IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2024-533325セルID復元方法およびこれを利用した製造工程システム
<>
  • 特表-セルID復元方法およびこれを利用した製造工程システム 図1
  • 特表-セルID復元方法およびこれを利用した製造工程システム 図2
  • 特表-セルID復元方法およびこれを利用した製造工程システム 図3
  • 特表-セルID復元方法およびこれを利用した製造工程システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】セルID復元方法およびこれを利用した製造工程システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515108
(86)(22)【出願日】2023-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 KR2023012260
(87)【国際公開番号】W WO2024043622
(87)【国際公開日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0105227
(32)【優先日】2022-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スクジン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンフン・ブ
(72)【発明者】
【氏名】テ・クワン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ウク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュンボム・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホン・パク
(72)【発明者】
【氏名】スン・ギュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スンヒュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ユンソブ・イ
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC03
(57)【要約】
複数のバッテリーセルを組み立てるための複数の単位製造工程を制御する製造工程システムは、前記複数の単位製造工程を制御する複数の電子制御装置、前記複数の電子制御装置から正常に認識された複数のセルIDおよび認識されなかった複数の未認識セルIDイメージを受信して保存するEDC(Equipment Data Collection)サーバー、および前記複数の未認識セルIDイメージのうちの第1未認識セルIDイメージに対応する第1セルID位置に基づいた複数の候補セルIDイメージのうち、前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDに復元するセルID復元部を含むことができる。
前記セルID復元部は、前記第1未認識セルIDイメージに対するセルID復元に失敗するとき、前記第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルを組み立てるための複数の単位製造工程を制御する製造工程システムであって、
前記複数の単位製造工程を制御する複数の電子制御装置と、
前記複数の電子制御装置から正常に認識された複数のセルIDおよび認識されなかった複数の未認識セルIDイメージを受信して保存するEDC(Equipment Data Collection)サーバーと、
前記複数の未認識セルIDイメージのうちの第1未認識セルIDイメージに対応する第1セルID位置に基づいた複数の候補セルIDイメージのうち、前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元するセルID復元部と
を含む、製造工程システム。
【請求項2】
前記EDCサーバーは、
セルIDが付与される方式に応じた所定規則により前記複数の未認識セルIDイメージに対するセルID復元を行い、
前記第1未認識セルIDイメージは前記EDCサーバーにより復元に失敗した未認識セルIDイメージである、請求項1に記載の製造工程システム。
【請求項3】
前記複数の電子制御装置のうち、前記第1未認識セルIDイメージが発生した第1単位製造工程を制御する第1電子制御装置は、
前記第1未認識セルIDイメージの第1セルID位置を導き出し、前記第1セルID位置に基づいて所定個数の候補セルIDを決定し、
前記複数の候補セルIDイメージは、
前記所定個数の候補セルIDに対応する前記第1単位製造工程の前の第2単位製造工程で認識されたセルIDイメージである、請求項1に記載の製造工程システム。
【請求項4】
前記セルID復元部は、
前記複数の候補セルIDイメージと前記第1未認識セルIDイメージとの間の類似度を算出して前記複数の候補セルIDイメージのうちの前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを導き出し、前記導き出した候補セルIDイメージに対応するセルIDを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして決定する、請求項1に記載の製造工程システム。
【請求項5】
前記セルID復元部は、
ディープラーニングを通じて複数の未認識セルIDイメージと複数の正常セルIDイメージとの間の類似度を算出する方法を学習する、請求項4に記載の製造工程システム。
【請求項6】
前記セルID復元部の学習のための前記複数の未認識セルIDイメージは未認識の原因によりクラスタリングされている、請求項5に記載の製造工程システム。
【請求項7】
前記複数の未認識セルIDイメージを分類して複数のクラスターのうち、各未認識セルIDイメージが対応するクラスターを決定する学習を行うクラスタリング装置をさらに含む、請求項6に記載の製造工程システム。
【請求項8】
前記複数の電子制御装置のうち、第1単位製造工程を制御する第1電子制御装置は、
前記第1単位製造工程を経た前記複数のセルIDをリードするバーコートリーダーと、
前記バーコートリーダーから正常に認識されたセルIDおよび未認識セルIDイメージを前記EDCサーバーに伝送する第1クライアントと
を含む、請求項1に記載の製造工程システム。
【請求項9】
前記第1未認識セルIDイメージが前記第1単位製造工程で発生した場合、
前記第1クライアントは、
前記第1未認識セルIDイメージの第1セルID位置を導き出し、前記第1セルID位置に基づいて所定個数の候補セルIDを決定する、請求項8に記載の製造工程システム。
【請求項10】
前記複数の電子制御装置のうち、前記第1単位製造工程の前の第2単位製造工程を制御する第2電子制御装置は、
前記第2単位製造工程で認識された複数のセルIDのうち、前記所定個数の候補セルIDに対応するセルIDイメージを前記複数の候補セルIDイメージとして決定する第2クライアントを含む、請求項9に記載の製造工程システム。
【請求項11】
前記セルID復元部は前記第2電子制御装置に備えられたことを特徴とする、請求項10に記載の製造工程システム。
【請求項12】
前記複数の単位製造工程のうち、ラミネーション工程中に前記第1未認識セルIDが発生すると、
前記セルID復元部は、
前記ラミネーション工程の前の段階であるノッチング工程で認識された前記複数の候補セルIDイメージのうち、前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元する、請求項1に記載の製造工程システム。
【請求項13】
前記セルID復元部は、前記第1未認識セルIDイメージに対するセルID復元に失敗する場合、前記第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行う、請求項1~12のいずれか一項に記載の製造工程システム。
【請求項14】
複数の単位製造工程のうち、第1単位製造工程を制御する第1電子制御装置が第1未認識セルIDイメージの位置である未認識セルID位置を導き出す段階と、
前記第1電子制御装置が前記未認識セルID位置に基づいて所定個数の候補セルIDを決定する段階と、
前記第1単位製造工程の前の第2単位製造工程を制御する第2電子制御装置が、前記所定個数の候補セルIDに対応する前記第2単位製造工程で認識された複数の候補セルIDイメージを決定する段階と、
前記第2電子制御装置が、前記複数の候補セルIDイメージと前記第1未認識セルIDイメージとの間の類似度を算出して前記複数の候補セルIDイメージのうち、前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを導き出す段階と
を含む、セルID復元方法。
【請求項15】
前記第1電子制御装置が認識に失敗した複数の未認識セルIDイメージをEDCサーバーに伝送する段階と、
前記EDCサーバーが所定規則により前記複数の未認識セルIDイメージに対するセルID復元を行う段階と、
前記EDCサーバーが、前記復元遂行結果により復元することができなかった第1未認識セルIDイメージを導き出す段階と
をさらに含む、請求項14に記載のセルID復元方法。
【請求項16】
前記第1電子制御装置が前記候補セルIDを決定する段階は、
前記未認識セルID位置を基準として所定個数の先んじた位置のセルIDと後れた位置のセルIDを候補セルIDとして決定する段階を含む、請求項14に記載のセルID復元方法。
【請求項17】
前記第2電子制御装置が、前記導き出した候補セルIDイメージに対応するセルIDを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元する段階と、
前記復元したセルIDを前記第1電子制御装置に伝送する段階と
をさらに含む、請求項14に記載のセルID復元方法。
【請求項18】
前記第1単位製造工程はラミネーション工程であり、前記第2単位製造工程はノッチング工程である、請求項14に記載のセルID復元方法。
【請求項19】
前記第1未認識セルIDイメージに対するセルID復元に失敗する場合、前記第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行う段階をさらに含む、請求項14に記載のセルID復元方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年8月23日付韓国特許出願第10-2022-0105227号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本開示は、セルID復元方法およびこれを利用した製造工程システムに関する。
【背景技術】
【0003】
バッテリーパックの製造工程中にバッテリーセルに対する追跡が失敗する場合が発生する。製造工程でバッテリーセルに対する追跡は、バッテリーセルの特定位置に記入されたセルIDとセルIDを撮影して認識する手段を利用することができる。セルIDはバーコードのように特定パターンを有するイメージであり得る。認識手段が製造工程中にセルIDイメージを認識することに失敗した場合、当該セルIDに対応するバッテリーセルに対する追跡が失敗することがある。
【0004】
バッテリーパックに対する品質問題が発生した場合、製造工程のうち、どの単位製造工程で品質問題の原因が発生したかを把握しなければならない。品質問題が発生したバッテリーパックの製造工程中にバッテリーセル追跡に失敗した場合、品質問題の原因が発生した単位製造工程を決定することができない。すると、熟練したエンジニアが手作業で製造工程単位別に生産履歴を全て収集および加工して連結しなければならない。このような作業には熟練したエンジニアの相当な時間を要する。
【0005】
手作業の正確度には限界があるため、単位製造工程で品質問題の原因が発生した時点を基準として所定期間の間に生産されたバッテリーセルが全部廃棄されなければならない。これによるバッテリーセルの廃棄費用が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように製造工程中におけるバッテリーセル追跡の失敗は相当な時間と費用がかかるという問題を発生させることがある。そこで、本発明は、バッテリーセル追跡の失敗を防止することができるセルID復元方法およびこれを利用した製造工程システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の一特徴による複数のバッテリーセルを組み立てるための複数の単位製造工程を制御する製造工程システムは、前記複数の単位製造工程を制御する複数の電子制御装置、前記複数の電子制御装置から正常に認識された複数のセルIDおよび認識されなかった複数の未認識セルIDイメージを受信して保存するEDC(Equipment Data Collection)サーバー、および前記複数の未認識セルIDイメージのうち、第1未認識セルIDイメージに対応する第1セルID位置に基づいた候補セルIDイメージのうちの前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元するセルID復元部を含むことができる。
【0008】
前記セルID復元部は、前記第1未認識セルIDイメージに対するセルID復元に失敗する場合、前記第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行うことができる。
【0009】
前記EDCサーバーは、セルIDが付与される方式に応じた所定規則により前記複数の未認識セルIDイメージに対するセルID復元を行い、前記第1未認識セルIDイメージは前記EDCサーバーにより復元に失敗した未認識セルIDイメージであり得る。
【0010】
前記複数の電子制御装置のうち、前記第1未認識セルIDイメージが発生した第1単位製造工程を制御する第1電子制御装置は、前記第1未認識セルIDイメージの第1セルID位置を導き出し、前記第1セルID位置に基づいて所定個数の候補セルIDを決定し、前記候補セルIDイメージは、前記候補セルIDに対応する前記第1単位製造工程の前の第2単位製造工程で認識されたセルIDイメージであり得る。
【0011】
前記セルID復元部は、前記候補セルIDイメージと前記第1未認識セルIDイメージとの間の類似度を算出して前記候補セルIDイメージのうちの前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを導き出し、前記導き出した候補セルIDイメージに対応するセルIDを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして決定することができる。
【0012】
前記セルID復元部は、ディープラーニングを通じて複数の未認識セルIDイメージと複数の正常セルIDイメージとの間の類似度を算出する方法を学習することができる。
【0013】
前記セルID復元部の学習のための前記複数の未認識セルIDイメージは未認識の原因によりクラスタリングされていてもよい。
【0014】
前記製造工程システムは、前記複数の未認識セルIDイメージを分類して複数のクラスターのうち、各未認識セルIDイメージが該当するクラスターを決定する学習を行うクラスタリング装置をさらに含むことができる。
【0015】
前記複数の電子制御装置のうち、第1単位製造工程を制御する第1電子制御装置は、前記第1単位製造工程を経た前記複数のセルIDをリードするバーコートリーダー、および前記バーコートリーダーから正常に認識されたセルIDおよび未認識セルIDイメージを前記EDCサーバーに伝送する第1クライアントを含むことができる。
【0016】
前記第1未認識セルIDイメージが前記第1単位製造工程で発生した場合、前記第1クライアントは、前記第1未認識セルIDイメージの第1セルID位置を導き出し、前記第1セルID位置に基づいて所定個数の候補セルIDを決定することができる。
【0017】
前記複数の電子制御装置のうち、前記第1単位製造工程の前の第2単位製造工程を制御する第2電子制御装置は、前記第2単位製造工程で認識された複数のセルIDのうち、前記候補セルIDに対応するセルIDイメージを前記候補セルIDイメージとして決定する第2クライアントを含むことができる。
【0018】
前記セルID復元部は前記第2電子制御装置に備えられ得る。
【0019】
前記複数の単位製造工程のうち、ラミネーション工程中に前記第1未認識セルIDが発生すると、前記セルID復元部は、前記ラミネーション工程の前の段階であるノッチング工程で認識された前記候補セルIDイメージのうち、前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元することができる。
【0020】
前記セルID復元部は、前記第1未認識セルIDイメージに対するセルID復元に失敗する場合、前記第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行うことができる。
【0021】
発明の他の特徴によるセルID復元方法は、複数の単位製造工程のうち、第1単位製造工程を制御する第1電子制御装置が第1未認識セルIDイメージの位置である未認識セルID位置を導き出す段階、前記第1電子制御装置が前記未認識セルID位置に基づいて所定個数の候補セルIDを決定する段階、前記第1単位製造工程の前の第2単位製造工程を制御する第2電子制御装置が、前記候補セルIDに対応する前記第2単位製造工程で認識された候補セルIDイメージを決定する段階、および前記第2電子制御装置が、前記候補セルIDイメージと前記第1未認識セルIDイメージとの間の類似度を算出して前記候補セルIDイメージのうち、前記第1未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを導き出す段階を含むことができる。
【0022】
前記セルID復元方法は、前記第1電子制御装置が認識に失敗した複数の未認識セルIDイメージをEDCサーバーに伝送する段階、前記EDCサーバーが所定規則により前記複数の未認識セルIDイメージに対するセルID復元を行う段階、および前記EDCサーバーが、前記復元遂行結果により復元することができなかった第1未認識セルIDイメージを導き出す段階をさらに含むことができる。
【0023】
前記第1電子制御装置が前記候補セルIDを決定する段階は、前記未認識セルID位置を基準として所定個数の先んじた位置のセルIDと後れた位置のセルIDを候補セルIDとして決定する段階を含むことができる。
【0024】
前記セルID復元方法は、前記第2電子制御装置が、前記導き出した候補セルIDイメージに対応するセルIDを前記第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元する段階、および前記復元したセルIDを前記第1電子制御装置に伝送する段階をさらに含むことができる。
【0025】
前記第1単位製造工程はラミネーション工程であり、前記第2単位製造工程はノッチング工程であり得る。
【0026】
前記セルID復元方法は、前記第1未認識セルIDイメージに対するセルID復元に失敗する場合、前記第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行う段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、バッテリーセル追跡の失敗を防止することができるセルID復元方法およびこれを利用した製造工程システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態による製造工程システムを図式的に示す図面である。
図2】一実施形態によるバッテリーパック製造工程を図式的に示す図面である。
図3】一実施形態によるセルID復元方法を示すフローチャートである。
図4】一実施形態によるセルID復元方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して本明細書に開示された実施形態を詳細に説明するが、同一または類似の構成要素には同一または類似の図面符号を付与し、これについての重複説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書作成の容易さだけを考慮して付与されたり混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施形態を説明するに当たり、関連した公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を不明確にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付した図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面により本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0030】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0031】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、または「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか、または「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0032】
本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0033】
以下、本明細書で「セル」は、バッテリーセルを構成する負極および正極のうちの一つ、バッテリーセル、および所定個数のバッテリーセルが積層されたスタックバッテリーセルのうちの一つを称することができる。
【0034】
一実施形態によるセル追跡方法は、ノッチング工程、ラミネーション工程、スタッキング工程、フォルディング工程、パッケージング工程などのような組立工程を構成する複数の単位製造工程においてセルID認識に失敗するイベントが発生した場合、認識に失敗したセルIDを復元する段階を含むことができる。本明細書ではセルIDを復元する方法およびこれを利用した製造工程システムに関する実施形態が記述されている。
【0035】
図1は一実施形態による製造工程システムを図式的に示す図面である。
【0036】
図1に示された製造工程システム1は、ノッチング工程、ラミネーション工程、スタッキング工程、およびパッケージング工程を制御することができる。製造工程システム1には一実施形態によるセル追跡方法が適用され得る。製造工程システム1は各単位製造工程で認識されたセルIDに基づいてセルに対する製造工程履歴を追跡する。製造工程システム1は各単位製造工程を通過したセルに対するセルIDを認識して、当該セルが複数の製造工程のうち、どの製造工程を通じて製造されたのかが分かる。
【0037】
図2は一実施形態によるバッテリーパック製造工程を図式的に示す図面である。
【0038】
図2ではバッテリーセル追跡に対する理解を助けるための単位製造工程のそれぞれが図式的に示されている。図2に示された複数の製造工程のうち、ある製造工程は省略されてもよく、図2に示されていないある製造工程が追加されてもよい。例えば、図2ではフォルディング工程が示されていないが、スタッキング工程の代わりにフォルディング工程が追加されてもよい。
【0039】
まず、ノッチング(notching)工程でロール形態に巻かれている負極部材または正極部材がバッテリーセルの形態に適した電極形状に切断され得る。各部材で電極を切断するためにレーザノッチング装備またはプレスノッチング装備が用いられ得る。図2に示されているように、負極部材で負極活物質が塗布されていない無地部(noc-coating)に連結されたタプ(tab)が位置し、各タブにはセルID ID_1がマーキング(marking)されていてもよい。セルID ID_1はレーザを利用して各タブに刻印され得る。図2では負極タブにセルID ID_1がマーキングされているが、発明はこれに限定されるのではなく、正極タブにセルIDがマーキングされていてもよい。
【0040】
次に、ラミネーション(lamination)工程において、正極と負極、およびその間に分離膜が付着される。図2に示されているように、バッテリーセルの構造はモノセル、バイセル、およびハーフセル構造のうちの一つであってもよく、図2に示されているように、モノセル、バイセル、およびハーフセルの負極タブにセルID ID_2が印刷されている。図2では負極タブにセルIDが印刷されているが、発明はこれに限定されず、正極タブにセルIDが印刷されていてもよい。セルID ID_2とセルID ID_1は同一のセルIDであり得る。
【0041】
次に、スタッキング(stacking)工程において、所定個数のバッテリーセルが分離膜を間に置いて層状に積層される。スタッキング工程を通じて所定個数のバッテリーセルが積層されたスタックバッテリーセルが製造され、各スタックバッテリーセルを構成する各バッテリーセルの負極タブにはセルID ID_3が印刷されている。スタックバッテリーセルでセルIDが外部にそのまま露出しているバッテリーセル、例えば、図2で最も上部に位置したバッテリーセルCELL1がスタックバッテリーセルを代表することができる。スタックバッテリーセルに対するスタック仮想IDはバッテリーセルCELL1のセルID ID_3とマッチングされ得る。セルID ID_2とセルID ID_3は同一のセルIDであり得る。または、セルID ID_2を有するバッテリーセルはセルID ID_3に代表されるスタックバッテリーセルに含まれ得る。
【0042】
スタッキング工程を通じて製造されたバッテリーパックの外部を囲む全周テープにはスタック仮想IDに対応するセルID ID_4が印刷されていてもよい。セルID ID_3とセルID ID_4はスタック仮想IDを通じてマッチングされ得る。セルID ID_4は全周テープ上に印刷されたものと示されているが、発明はこれに限定されるのではない。スタックバッテリーセルの外部で認識可能な位置にセルID ID_4が印刷されていてもよい。
【0043】
パッキング工程において、バッテリーパックがパッケージングされてバッテリーパックの組立段階が完了することができる。パッケージングされたバッテリーパックの外部にはスタックセルID ID_4にマッチングされるパックID ID_5が印刷されていてもよい。
【0044】
このように各単位製造工程で認識されたセルIDに基づいて製造工程システム1はセルが経た製造工程履歴を追跡することができる。以下、明細書でセルの位置とは、単位製造工程が複数のセルのそれぞれに対して適用される時、任意のセルに製造工程が適用される順序により決定され得る。例えば、製造工程が適用される順序が早いセルであるほど、セルの位置が先んじている。セルIDの位置はセルの位置により決定され、セルの位置が先んじているほど、当該セルIDイメージの位置が先んじている。
【0045】
製造工程システム1は、複数の単位製造工程を制御する複数の電子制御装置10_1~10_4、EDC(Equipment Data Collection)サーバー20、およびクラスタリング装置30を含むことができる。
【0046】
EDCサーバー20は製造工程中に獲得されるデータを保存することができる。複数の電子制御装置10_1~10_4とEDCサーバー20との間には有無線通信を通じて必要な情報を互いに送受信することができる。図1では複数の電子制御装置10_1~10_4とEDCサーバー20との間に通信バス40が構築されているものと示されているが、構成間の通信方式はこれに限定されない。
【0047】
複数の電子制御装置10_1~10_4のそれぞれは、対応する単位製造工程を制御し、各バッテリーセルを追跡するためのセルID認識を行うことができる。複数の電子制御装置10_1~10_4のそれぞれが製造工程を制御する方法は公知の技術を通じて具現され得るため、詳細な説明は省略する。本明細書はセル推定方法について説明する。
【0048】
複数の電子制御装置10_1~10_4のそれぞれは、単位製造工程が行われる工程ラインの生産設備号機、単位製造工程で製造される対象のLOT情報、および製造される対象のセルIDリーディング(reading)時間をセルID認識イメージと共にマッチングすることができる。セルIDリーディング時間は各単位製造工程のバーコード認識部でセルIDを読み取った時間であり、セルID認識イメージはバーコード認識部によりリーディングされたセルIDのイメージであり得る。複数の電子制御装置10_1~10_4のそれぞれはセルID認識失敗の有無およびセルIDに対する情報を取得することができる。セルIDはバーコード認識部により読み取られたセルIDであり得る。
【0049】
EDCサーバー20は複数の電子制御装置10_1~10_4から受信される情報をデータベース化して保存することができる。例えば、EDCサーバー20はセルIDリーディング時間、セルID認識イメージ、セルID認識失敗の有無、セルID、生産設備号機、およびLOT情報を所定基準により分類してデータベース化することができる。この時、所定基準はセルIDリーディング時間であり得る。
【0050】
また、EDCサーバー20は通信バス40を通じて電子制御装置10_1~10_4から未認識セルIDイメージを受信する場合、所定規則により未認識セルIDイメージに対するセルID復元を行うことができる。例えば、所定規則はセルIDが付与される方式に応じたものであって、順次に所定単位で増加する値を有するように複数のセルIDが付与される場合、EDCサーバー20は未認識セルIDイメージに対応するセルの前後に位置するセルのセルIDに基づいて未認識セルIDイメージに対応するセルIDを導き出すことができる。
【0051】
図1に示されているように、ノッチング工程に適用された電子制御装置1は、バーコートリーダー110、セルID復元部120、およびクライアント130を含む。図1ではセルID復元部120が電子制御装置1に備えられたものと示されているが、発明はこれに限定されるのではない。例えば、セルID復元部120は別途の構成で電子制御装置10_1~10_4の外部に備えられるか、または電子制御装置10_2、電子制御装置10_3、および電子制御装置10_4のうちのいずれか一つに備えられ得る。
【0052】
バーコートリーダー110はノッチング工程を通じて切断された負極のセルID ID_1をリーディングしてセルIDイメージを生成し、生成したセルIDイメージからセルIDを認識することができる。バーコートリーダー110は生成したセルIDイメージからセルIDを認識することに失敗した場合、セルIDイメージを再生性することができる。バーコートリーダー110は再生性したセルIDイメージからセルIDを認識することができる。バーコートリーダー110が最終的にセルID認識に失敗した場合、電子制御装置1はセルID認識に失敗したセルに対応する製造工程情報を保存し、上位制御器に保存した製造工程情報を伝送することができる。
【0053】
クライアント130はバーコートリーダー110により認識されたセルIDおよび未認識セルIDイメージをEDCサーバー20に伝送することができる。この時、未認識セルIDイメージは最初生成したセルIDイメージ、再生性したセルIDイメージ、および二つのイメージの両方のうちの一つであり得る。
【0054】
セルID復元部120はEDCサーバー20で復元に失敗した未認識セルIDイメージに対する復元を行うことができる。セルID復元部120はディープラーニングを通じて未認識セルIDイメージを復元する方法を学習し、各単位製造工程で発生した未認識セルIDイメージを復元することができる。セルID復元部120は複数の未認識セルIDイメージを復元する方法をディープラーニングを通じて訓練することができる。セルID復元部120はディープラーニングにおいて複数の未認識セルIDイメージとこれに対応する複数の正常セルIDイメージを含む蓄積された学習データを利用することができる。
【0055】
また、セルID復元部120は未認識が発生した単位製造工程の前の単位工程で未認識されたセルIDに対応するセルの位置を基準として所定個数のセルに対するセルIDイメージ(以下、候補セルIDイメージ)を利用して未認識セルIDイメージを復元することができる。
【0056】
セルID復元部120は候補セルIDイメージと未認識セルIDイメージとの間の類似度を算出して全体候補セルIDイメージのうち、未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを導き出すことができる。セルID復元部120は導き出した候補セルIDイメージに対応するセルIDを未認識セルIDイメージに対するセルIDとして決定することができる。セルID復元部120は復元されたセルIDをクライアント130に伝達し、クライアント130はEDCサーバー20および未認識セルIDイメージが発生した他の単位製造工程の電子制御装置のクライアントにセルIDを伝送することができる。EDCサーバー20は受信したセルIDで未認識セルIDイメージを代替してデータベースに保存することができる。
【0057】
セルID復元部120は第1未認識セルIDイメージに対する復元に失敗することがある。例えば、全体候補セルIDイメージと第1未認識セルIDイメージとの間の全体類似度が所定の臨界値未満である場合、セルID復元部120は第1未認識セルIDイメージに対する復元に失敗したと決定することができる。この場合、セルID復元部120は第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行うことができる。例えば、セルID復元部120はディープラーニングを通じて学習した未認識セルIDイメージを復元する方法を通じて復元に失敗した第1未認識セルIDイメージに対する再読取を行うことができる。このようなTW0-TRACK復元を通じて未認識セルIDイメージに対する読取率を改善することができる。
【0058】
セルID復元部120はディープラーニングを通じて複数の未認識セルIDイメージと候補セルIDイメージである正常に認識されるセルIDイメージ(以下、正常セルIDイメージ)との間の類似度を算出する方法を学習することができる。セルID復元部120のディープラーニングのための学習データとして複数の正常セルIDイメージと複数の未認識セルIDイメージを利用することができる。この時、複数の未認識セルIDイメージが未認識の原因によりクラスタリングされる場合、学習正確度が向上することができる。一実施形態によるセルID復元部120の学習に利用される未認識セルIDイメージはクラスタリングされ得る。
【0059】
このために、製造工程システム1は、未認識セルIDイメージに対するクラスタリングを行う別途の構成を含むことができる。例えば、製造工程システム1は、クラスタリング装置30をさらに含むことができる。セルIDイメージは所定サイズを有するが、これをそのまま使用する場合、データの次数が過度に高くなる。そこで、t-SNE(t-distributed Stochastic Neighbor Embedding)を利用して複数のイメージの次数を2次元に低くすることができる。2次元イメージに対してK-Means Clusteringが適用されて2次元イメージに対するクラスタリングが行われ得る。
【0060】
クラスタリング装置30は複数の未認識セルIDイメージを分類して複数のクラスターのうち、各未認識セルIDイメージが該当するクラスターを決定する学習を行うことができる。学習はディープラーニング技法により行うことができ、ディープラーニング技法は例えば、CNN(Convolution Neural Network)アルゴリズムであり得る。クラスタリング装置30はCNNアルゴリズムを行う分類モデルをプログラム化して保存し、プログラムを動作させて未認識セルIDイメージを複数のクラスターのうちの一つに分類することを学習することができる。CNNアルゴリズムによりクラスタリング装置30は入力データである未認識セルIDイメージを畳み込み(Convolution)層、ReLU層、およびプーリング(pooling)層を通じて特徴抽出を行い、抽出された特徴を平坦化(flatten)層に入力する。クラスタリング装置30は平坦化層に対応した特徴を入力とする分類器を含み、分類器は未認識セルIDイメージを複数のクラスターのうちの一つに分類することができる。分類器は入力層、少なくとも一つの隠れ層、および出力層を含むことができる。
【0061】
クラスタリング装置30は公知の多様な方式のディープラーニング技法のうち一つまたは二つ以上の組み合わせを利用して具現され得る。本明細書に記載された内容によりクラスタリング装置30が制限されない。本発明は未認識セルIDイメージを複数のクラスターに分類し、未認識セルIDイメージを複数のクラスターのうちの一つに分類することをディープラーニングを通じて学習することによって、未認識セルIDイメージに対するクラスター分類の正確度を改善することができる。
【0062】
図1ではクラスタリング装置30が製造工程システム1に含まれる構成により通信バス40を通じて学習データを提供するものと示されているが、発明はこれに限定されるのではない。クラスタリング装置30は製造工程システム1とは別途の構成で具現され、ネットワークを通じて学習データを製造工程システム1に伝送することができる。
【0063】
図1に示されているように、ラミネーション工程に適用された電子制御装置10_2は、バーコートリーダー210およびクライアント220を含む。
【0064】
バーコートリーダー210はラミネーション工程を通じて形成されたバッテリーセルID ID_2をリーディングしてセルIDイメージを生成し、生成したセルIDイメージからセルIDを認識することができる。バーコートリーダー210は生成したセルIDイメージからセルIDを認識することに失敗した場合、当該セルIDイメージを未認識セルIDイメージとして指定してクライアント220に伝達することができる。バーコートリーダー210が正常に認識したセルIDもクライアント220に伝達され得る。EDCサーバー20およびセルID復元部120によっても未認識セルIDイメージに対するセルIDが復元されない場合、バーコートリーダー210は当該セルのセルIDを再びリーディングしてセルIDイメージを生成することができる。
【0065】
クライアント220は認識されたセルIDおよび未認識セルIDイメージをEDCサーバー20に伝送することができる。
【0066】
図1に示されているように、スタック工程に適用された電子制御装置10_3は、二つのバーコートリーダー310、320、クライアント330、およびスタックセル管理部340を含む。
【0067】
バーコートリーダー310はスタック工程を通じて形成されたスタックバッテリーセルを代表するバッテリーセルID ID_3をリーディングしてセルIDイメージを生成し、生成したセルIDイメージからセルID ID_3を認識することができる。バーコートリーダー310は生成したセルIDイメージからセルIDを認識することに失敗した場合、セルIDイメージを再生性することができる。バーコートリーダー310は再生性したセルIDイメージからセルIDを認識することができる。バーコートリーダー310は認識したセルIDおよび未認識セルIDイメージをクライアント330に伝達することができる。
【0068】
バーコートリーダー320はスタックバッテリーセルに対するスタックセルIDをリーディングしてスタックセルIDイメージを生成することができる。前述した通り、スタックバッテリーセルの外部を囲む全周テイプルにスタックセルIDが印刷されていてもよい。バーコートリーダー320はスタックセルIDイメージからスタックセルIDを認識し、認識したスタックセルIDをクライアント330およびスタックセル管理部340に伝達することができる。
【0069】
クライアント330は認識されたセルID、未認識セルIDイメージ、およびスタックセルIDをEDCサーバー20に伝送することができる。この時、未認識セルIDイメージは最初生成したセルIDイメージ、再生性したセルIDイメージ、および二つのイメージの両方のうちの一つであり得る。
【0070】
スタックセル管理部340はスタックバッテリーセルを代表するセルIDをバーコートリーダー310およびクライアント330のうちのいずれか一つから受信し、バーコートリーダー320から受信したスタックセルIDと代表セルIDをマッチングし、マッチング結果を保存することができる。
【0071】
図1に示されているように、スタック工程に適用された電子制御装置10_4は、バーコートリーダー410およびクライアント420を含む。
【0072】
バーコートリーダー410はパッケージング工程を通じて形成されたバッテリーパックの外部に印刷されたパックID ID_4をリーディングしてパックIDイメージを生成し、生成したパックIDイメージからパックID ID_4を認識することができる。バーコートリーダー410は生成したパックIDイメージからパックIDを認識することに失敗した場合、パックIDイメージを再生性することができる。バーコートリーダー410は再生性したパックIDイメージからパックID ID_5を認識することができる。バーコートリーダー410は認識したパックIDおよび未認識パックIDイメージをクライアント420に伝達することができる。
【0073】
クライアント420は認識されたパックIDおよび未認識パックIDイメージをEDCサーバー20に伝送することができる。この時、未認識パックIDイメージは最初生成したパックIDイメージ、再生性したパックIDイメージ、および二つのイメージの両方のうちの一つであり得る。クライアント420はバッテリーパックを構成する複数のスタックバッテリーセルのセルIDとパックIDをマッチングし、マッチング結果をEDCサーバー20に伝送することができる。
【0074】
図3および図4は一実施形態によるセルID復元方法を示すフローチャートである。
【0075】
図3および図4にはラミネーション工程で発生した未認識イメージに対するセルIDを復元する方法が示されている。
【0076】
まず、ラミネーション工程が完了したセルのセルIDがバーコートリーダー210により認識される。クライアント220はバーコートリーダー210により認識された複数のセルIDおよび認識に失敗した複数の未認識セルIDイメージを認識順序によりEDCサーバー20に伝送する(S1)。クライアント220がEDCサーバー20に伝送する情報を通称してセル情報という。
【0077】
EDCサーバー20は所定規則により複数の未認識セルIDイメージに対するセルID復元を行うことができる(S2)。所定規則は前述した通りセルIDが付与される方式に従うことができる。連続したセルIDのうち一つのセルIDイメージが未認識された場合、EDCサーバー20は未認識されたセルIDイメージに隣接した直前位置のセルIDと直後位置のセルIDを利用して未認識されたセルIDイメージを復元することができる。
【0078】
EDCサーバー20の復元動作に対する例は次の通りである。連続する位置のセルIDのうち、未認識されたセルIDの直前位置のセルIDが「ABC1234」であり、直後位置のセルIDが「ABC1236」である場合、EDCサーバー20は未認識セルIDイメージのセルIDを「ABC1235」に復元することができる。ただし、連続したセルIDのうち、未認識されたセルIDが2個以上である場合、EDCサーバー20は復元を行うことはできない。
【0079】
EDCサーバー20はクライアント220から受信した複数の未認識セルIDイメージのうち、復元できない第1未認識セルIDイメージを導き出すことができる(S3)。
【0080】
クライアント220は設定された所定周期毎にEDCサーバー20で第1未認識セルIDイメージを照会することができる(S4)。例えば、クライアント220はEDCサーバー20に導き出された第1未認識セルIDイメージの伝送を要請することができる。
【0081】
EDCサーバー20はクライアント220の要請に対する応答として第1未認識セルIDイメージをクライアント220に伝送することができる(S5)。
【0082】
クライアント220は第1未認識セルIDイメージの位置(以下、未認識セルID位置)を導き出すことができる(S6)。
【0083】
クライアント220は未認識セルID位置に基づいて複数のセルIDのうち、所定個数の候補セルIDを決定することができる(S7)。クライアント220は未認識セルID位置を基準として所定個数の先んじた位置のセルIDと後れた位置のセルIDを候補セルIDとして決定することができる。
【0084】
クライアント220は第1未認識セルIDイメージ、これに対する復元要請、および候補セルIDをラミネーション工程の前の単位製造工程であるノッチング工程の電子制御装置1のクライアント130に伝送することができる(S8)。
【0085】
クライアント130は候補セルIDに対応するノッチング工程でのセルIDイメージを導き出すことができる(S9)。以下、候補セルIDに対応する前の段階でのセルIDイメージを候補セルIDイメージという。一実施形態で「前の段階」は、ラミネーション工程の前の単位製造工程であるノッチング工程段階を意味し得る。
【0086】
クライアント130は第1未認識セルIDイメージと候補セルIDイメージをセルID復元部120に伝達する(S10)。
【0087】
セルID復元部120は候補セルIDイメージと第1未認識セルIDイメージとの間の類似度を算出し、全体候補セルIDイメージと第1未認識セルIDイメージとの間の全体類似度のうち、最も高い類似度を有する候補セルIDイメージを導き出し、導き出した候補セルIDイメージに対応するセルIDを第1未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元することができる(S11)。
【0088】
セルID復元部120は復元したセルID(以下、復元セルID)をクライアント130に伝達する(S12)。
【0089】
クライアント130は復元セルIDをクライアント220およびEDCサーバー20に伝送することができる(S13)。または、クライアント130は復元セルIDをクライアント220に伝送し、クライアント220がEDCサーバー20に復元セルIDを伝送することができる。
【0090】
EDCサーバー20は第1未認識セルIDイメージに対するセルIDを受信した復元セルIDにアップデートすることができる。
【0091】
図3および図4では、ラミネーション工程で発生した未認識セルIDイメージを復元する方法が示されているが、発明はこれに限定されるのではない。スタッキング工程で発生した未認識セルIDイメージに対しても同一方式でセルID復元を行うことができる。例えば、クライアント330がスタッキング工程で発生した未認識セルIDの位置を導き出して候補セルIDを決定し、未認識セルIDイメージおよび候補セルIDと共に復元要請をクライアント130に伝送することができる。ただし、スタッキング工程でのセルIDはラミネーション工程およびノッチング工程でのセルIDとは異なり、この時、スタッキング工程での候補セルIDはスタックに対するセルIDであるため、クライアント330が候補セルIDに対応する候補セルIDイメージを導き出してクライアント130に未認識セルIDイメージと共に伝送することができる。セルID復元部120は候補セルIDイメージと未認識セルIDイメージとの間の類似度を算出して全体候補セルIDイメージのうち、未認識セルIDイメージと最も類似した候補セルIDイメージを導き出し、導き出した候補セルIDイメージに対応するセルIDを未認識セルIDイメージに対するセルIDとして復元することができる。セルID復元部120は復元セルIDをクライアント130に伝達し、クライアント130は復元セルIDをクライアント330およびEDCサーバー20に伝送することができる(S13)。またはクライアント130は復元セルIDをクライアント330に伝送し、クライアント330がEDCサーバー20に復元セルIDを伝送することができる。EDCサーバー20は未認識セルIDイメージに対するセルIDを受信した復元セルIDにアップデートすることができる。
【0092】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、本発明が属する分野における通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0093】
1 製造工程システム
10_1~10_4 電子制御装置
20 EDCサーバー
30 クラスタリング装置
40 通信バス
110 バーコートリーダー
120 セルID復元部
130 クライアント
210 バーコートリーダー
220 クライアント
310 バーコートリーダー
320 バーコートリーダー
330 クライアント
340 スタックセル管理部
410 バーコートリーダー
420 クライアント
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】