(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】バッテリーパック及びこれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/317 20210101AFI20240905BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/30 20210101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M50/317 201
H01M50/249
H01M50/35 201
H01M50/367
H01M50/211
H01M50/204 401F
H01M50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514438
(86)(22)【出願日】2023-05-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 KR2023005989
(87)【国際公開番号】W WO2023224291
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0059601
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-ファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヨブ・ソン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC10
5H012DD07
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AY04
5H040AY06
(57)【要約】
熱的事象が発生した場合であっても構造的安定性を確保することができるように構成されたバッテリーパック及びこれを含む自動車を提供する。本発明の一態様によるバッテリーパックは、バッテリーモジュールと;前記バッテリーモジュールを収容するモジュール収容部と、前記バッテリーモジュールの熱暴走によるベントガス又は火炎を前記モジュール収容部の外部に排出可能に構成された開閉部材と、を有するパックハウジングと;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールと、
前記バッテリーモジュールを収容するモジュール収容部と、前記バッテリーモジュールの熱暴走によるベントガス又は火炎を前記モジュール収容部の外部に排出可能に構成された開閉部材と、を有するパックハウジングと、
を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記パックハウジングは、
前記パックハウジングの側面を構成し、前記開閉部材と少なくとも部分的に対向して配置されたサイドフレームと、
前記モジュール収容部と前記サイドフレームとの間に設けられており、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記開閉部材の開放により形成された流通孔を介して前記モジュール収容部と連通するように構成された流動経路と、
前記サイドフレームに設けられており、前記流動経路と連通して前記ベントガス又は火炎を前記パックハウジングの外部に排出するように構成された排出口と、
を含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記開閉部材の端部は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記サイドフレームに当接するように構成されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記開閉部材は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記流通孔に対して鋭角に開くように構成されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記排出口は、前記サイドフレームにおいて、前記流動経路の内部を流れるベントガス又は火炎が1回以上折り曲げられた後の位置に構成されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリーモジュールは複数設けられており、前記モジュール収容部は複数設けられており、
前記バッテリーモジュールは、複数の前記モジュール収容部内にそれぞれ収容されており、
複数の前記モジュール収容部は、隔壁によって互いに密閉されるように構成されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記隔壁には、それぞれのモジュール収容部に対応するそれぞれの開閉部材が設けられている、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記それぞれの開閉部材は、複数の前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記流通孔に対して鋭角に開くように構成されており、
前記それぞれの開閉部材のうちの少なくとも一部の開閉部材は、前記排出口に近づくにつれて、開放角度が小さくなるように構成されている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記排出口から最も遠い位置に配置された開閉部材の端部は、複数の前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記サイドフレームと当接するように構成されている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記それぞれの開閉部材のうちの少なくとも一部の開閉部材は、前記排出口に近づくにつれて、長さが短くなるように構成されている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記それぞれの開閉部材において、前記モジュール収容部の外向きの側面には、前記火炎を遮断するように構成された遮断部材が設けられている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記流動経路において、前記サイドフレームのコーナーに位置する部分に設けられており、前記ベントガス又は火炎を前記排出口の方向にガイドするように構成されたガイド部材をさらに含む、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記排出口に設けられており、前記火炎をフィルタリングし、前記ベントガスを通過させるように構成されたメッシュ部材をさらに含む、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも1つ含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック及びこれを含む自動車に関し、より詳細には、熱的事象が発生した場合であっても構造的安定性を確保することができるように構成されたバッテリーパック及びこれを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2022年5月16日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0059601号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返し充放電が可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、そのうちリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、正極活物質及び負極活物質として、それぞれリチウム系酸化物及び炭素材料を主に用いている。また、リチウム二次電池は、このような正極活物質及び負極活物質がそれぞれ塗布された正極板及び負極板と、正極板及び負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体が電解液とともに封入された外装材と、を備えている。
【0006】
一方、リチウム二次電池は、電池ケースの形状に応じて、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類できる。さらに、缶型二次電池は、金属缶の形状に応じて円筒型電池と角型電池とに分類できる。
【0007】
ここで、パウチ型二次電池のパウチは、下部シートと、下部シートを覆う上部シートとに大別される。このとき、パウチには、正極、負極、及びセパレーターを積層し巻き取って形成した電極組立体が収容される。そして、前記電極組立体を収容した後、上下シートの周縁を熱融着などによって封止する。また、各電極から引き出された電極タブは電極リードに結合し、前記電極リードには、封止部と接触した部分に絶縁フィルムが付加され得る。
【0008】
このように、パウチ型二次電池は、様々な形態に柔軟に対応することができる。また、パウチ型二次電池は、同じ容量の二次電池をより小さな容積と質量で実現することができるという利点もある。
【0009】
このようなリチウム二次電池は、高電圧及び高電流を提供するように複数のバッテリーセルを、そのもので、またはカートリッジなどに装着した状態で重畳または積層して密集構造にした後、これを電気的に接続させてバッテリーモジュールやバッテリーパックとして用いられている。
【0010】
このようなバッテリーパックの構成において、代表的に重要な問題の1つは安全性である。特に、バッテリーモジュールで熱的事象が発生した場合に、バッテリーモジュール内部で高温及び高圧のベントガスが発生する可能性があり、このようなベントガスが酸素と接触すると、バッテリーモジュールの内部または外部で火炎が発生する虞がある。
【0011】
また、バッテリーパックに含まれる複数のバッテリーモジュールのうちのいずれか1つのバッテリーモジュールで熱的事象が発生した場合、このような熱的事象の他のバッテリーモジュールへの伝播(propagation)を抑制する必要がある。仮に、バッテリーモジュール間の熱的伝播が適切に抑制されなかった場合、これはバッテリーパックに含まれる他のバッテリーモジュールの熱的事象につながり、バッテリーパックの発火や爆発などの、より大きな問題を引き起こす可能性がある。さらに、バッテリーパックの発火や爆発は、周辺の人や財産に大きな被害を与える可能性がある。そのため、このようなバッテリーパックでは、前述の熱的事象を適切に制御することができる構成が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の問題を解決するために案出されたものであり、熱的事象が発生した場合であっても構造的安定性を確保することができるように構成されたバッテリーパック及びこれを含む自動車を提供することを一の目的とする。
【0013】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した課題に何ら限定されるものではなく、言及されていない他の課題は、下記に記載されている発明の詳細な説明から当業者にとって明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するために本発明の一態様によるバッテリーパックは、バッテリーモジュールと、前記バッテリーモジュールを収容するモジュール収容部と、前記バッテリーモジュールの熱暴走によるベントガス又は火炎を前記モジュール収容部の外部に排出可能に構成された開閉部材と、を有するパックハウジングと、を含む。
【0015】
好ましくは、前記パックハウジングは、前記パックハウジングの側面を構成し、前記開閉部材と少なくとも部分的に対向して配置されたサイドフレームと、前記モジュール収容部と前記サイドフレームとの間に設けられており、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記開閉部材の開放により形成された流通孔を介して前記モジュール収容部と連通するように構成された流動経路と、前記サイドフレームに設けられており、前記流動経路と連通して前記ベントガス又は火炎を前記パックハウジングの外部に排出するように構成された排出口と、を含む。
【0016】
好ましくは、前記開閉部材の端部は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記サイドフレームと当接するように構成され得る。
【0017】
好ましくは、前記開閉部材は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記流通孔に対して鋭角に開くように構成され得る。
【0018】
好ましくは、前記排出口は、前記サイドフレームにおいて、前記流動経路の内部を流れるベントガス又は火炎が1回以上折り曲げられた後の位置に構成され得る。
【0019】
好ましくは、前記バッテリーモジュールは複数設けられており、前記モジュール収容部は複数設けられており、前記バッテリーモジュールは、前記複数のモジュール収容部内にそれぞれ収容されており、前記複数のモジュール収容部は、隔壁によって互いに密閉されるように構成され得る。
【0020】
好ましくは、前記隔壁には、それぞれのモジュール収容部に対応するそれぞれの開閉部材が設けられ得る。
【0021】
好ましくは、前記それぞれの開閉部材は、前記複数のバッテリーモジュールの熱暴走時に前記流通孔に対して鋭角に開くように構成され得、前記それぞれの開閉部材のうちの少なくとも一部の開閉部材は、前記排出口に近づくにつれて、開放角度が小さくなるように構成され得る。
【0022】
好ましくは、前記排出口から最も遠い位置に配置された開閉部材の端部は、前記複数のバッテリーモジュールの熱暴走時に前記サイドフレームと当接するように構成され得る。
【0023】
好ましくは、前記それぞれの開閉部材のうちの少なくとも一部の開閉部材は、前記排出口に近づくにつれて、長さが短くなるように構成され得る。
【0024】
好ましくは、前記それぞれの開閉部材において、前記モジュール収容部の外向きの側面には、前記火炎を遮断するように構成された遮断部材が設けられ得る。
【0025】
好ましくは、前記バッテリーパックは、前記流動経路において、前記サイドフレームのコーナーに位置する部分に設けられ、前記ベントガス又は火炎を前記排出口の方向にガイドするように構成されたガイド部材をさらに含み得る。
【0026】
好ましくは、前記バッテリーパックは、前記排出口に設けられ、前記火炎をフィルタリングし、前記ベントガスを通過させるように構成されたメッシュ部材をさらに含み得る。
【0027】
また、本発明の他の一態様による自動車は、上記のような本発明の一態様によるバッテリーパックを少なくとも1つ含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、開閉部材によるベントガス及び/又は火炎の迅速な排出が可能であるため、バッテリーモジュールの発火要因を抑制し、バッテリーパックの構造的安定性を強化することができる。
【0029】
また、ベントガス及び/又は火炎がパックハウジング内に残留することを防止し、パックハウジングの外部へのベントガス及び/又は火炎の排出を、より確実にガイドすることができる。
【0030】
また、複数のバッテリーモジュールで同時に熱暴走現象が発生した場合に、それぞれの開閉部材の開放により流動経路に排出された多量のベントガス及び/又は火炎の排出口方向への流れが制限されることを防止し、複数のモジュール収容部の内部へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。
【0031】
これらに加えて、本発明の色々な態様によって色々な他のさらなる効果を達成することができる。このような本発明の色々な効果については各実施形態の欄において説明し、当業者が容易に理解可能な効果についてはその説明を省略する。
【0032】
本明細書に添付される図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、後述する本発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割のためのものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図2】
図1のバッテリーパックの詳細構造を説明するための図である。
【
図3】
図2のバッテリーパックに設けられたバッテリーモジュールを示す図である。
【
図5】
図4において開閉部材が開放された状態を示す図である。
【
図6】バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される一例を示す図である。
【
図7】バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される一例を示す図である。
【
図8】バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される他の例を示す図である。
【
図9】バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される他の例を示す図である。
【
図10】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図11】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図12】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図13】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図14】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図15】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図16】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【
図17】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。
【0035】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0036】
また、本発明には様々な実施形態が含まれている。各実施形態について、実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0037】
一方、本明細書においては、上、下、左、右、前、後などの方向を表す用語が用いられ得るが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは、本発明の当業者にとって自明である。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10を示す図であり、
図2は
図1のバッテリーパック10の詳細構造を説明するための図であり、
図3は、
図2のバッテリーパック10に設けられたバッテリーモジュール100を示す図であり、
図4は、
図2のA部分拡大図であり、
図5は、
図4において開閉部材Cが開放された状態を示す図である。このとき、
図2において後述する上部カバー230の図示は省略する。
【0039】
本発明の一実施形態において、図面に示すX軸方向は前後方向を意味し、Y軸方向はX軸方向と水平面(XY平面)とに垂直な左右方向を意味し、Z軸方向はX軸方向とY軸方向との両方に垂直な上下方向を意味し得る。
【0040】
図1~
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10は、バッテリーモジュール100及びパックハウジング200を含み得る。
【0041】
前記バッテリーモジュール100は、セルアセンブリ(図示せず)及びモジュールケース110を含み得る。
【0042】
前記セルアセンブリは、少なくとも1つのバッテリーセルを含み得る。ここで、バッテリーセルは、二次電池を意味し得る。このようなバッテリーセルは、パウチ型バッテリーセル、円筒型バッテリーセル、または角型バッテリーセルとして設けられ得る。一例では、バッテリーセルは、パウチ型バッテリーセルであり得る。
【0043】
前記モジュールケース110は、セルアセンブリを内部に収容し得る。このため、モジュールケース110は、セルアセンブリを内部に収容するための内部収容空間を備え得る。
【0044】
また、モジュールケース110は、セルアセンブリを収容し、両側に開放端部を有するケース本体111と、ケース本体111の両側に結合されるエンドプレート112と、を含み得る。ケース本体111は、両端が開放された管状に形成され得、エンドプレート112は、ケース本体111の両側の開放端部に結合され得る。
図3を参照すると、エンドプレート112は、Y軸に沿って互いに対向するように配設され得る。エンドプレート112は、バッテリーセルの電極リード及び電極リードがバスバーに固定的に接続された部分が外部に露出しないように、ケース本体111の開放端部に結合され得る。
【0045】
前記パックハウジング200は、バッテリーモジュール100を収容するように構成され得る。このために、パックハウジング200には、モジュール収容部Sが形成され得る。前記モジュール収容部Sは、空き空間であり、バッテリーモジュール100を内部に収容可能な形状に形成され得る。具体的には、モジュール収容部Sは、後述する隔壁Wを介してバッテリーモジュール100を内部に収容可能な形状に形成され得る。このようなパックハウジング200は、耐熱性及び剛性の高い材料を含み得る。
【0046】
本発明の一実施形態のようなバッテリーパック10では、特定のバッテリーモジュール100で熱暴走現象などの事象が発生し得る。この場合、特定のバッテリーモジュール100の内部で高温及び高圧のベントガスが発生することがあり、このようなベントガスが酸素と接触すると、バッテリーモジュール100の内部又は外部で火炎が発生し得る。
【0047】
このとき、このようなベントガスや火炎は、特定のバッテリーモジュール100と隣接する他のバッテリーモジュール100に転移する危険性が高く、これにより、複数のバッテリーモジュール100の同時多発的な熱暴走や発火が発生する可能性がある。一方、従来のバッテリーパックは、密閉されたパックハウジング内に複数のバッテリーモジュールが配置されており、ベントガス又は火炎の適切な排出経路がないため、前述の同時多発的な発火などに脆弱な問題がある。
【0048】
このような問題を解決するために、本発明の一実施形態によるパックハウジング200は、開閉部材Cを備え得る。このような開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走によるベントガス及び/又は火炎をモジュール収容部Sの外部に排出するように構成され得る。
【0049】
具体的には、前記開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走に起因するベントガスによるモジュール収容部S内の圧力に応じて、モジュール収容部Sの内部を開放または閉鎖するように構成され得る。
【0050】
このとき、開閉部材Cは、モジュール収容部Sの一側に回動可能に結合され得る。一例では、開閉部材Cは、別個の結合部材Iによりモジュール収容部Sの一側に回動可能に結合され得る。このような結合部材Iは、ヒンジであり得るが、これに限定されない。
【0051】
本発明の上述の実施構成によれば、開閉部材Cにより、ベントガス及び/又は火炎を迅速に排出することができ、これにより、バッテリーモジュール100の発火要因を抑制して、バッテリーパック10の構造的安定性を強化することができる。
【0052】
詳細には図示していないが、結合部材Iは、弾性体を備え、前述の開閉部材Cの回転動作を制御するように構成され得る。一例では、前記弾性体はヒンジスプリングであり得る。
【0053】
開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走現象が発生していない状態で、前述の結合部材Iに設けられた弾性体の弾性力によって閉鎖状態を維持し得る。
【0054】
一方、開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走によりモジュール収容部S内の圧力が基準圧力以上に上昇した場合に、ベントガス及び/又は火炎をモジュール収容部Sの外部に排出するために、モジュール収容部Sの外側方向に展開するように構成され得る。このようにモジュール収容部S内の圧力が基準圧力以上である場合は、ベントガスの発生によりモジュール収容部S内の圧力がモジュール収容部S外の圧力よりも大きくなっていることを意味し得る。この場合、ベントガスによって開閉部材Cに加わるモジュール収容部S内の空気の加圧力が、開閉部材Cの閉鎖状態を維持するための結合部材Iの弾性力よりも大きくなり得る。このため、バッテリーモジュール100の熱暴走時において、開閉部材Cは、モジュール収容部Sの外部と内部との間の圧力差により、モジュール収容部Sの外側方向に容易に展開することができる。
【0055】
これにより、ベントガス及び/又は火炎は、モジュール収容部Sの開放部分を通して外部に迅速に排出され得る。また、ベントガスの排出により、バッテリーモジュール100の内圧が迅速に下降し得る。
【0056】
また、開閉部材Cは、ベントガスが外部に排出されてモジュール収容部S内の圧力が基準圧力以下に低下した場合に、モジュール収容部Sを閉鎖するように構成され得る。このように、モジュール収容部S内の圧力が基準圧力以下である場合は、ベントガスが外部に排出されて、モジュール収容部S内の圧力がモジュール収容部Sの外部の圧力よりも小さくなっていることを意味し得る。この場合、開閉部材Cに加わるモジュール収容部Sの外の空気の加圧力だけでなく、開閉部材Cの閉鎖状態を維持するための結合部材Iの弾性力も加わることがある。したがって、ベントガスが外部に排出されてモジュール収容部S内の圧力が低下すると、開閉部材Cは、モジュール収容部Sの外部と内部との間の圧力差により、モジュール収容部Sの内側方向に円滑に駆動されてモジュール収容部Sを閉鎖することができる。
【0057】
これにより、ベントガスの排出量が減少した場合に、開閉部材Cによるモジュール収容部Sの閉鎖を容易にすることにより、モジュール収容部Sの内部へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。また、モジュール収容部Sの内部への酸素の流入を遮断することにより、モジュール収容部S内でのさらなる発火を抑制することができる。
【0058】
以下、前述のパックハウジング200の詳細構造について、より詳細に説明する。
【0059】
図1、
図2、
図4、及び
図5を再度参照すると、前記パックハウジング200は、サイドフレーム210、流動経路P、及び排出口Eを含み得る。
【0060】
前記サイドフレーム210は、パックハウジング200の側面を構成し、開閉部材Cと少なくとも部分的に対向して配置され得る。このとき、開閉部材Cは、サイドフレーム210の全ての側面に対向して配置されてもよいし、サイドフレーム210の一部の側面のみに対向して配置されてもよい。
【0061】
前記流動経路Pは、モジュール収容部Sとサイドフレーム210との間に設けられており、バッテリーモジュール100の熱暴走時に開閉部材Cの開放によって形成された流通孔Hを介してモジュール収容部Sと連通するように構成され得る。このような流動経路Pは、流通孔Hを介して排出されたベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200の外部に排出されるように流動空間を提供することができる。
【0062】
また、前記開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、対向するサイドフレーム210の方向に開放され得る。また、開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、モジュール収容部S内の圧力に応じて前記流通孔Hを開放または閉鎖するように構成され得る。
【0063】
前記排出口Eは、サイドフレーム210に設けられており、ベントガス及び/又は火炎をパックハウジング200の外部に排出するための流動経路Pと連通するように構成され得る。このような排出口Eは、所定の面積を有する孔の形状で設けられ得る。特に、開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、端部が排出口Eの側を向くように開放され得る。
【0064】
このような構成によれば、モジュール収容部Sから排出されたベントガス及び/又は火炎を、モジュール収容部Sとパックハウジング200の側面との間に位置する空間でガイドしてパックハウジング200の外部に排出することができる。したがって、ベントガス及び/又は火炎のパックハウジング200の外部への排出をより安定的に行うことができる。
【0065】
一方、前述のパックハウジング200は、フロアフレーム220及び上部カバー230をさらに含み得る。
【0066】
前記フロアフレーム220は、パックハウジング200の下部を構成し、前記サイドフレーム210に結合され得る。
【0067】
前記上部カバー230は、サイドフレーム210の上部に結合され、バッテリーモジュール100の上部を密閉することができる。特に、上部カバー230は、前述のモジュール収容部Sの上部を密閉することができる。
【0068】
図6及び
図7は、バッテリーモジュール100の熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される一例を示す図である。具体的には、
図6及び
図7は、1つのバッテリーモジュール100で熱暴走現象が発生する例を示す。このとき、
図6及び
図7において、ベントガス及び火炎はそれぞれ参照符号「V」及び「F」で示される。
【0069】
図2、
図4~
図7を参照すると、前記開閉部材Cの端部は、バッテリーモジュール100の熱暴走時にサイドフレーム210と当接するように構成され得る。このため、開閉部材Cの長さ(例えば、モジュール収容部Sの一側から延びる長さ)は、流通孔Hとサイドフレーム210との間の長さ(Y軸方向の長さ)と同一かまたは長くなるように構成され得る。
【0070】
これにより、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、開閉部材Cは、流動経路P内において、開閉部材Cの端部がサイドフレーム210に当接する部分を基準として、排出口Eとは反対側の領域にベントガス及び/又は火炎が流入することを防止することができる。これにより、ベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200内に残留することを防止し、ベントガス及び/又は火炎のパックハウジング200の外部への排出をより確実にガイドすることができる。
【0071】
また、前記開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走時に流通孔Hに対して鋭角に開くように構成され得る。
【0072】
具体的には、
図2、
図4~
図7を再度参照すると、モジュール収容部Sの一側には、開閉部材Cの開放角度を一定角度未満に制限するように構成された制限部材Rが設けられ得る。このような制限部材Rは、プレート状に設けられ得る。特に、制限部材Rは、流通孔Hに対して鋭角をなすように配置され得る。このような制限部材Rと流通孔Hとのなす角度は、0°超、かつ90°未満の角度範囲に設定され得る。
【0073】
また、制限部材Rは、開閉部材Cよりも排出口Eから遠い位置に配置されるようにモジュール収容部Sの一側に設けられ得る。一方、制限部材Rは、開閉部材Cよりも短い長さ(例えば、モジュール収容部Sの一側面から延びる長さ)に設けられ得るが、これに限定されるものではない。一方、前記制限部材Rが流通孔Hに対してなす角度は、バッテリーモジュール100の熱暴走時に開閉部材Cの端部がサイドフレーム210に当接できる範囲内で設定され得る。
【0074】
これにより、バッテリーモジュール100の熱暴走により開閉部材Cがサイドフレーム210方向に開放されるとき、開閉部材Cは、制限部材Rに当接することにより、流通孔Hに対して一定角度未満の開放角度に制限され得る。好ましくは、開閉部材Cは、制限部材Rによって流通孔Hに対して鋭角に開くように構成され得る。
【0075】
したがって、バッテリーモジュール100の熱暴走によってモジュール収容部Sの内部から排出されたベントガス及び/又は火炎を、流通孔Hに対して傾斜して配置された開閉部材Cの内面に沿って流動経路Pに排出することができる。これにより、排出口E方向へのベントガス及び/又は火炎の流れをより確実にガイドすることができる。
【0076】
図2、
図4~
図7を再度参照すると、排出口Eは、サイドフレーム210において、流動経路P内を流れるベントガス及び/又は火炎が1回以上曲げられた後の位置に構成され得る。
【0077】
すなわち、排出口Eは、サイドフレーム210において、ベントガス及び/又は火炎の流れが少なくとも1回切り換えられた後の位置に形成され得る。一例では、排出口Eは、サイドフレーム210のコーナーを基準として、流動経路Pにおいて、開閉部材Cが位置する部分に対して垂直な部分に位置するように構成され得る。
【0078】
したがって、流動経路Pの内部を流れるベントガス及び/又は火炎の流れが少なくとも1回切り換えられた後の位置で、パックハウジング200の外部へのベントガス及び/又は火炎の排出が行われるので、開閉部材Cが位置する流動経路Pの領域へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。
【0079】
図2、図、4及び
図5を参照すると、前記バッテリーモジュール100は複数設けられ得、モジュール収容部Sは、これに対応して複数設けられ得る。このとき、複数のモジュール収容部Sはそれぞれ、独立して構成され得る。
【0080】
このとき、複数のバッテリーモジュール100は、複数のモジュール収容部S内にそれぞれ収容され得る。
【0081】
特に、複数のモジュール収容部Sは、隔壁Wによって互いに密閉されるように構成され得る。一例では、隔壁Wは、耐熱性及び剛性の高い材料を含み得る。
【0082】
このような隔壁Wは、各モジュール収容部Sの側面を構成し得る。また、隔壁Wは、サイドフレーム210の高さに対応して上下方向に延在して形成され得る。このとき、隔壁Wを構成する部材は、溶接によって互いに接合されていてもよく、一体に射出成形されて形成されていてもよいが、このような製造方法に限定されるものではない。
【0083】
また、隔壁Wは、サイドフレーム210から少なくとも部分的に離間して配置され得る。一例では、隔壁Wがサイドフレーム210と離間して配置される部分には、前述の流動経路Pが形成され得る。
【0084】
また、隔壁Wの下側にはフロアフレーム220が結合され得、隔壁Wの上側には上部カバー230が結合され得る。一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10では、上部カバー230がサイドフレーム210と隔壁Wの上側を一体的に覆っていてもよいし、隔壁Wの上側に別体のカバー(図示せず)が設けられていてもよい。
【0085】
このような構成により、特定のバッテリーモジュール100で熱暴走現象が発生した場合に、隣接するバッテリーモジュール100間での同時多発的な発火を抑制することができる。
【0086】
特に、隔壁Wには、それぞれのモジュール収容部Sに対応するそれぞれの開閉部材Cが設けられ得る。
【0087】
具体的には、開閉部材Cは、隔壁Wの一側に回動可能に結合され得る。このとき、開閉部材Cは、前述の結合部材Iにより、隔壁Wの一側に回動可能に結合され得る。また、前述の制限部材Rは、隔壁Wの一側に設けられており、開閉部材Cの開放角度を一定角度未満に制限するように構成され得る。
【0088】
このように、各モジュール収容部Sに対応する隔壁Wに設けられたそれぞれの開閉部材Cは、バッテリーモジュール100の熱暴走時に各モジュール収容部S内の圧力に応じて流通孔Hを開閉するように構成され得る。
【0089】
一方、
図2及び
図3に示すように、本実施形態のバッテリーモジュール100には、モジュールケース110の少なくとも一面に、ベントガス及び/又は火炎が排出されるベント孔Oが設けられ得る。一例では、ベント孔Oは、モジュールケース110の上面に設けられ得る。ただし、
図2及び
図3のように、ベント孔Oは、モジュールケース110の両側面に設けられ得る。ここで、両側面とは、X軸に沿って互いに対向する面であり得、ベント孔Oは、Z軸に沿って延びるように設けられ得る。また、複数のバッテリーモジュール100は、このようなベント孔Oが開閉部材Cに隣接して配置されるように、それぞれのモジュール収容部S内に収容され得る。
【0090】
これにより、バッテリーモジュール100で熱暴走現象が発生した場合、バッテリーモジュール100で生成されたベントガス及び/又は火炎は、ベント孔Oを介してバッテリーモジュール100の両側に向かってベントされ得る。また、ベント孔Oを介して排出されたベントガス及び/又は火炎は、モジュール収容部S内のバッテリーモジュール100と隔壁Wとの間の空間、又はバッテリーモジュール100とサイドフレーム210との間の空間を通って、流通孔Hを介して速やかに流動経路Pに排出され得る。
【0091】
したがって、本発明のこのような実施構成によれば、複数のバッテリーモジュール100で同時に熱暴走現象が発生した場合に、バッテリーモジュール100の両側に設けられたベント孔Oを介して排出されるベントガス及び/又は火炎を、より迅速に流動経路Pに導き、パックハウジング200の外部に排出することができる。
【0092】
図8及び
図9は、バッテリーモジュール100の熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される他の例を示す図である。具体的には、
図8及び
図9は、複数のバッテリーモジュール100で熱暴走現象が発生した例を示す。このとき、
図8及び
図9において、ベントガス及び火炎はそれぞれ参照符号「V」及び「F」で示される。
【0093】
図2、
図4、
図8、及び
図9を参照すると、それぞれの開閉部材Cのうちの少なくとも一部の開閉部材Cは、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走時に、排出口Eに近づくにつれて、サイドフレーム210に向かって開く度合いが小さくなるように構成され得る。
【0094】
上述したように、それぞれの開閉部材Cは、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走時に流通孔Hに対して鋭角に開くように構成され得る。
【0095】
また、それぞれの開閉部材Cのうちの少なくとも一部の開閉部材Cは、排出口Eに近づくにつれて、開放角度が小さくなるように構成され得る。
【0096】
具体的には、モジュール収容部Sの一側において、開閉部材Cのそれぞれに、開閉部材Cの開放角度を一定角度未満に制限するように構成された制限部材Rが設けられ得る。このような制限部材Rは、流通孔Hに対して鋭角をなすように配置され得る。
【0097】
特に、制限部材Rのうちの少なくとも一部の制限部材Rは、排出口Eに近づくにつれて、流通孔Hに対してなす角度が小さくなるように構成され得る。これにより、それぞれの開閉部材Cのうちの少なくとも一部の開閉部材Cは、排出口Eに近づくにつれて、開放角度が小さくなるように構成され得る。
【0098】
一実施形態において、それぞれの開閉部材Cは、排出口Eに近づくにつれて、開放角度が小さくなるように構成され得る。このとき、開閉部材Cのそれぞれに設けられた制限部材Rは、排出口Eに近づくにつれて、流通孔Hに対してなす角度が小さくなるように構成され得る。この場合、特定の開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎の排出口E方向への流れは、前記特定の開閉部材Cよりも排出口Eに相対的に近い位置に配置された他の開閉部材Cの外側面によって制限されることなく円滑に行われ得る。
【0099】
すなわち、開閉部材Cが排出口Eから遠い位置に配置されるほど、ベントガス及び/又は火炎は、サイドフレーム210に隣接する方向にガイドされるように開閉部材Cの内側面に沿って流動経路Pに排出され得る。したがって、特定の開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎が、前記特定の開閉部材Cよりも排出口Eに相対的に近い位置に配置された他の開閉部材Cの外側面に衝突することを最小限に抑えることができる。また、このように特定の開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎が他の開閉部材Cの外側面に衝突することを最小限に抑えることができるので、流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎がモジュール収容部Sの内部に逆流入することを最小限に抑えることができる。
【0100】
本発明のこのような実施構成によれば、複数のバッテリーモジュール100で同時に熱暴走現象が発生した場合に、それぞれのモジュール収容部Sの内部から排出されたベントガス及び/又は火炎を、流通孔Hに対して傾斜して配置された開閉部材Cの内側面に沿って流動経路Pに排出することができる。これにより、排出口E方向への複数のベントガス及び/又は火炎の流れを安定的にガイドすることができる。
【0101】
また、複数のバッテリーモジュール100で同時に熱暴走現象が発生した場合に、それぞれの開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出された複数のベントガス及び/又は火炎の排出口E方向への流れが制限されることを防止し、複数のモジュール収容部Sの内部へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。
【0102】
図2、
図4、
図8、及び
図9を再度参照すると、排出口Eから最も遠い位置に配置された開閉部材Cの端部は、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走時に前記サイドフレーム210と当接するように構成され得る。このため、排出口Eから最も遠い位置に配置された開閉部材Cの長さ(例えば、モジュール収容部Sの一側から延びる長さ)は、流通孔Hとサイドフレーム210との間の長さ(Y軸方向の長さ)と同じか、または長くなるように構成され得る。一方、排出口Eから最も遠い位置に配置された開閉部材Cの開放角度を制限する制限部材Rが流通孔Hに対してなす角度は、バッテリーモジュール100の熱暴走時に、排出口Eから最も遠い位置に配置された開閉部材Cの端部がサイドフレーム210に当接できるような範囲に設定され得る。
【0103】
これにより、複数のバッテリーモジュール100で同時に熱暴走現象が発生した場合に、排出口Eから最も遠い位置に配置された開閉部材Cは、流動経路P内において、当該開閉部材Cの端部がサイドフレーム210に当接する部分を基準として、排出口Eとは反対側の領域にベントガス及び/又は火炎が流入することを防止することができる。これにより、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走時にも、ベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200内に残留することを防止し、ベントガス及び/又は火炎のパックハウジング200の外部への排出をより確実にガイドすることができる。
【0104】
図10は、本発明の第2の実施形態によるバッテリーパック12を示す図である。
【0105】
本実施形態によるバッテリーパック12は、上述の実施形態による前記バッテリーパック10と同様であるため、上述の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下、上述の実施形態との相違点を中心に説明する。このとき、
図10において、ベントガス及び火炎はそれぞれ参照符号「V」及び「F」で示される。
【0106】
上述したように、それぞれの開閉部材Cは、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走時に流通孔Hに対して鋭角に開くように構成され得る。これは、前述の制限部材Rによって実現できる。
【0107】
図10を参照すると、本実施形態によるバッテリーパック12において、それぞれの開閉部材Cのうちの少なくとも一部の開閉部材Cは、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走時に、排出口Eに近づくにつれて、長さが短くなるように構成され得る。このとき、それぞれの流通孔Hは、それぞれの開閉部材Cのサイズに対応するように設けられ得る。
【0108】
本発明の一実施形態において、それぞれの開閉部材Cは、排出口Eに近づくにつれて、長さが短くなるように構成することも可能である。この場合、特定の開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎の排出口E方向への流れは、前記特定の開閉部材Cよりも排出口Eに相対的に近い位置に配置された他の開閉部材Cの外側面によって制限されることなく、円滑に行われ得る。
【0109】
すなわち、開閉部材Cが排出口Eから遠い位置に配置されるほど、ベントガス及び/又は火炎は、サイドフレーム210に隣接する方向にガイドされるように開閉部材Cの内側面に沿って流動経路Pに排出され得る。したがって、特定の開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎が、前記特定の開閉部材Cよりも排出口Eに相対的に近い位置に配置された他の開閉部材Cの外側面に衝突することを最小限に抑えることができる。また、このように特定の開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎が他の開閉部材Cの外側面に衝突することを最小限に抑えることができるので、流動経路Pに排出されたベントガス及び/又は火炎がモジュール収容部Sの内部に逆流入することを最小限に抑えることができる。
【0110】
本実施形態によるバッテリーパック12によれば、複数のバッテリーモジュール100で同時に熱暴走現象が発生した場合に、それぞれの開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出された複数のベントガス及び/又は火炎の排出口E方向への流れが制限されることを防止し、複数のモジュール収容部Sの内部へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。
【0111】
図11は、本発明の第3の実施形態によるバッテリーパック14を示す図である。
【0112】
本実施形態によるバッテリーパック14は、上述の実施形態による前記バッテリーパック10と同様であるため、上述の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下、上述の実施形態との相違点を中心に説明する。このとき、
図11において、ベントガス及び火炎はそれぞれ、参照符号「V」及び「F」で示される。
【0113】
図11を参照すると、前記バッテリーパック14は、遮断部材Tをさらに含み得る。
【0114】
前記遮断部材Tは、それぞれの開閉部材Cにおける、モジュール収容部Sの外部を向く側面(開閉部材Cの外側面)に設けられ得る。このような遮断部材Tは、バッテリーモジュール100の熱暴走現象によって発生する火炎(又はスパーク)を遮断するように構成され得る。一例では、遮断部材Tは、開閉部材Cの外側面に突起の形状に複数設けられ得る。
【0115】
このように開閉部材Cの外側面に複数の遮断部材Tが形成された場合、特定の開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出された火炎の一部は、前記特定の開閉部材Cよりも排出口Eに相対的に近い位置に配置された他の開閉部材Cの外側面に形成された遮断部材Tに衝突することで、開閉部材Cの外側面に残留することができる。これにより、パックハウジング200外部への火炎の露出を最小限に抑えることができる。
【0116】
図12は、本発明の第4の実施形態によるバッテリーパック16を示す図である。
【0117】
本実施形態によるバッテリーパック16は、上述の実施形態による前記バッテリーパック10と同様であるため、上述の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下、上述の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0118】
図12を参照すると、前記バッテリーパック16は、ガイド部材Gをさらに含み得る。
【0119】
前記ガイド部材Gは、流動経路Pにおいて、サイドフレーム210のコーナーに位置する部分に設けられており、ベントガス及び/又は火炎を排出口E方向にガイドするように構成され得る。一例では、ガイド部材Gは、耐熱性及び剛性の高い材料を含み得る。
【0120】
このようなガイド部材Gは、サイドフレーム210において、開閉部材Cと対向する領域に一端が結合され得る。また、ガイド部材Gは、サイドフレーム210において、排出口Eが位置する部分に他端が結合され得る。また、ガイド部材Gは、サイドフレーム210において開閉部材Cと対向する領域から、サイドフレーム210において排出口Eが位置する部分に向かって、傾斜して配置され得る。
【0121】
このような実施構成によれば、流動経路P内を流れるベントガス及び/又は火炎の流れを、排出口E方向に円滑にガイドすることができる。また、排出口E方向に傾斜して配置されたガイド部材Gによりベントガス及び/又は火炎の流れが切り換えられるので、開閉部材Cが位置する、流動経路Pの領域へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を遮断することができる。
【0122】
図13は、本発明の第5の実施形態によるバッテリーパック18を示す図である。
【0123】
本実施形態によるバッテリーパック18は、上述の実施形態による前記バッテリーパック10と同様であるため、上述の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下、上述の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0124】
図13を参照すると、前記バッテリーパック18は、メッシュ部材Mをさらに含み得る。
【0125】
前記メッシュ部材Mは、排出口Eに設けられており、火炎をフィルタリングし、ベントガスを通過させるように構成され得る。このようなメッシュ部材Mは、板状の部材に多数の気孔が形成された形態、または、多数のワイヤが網状に編まれた形態に構成され得る。このとき、前記気孔は、流動経路Pからパックハウジング200の外部に排出される火炎をフィルタリングすることができる大きさに構成され得る。すなわち、前記メッシュ部材Mは、火炎がパックハウジング200の外部に排出されて発火要因として作用することを防止することができる。
【0126】
本実施形態によるバッテリーパック18によれば、排出口Eに形成されたメッシュ構造により、火炎の通過を最大限に抑制しつつ、ベントガスの通過を可能としている。したがって、パックハウジング200の外部への火炎の露出を最小限に抑えることができ、かつ、ベントガスの排出を速やかに行うことができるという利点がある。
【0127】
図14は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパック20を示す図である。
【0128】
図14を参照すると、本実施形態によるバッテリーパック20において、それぞれの開閉部材Cは、開閉部材Cの一部が折り曲げられて形成されたベンディング部Bをさらに含み得る。ベンディング部Bは、開閉部材Cの中央からモジュール収容部Sの外側に向かって折り曲げられて形成され得る。ベンディング部Bは、流通孔Hを介して排出されるベントガス及び/又は火炎の流動を制限しないために鈍角をなすように構成され得る。また、
図14とは異なり、ベンディング部Bは曲線で構成することもできる。
【0129】
このとき、
図14に示すように、開閉部材Cが排出口Eから遠い位置に配置されるほど、ベンディング部Bのなす角度が次第に大きくなり得る。例えば、排出口Eから最も遠い位置に配置される開閉部材Cは、ほぼ180度に近い角度または180度の角度を有してサイドフレーム210に接触することができる。一方、排出口Eに近い位置に配置される開閉部材C’は、これより小さい角度、例えば120度に曲げられた形状を有し得る。
【0130】
これにより、特定の開閉部材C’よりも相対的に排出口Eから遠い位置に配置された開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガスV及び/又は火炎Fの排出口E方向への流れは、ベンディング部B’によって前記特定の開閉部材C’の外側面に衝突することが最小限に抑えられることにより、後方側から流動経路Pに排出されて流れる他のガスや火炎などの流れを妨げないようにすることができる。また、このように特定の開閉部材C’よりも相対的に排出口Eから遠い位置に配置された開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出されたベントガスV及び/又は火炎Fが、開放された流通孔H’に向かって曲げられた開閉部材C’によって塞がれてモジュール収容部Sの内部に逆流入することを最小限に抑えることができる。
【0131】
また、上記実施構成によれば、ベントガスV’や火炎F’などが流通孔H’を介して排出されるとき、開閉部材C’の折り曲げられた形状により、より円滑に流動経路Pに排出され得る。すなわち、上記実施構成によれば、開閉部材C’を開放した際に、折り曲げられた端部は、流動経路Pの流れ方向とほぼ平行な形状に形成され得る。したがって、当該開閉部材C’に排出されたベントガスV’や火炎F’等は、
図14に示すように、流動経路Pの流れ方向に沿って円滑に排出されて流れていくことができる。
【0132】
図15は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパック22を示す図である。
【0133】
図15を参照すると、本実施形態によるバッテリーパック22において、それぞれの開閉部材Cは、開閉部材Cの一部を回転させるように構成されたヒンジ部Gをさらに含み得る。ヒンジ部Gは、開閉部材Cの所定の部分、特に真中に設けられ得る。また、ヒンジ部Gは、流通孔Hを介して排出されるベントガス及び/又は火炎の流動を制限しないために、ヒンジ部Gの両側の角度が鈍角をなすように構成され得る。さらに、開閉部材Cは、ヒンジ部Gの両側の角度が最大180度であるように構成され得る。
【0134】
特に、ヒンジ部Gは、外部から特別な圧力が加わらない場合、両側の角度が180度であるように構成され得る。すなわち、開閉部材Cは、外部からの力がない場合や一定レベル以下の力が加わる状態では、平板状、換言すれば、ヒンジ部Gを中心とする角度が180度であるように構成され得る。このため、ヒンジ部Gは、バネ(スプリング)などの弾性体を備え得る。このような実施構成において、バッテリーモジュール100の熱暴走現象が発生していない場合、開閉部材Cは、ヒンジ部Gによって回転されることなく、180度で閉鎖状態を維持することができる。
【0135】
図15に示すように、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走現象が発生した場合に、特定の開閉部材C”、例えば、前後方向(X軸方向)において中央に位置する開閉部材は、自身が担当するモジュール収容部Sの内圧が上昇すると、モジュール収容部Sを開放することができる。このとき、開閉部材C”は、他のモジュール収容部Sから排出されたベントガスV及び/又は火炎Fによって折り曲げられ得る。例えば、
図15の実施形態において、開閉部材C”は、後方(-X軸方向)側から流動経路Pに排出されたベントガスV及び/又は火炎Fの加圧力によって、端部が流通孔H”方向に回転され得る。
【0136】
このような実施構成によれば、前記特定の開閉部材C”よりも相対的に排出口Eから遠い位置に配置された開閉部材Cの開放により、流動経路Pに排出されたベントガスV及び/又は火炎Fが他の開閉部材C”の外側面に衝突することを最小限に抑えるので、流動経路PにおけるベントガスV及び/又は火炎F等の移動をより円滑に行うことができる。また、この場合、流動経路Pに排出されたベントガスV及び/又は火炎Fの他のモジュール収容部Sの内部への逆流入を最小限に抑えることができる。
【0137】
一方、前記特定の開閉部材C”よりも相対的に排出口Eから遠い位置に配置された開閉部材Cにも、前記特定の開閉部材C”と同様に、ヒンジ部Gが、流通孔H方向に回転して設けられ得る。このとき、開閉部材Cは、排出口Eに近い位置に配置されるほど、端部が流通孔Hに向かって回転する角度が大きくなり得る。例えば、排出口Eから最も遠い位置に配置される開閉部材Cは、開閉部材Cの外側面から加わる加圧力が存在せず、流通孔Hに排出されるベントガスV及び/又は火炎Fによって内側面から加わる加圧力のみが存在するので、ヒンジ部Gは回転せず、180度に維持されてサイドフレーム210に接触することができる。一方、開閉部材C”は、排出口Eから近い位置に配置されるほど、後方側から排出されるガス等F,Vが流れるスペースを確保する必要があるため、端部が流通孔H”側により大きく回転するように構成され得る。例えば、ヒンジ部Gが弾性体を備える場合、排出口Eに近い位置に配置される開閉部材C”は、排出口Eから遠い位置に配置される開閉部材Cに比べて弾性率が低い弾性体を備え得る。
【0138】
本実施形態によるバッテリーパック22によれば、複数のバッテリーモジュール100で同時に熱暴走現象が発生した場合に、それぞれの開閉部材Cの開放により流動経路Pに排出された複数のベントガス及び/又は火炎の排出口E方向への流れが制限されることを防止し、複数のモジュール収容部Sの内部へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。
図16及び
図17は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパック24を示す図である。
図16は、バッテリーパック24の分解斜視図であり、
図17は、上部カバー232が結合されたバッテリーパック24を上から見た図である。
【0139】
図16及び
図17を参照すると、前記バッテリーパック24は、制限部材Rが隔壁Wの一側に結合されている上述の実施形態とは異なり、制限部材Rが上部カバー232に一体的に設けられ得る。
【0140】
すなわち、本実施形態による上部カバー232は、上部カバー232の少なくとも一面から下方に突出して開閉部材Cの開放角度を一定角度未満に制限する制限部材Rを含み得る。前記上部カバー232は、隔壁Wの上端に結合されており、サイドフレーム210と隔壁Wとを同時に覆い得るように四角板状に形成され得る。
【0141】
これにより、フロアフレーム220の上部に設けられる隔壁Wの構造物が構造的に簡素化されるため、製作工程が容易となり、コストの低減を図ることができる。また、上部カバー232をフロアフレーム220に組み付ける際に、制限部材Rが組み付け位置をガイドするため、組み付け性が向上するとともに、制限部材Rの一端が隔壁Wに支持されて上部カバー232の水平方向(X軸方向又はY軸方向)及び垂直方向(Z軸方向)への移動が阻止されるため、上部カバー232とフロアフレーム220との結合力も向上し得る。
【0142】
一方、上部カバー232に設けられる制限部材Rの高さは、隔壁Wまたはサイドフレーム210の高さ以下であり得る。本発明の一実施形態において、制限部材Rの高さが隔壁Wまたはサイドフレーム210の高さと同じである場合、上部カバー230がサイドフレーム210及び隔壁Wの上部にのみ結合される上述した実施形態とは異なり、上部カバー232が、制限部材Rによって、サイドフレーム210及び隔壁Wだけでなく、フロアフレーム220にも直接結合され得る。すなわち、制限部材Rは、開閉部材Cが結合される隔壁Wの一側に結合されると同時に、下端部がフロアフレーム220に接触して結合され得る。このような構成とすることにより、バッテリーパック24に垂直方向の圧縮力が加えられたり、バッテリーパック24が垂直方向に曲げられるなどの衝撃が加わったりした場合、別途、パック補強材を設けることなく、剛性及び安定性を確保することができる。
【0143】
これにより、本実施形態によるバッテリーパック20は、複数のバッテリーモジュール100の熱暴走時においても、ベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200内に残留することを防止し、パックハウジング200の外部へのベントガス及び/又は火炎の排出をより確実にガイドするとともに、上部カバー232に設けられる制限部材Rが隔壁W及びフロアフレーム220に結合されることにより、バッテリーパック24の結合安定性を確保することができる。
【0144】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、開閉部材Cによりベントガス及び/又は火炎の迅速な排出が可能であるため、バッテリーモジュール100の発火要因を抑制して、バッテリーパック10、12、14、16、18、20、22、24の構造的安定性を強化することができる。
【0145】
また、ベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200内に残留することを防止し、パックハウジング200の外部へのベントガス及び/又は火炎の排出を、より確実にガイドすることができる。
【0146】
また、複数のバッテリーモジュール100で同時に熱暴走現象が発生した場合に、それぞれの開閉部材Cを開放することによって、流動経路Pに排出された複数のベントガス及び/又は火炎の排出口E方向への流れが制限されることを防止し、複数のモジュール収容部Sの内部へのベントガス及び/又は火炎の逆流入を確実に遮断することができる。
【0147】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10、12、14、16、18、20、22、24は、前述の構成に加えて、バッテリーパック10、12、14、16、18、20、22、24の充放電を制御するための各種装置、例えば、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)、電流センサー及びヒューズなどをさらに備え得る。
【0148】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10、12、14、16、18、20、22、24は、電気自動車などの自動車に適用され得る。すなわち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパック10、12、14、16、18、20、22、24を少なくとも1つ含み得る。
【0149】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0150】
10、12、14、16、18、20、22、24 バッテリーパック
100 バッテリーモジュール
200 パックハウジング
S モジュール収容部
C 開閉部材
【手続補正書】
【提出日】2024-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールと、
前記バッテリーモジュールを収容するモジュール収容部と、前記バッテリーモジュールの熱暴走によるベントガス
及び又は火炎を前記モジュール収容部の外部に排出可能に構成された開閉部材と、を有するパックハウジングと、
を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記パックハウジングは、
前記パックハウジングの側面を構成し、前記開閉部材と少なくとも部分的に対向して配置されたサイドフレームと、
前記モジュール収容部と前記サイドフレームとの間に設けられており、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記開閉部材の開放により形成された流通孔を介して前記モジュール収容部と連通するように構成された流動経路と、
前記サイドフレームに設けられており、前記流動経路と連通して前記ベントガス
及び又は火炎を前記パックハウジングの外部に排出するように構成された排出口と、
を含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記開閉部材の端部は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記サイドフレームに当接するように構成されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記開閉部材は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記流通孔に対して鋭角に開くように構成されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記排出口は、前記サイドフレームにおいて、前記流動経路の内部を流れるベントガス又は火炎が1回以上折り曲げられた後の位置に構成されている、請求項2
から4のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリーモジュールは複数設けられており、前記モジュール収容部は複数設けられており、
前記バッテリーモジュールは、複数の前記モジュール収容部内にそれぞれ収容されており、
複数の前記モジュール収容部は、隔壁によって互いに密閉されるように構成されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記隔壁には、それぞれのモジュール収容部に対応するそれぞれの開閉部材が設けられている、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記それぞれの開閉部材は、複数の前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記流通孔に対して鋭角に開くように構成されており、
前記それぞれの開閉部材のうちの少なくとも一部の開閉部材は、前記排出口に近づくにつれて、開放角度が小さくなるように構成されている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記排出口から最も遠い位置に配置された開閉部材の端部は、複数の前記バッテリーモジュールの熱暴走時に前記サイドフレームと当接するように構成されている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記それぞれの開閉部材のうちの少なくとも一部の開閉部材は、前記排出口に近づくにつれて、長さが短くなるように構成されている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記それぞれの開閉部材において、前記モジュール収容部の外向きの側面には、前記火炎を遮断するように構成された遮断部材が設けられている、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記流動経路において、前記サイドフレームのコーナーに位置する部分に設けられており、前記ベントガス
及び又は火炎を前記排出口の方向にガイドするように構成されたガイド部材をさらに含む、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記排出口に設けられており、前記火炎をフィルタリングし、前記ベントガスを通過させるように構成されたメッシュ部材をさらに含む、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
請求項1に記載のバッテリーパックを少なくとも1つ含む、自動車。
【請求項15】
前記モジュール収容部は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時にベントガス及び又は火炎を前記モジュール収容部の外部に排出可能にする開口予定部を備え、
前記開閉部材は、前記モジュール収容部の前記開口予定部に開閉可能に設けられており、
前記開閉部材は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時以外は、前記モジュール収容部の前記開口予定部を閉じており、
前記開閉部材は、前記バッテリーモジュールの熱暴走時に、前記モジュール収容部の前記開口予定部を、流通孔として、開く、
請求項1に記載のバッテリーパック。
【国際調査報告】