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特表2024-533335オリゴヌクレオチド二本鎖におけるセンス鎖及びアンチセンス鎖を検出するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】オリゴヌクレオチド二本鎖におけるセンス鎖及びアンチセンス鎖を検出するための方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6816 20180101AFI20240905BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20240905BHJP
【FI】
C12Q1/6816 Z
C12Q1/6876 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515136
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022076091
(87)【国際公開番号】W WO2023039459
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/242,208
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505243216
【氏名又は名称】メソ スケール テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハーキンズ,セス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ブレイク,ティモシー ジェー.
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ03
4B063QQ06
4B063QQ07
4B063QQ10
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR14
4B063QR32
4B063QR38
4B063QR56
4B063QS34
4B063QS36
(57)【要約】
試料中のオリゴヌクレオチドを検出するための方法、具体的には、試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を検出するための方法が本明細書に記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス及びアンチセンス鎖を検出又は定量化する方法であって、前記方法が、
(a)前記試料を、プローブのセットを含む組成物と接触させることであって、前記プローブのセットが、
(i)支持体表面に固定化された第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含む、センスプローブ、並びに
(ii)前記支持体表面に固定化された第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含む、アンチセンスプローブを含み、
前記センスプローブの前記センス結合部分が、前記センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有し、
前記アンチセンス鎖の前記アンチセンス結合部分が、前記アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する、接触させることと、
(b)前記プローブを前記試料とともにインキュベートして、
(i)前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖とハイブリダイズした前記センスプローブを含むセンス複合体、及び
(ii)前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖とハイブリダイズした前記アンチセンスプローブを含むアンチセンス複合体を含む、ハイブリダイゼーション複合体を含む、ハイブリダイゼーション混合物を形成することと、
(c)前記支持体表面を、前記センスプローブ及び前記アンチセンスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグ及び第2のオリゴヌクレオチドタグが前記支持体表面に固定化された前記第1の捕捉オリゴヌクレオチド及び前記第2の捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする前記ハイブリダイゼーション混合物と接触させ、前記ハイブリダイゼーション混合物中の前記ハイブリダイゼーション複合体を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させることと、
(d)前記支持体表面における前記標識の存在に基づいて、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖を検出又は定量化することと、を含む、方法。
【請求項2】
(c)が、
(I)前記ハイブリダイゼーション複合体の前記第1のオリゴヌクレオチドタグ及び前記第2のオリゴヌクレオチドタグが、前記支持体表面で前記第1の捕捉オリゴヌクレオチド及び前記第2の捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、前記支持体表面を前記ハイブリダイゼーション混合物と接触させて、前記ハイブリダイゼーション複合体を前記支持体表面に固定化することと、
(ii)前記固定化したハイブリダイゼーション複合体を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(c)が、
(i)前記ハイブリダイゼーション混合物を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させて、反応混合物を形成することと、
(ii)前記ハイブリダイゼーション複合体の前記第1のオリゴヌクレオチドタグ及び前記第2のオリゴヌクレオチドタグが、前記支持体表面に固定化された前記第1の捕捉オリゴヌクレオチド及び前記第2の捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、前記支持体表面を(i)の前記反応混合物と接触させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々、個々に、約8~約50ヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々、個々に、約16~約30ヌクレオチドを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖が、DNAを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖が、RNAを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖が、DNAを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖が、RNAを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖が、DNA/DNA二本鎖を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖が、RNA/RNA二本鎖を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖が、DNA/RNAヘテロ二本鎖を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖、アンチセンス鎖、又は前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖の両方が、個々に、1つ以上の修飾核酸を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖、前記アンチセンス鎖、又は前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖の両方が、個々に、5’-コンジュゲート又は3’-コンジュゲートを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記コンジュゲートが、ポリエチレングリコール(PEG)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、細胞透過性ペプチド(CPP)、α-トコフェロール、アプタマー、抗体、コレステロール、スクアレン、脂肪酸、又はヌクレオリピドを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記センスプローブの前記センス結合長が、前記センス鎖の前記センス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記センス結合長が、約10~約16ヌクレオチドの長さである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合長が、前記アンチセンス鎖の前記アンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記アンチセンス結合長が、約10~約16ヌクレオチドの長さである、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、第1のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、前記第1の捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、前記第1のオリゴヌクレオチドタグ長が、前記第1の捕捉オリゴヌクレオチド長と同じである、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、第1のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、前記第1の捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、前記第1のオリゴヌクレオチドタグ長が、前記第1の捕捉オリゴヌクレオチド長よりも短い、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のオリゴヌクレオチドタグが、第2のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、前記第2の捕捉オリゴヌクレオチドが、第2の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、前記第2のオリゴヌクレオチドタグ長が、前記第2の捕捉オリゴヌクレオチド長と同じである、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のオリゴヌクレオチドタグが、第2のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、前記第2の捕捉オリゴヌクレオチドが、第2の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、前記第2のオリゴヌクレオチドタグ長が、前記第2の捕捉オリゴヌクレオチド長よりも短い、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記センスプローブが、DNAを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、DNAを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記センスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記センスプローブの前記センス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、DNAを含み、前記センスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アンチセンスプローブが、DNAを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、DNAを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記アンチセンスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、DNAを含み、前記アンチセンスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記センスプローブが、RNAを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、RNAを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記センスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記センスプローブの前記センス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、RNAを含み、前記センスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記アンチセンスプローブが、RNAを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、RNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記アンチセンスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、RNAを含み、前記アンチセンスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記センスプローブ、前記アンチセンスプローブ、又はその両方が、1つ以上の修飾核酸を含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
1つ以上の修飾ヌクレオチドが、ロックド核酸(LNA)を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
1つ以上の修飾ヌクレオチドが、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記一本鎖特異的ヌクレアーゼが、一本鎖特異的DNaseを含む、請求項26~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記一本鎖特異的DNaseが、S1ヌクレアーゼ、P1ヌクレアーゼ、又はマングビーンヌクレアーゼである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記一本鎖特異的ヌクレアーゼが、一本鎖特異的RNaseを含む、請求項36~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記一本鎖特異的RNaseが、RNase A、RNase H、RNase I、RNase III、RNase L、RNase P、RNase PhyM、RNase T1、RNase T2、RNase U2、RNase V、PNPase、RNase PH、RNase R、RNase D、RNase T、RNaseONE、オリゴリボヌクレアーゼ、エキソリボヌクレアーゼI、及びエキソリボヌクレアーゼIIから選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
(a)~(c)が、同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
(a)~(c)が、順次に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
(b)におけるハイブリダイゼーション条件が、
(i)前記プローブを前記試料第1の温度でインキュベートして、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖を変性させることと、
(ii)前記プローブを前記オリゴヌクレオチド二本鎖の変性したセンス鎖及び変性したアンチセンス鎖とともに第2の温度でインキュベートして、前記センスプローブ及び前記アンチセンスプローブを前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖にハイブリダイズさせることと、を含む、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記センス複合体及び前記アンチセンス複合体を、約2℃~約8℃の保持温度でインキュベートすることを更に含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
(b)における前記ハイブリダイゼーション条件が、
(i)前記プローブを前記試料約60℃~約95℃の第1の温度で約1分~約15分間インキュベートすることと、
(ii)前記プローブを前記試料とともに、約10℃~約65℃の第2の温度で約30秒~約5分間インキュベートすることと、
(iii)前記プローブを前記試料とともに、約2℃~約8℃の保持温度でインキュベートすることと、を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
(b)における前記ハイブリダイゼーション条件が、
(i)前記プローブを前記試料約95℃の第1の温度で約2分間インキュベートすることと、
(ii)前記プローブを前記試料とともに、約65℃の第2の温度で約1分間インキュベートすることと、
(iii)前記プローブを前記試料とともに、約4℃の保持温度でインキュベートすることと、を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
約1℃/秒~約2℃/秒のステップ(i)と(ii)との間の第1の温度遷移速度を含む、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項60】
約1.8℃/秒のステップ(i)と(ii)との間の第1の温度遷移速度を含む、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項61】
ステップ(ii)と(iii)との間に約0.05℃/秒~約1℃/秒の第2の温度遷移速度を含む、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項62】
約0.1℃/秒のステップ(ii)とステップ(iii)との間の第2の温度遷移速度を含む、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項63】
前記プローブが、希釈剤54又はN-PLEXハイブリダイゼーション緩衝液1若しくは2を含む緩衝液中で前記試料とともにインキュベートされる、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記試料が複数のオリゴヌクレオチド二本鎖を含み、(a)における前記組成物が複数のプローブのセットを含み、各プローブのセットが、固有のオリゴヌクレオチド二本鎖の固有のセンス又はアンチセンス鎖とハイブリダイズする、請求項1~63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
(c)が、前記支持体表面を前記センス複合体及び前記アンチセンス複合体とともに、約20℃~約40℃の温度で約15分~約12時間インキュベートすることを含む、請求項1~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
(c)が、前記支持体表面を前記センス複合体及び前記アンチセンス複合体とともに、約20℃~約40℃の温度で約1時間~約2時間インキュベートすることを含む、請求項1~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記支持体表面が、前記センス複合体及び前記アンチセンス複合体とともに、振盪しながらインキュベートされる、請求項65又は66に記載の方法。
【請求項68】
(c)が、前記支持体表面を前記センス複合体及び前記アンチセンス複合体とともに、約705rpmで振盪しながら、約37℃の温度で約1時間インキュベートすることを含む、請求項1~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
(a)における前記組成物が、約20pM~約10nMのセンスプローブを含む、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
(a)における前記組成物が、約20pM~約10nMのアンチセンスプローブを含む、請求項1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記試料が、生体試料を含む、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記試料が、未処理の生体試料を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記試料が、前処理した生体試料を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記試料が、精製した試料を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記試料が、沈殿、遠心分離、又はカラムクロマトグラフィによって精製される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記試料が、抽出した試料を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記試料が、天然に存在するRNaseを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
前記方法が、(a)の前に、前記試料を、RNase阻害剤と混合することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記試料が、細胞フリーDNAを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
前記生体試料が、生物から得られた流体を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
前記生体試料が、全血、血漿、血清、尿、糞便、母乳、唾液、又は羊水を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記試料が、環境試料を含む、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記試料が、製造プロセス試料を含む、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記方法が、約200pg/mL未満の検出限界を有する、請求項1~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記支持体表面が、1つ以上の電極を含む、請求項1~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
1つ以上の電極が、炭素電極を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
1つ以上の電極が、カーボンインク電極を含む、請求項85又は86に記載の方法。
【請求項88】
1つ以上の電極が、マルチウェルプレートに含まれる、請求項85~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記マルチウェルプレートの各ウェルが、電極を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記標識が、結合対のメンバーを含む、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記標識が、ビオチンを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記標識が、電気化学発光標識を含む、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記電極を、電気化学発光共反応物を含む電気化学発光読み取り緩衝液と接触させること、及び前記電極に電位を印加することによって、アッセイシグナルを生成するステップを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記共反応物が、三級アミン、トリプロピルアミン、N-ブチルジエタノールアミン、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
プローブのセットを含む組成物であって、前記プローブのセットが、
(a)第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含む、センスプローブと、
(b)第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、前記オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含む、アンチセンスプローブと、を含み、
前記センスプローブの前記センス結合部分が、前記センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有し、
前記アンチセンス鎖の前記アンチセンス結合部分が、前記アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する、組成物。
【請求項96】
組成物であって、
(a)センス鎖及びアンチセンス鎖を含むオリゴヌクレオチド二本鎖と、
(b)プローブのセットであって、
(i)第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含む、センスプローブと、
(ii)第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、前記オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含む、アンチセンスプローブと、を含み、
前記センスプローブの前記センス結合部分が、前記センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有し、
前記アンチセンス鎖の前記アンチセンス結合部分が、前記アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する、組成物。
【請求項97】
1つ以上のハイブリダイゼーション複合体を含む組成物であって、前記ハイブリダイゼーション複合体が、
(a)オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖にハイブリダイズしたセンスプローブを含むセンス複合体であって、前記センスプローブが、第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含み、前記センスプローブの前記センス結合部分が、前記センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有する、センス複合体と、
(b)前記オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖にハイブリダイズしたアンチセンスプローブを含むアンチセンス複合体であって、前記アンチセンスプローブが、第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含み、前記アンチセンス鎖の前記アンチセンス結合部分が、前記アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する、アンチセンス複合体と、
それらの組み合わせと、を含む、組成物。
【請求項98】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々、個々に、約8~約50ヌクレオチドを含む、請求項95~97のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項99】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、各々、個々に、約16~約30ヌクレオチドを含む、請求項95~98のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項100】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖が、DNAを含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項101】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖が、RNAを含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項102】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖が、DNAを含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項103】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖が、RNAを含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項104】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖が、DNA/DNA二本鎖を含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項105】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖が、RNA/RNA二本鎖を含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項106】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖が、DNA/RNAヘテロ二本鎖を含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項107】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖、アンチセンス鎖、又は前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖の両方が、個々に、1つ以上の修飾核酸を含む、請求項95~106のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項108】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖、前記アンチセンス鎖、又は前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖の両方が、個々に、5’-コンジュゲート又は3’-コンジュゲートを含む、請求項95~107のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項109】
前記コンジュゲートが、ポリエチレングリコール(PEG)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、細胞透過性ペプチド(CPP)、α-トコフェロール、アプタマー、抗体、コレステロール、スクアレン、脂肪酸、又はヌクレオリピドを含む、請求項108に記載の組成物。
【請求項110】
前記センスプローブの前記センス結合長が、前記センス鎖の前記センス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い、請求項95~109のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項111】
前記センス結合長が、約10~約16ヌクレオチドの長さである、請求項95~110のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項112】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する、請求項95~111のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項113】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合長が、前記アンチセンス鎖の前記アンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い、請求項95~112のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項114】
前記アンチセンス結合長が、約10~約16ヌクレオチドの長さである、請求項95~113のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項115】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記アンチセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する、請求項95~114のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項116】
前記センスプローブが、DNAを含む、請求項95~115のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項117】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、DNAを含む、請求項116に記載の組成物。
【請求項118】
前記センスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項116に記載の組成物。
【請求項119】
前記センスプローブの前記センス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項116に記載の組成物。
【請求項120】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、DNAを含み、前記センスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項116に記載の組成物。
【請求項121】
前記アンチセンスプローブが、DNAを含む、請求項95~115のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項122】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、DNAを含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項123】
前記アンチセンスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項124】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項125】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、DNAを含み、前記アンチセンスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項126】
前記センスプローブが、RNAを含む、請求項95~115のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項127】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、RNAを含む、請求項126に記載の組成物。
【請求項128】
前記センスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項126に記載の組成物。
【請求項129】
前記センスプローブの前記センス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項126に記載の組成物。
【請求項130】
前記センスプローブの前記センス結合部分が、RNAを含み、前記センスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項126に記載の組成物。
【請求項131】
前記アンチセンスプローブが、RNAを含む、請求項95~115のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項132】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、RNAを含む、請求項131に記載の組成物。
【請求項133】
前記アンチセンスプローブの前記第1のオリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項131に記載の組成物。
【請求項134】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分及び前記オリゴヌクレオチドタグが、RNAを含む、請求項131に記載の組成物。
【請求項135】
前記アンチセンスプローブの前記アンチセンス結合部分が、RNAを含み、前記アンチセンスプローブの前記オリゴヌクレオチドタグが、DNAを含む、請求項131に記載の組成物。
【請求項136】
前記センスプローブ、前記アンチセンスプローブ、又はその両方が、1つ以上の修飾核酸を含む、請求項95~135のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項137】
1つ以上の修飾ヌクレオチドが、ロックド核酸(LNA)を含む、請求項136に記載の組成物。
【請求項138】
1つ以上の修飾ヌクレオチドが、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項136に記載の組成物。
【請求項139】
前記標識が、結合対のメンバーを含む、請求項95~138のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項140】
前記標識が、ビオチンを含む、請求項139に記載の組成物。
【請求項141】
前記標識が、電気化学発光標識を含む、請求項95~138のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項142】
請求項1~94のいずれか一項に記載の方法を実行するための、キット。
【請求項143】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、微生物の核酸配列を含む、請求項1~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記微生物が、ヒトマイクロバイオームの成分である、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記微生物が、細菌、真菌、原生動物、又はウイルスである、請求項143又は144に記載の方法。
【請求項146】
前記微生物が、細菌である、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記オリゴヌクレオチド二本鎖の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、細菌からの16S rRNA又はrDNAを含む、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記細菌が、Achromobacter、Acidaminococcus、Acinetobacter、Actinomycetales、Aerococcus、Anaerococcus、Aggregatibacter、Aeromonas、Alcaligenes、Anaerobiospirillum、Atopobium、Bacillus、Bacillota、Bacteroides、Bacterionema、Bartonella、Bifidobacterium、Bordetella、Borrelia、Brucella、Burkholderia、Buchnera、Butyriviberio、Campylobacter、Capnocytophaga、Cardiobacterium、Chlamydia、Chlamydophila、Collinsella、Citrobacter、Clostridium、Corynebacterium、Cutibacterium、Dialister、Demodex、Eggerthella、Eikenella、Enterococcus、Enterobacter、Escherichia、Eubacterium、Faecalibacterium、Finegoldia、Firmicutes、Flavobacterium、Francisella、Fusobacterium、Gardnerella、Gordonia、Haemophilus、Helicobacter、Kingella、Klebsiella、Lactobacillus、Legionella、Leptospira、Leptotrichia、Listeria、Megasphaera、Methanobrevibacter、Microbacterium、Micrococcus、Mobiluncus、Morganella、Moraxella、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Peptococcus、Peptoniphilus、Peptostreptococcus、Plesiomonas、Porphyromonas、Prevotella、Propionibacterium、Proteus、Providencia、Pseudomonas、Pseudomonadota、Rickettsia、Roseburia、Rothia、Ruminococcus、Sarcina、Salmonella、Selenomonas、Shigella、Slackia、Sneathia、Spirochaeta、Staphylococcus、Streptobacillus、Streptococcus、Streptomyces、Tannerella、Treponema、Trichophyton、Ureaplasma、Veillonella、Vibrio、Wolinella、又はYersinia細菌である、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記試料が、生体試料を含む、請求項143~148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
前記生体試料が、ヒトの体の一部分から単離された試料を含む、請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記体の前記一部分が、鼻腔、口腔、皮膚、耳、粘膜、胃腸管、尿生殖路、気道、眼、又はそれらの組み合わせである、請求項150に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試料中のオリゴヌクレオチドを検出又は定量化するための方法、具体的には、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス及びアンチセンス鎖を検出又は定量化するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸ベースの治療剤は、薬物療法、特に小分子、タンパク質ベース、又は抗体ベースの治療剤などの従来の治療剤が接近することができない生物学的標的に対する有望な候補のクラスを構成する。核酸ベースの治療剤には、例えば、疾患に関連する異常なタンパク質の産生を低減又は防止するために、DNA又はRNA発現を阻害する一本鎖又は二本鎖オリゴヌクレオチド分子が含まれる。いくつかの核酸ベースの治療剤が、米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration)によって承認されており、より多くが、様々な疾患の治療のための臨床試験において調査されている。
【0003】
核酸は、高度に荷電され、急速に分解され、身体から除去される大きな分子であり、これは乏しい薬理学的特性をもたらし得る。Stoddard et al.(2018)「Editorial:Nucleic Acids Research and Nucleic Acid Therapeutics.」Nuc.Acids Res.46(4):1563-1564。結果として、薬物動態、組織標的化、及び組織蓄積は全て、核酸ベースの治療剤を開発するときに重要な考慮事項である。高感度かつ定量的アッセイが、核酸薬物動態を特性評価するために必要とされている。Thayer et al.(2020)「POE Immunoassay:Plate-based oligonucleotide electrochemiluminescent immunoassay for the quantification of nucleic acids in biological matrices.」Scientific Reports.10(1):10425(doi.org/10.1038/s41598-020-66829-6)。
【0004】
様々なポリメラーゼ連鎖反応(polymerase-chain reaction、PCR)に基づいた、サイズ排除クロマトグラフィ(size-exclusion chromatography、SEC)、及び液体クロマトグラフィ-質量分析(liquid chromatography-mass spectrometry、LC-MS)方法が、核酸治療剤を特性評価するために存在するが、これらの方法は、アッセイ感度及び時間のかかる抽出ステップによって制限される。同上。オリゴヌクレオチド治療剤の固有な生物物理学的特性は、非定型的な吸収、分布、代謝、及び排出(absorption,distribution,metabolism and elimination、ADME)プロセス、並びに薬物動態-薬力学(pharmacokinetics-pharmacodynamics、PKPD)解離をもたらし得る。これらの関係を理解することの困難性は、増加した動物使用を含む薬物開発プロセス全体を通して非効率性をもたらし得、ヒト治験における増加したリスクをもたらし得る。同上。オリゴヌクレオチド治療剤の両方の鎖の定量化は、オリゴヌクレオチド治療剤の安定性及び代謝経路を理解するため、かつ治療剤の薬理学を解明するモデルを開発するために重要であり得る。同上。
【0005】
したがって、例えば患者から得られた試料からの、オリゴヌクレオチド治療剤の検出又は定量化のための高感度アッセイが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス及びアンチセンス鎖を検出又は定量化する方法が本明細書に記載される。一態様では、方法は、
(a)試料を、プローブのセットを含む組成物と接触させることであって、プローブのセットが、
(i)支持体表面に固定化された第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含む、センスプローブ、並びに
(ii)支持体表面に固定化された第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含む、アンチセンスプローブを含み、
センスプローブのセンス結合部分が、センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有し、
アンチセンス鎖のアンチセンス結合部分が、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する、接触させることと、
(b)プローブを試料とともにインキュベートして、
(i)オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖とハイブリダイズしたセンスプローブを含むセンス複合体、及び
(ii)オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖とハイブリダイズしたアンチセンスプローブを含むアンチセンス複合体を含む、ハイブリダイゼーション複合体を含有するハイブリダイゼーション混合物を形成することと、
(c)ハイブリダイゼーション複合体の第1のオリゴヌクレオチドタグ及び第2のオリゴヌクレオチドタグが、支持体表面に固定化された第1の捕捉オリゴヌクレオチド及び第2の捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、支持体表面をハイブリダイゼーション混合物と接触させ、ハイブリダイゼーション混合物を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させることと、
(d)支持体表面に固定化された標識の存在に基づいて、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を検出又は定量化することと、を含む。
【0007】
一態様では、(c)は、
(i)ハイブリダイゼーション複合体の第1のオリゴヌクレオチドタグ及び第2のオリゴヌクレオチドタグが、支持体表面で第1の捕捉オリゴヌクレオチド及び第2の捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、支持体表面をハイブリダイゼーション混合物と接触させて、ハイブリダイゼーション複合体を支持体表面に固定化することと、
(ii)固定化したハイブリダイゼーション複合体を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させることと、を含む。
【0008】
一態様では、(c)は、
(i)ハイブリダイゼーション混合物を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させて、反応混合物を形成することと、
(ii)センスプローブ及びアンチセンスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグ及び第2のオリゴヌクレオチドタグが、支持体表面に固定化された第1の捕捉オリゴヌクレオチド及び第2の捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、支持体表面を(i)の反応混合物と接触させることと、を含む。
【0009】
一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。一態様では、アンチセンス複合体の一部分であるアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、アンチセンス複合体の一部分ではない。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、ハイブリダイゼーション複合体の一部分である。一態様では、ハイブリダイゼーション複合体は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖を含まない。一態様では、ハイブリダイゼーション複合体は、プローブ-プローブ複合体である。一態様では、プローブ-プローブ複合体は、一本鎖オーバーハングを含む。
【0010】
一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。一態様では、センス複合体の一部分であるセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、センス複合体の一部分ではない。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、ハイブリダイゼーション複合体の一部分である。一態様では、ハイブリダイゼーション複合体は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖を含まない。一態様では、ハイブリダイゼーション複合体は、プローブ-プローブ複合体である。一態様では、プローブ-プローブ複合体は、一本鎖オーバーハングを含む。
【0011】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は各々、個々に、約8~約50ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は各々、個々に、約16~約30ヌクレオチドを含む。
【0012】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、RNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、RNAを含む。
【0013】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、DNA/DNA二本鎖を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、RNA/RNA二本鎖を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、DNA/RNAヘテロ二本鎖を含む。
【0014】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方は、個々に、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方は、個々に、5’-コンジュゲート又は3’-コンジュゲートを含む。一態様では、コンジュゲートは、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、N-アセチルガラクトサミン(N-acetylgalactosamine、GalNAc)、細胞透過性ペプチド(cell penetrating peptide、CPP)、α-トコフェロール、アプタマー、抗体、コレステロール、スクアレン、脂肪酸、又はヌクレオリピド(nucleolipid)を含む。
【0015】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、微生物の核酸配列を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、ヒトマイクロバイオームの成分である微生物の核酸配列を含む。一態様では、微生物は、細菌、真菌、原生動物、又はウイルスである。一態様では、微生物は、細菌である。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、細菌由来の16S rRNA又はrDNAを含む。
【0016】
一態様では、センスプローブのセンス結合長は、センス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い。一態様では、センス結合長は、約10~約16ヌクレオチドの長さである。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する。
【0017】
一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合長は、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い。一態様では、アンチセンス結合長は、約10~約16ヌクレオチドの長さである。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する。
【0018】
一態様では、第1のオリゴヌクレオチドタグは、第1のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、第1の捕捉オリゴヌクレオチドは、第1の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、第1のオリゴヌクレオチドタグ長は、第1の捕捉オリゴヌクレオチド長と同じである。一態様では、第1のオリゴヌクレオチドタグは、第1のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、第1の捕捉オリゴヌクレオチドは、第1の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、第1のオリゴヌクレオチドタグ長は、第1の捕捉オリゴヌクレオチド長よりも短い。
【0019】
一態様では、第2のオリゴヌクレオチドタグは、第2のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、第2の捕捉オリゴヌクレオチドは、第2の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、第2のオリゴヌクレオチドタグ長は、第2の捕捉オリゴヌクレオチド長と同じである。一態様では、第2のオリゴヌクレオチドタグは、第2のオリゴヌクレオチドタグ長を有し、第2の捕捉オリゴヌクレオチドは、第2の捕捉オリゴヌクレオチド長を有し、第2のオリゴヌクレオチドタグ長は、第2の捕捉オリゴヌクレオチド長より短い。
【0020】
一態様では、センスプローブは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、センスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。
【0021】
一態様では、アンチセンスプローブは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。
【0022】
一態様では、センスプローブは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含む。一態様では、センスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0023】
一態様では、アンチセンスプローブは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0024】
一態様では、センスプローブ、アンチセンスプローブ、又はその両方は、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、ロックド核酸(locked nucleic acid、LNA)を含む。一態様では、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、ホスホジエステル(phosphodiester、PO)、ホスホロチオエート(phosphorothioate、PS)、2’O-メチル(2’O-methyl、2’OMe)、2’O-メトキシエチル(2’O-methoxyethyl、MOE)、ペプチド核酸(peptide nucleic acid、PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(phosphoroamidate morpholino、PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-deoxy-2’-fluoro、2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0025】
一態様では、一本鎖特異的ヌクレアーゼは、一本鎖特異的DNaseを含む。一態様では、一本鎖特異的DNaseは、S1ヌクレアーゼ、P1ヌクレアーゼ、又はマングビーン(Mung Bean)ヌクレアーゼである。一態様では、一本鎖特異的ヌクレアーゼは、一本鎖特異的RNaseを含む。一態様では、一本鎖特異的RNaseは、RNase A、RNase H、RNase I、RNase III、RNase L、RNase P、RNase PhyM、RNase T1、RNase T2、RNase U2、RNase V、PNPase、RNase PH、RNase R、RNase D、RNase T、RNaseONE、オリゴリボヌクレアーゼ、エキソリボヌクレアーゼI、又はエキソリボヌクレアーゼIIである。
【0026】
一態様では、(a)~(c)は、同時に行われる。一態様では、(a)~(c)は、順次に行われる。
【0027】
一態様では、(b)におけるハイブリダイゼーション条件は、
(i)プローブを試料第1の温度でインキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることと、
(ii)プローブをオリゴヌクレオチド二本鎖の変性したセンス鎖及び変性したアンチセンス鎖とともに第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることと、を含む。
【0028】
一態様では、ハイブリダイゼーションは、センス複合体及びアンチセンス複合体を、約2℃~約8℃の保持温度でインキュベートすることを更に含む。
【0029】
一態様では、(b)におけるハイブリダイゼーション条件は、
(i)プローブを試料約60℃~約95℃の第1の温度で約1分~約15分間インキュベートすることと、
(ii)プローブを試料とともに、約10℃~約65℃の第2の温度で約30秒~約5分間インキュベートすることと、
(iii)プローブを試料とともに、約2℃~約8℃の保持温度でインキュベートすることと、を含む。
【0030】
一態様では、(b)におけるハイブリダイゼーション条件は、
(i)プローブを試料約95℃の第1の温度で約2分間インキュベートすることと、
(ii)プローブを試料とともに、約65℃の第2の温度で約1分間インキュベートすることと、
(iii)プローブを試料とともに、約4℃の保持温度でインキュベートすることと、を含む。
【0031】
一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、約1℃/秒~約2℃/秒のステップ(i)と(ii)との間の第1の温度遷移速度を含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、約1.8℃/秒のステップ(i)と(ii)との間の第1の温度遷移速度を含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、ステップ(ii)と(iii)との間に約0.05℃/秒~約1℃/秒の第2の温度遷移速度を含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、約0.1℃/秒のステップ(i)と(ii)との間の第1の温度遷移速度を含む。
【0032】
一態様では、プローブは、希釈剤54又はN-PLEXハイブリダイゼーション緩衝液1若しくは2を含む緩衝液中で試料とともにインキュベートされる。
【0033】
一態様では、試料は複数のオリゴヌクレオチド二本鎖を含み、(a)における組成物は複数のプローブのセットを含み、各プローブのセットは、固有のオリゴヌクレオチド二本鎖の固有のセンス鎖又はアンチセンス鎖とハイブリダイズする。
【0034】
一態様では、(c)は、支持体表面をセンス複合体及びアンチセンス複合体とともに、約20℃~約40℃の温度で約15分~約12時間インキュベートすることを含む。一態様では、(c)は、支持体表面をセンス複合体及びアンチセンス複合体とともに、約20℃~約40℃の温度で約1時間~約2時間インキュベートすることを含む。一態様では、支持体表面は、センス複合体及びアンチセンス複合体とともに振盪しながらインキュベートされる。一態様では、(c)は、支持体表面をセンス複合体及びアンチセンス複合体とともに、約705rpmで振盪しながら、約37℃の温度で約1時間インキュベートすることを含む。
【0035】
一態様では、(a)における組成物は、約20pM~約10nMのセンスプローブを含む。一態様では、(a)における組成物は、約20pM~約10nMのアンチセンスプローブを含む。
【0036】
一態様では、試料は、生体試料を含む。一態様では、試料は、未処理の生体試料を含む。一態様では、試料は、前処理した生体試料を含む。一態様では、試料は、精製した試料を含む。一態様では、試料は、沈殿、遠心分離、又はカラムクロマトグラフィによって精製される。一態様では、試料は、抽出した試料を含む。一態様では、試料は、天然に存在するRNaseを含む。一態様では、方法は、(a)の前に試料をRNase阻害剤と混合することを含む。一態様では、試料は、細胞フリーDNAを含む。
【0037】
一態様では、生体試料は、生物から得られた流体を含む。一態様では、生体試料は、全血、血漿、血清、尿、糞便、母乳、唾液、又は羊水を含む。一態様では、試料は、環境試料を含む。一態様では、試料は、製造プロセス試料を含む。
【0038】
一態様では、方法は、約200pg/mL未満の検出限界を有する。
【0039】
一態様では、支持体表面は、1つ以上の電極を含む。一態様では、1つ以上の電極は、炭素電極を含む。一態様では、1つ以上の電極は、カーボンインク電極を含む。一態様では、1つ以上の電極は、マルチウェルプレートに含まれる。一態様では、マルチウェルプレートの各ウェルは、電極を含む。
【0040】
一態様では、標識は、結合対のメンバーを含む。一態様では、標識は、ビオチンを含む。
【0041】
一態様では、標識は、電気化学発光(electrochemiluminescent、ECL)標識を含む。一態様では、方法は、電極を、電気化学発光共反応物を含む電気化学発光読み取り緩衝液と接触させること、及び電極に電位を印加することによって、アッセイシグナルを生成するステップを含む。一態様では、共反応物は、三級アミン、トリプロピルアミン、N-ブチルジエタノールアミン、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0042】
一態様では、プローブのセットを含む組成物が提供される。一態様では、プローブのセットは、
(a)第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含む、センスプローブと、
(b)第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含む、アンチセンスプローブと、を含み、
センスプローブのセンス結合部分が、センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有し、アンチセンス鎖のアンチセンス結合部分が、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する。
【0043】
一態様では、
(a)センス鎖及びアンチセンス鎖を含むオリゴヌクレオチド二本鎖と、
(b)
(i)第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含む、センスプローブと、
(ii)第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含む、アンチセンスプローブと、を含む、プローブのセットと、を含む組成物が提供され、
センスプローブのセンス結合部分は、センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有し、アンチセンス鎖のアンチセンス結合部分は、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する。
【0044】
一態様では、1つ以上のハイブリダイゼーション複合体を含む組成物が提供される。一態様では、ハイブリダイゼーション複合体は、
(a)オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖にハイブリダイズしたセンスプローブを含むセンス複合体であって、センスプローブが、第1の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第1の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び第1の標識を含み、センスプローブのセンス結合部分が、センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有する、センス複合体と、
(b)オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖にハイブリダイズしたアンチセンスプローブを含むアンチセンス複合体であって、アンチセンスプローブが、第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である第2の一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び第2の標識を含み、アンチセンス鎖のアンチセンス結合部分が、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する、アンチセンス複合体と、
それらの組み合わせと、を含む。
【0045】
一態様では、組成物中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は各々、個々に、約8~約50ヌクレオチドを含む。一態様では、組成物中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は各々、個々に、約16~約30ヌクレオチドを含む。
【0046】
一態様では、組成物中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、RNAを含む。一態様では、組成物中のオリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、RNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、DNA/DNA二本鎖を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、RNA/RNA二本鎖を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、DNA/RNAヘテロ二本鎖を含む。
【0047】
一態様では、組成物中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方は、個々に、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、組成物中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方は、個々に、5’-コンジュゲート又は3’-コンジュゲートを含む。一態様では、コンジュゲートは、ポリエチレングリコール(PEG)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、細胞透過性ペプチド(CPP)、α-トコフェロール、アプタマー、抗体、コレステロール、スクアレン、脂肪酸、又はヌクレオリピドを含む。
【0048】
一態様では、組成物中のセンスプローブのセンス結合長は、センス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い。一態様では、組成物中のセンスプローブのセンス結合長は、約10~約16ヌクレオチドの長さである。一態様では、組成物中のセンスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する。
【0049】
一態様では、組成物中のアンチセンスプローブのアンチセンス結合長は、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い。一態様では、組成物中のアンチセンスプローブのアンチセンス結合長は、約10~約16ヌクレオチドの長さである。一態様では、組成物中のアンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する。
【0050】
一態様では、組成物中のセンスプローブは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、センスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。
【0051】
一態様では、組成物中のアンチセンスプローブは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。
【0052】
一態様では、組成物中のセンスプローブは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含む。一態様では、センスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0053】
一態様では、組成物中のアンチセンスプローブは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0054】
一態様では、組成物中のセンスプローブ、アンチセンスプローブ、又は両方のプローブは、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA)を含む。一態様では、1つ以上の修飾ヌクレオチドは、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0055】
一態様では、組成物中の標識は、結合対のメンバーを含む。一態様では、標識は、ビオチンを含む。一態様では、組成物中の標識は、電気化学発光標識を含む。
【0056】
一態様では、本明細書に記載の方法を実行するためのキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1A】本明細書に記載のアンチセンス結合プローブがアンチセンスオリゴヌクレオチド配列にハイブリダイズしているアンチセンス結合複合体の概略図である。
図1B】本明細書に記載のセンス結合プローブがセンスオリゴヌクレオチド配列にハイブリダイズしているセンス結合複合体の概略図である。
図2A】オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス結合鎖と「短い」アンチセンス結合プローブとの間で形成されたアンチセンス結合複合体の概略図である。
図2B】オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス結合鎖と「短い」センス結合プローブとの間に形成されたセンス結合複合体の概略図である。
図2C】「短い」センス結合プローブと「短い」アンチセンス結合プローブとの間で形成された「非生産的」結合複合体を示す概略図である。
図3A】オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス結合鎖と「全長」アンチセンス結合プローブとの間で形成されたアンチセンス結合複合体の概略図である。
図3B】オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス結合鎖と「全長」センス結合プローブとの間に形成されたセンス結合複合体の概略図である。
図3C】「全長」センス結合プローブと「全長」アンチセンス結合プローブとの間で形成された「非生産的」結合複合体を示す概略図である。
図4A】支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたプローブのオリゴヌクレオチドタグの概略図であり、プローブは、一本鎖オーバーハングを有するアンチセンス複合体又はセンス複合体の一部である。
図4B】支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたプローブのオリゴヌクレオチドタグの概略図であり、プローブは、一本鎖オーバーハングを有しないアンチセンス複合体又はセンス複合体の一部である。
図4C】支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたプローブのオリゴヌクレオチドタグの概略図であり、プローブは、アンチセンス複合体又はセンス複合体の一部ではない。
図4D】支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたプローブのオリゴヌクレオチドタグの概略図であり、プローブは、一本鎖オーバーハングを含むプローブ-プローブ複合体の一部である。
図4E】支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたプローブのオリゴヌクレオチドタグの概略図であり、プローブは、一本鎖オーバーハングを含まないプローブ-プローブ複合体の一部である。
図5A】希釈剤54中でハイブリダイズした1×及び4×濃度のアンチセンス(antisense、AS)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図5B】ハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイズした1×及び4×濃度のアンチセンス(AS)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図6A】希釈剤54中でハイブリダイズした1×及び4×濃度のセンス(sense、SS)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図6B】ハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイズした1×及び4×濃度のセンス(SS)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図7A】希釈剤54中でハイブリダイズした16マー(FL)及び12マーアンチセンス(AS)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図7B】ハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイズした16マー(FL)及び12マーアンチセンス(AS)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図8A】単独における又はヘテロ二本鎖におけるアンチセンス(AS)鎖にハイブリダイズした16マー(FL)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図8B】単独における又はヘテロ二本鎖におけるアンチセンス(AS)鎖にハイブリダイズした12マープローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図9A】単独における又はヘテロ二本鎖におけるセンス(SS)鎖にハイブリダイズした16マー(FL)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図9B】単独における又はヘテロ二本鎖におけるセンス(SS)鎖にハイブリダイズした12マープローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図10A】単独における又はヘテロ二本鎖におけるアンチセンス(AS)鎖にハイブリダイズした12マープローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図10B】単独における又はヘテロ二本鎖におけるセンス(SS)鎖にハイブリダイズした12マープローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図11A】長いか又は短いハイブリダイゼーション条件下でアンチセンス(AS)鎖にハイブリダイズした16マー(FL)プローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図11B】長いか又は短いハイブリダイゼーション条件下でアンチセンス(AS)鎖にハイブリダイズした12マープローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図12A】希釈剤54中及び血漿中の個々のセンス(SS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図12B】希釈剤54中及び血漿中のヘテロ二本鎖でのセンス(SS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図13A】希釈剤54又は脳溶解物中の個々のセンス(SS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図13B】希釈剤54又は脳溶解物中のヘテロ二本鎖のセンス(SS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図14A】LNAがあるか又はなしでの個々のアンチセンス(AS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図14B】LNAがあるか又はなしでのヘテロ二本鎖のアンチセンス(AS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図15A】種々の濃度におけるアンチセンス(AS)LNAプローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図15B】種々の濃度におけるセンス(SS)LNAプローブでのECLシグナル曲線を示すグラフである。
図16A】非修飾又はLNA修飾12マープローブを用いた個々のアンチセンス(AS)鎖の多重検出におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図16B】非修飾又はLNA修飾12マープローブを用いたヘテロ二本鎖のアンチセンス(AS)鎖の多重検出におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図17A】非修飾又はLNA修飾12マープローブを用いた個々のセンス(SS)鎖の多重検出におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図17B】非修飾又はLNA修飾12マープローブを用いたヘテロ二本鎖のセンス(SS)鎖の多重検出におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図18A】FLプローブ、14マープローブ、13マープローブ、及び12マープローブを使用して検出された個々のアンチセンス(AS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図18B】FLプローブ、14マープローブ、13マープローブ、及び12マープローブを使用して検出された個々のセンス(SS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図19A】FLプローブ、14マープローブ、13マープローブ、及び12マープローブを使用して検出されたヘテロ二本鎖のアンチセンス(AS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図19B】FLプローブ、14マープローブ、13マープローブ、及び12マープローブを使用して検出されたヘテロ二本鎖のセンス(SS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図20A】アンチセンス(AS)及びセンス(SS)プローブ長の組み合わせを使用して検出した場合のヘテロ二本鎖のアンチセンス(AS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
図20B】アンチセンス(AS)及びセンス(SS)プローブ長の組み合わせを使用して検出した場合のヘテロ二本鎖のセンス(SS)鎖におけるECLシグナル曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0058】
A.定義
別段に定義されない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。更に、文脈によって特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとし、例えば、「a」又は「an」は複数形、例えば、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」を含み、「又は」という用語は、特に明記されない限り、「及び/又は」を意味することができる。「含むこと(including)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」という用語は、限定するものではない。任意のタイプの本明細書に提供される範囲は、記載される特定の範囲内の全ての値、及び特定の範囲における端点あたりの値を含む。本明細書で使用される場合、「の間(between)」という語を使用して表される範囲は、範囲の端点を含む。したがって、例えば、50℃~70℃の範囲は、50℃~70℃を含み、すなわち、それは、50℃及び70℃の端点を含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、例えば、本発明を説明する際に用いられる、組成物中の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、収率、流量、圧力、及びそれらの範囲を修飾するために使用される。「約」という用語は、例えば、化合物、組成物、濃縮物、又は製剤を作製するために使用される典型的な測定手順及び取り扱い手順を通して、これらの手順における不注意な誤りを通して、方法を実行するために使用される出発材料若しくは成分の製造、供給源、又は純度の違い、及び他の同様の考慮事項を通して、発生し得る数として表される量の変動を指す。「約」という用語はまた、特定の初期濃度又は混合物を有する製剤の経時変化に起因して異なる量、及び特定の初期濃度又は混合物を有する製剤を混合又は処理することに起因して異なる量を包含する。「約」という用語によって修飾される場合、本明細書に添付される特許請求の範囲は、かかる等価物を含む。
【0060】
概して、本明細書に記載される細胞培養及び組織培養、分子生物学、並びにタンパク質及びオリゴヌクレオチド化学又はポリヌクレオチド化学及びハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法、並びにそれらの技法は、当技術分野において周知であり、一般に使用されるものである。アミノ酸は、本明細書において、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されるそれらの一般的に知られている3文字記号又は1文字記号のいずれかによって言及され得る。同様に、ヌクレオチドは、それらの一般に受け入れられている1文字コードによって言及され得る。
【0061】
「ヌクレオチド」という用語は、核酸塩基、糖、及び1つ以上のヌクレオチド間架橋を含むモノマー単位を指す。本明細書に使用される場合、用語ヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオチド及び修飾ヌクレオチドを含む。天然に存在するヌクレオチドには、グアニン、(guanine、G)、アデニン、(adenine、A)、シトシン、(cytosine、C)、チミン、(thymine、T)、及びウラシル、(uracil、U)、並びに天然に存在する塩基類似体が含まれる。デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)では、糖は、デオキシリボースである。リボ核酸(ribonucleic acid、RNA)では、糖は、リボースである。「修飾ヌクレオチド」という用語は、核酸塩基、糖、又はヌクレオチド間結合に修飾を含むヌクレオチドを指し、修飾ヌクレオチドは、相補的な天然に存在するヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドと塩基対形成することが依然として可能である。「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオシド間結合によって互いに共有結合した2つ以上のヌクレオチドのポリマーを指す。
【0062】
本明細書に使用される場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、ヌクレオシド間結合によって共有結合した2つ以上のヌクレオチド、概して、約5~約100ヌクレオチドを含む短いポリマーを指す。一態様では、オリゴヌクレオチドは、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、若しくは30ヌクレオチドから、最大約30、35、40、45、50、若しくは100ヌクレオチドの長さ、又は約8~約50ヌクレオチドの長さ、約10~約40ヌクレオチドの長さ、約12~約30ヌクレオチドの長さ、約18~約30ヌクレオチドの長さであるポリマーである。本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドという用語は、一本鎖オリゴヌクレオチド若しくは二本鎖オリゴヌクレオチド、又は二本鎖オリゴヌクレオチドの個々のオリゴヌクレオチド鎖を指すことができる。一態様では、「オリゴヌクレオチド」という用語は、二本鎖オリゴヌクレオチド治療剤を指す。
【0063】
「オリゴヌクレオチド治療剤」は、標的核酸と少なくとも部分的に相補的であり、それにハイブリダイズすることができる少なくとも1つの鎖を含むオリゴヌクレオチドである。一態様では、オリゴヌクレオチド治療剤は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド治療剤は、標的核酸にハイブリダイズし、標的核酸の発現又は量を調節することができる。「調節する」という用語は、標的核酸の発現又は量を増加又は減少させることを含むことができる。「発現」という用語は、遺伝子における情報がタンパク質を産生するために使用されるプロセスを指し、転写、スプライシング、転写後修飾、及び翻訳を含むが、これらに限定されない。一態様では、オリゴヌクレオチド治療剤は、標的核酸の発現又は量を増加する。一態様では、オリゴヌクレオチド剤は、標的核酸の発現又は量を減少する。一態様では、オリゴヌクレオチドは、化学的に合成され、精製又は単離される。一態様では、オリゴヌクレオチドは、固相化学合成によって作製される。例えば、本明細書に記載されるようなセンスオリゴヌクレオチド及びアンチセンスオリゴヌクレオチド、プローブ、タグ、又は捕捉オリゴヌクレオチドを含む、オリゴヌクレオチドを作製するための方法は、既知である。
【0064】
本明細書で使用される場合、「塩基対形成」は、二本鎖オリゴヌクレオチドの形成をもたらすプリンとピリミジンとの間の特異的水素結合を指す。DNAにおいて、アデニン(A)はチミン(T)と対形成し、グアニン(G)はシトシン(C)と対形成する。RNAにおいて、アデニン(A)はウラシル(U)と対形成し、グアニン(G)はシトシン(C)と対形成する。任意の特定のメカニズムに限定されないが、塩基対形成の最も一般的なメカニズムは、相補的核酸塩基間の水素結合を含み、ワトソン-クリック、フーグスティーン、又は逆フーグスティーン水素結合であり得る。
【0065】
「キメラ」という用語は、少なくとも2つの化学的に異なる領域を有する化合物を指す。実施形態では、各領域は、複数のサブユニットを有する。本明細書に使用される場合、「キメラプローブ」という用語は、2つ以上の生物学的供給源に由来する連結した一本鎖DNA及び/又はRNAを含む。
【0066】
「相補的」とは、例えば、ワトソン-クリック、フーグスティーン、又は逆フーグスティーン水素結合塩基対形成モデルに従って、水素結合の形成によって相互作用する核酸分子又はオリゴヌクレオチドを指す。ハイブリダイゼーションは、2つの相補的DNA分子間(DNA-DNAハイブリダイゼーション)、2つのRNA分子間(RNA-RNAハイブリダイゼーション)、又は相補的DNA分子とRNA分子間(DNA-RNAハイブリダイゼーション)で生じることができる。ヌクレオチドに関連して使用される場合、「相補的」という用語は、例えば、互いに塩基対形成することができるプリン及びピリミジンを含む、ヌクレオチドの対を指す。ヌクレオチドの相補的な対は、天然に存在するヌクレオチドの対、修飾ヌクレオチドの対、又は天然に存在するヌクレオチド及び修飾ヌクレオチドを含む対を含むことができる。オリゴヌクレオチドに関連して使用される場合、「相補的」という用語は、1つのオリゴヌクレオチドのヌクレオチド又はその一部分が、別のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド又はその一部分と、相補的ヌクレオチドがアラインメントされたとき、水素結合することができることを意味する。ハイブリダイゼーションは、より長いヌクレオチド配列の一部分に相補的である短いヌクレオチド配列間で生じることができる。ハイブリダイゼーションは、100%の「配列相補性」を有しない配列(すなわち、ワトソン-クリック、フーグスティーン、又は逆フーグスティーン水素結合塩基対形成モデルなどの塩基対形成モデルに基づいて100%未満のヌクレオチドがアラインメントする配列)間で生じることができるが、より低い配列相補性を有する配列は、より高い配列相補性を有する配列よりも安定性が低く、ハイブリダイズする可能性が低い。一態様では、相補的配列のヌクレオチドは、ワトソン-クリックモデルに基づいて100%の配列相補性を有する(すなわち、1つのオリゴヌクレオチド配列又は領域の各ヌクレオチドが、第2のオリゴヌクレオチド鎖又は領域の各ヌクレオチドと水素結合することができる)。別の態様では、相補的配列のヌクレオチドは、ワトソン-クリックモデルに基づいて、少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の配列相補性を有する。一態様では、「実質的な相補性」は、部分的に相補的であり、生理学的に関連する条件下でハイブリダイズすることができる配列を指す。一態様では、「実質的な相補性」は、部分的に相補的であり、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる配列を指す。一態様では、相補性は、二本鎖オリゴヌクレオチド治療剤の2つのオリゴヌクレオチド間の相補性を指す。一態様では、相補性は、一本鎖オリゴヌクレオチド治療剤と一本鎖オリゴヌクレオチドプローブとの間の相補性を指す。一態様では、相補性は、一本鎖オリゴヌクレオチドタグと一本鎖捕捉オリゴヌクレオチドとの間の相補性を指す。一態様では、相補性は、一本鎖オリゴヌクレオチドとキメラプローブとの間の相補性を指す。
【0067】
2つの相補的配列がハイブリダイズするか否かは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに依存し得、これは、温度、溶媒、イオン強度、及び他のパラメータなどの条件に依存して変化し得る。ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーは、他の潜在的に交差反応するか又は干渉する配列の存在下で、2つの相補的核酸配列の所望のハイブリダイゼーション産物の選択的形成又は維持を提供するように選択することができる。ストリンジェントな条件は配列依存的である-典型的には、より長い相補的配列は、より短い相補的配列よりも高い温度で特異的にハイブリダイズする。概して、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、画定されたイオン強度、化学的変性剤の濃度、pH、及びハイブリダイゼーションパートナーの濃度での特定のヌクレオチド配列における熱融点(thermal melting point、T)(すなわち、配列の50%が実質的に相補的な配列にハイブリダイズする温度)よりも約5℃~約10℃低い。概して、より高いパーセンテージのG及びC塩基を有するヌクレオチド配列は、より低いパーセンテージのG及びC塩基を有するヌクレオチド配列よりも、よりストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。概して、ストリンジェンシーは、温度を上げること、pHを上げること、イオン強度を下げること、又は化学的核酸変性剤(例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、及び炭酸エチレン)の濃度を上げることによって高めることができる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、典型的には、約1M、約500mM、又は約200mM未満の塩濃度、約20℃、約30℃、約40℃、約60℃、又は約80℃超のハイブリダイゼーション温度、及び約10%、約20%、約30%、約40%、又は約50%超の化学的変性剤濃度を含む。多くの因子がハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響し得るため、パラメータの組み合わせは、任意のパラメータ単独の絶対値よりも重要であり得る。
【0068】
一態様では、相補性は、オリゴヌクレオチドと標的核酸配列との間の相補性を指す。一態様では、標的核酸は、DNA又はRNAを含む。一態様では、標的RNAは、mRNA、プレmRNA、非コードRNA、プリマイクロRNA、プレマイクロRNA、成熟マイクロRNA、又はプロモーター指向性RNAを含む。一態様では、標的核酸は、細胞遺伝子、又は発現が特定の障害若しくは疾患に関連する遺伝子から転写されたmRNAである。一態様では、標的核酸は、感染病原体からの核酸分子である。一態様では、標的核酸は、ウイルス又は細菌の核酸である。
【0069】
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイズする」、「ハイブリダイズすること」、又は「ハイブリダイゼーション」は、2つの相補的オリゴヌクレオチド間の塩基対形成を指す。一態様では、二本鎖オリゴヌクレオチド治療剤の一本鎖オリゴヌクレオチド鎖は、標的核酸にハイブリダイズすることができる。一態様では、二本鎖オリゴヌクレオチドの2つの一本鎖オリゴヌクレオチド鎖は、互いにハイブリダイズする。一態様では、オリゴヌクレオチドプローブは、二本鎖オリゴヌクレオチドの一本鎖オリゴヌクレオチド鎖にハイブリダイズする。一態様では、一本鎖オリゴヌクレオチドタグは、一本鎖捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。「特異的にハイブリダイズする」とは、より高い親和性を有し、試料中の他のオリゴヌクレオチドとの顕著な交差ハイブリダイゼーションを有せずに生じる、2つの相補的オリゴヌクレオチド間のハイブリダイゼーションを指す。一態様では、相補的オリゴヌクレオチドは、細胞の細胞質に見出される条件などの生理学的に関連する条件下で特異的にハイブリダイズする。別の態様では、相補的オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で特異的にハイブリダイズする。
【0070】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド二本鎖」は、互いに少なくとも部分的に相補的であり、相補的核酸塩基間の塩基対形成を介して互いにハイブリダイズする2つの一本鎖オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって形成される二本鎖オリゴヌクレオチドを指す。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の少なくとも1つの鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の少なくとも1つの鎖は、RNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の両方の鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の両方の鎖は、RNAを含む。一態様では、二本鎖オリゴヌクレオチドは、DNAである1つの鎖及びRNAである1つの鎖を含むヘテロ二本鎖である。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の2つのオリゴヌクレオチド鎖の糖-リン酸骨格は、反対方向に配向され(すなわち、一方の鎖は5’から3’に延び、他方は3’から5’に延びる)、これは「逆平行」と呼ばれる。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の2つのオリゴヌクレオチド鎖は、オリゴヌクレオチド二本鎖がその全長にわたって二本鎖であるように、すなわちオリゴヌクレオチド二本鎖が平滑末端を有するように、互いに同じ長さである。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の2本のオリゴヌクレオチド鎖は、互いに同じ長さであるが、オリゴヌクレオチド二本鎖がその全長にわたって二本鎖ではないようにアラインメントする、すなわち、オリゴヌクレオチド二本鎖は、二本鎖の両端に一本鎖3’オーバーハング又は一本鎖5’オーバーハングを有する。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の2つのオリゴヌクレオチド鎖は、オリゴヌクレオチド二本鎖がその全長にわたって二本鎖ではないように、すなわち、オリゴヌクレオチド二本鎖が、オリゴヌクレオチド二本鎖の一端又は両端に一本鎖3’オーバーハング又は一本鎖5’オーバーハングを有するように、互いに異なる長さである。一態様では、一本鎖オーバーハングは、約1~約5、約1~約4、約1~約3、又は約1~約2ヌクレオチドである。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、1つの平滑末端と、一本鎖オーバーハングを含む1つの末端とを有する。オリゴヌクレオチドに関連して使用される場合、「長さ」という用語は、一本鎖オリゴヌクレオチドのポリマー骨格におけるヌクレオチド残基の数を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「オーバーハング」という用語は、一方の鎖の少なくとも1つの末端が、他方の鎖の対応する末端よりも長い、二本鎖オリゴヌクレオチドを指す。一態様では、一本鎖オーバーハングは、二本鎖オリゴヌクレオチドの一方又は両方の鎖の3’末端に位置する。一態様では、一本鎖オーバーハングは、二本鎖オリゴヌクレオチドの一方又は両方の鎖の5’末端に位置する。一態様では、一本鎖オーバーハングは、約1~約5ヌクレオチド、約1~約4ヌクレオチド、約1~約3ヌクレオチド、又は約1~約2ヌクレオチドを含む。一態様では、二本鎖オリゴヌクレオチドの一方の末端は平滑であり、他方の末端は3’又は5’オーバーハングを含む。一態様では、二本鎖オリゴヌクレオチドの両方の末端は、一本鎖オーバーハングを含む。
【0072】
「アンチセンス」という用語は、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びが、例えば、ワトソン-クリック塩基対合を介して標的核酸にハイブリダイズすることができるように、標的核酸の転写に必要な配向に対して反転している核酸配列を有するオリゴヌクレオチドを指す。オリゴヌクレオチド二本鎖の「センス鎖」は、アンチセンス鎖に相補的であり、したがって、標的核酸の少なくとも一部分に対して「センス」である。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖及びセンス鎖は、互いに少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%相補的である。
【0073】
一本鎖オリゴヌクレオチドは、隣接するヌクレオチドが、それらの5’炭素原子と3’炭素原子との間のホスホジエステル結合などのヌクレオシド間結合によって連結され、その結果、末端5’炭素及び3’炭素が、分子の5’-(ホスホリル)末端及び3’-(ヒドロキシル)末端と呼ぶことができるオリゴヌクレオチドのいずれかの末端で露出されるため、「方向」又は「方向性」を有する。
【0074】
「同一の」という用語は、オリゴヌクレオチド配列が、比較ウィンドウにわたって同じ位置に同一の核酸塩基を含むことを意味する。「配列同一性%」という用語は、比較ウィンドウにわたって2つのアラインメントした配列を比較し、同一の核酸塩基が両方の配列中に存在する位置の数を決定して一致した位置の数を得、一致した位置の数を比較ウィンドウ中の位置の総数で除し、結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを得ることによって決定することができる。比較ウィンドウは、全長配列を含むことができるか、又はより大きな配列の下位部分であり得る。様々な方法及びアルゴリズムは、2つ又は配列間の同一性パーセントを決定するために知られており、MEGALIGN(DNASTAR,Inc.Madison,Wis.)、FASTA、BLAST、又はENTREZを含むが、これらに限定されない。
【0075】
一態様では、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドのヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション反応にも関与することができる非天然に存在する化学構造を有する構造的類似体を含む。一例では、ヌクレオチド又は核酸は、例えば、アミン若しくはチオール修飾ヌクレオチド塩基、リン酸、又は糖の使用を介して、それを標識に連結するか、又は標識に連結することができる反応性官能基を提供する化学修飾を含み得る。「反応性官能基」という用語は、更なる化学反応を受けて、例えば、別の官能基と共有結合を形成することができる原子又は原子の結合基を指す。反応性官能基の例としては、アミノ、チオール、ヒドロキシ、及びカルボニル基が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、反応性官能基は、チオール基を含む。これらの化学修飾を介してヌクレオチド又は核酸に連結することができる標識としては、ビオチン、ハプテン、フルオロフォア、及び電気化学発光(ECL)標識などの検出可能な部分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
「修飾オリゴヌクレオチド」という用語は、少なくとも1つのヌクレオシド修飾、例えば、糖修飾若しくは核酸塩基修飾を含むオリゴヌクレオチド、又はヌクレオシド間結合修飾を指す。一態様では、修飾オリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ホスホロチオエート拘束エチル(cEt)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ以上の修飾を含む。「ロックド核酸ヌクレオシド」又は「LNA」は、4’-CH-O-2’架橋を有する二環式糖部分を含むヌクレオシドを指す。「ホスホロチオエート」は、非架橋酸素の1つが硫黄によって置き換えられているヌクレオチド間結合を指す。
【0077】
「コンジュゲート」という用語は、オリゴヌクレオチドに直接的又は間接的に結合している原子又は原子群を指す。一態様では、コンジュゲートは、安定的なリンカー又は切断可能なリンカーを介してオリゴヌクレオチドに接続される。一態様では、コンジュゲートは、薬力学、薬物動態、結合、吸収、細胞分布、細胞取り込み、電荷、又はクリアランス特性を含むがこれらに限定されない、それが結合しているオリゴヌクレオチドの1つ以上の特性を変更する。コンジュゲートの例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、膜透過性ペプチド(CPP)、ビタミンE(α-トコフェロールとしても知られる)、アプタマー、抗体、コレステロール又はコレステロール誘導体、スクアレン、脂肪酸、ヌクレオリピド、及び球状核酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
「ヌクレアーゼ」という用語は、オリゴヌクレオチドポリマーの骨格を切断することができる酵素、例えばヒドロラーゼを指す。一態様では、ヌクレアーゼは、オリゴヌクレオチドの骨格におけるホスホジエステル結合を切断するホスホジエステラーゼである。「リボヌクレアーゼ」又は「RNase」は、リボ核酸(RNA)を優先的に切断する酵素を指す。「デオキシリボヌクレアーゼ」又は「DNase」は、デオキシリボ核酸(DNA)を優先的に切断する酵素を指す。一態様では、ヌクレアーゼは、一本鎖オリゴヌクレオチド又は二本鎖オリゴヌクレオチドの一本鎖領域を優先的に切断する「一本鎖特異的ヌクレアーゼ」である。一本鎖特異的RNaseは、一本鎖RNAを優先的に切断する酵素である。一本鎖特異的DNaseは、一本鎖DNAを優先的に切断する酵素である。
【0079】
「標的核酸」は、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするように設計される、既知の配列を有する目的の核酸を指す。一態様では、標的核酸は、オリゴヌクレオチド治療剤がハイブリダイズするように設計される、既知の配列を有する核酸である。一態様では、標的核酸は、原核生物又は真核生物のDNA又はRNAに見出される配列である。一態様では、標的核酸は、miRNA、治療用RNA、mRNA、RNAウイルス、又はそれらの組み合わせを含む。一態様では、細胞における標的核酸とのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、細胞によって発現される遺伝子の活性を変化させる。一態様では、オリゴヌクレオチドの標的核酸とのハイブリダイゼーションは、遺伝子の活性を増加する。一態様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸とのハイブリダイゼーションは、遺伝子の活性を減少する。
【0080】
一態様では、標的核酸は、16SリボソームDNA(16S ribosomal DNA、16S rDNA)又は16リボソームRNA(16S rRNA、16S rRNA)を含む。16s rRNAは、mRNAのタンパク質への翻訳を介して遺伝子メッセージを機能的細胞成分に変換する必須プロセスに関与する、原核生物のリボソームの小サブユニットのリボソームRNA成分である。遺伝子16s rDNAは、16s rRNA配列をコードする。16S rRNA遺伝子は、細菌に保存されており、種特異的シグネチャー配列を提供することができる超可変領域を含み、細菌の特定並びに系統発生、特定、分類、及び定量化の試験において広く使用されている。
【0081】
「対象」又は「患者」という用語は、オリゴヌクレオチド組成物が実験、診断、予防、又は治療の目的のために投与される生物を指し、動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトなどの哺乳動物、昆虫、虫、及び植物が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、対象は、疾患又は障害に罹患しているか、又は罹患しやすい可能性がある。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ヒトマイクロバイオーム」という用語は、ヒトの体上及び体内で自然に生存する、細菌、真菌、ウイルス、及びそれらの遺伝子などの全ての微生物のコレクションを指す。一態様では、ヒトマイクロバイオームの微生物は、皮膚、乳腺、鼻腔、精液、子宮、卵胞、肺、唾液、口腔粘膜、結膜、胆管、及び胃腸管を含むヒトの器官、組織、及び体液上又はそれら内に生存する。一態様では、ヒトマイクロバイオームは、ヒトを害することのない片利共生及び共存する微生物からなる。一態様では、ヒトマイクロバイオームは、ヒトの体に役立つ微生物からなる。一態様では、ヒトマイクロバイオームは、ヒトの体に有害である微生物からなる。一態様では、ヒトマイクロバイオームは、ヒトの体に役立ち、有害である微生物群からなる。一態様では、ヒトマイクロバイオームは、相利共生である微生物からなり、ヒトの体及び微生物叢の両方が利益を得る。
【0083】
「プローブ」は、オリゴヌクレオチド二本鎖の一本鎖にハイブリダイズすることができる一本鎖オリゴヌクレオチド配列を含む試薬を指す。一態様では、プローブは、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス又はアンチセンス鎖にハイブリダイズすることができる一本鎖オリゴヌクレオチド配列を含む。「センスプローブ」は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖にハイブリダイズすることができる一本鎖オリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドである。「アンチセンスプローブ」は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖にハイブリダイズすることができる一本鎖オリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドである。一態様では、プローブは、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス又はアンチセンス鎖に相補的又は実質的に相補的である一本鎖オリゴヌクレオチド配列を含む。一態様では、プローブは、捕捉オリゴヌクレオチドの配列に相補的であるオリゴヌクレオチドタグ(標的化配列と呼ぶことができる)を含む。プローブは、DNA若しくはRNA、又はDNA配列とRNA配列との組み合わせを含むことができ、1つ以上の修飾ヌクレオチド又は修飾ヌクレオチド間結合を含むことができる。プローブは、化学合成又は酵素合成を含むがこれらに限定されない、当該分野で既知の任意の好適な方法によって調製することができる。
【0084】
「リンカー」は、1つの化学部分を別の化学部分に結合する1個以上の原子を指す。一態様では、リンカーは、反応性官能基又は標識をオリゴヌクレオチドに結合する。リンカーは、1個以上の原子、例えば、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10個の原子~約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、又は約20個の原子を含むヌクレオチド又は非ヌクレオチド化合物であることができ、炭素、酸素、硫黄、窒素、及びリン、並びにそれらの組み合わせなどの原子を含むことができる。リンカーの例としては、アミド基、エステル基、カーボネート基、及びエーテル基などの低分子量基、並びにポリエチレングリコール(PEG)鎖及びアルキル鎖などの高分子量結合基が挙げられる。リンカーは、1個以上の原子、単位、又は分子を含み得る。
【0085】
「標識」は、検出可能な物理的特性を有するか、又は化学基若しくは部分に検出可能な物理的特性を示させることができる化学基若しくは部分を指し、例えば、基質の検出可能な生成物への変換を触媒する酵素が挙げられる。標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、化学的、又は他の方法によって検出することができる。標識の例としては、放射性同位体、酵素、基質、蛍光分子、化学発光部分、電気化学発光部分、磁性粒子、及び生物発光部分が挙げられるが、これらに限定されない。別の態様では、標識は、結合対のメンバーである化合物であり、結合対の第1のメンバー(「一次結合試薬」と呼ぶことができる)は、基質、例えば、オリゴヌクレオチドに結合され、結合対の他方のメンバー(「二次結合試薬」と呼ぶことができる)は、検出可能な物理的特性を有するか、又は検出可能な物理的特性を有する部分に結合される。結合対の非限定的な例としては、ビオチン及びストレプトアビジン又はアビジン、相補的オリゴヌクレオチド、ハプテン及びハプテン結合パートナー、並びに抗体/抗原結合対が挙げられる。
【0086】
本明細書で使用される場合、本明細書で説明される方法ステップに関連して使用されるときの「同時に」は、ステップが実質的に同時に行われ、すなわち、1つの方法ステップの少なくとも一部分の実行が別の方法ステップの一部分の実行と時間的に重複する方法を指す。「同時に」は、正確な同時活性を必要とせず、すなわち、全ての方法ステップが同時に開始又は終了することは必要とされない。一態様では、「同時に」は、反応が同じ反応体積中又は同じインキュベーション期間中に起こるように、方法ステップに必要な全ての試薬が同じ反応混合物中で組み合わされることを意味することができる。
【0087】
本明細書で使用される場合、本明細書に記載される方法ステップに関連して使用されるときの「順次に」は、ステップが異なる時点で行われる方法を指し、例えば、方法の実施において別個の事象が生じる。一態様では、順次のステップは、別々のインキュベーション期間中に行われる。一態様では、順次のステップは、異なる反応混合物中で行われる。一態様では、順次の方法ステップは、異なる時間に行われる。一態様では、順次の方法ステップは、異なる時間でだが、同じ反応セル(rection cell)中又は同じ表面で行われる。
【0088】
「捕捉オリゴヌクレオチド」は、支持体表面に固定化することができ、相補的オリゴヌクレオチドタグにハイブリダイズする(したがって、表面で捕捉する)ように設計されるオリゴヌクレオチド試薬を指す。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、オリゴヌクレオチドプローブに存在する一本鎖オリゴヌクレオチドタグと選択的にハイブリダイズすることができる一本鎖配列である。捕捉オリゴヌクレオチドは、固体形態(例えば、凍結乾燥された)で、溶液中で、又は支持体表面に、例えば、粒子(例えば、微粒子、ビーズ)若しくはアレイに固定化されて提供され得る。
【0089】
「検出」は、標識の存在又は非存在に基づいて、オリゴヌクレオチドなどの物質の存在を検出又は定量化することを指すことができる。一態様では、「検出すること」は、オリゴヌクレオチドなどの物質の存在又は非存在が決定されるプロセスを指す。一態様では、「定量化すること」は、オリゴヌクレオチドなどの物質の量が決定されるときのプロセスを指す。
【0090】
「対応する」は、捕捉オリゴヌクレオチドとオリゴヌクレオチドタグとの間の関係を指すために使用することができ、オリゴヌクレオチドタグは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で特定の捕捉オリゴヌクレオチド配列に特異的に結合するように設計される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、ストリンジェントな条件下で、その対応する捕捉オリゴヌクレオチドに特異的に結合し、他の捕捉オリゴヌクレオチドと結合又は交差反応しない。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、ストリンジェントな条件下で、その対応する捕捉オリゴヌクレオチドに特異的に結合し、アレイにおける他の捕捉オリゴヌクレオチドと結合又は交差反応しない。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、その「対応する」捕捉オリゴヌクレオチドの配列の少なくとも一部分に相補的である配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドである。一態様では、「対応する」オリゴヌクレオチドタグ配列及び捕捉オリゴヌクレオチド配列のヌクレオチドは、ワトソン-クリックモデルに基づいて100%の配列相補性を有する。別の態様では、対応する配列のヌクレオチドは、ワトソン-クリックモデルに基づいて、少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列相補性を有する。
【0091】
「対応する」は、センスプローブのセンス結合部分又はアンチセンスプローブのアンチセンス結合部分と、それぞれ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖又はアンチセンス鎖との間の関係を指すために使用することができる。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のその対応するセンス鎖に特異的に結合し、試料中の他のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖、又は試料中のオリゴヌクレオチドタグと結合又は交差反応しない。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のその対応するアンチセンス鎖に特異的に結合し、試料中の他のオリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、又は試料中のオリゴヌクレオチドと結合又は交差反応しない。一態様では、「対応する」センス結合部分又はアンチセンス結合部分と、センスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチドとは、それぞれ、ワトソン-クリックモデルに基づいて100%の配列相補性を有する。別の態様では、「対応する」センス結合部分又はアンチセンス結合部分と、センスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドとのヌクレオチドは、それぞれ、ワトソン-クリックモデルに基づいて、少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列相補性を有する。
【0092】
「交差反応する」又は「交差反応性」とは、オリゴヌクレオチド配列が、試料中の2つ以上の他のオリゴヌクレオチド配列にハイブリダイズする能力を指す。一態様では、「交差反応する」という用語は、試料中の第2のオリゴヌクレオチド配列にハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列の能力を指し、第2のオリゴヌクレオチド配列は、第1のオリゴヌクレオチド配列と相補的ではないか、又は実質的に相補的ではない。一態様では、「交差反応する」又は「交差反応性」という用語は、試料中の2つ以上のオリゴヌクレオチドタグ又は2つ以上のタグ付き標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズする捕捉オリゴヌクレオチドの能力を指す。一態様では、交差反応性捕捉オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントな捕捉ハイブリダイゼーション条件下で、試料中の1つ以上のオリゴヌクレオチドタグにハイブリダイズする。「非交差反応性」又は「非交差反応すること」は、試料中の特定のオリゴヌクレオチド配列にのみハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列、例えば、試料中のその対応する相補的配列にのみハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチド配列の能力を指す。一態様では、「非交差反応性」という用語は、捕捉オリゴヌクレオチドが、2つ以上のオリゴヌクレオチドタグ又は2つ以上のタグ付き標的ヌクレオチド配列を含む試料中の1つのオリゴヌクレオチドタグにのみハイブリダイズする能力を指す。一態様では、非交差反応性捕捉オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試料中の1つのオリゴヌクレオチドタグのみにハイブリダイズする。一態様では、非交差反応性とは、第1のオリゴヌクレオチドが、試料中のその相補的配列以外の配列に結合する比率が、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で0.05%未満であることを意味する。一態様では、ストリンジェントな捕捉ハイブリダイゼーション条件は、27℃~47℃の温度、21%~41%のホルムアミド濃度、300mM~500mMの塩濃度、及び7.5~8.5のpHを含む。一態様では、ストリンジェントな捕捉ハイブリダイゼーション条件は、約37℃の温度、約31%のホルムアミド濃度、約400mMの塩濃度、及び8.0のpHを含む。
【0093】
「アレイ」は、本明細書において結合ドメイン又はアレイエレメントと呼ばれる、2つ以上の空間的に別個の(すなわち、重複しない)アドレス可能な位置を有する1つ以上の支持体表面を指す。一態様では、各アドレス可能な位置は、例えば捕捉オリゴヌクレオチドを含むアッセイ試薬を含む。
【0094】
「支持体表面」とは、種々の物質、例えば、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを固定化することができる表面材料を指す。「支持体表面」は、平面又は非平面であることができる。一態様では、支持体表面は、平坦な表面を含む。一態様では、支持体表面は、複数のウェルを有するプレート、すなわち「マルチウェルプレート」である。マルチウェルプレートは、任意のパターン又は構成で配置された任意のサイズ又は形状の任意の数のウェルを含むことができる。別の態様では、支持体表面は、湾曲した面を有する。一態様では、支持体表面は、1つ以上の粒子、ビーズ、又はマイクロスフェアによって提供される。粒子、ビーズ、又はマイクロスフェアという用語は、別段の指示がない限り、互換的に使用することができる。一態様では、支持体表面は、色分けされた粒子、ビーズ、又はマイクロスフェアを含む。一態様では、支持体表面は、アッセイプレート、スライド、カートリッジ、ビーズ、又はチップなどのアッセイモジュールを含む。一態様では、支持体表面は、アッセイフローセル又はアッセイ流体を含む。
【0095】
一態様では、支持体表面は、例えば、「遺伝子チップ」デバイスで典型的であるように、複数のアドレス可能な位置(「スポット」と呼ばれ得る)を含む。別の態様では、アレイは、ビーズの懸濁液中の各ビーズがアドレス可能な位置を表す「ビーズアレイ」アプローチ(これは、例えば、フローサイトメトリー又は顕微鏡検出技法を使用してアドレスされ得る)におけるように、各々が1つのアドレス可能な位置を有する複数の支持体表面を含む。別の態様では、アレイは複数の支持体表面を含み、各々が、表面当たり1つ以上、又は2つ以上のアドレス可能な位置を有する。支持体表面上のアドレス可能な位置は、均一な行及び列に配置することができるか、又は他のパターンを形成することができる。アレイ上のアドレス可能な位置の数は、例えば、約10未満から約50、約100、約200、約500、又は約1000超まで変化することができる。「多重化」とは、単一アッセイにおける2つ以上のアッセイ標的の同時分析を指す。
【0096】
アッセイで測定された分析物、又はアッセイで使用される試薬の文脈において、「複数」という用語は、分析物又は試薬の2つ以上のコピー(例えば、試薬A及び試薬Aの別のコピー)だけではなく、2つ以上の構造的又は機能的に異なる分析物又は試薬(例えば、試薬A及び試薬B)を意味する。例えば、「複数の検出試薬」という用語は、2つ以上の構造的又は機能的に異なる検出試薬がアッセイ中に存在することを意味し、例えば、異なる検出試薬は各々、異なる標的分析物に特異的に結合し、1つの試薬の複数のコピーが存在する状況を記述しない。しかしながら、この文脈における「複数」という用語の使用は、複数の分析物又は試薬のうちのいずれかの複数のコピーが存在する可能性を排除しない。例えば、複数の固定化した標的化試薬相補体は、標的化試薬相補体Aの1つ以上のコピー及び標的化試薬相補体Bの1つ以上のコピーを含む固定化した標的化試薬相補体を指し得る。複数の分析物又は試薬を指す場合、「第1の」、「第2の」、「第3の」など、又は「追加の」という用語は、固有の分析物又は試薬の間を区別するために使用することができる。例えば、「第1の」検出試薬は、「第1の」標的分析物に結合し、「第2の」検出試薬は、「第2の」標的分析物又は標的分析物の異なる部分に結合する。
【0097】
「固有の」は、組成物又は混合物中に存在する他の成分に依存する相対的な用語である。例えば、ヌクレオチド配列、例えば、プローブの分析物結合部分のヌクレオチド配列に関連して使用される場合、「固有の」という用語は、1つの分析物結合部分のヌクレオチド配列が、組成物又は混合物中の他のプローブの分析物結合部分のヌクレオチド配列とは異なることを意味する。同様に、標的化試薬又はオリゴヌクレオチドタグに関連して使用される場合、「固有の」という用語は、標的化試薬又はオリゴヌクレオチドタグのヌクレオチド配列が、組成物又は混合物中の他の標的化試薬又はタグのヌクレオチド配列と異なることを意味する。「固有の」という用語は、「固有の」分析物又は試薬の複数のコピーがアッセイ又は試料に存在し得る可能性を排除しない。
【0098】
「炭素系」とは、主成分として元素炭素(C)を含有する材料を指す。炭素含有材料又は炭素系材料の例としては、カーボン、カーボンブラック、黒鉛状炭素、ガラス状炭素、カーボンナノチューブ、炭素フィブリル、グラファイト、炭素繊維、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。炭素系材料は、例えば、グラファイト、カーボンブラック、又はカーボンナノチューブを含む元素炭素を含むことができる。一態様では、炭素系材料は、導電性炭素-ポリマー複合材料、導電性ポリマー、又はマトリックス中に分散された導電性粒子、例えば、カーボンインク、カーボンペースト、又は金属インクを含む。導電性炭素粒子としては、例えば、マトリックス、例えば、エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate、EVA)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene、ABS)などのポリマーマトリックス中に分散された、例えば、炭素フィブリル、カーボンブラック、又は黒鉛状炭素が挙げられる。かかるポリマーマトリックスはまた、酢酸ビニル、エチレン、ビニルアルコール、塩化ビニル、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、又は他のモノマーから選択されるモノマーを含み得る2つ以上のタイプの成分モノマーとのコポリマーを含むことができる。
【0099】
B.概要
本明細書において、試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖を検出又は定量化するための方法が提供される。一態様では、試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖の第1及び第2の鎖を検出又は定量化するための方法が提供される。一態様では、試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス及びアンチセンス鎖を検出又は定量化するための方法が提供される。一態様では、方法は、二本鎖オリゴヌクレオチド治療剤のセンス及びアンチセンス鎖を検出又は定量化するために使用される。
【0100】
本明細書に記載の方法は、例えば、血漿、血清、全血、尿、糞便、母乳、唾液、及び羊水を含むがこれらに限定されない生体液、並びに脳、肝臓、脾臓、心臓、肺、及び腎臓などの器官若しくは器官ホモジネート、又は筋肉、皮膚、若しくは骨髄などの他の組織を含むがこれらに限定されない組織若しくは組織ホモジネートを含む、様々な複雑な生体試料におけるオリゴヌクレオチド治療剤を特性評価するための頑強かつ高感度な方法を提供する。一態様では、試料は、環境試料である。一態様では、試料は、製造プロセス試料である。
【0101】
一態様では、方法は、例えば、薬物動態(pharmacokinetics、PK)、薬力学(pharmacodynamics、PD)、クリアランス、半減期、ピーク濃度、曝露-応答関係、生体内分布、組織標的化、組織蓄積、組織生物学的利用能、又はそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、治療用オリゴヌクレオチドの薬物動態、生体内分布、及び細胞取り込みを特性評価するために使用することができる。一態様では、方法は、オリゴヌクレオチド二本鎖の両方の鎖を検出又は定量化するために、例えば、二本鎖の安定性、並びにオリゴヌクレオチド二本鎖の個々の鎖の薬物動態、生体内分布、及び細胞取り込みを評価するために使用することができる。
【0102】
一態様では、方法又はキットは、微生物の1つ以上のヌクレオチド配列又はバリアントを特定、検出、又は定量化するために使用される。一態様では、方法又はキットは、細菌、真菌、原生動物、又はウイルスの1つ以上のヌクレオチド配列又はバリアントを特定、検出、又は定量化するために使用される。一態様では、方法又はキットは、ヒトマイクロバイオームの成分である細菌、真菌、原生動物、又はウイルスの1つ以上のヌクレオチド配列を特定、検出、又は定量化するために使用される。方法又はキットの一態様では、細菌からの16S rRNA又はrDNAの1つ以上のヌクレオチド配列又はバリアントを特定、検出、又は定量化するために使用される。
【0103】
一態様では、細菌は、Achromobacter、Acidaminococcus、Acinetobacter、Actinomycetales、Aerococcus、Anaerococcus、Aggregatibacter、Aeromonas、Alcaligenes、Anaerobiospirillum、Atopobium、Bacillus、Bacillota、Bacteroides、Bacterionema、Bartonella、Bifidobacterium、Bordetella、Borrelia、Brucella、Burkholderia、Buchnera、Butyriviberio、Campylobacter、Capnocytophaga、Cardiobacterium、Chlamydia、Chlamydophila、Collinsella、Citrobacter、Clostridium、Corynebacterium、Cutibacterium、Dialister、Demodex、Eggerthella、Eikenella、Enterococcus、Enterobacter、Escherichia、Eubacterium、Faecalibacterium、Finegoldia、Firmicutes、Flavobacterium、Francisella、Fusobacterium、Gardnerella、Gordonia、Haemophilus、Helicobacter、Kingella、Klebsiella、Lactobacillus、Legionella、Leptospira、Leptotrichia、Listeria、Megasphaera、Methanobrevibacter、Microbacterium、Micrococcus、Mobiluncus、Morganella、Moraxella、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Peptococcus、Peptoniphilus、Peptostreptococcus、Plesiomonas、Porphyromonas、Prevotella、Propionibacterium、Proteus、Providencia、Pseudomonas、Pseudomonadota、Rickettsia、Roseburia、Rothia、Ruminococcus、Sarcina、Salmonella、Selenomonas、Shigella、Slackia、Sneathia、Spirochaeta、Staphylococcus、Streptobacillus、Streptococcus、Streptomyces、Tannerella、Treponema、Trichophyton、Ureaplasma、Veillonella、Vibrio、Wolinella、又はYersinia細菌である。
【0104】
一態様では、試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス及びアンチセンス鎖を検出又は定量化するための方法が提供される。一態様では、方法は、試料を、センスプローブ及びアンチセンスプローブを含むプローブのセットを含む組成物と接触させることを含む。一態様では、センスプローブは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び標識を含む。一態様では、アンチセンスプローブは、支持体表面に固定化された第2の捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び標識を含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有する。一態様では、アンチセンス鎖のアンチセンス結合部分は、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する。
【0105】
一態様では、方法は、プローブを試料とともにインキュベートしてハイブリダイゼーション混合物を形成するステップを更に含む。一態様では、ハイブリダイゼーション混合物は、センスプローブがオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖とハイブリダイズしてセンス複合体を形成し、アンチセンスプローブがオリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖とハイブリダイズしてアンチセンス複合体を形成する「生産的」又は「望ましい」ハイブリダイゼーション複合体を含む。一態様では、ハイブリダイゼーション混合物は、1つ以上の「非生産的」又は望ましくないハイブリダイゼーション複合体を含む。非生産的なハイブリダイゼーション複合体の一例は、センスプローブがオリゴヌクレオチドのセンス鎖にハイブリダイズしない場合、又はアンチセンスプローブがオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖にハイブリダイズしない場合である。非生産的ハイブリダイゼーション複合体の別の例は、センスプローブ及びアンチセンスプローブが、互いにハイブリダイズしてプローブ-プローブ複合体を形成する場合である。
【0106】
図1Aは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖11及びアンチセンスプローブ12を含むアンチセンス複合体10の概略図であり、アンチセンスプローブ12は、オリゴヌクレオチドタグ13、アンチセンス結合部分14、及び標識15を含む。図1Bは、オリゴヌクレオチド二本鎖からのセンス鎖21及びセンスプローブ22を含むセンス複合体20の概略図であり、センスプローブ22は、オリゴヌクレオチドタグ23、センス結合部分24、及び標識25を含む。
【0107】
オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス及びアンチセンス鎖を検出しようとする場合に生じる1つの困難性は、プローブ-プローブハイブリダイゼーションに起因する潜在的な非生産的結合である。オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖並びにセンスプローブ及びアンチセンスプローブを含むハイブリダイゼーション混合物中で可能であるハイブリダイゼーション複合体が、図2A図2C(短い結合部分を有するプローブを使用)及び図3A図3C(全長結合部分を有するプローブを使用)に示される。
【0108】
図2Aは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖11及びアンチセンスプローブ12を含むアンチセンス複合体10の概略図であり、アンチセンスプローブ12は、オリゴヌクレオチドタグ13、「短い」アンチセンス結合部分14、及び標識15を含む。図2Bは、オリゴヌクレオチド二本鎖からのセンス鎖21及びセンスプローブ22を含むセンス複合体20の概略図であり、センスプローブ22は、オリゴヌクレオチドタグ23、「短い」センス結合部分24、及び標識25を含む。本明細書で使用される場合、「短い」結合部分という用語は、アンチセンスプローブ及びセンスプローブの結合部分が、それぞれ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖及びセンス鎖よりも短い(すなわち、少なくとも1ヌクレオチド少なく含む)長さを有し、その結果、アンチセンス複合体10に一本鎖オーバーハング16が存在し、センス複合体22に一本鎖オーバーハング26が存在することを意味する。
【0109】
一態様では、アンチセンス複合体10のアンチセンス11鎖の末端部分は、一本鎖である。一態様では、アンチセンス複合体10のアンチセンス11鎖の3’末端部分は、一本鎖である。一態様では、アンチセンス複合体10のアンチセンス11鎖の5’末端部分は、一本鎖である。一態様では、センス複合体20のセンス鎖21の末端部分は、一本鎖である。一態様では、センス複合体20のセンス鎖21の3’末端部分は、一本鎖である。一態様では、センス複合体20のセンス鎖21の5’末端部分は、一本鎖である。一態様では、一本鎖オーバーハングは、約1~約10ヌクレオチドの長さ、約1~約5ヌクレオチドの長さ、約1~約3ヌクレオチドの長さ、又は約1~約2ヌクレオチドの長さである。一態様では、一本鎖オーバーハングは、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10ヌクレオチドの長さである。
【0110】
図2Cは、アンチセンスプローブ12の「短い」アンチセンス結合部分14がセンスプローブ22の「短い」センス結合部分24にハイブリダイズする、プローブ-プローブ結合複合体40の概略図である。この状況において、アンチセンスプローブ10が「短い」アンチセンス結合部分14を有し、センスプローブ20が「短い」センス結合部分24を有する場合、プローブ-プローブ複合体40において露出した一本鎖オーバーハング17及び27が存在する。一態様では、プローブ-プローブ複合体40におけるアンチセンスプローブ12のアンチセンス結合部分14の5’末端は、一本鎖である。一態様では、プローブ-プローブ複合体40におけるセンスプローブ22のセンス結合部分24の5’末端は、一本鎖である。一態様では、プローブ-プローブ複合体40におけるアンチセンスプローブ12のアンチセンス結合部分14の5’末端及びセンスプローブ22のセンス結合部分24の5’末端は、各々一本鎖である。一態様では、プローブ-プローブ複合体40におけるアンチセンスプローブ12のアンチセンス結合部分14の3’末端は、一本鎖である。一態様では、プローブ-プローブ複合体40におけるセンスプローブ22のセンス結合部分24の3’末端は、一本鎖である。一態様では、プローブ-プローブ複合体40におけるアンチセンスプローブ12のアンチセンス結合部分14の3’末端及びセンスプローブ22のセンス結合部分24の3’末端は、各々一本鎖である。一態様では、一本鎖オーバーハングは、約1~約10ヌクレオチドの長さ、約1~約5ヌクレオチドの長さ、約1~約3ヌクレオチドの長さ、又は約1~約2ヌクレオチドの長さである。一態様では、一本鎖オーバーハングは、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10ヌクレオチドの長さである。
【0111】
図3Aは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖11及びアンチセンスプローブ12’を含むアンチセンス複合体10’の概略図であり、アンチセンスプローブ12’は、オリゴヌクレオチドタグ13、「全長」アンチセンス結合部分14’、及び標識15を含む。図3Bは、オリゴヌクレオチド二本鎖からのセンス鎖21及びセンスプローブ22’を含むセンス複合体20’の概略図であり、センスプローブ22’は、オリゴヌクレオチドタグ23、「全長」センス結合部分24’、及び標識25を含む。本明細書で使用される場合、「全長」結合部分という用語は、アンチセンスプローブ及びセンスプローブの結合部分が、それぞれ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖及びセンス鎖と同じ長さであり(すなわち、同じ数のヌクレオチド塩基を含む)、その結果、アンチセンス複合体10’又はセンス複合体20’に一本鎖オーバーハングが存在しないことを意味する。図3Cは、アンチセンスプローブ12’の「全長」アンチセンス結合部分14’が、センスプローブ22’の「全長」センス部分24’にハイブリダイズされ、そこに一本鎖オーバーハングが存在しない、プローブ-プローブ結合複合体40’の概略図である。
【0112】
一態様では、支持体表面は、センスプローブ又はアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグが、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、ハイブリダイゼーション混合物と接触する。一態様では、アンチセンス複合体の一部分であるアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。一態様では、センス複合体の一部分であるセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。図4Aにおいて、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、アンチセンス複合体のアンチセンス鎖部分が一本鎖オーバーハングを含み、それであるように「短く」、センスプローブのセンス結合部分は、センス複合体のセンス鎖部分が一本鎖オーバーハングを含むように「短い」。図4Bにおいて、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は「全長」であり、そのためアンチセンス複合体のアンチセンス鎖部分は一本鎖オーバーハングを含まず、センスプローブのセンス結合部分は「全長」であり、その結果、センス複合体のセンス鎖部分は一本鎖オーバーハングを含まない。アンチセンス複合体又はセンス複合体が、それぞれアンチセンスプローブ又はセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグを介して支持体表面にハイブリダイズする状況は、本明細書において「生産的」と称される。
【0113】
一態様では、アンチセンスプローブ又はセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、それぞれアンチセンス複合体又はセンス複合体の一部分ではない。アンチセンス複合体又はセンス複合体ではないハイブリダイゼーション複合体が、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグを介して支持体表面にハイブリダイズする状況は、本明細書において「非生産的」と称される。一態様では、図4Cに示されるように、アンチセンスプローブ12又はセンスプローブ22のオリゴヌクレオチドタグは、アンチセンスプローブ12又はセンスプローブ22のみを支持体表面30に結合する。この状況において、アンチセンスプローブ12又はセンスプローブ22のそれぞれアンチセンス結合部分14及びセンス結合部分24は、一本鎖のままである。
【0114】
一態様では、アンチセンスプローブ又はセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、プローブ-プローブ複合体の一部分であり、アンチセンスプローブ12又はセンスプローブ22のオリゴヌクレオチドタグは、支持体表面30にプローブ-プローブ複合体40’を固定化する。一態様では、図4Dに示されるように、プローブのアンチセンス結合部分及びセンス結合部分は「短く」、その結果、プローブ-プローブ複合体40の結合部分に一本鎖オーバーハングが存在する。一態様では、図4Eに示すように、プローブのアンチセンス結合部分及びセンス結合部分は「全長」であり、その結果、プローブ-プローブ複合体40’の結合部分に一本鎖オーバーハングが存在しない。
【0115】
一態様では、試料は複数のオリゴヌクレオチド二本鎖を含み、組成物は複数のプローブのセットを含み、各プローブのセットは、固有のオリゴヌクレオチド二本鎖の固有のセンス鎖又はアンチセンス鎖とハイブリダイズする。
【0116】
一態様では、方法は、ステップダウンハイブリダイゼーション条件を含み、プローブは、アニーリング温度の漸進的低下の間に、それらのそれぞれのセンス鎖又はアンチセンス鎖にハイブリダイズする。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、試料を第1の温度でインキュベートしてオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させる変性ステップを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、アニーリングステップを含み、プローブをオリゴヌクレオチド二本鎖の変性したセンス鎖及び変性したアンチセンス鎖とともに第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブがセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズすることを可能にする。一態様では、方法は、センス複合体及びアンチセンス複合体を、約2℃~約8℃の保持温度でインキュベートすることを含む。
【0117】
一態様では、変性ステップは、試料を約60℃~約95℃の第1の温度でインキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることを含む。一態様では、変性ステップは、試料を少なくとも約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、又は約80℃、かつ最大約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃の第1の温度でインキュベートすることを含む。一態様では、変性ステップは、試料を約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、又は約100℃の第1の温度で試料をインキュベートすることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、試料を約80℃~約95℃の第1の温度でインキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、試料を約90℃~約95℃の第1の温度でインキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、試料を約95℃の第1の温度でインキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることを含む。一態様では、試料は、約1分間~約15分間インキュベートされる。一態様では、試料は、少なくとも約30秒間、約1分間、約2分間、約3分間、約4分間、又は約5分間、かつ最大約10分間又は約15分間インキュベートされる。一態様では、試料は、約30秒間、約1分間、約2分間、約3分間、約4分間、約5分間、約10分間、又は約15分間インキュベートされる。一態様では、試料は、約1分間~約5分間インキュベートされる。一態様では、試料は、約1分間~約2分間インキュベートされる。一態様では、試料は、約2分間インキュベートされる。一態様では、変性ステップは、プローブを試料約60℃~約95℃の第1の温度で約1分間~約15分間インキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料約80℃~約95℃の第1の温度で約1分間~約5分間インキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料約95℃の第1の温度で約2分間インキュベートして、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を変性させることを含む。
【0118】
一態様では、アニーリングステップは、プローブを試料とともに約10℃~約65℃の第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、アニーリングステップは、プローブを試料とともに少なくとも約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、又は約40℃、かつ最大約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、又は約65℃の第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、アニーリングステップは、プローブを試料とともに約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、又は約65℃の第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、アニーリングステップは、プローブを試料とともに約40℃及び約65℃からの第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに60℃~約65℃の第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに約65℃の第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせるステップを含む。一態様では、アニーリングステップは、プローブを試料とともに第2の温度で約30秒間~約5分間インキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、アニーリングステップは、プローブを試料とともに第2の温度で少なくとも約30秒間、約60秒間、約90秒間、かつ最大約2分間、約3分間、約4分間、又は約5分間インキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに第2の温度で約1分間~約2分間インキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに第2の温度でインキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせるステップを含む。一態様では、アニーリングステップは、プローブを試料とともに約10℃~約65℃の第2の温度で約30秒間~約5分間インキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに約40℃~約65℃の第2の温度で約1分間~約2分間インキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに約65℃の第2の温度で約1分間インキュベートして、センスプローブ及びアンチセンスプローブをセンス鎖及びアンチセンス鎖にハイブリダイズさせることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに約2℃~約8℃の保持温度でインキュベートすることを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション条件は、プローブを試料とともに約4℃の保持温度でインキュベートすることを含む。
【0119】
一態様では、アニーリングステップと保持との間の温度遷移速度は、約0.05℃/秒~約0.5℃/秒である。一態様では、アニーリングステップと保持との間の温度遷移速度は、約0.1℃/秒である。
【0120】
一態様では、プローブは、希釈剤54又はN-PLEXハイブリダイゼーション緩衝液1若しくは2を含む緩衝液中で試料とともにインキュベートさせる。
【0121】
一態様では、ハイブリダイゼーション複合体を含有するハイブリダイゼーション混合物は、一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触する。一態様では、支持体表面は、最初に、センスプローブ及びアンチセンスプローブの第1のオリゴヌクレオチドタグ及び第2のオリゴヌクレオチドタグが、支持体表面で第1の捕捉オリゴヌクレオチド及び第2の捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズして、ハイブリダイゼーション複合体を支持体表面に固定化する条件下で、ハイブリダイゼーション混合物と接触し、次いで、支持体表面は、一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させる。一態様では、ハイブリダイゼーション複合体を含有するハイブリダイゼーション混合物は、一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触して、反応混合物を形成し、次いで、センスプローブ及びアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグが、支持体表面で固定化された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、支持体表面を反応混合物と接触する。
【0122】
一態様では、一本鎖特異的ヌクレアーゼは、一本鎖特異的DNaseを含む。一態様では、一本鎖特異的DNaseは、S1ヌクレアーゼ、P1ヌクレアーゼ、又はマングビーンヌクレアーゼである。一態様では、一本鎖特異的ヌクレアーゼは、一本鎖特異的RNaseを含む。一態様では、一本鎖特異的RNaseは、RNase A、RNase H、RNase I、RNase III、RNase L、RNase P、RNase PhyM、RNase T1、RNase T2、RNase U2、RNase V、PNPase、RNase PH、RNase R、RNase D、RNase T、RNaseONE、オリゴリボヌクレアーゼ、エキソリボヌクレアーゼI、又はエキソリボヌクレアーゼIIである。
【0123】
一態様では、図4Cに示されるように、一本鎖ヌクレアーゼは、ハイブリダイゼーション複合体における未結合の一本鎖プローブを切断し、プローブから標識を分離する。有利なことに、これはプローブから標識を除去し、非結合プローブの支持体表面への固定化によって引き起こされるバックグラウンドを減少させる。
【0124】
一態様では、図4Dに示されるように、一本鎖ヌクレアーゼは、「短い」プローブを使用して形成された一本鎖オーバーハングプローブ-プローブ複合体を切断し、プローブ-プローブ複合体から標識を除去し、それによってバックグラウンドレベルを減少させる。
【0125】
一態様では、図4Eに示すように、プローブ-プローブ複合体は、一本鎖オーバーハングが存在しないようにFLプローブから形成される。この状況では、標識は支持体表面に固定化されたままであり、高いバックグラウンドレベルを引き起こす。
【0126】
一態様では、試料をプローブのセットを含む組成物と接触させる方法ステップ、プローブを試料とともにインキュベートして、センス複合体及びアンチセンス複合体を含むハイブリダイゼーション複合体を形成する方法ステップ、支持体表面を、ハイブリダイゼーション複合体を含むハイブリダイゼーション混合物と接触させる方法ステップ、並びに支持体表面を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させる方法ステップのうちの1つ以上が同時に行われる。一態様では、試料をプローブのセットを含む組成物と接触させる方法ステップ、プローブを試料とともにインキュベートして、センス複合体及びアンチセンス複合体を含むハイブリダイゼーション複合体を形成する方法ステップ、支持体表面を、ハイブリダイゼーション複合体を含むハイブリダイゼーション混合物と接触させる方法ステップ、並びにハイブリダイゼーション複合体を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させる方法ステップは全て同時に行われる。
【0127】
一態様では、試料をプローブのセットを含む組成物と接触させる方法ステップ、プローブを試料とともにインキュベートして、センス複合体及びアンチセンス複合体を含むハイブリダイゼーション複合体を含むハイブリダイゼーション混合物を形成する方法ステップ、支持体表面をハイブリダイゼーション混合物と接触させる方法ステップ、並びにハイブリダイゼーション複合体を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させる方法ステップのうちの1つ以上が順次に行われる。一態様では、試料をプローブのセットを含む組成物と接触させる方法ステップ、プローブを試料とともにインキュベートして、センス複合体及びアンチセンス複合体を含むハイブリダイゼーション複合体を含むハイブリダイゼーション混合物を形成する方法ステップ、支持体表面をハイブリダイゼーション混合物と接触させる方法ステップ、並びにハイブリダイゼーション複合体を一本鎖特異的ヌクレアーゼと接触させる方法ステップは各々、順次に行われる。
【0128】
一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約15分間~約12時間インキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに、少なくとも約15分間、約30分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、又は約6時間、かつ最大約6時間又は約12時間インキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約30分~約3時間インキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約1時間~約2時間インキュベートする。
【0129】
一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約20℃~約40℃の温度でインキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに、少なくとも約20℃、約25℃、又は約30℃、かつ最大約25℃、又は約40℃の温度でインキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約20℃~約40℃の温度でインキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約30℃~約40℃の温度でインキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約35℃~約40℃の温度でインキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、又は約40℃の温度でインキュベートする。一態様では、支持体表面は、センス複合体及びアンチセンス複合体とともに約37℃の温度でインキュベートする。
【0130】
一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約700rpm~約900rpmで振盪しながら振盪しながらインキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに約700rpm、705rpm、710rpm、725rpm、750rpm、かつ最大約800rpm、約850rpm、又は約900rpmで振盪しながら振盪しながらインキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体と約705rpmで振盪しながらインキュベートする。
【0131】
一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに、約20℃~約40℃の温度で約15分間~約12時間インキュベートする。一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体とともに、約20℃~約40℃の温度で約1時間~約2時間インキュベートする。一態様では、支持体表面は、センス複合体及びアンチセンス複合体とともに振盪しながらインキュベートする。一態様では、支持体表面は、センス複合体及びアンチセンス複合体とともに、約37℃の温度で約1時間、約705rpmで振盪しながらインキュベートする。
【0132】
一態様では、試料は複数のオリゴヌクレオチド二本鎖を含み、プローブ組成物は複数のプローブのセットを含み、各プローブのセットは、固有のオリゴヌクレオチド二本鎖の固有のセンス鎖又はアンチセンス鎖とハイブリダイズする。一態様では、プローブ組成物は、約20pM~約10nMのセンスプローブを含む。一態様では、プローブ組成物は、約20pM、約50pM、約100pM、約150pM、約200pM、又は約250pMから、最大約0.5nM、約1nM、約5nM、又は約10nMのセンスプローブを含む。一態様では、プローブ組成物は、約100pM~約500pMのセンスプローブを含む。一態様では、プローブ組成物は、約20pM~約200pMのセンスプローブを含む。一態様では、プローブ組成物は、約20pM~約100pMのセンスプローブを含む。一態様では、プローブ組成物は、約20pM、約50pM、約100pM、約150pM、約200pM、又は約250pMから、最大約0.5nM、約1nM、約5nM、又は約10nMのアンチセンスプローブを含む。一態様では、プローブ組成物は、約100pM~約500pMのアンチセンスプローブを含む。一態様では、プローブ組成物は、約20pM~約200pMのアンチセンスプローブを含む。
【0133】
一態様では、方法は、支持体表面に固定化された存在標識に基づいて、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を検出又は定量化することを含む。一態様では、方法は、約200pg/mL未満の検出下限(lower limit of detection、LLOD)を有する。
【0134】
C.オリゴヌクレオチド二本鎖
一態様では、本明細書に記載の方法は、試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖を検出するために使用される。一態様では、本明細書に記載の方法は、オリゴヌクレオチド二本鎖の第1の鎖及び第2の鎖を検出するために使用される。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、二本鎖オリゴヌクレオチド治療剤である。一態様では、オリゴヌクレオチド治療剤は、センス及びアンチセンス鎖を含む。
【0135】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の両方の鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、DNA/DNA二本鎖である。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の両方の鎖は、RNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、RNA/RNA二本鎖である。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の1つの鎖はDNAを含み、オリゴヌクレオチド二本鎖の1つの鎖はRNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、DNA/RNAヘテロ二本鎖である。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、RNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、DNAを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、RNAを含む。
【0136】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の一方又は両方の鎖は、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の鎖のうちの1つは、DNA及び1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の鎖のうちの1つは、RNA及び1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、DNA及び1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖は、RNA及び1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、DNA及び1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖は、RNA及び1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、修飾ヌクレオチドは、核酸塩基、糖、又はヌクレオチド間結合における修飾を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方は、個々に、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方は、個々に、5’-又は3’-バイオコンジュゲートを含む。一態様では、バイオコンジュゲートは、ポリエチレングリコール(PEG)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、細胞透過性ペプチド(CPP)、α-トコフェロール、アプタマー、抗体、コレステロール、スクアレン、脂肪酸、又はヌクレオリピドを含む。
【0137】
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の各鎖は、独立して、約5~約100ヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の各鎖は、独立して、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約20、約25、又は約30ヌクレオチドから、最大約30、約35、約40、約45、約50、又は約100ヌクレオチドの長さを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖の各鎖は、約8~約50ヌクレオチド、約10~約40ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、約12~約30ヌクレオチド、約16~約30、又は約18~約30ヌクレオチドを含む。
【0138】
D.オリゴヌクレオチドプローブ
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖にハイブリダイズすることができるセンスプローブが提供される。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖にハイブリダイズすることができるアンチセンスプローブが提供される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグ、アンチセンス結合部分、及び標識を含むアンチセンスプローブが提供される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグ、センス結合部分、及び標識を含むセンスプローブが提供される。
【0139】
1.オリゴヌクレオチドタグ
一態様では、センスプローブ及びアンチセンスプローブは、捕捉オリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチド配列にハイブリダイズする核酸配列を有するオリゴヌクレオチドタグを含む。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、一本鎖捕捉オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列の少なくとも一部分と相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、その対応する捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。
【0140】
一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、その対応する捕捉オリゴヌクレオチドではない捕捉オリゴヌクレオチドと交差反応しないか、又はそれにハイブリダイズしない。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、その対応する捕捉オリゴヌクレオチドではない捕捉オリゴヌクレオチドと交差反応しないか、又はそれにハイブリダイズしない。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖又はアンチセンス鎖にハイブリダイズしない。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分にハイブリダイズせず、又はその逆も同様である。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、生理学的に適切な条件下又はストリンジェントな条件下で、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分にハイブリダイズしない。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、生理学的に適切な条件下又はストリンジェントな条件下で、センスプローブのセンス結合部分にハイブリダイズしない。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、生理学的に適切な条件下又はストリンジェントな条件下で、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖又はアンチセンス鎖にハイブリダイズしない。
【0141】
一態様では、オリゴヌクレオチドタグ及びその対応する捕捉オリゴヌクレオチドは、ワトソン-クリックモデルに基づいて100%の「配列相補性」を有する。一態様では、オリゴヌクレオチドタグ及び捕捉オリゴヌクレオチドは、ワトソン-クリックモデルに基づいて少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の配列相補性を有する配列を有する。
【0142】
一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、組換えによって産生される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、化学的に合成される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、天然に存在する配列ではない。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、一本鎖DNA配列を含む。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、一本鎖RNA配列を含む。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0143】
一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、ロックド核酸(LNA)を含む。
【0144】
一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、ロックド核酸(LNA)を含む。
【0145】
一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。
【0146】
一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、アンチセンスプローブの5’末端に結合される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、アンチセンスプローブの3’末端に結合される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、センスプローブの5’末端に結合される。別の態様では、オリゴヌクレオチドタグは、センスプローブの3’末端に結合される。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖又はアンチセンス鎖と相補的ではなく、ハイブリダイズしない。
【0147】
一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、少なくとも約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、又は約25、かつ最大約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、若しくは約40、又は約15及び約40、若しくは約20及び約30ヌクレオチドからの長さであるヌクレオチド配列を有する。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、相補的捕捉オリゴヌクレオチド配列よりも、少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、又は約10、かつ最大約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、若しくは約20、又は約1~約20、約10~約15、若しくは約12~約13ヌクレオチド短いヌクレオチド配列を含む。一態様では、タグは、少なくとも約24、約30、又は約36ヌクレオチドの長さであるヌクレオチド配列を有する。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、対応する捕捉オリゴヌクレオチドの長さと同じである長さを有する。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、対応する捕捉オリゴヌクレオチドの長さよりも短い長さを有する。
【0148】
2.結合部分
一態様では、アンチセンスプローブは、アンチセンス結合部分を含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖の核酸配列に相補的である核酸配列を有する。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖にハイブリダイズすることができる。一態様では、アンチセンス結合部分とオリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖とは、ワトソン-クリックモデルに基づいて100%の「配列相補性」を有する。一態様では、アンチセンス結合部分とオリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖とは、ワトソン-クリックモデルに基づいて少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の配列相補性を有する配列を有する。
【0149】
一態様では、センスプローブは、センス結合部分を含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖の核酸配列に相補的な核酸配列を有する。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖にハイブリダイズすることができる。一態様では、センス結合部分とオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖とは、ワトソン-クリックモデルに基づいて100%の「配列相補性」を有する。一態様では、センス結合部分とオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖とは、ワトソン-クリックモデルに基づいて少なくとも約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の配列相補性を有する配列を有する。
【0150】
一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合長は、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い。一態様では、アンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖よりも約1~約10ヌクレオチド短い長さを有する。一態様では、アンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖よりも約1~約5ヌクレオチド短い長さを有する。一態様では、アンチセンス結合部分は、約10~約25ヌクレオチドの長さ、又は約10~約20ヌクレオチド、若しくは約10~約16ヌクレオチドの長さである。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、長さを有し、これは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖の長さの約50%~約99%である。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、長さを有し、これは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖の長さの約75%~約95%である。
【0151】
一態様では、センスプローブのセンス結合長は、センス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短い。一態様では、センス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖よりも約1~約10ヌクレオチド短い長さを有する。一態様では、センス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖よりも約1~約5ヌクレオチド短い長さを有する。一態様では、センス結合部分は、約10~約25ヌクレオチドの長さ、又は約10~約20ヌクレオチド、若しくは約10~約16ヌクレオチドの長さを有する。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、長さを有し、これは、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖の長さの約50%~約99%である。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、長さを有し、これは、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖の長さの約75%~約95%である。
【0152】
一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖の5’末端とアラインメントする3’末端を有する。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖の3’末端とアラインメントする5’末端を有する。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖の5’末端とアラインメントする3’末端を有する。
【0153】
一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含む。
【0154】
一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0155】
一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0156】
一態様では、アンチセンスプローブは、DNAを含むアンチセンス結合部分及びRNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、アンチセンス結合部分アンチセンスプローブは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いアンチセンス結合長を有する。一態様では、アンチセンスプローブは、RNAを含むアンチセンス結合部分及びDNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、アンチセンス結合部分アンチセンスプローブは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いアンチセンス結合長を有する。一態様では、センスプローブは、DNAを含むセンス結合部分及びRNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いセンス結合長を有する。一態様では、センスプローブは、RNAを含むセンス結合部分及びDNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いセンス結合長を有する。
【0157】
一態様では、アンチセンスプローブの結合部分は、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、アンチセンスプローブの結合部分は、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、アンチセンスプローブの結合部分は、ロックド核酸(LNA)を含む。
【0158】
一態様では、センスプローブの結合部分は、1つ以上の修飾核酸を含む。一態様では、センスプローブの結合部分は、ホスホジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、2’O-メチル(2’OMe)、2’O-メトキシエチル(MOE)、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミデートモルホリノ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。一態様では、センスプローブの結合部分は、ロックド核酸(LNA)を含む。
【0159】
3.標識
一態様では、プローブは、標識を含む。一態様では、標識は、プローブに直接的に結合される。別の態様では、標識は、リンカーを介してプローブに結合される。一態様では、標識は、プローブの5’末端に結合される。一態様では、標識は、プローブの3’末端に結合される。一態様では、標識は、一次標識である。一態様では、一次標識は、検出可能な物理的特性を有する。一次標識の例としては、放射性同位体、酵素、基質、蛍光分子、化学発光部分、電気化学発光(ECL)部分、磁性粒子、及び生物発光部分が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、一次標識は、電気化学発光(ECL)標識である。一態様では、ECL標識は、遷移金属、例えばルテニウムを含む有機金属錯体である。一態様では、一次標識は、MSD SULFO-TAG標識(Meso Scale Diagnostics,LLC、Rockville,MD,U.S.A.)である。
【0160】
一態様では、標識は、結合対のメンバーである化合物であり、結合対の第1のメンバー(「一次結合試薬」と呼ぶことができる)は、基質、例えば、オリゴヌクレオチドに結合され、結合対の他方のメンバー(「二次結合試薬」と呼ぶことができる)は、検出可能な物理的特性を有するか、又は検出可能な物理的特性を有する部分に結合される。結合対の非限定的な例としては、ビオチン及びストレプトアビジン、又はアビジン、相補的オリゴヌクレオチド、ハプテン及びハプテン結合パートナー、並びに抗体-抗原結合対が挙げられる。一態様では、標識は、ビオチンを含む一次結合剤である。一態様では、二次結合試薬は、ストレプトアビジンを含む。一態様では、二次結合試薬は、MSD SULFO-TAG標識(Meso Scale Diagnostics,LLC、Rockville,MD,U.S.A.)を含む。
【0161】
E.試料
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖は、試料中にある。一態様では、試料は、目的の供給源から得られるか、又はそれに由来する生体試料である。一態様では、試料は、生物であるか、又は生物から得られる。一態様では、試料は、植物であるか、又は植物から得られる。一態様では、試料は、動物であるか、又は動物から得られる。一態様では、試料は、哺乳動物から得られる。一態様では、試料は、ヒトから得られる。一態様では、目的の供給源は、バイオリアクターを含む。一態様では、試料は、製造プロセス試料である。一態様では、試料は、環境試料である。一態様では、環境試料は、例えば、帯水層試料、地下水試料、又は廃水試料を含む、水試料を含む。一態様では、環境試料は、土壌試料を含む。一態様では、環境試料は、土壌微生物試料を含む。一態様では、試料は、細胞フリーDNAを含む。
【0162】
一態様では、試料は、生体試料を含む。一態様では、試料は、未処理の生体試料を含む。一態様では、試料は、前処理した生体試料を含む。一態様では、試料は、例えば、1つ以上の成分を除去するために、又は1つ以上の薬剤を添加するために前処理される。一態様では、試料は、精製した試料を含む。生体試料からオリゴヌクレオチドを精製する方法は既知であり、例えば、沈殿、遠心分離、及びカラムクロマトグラフィが挙げられる。一態様では、カラムクロマトグラフィには、高速液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography、HPLC)、例えば、逆相高速液体クロマトグラフィ(reverse phase high performance liquid chromatography、RP-HPLC)、アニオン交換高圧液体クロマトグラフィ(anion exchange high pressure liquid chromatography、AEX HPLC)、又はポリアクリルアミドゲル電気泳動(polyacrylamide gel electrophoresis、PAGE)が挙げられる。一態様では、試料は、抽出した試料である。一態様では、試料は、例えば、半透膜を使用して濾過される。一態様では、試料は、試料から抽出されたか、又はmRNAの増幅若しくは逆転写のような技法に試料を供することによって得られたオリゴヌクレオチドを含む。
【0163】
一態様では、試料は、1つ以上の標的オリゴヌクレオチド配列を含む。一態様では、試料は、1つ以上の増幅した標的オリゴヌクレオチド配列を含む。一態様では、試料は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又はローリングサークル増幅(rolling circle amplification、RCA)を含むがこれらに限定されない方法によって得られた、1つ以上の増幅した標的オリゴヌクレオチド配列を含む。
【0164】
一態様では、生体試料は、例えば、体液、分泌物、排泄物、細胞、組織若しくは器官、又はそれらのホモジネートを含む、生体組織又は生体液を含む。一態様では、生体液としては、血漿、血清、全血、リンパ液、尿、糞便、母乳、痰、唾液、腹水、脳脊髄液、腹水、胸膜液、及び羊水が挙げられる。一態様では、生物学的組織は、脳、肝臓、脾臓、心臓、肺、及び腎臓などの器官若しくは器官ホモジネート、又は例えば、筋肉、皮膚、若しくは骨髄などの他の組織を含むがこれらに限定されない、組織又は組織ホモジネートを含む。一態様では、生体試料には、組織又は細針生検試料、細胞含有体液、浮遊核酸、婦人科流体、皮膚スワブ、膣スワブ、口腔スワブ、鼻腔スワブ、洗液、又は洗浄、例えば管洗浄物若しくは気管支肺胞洗浄物、吸引物、擦過物、外科標本が含まれる。
【0165】
一態様では、生体試料は、ヒトの体の一部分から単離された試料を含む。一態様では、生体試料は、鼻腔、口腔、皮膚、耳、粘膜、胃腸管、尿生殖路、気道、眼、又はそれらの組み合わせから単離された試料を含む。一態様では、生体試料は、スワブ採取、穿刺サンプリング、及び血清サンプリングを含むがこれらに限定されない、当技術分野で既知の方法を使用してヒトの体の一部分から得られた試料を含む。
【0166】
一態様では、試料は、天然に存在するRNaseを含む。天然に存在するRNaseを含む試料では、試料をセンスプローブ及びアンチセンスプローブと接触させる前に、試料をRNase阻害剤と接触させることが望ましくあり得る。
【0167】
F.捕捉オリゴヌクレオチド
一態様では、方法又はキットは、支持体表面で別個の結合ドメインに固定化されている、又は固定化することができる、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、天然に存在する配列ではない。別の態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、組換えによって産生される。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、化学的に合成される。
【0168】
一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、一本鎖オリゴヌクレオチドタグのヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列を有する一本鎖捕捉オリゴヌクレオチドである。一態様では、オリゴヌクレオチドタグは、センス又はアンチセンスプローブに結合される。
【0169】
一態様では、方法又はキットは、目的のオリゴヌクレオチド二本鎖の固有の捕捉オリゴヌクレオチドセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、支持体表面に固定化される。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、アレイに固定化される。一態様では、アレイは、2つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、アレイは、約2~約150個以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。
【0170】
一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、又はハイブリダイゼーション反応にも関与することができる非天然化学構造を含む構造的類似体を含む核酸配列を含む、一本鎖核酸配列を含む。
【0171】
一態様では、特定のアレイに使用される捕捉オリゴヌクレオチドは、例えば、互いに少なくとも約0.5℃、約1℃、約2℃、約3℃、約4℃、又は約5℃以内に類似の結合エネルギー又は融解温度(Tm)を有し、オリゴヌクレオチドの融解温度(T)は、オリゴヌクレオチドの50%がその相補体とハイブリダイズし、50%が溶液中で遊離している温度を指す。Tは、既知の方法を使用して、例えば、温度の関数として、その相補体を有するオリゴヌクレオチドの吸光度変化を測定することによって、決定することができる。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、50mMのNaClで、約50℃~約70℃、約55℃~約65℃、又は少なくとも約50℃、約55℃、若しくは約60℃から、最大約60℃、約65℃、若しくは約70℃の融解温度(T)を有する。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、約40%~約60%、又は約40%~約50%のGC含量を有する。
【0172】
一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、約20~約100、約30~約50、又は約35~約40ヌクレオチドの長さ、例えば、少なくとも約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、又は約36、かつ最大約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約75、又は約100ヌクレオチドの長さである。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、少なくとも20、約24、約30、又は約36ヌクレオチドを含む。一態様では、アレイにおける1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、その相補的オリゴヌクレオチドタグの核酸配列と長さが同一ではない。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、その相補的一本鎖オリゴヌクレオチドタグの配列よりも、例えば、最大約5、約10、約15、約20、又は約25塩基長い配列を有する。
【0173】
一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、支持体表面に共有結合によって又は非共有結合によって固定化される。一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、支持体表面で1つ以上の結合ドメインに共有結合によって又は非共有結合によって固定化される。一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、静電相互作用、例えば、オリゴヌクレオチドでの負に荷電したリン酸基と支持体表面での正電荷との間を介して支持体表面に吸着される。一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、捕捉オリゴヌクレオチドに(直接的又はリンカー部分を介して)結合した第1の結合パートナーと、表面に固定化された第2の結合パートナーとの結合を介して、支持体表面に固定化される。一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、支持体表面に共有結合によって固定化される。一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、支持体表面に直接的に固定化される。別の態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して支持体表面に固定化される。
【0174】
捕捉オリゴヌクレオチドは、「KITS FOR DETECTING ONE OR MORE TARGET NUCLEIC ACID ANALYTES IN A SAMPLE AND METHOD OF MAKING AND USING THE SAME」と題された国際出願公開第WO2020/227016号(Meso Scale Technologies,LLC.、Rockville,MD,USA)に開示されており、その開示は参照によりその全体が組み込まれる。
【0175】
G.支持体表面
一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドが、支持体表面に固定化される。捕捉オリゴヌクレオチドは、従来の結合アッセイに使用される支持体表面を含む、様々な支持体表面に固定化することができる。一態様では、支持体表面は、平坦な表面を有する。別の態様では、支持体表面は、湾曲した面を有する。一態様では、支持体表面は、アッセイプレート、スライド、カートリッジ、ビーズ、又はチップなどのアッセイモジュールを含む。一態様では、支持体表面は、色分けされたマイクロスフェアを含む。例えば、Yang et al.(2001)BADGE,BeadsArray for the Detection of Gene Expression,a High-Throughput Diagnostic Bioassay.Genome Res.11(11):1888-1898を参照されたい。一態様では、支持体表面は、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドが固定化されている1つ以上のビーズを含む。
【0176】
支持体表面は、ポリスチレン及びポリプロピレンなどのポリマー、セラミック、ガラス、例えば、炭素系インクなどの炭素-ポリマー複合材料を含む複合材料を含む様々な好適な材料から作製することができる。一態様では、支持体表面は、炭素系支持体表面である。
【0177】
一態様では、支持体表面は、1つ以上の粒子又は「ビーズ」によって提供される。一態様では、ビーズは、最大約1cm(又は約10,000μm)、約5000μm、約1,000μm、約500μm、又は約100μmの直径を有することができる。一態様では、ビーズは、約10nm及び約100μmから、約100nm及び約10μmから、又は約0.5μm及び約5μmからの直径を有する。一態様では、ビーズは、常磁性であり、磁場の使用を介してビーズを捕捉する能力を提供する。一態様では、支持体表面は、ストレプトアビジンコーティング磁性粒子又はアビジンコーティング磁性ビーズによって提供され、ビオチン標識捕捉オリゴヌクレオチドがビーズに固定化される。
【0178】
一態様では、支持体表面は、複数のウェルを有するプレート、すなわち「マルチウェルプレート」である。マルチウェルプレートは、任意のパターン又は構成で配置された任意のサイズ又は形状の任意の数のウェルを含むことができる。一態様では、マルチウェルプレートは、約1~約10,000ウェルを含む。一態様では、マルチウェルアッセイプレートは、プレート及びウェルの数、サイズ、形状、及び構成について業界標準フォーマットを使用する。標準的なフォーマットの例としては、96ウェルプレート、384ウェルプレート、1536ウェルプレート、及び9600ウェルプレートが挙げられ、ウェルは二次元アレイで構成される。他のマルチウェルフォーマットには、単一ウェル、2ウェル、6ウェル、及び24ウェル、並びに6144ウェルプレートが含まれる。一態様では、支持体表面は、96ウェルプレートを含む。
【0179】
一態様では、支持体表面は、捕捉オリゴヌクレオチドが結合ドメインと呼ばれる既知の位置にプリントされた二次元パターン化アレイを含む。一態様では、支持体表面は、捕捉オリゴヌクレオチドが固定化される、別個の、重複しない、アドレス可能な結合ドメインのパターン化したアレイを含み、各結合ドメインにおける捕捉オリゴヌクレオチドの配列は既知であり、適切な標的分析物と相関することができる。一態様では、特定の結合ドメインにおける全ての捕捉オリゴヌクレオチドは同じ配列を有し、1つの結合ドメインにおける捕捉オリゴヌクレオチドは、他の結合ドメインにおける捕捉オリゴヌクレオチドとは異なる配列を有する。一態様では、複数の結合ドメインは、支持体表面に規則的な行及び列で整列され、各結合ドメインの正確な位置及び配列は、コンピューターデータベースに記録される。一態様では、アレイは、対称格子パターンで配置される。他の態様では、アレイは、放射状に分布したライン、ラセン状ライン、又は規則的なクラスタを含むがこれらに限定されない別のパターンで配置される。別の態様では、各結合ドメインは、1つ以上の微粒子又はビーズの表面に配置され、微粒子又はビーズは、異なる結合ドメイン間の識別を可能にするようにコード化される。
【0180】
一態様では、支持体表面は、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドに対応する各ウェル内に1つ以上の別個のアドレス可能な結合ドメインを含むマルチウェルプレートである。一態様では、支持体表面は、野生型ヌクレオチド配列を検出するための少なくとも1つの結合ドメイン、及び変異体ヌクレオチド配列を検出するための別の結合ドメインを含む。一態様では、各ウェルは、少なくとも約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、又は約25個の結合ドメインを含む。一態様では、各ウェルは、少なくとも約7、約10、約16、又は約25個の結合ドメインを含む。
【0181】
一態様では、支持体表面は、少なくとも24、96、又は384ウェルを含むマルチウェルプレートであり、各ウェルは、異なる捕捉オリゴヌクレオチドが別個の結合ドメインに固定化されている、最大10個の結合ドメインのアレイを含む。より特定の態様では、支持体表面は、各ウェルが最大10個の結合ドメインを有するアレイを含む、96ウェルプレートである。一態様では、96ウェルプレートの各ウェルは、そこに固定された最大10個の別個の捕捉オリゴヌクレオチドを有する、最大10個の結合ドメインを含む。一態様では、各ウェルは、同じ捕捉オリゴヌクレオチドを有する同じパターン化アレイを含む。別の態様では、異なるウェルは、捕捉オリゴヌクレオチドの異なるパターン化アレイを含み得る。
【0182】
H.ヌクレアーゼプロテクションアッセイ(Nuclease protection assay、NPA)
一態様では、ヌクレアーゼプロテクションアッセイを使用して、試料中のオリゴヌクレオチド二本鎖のセンス及びアンチセンス鎖を検出又は定量化するための方法が提供される。一態様では、試料は、プローブのセットと接触し、プローブのセットは、センスプローブ及びアンチセンスプローブを含む。一態様では、センスプローブは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるセンス結合部分、及び標識を含む。一態様では、アンチセンスプローブは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドの少なくとも一部分と相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができるアンチセンス結合部分、及び標識を含む。一態様では、方法は、プローブを試料とともにインキュベートして、ハイブリダイゼーション複合体を含有するハイブリダイゼーション混合物を形成することを含む。一態様では、方法は、ハイブリダイゼーション複合体のオリゴヌクレオチドタグが、支持体表面に固定された捕捉オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする条件下で、支持体表面をハイブリダイゼーション混合物と接触させることを含む。一態様では、方法は、支持体表面に固定化された標識の存在に基づいて、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を検出又は定量化することを含む。一態様では、方法は、支持体表面に固定化された標識したセンスハイブリダイゼーション複合体及びアンチセンスハイブリダイゼーション複合体の存在に基づいて、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖を検出又は定量化することを含む。
【0183】
一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、センス鎖のセンス鎖長よりも短いセンス結合長を有する。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、センス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いセンス結合長を有する。一態様では、アンチセンス鎖のアンチセンス結合部分は、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも短いアンチセンス結合長を有する。一態様では、アンチセンス鎖のアンチセンス結合部分は、アンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いアンチセンス結合長を有する。
【0184】
一態様では、センスプローブは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0185】
一態様では、センスプローブは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含む。一態様では、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。
【0186】
一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、DNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、センスプローブのセンス結合部分は、RNAを含み、センスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0187】
一態様では、アンチセンスプローブは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0188】
一態様では、アンチセンスプローブは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分及びオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。
【0189】
一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、DNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、RNAを含む。一態様では、アンチセンスプローブのアンチセンス結合部分は、RNAを含み、アンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグは、DNAを含む。
【0190】
一態様では、アンチセンスプローブは、DNAを含むアンチセンス結合部分及びRNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、アンチセンス結合部分アンチセンスプローブは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いアンチセンス結合長を有する。一態様では、アンチセンスプローブは、RNAを含むアンチセンス結合部分及びDNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、アンチセンス結合部分アンチセンスプローブは、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖のアンチセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いアンチセンス結合長を有する。一態様では、センスプローブは、DNAを含むセンス結合部分及びRNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いセンス結合長を有する。一態様では、センスプローブは、RNAを含むセンス結合部分及びDNAを含むオリゴヌクレオチドタグを含むキメラプローブであり、センスプローブのセンス結合部分は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖のセンス鎖長よりも少なくとも1ヌクレオチド短いセンス結合長を有する。
【0191】
一態様では、方法は、プローブのセットを試料とともにインキュベートして、ハイブリダイゼーション混合物を形成することを含む。一態様では、ハイブリダイゼーション混合物は、センス複合体及びアンチセンス複合体を含むハイブリダイゼーション複合体を含有する。一態様では、ハイブリダイゼーション混合物は、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖とハイブリダイズしたセンスプローブを含むセンス複合体、及びオリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖とハイブリダイズしたアンチセンスプローブを含むアンチセンス複合体を含む。
【0192】
一態様では、ハイブリダイゼーション混合物は、以下の非生産的ハイブリダイゼーション複合体:オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖にハイブリダイズしないセンスプローブ、オリゴヌクレオチド二本鎖のアンチセンス鎖にハイブリダイズしないアンチセンスプローブ、又はセンスプローブ及びアンチセンスプローブが互いにハイブリダイズするプローブ-プローブ複合体、のうちの1つ以上を更に含有する。一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体は、一本鎖オーバーハングを含む。一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体は、一本鎖オリゴヌクレオチド配列を含む。一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体は、一本鎖RNA配列を含む。一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体は、一本鎖DNA配列を含む。
【0193】
一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体における一本鎖オーバーハング又は一本鎖オリゴヌクレオチド配列は、一本鎖特異的ヌクレアーゼによって消化される。一態様では、一本鎖オーバーハング又は一本鎖オリゴヌクレオチド配列は、一本鎖特異的DNaseで消化されるDNA配列である。一態様では、一本鎖オーバーハング又は一本鎖オリゴヌクレオチド配列は、一本鎖特異的RNaseで消化されるRNA配列である。
【0194】
一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体における一本鎖オーバーハング又は一本鎖オリゴヌクレオチド配列の消化は、ハイブリダイゼーション複合体が溶液中にある間に(すなわち、ハイブリダイゼーション複合体がセンス又はアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグを介して支持体表面に固定化される前に)行われる。一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体における一本鎖オーバーハング又は一本鎖オリゴヌクレオチド配列の消化は、ハイブリダイゼーション複合体がセンスプローブ又はアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグを介して支持体表面に固定化された後に行われる。一態様では、方法は、一本鎖オーバーハング又は一本鎖オリゴヌクレオチド配列が一本鎖特異的RNaseで消化された後に洗浄ステップを含む。一態様では、方法は、一本鎖オーバーハング又は一本鎖オリゴヌクレオチド配列が一本鎖特異的RNaseで消化され、支持体表面に固定化された後に、洗浄ステップを含む。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、支持体表面に固定化された標識の存在に基づいて検出又は定量化される。一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、支持体表面に固定化された標識したセンス複合体又はアンチセンス複合体の存在に基づいて検出又は定量化される。
【0195】
I.電極
一態様では、オリゴヌクレオチド二本鎖のセンス又はアンチセンス鎖は、電気化学発光(ECL)を使用して検出又は定量化される。電気化学発光を使用する分析物の多重測定は、米国特許第7,842,246号及び同第6,977,722号に記載されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0196】
一態様では、支持体表面は、1つ以上の電極を含む。一態様では、支持体表面は、1つ以上の作用電極及び1つ以上の対電極を含む。一態様では、支持体表面は、電気化学アッセイ又は電気化学発光アッセイにおける使用のための1つ以上の電極に形成された1つ以上の結合ドメインを含む。
【0197】
一態様では、結合ドメインは、捕捉オリゴヌクレオチドでコーティングされたビーズを電極表面上に収集することによって形成される。一態様では、ビーズは常磁性であり、ビーズは磁場の使用を介して電極に収集される。
【0198】
一態様では、電極は、アッセイ容器、アッセイフローセル、アッセイ流体工学、又はアッセイを実行するのに有用な他の構成要素を提供するアッセイモジュール内に提供される。電気化学発光アッセイを実行するためのアッセイモジュールの例としては、例えば、マルチアレイケース、アッセイプレートケース、カートリッジケースなどが挙げられる。一態様では、電極は、アッセイ容器、アッセイフローセル、アッセイ流体工学、又はアッセイを実行するのに有用な他の構成要素を提供するアッセイモジュール内に提供される。電気化学発光アッセイを実行するためのアッセイモジュールの例は、米国特許第6,673,533号、同第7,842,246号、同第9,731,297号、及び同第8,298834号に見出すことができる。一態様では、支持体表面は、少なくとも1つの電極を含むマルチウェルプレートである。一態様では、マルチウェルアッセイプレートの各ウェルは、少なくとも1つの電極を含む。一態様では、マルチウェルアッセイプレートの少なくとも1つのウェルは、作用電極を含む。別の態様では、マルチウェルアッセイプレートの少なくとも1つのウェルは、作用電極及び対電極を含む。別の態様では、マルチウェルアッセイプレートの各ウェルは、作用電極及び対電極を含む。一態様では、作用電極は、対電極に隣接しているが、電気的に接触していない。
【0199】
一態様では、電極は、例えば、金、銀、白金、ニッケル、鋼、イリジウム、銅、アルミニウム、導電性合金、又はそれらの組み合わせなどの金属を含む導電性材料から構成される。別の態様では、電極は、シリコン及びゲルマニウムなどの半導体材料、又は酸化インジウムスズ(indium tin oxide、ITO)及び酸化アンチモンスズ(antimony tin oxide、ATO)などの半導体薄膜を含む。別の態様では、電極は、酸化アルミニウム被覆アルミニウムなどの酸化物被覆金属を含む。一態様では、電極は、炭素系材料を含む。一態様では、電極は、導電性複合材料、インク、ペースト、ポリマーブレンド、及び、例えば、導電性又は半導電性材料と非導電性材料との混合物を含む金属/非金属複合材料を含有する材料の混合物を含む。一態様では、電極は、炭素、ガラス状炭素、カーボンブラック、黒鉛状炭素、カーボンナノチューブ、炭素フィブリル、グラファイト、炭素繊維、及びそれらの混合物などの炭素系材料を含む。一態様では、電極は、導電性炭素-ポリマー複合材料、導電性ポリマー、又はマトリックス中に分散された導電性粒子、例えば、カーボンインク、カーボンペースト、又は金属インクを含む。一態様では、作用電極は、例えば、マトリックス、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又はこれらのポリマーのうちの1つ以上のコポリマーなどのポリマーマトリックス中に分散された、例えば、炭素フィブリル、カーボンブラック、又は黒鉛状炭素などの導電性炭素粒子を含む、炭素-ポリマー複合材料から作製される。
【0200】
一態様では、作用電極は、1つ以上の導電性材料の連続導電性シート又は薄膜から作製され、これは、押出、圧縮、又は鋳型成形され得る。別の態様では、作用電極は、例えば、プリンティング、ペインティング、コーティング、スピンコーティング、蒸発、化学蒸着、電解析出、無電解析出、フォトリソグラフィ、又は他の電子微細加工技術によって、基板上に沈着又はパターン化された導電性材料から作製される。一態様では、作用電極は、例えば、インクジェットプリンティング、レーザプリンティング、又はスクリーンプリンティングによってポリマー支持体上にプリントされた導電性カーボンインクを含む。カーボンインクは既知であり、Acheson Colloids Co.(例えば、Acheson 440B、423ss、PF407A、PF407C、PM-003A、30D071、435A、Electrodag 505SS、及びAquadag(商標))、E.I.Du Pont de Nemours and Co.(例えば、Dupont 7105、7101、7102、7103、7144、7082、7861D、及びCB050)、Conductive Compounds Inc.(例えば、C-100)、及びErcon Inc.(例えば、G-451)によって製造された材料を含む。
【0201】
一態様では、作用電極は、連続薄膜である。別の態様では、作用電極は、1つ以上の不連続領域又は不連続領域のパターンを含む。代替的に、作用電極は、複数の接続した領域を含み得る。作用電極に露出した電極表面の1つ以上の領域は、例えば、パターン化した絶縁体インク層を作用電極上にスクリーンプリンティングすることによって、又はダイカット絶縁薄膜を接着することによって、作用電極を覆うパターン化した絶縁層によって画定することができる。露出領域は、作用電極にプリントされた試薬のアレイのアレイエレメントを画定し得、上述のようなアレイ形状及びパターンを得ることができる。一態様では、絶縁層は、露出した作用電極表面の一連の環状領域(又は「スポット」)を画定する。
【0202】
対電極は、作用電極について一般的に上述される特性のうちの1つ以上を有し得る。一態様では、作用電極及び対電極は、同じ材料から構成される。別の態様では、作用電極及び対電極は、同じ材料から構成されず、例えば、作用電極は炭素電極であり得、対電極は金属電極であり得る。
【0203】
一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、パッシブ吸着によって1つ以上の電極に固定化される。別の態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、電極に共有結合によって固定化される。一態様では、電極は、例えば、電極の表面に捕捉オリゴヌクレオチドなどの試薬を固定化するために、誘導体化又は変更される。一態様では、電極は、試薬の固定化を改善するために、例えば、試薬の固定化のための官能基を導入するために、又はその吸着特性を増強するために、化学的又は機械的処理によって変更される。導入することができる官能基の例としては、カルボン酸(COOH)、ヒドロキシ(OH)、アミノ(NH)、活性化カルボキシル(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)-エステル)、ポリ-(エチレングリコール)、チオール、アルキル((CH)基、又はそれらの組み合わせ)が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、1つ以上の試薬、例えば、捕捉オリゴヌクレオチドは、共有結合又は非共有結合の手段のいずれかによって、炭素含有電極、例えば、カーボンブラック、フィブリル、又は別の材料中に分散された炭素に固定化される。チオール基を有する捕捉オリゴヌクレオチドは、タンパク質層又は化学架橋層などの追加のチオール反応性層を最初に沈着させることを必要とせずに、炭素含有電極、例えばスクリーンプリンティングしたカーボンインク電極に共有結合することができることが見出されている。一態様では、チオール修飾オリゴヌクレオチドなどのチオール基を有する捕捉オリゴヌクレオチドの電極への直接的付着のための方法が提供され、この方法は、電極に捕捉表面及びアレイを形成するための単純で、頑強で、効率的で、かつ再現性のあるプロセスを提供する。一態様では、チオール基を有する1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、スクリーンプリンティングしたカーボンインク電極などの炭素含有電極に、チオールと電極との反応を介して、最初にチオール反応性層を電極に加えることなく、直接的に固定化される。
【0204】
一態様では、電極は、プラズマ、例えば、グロー放電プラズマなどの低温プラズで処理して、電極の物理的特性、化学組成、又は表面化学特性を変化させ、例えば、捕捉オリゴヌクレオチドのような試薬の固定化を補助するか、又は汚染物質を低減するか、他の材料への接着を改善するか、表面の湿潤性を変化させるか、材料の沈着を促進するか、パターンを作製するか、又は均一性を改善する。有用なプラズマの例としては、酸素、窒素、アルゴン、アンモニア、水素、フルオロカーボン、水、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一態様では、酸素プラズマを使用して、炭素-ポリマー複合材料中に炭素粒子を有する電極を処理する。別の態様では、酸素を使用して、カルボン酸又は他の酸化炭素官能基を炭素又は有機材料(例えば、活性化エステル又は塩化アシル)に導入して、試薬のカップリングを促進する。別の態様では、アンモニア含有プラズマを使用して、カップリングアッセイ試薬における使用のためにアミノ基を導入することができる。一態様では、電極は、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドの固定化を補助するために、前処理されない。
【0205】
一態様では、支持体表面は、各ウェル内に1つ以上の作用電極又は対電極を有するマルチウェルプレートなどのアッセイモジュールを含む。一態様では、マルチウェルプレートは、各ウェル内に複数の作用電極又は対電極を含む。一態様では、マルチウェルプレートの作用電極又は対電極は、炭素、例えば、炭素インクのスクリーンプリンティング層を含む。一態様では、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドは、捕捉オリゴヌクレオチドでのチオール部分を介してスクリーンプリンティングしたカーボンインクに固定化される。一態様では、作用電極を使用して、ECL標識からECLシグナルを誘導する。一態様では、ECLシグナルは、三級アルキルアミン、例えば、トリプロピルアミン又はブチルジエタノールアミンなどの共反応物の存在下でルテニウム-トリス-ビピリジンから放出される。
【0206】
一態様では、電極は、誘電性インク(すなわち、電気絶縁性インク)によって画定される上述の結合ドメインを含む。電極は、上記の結合ドメインを画定するパターンでその上にプリンティングされた誘電体を有する作用電極である。一態様では、結合ドメインは、露出した作用電極のほぼ環状の領域(又は「スポット」)である。電極は、射出成形された96ウェルプレート上部をウェルの底部を画定するマイラシートに接着することによって形成された96ウェルプレート内にある。マイラシートの上面は、その上にプリントされたスクリーンプリンティングカーボンインク電極を有し、その結果、各ウェルは、ウェルのほぼ中央にカーボンインク作用電極、及びウェルの2つの縁にほぼ向かう2つのカーボンインク対電極を含む。マイラシートの底部にプリントされ、導電性スルーホールを介してシートの上部に接続された電極は、作用電極及び対電極に電圧を印加するための接点を提供する。
【0207】
J.検出
一態様では、1つ以上のオリゴヌクレオチド配列の存在は、支持体表面に固定化された標識の検出に基づいて検出又は定量化される。一態様では、1つ以上のオリゴヌクレオチド配列の存在は、支持体表面に固定化されたハイブリダイゼーション複合体での標識の検出に基づいて検出又は定量化される。一態様では、1つ以上の標的オリゴヌクレオチド配列の存在は、支持体表面に固定化されたセンス複合体での標識の検出に基づいて検出又は定量化される。一態様では、1つ以上の標的オリゴヌクレオチド配列の存在は、支持体表面に固定化されたアンチセンス複合体での標識の検出に基づいて検出又は定量化される。一態様では、オリゴヌクレオチド配列は、アレイにおいて検出又は定量化される。
【0208】
一態様では、ハイブリダイゼーション複合体、例えば、アンチセンス複合体又はセンス複合体の存在は、標識からの発光を監視することによって検出され、蛍光、時間分解蛍光、蛍光共鳴エネルギー移動(fluorescence resonance energy transfer、FRET)、蛍光偏光(fluorescence polarization、FP)、発光、化学発光、生物発光、リン光、光散乱、又は電極誘導発光を含むが、これらに限定されない。別の態様では、標識は、酵素、又は光散乱、吸光度、蛍光などの測定可能なシグナルをもたらす化学活性を有する他の化学反応性種を含む。酵素標識の例としては、ホースラディッシュペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼが挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、標識は、ビオチン、フルオレセイン、又はジゴキシゲニンを含むがこれらに限定されない、検出可能なハプテンである。一態様では、標識は、ビオチンを含む。
【0209】
一態様では、ハイブリダイゼーション複合体、例えば、アンチセンス複合体又はセンス複合体は、支持体表面に位置する1つ以上の結合ドメインに固定化される。一態様では、1つ以上の結合ドメインは、1つ以上の電極に位置し、検出又は定量化することは、電圧波形を1つ以上の電極に印加して、捕捉された反応産物で標識を刺激し、電気化学的シグナル又は発光シグナルを生成することを含む。一態様では、検出又は定量化することは、ECLシグナルを測定すること、及びシグナルを試料中のセンスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの存在又は量と相関させることを含む。一態様では、放射光の強度は、試料中のセンスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの量に比例し、その結果、放射光は、試料中のセンスオリゴヌクレオチド又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの量の定量的決定を提供することができる。
【0210】
一態様では、支持体表面は、ハイブリダイゼーション複合体がそこに固定化された後に検出混合物と接触する。一態様では、支持体表面は、センス複合体又はアンチセンス複合体がそこに固定化された後に、検出混合物と接触する。一態様では、支持体表面は、任意の非生産的ハイブリダイゼーション複合体における一本鎖オーバーハングを一本鎖ヌクレアーゼで消化した後に、検出混合物と接触する。一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体における一本鎖オーバーハングの消化は、ハイブリダイゼーション複合体が溶液中にある間に(すなわち、それらハイブリダイゼーション複合体がセンスプローブ又はアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグを介して支持体表面に固定化される前に)行われる。一態様では、非生産的ハイブリダイゼーション複合体における一本鎖オーバーハングの消化は、ハイブリダイゼーション複合体がセンスプローブ又はアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグを介して支持体表面に固定化された後に行われる。一態様では、検出混合物は、ECL標識を含む。ECL標識の例には、i)金属が、例えば、トリス-ビピリジル-ルテニウム(tris-bipyridyl-ruthenium、RuBpy)部分などのRu含有有機金属化合物及びOs含有有機金属化合物を含む第VIII族の貴金属からのものである有機金属化合物、並びにii)ルミノール及び関連化合物が含まれる。一態様では、検出混合物はまた、1つ以上の電気化学発光共反応物、及びpH緩衝剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤、塩、金属イオン、又は金属キレート剤などの1つ以上の追加の成分を含む。「電気化学発光共反応物」という用語は、電気化学発光標識に関与する種を指し、トリプロピルアミン(tripropylamine、TPA)などの三級アミン、シュウ酸イオン、RuBpyではアスコルビン酸及びペルスルファート、ルミノールでは過酸化水素を含むが、これらに限定されない。電気化学発光を測定する方法は既知であり、測定を行うための機器が市販されている。例えば、電気化学発光を使用する分析物の多重測定は、Meso Scale Diagnostics,LLC、MULTI-ARRAY(登録商標)、及びSECTOR(登録商標)Imagerライン又は製品において使用される(例えば、米国特許第7,842,246号及び同第6,977,722号を参照されたく、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0211】
一態様では、ビオチンは、ハイブリダイゼーション複合体に共有結合され、検出混合物は、アビジン部分を介して固定化したハイブリダイゼーション複合体に結合するストレプトアビジンコンジュゲート化標識を含む。一態様では、ストレプトアビジンコンジュゲート化標識は、電気化学発光(ECL)標識である。一態様では、電気化学発光標識は、Sulfo-TAG NHS-Ester(Meso Scale Diagnostics、Rockville,MD,U.S.A.)などのn-ヒドロキシスクシンイミドエステルである。
【0212】
K.キット
一態様では、本明細書に記載の方法を実行するためのキットが提供される。「キット」とは、例えば、組成物を作成するため、デバイスを製造するため、又は方法を実行するために一緒に使用されるように提供又は集められる構成要素のセットを指す。キットは、1つ以上の構成要素を含むことができる。キットの構成要素は、1つのパッケージ又は複数のパッケージで提供され得、それらの各々は、1つ以上の構成要素を含むことができる。キットの列挙された構成要素はまた、単一の物理的パーツとして、又はキット使用のために組み合わされる複数のパーツとして提供され得る。例えば、キットの器具構成要素は、完全に組み立てられて提供され得、又は使用前に組み立てられる複数の器具パーツとして提供され得る。同様に、キットの液体試薬構成要素は、容器中の完全な液体製剤として、完全な液体製剤を提供するために組み合わされる1つ以上の乾燥試薬及び1つ以上の液体希釈剤として、又は完全な液体製剤を提供するために組み合わされる2つ以上の液体溶液として提供され得る。当技術分野において既知であるように、アッセイのためのキット構成要素は、異なる保存必要性、例えば、4℃対-70℃の保存温度を有するために、しばしば別々に輸送及び保存される。
【0213】
一態様では、キットは、支持体表面を含む。一態様では、キットは、支持体表面に固定化することができる捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、アレイにおける支持体表面に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、アレイ内の既知の位置を有する1つ以上の別個の結合ドメインに固定化された1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、ビーズアレイに固定化された2つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。
【0214】
一態様では、キットは、炭素系支持体表面を含む。一態様では、支持体表面は、少なくとも1つの電極を含む。一態様では、電極は、炭素系電極である。一態様では、支持体表面は、1つ以上のカーボンインク電極を含む。一態様では、支持体表面は、少なくとも1つの作用電極及び少なくとも1つの対電極を含む。
【0215】
一態様では、キットは、マルチウェルアッセイプレートを含む支持体表面を含む。一態様では、マルチウェルプレートの1つ以上のウェルは、1つ以上の電極を含む。一態様では、支持体表面は、マルチウェルプレートを含み、1つ以上のウェルは、1つ以上の作用電極及び1つ以上の対電極を含む。一態様では、支持体表面は、1つ以上の参照電極を含む。
【0216】
一態様では、キットは、当技術分野で既知である標準フォーマットのマルチウェルプレートを含み、24、96、及び384ウェルプレートを含むことができるが、これらに限定されない。一態様では、キットは、1つ以上の96ウェルプレートを含む。一態様では、キットは、1つのマルチウェルプレートを含む。別の態様では、キットは、10個のマルチウェルプレートを含む。別の態様では、キットは、10~100個のマルチウェルプレートを含む。
【0217】
一態様では、キットは、捕捉オリゴヌクレオチドの1つ以上のアレイがプリントされる1つ以上の電極を有する支持体表面を含む。一態様では、キットは、捕捉オリゴヌクレオチドの1つ以上のアレイがプリントされている1つ以上のマルチウェルプレートを含む。別の態様では、キットは、1つ以上のマルチウェルプレートと、1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む1つ以上のバイアルとを含み、捕捉オリゴヌクレオチドは、マルチウェルプレートにプリントすることができる。
【0218】
一態様では、キットは、支持体表面で1つ以上の結合ドメインに固定化された1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、マルチウェルプレートのウェル内の1つ以上の結合ドメインに固定化された1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、電極で1つ以上の結合ドメインに固定化された1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、マルチウェルプレートの1つ以上のウェル内の電極で1つ以上の結合ドメインに固定化された1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。
【0219】
別の態様では、キットは、1つ以上のオリゴヌクレオチドタグを含む。一態様では、キットは、容器中に提供される1つ以上のオリゴヌクレオチドタグを含み、容器中のオリゴヌクレオチドタグは同じ配列を有し、各容器は、他の容器中のオリゴヌクレオチドタグの配列とは異なる(及び相補的でない)配列を有するオリゴヌクレオチドタグを含有する。一態様では、キットは、別個の容器中に、少なくとも約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、又は約25、かつ最大約64個の固有のオリゴヌクレオチドタグを含む。一態様では、キットは、最大10個の固有のオリゴヌクレオチドタグのセットを含む。
【0220】
一態様では、キットは、最大10個の捕捉オリゴヌクレオチドがマルチウェルプレートのウェル内の1つ以上の結合ドメインに固定化される1つ以上のマルチウェルプレートを含み、各結合ドメインは、ウェル内の他の結合ドメインにおける捕捉オリゴヌクレオチドの配列とは異なる配列を有する捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一態様では、キットは、少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、又は約25個の固有の結合ドメインに固定化された、少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、又は約25個の別個の捕捉オリゴヌクレオチドを有する支持体表面を含む。一態様では、キットは、1つ以上のウェル中の少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、又は約25個の固有の結合ドメインに固定化された少なくとも約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、又は約25個の別個の捕捉オリゴヌクレオチドを有するマルチウェルプレートを含む。一態様では、キットは、各ウェルがアレイに固定化された最大約10個の捕捉オリゴヌクレオチドを含む、1つ以上のマルチウェルプレートを含む。一態様では、マルチウェルプレートは、マルチウェルプレートの各ウェル内に約1~約10の検出アッセイから生じるように構成することができる。
【0221】
一態様では、キットは、一本鎖ヌクレアーゼを含む。一態様では、キットは、容器中に提供された一本鎖ヌクレアーゼタグを含む。一態様では、一本鎖特異的ヌクレアーゼは、一本鎖特異的DNaseを含む。一態様では、一本鎖特異的DNaseは、S1ヌクレアーゼ、P1ヌクレアーゼ、又はマングビーンヌクレアーゼである。一態様では、一本鎖特異的ヌクレアーゼは、一本鎖特異的RNaseを含む。一態様では、一本鎖特異的RNaseは、RNase A、RNase H、RNase I、RNase III、RNase L、RNase P、RNase PhyM、RNase T1、RNase T2、RNase U2、RNase V、PNPase、RNase PH、RNase R、RNase D、RNase T、RNaseONE、オリゴリボヌクレアーゼ、エキソリボヌクレアーゼI、又はエキソリボヌクレアーゼIIである。
【0222】
一態様では、試料中の1つ以上の標的ヌクレオチド配列を検出又は定量化する発光アッセイ、例えば電気化学発光アッセイを行うためのキットが提供される。一態様では、キットは、電気化学発光アッセイを実行するのに有用な1つ以上のアッセイ構成要素を含む。
【0223】
一態様では、キットは、オリゴヌクレオチドタグと、それらの対応する相補的捕捉オリゴヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションのための適切な条件(例えば、ストリンジェントな条件)を提供するために使用することができるハイブリダイゼーション緩衝液を含む。一態様では、ハイブリダイゼーション緩衝液は、希釈剤54(Meso Scale Diagnostics,LLC、Rockville,MD,U.S.A.)を含む。一態様では、ハイブリダイゼーション緩衝液は、ハイブリダイゼーション緩衝液1又はハイブリダイゼーション緩衝液2(Meso Scale Diagnostics,LLC、Rockville,MD,U.S.A.)を含む。
【0224】
一態様では、キットは、標識を含む1つ以上の容器を含む。一態様では、標識は、放射性、蛍光、化学発光、電気化学発光、光吸収、光散乱、電気化学、磁気、及び酵素の標識から選択される。一態様では、標識は、電気化学発光標識を含む。一態様では、標識は、遷移金属を含む有機金属錯体を含む。一態様では、遷移金属は、ルテニウムを含む。一態様では、標識は、MSD SULFO-TAG(商標)標識(Meso Scale Diagnostics,LLC、Rockville,MD,U.S.A.)である。
【0225】
一態様では、標識は、二次結合試薬の結合パートナーである一次結合試薬を含む。一態様では、二次結合試薬は、ビオチン、ストレプトアビジン、アビジン、又は抗体を含む。一態様では、二次結合試薬は、アビジン、ストレプトアビジン、又は抗体を含む。一態様では、標識は、ビオチン、フルオレセイン、及びジゴキシゲニンから選択されるハプテンを含む。一態様では、標識は、第1のオリゴヌクレオチド配列を含む一次結合剤であり、二次結合試薬は、一次結合剤の第1のオリゴヌクレオチド配列に相補的である第2のオリゴヌクレオチド配列を含む。
【0226】
一態様では、キットは、電気化学発光標識を含む1つ以上の容器を含む。より特定の態様では、キットは、トリス-ビピリジル-ルテニウム(RuBpy)などのRu含有有機金属化合物又はOs含有有機金属化合物を含有する1つ以上の容器を含む。一態様では、標識は、遷移金属を含む有機金属錯体を含む。一態様では、遷移金属は、ルテニウムを含む。一態様では、標識は、MSD SULFO-TAG(商標)標識(Meso Scale Diagnostics,LLC、Rockville,MD,U.S.A.)を含む。別の態様では、キットは、ルミノール又は他の関連化合物を含有する1つ以上の容器を含む。
【0227】
一態様では、キットは、1つ以上の電気化学発光共反応物を有する1つ以上の容器を含む。一態様では、1つ以上の電気化学発光共反応物が、支持体表面に共有結合によって又は非共有結合によって固定化される。一態様では、1つ以上の電気化学発光共反応物は、支持体表面の1つ以上の作用電極に固定化される。
【0228】
一態様では、キットに含まれる標識は、一次結合試薬及び二次結合試薬を含む。一態様では、二次結合試薬は、ビオチン、ストレプトアビジン、アビジン、又は抗体を含む。
【0229】
一態様では、キットは、以下のアッセイ構成要素:1つ以上の捕捉オリゴヌクレオチド、及び1つ以上の緩衝液、例えば、洗浄緩衝液、ハイブリダイゼーション緩衝液、結合緩衝液、又は読み取り緩衝液、のうちの1つ以上を含む。
【0230】
一態様では、キットは、標識などの1つ以上のアッセイ構成要素を含む。一態様では、標識は、電気化学発光標識などの発光標識である。一態様では、キットは、少なくとも1つの電気化学発光共反応物質を含む。一態様では、電気化学発光共反応物は、三級アミン、トリプロピルアミン、又はN-ブチルジエタノールアミンを含む。
【0231】
一態様では、キットは、1つ以上の他のアッセイ構成要素を含む。一態様では、キットは、希釈剤、ブロッキング剤、安定化剤、界面活性剤、塩、pH緩衝剤、及び保存剤を含むがこれらに限定されない1つ以上のアッセイを含む。一態様では、キットは、1つ以上のかかる構成要素の容器を含む。別の態様では、1つ以上の試薬が、キットとともに提供されたアッセイ支持体表面に含まれる。
【0232】
L.参照による組み込み
特許、特許出願、論文、教科書などを含む本明細書に引用された全ての参考文献、及びそれらに引用された参考文献は、それらが既に引用されていない限り、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0233】
実施例
実施例1.全長プローブを使用するRNaseプロテクションアッセイ(RNase Protection Assay、RPA)検出下限(Lower Limit of Detection、LLOD)
モデル16マーヘテロ二本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(antisense oligonucleotide、ASO)のセンス(SS)鎖及びアンチセンス(AS)鎖の検出限界(1つのDNA鎖及び1つのRNA鎖、両方とも修飾されている)を、RNaseプロテクションアッセイ(RPA)を使用して反対鎖の非存在下で決定した。
【0234】
核酸ベースの治療用分子に相補的な配列を有するRNA鎖及び捕捉オリゴヌクレオチドに相補的な配列を有するDNA鎖を含むキメラ全長アンチセンスプローブを作製し、一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、全長(16マー)アンチセンス結合部分、及びビオチン標識を含んだ。キメラ全長センスプローブを核酸ベースの治療用分子に相補的な配列を有するRNA鎖を含んで作製し、捕捉オリゴヌクレオチドに相補的な配列を有するDNA鎖を作製して、一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、全長(16マー)センス結合部分、及びビオチン標識を含んだ。
【0235】
簡単に説明すると、個々のアンチセンス(AS)鎖又はセンス(SS)鎖(10mg/mL)を200μg/mLに希釈し、表1に示すように、ASOを希釈剤54に40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度でスパイクし、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用することによって、個々のアンチセンス鎖又はセンス鎖について10点較正曲線を生成した。
【0236】
【表1】
【0237】
2つの濃度の全長プローブを使用して、陽性シグナル及びバックグラウンドに対する影響を評価した:50pM又は200pM(4×)。キメラプローブを、表2に示すハイブリダイゼーションプロトコールを用いて、希釈剤54(Meso Scale Diagnostics、Rockville,MD,U.S.A.)中でアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0238】
【表2】
【0239】
一本鎖捕捉オリゴヌクレオチド(キメラセンスプローブ及びアンチセンスプローブのオリゴヌクレオチドタグ配列に相補的な配列を有する)が固定化された96ウェルN-PLEX(登録商標)プレート(Meso Scale Discovery、Rockville,MD,USA(「MSD」))を、N-PLEX(商標)ブロッキング緩衝液(MSD)でブロッキングし、最小の150μL/ウェルのダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水(Dulbecco’s phosphate-buffered saline、DPBS)で3×洗浄した。プローブをそれらの標的鎖にハイブリダイズさせた後、プローブ/分析物複合体を緩衝液で希釈し、プレートに添加し、振盪しながら37℃で1時間ハイブリダイズさせた。2つの異なる緩衝液を使用して、プレートとのハイブリダイゼーションに対する影響を決定した:希釈剤54、又はNPLEX(商標)ハイブリダイゼーション緩衝液1と2(MSD)との2:3比のブレンド。
【0240】
プレートを再度洗浄し(最小の150μL/ウェルDPBSで3×)、希釈剤54中のRNaseカクテル(RNase A、RNase I、及びRNase T1)をプレートに添加し、振盪しながら37℃で30分間インキュベートした。
【0241】
プレートを再度洗浄し、SULFO-TAG(商標)ストレプトアビジン(MSD)を希釈剤54+1%ブロッカA(MSD)中でプレートに添加し、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。プレートを洗浄し、MSD GOLD(商標)読み取り緩衝液A(MSD)を添加し、SECTOR(登録商標)S6000又はMESO(登録商標)SECTOR(登録商標)S600 imager(MSD)を使用してプレートを読み取った。
【0242】
アンチセンス鎖及びプローブにおけるECLシグナルが表3に示され、センス鎖及びプローブについて表4に示される。アンチセンス(DNA)鎖に対するプローブは、希釈剤54及びハイブリダイゼーション緩衝液ブレンドにおいて、センス(RNA)鎖に対するプローブよりも高いECL読み取り値を有した。プローブの量を増加させると、およそ10,000pg/mL(10ng/mL)のシグナル飽和で、陽性及び陰性のシグナルが増加した。
【0243】
図5A及び図5Bは、アンチセンス(AS)鎖希釈剤54プレートハイブリダイゼーション(図5A)及び混合ハイブリダイゼーション緩衝液プレートハイブリダイゼーション(図5B)、並びにセンス(SS)希釈剤54プレートハイブリダイゼーション(図6A)及び混合ハイブリダイゼーション緩衝液プレートハイブリダイゼーション(図6B)におけるECLシグナル曲線を示す。
【0244】
表5及び表6は、それぞれ、アンチセンス(AS)プローブ及び鎖並びにセンス(SS)プローブ及び鎖における検出下限(LLOD)を示す。
【0245】
結果は、アンチセンスプローブはセンスプローブよりも高いECLシグナル及び低いLLODを有し、バックグラウンドはセンスプローブでより高い傾向があるが、両方のアッセイが良好な結果をもたらすことを実証する。希釈剤54とハイブリダイゼーション緩衝液とのブレンドについての結果は類似していた。
【0246】
【表3】
【0247】
【表4】
【0248】
【表5】
【0249】
【表6】
【0250】
実施例2.短縮プローブのハイブリダイゼーション
実施例1からのモデル16ヌクレオチドヘテロ二本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)のセンス(SS)鎖及びアンチセンス(AS)鎖に、反対鎖の非存在下でハイブリダイズする短縮プローブ(12マー、11マー、及び10マー)の能力を、RNaseプロテクションアッセイ(RPA)において評価した。プローブは、3’末端で短縮した。
【0251】
簡単に説明すると、10点較正曲線(+2つのブランクウェル)を、4倍連続希釈及び最高40,000pg/mLのキャリブレータを用いてASOから個々のアンチセンス(AS)鎖又はセンス(SS)鎖を使用して生成した。
【0252】
4つの異なるプローブ長を、上記の実施例1に記載の方法に従って検出のために評価した:200pMのプローブ濃度を使用する全長(Full-length、FL)プローブ、12マープローブ、11マープローブ、及び10マープローブ。プローブを希釈剤54中でアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせ、希釈剤54又はハイブリダイゼーション緩衝液1のいずれかでプレートにハイブリダイズさせた。較正曲線は、二連のウェルではなく、一連で希釈剤54又はハイブリダイゼーション緩衝液1の間で分けた。
【0253】
一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、アンチセンス結合部分(全長16マー(FL)、12マー、11マー、又は10マー)、及びビオチン標識を含んだ4つのキメラアンチセンス(AS)プローブを生成した。
【0254】
一本鎖オリゴヌクレオチドタグ、センス結合部分(全長16マー(FL)、12マー、11マー、又は10マー)、及びビオチン標識を含んだ4つのキメラセンス(SS)プローブを生成した。
【0255】
表7及び表8は、それぞれ希釈剤54又はハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイズしたアンチセンスプローブ及び鎖におけるECLシグナルを示す。表9及び表10は、それぞれ、希釈剤54又はハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイズしたセンスプローブ及び鎖におけるECLシグナルを示す。表7~表10からのデータが、図7A図7Bにグラフで示される。
【0256】
表11は、希釈剤54及びハイブリダイゼーション緩衝液中の16マー(FL)プローブ及び12マープローブにおけるアンチセンス(AS)プローブ及び鎖での検出下限(LLOD)を示す。表12及び表13は、それぞれ希釈剤54及びハイブリダイゼーション緩衝液中の16マー(FL)プローブ、12マープローブ、11マープローブ、及び10マープローブにおけるセンス(SS)プローブ及び鎖でのLLODを示す。
【0257】
データは、ハイブリダイゼーション緩衝液を用いたハイブリダイゼーションが、希釈剤54と比較して、アンチセンス(AS)鎖において12マープローブでシグナルの損失を生じることを示す。アンチセンス鎖について、プローブを短縮することは、ECLシグナル及びLLODestに対して負の影響を有する。センス鎖について、プローブを短縮することは、ECLシグナル及びLLODestに対して最小の影響を有する。ハイブリダイゼーション緩衝液のタイプは、アッセイに影響を有しなかった。
【0258】
【表7】
【0259】
【表8】
【0260】
【表9】
【0261】
【表10】
【0262】
【表11】
【0263】
【表12】
【0264】
【表13】
【0265】
実施例3.アンチセンス鎖及びセンス鎖のヘテロ二本鎖検出
実施例1からのモデルASOのアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖の検出限界を、実施例2からの全長(16マー)キメラプローブ又は12マー短縮キメラプローブを使用して、RNaseプロテクションアッセイ(RPA)について決定した。
【0266】
10点較正曲線を、個々のAS鎖、SS鎖、又はヘテロ二本鎖を使用して、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。
【0267】
2つの異なるプローブ長を評価した:200pMの濃度で全長16マー(FL)及び12マー。
【0268】
基本的に実施例2に記載されるように、プローブを希釈剤54中のアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせ、96ウェルプレートに2連ウェルで希釈剤54中で添加した。
【0269】
アンチセンス鎖検出及びセンス鎖検出におけるECLシグナルが、それぞれ表14及び表15に示される。表14からのデータが図8A図8Bにグラフで示され、表15からのデータが図9A図9Bにグラフで示される。
【0270】
表16は、16マー(FL)プローブ及び12マープローブを使用する、単独での又はヘテロ二本鎖でのアンチセンス(AS)鎖における検出下限(LLOD)を示す。表17は、16マー(FL)プローブ及び12マープローブを使用する、単独での又はヘテロ二本鎖でのセンス(SS)鎖におけるLLODを示す。
【0271】
結果は、12マープローブが、アンチセンス鎖においてECLシグナルを減少させたが、センス鎖において減少させなかったことを示す。全長プローブは、個々の鎖からでも又はヘテロ二本鎖でも、両方の鎖について同様のECLシグナルを有した。12マープローブは、ヘテロ二本鎖におけるアンチセンス鎖及びセンス鎖の両方についてECLシグナルを減少させた。ヘテロ二本鎖は、アンチセンス鎖及びセンス鎖の両方について全長プローブを使用した場合、ECLシグナル又はLLODestに影響を与えなかった。12マープローブは、ヘテロ二本鎖におけるアンチセンス鎖及びセンス鎖の両方について、ECLシグナルを減少させ、LLODestを増加させた。
【0272】
【表14】
【0273】
【表15】
【0274】
【表16】
【0275】
【表17】
【0276】
実施例4.全長(16マー)プローブを使用した検出下限(LLOD)
実施例1からの個々のアンチセンス(AS)鎖若しくはセンス(SS)鎖又は完全モデルヘテロ二本鎖ASOにおける検出限界を、16マー全長(FL)プローブを使用して、実施例1からのRNaseプロテクションアッセイ(RPA)について決定した。
【0277】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、個々のアンチセンス鎖、センス鎖、又はヘテロ二本鎖から、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。個々の鎖では、2ウェルを各キャリブレータ又は個々の鎖のために使用し、4ウェルをヘテロ二本鎖のための各キャリブレータのために、全LLOD決定のための24個の個々のブランクウェルとともに使用した。2つのプローブ長を評価した:200pMの濃度で全長16マー(FL)及び12マー。プローブをアンチセンス(AS)鎖又はセンス(SS)鎖にハイブリダイズさせ、希釈剤54中でプレートにハイブリダイズさせた。
【0278】
表18に示されるように、ECLシグナルは、個々のアンチセンス鎖又はセンス鎖とヘテロ二本鎖との間で類似している。表19に示される結果は、アンチセンス鎖におけるシングルプレックスアッセイのLLODが、個々の鎖及びヘテロ二本鎖の両方について0.5pg/mL未満であり、センス鎖におけるシングルプレックスアッセイのLLODが、個々の鎖及びヘテロ二本鎖についてそれぞれ25pg/mL及び14pg/mLであったことを示す。Cal-3における変動係数(coefficients of variation、CV)は全て15%未満であり、アンチセンス鎖におけるCVはセンス鎖のものよりもはるかに低かった。
【0279】
【表18】
【0280】
【表19】
【0281】
実施例5.ヘテロ二本鎖の多重検出
この実験は、実施例1からのモデルヘテロ二本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)のアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖が、実施例1からのRNaseプロテクションアッセイ(RPA)を多重フォーマットで使用して検出することができるかを決定するために設計された。
【0282】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、個々のアンチセンス(AS)鎖、センス(SS)鎖、又はヘテロ二本鎖から、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。プローブのみを有するウェルを含めて、プローブ-プローブ相互作用がアンチセンスプローブ及びセンスプローブで生じるか、並びにプローブ-プローブ相互作用が短縮した12マープローブで排除され得るかを決定した。
【0283】
2つのプローブ長を評価した:濃度200pMで、全長16マー(FL)及び12マー(プローブ配列は実施例2に示される)。
【0284】
プローブをアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせ、96ウェルプレートに2連ウェルで、希釈剤54中でハイブリダイズさせた。
【0285】
16マー(FL)プローブ及び12マープローブを使用するアンチセンス鎖検出におけるECLシグナルが、それぞれ表20及び表21に示される。16マー(FL)及び12マープローブを使用するセンス鎖検出におけるECLシグナルが、それぞれ表22及び表23に示される。ECLデータが、図10A及び図10Bにグラフで示される。表24は、単独における又はヘテロ二本鎖におけるアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖について、12マープローブを使用する多重検出での検出下限(LLOD)を示す。
【0286】
結果は、全長プローブが多重アッセイで使用された場合、アンチセンスプローブ及びセンスプローブが交差反応し、非常に上昇したバックグラウンドシグナルを引き起こしたことを示す。高濃度で、アンチセンス鎖(個々又はヘテロ二本鎖)では相加効果が存在するが、一方、アンチセンススポットシグナルでセンス鎖との逆相関が存在し、逆もまた同様である(プローブに対する標的結合によるプローブ-プローブ相互作用の喪失に起因する可能性が高い)。
【0287】
シングルプレックス(実施例2)又はマルチプレックス(本実施例)における12マープローブの使用は、同様のECLレベルをもたらし、プローブを多重化することの有害な影響は示さなかった。
【0288】
【表20】
【0289】
【表21】
【0290】
【表22】
【0291】
【表23】
【0292】
【表24】
【0293】
実施例6.ヘテロ二本鎖の検出に対するハイブリダイゼーション時間の効果
実施例1からのモデルASOのアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖の検出限界に対する短縮したハイブリダイゼーション時間の効果を決定した。
【0294】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。2つのプローブ長を評価した:200pMの濃度で全長16マー(FL)及び12マー。プローブは、「長いハイブリダイゼーション」プロトコール(表25)及び「短いハイブリダイゼーション」プロトコール(表26)を使用して、希釈剤54中でアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。プローブは、96ウェルプレートの二連ウェルにおいて希釈剤54中でハイブリダイズさせた。
【0295】
全長(FL)プローブは、ヘテロ二本鎖におけるアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖の両方の検出において、12マープローブよりも良好なシグナルを有した。結果が図11A及び図11Bにグラフに示される。ハイブリダイゼーション時間の変化は、ECLシグナル生成に大きな影響を有しなかった。
【0296】
ヘテロ二本鎖のASO鎖又はSO鎖における検出感度は、プローブをその対応する鎖にハイブリダイズするための時間量を減少させることによって影響を受けない。アッセイ時間を短縮するために、短縮したハイブリダイゼーション条件下でプローブ/鎖ハイブリダイゼーションを行うことが推奨される。
【0297】
【表25】
【0298】
【表26】
【0299】
実施例7.血漿中のアンチセンス鎖及びセンス鎖の検出
実施例1からのモデルASOのアンチセンス(AS)鎖又はセンス(SS)鎖における検出限界を、マウス血漿中にスパイクして決定した。
【0300】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、個々のアンチセンス鎖、センス鎖、又はヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。マウス血漿及び希釈剤の較正曲線の両方を、RNAsecure(商標)RNase不活性化試薬を用いて、60℃で10分間前処理し、4℃で保持した。
【0301】
RNAsecure(商標)試薬を希釈剤54に1:1比(20μLのキャリブレータ又はブランク:20μLのRNAsecure(商標)試薬)で添加した。全長16マー(FL)プローブを、最終濃度200pMで使用した。5×プローブを、50μLの総体積のために希釈剤54で調製した10μL体積で添加した。プローブを、表26に示される短縮したハイブリダイゼーションプロトコールを使用して、2連ウェルで希釈剤54中又は血漿中のアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0302】
データ(示さず)は、アンチセンス鎖検出から生成されたECLシグナルが、マトリックスとして血漿を用いて、個々の鎖又はヘテロ二本鎖の一部分のいずれかで、大きく変化しないことを示している。図12A及び図12Bに示されるように、ECLシグナルは、個々のセンス鎖(RNA)をマウス血漿に添加した場合に失われ、ヘテロ二本鎖のセンス鎖をマウス血漿に添加した場合に減少した。これは、ssRNAを分解する血漿中の内因性RNaseに起因する可能性が高い。表27は、希釈剤54中又は血漿中のアンチセンス鎖についての検出下限(LLOD)を示す。表28は、希釈剤54中又は血漿中のセンス鎖についての検出下限(LLOD)を示す。
【0303】
結果は、アンチセンス鎖(DNA)を高感度で検出する能力が、血漿中で測定した場合に変化しなかったことを実証する。アンチセンス(DNA)鎖については、ヘテロ二本鎖の個々の鎖及びアンチセンス鎖の両方が、希釈剤中及び血漿中で同様のLLODestを有する。しかし、センス鎖(RNA)を検出する能力は、血漿中で測定した場合に変化した:個々のセンス鎖は検出不能であり、ヘテロ二本鎖のセンス鎖は検出可能であったが、感度が低下し、ダイナミックレンジが低下していた。
【0304】
【表27】
【0305】
【表28】
【0306】
実施例8.マウス血漿中のアンチセンス鎖及びセンス鎖のシングルプレックス検出
実施例1からのアンチセンス鎖及びセンス鎖又は完全モデルヘテロ二本鎖ASOにおける検出限界を、マウス血漿中で全長(16マー)プローブを使用し、基本的に実施例1に記載のRNaseプロテクションアッセイ(RPA)(以下に提供される変更を伴う)を使用して決定した。
【0307】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、マウス血漿で4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。全検出下限(LLOD)決定のために、4ウェルを各キャリブレータについて、24個のブランクウェルとともに使用した。キャリブレータ試料及びブランクを、実施例7に記載のようにRNAsecure(商標)で前処理した。
【0308】
プローブをアンチセンス鎖又はセンス鎖に、実施例6に記載の短縮したハイブリダイゼーションプロトコールを用いてハイブリダイズさせたが、変性温度は血漿を95℃まで加熱すると粘性がありすぎてピペッティングが容易ではないため、80℃に低下させる1つの変更を加えた。改訂したプロトコールが、表29に示される。
【0309】
【表29】
【0310】
結果(示さず)は、ECLシグナルが実施例7の血漿実験と一致することを示す。アンチセンス鎖(DNA)おけるトップオブカーブ(top of curve、TOC)シグナルは、センス鎖(RNA)と比較してかなり高い。ヘテロ二本鎖のアンチセンス鎖(DNA)におけるLLODは、約1pg/mLであり、センス(RNA)鎖におけるLLODは、シングルプレックスアッセイにおいて約31pg/mLだった。Cal-3及びブランクでのCVは、全て10%未満であり、低いシグナル変動性を示した。
【0311】
実施例9.バックグラウンドに対するブロッカS1の影響
ブロッカS1をN-PLEX(商標)ブロッキング緩衝液に添加する効果を、アンチセンス(AS)及びセンス(SS)シングルプレックスアッセイに関連するバックグラウンドに対する影響について評価した。
【0312】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖から、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。全長(16マー)プローブを、基本的に実施例8に記載のシンプレックスアンチセンス及びセンスアッセイのための方法に従って、200pMの濃度で使用した。ブロッカS1(MSD)をN-PLEX(商標)ブロッカ(MSD)に添加した。プローブを、希釈剤54(MSD)を用いてセンス鎖又はアンチセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0313】
結果は、N-PLEX(商標)ブロッカ中にブロッカS1を含めることが、シングルプレックスにおけるAS鎖又はSS鎖のいずれについても陽性又はバックグラウンドのシグナル生成に影響を有しなかったことを示す。
【0314】
実施例10.バックグラウンドに対する二重RNase消化の影響
2つのRNase消化ステップを行う効果を、実施例1に記載のアンチセンス(AS)及びセンス(SS)シングルプレックスアッセイに関連するバックグラウンドに対する影響について評価した。
【0315】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖から、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。全長(16マー)プローブを、基本的に実施例8に記載のシンプレックスアンチセンス及びセンスアッセイのための方法に従って、200pMの濃度で使用した。RNase消化ステップを、1回又は2回行った。RNase消化ステップを1回行ったウェルを、第2のRNase消化ステップ中に希釈剤54とともにインキュベートした。プローブを、希釈剤54を用いてアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0316】
データ(示さず)は、追加のRNase消化ステップを加えることが、陽性若しくはバックグラウンドのECLシグナル又はLLODest測定にほとんど影響を有しなかったことを示す。
【0317】
実施例11.脳溶解物におけるアンチセンス鎖及びセンス鎖の検出
実施例1からのアンチセンス鎖及びセンス鎖又は完全モデルヘテロ二本鎖ASOにおける検出限界を、脳溶解物中で全長(16マー)プローブを使用し、基本的に実施例8に記載のRNaseプロテクションアッセイ(RPA)(以下に提供される変更を伴う)を使用して決定した。
【0318】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、希釈した脳溶解物にスパイクしたアンチセンス鎖、センス鎖、及びヘテロ二本鎖を使用して、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。全長16マー(FL)プローブを、200pMの濃度で使用した。
【0319】
実施例8に記載のプロトコールに従って、プローブをアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。脳(BioIVT、Westbury,NY,U.S.A.)をホモジナイズし、希釈剤54に溶解した。ホモジネートを遠心分離し、溶解物を収集し、希釈剤54で1:4に希釈した。
【0320】
データ(示さず)は、AS鎖(個々の又はヘテロ二本鎖の一部分として)からのECLシグナル生成が、希釈剤54又は1:4希釈した脳溶解物の間で非常に類似していることを示す。図13A及び図13Bに示されるように、ECLシグナルは、希釈剤54と比較して、脳溶解物中のセンス(SS)鎖(個々の又はヘテロ二本鎖の一部分として)からは、はるかに低かった。血漿中の結果を示す実施例8の結果とは対照的に、個々のセンス(SS)鎖は、脳溶解物中のヘテロ二本鎖のセンス(SS)鎖よりも高いECLシグナルを生成する。これは、脳細胞の溶解時のRNase Hの放出に起因し得る。
【0321】
希釈剤54中又は脳溶解物中の単独における又はヘテロ二本鎖におけるアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖のLLODが、表30及び表31に示される。これらの結果は、アンチセンス(DNA)鎖が、希釈した脳溶解物において容易に測定できることを示す。
【0322】
【表30】
【0323】
【表31】
【0324】
実施例12.プローブへのLNAの付加
12マーRNase保護プローブにロックド核酸(LNA)を含むことの影響を、実施例1からのモデルASOのアンチセンス鎖又はセンス鎖の検出に対する影響について評価し、シングルプレックスアッセイで決定した。この方法は、基本的に実施例8に記載されるように行った。
【0325】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、スパイクしたアンチセンス鎖、センス鎖、及びヘテロ二本鎖を使用して、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。LNAを有する全長16マー(FL)又は12マープローブを、200pMの濃度で使用した。プローブを、希釈剤54を用いてモデルASOのアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0326】
図14A及び図14Bは、単独における又はヘテロ二本鎖におけるアンチセンス(AS)を検出するための16マー(FL)又は12マーRNaseプローブでのLNAの影響を示す。表32は、単独における又はヘテロ二本鎖におけるセンス(SS)鎖を検出するための16mer(FL)又は12mer RNaseプローブでのLNAの影響を示す。表33は、FL又は12マーアンチセンスプローブでのLLODを、LNAのあり及びなしで示す。表34は、FL又は12マーセンスプローブでのLLODを、LNAのあり及びなしで示す。
【0327】
結果は、全長16マー(FL)プローブが、ASシングルプレックスアッセイ及びSSシングルプレックスアッセイの両方について、より高い陽性シグナル及びより低いバックグラウンドシグナルを生成したことを示す。LNAプローブを用いて観察されたより高いバックグラウンドは、ヌクレアーゼ分解に対するLNAオリゴの耐性に起因する可能性が高い。プローブにおける分解の標的はRNA残基であるが、LNAはRNaseからオリゴ全体を保護するのに役立った。
【0328】
【表32】
【0329】
【表33】
【0330】
【表34】
【0331】
実施例13.LNAプローブの濃度試験
シングルプレックスAS及びSSアッセイのバックグラウンドレベル及び感度に対する低下した濃度のLNAプローブの影響を、実施例1からのモデルASOについて評価した。
【0332】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。ASアッセイ及びSSアッセイをシングルプレックスで行い、LNAを有する12マープローブを4濃度:200pM(0.2nM)、100pM(0.1nM)、50pM(0.05nM)、及び20pM(0.02nM)で、ASアッセイ及びSSアッセイの両方に使用した。プローブを、希釈剤54を用いてアンチセンス(AS)鎖又はセンス鎖(SS)にハイブリダイズさせた。
【0333】
図15A及び図15Bは、ヘテロ二本鎖のAS鎖又はSS鎖のいずれかに対するLNAプローブの濃度を減少させると、陽性及びバックグラウンドのECLシグナルの両方が、それぞれ0.02mM及び0.1nMのプローブ濃度で減少し、改善された陽性及びバックグラウンドのシグナルを提供することを示す。
【0334】
表35及び表36は、それぞれヘテロ二本鎖におけるアンチセンス鎖又はセンス鎖を検出するための様々なLNAプローブ濃度におけるLLODを示す。
【0335】
【表35】
【0336】
【表36】
【0337】
実施例14.アンチセンス鎖及びセンス鎖の多重検出におけるLNAプローブ
実施例1からのモデルヘテロ二本鎖のAS鎖及びSS鎖の多重検出を、LNAプローブを使用して評価した。
【0338】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、個々のアンチセンス(AS)鎖、センス(SS)鎖、又はヘテロ二本鎖を使用して、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。このアッセイは、プローブ-プローブ相互作用がアンチセンスプローブとセンスプローブとの間で生じたかを決定するために、プローブのみを有するウェルを含んだ。
【0339】
2つの異なるプローブタイプを評価した:非修飾12マープローブ又はLNA12マープローブ。非修飾12マープローブについて200pMのプローブ濃度。12マーASプローブは20pMの濃度で使用し、12マーSSプローブはASのために100pMの濃度で使用した。SS LNAプローブも100pMの濃度で使用した。LNAプローブの濃度は、より高いバックグラウンドを考慮して変化させた。プローブを、希釈剤54を用いてアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0340】
図16A及び図16Bは、非修飾12マープローブ又はLNA12マープローブのいずれからもオフターゲットシグナルが存在しなかったことを示し、プローブ-プローブ相互作用がいずれの場合にも生じなかったが、LNAプローブは、AS鎖について非修飾12マープローブよりも低い陽性ECLシグナル及び同様のバックグラウンドをもたらしたことを示す。
【0341】
図17A及び図17Bは、非修飾12マープローブ又はLNA12マープローブのいずれからもオフターゲットシグナルが存在しなかったことを示し、プローブ-プローブ相互作用がSSプローブのいずれの場合にも生じなかったことを示す。
【0342】
表37は、非修飾12マープローブ及びLNA修飾12マープローブを用いた、個々のアンチセンス(AS)鎖又はヘテロ二本鎖におけるアンチセンス鎖の多重検出についてLLODを示す。表38は、非修飾12マープローブ及びLNA修飾12マープローブを用いた、個々のセンス(SS)鎖又はヘテロ二本鎖におけるセンス鎖の多重検出についてLLODを示す。
【0343】
LNAプローブは、個々の鎖として、又はヘテロ二本鎖の一部分として、AS鎖及びSS鎖の両方を検出することができた。シングルプレックスアッセイにおいて、全長プローブを超えて12マーLNAプローブを使用する利点はなかった。LNAプローブは、両方のアッセイについてより高いバックグラウンドを有し、バックグラウンドを許容可能なレベルにするために希釈しなければならない。特異的シグナルも犠牲にされる。非修飾12マープローブは、AS鎖及びSS鎖の多重検出において12マーLNAプローブより優れていた。
【0344】
【表37】
【0345】
【表38】
【0346】
実施例15.13マープローブ及び14マープローブを使用するアンチセンス鎖及びセンス鎖のシングルプレックス検出
実施例1からのモデルヘテロ二本鎖の個々のアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖の検出を、実施例8に記載される方法に従って、13マープローブ及び14マープローブを使用して評価した。
【0347】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。4つの異なるプローブタイプを評価した:200pMの濃度で、非修飾全長(FL)プローブ、14マープローブ、13マープローブ、及び12マープローブ。プローブを、希釈剤54を用いてアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0348】
図18A及び図18Bは、14マープローブにおけるECLシグナルがアンチセンス鎖及びセンス鎖検出におけるFLプローブと同様であったが、13マープローブではわずかなシグナル損失が観察されたことを示す。より顕著な損失が、FLプローブと比較して、12マープローブで観察された。バックグラウンドは、12マープローブ及び13マープローブで増加した。
【0349】
表39及び表40は、全長(FL)プローブ、14マープローブ、13マープローブ、又は12マープローブを用いたアンチセンス(AS)鎖又はセンス(SS)鎖の検出におけるLLODを示す。
【0350】
【表39】
【0351】
【表40】
【0352】
実施例16.13マープローブ及び14マープローブを使用するアンチセンス鎖及びセンス鎖のヘテロ二本鎖検出
実施例1からのモデルヘテロ二本鎖のアンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖の検出を、基本的に実施例8に記載の13マープローブ及び14マープローブを使用して評価した。
【0353】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。4つの異なるプローブタイプを評価した:200pMの濃度で、非修飾全長(FL)プローブ、14マープローブ、13マープローブ、及び12マープローブ。プローブを、希釈剤54を用いてアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0354】
図19A及び図19Bに示されるように、EL及び14マープローブは、ヘテロ二本鎖のAS鎖を測定する場合に同様のシグナルをもたらした。ヘテロ二本鎖のAS鎖を測定する場合、13マープローブはシグナルの顕著な損失を示し、12マープローブは十分なシグナルを生成することができなかった。バックグラウンドは、13マープローブで増加した。SSプローブ及び鎖検出では、14マープローブ及び13マープローブはFLプローブに同様だったが、一方、12マープローブではいくらかのシグナル損失があった。バックグラウンドは、12マープローブで増加した。
【0355】
表41及び表42は、全長(FL)プローブ、14マープローブ、13マープローブ、又は12マープローブを用いたアンチセンス(AS)鎖又はセンス(SS)鎖のヘテロ二本鎖検出におけるLLODを示す。
【0356】
【表41】
【0357】
【表42】
【0358】
実施例17.13マープローブ及び14マープローブを使用するアンチセンス鎖及びセンス鎖の多重検出
この実験は、13マープローブ又は14マープローブが、アンチセンス(AS)鎖及びセンス(SS)鎖又は実施例1からのモデルヘテロ二本鎖の多重検出を可能にするかを決定するために設計された。
【0359】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。プローブのみのウェルを、プローブ-プローブ相互作用を評価するために含めた。
【0360】
2つの異なるプローブタイプを評価した:200pMの濃度で、14マープローブ及び13マープローブ。プローブを希釈剤54中でアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0361】
表43及び表44に示されるように、14マープローブは、個々のAS鎖及びヘテロ二本鎖のAS鎖の両方の検出を可能にしたが、14マープローブは、個々の鎖と比較してヘテロ二本鎖を測定する場合にシグナルにわずかな減少を示した。また、13マープローブは、個々のAS鎖及びヘテロ二本鎖のAS鎖の検出を可能にしたが、シグナル低下が観察された。重要なことに、14マープローブ及び13マープローブの両方が、ヘテロ二本鎖のAS鎖の多重検出で適合しており、プローブ-プローブ相互作用を引き起こさなかった。
【0362】
表45及び表46に示されるように、14マープローブ及び13マープローブの両方が、ヘテロ二本鎖のSS鎖の検出を可能にしたが、14マープローブは、13マープローブよりもわずかに高いシグナルをもたらした。重要なことに、14マープローブ及び13マープローブの両方が、ヘテロ二本鎖のSS鎖の多重検出で適合しており、プローブ-プローブ相互作用を引き起こさなかった。
【0363】
表47及び表48は、14マープローブ及び13マープローブを用いた、単独での又はヘテロ二本鎖の一部分としてのアンチセンス(AS)鎖又はセンス(SS)鎖の検出におけるLLODを示す。
【0364】
したがって、14マープローブはアンチセンス鎖に最適なプローブであり、一方、13マープローブ又は14マープローブのいずれもセンス鎖の検出に使用することができる。
【0365】
【表43】
【0366】
【表44】
【0367】
【表45】
【0368】
【表46】
【0369】
【表47】
【0370】
【表48】
【0371】
実施例18.多重検出のためのプローブクロスチェック
この実験は、ヘテロ二本鎖の両方の鎖の多重検出におけるASプローブ及びSSプローブの異なる組み合わせを評価するために設計された。
【0372】
簡単に説明すると、10点較正曲線を、ヘテロ二本鎖を使用し、40,000pg/mLの最高キャリブレータ濃度を用いて、4倍連続希釈(+2つのブランクウェル)を使用して生成した。3つの異なるプローブタイプを評価した:200pMの濃度で、14マープローブ、13マープローブ、及び12マープローブ。プローブを、希釈剤54を用いてアンチセンス鎖又はセンス鎖にハイブリダイズさせた。
【0373】
各プローブを以下のように他の2つのプローブとクロスさせた。
【0374】
・14マーAS対14マーSS
・14マーAS対13マーSS
・14マーAS対12マーSS
・13マーAS対14マーSS
・13マーAS対13マーSS
・13マーAS対12マーSS
・12マーAS対14マーSS
・12マーAS対13マーSS
12マーAS対12マーSSは評価しなかった。
【0375】
図20Aに示されるように、ECLシグナルは、SSプローブの長さにかかわらず、所与のASプローブ長に対して一貫していた。14マーASプローブは、13マーASプローブ及び12マーASプローブよりも少ないシグナル損失を示した。図20Bに示されるように、SSプローブの長さの変化は、ASプローブ長の変化と比較して、ECLシグナルに対する劇的な影響が少なかった。SSシグナルは、ASプローブが減少するにつれて減少し、特に12マーASプローブで減少した。重要なことに、14マーSSプローブ又は13マーSSプローブのいずれかが、多重検出のために良好に機能した。
【0376】
表49は、プローブ組み合わせについてLLOD及びヒル傾き測定値を提供する。
これらのデータは、短縮したプローブを使用することによって、同じウェル中のヘテロ二本鎖のセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を高感度で測定することが可能であることを示す。
【0377】
【表49】
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
【国際調査報告】