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特表2024-533213液体吸収原料処理システム及びその運用方法
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  • 特表-液体吸収原料処理システム及びその運用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】液体吸収原料処理システム及びその運用方法
(51)【国際特許分類】
   D21C 5/02 20060101AFI20240905BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20240905BHJP
   D21B 1/14 20060101ALI20240905BHJP
   D21B 1/32 20060101ALI20240905BHJP
   D21D 5/18 20060101ALI20240905BHJP
   B09B 5/00 20060101ALN20240905BHJP
   A61F 13/15 20060101ALN20240905BHJP
   B09B 101/67 20220101ALN20240905BHJP
【FI】
D21C5/02
B09B3/35 ZAB
D21B1/14
D21B1/32
D21D5/18
B09B5/00 Z
A61F13/15 110
B09B101:67
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514383
(86)(22)【出願日】2022-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2022043907
(87)【国際公開番号】W WO2023044079
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,796
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/272,159
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/272,164
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080461
【氏名又は名称】イー チュン グリーン テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YI CHUN GREEN TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 761, Section 2, Youguan Road, Luzhu District Taoyuan City, 338 (TW)
(71)【出願人】
【識別番号】524080472
【氏名又は名称】シェン ジェニファー
【氏名又は名称原語表記】SHEN, Jennifer
【住所又は居所原語表記】20557 Summertown Street Walnut, California 91789 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー ペイージェン
【テーマコード(参考)】
3B200
4D004
4L055
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200AA17
3B200BA17
3B200BB17
3B200EA30
4D004AA48
4D004AA50
4D004AB10
4D004BA07
4D004CA02
4D004CA12
4D004CB12
4D004CB27
4L055AA11
4L055AA20
4L055AC09
4L055BA05
4L055BA11
4L055BB02
4L055BB04
4L055CA02
4L055CA03
4L055CA04
4L055CA06
4L055CA07
4L055CA10
4L055CB22
4L055CB25
4L055FA22
(57)【要約】
【課題】水性原料処理システム及びその運用方法の提供。
【解決手段】本発明の吸水性原料処理システム及びその運用方法は、当該吸水性原料処理システムが、順に連接された切断モジュールと、バルクパルプ化モジュールと、塩スラリー処理モジュールと、吸水性原料製造モジュールを含み、前記吸水性原料処理システムの運用方法が、紙おむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品を処理し、当該吸水性原料処理システムのモジュールにより実行される浄化と分離の工程を通じて綿状吸水性原料とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性原料処理システムであって、切断モジュールと、バルクパルプ化モジュールと、塩スラリー処理モジュールと、吸水性原料製造モジュールと、を含み、
前記バルクパルプ化モジュールが、前記切断モジュールに連接され、少なくとも1つのスポイラーと、ローターと、少なくとも2つのブレードを含み、
前記塩スラリー処理モジュールが、前記バルクパルプ化モジュールに連接され、
前記吸水性原料製造モジュールが、前記塩スラリー処理モジュールに連接され、
遠心装置と、
前記遠心装置に連接された一時貯蔵槽と、
前記一時貯蔵槽に連接され、篩を含む振動装置と、
タンクを含む選別装置と、を含み、
前記タンクが、複数の撹拌翼と、導入口と、液体出口と、排出口を含む、
ことを特徴とする、吸水性原料処理システム。
【請求項2】
前記塩スラリー処理モジュールがさらに、緩衝槽と、沈澱槽と、それらの組み合わせを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の吸水性原料処理システム。
【請求項3】
前記なくとも1つのスポイラーが、前記バルクパルプ化モジュール内に独立して設けられたスポイラーボードである、ことを特徴とする、請求項1に記載の吸水性原料処理システム。
【請求項4】
前記ローターが、円柱状ローターであることを特徴とする、請求項1に記載の吸水性原料処理システム。
【請求項5】
前記少なくとも2つのブレードが、前記バルクパルプ化モジュールの底面に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の吸水性原料処理システム。
【請求項6】
前記選別装置がさらに、前記排出口に連接されたガイド管を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の吸水性原料処理システム。
【請求項7】
吸水性原料処理システムの運用方法であって、
(A)請求項1に記載の吸水性原料処理システムを提供する工程と、
(B)前記切断モジュール内に切断する吸収性物品を投入する工程と、
(C)切断された前記吸収性物品を前記バルクパルプ化モジュールに移送し、前記バルクパルプ化モジュールが、遠心力により前記吸収性物品を破壊して分離し、吸収性リサイクル材料が残る工程と、
(D)前記吸収性リサイクル材料を前記塩スラリー処理モジュールに移送し、前記吸収性リサイクル材料を分離して、一次吸水性材料を生成する工程と、
(E)さらに前記遠心装置により前記一次吸水性材料から二次吸水性材料と第1不純物を分離し、前記二次吸水性材料を前記一時貯蔵槽に貯蔵する工程と、
(F)前記一時貯蔵槽から前記二次吸水性材料を取り出して前記振動装置に移送し、偏心振動を介して前記二次吸水性材料から最終吸水性材料と第2不純物を濾過する工程と、
(G)前記最終吸水性材料を前記選別装置に移送して浄化し、前記排出口から吸水性原料を排出する工程と、
を含むことを特徴とする、吸水性原料処理システムの運用方法。
【請求項8】
前記バルクパルプ化モジュールが、工程(C)において遠心力による分離後にプラスチック片を濾過することを特徴とする、請求項7に記載の吸水性原料処理システムの運用方法。
【請求項9】
前記バルクパルプ化モジュールがさらにローターを含み、工程(C)において遠心力による分離後に前記吸収性物品が丸まって詰まることを防止する、ことを特徴とする、請求項7に記載の吸水性原料処理システムの運用方法。
【請求項10】
前記バルクパルプ化モジュールがさらに少なくとも1つのスポイラーを含み、工程(C)において前記バルクパルプ化モジュールの回転中に少なくとも1つの渦と、液体の下降流を形成する、ことを特徴とする、請求項7に記載の吸水性原料処理システムの運用方法。
【請求項11】
前記バルクパルプ化モジュールがさらに少なくとも2つのブレードを含み、工程(C)において前記吸収性物品の遠心力による分離を加速させる、ことを特徴とする、請求項7に記載の吸水性原料処理システムの運用方法。
【請求項12】
前記塩スラリー処理モジュールがさらに沈澱槽を含み、工程(D)において、前記吸収性リサイクル材料の前記一次吸水性材料を重力により沈澱させる、ことを特徴とする、請求項7に記載の吸水性原料処理システムの運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水性原料処理システム及びその運用方法に関し、特に、異なる種類の吸収性物品の処理に用いられる廃棄物処理システムおよび方法であって、本発明のシステムは、吸収性物品を分解・浄化・リサイクルし、効果的に再利用することができる、繊維原料処理システム及びその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙おむつや生理用ナプキンなど、市販の吸収性物品は、人々の生活の中で広く使用されており、その使用量は日々増加している。例えば、高齢化社会によって、大人用紙おむつのニーズの高まりに直面することになる。すなわち、環境汚染を防ぐために慎重に処理する必要がある吸収性廃棄物がより多くなる。
【0003】
一方で、現行の技術において、吸収性物品のリサイクルに使用される設備が開発されているが、リサイクル効率や性能そのものが完璧であるとは言えない。これは単純に、吸収性物品から再生され得る材料をうまく分離することができないためである。紙おむつが良い例であり、吸収性物品である紙おむつは通常、肌に触れるために使用される肌に優しい不織布と、優れた液体吸収能力を示す吸収層と、防水性プラスチックからなる防水層から構成され、尿や便などの排泄物が吸収性物品によって包み込まれる。従って、前述の材料は繊維、吸水性塩(例えばポリアクリル酸ナトリウム)、またはプラスチックにそれぞれ分離して破壊し、リサイクルする必要がある。リサイクル作業の複雑さは、業界にとって吸収性廃棄物の処理コストと負担を増加させることになる。
【0004】
具体的に、ポリアクリル酸ナトリウムなどの吸水性塩は、リサイクルにおいて最も困難な部分である。吸水性塩のリサイクルにおける難しさは、「水」の問題である。つまり、目詰まりして粘着性のある吸水性塩は、浄化とリサイクルがかなり困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の問題点を解決するため、本発明は、吸水性原料処理システム及びその運用方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明のシステムによって、消費済みの吸収性衛生製品は、分解とリサイクルが可能になる。本システムは、各モジュールに固有の方法を使用することで、吸水性原料を分離する。当該原料は再生され、再利用可能な新しい生成物となり、廃棄物の再利用を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明の吸水性原料処理システムは、切断モジュールと、バルクパルプ化モジュールと、塩スラリー処理モジュールと、吸水性原料製造モジュールをそれぞれ含む。当該バルクパルプ化モジュールは、少なくとも1つのスポイラーと、ローターと、少なくとも2つのブレードから構成される。当該吸水性原料製造モジュールは、順に連接された遠心装置、一時貯蔵槽、振動装置、選別装置を含む。当該振動装置はさらに篩を含む。当該選別装置はさらにタンクを含み、当該タンクは複数の撹拌翼、導入口、液体出口、排出口を含む。
【0008】
本発明がさらに提供する吸水性原料処理システムの運用方法は、以下の工程を含む。工程(A)では、上述の吸水性原料処理システムが提供される。工程(B)では、当該切断モジュール内に吸収性物品が投入される。その後、工程(C)では、切断された当該吸収性物品が当該バルクパルプ化モジュールに移送され、当該バルクパルプ化モジュールが遠心力により当該吸収性物品を破壊して分離し、吸収性リサイクル材料が残る。そして工程(D)では、当該吸収性リサイクル材料が当該塩スラリー処理モジュールに移送され、当該吸収性リサイクル材料が分離され、一次吸水性材料が形成される。工程(E)では、当該遠心装置がさらに当該一次吸水性材料から二次吸水性材料と第1不純物が分離され、当該二次吸水性材料が当該一時貯蔵槽に貯蔵される。工程(F)では、当該一時貯蔵槽から当該二次吸水性材料が取り出されて当該振動装置へと移送され、偏心振動を介して当該二次吸水性材料から最終吸水性材料と第2不純物が濾過される。最後に、工程(G)では、当該最終吸水性材料が当該選別装置に移送されて浄化され、当該排出口から吸水性原料が排出される。
【0009】
本発明の実施態様は、限定のためではなく、例として示されており、添付の図面において同様の参照符号は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の吸水性原料処理システムの実施態様の部材構成を示す概略図である。
図2】本発明の吸水性原料処理システムのバルクパルプ化モジュールの概略図である。
図3】本発明の吸水性原料処理システムの運用方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の技術的特徴および実際の効果を理解し、本明細書の内容に従って実施するために、最良の実施態様を示した図を参照しながら、以下で詳細に説明する。
【0012】
図1の本発明の吸水性原料処理システムの実施態様の部材構成を示す概略図を参照する。本発明の好ましい実施態様の吸水性原料処理システム1を図1に示す。吸水性原料処理システム1は、切断モジュール2と、バルクパルプ化モジュール3と、塩スラリー処理モジュール4と、吸水性原料製造モジュール5を含む。本実施態様において、当該バルクパルプ化モジュール3は、スポイラー31と、ローター32と、ブレード33を含む。当該吸水性原料製造モジュール5は、遠心装置51と、一時貯蔵槽52と、振動装置53と、選別装置54を含む。当該振動装置53は、篩531を含み、当該選別装置54は、複数の撹拌翼541と、導入口542と、液体出口543と、排出口544を含む。
【0013】
本実施態様の特定の設計を備えた異なるモジュールは、紙おむつや生理用ナプキンなどの使用済み吸収性物品を連続的かつ系統的に処理することができる。即ち、本実施態様は効果的に吸収性物品を分解、分離し、最適な再生能力でリサイクルすることができ、特に、順に連接されたモジュールで複数回の分離が行われるため、当該吸収性物品から吸水性原料(ポリアクリル酸ナトリウムなど)を浄化し、廃棄物の再利用効率を高めることができる。
【0014】
まず、本実施態様の当該吸水性原料処理システム1は、当該切断モジュール2から開始される。本実施態様において、当該切断モジュール2は、当該バルクパルプ化モジュール3に連接される。当該切断モジュール2は、当該吸収性物品の破壊と分離に用いられる。従って、これらの材料が当該バルクパルプ化モジュール3内で分離されやすくなり、当該バルクパルプ化モジュール3でのバルクパルプ化効率が向上される。実際、当該バルクパルプ化モジュール3内のディスクブレードが高トルクで液体の力により吸収性物品を破壊・分離させ、当該バルクパルプ化モジュール3内の綿状繊維が詰まることなく分離されて浮遊する。
【0015】
図2に当該バルクパルプ化モジュール3の内部構造を示す。図2を参照する。図2に示すように、本実施態様の当該バルクパルプ化モジュール3は、スポイラー31と、ローター32と、ブレード33を含む。当該スポイラー31は、単一または複数のボードまたはプレートの構造であってもよい。当該バルクパルプ化モジュール3に構成された複数の当該スポイラー31は、当該バルクパルプ化モジュール3液体が回転するときに渦を発生させてもよい。従って、前述の渦が生み出す下降流を介して、前述の材料が当該バルクパルプ化モジュール3の底面に設置された当該ブレード33へと導かれてもよい。一方、当該ブレード33は分離された当該材料が丸まって詰まらないようにする。
【0016】
本実施態様において、当該ブレード33はスパイラルブレードまたはディスクブレードであってもよく、その数は複数であってもよい。例えば、図2に示す当該ブレード33の数は2つであり、当該ブレード33は、当該バルクパルプ化モジュール3の底面に対称に設置される。さらに、本実施態様の当該スポイラー31が、複数のボード上に設置されるように設計される場合、当該複数のボードは、当該バルクパルプ化モジュール3の内壁上に、当該バルクパルプ化モジュール3の中心から一定の距離をあけて、独立して対称に設置される。従って、当該バルクパルプ化モジュール3は、回転中もバランスを保つことができる。
【0017】
具体的には、先行技術において、チョッパーやシュレッダーを使用して吸収性物品が破壊あるいは切断され、そこで材料の漏出を生じさせることがある。しかし、柔らかい吸収性物品が細かく破砕され、その後の分離作業が困難になることがある。本実施態様の当該バルクパルプ化モジュール3はさらに、ローター32と、当該ローター32に接続されたインバータモーターが設けられる。当該ローター32は、円柱状ローターであってもよく、液体の力を利用して当該吸収性物品を攪拌・分離し、その中のフラッフパルプを漏出させることができる。一方、本実施態様は、パルプの濃度を任意の時間またはリアルタイムで検出することができるため、運転の最適な制御を維持することができる。例えば、本実施態様においては、重力式または光学式レベルゲージがモニタリングに使用されてもよい。
【0018】
さもなければ、本実施態様において、当該バルクパルプ化モジュール3はさらに重力レベル計を含む。当該重力レベル計は、液体の重量を介してその液面を検出し、廃棄物の量を制御することができる。つまり、当該バルクパルプ化モジュール3の液面があらかじめ設定された値を満たす場合、システムは自動的に廃棄物をそこに供給することができ、そして当該ローター32が、あらかじめ設定された回転速度と回転時間で回転することができる。当該ローター32がそれ自体のタスクを終了した後、液体が前述のあらかじめ設定された値まで再び加えられてもよい。同時に、当該吸収性物品から破壊または分離されたプラスチック片が液面に浮遊する。一方、フラッフパルプや当該一次吸水性材料などのその他の物質は、重力により自然に当該バルクパルプ化モジュール3の底部に沈殿していてもよい。以下の説明においては、「吸収性リサイクル材料」という用語を用いてその沈殿物を表すことができる。具体的には、前述のプラスチック片が目詰まりを起こし、その浄化工程に支障をきたすことを防止するため、当該バルクパルプ化モジュール3からプラスチック片を除去するために、当該バルクパルプ化モジュール3上に出口が設けられてもよい。
【0019】
バルクパルプ化モジュール3により処理された当該吸収性リサイクル材料は、次の工程において、当該塩スラリー処理モジュール4に移送されてもよい。本実施態様において、当該塩スラリー処理モジュール4は、緩衝槽41と、沈澱槽42を含む。当該緩衝槽41は、当該バルクパルプ化モジュール3に連接され、当該バルクパルプ化モジュール3から移送されてくる当該吸収性リサイクル材料を受け取る。当該沈澱槽42は当該緩衝槽41に連接される。当該沈澱槽42は、相対的に高密度の一次吸水性材料(ポリアクリル酸ナトリウムなど)と、相対的に低密度の繊維材料(長繊維材料/短繊維材料)など、当該吸収性リサイクル材料において異なる密度を有する物質を分離することができる。具体的には、当該吸収性リサイクル材料は密度の違いにより層状に沈殿するため、当該一次吸水性材料と繊維材料を形成し、分離される。当該吸収性リサイクル材料は、フラッフパルプ(比重0.98)により形成される繊維材料と、比重1.4から1.8の範囲の一次吸水性材料を含むと考えられてもよい。当該一次吸水性材料は、液体中に浮遊する繊維材料間で当該沈澱槽42の底部に透明で識別可能な層を形成する。本実施態様の実際の使用において、当該沈澱槽42はさらに当該繊維材料(長繊維材料/短繊維材料)を収集するためのスラリー貯蔵槽に連接されてもよい。
【0020】
従って、当該塩スラリー処理モジュール4は、物質の実際の投入量により、投入圧力(例:0.13~0.36Mpa)を制御し、当該塩スラリー処理モジュール4内の当該吸収性リサイクル材料の流量を制御してもよい。
【0021】
当該塩スラリー処理モジュール4内に残る当該一次吸水性材料は、当該吸水性原料製造モジュール5に再移送され、浄化される。ここでいう浄化とは、浄化作業の異なる工程を反映し、第1の浄化、第2の浄化、第3の浄化として描写される。本実施態様において、当該吸水性原料製造モジュール5は、遠心装置51と、一時貯蔵槽52と、振動装置53と、選別装置54と、を含む。第1の浄化は当該遠心装置51で行われ、第2の浄化は当該振動装置53で行われ、第3の浄化は当該選別装置54で行われる。
【0022】
まず、当該第1の浄化において、当該一次吸水性材料が当該遠心装置51に移送される。2段階の分離が行われ、当該一次吸水性材料から大量の第1不純物が分離されて、二次吸水性材料(浄化された当該一次吸水性材料)が生成される。当該二次吸水性材料は、当該一時貯蔵槽52内に一時的に貯蔵されてもよく、当該二次吸水性材料が汚染されないように確約される。一方、分離された当該第1不純物は、その中に80%といった特定の比率を有する繊維材料(長繊維材料/短繊維材料)を含むはずである。具体的に、本実施態様において、当該遠心装置51は順に連接されたサイクロン分離ユニットであるため、当該一次吸水性材料を浄化して二次吸水性材料を生成する。本発明の当該遠心装置51のサイクロン分離ユニットの数は限定されず、ユーザーが調整してもよい。
【0023】
当該第1の浄化後、当該二次吸水性材料は当該振動装置53に移送され、当該第2の浄化が実施される。本実施態様において、当該振動装置53は篩531を含む。当該篩531の目的は、当該振動装置53により生成される偏心振動を介して、当該二次吸水性材料から第2不純物を効果的に分離し、最終吸水性材料を生成することにある。当該第2不純物は、繊維材料の長繊維材料と詰まった二次吸水性材料を含むはずである。本発明の実際の使用において、当該篩531は直径の異なる複数の孔を含んでもよい。例えば、孔の直径は、当該篩531内において0.42mmより短い設計が好ましい。
【0024】
最後に、第3の浄化において、当該選別装置54が当該振動装置53から当該最終吸水性材料を受け取り、受け取った当該最終吸水性材料から吸水性原料WR(ポリアクリル酸ナトリウムなど)を生成する。
【0025】
本実施態様において、当該選別装置54は、複数の撹拌翼541と、導入口542と、液体出口543と、排出口544を含む。当該最終吸水性材料は、当該導入口542からそれぞれ入力されてもよい(1~2kg/回など)。一方、液体(水)が当該選別装置54内で渦を形成し、当該液体は当該液体出口543から提供される。当該最終吸水性材料の短繊維材料が浮遊し、当該撹拌翼541が当該液体から当該繊維材料を除去する。このため、より高い比重を有する吸水性原料WRが当該選別装置54の下部に沈降するため、当該吸水性原料WRを当該排出口544から収集する。具体的に、当該選別装置54は、吸水性原料WRの収集を改善するために、当該排出口544に連接されたガイド管545を含んでもよい。
【0026】
本実施態様において、当該選別装置54はさらに当該選別装置54内の当該液体の量を制御するための液面制御装置を含んでもよい。例えば、当該液面制御装置はサイフォンケースとして設計されてもよい。
【0027】
さらに、本実施態様の当該選別装置54は、当該導入口542側に複数の空気孔または複数のダウンブローノズルを設けてもよく、それにより、当該液体(水)と当該最終吸水性材料をエアレーション下で撹拌することができる。エアレーション下で撹拌することで、当該繊維材料の分離効率を向上する(当該最終吸水性材料からの分離の可能性を高める)ことができる。当該空気孔または複数のダウンブローノズルは、当該吸水性原料WRの浄化を向上するために、エアレーションのレベルまたは時間を制御するように設計されてもよい。
【0028】
本実施態様において、当該吸水性原料処理システム1の運用方法が提供される。図3に好ましい実施態様を示す。図3に示すように、吸水性原料処理システム1の運用方法は、次の工程を含む。工程(A)では、上述の吸水性原料処理システム1が提供される。工程(B)では、当該切断モジュール2内に切断する吸収性物品が投入される。工程(C)では、切断された当該吸収性物品が当該バルクパルプ化モジュール3に移送され、当該バルクパルプ化モジュール3が、遠心力により当該吸収性物品を破壊して分離し、吸収性リサイクル材料が残る。工程(D)ではさらに、当該吸収性リサイクル材料が当該塩スラリー処理モジュール4に移送され、当該吸収性リサイクル材料が分離されて、一次吸水性材料が生成される。工程(E)では、当該遠心装置51によりさらに当該一次吸水性材料から二次吸水性材料と第1不純物が分離され、当該二次吸水性材料が当該一時貯蔵槽52に貯蔵される。工程(F)では、当該一時貯蔵槽52から当該二次吸水性材料が取り出されて当該振動装置53へと移送され、偏心振動を介して当該二次吸水性材料から最終吸水性材料と第2不純物が濾過される。最後に、工程(G)では、当該最終吸水性材料が当該選別装置54に移送されて浄化され、当該排出口544から吸水性原料WR(ポリアクリル酸ナトリウムなど)が排出される。つまり、当該吸水性原料処理システム1は、当該一次吸水性材料をさらにポリアクリル酸ナトリウムなどの当該吸水性原料WRに浄化し、工業廃水の金属沈降剤など、当該吸水性材料の再利用を向上する。
【0029】
図3を再度参照する。図3に示すように、工程(A)では、図1に示す吸水性原料処理システム1が提供される。その後、工程(B)では、当該吸収性物品が当該吸水性原料処理システム1に導入される。当該吸収性物品は、おむつ、紙おむつ、介護用パッド、生理用ナプキンなどの個人用衛生用品であってもよいが、これらに限定されるものではない。当該吸収性物品は、繊維材料(綿状繊維など)、吸水材料、プラスチックを含んでもよい。本実施態様の当該切断モジュール2は、まず当該吸収性物品(紙おむつや生理用ナプキンなど)を切断し、当該吸収性物品に含まれるさまざまな内容物(綿状繊維、一次吸水性材料、プラスチック片など)を後の工程(C)から(G)において分離しやすくする。
【0030】
図3に示すように、工程(C)では、切断された当該吸収性物品がバルクパルプ化モジュール3に移送される。液体の遠心力が当該吸収性物品の破壊と分離に使用され、当該吸収性リサイクル材料が濾過される。当該吸収性リサイクル材料が、次の工程(D)で、当該塩スラリー処理モジュール4で処理される。具体的に、切断された当該吸収性物品が天井クレーンなどの搬送ツールにより搬送され、工程(B)の後当該バルクパルプ化モジュール3に移送されて液体の力により破壊・分離される。当該バルクパルプ化モジュール3が高トルクで液体の力により当該吸収性物品を破壊・分離させ、当該バルクパルプ化モジュール3内の綿状繊維が詰まることなく分離されて浮遊する。従って、工程(D)で当該塩スラリー処理モジュール4が当該吸収性物品をさらに分離することができる。
【0031】
工程(C)において、当該バルクパルプ化モジュール3は、プラスチック片を効果的に除去するように設計され(当該バルクパルプ化モジュール3下に設けられたプラスチック排出口など)、当該吸収性リサイクル材料を生成する。当該プラスチック片は、当該吸収性物品の紙おむつにおける防水層などの防水材料であってもよい。当該吸収性リサイクル材料は、綿状繊維材料と一次吸水性材料を含んでもよい。つまり、当該吸収性リサイクル材料は、当該吸収性物品のプラスチック材料を含まない。
【0032】
一方、工程(C)の当該バルクパルプ化モジュール3は、当該バルクパルプ化モジュール3が動作するとき、当該バルクパルプ化モジュール3内の回転速度、時間、液面を自動的に制御してもよい。例えば、工程(C)において使用されるパルプの「間欠的排出」は、連続排出によって、当該吸収性物品の当該導入口と同じく、パルプ排出口の詰まりを防ぐ。
【0033】
工程(D)において、工程(C)により生成された当該吸収性リサイクル材料が、天井クレーンなどの搬送ツールにより、当該塩スラリー処理モジュール4の当該緩衝槽41に移送される。当該吸収性リサイクル材料に含まれる「微量混合物」の移動を一時的に停止させ、当該緩衝槽41の底部に滞留させる。当該混合物は、次の工程において、分離のため当該沈澱槽42内に入れられる。当該沈澱槽42内で、異なる比重を有する当該綿状繊維材料と一次吸水性材料が重力により自然に沈澱することで分離される。その後、沈澱した当該一次吸水性材料が当該吸水性原料製造モジュール5に移送される。
【0034】
最後に、工程(E)と工程(G)が当該吸水性原料製造モジュール5内で実行される。これらの工程の主な目的は、当該一次吸水性材料からポリアクリル酸ナトリウムなどの当該吸水性原料を浄化することにある。当該一次吸水性材料が当該遠心装置51に移送され、第1の浄化が実行される。当該一時貯蔵槽52内で二次吸水性材料が形成される。その後、当該二次吸水性材料が当該振動装置53に移送されて第2の浄化が実行され、最終吸水性材料が生成される。一方、第3の浄化が当該選別装置54により実行され、受け取った当該最終吸水性材料から当該吸水性原料WRが生成される。
【0035】
まとめると、本発明の目的は、吸水性原料処理システム及びその運用方法を提供することにある。本発明は、本発明のシステムにより、使用済み吸収性衛生用品を分解し、リサイクルする。当該システムは、各モジュールに固有の方法を使用することで、当該吸水性原料を完全に分離する。当該原料は再生され、別の使用可能な新しい材料に再生することができる。本発明は廃棄物を効果的にリサイクルすることができる。吸収性衛生用品の材料自体の複雑さを踏まえ、複数のモジュールが設置され、内容物の重力、密度、材料サイズに基づき、順に内容物を分離して浄化する。
【0036】
当業者に理解されるとおり、前述した本発明の裁量の実施態様は本発明を限定するものではなく、本発明を例示するものである。添付の請求項の要旨と範囲内に含まれるさまざまな変更及び類似の配置を含むことが意図されており、特許請求の範囲はそれらすべての変更及び類似の構成を含むように最も広い解釈がなされる必要がある。以上、本発明の最良の実施態様を説明したが、本発明の要旨と範囲を逸脱せずにさまざまな変更が可能であると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0037】
1 吸水性原料処理システム
2 切断モジュール
3 バルクパルプ化モジュール
31 スポイラー
32 ローター
33 ブレード
4 塩スラリー処理モジュール
41 緩衝槽
42 沈澱槽
5 吸水性原料製造モジュール
51 遠心装置
52 一時貯蔵槽
531 篩
53 振動装置
54 選別装置
541 撹拌翼
542 導入口
543 液体出口
544 排出口
545 ガイド管
WR 吸水性原料
図1
図2
図3
【国際調査報告】