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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】抗菌性粒子
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/48 20060101AFI20240905BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20240905BHJP
   C11D 7/18 20060101ALI20240905BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20240905BHJP
   C11D 7/04 20060101ALI20240905BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240905BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240905BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20240905BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20240905BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C11D3/48
C11D7/32
C11D7/18
C11D7/26
C11D7/04
C11D3/20
C11D3/50
C11D3/04
C11D3/26
D06L1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515295
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2021121601
(87)【国際公開番号】W WO2023050123
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】シェン、ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂァオ、プ
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003BA09
4H003DA01
4H003EA15
4H003EA19
4H003EA20
4H003EA25
4H003EB07
4H003EB09
4H003EB19
4H003EB36
4H003EB41
4H003EE01
4H003FA08
4H003FA12
4H003FA26
4H003FA34
(57)【要約】
複数の抗菌性粒子を含む組成物であって、複数の抗菌性粒子の各々が、a)当該粒子の総重量に対して、約20%~約99.9%の、約2000~約40000ダルトンの重量平均分子量を有するポリアルキレングリコールと、b)当該粒子の総重量に対して、約0.1%~約50%の抗菌剤と、を含み、当該複数の粒子の各々が、約5mg~約500mgの質量を有する、組成物。好ましくは、抗菌剤は、クロロキシレノール、過炭酸塩、銀、メチル-ジイソプロパノールアミン系(MDIPA系)四級アンモニウム化合物、塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)、塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADBAC)及び塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADEBAC)、並びにこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の抗菌性粒子を含む洗濯添加剤組成物であって、前記複数の抗菌性粒子の各々が、
a)前記粒子の総重量に対して、20%~99.9%の水溶性担体と、
b)前記粒子の総重量に対して0.001%~30%の抗菌剤であって、クロロキシレノール、過炭酸塩、銀、メチル-ジイソプロパノールアミン系四級アンモニウム化合物、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザコニウム、カチオン性ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、抗菌剤と、を含み、
前記粒子の各々が、5mg~500mgの質量を有する、洗濯添加剤組成物。
【請求項2】
i)前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.5%~25%、より好ましくは1%~20%、最も好ましくは2%~18%のクロロキシレノールを含み、及び/又は
ii)前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~12%の過炭酸塩であって、好ましくは過炭酸ナトリウムである、過炭酸塩を含み、及び/又は
iii)前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.001%~5%、好ましくは0.005%~2%、より好ましくは0.01%~1%、最も好ましくは0.02%~0.5%の銀であって、好ましくは銀イオン若しくはナノ銀である、銀を含み、及び/又は
iv)前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%のメチル-ジイソプロパノールアミン系(MDIPA系)四級アンモニウム化合物であって、好ましくはジ-イソプロピルエステルジメチルアンモニウムメチルサルフェートである、MDIPA系四級アンモニウム化合物を含み、及び/又は
v)前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%の塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)を含み、及び/又は
vi)前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%の塩化ベンザコニウムであって、好ましくは塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADBAC)及び/若しくは塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADEBAC)である、塩化ベンザコニウムを含み、並びに/又は
vii)前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%のカチオン性ポリマーであって、好ましくはカチオン性多糖であり、より好ましくはトリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩である、カチオン性ポリマーを含む、請求項1に記載の洗濯添加剤組成物。
【請求項3】
前記水溶性担体が、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記水溶性担体が、2,000~20,000ダルトン、好ましくは2,500~15,000ダルトン、より好ましくは3,000~13,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールであり、好ましくは、前記ポリエチレングリコールが、前記粒子の総重量に対して、30%~95%、より好ましくは40%~94%、最も好ましくは50%~93%の量で存在する、請求項1又は2に記載の洗濯添加剤組成物。
【請求項4】
前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.5%~20%、より好ましくは1%~15%の香料を更に含み、前記香料が、好ましくは、遊離香料、プロ香料、カプセル化香料、香料マイクロカプセル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記香料が、より好ましくは、遊離香料と香料マイクロカプセルとの組み合わせを含み、最も好ましくは、前記各抗菌性粒子中の遊離香料と香料マイクロカプセルとの重量比が、1:5~20:1、好ましくは1:2~10:1、より好ましくは1:1~5:1、最も好ましくは1.5:1~3:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗濯添加剤組成物。
【請求項5】
前記複数の抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.0001%~1%、好ましくは0.001%~0.5%、より好ましくは0.005%~0.1%の着色剤を更に含み、好ましくは、前記着色剤が、染料、顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗濯添加剤組成物。
【請求項6】
前記複数の抗菌性粒子の各々が、
i)球形、半球形、圧縮半球形、円筒形、円盤形、円形、レンズマメ形、楕円形、立方形、長方形、星形、花形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形状であって、好ましくは、前記粒子の各々が、半球形若しくは圧縮半球形の形状を有する、形状、並びに/又は
ii)3mm~10mm、好ましくは4mm~9mm、より好ましくは5mm~8mmの最長寸法、並びに/又は
iii)1~5、好ましくは1.5~4、より好ましくは2~4のアスペクト比、並びに/又は
iv)0.5g/cm~0.98g/cm、好ましくは0.7g/cm~0.95g/cm、より好ましくは0.8g/cm~0.9g/cmの範囲の密度、並びに/又は
v)5mg~450mg、好ましくは10mg~200mg、より好ましくは15mg~150mgの質量を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗濯添加剤組成物。
【請求項7】
前記複数の抗菌性粒子の各々に含まれる前記抗菌剤が、過炭酸塩であり、前記抗菌性粒子の各々が、前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%のテトラアセチルエチレン-ジアミンを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗濯添加剤組成物。
【請求項8】
複数の抗菌性粒子の各々が、
a)前記粒子の総重量に対して、25%~99%の、2000~40000ダルトンの重量平均分子量を有するポリアルキレングリコールと、
b)前記粒子の総重量に対して、0.1%~30%の抗菌剤であって、過炭酸塩である、抗菌剤と、を含み、
前記洗濯添加剤組成物が、複数の追加の粒子を更に含み、前記複数の追加の粒子の各々が、
i)前記追加の粒子の総重量に対して、25%~99%の、2000~40000ダルトンの重量平均分子量を有するポリアルキレングリコールと、
ii)前記追加の粒子の総重量に対して、0.1%~30%のテトラアセチルエチレン-ジアミンと、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗濯添加剤組成物。
【請求項9】
複数の抗菌性粒子を含む洗濯添加剤組成物であって、前記複数の抗菌性粒子の各々が、
a)前記粒子の総重量に対して、25%~99%の、3,000~13,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールと、
b)前記粒子の総重量に対して、0.1%~15%の過炭酸ナトリウムと、
c)前記粒子の総重量に対して、0.1%~15%のテトラアセチルエチレン-ジアミンと、
d)前記粒子の総重量に対して、0.5%~20%の香料と、を含み、前記香料が、遊離香料と香料マイクロカプセルとの組み合わせを含み、前記遊離香料と前記香料マイクロカプセルとの重量比が、1:2~10:1であり、
b)及びc)の総量が、前記粒子の総重量に対して25%以下であり、
前記粒子の各々が、5mg~200mgの質量を有し、前記粒子の各々が、半球形又は圧縮半球形の形状を有する、洗濯添加剤組成物。
【請求項10】
洗濯ケア組成物であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗濯添加剤組成物を含み、前記洗濯添加剤組成物が、前記洗濯ケア組成物中に、0.05重量%~30重量%、好ましくは0.1重量%~20重量%、より好ましくは0.5重量%~15重量%、最も好ましくは1重量%~10重量%の範囲の量で存在する、洗濯ケア組成物。
【請求項11】
前記洗濯ケア組成物が、10%~99.9%、好ましくは20%~95%、より好ましくは30%~90%、最も好ましくは40%~80%の洗剤粒子を更に含み、前記洗剤粒子が、好ましくは、10重量%~90重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤を含む、請求項10に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項12】
衣料品を処理するための方法であって、
a)衣料品及び請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を提供する工程と、
b)前記衣料品を前記組成物と接触させる工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スルー・ザ・ウォッシュ洗濯添加剤及びそれを含む布地処理組成物。
【背景技術】
【0002】
消費者製品は、その本来の意図される機能に加えて、抗菌の有益性に対する利用者ニーズに対処するために発展してきた。例えば、抗菌洗濯洗剤製品は、布地を清浄化すると同時に布地に対する抗菌の有益性を有するので、利用者によって所望される。現在、例えば、漂白剤、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール(クロロキシレノール又はPCMXとも呼ばれる)、塩化ベンザルコニウム(Benzalkonium Chloride、BKC)、ジフェニルエーテルなどの様々な抗菌剤を、抗菌効果をもたらすために消費者製品配合物に使用することが知られている。
【0003】
しかしながら、洗濯洗剤の状況においては、布地への抗菌剤の所望される効果を達成することが課題である。具体的には、洗浄サイクル中に、組み込まれた抗菌剤を含む有効成分の大部分は、最終的に、洗浄溶液とともに洗い流される。その結果、洗濯洗剤によって放出される少量の抗菌剤のみが、洗浄された布地上に堆積することができる。このような抗菌剤の低い堆積速度を補うために、製造業者は、洗濯洗剤製品中の抗菌剤の濃度を増加させなければならず、これは、コストの増加だけでなく、洗濯プロセス中に洗い流されて環境中に放出される抗菌剤の量の増加による環境問題にもつながる。
【0004】
したがって、抗菌剤を組み込んだ粒状洗濯添加剤は、消費者にとって望ましいものとなる。消費者は、所望の有益性、例えば抗菌の有益性を提供するために洗濯添加剤がどれだけ必要かについての消費者の判断に基づいて、消費者がカスタム量の洗濯添加剤を使用することを可能にする様式でパッケージングされた洗濯添加剤を好む。そのような洗濯抗菌添加剤は、完全に配合された布地ケア組成物とともに洗浄によって好都合に提供される。しかしながら、粒状洗濯添加剤の製造プロセスに関連する課題、例えばより高い温度又は湿度での安定性などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、容易かつ費用効果的に製造することができ、水に良好に溶解し、(高温又は高湿条件下であっても)満足のいく抗菌の有益性を提供することができる粒状抗菌洗濯添加剤を提供する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の抗菌性粒子を含む組成物であって、複数の抗菌性粒子の各々が、
(a)当該粒子の総重量に対して、20%~99%の水溶性担体と、(b)当該粒子の総重量に対して、0.001%~30%の、クロロキシレノール(すなわち、PCMX)、過炭酸塩、銀、メチル-ジイソプロパノールアミン系(methyl-diisopropanolamine-based、MDIPA系)四級アンモニウム化合物、塩化ジデシルジメチルアンモニウム(didecyldimethyl ammonium chloride、DDAC)、塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(alkyl dimethyl benzalkonium chloride、ADBAC)及び塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(alkyl dimethyl benzalkonium chloride、ADEBAC)、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される抗菌剤と、を含み、当該複数の抗菌性粒子の各々が、約5mg~約500mgの質量を有する、組成物を提供する。好ましくは、水溶性担体は、ポリアルキレングリコール、特に2000~40000ダルトンの重量平均分子量を有するポリアルキレングリコールである。
【0007】
本発明の組成物中に含まれる抗菌性粒子は、
i)当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%のクロロキシレノール、並びに/又は
ii)当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%の過炭酸塩であって、好ましくは過炭酸ナトリウムである、過炭酸塩、並びに/又は
iii)当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.15%~10%、より好ましくは0.2%~5%、最も好ましくは0.25%~1%の銀であって、好ましくは銀イオン若しくはナノ銀である、銀、並びに/又は
iv)当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%のメチル-ジイソプロパノールアミン系(MDIPA系)四級アンモニウム化合物であって、好ましくはジ-イソプロピルエステルジメチルアンモニウムメチルサルフェートである、MDIPA系四級アンモニウム化合物、並びに/又は
v)当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%の塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)、並びに/又は
vi)当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%の塩化ベンザコニウム(benzakonium)であって、好ましくは塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADBAC)及び/若しくは塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADEBAC)である、塩化ベンザコニウム、並びに/又は
vii)当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.3%~20%、より好ましくは0.4%~15%、最も好ましくは0.5%~10%のカチオン性ポリマーであって、好ましくはカチオン性多糖であり、より好ましくはトリメチルアンモニウム基(WK30)で置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩である、カチオン性ポリマー、を含むことができる。
【0008】
好ましくは、洗濯添加剤組成物に含まれる当該複数の抗菌性粒子の各々が、当該粒子の総重量に対して、0.1%~30%、好ましくは0.5%~20%、より好ましくは1%~15%の香料を更に含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の洗濯添加剤組成物。香料は、遊離香料、プロ香料、カプセル化香料、香料マイクロカプセル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好ましくは、当該香料は、遊離香料と香料マイクロカプセルとの組み合わせを含み、当該各抗菌性粒子中の遊離香料と香料マイクロカプセルとの重量比は、1:5~20:1、好ましくは1:2~10:1、より好ましくは1:1~5:1、最も好ましくは1.5:1~3:1であり得る。
【0009】
同じ量の抗菌剤が提供される場合、それは、同じ製造プロセス条件下で粉末又は液体洗濯洗剤製品に別々に添加される場合と比較して、本発明の抗菌性粒子に配合される場合、より高い抗菌効力を示し得る。いかなる理論にも束縛されるものではないが、このような抗菌性粒子は、洗濯プロセス中に洗浄液中への抗菌剤の制御/持続放出を提供すると考えられる。
【0010】
更に、独立型の布地処理製品として提供される場合、本発明のこのような抗菌性粒子は、抗菌剤のより効果的な送達を可能にするより大きな投入の柔軟性を提供する。消費者は、洗濯洗剤製品中の界面活性剤又は他の抑止活性剤とは別に、必要に応じてより多くの又はより少ない抗菌剤を投入することを選択することができる。消費者はまた、洗濯プロセスの特定の段階、例えば、洗浄後又はすすぎサイクル中に本発明の抗菌性粒子を添加して、布地上へのこのような抗菌剤の堆積速度を増加させることを選択することができる。
【0011】
更に、本発明のこのような抗菌性粒子は、洗剤粒子も含有する粒子状洗濯洗剤組成物に容易に組み込むことができる。粒子状洗濯洗剤組成物は、典型的には、液体洗濯洗剤組成物よりも有意に高い平衡pHを有し、このような高pH環境は、本明細書で上述したような特定の抗菌剤の堆積に有益ではない。この問題を解決するために、粒子状洗濯洗剤組成物を再配合して平衡pHを低下させることが可能であるが、このような再配合に関連するコスト及び複雑さは著しい。したがって、本発明の抗菌性粒子は、単純かつより費用効果の高い代替的な解決策を提供する。いかなる理論にも束縛されるものではないが、このような抗菌性粒子中の水溶性担体は、典型的な粒子状洗濯洗剤製品の高PH環境から抗菌剤を隔離するように機能し、それによってこのような抗菌剤の堆積速度を改善すると考えられる。
【0012】
更に、このような抗菌性粒子がその中に香料成分を含有する場合、驚くべきことに、改善された鮮度の有益性及びより良好な悪臭制御の有益性が観察される。いかなる理論にも束縛されるものではないが、このような粒子中の抗菌剤は、香料成分と相互作用して、布地上へのこのような香料成分(特に香料マイクロカプセル)の放出プロファイル及び付着を改善すると考えられる。
【0013】
本発明のこれらの及びその他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の様々な実施形態の特徴及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるように意図される特定の実施形態の例を含む、以下の明細書から明らかになるであろう。様々な修正が本明細書及び本発明の実践から当業者には明白となるであろう。本発明の範囲は、開示される特定の形態に限定されることを意図せず、また本発明は、「特許請求の範囲」により定義されるような本発明の趣旨及び範囲に当てはまる全ての変形形態、等価物、及び代替物を網羅する。
【0015】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定のない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0016】
本明細書で使用するとき、特許請求項において使用される「a」及び「an」などの用語は、特許請求される又は記載されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」は全て、非限定的であることを意味する。
【0017】
用語「アスペクト比」は、粒子の最短寸法に対する最長寸法の比を指す。例えば、このような粒子が半球形又は圧縮半球形の形状を有する場合、アスペクト比は、粒子の高さに対する粒子のベース直径の比である。
【0018】
用語「粒子状洗濯洗剤組成物」は、固体の粉末状又は顆粒の洗濯洗剤組成物、好ましくは自由流動性のある粉末状又は顆粒の洗濯洗剤組成物、例えば、布地用の万能洗浄剤又は強力洗浄剤、並びに漂白活性剤、すすぎ補助剤、添加剤、又は前処理製品などの洗濯助剤を指す。
【0019】
用語「洗濯添加剤組成物」は、抑止目的を補う追加の有益性を提供する洗濯用組成物を指す。好ましくは、このような洗濯添加剤組成物は、界面活性剤などの抑止活性剤を含有しない。
【0020】
用語「洗剤粒子」は、界面活性剤、ビルダー、漂白活性剤、酵素、ポリマー、キレート剤、柔軟剤、抑泡剤、増泡剤、光沢剤、移染防止剤などの1つ以上の抑止活性剤を含む粒子を指す。好ましくは、このような洗剤粒子は、1つ以上の界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を含有する。
【0021】
用語「抗菌性粒子」は、水溶性担体中に1つ以上の抗菌剤を含む粒子を指す。
【0022】
用語「から本質的になる」は、組成物が、列挙された成分以外の成分を約10%未満、好ましくは約5%未満含有することを意味する。
【0023】
更に、用語「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」は、指定の材料が0重量%~約1重量%、好ましくは0重量%~約0.5重量%、より好ましくは0重量%~約0.2重量%の量で存在することを意味する。用語「本質的に含まない」は、指定の材料が、0重量%~約0.1重量%、好ましくは0重量%~約0.01重量%の量で存在し、より好ましくは分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。
【0024】
本明細書で使用するとき、全ての濃度及び比は、特に明記しない限り、重量に基づくものである。本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。本明細書における全ての条件は、特に明記しない限り、20℃及び大気圧下である。特に明記しない限り、ポリマーの分子量は全て、重量平均数分子量により決定される。
【0025】
抗菌性粒子
本発明の組成物は、各々が、(a)当該粒子の総重量に対して、約20%~約99.9%の水溶性担体と、(b)0.001%~30%の抗菌剤と、を含む、複数の抗菌性粒子であって、当該複数の抗菌性粒子の各々が、約5mg~約500mgの質量を有する、複数の抗菌性粒子を含む。
【0026】
好ましくは、抗菌剤は、クロロキシレノール(すなわち、PCMX)、過炭酸塩、銀、メチル-ジイソプロパノールアミン系(MDIPA系)四級アンモニウム化合物、塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)、塩化ベンザコニウム、例えば、塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADBAC)及び塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADEBAC)、カチオン性ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0027】
クロロキシレノール(PCMX)
4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール又はパラ-クロロ-メタ-キシレノール(para-chloro-meta-xylenol、PCMX)としても知られるクロロキシレノールは、皮膚消毒及び外科用器具の清浄化に使用される防腐剤及び消毒薬である。洗濯用途にも使用されてきた。これは、以下の式(II)を有する。
【0028】
【化1】
【0029】
いくつかの例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、当該粒子の総重量に対して、約0.1%~約30%、好ましくは約0.5%~約25%のクロロキシレノール(すなわち、PCMX)を含むことができる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、PCMXレベルが高すぎる場合、室温で粒子を形成することは困難である。一方、PCMXレベルが低すぎる場合、抗菌の有益性は達成されない。例えば、PCMXは、約1%~約20%、又は約2%~約18%の量で抗菌性粒子中に存在し得る。
【0030】
過炭酸塩及びTAED
他の例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、過酸化水素発生剤及び過酸触媒を含むことができる。過酸化水素発生剤は、アルカリ金属過ホウ酸塩、アルカリ金属過炭酸塩、アルカリ金属過リン酸塩、アルカリ金属過ケイ酸塩、アルカリ金属過硫酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。過酸触媒は、アセチル供与体基若しくはアシル供与体基又はこれらの組み合わせを含有する薬剤であり、薬剤は、-O-C(O)CH供与体基、-N-C(O)CH供与体基、-O-C(O)R)供与体基又は-N-C(O)R供与体基を含有し、式中、R及びRは、各々独立して、C1~C20アルキルであるか、あるいは過酸触媒は、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、グルコースペンタアセテート、ラクトースオクタアセテート、マンニトールヘキサアセテート、スクロースオクタアセテート、N,N,N’,N’-テトラアセチルエチレン-ジアミン(tetraacetylethylene-diamine、TAED)、N,N,N’,N’-テトラアセチルメチレン-ジアミン(tetraacetylmethylene-diamine、TAMD)、N-アセチルグリシン、N-アセチルメチオニン、6-アセトアミドヘキサン酸、N-アセチル-L-システイン、4-アセトアミド-フェノール、N-アセチル-L-グルタミン、及びN,N’,N’’,N’’’-テトラアセチルグリコールウリル(tetraacetyl glycoluril、TAGU)からなる群から選択される。
【0031】
いくつかの好ましい例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.1%~約30%、好ましくは約0.3%~約20%、より好ましくは約0.4%~約15%、最も好ましくは約0.5%~約10%の過炭酸塩を含む。当該過炭酸塩は、好ましくは過炭酸ナトリウムである。
【0032】
抗菌性粒子は、N,N,N’,N’-テトラアセチルエチレン-ジアミン(TAED)を更に含むことができる。抗菌性粒子中に存在するTAEDの量は、約0.01重量%~約15重量%、好ましくは約0.2重量%~約10重量%であり得る。TAEDは乾燥形態で安定であり、過酸素化学物質と適合性であるので、TAEDは粉末及び圧縮錠剤組成物を製造するのに有用であることが乾式化学工業において知られている。
【0033】
好ましくは、抗菌性粒子中の過炭酸塩及びTAEDの総量は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約1%~約30%、好ましくは約2%~約25%、より好ましくは約3%~約20%であり得る。過炭酸塩とTAEDとの重量比は、約10:1~約1.1:1であり得、例えば、過炭酸塩とTAEDとの重量比は、約9:1、又は8:1、又は7:1、又は5:1、又は3:1、又は2:1、又は1.8:1、又は1.6:1、又は1.5:1、又は1.4:1、又は1.3:1、又は1.2:1、又はそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0034】
過炭酸塩及びTAEDは、通常、医薬品及び食品産業において錠剤化プロセスによって圧縮されて、圧縮固体を作り出す。しかしながら、本発明の抗菌性粒子は、高温溶融材料がロトフォーマ上で好都合に加工され、半球形又は半半球形などである粒子を生じるロトフォーミングプロセスによって作製される。本出願人は、驚くべきことに、過炭酸塩及びTAEDが、高温溶融プロセスに耐え、漂白活性を低下させることなく、ロトフォーミングプロセスを通して均質な抗菌性粒子を形成することができることを発見した。
【0035】
あるいは、本発明は、組成物であって、
(i)複数の第1の粒子であって
25重量%~97重量%の水溶性の第1の担体、
0.2重量%~30重量%の過炭酸塩、
任意選択で香料、を含み、
当該複数の第1の粒子の各々が、5mg~200mgの質量を有する、複数の第1の粒子と、
(ii)複数の第2の粒子であって、
25重量%~97重量%の水溶性の第2の担体、
0.05重量%~15重量%のTAED、
任意選択で香料、を含み、
当該複数の第2の粒子の各々が、5mg~200mgの質量を有する、複数の第2の粒子と、を含む、組成物を提供する。
【0036】
好ましくは、当該第1の担体及び当該第2の担体が、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0037】
好ましくは、当該組成物は、10重量%~90重量%の当該第1の粒子及び10重量%~90重量%の当該第2の粒子を含む。好ましくは、本発明の組成物中の当該第1の粒子及び当該第2の粒子は、パッケージの単一チャンバ内に一緒に存在する。
【0038】
過炭酸塩及びTAEDを水溶性担体に組み込んで粒子を別々に形成することにより、パッケージの単一チャンバ内に充填されたとしても安定な粒子を提供することができる。洗濯プロセスに投入されると、両方の粒子が水に溶解して活性物質を放出し、その時点で過炭酸塩及びTAEDが反応して抗菌の有益性をもたらすことができる。
【0039】

いくつかの他の例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、当該粒子の総重量に対して、約0.001%~約5%、好ましくは約0.005%~約2%、より好ましくは約0.01%~約1%、最も好ましくは約0.02%~約0.5%の銀を含み、当該銀は好ましくは銀イオン又はナノ銀である。いかなる理論にも束縛されるものではないが、洗濯プロセスにおいて使用する銀が多すぎると、布地上の残留物に起因して黒ずみが生じる場合がある。したがって、本発明の粒子中に存在する銀の濃度は、抗菌の有益性を提供するのに役立ち、同時に暗色化を回避する。
【0040】
他の抗菌剤
いくつかの他の例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.1%~約30%、好ましくは約0.3%~約20%、より好ましくは約0.4%~15%、最も好ましくは約0.5%~10%のメチル-ジイソプロパノールアミン系(MDIPA系)四級アンモニウム化合物であって、好ましくはジ-イソプロピルエステルジメチルアンモニウムメチルサルフェートである、MDIPA系四級アンモニウム化合物を含む。
【0041】
いくつかの他の例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.1%~約30%、好ましくは約0.3%~約20%、より好ましくは約0.4%~15%、最も好ましくは約0.5%~10%の塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)を含む。
【0042】
いくつかの他の例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.1%~約30%、好ましくは約0.3%~約20%、より好ましくは約0.4%~15%、最も好ましくは約0.5%~10%の塩化ベンルコニウムであって、好ましくは塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADBAC)及び/又は塩化アルキルジメチルベンザルコニウム(ADEBAC)である、塩化ベンザコニウムを含む。
【0043】
いくつかの他の例では、本発明の組成物に含まれる抗菌性粒子は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.1%~約30%、好ましくは約0.3%~約20%、より好ましくは約0.4%~15%、最も好ましくは約0.5%~10%のカチオン性ポリマーを含み、当該カチオン性ポリマーは好ましくはカチオン性多糖であり、当該カチオン性ポリマーはより好ましくは、トリメチルアンモニウム基(WK30)で置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩である。
【0044】
本明細書の上に開示された抗菌剤に加えて、製剤の不安定化を招く濃度で存在しないことを条件に、他の抗菌剤も存在してもよい。その中でも、有用な更なる抗菌剤はキレート剤であり、特に、硬水中のグラム陰性微生物の耐性を低減させる上で有用である。酸性殺生物剤も存在してもよい。
【0045】
上述の抗菌剤に加えて、本発明の複数の抗菌性粒子の各々はまた、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約25%~約99%、好ましくは約30%~約95%、より好ましくは約40%~約94%、最も好ましくは約50%~約93%の当該水溶性担体を含む。
【0046】
水溶性担体
水溶性担体は、短時間、例えば約10分未満で洗浄液に可溶である材料であり得る。水溶性担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、水溶性ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0047】
アルカリ金属塩は、例えば、リチウムの塩、ナトリウムの塩、及びカリウムの塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。有用なアルカリ金属塩は、例えば、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属炭素塩、アルカリ金属一水素炭素塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0048】
アルカリ金属塩は、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム、重硫酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸一水素カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酒石酸カリウム、ケイ酸カリウム、カリウム、アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0049】
アルカリ土類金属塩は、マグネシウムの塩、カルシウムの塩など、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属炭素塩、アルカリ金属一水素炭素塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。アルカリ土類金属塩は、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸一水素マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸一水素カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0050】
無機アルカリ金属塩及び無機アルカリ土類金属塩などの無機塩は、炭素を含まない。有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩などの有機塩は、炭素を含む。有機塩は、アルカリ金属塩又はソルビン酸のアルカリ土類金属塩(すなわち、ソルビン酸塩(asorbate))であり得る。ソルビン酸塩は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸マグネシウム、ソルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0051】
水溶性担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であり得るか、又はそれを含み得る。水溶性担体は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、乳酸カルシウム、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、デキストロース、フルクトース、ガラクトース、イソグルコース、グルコース、スクロース、ラフィノース、イソマルト、キシリトール、氷砂糖、ざらめ糖、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一実施形態では、水溶性担体は、塩化ナトリウムであり得る。一実施形態では、水溶性担体は、食卓塩であり得る。
【0052】
水溶性担体は、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、塩化ナトリウム、スクロース、マルトデキストリン、コーンシロップ固体、コーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、粘土、ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪族アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であり得るか、又はそれを含み得る。
【0053】
水溶性担体は、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、デンプン、粘土、水不溶性ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪族アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0054】
水溶性担体は、二糖類、多糖類、シリケート、ゼオライト、カーボネート、サルフェート、シトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0055】
水溶性担体は、水溶性ポリマーであり得る。水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA、ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドン及びPVA/ポリビニルアミンなどのPVAコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリエチレングリコール;アクリルアミド;アクリル酸;セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース系材料;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリ酢酸ビニル;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド、ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、変性デンプンを含む多糖類;ゼラチン、アルギネート;キシログルカン、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンを含む他のヘミセルロース系多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナン、ローカス(locus)ビーン、アラビック、トラガカントなどの天然ガム;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一実施形態では、ポリマーは、ポリアクリレート、特にスルホン化ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー;並びにアルキルヒドロキシセルロース系材料、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性カルボキシ-メチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートを含む。更に別の実施形態では、水溶性ポリマーは、PVA;PVAコポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methyl cellulose、HPMC);及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0056】
水溶性担体は、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール/ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール/ポリビニルアミン、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、アルキルセルロース系材料、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、多糖類、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、アルギネート、キシログルカン、ヘミセルロース系多糖類、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、ガラクトグルコマンナン、天然ガム、ペクチン、キサンタン、カラギーナン、ローカス(locus)ビーン、アラビック、トラガカント、ポリアクリレート、スルホン化ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、アルキルヒドロキシセルロース系材料、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性カルボキシ-メチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコールポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0057】
水溶性担体は、以下からなる群から選択される材料を含み得る:式H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(式中、xは約50~約300であり、yは約20~約100であり、zは約10~約200である)のポリアルキレンポリマー;式(CO)-C(O)O-(CH-CH(式中、qは、約20~約200であり、rは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;式HO-(CO)-CH)-CH(式中、sは、約30~約250であり、tは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテル;及びこれらの混合物。式H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(式中、xは、約50~約300であり、yは、約20~約100であり、zは、約10~約200である)のポリアルキレンポリマーは、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであり得る。
【0058】
水溶性担体は、ポリエチレングリコール;式H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(式中、xは、約50~約300であり、yは、約20~約100であり、zは約10~約200である)のポリアルキレンポリマー;式(CO)-C(O)O-(CH-CH(式中、qは、約20~約200であり、rは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;及び式HO-(CO)-(CH)-CH(式中、sは、約30~約250であり、tは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテルを含み得る。
【0059】
水溶性担体は、式H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(式中、xは、約50~約300であり、yは、約20~約100であり、zは、約10~約200である)のポリアルキレンポリマーの粒子を約20重量%~約80重量%含み得る。
【0060】
水溶性担体は、式(CO)-C(O)O-(CH-CH(式中、qは、約20~約200であり、rは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステルの粒子を約1重量%~約20重量%含み得る。
【0061】
水溶性担体は、式HO-(CO)-CH-CH(式中、sは、約30~約250であり、tは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテルの粒子を約1重量%~約10重量%含み得る。
【0062】
好ましくは、水溶性担体は、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。より好ましくは、水溶性担体は、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)であり得る。PEGは、粒子が、本明細書にて開示した範囲の質量を有するときに、洗浄サイクル中に溶解するのに十分水溶性であり得るため、粒子を作製するのに用いるのに便利な材料であり得る。更に、PEGは、融解物として容易に処理され得る。PEGの融解温度の開始は、PEGの分子量の関数として変動し得る。PEGは比較的低コストであり、多くの異なる形状及びサイズに形成されることができ、非封入香料の拡散を最小限に抑え、水によく溶解する。PEGは、様々な重量平均分子量で提供される。本発明の特に好ましい実施形態では、水溶性担体は、約1,000~約40,000ダルトン、好ましくは2,000~20,000ダルトン、約2,500~約15,000ダルトン、より好ましくは約3,000~約13,000ダルトンの重量平均分子量(molecular weight、Mw)を特徴とするポリエチレングリコール(PEG)である。特に好適なPEGは、BASFから、PLURIOL E 8000(8000が製品名であっても9000の重量平均分子量を有する)の商標で市販されており、又は他のPLURIOLの製品も好適である。
【0063】
本発明の更に好ましい実施形態では、本発明の組成物中に存在する当該複数の抗菌性粒子の各々は、当該粒子の総重量に対して、30%~95%、より好ましくは40%~94%、最も好ましくは50%~93%の当該ポリエチレングリコールを含む。
【0064】
香料
好ましくは、必須ではないが、当該複数の抗菌性粒子の各々は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.1%~約30%、好ましくは約0.5%~約20%、より好ましくは約1%~約15%の範囲の量で1つ以上の香料成分を更に含む。本発明の抗菌性粒子への香料成分の組み込みは、いずれの粒子にも組み込まれていない香料成分と比較して、又は水溶性担体を含有するが抗菌剤を本質的に含まない粒子に組み込まれた香料成分と比較して、驚くべきことにかつ予想外に、鮮度の有益性及びより良好な悪臭制御の有益性を改善することが発見された。いかなる理論にも束縛されるものではないが、抗菌剤の存在は、香料成分と相互作用して、このような香料成分(特に香料マイクロカプセル)の布地上への放出プロファイル及び堆積を改善し得ると考えられる。
【0065】
当該1つ以上の香料は、好ましくは、遊離香料、プロ香料、カプセル化香料(すなわち、デンプン、シクロデキストリン、シリカ、ゼオライト、又は粘土などの担体材料によって担持された香料)、香料マイクロカプセル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、本発明の抗菌性粒子は、香料マイクロカプセル(perfume microcapsule、PMC)、特に砕けやすいPMCを含有する。本発明の目的のために、用語「香料マイクロカプセル」又はPMCは、香料マイクロカプセル及び香料ナノ粒子の両方を包含する。一実施形態では、PMCは、Appleton,Quest International,International Flavor & Fragrances又は他の好適な提供元から市販されているメラミン/ホルムアルデヒドシェルを含む。好ましい実施形態では、PMCのシェルは、PMCが布地に付着する能力を高めるためにポリマーでコーティングされている。本発明の抗菌性粒子は、当該抗菌性粒子の各々の総重量に対して、約0.1%~約20%、好ましくは約1%~約15%、より好ましくは約5%~約10%の香料マイクロカプセルを含み得る。特に好ましい実施形態では、当該抗菌性粒子の各々は、遊離香料と香料マイクロカプセルとの組み合わせを含む。最も好ましくは、当該各抗菌性粒子中の遊離香料と香料マイクロカプセルとの重量比は、約1:5~約20:1、好ましくは約1:2~約10:1、より好ましくは約1:1~約5:1、最も好ましくは約1.5:1~約3:1の範囲である。
【0066】
他の活性物質
好ましくは、必須ではないが、当該複数の抗菌性粒子の各々は、追加の布地柔軟化の有益性を提供するために、四級アンモニウム化合物を更に含む。具体的には、四級アンモニウム化合物は、洗浄中に本発明の抗菌性粒子から放出されると、洗浄液から布地の繊維上に堆積して、消費者に柔軟な感触を提供する。例えば、当該複数の抗菌性粒子の各々は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約5%~約45%、好ましくは約10%~約40%、より好ましくは約15%~約35%の、約18~約60、好ましくは約20~約60のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される四級アンモニウム化合物を含んでもよい。好ましくは、四級アンモニウム化合物が、エステル四級アンモニウム化合物であり、より好ましくは、ジ-(タローオイルオキシエチル)-N,N-メチルヒドロエチルアンモニウムメチルサルフェートである。
【0067】
本明細書で上記した四級アンモニウム化合物に加えて、本発明の抗菌性粒子は、布地上への四級アンモニウム化合物の堆積を促進し、その布地柔軟化性能を高めるように機能するカチオン性ポリマーを更に含んでもよい。当該複数の抗菌性粒子の各々は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.5%~約10%、好ましくは約1%~約5%のこのようなカチオン性ポリマーを含んでもよい。カチオン性ポリマーは、好ましくはカチオン性多糖であり、より好ましくは、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩である。より好ましくは当該各粒子中の四級アンモニウム化合物とカチオン性ポリマーとの重量比は、約3:1~約30:1、任意選択で約5:1~約15:1、任意選択で約5:1~約10:1、任意選択で約8:1の範囲であり得る。理論に束縛されるものではないが、四級アンモニウム化合物の質量分率及びカチオン性ポリマーの質量分率は、カチオン性ポリマーからの補助を成し得て、処理される布地へ四級アンモニウム化合物の十分なレベルの堆積を堆積させる。
【0068】
消費者にとって心地よい審美的外観、又は特定の成分若しくは利益を強調する視覚的合図を提供するために、当該複数の抗菌性粒子の各々は、当該各抗菌性粒子の総重量に対して、約0.0001%~約1%、好ましくは約0.001%~約0.5%、より好ましくは約0.005%~約0.1%の1つ以上の着色剤を更に含んでもよい。着色剤は、染料、顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。好ましくは、着色剤は、青、緑、黄、オレンジ、ピンク、赤、紫、灰色などからなる群から選択される色を抗菌性粒子に付与する。
【0069】
本発明の抗菌性粒子は、水溶性又は水分散性充填剤、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、糖、デンプン、変性セルロース、シリカ、ゼオライト、粘土などを更に含んでもよい。好ましくは、粒子の各々は、当該各粒子の総重量に対して、約0.1%~約7%の粘土を含むことができる。より好ましくは、粘土はベントナイトである。
【0070】
本発明の抗菌性粒子は、界面活性剤を実質的に含まないか、又は本質的に含まないことが特に好ましいが、これは、このような界面活性剤の存在が、本発明の文脈において望ましくない水中での抗菌剤の溶解又は分散を加速し、抗菌剤の布地への堆積を低減させ得るためである。より好ましくは、本発明の抗菌性粒子は、任意の抑止活性剤を実質的に含まないか、又は本質的に含まない。
【0071】
本発明の抗菌性粒子は、好ましくは、当該抗菌性粒子の各々の総重量に対して、約10%未満、任意選択で約8%未満、任意選択で約5%未満、任意選択で約3%未満の水を含有する。これらの範囲の含水量を減らすこと、又は有することにより、一層安定した粒子がもたらされると考えられている。水の質量分率が減るほど、粒子は一層安定すると考えられている。
【0072】
本発明の抗菌性粒子の各々は、約5mg~約500mg、好ましくは約10mg~約300mg、更に好ましくは約15mg~約200mg、より好ましくは約20mg~約150mg、最も好ましくは約20mg~約100mgの質量を有する。
【0073】
当該粒子は、錠状、ピル状、球状など、様々な形状に形成されてもよい。それらは、球形、半球形、圧縮半球形、円筒形、円盤形、円形、レンズマメ形、楕円形、立方形、長方形、星形、花形、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される任意の形状を有し得る。レンズマメ(lentil)形とは、レンズ豆(lentil bean)の形状を指す。圧縮半球形は、同じ半径を有する半球形の湾曲よりも、曲面の湾曲が平均して少なくなるように少なくとも部分的に平らな半球形状に対応する形状を指す。圧縮半球形粒子は、約1.5~約5、あるいは約2.1~約4.5、あるいは約2.2~約4のアスペクト比(すなわち、基部と直交するその高さに対するその基部直径の比)を有することができる。楕円形状粒子とは、最大寸法及び最大寸法に直交する二次寸法を有する粒子を指し、最大寸法と二次寸法との比は、約1.2より大きく、好ましくは約1.5より大きく、より好ましくは約2より大きい。好ましくは、本発明の抗菌性粒子は、半球形又は圧縮半球形の形状を有する。
【0074】
好ましくは、当該抗菌性粒子は、約3mm~約10mm、好ましくは約4mm~約9mm、より好ましくは約5mm~約8mmの最長寸法、及び/又は約1~約5、好ましくは約1.5~約4、より好ましくは約2~約4のアスペクト比を特徴とする。
【0075】
本発明の好ましいが必須ではない実施形態では、本発明の抗菌性粒子は、水よりも低い密度を有するため、水に浮くことができ、洗浄中に消費者がより容易に気づくことができる。例えば、このような抗菌性粒子は、約0.5g/cm~約0.98g/cm、好ましくは約0.7g/cm~約0.95g/cm、より好ましくは約0.8g/cm~約0.9g/cmの範囲の密度を有し得る。
【0076】
本発明の複数の抗菌性粒子は、異なる形状、サイズ、質量、及び/又は密度を有することができる。
【0077】
独立型粒子状製品における抗菌性粒子の使用
粒子状製品、特に粉の立たない粒子状物は、多くの消費者によって好まれる。粒子状製品は、消費者がパッケージから洗濯機に直接、又は洗濯機の投入区画に容易に投入することができる。あるいは消費者は、パッケージから、任意選択で1つ以上の投入用のしるしを備える投入カップに投入し、次いで粒子状物を洗濯機の投入区画に、又はドラムに直接投入することができる。投入カップが用いられる製品では、粒子状製品は、液体製品よりも面倒でない傾向がある。
【0078】
本明細書で上述したような複数の抗菌性粒子は、消費者が洗濯機に投入するのに好都合である、スルー・ザ・ウォッシュ布地処理のための独立型粒子状製品として提供することができる。独立型粒子状製品は、本発明の抗菌性粒子から本質的になってもよく、又は抗菌性粒子に類似した他の粒子、例えば、香料粒子、柔軟化粒子、漂白剤粒子などを含有してもよく、これらは界面活性剤をほとんど若しくは全く含有しないか、又は抗菌性粒子と類似したサイズである。独立型粒子状製品は、洗剤組成物のパッケージとは別個のパッケージ内に提供され得る。パッケージにおいて抗菌性粒子を洗剤組成物のパッケージとは別にすることは、使用する洗剤組成物の量とは関係なく、消費者が、投入する抗菌剤の量を選択できるようになるため、有益であり得る。これにより、使用する抗菌剤の量、及びそれによって得られる抗菌の有益性を、消費者ニーズに基づいてカスタマイズする機会が与えられ、これは高度に有益な消費者の有益性である。
【0079】
抗菌性粒子を含む粒子状洗濯洗剤製品
本発明の好ましいが必須ではない実施形態では、本発明の抗菌性粒子は、洗剤粒子も含有する粒子状洗濯洗剤組成物中に存在する。好ましくは、複数の抗菌性粒子は、少量部分として、例えば、当該粒子状洗濯洗剤組成物の総重量に対して、約0.05%~約30%、好ましくは約0.1%~約20%、より好ましくは約0.5%~約15%、最も好ましくは約1%~約10%の範囲の量で、当該粒子状洗濯洗剤組成物中に存在する。
【0080】
粒子状洗濯洗剤組成物は、当該粒子状洗濯洗剤組成物の総重量に対して、約10%~約99.9%、好ましくは約20%~約95%、より好ましくは約30%~約90%、最も好ましくは約40%~約80%の範囲の量の洗剤粒子を含んでもよい。本発明の洗剤粒子は、界面活性剤、ビルダー、漂白活性剤、酵素、ポリマー、キレート剤、柔軟剤、抑泡剤、増泡剤、光沢剤、移染防止剤などの1つ以上の抑止活性剤を含んでもよい。洗剤粒子は、噴霧乾燥粒子及び/又は凝集粒子及び/又は押出粒子であり得る。このような洗剤粒子は、界面活性剤凝集体、界面活性剤押出物、界面活性剤針状物、界面活性剤ヌードル、界面活性剤フレークを含む界面活性剤粒子;ポリマー粒子、例えば、セルロース系ポリマー粒子、ポリエステル粒子、ポリアミン粒子、テレフタレートポリマー粒子、ポリエチレングリコールポリマー粒子;ビルダー粒子、例えば、炭酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウムコビルダー粒子、リン酸塩粒子、ゼオライト粒子、ケイ酸塩粒子、炭酸塩粒子;充填剤粒子、例えば、硫酸塩粒子;移染防止剤粒子;染料定着剤粒子;漂白剤粒子、例えば、過炭酸塩粒子、特に被覆過炭酸塩粒子、例えば、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、又はこれらの任意の組み合わせで被覆された過炭酸塩、過ホウ酸塩粒子、漂白触媒粒子、例えば、遷移金属漂白触媒粒子、又はオキサジリジニウム系漂白触媒粒子、予備形成過酸粒子、特に被覆予備形成過酸粒子、並びに漂白活性化剤、過酸化水素源及び任意選択で漂白触媒の共漂白剤粒子;漂白活性化剤粒子、例えば、オキシベンゼンスルホネート漂白活性化剤粒子及びテトラアセチルエチレンジアミン漂白活性化剤粒子;キレート剤粒子、例えば、キレート剤凝集体;色相染料粒子;光沢剤粒子;酵素粒子、例えば、プロテアーゼプリル、リパーゼプリル、セルラーゼプリル、アミラーゼプリル、マンナナーゼプリル、ペクチン酸リアーゼプリル、キシログルカナーゼプリル、漂白酵素プリル、クチナーゼプリル及びこれらの酵素のいずれかのコプリル;粘土粒子、例えば、モンモリロナイト粒子並びに粘土及びシリコーンの粒子;凝集剤粒子、例えば、ポリエチレンオキシド粒子;ワックス粒子、例えば、ワックス凝集体から選択され得る。
【0081】
好ましくは、このような洗剤粒子は、当該洗剤粒子の総重量に対して、約10%~約90%、好ましくは約15%~約80%、より好ましくは約20%~約70%の界面活性剤を含有する界面活性剤粒子である。より好ましくは、界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の洗剤粒子は、アニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を含む。
【0082】
本発明の洗剤粒子は、約250μm~約1000μm、好ましくは約300μm~約950μm、より好ましくは約400μm~約850μmの重量中央値粒子サイズ(Dw50)を特徴とし得る。好ましくは、このような洗剤粒子は、白色又は淡色の外観を有し、一方、抗菌性粒子は、洗剤粒子と視覚的に対照的であるように、青色、緑色、黄色、オレンジ色、ピンク色、赤色、紫色又は灰色を有する。
【0083】
本明細書で上記した抗菌性粒子及び洗剤粒子に加えて、本発明の粒子状洗濯洗剤組成物は、1つ以上の洗剤成分を含んでもよい。好適な洗剤成分としては、アニオン性洗浄界面活性剤、非イオン性洗浄界面活性剤、カチオン性洗浄界面活性剤、双性イオン性洗浄界面活性剤、両性洗浄界面活性剤、及びこれらの任意の組み合わせを含む洗浄界面活性剤;カルボキシレートポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、ポリエステル汚れ放出ポリマー、例えば、テレフタレートポリマー、アミンポリマー、セルロース系ポリマー、移染防止ポリマー、イミダゾールとエピクロロヒドリンとの縮合によって生成される縮合オリゴマーなどの染料固定ポリマー、任意選択で1:4:1の比率で、ヘキサメチレンジアミン誘導体ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせを含むポリマー;ゼオライト、リン酸塩、クエン酸塩、及びこれらの任意の組み合わせを含むビルダー;炭酸塩及び/又はケイ酸塩を含む緩衝剤及びアルカリ源;硫酸塩及びバイオ充填剤材料を含む充填剤;漂白活性化剤、有効酸素源、予備形成過酸、漂白触媒、還元漂白剤、及びこれらの任意の組み合わせを含む漂白剤;キレート剤;光漂白剤;色相剤;増白剤、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、漂白酵素、クチナーゼ、及びこれらの任意の組み合わせを含む酵素;粘土、シリコーン、四級アンモニウム布地柔軟化剤、及びこれらの任意の組み合わせを含む布地柔軟化剤;ポリエチレンオキシドなどの凝集剤;デンプンカプセル化香料アコード、香料マイクロカプセル、香料充填ゼオライト、ケトン香料原料とポリアミンとのシフ(schif)塩基反応生成物、ブルーミング香料、及びこれらの任意の組み合わせを含む香料;石鹸リング、層状審美粒子、ゲルチンビーズ、炭酸塩及び/又は硫酸塩スペックル、着色粘土、並びにこれらの任意の組み合わせを含む審美剤:及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0084】
本発明の好ましい実施形態では、粒子状洗濯洗剤組成物は、そのような組成物の総重量に対して、約1重量%~約40重量%、典型的には2重量%~25重量%、又は更には約5重量%~約20重量%、又は8重量~15重量%の範囲の量で1つ以上のビルダー(本明細書で上記したような炭酸塩を含まない)を含む。本明細書で使用するとき、ビルダーは、例えば、洗浄溶液中の「遊離」カルシウム/マグネシウムイオンを除去又は低減して、洗浄液の硬度を「柔軟化」又は低減することによって、界面活性剤の清浄化効率を増強又は改善することができる任意の成分又は構成成分を指す。
【0085】
このような粒子状洗濯洗剤組成物は、比較的低濃度のリン酸塩ビルダー、ゼオライトビルダー、及びケイ酸塩ビルダーを有することが特に望ましい。好ましくは、リン酸塩ビルダー、ゼオライトビルダー及びケイ酸塩ビルダーを合計で15重量%以下含有する。より好ましくは、このような粒子状洗濯洗剤組成物は、0重量%~約5重量%のリン酸塩ビルダー、0重量%~約5重量%のゼオライトビルダー、及び0重量%~約10重量%のケイ酸塩ビルダーを含有し、これらのビルダーの総量は、組成物の総重量に対して、10重量%以下である。更により好ましくは、粒子状洗濯洗剤組成物は、組成物の総重量に対して、0重量%~約2重量%のリン酸塩ビルダー、0重量%~約2重量%のゼオライトビルダー、及び0重量%~約2重量%のケイ酸塩ビルダーを含有し、これらのビルダーの総量は、5重量%以下である。最も好ましくは、粒子状洗濯洗剤組成物は、組成物の総重量に対して、0重量%~約1重量%のリン酸塩ビルダー、0重量%~約1重量%のゼオライトビルダー、及び0重量%~約1重量%のケイ酸塩ビルダーを含有し、これらのビルダーの総量は、2重量%以下である。組成物は、任意の他の補助ビルダー、キレート剤、又は一般に、例えば、金属イオン封鎖、錯化、沈殿若しくはイオン交換によって溶液からカルシウムイオンを除去する任意の材料を更に含んでもよい。特に、組成物は、25℃の温度及び0.1Mのイオン強度において、少なくとも50mg/gのカルシウム結合能力及び少なくとも3.50のカルシウム結合定数logKCa2+を有する材料を含み得る。
【0086】
本発明の粒子状洗濯洗剤組成物は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、及び硫酸カリウムからなる群から選択される1つ以上の固体担体を含有してもよい。好ましいが必須ではない実施形態では、このような粒子状洗濯洗剤組成物は、約20重量%~約65重量%の塩化ナトリウム及び/又は約20重量%~約65重量%の硫酸ナトリウムを含む。粒子状洗濯洗剤組成物が濃縮形態である場合、このような組成物中の塩化ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムの総量は、合計して、例えば、約0重量%~約60重量%の総量になり得る。
【0087】
抗菌性粒子を使用する方法
本発明の抗菌性粒子は、機械洗浄又は手洗い設定において布地を処理して、抗菌の有益性、並びに任意選択で改善された布地の鮮度及び悪臭制御の有益性を提供するのに特に有用である。それらは、消費者が洗浄、特に洗浄サブサイクルを通して抗菌の有益性を達成することを可能にする。洗浄サブサイクルを通して抗菌の有益性を提供することにより、消費者は、洗濯機の開始前又は直後に、洗剤組成物及び抗菌性粒子を単一の場所、例えば洗浄槽に投入するだけでよい。
【0088】
衣料品を処理するための方法は、洗濯機に衣料品を入れる工程を含むことができる。衣料品は、洗濯機の洗浄サブサイクル中に、本明細書にて開示した複数の抗菌性粒子を含む組成物と接触する。粒子は、洗浄サブサイクルの一部として提供される水に溶解し、液(liquor)を形成することができる。粒子の溶解は洗浄サブサイクル中に生じ得る。
【0089】
洗濯機は、運転サイクル内に、少なくとも2つの基本サブサイクル、すなわち、洗浄サブサイクル及びすすぎサブサイクルを有する。洗濯機の洗浄サブサイクルは、最初に洗浄槽を水で充填又は部分的に充填する際に開始する洗濯機のサイクルである。洗浄サブサイクルの主な目的は、衣料品から汚れを除去又は浮かせ、洗浄液にこの汚れを懸濁させるというものである。典型的には、洗浄液は、洗浄サブサイクルの終わりに排出される。洗濯機のすすぎサブサイクルは、洗浄サブサイクルの後に起こり、汚れと、任意選択で、衣料品から洗浄サブサイクルに提供される何らかの有益剤とをすすぐことを主な目的とする。
【0090】
この方法は、任意選択で、洗浄サブサイクル中に衣料品を、アニオン性界面活性剤を含む洗剤組成物と接触させる工程を含むことができる。ほとんどの消費者は、洗浄サブサイクル中に洗浄槽に洗剤組成物を提供する。洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、並びに任意選択で香料、漂白剤、増白剤、色相染料、酵素などを含むがこれらに限定されない他の有益剤を含むことができる。洗浄サブサイクル中、洗剤組成物とともに提供された有益剤を、洗浄槽に配置された衣料品と接触させる、又は衣料品に適用する。典型的には、洗剤組成物の有益剤は、水及び有益剤の洗浄液に分散される。
【0091】
洗浄サブサイクル中、洗浄槽は、水で充填されてもよく、又は少なくとも部分的に水で充填されてもよい。抗菌性粒子は、水に溶解して、粒子の構成成分を含む洗浄液を形成し得る。任意選択で、洗剤組成物が用いられる場合、又は抗菌性粒子が粒子状洗濯洗剤組成物に配合される場合、洗浄液は、洗剤組成物の構成成分及び溶解粒子の構成成分を含むことができる。粒子は、衣料品が洗濯機の洗浄槽に配置される前に、洗濯機の洗浄槽に配置することができる。粒子は、衣料品が洗濯機の洗浄槽に配置された後に、洗濯機の洗浄槽に配置することができる。粒子は、洗浄槽を水で満たす、若しくは部分的に満たす前に、又は、洗浄槽を水で満たすことが完了した後に、洗浄槽に入れてもよい。
【0092】
衣料品の処理プロセスの実施において、消費者により洗剤組成物が用いられる場合、洗剤組成物及び抗菌性粒子は個別のパッケージで提供され得る。例えば、洗剤組成物は、洗濯機に関連するボトル、サッシェ、水溶性パウチ、投入カップ、投入ボール、又はカートリッジから提供される液体洗剤組成物であり得る。抗菌性粒子は、非限定的な例として、カートン、ボトル、水溶性パウチ、投入カップ、サッシェなどの別個のパッケージから提供することができる。洗剤組成物が、粉末、水溶性繊維状基質、水溶性シート、水溶性フィルム、水溶性フィルム、固体洗剤組成物を担持する水不溶性繊維ウェブなどの固体状であるとき、粒子は、固体状洗剤組成物とともに提供することができる。例えば、粒子は、固体洗剤組成物及び粒子の混合物を含有する容器から提供されてもよい。任意選択で、水溶性繊維状基質、水溶性シート、水溶性フィルム、水溶性フィルム、固体洗剤組成物を担持する水不溶性繊維ウェブである、洗剤組成物で形成したパウチから粒子を提供することができる。
【0093】
抗菌性粒子を溶解し、布地を処理するために使用される洗濯液は、例えば、約5~約11、好ましくは約8~約10の広範囲のpHにわたって、清浄化される布地に最も相補的であるように選択されるpH値を有してもよい。水温は、好ましくは約5℃~約100℃の範囲である。水と布地との比は、典型的には、約1:1~約30:1である。洗浄液は、40リットル以下の水、又は30リットル以下、又は20リットル以下、又は10リットル以下、又は8リットル以下、又は更には6リットル以下の水を含み得る。洗浄液は、0リットルを超えて15リットルまで、又は2リット以上12リットル以下、又は更には8リットル以下の水を含み得る。希釈洗浄条件の場合、洗浄液は、特に手洗い条件の場合、150リットル以下の水、100リットル以下の水、60リットル以下の水、又は50リットル以下の水を含んでもよく、すすぎの回数に依存し得る。
【0094】
典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01Kg~2Kgの布地が洗浄液に投入される。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01Kgから、又は0.05Kgから、又は0.07Kgから、又は0.10Kgから、又は0.15Kgから、又は0.20Kgから、又は0.25Kgから、1.8Kgまで、又は1.6Kgまで、又は1.5Kgまで、又は1.3Kgまで、又は1.1Kgまで、又は0.9Kgまで、又は0.7Kgまで、又は0.5Kgまでの布地が洗浄液に投入される。
【0095】
抗菌性粒子の製造
好都合に融解物として処理することができる担体の場合、ロトフォーミングプロセスを使用することができる。融解キャリアと粒子を構成する他の材料との混合物は、例えばバッチプロセス又は連続混合プロセスで調製される。融解混合物は、例えば、幅750mm、長さ10mのベルトを有する、Sandvik ROTOFORM 3000のロトフォーマに圧送することができる。ロトフォーミング装置は、回転シリンダーを有し得る。シリンダーは、機械横方向に10mm間隔、及び機械方向に9.35mm間隔に設定した直径2mmの孔を有し得る。シリンダーは、ベルトの上約3mmに設定され得る。ベルト速度及びシリンダーの回転速度は、約10m/分に設定され得る。融解混合物は、回転シリンダーにおける開口部を通過させ、回転シリンダーの下に設けられた移動コンベアに堆積させることができる。
【0096】
融解混合物を移動コンベア上で冷却し、複数の固体粒子を形成することができる。冷却は、周囲冷却によって提供され得る。任意選択で、冷却は、コンベアの下側に常温水又は冷水を吹き付けることによってもたらされてもよい。
【0097】
粒子が十分に凝集性になったならば、更なる加工及び又はパッケージングのために、粒子をコンベアからコンベア下流にある加工装置に移してもよい。
【0098】
任意選択で、粒子は気体を含めて提供することができる。このような気体の吸蔵(occlusion)、例えば空気の吸蔵は、洗浄中に粒子がより迅速に溶解するのを助けることができる。気体の吸蔵は、非限定的な例として、融解した前駆体物質にガスを注入し、混合物を粉砕することによってもたらすことができる。
【0099】
粒子はまた、他のアプローチを使用しても作製され得る。例えば、造粒又はプレス凝集が適切であり得る。顆粒化において、粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、回転式混合道具により圧密化し均質にして、顆粒化して粒子を形成する。実質的に水を含まない前駆体物質について、多種多様なサイズの粒子が作製され得る。
【0100】
プレス凝集において、粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、圧力をかけて、かつ剪断力の影響下において圧密化して可塑化し、均質化した後に、形成/形状化プロセスにより、プレス凝集機から放出する。プレス凝集技術としては、押出、ローラ圧縮による成形、ペレット化、及び錠剤化が挙げられる。
【0101】
粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、遊星ロール押出成形機、又は同方向回転若しくは逆回転スクリューを有する2軸押出機に送達することができる。バレル及び押出造粒ヘッドは、所望の押出温度まで加熱され得る。粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、圧力をかけて圧密化し、可塑化して、押出成形機ヘッド内の多孔押出ダイを通して、糸の形態で押出し、切刃を使用してサイズ決めする。押出ヘッダの穴径は、適切にサイズ決めされた粒子を提供するために選択され得る。押出された粒子は、球形整粒機(spheronizer)を使用して成形されて、球形の形状を有する粒子を提供することができる。
【0102】
任意選択で、押出及び圧縮工程は、例えば、Amandus Kahl,Reinbek,Germanyから入手可能なフラットダイペレット化プレスなどの低圧押出機で実施されてもよい。任意選択で、押出及び圧縮工程は、Hosokawa Alpine Aktiengesellschaft,Augsburg,Germanyから入手可能なBEXTRUDERなどの低圧押出機で実施されてもよい。
【0103】
粒子は、ローラ圧縮による成形を使用して作製され得る。ローラ圧縮による成形において、粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、2個のローラ間に導入し、2つのローラ間で、圧力をかけてロールし、圧縮化物のシートを形成する。ローラは、前駆体物質に対して高い線圧を提供する。ローラは、前駆体物質の加工特徴に応じて、所望に応じて加熱又は冷却され得る。圧密物のシートは、切断によって小片に分割される。小片は、例えば、球形整粒機を使用することによって更に成形され得る。
【0104】
試験方法
以下の技術は、本明細書に記載され特許請求される本発明が完全に理解され得るように、本発明の香料粒子、洗剤粒子、及び粒子状洗濯洗剤組成物の特性を決定するために使用されなければならない。
【0105】
試験1:抗菌試験
抗菌試験は、「Technical Standard For disinfection(2002)」(China’s Ministry of Health発行)のセクション2.1.1.7.4に記載の指示に従って行うことができる。
【0106】
試験2:溶解速度試験
溶解速度試験は、粒子の溶解速度を測定するために使用される。
【0107】
この試験は、室温(25℃)で400mlの透明ガラスビーカーに400mlの脱イオン水を添加し、次いで約1グラムの試験粒子を脱イオン水に分散させることによって実施される。ストップウォッチを使用して、粒子が完全に溶解するまでに必要な合計時間を数える。
【0108】
試験3:粒子のアスペクト比
非球形の粒子は、ノギスを使用して粒子の最長寸法及び最短寸法を測定することができる。データのばらつきを抑えるために、典型的には10個の粒子を測定し、次いで平均結果を使用することができる。ここでの粒子のアスペクト比は、次の式を使用して算出される:アスペクト比=最長寸法/最短寸法。
【0109】
試験4:AVO試験
AVO試験は、滴定によって顆粒組成物中の有効酸素を検出する試験方法であり、抗菌剤の漂白活性剤を示す。AVO%が高いほど、薬剤の漂白活性剤が多いことを示す。材料及び試験手順を以下に要約する。
【0110】
材料の調製:
1.ヨウ化カリウム:Tianjin Guangfu Technical Developing Ltd.ロット番号M028155-001CISPro番号C3682345
2.氷酢酸:Tianjin Chemical Agent No.1 Factory ロット番号M154289-002 CISPro番号C4258166
3.可溶性デンプン:Tianjin Yingdaxigui Chemical Agent Factory M028053-001 CISPro番号3942832
4.1Nチオ硫酸ナトリウム:Merck ロット番号MO27159-003CISPro番号3941904
5.40%KI溶液:40gのKIを100mlフラスコ中に秤量する。DI水を体積まで加え、撹拌して溶解させる。
6.デンプン指示薬:1gのデンプンをビーカーに秤量し、DI水を添加して100gとする。沸騰するまで加熱する。
【0111】
手順:
1.約10gの試料を粉砕装置に秤量し、約30~60秒間粉砕する。
2.2gの粉砕試料を250mLの三角フラスコに秤量する。重量をWg、正確に0.001gとして記録する。
3.50mlの氷酢酸で希釈する。撹拌して溶解させる。
4.10mLの40%ヨウ化カリウム溶液を添加する。
5.約1mLのデンプン指示薬溶液を添加する。
6.溶液が無色になり、少なくとも10秒間無色を保つまで、滴定をゆっくりと継続する。
7.終点に到達するまでの体積をTmLとして記録する。
【0112】
計算:
【0113】
【数1】
【実施例
【0114】
本明細書に記載の実施例は、本発明を例示することを意味するが、本発明の範囲を制限又は他の方法で規定するために使用するものではない。
【0115】
実施例1:過炭酸塩を含有する抗菌性粒子の調製
本発明の抗菌性粒子を含有する本発明の試料(実施例A)が提供される。粒子(抗菌剤を含まない)及び別個の抗菌剤(粒子に組み込まれていない)を含有する比較試料(実施例B)も提供する。表1に試料の組成を示す。
【0116】
過炭酸塩及びTAEDを含有する抗菌性粒子(すなわち、実施例A)を、以下の手順に従って調製する。
1.PEG9000(BASF)を75℃のオーブンで予備融解する。
2.金型及びスクレーパーを75℃のオーブンで予熱する。
3.PEG9000を100mLプラスチックビーカー中で目標質量まで秤量する。
4.ビーカーを75℃の水浴中に置く。
5.撹拌ブレードによる混合速度を500RMPに設定する。
6.過炭酸ナトリウム(SPCS,Zhejiang Jinke Household Chemical Materials Co.,Ltd)及びTAED(TAED、Zhejiang Jinke Household Chemical Materials Co.,Ltd)を同じビーカーに秤量し、5分間混合する。
7.ブレンドした混合物を金型に注ぎ、表面を平らにする。
8.ビーズが冷えて固化するように、金型を室温で放置する。
9.金型からビーズを回収する。
【0117】
実施例Bは、実施例Aと同じ量のPEG9000粒子及び粉砕過炭酸ナトリウム及び粉砕TAEDを別々に含有する。PEG9000粒子は、工程6を含まないことを除いて上記手順に従って調製される。
【0118】
【表1】
【0119】
次いで、実施例A及びBの両方を、32℃/80RH条件下で24時間エージングする。次いで、エージングした実施例についてのAVO試験を、試験4において上述した方法に従って行い、AVO%を以下の表2に列挙する。
【0120】
【表2】
【0121】
上記の結果は、出荷/貯蔵寿命状況をシミュレートする32℃/80RH条件で24時間エージングした後に、抗菌剤が粒子に組み込まれた場合と、別個に添加された場合とで、抗菌剤のAVO%が有意に高いことを示す。
【0122】
実施例2:PCMXを含有する抗菌性粒子の調製
PCMXを含有する抗菌性粒子は、一定量のPCMXが撹拌によって融解PEG8000に添加されることを除いて、実施例1に記載された同様の方法に従って調製される。実施例C~Fは、以下の表3に列挙される異なる量のPCMXを含有する試料である。実施例C~Eは本発明の実施例であり、実施例Fは本発明の範囲外の比較例である。実際に、室温で固体化するための処理中に困難がある。
【0123】
【表3】
【0124】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定のない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0125】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせた場合に、このようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0126】
本発明の特定の実施形態を例示及び記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々なその他の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】