(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6568 20140101AFI20240905BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240905BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240905BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/229 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/211 20210101ALN20240905BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/6556
H01M50/289
H01M50/289 101
H01M50/204 401H
H01M50/291
H01M50/293
H01M50/229
H01M50/211
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514705
(86)(22)【出願日】2023-01-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 KR2023000474
(87)【国際公開番号】W WO2023136593
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0003809
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0003719
(32)【優先日】2023-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】セホ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥスン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ギ・パク
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031KK01
5H031KK08
5H040AA14
5H040AA28
5H040AS01
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC23
5H040CC28
5H040CC34
5H040CC38
5H040JJ03
5H040LL04
5H040LL06
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る電池モジュールは、少なくとも一つの電池セルを含む電池セルグループが第1方向に沿って積層される電池セル積層体;および内部に冷媒が流れる冷却チューブを含むヒートシンク;を含む。前記電池セルグループのそれぞれは、少なくとも一つの前記電池セルの上部に位置する第1セルフレーム、または少なくとも一つの前記電池セルの下部に位置する第2セルフレームをさらに含む。前記冷却チューブは、屈曲した形態の少なくとも一つの屈曲部を含む。前記屈曲部が、前記電池セルグループの上部または下部を包むと共に、前記冷却チューブが前記電池セルグループのいずれか一つの両側面をカバーする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの電池セルを含む電池セルグループが第1方向に沿って積層される電池セル積層体と、
内部に冷媒が流れる冷却チューブを含むヒートシンクと、
を含み、
前記電池セルグループのそれぞれは、少なくとも一つの前記電池セルの上部に位置する第1セルフレーム、または少なくとも一つの前記電池セルの下部に位置する第2セルフレームをさらに含み、
前記冷却チューブは、屈曲した形態の少なくとも一つの屈曲部を含み、
前記屈曲部は、前記電池セルグループの上部または下部を包むと共に、前記冷却チューブが前記電池セルグループのいずれか一つの両側面をカバーする、電池モジュール。
【請求項2】
前記屈曲部は、複数で構成され、前記屈曲部のいずれか一つが前記電池セルグループのうちのいずれか一つの両側面および上部を包み、前記屈曲部のうちの他の一つが、前記電池セルグループのうちの他の一つの両側面および下部を包み、前記冷却チューブは、ジグザグ状につながる、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記屈曲部のいずれか一つが、前記電池セルグループのいずれか一つの両側面および前記第1セルフレームを包み、
前記屈曲部のうちの他の一つが、前記電池セルグループのうちの他の一つの両側面および前記第2セルフレームを包む、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記電池セル積層体の上部と下部とにそれぞれ位置する上部フレームと下部フレームとをさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記第1セルフレームは、前記上部フレームの下側で前記上部フレームに結合され、
前記第2セルフレームは、前記下部フレームの上側で前記下部フレームに結合される、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記電池セル積層体と前記上部フレームとの間の空間、または前記電池セル積層体と前記下部フレームとの間の空間のうち少なくとも一箇所に発泡フォームが注入される、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記第1セルフレームと前記第2セルフレームのそれぞれは、少なくとも一つの前記電池セルが安着される収容溝、および前記収容溝が形成された面の反対面に形成された突出部を含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記電池セル積層体の上部と下部のそれぞれに上部フレームと下部フレームが位置し、
前記上部フレームと前記下部フレームのそれぞれには、前記突出部が挿入される挿入ホールが形成された、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記上部フレームの前記挿入ホールには前記第1セルフレームの前記突出部が挿入され、
前記下部フレームの前記挿入ホールには前記第2セルフレームの前記突出部が挿入される、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記挿入ホールのうちの少なくとも一つは、前記電池セルグループが積層される方向である前記第1方向に前記突出部よりも広い開口幅を有して、前記突出部は前記第1方向またはその反対方向に移動可能である、請求項8または9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記上部フレームまたは前記下部フレームのうちの少なくとも一つは、固定パーツおよびムービングパーツを含み、
前記ムービングパーツでの前記挿入ホールの前記第1方向に対する開口幅が、前記固定パーツでの前記挿入ホールの前記第1方向に対する開口幅よりも広い、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記ムービングパーツは、前記第1方向と平行な方向の一端部に位置する、請求項11に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記ムービングパーツは複数で構成され、
前記ムービングパーツは、前記第1方向と平行な方向の両端部にそれぞれ位置し、前記固定パーツは、前記ムービングパーツの間に位置する、請求項11に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記固定パーツにおいて、前記第1セルフレームと前記第2セルフレームは、それぞれ前記上部フレームと前記下部フレームに接着部材を介して接着される、請求項11に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記上部フレームまたは前記下部フレームのうちの少なくとも一つは、中央部から前記第1方向および前記第1方向の反対方向に行くほど、前記挿入ホールの前記第1方向に対する開口幅が徐々に広くなる、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記収容溝に開放された形態のスリットが形成され、
前記電池セルグループでの少なくとも一つの前記電池セルが、前記スリットを介して前記屈曲部と接触する、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項17】
前記第1方向に沿う前記電池セル積層体の両側面に位置するサイドプレートをさらに含み、
前記サイドプレートは、リーフスプリング形態である、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記サイドプレートは、複数のリーフスプリング部材が高さ方向に沿って間隔を置いて配置される形態である、請求項17に記載の電池モジュール。
【請求項19】
前記サイドプレートは、前記電池セル積層体が位置した方向に湾入されたリーフスプリング形態である、請求項17に記載の電池モジュール。
【請求項20】
前記サイドプレートは複合素材を含み、
前記複合素材は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic:FRP)または炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)である、請求項17に記載の電池モジュール。
【請求項21】
前記複合素材は、繊維素材、レジン、および前記繊維素材の間に介されたシート素材を含み、
前記繊維素材は、ガラス繊維または炭素繊維を含み、
前記レジンは、エポキシまたはウレタンのうちの少なくとも一つを含み、
前記シート素材は、PETまたはPUのうちの少なくとも一つを含む、請求項20に記載の電池モジュール。
【請求項22】
前記ヒートシンクは、前記冷却チューブの一端部に連結された流入マニホールドおよび前記冷却チューブの他端部に連結された排出マニホールドを含み、
前記流入マニホールドに、前記冷媒が流入される流入部が形成され、前記排出マニホールドに、前記冷媒が排出される排出部が形成される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項23】
請求項1に記載の電池モジュールを含む、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2022年1月11日付の韓国特許出願第10-2022-0003809号および2023年1月10日付の韓国特許出願第10-2023-0003719号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には水冷式冷却構造を有する電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダー、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化され、このようなモバイル機器に関する分野の技術開発が活発化している。また、充放電が可能な二次電池は、化石燃料を使用する従来のガソリン車などの大気汚染などを解決するための方策として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)等の動力源として利用され、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
一般にリチウム二次電池は外装材の形状によって、電極アセンブリが金属カンに内装されているカン型二次電池と、電極アセンブリがアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0005】
小型機器に利用される二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車のような中大型デバイスに利用される二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に接続した電池モジュール(Battery module)が利用される。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に接続され、電池セル積層体を形成することで容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BDU(Battery Disconnect Unit)、BMS(Battery、Management、System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0006】
二次電池は、適正温度よりも高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、酷い場合は、爆発や発火の危険性もある。特に、多数の二次電池、即ち、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合算され、温度がより速く、より激しく上昇することがある。即ち、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルから発生する熱を除去することが容易ではない。電池セルの放熱が適切に行われない場合、電池セルの劣化が早くなり、寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が高くなる。
【0007】
さらに、車両用電池パックに含まれる電池モジュールの場合、直射光線に頻繁に曝され、夏季や砂漠地域などの高温条件に置かれることがある。従って、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定的かつ効果的な冷却性能を確保することは大変重要であると言える。電池モジュールや電池パックの冷却方法は、大きく冷却水などの冷媒を活用した水冷式方法と、冷却風を活用した空冷式方法に分けることができる。そのうち水冷式冷却は、冷却性能が優れて、大容量の電池モジュールや電池パックから発生する高熱を効果的に冷却することができる。
【0008】
図1は、従来の電池モジュールに対する斜視図であり、
図2は、
図1の切断線A-A’に沿って切断した断面を示す断面図である。但し、
図2には説明の便宜のために電池モジュール10の下に配置されるヒートシンク30を追加的に示した。
【0009】
図1および
図2を参照すると、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が積層された電池セル積層体12と、電池セル積層体12を収納するモジュールフレーム20を含む。この時、電池セル11は、パウチ型電池セルであり、パウチ型電池セルは、長方形のシート構造を形成する。
【0010】
多数の電池セル11が積層されるため、電池モジュール10は、充放電過程で多量の熱を発生させる。パウチ型電池セルを含む電池モジュール10は、電池セル11のエッジを固定された位置と大きさを有するヒートシンク30に間接または直接接触させて、冷却を実施した。
【0011】
具体的には、電池モジュール10は、電池セル積層体12とモジュールフレーム20の底部との間に位置したサーマルレジン層40を含むことができる。また、電池モジュール10がパックフレームに装着されて電池パックを形成する時、電池モジュール10の下に熱伝達部材50およびヒートシンク30が順に位置することができる。熱伝達部材50は、放熱パッドであってもよく、ヒートシンク30は、内部に冷却水などの冷媒が流れる冷却流路31が形成されてもよい。一方向に沿って積層された電池セル11のエッジがサーマルレジン層40と接触し、電池セル11から発生した熱は、サーマルレジン層40、モジュールフレーム20の底部、熱伝達部材50、およびヒートシンク30を順に経て、電池モジュール10の外部に伝達される。即ち、従来の電池モジュール10には、電池セル11のエッジの部分を介して熱を排出する水冷式構造を適用した。
【0012】
このような電池セル11のエッジの部分を活用した水冷式構造は、相対的に簡素化された構造を有するが、冷却性能が低下し、電池セル11の高いスウェリング発生時、電池セル11のパウチケースなどにクラックが発生する危険性がある。
【0013】
具体的に説明すると、電池セル11は、充放電が繰り返される過程や初期充電過程で、その内部電解質が分解されてガスが発生して電池セル110が膨らむ現象、即ち、スウェリング(Swelling)またはブリージング(Breathing)現象が発生することがある。
【0014】
電池セルの容量が増加するにつれて、スウェリングの程度も大きく増加し、電池モジュールに適用される電池セルの数量も徐々に増加する傾向にあるため、電池モジュール内部の電池セルのスウェリングを制御することが重要な問題となっている。
【0015】
この時、
図2を再び参照すると、一般にサーマルレジン層40は、接着特性を有し、電池セル11を固定させるため、電池セル11のスウェリングが発生すると、電池セル11のエッジに高いストレスが発生し、これは電池セル11のパウチケースのクラックの発生につながることがある。特に、電池セル積層体12から外側に位置する電池セル11ほど、スウェリングによるストレスが大きく作用し、クラックが発生する危険性が大きい。
【0016】
今後、高容量電池モジュールと電池パックを実現するために、パウチ電池セル、Pure Siセル、全固体電池、SiO高含有量セルなどを適用することができる。このような電池セルの場合、スウェリングの程度がより大きい。
【0017】
このように高いスウェリング程度を有する電池セルを含む電池モジュールに従来のようなエッジの部分を活用した水冷式方法を適用する場合、電池セルにクラックが発生する危険が大きく、また、過度な応力が作用して電池モジュールの構造的安全性を阻害する可能性がある。
【0018】
このため、高いスウェリング特性を示す電池セルを含む場合であっても、電池セルに発生する構造的損傷を最小化できる、新規な冷却構造の電池モジュールが求められている状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明が解決しようとする課題は、高いスウェリング特性を示す電池セルを含んでも、電池セルに発生する構造的損傷を最小化できる電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0020】
しかしながら、本発明の実施例が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一実施例に係る電池モジュールは、少なくとも一つの電池セルを含む電池セルグループが第1方向に沿って積層される電池セル積層体と、内部に冷媒が流れる冷却チューブを含むヒートシンクと、を含む。前記電池セルグループのそれぞれは、少なくとも一つの前記電池セルの上部に位置する第1セルフレームまたは少なくとも一つの前記電池セルの下部に位置する第2セルフレームをさらに含む。前記冷却チューブは、屈曲された形態の少なくとも一つの屈曲部を含む。前記屈曲部は、前記電池セルグループの上部または下部を包むと共に、前記冷却チューブは、前記電池セルグループのいずれか一つの両側面をカバーする。
【0022】
前記屈曲部は、複数で構成することができ、前記屈曲部のいずれか一つが前記電池セルグループのいずれか一つの両側面および上部を包み、前記屈曲部のうちの他の一つが前記電池セルグループのうちの他の一つの両側面および下部を包み、前記冷却チューブは、ジグザグ状につながることができる。
【0023】
前記屈曲部のいずれか一つが、前記電池セルグループのいずれか一つの両側面および前記第1セルフレームを包むことができ、前記屈曲部のうちの他の一つが前記電池セルグループのうちの他の一つの両側面および前記第2セルフレームを包むことができる。
【0024】
前記電池モジュールは、前記電池セル積層体の上部と下部とにそれぞれ位置する上部フレームと、下部フレームと、をさらに含むことができる。
【0025】
前記第1セルフレームは、前記上部フレームの下側で前記上部フレームに結合することができ、前記第2セルフレームは、前記下部フレームの上側で前記下部フレームに結合することができる。
【0026】
前記電池セル積層体と前記上部フレームとの間の空間または前記電池セル積層体と前記下部フレームとの間の空間のうちの少なくとも一箇所に、発泡フォームを注入することができる。
【0027】
前記第1セルフレームと前記第2セルフレームのそれぞれは、少なくとも一つの前記電池セルが安着される収容溝、および前記収容溝が形成された面の反対面に形成された突出部を含むことができる。
【0028】
前記電池セル積層体の上部と下部とのそれぞれに、上部フレームと下部フレームとが位置することができ、前記上部フレームと前記下部フレームとのそれぞれには前記突出部が挿入される挿入ホールが形成されてもよい。
【0029】
前記上部フレームの前記挿入ホールには、前記第1セルフレームの前記突出部が挿入され、前記下部フレームの前記挿入ホールには前記第2セルフレームの前記突出部が挿入される。
【0030】
前記挿入ホールのうちの少なくとも一つは、前記電池セルグループが積層される方向である前記第1方向に前記突出部よりも広い開口幅を有し、前記突出部が前記第1方向またはその反対方向に移動可能である。
【0031】
前記上部フレームまたは前記下部フレームのうちの少なくとも一つは、固定パーツおよびムービングパーツを含むことができる。前記ムービングパーツにおける前記挿入ホールの前記第1方向に対する開口幅は、前記固定パーツにおける前記挿入ホールの前記第1方向に対する開口幅よりも広くてよい。
【0032】
前記ムービングパーツは、前記第1方向と平行な方向の一端部に位置することができる。
【0033】
前記ムービングパーツは、複数に構成されることができ、前記ムービングパーツは、前記第1方向と平行な方向の両端部にそれぞれ位置することができ、前記固定パーツは、前記ムービングパーツの間に位置することができる。
【0034】
前記固定パーツにおいて、前記第1セルフレームと前記第2セルフレームとはそれぞれ、前記上部フレームと前記下部フレームとに接着部材を介して接着することができる。
【0035】
前記上部フレームまたは前記下部フレームのうちの少なくとも一つは、中央部から前記第1方向および前記第1方向の反対方向に向かうにつれて、前記挿入ホールの前記第1方向に対する開口幅が徐々に広くなってもよい。
【0036】
前記収容溝に開放部が形成され、前記電池セルグループ内の少なくとも一つの前記電池セルが、前記開放部を介して前記屈曲部と接触することができる。
【0037】
前記電池モジュールは、前記第1方向に沿った前記電池セル積層体の両側面に位置するサイドプレートをさらに含むことができ、前記サイドプレートは、リーフスプリング形態であってもよい。
【0038】
前記サイドプレートは、複数のリーフスプリング部材が高さ方向に沿って間隔をおいて配置される形態であってもよい。
【0039】
前記サイドプレートは、前記電池セル積層体が位置した方向に湾入されたリーフスプリング形態であってもよい。
【0040】
前記サイドプレートは、複合素材を含み、前記複合素材は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic:FRP)、または炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)であってもよい。
【0041】
前記複合素材は、繊維素材、レジン、および前記繊維素材の間に介されたシート素材を含むことができる。前記繊維素材は、ガラス繊維または炭素繊維を含むことができ、前記レジンは、エポキシまたはウレタンのうちの少なくとも一つを含むことができ、前記シート素材は、PETまたはPUのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0042】
前記ヒートシンクは、前記冷却チューブの一端部に連結された流入マニホールドおよび前記冷却チューブの他端部に連結された排出マニホールドを含むことができる。前記流入マニホールドに前記冷媒が流入される流入部が形成され、前記排出マニホールドに前記冷媒が排出される排出部が形成される。
【0043】
本発明の一実施例に係る電池パックは、前記電池モジュールを含む。
【発明の効果】
【0044】
本発明の一態様によれば、電池セルのスウェリング発生時にその程度に応じて流動的に動くことができるムービング型冷却構造とフレーム構造を実現し、スウェリング過程で電池セルに発生する損傷を最少化できる。
【0045】
また、エッジ冷却ではなく、面冷却を適用して、電池セルに対する冷却性能をより増大させることができる。
【0046】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及されなかった他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】従来の電池モジュールに対する斜視図である。
【
図2】
図1の切断線A-A’に沿って切断した断面を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る電池モジュールを示す斜視図である。
【
図4】
図3の電池モジュールをB方向から見た正面図である。
【
図5】
図3の電池モジュールに対して上部フレーム、下部フレーム、およびサイドプレートを除去した様子を示す斜視図である。
【
図6】
図5の電池モジュールに含まれている電池セルのうちの一つを示す正面図である。
【
図7】
図5の電池モジュールをC方向から見た平面図である。
【
図8】
図5の電池モジュールに含まれているヒートシンク、第1セルフレーム、および第2セルフレームを示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るヒートシンクを示す正面図である。
【
図10】
図9の切断線D-D’に沿って切断した断面を示す断面図である。
【
図11】
図11(a)は、本発明の一実施例に係る第1セルフレーム、
図11(b)は、第2セルフレームを示す斜視図である。
【
図12】
図3の電池モジュールに対する底面図である。
【
図13】本発明の他の一実施例に係る電池モジュールに対する底面図である。
【
図14】本発明の他の一実施例に係る電池モジュールに対する底面図である。
【
図15】本発明の一実施例に係る第1セルフレームおよび第2セルフレームに接着部材が接着された様子を示した斜視図である。
【
図16】
図3の電池モジュールに含まれているサイドプレートに対する斜視図である。
【
図17】
図3の電池モジュールに含まれているサイドプレートに対する側面図である。
【
図18】本発明の一実施例に係るサイドプレートの素材を説明する図面である。
【
図19】本発明の変形した一実施例に係る第1セルフレームまたは第2セルフレームを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、様々な異なる形態に実現され、ここで説明する実施例に限られない。
【0049】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体に通して同一または類似する構成要素については同一参照符号を付ける。
【0050】
また、図面で示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも示されたものに限定されない。図面から複数の層および領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。また、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0051】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間に別の部分がないことを意味する。また、基準となる部分「の上に」または「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「の上に」または「上に」位置するのを意味するものではない。
【0052】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とは、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0053】
また、明細書全体において、「平面上」とは、これは対象の部分を上から見た時のことを意味し、「断面上」とは、これは対象の部分を垂直に切断した断面を横から見た時のことを意味する。
【0054】
図3は、本発明の一実施例に係る電池モジュールを示す斜視図である。
図4は、
図3の電池モジュールをB方向から見た正面図である。
図5は、
図3の電池モジュールに対して上部フレーム、下部フレーム、およびサイドプレートを除去した様子を示す斜視図である。
図6は、
図5の電池モジュールに含まれている電池セルのうちの一つを示す正面図である。
【0055】
図3~
図6を参照すると、本発明の一実施例に係る電池モジュール100は、電池セルグループ110Gが第1方向(d1)に沿って積層される電池セル積層体120と、内部に冷媒が流れる冷却チューブ310を含むヒートシンク300と、を含む。また、電池モジュール100は、電池セル積層体120の上部と下部にそれぞれ位置する上部フレーム400と下部フレーム500とをさらに含むことができる。
【0056】
電池セルグループ110Gは、少なくとも一つの電池セル110を含む。即ち、一つの電池セル110が、電池セルグループ110Gを形成することができ、また、複数の電池セル110が、一つの電池セルグループ110Gを形成することができる。後述するが、本明細書において電池セルグループ110Gは、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220に収容されたまま冷却チューブ310の屈曲部310Bに包まれる電池セル110の集合体を区分する単位であり得る。
【0057】
まず、電池セル110は、パウチ型電池セルであり得る。このようなパウチ型電池セルは、樹脂層と金属層とを含むラミネートシートであるパウチケースに電極アセンブリを収納した後、前記パウチケースの外周部を接着して形成することができる。
図4~
図6で示したように、電池セル110は、長方形シート構造に形成することができる。具体的には、本実施例に係る電池セル110は、二つの電極リード111、112が互いに対向して、電池本体113の一端部114aおよび他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。電池セル110は、電池ケース114に電極アセンブリ(図示せず)を収納した状態で、電池ケース114の両端部114a、114bと、これらを連結する一側部114cとを接着することによって製造することができる。即ち、本発明の一実施例に係る電池セル110は、総3ヵ所のシーリング部を有し、シーリング部は、融着などの方法でシーリングされる構造であり、残りの他の一側114dは、電池ケース114が折り畳まれた部分からなってもよい。
【0058】
但し、前述した電池セル110は、例示的構造であり、2個の電極リードが同じ方向に突出した単方向電池セルも、もちろん可能である。
【0059】
少なくとも一つの電池セル110が、電池セルグループ110Gを形成し、このような電池セルグループ110Gが第1方向(d1)に積層されて電池セル積層体120を形成する。積層される第1方向(d1)は、電池セル110の電池本体113の一面と垂直方向とも、
図4および
図6を参照すると、x軸方向と平行な方向とも表現されている。
【0060】
電池セルグループ110Gのそれぞれは、少なくとも一つの電池セル110の上部に位置する第1セルフレーム210、または少なくとも一つの電池セル110の下部に位置する第2セルフレーム220を含む。
【0061】
具体的には、電池セルグループ110Gにおいて、少なくとも一つの電池セル110は、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220のうちの一つに安着することができる。より具体的には、少なくとも一つの電池セル110の一辺が、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220のうちの一つに安着し、少なくとも一つの電池セル110が、電池セルグループ110G内で固定される。後述するが、第1セルフレーム210と第2セルフレーム220には、電池セル110が安着される収容溝が形成されて電池セル110を収容することができる。第1セルフレーム210と第2セルフレーム220は、同じ形状を有する構成であるが、電池モジュール100内で電池セル110を基準にしたその配置位置に違いがある。第1セルフレームと第2セルフレームの具体的な構造については、
図11と共に詳しく後述する。
【0062】
図4および
図5に示されたように、いずれかの一つの電池セルグループ110Gが、第1セルフレーム210を含むと、それと隣接した電池セルグループ110Gは、第2セルフレーム220を含む。即ち、第1方向(d1)に沿って配置される電池セルグループ110Gにおいて、第1セルフレーム210を含む電池セルグループ110Gと第2セルフレーム220を含む電池セルグループ110Gが交互に配置される。
【0063】
一方、電池モジュール100は、電池セル積層体120の上部と下部にそれぞれ位置する上部フレーム400と下部フレーム500とを含むが、上部フレーム400と下部フレーム500とは、板状の部材とすることができる。上部フレーム400は、第1セルフレーム210よりも上部に位置することができ、下部フレーム500は、第2セルフレーム220よりも下部に位置することができる。
【0064】
以下、
図5および
図7~
図10を参照して、本実施例に係るヒートシンクについて詳しく説明する。
【0065】
図7は、
図5の電池モジュールをC方向から見た平面図である。
図8は、
図5の電池モジュールに含まれているヒートシンク、第1セルフレーム、および第2セルフレームを示す斜視図である。
図9は、本発明の一実施例に係るヒートシンクを示す正面図である。
図10は、
図9の切断線D-D’に沿って切断した断面を示す断面図である。
【0066】
図5および
図7~
図10を共に参照すると、本実施例に係るヒートシンク300は、内部に冷媒が流れる冷却チューブ310を含み、冷却チューブ310は、屈曲した形態の少なくとも一つの屈曲部310Bを含む。屈曲部310Bが、電池セルグループ110Gの上部または下部を包むと共に、冷却チューブ310が、電池セルグループ110Gのうちのいずれか一つの両側面をカバーすることができる。即ち、屈曲部310Bを含む冷却チューブ310の一部領域が、電池セルグループ110Gの上部および両側面をカバーしたり、電池セルグループ110Gの下部および両側面をカバーしたりすることができる。
【0067】
より具体的には、
図5、
図7、
図8、および
図9に示したように、屈曲部310Bは、複数で構成することができ、屈曲部310Bのいずれか一つが電池セルグループ110Gのうちのいずれか一つの両側面および上部を包み、屈曲部310Bのうちの他の一つが電池セルグループ110Gのうちの他の一つの両側面および下部を包むと共に、冷却チューブ310がジグザグ状につながることができる。より具体的には、屈曲部310Bのいずれか一つが電池セルグループ110Gのうちのいずれか一つの両側面および第1セルフレーム210を包み、屈曲部310Bのうちの他の一つが電池セルグループ110Gのうちの他の一つの両側面および第2セルフレーム220を包むことができる。上述したように、第1セルフレーム210を含む電池セルグループ110Gと、第2セルフレーム220を含む電池セルグループ110Gとが交互に配置され、屈曲部310Bのうちの一つが第1セルフレーム210を含む電池セルグループ110Gを包み、次の屈曲部310Bが第2セルフレーム220を含む電池セルグループ110Gを包むと共に、全体的には冷却チューブ310がジグザグ状につながることができる。
【0068】
本実施例に係るヒートシンク300は、冷却チューブ310の一端に連結された流入マニホールド320、および冷却チューブ310の他端部に連結された排出マニホールド330を含むことができる。流入マニホールド320には冷媒が流入される流入部321が形成され、排出マニホールド330には冷媒が排出される排出部331が形成される。流入部321と排出部331の形態に特別な制限はなく、管状または開口ホール形態であってもよい。
図3、
図5、
図8などには、例示として管状の流入部321と排出部331とが示されている。
【0069】
図10に示したように、冷却チューブ310の内部には少なくとも一つの空間部(S)が形成され、このような空間部(S)は、流入部321と排出部331とを連通することができる。これにより、流入部321を介して流入した冷媒は、流入マニホールド320を経て冷却チューブ310に流入される。冷却チューブ310に沿って流れる冷媒は、排出マニホールド330を経て排出部331を介して最終的に排出されることができる。冷媒は電池セル110の周辺に沿って流れ、電池セル110から発生した熱を吸収する。前記冷媒は冷却水であってもよい。本実施例に係る電池モジュール100は、水冷式冷却構造を有する。
【0070】
この時、ジグザグ状の冷却チューブ310は、電池セルグループ110Gの側面、即ち、電池セル110の電池本体113(
図6参照)の一面を包んでつながる。即ち、冷却チューブ310は、電池セル110の電池本体113の一面と接触される。
図1および
図2に示した従来の電池モジュール10は、電池セル11のエッジの部分を介して熱が排出されるエッジ冷却構造であるのに対し、本実施例に係る電池モジュール100は、冷却チューブ310が電池セル110の電池本体113の一面と接触する面冷却構造である。電池セル110の電池本体113の一面全体が冷却チューブ310と当接することができ、冷却面積が大幅に広いため、従来の電池モジュール10と比較して冷却性能が優れているという長所がある。
【0071】
また、上述したように、電池セル110は、充放電が繰り返される過程で、その内部電解質が分解されてガスが発生し、電池セル110が膨らむ現象、即ち、スウェリング(Swelling)またはブリージィング(Breathing)現象が発生することがある。従来の電池モジュール10の場合、電池セル11のエッジがサーマルレジン層40に接着および固定された形態であるため、スウェリング発生時、電池セル11のエッジに高いストレスが発生し、これは電池セル11のパウチケースのクラックの発生につながることがある。
【0072】
一方、本実施例に係る電池モジュールの場合、冷却のためのヒートシンク300の冷却チューブ310がジグザグ状につながって、電池セル110の間に配置される形態であるため、電池セル110が特定地点に接着および固定されない。電池セル110に高いスウェリング及び/又はブリージングが発生しても、電池セル積層体120とヒートシンク300間の組み立て形態が、電池セル110の積層方向である第1方向(d1)にある程度の構造的柔軟性を提供できるため、電池セル110のパウチケースにクラックが発生することを防止することができる。
【0073】
また、電池セル110のスウェリング及び/又はブリージング現像で、電池セル110は厚さ方向にスウェリングする。電池セル110の間に位置する冷却チューブ310の部分がこのような電池セル110のスウェリングを吸収することができる。従来は、電池セル110のスウェリング吸収するために、電池セル110の間にフォーム素材の圧縮パッドを介在した。本実施例では、電池セル110の間に位置する冷却チューブ310の部分が電池セル110のスウェリングを吸収し、従来圧縮パッドの機能を代替することができる。即ち、本実施例に係る冷却チューブ310は、電池セル110に対する面冷却機能だけでなく電池セル110のスウェリングを吸収する機能を担当することができる。
【0074】
以下では、
図11等を参照して、本実施例に係る第1セルフレームと第2セルフレームについて詳しく説明する。
【0075】
図11の(a)および
図11の(b)は、本発明の一実施例に係る第1セルフレームまたは第2セルフレームを示す斜視図である。第1セルフレーム210と第2セルフレーム220は、電池セルの上部または下部に位置することで区別されるが、同じ形状を有する構成であるため、具体的な構造については一緒に説明する。
【0076】
図11の(a)は、突出部210P、220Pが見える角度の第1セルフレーム210または第2セルフレーム220を示したものであり、
図11の(b)は、電池セル110が安着される収容溝210G、220Gが見える角度の第1セルフレーム210または第2セルフレーム220を示したものである。
【0077】
図5、
図8、および
図11の(a)と(b)を参照すると、本実施例に係る第1セルフレーム210と第2セルフレーム220のそれぞれは、電池セル110が安着される収容溝210G、220Gを含むことができる。上述したように、第1セルフレーム210と第2セルフレーム220は、同じ形状を有するが、第1セルフレーム210は、電池セル110の上部に位置し、第2セルフレーム220は、電池セル110の下部に位置する点に違いがある。収容溝210G、220Gは、第1セルフレーム210または第2セルフレーム220において、少なくとも一つの電池セル110と対面する面に形成することができる。
【0078】
一つの電池セルグループ110G内で、少なくとも一つの電池セル110は、第1セルフレーム210の収容溝210G及び/又は第2セルフレーム220の収容溝220Gに挿入および装着することができる。例えば、
図11の(b)には2個の収容溝210G、220Gが形成されたことが示されている。即ち、一つの第1セルフレーム210または第2セルフレーム220に2個の電池セル110を安着することができる。また、電池セル110と収容溝210G、220Gとの間には、接着剤及び/又は両面テープが塗布されて、電池セル110が第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220で固定することができる。
【0079】
第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレームは、電池セル110の一辺を保護して電池セル110が損傷することを防止することができる。特に、電池セル110の充放電の間の冷却チューブ310の屈曲部310Bから電池セル110の一辺が損傷することを防止することができる。即ち、第1セルフレーム210と第2セルフレーム220は、電池セルグループ110Gの剛性を補完することができる。また、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレームは、電気絶縁性の素材を含んで電池セル110の一辺を絶縁保護することができる。
【0080】
また、上述したように、本実施例に係る電池セルグループ110G内の電池セル110は、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220のいずれか一つの収容溝210G、220Gに挿入されたまま、ヒートシンク300の冷却チューブ310によって包まれる。この時、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220は、電池セル110とヒートシンク300との間の組立性と製造工程性を改善し、構造的安全性を高めることができる。第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220によって、多数の電池セル110が電池セルグループ110Gに区別され、電池セルグループ110G内で少なくとも一つの電池セル110が固定される。そのため、ジグザグ状の冷却チューブ310を多数の電池セル110の間により安定的かつ容易に備えることができる。特に、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220に対応するように屈曲部310Bを形成するため、屈曲部310Bが形成される基準点が明確になる。仮に、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220がないと、屈曲部310Bを有する冷却チューブ310を電池セル110の間に配置する際に基準点設定が困難である。多少剛性が弱く柔軟なパウチ型の電池セル110を特定位置に固定させてヒートシンクを配置しなければならないが、第1セルフレーム210および第2セルフレーム220がないと、このような実現が困難である。
【0081】
少なくとも一つの電池セル110を第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220に挿入させて電池セルグループ110Gを形成した後、第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220を基準点として屈曲部310Bを固定しながら、冷却チューブ310をジグザグに配置するため、組み立てがより容易になる。
【0082】
即ち、本実施例に係る第1セルフレーム210及び/又は第2セルフレーム220は、電池セル110とジグザグ状につながる冷却チューブ310との間の組み立て構造を簡単に実現することができるように、電池セルグループ110G単位での支持構造および固定基準点として機能することができる。
【0083】
一方、第1セルフレーム210と第2セルフレーム220のそれぞれは、収容溝210G、220Gが形成された面の反対面に形成された突出部210P、220Pを含むことができる。第1セルフレーム210の突出部210Pおよび第2セルフレーム220の突出部220Pは、それぞれ上部フレーム400および下部フレーム500と結合のための構成であり、以下詳しく説明する。
【0084】
図3、
図4、
図7、および
図11を再び参照すると、本実施例に係る上部フレーム400は、第1セルフレーム210よりも上部に位置することができ、下部フレーム500は、第2セルフレーム220よりも下部に位置することができる。この時、第1セルフレーム210は、上部フレーム400の下側で上部フレーム400に結合することができ、第2セルフレーム220は、下部フレーム500の上側で下部フレーム500に結合することができる。
【0085】
具体的には、上部フレーム400と下部フレーム500のそれぞれには、突出部210P、220Pが挿入される挿入ホール400H、500Hが形成される。下部フレーム500に形成された挿入ホール500Hは、
図12および
図13に示されている。
【0086】
上部フレーム400の挿入ホール400Hには、第1セルフレーム210の突出部210Pを挿入することができ、下部フレーム500の挿入ホール500Hには、第2セルフレーム220の突出部220Pを挿入することができる。上部フレーム400の挿入ホール400Hに、第1セルフレーム210の突出部210Pが挿入される方法で、第1セルフレーム210と上部フレーム400を結合することができ、下部フレーム500の挿入ホール500Hに、第2セルフレーム220の突出部220Pが挿入される方法で、第2セルフレーム220と下部フレーム500を結合することができる。
【0087】
また、必要に応じて、第1セルフレーム210の一部と上部フレーム400の一部分が接着剤によって固定されてもよく、第2セルフレーム220の一部と下部フレーム500の一部分が接着剤によって固定されてもよい。
【0088】
以下、
図12および
図13を参照して、本発明の実施例に係るムービングフレーム構造について詳しく説明する。
図12および
図13には、下部フレーム500に形成された挿入ホール500Hだけを具体的に示したが、上部フレーム400に形成された挿入ホール400Hにも、以下で説明する挿入ホール500Hと互いに同一または類似の構造が適用される。
【0089】
図12は、
図3の電池モジュールに対する底面図である。具体的に、
図12は、
図3の電池モジュールを、xy平面上でz軸方向を見た様子を示した図面である。
【0090】
図7、
図8、
図11、および
図12を一緒に参照すると、上述したように、第1セルフレーム210の突出部210Pは、上部フレーム400の挿入ホール400Hに挿入され、第2セルフレーム220の突出部220Pは、下部フレーム500の挿入ホール500Hに挿入される。挿入ホール400H、500Hのうちの少なくとも一つは、電池セルグループ110Gが積層される方向である第1方向(d1)に突出部210P、220Pよりも広い開口幅を有し、それに挿入された突出部210P、220Pが第1方向(d1)またはその反対方向への移動が可能である。
【0091】
図12で拡大された部分のうちの左側の場合、挿入ホール500Hの開口幅(W1)が突出部220Pの幅とほぼ同じに対応する。一方、
図12で拡大された部分のうちの右側の場合、挿入ホール500Hの開口幅(W2)が突出部220Pの幅よりも広く、突出部220Pが第1方向(d1)またはその反対方向への移動が可能である。
【0092】
より具体的には、上部フレーム400または下部フレーム500のうちの少なくとも一つは、固定パーツ(FP)およびムービングパーツ(MP)を含むことができる。
【0093】
ムービングパーツ(MP)における挿入ホール500Hの第1方向(d1)に対する開口幅(W2)は、固定パーツ(FP)における挿入ホール500Hの第1方向(d1)に対する開口幅(W1)よりも広くてよい。即ち、ムービングパーツ(MP)と対応する領域に位置した電池セルグループ110Gは、広い開口幅(W2)を有する挿入ホール500Hによって、第1方向(d1)またはその反対方向への移動が多少自由である一方、固定パーツ(FP)と対応する領域に位置した電池セルグループ110Gは、突出部220Pと対応する開口幅(W1)を有する挿入ホール500Hによって移動が制限される。例えば、このようなムービングパーツ(MP)は、複数で構成され、ムービングパーツ(MP)は、第1方向(d1)と平行な方向の両端部にそれぞれ位置し、固定パーツ(FP)は、ムービングパーツ(MP)の間に位置することができる。
【0094】
パウチ電池セルである電池セル110が積層される電池セル積層体120において、電池セル110のスウェリング発生時、電池セル110の積層方向に沿って大きく膨らむことがある。特に、電池モジュールに適用される電池セルの数量が多くなると、電池セル110の積層方向の両外側領域に位置する電池セル110は、各電池セル110のスウェリング時に最も大きく押し出されるため、大きな加圧力を受けることになり、固定されるモジュールフレーム内部で反力も大きく働く。加圧力及び/又は反力の閾値を超える場合、電池セル110の性能及び/又は寿命に悪影響を及ぼす。
【0095】
そこで、本実施例に係る電池モジュール100は、第1方向(d1)の両端部に電池セルグループ110Gのムービングをある程度、許容できるムービングパーツ(MP)を設けて、スウェリング発生時に外側に位置した電池セル110に加えられる加圧力及び/又は反力を緩和しようとした。これにより、スウェリング時に、電池セル110ごとに加えられる加圧力の偏差を緩和することができ、これは電池モジュール100の性能向上と寿命増大につながる。即ち、本実施例に係る第1セルフレーム210および第2セルフレーム220と上部フレーム400および下部フレーム500との間の結合形態は、先に説明したヒートシンク300のジグザグ状と組み合わせて、ムービングフレーム構造を実現することができる。このようなムービングフレーム構造は、電池セルのスウェリングに対する構造的柔軟性と流動性を提供し、加圧力の偏差を緩和して電池セルにクラックなどの損傷が発生することを防止することができる。
【0096】
図13は、本発明の他の一実施例に係る電池モジュールについての底面図である。
【0097】
図13を参照すると、
図12と同様に、第2セルフレーム220の突出部220Pは、下部フレーム500の挿入ホール500Hに挿入することができる。具体的に図示はしなかったが、第1セルフレーム210の突出部210Pは、上部フレーム400の挿入ホール400Hに挿入することができる。
【0098】
この時、上部フレーム400または下部フレーム500のうちの少なくとも一つは、中央部から第1方向(d1)および前記第1方向(d1)の反対方向に行くほど、挿入ホール400H、500Hの第1方向(d1)に対する開口幅が徐々に広くなる。
図13に示された挿入ホール500Hの第1方向(d1)の開口幅(W1、W2、W3)を参照すると、中央部から両端方向である外側に行くほど、挿入ホール500Hの第1方向(d1)の開口幅(W1、W2、W3)が徐々に増加する。中央部に位置した挿入ホール500Hの第1方向(d1)に対する開口幅(W1)が最も狭く、最も外側に位置した挿入ホール500Hの第1方向(d1)に対する開口幅(W3)が最も広い。
【0099】
上述したように、電池セル110の積層方向の両外側領域に位置する電池セル110は、各電池セル110のスウェリング時に最も大きく押し出される。そこで、本実施例では、電池セル110の積層方向に対して中央部から両端部に行くほど、挿入ホール400H、500Hの第1方向(d1)の開口幅(W1、W2、W3)が徐々に増加するように設計し、スウェリング時の電池セル110のムービング許容程度をその位置に合わせて対応するように設定した。従って、スウェリング時に、電池セル110ごとに加えられる加圧力の偏差を緩和することができ、これは電池モジュール100の性能向上と寿命増大につながる。
【0100】
図14は、本発明の他の一実施例に係る電池モジュールについての底面図である。
【0101】
図14を参照すると、
図12および
図13と同様に、第2セルフレーム220の突出部220Pは、下部フレーム500の挿入ホール500Hに挿入することができる。具体的には図示しなかったが、第1セルフレーム210の突出部210Pは、上部フレーム400の挿入ホール400Hに挿入することができる。
【0102】
この時、先に説明したムービングパーツ(MP)は、第1方向(d1)と平行な方向の一端に位置することができる。残りの領域は、固定パーツ(FP)からなることができる。電池モジュールが装着される電池パック内部の設計により、第1方向(d1)に対する開口幅が相対的に広い挿入ホール400H、500Hが形成された領域が、第1方向(d1)と平行な方向の一端部にのみ必要なことがある。例えば、電池パック内部の環境により一方向へのムービングが制限されることが必要な場合に、
図14に示したように、ムービングパーツ(MP)が第1方向(d1)と平行な方向の一端にのみ設けられる構造が適用されることがある。
【0103】
図15は、本発明の一実施例に係る第1セルフレームおよび第2セルフレームに接着部材が接着された様子を示した斜視図である。
【0104】
図4、
図7、
図12、および
図15を一緒に参照すると、固定パーツ(FP)において、第1セルフレーム210と第2セルフレーム220は、それぞれ上部フレーム400と下部フレーム500に接着部材800を介して接着することができる。
【0105】
上述したように、第1セルフレーム210は、上部フレーム400の下側で上部フレーム400に結合することができ、第2セルフレーム220は、下部フレーム500の上側で下部フレーム500に結合することができる。この時、固定パーツ(FP)において、第1セルフレーム210は、接着部材800を介して上部フレーム400の下面に接着することができ、第2セルフレーム220は、接着部材800を介して下部フレーム500の上面に接着することができる。
【0106】
例えば、上部フレーム400の挿入ホール400Hには、第1セルフレーム210の突出部210Pを挿入することができ、下部フレーム500の挿入ホール500Hには、第2セルフレーム220の突出部220Pを挿入することができるが、
図15に示したように突出部210P、220Pの周辺領域には接着部材800が備えられる。本実施例の場合、挿入ホール400H、500Hの開口幅を調節することに加えて、固定パーツ(FP)に接着部材800を設けることにより、固定パーツ(FP)への電池セルグループ110Gのムービングを制限することができる。また、接着部材800によって、第1セルフレーム210および第2セルフレーム220と上部フレーム400および下部フレーム500との間の結合程度が補完され、全体電池モジュールの構造的安全性を高めることができる。
【0107】
以下、
図16および
図17などを参照して、本実施例に係るサイドプレートについて詳しく説明する。
【0108】
図16および
図17は、それぞれ
図3の電池モジュールに含まれているサイドプレートに対する斜視図および側面図である。
【0109】
図3、
図4、
図16、および
図17を一緒に参照すると、本実施例に係る電池モジュール100は、第1方向(d1)に沿った電池セル積層体120の両側面に位置するサイドプレート600をさらに含むことができる。サイドプレート600は、リーフスプリング(leaf spring)の形態であってもよい。
【0110】
本実施例に係るサイドプレート600は、弾性力を備えた素材を含み、電池セル積層体120で各サイドプレート600方向に印加される圧力に対する反発力で電池セル積層体120に弾性力を印加することができる。
【0111】
具体的には、各サイドプレート600は、電池セル積層体120が位置する方向に湾入されたリーフスプリング形態であってもよい。より具体的には、
図3に示したように、電池セル110の電極リード111が突出される方向と平行な方向(y軸方向または-y軸方向)に沿ったサイドプレート600の両端よりもサイドプレート600の中央部が、電池セル積層体120が位置する所に曲がるように湾入された形態であってもよい。これにより、電池セル110のスウェリングにより電池セル積層体120から各サイドプレート600方向に高い圧力が働いても、弾性挙動を示すサイドプレート600が電池セル積層体120のスウェリングを吸収しながら、電池セル110のスウェリングを制御することができる。
【0112】
即ち、本実施例に係るサイドプレート600は、リーフスプリング(leaf spring)形態を有することによって、電池セル積層体120を収容するフレームとして機能するだけでなく、電池セル110のスウェリングを制御する弾性部品として機能することができる。
【0113】
また、本実施例に係るサイドプレート600は、
図3、
図16、および
図17に示したように、複数のリーフスプリング部材610が高さ方向に沿って間隔を置いて配置される形態であってもよい。電池セル積層体120が位置した所に中心部が曲がった個別のリーフスプリング部材610が高さ方向に沿って一定間隔に離隔したまま配置される。ここで、高さ方向とは、上部フレーム400及び/又は下部フレーム500の一面と垂直な方向であり、z軸方向と平行な方向を意味する。
【0114】
また、サイドプレート600は、各リーフスプリング部材610が一定間隔に維持できるように、各リーフスプリング部材610を連結する連結部620をさらに含むことができる。連結部620の個数及び/又は位置に特別な制限はないが、サイドプレート600の両端部にそれぞれ位置するのが好ましい。場合によっては、
図16および
図17に示したように、中央部にも各リーフスプリング部材610を連結する連結部620が位置することができる。
【0115】
前記のように、サイドプレート600を単一のリーフスプリング形態で構成するのではなく、互いに一部分が分離された個別のリーフスプリング部材610を含むようにして、電池セル110の位置別スウェリング特性に応じて個別的な対応ができるようにした。即ち、個別のリーフスプリング部材610が分離された本実施例の場合、完全に一体化した構造に比べて、電池セル110のスウェリングに対する柔軟な弾性挙動を示すという長所がある。
【0116】
以下、本実施例に係るサイドプレート600の素材について詳しく説明する。本実施例に係るサイドプレート600は、複合素材を含むことができ、前記複合素材は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic:FRP)または、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)であってもよい。前記繊維強化プラスチック及び/又は炭素繊維強化プラスチックは、それぞれガラス繊維と炭素繊維で強化したプラスチック系複合素材であって、優れた機械的特性と耐食性を備えた素材である。
【0117】
サイドプレート600に金属素材を適用する場合、低い引張弾性率によって電池セル110のスウェリングを吸収できる変位量が小さいという問題がある。電池セル110のスウェリングで電池セル積層体120がわずかに変位しても、リーフスプリング形態の曲がった部分に大きい応力(ストレス)が発生する。Pure Siセル、全固体電池、SiO高含有量セルなどスウェリング程度が大きい電池セルの場合、スウェリング程度が大きいため、電池モジュールで吸収すべき変位量も大きい。従って、このような電池セルが適用された電池モジュールにおいて金属素材を利用したフレームは、スウェリングを吸収するのに限界がある。
【0118】
一方、繊維強化プラスチック及び/又は炭素繊維強化プラスチックの場合、金属と比較して同等またはその以上の引張強度を有しながら、金属対比低いヤング率(Young's modulus)を有するため、電池セルのスウェリングに対する高い剛性を有しながら、スウェリングを効果的に吸収できる弾性挙動を示すことができる。Pure Siセル及び/又は全固体電池の場合、EOL(End Of Life)で最大3~8Mpaの圧力が発生するが、繊維強化プラスチック及び/又は炭素繊維強化プラスチックの複合素材は、このような高い圧力でも弾性挙動を示すことができ、本実施例に係るサイドプレート600に適用されるのに適している。
【0119】
また、繊維強化プラスチック及び/又は炭素繊維強化プラスチックは、ガラス繊維及び/又は炭素繊維を積層した後、その周辺にレジンを硬化させて製造される方法であるため、方向別強度と弾性率を異なるように設定できるという長所を有する。
【0120】
但し、従来の繊維強化プラスチック及び/又は炭素繊維強化プラスチックの複合素材の場合、軽量化および高強度特性に重点を置いて開発され、脆性を有し、コストが多少高いという問題がある。これに対して、本実施例に係る複合素材は、レジンの素材を変更し、繊維素材以外にシート素材を含ませることで、前記のような問題を解決しようとした。
【0121】
図18の(a)および(b)は、本発明の一実施例に係るサイドプレートの素材を説明する図面である。
【0122】
図18の(a)および(b)を参照すると、上述したように、繊維強化プラスチック及び/又は炭素繊維強化プラスチックの複合素材は、ガラス繊維及び/又は炭素繊維を積層した後、その周辺にレジンを硬化して製造されるが、本実施例に係る複合素材は、繊維素材601、レジン602、および繊維素材601の間に介されるシート素材603を含むことができる。本実施例に係る繊維素材601は、ガラス繊維または炭素繊維を含むことができる。硬化されるレジン602は、エポキシまたはウレタンのうちの少なくとも一つを含むことができ、シート素材603は、PET(Polyethylene terephthalate)またはPU(Polyurethane)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0123】
より具体的には、レジン602がウレタンを含むことができる。軟質の特性を有するウレタンをレジン602の素材に適用して複合素材の脆性特性を改善しようとした。また、軟質のシート素材603を繊維素材601の間に介在することによって、複合素材の軟質特性を補強し、高価である繊維素材601の使用量を低減してコストを節減しようとした。
【0124】
一方、
図4を再び参照すると、本実施例に係る電池モジュール100において、電池セル積層体120と上部フレーム400との間の空間、または電池セル積層体120と下部フレーム500との間の空間のうち、少なくとも一箇所に発泡フォーム700が注入されてもよい。より具体的には、一部の電池セル110、第1セルフレーム210、および上部フレーム400によって囲まれた空間に発泡フォーム700が注入されてもよい。また、一部の電池セル110、第2セルフレーム220、および下部フレーム500によって囲まれた空間に発泡フォーム700が注入されてもよい。このような発泡フォーム700は、シリコン素材を含むことができる。このような発泡フォーム700は、特定圧力まで圧縮とスウェリングを繰り返す一種のスプリングのような役割をすることができる。電池セル110に高いスウェリングが発生すると、圧縮とスウェリングを繰り返す発泡フォーム700が電池モジュール100に構造的柔軟性を付与し、電池セル110の側面にクラックなどの損傷が発生することを防止するのに役に立つことができる。
【0125】
図19は、本発明の変形した一実施例に係る第1セルフレームまたは第2セルフレームを示す斜視図である。
【0126】
図7および
図19を共に参照すると、先に説明した実施例と同様に、本発明の変形した一実施例に係る第1セルフレーム210’と第2セルフレーム220’のそれぞれには、電池セル110が安着される収容溝210G、220Gが形成される。この時、本実施例では、収容溝210G、220Gに開放された形態のスリット210S、220Sが形成される。電池セルグループ110Gでの少なくとも一つの電池セル110が、スリット210S、220Sを介して冷却チューブ310の屈曲部310Bと接触することができる。冷却チューブ310が、電池セル110の電池本体113の一面と接触する面冷却構造に加えて、少なくとも一つの電池セル110が追加的に屈曲部310Bと接触することができる。即ち、スリット210S、220Sを介して、電池セル110が冷却チューブ310と接触する面積を拡大して、冷却性能を高めることができる。
【0127】
本実施例では、前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、これらの用語は、説明の便宜のためのものであって、対象となる物の位置及び/又は観測者の位置などによって異なり得る。
【0128】
先に説明した本実施例に係る一つまたはその以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、BDU(Battery Disconnect Unit)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0129】
前記電池モジュール及び/又は電池パックは、様々なデバイスに適用できる。具体的には、電動自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの運送手段、およびESS(Energy Storage System)に適用できるが、これに限定されず、二次電池を用いることができる様々なデバイスに適用可能である。
【0130】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0131】
100 電池モジュール
110 電池セル
110G 電池セルグループ
120 電池セル積層体
210 第1セルフレーム
220 第2セルフレーム
300 ヒートシンク
310 冷却チューブ
310B 屈曲部
400 上部フレーム
500 下部フレーム
【国際調査報告】