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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】漏洩を許容できる論理ゲートの実装
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/003 20060101AFI20240905BHJP
   H03K 19/094 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H03K19/003 146
H03K19/094
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515432
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 IL2022050981
(87)【国際公開番号】W WO2023037370
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/243,223
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524087954
【氏名又は名称】ネオロジック エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】NEOLOGIC LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】メシカ,アヴィ
【テーマコード(参考)】
5J032
5J056
【Fターム(参考)】
5J032AC04
5J056AA03
5J056BB19
5J056BB49
5J056CC00
5J056DD40
5J056DD55
5J056EE07
5J056KK01
(57)【要約】
論理ゲート回路であって、論理ブロックの入力間の論理演算を実行するための論理ブロック、及び出力が高い論理状態の場合の電圧レベル損失を補償するために、論理ブロックの出力及び論理ゲートの出力間に接続された、復旧ブロックを備える、論理ゲート回路。論理ブロックは、低い論理状態を必要とする論理演算の後に、前記論理ブロックを実装する構成要素の固有電流漏洩経路を介して、高い論理状態に対応する電圧をグラウンドに放電する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
論理ゲート回路であって、
a)論理ブロックの入力間の論理演算を実行するための前記論理ブロック、及び
b)前記論理ブロックの出力及び前記論理ゲートの出力間に接続されて、前記出力が高い論理状態の場合の電圧レベル損失を補償する復旧ブロック、を備え、
前記論理ブロックは、低い論理状態を必要とする論理演算の後に、前記論理ブロックを実装する構成要素の固有電流漏洩経路を介して、前記高い論理状態に対応する電圧をグラウンドに放電する、
論理ゲート回路。
【請求項2】
前記固有電流漏洩経路を介した放電に加えて、低い論理状態を必要とする論理演算の後に、前記高い論理状態に対応する電圧をグラウンドに更に放電するための、前記論理ブロック及び前記論理ゲートの前記出力の間に接続されたブルダウンブロックを更に備える、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項3】
前記復旧ブロックは、
標準CMOSインバータ、
標準CMOSバッファ、及び
これらの組合せから構成される、
請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項4】
前記ブルダウンブロックは、ダイオードである、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項5】
前記ブルダウンブロックは、
ダイオード(例えば接合ダイオード)、
ダイオードとして機能するよう構成されたトランジスタ、
ダイオードとして機能するよう構成された複数のトランジスタ、又は
ダイオードとして作用するPMOS及びNMOSトランジスタの組合せによって実装される、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項6】
前記論理ブロックは、AND、OR、NOR、NANDゲートを実装する、接続されたトランジスタのスタック、又はANDゲートを実装するトランジスタの並列接続、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項7】
a)前記スタックの第1のトランジスタのソース又はドレインに接続された電源、及び
b)前記スタックのトランジスタのゲートの入力として接続された複数の電源を更に備える、請求項6に記載の論理ゲート。
【請求項8】
前記論理ブロックは、トランジスタのスタックと組み合わせて1つ又は複数のCMOS回路を備える、請求項6に記載の論理ゲート。
【請求項9】
同様の論理ゲートと組み合わせて動作し、それにより論理回路を形成する、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項10】
CMOSゲートと組み合わせて集積回路として実装される、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項11】
前記論理ブロックを実装する1つ又は複数のトランジスタの本体は、グラウンドに接続される、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項12】
複数の閾値電圧は、各ブロックを実装するトランジスタに印加される、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項13】
複数の電源電圧を使用する、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項14】
前記供給電圧は、前記論理ブロックを実装する少なくとも1つのトランジスタのドレイン又はソースに印加される、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項15】
前記供給電圧は、前記論理ブロックを実装する少なくとも1つのトランジスタのゲートに印加される、請求項7に記載の論理ゲート。
【請求項16】
負荷がなく、PMOSトランジスタがない複数入力のANDゲートを実装する、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項17】
前記論理ブロックの1つ又は複数のトランジスタのソースでの寄生漏洩電流は、プルダウン回路として働く、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項18】
前記プルダウン回路の動作を制御するための、前記復旧ブロックの前記入力又は前記出力からのフィードバック経路を更に備える、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項19】
いくつかのスタックされたNMOSゲート、若しくは並列接続されたNMOSゲート、又はこれらの組合せの間で同じプルダウンダイオード回路及び/又は信号復旧CMOSバッファを共有するための回路を更に含む、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項20】
いくつかのスタックしたPMOSゲート、又は並列接続されたPMOSゲート、又はこれらの組合せを更に備える、請求項1に記載の論理ゲート。
【請求項21】
いくつかのスタックされたNMOS及びスタックされたPMOSゲート、又は並列接続されたNMOSゲート、並列接続されたPMOSゲート、又はこれらの組合せを更に備える、請求項1に記載の論理ゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静的論理ゲートの分野に関する。より具体的には、本発明は、既知のCMOSと比較してトランジスタの数が少なく、半導体面積が狭いトランジスタスタックに基づく論理ゲート設計に関する。
【背景技術】
【0002】
静的相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ロジックは、面積が3~4倍に増加するのと引き換えに電力損失を改善することにより、N型金属酸化膜半導体(NMOS)の過剰な電力損失問題を解決するために、後者から発展した。したがって、CMOS論理ゲートは、単一型MOSFET対応物(例えばNMOSロジック)より記録密度が劣る。CMOSも、比較的小さなファンイン(Fan-in)に制限される(すなわち、ゲートが取り扱うことができる入力の数が、多くの場合最大4入力)。
【0003】
更に、先端技術のノードは、高い静的電力損失を被る(閾値以下の並びに接合漏洩による)。CMOS技術は、2nmのゲート長さに取り組むので、トランジスタ縮小によるトランジスタゲート密度の任意の更なる改善(すなわち、単位面積当たりのトランジスタ数)は、トランジスタのゲートの寸法がほぼ10個のSi原子のサイズに近づくため、困難になる。
【0004】
米国特許第10,115,788号は、トランジスタをゲートオールアラウンド(Gate-All-Around)トポロジーの3D構造に充填することによりゲート密度の更なる改善を提案した。
【0005】
別の手段は、論理関数を実行するために必要とされるトランジスタ数を減らし、これによりゲート密度を効果的に改善することである。しかしながら、これには論理ゲートの新しいトポロジーを考案する必要がある、すなわち、従来の平面、又は、FinFET CMOS-ロジックと異なるトポロジーを考案する必要がある。
【0006】
スイッチング速度、電力損失、及び記録密度に関してCMOSロジックの性能を改善するための多くの試みがなされた。よく知られているCMOSロジックの代替物は、米国特許第4,541,067及び同5,808,483号に記載される静的パストランジスタロジック(PTL)及びダブルパストランジスタロジック(DPL)であり、これらによれば、一組の制御信号をNMOSトランジスタのゲートに印加し、一組のデータ信号をnトランジスタのソースに印加することにより論理ゲートを実現するためにNMOSを使用する。
【0007】
文献では多くのPTL回路実装が提案されている(例えばW. Al-Assadi, A. P. Jaya Sumana, and Y. K. Malaiya, “Pass-transistor logic design”. International Journal of Electronics, 1991, Vol. 70, no. 4, pp.739-749, R. Zimmermann, W. Fichtner, “Low-Power Logic Styles: CMOS Versus Pass-Transistor Logic”, IEEE Journal of Solid-State Circuits, vol. 32, no. 7, pp. 1079-1090, June 1997, and K. Bernstein, L.M. Carrig, C. M. Durham, and P. A. Hansen, “High-Speed CMOS Design Styles”, Kluwer Academic Press, 1998を参照)。
【0008】
既知のCMOSロジックを上回るPTLの利点は、低い入力容量、並びに論理関数あたりのトランジスタ数が少ないことによるゲート密度の高さである。しかしながら、ほとんどのPTL実装は、駆動電流の減少及び使用することができる逐次的段階数を著しく制限するロジック信号電圧の低下を生じる、パストランジスタ全体にわたる閾値電圧の降下を被る。比例ロジック(ratioed logic)は、抵抗負荷と接続した異なるチャネル幅のNMOSトランジスタを使用してロジック機能性を達成し、NMOSロジックと似ている。しかしながら、レシオ化されたロジックの短所は、色々なチャネル幅のNMOSトランジスタ間の特定の比率並びに高い静的電力損失を維持する必要性のため、プロセスの変動に敏感なことである。
【0009】
疑似NMOSロジック(Pseudo NMOS logic)(PNL)は、Rajeev Kumar and Vimal Kant Pandey “Low power combinational circuit based on Pseudo NMOS logic” in the International Journal of Enhanced Research in Science Technology & Engineering, Vol. 3 Issue 3, 2014, pp: (452-457)によって記載され、米国特許第5467026号に記載されるように、ゲートグラウンドPMOSトランジスタ負荷又はフィードバック接続PMOS負荷とタンデムに配置された、CMOSのような、NMOS型プルダウンネットワークを使用する。CMOSロジックと比較して、PNLは、PMOSトランジスタの数を減らすが、NMOSロジックと同様の欠点、すなわち過剰な動的及び静的電力損失を被る。
【0010】
PTLのシグナル・インテグリティにおける妥協(すなわち電圧スイングの低下)を解決しようとする技術は、米国特許第5200907号に記載されるトランスミッションゲートロジック(TGL)並びに米国特許第7394294号に記載される相補型パストランジスタロジック(CPL)である。TGLは、互いに並列に配置された一対のPMOS及びNMOSトランジスタを組み合わせて少数のトランジスタを使用して複雑な論理関数を実現する。TGLは、電圧スイングの低下問題を解決する。しかしながら、TGLは、既知のCMOSロジックよりも多くの半導体面積を消費する。
【0011】
CPLは、CMOS出力インバータと共にNMOSパストランジスタロジックを使用した相補的入力―出力の特徴がある。CPLは、ロジックの可能な反転出力値のいずれかを選択し、その出力で標準CMOSインバータを駆動するために直列トランジスタを使用する。しかしながら、CPLは、出力インバータに供給される低電圧のため静的電力損失を被る。相補的入力は、CPLトランジスタを制御することを必要とすることが多いので、面積を増やす追加の論理ステージが必要とされる。米国特許第5285069号では、トランジスタ間の距離を低減してCMOS SRAMメモリーアレイの記録密度を増加させるための論理セルの複数閾値電圧方法を記載する。
【0012】
これらの設計手法のいくつかは、フル電圧スイングを維持するための信号回復用のPMOSトランジスタ又は交差結合インバータのいずれかを含む。しかしながら、PTLはPMOSトランジスタの使用により、広い面積を消費することが多い。PTL手法での更なる困難は、設計の複雑さである。CMOSロジックとは異なり、PTLに利用可能な標準セルライブラリーはない。更に、PTLセルに対するいくつかの入力パターンはフル電圧スイング出力を発生しないという事実は、VLSI設計者がPTL回路設計に標準的な電子設計自動化(EDA)ツールを使用するのに障害となる。
【0013】
したがって、本発明の目的は、MOS論理ゲート設計を提供することであり、これにより電力損失を低減する。
【0014】
本発明の別の目的は半導体面積が減少したMOS論理ゲート設計を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、P-MOSトランジスタ数が減少したMOS論理ゲート設計を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的及び利点は、説明を進めると明らかになる。
【発明の概要】
【0017】
別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び/又は科学的用語は、本発明が関係する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似する又は同等の方法及び材料を、本発明の実施形態の実践又は試験に使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記載する。抵触があった場合、定義を含む、特許明細書が優先される。更に、材料、方法及び実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図しない。
【0018】
論理ゲート回路であって、
a)論理ブロックの入力間の論理演算を実行するための論理ブロック、及び
b)出力が高い論理状態(high logic atate)の場合の電圧レベル損失を補償するために、論理ブロックの出力及び論理ゲートの出力間に接続された、復旧ブロック、を備え、
論理ブロックは、低い論理状態(low logic state)を必要とする論理演算の後に、論理ブロックを実装する構成要素の固有電流漏洩経路を介して、高い論理状態に対応する電圧をグラウンドに放電する、
論理ゲート回路。
【0019】
論理ゲートは、固有電流漏洩経路を介した放電に加えて、低い論理状態を必要とする論理演算の後に、高い論理状態に対応する電圧をグラウンドに更に放電するための、論理ブロック及び論理ゲートの出力の間に接続されたブルダウンブロックを更に備えてもよい。
【0020】
復旧ブロックは、
標準CMOSインバータ、
標準CMOSバッファ、
シュミットトリガ、及び
これらの任意の組合せから構成されてもよい。
【0021】
ブルダウンブロックは、ダイオードであってもよい。
【0022】
ブルダウンブロックは、
ダイオード(例えば接合ダイオード)、
ダイオードとして機能するよう構成されたトランジスタ、
ダイオードとして機能するよう構成された複数のトランジスタ、又は
ダイオードとして作用するPMOS及びNMOSトランジスタの組合せによって実装されてもよい。
【0023】
論理ブロックは、AND、OR、NOR、若しくはNANDゲートを実装する、接続されたトランジスタのスタック、又はAND、OR、NOR、若しくはNANDゲートを実装するトランジスタの並列接続、又は、「AND-OR変換」「OR-AND変換」、及び、同種のものを含むこれらの組合せであってもよい。
【0024】
論理ゲートは、
a)スタックの第1のトランジスタのソース又はドレインに接続された電圧源、及び
b)スタックのトランジスタのゲートの入力として接続された複数の電圧源を更に備えてもよい。
【0025】
論理ブロックは、トランジスタのスタックと組み合わせて1つ又は複数のCMOS回路を備えてもよい。
【0026】
論理ゲートは、同様の論理ゲートと組み合わせて動作し、それにより論理回路を形成してもよい。
【0027】
論理ゲートを、CMOSゲートと組み合わせて集積回路として実装してもよい。
【0028】
論理ブロックを実装する1つ又は複数のトランジスタの本体は、グラウンドに接続されてもよい。
【0029】
複数の閾値電圧は、各ブロックを実装するトランジスタに印加されてもよい。
【0030】
複数の電源電圧を使用してもよい。
【0031】
供給電圧は、論理ブロックを実装する少なくとも1つのトランジスタのドレイン又はソースに、又は論理ブロックを実装する少なくとも1つのトランジスタのゲートに印加されてもよい。
【0032】
論理ゲートは、負荷がなく、PMOSトランジスタがない複数入力のAND、OR、NAND、及び、NORゲートを実装してもよい。
【0033】
論理ブロックの1つ又は複数のトランジスタのソースでの寄生漏洩電流は、プルダウン回路として働いてもよい。
【0034】
論理ゲートは、プルダウン回路の動作を制御するための、復旧ブロックの入力又は出力からのフィードバック経路を更に備えてもよい。
【0035】
論理ゲートは、いくつかのスタックされたNMOSゲート、若しくは並列接続されたNMOSゲート、又はこれらの組合せの間で同じプルダウンダイオード回路及び/又は信号復旧CMOSバッファを共有するための回路を更に備えてもよい。
【0036】
論理ゲートは、いくつかのスタックしたPMOSゲート、又は並列接続されたPMOSゲート、又はこれらの組合せを更に備えてもよい。
【0037】
論理ゲートは、いくつかのスタックされたNMOS及びスタックされたPMOSゲート、又は並列接続されたNMOSゲート、並列接続されたPMOSゲート、又はこれらの組合せを更に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の上記の及び他の特性及び利点は、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の例示的及び非限定的な詳細な説明により、より良く理解される。
【0039】
図1図1は、本発明の実施形態により実装された、一般化された論理ゲートの簡略化されたブロック図である。
図2図2(先行技術)は、3つの入力CMOS ANDゲートの回路図の実装例を示す。
図3図3は、本発明の実施形態により実装された、3つの入力ANDゲートの回路図である。
図4図4(先行技術)は、CMOS 3-3AND-OR回路の実装例を示す。
図5図5は、本発明の実施形態により実装された、同じプルダウンダイオード回路及び信号復旧CMOSバッファを共有する3-3AND-OR回路の回路図である。
図6図6は、本発明の実施形態により実装された、ゲートの出力からのフィードバックを有するNMOSトランジスタを備えるプルダウン回路の実施形態の回路図である。
図7図7は、本発明の実施形態により実装された、プルダウン回路のいくつかの実施形態を表す。
図8図8は、本発明の実施形態により実装された、高いファンイン、10個の入力ANDゲートの回路図である。
図9A図9Aは、本発明の実施形態により実装された、10個の入力ANDゲートの立ち上がり時間のSPICEシミュレーションのプロットである。
図9B図9Bは、本発明の実施形態により実装された、10個の入力ANDゲートの立ち下がり時間のSPICEシミュレーションのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、デジタル論理回路の論理演算及びオペランドの固有部分としてのプルダウンのための寄生又は予め設計された電流漏洩のいずれかを組み込んだ静的論理ゲートの単一型トランジスタ(又は色々な種類の組合せ)のトポロジー、特に組み合わせ及び非同期論理回路の設計におけるトポロジーの実装に関する。
【0041】
開示される実施形態は、限定されないが、スタックトポロジーに、負荷がなく、相補型プルダウンネットワークがない静的論理ゲートを表す。寄生又は予め設計された電流漏洩は、プルダウン回路として使用される。トランジスタソースもドレインもデータ入力のいずれにも接続されない。表された論理ゲートは、集積回路の一般的設計を可能にするセルを提供する。
【0042】
ある実施形態では、論理ゲートをCMOSゲートと組み合わせて集積回路として実装する。
【0043】
図1は、本発明の実施形態により実装された、一般化された論理ゲートの簡略化されたブロック図である。論理ブロック1は、論理関数を計算する単一型トランジスタの複数のゲートに接続された複数のデータ入力で構成される。論理ブロックは、AND、OR、NOR、NANDゲートを実装する接続されたトランジスタのスタック、若しくはANDゲートを実装するトランジスタの並列接続、又はこれらの組合せである。論理ブロックは、スタックの第1のトランジスタのソース又はドレインに接続された電源又はスタックのトランジスタのゲートに対する入力として接続されている複数の電源を更に含んでもよい。
【0044】
トランジスタのソースもドレインもデータ入力にいずれにも接続されていない。駆動電圧VDDは、論理ブロックに供給電圧を提供する。1つの態様では、供給電圧は、論理ブロックを実装する少なくとも1つのトランジスタのドレイン若しくはソース、又は論理ブロックを実装する少なくとも1つのトランジスタのゲートに印加される。
【0045】
いくつかの実装では、配線5は、論理ブロック1の出力を、出力3の「1」及び「0」論理電圧を出力するよう働く復旧ブロック2の入力に接続する。復旧ブロック2は、出力が高い論理状態の場合の電圧レベル損失を補償するための復旧回路で構成される。論理ブロックは、低い論理状態を必要とする論理演算の後に、論理ブロックを実装する構成要素の固有電流漏洩経路を介して、高い論理状態に対応する電圧をグラウンドに放電する。本発明のいくつかの実施形態では、復旧ブロック2は、標準CMOSインバータ、標準CMOSバッファ、シュミットトリガ、及び同種のもの、又はこれらの組合せであることもある。
【0046】
プルダウンブロック4は、論理ブロック1の出力が「0」論理に対応する電圧の場合、配線5をグラウンドに放電する。論理ブロック1の出力が「1」論理に対応する電圧の場合、論理ブロック1の出力電流のわずかな部分がプルダウンブロック4を介してグラウンドに失われる。プルダウンブロックは、固有電流漏洩経路を介した放電に加えて、低い論理状態を必要とする論理演算の後に、高い論理状態に対応する電圧をグラウンドに更に放電する。
【0047】
プルダウンブロックを、ダイオード(接合ダイオードなど)、ダイオードとして機能するよう構成されたトランジスタ、ダイオードとして機能するよう構成された複数のトランジスタ、又はダイオードとして作用するPMOS及びNMOSトランジスタの組合せによって実装してもよい。
【0048】
図2(先行技術)は、3つの入力CMOS ANDゲートの回路図の実装例を示す。3つの入力6、7、8を図示する。3つの並列接続されたPMOSトランジスタ9、10、11は、VDDに接続され、負荷として働く。3つの直列接続されたNMOSトランジスタ12、13、14は、グラウンドに接続され、プルダウンネットワークとして働く。ゲートの出力は17である。
【0049】
図3は、本発明の実施形態により実装された、3つの入力ANDゲートの回路図である。本発明の1つ実施形態によれば、3入力ANDゲート回路は、負荷がなく、PMOSトランジスタがない3つの直列接続されたNMOSトランジスタ、復旧回路25、及びプルダウン回路26で構成される。全ての入力19、21、23が高い場合、供給電圧VDDは、閾値電圧降下Vでノード24に伝達される。
【0050】
【数1】
【0051】
本発明のいくつかの実施形態では、3つのスタックされたNMOSトランジスタトポロジー19、21、23は、プルダウン回路26と単独で、3つの入力AND論理演算を実行するのに充分である。したがって、提案されたトポロジーを用いると、3入力ANDゲートを実現するために必要とされるトランジスタの数が低減し、これにより記録密度が改善される。PMOS負荷トランジスタがないので、入力インピーダンスが減少し、これによりスイッチング速度が改善される。CMOS論理では到達不可能な点で、高いファンインも可能にする。すなわち、入力が5つ超の複数の入力ゲートが、スタック長を延ばすだけで実現可能であり、多段階又は逐次的トポロジーの要件はない。更に、このスタックされたNMOSトランジスタのトポロジーでは、閾値以下の漏洩電流が減少するため静的電力損失が改善されるが、その理由はNikhil Saxena及びSonal Soni, “Leakage current reduction in CMOS circuits using stacking effect”, International Journal of Application or Innovation in Engineering & Management, Vol. 2, Issue 11, pp. 213-216, 2013や、Ankita Nagar及びVidhu Parmar, “Implementation of Transistor Stacking Technique in Combinational Circuits”, IOSR Journal of VLSI and Signal Processing, Vol. 4, Issue 5, pp. 1-5, 2014などにより報告された、「スタック効果」のためである。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、論理ゲートは、いくつかのスタックされたPMOSゲート、又は並列接続されたPMOSゲート、又はこれらの組合せを更に備えてもよい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、論理ゲートは、いくつかのスタックされたNMOS及びスタックされたPMOSゲート、又は並列接続されたNMOSゲート、並列接続されたPMOSゲート、又はこれらの組合せを更に備えてもよい。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、復旧回路25は、24の電圧Vを出力27のVDDと等しくなるよう復旧するよう適合される。復旧回路25は、標準CMOSインバータ、標準CMOSバッファ、及び同種のものであることもある。本発明のいくつかの実施形態では、トランジスタ23(すなわち、接合24)のソースでの寄生漏洩電流は、プルダウン回路として働くこともある。本発明のいくつかの他の実施形態では、プルダウン回路26は、単一のダイオード若しくは複数のダイオード、ダイオードとして働くよう構成された単一のトランジスタ、ダイオードとして働くような接続された複数のトランジスタ、又はダイオードとして働く任意の他の回路などの予め設計されたデバイス又は回路であることもある。更に、出力27からプルダウン回路26へ又は回路の任意の他の部分からのフィードバック経路を、プルダウン回路26の動作を制御するよう実装することもある。論理ゲートは、負荷がなく、PMOSトランジスタがない複数入力ANDゲートを実装することができる。論理ブロックの1つ又は複数のトランジスタのソースでの寄生漏洩電流は、独立して、又はプルダウンブロック26と並列してプルダウン回路として働く。
【0055】
図4(先行技術)は、2つの3入力CMOS ANDゲート28及び32を有し、ゲートの出力が2つの入力CMOS ORゲート36に接続される、CMOS 3-3AND-OR回路の実装例を示す。この小さな回路は、3入力ANDゲートからの2つの入力28及び32の間でOR論理関数を実行する。CMOS 3-3AND-OR回路の最小トランジスタ数は、11個のNMOSトランジスタ及び11個のPMOSトランジスタである。PMOSトランジスタの面積は、NMOSトランジスタの面積のおよそ3倍である。したがって、PMOSトランジスタの数を低減することは、記録密度を増加させる効果的な方法である。
【0056】
図5は、本発明の実施形態により実装された、同じプルダウンダイオード回路及び信号復旧CMOSバッファを共有する3-3AND-OR回路の回路図である。この3-3AND-OR回路の実現には、PMOS負荷は含まれず、46のVをVDDとなるよう回復するために使用される標準CMOSバッファ55に並列接続された、2つの3スタックNMOS ANDゲート41、43、45及び48、50、52が含まれる。2つの3スタックNMOS ANDゲートは、同じプルダウン回路を共有し、これによりシリコン面積を節約する。示されるトポロジーには、2つの入力CMOS ORゲートが必要とされず、したがって更なる面積節約を提供する。図5は、単一のダイオードを使用した予め設計されたプルダウン回路の実施形態の1つを図示する。ANDゲートのいずれかが活性化された場合の電流損失を最小限にするために、ダイオードの直列抵抗は、活性化された場合(順方向抵抗)、およそ1MΩにする必要がある。本発明の3-3AND-OR回路のトランジスタ数は、8個のNMOSトランジスタ及び2個のPMOSトランジスタである。いくつかの実施形態では、ダイオードとして構成されるPMOSトランジスタは、プルダウンデバイスとして使用されることもある。このような実施形態であれば、トランジスタ数は、8個のNMOSトランジスタ及び3個のPMOSトランジスタとなる。したがって、図5に図示されるトランジスタトポロジーを用いると、面積を著しく節約する、すなわち、記録密度を増加させ、同様に静的電力損失が減少する。更なる面積節約が実現されるのは、トランジスタ数が減少するため配線が減少するからである。
【0057】
本発明に表されるゲートにはまた、複数の閾値電圧も組み込まれる。低閾値電圧(LVT)を使用すると、論理ブロックのトランジスタでは式(1)の閾値電圧降下が最小になり、一方標準閾値電圧(SVT)を使用すると復旧ブロックの性能が維持される。1つの実施形態では、トランジスタ41、43、45及びトランジスタ48、50、及び52の閾値電圧は、LVT(例えば典型的な16nm FinFET技術では100mV)であり、一方、バッファ55トランジスタの閾値電圧は、SVT(例えば16nm FinFET技術では250mV)並びに300mVなどの高閾値電圧(HVT)である。
【0058】
いくつかの実施形態では、バッファ55の第1のインバータのスイッチング性能を調整するために複数の駆動電圧を使用する。したがって、VDDとは異なる電源電圧VDD1をバッファ55の第1のインバータに接続する。いくつかの実施形態では、インバータトランジスタのチャネル幅は、一般的に使用される
【0059】
【数2】
【0060】
ではなく、バッファ一55の第1のインバータの転流電圧を変化させるような
【0061】
【数3】
【0062】
比に変更される。
【0063】
図6は、ゲートの出力59から、NMOSトランジスタ60で構成されるプルダウン回路へのフィードバック経路の実施形態を図示する。
【0064】
図7は、プルダウン回路64a、64b、64c、64dの4つの実施形態を表す。NMOSトランジスタ64aをフィードバック66に接続し、この場合ノード65を62に接続し、そしてPMOSトランジスタ64bは、ノード67を62に接続するダイオードとして構成される。ダイオード64cでは、ノード68を62に接続し、このダイオードは、PN若しくはNPダイオード又はPNP、PNPNなどの、これらの複合体構造であってもよい。実施形態64dは、ノード69を62に接続するダイオードとして働くPMOS及びNMOSトランジスタの組合せを含む回路を表す。追加の回路は、本発明が関係する当該技術分野の当業者によって構成されることができる。
【0065】
図8は、本発明の実施形態により実装された、高いファンイン、10入力ANDゲートの回路図である。図8の回路は、既存のCMOS論理の設計能力を上回る高いファンイン、10入力ANDゲートの実施形態を図示する。この回路は、10個のNMOSトランジスタ70~79のスタック、復旧用の標準CMOSバッファ82への配線81、ゲート出力83及びプルダウン回路として働くダイオードとして構成されたPMOSトランジスタ80で構成される。
【0066】
従来のCMOS VLSIは、論理ゲートの周波数応答に悪影響を及ぼす論理ゲートの入力インピーダンスによって制限される。高いファンインでは、逐次的論理段階の数が少ないため、回路の深さを低減することができる。これによりシリコン面積を節約し、更に回路が浅くなるほど、回路は速くなる。
【0067】
更に、図8に図示される高いファンインゲートのスタックトポロジーでは、閾値以下の漏洩を著しく抑え、これにより静的電力損失の低減を達成する。
【0068】
性能
図8の回路の立ち上がり及び立ち下がり時間についてのゲートSPICEシミュレーション結果を、それぞれ図9A及び図9Bに示す。16nm CMOS FinFET技術のシミュレーションを、10個全てのトランジスタ70~79を同時にスイッチオン及びオフする50%デューティサイクルの1GHzクロック速度で実行した。Vddは、0.8Vである。
【0069】
図9Aは、本発明の実施形態により実装された、10入力ANDゲートの立ち上がり時間のSPICEシミュレーションの出力電圧対クロック時間のプロットである。クロックパルス84の前縁の後に、ゲートの出力電圧85の立ち上がりが続いている。性能は、最先端のCMOS技術と同等である。実線はクロックの前縁であり、破線はゲートの応答である。
【0070】
図9Bは、本発明の実施形態により実装された、10入力ANDゲートの立ち下がり時間のSPICEシミュレーションの出力電圧対クロック時間のプロットである。クロックパルス86の立ち下がりの後に、ゲートの出力電圧87の立ち下がりが続いている。性能は、最先端のCMOS論理技術と同等である。実線は、クロックの立ち下がりであり、破線は、ゲートの応答である。
【0071】
図9A及び図9Bは、10入力ANDゲートの出力電圧がフルスイングで維持されることを示す。
【0072】
ロバスト性の考察
提案された論理技術の好適な挙動の特徴の1つは、電圧降下V=VDD-Vが最小であり、プルダウン電圧がグラウンド電圧に近いことである。この段落では、復旧ブロック2の製造プロセスの可変性、電源電圧の許容範囲、温度変動の考察を表す。
【0073】
復旧ブロック2がCMOSインバータ又はバッファを含んだ実施形態では、
【0074】
【数4】
【0075】
及び
【0076】
【数5】
【0077】
の場合の従来の平面CMOSインバータの電圧伝達曲線(VTC)の転流電圧Vは、
【0078】
【数6】
(2)
【0079】
である。
【0080】
従来のCMOS論理では、論理ゲートのVTCの転流電圧Vは、CMOSゲートがNMOS及びPMOSトランジスタを含むので、入力パターンに依存し、したがって、CMOS論理には、比較的大きなノイズマージンが必要とされる。本発明では、論理関数を実現するためには単一型のトランジスタ(すなわち、CMOSペアに対して)又はそれらの組合せのみが使用される。このことから、電圧Vmが安定になり、同様に入力パターンから独立し、ノイズマージンに余裕が少ない条件下で適切な動作を可能にする。
【0081】
電源電圧許容範囲ΔVDDについては、従来の設計の
【0082】
【数7】
【0083】
及び製造プロセス閾値電圧可変性δVT、Vmの最悪の場合の変動によって、必要とされるノイズマージンは次のように決定される。
【0084】
【数8】
(3)
【0085】
製造プロセス可変性はまた、
【0086】
【数9】
【0087】
にも影響を及ぼすが、ΔVmを著しく変化させない少ない程度である。したがって、提案された論理技術の好適な挙動には、本発明の論理ブロック1を論理状態「1」に切り替える場合、V>Vm+ΔVmが必要とされる。本発明の論理ブロック1を論理状態「0」に切り替える場合、プルダウンブロック4は、接続5を電圧V<Vm-ΔVmに放電することが必要とされる。
【0088】
高温では、MOSFETの閾値電圧が下がり、FinFETを使用する先端技術のノードでは、前者のチャネルはドープされていないか、又は、ドーピングのランダムな変動の影響を低減するわずかにドープされたかのいずれかなので、平面トランジスタより低い閾値電圧変動を表す。更に、NMOSの温度依存性閾値電圧変化は、これらのトランジスタの式(2)の差がほとんど相殺されるようなPMOSのものとほとんど等しい。したがって、CMOSインバータ又はバッファで構成される復旧ブロック2の転流電圧Vの温度安定性は、分析した他の要因に関して無視できる。
【0089】
1つの実施形態では、論理ブロック1のVDDと異なる電源電圧を、論理ブロックの転流電圧Vを調整するよう復旧ブロック2に印加する。
【0090】
別の実施形態では、論理ブロック1のトランジスタのものとは異なる単一の又は複数の閾値電圧を、復旧ブロック2及び/又はプルダウンブロック3に使用する。
【0091】
更なる実施形態では、論理ブロック1トランジスタのものとは異なるチャネル幅を、復旧ブロック2及び/又はプルダウンブロック3に使用する。
【0092】
電力損失の考察
論理ブロック1を論理状態「1」に切り替える場合、接続5を電圧Vに充電する電流のごく一部がブルダウンブロック4を介してグラウンドに漏れる。提案された論理技術の認められた性能の特徴の一つは、この漏洩電流を許容でき、電力損失全体に悪影響を及ぼさないという点である。漏洩電流が接続5を充電する全電流のわずかな部分である場合、この漏洩電流の影響は許容できる。
【0093】
1つの実施形態では、ブルダウンブロック4の設計は、特定の漏洩電流要件を満たすよう作成される。このような設計は、本発明が関係する当該技術の当業者によって一般的に理解される。
【0094】
ある実施形態では、必要とされる電力損失限界を満たすために、本発明の論理ゲートが回路内で低密度に使用される。
【0095】
本発明の実施形態では、必要とされる電力損失限界を満たすために、スイッチングを意識した論理ゲートの使用が回路内で行われる。
【0096】
本発明の実施形態では、必要とされる電力損失限界を満たすために、ファンインを意識した論理ゲートの使用が回路内で行われる。
【0097】
先端技術の論理関数
先端技術の論理演算を実行するために、好適な論理圧縮及びカルノー図、クワイン・マクラスキー法及び同種のもののようなマッピング技術を使用して任意の論理関数をAND、OR及びNOTゲートの組合せに圧縮してもよい。従来のCMOS論理により複雑な論理関数又は3つ以上の入力の高ファンインゲートを構築するには、広い面積を消費し、回路の速度を遅くする複数のAND、OR及びNOTゲートをステージングする逐次的設計を必要とする。
【0098】
図8に戻ると、提案された論理技術では、少ない数のAND、OR及びNOTゲートを備える少ないステージの回路の設計を可能にし、これにより従来のCMOS論理より速くなるのと同様に少ない面積を消費する。
【0099】
明確さのために、別々の実施形態に関連して記載された本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが理解される。反対に、簡潔さのために、単一の実施形態に関連して記載された本発明の様々な特徴も、別々に若しくは任意の適切なサブコンビネーションで、又は本発明の任意の他の記載された実施形態に適切に提供されてよい。様々な実施形態に関連して記載された特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作できないわけではない限り、それらの実施形態の必須の特徴とみなすべきではない。
【0100】
本発明は、その特定の実施形態と組み合わせて記載されているが、当業者にとって多くの代替、修正及び変形が明らかとなる。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲に入る全てのこのような代替、修正及び変形を包含すると意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
【国際調査報告】