、コスト、負担を増加させる可能性がある。
【0004】
フラッフパルプは、吸収性物品の重要な内容物である。フラッフパルプは、吸収性、リウェット性、拡散性、圧縮性、柔軟性など、吸収性物品の理想的な特性を高める重要な役割を果たす。フラッフパルプの原料は、針葉樹である。針葉樹は丈夫で繊維が長いという特徴がある。これらの特徴は、そのものの使用能力を大きく左右する。
【0005】
加えて、衛生用品の液体吸収層の密度は、生産において重要な指標である。密度が低いと、液体の吸収速度と総吸収量は増加するが、液体の拡散速度が低下し、蒸発散量が増加する可能性がある。しかし、密度が高いと液体が広がりやすくなる。従って、生産プロセスにおいて、多層液体吸収層が、上に大きな空隙材料、下に小さな空隙材料の構成を有するように設計されている場合、小さな空隙材料に効果的に液体を拡散して吸収し、液戻りを減らすことができる。製品自体に対する特別な要件のため、衛生製品には、ふんわりとした液体吸収層、拡散層、高密度の液体貯蔵層を同時に含むことが要求される。この多機能な液体吸収複合材料では、吸収性ポリマーが多湿環境下で多量の水分を吸収するため、その結果、粘質物が詰まり、材料の浄化と分離が困難になる。廃棄物処理手順には一定の難しさがある。分解プロセスには一定の精度が要求される。従って、この分野の専門家は、吸収性衛生製品専用に使用される繊維原料を分解、分離、リサイクルするための処理システムを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の問題点を解決するため、本発明は、繊維原料処理システム及びその運用方法を提供することを目的とする。本発明のシステムによって、消費済みの吸収性衛生製品は、分解とリサイクルが可能になる。本システムは、各モジュールに固有の方法を使用することで、繊維原料を分離する。当該原料は再生され、再利用可能な新しい生成物となり、廃棄物の再利用を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の繊維原料処理システムは、切断モジュールと、バルクパルプ化モジュールと、塩スラリー処理モジュールと、圧力スクリーンと、分離モジュールと、傾斜選別モジュールと、押出装置と、リサイクルモジュールから構成される。当該バルクパルプ化モジュールは、少なくとも1つのスポイラーと、第1ローターと、少なくとも2つのブレードから構成される。当該圧力スクリーンは、第2ローターと、第1濾過孔と、廃棄物出口から構成される。当該傾斜選別モジュールは、斜面と、第2濾過孔と、液体出口から構成される。当該リサイクルモジュールは、当該押出装置と、当該傾斜選別モジュールと、当該バルクパルプ化モジュールに同時に連接され、濾過後の液体を当該押出装置と当該傾斜選別モジュールから受け取り、当該バルクパルプ化モジュールにより再処理させる。
【0008】
本発明がさらに提供する繊維原料処理システムの運用方法は、以下の工程を含む。工程(A)では、上述の繊維原料処理システムが提供される。工程(B)では、当該切断モジュール内に切断する吸収性物品が投入される。工程(C)では、切断された当該吸収性物品が当該バルクパルプ化モジュールに移送され、当該バルクパルプ化モジュールが、遠心力による分離破壊により、当該吸収性物品を破壊して分離し、吸収性リサイクル材料が残る。工程(D)では、当該吸収性リサイクル材料が当該塩スラリー処理モジュールに移送され、一次繊維材料が分離される。工程(E)では、当該圧力スクリーンで当該一次繊維材料が濾過され、当該圧力スクリーンにより二次繊維材料と不純物が濾過される。工程(F)では、当該二次繊維材料が当該分離モジュールにより濾過され、当該分離モジュールが、当該二次繊維材料の廃棄物を遠心力により除去し、綿状繊維原料前駆物質を形成する。工程(G)では、当該綿状繊維原料前駆物質が、濾過のため当該傾斜選別モジュールに移送され、一次綿状繊維原料生成物が残る。工程(H)では、当該一次綿状繊維原料生成物が、絞り・脱水のために当該押出装置に移送され、繊維原料が形成される。
【0009】
本発明の実施態様は、限定のためではなく、例として示されており、添付の図面において同様の参照符号は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の繊維原料処理システムの実施態様の概略図である。
図2】本発明の繊維原料処理システムのバルクパルプ化モジュールの実施態様の概略図である。
図3】本発明の繊維原料処理システムの塩スラリー処理モジュールの実施態様の概略図である。
図4】本発明の繊維原料処理システムの運用方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の技術的特徴および実際の効果を理解し、本明細書の内容に従って実施するために、最良の実施態様を示した図を参照しながら、以下で詳細に説明する。
【0012】
図1の本発明の繊維原料処理システムの実施態様の概略図を参照する。本発明の好ましい実施態様の繊維原料処理システム1を図1に示す。当該繊維原料処理システム1は、内部で連接された切断モジュール2と、バルクパルプ化モジュール3と、塩スラリー処理モジュール4と、圧力スクリーン5と、分離モジュール6と、傾斜選別モジュール7と、押出装置8と、リサイクルモジュール9から構成される。当該バルクパルプ化モジュール3は、スポイラー31と、第1ローター32と、ブレード33から構成される。当該圧力スクリーン5は、第2ローター51と、第1濾過孔52と、廃棄物排出口53から構成される。当該傾斜選別モジュール7は、斜面と、第2濾過孔と、液体出口から構成される。さらに、当該第1濾過孔52は、スピンドル濾過孔である。当該第2濾過孔は、直径の異なる複数の孔によって構成される。
【0013】
当該リサイクルモジュール9は、当該押出装置8と、当該傾斜選別モジュール7と、当該バルクパルプ化モジュール3と同時に連接される。当該リサイクルモジュール9は、当該押出装置8、及び当該傾斜選別モジュール7からの濾過後の液体をリサイクルし、従って、再処理または再利用のために当該バルクパルプ化モジュール3に再度移送するために用いられる。本実施態様の主な機能は、使用済み吸収性衛生用品の連続処理を体系的に実施し、各モジュールの特別な方法に基づいて、特に繊維原料Fの特殊性に対して効果的に分解、分離、リサイクルし、リサイクル容量とリサイクル処理能力を最適化することで、廃棄物の効果的な再利用を実現するものである。
【0014】
まず、繊維原料処理システム1は、元の廃棄物を処理する切断モジュール2で始まり、運用される。当該切断モジュール2は、当該バルクパルプ化モジュール3に連接される。本実施態様において、当該切断モジュール2は、当該吸収性物品に含まれる材料を切断、裁断、破壊、分離するために使用される。このプロセスは、当該吸収性物品の内容物を当該バルクパルプ化モジュール3内で分離しやすくし、当該バルクパルプ化モジュール3のパルプ化効率を高める。当該バルクパルプ化モジュール3は、当該切断モジュール2に連接される。当該切断モジュール2により切断された再利用可能な廃棄物が、当該バルクパルプ化モジュール3に移送されてもよく、高トルクのディスクブレードが遠心力による破壊分離の効果を実行する。綿状繊維が詰まることなく分離され、次の工程に移送される。
【0015】
図2に当該バルクパルプ化モジュール3の内部構造を示す。図2を参照する。図2に示すように、本実施態様の当該バルクパルプ化モジュール3は、スポイラー31と、ローター32と、ブレード33を含む。当該スポイラー31は、単一または複数のボードまたはプレートの構造であってもよい。当該バルクパルプ化モジュール3に構成された複数の当該スポイラー31は、当該バルクパルプ化モジュール3液体が回転するときに渦を発生させてもよい。従って、前述の渦が生み出す下降流を介して、前述の材料が当該バルクパルプ化モジュール3の底面に設置された当該ブレード33へと導かれてもよい。一方、当該ブレード33は分離された当該材料が丸まって詰まらないようにする。
【0016】
本実施態様において、当該ブレード33はスパイラルブレードまたはディスクブレードであってもよく、その数は複数であってもよい。例えば、図2に示す当該ブレード33の数は2つであり、当該ブレード33は、当該バルクパルプ化モジュール3の底面に対称に設置される。さらに、本実施態様の当該スポイラー31が、複数のボード上に設置されるように設計される場合、当該複数のボードは、当該バルクパルプ化モジュール3の内壁上に、当該バルクパルプ化モジュール3の中心から一定の距離をあけて、独立して対称に設置される。従って、当該バルクパルプ化モジュール3は、回転中もバランスを保つことができる。具体的には、先行技術において、チョッパーやシュレッダーを使用して吸収性物品が破壊あるいは切断され、そこで材料の漏出を生じさせることがある。しかし、柔らかい吸収性物品が細かく破砕され、その後の分離作業が困難になることがある。本実施態様の当該バルクパルプ化モジュール3はさらに、ローター32と、当該ローター32に接続されたインバータモーターが設けられる。当該ローター32は、円柱状ローターであってもよく、液体の力を利用して当該吸収性物品を攪拌・分離し、その中のフラッフパルプを漏出させることができる。一方、本実施態様は、パルプの濃度を監視し、分離とバルクパルプ化の最高の効率を確約することができる。
【0017】
さもなければ、本実施態様において、当該バルクパルプ化モジュール3はさらに重力レベル計を含む。当該重力レベル計は、液体の重量を介してその液面を検出し、廃棄物の量を制御することができる。つまり、当該バルクパルプ化モジュール3の液面があらかじめ設定された値を満たす場合、システムは自動的に廃棄物をそこに供給することができ、そして当該ローター32が、あらかじめ設定された回転速度と回転時間で回転することができる。当該ローター32がそれ自体のタスクを終了した後、液体が前述のあらかじめ設定された値まで再び加えられてもよい。同時に、当該吸収性物品から破壊または分離されたプラスチック片が液面に浮遊する。一方、フラッフパルプや当該一次吸水性材料などのその他の物質は、当該バルクパルプ化モジュール3の底部に沈殿していてもよい。具体的には、前述のプラスチック片が目詰まりを起こし、その浄化工程に支障をきたすことを防止するため、当該バルクパルプ化モジュール3からプラスチック片を除去するために、当該バルクパルプ化モジュール3上に出口が設けられてもよい。
【0018】
バルクパルプ化モジュール3により処理された当該吸収性リサイクル材料は、次の工程において、当該塩スラリー処理モジュール4に移送されてもよい。本実施態様の当該塩スラリー処理モジュール4は、当該バルクパルプ化モジュール3に連接される。本実施態様において、当該塩スラリー処理モジュール4は、濾過のために、当該バルクパルプ化モジュール3により処理され、破壊された当該吸収性物品の異なる密度により、異なる層を形成する。具体的に、本実施態様の当該塩スラリー処理モジュール4は、当該バルクパルプ化モジュール3から破壊された当該吸収性リサイクル材料を受け取る。当該吸収性リサイクル材料は、吸液性と密度の異なる特徴を示す。従って、当該吸収性リサイクル材料は、そのものの密度によって、当該塩スラリー処理モジュール4内で沈澱する。
【0019】
さらに、本実施態様の当該塩スラリー処理モジュール4は、緩衝槽41と、沈澱槽42と、スラリー貯蔵槽43を含む。当該緩衝槽41は、当該バルクパルプ化モジュール3に連接され、当該吸収性リサイクル材料を受け取る。当該沈澱槽42は、当該緩衝槽41に連接され、ポリアクリル酸ナトリウムなどの吸収性リサイクル材料の密度がより高い少なくとも1つの吸収性ポリマーを分離するために用いられる。当該スラリー貯蔵槽43は、当該沈澱槽42に連接され、当該吸収性リサイクル材料の密度がより低い一次繊維材料を受け取る。つまり、本発明の当該塩スラリー処理モジュール4は、吸収性ポリマーと吸収性フラッフパルプを分離することができる。フラッフパルプの比重は0.98であり、吸収性ポリマーの比重は1.4から1.8であるためである。より比重の大きい当該吸収性ポリマーは当該沈澱槽42の下層に保持され、より比重の小さい一次繊維材料は、図3に示すように、流体により当該スラリー貯蔵槽43に導入される。一方、当該スラリー貯蔵槽43はさらに、フラッフパルプの濃度を検出するための濃度計を含んでもよい。具体的に、当該塩スラリー処理モジュール4は、吸収性物品の実際の投入量により、投入圧力を制御し、当該塩スラリー処理モジュール4内の当該吸収性リサイクル材料の流量を制御してもよい。
【0020】
当該塩スラリー処理モジュール4内における当該フラッフパルプと吸収性ポリマーの分離後、当該フラッフパルプは、次の工程で、当該スラリー貯蔵槽43を介して当該圧力スクリーン5に移送されてもよい。本実施態様において、当該圧力スクリーン5は、第2ローター51と、第1濾過孔52と、廃棄物出口53またはそれらの組み合わせを含む。当該第2ローター51は、当該第1ローター32と異なる構造を有するように設計される。当該第1濾過孔52は、スピンドル濾過孔として設計されているため、当該フラッフパルプから不要な不純物を濾過する。例えば、おむつの前段階のワイヤ、ロープ、プラスチック片などである。つまり、孔の直径をふるいとして設計することもできる。PEやPPなどのプラスチック片を分離するために、孔のメッシュは10~30mmの範囲としてもよい。さらに、当該廃棄物出口53を介して不要な不純物が取り除かれる。一方、当該圧力スクリーン5の出口は、あらかじめ設定された圧力値を有する。当該圧力はステンレス製のキャップによって形成されてもよく、当該キャップがそれ自体の重量を変えてもよい。すなわち、当該第1濾過孔52内の当該フラッフパルプに圧力を形成することができるあらゆる機構が許容される。
【0021】
当該圧力スクリーン5の濾過後、濾過された当該フラッフパルプが当該分離モジュール6に移送され、当該フラッフパルプのさらなる浄化と分離に遠心分離機が使用されてもよい。当該分離モジュール6は、第1遠心分離機61と、希釈槽62と、第2遠心分離機63またはそれらの組み合わせを含む。この工程において、二重遠心分離で当該フラッフパルプ内に吸水性塩が残らないように確約してもよい。当該第1遠心分離機61と当該第2遠心分離機63は、順に連接されたサイクロン分離ユニットであってもよい。順に連接された当該サイクロン分離ユニットの二段階の遠心分離は、当該フラッフパルプを大幅に浄化することができる。(当該フラッフパルプではなく)この工程における残留物は、吸水性塩のリサイクルのために、当該塩スラリー処理モジュール4に移送される。当該分離モジュール6の遠心分離機の数はユーザーが決定してもよく、本発明はそれに限定されない。
【0022】
以上の手順により、当該フラッフパルプに対するプラスチック片または吸水性塩の濾過が完了した。さらなる浄化は、当該傾斜選別モジュール7へと進められる。本実施態様において、当該傾斜選別モジュール7は、斜面と、第2濾過孔と、液体出口またはそれらの組み合わせを含む。当該斜面の目的は、当該フラッフパルプが重力によってその上を滑り落ちるようにすることにある。当該斜面上に設けられた当該第2濾過孔は、この手順中に異なる濾過効果を発揮し、残った液体や不純物を効果的に除去してもよい。当該第2濾過孔は、前述の第1濾過孔52と異なる。当該第2濾過孔は、大きさの異なる孔によって構成されていてもよい。具体的に、当該孔のメッシュは、0.325~0.725mmの範囲である。当該第2濾過孔により濾過された液体は、当該液体出口を介して当該リサイクルモジュール9にリサイクルされる。
【0023】
最後に、最終産物の繊維原料Fに液体がほとんど含まれていないよう確約する。液体のほとんどは当該傾斜選別モジュール7内で濾過され、除去されているはずである。一方、当該フラッフパルプは当該押出装置8に移送される。当該押出装置8の出口は、ステンレス製のキャップが設置されてもよく、当該キャップがそれ自体の重量を変えてもよい。当該ステンレス製のキャップは、当該押出装置8内で圧力を形成する。圧力は1kg~8kgの範囲であってもよく、好ましくは4kgであり、残留液体を絞る。つまり、当該押出装置8は、当該フラッフパルプ内に残留する液体を除去するために、当該フラッフパルプを再度圧縮してもよい。除去された当該液体も、当該リサイクルモジュール9によりリサイクルされる。
【0024】
本実施態様において、当該リサイクルモジュール9は、傾斜選別モジュール7と押出装置8からの廃水や余分な液体、またはバルクパルプ化モジュール3の余分な液体のリサイクルに使用される。当該リサイクルモジュール9は、複数の担体を収容した処理槽/バレルであってもよい。当該担体は、ゼオライトや活性炭などの多孔質材料、フィルター材料、足場であってもよい。当該担体は、少なくとも1つの分解性微生物を担持するために使用される。つまり、当該リサイクルモジュール9は、吸収性物品から処理済みの液体を受け取り、当該処理済みの液体は、当該吸収性物品によって担持または吸収された尿や便など人体の排泄物を含む。
【0025】
従って、当該分解性微生物はリサイクル液中の有機または無機廃棄物を分解し、当該リサイクル液を浄化するために用いられる。連続的な液体リサイクル循環機構が、リサイクル液体を徐々に浄化し、それを当該バルクパルプ化モジュール3に導入することができる。さらに、当該バルクパルプ化モジュール3の動作効率も大幅に向上される。
【0026】
本発明はさらに、繊維原料処理システム1の運用方法を提供する。図4に示すように、当該繊維原料処理システム1の運用方法は、次の工程を含む。工程(A)において、上述の繊維原料処理システム1が提供される。工程(B)では、当該切断モジュール2内に切断する吸収性物品が投入される。工程(C)では、切断された当該吸収性物品がバルクパルプ化モジュール3に移送され、当該バルクパルプ化モジュール3が遠心力による分離破壊により、当該吸収性物品を破壊して分離し、吸収性リサイクル材料が残る。工程(D)では、当該吸収性リサイクル材料が当該塩スラリー処理モジュール4に移送され、一次繊維材料が分離される。その後、工程(E)では、当該圧力スクリーン5で当該一次繊維材料が濾過され、当該圧力スクリーン5により二次繊維材料と不純物が濾過される。工程(F)では、当該二次繊維材料が、当該分離モジュール6により濾過され、当該分離モジュール6が、当該二次繊維材料の廃棄物を遠心力により除去し、綿状繊維原料前駆物質を形成する。工程(G)では、当該綿状繊維原料前駆物質が、濾過のため当該傾斜選別モジュール7に移送され、一次綿状繊維原料生成物が残る。最後に、工程(H)では、当該一次綿状繊維原料生成物が、絞り・脱水のために当該押出装置8に移送され、繊維原料Fが形成される。
【0027】
図4に示すように、工程(A)において、図1に示す当該繊維原料処理システム1が提供される。次に、上述の工程(B)において、当該繊維原料処理システム1に投入される当該吸収性物品は、紙おむつ、介護用パッド、生理用ナプキン、その他の個人衛生用品などであってもよく、本発明はこれらに限定されない。当該吸収性物品は、主に、綿状繊維と、吸収性ポリマーと、そのプラスチックを含む。当該繊維原料処理システム1は、当該綿状繊維を分離して浄化することができる。まず、本実施態様の切断モジュール2が、紙おむつや生理用ナプキンなどの当該吸収性物品を切断し、当該吸収性物品の内容物を後処理で分離しやすくする。
【0028】
図4に示すように、工程(C)では、切断された当該吸収性物品が当該バルクパルプ化モジュール3に移送され、当該バルクパルプ化モジュール3が、遠心力による分離破壊により、当該吸収性物品を破壊して分離し、吸収性リサイクル材料が残り、工程(D)に進む。切断後の当該吸収性物品は、天井クレーンまたはその他の方法でバルクパルプ化モジュール3に入るまで移送される。一方、遠心力による破壊と分離は、高トルクのディスクブレードの回転により行われる。これにより、綿状繊維が効果的に分離され、次の工程へ送られる。この工程において、当該バルクパルプ化モジュール3が一次プラスチックを除去するが、同時に当該吸収性リサイクル材料が残される。具体的に、当該一次プラスチックは、紙おむつ外側の防水層など、当該吸収性物品の防水材料である。従って、当該吸収性リサイクル材料は、綿状繊維、吸収性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。つまり、防水材料が除去された当該吸収性物品は、本発明の範囲によって構成されるはずである。遠心力による破壊と分離は、当該バルクパルプ化モジュール3が動作するとき、当該バルクパルプ化モジュール3内の回転速度、時間、液面を自動的に制御してもよい。例えば、パルプを連続排出することでパルプ排出口が詰まることを防ぐために、ここではパルプの「間欠的排出」が使用される。当該プラスチック片などの当該一次プラスチックは、当該バルクパルプ化モジュール3の底部に設けられたプラスチック排出口から除去される。当該バルクパルプ化モジュール3はさらに、当該バルクパルプ化モジュール3の中心に立つ第1ローター32を含む。当該第1ローター32の目的は、遠心力による破壊と分離中に当該吸収性物品が詰まるのを防ぐことにある。当該バルクパルプ化モジュール3はさらに、少なくとも1つのスポイラー31を含む。遠心力による破壊と分離が行われているとき、その中の渦が液体の下降流を形成し、それによりその中の廃棄物が当該バルクパルプ化モジュール3の底部に設けられた当該ブレード33に直接接触することで、当該吸収性物品の遠心力による破壊と分離の効率を高めることができる。
【0029】
工程(D)では、当該吸収性リサイクル材料が塩スラリー処理モジュール4に移送され、一次繊維材料が分離される。具体的に、当該一次繊維材料は、この工程の浄化の結果である。この工程は、まず当該吸収性リサイクル材料に含まれる吸水性塩などの当該吸収性ポリマーを分離する。当該吸収性リサイクル材料が、当該塩スラリー処理モジュール4の第1の緩衝領域である当該緩衝槽41へと導入される。当該緩衝槽41が当該バルクパルプ化モジュール3からの緩衝効果を実行し、当該吸収性リサイクル材料が当該緩衝槽41で一時的に停止し、そこで懸濁されてもよい。従って、不純物もそこで維持されてもよい。当該吸収性リサイクル材料が、さらに塩スラリー処理モジュール4により構成される当該沈澱槽42内で重力によって沈澱する。すなわち、このメカニズムは、一次繊維材料を除き、吸収性リサイクル材料のより密度が高い当該吸収性ポリマーを分離することができる。当該吸収性ポリマーは当該沈澱槽42内に保持され、後に他のプロセスに使用される。当該塩スラリー処理モジュール4はさらにスラリー貯蔵槽43を含む。当該スラリー貯蔵槽43は密度が低い当該一次繊維材料を保持し、当該一次繊維材料は当該沈澱槽42の流体により導かれて、工程(E)へと進む。
【0030】
上述のスラリー処理モジュール4内における当該一次繊維材料と当該吸収性ポリマーの分離後、工程(E)では、当該一次繊維材料が当該圧力スクリーン5を通過する。当該圧力スクリーン5は、当該二次繊維材料を分離して不純物を除去することができる。当該一次繊維材料は、当該第2ローター51と、当該圧力スクリーン5の当該第1濾過孔52により処理され、当該二次繊維材料が残る。当該一次繊維材料は、当該圧力スクリーン5の当該廃棄物出口53を介して再度不純物が除去されてもよい。すなわち、当該圧力スクリーン5の目的は、当該一次繊維材料に含まれる不純物を除去することにある。当該不純物は、前の工程で除去されていない吸水性塩やその他物質であってもよい。
【0031】
重力による濾過法の効果が限られるため、工程(F)では当該二次繊維材料に当該分離モジュール6を通過させる。遠心力により当該二次繊維材料に含まれる廃棄物を除去し、当該綿状繊維原料前駆物質を浄化する。本実施態様において、当該「綿状繊維原料前駆物質」とは、廃棄物を含まない綿状繊維である。ここでいう廃棄物とは、綿状繊維以外の吸水性塩やその他物質であってもよい。当該分離モジュール6はさらに、第1遠心分離機61と、希釈槽62、第2遠心分離機63またはそれらの組み合わせを含む。本実施態様において、当該二重遠心分離で当該二次繊維材料に吸水性塩が残らないように確約してもよい。1回目の遠心分離後、当該希釈槽62が液体を追加するため、濃度が下がり、容量が増加する。このメカニズムは、残留する吸水性塩の分離に役立つ。本実施態様により示されるとおり、遠心分離の回数は、ユーザーまたはニーズに応じて調整されてもよい。一方、当該希釈槽62の数はその後で調整される必要がある。当該分離モジュール6はさらに、当該塩スラリー処理モジュール4に連接される。従って、この工程において分離された吸収性ポリマーなどの廃棄物は、当該塩スラリー処理モジュール4に戻されてもよい。
【0032】
最後に、工程(G)と(H)は、前述の綿状繊維原料前駆物質の乾燥と脱水を主な目的とする。当該綿状繊維原料前駆物質が、傾斜選別モジュール7に移送され、一次綿状繊維原料生成物が形成される。当該一次綿状繊維原料生成物が、当該押出装置8に移送された後、絞られて繊維原料Fが形成される。当該工程(G)では、当該綿状繊維原料前駆物質が、当該傾斜選別モジュール7の斜面と第2濾過孔により濾過される。当該第2濾過孔は、直径の異なる複数の孔によって構成される。前述の孔の直径は、ユーザーまたはニーズに応じて適宜調整されてもよい。当該第2濾過孔は当該斜面上に設けられ、それにより重力を介して当該綿状繊維原料前駆物質の廃水が濾過される。一方、工程(G)と(H)で濾過された液体が、当該リサイクルモジュール9によりリサイクルされる。具体的に、リサイクルされる廃水は、主に工程(G)における当該傾斜選別モジュール7の液体出口からと、工程(H)における当該押出装置8により絞られたものである。リサイクルされる液体は、さらに当該バルクパルプ化モジュール3に移送され、工程(C)から(H)が繰り返されてもよい。
【0033】
まとめると、本発明の目的は、繊維原料処理システム1とその運用方法を提供することにある。本発明は、システムを通じて使用済み吸収性衛生用品を分解し、リサイクルすることができる。さらに、当該システムは複数の特殊なモジュールを使用して当該繊維原料を完全に分離するため、当該原料を別の使用可能な新製品に再生することができ、効果的な廃棄物のリサイクルという効果を達成できる。吸収性衛生用品は非常に複雑である。このため、本発明は多様なモジュールを提供することで、内容物の重力、密度、物質サイズによって連続で分離・浄化することができる。従って、本システムが主に分離する標的は綿状繊維である。綿状繊維は軽量で低密度の吸収性材料である。このため、前述の特性に基づいて、綿状繊維の分離と浄化が行われる必要がある。他の材料と比較して、綿状繊維の分離は工程が多い。さらに、システムは綿状繊維の構造をそのまま維持する必要もある。このため、分離プロセスにおける当該二次繊維材料の浄化後、工程(F)から(G)では、大きな機械的な力の介入を回避する必要がある。例えば、1回のせん断力の代わりに、複数回の遠心分離と補水法を利用して、高純度の繊維原料Fを確約する。
【0034】
当業者に理解されるとおり、前述した本発明の裁量の実施態様は本発明を限定するものではなく、本発明を例示するものである。添付の請求項の要旨と範囲内に含まれるさまざまな変更及び類似の配置を含むことが意図されており、特許請求の範囲はそれらすべての変更及び類似の構成を含むように最も広い解釈がなされる必要がある。以上、本発明の最良の実施態様を説明したが、本発明の要旨と範囲を逸脱せずにさまざまな変更が可能であると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0035】
1 繊維原料処理システム
2 切断モジュール
3 バルクパルプ化モジュール
31 スポイラー
32 第1ローター
33 ブレード
4 塩スラリー処理モジュール
41 緩衝槽
42 沈澱槽
43 スラリー貯蔵槽
5 圧力スクリーン
51 第2ローター
52 第1濾過孔
53 廃棄物排出口
6 分離モジュール
61 第1遠心分離機
62 希釈槽
63 第2遠心分離機
7 傾斜選別モジュール
8 押出装置
9 リサイクルモジュール
F 繊維原料
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(H) 工程
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】