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特表2024-533424モジュール式の構造を有するポンプ、特にトランスミッションオイルポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】モジュール式の構造を有するポンプ、特にトランスミッションオイルポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
F04C15/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515572
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2022074887
(87)【国際公開番号】W WO2023036834
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021210043.0
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519453607
【氏名又は名称】ヴィテスコ テクノロジーズ ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Vitesco Technologies Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 12,93055 Regensburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ズィギスムント ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ベーム
【テーマコード(参考)】
3H044
【Fターム(参考)】
3H044AA02
3H044BB05
3H044CC14
3H044DD01
3H044DD24
(57)【要約】
以下の本発明は、ポンプ(1)、好ましくはトランスミッションオイルポンプであって、ハウジング壁(31)を含むモータハウジング(34)を備えた電動モータ(4)と、ポンプハウジング(3)を備えたポンプ装置(2)であって、電動モータ(4)の駆動軸(10)が連結されているポンプ装置(2)と、電動モータ(4)を制御するためのモータ制御装置(6)を備えた電子機器ハウジング(33)と、を有しており、電子機器ハウジング(33)は、ポンプハウジング(3)の、電動モータ(4)とは反対の側で、取り外し可能にポンプハウジング(3)に取り付けられており、モータハウジング(34)の、エンドシールド(32)として形成されたハウジング壁(31)は、エンドシールド(32)の縁部における環状の溝(32.1)の領域で、モータハウジング(34)の縁部(34.1)に取り外し可能に配置されており、ポンプハウジング(3)は、縁部(3.1)における内側で環状に延在する角(3.2)で電動モータ(4)のエンドシールド(32)に取り外し可能に配置されている、ポンプ(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ(1)、特にトランスミッションオイルポンプであって、ハウジング壁(31)を含むモータハウジング(34)を備えた電動モータ(4)と、ポンプハウジング(3)を備えたポンプ装置(2)であって、前記電動モータ(4)の駆動軸(10)が連結されているポンプ装置(2)と、前記電動モータ(4)を制御するためのモータ制御装置(6)を備えた電子機器ハウジング(33)と、を有しており、前記電子機器ハウジング(33)は、前記ポンプハウジング(3)の、前記電動モータ(4)とは反対の側で、取り外し可能に前記ポンプハウジング(3)に取り付けられている、ポンプ(1)において、
前記モータハウジング(34)の、エンドシールド(32)として形成された前記ハウジング壁(31)は、前記エンドシールド(32)の縁部における環状の溝(32.1)の領域で、前記モータハウジング(34)の縁部(34.1)に取り外し可能に配置されており、前記ポンプハウジング(3)は、縁部(3.1)における内側で環状に延在する角(3.2)で前記電動モータ(4)の前記エンドシールド(32)に取り外し可能に配置されていることを特徴とする、ポンプ(1)。
【請求項2】
前記駆動軸(10)は、前記電動モータ(4)と前記ポンプ装置(2)との間に配置された前記ハウジング壁(31)における孔(30)を通して案内されており、前記孔の内面に、かつ/または前記軸の、前記孔内に位置する外面に、メアンダ状の構造または別の成形されたジオメトリが形成されている、請求項1記載のポンプ(1)。
【請求項3】
前記駆動軸(10)の軸端部(13)に接続された回転位置発信器(5)、および特に前記駆動軸(10)の前記軸端部(13)は、前記ポンプハウジング(3)内に回転可能に収容されており、前記モータ制御装置(6)の制御回路(17)と、前記モータ制御装置(6)に接続された回転位置センサ(7)とは、前記回転位置発信器(5)を収容する前記ポンプハウジング(3)に隣接して配置されている、請求項1または2記載のポンプ(1)。
【請求項4】
前記モータ制御装置(6)と前記回転位置センサ(7)とは、前記ポンプハウジング(3)の、ポンプチャンバ(8)を画定する壁(16)の、前記電動モータ(4)とは反対の側に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【請求項5】
前記駆動軸(10)は、前記ポンプ装置の、前記駆動軸によって駆動可能な少なくとも1つの構成要素を貫通して、特に前記ポンプ装置(2)全体を貫通して延在している、請求項1から4までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【請求項6】
前記回転位置センサ(7)は、前記モータ制御装置(6)の制御回路(17)が位置しているプリント基板(20)上に取り付けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【請求項7】
前記回転位置発信器(5)は、前記駆動軸(10)の軸端部(13)に端面側で取り付けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【請求項8】
前記回転位置発信器(5)は永久磁石であり、前記回転位置センサ(7)は磁界センサである、請求項1から7までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【請求項9】
前記回転位置センサ(7)は、前記駆動軸(10)の仮想の直線の延長線が、ジオメトリ的に前記回転位置センサ(7)を通るように位置決めされている、請求項1から8までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【請求項10】
前記回転位置センサ(7)と前記制御回路(17)とは、共に1つのプリント基板(20)上に取り付けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【請求項11】
前記プリント基板(20)は、前記回転位置センサ(7)および/または前記制御回路(17)の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/または前記プリント基板(20)上に配置されたその他の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/または前記プリント基板(20)の、回路平面に平行な少なくとも1つの表面領域が、前記ポンプハウジング(3)の、前記電動モータ(4)とは反対側の、ポンプチャンバ(8)を画定する壁(16)に熱を伝達するように直接または間接に接触するように位置するように、配置されている、請求項10記載のポンプ(1)。
【請求項12】
前記ポンプ装置(2)は加圧プレート(19)を含み、前記加圧プレート(19)は貫通開口を有しており、前記貫通開口を貫通して前記駆動軸(10)が延在しており、永久磁石である前記回転位置発信器(5)と、磁石ハウジング(15)とを含む構成群は、前記加圧プレート(19)の貫通孔直径よりも大きな直径を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載のポンプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ、好ましくはトランスミッションオイルポンプであって、ポンプ装置と、ポンプハウジングと、電動モータであって、その駆動軸がポンプ装置に連結されている電動モータと、駆動軸の軸端部に接続された回転位置発信器と、電動モータを制御するためのモータ制御装置と、モータ制御装置に接続された回転位置センサと、を有しているポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器と、回転位置発信器として使用される磁石とを、組み込まれた電子機器とセンサによる制御装置とを備えた電動トランスミッションオイルポンプ内に取り付けるための公知の解決手段は、とりわけ以下の2つの可能性となっている。1つの解決手段では、回転位置センサ(連行体)が組み込まれた電子機器が、電動モータにフランジ固定されていた。磁気的な回転位置発信器は、回転位置センサの近傍でモータ軸に直接配置されていた。これに関する欠点としては、電子機器が望ましくないことには加熱されることであると考えられる。代替的な解決手段としては、電動モータを制御するために用いられる電子機器をポンプ装置にフランジ固定することが知られている。このような既知の解決手段では、電動モータと、場合によってはポンプ装置とが、一方のモータ制御のために用いられる電子機器と、他方の回転位置発信器および回転位置センサとの間に位置している。これにより、回転位置センサが、電子機器から大きく離隔して配置されるので、回転位置センサを電子機器に手間をかけて電気的に接続しなければならない。
【0003】
公知の解決手段の発展形態は、独国特許出願公開第102017210426号明細書に記載されている。この明細書には、ポンプ装置と、ポンプ装置に流体接続された少なくとも1つのポンプチャンバを画定するポンプハウジングとを備えたポンプ、特にトランスミッションオイルポンプが記載されている。さらに、このポンプは、電動モータであって、その駆動軸がポンプ装置に連結されている電動モータと、駆動軸の軸端部に接続された回転位置発信器と、電動モータを制御するためのモータ制御装置と、モータ制御装置に接続された回転位置センサと、を有している。この場合、回転位置発信器と、駆動軸の軸端部とは、ポンプハウジング内に回転可能に収容されている。さらに、モータ制御装置の制御回路と回転位置センサとは、回転位置発信器を収容するポンプハウジングに隣接して配置されている。このような配置は、電動モータを制御するために用いられる電子機器の改善された冷却を可能にするものである。この場合、ポンプの可能な限りコンパクトな構造と、外部磁場に対して可能な限り外乱を受けにくい制御装置とが達成される。さらに、これにより、回転位置発信器と回転位置センサとの間の僅かな誤差を含む可能な限り小さな間隔が達成され、かつ、これに加えて、回転位置発信器と協働する回転位置センサを用いて、電動モータの駆動軸の回転位置の正確な検出が達成される。
【0004】
ポンプハウジングに対する電動モータハウジングのセンタリングは、この場合、ステータによって、正確に言うならば、ステータのコイルヘッドによって行われる。これは、普通はワイヤと、コンタクトエレメントと、場合によってはステータの射出成形被覆部とが邪魔になるので、通常は困難である。状況によっては、ステータの金属薄板積層体は、十分なセンタリングを可能にするために、ポンプハウジング内に大きく突入していなければならない。しかしながら、これにより、この配置の軸方向の構造高さが高くなってしまう。
【0005】
すなわち、電動モータまたは電動モータのハウジングおよびポンプまたはポンプハウジングのこのような配置における欠点は特に、最終組付け後に、場合によっては、駆動軸、電動モータのロータ、ポンプのロータが、互いに最適には位置合わせされていない点にある。これは、一方では、モータの磁場の特性に好ましくない影響を与える。他方では、良好に位置合わせされていないポンプロータのために、ポンプの吐出チャンバに偏心が生じ、これにより高まった半径方向の力を、相応の大きさの軸受によって補償しなければならない。
【0006】
通常、電動モータハウジングのハウジング壁として形成されるエンドシールドも、電動モータのステータによって方向付けされなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景から、本発明の根底にある課題は、冒頭で述べた形式のポンプを有利に改良することである。とりわけ、本発明は、改善された組付けおよび取外しを目的としており、この場合、特にポンプの個々の構成要素の同軸性が、組み付け状態において高まり、同時に構成要素の数が減少する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するために、本発明は、モータハウジングの、エンドシールドとして形成されたハウジング壁が、エンドシールドの縁部における環状の溝の領域で、モータハウジングの縁部に取り外し可能に配置されており、そして同時にポンプハウジングが、ポンプハウジングの縁部における内側で環状に延在する角で電動モータのエンドシールドに同じく取り外し可能に配置されていることを提案している。これには多数の利点がある。特に、モータとポンプ装置との位置合わせが、エンドシールドで行われる。モータハウジングのエンドシールドは、一方では、ポンプの実質的な構成要素のセンタリングのために機能する。他方では、このエンドシールドは、この領域で駆動軸のための軸受として用いられ、これにより特に、構成要素数を、ひいてはコストを削減することができる。これにより、特に、ポンプにおける駆動軸の場合によっては生じる誤った方向付けに関する誤差の連鎖も減少する。全体として、ポンプの構成要素の配置における同軸性の向上が達成される。
【0009】
駆動軸は、電動モータとポンプ装置との間に配置されたハウジング壁における孔を通して案内されており、孔の内面に、かつ/または軸の、孔内に位置する外面に、メアンダ状の構造または別の成形されたジオメトリが形成されていることが可能である。このようなハウジング壁は、エンドシールドであってよい。メアンダ状の構造によってまたは適切に成形された別のジオメトリによって、特に例えば40バールのベーンポンプの圧力により、漏れオイルをポンプから電動モータに供給し、その冷却のために使用することができる。モータの冷却の他にさらに、軸および滑り軸受の潤滑も達成される。電動モータと電子機器/制御装置との間の電気的な接続部は、吐出すべき流体、特にオイルから隔離することができる。このような設計の形状により、電動モータと、制御のために用いられるその電子機器との間の極めて短い接続を達成することができる。
【0010】
特に、駆動軸の軸端部に接続された回転位置発信器、および特に駆動軸の軸端部は、ポンプハウジング内に回転可能に収容されており、モータ制御装置の制御回路と、モータ制御装置に接続された回転位置センサとは、回転位置発信器を収容するポンプハウジングに隣接して配置されている。
【0011】
これにより複数の利点が得られる。一方では、ポンプチャンバを画定するポンプハウジングに対するモータ制御装置の可能な限り密に隣接する配置が、モータ制御装置からの、特に整流回路からの、ポンプハウジング内への熱排出を促進し、そこから、吐出される流体(好ましくはオイル)による熱放出を促進する。他方では、これに関連して、回転位置センサが回転位置発信器から僅かな間隔しか置いておらず、かつ同時にモータ制御装置の近傍に位置することができるという利点も達成される。回転位置センサは、回転位置発信器の、動作中に継続的に変化する位置に依存する正確なセンサ信号をモータ制御のために生成することができる。簡単な、かつ同時に特に回転位置センサへの外部磁界に対する外乱影響に対して敏感ではない構造であると同時に、低コストの材料を使用する場合には特に単純かつ省スペースの構造が可能となる。また、ポンプを容易に取り付け、取り外すことができる構造も達成することができる。
【0012】
好適には、回転位置センサと回転位置発信器との間の間隔は、数ミリメートルの範囲にある。回転位置発信器と回転位置センサとの間の間隔が僅かであるように選択されているので、間隔のサイズに応じて誤差も僅かにすることができる。可能な限り最良のセンサ信号を得るために、この間隔が特に無段階式に調節可能であることが有利であるとみなされる。これにより、駆動軸の回転位置検出の高度な精度を達成することができる。回転位置の代わりに、回転状態と言うこともできる。
【0013】
ポンプは、好ましくは、オイルポンプ、例えばトランスミッションオイルポンプであってよい。しかしながら、使用はこれに限定されるものではなく、例えばウォーターポンプとしての使用のような、あらゆる液状のポンプ圧送可能な媒体のために使用される。
【0014】
好適には、ポンプハウジングはモジュール式に形成されている、すなわちポンプのハウジングモジュールを形成する。好ましくは、ポンプハウジングは、モータハウジングと電子機器ハウジングとの間に配置することができる。ポンプハウジングは、一方のポンプ装置およびその吸込側ポンプチャンバおよび吐出側ポンプチャンバと、他方の電子機器との間のインターフェースを成すことができる。ポンプハウジングは、一方では、例えば、電動モータのエンドシールドと共に、ポンプ装置のための湿潤室を成すポンプ室とそのポンプチャンバとを画定することができ、同時に、例えば、電子機器ハウジングと共に、電子機器または電動モータの制御のための乾燥室を成す電子機器室を画定することができる。そういう意味では、このポンプハウジングは多機能性のモジュール式ポンプハウジングである。ポンプハウジングが、電子機器室を画定するためにも、すなわち、電子機器ハウジングとしても機能するように用いられることにより、構成全体および取り付け/取り外しを簡単かつ安価に行うことができる。回転位置センサと制御装置との間の空間的緊密性により、従来技術では必要な、センサ機器への電子機器の付加的な手間のかかる接続を省くことができる。電子機器または電動モータの制御装置が、ポンプ装置のポンプチャンバからの距離が僅かであることにより、吐出される流体(好ましくはオイル)によって冷却することができるので、パワーエレクトロニクスのために必要なその他別個の冷却系を省くことができる。このことも、簡単かつ安価な構造および好適な組付け/取り外しに貢献する。さらに、回転位置発信器および回転位置センサを含むセンサ機器を、このセンサ機器のために制御装置とは別個の第2のプリント基板または付加的な電子的な接続を必要としないように選択し配置することができるという利点がある。電子機器または制御装置を、ポンプハウジングによって画定される電子機器室内に配置することにより、回転位置センサと電子機器または制御装置との間距離を短縮することができる。電子機器構成スペースは、ポンプハウジングの壁によってポンプ室から分離することができる。
【0015】
好適には、モータ制御装置と回転位置センサとは、ポンプハウジングの、ポンプチャンバを画定する壁の、電動モータとは反対の側に配置されている。モータ制御装置の制御回路の構成要素と、ポンプハウジングの、ポンプチャンバを画定する、電動モータとは反対側の壁との間の間隔が数ミリメートルの範囲にある、または1ミリメートル未満であることが可能である。間隔が減少するほど、かつこの間隔が完全に省略される場合には特に、モータ制御装置から、ポンプハウジングおよびポンプハウジング内で圧送される流体、好ましくはオイルへの熱伝達が促進され、これにより有利にはモータ制御装置の冷却を達成することができる。ポンプチャンバは、好ましくは、ポンプ装置に流体接続される、吐出される流体、好ましくはオイルの(吐出側のポンプチャンバとしての)吐出チャンバである。
【0016】
駆動軸が、この駆動軸によって駆動可能な、ポンプ装置の少なくとも1つの構成要素を貫通して延在することは有利であるとみなされる。これにより、回転位置発信器ひいては回転位置センサと電動モータの制御装置との間の所望の僅かな間隔を助長することができる。好適には、回転位置センサは、モータ制御装置の制御回路が位置しているプリント基板上に取り付けられている。好適な構成では、回転位置発信器が、駆動軸の軸端部に端部側で取り付けられている。好ましくは磁気的な回転位置発信器を、ポンプ側(湿潤室)で駆動軸上に取り付けることができる。回転位置センサ(連行体)は、ハウジング内の乾燥した電子機器室の内側に装着することができる。好ましくは、回転位置発信器を駆動軸に後から、すなわち、ポンプ装置の構成要素を貫通するように駆動軸が案内された後で取り付けることができる。これにより、回転位置発信器は、ポンプ装置における横断面で見て最小の貫通部よりも大きな寸法、特に大きな直径を有することができる。これにより、回転位置センサが比較的大きな寸法を有している場合でも、ポンプの半径方向の広がりをコンパクトに形成することができる。
【0017】
好適には、回転位置発信器は永久磁石であり、回転位置センサは磁界センサである。後からの組付けが可能であるので、十分に強力な磁場を生成するために磁石を十分大型に構成することができる。一方では、磁石の正確な軸方向の配置を可能にするために、他方ではポンプの後からの取り外しを容易にするために、磁石を付加的なエレメント内で案内するまたは保持することが可能である。磁石ハウジングと呼ぶことができるこのエレメントは、好ましくは、駆動軸に対するインターフェースで、駆動軸と同様の膨張係数を有している。これにより、駆動軸に対する磁気的な回転位置発信器の摩擦接続的な確実な結合(特にプレス嵌め)が可能となる。磁気的な回転位置発信器の、隣接するポンプハウジングに対する軸方向の位置の誤差が僅かであるように保持するために、磁石ハウジングを、組付けの際に駆動軸上に寸法を合わせて押し嵌めることができる。加えて、磁石サイズに関して得られた自由度により、安価な磁石材料(例えば、サマリウムコバルト)を使用することができる。ポンプが半径方向で小さな寸法を有することができるので、ポンプの摩擦モーメントも僅かであるように保持することができる。
【0018】
好適には、回転位置センサは、駆動軸の仮想の直線の延長線が、ジオメトリ的に回転位置センサを通るように位置決めされている。好ましくは、ポンプハウジングの、電動モータとは反対側の、ポンプ室を画定する壁が、回転位置センサと回転位置発信器との間の領域で、側方で隣接する壁領域よりも薄く構成されており、特に2ミリメートルよりも小さい厚さを有している。好適には、回転位置センサと制御回路とは、共に1つのプリント基板上に取り付けられている。プリント基板は、例えば、いわゆるプリント回路基板(PCB)であり、または例えば、セラミック回路支持体、または例えばフレックス基板または例えばリジットフレックス基板であってよい。
【0019】
制御回路のパワーエレクトロニクスからの熱の除去を良好にするために、好適には、プリント基板は、回転位置センサおよび/または制御回路の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/またはプリント基板上に配置されたその他の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/またはプリント基板の、回路平面に平行な少なくとも1つの表面領域が、ポンプハウジングの、電動モータとは反対側の、ポンプチャンバを画定する壁に熱を伝達するように直接または間接に接触するように位置するように、配置されている。プリント基板には、例えば、トランジスタ、特に、いわゆるMOSFET、またはその他の電気的かつ/または電子的構成素子を実装することができる。特に、複数の構成素子が互いに反対側の両プリント基板面の同じ位置に配置されるように、プリント基板の両面実装をすることも可能である。
【0020】
ポンプハウジングの、電動モータとは反対側の、ポンプチャンバを画定する壁に外側から熱伝達するように熱伝導体を設け、この場合、熱伝導体は、特に、固体のまたはペースト状のまたは液状の熱伝導体であって、回転位置センサおよび/または制御回路の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/またはプリント基板上に配置されたその他の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/またはプリント基板の、回路平面に平行な少なくとも1つの表面領域が、熱伝導体に熱を伝達するように接触するように位置することは、好適な発展形態とみなされる。熱伝導体は、例えば熱伝導接着剤であってよい。これに関連して、シール接着剤を塗布することができ、これにより、ポンプハウジングに対する、および周囲に対する電子機器の密封性が達成される。パワーエレクトロニクスの熱除去のための熱伝導接着剤ならびにシール接着剤の使用により、接着材料が硬化した状態では、その他必要な固定エレメント、例えば、ねじ、リベット等を省くことができる。このこともスペースおよび工程省略に貢献する。
【0021】
ポンプハウジングの、プリント基板に面している、ポンプチャンバを画定する壁は、外面に、1つのドーム状の突出部または複数のドーム状の突出部を有していてよい。1つまたは複数の突出部は、制御回路、プリント基板、またはプリント基板に実装されたその他の電気的/電子的構成素子から、ポンプハウジングの、ポンプチャンバを画定する壁への熱伝達を良好にすることができる。電子場の影響に対して敏感ではないように選択された回転位置センサと組み合わされた制御装置またはパワーエレクトロニクスにより、ほぼ平行に重なり合って位置するプリント基板が両面実装される際に、(ポンプの可能な限り小さな寸法に起因して)小さな構造空間の内側で冷却すべきすべての電子構成要素を最適に冷却することができる。パワーエレクトロニクスの熱排出は、(ポンプハウジングに対しておよび周囲に対して電子機器をシールする)付加的なシール接着剤と結合した熱伝導接着剤を介して行うことができる。
【0022】
ポンプ装置は、ベーンポンプ装置であってよい。ベーンポンプ装置も、ポンプの省スペース構造に好適である。代替的には、別のタイプのポンプ、例えばGロータの使用も可能である。
【0023】
ポンプハウジングを起点として1つのまたは複数の突出部がポンプチャンバ内に延在していてよく、これらの突出部は、動作中、ポンプチャンバ内で層流または乱流を促進するように形成されている。このようにして、冷却のために好適な形式の流れが活性化されるので、活性化された層流または活性化された乱流と呼ぶことができる。突出部は、熱搬送のために好適な形式の流れを発生させるように構成または配置されていてよい。好適には、少なくとも1つのドーム状の、好ましくはリング状の突出部が形成されている。好ましくは、ポンプハウジングは、鋳造法により、好適にはダイキャスト法により製造することができる。材料としては、例えばアルミニウムが考慮されるが、別の材料を使用することもできる。ポンプハウジングを好ましくはモジュール式に形成し、ポンプで必要時に別のポンプハウジングと交換することができることにより、(特に冷却出力に対する)要求に応じて、これに適合したジオメトリを、特にこれに適合した、吐出室内に突入する突出部を備えたポンプハウジングを選択することができる。この点において、互いに異なるポンプハウジングを、例えば、鋳造工具内に交換インサートを配置することによって、または交換インサートを取り去ることによって、製造することができる。このようにして、個別に生じる要求を考慮し、制御装置、特に整流回路の効果的な除熱を可能にするポンプハウジングを準備することができる。特に、交換インサートの関連で可能な、冷却ドームジオメトリの適合により、異なるパワー半導体および特にこれにより生じる比較的高い電流の変化時に、目下、例えば700Wから例えば推定される1500Wまでのポンプ出力の拡張性を、電動ポンプの全体構造が同じでありながら達成することができる。電動モータにおける相対的に長い薄板パッケージを、場合によっては適合させることができる。これは、モジュール式の構成形式の範囲内で可能である。
【0024】
電動モータは、特に単相または三相のブラシレス直流モータであってよい。制御回路がパワーエレクトロニクス、特に整流回路を含んでおり、整流回路は、特にB2-ブリッジまたはB6-ブリッジ、または中点タップ式回路またはフルブリッジのような電気配線を有していることが有利であるとみなされる。整流回路は、構成要素として、例えば、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、コイル等を有していてよい。
【0025】
既に説明したように、好適には、ポンプおよびポンプハウジングがモジュール式に形成されており、この場合、特に、ポンプハウジングは電動モータのエンドシールドに取り外し可能に取り付けられていて、ポンプハウジングの、電動モータとは反対側では電子機器ハウジングが取り外し可能にポンプハウジングに取り付けられている。エンドシールドとポンプハウジングとによって、湿潤室であるポンプ室を画定することができ、ポンプハウジングと電子機器ハウジングとによって、乾燥室である電子機器室を画定することができる。電動モータの相ラインが最も高い個所でポンプから半径方向に出ており、ここで、モータ軸に対して平行に、制御装置の方向に案内されることが可能である。この場合、モータと電子機器との間に取り外し可能な結合部材または取り外し不能な結合部材を選択的に装着することができる。ポンプ装置は加圧プレートを含み、加圧プレートは貫通開口を有しており、貫通開口を貫通して駆動軸が延在しており、永久磁石である回転位置発信器と、磁石ハウジングとを含む構成群は、加圧プレートの貫通孔直径よりも大きな直径を有していることが可能である。十分な強度の磁界を得るために、磁石は、少なくとも所定の直径を有していなければならない。7.5ミリメートルよりも大きな磁石直径が好適である。しかしながら、(事前に装着された磁石を含む組付けのための)加圧プレートにおける相応に大きな通過部(貫通開口)が、ポンプロータとプレートとの間のシール面を縮小し、またはシール面が同じ場合、ポンプは半径方向でより大きく構成され、これによって、より不都合な摩擦半径が生じることになる。小さな貫通孔直径(通過部直径)と大きな磁石直径との間のこのような目標の対立の解消は、本願に記載される、磁石を事後的に取り付ける手段によって達成される。
【0026】
以下に、好適な実施例を示した添付の図面に基づき本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術によるポンプを概略的に示す断面図である。
図2】好適な実施例による本発明によるポンプを概略的に示す断面図である。
図3図2の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
従来技術の説明
図1を参照して、従来技術によるポンプ1を説明する。これは、例えば自動車のために使用することができるようなトランスミッションオイルポンプである。ポンプ1は、ポンプ装置2と、ポンプハウジング3と、電動モータ4と、回転位置発信器5と、電動モータ4を制御するためのモータ制御装置6と、回転位置センサ7とを有する。ポンプ装置2は、ベーンポンプ装置18と加圧プレート19とを有する。ポンプハウジング3は、ポンプ装置2と、このポンプ装置2に流体連通されている吐出側ポンプチャンバ8と、このポンプ装置2に流体連通されている吸込側ポンプチャンバ9とを画定している。電動モータ4は、この例では、三相ブラシレス直流モータであって、駆動軸10と、駆動軸に接続されたロータ11と、ロータを円筒状に取り囲むステータ12とを有している。駆動軸10は、トルクを伝達するために、図1の概略図には示されていない、ベーンポンプ装置18の回転シリンダに相対回動不能に接続されている。この例では永久磁石である回転位置発信器5は、ポンプハウジング内の直径が僅かに大きな孔14内で回転可能な、駆動軸10の軸端部13に端面側で取り付けられている。これに適合するように、回転位置センサ7は磁界センサである。永久磁石である回転位置発信器5は、円筒状の磁石ハウジング15内に固定されており、この磁石ハウジングは、プレス嵌めによって軸端部13に押し嵌められているので、この場合、孔14の端壁と、回転位置発信器5の、この端壁に面した表面との間で所望の軸方向間隔を調節することができる。駆動軸10の軸端部13と、この軸端部に端面側で取り付けられた回転位置発信器5とは、ポンプハウジング3の孔14内に回転可能に収容されている。モータ制御装置6と回転位置センサ7とは、ポンプハウジング3の、電動モータ4とは反対側の壁16に隣接するように配置されていて、この壁内には孔14が位置している。
【0029】
軸端部13が、回転位置センサ7に隣接する、壁16の孔14内に位置することができるように、駆動軸10は、この駆動軸によって駆動可能な、ポンプ装置2の構成要素を貫通して延在している。この例では、駆動可能な構成要素とは、少なくとも1つの回転可能なシリンダ(ロータ)であって、このシリンダはそれ自体に半径方向のガイドを形成しており、これらのガイド内にはベーンが滑動するように配置されている。このロータ(または、必要に応じて複数のロータ)は、概略的にしか示されていないその限りで斜線で示されたベーンポンプ装置18の内側に位置している。さらに、駆動軸10は、軸端部13の方向で、加圧プレート19を貫通して、ここからさらに孔14内にまで延在している。
【0030】
回転位置センサ7とモータ制御装置6の制御回路17とは共に、1つのプリント基板20上に取り付けられている。プリント基板20は、ポンプハウジング3の、形状が適合している凹部21内に装着されていて、その外縁で、ポンプハウジング3の隣接する壁に取り付けられており、例えば接着されている。符号22によって、プリント基板20の電流供給部が示されている。さらに、プリント基板20には信号ライン23が接続されている。信号ラインは、例えば電動モータ4の回転数を変更するために、または電動モータ4をオン・オフ切り替えするために、制御信号を供給するために用いられる。図1では、制御回路17が、B6ブリッジを含む整流回路24を有している。したがって、電動モータ4は、三相直流モータである。モータの3つの相U、V、Wからは、まとめて符号25で示された相ラインが延びており、これらの相ラインは、プリント基板20と、プリント基板上に形成された制御回路17とに接続されている。この説明から、電動モータ4がセンサベースの制御を有していることがわかる。
【0031】
図1では、ポンプハウジング3の、電動モータ4とは反対側の、吐出側ポンプチャンバ8を画定する壁16に、外側で複数の区分において熱伝導体26が取り付けられていることが想定されている。熱伝導体26が取り付けられている区分は、回転位置センサ7と、さらにプリント基板20上に配置された2つのトランジスタ27(いわゆるMOSFET)と、回路面に平行な、プリント基板20の複数の表面領域とが、熱伝導的に熱伝導体26に接触し、熱伝導体26によって壁16にも熱伝導接触するように選択されている。この場合、壁16は、熱伝達を良好にするために、プリント基板20に面した側にドーム状の突出部28を有している。この例では、さらに、壁16の逆の壁側を起点として、同様にドーム状の突出部29が、吐出側ポンプチャンバ8内へと延在しており、これによりその内部で、壁16から、ポンプチャンバ8内で流れる流体(図1には示されていない)への熱伝達のために有利な流れの形式(層流または乱流)が促進される。
【0032】
図1では、駆動軸10は、電動モータ4とポンプ装置2との間に配置されたハウジング壁31に設けられた孔30を通して案内されており、ハウジング壁31は、電動モータ4のエンドシールド32である。この例では、孔30の内面に、メアンダ状の凹部(図1には図示されていない)が形成されており、これらの凹部は、電動モータの冷却のために、ポンプ装置2から漏れる流体を電動モータ4に供給するのに適している。図示した実施例では、ポンプハウジング3はモジュール式に構成されていて、複数の機能を有している。ポンプハウジング3は、電動モータ4のエンドシールド32に取り外し可能に取り付けられており、ポンプハウジング3の、電動モータ4とは反対の側には、電子機器ハウジング33が取り外し可能に取り付けられている。電動モータ4は、エンドシールド32と、付加的にモータハウジング34とによって取り囲まれている。駆動軸10は、孔30内で滑動するように、モータハウジング34内の詳しくは図示されていない軸受35で支持されている。
【0033】
実施形態の説明
図2を参照して、本発明によるポンプ1の好適な実施例を説明する。
【0034】
モータハウジング34、エンドシールド32およびポンプハウジング3の縁部領域の構成、およびこれらの構成要素の互いに対する相応の配置を除いて、図2における本発明によるポンプ1の構造は、実質的に図1に示した従来技術によるポンプに相当しており、図2では、特にポンプ室8および9における突出部と、ポンプハウジング3への熱伝導接続部を含めた電子機器ハウジング33の個々の構成部材とは、詳細には示されていない。
【0035】
モータハウジング34、エンドシールド32およびポンプハウジング3の縁部領域の本発明による構成、およびこれらの構成要素の互いに対する相応の配置は、図3に詳細に示されている。
【0036】
エンドシールド32として形成された、モータハウジング34のハウジング壁31は、モータハウジング34に面した縁部に環状の溝32.1を有しており、エンドシールド32は、溝32.1の領域でモータハウジング34の縁部34.1に取り外し可能に配置されている。エンドシールド32の、モータハウジング34とは反対の側では、さらに、ポンプハウジング3が、ポンプハウジング3の縁部3.1における内側で環状に延在する角3.2でエンドシールド32に取り外し可能に配置されている。したがって、ポンプ1の構成要素の組付けの際には、エンドシールド32は、その他の構成要素が方向付けされる、特にセンタリングされる構成要素である。組付け後に生じる軸方向の力は、特に、電動モータのステータに作用するのではなく、エンドシールド32においてニュートラルにされる。
【0037】
モータハウジング34または電動モータ4のエンドシールド32は、一方では、ポンプの実質的な構成要素のセンタリングのために機能する。他方では、エンドシールド32は、特に、この領域で駆動軸10のための軸受としても用いられ、これにより特に、相応の軸受を省くことによって、構成要素数を、ひいてはコストを削減することができる。これにより、特に、ポンプ1における駆動軸10の場合によっては生じる誤った方向付けに関する誤差の連鎖も減少する。全体として、公知の従来技術に対して、本発明によるポンプの構成要素の配置における同軸性の向上が達成される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ(1)、特にトランスミッションオイルポンプであって、ハウジング壁(31)を含むモータハウジング(34)を備えた電動モータ(4)と、ポンプハウジング(3)を備えたポンプ装置(2)であって、前記電動モータ(4)の駆動軸(10)が連結されているポンプ装置(2)と、前記電動モータ(4)を制御するためのモータ制御装置(6)を備えた電子機器ハウジング(33)と、を有しており、前記電子機器ハウジング(33)は、前記ポンプハウジング(3)の、前記電動モータ(4)とは反対の側で、取り外し可能に前記ポンプハウジング(3)に取り付けられている、ポンプ(1)において、
前記モータハウジング(34)の、エンドシールド(32)として形成された前記ハウジング壁(31)は、前記エンドシールド(32)の縁部における環状の溝(32.1)の領域で、前記モータハウジング(34)の縁部(34.1)に取り外し可能に配置されており、前記ポンプハウジング(3)は、縁部(3.1)における内側で環状に延在する角(3.2)で前記電動モータ(4)の前記エンドシールド(32)に取り外し可能に配置されていることを特徴とする、ポンプ(1)。
【請求項2】
前記駆動軸(10)は、前記電動モータ(4)と前記ポンプ装置(2)との間に配置された前記ハウジング壁(31)における孔(30)を通して案内されており、前記孔の内面に、かつ/または前記軸の、前記孔内に位置する外面に、メアンダ状の構造または別の成形されたジオメトリが形成されている、請求項1記載のポンプ(1)。
【請求項3】
前記駆動軸(10)の軸端部(13)に接続された回転位置発信器(5)、および特に前記駆動軸(10)の前記軸端部(13)は、前記ポンプハウジング(3)内に回転可能に収容されており、前記モータ制御装置(6)の制御回路(17)と、前記モータ制御装置(6)に接続された回転位置センサ(7)とは、前記回転位置発信器(5)を収容する前記ポンプハウジング(3)に隣接して配置されている、請求項1または2記載のポンプ(1)。
【請求項4】
前記モータ制御装置(6)と前記回転位置センサ(7)とは、前記ポンプハウジング(3)の、ポンプチャンバ(8)を画定する壁(16)の、前記電動モータ(4)とは反対の側に配置されている、請求項記載のポンプ(1)。
【請求項5】
前記駆動軸(10)は、前記ポンプ装置の、前記駆動軸によって駆動可能な少なくとも1つの構成要素を貫通して、特に前記ポンプ装置(2)全体を貫通して延在している、請求項1記載のポンプ(1)。
【請求項6】
前記回転位置センサ(7)は、前記モータ制御装置(6)の制御回路(17)が位置しているプリント基板(20)上に取り付けられている、請求項記載のポンプ(1)。
【請求項7】
前記回転位置発信器(5)は、前記駆動軸(10)の軸端部(13)に端面側で取り付けられている、請求項記載のポンプ(1)。
【請求項8】
前記回転位置発信器(5)は永久磁石であり、前記回転位置センサ(7)は磁界センサである、請求項記載のポンプ(1)。
【請求項9】
前記回転位置センサ(7)は、前記駆動軸(10)の仮想の直線の延長線が、ジオメトリ的に前記回転位置センサ(7)を通るように位置決めされている、請求項記載のポンプ(1)。
【請求項10】
前記回転位置センサ(7)と前記制御回路(17)とは、共に1つのプリント基板(20)上に取り付けられている、請求項記載のポンプ(1)。
【請求項11】
前記プリント基板(20)は、前記回転位置センサ(7)および/または前記制御回路(17)の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/または前記プリント基板(20)上に配置されたその他の少なくとも1つの電気的もしくは電子的構成素子および/または前記プリント基板(20)の、回路平面に平行な少なくとも1つの表面領域が、前記ポンプハウジング(3)の、前記電動モータ(4)とは反対側の、ポンプチャンバ(8)を画定する壁(16)に熱を伝達するように直接または間接に接触するように位置するように、配置されている、請求項10記載のポンプ(1)。
【請求項12】
前記ポンプ装置(2)は加圧プレート(19)を含み、前記加圧プレート(19)は貫通開口を有しており、前記貫通開口を貫通して前記駆動軸(10)が延在しており、永久磁石である前記回転位置発信器(5)と、磁石ハウジング(15)とを含む構成群は、前記加圧プレート(19)の貫通孔直径よりも大きな直径を有している、請求項記載のポンプ(1)。
【国際調査報告】