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▶ コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2024-533303部分的有機系ポリイソシアネートをベースとするブロックされた硬化剤の製造および1K PUR焼付けエナメルとしての使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】部分的有機系ポリイソシアネートをベースとするブロックされた硬化剤の製造および1K PUR焼付けエナメルとしての使用
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/78 20060101AFI20240905BHJP
   C08G 18/73 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 18/75 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 18/79 20060101ALI20240905BHJP
   C08G 18/80 20060101ALI20240905BHJP
   C09D 175/04 20060101ALI20240905BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C08G18/78
C08G18/73
C08G18/75
C08G18/79 020
C08G18/80 070
C09D175/04
C09D201/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515053
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 EP2022074958
(87)【国際公開番号】W WO2023036861
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】21195815.2
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266223
【氏名又は名称】コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】COVESTRO DEUTSCHLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハーツ-クイリン,ベルナデッテ
(72)【発明者】
【氏名】ロンドン・テッロ,アロンソ
(72)【発明者】
【氏名】クッツ,アンネ
(72)【発明者】
【氏名】エルスカンプ,アルジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェガ・サンチェス,ベルタ
(72)【発明者】
【氏名】シュテンプフレ,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーデンホフ,フリノ
(72)【発明者】
【氏名】ナザラン,パンテア
【テーマコード(参考)】
4J034
4J038
【Fターム(参考)】
4J034DF01
4J034DF02
4J034DG02
4J034DP18
4J034HA01
4J034HA02
4J034HA06
4J034HA07
4J034HB05
4J034HB08
4J034HC03
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC33
4J034HC34
4J034HC35
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC53
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034HD04
4J034HD07
4J034HD12
4J034JA30
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD02
4J034KE02
4J034QB08
4J034QB10
4J034QB12
4J034QB13
4J034QB14
4J034QC03
4J034QC05
4J034RA05
4J034RA07
4J034RA08
4J034RA09
4J038CG121
4J038DD001
4J038DF001
4J038DG021
4J038DG301
4J038GA03
4J038GA11
4J038JB28
4J038KA06
4J038NA03
4J038NA09
4J038PC02
4J038PC08
(57)【要約】
本発明は、イソシアネート基含有形成成分を含み、イソシアネート基が少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物と50%以上の程度まで反応しており、前記イソシアネート基反応性化合物が少なくとも1つのN-R基(ここで、RはHまたはOHから選択され、Nは2個の単結合または二重結合を介して化合物の他の原子に結合している)を含むポリイソシアネート組成物であって、形成成分が、最大51重量%以上まで、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき、DIN55672-1:2007-08に準拠してゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されるイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下である1,5-ペンタメチレンジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートから形成され、形成成分中に含有されるポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りの割合が少なくとも1種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含むか、またはからなることを特徴とするポリイソシアネート組成物に関する。本発明はまた、一成分系を製造するためのこのポリイソシアネート組成物の使用、およびこのポリイソシアネート組成物と少なくとも1種のポリオールとを含有する一成分系に関する。さらに、本発明は、本発明による一成分系を基材に塗布し、80℃~300℃の範囲の温度で硬化させる、基材上にコーティングを製造する方法、およびこのようにして製造されたコーティングに関する。最後に、本発明は、本発明のコーティングと、金属および/またはプラスチック材料でできた表面を有する基材とからなる複合材に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基含有形成成分を含み、イソシアネート基が少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物と50%以上の程度まで反応しており、前記イソシアネート基反応性化合物が少なくとも1つのN-R基(ここで、RはHまたはOHから選択され、Nは2個の単結合または二重結合を介して化合物の他の原子に結合している)を含むポリイソシアネート組成物であって、前記形成成分が、51重量%以上の程度まで、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき、DIN55672-1:2007-08に準拠してゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されるイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下であるペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートから形成され、前記形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが少なくとも1種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含むか、またはからなることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
【請求項2】
前記形成成分が、少なくとも60重量%の程度まで、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づきイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下であるペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートから形成されることを特徴とする、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項3】
前記イソシアヌレート三量体の含量が、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき36面積%以上56面積%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項4】
前記形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが、少なくとも5重量%の程度まで、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートからなることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、N含有アゾール化合物、オキシム、アミンもしくはラクタムまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、ピラゾール、ケトオキシム、第二級アミンもしくはラクタムまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジイソプロピルピラゾール、3,5-ジ-tert-ブチルピラゾール、3,5-ジフェニルピラゾール、ブタノンオキシム、2-ペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、4-メチル-2-ペンタノンオキシム、ジイソプロピルアミン、N-ベンジル-tert-ブチルアミン、ε-カプロラクタムまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項8】
前記形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが、少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートからなることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項9】
前記ポリイソシアネート組成物が少なくとも1種の有機溶媒を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項10】
一成分系を製造するための、請求項1から9のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物の使用。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1種のポリイソシアネート組成物と、少なくとも1種のポリオールとを含み、さらなる添加剤を含んでいてもよい一成分系。
【請求項12】
請求項11に記載の一成分系を基材に塗布し、80℃~300℃の範囲の温度で硬化させる、基材上にコーティングを製造する方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法によって製造されたまたは製造可能なコーティング。
【請求項14】
請求項13に記載のコーティングと、金属および/またはプラスチックの表面を有する基材とで構成された複合材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソシアネート基含有形成成分を含み、イソシアネート基が少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物と50%以上の程度まで反応しており、前記イソシアネート基反応性化合物が少なくとも1つのN-R基(ここで、RはHまたはOHから選択され、Nは2個の単結合または二重結合を介して化合物の他の原子に結合している)を含むポリイソシアネート組成物であって、形成成分が、51重量%以上の程度まで、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき、DIN55672-1:2007-08に準拠してゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されるイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下であるペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートから形成され、形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが少なくとも1種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含むか、またはからなることを特徴とするポリイソシアネート組成物に関する。本発明はさらに、一成分系を製造するためのこのポリイソシアネート組成物の使用、およびこのポリイソシアネート組成物と少なくとも1種のポリオールとを含む一成分系に関する。さらに、本発明は、本発明による一成分系を基材に塗布し、80℃~300℃の範囲の温度で硬化させる、基材上にコーティングを製造する方法、およびこのようにして製造されたコーティングに関する。最後に、本発明は、本発明のコーティングと、金属および/またはプラスチックの表面を有する基材とから構成される複合材に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイソシアネート組成物をベースとするコーティングは公知であり、市販されている。これらの代表的なものの1つは、とりわけ、コーティング系の貯蔵安定性および取り扱いを改善するために、イソシアネート基が、例えばN含有アゾール化合物でブロックされている、HDI(ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート)系組成物(例えば、Covestro AGから市販されているDesmodur(登録商標)N3300をベースとする)である。しかしながら、このような製品は、比較的低い硬度ならびに低い耐候安定性を示す。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の目的は、上記欠点を克服する、部分的にブロックされたイソシアネート基を有するポリイソシアネート組成物を提供することであった。
【0004】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、これが、少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物であって、少なくとも1つのN-R基(ここで、RはHまたはOHから選択され、Nは2個の単結合または二重結合を介して化合物の他の原子に結合している)を含む少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物でブロックされたPDI(ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート)をベースとする本発明の特定のポリイソシアネート組成物を使用して達成できることを見出した。したがって、より持続可能な組成物も提供される。
【0005】
CH-酸性試薬でブロックされたPDI系組成物について、国際公開第2017/021150号の導入部では、PDI系ポリイソシアネートでのオキシムまたは3,5-ジメチルピラゾールのさらなる使用の場合に欠点が予想されることが想定されると記載されているので、これは特に驚くべきことである。さらに、本組成物は、前述の文献に記載された組成物とは対照的に、結晶化阻害剤が必要とされないので有利である。
【0006】
したがって、本発明は、第1の態様では、イソシアネート基含有形成成分を含み、イソシアネート基が少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物と50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上、90%以上または95%以上の程度まで反応しており、当該イソシアネート基反応性化合物が少なくとも1つのN-R基(ここで、RはHまたはOHから選択され、Nは2個の単結合または二重結合を介して化合物の他の原子に結合している)を含むポリイソシアネート組成物であって、形成成分が、51重量%以上の程度まで、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき、DIN55672-1:2007-08に準拠してゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されるイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下であるペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートから形成され、形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが少なくとも1種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含むか、またはからなることを特徴とするポリイソシアネート組成物に関する。
【0007】
第2の態様では、本発明は、一成分系、特に一成分コーティング系を製造するための本発明によるポリイソシアネート組成物の使用に関する。
【0008】
第3の態様では、本発明は、少なくとも1種の本発明によるポリイソシアネート組成物と、少なくとも1種のポリオールと、場合によりさらなる添加剤とを含む一成分系に関する。
【0009】
第4の態様では、本発明は、本発明の一成分系を基材に塗布し、80℃~300℃の範囲、好ましくは90℃~250℃の範囲の温度で硬化させる、基材上にコーティングを製造する方法に関する。
【0010】
第5の態様では、本発明は、本発明による方法によって製造されたまたは製造可能なコーティングに関する。
【0011】
最後に、本発明は、第6の態様では、本発明によるコーティングと、金属および/またはプラスチックの表面を有する基材とから構成される複合材に関する。
【0012】
本発明によると、三量体構造は、ジイソシアネートから形成され、オリゴマー分布にしたがって互いにランダムに結合している以下のイソシアヌレート構造単位を意味すると理解される:
【0013】
【化1】
それぞれのポリイソシアネートの総重量に基づく重量割合としてのイソシアヌレート三量体の含量の仕様は、本発明によると、正確に1個のイソシアヌレート基および3個のイソシアネート基を含むポリイソシアネート組成物中の化合物を指す。イソシアヌレート三量体の含量は、DIN55672-1:2007-08に準拠してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって面積パーセント(面積%)として決定される。
【0014】
第1の好ましい実施形態では、形成成分が、少なくとも60重量%の程度まで、好ましくは少なくとも70重量%の程度まで、特に好ましくは少なくとも80重量%の程度まで、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づきイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下であるペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートからなる。これは、とりわけ、貯蔵安定性をさらに高めることができるという利点をもたらす。
【0015】
これはさらに、本発明によるポリイソシアネート組成物の生物由来の割合をさらに増加させることができるという利点をもたらす。そのため、この場合、形成成分が100重量%の程度までペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートからなる場合が非常に特に好ましい。
【0016】
さらに好ましい実施形態では、イソシアヌレート三量体の含量が、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき36面積%以上56面積%以下、好ましくは38面積%以上51面積%以下である。
【0017】
さらに好ましい実施形態によると、形成成分中に存在する総量の100重量%までの残りが少なくとも1種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートからなり、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、特に好ましくは少なくとも15重量%である。
【0018】
ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートは、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート(PDI)の修飾によって得られ、ウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンおよび/またはオキサジアジントリオン構造を有する任意の所望のオリゴマーポリイソシアネート、あるいはこのようなポリイソシアネートの任意の所望の混合物である。これらのポリイソシアネートは、例えばJ.Prakt.Chem.336(1994)185-200および欧州特許第0798299号明細書に記載される、イソシアネートオリゴマー化のためのそれ自体公知の方法により、PDIのイソシアネート基の一部を反応させて、少なくとも2個のジイソシアネート分子からなるポリイソシアネート分子を形成し、一般的にその後未反応モノマーPDIを蒸留または抽出除去することによって調製される。
【0019】
ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートを調製するために使用されるPDIは、種々の方法で、例えば液相もしくは気相中のホスゲン化によって、またはホスゲンフリーの経路によって、例えば好ましくは天然アミノ酸リジンの脱炭酸を介した生物工学によって得られる1,5-ジアミノペンタンから進行する熱ウレタン開裂によって得られる。
【0020】
イソシアヌレート三量体の含量は、適当な反応レジームによって調整することができるので、三量体化反応を、好ましくは、所望のイソシアヌレート三量体含量に達した後に終了する。これは、例えば、反応混合物を室温に冷却することによって達成することができる。しかしながら、一般的には、当業者に知られている1種または複数の触媒毒を添加し、場合によりその後反応混合物を例えば80℃超の温度に短時間加熱することによって、反応を終了する。
【0021】
ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートと異なる脂肪族または脂環式ポリイソシアネートは、適切なモノマージイソシアネートの修飾によって得られ、ウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンおよび/またはオキサジアジントリオン構造を有する任意の所望のオリゴマーポリイソシアネート、あるいはこのようなポリイソシアネートの任意の所望の混合物である。これらのポリイソシアネートは、例えばJ.Prakt.Chem.336(1994)185-200に例示として記載されるイソシアネートオリゴマー化のためのそれ自体公知の方法により、モノマージイソシアネートのイソシアネート基の一部を反応させて、少なくとも2個のジイソシアネート分子からなるポリイソシアネート分子を形成し、一般的にその後未反応モノマージイソシアネートを蒸留または抽出除去することによって調製される。
【0022】
適切なモノマージイソシアネートは、特に分子量範囲140~400のもの、例えば1,4-ジイソシアナトブタン、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、2-メチル-1,5-ジイソシアナトペンタン、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-または2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,3-および1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、2,4-および2,6-ジイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、2,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、1-イソシアナト-1-メチル-4(3)-イソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)あるいはこのようなジイソシアネートの任意の所望の混合物である。本発明によるポリイソシアネート組成物中のモノマージイソシアネートの残留モノマー含量は0.5重量%未満、特に好ましくは0.3重量%未満であることが一般に好ましい。残留モノマー含量は、例えばDIN EN ISO 10283:2006-04に準拠してガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
【0023】
形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートからなることがさらに好ましい。
【0024】
好ましい実施形態では、少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、N含有アゾール化合物、オキシム、アミンもしくはラクタムまたはそれらの混合物から選択され;より好ましくは、化合物が、ピラゾール、ケトオキシム、第二級アミンもしくはラクタムまたはそれらの混合物から選択され;特に好ましくは、化合物が、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジイソプロピルピラゾール、3,5-ジ-tert-ブチルピラゾール、3,5-ジフェニルピラゾール、ブタノンオキシム、2-ペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、4-メチル-2-ペンタノンオキシム、ジイソプロピルアミン、N-ベンジル-tert-ブチルアミンもしくはε-カプロラクタムまたはそれらの混合物から選択され;最も好ましくは、化合物が3,5-ジメチルピラゾールまたはブタノンオキシムである。
【0025】
代替的または追加的に、少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、一般式(1)のピペリドン系化合物
【0026】
【化2】
(式中、R~R基の各々は1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、R~Rは、ここでは互いに同一であっても異なっていてもよく、R~R基の各々は、1~4個の炭素原子を有するアルキル基または水素であり、R~Rは、ここでは互いに同一であっても異なっていてもよい)
ではないことが好ましい。
【0027】
代替的または追加的に、少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、欧州特許第3950759号明細書のピペリドン系化合物ではないことが好ましい。
【0028】
これらの化合物から形成されるブロッキング基の後のデブロッキングは、80℃~300℃で実施される。
【0029】
イソシアネート基含有形成成分およびブロッキング化合物に加えて、本発明によるポリイソシアネート組成物はまた、さらなる化合物を含んでもよい。
【0030】
一般に、本発明によるポリイソシアネート組成物は溶媒を含まずに存在してもよいが、使用される成分の反応性基に対して不活性な1種または複数の溶媒が存在することも可能である。
【0031】
適切な溶媒は、例えば、それ自体公知の慣用的なコーティング溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、3-メトキシ-n-ブチルアセテート、アセトン、2-ブタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、揮発油、例えばソルベントナフサ、Solvesso(登録商標)、Isopar(登録商標)、Nappar(登録商標)、Varsol(登録商標)(ExxonMobil Chemical Central Europe、ドイツケルン)およびShellsol(登録商標)(Shell Deutschland Oil GmbH、ドイツハンブルク)の名称で商業化されているものなどの比較的高度に置換された芳香族、ならびにプロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルおよびブチルエーテルアセテート、N-メチルピロリドンおよびN-メチルカプロラクタムなどの溶媒、またはこのような溶媒の任意の所望の混合物である。
【0032】
さらに好ましい実施形態では、本発明によるポリイソシアネート組成物が、少なくとも1種の有機溶媒、好ましくはソルベントナフサ、例えばソルベントナフサ100、メトキシプロピルアセテート、ブチルアセテート、キシレンおよびそれらの混合物、特に好ましくはソルベントナフサ100、メトキシプロピルアセテートおよびそれらの混合物を含む。
【0033】
溶媒の量を選択することにより、本発明によるポリイソシアネート組成物の固形分を、有機溶媒の好ましい併用の場合に広い範囲内で変化させることができる。この場合、本発明によるポリイソシアネート組成物が、10重量%以上95重量%以下、好ましくは25重量%以上85重量%以下の固形分を有することが非常に特に好ましい。
【0034】
本発明によるポリイソシアネート組成物は、イソシアネート基含有形成成分中に存在するポリイソシアネートのイソシアネート基を少なくとも1種の上述の反応性化合物と反応させることによって得られる。
【0035】
この反応によって、ポリイソシアネートのイソシアネート基が、室温でポリオールとの貯蔵安定性混合物を生じる安定な付加物に変換される。80℃以上の温度で、ブロッキング剤は、ポリオール成分との架橋のためのイソシアネート基を放出する。
【0036】
そのため、本発明によるポリイソシアネート組成物は、一成分系を製造するのに非常によく適しており、したがって、このような使用が本発明によってさらに提供される。この目的のために、本発明によるポリイソシアネート組成物は、下記のさらなる化合物と混合される。
【0037】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1種のポリイソシアネート組成物と、少なくとも1種のポリオールと、場合によりさらなる添加剤とを含む一成分系を提供する。本発明による一成分系は、有利には、従来のブロックされた一成分系と比較して高い硬度および耐候安定性によって区別される。
【0038】
適切なポリオールは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはポリアクリレートポリオールである。
【0039】
存在する任意の添加剤は、例えば、当業者に知られている以下のものであり得る:コバインダー(cobinder)、乾燥剤、充填剤、共溶媒、色または効果顔料、増粘剤、艶消し剤、光安定剤、分散剤などのコーティング添加剤、増粘剤、消泡剤および他の添加剤、例えば接着剤、殺真菌剤、殺菌剤、安定剤または阻害剤、および触媒または乳化剤。
【0040】
本発明はさらに、本発明による一成分系を基材に塗布し、80℃~300℃の温度で硬化させる、基材上にコーティングを製造する方法を提供する。
【0041】
本発明による一成分系は、公知の方法、例えば、噴霧、塗装、流し塗りにより、またはローラーもしくはドクターブレードの助けを借りて任意の所望の基材上に塗布することができる。適切な基材の例としては、金属、ガラス、石材、セラミック材料、コンクリート、プラスチック、複合材、織物、皮革または紙が挙げられ、コーティング前に慣用的なプライマーを与えてもよい。特に好ましい基材は、金属および/またはプラスチックの表面を有する基材である。
【0042】
そのため、本発明はさらに、本発明による方法によって製造されたまたは製造可能なコーティングを提供する。
【0043】
コーティング自体と同様に、本発明はさらに、本発明によるコーティングと、金属および/またはプラスチックの表面を有する基材とで構成された複合材を提供する。
【0044】
本発明は、特に以下の実施形態に関する:
1.第1の実施形態によると、本発明は、イソシアネート基含有形成成分を含み、イソシアネート基が少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物と50%以上の程度まで反応しており、イソシアネート基反応性化合物が少なくとも1つのN-R基(ここで、RはHまたはOHから選択され、Nは2個の単結合または二重結合を介して化合物の他の原子に結合している)を含むポリイソシアネート組成物であって、形成成分が、51重量%以上の程度まで、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき、DIN55672-1:2007-08に準拠してゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されるイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下であるペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートから形成され、形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが少なくとも1種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含むか、またはからなることを特徴とするポリイソシアネート組成物に関する。
【0045】
2.形成成分が、少なくとも60重量%の程度まで、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づきイソシアヌレート三量体の含量が60面積%以下であるペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとする少なくとも1種のポリイソシアネートから形成されることを特徴とする、実施形態1に記載のポリイソシアネート組成物。
【0046】
3.イソシアヌレート三量体の含量が、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートの総重量に基づき36面積%以上56面積%以下であることを特徴とする、実施形態1または2に記載のポリイソシアネート組成物。
【0047】
4.形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが、少なくとも5重量%の程度まで、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートからなることを特徴とする、実施形態1から3のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
【0048】
5.少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、一般式(1)のピペリドン系化合物
【0049】
【化3】
(式中、R~R基の各々は1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、R~Rは、ここでは互いに同一であっても異なっていてもよく、R~R基の各々は、1~4個の炭素原子を有するアルキル基または水素であり、R~Rは、ここでは互いに同一であっても異なっていてもよい)
ではないことを特徴とする、実施形態1から4のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
【0050】
6.少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、N含有アゾール化合物、オキシム、アミンもしくはラクタムまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、実施形態1から5のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
【0051】
7.少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、ピラゾール、ケトオキシム、第二級アミンもしくはラクタムまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、実施形態1から6のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
【0052】
8.少なくとも1種のイソシアネート基反応性化合物が、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジイソプロピルピラゾール、3,5-ジ-tert-ブチルピラゾール、3,5-ジフェニルピラゾール、ブタノンオキシム、2-ペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、4-メチル-2-ペンタノンオキシム、ジイソプロピルアミン、N-ベンジル-tert-ブチルアミン、ε-カプロラクタムまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、実施形態1から7のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
【0053】
9.形成成分中に存在するポリイソシアネートの総量の100重量%までの残りが、少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートからなることを特徴とする、実施形態1から8のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
【0054】
10.ポリイソシアネート組成物が少なくとも1種の有機溶媒を含むことを特徴とする、実施形態1から9のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
【0055】
11.一成分系を製造するための、実施形態1から10のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物の使用。
【0056】
12.実施形態1から10のいずれかに記載の少なくとも1種のポリイソシアネート組成物と、少なくとも1種のポリオールと、場合によりさらなる添加剤とを含む一成分系。
【0057】
13.実施形態12に記載の一成分系を基材に塗布し、80℃~300℃の範囲の温度で硬化させる、基材上にコーティングを製造する方法。
【0058】
14.実施形態13に記載の方法によって製造されたまたは製造可能なコーティング。
【0059】
15.実施形態14に記載のコーティングと、金属および/またはプラスチックの表面を有する基材とで構成された複合材。
【0060】
本発明は、実施例を使用して以下により詳細に説明されるが、これらの実施例は限定として解釈されるべきではない。
【0061】
[実施例]
特に明言しない限り、全ての百分率は重量に基づく。
【0062】
NCO含量はDIN EN ISO 11909:2007-05に準拠して滴定により決定した。
【0063】
全ての粘度測定をDIN EN ISO 3219:1994-10に準拠してAnton Paar Germany GmbH(ドイツ)製のMCR302で行った。
【0064】
色数は、Lange、ドイツ製のLICO 690分光比色計を用いて、DIN EN 1557:1996に準拠して分光光度法によって測定した。
【0065】
耐溶媒性および耐水性はDIN EN ISO 4628-1:2016-07に準拠して決定した。
【0066】
不揮発性画分(NVF)はDIN EN ISO 3251:2019に準拠して測定される。
【0067】
同位体分析による再生可能留分の測定はASTM-D6866-20に準拠して実施した。
【0068】
商品名および略語の一覧
Covestroの製品
Desmodur(登録商標)N 3300
供給されたままの形態の脂肪族ポリイソシアネート(HDIイソシアヌレート)100%
NCO含量:21.8%
粘度 23℃でおよそ3000mPas
Desmodur(登録商標)eco N 7300
供給されたままの形態の脂肪族ポリイソシアネート(PDIイソシアヌレート)100%
NCO含量:21.75%
粘度 23℃でおよそ9500mPas
Uralac(登録商標)SN844 S2G3-60ND
ソルベントナフサ150ND/ブチルグリコール(30/10)中の供給されたままの形態の飽和ポリエステル60%
OHN:30~35mg KOH/g
粘度 23℃で2.8~3.2Pas
・ジメチルピラゾールはWacker Chemie AG(ドイツ)から入手した。
【0069】
・アセチルアセトンはDaicel Chemical Industries,Ltd.(日本)から入手した。
【0070】
・ヒドラジン水和物はMerck KGaA Germanyから入手した。
【0071】
・ソルベントナフサ100はBrenntag GmbHから入手した。
【0072】
・メトキシプロピルアセテートはOQema GmbHから入手した。
【0073】
・ソルベントナフサ150 NDはDHCから入手した。
【0074】
・ブチルグリコールはBrenntag GmbHから入手した。
【0075】
・Kronos 2360(二酸化チタン)はKronosから入手した。
【0076】
・ジブチルスズジラウレートはD B Becker Co Inc.から入手した。
【0077】
・Urad dd27 ND(表面添加剤としてのアクリレートポリマー)はSynres B.V.から入手した。
【0078】
[比較例1](比較例)
アセチルアセトン260gに、最初に適切な量の溶媒を加える。窒素を導入し、混合物を70℃に加熱する。ヒドラジン水和物130gを30分間かけて滴下しながら加える。発熱反応中、反応温度は95~98℃に上昇する。水分離が完了するまで、反応温度を水の分離中に150℃に上昇させる。反応を73℃に冷却し、Desmodur N(登録商標)3300 501gを小分けで計り入れる。反応温度は90℃に上昇する。0.0重量%の理論的NCO含量に達するまで混合物を撹拌する。
【0079】
室温に冷却した後、特性データである粘度、色数および不揮発性画分を決定する:
粘度:23℃で4300mPas
色数:100Hz以下
不揮発性画分:75±2%
ブロックされたNCO含量:10.5%
再生可能画分:0%
[実施例1](本発明による例)
Desmodur(登録商標)eco N 7300 501gに、最初に窒素下で適切な量の溶媒を加え、50℃に加熱する。その後、ジメチルピラゾール249gを2時間かけて小分けで計り入れ、固体を溶解し、0.0重量%の理論的NCO含量に達するまで混合物を70℃で撹拌する。
【0080】
室温に冷却した後、特性データである粘度、色数および不揮発性画分を決定する:
粘度:23℃で8500mPas
色数:100Hz以下
不揮発性画分:75±2%
ブロッキングされたNCO含量:10.9%
再生可能画分:32%
コーティング試験:
特に明言しない限り、全ての百分率は重量に基づく。
【0081】
ケーニッヒ振り子ダンピングはDIN 53157、ISO 1522に準拠して決定した。
【0082】
光沢測定はNEN-EN 13523-2:2014、ISO 2813に準拠して行う。
【0083】
T曲げ試験はNEN-EN 13523-7:2014に準拠して行った。
【0084】
鉛筆硬度はNEN-EN 13523-4:2014に準拠して行った。
【0085】
屋外曝露したコーティングの色はDIN EN ISO 11664(パート4)に準拠して測定した。
【0086】
加速耐候性はDIN EN ISO 16474-2、方法A、サイクル番号1(キセノン)に準拠して行う。
【0087】
[使用例](本発明による)
コーティング特性を調べるために、比較例1および実施例1からの熱活性化可能な硬化剤と、各場合においてUralac(登録商標)SN844 S2G3 60 NDとをベースとするNCO:OH比が1:1の配合物を調製した。使用した溶媒は、ソルベントナフサ150 NDとブチルグリコールの比3:1の混合物であった。コーティング配合物の詳細を表1に列挙する。
【0088】
これらのコーティング配合物を、ドクターブレードを使用してアルミニウム基材に塗布し、241℃のピーク金属温度で焼き付けした。層の厚さは全ての場合で20~22μmであった。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
両材料は、可撓性に関して同等の特性を示す。硬度および耐候安定性に関して、本発明による実施例1に基づく配合物は、より良好な特性を示す。
【国際調査報告】