(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】組織切断システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20240905BHJP
G01N 1/04 20060101ALI20240905BHJP
C12M 1/26 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G01N1/06
G01N1/04 H
G01N1/04 G
C12M1/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515387
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022043000
(87)【国際公開番号】W WO2023039131
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523248596
【氏名又は名称】エレファス バイオサイエンシーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】オリナー, ジョナサン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】コックス-ムラナミ, ウェスリー アキラ
(72)【発明者】
【氏名】チュオン, ティエウ キュー.
(72)【発明者】
【氏名】フェアバンクス, ジョナサン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】タット, アレン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, ライアン イー.
(72)【発明者】
【氏名】バルテス, クリスチャン アール.
(72)【発明者】
【氏名】バッケン, トッド ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AA33
2G052AD12
2G052AD32
2G052AD52
2G052BA15
2G052DA27
2G052EA03
2G052EB12
2G052EC02
2G052FA01
2G052FC04
4B029AA09
4B029BB20
4B029HA10
(57)【要約】
本発明は、組織を切断するためのデバイス、システム、および方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、組織を組織培養および薬物試験用途において使用を見出す断片に切断し、かつ種々の精密腫瘍学用途における生体外薬物応答判定等の生体組織を要求する種々の下流用途のために最大組織生存能力を維持するために、組織を断片に切断することに関する。本開示の一側面は、中空空洞を伴う組織保持器を含む、組織切断システムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切断システムであって、
中空空洞を伴う組織保持器であって、前記組織保持器は、前記中空空洞内に組織サンプルを保持するように構成される、組織保持器と、
第1の切断コンポーネントであって、前記第1の切断コンポーネントは、それぞれ、第1の寸法および第2の寸法における切り込みによって、前記組織保持器の中空空洞内に含有される組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成される、第1の切断コンポーネントと、
回転デバイスであって、前記回転デバイスは、第1の相対的配向と第2の相対的配向との間で、前記組織保持器と前記第1の切断コンポーネントとの間の相対的回転移動を引き起こすように構成され、
前記第1の相対的配向において、前記第1の切断コンポーネントは、前記第1の寸法において前記組織保持器内に含有される前記組織サンプルを切断するように構成され、前記第2の相対的配向において、前記第1の切断コンポーネントは、前記第2の寸法において前記組織保持器内に含有される前記組織サンプルを切断するように構成される、
回転デバイスと、
第2の切断コンポーネントであって、前記第2の切断コンポーネントは、第3の寸法において前記切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される、第2の切断コンポーネントと
を備える、組織切断システム。
【請求項2】
前記組織サンプルと結合される駆動アセンブリをさらに備え、前記切り込みを入れられた組織サンプルの一部は、前記駆動アセンブリのアクティブ化に応答して、前記組織保持器の遠位端における開口部において暴露される、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項3】
前記第2の切断コンポーネントは、前記切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成される、請求項2に記載の組織切断システム。
【請求項4】
前記組織保持器はさらに、犠牲組織支持体を備え、前記犠牲組織支持体は、前記組織サンプルを支持するように構成され、前記第2の切断コンポーネントは、前記犠牲組織支持体を通して切断することによって、前記組織サンプルを切断するように構成される、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項5】
前記犠牲組織支持体は、溝を伴う非平坦表面を含み、前記溝は、前記組織サンプルを支持するように構成される、請求項4に記載の組織切断システム。
【請求項6】
前記組織保持器に結合され、前記組織サンプルを含有する前記組織保持器を前記第1の切断コンポーネントおよび/または前記第2の切断コンポーネントに対して移動させるように構成される平行移動アセンブリをさらに備える、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項7】
前記平行移動アセンブリは、その上に前記組織保持器が搭載される平行移動ステージを備え、前記平行移動ステージは、前記第1の切断コンポーネントおよび/または前記第2の切断コンポーネントに向かう、およびそこから離れるような前記組織保持器の平行移動運動を引き起こすように構成される、請求項6に記載の組織切断システム。
【請求項8】
前記組織保持器の側壁は、スリットを備え、前記スリットは、前記組織サンプルが前記組織保持器の中空空洞内に含有される間、前記第1の切断コンポーネントがそれを通して通過し、前記組織サンプルを切断することを可能にする、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項9】
前記スリットは、複数のスリットのうちの1つであり、前記複数のスリットはそれぞれ、前記組織サンプルが前記組織保持器の中空空洞内に含有される間、前記第1の切断コンポーネントがそれを通して通過し、前記組織サンプルを切断することを可能にする、請求項8に記載の組織切断システム。
【請求項10】
前記複数のスリットの2つの隣接するスリットは、300μm~2,000μmの範囲内で離れて位置付けられる、請求項9に記載の組織切断システム。
【請求項11】
前記スリットの幅は、1mm~10mmの範囲内である、請求項8に記載の組織切断システム。
【請求項12】
前記スリットの深さは、50μm~1,000μmの範囲内である、請求項8に記載の組織切断システム。
【請求項13】
前記第1の切断コンポーネントは、前記組織保持器の遠位端における開口部を通して前記中空空洞の中に突出し、前記組織サンプルが前記中空空洞内に含有される間、前記組織サンプルを切断するように構成される、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項14】
内部空間を伴うリザーバと、前記内部空間内に位置付けられる流体材料とをさらに備え、前記組織保持器の少なくとも一部は、前記リザーバの内部空間の中に突出し、前記流体材料内に浸漬され、前記リザーバは、前記内部空間内に前記組織断片を収集するように構成される、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項15】
酸素源を含む酸素供給ユニットをさらに備え、前記酸素源は、前記リザーバに結合され、前記リザーバの内部空間内の前記流体材料に酸素供給するように構成される、請求項14に記載の組織切断システム。
【請求項16】
前記リザーバを保持するように構成されるネストをさらに備え、前記ネストは、前記ネストを通して熱交換流体を循環させるための通路を備える、請求項14に記載の組織切断システム。
【請求項17】
前記ネストを通して循環される前記熱交換流体は、前記リザーバおよび前記リザーバ内の前記流体材料の温度を1℃~10℃の範囲内に維持する、請求項16に記載の組織切断システム。
【請求項18】
前記ネストを通して循環される前記熱交換流体は、前記リザーバおよび前記リザーバ内の前記流体材料の温度を35℃~38℃の範囲内に維持する、請求項16に記載の組織切断システム。
【請求項19】
前記ネスト内の前記通路を通して前記熱交換流体を圧送するように構成される熱交換器をさらに備え、前記リザーバ内の前記流体材料の温度を検出するように構成される温度センサをさらに備える、請求項16に記載の組織切断システム。
【請求項20】
前記リザーバに取付可能なフィルタアセンブリをさらに備え、前記フィルタアセンブリは、規定されたサイズよりも大きい組織断片を留めるように構成される少なくとも第1のフィルタユニットを備える、請求項14に記載の組織切断システム。
【請求項21】
前記フィルタアセンブリはさらに、前記第1のフィルタユニットと直列に接続される少なくとも第2のフィルタユニットを備え、前記第2のフィルタユニットは、前記規定されたサイズの組織断片を留めるように構成される、請求項20に記載の組織切断システム。
【請求項22】
前記回転デバイスは、前記組織保持器に結合され、前記第1の相対的配向と前記第2の相対的配向との間で縦方向軸を中心として前記組織保持器を回転させるように構成される、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項23】
前記回転デバイスは、90°の角度だけ前記縦方向軸を中心として前記組織保持器を回転させる、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項24】
前記第1の切断コンポーネントおよび前記第2の切断コンポーネントに結合される発振器をさらに備え、前記発振器は、20Hz~200Hzの範囲内の周波数において前記第1の切断コンポーネントおよび前記第2の切断コンポーネントを発振させるように構成される、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項25】
マウントをさらに備え、前記第1の切断コンポーネントおよび前記第2の切断コンポーネントは、前記マウントに結合され、前記第1の切断コンポーネントの第1の切断平面は、ある角度において前記第2の切断コンポーネントの第2の切断平面と交差する、請求項24に記載の組織切断システム。
【請求項26】
前記組織サンプルは、生体組織サンプルである、請求項1に記載の組織切断システム。
【請求項27】
組織切断システムであって、
中空空洞、近位端、遠位端における開口部、および前記中空空洞内に位置付けられる犠牲組織支持体を伴う組織保持器であって、
前記犠牲組織支持体は、組織サンプルを支持するように構成され、前記犠牲組織支持体は、前記中空空洞から外に駆動され、前記遠位端における前記開口部を通して前記組織サンプルの一部を暴露するように構成される、
組織保持器と、
前記組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される切断コンポーネントであって、前記切断コンポーネントは、前記犠牲組織支持体を通して切断することによって、前記組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成される、切断コンポーネントと、
流体材料で充填されるリザーバであって、前記組織保持器の一部は、前記流体材料内に浸漬される、リザーバと
を備える、組織切断システム。
【請求項28】
前記犠牲組織支持体は、溝を伴う非平坦表面を含み、前記溝は、前記組織サンプルを支持するように構成される、請求項27に記載の組織切断システム。
【請求項29】
前記犠牲組織支持体は、複数の溝を伴う非平坦表面を含み、前記複数の溝における各溝は、複数の組織サンプルの同時切断のために組織サンプルを支持するように構成される、請求項27に記載の組織切断システム。
【請求項30】
組織切断システムであって、
組織サンプルを保持するように構成される組織保持器と、
切断アセンブリであって、前記切断アセンブリは、マウントと、前記マウントに結合される第1の切断コンポーネントと、前記マウントに結合される第2の切断コンポーネントと、前記マウントに結合される発振器とを含み、前記発振器は、前記第1の切断コンポーネントおよび前記第2の切断コンポーネントを移動させるように構成され、前記第1の切断コンポーネントは、第1の寸法および第2の寸法において前記組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成され、前記第2の切断コンポーネントは、第3の寸法において前記切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される、切断アセンブリと、
回転デバイスであって、前記回転デバイスは、第1の相対的配向と第2の相対的配向との間で、前記組織保持器と前記第1の切断コンポーネントとの間の相対的回転移動を引き起こすように構成され、前記第1の相対的配向において、前記第1の切断コンポーネントは、前記第1の寸法において前記組織保持器内に含有される組織サンプルを切断するように構成され、前記第2の相対的配向において、前記第1の切断コンポーネントは、前記第2の寸法において前記組織保持器内に含有される前記組織サンプルを切断するように構成される、回転デバイスと、
平行移動ステージであって、前記組織保持器は、前記平行移動ステージに結合され、前記組織保持器は、前記平行移動ステージのアクティブ化に応答して、前記第1の切断コンポーネントおよび前記第2の切断コンポーネントに対して平行移動する、平行移動ステージと
を備える、組織切断システム。
【請求項31】
前記組織保持器は、所定の速度において前記第1の切断コンポーネントおよび前記第2の切断コンポーネントに向かって平行移動する、請求項30に記載の組織切断システム。
【請求項32】
前記組織断片を保持するように構成されるリザーバをさらに備え、前記組織保持器の一部は、前記リザーバの内部空間の中に突出する、請求項30に記載の組織切断システム。
【請求項33】
前記発振器は、ボイスコイルアクチュエータを含み、前記発振器は、前記第1の切断コンポーネントおよび前記第2の切断コンポーネントに関する移動の周波数および振幅を制御するように構成される、請求項30に記載の組織切断システム。
【請求項34】
組織サンプルから組織断片を生成するための組織切断システムであって、前記組織切断システムは、
前記組織サンプルを定義されたサイズの組織断片に切断するように構成される切断コンポーネントと、
前記組織断片を収集するように構成されるリザーバと、
前記リザーバに取付可能なフィルタアセンブリであって、前記フィルタアセンブリは、前記定義されたサイズよりも大きい組織断片を留めるように構成される、フィルタアセンブリと
を備える、組織切断システム。
【請求項35】
前記フィルタアセンブリおよび前記リザーバに結合されるコネクタをさらに備え、前記コネクタは、開放位置と閉鎖位置との間で調節されるように構成される弁を含み、前記切断動作の間、前記弁は、前記閉鎖位置にあり、前記切断動作の後、前記弁は、前記開放位置にあり、それによって、前記リザーバの内容物が前記フィルタアセンブリの中に流動することを可能にする、請求項34に記載の組織切断システム。
【請求項36】
前記コネクタに結合され、前記リザーバの内容物を前記フィルタアセンブリの中に駆動するように構成される流体駆動機構をさらに備える、請求項35に記載の組織切断システム。
【請求項37】
フィルタアセンブリは、第1のフィルタユニットであって、前記規定されたサイズの組織断片がそれを通して流動することを可能にしながら、前記規定されたサイズよりも大きい不要な組織断片を留めるように構成される第1の細孔サイズを伴う第1のフィルタユニットと、第2のフィルタユニットであって、前記第1のフィルタユニットに直列に接続され、前記規定されたサイズの組織断片を留めるように構成される第2の細孔サイズを伴う第2のフィルタユニットとを含む、請求項34に記載の組織切断システム。
【請求項38】
前記少なくとも1つのフィルタユニットを洗浄するために所望の流量において洗浄緩衝液を供給するように構成される洗除機構をさらに備える、請求項34に記載の組織切断システム。
【請求項39】
前記少なくとも1つのフィルタユニットを攪拌するための機械的攪拌器をさらに備える、請求項34に記載の組織切断システム。
【請求項40】
中空空洞を含む組織保持器、第1の切断コンポーネント、および第2の切断コンポーネントを伴う組織切断システムを使用して組織サンプルを切断する方法であって、前記方法は、
a.前記組織保持器の中空空洞内に組織サンプルを位置付けることによって、切断のために前記組織サンプルを調製するステップと、
b.第1の相対的配向において前記組織保持器を位置付けるステップと、
c.前記第1の切断コンポーネントと前記組織保持器との間の相対的運動を生じさせ、第1の寸法において前記組織サンプル内に切り込みを入れるステップと、
d.ステップcの後、前記組織保持器を第2の相対的配向へある角度だけ回転させるステップと、
e.前記第1の切断コンポーネントと前記組織保持器との間の相対的運動を生じさせ、第2の寸法において前記組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するステップと、
f.前記組織保持器の遠位端における開口部を通して前記切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露するステップと、
g.前記第2の切断コンポーネントを横断して前記切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を移動させるステップであって、前記切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分は、第3の寸法において切断され、組織断片を生成する、ステップと
を含む、方法。
【請求項41】
前記角度は、90度である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記(b)-(g)のステップを繰り返すステップを含み、前記組織サンプル全体が、組織断片に切断される、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記組織保持器はさらに、犠牲組織支持体を備え、切断のために前記組織サンプルを調製するステップはさらに、前記犠牲組織支持体上に前記組織サンプルを位置付けるステップと、カプセル材を用いて前記犠牲組織支持体上に支持される前記組織サンプルを包み込むステップとを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
i)前記第1の相対的配向にある間、前記組織保持器を複数の位置に移動させ、前記複数の位置のそれぞれにおいて前記第1の切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように前記組織保持器をさらに移動させ、それによって、前記第1の切断コンポーネントに、前記第1の寸法において切り込みを入れさせるステップと、ii)前記第2の相対的配向にある間、前記組織保持器を前記複数の位置に移動させ、前記複数の位置のそれぞれにおいて前記第1の切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように前記組織保持器をさらに移動させ、それによって、前記第1の切断コンポーネントに、前記第2の寸法において切り込みを入れさせるステップとをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記複数の位置はそれぞれ、水平平面内にある、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記複数の位置はそれぞれ、垂直平面内にある、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記組織切断システムはさらに、流体材料で充填されるリザーバを備え、ステップ(b)-(g)の間、前記組織サンプルを含有する前記組織保持器は、前記流体材料内に浸漬され、前記組織断片は、前記リザーバ内に収集される、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
切断のために生体組織サンプルを調製する方法であって、
(a)中空空洞と、遠位端における開口部と、犠牲組織支持体とを含む組織保持器を提供するステップと、
(b)前記犠牲組織支持体の一部の上に前記生体組織サンプルを位置付けるステップであって、前記犠牲組織支持体の前記部分は、前記組織保持器の遠位端における前記開口部を通して前記中空空洞から外に暴露される、ステップと、
(c)カプセル材リザーバを前記組織保持器の遠位端における前記開口部に結合するステップであって、前記カプセル材リザーバは、カプセル材前駆体で充填される内部容積を含み、前記生体組織サンプルを支持する前記犠牲組織支持体は、前記カプセル材前駆体で充填される前記カプセル材リザーバの内部容積の中に延在する、ステップと、
(d)前記生体組織サンプルを支持する前記犠牲組織支持体を前記組織保持器の中空空洞の中に後退させるステップであって、前記カプセル材前駆体は、前記生体組織サンプルとともに前記中空空洞の中に引き込まれる、ステップと
を含む、方法。
【請求項49】
ステップ(d)の後、前記カプセル材前駆体をゲル化条件に曝し、カプセル材を生成するステップであって、前記生体組織サンプルは、前記カプセル材によって包み込まれる、ステップと、前記組織保持器から前記カプセル材リザーバを取外するステップとをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
切断のために組織サンプルを調製するためのキットであって、前記キットは、
a.中空空洞と、遠位端における開口部と、犠牲組織支持体とを備える組織保持器であって、前記犠牲組織支持体は、前記組織サンプルを支持するように構成され、前記犠牲組織支持体は、前記中空空洞に対して移動されるように構成され、前記犠牲組織支持体は、切断されるように構成される、組織保持器と、
b.カプセル材前駆体を含有するカプセル材リザーバであって、前記カプセル材リザーバは、前記組織保持器の遠位端における前記開口部に取外可能に結合され、それによって、前記カプセル材リザーバから前記組織保持器の中空空洞の中への前記カプセル材前駆体の流動を可能にするように構成される、カプセル材リザーバと
を備える、キット。
【請求項51】
前記組織保持器は、スリットを伴う側壁を含み、前記スリットの幅は、1mm~10mmであり、前記スリットの深さは、50μm~1,000μmである、請求項50に記載のキット。
【請求項52】
前記組織保持器は、複数のスリットを伴う側壁を含み、前記複数のスリットの2つの隣接するスリットは、300μm~2,000μmの範囲内で離れて位置付けられる、請求項50に記載のキット。
【請求項53】
前記犠牲組織支持体は、溝を伴う非平坦表面を含む、請求項50に記載のキット。
【請求項54】
前記犠牲組織支持体は、複数の溝を伴う非平坦表面を含む、請求項50に記載のキット。
【請求項55】
切断アセンブリであって、
マウントであって、
第1の表面と、
第1の角度において前記第1の表面と交差する第1のマウント表面であって、前記第1の角度は、90度である、第1のマウント表面と、
第2の角度において前記第1の表面と交差する第2のマウント表面であって、前記第2の角度は、1度~20度の範囲内である、第2のマウント表面と
を含む、マウントと、
前記第1のマウントに結合される第1の切断コンポーネントと、
前記第2のマウント表面に結合される第2の切断コンポーネントと
を備える、切断アセンブリ。
【請求項56】
前記第2の角度は、12.5度である、請求項55に記載の切断アセンブリ。
【請求項57】
前記マウントはさらに、
前記第1の表面に平行に延在する第2の表面であって、前記第2の表面は、90度において前記第1のマウント表面と交差する、第2の表面と、
前記第1のマウント表面に平行に延在する第3の表面であって、前記第3の表面は、90度において前記第2の表面と交差する、第3の表面と、
前記第1の表面に平行に延在する第4の表面であって、前記第4の表面は、90度において前記第3の表面と交差する、第4の表面と、
前記第2のマウント表面および前記第4の表面によって少なくとも部分的に形成される切り欠きと
を含む、請求項55に記載の切断アセンブリ。
【請求項58】
前記マウントは、流体入力ポートと、出口と、前記流体入力ポートと前記出口との間に延在する通路とを含む、請求項55に記載の切断アセンブリ。
【請求項59】
前記通路は、前記第1の表面に平行に延在する、請求項58に記載の切断アセンブリ。
【請求項60】
前記出口内に位置付けられるプラグをさらに含み、前記プラグは、複数の細孔を含む、請求項58に記載の切断アセンブリ。
【請求項61】
前記第1のマウント表面から延在する第1の座部と、前記第2のマウント表面から延在する第2の座部とをさらに含み、前記第1の切断コンポーネントは、前記第1の座部に当接し、前記第2の切断コンポーネントは、前記第2の座部に当接する、請求項55に記載の切断アセンブリ。
【請求項62】
切断コンポーネントを伴う組織切断システムを使用して組織サンプルを切断する方法であって、前記方法は、
第1の方向に一定の速度で、および前記第1の方向と反対の第2の方向に一定の速度で前記切断コンポーネントを循環的に移動させるステップと、
前記切断コンポーネントが前記第1の方向または前記第2の方向に前記一定の速度で移動しているとき、前記切断コンポーネントに向かって前記組織サンプルを移動させるステップと
を含む、方法。
【請求項63】
前記切断コンポーネントに向かって前記組織サンプルを移動させるステップは、前記組織サンプル内に切り込みを生じさせる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記切断コンポーネントに向かって前記組織サンプルを移動させるステップは、組織断片を生じさせる、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記切断コンポーネントに向かって前記組織サンプルを移動させるステップは、前記切断コンポーネントに対して前記組織サンプルを回転させるステップを含む、請求項62に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その全開示が、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、2022年2月25日に出願された、米国仮特許出願第63/313,819号および2021年9月10日に出願された、第63/242,542号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、組織を切断するためのデバイス、システム、および方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、組織を組織培養および薬物試験用途における使用を見出す断片に切断することに関する。
【背景技術】
【0003】
種々の診断用途は、組織が薄い切片に切断されることを要求する。従来の方法は、切断の速度によって限定され、1つまたはそれを上回る手動ステップを要求する。したがって、組織への有意な機械的損傷を引き起こすことなく、自動化された様式において、高速かつ高精密度で組織を切片に切断することに対する満たされていない必要性が、存在する。また、種々の精密腫瘍学用途における生体外薬物応答判定等の生体組織を要求する種々の下流用途のために最大組織生存能力を維持することが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一側面は、中空空洞を伴う組織保持器を含む、組織切断システムを提供する。組織保持器は、中空空洞内に組織サンプルを保持するように構成される。本システムはさらに、それぞれ、第1の寸法および第2の寸法における切り込みによって、組織保持器の中空空洞内に含有される組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成される、第1の切断コンポーネントを含む。本システムはさらに、第1の相対的配向と第2の相対的配向との間で、組織保持器と第1の切断コンポーネントとの間の相対的回転移動を引き起こすように構成される、回転デバイスを含む。第1の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法において組織保持器内に含有される組織サンプルを切断するように構成される。第2の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第2の寸法において組織保持器内に含有される組織サンプルを切断するように構成される。本システムはさらに、第3の寸法において切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される、第2の切断コンポーネントを含む。
【0005】
本開示の別の側面は、中空空洞、近位端、遠位端における開口部、および中空空洞内に位置付けられる、犠牲組織支持体を伴う組織保持器を含む、組織切断システムを提供する。犠牲組織支持体は、組織サンプルを支持するように構成される。犠牲組織支持体は、中空空洞から外に駆動され、遠位端における開口部を通して組織サンプルの一部を暴露するように構成される。本システムはさらに、組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される、切断コンポーネントを含む。切断コンポーネントは、犠牲組織支持体を通して切断することによって、組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成される。本システムはさらに、流体材料で充填される、リザーバを含み、組織保持器の一部は、流体材料内に浸漬される。
【0006】
本開示の別の側面は、組織サンプルを保持するように構成される、組織保持器を含む、組織切断システムを提供する。本システムはさらに、マウントと、マウントに結合される、第1の切断コンポーネントと、マウントに結合される、第2の切断コンポーネントと、マウントに結合される、発振器とを含む、切断アセンブリを含む。発振器は、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントを移動させるように構成される。第1の切断コンポーネントは、第1の寸法および第2の寸法において組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成される。第2の切断コンポーネントは、第3の寸法において切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される。本システムはさらに、第1の相対的配向と第2の相対的配向との間で、組織保持器と第1の切断コンポーネントとの間の相対的回転移動を引き起こすように構成される、回転デバイスを含む。第1の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法において組織保持器内に含有される組織サンプルを切断するように構成される。第2の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第2の寸法において組織保持器内に含有される組織サンプルを切断するように構成される。本システムはさらに、平行移動ステージを含み、組織保持器は、平行移動ステージに結合される。組織保持器は、平行移動ステージのアクティブ化に応答して、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントに対して平行移動する。
【0007】
本開示の別の側面は、組織サンプルから組織断片を生成するための組織切断システムを提供し、組織切断システムは、組織サンプルを定義されたサイズの組織断片に切断するように構成される、切断コンポーネントと、組織断片を収集するように構成される、リザーバとを備える。本システムはさらに、リザーバに取付可能なフィルタアセンブリを含み、フィルタアセンブリは、定義されたサイズよりも大きい組織断片を留めるように構成される。
【0008】
本開示の別の側面は、中空空洞を構成する組織保持器、第1の切断コンポーネント、および第2の切断コンポーネントを伴う組織切断システムを使用して組織サンプルを切断する方法を提供し、本方法は、組織保持器の中空空洞内に組織サンプルを位置付けることによって、切断のために組織サンプルを調製するステップと、第1の相対的配向において組織保持器を位置付けるステップと、第1の切断コンポーネントと組織保持器との間の相対的運動を生じさせ、第1の寸法において組織サンプル内に切り込みを入れるステップと、組織保持器を第2の相対的配向へある角度だけ回転させるステップと、第1の切断コンポーネントと組織保持器との間の相対的運動を生じさせ、第2の寸法において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するステップと、組織保持器の遠位端における開口部を通して切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露するステップと、第2の切断コンポーネントを横断して切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を移動させるステップであって、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分は、第3の寸法において切断され、組織断片を生成する、ステップとを含む。
【0009】
本開示の別の側面は、中空空洞と、遠位端における開口部と、犠牲組織支持体とを含む、組織保持器を提供するステップと、犠牲組織支持体の一部の上に生体組織サンプルを位置付けるステップであって、犠牲組織支持体の該部分は、組織保持器の遠位端における開口部を通して中空空洞から外に暴露される、ステップと、カプセル材リザーバを組織保持器の遠位端における開口部に結合するステップであって、カプセル材リザーバは、カプセル材前駆体で充填される内部容積を構成し、生体組織サンプルを支持する犠牲組織支持体は、カプセル材前駆体で充填されるカプセル材リザーバの内部容積の中に延在する、ステップと、生体組織サンプルを支持する犠牲組織支持体を組織保持器の中空空洞の中に後退させるステップであって、カプセル材前駆体は、生体組織サンプルとともに中空空洞の中に引き込まれる、ステップとを含む、切断のために生体組織サンプルを調製する方法を提供する。
【0010】
本開示の別の側面は、切断のために組織サンプルを調製するためのキットを提供し、キットは、中空空洞と、遠位端における開口部と、犠牲組織支持体とを備える、組織保持器を備える。犠牲組織支持体は、組織サンプルを支持するように構成され、犠牲組織支持体は、中空空洞に対して移動されるように構成される。犠牲組織支持体は、切断されるように構成される。キットはさらに、カプセル材前駆体を含有する、カプセル材リザーバを含む。カプセル材リザーバは、組織保持器の遠位端における開口部に取外可能に結合され、それによって、カプセル材リザーバから組織保持器の中空空洞の中へのカプセル材前駆体の流動を可能にするように構成される。
【0011】
本開示の別の側面は、第1の表面と、第1の角度において第1の表面と交差する、第1のマウント表面とを含む、マウントを伴う切断アセンブリを提供する。第1の角度は、90度である。マウントはさらに、第2の角度において第1の表面と交差する、第2のマウント表面を含み、第2の角度は、1度~20度の範囲内である。切断アセンブリはさらに、第1のマウントに結合される、第1の切断コンポーネントと、第2のマウント表面に結合される、第2の切断コンポーネントとを含む。
【0012】
本開示の別の側面は、切断コンポーネントを伴う組織切断システムを使用して組織サンプルを切断する方法を提供し、本方法は、第1の方向に一定の速度で、および第1の方向と反対の第2の方向に一定の速度で切断コンポーネントを循環的に移動させるステップと、切断コンポーネントが第1の方向または第2の方向に一定の速度で移動しているとき、切断コンポーネントに向かって組織サンプルを移動させるステップとを含む。
【0013】
本開示の他の側面が、詳細な説明および付随の図面の検討によって、明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本技術のこれらおよび他の特徴、側面、および利点が、以下の図面に関してより深く理解されることになるであろう。付随の図および実施例は、限定としてではなく、例証として提供される。
【0015】
【0016】
【
図1B】
図1Bは、濾過システムと、酸素供給ユニットと、外部冷蔵装置と、制御システムとを含む、組織切断アセンブリの概略図である。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【
図3C】
図3Cは、両方の切断コンポーネントに関する単一のアセンブリを図示する、
図3Aの組織切断システムの一部の斜視図である。
【0025】
【
図3D】
図3Dは、切断コンポーネントの平面の間の角度δを図示する、単一のマウント(例えば、切断コンポーネント保持器)上に搭載される、切断コンポーネントの表面である。
【0026】
【
図3E】
図3Eは、角度α1およびβを図示する、組織保持器に対する第1および第2の切断コンポーネントの配向の表現である。
【0027】
【
図4A】
図4Aは、その種々の部分を図示する、切断コンポーネントの図である。
【0028】
【
図4B】
図4Bは、その種々の部分を図示する、切断コンポーネントの図である。
【0029】
【
図4C】
図4Cは、その種々の部分を図示する、切断コンポーネントの表現である。
【0030】
【
図4D】
図4Dは、二重斜面を伴う切断コンポーネントの側面図である。
【0031】
【
図4E】
図4Eは、切断コンポーネントが組織表面に接近する角度の斜視図である。
【0032】
【0033】
【0034】
【
図5C】
図5Cは、幅(w)、深さ(d)、および間隔(s)の寸法を図示する、
図5Aおよび5Bの組織保持器の側面図である。
【0035】
【
図6A】
図6Aは、中空空洞内に組織サンプルを含有し、犠牲組織支持体上に支持される、組織保持器の斜視図である。
【0036】
【
図6B】
図6Bは、犠牲組織支持体上に支持され、中空空洞から外に暴露される組織サンプルを伴う組織保持器の正面図である。
【0037】
【
図6C】
図6Cは、複数の溝を備える、犠牲組織支持体の種々の図を示す。
【0038】
【
図7A】
図7Aは、犠牲組織支持体上に支持される組織サンプルを示す、切断のために組織サンプルを調製するためのキットを図示する。
【0039】
【
図7B】
図7Bは、犠牲組織支持体上に支持され、カプセル材によって包み込まれる、組織サンプルの斜視図である。犠牲組織支持体上に支持され、カプセル材によって包み込まれる組織サンプルは、組織保持器の中空空洞から外に暴露されるように
図7Bに示される。
【0040】
【
図8A】
図8A-8Cは、組織保持器の中空空洞から外に駆動されている組織サンプルを図示する、駆動アセンブリの斜視図である。
【
図8B】
図8A-8Cは、組織保持器の中空空洞から外に駆動されている組織サンプルを図示する、駆動アセンブリの斜視図である。
【
図8C】
図8A-8Cは、組織保持器の中空空洞から外に駆動されている組織サンプルを図示する、駆動アセンブリの斜視図である。
【0041】
【
図9A】
図9Aは、切断コンポーネントに対する第1の配向および切断コンポーネントに対する第2の配向における組織保持器の斜視図である。
【0042】
【
図9B】
図9Bは、切断コンポーネントに対する第1の配向(左)および切断コンポーネントに対する第2の配向(右)における組織保持器を伴う組織切断システムの側面図である。
【0043】
【
図9C】
図9Cは、組織保持器に対する2つの配向の間の切断コンポーネントの回転を図示する。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【
図10G】
図10Gは、ネスト、外部熱交換器、およびコントローラを伴う組織切断システムの斜視図である。
【0051】
【0052】
【
図12A】
図12Aは、組織切断システム、濾過システム、およびそれらのコンポーネントを示す、組織切断アセンブリの概略図である。
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【
図13】
図13は、第1の切断コンポーネントが第1の配向において組織サンプルを含有する組織保持器に向かって、およびそこから離れるように移動する(矢印a)、第1の寸法において組織サンプルを切断するためのステップの表現である。垂直寸法における連続する切断が、組織保持器の垂直移動(矢印d)によって可能にされる。
【0057】
【
図14】
図14は、第1の切断コンポーネントが第2の配向において組織サンプルを含有する組織保持器に向かって、およびそこから離れるように移動する(矢印a)、第2の寸法において
図13の組織サンプルを切断するためのステップの表現である。垂直寸法における連続する切断が、組織保持器の垂直移動(矢印d)によって可能にされる。
【0058】
【
図15】
図15は、第1の配向において組織サンプルを含有する組織保持器が切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように移動する(矢印a1)、第1の寸法において組織サンプルを切断するためのステップの表現である。垂直寸法における連続する切断が、組織保持器の垂直移動(矢印d)によって可能にされる。
【0059】
【
図16】
図16は、第2の配向において組織サンプルを含有する組織保持器が切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように移動する(矢印a1)、第2の寸法において
図15の組織サンプルを切断するためのステップの表現である。垂直寸法における連続する切断が、組織保持器の垂直移動(矢印d)によって可能にされる。
【0060】
【
図17】
図17は、第1の配向において組織サンプルを含有する組織保持器が切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように移動する(矢印a1)、第1の寸法において組織サンプルを切断するためのステップの表現である。水平寸法における連続する切断が、組織保持器の水平移動(矢印e)によって可能にされる。
【0061】
【
図18】
図18は、第2の配向において組織サンプルを含有する組織保持器が切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように移動する(矢印a1)、第2の寸法において
図17の組織サンプルを切断するためのステップの表現である。水平寸法における連続する切断が、組織保持器の水平移動(矢印e)によって可能にされる。
【0062】
【
図19】
図19は、組織断片を生じさせるために、第3の寸法において組織サンプルを切断するためのステップの表現である。
【0063】
【
図20】
図20は、プロセスに関与する種々のコンポーネントを図示する、切断のために組織サンプルを調製するためのステップの表現である。
【0064】
【0065】
【
図22】
図22は、マウントと、第1の切断コンポーネントと、第2の切断コンポーネントとを含む、切断アセンブリの斜視図である。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【
図26】
図26は、平行移動アセンブリから分解される、リザーバと、ネストと、駆動アセンブリと、回転デバイスとを含む、切断システムの一部の分解図である。
【0070】
【
図27】
図27は、組織保持器、リザーバ、およびネストの側面図である。
【0071】
【
図28】
図28は、
図26のリザーバ、ネスト、駆動アセンブリ、および回転デバイスの断面図である。
【0072】
【0073】
【
図30】
図30は、組織保持器がリザーバから分解される、リザーバおよびネストの斜視図である。
【0074】
【
図31A】
図31Aは、切断コンポーネントおよび運動ステージに関する正弦波運動のグラフである。
【0075】
【
図31B】
図31Bは、切断コンポーネントおよび運動ステージに関する運動のグラフである。
【0076】
任意の実施形態が詳細に解説される前に、本発明が、その適用において、以下の説明に記載される、または以下の図面に図示される構造の詳細およびコンポーネントの配列に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、種々の方法で実践される、または実行されることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
詳細な説明
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に決定付けない限り、複数指示物を含む。明細書および請求項全体を通して本明細書に使用されるような近似的言語は、これが関連する基本的機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変動し得る、任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。故に、「約」等の用語によって修飾される値は、規定される精密な値に限定されるものではない。別様に示されない限り、明細書および請求項に使用される原料の量、分子量等の性質、反応条件等を表す全ての数字は、用語「約」によって全ての事例において修飾されるものとして理解されるものである。故に、反対に示されない限り、以下の明細書および添付される請求項に記載される数値パラメータは、本発明によって取得されることが追求される所望の性質に応じて変動し得る、近似値である。少なくとも、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁の数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0078】
明細書および請求項において本明細書に使用されるような語句「および/または」は、そのように結合された要素、例えば、ある場合には結合的に存在し、他の場合では離接的に存在する要素の「一方または両方」を意味するように理解されるべきである。
【0079】
要素を修飾するための請求項または明細書における「第1」、「第2」、「第3」等の序数用語の使用は、それ自体では、1つの請求要素の別のものに対するいかなる優先順位、優位、または順序、または方法の行為が実施される時間的順序も暗示せず、単に、ある名称を有する1つの要素を同一の名称を有する別の要素から区別するための標識として使用される。
【0080】
本明細書に使用されるような用語「結合される」は、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的にではないが、「接続される」として定義される。結合されるという用語は、物理的、磁気的、化学的、電気的、または別様に結合される、接続される、または連結されることを意味するように理解されるものであり、具体的な反対の言語がない限り、結合される要素の間の中間要素の存在を除外しない。
【0081】
用語「~するように構成される」は、所与の機能を実行するように適合される、設定される、配列される、コマンドされる、改変される、修正される、建造される、成る、構築される、設計される、またはこれらの特性の任意の組み合わせを有する、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを説明する。
【0082】
本明細書に使用されるような「対象」は、任意の哺乳類または非哺乳類対象である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象である。いくつかの実施形態では、対象は、癌が疑われる、またはそれと診断される。癌は、任意の固体または血液学的悪性腫瘍であり得る。癌は、任意の病期および/または悪性度であり得る。癌の非限定的実施例は、頭頸部、口腔、乳房、卵巣、子宮、胃腸、結腸直腸、膵臓、前立腺、脳および中枢神経系、皮膚、甲状腺、腎臓、膀胱、肺、肝臓、骨、および他の組織の癌を含む。
【0083】
本明細書に同義的に使用されるような「組織」または「組織サンプル」は、対象から取得される生物学的材料である。組織は、対象の身体における任意の器官または部位からのものであり得る。組織は、当業者に公知の任意のアプローチによって対象から取得されることができる。組織は、外科的切除、外科的生検、調査的生検、または対象に対して実施される任意の他の療法または診断手技によって取得されることができる。いくつかの実施形態では、組織は、腫瘍細胞を含有する、またはそれを含有することが疑われる。腫瘍細胞、癌細胞、および悪性細胞という用語は、同義的に使用されている。いくつかの実施形態では、組織は、腫瘍組織である。いくつかの実施形態では、組織は、癌が発生した、または癌が転移した対象の身体における任意の器官または部位から取得される。いくつかの実施形態では、組織はまた、免疫細胞、間質細胞等を含有し得る。組織は、任意の形態(凍結または固定等)であり得るが、好ましい実施形態では、組織は、生体の新鮮な組織である。いくつかの実施形態では、組織は、当業者に公知の任意の組織固定技法(ホルマリン処理等)を受けていない、または生存細胞の数を有意に低減させるための任意の条件下で、または任意の持続時間にわたって保管されていない。
【0084】
組織断片は、組織サンプルから離れた組織サンプルの断片であり、断片は、1つまたはそれを上回る寸法において組織を切断することによって取得される。いくつかの実施形態では、組織断片は、第1の寸法、第2の寸法、および第3の寸法等の全ての3つの寸法において組織サンプルを切断することによって取得される。いくつかの実施形態では(生検組織サンプルの場合等では)、組織サンプルが、2つの寸法において所望のサイズをすでに有している場合、組織断片は、1つのみの寸法において組織サンプルを切断することによって生成されることができる。組織断片は、種々の形状であり、形状の非限定的実施例は、立方体、正方形直方体、長方形直方体、平行四辺形角柱、および同等物を含むことができる。いくつかの実施形態では、組織断片は、形状において略立方体である。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、少なくとも1つの寸法において1,000μmに等しい、またはそれ未満(1,000μm、500μm、450μm、400μm、350μm、300μm、250μm、200μm、100μm、または50μm等)である。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、少なくとも1つの寸法において50μm~1,000μmである。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、少なくとも1つの寸法において100μm~500μmである。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、少なくとも1つの寸法において150μm~350μmである。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、少なくとも2つの寸法において50μm~500μm(50μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、または500μm等)である。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、少なくとも2つの寸法において100μm~350μmである。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、全ての3つの寸法において50μm~500μmである。いくつかの実施形態では、各組織断片のサイズは、全ての3つの寸法において100μm~350μmである。いくつかの実施形態では、各組織断片は、2つの寸法において300μm~350μmであり、第3の寸法において100μm~150μmである。いくつかの実施形態では、組織断片は、サイズにおいて均一である。本明細書に使用されるように、均一は、略均一を意味し、組織断片のサイズは、少なくとも1つの寸法において相互の±30%以内である。いくつかの実施形態では、組織断片は、生体組織断片であり、切断プロセスは、組織サンプル内に存在していた生存細胞の数を有意に低減させなかった。いくつかの実施形態では、組織断片は、1つまたはそれを上回る機能的アッセイが、組織断片に対して実施され得るように、生体組織断片である。規定されたサイズは、1つまたはそれを上回る寸法における組織断片の所望のサイズである。規定されたサイズは、組織タイプおよび/または最終用途に応じて、ユーザ定義または事前定義されることができる。1つまたはそれを上回る実施形態によると、組織切断システムは、組織サンプルを規定されたサイズの組織断片に切断する。組織断片のサイズは、1つまたはそれを上回る寸法において規定される。いくつかの実施形態では、組織切断システムは、全ての3つの寸法において規定されたサイズに従って組織を組織断片に切断する。本明細書に使用されるように、規定されたサイズの組織断片は、必ずしも、組織断片が全ての寸法において同一のサイズを有することを含意しない。例えば、規定されたサイズの組織断片は、全ての3つの寸法において同一のサイズを有することができる(300μm×300μm×300μm等)、これは、2つの寸法において同一のサイズを有し、第3の寸法において異なるサイズを有することができる(300μm×300μm×100μm等)、またはこれは、全ての3つの寸法において異なるサイズを有することができる。最終用途に応じて、(1つ、2つ、または全ての3つの寸法等において)規定されたサイズを上回る、またはそれ未満のサイズにおいて切断される組織断片は、不要な組織断片である。いくつかの実施形態では、(1つまたはそれを上回る寸法において)規定されたサイズの±50%以内の組織断片は、依然として使用可能であり得る、または所望の組織断片である。例えば、規定されたサイズが、300μm×300μm×300μmである場合、1つまたはそれを上回る寸法において450μmのサイズを伴う組織断片は、依然として規定されたサイズの範囲内(したがって、所望の組織断片)であり得るが、しかしながら、1つまたはそれを上回る寸法において450μmを超えるサイズを伴う組織断片は、規定されたサイズの範囲外であり得、したがって、不要な組織断片である。規定されたサイズの範囲内で許容可能であるサイズは、用途に基づいて、ユーザ定義されてもよい。
【0085】
切断平面は、組織サンプルが切断される平面である。切断事象は、1つの切断平面において組織を切断するプロセスである。いくつかの実施形態では、組織が切断される寸法(すなわち、第1の寸法、第2の寸法、および第3の寸法)は、相互に互いに直角である。本明細書に使用されるような「連続する切断平面」は、1つの寸法における複数の略平行な切断平面を指す。
【0086】
切断プロセスは、少なくとも1つの寸法において複数の切断平面において組織サンプルを切断するプロセスである。いくつかの実施形態では、切断プロセスは、複数の切断事象を含む。第1の切断プロセスは、第1の寸法において複数の切断平面において組織を切断するプロセスであり、第2の切断プロセスは、第2の寸法において複数の切断平面において組織を切断するプロセスであり、第3の切断プロセスは、第3の寸法において複数の切断平面において組織を切断するプロセスである。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の切断プロセスは、順次的である。いくつかの実施形態では、第1および第2の切断プロセスは、切り込みプロセスであり、組織サンプルは、それぞれ、第1および第2の寸法において連続する平面において切断されるが、組織断片(すなわち、組織サンプルから離れる断片)は、生成されない。理解されるように、「切り込み」は、組織サンプルを切断するが、組織サンプルから離れる組織断片を生成しない切断である。当業者によって理解されるように、切り込みは、組織サンプルから離れる断片を生成するように組織サンプルの深さ全体を貫通しない、浅い切断である。「切り込みを入れられた組織サンプル」は、第1および第2の寸法における切り込みによって切断されているが、組織断片(すなわち、組織サンプルから離れる断片)が生成されていない組織サンプルまたはその一部である。いくつかの実施形態では、組織断片は、組織サンプルが全ての3つの寸法において切断された後にのみ生成される。「切り取り」は、組織サンプルから離れる組織断片を生成する切断である。いくつかの実施形態では、(第1および第2の寸法における切り込み後の)第2の切断コンポーネントによる第3の寸法における切断は、切り取りである。いくつかの実施形態では、特に、生検サンプル(組織サンプルが2つの寸法において所望のサイズをすでに有している)に関して、単一の寸法における切断は、組織サンプルから離れる組織断片を生成し、したがって、切り取りである。
【0087】
切断サイクルは、組織断片を生成するための第1の切断プロセス、第2の切断プロセス、および第3の切断プロセスの順次的または並行した発生である。いくつかの実施形態では、切断サイクルは、組織断片を生成するための第1の切断プロセス、続けて第2の切断プロセス、最後に続けて第3の切断プロセスの順次的発生である。いくつかの実施形態では、1つの切断サイクルは、組織サンプルの一部のみを組織断片に切断する。いくつかの実施形態では、複数の切断サイクルが、組織サンプル全体を組織断片に切断するために要求される。
【0088】
切断コンポーネントは、組織を精密に切断するように構成される、任意の物体である。切断コンポーネントは、切断平面において、またはその隣り合う領域において組織への損傷を殆ど伴わずに、所与の寸法において切断平面において、組織を精密に切断するように構成される。いくつかの実施形態によると、切断平面は、切断コンポーネントが組織を切断する平面である。切断コンポーネントの非限定的実施例は、ブレード、ワイヤ、またはメスを含む。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、ブレードである。
【0089】
本明細書に使用されるように、用語「プロセッサ」(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コントローラ、処理ユニット、または他の好適なプログラマブルデバイス)は、とりわけ、制御ユニットと、演算論理ユニット(「ALC」)と、複数のレジスタとを含むことができ、公知のコンピュータアーキテクチャ(例えば、修正されたハーバードアーキテクチャ、フォンノイマンアーキテクチャ等)を使用して実装されることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、スタンドアロンおよび/または分散環境において通信するように構成され得、有線または無線通信を介して他のプロセッサと通信するように構成され得る、マイクロプロセッサであり、そのような1つまたはそれを上回るプロセッサは、類似する、または異なるデバイスであり得る、1つまたはそれを上回るプロセッサ制御デバイス上で動作するように構成されることができる。
【0090】
本明細書に使用されるように、用語「メモリ」は、任意のメモリ記憶装置であり、非一過性コンピュータ可読媒体である。メモリは、例えば、プログラム記憶面積と、データ記憶面積とを含むことができる。プログラム記憶面積およびデータ記憶面積は、ROM、RAM(例えば、DRAM、SDRAM等)、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード、または他の好適な磁気、光学、物理、または電子メモリデバイス等の異なるタイプのメモリの組み合わせを含むことができる。プロセッサは、メモリに接続され、メモリのRAM(例えば、実行の間)、メモリのROM(例えば、概して恒久的なベースで)、または別のメモリまたはディスク等の別の非一過性コンピュータ可読媒体内に記憶されることが可能であるソフトウェア命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサ制御デバイスの内部にあり、プロセッサ制御デバイスの外部にあり得、有線または無線ネットワークを介してアクセスされ得る、1つまたはそれを上回るプロセッサ可読およびアクセス可能メモリ要素および/またはコンポーネントを含む。本明細書に開示される方法の実装において含まれるソフトウェアは、メモリ内に記憶されることができる。ソフトウェアは、例えば、ファームウェア、1つまたはそれを上回るアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、ルール、1つまたはそれを上回るプログラムモジュール、および他の実行可能命令を含む。例えば、プロセッサは、メモリから読み出し、とりわけ、本明細書に説明されるプロセスおよび方法に関連する命令を実行するように構成されることができる。
【0091】
本明細書に使用されるように、用語「ネットワーク」は、概して、限定ではないが、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の様々な通信プロトコルのうちのいずれかを採用する、広域ネットワーク(「WAN」)(例えば、TCP/IPベースのネットワーク)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ネイバーフッドエリアネットワーク(「NAN」)、ホームエリアネットワーク(「HAN」)、またはパーソナルエリアネットワーク(「PAN」)を含む、任意の好適な電子ネットワークを指す。いくつかの実施形態では、ネットワークは、例えば、汎欧州デジタル移動電話方式(「GSM(登録商標)」)ネットワーク、汎用パケット無線サービス(「GPRS」)ネットワーク、進化型データ最適化(「EV-DO」)ネットワーク、GSM進化型高速データレート(「EDGE」)ネットワーク、3GSMネットワーク、4GSMネットワーク、5G新規無線、デジタル強化無線電気通信(「DECT」)ネットワーク、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)ネットワーク、または統合デジタル拡張ネットワーク(「iDEN」)ネットワーク等のセルラーネットワークである。いくつかの実施形態では、システムは、(例えば、クラウドコンピューティングリソースとして)仮想的に提供されるコンピュータおよび/またはデータ記憶装置を備える。特定の実施形態では、本技術は、本明細書に説明されるようなコンピュータのコンポーネントを備える、および/またはその機能を実施する、仮想コンピュータシステムを提供するためのクラウドコンピューティングの使用を備える。したがって、いくつかの実施形態では、クラウドコンピューティングは、ネットワークを通して、および/またはインターネットを経由して、本明細書に説明されるようなインフラストラクチャ、アプリケーション、およびソフトウェアを提供する。いくつかの実施形態では、コンピューティングリソース(例えば、データ分析、計算、データ記憶、アプリケーションプログラム、ファイル記憶等)は、ネットワーク(例えば、インターネット)を経由して遠隔で提供される。
【0092】
いくつかの実施形態では、
図4A、4B、および4Cによって表されるように、切断コンポーネントは、上側表面(u)と、下側表面(l)と、2つの反対の端部(eおよびf)と、2つの反対の端部(eおよびf)の間に延在する、切断縁(ce)と、切断縁(ce)の反対にあり、同様に2つの反対の端部(eおよびf)の間に延在する、後部縁(be)とを含む。いくつかの実施形態では、上側および下側表面の少なくとも一部は、相互に平行である。切断コンポーネントの平面(p)は、切断縁から後部縁に延在する平面を指す。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントの平面は、上側表面および下側表面から等距離の平面である。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントの平面は、上側または下側表面のうちの少なくとも一方と共面である。実施形態では、切断コンポーネントは、二重斜面(
図4D等に示されるような)を備える。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、限定ではないが、ステンレス鋼、タングステンカーバイド、サファイア、またはジルコニウム等の材料から成る。
【0093】
図4Bを参照すると、切断コンポーネントの線形軸(la)は、切断コンポーネントの一方の端部から他方の端部に延在する軸である。線形軸は、切断縁に平行である。いくつかの実施形態では、線形軸は、切断縁に平行である切断コンポーネントの最も長い軸である。横方向軸(ta)は、線形軸に直角の軸である。横方向軸は、切断コンポーネントの平面(p)に平行である。
【0094】
図4eを参照すると、接近角は、切断コンポーネントの平面(平行線で影付きの面積として示される)が組織サンプル300の表面(灰色で影付きの面積として示される)と成す角度である。いくつかの実施形態では、これは、切断コンポーネント(100または200)が組織サンプル300に接近する角度である。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネント100の接近角は、α2によって表され、第2の切断コンポーネント200の接近角は、γによって表される。組織サンプルの表面は、切断コンポーネントに暴露され、切断コンポーネントと最初に接触する、組織サンプルの面である。
【0095】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネント100(
図1A)は、第1の寸法および第2の寸法において組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、第1の切断アセンブリの一部である。いくつかの実施形態では、第1の切断アセンブリは、第1の切断コンポーネントを保持するように構成される、第1の切断コンポーネント保持器(例えば、マウント)を備える。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルに向かって、およびそこから離れるように移動されるように構成される。いくつかの実施形態では、組織サンプルに向かう、およびそこから離れるような第1の切断コンポーネントの平行移動または第1の切断コンポーネントに向かう、およびそこから離れるような組織サンプルを含有する組織保持器の平行移動は、切り込み運動と称される。切り込み運動は、切り込みを可能にするものである。いくつかの実施形態では、第1の切断アセンブリは、組織保持器に向かう、およびそこから離れるような第1の切断コンポーネントの切り込み運動を駆動するように構成される、第1の平行移動アセンブリを備える。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、その線形軸またはその横方向軸等を中心として発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1の切断アセンブリは、その線形軸を中心として第1の切断コンポーネントを発振させるように構成される、第1の発振器を備える。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントの発振運動および組織サンプルに向かう、およびそこから離れるような運動(または切り込み運動)は、ボイスコイルアクチュエータによって駆動される。これは、1つの単一のユニットを用いて両方のタイプの運動を駆動することを可能にし、したがって、より小さいデバイス占有面積の利点をもたらす。また、周波数および速度は、第1の切断コンポーネントが運動している間、プロセスの間に調節されることができる。これは、切断プロセスの間の第1の切断コンポーネントの速度および/または周波数に対する改良された制御を可能にする。
【0096】
図2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の切断アセンブリはさらに、それに第1の切断コンポーネント100が結合される、第1の支持部材12を備える。いくつかの実施形態では、第1の支持部材12は、第1の切断コンポーネント100を支持し、組織切断システムの他のコンポーネントおよびサブコンポーネントに対して第1の切断コンポーネント100を位置付けるように構成される。
【0097】
いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネント200(
図1A)は、第3の寸法において組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、第2の切断アセンブリの一部である。いくつかの実施形態では、第2の切断アセンブリは、第2の切断コンポーネントを保持するように構成される、第2の切断コンポーネント保持器(例えば、マウント)を備える。いくつかの実施形態では、第2の切断アセンブリはさらに、その線形軸を中心として第2の切断コンポーネントを発振させるように構成される、第2の発振器を備える。
【0098】
図2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、第2の切断アセンブリはさらに、それに第2の切断コンポーネント200が結合される、第2の支持部材22を備える。いくつかの実施形態では、第2の支持部材22は、第2の切断コンポーネント200を支持し、組織切断システムの他のコンポーネントおよびサブコンポーネントに対して第2の切断コンポーネント200を位置付けるように構成される。
【0099】
図3A、3B、および3Cを参照すると、第1の切断コンポーネント100および第2の切断コンポーネント200は両方とも、単一の切断アセンブリの一部である。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントは、単一の切断コンポーネント保持器31(例えば、単一のマウント)上に搭載される。単一の切断コンポーネント保持器31上に搭載される切断コンポーネントは、動作の間、相互に対する切断コンポーネントまたは組織サンプルの配向を変化させることを必要とすることなく、第1の切断コンポーネント100による切り込みおよび第2の切断コンポーネント200による切り取りを可能にするために、(組織サンプルに対して)異なる角度に位置付けられる。
【0100】
図3Dを参照すると、切断コンポーネント100、200は、切断コンポーネント保持器31上に搭載されるとき、相互に対して角度δに配向される。
【0101】
いくつかの実施形態では、発振器は、切断コンポーネントの1つまたはそれを上回る軸(例えば、線形軸および/または横方向軸)を中心として切断コンポーネント(例えば、第1および/または第2の切断コンポーネント)を発振させるように構成される。いくつかの実施形態では、発振器は、モータ、例えば、圧電モータ、圧電モータのセット、電気モータ、または同等物を含む。発振器は、切断コンポーネントの発振の周波数および振幅を制御する。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、約20~約200Hzの範囲内の周波数において発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、約50~約200Hzの範囲内の周波数において発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、約120~約200Hzの範囲内の周波数において発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、発振器は、ボイスコイルアクチュエータを備える。いくつかの実施形態では、ボイスコイルアクチュエータは、切断コンポーネントの発振を駆動する。いくつかの実施形態では、単一のボイスコイルアクチュエータが、第1および第2の切断コンポーネントの両方の発振を駆動する。
【0102】
図3A-3Cを参照すると、いくつかの実施形態では、単一の発振器32が、線形レールシステム34に接続される。単一のマウント31(例えば、切断コンポーネント保持器)が、線形レールシステム34に結合される。2つの切断コンポーネント100、200は、マウント31に結合され、組織サンプルの表面に対して異なる角度に配向される。いくつかの実施形態では、
図3Dに示されるように、第1の切断コンポーネント100の平面は、第2の切断コンポーネント200の平面に対して角度δにある。いくつかの実施形態では、発振器32は、切り込みと切り取りとの間で第1および第2の切断コンポーネントの発振の周波数および振幅を変化させるように構成される。例えば、第1の切断コンポーネント100による切り込みの間、発振器32は、第1の規定された周波数および振幅において第1および第2の切断コンポーネント100、200を発振させる。切り込みの後、発振器32は、第2の規定された周波数および振幅において第1および第2の切断コンポーネント100、200を発振させ、第2の切断コンポーネント200による切り取りを可能にする。
【0103】
いくつかの実施形態では、組織サンプルは、一方の切断コンポーネント100を用いて切り込みを生じさせ、他方200を用いて切り取りを生じさせるために、具体的率および運動パターンにおいて1つの切断コンポーネントから別のものに移動される。いくつかの実施形態では、切断動作の間の切断コンポーネントの唯一の運動は、発振器によって駆動される発振運動である。
【0104】
図5Aを参照すると、組織保持器400が、組織サンプル300を支持するように構成される。組織保持器400は、近位端402aと、遠位端402bと、側壁404と、側壁404によって画定される、中空空洞406と、遠位端402bにおける少なくとも1つの開口部407とを備える。組織保持器400は、中空空洞406内に組織サンプル300を保持するように構成される。図示される実施形態では、組織保持器400の縦方向軸408は、近位端402aと遠位端402bとの間に延在する軸である。図示される実施形態では、組織保持器400は、円形断面形状を有する。他の実施形態では、組織保持器は、楕円形、正方形、長方形、および同等物である断面形状を有する。いくつかの実施形態では、組織保持器400は、切断プロセスの間に中空空洞内に組織サンプルを安定して保持するように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器400は、鋼等の剛性材料から成る。有利なこととして、組織保持器400は、切断プロセスの間に組織サンプル300のいかなる移動または動揺も最小限にする。
【0105】
継続して
図5Aを参照すると、組織保持器400は、側壁404内に形成される、第1のスリット410aと、第2のスリット410bとを含む。言い換えると、スリット410a、410bは、組織保持器400の側壁404内の間隙、切り欠き、溝等である。切断コンポーネントは、スリット410aまたは410bを通して中空空洞406の内部の中に通過し、組織サンプル300が中空空洞406内に含有される間、組織サンプル300を切断することができる。図示される実施形態では、スリット410aは、側壁404の一方の部分から側壁404の反対の部分に延在する。図示される実施形態では、第1のスリット410aおよび第2のスリット410bは、相互に対して約90°の角度に配向される。
【0106】
図5Bを参照すると、組織保持器400が、複数の第1のスリット410aと、複数の第2のスリット410bとを有する、側壁404とともに図示される。図示される実施形態では、側壁404は、複数の第1のスリット410aと、複数の第2のスリット410bとを含み、複数の第1のスリットにおける各スリットは、複数の第2のスリットにおける各スリットに対して90°の角度にある。いくつかの実施形態では、スリットまたは複数のスリットは、組織保持器の遠位端402bまたはその近傍に位置する。
【0107】
図5Cを参照すると、スリットの幅は、410(w)によって表される。いくつかの実施形態では、410(w)は、約1mm~約10mmの範囲内である。複数のスリットにおける隣接するスリットの間の間隔は、410(s)によって表される。いくつかの実施形態では、410(s)は、1つのスリットの縁から隣接するスリットの最近傍の縁までの距離である。いくつかの実施形態では、間隔410(s)は、約300μm~約2,000μmである。言い換えると、複数のスリットの2つの隣接するスリットは、約300μm~約2,000の範囲内で離れて位置付けられる。スリットの深さは、410(d)によって表される。いくつかの実施形態では、スリットの深さは、約50μm~約1,000μmの範囲内である。
【0108】
図6Aおよび6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、組織保持器400はさらに、犠牲組織支持体412(例えば、足場)を含む。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、組織保持器の一体的部分である。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、取外可能である。犠牲組織支持体412は、組織サンプル300を支持するように構成される。犠牲組織支持体412は、遠位端402bにおける開口部407を通して組織保持器400の中空空洞406から外に駆動され(
図6B)、中空空洞406の中に戻るように後退されるように構成される。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体412は、犠牲組織支持体412に結合される駆動アセンブリ600によって、中空空洞406の内外に駆動されるように構成される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリ600は、手動プランジャである。他の実施形態では、駆動アセンブリ600は、電子的に制御される線形アクチュエータである。
【0109】
いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体412は、非平坦表面を備える。凹状表面、U形表面、角度のあるV形表面、および同等物等の種々のタイプの非平坦表面が、想定されることができる。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、一方の端部において幅広く、他方の端部において溝にテーパ状になる表面を備える。溝は、組織サンプル300を受容および支持するように構成される。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、V形表面を有する。組織サンプルは、犠牲組織支持体のV形表面の溝上に支持される。犠牲組織支持体の非平坦形状は、溝上に支持される組織サンプルが、組織保持器の中心に可能な限り近接して位置付けられ得ることを確実にする。犠牲組織支持体は、入力組織に最も適した種々の形状因子であり得る。例えば、長い円筒様形状を伴う生検は、無定形の塊である切除物と異なるように成形された支持体を必要とする。
【0110】
図6Cを参照すると、いくつかの実施形態における犠牲組織支持体412は、複数の溝413を含み、1つの組織サンプルが、1つの溝上に支持される。言い換えると、複数の溝413はそれぞれ、別個の組織サンプルを受容するように構成される。複数の溝413は、複数の組織サンプルの同時切断を可能にする。
図6C(i)は、組織保持器400の中空空洞から外に暴露された犠牲組織支持体412を図示し、
図6C(ii)は、駆動アセンブリ600の助けによって組織保持器の中に後退された犠牲組織支持体412を図示する。いくつかの実施形態では、溝413の寸法は、組織サンプルの寸法に合致するように調整されることができる。いくつかの実施形態では、溝の寸法は、組織サンプルの寸法よりもわずかに大きく、組織サンプルがカプセル材によって完全に包み込まれるために十分な空間を可能にする。いくつかの実施形態では、接着剤が、犠牲組織支持体上に組織サンプルを固着させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤は、組織サンプルの接着を助長するために、犠牲組織支持体上に適用される。
【0111】
犠牲組織支持体412は、切断コンポーネントを用いて切断され得る材料(犠牲材料等)から成る。犠牲組織支持体の材料の非限定的実施例は、ワックス、シリコーン(ポリジメチルシロキサン(PDMS)等)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体412の材料は、組織性質を損傷させる、または改変することを回避するために、生体適合性かつ非毒性である。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体の材料は、犠牲組織支持体が、切断コンポーネントの圧力下で有意に屈曲または座屈せず、それによって、切断の間に組織に引き起こされるいかなる機械的損傷も最小限にするようなものである。犠牲組織支持体412は、有利なこととして、切断の間に組織または組織断片に引き起こされ得る、意図される寸法に対するいかなる形状偏差も軽減する役割を果たす。
【0112】
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カプセル材1104は、切断プロセスの間に組織保持器400内の定位置に組織サンプル300を固着させる。いくつかの実施形態では、カプセル材は、ゲルであり、カプセル材前駆体は、ゲル化条件下でゲル化させられることができる。本明細書に使用されるカプセル材は、天然、合成、または半合成ヒドロゲル材料であり得る。いくつかの実施形態では、カプセル材は、低融点アガロースゲルである。いくつかの実施形態では、カプセル材は、アルギン酸ゲルである。いくつかの実施形態では、カプセル材前駆体は、液体状態におけるアルギン酸溶液である。いくつかの実施形態では、カプセル材は、切断コンポーネントを用いて切断されることができる。いくつかの実施形態では、カプセル材は、十分な安定性を提供し、組織サンプルは、切断コンポーネントの圧力下で有意に座屈または変形しない。いくつかの実施形態では、カプセル材は、組織サンプルの生存能力に十分に影響を及ぼさない、または別様にその生物学的性質を改変しない、生体適合性材料から成る。
【0113】
本明細書に使用されるように、カプセル材前駆体は、ゲル化の好適な条件下でゲル状態におけるカプセル材を形成する成分である。カプセル材前駆体は、液体または固体形態等における任意の物理的形態であり得る。いくつかの実施形態では、カプセル材は、カプセル材前駆体の共有結合的架橋結合によって形成される一方、いくつかの他の実施形態では、カプセル材は、カプセル材前駆体の物理的凝集によって形成される。いくつかの実施形態では、組織タイプに応じて、カプセル材前駆体のパーセンテージおよび/またはゲル化条件は、様々な機械的堅性のカプセル材を取得するために変動されることができる。
【0114】
本明細書に使用されるような用語「ゲル状化」および「ゲル化」は、カプセル材を形成するためのカプセル材前駆体の物理的凝集および/または化学的/共有結合的架橋結合(または重合)を意味する。ゲル化またはゲル状化条件は、カプセル材を形成するためのカプセル材前駆体の物理的凝集および/または化学的/共有結合的架橋結合を引き起こす条件である。非限定的ゲル状化条件は、温度変化または光照射である。いくつかの実施形態では、ゲル状化またはゲル化条件は、カプセル材前駆体(ゾル状態における)のカプセル材(ゲル状態における)へのゾル-ゲル遷移を引き起こす。ゲル化条件は、好ましくは、組織サンプルへの実質的な損傷を引き起こさない。いくつかの実施形態では、ゲル化は、低温で、短い時間内に、好ましくは、温和な化学的条件下で起こる。
【0115】
図7Aを参照すると、カプセル材リザーバ1100は、カプセル材前駆体(液体状態等における)を保持するように構成される、容器である。カプセル材前駆体は、カプセル材リザーバ1100の内部容積1102内に含有される。いくつかの実施形態では、カプセル材前駆体を含有するカプセル材リザーバ1100は、組織保持器400に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、カプセル材リザーバは、組織保持器に結合されるように構成され、カプセル材リザーバは、組織保持器400の遠位端402bにおける開口部407との界面を形成する。いくつかの実施形態では、カプセル材前駆体を含有するカプセル材リザーバは、カプセル材前駆体のいかなる漏出も防止する、界面における実質的に液体不浸透性のシールを生じさせる、Oリング1110の助けによって組織保持器に結合される。いくつかの実施形態では、界面は、カプセル材リザーバの内部容積から組織保持器の中空空洞の中へのカプセル材前駆体の流動を可能にする。
【0116】
図8A、8B、および8Cを参照すると、駆動アセンブリ600が、組織サンプル300または組織サンプルを保持または支持するように構成される任意の部材を規定された方向に駆動するように構成される。図示される実施形態では、駆動アセンブリ600は、組織保持器400の近位端402aに位置する。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、組織サンプルを軸408に沿って組織保持器の近位端から遠位端に、遠位端402bにおける開口部407を通して外に駆動するように構成される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリ600は、増分ステップにおいて組織保持器から外に組織サンプルを駆動し、それによって、各ステップにおいて、組織保持器の遠位端における開口部を通して組織サンプルの一部を暴露するように構成される。例えば、
図8Cは、
図8Bからの少なくとも1つの付加的ステップから外に駆動される組織サンプルを図示する。
【0117】
いくつかの実施形態では、駆動アセンブリ(またはそのコンポーネント)は、組織サンプルを保持する部材(例えば、犠牲組織支持体412)を介して組織サンプルと結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、組織サンプルは、犠牲組織支持体上に支持され、駆動アセンブリは、犠牲組織支持体に結合される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリまたはそのコンポーネントの一部は、組織保持器の中空空洞の中に延在するように構成される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、線形アクチュエータを備える。種々の種類の線形作動機構が、当業者によって想定されることができる。いくつかの実施形態では、線形アクチュエータは、送りねじを備え、送りねじの旋回運動は、組織サンプルを駆動するための線形運動に変換される。いくつかの実施形態では、より微細な位置調節が、要求される場合、線形アクチュエータは、圧電アクチュエータを備える。いくつかの実施形態では、線形アクチュエータは、犠牲組織支持体を介して組織サンプルと結合するように構成される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、歯車機構を備え、ラックおよびピニオンタイプの線形作動が、想定されることができる。いくつかの実施形態では、組織サンプルを保持する部材(犠牲組織支持体等)は、その側面上に設計される縁を有する。これらの縁は、円形歯車機構(またはピニオン)と界面接触し、急回転する歯車作用は、組織サンプルを前方に、および随意に、後方に駆動する。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、2方向運動を引き起こすように、すなわち、組織保持器の中空空洞から外に組織サンプルを駆動し、中空空洞の中に戻るように組織サンプルを後退させるように構成される。
【0118】
いくつかの実施形態では、切断システムは、第1の相対的配向から第2の相対的配向への組織保持器400と第1の切断コンポーネント100との間の相対的回転移動を引き起こすように構成される、回転デバイス500(
図1A-3C等に示されるような)を含む。いくつかの実施形態では、回転デバイス500は、組織保持器に、および/または第1の切断コンポーネントに結合される。いくつかの実施形態では、回転デバイスは、カム要素を備える。いくつかの実施形態では、回転デバイスは、組織保持器に結合される、ステッパモータまたはサーボモータを備える。いくつかの実施形態では、回転デバイスは、その押動/引動移動が回転移動に変換される、線形アクチュエータを備える。
【0119】
相対的配向は、第1の切断コンポーネント100に対する組織保持器400の回転配向である。本明細書に使用されるように、「第1の相対的配向」は、第1の切断コンポーネント100に対する組織保持器400の配向であり、第1の切断コンポーネント100は、第1の寸法において切断平面において、組織保持器内に含有される組織サンプル300を切断するように構成される。本明細書に使用されるように、「第2の相対的配向」は、第1の切断コンポーネント100に対する組織保持器400の配向であり、第1の切断コンポーネント100は、第2の寸法において切断平面において、組織保持器400内に含有される組織サンプル300を切断するように構成される。相対的配向は、第1の切断コンポーネントを回転させることなく、縦方向軸408を中心として組織保持器を回転させることによって(
図9Aおよび9B等に示されるように)、または組織保持器を回転させることなく、(その横方向軸等を中心として)第1の切断コンポーネントを回転させることによって(
図9C等に示されるように)、または両方を回転させることによって、達成されることができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、切断システムは、例えば、切断コンポーネントおよび/または組織保持器の平行移動運動を引き起こすように構成される、平行移動アセンブリ800を含む。平行移動アセンブリは、1つまたはそれを上回る軸における運動を引き起こすための線形アクチュエータを伴う種々のタイプの平行移動ステージ(単軸線形運動のための線形平行移動ステージ、xおよびy軸における運動のためのx-y平行移動ステージ、またはx、y、およびz軸における運動のためのxyz平行移動ステージ等)を備えることができる。線形作動機構の非限定的実施例は、電気機械的アクチュエータ(例えば、送りねじ等のねじタイプアクチュエータまたはラックおよびピニオン等の車輪および車軸タイプアクチュエータ、および同等物)を含む。いくつかの実施形態では、より微細な位置調節が、要求される場合、平行移動アセンブリは、圧電アクチュエータを備えることができる。いくつかの実施形態では、組織切断システムは、組織保持器によって支持される組織サンプルを切断するために、相互に対する組織保持器および/または切断コンポーネントの平行移動運動を駆動するための1つまたはそれを上回る平行移動アセンブリを備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る平行移動アセンブリは、切断コンポーネントに対する組織保持器の平行移動運動を引き起こす。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る平行移動アセンブリ800(
図1Aおよび3Aに示されるx-y平行移動ステージ等を備える)は、組織タイプおよび組織を囲繞するカプセル材等の他の材料の存在等に応じて、定義された速度において切断コンポーネントに向かって、およびそれに対して組織保持器を駆動する。いくつかの実施形態では、速度は、約0.05mm/秒~約10mm/秒に及ぶ。
【0121】
図1A、1B、および2A-2Eを参照すると、切断システムは、周辺壁および底部における水平基部によって囲繞される内部空間を構成する、リザーバ1000を含む。内部空間は、組織断片を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液、生理食塩水溶液、または培養培地等の流体材料(切断媒体とも呼ばれる)で充填される。いくつかの実施形態では、組織保持器の一部は、リザーバの中に突出する。いくつかの実施形態では、組織保持器の一部は、リザーバの周辺壁内の開口部1010を通して、リザーバの内部空間の中に突出する(例えば、
図2D参照)。いくつかの実施形態では、組織保持器またはその一部は、リザーバの内部空間を充填する流体材料内に浸漬される。いくつかの実施形態では、組織保持器およびリザーバは、平行移動ステージ(x-y平行移動ステージ等)上に搭載される。いくつかの実施形態では、x-y平行移動ステージは、第1の切断コンポーネント100および/または第2の切断コンポーネント200に対する組織保持器400およびリザーバ1000のx-y平行移動運動を引き起こす。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントに向かう、およびそれに対する組織サンプルを含有する組織保持器の運動は、切断コンポーネントを組織サンプルの中に駆動させ、それに貫通させ、それによって、それぞれ、切り込みおよび切り取りによって組織サンプルを切断する。いくつかの実施形態では、いったん切断が行われると、平行移動ステージは、元の位置に戻るようにリザーバおよび組織保持器を後退させる。
【0122】
リザーバ1000の内部空間は、温度制御される。いくつかの実施形態では、リザーバ100の内部空間は、加熱されるように構成される。いくつかの実施形態では、リザーバ1000の内部空間は、組織または組織断片を凍結させることなく、(0℃に近接する温度等において)冷却されるように構成される。言い換えると、リザーバ1000は、氷または他の冷蔵流体で内部空間の内容物を汚染させることなく、冷蔵される。
【0123】
いくつかの実施形態では、間接的温度制御機構が、利用される。いくつかの実施形態では、
図10Aに示されるように、本間接的温度制御機構は、リザーバ1000の外側寸法に合致する内部空洞1210を構成する、ネスト1200(例えば、リザーバネスト)の助けによって実装される。
図10Bに示されるように、ネスト1200は、内部空洞1210内にリザーバ1000を保持するように構成される。図示される実施形態では、ネスト1200は、全ての側面および底部上でリザーバ1000を囲繞し、上部のみを暴露されたままにする。いくつかの実施形態では、熱伝達流体が、ネストを通して循環されるように構成される。リザーバネストを通して循環される熱伝達流体は、リザーバの内容物と接触することなく、ネスト内に位置付けられるリザーバの温度を維持する。有利なこととして、これは、内部空間内に収集される組織または組織断片のいかなる汚染も回避する。
【0124】
いくつかの実施形態では、ネスト1200は、熱伝達流体の循環を可能にするための内部特徴を構成する。いくつかの実施形態では(
図10C、10D、および10Fの断面図によって示されるように)、内部特徴は、リザーバネストの壁に隣接する封入空間1250である。いくつかの実施形態では、
図10Dの太い矢印によって示されるように、熱伝達流体は、封入空間を通して循環する。いくつかの実施形態では、冷蔵流体は、外部熱交換器1280(
図10Gに示されるような)から供給される。いくつかの実施形態では、熱伝達流体の循環は、外部熱交換器1280とネスト1200との間の熱伝達流体の流動を可能にする、断熱管の助けによって達成される。いくつかの実施形態では、内部特徴(例えば、ネストの壁に隣接する封入空間)は、熱伝達流体の流入および流出のための入口1220と、出口1240とを含む。いくつかの実施形態では、外部熱交換器は、リザーバ内の最終的な所望の温度に変換される温度に設定される。例えば、外部熱交換器内で約-1℃に設定された温度は、リザーバ内で約2.5℃の温度を達成する。いくつかの実施形態では、外部熱交換器は、切断プロトコルの開始時にオンにされ、リザーバが、切断プロセスの全時間の間に所望の温度で冷蔵されることを確実にする。いくつかの実施形態では、本温度は、経験的に導出され、および/またはより良好な性能予測性のために算出モデル化を用いて最適化される。熱伝達流体は、熱伝達流体の円滑な流動を可能にするための好適な粘度および所望の温度を維持するための熱性質の任意の標準的な冷却剤であり得る。熱伝達流体の非限定的実施例は、水のものよりも低い氷点を伴う液体を含む。そのような液体の実施例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、および同等物を含む。いくつかの実施形態では、リザーバの内部空間は、約1℃~約10℃(1℃、1.5℃、2℃、2.5℃、4℃、5℃等)の温度に維持されるように構成される。温度は、適度に定常に保持されるが、±0.5℃以内の変動が、存在し得る。いくつかの実施形態では、リザーバの内部空間は、約1℃~約4℃の温度に維持されるように構成される。
【0125】
図1Bおよび11を参照すると、切断システムは、切断プロセスの間にリザーバ1000の内部空間に酸素(O
2)を供給するように構成される、酸素供給ユニット1300を含む。いくつかの実施形態では、酸素供給ユニット1300は、リザーバ1000に結合される。酸素供給ユニット1300は、非限定的実施形態では、酸素タンク、酸素発生器、酸素濃縮器、またはカニスタ等のO
2源1310を備えることができ、O
2源は、リザーバの外部にある。いくつかの実施形態では、切断プロセスの間の切断媒体(すなわち、リザーバの内部空間を充填する流体材料)の酸素供給が、組織断片の生存能力を保全することが見出された。いくつかの実施形態では、酸素供給ユニットは、リザーバ内に収集された組織断片の最小の擾乱を引き起こす、界面1330の助けによってリザーバに結合される。いくつかの実施形態では、酸素供給ユニットは、酸素源1310(O
2タンク、発生器、濃縮器、および同等物等)と、O
2源の出口におけるO
2圧力を制御するための圧力調整器(図示せず)と、O
2源からリザーバの内部空間の中に延在する、管1320とを備える。いくつかの実施形態では、酸素供給ユニットは、リザーバの内部空間内に含有される切断媒体内の空気石と界面接触する。
【0126】
図12A-12Dを参照すると、切断システム10は、フィルタアセンブリ1410を備える、濾過システム1400を含む。フィルタアセンブリ1410は、規定されたサイズの組織断片を濃縮するために、組織破片、規定された(所望の)サイズではない組織断片、および/または他の不要な物質(犠牲組織支持体の断片、接着材料、カプセル材等)を濾過して除く。フィルタアセンブリ1410は、少なくとも1つのフィルタユニットを備える。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリは、異なる細孔サイズの複数のフィルタユニットを備える。いくつかの実施形態では、複数のフィルタユニットは、直列に接続され(
図12D)、第1のフィルタユニットからの濾液は、第2のフィルタユニット等を通して通過する。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリは、1つまたはそれを上回る統合されたフィルタユニットを備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る統合されたフィルタユニットを伴うフィルタアセンブリは、洗浄可能および再使用可能である。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリは、ユーザによる要求に応じて、1つまたはそれを上回る既製の、またはカスタマイズされたフィルタユニットの取付を可能にする。
【0127】
図12Dを参照すると、いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリは、規定されたサイズよりも大きいサイズの不要な組織断片を留め、他のより小さい破片とともに(規定されたサイズ等の)所望の組織断片がそれを通して流動することを可能にするために、第1の(例えば、より大きい)細孔サイズの第1のフィルタユニット1412を備える。いくつかの実施形態では、本第1のフィルタユニットの表面積は、より小さい(および所望の)組織断片の通過を遮断するであろう、より大きい断片および他の大きい粒子による細孔の閉塞を防止するために十分に大きい。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリはさらに、規定されたサイズの組織断片を留め、より小さい破片がそれを通して流動することを可能にするために、第2の(より小さい)細孔サイズの第2のフィルタユニット1414を備える。いくつかの実施形態では、濾過システムはさらに、細孔を閉塞させるいかなる粒子も取り除くために、フィルタユニットを洗浄するための所望の流量における洗浄緩衝液を供給するように構成される、洗除機構を備える。いくつかの実施形態では、濾過システムはさらに、細孔を遮断する粒子を取り除くために、機械的攪拌器を備える。いくつかの実施形態では、濾過システムは、濾液(破片および不要な材料等を備える)を収集するために、第1の収集タンク1440を備える。いくつかの実施形態では、濾過システムは、規定されたサイズの組織断片を収集するために、断片収集タンク1460を備える。
【0128】
いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリ1410は、リザーバ1000に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリは、いったん組織全体が組織断片に切断されると、切断動作の終了時にリザーバに結合される。いくつかの実施形態では、濾過システムは、インライン濾過システム(
図12B)である。濾過プロセスは、組織切断システム内のリザーバの元の場所において生じ、フィルタアセンブリは、組織切断システム内のリザーバの元の場所においてリザーバに結合される。他の実施形態では、濾過システムは、オフライン濾過システム(
図12C)である。いくつかの実施形態では、切断動作の完了後、所望の組織断片を伴うリザーバは、他の不要な断片および破片とともに、(組織切断システム10内の)切断領域から、フィルタアセンブリ1410を備える、濾過システム1400に移送される。移送は、手動または自動化移送であり得る。いくつかの実施形態では、濾過システム1400は、組織切断システム内の第1の場所から濾過システム内の第2の場所へのリザーバの自動化移送のために、組織切断システムに結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、リザーバは、フィルタアセンブリ上で反転される。
【0129】
いくつかの実施形態では、リザーバは、コネクタ1450(
図12Aおよび12D(i)等に示されるような)の助けによってフィルタアセンブリに接続される。いくつかの実施形態では、コネクタ1450は、弁1455を備える。濾過プロセスの間、弁1455は、
図12D(ii)に示されるように開放され、リザーバ1000の内容物がフィルタアセンブリ1410の中に流動することを可能にする。いくつかの実施形態では、
図12D(iii)に示されるように、所望されないより大きい断片は、第1のフィルタユニット1412上に留められる一方、(規定されたサイズの)組織断片は、それを通して流動する。いくつかの実施形態では、(規定されたサイズの)組織断片は、第2のフィルタユニット1414(
図12d(iii)等に示されるような)上に留められる一方、より小さい破片は、それを通して収集タンク1440の中に流動する。いくつかの実施形態では、第1および第2のフィルタユニットは、フィルタアセンブリ内で直列に接続される。いくつかの実施形態では、第2のフィルタユニット1414は、濾過プロセス後にフィルタアセンブリから分解され、
図12D(iv)等に示されるように、規定されたサイズの組織断片を収集するために断片収集タンク1460に結合される。いくつかの実施形態では、リザーバの内容物(より大きい断片、破片、および他の不純物等の他の不要な材料とともに、規定されたサイズの組織断片等)は、重力によって駆動される受動的流動によって濾過システムの中に流動する。いくつかの実施形態では、濾過システムはさらに、コネクタ1450に結合され、フィルタアセンブリの中にリザーバの内容物を駆動するように構成される、流体駆動機構1470(
図12A)を備える。好適な流体駆動機構は、ポンプ、正空気圧システム、および同等物を含む。
【0130】
本明細書に詳述されるように、いくつかの実施形態は、側壁によって画定される中空空洞と、近位端と、遠位端における開口部とを備える、組織保持器400を備える、組織切断システムに関し、組織保持器は、中空空洞内に組織サンプル300を支持するように構成される。組織切断システムはさらに、それぞれ、第1の寸法および第2の寸法における切り込みによって、中空空洞内に含有される組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成される、第1の切断コンポーネント100を備える。いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、第1の相対的配向から第2の相対的配向への組織保持器と第1の切断コンポーネントとの間の相対的回転移動を引き起こすように構成される、回転デバイス500を備える。第1の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法において(組織保持器の中空空洞内に含有される)組織サンプルを切断するように構成され、第2の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第2の寸法において(組織保持器の中空空洞内に含有される)組織サンプルを切断するように構成される。組織切断システムはさらに、第3の寸法において切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される、第2の切断コンポーネントを備える。
【0131】
いくつかの実施形態では、組織保持器400はさらに、犠牲組織支持体412を備え、犠牲組織支持体は、組織サンプルを支持するように構成される。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、溝を備える、非平坦表面を備え、溝は、組織サンプルを支持するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、犠牲組織支持体を通して切断することによって、組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、非平坦表面は、V形表面である。
【0132】
いくつかの実施形態では、回転デバイス500は、組織保持器に結合され、組織保持器の第1の相対的配向から組織保持器の第2の相対的配向にその縦方向軸を中心として組織保持器を回転させるように構成される。いくつかの実施形態では、回転デバイス500は、結合要素502(
図2Cおよび2D等に示されるような)を介して組織保持器400に結合される。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、回転されない、または回転的に固定される。組織保持器が回転され、第1の切断コンポーネントが回転されない、いくつかの実施形態では(
図9Aおよび9B等に示されるように)、第1の相対的配向は、「組織保持器の第1の配向」と称され、第2の相対的配向は、「組織保持器の第2の配向」と称される。組織保持器の第1の配向において、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法において切断平面において、(組織保持器内に含有される)組織サンプルを切断するように構成され、組織保持器の第2の配向において、第1の切断コンポーネントは、第2の寸法において切断平面において、(組織保持器内に含有される)組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器の第1の配向において、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するように構成され、組織保持器の第2の配向において、第1の切断コンポーネントは、第2の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、回転デバイスは、その縦方向軸を中心として90°の角度だけ組織保持器を回転させるように構成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、回転デバイス500は、第1の切断コンポーネントに結合され、第1の切断コンポーネントの第1の配向から第1の切断コンポーネントの第2の配向に(その横方向軸等を中心として)第1の切断コンポーネントを回転させるように構成される(
図9C等に示されるように)。第1の切断コンポーネントが回転され、組織保持器が回転されない、実施形態では、第1の相対的配向は、「第1の切断コンポーネントの第1の配向」と称され得、第2の相対的配向は、「第1の切断コンポーネントの第2の配向」と称され得る。第1の切断コンポーネントの第1の配向において、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法において切断平面において、(組織保持器内に含有される)組織サンプルを切断するように構成され、第1の切断コンポーネントの第2の配向において、第1の切断コンポーネントは、第2の寸法において切断平面において、(組織保持器内に含有される)組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、回転デバイスは、90°の角度だけ第1の切断コンポーネントを回転させるように構成される。
【0134】
いくつかの実施形態では、組織保持器400または第1の切断コンポーネント100は、相互に対して(例えば、垂直または横向きに)移動されるように構成される。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、組織保持器および/または第1の切断コンポーネントの平行移動運動を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、組織切断システムは、組織保持器に結合され、第1の切断コンポーネントに対する組織保持器の平行移動運動を引き起こすように構成される、平行移動アセンブリを備える。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、第1の切断コンポーネントに対する連続する平行移動位置(n-1番目の平行移動位置からn番目の平行移動位置等)の間で組織保持器を移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、連続する平行移動位置は、垂直平行移動位置である。いくつかの実施形態では、連続する平行移動位置は、横向き(または水平)平行移動位置である。いくつかの実施形態では、組織保持器の各平行移動位置(垂直または水平平行移動位置等)において、第1の切断コンポーネントは、組織保持器内に含有される組織サンプルに向かって、およびそこから離れるように移動され、それによって、連続する切断平面において組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器の各平行移動位置(垂直または水平平行移動位置等)において、組織サンプルを含有する組織保持器は、第1の切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように移動され、それによって、組織サンプルを第1の切断コンポーネントによって連続する切断平面において切断させるように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器の平行移動は、垂直平行移動であり、n-1番目の平行移動位置は、n番目の平行移動位置の上方または下方である。いくつかの実施形態では、組織保持器の平行移動は、横向き(水平平行移動等)であり、n-1番目の平行移動位置は、n番目の平行移動位置の側面(左または右等)上にある。
【0135】
いくつかの実施形態では、組織切断システムは、相互に対する組織保持器および第1の切断コンポーネントの垂直移動を引き起こすように構成される、垂直平行移動アセンブリを備える。いくつかの実施形態では、垂直平行移動アセンブリは、第1の切断コンポーネントに対する組織保持器の垂直移動を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、組織切断システムは、組織保持器に結合され、組織サンプルを含有する組織保持器を第1の切断コンポーネントに対する連続する垂直平行移動位置に移動させるように構成される、垂直平行移動アセンブリを備える。垂直移動は、上向きおよび/または下向き移動であり得る。いくつかの実施形態では、垂直平行移動アセンブリは、組織保持器をn-1番目の垂直位置からn番目の垂直位置に(第1の垂直位置から第2の垂直位置に、第2の垂直位置から第3の垂直位置等に)移動させる。組織保持器が下向きまたは上向きに移動されるかどうかに応じて、n番目の垂直位置は、n-1番目の垂直位置の下方または上方であり得る。組織保持器(または第1の切断コンポーネント)の文脈において使用される「垂直に移動される」または「垂直移動」は、必ずしも水平平面に直角の方向における移動ではない。垂直移動は、n-1番目の垂直位置からn番目の垂直位置に、組織保持器を第1の切断コンポーネントに対して上向きまたは下向き方向に移動させる(または逆もまた同様である)移動であり、n-1番目の垂直位置は、n番目の垂直位置の下方または上方である。垂直位置は、必ずしも一方が他方の真上にある必要はない。言い換えると、横向き垂直移動および互い違いの垂直位置もまた、本発明の範囲内である。いくつかの実施形態では、連続する垂直位置の間の組織保持器の移動は、圧電アクチュエータ等を用いて精密に制御されることができる。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリ(垂直平行移動アセンブリ等)は、第1の切断コンポーネントに対して(組織保持器を垂直に移動させること等によって)組織サンプルを位置付けるように構成され、第1の切断コンポーネントは、所望の切断平面において組織サンプルを切断する。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、組織保持器を第1の垂直平行移動位置(第1の切断事象が生じる)から第2の垂直平行移動位置(第2の切断事象が生じる)等に移動させる。
【0136】
いくつかの実施形態では、組織切断システムは、相互に対する組織保持器および第1の切断コンポーネントの水平移動を引き起こすように構成される、平行移動アセンブリを備える。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、x-y平行移動ステージを備える。いくつかの実施形態では、組織保持器は、x-y平行移動ステージ上に搭載される。いくつかの実施形態では、x-y平行移動ステージは、組織保持器(組織サンプルを含有する)を第1の切断コンポーネントに対する連続する水平位置(n-1番目の平行移動位置は、n番目の平行移動位置の左側または右側等の側面上にある)に移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器の各水平平行移動位置において、x-y平行移動ステージはさらに、第1の切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように組織保持器を移動させ、それによって、第1の切断コンポーネントが、組織保持器内に含有される組織サンプル内に連続する切り込みを入れることを可能にするように構成される。
【0137】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、組織保持器の遠位端における開口部の近傍に位置する。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルに向かって、およびそこから離れるように移動されるように構成され、または組織サンプルを含有する組織保持器は、第1の切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように移動されるように構成され(切り込み運動)、切断平面における切り込みによって組織サンプルを切断する。第1の切断コンポーネントが、組織サンプルに向かって移動する、または組織サンプル(組織保持器内に含有される)が、第1の切断コンポーネントに向かって移動されるとき、第1の切断コンポーネントが、組織サンプルの中に(それを貫通するために等)移動し、それによって、切断平面において組織サンプルを切断することを理解されたい。組織サンプルが切断平面において切断された後、第1の切断コンポーネントまたは組織保持器は、元の位置に後退される。いくつかの実施形態では、組織保持器の各垂直または水平位置において、第1の切断コンポーネントは、組織保持器内に含有される組織サンプルに向かって、およびそこから離れるように移動され、連続する切断平面において組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器の各垂直または水平位置において、組織サンプルを含有する組織保持器は、第1の切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように移動され、連続する切断平面において組織サンプルを切断するように構成される。
【0138】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、第1および第2の切断プロセスの間に発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、約20Hz~約200Hzの周波数において発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、約50~約200Hzの範囲内の周波数において発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、約120~約200Hzの範囲内の周波数において発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、その軸を中心とする第1の切断コンポーネントの発振および組織サンプルに向かう、およびそこから離れるような第1の切断コンポーネントの移動(切り込み運動)は、ボイスコイルアクチュエータによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントの発振運動および切り込み運動は、同期的である。
【0139】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、(第1および第2の切断プロセス等の間に)組織保持器に対して配向され、第1の切断コンポーネントの線形軸は、組織保持器(組織保持器の縦方向軸等)に対して角度α1にある。いくつかの実施形態では、組織保持器が、水平に配向される場合(組織保持器の縦方向軸が、水平平面に平行である場合等)、α1は、第1のコンポーネントの線形軸が水平平面に対して成す角度である。いくつかの実施形態では、α1は、約20°である。いくつかの実施形態では、代表的
図3Eに示されるように、α1は、約90°である。いくつかの実施形態では、第1および第2の寸法における切断事象の間、第1の切断コンポーネントは、ある配向において組織サンプルに接近するように構成され(第1のコンポーネントおよび/または組織保持器の平行移動運動によって可能にされる)、第1の切断コンポーネントの平面は、切断されている組織サンプルの表面に対して角度α2(
図4Eに示されるような接近角)を成す。いくつかの実施形態では、α2は、90°である。いくつかの実施形態では、α2は、斜角である(α2<90°)。
【0140】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルが組織保持器の中空空洞内に含有される間、組織サンプルを切断するように構成される。これは、第1および第2の切断プロセスの間に組織サンプルのいかなる動揺も防止し、それによって、第1の切断コンポーネントが精密な切り込みを入れることを可能にする。いくつかの実施形態では、組織保持器の最適な設計および寸法は、組織サンプルが安定して保持される間、第1の切断コンポーネントが組織サンプルを切断することを可能にするための空間が存在することを確実にする。
【0141】
いくつかの実施形態では、組織保持器の側壁は、スリットを備え、スリットは、組織サンプルが組織保持器の中空空洞内に含有される間、第1の切断コンポーネントがそれを通して通過し、組織サンプルを切断することを可能にする。いくつかの実施形態では、組織保持器の側壁は、複数のスリットを備え、複数のスリットにおける各スリットは、組織サンプルが組織保持器の中空空洞内に含有される間、第1の切断コンポーネントがそれを通して通過し、組織サンプルを切断することを可能にする。いくつかの実施形態では、各スリットの幅410(w)は、約1mm~約10mmである。いくつかの実施形態では、複数のスリットにおける2つの隣接するスリットの間の間隔410(s)は、約300μm~約2,000μmである。いくつかの実施形態では、スリットの深さ410(d)は、約50μm~約1,000μmである。
【0142】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、遠位端における開口部を通して中空空洞内に突出し、組織サンプルが組織保持器の中空空洞内に含有される間、組織サンプルを切断するように構成される。
【0143】
いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、リザーバ1000(
図1A、1B、および2A-2E等に示されるような)を備える。いくつかの実施形態では、リザーバは、周辺壁および水平基部によって囲繞される、内部空間を構成する。内部空間は、組織断片を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液、生理食塩水溶液、または培養培地等の流体材料(切断媒体と同義的に使用される)で充填される。いくつかの実施形態では、リザーバの内部空間は、約1℃~約10℃の温度に維持されるように構成される。いくつかの実施形態では、リザーバの内部空間は、約1℃~約4℃の温度に維持されるように構成される。他の実施形態では、リザーバの内部空間は、約35℃~約38℃の範囲内の温度に維持される。いくつかの実施形態では、組織保持器の一部は、リザーバの中に突出する。いくつかの実施形態では、組織保持器の一部は、リザーバの周辺壁内の開口部1010を通して、リザーバの内部空間の中に突出する(例えば、
図2D参照)。いくつかの実施形態では、組織保持器またはその一部は、リザーバの内部空間を充填する流体材料内に浸漬される。
【0144】
いくつかの実施形態では、
図10A-10Fに示されるように、組織切断システムは、ネストの内部空洞内にリザーバを保持するように構成される、ネスト1200を備え、ネストは、ネストを通して熱交換流体を循環させるための内部特徴1250を構成し、ネストを通して循環される熱交換流体は、リザーバの温度を約1℃~約10℃に維持する。いくつかの実施形態では、ネストは、熱交換流体をネストに供給する、外部熱交換器1280(
図10G)に接続され、リザーバの所望の温度が、外部熱交換器の温度を事前設定することによって達成される。
【0145】
いくつかの実施形態では、
図11に示されるように、組織切断システムは、酸素源1310を備える、酸素供給ユニット1300を備え、酸素源は、リザーバに結合され、リザーバの内部空間内の流体材料に酸素供給するように構成される。
【0146】
いくつかの実施形態では、
図12B-12Dに示されるように、リザーバは、フィルタアセンブリ1410に結合されるように構成され、フィルタアセンブリは、規定されたサイズよりも大きいサイズの所望されない組織断片を留め、規定されたサイズの所望の組織断片の通過を可能にするために、第1(より大きい細孔サイズ)の少なくとも第1のフィルタユニット1412を備える。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリはさらに、規定されたサイズの所望の組織断片を留めるために、第1のフィルタユニットと直列に接続される、第2(より小さい細孔サイズ)の少なくとも第2のフィルタユニット1414を備える。例えば、規定されたサイズが、300μm×300μm×300μmである場合、第1のフィルタユニットは、規定されたサイズを上回る組織断片を留めながら、(許容されるサイズ変動を伴う)規定されたサイズの組織断片がそれを通して流動することを可能にするために十分に大きい細孔サイズを有するであろう。第2のフィルタユニットは、より小さい寸法の組織破片および不要な材料がそれを通して流動することを可能にしながら、規定されたサイズの組織断片を留めるための細孔サイズを有するであろう。
【0147】
いくつかの実施形態では、組織保持器は、第2の切断コンポーネントに向かって駆動されるように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器およびリザーバは、第2の切断コンポーネントに向かって駆動されるように構成される。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリ(x-y平行移動ステージ等を備える)は、第2の切断コンポーネントに向かって組織保持器およびリザーバを駆動するように構成される。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、組織保持器に結合される。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、前方ならびに逆方向における全体的方向性運動を引き起こす、線形アクチュエータ機構を備える。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリ800は、平行移動ステージ(x-y平行移動ステージ等)を備える。いくつかの実施形態では、
図1A等に示されるように、組織切断システムは、その上にリザーバおよび組織保持器が搭載される、平行移動ステージを備え、平行移動ステージは、第1の切断コンポーネントおよび/または第2の切断コンポーネントに向かう、およびそこから離れるようなリザーバおよび組織保持器の平行移動運動を引き起こすように構成される。切断コンポーネント(第1および/または第2)に向かう組織保持器の移動は、組織保持器内に含有される組織サンプルを切断コンポーネントに対して駆動させ、それによって、切断コンポーネントに組織サンプルを貫通させ、切断平面において組織サンプルを切断させる。いくつかの実施形態では、組織保持器は、規定された距離だけ第1の切断コンポーネントに対して移動し、第1の切断コンポーネントは、最大で浅い深さまで組織サンプルを貫通し、それによって、切り込みによって組織サンプルを切断する。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルが組織保持器内に含有される間、組織サンプルを切断する。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、組織保持器の側壁内のスリットを通して通過することによって、組織サンプルを切断する。
【0148】
いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、組織サンプルに結合されるように構成される、駆動アセンブリ600を備え、駆動アセンブリは、遠位端における開口部を通して切り込みを入れられた組織サンプルの一部を外に駆動し、切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露するように構成される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、犠牲組織支持体を介して組織サンプルに結合されるように構成される。組織保持器の遠位端における開口部等を通して、組織保持器の中空空洞から外に暴露される組織サンプルの任意の部分は、組織サンプルの暴露された部分と称される。組織保持器の遠位端における開口部等を通して、組織保持器の中空空洞から外に暴露される切り込みを入れられた組織サンプルの任意の部分は、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分と称される。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分は、第2の切断コンポーネントを横断して駆動されるように構成される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリおよび/または平行移動アセンブリは、第2の切断コンポーネントを横断して切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を駆動するように構成される。
【0149】
いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、組織保持器の遠位端に、すなわち、組織保持器の遠位端における開口部の近傍に位置する。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、第1の切断コンポーネントを越えて位置し、すなわち、第2の切断コンポーネントは、第1の切断コンポーネントよりも組織保持器の遠位端における開口部から遠くに位置する。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、リザーバの内部空間の中に突出する組織保持器の部分にわたって跨架する。いくつかの実施形態では、第1および第2の切断コンポーネントは、単一の切断コンポーネント保持器上に搭載されるが、組織サンプルに対して異なる角度に配向される。
【0150】
いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントは、平行移動的に固定され、第2の切断コンポーネントの唯一の運動は、第2の切断コンポーネントの線形軸を中心とする発振運動である。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネント(第2の切断コンポーネントの線形軸等)は、組織保持器(組織保持器の縦方向軸等)に対して角度βに配向される。いくつかの実施形態では、組織保持器は、リザーバの水平基部に平行に配向され、第2の切断コンポーネントは、ある角度に配向され、第2の切断コンポーネントの線形軸は、リザーバの水平基部に対して角度βにある。いくつかの実施形態では、βは、約0°である(第2の切断コンポーネントの線形軸は、リザーバの水平基部に平行である)。いくつかの実施形態では、βは、約0°~約40°である。いくつかの実施形態では、
図3E等に示されるように、βは、約90°である(第2の切断コンポーネントの線形軸は、リザーバの水平基部に直角である)。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントの平面は、切断されるべき組織サンプルの表面に対して角度γにある。いくつかの実施形態では、γは、約0.25°~約30°である。いくつかの実施形態では、γは、約0.5°~約2.5°である。
【0151】
いくつかの実施形態では、
図3A-3Cに示されるように、組織切断システムは、約20Hz~約200Hzの周波数において第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントの両方を発振させるように構成される、単一の発振器(ボイスコイルアクチュエータを備える)を備える。いくつかの実施形態では、発振器32は、切断コンポーネント保持器31を備える、線形レールシステム34に接続され、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントは、切断コンポーネント保持器31上に搭載される。いくつかの実施形態では、第1および第2の切断コンポーネントの平面は、組織保持器内に含有される組織サンプルの表面に対して異なる角度に配向される。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントの平面は、組織サンプルの表面に対して角度α2に配向される一方、第2の切断コンポーネントの平面は、組織サンプルの表面に対して角度γに配向される。いくつかの実施形態では、α2およびγは、等しくない。いくつかの実施形態では、α2は、約90°である。いくつかの実施形態では、γは、約0.5°~約2.5°である。
図4Eに表されるように、角度α2およびγは、それぞれ、第1および第2の切断コンポーネントの平面が組織サンプルの表面と成す、接近角である。いくつかの実施形態では、
図3Dに示されるように、保持器上に搭載される間、第1の切断コンポーネントの平面は、第2の切断コンポーネントの平面に対して角度δにある。いくつかの実施形態では、
図3E等に示されるように、第1および第2の切断コンポーネントは、ある配向において単一の切断コンポーネント保持器上に搭載され、α1およびβは両方とも、約90°である。
【0152】
いくつかの実施形態は、側壁によって画定される、中空空洞と、近位端と、遠位端における開口部と、組織保持器の中空空洞内の犠牲組織支持体とを備える、組織保持器を備える、組織サンプルを切断するための組織切断システムに関し、犠牲組織支持体は、組織サンプルを支持するように構成され、組織サンプルを支持する犠牲組織支持体は、中空空洞から外に駆動され、遠位端における開口部を通して組織サンプルの一部を暴露するように構成される。組織切断システムはさらに、組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される、少なくとも1つの切断コンポーネントを備え、切断コンポーネントは、組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成され、切断コンポーネントは、犠牲組織支持体を通して切断することによって、組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成される。いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、流体材料で充填される、リザーバを備え、組織サンプルを支持する組織保持器の一部は、流体材料内に浸漬されるように構成される。いくつかの実施形態では、組織サンプルの暴露された部分は、犠牲組織支持体上に支持される。いくつかの実施形態では、組織サンプルは、生検組織サンプル、すなわち、生検によって取得された組織サンプルであり、単一の寸法における切断が、規定されたサイズの組織断片を生成するために十分である。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、溝を備える、非平坦表面を備え、溝は、組織サンプルを支持するように構成される。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、複数の組織サンプルの同時切断のために複数の組織サンプルを支持するように構成される。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、複数の溝を備える、非平坦表面を備える。いくつかの実施形態では、複数の溝における各溝は、複数の組織サンプルの同時切断のために組織サンプルを支持するように構成される。
【0153】
いくつかの実施形態では、リザーバは、組織断片を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、リザーバの周辺壁は、組織保持器を受容するための開口部1010を備え、組織保持器は、開口部を通してリザーバの内部空間の中に突出する。いくつかの実施形態では、開口部は、流体材料のいかなる漏出も防止するために、Oリングを備え付ける。いくつかの実施形態では、流体材料は、約1℃~約10℃の温度に維持される。いくつかの実施形態では、流体材料は、約35℃~約38℃の範囲内の温度に維持される。
【0154】
いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、組織保持器の遠位端の近傍に位置する。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、組織保持器にわたって跨架する。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、リザーバの内部空間の中に突出し、流体材料内に浸漬される組織保持器の部分にわたって跨架する。いくつかの実施形態では、組織保持器は、リザーバの水平基部に平行に配向され、切断コンポーネントは、ある角度に配向され、切断コンポーネントの線形軸は、リザーバの水平基部に対してある角度(例えば、β)にあり、角度は、約0°~約40°である。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントの平面は、切断されるべき組織サンプルの表面に対してある角度(例えば、γ)にあり、角度は、約0.25°~約30°である。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、約20Hz~約200Hzの周波数において発振されるように構成される。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントは、平行移動的に固定される。いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、駆動アセンブリを備え、駆動アセンブリは、犠牲組織支持体を外に駆動し、遠位端における開口部を通して組織保持器の中空空洞から外に(犠牲組織支持体上に支持される)組織サンプルの一部を暴露するように構成される。いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、平行移動アセンブリを備える。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、その上に組織保持器が搭載される、平行移動ステージを備える。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリおよび/または駆動アセンブリは、切断コンポーネントを横断して生体組織サンプルの暴露された部分を駆動し、生体組織サンプルの暴露された部分を組織断片に切断するように構成される。
【0155】
図3A-3Cに示されるように、いくつかの実施形態は、組織サンプルを保持するように構成される、組織保持器と、i)切断コンポーネント保持器31を備える、線形レールシステム34と、ii)切断コンポーネント保持器上に搭載される、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントと、iii)線形レールシステムに接続され、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントを発振させるように構成される、発振器32とを備える、切断アセンブリとを備える、組織切断システムに関する。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法および第2の寸法において組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成され、第2の切断コンポーネントは、第3の寸法において切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、組織断片を保持するように構成される、リザーバを備え、組織保持器の一部は、リザーバの内部空間の中に突出する。いくつかの実施形態では、組織保持器は、平行移動ステージ上に搭載される。平行移動ステージは、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントに向かう、およびそこから離れるような組織サンプルを含有する組織保持器の平行移動運動を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、平行移動ステージはさらに、第1の切断コンポーネントに対する組織保持器の連続する横向き(または水平)平行移動を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントに向かう組織サンプルを含有する組織保持器の運動は、切断コンポーネントを組織サンプルの中に貫通させ、それによって、組織サンプルを切断平面において切断させる。
【0156】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントおよび第2の切断コンポーネントは、相互に対する、および組織保持器に対する相対的配向において切断コンポーネント保持器上に搭載され、第1の切断コンポーネントの平面は、組織保持器内に含有される組織サンプルの表面に対して角度α2(例えば、α2は、約90°である)にあり、第2の切断コンポーネントの平面は、組織保持器内に含有される組織サンプルの表面に対して角度γ(例えば、γは、約0.5°~約2.5°である)にある。いくつかの実施形態では、
図3Dに示されるように、切断コンポーネント保持器上に搭載される間、第1の切断コンポーネントの平面は、第2の切断コンポーネントの平面に対して角度δにある。好ましい実施形態では、相互に対する、および組織保持器内に含有される組織サンプルの表面に対する(保持器上に搭載される)切断コンポーネントの相対的配向は、切断動作全体の間に変化しない。いくつかの実施形態では、
図3e等に示されるように、第1および第2の切断コンポーネントは、ある配向において単一の切断コンポーネント保持器上に搭載され、α1およびβは両方とも、約90°である。いくつかの実施形態では、平行移動ステージは、規定された速度において第1および第2の切断コンポーネントに向かう組織サンプルを含有する組織保持器の平行移動運動を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、規定された速度は、切断コンポーネントの発振の周波数および振幅、組織タイプ、組織サンプルを囲繞するカプセル材、および同等物等の種々の因子に依存する。いくつかの実施形態では、速度は、約0.05mm/秒~約10mm/秒である。
【0157】
いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、第1の相対的配向から第2の相対的配向への組織保持器と第1の切断コンポーネントとの間の相対的回転移動を引き起こすように構成される、回転デバイスを備え、第1の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第1の寸法において組織保持器内に含有される組織サンプルを切断するように構成され、第2の相対的配向において、第1の切断コンポーネントは、第2の寸法において組織保持器内に含有される組織サンプルを切断するように構成される。いくつかの実施形態では、回転デバイスは、組織保持器に結合され、組織保持器の第1の配向から組織保持器の第2の配向への第1の切断コンポーネントに対する組織保持器の回転移動を引き起こすように構成される。
【0158】
図12Aに示されるようないくつかの実施形態は、組織サンプルから規定されたサイズの組織断片を生成するための組織切断アセンブリに関する。組織切断アセンブリは、組織切断システム1と、濾過システム1400とを備える。いくつかの実施形態では、
図12B-12C等に示されるように、組織切断システムは、i)組織サンプルを規定されたサイズの組織断片に切断するように構成される、切断コンポーネントと、ii)組織断片を収集するように構成される、リザーバとを備える。いくつかの実施形態では、濾過システムは、リザーバに接続されるように構成される、フィルタアセンブリ1410を備え、フィルタアセンブリは、規定されたサイズの組織断片がそれを通して流動することを可能にしながら、規定されたサイズを上回る組織断片を留めるように構成される、少なくとも1つのフィルタユニットを備える。いくつかの実施形態では、リザーバは、コネクタ1450(例えば、管)の助けによってフィルタアセンブリに接続される。いくつかの実施形態では、コネクタは、開放位置と閉鎖位置との間で調節されるように構成される、弁1455を備える。いくつかの実施形態では、切断動作の間(組織サンプルが組織断片に切断されているとき)、弁は、閉鎖位置にあるように構成される。いくつかの実施形態では、切断動作後、濾過システムが動作中であるとき、弁は、開放位置にあり、リザーバの内容物(規定されたサイズの組織断片および他の不要な材料等)がフィルタアセンブリの中に流動することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、
図12Dに示されるように、フィルタアセンブリは、i)規定されたサイズの組織断片がそれを通して流動することを可能にしながら、規定されたサイズよりも大きい不要な組織断片を留めるように構成される、第1の細孔サイズの第1のフィルタユニット1412と、ii)第1のフィルタユニットに直列に接続され、より小さいサイズの組織破片および不要な材料がそれを通して流動することを可能にしながら、規定されたサイズの組織断片を留めるように構成される、第2の細孔サイズの第2のフィルタユニット1414とを備える。いくつかの実施形態では、濾過システムは、細孔を閉塞させるいかなる不要な組織断片、組織破片、および/または他の不要な物質も除去するために、フィルタユニットを洗浄するための所望の流量における洗浄緩衝液を供給するように構成される、洗除機構(図示せず)を備える。いくつかの実施形態では、濾過システムはさらに、細孔を閉塞させるいかなる不要な組織断片、組織破片、および/または他の不要な物質も除去するために、フィルタユニットを攪拌するための機械的攪拌器を備える。いくつかの実施形態では、リザーバの内容物(より大きい断片、破片、および他の不純物等の他の不要な材料とともに、規定されたサイズの組織断片等)は、重力によって駆動される受動的流動によって濾過システムの中に流動する。いくつかの実施形態では、濾過システムはさらに、コネクタに結合されるように構成され、フィルタアセンブリの中にリザーバの内容物を駆動するように構成される、流体駆動機構1470を備える。いくつかの実施形態では、濾過システムは、インライン濾過システム(
図12B等に示されるような)であり、フィルタアセンブリは、リザーバに接続される一方、リザーバは、組織切断システム内のその元の場所にある。いくつかの実施形態では、濾過システムは、オフライン濾過システム(
図12C等に示されるような)であり、(組織断片を伴う)リザーバは、切断動作の完了後、組織切断システム内のその元の場所から濾過システムに移送される。いくつかの実施形態では、リザーバの移送は、自動化移送である。限定ではないが、コンベヤ機構、ロボットアーム、および同等物を含む、自動化移送の種々の機構が、想定されることができる。いくつかの実施形態では、フィルタシステムは、フィルタアセンブリ1410を急回転させるように構成される、回転アクチュエータ1475(
図3A)を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、組織切断システムの2つまたはそれを上回るコンポーネントは、相互に動作的に接続される。いくつかの実施形態では、組織切断システムの1つまたはそれを上回るコンポーネントおよび組織切断アセンブリ全体は、制御システム2000(例えば、コントローラ)(
図1B)によって制御される。単一の制御ユニットが、図に示されているが、いくつかの実施形態では、組織切断アセンブリの種々のコンポーネントを制御するための1つを上回る制御ユニットが存在し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、クラウドコンピューティングリソース(例えば、クラウド)とインターフェースをとり、および/または電気通信する、プロセッサを含む。いくつかの実施形態では、組織切断システムは、クラウドまたは他の好適なネットワークを経由して送信および/または受信される命令を用いて制御可能である。いくつかの実施形態では、組織切断システムは、本明細書に説明される動作および/または方法のうちの1つまたはそれを上回るものを実行するために記憶されるソフトウェア命令を伴うメモリを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、組織切断システムの1つまたはそれを上回るコンポーネントは、使い捨ておよび/または滅菌可能である。いくつかの実施形態では、動作の間、組織切断システムは、組織サンプルの滅菌性を維持するために、閉鎖系を形成する。いくつかの実施形態では、組織切断システムは、自動化または半自動化システムであり、本システムのコンポーネントは、人間の介入を殆ど伴わずにそれらの設計された機能を実施するように構成される。いくつかの実施形態では、
図3A、3Bに示されるように、組織切断システムはさらに、緊急停止ボタン2010を備える。
【0161】
図13-19等に表されるいくつかの実施形態は、組織切断システムを使用して組織サンプルを切断する方法に関し、組織切断システムは、i)側壁によって画定される、中空空洞と、近位端と、遠位端における開口部とを備える、組織保持器と、ii)第1の切断コンポーネントと、iii)第2の切断コンポーネントとを備える。いくつかの実施形態では、本方法は、(ステップA)組織保持器の中空空洞内に組織サンプルを位置付けることによって、切断のために組織サンプルを調製するステップと、(ステップB)(第1の切断コンポーネントに対する)第1の相対的配向において組織保持器を位置付けるステップと、(ステップC)第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、第1の寸法において組織サンプル内に切り込みを入れるステップであって、組織保持器は、第1の相対的配向にあり、組織サンプルは、組織保持器の中空空洞内に含有される、ステップ(例えば、第1の切断コンポーネントと組織保持器との間の相対的運動を生じさせ、第1の寸法において組織サンプル内に切り込みを入れるステップ)と、(ステップD)ステップCの後、組織保持器を(第1の切断コンポーネントに対する)第2の相対的配向へある角度(例えば、90度)だけ回転させるステップと、(ステップE)第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、第2の寸法において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するステップであって、組織保持器は、第2の相対的配向にあり、組織サンプルは、組織保持器の中空空洞内に含有される、ステップ(例えば、第1の切断コンポーネントと組織保持器との間の相対的運動を生じさせ、第2の寸法において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するステップ)と、(ステップF)組織保持器の遠位端における開口部を通して切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露するステップと、(ステップG)第2の切断コンポーネントを横断して切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を駆動するステップ(例えば、第2の切断コンポーネントを横断して切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を移動させるステップ)であって、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分は、第3の寸法において切断され、組織断片を生成する、ステップとを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、ステップB-ステップGは、1つの切断サイクルを備える。いくつかの実施形態では、1つの切断サイクルは、組織サンプルの一部のみを組織断片に切断する。いくつかの実施形態では、ステップB-ステップGは、組織サンプル全体を組織断片に切断するために繰り返される。本明細書に使用されるような「組織サンプル全体」は、実質的に全体的な組織サンプルを意味する。いくつかの実施形態では、組織サンプルは、生体組織サンプルである。いくつかの実施形態では、第1および第2の切断コンポーネントは両方とも、組織保持器の遠位端の近傍に位置する。いくつかの実施形態では、第1および第2の切断コンポーネントは、組織保持器に対する異なる相対的位置において単一の保持器(例えば、マウント)上に搭載され、組織保持器内に含有される組織サンプルは、最初に、第1の切断コンポーネントと接触し、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成する。続けて、組織サンプルを含有する組織保持器は、第2の切断コンポーネントに向かって移動し、第2の切断コンポーネントは、切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成する。いくつかの実施形態では、組織切断システムはさらに、流体材料で充填される、リザーバを備え、ステップB-ステップGの間、生体組織サンプルを含有する組織保持器は、リザーバ内に含有される流体材料内に浸漬される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、リザーバ内に組織断片を収集するステップを含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、組織保持器の側壁は、スリットを備える。いくつかの実施形態では、組織サンプルが組織保持器の中空空洞内に含有される間、組織サンプルを切断するステップは、第1の切断コンポーネントをスリットを通して組織サンプルを含有する中空空洞の中に駆動するステップを含む。いくつかの実施形態では、組織保持器の側壁は、複数のスリットを備える。
【0164】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、i)第1の相対的配向にある間、組織保持器を連続する平行移動位置に移動させ、第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、組織保持器の各平行移動位置において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、第1の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するステップと、ii)第2の相対的配向にある間、組織保持器を連続する平行移動位置に移動させ、第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、組織保持器の各平行移動位置において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、第2の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するステップとを含む。いくつかの実施形態では、組織保持器の平行移動は、組織保持器に結合される、平行移動アセンブリによって引き起こされる。
【0165】
いくつかの実施形態では、組織保持器の平行移動は、垂直平行移動である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、i)第1の相対的配向にある間、組織保持器を連続する垂直位置に垂直に移動させ、第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、組織保持器の各垂直位置において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、第1の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するステップと、ii)第2の相対的配向にある間、組織保持器を連続する垂直位置に垂直に移動させ、第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、組織保持器の各垂直位置において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、第2の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するステップとを含む。いくつかの実施形態では、組織保持器の垂直移動は、組織保持器に結合される、垂直平行移動アセンブリによって引き起こされる。
【0166】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、i)第1の相対的配向にある間、組織保持器を連続する水平平行移動位置に移動させ、第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、組織保持器の各水平平行移動位置において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、第1の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するステップと、ii)第2の相対的配向にある間、組織保持器を連続する水平平行移動位置に移動させ、第1の切断コンポーネントおよび/または組織保持器を動作させ、組織保持器の各水平平行移動位置において組織サンプル内に切り込みを入れ、それによって、第2の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するステップとを含む。いくつかの実施形態では、組織保持器の平行移動は、組織保持器に結合される、平行移動アセンブリによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、その上に組織保持器が搭載される、x-y平行移動ステージを備える。
【0167】
いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントまたは組織保持器を動作させ、(組織保持器内に含有される)組織サンプル内に切り込みを入れるステップは、(組織保持器内に含有される)組織サンプルに向かって、およびそこから離れるように第1の切断コンポーネントを移動させるステップまたは第1の切断コンポーネントに向かって、およびそこから離れるように(組織サンプルを含有する)組織保持器を移動させるステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントおよび組織保持器を動作させ、(組織保持器内に含有される)組織サンプル内に切り込みを入れるステップは、組織サンプルに向かって、およびそこから離れるように組織サンプルを含有する組織保持器を移動させながら、第1の切断コンポーネントを発振させるステップを含む。
【0168】
代表的切断サイクルの一実施例では、組織保持器は、第1の相対的配向にある間、第1の垂直位置(
図13Aに示されるような)に位置付けられ、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルに向かって移動され(
図13Bの破線矢印「a」によって示される)、それによって、第1の寸法において第1の切断平面において組織サンプルを切断する(
図13Cに示されるように)。第1の切断コンポーネントは、次いで、組織サンプルから離れるように後方に移動され、元の位置に戻るように進む。次に、組織保持器は、第2の垂直位置に垂直に(
図13Dの矢印「d」等によって示されるように、上向きまたは下向きに)移動され、第1の切断コンポーネントは、再び、組織サンプルに向かって移動され、それによって、第1の寸法において第2の切断平面において組織サンプルを切断する(
図13E等に示されるように)。組織保持器が垂直に下向きまたは上向きに移動されるかどうかに応じて、第2の切断平面は、第1の切断平面の上方または下方である。いくつかの実施形態では、第1および第2の切断平面は、相互に平行である。本明細書に使用されるような「平行」は、略平行を意味する。組織保持器の垂直移動および組織保持器の各垂直位置における(組織サンプルに向かう、およびそこから離れるような)第1の切断コンポーネントの平行移動は、組織サンプルが第1の寸法において連続する切断平面において切断される(
図13G等に示されるように)まで、繰り返される。いくつかの実施形態では、これらの切断は、切り込みであり、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルを切断するが、組織断片(すなわち、組織サンプルから離れる断片)は、生成されない。いくつかの実施形態では、第1の切断プロセスの間の各切断事象において、第1の切断コンポーネントは、切断の方向における組織サンプルの深さ未満である、深さdx
1まで組織サンプルの中に移動し、それを貫通する。
【0169】
いくつかの実施形態では、第1の切断プロセスの後、組織保持器は、組織保持器の縦方向軸を中心として、90°の角度等だけ回転され、組織保持器は、組織保持器の第1の配向(
図14Aに示される)から組織保持器の第2の配向(
図14Bに示される)に回転される。いくつかの実施形態では、組織保持器は、組織保持器に結合される、回転デバイスによって回転される。
【0170】
組織保持器の第2の配向において、組織保持器は、再び、連続する垂直位置に移動される(矢印「d」によって示される)。組織保持器の各垂直位置において、第1の切断コンポーネントは、組織保持器に向かって、およびそこから離れるように移動する(
図14C-14G等に示されるように)。繰り返される組織保持器の垂直移動(矢印「d」によって示される)および組織保持器の各垂直位置における第1の切断コンポーネントの平行移動(矢印「a」によって示される)は、組織サンプルを第2の寸法において連続する切断平面において切断させる(
図14H等に示されるように)。いくつかの実施形態では、これらの切断は、切り込みであり、第1の切断コンポーネントは、組織サンプルから離れる組織断片を生成することなく、組織サンプルを切断する。いくつかの実施形態では、第2の切断プロセスの間の各切断事象において、第1の切断コンポーネントは、切断方向における組織サンプルの深さ未満である、深さdy
1まで組織サンプルを貫通する。いくつかの実施形態では、第1の寸法における切断平面および第2の寸法における切断平面は、相互に互いに直角である。いくつかの実施形態では、第1および第2の切断プロセスの間、第1の切断コンポーネントは、発振され、発振の方向は、両側破線矢印「c」によって示される。いくつかの実施形態では、移動「a」(切り込み運動)および「c」(発振)は、結合され、同期的である。
【0171】
代替実施例では、組織保持器は、第1の相対的配向にある間、第1の垂直位置(
図15Aに示されるような)に位置付けられる。第1の垂直位置において、組織保持器は、第1の切断コンポーネントに向かって移動され(
図15B、破線矢印「a1」によって示される)、第1の切断コンポーネントをある深さ(dx
1)まで組織サンプルに貫通させ、それによって、第1の寸法において第1の切断平面において組織サンプルを切断する。組織保持器は、次いで、後退し(
図15C、逆方向における破線矢印「a1」によって示される)、第2の垂直位置(矢印「d」によって示される)に移動し、プロセスは、繰り返され(
図15D-G)、組織サンプルは、第1の寸法において連続する切断平面において切断される(
図15G)。組織保持器は、第1の相対的配向から第2の相対的配向に回転され(
図16A-B)は、プロセスは、第2の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するために繰り返される(
図16C-H等に示されるように)。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントに向かう組織保持器の移動は、平行移動アセンブリによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、その上に組織保持器が搭載される、平行移動ステージを備える。
【0172】
一実施形態では、
図17に示されるように、組織保持器は、第1の相対的配向にある間、第1の水平位置(
図17Aに示されるような)に位置付けられる。第1の水平位置において、組織保持器は、第1の切断コンポーネントに向かって移動され(
図17B、破線矢印「a1」によって示される)、第1の切断コンポーネントをある深さ(dx
1)まで組織サンプルに貫通させ、それによって、第1の寸法において第1の切断平面において組織サンプルを切断する。組織保持器は、次いで、後退し(
図17C、逆方向における「a1」によって示される)、第2の水平位置(
図17Dの矢印「e」によって示される)に移動し、プロセスは、繰り返され(
図17E-17G)、組織サンプルは、第1の寸法において連続する切断平面において切断される(
図17G)。組織保持器は、第1の相対的配向から第2の相対的配向に回転され(
図18A-18B)は、プロセスは、第2の寸法において連続する切断平面において組織サンプルを切断するために繰り返される(
図18C-18F等に示されるように)。これは、
図18Fに示されるような切り込みを入れられた組織サンプルを生成する。いくつかの実施形態では、第1の切断コンポーネントに向かう組織保持器の移動は、平行移動アセンブリによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、その上に組織保持器が搭載される、平行移動ステージを備える。
【0173】
いくつかの実施形態では、切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露するステップは、駆動アセンブリの助けによって実施される。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、組織保持器の遠位端における開口部を通して切り込みを入れられた組織サンプルの一部を外に駆動し、切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露する。いくつかの実施形態では、第2の切断コンポーネントを横断して切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を駆動するステップは、駆動アセンブリおよび/または線形平行移動アセンブリによって実施される。
【0174】
いくつかの実施形態では、組織サンプルが第1および第2の寸法において切断され、切り込みを入れられた組織サンプルを生成した(
図16H、18F等に示されるように)後、組織保持器は、第2の切断コンポーネントに向かって移動される。いくつかの実施形態では、組織保持器は、平行移動ステージを備える、平行移動アセンブリによって、第2の切断コンポーネントに向かって移動される。いくつかの実施形態では、組織保持器は、リザーバとともに、第2の切断コンポーネントに向かって移動される。組織保持器は、(随意に、リザーバとともに)組織保持器の中空空洞から外に切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露するステップの前、その後、またはその間に、第2の切断コンポーネントに向かって移動されることができる。いくつかの実施形態では、組織サンプルは、第1の切断コンポーネントによるいかなる切り込みも伴わずに、第2の切断コンポーネントに向かって移動される。言い換えると、第2の切断コンポーネントは、組織サンプルを切り取る。
【0175】
いくつかの実施形態では(
図19A-19D等に示されるように)、組織保持器が第2の切断コンポーネントに対して位置付けられた後、駆動アセンブリは、組織保持器の遠位端における開口部を通して切り込みを入れられた組織サンプルの一部を外に駆動し、切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露する。いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、第2の切断コンポーネントを横断して切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を駆動し、第3の寸法において切り込みを入れられた組織の暴露された部分を切断し、組織断片を生成する。当業者によって理解されるように、第2の切断コンポーネントの特定の配向が、
図19A-19Dに描写されるが、第2の切断コンポーネントの他の配向も、想定されることができる。例えば、第2の切断コンポーネントはまた、
図3E等に示されるように、垂直に配向されることができ、β(または第2の切断コンポーネントの線形軸と組織保持器の縦方向軸との間の角度)は、約90°である。
【0176】
いくつかの実施形態では、駆動アセンブリは、組織保持器の遠位端における開口部を通して切り込みを入れられた組織サンプルの一部を外に駆動し、切り込みを入れられた組織サンプルの一部を暴露する。いくつかの実施形態では、平行移動アセンブリは、第2の切断コンポーネントに向かって組織保持器(および随意に、リザーバ)を駆動し、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を第2の切断コンポーネントを横断して駆動させ、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分は、第3の寸法において切断され、組織断片を生成する。理解されるように、第3の寸法において切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を切断し、組織断片を生成するために、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分が、第2の切断コンポーネントを横断して駆動されることが要求される。第2の切断コンポーネントに向かう組織保持器の移動(平行移動アセンブリによって駆動される)および組織保持器の中空空洞から外への組織サンプルの移動(駆動アセンブリによって駆動される)の順序は、限定ではない。
【0177】
第1、第2、および第3の切断プロセスの順次的事象は、第1の切断サイクル等の切断サイクルを成す。いくつかの実施形態では、切断サイクル(第1の切断サイクル等)の後、組織保持器およびリザーバは、平行移動アセンブリ等によって、元の位置に戻るように移動される。いくつかの実施形態では、1つの切断サイクルは、組織サンプルの一部のみを組織断片に切断する。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の切断プロセスは、複数の切断サイクルにわたって繰り返され、実質的に組織サンプル全体が、組織断片に切断される。
【0178】
いくつかの実施形態では、組織保持器はさらに、犠牲組織支持体を備え、切断のために組織サンプルを調製するステップはさらに、i)犠牲組織支持体上に組織サンプルを位置付けるステップと、ii)カプセル材を用いて犠牲組織支持体上に支持される組織サンプルを包み込むステップとを含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、組織サンプルを組織断片に切断する方法の1つまたはそれを上回るステップは、自動化または半自動化され、すなわち、ステップは、人間の介入を殆ど伴わずに実施される。
【0180】
図20A-20Cに示されるように、いくつかの実施形態は、切断のために生体組織サンプルを調製する方法に関する。いくつかの実施形態では、本方法は、(ステップA)側壁によって画定される、中空空洞と、近位端と、遠位端における開口部と、犠牲組織支持体とを備える、組織保持器400を提供するステップと、(ステップB)犠牲組織支持体412の一部の上に生体組織サンプル300を確実に位置付けるステップであって、犠牲組織支持体の該部分は、組織保持器の遠位端における開口部を通して中空空洞から外に暴露される、ステップと、(ステップC)カプセル材前駆体で充填される内部容積1102を構成する、カプセル材リザーバ1100を組織保持器の遠位端における開口部に結合するステップであって、生体組織サンプルを支持する犠牲組織支持体は、カプセル材前駆体で充填されるカプセル材リザーバの内部容積の中に延在する、ステップ(
図20A等に示されるような)と、(ステップD)生体組織サンプルを支持する犠牲組織支持体を組織保持器の中空空洞の中に後退させるステップであって、カプセル材前駆体は、生体組織サンプルとともに中空空洞の中に引き込まれる、ステップ(
図20B等に示されるような)とを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップDの後、カプセル材前駆体をゲル化条件に曝し、カプセル材1104を生成するステップであって、(組織保持器の中空空洞内の犠牲組織支持体上に支持される)生体組織サンプルは、カプセル材によって包み込まれる、ステップと、組織保持器からカプセル材リザーバを取外するステップ(
図20C等に示されるような)とを含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体の一部の上に生体組織サンプルを確実に位置付けるステップは、接着剤を使用して犠牲組織支持体の一部に生体組織サンプルを取り付けるステップを含む。いくつかの実施形態では、生体組織サンプルを支持する犠牲組織支持体を組織保持器の中空空洞の中に後退させるステップは、駆動アセンブリの助けによって実施され、駆動アセンブリは、犠牲組織支持体に結合される。
【0182】
いくつかの実施形態は、(a)側壁によって画定される、中空空洞と、近位端と、遠位端における開口部と、犠牲組織支持体とを備える、組織保持器を備える、切断のために組織サンプルを調製するためのキットに関する。犠牲組織支持体は、組織サンプルを支持するように構成される。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、中空空洞から外に駆動され、その中に後退されるように構成される。犠牲組織支持体は、切断コンポーネントによって切断されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットはさらに、(b)カプセル材リザーバの内部容積内にカプセル材前駆体を含有する、カプセル材リザーバを備え、カプセル材リザーバは、組織保持器の遠位端における開口部に取外可能に結合され、それによって、カプセル材リザーバの内部容積から組織保持器の中空空洞の中へのカプセル材前駆体の流動を可能にする、界面を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、犠牲組織支持体に結合される駆動アセンブリの助けによって、中空空洞から外に駆動され、その中に後退されるように構成される。いくつかの実施形態では、キットは、使い捨てである。いくつかの実施形態では、キットは、切断のために生体組織サンプルを調製するためのものである。いくつかの実施形態では、カプセル材前駆体は、アルギン酸溶液である。
【0183】
いくつかの実施形態では、組織保持器の側壁は、スリットを備え、スリットは、切断コンポーネントがそれを通して通過し、組織保持器の中空空洞内に含有される組織サンプルを切断することを可能にし、スリットの幅は、約1mm~約10mmであり、スリットの深さは、約50μm~約1,000μmである。いくつかの実施形態では、組織保持器の側壁は、複数のスリットを備え、複数のスリットにおける2つの隣接するスリットの間の間隔は、約300μm~約2,000μmである。いくつかの実施形態では、犠牲組織支持体は、溝を備える、非平坦表面を備える。
【0184】
いくつかの実施形態は、(a)側壁によって画定される、中空空洞と、近位端と、遠位端における開口部と、組織保持器の中空空洞内の犠牲組織支持体とを備える、組織保持器と、(b)中空空洞内の犠牲組織支持体上に位置付けられる、生体組織サンプルとを備える、生体組織サンプルを組織断片に切断するための動作アセンブリに関し、生体組織サンプルを支持する犠牲組織支持体は、中空空洞から外に駆動され、遠位端における開口部を通して生体組織サンプルの一部を暴露するように構成される。いくつかの実施形態では、アセンブリはさらに、(c)それぞれ、第1の寸法および第2の寸法における切り込みによって、生体組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成される、第1の切断コンポーネントであって、生体組織サンプルが組織保持器の中空空洞内に含有される間、生体組織サンプルを切断するように構成される、第1の切断コンポーネントと、(d)第3の寸法において切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される、第2の切断コンポーネントであって、犠牲組織支持体を通して切断することによって、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成される、第2の切断コンポーネントとを含有する。いくつかの実施形態では、アセンブリはさらに、流体材料で充填される、リザーバを含有し、生体組織サンプルを含有する組織保持器の一部は、流体材料内に浸漬され、リザーバは、組織断片を受容するように構成される。本明細書に使用されるように、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分は、遠位端における開口部等を通して、組織保持器の中空空洞から外に暴露される切り込みを入れられた組織サンプルの一部である。いくつかの実施形態では、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分は、犠牲組織支持体上に支持される。いくつかの実施形態では、動作アセンブリは、閉鎖系である。いくつかの実施形態では、動作アセンブリまたはそのコンポーネントは、約1℃~約10°の温度に維持される。
【0185】
図21-30を参照すると、組織切断システム10が、図示される。組織切断システム10は、組織保持器400と、第1の切断コンポーネント100(例えば、第1のブレード)と、第2の切断コンポーネント200(例えば、第2のブレード)と、回転デバイス500と、駆動アセンブリ600と、平行移動アセンブリ800と、リザーバ1000と、ネスト1200とを含む。組織保持器400は、中空空洞406を構成し、中空空洞406内に組織サンプル300(例えば、生体組織サンプル、生検、切除物等)を保持するように構成される。
【0186】
図22-25を参照すると、切断アセンブリ50が、マウント54と、第1の切断コンポーネント100と、第2の切断コンポーネント200とを含む。マウント54は、第1の表面56(例えば、前面)を含む。図示される実施形態では、第1の表面56は、組織保持器400に面している。マウント50はさらに、第1の角度60において第1の表面56と交差する、第1のマウント表面58(例えば、側面)を含む。図示される実施形態では、第1の角度60は、約90度である。マウント54はさらに、第2の角度64において第1の表面56と交差する、第2のマウント表面62(例えば、内部表面)を含む。いくつかの実施形態では、第2の角度64は、約1度~約20度の範囲内である。図示される実施形態では、第2の角度64は、約12.5度である。図示される実施形態では、マウント54は、例えば、システム整合を支援するための複数の視覚的印55を含む。
【0187】
継続して
図22-25を参照すると、第1の切断コンポーネント100は、第1のマウント表面58に結合され、第2の切断コンポーネント200は、第2のマウント表面62に結合される。図示される実施形態では、マウント54は、第1のマウント表面58から延在する、第1の座部66と、第2のマウント表面62から延在する、第2の座部68とを含む。第1の切断コンポーネント100は、第1の座部66に当接し、第2の切断コンポーネント200は、第2の座部68に当接する。言い換えると、切断コンポーネント100、200は、個別の座部66、68に対して固着される。いくつかの実施形態では、接着剤が、切断コンポーネントを個別のマウント表面に固着させるために利用される。第1の切断コンポーネント100の第1の切断平面102は、角度150において第2の切断コンポーネント200の第2の切断平面202と交差する。図示される実施形態では、角度150は、約77.5度である。
【0188】
本明細書に詳述されるように、第1の切断コンポーネント100は、それぞれ、第1の寸法および第2の寸法における切り込みによって、組織保持器400内に含有される組織サンプルを切断し、切り込みを入れられた組織サンプルを生成するように構成される。特に、第1の切断コンポーネント100は、中空空洞406の中に突出し、組織サンプル300が中空空洞406内に含有される間、組織サンプル300を切断するように構成される。第2の切断コンポーネント200は、第3の寸法において切り込みを入れられた組織サンプルを切断し、組織断片を生成するように構成される。
【0189】
継続して
図22-25を参照すると、マウント54はさらに、第2の表面70(例えば、後面)と、第3の表面72(例えば、側面)と、第4の表面74(例えば、内面)とを含む。図示される実施形態では、第2の表面70は、第1の表面56におおよそで平行に延在し、第2の表面70は、約90度において第1のマウント表面58と交差する。図示される実施形態では、第2の表面70は、組織保持器400から離れるように面する。第3の表面72は、第1のマウント表面58におおよそで平行に延在し、第3の表面71は、約90度において第2の表面70と交差する。第4の表面74は、第1の表面56におおよそで平行に延在し、第4の表面74は、約90度において第3の表面72と交差する。図示される実施形態では、表面56、58、62、70、72、74は、固着本体部分78から延在する、指部部分76上に形成される。図示される実施形態では、指部部分76は、マウント軸80に沿って固着本体部分78から延在する。いくつかの実施形態では、固着本体部分78は、締結具を用いて線形レール、アクチュエータ、発振器等に結合される。
【0190】
継続して
図24および25を参照すると、マウント54は、指部部分76内に形成される、切り欠き82を含む。図示される実施形態では、切り欠き82は、少なくとも部分的に、第2のマウント表面62および第4の表面74によって形成される。言い換えると、切り欠き82は、第2の切断コンポーネント200を受容する、マウント54内の内部空洞または空間を画定する。有利なこととして、切り欠き82は、第2の切断コンポーネント200を用いた切断プロセスの間に組織断片が進むための空間を提供する。言い換えると、第2の切断コンポーネント200によって切断された組織断片は、切断品質を改良するために、切り欠き82の中に摺動することができる。
【0191】
図22および23を参照すると、マウント54は、流体入力ポート84と、出口86と、流体入力ポート84と出口86との間に延在する、通路88とを含む。通路88は、第1の表面56および第1のマウント表面58に平行に延在し、マウント軸80に沿って延在する。いくつかの実施形態では、流体入力ポート84は、流体源(例えば、酸素源)に流体的に結合される管を受容するように構成される。したがって、マウント54に供給される酸素は、通路88を通して進行し、出口86から退出し、それによって、リザーバ1000に進入する。いくつかの実施形態では、複数の細孔を含む、プラグが、出口86から退出する流体の分散を支援するために、出口86内に位置付けられる。マウント54は、したがって、酸素供給ユニット1300の少なくとも一部を含む。図示される実施形態では、出口86は、第3の表面72上に位置付けられ、指部部分76の遠位端90から離間される。いくつかの実施形態では、出口86は、遠位端90または指部部分76上の任意の他の好適な場所に位置付けられる。
【0192】
図21を参照すると、切断アセンブリ50は、発振器32(例えば、ボイスコイルアクチュエータ)に結合される。発振器32は、マウント軸80に沿って第1の切断コンポーネント100および第2の切断コンポーネント200を移動させる(例えば、発振させる)ように構成される。いくつかの実施形態では、発振器32は、切断アセンブリ50に関する移動の周波数および振幅を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、周波数は、約20Hz~約200Hzの範囲内である。
【0193】
図31Aを参照すると、一実施形態では、切断アセンブリ50は、正弦波発振(「ブレード運動」)を用いて制御される。ブレード運動曲線上の垂直線は、切断アセンブリ50の運動がほぼゼロまたはゼロであるときを示す。本実施例では、ステージ運動(例えば、切断コンポーネントの中に給送される組織サンプルの運動)は、連続的である。切断コンポーネント100、200を伴う切断アセンブリ50が、減速している、またはゼロにある際、組織サンプル300は、切断コンポーネント100、200の中に移動し続け、本明細書では「突入」と称される。
【0194】
図31Bを参照すると、別の実施形態では、切断アセンブリ50は、三角波発振(「ブレード運動」)を用いて制御される。いくつかの実施形態では、発振は、鋸歯状波である。ブレード運動曲線上の垂直線は、切断アセンブリ50の運動がほぼゼロまたはゼロであるときを示す。本実施例では、ステージ運動は、切断アセンブリ50が一定の速度で移動しているときのみ通電される。言い換えると、組織サンプル300は、切断コンポーネント100、200が一定の速度で移動しているときのみ切断コンポーネント100、200に向かって移動する。本実施例では、切断コンポーネントが、方向を変化させているとき、ステージ運動および組織サンプルは、一時停止するため、運動しない切断コンポーネントの中への組織サンプルのいかなる「突入」も、存在しない。有利なこととして、運動しないブレードの中への組織サンプルの突入を除去することは、全体的切断時間および個々の切断パラメータに対する増加された制御を改良する。いくつかの実施形態では、切断パラメータは、例えば、ブレードストローク、ブレード速度、切断比、給送距離、および/または給送速度である。
【0195】
本明細書に詳述されるように、切断コンポーネントを伴う組織切断システムを使用して組織サンプルを切断する方法は、(ステップA)第1の方向に一定の速度で、および第1の方向と反対の第2の方向に一定の速度で切断コンポーネントを循環的または周期的に移動させるステップ(
図31Bの「ブレード運動」)と、(ステップB)切断コンポーネントが第1の方向または第2の方向に一定の速度で移動しているとき、切断コンポーネントに向かって組織サンプルを移動させるステップ(
図31Bの「ステージ運動」)とを含む。いくつかの実施形態では、切断コンポーネントに向かって組織サンプルを移動させるステップは、組織サンプル内に切り込みを生じさせる。他の実施形態では、切断コンポーネントに向かって組織サンプルを移動させるステップは、組織断片(例えば、立方体、薄片等)を生じさせる。
【0196】
いくつかの実施形態では、切断コンポーネントに対して組織サンプルを移動させるステップは、切断コンポーネントに対して組織サンプルを回転させるステップ(例えば、「急回転切断」)を含む。急回転切断は、代替切断方法である。急回転切断方法では、回転ステージは、組織サンプルを急回転させるために採用され、静止した切断コンポーネントに対する相対的組織サンプル運動を提供する。他の実施形態では、そうでなければ静止した切断コンポーネントは、組織サンプルが切断コンポーネントに対して急回転する間、切断表面の全長を利用して、単一の長いストロークを行う。サンプル切断率が、RPM×残りのサンプルの半径であることを前提として、半径は、サンプルが切断されるにつれて減少する。したがって、回転速度は、一貫した切断率を維持するために増加する。半径が、ゼロに接近すると、切断を終了するために鋸歯または三角形切断外形運動を使用するハイブリッドアプローチが、実装される。
【0197】
図26-29を参照すると、回転デバイス500は、組織保持器400と第1の切断コンポーネント100との間の相対的回転移動を引き起こすように構成される。言い換えると、回転デバイス500は、第1の相対的配向と第2の相対的配向との間で組織保持器400および/または第1の切断コンポーネント100を移動させる。第1の相対的配向にあるとき、第1の切断コンポーネント100は、第1の寸法において組織保持器400内の組織サンプルを切断するように構成される。第2の相対的配向にあるとき、第1の切断コンポーネント100は、第2の寸法において組織保持器400内に含有される組織サンプルを切断するように構成される。図示される実施形態では、回転デバイス500は、回転デバイス500の軸方向端面504から延在する、少なくとも1つの突出部503を含む(
図29)。突出部503は、回転デバイス500の通電に応答して、縦方向軸506を中心として回転するように構成される。図示される実施形態では、組織保持器400の縦方向軸408は、動作の間に回転デバイス500の縦方向軸506と整合される。回転デバイス500の回転する突出部503は、組織保持器400の後部軸方向表面422上に形成される対応する突出部420に係合し、それを駆動し(
図30)、それによって、軸408、506を中心とする組織保持器400の回転を引き起こすように構成される。言い換えると、回転デバイス500は、組織保持器400に結合され、第1の相対的配向と第2の相対的配向との間で縦方向軸408、506を中心として組織保持器400を回転させるように構成される。いくつかの実施形態では、回転デバイスは、約90度だけ縦方向軸を中心として組織保持器を回転させる。
【0198】
動作の間、切断アセンブリ50は、少なくとも部分的に、リザーバ1000内に受容される。リザーバ1000は、内部空間1002(例えば、空洞、ボウル、バケツ)を構成し、流体材料が、内部空間1002内に位置付けられる。リザーバ1000は、内部空間1002内に組織断片を収集するように構成される。図示される実施形態では、内部空間1002は、少なくとも部分的に、側壁1004によって画定される。図示される実施形態では、蓋1006が、側壁1004に枢動可能に結合され、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能である。図示される実施形態では、切断アセンブリ50のマウント54は、酸素源に結合され、酸素源は、切断アセンブリ500が流体材料内に浸漬されるときにリザーバ1000に流体的に結合され、リザーバ1000の内部空間1002内の流体材料に酸素供給するように構成される。
【0199】
図示される実施形態では、組織保持器400の少なくとも一部は、リザーバ1000の内部空間1002の中に突出し、流体材料内に浸漬される。図示される実施形態では、組織保持器400は、少なくとも部分的に、側壁1004内に形成される開口1010(例えば、開口部)内に受容される(
図30)。図示される実施形態では、開口1010は、回転デバイス500の軸506と整合される。
【0200】
図27を参照すると、いくつかの実施形態では、リザーバ1000は、開口1010と反対に位置付けられる側壁1004内の窓1012(例えば、光学ポート)を含む。窓1012は、動作の間にリザーバ1000内の流体材料内に浸漬される組織保持器400および組織サンプル300の可視化を可能にする。いくつかの実施形態では、窓1012は、リザーバ1000の温度制御(例えば、冷蔵)の間の曇りを防止するように構成される。
【0201】
図28を参照すると、駆動アセンブリ600は、組織サンプル300に結合される。駆動アセンブリ600は、軸506に沿って平行移動するように構成される、駆動ロッド602を含む。動作の間、駆動ロッド602は、少なくとも部分的に、組織保持器400内に受容される。切り込みを入れられた組織サンプルの一部は、駆動アセンブリ600のアクティブ化に応答して、組織保持器400から暴露される。言い換えると、駆動ロッド602は、組織保持器400から外に組織サンプルの一部を押動する。次いで、第2の切断コンポーネント200は、切り込みを入れられた組織サンプルの暴露された部分を切断するように構成される。
【0202】
継続して
図28を参照すると、ネスト1200は、リザーバ1000を保持し、リザーバ1000の温度制御を提供するように構成される。ネスト1200は、ネスト1200を通して熱交換流体を循環させるための内部空洞1250(例えば、封入空間)を構成する。言い換えると、ネスト1200および熱交換流体は、リザーバ1000の温度制御を提供する。図示される実施形態では、ネスト1200は、内部空洞1250と流体連通するポート1212(例えば、入口および出口)を含む。ポート1212は、例えば、熱交換流体を受容し、戻すために、管類に結合するように構成される。いくつかの実施形態では、熱交換流体は、リザーバ1000(およびリザーバ1000内の流体材料)の温度を約1℃~約10℃の範囲内に維持するために、ネストを通して循環される。他の実施形態では、熱交換流体は、リザーバ1000(およびリザーバ1000内の流体材料)の温度を約35℃~約38℃の範囲内に維持するために、ネストを通して循環される。
【0203】
本明細書に詳述されるように、いくつかの実施形態では、ネスト1200は、外部熱交換器に流体的に結合される。いくつかの実施形態では、熱交換器は、ネスト1200内の空洞1210を通して熱交換流体を圧送するように構成される。いくつかの実施形態では、温度センサ1214が、提供され、リザーバ1000内の流体材料の温度を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、温度センサ1214は、流体材料内に浸漬される。他の実施形態では、温度センサ1214は、流体材料から離間される。いくつかの実施形態では、温度センサ1214は、開放構成と閉鎖構成との間で移動する、リザーバ1000上の蓋1006に結合される。
【0204】
図26を参照すると、平行移動アセンブリ800は、組織保持器400に結合され、第1の切断コンポーネント100および第2の切断コンポーネント200に対して組織保持器400および組織サンプル300を移動させるように構成される。図示される実施形態では、平行移動アセンブリ800は、リザーバ1000、ネスト1200、組織保持器400、回転デバイス500、および駆動アセンブリ600を支持する、平行移動ステージ802(例えば、プラットフォーム)を含む。平行移動ステージ802は、第1の切断コンポーネント100および/または第2の切断コンポーネント200に向かう、およびそこから離れるような組織保持器400の平行移動運動を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、組織保持器400は、所定の速度において切断コンポーネント100、200に向かって平行移動する。図示される実施形態では、平行移動アセンブリ800は、水平X-Y平行移動平面804において平行移動ステージ802を移動させるように構成される(
図21)。動作の間、マウント軸80は、平行移動平面804におおよそで直角である。図示される実施形態では、組織保持器400の軸408および回転デバイス500および駆動アセンブリ600の軸506は、ステージ802が平行移動平面804内で移動するにつれて、平行移動する。
【国際調査報告】