(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ヒトの頭部の生体電位を測定するための電極配置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/256 20210101AFI20240905BHJP
A61B 5/259 20210101ALI20240905BHJP
A61B 5/31 20210101ALI20240905BHJP
A61B 5/315 20210101ALI20240905BHJP
A61B 5/313 20210101ALI20240905BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20240905BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61B5/256 110
A61B5/259
A61B5/31
A61B5/315
A61B5/313
A61B5/16 200
A61B5/16 130
A61B5/00 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514568
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2022074614
(87)【国際公開番号】W WO2023031457
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021209778.2
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフ,カレン インサ
(72)【発明者】
【氏名】ペーツォルト,ウィープケ
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルバ ソウト,カルロス フィリペ
(72)【発明者】
【氏名】デベナー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】パウル,マリーナ
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C038PP01
4C038PP05
4C038PQ03
4C038PS00
4C038PS03
4C117XB12
4C117XE18
4C117XE19
4C117XJ35
4C127AA03
4C127AA04
4C127LL13
4C127LL24
(57)【要約】
ユーザの頭部の顔表面上およびユーザの耳の後方で電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置と、キャリア構造体と、を有する装置。キャリア構造体は、電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、キャリア構造体は、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更するために、および/または顔および頭部構造に領域包括的に適応するために、ユーザによって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、ユーザによって加えられる外力の下で変形可能である。キャリア構造体は、電極配置の少なくとも一部を顔表面上および耳の後方に配置するように構成される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)が、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更し、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合させるために、前記ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能であり、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項2】
前記キャリア構造体は、50kOhm未満のインピーダンスを有する信号を記録するために前記複数の電極を前記ユーザの前記顔表面および頭部表面に0.2Nの最大力で押圧するように構成される、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記キャリア構造体(120)が、ヒトの顔の形状として前記顔表面(220)に追従し、前記複数の電極が前記キャリア構造体(120)上に配置され、
前記複数の電極のうちの第1の電極(110
1)に割り当てられた第1の電極位置が、前記顔表面(220)の第1の特徴点(B)の位置に対応し、前記複数の電極のうちの第2の電極(110
2)に割り当てられた第2の電極位置が、前記顔表面(220)の第2の特徴点(A)の位置に対応し、前記複数の電極のうちの第3の電極(110
3)に割り当てられた第3の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される許容範囲内で前記顔表面(220)上の前記第1の電極位置および前記第2の電極位置を起点として生じる、請求項1または2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記顔表面(220)の前記第1の特徴点(B)が上頬骨に対応し、前記第2の特徴点(A)が前記ユーザ(210)の耳(230)の耳珠の前の位置に対応する、請求項3に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記キャリア構造体(120)が、一方の側の前記第1の電極位置および/または前記第2の電極位置を他方の側の前記第3の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(123,124
1)を含み、前記第3の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される1~2cmの許容範囲内で、前記ユーザ(210)の鼻根点の垂直上方の眉毛の線から上に1cm~3cmの領域内の前記顔表面(220)の額上の位置(C)に対応する、請求項3または4に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記キャリア構造体(120)が、一方の側の前記第1の電極位置および/または前記第2の電極位置を、他方の側の前記複数の電極のうちの第4の電極(110
4)に割り当てられた第4の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(123,124
1)を含み、前記第4の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される許容範囲内で、前記ユーザ(210)の前記耳(230)の後の位置(D)に対応する、請求項3から5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記キャリア構造体(120)が、一方の側の前記第1の電極位置および/または前記第2の電極位置を、他方の側の前記複数の電極のうちの第5の電極(110
9、110
8)に割り当てられた第5の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(126)を含み、前記第5の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される許容範囲内で、前記ユーザ(210)の前記顔表面(220)の前記顎上の位置(E)に対応する、請求項3から6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記キャリア構造体(210)が、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)を前記顔表面(220)上に固定するための粘着材料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記電極が、前記インピーダンスを低下させ、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)を前記顔表面(220)上に固定するための粘着性電解質ゲルをさらに含み、前記粘着性電解質ゲルが、少なくともいくつかの部分において、除去可能な保護フィルムによって覆われている、請求項8に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記粘着材料が除去可能な保護フィルムによって覆われている、請求項8または9に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記保護フィルムが、前記キャリア構造体(120)および前記複数の電極から独立して除去可能な複数の保護フィルム部分を含む、請求項10に記載の装置(110)。
【請求項12】
前記複数の保護フィルム部分のうちの第1の保護フィルム部分が、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)のうちの第1のサブセットを覆い、前記複数の保護フィルム部分のうちの第2の保護フィルム部分が、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)のうちの分離した第2のサブセットを覆う、請求項11に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記キャリア構造体(120)が、前記顔表面(220)の経路に従う分岐接続リブを有するネット構造の形状に構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項14】
前記分岐接続リブが、前記複数の電極のうちの1つの電極の電極直径の最大で3倍に対応するリブ幅を有する、請求項13に記載の装置(100)。
【請求項15】
前記分岐接続リブの接続リブ(124
2)が、前記キャリア構造体(120)が前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に固定されるように構成された湾曲した末端部を含むように、一端で湾曲しており、前記接続リブが、前記ユーザ(210)の前記耳(230)の上方の前記顔から前記湾曲した末端部まで延在するように構成され、前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が前記湾曲した末端部に配置される、請求項13または14に記載の装置(100)。
【請求項16】
前記キャリア構造体(120)の形状が、前記複数の電極を前記顔表面(220)上の対応する複数の位置に位置決めするように構成され、前記複数の位置が、前記ユーザ(210)の所定の頭部領域からの信号をマッピングするための前記電気信号の少なくとも1つの線形結合のための前記顔表面(220)上の前記電気信号の検出のために構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項17】
前記装置(100)が、前記複数の電極によって測定された前記電気信号に基づいて出力信号を提供するように構成された信号出力部(160)を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項18】
前記装置(100)が、前記信号出力部(160)から前記測定された電気信号を受信するように構成された信号増幅器(150)を含み、
前記装置(100)が、前記ユーザ(210)の後頭部、腕、肩、胸、または首に前記信号増幅器の位置を規定する締結手段を含む、請求項17に記載の装置(100)。
【請求項19】
前記締結手段が、前記信号増幅器(150)、乳様突起(280)の骨突起の下方かつ、2つの筋肉すなわち胸鎖乳突筋(282)と僧帽筋(284)との間で前記ユーザ(210)の前記首に固定するように構成されたカラーまたはスカーフである、請求項18に記載の装置(100)。
【請求項20】
前記キャリア構造体(120)が、キャリア材料としてポリウレタン材料、ポリマー材料、および/またはシリコーン材料を含み、
前記キャリア材料が弾性または伸縮性であり、
前記電極が導電性トレースに接続され、
前記導電性トレースが、前記キャリア構造体(120)の延伸時に対応して伸長するために、前記キャリア構造体(120)の上または中に吊り下げられた経路を有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項21】
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)の2つの電極間の距離を最大10%だけ延伸させるように構成される、請求項20に記載の装置(100)。
【請求項22】
前記キャリア構造体(120)がキャリア材料としてポリウレタンフォームを含み、
前記キャリア材料が弾性または伸縮性であり、
前記電極がケーブルに接続され、
前記ケーブルが、前記電極配置(110)とは反対側の前記キャリア構造体(120)の表面に沿って、前記キャリア構造体(120)の前記ケーブルへの伸張の力伝達を制限する隙間を有して案内される、請求項1から19のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項23】
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)の2つの電極間の距離を最大20%だけ延伸させるように構成される、請求項22に記載の装置(100)。
【請求項24】
前記キャリア構造体(120)が、前記弾性または伸縮性キャリア材料により様々な頭囲に適合され、前記様々な頭囲が互いに最大5cm異なる、請求項20から23のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項25】
前記弾性または伸縮性キャリア材料により、前記キャリア構造体(120)が、50cm~55cm、または55cm~60cm、または60cm~65cmの範囲の頭囲を有する前記ユーザ(210)の前記頭部(200)の前記顔表面(220)上に前記電極配置(110)の前記少なくとも一部を位置決めするように適合される、請求項20から23のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項26】
前記電極配置(110)とは反対側において、前記キャリア構造体(120)が、前記キャリア構造体(120)を少なくとも局所的に補強するように構成された取り外し可能な補剛要素(122)を含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項27】
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの電極が配置される位置に粘着材料を有する少なくとも1つの延長部(130)を含む、請求項1から26のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項28】
前記複数の電極が、
前記測定された電気信号のインピーダンス変換を実行し、および/または
前記測定された電気信号を増幅する、
ように構成された回路を含む能動電極を含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項29】
請求項1から28のいずれか一項に記載の装置(100)と、
前記複数の電極によって測定された前記電気信号を評価するように構成された評価装置(510)と、
を含む、システム(500)。
【請求項30】
前記評価装置(510)が、前記電気信号に基づいて、
前記ユーザ(210)の睡眠アーキテクチャに関する情報(520)を提供する、または
前記ユーザ(210)のてんかん行動に関する情報(520)を提供する、または
前記ユーザ(210)の神経障害を示す(520)、または
認知心理学的情報(520)を提供する、ように構成される、請求項29に記載のシステム(500)。
【請求項31】
補聴器(530)を含み、
前記評価装置(510)が、前記電気信号に基づいて前記補聴器(530)を制御するように構成される、
請求項29に記載のシステム(500)。
【請求項32】
前記評価装置(510)が、前記補聴器(530)のビームフォーマを制御するために、前記装置(100)によって測定された前記信号を前記補聴器(530)によって記録されたオーディオ信号のエンベロープと相関させるように構成される、請求項31に記載のシステム(500)。
【請求項33】
前記評価装置(510)が、前記ユーザ(210)の信号に応答して前記補聴器(530)を制御するために、所定の信号特性について前記装置(100)によって測定された前記信号を評価するように構成される、請求項31または32に記載のシステム(500)。
【請求項34】
請求項1から28のいずれか一項に記載の装置(100)を製造するための方法(600)であって、
キャリア構造体(120)を提供するステップ(610)であって、前記キャリア構造体(120)が前記装置(100)のユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)に適合され、前記キャリア構造体(120)が、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更し、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合させるために、前記ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能である、ステップ(610)と、
前記キャリア構造体(120)上に電極配置(110)を固定するステップ(620)と、を含み、
前記電極配置(110)が、前記装置(100)のユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上の電気信号を測定するための複数の電極を含み、前記複数の電極の前記電極が湿式電極であり、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および/または前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、方法(600)。
【請求項35】
前記電極配置(110)の電極に電解質ゲルを塗布するステップ(630)を含む、請求項34に記載の方法(600)。
【請求項36】
請求項1から28のいずれか一項に記載の装置(100)を使用するための方法(400)であって、
ユーザ自身または別の人によって前記装置(100)を前記ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上に装着するステップ(410)と、
前記複数の電極によって測定された前記電気信号によって前記ユーザ(210)を監視するステップ(420)と、を含む、方法(400)。
【請求項37】
前記測定された電気信号に基づいて、
前記ユーザ(210)の睡眠行動が監視される、または
前記ユーザ(210)のてんかん行動が監視される、または
前記ユーザ(210)の神経障害が監視される、または
認知心理学的行動が監視される、請求項36に記載の方法(400)。
【請求項38】
前記装置(100)を前記ユーザ(210)の前記頭部(200)の前記顔表面(220)に装着する前記ステップが、
上頬骨を触って、前記上頬骨上に第1の電極を固定するステップと、
前記ユーザ(210)の耳(230)の耳珠の前に第2の電極を固定するステップと、
眉毛の線の1~3cm上方の領域で、鼻根点の垂直上方の額に第3の電極を固定するステップと、
前記耳(230)の後方に第4の電極を固定するステップと、を含む、請求項36または37に記載の方法(400)。
【請求項39】
装置(100)であって、
前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)が、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更し、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合させるために、前記ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能であり、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項40】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、前記キャリア構造体が、前記電極配置の個々の前記電極間で前記ユーザの前記顔表面と平面接触するように構成され、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成され、
前記電極が導電性トレースに接続され、前記導電性トレースが、前記キャリア構造体(120)の延伸時に対応して伸長するために、前記キャリア構造体(120)の上または中に吊り下げられた経路を含む、または
前記電極がケーブルに接続され、前記ケーブルが、前記電極配置(110)とは反対側の前記キャリア構造体(120)の表面に沿って、前記キャリア構造体(120)の前記ケーブルへの伸張の力伝達を制限する隙間を有して案内される、装置(100)。
【請求項41】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)が、ポリウレタンフィルム材料のキャリア基材と、前記キャリア基材上に取り外し可能に配置された補剛要素(122)と、を含み、
前記補剛要素(122)が取り外し可能に前記キャリア基材上に配置された前記キャリア構造体(120)が、許容範囲内で形状安定であるように形成され、前記補剛要素(122)が取り外し可能に前記キャリア基材上に配置されていない前記キャリア構造体(120)が、形状不安定であるように形成され、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項42】
前記キャリア基材が、形状不安定であるように取り外し可能に前記キャリア基材上に配置された前記補剛要素(122)なしに前記キャリア構造体(120)を形成するために、互いに直交する2つの横方向に沿って同時に前記キャリア構造体(120)の厚さ方向に変形可能である、および/または
前記キャリア基材が、取り外し可能に前記キャリア基材上に配置された前記補剛要素(122)なしでは形状不安定であるように前記キャリア構造体(120)を形成するために、それ自体で複数回ねじられ得る、
請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記キャリア基材が、0.1mm~1mmの範囲の曲げ半径で、互いに直交する前記2つの横方向に沿って同時に前記厚さ方向に変形可能である、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記キャリア基材が0.5mmの最大厚さを有する、請求項41から43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)がキャリア材料としてポリウレタンフォームを含み、
前記キャリア構造体(120)が、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合するために、ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能であり、前記ユーザ(210)によって加えられる力の下で、前記キャリア構造体(120)が、それ自体で複数回ねじられるように、および/または互いに直交する2つの横方向に沿って同時に前記キャリア構造体(120)の厚さ方向に変形されるように構成され、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項46】
前記キャリア構造体(120)が、0.1mm~1mmの範囲の曲げ半径で、互いに直交する前記2つの横方向に沿って同時に前記厚さ方向に変形されるように構成される、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記キャリア構造体が、前記厚さ方向に0.5mm~2mmの範囲の厚さを有する、請求項45または46に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による実施形態は、電極配置を有する装置、装置を有し、かつ評価装置を有するシステム、および装置の製造方法、ならびに装置の使用方法に関する。電極配置は、例えば、ヒトの頭部の電気信号を測定するように構成される。
本発明による実施形態は、とりわけ、ヒト上の生体電位の非侵襲的長期測定のための自己装着可能な電極グリッド構成、すなわち電極配置を有するキャリア構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
特に脳波図(EEG)、眼電図(EOG)、心電図(ECGまたはEKG)、および筋電図(EMG)を用いて電気生理学的信号を収集するために、脳および筋細胞によって生成される電気活性を測定するために、ゲルを使用して(湿式電極)またはゲルなしで(乾式電極)電極をヒトの皮膚と接触させる。十分に高い信号品質と組み合わせた電極、特に頭部のEEG電極の装着は、特に湿式電極の場合に複雑であり、したがって素人による自己装着には適していない。乾式電極は、高い移行インピーダンスを有し、頭皮への圧力が知覚異常および頭痛を引き起こす可能性があるため、EEG測定にはあまり適していない。EKGの分野では、いわゆる固体ゲル電極が湿式電極として利用可能であり、単一電極としての粘着包帯のように皮膚に容易に固定することができる。電解質効果に加えて、適度に粘性のゲルレンズは粘着特性も有し、その結果、電極は、ゲルが塗布された湿式電極または乾式電極の場合よりも良好に皮膚に粘着する。EEGおよびEOGを検出するために、頭部/顔の位置(信号源として目の近く、またはむしろ脳の近く)が使用されるべきであり、脳活動および眼球運動の特定の信号を記録できるようにするために、位置は数cmの許容範囲内で満たされるべきである。
睡眠ポリグラフ法(PSG)は、睡眠相を検出するための診断標準方法である。ここで、様々な生体信号は、睡眠中、通常は睡眠検査室で一晩、継続的に記録される。これには、EEG、EOG、EMG、EKG、呼吸流量、呼吸努力、酸素飽和度、体位、およびビデオデータの収集が含まれる。通常、脳波、EOG、EMGを採取するための電極位置としては、
図14に示すような位置が用いられる。構成の小さな逸脱が可能である。したがって、
図14は、ポリソムノグラフィにおける従来の電極配置を示す。
【0003】
EOG_RおよびEOG_Lは眼球運動を検出する。REFとGNDに関する電位差が特定される差動(差分)増幅器でEEGを測定するためには、GNDとREFが必要である。F4、F3、C4、C3、O1、O2は、EEGの文脈において一般的な10-20システムに従うEEG電極の位置であり、1つの後頭部、1つの中央部、および1つの前頭部の位置がそれぞれ睡眠相を決定するために必要であり、測定中にそれぞれ1つの代替位置によって補足される。M1およびM2は、乳様突起への古典的な再参照に使用される。顎(EMG1、EMG_REF、EMG2)上の電極は、筋運動または筋緊張を検出するために必要である。電極F4、F3、C4、C3、O1、O2の信号は、組み合わせて使用され、睡眠相を決定するためのいわゆるEEGチャネルとしてREFおよびGNDに関連する。すべての電極の配置は非常に時間がかかり、訓練された人員にとってのみ可能である。
【0004】
病院および研究室の外部でのEEGモニタリングでは、この場合、人々は自分で電極を装着するが、今日まで、固定電極構成には乾式電極システムのみが利用可能である。睡眠監視の分野では、乾式電極の解決策が存在するが、これは、本明細書で提案される形態(例えば、https://dreem.com/,22.7.2021[Arnal,P.J.,Thorey,V.,Ballard,M.E.,Hernandez,A.B.,Guillot,A.,Jourde,H.,&Sauvet,F.(2019);「The Dreem headband as an alternative to polysomnography for EEG signal acquisition and sleep staging.」;BioRxiv,662734]またはhttps://www.philips.de/c-e/hs/sleep-solutions/smartsleep-advocacy,22.7.2021を参照されたい)のEOGまたはEMGをマッピングしない。高信号品質の湿式電極は、現在、訓練された人員のみによって取り付けられており、訓練されていない人員のみによって取り付けられているのではない。さらに、湿った状態に保たれるべきスポンジを使用するヘルメット/ヘッドフォンの解決策がある。
【0005】
以下のように、市販されている印刷電極システムがある。
(1)cEEGrid
これらの電極では、測定の直前にゲルを塗布するが、これには熟練者が必要であるため、グリッドを自分で塗布することはできない。印刷電極のキャリア材料は、一方向にのみ可撓性であるため、3次元形状(例えば、頭部における骨の突出)にうまく適合しない。これは鋭い縁部を有し、耳領域の着用快適性を損なう可能性がある。
(https://tmsi.wiljekoffie.dev/product/ceegrid(21.7.2021)、
Debener,S.,Emkes,R.,De Vos,M.&Bleichner,M.;「Unobtrusive ambulatory EEG using a smartphone and flexible printed electrodes around the ear.」;Sci.Rep.5,16743(2015)、および
Bleichner,M.G.&Debener,S.;「Concealed,unobtrusive ear-centered EEG acquisition:cEEGrids for transparent EEG.」;Front Hum Neurosci.11,(2017)を参照されたい)
【0006】
(2)xTrodes
これらは乾式電極であり、グリッドを自分で装着できるかどうか、またはどの程度装着できるかは不明である。
(https://xtrodes.com/、WO 2017/090050 A1、および「Home monitoring of sleep with a temporary-tattoo EEG,EOG and EMG electrode array:a feasibility study.」by Shustak,S.,Inzelberg,L.,Steinberg,S.,Rand,D.,Pur,M.D.,Hillel,I.,...&Hanein,Y.(2019),Journal of neural engineering,16(2),026024を参照されたい)
【0007】
(3)Bittium
電極システムは、医療救急医療における用途のために設計された製品であり、したがって、人がそれ自体を装着することを考慮して設計された製品ではない。しかしながら、下記特許文献では、睡眠モニタリングなどのさらなる用途が挙げられている。しかしながら、グリッドがユーザ自身によって装着可能であるという言及はない。例えば訓練された看護師などの別の人が関与する。
(https://shop.bittium.com/product/28/bittium-brainstatus-eeg-electrode-10pcs(21.7.2021)および米国特許出願公開第2015238106号明細書を参照されたい)
刊行物[V.Toral et al.,「Cost-Effective Printed Electrodes Based on Emerging Materials Applied to Biosignal Acquisition,」in IEEE Access,vol.8,pp.127789-127800,2020,doi:10.1109/ACCESS.2020.3008945]は、特にEKG、EMG、およびEOGの装着のための、印刷電極システムを製造するための異なる材料を用いた手順を紹介している。
これを考慮すると、自己装着可能な電極配置、および取り扱いの容易さ、ユーザの頭部上の電極の高い位置精度、ユーザの頭部上の電極配置の良好な粘着特性、高い信号品質、および数時間にわたる良好な着用快適性の間のより良好な折衷を可能にする概念が必要とされている。
この目的は、独立特許請求項によって達成される。
本発明による開発は、従属請求項に規定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、電極配置の自律的な装着から生じる問題が、今日まで、電極がユーザ自身によって簡単かつ効率的な方法で正しく位置決めされ得ないという事実に起因することを見出した。第1の態様によれば、この困難は、電極配置の個々の電極を互いに接続するキャリア構造体が電極配置に設けられるという点で克服される。キャリア構造体により、電極間の距離および/または電極の互いに対する位置が予め規定される。キャリア構造体は、例えばマトリックスに及び、その上に電極配置の電極が所定の位置に配置される。それにより、キャリア構造体が案内を提供するので、ユーザ自身による電極の簡単で効率的で正確な位置決めが可能になる。キャリア構造体をユーザの頭部または顔に取り付けることにより、キャリア構造体上の所定の位置に配置された電極は、ユーザの頭部および/または顔に、許容範囲内で自動的に正確に位置決めされる。電極配置の電極を互いに接続するキャリア構造体の特別な設計に起因して、より大きい着用快適性および良好な管理性が達成される。装置は、個々の電極の配置と比較した場合に特に有利であり、これは、本明細書に提示された装置よりも設置に関する労力が大きく、電極の構成の再現性の安全性が低いためである。提案された解決策は、特に、これを改善し、特に人自身による電極のより迅速かつ簡単な設置を可能にすることを意図しており、その結果、さらなる(訓練された)人が存在する必要はない。
【0009】
さらに、本発明者らは、ユーザがキャリア構造体に力を加えるか否かに依存する可撓性をキャリア構造体が有すると有利であることを見出した。この異なる柔軟性は、異なるユーザの顔構造上の電極の単純で効率的で正確な位置決めを適合させることを可能にする。
したがって、ユーザによって力が加えられていないとき、キャリア構造体は、重力の影響下で、まったく屈曲しないか、かろうじてしか屈曲しないか、またはまったく重力に屈しないか、かろうじてしか重力に屈しないように、寸法的に安定であるか、形状が安定であるか、または剛性であるべきである。形状安定性は、例えば、キャリア構造体が、例えばポリウレタンフォーム材料などの材料と、例えば0.5mm~2mmの範囲内の特定の厚さとを有するという点で達成され得る。あるいは、キャリア構造体は、キャリア構造体の形状を安定させるように構成された解放可能な補剛要素を有することができる。その点に関して、キャリア構造体は、ユーザによってキャリア構造体を装着するプロセスのために、例えば解放可能な補剛要素によって補強されてもよい。以下では、これをまとめてキャリア構造体と呼ぶ。キャリア構造体は、例えば、10cmの長さで、重力に垂直な平面内に配向されたときに重力方向に最大15cm、10cm、8cm、または6cmだけ屈曲するマトリックスに及ぶ。したがって、キャリア構造体は、重力に関して高い剛性および/または低い弾性を有する。これは、剛性に起因して、ユーザは、構造が崩壊することなく、簡単かつ効率的な方法でキャリア構造体を頭および/または顔に配置することができ、これにより、貼付が複雑になるという考えに基づいている。重力に垂直に作用するキャリア構造体に重力が作用する状態でのキャリア構造体の形状および/または電極の互いに対する相対的な配置は、キャリア構造体に作用する0ニュートンの力(力平衡状態でのキャリア構造体の形状および/または電極の相対的な配置)でのキャリア構造体の形状および/または電極の互いに対する相対的な配置から、最大2cmまたは最大3cmずれる。しかしながら、キャリア構造体が重力に平行に配向されている場合、ずれは最大2cmまたは最大1cmになる。キャリア構造体のこの形状安定性は、装置がユーザの頭部表面、すなわちユーザの顔表面およびユーザの片耳の後方に固定されていない限り、特に関連する。
【0010】
しかしながら、ユーザによって加えられる外力の下では、キャリア構造体は、ユーザの顔の構造に応じてキャリア構造体を適合させることができるように、変形可能および/または展性でなければならず、その結果、例えば骨構造によって形成される凹凸が平面的に粘着され、良好な粘着が可能になる。さらに、第1のユーザの顔上の第1の電極のそのような電極位置は、第2のユーザの顔上の第1の電極の電極位置と本質的に位置合わせされ得る。これにより、ユーザの様々な頭囲にもかかわらず、各ユーザが1cmまでまたは2cmまでの許容範囲内で所定の位置で電極を顔に取り付けることができることが保証される。キャリア構造体は、例えば、材料の種類に応じて、例えば少なくとも2%~、例えば最大10%~20%の範囲の変形が可能であるように形成される。これは、キャリア構造体がユーザの顔および/または頭部上での位置決めを支援し、キャリア構造体が、変形可能性が限られているためにユーザの顔および/または頭部上の電極の位置を規定し、キャリア構造体の形状をユーザが特定の顔の構造に最小限だけ適合させることができるという考えに基づいている。したがって、キャリア構造体は、例えば、キャリア構造体上の電極の所定の位置がユーザの頭部および/または顔の所定の点と一致するように、ユーザの頭部解剖学的構造および/または顔の解剖学的構造に適合可能であるように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明の第1の態様による装置は、キャリア構造体と、ユーザの頭部の顔表面上の電気信号を測定し、任意選択的にさらにユーザの耳の後方の電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置とを含む。キャリア構造体は、少なくとも部分的に、電極の互いに対する相対位置を規定する。キャリア構造体は、隣接して配置された電極、すなわちキャリア構造体のリブを介して接続された2つの電極間の距離を変更するために、および/または顔および/または頭部構造(例えば、領域包括的に、すなわち、それぞれの表面上に平坦に位置する)に適合するために、ユーザによって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、ユーザによって加えられる外力下で変形可能である。隣接して配置された2つの電極間の距離は、例えば、2つの電極を接続するキャリア構造体のリブを伸張、圧縮、またはねじることによって適合可能である。キャリア構造体の変形可能性に起因して、ユーザは、例えば、キャリア構造体を顔表面および/または頭部表面上の湾曲した部分に適合させることができることが特に有利である。これにより、キャリア構造体をそれぞれの表面上に平らに固定することができ、それによって、例えば、キャリア構造体と顔および/または顔表面との間の強固な粘着結合が保証される。換言すれば、キャリア構造体は、ユーザによって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定性であり、ユーザによって加えられる外力の下で変形可能であってもよく、それによって、キャリア構造体は、その全領域が顔表面および/または頭部表面上に置かれるように、領域を包括的に顔および/または頭部構造に適合させる。電極配置の個々の電極間で、例えば、キャリア構造体は、それぞれの表面と接触して、例えば平面である。キャリア構造体は、電極配置の少なくとも一部を顔表面に位置決めし、任意選択的にキャリア構造体のさらなる部分をユーザの耳の後方に配置するように形成される。
【0012】
一実施形態によれば、電極配置は、例えば固体ゲル電極などの湿式電極を含む。したがって、複数の電極のうちの電極は、湿式電極である。言い換えれば、電極配置は、好ましくは、複数の湿式電極を含む。湿式電極は、高粘性導電性ゲルが皮膚により良好に浸透し、したがってインピーダンスを低下させるので、乾式電極よりも高い信号品質を提供する。湿式電極を使用する場合、ゲル、例えば導電性ゲルまたは固体ゲルは、例えば導電性ゲルレンズまたは固体ゲルレンズとして既に予め塗布されている。予め塗布された導電性ゲルまたは固体ゲルは、例えば、保護フィルムなどの除去可能な保護要素によって保護される。ゲルの事前塗布により、ユーザはそれ自体を装着する必要がなく、ユーザによる装置の装着が容易になる。さらに、本発明者らは、湿式電極を使用することにより、電極と皮膚とを接続するために圧力を加える必要がないため、乾式電極と比較して着用快適性を改善することができ、著しく低い電極重量が達成されることを見出した。乾式電極を使用する場合、これらは、250から50kOhmの範囲のインピーダンスを有する信号を測定できるようにするために、少なくとも1Nから4N(1ニュートンから4ニュートン)以上の力で皮膚に押し付けられなければならない。しかしながら、湿式電極では、それぞれの電極と皮膚との間の接続は、電解質ゲル、例えば固体ゲルによって達成され、それにより、力なしでまたはわずかな力のみで電極を皮膚上に押圧するようにキャリア構造体を形成することができる。これは、最大0.2Nの力が、50kOhm未満のインピーダンスを有する信号を記録するのに十分であることを意味する。この小さな力は、例えば、電極配置を有するキャリア構造体をユーザの顔表面に貼り付けることによって既に達成されてもよい。したがって、湿式電極は、乾式電極よりも良好な信号雑音比で信号を記録することを可能にする。さらなる有利な実施形態では、複数の電極のうちの1つの電極の電極表面は、複数の電極を顔および頭部に配置することさえできるように、1cm未満の直径を有するべきである。これは、数時間、一晩または複数日にわたる長期装着に有利である。
【0013】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、ヒトの顔形状として顔表面に追従し、複数の電極は、キャリア構造体上に配置される。キャリア構造体は、例えば、キャリア構造体が特有の顔の線に従う行列にまたがるという意味で、顔表面に従う。特徴的な顔の線は、例えば、眉毛、頬骨(すなわち、頬骨)、耳の後方の丸みおよび下顎骨である。キャリア構造体は、例えば、キャリア構造体がユーザの眉毛の形状に追従し、ユーザの耳の後方の耳の形状に追従するマトリックスにまたがるという意味で、顔表面に追従する。キャリア構造体は、例えば、ユーザの顔表面上の特徴点に複数の電極を位置決めするように構成される。頬骨上部、耳の耳珠の前の点、鼻根点の真上の額上の点、耳の後方の顎および/または乳様突起は、例えば特徴点である。複数の電極のうちの第1の電極に割り当てられた第1の電極位置は、例えば、顔表面上の第1の特徴点の位置に対応し、複数の電極のうちの第2の電極に割り当てられた第2の電極位置は、例えば、顔表面上の第2の特徴点の位置に対応し、複数の電極のうちの第3の電極に割り当てられた第3の電極位置は、例えば、キャリア構造体によって決定された許容範囲内の所定の位置における、顔表面上の第1の電極位置および第2の電極位置からの結果に対応する。第1の電極位置および第2の電極位置は、例えば、複数の電極のうちのさらなる電極を位置決めするための基準位置を表す。許容範囲は、例えば上述したように、ユーザが力を加えたときのキャリア構造体の変形可能性から生じる。ユーザによる変形可能性により、第3の電極の顔表面上の位置の周りの最大2cmまたは最大1cmの許容範囲が達成される。キャリア構造体は、例えば、ユーザの頭部表面、すなわち顔表面および/または耳の後方の対応する複数の所定の位置、例えば特徴点に複数の電極を位置決めするように構成される。許容範囲は、例えば、頭部表面上のそれぞれの電極の所定の位置の周りの最大2cmまたは最大1cmの面積を規定する。許容範囲は、例えば、キャリア構造体が電極配置の電極を様々な頭部上に、例えば様々な頭囲で、特徴点上にどのように位置決めするかの再現性、および/またはこれらの特徴点に当たる精度を示す。電極配置は、さらに正確に位置決めされる必要はない。この許容範囲内で、高い信号品質が達成される。キャリア構造体は、例えば、接続リブを介して第3の電極を第1および第2の電極に接続するように構成され、接続リブの形状および/または長さは、第1および第2の電極位置に依存する。任意選択的に、接続リブの形状および/または長さは、面形状にさらに依存する。したがって、キャリア構造体の形状は、接続リブがユーザの目、耳、鼻、または口を通過しないことを考慮に入れる。特別に成形されたキャリア構造体およびキャリア構造体上の複数の電極の特別な配置は、高い着用快適性および高い精度でユーザの顔に電極を配置する能力を可能にする。位置決めの精度に起因して、頭部上の位置の高い信号品質は、特に装着事例のために定義される。
【0014】
一実施形態によれば、顔表面の第1の特徴点は、上頬骨に対応し、第2の特徴点は、ユーザの耳の耳珠の前の位置に対応する。第3の電極などのさらなる電極を位置決めするための基準位置としてこれらの2つの点を選択することは、これらの2つの点が顔表面上で触りやすく、したがってユーザによって正確に配置され得ることに基づく。本発明者らは、これらの2点によって、電極配置を有するキャリア構造体がユーザの顔表面上に非常に正確に配向され得ることを認識した。基準位置(すなわち、第1の電極位置および第2の電極位置)はユーザの顔の特徴点に対応するので、例えば、キャリア構造体の形状に起因してキャリア構造体上の基準点に対して配置された複数の電極の電極は、顔表面上の所定の位置に容易に位置決めされ得る。複数の電極の残りの電極(例えば、第4の電極から第nの電極であって、複数の電極がn個の電極を含む、第nの電極)は、例えば、第1の電極および第2の電極に対してキャリア構造体上に配置される。これにより、電極配置は、ユーザによって簡単かつ効率的な方法でユーザの顔表面に正確に固定することができ、それによって高い信号品質が達成される。
【0015】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、一方の側の第1の電極位置および/または第2の電極位置を他方の側の第3の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(例えば、第1の接続リブ)を含み、第3の電極位置は、キャリア構造体によって決定される1~2cmの許容範囲内で、ユーザの鼻根点の垂直上方の眉毛の線から1cm~3cmの領域内の顔表面の額の位置に一致する。したがって、第3の電極位置は、ユーザの鼻根点の垂直上方の、眉毛の線から1cm~3cmの領域内の位置に対応すべきである。しかしながら、本発明者らは、第3の電極位置が領域に対して垂直に両側で1~2cmの許容範囲内に位置する場合にも同様に高い信号品質が達成され得ることを認識した。許容範囲は、鼻根点の垂直上方の領域に垂直におよび/または鼻根点に対する鼻の先端部の延長線に対して垂直に延在し、例えば1cmまたは最大2cmである。第3の電極位置が、ユーザの鼻根点の垂直上方で、眉毛の線の2cm上方に配置される場合、最適な信号品質が達成される。キャリア構造体の接続リブにより、第3の電極位置が規定され、それにより、ユーザは、第3の電極を顔表面に非常に正確に取り付けることができる。そうすることで、接続リブは、特定の許容範囲を可能にするように設計されるが、同時に、ユーザが電極を顔表面の所定の領域の外側に貼り付けることを回避する。これは、キャリア構造体の接続リブが、第3の電極を使用して測定された電気信号について具体的に定義された位置からの良好な信号品質が達成されるように第3の電極が顔表面上に配置されることを保証するので、ユーザが電極配置の第3の電極を容易に取り付けることができることを保証する。
【0016】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、一方の側の第1の電極位置および/または第2の電極位置を、他方の側の複数の電極のうちの第4の電極に割り当てられた第4の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(例えば、第3の接続リブ)を含み、第4の電極位置は、キャリア構造体によって決定された許容範囲内で、例えばユーザの乳様突起などの所定の位置などの耳の後方の位置に一致する。許容範囲は、例えば、耳の後方の所定のおよび/または所定の位置の周りの最大1cmまたは最大2cmの領域を定義する。任意選択的に、複数の電極のさらなる電極、例えば第6、第7、第8、および第9の電極は、接続リブ上に配置される。さらなる電極の位置は、キャリア構造体によって決定された許容範囲内でユーザの耳の後方の対応する数の位置と一致する。第6、第7、第8、および第9の電極は、例えば、第4の電極位置に対して接続リブ上に配置される。接続リブの形状および/または長さは、例えば、第1および第2の電極位置に依存する。接続リブは、例えば、第1および/または第2の電極位置に対して第4の電極位置を規定するように設計される。接続リブは、例えば、ユーザの耳の上のユーザの顔から耳の後方に通じ、耳の後方では、接続リブは耳の形状に従う。任意選択的に、第3の接続リブおよび第1の接続リブは、共通のセグメントを含む。共通セグメントは、例えば、第1の接続リブおよび第3の接続リブに分岐する。分岐点には、例えば、複数の電極のうちのさらなる電極が配置される。
【0017】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、一方の側の第1の電極位置および/または第2の電極位置を、他方の側の複数の電極のうちの第5の電極に割り当てられた第5の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(例えば、第2の接続リブ)を含み、第5の電極位置は、キャリア構造体によって決定された許容範囲内で、ユーザの顔表面の顎部上の位置、例えば所定の位置と一致する。許容範囲は、例えば、顎の所定のおよび/または所定の位置の周りの最大1cmまたは最大2cmの領域を定義する。接続リブは、第5の電極位置をユーザの顔構造に適合させることができるようにユーザによって変形されるように設計され、第5の電極位置がユーザの顎の周りの許容範囲内の位置に対応することが保証される。接続リブの形状および/または長さは、例えば、第1および第2の電極位置に依存する。接続リブは、例えば、第1および/または第2の電極位置に対して第5の電極位置を規定するように設計される。
一実施形態によれば、キャリア構造体は、複数の電極およびキャリア構造体を顔表面に固定するための粘着材料を含む。任意選択的に、粘着材料は、除去可能な保護フィルムによって覆われる。一実施形態によれば、複数の電極は、複数の電極およびキャリア構造体を顔表面に固定するための粘着性電解質ゲルをさらに含む。粘着性電解質ゲルは、少なくともいくつかの領域において、除去可能な保護フィルムによって覆われている。粘着性電解質ゲルおよび粘着材料を有する電極は、例えば、共通の除去可能な保護フィルムまたは別個の保護フィルムを含むことができる。粘着性電解質ゲルを有する電極は、いわゆる湿式電極である。粘着材料は、例えば、電極配置が配置されるキャリア構造体の側にも配置される。
【0018】
一実施形態によれば、粘着材料および場合によりさらに粘着性電解質ゲルを覆う保護フィルムは、互いに独立してキャリア構造体および複数の電極から除去することができる複数の粘着フィルム部分を含む。これにより、後の時点で装着されるキャリア構造体の部分が互いにくっつくことが回避されるので、ユーザは、キャリア構造体および電極配置の個々の部分を簡単かつ効率的な方法でそれらの顔に次々に貼り付けることができる。任意選択的に、複数の保護フィルム部分のうちの第1の保護フィルム部分は、複数の電極およびキャリア構造体の第1のサブセットを覆い、複数の保護フィルム部分のうちの第2の保護フィルム部分は、複数の電極およびキャリア構造体の分離した第2のサブセットを覆う。第1の保護フィルム部分は、例えば、キャリア構造体の第1のセクションを覆い、第1のセクションと第2のセクションは重ならない。複数の電極の第1のサブセットは、例えばキャリア構造体の第1のセクションに配置され、複数の電極の第2のサブセットは、例えばキャリア構造体の第2のセクションに配置される。任意選択的に、キャリア構造体の特定のサブセットはまた、例えば耳の後方の経路に対して粘着性でないように設計されてもよい。したがって、例えば、電極配置が配置されている側に位置するキャリア構造体の領域は、粘着材料を含まなくてもよい。
一実施形態によれば、キャリア構造体は、ネット構造、例えばマトリックスの形状に形成され、顔表面の経路に従う分岐接続リブを有する。分岐接続リブは、例えば、ヒトの顔の形状の特徴的な線および/または形状に追従する。分岐接続リブは、例えば、接続リブがユーザの眉毛の形状、例えば、眉毛に沿って、頬骨に沿って、および目の周りに追従し、ユーザの耳の後方の耳の形状に追従するという意味で、例えば、顔表面の経路に追従する。任意選択的に、接続リブはさらに、下顎骨に沿ってユーザの顎に向かって延びてもよい。接続リブが顔表面の経路を辿り、力によって変形可能であるという事実は、ユーザにとって高い着用快適性をもたらす。
【0019】
一実施形態によれば、分岐接続リブは、複数の電極のうちの電極の電極直径の最大1.5倍、2倍、または3倍に対応するリブ幅を有する。接続リブの狭い設計により、顔表面のごく一部のみがキャリア構造体と接触するので、着用快適性がさらに向上する。着用快適性が向上するため、装置は、より長い期間、例えば一晩、ユーザに使用され得る。さらに、本発明者らは、狭い接続リブがユーザ依存の顔形状への適合を容易にすることを認識した。
一実施形態によれば、分岐接続リブのうちの1つの接続リブは、キャリア構造体がユーザの耳の後方に取り付けられるように形成された湾曲した末端部を有するように湾曲端部を有し、接続リブは、ユーザの耳の上の顔から湾曲した末端部まで延在するように形成される。複数の電極のうちの少なくとも1つの電極は、湾曲した末端部に配置される。本発明者らは、正しい向きを容易にするために、例えば装着中に、接続リブが耳の上底に配置されるように形成されるので、耳の上方の接続片の経路が、ユーザの顔表面上への装置の自律的な固定を容易にすることを認識した。装置は、接続リブによって耳に支持され、これにより、ユーザの耳に向かう接続リブを手で支持する必要がないため、残りの分岐接続リブの効率的な配置および顔表面への固定が可能になる。湾曲した末端部は、ユーザが耳の後方にそれを引っ掛けることができ、したがって、ユーザの顔表面に自律的に固定する際に装置を安定させ、および/または顔表面上の正しい目標位置に少なくとも部分的に装置を既に配向するという考えに基づいている。したがって、接続リブは、ユーザによる装置の自律的な固定を可能にし、装着の時間消費を低減する。
耳の上を通る接続リブの領域では、例えば、粘着材料が塗布されないか、またはその領域で塗布された粘着材料を覆う除去不能な保護フィルムが配置される。これにより、装置が毛髪と結合することが防止され、それによって着用快適性が最適化される。本発明者らは、接続リブを耳の上底にしっかりと配置することができ、それによってユーザの顔表面への装置の自律的な固定が容易になることを認識した。
【0020】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、ユーザの耳の上を通るように形成された耳部を有する。言い換えると、キャリア構造体の一部は、ユーザの耳の上を通る。耳の上を通るこの部分は、耳領域と考えることができる。本発明者らは、耳領域が、例えば、ユーザの耳の上底に配置されるように形成されるので、耳の上方のキャリア構造体の経路が、ユーザの顔表面への装置の自律的な固定を容易にすることを認識した。装置は、耳領域を介して耳に支持され、これにより、残りのキャリア構造体を顔表面に効率的に配置および固定することが可能になる。
一実施形態によれば、キャリア構造体の耳領域は、複数の電極のうちの第1の電極に割り当てられた少なくとも第1の電極位置および/または複数の電極のうちの第2の電極に割り当てられた第2の電極位置に由来して、複数の電極のうちの第4の電極に割り当てられた第4の電極位置を指定する接続リブの一部である。第4の電極位置は、ユーザの耳の後方の位置に対応する。任意選択的に、第4の電極は、複数の電極のための基準電極(REF)またはグランド電極を構成する。代替として、例えば、第4の電極は、基準電極(REF)を表すことができ、この電極に隣接して配置された電極、例えば電極1105は、接地電極(GND)を表すことができる。
【0021】
一実施形態によれば、キャリア構造体またはキャリア構造体の形状は、複数の電極を顔表面上の対応する複数の位置に位置決めするように構成される。キャリア構造体の特別な成形は、例えば、顔表面上のキャリア構造体上に配置された電極の位置を規定する。複数の位置は、少なくともユーザの所定の頭部領域からの信号をマッピングするための電気信号の線形結合のために、顔表面上の電気信号を検出するように構成される。キャリア構造体の形状、ならびに例えば、キャリア構造体上の電極配置の電極の位置決めは、異なる脳および筋肉領域などのユーザの異なる頭部領域からの電気信号の検出を可能にする。キャリア構造体上の電極の配置は、例えば、電極によって測定された電気信号の線形結合に基づいて、異なる脳領域[例えば、前頭前領域(すなわち、前頭葉の前部領域(Fp))、前頭領域(すなわち、前頭部または前頭葉(F))、こめかみ領域(例えば、側頭部(T))、頭頂部(P)、頭の後部領域(すなわち後頭部(O))、中央脳領域(すなわち、中央部(C))]の脳波図を導出し、眼電図(垂直、水平、対角)を導出し、および/または特に顎の領域の筋電図を導出するように設計される。キャリア構造体上に配置された電極がユーザの顔表面上の所定の位置に対応するようなキャリア構造体の形状に起因して、測定信号の線形結合はまた、電極が信号を直接測定しないユーザの頭部領域および/または脳および筋肉領域を導出することを可能にする。これにより、電極の数を最小限に抑えることができ、したがってコストを削減することができるが、顔領域のより少ない領域が装置によって覆われ、可能であれば無毛の皮膚領域のみが使用され、数が少ないことにより装置の重量がさらに減少するため、ユーザの着用快適性も向上する。最後に、心臓活動に関する情報も検出された信号から収集することができ、その結果、心電図(EKG)もまた、適切な信号分析を使用してデータから導出することができる。
【0022】
一実施形態によれば、装置は、複数の電極によって測定された電気信号に基づいて出力信号を提供するように構成された信号出力部を有する。信号出力部は、例えば電線を介して、装置の電極配置の電極に結合される。任意選択的に、装置は、信号出力部から測定された電気信号を受信するように構成された信号増幅器をさらに含む。装置は、例えば、ユーザの後頭部、腕、肩部、胸部、または首に信号増幅器の位置を規定する締結手段を含む。
一実施形態によれば、締結手段は、骨突起、乳様突起の下、および2つの筋肉、胸鎖乳突筋と僧帽筋との間で、信号増幅器をユーザの首に取り付けるように構成されたカラーまたはスカーフである。これは、信号増幅器のこの位置がユーザの高い着用快適性をもたらすという知識に基づいている。この位置では、装置を用いた睡眠も快適である。したがって、信号増幅器のこの位置決めは、長期間のスクリーニングを実行するために、数時間にわたって、例えば一晩にわたって、またはさらには数日間にわたって装置の使用を改善する。
【0023】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、キャリア材料としてポリウレタン材料(例えばポリウレタンフィルム材料)、ポリマー材料、および/またはシリコーン材料を含む。キャリア材料は、伸縮性または弾性であり、例えば、非剛性である。非剛性は、顔および頭部構造の任意の凹凸への平面適合を可能にする。構造(例えば、最大厚さが0.1mm、0.3mm、または0.5mm、例えば0.2mmのキャリア構造体)が、例えば0.5cmの直径および1cmの高さを有する半径方向高さ(本明細書では円筒と仮定される)上に配置される場合、キャリア材料は、それ自体の重量または最小限の力の印加(<1N)による重力に追従して、円形表面上および円筒の側面の4つの位置に同時に存在することができ、その側面上の2つの領域は互いに対向し、それぞれの対向する面の接続線は互いに垂直であり、キャリア構造体は損傷(引き裂きまたは破損)しない。ここで、構造は、円筒の側面に対する円表面の領域の90°の角に、最大1mmの密着半径で追従する。非剛性は、例えば、構造体が損傷を受けることなく互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時に構造体の厚さ方向に変形可能であること、および/または構造体が損傷を受けることなく複数回ねじられることができること、すなわち、厚さ方向に垂直な軸を中心に構造体を複数回ねじるために構造体にねじりモーメントが作用するときを意味すると理解され得る。
【0024】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、キャリア材料としてポリウレタン材料(例えばポリウレタンフィルム材料)、ポリマー材料、および/またはシリコーン材料を含む。キャリア材料は、伸縮性または弾性であり、例えば、非剛性である。電極はトレースに接続されている。トレースは、キャリア構造体が伸張されたときに対応して伸張するために、キャリア構造体上またはキャリア構造体内に吊り下げられた経路を含む。波状、蛇行またはギザギザ形状などの吊り下げられた経路を有するトレースは、ユーザによる力の外部印加に起因するキャリア構造体の変形時にトレースが破断しないため、装置が互いに異なるユーザの顔の形状に適合可能であることを可能にする。トレースは、例えば、キャリア材料に組み込まれるか、またはキャリア構造体の表面に配置される。トレースは、回路基材の製造にも使用される方法によってキャリア構造体上またはキャリア構造体内に製造することができる。したがって、トレースは、印刷またはエッチングされてもよい。
【0025】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、電極配置の2つの電極間の距離を最大20%、15%、10%、または5%延ばすように構成される。距離は、間にさらなる電極がキャリア構造体上に配置されていない2つの隣接する電極間の距離である。伸長は、例えば、ユーザによってキャリア構造体に加えられる外力によって行われる。最大20%、15%、10%、または5%伸長可能である距離の原因となる因子は、とりわけ、伸縮性または弾性のキャリア材料および吊り下げトレースである。キャリア構造体が、2つの電極間の距離を、例えば、少なくとも1%、3%、または5%延長するように構成されると有利である。キャリア構造体が、例えば3%~20%、または1%~5%の範囲で、2つの電極間の距離を延ばすように構成されている場合、特に有利である。キャリア構造体が少なくとも1%、3%、または5%だけ距離を延ばすことができるように構成されるという最小限の要件のために、装置はユーザにとって大きな着用快適性を伴い、任意の凹凸によく適合し、異なる顔の形状に適していることが達成される。キャリア構造体が最大20%、15%、10%、または5%だけ距離を延ばすように構成されるべきであるという最大限界のために、ユーザは、外力印加により、キャリア構造体によって規定される顔表面上の電極位置から特定の許容範囲を超えて逸脱する顔表面上の位置に、キャリア構造体上に配置された電極配置の電極を位置決めすることが防止される。許容範囲については、上記の説明を参照されたい。距離の可能な伸長は、とりわけ、キャリア構造体内またはキャリア構造体上の吊り下げられた経路に起因して、ならびにキャリア材料の伸縮性および/または弾性に起因してトレースに生成される隙間によって制限される。
【0026】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、ポリウレタンフォームと、場合により、さらに、(例えば、補剛要素として)キャリア材料としてのポリウレタンフィルムと、を含む。キャリア材料は、伸縮性または弾性であり、例えば非剛性である。非剛性は、顔および頭部構造の任意の凹凸への平面適合を可能にする。構造(例えば、0.5mm~2mmの範囲の厚さを有するキャリア構造体)が、例えば0.5cmの直径および1cmの高さを有する半径方向高さ(本明細書では円筒と仮定される)に配置される場合、キャリア材料は、最小の力の印加(<1N)により、円形表面および円筒の側面の4つの位置に同時に存在することになり得、そのうちの側面の2つの領域は互いに対向し、それぞれの対向する面の接続線は、キャリア構造体が損傷(引き裂きまたは破損)することなく互いに垂直である。ここで、構造は、円筒の側面に対する円表面の領域の90°の角に、最大1mmの密着半径で追従する。非剛性は、例えば、構造体が損傷を受けることなく互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時に構造体の厚さ方向に変形可能であること、および/または構造体が損傷を受けることなく複数回ねじられることができること、すなわち、厚さ方向に垂直な軸を中心に構造体を複数回ねじるために構造体にねじりモーメントが作用するときを意味すると理解され得る。
【0027】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、ポリウレタンフォームと、場合により、さらに、(例えば、補剛要素として)キャリア材料としてのポリウレタンフィルムと、を含む。キャリア材料は、伸縮性または弾性であり、例えば非剛性である。電極はケーブルに接続されている。ケーブルは、電極配置から外方に面するキャリア構造体の表面に沿って隙間を有して案内される。隙間は、キャリア構造体のケーブルへの伸張の力伝達を制限する。隙間は、例えば、キャリア構造体上のケーブルの巻かれたまたは緩んだ経路に対応する。キャリア構造体は、例えば、ケーブルをキャリア構造体に固定する、すなわちクランプするように構成された互いに離間したクランプ点を含むことができ、クランプ点の間で、ケーブルはキャリア構造体に固定されず、それぞれのクランプ点の間の距離よりも長い長さを有する。あるいは、キャリア構造体は、例えば、キャリア構造体に沿ってケーブルを案内するように構成された、互いに離間したガイドリングを含んでもよく、ケーブルは、ガイドリングを緩く通って延在し、ケーブルは、それぞれのガイドリング間の距離よりも長いガイドリング間の長さを有する。トレースに関して上述したものと同様に、弾性キャリア材料ならびにキャリア構造体に沿ったケーブルの案内における隙間は、ユーザによって加えられる外力によってキャリア構造体の変形時にケーブルが破断しないため、装置が互いに異なるユーザの形状に面するように適合されることを可能にする。
【0028】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、電極配置の2つの電極間の距離を最大20%、15%、または10%延ばすように構成される。距離は、間にさらなる電極がキャリア構造体上に配置されていない2つの隣接する電極間の距離である。伸長は、例えば、ユーザによってキャリア構造体に加えられる外力によって行われる。距離が最大20%、15%、または10%伸長可能である原因となる要因は、とりわけ、伸縮性または弾性キャリア材料、およびキャリア構造体に沿ってケーブルを案内する際の隙間である。キャリア構造体が、2つの電極間の距離を、例えば、少なくとも1%、3%、または5%延長するように構成されると有利である。キャリア構造体が、例えば3%~15%、または5%~20%の範囲で、2つの電極間の距離を延ばすように構成されている場合、特に有利である。キャリア構造体が少なくとも1%、3%、または5%だけ距離を伸ばすことができるように構成されるための最小要件により、ユーザの着用快適性が高く、装置が異なる顔の形状を有するユーザに適していることが達成される。キャリア構造体が最大20%、15%、または10%だけ距離を延ばすように構成されるべきであるという最大限界のために、ユーザは、外力印加により、キャリア構造体によって規定される顔表面上の電極位置から特定の許容範囲を超えて逸脱する顔表面上の位置に、キャリア構造体上に配置された電極配置の電極を配置することが防止される。許容範囲については、上記の説明を参照されたい。距離の可能な延長は、とりわけ、キャリア構造体に沿ったケーブルの案内における隙間によって、およびキャリア材料の伸縮性および/または弾性によって制限される。
【0029】
一実施形態によれば、キャリア構造体は、伸縮性または弾性キャリア材料によって、および例えばキャリア構造体内、キャリア構造体上、またはキャリア構造体に沿ってトレースまたはケーブルを特別に案内することによって、様々な頭囲に適合され、様々な頭囲は最大5cm変化する。代替的な実施形態によれば、キャリア構造体は、弾性キャリア材料を用いて、例えば、キャリア構造体内、キャリア構造体上、またはキャリア構造体に沿ってトレースまたはケーブルを特別に案内することによって、50cm~55cm、または55cm~60cm、または60cm~65cmの範囲の頭囲を有するユーザの頭部の顔表面上に電極配置の少なくとも一部を位置決めするように適合される。
一実施形態によれば、キャリア構造体は、電極配置から外方に面する側に取り外し可能な補剛要素を含み、補剛要素は、キャリア構造体を少なくとも局所的に補剛するように構成される。補剛要素は、例えば、紙材料、ポリウレタンフォーム、またはポリイミド材料を含むことができる。補剛要素の助けを借りて、補剛要素が重力の影響下でキャリア構造体の形状が変化するのを防止するので、ユーザの顔表面上への装置の自律的な位置決めが容易になる。キャリア構造体の形状が変化するのを防止することによって、キャリア構造体は、キャリア構造体の形状が顔表面上の電極の電極位置を規定するので、電極配置の電極を顔表面上のどの位置に取り付けるべきかに関してユーザを案内するように構成される。補剛要素のさらなる利点は、キャリア構造体の異なる部分が互いに粘着するようにキャリア構造体が曲がるのを防止し、したがって装置の機能性を制限することである。補剛要素は、構造を固定した後に取り外すことができるように取り外し可能であり、キャリア構造体を面に平面的に適合させるためのキャリア構造体の非剛性および弾性の特性が完全に確保される。
【0030】
一実施形態によれば、補剛要素は、ユーザによって加えられる外力が終わったときに、ユーザによって加えられる外力によって引き起こされるキャリア構造体の変形を維持するように構成される。これにより、着用感が向上する。特に、補剛要素が、例えば、ユーザの目の周りの領域またはユーザの頬の領域に対応する領域内のキャリア構造体上に配置される場合、着用快適性が向上する。顎領域では、例えば、特にキャリア構造体がこの領域で可逆的に弾性またはわずかに伸縮可能であるように構成されている場合、ユーザの口の動きに対する着用快適性として補剛要素を配置すべきではない。
一実施形態によれば、キャリア構造体は、電極配置の電極が配置される位置に少なくとも1つの延長部を含む。伸長部は、例えば、キャリア構造体の膨らみ、2cm、1.5cm、または1cmの最大長さを有するキャリア構造体の分岐部、または2cm、1.5cm、または1cmの最大長さを有するキャリア構造体の伸長部である。キャリア構造体は、例えば1つの平面内で走行および/または分岐し、延長部は前記平面から横方向に延在する。延長部は、平面に直交して延びていない。例えば、電極が配置されているキャリア構造体の表面は平面を規定し、延長部は前記平面内を通る。延長部は、例えば、電極配置の電極が配置されている位置でキャリア構造体の法線ベクトルに直交して延在する。任意選択的に、ユーザの顔表面上の電極の粘着性を改善するために、粘着材料が延長部上に配置される。粘着材料がなければ、延長部は、装置の取り扱い、特にユーザの顔表面への/からの電極の自律的な装着および除去を容易にする。一方では、延長部は、電極および/または電極の感受性センサユニットに触れることなく電極を保持することをより容易にし、他方では、延長部は、電極がユーザによって位置決めされているときに電極を顔表面上で安定させる。
【0031】
一実施形態によれば、複数の電極は、測定された電気信号のインピーダンス変換を実行し、および/または測定された電気信号を増幅するように構成された回路を有する能動電極を含む。能動電極を含む電極配置により、信号は信号雑音比に関してより高品質であり、電極の動きによる信号の乱れが生じにくい。
能動電極の代わりに、またはそれに加えて、複数の電極は受動電極を含んでもよい。電極配置が受動電極を含む場合、例えば、インピーダンス変換器および/または信号増幅器がほとんどの場合に必要とされ、これらは装置の電極配置に近接してユーザの身体上に配置されるべきである。任意選択的に、装置は、装置の信号出力部と結合されたインピーダンスコンバータおよび/または信号増幅器を含んでもよい。受動電極の使用は、能動電極の使用と比較して、その上に電極配置が配置されたキャリア構造体の重量を低減することができるという利点を伴う。これにより、ユーザの顔表面における着用感が向上する。
【0032】
さらなる実施形態は、キャリア構造体と、ユーザの頭部の顔表面上およびユーザの耳の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置とを含む装置を対象とする。複数の電極の電極は、湿式電極(ゲルまたは固体ゲルを有する)である。キャリア構造体は、電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、キャリア構造体は、電極配置の個々の電極間でユーザの顔表面と平面接触するように構成される。したがって、キャリア構造体の特別な設計は、キャリア構造体が顔表面上に平らに置かれ、フェースおよび頭部構造に追従し、および/またはそれに適合することを可能にする。さらに、キャリア構造体は、電極配置の少なくとも一部を顔表面および耳の後方に配置するように構成される。電極は、キャリア構造体上またはキャリア構造体内に吊り下げられた経路を有するトレース、または電極配置とは反対側のキャリア構造体の表面に沿って隙間を有して案内されるケーブルのいずれかに接続される。トレースの吊り下げられた経路に起因して、または例えばケーブルの案内における隙間に起因して、キャリア構造体は、トレースまたはケーブルがキャリア構造体の延伸に対応して延在することができるため、トレースまたはケーブルが損傷されることなく延伸するように構成される。ケーブルがキャリア構造体に沿って案内される隙間は、例えば、キャリア構造体のケーブルへの伸張の力伝達を制限する。装置は、上述の装置と同じ考慮事項に基づいている。装置は、上述した装置に関しても説明されているすべての特徴および機能で補完することができる。
【0033】
さらなる実施形態は、キャリア構造体と、ユーザの頭部の顔表面上およびユーザの耳の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置とを含む装置を対象とする。電極配置は、例えば、キャリア構造体の第1の側面および/または第1の表面に配置される。複数の電極の電極は、湿式電極(ゲルまたは固体ゲルを有する)である。キャリア構造体は、電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定する。キャリア構造体は、ポリウレタンフィルム材料のキャリア基材と、キャリア基材上に取り外し可能に配置された補剛要素とを含む。電極配置が配置されるキャリア構造体の第1の側面および/または第1の表面は、例えば、除去可能な方法でキャリア基材上に配置された補剛要素の反対側に配置される。言い換えると、取り外し可能にキャリア基材上に配置された電極配置、キャリア基材、および補剛要素は、例えばこの順序で配置される。除去可能にキャリア基材上に配置された補剛要素を有するキャリア構造体は、許容範囲内で形状安定であるように形成され、除去可能にキャリア基材上に配置された補剛要素を有しないキャリア構造体は、形状不安定および/または非剛性であるように形成される。キャリア構造体は、電極配置の少なくとも一部を顔表面上および耳の後方に配置するように構成される。装置は、上述の装置と同じ考慮事項に基づいている。装置は、上述した装置に関しても説明されているすべての特徴および機能で補完することができる。
【0034】
一実施形態によれば、キャリア基材は、補剛要素がキャリア基材上に取り外し可能に配置されることなく形状不安定になるようにキャリア構造体を形成するために、それ自体で複数回可逆的にねじられ、および/または互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時にキャリア構造体の厚さ方向に可逆的に変形され得る。言い換えれば、キャリア構造体は、キャリア基材上に取り外し可能に配置された補剛要素なしで形状不安定であり、その結果、キャリア基材は、意図される用途の範囲内で、それ自体で複数回ねじることができ、および/またはキャリア基材は、意図される用途の範囲内で、互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時にキャリア構造体の厚さ方向に変形することができる。キャリア基材の変形およびねじれは、損傷(裂けまたは破損)なしに起こり得る。キャリア構造体が変形またはねじれた点において、電極配置から外方に面するキャリア構造体の表面に直交する(垂直な)法線ベクトルが厚さ方向を規定することに留意されたい。互いに直交する(垂直な)2つの横方向(すなわち、第1の横方向および第2の横方向)は、法線ベクトルに垂直な平面にまたがる。したがって、キャリア基材は、例えば、変形点から見て、すなわち厚さ方向に見て、第1の横方向に位置するキャリア基材の表面および第2の横方向に位置するキャリア基材の表面を上方または下方に同時に変形および/または曲げるように構成される。この種の変形は、重力に追従して外力を加えることなく起こり得る。例えば、吊り下げられた経路を有するトレースがキャリア基材内またはキャリア基材上に配置されている場合、上述のタイプの変形は、最小の力印加(<1N)下で起こり得る。上述のようなキャリア基材の複数回のねじれは、第1の横方向、第2の横方向、または互いに直交する(垂直な)2つの横方向によって広がる平面内の異なる方向に沿った軸の周りのねじれである。形状不安定性および/または非剛性は、上述のすべての変形および/またはねじれがキャリア基材を損傷することなく起こり得ることを意味すると理解される。
【0035】
一実施形態によれば、キャリア基材は、0.1mm~1mmの範囲の曲げ半径で、互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時に厚さ方向に変形可能である。キャリア基材は非常に形状不安定であるため、キャリア基材自体が任意の小さな凹凸、例えばしわに適応することができる。形状不安定性に起因して、キャリア構造体がユーザの顔表面上に平坦に位置することができ、たとえ凹凸の場合であっても、キャリア構造体の突出を低減することができ、または完全に回避することさえできることが達成される。これにより、キャリア構造体の非常に大きな粘着面をユーザの顔表面と接触させることができるため、ユーザの顔表面への装置のより良好な取り付けが達成される。さらに、着用快適性が向上し、長期測定が可能になる。
上述の形状不安定性は、例えば、キャリア基材の最大厚さ0.5mmによって達成される。厚さは、キャリア基材の厚さ方向の膨張に対応する。
したがって、ユーザによって外力が加えられなければ、除去可能な補剛要素がキャリア基材上に配置される場合、キャリア構造体は、許容範囲内で形状安定性である。さらに、キャリア構造体は、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更し、補剛要素がキャリア基材から除去されたときに面構造および頭部構造に領域包括的に適合するために、ユーザによって加えられる外力の下で変形可能である。
【0036】
さらなる実施形態は、キャリア構造体と、ユーザの頭部の顔表面上およびユーザの耳の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置とを含む装置を対象とする。複数の電極の電極は、湿式電極(ゲルまたは固体ゲルを有する)である。キャリア構造体は、電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、キャリア材料としてポリウレタンフォームを含む。キャリア構造体は、ユーザによって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定性であり、ユーザによって加えられる外力の下で変形可能であり、領域包括的に顔および頭部構造に適合する。キャリア構造体は、それ自体で複数回可逆的にねじられるように、および/または互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時にキャリア構造体の厚さ方向に可逆的に変形されるように構成される。キャリア構造体は、電極配置の少なくとも一部を顔表面上および耳の後方に配置するように構成される。装置は、上述の装置と同じ考慮事項に基づいている。装置は、上述した装置に関しても説明されているすべての特徴および機能で補完することができる。
換言すれば、ユーザによって加えられる外力の下で、キャリア基材は、意図される用途の範囲内で、それ自体で複数回ねじられることができ、および/または意図される用途の範囲内で、互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時にキャリア構造体の厚さ方向に変形されることができる。キャリア基材の変形およびねじれは、損傷(裂けまたは破損)なしに起こり得る。キャリア構造体が変形またはねじれた点において、電極配置から外方に面するキャリア構造体の表面に直交する(垂直な)法線ベクトルが厚さ方向を規定することに留意されたい。互いに直交する(垂直な)2つの横方向(すなわち、第1の横方向および第2の横方向)は、法線ベクトルに垂直な平面にまたがる。したがって、キャリア構造体は、例えば、変形点から見て、第1の横方向に位置するキャリア基材の表面および第2の横方向に位置するキャリア基材の表面が同時に上方または下方に、すなわち厚さ方向に変形および/または屈曲され得るように、外力印加下でユーザによって変形されるように構成される。上述のようなキャリア基材の複数回のねじれは、第1の横方向、第2の横方向、または互いに直交する(垂直な)2つの横方向がまたがる平面内の異なる方向に沿った軸の周りのねじれ、および/または厚さ方向に垂直な平面に配置された軸の周りのねじれである。上記のすべての変形および/またはねじれは、キャリア基材を損傷することなく起こり得る。
【0037】
一実施形態によれば、キャリア基材は、0.1mm~1mmの範囲の曲げ半径で、互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時に厚さ方向に変形可能である。形状不安定性に起因して、キャリア構造体がユーザの顔表面上に平坦に位置することができ、たとえ凹凸の場合であっても、キャリア構造体の突出を低減することができ、または完全に回避することさえできることが達成される。これにより、キャリア構造体の非常に大きな粘着面をユーザの顔表面と接触させることができるため、ユーザの顔表面への装置のより良好な取り付けが達成される。さらに、着用快適性が向上し、長期測定が可能になる。
キャリア構造体は、例えば厚さ方向に、0.5mm~2mmの範囲の厚さを含む。この範囲の厚さは、外力印加なしの形状安定性および外力印加下での形状不安定性を可能にする。
さらなる実施形態は、上述の実施形態のうちの1つによる、評価装置を有するシステムに関する。評価装置は、複数の電極によって測定された電気信号を評価するように構成される。
【0038】
一実施形態によれば、評価装置は、電気信号に基づいてユーザの睡眠アーキテクチャに関する情報を提供する、またはユーザのてんかん行動に関する情報を提供する、またはユーザの神経障害を示す、または認知心理学的情報を提供する、ように構成される。したがって、本発明によるシステムは、とりわけ早期指標を導出するために、てんかんまたはてんかんの疑いがある患者、または他の神経障害または障害の疑いがある患者(例えば、うつ病、アルツハイマー病)の家庭または外来でのモニタリングを可能にする。あるいは、システムは、認知心理学的試験シリーズにおける使用に適している。システムは、例えば、ユーザの注意、警戒、聴力、認知ストレス、認知処理能力、および/または感覚機能を検査および/または決定するように設計される。システムの特別な設計により、これらの認知心理学的試験シリーズは、家庭環境で、介護施設で、また医師の診療所または病院および診療所でも実施することができる。システムの特定の利点は、やはり、節約された時間のために電極を簡単に設置することである。本発明によるシステムは、作業状況において上記のような認知状態を検出するための使用、特に安全性重視の用途(例えば、列車の車掌、パイロット、航空交通コントローラ、トラック運転手、採掘車両)にさらに適している。システムのさらなる可能な用途は、神経心理学的研究、および認知状態に関する隣接研究分野だけでなく、覚醒状態だけでなく睡眠状態における神経障害症状に関する研究分野にもある。
【0039】
一実施形態によれば、システムは補聴器を含む。評価装置は、電気信号に基づいて補聴器を制御するように構成される。
一実施形態によれば、評価装置は、補聴器のビームフォーマを制御するために、装置によって測定された信号を補聴器によって記録されたオーディオ信号のエンベロープと相関させるように構成される。本発明者らは、装置によって記録された電気信号が、ユーザがどのオーディオ信号に注目しているかを示し得ることを認識した。したがって、システムは、それぞれのオーディオ信号を強調表示するために、ビームフォーマをユーザの注意の方向に向けるように構成することができる。評価装置は、例えば、相関に基づいて、時間信号、すなわちオーディオ信号に対するユーザの注意を認識するように構成される。装置は、例えば、双極子として機能し得る眼および/または眼体の筋肉運動に基づく電気信号を測定および/または検出するように構成される。評価装置は、例えば、電気信号に基づいてEOGを生成し、したがって、ユーザの視線方向および/またはユーザの点滅速度に関する情報を導出するように構成される。視線方向はまた、注目要素を示し、したがって、システムは、ビームフォーマをユーザの注目方向に向けるように構成することができる。これにより、補聴器は、ユーザに対するユーザの注意の方向からのオーディオ信号を目標に合わせて増幅するように構成される。したがって、ユーザが受ける聴覚品質を改善するシステムが提供される。
【0040】
一実施形態によれば、評価装置は、ユーザの信号に応答して補聴器を制御するために、例えば、補聴器をオンおよびオフにする、または音量もしくは特定のパラメータセットまたは特定の方向からの信号増幅も調整するなど、所定の信号特性について装置によって測定された信号を評価するように構成される。任意選択的に、評価装置は、所定の信号特性が保存されるデータベースを含む。補聴器の制御コマンドは、所定の信号特性にリンクされてもよい。装置は、例えば、双極子として機能し得る眼および/または眼体の筋肉運動に基づいて電気信号を測定および/または検出するように構成され得る。評価装置は、これらの信号に基づいて信号特性を検出するように構成されてもよく、この信号特性は、例えば、ウィンクまたは眉毛の動きなどの所定の眼球運動に割り当てられる。これは、装置によって測定された信号が、顔表面および/またはユーザの頭部における特徴的な顔の動きを示し得るという知識に基づいている。したがって、システムは、補聴器のボタンを作動させる必要なく、顔の動きで補聴器を自動的に制御することを可能にする。これにより、補聴器の取り扱いが容易になる。
【0041】
さらなる実施形態は、上述の実施形態のうちの1つによる装置を製造するための方法に関する。本方法は、とりわけ、キャリア構造体を提供するステップを含み、キャリア構造体は、装置のユーザの頭部の顔表面に適合され、キャリア構造体は、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更するために、および/または顔および頭部構造に領域包括的に適合するために、ユーザによって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、ユーザによって加えられる外力の下で変形可能である。形状安定性は、例えば、ポリウレタンフォーム材料などの材料を使用することによって達成することができ、キャリア構造体には、例えば0.5mm~2mmの範囲内の特定の厚さを使用することができる。あるいは、キャリア構造体は、キャリア基材および取り外し可能な補剛要素から組み立てられてもよい。キャリア基材は、例えば、ポリウレタン材料、ポリマー材料、および/またはシリコーン材料が適しているキャリア材料を含んでもよい。取り外し可能な補剛要素は、例えば、キャリア構造体の形状を安定させるように構成される。一実施形態によれば、少なくとも1つの取り外し可能な補剛要素は、キャリア基材上に局所的に配置されてもよい。あるいは、キャリア基材全体が補剛要素によって覆われてもよい。本方法のさらなるステップは、電極配置をキャリア構造体上に固定することに関する。電極配置は、装置のユーザの頭部の顔表面上の電気信号を測定するため、および/または装置のユーザの耳の後方の電気信号を測定するための複数の電極を含む。キャリア構造体は、電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、キャリア構造体は、電極配置の少なくとも一部をユーザの顔表面および/または耳の後方に配置するように構成される。
さらなる実施形態は、上述の実施形態のうちの1つによる装置を使用するための方法に関する。本方法は、とりわけ、ユーザ自身または別の人によってユーザの頭部の顔表面に装置を装着するステップと、複数の電極によって測定された電気信号に基づいてユーザを監視するステップとを含む。本発明の特定の利点は、それがユーザ自身によって装着され得ることである。
【0042】
一実施形態によれば、本方法は、測定された電気信号に基づいてユーザの睡眠行動の監視、または、測定された電気信号に基づくユーザのてんかん行動の監視、または、測定された電気信号に基づくユーザの神経障害の監視、または測定された電気信号に基づく認知心理学的行動の監視を含む。
一実施形態によれば、ユーザの頭部の顔表面上への装置の装着は、とりわけ、上頬骨を触るステップと、上頬骨上に第1の電極を装着するステップと、ユーザの耳の耳珠の前に第2の電極を装着するステップと、眉毛の線の1~3cm上方の領域の鼻根点の垂直上方の額に第3の電極を装着するステップと、耳の後方に第4の電極を装着するステップと、を含む。第1のステップにおいて、第1の電極が表面に貼り付けられ、第2のステップにおいて、第2の電極が顔表面に固定される場合、特に有利である。これは、頬骨および耳の耳珠の前の点が顔表面上の非常に特徴的な点であり、したがってユーザにとって見つけやすいという知識に基づいている。これにより、第1および第2の電極を非常に正確に顔表面に装着することができる。装置の複数の電極の残りの電極を装着するために、ユーザは、キャリア構造体の形状が、例えば、顔表面上の第1の電極および第2の電極に対する残りの電極の位置を規定するように構成されるとき、装置のキャリア構造体の形状によって案内される。
続いて、本発明の実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。図示した概略図に関して、図示した機能ブロックは、本発明による装置の要素または特徴、ならびに本発明による方法の対応する方法ステップの両方として理解されるべきであり、本発明による方法の対応する方法ステップもそこから導出され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1a】本発明の一実施形態による装置の概略図である。
【
図1b】本発明の一実施形態によるユーザの頭部にある装置の概略図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による補剛要素を有する装置の概略図である。
【
図3b】本発明の一実施形態による装置の補剛要素の有無にかかわらず、キャリア構造体の接続リブの形状安定性を示す図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による装置のユーザの顎領域への接続リブを有する装置の概略図である。
【
図4b】本発明の一実施形態による、特定の電極位置に膨出部を含むキャリア構造体を有する装置の概略図である。
【
図5a】本発明の一実施形態による、ユーザの頭部にある装置の概略側面図である。
【
図5b】本発明の一実施形態によるユーザの頭部の背面から見たユーザの頭部上の装置の概略図である。
【
図6a】本発明の一実施形態によるEEG用の電極チャネルの線形結合の概略図である。
【
図6b】本発明の一実施形態によるEOGおよびEMG用の電極チャネルの線形結合の概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるケーブル接続部を有する装置の概略図である。
【
図8a】本発明の一実施形態による装置のキャリア構造体に一体化された電極の概略図である。
【
図8b】本発明の一実施形態による装置のキャリア構造体に組み込まれたゲルレンズを有する電極の概略図である。
【
図9a】本発明の一実施形態による頭部バンド内の信号増幅器を有する装置の概略図である。
【
図9b】本発明の一実施形態によるカラー内の信号増幅器の概略図である。
【
図9c】本発明の一実施形態による、ユーザの耳の後方または下に信号増幅器を有する装置の概略図である。
【
図9d】本発明の一実施形態による、ユーザの肩または胸に信号増幅器を有する装置の概略図である。
【
図9e】本発明の一実施形態による、ユーザの首領域内の筋肉群に対する信号増幅器の位置の概略図である。
【
図10】本発明による装置を使用するための方法のブロック図である。
【
図11】本発明による増幅器および装置を有するシステムのブロック図である。
【
図12】本発明による評価装置および装置を有するシステムの概略図である。
【
図13】本発明による装置を製造するための方法のブロック図である。
【
図14】ポリソモグラフィーにおける従来の電極配置を示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態によるキャリア構造体上に表示信号出力部を有する装置の概略図である。
【
図16】本発明の一実施形態による、ユーザの耳の後方に配置された電極配置を有する装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施形態を図面に基づいてより詳細に説明する前に、同一または機能的に同一の要素、物体および/または構造または同じ効果を有する要素、物体および/または構造は、異なる実施形態に示すこれらの要素の説明が交換可能であるか、または互いに装着され得るように、異なる図において同じまたは類似の参照番号を付されることに留意されたい。
図1aは、本発明の一実施形態による装置100の概略図を示し、
図1bは、ユーザ210の頭部200上の装置100を示す。
装置100は、ユーザ210の頭部200の顔表面220上およびユーザ210の耳230の後方の電気信号を測定するための複数の電極110
1から110
5を有する電極配置110を含む。
図1aおよび
図1bによれば、第1の電極110
1、第2の電極110
2、および第3の電極110
3は、ユーザ210の頭部200の顔表面220上の電気信号を測定するように構成される。第4の電極110
4および第5の電極110
5は、ユーザ210の耳230の後方の電気信号を測定するように構成される。しかしながら、装置は、
図1aおよび
図1bに表される電極110
1から110
5の数および配置に限定されない。
【0045】
さらに、装置100は、キャリア構造体120を含む。複数の電極1101から1105は、例えば、キャリア構造体120上の対応する複数の電極位置に配置される。電極配置110の複数の電極1101から1105は、例えばキャリア構造体120を介して接続され、キャリア構造体120は、電極1101から1105の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定する。キャリア構造体120は、例えば、複数の電極1101から1105の位置が接続リブ上の位置に限定されるため、電極1101から1105を互いに接続し、電極1101から1105の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定する分岐接続リブを含む。2つの隣接する電極間の接続リブの形状および長さは、例えば、ユーザの頭部200上の2つの電極の位置を規定する。その場合、形状は、例えば、ヒトの顔の形状および/またはヒトの顔の構造に従う。キャリア構造体の形状は、例えば、複数の電極の各電極について、ユーザの頭部200上、すなわち顔表面220上および耳230の後方の位置を規定する。
【0046】
キャリア構造体120は、電極配置の少なくとも第1の部分、例えば電極1101から1103を顔表面220上に配置し、電極配置の第2の部分、例えば電極1104から1105を耳230の後方に配置するように構成されている。例えば、その特別な形状のために、キャリア構造体120は、例えば、分岐接続リブの形状および長さが顔および/または頭部構造に追従するように複数の電極1101から1105を位置決めするように構成され、したがって、分岐接続リブは、ユーザ210の頭部200の顔表面220上およびユーザ210の耳230の後方に電極1101から1105の位置を規定する。
キャリア構造体120は、ユーザ210によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定性であり、ユーザ210によって加えられる外力の下で変形可能である。許容範囲内の形状安定性は、例えば、キャリア構造体が、例えば重力の影響下でわずかにしか曲がることができないことを意味する。これにより、ユーザが頭部200に装着する際に形状が崩れてしまうことが回避される。キャリア構造体は、例えば、ユーザ210が外力を加えることなく、10cmのキャリア構造体120の長さ部分にわたって最大6cmの曲げのみを可能にするように構成される。この目的のために、キャリア構造体は、例えば、キャリア構造体の変形を打ち消すように構成された支持構造体を含むことができる。この支持構造体は、キャリア構造体を頭部表面に固定した後に取り外すことができるように、取り外し可能な補剛要素として設計されてもよい。あるいは、形状安定性はまた、キャリア構造体の厚さによって達成されてもよい。キャリア構造体が厚いほど、形状がより安定である。例えば、厚さが1mmであれば、十分な形状安定性が得られる。より薄い厚さでは、支持構造体を用いて形状安定性を達成することができる。形状安定性に加えて、キャリア構造体120は、特定の伸縮性または弾性を示し、それによってキャリア構造体は、ユーザ210によって加えられる外力の下で変形することができる。ユーザは、例えば、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更するために、および/または顔および頭部構造に領域包括的に適応するために、キャリア構造体を伸張または屈曲させることができる。領域包括的適合のために、キャリア構造体は、頭部表面上により大きな接触面を含み、それによって、キャリア構造体は、ユーザの頭部表面上により強固に固定され得る。したがって、キャリア構造体は、数時間にわたって、または一晩にわたって、または1日もしくは複数日間にわたって皮膚上に安定して留まるように構成される。キャリア構造体は、例えば、ユーザ210によって加えられた外力の下で、5%~10%、または5%~20%の範囲で隣接して配置された2つの電極間の距離を増加させるように構成される。通常、これは特に、額の電極、例えば第3の電極1102に到達するためにのみ利用される。しかしながら、材料の可撓性は、耳230の上および後方の経路のわずかな調整を実行し、顔の動きにおける高い着用快適性を促進することを可能にするために有利である。
【0047】
全体構造の材料を選択するために、例えば、以下が重要である。
(a)皮膚に粘着するキャリア構造体120は、平坦で堅牢な粘着のために顔の構造(例えば、膨出部)によく適合し、かつ所望の電極位置を達成するために顔の比例差によく適合するために、ユーザの影響下で容易に変形可能である(部分的に非剛性および/または伸縮可能である)、および
(b)キャリア構造体120は、ユーザの影響なしに粘着プロセスのために形状安定性を維持するので、装置に貼り付くときに、グリッドのアーム(例えば、キャリア構造体の分岐接続リブのネット)が、非常に高い非剛性のために垂れ下がったときに、顔、指、または互いに不注意に貼り付くことがない。
したがって、最終的に皮膚に貼り付くキャリア構造体120は、伸縮性および/または非剛性、すなわち形状不安定性または形状不安定性を特徴とする。
【0048】
キャリア構造体は、例えば、キャリア構造体120の接続リブを引き裂くことなくそれ自体で複数回ねじることができるように変形可能である。
図2では、このようなねじれは、n=1のねじれまたは回転を有する紙で示されている。そのような変形可能性は、例えば、キャリア構造体がキャリア材料としてポリウレタン材料、ポリマー材料、および/またはシリコーン材料を含む場合に達成され得る。さらに、装置の信号出力部への複数の電極の電気的接続は、キャリア構造体の変形可能性にさらなる影響を及ぼし得る。全体構造
の伸縮性を保持するために、トレースおよび/またはケーブル接続部は、例えば、長さ供給部、例えば追加の長さが波またはループの形態で利用可能であるように設計される。キャリア構造体が、例えば、キャリア材料としてポリウレタン材料を含む場合、これは、例えば、吊り下げられた経路を有するトレースが挿入されるポリウレタンフィルム材料の形態で存在してもよく、または例えば、ケーブル接続部がその上に配置されるポリウレタンフォームの形態で存在してもよい。ポリウレタンフィルム材料の場合、キャリア構造体は、例えば、5%~10%の範囲の延伸を可能にし、かつ/または許容するように構成され、ポリウレタンフォームの場合、キャリア構造体は、例えば、5%~20%の範囲の延伸を可能にし、かつ/または許容するように構成される。
【0049】
薄い(例えば、0.1mm~0.5mmの厚さ)ポリウレタンフィルム材料は、材料が裂けることなく材料ストリップとしてそれ自体で複数回ねじられてもよい。ここで薄膜として提案されたキャリア材料は、引き裂きまたは他の方法で破損することなく、n=1を超えるねじれに耐えることが想定されている。非剛性は、それが任意の所望の方向に非常に容易に(指のわずかな圧力、すなわちユーザ210によって加えられる外力の下で)変形可能であることをもたらし、したがって、キャリア構造体の縁部が頭部表面に容易にぴったりと嵌合するので、高い着用快適性をもたらす。さらに、これは、例えば、トレース形状の選択に応じて、またはキャリア構造体に沿ったケーブルルーティングに応じて、最大5%または最大10%の伸縮性を含む。高い非剛性は、装着プロセスに必要な剛性を得るために、皮膚と対向しない(反対側の)キャリア構造体の側に取り外し可能な補剛要素を必要とする場合があり、補剛要素は、例えばキャリア構造体の一部である。装着後または装着中に、この追加の補剛要素は、着用快適性のために薄い厚さおよび完全な伸縮性を利用するために除去されてもよい。
最大1mmの厚さを有するポリウレタンフォームは、薄いポリウレタンフィルム材料の剛性ほど高い非剛性を含まないが、非常に伸縮性であり(長さの20%まで)、非常に容易に変形することもでき(指のわずかな圧力)、したがって本明細書に提示される要件も満たす。
【0050】
概して、本出願の意味の範囲内の材料は、それがすべての方向に変形可能および/または曲げ可能であり、損傷することなく、例えば引き裂きなしにねじられることができる場合、非剛性である。非剛性は、例えば、材料のフィルムおよび/または層が重力の影響のみで、すなわちさらなる外力の印加なしで、またはわずかな外力の印加(例えば、F≦N)のみで既に屈曲していることを意味すると理解され得る。非剛性は、顔構造および頭部構造の任意の凹凸への平面適合を可能にする。構造(例えば、0.1mm、0.3mm、または0.5mmの最大厚さを有するポリウレタンフィルムを有するキャリア構造体、または0.5mm~2mmの範囲の厚さを有するポリウレタンフォームを有するキャリア構造体)が、例えば0.5cmの直径および1cmの高さを有する半径方向高さ(本明細書では円筒と仮定される)に配置される場合、キャリア材料は、それ自体の重量または最小の力の印加(<1N)による重力に追従して、いずれの場合も、円筒の円形表面および側面の4つの位置に同時に存在することになり得、各場合において、側面の2つの領域は互いに対向し、それぞれの対向する面の接続線は、キャリア構造体が損傷(引き裂きまたは破損)することなく、互いに垂直である。ここで、構造は、円筒の側面に対する円表面の領域の90°の角に、最大1mmの密着半径で追従する。層または構造が非剛性である場合、それは、例えば任意の凹凸に従う。非剛性構造および層は、例えば、低い弾性率、低い引張剛性、したがって低い力および運動量負荷に従う大きな変形によって特徴付けられる。非剛性は、例えば、構造が損傷を受けることなく互いに直交する(垂直な)2つの横方向に沿って同時に構造の厚さ方向に変形可能であること、および/または、厚さ方向に垂直な軸を中心に構造を複数回ねじるためにねじりモーメントが構造に作用するとき、構造が損傷を受けることなく複数回ねじられることができること、を意味すると理解され得る。
【0051】
全体構造は、装置100がユーザ210自身によって容易に装着され得るように、ユーザ210の影響なしでは形状安定性を保つように意図されている。キャリア構造体が、例えば、ポリウレタン薄膜材料を含む場合、キャリア構造体は、キャリア構造体を安定化し、したがってキャリア構造体の形状安定性を確実にするように構成されたさらなる材料または要素を任意選択的にさらに含む。これらの補強材または補剛要素は、例えば、薄いポリウレタンフィルム材料上に除去可能な様式で配置され、それにより、キャリア構造体がポリウレタンフィルム材料および補強材または補剛要素を含む場合にキャリア構造体は形状安定性であり、補強材または補剛要素がポリウレタンフィルム材料から除去される場合、キャリア構造体は非剛性である。しかし、ポリウレタンフォームの場合、材料自体がユーザの影響を受けて伸縮可能でありながら既に形状安定性を示すため、支持構造体は必要とされない。しかしながら、任意選択的に、キャリア構造体は、ポリウレタンフォームを有するキャリア材料の場合にさらに安定化されてもよい。
【0052】
ユーザ210によって外力が加えられない場合のキャリア構造体の形状安定性は、様々な方法で達成することができる。
一実施形態によれば、キャリア構造体120は、複数の電極1101から1105およびキャリア構造体120を顔表面上および耳230の後方に固定するための粘着材料を含む。粘着材料は、例えば、除去可能な保護層によって覆われる。保護層は、例えば、フィルムまたは紙材料を含む。保護層は、例えば、キャリア構造体120から独立して除去することができる複数の保護部分を含む。粘着層および/または粘着材料を覆うためのフィルムまたは紙材料は、キャリア構造体120を頭部200に装着する間に、フィルムまたは紙材料を個々の通路、すなわち個々の保護層部分で剥離することができ、したがってプロセス中に安定性を維持することができるので、さらなる安定性に寄与し得る。
【0053】
これに加えて、またはこれに代えて、例えばフィルム(例えば、ポリイミド材料、ポリエステル材料、ポリエチレン材料またはFR4材料で作られる)または紙またはポリウレタンフォームの形態の支持構造体を、皮膚とは反対側(対向しない)のキャリア構造体120の側面に装着することも可能である。支持構造体は、補剛要素122と考えることもできる。
図3aに示すように、キャリア構造体120は、電極配置110の反対側の側面に取り外し可能な補剛要素122を含むことができ、補剛要素122は、キャリア構造体120を少なくとも局所的に補剛するように構成される。補剛要素122は、例えば、頭部表面上、すなわち顔表面220上および耳230の後方でのキャリア構造体120の装着プロセス中にのみ存在する。上で説明したように、部分的にも起こり得るが、キャリア構造体120に付着および/または装着した後またはその間に、補剛要素122をキャリア構造体120から剥がすことができる。これは、特に、補剛要素122がキャリア材料の非剛性を打ち消し、したがってユーザ210の頭部表面への装置100の自律的な装着を実質的に容易にするので、非常に高い非剛性を有する薄いキャリア材料に関連する。ユーザ210の頭部表面にキャリア構造体120を装着した後に補剛要素122がキャリア構造体から取り外し可能であることによって、ユーザ210の着用快適性は、キャリア材料が補剛要素122なしで変形可能であり、したがって、例えば筋肉の動きまたは顎部の動きなどの顔の動きに伴って変形するように構成されるため、増大する。補剛要素122とキャリア構造体120との間の接着結合は、例えば、補剛要素を除去するときに接着剤の残骸を残さないように構成される。
【0054】
図3aには、
図1aおよび
図1bの装置の文脈でも説明したすべての特徴および機能を含むことができる装置100が示されている。
図3aは、キャリア構造体120の分岐接続リブ上に配置された補剛要素122を示す。接続リブは、例えば、一方の側では第1の電極110
1および第2の電極110
2を第3の電極110
3に接続し、他方の側では第4の電極110
4および第5の電極110
4に接続するように構成されている。接続リブは分岐し、接続リブの第1の部分124
1は第3の電極110
3に通じ、接続リブの第2の部分124
2は第4の電極110
4および第5の電極110
5に通じている。接続リブ上の補剛要素により、電極間の接続の形状が維持される。これは、接続リブの形状が電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、電極が頭部表面上の所定の位置をとるように頭部表面上に電極を位置決めするように構成されるので、頭部表面上にキャリア構造体120を位置決めするために特に重要である。一つの補剛要素122の代替として、装置100はまた、複数の補剛要素、またはキャリア構造体120の表面(すなわち、電極配置110とは反対側の表面)全体を覆う一つの補剛要素122を含んでもよい。
【0055】
さらなる可能性は、キャリア構造体をより大きな厚さで具現化することである。キャリア構造体120が、例えば、ポリウレタンフォーム材料をキャリア材料として含む場合、これは、追加の補剛要素122なしでキャリア構造体の形状安定性を達成するために、例えば、0.5mm~2mmの範囲の厚さを有するように具体化されてもよい。しかしながら、この場合、同様に、キャリア構造体120は、任意選択的に、追加の補剛要素を含んでもよい。
ポリウレタンは、その後対応して装着される追加の一時的支持構造体、すなわち補剛要素122を有する薄いキャリアフィルムとして、または0.5mm~2mmの範囲の厚さのポリウレタンフォームとして、キャリア構造体120の材料として特に適している。好ましくは、トレースはポリウレタンフィルムに直接塗布され、および/またはトレース(電極表面を除く)はポリウレタンサンドイッチ構造(
図8aおよび
図8bと、付随する説明を参照されたい)に挿入され、ポリウレタンフォーム設計は、ケーブルを有する従来の固体ゲル電極のキャリア構造体としても機能し得る(
図7および付随する説明を参照されたい)。
【0056】
対応する支持構造体、すなわち補剛要素122を有するグリッド構造体、すなわちキャリア構造体120の形状安定性は、例として、
図3bに示されており、長さ10cmのアーム124、すなわち接続リブ(125
1を参照)は、アーム124が水平(重力300に垂直)になるように配向されているときに、重力300に従って下方にどのように傾斜するかを示す。この長さでは、アーム124は約6cmを超えて傾斜しない(125
2を参照)。これが例えば
図3aの接続リブ124
1に適用される場合、点Aと点Bとの間に約7cmの長さを含む接続リブ124
1(125
1を参照)は、約4cmを超えて傾斜しない(125
2を参照)。概して、キャリア構造体125の接続リブは、ユーザ210によって加えられる外力なしに、許容範囲内で形状安定であるように構成される。キャリア構造体120の水平に配向された接続リブは、例えば、重力300の影響下で、最大12cmの長さでその長さの最大60%を、重力に追従して傾斜するように構成される。傾斜および/または曲げを制限することは、とりわけ、粘着保護フィルム、補剛要素122、またはキャリア構造体の特別な厚さなどの上述の特徴によって達成することができる。装着中、グリッド、すなわちキャリア構造体は、アーム124が重力300に対して異なる角度に位置するときにアームがさらにより少なく傾くように直立した状態に保たれる。したがって、
図3bは、例として、支持構造体を有するキャリア構造体120の剛性および/またはキャリア構造体120の形状安定性に対する支持構造の効果を示す。
【0057】
図4aおよび
図4bは、本発明による装置100のさらなる実施形態を示す。任意選択的に、装置は、
図1a~
図3bの実施形態に関連して説明したような特徴および機能を含んでもよい。同様に、
図1b~
図3bの実施形態は、以下に説明するように、特徴または機能を含むことが可能である。
図4aの装置は、より多くの電極がキャリア構造体120上に配置され、キャリア構造体120が、第1の電極110
1および第2の電極110
2を、それらの位置がユーザの顎に割り当てられ得る電極に接続する接続リブをさらに含むという点でのみ、
図1aの装置と異なる。
図4bの装置は、電極の数および直径、ならびに特定の電極位置におけるキャリア構造体の膨らみのみが、
図4aの装置と異なる。
【0058】
図4aに示すように、複数の電極1101から11010(および/または
図4bの1101から1109)が配置されたキャリア構造体120の形状は、本発明の特定の特徴を構成する。形状は、ユーザ210の頭部200の構造によって案内される。
図5aおよび
図5bでは、
図4aおよび
図4bの装置100は、例として、ユーザ210の頭部200に配置される。
図5aは、ユーザ210の頭部200の側面図における装置100の配置を示し、
図5bは、ユーザ210の頭部の後ろから見た図における装置100の配置を示す。
キャリア構造体は、例えば、第1の電極110
1と第2の電極110
2とを接続する第1の接続リブ123を含み、第1の電極110
1は第1の接続リブ123の第1の端部に配置され、第2の電極110
2は第1の接続リブ123の第2の端部に配置される。第1の接続リブ123は、例えば、波状経路などの巻き付けられたおよび/または吊り下げられた経路を含む。第1の電極110
1と第2の電極110
2との間の接続リブの吊り下げられた経路により、2つの電極間の非常に形状安定した接続が実現される。これは、特に、第1の電極および/または第2の電極が複数の電極110
1から110
10(または
図4bの110
1から110
9)の残りの電極の位置の基準を構成することができ、したがって、ユーザがこれらの2つの電極を顔表面220上に非常に正確に自律的に貼り付けることができることが保証されるため、有利である。さらに、第1の接続リブ123の特別な経路は、着用快適性を高める。これは、顔表面220上の第1の電極110
1の位置が、例えば、頬骨上、すなわち顔表面上の第1の特徴点上の位置に対応し、顔表面220上の第2の電極110
2の位置が、例えば、耳230の耳珠232の前、すなわち顔表面の第2の特徴点上の位置に対応するためである。第1の接続リブ123の吊り下げられた経路に起因して、ならびにキャリア構造体120のキャリア材料の変形可能性および/または弾性に起因して、第1の電極110
1と第2の電極110
2との間の領域における顔の動きに追従するように構成されている。これにより、着用快適性が向上する。
【0059】
一実施形態によれば、キャリア構造体120は、例えば、第1の電極110
1および第2の電極110
2を一方の側の第3の電極110
3および他方の側の第4の電極110
4(第4の電極は、
図4aの電極110
5から110
7のいずれか、または
図4bの電極110
5もしくは110
6であってもよい)に接続する分岐した第2の接続リブ124を含み、第2の接続リブ124は分岐点124
3で第1の部分124
1および第2の部分124
2に分岐する。
第2の接続リブ124の第1の部分124
1は、第1の電極110
1および第2の電極110
2を第3の電極110
3と接続するように構成されている。第2の接続リブ124は、例えば、第1の接続リブ123のほぼ中央から第1の部分124
1を介して第3の電極110
3に通じており、第3の電極110
3は第1の部分124
1の端部に配置されている。第2の接続リブ124は、第1の接続リブ123の中心から第1の部分124
1を介して円弧状および/または曲線状に延在する。第2の接続リブは、第1の部分124
1と共に、例えば目および/または眉毛240の形状に追従する。キャリア構造体120がユーザの頭部表面上に配置される場合、第2の接続リブ124は、眉毛240に沿って上方を、第3の電極110
3に向けて延在する。第3の電極110
3の位置は、顔表面220上、例えば、ユーザ210の鼻根点250の垂直上方の位置、すなわち、顔表面220上の第3の特徴点に対応する。言い換えれば、キャリア構造体は、接続リブ、すなわち、一方の側の、複数の電極の第1の電極110
1に割り当てられた第1の電極位置、および/または複数の電極の第2の電極110
2に割り当てられた第2の電極位置を、他方の側の、複数の電極の第3の電極110
3に割り当てられた第3の電極位置に、少なくとも部分的に接続する第2の接続リブ124を含み、第3の電極位置は、キャリア構造体120によって定義される1~2cmの許容範囲内で、ユーザの鼻根点250の垂直上方の眉毛線の上方1cm~3cmの領域内の顔表面の額の両側の位置に一致する。
【0060】
第2の接続リブ124の第2の部分124
2は、第1の電極110
1および第2の電極110
2を第4の電極110
4と接続するように構成されている。任意選択的に、複数の電極のうちのさらなる電極(例えば、
図4aの電極110
5から110
7、または
図4bの電極110
5から110
6)は、第2の接続リブ124の第2の部分124
2に配置されてもよく、これが、第2の接続リブ124の第2の部分124
2が、第1の電極110
1および第2の電極110
2をさらなる電極に接続するようにさらに構成され得る理由である。第2の接続リブ124の第2の部分124
2は、例えば、分岐点124
3から第2の接続リブ124の第1の部分124
1とは反対方向に延在する。第2の部分124
2の端部において、第2の接続リブ124は、例えば湾曲してかつ/または円弧状に、延在する。第2の接続リブの円弧は、例えば、第2の電極110
2の位置の周囲を通る。キャリア構造体120がユーザ210の頭部表面に配置される場合、第2の接続リブ124の円弧は、例えば耳230の形状に沿って延在する。第4の電極110
4ならびに複数の電極の可能なさらなる電極は、好ましくは、第2の接続リブ124の円弧上に配置される。第4の電極110
4の位置は、頭部表面、例えば、ユーザ210の耳230の後方の位置に対応する。任意選択的に、第4の電極の位置は、乳様突起(
図5bの点Dを参照されたい)、すなわち、頭部表面上の第4の特徴点の位置に対応する。言い換えれば、キャリア構造体は、一方の側の第1の電極位置および/または第2の電極位置を、他方の側の複数の電極のうちの第4の電極110
4に割り当てられた第4の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ、すなわち第2の接続リブ124を含み、第4の電極位置は、キャリア構造体120によって決定された許容範囲内で、ユーザ210の乳様突起上の耳230の後方の位置に対応する。第2の接続リブ124の第2の部分124
2は、例えば、ユーザ210の耳230の上方で、耳230の後方の耳230の形状に従う円弧につながる。
【0061】
一実施形態によれば、複数の電極のうちの電極(例えば、
図4aの110
10、または
図4bの110
9)は、第2の接続リブ124の分岐点124
3の領域に配置されてもよい。これにより、第1の電極110
1、第3の電極110
3および電極110
10/110
9は、第2の接続リブ124の分岐点124
3の領域において、例えば三角形を形成する。三角形は、第2の接続リブ124の分岐点124
3の領域内の電極110
10/110
9において、±5°の許容範囲で直角を含む。これらの3つの電極の特別な配置により、装置100を使用して眼球運動を非常に正確に検出することができる。
任意選択的に、キャリア構造体120は、第1の電極110
1および第2の電極110
2を第5の電極(例えば、
図4aの110
9、または
図4bの110
8)に接続する第3の接続リブ126をさらに含む。第3の接続リブ125は、例えば、第1の接続リブ123のほぼ中央から第2の接続リブ124とは反対方向に延在し、第5の電極110
9/110
8は第3の接続リブ126の端部に配置される。第3の接続リブ126は、例えば、湾曲した経路を含む。キャリア構造体120がユーザ210の顔表面220上に配置される場合、第3の接続リブ126は顎部260に沿って第5の電極110
9/110
8まで延在する。第5の電極110
9/110
8の位置は、顔表面220上で、例えば、ユーザ210の顎270上または近傍の位置、すなわち、顔表面220上の第5の特徴点に対応する。任意選択的に、複数の電極のうちのさらなる電極は、第3の接続リブ126上に配置されてもよい。言い換えれば、キャリア構造体120は、一方の側の第1の電極位置および/または第2の電極位置を、複数の電極の第5の電極110
9/110
8に割り当てられた第5の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ、すなわち第3の接続リブ126を含み、第5の電極位置は、キャリア構造体120によって決定された許容範囲内で、ユーザ210の顔表面220の顎270上の位置に対応する。
【0062】
キャリア構造体120の接続リブは、例えば、複数の電極のうちの電極の電極直径の最大で三倍、二倍、または1.5倍に対応するリブ幅を含む。移行領域、すなわち接続リブはまた、異なる頭部形状に適合するための最適な柔軟性を達成するために、「スリムウエスト」として設計されてもよい。
第1の電極1101および/または第2の電極1102は、例えば基準位置を規定し、複数の電極の残りの電極は、基準位置に対してキャリア構造体120上に配置される。一実施形態によれば、キャリア構造体120上の第1の電極1101の位置に対応する第1の電極位置が基準位置として機能してもよく、またはキャリア構造体120上の第2の電極1102の位置に対応する第2の電極位置が基準位置として機能してもよい。あるいは、複数の電極の残りの電極は、キャリア構造体120上の第1の電極位置および第2の電極位置に対して配置されてもよい。この場合、例えば、2つの電極位置の中間の位置が基準位置として機能し得る。既に上述したように、第1および第2の電極の位置は、それらがユーザによってそれらの頭部表面上に非常に正確に位置決めされ得るので、基準位置として特に良好に機能する。これらの2つの位置に基づいて、キャリア構造体は、非常に正確に、例えば、第2の接続リブおよび任意選択の第3の接続リブによって、頭部表面上、すなわち顔表面220上および耳230の後方の複数の電極の残りの電極の位置を規定することができる。
【0063】
一実施形態によれば、キャリア構造体120は、複数の電極およびキャリア構造体120を頭部表面上、すなわち顔表面220上および耳230の後方に固定するための粘着材料を含む。粘着材料は、例えば、電極配置が配置されているキャリア構造体120の側にも塗布される。したがって、粘着材料は、キャリア構造体のユーザの皮膚に面する側に配置される。任意選択的に、複数の電極の電極は、粘着材料に加えて、または粘着材料の代わりに、粘着性電解質ゲルを含んでもよく、このゲルは、頭部表面に複数の電極を固定し、インピーダンスを低下させるように構成される。粘着材料および/または粘着性電解質ゲルは、少なくとも一部の領域において保護フィルムによって覆われている。
保護フィルムは、例えば、キャリア構造体120および/または複数の電極から独立して除去することができる複数の保護フィルム部分に細分化することができる。複数の保護フィルム部分のうちの第1の保護フィルム部分は、例えば、複数の電極およびキャリア構造体120の第1のサブセットを覆い、複数の保護フィルム部分のうちの第2の保護フィルム部分は、例えば、複数の電極およびキャリア構造体120の分離した第2のサブセットを覆う。第1の保護フィルム部分は、例えば、第1の電極1101および第2の電極1102を含む第1の接続リブ123を覆っている。第2の保護フィルム部分は、例えば、とりわけ第3の電極1103および第4の電極1104と、任意選択的に複数の電極のうちのさらなる電極とを含む第2の接続リブ124を覆う。任意選択で、第2の接続リブ124は、異なる2つの保護フィルム部分によって覆われていてもよい。次いで、保護フィルム部分(例えば、第2の保護フィルム部分)が、例えば、第1の接続リブ123と接触し、第2の接続リブ124の第1の部分1241をさらに含む第2の接続リブ124の部分を覆い、さらなる保護フィルム部分(例えば、第3の保護フィルム部分)が、例えば、第2の接続リブの第2の部分1242のみを覆う。任意のさらなる保護フィルム部分は、例えば、複数の電極のうちの少なくとも第5の電極1109/1108を含む第3の接続リブ126を覆う。保護フィルム部分のこの分割は、ユーザ210の頭部表面に次に取り付けられる領域から保護フィルム部分を常に除去することができ、それによって、粘着材料が常に小さな領域のみ露出されるため、装着中に装置が取り扱いやすいので、特に有利である。さらに、第1の保護フィルム部分の特別な選択は、装着中のユーザが第1の電極および第2の電極の位置決めにまず完全に焦点を合わせることを可能にし、それによってこれらを非常に正確に位置決めすることができる。次いで、頭部表面上の複数の電極の残りの電極の位置は、キャリア構造体120の形状、特に第2の接続リブ124および任意の第3の接続リブ126の形状に起因する。このように、複数の保護フィルム部分によって、装置100の位置決め精度が高くなり、さらに、ユーザ210によるユーザ210の頭部表面への装置100の自律的な位置決めおよび貼付が可能となる。
【0064】
さらに、例えば
図4bに示すような延長部130
1から130
7および/またはラグは、ユーザ210の頭部表面上に装置100を位置決めおよび固定するのに有利である。キャリア構造体120は、例えば、電極配置110の電極が配置される位置に、少なくとも1つの延長部130
1から130
7を含む。図示するように、例えば第4の電極110
4について、キャリア構造体120はまた、電極配置110の電極が配置される位置に複数の延長部、例えば2つの延長部を含んでもよい。例えば、粘着材料が延長部上に配置され、それによって、顔表面上のキャリア構造体が少なくとも1つの延長部130
1から130
7を含む位置における電極の固定を改善することができる。
【0065】
電極配置110の電極の位置は、一方では、毛髪を含まない皮膚パッチのみが、例えば粘着性キャリア基材を貼り付けるために使用され、他方では、古典的に使用されるPSG電極の信号部分が、電極信号の線形結合から生じるように選択された。線形の組み合わせを形成するためのアプローチは、可撓性電極溶液cEEGridに基づく[Da Silva Souto,C.F.,Patzold,W.,Wolf,I.,Paul,M.,Matthiesen,I.,Bleichner,M.G.,&Debener,S.(2021).「Flex-printed ear-EEG sensors for adequate sleep staging at home.」;Frontiers in Digital Health,3,66]で実証されている。
図6aおよび
図6bに示すように、キャリア構造体120の形状は、例えば、複数の電極を顔表面上の対応する複数の位置に位置決めするように構成され,複数の位置は、ユーザの所定の頭部領域からの信号をマッピングするための電気信号の少なくとも1つの線形結合について顔表面上の電気信号を検出するように構成される。線形結合によって、例えば、ユーザの頭部のEEG、EOG、およびEMGを導出することが可能である。EKGの信号も電極チャネルに示され、信号処理方法、例えば独立分析(すなわち、独立成分分析(ICA))によって抽出することができる。電極チャネルの線形結合は、例えば、特定の信号部分を強調するために使用することができる。電極チャネルは、i=1から11についてR
iと呼ばれ、電極REFを参照する。
【0066】
図6aは、例として、特定の線形結合を形成することによって信号をマッピングすることができる特定の脳領域を示す。脳波(EEG)は、例えば、前頭領域用、中央領域用、頭頂領域用、および後頭領域用に構成される。前頭領域の場合、例えば、電極チャネル1および4の信号は直接読み取られ、電極チャネル2および4の信号は線形結合(R2-R4)を介して互いに連結される。中央領域では、例えば、電極チャネル1、4、5、および7の信号の線形結合(例えば、(R2+R5)/2-R4を用いた第1の線形結合およびR5-R7を用いた第2の線形結合)が形成される。頭頂領域では、例えば、電極チャネル4および5の信号の線形結合が形成され得(R5-R4)、後頭部領域では、例えば、電極チャネル4、6、および7の信号の線形結合(例えば、R6-R4を用いた第1の線形結合およびR7-R7を用いた第2の線形結合)が形成される。したがって、電極配置が限られているにもかかわらず、関連する睡眠パラメータをEEGにマッピングすることができる。
【0067】
図6bは、さらに、眼電
図EOG(垂直なR2-R3)、水平(R2-R1)および対角(R1-R3)を導出することができ、特に顎の領域(R10-R11)において、筋電
図EMGを導出することができることを示す。ユーザの目の周囲に配置される電極配置の電極は、例えば±5°の許容範囲内で直角三角形に配置される。したがって、眼球運動は、電極1および3を介して斜めに、電極1および2を介して水平に、電極3および2を介して垂直に検出される。電極10および11は、EMGを検出する役割を果たす。
これらの電極位置のさらなる用途も考えられるが、顎電極に向かうアームは、設計において省略されてもよい。耳の後方のアームD(
図5aおよび
図5bからの参照)および額上のCのみへの考えられる縮小では、事前配置および可能な回転は、電極2(
図6aおよび6b)を介して行うことができる。
信号は、例えば心電図の情報も含む。それらは、信号処理方法、例えば、独立成分分析(ICA)を使用して抽出することができる。
【0068】
一実施形態によれば、ユーザは、顔の半分に電極配置を有する本発明による第1のキャリア構造体と、顔の反対側の半分に電極配置を有する本発明による第2のキャリア構造体と、を着用することができる。それにより、2つの電極配置の信号を組み合わせることができ、頭部の中心を通るさらなる線形の組み合わせを可能にする。
本明細書に記載の装置100では、複数の電極は、湿式電極および/または乾式電極を含むことができる。複数の電極は、1種類の電極のみを含むことが好ましい。特に、湿式電極が好ましい。訓練されていない人が自己装着可能な湿式電極は、広い応用分野において、電気生理学的信号、特にEEGだけでなくEOGおよびEMGを収集するための湿式電極の利用範囲を大幅に広げる。したがって、人々は、訓練された人の存在なしに、家庭環境において高品質のデータ収集を実行することができる。着用快適性および離散配置のために、日常生活においてさえ生体信号を監視するための長期測定が考えられる。装置100では、湿式電極の構成がグリッド構造にされ、すなわちキャリア構造体上に配置され、その結果、湿式電極は訓練を受けていない人によって自律的に装着され、低い位置分散で、顔および耳の後方の特定の電極位置を確実に想定することができる。
【0069】
電極グリッド、すなわち電極配置110を有するキャリア構造体120の設計は、とりわけ、例えば以下の要件に基づいていた。
自律的に装着することは容易であるべきであり、すなわち、訓練されていない人々は、マニュアルまたは同様のものに基づいて問題なくグリッドを全く自力で装着することができる。異なる頭部形状に適合することが意図されており、すなわち、構成は、青年および成人の異なる頭部サイズおよび頭部形状に適している。電極は、顔および耳の後方の特定の位置に特定の位置構成で位置するようになる。着用快適性は、数時間から一日にわたる快適な着用を可能にすることを意図している。信号品質は、数kOhm~約20kOhmの範囲のインピーダンス値を有するEEG、EMG、EKG、およびEOG測定に非常に適していることが意図されている。3つを超える電極位置がグリッド形成にマッピングされることになり、
図4aは、例えば9(電位差の差分測定のための参照REFおよび接地GRDを加えたもの)を示し、アーム実施形態またはより小さいサイドアームの位置でより多くの電極位置が可能である。グリッドは、例えば、同様の形状の実施形態であるが、異なる材料および/または電極の実施形態で作られた変形形態で利用可能である。
【0070】
装置100の第1の変形例は、例えば
図7に示すように、固体ゲル電極を有する固体ゲルグリッドを含む。ここで、例えば、新生児分野用の市販のEKG電極110
1から110
9をキャリア構造体に挿入することができる。固体ゲル電極の代替として、乾式電極を使用することもできる。例えば、ポリウレタンフォームをキャリア材料として含むキャリア構造体120は、固体ゲル電極と共に固体ゲルグリッドを形成する。キャリア構造体は、例えば、ポリウレタンフォームなどの伸縮性キャリア材料を含む。複数の電極の電極は、例えばケーブルに接続され、ケーブル配線は、石膏(plaster)表面の上側を通る。換言すれば、ケーブルは、電極配置110とは反対側のキャリア構造体120の表面に沿って、隙間を空けて案内される。ケーブル配線の隙間140は、キャリア構造体120の延伸のケーブルへの力伝達を制限する。隙間は、例えばケーブルの吊り下げられた経路の形態の、例えばケーブル長さの長さ許容値に対応する。キャリア構造体は、例えば、電極配置の2つの電極間の距離を最大20%だけ延ばすように構成される。
図7に示す実施形態は、
図4bにも示されるように、キャリア構造体120および電極配置110を含む。特定の電極位置のラグは、より良好な粘着に役立つが、除去することもできる。しかしながら、代替的に、
図4aに示す実施形態は、固体ゲルグリッド(ケーブルに接続された市販の固体ゲル電極を有するキャリア構造体)として形成されてもよい。任意選択的に、装置100は、複数の電極110
1から110
9によって測定された電気信号に基づいて出力信号を提供するように構成された信号出力部160を含む。信号出力部160は、ケーブルを介して電極配置の電極に接続される。ケーブルは、例えばキャリア構造体120の範囲を越え、信号出力部160として作用するプラグ内で終端する。
【0071】
装置110の第2の変形例は、トレースグリッドを含む。この実施形態では、例えば、金属材料(例えば、銀および/またはAg/AgCl)またはグラフェン材料を含むトレースが、例えば、エッチング法、レーザ法、または印刷法によって、キャリア構造体120のキャリア材料に適用される。金属の組み合わせを使用して、銅エッチング法でトレースを最初に製造し、続いて化学結合によって電極表面を銀めっきすることも可能である。フィルムキャリア上に印刷(またはエッチング)された電極システムは、皮膚に貼り付けることができるので有利である。さらに、粘着性の解決策、すなわち皮膚に貼り付けることができるキャリア材料上の印刷トレースは、皮膚上の電極の動きによるアーチファクトに対してより堅牢である。キャリア材料は、例えば、半可撓性、すなわち伸縮性または弾性の薄いフィルム状の材料(例えば、ポリマー材料、例えば、ポリエステル材料もしくはポリアミド材料、またはポリウレタン材料、またはシリコーン材料)である。ポリウレタン材料は、生体適合性材料として皮膚に優しいことに加えて、1次元を超える伸縮性および弾性ならびに柔軟性を可能にするので好ましい。したがって、グリッド、すなわちキャリア構造体120は、顔および頭部の凹凸にぴったりと適合する。絶縁のために、トレースは、例えば、キャリア構造体120のキャリア材料の第2の層とのサンドイッチ構造として積層され、電極表面(
図4aおよび
図4bに円として示す)は露出したままである。トレースは、例えば、キャリア構造体120の伸長時に対応して延在するために、キャリア構造体120の上または中に吊り下げられた経路(例えば、波状、蛇行またはギザギザ)を含む。したがって、キャリア構造体は、電極配置の2つの隣接する電極間の距離を最大10%だけ延ばすように構成される。
【0072】
構造の原理略図が
図8に示されており、Aはポリウレタンであり、Cは銅であり、Bは銀めっきである。したがって、装置100のキャリア構造体120は、例えば、キャリア材料の第1の層と、キャリア材料の第2の層と、例えば銅材料などの導電性材料を含む介在層とを含む。電極配置の電極が配置されているキャリア構造体120上の位置において、キャリア材料の第2の層はギャップを含む。これらの位置では、介在層の導電性材料は、例えば、銀めっきされているか、またはグラフェン材料によって覆われている。その後に、例えば、粘着性電解質ゲルまたは固体ゲルなどのゲルが、キャリア構造体120上の銀めっき位置に塗布および/または事前塗布される。
図8bは、ゲル(D)の事前塗布後の構造を示すが、任意の保護フィルムによる被覆はない。そうでなければ化学反応が起こるので、ゲルが銅トレースと接触しないことが重要である。銀めっき電極表面に配置されたゲル材料は、例えば、ゲルレンズと称され得る。自由電極表面(
図4aおよび
図4bに円として示されている)は、その上に配置されたゲルレンズを有する。これは、例えばグリッドを装着する直前に保護フィルムを剥がすことによって、人自身によって露出される。保護フィルム部分は、例えば、グリッドのアームに次々に貼り付けることができるように細分される。グラフェンなどの皮膚に優しい材料が、キャリア材料の2つの層の間に配置された導電性材料を覆うために使用される場合、任意選択的に、電極位置へのゲルの塗布は省略されてもよい)し、したがって、複数の電極は、例えば、乾式電極を含む)。
【0073】
必要に応じて、例えば、ポリウレタンフォームを含む補剛要素122が、この第2の変形例において、および任意選択で第1の変形例においても、追加の安定部材として取り付けられてもよい。しかしながら、代替的に、厚さサブミリメートルの粘着面でも十分であり得る。また、グリッドの装着を安定させるために、剛性を高めるために、紙またはフィルム材料が上側(皮膚ではない)側、すなわち電極配置110とは反対側のキャリア構造体120の側に取り付けられてもよい。この材料は、シャワー包帯と同様にグリッドを配置した後に除去され、その結果、全体的に、着用快適性がより高くなる。
【0074】
一実施形態によれば、キャリア構造体120は、異なるタイプの皮膚に対してキャリア構造体120の低い(または、必要に応じて、特に高い)視認性を達成するために、透過性キャリア材料、すなわち透明および/または無色のキャリア材料、または異なる色のキャリア材料を含む。ナローグリッドデザインは、日常生活で着用するのに適しており、必要に応じて光学的に心地よい印刷を施したり、透明なデザインのために目立たないままにしたりするのに適している。したがって、装置は個別的であり得、快適な着用快適性を提供することができ、その結果、日常生活における用途さえ可能になる。これにより、日常生活における装置の使用の受け入れが増加するにつれて、長期記録が可能になる。透過性キャリア材料は、皮膚刺激、例えばキャリア構造体を皮膚に貼り付けるための粘着剤に対する反応の迅速な検出を可能にするので、特に有利である。さらに、透過性キャリア材料は、特徴的な顔のポイントが覆われず、したがってユーザが電極配置の電極をそれ自体に正確に効率的に位置決めすることができるので、キャリア構造体の自律的な装着を容易にする。さらに、電極配置の装着後に、電極がユーザの正しい位置に配置されたかどうかを判定することが容易である。
【0075】
一実施形態によれば、本明細書に記載の装置100の電極配置110は、受動電極または能動電極を有することが考えられる。受動電極は、金属表面を介して電気活性を導出し、「変形固体ゲルグリッド」の例では、例えば塩化銀コーティングによって銀で作られた金属プレートレット(Ag/AgCl電極)を介して電気活性を導出し、「変形トレースグリッド」の例では、受動電極は、化学プロセスで銅トレースに適用された銀表面である。他の種類の電極としては、特定の回路を用いた差動(差分)増幅器に入力される前であっても信号品質の向上を図る能動電極が存在する。この追加の回路は、異なる目的を果たすことができる。1つの可能性はインピーダンス変換である。マイクロフォンケーブルと同様に、これは、例えば、ケーブルの動きによる外乱に対する信号の感度を低くすることを可能にする。この追加の回路の助けを借りて、既に電極内に直接小型増幅器を追加することも可能である。これにより、信号雑音比を電極で直接改善することができ、より良好な信号品質をもたらすことができる。さらに、ケーブルの動きは、信号雑音比がより良好であるために信号品質にとってあまり重要ではないので、装置が任意選択的に含む信号増幅器は、身体上でさらに離れて配置されてもよい。
【0076】
非常に大きいまたは非常に小さい頭部形状(小学生、10代、青年)に対して構成はスケーラブルであり、例えば、小学生の子供用に通常のサイズの70%とすることができる。頭部周囲に関して国際的な帽子サイズに向けられたサイズS、M、L、すなわちSで55~56cm、Mで57~58cm、Lで59~60cmの頭囲は、提案されたキャリア構造体によってカバーされ得る。弾性キャリア材料により、キャリア構造体は様々な頭囲に適合され、様々な頭囲は5cmの最大差を有し得る。さらに、61~62の頭部サイズCLもカバーできるように、1.1倍または1.2倍のサイズで構成を大きくする必要がある。これを超えるサイズのさらなる対応する増加が考えられる。同様に、構成は、53~54cmのサイズXSに対して係数0.9または0.8によるスケーリングによって適合され得る。キャリア構造体120のキャリア材料の柔軟性のために、頭部がわずかに小さすぎる場合、キャリア構造体120が電極位置の間で小さな波を作る場合は問題ない。同様に、中間通路も、額および耳の後方の位置に達するようにわずかに伸ばすことができる。異なる頭部形状への適合は、例えば、耳の後方のアームがわずかにねじれる/傾けられるようにして可能である。可撓性材料はこれを可能にする。好ましくは、トレースは、トレースが伸張および/または張力を吸収することができるように、ねじられたまたは伸張された領域において、例えば蛇行形状に吊り下げられた形状で、印刷される。キャリア構造体は、弾性キャリア材料によって、50cm~55cm、または55cm~60cm、または60cm~65cmの範囲の頭囲を有するユーザの頭部の顔表面上に電極配置の少なくとも一部を位置決めするように適合される。
【0077】
一実施形態によれば、装置100は、装置100の信号出力部(例えば、
図7または
図15の160)から測定された電気信号を受信するように構成された信号増幅器150を含む。信号出力部160は、任意選択的に、例えば
図15を参照すると、キャリア構造体120上に配置されてもよい。
図15は、例えば、電極110
1~110
10がトレースを介して信号出力部160に接続されているトレースグリッドを示す。トレースは、例えば、キャリア構造体120に一体化される。装置100は、例えば、ユーザの頭部の後ろ、腕、肩、胸、または首の信号増幅器の位置を規定する締結手段をさらに含む。装置100は、例えば、信号検出用のEEG差動増幅器を含む。ケーブルアーチファクトを回避するために、増幅器は電極の近くに配置されるべきである。最初にアダプタに通じ、次いで遮蔽ケーブルを増幅器に通じさせることも可能である。そして、増幅器は、胸部ベルトやアームバンドを用いて装着されてもよい。研究分野のモバイルEEG用途では、頭部バンドによって後頭部に装着されることが多く、この解決策も一般的に考えられる。EEG増幅器は、信号を局所的に記録するか、または例えばブルートゥース(登録商標)接続を介して有線または無線方式で受信局に送信する。
【0078】
図15の装置100をアダプタに、または直接信号増幅器150に接続するためには、通常、そうでなければ挿入によって接続を確立することができないので、形状安定性/剛性の補強が必要である。この目的のために、剛性材料を支持体としてキャリア構造体120のプラグイン部品162に貼り付けることができる。キャリア構造体120は、例えば、キャリア構造体120の信号出力部160の位置162に配置された支持構造体を含む。キャリア構造体は、例えば、ポリイミド材料、ポリエステル材料、ポリエチレン材料および/またはFR4材料を含む。
【0079】
信号増幅器150は、衣服または保持ストラップに締め付けることによって肩または胸の高さに装着することができる。
図9a~
図9eは、増幅器がユーザの身体に有利に装着され得る方法の異なる選択肢を示す。
図9aは、頭部バンドを使用するユーザの後頭部の増幅器またはアダプタへの接続の可能な位置決めを示す。別の可能性は、ユーザの首への配置である。アダプタまたは直接の増幅器は、例えば、皮膚に優しい粘着パッチによって皮膚に貼り付けることができる。別の可能性は、
図9bに示すように、首の周りに着用されるスカーフまたはループを使用することである。ここで、アダプタまたは増幅器は、前記スカーフまたはループ上のバッグに収容されてもよい。スカーフまたはループは、クッションのためにさらに役立つことができる。スカーフの代替として、首部の基部の周りの保持要素も胴体上に位置するようになり得る。
図9cには、2つの選択肢が示されており、信号増幅器150は、耳の真後ろに、あるいは耳の下に配置または固定されてもよい。
図9dによれば、信号増幅器150は、ユーザの肩に配置されて衣類または保持ストラップに固定されてもよく、または例えば、ユーザの胸部またはその衣類または保持ストラップに固定されてもよい。しかしながら、特に睡眠中の用途では、
図9eに示す増幅器またはアダプタの位置が好ましい。締結手段は、例えば、骨突起、乳様突起280、および2つの胸鎖乳突筋292と僧帽筋284との間の下のユーザの首に信号増幅器150を固定するように構成されたカラーまたはスカーフである。
【0080】
以下では、本発明による装置100の使用がさらに詳しく説明されるが、ユーザが装置100自体をどのように装着することができるかについて特に詳しく説明される。この場合、装置100は、例えば、前述の実施形態のうちの1つに対応する。
図10に示すように、本発明による装置を使用するための方法400は、少なくとも、装置100をユーザ210の頭部200の顔表面220上および/またはユーザ210自身もしくは別の人によってユーザの耳230の後方に装着するステップ410と、複数の電極によって測定された信号によってユーザ210を監視するステップ420と、を含む。装着410は、ユーザ210による自律的装着410が好ましい。
【0081】
任意選択で、方法400は、以下に説明するステップのうちのさらなるステップを含むことができる。
方法は、頭部表面、すなわち皮膚を洗浄することを含んでもよく、洗浄は、任意選択的に、装置が装着される領域に限定される410。より良好な信号品質のために汚れ、脂(グリース)、および皮脂を除去するためにアルコール溶液を使用して皮膚を洗浄することが有利である。代替的または追加的に、洗浄、例えば頭部表面の前処理は、リング電極で一般的であることが多いため、研磨ゲルを使用して実行されてもよい。技術的問題は、0.1から100マイクロボルトの範囲の電位差の低い信号強度である。このため、電極と皮膚との間の接触は、可能な限り最良の導電率で確立されなければならない。皮膚のインピーダンス値は、数kOhm~MOhmの範囲内にある。この値を低く保つために、電極が配置される位置は、例えば脱脂され、必要に応じて、脂、皮脂または死んだ皮膚細胞を除去するための測定の前に剥離ゲルで処理される。
装置100の一実施形態では、キャリア構造体120は、例えば保護フィルムによって覆われた粘着材料を含む。キャリア構造体の底面、すなわち電極配置が配置されるキャリア構造体の側面は、例えば、その下に粘着材料の粘着面がグリッドアーム上、すなわちキャリア構造体の接続リブ上に位置する保護フィルムによって覆われる。電極位置には、例えば、皮膚と電極との間の有利な信号接続のためのゲルレンズが配置される。装置を皮膚に固定するために保護フィルムを剥がす前に、例えば事前配置が行われる。したがって、装置を装着するステップ410は、例えば、
装置を頭部表面上、すなわち顔表面220上および耳230の後方に事前配置するステップと、
装置から保護フィルムを剥離するステップと、
頭部表面に装置を貼り付けるステップと、を含む。
装置が複数の保護フィルム部分を含む場合、剥離および粘着は、例えば複数回繰り返されてもよい。どの保護フィルム部分がいつ剥がされるかの順序は、例えば、装置の文脈において既に上述したように起こり得る。
【0082】
例えば、2つの電極AおよびB(
図5aおよび
図5bを参照)を介して、上頬骨を触って電極Bをその上に置き、電極Aをほぼ水平線に置くことによって、事前配置が行われる。そして、上側グリッドアームを額のほぼ中央(C)で目の上に配置できるかどうかをチェックすることができる。同様に、グリッドの左アーム(D)が耳の後方に十分にフィットするかどうかをチェックすることができる。したがって、取り扱いを容易にするために、設計は、耳の上方のアームの経路を選択したが、それは、これが配置中に頭部の耳の上底に自然な支持を提供するからである。点Fを中心としたわずかな回転によって、左および上アームの位置(すなわち、第2の接続リブ124が分岐する2つの部分124
1および124
2の位置)を最適化することができる。片手で片手を持ち、皮膚に優しいペンを使用すると、手が滑っても簡単に修正できるように、(A)および(B)の位置を顔に視覚的に追加でマークすることができる。
事前配置の後に、保護フィルムは、事前配置中に指定された順序(C,D)でグリッドのアーム、すなわちキャリア構造体の接続リブに付着するために、電極AおよびBを有するアームから剥がすことができる。保護フィルムは、グリッドのアームを1つずつ個別に取り付けることができるように、対応する部分に細分される。
したがって、ユーザ210の頭部200の顔表面220上に装置100を装着するステップ410は、例えば、上頬骨を触って、上頬骨上に第1の電極を固定するステップと、ユーザの耳の耳珠の前に第2の電極を固定するステップと、眉毛の線の1~3cm上方の領域における鼻根点の垂直上方の額の上に第3の電極を固定するステップと、耳の後方に第4の電極を固定するステップと、を含むことができる。
【0083】
配置を説明するために、
1.頬骨と耳の前(耳珠「軟骨隆起」の約1cm前)の無毛領域(髭のある人での使用に重要)を触る。グリッドの2つの短い分岐をこれらの点上にほぼ水平方向に配置する。
2.グリッドを額の上および耳の後方に大まかに向け、必要に応じて点Fを中心に回転させる
3.頬骨から始まり耳珠の前で、1つずつグリッドを貼り付ける。
4.額の上で、点は、眉毛の線の約1~2cm上で、額に向かって鼻根点の垂直上方に当たる。1~2cmの範囲の水平の逸脱が許容される。
5.耳の後方で、最後の電極は通常、触知可能な骨突起として乳様突起に達する。この電極は、典型的には、電位差の測定のための基準として選択される。
グリッドの任意選択の実施形態では、顎領域のEMG用の電極を介して記録するために、顎に沿って貼り付けられた第3のアーム(E)が存在する。このような記録は、急速眼球運動(REM)相を他の相、特に覚醒相と区別するための睡眠相を検出するのに有利である。EMGを検出するための顎に電極を有する完全なグリッド設計は、家庭環境における睡眠モニタリングの用途を対象としている。
グリッドの良好な取り扱いおよび記載された装着の可能性は、最初の試行における安全な配置を保証する。再配置の場合、粘着強度が失われ、信号安定性が長期間維持されないリスクが高まる。
耳の上のフック領域は、例えば、グリッドが毛髪にくっつかないように、粘着面としては使わない。格子を配置するのを助けることに加えて、このフックは、顔部分と耳の後方のアームとの間の接続としての機能をさらに果たす。耳の下の異なる実施形態の変形形態が可能であり、これは顎骨に沿って延在し、顎部の活動が増加した場合に電極配置の安定性を損ない、さらに着用快適性を低下させる。
電気生理学的信号、特に脳波図(EEG)、眼電図(EOG)、心電図(ECGまたはEKG)、および筋電図(EMG)を収集するために、電極をゲル(湿式電極)を介してまたはゲルなし(乾式電極)でヒトの皮膚に接続して、脳および筋肉細胞によって生成される電気活性を測定する。電極の電位変動は、基準電極との差で測定され、信号の増幅は、例えば、差増幅器によって行われる。湿式電極を使用する場合、皮膚と電極との間の遷移インピーダンスを低減するために電解質ゲルが使用される。
ユーザを監視するステップ420によって、ユーザの睡眠行動、またはユーザのてんかん行動、またはユーザの神経障害、またはユーザの認知心理学的行動を、例えば測定された電気信号に基づいて監視することができる。
【0084】
以下に説明するような応用技術分野が考えられる。
-家庭または外来での睡眠モニタリング
-てんかんまたはてんかんの疑いのある患者における家庭または外来でのモニタリング
-他の神経障害または疑われる障害(例えば、うつ病、アルツハイマー病)を有する患者における、とりわけ早期指標を導出するための家庭または外来でのモニタリング
-家庭環境、介護施設での、例えば、注意、警戒、聴力努力、認知ストレス、感覚機能性および認知処理能力の判定に関する、認知心理学的試験シリーズにおける使用。医師の診療所または病院および診療所においても同様で、電極の簡単な設置は時間を節約する
-特に安全性重視の用途(例えば、列車の車掌、パイロット、航空交通管制官、トラック運転手、採掘車両)での、作業状況における前述の認知状態を検出するための使用、
-神経心理学的研究、および認知状態、のみならず覚醒状態、のみならず睡眠状態における神経障害症状に関する隣接する研究分野における
-例えば、対応する話者(又はスピーカ)の音声信号を改善するために、その後の分析のために、または補聴器を制御するために音響的注意を検出すること
-その後の分析のために、または補聴器の設定を制御するために、聴力努力を検出すること
-無呼吸を治療するための陽圧システムの有効性を監視すること。陽空気圧(PAP)システムは、無呼吸の治療法の1つである。通常、まず、無呼吸障害が睡眠検査室で診断され、次にPAP装置が睡眠検査室でも設定される。しかしながら、実際には、この設定は多くの場合に十分にうまく機能しないと考えられ、通常、睡眠はポリグラフ(EEGなし)を使用して間隔を置いて試験されるにすぎない。本明細書で提案される解決策は、EEGによって睡眠構造に関するより高品質の情報を可能にしながら、家庭環境で検出が可能であり続けるため、改善をもたらすことができる。
【0085】
図11は、装置100を用いたデータ取得の構成を示すブロック図である。人々は、データ収集のためのシステム500を家に持って行き、そこでそれを自分自身で装着することができる。システムは、例えば、EEG増幅器150と、記録ユニット410と、必要に応じてさらなるセンサ420と、本明細書に記載の本発明による装置100とを含む。
図12はまた、本発明による装置100を含むシステム500の一実施形態に関する。さらに、システム500は、複数の電極によって測定された電気信号を評価するように構成された評価装置510を含む。任意選択的に、システム500は、
図11の文脈で説明したような特徴および機能を含むことができる。
評価装置510は、例えば、信号出力部160から、例えば信号増幅器150を介して、複数の電極によって測定された電気信号を受信するように構成される。これは、例えば、WLANまたはブルートゥース(登録商標)を介して無線で、または有線方式で行うことができる。
評価装置510は、例えば、電気信号に基づいてユーザの睡眠アーキテクチャに関する情報520を提供し、またはユーザのてんかん行動に関する情報520を提供し、またはユーザ520の神経障害を示し、または認知心理学的情報520を提供する、ように構成される。
代替的な実施形態によれば、システム500は、補聴器530をさらに含む。この場合、評価装置は、例えば、電気信号に基づいて補聴器530を制御するように構成される。
評価装置510は、例えば、
-対応する話者の音声信号を改善するために、その後の分析のために、および/または補聴器520を制御するために音響的注意を検出する、および/または
-その後の分析のために、および/または補聴器530の設定を制御するためにも、聴力を検出する。
【0086】
本明細書で提案される解決策の付加価値は、電極110
1から110
5の所定の構成(電極の構成は、本明細書に記載の一実施形態に従って存在してもよく、例えば、
図1a、
図4a、
図4b、および
図6a/bを参照されたい)の自己装着可能装置100に基づいて、EKG、EMGに加えて、有利には提案された用途のために、日常生活でEEGおよびEOG情報が収集され得、したがって補聴器530および任意選択的にEEG/EOG信号増幅器に接続され得ることである。システム500内の装置100は、電極配置が湿式電極を含む場合に特に有利である。外耳道内または外耳内に乾式電極を有する解決策が存在するが、これらは不快な圧力を引き起こす可能性があり、またはより悪い信号品質しかもたらさない。本明細書で提案される解決策は、着用快適性と良好な信号品質とを組み合わせる。この形態で日常生活においてEEGを収集することができる場合、補聴器に関連する上述の用途が考えられ、これらは以下の通りである。
-EEGと目標オーディオ信号の包絡線との相関を介して、EEGに基づいて、複数のスピーカー(または話者)を有する状況における特定のスピーカー(または話者)への(または、騒がしい環境における雑音への)音響的注意を検出すること(これに関する科学的研究は、数年間発表されている)。このようにして目標信号が検出された場合、補聴器のビームフォーマは、この目標信号が特に強調され、したがって聴覚者にとってより聞き取りやすいように設定され得る。
-以前に指定された装着事例では、聴覚者がサポートされた状況からも「抜け出る」ことを可能にすることは、特定の課題であり、これは、他のスピーカー(または話者)音源が現在は背景のより遠くにあるが、聴覚者がこれら(他のスピーカー(または話者)音源)に再び焦点を合わせることを可能にすることを意味する。提案された電極グリッドに基づく解決策は、EOGを介して、眼球運動(方向)、瞬き、および目を閉じることに関する情報を受信し、これらを遠隔制御として使用することである。このようにして、聴覚者は、はるかに堅牢であると同時に単純かつ直感的な方法で、どの信号が特に強調されることが望ましいかを制御する(その方向を見て、例えば確認のために2回点滅させる)ことができる。したがって、評価装置510は、ユーザの信号に応答して補聴器530を制御するために、所定の信号特性について装置100によって測定された信号を評価するように構成されてもよい。
-EEGデータに基づいて聴覚努力を検出すること。聴覚努力が増加した場合、補聴器アルゴリズムは、例えば聴覚支援アルゴリズムの別の予めプログラムされたプロファイルに自動的に適合され得る。しかしながら、ここでは、音声文脈の分析はまた、聴覚支援アルゴリズムを選択するための追加の情報源を提供してもよい。
【0087】
さらなる実施形態は、発明による装置100を製造するための方法600に関し、
図13を参照されたい。方法600は、とりわけ、キャリア構造体120を提供するステップ610と、キャリア構造体120上に電極配置110を固定するステップ620と、任意選択的に、電極配置の電極に電解質ゲルまたはゲルレンズを塗布するステップ630と、を含む。電極配置は、例えば、複数の電極を含む。塗布630の際に、例えば複数の電極の一部のみに、それぞれ1つのゲルレンズおよび/または電解質ゲルが塗布630されてもよく、または複数の電極の各電極に1つのゲルレンズおよび/または電解質ゲルが塗布630されてもよい。
電極配置は、装置のユーザの頭部の顔表面および/または耳の後方の電気信号を測定するための複数の電極を含む。
【0088】
キャリア構造体は、装置のユーザの頭部の顔表面に適合される。キャリア構造体は、隣接して配置された電極間の距離を変更するために、および/または顔および/または頭部構造に領域包括的に適合するために、ユーザによって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、ユーザによって加えられる外力下で変形可能である。さらに、キャリア構造体は、複数の電極のうちの電極の互いに対する相対位置を規定する。キャリア構造体は、電極配置の少なくとも一部を顔表面上および/または耳の後方に位置決めするように構成される。電極配置の複数の電極は、例えば、電極の第1のサブセットおよび電極の別々の第2のサブセットに細分化されてもよく、キャリア構造体は、例えば、電極の第1のサブセットを顔表面上に位置決めし、電極の第2のサブセットを耳の後方に位置決めするように構成される。
電極配置を固定するステップ620は、例えば、装置100に関連して既に説明したように行うことができる。
図7、
図8a、および
図8bの実施形態を特に参照する。したがって、完全に製造された湿式または乾式電極は、例えば
図7に示すようにキャリア構造体に貼り付けられてもよく、または電極配置は、
図8aおよび
図8bに示すようにキャリア構造体に一体化されてもよい。電極をキャリア構造体に一体化することは、電極がトレースに接続されている場合に特に有利である。
図8aおよび
図8bに示すようなサンドイッチ構造は、トレースが皮膚に優しくなく、トレースの電気絶縁に必要であるため、装置のユーザを保護する。
【0089】
本発明による装置100の前述の実施形態の代替として、装置100は、耳230の後方のみに電極配置110の複数の電極110
1から110
4を配置するように構成された
図16に示すようなキャリア構造体120を含むことができる。この目的のために、キャリア構造体120は、例えば、装置100を耳の後方に位置決めおよび/または固定しながらユーザの耳に支持されるように構成されたフックなどの部品800を含む。これにより、装置100をユーザの耳の後方に自律的に固定することが可能になる。
電極110
1から110
4は、例えば、
図4aの電極110
4から110
7と同じ特徴、位置、および/または機能を含むことができる。任意選択的に、例えば
図4bの電極110
4および/または110
5に関連して示されているような延長部130は、電極110
1および/または電極110
2上に配置されてもよい。電極110
1から110
4は、例えばトレースまたはケーブルに接続することができる。
電極配置110の複数の電極110
1から110
4は、ユーザの耳の後方の電気信号を測定するように構成される。好ましくは、電極配置は、複数の湿式電極を含む。電極配置110は、例えば、キャリア構造体120上に配置されるか、またはその中に一体化される。
【0090】
キャリア構造体120の形状は、例えば、ユーザの耳の形状に従う。キャリア構造体120は、複数の電極のうちの電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定する。キャリア構造体の形状および長さは、例えば、耳の上底から耳に沿って乳様突起に至るように構成される。これは、ユーザが耳の上底または乳様突起のいずれかを非常に正確に感じることができ、したがって装置および/またはキャリア構造体120を耳の後方に位置決めして固定することができるため、装置100の自己装着にとって特に有利である。
キャリア構造体120は、ユーザによって加えられる外力なしで許容範囲内で形状安定性であり、隣接して配置された電極間の距離を変更するために、および/または顔および/または頭部構造に領域包括的に適合するために、ユーザによって加えられる外力の下で変形可能である。
さらに、装置100は、例えば
図1a~
図9eを参照すると、本発明による装置100の他の実施形態の文脈で説明したような特徴および機能を含むことができることに留意されたい。特に、キャリア構造体120は、例えば、複数の電極の電極上に延長部130を含むことができる。さらに、キャリア構造体120は、とりわけ、粘着材料、保護フィルム、および補剛要素などの特徴を含むことができる。
【0091】
装置の文脈内でいくつかの態様が説明されたが、前記態様は対応する方法の説明も表すことが理解され、したがって、装置のブロックまたは構造構成要素も、対応する方法ステップまたは方法ステップの特徴として理解されるべきである。同様に、方法ステップの文脈内でまたは方法ステップとして説明されている態様はまた、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の説明を表す。方法ステップの一部またはすべては、例えば、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、または電子回路などのハードウェア装置によって(またはハードウェア装置を使用して)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップのいくつかまたはいくつかは、そのような装置によって実行されてもよい。
具体的な実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。実装は、デジタル記憶媒体、例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMもしくはフラッシュメモリ、ハードディスク、またはそれぞれの方法が実行されるようにプログラマブルコンピュータシステムと協働するか、または協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号が記憶された任意の他の磁気もしくは光学メモリを使用して行われてもよい。これが、デジタル記憶媒体がコンピュータ可読であり得る理由である。
したがって、本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかが実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を含むデータキャリアを含む。
【0092】
概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実施することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法のいずれかを実行するのに有効である。
プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに格納することもできる。
他の実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは、機械可読キャリアに格納される。
言い換えれば、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムが記録されるデータキャリア(またはデジタル記憶媒体もしくはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体は、通常、有形または不揮発性である。
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは一連の信号である。データストリームまたは信号シーケンスは、例えば、データ通信リンクを介して、例えばインターネットを介して送信されるように構成することができる。
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するように構成または適合された処理ユニット、例えばコンピュータまたはプログラマブル論理装置を含む。
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0093】
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの少なくとも1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信機に送信するように構成された装置またはシステムを含む。送信は、例えば、電子的または光学的であってもよい。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル装置、メモリ装置、または同様の装置であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に送信するためのファイルサーバを含むことができる。
いくつかの実施形態では、プログラマブル論理装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGA)を使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部またはすべてを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためにマイクロプロセッサと協働することができる。概して、本方法は、いくつかの実施形態では、任意のハードウェア装置によって実行される。前記ハードウェア装置は、コンピュータプロセッサ(CPU)などの任意の普遍的に適用可能なハードウェアであってもよく、ASICなどの方法に固有のハードウェアであってもよい。
例えば、本明細書に記載された装置は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して実装され得る。
本明細書に記載の装置、または本明細書に記載の装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェア(コンピュータプログラム)で実装されてもよい。
例えば、本明細書に記載の方法は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して実施され得る。
本明細書に記載の方法、または本明細書に記載の方法の任意の構成要素は、実行および/またはソフトウェアによって少なくとも部分的に実施することができる。
上述の実施形態は、単に本発明の原理の例示を表しているにすぎない。当業者は、本明細書に記載の配置および詳細の修正および変形を理解するであろうことが理解される。これが、本発明が実施形態の説明および議論によって本明細書に提示された特定の詳細によってではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される理由である。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)が、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更し、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合させるために、前記ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能であり、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項2】
前記キャリア構造体
(120)は、50kOhm未満のインピーダンスを有する信号を記録するために前記複数の電極を前記ユーザ
(210)の前記顔表面
(220)および頭部表面に0.2Nの最大力で押圧するように構成される、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記キャリア構造体(120)が、ヒトの顔の形状として前記顔表面(220)に追従し、前記複数の電極が前記キャリア構造体(120)上に配置され、
前記複数の電極のうちの第1の電極(110
1)に割り当てられた第1の電極位置が、前記顔表面(220)の第1の特徴点(B)の位置に対応し、前記複数の電極のうちの第2の電極(110
2)に割り当てられた第2の電極位置が、前記顔表面(220)の第2の特徴点(A)の位置に対応し、前記複数の電極のうちの第3の電極(110
3)に割り当てられた第3の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される許容範囲内で前記顔表面(220)上の前記第1の電極位置および前記第2の電極位置を起点として生じる、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記顔表面(220)の前記第1の特徴点(B)が上頬骨に対応し、前記第2の特徴点(A)が前記ユーザ(210)の耳(230)の耳珠の前の位置に対応する、請求項3に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記キャリア構造体(120)が、一方の側の前記第1の電極位置および/または前記第2の電極位置を他方の側の前記第3の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(123,124
1)を含み、前記第3の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される1~2cmの許容範囲内で、前記ユーザ(210)の鼻根点の垂直上方の眉毛の線から上に1cm~3cmの領域内の前記顔表面(220)の額上の位置(C)に対応する、請求項
3に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記キャリア構造体(120)が、一方の側の前記第1の電極位置および/または前記第2の電極位置を、他方の側の前記複数の電極のうちの第4の電極(110
4)に割り当てられた第4の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(123,124
1)を含み、前記第4の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される許容範囲内で、前記ユーザ(210)の前記耳(230)の後の位置(D)に対応する、請求項
3に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記キャリア構造体(120)が、一方の側の前記第1の電極位置および/または前記第2の電極位置を、他方の側の前記複数の電極のうちの第5の電極(110
9、110
8)に割り当てられた第5の電極位置に少なくとも部分的に接続する接続リブ(126)を含み、前記第5の電極位置が、前記キャリア構造体(120)によって決定される許容範囲内で、前記ユーザ(210)の前記顔表面(220)の前記顎上の位置(E)に対応する、請求項
3に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記キャリア構造体(
120)が、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)を前記顔表面(220)上に固定するための粘着材料を含む、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記電極が、前記インピーダンスを低下させ、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)を前記顔表面(220)上に固定するための粘着性電解質ゲルをさらに含み、前記粘着性電解質ゲルが、少なくともいくつかの部分において、除去可能な保護フィルムによって覆われている、請求項8に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記粘着材料が除去可能な保護フィルムによって覆われている、請求項
8に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記保護フィルムが、前記キャリア構造体(120)および前記複数の電極から独立して除去可能な複数の保護フィルム部分を含む、請求項10に記載の装置(
100)。
【請求項12】
前記複数の保護フィルム部分のうちの第1の保護フィルム部分が、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)のうちの第1のサブセットを覆い、前記複数の保護フィルム部分のうちの第2の保護フィルム部分が、前記複数の電極および前記キャリア構造体(120)のうちの分離した第2のサブセットを覆う、請求項11に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記キャリア構造体(120)が、前記顔表面(220)の経路に従う分岐接続リブを有するネット構造の形状に構成される、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項14】
前記分岐接続リブが、前記複数の電極のうちの1つの電極の電極直径の最大で3倍に対応するリブ幅を有する、請求項13に記載の装置(100)。
【請求項15】
前記分岐接続リブの接続リブ(124
2)が、前記キャリア構造体(120)が前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に固定されるように構成された湾曲した末端部を含むように、一端で湾曲しており、前記接続リブが、前記ユーザ(210)の前記耳(230)の上方の前記顔から前記湾曲した末端部まで延在するように構成され、前記複数の電極のうちの少なくとも1つの電極が前記湾曲した末端部に配置される、請求項
13に記載の装置(100)。
【請求項16】
前記キャリア構造体(120)の形状が、前記複数の電極を前記顔表面(220)上の対応する複数の位置に位置決めするように構成され、前記複数の位置が、前記ユーザ(210)の所定の頭部領域からの信号をマッピングするための前記電気信号の少なくとも1つの線形結合のための前記顔表面(220)上の前記電気信号の検出のために構成される、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項17】
前記装置(100)が、前記複数の電極によって測定された前記電気信号に基づいて出力信号を提供するように構成された信号出力部(160)を含む、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項18】
前記装置(100)が、前記信号出力部(160)から前記測定された電気信号を受信するように構成された信号増幅器(150)を含み、
前記装置(100)が、前記ユーザ(210)の後頭部、腕、肩、胸、または首に前記信号増幅器の位置を規定する締結手段を含む、請求項17に記載の装置(100)。
【請求項19】
前記締結手段が、前記信号増幅器(150)、乳様突起(280)の骨突起の下方かつ、2つの筋肉すなわち胸鎖乳突筋(282)と僧帽筋(284)との間で前記ユーザ(210)の前記首に固定するように構成されたカラーまたはスカーフである、請求項18に記載の装置(100)。
【請求項20】
前記キャリア構造体(120)が、キャリア材料としてポリウレタン材料、ポリマー材料、および/またはシリコーン材料を含み、
前記キャリア材料が弾性または伸縮性であり、
前記電極が導電性トレースに接続され、
前記導電性トレースが、前記キャリア構造体(120)の延伸時に対応して伸長するために、前記キャリア構造体(120)の上または中に吊り下げられた経路を有する、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項21】
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)の2つの電極間の距離を最大10%だけ延伸させるように構成される、請求項20に記載の装置(100)。
【請求項22】
前記キャリア構造体(120)がキャリア材料としてポリウレタンフォームを含み、
前記キャリア材料が弾性または伸縮性であり、
前記電極がケーブルに接続され、
前記ケーブルが、前記電極配置(110)とは反対側の前記キャリア構造体(120)の表面に沿って、前記キャリア構造体(120)の前記ケーブルへの伸張の力伝達を制限する隙間を有して案内される、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項23】
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)の2つの電極間の距離を最大20%だけ延伸させるように構成される、請求項22に記載の装置(100)。
【請求項24】
前記キャリア構造体(120)が、前記弾性または伸縮性キャリア材料により様々な頭囲に適合され、前記様々な頭囲が互いに最大5cm異なる、請求項
20に記載の装置(100)。
【請求項25】
前記弾性または伸縮性キャリア材料により、前記キャリア構造体(120)が、50cm~55cm、または55cm~60cm、または60cm~65cmの範囲の頭囲を有する前記ユーザ(210)の前記頭部(200)の前記顔表面(220)上に前記電極配置(110)の前記少なくとも一部を位置決めするように適合される、請求項
20に記載の装置(100)。
【請求項26】
前記電極配置(110)とは反対側において、前記キャリア構造体(120)が、前記キャリア構造体(120)を少なくとも局所的に補強するように構成された取り外し可能な補剛要素(122)を含む、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項27】
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの電極が配置される位置に粘着材料を有する少なくとも1つの延長部(130)を含む、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項28】
前記複数の電極が、
前記測定された電気信号のインピーダンス変換を実行し、および/または
前記測定された電気信号を増幅する、
ように構成された回路を含む能動電極を含む、請求項
1に記載の装置(100)。
【請求項29】
請求項
1に記載の装置(100)と、
前記複数の電極によって測定された前記電気信号を評価するように構成された評価装置(510)と、
を含む、システム(500)。
【請求項30】
前記評価装置(510)が、前記電気信号に基づいて、
前記ユーザ(210)の睡眠アーキテクチャに関する情報(520)を提供する、または
前記ユーザ(210)のてんかん行動に関する情報(520)を提供する、または
前記ユーザ(210)の神経障害を示す(520)、または
認知心理学的情報(520)を提供する、ように構成される、請求項29に記載のシステム(500)。
【請求項31】
補聴器(530)を含み、
前記評価装置(510)が、前記電気信号に基づいて前記補聴器(530)を制御するように構成される、
請求項29に記載のシステム(500)。
【請求項32】
前記評価装置(510)が、前記補聴器(530)のビームフォーマを制御するために、前記装置(100)によって測定された前記信号を前記補聴器(530)によって記録されたオーディオ信号のエンベロープと相関させるように構成される、請求項31に記載のシステム(500)。
【請求項33】
前記評価装置(510)が、前記ユーザ(210)の信号に応答して前記補聴器(530)を制御するために、所定の信号特性について前記装置(100)によって測定された前記信号を評価するように構成される、請求項
31に記載のシステム(500)。
【請求項34】
請求項
1に記載の装置(100)を製造するための方法(600)であって、
キャリア構造体(120)を提供するステップ(610)であって、前記キャリア構造体(120)が前記装置(100)のユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)に適合され、前記キャリア構造体(120)が、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更し、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合させるために、前記ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能である、ステップ(610)と、
前記キャリア構造体(120)上に電極配置(110)を固定するステップ(620)と、を含み、
前記電極配置(110)が、前記装置(100)のユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上の電気信号を測定するための複数の電極を含み、前記複数の電極の前記電極が湿式電極であり、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および/または前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、方法(600)。
【請求項35】
前記電極配置(110)の電極に電解質ゲルを塗布するステップ(630)を含む、請求項34に記載の方法(600)。
【請求項36】
請求項
1に記載の装置(100)を使用するための方法(400)であって、
ユーザ自身または別の人によって前記装置(100)を前記ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上に装着するステップ(410)と、
前記複数の電極によって測定された前記電気信号によって前記ユーザ(210)を監視するステップ(420)と、を含む、方法(400)。
【請求項37】
前記測定された電気信号に基づいて、
前記ユーザ(210)の睡眠行動が監視される、または
前記ユーザ(210)のてんかん行動が監視される、または
前記ユーザ(210)の神経障害が監視される、または
認知心理学的行動が監視される、請求項36に記載の方法(400)。
【請求項38】
前記装置(100)を前記ユーザ(210)の前記頭部(200)の前記顔表面(220)に装着する前記ステップが、
上頬骨を触って、前記上頬骨上に第1の電極を固定するステップと、
前記ユーザ(210)の耳(230)の耳珠の前に第2の電極を固定するステップと、
眉毛の線の1~3cm上方の領域で、鼻根点の垂直上方の額に第3の電極を固定するステップと、
前記耳(230)の後方に第4の電極を固定するステップと、を含む、請求項
36に記載の方法(400)。
【請求項39】
装置(100)であって、
前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)が、隣接して配置された2つの電極間の距離を変更し、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合させるために、前記ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能であり、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項40】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、前記キャリア構造体が、前記電極配置の個々の前記電極間で前記ユーザの前記顔表面と平面接触するように構成され、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成され、
前記電極が導電性トレースに接続され、前記導電性トレースが、前記キャリア構造体(120)の延伸時に対応して伸長するために、前記キャリア構造体(120)の上または中に吊り下げられた経路を含む、または
前記電極がケーブルに接続され、前記ケーブルが、前記電極配置(110)とは反対側の前記キャリア構造体(120)の表面に沿って、前記キャリア構造体(120)の前記ケーブルへの伸張の力伝達を制限する隙間を有して案内される、装置(100)。
【請求項41】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)が、ポリウレタンフィルム材料のキャリア基材と、前記キャリア基材上に取り外し可能に配置された補剛要素(122)と、を含み、
前記補剛要素(122)が取り外し可能に前記キャリア基材上に配置された前記キャリア構造体(120)が、許容範囲内で形状安定であるように形成され、前記補剛要素(122)が取り外し可能に前記キャリア基材上に配置されていない前記キャリア構造体(120)が、形状不安定であるように形成され、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項42】
前記キャリア基材が、形状不安定であるように取り外し可能に前記キャリア基材上に配置された前記補剛要素(122)なしに前記キャリア構造体(120)を形成するために、互いに直交する2つの横方向に沿って同時に前記キャリア構造体(120)の厚さ方向に変形可能である、および/または
前記キャリア基材が、取り外し可能に前記キャリア基材上に配置された前記補剛要素(122)なしでは形状不安定であるように前記キャリア構造体(120)を形成するために、それ自体で複数回ねじられ得る、
請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記キャリア基材が、0.1mm~1mmの範囲の曲げ半径で、互いに直交する前記2つの横方向に沿って同時に前記厚さ方向に変形可能である、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記キャリア基材が0.5mmの最大厚さを有する、請求項
41に記載の装置。
【請求項45】
装置(100)であって、
ユーザ(210)の頭部(200)の顔表面(220)上および前記ユーザ(210)の耳(230)の後方に電気信号を測定するための複数の電極を有する電極配置(110)であって、前記複数の電極の前記電極が湿式電極である、電極配置(110)と、
キャリア構造体(120)と、を含み、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、
前記キャリア構造体(120)がキャリア材料としてポリウレタンフォームを含み、
前記キャリア構造体(120)が、顔構造および頭部構造に領域包括的に適合するために、ユーザ(210)によって加えられる外力なしに許容範囲内で形状安定であり、かつ前記ユーザ(210)によって加えられる外力下で変形可能であり、前記ユーザ(210)によって加えられる力の下で、前記キャリア構造体(120)が、それ自体で複数回ねじられるように、および/または互いに直交する2つの横方向に沿って同時に前記キャリア構造体(120)の厚さ方向に変形されるように構成され、
前記キャリア構造体(120)が、前記電極配置(110)のうちの少なくとも一部を前記顔表面(220)上および前記耳(230)の後方に位置決めするように構成される、装置(100)。
【請求項46】
前記キャリア構造体(120)が、0.1mm~1mmの範囲の曲げ半径で、互いに直交する前記2つの横方向に沿って同時に前記厚さ方向に変形されるように構成される、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記キャリア構造体が、前記厚さ方向に0.5mm~2mmの範囲の厚さを有する、請求項
45に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
図3aには、
図1aおよび
図1bの装置の文脈でも説明したすべての特徴および機能を含むことができる装置100が示されている。
図3aは、キャリア構造体120の分岐接続リブ上に配置された補剛要素122を示す。接続リブは、例えば、一方の側では第1の電極110
1および第2の電極110
2を第3の電極110
3に接続し、他方の側では第4の電極110
4および第5の電極110
5
に接続するように構成されている。接続リブは分岐し、接続リブの第1の部分124
1は第3の電極110
3に通じ、接続リブの第2の部分124
2は第4の電極110
4および第5の電極110
5に通じている。接続リブ上の補剛要素により、電極間の接続の形状が維持される。これは、接続リブの形状が電極の互いに対する相対位置を少なくとも部分的に規定し、電極が頭部表面上の所定の位置をとるように頭部表面上に電極を位置決めするように構成されるので、頭部表面上にキャリア構造体120を位置決めするために特に重要である。一つの補剛要素122の代替として、装置100はまた、複数の補剛要素、またはキャリア構造体120の表面(すなわち、電極配置110とは反対側の(対向しない)表面)全体を覆う一つの補剛要素122を含んでもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
対応する支持構造体、すなわち補剛要素122を有するグリッド構造体、すなわちキャリア構造体120の形状安定性は、例として、
図3bに示されており、長さ10cmのアーム124、すなわち接続リブ(125
1を参照)は、アーム124が水平(重力300に直交)になるように配向されているときに、重力300に従って下方にどのように傾斜するかを示す。この長さでは、アーム124は約6cmを超えて傾斜しない(125
2を参照)。これが例えば
図3aの接続リブ124
1に適用される場合、点Aと点Bとの間に約7cmの長さを含む接続リブ124
1(125
1を参照)は、約4cmを超えて傾斜しない(125
2を参照)。概して、キャリア構造体
120の接続リブは、ユーザ210によって加えられる外力なしに、許容範囲内で形状安定であるように構成される。キャリア構造体120の水平に配向された接続リブは、例えば、重力300の影響下で、最大12cmの長さでその長さの最大60%を、重力に追従して傾斜するように構成される。傾斜および/または曲げを制限することは、とりわけ、粘着保護フィルム、補剛要素122、またはキャリア構造体の特別な厚さなどの上述の特徴によって達成することができる。装着中、グリッド、すなわちキャリア構造体は、アーム124が重力300に対して異なる角度に位置するときにアームがさらにより少なく傾くように直立した状態に保たれる。したがって、
図3bは、例として、支持構造体を有するキャリア構造体120の剛性および/またはキャリア構造体120の形状安定性に対する支持構造の効果を示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図4aに示すように、複数の電極110
1
から110
10
(および/または
図4bの110
1
から110
9
)が配置されたキャリア構造体120の形状は、本発明の特定の特徴を構成する。形状は、ユーザ210の頭部200の構造によって案内される。
図5aおよび
図5bでは、
図4aおよび
図4bの装置100は、例として、ユーザ210の頭部200に配置される。
図5aは、ユーザ210の頭部200の側面図における装置100の配置を示し、
図5bは、ユーザ210の頭部の後ろから見た図における装置100の配置を示す。
キャリア構造体は、例えば、第1の電極110
1と第2の電極110
2とを接続する第1の接続リブ123を含み、第1の電極110
1は第1の接続リブ123の第1の端部に配置され、第2の電極110
2は第1の接続リブ123の第2の端部に配置される。第1の接続リブ123は、例えば、波状経路などの巻き付けられたおよび/または吊り下げられた経路を含む。第1の電極110
1と第2の電極110
2との間の接続リブの吊り下げられた経路により、2つの電極間の非常に形状安定した接続が実現される。これは、特に、第1の電極および/または第2の電極が複数の電極110
1から110
10(または
図4bの110
1から110
9)の残りの電極の位置の基準を構成することができ、したがって、ユーザがこれらの2つの電極を顔表面220上に非常に正確に自律的に貼り付けることができることが保証されるため、有利である。さらに、第1の接続リブ123の特別な経路は、着用快適性を高める。これは、顔表面220上の第1の電極110
1の位置が、例えば、頬骨上、すなわち顔表面上の第1の特徴点上の位置に対応し、顔表面220上の第2の電極110
2の位置が、例えば、耳230の耳珠232の前、すなわち顔表面の第2の特徴点上の位置に対応するためである。第1の接続リブ123の吊り下げられた経路に起因して、ならびにキャリア構造体120のキャリア材料の変形可能性および/または弾性に起因して、第1の電極110
1と第2の電極110
2との間の領域における顔の動きに追従するように構成されている。これにより、着用快適性が向上する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
図6bは、さらに、眼電
図EOG(垂直なR2-R3
、水平なR2-R1
、および対角R1-R3)を導出することができ、特に顎の領
域において、筋電
図EMG(R10-R11)を導出することができることを示す。ユーザの目の周囲に配置される電極配置の電極は、例えば±5°の許容範囲内で直角三角形に配置される。したがって、眼球運動は、電極1および3を介して斜めに、電極1および2を介して水平に、電極3および2を介して垂直に検出される。電極10および11は、EMGを検出する役割を果たす。
これらの電極位置のさらなる用途も考えられるが、顎電極に向かうアームは、設計において省略されてもよい。耳の後方のアームD(
図5aおよび
図5bからの参照)および額上のCのみへの考えられる縮小では、事前配置および可能な回転は、電極2(
図6aおよび6b)を介して行うことができる。
信号は、例えば心電図の情報も含む。それらは、信号処理方法、例えば、独立成分分析(ICA)を使用して抽出することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
装置
100の第2の変形例は、トレースグリッドを含む。この実施形態では、例えば、金属材料(例えば、銀および/またはAg/AgCl)またはグラフェン材料を含むトレースが、例えば、エッチング法、レーザ法、または印刷法によって、キャリア構造体120のキャリア材料に適用される。金属の組み合わせを使用して、銅エッチング法でトレースを最初に製造し、続いて化学結合によって電極表面を銀めっきすることも可能である。フィルムキャリア上に印刷(またはエッチング)された電極システムは、皮膚に貼り付けることができるので有利である。さらに、粘着性の解決策、すなわち皮膚に貼り付けることができるキャリア材料上の印刷トレースは、皮膚上の電極の動きによるアーチファクトに対してより堅牢である。キャリア材料は、例えば、半可撓性、すなわち伸縮性または弾性の薄いフィルム状の材料(例えば、ポリマー材料、例えば、ポリエステル材料もしくはポリアミド材料、またはポリウレタン材料、またはシリコーン材料)である。ポリウレタン材料は、生体適合性材料として皮膚に優しいことに加えて、1次元を超える伸縮性および弾性ならびに柔軟性を可能にするので好ましい。したがって、グリッド、すなわちキャリア構造体120は、顔および頭部の凹凸にぴったりと適合する。絶縁のために、トレースは、例えば、キャリア構造体120のキャリア材料の第2の層とのサンドイッチ構造として積層され、電極表面(
図4aおよび
図4bに円として示す)は露出したままである。トレースは、例えば、キャリア構造体120の伸長時に対応して延在するために、キャリア構造体120の上または中に吊り下げられた経路(例えば、波状、蛇行またはギザギザ)を含む。したがって、キャリア構造体は、電極配置の2つの隣接する電極間の距離を最大10%だけ延ばすように構成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
構造の原理略図が
図8に示されており、Aはポリウレタンであり、Cは銅であり、Bは銀めっきである。したがって、装置100のキャリア構造体120は、例えば、キャリア材料の第1の層と、キャリア材料の第2の層と、例えば銅材料などの導電性材料を含む介在層とを含む。電極配置の電極が配置されているキャリア構造体120上の位置において、キャリア材料の第2の層はギャップを含む。これらの位置では、介在層の導電性材料は、例えば、銀めっきされているか、またはグラフェン材料によって覆われている。その後に、例えば、粘着性電解質ゲルまたは固体ゲルなどのゲルが、キャリア構造体120上の銀めっき位置に塗布および/または事前塗布される。
図8bは、ゲル(D)の事前塗布後の構造を示すが、任意の保護フィルムによる被覆はない。そうでなければ化学反応が起こるので、ゲルが銅トレースと接触しないことが重要である。銀めっき電極表面に配置されたゲル材料は、例えば、ゲルレンズと称され得る。自由電極表面(
図4aおよび
図4bに円として示されている)は、その上に配置されたゲルレンズを有する。これは、例えばグリッドを装着する直前に保護フィルムを剥がすことによって、人自身によって露出される。保護フィルム部分は、例えば、グリッドのアームに次々に貼り付けることができるように細分される。グラフェンなどの皮膚に優しい材料が、キャリア材料の2つの層の間に配置された導電性材料を覆うために使用される場合、任意選択的に、電極位置へのゲルの塗布は省略されてもよい
(したがって、複数の電極は、例えば、乾式電極を含む)。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
図11は、装置100を用いたデータ取得の構成を示すブロック図である。人々は、データ収集のためのシステム500を家に持って行き、そこで
(家で)それを
(システム500を)自分自身で装着することができる。システムは、例えば、EEG増幅器150と、記録ユニット410と、必要に応じてさらなるセンサ420と、本明細書に記載の本発明による装置100とを含む。
図12はまた、本発明による装置100を含むシステム500の一実施形態に関する。さらに、システム500は、複数の電極によって測定された電気信号を評価するように構成された評価装置510を含む。任意選択的に、システム500は、
図11の文脈で説明したような特徴および機能を含むことができる。
評価装置510は、例えば、信号出力部160から、例えば信号増幅器150を介して、複数の電極によって測定された電気信号を受信するように構成される。これは、例えば、WLANまたはブルートゥース(登録商標)を介して無線で、または有線方式で行うことができる。
評価装置510は、例えば、電気信号に基づいてユーザの睡眠アーキテクチャに関する情報520を提供し、またはユーザのてんかん行動に関する情報520を提供し、またはユー
ザの神経障害を示し、または認知心理学的情報520を提供する、ように構成される。
代替的な実施形態によれば、システム500は、補聴器530をさらに含む。この場合、評価装置は、例えば、電気信号に基づいて補聴器530を制御するように構成される。
評価装置510は、例えば、
-対応する話者の音声信号を改善するために、その後の分析のために、および/または補聴器
530を制御するために音響的注意を検出する、および/または
-その後の分析のために、および/または補聴器530の設定を制御するためにも、聴力を検出する。
【国際調査報告】