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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】神経原性疾患を処置するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20240905BHJP
   A61K 31/5355 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240905BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALN20240905BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALN20240905BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K31/5355
A61P25/00
A61P25/28
A61P43/00 111
A61P43/00 105
A61P25/16
C12Q1/6876 Z ZNA
C12Q1/686 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514643
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022075969
(87)【国際公開番号】W WO2023039370
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/260,944
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507166346
【氏名又は名称】ピーティーシー セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】バラザ スコット ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】トリマー ジェフリー ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ユ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チャン シャオヤン
【テーマコード(参考)】
4B063
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA13
4B063QQ08
4B063QQ53
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR56
4B063QR62
4B063QS10
4B063QS14
4B063QS25
4B063QS28
4B063QS34
4B063QX02
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB27
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZB21
4C086ZC41
4C086ZC54
(57)【要約】
本明細書は、置換チエノ[3,2-d]ピリミジン化合物、その形態、及び医薬組成物を使用して、異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積を特徴とする神経変性疾患を処置する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする対象において異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積を特徴とする神経変性疾患を処置するための方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を前記対象に投与することを含み、化合物の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される、方法。
【化1】
(I)
(式中、
1は、フェニル及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
フェニル又はヘテロアリールは、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよく、
1aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択され、
2は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルは、(R)又は(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよく、
2aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ-C1-6アルコキシ、カルボキシル、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、ハロ-C1-6アルキル-アミノ、ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、フェニル-アミノ、ヘテロシクリル-アミノ、ヘテロアリール-アミノ、C1-6アルキル-チオ、C1-6アルキル-スルホニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールの各出現は、1、2、3又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよく、
2a’は、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択され、
3は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよく、
3aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択され、
4は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、フェニル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基である)
【請求項2】
1が、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよいフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、イソオキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、テトラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、及びキノリニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1aが、ハロ及びC1-6アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
2が、水素、C1-6アルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルからなる群から選択されるC1-6アルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
2が、C1-6アルキルであり、C1-6アルキルが、(R)配置を有するキラル炭素を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
2が、C1-6アルキルであり、C1-6アルキルが、(S)配置を有するキラル炭素を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
それを必要とする対象において異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積を特徴とする神経変性疾患を処置するための方法であって、有効量の、
2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2R)-2-アミノ-3-メチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2R,3S)-2-アミノ-3-メチルペンチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2R)-2-アミノ-3,3-ジメチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジメチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキサミド;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル;
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(3-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピラジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-ベンジル-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-ブロモ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-(アゼチジン-3-イル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
7-ブロモ-2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロフェニル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(1S)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(1R)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノ-4-フルオロブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
(4S)-4-[(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル]-1,3-オキサジナン-2-オン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メチル-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-(ピロリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジフェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
(2S)-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オール;
6-(3-アミノプロピル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
(2R)-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オール;
6-[(2R)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2R)-2-アミノ-3-メトキシプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
2-クロロ-6-[(2S)-2-(シクロブチルアミノ)プロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-[(2S)-2-(メチルアミノ)プロピル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル;
2-クロロ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボニトリル;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,7-ジカルボニトリル;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-フェニル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-(4-クロロフェニル)-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(1R)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
2-クロロ-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
2-クロロ-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
(3S)-3-アミノ-4-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)ブタン-1-オール;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロピリミジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、及び
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メトキシ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール
からなる群から選択される化合物又はその形態を前記対象に投与することを含み、化合物の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される、方法。
【請求項11】
化合物又はその形態が、
6-[(2R)-2-アミノ-3-メチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジメチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-ブロモ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノ-4-フルオロブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メチル-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2R)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
2-クロロ-6-[(2S)-2-(シクロブチルアミノ)プロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;及び
(3S)-3-アミノ-4-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)ブタン-1-オール
からなる群から選択され、化合物の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
それを必要とする対象において異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積を特徴とする神経変性疾患を処置するための方法であって、有効量の、
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2R)-2-アミノ-3-メチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2R,3S)-2-アミノ-3-メチルペンチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2R)-2-アミノ-3,3-ジメチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジメチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキサミドトリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリルトリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(3-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピラジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-ベンジル-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-ブロモ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-(アゼチジン-3-イル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロフェニル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(1S)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(1R)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノ-4-フルオロブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メチル-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩;
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-(ピロリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(1S)-1-アミノエチル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジフェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-(3-アミノプロピル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2R)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2R)-2-アミノ-3-メトキシプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
2-クロロ-6-[(2S)-2-(シクロブチルアミノ)プロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-[(2S)-2-(メチルアミノ)プロピル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリルホルメート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,7-ジカルボニトリル塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-フェニル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-(4-クロロフェニル)-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(1R)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
(3S)-3-アミノ-4-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)ブタン-1-オール二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロピリミジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート、及び
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メトキシ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩
からなる群から選択される化合物塩又はその形態を前記対象に投与することを含み、化合物塩の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される、方法。
【請求項13】
化合物又はその形態が、
6-[(2R)-2-アミノ-3-メチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジメチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-ブロモ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロアセテート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノ-4-フルオロブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メチル-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2R)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
2-クロロ-6-[(2S)-2-(シクロブチルアミノ)プロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンホルメート;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;及び
(3S)-3-アミノ-4-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)ブタン-1-オール二塩酸塩
からなる群から選択され、化合物塩の形態が、その水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
有効量の化合物又はその形態が、対象においてMAPT mRNAにおけるエクソン10スキッピングを誘導する、請求項1又は10~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
有効量の化合物又はその形態が、対象においてMAPT4Rタンパク質を低下させる、請求項1又は10~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
神経原性疾患が、アルツハイマー病、拳闘家認知症、グアム筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム-認知症(グアムALS/PD)、ピック病、嗜銀顆粒性認知症、ニーマン-ピック病C型、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核神経節変性症、前頭側頭型認知症パーキンソニズム-17(FTDP-17)、脳炎後パーキンソニズム(PEP)、常染色体劣性パーキンソニズム、前頭側頭型認知症、及び進行性核上性麻痺からなる群から選択される、請求項1又は7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
有効量の化合物又はその形態が、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤との混和物である、請求項1又は10~13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月7日に出願された米国仮特許出願第63/260,944号の利益及び優先権を主張し、その内容は、その全体がすべての目的で参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書は、置換チエノ[3,2-d]ピリミジン化合物、その形態、及び医薬組成物を使用して、異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積を特徴とする神経変性疾患を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タウオパチーは、異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積及び凝集を特徴とする一群の神経変性疾患であり、患部脳領域のニューロン及びグリアにおける神経原線維変化(neurofibrillary tangle)(NFT)及び対らせん状細線維(paired helical filament)(PHF)の形成をもたらす。タウの蓄積及び凝集は、タウオパチーと総称される、18種を超える不可逆的神経変性疾患の主な病理学的特徴である。これらの疾患は、前頭側頭型認知症(FTD)、進行性核上性麻痺(PSP)及びアルツハイマー病(AD)を含み、MAPT遺伝子1における変異により引き起こされる場合、孤発性又は遺伝性であり得る。タウオパチーは、全認知症症例の10~20%を占め、合衆国において約55,000人が罹患していると推定される。現在、有効な疾患修飾療法は存在せず、タウに焦点を合わせた実験薬はほとんど臨床試験を受けていない。
【0003】
タウタンパク質は、染色体17q21上にあるMAPT遺伝子によりコードされ、微小管の安定化及び集合のために必要である。微小管は、軸索輸送及び細胞の構造的完全性の維持に重要である。成人の脳において、タウは、ニューロン内、大部分は軸索内にある。タウはまた、オリゴデンドロサイト及びアストロサイトにおいて見られ、その機能は、ニューロンにおけるその機能に類似している。タウの微小管への結合は、タンパク質の構造変化を誘導し得る。タウは、その正常型では、折り畳まれておらず、リン酸化されている。原発性タウオパチーを有する患者の脳においては、タウが過剰リン酸化され、折り畳まれたβプリーツシート構造を有し、凝集を生じる。タウの微小管への結合は、リン酸化/脱リン酸化の比により調節される。タウの過剰リン酸化は、微小管相互作用の喪失を生じ、微小管機能不全及び軸索輸送の障害並びにタウの原線維化(fibrillization)をもたらす。近年、各タウ配列上のリン酸化されているエピトープの数ではなく、リン酸化されているタウ配列の割合により、NFTの凝集及び形成の程度が予測されることが示唆されている。
【0004】
成人の脳において発現するタウには、6種のアイソフォームが存在する。これらの6種のアイソフォームは、タウ遺伝子における3種のN末端エクソン:エクソン2、エクソン3、及びエクソン10の選択的スプライシングに由来する。6種のアイソフォームのうち3種は、エクソン10のスプライシングイン(splicing in)に起因するのに対し、その他の3種のアイソフォームは、エクソン10のスプライシングアウト(splicing out)の結果である。エクソン10のスプライシングインは、4つの繰り返し微小管結合ドメインを有するアイソフォーム(4Rタウ)を生じるのに対し、エクソン10のスプライシングアウトは、3つの繰り返し微小管結合ドメインを有するアイソフォーム(3Rタウ)を生じる。これは重要であり、その理由は、健康なヒトの脳は、3つ及び4つの繰り返し微小管結合ドメインを有する等量のタウからなるが、いくつかの原発性タウオパチーは、4つの繰り返し微小管結合ドメインを有するアイソフォームの優勢を特徴とし(4Rタウオパチー)、いくつかは、3つの繰り返し微小管結合ドメインを有するアイソフォームの優勢を特徴とし(3Rタウオパチー)、いくつかは、3つ及び4つの繰り返し微小管結合ドメインを有するアイソフォームのおよそ等量の混合体を特徴とする(3R+4Rタウオパチー)からである。疾患におけるタウの神経原線維変化は、異なるアイソフォームの組成を有し、スプライシングが潜在的治療薬の重要な標的であることが示唆される。
【0005】
エクソン2及び3のスプライシングに影響を与えるMAPT変異は、非常に稀であるが、エクソン10及びエクソン10-イントロン10境界領域における病原性変異は、より多く見られ、すべての既知のタウ変異の約27%に相当する。病原性変異のほとんどは、ほとんどの場合、エクソン10の包含及び4Rタウ発現を増加させるミススプライシングを生じる。
本明細書は、タウオパチーを処置するための式(I)の化合物又はその形態若しくは組成物の使用に関する。これらの化合物のセットは、スプライシングプロセス中のMAPTプレmRNAにおけるエクソン10スキッピングを誘導する。MAPT mRNAのエクソン10スキッピングは、オープンリーディングフレーム(ORF)を変化させ、MAPT4Rのエクソン10がスキップされたmRNA(ΔE4 mRNA)における未成熟終止コドン(PTC)を作り出す。そのようなエクソンスキッピングスプライシングイベントは、未成熟終止コドンを有するmRNAを作り出し、それにより、mRNAに対し、タンパク質に翻訳される代わりに分解されるようシグナル伝達することにより、遺伝子発現を低減する機能を果たし得ることが示されている。同様に、これらの化合物の存在下で生成されるMAPT ΔE4 mRNAは、mRNA分解を受けて、MAPT 4R mRNAのレベルの減少を生じ、MAPT4Rタンパク質低下を生じる。
【0006】
国際公開第WO2016/115434号は、細胞におけるmRNAスプライシングの改良、特にヌクレオチド配列CAAにおける少なくとも1つのエクソン末端を有する遺伝子、例えばIKBKAP遺伝子におけるmRNAスプライシングの改良に有用なキネチン誘導体を開示している。開示されている化合物は、中枢神経系の疾患、例えば家族性自律神経失調症を処置するために使用され得る。
現在まで、タウオパチーに利用可能な疾患修飾療法は存在せず、タウオパチー及びそれに関連する症状を処置するための改良された方法及び組成物が必要とされている。国際公開第WO2020/167624号は、IKBKAP遺伝子におけるプレmRNAスプライシング機構の治療標的化及び家族性自律神経失調症の処置に有用な置換ピロロ[2,3-d]ピリミジン化合物を開示している。いずれの出願も、MAPTプレmRNAスプライシングにおけるエクソン10スキッピングを誘導する化合物を開示していない。加えて、いずれの出願も、MAPTタンパク質低下、特に化合物の存在下で生成されるMAPT 4R mRNAのmRNA分解に起因するMAPTタンパク質低下を生じる化合物を開示していない。さらに、いずれの出願も、タウオパチーの処置に有用である化合物を開示していない。
【0007】
本明細書に記載されている化合物は、多様なタウオパチーに対する疾患修飾処置として使用され得る潜在的なMAPTプレmRNAスプライシング化合物である。
本明細書で参照される他のすべての文献は、本明細書に十分に明記されているように、参照により本出願に組み込まれる。
【発明の概要】
【0008】
本明細書は、それを必要とする対象において異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積を特徴とする神経変性疾患を処置するための方法又は化合物の使用であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することを含む方法又は使用に関する。
【0009】
【化1】
(I)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、本明細書で定義されている)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書の一態様は、それを必要とする対象において異常型の微小管関連タンパク質タウ(MAPT)の蓄積を特徴とする神経変性疾患を処置するための方法又は化合物の使用であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することを含み、化合物の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される、方法又は使用に関する。
【0011】
【化2】
(I)
(式中、
1は、フェニル及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
フェニル又はヘテロアリールは、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよく、
1aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択され、
2は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルは、(R)又は(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよく、
2aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ-C1-6アルコキシ、カルボキシル、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、ハロ-C1-6アルキル-アミノ、ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、フェニル-アミノ、ヘテロシクリル-アミノ、ヘテロアリール-アミノ、C1-6アルキル-チオ、C1-6アルキル-スルホニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールの各出現は、1、2、3又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよく、
2a’は、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択され、
3は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールは、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよく、
3aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択され、
4は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、フェニル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、
ヘテロシクリルは、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基である)
【0012】
方法又は使用の一態様は、R1が、フェニル及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロアリールが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
フェニル又はヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0013】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フェニル及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロアリールが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
フェニル又はヘテロアリールが、1又は2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1が、フェニルであり、フェニルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0014】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フェニルであり、フェニルが、1個のR1a置換基で置換されている、式(I)の化合物を含む。
【0015】
方法又は使用の別の態様は、R1が、ヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1が、ヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールが、1又は2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、及びキノリニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0016】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、及びキノリニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1又は2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0017】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、及びキノリニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1個のR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0018】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、及びキノリニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0019】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0020】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1又は2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0021】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1個のR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0022】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0023】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1又は2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0024】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1個のR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0025】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0026】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0027】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1又は2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0028】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、1個のR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0029】
方法又は使用の別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルからなる群から選択されるヘテロアリールであり、
ヘテロアリールが、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0030】
方法又は使用の一態様は、R1aが、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択される、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1aが、ハロ及びC1-6アルキルからなる群から独立して選択される、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1aが、ハロであり、ハロが、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択される、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1aが、フルオロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R1aが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
【0031】
方法又は使用の別の態様は、R1aが、メチルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の一態様は、R2が、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロシクリルが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルが、(R)又は(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0032】
方法又は使用の別の態様は、R2が、水素である、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、C1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(R)又は(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、C1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(R)配置を有するキラル炭素を含有し、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、C1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(S)配置を有するキラル炭素を含有し、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0033】
方法又は使用の別の態様は、R2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択されるC1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(R)又は(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択されるC1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(R)配置を有するキラル炭素を含有し、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択されるC1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(S)配置を有するキラル炭素を含有し、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0034】
方法又は使用の別の態様は、R2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルからなる群から選択されるC1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(R)又は(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0035】
方法又は使用の別の態様は、R2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルからなる群から選択されるC1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(R)配置を有するキラル炭素を含有し、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルからなる群から選択されるC1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、(S)配置を有するキラル炭素を含有し、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0036】
方法又は使用の別の態様は、R2が、ヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、ヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、ヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0037】
方法又は使用の別の態様は、R2が、アゼチジニル、オキセタニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-オキサジナン-2-オン-イル、及びアゼパニルからなる群から選択されるヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2が、アゼチジニル及びピロリジニルからなる群から選択されるヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0038】
方法又は使用の別の態様は、R2が、アゼチジン-2-イル、アゼチジン-3-イル、オキセタン-2-イル、オキセタン-3-イル、ピラゾリジン-1-イル、ピラゾリジン-2-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル、ピラゾリジン-5-イル、テトラヒドロフラン-1-イル、テトラヒドロフラン-2-イル、オキサゾリジン-2-イル、オキサゾリジン-4-イル、オキサゾリジン-5-イル、チアゾリジン-2-イル、チアゾリジン-4-イル、チアゾリジン-5-イル、イソチアゾリジン-3-イル、イソチアゾリジン-4-イル、イソチアゾリジン-5-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、2H-ピラン-2-イル、2H-ピラン-3-イル、2H-ピラン-4-イル、2H-ピラン-5-イル、2H-ピラン-6-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、モルホリン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-イル、1,3-オキサジナン-3-イル、1,3-オキサジナン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-on-6-イル、アゼパン-1-イル、アゼパン-2-イル、アゼパン-3-イル、及びアゼパン-4-イルからなる群から選択されるヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0039】
方法又は使用の別の態様は、R2が、アゼチジン-3-イル及びピロリジン-3-イルからなる群から選択されるヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の一態様は、R2aが、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ-C1-6アルコキシ、カルボキシル、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、ハロ-C1-6アルキル-アミノ、ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、フェニル-アミノ、ヘテロシクリル-アミノ、ヘテロアリール-アミノ、C1-6アルキル-チオ、C1-6アルキル-スルホニル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ヘテロシクリルが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールの各出現が、1、2、3又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0040】
方法又は使用の別の態様は、R2aが、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、C3-10シクロアルキル、又はヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、
3-10シクロアルキル又はヘテロシクリルの各出現が、1、2、3又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、フルオロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、ヒドロキシである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、メチルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、及びtert-ブトキシからなる群から選択されるC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、メトキシである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、アミノである、式(I)の化合物を含む。
【0041】
方法又は使用の別の態様は、R2aが、C1-6アルキル-アミノであり、C1-6アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、及びtert-ブチルからなる群から選択される、式(I)の化合物を含む。
【0042】
方法又は使用の別の態様は、R2aが、メチル-アミノである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、C3-10シクロアルキル-アミノであり、C3-10シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルからなる群から選択され、C3-10シクロアルキルが、1、2、3又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、シクロブチル-アミノである、式(I)の化合物を含む。
【0043】
方法又は使用の別の態様は、R2aが、C3-10シクロアルキルであり、C3-10シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルから選択され、C3-10シクロアルキルが、1、2、3又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが、1、2、3又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよいシクロプロピルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、アゼチジニル、オキセタニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-オキサジナン-2-オン-イル、及びアゼパニルからなる群から選択されるヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0044】
方法又は使用の別の態様は、R2aが、1,3-オキサジナン-2-オン-イルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R2aが、アゼチジン-2-イル、アゼチジン-3-イル、オキセタン-2-イル、オキセタン-3-イル、ピラゾリジン-1-イル、ピラゾリジン-2-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル、ピラゾリジン-5-イル、テトラヒドロフラン-1-イル、テトラヒドロフラン-2-イル、オキサゾリジン-2-イル、オキサゾリジン-4-イル、オキサゾリジン-5-イル、チアゾリジン-2-イル、チアゾリジン-4-イル、チアゾリジン-5-イル、イソチアゾリジン-3-イル、イソチアゾリジン-4-イル、イソチアゾリジン-5-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、2H-ピラン-2-イル、2H-ピラン-3-イル、2H-ピラン-4-イル、2H-ピラン-5-イル、2H-ピラン-6-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、モルホリン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-イル、1,3-オキサジナン-3-イル、1,3-オキサジナン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-on-6-イル、アゼパン-1-イル、アゼパン-2-イル、アゼパン-3-イル、及びアゼパン-4-イルからなる群から選択されるヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR2a’置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0045】
方法又は使用の別の態様は、R2aが、1,3-オキサジナン-2-オン-6-イルである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R3が、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
ヘテロシクリルが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基であり、
ヘテロアリールが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~8員の単環式又は二環式の芳香族炭素原子環構造の基であり、
1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールの各出現が、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0046】
別の態様は、R3が、水素、シアノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキル、及びフェニルからなる群から選択され、
1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、又はフェニルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、水素である、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、シアノである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、ブロモである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、ヒドロキシである、式(I)の化合物を含む。
【0047】
方法又は使用の別の態様は、R3が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択され、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、メチル及びエチルからなる群から選択されるC1-6アルキルであり、
1-6アルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、及びtert-ブトキシからなる群から選択されるC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、メトキシである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルからなる群から選択されるC3-10シクロアルキルであり、
3-10シクロアルキルが、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0048】
方法又は使用の別の態様は、R3が、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよいシクロプロピルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3が、1、2、3、又は4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の一態様は、R3aが、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から選択される、式(I)の化合物を含む。
【0049】
方法又は使用の別の態様は、R3aが、ハロ及びC1-6アルコキシからなる群から選択される、式(I)の化合物を含む。
【0050】
方法又は使用の別の態様は、R3aが、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3aが、クロロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3aが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、及びtert-ブトキシからなる群から選択されるC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R3aが、メトキシである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の一態様は、R4が、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、フェニル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、
ヘテロシクリルが、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する3~7員の単環式の炭素原子環構造の基である、式(I)の化合物を含む。
【0051】
方法又は使用の別の態様は、R4が、水素、シアノ、ハロ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、及びフェニルからなる群から選択される、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、水素である、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、シアノである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、クロロ及びブロモからなる群から選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
【0052】
方法又は使用の別の態様は、R4が、メチル及びエチルからなる群から選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、ハロ-C1-6アルキルであり、C1-6アルキルが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択され、
1-6アルキルが、利用できる価数により可能であれば、1個又は複数のハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、ハロ-C1-6アルキルであり、C1-6アルキルが、3個のフッ素原子で置換されているメチルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、カルバモイルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルからなる群から選択されるC3-10シクロアルキルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、シクロプロピルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の別の態様は、R4が、フェニルである、式(I)の化合物を含む。
方法又は使用の一態様は、
【0053】
【化3】








からなる群から選択される化合物を含む、式(I)の化合物又はその形態を含み、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される。
【0054】
方法又は使用の別の態様は、







からなる群から選択される化合物を含む、式(I)の化合物又はその形態(化合物番号(#1)は、塩形態が単離されたことを示す)を含み、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される。
【0055】
方法又は使用の別の態様は、





からなる群から選択される化合物塩である、式(I)の化合物又はその形態を含み、化合物の形態は、その水和物、溶媒和物、及び互変異性体形態からなる群から選択される。
【0056】
方法又は使用の一態様は、対象において異常型のMAPTの蓄積及び凝集を特徴とする神経変性疾患を処置するための式(I)の化合物又はその形態を含む。
【0057】
方法又は使用の一態様は、対象において患部脳領域のニューロン及びグリアにおける神経原線維変化及び対らせん状細線維の形成を特徴とする神経変性疾患を処置するための式(I)の化合物又はその形態を含む。
【0058】
方法又は使用の一態様は、神経原性疾患(neurogenerative disease)が、アルツハイマー病、拳闘家認知症、グアム筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム-認知症(グアムALS/PD)、ピック病、嗜銀顆粒性認知症、ニーマン-ピック病C型、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核神経節(Corticobasoganlionic)変性症、前頭側頭型認知症パーキンソニズム-17(FTDP-17)、脳炎後パーキンソニズム(PEP)、常染色体劣性パーキンソニズム、前頭側頭型認知症、及び進行性核上性麻痺からなる群から選択される、式(I)の化合物又はその形態を含む。
一態様は、MAPTプレmRNAにおけるエクソン10スキッピングを誘導するための方法であって、ヒト細胞を、式(I)の化合物又はその形態と接触させることを含む方法を含む。
【0059】
一態様は、MAPT ΔE4 mRNAを生成するための方法であって、ヒト細胞を、式(I)の化合物又はその形態と接触させることを含む方法を含む。
一態様は、MAPT4Rタンパク質を低下させるための方法であって、ヒト細胞を、式(I)の化合物又はその形態と接触させることを含む方法を含む。
本明細書の一態様は、異常型のMAPTの蓄積及び凝集を特徴とする神経変性疾患を処置するために対象に投与するための、式(I)の化合物又はその形態及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。
本明細書の一態様は、式(I)の化合物又はその形態及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む、対象において異常型のMAPTの蓄積及び凝集を特徴とする神経変性疾患を処置するための医薬の製造に関する。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により普通に理解されるのと同じ意味を有する。本発明において使用するための方法及び材料は、本明細書に記載されており、当技術分野で公知の他の好適な方法及び材料もまた使用することができる。
材料、方法、及び例は、例示にすぎず、限定することを意図したものではない。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベース項目、及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合は、定義を含め、本明細書が優先する。
【0060】
化学的定義
上記及び本明細書における説明の全体を通して使用される化学用語は、別段の明確な定義がない限り、以下の示された意味を有すると当業者により理解されるものとする。
本明細書で使用されるとき、「C1-6アルキル」という用語は、一般的に、直鎖又は分岐鎖配置で1~8個の炭素原子を有する飽和炭化水素基を指し、メチル、エチル、n-プロピル(プロピル又はプロパニルとも称される)、イソプロピル、n-ブチル(ブチル又はブタニルとも称される)、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル(ペンチル又はペンタニルとも称される)、n-ヘキシル(ヘキシル又はヘキサニルとも称される)などを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C1-6アルキルは、C1-6アルキル、C1-4アルキルなどを含むが、それらに限定されない。C1-6アルキル基は、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0061】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロ-C1-6アルキル」という用語は、一般的に、直鎖又は分岐鎖配置で1~6個の炭素原子を有し、そこで1個又は複数のヘテロ原子、例えばO、S又はN原子が、鎖における員である飽和炭化水素基を指し、ヘテロ-メチル、ヘテロ-エチル、ヘテロ-プロピル、ヘテロ-ブチル、ヘテロ-ペンチル、ヘテロ-ヘキシルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、ヘテロ-C1-6アルキルは、ヘテロ-C2-6アルキル、ヘテロ-C1-4アルキル、ヘテロ-C2-4アルキルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロ-C1-6アルキル基は、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0062】
本明細書で使用されるとき、「C2-6アルケニル」という用語は、一般的に、直鎖又は分岐鎖配置で2~8個の炭素原子を有し、その中に1つ又は複数の炭素-炭素二重結合を有する部分的不飽和炭化水素基を指し、エテニル(ビニルとも称される)、アリル、プロペニルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C2-6アルケニルは、C2-6アルケニル、C2-4アルケニルなどを含むが、それらに限定されない。C2-6アルケニル基は、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
本明細書で使用されるとき、「C2-6アルキニル」という用語は、一般的に、直鎖又は分岐鎖配置で2~8個の炭素原子を有し、その中に1つ又は複数の炭素-炭素三重結合を有する部分的不飽和炭化水素基を指し、エチニル(アセチレニルとも称される)、プロピニル、ブチニルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C2-6アルキニルは、C2-6アルキニル、C2-4アルキニルなどを含むが、それらに限定されない。C2-6アルキニル基は、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0063】
本明細書で使用されるとき、「C1-6アルコキシ」という用語は、一般的に、式:-O-C1-6アルキルの直鎖又は分岐鎖配置で1~8個の炭素原子を有する飽和炭化水素基を指し、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C1-6アルコキシは、C1-6アルコキシ、C1-4アルコキシなどを含むが、それらに限定されない。C1-6アルコキシ基は、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
本明細書で使用されるとき、「オキソ」という用語は、式:=Oの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「カルボキシル」という用語は、式:-COOH、-C(O)OH又は-CO2Hの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「カルバモイル」という用語は、式:-C(O)NH2の基を指す。
【0064】
本明細書で使用されるとき、「C3-10シクロアルキル」という用語は、一般的に、飽和又は部分的不飽和の単環式、二環式又は多環式の炭化水素基を指し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1H-インダニル、インデニル、テトラヒドロ-ナフタレニルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C3-10シクロアルキルは、C3-8シクロアルキル、C5-8シクロアルキル、C3-10シクロアルキルなどを含むが、それらに限定されない。C3-10シクロアルキル基は、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0065】
本明細書で使用されるとき、「アリール」という用語は、一般的に、単環式、二環式又は多環式の芳香族炭素原子環構造の基を指し、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、アズレニル、フェナントレニルなどを含むが、それらに限定されない。アリール基は、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0066】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール」という用語は、一般的に、単環式、二環式又は多環式の芳香族炭素原子環構造の基であって、1個又は複数の炭素原子環員が、構造的安定性により可能であれば、1個又は複数のヘテロ原子、例えばO、S又はN原子で置き換えられている基を指し、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、1,3-チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、インダゾリル、インドリジニル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、1,3-ベンゾチアゾリル、1,3-ベンゾオキサゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロアリール基は、炭素又は窒素原子環員上で、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0067】
ある態様では、ヘテロアリール基の命名法は、異なることがあり、例えば非限定的な例では、フラニルは、フリルとも称されることがあり、チオフェニルは、チエニルとも称されることがあり、ピリジニルは、ピリジルとも称されることがあり、ベンゾチフェニル(benzothiphenyl)は、ベンゾチエニルとも称されることがあり、1,3-ベンゾオキサゾリル(benzoxazolyl)は、1,3-ベンゾオキサゾリル(benzooxazolyl)とも称されることがある。
【0068】
ある他の態様では、ヘテロアリール基の用語は、他のレジオアイソマー(regioisomer)も含み得、例えば非限定的な例では、ピロリルという用語は、2H-ピロリル、3H-ピロリルなども含み得、ピラゾリルという用語は、1H-ピラゾリルなども含み得、イミダゾリルという用語は、1H-イミダゾリルなども含み得、トリアゾリルという用語は、1H-1,2,3-トリアゾリルなども含み得、オキサジアゾリルという用語は、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリルなども含み得、テトラゾリルという用語は、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリルなども含み得、インドリルという用語は、1H-インドリルなども含み得、インダゾリルという用語は、1H-インダゾリル、2H-インダゾリルなども含み得、ベンゾイミダゾリルという用語は、1H-ベンゾイミダゾリルも含み得、プリニルという用語は、9H-プリニルなども含み得る。
本明細書で使用されるとき、「ヘテロシクリル」という用語は、一般的に、飽和又は部分的不飽和の単環式、二環式又は多環式の炭素原子環構造の基であって、1個又は複数の炭素原子環員が、構造的安定性により可能であれば、ヘテロ原子、例えばO、S又はN原子で置き換えられている基を指し、オキシラニル、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、トリアゾリニル、トリアゾリジニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、テトラゾリニル、テトラゾリジニル、ピラニル、ジヒドロ-2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、1,3-ジオキサニル、1,3-オキサジナニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4-ジアゼパニル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,4-ベンゾジオキサニルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロシクリル基は、炭素又は窒素原子環員上で、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0069】
本明細書で使用されるとき、「シアノ」という用語は、式:-CNの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「アミノ」という用語は、式:-NH2の基を指す。
本明細書で使用されるとき、「C1-6アルキル-アミノ」という用語は、式:-NH-C16アルキルの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「ハロ-C1-6アルキル-アミノ」という用語は、式:-NH-C1-6アルキル(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個又は複数のハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている)の基を指す。
【0070】
本明細書で使用されるとき、「ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ」という用語は、式:-NH-C1-6アルキル(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個又は複数の重水素原子で部分的に又は完全に置換されている)の基を指す。
本明細書で使用されるとき、「(C1-6アルキル)2-アミノ」という用語は、式:-N(C1-6アルキル)2の基を指す。
本明細書で使用されるとき、「フェニル-アミノ」という用語は、式:-NH-フェニルの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「ヘテロシクリル-アミノ」という用語は、式:-NH-ヘテロシクリルの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール-アミノ」という用語は、式:-NH-ヘテロアリールの基を指す。
【0071】
本明細書で使用されるとき、「C1-6アルキル-チオ」という用語は、式:-S-C1-6アルキルの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「C1-6アルキル-スルホニル」という用語は、式:-SO2-C1-6アルキルの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、一般的に、ハロゲン原子基を指し、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
本明細書で使用されるとき、「ハロ-C1-6アルコキシ」という用語は、式:-O-C1-6アルキル-ハロ(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個又は複数のハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている)の基を指す。
本明細書で使用されるとき、「ハロ-C1-6アルキル」という用語は、式:-C1-6アルキル-ハロ(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個又は複数のハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている)の基を指す。
本明細書で使用されるとき、「ジュウテロ-C1-6アルキル」という用語は、式:-C1-6アルキル-ジュウテロ(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個又は複数の重水素原子で部分的に又は完全に置換されている)の基を指す。
【0072】
本明細書で使用されるとき、「ヒドロキシ」という用語は、式:-OHの基を指す。
本明細書で使用されるとき、「ヒドロキシ-C1-6アルキル」という用語は、式:-C1-6アルキル-OH(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個又は複数のヒドロキシ基で部分的に又は完全に置換されている)の基を指す。
【0073】
本明細書で使用されるとき、「置換基」という用語は、指定された原子位置で置換され、指定された原子上の1個又は複数の水素を置き換えるが、ただし、指定された原子の通常の価数を超えないこと、及び置換が安定な化合物を生じることを条件とする、コア分子の原子上の位置可変要素を意味する。置換基及び/又は可変要素の組合せは、そのような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ許される。当業者は、本明細書に記載されている又は示されている、満たされていないと思われる価数を有するいずれの炭素及びヘテロ原子も、記載されている又は示されている価数を満たすのに十分な数の水素原子を有すると想定されることに留意すべきである。ある例では、付着点として二重結合(例えば、「オキソ」又は「=O」)を有する1個又は複数の置換基が本明細書で置換基内に記載され、示され、又は列挙されることがあり、該構造が、式(I)のコア構造への付着点として単結合のみを示すことがある。当業者は、単結合のみが示されているが、それらの置換基に二重結合が意図されていることを理解する。
【0074】
本明細書で使用されるとき、本明細書で提供される化学用語の定義に関する「など」という用語は、当業者により予想され得る化学構造の変形が、限定はしないが、異性体(鎖、分岐又は位置構造異性体を含む)、環系の水和(単環式、二環式又は多環式の環構造の飽和又は部分的不飽和を含む)及び利用できる価数により可能であれば、安定な化合物を生じる他のすべての変形を含むことを意味する。
本明細書の目的では、式(I)の化合物又はその形態の1個又は複数の置換基可変要素が、式(I)の化合物に組み込まれている官能基を包含する場合、開示されている化合物内のいずれかの場所に現れる各官能基は、独立して選択されてもよく、適切であれば、独立して及び/又は任意に置換されていてもよい。
本明細書で使用されるとき、「独立して選択される」、又は「各々選択される」という用語は、式(I)の構造上で2回以上出現し得る置換基リストにおける官能基可変要素を指し、各出現における置換パターンは、他のいずれの出現におけるパターンからも独立している。さらに、本明細書に記載されている化合物のいずれかの式又は構造における属(generic)の置換基可変要素の使用は、属置換基の、特定の属内に含まれる種置換基での置き換えを含み、例えば、アリールは、フェニル又はナフタレニルなどで置き換えられてもよく、また、得られた化合物は、本明細書に記載されている化合物の範囲内に含まれると理解される。
【0075】
本明細書で使用されるとき、「の各出現」又は「存在する場合、各出現において」という用語は、「…C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル、アリール、アリール-C1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-4アルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリル-C1-4アルキル」等の句に続いて使用される場合、各々が単独で又は置換基として存在する場合のC3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル環系を指すことが意図されている。
本明細書で使用されるとき、「置換されていてもよい」という用語は、特定された置換基可変要素、基(group)、基(radical)又は部分での任意の置換を意味する。
【0076】
化合物の形態
本明細書で使用されるとき、「形態」という用語は、その遊離酸、遊離塩基、プロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、クラスレート、アイソトポログ、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、立体異性体、多形及び互変異性体形態からなる群から選択される形態を有する式(I)の化合物を意味する。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その遊離酸、遊離塩基又は塩である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その塩である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、そのアイソトポログである。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その立体異性体、ラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーである。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その互変異性体である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、薬学的に許容される形態である。
【0077】
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物又はその形態は、使用のために単離されている。
【0078】
本明細書で使用されるとき、「単離されている」という用語は、本明細書に記載されている又は当業者に周知である単離又は精製プロセス(例えば、クロマトグラフィー、再結晶化など)に従って、本明細書に記載されている又は当業者に周知の標準的な分析技術により特徴付けられるのに十分な純度で、合成プロセスから(例えば、反応混合物から)若しくは天然源から又はそれらの組合せから単離及び/又は精製された後の式(I)の化合物又はその形態の物理的状態を意味する。
【0079】
本明細書で使用されるとき、「保護されている」という用語は、式(I)の化合物又はその形態における官能基が、化合物が反応に供されたときに保護部位における望ましくない副反応を起こさないように修飾されている形態であることを意味する。好適な保護基は、当業者により、また例えば、T.W. Greene et al, Protective Groups in organic Synthesis (1991), Wiley, New York等の標準的な教科書を参照することにより把握される。そのような官能基は、ヒドロキシ、フェノール、アミノ及びカルボン酸を含む。ヒドロキシ又はフェノールに好適な保護基は、トリアルキルシリル又はジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル、置換ベンジル、メチル、メトキシメタノールなどを含む。アミノ、アミジノ及びグアニジノに好適な保護基は、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。カルボン酸に好適な保護基は、アルキル、アリール又はアリールアルキルエステルを含む。ある例では、保護基はまた、ポリマー樹脂、例えばワング樹脂又は2-クロロトリチル-クロリド樹脂であってもよい。保護基は、当業者に周知である、また本明細書に記載されている標準的な技術に従って付加又は除去され得る。本明細書に記載されている化合物のそのような保護誘導体は、それ自体で薬理学的活性を所有しないことがあるが、対象に投与され、その後、体内で代謝されて、薬理学的に活性である本明細書に記載されている化合物を形成し得ることもまた当業者により認識される。したがって、そのような誘導体は、「プロドラッグ」と記載されることがある。本明細書に記載されている化合物のすべてのプロドラッグは、本明細書に記載されている使用の範囲内に含まれる。
【0080】
本明細書で使用されるとき、「プロドラッグ」という用語は、in vivoで転換されて、式(I)の活性化合物又はその形態を生じる本化合物の形態(例えば、薬物前駆体)を意味する。転換は、様々な機構により(例えば、代謝及び/又は非代謝化学プロセスにより)、例えば、血液、肝臓並びに/又は他の器官及び組織における加水分解及び/又は代謝等により起こり得る。プロドラッグの使用についての考察は、T. Higuchi and W. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Seriesにより、またBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987において提供される。
【0081】
一例では、式(I)の化合物又はその形態がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸性基の水素原子を、官能基、例えばアルキルなどで置き換えることにより形成されるエステルを含むことができる。別の例では、式(I)の化合物又はその形態がヒドロキシル官能基を含有する場合、プロドラッグ形態は、ヒドロキシルの水素原子を、別の官能基、例えばアルキル、アルキルカルボニル又はホスホン酸エステルなどで置き換えることにより調製することができる。別の例では、式(I)の化合物又はその形態がアミン官能基を含有する場合、プロドラッグ形態は、1個又は複数のアミン水素原子を、官能基、例えばアルキル又は置換カルボニルで置き換えることにより調製することができる。式(I)の化合物又はその形態の薬学的に許容されるプロドラッグは、以下の基:カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミノ酸エステル、ホスホン酸エステル及び一、二若しくは三リン酸エステル又は適切であれば、アルキル置換基の1個又は複数で置換されている化合物を含む。本明細書に記載されているように、そのような置換基の1個又は複数は、式(I)の化合物又はその形態をプロドラッグとして提供するために使用され得ることが当業者により理解される。
【0082】
本明細書に記載されている1種又は複数の化合物は、非溶媒和形態及び薬学的に許容される溶媒、例えば水、エタノールなどとの溶媒和形態で存在し得、本明細書における説明は、溶媒和及び非溶媒和形態の両方を包含することが意図されている。
本明細書で使用されるとき、「溶媒和物」という用語は、本明細書に記載されている化合物と、1つ又は複数の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む様々な程度のイオン及び共有結合を伴う。ある例では、溶媒和物は、例えば、1つ又は複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、単離が可能である。本明細書で使用されるとき、「溶媒和物」は、溶液相の溶媒和物及び単離可能な溶媒和物の両方を包含する。好適な溶媒和物の非限定的な例は、エタノレート、メタノレートなどを含む。
本明細書で使用されるとき、「水和物」という用語は、溶媒分子が水である溶媒和物を意味する。
【0083】
式(I)の化合物は、塩を形成することができ、これは、本明細書の範囲内に含まれることが意図されている。本明細書における式(I)の化合物又はその形態への言及は、別段の指示がない限り、その塩形態への言及を含むと理解される。本明細書で用いられる「塩」という用語は、無機及び/又は有機酸で形成された酸性塩、並びに無機及び/又は有機塩基で形成された塩基性塩を表す。加えて、式(I)の化合物又はその形態が、限定はしないが、アミン部分等の塩基性部分、及びカルボン酸等であるが、それに限定されない酸性部分の両方を含有する場合、双性イオン(「分子内塩」)が形成され得、本明細書で使用される「塩」という用語内に含まれる。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、哺乳動物における使用に安全かつ有効(すなわち、非毒性で、生理学的に許容される)であり、また、生物学的活性を所有する本明細書に記載されている化合物の塩を意味するが、他の塩もまた有用である。式(I)の化合物の塩は、例えば、式(I)の化合物又はその形態を、ある量、例えば当量の酸又は塩基と、媒体、例えば塩が沈殿する媒体中又は水性媒体中で反応させ、続いて、凍結乾燥させることにより形成され得る。
【0084】
薬学的に許容される塩は、本明細書に記載されている化合物に存在する酸性又は塩基性基の1種又は複数の塩を含む。酸付加塩の特定の態様は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物塩、酪酸塩、塩化物塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチシン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate)、グルタミン酸塩、ヨウ化物塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サッカリン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩としても知られている)、トリフルオロ酢酸塩などを含み、それらに限定されない。酸付加塩のある特定の態様は、塩化物又は二塩化物を含む。
【0085】
加えて、塩基性医薬化合物からの薬学的に有用な塩の形成に好適と一般的に考えられる酸については、例えば、P. Stahl et al, Camille G. (eds.) Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use. (2002) Zurich: Wiley-VCH;S. Berge et al, Journal of Pharmaceutical Sciences (1977) 66(1) 1-19;P. Gould, International J. of Pharmaceutics (1986) 33, 201-217;Anderson et al, The Practice of Medicinal Chemistry (1996), Academic Press, New Yorkにより;及びThe Orange Book (Food & Drug Administration, Washington, D.C. on their website)において考察されている。これらの開示は、それらの参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
好適な塩基性塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛塩を含むが、それらに限定されない。
すべてのそのような酸塩及び塩基塩は、本明細書に記載されている薬学的に許容される塩の範囲内に含まれることが意図されている。加えて、すべてのそのような酸及び塩基塩は、本明細書の目的では、対応する化合物の遊離形態と同等と考えられる。
式(I)の化合物及びその形態はさらに、互変異性体形態で存在し得る。すべてのそのような互変異性体形態は、本明細書に記載されている式(I)の化合物又はその形態の範囲内に含まれることが企図され、かつ意図されている。
式(I)の化合物又はその形態は、不斉又はキラル中心を含有し、したがって、異なる立体異性体形態で存在し得る。本明細書は、式(I)の化合物のすべての立体異性体形態及びラセミ混合物を含むそれらの混合物を含むことが意図されている。
本明細書に記載されている化合物は、1つ又は複数のキラル中心を含み得、したがって、ラセミ混合物(R/S)として又は実質的に純粋な鏡像異性体及びジアステレオマーとして存在し得る。化合物はまた、実質的に純粋な(R)又は(S)鏡像異性体として存在し得る(1つのキラル中心が存在する場合)。特定の一態様では、本明細書に記載されている化合物は、(S)異性体であり、(S)異性体のみを実質的に含む鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。別の特定の態様では、本明細書に記載されている化合物は、(R)異性体であり、(R)異性体のみを実質的に含む鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。当業者が把握するように、2つ以上のキラル中心が存在する場合、本明細書に記載されている化合物はまた、IUPAC命名法勧告により定義される(R,R)、(R,S)、(S,R)又は(S,S)異性体として存在し得る。
【0087】
本明細書で使用されるとき、「キラル」という用語は、4個の同一ではない置換基に結合している炭素原子を指す。本明細書で使用される立体化学的定義及び慣習は、一般的に、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;及びEliel, E. and Wilen, S., "Stereochemistry of Organic Compounds", John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従う。光学活性化合物を記載する際に、接頭辞D及びL、又はR及びSは、そのキラル中心周囲の分子の絶対配置を表すために使用される。検討中のキラル中心に付着した置換基は、カーン、インゴールド及びプレローグの順位則に従って順位付けされる。(Cahn et al. Angew. Chem. Inter. Edit. 1966, 5, 385; errata 511)。
【0088】
本明細書で使用されるとき、「実質的に純粋」という用語は、90%以上の量の、92%以上の量の、95%以上の量の、98%以上の量の、99%以上の量の単一の異性体、又は100%に等しい量の単一の異性体から実質的になる化合物を指す。
本明細書の一態様では、式(I)の化合物又はその形態は、90%以上の量で、92%以上の量で、95%以上の量で、98%以上の量で、99%以上の量で、又は100%に等しい量で存在する、実質的に純粋な(S)鏡像異性体形態である。
本明細書の一態様では、式(I)の化合物又はその形態は、90%以上の量で、92%以上の量で、95%以上の量で、98%以上の量で、99%以上の量で、又は100%に等しい量で存在する、実質的に純粋な(R)鏡像異性体形態である。
本明細書で使用されるとき、「ラセミ体」は、限定はしないが、約50/50、約60/40、約70/30、又は約80/20の比等の混合物を含む、「鏡像異性的に純粋」ではないアイソメトリック形態のあらゆる混合物である。
【0089】
加えて、本明細書は、すべての幾何及び位置異性体を包含する。例えば、式(I)の化合物又はその形態が二重結合又は縮合環を組み込む場合、cis及びtrans形態の両方、並びに混合物が、本明細書の範囲内に包含される。ジアステレオマー混合物は、当業者に周知の方法により、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶等により、それらの物理化学的な差に基づいて、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、キラルHPLCカラム又は当業者に公知の他のクロマトグラフィー方法の使用により分離することができる。鏡像異性体はまた、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコール又はモッシャー酸クロリド等のキラル補助剤)との反応により鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に変換すること、ジアステレオマーを分離すること、及び個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体へ変換する(例えば、加水分解する)ことにより分離することができる。また、式(I)の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であり得、本明細書の一部と考えられる。
【0090】
本化合物のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)(化合物の塩、溶媒和物、エステル及びプロドラッグ並びにプロドラッグの塩、溶媒和物及びエステルのものを含む)、例えば様々な置換基上の不斉炭素に起因して存在し得るものは、鏡像異性体形態(不斉炭素の非存在下でも存在し得る)、回転異性体形態、アトロプ異性体、及びジアステレオマー形態を含め、位置異性体(例えば、4-ピリジル及び3-ピリジル等)と同様に、本明細書の範囲内にあることが企図される。本明細書に記載されている化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まなくてもよく、又は上に記載されているラセミ混合物で存在してもよい。
【0091】
化合物の使用
それを必要とする対象において疾患を処置する方法が本明細書で提供される。本明細書で使用されるとき、「対象」又は「患者」という用語は、哺乳動物を含むあらゆる動物を指す。例えば、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、及びヒトである。いくつかの態様では、対象は、ヒトである。
本明細書で使用されるとき、「治療有効量」という句は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床家により組織、系、動物、個体又はヒトにおいて求められている生物学的又は医学的応答を誘発する活性化合物又は医薬品の量を指す。いくつかの態様では、対象又は個体に投与される化合物、又は薬学的に許容されるその塩の投薬量は、約1mg~約2g、約1mg~約1000mg、約1mg~約500mg、約1mg~約100mg、約1mg~50mg、又は約50mg~約500mgである。
【0092】
本明細書で使用されるとき、「処置すること」又は「処置」という用語は、(1)疾患を防止すること;例えば、疾患、状態又は障害にかかりやすい可能性があるが、疾患の病状又は総体症状をまだ経験又は呈示していない個体において疾患、状態又は障害を防止すること;(2)疾患を阻害すること;例えば、疾患、状態又は障害の病状又は総体症状を経験又は呈示している個体において疾患、状態又は障害を阻害すること(すなわち、病状及び/又は総体症状のさらなる発生を阻止すること);並びに(3)疾患を改善すること;例えば、疾患、状態又は障害の病状又は総体症状を経験又は呈示している個体において疾患、状態又は障害を改善すること(すなわち、病状及び/又は総体症状を逆転させること)、例えば疾患の重症度を減少させること又は疾患の1つ若しくは複数の症状を低減若しくは軽減することの1つ又は複数を指す。
【0093】
本出願は、それを必要とする対象において異常型MAPTの蓄積及び凝集を特徴とする神経変性疾患を処置する方法であって、治療有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物)を対象に投与することを含む方法を提供する。
それを必要とする対象においてニューロン及びグリアにおける神経原線維変化及び対らせん状細線維の形成を処置する方法であって、治療有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物)を対象に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。
【0094】
対象においてMAPT4Rタンパク質を低下させる方法であって、治療有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物)を対象に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。
本明細書で提供される方法のいくつかの態様では、化合物は、式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩の群から選択される。
対象においてMAPTプレmRNAにおけるエクソン10スキッピングを誘導する方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。
細胞においてMAPTプレmRNAにおけるエクソン10スキッピングを誘導する方法であって、細胞を(例えば、ex vivo又はin vivoで)、式(I)の化合物又はその形態と接触させることを含む方法もまた本明細書で提供される。
【0095】
遺伝子においてMAPTプレmRNAにおけるエクソン10スキッピングを誘導する方法であって、遺伝子を(例えば、遺伝子を発現する細胞又は対象において)、式(I)の化合物又はその形態と接触させることを含む方法もまた本明細書で提供される。
それを必要とする対象においてMAPT ΔE4 mRNAを生成する方法であって、有効量の化合物式(I)又はその形態を対象に投与することを含む方法もまたそこで提供される。
細胞においてMAPT ΔE4 mRNAを生成する方法であって、細胞を(例えば、ex vivo又はin vivoで)、化合物式(I)又はその形態と、対象に接触させることを含む方法もまたそこで提供される。
遺伝子においてMAPT ΔE4 mRNAを生成する方法であって、遺伝子を(例えば、遺伝子を発現する細胞又は対象において)、式(I)の化合物又はその形態と接触させることを含む方法もまた本明細書で提供される。
それを必要とする対象においてMAPT 4R mRNAを減少させるための方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、対象からの血清試料においてMAPT 4R mRNA濃度を減少させることを含む。
【0096】
いくつかの態様では、MAPT 4R mRNAは、血清において、例えば、式(I)の化合物又はその形態の投与前に対象から得られた血液試料において及び本明細書で提供される化合物の投与後に対象から得られた血液試料において測定することができる。いくつかの態様では、投与後に対象から得られた血液試料は、本明細書で提供される化合物の投与から1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、14日、21日、28日、及び/又は30日後に得られる。例えば、F.B. Axelrod et al., Pediatr Res (2011) 70(5): 480-483;及びR.S. Shetty et al., Human Molecular Genetics (2011) 20(21): 4093-4101を参照されたく、それらの両方は、その全体が参照により組み込まれる。
【0097】
細胞においてMAPT 4R mRNAを減少させるための方法であって、細胞を(例えば、ex vivo又はin vivoで)、治療有効量の式(I)の化合物又はその塩形態と接触させることを含む方法が本明細書でさらに提供される。処理された細胞におけるMAPT 4R mRNAの量は、本明細書で提供される化合物の非存在下での対象における細胞と比べて減少する。細胞においてMAPT 4R mRNAの量を減少させるための方法は、細胞を、式(I)の化合物又はその形態とin vitroで接触させ、それにより、細胞のMAPT 4R mRNAの量をin vitroで減少させることにより実施され得る。MAPT 4R mRNAの量を減少させるそのようなin vitro方法の使用は、スクリーニングアッセイにおける使用(例えば、式(I)の化合物又はその形態が、MAPT 4R mRNAの量を減少させる際に未知の活性又は効力の化合物と比較される陽性対照又は標準物質として使用される)を含むが、それに限定されない。
【0098】
いくつかの態様では、MAPT 4R mRNAの量は、中枢神経系細胞において減少させる。そのいくつかの態様では、MAPT 4R mRNAの量は、血漿において減少させる。
中枢神経系細胞において変異MAPT 4R mRNAを減少させる方法は、例えば、細胞を、式(I)の化合物又はその形態とin vivoで接触させ、それにより、対象におけるMAPT 4R mRNAの量をin vivoで減少させることにより実施され得る。接触させることは、式(I)の化合物又はその形態を、MAPT 4R mRNAの量の減少を達成するのに有効な量で対象中に存在させることにより達成される。これは、例えば、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することにより達成され得る。MAPT 4R mRNAの量を減少させるそのようなin vivo方法の使用は、MAPT 4R mRNAの量の減少が有益である、疾患又は状態を処置する方法における使用を含むが、それに限定されない。
そのいくつかの態様では、MAPT 4R mRNAの量は、異常型のMAPTの蓄積及び凝集を特徴とする神経変性疾患に罹患した対象における中枢神経系細胞において減少させる。方法は、好ましくは、有効量の式(I)の化合物又はその形態を、異常型のMAPTの蓄積及び凝集を特徴とする神経変性疾患に罹患している対象に投与することにより実施される。
【0099】
それを必要とする対象においてMAPT4Rタンパク質発現を減少させるための方法であって、有効量の式(I)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、対象からの血清試料においてMAPT4Rタンパク質発現を減少させることを含む。それを必要とする対象においてMAPT4Rタンパク質発現の平均パーセンテージを減少させるための方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することを含む方法が本明細書でさらに提供される。
それを必要とする対象においてMAPT4Rタンパク質レベルを減少させるための方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。それを必要とする対象においてMAPT4Rタンパク質レベルの平均パーセンテージを減少させるための方法であって、有効量の式(I)の化合物又はその形態を対象に投与することを含む方法が本明細書でさらに提供される。
【0100】
細胞において(例えば、ex vivo又はin vivoで)MAPT4Rタンパク質レベルを減少させるための方法であって、細胞を、治療有効量の式(I)の化合物又はその形態と接触させることを含む方法もまた本明細書で提供される。
いくつかの態様では、方法は、in vitro方法である。いくつかの態様では、方法は、in vivo方法である。いくつかの態様では、MAPT4Rタンパク質レベルの量は、細胞において減少させる。いくつかの態様では、細胞は、中枢神経系細胞である。いくつかの態様では、式(I)の化合物又はその形態の1種又は複数は、少なくとも1種の追加の医薬品と組み合わせて、それを必要とする対象に投与され得る。
【0101】
本明細書に提示される疾患を処置するために本出願の化合物と組み合わせて使用するのに好適な追加の医薬品の追加の例は、抗酸化剤、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、又は他の薬剤、例えば治療抗体を含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、式(I)の化合物又はその形態は、異常型のMAPTの蓄積及び凝集を特徴とする神経変性疾患を処置するために少なくとも1種の追加の医薬品と組み合わせて、それを必要とする対象に投与され得る。
【0102】
治療剤として用いられる場合、本明細書で提供される化合物は、医薬組成物の形態で投与することができ、したがって、本明細書に記載されている方法は、医薬組成物を投与することを含むことができる。これらの組成物は、本明細書又は他の場所に記載されているように調製することができ、局部処置又は全身処置のいずれが望ましいか及び処置されるべき部位に応じて、多様な経路により投与することができる。投与は、経肺(例えば、粉末剤又はエアゾール剤の吸入又は吹送による、例えばネブライザーによる;気管内又は鼻腔内)、経口、又は非経口であり得る。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内注射若しくは注入;又は頭蓋内、(例えば、くも膜下腔内、眼内、若しくは脳室内)投与を含み得るが、それらに限定されない。非経口投与は、単回ボーラス用量の形態とすることができ、又は例えば、連続灌流ポンプによるものであり得る。従来の医薬担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などが必要又は望ましいことがある。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、経口及び非経口投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、経口投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、非経口投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、静脈内投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、経皮投与(例えば、パッチ又はマイクロニードルを使用した投与)に好適である。局所投与のための医薬組成物は、経皮パッチ(例えば、通常型又は電気刺激型)、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、点滴剤、坐剤、スプレー剤、液剤及び粉末剤を含み得る。従来の医薬担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などが必要又は望ましいことがある。
【0103】
活性成分として、式(I)の化合物又はその形態を、1種又は複数の薬学的に許容される担体(賦形剤)と組み合わせて含有する医薬組成物もまた提供される。本明細書で提供される組成物を作製する際に、活性成分は、典型的には、賦形剤と混合され、賦形剤により希釈され、又は例えば、カプセル、サシェ、紙、若しくは他の容器の形態のそのような担体内に封入される。賦形剤が希釈剤としての機能を果たす場合、これは、活性成分のビヒクル、担体又は媒体として作用する固体、半固体、又は液体材料とすることができる。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体としての又は液体媒体中の)、軟膏剤、軟及び硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注射液剤、並びに無菌包装粉末剤の形態とすることができる。
【0104】
好適な賦形剤のいくつかの例は、限定はしないが、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースを含む。加えて、製剤は、限定はしないが、滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油;湿潤剤;乳化及び懸濁化剤;保存剤、例えばメチル及びプロピルヒドロキシベンゾエート;甘味剤;香味剤、又はそれらの組合せを含むことができる。
活性化合物は、幅広い投薬量範囲にわたり有効であることができ、一般的に、薬学的有効量で投与される。投与されるべき化合物の量及び投与スケジュールは、通常、処置されるべき状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の対象の年齢、体重、及び応答、対象の症状の重症度などを含む関連状況に応じて、医者により決定されることが理解される。
【0105】
別の態様では、式(I)の化合物又はその形態に関して観察される濃度-生物学的効果の関係は、およそ0.001μg・時間/mL~およそ50μg・時間/mL、およそ0.01μg・時間/mL~およそ20μg・時間/mL、およそ0.05μg・時間/mL~およそ10μg・時間/mL、又はおよそ0.1μg・時間/mL~およそ5μg・時間/mLの範囲の標的血漿中濃度を示す。そのような血漿中濃度を達成するために、本明細書に記載されている化合物は、例えば、限定はしないが、1.0ng~10,000mg等の変動する用量で投与され得る。
【0106】
一態様では、有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、対象又は患者に特有の因子に基づいて投与され得、体重ベースで投与される用量は、約0.001mg/kg/日~約3500mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約3000mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約2500mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約2000mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約1500mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約1000mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約500mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約250mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約200mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約150mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約75mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約50mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約25mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約10mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約5mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約1mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約0.5mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約0.1mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約3500mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約3000mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約2500mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約2000mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約1500mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約1000mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約500mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約250mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約200mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約150mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約75mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約50mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約25mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約10mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約5mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約1mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約0.5mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約0.1mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約3500mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約3000mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約2500mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約2000mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約1500mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約1000mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約500mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約250mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約200mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約150mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約100mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約75mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約50mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約25mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約10mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約5mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約1mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約0.5mg/kg/日の範囲であり得る。
【0107】
所与の対象に対する有効量は、対象に関連する因子を踏まえて、臨床家又は当業者の技能及び判断の範囲内にある日常的な実験により決定され得る。投薬量及び投与は、十分なレベルの活性剤を提供するように又は所望の効果を維持するように調整され得る。考慮され得る因子は、遺伝子スクリーニング、疾患状態の重症度、疾患進行の状況、対象の全般的健康状態、民族性、年齢、体重、性、食事、投与の時刻及び頻度、薬物の組合せ、反応感受性、他の療法の経験、並びに療法に対する忍容性/応答を含む。
【0108】
有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、1日1回(およそ24時間の期間に1回;すなわち、「q.d.」)、2回(およそ12時間の期間に1回;すなわち、「b.i.d.」若しくは「q.12h」)、3回(およそ8時間の期間に1回;すなわち、「t.i.d.」若しくは「q.8h」)、又は4回(およそ6時間の期間に1回;すなわち、「q.d.s.」、「q.i.d.」若しくは「q.6h」)経口投与され得る。
【0109】
ある態様では、有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量はまた、約40~約200kgの範囲の体重を有する患者又は対象のための単回、分割、又は連続用量で投与され得る(この用量は、この範囲を上回る又は下回る患者又は対象、特に40kg未満の小児のために調整され得る)。典型的な成人対象は、約70kgの範囲の体重中央値を有すると予想される。長時間作用する医薬組成物は、特定の製剤の半減期及びクリアランス速度に応じて、2、3若しくは4日ごとに、1週間ごとに1回、又は2週間ごとに1回投与され得る。
本明細書に記載されている化合物及び組成物は、当技術分野で公知のあらゆる薬物送達経路を介して対象に投与され得る。非限定的な例は、経口、経眼、直腸、頬側、局所、経鼻、舌下、経皮、皮下、筋肉内、静脈内(ボーラス及び注入)、脳内、及び経肺投与経路を含む。
【0110】
別の態様では、投与される用量は、約0.02、0.025、0.03、0.05、0.06、0.075、0.08、0.09、0.10、0.20、0.25、0.30、0.50、0.60、0.75、0.80、0.90、1.0、1.10、1.20、1.25、1.50、1.75、2.0、3.0、5.0、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、400、500、1000、1500、2000、2500、3000又は4000mg/日で送達するために製剤化された、本明細書に記載されている剤形に基づいて調整され得る。
いずれの化合物についても、有効量は、細胞培養アッセイにおいて又は関連動物モデル、例えばマウス、モルモット、チンパンジー、マーモセット若しくはタマリン動物モデルにおいて最初に推定することができる。関連動物モデルはまた、適切な濃度範囲及び投与経路を決定するために使用され得る。次いで、そのような情報を、ヒトにおける有用な用量及び投与経路を決定するために使用することができる。治療有効性及び毒性は、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順、例えば、ED50(集団の50%において治療上有効な用量)及びLD50(集団の50%にとって致死的な用量)により決定され得る。治療効果と毒性効果との間の用量比が、治療指数であり、LD50/ED50比として表現することができる。ある態様では、有効量は、大きい治療指数が達成されるようなものである。さらなる特定の態様では、投薬量は、毒性がほとんどない又は毒性がないED50を含む血中濃度の範囲内である。投薬量は、用いられる剤形、患者の感受性及び投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。
【0111】
本明細書の範囲内に含まれる別の態様は、本明細書に記載されている化合物のin vivo代謝生成物の使用である。そのような生成物は、例えば、主に酵素プロセスに起因する、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などにより生じ得る。したがって、本明細書は、本明細書に記載されている化合物を、哺乳動物の組織又は哺乳動物と、その代謝生成物を生じるのに十分な期間接触させることを含むプロセスにより生成された化合物の使用を含む。
そのような生成物は、典型的には、式(I)の放射標識(例えば、14C又は3H)化合物を調製すること、放射標識化合物を検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で哺乳動物、例えばラット、マウス、モルモット、イヌ、サル又はヒトに投与すること、代謝が起こるのに十分な時間(典型的には約30秒~約30時間)を設けること、及び尿、胆汁、血液又は他の生体試料から代謝変換生成物を同定することにより同定される。変換生成物は、同位体濃縮されることによって「放射標識される」ので、容易に単離される(代謝産物中に残存するエピトープに結合することが可能な抗体の使用により単離されるものもある)。代謝産物の構造は、従来の様式で、例えば、MS又はNMR分析により決定される。一般に、代謝産物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝研究と同じように行われ得る。変換生成物は、in vivoで別途見出されない限り、それら自体の生物学的活性を所有しない場合でも、本明細書に記載されている化合物の治療的投薬のための診断アッセイにおいて有用である。
【0112】
化合物の調製
式(I)の化合物は、国際出願第PCT/US2020/063612号で提供される方法を含む、当技術分野で公知の試薬及び方法を使用して調製することができ、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0113】
生物学的実施例
以下のin vitroでの生物学的実施例は、異常型のMAPTの蓄積を特徴とする神経変性疾患の処置に対する本明細書の化合物の有用性を実証する。
本明細書をより詳細に説明し、その理解を補助するために、以下の非限定的な生物学的実施例が本明細書の範囲をより十分に例示するために提供され、これは、その範囲を明確に限定すると解釈されるべきではない。現在公知であるか又は後に開発され得る本明細書の変形であって、当業者による確認の範囲内にあるものは、本明細書の及び以下に特許請求される範囲に含まれると考えられる。
【0114】
(実施例1)
細胞におけるMAPT 3R mRNAを定量化するためのRT-qPCRアッセイ
試験化合物を100%DMSO中で3.16倍に段階希釈して、7点濃度曲線を作成した。0.5μLの希釈化合物のアリコートをリキッドハンドラーにより96ウェル平底プレートに移した。0.5μLのDMSOのアリコートもまた別個のウェルに移し、対照として使用した。各化合物濃度及びDMSO対照について2連の試料を用意した。
細胞を解凍し、細胞培養培地(DMEM、10%FBS、及び1%抗生物質カクテル)中で72時間インキュベートした。細胞をトリプシン処理し、計数し、細胞培養培地に200,000細胞/mLの濃度に再懸濁した。細胞懸濁液の100μLアリコートを、化合物を含有する96ウェルマイクロタイタープレート中に1ウェル当たり20,000細胞でプレーティングし、細胞培養インキュベーター(37℃、5%CO2、100%の相対湿度)においてインキュベートした。
24時間後、培地を細胞から吸引し、20μLのRCL2溶解緩衝液(10mM Tris-HCL pH7.4、150mM NaCl、0.33%IGEPAL(登録商標)CA-630)を各ウェルに添加し、室温で1分間インキュベートした。冷やしたヌクレアーゼフリー水(1ウェル当たり140μL)を添加し、プレートを直ちに氷上に移した。氷上で1分後、プレートを-80℃で終夜凍結させた。
【0115】
RT-qPCR反応混合物の調製:
【0116】
4μL/ウェルの細胞溶解物のアリコートを、リキッドハンドラーを使用して、上記で詳述したように調製された6μL/ウェルのRT-qPCR反応混合物を含有するArmadillo 384ウェルPCRプレートに移した。次いで、プレートをMicroAmp(商標)Optical Adhesive Filmでシールし、続いて、1分間遠沈し、CFX384サーモサイクラー(BioRad)に入れた。
【0117】
RT-qPCRを以下の温度で示された時間行った:
ステップ1:48℃(30分)
ステップ2:95℃(10分)
ステップ3:95℃(15秒)
ステップ4:60℃(1分)
次いで、ステップ3及び4を合計40サイクル繰り返した。
【0118】
各用量の化合物処理について、数式1及び2を使用して、エクソン4スキッピングパーセントを計算した。
数式1
【数1】
数式2
【数2】
【0119】
XLfit(登録商標)統計及び曲線フィッティングパッケージを使用して、データを用量応答曲線にフィッティングし、EC2Xを内挿した。試験された代表的化合物について得られたEC2X値(μM)を表1に示す。
【0120】
EC2X値≧3000nMは、「不活性」により示される。EC2X値>1500nM~≦3000nMは、星印1つ(*)により示される。EC2X値>1000nM~≦1500nMは、星印2つ(**)により示される。EC2X値>500nM~≦1000nMは、星印3つ(***)により示される。EC2X値>50nM~≦500nMは、星印4つ(****)により示される。EC2X値≦50nMは、星印5つ(*****)により示される。
【0121】
【表1】
【0122】
本明細書で引用される文献が、参照により組み込まれると明確にかつ個々に示されたか否かにかかわらず、本明細書で参照されるすべての文献は、個々の参考文献が各々本明細書に十分に明記された場合と同程度に、あらゆるすべての目的で参照により本出願に組み込まれる。
【0123】
特許請求の範囲の主題をこれまで十分に記載してきたが、それは、幅広い均等物の範囲内で、本明細書に記載されている主題又は特定の態様の範囲に影響を与えることなく実施することができることが当業者により理解される。添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような均等物を含むと解釈されることが意図されている。
【配列表】
2024533264000001.xml
【国際調査報告】