(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】悪臭低減のためのフェノール組成物
(51)【国際特許分類】
D06M 13/152 20060101AFI20240905BHJP
C11D 1/00 20060101ALI20240905BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
D06M13/152
C11D1/00
C11D3/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515436
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022042756
(87)【国際公開番号】W WO2023038971
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599060788
【氏名又は名称】ミリケン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】フロイント、ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】ラモロー、ニコラ
【テーマコード(参考)】
4H003
4L033
【Fターム(参考)】
4H003AB19
4H003AB27
4H003AB31
4H003DA01
4H003EA12
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA28
4H003EB13
4H003EB30
4H003EB36
4H003EB37
4H003EB42
4H003EC02
4H003EE05
4H003FA09
4H003FA43
4L033AB04
4L033AC10
4L033BA13
(57)【要約】
フェノール組成物およびそのようなフェノール組成物を含む洗濯ケア組成物がここで開示される。洗濯ケア組成物は、それを用いて洗濯される布地または物品の悪臭を低減させうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)界面活性剤と、
b)
iii)式:
【化1】
[式中、
L
1は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
1は、2~50の整数であり;
R
a1は、C
1~8アルキル基であり;
R
a2は、C
1~8アルキル基であり;
R
a3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第1のフェノール化合物;
iv)式:
【化2】
[式中、
L
2は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
2は、2~50の整数であり;ただし、x
1およびx
2は同じではなく;
R
b1は、C
1~8アルキル基であり;
R
b2は、C
1~8アルキル基であり;
R
b3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第2のフェノール化合物
を含むフェノール組成物と
を含む、洗濯ケア組成物。
【請求項2】
前記フェノール組成物が、前記洗濯ケア組成物の総重量に対して0.0001重量%~1.0重量%、0.0001重量%~0.5重量%、0.0001重量%~0.1重量%、0.0001重量%~0.01重量%、0.0001重量%~0.001重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.01重量%~1.0重量%、0.1重量%~1.0重量%、または0.5重量%~1.0重量%の量の量で存在する、請求項1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項3】
R
a1およびR
a2が、同じではない、請求項1および2の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項4】
R
b1およびR
a2が、同じではない、請求項1~3の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項5】
R
a2およびR
b2が、それぞれC
3~5アルキルである、請求項1~4の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項6】
R
a2およびR
b2が、t-ブチルである、請求項5に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項7】
R
a1およびR
b1が、それぞれ直鎖状C
1~8アルキル基である、請求項1~6の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項8】
R
a1およびR
b1が、それぞれ直鎖状C
1~4アルキル基である、請求項7に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項9】
R
a1およびR
b1が、それぞれメチルであるか、またはR
a1およびR
b1が、それぞれエチルである、請求項8に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項10】
L
1が、-CH
2CH
2-または-CH
2CH
2CH
2-である、請求項1~9の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項11】
L
2が、-CH
2CH
2-または-CH
2CH
2CH
2-である、請求項1~10の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項12】
x
1が、4~25の整数である、請求項1~11の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項13】
x
2が、2~25の整数である、請求項1~12の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項14】
R
a3およびR
b3が、それぞれHである、請求項1~13の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項15】
前記第1のフェノール化合物対前記第2のフェノール化合物のモル比が、50:1~1:50である、請求項1~14の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項16】
式:
【化3】
[式中、
L
3は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
3は、2~50の整数であり;ただし、x
1、x
2およびx
3の何れも同じではなく;
R
c1は、C
1~8アルキル基であり;
R
c2は、C
1~8アルキル基であり;
R
c3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第3のフェノール化合物をさらに含む、請求項1~15の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項17】
式:
【化4】
[式中、
L
4は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
4は、2~50の整数であり;ただし、x
1、x
2、x
3およびx
4の何れも同じではなく;
R
d1は、C
1~8アルキル基であり;
R
d2は、C
1~8アルキル基であり;
R
d3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第4のフェノール化合物をさらに含む、請求項16に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項18】
物品を洗濯する方法であって、前記物品を、請求項1~17の何れか1項に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項19】
前記物品を、水の存在下で前記組成物と接触させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
洗濯ケア組成物を製造する方法であって、水溶性担体、界面活性剤およびフェノール組成物を合わせることを含み、前記フェノール組成物が、
式:
【化5】
[式中、
Aは、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
xは、2~50の整数であり;
R
a1は、C
1~8アルキル基であり;
R
a2は、C
1~8アルキル基であり;
R
a3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第1のフェノール化合物;および
式:
【化6】
[式中、
Bは、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
yは、2~50の整数であり;ただし、xおよびyは同じではなく;
R
b1は、C
1~8アルキル基であり;
R
b2は、C
1~8アルキル基であり;
R
b3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第2のフェノール化合物
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本開示は、布地処理組成物において悪臭を低減させるための酸化防止剤としての使用のためのフェノール組成物に関する。
【背景】
【0002】
悪臭は、洗濯における根強い課題である。テキスタイルにおいて悪臭原因材料の若干数の発生源がある。悪臭の1つの発生源は、消費者が、より少ない水、より短い洗浄サイクルおよびより低い洗浄水温度の使用に移行するにつれて、汚れは洗浄サイクル中に衣類からあまり効率的に除去されず、布地の表面に残るという事実からくる。布地表面(service)に残るこれらの汚れは、ヒト皮脂ならびに自動酸化および揮発性悪臭化合物への分解を起こしやすい他の油からなっていてもよい。
【0003】
製造業者は、この悪臭を低減させる手法を継続的に模索している。1つのアプローチは、洗濯中に衣類に堆積する酸化防止剤の、洗濯物への使用を伴う。これらの酸化防止剤は、油の自動酸化率を低減させ、次に、悪臭化合物の発生を防止する。
【0004】
布地およびテキスタイルにおいて悪臭を低減させるための、改良された酸化防止剤組成物が依然として必要である。布地およびテキスタイルにおいて皮脂および他の油の酸化を防止する、改良された方法が依然として必要である。悪臭を増大した期間にわたって有効に低減およびブロックする、改良された酸化防止剤組成物が依然として必要である。より低い濃度で適用された場合に悪臭を有効に低減およびブロックする、改良された酸化防止剤組成物が依然として必要である。洗剤組成物により容易に調合される、改良された酸化防止剤組成物が依然として必要である。洗濯される際に布地およびテキスタイルにより容易に移される、改良された酸化防止剤組成物が依然として必要である。
【概要】
【0005】
開示される材料および方法の目的に従って、ここで具現化され広く記述される通り、開示される主題は、一側面では、化合物、組成物、ならびに化合物および組成物を作製および使用する方法に関する。
【0006】
追加の利点が、一部はこの後の説明において明記されることになり、一部は説明から明白となるか、または後述する側面の実践によって学習されてもよい。後述する利点は、特に添付の請求項において指摘される要素および組合せを活用して認識および獲得されるであろう。前述の概要と以下の詳細な説明の両方が、例示的および説明的であるにすぎず制限的ではないことを理解されたい。
【0007】
1つ以上の態様の詳細を以下の説明において明記する。他の特色、目的および利点は、説明からおよび請求項から明らかとなるであろう。
【詳細な説明】
【0008】
本発明の方法およびシステムを開示および記述する前に、方法およびシステムは、具体的な合成方法、具体的な成分にも、特定の組成物にも限定されないことを理解されたい。ここで使用される術語は、特定の態様を記述することのみを目的としており、限定的であることを意図したものではないことも理解されたい。
【0009】
明細書および添付の請求項で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明確に別のことを指示するのでない限り、複数の指示対象を含む。範囲は、ここで、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現されてもよい。そのような範囲が表現されている場合、別の態様は、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」の使用によって近似として表現される場合、特定の値は別の態様を形成することが理解されよう。範囲のそれぞれの端点は、他の端点に関して両方有意であり、他の端点とは独立していることがさらに理解されよう。
【0010】
「任意の」または「任意に」は、その後に記述されている事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、ならびに、記述は、前記事象または状況が起こる事例および起こらない事例を含むことを意味する。
【0011】
本明細書の記述および請求項の全体を通して、語「を含む(comprise)」および該語の変化形、たとえば「を含む(comprising)」および「を含む(comprises)」は、「を含むがこれらに限定されない」を意味し、たとえば、他の添加剤、成分、整数または工程を除外することを意図したものではない。「例示的な」は、「の例」を意味し、好ましいまたは理想的な態様の指標を伝えることを意図したものではない。「たとえば」は、制限的意味で使用されず、説明目的で使用される。
【0012】
開示される方法およびシステムを実施するために使用されうる成分が開示される。これらおよび他の成分がここで開示され、これらの成分の組合せ、サブセット、相互作用、群等が開示される場合、これらの各種々の個々のおよび集合的な組合せならびに順列の具体的な参照基準は明示的に開示されていなくてもよいが、すべての方法およびシステムについてそれぞれがここで具体的に企図および記述されていることが理解される。これは、開示される方法における工程を含むがこれらに限定されない本出願のすべての側面に当てはまる。故に、実施されうる様々な追加工程がある場合、これらの追加工程のそれぞれは、開示される方法の何れかの具体的な態様または態様の組合せを用いて実施されうることが理解される。
【0013】
ここで使用される場合、語句「布地処理組成物」は、衣服を含む布地または他のテキスタイルを処理するために設計された組成物および調合物を含む。そのような組成物は、洗濯クリーニング組成物および洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地清涼化組成物、洗濯予洗い、洗濯前処理、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤または組成物、洗濯洗浄添加剤、すすぎ前の布地処理、アイロン助剤、一回量包装調合物、遅延送達調合物、多孔質基材または不織シート上または中に含有される洗剤、ならびにここで教示を考慮して当業者に明らかとなりうる他の好適な形態を含むがこれらに限定されない。そのような組成物は、洗濯前の処理、洗濯後の処理として使用されてもよく、または洗濯作業の洗浄サイクルの最中に添加されてもよい。
【0014】
ここで使用される場合、「液体」は、自由流動性液体、ならびにペースト、ジェル、フォームおよびムースを含む。液体の非限定的な例は、洗濯、漂白および洗濯添加剤に一般に使用される、軽質および重質液体洗剤組成物、布地強化剤、洗剤ジェルを含む。気体、たとえば浮遊泡、または固体、たとえば粒子が、液体内に含まれてもよい。
【0015】
ここで使用される場合、「顆粒」および「粒子」は、有限質量を有するある体積の固体または十分に固体の材料を指す。顆粒および粒子は、自由流動性であってもよく、または二次組成物内に懸濁していてもよい。自由流動性粒子は、The Procter&Gamble Company、Cincinnati、Ohio、United Statesから商標名UNSTOPABLES(登録商標)で市販されているものと同様であってもよい。
【0016】
用語「を実質的に含まない」または「が実質的にない」がここで使用されてもよい。これは、指示された材料が、組成物に意図的に添加されてその一部を形成するのではない必要最低限であること、または、好ましくは、分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。これは、指示された材料がそれによって意図的に含まれる他の材料の1つにおける不純物としてのみ存在する、組成物を含むことが意図される。指示された材料は、あるとしても、組成物の10重量%未満、または1重量%未満、または0.1重量%未満、または0.01重量%未満、またはさらには0重量%のレベルで存在してもよい。
【0017】
ここで使用される場合、語句「十分に固体」および「固体」は、材料が、室温で自立している際に有意な変形なしにその形状を維持することができることを意味する。「固体」は、ここで使用される場合、顆粒、粒子、粉末、凝集体、マイクロカプセル、フレーク、ヌードル、真珠光沢ボール、およびそれらの混合物を含んでもよいがこれらに限定されない。
【0018】
ここで使用される場合、語句「水溶性」、「水溶性材料」、「水溶性担体材料」は、材料または担体材料が、水に可溶性または分散性であり、好ましくは、20ミクロンの最大細孔径を持つガラスフィルターを使用し、この後に明記される方法によって測定された、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%またはさらには少なくとも95%の水溶性を有することを意味する:50グラム±0.1グラムの材料および/または担体材料が予め秤量した400mLのビーカーに添加され、245mL±1mLの蒸留水が添加される。これを、600rpmに設定した磁気撹拌子で30分間にわたって激しく撹拌する。次いで、混合物を、上記で定義されている通りの細孔径(最大20ミクロン)を持つ焼結ガラスフィルターに通して濾過する。工程は、周囲条件で実施する。「周囲条件」は、ここで使用される場合、23℃±1.0℃および50%±2%の相対湿度を意味する。何れかの従来の方法によって収集した濾液から水を乾燥除去し、残りの材料の重量を決定する(これは溶解または分散画分である)。次いで、溶解度または分散性のパーセンテージを算出することができる。
【0019】
別段の注記がない限り、すべての成分/原料または組成物レベルは、その成分/原料または組成物の活性部を参照したものであり、そのような成分/原料または組成物の市販の供給源において存在しうる、不純物、たとえば残留溶媒または副産物を除外している。
【0020】
布地処理組成物において酸化防止剤としての使用のためのフェノール組成物がここで開示される。フェノール組成物は、式(I)の化合物および式(II)の化合物:
【0021】
【0022】
[式中、
L1は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x1は、2~50の整数であり;
Ra1は、C1~8アルキル基であり;
Ra2は、C1~8アルキル基であり;
各Ra3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される];
【0023】
【0024】
[式中、
L2は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x2は、2~50の整数であり;ただし、x1およびx2は同じではなく;
Rb1は、C1~8アルキル基であり;
Rb2は、C1~8アルキル基であり;
各Rb3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される]
を少なくとも含む。
【0025】
式(I)および式(II)ならびにこの後の他のフェノール化合物についての式の文脈において、用語「ヌル」は、フェノール部分が、フェノール部分のヒドロキシ基に対してパラ位に位置付けられているフェノール部分の炭素原子を介してカルボニル炭素原子に直接結合されていることを伝えることを意図する。-[CH2-CHR3-O]-基についての角括弧の使用は、各R3基が必ずしも同じであることを暗示するとは限らない。それに反する定めがない限り、所与の化合物は、鎖の各繰り返し単位に同じまたは異なるR3置換基を有することができる。たとえば、式(I)の化合物の一部の態様では、x=4である。一部のそのような態様では、Ra3は、各場合において、水素であることができ、一方、他の場合において、2つのRa3基は水素であることができ、他の2つのRa3基はメチルであることができる。
【0026】
理論に縛られることを望むものではないが、複数のフェノール酸化防止剤の使用は、酸化防止剤としての単一フェノール化合物の使用と比べて、都合の良い酸化防止剤の強さおよび安定度を付与すると考えられる。
【0027】
一部の態様では、フェノール組成物は、式(III):
【0028】
【0029】
[式中、
L3は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x3は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2およびx3の何れも同じではなく;
Rc1は、C1~8アルキル基であり;
Rc2は、C1~8アルキル基であり;
各Rc3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される]
の化合物をさらに含むことができる。
【0030】
一部の態様では、フェノール組成物は、式(IV):
【0031】
【0032】
[式中、
L4は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x4は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3およびx4の何れも同じではなく;
Rd1は、C1~8アルキル基であり;
Rd2は、C1~8アルキル基であり;
各Rd3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される]
の化合物をさらに含むことができる。
【0033】
一部の態様では、フェノール組成物は、式(V):
【0034】
【0035】
[式中、
L5は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x5は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4およびx5の何れも同じではなく;
Re1は、C1~8アルキル基であり;
Re2は、C1~8アルキル基であり;
各Re3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される]
の化合物をさらに含むことができる。
【0036】
一部の態様では、フェノール組成物は、式(VI):
【0037】
【0038】
[式中、
L6は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x6は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4、x5およびx6の何れも同じではなく;
Rf1は、C1~8アルキル基であり;
Rf2は、C1~8アルキル基であり;
各Rf3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される]
の化合物をさらに含むことができる。
【0039】
一部の態様では、フェノール組成物は、式(VII):
【0040】
【0041】
[式中、
L7は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x7は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4、x5、x6およびx7の何れも同じではなく;
Rg1は、C1~8アルキル基であり;
Rg2は、C1~8アルキル基であり;
各Rg3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される]
の化合物をさらに含むことができる。
【0042】
一部の態様では、フェノール組成物は、式(VIII):
【0043】
【0044】
[式中、
L8は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x8は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4、x5、x6、x7およびx8の何れも同じではなく;
Rh1は、C1~8アルキル基であり;
Rh2は、C1~8アルキル基であり;
各Rh3は、H、CH3およびCH2CH3からなる群から独立して選択される]
の化合物をさらに含むことができる。
【0045】
一部の態様では、L置換基のそれぞれ(すなわち、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7およびL8)が、同じであることが好ましい。たとえば、各L置換基はヌルであることができるか、または各L置換基は-CH2-であることができるか、または各L置換基は-CH2CH2-であることができるか、または各L置換基は-CH2CH2CH2-であることができる。好ましい態様では、各L置換基は-CH2CH2-である。
【0046】
ある特定の態様では、R1置換基(すなわち、Ra1、Rb1、Rc1、Rd1、Re1、Rf1、Rg1およびRh1)が、R2置換基(すなわち、Ra2、Rb2、Rc2、Rd2、Re2、Rf2、Rg2およびRh2)と同じではないことが好ましい。たとえば、R1置換基のそれぞれはtert-ブチル基であることができ、一方、R2置換基のそれぞれは直鎖状C1~8アルキル基(すなわち、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチルまたはn-オクチル)であることができる。ある特定の態様では、R1置換基のそれぞれがtert-ブチル基であり、R2置換基のそれぞれがメチル基であり、またはR2置換基のそれぞれがエチル基であることが好ましい。
【0047】
一部の態様では、R3置換基のそれぞれ(すなわち、Ra3、Rb3、Rc3、Rd3、Re3、Rf3、Rg3およびRh3)が、同じであることが好ましい。たとえば、R3置換基のそれぞれはHであることができるか、またはR3置換基のそれぞれはCH3であることができる。他の態様では、R3置換基の少なくとも1つはHであり、R3置換基の少なくとも1つはCH3である。
【0048】
R1置換基のそれぞれが同じであり、R2置換基のそれぞれが同じであり、R3置換基のそれぞれが同じであり、L置換基のそれぞれが同じである態様では、フェノール組成物は、一般式:
【0049】
【0050】
[式中、
Lは、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
R1は、C1~8アルキル基であり;
R2は、C1~8アルキル基であり;
R3は、H、CH3またはCH2CH3であり;
nは、2より大きく50未満、好ましくは、3より大きく50未満、4より大きく25未満、4より大きく10未満、5より大きく15未満、8より大きく20未満、または12より大きく25未満である]
を有する複数の化合物として記述されうる。
【0051】
所与のフェノール組成物の「n」値は、UV/Vis検出器を用いるHPLC分析によって決定されてもよい。この種の分析は、この種のフェノール組成物を用いて最も正確な再現可能な結果を与えるであろうことから、ポリマー分布の各成分のレベルを定量化するための好ましい方法である。他の態様では、質量分析データも使用してもよい。
【0052】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=4であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=3であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0053】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=4であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=3であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=5であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0054】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=5であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=4であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0055】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=5であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=4であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=6であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0056】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=6であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=5であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0057】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=6であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=5であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=7であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0058】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=7であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=6であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0059】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=7であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=6であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=8であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0060】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=8であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=7であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0061】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=8であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=7であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=9であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0062】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=9であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=7であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0063】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=9であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=7であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=10であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0064】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=10であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=9であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0065】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=10であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=9であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=11であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0066】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=11であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=10であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0067】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=11であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=10であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=12であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0068】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=12であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=11であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0069】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=12であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=11であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=13であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0070】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=13であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=12であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0071】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=13であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=12であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=14であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0072】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=14であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=13であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0073】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=14であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=13であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=15であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0074】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=15であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=14であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0075】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=15であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=14であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=16であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0076】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=16であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=15であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0077】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=16であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=15であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=17であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0078】
一部の態様では、式Iの化合物は、x1=17であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=16であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0079】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=17であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=16であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=18であることを特徴とする。式Iの化合物は、フェノール組成物中に、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよく、式IIIの化合物は、フェノール組成物の総質量に対して15~75%の量で存在してもよい。
【0080】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=3であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=4であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=5であることを特徴とし、式IVの化合物は、x4=6であることを特徴とし、式Vの化合物は、x5=7であることを特徴とし、式VIの化合物は、x6=8であることを特徴とし、式VIIの化合物は、x7=9であることを特徴とし、式VIIIの化合物は、x8=10であることを特徴とする。これらの化合物は、フェノール組成物中に、以下の表に示す(フェノール組成物の総質量に対する重量パーセントとして表現される)通りに存在してもよい:
【0081】
【0082】
【0083】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=6であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=7であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=8であることを特徴とし、式IVの化合物は、x4=9であることを特徴とし、式Vの化合物は、x5=10であることを特徴とし、式VIの化合物は、x6=11であることを特徴とし、式VIIの化合物は、x7=12であることを特徴とし、式VIIIの化合物は、x8=13であることを特徴とする。これらの化合物は、フェノール組成物中に、以下の表に示す(フェノール組成物の総質量に対する重量パーセントとして表現される)通りに存在してもよい:
【0084】
【0085】
【0086】
ある特定の態様では、式Iの化合物は、x1=10であることを特徴とし、式IIの化合物は、x2=11であることを特徴とし、式IIIの化合物は、x3=12であることを特徴とし、式IVの化合物は、x4=13であることを特徴とし、式Vの化合物は、x5=14であることを特徴とし、式VIの化合物は、x6=15であることを特徴とし、式VIIの化合物は、x7=16であることを特徴とし、式VIIIの化合物は、x8=17であることを特徴とする。これらの化合物は、フェノール組成物中に、以下の表に示す(フェノール組成物の総質量に対する重量パーセントとして表現される)通りに存在してもよい:
【0087】
【0088】
フェノール組成物において使用されてもよい例示的なフェノール化合物は、以下を含む:
【0089】
【0090】
【0091】
発明材料の製造、加工、輸送、貯蔵および使用により、不純物が生じてもよい。
【0092】
そのような不純物は、発明材料を作製するための反応過程、たとえばR1またはR2基の喪失、カルボン酸とのエステル結合の加水分解、PEGが-OH基で終端するペグ化エステルをもたらすPEG鎖との単一のエステル交換の、副産物から存在しうる。PEG不純物のモノエステルの追加の不純物は、自動酸化生成物をもたらすことができ、ここで、-OHは、-CHOまたは-CO2H基を形成してもよい。これらの分子は、不純物とみなされうるものであり、それらの存在は、組成物の分子の大部分(および好ましくは実質的な大部分)が記述されている通りである限り、本発明を否定することはない。何れにしても、この種の変動性を呈している組成物は、本発明および材料が示されている式「によって表される」という記述によって包括されるものと解釈されるべきである。
【0093】
フェノール組成物中の不純物は、生成物の自動酸化からまたはラジカルの捕捉から生じることもある。これらの不純物は、とりわけ洗剤または用途における使用の間、生成物の一部であることが予想される。酸化から予想される不純物の例は、Zhangら、J Material Sci Eng.6:393において見ることができる。
【0094】
ここで開示されるフェノール組成物は、多種多様な洗濯ケア組成物に調合されてもよい。好適な洗濯ケア組成物は、粉末洗濯洗剤、洗剤タブレットおよびバー、洗浄添加剤、軽質液体、重質液体、濃縮液体洗剤、非水性または低水性洗濯液体を含む洗濯洗剤液体、一回量包装小袋、石鹸バー、洗濯ビーズ、乾燥機用シート、溶けるシート、およびそれらの組合せを含む。フェノール組成物は、洗濯ケア組成物の総重量に対して、0.0001重量%~1.0重量%、0.0001重量%~0.5重量%、0.0001重量%~0.1重量%、0.0001重量%~0.01重量%、0.0001重量%~0.001重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.01重量%~1.0重量%、0.1重量%~1.0重量%、または0.5重量%~1.0重量%の量で存在してもよい。
【0095】
洗濯ケア組成物は、液体組成物の形態であってもよい。液体組成物は、組成物の約0重量%~約99重量%、または約30重量%~約90重量%、または約50重量%~約80重量%の、水を含んでもよい。液体組成物は、非水性液体洗剤を含んでもよい。
【0096】
洗濯ケア組成物は、固体組成物の形態であってもよい。固体組成物は、組成物の約20重量%~約98重量%の、固体組成物を形成するための水溶性担体を含んでもよい。非限定的であるが好ましい例では、固体組成物を形成するための水溶性担体は、ポリエチレングリコールであってもよい。ポリエチレングリコール担体は、約2000~約20,000ダルトン、好ましくは約5000~約15,000ダルトン、より好ましくは約6000~約12,000ダルトンの、重量平均分子量を有してもよい。固体組成物は、組成物の約20重量%未満、好ましくは約15重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、さらに一層好ましくは約1重量%未満の、水を含んでもよい。好ましい例では、洗濯ケア組成物は、顆粒または粒子の形態である。顆粒および粒子は、球状、半球状、圧縮された半球状、レンズ豆形状、楕円状、およびそれらの混合物からなる群から選択される形状を有してもよい。当業者ならば、これらの形状が非限定的であること、ならびに顆粒および粒子が、そのような顆粒および粒子について当技術分野において公知である何れか他の形状を有してもよいことを認識しうる。顆粒は、約0.1mm~約2mmの最大寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)および約0.05mm~約1.5mmの最小寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)を有してもよい。粒子は、約2mm~約10mmの最大寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)および約1.5mm~約4mmの最小寸法(すなわち、長さ、幅、高さ、直径)を有してもよい。
【0097】
洗濯ケア組成物は、自由流動性であってもよい。そのような自由流動性洗濯ケア組成物は、消費者が容器を開け、所望される量の洗濯ケア組成物を容易に投与しうるように、容器内に梱包されてもよい。容器は、洗濯ケア組成物を含有するのに好適な、当技術分野において公知の如何なる容器であってもよい。たとえば、容器は、約50cm3~約1500cm3の容積を有してもよい。容器は、食料品店の棚への配置のため、消費者の自宅内での配置のため、または商業的設定、たとえばコインランドリー内での使用のために、何れかの好適なサイズおよび形状のものであってもよい。
【0098】
洗濯ケア組成物は、一回量包装物品、たとえば例を挙げると、単一区画パウチ、多区画パウチ、溶けるシート、線維状物品、タブレット、バー、またはそれらの混合物に組み込まれてもよいことも企図されている。そのようなパウチは、洗濯ケア組成物を少なくとも部分的にカプセル化する、水溶性フィルム、たとえばポリビニルアルコール水溶性フィルムを典型的には含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC、Indiana、United Statesから市販されているものを含む。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つまたは少なくとも4つの区画を含んでもよい。多区画パウチは、隣り合っているおよび/または重ね合わさっている区画を含んでもよい。パウチまたはその区画に含有される洗濯ケア組成物は、液体形態のもの、固体形態のもの、またはそれらの組合せであってもよい。
【0099】
パウチ内にカプセル化された洗濯ケア組成物は、比較的少量の水、たとえば、洗濯ケア組成物の約20重量%未満、または約15重量%未満、または約12重量%未満、または約10重量%未満、または約8重量%未満の、水を有してもよい。
【0100】
洗濯ケア組成物は、1種以上の界面活性剤、たとえば、洗濯ケア組成物の約0.1重量%~約80重量%の量の、界面活性剤をさらに含んでもよい。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。アニオン性および非イオン性界面活性剤は、典型的には、洗濯ケア組成物が洗濯クリーニング組成物または洗剤である場合に使用される。カチオン性界面活性剤は、典型的には、洗濯ケア組成物が布地柔軟化組成物である場合に使用される。界面活性剤は、汚れ除去を提供し、酸化防止剤を分散させるのを援助しうる一方、布地への酸化防止剤の堆積に悪影響を及ぼさない。
【0101】
好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化脂肪アルコール(たとえば、エトキシル化脂肪アルコール);アルコキシル化アルキルフェノール;アルキルフェノール縮合物;中鎖分枝アルコール;中鎖分枝アルキルアルコキシレート;アルキル多糖;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;エーテルキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤;およびそれらの混合物を含んでもよいがこれらに限定されない。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、またはそれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖状、分枝(たとえば、中鎖分枝)、またはそれらの組合せであってもよい。好適な非イオン性界面活性剤の例は、BASF、Ludwigshafen、Germanyから商標名PLURONIC(登録商標)で市販されているもの、Shell、The Hague、The Netherlandsから商標名NEODOL(登録商標)非イオン性で市販されているもの、およびHuntsman Corporation、The Woodlands、Tex.、United Statesから商標名SURFONIC(登録商標)で市販されているものを含んでもよい。
【0102】
好適なアニオン性界面活性剤は、スルフェート洗浄性界面活性剤(たとえば、アルコキシル化および/または非アルコキシル化アルキルスルフェート材料);および/またはスルホン酸洗浄性界面活性剤(たとえば、アルキルベンゼンスルホネート)を含んでもよいがこれらに限定されない。アニオン性界面活性剤は、直鎖状、分枝、またはそれらの組合せであってもよい。好ましいアニオン性界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、アルキルエトキシル化スルフェート(AES)、アルキルスルフェート(AS)、およびそれらの混合物を含んでもよいがこれらに限定されない。他の好適なアニオン性界面活性剤は、分枝変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、および/またはアルキルエトキシル化カルボキシレート(AEC)を含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、またはそれらの混合物で存在してもよい。アニオン性界面活性剤は、たとえば、アルカリ金属(たとえば、ナトリウム)またはアミン(たとえば、モノエタノールアミン)によって、部分的にまたは全体的に中和されてもよい。アニオン性界面活性剤は、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン、たとえばエタノールアミン、またはそれらの混合物で、予め中和されてもよい。
【0103】
好適な両性界面活性剤は、当業者に公知である何れかの従来の両性界面活性剤、たとえばアミンオキシドを含んでもよい。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシドまたはアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、およびさらに一層好ましくはココジメチルアミノオキシドを含んでもよい。アミンオキシドは、直鎖状または中分枝アルキル部分を有してもよい。典型的な直鎖状アミンオキシドは、1つのC8~18アルキル部分と、C1~3アルキル基、C1~3ヒドロキシアルキル基およびそれらの混合物からなる群から選択される2つの部分とを含有する、水溶性アミンオキシドを含んでもよい。好ましくは、アミンオキシドは、式R4-N(R5)(R6)O[式中、R4は、C8~18アルキルであり、R5およびR6は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピルおよび3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される]によって特徴付けられる。アミンオキシド界面活性剤は、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシドおよび直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを含んでもよい。
【0104】
好適な両性イオン性界面活性剤は、当業者に公知である何れかの従来の両性イオン性界面活性剤、たとえばベタイン、特にアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシベタインおよびホスホベタインを含んでもよい。好適なベタインの例は、アルキルジメチルベタインおよびココジメチルアミドプロピルベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートを含んでもよく、ここで、アルキル基は、C8~C18、またはC8~C14であることができる。好適なカチオン性界面活性剤は、アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル三元スルホニウム化合物、およびそれらの混合物を含んでもよいがこれらに限定されない。好ましいカチオン性界面活性剤は、一般式:(R7)(R8)(R9)(R10-)N+X-[式中、R7は、直鎖状または分枝、置換または無置換のC6~18アルキルまたはアルケニル部分であり、R8およびR9は、メチルまたはエチル部分から独立して選択され、R10は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチル部分であり、Xは、電荷中性を提供するアニオンであり、好ましいアニオンは、ハロゲン化物、好ましくは塩化物;スルフェート;およびスルホネートを含む]を有する第四級アンモニウム化合物である。本発明の目的のために、カチオン性界面活性剤は、布地ケア利益を創出することができるものを含む。有用なカチオン性界面活性剤の非限定的な例は、脂肪族アミン、イミダゾリンクワット材料および第四級アンモニウム界面活性剤、好ましくはN,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(タロウオイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N-(2ヒドロキシエチル)N-メチルアンモニウムメチルスルフェート;1,2-ジ(ステアロイル-オキシ)3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリド;ジアルキレンジメチルアンモニウム塩、たとえばジキャノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(硬化)獣脂ジメチルアンモニウムクロリドジキャノーラジメチルアンモニウムメチルスルフェート;1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルスルフェート;1-タロウイルアミドエチル-2-タロウイルイリミダゾリン;N,N”-ジアルキルジエチレントリアミン;N-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-エチレンジアミンまたはN-(2-ヒドロキシイソプロピル)-1,2-エチレンジアミンと脂肪酸でエステル化されたグリコール酸との反応生成物を含み、ここで、脂肪酸は、(水添)獣脂脂肪酸、パーム脂肪酸、水添パーム脂肪酸、オレイン酸、ナタネ脂肪酸、水添ナタネ脂肪酸、および上記の混合物である。
【0105】
本発明の洗剤組成物は、幾つもの追加の任意の原料も含んでもよい。これらは、従来の洗濯洗剤組成物成分、たとえば非着色染料、洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤(たとえばプロピレングリコール、ホウ酸および/またはホウ砂)、泡抑制剤、汚れ懸濁化剤、色相付与剤、汚れ放出剤、他の布地ケア利益剤、pH調整剤、キレート化剤、スメクタイト粘土、溶媒、ヒドロトロープおよび相安定剤、構造化剤、移染阻害剤、乳白剤、光学的光沢剤、香料ならびに着色化剤を含む。種々の任意の洗剤組成物原料は、ここで組成物中に存在する場合、組成物または洗濯作業へのそれらの所望の寄与をもたらすために慣例的に使用される濃度で利用されるべきである。高頻度で、そのような任意の洗剤組成物原料の総量は、組成物の約0.01重量%~約50重量%、より好ましくは約0.1重量%~約30重量%の範囲に及ぶことができる。
【0106】
ビルダー - 本発明の組成物は、1種以上の洗剤ビルダーまたはビルダーシステムを含むことができる。存在する場合、組成物は、典型的には、少なくとも約1%のビルダー、または、前記ビルダーの約5重量%もしくは10重量%~約80重量%、50重量%もしくはさらには30重量%を含むことになる。ビルダーは、アルカリ金属、ポリホスフェートのアンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類およびアルカリ金属炭酸塩、アルミノケイ酸塩ビルダーであるポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸、およびカルボキシメチル-オキシコハク酸、種々のアルカリ金属、ポリ酢酸のアンモニウムおよび置換アンモニウム塩、たとえばエチレンジアミン四酢酸およびニトリロ三酢酸、ならびに、ポリカルボキシレート、たとえばメリト酸、コハク酸、オキシ二コハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸およびそれらの可溶性塩を含むがこれらに限定されない。
【0107】
キレート化剤 - ここで組成物は、1種以上の銅、鉄および/またはマンガンキレート化剤も任意に含有してもよい。利用される場合、キレート化剤は、概して、ここで組成物の約0.1重量%~約15重量%、またはさらにはここで組成物の約3.0重量%~約15重量%を構成することになる。
【0108】
色相付与剤 - 本発明の組成物は、1種以上の色相付与剤も含んでもよい。好適な色相付与剤は、青色もしくは紫色アゾ着色剤、トリアリールメタン染料または種々のロイコ染料からなる。色相付与剤の種々の非限定的な例は、米国特許第10,731,112号および同第10,876,079号において開示されている。ここで組成物中に存在する場合、色相付与染料は、クリーニング組成物の約0.0001重量%~、約0.01重量%~、約0.05重量%~クリーニング組成物の約1重量%、またはさらには約0.1重量%のレベルで存在する。
【0109】
移染阻害剤 - 本発明の組成物は、1種以上の移染阻害剤も含んでもよい。好適なポリマー性移染阻害剤は、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンおよびN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドンならびにポリビニルイミダゾールまたはそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。ここで組成物中に存在する場合、移染阻害剤は、クリーニング組成物の約0.0001重量%~、約0.01重量%~、約0.05重量%~クリーニング組成物の約10重量%、約2重量%、またはさらには約1重量%のレベルで存在する。
【0110】
分散剤 - 本発明の組成物は、分散剤も含有することができる。好適な水溶性有機材料は、ホモもしくはコポリマー酸またはそれらの塩であり、ここで、ポリカルボン酸は、2個以下の炭素原子によって互いに分離されている少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含んでもよい。
【0111】
酵素 - 組成物は、クリーニング性能および/または布地ケア利益を提供する1種以上の洗剤酵素を含むことができる。好適な酵素の例は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼ、またはそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。典型的な組合せは、アミラーゼと併せた従来の適用可能な酵素、たとえばプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼおよび/またはセルラーゼのカクテルである。
【0112】
酵素安定剤 - 組成物における使用のための酵素、たとえば、洗剤は、種々の技術によって安定化されうる。ここで使用される酵素は、カルシウムおよび/またはマグネシウムイオンを酵素に提供する完成した組成物中のそのようなイオンの水溶性供給源の存在によって安定化されうる。
【0113】
洗剤組成物は、漂白剤も含有してもよい。好適な漂白剤は、たとえば、過酸化水素供給源、たとえばここで組み込まれるKirk Othmer著、Encyclopedia of Chemical Technology、第4版(1992、John Wiley&Sons)、第4巻、pp.271~300「Bleaching Agents(Survey)」において詳細に記述されているものを含む。これらの過酸化水素供給源は、これらの化合物の種々のコーティングおよび修飾された形態を含む、過ホウ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムの種々の形態を含む。
【0114】
ここで使用される過酸化水素の好ましい供給源は、過酸化水素自体を含む何れかの好都合な供給源であることができる。たとえば、過ホウ酸塩、たとえば、過ホウ酸ナトリウム(何れかの水和物であるが好ましくは一または四水和物)、炭酸ナトリウム過酸化水素化物もしくは同等の過炭酸塩、ピロリン酸ナトリウムペルオキシ水和物、尿素ペルオキシ水和物、または過酸化ナトリウムがここで使用されうる。利用可能な酸素の供給源、たとえばペルスルフェート漂白物(たとえば、DuPont製のオキソン)も有用である。過ホウ酸ナトリウム一水和物および過炭酸ナトリウムが特に好ましい。何れかの好都合な過酸化水素供給源の混合物も使用されうる。
【0115】
漂白活性化剤 - 好ましくは、組成物中の過酸素漂白成分は、活性化剤(過酸前駆体)と調合される。活性化剤は、組成物の約0.01重量%~、好ましくは約0.5重量%~、より好ましくは約1重量%~約15重量%、好ましくは~約10重量%、より好ましくは~約8重量%のレベルで存在する。ここで使用される場合の漂白活性化剤は、過酸化水素と併せて使用される場合、供給源が漂白活性化剤に対応する過酸のインサイチュー生成につながる何れかの化合物である。活性化剤の種々の非限定的な例は、米国特許第5,576,282号;同第4,915,854号および同第4,412,934号において開示されている。ここで有用な他の典型的な漂白物および活性化剤については、米国特許第4,634,551号も参照されたい。
【0116】
好ましい活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4-ニトロベンゾイルカプロラクタム、3-クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、安息香酸フェニル(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C10-OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C8-OBS)、過加水分解性エステルおよびそれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、ベンゾイルカプロラクタムおよびベンゾイルバレロラクタムである。約8~約11のpH範囲内の特に好ましい漂白活性化剤は、OBSまたはVL脱離基を有するものが選択される。
【0117】
好ましい疎水性漂白活性化剤は、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS);4-[N-(ノナノイル)アミノヘキサノイルオキシ]-ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(NACA-OBS)、その例は米国特許第5,523,434号において記述されている;ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(LOBSまたはC12-OBS);10-ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(10位に不飽和を持つUDOBSまたはC11-OBS);およびデカノイルオキシ安息香酸(DOBA)を含むがこれらに限定されない。
【0118】
好ましい漂白活性化剤は、Burnsらの米国特許第5,998,350号;Christieらの米国特許第5,698,504号;Christieらの米国特許第5,695,679号;Willeyらの米国特許第5,686,401号、Hartshornらの米国特許第5,686,014号;Willeyらの米国特許第5,405,412号;Willeyらの米国特許第5,405,413号;Mitchelらの米国特許第5,130,045号;およびChungらの米国特許第4,412,934号、ならびに同時係属中の特許出願第08/064,564号において記述されているものであり、これらのすべては、参照によりここに組み込まれる。
【0119】
金属含有漂白触媒 - 本発明の組成物および方法は、金属含有漂白触媒、好ましくはマンガンおよびコバルト含有漂白触媒も任意に含むことができる。
【0120】
一種の金属含有漂白触媒は、定義された漂白触媒活性の遷移金属カチオン(たとえば銅、鉄、チタン、ルテニウムタングステン、モリブデンまたはマンガンカチオン)、漂白触媒活性をほとんどまたは全く有さない補助金属カチオン(たとえば亜鉛またはアルミニウムカチオン)、ならびに触媒および補助金属カチオンについて定義された安定度定数を有するセクエストレート、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびそれらの水溶性塩を含む、触媒システムである。そのような触媒は、Braggの米国特許第4,430,243号において開示されている。
【0121】
漂白ブースト化合物 - ここで組成物は、1種以上の漂白ブースト化合物を含んでもよい。漂白ブースト化合物は、低温用途において漂白有効性の増大を提供する。漂白ブースターは、従来の過酸素漂白供給源と併せて作用して、漂白有効性の増大を提供する。これは、活性酸素移動剤、たとえばジオキシラン、オキサジリジンまたはオキサジリジニウムのインサイチュー形成を通して通常遂行される。あるいは、予め形成されたジオキシラン、オキサジリジンおよびオキサジリジニウムが使用されてもよい。
【0122】
中でも、本発明に従う使用のための好適な漂白ブースト化合物は、約+3~約-3の正味電荷を有する、カチオン性イミン、両性イオン性イミン、アニオン性イミンおよび/またはポリイオン性イミン、ならびにそれらの混合物である。本発明のこれらのイミン漂白ブースト化合物は、一般構造:
【0123】
【0124】
[式中、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立して、水素、またはフェニル、アリール、ヘテロ環式環、アルキルおよびシクロアルキルラジカルからなる群から選択される無置換もしくは置換ラジカルである]
のものを含む。
【0125】
好ましい漂白ブースト化合物の中には、米国特許第5,576,282号および同第5,718,614号において記述されている両性イオン性漂白ブースターがある。他の漂白ブースト化合物は、米国特許第5,360,569号;同第5,442,066号;同第5,478,357号;同第5,370,826号;同第5,482,515号;同第5,550,256号;ならびにWO95/13351、WO95/13352およびWO95/13353において記述されている、カチオン性漂白ブースターを含む。
【0126】
過酸素供給源は当技術分野において周知であり、本発明において使用される過酸素供給源は、過酸素化合物、および消費者の使用条件下で有効量の過酸素をインサイチューで提供する化合物を含む、これらの周知の供給源の何れかを含んでもよい。過酸素供給源は、過酸化水素供給源、過酸化水素供給源と漂白活性化剤との反応を経由する過酸アニオンのインサイチュー形成、好適な過酸素供給源の予め形成された過酸化合物または混合物を含んでもよい。当然ながら、当業者ならば、過酸素の他の供給源を本発明の範囲から逸脱することなく使用してもよいことを認識するであろう。漂白ブースト化合物は、存在する場合、本発明の漂白システムにおいて好ましくは過酸素供給源と併せて使用される。
【0127】
光漂白物 - 本発明の処理組成物における使用のための好適な光漂白物は、米国特許第4,217,105号および同第5,916,481号において記述されている光漂白物を含むがこれらに限定されない。
【0128】
酵素漂白 - 酵素システムは、漂白剤として使用されてもよい。過酸化水素は、洗浄および/またはすすぎ過程の最初または最中に過酸化水素を発生させることができる酵素システム(すなわち、酵素およびそのための基質)を添加することによって存在していてもよい。そのような酵素システムは、October 9,1991に出願された欧州特許出願第91202655.6号において開示されている。
【0129】
液体洗剤組成物は、界面活性剤、フェノール組成物およびある特定の任意の他の原料の、水溶液または均一な分散体もしくは懸濁液の形態であり、そのうちの一部は、通常は固体形態であってもよく、これは、組成物の通常は液体の成分、たとえば液体アルコールエトキシレート非イオン性、水性液体担体、および何れかの他の通常は液体の任意の原料と合わせたものである。そのような溶液、分散体または懸濁液は、許容可能に相安定となり、典型的には、約100~600cps、より好ましくは約150~400cpsの範囲に及ぶ粘度を有することになる。本発明の目的のために、粘度は、Brookfield LVDV-II+粘度計装置で21番スピンドルを使用して測定される。
【0130】
ここで液体洗剤組成物は、その成分を何れかの好都合な順序で合わせることによって、および得られた成分の組合せを混合して、たとえばかき混ぜて、相安定な液体洗剤組成物を形成することによって、調製されうる。そのような組成物を調製するための好ましい方法において、液体マトリックスは、液体成分、たとえば非イオン性界面活性剤、非表面活性液体担体および他の任意の液体成分の少なくとも大きい割合、好ましくは実質的にすべてを含有して形成され、液体成分は、この液体組合せにせん断かき混ぜを付与することによって徹底的に混和される。たとえば、機械的撹拌子による急速撹拌を有用に使用してもよい。せん断かき混ぜが維持されている間、何れかのアニオン性界面活性剤および固体形態原料のすべてを実質的に添加することができる。混合物のかき混ぜを続け、必要ならば、この時点で増大させて、液相内に不溶性固相微粒子の溶液または均一な分散体を形成することができる。固体形体材料の一部またはすべてをこのかき混ぜた混合物に添加した後、含まれる何れかの酵素材料、たとえば酵素プリルの、粒子を組み込む。上記で記述した組成物調製手順の変形形態として、1つ以上の固体成分を、1つ以上の液体成分のごく一部と予め混合した粒子の溶液またはスラリーとして、かき混ぜた混合物に添加してもよい。組成物成分のすべてを添加後、混合物のかき混ぜを、必須の粘度および相安定特性を有する組成物を形成するために十分な時間にわたって続ける。高頻度で、これは約30~60分間にわたるかき混ぜを伴うことになる。
【0131】
液体洗剤組成物を形成するための代替的な態様では、フェノール組成物を1つ以上の液体成分と最初に合わせてフェノール組成物プレミックスを形成し、このプレミックスを、相当な割合、たとえば洗濯洗剤組成物の成分の残余の50重量%超、より具体的には70重量%超、一層さらに具体的には90重量%超を含有する組成物調合物に添加する。たとえば、上述した方法論において、フェノール組成物プレミックスと酵素成分の両方を成分添加の最終段階で添加する。さらなる態様では、フェノール組成物を洗剤組成物への添加前にカプセル化し、カプセル化されたフェノール組成物を構造化された液体に懸濁し、懸濁液を、洗濯洗剤組成物の成分の残余の相当な割合を含有する組成物調合物に添加する。
【0132】
上記で記述した通りに調製した本発明の組成物を使用して、テキスタイル基材、たとえば布地の洗濯における使用のための水性洗浄溶液を形成することができる。概して、有効量のそのような組成物を、水に、好ましくは従来の布地洗濯用自動洗浄機内で添加して、そのような水性洗濯溶液を形成する。次いで、そのようにして形成された水性洗浄溶液を、好ましくはかき混ぜながら、それで洗濯される布地と接触させる。ここで記述されている有効量の液体洗剤組成物を水に添加して、水性洗浄溶液中に約500~7,000ppmの洗剤組成物を含む水性洗濯溶液を形成する。より好ましくは、ここで記述されている約1,000~3,000ppmの洗剤組成物が水性洗浄溶液中に提供されることになる。
【0133】
布地処理組成物/すすぎ液添加布地柔軟化組成物
別の具体的な態様では、本発明のフェノール組成物が布地処理組成物に含まれてもよい。布地処理組成物は、少なくとも1種のフェノール組成物およびすすぎ液添加布地柔軟化組成物(「RAFS」;すすぎ液添加布地コンディショニング組成物としても公知)で構成されていてもよい。典型的なすすぎ液添加柔軟化組成物の例は、October 8,2004に出願された米国仮特許出願第60/687582号において見ることができる。本発明のすすぎ液添加布地柔軟化組成物は、(a)布地柔軟化活性物(「FSA」)および(b)フェノール組成物を含んでもよい。すすぎ液添加布地柔軟化組成物は、約1重量%~約90重量%のFSA、より好ましくは約5重量%~約50重量%のFSAを含んでもよい。フェノール組成物は、すすぎ液添加布地柔軟化組成物中に、約0.5ppb~約10000ppm、より好ましくは約0.5ppm~約1000ppmの量で存在してもよい。
【0134】
本発明の一態様では、布地柔軟化活性物は、すすぎ工程において布地を柔軟化するために好適な第四級アンモニウム化合物である。一態様では、FSAは、脂肪酸とアミノアルコールとの反応生成物から形成され、モノ、ジおよび一態様ではトリエステル化合物の混合物を取得する。別の態様では、FSAは、1種以上の柔軟剤第四級アンモニウム化合物、たとえばモノアルキル第四級アンモニウム化合物、ジアミド第四級化合物およびジエステル第四級アンモニウム化合物、またはそれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
【0135】
本発明の一側面では、FSAは、ジエステル第四級アンモニウム(以後、「DQA」)化合物組成を含む。本発明のある特定の態様では、DQA化合物組成は、ジアミドFSA、ならびに、混合アミドおよびエステル結合ならびに先述のジエステル結合を持つFSAの記述も包括し、ここではいずれもDQAと称される。
【0136】
FSAとして好適な第1の種類のDQA(「DQA(1)」)は、式:
{R15
4~m-N+-[(CH2)n-Y-R16]m}X-
[式中、各R15置換基は、水素、短鎖C1~C6、好ましくはC1~C3アルキルまたはヒドロキシアルキル基、たとえばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル等、ポリ(C2~3アルコキシ)、好ましくはポリエトキシ基、ベンジル、またはそれらの混合物のいずれかであり;各mは、2または3であり;各nは、1~約4、好ましくは2であり;各Yは、-O-(O)C-、-C(O)-O-、-NR-C(O)-または-C(O)-NR-であり、各Yが同じであるかまたは異なっていることが許容され;Yが-O-(O)C-または-NR-C(O)-である場合、各R1中の炭素の和プラス1は、C12~C22、好ましくはC14~C20であり、各R16は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル基であり;R1が不飽和または飽和および分枝または直鎖状であることが許容され、好ましくはそれが直鎖状であり;各R1が同じであるかまたは異なっていることが許容され、好ましくはこれらが同じであり;X-は、何れかの柔軟剤適合性アニオン、好ましくは、塩化物、臭化物、メチルスルフェート、エチルスルフェート、スルフェート、ホスフェートおよびニトレート、より好ましくは塩化物またはメチルスルフェートであることができる]
を含む化合物を含む。好ましいDQA化合物は、アルカノールアミン、たとえばMDEA(メチルジエタノールアミン)およびTEA(トリエタノールアミン)を、脂肪酸と反応させることによって典型的には作製される。そのような反応から典型的に生じる一部の材料は、N,N-ジ(アシル-オキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリドまたはN,N-ジ(アシル-オキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを含み、ここで、アシル基は、動物脂肪、不飽和および多価不飽和の脂肪酸、たとえば、獣脂、硬化獣脂、オレイン酸および/または部分水添脂肪酸に由来し、植物油および/または部分水添植物油、たとえば、キャノーラ油、サフラワー油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米ぬか油、パーム油等に由来する。
【0137】
好適な脂肪酸の非限定的な例は、米国特許第5,759,990号、4欄、45~66行に収載されている。一態様では、FSAは、DQA(1)またはDQAに加えて他の活性物を含む。さらに別の態様では、FSAは、DQA(1)またはDQAのみを含み、如何なる他の第四級アンモニウム化合物も他の活性物も含まないまたは本質的に含まない。さらに別の態様では、FSAは、DQAを生成するために使用される前駆体アミンを含む。
【0138】
本発明の別の側面では、FSAは、式:
[R17
4~m-N(+)-R18
m]A-
[式中、各mは、2または3であり、各R18は、C6~C22、好ましくはC14~C20であるが、1つ以下が約C12未満であり、その場合、他が少なくとも約16、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル置換基、好ましくはC10~C20アルキルまたはアルケニル(多価不飽和アルキルを含む不飽和アルキル、時に「アルキレン」とも称される)、最も好ましくはC12~C18アルキルまたはアルケニル、および分枝または非分枝である]
を含むDTTMACと特定される化合物を含む。一態様では、FSAのヨウ素価(IV)は、約1~70であり;各R17は、Hまたは短鎖C1~C6、好ましくはC1~C3アルキルもしくはヒドロキシアルキル基、たとえば、メチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル等、ベンジルもしくは(R19O)2~4Hであり、ここで、各R19は、C1~6アルキレン基であり;A-は、柔軟剤適合性アニオン、好ましくは、塩化物、臭化物、メチルスルフェート、エチルスルフェート、スルフェート、ホスフェートまたはニトレート;より好ましくは塩化物またはメチルスルフェートである。
【0139】
これらのFSAの例は、ジアルキルジメチルアンモニウム塩およびジアルキレンジメチルアンモニウム塩、たとえばジ獣脂ジメチルアンモニウムおよびジ獣脂ジメチルアンモニウムメチルスルフェートを含む。本発明において使用可能な市販のジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、Degussaからそれぞれ商標名Adogen(登録商標)442およびAdogen(登録商標)470で入手可能な、ジ水添獣脂ジメチルアンモニウムクロリドおよびジ獣脂ジメチルアンモニウムクロリドである。一態様では、FSAは、DTTMACに加えて他の活性物を含む。さらに別の態様では、FSAは、DTTMACの化合物のみを含み、如何なる他の第四級アンモニウム化合物も他の活性物も含まないまたは本質的に含まない。
【0140】
一態様では、FSAは、Oct.14,2004に公開されたCoronaらの米国特許公開第2004/0204337A1号、段落30~79において記述されているFSAを含む。別の態様では、FSAは、Nov.18,2005に公開されたSmithらの米国特許公開第2004/0229769A1号、段落26~31;または、「エステルクワット」もしくは四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩について詳述している米国特許第6,494,920号、1欄、51行、以下参照において記述されているものである。
【0141】
一態様では、FSAは、以下のうちの少なくとも1つから選択される:ジタロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ水添タロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ獣脂ジメチルアンモニウムクロリド、ジタロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジ水添タロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ水添タロウオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、またはそれらの組合せ。
【0142】
一態様では、FSAは、アミド含有化合物組成も含んでもよい。ジアミドが含まれる化合物の例は、メチル-ビス(獣脂アミドエチル)-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェート(Degussaから商標名Varisoft110およびVarisoft222で入手可能)を含んでもよいがこれに限定されない。アミド-エステル含有化合物の例は、N-[3-(ステアロイルアミノ)プロピル]-N-[2-(ステアロイルオキシ)エトキシ)エチル)]-N-メチルアミンである。
【0143】
本発明の別の具体的な態様は、カチオン性デンプンをさらに含む、すすぎ液添加布地柔軟化組成物を提供する。カチオン性デンプンは、US2004/0204337A1において開示されている。一態様では、すすぎ液添加布地柔軟化組成物は、布地柔軟化組成物の約0.1重量%~約7重量%のカチオン性デンプンを含む。一態様では、カチオン性デンプンは、National Starch製のHCP401である。
【0144】
例示的な洗濯ケア組成物調合物:
液体洗剤調合物:
表Aは、本発明の少なくとも1種のフェノール組成物を含む液体洗剤調合物の例を提供する。
【0145】
【0146】
【0147】
顆粒状洗剤調合物:
表Bは、本発明の少なくとも1種のフェノール組成物を含む顆粒状洗剤調合物の例を提供する。
【0148】
【0149】
【0150】
布地処理組成物:
表Cは、本発明の少なくとも1種のフェノール組成物を含む液体布地処理組成物の例を提供する。
【0151】
【0152】
【0153】
本発明のフェノール組成物で構成される洗濯ケア組成物で処理されるテキスタイル基材は、合成繊維、天然繊維、または合成および天然繊維の組合せで構成されてもよい。合成繊維は、たとえば、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアラミド、ポリウレタン、再生セルロース(すなわち、レーヨン)、およびそれらの混紡を含む。用語「ポリアミド」は、ポリマー鎖の不可欠な部分として反復アミド基(--NH-CO--)を有するあらゆる長鎖ポリマーを記述するように意図されている。ポリアミドの例は、ナイロン6;ナイロン6,6;ナイロン1,1;およびナイロン6,10を含む。用語「ポリエステル」は、反復エステル基(--C(O)-O--)を有するあらゆる長鎖ポリマーを記述するように意図されている。ポリエステルの例は、芳香族ポリエステル、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、およびポリトリフェニレンテレフタレート、ならびに脂肪族ポリエステル、たとえばポリ乳酸(PLA)を含む。「ポリオレフィン」は、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびそれらの組合せを含む。「ポリアラミド」は、たとえば、ポリ-p-フェニレンテラフタルアミド(すなわち、Kevlar(登録商標))、ポリ-m-フェニレンテラフタルアミド(すなわち、Nomex(登録商標))、およびそれらの組合せを含む。天然繊維は、たとえば、羊毛、綿、亜麻、およびそれらの混紡を含む。
【0154】
テキスタイル基材は、織布、編み布、不織布、またはそれらの組合せを含むがこれらに限定されないあらゆる多様なものであってもよい。テキスタイル基材は、様々な染色技術、たとえば分散染料を用いる高温液流染色、建染染色、サーモゾル染色、パッド染色、転写印刷、スクリーン印刷、または同等のテキスタイル製品のための当技術分野において一般的である何れかの他の技術によって、任意に着色されてもよい。テキスタイル基材を含む糸または繊維は、布地形成前に好適な方法によって、たとえば例を挙げると、パッケージ染色または溶液染色によって、任意に染色されてもよい。
【0155】
テキスタイル基材は、たとえば、衣料物品、たとえば上着(たとえば、レインウェア)、作業服(たとえば、制服)、流行衣料(たとえば、シャツ、パンツおよび他の衣服);カーテン;食卓用リンネル(たとえば、テーブルリネンおよびナプキン);住宅用室内装飾品;商業用室内装飾品;自動車室内装飾品;壁装材;床装材物品(たとえば、カーペット、ラグおよびマット);ヒトの寝具(たとえば、マットレス、マットレスカバー等);ペットの寝具;屋外用布地(たとえば、屋外用家具、天幕、ボートカバーおよびグリルカバー);医療用包帯(たとえば、創傷ケアにおける使用のための布地);ならびに変色を保有することができ、前記変色を制御する(たとえば防止する、除去するおよび/または改良する)ために望ましい、あらゆる他の物品を含む。
【0156】
ある特定の具体的な態様の記述
以下の項目は、上述したフェノール組成物および洗濯ケア組成物のある特定の具体的な態様を記述するものである。
【0157】
1.
a)界面活性剤;と、
b)
i)式:
【0158】
【0159】
[式中、
L1は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x1は、2~50の整数であり;
Ra1は、C1~8アルキル基であり;
Ra2は、C1~8アルキル基であり;
Ra3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第1のフェノール化合物;
ii)式:
【0160】
【0161】
[式中、
L2は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x2は、2~50の整数であり;ただし、x1およびx2は同じではなく;
Rb1は、C1~8アルキル基であり;
Rb2は、C1~8アルキル基であり;
Rb3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第2のフェノール化合物
を含むフェノール組成物と
を含む、洗濯ケア組成物。
【0162】
2.フェノール組成物が、洗濯ケア組成物の総重量に対して、0.0001重量%~1.0重量%、0.0001重量%~0.5重量%、0.0001重量%~0.1重量%、0.0001重量%~0.01重量%、0.0001重量%~0.001重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.01重量%~1.0重量%、0.1重量%~1.0重量%、または0.5重量%~1.0重量%の量で存在する、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0163】
3.Ra1およびRa2が、同じではない、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0164】
4.Rb1およびRa2が、同じではない、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0165】
5.Ra2およびRb2が、それぞれC3~5アルキルである、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0166】
6.Ra2およびRb2が、t-ブチルである、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0167】
7.Ra1およびRb1が、それぞれ直鎖状C1~8アルキル基である、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0168】
8.Ra1およびRb1が、それぞれ直鎖状C1~4アルキル基である、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0169】
9.Ra1およびRb1が、それぞれメチルであるか、またはRa1およびRb1が、それぞれエチルである、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0170】
10.L1が、-CH2CH2-または-CH2CH2CH2-である、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0171】
11.L2が、-CH2CH2-または-CH2CH2CH2-である、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0172】
12.x1が、4~25、4~20、4~15、4~10、4~8、または4~6の整数である、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0173】
13.x2が、2~25、2~20、2~15、2~10、2~8、2~6、または2~4の整数である、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0174】
14.Ra3およびRb3が、それぞれHである、何れかの先行する請求項に記載の洗濯ケア組成物。
【0175】
15.第1のフェノール化合物対第2のフェノール化合物のモル比が、50:1~1:50、25:1~1:25、20:1~1:20、10:1~1:10、5:1~1:5、または2:1~1:2である、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0176】
16.式:
【0177】
【0178】
[式中、
L3は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x3は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2およびx3の何れも同じではなく;
Rc1は、C1~8アルキル基であり;
Rc2は、C1~8アルキル基であり;
Rc3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第3のフェノール化合物をさらに含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0179】
17.式:
【0180】
【0181】
[式中、
L4は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x4は、2~50の整数であり、ただし、x1、x2、x3およびx4の何れも同じではなく、
Rd1は、C1~8アルキル基であり、
Rd2は、C1~8アルキル基であり、
Rd3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第4のフェノール化合物をさらに含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0182】
18.式:
【0183】
【0184】
[式中、
L5は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x5は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4およびx5の何れも同じではなく;
Re1は、C1~8アルキル基であり;
Re2は、C1~8アルキル基であり;
Re3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第5のフェノール化合物をさらに含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0185】
19.式:
【0186】
【0187】
[式中、
L6は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x6は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4、x5およびx6の何れも同じではなく;
Rf1は、C1~8アルキル基であり;
Rf2は、C1~8アルキル基であり;
Rf3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第6のフェノール化合物をさらに含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0188】
20.式:
【0189】
【0190】
[式中、
L7は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x7は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4、x5、x6およびx7の何れも同じではなく;
Rg1は、C1~8アルキル基であり;
Rg2は、C1~8アルキル基であり;
Rg3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第7のフェノール化合物をさらに含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0191】
21.式:
【0192】
【0193】
[式中、
L8は、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
x8は、2~50の整数であり;ただし、x1、x2、x3、x4、x5、x6、x7およびx8の何れも同じではなく;
Rh1は、C1~8アルキル基であり;
Rh2は、C1~8アルキル基であり;
Rh3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第8のフェノール化合物をさらに含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0194】
22.組成物が、粉末洗濯洗剤、洗剤タブレットおよびバー、洗浄添加剤、軽質液体、重質液体、濃縮液体洗剤、非水性または低水性洗濯液体を含む洗濯洗剤液体、一回量包装小袋、石鹸バー等からなる群から選択される、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0195】
23.組成物が液体であり、水、C3~8モノアルコール、C3~8ポリアルコール等から選択される1種以上の溶媒を含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0196】
24.アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または無機もしくはC1~6アルキル有機酸の塩、またはそれらの混合物を含む、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0197】
25.洗濯ケア組成物が、オリゴアミンを含まない、何れかの先行する態様に従う洗濯ケア組成物。
【0198】
26.物品を洗濯する方法であって、物品を、何れかの先行する態様に従う組成物と接触させることを含む、方法。
【0199】
27.物品を、水の存在下で組成物と接触させる、何れかの先行する態様に従う方法。
【0200】
28.物品を、水の存在下、40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下、20℃以下、15℃以下、10℃以下、または5℃以下の温度で組成物と接触させる、何れかの先行する態様に従う方法。
【0201】
29.物品を、水の存在下、室温以下で組成物と接触させる、何れかの先行する態様に従う方法。
【0202】
30.洗濯ケア組成物を製造する方法であって、水溶性担体、界面活性剤およびフェノール組成物を合わせることを含み、前記フェノール組成物が、
式:
【0203】
【0204】
[式中、
Aは、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
xは、2~50の整数であり;
Ra1は、C1~8アルキル基であり;
Ra2は、C1~8アルキル基であり;
Ra3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第1のフェノール化合物;および
式:
【0205】
【0206】
[式中、
Bは、ヌル、-CH2-、-CH2CH2-および-CH2CH2CH2-から選択され、
yは、2~50の整数であり;ただし、xおよびyは同じではなく;
Rb1は、C1~8アルキル基であり;
Rb2は、C1~8アルキル基であり;
Rb3は、H、CH3またはCH2CH3である]
を有する第2のフェノール化合物
を含む、方法。
【0207】
31.何れかの先行する態様の方法によって取得される洗濯ケア組成物。
【0208】
[例]
以下の例は、本発明の例証のみを目的としており、本発明の範囲をたとえ如何なる方式によっても限定することを意図したものではない。
【0209】
例1
フェノール組成物の合成
化合物1:メチル3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-トリル]プロピオネート
【0210】
【0211】
1000mLの四つ口丸底フラスコに、温度プローブ、オーバーヘッド撹拌および還流冷却器を、窒素雰囲気下で取り付けた。反応フラスコに、100gの2-[2-(2-{3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-トリル]プロピオノキシ}エトキシ)エトキシ]エチル3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-トリル]プロピオネート(BASFから入手可能なイルガノックス245)、6gのメタノール中30%ナトリウムメトキシド溶液および200gのメタノールを投入した。反応物を20~25℃で16時間にわたって撹拌し、次いで、2gの酢酸で中和した。反応フラスコに、100mLの蒸留水および100mLのヘキサンを添加し、次いで、フラスコの内容物、続いて追加で300mLの蒸留水を、分液漏斗に移した。相を分離し、有機層を収集し、減圧下で乾燥させて、メチル3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-トリル]プロピオネートを油として取得し、これは静置すると凝固した。
【0212】
組成物1
【0213】
【0214】
[式中、平均n≒4.1]
100mLの三つ口丸底フラスコに、温度プローブ、オーバーヘッド撹拌および冷却器付きのディーン・スタークトラップを、窒素雰囲気下で取り付けた。反応フラスコに、20gのメチル3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-トリル]プロピオネート、8gのPEG200および0.4gのジブチルスズオキシドを投入した。反応物を240℃に加熱し、TLC分析によって完了したと判断されるまで(約18~24時間)撹拌した。生成物を褐色油として取得した。生成物は、上記の式によって包括されるフェノール化合物の分布を含有する組成物であって、nの値は、組成物中に存在するフェノール化合物のエチレンオキシド繰り返し単位の平均数に等しい。
【0215】
組成物2
【0216】
【0217】
[式中、平均n≒6.5]
PEG200の代わりに12gのPEG300を使用したことを除き、組成物1と同じ手順。生成物を暗黄色油として取得した。生成物は、上記の式によって包括されるフェノール化合物の分布を含有する組成物であって、nの値は、組成物中に存在するフェノール化合物のエチレンオキシド繰り返し単位の平均数に等しい。
【0218】
組成物3
【0219】
【0220】
[式中、平均n≒13.2]
PEG200の代わりに24gのPEG600を使用したことを除き、組成物1と同じ手順。生成物を暗黄色油として取得した。生成物は、上記の式によって包括されるフェノール化合物の分布を含有する組成物であって、nの値は、組成物中に存在するフェノール化合物のエチレンオキシド繰り返し単位の平均数に等しい。
【0221】
組成物4
【0222】
【0223】
[式中、平均n≒4.1]
三つ口の100mLの丸底フラスコに、温度プローブ、オーバーヘッド撹拌および冷却器付きのディーン・スタークトラップを、窒素雰囲気下で取り付けた。反応フラスコに、23.4gのメチル3-[3,5-ビス(tert-ブチル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート、8gのPEG200および0.4gのジブチルスズオキシドを投入した。TLCによってモニターした際に完了となるまで、反応物を140℃に加熱した。生成物は、上記の式によって包括されるフェノール化合物の分布を含有する組成物であって、nの値は、組成物中に存在するフェノール化合物のエチレンオキシド繰り返し単位の平均数に等しい。
【0224】
組成物5
【0225】
【0226】
[式中、平均n≒9]
100mLの三つ口丸底フラスコに、温度プローブ、オーバーヘッド撹拌および冷却器付きのディーン・スタークトラップを、窒素雰囲気下で取り付けた。反応フラスコに、20gのメチル3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-トリル]プロピオネート、16gのPEG400および0.4gの酢酸ナトリウムを投入した。反応物を100℃に加熱し、1時間にわたって真空引きをして、残留水を除去した。次いで、反応混合物を160℃に加熱し、TLC分析によって完了したと判断されるまで撹拌した。生成物を冷却し、ジャーに移した。生成物は、上記の式によって包括されるフェノール化合物の分布を含有する組成物であって、nの値は、組成物中に存在するフェノール化合物のエチレンオキシド繰り返し単位の平均数に等しい。
【0227】
化合物2
【0228】
【0229】
[式中、n=4]
100mLの三つ口丸底フラスコに、温度プローブ、オーバーヘッド撹拌および冷却器付きのディーン・スタークトラップを、窒素雰囲気下で取り付けた。反応フラスコに、20gのメチル3-[3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-トリル]プロピオネート、7.2gのテトラエチレングリコール(Sigma-Aldrichから入手可能)および0.4gの酢酸ナトリウムを投入した。反応物を100℃に加熱し、1時間にわたって真空引きをして、残留水を除去した。次いで、反応混合物を160℃に加熱し、TLC分析によって完了したと判断されるまで撹拌した。生成物を冷却し、ジャーに移した。
【0230】
例2
悪臭低減の評価
悪臭低減のための酸化防止剤の効率を試験するために、人工身体汚れ(ABS:artificial body soil)を調製した。人工身体汚れは、ASTM D4265-21からの汚れの修正バージョンである。ABSを調製するために、表1の成分を8オンスのジャー内で合わせ、完全に可溶化するまで70℃に加熱した。
【0231】
【0232】
布地調製:
50/50 綿/ポリインターロック布地(型式7439OB、Testfabrics,Inc.)を、2インチ×5インチの見本に切断した。切断見本に、等間隔に3つの0.36mLポーションの人工身体汚れ組成物を投与した。次いで、布地をマイラーバッグに一緒に入れて密封し、洗浄処理前に37℃で4~7日間にわたってインキュベートした。
【0233】
洗浄水:
表2に収載されている成分をDI水に溶解することによって、洗浄水を7gpgの硬度および800ng/mLの銅で使用した。
【0234】
【0235】
酸化防止剤溶液調製:
酸化防止剤溶液は、試験する酸化防止剤化合物をメタノールに0.5%w/wで溶解することによって調製した。酸化防止剤溶液を、表3に従ってマイクロピペッターを使用し洗浄水(500mL)に投与して、試験に必要とされる洗浄水中における酸化防止剤の所望の濃度を取得した。
【0236】
【0237】
洗浄およびすすぎ方法:
1Lの洗浄ビーカーに、0.4gのタイドフリーアンドジェントル洗剤、500mLの洗浄水(表2で調製した通り)および表3に記述されている通りの酸化防止剤溶液を添加した。洗浄ビーカーをターゲトメーターに入れた。洗浄ビーカーに、2枚のインキュベートした布地見本(4g)、続いて、1枚の11インチ×11インチの50/50 綿/ポリインターロック編地の清浄な布地見本(16g、型式7439OB、Testfabrics,Inc.)を、全液対布地の比が25:1となるように添加した。次いで、布地をターゴトメーター内で15分間にわたって洗浄し、脱水機(The Laundry Alternative,Inc.から入手可能なミニスピンドライヤーモデルLASD-1)内で1分間にわたって脱水した。次いで、布地を脱水機から500mLの新しい洗浄水(上記で調製した通り)に移し、ターゲトメーター内で15分間にわたってすすいだ。次いで、布地を脱水機内で1分間にわたって脱水し、乾燥機に移して、中火で1時間にわたって乾燥させた。乾燥したら、人工身体汚れが処理および洗浄された布地を半分(1インチ×5インチの見本)に切断し、巻き、ヘッドスペース分析のためにガスクロマトグラフィーバイアルに入れた。試験を3回実行し、平均悪臭低減パーセントを算出した。
【0238】
GCMS分析を使用する布地における悪臭分析
GCデータは、ABSの酸化分解によって起こるヘッドスペースにおける悪臭マーカー濃縮を追跡する。ABSのこの分解について追跡されるマーカーは、3-メチル-2-ブテナールである。
【0239】
悪臭低減パーセントは、Agilent 7000D GC/TQ質量分析計を備えたAgilent Intuvo 9000GCおよび固相マイクロ抽出(SPME)プローブを備えたTrajan PAL3 RTCサンプラーを使用する、GCMSによって決定される。追跡悪臭マーカーの校正標準である3-メチル-2-ブテナール(107-86-8)は、公知の重量の鉱油(CAS8020-83-5)を溶解することによって調製する。布地を均一な1インチ×5インチ片に切断し、10mLのヘッドスペースクリンプバイアルに入れる。バイアルを、分析前に12時間超平衡させる。オートサンプラーにおいて以下の設定を使用する:90℃のインキュベーション温度、90分のインキュベーション時間、VT25サンプルトレイ種類、22mmのバイアル浸透、10分の抽出時間、50mmの射出浸透および3分の脱着時間。カラムは、Agilent DB-624ウルトライナート、60m×250μm×1.4μm(部品番号122-1364UI-INT)である。フロントスプリット/スプリットレス注入口ヘリウムには以下の設定を使用する:スプリットモード、250℃の温度、39.3psiの圧力、30.5mL/分の総流量、3mL/分のセプタムパージ流量、10:1のスプリット比および18.5分のGC実行時間。オーブンにおいて以下の設定を使用する:35℃の初期温度、35℃で1分間保持し次いで30℃/分の加熱プログラム、260℃の最終温度および260℃で10分の保持時間。3-メチル-2-ブテナールのための抽出イオンクロマトグラムは、定量:84、確認:55、比:35.7を含む。
【0240】
結果:
上記で挙げた通りの試験方法に準拠して、酸化防止剤を、悪臭マーカーの低減について試験した。すべての試験を3回実行し、3枚の見本の平均をとった。対照と酸化防止剤含有組成物との間のカウントにおける差異を使用して、悪臭マーカー低減パーセントを算出した。悪臭マーカー低減パーセントは、以下の方程式によって算出した:
悪臭マーカー低減%=100-(マーカーの量Test/マーカーの量Control×100)
置換パターンの比較:
酸化防止剤のフェノール環におけるジ-tert-ブチル置換を用いて、発明化合物と酸化防止剤との比較を行った。各酸化防止剤に、洗浄を通して様々な濃度(洗浄水中2、4、8ppm濃度のAO)で洗浄試験を実施し、結果を表4に収載する。本発明の好ましいフェノール組成物(組成物1~3)を、対照(酸化防止剤なしの洗剤)およびヒンダードフェノール部分に好ましい置換パターンを含有しない比較例(組成物4)と比較する。
【0241】
【0242】
上記の表から分かるように、すべての発明フェノール組成物は、悪臭を低減させることにおいて、対照よりもより良好な働きをし、好ましい組成物、とりわけ最も好ましい組成物である組成物1は、悪臭マーカーのレベルを低減させることにおいて、比較組成物4と同じまたはより良好な働きをする。
【0243】
複数の分子対単一化合物の比較:
発明組成物と、単一分子として3EO鎖リンカーを含有するBASFから市販されている酸化防止剤であるイルガノックス245との、悪臭低減についての比較を行った。各酸化防止剤に、洗浄を通して様々な濃度(洗浄水中2、4、8ppm濃度のAO)で洗浄試験を実施し、結果を表5に収載する。本発明の好ましいフェノール組成物を、対照(酸化防止剤なしの洗剤)と比較し、複数の分子を含有しない比較例(イルガノックス245)を作製した。
【0244】
【0245】
上記の表から分かるように、発明フェノール組成物1は、悪臭を低減させることにおいて対照よりもより良好な働きをし、好ましい組成物1は、とりわけ洗浄水中におけるより低い濃度で、単一分子であるイルガノックス245よりもより良好な働きをする。
【0246】
安定度の評価
標準的なAATCC洗剤における酸化防止剤の安定度の比較を行って、複数の分子を有することの利益を強調表示した。多くの市販の酸化防止剤の結晶性の高い性質により、それらは洗剤において適合しない傾向があり、経時的に洗剤から出て結晶化することになる。本発明の発明化合物は、液体洗剤中で安定なままであることにおいて改良を示す。
【0247】
表6中の酸化防止剤を、20mLのガラスシンチレーションバイアル中で、光学的光沢剤を加えないAATCC HE液体洗剤(Test Fabrics,Inc.から入手可能、商品番号0501001)と合わせた。バイアルを超音波破砕機内に1時間にわたって置き、次いで、80℃で30分間にわたって加熱し、それによって、すべてのサンプルが完全に溶解した。サンプルをオーブンから除去し、短時間旋回させ、次いで、室温に冷却させた。バイアルが室温まで冷却したら、バイアルの底部を金属ヘラで数回擦って、そのまま放置された場合には長い時間がかかりうる結晶化過程を補助した。追加で3日後、存在するまたは存在しない結晶化として表6に観察結果を記録した。
【0248】
【0249】
【0250】
表6における結果から分かるように、複数の分子は、経時的な洗剤調合物からの酸化防止剤の沈殿を防止するために有益である。これは、所望ならば、調合者がより高いレベルの酸化防止剤を洗剤に組み込むことを可能にし、不適合性については懸念されていない。
【0251】
洗剤試験におけるより低い濃度の酸化防止剤:
より低い濃度のフェノール酸化防止剤における発明組成物の悪臭低減効率を示すために、手順へのわずかな変更が為された。洗浄方法は、洗浄水における銅負荷量および酸化防止剤使用レベルに対する調整が行われたことを除き、同じであった。実験のために、酸化防止剤レベルをタイドフリーアンドジェントル洗剤中700ppmに低減させ(これは、洗浄水中0.56ppmの酸化防止剤濃度に等しい)、洗浄水中における銅を洗浄水1g当たり100ngのCuのレベルで使用した。表7は、試験の結果を示す。
【0252】
【0253】
表7から分かるように、すべての発明組成物は、洗浄を通して負荷レベルを低減させた布地に対して、良好に悪臭マーカーを低減させる働きをする。
【0254】
添付の請求項の組成物および方法は、ここで記述されている具体的な組成物および方法によって範囲内に限定されず、請求項の幾つかの側面の例証として意図されており、機能的に同等であるあらゆる組成物および方法が、請求項の範囲内にあるように意図されている。ここで示され記述されているものに加えて、組成物および方法の種々の修正が、添付の請求項の範囲内にあるように意図されている。さらに、ここで開示されるある特定の代表的な組成物および方法工程のみが具体的に記述されているが、組成物および方法工程の他の組合せも、たとえ具体的に挙げられていないとしても、添付の請求項の範囲内にあるように意図されている。故に、工程、要素、成分または構成要素の組合せが、ここで明示的に言及されていてもそれ以下であってもよいが、工程、要素、成分および構成要素の他の組合せは、明示的に記載されていないにもかかわらず、含まれる。用語「を含む(comprising)」およびその変化形は、ここで使用される場合、用語「を含む(including)」およびその変化形と同義的に使用され、オープンで非限定的な用語である。用語「を含む(comprising)」および「を含む(including)」は、ここで種々の態様を記述するために使用されてきたが、用語「から本質的になる」および「からなる」は、本発明のより具体的な態様を提供するために「を含む(comprising)」および「を含む(including)」の代わりに使用することができ、同じく開示される。例以外でまたは別段の注記がない場合、明細書および請求項において使用される、原料、反応条件等の分量を表現するすべての数字は、最低限でも、請求項の範囲の均等物の教義の適用を限定するための試みとしてではなく、有効数字の桁数および通常の丸めアプローチに照らして解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)界面活性剤と、
b)
i)式:
【化1】
[式中、
L
1は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
1は、2~50の整数であり;
R
a1は、C
1~8アルキル基であり;
R
a2は、C
1~8アルキル基であり;
R
a3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第1のフェノール化合物;
ii)式:
【化2】
[式中、
L
2は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
2は、2~50の整数であり;ただし、x
1およびx
2は同じではなく;
R
b1は、C
1~8アルキル基であり;
R
b2は、C
1~8アルキル基であり;
R
b3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第2のフェノール化合物
を含むフェノール組成物と
を含む、洗濯ケア組成物。
【請求項2】
前記フェノール組成物が、前記洗濯ケア組成物の総重量に対して0.0001重量%~1.0重量
%の量で存在する、請求項1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項3】
R
a1およびR
a2が、同じではない、請求項
1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項4】
R
b1および
R
b2
が、同じではない、請求項
3に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項5】
R
a2およびR
b2が、それぞれC
3~5アルキルである、請求項
4に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項6】
R
a2およびR
b2が、t-ブチルである、請求項5に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項7】
R
a1およびR
b1が、それぞれ直鎖状C
1~8アルキル基である、請求項
5に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項8】
R
a1およびR
b1が、それぞれ直鎖状C
1~4アルキル基である、請求項7に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項9】
R
a1およびR
b1が、それぞれメチルであるか、またはR
a1およびR
b1が、それぞれエチルである、請求項8に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項10】
L
1が、-CH
2CH
2-または-CH
2CH
2CH
2-である、請求項
1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項11】
L
2が、-CH
2CH
2-または-CH
2CH
2CH
2-である、請求項
10に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項12】
x
1が、4~25の整数である、請求項
1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項13】
x
2が、2~25の整数である、請求項
1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項14】
R
a3およびR
b3が、それぞれHである、請求項
1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項15】
前記第1のフェノール化合物対前記第2のフェノール化合物のモル比が、50:1~1:50である、請求項
1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項16】
式:
【化3】
[式中、
L
3は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
3は、2~50の整数であり;ただし、x
1、x
2およびx
3の何れも同じではなく;
R
c1は、C
1~8アルキル基であり;
R
c2は、C
1~8アルキル基であり;
R
c3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第3のフェノール化合物をさらに含む、請求項
1に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項17】
式:
【化4】
[式中、
L
4は、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
x
4は、2~50の整数であり;ただし、x
1、x
2、x
3およびx
4の何れも同じではなく;
R
d1は、C
1~8アルキル基であり;
R
d2は、C
1~8アルキル基であり;
R
d3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第4のフェノール化合物をさらに含む、請求項16に記載の洗濯ケア組成物。
【請求項18】
物品を洗濯する方法であって、前記物品を、請求項1~17の何れか1項に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項19】
前記物品を、水の存在下で前記組成物と接触させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
洗濯ケア組成物を製造する方法であって、水溶性担体、界面活性剤およびフェノール組成物を合わせることを含み、前記フェノール組成物が、
式:
【化5】
[式中、
Aは、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
xは、2~50の整数であり;
R
a1は、C
1~8アルキル基であり;
R
a2は、C
1~8アルキル基であり;
R
a3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第1のフェノール化合物;および
式:
【化6】
[式中、
Bは、ヌル、-CH
2-、-CH
2CH
2-および-CH
2CH
2CH
2-から選択され、
yは、2~50の整数であり;ただし、xおよびyは同じではなく;
R
b1は、C
1~8アルキル基であり;
R
b2は、C
1~8アルキル基であり;
R
b3は、H、CH
3またはCH
2CH
3である]
を有する第2のフェノール化合物
を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0254
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0254】
添付の請求項の組成物および方法は、ここで記述されている具体的な組成物および方法によって範囲内に限定されず、請求項の幾つかの側面の例証として意図されており、機能的に同等であるあらゆる組成物および方法が、請求項の範囲内にあるように意図されている。ここで示され記述されているものに加えて、組成物および方法の種々の修正が、添付の請求項の範囲内にあるように意図されている。さらに、ここで開示されるある特定の代表的な組成物および方法工程のみが具体的に記述されているが、組成物および方法工程の他の組合せも、たとえ具体的に挙げられていないとしても、添付の請求項の範囲内にあるように意図されている。故に、工程、要素、成分または構成要素の組合せが、ここで明示的に言及されていてもそれ以下であってもよいが、工程、要素、成分および構成要素の他の組合せは、明示的に記載されていないにもかかわらず、含まれる。用語「を含む(comprising)」およびその変化形は、ここで使用される場合、用語「を含む(including)」およびその変化形と同義的に使用され、オープンで非限定的な用語である。用語「を含む(comprising)」および「を含む(including)」は、ここで種々の態様を記述するために使用されてきたが、用語「から本質的になる」および「からなる」は、本発明のより具体的な態様を提供するために「を含む(comprising)」および「を含む(including)」の代わりに使用することができ、同じく開示される。例以外でまたは別段の注記がない場合、明細書および請求項において使用される、原料、反応条件等の分量を表現するすべての数字は、最低限でも、請求項の範囲の均等物の教義の適用を限定するための試みとしてではなく、有効数字の桁数および通常の丸めアプローチに照らして解釈されるべきである。
以下に、本願発明の実施態様を付記する。
[1] a)界面活性剤と、
b)
iii)式:
【化28】
[式中、
L
1
は、ヌル、-CH
2
-、-CH
2
CH
2
-および-CH
2
CH
2
CH
2
-から選択され、
x
1
は、2~50の整数であり;
R
a1
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
a2
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
a3
は、H、CH
3
またはCH
2
CH
3
である]
を有する第1のフェノール化合物;
iv)式:
【化29】
[式中、
L
2
は、ヌル、-CH
2
-、-CH
2
CH
2
-および-CH
2
CH
2
CH
2
-から選択され、
x
2
は、2~50の整数であり;ただし、x
1
およびx
2
は同じではなく;
R
b1
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
b2
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
b3
は、H、CH
3
またはCH
2
CH
3
である]
を有する第2のフェノール化合物
を含むフェノール組成物と
を含む、洗濯ケア組成物。
[2] 前記フェノール組成物が、前記洗濯ケア組成物の総重量に対して0.0001重量%~1.0重量%、0.0001重量%~0.5重量%、0.0001重量%~0.1重量%、0.0001重量%~0.01重量%、0.0001重量%~0.001重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.001重量%~1.0重量%、0.01重量%~1.0重量%、0.1重量%~1.0重量%、または0.5重量%~1.0重量%の量の量で存在する、[1]に記載の洗濯ケア組成物。
[3] R
a1
およびR
a2
が、同じではない、[1]および[2]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[4] R
b1
およびR
a2
が、同じではない、[1]~[3]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[5] R
a2
およびR
b2
が、それぞれC
3~5
アルキルである、[1]~[4]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[6] R
a2
およびR
b2
が、t-ブチルである、[5]に記載の洗濯ケア組成物。
[7] R
a1
およびR
b1
が、それぞれ直鎖状C
1~8
アルキル基である、[1]~[6]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[8] R
a1
およびR
b1
が、それぞれ直鎖状C
1~4
アルキル基である、[7]に記載の洗濯ケア組成物。
[9] R
a1
およびR
b1
が、それぞれメチルであるか、またはR
a1
およびR
b1
が、それぞれエチルである、[8]に記載の洗濯ケア組成物。
[10] L
1
が、-CH
2
CH
2
-または-CH
2
CH
2
CH
2
-である、[1]~[9]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[11] L
2
が、-CH
2
CH
2
-または-CH
2
CH
2
CH
2
-である、[1]~[10]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[12] x
1
が、4~25の整数である、[1]~[11]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[13] x
2
が、2~25の整数である、[1]~[12]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[14] R
a3
およびR
b3
が、それぞれHである、[1]~[13]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[15] 前記第1のフェノール化合物対前記第2のフェノール化合物のモル比が、50:1~1:50である、[1]~[14]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[16] 式:
【化30】
[式中、
L
3
は、ヌル、-CH
2
-、-CH
2
CH
2
-および-CH
2
CH
2
CH
2
-から選択され、
x
3
は、2~50の整数であり;ただし、x
1
、x
2
およびx
3
の何れも同じではなく;
R
c1
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
c2
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
c3
は、H、CH
3
またはCH
2
CH
3
である]
を有する第3のフェノール化合物をさらに含む、[1]~[15]の何れか1項に記載の洗濯ケア組成物。
[17] 式:
【化31】
[式中、
L
4
は、ヌル、-CH
2
-、-CH
2
CH
2
-および-CH
2
CH
2
CH
2
-から選択され、
x
4
は、2~50の整数であり;ただし、x
1
、x
2
、x
3
およびx
4
の何れも同じではなく;
R
d1
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
d2
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
d3
は、H、CH
3
またはCH
2
CH
3
である]
を有する第4のフェノール化合物をさらに含む、[16]に記載の洗濯ケア組成物。
[18] 物品を洗濯する方法であって、前記物品を、[1]~[17]の何れか1項に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
[19] 前記物品を、水の存在下で前記組成物と接触させる、[18]に記載の方法。
[20] 洗濯ケア組成物を製造する方法であって、水溶性担体、界面活性剤およびフェノール組成物を合わせることを含み、前記フェノール組成物が、
式:
【化32】
[式中、
Aは、ヌル、-CH
2
-、-CH
2
CH
2
-および-CH
2
CH
2
CH
2
-から選択され、
xは、2~50の整数であり;
R
a1
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
a2
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
a3
は、H、CH
3
またはCH
2
CH
3
である]
を有する第1のフェノール化合物;および
式:
【化33】
[式中、
Bは、ヌル、-CH
2
-、-CH
2
CH
2
-および-CH
2
CH
2
CH
2
-から選択され、
yは、2~50の整数であり;ただし、xおよびyは同じではなく;
R
b1
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
b2
は、C
1~8
アルキル基であり;
R
b3
は、H、CH
3
またはCH
2
CH
3
である]
を有する第2のフェノール化合物
を含む、方法。
【国際調査報告】