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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】テーパ状のねじ山を形成する締結具
(51)【国際特許分類】
   F16B 25/00 20060101AFI20240905BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20240905BHJP
   F16B 23/00 20060101ALI20240905BHJP
   F16B 33/02 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
F16B25/00 N
F16B25/00 A
F16B35/00 T
F16B23/00 R
F16B33/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515030
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022044247
(87)【国際公開番号】W WO2023049178
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/261,720
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アントゥーン,クリストファー アダム
(72)【発明者】
【氏名】ウスル,ケナン
(72)【発明者】
【氏名】チン,ジョー ヤン
(57)【要約】
鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたテーパ状締結具が提供される。テーパ状締結具は、ヘッド及びシャンクを有することができる。シャンクは、加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面を有することができる。テーパ外面のねじ山を形成するねじ山は、ヘッドがシャンクを加工物内に打ち込むときに、ねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合された締結具であって、
駆動装置を有するヘッドと、
シャンクであって、
前記加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面と、
前記テーパ外面に配置され、前記ヘッドが前記シャンクを前記加工物に打ち込むときに前記ねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成するように構成されたねじ山を形成するねじ山とを備えるシャンクと、を備える、締結具。
【請求項2】
前記ヘッドが開口部を有し、前記開口部がねじ付き締結具を受け入れるようなサイズ及び形状である、請求項1に記載の締結具。
【請求項3】
前記シャンクが、略管状の形状を有する、請求項1に記載の締結具。
【請求項4】
前記シャンクが、前記管状シャンクの内側に形成され、ねじ付き締結具を受け入れるように構成されたねじ山を備える、請求項3に記載の締結具。
【請求項5】
前記締結具がインサートとして構成される、請求項1に記載の締結具。
【請求項6】
前記締結具がねじとして構成される、請求項1に記載の締結具。
【請求項7】
前記締結具が両端スタッドとして構成される、請求項1に記載の締結具。
【請求項8】
前記締結具が、締結具を受け入れるようなサイズ及び形状のスタッドを更に備える、請求項1に記載の締結具。
【請求項9】
前記スタッドがねじ付きである、請求項8に記載の締結具。
【請求項10】
前記スタッドが平らである、請求項8に記載の締結具。
【請求項11】
前記駆動装置がラチェットである、請求項1に記載の締結具。
【請求項12】
前記加工物のテーパ穴が1.5度より大きいテーパ角度を有する、請求項1に記載の締結具。
【請求項13】
前記加工物のテーパ角度と前記シャンクのテーパ角度との間の差が1.5度以下である、請求項1に記載の締結具。
【請求項14】
前記シャンクのテーパ角度が4度である、請求項1に記載の締結具。
【請求項15】
前記加工物のテーパ角度が4度である、請求項14に記載の締結具。
【請求項16】
前記ねじ山を形成するねじ山が、実質的に同じピッチ及び深さを有する、請求項1に記載の締結具。
【請求項17】
前記ねじ山を形成するねじ山が、三角形状である、請求項1に記載の締結具。
【請求項18】
前記テーパ外面が、前記加工物のテーパ穴の最小内径の最大外径よりも大きい最大外径を有する、請求項1に記載の締結具。
【請求項19】
前記締結具が鍛鋼である、請求項1に記載の締結具。
【請求項20】
前記鋳造材料がアルミニウムである、請求項1に記載の締結具。
【請求項21】
前記締結具が、ねじ付き締結具のための構造的取り付けを前記加工物に提供する、請求項1に記載の締結具。
【請求項22】
鋳造材料に形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたねじ付きインサートであって、
駆動装置を有するヘッドと、ねじ付き締結具を受け入れるようなサイズ及び形状である開口部と、
略管状シャンクであって、
前記加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面と、
前記テーパ外面に配置され、前記ヘッドが前記管状シャンクを前記加工物に打ち込むときに前記ねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成するように構成されたねじ山を形成するねじ山と、
前記略管状シャンクの内側に形成され、前記ねじ付き締結具を受け入れるように構成されたねじ山とを備える、略管状シャンクと、を備える、ねじ付きインサート。
【請求項23】
前記駆動装置がラチェットである、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項24】
前記加工物のテーパ穴が1.5度より大きいテーパ角度を有する、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項25】
前記加工物のテーパ角度と前記シャンクのテーパ角度との間の差が1.5度以下である、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項26】
前記シャンクのテーパ角度が4度である、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項27】
前記加工物のテーパ角度が4度である、請求項26に記載のねじ付きインサート。
【請求項28】
前記ねじ山を形成するねじ山が、実質的に同じピッチ及び深さを有する、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項29】
前記ねじ山を形成するねじ山が、三角形状である、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項30】
前記テーパ外面が、前記加工物のテーパ穴の最小内径の最大外径よりも大きい最大外径を有する、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項31】
前記ねじ付きインサートが、鍛鋼である、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項32】
前記鋳造材料がアルミニウムである、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項33】
前記ねじ付きインサートが、ねじ付き締結具のための構造的取り付けを前記加工物に提供する、請求項22に記載のねじ付きインサート。
【請求項34】
鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴のテーパ状締結具を設置する方法であって、
ヘッド及びシャンクを有するテーパ状締結具を提供する工程であって、前記ヘッドが駆動装置を備え、前記シャンクが前記加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面を備え、前記テーパ外面がねじ山を形成するねじ山を備える、工程と、
前記シャンクの少なくとも一部を前記ねじ山のないテーパ穴に挿入する工程と、
前記駆動装置を介して前記ねじ山のないテーパ穴に前記締結具を打ち込んで、前記ねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項35】
塑性変形によって前記ねじ山のないテーパ穴から過剰な材料を押し出す工程を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
第2の締結具を前記テーパ状締結具に結合する工程を更に含む、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年9月27日に出願された米国仮出願第63/261,720号の利益を主張し、その全開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、ねじ締結具部材に関し、より具体的には、鋳造材料のテーパ状開口部に挿入可能なテーパ状締結具に関する。
【背景技術】
【0003】
既知の金属締結具(例えば、インサート、ねじ、ボルト、スタッド、リベット、アンカ等)は、略直線状のボアに嵌合するように適合されている。機械加工された部品の場合、ボアはしばしば穿孔され、ボアの長さに対して均一な断面をもたらす。機械加工された部品に穿孔されたボアとは対照的に、鋳造部品に形成された穴は、後処理なしで締結具を設置するための公差要件を満たさない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
鋳造プロセスは、鍛造、溶接、スタンピング、圧延、押出等の他の成形プロセスに対して或る特定の利点を享受する。例えば、機械加工を超える鋳造の大きな利点は、鋳造が大量生産の要件に高度に適合可能であることである。大量の所与の鋳造物をかなり迅速に製造することができる。例えば、自動車産業は、エンジンブロック、サブフレーム、シート構成要素(例えば、ベルトアンカ、フレーム等)、モータハウジング、及び変速機ケースを含む多数の加工物を鋳造する。鋳放し加工物は、一般に、部品ごとに寸法的に安定しているが、鋳造加工物が鋳造穴を備える場合、それ自体が課題となる。穴は寸法的に安定であり得るが、それらの寸法は穴の深さに沿って変化して、テーパ形状をもたらし得る。更に、鋳造穴は、加工物をダイ内に付着させ、ダイからの加工物の除去を遅らせる可能性がある。
【0005】
穴のこのテーパ形状は、後処理の一部として真っ直ぐに機械加工することができる。時間及びコストが許す場合、後処理は、その後に設置される締結具の公差要件を満たすために穴を機械加工(穿孔)することを含むことができる。
【0006】
本明細書に記載の締結具は、締結具の挿入前に穴を後処理する必要なしに鋳造穴に挿入することができる。締結具の幾何学的形状(例えば、サイズ、形状、プロファイル、材料等)により、締結具を後処理(例えば、穿孔)なしでテーパ穴に設置することができる。締結具の幾何学的形状は、締結具のための構造的取り付け(例えば、エンジンブロック、サブフレーム、ベルトアンカ及びフレーム等のシート構成要素、モータハウジング、並びに変速機ケース)を加工物に提供することができる。自動車産業において単一の大量生産された鋳造部品の後処理ステップを除去することにより、コストを削減し、それらのコスト削減を消費者に提供することができる。
【0007】
一態様は、鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたテーパ状締結具に関する。例示的な鋳造材料は、非鉄金属(例えば、アルミニウム、銅、鉛、ニッケル、スズ、チタン及び亜鉛、並びに真鍮及び青銅のような銅合金)を含むことができる。もちろん、他の材料(例えば、鉄金属、プラスチック等)も本開示の範囲内に含まれる。
【0008】
本開示の一態様は、鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合された締結具に関する。締結具は、駆動装置を有するヘッドと、加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面と、テーパ外面に配置され、ヘッドがシャンクを加工物に打ち込むときにねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成するように構成されたねじ山を形成するねじ山とを備えるシャンクとを備える。
【0009】
上記の態様の変形例では、ヘッドは開口部を有し、開口部はねじ付き締結具を受け入れるようなサイズ及び形状である。
【0010】
上記の態様の変形例では、シャンクは、略管状の形状を有する。
【0011】
上記の態様の変形例では、シャンクは、管状シャンクの内側に形成され、ねじ付き締結具を受け入れるように構成されたねじ山を備える。
【0012】
上記の態様の変形例では、締結具はインサートとして構成される。
【0013】
上記の態様の変形例では、締結具はねじとして構成される。
【0014】
上記の態様の変形例では、締結具は両端スタッドとして構成される。
【0015】
上記の態様の変形例では、締結具は、締結具を受け入れるようなサイズ及び形状のスタッドを更に備える。
【0016】
上記の態様の変形例では、スタッドはねじ付きである。
【0017】
上記の態様の変形例では、スタッドは平らである。
【0018】
上記の態様の変形例では、駆動装置はラチェットである。
【0019】
上記態様の変形例では、加工物のテーパ穴は1.5度より大きいテーパ角度を有する。
【0020】
上記の態様の変形例では、加工物のテーパ角度とシャンクのテーパ角度との間の差は1.5度以下である。
【0021】
上記の態様の変形例では、シャンクのテーパ角度は4度である。
【0022】
上記の態様の変形例では、加工物のテーパ角度は4度である。
【0023】
上記の態様の変形例では、ねじ山を形成するねじ山は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。
【0024】
上記の態様の変形例では、ねじ山を形成するねじ山は、三角形状である。
【0025】
上記の態様の変形例では、テーパ外面は、加工物のテーパ穴の最小内径の最大外径よりも大きい最大外径を有する。
【0026】
上記の態様の変形例では、締結具は鍛鋼である。
【0027】
上記の態様の変形例では、締結具はアルミニウムである。
【0028】
上記の態様の変形例では、締結具は、ねじ付き締結具のための構造的取り付けを加工物に提供する。
【0029】
本開示の一態様は、鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたねじ付きインサートに関する。インサートは、駆動装置を有するヘッドと、ねじ付き締結具を受け入れるようなサイズ及び形状である開口部と、加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面と、テーパ外面に配置され、ヘッドが管状シャンクを加工物に打ち込むときにねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成するように構成されたねじ山を形成するねじ山と、管状シャンクの内側に形成され、ねじ付き締結具を受け入れるように構成されたねじ山とを備える略管状シャンクとを備える。
【0030】
上記の態様の変形例では、駆動装置はラチェットである。
【0031】
上記態様の変形例では、加工物のテーパ穴は1.5度より大きいテーパ角度を有する。
【0032】
上記の態様の変形例では、加工物のテーパ角度とシャンクのテーパ角度との間の差は1.5度以下である。
【0033】
上記の態様の変形例では、シャンクのテーパ角度は4度である。
【0034】
上記の態様の変形例では、加工物のテーパ角度は4度である。
【0035】
上記の態様の変形例では、ねじ山を形成するねじ山は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。
【0036】
上記の態様の変形例では、ねじ山を形成するねじ山は、三角形状である。
【0037】
上記の態様の変形例では、テーパ外面は、加工物のテーパ穴の最小内径の最大外径よりも大きい最大外径を有する。
【0038】
上記の態様の変形例では、ねじ付きインサートは鍛鋼である。
【0039】
上記の態様の変形例では、締結具はアルミニウムである。
【0040】
上記の態様の変形例では、ねじ付きインサートは、ねじ付き締結具のための構造的取り付けを加工物に提供する。
【0041】
本開示の一態様は、鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴にテーパ状締結具を設置する方法に関する。本方法は、ヘッド及びシャンクを有するテーパ状締結具を提供することであって、ヘッドは駆動装置を備え、シャンクは加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面を備え、テーパ外面はねじ山を形成するねじ山を備えることと、シャンクの少なくとも一部をねじ山のないテーパ穴に挿入することと、駆動装置を介してねじ山のないテーパ穴に締結具を打ち込んで、ねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成することとを含む。
【0042】
上記の態様の変形例は、塑性変形によってねじ山のないテーパ穴から過剰な材料を押し出すことを更に含む。
【0043】
上記の態様の変形例は、第2の締結具をテーパ状締結具に結合することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明は、添付の図面を参照して説明され、図面において、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【0045】
図1】鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたインサートの形態のテーパ状締結具の上面図である。
【0046】
図2図1の線2-2に沿った図1のねじ付きインサートの部分断面図である。
【0047】
図3】続いて図1及び図2のねじ付きインサートを受け入れるように構成された穴で鋳造された加工物の断面図である。
【0048】
図4】鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたねじ付きインサートの別の実施形態の上面図である。
【0049】
図5図4の線5-5に沿った図4のねじ付きインサートの部分断面図である。
【0050】
図6図5の線6-6に沿った図5のねじ付きインサートの断面図であり、パッケージングを強化するための管状シャンクの内側の遠位部分の逃げ部を示す。
【0051】
図7】続いて後処理なしで図4図6のねじ付きインサートを受け入れるように構成された穴で鋳造された加工物の断面図である。
【0052】
図8】内部にねじ付き締結具が固定された、図1及び図4のねじ付きインサートの側面図である。
【0053】
図9図8のねじ付きインサートの底面斜視図である。
【0054】
図10図8のねじ付きインサートの別の底面斜視図である。
【0055】
図11図8のねじ付きインサートの側部底面斜視図である。
【0056】
図12図8のねじ付きインサートの平面底面図である。
【0057】
図13】鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたねじ付きインサートの別の実施形態の上面図である。
【0058】
図14図13の線14-14に沿った図4のねじ付きインサートの部分断面図である。
【0059】
図15図13の線15-15に沿った図14のねじ付きインサートの断面図であり、パッケージングを強化するための管状シャンクの内側の遠位部分の逃げ部を示す。
【0060】
図16】続いて後処理なしで図13図15のねじ付きインサートを受け入れるように構成された穴で鋳造された加工物の断面図である。
【0061】
図17】鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたねじの形態のテーパ状締結具の上面図である。
【0062】
図18図17のねじの側面図である。
【0063】
図19】続いて図17及び図18のねじを受け入れるように構成された穴で鋳造された加工物の断面図である。
【0064】
図20】鋳造材料で形成された加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合された両端スタッドの形態のテーパ状締結具の上面図である。
【0065】
図21図20の両端スタッドの側面図である。
【0066】
図22】続いて図20及び図21の両端スタッドを受け入れるように構成された穴で鋳造された加工物の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
一般的に説明すると、本開示の1つ以上の態様は、鋳造材料のテーパ開口部又は穴に挿入可能なテーパ状締結具(例えば、インサート、ねじ、ボルト、スタッド、リベット、アンカ等)に関する。特定の実施形態では、テーパ状締結具は、その後のねじ又はボルトの挿入のための雌ねじ山を提供する。特定の実施形態では、本開示は、鋳造材料で形成された形態の加工物のねじ山のないテーパ穴に設置されるように適合されたテーパ状締結具に関する。テーパ状締結具は、ヘッド及びシャンク(固体、管状等)を有することができる。シャンクは、加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有するテーパ外面を有することができる。テーパ外面のねじ山を形成するねじ山は、ヘッドが管状シャンクを加工物内に打ち込むときに、ねじ山のないテーパ穴にねじ山を形成する。或る特定の実施形態では、ねじ付き締結具を受け入れるために、ねじ山がシャンクの内側に形成される。
【0068】
本明細書に開示されるテーパ状締結具は、テーパを除去するために穴を機械加工するための後処理を必要とせずに、鋳造物(例えば、非鉄鋳物)の穴に直接設置されるように設計されている。例示的な鋳造材料は、非鉄金属(例えば、アルミニウム、銅、鉛、ニッケル、スズ、チタン及び亜鉛、並びに真鍮及び青銅のような銅合金)を含むことができる。もちろん、他の材料(例えば、鉄金属、プラスチック等)も本開示の範囲内に含まれる。
【0069】
或る特定の実施形態では、穴は4度のテーパを有する。もちろん、テーパの大きさは4度に限定されず、4度より大きくても小さくてもよい。例えば、穴のテーパは、列挙された値の範囲内の値を含む2度、2.5度、3度、3.5度、4.5度、5度、5.5度、6度、6.5度、7度等とすることができる。シャンクは、加工物のテーパ穴と実質的に同じテーパ角度を有することができる。もちろん、テーパは、本開示の範囲内に入るために実質的に同じである必要はない。例えば、或る特定の実施形態では、シャンクのテーパは、穴のテーパの1.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンクのテーパは、穴のテーパの2度以内である。他の特定の実施形態では、シャンクのテーパは、穴のテーパの2.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンクのテーパは、穴のテーパの3度以内である。シャンクのテーパと穴のテーパとの間の差の他の大きさは、本開示の範囲内である。
【0070】
このようにして、本明細書に開示されるテーパ状締結具は、加工物へのインサート設置の準備において穴を後処理する必要性を排除し、大量生産される部品に直線状又は非常にわずかなテーパ穴(例えば、1.5度未満のテーパ)を鋳造する必要があるのとは対照的に、容易に達成可能な(例えば、より大きい)テーパで穴を鋳造することを可能にする。例えば、直線状又はわずかなテーパ穴は、部品を製造ダイ内に付着させ、製造時間を延長する可能性がある。製造ダイ内に付着しにくいより大きなテーパ穴を許容することにより、例えば、より大きなテーパ穴の後処理を必要とせずに、製造鋳造プロセスがより効率的になる。
【0071】
本明細書に開示される締結具は、締結具及び/又は穴のテーパ形状のために穴と位置合わせすることがより容易である。例えば、締結具の遠位端を穴に単純に落とし込み、強固な位置合わせプロセスを必要とせずに駆動するための適切な位置合わせを達成することができる。このような利点は、組立プロセスを簡素化し、時間及びコストを節約する。
【0072】
本明細書に開示される締結具は、直線状の締結具と比較して、引張引き抜き強度を更に高めることができる。例えば、締結具のテーパ又は円錐形状は、穴内にくさび状の作用を形成し、その結果、フープ応力が加工物又は鋳造物に生成される。フープ応力は、鋳造物と締結具との間の界面での摩擦を増加させ、直線状の締結具に対する引き抜き強度を増加させる。
【0073】
テーパ状締結具(例えば、鋼)の密度を鋳放し材料(例えば、アルミニウム)よりも高くすることができるが、テーパ状でない穴を有する加工物と比較して、締結具及び加工物の組立重量を小さくすることができる。この重量節約は、部分的には、穴が非テーパ穴よりもわずかに小さいことに起因する。
【0074】
図1は、加工物24のねじ山のないテーパ穴22(図3)に設置されるように適合されたインサート20の形態のテーパ状締結具の上面図である。或る特定の実施形態では、加工物24は鋳造材料で形成される。図2は、図1の線2-2に沿った図1のねじ付きインサート20の部分断面図である。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート20は、テーパ34を備える。図3は、続いて図1及び図2のねじ付きインサート20を受け入れるように構成された穴22で鋳造された加工物24の断面図である。図示の実施形態では、加工物24の穴22は、直径62及びテーパ60を有する。本明細書に開示されるねじ付きインサート20は、加工物24を鋳造した後の穴22を機械加工するための後処理を必要とせずに、加工物24(例えば、非鉄鋳物)の穴22に直接設置されるように設計されている。例えば、本明細書に開示されるねじ付きインサート20は、穴22の鋳放しテーパを切り落とすために穴を機械加工する必要なしに、穴22に位置合わせして打ち込むことができる。
【0075】
或る特定の実施形態では、穴22は約4度のテーパ60を有する。もちろん、テーパ60の大きさは4度に限定されず、4度より大きくても小さくてもよい。例えば、穴22のテーパ60は、列挙された値の範囲内の値を含む2度、2.5度、3度、3.5度、4.5度、5度、5.5度、6度、6.5度、7度等とすることができる。
【0076】
或る特定の実施形態では、加工物24は、穴22の上部に形成された皿穴68を備える。或る特定の実施形態では、皿穴68は、ねじ付きインサート20が穴22と位置合わせしやすいことを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴68は、加工物24に対して深くても浅くてもよい。例えば、或る特定の実施形態では、皿穴68は、ねじ付きインサート20が加工物24と同一平面にあることを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴68は、ねじ付きインサート20が完全に係合したときにヘッド26が加工物24の表面と同一平面又はわずかに下にあるように、ねじ付きインサート20(例えば、テーパ状ヘッド26)上の角度に一致する穴22のための円錐形の開口を生成する。或る特定の実施形態では、穴22の底部は半径66を含む。
【0077】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート20は、ヘッド26及びシャンク32を備える。図示の実施形態では、半径48は、ヘッド26及びシャンク32の表面を接合する。ヘッド26は、ねじ付きインサート20が加工物24に設置された後に締結具200が挿入されるように構成された開口部28を備えることができる。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート20は、ステンレス鋼又はばね鋼を含む鋼等の加工物24よりも高い引張強度及び硬い材料で作られる。もちろん、ねじ付きインサート20の他の材料も本開示の範囲内に含まれる。
【0078】
締結具200は、ねじ付きねじ又はボルト等の任意の種類の締結具とすることができる。もちろん、締結具200は、ねじ付きインサート20内の内部チャネルと相補的な異なる種類の締結具(例えば、プラグ、リベット、ピン、スタッド等)であってもよい。例示的な使用では、締結具200は、別の物品(図示せず)を加工物24に係合させるための留め能力を提供することができ、又は加工物24のための電気接点ポスト又は電気接続として機能することができる。
【0079】
ヘッド26は、駆動装置30を備えることができる。駆動装置30は、レンチ、ラチェット、ドリル、インパクトレンチ、又は当業者に知られている他の駆動ツールによって係合されるようなサイズ及び形状とすることができる。空気動力式又は空気圧式ツールも本開示の範囲内である。図示の実施形態では、駆動装置30は六角形のヘッドである。
【0080】
シャンク32は、略管状又は中空の形状を有することができる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク32は、内部チャネルを備える。或る特定の実施形態では、シャンク32は、テーパ外面を有する。或る特定の実施形態では、シャンク32は、加工物24の穴22のテーパ60と実質的に同じテーパ34の角度を有する。もちろん、シャンク32のテーパ34と穴22のテーパ60とは同じである必要はない。或る特定の実施形態では、シャンク32のテーパ34は、穴22のテーパ60とは異なる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク32のテーパ34は、穴22のテーパ60の1.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク32のテーパ34は、穴22のテーパ60の2度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク32のテーパ34は、穴22のテーパ60の2.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク32のテーパ34は、穴22のテーパ60の3度以内である。シャンク32のテーパ34と穴22のテーパ60との間の差の他の大きさは、本開示の範囲内である。
【0081】
或る特定の実施形態では、テーパ外面は、最大外径46を有する。或る特定の実施形態では、加工物24の穴22は最小内径を有する。或る特定の実施形態では、最大外径46は、加工物24の穴22の最小内径の最大外径よりも大きい。或る特定の実施形態では、テーパ34は、シャンク32の長手方向長さにわたって延在することができる。或る特定の実施形態では、テーパ34は、シャンク32の長手方向長さの少なくとも一部にわたって延在する。
【0082】
或る特定の実施形態では、テーパ36は、ねじ付きインサート20の中心線38を基準にして測定される。図示の実施形態では、テーパ36は、テーパ34の大きさの半分に対応する。
【0083】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート20は、ねじ山を形成するねじ山40(例えば、非対称のねじ山)を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、3つ、5つ、又は7つのロブを備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、シャンク32のテーパ外面に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、放物線形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、三角形状又は五角形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するプロファイルは、非対称のねじ山(例えば、3つのロブ)として設計されたねじ山40の少なくとも部分的なセクションを有することができる。例えば、三角形状のねじ山は、等しい厚さの3辺を有する断面を有することができる。
【0084】
或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、ヘッド26がシャンク32を加工物24内に打ち込むときに、加工物のねじ山のないテーパ穴22にねじ山を形成する。例えば、或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、ヘッド26がシャンク32を加工物24内に打ち込んで過剰な材料を塑性変形によって押し出すときに、加工物24のねじ山のないテーパ穴22のねじ山を転造する。
【0085】
穴22内の形成されたねじ山は、締結具200を受け入れるようなサイズ及び形状である。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山40は、ヘッド26の底面から距離44で始まる。ねじ付きインサート20のシャンク32は、一般に、厚さ64に平行な一般的な方向に加工物24の厚さ64内に完全に受け入れられる。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート20は、長さ42を有する。
【0086】
或る特定の実施形態では、ヘッド26の開口部28は、シャンク32を通って延在する。例えば、図示の実施形態では、開口部28は、シャンク32の全長にわたって延在する。図示の実施形態では、開口部は直径52を有する。図示の実施形態では、直径52は、14mmの締結具200を受け入れるようなサイズである。もちろん、直径52は、列挙されたサイズに限定されず、任意の他のサイズ(例えば、8mm、10mm、12mm、16mm等)を有することができる。開口部28は、締結具200を受け入れるようなサイズである。
【0087】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート20は、ヘッド26の開口部28の上部に形成された皿穴54を備える。或る特定の実施形態では、皿穴54は、締結具200(例えば、平頭ねじ、平頭ボルト)がヘッド26と同一平面上にあることを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴68は、締結具200が完全に係合したときに締結具200のヘッドがねじ付きインサート20の表面と同一平面又はわずかに下にあるように、締結具200の角度に一致する穴22のための円錐形の開口を生成する。
【0088】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート20は、ねじ山50を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山50は、管状シャンク32の内側に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山50は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山50は、締結具200を受け入れるように構成される。
【0089】
図4は、鋳造材料で形成された加工物124のねじ山のないテーパ穴122に設置されるように適合されたねじ付きインサート120の別の実施形態の上面図である。図5は、図4の線5-5に沿った図4のねじ付きインサート122の部分断面図である。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート120は、テーパ134を備える。図6は、図5の線6-6に沿った図5のねじ付きインサート120の断面図であり、管状シャンク132の内側の遠位部分の逃げ部174を示す。逃げ部174は、ねじ付きインサート120のためのパッケージングを改善することができる。或る特定の実施形態では、逃げ部174は、最小内径170及び最大外径172を有することができる。
【0090】
図7は、続いて後処理なしで図4図6のねじ付きインサート120を受け入れるように構成された穴122で鋳造された加工物124の断面図である。図示の実施形態では、加工物124の穴122は、直径162及びテーパ160を有する。本明細書に開示されるねじ付きインサート120は、加工物124を鋳造して穴122を機械加工することによっていずれのテーパも取り除いた後の後処理を必要とせずに、加工物124(例えば、非鉄鋳物)の穴122に直接設置されるように設計されている。或る特定の実施形態では、穴122は4度のテーパ160を有する。もちろん、テーパ160の大きさは4度に限定されず、4度より大きくても小さくてもよい。例えば、穴122のテーパ160は、列挙された値の範囲内の値を含む2度、2.5度、3度、3.5度、4.5度、5度、5.5度、6度、6.5度、7度等とすることができる。
【0091】
或る特定の実施形態では、加工物124は、穴122の上部に形成された皿穴168を備える。或る特定の実施形態では、皿穴168は、ねじ付きインサート120が穴122と位置合わせしやすいことを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴168は、加工物124に対して深くても浅くてもよい。例えば、或る特定の実施形態では、皿穴168は、ねじ付きインサート120が加工物124と同一平面にあることを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴168は、ねじ付きインサート120が完全に係合したときにヘッド126が加工物124の表面と同一平面又はわずかに下にあるように、ねじ付きインサート120(例えば、テーパ状ヘッド126)上の角度に一致する穴122のための円錐形の開口を生成する。或る特定の実施形態では、穴122の底部は半径166を含む。
【0092】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート120は、ヘッド126及びシャンク132を備える。図示の実施形態では、半径148は、ヘッド126及びシャンク132の表面を接合する。ヘッド126は、ねじ付きインサート120が加工物124に設置された後に締結具200が挿入されるように構成された開口部128を備えることができる。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート120は、ステンレス鋼又はばね鋼を含む鋼等の加工物124よりも高い引張強度及び硬い材料で作られる。もちろん、ねじ付きインサート120の他の材料も本開示の範囲内に含まれる。
【0093】
締結具200は、ねじ又はボルト等の任意の種類のテーパ状締結具とすることができる。もちろん、締結具200は、ねじ付きインサート120内の内部チャネルと相補的な異なる種類の締結具(例えば、プラグ、キー溝等)であってもよい。例示的な使用では、締結具200は、別の物品(図示せず)を加工物124に係合させるための留め能力を提供することができ、又は加工物124のための電気接点ポスト又は電気接続として機能することができる。
【0094】
ヘッド126は、駆動装置130を備えることができる。駆動装置130は、レンチ、ラチェット、ドリル、インパクトレンチ、又は当業者に知られている他の駆動ツールによって係合されるようなサイズ及び形状とすることができる。空気動力式又は空気圧式ツールも本開示の範囲内である。図示の実施形態では、駆動装置130は六角形のヘッドである。
【0095】
シャンク132は、略管状又は中空の形状を有することができる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク132は、内部チャネルを備える。或る特定の実施形態では、シャンク132は、テーパ外面を有する。或る特定の実施形態では、シャンク132は、加工物124の穴122のテーパ160と実質的に同じテーパ134の角度を有する。もちろん、シャンク132のテーパ134と穴122のテーパ160とは同じである必要はない。或る特定の実施形態では、シャンク132のテーパ134は、穴122のテーパ160とは異なる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク132のテーパ134は、穴122のテーパ160の1.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク132のテーパ134は、穴122のテーパ160の2度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク132のテーパ134は、穴122のテーパ160の2.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク132のテーパ134は、穴122のテーパ160の3度以内である。シャンク132のテーパ134と穴122のテーパ160との間の差の他の大きさは、本開示の範囲内である。
【0096】
或る特定の実施形態では、テーパ外面は、最大外径146を有する。或る特定の実施形態では、加工物124の穴122は最小内径を有する。或る特定の実施形態では、最大外径146は、加工物124の穴122の最小内径の最大外径よりも大きい。或る特定の実施形態では、テーパ134は、シャンク132の長手方向長さにわたって延在することができる。或る特定の実施形態では、テーパ134は、シャンク132の長手方向長さの少なくとも一部にわたって延在する。
【0097】
或る特定の実施形態では、テーパ136は、ねじ付きインサート120の中心線138を基準にして測定される。図示の実施形態では、テーパ136は、テーパ134の大きさの半分に対応する。
【0098】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート120は、ねじ山を形成するねじ山140(例えば、非対称のねじ山)を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、3つ、5つ、又は7つのロブを備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、シャンク132のテーパ外面に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、放物線形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、三角形状又は五角形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するプロファイルは、非対称のねじ山(例えば、3つのロブ)として設計されたねじ山140の少なくとも部分的なセクションを有することができる。例えば、三角形状のねじ山は、等しい厚さの3辺を有する断面を有することができる。
【0099】
或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、ヘッド126がシャンク132を加工物124内に打ち込むときに、加工物のねじ山のないテーパ穴122にねじ山を形成する。例えば、或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、ヘッド126がシャンク132を加工物124内に打ち込んで過剰な材料を塑性変形によって押し出すときに、加工物124のねじ山のないテーパ穴122のねじ山を転造する。
【0100】
穴122内の形成されたねじ山は、締結具200を受け入れるようなサイズ及び形状である。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山140は、ヘッド126の底面から距離144で始まる。ねじ付きインサート120のシャンク132は、一般に、厚さ164に平行な一般的な方向に加工物124の厚さ164内に完全に受け入れられる。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート120は、長さ142を有する。
【0101】
或る特定の実施形態では、ヘッド126の開口部128は、シャンク132を通って延在する。例えば、図示の実施形態では、開口部128は、シャンク132の全長にわたって延在する。図示の実施形態では、開口部は直径152を有する。図示の実施形態では、直径152は、10mmの締結具200を受け入れるようなサイズである。もちろん、直径152は、列挙されたサイズに限定されず、任意の他のサイズ(例えば、8mm、12mm、14mm、16mm等)を有することができる。開口部128は、締結具200を受け入れるようなサイズである。
【0102】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート120は、ヘッド126の開口部128の上部に形成された皿穴154を備える。或る特定の実施形態では、皿穴154は、締結具200(例えば、平頭ねじ、平頭ボルト)がヘッド126と同一平面上にあることを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴168は、締結具200が完全に係合したときに締結具200のヘッドがねじ付きインサート120の表面と同一平面又はわずかに下にあるように、締結具200の角度に一致する穴122のための円錐形の開口を生成する。
【0103】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート120は、ねじ山150を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山150は、管状シャンク132の内側に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山150は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山150は、締結具200を受け入れるように構成される。
【0104】
図8は、内部にねじ付き締結具200が固定された、ねじ付きインサート20、120の側面図である。図9は、図8のねじ付きインサート20、120の底面斜視図である。或る特定の実施形態では、シャンク32、132は、加工物24、124の穴22、122のテーパ60、160と実質的に同じテーパ34、134の角度のテーパ外面を有する。もちろん、シャンク32、132のテーパ34、134と穴22、122のテーパ60、160とは同じである必要はない。或る特定の実施形態では、シャンク32、132のテーパ34、134は、穴22、122のテーパ60、160とは異なる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク32、132のテーパ34、134は、穴22、122のテーパ60、160の1.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク32、132のテーパ34、134は、穴22、122のテーパ60、160の2度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク32、132のテーパ34、134は、穴22、122のテーパ60、160の2.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク32、132のテーパ34、134は、穴22、122のテーパ60、160の3度以内である。シャンク32、132のテーパ34、134と穴22、122のテーパ60、160との間の差の他の大きさは、本開示の範囲内である。
【0105】
図10は、図8のねじ付きインサートの別の底面斜視図である。図11は、図8のねじ付きインサートの側部底面斜視図である。図12は、図8のねじ付きインサートの平面底面図である。或る特定の実施形態では、テーパ外面は、加工物24、124の穴22、122の最小内径の最大外径よりも大きい最大外径46、146を有する。或る特定の実施形態では、テーパ34、134は、シャンク32、132の長手方向長さにわたって延在することができる。
【0106】
図13は、鋳造材料で形成された加工物224のねじ山のないテーパ穴222に設置されるように適合されたねじ付きインサート220の別の実施形態の上面図である。図14は、図13の線14-14に沿った図13のねじ付きインサート222の部分断面図である。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート220は、テーパ234を備える。図15は、図14の線15-15に沿った図14のねじ付きインサート220の断面図であり、管状シャンク232の内側の遠位部分の逃げ部274を示す。逃げ部274は、ねじ付きインサート220のためのパッケージングを改善することができる。或る特定の実施形態では、逃げ部274は、最小内径270及び最大外径272を有することができる。
【0107】
図16は、続いて後処理なしで図13図15のねじ付きインサート220を受け入れるように構成された穴222で鋳造された加工物224の断面図である。図示の実施形態では、加工物224の穴222は、直径262及びテーパ260を有する。本明細書に開示されるねじ付きインサート220は、加工物224を鋳造して穴222を機械加工することによっていずれのテーパも取り除いた後の後処理を必要とせずに、加工物224(例えば、非鉄鋳物)の穴222に直接設置されるように設計されている。或る特定の実施形態では、穴222は4度のテーパ260を有する。もちろん、テーパ260の大きさは4度に限定されず、4度より大きくても小さくてもよい。例えば、穴222のテーパ260は、列挙された値の範囲内の値を含む2度、2.5度、3度、3.5度、4.5度、5度、5.5度、6度、6.5度、7度等とすることができる。
【0108】
或る特定の実施形態では、加工物224は、穴222の上部に形成された皿穴268を備える。或る特定の実施形態では、皿穴268は、ねじ付きインサート220が穴222と位置合わせしやすいことを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴268は、加工物224に対して深くても浅くてもよい。或る特定の実施形態では、穴222の底部は半径266を含む。
【0109】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート220は、ヘッド226及びシャンク232を備える。図示の実施形態では、半径248は、ヘッド226及びシャンク232の表面を接合する。ヘッド226は、ねじ付きインサート220が加工物224に設置された後に締結具200が挿入されるように構成された開口部228を備えることができる。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート220は、ステンレス鋼又はばね鋼を含む鋼等の加工物224よりも高い引張強度及び硬い材料で作られる。もちろん、ねじ付きインサート220の他の材料も本開示の範囲内に含まれる。
【0110】
締結具200は、ねじ又はボルト等の任意の種類のねじ付き締結具とすることができる。もちろん、締結具200は、ねじ付きインサート220内の内部チャネルと相補的な異なる種類の締結具(例えば、プラグ、キー溝等)であってもよい。例示的な使用では、締結具200は、別の物品(図示せず)を加工物224に係合させるための留め能力を提供することができ、又は加工物224のための電気接点ポスト又は電気接続として機能することができる。
【0111】
ヘッド226は、駆動装置230を備えることができる。駆動装置230は、レンチ、ラチェット、ドリル、インパクトレンチ、六角又は当業者に知られている他の駆動ツールによって係合されるようなサイズ及び形状とすることができる。空気動力式又は空気圧式ツールも本開示の範囲内である。図示の実施形態では、駆動装置230は六角形のヘッドである。
【0112】
シャンク232は、略管状又は中空の形状を有することができる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク232は、内部チャネルを備える。或る特定の実施形態では、シャンク232は、テーパ外面を有する。或る特定の実施形態では、シャンク232は、加工物224の穴222のテーパ260と実質的に同じテーパ234の角度を有する。もちろん、シャンク232のテーパ234と穴222のテーパ260とは同じである必要はない。或る特定の実施形態では、シャンク232のテーパ234は、穴222のテーパ260とは異なる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク232のテーパ234は、穴222のテーパ260の1.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク232のテーパ234は、穴222のテーパ260の2度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク232のテーパ234は、穴222のテーパ260の2.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク232のテーパ234は、穴222のテーパ260の3度以内である。シャンク232のテーパ234と穴222のテーパ260との間の差の他の大きさは、本開示の範囲内である。
【0113】
或る特定の実施形態では、テーパ外面は、最大外径246を有する。或る特定の実施形態では、加工物224の穴222は最小内径を有する。或る特定の実施形態では、最大外径246は、加工物224の穴222の最小内径の最大外径よりも大きい。或る特定の実施形態では、テーパ234は、シャンク232の長手方向長さにわたって延在することができる。或る特定の実施形態では、テーパ234は、シャンク232の長手方向長さの少なくとも一部にわたって延在する。
【0114】
或る特定の実施形態では、テーパ236は、ねじ付きインサート220の中心線238を基準にして測定される。図示の実施形態では、テーパ236は、テーパ234の大きさの半分に対応する。
【0115】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート220は、ねじ山を形成するねじ山240(例えば、非対称のねじ山)を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、3つ、5つ、又は7つのロブを備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、シャンク232のテーパ外面に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、放物線形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、三角形状又は五角形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するプロファイルは、非対称のねじ山(例えば、3つのロブ)として設計されたねじ山240の少なくとも部分的なセクションを有することができる。例えば、三角形状のねじ山は、等しい厚さの3辺を有する断面を有することができる。
【0116】
或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、ヘッド226がシャンク232を加工物224内に打ち込むときに、加工物のねじ山のないテーパ穴222にねじ山を形成する。例えば、或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、ヘッド226がシャンク232を加工物224内に打ち込んで過剰な材料を塑性変形によって押し出すときに、加工物224のねじ山のないテーパ穴222のねじ山を転造する。
【0117】
穴222内の形成されたねじ山は、締結具200を受け入れるようなサイズ及び形状である。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山240は、ヘッド226の底面から距離244で始まる。ねじ付きインサート220のシャンク232は、一般に、厚さ264に平行な一般的な方向に加工物224の厚さ264内に完全に受け入れられる。或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート220は、長さ242を有する。
【0118】
或る特定の実施形態では、ヘッド226の開口部228は、シャンク232を通って延在する。例えば、図示の実施形態では、開口部228は、シャンク232の全長にわたって延在する。図示の実施形態では、開口部は直径252を有する。図示の実施形態では、直径252は、10mmの締結具200を受け入れるようなサイズである。もちろん、直径252は、列挙されたサイズに限定されず、任意の他のサイズ(例えば、8mm、12mm、14mm、16mm等)を有することができる。開口部228は、締結具200を受け入れるようなサイズである。
【0119】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート220は、ヘッド226の開口部228の上部に形成された皿穴254を備える。或る特定の実施形態では、皿穴254は、締結具200(例えば、平頭ねじ、平頭ボルト)がヘッド226と同一平面上にあることを保証することができる。或る特定の実施形態では、皿穴268は、締結具200が完全に係合したときに締結具200のヘッドがねじ付きインサート220の表面と同一平面又はわずかに下にあるように、締結具200の角度に一致する穴222のための円錐形の開口を生成する。
【0120】
或る特定の実施形態では、ねじ付きインサート220は、ねじ山250を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山250は、管状シャンク232の内側に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山250は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山250は、締結具200を受け入れるように構成される。
【0121】
図17は、加工物324のねじ山のないテーパ穴322(図19)に設置されるように適合されたねじ320の形態のテーパ状締結具の上面図である。或る特定の実施形態では、加工物24は鋳造材料で形成される。図18は、図17のねじ320の側面図である。或る特定の実施形態では、ねじ320は、テーパ334を備える。図19は、続いて図17及び図18のねじ320を受け入れるように構成された穴322で鋳造された加工物324の断面図である。図示の実施形態では、加工物324の穴322は、直径362及びテーパ360を有する。本明細書に開示されるねじ320は、加工物324を鋳造した後の穴322を機械加工するための後処理を必要とせずに、加工物324(例えば、非鉄鋳物)の穴322に直接設置されるように設計されている。例えば、本明細書に開示されるねじ320は、穴322の鋳放しテーパを切り落とすために穴を機械加工する必要なしに、穴322に位置合わせして打ち込むことができる。
【0122】
或る特定の実施形態では、穴322は約4度のテーパ360を有する。もちろん、テーパ360の大きさは4度に限定されず、4度より大きくても小さくてもよい。例えば、穴322のテーパ360は、列挙された値の範囲内の値を含む2度、2.5度、3度、3.5度、4.5度、5度、5.5度、6度、6.5度、7度等とすることができる。
【0123】
或る特定の実施形態では、加工物324は、穴322の上部に形成された皿穴368を備える。或る特定の実施形態では、皿穴368は、ねじ320が穴322と位置合わせしやすいことを保証することができる。或る特定の実施形態では、穴322の底部は半径366を含む。
【0124】
或る特定の実施形態では、ねじ320は、ヘッド326及びシャンク332を備える。図示の実施形態では、半径348は、ヘッド326及びシャンク332の表面を接合する。或る特定の実施形態では、ねじ320は、ステンレス鋼又はばね鋼を含む鋼等の加工物324よりも高い引張強度及び硬い材料で作られる。もちろん、ねじ320の他の材料も本開示の範囲内に含まれる。
【0125】
ねじ320は、別の物品(図示せず)を加工物324に係合させるための留め能力を提供することができる。
【0126】
ヘッド326は、駆動装置330を備えることができる。駆動装置330は、レンチ、ラチェット、ドリル、インパクトレンチ、又は当業者に知られている他の駆動ツールによって係合されるようなサイズ及び形状とすることができる。空気動力式又は空気圧式ツールも本開示の範囲内である。
【0127】
シャンク332は、略管状の形状を有することができる。或る特定の実施形態では、シャンク332は、テーパ外面を有する。或る特定の実施形態では、シャンク332は、加工物324の穴322のテーパ360と実質的に同じテーパ334の角度を有する。もちろん、シャンク332のテーパ334と穴322のテーパ360とは同じである必要はない。或る特定の実施形態では、シャンク332のテーパ334は、穴322のテーパ360とは異なる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク332のテーパ334は、穴322のテーパ360の1.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク332のテーパ334は、穴322のテーパ360の2度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク332のテーパ334は、穴322のテーパ360の2.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク332のテーパ334は、穴322のテーパ360の3度以内である。シャンク332のテーパ334と穴322のテーパ360との間の差の他の大きさは、本開示の範囲内である。
【0128】
或る特定の実施形態では、テーパ外面は、最大外径346を有する。或る特定の実施形態では、加工物324の穴322は最小内径を有する。或る特定の実施形態では、最大外径346は、加工物324の穴322の最小内径の最大外径よりも大きい。或る特定の実施形態では、テーパ334は、シャンク332の長手方向長さにわたって延在することができる。或る特定の実施形態では、テーパ334は、シャンク332の長手方向長さの少なくとも一部にわたって延在する。
【0129】
或る特定の実施形態では、ねじ320は、ねじ山を形成するねじ山340(例えば、非対称のねじ山)を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、3つ、5つ、又は7つのロブを備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、シャンク332のテーパ外面に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、放物線形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、三角形状又は五角形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するプロファイルは、非対称のねじ山(例えば、3つのロブ)として設計されたねじ山340の少なくとも部分的なセクションを有することができる。例えば、三角形状のねじ山は、等しい厚さの3辺を有する断面を有することができる。
【0130】
或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、ヘッド326がシャンク332を加工物324内に打ち込むときに、加工物のねじ山のないテーパ穴322にねじ山を形成する。例えば、或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、ヘッド326がシャンク332を加工物324内に打ち込んで過剰な材料を塑性変形によって押し出すときに、加工物324のねじ山のないテーパ穴322のねじ山を転造する。
【0131】
或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山340は、ヘッド326の底面から距離344で始まる。ねじ320のシャンク332は、一般に、厚さ364に平行な一般的な方向に加工物324の厚さ364内に完全に受け入れられる。或る特定の実施形態では、ねじ320は、長さ342を有する。
【0132】
ヘッド326は、駆動装置330を備えることができる。駆動装置330は、レンチ、ラチェット、ドリル、インパクトレンチ、六角又は当業者に知られている他の駆動ツールによって係合されるようなサイズ及び形状とすることができる。空気動力式又は空気圧式ツールも本開示の範囲内である。
【0133】
図20は、加工物424のねじ山のないテーパ穴422(図22)に設置されるように適合された両端スタッド420の形態のテーパ状締結具の上面図である。或る特定の実施形態では、加工物424は鋳造材料で形成される。図21は、図20の両端スタッド420の側面図である。或る特定の実施形態では、両端スタッド420は、テーパ434を備える。図22は、続いて図20及び図21の両端スタッド420を受け入れるように構成された穴422で鋳造された加工物424の断面図である。図示の実施形態では、加工物424の穴422は、直径462及びテーパ460を有する。本明細書に開示される両端スタッド420は、加工物424を鋳造した後の穴422を機械加工するための後処理を必要とせずに、加工物424(例えば、非鉄鋳物)の穴422に直接設置されるように設計されている。例えば、本明細書に開示される両端スタッド420は、穴422の鋳放しテーパを切り落とすために穴を機械加工する必要なしに、穴422に位置合わせして打ち込むことができる。
【0134】
或る特定の実施形態では、穴422は約4度のテーパ460を有する。もちろん、テーパ460の大きさは4度に限定されず、4度より大きくても小さくてもよい。例えば、穴422のテーパ460は、列挙された値の範囲内の値を含む2度、2.5度、3度、3.5度、4.5度、5度、5.5度、6度、6.5度、7度等とすることができる。
【0135】
或る特定の実施形態では、加工物424は、穴422の上部に形成された皿穴468を備える。或る特定の実施形態では、皿穴468は、両端スタッド420が穴422と位置合わせしやすいことを保証することができる。或る特定の実施形態では、穴422の底部は半径466を含む。
【0136】
或る特定の実施形態では、両端スタッド420は、ヘッド426、シャンク432及びスタッド470を備える。或る特定の実施形態では、スタッド470は、平ら又はねじ付きであってもよい。図示の実施形態では、半径448は、ヘッド426及びシャンク432の表面を接合する。或る特定の実施形態では、両端スタッド420は、ステンレス鋼又はばね鋼を含む鋼等の加工物424よりも高い引張強度及び硬い材料で作られる。もちろん、両端スタッド420の他の材料も本開示の範囲内に含まれる。
【0137】
両端スタッド420は、別の物品(図示せず)を加工物424に結合するためにスタッド470を提供することができる。
【0138】
ヘッド426は、駆動装置430を備えることができる。駆動装置430は、レンチ、ラチェット、ドリル、インパクトレンチ、又は当業者に知られている他の駆動ツールによって係合されるようなサイズ及び形状とすることができる。空気動力式又は空気圧式ツールも本開示の範囲内である。
【0139】
シャンク432は、略管状の形状を有することができる。或る特定の実施形態では、シャンク432は、テーパ外面を有する。或る特定の実施形態では、シャンク432は、加工物424の穴422のテーパ460と実質的に同じテーパ434の角度を有する。もちろん、シャンク432のテーパ434と穴422のテーパ460とは同じである必要はない。或る特定の実施形態では、シャンク432のテーパ434は、穴422のテーパ460とは異なる。例えば、或る特定の実施形態では、シャンク432のテーパ434は、穴422のテーパ460の1.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク432のテーパ434は、穴422のテーパ460の2度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク432のテーパ434は、穴422のテーパ460の2.5度以内である。他の特定の実施形態では、シャンク432のテーパ434は、穴422のテーパ460の3度以内である。シャンク432のテーパ434と穴422のテーパ460との間の差の他の大きさは、本開示の範囲内である。
【0140】
或る特定の実施形態では、テーパ外面は、最大外径446を有する。或る特定の実施形態では、加工物424の穴422は最小内径を有する。或る特定の実施形態では、最大外径446は、加工物424の穴422の最小内径の最大外径よりも大きい。或る特定の実施形態では、テーパ434は、シャンク432の長手方向長さにわたって延在することができる。或る特定の実施形態では、テーパ434は、シャンク432の長手方向長さの少なくとも一部にわたって延在する。
【0141】
或る特定の実施形態では、両端スタッド420は、ねじ山を形成するねじ山440(例えば、非対称のねじ山)を備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山440は、3つ、5つ、又は7つのロブを備える。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山440は、シャンク432のテーパ外面に配置される。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山440は、実質的に同じピッチ及び深さを有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山440は、放物線形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山440は、三角形状又は五角形状を有する。或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するプロファイルは、非対称のねじ山(例えば、3つのロブ)として設計されたねじ山440の少なくとも部分的なセクションを有することができる。例えば、三角形状のねじ山は、等しい厚さの3辺を有する断面を有することができる。
【0142】
或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山440は、ヘッド426がシャンク432を加工物424内に打ち込むときに、加工物のねじ山のないテーパ穴422にねじ山を形成する。例えば、或る特定の実施形態では、ねじ山を形成するねじ山440は、ヘッド426がシャンク432を加工物424内に打ち込んで過剰な材料を塑性変形によって押し出すときに、加工物424のねじ山のないテーパ穴422のねじ山を転造する。
【0143】
両端スタッド420のシャンク432は、一般に、厚さ464に平行な一般的な方向に加工物424の厚さ464内に完全に受け入れられる。或る特定の実施形態では、両端スタッド420は、長さ442を有する。
【0144】
ヘッド426は、駆動装置430を備えることができる。駆動装置430は、レンチ、ラチェット、ドリル、インパクトレンチ、六角又は当業者に知られている他の駆動ツールによって係合されるようなサイズ及び形状とすることができる。空気動力式又は空気圧式ツールも本開示の範囲内である。
【0145】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態又は特定の使用分野に限定することを意図していない。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実施形態及び/又は修正形態が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0146】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で変更又は他の方法で実施することができる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示されたグローブボックス作動アセンブリの様々な実施形態を作成及び使用する方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセス、又はステップは、本明細書で代表的に示され説明されたものに置き換えられてもよい。更に、本開示の或る特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に全てが当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を記載及び特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」等の表現は、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素又は要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0147】
更に、本明細書に開示される様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。全ての接合についての言及(例えば、付け加えられた、付けられた、結合された、接続された等)は、読者の本開示の理解を助けるだけのために使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の配置、向き、又は使用に関して限定をもたらすものではない。したがって、接合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。更に、限定するものではないが、「第1」、「第2」、「第3」、「1次」、「2次」、「主要な」等の全ての数値用語、又は任意の他の通常の及び/又は数値用語もまた、本開示の様々な要素、実施形態、変形例及び/又は修正形態の読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、任意の要素、実施形態、変形例及び/又は修正形態の、別の要素、実施形態、変形例及び/又は修正形態に対する、又は別の要素、実施形態、変形例及び/又は修正形態を超える順序又は好みに関して、いかなる限定も生じ得ない。
【0148】
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つ以上は、より分離又は統合された方法で実施することもでき、或いは或る特定の場合には動作不能として除去又はレンダリングすることもできることも理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14-15】
図16
図17
図18
図19
図20
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【国際調査報告】