(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ヘッドウェアラブルディスプレイ内のデュアルコンバイナの光学設計
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240905BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515418
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022039425
(87)【国際公開番号】W WO2023038739
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カクマクシ,オザン
(72)【発明者】
【氏名】グリク,エリエゼル
【テーマコード(参考)】
2H149
2H199
【Fターム(参考)】
2H149AA17
2H149BA03
2H149BA23
2H149BA24
2H149FC09
2H199CA05
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA29
2H199CA32
2H199CA42
2H199CA44
2H199CA47
2H199CA50
2H199CA54
2H199CA59
2H199CA63
2H199CA64
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA69
2H199CA92
2H199CA94
(57)【要約】
ヘッドウェアラブルディスプレイ装置は、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスを拡大するために複数のコンバイナを支持するように構成されている。複数のコンバイナは瞳孔を拡大することができ、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置は、拡大されるアイボックスを有する単一の拡大仮想画像がユーザに送達され得るように、複数のコンバイナ間で倍率を調整するように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外向きの表面と眼方向の表面を有する湾曲したライトガイドと、
前記ライトガイドに向けて光を放射するように配向されるディスプレイと、
前記ディスプレイと前記ライトガイドとの間の光路に沿って配置される複数のコンバイナとを含む、ウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項2】
前記複数のコンバイナは、異なる光を前記ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスに向ける、請求項1に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、第1のコーティング材料を含み、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは、前記第1のコーティング材料とは異なる第2のコーティング材料を含む、請求項1または請求項2に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1のコーティング材料または前記第2のコーティング材料のうちの1つまたは複数は、誘電体または偏光子コーティング材料を含む、請求項3に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項5】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、第1の偏光の光を反射し、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは、前記第1の偏光とは異なる第2の偏光の光を反射する、請求項1~請求項4のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項6】
前記ディスプレイは、前記ディスプレイの少なくとも一部に対して異なる偏光を有する光を生成するために偏光子を含む、請求項5に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項7】
前記ディスプレイは、異なる偏光の表示光を時系列的に提供する、請求項5に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項8】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、前記光の入射角に基づいて光を反射する、請求項1~請求項7のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項9】
前記複数のコンバイナの各コンバイナ間の倍率は、前記ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスで単一の仮想画像を生成するように調整されている、請求項1~請求項8のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項10】
前記複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナは、前記ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスで単一の仮想画像を生成するために、互いに所定の距離を置いて配置される、請求項1~請求項9のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置と、
前記ライトガイド、前記ディスプレイ、および前記複数のコンバイナを支持するフレームとを含む、眼鏡セット。
【請求項12】
外向きの表面と眼方向の表面を有する湾曲したライトガイドを備えるウェアラブルディスプレイ装置内の複数のコンバイナに向けてディスプレイから光を放射することと、
前記複数のコンバイナは、前記ディスプレイと前記ライトガイドとの間の光路に沿って配置され、
前記ウェアラブルディスプレイ装置内の前記複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナで受け取った前記光を反射することと、
前記反射光を前記ライトガイドの前記眼方向の表面を介してアイボックスに伝達することとを含む、方法。
【請求項13】
前記ウェアラブルディスプレイ装置内の前記複数のコンバイナに向けて前記ディスプレイから前記光を放射することは、前記光路に沿った所定の距離による前記複数のコンバイナの分離に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは第1のコーティング材料を含み、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは前記第1のコーティング材料とは異なる第2のコーティング材料を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のコーティング材料または前記第2のコーティング材料のうちの1つまたは複数は、誘電体または偏光子コーティング材料を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは第1の偏光の光を反射し、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは前記第1の偏光とは異なる第2の偏光の光を反射する、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
ヘッドウェアラブルディスプレイ装置はますます、仮想現実アプリケーション、拡張現実アプリケーションなどのさまざまなアプリケーションとのユーザ対話をサポートする有用な方法となってきている。ヘッドウェアラブルディスプレイ装置は、表示面(例えば、マイクロディスプレイ)上に画像を投影することによって、さまざまなアプリケーションのうちの1つまたは複数によって生成される情報を表示することができる。ヘッドウェアラブルディスプレイ装置は、ユーザがレンズまたは表示面を通して外部環境を見ることを可能にすることができる。場合によっては、表示面は、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置のフレームのテンプルまたはリム領域に配置されてもよい。表示面は、フレームのレンズ(または表示面)に配置される湾曲したライトガイドなどの光学素子によってユーザの視野に伝達されるコンピュータ生成画像などの情報を生成および表示する。したがって、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置は、さまざまなアプリケーションとのユーザ対話をサポートするためのハードウェアプラットフォームとして機能することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
実施形態の概要
本開示の特定の実装には、以下の例のうちの1つまたは複数が、個別にまたはさまざまな組合せで含まれ得る。
【0003】
例1:外向きの表面と眼方向の表面を有する湾曲したライトガイドと、ライトガイドに向けて光を放射するように配向されるディスプレイと、ディスプレイとライトガイドとの間の光路に沿って配置される複数のコンバイナとを備える、ウェアラブルディスプレイ装置。
【0004】
例2:複数のコンバイナが、異なる光をウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスに向ける、例1に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0005】
例3:複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、第1のコーティング材料を含み、複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは、第1のコーティング材料とは異なる第2のコーティング材料を含む、例1または例2に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0006】
例4:第1のコーティング材料または第2のコーティング材料のうちの1つまたは複数が、誘電体または偏光子コーティング材料を含む、例3に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0007】
例5:複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、第1の偏光の光を反射し、複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは、第1の偏光とは異なる第2の偏光の光を反射する、例1~4のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0008】
例6:ディスプレイは、ディスプレイの少なくとも一部に対して異なる偏光を有する光を生成するために偏光子を含む、例5に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0009】
例7:ディスプレイが、異なる偏光の表示光を時系列的に提供する、例5に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0010】
例8:複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、光の入射角に基づいて光を反射する、例1~7のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0011】
例9:複数のコンバイナの各コンバイナ間の倍率は、ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスで単一の仮想画像を生成するように調整されている、例1~8のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0012】
例10:複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナは、ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスで単一の仮想画像を生成するために、互いに所定の距離を置いて配置される、例1~9のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【0013】
例11:例1~10のいずれかのウェアラブルディスプレイ装置と、ライトガイド、ディスプレイ、および複数のコンバイナを支持するフレームとを備える、眼鏡セット:
例12:外向きの表面と眼方向の表面を有する湾曲したライトガイドを備えるウェアラブルディスプレイ装置内の複数のコンバイナに向けてディスプレイから光を放射することであって、複数のコンバイナは、ディスプレイとライトガイドとの間の光路に沿って配置される、ことと、ウェアラブルディスプレイ装置内の複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナで受け取った光を反射することと、反射光をライトガイドの眼方向の表面を介してアイボックスに伝達することとを含む、方法。
【0014】
例13:ウェアラブルディスプレイ装置内の複数のコンバイナに向けてディスプレイから光を放射することは、光路に沿った所定の距離による複数のコンバイナの分離に基づく、例12に記載の方法。
【0015】
例14:複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナが第1のコーティング材料を含み、複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナが第1のコーティング材料とは異なる第2のコーティング材料を含む、例12に記載の方法。
【0016】
例15:第1のコーティング材料または第2のコーティング材料のうちの1つまたは複数が、誘電体または偏光子コーティング材料を含む、例14に記載の方法。
【0017】
例16:複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは第1の偏光の光を反射し、複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは第1の偏光とは異なる第2の偏光の光を反射する、例12に記載の方法。
【0018】
本開示は、添付の図面を参照することによって、よりよく理解され得、その多くの特徴および利点が当業者に明らかになり得る。異なる図面での同じ参照符号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の実施形態によるデュアルコンバイナを採用するウェアラブルディスプレイ装置のブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態による、
図1のヘッドウェアラブルディスプレイ装置内のデュアルコンバイナの一例のブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態による、デュアルコンバイナを使用した画像生成をサポートするヘッドウェアラブルディスプレイ装置のブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態によるヘッドウェアラブルディスプレイ装置においてデュアルコンバイナを使用する方法を示すフローチャートを示す図である。
【
図5】本開示の実施形態によるヘッドウェアラブルディスプレイ装置においてデュアルコンバイナを使用する方法を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本開示のさまざまな態様は、ウェアラブルディスプレイ装置(ヘッドウェアラブルディスプレイ装置またはヘッドマウントディスプレイ装置とも呼ばれる)におけるデュアルコンバイナのための技術に関する。ヘッドウェアラブルディスプレイ装置は、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられている比較的大きなアイボックスを支持するために、コンバイナのセット(例えば、少なくとも2つのコンバイナ)を含む湾曲したライトガイドを支持するように構成され得、アイボックスは、拡大された仮想画像を見るためにユーザの瞳孔が配置される空間内の3次元容積を表す。いくつかの実施形態では、コンバイナのセットは、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられる瞳孔を拡大し、装置は、単一の拡大された仮想画像アイボックスが比較的大きなアイボックス内でユーザに送達されるように、コンバイナのセット間の倍率を調整するように構成され得る。さらに、2つ以上のコンバイナは、比較的大きなアイボックスに対する比較的薄いライトガイドの使用をサポートし、それにより、より軽量でよりコンパクトなヘッドウェアラブルディスプレイ装置を可能にする。例えば、本明細書に記載の技術を使用して、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置のマイクロディスプレイを装置のテンプル部分に配置しながら、表示画像をユーザに届けるために許容可能な薄いライトガイドを支持することができる。
【0021】
図1は、本開示の実施形態によるヘッドウェアラブルディスプレイ装置におけるデュアルコンバイナの技術をサポートするウェアラブルディスプレイ装置100のブロック図である。ウェアラブルディスプレイ装置100は、ユーザの眼に向けて画像を投影するように構成されるレーザ投影システムを収容するアーム104を含むことができる。これにより、ユーザは、投影される画像がレンズ要素108、110の一方または両方においてディスプレイの視野領域106内に表示されているように知覚する。ウェアラブルディスプレイ装置100は、ウェアラブルディスプレイ装置の形態のニアアイディスプレイシステムであってもよく、支持構造102は、ユーザの頭に着用されるように構成され、眼鏡フレームの一般的な形状および外観(すなわち、フォームファクタ)を有する。ウェアラブルディスプレイ装置100は、拡張現実ベースおよび仮想現実ベースの視覚を提供するさまざまなタイプの眼鏡装置で使用するための構成要素およびその配置を示す。ウェアラブルディスプレイ装置100は、両眼の拡張現実ベースおよび仮想現実ベースの視覚を提供する。わかりやすくするために、この図にはユーザの眼は示されていない。
【0022】
支持構造102は、レーザプロジェクタ、光スキャナ、導波管など、ユーザの眼に向けた画像の投影を容易にするためのさまざまな構成要素を含む。いくつかの実施形態では、支持構造102は、1つまたは複数の前面カメラ、背面カメラ、他の光センサ、モーションセンサ、加速度計などのさまざまなセンサをさらに含む。支持構造102はまた、1つまたは複数の無線周波数インターフェース、またはBluetooth(商標)インターフェース、Wi-Fiインターフェースなどの他の無線インターフェースを含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持構造102は、ウェアラブルディスプレイ装置100の電気部品に電力を供給するための1つまたは複数のバッテリまたは他のポータブル電源をさらに含む。いくつかの実施形態では、ウェアラブルディスプレイ装置100のこれらの構成要素の一部またはすべては、支持構造102のアーム104内など、支持構造102の内部容積内に完全にまたは部分的に含まれる。例示的なフォームファクタが示されているが、他の実施形態ではウェアラブルディスプレイ装置100が
図1に示される眼鏡フレームとは異なる形状および外観を有してもよいことが理解されることに留意されたい。
【0023】
レンズ要素108、110の一方または両方は、拡張現実表示を提供するためにウェアラブルディスプレイ装置100によって使用され、レンダリングされるグラフィックコンテンツは、レンズ要素108、110を通してユーザが知覚する現実世界の視野に重ね合わせるか、またはそれと併せて提供することができる。例えば、知覚可能な画像または一連の画像を形成するために使用されるレーザ光は、ウェアラブルディスプレイ装置100のレーザプロジェクタによって、一連の光学素子を介してユーザの眼に投影され得、例えば、対応するレンズ要素内に少なくとも部分的に形成される導波路、1つまたは複数の走査ミラー、および1つまたは複数の光リレーなどである。したがって、レンズ要素108、110の一方または両方は、導波路のインカプラによって受け取られる表示光を導波路のアウトカプラに送る導波路の少なくとも一部を含み、ウェアラブルディスプレイ装置100のユーザの眼に向けて表示光を出力する。
【0024】
表示光は変調され、ユーザの眼上で走査されるため、ユーザが表示光を画像として知覚する。さらに、レンズ要素108、110の各々は、ユーザがレンズ要素を通して見ることができるように十分に透明であり、画像が現実世界の環境の少なくとも一部に重ねて表示されるように、ユーザの現実世界環境の視野を提供する。いくつかの実施形態では、プロジェクタは、デジタル光処理ベースのプロジェクタ、走査型レーザプロジェクタ、または変調光源の任意の組合せであり、レーザや1つまたは複数の発光ダイオード、および1つまたは複数のダイナミックスキャナやデジタル光プロセッサなどのダイナミックリフレクタ機構などである。プロジェクタは、複数のレーザダイオード(例えば、赤色レーザダイオード、緑色レーザダイオード、および青色レーザダイオード)および少なくとも1つの走査ミラー(例えば、2つの一次元走査ミラーを含み、これは、微小電気機械システム(MEMS)ベースであってもピエゾベースであってもよい。
【0025】
プロジェクタは、コントローラと、コントローラによって実行されるとコントローラにプロジェクタの動作を制御させるプロセッサ実行可能命令および他のデータを記憶する非一時的なプロセッサ可読記憶媒体またはメモリと通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、コントローラは、プロジェクタの走査領域サイズおよび走査領域位置を制御し、ウェアラブルディスプレイ装置100に表示されるコンテンツを生成するプロセッサ(図示せず)に通信可能に結合される。プロジェクタは、ウェアラブルディスプレイ装置100の視野領域106として指定される可変領域にわたって光を走査する。走査領域サイズは視野領域106のサイズに対応し、走査領域位置は視野領域106がユーザに見えるレンズ要素108、110のうちの1つの領域に対応する。
【0026】
いくつかの実施形態では、レンズ要素108、110は湾曲したライトガイドであってもよく、他の実施形態では、ライトガイドは実質的に平面であってもよい。支持構造102は、ウェアラブルディスプレイ装置100の上面と下面との間にライトガイドを固定する。フレーム410およびレンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)は、通常の眼鏡のレンズのような形状に成形される。レンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)は透明であり、視野用のレンズとして機能することができる。
【0027】
それぞれのディスプレイ112について、各レンズ要素(例えば、各ライトガイド)は、誘電体ミラーコーティングなどのコーティングを有する表面を含み、それぞれのディスプレイ112からの光(本明細書では表示光と呼ばれることもある)と世界側から入る光(本明細書では世界光または周囲光と呼ばれることもある)を組み合わせ、それらは、結果として得られる画像に結合され、その後、ウェアラブルディスプレイ装置100の眼の側でユーザの眼に向けられる。世界側からの光は、それぞれのレンズ要素108、110(例えば、それぞれのライトガイド)をそれぞれのレンズ要素108、110の眼側へ通過し、ウェアラブルディスプレイ装置100の世界側の可視シーンから発せられる。いくつかの実施形態では、コーティングは、ユーザに提供されるディスプレイの品質を改善し、望ましくない迷光がディスプレイに影響を与えるのを軽減する追加の特性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、コーティングは、ディスプレイの品質を向上させるために、入射角(AOI)に基づいて光を異なるように反射することができる(例えば、所与の入射角を有する光を他の入射角を有する光よりも多く反射する)。他の実施形態では、コーティングは、光の波長に基づいて異なる光を反射することができる(例えば、ディスプレイの品質を向上させるために、所与の波長を有する光を他の波長を有する光よりも多く反射する)。
【0028】
それぞれのディスプレイ112は、それぞれのレンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)の縁、それぞれのレンズ要素108、110のテンプルの位置に取り付けられ得、それぞれのディスプレイ112は、支持構造102(例えば、フレーム)の内部またはその近くに配置され得る。レンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)は、周囲光が、明瞭にするためにこの図では個別にラベル付けされていないコンバイナ表面で反射される表示光と結合することを可能にする。それぞれのレンズ要素108、110の外側側面におけるそれぞれのディスプレイ112の配置は、それぞれのディスプレイ112の配置の一例であり得る。他の実施形態におけるそれぞれのディスプレイ112は、支持構造(例えば、フレーム)の上部に、またはその中に配置され得る。それぞれのレンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)は、眼側面および世界側表面を含むことができる。表示光は、ユーザの眼に到達する前に、これらの表面の間で各表面上で少なくとも1回反射され得る。
【0029】
それぞれのレンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)表面の各々は、湾曲していてもよく、少なくとも1つの次元において球面であってもよく(例えば、それぞれのライトガイドの焦点に対して固定半径に沿って均一)、これらの表面の各々は、屈折力(ジオプター)ゼロの光学シースルー機能を実現するために、互いに同様の、またはほぼ同じサイズの特徴的な寸法(例えば、球面寸法、半径、曲率パラメータのセット)を有してもよい。眼側および世界側の表面は、ライトガイドの一部として処方補正を統合するように設計することもできる。
【0030】
ウェアラブルディスプレイ装置100のそれぞれのレンズ要素108、110の構成要素(例えば、ライトガイド)の少なくとも一部は、それらの互いに対する配置およびそれらの組成および形状により、ディスプレイ112から放射される光の光学拡大鏡として動作する。いくつかの実施形態では、ウェアラブルディスプレイ装置100は、それぞれのレンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)の各々に関連付けられている少なくとも2つのコンバイナを含み得る、複数のコンバイナ114を備えて構成され得る。複数のコンバイナ114は、ウェアラブルディスプレイ装置100を着用しているユーザの瞳孔を拡大するデュアルコンバイナとして機能することができる。
【0031】
ウェアラブルディスプレイ装置100は、単一のマイクロディスプレイ(例えば、ディスプレイ112)のみを使用して、ウェアラブルディスプレイ装置100を着用しているユーザの瞳孔を拡大するように構成され得る。したがって、ウェアラブルディスプレイ装置100は、拡大されるアイボックスを有する単一の拡大された仮想画像がウェアラブルディスプレイ装置100を着用しているユーザに送達され得るように、複数のコンバイナ114(例えば、少なくとも2つのコンバイナ)の間で倍率を調整することができる。したがって、ウェアラブルディスプレイ装置100は、アイボックス(例えば、視野領域106)を拡大するために、2つのコンバイナを備えた湾曲したライトガイドで構成され得る。
【0032】
ウェアラブルディスプレイ装置100において、ディスプレイ112に関連するアセンブリ(例えば、マイクロディスプレイバックエンドアセンブリ)は、許容可能な薄いライトガイドを維持しながら、支持構造102のテンプル内に隠すことができる。いくつかの実施形態では、アイボックス(例えば、視野領域106)は、単一のアウトカプラ湾曲ライトガイド(例えば、厚さ約4mmで4mmのアイボックス)内をほぼ直線的に横切ることができる。いくつかの他の実施形態では、ウェアラブルディスプレイ装置100は、より大きなアイボックスを支持することができる(例えば、同じ厚さでアイボックスを2倍にする)。ウェアラブルディスプレイ装置100はプラスチックで射出成形することができ、これによりウェアラブルディスプレイ装置100の製造コストを削減することができる。
【0033】
本明細書で説明する技術は、さまざまなタイプのシースルー装置に適用でき、眼鏡、ヘルメット、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)装置、フロントガラスなどであり、これにより、ウェアラブルディスプレイ装置100などの眼鏡装置のみが説明および図示されているが、コンピュータ生成シーンと現実世界のシーンとを光学的に結合して複合視野を形成することが可能になる。本明細書で説明されている技術は、ウェアラブルディスプレイ装置100の製造効率、ウェアラブルディスプレイ装置100により提供される画質、ウェアラブルディスプレイ装置100の視野の拡大、およびウェアラブルディスプレイ装置100により提供されるアイボックスの増加の改善を提供することができる。加えて、または代わりに、本明細書に記載される技術は、他の利点の中でも特に、ウェアラブルディスプレイ装置100を介したフルカラー表示の提供、ウェアラブルディスプレイ装置100の湾曲対平坦ライトガイドの使用、ウェアラブルディスプレイ装置100の視線追跡能力などの改善を提供することができる。
【0034】
図2は、本開示の実施形態による、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置におけるデュアルコンバイナのための技術をサポートするシステム200のブロック図である。図示の例では、システム200は、ユーザに画像を表示するためのウェアラブルディスプレイ装置100の構成要素を含む。システム200は、ライトガイド205、ディスプレイ210、およびレンズアセンブリ215(例えば、色補正用のダブレットレンズ)を含む。ディスプレイ210は、ライトガイド205に向けて光230を放射することができる。例えば、ディスプレイ210は、表示領域(例えば、アイボックス250)からオフセットされる周辺位置からライトガイド205内に光230を放射する。いくつかの実施形態では、ディスプレイ210によって生成される光は、コンピュータシステム(図示せず)、スマートフォン、または他の電子装置によって提供される画像に基づく。本明細書でさらに説明されるように、システム200は、ウェアラブルディスプレイ装置100のユーザの1つまたは複数の眼に光を向ける。ライトガイド205は、一般に、インカプラ245(例えば、自由形状インカプラ)でディスプレイ200からの光を受け取り、その光をユーザの眼260に向ける、またはガイドするように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、ライトガイドは全内部反射(TIR)を利用して、受け取った表示光をアイボックス250に向け、表示光によって表される画像がユーザに見える。いくつかの実施形態では、ライトガイド205は、以下でさらに説明するように、一部の光の反射にはTIRを使用し、他の反射には光を部分的にのみ反射するコーティングを使用する湾曲したライトガイドである。例えば、いくつかの実施形態では、ライトガイド205は、互いに対向する眼側面206および世界側面207を含む。眼側面206および世界側面207は、ライトガイド205のTIR動作をサポートするために光を反射する表面である。さらに、いくつかの実施形態では、眼側面206および207の各々は曲面であり、表面206および207の各々が十分な距離だけ延びた場合、各々が球を形成することになる。したがって、表面206および207は、それぞれ、眼側球および世界側球と呼ばれることがある。
【0035】
いくつかの実施形態では、ライトガイド205は、光230にレンズ機能を適用する屈折力を有する曲率を有してもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、表面206および207は、ユーザに表示される画像を拡大または縮小するために光230に屈折力を適用する曲率を持って形成される。いくつかの実施形態では、屈折力(したがって、表面206および207の曲率)は、ウェアラブルディスプレイ装置100のユーザに関する視力処方に対応するか、またはそれに基づく。
【0036】
図2の例では、システム200は、複数のコンバイナ、例えば、第1のコンバイナ235および第2のコンバイナ240をさらに含み、複数のコンバイナの各々は、受け取った表示光と周囲光を結合し、結合される光をアイボックス250に提供し、そこで画像がユーザの眼260に提示されるように構成される。いくつかの実施形態では、複数のコンバイナは、一般に、ユーザに画像を提示するために比較的大きなアイボックス250を支持するように構成される。例えば、
図2に示される例では、コンバイナ235および240は、コンバイナ235および240からの集合的な結合光255が比較的大きなアイボックス250を生成するように、表面206および207に対してオフセットされている。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1のコンバイナ235および第2のコンバイナ240の各々について、同じ視野点が異なる画像を生成することができる。すなわち、コンバイナ235および240がオフセットされているため、所与の点でディスプレイ210から受け取る光は異なり、その結果、コンバイナ235および240によって生成される合成画像も異なる。これらの違いにより、アイボックス250に表示される画像に視覚的なアーチファクトが生じる可能性がある。これらのアーチファクトを改善するために、システム200は、結合される光255の部分を分離するために偏光を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ210は、生成される光に偏光(例えば、S偏光)を適用するための前偏光子を含み、したがって、ディスプレイ210の一部または領域に関連する光230の一部はS偏光であり、ディスプレイ210の異なる部分または領域に関連する光230の別の部分はP偏光である。コンバイナ235は、S偏光のみを反射し、P偏光を透過する材料でコーティングされており、一方、コンバイナ240は、P偏光のみを反射する材料でコーティングされている。これにより、コンバイナ235および240の各々によって反射される光がディスプレイ210の異なる部分または領域を表すことが保証され、それによってアイボックス250におけるゴーストまたは他のアーチファクトが低減または除去される。いくつかの実施形態では、コンバイナ235のコーティングは、誘電体干渉コーティングである。他の実施形態では、コーティングはワイヤーグリッド偏光子である。他の実施形態では、異なる偏光の光を反射するコーティングを使用する代わりに、またはそれに加えて、コンバイナ235および240は、異なる偏光の光を反射する異なる材料で形成される。さらに他の実施形態では、コンバイナ235および240は、電気信号を印加に応じて、各コンバイナによって反射される偏光のタイプを設定する電力供給要素であり、電気信号は、コンバイナ235および240が異なる偏光の光を反射するようにシステム200によって設定される。
【0038】
他の実施形態では、ディスプレイ210の偏光は時間多重化される。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ210は、最初に、指定される期間、P偏光として表示光を提供し、その後、別の指定される期間、S偏光として表示光を照射し、引き続きP偏光とS偏光として表示光を交互に照射し続ける。コンバイナ235は、S偏光のみを反射し、P偏光を透過する材料でコーティングされており、一方、コンバイナ240は、P偏光のみを反射する材料でコーティングされている。これにより、コンバイナ235および240の各々によって反射される光が、異なる期間中にディスプレイ210に表示される光を表すことが保証される。表示光(例えば、ディスプレイを介して提供される画像)を制御するコントローラ(例えば、プロセッサ)は、アイボックス250におけるゴーストまたは他のアーチファクトを低減または除去するために、異なる期間の各々の間に表示光を設定することができる。
【0039】
他の実施形態では、異なる偏光の光を反射することに加えて、またはその代わりに、コンバイナ235および240は、ディスプレイ210の所与の部分について、コンバイナ235および240のうちの1つによって反射される表示光の光線がアイボックス250に反射されるように配置され、一方、コンバイナ235および240の他方は、アイボックス250の外側の表示光の光線を反射する。したがって、ディスプレイ210の一部に対応する光線の各セットについて、コンバイナ235および240の一方のみが光線をアイボックス250に反射し、もう一方は光線をアイボックス250の外側に反射し、それによってゴーストおよび他の視覚的アーチファクトを低減または除去する。
【0040】
他の実施形態では、コンバイナ235および240のうちの少なくとも1つは、コーティングを含むか、またはアイボックス250に関連付けられる視野角(FOV)の外側の光線を遮断するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、コンバイナ235は、光線の入射角(AOI)に基づいて光線を反射するコーティングを含み、コンバイナ235は、コーティングがアイボックス250の角度FOVの外側にある光線を反射し、アイボックス250のFOV内にある光線を反射するように配置される。反射されなかった光線はライトガイド205の底部に通過し、そこで光線は縁吸収コーティングによって吸収される。
【0041】
他の実施形態では、コンバイナ235および240は各々、指定されるAOI範囲内の光線のみを反射し、指定されるAOI範囲外の光線を反射しないコーティングを含み、その結果、反射されなかった光線はライトガイド205の底部に通過し、それらは吸収性コーティングによって吸収される。いくつかの実施形態では、指定されるAOI範囲は、各々コンバイナ235および240のコーティングごとに異なり、その結果、コンバイナ235および240の各々は、対応する指定されるAOI範囲内の光線のみを反射する。これにより、ディスプレイの品質に悪影響を与えると予想される光線(例えば、ゴースト効果を引き起こす光線)が、コンバイナ235および240の各々について指定されるAOI範囲外となるように、コンバイナ235および240の各々を配置することができる。これにより、表示の品質が向上する。
【0042】
図3は、本開示の実施形態による、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置におけるデュアルコンバイナの技術をサポートする装置300を含むシステムのブロック図である。装置300は、ウェアラブルディスプレイ装置100の構成要素の一例であるか、またはウェアラブルディスプレイ装置100の構成要素を含み得る。例えば、装置300は、HMD装置などのウェアラブルディスプレイ装置であってもよい。装置300は、画像やビデオなどのコンテンツを送受信するための構成要素を含む、情報交換のための構成要素を含むことができる。装置300はまた、装置300に関連付けられているアイボックスを拡大するための構成要素を含むこともでき、プロセッサ302、メモリ304、ディスプレイ308、I/Oコントローラ310、ライトガイド312、および複数のコンバイナ(デュアルコンバイナとも呼ばれる)などである。これらの構成要素は、1つまたは複数のインターフェースを介して電子通信するか、または他の方法で(例えば、動作可能、通信可能、機能的、電子的、電気的に)結合することができる。
【0043】
プロセッサ302は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、中央プロセッサ装置(CPU)、グラフィックプロセッサ装置(GPU)、画像信号プロセッサ(ISP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはそれらの任意の組合せであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ302は、メモリコントローラを使用してメモリアレイ(例えば、ISPフレームバッファ)を動作させるように構成され得る。プロセッサ302は、メモリ304に記憶されるコンピュータ可読命令を実行して、装置300にさまざまな機能(例えば、湾曲したライトガイド内のデュアルコンバイナアイボックスの拡大をサポートする機能またはタスク)を実行させるように構成できる。例えば、装置300または装置300の構成要素は、プロセッサ302およびプロセッサ302に結合されるメモリ304を含み得、プロセッサ302およびメモリ304は、本明細書で説明されるさまざまな機能を実行するように構成される。
【0044】
メモリ304は、RAMおよびROMを含むことができる。メモリ304は、プロセッサ302によって実行されると装置300に本明細書に記載のさまざまな機能を実行させる命令を含むコンピュータ可読コンピュータ実行可能コード306を記憶することができる。コード306は、システムメモリまたは他のタイプのメモリなどの非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶され得る。いくつかの実施形態では、メモリ304は、とりわけ、周辺構成要素または装置との対話など、基本的なハードウェアまたはソフトウェア動作を制御することができるBIOSを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ304は、ディスプレイ308で表示するための画像の生成を含む、1つまたは複数の指定される動作を実行するようにプロセッサ302を操作するための命令を含む1つまたは複数のアプリケーションを記憶する。
【0045】
ディスプレイ308は、ビデオ、画像、テキスト、またはユーザ(例えば、視聴者)による消費のための他のタイプのコンテンツなどのコンテンツを表示できる装置を表すことができる。例えば、装置300は、拡張現実アプリケーションなどのさまざまなアプリケーションのコンテンツを表示するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ308は、
図2のディスプレイ210に対応する。したがって、ディスプレイ308は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクスOLED(AMOLED)などを含み得る。
【0046】
I/Oコントローラ310は、装置300の入力信号および出力信号を管理することができる。I/Oコントローラ310は、装置300に統合されていない周辺機器を管理することもできる。いくつかの実施形態では、I/Oコントローラ310は、外部周辺機器への物理的な接続またはポートを表すことができる。I/Oコントローラ310は、ANDROID(登録商標)などの動作システムまたは別の既知の動作システムを利用することができる。いくつかの他の実施形態では、I/Oコントローラ310は、ディスプレイ308を表すか、ディスプレイ308と対話することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、I/Oコントローラ310を介して、またはI/Oコントローラ310によって制御されるハードウェア構成要素を介して、装置300と対話することができる。
【0047】
ライトガイド312は光学ライトガイドであってもよい。いくつかの実施形態では、ライトガイド312は、例えば
図2に関して本明細書で説明されるように、ユーザが装置300を着用しているときに、1つまたは複数の画像をユーザの眼に向けて導く湾曲した光学ライトガイドであってもよい。例えば、ライトガイド312は、ユーザが装置300を着用しているときに、1つまたは複数の画像を表す光線をユーザの眼に向けることができる。いくつかの他の実施形態では、ライトガイド312は実質的に平面であってもよい。ライトガイド312は透明であり、視野用のレンズとして動作することができる。いくつかの実施形態では、ライトガイド312は、ユーザの前に配置され、ユーザが装置300を着用しているときに、ディスプレイ308からの光をユーザの眼に向けて導くことができる。
【0048】
コンバイナ314は、コンバイナ316およびコンバイナ320のうちの1つまたは複数を含み得る。コンバイナ314は、デュアルコンバイナと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、コンバイナ316およびコンバイナ320は各々対応する材料でコーティングされてもよく、コンバイナ316および320のコーティング材料は同じであっても異なっていてもよい。例えば、コンバイナ314は、コンバイナとして機能する材料(例えば、誘電体ミラーコーティング、偏光コーティング)によってコーティングされてもよく、ディスプレイ305からの光と世界側から入射する光とが結合されて結果として得られる画像が生成され、この画像が装置300の眼側のユーザの眼260に向けられる。
【0049】
図4は、本開示の実施形態による、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置におけるデュアルコンバイナのための技術をサポートする方法400を示すフローチャートを示す。方法400の動作は、本明細書で説明されるように、装置(例えば、ウェアラブルディスプレイ装置)またはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法400の動作は、
図1を参照して説明したウェアラブルディスプレイ装置100によって実行することができる。いくつかの実施形態では、装置は、記載される機能(例えば、湾曲したライトガイド内のデュアルコンバイナアイボックスの拡大)を実行するように装置の機能要素を制御するための命令セット(例えば、コード)を実行することができる。さらに、または代わりに、装置は、専用のハードウェアを使用して、説明される機能の態様を実行することができる。
【0050】
405において、方法400は、ウェアラブルディスプレイ装置内の複数のコンバイナに向けてディスプレイから光を放射することを含むことができ、外向きの表面と眼方向の表面を有する湾曲したライトガイドを備え、複数のコンバイナは、ディスプレイとライトガイドとの間の光路に沿って配置される。405の動作は、本明細書に開示される実施形態に従って実行され得る。いくつかの実施形態では、405の動作の態様は、
図3を参照して説明したように、プロセッサ302およびディスプレイ308のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0051】
410において、方法400は、ウェアラブルディスプレイ装置内の複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナで受け取った光を回折することを含むことができる。410の動作は、本明細書に開示される実施形態に従って実行され得る。いくつかの実施形態では、410の動作の態様は、
図3を参照して説明したように、プロセッサ302およびライトガイド312のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0052】
415において、方法400は、ライトガイドの眼方向の表面を介してアイボックス内に回折光を伝達することを含むことができる。415の動作は、本明細書に開示される実施形態に従って実行され得る。いくつかの実施形態では、415の動作の態様は、
図3を参照して説明したように、プロセッサ302およびコンバイナ314のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0053】
図5は、本開示の実施形態による、ヘッドウェアラブルディスプレイ装置におけるデュアルコンバイナのための技術をサポートする方法500を示すフローチャートを示す。方法500の動作は、本明細書で説明されるように、装置(例えば、ウェアラブルディスプレイ装置)またはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法500の動作は、
図1を参照して説明したウェアラブルディスプレイ装置100によって実行することができる。いくつかの実施形態では、装置は、記載される機能(例えば、湾曲したライトガイド内のデュアルコンバイナアイボックスの拡大)を実行するように装置の機能要素を制御するための命令セット(例えば、コード)を実行することができる。さらに、または代わりに、装置は、専用のハードウェアを使用して、説明される機能の態様を実行することができる。
【0054】
ブロック505において、方法500は、複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナ間で倍率を調整することを含むことができる。505の動作は、本明細書に開示される実施形態に従って実行され得る。いくつかの実施形態では、505の動作の態様は、
図3を参照して説明したように、プロセッサ302およびコンバイナ314のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0055】
ブロック510において、方法500は、複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナ間で倍率を調整したことに基づいて、ライトガイドの眼方向の表面を介してアイボックス内に回折光を伝達することを含むことができる。510の動作は、本明細書に開示される実施形態に従って実行され得る。いくつかの実施形態では、510の動作の態様は、
図3を参照して説明したように、プロセッサ302およびコンバイナ314のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、上述の技術の特定の態様は、ソフトウェアを実行する処理システムの1つまたは複数のプロセッサによって実装され得る。ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるか、そうでなければ有形に具現化される、1つまたは複数の実行可能命令セットを備える。ソフトウェアは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサを操作して、上述の技術の1つまたは複数の態様を実行する命令および特定のデータを含むことができる。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体には、例えば、磁気または光ディスク記憶装置、フラッシュメモリ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの固体記憶装置、または他の不揮発性記憶装置などが含まれ得る。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶される実行可能命令は、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、または1つまたは複数のプロセッサによって解釈または実行可能な他の命令フォーマットであってもよい。
【0057】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータシステムに命令および/またはデータを提供するために使用中にコンピュータシステムによってアクセス可能な任意の記憶媒体、または記憶媒体の組合せを含み得る。このような記憶媒体には、光媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク)、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、磁気テープ、または磁気ハードドライブ)、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはキャッシュ)、不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)またはフラッシュメモリ)、または微小電気機械システム(MEMS)ベースの記憶媒体が含まれ得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングシステム(例えば、システムRAMまたはROM)に埋め込まれ、コンピューティングシステムに固定的に接続され(例えば、磁気ハードドライブ)、コンピューティングシステムに取り外し可能に取り付けられ(例えば、光ディスクやユニバーサルシリアルバス(USB)ベースのフラッシュメモリ)、または、有線または無線ネットワーク(例えば、ネットワークアクセス記憶装置(NAS))を介してコンピュータシステムに結合されてもよい。
【0058】
上記の一般的な説明で説明したアクティビティや要素のすべてが必要なわけではなく、特定のアクティビティまたは装置の一部は必要とされない可能性があり、記載されているものに加えて、1つまたは複数のさらなるアクティビティが実行されるか、または要素が含まれ得ることに留意されたい。さらに、アクティビティがリストされている順序は、必ずしも実行される順序ではない。また、概念は、特定の実施形態を参照して説明される。しかし、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示としてみなされるべきであり、そのような修正はすべて本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0059】
利益、他の利点、および問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明される。しかし、利益、利点、問題の解決策、および利益、利点、解決策が発生する、またはより顕著になる可能性がある特徴は、請求項の一部またはすべての重要な、必要な、または必須の特徴として解釈されるべきではない。さらに、開示の主題は、本明細書の教示の恩恵を受ける当業者にとって明白な、異なるが同等の方法で変更および実施することができるため、上に開示した特定の実施形態は単なる例示である。以下の特許請求の範囲に記載されているものを除き、本明細書に示される構造または設計の詳細に対して制限を意図するものではない。したがって、上で開示した特定の実施形態が変更または修正され得ることは明らかであり、そのような変形はすべて、開示される主題の範囲内にあるとみなされる。したがって、本明細書で求められる保護は、以下の特許請求の範囲に記載されているとおりである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外向きの表面と眼方向の表面を有する湾曲したライトガイドと、
前記ライトガイドに向けて光を放射するように配向されるディスプレイと、
前記ディスプレイと前記ライトガイドとの間の光路に沿って配置される複数のコンバイナとを含む、ウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項2】
前記複数のコンバイナは、異なる光を前記ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスに向ける、請求項1に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、第1のコーティング材料を含み、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは、前記第1のコーティング材料とは異なる第2のコーティング材料を含む、請求項
1に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1のコーティング材料または前記第2のコーティング材料のうちの1つまたは複数は、誘電体または偏光子コーティング材料を含む、請求項3に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項5】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、第1の偏光の光を反射し、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは、前記第1の偏光とは異なる第2の偏光の光を反射する、請求項
1に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項6】
前記ディスプレイは、前記ディスプレイの少なくとも一部に対して異なる偏光を有する光を生成するために偏光子を含む、請求項5に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項7】
前記ディスプレイは、異なる偏光の表示光を時系列的に提供する、請求項5に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項8】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは、前記光の入射角に基づいて光を反射する、請求項
1に記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項9】
前記複数のコンバイナの各コンバイナ間の倍率は、前記ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスで単一の仮想画像を生成するように調整されている、請求項1~請求項8のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項10】
前記複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナは、前記ウェアラブルディスプレイ装置に関連付けられているアイボックスで単一の仮想画像を生成するために、互いに所定の距離を置いて配置される、請求項1~請求項
8のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項1~請求項
8のいずれかに記載のウェアラブルディスプレイ装置と、
前記ライトガイド、前記ディスプレイ、および前記複数のコンバイナを支持するフレームとを含む、眼鏡セット。
【請求項12】
外向きの表面と眼方向の表面を有する湾曲したライトガイドを備えるウェアラブルディスプレイ装置内の複数のコンバイナに向けてディスプレイから光を放射することと、
前記複数のコンバイナは、前記ディスプレイと前記ライトガイドとの間の光路に沿って配置され、
前記ウェアラブルディスプレイ装置内の前記複数のコンバイナのそれぞれのコンバイナで受け取った前記光を反射することと、
前記反射光を前記ライトガイドの前記眼方向の表面を介してアイボックスに伝達することとを含む、方法。
【請求項13】
前記ウェアラブルディスプレイ装置内の前記複数のコンバイナに向けて前記ディスプレイから前記光を放射することは、前記光路に沿った所定の距離による前記複数のコンバイナの分離に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは第1のコーティング材料を含み、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは前記第1のコーティング材料とは異なる第2のコーティング材料を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のコーティング材料または前記第2のコーティング材料のうちの1つまたは複数は、誘電体または偏光子コーティング材料を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のコンバイナのうちの第1のコンバイナは第1の偏光の光を反射し、前記複数のコンバイナのうちの第2のコンバイナは前記第1の偏光とは異なる第2の偏光の光を反射する、請求項12に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
いくつかの実施形態では、レンズ要素108、110は湾曲したライトガイドであってもよく、他の実施形態では、ライトガイドは実質的に平面であってもよい。支持構造102は、ウェアラブルディスプレイ装置100の上面と下面との間にライトガイドを固定する。コンバイナ114およびレンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)は、通常の眼鏡のレンズのような形状に成形される。レンズ要素108、110(例えば、ライトガイド)は透明であり、視野用のレンズとして機能することができる。
【国際調査報告】