(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】植物ベース食料製品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20240905BHJP
A23L 13/00 20160101ALI20240905BHJP
A23J 3/00 20060101ALI20240905BHJP
A23L 29/20 20160101ALN20240905BHJP
【FI】
A23L5/00 B
A23L13/00 Z
A23J3/00 502
A23J3/00 509
A23L29/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515372
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 IL2022050976
(87)【国際公開番号】W WO2023037366
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524087264
【氏名又は名称】アルフレッズ フードテック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALFRED’S FOODTECH LTD
【住所又は居所原語表記】45 HaMelacha St., Netanya, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キルイェナー マタナ マリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ラインベルク ロニー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフォウィッツ ハイム
【テーマコード(参考)】
4B035
4B042
【Fターム(参考)】
4B035LC16
4B035LE06
4B035LG02
4B035LG12
4B035LG13
4B035LG15
4B035LG19
4B035LG20
4B035LG33
4B035LG40
4B035LG42
4B035LK01
4B035LK13
4B035LP01
4B035LP21
4B035LP24
4B035LP31
4B042AC10
4B042AD36
4B042AK06
4B042AK09
4B042AK10
4B042AP02
4B042AP14
4B042AP17
(57)【要約】
本開示は、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムであって、当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、当該1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、植物ベース食用ヒドロゲルフィルム、その調製方法及び使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムであって、
前記少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
前記1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、前記ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項2】
前記ヒドロゲル形成ポリマーが、多糖類を含む、請求項1に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項3】
2つ以上のヒドロゲル形成ポリマーを含む、請求項1又は2に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項4】
前記増粘性ポリマーが、多糖類を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項5】
前記増粘性ポリマーが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項6】
前記増粘性ポリマーが、セルロースを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項7】
前記セルロースが、メチルセルロース(MC)を含む、請求項6に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項8】
前記MCが、約2重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約4,000cPの粘度を有する、請求項7に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項9】
前記セルロースが、
(i)2重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約10,000cP、若しくは約15,000cP、若しくは約10,000cP~約15,000cPの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及び/又は
(ii)1重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約1,500cP、若しくは約1,500cP~約3,000cPの粘度を有するカルボキシメチルセルロース(CMC)
を含む、請求項6に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項10】
前記増粘性ポリマーが、天然由来多糖類を含み、任意選択で、
(i)前記天然由来多糖類が、1重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で1,000cP~約2,000cPの粘度を有するキサンタンガムである、及び/又は、
(ii)前記天然由来多糖類が、1重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約3,000cP若しくは約3,000cP~約5,000cPの粘度を有するグアーガムである、
請求項4に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項11】
前記増粘性ポリマー以外の前記少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーを含み、任意選択で、
前記少なくとも1つの他の親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で1,000cP未満の粘度を有する多糖類であり、任意選択で、
前記少なくとも1つの他の親水コロイド形成ポリマーが、マルトデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からなる群から選択される、
請求項1~10のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項12】
2つの増粘性ポリマーの組み合わせを含み、任意選択で、
MCとHPMCとの組み合わせを含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項13】
少なくとも0.1重量%の量のMCを含む、請求項12に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項14】
少なくとも0.1重量%の量のHPMCを含む、請求項12又は13に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項15】
マルトデキストリンを含み、任意選択で、
少なくとも0.1重量%の量のマルトデキストリンを含む、
請求項1~14のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項16】
マルトデキストリン、MC、及びHPMCの組み合わせ、並びに任意選択でHPCを含む、請求項15に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項17】
(i)前記増粘性ポリマーが、キサンタンガムとグアーガムとの組み合わせを含む、及び/又は
(ii)前記増粘性ポリマーが、CMCを含む、
請求項1~16のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項18】
少なくとも1つの植物ベースタンパク質を含み、任意選択で、前記マメ科植物タンパク質又は豆類タンパク質が、ダイズタンパク質、エンドウマメタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、ルピナスタンパク質、リョクトウタンパク質、インゲンマメタンパク質、クロインゲンマメタンパク質、アルファルファタンパク質、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、任意選択で、前記植物ベースタンパク質が、少なくともヒヨコマメタンパク質を含み、任意選択で、前記植物ベースタンパク質が、少なくともエンドウマメタンパク質及びヒヨコマメタンパク質の組み合わせを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項19】
動物細胞又は動物細胞成分を含み、
任意選択で、前記動物細胞又は動物細胞成分が、脂肪細胞、筋細胞、骨細胞、結合細胞、上皮細胞、線維芽細胞、幹細胞、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項20】
前記タンパク質が、ベータ-ゴングリシニン、グリシニン、ビシリン、レグミン、アルブミン、グロブリン、グルテリン、グルテン、グリアジン、グルテニン、マイコタンパク質からなる群から選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項21】
(i)前記タンパク質が、微生物に由来し、前記微生物が、藻類、真菌、細菌から選択される、及び/又は
(ii)前記タンパク質が、組換え産生タンパク質を含み、任意選択で、前記組換え産生タンパク質が、カゼイン、ホエイタンパク質、ラクトグロブリン、ゼラチン、ヘモグロビン、コラーゲン、アルブミンからなる群から選択される、
請求項1~20のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項22】
乳化剤を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項23】
前記乳化剤が、レシチンを含み、任意選択で、前記レシチンが、ヒマワリレシチン及びダイズレシチンからなる群から選択される、請求項22に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項24】
前記脂質が、植物由来油を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項25】
前記植物由来油が、カノーラ油、ココナッツ油、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項24に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項26】
前記脂質が、短鎖トリグリセリドを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項27】
充填剤を含み、任意選択で、
前記充填剤が、デンプン、マンニトール、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、スクロース、マルチトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、炭酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項28】
繊維を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項29】
20%v/v~90%v/vの含水量を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項30】
前記フィルムが、(i)50μm~3,000μmの厚さを有する、及び/又は(ii)シート若しくはストリップの形態にある、及び/又は(iii)糸の形態にある、請求項1~29のいずれか一項に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載の少なくとも1つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、植物ベース食料製品。
【請求項32】
折り畳まれた又は圧延された構成にある少なくとも1つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、請求項31に記載の植物ベース食料製品。
【請求項33】
らせん状に巻かれた植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、請求項32に記載の植物ベース食料製品。
【請求項34】
ジグザグ配置で折り畳まれた少なくとも1つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、請求項32に記載の植物ベース食料製品。
【請求項35】
本質的に逐次積層されている2つ以上のヒドロゲルフィルムを含む、請求項31に記載の植物ベース食料製品。
【請求項36】
各食用ヒドロゲルフィルムの少なくとも一部が、その隣接するフィルムに接着している、請求項35に記載の植物ベース食料製品。
【請求項37】
複数の同じ又は異なる植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、請求項35又は36に記載の植物ベース食料製品。
【請求項38】
植物ベース肉類似物又は植物ベース乳製品類似物である、請求項31~37のいずれか一項に記載の植物ベース食料製品。
【請求項39】
少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)前記親水コロイド形成ポリマーの量が、前記肉類似物の総乾燥重量のうちの約11.8重量%~約12.1重量%であり、
(b)前記親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(c)前記少なくとも2つの増粘性ポリマーの総量が、前記鶏肉類似物の総乾燥重量のうちの約10重量%~約10.5重量%であり、
(d)前記少なくとも2つの増粘性ポリマーが、HPMC及びMCを含む、
植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項40】
前記2つの増粘性ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、請求項39に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項41】
約5.7重量%の量のマルトデキストリンと、約6.7重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.2重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約16.7重量%の量のカノーラ油と、約13.3重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約8.3重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約3.3重量%の量の塩と、約4重量%の量の柑橘類繊維と、約5.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、食料製品の総乾燥重量のうちのものである、請求項39又は40に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項42】
少なくとも2つのヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)前記親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)前記2つの増粘性ポリマーの総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの約7.1重量%~約7.3重量%であり、
(c)前記増粘性ポリマーが、HPMC及びMCを含む、
植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項43】
前記2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、請求項42に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項44】
約4.2重量%の量のマルトデキストリンと、約5.5重量%の量のヒマワリレシチンと、約23.3重量%の量のカノーラ油と、約11.7重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約20.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.7重量%の量の塩と、約7.3重量%の量の柑橘類繊維と、約8.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、前記食料製品の総乾燥重量のうちのものである、請求項42又は43に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項45】
少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)前記親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)前記少なくとも2つの増粘性ポリマーがHPMC及びMCを含み、それらの総量が、前記鶏肉類似物製品の総乾燥重量のうちの約8.6重量%~約8.8重量%である、植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項46】
前記2つの増粘性ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、請求項45に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項47】
(i)約5.3重量%の量のマルトデキストリン、約6.7重量%の量のヒマワリレシチン、約30.5重量%の量のカノーラ油、約11.5重量%の量の鶏筋細胞、約3.3重量%の量の塩、約4.2重量%の量の柑橘類繊維、約10.7重量%の量のマンニトール、並びに香味剤及び着色剤を含み、各々の量が前記鶏肉類似物の総乾燥重量のうちのものであり、
(ii)約5.3重量%の量のマルトデキストリン、約6.7重量%の量のヒマワリレシチン、約30.5重量%の量のカノーラ油、約18.3重量%の量の魚脂肪細胞、約3.3重量%の量の塩、約4.0重量%の量の柑橘類繊維、約13.7重量%の量のマンニトール、並びに香味剤及び着色剤を含み、各々の量が前記鶏肉類似物の総乾燥重量のうちのものである、
請求項45又は46に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
【請求項48】
少なくとも2つの植物ベースヒドロゲルフィルムを含む植物ベースハム類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)前記親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)前記少なくとも2つの増粘性ポリマーがMC及びHPMCを含み、それらの総量が、前記ハム類似物製品の総乾燥重量のうちの約11.6重量%~約12.0重量%である、
植物ベースハム類似物製品。
【請求項49】
前記2つの増粘性ポリマーが、
(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び
(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMC
を含むか、又は本質的にそれらからなる、請求項48に記載の植物ベースハム類似物製品。
【請求項50】
約5.2重量%の量のマルトデキストリンと、約8.3重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約17.3重量%の量のカノーラ油と、約10.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約10.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.8重量%の量の塩と、約3.3重量%の量の柑橘類繊維と、約5.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、前記植物ベースハム類似物の総乾燥重量のうちのものである、請求項48又は49に記載の植物ベースハム類似物製品。
【請求項51】
少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースベーコン類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)前記親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)前記少なくとも2つの増粘性ポリマーの総量が、前記ベーコン類似物製品の総乾燥重量のうちの約11.2重量%~約11.6重量%であり、
(c)前記少なくとも2つの増粘性ポリマーが、HPMC及びMCを含む、
植物ベースベーコン類似物製品。
【請求項52】
前記2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーが、
(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び
(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMC
を含むか、又は本質的にそれらからなる、請求項51に記載の植物ベースベーコン類似物製品。
【請求項53】
約4.2重量%の量のマルトデキストリンと、約8.0重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約16.7重量%の量のカノーラ油と、約10.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約10.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約2.3重量%の量の塩と、約3.7重量%の量の柑橘類繊維と、約3.2重量%~約4.8重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、前記ベーコン類似物製品の総乾燥重量のうちのものである、請求項51又は52に記載の植物ベースベーコン類似物製品。
【請求項54】
少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースチーズ類似物製品であって、各食用ヒドロゲルフィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)前記親水コロイド形成ポリマーの総量が、チーズ製品の総乾燥重量のうちの約6重量%であり、
(b)前記親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有する少なくとも1つの増粘性ポリマーを含み、
(c)前記少なくとも1つの増粘性ポリマーの総量が、前記チーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約3.0重量%であり、
(d)前記少なくとも1つの増粘性ポリマーが、MCを含む、
植物ベースチーズ類似物製品。
【請求項55】
前記少なくとも1つの増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMCを含むか、又は本質的にそれからなる、請求項54に記載の植物ベースチーズ類似物製品。
【請求項56】
約3.0重量%の量のマルトデキストリンと、約9.0重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約17.9重量%の量のカノーラ油と、約27重量%の量のココナッツ油と、約4.5重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約6.7重量%の量のホエイタンパク質と、約6.7重量%の量のカゼインタンパク質と、約1.5重量%の量の塩と、約7.5重量%の量のマンニトールと、約4.5重量%の量の炭酸カルシウムと、約5.2重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、前記チーズ類似物製品の総乾燥重量のうちのものである、請求項54又は55に記載の植物ベースチーズ類似物製品。
【請求項57】
少なくとも2つのヒドロゲルフィルムを含む植物ベースサーモン肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)前記親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)前記少なくとも2つの増粘性ポリマーがHPMC及びMCを含み、それらの総量が、前記サーモン肉類似物製品の総乾燥重量のうちの約8.7重量%である、
植物ベースサーモン肉類似物製品。
【請求項58】
前記2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーが、
(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び
(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMC
を含むか、又は本質的にそれらからなる、請求項57に記載の植物ベースサーモン肉類似物製品。
【請求項59】
少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースイエローチーズ類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(e)前記親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーを含み、各増粘性親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
(f)前記2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーがキサンタンガム及びグアーガムを含み、それらの総量が、前記イエローチーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約12.2重量%である、
植物ベースイエローチーズ類似物製品。
【請求項60】
約10.4重量%の量のヒマワリレシチンと、約20.9重量%の量のカノーラ油と、約20.9重量%の量のココナッツ油と、約6重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約17.9重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.8重量%の量の塩と、約3.0重量%の量のマンニトールと、約1.2重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、前記イエローチーズ類似物の総乾燥重量のうちのものである、請求項59に記載の植物ベースイエローチーズ類似物製品。
【請求項61】
少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースハードチーズ類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(g)前記少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,500cPの粘度を有する少なくとも1つの増粘性ポリマーを含み、
(h)前記少なくとも1つの増粘性ポリマーが、前記ハードチーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約3.0重量%の量のCMCを含み、
(i)前記均質ブレンドが、約11.9重量%の量のデンプンを含む、
植物ベースハードチーズ類似物製品。
【請求項62】
約7.5重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.4重量%の量のカノーラ油と、約16.4の量のココナッツ油と、約6.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約17.9重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.5重量%の量の塩と、約11.5重量%の量のマンニトールと、約3.0重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、食料製品の総乾燥重量のうちのものである、請求項61に記載の植物ベースハードチーズ類似物製品。
【請求項63】
植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを形成する方法であって、
(a)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、
(b)前記親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
(c)前記1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、前記ブレンドの総乾燥重量のうちの3重量%~20重量%である、工程と、
(d)前記エマルション組成物からフィルムを形成する工程と、
(e)前記フィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、前記植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを得る工程と、
を含む、方法。
【請求項64】
前記フィルムを形成することが、前記エマルション組成物の塊をフィルム形成床上又は金型内に広げることである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記フィルムの厚さを制御することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記フィルムの厚さの制御を、ギャップアプリケータを使用することによって実施する、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記フィルムの少なくとも部分的な乾燥を、制御された熱に前記フィルムを曝露することによって実施する、請求項63~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記フィルムの少なくとも部分的な乾燥を、オーブン内で前記フィルムを加熱すること、乾燥空気に前記フィルムを曝露すること、赤外線(IR)放射に前記フィルムを曝露すること、又はマイクロ波内で加熱することのうちのいずれか1つ又は組み合わせによって実施である、請求項63~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記フィルムを少なくとも部分的に乾燥させることを、前記フィルムの含水量が20%~90%になるまで実施する、請求項63~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記ヒドロゲルフィルムが、請求項1~30のいずれか一項に規定されるとおりである、請求項45~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
植物ベース食料製品を製造する方法であって、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、
(b)前記少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
(c)前記1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、前記食料製品の総乾燥重量のうちの3重量%~20重量%である、工程と、
(iv)前記エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(v)前記第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置く工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、前記先に塗布されたフィルム上に形成すること、を含む、方法。
【請求項72】
複数のフィルムを逐次積層することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記複数のフィルムの少なくとも一部分が、逐次積層される前に形成される、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記フィルムの少なくとも一部分が、前記エマルション組成物をフィルム形成床上又は金型内に広げて、規定された厚さを有するフィルムを形成し、このように形成されたフィルムを少なくとも部分的に乾燥させることによって形成される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
植物ベース食料製品を製造する方法であって、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、
前記少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
前記1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、前記食料製品の総乾燥重量のうちの3重量%~20重量%である、工程と、
(ii)フィルムを折り畳んで折り畳まれたフィルムにする工程と、
(iii)前記折り畳まれたフィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、前記植物ベース食料製品を得る工程と、を含む、方法。
【請求項76】
前記少なくとも部分的に乾燥させることを、オーブン内で加熱すること、乾燥空気に曝露すること、IR放射に曝露すること、又はマイクロ波内で加熱することのうちのいずれか1つ又は組み合わせによって実施する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
各フィルムの厚さを制御することを含む、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
前記厚さが、50μm~3,000μmである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
植物ベース食料製品を製造する方法であって、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、
前記少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
前記1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、前記食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)前記エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(iii)前記第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置いて、多層フィルムを形成する工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、前記先に塗布されたフィルム上に形成される、工程と、
(iv)前記多層フィルムの温度を低下させる工程と、を含む、方法。
【請求項80】
前記温度の低下が、最大で10℃の温度低下である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記多層フィルムを乾燥させることを含む、請求項79又は80に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食料産業に関し、具体的には、動物不使用の代替食料産業に関する。
【背景技術】
【0002】
現在開示されている主題の背景として関連すると考えられる参考文献を、以下に列挙する。
-米国特許第4,133,901号
-米国特許第5,106,644号
-米国特許出願第2016/0278403号
【0003】
本明細書における上記の参考文献の認識は、これらが現在開示されている主題の特許性にいかなる形でも関連していることを意味するものとして推論されるべきではない。
【0004】
米国特許第4,133,901号は、フィルム形状のタンパク質スラリーを調製するプロセスを記載しており、フィルムは異なる製品に使用される。このプロセスは、規定された範囲のタンパク質、脂肪、及び塩の混合物を提供することと、混合物に水を添加して、スラリーを形成することと、スラリーを加熱して、ゲルを形成することと、ゲル化スラリーからフィルムを形成することと、ゲル化スラリーから製品を形成することと、を含む。
【0005】
米国特許第5,106,644号は、脂肪代用品及びその使用を記載しており、この脂肪代用品は、最大99.5%の脂質と、溶媒及び約500~1,000,000の分子量を有する多糖類からなる高分子液晶と、を含む。
【0006】
米国特許出願公開第2016/0278403号は、押出機を利用して乾燥肉代用品を製造するための方法であって、植物タンパク質濃縮物と乳化剤とのエマルションを調製することと、有形混合物を押出機内に供給することと、エマルションを押出機内の有形混合物内に導入して、複合材料を形成することと、複合材料を、押出機の端部にある1つ以上の穴を通して周囲環境内に押し出すことと、を含む、方法を記載する。植物タンパク質、小麦粉、植物マイクロファイバー、乳化剤、酵素、及び植物脂肪を含む物質の食用組成物も記載される。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、その態様の第1のものによると、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む、植物ベース-食用ヒドロゲルフィルムであって、
当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
当該1つ以上の増粘性ポリマー総量が、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを提供する。
【0008】
本開示は、その態様の第2のものによると、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを形成する方法であって、
-少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、
-当該親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該1つ以上の増粘性ポリマー総量が、ブレンドの総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
-当該エマルション組成物からフィルムを形成する工程と、
-フィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、当該植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを得る工程と、を含む、方法を提供する。
【0009】
第3の態様によると、本開示は、植物ベース食料製品を製造する方法を提供し、方法は、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、
-当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該1つ以上の増粘性ポリマー総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(iii)当該第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置く工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、当該先に塗布されたフィルム上に形成される、工程と、を含む。
【0010】
本開示の第4の態様によると、本開示は、植物ベース食料製品を製造する方法を提供し、方法は、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、
-当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該1つ以上の増粘性ポリマー総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)当該フィルムを折り畳んで折り畳まれたフィルムにする工程と、
(iii)当該折り畳まれたフィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、当該植物ベース食料製品を得る工程と、を含む。
【0011】
第5の態様によると、本開示は、植物ベース食料製品を製造する方法を提供し、方法は、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、
-当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該1つ以上の増粘性ポリマー総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(iii)当該第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置いて、多層フィルムを形成する工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、当該先に塗布されたフィルム上に形成される、工程と、
(iv)当該多層フィルムを冷却する工程と、を含む。
【0012】
実施形態
ここで、本開示のいくつかの実施形態が、以下の番号付けされた段落において説明される。以下の説明は、上記の一般的な説明を加えることを意図しており、いかなる方法においてもそれを限定することを意図していない。
1. 少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムであって、
当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
当該1つ以上の増粘性ポリマー総量が、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
2. 当該ヒドロゲル形成ポリマーが、多糖類を含む、実施形態1に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
3. 2つ以上のヒドロゲル形成ポリマーを含む、実施形態1又は2に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
4. 増粘性ポリマーが、多糖類を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
5. 当該増粘性ポリマーが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態4に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
6. 増粘性ポリマーが、セルロースを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
7. セルロースが、メチルセルロース(methylcellulose、MC)を含む、実施形態6に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
8. MCが、約2重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約4,000cPの粘度を有する、実施形態7に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
9. セルロースが、2重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約10,000cP、又は約15,000cP、又は約10,000cP~約15,000cPの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose、HPMC)を含む、実施形態6に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
10. セルロースが、1重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約1,500cP、又は約1,500cP~約3,000cPの粘度を有するカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)を含む、実施形態6に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
11. 増粘性ポリマーが、天然由来多糖類を含む、実施形態4に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
12. 当該天然由来多糖類が、1重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で1,000cP~約2,000cPの粘度を有するキサンタンガムである、実施形態11に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
13. 当該天然由来多糖類が、1重量%の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも約3,000cP又は約3,000cP~約5,000cPの粘度を有するグアーガムである、実施形態11に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
14. 増粘性ポリマー以外の少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーを含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
15. 少なくとも1つの他の親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で1,000cP未満の粘度を有する多糖類である、実施形態14に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
16. 少なくとも1つの他の親水コロイド形成ポリマーが、マルトデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropylcellulose、HPC)からなる群から選択される、実施形態15に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
17. 2つの増粘性ポリマーの組み合わせを含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
18. MCとHPMCとの組み合わせを含む、実施形態17に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
19. 少なくとも0.1重量%の量のMCを含む、実施形態18に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
20. 少なくとも0.1重量%の量のHPMCを含む、実施形態18又は19に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
21. マルトデキストリンを含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
22. 少なくとも0.1重量%の量のマルトデキストリンを含む、実施形態21に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
23. マルトデキストリン、MC、及びHPMCの組み合わせ、並びに任意選択でHPCを含む、実施形態21又は22に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
24. 当該増粘性ポリマーが、キサンタンガムとグアーガムとの組み合わせを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
25. 当該増粘性ポリマーが、CMCを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
26. 少なくとも1つの植物ベースタンパク質を含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
27. 当該植物ベースタンパク質が、ダイズ、コムギ、マメ科植物、ダイズ、コムギ、エンドウマメ、カノーラ、ヒヨコマメ、ソラマメ、レンズマメ、ルピナス、リョクトウ、シロインゲンマメ、ピーナッツ、ヒマワリ、アーモンド、トウモロコシ、カラスムギ、ジャガイモ、キノア、米、モロコシ、セイタン(seitan)、チア種の種子、アサ、枝豆種の豆、クロインゲンマメ、インゲンマメ、カシュー種のナッツ、ピスタチオ、クルミ、ヘーゼルナッツ、アマ、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態26に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
28. 当該植物ベースタンパク質マメ科植物タンパク質及び/又は豆類タンパク質、実施形態26に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
29. 当該マメ科植物タンパク質又は豆類タンパク質が、ダイズタンパク質、エンドウマメタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、ルピナスタンパク質、リョクトウタンパク質、インゲンマメタンパク質、クロインゲンマメタンパク質、アルファルファタンパク質、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態28に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
30. 当該植物ベースタンパク質が、少なくともヒヨコマメタンパク質を含む、実施形態26に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
31. 当該植物ベースタンパク質が、少なくともエンドウマメタンパク質及びヒヨコマメタンパク質の組み合わせを含む、実施形態28又は29に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
32. 動物細胞又は動物細胞成分を含む、実施形態1~31のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
33. 当該動物細胞又は動物細胞成分が、脂肪細胞、筋細胞、骨細胞、結合細胞、上皮細胞、線維芽細胞、幹細胞、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、実施形態32に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
34. 当該タンパク質が、ベータ-ゴングリシニン(gonglycinin)、グリシニン、ビシリン、レグミン、アルブミン、グロブリン、グルテリン、グルテン、グリアジン、グルテニン、マイコタンパク質(mycoprotein)からなる群から選択される、実施形態1~33のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
35. 当該タンパク質が、微生物に由来し、当該微生物が、藻類、真菌、細菌から選択される、実施形態1~35のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
36. 当該タンパク質が、組換え産生タンパク質を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
37. 当該組換え産生タンパク質が、カゼイン、ホエイタンパク質、ラクトグロブリン、ゼラチン、ヘモグロビン、コラーゲン、アルブミンからなる群から選択される、実施形態36に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
38. 乳化剤を含む、実施形態1~37のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
39. 当該乳化剤が、レシチンを含む、実施形態38に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
40. 当該レシチンが、ヒマワリレシチン及びダイズレシチンからなる群から選択される、実施形態39に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
41. 当該脂質が、植物由来油を含む、実施形態1~40のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
42. 当該植物由来油が、カノーラ油、ココナッツ油、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態41に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
43. 当該脂質が、短鎖トリグリセリドを含む、実施形態1~42のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
44. 充填剤を含む、実施形態1~43のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
45. 当該充填剤が、デンプン、マンニトール、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、スクロース、マルチトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、炭酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態44に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
46. 繊維を含む、実施形態1~45のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
47. 当該繊維が、柑橘類繊維を含む、実施形態46に記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
48. 20%v/v~90%v/vの含水量を有する、実施形態1~47のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
49. 当該フィルムが、50μm~3,000μmの厚さを有する、実施形態1~48のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
50. 当該フィルムが、シート又はストリップの形態にある、実施形態1~48のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
51. 当該フィルムが、糸の形態にある、実施形態1~48のいずれか1つに記載の植物ベース食用ヒドロゲルフィルム。
52. 実施形態1~51のいずれか1つに記載の少なくとも1つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース食料製品。
53. 折り畳まれた又は圧延された構成にある少なくとも1つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、実施形態52に記載の植物ベース食料製品。
54. らせん状に巻かれた植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、実施形態53に記載の植物ベース食料製品。
55. ジグザグ配置で折り畳まれた少なくとも1つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、実施形態53に記載の植物ベース食料製品。
56. 本質的に逐次積層されている2つ以上のヒドロゲルフィルムを含む、実施形態52に記載の植物ベース食料製品。
57. 各食用ヒドロゲルフィルムの少なくとも一部が、その隣接するフィルムに接着している、実施形態56に記載の植物ベース食料製品。
58. 複数の同じ又は異なる植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む、実施形態56又は57に記載の植物ベース食料製品。
59. 植物ベース肉類似物又は植物ベース乳製品類似物である、実施形態52~58のいずれか1つに記載の植物ベース食料製品。
60. 少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーの量が、肉類似物の総乾燥重量のうちの約11.8重量%~約12.1重量%であり、
(b)当該親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(c)当該少なくとも2つの増粘性ポリマーの総量が、肉類似物の総乾燥重量のうちの約10重量%~約10.5重量%であり、
(d)当該少なくとも2つの増粘性ポリマーが、HPMC及びMCを含む、植物ベース鶏肉類似物製品。
61. 2つの増粘性ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、実施形態60に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
62. 約5.7重量%の量のマルトデキストリンと、約6.7重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.2重量%の量の中鎖トリグリセリド(medium chain triglyceride、MCT)と、約16.7重量%の量のカノーラ油と、約13.3重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約8.3重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約3.3重量%の量の塩と、約4重量%の量の柑橘類繊維と、約5.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、食料製品の総乾燥重量のうちのものである、実施形態60又は61に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
63. 少なくとも2つのヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)当該2つの増粘性ポリマー総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの約7.1重量%~約7.3重量%であり、
(c)当該増粘性ポリマーが、HPMC及びMCを含む、植物ベース鶏肉類似物製品。
64. 当該2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、実施形態63に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
65. 約4.2重量%の量のマルトデキストリンと、約5.5重量%の量のヒマワリレシチンと、約23.3重量%の量のカノーラ油と、約11.7重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約20.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.7重量%の量の塩と、約7.3重量%の量の柑橘類繊維と、約8.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、食料製品の総乾燥重量のうちのものである、実施形態63又は64に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
66. 少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)当該少なくとも2つの増粘性ポリマーが、HPMC及びMCを含み、その総量が、鶏肉類似物製品の総乾燥重量のうちの約8.6重量%~約8.8重量%のである、植物ベース鶏肉類似物製品。
67. 当該2つの増粘性ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、実施形態66に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
68. 約5.3重量%の量のマルトデキストリンと、約6.7重量%の量のヒマワリレシチンと、約30.5重量%の量のカノーラ油と、約11.5重量%の量の鶏筋細胞と、約3.3重量%の量の塩と、約4.2重量%の量の柑橘類繊維と、約10.7重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、鶏肉類似物の総乾燥重量のうちのものである、実施形態66又は67に記載の植物ベース鶏肉類似物製品。
69. 約5.3重量%の量のマルトデキストリンと、約6.7重量%の量のヒマワリレシチンと、約30.5重量%の量のカノーラ油と、約18.3重量%の量の魚脂肪細胞と、約3.3重量%の量の塩と、約4.0重量%の量の柑橘類繊維と、約13.7重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、鶏肉類似物の総乾燥重量のうちのものである、実施形態66又は67に記載の鶏肉類似物製品。
70. 少なくとも2つの植物ベースヒドロゲルフィルムを含む植物ベースハム類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)当該少なくとも2つの増粘性ポリマーがMCC及びHPMCを含み、それらの総量が、ハム類似物製品の総乾燥重量のうちの約11.6重量%~約12.0重量%である、植物ベースハム類似物製品。
71. 当該2つの増粘性ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、実施形態70に記載の植物ベースハム類似物製品。
72. 約5.2重量%の量のマルトデキストリンと、約8.3重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約17.3重量%の量のカノーラ油と、約10.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約10.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.8重量%の量の塩と、約3.3重量%の量の柑橘類繊維と、約5.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、植物ベースハム類似物の総乾燥重量のうちのものである、実施形態70又は71に記載の植物ベースハム類似物製品。
73. 少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースベーコン類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)当該少なくとも2つの増粘性ポリマーの総量が、ベーコン類似物製品の総乾燥重量のうちの約11.2重量%~約11.6重量%であり、
(c)当該少なくとも2つの増粘性ポリマーが、HPMC及びMCを含む、植物ベースベーコン類似物製品。
74. 当該2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、実施形態73に記載の植物ベースベーコン類似物製品。
75. 約4.2重量%の量のマルトデキストリンと、約8.0重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約16.7重量%の量のカノーラ油と、約10.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約10.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約2.3重量%の量の塩と、約3.7重量%の量の柑橘類繊維と、約3.2重量%~約4.8重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、ベーコン類似物製品の総乾燥重量のうちのものである、実施形態73又は74に記載の植物ベースベーコン類似物製品。
76. 少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースチーズ類似物製品であって、各食用ヒドロゲルフィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有する少なくとも1つの増粘性ポリマーを含み、
(b)当該少なくとも1つの増粘性ポリマーの総量が、チーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約3.0重量%であり、
(c)当該少なくとも1つの増粘性ポリマーが、MCを含む、植物ベースチーズ類似物製品。
77. 当該少なくとも1つの増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMCを含むか、又は本質的にそれからなる、実施形態76に記載の植物ベースチーズ類似物製品。
78. 約3.0重量%の量のマルトデキストリンと、約9.0重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約17.9重量%の量のカノーラ油と、約27重量%の量のココナッツ油と、約4.5重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約6.7重量%の量のホエイタンパク質と、約6.7重量%の量のカゼインタンパク質と、約1.5重量%の量の塩と、約7.5重量%の量のマンニトールと、約4.5重量%の量の炭酸カルシウムと、約5.2重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、チーズ類似物製品の総乾燥重量のうちのものである、実施形態76又は77に記載の植物ベースチーズ類似物製品。
79. 少なくとも2つのヒドロゲルフィルムを含む植物ベースサーモン肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、
(b)当該少なくとも2つの増粘性ポリマーがHPMC及びMCを含み、それらの総量が、サーモン肉類似物製品の総乾燥重量のうちの約8.7重量%である、植物ベースサーモン肉類似物製品。
80. 当該2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーが、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる、実施形態79に記載の植物ベースサーモン肉類似物製品。
81. 少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースイエローチーズ類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性形成ポリマーを含み、各増粘性形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
(b)当該2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーがキサンタンガム及びグアーガムを含み、それらの総量が、イエローチーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約12.2重量%である、植物ベースイエローチーズ類似物製品。
82. 約10.4重量%の量のヒマワリレシチンと、約20.9重量%の量のカノーラ油と、約20.9重量%の量のココナッツ油と、約6重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約17.9重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.8重量%の量の塩と、約3.0重量%の量のマンニトールと、約1.2重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、イエローチーズ類似物の総乾燥重量のうちのものである、実施形態81に記載の植物ベースイエローチーズ類似物製品。
83. 少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースハードチーズ類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、
(a)当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,500cPの粘度を有する少なくとも1つの増粘性ポリマーを含み、
(b)当該少なくとも1つの増粘性ポリマーが、ハードチーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約3.0重量%の量のCMCを含み、
(c)当該均質ブレンドが、約11.9重量%の量のデンプンを含む、植物ベースハードチーズ類似物製品。
84. 約7.5重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.4重量%の量のカノーラ油と、約16.4の量のココナッツ油と、約6.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約17.9重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.5重量%の量の塩と、約11.5重量%の量のマンニトールと、約3.0重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量が、食料製品の総乾燥重量のうちのものである、実施形態83に記載の植物ベースハードチーズ類似物製品。
85. 植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを形成する方法であって、
(a)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、
(b)当該親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
(c)当該1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、ブレンドの総乾燥重量のうちの3重量%~20重量%である、工程と、
(d)当該エマルション組成物からフィルムを形成する工程と、
(e)フィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、当該植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを得る工程と、を含む、方法。
86. 当該フィルムの形成を、エマルション組成物の塊をフィルム形成床上又は金型内に広げることによって実施する、実施形態84に記載の方法。
87. フィルムの厚さを制御することを含む、実施形態86に記載の方法。
88. 当該フィルムの厚さの制御を、ギャップアプリケータを使用することによって実施する、実施形態87に記載の方法。
89. 当該フィルムの少なくとも部分的な乾燥を、制御された熱にフィルムを曝露することによって実施する、実施形態84~88のいずれか1つに記載の方法。
90. 当該フィルムの少なくとも部分的な乾燥を、オーブン内でフィルムを加熱すること、乾燥空気にフィルムを曝露すること、赤外線(infrared、IR)放射にフィルムを曝露すること、又はマイクロ波内で加熱することのうちのいずれか1つ又は組み合わせによって実施する、実施形態84~88のいずれか1つに記載の方法。
91. 当該フィルムの少なくとも部分的な乾燥を、フィルム内の含水量が20%~90%になるまで実施する、実施形態85~90のいずれか1つに記載の方法。
92. 当該ヒドロゲルフィルムが、実施形態1~51のいずれか1つに規定されるとおりである、実施形態85~91のいずれか1つに記載の方法。
93. 植物ベース食料製品を製造する方法であって、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、
(b)当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
(c)当該1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの3重量%~20重量%である、工程と、
(ii)エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(iii)当該第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置く工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、当該先に塗布されたフィルム上に形成される、工程と、を含む、方法。
94. 複数のフィルムを逐次積層することを含む、実施形態93に記載の方法。
95. 複数のフィルムの少なくとも一部分が、逐次積層される前に形成される、実施形態94に記載の方法。
96. フィルムの少なくとも一部分が、エマルション組成物をフィルム形成床上又は金型内に広げて、規定された厚さを有するフィルムを形成し、このように形成されたフィルムを少なくとも部分的に乾燥させることによって形成される、実施形態95に記載の方法。
97. 植物ベース食料製品を製造する方法であって、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、
-当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの3重量%~20重量%である、工程と、
(ii)当該フィルムを折り畳んで折り畳まれたフィルムにする工程と、
(iii)当該折り畳まれたフィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、当該植物ベース食料製品を得る工程と、を含む、方法。
98. 少なくとも部分的な乾燥を、オーブン内で加熱すること、乾燥空気に曝露すること、IR放射に曝露すること、又はマイクロ波内で加熱することのうちのいずれか1つ又は組み合わせによって実施する、実施形態93~97のいずれか1つに記載の方法。
99. 各フィルムの厚さを制御することを含む、実施形態93~98のいずれか1つに記載の方法。
100. 当該厚さが、50μm~3,000μmである、実施形態99に記載の方法。
101. 植物ベース食料製品を製造する方法であって、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、
-当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(iii)当該第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置いて、多層フィルムを形成する工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、当該先に塗布されたフィルム上に形成される、工程と、
(iv)当該多層フィルムの温度を低下させる工程と、を含む、方法。
102. 当該温度の低下が、最大で10℃の温度低下である、実施形態101に記載の方法。
103. 当該多層フィルムを乾燥させることを含む、実施形態101又は102に記載の方法。
【0013】
本明細書に開示されている主題をより良く理解し、実際にそれがどのように実行され得るかを例示するために、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ、実施形態をここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の非限定的実施例1による、単一のヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏型コールドカットの写真画像である。
【
図2】本開示の非限定的実施例2による、ヒドロゲルの2つの層(図中で「20」及び「22」とマークされている)を含む植物ベース鶏型コールドカットの写真画像である。
【
図3】本開示の非限定的実施例3による、単一のヒドロゲルフィルムを含む植物ベースハム型コールドカットの写真画像である。
【
図4】本開示の非限定的実施例4による、単一のヒドロゲルフィルムを含む植物ベースベーコン型コールドカットの写真画像であり、2つの異なる色の存在を示す。
【
図5】本開示の非限定的実施例5による、単一の圧延ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏型コールドカットの写真画像である。
【
図6】本開示の非限定的実施例6による、8層のヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏型胸肉の写真画像である。
【
図7】本開示の非限定的実施例7による、9層のフィルムを含む植物ベースのパン粉をまぶした鶏型胸肉(シュニッツェル)の写真画像である。
【
図8】本開示の非限定的実施例8による、植物ベースタンパク質並びにウシタンパク質(ホエイタンパク質及びカゼイン)を含む3層のヒドロゲルフィルムを含む植物ベースハイブリッドハードチーズの写真画像である。
【
図9】本開示の非限定的実施例9による、鶏筋細胞を有するハイブリッド鶏型コールドカットを含む単一の圧延フィルムの概略図である。
【
図10】本開示の非限定的実施例10による、魚脂肪細胞を有するハイブリッドサーモン型魚を含む単一の圧延フィルムの概略図である。
【
図11】本開示の非限定的実施例11による、3層のヒドロゲルフィルムを含む植物ベースイエローチーズの写真画像である。
【
図12】本開示の非限定的実施例12による、3層のヒドロゲルフィルムを含む植物ベースフェタチーズの写真画像である。
【
図13】一組のノズルを通してエマルションをプレスする例示的な方法によって調製された植物ベースの細長い糸の写真画像である。
【
図14】糸/原線維構造を示す植物ベースのパン粉をまぶした鶏テンダーの写真画像である。
【
図15】糸/原線維構造を示す、過乾燥後の植物ベース鶏型胸肉の写真画像である。
【
図16】いくつかの実施形態による、糸の調製のための金型の概略図である。
【
図17】単一の過剰厚層を含む植物ベース鶏型胸肉の写真画像である。
【
図18】フィルム内の連続性の欠如をもたらした、2%未満の量、したがって本開示の範囲外の増粘性ポリマーを含む、植物ベースフィルムの写真画像である。
【
図20】細長い糸を示す植物ベースサーモンの写真画像である。
【
図21】原線維構造を示す、得られたサーモンの切り身類似物製品の写真画像である。
【
図22】例示的なヒドロゲルフィルムの写真画像である。明確にするために、フィルムの高さ(厚さ)を矢印で示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、動物ベースの食料の代替物又は類似物として商業的利益を有し得る植物ベース食料製品に部分的に好適なものにする意図的に設計された特性を有する植物ベースヒドロゲルフィルムを提供する。
【0016】
植物ベースヒドロゲルフィルム、したがってそれを含む食料製品は、規定された粘度範囲を有する選択された種類のヒドロゲル形成ポリマーを定義された重量範囲でフィルム内に組み込む場合に、咀嚼性などのいくつかのレオロジー特性を達成することができるという認識に基づく。
【0017】
したがって、その態様の第1の文脈において、本開示は、植物ベース食用ヒドロゲル、具体的には、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、少なくとも1つのタンパク質、少なくとも1つの脂質、及び水の均質ブレンドを含む植物ベース食用ヒドロゲルフィルムであって、
少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを提供する。
【0018】
本開示の文脈において、「植物ベース」フィルム又は「植物ベース」製品に言及する場合、それは、排他的ではないが、植物由来成分を含むフィルム又は製品を指すと理解されるべきである。植物ベース成分は、タンパク質、脂質、ポリマー、低分子量化合物、及びこれらの任意の組み合わせであり得、植物全体から、又はその一部分から、例えば、果実、葉、種子、球根などに由来し得る。
【0019】
いくつかの例では、植物ベースフィルム又は製品に言及する場合、それは、本質的に動物不使用であるフィルム又は製品を包含すると理解されるべきであり、これは、それが、離れていく動物に直接由来する成分を含有しないことを意味するか、又は言い換えれば、成分は、動物の直接の利用を介して得られない、例えば、それは、乳製品不使用であり、肉不使用である。この文脈において、植物ベースフィルム又は製品は、以下に更に記載されるように、培養された動物細胞、組換え細胞、及び/又は動物細胞培養(天然又は組換え)由来の成分を含み得る。
【0020】
いくつかの他の例では、フィルムは、動物成分、例えば、組換え産生されるものを含むことができる。例えば、限定するものではないが、フィルムは、1つ以上の組換え産生乳タンパク質を含むことができる。
【0021】
ヒドロゲルフィルム又はヒドロゲルフィルムを含有する製品は、食用であり、すなわち、ヒトによる消費に好適である。
【0022】
更に、本開示の文脈において、「ヒドロゲルフィルム」に言及する場合、高さ(厚さ)、長さ、及び幅を有する三次元ヒドロゲル製品を包含すると理解されるべきであり、フィルムの高さであるその寸法のうちの1つは、以下で更に議論されるように、最大約8mm、場合によっては、最大約7mm、場合によっては、最大約6mm、場合によっては、最大約4mm、場合によっては、最大約2mm、場合によっては、最大約1mmである。
【0023】
ヒドロゲルは、物理的ヒドロゲル、すなわち、温度、イオン濃度、pHなどの環境条件、又は2つの成分の混合などの他の条件の変化に応答して液体からゲルへの転移を受けることができるヒドロゲルである。これは、共有結合を伴う化学ゲルとは対照的である。
【0024】
いくつかの例では、ヒドロゲルは、適切な条件下で、3分超後に崩壊するものである。いくつかの例では、崩壊時間は、1cm2の面積を有する試料で評価され、試料体積は、個々の製品の厚さに依存し、予熱された水(37℃、100ml)に入れられ、磁気撹拌器を使用して撹拌される。
【0025】
本明細書に開示される食用ヒドロゲルフィルムは、1つ以上の親水コロイド形成ポリマー、1つ以上のタンパク質、1つ以上の脂質(脂肪及び/又は油)、並びに水の均質ブレンドから作製される。
【0026】
本明細書で使用される「親水コロイド形成ポリマー」という用語は、水と混合されたときにゲルを形成する、天然、合成、及び/又は半合成であってもよい任意のポリマー又はポリマーの組み合わせを示す。ポリマーは、適切な条件下で親水コロイドマトリックスを形成することができるものである。
【0027】
親水コロイドは、多くの場合、親水性ポリマーと呼ばれ、概して、多くのヒドロキシル基(例えば、多糖類)を含有しており、高分子電解質、例えば、アルギナート、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、キトサン、ペクチン、及びキサンタンガムであってもよい。
【0028】
いくつかの例では、親水コロイド形成ポリマーは、少なくとも1つの多糖類(ポリ炭水化物とも呼ばれる)を含む。
【0029】
いくつかの例では、多糖類は、少なくとも1つの高分子電解質である。
【0030】
いくつかの実施形態では、多糖類は、直鎖状多糖類、分岐状多糖類、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、多糖類は、直鎖状多糖類である。いくつかの実施形態では、多糖類は、分岐状多糖類である。
【0031】
いくつかの実施形態では、多糖類は、アニオン性多糖類である。
【0032】
いくつかの実施形態では、多糖類は、ホモ多糖類、ヘテロ多糖類、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、多糖類は、ホモ多糖類である。いくつかの実施形態では、多糖類は、ヘテロ多糖類である。
【0033】
いくつかの実施形態では、多糖類は、少なくとも1つの貯蔵多糖類又は少なくとも1つの構造多糖類のうちのいずれか1つである。
【0034】
多糖類は、本開示によると、任意の供給源からの多糖類であってよく、少なくとも1つの天然多糖類、少なくとも1つの修飾多糖類、少なくとも1つの加水分解多糖類、又はそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つを含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、多糖類は、少なくとも1つのセルロース及び/又は少なくとも1つのデンプン及び/又は少なくとも1つのキチン、及び/又は少なくとも1つのアラビノキシラン及び/又は少なくとも1つのペクチンのうちのいずれか1つである。
【0036】
いくつかの実施形態では、多糖類は、少なくとも1つのセルロース及びその誘導体である。いくつかの他の実施形態では、多糖類は、少なくとも1つのデンプンである。いくつかの実施形態では、多糖類は、少なくとも1つのキチンである。いくつかの実施形態では、多糖類は、少なくとも1つのアラビノキシランである。いくつかの実施形態では、多糖類は、少なくとも1つのペクチンである。
【0037】
いくつかの実施形態では、多糖類は、アルギナート、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、キトサン、ペクチン、グアーガム、寒天、ジェランガム、カラヤガム、トラガカントガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、デンプン、又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである。
【0038】
いくつかの例では、多糖類は、少なくとも1つの繊維を含む。
【0039】
いくつかの例では、多糖類は、少なくとも1つのセルロース、キチン、リグニン、キサンタンガム、デンプン、アラビノキシラン、フルクタン、イヌリン、ペクチン、アルギナート、寒天、カラギーナン、ポリデキストロースを含む。
【0040】
繊維は、とりわけ、果実、野菜、穀類、マメ科植物、又は藻類を含む任意の供給源由来であってもよい。
【0041】
いくつかの例では、親水コロイド形成ポリマーは、適切な条件下でヒドロゲルフィルムを形成する2つ以上のポリマーを含む。
【0042】
少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーの量は、一方ではフィルムの無傷の連続構造の形成を可能にし、他方では感覚刺激性テクスチャ及び味を可能にするように選択されることが示唆された。
【0043】
本開示の文脈において無傷の連続フィルム構造は、視覚的に決定されるように、本質的に亀裂のないフィルムを特徴とする。
【0044】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーの量は、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの少なくとも約1%、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量の、場合によっては、少なくとも約2%、場合によっては、少なくとも約3%、場合によっては、少なくとも約3.5%、場合によっては、少なくとも約4%、場合によっては、少なくとも約4.5%、場合によっては、少なくとも約5%、場合によっては、少なくとも約5.5%、場合によっては、少なくとも約6%、場合によっては、少なくとも約6.5%、場合によっては、少なくとも約7%、場合によっては、少なくとも約7.5%、場合によっては、少なくとも約8%、場合によっては、少なくとも約8.5%、場合によっては、少なくとも約9%、場合によっては、少なくとも約9.5%、場合によっては、少なくとも約10%、場合によっては、少なくとも約11%、場合によっては、少なくとも約12%、場合によっては、少なくとも約13%、場合によっては、少なくとも約14%、場合によっては、少なくとも約15%、場合によっては、少なくとも約16%である。
【0045】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーの量は、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの約3%~約20%、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの、場合によっては、約3%~約15%、場合によっては、約3%~約20%、約3%~約15%である。
【0046】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーの量は、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの約3%~約25%、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの、場合によっては、約4%~約25%、場合によっては、約5%~約25%、約6%~約25%、約7%~約25%、約8%~約25%、約9%~約25%である。
【0047】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーの量は、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの約9.5%~約25%、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの、場合によっては、約10%~約25%、場合によっては、約11%~約25%、約12%~約25%、約15%~約25%である。
【0048】
いくつかの例では、親水コロイド形成ポリマーは、得られるポリマーの粘度を増加させるように選択される。そのようなポリマーは、本明細書では「増粘性ポリマー」という用語で称される。
【0049】
本開示の文脈において、「増粘性ポリマー」という用語を使用する場合、25℃で、少なくとも1%(w/v)、場合によっては、少なくとも2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、得られる親水コロイドが約1,000cP、場合によっては、少なくとも2,000cPの粘度を有するポリマーを包含すると理解される。
【0050】
いくつかの例では、1つ以上の増粘性ポリマーは、約1%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有する。
【0051】
いくつかの例では、1つ以上の増粘性ポリマーは、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有する。
【0052】
いくつかの例では、1つ以上の増粘性ポリマーは、約1%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも2000cPの粘度を有する。
【0053】
いくつかの例では、1つ以上の増粘性ポリマーは、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つ以上の増粘性ポリマーの総量は、ヒドロゲルフィルムの総乾燥重量のうちの約1.5重量%~約20重量%、場合によっては、約2重量%~約20重量%、場合によっては、約2重量%~約17重量%、場合によっては、約2重量%~約16w%である。
【0055】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、多糖類を含む。
【0056】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、セルロースを含む。
【0057】
本開示の文脈において、「セルロース」という用語は、天然セルロース並びにセルロース誘導体を示すために使用される。いくつかの例では、増粘性ポリマーは、1つ以上のセルロース誘導体を含む。
【0058】
セルロース誘導体は、典型的には、セルロースエーテル誘導体又はセルロースエステル誘導体であり、後者は、典型的には、水不溶性である。したがって、本開示の文脈において、セルロース誘導体に言及する場合、セルロースエーテル誘導体を包含するものと理解されるべきである。これらには、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(Ethyl cellulose、EC)、ヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethyl cellulose、HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(Hydroxypropyl cellulose、HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose、CMC)、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxymethyl cellulose、NaCMC)が含まれるが、これらに限定されない。増粘性ポリマーとして使用される場合、これらは、本明細書に記載される条件下で少なくとも1,000cPの粘度を提供するように選択される。
【0059】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、2w/v%の濃度で水に溶解した後に、25℃で約4,000cPの粘度を有するメチルセルロース(MC)を少なくとも含む。
【0060】
いくつかの例では、増粘性ポリマーが、本明細書で規定された粘度を有するMCを含む場合、その量は少なくとも2重量%、場合によっては、2重量%~11重量%の量で存在する。いくつかの例では、存在する場合、MCは、3重量%~11重量%、場合によっては、4重量%~11重量%、場合によっては、5重量%~11重量%、場合によっては、2重量%~5重量%、場合によっては、2重量%~6重量%、場合によっては、3重量%~7重量%、場合によっては、4重量%~8重量%、場合によっては、5重量%~9重量%、場合によっては、2重量%~5重量%、場合によっては、2重量%~7重量%、場合によっては、2重量%~9重量%、場合によっては、2重量%~10重量%である。
【0061】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、25℃で、少なくとも約4,000cP、又は場合によっては、少なくとも約5000cP、又は場合によっては、少なくとも約6000cP、又は場合によっては、少なくとも約7000cP、又は場合によっては、少なくとも約8000cP、又は場合によっては、少なくとも約9000cP、あるいは、2w/v%の濃度で水に溶解した後、又は場合によっては、少なくとも約10,000cP、又は場合によっては、少なくとも約11,000cP、又は場合によっては、少なくとも約12,000cP、又は場合によっては、少なくとも約13,000cP、又は場合によっては、少なくとも約14,000cP、又は場合によっては、約10,000cP~約15,000cP若しくは約15,000cPの粘度を有する、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を少なくとも含む。
【0062】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、2w/v%の濃度で水に溶解した後に、25℃で、少なくとも約12,000cP、又は場合によっては、少なくとも約13,000cP、又は場合によっては、少なくとも約14,000cP、又は場合によっては、約10,000cP~約15,000cP若しくは約15,000cPの粘度を有する、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を少なくとも含む。
【0063】
いくつかの例では、増粘性ポリマーが本明細書で規定された粘度を有するHPMCを含む場合、それは少なくとも0.5重量%、場合によっては、0.5重量%~2重量%の量で存在する。いくつかの例では、HPMC(本明細書で規定された粘度を有する)の量は、0.5重量%~1.5%、場合によっては、0.5重量%~1重量%、場合によっては、1.0重量%~2重量%、場合によっては、1重量%~1.5重量%である。
【0064】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、1w/v%の濃度で水に溶解した後に、25℃で約1,000cP~約2000cPの粘度を有するキサンタンガムを少なくとも含む。
【0065】
いくつかの例では、増粘性ポリマーが、本明細書で規定された粘度を有するキサンタンガムを含む場合、その量は少なくとも2重量%、場合によっては、2重量%~5重量%の量で存在する。いくつかの例では、キサンタンガムは、存在する場合、約2重量%~4重量%、場合によっては、2.5重量%~5重量%である。
【0066】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、1w/v%の濃度で水に溶解した後に、25℃で約3,000cP~5000cPの粘度を有するグアーガムを少なくとも含む。
【0067】
いくつかの例では、増粘性ポリマーが本明細書で規定された粘度を有するグアーガムを含む場合、その量は約2%(w/v)、場合によっては、11重量%~12重量%の量で存在する。いくつかの例では、グアーガムは、存在する場合、約11.2重量%~12重量%、場合によっては、約11.4重量%~12重量%である。
【0068】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、1w/v%の濃度で水に溶解した後に、25℃で少なくとも約1,500cP、又は約1,500cP~約3,000cPの粘度を有するカルボキシメチルセルロース(CMC)を少なくとも含む。
【0069】
いくつかの例では、増粘性ポリマーが本明細書で規定された粘度を有するCMCを含む場合、その量は少なくとも2重量%、場合によっては、2重量%~5重量%の量で存在する。いくつかの例では、規定された粘度を有するCMCは、2重量%~4.5重量%、場合によっては、2.5重量%~5重量%である。
【0070】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のポリマーを含み、各々が1%で本明細書で規定される粘度を有する。
【0071】
いくつかの例では、増粘性ポリマーは、天然多糖類を含む。これには、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビアガム、アルギナート、ペクチンのポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフトコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0072】
いくつかの例では、食用ヒドロゲルフィルムは、2つの増粘性ポリマーの組み合わせを含む。
【0073】
いくつかの例では、食用ヒドロゲルフィルムはMCとHPMCとの組み合わせを含み、25℃で測定した場合に、各々が1%濃度で少なくとも1,000cPの粘度を有する。
【0074】
いくつかの例では、食用ヒドロゲルフィルムは、フィルムの総乾燥重量のうちの少なくとも0.1重量%、場合によっては、少なくとも1重量%、場合によっては、少なくとも2重量%又は0.1重量%~11重量%又は1重量%~11重量%又は2重量%~11重量%の量のMCと、フィルムの総乾燥重量のうちの少なくとも0.5重量%又は0.5重量%~2重量%の量のHPMCとの組み合わせを含む。
【0075】
ヒドロゲル形成ポリマーは、増粘性ポリマーについての上記定義に該当しない少なくとも1つの追加のポリマーを含むことができ、すなわち、約2%の濃度で水に溶解した場合に、得られるヒドロゲルの粘度は、25℃で1,000cP未満である。したがって、追加のポリマーは、ヒドロゲル形成ポリマーであるが、本明細書で提供される粘度決定条件下でより低い粘度を有する。
【0076】
いくつかの例では、追加のヒドロゲル形成ポリマー(増粘性ポリマーではない)は多糖類である。
【0077】
いくつかの例では、追加のヒドロゲル形成ポリマーは、マルトデキストリンを含むか、又はマルトデキストリンである。
【0078】
いくつかの例では、追加のフィルム形成ポリマーは、約50kDa~1,250kDaの分子量を有するヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含むか、又はヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。
【0079】
いくつかの例では、追加のヒドロゲル形成ポリマーは、マルトデキストリンを含むか、又はマルトデキストリンである。いくつかの例では、マルトデキストリンを使用する場合、その量は少なくとも0.1重量%、場合によっては、少なくとも1重量%、少なくとも約2重量%、場合によっては、少なくとも3重量%、又は場合によっては、少なくとも4重量%、又は場合によっては、少なくとも5重量%である。場合によっては、マルトデキストリンの量は、2重量%~約10重量%、場合によっては、2重量%~7重量%、場合によっては、約3重量%~6重量%の間である。
【0080】
いくつかの例では、ヒドロゲル形成ポリマー、したがって食用フィルムは、マルトデキストリン、MC、及びHPMCの組み合わせを含む。これらの非限定的な例では、各ポリマーの量は、約4重量%~6重量%のマルトデキストリン、約9重量%~11重量%のMC、及び約0.6重量%~1.5重量%のHPMCである。
【0081】
いくつかの例では、ヒドロゲル形成ポリマー、したがって食用フィルムは、マルトデキストリン、MC、HPMC、及びHPCの組み合わせを含む。これらの非限定的な例では、各ポリマーの量は、約4重量%~6重量%のマルトデキストリン、約6重量%~11重量%のMC、約0.5重量%~1.5重量%のHPMC、及び約1.2重量%~3重量%のHPCである。
【0082】
いくつかの例では、ヒドロゲル形成ポリマー、したがって食用フィルムは、キサンタンガムとグアーガムとの組み合わせを含む。これらの非限定的な例では、各ポリマーの量は、約3重量%のキサンタンガム、及び約11.9重量%のグアーガムである。
【0083】
いくつかの例では、ヒドロゲル形成ポリマー、したがって食用フィルムは、CMCを含む。これらの非限定的な例では、CMCの量は、約3重量%である。
【0084】
食用ヒドロゲルフィルムは、タンパク質を含む。
【0085】
いくつかの例では、タンパク質は、植物由来タンパク質である。「植物由来タンパク質」に言及する場合、植物部分から抽出される任意のタンパク質を包含することが理解されるべきである。抽出されたタンパク質材料は、タンパク質単離物、すなわち、少なくとも90%のタンパク質材料と、非タンパク質性である10%の植物由来の成分(繊維、脂質/脂肪、炭水化物、灰分など)と、を含むタンパク質単離物であってもよい。抽出されたタンパク質材料は、タンパク質濃縮物、すなわち、約70%以上のタンパク質材料と、非タンパク質性である最大30%の植物由来の成分と、を含むタンパク質濃縮物であってもよい。
【0086】
植物由来タンパク質は、植物濃縮物又は植物単離物の形態にあり得ることに留意されたい。植物濃縮物又は植物単離物は、植物タンパク質それ自体に加えて、追加の成分を含み得る。したがって、植物濃縮物又は植物単離物は、植物タンパク質と、増粘性ポリマーを含む少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーと、を含む。そのような親水コロイド形成ポリマーとしては、セルロース誘導体、種々のガム、繊維、デンプンなどが挙げられる。
【0087】
植物由来タンパク質は、様々な植物から得ることができる。それは、単一の植物由来又は異なる植物由来のタンパク質、すなわち、異なる植物源由来のタンパク質を含むことができる。
【0088】
いくつかの例では、ダイズ、コムギ、マメ科植物、レンズマメ、ルピナス、リョクトウ、シロインゲンマメ、ピーナッツ、ヒマワリ、アーモンド、トウモロコシ、カラスムギ、ジャガイモ、キノア、米、モロコシ、セイタン、チア種の種子、アサ、枝豆種の豆、クロインゲンマメ、インゲンマメ、カシュー種のナッツ、ピスタチオ、クルミ、ヘーゼルナッツ、アマからなる群から選択される。
【0089】
いくつかの例では、タンパク質は、ダイズタンパク質、エンドウマメタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、ルピナスタンパク質、リョクトウタンパク質、インゲンマメタンパク質、クロインゲンマメタンパク質、アルファルファタンパク質、アーモンドタンパク質、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0090】
いくつかの例では、タンパク質は、マメ科であり、すなわち、タンパク質は、マメ科植物タンパク質、好ましくは、少なくともヒヨコマメタンパク質である。
【0091】
いくつかの例では、植物タンパク質は、少なくともエンドウマメタンパク質とヒヨコマメタンパク質との組み合わせを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、植物タンパク質は、アーモンドタンパク質である。
【0093】
いくつかの例では、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、ベータ-ゴングリシニン、グリシニン、ビシリン、レグミン、グロブリン、グルテリン、グルテン、グリアジン、グルテニンからなる群から選択されるタンパク質を含む。
【0094】
いくつかの例では、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、マイコタンパク質を含む。
【0095】
いくつかの例では、食用フィルムは、植物源に由来しないタンパク質を含む。これは、組換え産生タンパク質又は細胞培養物由来のタンパク質を含み得る。
【0096】
いくつかの例では、食用ヒドロゲルフィルムは、典型的には、タンパク質材料を提供する、動物細胞又は動物細胞成分を含む。
【0097】
タンパク質源として動物細胞を使用する場合、その産生のために動物の屠殺を伴わない培養細胞を包含すると理解されるべきである。これらのインビトロで増殖した細胞は、バイオリアクタ中で産生され得、次いで、培養培地から単離された後に均質なブレンドへと組み合わされ得る。いくつかの例では、細胞は、他の成分を用いて行われるように、エマルション調製の間に添加され得る(例えば、以下の非限定的な実施例8~10を参照)。
【0098】
いくつかの例では、細胞は、脂肪細胞、筋細胞、骨細胞、結合細胞、上皮細胞、線維芽細胞、幹細胞、及びこれらの任意の組み合わせの非限定的な群から選択される。
【0099】
いくつかの例では、細胞は、ブタ、ウシ、ヒツジ、魚、及び家禽群の任意のメンバーに由来する。
【0100】
いくつかの例では、細胞は、筋細胞、筋幹細胞、又はその抽出物である。いくつかの例では、筋細胞又は筋幹細胞は、鶏細胞である。
【0101】
注目すべきことに、細胞はまた、脂質などの他の成分の供給源であり得る。例えば、食用フィルムは、脂肪源として脂肪細胞を含むことができる。
【0102】
いくつかの例では、脂肪細胞は、魚由来脂肪細胞である。
【0103】
いくつかの例では、脂肪細胞は、ブタ由来脂肪細胞である。
【0104】
いくつかの例では、脂肪細胞は、鶏脂肪細胞である。
【0105】
細菌、酵母、糸状菌又は微細藻類に由来する食用微生物バイオマスは、食料及び飼料の従来の供給源に対する有望な代替物である。したがって、いくつかの例では、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、主にタンパク質源として微生物を含むが、これに限定されない。微生物は、ヒトが消費するのに安全な微生物である。
【0106】
いくつかの例では、フィルムは、微細藻類を含む。いくつかの例では、酵素は、スピルリナである。いくつかの例では、藻類は、クロレラである。いくつかの例では、藻類は、テトラセルミス(tetraselmis)である。いくつかの例では、藻類は、イソクリシス(isochrysis)である。いくつかの例では、藻類は、上に例示したものなどの異なる種類の藻類の組み合わせである。
【0107】
いくつかの例では、フィルムは、酵母、典型的には酵母抽出物を含む。
【0108】
酵母は、異なる供給源、例えば、醸造酵母(典型的には、ビール醸造又はバッキングに使用されるサッカロミセスセレビシエ(saccharomyces cerevisiae))に由来し得る。
【0109】
ヒドロゲルフィルム内のタンパク質はまた、組換え産生タンパク質を含み得る。組換えタンパク質を産生するための周知の技術が存在する。これは、典型的には、遺伝子操作された発現ベクターを使用する、植物細胞又は微生物系(例えば、酵母)における哺乳動物タンパク質の産生を含む。
【0110】
いくつかの例では、食用ヒドロゲルフィルムは、組換え産生ホエイタンパク質及び/又はラクトグロブリン及び/又はカゼインを含む。そのようなフィルムは、好ましくは、乳製品代替製品の製造に使用されるだろう。他の組換え産生成分としては、ゼラチン、ヘモグロビン、コラーゲン、アルブミンなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0111】
本開示の植物ベース食用ヒドロゲルフィルムはまた、食用乳化剤を含むことができる。乳化剤の目的は、フィルム組成物の形成に必須である物理的に安定なエマルションの形成を可能にすることである。理解されるように、エマルションゲルは、ゲルマトリックス内の油滴からなる複合構造である。以下に更に記載されるように、ヒドロゲルフィルムを形成するブレンドは、エマルションゲルである。
【0112】
いくつかの例では、乳化剤は、レシチン又はレシチン代替物を含む。レシチンは、ダイズレシチン及びヒマワリレシチンを含むが、これらに限定されない様々な供給源のものであり得る。いくつかの例では、レシチンは、ヒマワリレシチンである。
【0113】
いくつかの例では、乳化剤は、レシチン代替物、例えば、ポリグリセロールポリリシノレート、アンモニウムホスファチド(ammonium phosphatide、AMP)、モノ及びジグリセリド、ポロキサマー、リン脂質、ペグ化脂肪族アルコール、ペグ化脂肪酸、レシチン、ポリグリセロールエステル(polyglycerol ester、PGE)、ポリソルベート、ステアロイルラクチレート、プロピレングリコールエステル(PGMS)、スクロースエステル、ポリグリセロールポリリシノレート(polyglycerol polyricinoleate、PGPR)、アンモニウムホスファチド(AMP)を含むが、これらに限定されない。
【0114】
植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、脂質も含む。本開示の文脈において、脂質という用語は、脂肪及び油を包含する。
【0115】
いくつかの例では、脂質は、植物由来油を含む。食料産業において許容可能な様々な植物由来油が存在する。使用される油の選択は、室温での物理的状態、例えば、固体、半固体、液体、油の感覚刺激特性、及び他の考慮事項に基づくことができる。
【0116】
脂質は、短鎖トリグリセリド、中鎖トリグリセリド、長鎖トリグリセリド、ヒマワリ油、トウモロコシ油、パーム油、オリーブ油、カノーラ油、ココナッツ油、アボカド油、ゴマ油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール、クエン酸エステル、フタル酸エステル、グリセリルエステル、トリアセチン、ステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、セバシン酸ジブチル、脂肪族アルコール、脂肪酸、ソルビタン誘導体の組み合わせのうちのいずれか1つであり得る。
【0117】
いくつかの例では、植物由来油は、カノーラ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ゴマ油、並びにこれらの任意の誘導体及び組み合わせからなる群から選択される。
【0118】
いくつかの例では、植物由来油は、カノーラ油を含むか、又はカノーラ油である。
【0119】
いくつかの例では、植物由来油は、ココナッツ油を含むか、又はココナッツ油である。
【0120】
いくつかの例では、植物由来油は、少なくともカノーラ油とココナッツ油との組み合わせを含む。いくつかの例では、カノーラ油及びココナッツ油を含有する場合、2つの間の比は、本質的に1:1±10%である。
【0121】
いくつかの例では、脂質は、トリグリセリド、典型的には、中鎖トリグリセリド(MCT)を含む。MCTに言及する場合、6~12個の炭素の脂肪酸を包含すると理解されるべきであり、カプリル酸及びカプリン酸のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含むことができる。MCTは、植物、例えば、ココナッツ油、パーム核油から得ることができ、又は人工若しくは部分的人工であってもよい。本開示の文脈において、任意の種類の動物不使用のMCTを使用することができる。
【0122】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、充填剤を含む。食用充填剤は、食料の重量を増量するのを助ける目的で、食料産業において広く使用されている。食料充填剤は、一般に、肉及び肉代替物において使用される。
【0123】
いくつかの例では、食料充填剤は、肉又は肉代替産業において使用されることが知られている任意の充填剤である。これには、ジャガイモデンプン及び/又はタピオカデンプンなどのデンプンが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0124】
いくつかの例では、食料充填剤は、食料グレードの炭酸カルシウムを含む。
【0125】
いくつかの例では、食料充填剤は、マンニトール、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、スクロース、マルチトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、及びこれらの任意の組み合わせを含む。
【0126】
いくつかの例では、植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、繊維を含む。繊維に言及する場合、植物ベース繊維、例えば、限定されないが、柑橘類繊維、イヌリンを包含すると理解されるべきである。
【0127】
植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、ヒドロゲルマトリックスによって保持された水を含む。含水量は、完全な脱水の前後にフィルムを単純に秤量することによって決定することができる。いくつかの例では、ヒドロゲルフィルム中の含水量は、約20%v/v~90%v/vの水を含む。いくつかの例では、フィルムは、約25%v/v~70%v/v、場合によっては、30%v/v~80%v/v、場合によっては、25%v/v~75%v/v、場合によっては、20%v/v~90%v/vの任意の範囲を含む。
【0128】
植物ベース食用ヒドロゲルフィルムは、他の食用添加剤、例えば、繊維、着色剤、酸味料、香味剤又は香味増強剤、抗酸化剤、食事強化剤、防腐剤、安定剤、甘味料、増粘剤、ビタミン、及びミネラルを含むことができるが、これらに限定されない。
【0129】
ヒドロゲルフィルムは、幾何学的形状又は非晶質形状並びに異なる寸法を含む、異なる形状を有することができる。
【0130】
本明細書に詳述され、
図22に示されるように、ヒドロゲルフィルムは、最大約8mm、場合によっては、更に最大約6mm、更に最大約4mmの高さを有することを特徴とし、本明細書において以下に更に例示される。
【0131】
フィルムの高さは、連続フィルム構造を得るために選択されることに留意されたい。
【0132】
更に、フィルムコーティング法は、ナノメートルスケール、マイクロメートルスケール、及びミリメートルスケールを含む様々な高さのフィルムの調製に好適であることに留意されたい。
【0133】
いくつかの例では、ヒドロゲルフィルムは、多角形の輪郭を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルフィルムは、正方形の輪郭又は長方形の輪郭のうちの少なくとも1つを有する。
【0134】
いくつかの例では、ヒドロゲルフィルムは、その寸法のうちの少なくとも1つ(高さ)が、約8mm未満、場合によっては、約7mm未満、場合によっては、約4mm未満、場合によっては、約3mm未満であることを条件とする。
【0135】
いくつかの実施形態では、フィルム寸法(高さ(厚さ)、直径)のうちの少なくとも1つは、最大約4mm、最大約3mm、最大約2mm、最大約1mmである。
【0136】
いくつかの実施形態では、フィルム寸法(高さ、直径)のうちの少なくとも1つは、約1nn~約4mm、場合によっては、約5nn~約4mm、場合によっては、約10nn~約4mm、場合によっては、約100nn~約4mm、場合によっては、約1mm~約4mmである。
【0137】
いくつかの実施形態では、フィルム寸法(高さ、直径)のうちの少なくとも1つは、約1nn~約4mm、場合によっては、約1nn~約3mm、場合によっては、約1nn~約2mm、場合によっては、約1nn~約1mmである。
【0138】
いくつかの実施形態では、フィルム寸法のうちの少なくとも1つは、約1nm、約2nm、最大約4mm、最大約3mm、最大約2mm、最大約1mmである。
【0139】
ヒドロゲルフィルムは、シート又はストリップの形態にあり得る。
【0140】
いくつかの例では、フィルムは、正方形の輪郭を有するシートである。
【0141】
いくつかの例では、フィルムは、長方形の輪郭を有するストリップである。
【0142】
いくつかの例では、ヒドロゲルフィルムは、曲線を含む輪郭を有する。
【0143】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルフィルムは、円形の輪郭又は楕円形の輪郭のうちの少なくとも1つを有する。
【0144】
いくつかの例では、フィルム(例えば、シート、ストリップ)の少なくとも1つの寸法は、5mm未満、場合によっては、4mm未満、場合によっては、3mm未満、場合によっては、2mm未満、場合によっては、1mm未満である。
【0145】
いくつかの例では、フィルムの断面は、本質的に円形である。
【0146】
いくつかの他の例では、フィルムの断面は、楕円形状を有する。
【0147】
いくつかの例では、フィルムは、糸の形態にある。
【0148】
いくつかの例では、フィルムは、円形断面を有する糸の形態にある。
【0149】
いくつかの例では、フィルムは、非円形断面を有する糸の形態にある。
【0150】
いくつかの例では、ねじ山は、楕円形断面を有する。
【0151】
いくつかの例では、楕円形断面における2つの直径の各々の1つは、場合によっては、約5mm未満である。
【0152】
いくつかの例では、有する糸は、5mm未満、場合によっては、3mm未満、場合によっては、1mm未満の直径を有する。
【0153】
いくつかの例では、糸は、約mm~約4mm、場合によっては、約1mm~約4mm、場合によっては、約1mm~約3mmの直径を有する。
【0154】
いくつかの実施形態では、糸は、最大約4mm、最大約3mm、最大約2mm、最大約1mmの直径を有する。
【0155】
いくつかの実施形態では、糸は、約1nn~約4mm、場合によっては、約5nn~約4mm、場合によっては、約10nn~約4mm、場合によっては、約100nn~約4mm、場合によっては、約1mm~約4mmの直径を有する。
【0156】
いくつかの実施形態では、糸は、約1nn~約4mm、場合によっては、約1nn~約3mm、場合によっては、約1nn~約2mm、場合によっては、約1nn~約1mmの直径を有する。
【0157】
いくつかの実施形態では、糸は、約1nm、約2nm、最大約4mm、最大約3mm、最大約2mm、最大約1mmの直径を有する。
【0158】
フィルムは、その崩壊速度によって特徴付けることができる。崩壊速度は、例えば、1cm2面積の寸法を有するフィルムの試料が、予熱された水(100ml、37℃)中で磁気撹拌器によって撹拌された後の視覚的崩壊の時間、及び本質的に完全な視覚的崩壊が観察されるまでの時間として決定することができる。いくつかの例では、上記の規定された寸法を有するフィルムの試料を水中に置くとき、フィルムは、3分超、場合によっては、4分超、場合によっては、5分超、場合によっては、10分超、場合によっては、20分超、場合によっては、25分超の崩壊速度を有する。
【0159】
開示された植物ベース食料製品は、インスタント食料製品の一部分として使用することができる。インスタント食料製品は、単一のフィルムを含むことができるか、又は2つ以上のフィルム(任意選択で他の成分と組み合わせて)から構成することができる。
【0160】
したがって、本開示はまた、本明細書に開示かつ規定される少なくとも1つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース食料製品を提供する。
【0161】
いくつかの例では、食料製品は、折り畳まれた、束ねられた、又は圧延された構成の1つ以上のフィルムを含む。いくつかの例では、食料製品は、1つ以上のフィルム、例えば、折り畳まれているか、束ねられているか、又は圧延された構成にあるシート、ストリップ、又は糸を含む。折り畳まれるとき、フィルムの折り畳みは、ジグザグ(アコーディオン)構成にあり得る。圧延されるとき、フィルムは、らせん状に巻かれ得る。2つ以上のフィルムを含む場合、フィルムは、単一の食料製品内で同じであっても異なっていてもよい。
【0162】
いくつかの例では、食料製品は、同じであっても異なっていてもよい2つ以上のフィルムを、1つのフィルムが別のフィルムの上にある積層形態で含む。
【0163】
食料製品中の2つ以上のフィルムは、その隣接するフィルムに少なくとも部分的に接着される(すなわち、フィルムの向かい合う表面での接着)。いくつかの例では、隣接するフィルムは、フィルム間の境界が目視検査によって検出され得ないが、拡大装置を使用するときに少なくとも部分的に識別され得る程度まで互いに対して接着されたものである。
【0164】
本明細書に開示される単一の、2つ以上のヒドロゲルフィルムを含む植物ベース食料製品は、同じであっても異なっていてもよく、肉類似物又は乳製品類似物を構成するように構築することができる。ヒドロゲルフィルムの特定の選択は、レオロジー特性及び/又は感覚刺激特性に関して製品の運命を決定し、その結果、例えば、肉類似物、乳製品類似物又は可能性のある新しい食料と考えられる場合、その商業的特徴を決定する。
【0165】
いくつかの例では、食料製品は、乳製品類似物である。いくつかの例では、食料製品は、チーズ類似物である。
【0166】
いくつかの他の例では、食料製品は、肉類似物である。
【0167】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース食料製品は、植物ベース鶏肉類似物である。
【0168】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース食料製品は、植物ベース鶏シーフード類似物、例えば、魚類似物である。
【0169】
いくつかの例では、植物ベース食料製品は、パスタである。
【0170】
いくつかの例では、本明細書に開示される鶏肉類似物製品は、少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含み、各フィルムは、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、親水コロイド形成ポリマーは、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーは、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、少なくとも2つの増粘性ポリマーはMC及びHPMCを含み、それらの総量/全体量は、肉類似物の総乾燥重量のうちの約10重量%~約10.5重量%で、である。いくつかの例では、本明細書に開示される鶏肉類似物製品は、親水コロイド形成ポリマーを含み、その合計量は、肉似物の総乾燥重量のうちの約11.8重量%~約12.1重量%である。
【0171】
植物ベース鶏肉類似物の1つの特定の例では、親水コロイド形成ポリマーとしてHPMC及びMCを含み、MCは、好ましくは、25℃で約4,000cPの粘度を有することが知られているものであり、HPMCは、好ましくは、約15,000cPの粘度を有することが知られているものであり、両方の粘度は、これらの種類のポリマーが約2%(w/v)の濃度で水に溶解されたときに決定され、粘度は25℃で測定される。
【0172】
親水コロイド形成ポリマーとしてHPMC及びMCを含む植物ベース鶏肉類似物は、それが形成されるフィルム内に、マルトデキストリン、レシチン、カノーラ油、並びにヒヨコマメ及び/又はエンドウマメタンパク質を含むこともできる。
【0173】
親水コロイド形成ポリマーとしてHPMC及びMCを含む植物ベース鶏肉類似物の1つの好ましい例では、肉類似物は、約5.7重量%の量のマルトデキストリンと、約6.7重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.2重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約16.7重量%の量のカノーラ油と、約13.3重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約8.3重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約3.3重量%の量の塩と、約4重量%の量の柑橘類繊維と、約5.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を更に含み、各々の量は、食料製品の総乾燥重量のうちのものである。
【0174】
1つの具体例では、植物ベース鶏肉類似物製品は、本開示の不可欠な一部分を形成する実施例1の成分を含む。
【0175】
1つの他の具体例では、植物ベース鶏肉類似物製品は、本開示の一部分を形成する実施例2の成分を含む。
【0176】
いくつかの他の例では、植物ベース鶏肉類似物製品は、少なくとも2つのヒドロゲルフィルムを含み、各フィルムは、同じであっても異なっていてもよく、本明細書で規定される親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、親水コロイド形成ポリマーは、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、少なくとも2つの増粘性ポリマーの合計量は、食料製品の総乾燥重量のうちの約7.1重量%~約7.3重量%であり、2つの増粘性ポリマーは、HPMC(約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合、25℃で約15,000cPの粘度)及びMC(約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合、25℃で約4,000cPの粘度)を含むか、又は本質的にそれらからなる。
【0177】
植物ベース鶏肉類似物のこの特定の例では、HPMC及びMCは、約4.2重量%の量のマルトデキストリン、約5.5重量%の量のヒマワリレシチン、約23.3重量%の量のカノーラ油、約11.7重量%の量のエンドウマメタンパク質、約20.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質、約1.7重量%の量の塩、約7.3重量%の量の柑橘類繊維、約8.3重量%の量のマンニトール、並びに香味剤及び着色剤と組み合わされ、各々の量は、食料製品の総乾燥重量のうちのものである。
【0178】
本明細書に開示される更なる特定の植物ベース鶏肉類似物製品は、各々が独立して本開示の一部分を形成する実施例6及び7の成分を含む。
【0179】
また、いくつかの他の例によれば、少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベース鶏肉類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、増粘性ポリマーがHPMC及びMCを含み、それらの総量は、鶏肉類似物製品の総乾燥重量のうちの約8.6重量%~約8.8重量%である、植物ベース鶏肉類似物製品が本明細書に開示される。HPMC及びMCは、好ましくは、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる。いくつかの実施形態では、植物ベース鶏肉類似物製品は、食料製品の総乾燥重量のうちの約9.4重量%~約9.6重量%の量の親水コロイド形成ポリマーを含む。
【0180】
上記鶏肉類似物の特定の例では、HPMC及びMC(約8.6重量%~約8.8重量%の総量にある)は、約5.3重量%の量のマルトデキストリン、約6.7重量%の量のヒマワリレシチン、約30.5重量%の量のカノーラ油、約11.5重量%の量の鶏筋細胞、約3.3重量%の量の塩、約4.2重量%の量の柑橘類繊維、約10.7重量%の量のマンニトール、並びに香味剤及び着色剤と組み合わされ、各々の量は、鶏肉類似物の総乾燥重量のうちのものである。
【0181】
上記の鶏肉類似物の別の特定の例では、列挙された範囲のHPMC及びMCは、約5.3重量%の量のマルトデキストリン、約6.7重量%の量のヒマワリレシチン、約30.5重量%の量のカノーラ油、約18.3重量%の量の魚脂肪細胞、約3.3重量%の量の塩、約4.0重量%の量の柑橘類繊維、約13.7重量%の量のマンニトール、並びに香味剤及び着色剤と組み合わされ、各々の量は、鶏肉類似物の総乾燥重量のうちのものである。
【0182】
本明細書に開示される更なる特定の植物ベース鶏肉類似物製品は、本開示の独立した一部分を形成する実施例9の成分を含む。
【0183】
本明細書に開示される更なる特定の植物ベース鶏肉類似物製品は、本開示の独立した一部分を形成する実施例13の成分を含む。
【0184】
植物ベースハム類似物製品も本明細書に開示される。植物ベースハム類似物は、いくつかの例によると、少なくとも2つの植物ベースヒドロゲルフィルムを含み、各フィルムは、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質なブレンドを含む。親水コロイド形成ポリマーは、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性親水コロイド形成ポリマーは、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、少なくとも2つの増粘性ポリマーはMC及びHPMCを含み、それらの総量は、ハム類似物製品の総乾燥重量のうちの約11.2重量%~約11.6重量%である。いくつかの実施形態では、親水コロイド形成ポリマーの総量は、ハム類似物製品の総乾燥重量のうちの約14.0重量%~約14.3重量%である。
【0185】
いくつかの例では、ハム類似物中のMC及びHPMCは、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる。
【0186】
本明細書に開示されるハム類似物の特定の、しかし非限定的な例は、HPMC及びMCに加えて、約5.2重量%の量のマルトデキストリンと、約8.3重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約17.3重量%の量のカノーラ油と、約10.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約10.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.8重量%の量の塩と、約3.3重量%の量の柑橘類繊維と、約5.3重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量は、植物ベースハム類似物の総乾燥重量のうちのものである。
【0187】
本明細書に開示される特定の植物ベースハム類似物製品は、本開示の一部分を形成する実施例3の成分を含む。
【0188】
いくつかの例では、植物ベース食料類似物は、少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含むベーコン類似物製品であり、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、親水コロイド形成タンパク質は、少なくとも2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーを含み、増粘性ポリマーの各々は、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、少なくとも2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーはHPMC及びMCを含み、それらの総量は、ベーコン類似物製品の総乾燥重量のうちの約11.2重量%~約11.4重量%である。いくつかの実施形態では、親水コロイド形成ポリマーの量は、ベーコン類似物製品の総乾燥重量のうちの約14.2重量%~約14.4重量%である。
【0189】
植物ベースベーコン類似物製品のいくつかの特定の例では、少なくとも2つの増粘性ポリマーは、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる。
【0190】
本明細書に開示される植物ベースベーコン類似物製品の更にいくつかの特定の例では、少なくともいくつかのフィルムは、約4.2重量%の量のマルトデキストリンと、約8.0重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約16.7重量%の量のカノーラ油と、約10.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約10.0重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約2.3重量%の量の塩と、約3.7重量%の量の柑橘類繊維と、約3.2重量%~約4.8重量%の量のマンニトールと、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量は、ベーコン類似物製品の総乾燥重量のうちのものである。
【0191】
本明細書に開示される特定の植物ベースベーコン類似物製品は、本開示の一部分を形成する実施例4の成分を含む。
【0192】
また、いくつかの例によると、少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースチーズ類似物製品であって、各食用ヒドロゲルフィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有する少なくとも1つの増粘性ポリマーを含み、少なくとも1つの増粘性ポリマーの総量が、チーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約3.0重量%であり、少なくとも1つの増粘性ポリマーがMCを含む、植物ベースチーズ類似物製品が本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、親水コロイド形成ポリマーは、総量が約6重量%である。
【0193】
チーズ類似物製品のいくつかの特定の例では、少なくとも1つの増粘性ポリマーは、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMCを含むか、又は本質的にそれからなる。
【0194】
いくつかの更なる特定の例では、植物ベースチーズ類似物製品は、約3.0重量%の量のマルトデキストリンと、約9.0重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.7重量%の量の中鎖トリグリセリド(MCT)と、約17.9重量%の量のカノーラ油と、約27重量%の量のココナッツ油と、約4.5重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約6.7重量%の量のホエイタンパク質と、約6.7重量%の量のカゼインタンパク質と、約1.5重量%の量の塩と、約7.5重量%の量のマンニトールと、約4.5重量%の量の炭酸カルシウムと、約5.2重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を更に含み、各々の量は、チーズ類似物製品の総乾燥重量のうちのものである。
【0195】
チーズ類似物製品の1つの具体例は、独立して本開示の一部分を形成する実施例8の成分を含む。
【0196】
本開示はまた、少なくとも2つのヒドロゲルフィルムを含む植物ベースサーモンフラッシュ類似物製品であって、各層が、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性ポリマーを含み、各増粘性親水コロイド形成ポリマーは、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも4,000cPの粘度を有し、少なくとも2つの増粘性ポリマーがHPMC及びMCを含み、それらの総量が、サーモン肉類似物製品の総乾燥重量のうちの約8.7重量%である、植物ベースサーモンフラッシュ類似物製品を提供する。いくつかの実施形態では、植物ベースサーモンフラッシュ類似物製品は、サーモン肉類似物の総乾燥重量のうちの約9.5重量%の量の親水コロイド形成ポリマーを含む。
【0197】
植物ベースサーモン肉類似物製品のいくつかの例では、少なくとも2つの増粘性ポリマーは、(i)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約4,000cPの粘度を有するMC、及び(ii)約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で約15,000cPの粘度を有するHPMCを含むか、又は本質的にそれらからなる。
【0198】
特定の一実施例では、本明細書に開示される植物ベースサーモンは、独立して本開示の一部分を形成する実施例10の成分を含む。
【0199】
特定の一実施例では、本明細書に開示される植物ベースサーモンは、独立して本開示の一部分を形成する実施例17の成分を含む。
【0200】
更に、いくつかの例によれば、少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースイエローチーズ類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、親水コロイド形成ポリマーが、少なくとも2つの増粘性親水コロイド形成ポリマーを含み、各増粘性親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該少なくとも2つの増粘性ポリマーがキサンタンガム及びグアーガムを含み、それらの総量が、イエローチーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約14.9重量%である、植物ベースイエローチーズ類似物製品が本明細書において提供される。
【0201】
開示されるイエローチーズのいくつかの特定の例では、フィルムの少なくともいくつかはまた、約10.4重量%の量のヒマワリレシチンと、約20.9重量%の量のカノーラ油と、約20.9重量%の量のココナッツ油と、約6重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約17.9重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.8重量%の量の塩と、約3.0重量%の量のマンニトールと、約1.2重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量は、イエローチーズ類似物の総乾燥重量のうちのものである。
【0202】
特定の一実施例では、本明細書に開示される植物ベースイエローチーズは、独立して本開示の一部分を形成する実施例11の成分を含む。
【0203】
少なくとも2つの植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを含む植物ベースハードチーズ類似物製品であって、各フィルムが、同じであっても異なっていてもよく、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含み、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,500cPの粘度を有する少なくとも1つの増粘性ポリマーを含み、少なくとも1つの増粘性ポリマーがCMCを含み、その量は、ハードチーズ類似物製品の総乾燥重量のうちの約3.0重量%であり、均質ブレンドが、約11.9重量%の量のデンプンを含む、植物ベースハードチーズ類似物製品が本明細書で更に開示される。
【0204】
いくつかの特定の例では、ハードチーズはまた、約7.5重量%の量のヒマワリレシチンと、約16.4重量%の量のカノーラ油と、約16.4の量のココナッツ油と、約6.0重量%の量のエンドウマメタンパク質と、約17.9重量%の量のヒヨコマメタンパク質と、約1.5重量%の量の塩と、約11.5重量%の量のマンニトールと、約3.0重量%の量のイースト抽出物と、香味剤及び着色剤と、を含み、各々の量は、食料製品の総乾燥重量のうちのものである。
【0205】
特定の一実施例では、本明細書に開示される植物ベースハードチーズは、独立して本開示の一部分を形成する実施例12の成分を含む。
【0206】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース鶏肉類似物製品は、独立して本開示の一部分を形成する表1Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース鶏肉類似物製品は、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表1Aのエマルション組成物から調製される。
【0207】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース鶏肉類似物製品は、独立して本開示の一部分を形成する表5A又は表5Bに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース鶏肉類似物製品は、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表5A又は表5Bのエマルション組成物から調製される。
【0208】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース鶏肉類似物製品は、本開示の独立した一部分を形成する表8Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベース鶏肉類似物製品は、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表8Aのエマルション組成物から調製される。
【0209】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースハム類似物製品は、本開示の一部分を形成する表2Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースハム類似物製品は、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表2Aのエマルション組成物から調製される。
【0210】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースベーコン類似物製品は、本開示の一部分を形成する表3Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースベーコン類似物製品は、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表3Aのエマルション組成物から調製される。
【0211】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースチーズ類似物製品は、本開示の一部分を形成する表7Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースチーズ類似物製品は、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表7Aのエマルション組成物から調製される。
【0212】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースサーモン類似物製品は、本開示の一部分を形成する表9Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースサーモン類似物製品は、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表9Aのエマルション組成物から調製される。
【0213】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースサーモン類似物製品は、本開示の一部分を形成する表15Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースサーモン類似物製品は、実施例17に記載される方法を使用して、表15Aのエマルション組成物から調製される。
【0214】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースイエローチーズは、本開示の一部分を形成する表10Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースイエローチーズは、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表10Aのエマルション組成物から調製される。
【0215】
いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースハードチーズは、本開示の一部分を形成する表11Aに示されるエマルション組成物から調製される。いくつかの例では、本明細書に開示される植物ベースハードチーズは、実施例13又は14に記載される方法を使用して、表11Aのエマルション組成物から調製される。
【0216】
開示される食料製品の全ての種類及び変形に本質的に共通である、本明細書に開示される植物ベース食料製品の固有の特徴は、製品の崩壊時間に関する。
【0217】
本開示はまた、本明細書に開示される植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを形成するための方法を提供する。
【0218】
方法は、下記工程を少なくとも含む。
-少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、ブレンドの総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
-当該エマルション組成物からフィルムを形成する工程と、
-フィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、当該植物ベース食用ヒドロゲルフィルムを得る工程。
【0219】
いくつかの例では、方法は、エマルション組成物の塊をフィルム形成床上又は金型内に広げることによって、フィルムを形成することを含む。
【0220】
いくつかの例では、方法は、フィルムの厚さを制御することを含む。
【0221】
いくつかの例では、厚さの制御は、フィルム形成ギャップアプリケータを使用することによって実施する。当技術分野には様々な種類のフィルム形成ギャップアプリケータがあり、各々は、とりわけ、それらが生成することができるフィルムの厚さによって規定される。
【0222】
いくつかの例では、ギャップアプリケータは、約250μm~約5000μm、場合によっては、約250μm~約4,000μm、場合によっては、約250μm~約3,000μm、場合によっては、約500μm~約2,500μm、場合によっては、約250μm~約1,000μm、場合によっては、約250μm~約500μmの厚さを有するフィルムを提供するために使用される。
【0223】
いくつかの例では、方法は、ノズルを通してエマルション組成物の塊をプレスすることによって、糸の形態でフィルムを形成することを含む。いくつかの例では、方法は、エマルション組成物の塊を金型内でプレスすることによって、ストリップの形態でフィルムを形成することを含む。
【0224】
いくつかの例では、方法は、制御された熱にフィルムを曝露することによって、フィルムを少なくとも部分的に乾燥させることを含む。フィルムの少なくとも部分的に乾燥させることは、オーブン内でフィルムを加熱すること、乾燥空気にフィルムを曝露すること、赤外線(IR)放射にフィルムを曝露すること、又はマイクロ波内で加熱することのうちのいずれか1つ又は組み合わせによるものであり得る。
【0225】
いくつかの例では、フィルムの少なくとも部分的に乾燥させることは、フィルム内の含水量が20%~90%、場合によっては、25%~70%になるまでである。場合によっては、40%~70%、場合によっては、50%~70%である。
【0226】
本明細書に開示される方法は、本明細書に規定されるヒドロゲルフィルムを提供する。
【0227】
植物ベース食料製品を製造する方法も本明細書に開示され、方法は、下記工程を含む。
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(iii)第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置く工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、当該先に塗布されたフィルム上に形成される、工程。
【0228】
食料製品を形成する方法は、いくつかの例によると、複数のフィルムを逐次積層することを含み、複数のフィルムは、同じ製品で同じであっても異なっていてもよい。
【0229】
いくつかの例では、複数のフィルムの少なくとも一部分は、逐次積層される前に形成される。
【0230】
いくつかの更なる例では、フィルムの少なくとも一部は、エマルション組成物をフィルム形成床上又は金型内に広げて、規定された厚さ(高さ)を有するフィルムを形成し、このように形成されたフィルムを少なくとも部分的に乾燥させることによって形成される。
【0231】
食料製品を形成する方法は、いくつかの例によると、第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置いた後に得られた複数のフィルム層を冷却することを含む。
【0232】
植物ベース食料製品を製造するための本明細書に開示される更なる代替方法は、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含む1つ以上のエマルション組成物を提供する工程であって、
-当該少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、
-当該1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)エマルション組成物のうちの1つから第1のフィルムを形成する工程と、
(iii)当該第1のフィルム上に少なくとも1つの追加のフィルムを置いて、多層フィルムを形成する工程であって、
各フィルムが、先に置かれたフィルムと同じであっても異なっていてもよく、
各追加のフィルムが、先に塗布されたフィルムが少なくとも部分的に乾燥した後に、先に塗布されたフィルム上に形成される、工程と、
(iv)多層フィルムの温度を低下させる工程と、を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、方法は、温度を多くとも10℃の温度まで低下させることを含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、方法は、多層フィルムを約2℃~約10℃、場合によっては、約4℃~約8℃の温度に冷却することを含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、方法は、フィルムを乾燥させることを含む。乾燥条件は、連続フィルムの形成を可能にするように選択される。
【0236】
いくつかの実施形態では、乾燥は、少なくとも約60℃、少なくとも約70℃、少なくとも約80℃、少なくとも約90℃の温度で行われる。
【0237】
いくつかの実施形態では、乾燥は、約60℃~約100℃、場合によっては、約70℃~約100℃の温度で行われる。
【0238】
いくつかの実施形態では、乾燥は、約60℃、約65℃、約70℃、約80℃、約90℃、約95℃の温度で行われる。
【0239】
いくつかの実施形態では、乾燥は、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、少なくとも約15分間、少なくとも約20分間、少なくとも約25分間、少なくとも約30分間である。
【0240】
いくつかの実施形態では、乾燥は、約5分間、約10分間、約15分間、約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間である。
【0241】
いくつかの例では、乾燥は、約65℃で約30分間の温度で行われる。
【0242】
いくつかの例では、乾燥は、約70℃で約30秒間、場合によっては、約40秒間、場合によっては、約50秒間、場合によっては、約60秒間、場合によっては、約70秒間、場合によっては、約80秒間、場合によっては、約90秒間、場合によっては、約100秒間、場合によっては、約120秒間の温度で行われる。
【0243】
いくつかの例は、乾燥は、約70℃で約5分間、場合によっては、約20分間、場合によっては、約25分間、場合によっては、約30分間、場合によっては、約50分間の温度で行われる。
【0244】
本発明者らは、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、温度の低下によって促進される溶解挙動を有する少なくとも1つのポリマーを含むことを示唆した。理論に束縛されるものではないが、温度を低下させることが、複数のフィルム、例えば、ストリップ及び/又は糸の接着を改善することが本発明者らによって示唆された。
【0245】
植物ベース食料製品を製造するための本明細書に開示される更なる代替方法は、
(i)少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、及び水の均質ブレンドを含むエマルション組成物を提供する工程であって、少なくとも1つの親水コロイド形成ポリマーが、1つ以上の増粘性ポリマーを含み、各増粘性ポリマーが、約2%(w/v)の濃度で水に溶解した場合に、25℃で少なくとも1,000cPの粘度を有し、1つ以上の増粘性ポリマーの総量が、食料製品の総乾燥重量のうちの2重量%~20重量%である、工程と、
(ii)ヒドロゲルフィルムを折り畳んで折り畳まれたフィルムにする工程と、
(iii)折り畳まれたフィルムを少なくとも部分的に乾燥させて、植物ベース食料製品を得る工程と、を含む。
【0246】
食料製品を製造するための本明細書に開示される方法は、一般に、いくつかの例によると、少なくとも部分的に乾燥させることを、オーブン内で加熱すること、乾燥空気に曝露すること、IR放射に曝露すること、又はマイクロ波内で加熱することのうちのいずれか1つ又は組み合わせによって実施する。
【0247】
更に、食料製品を製造するための本明細書に開示される方法は、一般に、いくつかの例によると、各フィルムの厚さ(高さ)を制御することを含み、制御は、本明細書に記載されている方法で行われる。
【0248】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の形式は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、単数形及び複数形を含む。例えば、「ポリマー」又は「タンパク質」という用語は、それぞれ、ヒドロゲルフィルムの一部分を形成することができる1つ以上のポリマー又はタンパク質を含む。
【0249】
更に、本明細書で使用される場合、「を含む(comprising)」)という用語は、組成物が、列挙された成分、例えば、親水コロイド形成ポリマー、タンパク質、脂質、水を含むが、香味剤、着色剤などの他の成分を除外しないことを意味することが意図している。「本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、列挙された成分を含むが、フィルム又はそれを含有する製品の感覚刺激特性及び/又はレオロジー特性に本質的な重要性を有し得る他の成分を除外する、製品のフィルムを定義するために使用される。したがって、「から構成される(consisting of)」とは、微量を超える他の成分を除外することを意味するものとする。これらの移行用語のそれぞれによって規定される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0250】
更に、全ての数値は、例えば、フィルム又は食料製品を構成する成分の量又は範囲について言及する場合、表示した値の(+)又は(-)最大20%、場合によっては、最大10%変動する近似値である。明示的に述べられていない場合でも、全ての数値指定の前に「約」という用語が付いていると理解するものとする。
【0251】
本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示される場合があることに留意されたい。範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能な部分範囲並びにその範囲内の個々の数値を有すると見なされるべきである。例えば、1から6又は1~6といった範囲の記載は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、及び6を具体的に開示していると見なされるべきである。
【0252】
本発明の様々な態様に関連して本明細書で詳述される様々な実施形態及び例は、本明細書で開示される1つ以上の態様に適用可能であり得ることに更に留意されたい。本明細書に記載される任意の実施形態、例えば、食料成分の成分に関連する実施形態は、別々に、又は様々な組み合わせで適用され得ることに更に留意されたい。上記で説明され、以下の特許請求の範囲の請求項で請求される本発明の様々な実施形態及び態様は、以下の実施例において実験的な裏付けを見出す。本明細書で使用される「別の実施形態では」という語句又は実施形態に対してなされた任意の言及は、必ずしも異なる実施形態を指すものではないが、そうである場合もある。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の様々な実施形態を(同じ態様から、又は異なる態様から)組み合わせることができる。
【0253】
ここで、本発明は、本発明に従って実施された実験の以下の説明において例示される。これらの例は、限定ではなく、例解の性質で意図されていると理解されたい。上記の教示を鑑み、これらの例には多くの修正及び変形が可能であることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、以下に具体的に説明されるよりも、無数の可能な方法で、別様に実施され得ることが理解されるべきである。
【実施例】
【0254】
いくつかの非限定的な実施例
材料
表1は、以下の非限定的な実施例では使用される材料、それらの潜在的な機能性、及び規定された濃度におけるそれらの粘度を提供する。
【0255】
【0256】
方法
粘度[cP]
粘度は、標準粘度計VIS-8(MRC)を使用して決定した。
【0257】
水分含有量(%)
異なる製品中の水分含有量を決定するために、Moisture Analyzer MA35(Sartorius)を使用した。このMAは、試験試料の水分含有量を決定するために熱重量測定手順を使用する。各試料の重量は、2~4grであった。分析は、115℃で20~30分の乾燥時間で行った。自動中間結果の間隔は、1.5分であった。
【0258】
崩壊時間
崩壊時間を決定するために、予熱した(37℃)水(100ml)を、磁気撹拌器(ARE Heating Magnetic Stirrer)を備えたガラスビーカー内に注いだ。磁気撹拌器によって連続的に混合しながら、水温を約37℃に維持した。次いで、(最終製品の)1cm×1cm×厚さの試料を加熱水中に挿入し、完了するまでの時間(目視判定)を測定した。
【0259】
接着
接着は、標準的なTexture Analyzer(TA)を使用して決定され、冷却なし(参照試料)及び約1時間の冷却後(試験試料)の試料(例えば、植物ベース鶏テンダー)の引張強度を測定することによって試験される。この方法は、実施例13に詳述した冷却工程を含む。
【0260】
分析は、参照試料及び試験試料をその2つの側から約100mmの距離にわたって垂直に引き抜くことによって行われる。試験速度は、10mm/秒である。試験試料と参照試料との比較は、TAソフトウェアを使用して得られた応力ひずみ曲線を比較することによって行われる。
【0261】
実施例1:植物ベース鶏型コールドカット-単層
例示的な植物ベース鶏型コールドカットの調製を以下に提供する。
【0262】
材料及び方法
表1Aの成分を含むエマルション組成物を調製した。
【0263】
【0264】
具体的には、水を4L容器に添加し、約70℃に加熱した。ヒマワリレシチン、MCT、及びカノーラ油を水に添加し、約21.500l/分で約10分間均質化した。エンドウマメタンパク質及びヒヨコマメタンパク質をエマルションに添加し、21.500 l/分で約10分間均質化した。5分間均質化しながら、塩、香料、着色料、及びマンニトールを添加した。10分間均質化しながら、マルトデキストリン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び柑橘類繊維を添加した。
【0265】
エマルションをミキサーに移し、最低速度で約2時間撹拌して、周囲温度まで冷却し、均質なエマルションが得られるまで冷却した。
【0266】
1000μmギャップを有する卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを65℃のオーブン中で約40分間乾燥させて、鶏型コールドカットフィルムを得た。その画像を
図1に提供する。
【0267】
結果:
エマルションの粘度は、15℃で約50,000cPである(スピンドル4、6RPM)。
【0268】
最終乾燥製品は、約31%の水及び表1Bの組成物を含有する、植物ベース鶏型コールドカットの濃厚物である。
【0269】
【0270】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベースコールドカットのものと同様であり、動物ベースコールドカットと同様にすぐに裂けることなく圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0271】
崩壊時間は、本明細書に記載の手順に従って決定され、約12分であると結論付けられた。
【0272】
実施例2:植物ベース鶏型コールドカット-2層
2層鶏型コールドカットのエマルション調製のために、実施例1と同じ手順を行った。
【0273】
1000μmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを65℃のオーブン中で約40分間乾燥させて、植物ベース鶏型コールドカットを得た。
【0274】
次いで、植物ベース鶏型コールドカットの第1の層を、2000μmのギャップを有する卓上アプリケータを使用して、同じエマルションで覆った。2層生成物を65℃のオーブン中で約35分間乾燥させた。次いで、乾燥した2層製品を非粘着性ライナーウェブから剥がし、反対側の面を非粘着性ライナーウェブ上に置き、65℃のオーブン中に10分間再び挿入した。2層製品の画像を
図2に提供する。
【0275】
結果:
冷却後のエマルションの粘度は、15℃で約50,000cPである(スピンドル4、6RPM)。
【0276】
2層の植物ベース鶏型コールドカットは、厚さ900μmであり、実施例1の単層と同じ組成物を100gr当たり又は乾燥重量に対して含有していた。
【0277】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベースコールドカットのものと同様であり、動物ベースコールドカットと同様にすぐに裂けることなく圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0278】
崩壊時間は、本明細書に記載の手順に従って決定され、30分を超えると結論付けられた。
【0279】
実施例3:植物ベースハム型コールドカット-単層圧延
以下に示す表2Aのエマルション成分を用いて、実施例1と同じ手順を使用して、例示的なハム型コールドカットを調製した。
【0280】
【0281】
結果:
冷却後のエマルションの粘度は、15℃で約50,000cPである(スピンドル4、6RPM)。
【0282】
最終乾燥製品は、約30%の水及び表2Bの組成物を含有する、400μm厚の植物ベースハム型コールドカットである。
【0283】
【0284】
図3は、この非限定的な例によるハム型コールドカットの単層の画像を提供する。
【0285】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベース鶏コールドカットのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0286】
崩壊時間は、本明細書に記載の手順に従って決定され、約12分であるという結果になった。
【0287】
実施例4:2つの別個の色を有する植物ベースベーコン型コールドカット-単層圧延
2つの異なる色を含有する製品の例示的な調製は、ベーコン型のコールドカットを提供する2つの種類のエマルションを形成することによって調製された。エマルションの組成を表3Aに提供する。
【0288】
【0289】
上記のように、2つの層の間の唯一の違いは、香味剤及び着色剤並びにマンニトールの量にある。
【0290】
各エマルションは、実施例1で提供された手順に従って調製され、第1のエマルションは、1000μのギャップを有する卓上アプリケータを使用して、各々の純粋物の間に小さなギャップを有する非粘着性ライナーウェブ上に注がれ、第2のエマルションは、第1のエマルションのギャップ内に注がれた。
【0291】
次いで、エマルションを65℃のオーブン中で約40分間乾燥させた。
図4は、2つの異なる色(2つの異なる矢印の種類によってマークされる)を呈するフィルムの画像を提供する。
【0292】
結果:
最終乾燥製品は、約30%の水及び表3Bの組成物を含有する、400μm厚の、2つの別個の色を有する植物ベースベーコン型コールドカットである。
【0293】
【0294】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベース鶏コールドカットのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0295】
崩壊時間は、本明細書に記載の手順に従って決定され、約12分であると結論付けられた。
【0296】
実施例5:植物ベース鶏型胸肉1層-圧延
以下に提示する表4Aのエマルション組成物を使用して、実施例1の手順に従って鶏型胸肉を調製した。
【0297】
【0298】
1000μmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを65℃のオーブン中で約30分間乾燥させた。
【0299】
乾燥後、層を取り出し、
図5に示されるように、非粘着性食料グレード材料上で圧延して植物ベース鶏胸肉を得た。
【0300】
結果:
冷却後のエマルションの粘度は、15℃で約300,000cPである(スピンドル4、1.5RPM)。
【0301】
最終乾燥製品は、約60%の水及び表4Bの組成物を含有する、4500μm厚の圧延された1層の植物ベース鶏型胸肉である。
【0302】
【0303】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベース鶏コールドカットのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0304】
実施例6:植物ベース鶏型胸肉-成形層
いくつかの層を含む植物ベース鶏型胸肉を調製し、各層は、実施例1の手順に基づき、表5Aの組成物を使用してエマルションから調製した。
【0305】
【0306】
次いで、1000μmのステンレス鋼金型を使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いで、層を形成した。エマルションを70℃のオーブン中で約10分間乾燥させた。
【0307】
次いで、層をオーブンから取り出し、別の1000μmの金型を、まだ型内にある間に、先に作製したフィルムの上に置いた。添加量のエマルションを金型内に注ぎ、伸ばし、70℃のオーブンに約10分間入れた。
図6の画像のような8層製品が形成されるまで、この工程を約8回繰り返した。
【0308】
多層製品は、約1時間の間、4~8℃の冷蔵庫に入れられた後もそこに保管された。冷却後、製品を70℃で30分間の別の乾燥区分のためにオーブンに挿入した。
【0309】
結果:
冷却後のエマルションの粘度は、15℃で約300,000cPである(スピンドル4、1.5RPM)。
【0310】
最終乾燥製品は、約60%の水を含有し、表5Bの組成物を有する、9,000μm厚の成形8層植物ベース鶏型胸肉である。
【0311】
【0312】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベース鶏胸肉のものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0313】
崩壊時間は、本明細書に記載の手順に従って決定され、約25分であると結論付けられた。
【0314】
実施例7:植物ベースパン粉をまぶした鶏胸肉型(シュニッツェル)-3回積層
表6Aの組成物を用いて調製したエマルション及び実施例1の手順を使用して、パン粉をまぶした鶏胸肉型を調製した。
【0315】
【0316】
1000μmのステンレス鋼金型を使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約10分間乾燥させた。
【0317】
層をオーブンから取り出し、別の1000μmの金型を金型の上に置いた。エマルションを金型内に注ぎ、伸ばし、70℃のオーブンに約10分間入れた。この工程を3層の金型で3回繰り返した。
【0318】
3つの層の3つの積層を受け取った後、積層を他の積層の上に置いて、鶏胸肉様製品を得た。
【0319】
鶏胸肉型製品を4~8℃の冷蔵庫に1時間置き、1時間後、鶏胸肉様をステンレス鋼メッシュ上に70℃で30分間置いた。
【0320】
鶏胸肉型製品をパン粉で四方から覆い、-18℃の冷凍庫に約12時間入れて、画像が
図7に提供されるパン粉をまぶした製品を得た。これに関連して、この実施例で使用されるフィルム形成ポリマーは、低温でより高い溶解度を有し、したがって、冷却は、フィルムの粘着性にプラスの影響を及ぼし、層間の接着を改善することに留意されたい。
【0321】
結果:
冷却後のエマルションの粘度は、15℃で約300,000cPである(スピンドル4、1.5RPM)。
【0322】
最終乾燥製品は、約60%の水及び表6Bの組成物を含有する、9000μm厚の植物ベースのパン粉をまぶした鶏型胸肉である。
【0323】
【0324】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベース鶏胸肉のものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0325】
崩壊時間は、本明細書に記載の手順に従って決定され、約25分であった。
【0326】
実施例8:ホエイタンパク質及びカゼインを有するハイブリッドハードチーズ
表7Aの組成物及び実施例1の手順を用いて調製したエマルションを使用する、非動物組換え乳タンパク質を含有するハイブリッドハードチーズ。
【0327】
【0328】
1000μmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約30分間乾燥させた。
【0329】
層をオーブンから取り出し、2000μmのギャップを有するテーブルトップアプリケータを使用して、層の上にエマルションを注ぎ、層をオーブン中で70℃で約30分間乾燥させた。
【0330】
層をオーブンから取り出し、3000μmのギャップを有する卓上アプリケータを使用して、層の上にエマルションを注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約30分間乾燥させて、
図8に示されるハイブリッドハードチーズを得た。
【0331】
結果:
最終乾燥製品は、約60%の水分及び表7Bの組成物を含有する、2500μm厚のハイブリッドハードチーズである。
【0332】
【0333】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベースハードチーズのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0334】
実施例9:鶏筋肉細胞を有するハイブリッド鶏型コールドカット
表8Aの組成物及び実施例1の手順で調製されたエマルションを使用する、非動物培養鶏筋細胞を含有するハイブリッド鶏型コールドカット。
【0335】
【0336】
1000μmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを75℃のオーブン中で約20分間乾燥させた。
【0337】
層をオーブンから取り出し、非粘着性材料上で圧延させ、4~8℃の冷蔵庫内に一晩置いた。
図9は、圧延されたハイブリッド製品を提供する。
【0338】
結果:
最終乾燥製品は、約60%の水及び表8Bの組成物を含有する、4500μm厚の鶏筋細胞を有するハイブリッド鶏型コールドカットであった。
【0339】
【0340】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベース鶏コールドカットのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0341】
実施例10:魚脂肪細胞を有するハイブリッドサーモン型魚
表9Aの組成物及び実施例1の手順で調製した非動物養殖魚脂肪細胞エマルションを含有するハイブリッドサーモン型魚。
【0342】
【0343】
1000μmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを65℃のオーブン中で約40分間乾燥させた。
【0344】
層をオーブンから取り出し、非粘着性材料上で圧延させ、4~8℃の冷蔵庫内に一晩置いた。
図10は、ハイブリッドサーモン製品の図を提供する。
【0345】
結果:
最終乾燥製品は、約32%の水及び表9Bの組成物を含有する、40000μm厚の魚脂肪細胞を有するハイブリッドサーモン型魚である。
【0346】
【0347】
感覚刺激性テクスチャは、サーモンのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0348】
実施例11:植物ベースイエローチーズ
表10Aの組成物及び実施例1の手順を用いて調製した植物ベースイエローチーズエマルション。
【0349】
【0350】
m1000μmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約25分間乾燥させた。
【0351】
層をオーブンから取り出し、2000μmのギャップを有するテーブルトップアプリケータを使用して、層の上にエマルションを注ぎ、層をオーブン中で70℃で約25分間乾燥させた。
【0352】
層をオーブンから取り出し、3000μmのギャップを有する卓上アプリケータを使用して、エマルションを層の上に注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約25分間乾燥させて、
図11の画像に示されるように、植物ベースハードチーズスライス(シート状)を得た。
【0353】
植物ベースハードチーズを冷蔵庫に4~8℃で一晩保存した。
【0354】
結果:
最終製品は、約40%の水及び表10Bの組成物を含有する、1200μm厚の植物ベースイエローチーズである。
【0355】
【0356】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベースイエローチーズのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0357】
実施例12:植物ベースハードチーズ(フェタ型)
表11Aの組成物及び実施例1の手順を用いて調製した植物ベースハードチーズエマルション。
【0358】
【0359】
1000μmのステンレス鋼金型を使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約20分間乾燥させた。
【0360】
層をオーブンから取り出し、1000μmのステンレス鋼型を使用して、エマルションを層の上に注ぎ、層を70℃のオーブン中で約20分間乾燥させた。
【0361】
層をオーブンから取り出し、1000μmのステンレス鋼型を使用して、エマルションを層の上に注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約20分間乾燥させた。最終的に、フェタ様チーズが得られ、その写真を
図12に提供する。
【0362】
植物ベースハードチーズを冷蔵庫に4~8℃で一晩保存した。
【0363】
結果:
最終製品は、約40%の水及び表11Bの組成物を含有する、2500μm厚の植物ベースハードチーズである。
【0364】
【0365】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベースハードチーズのものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【0366】
実施例13:原線維/糸構造を有する植物ベース鶏型胸肉
表4A(上記実施例5)の成分を含むエマルション組成物を調製した。
【0367】
この組成物からのエマルションを上記実施例1に記載したように調製した。
【0368】
エマルションを一組のノズルを通してプレスして、細長い糸を形成した。
【0369】
各ノズルは、約1mm~約3mmの直径を有していた。約1mm~約3mmの直径を有する得られた細長い糸を、
図13に示すように、各細長い糸の間に約1cmの距離を置いて非粘着性ライナーウェブ上に配置した。
【0370】
細長い糸を70℃のオーブン中で約5分間乾燥させた。
【0371】
乾燥後、糸は、束ねられ、全ての糸が互いに整列するように、手作業で又は金型を使用することによって配設された。
【0372】
得られた束ねられた製品を約1時間冷却(4℃)して、糸の間に接着を生じさせた。続いて、束ねられた製品をオーブン(70℃)中で約30分間更に乾燥させて、鶏胸肉類似物製品を得た。
【0373】
含水量を上記のように測定し、約45~55%であることが分かった。
【0374】
結果:
冷却後のエマルションの粘度は、15℃で約300,000cPである(スピンドル4、1.5RPM)。
【0375】
キャリパーで測定した乾燥後の糸の厚さ/直径は、約0.3mm~約1mmであった。
【0376】
得られた鶏胸肉類似物製品は、鶏胸肉の味覚、テクスチャ、及び外観の両方の特徴を有していた。
図14は、パン粉をまぶしたテンダー形態として得られた鶏胸肉類似物製品の画像を提供し、原線維構造を示し、
図15は、得られた鶏胸肉類似物製品の画像を提供する。両方の製品は、「鶏」様の繊維構造を有することを特徴とする。
【0377】
鶏胸肉類似物製品の組成を表12に提供する。
【0378】
【0379】
植物ベース鶏胸肉類似物製品は、上述のようなテクスチャ分析器によって検査される。
【0380】
実施例14:植物ベース原線維構造鶏型胸肉
均質なエマルションを実施例13に記載したように得る。
【0381】
エマルションを非粘着性ライナーウェブ上で、
図16に示すような約1mmのギャップを有する高さ1000μmのステンレス鋼金型内に注いで、細長いストリップを形成する。
【0382】
細長いストリップを70℃のオーブン中で約5分間乾燥させる。
【0383】
乾燥後、ストリップを実施例13に記載したように処理する。
【0384】
実施例15:植物ベース鶏型胸肉(非実施例)
【0385】
【0386】
8000μmのステンレス鋼金型を使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを70℃のオーブン中で約50分間乾燥させた。
【0387】
鶏胸肉様製品を4~8℃の冷蔵庫に1時間置き、1時間後、鶏胸肉様をステンレス鋼メッシュ上で70℃に15分間置いた。
【0388】
結果:
最終製品は、約70%の水を含有する、7000μm厚の植物ベース鶏型胸肉であり、その画像を
図17に提供し、その組成を表13Bに提供する。
【0389】
【0390】
図17からも明らかなように、鶏型胸肉は、8000μmの厚い単層での乾燥のために湿りすぎており、連続フィルムは形成されなかった。
【0391】
なお、崩壊時間は、約8分であった。
【0392】
実施例16:非加工(参照番号3)植物ベース鶏型胸肉
表13Aの組成物及び実施例1の手順を用いて調製した植物ベース鶏型胸肉。
【0393】
【0394】
1000μmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注いだ。エマルションを65℃のオーブン中で約30分間乾燥させた。
図18は、得られた製品の画像を提供し、低量(2%未満)の増粘性親水コロイド形成ポリマーに起因する連続性の欠如/無傷フィルムの欠如を示す。少量のこれらのポリマーはまた、ザラザラした口当たりをもたらした。水及び表14Bの組成物:
【0395】
【0396】
鶏型胸肉は、増粘性親水コロイド形成ポリマーの欠如のために、湿りすぎ、亀裂が入り、連続していなかった。これらの重要なポリマーの欠如は、約1分という短い崩壊時間からも明らかであった。
【0397】
実施例17:原線維/糸構造を有する植物ベースサーモンの切り身
以下に提示する表15Aのエマルション組成物を使用して、実施例1の手順に従ってサーモンの切り身を調製した。
【0398】
【0399】
糸の高さを定義する1mmギャップの卓上アプリケータを使用して、エマルションを非粘着性ライナーウェブ上に注ぎ、この層を、
図19に示すような専用コームを使用して細い糸に変換した。コームは、糸の湿潤幅を定義する歯の間に1mmのギャップを有する。コーム歯間の距離は1mmであり、これは湿潤糸間の距離を定義する。糸を70℃のオーブン中で約30~120秒間乾燥させた。
【0400】
得られた細長い糸は、
図20に示されるように、約0.1mm~約0.6mmの直径を有する。
【0401】
乾燥後、糸は、束ねられ、全ての糸が互いに整列するように、手作業で又は金型を使用することによって配設された。
【0402】
得られた束ねられた製品を約1時間冷却(4℃)して、糸の間に接着を生じさせた。続いて、束ねられた製品を、長さ2cm、幅2cm、高さ1cmのスライスに切断し、更に、各側を約200℃を使用して約1分間、鍋中で揚げて、サーモンの切り身類似物製品を得た。糸は、サーモン魚の筋肉繊維を模倣するために、
図21に示されるように垂直方向に配設される。
【0403】
含水量を上記のように測定し、約35~55%であることが分かった。
【0404】
結果:
冷却後のエマルションの粘度は、15℃で約300,000cPである(スピンドル4、1.5RPM)。
【0405】
キャリパーで測定した乾燥後の糸の厚さ/直径は、約0.1mm~約0.6mmであった。
【0406】
得られたサーモンの切り身類似物製品は、サーモンの切り身の味、テクスチャ、及び外観の両方の特徴を有していた。
図21は、原線維構造を示す、得られたサーモンの切り身類似物製品の画像を提供する。
【0407】
サーモンの切り身類似物製品の組成を表15Bに提供する。
【0408】
【0409】
感覚刺激性テクスチャは、動物ベースサーモンの切り身のものと同様であり、すぐに裂けることなく製品を圧延しバンド掛けする能力を有していた。
【国際調査報告】