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特表2024-533348複数方向ウェッジワイヤボンディング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】複数方向ウェッジワイヤボンディング
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/516 20210101AFI20240905BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20240905BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M50/516
H01M50/505
H01M50/503
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/213
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515286
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022076839
(87)【国際公開番号】W WO2023049788
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】17/448,796
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルピト、ドギーリー エム.
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AT01
5H040DD03
5H043AA03
5H043AA13
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA21
5H043FA02
5H043FA04
5H043HA17F
5H043JA06F
5H043LA23F
(57)【要約】
一般的な態様において、電気デバイスアセンブリ(例えば、バッテリモジュール)は第1の、第2の、及び第3の電気コンタクト表面を含み得る。第1の及び第2の電気コンタクト表面は、共通の方向に第3の電気コンタクト表面から離間し得る。アセンブリは、第1の電気コンタクト表面を第2の電気コンタクト表面及び第3の電気コンタクト表面の各々に電気的に結合するリボン状ワイヤを含み得る。リボン状ワイヤの第1の端部は、第1のウェッジワイヤボンディング部で第1の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされ得、リボン状ワイヤの第2の端部は、第2のウェッジワイヤボンディング部で第2の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされ得、第1の及び第2の端部の中間にあるリボン状ワイヤの一部分は、第3のウェッジワイヤボンディング部で第3の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電気コンタクト表面;
第2の電気コンタクト表面;
第3の電気コンタクト表面、前記第1の電気コンタクト表面及び前記第2の電気コンタクト表面が共通の方向に前記第3の電気コンタクト表面から離間している;及び
前記第1の電気コンタクト表面を前記第2の電気コンタクト表面及び前記第3の電気コンタクト表面の各々と電気的に結合するリボン状ワイヤ
を備え、
前記リボン状ワイヤの第1の端部は、第1のウェッジワイヤボンディング部で前記第1の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされており、
前記リボン状ワイヤの第2の端部は、第2のウェッジワイヤボンディング部で前記第2の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされており、
前記第1の端部及び前記第2の端部の中間にある前記リボン状ワイヤの一部分は、第3のウェッジワイヤボンディング部で前記第3の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされている、
電気デバイスアセンブリ。
【請求項2】
前記電気デバイスアセンブリは、バスバー及び電気化学セルを有するバッテリモジュールを備え;
前記バスバーは、前記第1の電気コンタクト表面及び前記第2の電気コンタクト表面を有し;
前記電気化学セルの端子は前記第3の電気コンタクト表面を含み、前記端子は前記電気化学セルの端部に位置する、
請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項3】
前記端子は、前記電気化学セルのリム又は前記電気化学セルのキャップのうちの1つを含む、請求項2に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項4】
前記リボン状ワイヤの第1のセグメントは前記第1のウェッジワイヤボンディング部及び前記第3のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し;
前記リボン状ワイヤの第2のセグメントは前記第3のウェッジワイヤボンディング部及び前記第2のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し;
リボン状ワイヤの前記第1のセグメント及び前記リボン状ワイヤの前記第2のセグメントは約45度よりも小さい角度を画定する、
請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項5】
前記リボン状ワイヤは、第1の表面及び前記第1の表面の反対側である第2の表面を有し;
前記リボン状ワイヤの前記第1の表面は前記第1の電気コンタクト表面及び前記第3の電気コンタクト表面に面し;
前記リボン状ワイヤの前記第2の表面は前記第2の電気コンタクト表面に面する、
請求項4に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の電気コンタクト表面、前記第2の電気コンタクト表面、及び前記第3の電気コンタクト表面は各々:
バッテリモジュールのバスバー;又は
前記バッテリモジュールの電気化学セルの端子
のうちの1つの中にそれぞれ含まれる、請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の電気コンタクト表面は、バッテリモジュールの第1の電気化学セルの端子内に含まれ;
前記第2の電気コンタクト表面は、前記バッテリモジュールの第2の電気化学セルの端子内に含まれ;
前記第3の電気コンタクト表面は、前記バッテリモジュールのバスバー内に含まれる、
請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の端部及び前記第2の端部の中間にある前記リボン状ワイヤの前記一部分は、前記第1の端部及び前記第2の端部の中間にある前記リボン状ワイヤの第1の一部分であり;
前記電気デバイスアセンブリは、前記第1の電気コンタクト表面、前記第2の電気コンタクト表面及び前記第3の電気コンタクト表面とは別個である第4の電気コンタクト表面を備え;
前記第1の端部及び前記第2の端部の中間にある前記リボン状ワイヤの第2の一部分は第4のウェッジワイヤボンディング部で前記第4の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項9】
前記リボン状ワイヤの第1のセグメントは、前記第1のウェッジワイヤボンディング部及び前記第3のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し;
前記リボン状ワイヤの第2のセグメントは、前記第3のウェッジワイヤボンディング部及び前記第4のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し;
前記リボン状ワイヤの第3のセグメントは、前記第4のウェッジワイヤボンディング部及び前記第2のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し;
前記リボン状ワイヤの前記第1のセグメント及び前記リボン状ワイヤの前記第2のセグメントは、約45度よりも小さい角度を画定する、
請求項8に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項10】
前記リボン状ワイヤの前記第2のセグメント及び前記リボン状ワイヤの前記第3のセグメントは約135度よりも大きな角度を画定する、請求項9に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項11】
前記リボン状ワイヤの前記第2のセグメント及び前記リボン状ワイヤの前記第3のセグメントは、約45度よりも小さい角度を画定する、請求項9に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の電気コンタクト表面、前記第2の電気コンタクト表面、前記第3の電気コンタクト表面、及び前記第4の電気コンタクト表面は各々、バッテリモジュールのバスバー又は前記バッテリモジュールの電気化学セルのうちの1つの中にそれぞれ含まれる、請求項8に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項13】
複数の電気化学セル、前記複数の電気化学セルの各電気化学セルは前記電気化学セルの端部に端子を有する;
前記複数の電気化学セルを並列接続、直列接続、又は並列及び直列接続のうちの1つで結合するためのバスバー;及び
第1のウェッジボンディング部及び第2のウェッジボンディング部を介して前記バスバーに電気的に結合されており、
第3のウェッジボンディング部を介して前記複数の電気化学セルの電気化学セルの前記端子に電気的に結合されている
リボン状ボンディングワイヤ
を備え
前記リボン状ボンディングワイヤの第1のセグメントは前記第1のウェッジボンディング部及び前記第3のウェッジボンディング部の間に延在し、
前記リボン状ボンディングワイヤの第2のセグメントは前記第3のウェッジボンディング部及び前記第2のウェッジボンディング部の間に延在し、
前記リボン状ボンディングワイヤの前記第1のセグメント及び前記リボン状ボンディングワイヤの前記第2のセグメントは約45度よりも小さい角度を画定する、
バッテリモジュール。
【請求項14】
前記複数の電気化学セルの前記電気化学セルの前記端子は、リム又はキャップのうちの1つを含む、請求項13に記載のバッテリモジュール。
【請求項15】
前記複数の電気化学セルの前記電気化学セルは、第1の電気化学セルであり;
前記リボン状ボンディングワイヤは更に、第4のウェッジボンディング部を介して前記複数の電気化学セルの第2の電気化学セルの前記端子に電気的に結合されており、
前記リボン状ボンディングワイヤの第3のセグメントは前記第2のウェッジボンディング部及び前記第4のウェッジボンディング部の間に延在している、
請求項13又は14に記載のバッテリモジュール。
【請求項16】
前記リボン状ボンディングワイヤの前記第2のセグメント及び前記リボン状ボンディングワイヤの前記第3のセグメントは、45度よりも小さい角度を画定する、請求項15に記載のバッテリモジュール。
【請求項17】
前記リボン状ボンディングワイヤの前記第2のセグメント及び前記リボン状ボンディングワイヤの前記第3のセグメントは、135度よりも大きい角度を画定する、請求項15に記載のバッテリモジュール。
【請求項18】
ウェッジワイヤボンダヘッドを使用して、第1の電気コンタクト表面上にリボン状ワイヤで第1のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階;
前記第1のウェッジワイヤボンディング部を形成した後に、前記ウェッジワイヤボンダヘッドを通して前記リボン状ワイヤの第1の一部分を送り出す段階;
第1の進行方向に沿って前記ウェッジワイヤボンダヘッドを移動させ、前記リボン状ワイヤの前記第1の一部分を含む第1のワイヤループを形成する段階;
前記ウェッジワイヤボンダヘッドを使用して、第2の電気コンタクト表面上に前記リボン状ワイヤで第2のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階;
前記第2のウェッジワイヤボンディング部を形成した後に、前記ウェッジワイヤボンダヘッドを通して前記リボン状ワイヤの第2の一部分を送り出す段階;
前記ウェッジワイヤボンダヘッドを回転させ、前記ウェッジワイヤボンダヘッドの進行方向を変更する段階;
前記第1の進行方向とは異なる第2の進行方向に沿って前記ウェッジワイヤボンダヘッドを移動させ、前記リボン状ワイヤの前記第2の一部分を含む第2のワイヤループを形成する段階;及び
前記ウェッジワイヤボンダヘッドを使用して、第3の電気コンタクト表面上に前記リボン状ワイヤで第3のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階
を備える方法。
【請求項19】
前記ウェッジワイヤボンダヘッドを回転させる段階は、約45度及び約180度の間で前記ウェッジワイヤボンダヘッドを回転させる段階を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ウェッジワイヤボンダヘッドを通して前記リボン状ワイヤの第3の一部分を送り出す段階;
前記ウェッジワイヤボンダヘッドを更に回転させることによって、前記ウェッジワイヤボンダヘッドの前記進行方向を更に変更する段階;
前記更に変更された進行方向に沿って前記ウェッジワイヤボンダヘッドを移動させ、前記リボン状ワイヤの前記第3の一部分を含む第3のワイヤループを形成する段階;及び
前記ウェッジワイヤボンダヘッドを使用して、第4の電気コンタクト表面上に前記リボン状ワイヤで第4のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階
を更に備える、請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年9月24日に提出された「MULTIPLE-DIRECTION WEDGE WIRE BONDING」と題する米国特許出願第17/448,796号の優先権を主張し、その開示はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本文書は、ウェッジワイヤボンディングに関する。
【背景技術】
【0003】
ボンディングワイヤは、電気デバイスアセンブリ内の様々な要素又は構成要素を電気的に相互接続するために使用される。そのようなアセンブリにおいて、そのようなボンディングワイヤの電気的な相互接続は望ましくない電気抵抗を導入し得る。それに応じて、そのような抵抗を低減しそのような相互接続の導電率を改善するための手法が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
一般的な態様において、電気デバイスアセンブリ(例えば、バッテリモジュール)は、第1の電気コンタクト表面、第2の電気コンタクト表面、及び第3の電気コンタクト表面を備え得る。第1の及び第2の電気コンタクト表面は、共通の方向に第3の電気コンタクト表面から離間し得る。アセンブリは、第1の電気コンタクト表面を第2の電気コンタクト表面及び第3の電気コンタクト表面の各々に電気的に結合するリボン状ワイヤを更に備え得る。リボン状ワイヤの第1の端部は、第1のウェッジワイヤボンディング部で第1の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされ得る。リボン状ワイヤの第2の端部は、第2のウェッジワイヤボンディング部で第2の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされ得る。第1の及び第2の端部の中間にあるリボン状ワイヤの一部分は、第3のウェッジワイヤボンディング部で第3の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされ得る。
【0005】
実装は、下記の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。例えば、電気デバイスアセンブリはバスバー及び電気化学セルを有するバッテリモジュールを備え得る。バスバーは、第1の電気コンタクト表面及び第2の電気コンタクト表面を含み得る。電気化学セルの端子は、第3の電気コンタクト表面を含み得る。端子は、電気化学セルの端部に位置し得る。端子は、電気化学セルのリム又は電気化学セルのキャップのうちの1つを含む。
【0006】
リボン状ワイヤの第1のセグメントは、第1のウェッジワイヤボンディング部及び第3のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し得る。リボン状ワイヤの第2のセグメントは、第3のウェッジワイヤボンディング部及び第2のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し得る。リボン状ワイヤの第1のセグメント及びリボン状ワイヤの第2のセグメントは、約45度よりも小さい角度を画定し得る。リボン状ワイヤは、第1の表面及び第1の表面の反対側である第2の表面を有し得る。リボン状ワイヤの第1の表面は、第1の電気コンタクト表面及び第3の電気コンタクト表面に面し得る。リボン状ワイヤの第2の表面は、第2の電気コンタクト表面に面し得る。
【0007】
第1の電気コンタクト表面、第2の電気コンタクト表面、及び第3の電気コンタクト表面は各々、バッテリモジュールのバスバー、又はバッテリモジュールの電気化学セルの端子のうちの1つの中にそれぞれ含まれ得る。
【0008】
第1の電気コンタクト表面は、バッテリモジュールの第1の電気化学セルの端子内に含まれ得る。第2の電気コンタクト表面は、バッテリモジュールの第2の電気化学セルの端子内に含まれ得る。第3の電気コンタクト表面は、バッテリモジュールのバスバー内に含まれ得る。
【0009】
第1の端部及び第2の端部の中間にあるリボン状ワイヤの一部分は、第1の端部及び第2の端部の中間にあるリボン状ワイヤの第1の一部分であり得る。電気デバイスアセンブリは、第1の電気コンタクト表面、第2の電気コンタクト表面、及び第3の電気コンタクト表面とは別個である第4の電気コンタクト表面を備え得る。第1の端部及び第2の端部の中間にあるリボン状ワイヤの第2の一部分は、第4のウェッジワイヤボンディング部で第4の電気コンタクト表面にウェッジボンディングされ得る。
【0010】
リボン状ワイヤの第1のセグメントは、第1のウェッジワイヤボンディング部及び第3のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し得、リボン状ワイヤの第2のセグメントは第3のウェッジワイヤボンディング部及び第4のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し得、リボン状ワイヤの第3のセグメントは、第4のウェッジワイヤボンディング部及び第2のウェッジワイヤボンディング部の間に延在し得る。リボン状ワイヤの第1のセグメント及びリボン状ワイヤの第2のセグメントは、約45度よりも小さい角度を画定し得る。リボン状ワイヤの第2のセグメント及びリボン状ワイヤの第3のセグメントは、約135度よりも大きい角度、又は約45度よりも小さい角度を画定し得る。
第1の電気コンタクト表面、第2の電気コンタクト表面、第3の電気コンタクト表面、及び第4の電気コンタクト表面は各々、バッテリモジュールのバスバー又はバッテリモジュールの電気化学セルのうちの1つの中にそれぞれ含まれ得る。
【0011】
別の一般的な態様において、バッテリモジュールは、複数の電気化学セルを備え得る。複数の電気化学セルの各電気化学セルは、電気化学セルの端部に端子を有し得る。バッテリモジュールは、複数の電気化学セルを並列接続、直列接続、又は並列及び直列接続のうちの1つで結合するためのバスバーも備え得る。バッテリモジュールは、第1のウェッジボンディング部及び第2のウェッジボンディング部を介してバスバーに電気的に結合されており、第3のウェッジボンディング部を介して複数の電気化学セルの電気化学セルの端子に電気的に結合されているリボン状ボンディングワイヤを更に備え得る。リボン状ボンディングワイヤの第1のセグメントは、第1のウェッジボンディング部及び第3のウェッジボンディング部の間に延在し得る。リボン状ボンディングワイヤの第2のセグメントは、第3のウェッジボンディング部及び第2のウェッジボンディング部の間に延在し得る。リボン状ボンディングワイヤの第1のセグメント及びリボン状ボンディングワイヤの第2のセグメントは、約45度よりも小さい角度を画定し得る。
【0012】
実装は、下記の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。例えば、複数の電気化学セルの電気化学セルの端子は、リム又はキャップのうちの1つを含み得る。複数の電気化学セルの電気化学セルは、第1の電気化学セルであり得る。リボン状ボンディングワイヤは更に、第4のウェッジボンディング部を介して複数の電気化学セルの第2の電気化学セルの端子に電気的に結合され得る。リボン状ボンディングワイヤの第3のセグメントは、第2のウェッジボンディング部及び第4のウェッジボンディング部の間に延在し得る。リボン状ボンディングワイヤの第2のセグメント及びリボン状ボンディングワイヤの第3のセグメント約45度よりも小さい角度、又は約135度よりも大きい角度を画定し得る。
【0013】
別の一般的な態様において、方法は、ウェッジボンダヘッドを使用して、第1の電気コンタクト表面上にリボン状ワイヤで第1のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階を備え得る。第1のウェッジワイヤボンディング部を形成した後に、方法はウェッジボンダヘッドを通してリボン状ワイヤの第1の一部分を送り出す段階を備え得る。方法は更に、第1の進行方向に沿ってウェッジボンダヘッドを移動させ、リボン状ワイヤの第1の一部分を含む第1のワイヤループを形成する段階を備え得る。方法はなおも更に、ウェッジボンダヘッドを使用して、第2の電気コンタクト表面上にリボン状ワイヤで第2のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階を備え得る。第2のウェッジワイヤボンディング部を形成した後に、方法は、ウェッジボンダヘッドを通してリボン状ワイヤの第2の一部分を送り出す段階、ウェッジボンダヘッドを回転させる段階;及び第1の進行方向とは異なる第2の進行方向に沿ってウェッジボンダヘッドを移動させ、リボン状ワイヤの第2の一部分を含む第2のワイヤループを形成する段階を備え得る。方法は、ウェッジボンダヘッドを使用して、第3の電気コンタクト表面上にリボン状ワイヤで第3のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階も備え得る。
【0014】
実装は、下記の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。例えば、ウェッジボンダヘッドを回転させる段階は、約45度及び約180度の間でウェッジボンダヘッドを回転させる段階を有し得る。
【0015】
方法は、ウェッジボンダヘッドを通してリボン状ワイヤの第3の一部分を送り出す段階、ウェッジボンダヘッドを更に回転させることによって、ウェッジボンダヘッドの進行方向を更に変更する段階、及び更に変更された進行方向に沿ってウェッジボンダヘッドを移動させ、リボン状ワイヤの第3の一部分を含む第3のワイヤループを形成する段階を備え得る。更に変更された進行方向に沿ってウェッジボンダヘッドを移動させる段階の後、方法はウェッジワイヤボンダヘッドを使用して、第4の電気コンタクト表面上にリボン状ワイヤで第4のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階を備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電気デバイスアセンブリを概略的に図示する図である。
【0017】
図2】ボンディングワイヤ及びボンディング動作の1つの例を図示する図である。
【0018】
図3A】複数方向ウェッジワイヤボンディングの例を概略的に図示する図である。
図3B】複数方向ウェッジワイヤボンディングの例を概略的に図示する図である。
図3C】複数方向ウェッジワイヤボンディングの例を概略的に図示する図である。
図3D】複数方向ウェッジワイヤボンディングの例を概略的に図示する図である。
図3E】複数方向ウェッジワイヤボンディングの例を概略的に図示する図である。
【0019】
図4A】複数方向ウェッジワイヤボンディング部を形成するための例示的なウェッジボンダヘッドを図示する図である。
図4B】複数方向ウェッジワイヤボンディング部を形成するための例示的なウェッジボンダヘッドを図示する図である。
【0020】
図5】例示的な方法を図示するフローチャートである。
【0021】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この文書は、連続的なボンディングワイヤを使用して複数方向にウェッジワイヤボンディング部を形成することを対象とするシステム及び技法の例を説明し、ここで、そのような手法は本明細書では複数方向ワイヤボンディング又は複数方向ウェッジワイヤボンディングと称される。いくつかの実装において、複数方向ワイヤボンディングは、ワイヤボンダヘッド(例えば、ウェッジワイヤボンダヘッド)を使用して、第1のワイヤボンディング部を形成する段階;第1の進行方向にワイヤボンダヘッドを移動させる段階;第2のワイヤボンディング部を形成する段階;ワイヤボンダヘッドを回転させる段階;第1の進行方向とは異なる第2の進行方向にワイヤボンダヘッドを移動させる段階;及び第3のワイヤボンディング部を形成する段階を含み得る。本明細書で説明される主題は、電気及び/又はハイブリッド車両において使用されるバッテリモジュールなどの対応する電気デバイスアセンブリの性能を改善し得る。例えば、電気コンタクト表面(例えば、バッテリモジュールの電気化学セル及び/又はバスバーの端子)の間の電気的な相互接続は、電気抵抗が低減された結果として導電率が向上し得る。そのような低減された抵抗は、互いに対して異なる方向に配置された複数の電気コンタクト表面を電気的に接続するために、個別のボンディングワイヤセグメント(例えば、異なる方向ごとのそれぞれの個別のボンディングワイヤセグメント)を使用するのではなく連続的な長さのボンディングワイヤが使用される結果として実現され得る。
【0023】
本明細書の例は、ボンディングワイヤ(例えば、リボン状ボンディングワイヤ又はリボン状ワイヤ)に言及する。本明細書で使用される場合、ボンディングワイヤは任意の数の異なる幾何学的形状を有し得、それぞれの導電率を有する1つ又は複数の材料を含み得る。例えば、ボンディングワイヤは単層ボンディングワイヤであり得、又は各々がそれぞれの導電率を有する複数の層を有する多層ボンディングワイヤであり得る。いくつかの実装において、ボンディングワイヤは長方形の断面を有し1つ又は複数の層を有するリボン状ワイヤであり得る。1つ又は複数の層は、1つ又は複数の金属及び/又は金属合金などの1つ又は複数の導電性材料を含み得る。本明細書で使用される場合、ボンディングワイヤが表面(例えば、導電性表面、電気コンタクト表面など)に結合されているということは、別段の記載がない限り、そのボンディングワイヤがその表面に電気的に及び/又は物理的に結合されていることを指す。
【0024】
本明細書の例は、ボンディングワイヤのセグメント(例えば、ボンディングワイヤセグメント)に言及する。本明細書で使用される場合、ボンディングワイヤセグメントは、別個のワイヤボンディング部(例えば、ウェッジワイヤボンディング部)の間に延在するボンディングワイヤの一部分である。例えば、いくつかの実装において、ボンディングワイヤ(例えば、連続的なボンディングワイヤ)は、第1のワイヤボンディング部及び第2のワイヤボンディング部の間に延在する第1のボンディングワイヤセグメントを含み、第2のワイヤボンディング部及び第3のワイヤボンディング部の間に延在する第2のセグメントを更に含み得る。例示的な実装において、第1のボンディングワイヤセグメント及び第2のボンディングワイヤセグメントは非ゼロの角度を画定し得る。例えば、角度は約45度よりも小さくてよく、又は約135度よりも大きくてよい。ボンディングワイヤは、追加のボンディングワイヤセグメント及び追加のワイヤボンディング部も含み得る。
【0025】
本明細書の例は、ワイヤループに言及する。本明細書で使用される場合、ワイヤループは2つのウェッジワイヤボンディング部の間に延在するボンディングワイヤセグメントの一部であり得る。例えば、ワイヤループは、第1のウェッジワイヤボンディング部及びその対応する電気コンタクト表面を第2のウェッジワイヤボンディング部及びその対応する電気コンタクト表面と電気的に接続し得る。実装において、ワイヤループは、平坦、曲線状、円弧状、又はその組み合わせであり得る。
【0026】
本明細書の例は、電気化学セルに言及する。本明細書で使用される場合、電気化学セルとは、化学反応から電気エネルギーを生成するか、又は電気エネルギーを使用して化学反応を引き起こすか、又はその両方を行うデバイスである。電気化学セルは、エネルギーを蓄え、使用時にそれを送出するために、電解質及び2つの電極を含み得る。いくつかの実装において、電気化学セルは、再充電可能セルであり得る。例えば、電気化学セルは、リチウムイオンセルであり得る。いくつかの実装において、電気化学セルは、放電されるときにはガルバニセルとして、充電されるときには電解セルとして作用し得る。電気化学セルは、電極ごとに少なくとも1つの端子を有することができる。端子、又はその少なくとも一部分は、電解セルの一方の端部に位置付けられることが可能である。例えば、電気化学セルが円筒形状を有する場合、端子のうちの1つは、セルの端部の中央に提供されることが可能であり、円筒を形成する缶は、他方の端子を構成することができ、したがってその端部にも存在することができる。限定されないが角柱形状を含む、電気化学セルの他の形状が使用され得る。
【0027】
本明細書の例は、バッテリモジュールに言及し、このバッテリモジュールは、充電、蓄電、及び使用の最中に、複数の電気化学セルを保持及び管理するために構成された個別の構成要素である。バッテリモジュールは、1つ又は複数の負荷(例えば電動モータ)のための唯一の電源として意図されることが可能であり、又は1つよりも多くの、同じ又は異なるタイプのバッテリモジュールが使用されることが可能である。システム内に別個に、又はより大きいエネルギー蓄積ユニットの一部として、2つ又はそれよりも多いバッテリモジュールが実装されることが可能である。例えば、バッテリパックは、2つ又はそれよりも多い、同じ又は異なるタイプのバッテリモジュールを含むことができる。バッテリモジュールは、電気化学セルにおける電気エネルギーの充電、蓄電、及び/又は使用を管理するための制御回路を含むことが可能であるか、又はバッテリモジュールは、外部の構成要素によって制御されることが可能である。例えば、バッテリ管理システムは、1つ又は複数の回路基板(例えば、プリント回路基板)上に実装されることが可能である。
【0028】
本明細書の例は、バスバーに言及し、ここで、対応するバッテリモジュールは少なくとも1つのバスバーを有し得る。バスバーは導電性であり、充電時には電気化学セルへ、又は放電時にはセルから、電気を通すために使用される。バスバーは、導電性の材料(例えば、金属)から構成されており、電気化学セルの特性及び使用目的を考慮した好適な寸法を有する。いくつかの実装において、バスバーは、アルミニウム(例えば、アルミニウム合金)を含む。バスバーは、バッテリモジュールの形状及び使用目的に応じて、平面(例えば平坦)であり得、又は1つ又は複数の屈曲部を有し得る。
【0029】
本明細書の例は、頂部又は底部に言及し得る。これら及び同様の表現は、視点の明示的な又は恣意的な概念に基づき、相対的に物事又は態様を識別する。つまり、これらの用語は、説明を目的として使用された単なる例示であり、唯一可能な位置、方向などを必ずしも指示していない。
【0030】
図1は、複数方向ワイヤボンディング部を含む電気デバイスアセンブリ100を概略的に図示する図である。図1中に示されるように、アセンブリ100は、電気コンタクト表面101、103及び105、及び複数方向ワイヤボンディングを使用して電気コンタクト表面101、103、105に結合されているボンディングワイヤ(例えば、リボン状ボンディングワイヤ)106を含む。図1中に示されるように、電気コンタクト表面101及び105は、ラインDに沿う共通の方向に電気コンタクト表面103から離間している。ボンディングワイヤ106は、セグメント107a及びセグメント107bを含む。いくつかの実装において、電気コンタクト表面101、103及び105の各々は、電気及び/又はハイブリッド車両において使用されるバッテリモジュールなどのバッテリモジュールのバスバー又はバッテリ端子のうちの1つの中にそれぞれ含まれ得る。
【0031】
アセンブリ100において、ボンディングワイヤ106は、ウェッジワイヤボンディング部108を介して電気コンタクト表面101に結合されており、ウェッジワイヤボンディング部110を介して電気コンタクト表面103に結合されており、ウェッジワイヤボンディング部112を介して電気コンタクト表面105に結合されている。図1中に示されるように、ボンディングワイヤ106のセグメント107aは、ウェッジワイヤボンディング部108及びウェッジワイヤボンディング部110の間に延在し、一方でボンディングワイヤ106のセグメント107bは、ウェッジボンディング部110及びウェッジボンディング部112の間に延在している。ボンディングワイヤ106は、アセンブリ100内のボンディングワイヤ106の方向を変更する屈曲部115を含む。本図において、ウェッジボンディング部108からウェッジボンディング部110へのセグメント107aは、ラインDに沿って左から右へ全体的に延在し、一方で(例えば、屈曲部115の後の)ウェッジボンディング部110からウェッジボンディング部112へのセグメント107bは、ラインDに沿って右から左へ全体的に延在している。また図1中に示されるように、ボンディングワイヤ106は、ここで上方向を向いているセグメント107a内の表面S1、及びこの図において同じく上方向を向いているセグメント107b内の表面S2を有する。ボンディングワイヤ106の幾何学的形状において、ボンディングワイヤ106の表面S1は、表面S2の反対側である。それに応じて、この例において、表面S2は電気コンタクト表面101及び103に面し(例えば、それらにワイヤボンディングされ)、一方で表面S1は電気コンタクト表面105に面する(例えば、それにワイヤボンディングされている)。いくつかの実装において、ワイヤボンディング部108、110及び112は、ボンディングワイヤ106をそれぞれの導電性表面に取り付ける(例えば、溶融結合する、ボンディングするなど)ためにウェッジの超音波振動を使用して形成され得る。他の実装において、複数方向ワイヤボンディングの際に使用されるワイヤボンディング部は、レーザボンディングなどの他の適切な手法を使用して形成され得る。
【0032】
図2は、ワイヤボンディング動作200の1つの例を図示する図である。例示的な実装において、ワイヤボンディング動作200は、例えば本明細書で説明される例示的な実装に従って、複数方向ワイヤボンディングを実行するために使用され得る。この例において、図2中に示されるように、リボン状ボンディングワイヤ(リボン状ワイヤ、ボンディングワイヤ、又はワイヤ)206は、ボンディングワイヤ206がボンディングウェッジ216の下方に配設されるように、ウェッジワイヤボンダヘッドを通して送り出され得る。いくつかの実装において、ウェッジは鋼又は別の金属であり得る。
【0033】
図2において、ボンディングワイヤ206はボンディングワイヤ206の端部からの側面視において示されている。図2はバッテリモジュール内に含まれ得る電気化学セル208の一部分も示し、これに例えば複数方向ワイヤボンディング動作の一部としてウェッジボンディング部が形成され得る。同じく図2中に示されているのは、それぞれウェッジ216(及び関連するウェッジボンダヘッド)の時計回り回転及びウェッジ216の反時計回り回転を示す矢印204及び206である。そのような回転は、複数方向ワイヤボンディング動作を実行するときに、ウェッジ216の進行方向及びボンディングワイヤ206が送り出される、又は展開される対応する方向を変更するために使用され得る。
【0034】
例示的な実装において、ボンディングワイヤ206は、導電性表面とも称され得る別個の電気的コンタクト表面(例えば、電気コンタクト表面101、103、及び105)の間に複数方向ワイヤボンディング部を形成するその使用目的に好適であるように、(例えば、ワイヤボンディング部、ワイヤループ、又はセグメント、及び/又は屈曲部を形成した結果として)造形され得る。実装において、導電性表面は、互いに対して実質的に平行(例えば、同一平面上又は平行平面内にある)であり得、又は導電性表面は異なる方向に方向付けされ得る。別の例として、導電性表面は、基準の高さに対して実質的に同じ高さ(例えば、同一平面上)に位置決めされ得、又は導電性表面は、基準の高さに対して異なる高さ(例えば、非同一平面上)に位置決めされ得る。
【0035】
いくつかの実装において、リボン状ボンディングワイヤ206の形状は、ボンディングワイヤ206が関連する導電性表面を電気的に接続するように据え付けられるプロセスからもたらされ得る。例えば、ボンディングワイヤ206は、最初はスプール上にストック材料として保持され得、好適な長さのボンディングワイヤ206が、2つ又はそれよりも多い導電性表面の間の電気接続をもたらす複数方向ワイヤボンディング部を形成するために据え付けられ得、したがってそれらの表面を接続するのに好適な形状、例えば、導電性表面上に形成されたそれぞれのウェッジボンディング部の間の適切なワイヤループ、及び方向を変更するための屈曲部などを含む形状をとる。特定の実装に応じて、ボンディングワイヤ206は、銅、アルミニウム、銅合金、アルミニウム合金、及び/又はその組み合わせを含み得る。いくつかの実装において、ボンディングワイヤ206は、互いにボンディング(例えば、ラミネート、かしめ、接着剤による取り付けなど)された異なる材料の層を含む多層リボン状ワイヤであり得る。
【0036】
図2の例において、ボンディング動作200は、ボンディングワイヤ206をバッテリモジュールの電気化学セル208の一部分に電気的にボンディングすることを含み得る。ここでは簡潔さのために、電気化学セル208の端部210のみを示している。いくつかの実装において、端部210は電気化学セル208の頂部と称され得る。例えば、電気化学セル208は、活物質を保持するための缶(図示せず)を含み得、端部210は缶の開口部を密閉するキャップで形成され得る。
【0037】
電気化学セル208は、複数の端子を有し得る。ここでは、端部210の中央に位置決めされた構造体として端子212が示されている。例えば、端子212は、電気化学セル208の正極端子とすることができる。ここで、端部210に含まれるリム214は、電気化学セル208の別の端子の少なくとも一部である。例えば、リム214(及び缶の底部を含む缶材料の残りの部分)は、電気化学セル208の負極端子として機能してよい。そのような手法において、端子212及びリム214は、互いから電気的に絶縁され得る。
【0038】
ボンディング動作200は、1つ又は複数の工具の使用を含み得る。本明細書で説明されるようないくつかの実装において、ウェッジワイヤボンディングヘッドが使用され得、ここで、ウェッジ216がウェッジワイヤボンディングヘッド内に含まれ得る。例えばこの例において、ウェッジ216はボンディングワイヤ206を端子212又はリム214にボンディングするために使用され得る。実装において、ウェッジ216は金属から構成され得る。実装において、第1のボンディングワイヤセグメント及びその関連するウェッジワイヤボンディング部の形成の後に、ウェッジ216(及び関連するボンダヘッド)を(例えば、ステッパモータ又は他のロータリモータを使用して)回転させて、ウェッジ216の進行方向、及び次のボンディングワイヤセグメントが形成される方向を変更し得る。例えば、ウェッジボンダヘッドは、時計回り(204)又は反時計回り(205)に回転され得る。ウェッジボンダヘッドを回転させた後、ウェッジボンダヘッドは後続の電気コンタクト表面へと移動し得、ボンディングワイヤ206(例えば、以前のワイヤボンディング部から連続的な)がその後続の電気コンタクト表面にボンディングされ得る。
【0039】
いくつかの実装において、ボンディングワイヤ206は、複数方向ワイヤボンディング動作の一部として、電気化学セル208のリム214にウェッジボンディングされ得る。そのような実装において、ボンディングワイヤ206は、リム214に対して任意の適切な向きを有し得る。例えば、いくつかの実装において、ボンディングワイヤ206(例えば、対応するボンディングワイヤセグメントの長さ)の向きは、リム214に対して実質的に半径方向であり得る。他の実装において、ボンディングワイヤ206はリム214に対して実質的に接線方向に方向付けされ得る。なおも他の実装において、リム214に対するボンディングワイヤ206の他の向きが使用され得る。
【0040】
図3A図3Eは、複数方向ウェッジワイヤボンディングの例を概略的に図示する図である。具体的には、図3A図3Eの例は、それぞれのバッテリモジュール又はそれぞれのバッテリモジュールの一部分300a、300b、300c、300d、及び300eにおける複数方向ワイヤボンディングを図示している。図3A図3Eの例において、簡潔さのために、それぞれの多方向ボンディングワイヤは、関連するワイヤボンディング部及び/又はボンディングワイヤ内の屈曲部が明示的に示されずに、示されている。実装において、図3A図3Eの多方向ワイヤボンディング部のそのような態様は、図1で示され上記で説明された多方向ワイヤボンディング部の態様と同様であり得る。いくつかの実装において、図3A図3E中で示された複数方向ワイヤボンディング手法は、互いと併せて実装され得る。つまり、ある複数方向ワイヤボンディング手法の1つ又は複数の態様は、別の複数方向ワイヤボンディング手法の態様と組み合わせされ得る。いくつかの実装において、複数方向ワイヤボンディング動作におけるワイヤボンディング部が形成される順序は、本明細書で示される例とは逆であり得る。つまり、複数方向ワイヤボンディング動作のための開始電気コンタクト表面及び終端電気コンタクト表面は、逆であり得る。
【0041】
図3Aは、バッテリモジュール又はバッテリパックの一部分であり得るバッテリモジュール300aを示す。図3Aにおいて、バッテリモジュール300aのバスバー305a、電気化学セルの端部310a、及びボンディングワイヤ306aが示されている。電気化学セルの端部310aは、端子312a及びリム314aを含み、一方でボンディングワイヤ306aはセグメント(ボンディングワイヤセグメント)306a1及び306a2を含む。
【0042】
バッテリモジュール300aにおいて、ボンディングワイヤ306aは、複数方向ワイヤボンディングを介してバスバー305aを端子312aに電気的に結合している。例えばこの例において、ボンディングワイヤ306aのセグメント306a1は、バスバー305a及び端子312aにワイヤボンディングされている。更にこの例において、セグメント306a2は、バスバー305aにワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306a内の屈曲部は、セグメント306a2が配置される際に沿う方向をセグメント306a1が配置される際に沿う方向に対して変更する。
【0043】
つまり、この例において、ボンディングワイヤ306aの第1の端部は、(例えば、バスバー305aの一部である)第1の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされており、ボンディングワイヤ306aの第2の端部は、(例えば、同じくバスバー305aの一部である)第2の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。更にこの例において、ボンディングワイヤ306aの第1の端部及びその第2の端部の中間にあるその一部分は、(例えば、端子312aの一部である)第3の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。
【0044】
バッテリモジュール300aにおいて、セグメント306a1及びセグメント306a2は角度α1を画定する。いくつかの実装において、角度α1は、零度(0°)よりも大きく、且つ約四十五度(45°)よりも小さくてよい。図3B図3Eの例において、複数方向ワイヤボンディング部を実装するために使用されるボンディングワイヤのセグメントは、同様の角度を画定し得る。明瞭さ及び簡潔さのため、そのような角度は具体的に示されない場合がある。
【0045】
図3Bは、バッテリモジュール又はバッテリパックの一部分であり得るバッテリモジュール300bを示す。図3Bにおいて、バッテリモジュール300bのバスバー305b、第1の電気化学セルの端部310b1、第2の電気化学セルの端部310b2、及びボンディングワイヤ306bが示されている。第1の電気化学セルの端部310b1は、端子312b1及びリム314b1を含む。第2の電気化学セルの端部310b2は、端子312b2及びリム314b2を含む。ボンディングワイヤ306bは、セグメント306b1及び306b2を含む。
【0046】
バッテリモジュール300bにおいて、ボンディングワイヤ306bは、複数方向ワイヤボンディングを介してバスバー305bを端子312b1及び312b2に電気的に結合している。例えば、この例において、ボンディングワイヤ306bのセグメント306b1は、端子312b2及びバスバー305bにワイヤボンディングされている。更にこの例において、セグメント306b2は、端子312b1にワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306b内の屈曲部は、セグメント306b2が配置される際に沿う方向をセグメント306b1が配置される際に沿う方向に対して変更する。
【0047】
つまり、この例において、ボンディングワイヤ306bの第1の端部は、(例えば、端子312b2の一部である)第1の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされており、ボンディングワイヤ306bの第2の端部は、(例えば、端子312b1の一部である)第2の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。更にこの例において、ボンディングワイヤ306bの第1の端部及びその第2の端部の中間にあるその一部分は、(例えば、バスバー305bの一部である)第3の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。
【0048】
図3Cは、バッテリモジュール又はバッテリパックの一部分であり得るバッテリモジュール300cを示す。図3Cにおいて、バッテリモジュール300cのバスバー305c、第1の電気化学セルの端部310c1、第2の電気化学セルの端部310c2、及びボンディングワイヤ306cが示されている。第1の電気化学セルの端部310c1は、端子312c1及びリム314c1を含む。第2の電気化学セルの端部310c2は、端子312c2及びリム314c2を含む。ボンディングワイヤ306cは、セグメント306c1、306c2及び306c3を含む。
【0049】
バッテリモジュール300cにおいて、ボンディングワイヤ306cは、複数方向ワイヤボンディングを介してバスバー305cを端子312c1及び312c2に電気的に結合している。例えば、この例において、ボンディングワイヤ306cのセグメント306c1は、端子312c2及びバスバー305cにワイヤボンディングされている。更にこの例において、セグメント306c2は、端子312c1にワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306c内の第1の屈曲部は、セグメント306c2が配置される際に沿う方向をセグメント306c1が配置される際に沿う方向に対して変更する。なおも更にこの例において、セグメント306c3は、バスバー305cにワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306c内の第2の屈曲部は、セグメント306c3が配置される際に沿う方向をセグメント306c2が配置される際に沿う方向に対して変更する。
【0050】
つまり、この例において、ボンディングワイヤ306cの第1の端部は、(例えば、端子312c2の一部である)第1の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされており、ボンディングワイヤ306cの第2の端部は、(例えば、バスバー305の一部である)第2の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。更にこの例において、ボンディングワイヤ306cの第1の端部及びその第2の端部の中間にあるその一部分は、(例えば、バスバー305cの一部である)第3の電気コンタクト表面、及び(例えば、端子312c1の一部である)第4の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。ボンディングワイヤ306cの第1の端部及びその第2の端部の中間にあるその一部分は、この例において、セグメント306c1、306c2及び306c3を含む。
【0051】
図3Dは、バッテリモジュール又はバッテリパックの一部分であり得るバッテリモジュール300dを示す。図3Dにおいて、バッテリモジュール300dのバスバー305d、第1の電気化学セルの端部310d1、第2の電気化学セルの端部310d2、第3の電気化学セルの端部310d3、及びボンディングワイヤ306dが示されている。この例において、第1の電気化学セルの端部310d1は、端子312d1及びリム314d1を含む。第2の電気化学セルの端部310d2は、端子312d2及びリム314d2を含む。第3の電気化学セルの端部310d3は、端子312d3及びリム314d3を含む。ボンディングワイヤ306dは、セグメント306d1、306d2、306d3、及び306d4を含む。
【0052】
バッテリモジュール300dにおいて、ボンディングワイヤ306dは、複数方向ワイヤボンディングを介してバスバー305dを端子312d1、312d2及び312d3に電気的に結合している。例えば、ボンディングワイヤ306dのセグメント306d1は、この例において、端子312d3及びバスバー305dにワイヤボンディングされている。更にこの例において、セグメント306d2は、端子312d1にワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306d内の第1の屈曲部は、セグメント306d2が配置される際に沿う方向をセグメント306d1が配置される際に沿う方向に対して変更する。この事例において、セグメント306d1及びセグメント306d2は、角度α2を画定する。いくつかの実装において、角度α2は、百八十度(180°)よりも小さく、且つ約百三十五度(135°)よりも小さくてよい。他の実装において、複数方向ワイヤボンディング部を実装するために使用されるボンディングワイヤのセグメントは、同様の角度を画定してよい。この事例において、セグメント306d1及び306d2の間の屈曲部は、ボンディングワイヤ306dを反転させない場合がある(例えば、端子312d3及びバスバー305dにワイヤボンディングされているセグメント306d1の表面と比較して、端子312d1にワイヤボンディングされているボンディングワイヤの表面を変更しない)。
【0053】
更に図3Dの例において、セグメント306d3は、バスバー305dにワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306d内の第2の屈曲部は、セグメント306d3が配置される際に沿う方向をセグメント306d2が配置される際に沿う方向に対して変更する。更に図3Dの例において、セグメント306d4は、端子312d2にワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306d内の第3の屈曲部は、セグメント306d4が配置される際に沿う方向をセグメント306d3が配置される際に沿う方向に対して変更する。
【0054】
つまり、この例において、ボンディングワイヤ306dの第1の端部は、(例えば、端子312d3の一部である)第1の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされており、ボンディングワイヤ306dの第2の端部は、(例えば、端子312d2の一部である)第2の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。更にこの例において、ボンディングワイヤ306dの第1の端部及びその第2の端部の中間にあるその一部分は、(例えば、バスバー305cの一部である)第3の電気コンタクト表面、(例えば、端子312d1の一部である)第4の電気コンタクト表面、及び第5の電気コンタクト表面(例えば、これはバスバー305の一部である)にワイヤボンディングされている。ボンディングワイヤ306dの第1の端部及びその第2の端部の中間にあるその一部分は、この例において、セグメント306d1、306d2、306d3及び306d4を含む。
【0055】
図3Eは、バッテリモジュール又はバッテリパックの一部分であり得るバッテリモジュール300eを示す。図3Eにおいて、バッテリモジュール300eのバスバー305e、第1の電気化学セルの端部310e1、第2の電気化学セルの端部310e2、及びボンディングワイヤ306eが示されている。第1の電気化学セルの端部310e1は、端子312e1及びリム314e1を含む。第2の電気化学セルの端部310e2は、端子312e2及びリム314e2を含む。ボンディングワイヤ306eは、セグメント306e1及び306e2を含む。
【0056】
バッテリモジュール300eにおいて、ボンディングワイヤ306eは、複数方向ワイヤボンディングを介してバスバー305eをリム314e1及び314e2に電気的に結合している。例えば、ボンディングワイヤ306eのセグメント306e1は、この例において、リム314e2及びバスバー305eにワイヤボンディングされている。更にこの例において、セグメント306e2は、リム314e1にワイヤボンディングされ、ここで、ボンディングワイヤ306e内の屈曲部は、セグメント306e2が配置される際に沿う方向をセグメント306e1が配置される際に沿う方向に対して変更する。
【0057】
つまり、この例において、ボンディングワイヤ306eの第1の端部は、(例えば、リム314e2の一部である)第1の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされており、ボンディングワイヤ306eの第2の端部は、(例えば、リム314e1の一部である)第2の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。更にこの例において、ボンディングワイヤ306eの第1の端部及びその第2の端部の中間にあるその一部分は、(例えば、バスバー305eの一部である)第3の電気コンタクト表面にワイヤボンディングされている。
【0058】
図4A図4Bは、複数方向ウェッジワイヤボンディング部を形成するための例示的なウェッジボンダヘッド400を図示する図である。ワイヤボンダヘッド400は、本明細書の他の箇所で説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。
【0059】
図4A図4B中に示されるように、ワイヤボンダヘッド400は、ワイヤガイド404を含む。ワイヤガイド404は、複数方向ワイヤボンディング動作中にボンディングワイヤ402をガイドする(例えば、送り出す)ために使用される。ワイヤガイド404は、限定されないが、金属又は合成材料を含む1つ又は複数の材料から構成され得る。リボン状ボンディングワイヤ402の供給406は、ワイヤガイド404を通過するように図示されている。いくつかの実装において、ボンディングワイヤ402の供給406は、スプール408から提供され得る。例えば、スプール408は、ボンディングワイヤ402の供給406が連続的な又は断続的な様式で得られることを可能にするために、及びボンディングワイヤ402が、例えば、電気化学セル、バスバー、又はボンディングのための他の電気コンタクト表面に対して特定の向きを有するように、ワイヤボンダヘッド400に対して回転可能に懸架され得る。
【0060】
ワイヤボンダヘッド400は、ウェッジ410を含む。ウェッジ410は、本明細書で説明される電気コンタクト表面などの電気コンタクト表面(図示せず)にボンディングワイヤ402をボンディングするために使用され得る。例えば、超音波振動が使用されて、電気コンタクト表面にボンディングワイヤがボンディングされ得る。例示的な実装において、ウェッジ410は、金属から構成され得る。図4A及び図4B中に図示されるようにボンディングワイヤ402は、ウェッジの一方の側からウェッジの下に送り出される。現在の実装において、ウェッジボンディング部を形成することは、単一の又は線形の経路に沿って実行されている。例示的な実装において、本明細書で説明される手法は、ワイヤボンディング相互接続の抵抗を低減し、例えば車両において使用されるためのバッテリモジュールなどの関連電気アセンブリの改善された性能を実現し得る複数方向ウェッジワイヤボンディングを可能にする。
【0061】
ワイヤボンダヘッド400は、カッタ412も含む。カッタ412は、複数方向ワイヤボンディングを実行する前に、その最中に、又はその後に、ボンディングワイヤ402を切断するために使用され得る。例えば、カッタ412は金属から構成され得る。
【0062】
同様に図4A図4Bによって示されるように、ワイヤボンダヘッド400は、様々な進行方向を有し得る。例として、図4A中で、矢印は第1の進行方向420を示し、一方で図4B中で、矢印は第1の進行方向とは異なる第2の進行方向430を示す。ボンダヘッド400の特定の進行方向は、本明細書で説明されるようにボンダヘッド400を回転させることによって実現され得る。複数方向ボンディング動作中にワイヤボンディング部を形成するときのボンダヘッドの進行方向は、特定の実装に依存し、以前の向きからのボンダヘッド400の回転(例えば、時計回り又は反時計回り)の量によって確立され得る。
【0063】
例示的な実装において、ボンダヘッド400は、図4A中に示されるように位置決め(例えば、回転して位置決め)され得る。第1のワイヤボンディング部が形成され得、ボンダヘッド400が次に第1の進行方向420に沿って移動し得、第2のワイヤボンディング部が形成され得る。続いて、ボンダヘッド400は図4B中に示されるように位置決め(例えば、回転して位置決め)され得る。ボンダヘッド400は次に、第2の進行方向430に沿って移動し得、第3のワイヤボンディング部が形成されて、連続的なボンディングワイヤ(例えば、ボンディングワイヤ402の連続的なセクション)を有する複数方向ワイヤボンディング部が生成され得る。複数方向ワイヤボンディング部を形成した後、カッタ412が使用されてボンディングワイヤ402を切断し得る。
【0064】
図5は、方法500の1つの例を示す。方法500は、本明細書の他の箇所で説明される1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。示されているよりも多い又は少ない動作が実行され得る。別段の記載がない限り、2つ又はそれよりも多い動作が異なる順序で実行され得る。
【0065】
動作502において、方法500は、第1の電気コンタクト表面上に第1のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階を含み得る。動作504において、方法500は、ボンディングワイヤのセグメントを形成又は展開する(例えば、ワイヤループを形成する)ために、(例えば、ワイヤガイドを通して)ボンディングワイヤを送り出す段階を含み得る。動作506において、方法500は、第1の進行方向にワイヤボンダヘッドを移動させる段階を含む。動作508において、方法500は、ボンディングワイヤ及び第2の電気コンタクト表面の間に第2のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階を含む。
【0066】
動作510において、方法500は、ボンディングワイヤの別のセグメントを形成又は展開する(例えば、別のワイヤループを形成する)ためにボンディングワイヤを送り出す段階を含む。方法500は、動作512において、ワイヤボンダヘッドを回転させる段階、及び、動作514において、第2の進行方向にボンダヘッドを移動させる段階を更に含み、第2の進行方向は第1の進行方向(506)とは異なる。動作516において、方法500は、ボンディングワイヤ及び第3の電気コンタクト表面の間に第3のウェッジワイヤボンディング部を形成する段階を含む。動作518において、方法500は、追加のワイヤボンディング部を(例えば、他の方向に)形成する段階、又はボンディングワイヤを切断して複数方向ワイヤボンディングプロセスを完了する段階を含む。
【0067】
動作520では、動作が何も行われなくても、1つ又は複数の動作が行われてもよい。いくつかの実装において、方法500は、例えば動作502~518を実行した後に、動作520において終了し得る。いくつかの実装において、動作502~518の一部又は全部が、別の複数方向ワイヤボンディングプロセスが実行されることに関して動作520において実行され得る。
【0068】
本明細書を通して使用される「実質的に(substantially)」、「約(about)」、及び「およそ(approximately)」という用語は、例えば加工におけるばらつきに起因する、小さな変動を説明及び考慮するために使用される。例えば、それらは、±5%よりも小さい又はそれに等しいこと、例えば±2%よりも小さい又はそれに等しいこと、例えば±1%よりも小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.5%よりも小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.2%よりも小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.1%よりも小さい又はそれに等しいこと、例えば±0.05%よりも小さい又はそれに等しいことを指し得る。また、本明細書において使用される場合、「1つの(a)」又は「1つの(an)」などの不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0069】
上記の概念及び下記でより詳細に議論される追加の概念の全ての組み合わせが(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)、本明細書において開示されている本発明の主題の一部であると企図されていることが理解されるであろう。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせが、本明細書において開示されている本発明の主題の一部であると企図されている。
【0070】
複数の実装を説明してきた。しかしながら、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。
【0071】
加えて、図に示されている論理フローは、望ましい結果を実現するために、示されている特定の順序も、連続した順序も必要としない。加えて、説明されたフローに他のプロセスが提供されてよく、又は説明されたフローからプロセスが排除されてよく、説明されたシステムに他の構成要素が追加されてよく、又は説明されたシステムから他の構成要素が削除されてよい。したがって、他の実装が下記の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれる。
【0072】
説明された実装の特定の特徴が、本明細書で説明されているとおりに示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者に想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、これらの実装の範囲に含まれる全てのそのような修正及び変更を包含するように意図されていることが理解されるべきである。それらは限定ではなく例としてのみ提示されており、形態及び詳細の様々な変更が行われてよいことが理解されるべきである。相互に排他的な組み合わせを除き、本明細書において説明されている装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わされてよい。本明細書において説明されている実装は、説明されている異なる実装の機能、構成要素及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含み得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】