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特表2024-533435規則的な構造を有する触媒およびその調製方法ならびに排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】規則的な構造を有する触媒およびその調製方法ならびに排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減する方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/89 20060101AFI20240905BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B01J23/89 A
B01D53/94 230
B01D53/94 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515621
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2022118239
(87)【国際公開番号】W WO2023036315
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111054723.6
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111055118.0
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523143774
【氏名又は名称】中石化石油化工科学研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】姜秋橋
(72)【発明者】
【氏名】宋海濤
(72)【発明者】
【氏名】趙東越
(72)【発明者】
【氏名】鳳孟龍
(72)【発明者】
【氏名】曲亜坤
(72)【発明者】
【氏名】沙昊
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
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4G169EC25
4G169EC28
4G169FA01
4G169FA02
4G169FB05
4G169FB14
4G169FB23
(57)【要約】
SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒であって、規則的な構造を有する担体と、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングとを含む。上記触媒の総重量を基準にして、活性成分コーティングの含有量は1~50重量%である。活性成分コーティングは、マトリックスと活性金属成分とを含み、活性成分コーティングの総重量を基準にして、マトリックスの含有量は10~90重量%であり、活性金属成分の含有量は10~90重量%である。活性金属成分は、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される1つ以上の金属成分を50~95重量%;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分を5~50重量%;3)元素として、貴金属成分を0.01~2重量%含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒であって、
上記触媒は、規則的な構造を有する担体と、当該規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングと、を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量は1~50重量%であり、
上記活性成分コーティングは、マトリックスおよび活性金属成分を含み、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量は10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量は10~90重量%であり、
上記活性金属成分は、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、50~95重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、5~50重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.01~2重量%の貴金属成分を含む、規則的な構造を有する触媒。
【請求項2】
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が5~40重量%であり;および/または、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が40~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~60重量%であり;および/または、
上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、60~90重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、10~40重量%の非貴金属成分;、3)元素として、0.02~1.5重量%の貴金属成分を含み、
好ましくは、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が10~35重量%であり;および/または、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が50~80重量%であり、上記活性金属成分の含有量が20~50重量%であり;および/または、
上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、65~85重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、15~35重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.03~1.2重量%の貴金属成分を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の規則的な構造を有する触媒。
【請求項3】
上記マトリックスが、アルミナ、スピネル、ペロブスカイト、シリカ-アルミナ、ゼオライト、カオリン、珪藻土、およびパーライトのうちの少なくとも1つであり、好ましくは、アルミナ、スピネル、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1つであり、さらに好ましくはアルミナであり;
好ましくは、規則的な構造を有する担体が、両端が開口した平行チャネル構造を有するモノリス担体から選択され;
好ましくは、規則的な構造を有する担体が、断面において10~300の孔/平方インチの孔密度、および20~80%の開口率を有し;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体が、コーディエライトハニカム担体、ムライトハニカム担体、ダイヤモンドハニカム担体、コランダムハニカム担体、ジルコニア-アルミナ融合ハニカム担体、石英ハニカム担体、ネフェリンハニカム担体、長石ハニカム担体、アルミナハニカム担体、および金属合金ハニカム担体からなる群から選択される少なくとも1つである、先行する請求項のいずれか1項に記載の規則的な構造を有する触媒。
【請求項4】
上記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdのうちの1つ以上であり、好ましくはLaおよび/またはCe、より好ましくはLaであり;
上記第IIA族金属成分が、Be、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1つ以上であり、好ましくはMgであり;
第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVのうちの1つ以上であり、好ましくはCo、FeおよびMnのうちの少なくとも1つであり、より好ましくはMnならびにCoおよび/またはFeであり、さらに好ましくはMnおよびCoであり;
上記貴金属成分が、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1つ以上であり、好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1つ以上であり、より好ましくはPdである、先行する請求項のいずれか1項に記載の規則的な構造を有する触媒。
【請求項5】
上記活性金属成分の総量に基づいて、酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の含有量に対する、希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分の含有量の比が、1~8、好ましくは1.5~6、より好ましくは2~4である、先行する請求項のいずれか1項に記載の規則的な構造を有する触媒。
【請求項6】
上記活性金属成分が、
1a)酸化物として、希土類族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはLa;
1b)酸化物として、第IIA族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはMg;
2a)酸化物として、第VB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはCo;
2b)酸化物として、第VIIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはMn;
3)元素として、Pt、PdおよびRhのうち1つ以上、好ましくはPd、
を含むまたはからなる、先行する請求項のいずれか1項に記載の規則的な構造を有する触媒。
【請求項7】
上記活性金属成分の総量が100重量%であることを基準として、
1a)の含有量が30~80重量%であり、
1b)の含有量が5~40重量%であり、
2a)の含有量が3~30重量%であり、
2b)の含有量が3~20重量%であり、
c)の含有量が0.01~0.2重量%である、請求項6に記載の規則的な構造を有する触媒。
【請求項8】
La:Coのモル比が、(1~6):1、例えば(2.5~3.5):1である、請求項6に記載の規則的な構造を有する触媒。
【請求項9】
上記触媒が、粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=33.0°±0.1°、33.5°±0.1°および47.5°±0.1°、ならびに27.0°±0.1°、28.0°±0.1°および39.5°±0.1°に特徴的なピークを有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項10】
上記触媒が、SOを含む雰囲気に曝露された触媒である、先行する請求項のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項11】
上記触媒が、SOを含む雰囲気に曝露された触媒であり、
上記触媒が、粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=28.6°±0.1°、30.0°±0.1°および50.4°±0.1°に特徴的なピークを有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項12】
SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒を調製する方法であって、
(1)希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分の前駆体と、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の前駆体とを含む溶液を調合する工程;
(2)工程(1)で得られた上記溶液と共沈剤との共沈反応を実施し、次に得られた固体生成物を乾燥および焼成して活性金属成分前駆体を得る工程;
(3)上記活性金属成分前駆体、マトリックス源、および水を混合してスラリー化し、活性成分コーティングのスラリーを製造する工程;
(4)規則的な構造を有する担体に上記活性成分コーティングのスラリーをコーティングし、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する、活性成分コーティングの一部を製造する、すなわち、半完成の触媒製品を得る工程;
(5)工程(4)で得られた上記半完成の触媒製品を、貴金属成分の前駆体を含む溶液に含浸させ、次いで乾燥および/または焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングを製造する工程;を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が1~50重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分を50~95重量%;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分を5~50重量%;3)元素として、貴金属成分を0.01~2重量%含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、ならびに上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、方法。
【請求項13】
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が5~40重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が40~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~60重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、60~90重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、10~40重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.02~1.5重量%の貴金属成分を含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒において使用され、
好ましくは、上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が10~35重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が50~80重量%であり、上記活性金属成分の含有量が20~50重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、65~85重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、15~35重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.03~1.2重量%の貴金属成分を含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【請求項14】
上記活性金属成分の総量に基づいて、酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の含有量に対する、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の含有量の比が、1~8、好ましくは1.5~6、より好ましくは2~4となる量で、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【請求項15】
上記活性金属成分が、
1a)酸化物として、希土類族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはLa;
1b)酸化物として、第IIA族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはMg;
2a)酸化物として、第VB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはCo;
2b)酸化物として、第VIIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはMn;
3)元素として、Pt、PdおよびRhのうち1つ以上、好ましくはPdを含むまたはからなり;
好ましくは、上記活性金属成分の総量が100重量%であることを基準として、
1a)の含有量が30~80重量%であり、
1b)の含有量が5~40重量%であり、
2a)の含有量が3~30重量%であり、
2b)の含有量が3~20重量%であり、
c)の含有量が0.01~0.2重量%である量で、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【請求項16】
上記マトリックス源が、工程(4)における焼成下でマトリックスに変化し得る物質であり、
上記マトリックスは、アルミナ、スピネル、ペロブスカイト、シリカ-アルミナ、ゼオライト、カオリン、珪藻土、およびパーライトのうちの少なくとも1つであり、好ましくはアルミナ、スピネル、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1つであり、さらに好ましくはアルミナであり;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体が、両端が開口した平行チャネル構造を有するモノリス担体から選択され;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体の断面が、10~300孔/平方インチの孔密度、および、20~80%の開口率を有し;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体が、コージェライトハニカム担体、ムライトハニカム担体、ダイヤモンドハニカム担体、コランダムハニカム担体、溶融ジルコニアアルミナハニカム担体、石英ハニカム担体、ネフェリンハニカム担体、長石ハニカム担体、アルミナハニカム担体および金属合金ハニカム担体のうちの少なくとも1つである、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【請求項17】
上記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdのうちの1つ以上であり、好ましくはLaおよび/またはCeであり、より好ましくはLaであり;
上記IIA族金属成分が、Be、Mg、Ca、SrおよびBaの1つ以上であり、好ましくはMgであり;
第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVのうちの1つ以上であり、好ましくはCo、FeおよびMnのうちの少なくとも1つであり、より好ましくはMnならびにCoおよび/またはFeであり、さらに好ましくはMnおよびCoであり;
上記貴金属成分が、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1つ以上であり、好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1つ以上であり、より好ましくはPdである、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【請求項18】
希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、ならびに第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体がそれぞれ独立して、各金属成分の硝酸塩および/または塩化物から選択され;
好ましくは、上記共沈剤が炭酸塩であり、さらに好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1つであり;
好ましくは、共沈反応がpH=8~10で実施され;
好ましくは、工程(2)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~8時間であることを含む、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【請求項19】
工程(3)における上記活性成分コーティングのスラリーが5~45重量%の固形分を有し、
好ましくは、工程(4)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~5時間であることを含み;
好ましくは、工程(5)において、上記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解して、溶液を提供し;
好ましくは、上記酸が水溶性無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸の少なくとも1つであり;
好ましくは、上記酸は含浸溶液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満となる量で使用され;
好ましくは、工程(5)の焼成条件は、温度が300~700℃であり、時間が0.1~5時間であることを含む、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【請求項20】
接触分解再生排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、
上記接触分解再生排ガスを、SOxおよびNOxを除去する条件下で触媒と接触させる工程を含み、
上記触媒が、先行する請求項のいずれか1項に記載の触媒、または先行する請求項のいずれか1項に記載の調製方法によって調製された触媒であり、
好ましくは、上記接触を、サイクロン分離器の後および/またはCO焼却炉の後に設けられた排ガスチャネルで実施し;
好ましくは、接触条件は、温度が300~1000℃であり、ゲージによる反応圧力が0~0.5MPaであり、上記接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が200~20000h-1であることを含む、方法。
【請求項21】
排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、
SOxおよびNOxを除去する条件下で、排ガスと触媒とを接触させる工程を含み、
上記触媒は、先行する請求項のいずれか1項に記載の触媒、または先行する請求項のいずれか1項に記載の調製方法によって調製された触媒であり;
好ましくは、上記排ガスが特定濃度のSOxおよびNOxを同時に含む排ガスであり;
好ましくは、上記排ガス中のSOxおよびNOxの体積分率がそれぞれ1~3000μL/Lであり、SOxとNOxとのモル比が0.5:1~2:1であり;
好ましくは、接触条件は、温度が300~1000℃であり、ゲージによる反応圧力が0~0.5MPaであり、上記接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が200~20000h-1であることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SOxおよびNOxの排出を同時に低減できる、規則的な構造を有する触媒およびその調製方法、ならびに排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接触分解反応中、炭化水素の反応により触媒上にコークが析出し、触媒活性が低下する。コークス含有触媒は、ストリッピングセクションで触媒に吸着した炭化水素から分離された後、再生器へ輸送される。再生器において、コークス含有触媒を高温の空気と十分に接触させ、触媒表面のコークスを燃焼除去し、触媒活性を回復させる。コークスが触媒から燃焼除去されると、SOxおよびNOxが発生し、これらのガスが大気中に排出されて大気汚染の原因となる。環境保護の要求が厳しくなるにつれ、排ガス汚染物質の排出基準もますます厳しくなっている。
【0003】
接触分解再生排ガスを削減するための主な技術対策には、再生器の最適化、排ガス後処理および添加剤の使用が含まれる。後処理技術としては、アンモニア注入でNOxを低減できるSCRプロセス、およびアルカリ注入でSOを吸収できる湿式脱硫技術等があるが、高い設備投資が要求され、運転コストも高く、アンモニア漏洩および青煙の滓化等の問題がある。現在主流の脱硫および脱硝添加剤は、主に1つの排ガス汚染物質を単独で除去する。例えば、CN1334316Aは、マグネシア-アルミナスピネル含有組成物およびCe/V酸化物を含む硫黄移動剤を開示しており、これは接触分解排ガスからSOxを除去するために使用される。CN101311248Bは、接触分解再生排ガス中のNOxの排出を低減することができる組成物を提供しており、これは接触分解排ガス中のNOxを低減するために使用される。
【0004】
上述したプロセスおよび特許文献は、再生排ガス中のSOxまたはNOxを個別除去するときには良好な除去効果を示すが、窒素酸化物および硫黄酸化物を同時に除去することはできない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を克服し、SOxおよびNOxの排出を同時に低減できる規則的な構造を有する触媒およびその調製方法、ならびに接触分解再生排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法を提供することにある。本発明により提供される触媒を使用することにより、その総添加量を低減することができ、添加剤の排出低減効果を高めることができる。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒であって、
上記触媒は、規則的な構造を有する担体と、当該規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングと、を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量は1~50重量%であり、
上記活性成分コーティングは、マトリックスおよび活性金属成分を含み、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量は10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量は10~90重量%であり、
上記活性金属成分は、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、50~95重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、5~50重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.01~2重量%の貴金属成分を含む、規則的な構造を有する触媒を提供する。
【0007】
本発明において、反対の教示がない場合、「触媒の総重量に基づく」とは、触媒の総重量が100重量%であることを意味し、「活性成分コーティングの総重量に基づく」とは、活性成分コーティングの総重量が100重量%であることを意味し、明確な根拠がなく活性金属成分の構成成分および含有量に言及するとき、当該活性金属成分の総重量が100重量%であることを根拠とする。
【0008】
本発明の第2の態様は、SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒を調製する方法であって、
(1)希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分の前駆体と、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の前駆体とを含む溶液を調合する工程;
(2)工程(1)で得られた上記溶液と共沈剤との共沈反応を実施し、次に得られた固体生成物を乾燥および焼成して活性金属成分前駆体を得る工程;
(3)上記活性金属成分前駆体、マトリックス源、および水を混合してスラリー化し、活性成分コーティングのスラリーを製造する工程;
(4)規則的な構造を有する担体に上記活性成分コーティングのスラリーをコーティングし、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する、活性成分コーティングの一部を製造する、すなわち、半完成の触媒製品を得る工程;
(5)工程(4)で得られた上記半完成の触媒製品を、貴金属成分の前駆体を含む溶液に含浸させ、次いで乾燥および/または焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングを製造する工程;を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が1~50重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分を50~95重量%;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分を5~50重量%;3)元素として、貴金属成分を0.01~2重量%含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、ならびに上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、方法を提供する。
【0009】
本発明の第3の態様は、接触分解再生排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、上記接触分解再生排ガスを、SOxおよびNOxを除去する条件下で触媒と接触させる工程を含み、上記触媒は、本発明の第1の態様に係るSOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒、または、本発明の第2の態様に係る調製方法によって調製されたSOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒である、方法を提供する。
【0010】
SOxおよびNOxの組み合わせ除去という目的に基づき、本発明は、排ガス汚染物質の組み合わせ除去のための新規な触媒を開発するものである。本発明により提供されるSOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒は、汚染物質の組み合わせ除去において高い活性を有し、簡便に調製することができ、接触分解再生排ガスにおいてSOxおよびNOxの排出を効果的に低減することができる。本発明により提供される触媒は、規則的な構造を有する材料であり、排ガスチャネルに投入して直接使用することができる。また、本発明により提供される触媒を使用することにより、その総添加量を低減することができ、添加剤の排出削減効果を高めることができ、添加剤技術の競争力を大幅に向上させることができる。
【0011】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書で開示される範囲の終点および任意の値は、当該正確な範囲または値に限定されない。それでも、これらの範囲または値は、当該範囲または値に近づく値を含むと理解されるべきである。数値範囲については、範囲の端点値のうちの任意の2つの間の組み合わせ、範囲の端点値のうちの1つと個々の点値との間の組み合わせ、または個々の点値のうちの任意の2つの間の組み合わせが、1つ以上の新しい数値範囲を得るためになされ得る。これらの数値範囲は、本明細書に具体的に開示されているものとみなす。
【0012】
本発明において、使用される用語「規則的な構造を有する触媒」は、規則的な構造を有する担体と、当該担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングとを含む触媒を意味し、用語「規則的な構造を有する担体」は、規則的な構造を有している担体を意味する。
【0013】
本発明の第1の態様は、SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒であって、
上記触媒は、規則的な構造を有する担体と、当該規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングと、を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量は1~50重量%であり、
上記活性成分コーティングは、マトリックスおよび活性金属成分を含み、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量は10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量は10~90重量%であり、
上記活性金属成分は、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、50~95重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、5~50重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.01~2重量%の貴金属成分を含む、規則的な構造を有する触媒を提供する。
【0014】
本発明によって提供される規則的な構造を有する触媒において、特定の種類および含有量の活性成分が、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に活性金属成分コーティングの形態で存在する。コーティング中の活性金属分散度は比較的高い。SOxおよびNOxを減少させる活性は著しく改善されている。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量は5~40重量%、好ましくは10~35重量%である。
【0016】
本発明により提供される規則的な構造を有する触媒によれば、好ましくは、活性成分コーティングの総重量に基づいて、マトリックスの含有量は40~90重量%であり、活性金属成分の含有量は10~60重量%であり;さらに好ましくは、マトリックスの含有量は50~80重量%であり、活性金属成分の含有量は20~50重量%である。
【0017】
本発明により提供される規則的な構造を有する触媒によれば、好ましくは、活性金属成分は:1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、60~90重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、10~40重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.02~1.5重量%の貴金属成分を含む。
【0018】
さらに好ましくは、活性金属成分は:1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、65~85重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、15~35重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.03~1.2重量%の貴金属成分を含む。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、活性金属成分は、希土類金属成分と第IIA族金属成分との両方を同時に含む。この好ましい実施形態により、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に除去する触媒の能力を向上させることがより助長される。さらに好ましくは、活性金属成分の総重量に基づいて、希土類金属成分の含有量は30~80重量%、さらに好ましくは40~75重量%であり;第IIA族金属成分の含有量は5~40重量%、さらに好ましくは10~30重量%である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、活性金属成分は、第VB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分と、第VIIB族非貴金属成分とを同時に含む。この好ましい実施形態により、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に除去する触媒の能力を向上させることがより助長される。さらに好ましくは、活性金属成分の総重量に基づいて、第VB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の含有量は3~30重量%、好ましくは5~20重量%であり;第VIIB族非貴金属成分の含有量は3~20重量%、好ましくは5~15重量%である。
【0021】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、La:Coのモル比は、(0.5~15):1、例えば(1~10):1、または(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。この好ましい実施形態を採用することは、SOxおよびNOxの組み合わせ除去における触媒の性能向上がより助長される。
【0022】
本発明において、規則的な構造を有する触媒中の成分含有量は、蛍光X線分光分析法(を使用して決定される(Yang Cuidingらによって編集され、Science Pressから1990年に発行された、Petrochemical Analysis Methods (RIPP Experimental Methods))。
【0023】
本発明において、触媒試料の粉末X線回折(XRD)分析を行うために、Siemens D5005回折計が使用され、40kV、40mAの条件下でCuKα(λ=0.15418nm)放射線が発生され、Niでフィルタリングされる。回折シグナルは、2θ 5~70°の範囲で、0.02°の間隔で記録される。
【0024】
本発明によれば、従来から定義されている希土類金属をすべて使用することができる。規則的な構造を有する触媒のSOxおよびNOxを同時に除去する性能をさらに向上させるために、希土類金属成分がLa、Ce、PrおよびNdのうちの1つ以上であることが好ましく、より好ましくはLaおよび/またはCeであり、さらに好ましくはLaである。
【0025】
本発明によれば、上記第IIA族金属成分は、Be、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1つ以上であり、好ましくはMgである。
【0026】
本発明によれば、第VB族非貴金属成分は、V、NbおよびTaのうちの1つ以上であり得、好ましくは、第VIIB族非貴金属成分はMnであり、第VIII族非貴金属成分はFe、CoおよびNiのうちの少なくとも1つであり得、第IB族非貴金属成分はCuであり得、第IIB族非貴金属成分はZn、CdおよびHgのうちの少なくとも1つであり得る。
【0027】
好ましくは、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVのうちの1つ以上であり、より好ましくはCo、FeおよびMnのうちの少なくとも1つであり、さらに好ましくはMnならびにCoおよび/またはFeであり、最も好ましくはMnおよびCoである。
【0028】
本発明により提供される規則的な構造を有する触媒によれば、好ましくは、上記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1つ以上であり、より好ましくは、Pt、PdおよびRhのうちの1つ以上であり、最も好ましくはPdである。
【0029】
本発明により提供される規則的な構造を有する触媒によれば、好ましくは、マトリックスは、アルミナ、スピネル、ペロブスカイト、シリカ-アルミナ、ゼオライト、カオリン、珪藻土、およびパーライトのうちの少なくとも1つであり、好ましくは、アルミナ、スピネル、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1つであり、さらに好ましくは、アルミナ、スピネル、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1つであり、よりさらに好ましくは、アルミナである。
【0030】
本発明の規則的な構造を有する触媒に関して、規則的な構造を有する担体は、固定床反応器に設けられる触媒床に使用することができる。規則的な構造を有する担体は、内部に中空のチャネル構造が形成されたモノリス担体ブロックであり得る。触媒コーティングをチャネルの内壁に分布させることができ、チャネル空間を流体が流れる空間として利用することができる。好ましくは、規則的な構造を有する担体は、両端が開口した平行チャネル構造を有するモノリス担体から選択される。規則的な構造を有する担体は、断面がハニカム状に開口した、規則的であるハニカム担体(ハニカム担体と略称する)であり得る。
【0031】
本発明の規則的な構造を有する触媒によれば、好ましくは、規則的な構造を有する担体の断面は、10~300個/平方インチ、好ましくは20~300個/平方インチの孔密度を有し;規則的な構造を有する担体の断面は、20~80%、好ましくは50~80%の開口率を有する。孔は規則的な形状でも不規則な形状でもよい。孔の形状は同一でも異なっていてもよい。各孔はそれぞれ独立に、正方形、正三角形、正六角形、円形および波形のうちの1つであってもよい。
【0032】
本発明の規則的な構造を有する触媒によれば、好ましくは、上記規則的な構造を有する担体は、コーディエライトハニカム担体、ムライトハニカム担体、ダイヤモンドハニカム担体、コランダムハニカム担体、溶融ジルコニアアルミナハニカム担体、石英ハニカム担体、ネフェリンハニカム担体、長石ハニカム担体、アルミナハニカム担体、および金属合金ハニカム担体のうちの少なくとも1つであり得る。
【0033】
本発明は、希土類金属元素、第IIA族金属元素、および第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属元素が、La、Co、MgおよびMn以外に、Sr、CaおよびNi等の他の元素を含むことを排除するものではない。
【0034】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、触媒は、規則的な構造を有する担体と、当該規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングとを含み、触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量は10~35重量%であり、活性成分コーティングはマトリックスおよび活性金属成分を含み、活性成分コーティングの総重量に基づいて、マトリックスの含有量は50~80重量%であり、活性金属成分の含有量は20~50重量%であり、活性金属成分は1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、65~85重量%の金属成分、2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、15~35重量%の非貴金属成分、3)元素として、0.03~1.2重量%の貴金属成分を含み;希土類金属成分はLaであり、第IIA族金属成分はMgであり、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分はMnおよびCoであり、貴金属成分はPdである。この特に好ましい実施形態では、金属元素としてLa、Co、Mg、Mnおよび貴金属を併用することにより、SOxおよびNOxの除去能力を大幅に向上させることができ、触媒によって吸着されたNOxは、触媒によるSOxの吸着を促進することもできる。
【0035】
本発明において、特に断りのない限り、酸化物としてのLaはLaとしてのLaを指し、酸化物としてのMgはMgOとしてのMgを指し、酸化物としてのCoはCOとしてのCoを指し、酸化物としてのMnはMnOとしてのMnを指す。
【0036】
本発明の第2の態様は、SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒を調製する方法であって、
(1)希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分の前駆体と、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の前駆体とを含む溶液を調合する工程;
(2)工程(1)で得られた上記溶液と共沈剤との共沈反応を実施し、次に得られた固体生成物を乾燥および焼成して活性金属成分前駆体を得る工程;
(3)上記活性金属成分前駆体、マトリックス源、および水を混合してスラリー化し、活性成分コーティングのスラリーを製造する工程;
(4)規則的な構造を有する担体に上記活性成分コーティングのスラリーをコーティングし、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する、活性成分コーティングの一部を製造する、すなわち、半完成の触媒製品を得る工程;
(5)工程(4)で得られた上記半完成の触媒製品を、貴金属成分の前駆体を含む溶液に含浸させ、次いで乾燥および/または焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングを製造する工程;を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が1~50重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分を50~95重量%;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分を5~50重量%;3)元素として、貴金属成分を0.01~2重量%含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、ならびに上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、方法を提供する。
【0037】
本発明によって提供される調製方法によれば、希土類金属成分、第IIA族金属成分、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分、および貴金属成分、マトリックス、および規則的な構造を有する担体の特定の種類の選択範囲は、上記第1の態様において言及されており、ここで再び詳細に説明することはしない。
【0038】
好ましくは、マトリックス源は、工程(4)における焼成下でマトリックスに変化し得る物質である。当業者であれば、上記マトリックスの種類に応じて適宜選択することができ、当該種類について本発明は特に制限がない。マトリックスが好ましくはアルミナである場合、マトリックス源はアルミナの前駆体であり得、例えば、マトリックス源は、ギブサイト、バイヤライト、ノルドシャンダイト、ダイアスポア、ベーマイト、および擬ベーマイトの少なくとも1つであり、最も好ましくは擬ベーマイトである。
【0039】
本発明の方法によれば、マトリックスがアルミナである場合、好ましくは、スラリー化の前に、マトリックス源は、酸性化およびペプチゼーション処理に供され、酸性化およびペプチゼーション処理は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができ、さらに好ましくは、酸性化およびペプチゼーション処理において使用される酸は、塩酸である。
【0040】
本発明は、酸性化およびペプチゼーション処理の条件の選択範囲が比較的広く、好ましくは、酸性化およびペプチゼーション処理の条件は、酸/アルミナ比が0.12~0.22:1であり、時間が10~40分であることを含む。
【0041】
本発明において、酸/アルミナ比は、特に断りのない限り、乾燥基準で、アルミナの前駆体に対する36重量%の濃塩酸に基づく塩酸の質量比を指す。
【0042】
本発明によれば、好ましくは、希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分の前駆体、ならびに第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の前駆体は、それぞれ独立して、硝酸塩、塩化物、塩素酸塩および硫酸塩等の水溶性塩から選択することができ、好ましくは、金属成分の硝酸塩および/または塩化物である。特に、Mnの前駆体は、過マンガン酸カリウムおよび/または塩化マンガンであり得る。
【0043】
本発明では、工程(1)の溶液を得る方法としては、金属成分の前駆体が均一に混合されていれば特に制限されない。例えば、金属成分の前駆体を水に溶解し、十分に撹拌すればよい。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が5~40重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が40~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~60重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、60~90重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、10~40重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.02~1.5重量%の貴金属成分を含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒において使用される。
【0045】
さらに好ましくは、上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が10~35重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が50~80重量%であり、上記活性金属成分の含有量が20~50重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、65~85重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、15~35重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.03~1.2重量%の貴金属成分を含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される。
【0046】
本発明の方法によれば、活性金属成分前駆体の供給方法に関しては、共沈法を使用してもよいし、または、ゾル-ゲル法を用いてもよい。より好ましくは、共沈法が使用される。しかしながら、ゾル-ゲル法も本発明の保護範囲内であることを理解すべきである。
【0047】
本発明の共沈剤の種類および量は、共沈反応が円滑に進行することができれば、慣用の技術手段に従って選択することができる。共沈剤の種類は、当該技術分野において従来公知のものを選択することができ、好ましくは、共沈剤は炭酸塩であり、さらに好ましくは、炭酸アンモニウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムの少なくとも1つであり、より好ましくは炭酸アンモニウムである。
【0048】
工程(2)において、共沈剤を溶液の形態で導入し、溶液との共沈反応を実施することができる。本発明において、溶液を供給するときに溶液濃度が溶解度未満であることによって共沈反応を十分に行うことができることが確実であれば、溶液および共沈剤溶液の濃度は特に制限はない。
【0049】
好ましくは、共沈反応はpH=8~10、好ましくは8.5~9.5で実施される。共沈反応のpHは、酸および/または塩基を加えることにより調整することができ、その具体的な種類は特に制限されず、例えば、アンモニア水等が挙げられる。本発明では、共沈反応の温度は特に制限されず、室温で共沈反応を実施することができる。
【0050】
本発明の方法によれば、共沈反応により得られた反応生成物を固液分離(例えば、ろ過または遠心分離)に供して固体生成物を製造することも含まれる。
【0051】
好ましくは、工程(2)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~8時間であることを含む。
【0052】
本発明において、好ましくは、工程(3)において、活性成分コーティングのスラリーは、5~45重量%の固形分を有する。
【0053】
本発明によれば、活性金属成分前駆体、マトリックス源および水を混合してスラリー化する方法は特に制限がない。活性金属成分前駆体、マトリックス源および水の添加順序も、活性金属成分前駆体、マトリックス源および水を接触させた後、スラリー化してスラリーを製造することができれば特に制限されない。
【0054】
本発明において、活性成分コーティングの含有量は、コーティング工程中のパラメーターを調整することによって調整することができる。例えば、コーティング工程で使用する活性成分コーティングのスラリーおよび規則的な構造を有する担体の量を調整することができる。
【0055】
本発明の方法において、コーティングは、種々のコーティング方法を使用して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に活性成分コーティングのスラリーを塗布することができ、コーティング方法は、水コーティング、浸漬または噴霧であり得る。具体的なコーティング操作は、CN1199733Cに記載の方法を参考にして実施することができる。好ましくは、コーティング方法として水コーティング法が使用される。コーティング工程において、規則的な構造を有する担体の一端を活性成分コーティングのスラリー中に浸漬し、他端に真空をかけ、活性成分コーティングのスラリーが規則的な構造を有する担体のチャネルを連続的に通過するようにする。規則的な構造を有する担体のチャネルを通過する活性成分コーティングのスラリーの体積は、規則的な構造を有する担体の体積の2~20倍であり得、加えられる真空圧は-0.1MPa~-0.01MPaであり得る。コーティング温度は10~70℃であり得、コーティング時間は0.1~300秒であり得る。活性成分コーティングのスラリーでコーティングされた規則的な構造を有する担体を乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングの一部を製造、すなわち、半完成の触媒製品を得ることができる。この段階で得られる半完成の触媒製品は貴金属活性成分を含まないので、活性成分コーティングの一部として記録される。工程(5)の含浸が完了した後、得られた材料を乾燥および/または焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングを製造する。
【0056】
本発明によれば、工程(5)において、特に制限がなく、含浸後に得られる物質は、乾燥のみ、または焼成のみ、または乾燥させた後に焼成することができる。好ましくは、含浸後に得られる物質は、乾燥した後に焼成される。本発明では、工程(5)の焼成条件について特に制限はない。焼成は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。例えば、工程(5)の焼成は、空気または不活性雰囲気(例えば窒素)中で実施することができる。本発明は、工程(5)の焼成条件に特に制限がない。好ましくは、焼成条件は、温度が300~700℃であり、時間が0.1~5時間であることを含む。
【0057】
本発明の工程(2)、工程(4)および工程(5)の乾燥条件は特に制限されず、当該技術分野における従来の技術手段に従って乾燥を行うことができる。例えば、工程(2)、工程(4)および工程(5)において、乾燥条件は、それぞれ独立して、温度が60~200℃であること、時間が2~10時間であることを含むことができる。
【0058】
本発明によれば、工程(5)において、含浸は特に制限されず、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。当業者であれば、含浸により特定量の貴金属を有する触媒を得ることができる。本発明の含浸は、飽和含浸または過含浸であり得る。
【0059】
本発明によれば、好ましくは、工程(5)において、貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解して溶液を提供する。具体的には、加水分解後、希釈(例えば、水を加えることによって)または濃縮(例えば、蒸発によって)し、次いで含浸を実施することにより、特定の担持量の貴金属成分を有する触媒を提供することができる。
【0060】
好ましくは、酸は水溶性の無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうちの少なくとも1つである。
【0061】
本発明によれば、好ましくは、酸は、含浸溶液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満となる量で使用される。この好ましい実施形態を採用することは、活性成分の均一な分散をより助長し、完成した触媒の耐摩耗性を向上させることができる。
【0062】
本発明において、固体生成物は、含浸後に得られた混合物をろ過することによって得ることができる。ろ過は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。
【0063】
本発明の第3の態様は、接触分解再生排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、上記接触分解再生排ガスを、SOxおよびNOxを除去する条件下で触媒と接触させる工程を含み、上記触媒は、本発明の第1の態様に係るSOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒、または、本発明の第2の態様に係る調製方法によって調製されたSOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒である、方法を提供する。本発明により提供される触媒は、SOxおよびNOxの両方を同時に含む接触分解再生排ガスの処理に特に適している。
【0064】
本発明は、SOxおよびNOxの両方を同時に含有すれば、接触分解再生排ガス中のSOxおよびNOxの含有量について比較的広い選択範囲を有し、両方の除去に有益である。好ましくは、接触分解再生排ガスにおいて、SOx含有量は0.001~0.5vol%であり、NOx含有量は0.001~0.3vol%であり、さらに好ましくは、接触分解再生排ガスにおいて、SOx含有量は0.002~0.2vol%であり、NOx含有量は0.002~0.2vol%である。
【0065】
好ましくは、排ガスにおいて、SOxの体積含有量とNOxの体積含有量との比は、1~1.4:1、好ましくは1~1.2:1である。この好ましい実施形態は、両者の除去効率の向上をより助長する。
【0066】
本発明において、接触分解再生排ガスは、SOxおよびNOx以外のガス(CO、CO、HO等を含むが、これらに限定されない)も含んでいてもよい。
【0067】
本発明の方法によれば、好ましくは、接触条件は以下を含む:温度が300~1000℃であり、ゲージによる反応圧力が0~0.5MPaであり、接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が200~20000h-1であり;さらに好ましくは、温度が450~750℃であり、ゲージによる反応圧力が0.05~0.3MPaであり、接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が1000~10000h-1である。
【0068】
本発明の方法によれば、好ましくは、接触は、サイクロン分離器の後および/またはCO焼却炉の後に設けられた排ガスチャネルにおいて実施される。
【0069】
完全再生工程において、再生器出口のサイクロン分離器後の排ガスは、SOxおよびNOx濃度が高く、触媒微粒子の量が比較的少なく、比較的高い温度が反応転化率の向上を助長し、比較的少量である微粒子によってチャネルが閉塞し難い。このことから、好ましくは、完全再生排ガスと触媒との接触は、サイクロン分離器の後に設けられた排ガス通路において実施され、SOxおよびNOxを同時に触媒変換する。不完全再生プロセスにおいて、排ガスは余剰酸素の含有量が少なく、COの濃度が高いため、再生器出口の排ガスはNOxの濃度が非常に低く、NHおよびHCN等の還元状態の窒素含有化合物の濃度が比較的高い。これらの還元状態の窒素含有化合物は、排ガスとともに下流に流れ、エネルギー回収に使用されるCO焼却炉で完全に酸化されると、NOxが発生する。このことから、好ましくは、不完全再生排ガスと触媒との接触は、CO焼却炉および/またはCO焼却炉の後に設けられた排ガス通路で実施され、SOxおよびNOxを同時に触媒変換する。
【0070】
本発明では、CO焼却炉に特に制限がなく、縦型CO焼却炉または横型CO焼却炉等、従来から当該技術分野で使用されている種々のCO焼却炉を使用することができる。
【0071】
本発明において、サイクロン分離器は好ましくは3段サイクロン分離器である。
【0072】
好ましくは、規則的な構造を有する触媒は、触媒床の形態で存在する。本発明の方法によれば、規則的な構造を有する触媒は、サイクロン分離器の後および/またはCO焼却炉の後に設けられた排ガス通路に固定触媒床として配置することができる。流れる接触分解再生排ガスは、規則的な構造を有する触媒の床を通って流れることができ、すなわち、規則的な構造を有する担体中のチャネルを通って流れ、チャネルの壁上に分布する活性成分コーティングで反応することができる。
【0073】
本発明はまた、以下の技術的解決策を提供する。
【0074】
1.SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒であって、
上記触媒は、規則的な構造を有する担体と、当該規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングと、を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量は1~50重量%であり、
上記活性成分コーティングは、マトリックスおよび活性金属成分を含み、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量は10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量は10~90重量%であり、
上記活性金属成分は、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、50~95重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、5~50重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.01~2重量%の貴金属成分を含む、規則的な構造を有する触媒。
【0075】
2.上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が5~40重量%であり;および/または、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が40~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~60重量%であり;および/または、
上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、60~90重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、10~40重量%の非貴金属成分;、3)元素として、0.02~1.5重量%の貴金属成分を含み、
好ましくは、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が10~35重量%であり;および/または、
上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が50~80重量%であり、上記活性金属成分の含有量が20~50重量%であり;および/または、
上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、65~85重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、15~35重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.03~1.2重量%の貴金属成分を含む、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の規則的な構造を有する触媒。
【0076】
3.上記マトリックスが、アルミナ、スピネル、ペロブスカイト、シリカ-アルミナ、ゼオライト、カオリン、珪藻土、およびパーライトのうちの少なくとも1つであり、好ましくは、アルミナ、スピネル、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1つであり、さらに好ましくはアルミナであり;
好ましくは、規則的な構造を有する担体が、両端が開口した平行チャネル構造を有するモノリス担体から選択され;
好ましくは、規則的な構造を有する担体が、断面において10~300の孔/平方インチの孔密度、および20~80%の開口率を有し;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体が、コーディエライトハニカム担体、ムライトハニカム担体、ダイヤモンドハニカム担体、コランダムハニカム担体、ジルコニア-アルミナ融合ハニカム担体、石英ハニカム担体、ネフェリンハニカム担体、長石ハニカム担体、アルミナハニカム担体、および金属合金ハニカム担体からなる群から選択される少なくとも1つである、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の規則的な構造を有する触媒。
【0077】
4.上記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdのうちの1つ以上であり、好ましくはLaおよび/またはCe、より好ましくはLaであり;
上記第IIA族金属成分が、Be、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1つ以上であり、好ましくはMgであり;
第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVのうちの1つ以上であり、好ましくはCo、FeおよびMnのうちの少なくとも1つであり、さらに好ましくはMnならびにCoおよび/またはFeであり、さらに好ましくはMnおよびCoであり;
上記貴金属成分が、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1つ以上であり、好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1つ以上であり、より好ましくはPdである、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の規則的な構造を有する触媒。
【0078】
5.上記活性金属成分の総量に基づいて、酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の含有量に対する、希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分の含有量の比が、1~8、好ましくは1.5~6、より好ましくは2~4である、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の規則的な構造を有する触媒。
【0079】
6.上記活性金属成分が、
1a)酸化物として、希土類族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはLa;
1b)酸化物として、第IIA族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはMg;
2a)酸化物として、第VB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはCo;
2b)酸化物として、第VIIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはMn;
3)元素として、Pt、PdおよびRhのうち1つ以上、好ましくはPd、
を含むまたはからなる、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の規則的な構造を有する触媒。
【0080】
7.上記活性金属成分の総量が100重量%であることを基準として、
1a)の含有量が30~80重量%、例えば35~75重量%または40~70重量%であり、
1b)の含有量が5~40重量%、例えば10~30重量%であり、
2a)の含有量が5~40重量%、例えば3~30重量%、または5~20重量%であり、
2b)の含有量が3~20重量%、例えば5~15重量%であり、
c)の含有量が0.01~0.2重量%である、技術的解決策6に記載の規則的な構造を有する触媒。
【0081】
8.La:Coのモル比が、(0.5~15):1、例えば(1~10):1、または(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である、技術的解決策6に記載の規則的な構造を有する触媒。
【0082】
9.上記触媒が、粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=33.0°±0.1°、33.5°±0.1°および47.5°±0.1°、ならびに27.0°±0.1°、28.0°±0.1°および39.5°±0.1°に特徴的なピークを有する、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の触媒。
【0083】
10.上記触媒が、SOを含む雰囲気に曝露された触媒であり、
例えば、上記触媒は、SOを含む雰囲気に曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、350~1000℃の温度、0~8MPaの圧力、および0.001~100vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、400~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、450~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、500~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、550~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、600~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する;または、
上記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間曝露された触媒であって、上記SOを含む雰囲気が、650~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5vol%のSO含有量を有する、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の触媒。
【0084】
11.上記触媒が、SOを含む雰囲気に曝露された触媒であり、
上記触媒が、粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=28.6°±0.1°、30.0°±0.1°および50.4°±0.1°に特徴的なピークを有する、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の触媒
【0085】
12.SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒を調製する方法であって、
(1)希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分の前駆体と、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分の前駆体とを含む溶液を調合する工程;
(2)工程(1)で得られた上記溶液と共沈剤との共沈反応を実施し、次に得られた固体生成物を乾燥および焼成して活性金属成分前駆体を得る工程;
(3)上記活性金属成分前駆体、マトリックス源、および水を混合してスラリー化し、活性成分コーティングのスラリーを製造する工程;
(4)規則的な構造を有する担体に上記活性成分コーティングのスラリーをコーティングし、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する、活性成分コーティングの一部を製造する、すなわち、半完成の触媒製品を得る工程;
(5)工程(4)で得られた上記半完成の触媒製品を、貴金属成分の前駆体を含む溶液に含浸させ、次いで乾燥および/または焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コーティングを製造する工程;を含み、
上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が1~50重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~90重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される金属成分を50~95重量%;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属成分を5~50重量%;3)元素として、貴金属成分を0.01~2重量%含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、ならびに上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、方法。
【0086】
13.上記触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が5~40重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が40~90重量%であり、上記活性金属成分の含有量が10~60重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、60~90重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、10~40重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.02~1.5重量%の貴金属成分を含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒において使用され、
好ましくは、触媒の総重量に基づいて、上記活性成分コーティングの含有量が10~35重量%であり、上記活性成分コーティングがマトリックスおよび活性金属成分を含み、上記活性成分コーティングの総重量に基づいて、上記マトリックスの含有量が50~80重量%であり、上記活性金属成分の含有量が20~50重量%であり、上記活性金属成分が、1)酸化物として、希土類族および/または第IIA族から選択される、65~85重量%の金属成分;2)酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される、15~35重量%の非貴金属成分;3)元素として、0.03~1.2重量%の貴金属成分を含む量となるように、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、先行する技術的解決策のいずれかに記載の調製方法。
【0087】
14.上記活性金属成分の総量に基づいて、酸化物として、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の含有量に対する、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の含有量の比が、1~8、好ましくは1.5~6、より好ましくは2~4となる量で、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、先行する技術的解決策のいずれかに記載の調製方法。
【0088】
15.上記活性金属成分が、
1a)酸化物として、希土類族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはLa;
1b)酸化物として、第IIA族から選択される1つ以上の金属成分、好ましくはMg;
2a)酸化物として、第VB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはCo;
2b)酸化物として、第VIIB族から選択される1つ以上の非貴金属成分、好ましくはMn;
3)元素として、Pt、PdおよびRhのうち1つ以上、好ましくはPdを含むまたはからなり;
好ましくは、上記活性金属成分の総量が100重量%であることを基準として、
1a)の含有量が30~80重量%、例えば35~75重量%、もしくは40~70重量%であり、
1b)の含有量が5~40重量%、例えば10~30重量%であり、
2a)の含有量が5~40重量%、例えば3~30重量%、もしくは5~20重量%であり、
2b)の含有量が3~20重量%、例えば5~15重量%であり、
c)の含有量が0.01~0.2重量%である、ならびに/または、
好ましくは、La:Coのモル比が、(0.5~15):1、例えば(1~10):1、または(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である量で、希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体、上記マトリックス源、上記貴金属成分の前駆体、および上記規則的な構造を有する担体が規則的な構造を有する調製された触媒中で使用される、先行する技術的解決策のいずれかに記載の調製方法。
【0089】
16.上記マトリックス源が、工程(4)における焼成下でマトリックスに変化し得る物質であり、
上記マトリックスは、アルミナ、スピネル、ペロブスカイト、シリカ-アルミナ、ゼオライト、カオリン、珪藻土、およびパーライトのうちの少なくとも1つであり、好ましくはアルミナ、スピネル、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1つであり、さらに好ましくはアルミナであり;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体が、両端が開口した平行チャネル構造を有するモノリス担体から選択され;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体の断面が、10~300孔/平方インチの孔密度、および、20~80%の開口率を有し;
好ましくは、上記規則的な構造を有する担体が、コージェライトハニカム担体、ムライトハニカム担体、ダイヤモンドハニカム担体、コランダムハニカム担体、溶融ジルコニアアルミナハニカム担体、石英ハニカム担体、ネフェリンハニカム担体、長石ハニカム担体、アルミナハニカム担体および金属合金ハニカム担体のうちの少なくとも1つである、先行する技術的解決策のいずれかに記載の調製方法。
【0090】
17.上記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdのうちの1つ以上であり、好ましくはLaおよび/またはCeであり、より好ましくはLaであり;
上記IIA族金属成分が、Be、Mg、Ca、SrおよびBaの1つ以上であり、好ましくはMgであり;
第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVのうちの1つ以上であり、好ましくはCo、FeおよびMnのうちの少なくとも1つであり、より好ましくはMnならびにCoおよび/またはFeであり、さらに好ましくはMnおよびCoであり;
上記貴金属成分が、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1つ以上であり、好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1つ以上であり、より好ましくはPdである、先行する技術的解決策のいずれかに記載の調製方法。
【0091】
18.希土類族および/または第IIA族から選択される上記金属成分の前駆体、ならびに第VB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される上記非貴金属成分の前駆体がそれぞれ独立して、各金属成分の硝酸塩および/または塩化物から選択され;
好ましくは、上記共沈剤が炭酸塩であり、さらに好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1つであり;
好ましくは、共沈反応がpH=8~10で実施され;
好ましくは、工程(2)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~8時間であることを含む、先行する技術的解決策のいずれかに記載の調製方法。
【0092】
19.工程(3)における上記活性成分コーティングのスラリーが5~45重量%の固形分を有し、
好ましくは、工程(4)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~5時間であることを含み;
好ましくは、工程(5)において、上記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解して、溶液を提供し;
好ましくは、上記酸が水溶性無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸の少なくとも1つであり;
好ましくは、上記酸は含浸溶液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満となる量で使用され;
好ましくは、工程(5)の焼成条件は、温度が300~700℃であり、時間が0.1~5時間であることを含む、先行する請求項のいずれかに記載の調製方法。
【0093】
20.接触分解再生排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、
上記接触分解再生排ガスを、SOxおよびNOxを除去する条件下で触媒と接触させる工程を含み、
上記触媒が、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の触媒であって、SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒であるか、または、先行する技術的解決策のいずれか1つに記載の調製方法によって調製された触媒であって、SOxおよびNOxの排出を同時に低減することができる規則的な構造を有する触媒であり;
好ましくは、上記接触分解再生排ガスと上記規則的な構造を有する触媒との接触を、サイクロン分離器の後および/またはCO焼却炉の後に設けられた排ガス通路で実施し;
好ましくは、接触条件は、温度が300~1000℃、例えば500~800℃、または600~750℃、または625~750℃、または650~750℃、または675~750℃、または700~750℃、または725~750℃、または600~725℃、または625~725℃、または650~725℃、または675~725℃、または700~725℃である、または600~700℃、または625~700℃、または650~700℃、または675~700℃、または600~675℃、または625~675℃、または650~675℃、または600~650℃、または625~650℃、または600~625℃であり、ゲージによる反応圧力が0~4MPa、例えば0.01~4MPa、または0.02~4MPa、または0~0.5MPaであり、上記接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が100~50000h-1または200~20000h-1、500~10000h-1、1000~5000h-1であり、例えば、上記接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が200~20000h-1であることを含む、方法。
【0094】
21.排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、
SOxおよびNOxを除去する条件下で、排ガスと触媒とを接触させる工程を含み、
上記触媒は、先行する請求項のいずれか1項に記載の触媒、または先行する請求項のいずれか1項に記載の調製方法によって調製された触媒であり;
好ましくは、上記排ガスが、接触分解再生排ガスを含むがこれに限定されない、特定濃度のSOxおよびNOxを同時に含む排ガスであり;
好ましくは、接触条件は、温度が300~1000℃、例えば500~800℃、または600~750℃、または625~750℃、または650~750℃、または675~750℃、または700~750℃、または725~750℃、または600~725℃、または625~725℃、または650~725℃、または675~725℃、または700~725℃である、または600~700℃、または625~700℃、または650~700℃、または675~700℃、または600~675℃、または625~675℃、または650~675℃、または600~650℃、または625~650℃、または600~625℃であり、ゲージによる反応圧力が0~4MPa、例えば0.01~4MPa、または0.02~4MPa、または0~0.5MPaであり、上記排ガスの体積時間空間速度が100~50000h-1または200~20000h-1、500~10000h-1、1000~5000h-1であり、例えば、上記接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が200~20000h-1であることを含む、方法。
【0095】
本発明において、焼成の条件は特に制限されない。例えば、空気または不活性雰囲気(例えば窒素)中で焼成を実施することができ、焼成の条件は以下の条件であってもよい:温度が300~900℃、例えば400、500、600、700、800℃およびこれらの任意の2点から形成される温度範囲であり、時間が0.1~12時間、例えば0.1~5時間であり、圧力が大気圧未満、大気圧、または大気圧超(例えば0~5MPa)であり得る。
【0096】
本発明において、乾燥の条件は特に制限されない。例えば、乾燥条件は以下の条件であってもよい:温度が25~250℃であり、時間が0.1~12時間であり、圧力が真空中(例えば、絶対圧力が0~1kPa、0~5kPa、0~10kPa、0~20kPa、0~30kPa、0~40kPa、0~50kPa、0~60kPa、0~70kPa、0~80kPa、0~90kPa、0~100kPa)であってもよいし、大気圧(絶対圧力が0.1MPa)であってもよい。本発明において、乾燥後に焼成を実施する場合、乾燥温度は焼成温度より低い。
【0097】
本発明において、ppmは、特に断りのない限り、体積濃度を意味する。
【0098】
本発明において、SOxは硫黄酸化物の混合物(例えば、SOとSOとの混合物、酸化物のモル比は特に制限されず、例えば、1:10~10:1)、NOxは窒素酸化物の混合物(例えば、NOとNOとの混合物、酸化物のモル比は特に制限されず、例えば1:10~10:1)を意味する。
【0099】
本発明者らは、特定量の希土類金属元素(例えばLa)および第VIII族非貴金属(例えばCo)を、活性成分として少なくとも1つの貴金属元素(Pt等)と組み合わせ、希土類金属と第VIII族非貴金属とが特定の比率であることにより、排ガス中のSOxおよびNOxの排出を同時に効果的に低減できることを研究中に発見した。これに基づいて、第IIA族金属成分(例えばMg)の導入および/または第VIIB族金属成分(例えばMn)の導入は、NOxおよびSOxを組み合わせて除去する触媒の能力をさらに向上させることができる。本発明の触媒をSOと接触させるとき、硫黄元素を異なる原子価状態に変換することができ、低原子価の硫黄元素は排ガス中のNOxの変換に有利であるため、プロセス全体がSOxおよびNOxの変換を汚染低減に資する方向に促進することができると考えられる。
【0100】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。以下の実施例において、成分の含有量は蛍光X線分光分析法(XRF)により測定した。使用した原料には、硝酸ランタン(分析的に純粋、Aladdin Biochemical Company)、硝酸マグネシウム(分析的に純粋、Sinopharm Chemical Reagent Co., Ltd.)、塩化マンガン(分析的に純粋、Beijing Chemical Plant)、硝酸コバルト(分析的に純粋、Beijing Inno-Chem Technology Co., Ltd.)、炭酸アンモニウム(分析的に純粋、Beijing Chemical Plant)、アンモニア水(分析的に純粋、25%、Damao Chemical Reagent Factory)、塩化パラジウム(Sinopharm Beijing Subsidiary-Procurement Supply Station)、塩酸(Beijing Chemical Plant)、OX50-SiO(Sinopec Catalyst Company)を含む。
【0101】
以下の実施例において、蛍光X線分光分析法(XRF)により触媒中の成分含有量を決定している。詳細は、Yang Cuidingらによって編集され、Science Pressから1990年に発行された、Petrochemical Analysis Methods (RIPP Experimental Methods)を参照されたい。
【0102】
以下の実施例では、触媒試料の粉末X線回折(XRD)分析を行うために、Siemens D5005回折計を使用し、40kV、40mAの条件下でCuKα(λ=0.15418nm)放射線を発生させ、Niでフィルタリングした。回折シグナルを、2θ 5~70°の範囲で、0.02°の間隔で記録した。
【実施例
【0103】
〔実施例1〕
脱イオン水320mLをビーカーに加え、撹拌下、Laの質量として20gの硝酸ランタン、MgOの質量として4gの硝酸マグネシウム、COの質量として5gの硝酸コバルト、およびMnOの質量として3gの塩化マンガンを完全に溶解するまで加え、非貴金属成分の前駆体溶液を製造した。脱イオン水(200mL)に炭酸アンモニウム(48g)を加え、完全に溶解するまで混合物を撹拌した。硝酸金属混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を添加して溶液のpH値を9に維持した。
【0104】
完全に沈殿した混合物を吸引ろ過し、脱イオン水で洗浄した。吸引ろ過により得られたろ過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中700℃で5時間焼成した後、粉砕して活性金属成分前駆体を得た。
【0105】
Alの質量として30gのボーキサイトを秤量し、水160mLおよび濃塩酸(36重量%)4.5gを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌して活性成分コーティングのスラリーを製造した。
【0106】
上記で得られた活性成分コーティングのスラリーを、規則的な構造を有するコージェライト担体300g(200穴/平方インチ)にコートした後、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布した活性成分コーティングを製造し、得られた成分を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、規則的な構造を有する触媒の半完成製品を製造した。
【0107】
Pdの前駆体を1:1の質量比で希塩酸に溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して塩化パラジウム溶液を製造した。この塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.009g)採取した。含浸液としてのPd含有溶液を上記半完成製品の触媒に含浸させて固形物を製造した後、この固形物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、600℃で4時間焼成して触媒S-1を製造し、この触媒は、規則的な構造を有する触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量が14.3重量%であった。
【0108】
活性成分コーティングの一部を採取し、XRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約33.0°、約33.5°および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°および約39.5°に特徴的なピークが存在していた。
【0109】
活性成分コーティングの一部を採取し、SOを含む雰囲気に1分間曝露した。SOを含む雰囲気は、温度が800℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001vol%であった。SO処理に曝露した後、コーティングのXRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約28.6°、約30.0°および約50.4°に特徴的なピークが存在していた。
【0110】
〔実施例2〕
脱イオン水250mLをビーカーに加え、撹拌下、Laの質量として10gの硝酸ランタン、MgOの質量として7gの硝酸マグネシウム、COの質量として5gの硝酸コバルト、およびMnOの質量として3gの塩化マンガンを完全に溶解するまで加え、非貴金属成分の前駆体溶液を製造した。脱イオン水(150mL)に炭酸アンモニウム(38g)を加え、完全に溶解するまで混合物を撹拌した。硝酸金属混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を添加して溶液のpH値を9に維持した。
【0111】
完全に沈殿した混合物を吸引ろ過し、脱イオン水で洗浄した。吸引ろ過により得られたろ過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中700℃で5時間焼成した後、粉砕して活性金属成分前駆体を得た。
【0112】
Alの質量として40gのボーキサイトを秤量し、水180mLおよび濃塩酸(36重量%)6gを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体10gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌して活性成分コーティングのスラリーを製造した。
【0113】
上記で得られた活性成分コーティングのスラリーを、300gの規則的な構造を有するコージェライト担体(200穴/平方インチ)にコートした後、乾燥、焼成して、規則的な構造を有するコージェライト担体の内面および/または外面に分布した活性成分コートを製造し、得られた成分を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、規則的な構造を有する触媒の半完成製品を製造した。
【0114】
Pdの前駆体を1:1の質量比で希塩酸に溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して塩化パラジウム溶液を製造した。この塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.018g)採取した。含浸液としてのPd含有溶液を上記半完成製品の触媒に含浸させて固形物を製造した後、この固形物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、600℃で4時間焼成して触媒S-2を製造し、この触媒は、規則的な構造を有する触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量が14.3重量%であった。
【0115】
活性成分コーティングの一部を採取し、XRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約33.0°、約33.5°および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°および約39.5°に特徴的なピークが存在していた。
【0116】
活性成分コーティングの一部を採取し、SOを含む雰囲気に5分間曝露した。SOを含む雰囲気は、温度が700℃、圧力が0.1MPa、SO含有量が0.01vol%であった。SO処理に曝露した後、コーティングのXRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約28.6°、約30.0°および約50.4°に特徴的なピークが存在していた。
【0117】
〔実施例3〕
脱イオン水360mLをビーカーに加え、撹拌下、Laの質量として25gの硝酸ランタン、MgOの質量として5gの硝酸マグネシウム、COの質量として2.6gの硝酸コバルト、およびMnOの質量として3.4gの塩化マンガンを完全に溶解するまで加え、非貴金属成分の前駆体溶液を製造した。脱イオン水(210mL)に炭酸アンモニウム(54g)を加え、完全に溶解するまで混合物を撹拌した。硝酸金属混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を添加して溶液のpH値を9に維持した。
【0118】
完全に沈殿した混合物を吸引ろ過し、脱イオン水で洗浄した。吸引ろ過により得られたろ過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中700℃で5時間焼成した後、粉砕して活性金属成分前駆体を得た。
【0119】
Alの質量として20gのボーキサイトを秤量し、水120mLおよび濃塩酸(36重量%)3gを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌して活性成分コーティングのスラリーを製造した。
【0120】
上記で得られた活性成分コーティングのスラリーを、規則的な構造を有するコージェライト担体300g(200穴/平方インチ)にコートした後、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布した活性成分コーティングを製造し、得られた成分を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、規則的な構造を有する触媒の半完成製品を製造した。
【0121】
Pdの前駆体を1:1の質量比で希塩酸に溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して塩化パラジウム溶液を製造した。この塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.004g)採取した。含浸液としてのPd含有溶液を上記半完成製品の触媒に含浸させて固形物を製造した後、この固形物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、600℃で4時間焼成して触媒S-3を製造し、この触媒は、規則的な構造を有する触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量が11.8重量%であった。
【0122】
活性成分コーティングの一部を採取し、XRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約33.0°、約33.5°および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°および約39.5°に特徴的なピークが存在していた。
【0123】
活性成分コーティングの一部を採取し、SOを含む雰囲気に15分間曝露した。SOを含む雰囲気は、温度が650℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001vol%であった。SO処理に曝露した後、コーティングのXRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約28.6°、約30.0°および約50.4°に特徴的なピークが存在していた。
【0124】
〔実施例4〕
脱イオン水310mLをビーカーに加え、撹拌下、Laの質量として12gの硝酸ランタン、MgOの質量として4gの硝酸マグネシウム、COの質量として12gの硝酸コバルト、およびMnOの質量として3gの塩化マンガンを完全に溶解するまで加え、非貴金属成分の前駆体溶液を製造した。脱イオン水(200mL)に炭酸アンモニウム(47g)を加え、完全に溶解するまで混合物を撹拌した。硝酸金属混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を添加して溶液のpH値を9に維持した。
【0125】
完全に沈殿した混合物を吸引ろ過し、脱イオン水で洗浄した。吸引ろ過により得られたろ過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中700℃で5時間焼成した後、粉砕して活性金属成分前駆体を得た。
【0126】
Alの質量として30gのボーキサイトを秤量し、水160mLおよび濃塩酸(36重量%)4.5gを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌して活性成分コーティングのスラリーを製造した。
【0127】
上記で得られた活性成分コーティングのスラリーを、規則的な構造を有するコージェライト担体300g(200穴/平方インチ)にコートした後、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布した活性成分コーティングを製造し、得られた成分を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、規則的な構造を有する触媒の半完成製品を製造した。
【0128】
Pdの前駆体を1:1の質量比で希塩酸に溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して塩化パラジウム溶液を製造した。この塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.009g)採取した。含浸液としてのPd含有溶液を上記半完成製品の触媒に含浸させて固形物を製造した後、この固形物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、600℃で4時間焼成して触媒S-4を製造し、この触媒は、規則的な構造を有する触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量が14.3重量%であった。
【0129】
活性成分コーティングの一部を採取し、XRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約33.0°、約33.5°および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°および約39.5°に特徴的なピークが存在していた。
【0130】
活性成分コーティングの一部を採取し、SOを含む雰囲気に30分間曝露した。SOを含む雰囲気は、温度が675℃、圧力が0.2MPa、SO含有量が0.001vol%であった。SO処理に曝露した後、コーティングのXRD分析を実施した。XRDスペクトルにおいて、2θ=約28.6°、約30.0°および約50.4°に特徴的なピークが存在していた。
【0131】
〔実施例5〕
脱イオン水320mLをビーカーに加え、撹拌下、Laの質量として20gの硝酸ランタン、MgOの質量として4gの硝酸マグネシウム、COの質量として5gの硝酸コバルト、およびMnOの質量として3gの塩化マンガンを完全に溶解するまで加え、非貴金属成分の前駆体溶液を製造した。脱イオン水(200mL)に炭酸アンモニウム(48g)を加え、完全に溶解するまで混合物を撹拌した。硝酸金属混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を添加して溶液のpH値を9に維持した。
【0132】
完全に沈殿した混合物を吸引ろ過し、脱イオン水で洗浄した。吸引ろ過により得られたろ過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中700℃で5時間焼成した後、粉砕して活性金属成分前駆体を得た。
【0133】
Alの質量として30gのボーキサイトを秤量し、水160mLおよび濃塩酸(36重量%)4.5gを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌して活性成分コーティングのスラリーを製造した。
【0134】
上記で得られた活性成分コーティングのスラリーを、規則的な構造を有するコージェライト担体300g(200穴/平方インチ)にコートした後、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布した活性成分コーティングを製造し、得られた成分を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、規則的な構造を有する触媒の半完成製品を製造した。
【0135】
Ruの前駆体を1:1の質量比で希塩酸に溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して塩化ルテニウム溶液を製造した。この塩化ルテニウム溶液を一定量(Ru換算質量0.009g)採取した。含浸液としてのRu含有溶液を上記半完成製品の触媒に含浸させて固形物を製造した後、この固形物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、600℃で4時間焼成して触媒S-5を製造し、この触媒は、規則的な構造を有する触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量が14.3重量%であった。
【0136】
〔実施例6〕
脱イオン水320mLをビーカーに加え、撹拌下、CeOの質量として20gの硝酸セリウム、MgOの質量として4gの硝酸マグネシウム、Feの質量として5gの硝酸鉄、およびMnOの質量として3gの塩化マンガンを完全に溶解するまで加え、非貴金属成分の前駆体溶液を製造した。脱イオン水(200mL)に炭酸アンモニウム(48g)を加え、完全に溶解するまで混合物を撹拌した。硝酸金属混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を添加して溶液のpH値を9に維持した。
【0137】
完全に沈殿した混合物を吸引ろ過し、脱イオン水で洗浄した。吸引ろ過により得られたろ過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中700℃で5時間焼成した後、粉砕して活性金属成分前駆体を得た。
【0138】
Alの質量として30gのボーキサイトを秤量し、水160mLおよび濃塩酸(36重量%)4.5gを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌して活性成分コーティングのスラリーを製造した。
【0139】
上記で得られた活性成分コーティングのスラリーを、規則的な構造を有するコージェライト担体300g(200穴/平方インチ)にコートした後、乾燥および焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布した活性成分コーティングを製造し、得られた成分を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、規則的な構造を有する触媒の半完成製品を製造した。
【0140】
Pdの前駆体を1:1の質量比で希塩酸に溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して塩化パラジウム溶液を製造した。この塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.009g)採取した。含浸液としてのPd含有溶液を上記半完成製品の触媒に含浸させて固形物を製造した後、この固形物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、600℃で4時間焼成して触媒S-6を製造し、この触媒は、規則的な構造を有する触媒の総重量に基づいて、活性成分コーティングの含有量が14.3重量%であった。
【0141】
〔比較例1〕
20gのLaおよび5gのCOを完全に機械的に混合し、混合前駆体を得た。
【0142】
Alの質量として30gのボーキサイトを秤量し、水380mLおよび濃塩酸(36重量%)4.5gを加えた。得られた混合物をスラリー化した。混合前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌して活性成分コーティングのスラリーを製造した。
【0143】
上記で得られた活性成分コーティングのスラリーを、規則的な構造(200穴/平方インチ)を有するコージェライト担体300gにコートした後、乾燥、焼成して、規則的な構造を有する担体の内面および/または外面に分布する活性成分コートを製造し、得られた成分を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D-1を製造し、ここで、規則的な構造を有する触媒の総重量に基づいて、活性成分コートの含有量は14.3重量%であった。
【0144】
上記で得られた触媒の組成を表1に示す。
【0145】
【表1】
【0146】
〔試験例1〕
本試験は、上記の実施例および比較例で提供された触媒を、排ガス中のNOおよびSOの両方の排出を同時に低減する効果について評価するために使用された。触媒分解反応-再生評価は、小型の固定床模擬煙道ガス装置を使用して実施した。規則的な構造を有する触媒を触媒床に充填した。触媒を20gの量で担持させた。反応温度は650℃、反応圧力は0.1MPaであった。原料ガスは体積流量(STP、標準温度および圧力)が1000mL/min、体積時間空間速度が約3000h-1であった。反応器温度が安定した後、まず触媒をN雰囲気中で30分間前処理し、触媒表面の吸着種を完全に除去した。反応開始時、原料ガスは1200ppm vol%のNO、1200ppm vol%のSOおよび残りのNを含んでいた。反応後のSOおよびNOの濃度を得るために、ガス生成物をオンライン赤外線で分析した。評価時間0.5時間の結果を表2に示す。評価時間1.5時間の結果を表3に示す。
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
表2および表3の結果から、本発明により提供される触媒は、SOxおよびNOxを組み合わせて除去する効果を効果的に向上させ、SOxおよびNOxの排出を低減できることがわかる。
【0150】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内において、本発明の技術的解決策に対して、他の任意の好適な態様における様々な技術的特徴の組み合わせを含む、様々な容易な改変を加えることができる。これらの容易な改変および組み合わせも、本発明の開示内容とみなされるべきである。すべて本発明の保護範囲に属する。

【国際調査報告】