(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成方法および関連するデバイス
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515543
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2022075234
(87)【国際公開番号】W WO2023036972
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス ロブヴィウ
(72)【発明者】
【氏名】モード ライター
(72)【発明者】
【氏名】ハザル ウストゥンダグ ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリエット シコ クレヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ジル オドン
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン ジャンルノー
(72)【発明者】
【氏名】ジョアンナ レヴィ
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC20
(57)【要約】
コンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法(300)において、フレグランスもしくはフレーバー組成物中の少なくとも1種のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標有効性閾値を表す値をコンピュータインタフェースにて定義するステップ(305)であって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子またはフレグランスもしくはフレーバー組成物デジタル識別子に関連している、定義するステップ(305)と、少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ(310)と、演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップ(315)と、演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として、取得された持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を定義された有効性閾値と比較するステップ(320)と、比較するステップの結果を表す指標をコンピュータインタフェースにて提供するステップ(325)とを含むことを特徴とする、方法(300)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装された持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成方法(300)において、
- フレグランスもしくはフレーバー組成物中の少なくとも1種のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標有効性閾値を表す値をコンピュータインタフェースにて定義するステップ(305)であって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子またはフレグランスもしくはフレーバー組成物デジタル識別子に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、または
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、定義するステップ(305)と、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ(310)と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップ(315)と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として、取得された持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を定義された前記有効性閾値と比較するステップ(320)と、
- 前記比較するステップの結果を表す指標をコンピュータインタフェースにて提供するステップ(325)と
を含むことを特徴とする、方法(300)。
【請求項2】
前記取得するステップ(315)の下流に、演算デバイスによって、総持続可能性影響デジタル指標を取得された少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数の関数として演算するステップ(330)をさらに含み、前記総持続可能性影響デジタル指標が、前記比較するステップ(320)で使用される、請求項1記載の方法(300)。
【請求項3】
フレグランスもしくはフレーバー成分の量を表す値をコンピュータインタフェースにて定義するステップ(335)をさらに含み、前記値が、前記演算するステップで使用される、請求項2記載の方法(300)。
【請求項4】
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替としての少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を、前記少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として選出するステップ(340)と、
- 選出された少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて提供するステップ(345)と
をさらに含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法(300)。
【請求項5】
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の量もしくは割合を表す値を定義された前記有効性閾値の関数として計算するステップ(350)と、
- 計算された前記量をコンピュータインタフェースにて提供するステップ(355)と
をさらに含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法(300)。
【請求項6】
前記フレグランスもしくはフレーバー組成物を、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として組み立てるステップ(360)をさらに含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法(300)。
【請求項7】
コンピュータ実装されたフレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築方法(100)であって、
- 測定可能な持続可能性物理パラメータを表す少なくとも1つの値をコンピュータインタフェースにて収集するステップ(105)であって、前記物理パラメータが、前記フレグランスもしくはフレーバー成分の固有の持続可能性物理パラメータを表すか、または前記フレグランスもしくはフレーバー成分に関連する製造プロセスを表す測定可能な持続可能性物理パラメータを表し、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、収集するステップ(105)と、
- 演算デバイスによって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての持続可能性影響デジタル指数を演算するステップ(110)と、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての演算された前記持続可能性影響デジタル指数をデータベースに保存するステップ(115)と
を含む、方法(100)。
【請求項8】
少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数が、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物および試薬中の炭素の数に対する前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素の数の比率、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物、溶媒、および試薬の危険性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される精油の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される土地の表面積、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために生じる廃棄物の量、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される水の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるヤシ油もしくはヤシ油誘導体の量もしくは割合、ならびに/または
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の環境的毒性
を表す、請求項7記載の方法(100)。
【請求項9】
少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数が、前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数を表す、請求項8記載の方法(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数が、前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物、溶媒、および試薬の危険性を表す、請求項7または8記載の方法(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数が、前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物および試薬中の炭素の数に対する前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素の数の比率を表す、請求項7から10までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項12】
演算デバイスによって、総持続可能性影響デジタル指標を、前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての少なくとも2つの異なる持続可能性影響デジタル指数の関数として決定するステップ(120)をさらに含む、請求項7から11までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項13】
コンピュータ実装された持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成方法(500)において、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ(310)と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップ(315)であって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップ(315)と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替としての少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を、前記少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として選出するステップ(340)と、
- 選出された少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて提供するステップ(345)と
を含むことを特徴とする、方法(500)。
【請求項14】
コンピュータ実装された持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成方法(600)において、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ(310)と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップ(315)であって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップ(315)と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の量もしくは割合を表す値を定義された有効性閾値の関数として計算するステップ(350)と、
- 計算された前記量をコンピュータインタフェースにて提供するステップ(355)と
を含むことを特徴とする、方法(600)。
【請求項15】
コンピュータ実装された持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成方法(800)において、
- 少なくとも2つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ(310)と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも2つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップ(315)であって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップ(315)と、
- 総持続可能性影響デジタル指標を取得された少なくとも2つの持続可能性影響デジタル指数の関数として演算するステップ(316)と、
- 演算された前記総持続可能性影響デジタル指標をコンピュータインタフェースにて提供するステップ(325)と
を含むことを特徴とする、方法(800)。
【請求項16】
持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成デバイス(400)において、
- フレグランスもしくはフレーバー組成物中の少なくとも1種のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標有効性閾値を表す値をコンピュータインタフェースにて定義する手段(405)であって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子またはフレグランスもしくはフレーバー組成物に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- 前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、定義する手段(405)と、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択する手段(410)と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベース(220)から、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得する手段(415)と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として、取得された持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を定義された前記有効性閾値と比較する手段(420)と、
- 比較するステップの結果を表す指標をコンピュータインタフェースにて提供する手段(425)と
を含むことを特徴とする、デバイス(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ実装されたフレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築方法、コンピュータ実装された持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成方法、フレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築デバイス、および持続可能なフレグランスまたはフレーバー組成デバイスに関する。本発明は、特に、フレグランス設計、成分性能評価、香料、ファインフレグランス香料、およびフレーバー設計の分野に適用される。
【背景技術】
【0002】
フレグランス設計は、快楽的な印象を提供することを意図した組成物を形成するための少なくとも1種のフレグランス成分の選択と定義することができる。フレグランス設計は、香料の分野で最も顕著に知られており、調香師によって実施される。
【0003】
フレグランスの評価は、典型的には、性能メトリクスおよびフレグランスの快楽度に基づく。しかしながら、持続可能性の責務から、使用されるフレグランス成分に関連する持続可能性の外部性をさらに考慮する必要がある。特定の成分を生成することの持続可能性の負担を評価する方法論が知られているかもしれないが、それらのアプローチにおいて十分に包括的なものはなく、そのような方法論がフレグランス設計の文脈で使用されることもない。
【0004】
よって、フレグランスの環境的フットプリントはほぼ不明のままであり、したがって、調香師は、これに基づいて行動することができない。
発明の概要
【0005】
本発明は、これらの欠点の全てまたは一部を改善することを意図している。
【0006】
そのために、第1の態様によれば、本発明は、コンピュータ実装されたフレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築方法であって、
- 測定可能な持続可能性物理パラメータを表す少なくとも1つの値をコンピュータインタフェースにて収集するステップであって、前記物理パラメータが、フレグランスもしくはフレーバー成分の固有の持続可能性物理パラメータを表すか、またはフレグランスもしくはフレーバー成分に関連する製造プロセスを表す測定可能な持続可能性物理パラメータを表し、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、収集するステップと、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての持続可能性影響デジタル指数を演算するステップと、
- フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての演算された持続可能性影響デジタル指数をデータベースに保存するステップと
を含む、方法を目指す。
【0007】
そのように提供することによって、既知のフレグランスもしくはフレーバー成分の持続可能性物理パラメータのデータベースの構成が可能になる。そのようなデータベースは、フレグランス設計のステップの最中に調香師によって使用され得る。データベース内に集められた知識によって、より持続可能で環境に優しい組成物を組み立てることが可能になる。持続可能性影響デジタル指数は、更なるデジタルアプリケーションにおいて使用することができ、したがって、ユーザに代わって、より賢明な意思決定が可能になる。考慮される使用事例に応じて、そのようなメトリクスは、より複雑なまたはそれほど複雑でない手法で得ることができる。
【0008】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物および試薬中の炭素の数に対するフレグランスもしくはフレーバー成分の炭素の数の比率、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物、溶媒、および試薬の危険性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される精油の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される土地の表面積、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために生じる廃棄物の量、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される水の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるヤシ油もしくはヤシ油誘導体の量もしくは割合、ならびに/または
- フレグランスもしくはフレーバー成分の環境的毒性
を表す。
【0009】
そのような実施形態によって、フレグランスもしくはフレーバー成分の様々な持続可能性影響に関係する広範なデータベースの構成が可能になる。そのような指数を蓄積することによって、ユーザによるより細かくより正確なフレグランス設計プロセスが可能になる。そのような指数は、フレグランスもしくはフレーバー成分の現在の化学合成を開発および/または改善するためにさらに使用され得る。
【0010】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数を表す。
【0011】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物、溶媒、および試薬の危険性を表す。
【0012】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物および試薬中の炭素の数に対するフレグランスもしくはフレーバー成分の炭素の数の比率を表す。
【0013】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、演算デバイスによって、総持続可能性影響デジタル指標を、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての少なくとも2つの異なる持続可能性影響デジタル指数の関数として決定するステップをさらに含む。
【0014】
そのような実施形態によって、各集合がより低いレベルの指数のサブセットを表す中間集合の構成が可能になる。そのような実施形態によって、限られた量の情報をユーザに提示することがさらに可能になり、より迅速な意思決定が可能になる。
【0015】
第2の態様によれば、本発明は、コンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法であって、
- フレグランスもしくはフレーバー組成物中の少なくとも1種のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標有効性閾値を表す値をコンピュータインタフェースにて定義するステップであって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子またはフレグランスもしくはフレーバー組成物に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、定義するステップと、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップと、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップと、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として、取得された持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を定義された有効性閾値と比較するステップと、
- 比較するステップの結果を表す指標をコンピュータインタフェースにて提供するステップと
を含む、方法を目指す。
【0016】
そのような方法の利点は、本発明の第1の態様の方法対象の利点と同様である。特に、そのように提供することによって、設定された閾値の関数としての動的フレグランスまたはフレーバー組成が可能になり、そのような閾値を使用することによって、フレグランスまたはフレーバー組成は、定められた環境的制約および持続可能性の制約に適応することができる。
【0017】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、取得するステップの下流に、演算デバイスによって、総持続可能性影響デジタル指標を取得された少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数の関数として演算するステップをさらに含み、前記総持続可能性影響デジタル指標は、比較するステップで使用される。
【0018】
そのような実施形態によって、持続可能性影響デジタル指数のサブセットを表す中間指標の使用が可能になる。そのような中間計算によって、より微妙なフレグランスまたはフレーバー組成プロセスが可能になり、特定の閾値は、単に1つの指数に適用するのではなく、指数の複合群を目標とする。
【0019】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、フレグランスもしくはフレーバー成分の量を表す値をコンピュータインタフェースにて定義するステップをさらに含み、前記値は、演算するステップで使用される。
【0020】
そのような実施形態によって、より正確に表されたフレグランスもしくはフレーバー組成物を組み立てることが可能になる。特に、フレグランスもしくはフレーバー成分の好ましくない環境的フットプリントの影響は、組成物中の比較的少量のそのようなフレグランスもしくはフレーバー成分によって相殺され得る。
【0021】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替としての少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を、前記少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として選出するステップと、
- 選出された少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて提供するステップと
をさらに含む。
【0022】
そのような実施形態によって、最初に選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分の代わりに候補フレグランスもしくはフレーバー成分が選択され得る動的フレグランスまたはフレーバー組成が可能になり、前記候補フレグランスもしくはフレーバー成分は、より良好な環境性能を提供するはずである。
【0023】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の量もしくは割合を表す値を定義された有効性閾値の関数として計算するステップと、
- 計算された量をコンピュータインタフェースにて提供するステップと
をさらに含む。
【0024】
そのような実施形態によって、特定のフレグランスもしくはフレーバー成分の量が、組成物の全体的な環境性能に対する前記フレグランスもしくはフレーバー成分の影響を制限するように動的に調節され得る動的フレグランスまたはフレーバー組成が可能になる。
【0025】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、フレグランスもしくはフレーバー組成物を、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として組み立てるステップをさらに含む。
【0026】
そのような実施形態によって、設計されたフレグランスもしくはフレーバー組成物の組み立てが可能になる。
【0027】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、コンピュータ実装されたフレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築ステップであって、
- 測定可能な持続可能性物理パラメータを表す少なくとも1つの値をコンピュータインタフェースにて収集するステップであって、前記物理パラメータが、フレグランスもしくはフレーバー成分の固有の持続可能性物理パラメータを表すか、またはフレグランスもしくはフレーバー成分に関連する製造プロセスを表す測定可能な持続可能性物理パラメータを表し、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、収集するステップと、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての持続可能性影響デジタル指数を演算するステップと、
- フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての演算された持続可能性影響デジタル指数をデータベースに保存するステップと
を含む、ステップを含む。
【0028】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物および試薬中の炭素の数に対するフレグランスもしくはフレーバー成分の炭素の数の比率、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物、溶媒、および試薬の危険性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される精油の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される土地の表面積、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために生じる廃棄物の量、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される水の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるヤシ油もしくはヤシ油誘導体の量もしくは割合、ならびに/または
- フレグランスもしくはフレーバー成分の環境的毒性
を表す。
【0029】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数を表す。
【0030】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物、溶媒、および試薬の危険性を表す。
【0031】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物および試薬中の炭素の数に対するフレグランスもしくはフレーバー成分の炭素の数の比率を表す。
【0032】
特定の実施形態では、本発明の方法対象は、演算デバイスによって、総持続可能性影響デジタル指標を、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての少なくとも2つの異なる持続可能性影響デジタル指数の関数として決定するステップをさらに含む。
【0033】
第3の態様によれば、本発明は、コンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法であって、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップと、
- 演算デバイスによって、得られたフレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップであって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップと、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の量もしくは割合を表す値を定義された有効性閾値の関数として計算するステップと、
- 計算された量をコンピュータインタフェースにて提供するステップと
を含む、方法を目指す。
【0034】
第4の態様によれば、本発明は、フレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築デバイスであって、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップと、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップであって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップと、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替としての少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を、前記少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として選出するステップと、
- 選出された少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて提供するステップと
を含む、デバイスを目指す。
【0035】
第5の態様によれば、本発明は、コンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法であって、
- 少なくとも2つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップと、
- 演算デバイスによって、得られたフレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも2つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップであって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップと、
- 総持続可能性影響デジタル指標を取得された少なくとも2つの持続可能性影響デジタル指数の関数として演算するステップと、
- 演算された総持続可能性影響デジタル指標をコンピュータインタフェースにて提供するステップと
を含む、方法を目指す。
【0036】
本発明の第6の態様によれば、本発明は、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベース構築デバイスであって、
- 測定可能な持続可能性物理パラメータを表す少なくとも1つの値をコンピュータインタフェースにて収集する手段であって、前記物理パラメータが、フレグランスもしくはフレーバー成分の固有の持続可能性物理パラメータを表すか、またはフレグランスもしくはフレーバー成分に関連する製造プロセスを表す測定可能な持続可能性物理パラメータを表し、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、収集する手段と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての持続可能性影響デジタル指数を演算する手段と、
- フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての演算された持続可能性影響デジタル指数をデータベースに保存する手段と
を含む、デバイスを目指す。
【0037】
そのような方法の利点は、本発明の第1の態様の方法対象の利点と同様である。
【0038】
本発明の第7の態様によれば、本発明は、フレグランスまたはフレーバー組成デバイスであって、
- フレグランスもしくはフレーバー組成物中の少なくとも1種のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標有効性閾値を表す値をコンピュータインタフェースにて定義する手段であって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子またはフレグランスもしくはフレーバー組成物デジタル識別子に関連している、手段と、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択する手段と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得し、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、定義する手段と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として、取得された持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を定義された有効性閾値と比較する手段と、
- 比較するステップの結果を表す指標をコンピュータインタフェースにて提供する手段と
を含む、デバイスを目指す。
【0039】
そのような方法の利点は、本発明の第2の態様の方法対象の利点と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の他の利点、目的、および特定の特徴は、本明細書に添付されている図面に関連して、本発明の対象である少なくとも1つの特定の方法またはデバイスの以下の非網羅的な記載から明らかになるであろう。
【
図1】本発明の対象であるデータベース構築方法の特定の一連のステップを概略的にフローチャートの形式で表す図である。
【
図2】本発明の対象であるデータベース構築方法を実装することができるシステムの特定の実施形態を概略的に表す図である。
【
図3】本発明の対象であるフレグランスまたはフレーバー組成方法の第1の実施形態の特定の一連のステップを概略的にフローチャートの形式で表す図である。
【
図4】本発明の対象であるフレグランスまたはフレーバー組成方法を実装することができるシステムの特定の実施形態を概略的に表す図である。
【
図5】本発明の対象であるフレグランスまたはフレーバー組成方法の第2の実施形態の特定の一連のステップを概略的にフローチャートの形式で表す図である。
【
図6】本発明の対象であるフレグランスまたはフレーバー組成方法の第3の実施形態の特定の一連のステップを概略的にフローチャートの形式で表す図である。
【
図7】所与のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性性能デジタル指数についての値を表すスコアカードをグラフで表したものを概略的に表す図である。
【
図8】本発明の対象であるフレグランスまたはフレーバー組成方法の第4の実施形態の特定の一連のステップを概略的にフローチャートの形式で表す図である。
【
図9】本発明の方法対象を実装するグラフィックユーザインタフェースをグラフで表したものを概略的に表す図である。 発明の詳細な説明
【0041】
一実施形態の各特徴をその他の実施形態のその他の特徴と有利な手法で組み合わせることができるため、この記載は、網羅的なものではない。
【0042】
図は、縮尺通りではないことに留意すべきである。
【0043】
本発明の文脈において、「フレグランスもしくはフレーバー成分」は、賦香成分、フレーバー成分、香料担体、フレーバー担体、香料アジュバント、フレーバーアジュバント、香料調節剤、フレーバー調節剤を指す。好ましくは、そのようなフレグランスもしくはフレーバー成分は、揮発性である。
【0044】
ここで、「賦香成分」は、快楽効果を付与するために賦香調製物または組成物に使用される化合物を意味する。言い換えるなら、賦香成分であると考えられるそのような成分は、単に匂いを有するものとしてではなく、組成物の匂いを有利にまたは心地良いように付与または改変することができるものとして当業者に認識されるはずである。
【0045】
ここで、賦香成分の性質および種類は、より詳細な記載を保証するものではなく、いずれの場合も網羅的なものではなく、当業者であれば、自身の一般的な知識に基づいて、かつ意図される使用または用途および望ましい官能効果に応じて、これらを選択することができるであろう。一般に、これらの賦香共成分は、アルコール類、ラクトン類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アセテート類、ニトリル類、テルペノイド類、窒素含有または硫黄含有複素環式化合物および精油のような多様な化学分類に属し、前記賦香共成分は、天然由来のものまたは合成由来のものであり得る。前記賦香成分は、いずれの場合も、参考文献、例えばS. Arctanderによる書籍であるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAもしくはそのより新しい版、または同様の種類の他の著作物、ならびに香料の分野における豊富な特許文献に列挙されている。また、前記賦香成分は、プロ香料またはプロフレグランスとしても知られている様々な種類の賦香成分を制御された手法で放出すると知られている化合物でもあり得ると理解される。
【0046】
ここで、「香料担体」は、香料の観点から実質的に中性である、すなわち、賦香成分の官能特性を著しくは変化させない材料を意味する。前記担体は、液体または固体であり得る。
【0047】
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち、溶媒および界面活性剤系、または香料において一般に使用される溶媒を挙げることができる。香料において一般に使用される溶媒の性質および種類の詳細な記載は、網羅できるものではない。しかしながら、非限定的な例としては、最も一般に使用されている、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレートおよびジメチルアジペート、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、またはそれらの混合物などの溶媒を挙げることができる。香料担体および香料ベースの両方を含む組成物について、先に明記されているもの以外の他の適切な香料担体はまた、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン、または他のテルペンであり得る。
【0048】
固体担体は、賦香組成物または賦香組成物の幾つかの要素が化学的または物理的に結合可能な材料を指すことを意味する。一般に、そのような固体担体は、組成物を安定化するために、または組成物もしくは幾つかの成分の蒸発速度を制御するために用いられる。固体担体の使用は、当技術分野で現在使用されており、当業者は、望ましい効果を得る方法を知っている。しかしながら、固体担体の非限定的な例としては、吸収性ガムもしくはポリマーまたは無機材料、例えば、多孔性ポリマー、シクロデキストリン、木材ベースの材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルク、またはゼオライトを挙げることができる。
【0049】
固体担体の他の非限定的な例としては、カプセル化材料を挙げることができる。そのような材料の例は、単糖類、二糖類もしくは三糖類、天然もしくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質、またはペクチンなどの壁形成および可塑化材料を含み得る。カプセル化は、当業者に周知の方法であり、例えば、噴霧乾燥、凝集もしくはさらに押出などの技術を使用することによって実施され得るか、またはコアセルベーションおよび複合的なコアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化からなる。
【0050】
固体担体の非限定的な例としては、特に、重合、界面重合、コアセルベーション、またはこれら全て(前記技術は全て、従来技術に記載されている)によって誘発される相分離プロセスのような技術を使用する、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素もしくはポリウレタンタイプの樹脂またはそれらの混合物(前記樹脂は全て、当業者に周知である)を有するコア-シェルカプセルを挙げることができる。
【0051】
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物)と、アミン、例えば、尿素、ベンゾグアナミン、ならびにそれらの混合物との重縮合によって生成され得る。
【0052】
他の樹脂は、グリセロールのようなポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリマー、イソホロンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートのトリマー、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットのようなポリイソシアネートとの重縮合によって生成されたものである。
【0053】
アミノ樹脂、すなわち、メラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関連する影響力のある文献のうちの幾つかは、K. Dietrich等によって公開されているものであるActa Polymerica, 1989,第40巻,243,325および683頁、ならびに1990,第41巻,91頁などの論文を含む。
【0054】
ここで、「香料アジュバント」は、更なる付加的な利益、例えば、色、特定の耐光性、化学的安定性などを付与することができる成分を意味する。賦香組成物において一般に使用されるアジュバントの性質および種類の詳細な記載は、網羅できるものではなく、前記成分は、当業者に周知であることに言及する必要がある。特定の非限定的な例としては、以下のものを挙げることができる:粘度剤(viscosity agents)(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば、保存剤、酸化防止剤、熱/光および/もしくは緩衝剤またはキレート化剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、保存剤(例えば、抗菌剤、または抗微生物剤、または抗真菌剤、または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、定着剤、防虫剤、軟膏、ビタミン、ならびにそれらの混合物。
【0055】
ここで、「香料調節剤」は、その観察者またはユーザが、前記調節剤を組み込んだ組成物の匂い、特に、蒸発速度および強度を、調節剤なしでの同じ知覚と比較して、経時的に知覚することができるように影響を及ぼす能力を有する薬剤であると理解される。香料調節剤は、定着剤としても知られている。特に、調節剤によって、それらのフレグランスが知覚される時間を延長することが可能になる。適切な調節剤の非限定的な例は、メチルグルコシドポリオール;エチルグルコシドポリオール;プロピルグルコシドポリオール;イソセチルアルコール;PPG-3ミリスチルエーテル;およびそれらの混合物;ネオペンチルグリコールジイソノナノエート;セテアリルエチルヘキサノエート;パンテノールエチルエーテル、DL-パンテノール、N-ヘキサデシルn-ノナノエート、ノクタデシルn-ノナノエート、プロフレグランス、シクロデキストリン、カプセル化、ならびにそれらの組み合わせを含み得る。
【0056】
ここで、「フレーバー付け成分」は、快楽効果を付与するためにフレーバー付け調製物または組成物に使用される化合物を意味する。言い換えるなら、フレーバー付け成分であると考えられるそのような成分は、単に味を有するものとしてではなく、組成物の味を有利にまたは心地良いように付与または改変することができるものとして当業者に認識されるはずである。組成物中に存在するフレーバー付け成分の性質および種類は、ここではより詳細な記載を保証するものではなく、当業者であれば、自身の一般的な知識に基づいて、かつ意図される使用または用途および望ましい官能効果に応じて、これらを選択することができるであろう。一般に、これらのフレーバー付け成分は、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アセテート類、ニトリル類、テルペノイド類、窒素含有物のような多様な化学分類に属し、前記フレーバー付け成分は、天然由来のものまたは合成由来のものであり得る。
【0057】
「有機」という用語は、有機成分および第三者によって認定された供給原料の両方を指す。
【0058】
「フレーバー担体」という用語は、フレーバー付け成分の官能特性を著しく変化させない限り、フレーバーの観点から実質的に中性である材料を指す。担体は、液体または固体であり得る。
【0059】
適切な液体担体は、例えば、乳化系、すなわち、溶媒および界面活性剤系、またはフレーバーにおいて一般に使用される溶媒を含む。フレーバーにおいて一般に使用される溶媒の性質および種類の詳細な記載は、網羅できるものではない。フレーバーにおいて使用される適切な溶媒は、例えば、プロピレングリコール、トリアセチン、カプリル酸/カプリン酸またはココナッツ油、グリセロールを含む。
【0060】
適切な固体担体は、例えば、吸収性ガムもしくはポリマー、またはさらにはカプセル化材料を含む。そのような材料の例は、単糖類、二糖類もしくは多糖類、天然もしくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、またはキサンタンガムなどの壁形成および可塑化材料を含み得る。カプセル化は、当業者に周知の方法であり、例えば、噴霧乾燥、凝集、押出、コーティング、めっき、コアセルベーションなどの技術を使用して実施され得る。
【0061】
ここで、「フレーバーアジュバント」は、更なる付加的な利益、例えば、色(例えば、カラメル)、化学的安定性などを付与することができる成分を意味する。フレーバー付け組成物において一般に使用されるアジュバントの性質および種類の詳細な記載は、網羅できるものではない。それにもかかわらず、そのようなアジュバントは、当業者に周知であり、当業者であれば、自身の一般的な知識に基づいて、かつ意図される使用または用途に応じて、これらを選択することができるであろう。特定の非限定的な例としては、以下のものを挙げることができる:粘度剤(例えば、乳化剤、増粘剤、ゲル化および/またはレオロジー調整剤、例えば、ペクチンまたはアガーガム)、安定剤(例えば、酸化防止剤、熱/光および/または緩衝剤、例えば、クエン酸)、着色剤(例えば、色を付与する天然物、または合成物、または天然抽出物)、保存剤(例えば、抗菌剤、または抗微生物剤、または抗真菌剤、例えば、安息香酸)、ビタミン、ならびにそれらの混合物。
【0062】
ここで、「フレーバー調節剤」は、甘味を増強して、苦味を遮断すること、うま味を増強すること、酸味もしくは甘草の味を低減すること、塩味を増強すること、清涼感を増強すること、または前述のものの任意の組み合わせが可能な成分を意味する。フレーバー調節剤は、三叉神経感覚剤(trigeminal sensates)とも呼ばれる。
【0063】
本発明の文脈において、「物理パラメータ」は、フレグランスもしくはフレーバー成分の任意の測定可能および/または定量化可能な物理特性を指す。そのような物理パラメータの例は、質量、密度、または炭素原子の数である。
【0064】
本発明の文脈において、「演算システム」という用語は、単一型または分散型にかかわらず、デジタルおよび/またはアナログのあらゆる種類のインタフェースにて数値入力を受け取って数値出力を提供することができる任意の電子演算デバイスを指す。典型的には、演算システムは、データストレージへのアクセスを有するソフトウェアを実行するコンピュータ、またはデータおよび/もしくは計算がサーバー側で実施される一方でクライアント側がインタフェースとして機能するクライアント-サーバーアーキテクチャのいずれかを指す。
【0065】
本発明の文脈において、「デジタル識別子」という用語は、フレグランスもしくはフレーバー成分などの物理的対象を表す、コンピュータデータベースで使用されるものなどの任意のコンピュータ化された識別子を指す。
【0066】
本発明の文脈において、「専用ソフトウェア」という用語は、演算システムによって実行される一組の命令またはルーチン手段を指し、前記命令またはルーチンは、デジタルアルゴリズムを表す。
【0067】
本発明の文脈において、「持続可能性」という用語は、特定の成分またはその組成物の環境に対する影響のあらゆる尺度を指す。
【0068】
図1は、本発明の方法100対象の特定の実施形態を表したものである。このコンピュータ実装されたフレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築方法100は、
- 測定可能な持続可能性物理パラメータを表す少なくとも1つの値をコンピュータインタフェースにて収集するステップであって、前記物理パラメータが、フレグランスもしくはフレーバー成分の固有の持続可能性物理パラメータを表すか、またはフレグランスもしくはフレーバー成分に関連する製造プロセスを表す測定可能な持続可能性物理パラメータを表し、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、袖手するステップ105と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての持続可能性影響デジタル指数を演算するステップ110と、
- フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての演算された持続可能性影響デジタル指数をデータベースに保存するステップ115と
を含む。
【0069】
方法100は、本発明の任意の方法対象におけるデータベース構築の同等のステップ100に対応し得ることに留意されたい。
【0070】
収集するステップ105は、例えば、ユーザ入力を収集するような手法で演算システムと相互作用するように適合されたキーボード、マウス、および/またはタッチスクリーンによって実施され得る。変形形態では、電子的に送られた入力コマンドを受け取るように構成された演算システムのネットワークポートなどの収集する手段は、本質的に論理的なものである。そのような入力手段は、ユーザに示されるGUI(グラフィックユーザインタフェース)またはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)に関連し得る。他の変形形態では、収集する手段は、意図される使用事例に関する明記されている物理パラメータを測定するように構成されたセンサーであり得る。
【0071】
以下に、特定の物理パラメータについての収集の適合された手段の幾つかの例がある:
- フレグランスもしくはフレーバー成分中の再生可能炭素原子の数の値、前記フレグランスもしくはフレーバー成分中の再生可能炭素原子の総数の値、および/または前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素原子の総数に対する再生可能炭素原子の数の比率の値に関係するユーザ入力を受け取るように構成されたGUI、
- 定められたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子、再生可能炭素原子の数、炭素原子の総数、および/または前記フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素原子の総数に対する再生可能炭素原子の数の比率の値についての関連する、再生可能炭素原子のマッピングデータベースに接続するように構成されたAPI、
- 成分中の再生可能バイオマス炭素の炭素14同位体標識操作を実施するように構成されたセンサー、
- 制御された環境においてフレグランスもしくはフレーバー成分の存在を経時的に決定して、前記フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性を決定するように構成されたセンサー、または
- 所与の量のフレグランスもしくはフレーバー成分を生成するために生じる廃棄物の量を決定するように構成されたセンサー。
【0072】
演算するステップ110は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。このステップのアルゴリズム的性質は、目標持続可能性影響デジタル指数についての望ましい出力に応じる。
【0073】
幾つかの例が以下に開示されている:
フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性に関係して、演算するステップ110は、フレグランスもしくはフレーバー成分中の再生可能炭素原子の数をフレグランスもしくはフレーバー成分中の炭素原子の総数で割った比率をアルゴリズム的に演算することができる。そのような炭素は、バイオマス、アップサイクルされた炭素、またはリサイクルされた炭素の3つの供給源のうちのいずれか1つに由来してよく、よって、異なる指標で標識され得るか、または単一の指標に集約され得る。
【0074】
フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性に関係して、演算するステップ110は、定められたアッセイ時間枠内のフレグランスもしくはフレーバー成分の残りの量もしくは割合に対応する統計値(平均または中央値など)をアルゴリズム的に演算することができる。そのような量もしくは割合は、生分解の望ましい定義(易生分解性、本来的に生分解性、最終的に生分解性、または部分的に生分解性)に適応するように、ユーザによって設定され得る。相対的に良生分解性のフレグランスもしくはフレーバー成分は、相対的に劣生分解性のフレグランスもしくはフレーバー成分よりも残りの初期物質が0%に近くなる。
【0075】
そのような生分解性は、「易生分解性」または「本来的に生分解性、最終的に生分解性」の割合または量の観点で表現することができる。易生分解性は、OECD301/310研究室試験において、10日間のウィンドウで、28日未満に生分解が60%超であると測定された成分を指す。本来的に生分解性、最終的に生分解性は、OECD301/310研究室試験において、28日で60%超、60日で60%超、OECD302研究室試験において、28日で70%超と測定された成分を指す(易生分解性を含む)。
【0076】
炭素経済としても知られる、フレグランスもしくはフレーバー成分を製造するためのプロセスの炭素廃棄物の性能に関係して、演算するステップ110は、フレグランスもしくはフレーバー成分中の炭素原子の数を、前記フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な試薬/反応物中の炭素原子の総数で割った比率をアルゴリズム的に演算することができる。この比率の値が高いほど、製造プロセスの最中に廃棄される炭素が少なくなる。
【0077】
フレグランスもしくはフレーバー成分を製造するためのプロセスの触媒ステップの数の性能に関係して、演算するステップ110は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数を、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要なステップの総数で割った比率をアルゴリズム的に演算することができる。この比率の値が高いほど、製造プロセスで使用される化学量論的ステップ/試薬が少なくなる。
【0078】
フレグランスもしくはフレーバー成分を製造するためのプロセスの危険性の性能に関係して、演算するステップ110は、フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な少なくとも1つの反応物/試薬に関連するリスクフレーズの数をアルゴリズム的に演算することができる。リスクフレーズは、the Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals(「GHS」)によって管理されるものなどの、危険物質の分類および標識スキームのエントリである。より高度な実施形態は、リスクフレーズに、すなわち、前記リスクフレーズに関連する危険レベルに基づいた重大度評価に関連し得る。リスクフレーズの数、および任意選択的にこれらのリスクフレーズの平均危険レベルの関数として、危険性性能を表す値が設定され得る。
【0079】
他のより高度な実施形態では、頻度リスクフレーズの上限の定義を可能にするFプロット分析の関数として決定マトリックスを導入することができ、その範囲は、GHSカテゴリー3が最も大きな割合を占めることから、GHSカテゴリー3を使用して定義され得る。そのような実施形態では、危険レベルのカテゴリーが使用されるのみならず、このカテゴリーは、評価される成分の頻度またはリスクフレーズと交えられ、より詳細な指標の定義が可能になる。すなわち、GHSカテゴリー4の成分は、前記成分に関連するリスクフレーズの数に応じて、実際には、GHSカテゴリー5よりも危険性が低い場合がある。
【0080】
フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために生じる廃棄物の量に関係して、演算するステップ110は、1キログラムの精製される最終的な材料を生成するために生じる、全体的な廃棄物(固体、液体、気体、水に溶解した廃棄物を含む)の絶対値をアルゴリズム的に演算することができる。そのような比率は、正規化された望ましい材料を、全ての反応物と、出発材料と、溶媒との合計で割ることによって得ることができる。
【0081】
フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合に関係して、演算するステップ110は、他の製造プロセスからの原材料の余り、変換プロセスから生じた副産物もしくは廃棄物、および/または高価値の化学物質にアップサイクルされるプラスチック廃棄物の量を配合物中の成分の総量で割った比率をアルゴリズム的に演算することができる。
【0082】
フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的成分の量もしくは割合に関係して、演算するステップ110は、バイオ技術から直接的に生じた成分と、中間体がバイオ技術プロセスによって生成され、次いで、化学的プロセスによってさらに変換されるバイオ技術を介して生じた成分とを含む、バイオ技術プロセス(すなわち、発酵、生体内変換、または酵素的プロセス)に由来する原材料の比率または量をアルゴリズム的に演算することができる。
【0083】
フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合に関係して、演算するステップ110は、使用される再生可能反応物/試薬の数を使用される反応物/試薬の総数で割った比率をアルゴリズム的に演算することができる。反応物/試薬は、この反応物/試薬が少なくとも50%炭素再生可能である場合、再生可能であると言われる。
【0084】
フレグランスもしくはフレーバー成分を得るのに必要な二酸化炭素換算フットプリントに関係して、演算するステップ110は、以下のうちの少なくとも1つをアルゴリズム的に演算することができる:資源抽出、抽出サイトからフレグランスもしくはフレーバー成分サイトまでの移動の距離、輸送の種類、またはフレグランスもしくはフレーバー成分を得るためのエネルギー消費量、例えば、エネルギー供給源の種類。
【0085】
フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために生じる廃棄物の量に関係して、演算するステップ110は、フレグランスもしくはフレーバー成分の製造プロセスの最中に生じる廃棄物の量もしくは割合を表す値をアルゴリズム的に演算することができる。
【0086】
フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用または廃棄される水の量に関係して、演算するステップ110は、フレグランスもしくはフレーバー成分の製造プロセスの最中に使用される水の量もしくは割合を表す値をアルゴリズム的に演算することができる。そのような値は、「Aware」方法論によって計算することができる。
【0087】
労働関連のパラメータ(製造プロセスにおける公正賃金、適切な作業時間、児童労働がないこと、強制労働がないこと、差別がないこと)、健康および安全関連のパラメータ(作業者の職業上の健康リスクがないこと、作業者の安全管理システム)、または技能および知識関連のパラメータ(作業者間の技能訓練)などの他のパラメータがさらに含まれ得る。
【0088】
労働関連のパラメータに関係して、そのようなパラメータは、WBCSD Social Life Cycle Metrics for Chemical Products(WBCSD、2016年11月、ISBN:978-2-940521-52-4)によって着想を得たものであり得る。
【0089】
そのような指数は、労働者にとって必須の全ての分野を含む3つの社会領域にある7つの指標を考慮する:
- 基本的な権利およびニーズ:
- 公正な賃金、
- 適切な作業時間、
- 組合、団体交渉、および労働関係の自由、
- 児童労働がないこと、
- 強制労働、人身売買、および奴隷制度がないこと、ならびに
- 差別がないこと、
- 健康および安全:
- 作業者の職業上の健康リスク、および
- 作業者の安全管理システム、
- 技能および知識:
- 技能、知識、および雇用可能性。
【0090】
結果として、従業員およびサプライヤーの指数が、各サプライヤーおよび製造サイトのために生成され得る。次いで、このスコアは、各成分に反映される。原材料の製造および購入の両方を行う場合、加重平均は、過去の製造および購入の量の関数として計算され得る。
【0091】
最後に、フレグランス中の成分の量を考慮した加重平均を計算して、フレグランスもしくはフレーバー組成物の従業員および社会的指標を得ることができる。
【0092】
好ましい実施形態では、方法100は、少なくとも2つのフレグランスもしくはフレーバー成分についての少なくとも1つの目標持続可能性影響デジタル指数についての演算値を正規化するステップ(図示せず)をさらに含む。この正規化するステップは、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算デバイスによって実施され得る。アルゴリズム的には、この正規化するステップは、例えば、フレグランスもしくはフレーバー成分のサンプルを最高(「A」)から最低(「E」)でランク付けされた五分位に分割することによって行われ得る。明らかに、例えば0~100の範囲の間などのその他の正規化技術が使用され得る。
【0093】
廃棄物の発生を表す指標の文脈において、正規化プロセスは、R.A. Sheldon; Green Chem. 2007, (9), pp 1273-1283に開示されているものなどの既存の参照に基づき得る。
【0094】
保存するステップ115は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。この保存するステップ115の最中に、単一型または分散型のいずれかのデータベースがアクセスされ、エントリの作成、削除、または変更のいずれかが行われる。各フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、演算された少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数についての値と関連する。
【0095】
持続可能性影響デジタル指数の包括的な保存によって、調香師によって使用されるフレグランスもしくはフレーバー成分の環境的影響のより詳細なモデリングが可能になる。
【0096】
データベースに保存されている値は、調香師などのユーザに直感的な手法で示され得る。そのような表現は、
図7に示されており、独立した指数705のスコアは、カテゴリー710に分割されて示されており、各カテゴリーは、総持続可能性影響デジタル指標に対応する総スコアを表す。
【0097】
特定の実施形態では、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数は、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物および試薬中の炭素の数に対するフレグランスもしくはフレーバー成分の炭素の数の比率、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために必要な触媒ステップの数、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される反応物、溶媒、および試薬の危険性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される精油の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される土地の表面積、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために生じる廃棄物の量、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される水の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるヤシ油もしくはヤシ油誘導体の量もしくは割合、ならびに/または
- フレグランスもしくはフレーバー成分の環境的毒性
を表す。
【0098】
そのような実施形態は、データ処理の観点で先に開示されており、適切なデータ収集を必要とする。
【0099】
天然成分のグリーンケミストリーの場合、そのような指標は、以下のように変化させられ得る:
- アトムエコノミーは、純粋な材料の抽出収率に置き換えられ、かつ
- 触媒効率は、定められた量の最終成分を得るための、または定められた量の純粋な材料を処理するための抽出エネルギー消費に置き換えられる。
【0100】
危険性を表す指標は、グリーンケミストリーの特定の抽出プロセスに適合され得る。
【0101】
更なる物理パラメータは、例えば、フレグランスもしくはフレーバー成分の認定された供給源の量もしくは割合であり得る。
【0102】
更なる物理パラメータは、例えば、フレグランスもしくはフレーバー成分の特定のアレルゲンの量もしくは割合であり得る。
【0103】
更なる物理パラメータは、例えば、フレグランスもしくはフレーバー成分中に法的に禁止されている成分が存在しないことであり得る。
【0104】
特定の実施形態では、方法100は、演算デバイスによって、総持続可能性影響デジタル指標を、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての少なくとも2つの異なる持続可能性影響デジタル指数の関数として決定するステップ120をさらに含む。
【0105】
決定するステップ120は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。このステップのアルゴリズム的性質は、目標総持続可能性影響デジタル指標についての望ましい出力に応じる。
【0106】
特定の実施形態では、
図7に示されるものなどの持続可能性影響デジタル指数の加重平均が使用され得る。
【0107】
図2は、本発明のデバイス200対象の特定の実施形態を表したものである。このフレグランスもしくはフレーバー成分または前記成分の組成物の物理パラメータデータベース構築デバイス200は、
- 測定可能な持続可能性物理パラメータを表す少なくとも1つの値をコンピュータインタフェースにて収集する手段であって、前記物理パラメータが、フレグランスもしくはフレーバー成分の固有の持続可能性物理パラメータを表すか、またはフレグランスもしくはフレーバー成分に関連する製造プロセスを表す測定可能な持続可能性物理パラメータを表し、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、収集する手段205と、
- 演算デバイスによって、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての持続可能性影響デジタル指数を演算する手段210と、
- フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての演算された持続可能性影響デジタル指数をデータベース220に保存する手段215と
を含む。
【0108】
先の手段の特定の実装形態の詳細は、
図1の記載で開示されているものなどの対応するステップに関して開示されている。理解されるように、収集する手段205は、物理的(センサー、入力システム)または論理的(APIまたはGUI)のいずれかであり得る。演算する手段210および保存する手段215は、対応するステップに対応するアルゴリズムの実行を担う演算システムによって実行されるソフトウェア要素であり得る。
【0109】
データベース220は、ローカルまたはリモートでホストされ得る。そのようなデータベース220は、ハードドライブまたはランダムアクセスメモリなどの任意のデジタルレジストリまたはメモリに対応する。
【0110】
図3は、本発明の方法300対象の特定の実施形態を表したものである。このコンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法300は、
- フレグランスもしくはフレーバー組成物中の少なくとも1種のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標有効性閾値を表す値をコンピュータインタフェースにて定義するステップであって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子またはフレグランスもしくはフレーバー組成物に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、定義するステップ305と、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ310と、
- 演算デバイスによって、例えば
図1に関して開示されている方法によって得られるフレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップ315と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として、取得された持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を定義された有効性閾値と比較するステップ320と、
- 比較するステップの結果を表す指標をコンピュータインタフェースにて提供するステップ325と
を含む。
【0111】
定義するステップ305は、例えば、ユーザ入力を収集するような手法で演算システムと相互作用するように適合されたキーボード、マウス、および/またはタッチスクリーンによって実施され得る。変形形態では、電子的に送られた入力コマンドを受け取るように構成された演算システムのネットワークポートなどの収集する手段は、本質的に論理的なものである。そのような入力手段は、ユーザに示されるGUI(グラフィックユーザインタフェース)またはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)に関連し得る。
【0112】
特定の変形形態では、定義するステップ305の最中に、望ましい有効性閾値に対応する数値を収集するための、キーボード入力を介してユーザ入力を収集することを担うデジタルコンポーネントを含むGUIがユーザに提示される。
【0113】
- この例では量915にそれぞれ関連する8種の成分910の組成物を示す、フレグランスもしくはフレーバー組成物中の成分の選択および構成専用のセクション905と、
- 先に開示されているような少なくとも1つの指標または指数に関する選択された各成分の性能の表示専用のセクション920と、
- 以下のもの:
-
図3に関して開示されているような、閾値ベースの改善、
-
図5に関して開示されているような、成分の置換、
-
図3に関して開示されているような、成分の除去、
-
図6に関して開示されているような、成分量の調節、および/または
-
図8に関して開示されているような、全体的な組成スコアリング
などの、ユーザによって起こすことができる配合改善能力(ボタンの形態であり、例えば、選択されている能力は、破線の輪郭で示される)を示す、スマートフレグランスもしくはフレーバー組成物専用のセクション925と
を含む、表示されたコンピュータインタフェース900を示すそのような変形形態は、
図9に提示されている。
【0114】
全体的な有効性閾値は、例えば特定の持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標に対応する二次有効性閾値によって置換され得るか、またはそれによって補完され得ることに留意されたい。
【0115】
選択するステップ310は、定義するステップ305と類似的に実施され得る。
【0116】
特定の変形形態では、選択するステップ310の最中に、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に対応する英数字ラベルのマウス選択を介してユーザ入力を収集することを担うデジタルコンポーネントを含むGUIがユーザに提示される。
【0117】
特定の実施形態では、選択するステップ310の最中に、特定のフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に対応する量がユーザによって定義され得る。
【0118】
取得するステップ315は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。このステップ315の最中に、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子に関連する関数として選択するために、データベースにアクセスするサーバーに送信され得る。
【0119】
比較するステップ320は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。この比較するステップ320の最中に、取得された少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標は、定義するステップ305の最中に定義された対応する有効性閾値と比較される。
【0120】
提供するステップ325は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。この提供するステップ325の最中に、比較するステップ320の結果は、GUIに示され得るか、またはAPIを介して別のシステムに電子的に送信され得る。
【0121】
特定の変形形態では、GUIは、少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を選択することによって、ユーザによって設定された組成と定義された有効性閾値との適合性を示す。
【0122】
図3に示されるような特定の実施形態では、方法300は、取得するステップ315の下流に、演算デバイスによって、総持続可能性影響デジタル指標を取得された少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数の関数として演算するステップ330をさらに含み、前記総持続可能性影響デジタル指標は、比較するステップ320で使用される。
【0123】
演算するステップ330は、
図1に関して開示されている決定するステップ120と類似的に実施され得る。
【0124】
対応する有効性閾値は、定義するステップ305の最中に、ユーザまたは別のデジタルシステムによって定義され得る。
【0125】
図3に示されるような特定の実施形態では、方法300は、フレグランスもしくはフレーバー成分の量を表す値をコンピュータインタフェースにて定義するステップ335をさらに含み、前記値は、演算するステップで使用される。
【0126】
量を定義するこのステップ335は、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を選択するステップ310と類似的に実施され得る。
【0127】
量を表す値は、割合(例えば、ppm)、モル数、またはミリグラムで測定された重量のいずれかであり得る。選択された異なるフレグランスもしくはフレーバー成分間の相対量によって、加重平均による組成物持続可能性影響デジタル指数または組成物総持続可能性影響デジタル指標の定義が可能になる。そのような量を定義することなく、標準平均、最小関数(最低スコアが適用される)、または最大関数(最高スコアが適用される)が使用される場合がある。
【0128】
図3に示されるような特定の実施形態では、方法300は、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替としての少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を、前記少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として選出するステップ340と、
- 選出された少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて提供するステップ345と
をさらに含む。
【0129】
選出するステップ340は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。対応するアルゴリズムの一例では、少なくとも1つの他のフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、スクリーニングされ、前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての少なくとも1つの持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標の値が演算される。次いで、組成物に対する前記持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標の値の影響を計算することができる。この影響が正である場合(すなわち、組成物のスコアが改善する場合)、この候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、ユーザまたは別のデジタルシステムによる可能な選択のためにコンピュータインタフェースにて提示され得る。
【0130】
より高度な実施形態では、少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、色調、揮発性、特定の時間後に知覚される能力、特定の距離で知覚される能力などの嗅覚特性の値に関連する。これらの実施形態では、スクリーニングのために選択される候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、置換のために選択されるフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の値に近似していることから選択される。
【0131】
他の実施形態では、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の組み合わせは、単一の選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を置換する候補としてスクリーニングされ得る。
【0132】
他の実施形態では、単一のフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、複数の選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を置換する候補としてスクリーニングされ得る。
【0133】
そのような選出するステップ340は、本発明の方法300対象の特定の実装形態に応じて変化し得る様々な選出規則を用いることができる。そのような規則は、例えば、以下のものであり得る:
- 候補成分は、組成物中の成分と同じCAS(the American Chemical Societyの「Chemical Abstracts Society」を表す)番号を有し、すなわち、成分の少なくとも1つの構成化学化合物(潜在的に多化合物(multi-compound))は、候補成分と置換すべき元々の成分との間で共有されている、
- 候補成分は、置換すべき元々の成分の再生可能炭素のパーセンテージと少なくとも等しい再生可能炭素のパーセンテージを有する、
- 組成物が具体化される工場/クリエーションセンター(creation center)についての価格の存在、および/または
- ISO9235/IFRA(「International Fragrance Association」を表す)の定義の通りの、置換すべき元々の成分の天然由来のIFRAとは異なる候補成分についての天然由来のパーセンテージ。
【0134】
提供するステップ345は、上記の提供するステップ325と類似的に実施され得る。
【0135】
図3に示されるような特定の実施形態では、方法300は、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の量もしくは割合を表す値を定義された有効性閾値の関数として計算するステップ350と、
- 計算された量をコンピュータインタフェースにて提供するステップ355と
をさらに含む。
【0136】
計算するステップ350は、例えば、専用ソフトウェアを実行するように構成された演算システムによって実施される。対応するアルゴリズムの一例では、選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の少なくとも1つの量は、定義された有効性閾値を満たすように調節される。これは、典型的には、他のフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子が組成物の一部である可能性および定義された有効性閾値に対してそれらの独自の影響を提示する可能性があるため、方程式系を解く必要があることを内包する。量もしくは割合のそのような変化は、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標についての定義された有効性閾値を満たす量の増加または減少のいずれかであり得る。
【0137】
より高度な実施形態では、少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子は、色調、揮発性、特定の時間後に知覚される能力、特定の距離で知覚される能力などの嗅覚特性の値に関連する。これらの実施形態では、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての置換量もしくは割合は、目標フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の嗅覚特性の値に対する影響を最小限に抑えるように計算される。
【0138】
他の実施形態では、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子についての量もしくは割合の組み合わせを提供して、組成物の性能を改善することができる。
【0139】
提供するステップ355は、上記の提供するステップ325と類似的に実施され得る。
【0140】
図3に示されるような特定の実施形態では、方法300は、フレグランスもしくはフレーバー組成物を、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として組み立てるステップ360をさらに含む。
【0141】
組み立てるステップ360は、例えば、組成物を組み立てるために使用される、当業者に知られている手段、デバイス、およびシステムの任意の組み合わせによって実施される。
【0142】
図4は、本発明のデバイス200対象の特定の実施形態を表したものである。このフレグランスまたはフレーバー組成デバイス400は、
- フレグランスもしくはフレーバー組成物中の少なくとも1種のフレグランスもしくはフレーバー成分についての持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標有効性閾値を表す値をコンピュータインタフェースにて定義する手段であって、前記フレグランスもしくはフレーバー成分が、フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子またはフレグランスもしくはフレーバー組成物に関連しており、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、定義する手段405と、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択する手段410と、
- 演算デバイスによって、例えば
図1に関して開示されている方法によって得られるフレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベース220から、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得する手段415と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として、取得された持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を定義された有効性閾値と比較する手段420と、
- 比較するステップの結果を表す指標をコンピュータインタフェースにて提供する手段425と
を含む。
【0143】
先の手段の特定の実装形態の詳細は、
図2の記載で開示されているものなどの対応するステップに関して開示されている。
【0144】
図5は、本発明の方法500対象の特定の実施形態を表したものである。このコンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法500は、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ310と、
- 演算デバイスによって、例えば
図1に関して開示されている方法によって得られるフレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップであって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップ315と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替としての少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を、前記少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として選出するステップ340と、
- 選出された少なくとも1つの候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて提供するステップ345と
を含む。
【0145】
この方法500は、有効性閾値が定義されていないという点で、
図3に関して開示されている方法300の代替的方法に対応する。むしろ、この方法500は、候補フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子を、選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替として提供することに焦点を当てている。
【0146】
この方法500の構成ステップについての特定の実装例は、
図3に関して記載されている。
【0147】
図6は、本発明の方法500対象の特定の実施形態を表したものである。このコンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法600は、
- 少なくとも1つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ310と、
- 演算デバイスによって、例えば
図1に関して開示されている方法によって得られるフレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも1つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップであって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップ315と、
- 演算デバイスによって、少なくとも1つの選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の量もしくは割合を表す値を定義された有効性閾値の関数として計算するステップ350と、
- 計算された量をコンピュータインタフェースにて提供するステップ355と
を含む。
【0148】
この方法600は、有効性閾値が定義されていないという点で、
図3に関して開示されている方法300の代替的方法に対応する。むしろ、この方法600は、最初に選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の量または比率の代替として、選択されたフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の代替的な量または比率を提供することに焦点を当てている。
【0149】
図8は、本発明の方法500対象の特定の実施形態を表したものである。このコンピュータ実装されたフレグランスまたはフレーバー組成方法800は、
- 少なくとも2つのフレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子をコンピュータインタフェースにて選択するステップ310と、
- 演算デバイスによって、例えば
図1の方法によって得られるフレグランスもしくはフレーバー成分物理パラメータデータベースから、持続可能性影響デジタル指数もしくは総持続可能性影響デジタル指標を、少なくとも2つの前記フレグランスもしくはフレーバー成分デジタル識別子の関数として取得するステップであって、少なくとも1つの前記物理パラメータが、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の炭素再生可能性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の生分解性、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるアップサイクルされた成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用されるバイオ技術的に処理された成分の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される再生可能原材料の量もしくは割合、
- フレグランスもしくはフレーバー成分の二酸化炭素換算フットプリント、または
- フレグランスもしくはフレーバー成分を得るために使用される有機原材料の量もしくは割合
を表す、取得するステップ315と、
- 総持続可能性影響デジタル指標を取得された少なくとも2つの持続可能性影響デジタル指数の関数として演算するステップ316と、
- 演算された総持続可能性影響デジタル指標をコンピュータインタフェースにて提供するステップ325と
を含む。
【0150】
この方法800は、有効性閾値が定義されていないという点で、
図3に関して開示されている方法300の代替的方法に対応する。むしろ、この方法800は、個々の成分指標および/または指数の集計によって組成物レベル性能指標および/または指数を提供することに焦点を当てている。演算するステップ316の最中に実施されるそのような集計は、個々の成分の指標および/または指数の平均または加重平均に対応し得る。
【0151】
そのような方法800において、別の態様は、どれほどのデータが計算に使用されたかを示すカバレッジ値と一緒に平均値を示すことができることである。カバレッジによって、データの完全性についての情報、したがって、結果としてデータの信頼性が与えられる。
【0152】
特定の実施形態では、本発明の任意の方法対象は、組成物の意図される嗅覚プロファイル(または色調)に適応し、かつ非常に好ましい持続可能性物理パラメータ値を提供する、鍵となる成分を決定するステップ(図示せず)をさらに含み得る。例えば、特定の組成物がラベンダーのような匂いを意図している場合、すなわち、構成成分のうちの1つが、ラベンダーの匂い(成分の色調)に寄与しており、測定された持続可能性物理パラメータについての平均を上回る値を提示する場合、この成分は、組成物の鍵として決定される。そのような成分は、例えば、GUIに強調表示され得る。
【国際調査報告】