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特表2024-533436排ガス中のSOxおよびNOxを低減する触媒並びにその調製方法、並びに排ガスからSOxおよびNOxを除去する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】排ガス中のSOxおよびNOxを低減する触媒並びにその調製方法、並びに排ガスからSOxおよびNOxを除去する方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/89 20060101AFI20240905BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B01J23/89 A
B01D53/94 230
B01D53/94 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515622
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2022118245
(87)【国際公開番号】W WO2023036317
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111055118.0
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111055151.3
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111055913.X
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111054717.0
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523143774
【氏名又は名称】中石化石油化工科学研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】姜秋橋
(72)【発明者】
【氏名】宋海濤
(72)【発明者】
【氏名】鳳孟龍
(72)【発明者】
【氏名】趙東越
(72)【発明者】
【氏名】曲亜坤
(72)【発明者】
【氏名】沙昊
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
4D148AA02
4D148AA06
4D148AB02
4D148BA01X
4D148BA02Y
4D148BA03X
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4D148BB01
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4D148DA20
4G169AA03
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4G169BB04B
4G169BC10B
4G169BC42B
4G169BC43B
4G169BC62B
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4G169BC67B
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4G169CA02
4G169CA12
4G169CA13
4G169DA05
4G169EA04Y
4G169EC25
4G169FA02
4G169FB05
4G169FB14
4G169FB15
(57)【要約】
本発明は、排ガス中のSOxとNOxとを同時に低減する触媒、その調製方法およびその使用、ならびに、排ガスからSOxとNOxとを同時に低減する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス中のSOxとNOxとを同時に低減可能な触媒であって、以下の成分を含むことを特徴とする触媒:
(1)担体または無機酸化物マトリクス、(2)希土類金属、(3)VIII族から選択される非貴金属、または、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、(5)任意に、VIIB族の非貴金属、(6)任意に、第IIA族の金属、
ここで、前記触媒の総重量を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリクスの酸化物としての含有量は、25~95重量%であり、例えば、25~93重量%、または25~92重量%、または40~90重量%、または40~87重量%、または40~85重量%、または45~80重量%、または50~88重量%、または50~80重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は、2~70重量%であり、例えば、4~60重量%、または4~50重量%、または4~40重量%、または6~70重量%、または8~50重量%、または8~40重量%、または12~60重量%、または12~48重量%であり;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属、または、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、1~30重量%であり、例えば1~15重量%、または1~12重量%、または2~30重量%、または2~12重量%、または2~10重量%、または2~8重量%、または3~20重量%、または3~15重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は、0.01~2重量%であり、例えば0.01~1.5重量%、または0.01~2重量%、または0.02~1.5重量%、または0.02~1.2重量%、または0.02~1.0重量%、または0.03~1.2重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は0または1~10重量%であり、0または1~8重量%であり、0または2~5重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は、0または1~30重量%であり、0または1~20重量%であり、0または2~15重量%であり;
ここで、成分(2)と成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1であり、例えば、(0.4~12):1、または(0.5~15):1、または(0.5~12):1、または(0.5~8):1、または(0.6~18):1、または(1~10):1、または(1~6):1、または(1~4):1、または(2~12):1、または(2~5):1、または(3~6):1であり;
好ましくは、前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量と、前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量と、の合計はゼロではない。
【請求項2】
請求項1に記載の触媒であって、ここで、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリクスは、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、好ましくはアルミナである;および/または、
前記成分(2)の希土類金属は、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種以上であり、より好ましくはLaおよび/またはCeであり、最も好ましくはLaである;および/または、
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属は、Coおよび/またはFeであり、より好ましくはCoであり;または前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属は、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびVのうちの1種以上であり、より好ましくはCoおよび/またはFeであり、最も好ましくはCoである;および/または
前記成分(4)の貴金属は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、Ir、およびAuのうちの1種以上であり、より好ましくはPt、Pd、およびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである;および/または
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属はMnである;および/または
前記成分(6)のIIA族の金属は、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaの1種以上であり、より好ましくはMgである、触媒。
【請求項3】
前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒であって、
前記触媒は、(1)担体、ならびに、前記担体上に担持された(2)希土類金属、(3)VIII族から選択される非貴金属、および(4)貴金属を含み;
ここで、前記触媒の総重量を基準として、
前記成分(1)の担体の含有量は25~95重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~60重量%であり;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~2重量%である;
または、
前記成分(1)の担体の含有量は40~90重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~50重量%であり;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.5重量%である;
または、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、50~88重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~40重量%であり;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~10重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.03~1.2重量%であり;
ここで、成分(2)と成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.5~15):1、または(1~10):1、または(2~5):1である、触媒。
【請求項4】
前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒であって、
前記触媒は、(1)担体、ならびに、前記担体上に担持された、(2)希土類金属、(3)VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、および(6)IIA族の金属を含み、
ここで、前記触媒の総重量を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、25~93重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~60重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~30重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~2重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~30重量%である;
または、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~87重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~50重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、3~20重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.5重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~20重量%であり;
または、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~85重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~40重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は3~15重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.03~1.2重量%であり;
前記成分(6)のIIA族金属の酸化物としての含有量は2~15重量%である;
ここで、成分(2)と成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1であり、例えば、(0.4~12):1、または(0.5~8):1、または(1~4):1である、触媒。
【請求項5】
前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒であって、
前記触媒は以下の成分:(1)担体または無機酸化物マトリックス、(2)希土類金属、(3)VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、および(5)VIIB族非貴金属、を含み、
ここで、前記触媒の総重量を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、25~92重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は6~70重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、1~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~1.5重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は、1~10重量%である;
または、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~85重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は12~60重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~10重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.2重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族非貴金属の酸化物としての含有量は1~8重量%である;
または、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~85重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は12~48重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~8重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.0重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は、2~5重量%である;
ここで、成分(2)と成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.6~18):1であり、例えば(2~12):1、または(3~6):1である、触媒。
【請求項6】
前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒であって、
前記触媒は以下の成分:
(1)担体または無機酸化物マトリックス、(2)希土類金属、(3)VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、(5)VIIB族の非貴金属、および(6)IIA族の金属、を含み、
ここで、前記触媒の総重量を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、25~95重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は2~70重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、1~15重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~1.5重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は、1~10重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~30重量%である;
または、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は40~90重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~50重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.2重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は1~8重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~20重量%である;
または、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は50~80重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~40重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~10重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.0重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は、2~5重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は2~15重量%である;
ここで、成分(2)と成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1であり、例えば(0.5~12):1、または(1~6):1である、触媒。
【請求項7】
前記触媒が、SOを含む雰囲気に曝露された触媒である、前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項8】
前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒であって、
ここで、
前記成分(2)の希土類金属はLaを含み;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属、または、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属はCoを含み;
前記成分(4)の貴金属はPdを含み;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属は、存在する場合、Mnを含み;
前記成分(6)のIIA族の金属は、存在する場合、Mgを含む、触媒。
【請求項9】
前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒であって、
ここで、
前記成分(2)の希土類金属はLaであり;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属、または、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属はCoであり
前記成分(4)の貴金属はPdであり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属は、存在する場合、Mnであり;
前記成分(6)のIIA族の金属は、存在する場合、Mgである、触媒。
【請求項10】
請求項7~9のいずれかに記載の触媒であって、
前記触媒が、SOを含む雰囲気に曝露された触媒であり、
前記触媒が、粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=28.6°±0.1°、30.0°±0.1°および50.4°±0.1°に特徴的なピークを有する、触媒。
【請求項11】
粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=33.0°±0.1°、33.5°±0.1°および47.5°±0.1°、ならびに、27.0°±0.1°、28.0°±0.1°および39.5°±0.1°に特徴的なピークを有する、請求項8~9のいずれかに記載の触媒。
【請求項12】
前記の請求項のいずれか1項に記載の触媒を調製する方法であって、前記方法は:
(I)共沈法またはゾル-ゲル法を用いて活性金属前駆体を製造すること、
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、(2)希土類金属、(3)VIII族から選択される非貴金属、またはVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属、(5)任意で、VIIB族の非貴金属、および(6)任意で、IIA族の金属を含む:および、
(II)前記活性金属前駆体と、(1)担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体と、任意に(4)貴金属の前駆体とを混合およびスラリー化してスラリーを得、得られたスラリーを乾燥および/または焼成することで、触媒を製造すること;または、
前記活性金属前駆体と、(1)担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体と、任意に(4)貴金属の前駆体とを混合してスラリー化し、得られたスラリーを乾燥および/または焼成して触媒半生成物を製造し、次いで、前記触媒半生成物に(4)貴金属の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて固体生成物を製造し、次いで、前記固体生成物を乾燥および/または焼成することで触媒を製造すること;を含み、
ここで、前記活性金属前駆体、前記担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体、および前記貴金属の前駆体は、製造される触媒が、前記請求項のいずれかに記載の触媒の組成となるような量で使用される、方法。
【請求項13】
前記の請求項のいずれかに記載の調製方法であって、前記工程(I)において、共沈法を用いて前記活性金属前駆体を製造し;好ましくは、前記共沈法は:
(I-1)(2)希土類金属の前駆体、(3)VIII族から選択される非貴金属、またはVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属の前駆体、任意に(5)VIIB族の非貴金属の前駆体、ならびに、任意に(6)IIA族の金属の前駆体、を含む第1の溶液を準備すること;
好ましくは、各前駆体は独立して、各金属の硝酸塩および/または塩化物から選択される;
(I-2)前記第1の溶液と、共沈剤とを共沈反応させること;
好ましくは、前記共沈剤は炭酸塩であり、さらに好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であり;
好ましくは、前記共沈反応はpH=8~10で行われる;
(I-3)前記共沈反応で得られた固体生成物を乾燥および/または焼成し、活性金属前駆体を製造すること、を含み;
好ましくは、工程(I-3)における焼成条件は:温度は300~800℃、例えば300~700℃であり、時間は0.5~8時間、例えば1~8時間または1~5時間であること、を含み、
ここで、前記担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体、前記希土類金属の前駆体、前記VIII族から選択される非貴金属の前駆体、またはVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属の前駆体、前記貴金属の前駆体、任意の前記VIIB族の非貴金属の前駆体、および任意の前記IIA族の金属の前駆体は、製造される触媒が、前記の請求項のいずれかに記載の触媒の組成となるような量で使用される、方法。
【請求項14】
前記の請求項のいずれか1項に記載の調製方法であって、
工程(II)において、前記貴金属成分の前駆体は、硝酸塩、塩化物、および/または塩素酸塩のうちの少なくとも1種であり、例えば、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩化白金、および塩化ロジウムのうちの少なくとも1種であり、好ましくは硝酸パラジウムおよび/または塩化パラジウムであり;および/または、
前記工程(II)において、前記スラリーは5~40重量%の、例えば6~38重量%、または7~35重量%の固形分含量を有し;および/または、
工程(II)において、前記スラリーを焼成するための条件は以下を含む:温度は300~800℃、例えば300~700℃であり、時間は0.5~8時間、例えば1~8時間または1~5時間であり;および/または、
工程(II)において、前記貴金属の前駆体が、酸溶液中で加水分解されることで前記含浸液が提供され;好ましくは、前記酸は、水溶性無機酸および/または有機酸から選択され、より好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうちの少なくとも1種であり;好ましくは、前記酸は、前記含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満、例えば2.0~5.0となるような量で使用され;好ましくは、前記固体生成物を焼成する条件は:温度は300~800℃、例えば300~700℃であり、時間は0.5~8時間、例えば1~8時間または1~5時間であることを含む、方法。
【請求項15】
排ガスからSOxおよびNOxを同時に低減する方法であって、SOxおよびNOxを除去するための条件下で、前記排ガスを、前記請求項のいずれか1項に記載の触媒または前記請求項のいずれか1項に記載の調製方法により調製された触媒と接触させることを含み;
好ましくは、前記SOxおよびNOxを除去するための条件は:温度は300~1000℃、例えば500~800℃、または600~750℃、または625~750℃、または650~750℃、または675~750℃、または700~750℃、または725~750℃、または600~725℃、または625~725℃、または650~725℃、または675~725℃、または700~725℃、または600~700℃、または625~700℃、または650~700℃、または675~700℃、または600~675℃、または625~675℃、または650~675℃、または600~650℃、または625~650℃、または600~625℃であり;圧力は0~4MPa、例えば0.01~4MPa、または0.02~4MPa、または0~0.5MPaであり、排ガスの体積時間空間速度は、100~50000h-1、または200~20000h-1であることを含み;および/または、
好ましくは、前記排ガス中におけるSOx含有量は0.001~0.5体積%であり、NOx含有量は0.001~0.3体積%であり、または、前記排ガス中のSOxおよびNOxの体積分率はそれぞれ1~3000μL/Lであり、SOxとNOxのモル比は0.5:1~2:1であり;および/または、
好ましくは、前記排ガスは、特定の濃度のSOxおよびNOxを同時に含む排ガス、例えば、接触分解再生排ガスであり;好ましくは、前記接触分解再生排ガスと前記触媒との接触は、接触分解サイクロン分離器の後および/またはCO焼却炉の後に設けられた排ガス通路において実施される、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減する触媒、その調製方法並びに使用、並びに、排ガスからSOxおよびNOxを同時に低減する方法に関する。
【0002】
〔背景〕
接触分解反応においては、炭化水素の反応により触媒上にコークが析出し、このコークが、触媒活性を低下させる。コークを含む触媒は、回収部で当該触媒に吸着した炭化水素と分離された後、再生装置へ輸送される。再生装置では、コークを含む触媒を高温の空気と十分に接触させ、触媒表面のコークを燃焼除去することで、触媒活性を回復させる。このコークが触媒から燃焼除去される際に、SOxおよびNOxが発生する。そして、これらのガスが大気中に排出されることで、大気汚染の原因となる。環境保護の要求が厳しくなるにつれ、排ガス汚染物質の排出基準もますます厳しくなっている。
【0003】
現在、接触分解再生による排ガス汚染物質の排出を低減するための主な技術的対策には、再生装置の最適化、添加剤の使用、および排ガスの後処理が含まれる。このうち、添加剤を添加する方法は、柔軟な運用が可能であり、設備投資が不要であるという利点があるため、広く利用されている。現在、脱硫添加剤または脱硝添加剤は主に1種類の排ガス汚染物質を単独で除去する。例えば、CN1334316Aは、接触分解排ガスからSOxを除去するために使用される、マグネシア、アルミナ、スピネル含有組成物とCe/V酸化物とからなる硫黄移動剤を開示しており;CN104399478Aは、接触分解排ガスからSOxを除去するために使用される硫黄移動剤とその調製および評価方法を開示しており;CN101311248Bは、接触分解排ガス中のNOxを低減するために使用される、接触分解再生排ガス中のNOxの排出を低減可能な組成物を提供している。
【0004】
上記の特許文献は、再生排ガス中のSOxまたはNOxを個別に除去する場合には良好な除去効果を有する。しかしながら、窒素酸化物と硫黄酸化物とを一斉に/同時に除去することはできない。このため、SOxとNOxとを同時に除去する必要がある場合、添加剤の総必要量が大きくなる。一方では、排ガス汚染物質の除去コストが増加し、他方では、添加剤量の増加は、接触分解生成物の分布に影響する。
【0005】
添加剤の総添加量を低減し、添加剤の排出削減効果を高め、添加技術の競争力を向上するために、SOxとNOxとを複合的に除去するとの目的から出発して、本発明は、排ガス汚染物質を複合的に除去するための新しい触媒を開発する。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明の目的は、窒素酸化物と硫黄酸化物とを同時に除去することができず、コストが非常に高いという既存の脱硫技術および脱硝技術の欠点を克服し、排ガス(特に接触分解再生排ガス)中のSOxとNOxとを同時に低減する触媒と、その調製方法および使用方法と、排ガス(特に接触分解再生排ガス)からSOxとNOxとを同時に除去する方法と、を提供することにある。本発明により提供される触媒は、高い活性を有し、排ガス中のSOxおよびNOxの排出を効果的に低減することができる。さらに、本発明により提供される触媒の調製方法は単純である。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様においては、排ガス中のNOxおよびSOx排出を(同時に)低減するための触媒が提供され、当該触媒は、担体と、当該担体上に担持された、希土類金属から選択される第1の活性成分、VIII族の非貴金属から選択される第2の活性成分、および、貴金属成分と、を含み;前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は25~95重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は4~60重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は2~12重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.01~2重量%であり;前記第1の活性成分と前記第2の活性成分との金属酸化物としてのモル比は(0.5~15):1であり;例えば(1~10):1、または(2~5):1である。
【0008】
本発明において、反する教示が存在しない限り、「触媒の総重量を基準として」とは、触媒の総重量が100重量%であることを意味する。成分の組成および含有量に言及する場合、決定的な根拠が存在しない限り、当該成分の総重量が100重量%であることを基準とする。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様においては、(同時)脱硫脱硝触媒が提供され、前記触媒の総重量を基準として、前記触媒は、重量比率として:
25~92重量%、または40~85重量%、または45~80重量%の酸化物としての無機酸化物マトリックス;
6~70重量%、または12~60重量%、または12~48重量%の酸化物としての希土類金属成分(好ましくは、前記希土類金属成分はLa、Ce、PrおよびNdの1種以上から選択され、より好ましくはLaである);
1~12重量%、または2~10重量%、または2~8重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分(好ましくは、前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分は、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVの1種以上であり、より好ましくはCoである);
1~10重量%、または1~8重量%、または2~5重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分(好ましくは、前記VIIB族非貴金属成分はMnである);
0.01~1.5重量%、または0.02~1.2重量%、または0.02~1.0重量%の元素としての貴金属成分(好ましくは、前記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuの1種以上から選択され、より好ましくは、Pt、PdおよびRhの1種以上、最も好ましくはPdである)、を含む。
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様においては、排ガス中のSOxとNOxとの両方を同時に低減することができる/するための触媒が提供され、当該触媒は、担体と、当該担体上に担持された、希土類金属から選択される第1の活性成分と、VB族、VIII族、IB族およびIIB族の非貴金属から選択される第2の活性成分と、IIA族の金属から選択される第3の活性成分と、貴金属成分とを含み;前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は25~93重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は4~60重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は2~30重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量は1~30重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.01~2重量%である。好ましくは、前記第1の活性成分と第2の活性成分との金属酸化物としてのモル比は、(0.4~12):1であり、好ましくは(0.5~8):1であり、さらに好ましくは(1~4):1である。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の第4の態様においては、排ガス中のSOxとNOxとの両方を同時に低減するための触媒が提供され、前記触媒の総重量を基準として、前記触媒は、25~95重量%の無機酸化物マトリックス;2~70重量%の酸化物としての希土類金属成分;1~30重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;1~15重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;1~10重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;および0.01~1.5重量%の元素としての貴金属成分を含む。好ましくは、希土類金属成分と、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分との、金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1であり、例えば(0.5~12):1、または(1~6):1である。
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の第5の態様においては、第1の態様に記載の排ガス中のNOxおよびSOx排出を(同時に)低減するための触媒を調製する方法が提供され、当該方法は以下の工程:
(1)希土類金属から選択される第1の活性成分の前駆体と、VIII族の非貴金属から選択される第2の活性成分の前駆体とを含む前駆体溶液を準備すること;
(2)前記前駆体溶液と共沈剤との共沈反応を行い、その後、乾燥および焼成すること;
(3)工程(2)で得られた固体生成物と、担体および/または担体の前駆体とを混合してスラリー化し、次いで、このスラリーを乾燥および焼成すること;
(4)工程(3)で得られた固体生成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させた後、乾燥および/または焼成すること、を含む。
【0013】
本発明の第6の態様においては、脱硫脱硝触媒を調製する方法が提供され、当該方法は、以下の工程:
S1.活性金属前駆体の調製:共沈法またはゾル-ゲル法を用いること;
S2.触媒半製品の調製:活性金属前駆体と、無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体と、を混合およびスラリー化してスラリーを製造し、当該スラリーを乾燥および焼成すること、を含み;
前記方法はまた、任意に以下の工程:S3.工程S2で得られた触媒半製品を、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて、固体生成物を製造する工程、並びに、当該固体生成物を乾燥および焼成すること、を含み;
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、希土類金属成分、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびにVIIB族の非貴金属成分を含み;
前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、ならびに、前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準とする重量比率で:酸化物として:25~92重量%の無機酸化物マトリックス、6~70重量%の希土類金属成分、1~12重量%のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、1~10重量%のVIIB族の非貴金属成分;および0.01~1.5重量%の元素としての貴金属成分、を含むような量で使用される。
【0014】
本発明の第7の態様においては、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒を調製するための方法が提供され、当該方法は、以下の工程:
(1)希土類金属から選択される第1の活性成分の前駆体、VB族、VIII族、IB族およびIIB族の非貴金属から選択される第2の活性成分の前駆体、ならびに、IIA族の金属から選択される第3の活性成分の前駆体を含む前駆体溶液を準備すること;
(2)前駆体溶液と共沈剤との共沈反応を行い、その後、乾燥および焼成すること;
(3)工程(2)で得られた固体生成物と、担体および/または担体の前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体とを混合およびスラリー化し、次いで、スラリーを乾燥および焼成すること、を含み;
前記方法はまた、任意に:(4)工程(3)で得られた固体生成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて、次いで乾燥および/または焼成すること、を含み;
前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体、前記第3の活性成分の前駆体、前記担体および/または前記担体の前駆体、ならびに、前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒において、当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が25~93重量%となり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が4~60重量%となり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が2~30重量%となり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量が1~30重量%となり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.01~2重量%となるような量で使用される。
【0015】
本発明の第8の態様においては、排ガス中のSOxとNOxとの両方を同時に低減するための触媒を調製する方法が提供され、当該方法は以下の工程:
(1)共沈法またはゾル-ゲル法を用いて、活性金属前駆体を製造すること;
(2)前記活性金属前駆体と、無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体と、を混合およびスラリー化し、このスラリーを乾燥および/または焼成して組成物を製造すること、を含み;
前記方法はまた、任意に、(3)工程(2)で得られた組成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて固体生成物を生成し、次いで、この固体生成物を乾燥および/または焼成すること、含む;
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、希土類金属成分、IIA族の金属成分、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびにVIIB族非貴金属成分を含み;
前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、ならびに、前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒が、触媒の総重量を基準として、25~95重量%の無機酸化物マトリックス;2~70重量%の酸化物としての希土類金属成分;1~30重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;1~15重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;1~10重量%の酸化物としてのVIIB族非貴金属成分;および0.01~1.5重量%の元素としての貴金属成分、を含むような量で使用される
本発明の第9の態様においては、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に除去する際の、前記のいずれか1つの態様に記載の触媒の使用が提供される。具体的には、本発明は、SOxおよびNOxを含む排ガスからSOxおよびNOxを同時に除去する方法を提供し、当該方法は以下の工程:
SOxおよびNOxを含む排ガスを、SOxおよびNOxを同時に除去するための条件下で、前記態様のいずれか1つに記載の触媒と接触させること、を含む。好ましくは、前記SOxおよびNOxを同時に除去する条件は、温度が500~800℃であり、圧力が0.02~4MPaであり、排ガスの体積時間空間速度が100~50000h-1である。好ましくは、前記排ガスは、SOx含有量が0.001~0.5体積%であり、NOx含有量が0.001~0.3体積%である。
【0016】
本発明者らは、特定量の希土類金属元素(例えばLa)および第VIII族の非貴金属(例えばCo)を、1種以上の貴金属元素(例えばPt)と組み合わせて活性成分とし、希土類金属と第VIII族非貴金属との特定の比率として使用することにより、排ガス中のSOxおよびNOxの排出を同時に効果的に低減可能であることを研究中に発見した。その上で、IIA族の金属成分(例えばMg)の導入および/またはVIIB族の金属成分(例えばMn)の導入は、NOxおよびSOxを共に除去する触媒の能力をさらに向上させることができる。本発明の触媒をSOと接触させることで、硫黄元素を異なる原子価状態に変換することができると考えられ、この低原子価の硫黄元素は排ガス中のNOxの変換に有利であるために、プロセス全体が、SOxとNOxとの変換を、汚染の低減に有効な方向に促進することができると考えられる。
【0017】
本発明により提供される触媒は、調製が簡単で、実施が容易であり、接触分解再生排ガス中のSOxおよびNOxの排出を効果的に低減することができる。
【0018】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書で開示される範囲の端点および任意の値は、そのような正確な範囲または値に限定されない。依然として、これらの範囲または値は、そのような範囲または値に近づく値を含むと理解されるべきである。数値範囲については、範囲の端点値のうちの任意の2つの間の組み合わせ、範囲の端点値のうちの1つと個々の点の値との間の組み合わせ、または個々の点の値のうちの任意の2つの間の組み合わせが、1種以上の新しい数値範囲を得るためになされ得る。これらの数値範囲は、本明細書に具体的に開示されているものとみなす。
【0019】
本発明では、特に断らない限り、圧力はゲージ圧を意味する。
【0020】
本発明において、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒とは、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に除去し、排ガス中のSOxおよびNOxの含有量を低減するために使用できる触媒を意味する。
【0021】
本発明において、SOxとは硫黄酸化物の混合物(例えばSOとSOとの混合物、酸化物のモル比は特に限定されず、例えば1:10~10:1)を意味し、NOxとは窒素酸化物の混合物(例えばNOとNOとの混合物、酸化物のモル比は特に限定されず、例えば1:10~10:1)を意味する。
【0022】
本発明において、「排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減するための触媒」、「排ガス中のNOxおよびSOxの排出を(同時に)低減するための触媒」、「脱硫脱硝触媒」、「排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒」、「排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に低減するための触媒」、などの表現は同じ意味を有し、これらの触媒を用いて排ガス中のSOxおよびNOxを同時に除去し、排ガス中のSOxおよびNOxの含有量を低減可能であることを意味する。
【0023】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減するための触媒を提供し、当該触媒は、担体と、当該担体上に担持された、希土類金属から選択される第1の活性成分と、VIII族の非貴金属から選択される第2の活性成分と、貴金属成分とを含み;当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は25重量%~95重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は4重量%~60重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は2重量%~12重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.01重量%~2重量%であり;
前記第2の活性成分と、前記第1の活性成分と金属酸化物としてのモル比は、(0.5~15):1、例えば(1~10):1、または(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。
【0024】
本発明によって提供される触媒において、前記担体は比較的広い範囲で選択することができる。好ましくは前記、担体は、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、さらに好ましくはアルミナである。
【0025】
本発明では、アルミナの結晶形態に特に制限はなく、γ-アルミナ、δ-アルミナ、η-アルミナ、ρ-アルミナ、κ-アルミナ、およびχ-アルミナが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本発明によれば、従来定義されている希土類族成分が本発明において使用され、前記第1の活性成分はLaおよび/またはCeであり、好ましくはLaである。かかる態様によれば、前記触媒のSOxおよびNOxの除去性能をさらに向上させることができる。
【0027】
前記第2の活性成分は、VIII族の金属の少なくとも1種であってよく、好ましくはCoおよび/またはFeであり、より好ましくはCoである。
【0028】
本発明によれば、貴金属は当該技術分野における従来の意味を有する。好ましくは、前記貴金属成分は、Pt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである。本発明者らは、貴金属元素であるPdと他の活性成分とを組み合わせて使用することにより、排ガス中のSOxおよびNOxの除去効果を大幅に向上させることができることを研究中に見出した。
【0029】
本発明によれば、前記第1の活性成分と第2の活性成分とを、(0.5~15):1のモル比で使用する。この特別な比率では、第1の活性成分と第2の活性成分とが相乗的に作用して、排ガス中のSOxおよびNOxの除去効果を向上させる。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1の活性成分と、前記第2の活性成分との金属酸化物としてのモル比は、(1~10):1、好ましくは(2~5):1である。前記第1の活性成分と、前記第2の活性成分との比率を最適化することによって、排ガス中のSOxおよびNOxの除去における前記触媒の効果をさらに向上させることができる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は40重量%~90重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は8重量%~50重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は2重量%~12重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.02重量%~1.5重量%である。
【0032】
好ましくは、前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は50重量%~88重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は8重量%~40重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は2重量%~10重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.03重量%~1.2重量%である。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、本発明は、前記触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:25重量%~92重量%の無機酸化物マトリックス、6重量%~70重量%の希土類金属成分、1重量%~12重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、1重量%~10重量%のVIIB族非貴金属成分;および
0.01重量%~1.5重量%の元素としての貴金属成分、を含む脱硫脱硝触媒を提供する。
【0034】
本発明によれば、好ましくは、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:40重量%~85重量%の無機酸化物マトリックス、12重量%~60重量%の希土類金属成分、2重量%~10重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびに1重量%~8重量%のVIIB族非貴金属成分;
元素として:0.02重量%~1.2重量%の貴金属成分、を含む。
【0035】
より好ましくは、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:45重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス、12重量%~48重量%の希土類金属成分、2重量%~8重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびに2重量%~5重量%のVIIB族非貴金属成分;
元素として:0.02重量%~1.0重量%の貴金属成分、を含み;
最も好ましくは、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:50重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス、12重量%~43重量%の希土類金属成分、2重量%~5重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびに2重量%~5重量%のVIIB族非貴金属成分;
元素として:0.02重量%~0.05重量%の貴金属成分、を含む。
【0036】
上記の技術的解決手段を用いることによって、異なる種類の金属が、特定の含有量の範囲内で相乗的に配位するように選択され、結果として異なる種類の金属が相乗効果を発揮することができ、貴金属の使用量を減らしてコストを低減することができる。
【0037】
本発明によれば、全ての希土類金属成分を本発明において使用することができる。前記触媒のSOxおよびNOxの除去性能をさらに向上させるために、好ましくは、前記希土類金属成分は、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種以上であり、より好ましくはLaである。
【0038】
一実施形態では、VB族非貴金属成分は、V、NbおよびTaのうちの1種以上とすることができ;VIII族非貴金属成分は、Fe、CoおよびNiのうちの1種以上とすることができ;IB族非貴金属成分はCuとすることができ;IIB族非貴金属成分は、Zn、CdおよびHgのうちの1種以上とすることができる。
【0039】
好ましい実施形態では、前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分は、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVのうちの1種以上を含み、より好ましくはCoである。
【0040】
好ましい実施形態では、前記VIIB族の非貴金属成分はMnである。
【0041】
好ましい実施形態では、前記貴金属成分はRu、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1種以上であり、より好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである。
【0042】
本発明の調製から得られる脱硫脱硝触媒によれば、前記無機酸化物マトリックスは、当該技術分野において従来使用されている種々の無機酸化物マトリックスを含み、例えば、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライトおよびペロブスカイトのうちの1種以上である。本発明において、スピネルは、当該技術分野において従来使用されている種々のスピネルとすることができ、例えば、マグネシア-アルミナスピネル、ZnO-アルミナスピネルおよびチタニア-アルミナスピネルのうちの1種以上である。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、前記無機酸化物マトリックスはアルミナである。
【0044】
好ましい実施形態では、アルミナは、γ-アルミナ、δ-アルミナ、η-アルミナ、ρ-アルミナ、κ-アルミナおよびχ-アルミナのうちの1種以上であり、本発明はこれに特別な限定を有しない。
【0045】
本発明の好ましい実施形態では、前記希土類金属成分と前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分との金属元素としてのモル比は、(0.6~18):1、さらに好ましくは(2~12):1、さらにより好ましくは(3~6):1、例えば(1~10):1、または(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。
【0046】
本発明の特に好ましい実施形態では、前記触媒の総重量を基準とした重量比率で、アルミナ:50重量%~80重量%であり、酸化物としてのLaが12重量%~43重量%であり、Coが2重量%~5重量%であり、Mnが2重量%~5重量%であり;元素としてのPdが0.02重量%~0.05重量%であり;より好ましくは、La:Coのモル比は、(3~6):1または(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。
【0047】
本発明者らは、特に好ましい実施形態では、前記希土類金属元素であるLaと、前記貴金属元素の1種以上の元素と共にCoおよびMnを含む前記非貴金属元素と、を活性成分として選択し、この活性成分を脱硫脱硝触媒に用いることが、排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減する上で特に有効であり得ることを研究中に見出した。
【0048】
本発明の第3の態様によれば、本発明は、排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に低減可能な触媒/排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に低減するための触媒を提供し、当該触媒は、担体と、当該担体上に担持された、希土類金属から選択される第1の活性成分と、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族の非貴金属から選択される第2の活性成分と、IIA族の金属から選択される第3の活性成分と、貴金属成分とを含み;前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は25重量%~93重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は4重量%~60重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は2重量%~30重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量は1重量%~30重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.01重量%~2重量%である。
【0049】
本発明によれば、従来から定義されている希土類金属成分を本発明において使用することができる。好ましくは、前記第1の活性成分は、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種以上であり、より好ましくはLaおよび/またはCeであり、最も好ましくはLaである。かかる態様によれば、前記触媒のSOxおよびNOxの除去性能をさらに向上させることができる。
【0050】
前記VB族の非貴金属成分は、V、NbおよびTaのうちの1種以上とすることができ;前記VIII族の非貴金属成分は、Fe、CoおよびNiのうちの少なくとも1種とすることができ;前記IB族非貴金属成分は、Cuとすることができ;IIB族非貴金属成分は、Zn、CdおよびHgのうちの少なくとも1種とすることができる。
【0051】
好ましくは、第2の活性成分はFe、Co、Ni、Cu、Zn、およびVのうちの1種以上であり、より好ましくはCoおよび/またはFeであり、最も好ましくはCoである。
【0052】
本発明において、第3の活性成分は、Be、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1種以上とすることができ、より好ましくはMgである。
【0053】
前記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1種以上とすることができ、好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである。本発明者らは、Pdを他の活性成分と共に組み合わせて使用することが、排ガス中のSOxおよびNOxの除去により資することを研究中に発見した。
【0054】
本発明によって提供される触媒において、前記担体は比較的広い範囲で選択することができる。好ましくは、前記担体は、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、さらに好ましくはアルミナである。
【0055】
本発明では、アルミナの結晶形態に特に制限はなく、γ-アルミナ、δ-アルミナ、η-アルミナ、ρ-アルミナ、κ-アルミナ、およびχ-アルミナが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記触媒の総重量を基準として、担体の含有量は40重量%~87重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は8重量%~50重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は3重量%~20重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量は1重量%~20重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.02重量%~1.5重量%であり;
好ましくは、前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は45重量%~80重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は8重量%~40重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は3重量%~15重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量は2重量%~15重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.03重量%~1.2重量%である。
【0057】
本発明によれば、好ましくは、前記第1の活性成分と前記第2の活性成分との金属酸化物としてのモル比は、(0.4~12):1、好ましくは(0.5~8):1、さらに好ましくは(1~4):1、例えば(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。本発明者らは、特別な比率で2つを組み合わせることにより、より優れた相乗効果が得られ、排ガス中のSOxおよびNOxの除去により資することを研究中に発見した。
【0058】
本発明の第4の態様によれば、本発明は、排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に低減するための触媒を提供し、当該触媒は、当該触媒の総重量を基準として、25重量%~95重量%の無機酸化物マトリックス;2重量%~70重量%の酸化物としての希土類金属成分;1重量%~30重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;1重量%~15重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分;1重量%~10重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;ならびに0.01重量%~1.5重量%の元素としての貴金属成分;を含むことを特徴とする。
【0059】
本発明によれば、好ましくは、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、40重量%~90重量%の無機酸化物マトリックス;4重量%~50重量%の酸化物としての希土類金属成分;1重量%~20重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2重量%~12重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;1重量%~8重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;0.02重量%~1.2重量%の元素としての貴金属成分;を含み;より好ましくは、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、50重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス;4重量%~40重量%の酸化物としての希土類金属成分;2重量%~15重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2重量%~10重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分;2重量%~5重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;0.02重量%~1.0重量%の元素としての貴金属成分;を含み;最も好ましくは、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、50重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス;7重量%~38重量%の酸化物としての希土類金属成分;2重量%~8重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2重量%~7重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分;2重量%~5重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;0.02重量%~0.05重量%の元素としての貴金属成分;を含む。上記の好ましい実施形態に基づき、上記の金属の特定の含有量を組み合わせて使用することにより、貴金属の使用量を大幅に削減し、コストを低減することができる。
【0060】
本発明によれば、従来から定義されている希土類金属成分を本発明において使用することができる。前記触媒のSOxおよびNOxの除去性能をさらに向上させるために、前記希土類金属成分は、好ましくはLa、Ce、PrおよびNdのうちの1種以上であり、より好ましくはLaおよび/またはCeであり、最も好ましくはLaである。
【0061】
本発明によれば、前記IIA族の金属成分は、Be、Mg、Ca、SrおよびBaの1種以上であり、より好ましくはMgである。
【0062】
前記VB族の非貴金属成分は、V、NbおよびTaのうちの1種以上とすることができ;前記VIII族の非貴金属成分は、Fe、CoおよびNiのうちの少なくとも1種とすることができ;前記IB族の非貴金属成分は、Cuとすることができ;前記IIB族mp非貴金属成分は、Zn、CdおよびHgのうちの少なくとも1種とすることができる。
【0063】
好ましくは、前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分は、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびVのうちの1種以上であり、より好ましくはCoおよび/またはFeであり、最も好ましくはCoである。
【0064】
好ましくは、前記VIIB族の非貴金属成分はMnである。
【0065】
好ましくは、前記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1種以上であり、より好ましくは、Pt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである。
【0066】
本発明によって提供される触媒によれば、前記無機酸化物マトリックスは、当該技術分野において従来使用されている種々の無機酸化物マトリックスとすることができ、例えば、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種とすることができる。本発明において、スピネルは、当該技術分野において従来使用されている種々のスピネルとすることができ、例えば、マグネシア-アルミナスピネル、ZnO-アルミナスピネルおよびチタニア-アルミナスピネルのうちの少なくとも1種とすることができる。
【0067】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記無機酸化物マトリックスはアルミナである。
【0068】
本発明において、アルミナは、γ-アルミナ、δ-アルミナ、η-アルミナ、ρ-アルミナ、κ-アルミナおよびχ-アルミナのうちの1種以上であってもよい。本発明はこれに特別な限定はない。
【0069】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記希土類金属成分と前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分の酸化物としてのモル比は、(0.4~18):1、さらに好ましくは(0.5~12):1、さらにより好ましくは(1~6):1、例えば(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。
【0070】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、50重量%~80重量%のアルミナ;7重量%~38重量%の酸化物としてのLa;2重量%~8重量%の酸化物としてのMg;2重量%~7重量%の酸化物としてのCo;2重量%~5重量%の酸化物としてのMn;0.02重量%~0.05重量%の元素としてのPd;を含み、より好ましくは、La:Coのモル比は(1~6):1、例えば(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。
【0071】
本発明者らは、希土類族元素のLa、IIA族元素のMg、ならびにCoおよびMnを含む遷移非貴金属元素と、貴金属元素の少なくとも1種と、を共に活性成分として使用することが、接触分解再生排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減する上で特に有効であり得ることを研究中に見出した。
【0072】
本発明の第5の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減するための触媒を調製する方法を提供し、かかる方法は:
(1)希土類金属から選択される第1の活性成分の前駆体と、VIII族の非貴金属から選択される第2の活性成分の前駆体とを含む前駆体溶液を準備すること;
(2)前記前駆体溶液と共沈剤との共沈反応を行い、次いで、乾燥および焼成すること;
(3)工程(2)で得られた固体生成物と、担体および/または担体の前駆体とを混合およびスラリー化してスラリーを得、次いで、当該スラリーを乾燥および焼成すること;
(4)工程(3)で得られた固形生成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させ、次いで、乾燥および/または焼成すること、を含む。
【0073】
本発明の方法によれば、前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、前記貴金属成分および前記担体の特定の種類の選択範囲は、上記の第1の態様で述べた通りであり、ここでは改めて詳述しない。
【0074】
本発明において、工程(1)における前記前駆体溶液の準備方法は、前記金属成分の前駆体が均一に混合されている限り、特に限定されない。例えば、前記金属成分の前駆体を水に溶解し、十分に撹拌してもよい。
【0075】
本発明の方法によれば、好ましくは、前記第1の活性成分の前駆体および前記第2の活性成分の前駆体は、それぞれ独立して、硝酸塩、塩化物、塩素酸塩および硫酸塩等の水溶性塩から選択することができ、好ましくは金属成分の硝酸塩および/または塩化物塩である。
【0076】
本発明の方法によれば、好ましくは、前記貴金属成分の前駆体は、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩素酸白金および塩化ロジウムのうちの少なくとも1種であり、好ましくは硝酸パラジウムおよび/または塩化パラジウムである。
【0077】
本発明によれば、前記前駆体溶液の共沈反応には共沈法が用いられる。本発明では、前記共沈反応を円滑に進行させることができる限り、前記共沈剤の種類および量に特に制限はない。
【0078】
前記共沈剤の種類は、当該技術分野において従来通りに選択することができるが、好ましくは、前記共沈剤は炭酸塩であり、さらに好ましくは、炭酸アンモニウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であり、より好ましくは炭酸アンモニウムである。
【0079】
工程(2)においては、前記共沈剤を溶液の形態で導入し、前記前駆体溶液との共沈反応を行うことができる。本発明では、前記前駆体溶液と前記共沈剤とから形成される溶液の濃度は、形成される溶液の濃度が調製時の溶解度未満であれば特に制限はなく、それによって共沈反応を十分に行うことができる。
【0080】
好ましくは、前記共沈反応は、pH=8~10、好ましくは8.5~9.5で行われる。前記共沈反応のpHは、酸および/または塩基を添加することによって調整することができ、その具体的な種類は特に限定されず、例えばアンモニア水が挙げられる。
【0081】
本発明によれば、前記共沈反応によって得られた反応生成物を固液分離(例えば、濾過または遠心分離)に供して固体生成物を生成し、次いで乾燥および焼成する方法も含まれる。
【0082】
好ましくは、工程(2)の焼成条件は、温度が300℃~800℃であり、時間が1時間~8時間であることを含む。
【0083】
本発明において、前記担体の前駆体は、その後の焼成によって担体に変換され得る任意の物質であり得る。当業者であれば、担体の具体的な種類に基づいて適切な選択を行うことができるが、ここでは改めて詳述しない。例えば、アルミニウムの前駆体は、アルミニウムの種々のゾルもしくはゲル、または水酸化アルミニウムであってもよい。水酸化アルミニウムは、ギブサイト、ベイヤライト、ノルドシャンダイト、ダイアスポア、ベーマイトおよび擬ベーマイトのうちの少なくとも1種であってもよい。
【0084】
本発明の方法によれば、前記担体はアルミナであり、好ましくは、スラリー化の前に、前記担体および/または担体の前駆体を酸性化処理に供する。かかる酸性化処理は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができる。さらに好ましくは、前記酸性化処理に使用される酸は塩酸である。
【0085】
本発明は、前記酸性化処理の条件の選択範囲が比較的広い。好ましくは、前記酸性化処理の条件は、酸/アルミナ比が0.12~0.22:1であり、時間が20分~40分であることを含む。
【0086】
本発明において、他に特定されない限り、酸/アルミナ比とは、アルミナの前駆体に対する、36重量%の濃塩酸を基準とした塩酸の乾燥基準での質量比を指す。
【0087】
酸性化処理の具体的な実施態様としては、アルミナの前駆体を水に添加し、スラリー化して分散させる方法を挙げることができる。
【0088】
本発明によれば、工程(2)で得られた固形生成物と、前記担体および/または担体の前駆体とを混合し、スラリー化する方法は特に限定されず、上記物質と水とを均一に接触および混合できる限り、上記物質の添加順序も限定されない。
【0089】
本発明の方法によれば、好ましくは、工程(3)において、前記スラリーは7重量%~35重量%の固形分を有する。
【0090】
本発明の方法によれば、工程(3)において、前記乾燥は好ましくは噴霧乾燥である。本発明において、噴霧乾燥は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができ、本発明はこれに特別な限定を有さない。当業者であれば、目的とする触媒の平均粒子径に応じて、適切な噴霧乾燥条件を選択することができる。噴霧乾燥の好ましい条件は、噴霧乾燥によって得られる粒子の平均粒径が60μm~80μmであり、粒度分布が主に20μm~100μmの範囲であるような条件である。
【0091】
本発明の方法によれば、工程(3)において、混合およびスラリー化の後に得られたスラリーを焼成することができ、好ましくは、工程(3)において、焼成の条件は、温度が300℃~800℃であり、時間が1時間~5時間であることを含む。
【0092】
本発明の方法によれば、工程(4)において、前記含浸は特に限定されず、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。前記含浸は飽和含浸でも過含浸でもよく、好ましくは過含浸である。当業者であれば、目的とする生成物中の貴金属の含有量に基づいて適切な操作を選択することができる。
【0093】
本発明によれば、好ましくは、工程(4)において、前記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで、前記含浸液を提供する。具体的には、加水分解後、希釈(例えば、加水による)または濃縮(例えば、蒸発による)し、次いで含浸を行うことにより、特定の前記貴金属成分の担持量を有する触媒を提供することができる。
【0094】
好ましくは、前記酸は水溶性の無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうちの少なくとも1種である。
【0095】
本発明によれば、好ましくは、前記酸は、含浸液のpH値が5.0未満、好ましくは2~5であるような量で使用される。かかる好ましい実施形態を採用することは、活性成分の均一分散をより助長し、完成した触媒の耐摩耗性を向上させることができる。
【0096】
本発明では、含浸後に得られた混合物を濾過することによって、固体生成物を得ることができる。かかる濾過は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。
【0097】
本発明によれば、工程(4)において、前記固体生成物は乾燥のみされてもよく、または焼成のみされてもよく、または乾燥され、次いで焼成されてもよく、本発明はこれに特別な限定を有しない。好ましくは、前記固体生成物は乾燥され、次いで焼成される。
【0098】
本発明の工程(2)、工程(3)および工程(4)における乾燥条件は、特に限定されず、当業界における従来の技術手段に従って乾燥を行うことができる。例えば、乾燥条件は、それぞれ独立して、温度が60℃~200℃であり、時間が2時間~10時間であることを含み得る。
【0099】
本発明では、前記焼成の条件に特に制限はなく、当業者の従来技術手段に従って焼成を行うことができる。前記焼成は、空気または不活性雰囲気(窒素を含むが、これらに限定されない)中で行うことができ、好ましくは、工程(4)における焼成の条件は、温度が300℃~700℃であり、時間が0.1時間~5時間であることを含む。
【0100】
本発明の第6の態様によれば、本発明は、本発明の第2の態様による脱硫脱硝触媒を調製するための方法を提供し、かかる方法は以下の工程:
S1.活性金属前駆体の調製:共沈法またはゾル-ゲル法を用いる;
S2.触媒半製品の調製:活性金属前駆体と、無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体とを混合およびスラリー化して、スラリーを得、当該スラリーを乾燥および焼成すること、を含み;
かかる方法はまた、任意に:S3.工程S2で得られた触媒半製品を、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて固体生成物を製造し、当該固体生成物を乾燥および焼成すること;を含み
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、希土類金属成分と、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分と、VIIB族の非貴金属成分とを含み;
前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、前記貴金属成分の前駆体とは、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:25重量%~92重量%の無機酸化物マトリックス、6重量%~70重量%の希土類金属成分、1重量%~12重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、1重量%~10重量%のVIIB族非貴金属成分;および
0.01重量%~1.5重量%の元素としての貴金属成分、を含むような量で使用される。
【0101】
本発明によれば、好ましくは、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、前記貴金属成分の前駆体とは、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:40重量%~85重量%の無機酸化物マトリックス、12重量%~60重量%の希土類金属成分、2重量%~10重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびに1重量%~8重量%のVIIB族非貴金属成分;
元素として:0.02重量%~1.2重量%の貴金属成分、を含むような量で使用され;
好ましくは、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、前記貴金属成分の前駆体とは、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、以下の重量比率で:
酸化物として:45重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス、12重量%~48重量%の希土類金属成分、2重量%~8重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびに2重量%~5重量%のVIIB族非貴金属成分;
元素として:0.02重量%~1.0重量%の貴金属成分、を含むような量で使用され;
最も好ましくは、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、前記貴金属成分の前駆体とは、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:50重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス、12重量%~43重量%の希土類金属成分、2重量%~5重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびに2重量%~5重量%のVIIB族非貴金属成分;
元素として:0.02重量%~0.05重量%の貴金属成分、を含むような量で使用される。
【0102】
好ましくは、前記活性成分前駆体において、希土類金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分との金属元素としてのモル比は、(0.6~18):1、さらに好ましくは(2~12):1、さらにより好ましくは(3~6):1、例えば(1~10):1、または(1~6):1、(2~5):1、または(2.5~3.5):1、または(2.6~3.4):1、または(2.7~3.3):1、または(2.8~3.2):1、または(2.9~3.1):1、または(2.95~3.05):1である。
【0103】
本発明の調製方法によれば、前記希土類金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分と、前記VIIB族の非貴金属成分と、貴金属成分と、無機酸化物マトリックスと、の特定の種類の選択範囲は、上記第2の態様で述べた通りであり、ここでは改めて詳述しない。
【0104】
本発明の調製方法によれば、共沈法を用いてもよいし、ゾル-ゲル法を用いてもよい。より好ましくは、共沈法を用いる。工程S1では、共沈法を用いて活性金属前駆体を製造する。
【0105】
好ましくは、前記共沈法は:
S11.希土類金属成分の前駆体と、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体と、VIIB族非貴金属成分の前駆体とを含む第1の溶液を調製すること;
S12.第1の溶液と共沈剤とを供して、共沈反応を行うこと;
S13.共沈反応により得られた固体生成物を乾燥および/または焼成すること、を含む。
【0106】
本発明において、工程S11における第1の溶液の製造方法は、前記の金属成分の前駆体が均一に混合されている限り、特に限定されない。例えば、前記の工程S11における金属成分の前駆体を水に溶解し、十分に攪拌すればよい。
【0107】
本発明によれば、好ましくは、前記希土類金属成分の前駆体と、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体と、VIIB族非貴金属成分の前駆体と、貴金属成分の前駆体とは、それぞれ独立して、硝酸塩、塩化物、塩素酸塩および硫酸塩などの水溶性塩から選択することができ、好ましくは金属成分の硝酸塩および/または塩化物である。さらに好ましくは、Mnの前駆体は、過マンガン酸カリウムおよび/または塩化マンガンである。
【0108】
本発明では、前記の共沈反応を円滑に進行させることができる限り、前記共沈剤の種類および量に特に制限はない。前記共沈剤は、当該技術分野において従来から選択されているものでよいが、好ましくは、前記共沈剤は炭酸塩であり、さらに好ましくは、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムのうちの1種以上であり、より好ましくは炭酸アンモニウムである。
【0109】
工程S12においては、前記共沈剤を溶液の形態で導入し、前記第1の溶液と共沈反応を行わせることができる。本発明において、前記第1の溶液と前記共沈剤とから形成される溶液の濃度は、形成される溶液の濃度が調製時の溶解度未満であれば特に制限はなく、それによって共沈反応を十分に行うことができる。
【0110】
好ましくは、前記共沈反応は、pH=8~10、好ましくは8.5~9.5で行われる。前記共沈反応のpHは、酸および/または塩基を添加することによって調整することができ、その具体的な種類は特に限定されず、例えばアンモニア水が挙げられる。
【0111】
本発明によれば、前記共沈反応によって得られた反応生成物を固液分離に供し、固体生成物を製造する方法も含まれる。本発明において、固液分離の方法は、反応生成物の固液分離が果たせる限り、限定されない。例えば、固液分離方法は、濾過または遠心分離であってもよい。
【0112】
好ましくは、工程S13における乾燥条件は、温度が60℃~300℃であり、時間が0.5時間~6時間であることを含む。
【0113】
好ましくは、工程S13における焼成条件は、温度が300℃~800℃であり、時間が1時間~8時間であることを含む。
【0114】
本発明によれば、前記貴金属成分は工程S2で導入してもよいし、工程S3で導入してもよいし、その一部を工程S2で導入し、他の一部を工程S3で導入してもよい。好ましくは、工程S3で導入する。かかる好ましい実施形態は、貴金属の分散により資する。
【0115】
本発明において、前記無機酸化物マトリックスの前駆体は、その後の焼成によって酸化物マトリックスに変換され得る任意の物質であり得る。当業者であれば、無機酸化物マトリックスの具体的な種類に基づいて適切な選択を行うことができるため、ここでは改めて詳述しない。例えば、アルミニウムの前駆体は、アルミニウムの様々なゾルもしくはゲル、または水酸化アルミニウムであってもよい。水酸化アルミニウムは、ギブサイト、ベイヤライト、ノルドシャンダイト、ダイアスポア、ベーマイト、および擬ベーマイトのうちの1種以上であってもよい。最も好ましくは、アルミナの前駆体は擬ベーマイトである。
【0116】
本発明によって提供される調製方法によれば、前記無機酸化物マトリックスはアルミナであり、好ましくは、スラリー化する前に、無前記機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体を酸性化処理に供する必要がある。かかる酸性化処理は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができる。さらに好ましくは、前記酸性化処理に使用される酸は塩酸である。
【0117】
本発明は、前記酸性化処理の条件の選択範囲が比較的広い。好ましくは、前記酸性化処理の条件は、酸/アルミナ比が(0.12~0.22):1であり、時間が20分~40分であることを含む。
【0118】
本発明において、他に特定されない限り、酸/アルミナ比とは、アルミナの前駆体に対する、36重量%の濃塩酸を基準とする塩酸の、乾燥基準での質量比を指す。
【0119】
前記酸性化処理の具体的な実施態様としては、アルミナの前駆体を水に添加し、スラリー化および分散させる方法を挙げることができる。
【0120】
本発明によれば、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に前記貴金属成分の前駆体とを混合およびスラリー化する方法は特に限定されず、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に前記貴金属成分の前駆体と、水とを接触させることができる限り、前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、ならびに、任意に前記貴金属成分の前駆体の添加順序も特に限定されない。スラリー化のプロセスがさらに前記貴金属成分の前駆体を含む場合、具体的な混合およびスラリー化のプロセスとしては、酸性化した前記無機酸化物マトリックスに前記貴金属成分の前駆体(溶液の形態で導入してもよい)を添加し、次いで混合およびスラリー化した後、活性金属前駆体を添加し、続いてスラリーを乾燥および/または焼成して完成触媒を製造する工程を含んでもよい。
【0121】
本発明によれば、好ましくは、工程S2において、前記スラリーは5重量%~40重量%の固形分を有する。
【0122】
工程S2において、前記乾燥は好ましくは噴霧乾燥である。本発明において、噴霧乾燥は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができ、本発明はこれに特別な限定を有しない。当業者であれば、目的とする触媒の平均粒子径に応じて、適切な噴霧乾燥の条件を選択することができる。前記噴霧乾燥の好ましい条件は、噴霧乾燥によって得られる粒子の平均粒径が60μm~80μmであり、粒度分布が主に20μm~100μmの範囲であるような条件である。
【0123】
好ましくは、工程S2において、前記焼成の条件は、温度が300℃~800℃であり、時間が1時間~5時間であることを含む。
【0124】
本発明の調製方法によれば、工程S3において、前記含浸は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。本発明はこれに特別な限定を有しない。例えば、前記含浸は飽和含浸でも過含浸でもよく、好ましくは過含浸である。
【0125】
本発明によれば、好ましくは、工程S3において、前記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで、含浸液を準備する。具体的には、加水分解後、希釈(例えば、加水による)または濃縮(例えば、蒸発による)し、次いで含浸を行うことにより、前記貴金属成分を特定の担持量で担持した脱硫脱硝触媒を提供することができる。
【0126】
好ましくは、前記酸は水溶性の無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸、および酢酸のうちの1種以上である。
【0127】
本発明によれば、好ましくは、前記酸は、含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは5未満となるような量で使用される。かかる好ましい実施形態を採用することは、活性成分の均一分散をより助長し、完成した触媒の耐摩耗性を向上させることができる。
【0128】
本発明では、含浸後に得られた混合物を濾過することによって、固体生成物を得ることができる。濾過は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。
【0129】
本発明によれば、工程S3において、固体生成物は乾燥のみされてもよく、または焼成のみされてもよく、または乾燥され、次いで焼成されてもよく、本発明はこれに特別な限定を有さない。好ましくは、固体生成物は乾燥され、次いで焼成される。本発明は、前記の乾燥および焼成の条件に特別な限定を有さず、乾燥および焼成は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。例えば、前記乾燥の条件は、温度が60℃~150℃であり、時間が2時間~10時間であることを含み得る。本発明では、前記焼成の条件は特に限定されない。前記焼成は、空気または不活性雰囲気(例えば、窒素)中で行うことができ、本発明はこれに特別な限定を有しない。好ましくは、工程S3における焼成条件は、温度が300℃~800℃であり、時間が0.1時間~5時間である。
【0130】
本発明の第7の態様によれば、本発明は、本発明の第3の態様による排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒を調製するための方法を提供し、かかる方法は、以下の工程:
(1)希土類金属から選択される第1の活性成分の前駆体と、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族の非貴金属から選択される第2の活性成分の前駆体と、IIA族の金属から選択される第3の活性成分の前駆体と、を含む前駆体溶液を準備すること;
(2)前駆体溶液と共沈剤との共沈反応を行い、次いで乾燥および焼成すること;
(3)工程(2)で得られた固体生成物と、担体および/または担体の前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体と、を混合およびスラリー化してスラリーを得、当該スラリーを乾燥および焼成すること、を含み;
本方法はまた、任意に以下の工程:(4)工程(3)で得られた固体生成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させ、次いで乾燥および/または焼成すること、を含み;
前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体、前記第3の活性成分の前駆体、前記担体および/または担体の前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒において、当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が25重量%~93重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が4重量%~60重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が2重量%~30重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量が1重量%~30重量%であり、元素としての貴金属成分の含有量が0.01重量%~2重量%であるような量で使用される。
【0131】
本発明の方法によれば、好ましくは、前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体、前記第3の活性成分の前駆体、前記担体および/または担体の前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒において、当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が40重量%~87重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が8重量%~50重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が3重量%~20重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量が1重量%~20重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.02重量%~1.5重量%であるような量で使用される;
好ましくは、前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体、前記第3の活性成分の前駆体、前記担体および/または担体の前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒において、当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が45重量%~80重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が8重量%~40重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が3重量%~15重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量が2重量%~15重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.03重量%~1.2重量%であるような量で使用される。
【0132】
本発明の方法によれば、前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、前記第3の活性成分、および前記貴金属成分、並びに前記担体の、特定の種類の選択範囲は、上記第3の態様で述べた通りであり、ここでは改めて詳述しない。
【0133】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1の活性成分の前駆体と前記第2の活性成分の前駆体との金属元素としてのモル比は、(0.4~12):1、好ましくは(0.5~8):1、さらに好ましくは(1~4):1である。
【0134】
本発明において、工程(1)における前記前駆体溶液の供給方法は、前記の金属成分の前駆体が均一に混合されている限り、特に限定されない。例えば、前記の金属成分の前駆体を水に溶解し、十分に撹拌してもよい。
【0135】
本発明によれば、好ましくは、前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体および前記第3の活性成分の前駆体は、それぞれ独立して、硝酸塩、塩化物、塩素酸塩および硫酸塩などの水溶性塩から選択することができ、好ましくは金属成分の硝酸塩および/または塩化物である。
【0136】
本発明によれば、好ましくは、前記貴金属成分の前駆体は、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩素酸白金および塩化ロジウムのうちの少なくとも1種であり、好ましくは硝酸パラジウムおよび/または塩化パラジウムである。
【0137】
本発明では、前記共沈反応が円滑に進行する限り、前記共沈剤の種類および量に特に制限はない。前記共沈剤の種類は、当該技術分野において従来通りに選択することができ、好ましくは、前記共沈剤は炭酸塩であり、さらに好ましくは、炭酸アンモニウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムの1種以上であり、より好ましくは炭酸アンモニウムである。
【0138】
工程(2)において、前記共沈剤を溶液の形態で導入して、前記前駆体溶液との共沈反応を行うことができる。本発明では、前記前駆体溶液と前記共沈剤とから形成される溶液の濃度は、形成される溶液の濃度が調製時の溶解度未満であれば特に制限はなく、それによって共沈反応を十分に行うことができる。
【0139】
好ましくは、前記共沈反応は、pH=8~10、好ましくは8.5~9.5で行う。前記共沈反応のpHは、酸および/または塩基を添加することによって調整することができ、その具体的な種類は特に限定されず、例えばアンモニア水が挙げられる。
【0140】
本発明によれば、前記共沈反応によって得られた反応生成物を固液分離(例えば、濾過または遠心分離)に供して固体生成物を生成し、次いで乾燥および焼成する方法も含まれる。
【0141】
本発明によれば、前記貴金属成分は工程(3)で導入してもよいし、工程(4)で導入してもよいし、その一部を工程(3)で導入し、他の一部を工程(4)で導入してもよい。好ましくは、工程(4)で導入する。かかる好ましい実施形態は、貴金属の分散により資する。
【0142】
前記担体の前駆体は、その後の焼成によって担体に変換され得る任意の物質とすることができる。当業者であれば、担体の具体的な種類に基づいて適切な選択を行うことができるが、ここでは改めて詳述しない。例えば、アルミニウムの前駆体は、アルミニウムの種々のゾルもしくはゲル、または水酸化アルミニウムとすることができる。水酸化アルミニウムは、ギブサイト、ベイヤライト、ノルドシャンダイト、ダイアスポア、ベーマイトおよび擬ベーマイトのうちの1種以上とすることができる。
【0143】
本発明の方法によれば、前記担体はアルミナであり、好ましくは、スラリー化の前に、前記担体および/または担体の前駆体を酸性化処理に供する。酸性化処理は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができる。さらに好ましくは、酸性化処理に使用される酸は塩酸である。
【0144】
本発明は、前記酸性化処理の条件の選択範囲が比較的広い。好ましくは、前記酸性化処理の条件は、酸/アルミナ比が0.12~0.22:1であり、時間が20分~40分であることを含む。
【0145】
本発明において、他に特定されない限り、酸/アルミナ比とは、アルミナの前駆体に対する、36重量%の濃塩酸を基準とする塩酸の、乾燥基準での質量比を指す。
【0146】
酸性化処理の具体的な実施態様としては、アルミナの前駆体を水に添加し、スラリー化して分散させる方法を挙げることができる。
【0147】
本発明によれば、工程(2)で得られた固体生成物と、前記担体および/または担体の前駆体と、任意に前記貴金属成分の前駆体とを混合し、スラリー化する方法は特に限定されず、上記物質と水とを均一に接触および混合できる限り、上記物質の添加順序もまた限定されない。スラリー化のプロセスに前記貴金属成分の前駆体をさらに含有させる場合、具体的な混合およびスラリー化のプロセスは、酸性化した前記担体に前記貴金属成分の前駆体(溶液の形態で導入してもよい)を添加して、混合およびスラリー化し、次いで工程(2)で得られた固形生成物を添加した後、乾燥および/または焼成する工程を含んでもよい。
【0148】
本発明によれば、好ましくは、工程(3)において、前記スラリーは6重量%~38重量%の固形分を有する。
【0149】
本発明の方法によれば、工程(3)において、前記乾燥は、噴霧乾燥であることが好ましい。本発明において、噴霧乾燥は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができ、本発明は、これに特別な限定を有しない。当業者であれば、目的とする触媒の平均粒子径に応じて、適切な噴霧乾燥の条件を選択することができる。噴霧乾燥の好ましい条件は、噴霧乾燥によって得られる粒子の平均粒径が60μm~80μmであり、粒度分布が主に20μm~100μmの範囲であるような条件である。
【0150】
本発明の方法によれば、工程(4)において、前記含浸は特に限定されず、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。前記含浸は飽和含浸でも過含浸でもよく、好ましくは過含浸である。当業者であれば、目的とする製品中の貴金属の含有量に応じて、適切な操作を選択することができる。
【0151】
本発明によれば、好ましくは、工程(4)において、貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで、含浸液を提供する。具体的には、加水分解後、希釈(例えば、加水による)または濃縮(例えば、蒸発による)し、次いで含浸を行うことにより、貴金属成分の特定の担持量を有する触媒を提供することができる。
【0152】
好ましくは、酸は水溶性の無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸、および酢酸のうち少なくとも1種である。
【0153】
本発明によれば、好ましくは、酸は、含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは2~5となるような量で使用される。この好ましい実施形態を採用することは、活性成分の均一分散をより助長し、完成触媒の耐摩耗性を向上させることができる。
【0154】
本発明では、含浸後に得られた混合物を濾過することによって、固体生成物を得ることができる。濾過は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。
【0155】
本発明によれば、工程(4)において、前記固体生成物は乾燥のみされてもよく、または焼成のみされてもよく、または乾燥され、次いで焼成されてもよく、本発明はこれに特別な限定を有しない。好ましくは、前記固体生成物は乾燥され、次いで焼成される。本発明は、乾燥および焼成の条件に特別な限定を有さず、乾燥および焼成は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。例えば、乾燥の条件は、温度が60℃~200℃であり、時間が2時間~10時間であることを含むことができる。
【0156】
本発明の方法によれば、各々の工程は、焼成のための条件が同じであっても異なっていてもよく、好ましくは、工程(2)、工程(3)および工程(4)において、焼成のための条件は、それぞれ独立して、温度が300℃~800℃であり、時間が0.5時間~8時間であることを含み得る。焼成は、空気または不活性雰囲気(例えば、窒素)中で行うことができる。本発明はこれに特別な限定を有しない。好ましくは、焼成は空気雰囲気中で行われる。
【0157】
本発明の第8の態様によれば、本発明は、本発明の第4の態様による排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に低減するための触媒を調製する方法を提供し、かかる方法は、以下の工程:
(1)共沈法またはゾル-ゲル法を用いて活性金属前駆体を製造すること;
(2)活性金属前駆体と、無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体とを混合およびスラリー化して、スラリーを得、当該スラリーを乾燥および/または焼成して組成物を製造すること、を含み;
本方法はまた、任意に以下を含む:(3)工程(2)で得られた組成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて、固体生成物を生成し、次いで、当該固体生成物を乾燥および/または焼成すること;
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、希土類金属成分と、IIA族の金属成分と、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分と、VIIB族の非貴金属成分と、を含み;
前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、前記貴金属成分の前駆体とは、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、25重量%~95重量%の無機酸化物マトリックス;2重量%~70重量%の酸化物としての希土類金属成分;1重量%~30重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;1重量%~15重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分;1重量%~10重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;ならびに0.01重量%~1.5重量%の元素としての貴金属成分を含む。
【0158】
本発明によれば、好ましくは、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、前記貴金属成分の前駆体とは、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、40重量%~90重量%の無機酸化物マトリックス;4重量%~50重量%の酸化物としての希土類金属成分;1重量%~20重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2重量%~12重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分;1重量%~8重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;0.02重量%~1.2重量%の元素としての貴金属成分;を含み;より好ましくは、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、前記貴金属成分の前駆体とは、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、5重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス;4重量%~40重量%の酸化物としての希土類金属成分;2重量%~15重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2重量%~10重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分;2重量%~5重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;0.02重量%~1.0重量%の元素としての貴金属成分;を含むような量で使用され;最も好ましくは、前記触媒の総重量を基準として、50重量%~80重量%の無機酸化物マトリックス;7重量%~38重量%の酸化物としての希土類金属成分;2重量%~8重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2重量%~7重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分;2重量%~5重量%の酸化物としてのVIIB族非貴金属成分;0.02重量%~0.05重量%の元素としての貴金属成分;を含む。
【0159】
好ましくは、前記活性成分前駆体において、希土類金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分との金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1、さらに好ましくは(0.5~12):1、さらにより好ましくは(1~6):1である。
【0160】
本発明の方法によれば、前記希土類金属成分と、前記IIA族の金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分と、前記VIIB族の非貴金属成分と、前記貴金属成分と、前記無機酸化物マトリックスと、の特定の種類の選択範囲は、上記第4の態様で述べた通りであり、ここでは改めて詳述しない。
【0161】
本発明の方法によれば、共沈法を用いてもよいし、ゾル-ゲル法を用いてもよい。より好ましくは、共沈法を用いる。好ましくは、工程(1)において、活性金属前駆体を製造するために共沈法が使用され、より好ましくは、当該共沈法は以下を含む:
(1-1)希土類金属成分の前駆体と、IIA族の金属成分の前駆体と、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体と、VIIB族非貴金属成分の前駆体と、を含む第1の溶液を準備する工程;
(1-2)前記第1の溶液と共沈剤とを共沈反応させる工程;
(1-3)前記共沈反応で得られた固体生成物を乾燥および/または焼成する工程。
【0162】
本発明において、工程(1-1)における前記第1の溶液の準備方法は、前記の金属成分の前駆体が均一に混合されている限り、特に限定されない。例えば、前記金属成分の前駆体を水に溶解し、十分に攪拌すればよい。
【0163】
本発明によれば、好ましくは、前記希土類金属成分の前駆体と、前記IIA族の金属成分の前駆体と、前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体と、前記VIIB族の非貴金属成分の前駆体とは、それぞれ独立して、硝酸塩、塩化物、塩素酸塩および硫酸塩などの水溶性塩から選択することができ、好ましくは金属成分の硝酸塩および/または塩化物である。特に、Mnの前駆体は、過マンガン酸カリウムおよび/または塩化マンガンであり得る。
【0164】
本発明によれば、前記貴金属成分の前駆体は、貴金属成分を含有する任意の水溶性化合物であり得るが、好ましくは、前記貴金属成分の前駆体は、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩素酸白金および塩化ロジウムのうちの少なくとも1種であり、さらに好ましくは、硝酸パラジウムおよび/または塩化パラジウムである。
【0165】
本発明では、前記共沈反応が円滑に進行する限り、前記共沈剤の種類および量に特に制限はない。前記共沈剤の種類は、当該技術分野において従来通りに選択することができ、好ましくは、共沈剤は炭酸塩であり、さらに好ましくは、炭酸アンモニウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であり、より好ましくは炭酸アンモニウムである。
【0166】
工程(1-2)において、前記共沈剤を溶液の形態で導入し、前記第1の溶液と共沈反応を行うことができる。本発明では、前記第1の溶液と共沈剤とから形成される溶液の濃度は、形成される溶液の濃度が調製時の溶解度未満であれば特に制限はなく、それによって共沈反応を十分に行うことができる。
【0167】
好ましくは、前記共沈反応はpH=8~10、好ましくは8.5~9.5で行う。共沈反応のpHは、酸および/または塩基を添加することによって調整することができ、その具体的な種類は特に限定されず、例えばアンモニア水が挙げられる。
【0168】
本発明によれば、前記共沈反応によって得られた反応生成物を固液分離(例えば、濾過または遠心分離)に供し、固体生成物を製造する方法も含まれる。
【0169】
好ましくは、工程(1-3)における乾燥条件は、温度が60℃~150℃であり、時間が4時間~12時間であることを含む。
【0170】
好ましくは、工程(1-3)における焼成条件は、温度が300℃~800℃であり、時間が1時間~8時間であることを含む。
【0171】
本発明によれば、前記貴金属成分は工程(2)で導入してもよいし、工程(3)で導入してもよいし、その一部を工程(2)で導入し、他の一部を工程(3)で導入してもよい。好ましくは、工程(3)で導入する。かかる好ましい実施形態は、貴金属の分散により資する。
【0172】
前記無機酸化物マトリックスの前駆体は、その後の焼成によって酸化物マトリックスに変換することができる任意の物質とすることができる。当業者であれば、無機酸化物マトリックスの具体的な種類に基づいて適切な選択を行うことができるが、ここでは改めて詳述しない。
【0173】
例えば、アルミニウムの前駆体は、アルミニウムの様々なゾルもしくはゲル、または水酸化アルミニウムであり得る。水酸化アルミニウムは、ギブサイト、ベイヤライト、ノルドシャンダイト、ダイアスポア、ベーマイトおよび擬ベーマイトのうちの少なくとも1種とすることができる。最も好ましくは、アルミナの前駆体は擬ベーマイトである。
【0174】
本発明によって提供される調製方法によれば、前記無機酸化物マトリックスはアルミナであり、好ましくは、スラリー化する前に、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体を酸性化処理に供する。酸性化処理は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができる。さらに好ましくは、酸性化処理に使用される酸は塩酸である。
【0175】
本発明は、前記酸性化処理の条件の選択範囲が比較的広い。好ましくは、前記酸性化処理の条件は、酸/アルミナ比が0.12~0.22:1であり、時間が20分~40分であることを含む。
【0176】
本発明において、特に断りのない限り、酸/アルミナ比とは、アルミナの前駆体に対する、36重量%の濃塩酸を基準とする塩酸の、乾燥基準での質量比を指す。
【0177】
酸性化処理の具体的な実施態様としては、アルミナの前駆体を水に添加し、スラリー化して分散させる方法を挙げることができる。
【0178】
本発明によれば、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に前記貴金属成分の前駆体とを混合し、スラリー化する方法は特に限定されず、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に前記貴金属成分の前駆体との添加順序はまた、前記活性金属前駆体と、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に前記貴金属成分の前駆体と、水とを接触させることができる限り、特に限定されない。スラリー化のプロセスがさらに前記貴金属成分の前駆体を含む場合、具体的な混合およびスラリー化のプロセスは、酸性化した前記無機酸化物マトリックスに前記貴金属成分の前駆体(溶液の形態で導入してもよい)を添加し、次いで混合およびスラリー化した後、活性金属前駆体を添加し、続いてスラリーを乾燥および/または焼成して完成品としての触媒を製造する工程を含んでもよい。
【0179】
本発明によれば、好ましくは、工程(2)において、前記スラリーは5重量%~40重量%の固形分を有する。
【0180】
工程(2)において、前記乾燥は好ましくは噴霧乾燥である。本発明において、噴霧乾燥は、当該技術分野における従来の技術手段に従って行うことができ、本発明はこれに特別な限定を有さない。当業者であれば、目的とする触媒の平均粒子径に応じて、適切な噴霧乾燥の条件を選択することができる。噴霧乾燥の好ましい条件は、噴霧乾燥によって得られる粒子の平均粒径が60μm~80μmであり、粒度分布が主に20μm~100μmの範囲であるような条件である。
【0181】
好ましくは、工程(2)の焼成条件は、温度が300℃~800℃であり、時間が1時間~5時間であることを含む。
【0182】
本発明の調製方法によれば、工程(3)において、前記含浸は特に限定されず、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。前記含浸は飽和含浸でも過含浸でもよく、好ましくは過含浸である。
【0183】
本発明によれば、好ましくは、工程(3)において、前記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで、含浸液を提供する。具体的には、加水分解後、希釈(例えば加水による)または濃縮(例えば蒸発による)し、次いで含浸を行うことにより、前記貴金属成分の担持量が特定量である触媒を提供することができる。
【0184】
好ましくは、前記酸は水溶性の無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうち少なくとも1種である。
【0185】
本発明によれば、好ましくは、前記酸は、含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満となるような量で使用される。かかる好ましい実施形態を採用することで、活性成分の均一分散をより助長し、完成触媒の耐摩耗性を向上させることができる。
【0186】
本発明では、含浸後に得られた混合物を濾過することにより、固体生成物を得ることができる。濾過は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。
【0187】
本発明によれば、工程(3)において、前記固体生成物は乾燥のみされてもよく、または焼成のみされてもよく、または乾燥され、次いで焼成されてもよく、本発明はこれに特別な限定を有さない。好ましくは、前記固体生成物は乾燥され、次いで焼成される。本発明は、乾燥および焼成の条件に特別な限定を有さず、乾燥および焼成は、当該技術分野における従来の技術手段に従って実施することができる。例えば、乾燥の条件としては、温度60~150℃、時間2~10時間を挙げることができる。本発明では、焼成の条件は特に限定されない。前記焼成は、空気または不活性雰囲気(例えば窒素)中で行うことができ、本発明はこれに特別な限定を有さない。ステップ(3)の焼成条件は、好ましくは、温度300~800℃、時間0.1~5時間であることを含む。
【0188】
本発明の方法によれば、前記活性金属成分の前駆体を提供する方法として、共沈法を用いてもよいし、ゾル-ゲル法を用いてもよい。より好ましくは、共沈法を用いる。しかしながら、ゾル-ゲル法も本発明の保護範囲内であることが理解されるべきである。
【0189】
本発明により提供される触媒は、SOxおよびNOxを含むあらゆる排ガスの処理に適しており、特に接触分解再生排ガス中のSOxおよびNOxの除去に適している。
【0190】
したがって、本発明の第9の態様によれば、本発明は、SOxおよびNOxを含有する排ガスを、SOxおよびNOxを同時に除去する条件下で本発明の触媒と接触させることを含む、排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法を提供する。
【0191】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記SOxおよびNOxを同時に除去するための条件は:
温度は500~800℃であり、例えば550~780℃、550~750℃であり、
圧力は0.01-4MPaであり、例えば0.02-4MPa、0.02~1MPa、0.03~2MPa、0.02~0.1MPaであり、
前記排ガスの体積時間空間速度は100~50000h-1であり、例えば200~20000h-1、500~10000h-1であることを含む。
【0192】
本発明では、他に特定されない限り、圧力はゲージ圧である。
【0193】
好ましくは、前記排ガス中のSOx含有量は0.001~0.5体積%、0.002~0.2体積%であり、NOx含有量は0.001~0.3体積%、0.002~0.2体積%、0.001~0.03体積%である。
【0194】
好ましくは、前記排ガス中の、SOxとNOxとの体積含有比は、1~1.4:1であり、好ましくは1~1.2:1である。かかる好ましい実施形態は、両者の除去効率の向上に一層資する。
【0195】
本発明は、排ガスの選択範囲が比較的広く、本発明の方法は、SOxとNOxとの両方を同時に含むあらゆる排ガスに適している。
【0196】
煙道ガス(例えば接触分解再生煙道ガス)は、SOxおよびNOxの他に、CO、CO、およびHOを含むことがある。
【0197】
好ましくは、前記排ガスは接触分解再生排ガスである。
【0198】
本発明の一態様において、本発明は以下の技術的解決手段を提供する:
1.排ガス中のSOxとNOxとを同時に低減するための触媒であって、前記触媒の全重量を基準として、25~95重量%の無機酸化物マトリックス;2~70重量%の酸化物としての希土類金属成分;1~30重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;1~15重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;1~10重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;ならびに、0.01~1.5重量%の元素としての貴金属成分を含むことを特徴とする、触媒。
【0199】
2.技術的解決手段1に記載の触媒であって、前記触媒が、前記触媒の総重量を基準として、40~90重量%の無機酸化物マトリックス;4~50重量%の酸化物としての希土類金属成分;1~20重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2~12重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;1~8重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;ならびに、0.02~1.2重量%の元素としての貴金属成分を含む、触媒。
【0200】
好ましくは、前記触媒は、前記触媒の総重量を基準として、50~80重量%の無機酸化物マトリックス;4~40重量%の酸化物としての希土類金属成分;2~15重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2~10重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;2~5重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;ならびに、0.02~1.0重量%の元素としての貴金属成分を含む。
【0201】
3.技術的解決手段1に記載の触媒であって、前記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種以上であり、より好ましくはLaおよび/またはCeであり;
前記IIA族の金属成分は、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaのうち1種以上であり、より好ましくはMgである;
前記VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分は、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびVのうちの1種以上であり、より好ましくはCoおよび/またはFeであり;
前記VIIB族の非貴金属成分はMnであり;
前記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1種以上であり、より好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdであり;
前記無機酸化物マトリックスは、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、好ましくはアルミナである、触媒。
【0202】
4.技術的解決手段1~3のいずれか1つに記載の触媒であって、前記希土類金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分との金属元素としてのモル比が、(0.4~18):1であり、より好ましくは(0.5~12):1であり、よりさらに好ましくは(1~6):1である、触媒。
【0203】
5.排ガス中のSOxとNOxとを同時に低減する触媒を調製する方法であって、前記方法は、以下の工程:
(1)共沈法またはゾル-ゲル法を用いて活性金属前駆体を製造すること;
(2)前記活性金属前駆体と、無機酸化物マトリックスまたはその前駆体と、任意に、貴金属の前駆体とを混合およびスラリー化してスラリーを得、当該スラリーを乾燥および/または焼成することで、組成物を製造すること、を含み;
前記方法はまた、任意に、(3)工程(2)で得られた組成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて固体生成物を生成し、次いで、この固体生成物を乾燥および/または焼成することを含み;
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、希土類金属成分、IIA族の金属成分、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびにVIIB族の非貴金属成分を含み;
前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、および前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として:25~95重量%の無機酸化物マトリックス;2~70重量%の酸化物としての希土類金属成分;1~30重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;1~15重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;1~10重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;ならびに、0.01~1.5重量%の元素としての貴金属成分;を含むような量で使用される。
【0204】
6.技術的解決手段5に記載の調製方法であって、前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体が、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、40~90重量%の無機酸化物マトリックス;4~50重量%の酸化物としての希土類金属成分;1~20重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2~12重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;1~8重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;0.02~1.2重量%の元素としての貴金属成分;を含むような量で使用され;
好ましくは、前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、50~80重量%の無機酸化物マトリックス;4~40重量%の酸化物としての希土類金属成分;2~15重量%の酸化物としてのIIA族の金属成分;2~10重量%の酸化物としてのVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分;2~5重量%の酸化物としてのVIIB族の非貴金属成分;0.02~1.0重量%の元素としての貴金属成分;を含むような量で使用され;
好ましくは、前記活性成分前駆体における、前記希土類金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分との金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1であり、より好ましくは(0.5~12):1であり、よりさらに好ましくは(1~6):1である、調製方法。
【0205】
7.技術的解決手段5または6に記載の調製方法であって、前記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種以上であり、より好ましくはLaおよび/またはCeであり;
前記IIA族の金属成分が、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaのうちの1種以上であり、より好ましくはMgであり;
前記VB族、VIII族、IB属、およびIIB族から選択される非貴金属成分が、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびVのうちの1種以上であり、より好ましくはCoおよび/またはFeであり;
前記VIIB族の非貴金属成分はMnであり;
前記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、IrおよびAuのうちの1種以上であり、より好ましくはPt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである;
前記無機酸化物マトリックスは、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、好ましくはアルミナである、調製方法。
【0206】
8.技術的解決手段5~7のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程(1)において、前記共沈法を用いて前記活性金属前駆体を製造し;好ましくは、前記共沈法は、以下を含む、調製方法:
(1-1)希土類金属成分の前駆体、IIA族の金属成分の前駆体、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体、およびVIIB族の非貴金属成分の前駆体を含む第1の溶液を準備すること;
(1-2)前記第1の溶液と、共沈剤とを共沈反応させること;
(1-3)前記共沈反応で得られた固体生成物を乾燥および/または焼成すること。
【0207】
9.技術的解決手段8に記載の調製方法であって、前記希土類金属成分の前駆体、前記IIA族の金属成分の前駆体、前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体、ならびに前記VIIB族の非貴金属成分の前駆体は、各々独立して、各金属成分の硝酸塩および/または塩化物から選択され得;
好ましくは、前記共沈剤は炭酸塩であり、より好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムのうち少なくとも1種であり;
好ましくは、前記共沈反応はpH=8~10で行われ;
好ましくは、工程(1-3)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~8時間であることを含む、調製方法。
【0208】
10.技術的解決手段5~9のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程(2)において、前記スラリーが5~40重量%の固形分を有し;
好ましくは、前記工程(2)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~5時間であることを含む、調製方法。
【0209】
11.技術的解決手段5~10のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程(3)において、前記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで前記含浸液を提供し;
好ましくは、前記酸は水溶性無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうちの少なくとも1種であり;
好ましくは、前記酸は前記含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満になるような量で使用され;
好ましくは、工程(3)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が0.1~5時間であることを含む、調製方法。
【0210】
12.技術的解決手段1~4のいずれか1つに記載の触媒、または技術的解決手段5~11のいずれか1つに記載の調製方法で調製された触媒の、接触分解再生排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に除去するための、使用。
【0211】
13.SOxおよびNOxを含む排ガスを、技術的解決手段1~4のいずれか1つに記載の触媒または技術的解決手段5~11のいずれか1つに記載の調製方法で調製した触媒と、SOxおよびNOxを除去するための条件下で接触させることを含む、排ガスからSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、
好ましくは、前記SOxおよびNOxを除去するための条件は:温度が500~800℃、圧力が0.02~4MPa、排ガスの体積時間空間速度が100~50000h-1、を含み、;
好ましくは、前記排ガス中の前記SOxの含有量は、0.001~0.5体積%であり、前記NOxの含有量は、0.001~0.3体積%であり;
好ましくは、前記排ガスは接触分解再生排ガスである。
【0212】
本発明の一態様において、本発明は以下の技術的解決手段を提供する:
1.脱硫脱硝触媒であって、当該触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:酸化物としての:25~92重量%の無機酸化物マトリックス、6~70重量%の希土類金属成分、1~12重量%のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、1~10重量%のVIIB族の非貴金属成分;ならびに、
0.01~1.5重量%の元素としての貴金属成分、を含むことを特徴とする、触媒。
【0213】
2.技術的解決手段1に記載の脱硫脱硝触媒であって、当該触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:40~85重量%の無機酸化物マトリックス、12~60重量%の希土類金属成分、2~10重量%のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、および1~8重量%のVIIB族の非貴金属成分;
0.02~1.2重量%の元素として貴金属成分;を含み、
好ましくは、前記触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として;45~80重量%の無機酸化物マトリックス、12~48重量%の希土類金属成分、2~8重量%のVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、および2~5重量%のVIIB族の非貴金属成分;
0.02~1.0重量%の元素としての貴金属成分、を含む、触媒。
【0214】
3.技術的解決手段1に記載の脱硫脱硝触媒であって、前記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdの1種以上から選択され、より好ましくはLaであり;
前記VB族、VIII、IBおよびIIBから選択される非貴金属成分が、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVの1種以上であり、より好ましくはCoであり

前記VIIB族の非貴金属成分がMnであり;
前記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、Ir、およびAuから選択される1種以上であり、より好ましくはPt、Pd、およびRhから選択される1種以上であり、最も好ましくはPdであり;
前記無機酸化物マトリックスは、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトの1種以上であり、好ましくはアルミナである、触媒。
【0215】
4.技術的解決手段1~3のいずれか1つに記載の脱硫脱硝触媒であって、前記希土類金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分との元素としてのモル比が、(0.6~18):1であり、より好ましくは(2~12):1であり、よりさらに好ましくは(3~6):1である、触媒。
【0216】
5.脱硫脱硝触媒の調製方法であって、以下の工程:
S1.活性金属前駆体の調製:共沈法またはゾル-ゲル法を用いる;
S2.触媒半製品の調製:活性金属前駆体と、無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体とを混合およびスラリー化してスラリーを得、当該スラリーを乾燥および焼成する;を含む方法。
【0217】
前記方法はまた、任意に:S3.工程S2で得られた触媒半製品を、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて、固体製品を製造し、当該固体製品を乾燥および焼成する、を含み;
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、希土類金属成分、VB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属成分、ならびにVIIB族の非貴金属成分を含み;
前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、ならびに、前記貴金属成分の前駆体が、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:酸化物として:25~92重量%の無機酸化物マトリックス、6~70重量%の希土類金属成分、1~12重量%のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、1~10重量%のVIIB族非貴金属成分;および
0.01~1.5重量%の元素としての貴金属成分、を含むような量で使用される。
【0218】
6.技術的解決手段5に記載の調製方法であって、前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体が、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:40~85重量%の無機酸化物マトリックス、12~60重量%の希土類金属成分、2~10重量%のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、および1~8重量%のVIIB族の非貴金属成分;
0.02~1.2重量%の元素としての貴金属成分、を含むような量で使用され;
好ましくは、前記活性金属前駆体、前記無機酸化物マトリックスおよび/または無機酸化物マトリックスの前駆体、および前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒が、当該触媒の総重量を基準として、重量比率で:
酸化物として:45~80重量%の無機酸化物マトリックス、12~48重量%の希土類金属成分、2~8重量%のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分、および2~5重量%のVIIB族の非貴金属成分;
0.02~1.0重量%の元素としての貴金属成分、を含むような量で使用され;
好ましくは、前記活性成分前駆体において、前記希土類金属成分と、前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分との元素としてのモル比は、(0.6~18):1であり、より好ましくは(2~12):1であり、よりさらに好ましくは(3~6):1である、調製方法。
【0219】
7.技術的解決手段5または6に記載の調製方法であって、前記希土類金属成分が、La、Ce、PrおよびNdの1種以上から選択され、より好ましくはLaであり;
前記VB族、VIII、IBおよびIIBから選択される非貴金属成分が、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびVの1種以上であり、より好ましくはCoであり

前記VIIB族の非貴金属成分がMnであり;
前記貴金属成分は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、Ir、およびAuから選択される1種以上であり、より好ましくはPt、Pd、およびRhから選択される1種以上であり、最も好ましくはPdであり;
前記無機酸化物マトリックスは、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトの1種以上であり、好ましくはアルミナである、調製方法。
【0220】
8.技術的解決手段5~7のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程S1において、前記共沈法を用いて前記活性金属前駆体を製造し;好ましくは、前記共沈法は、以下を含む、調製方法:
S11.希土類金属成分の前駆体、IIA族の金属成分の前駆体、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体、およびVIIB族の非貴金属成分の前駆体を含む第1の溶液を準備すること;
S12.前記第1の溶液と、共沈剤とを共沈反応させること;
S13.前記共沈反応で得られた固体生成物を乾燥および/または焼成すること。
【0221】
9.技術的解決手段8に記載の調製方法であって、前記希土類金属成分の前駆体、前記VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属成分の前駆体、前記VIIB族非貴金属成分の前駆体、ならびに、前記貴金属成分の前駆体が、それぞれ独立して、各金属成分の硝酸塩および/または塩化物から選択され;
好ましくは、前記共沈剤は炭酸塩、好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムから選択される1種以上であり;
好ましくは、共前記沈反応はpH=8~10で行われ;
好ましくは、工程S13の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~8時間である、調製方法。
【0222】
10.技術的解決手段5~9のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程S2において、前記スラリーが5~40重量%の固形分を有し;
好ましくは、工程S2の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~5時間である、調製方法。
【0223】
11.技術的解決手段5~10のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程S3において、前記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで前記含浸液を提供し;
好ましくは、前記酸は水溶性の無機酸および/または有機酸であり、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸、および酢酸の1種以上である、調製方法。
【0224】
好ましくは、前記酸は前記含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満となるような量で使用され;
好ましくは、前記工程S3の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が0.1~5時間である。
【0225】
12.技術的解決手段1~4のいずれか1つに記載の脱硫脱硝触媒、または技術的解決手段5~11のいずれか1つに記載の調製方法で調製された脱硫脱硝触媒の、排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に除去するための、使用。
【0226】
13.技術的解決手段12に記載の使用であって、前記脱硫脱硝触媒を、SOxおよびNOxを含む排ガスと接触させ;
ここで、SOxおよびNOxを除去する条件は:温度が500~800℃、圧力が0.02~4MPa、排ガスの体積時間空間速度が100~50000h-1であることであり;
好ましくは、前記排ガス中のSOxの含有量は、0.001~0.5体積%であり、NOxの含有量は、0.001~0.3体積%であり;
好ましくは、前記排ガスは接触分解再生排ガスである。
【0227】
本発明の一態様において、本発明は以下の技術的解決手段を提供する:
1.排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減するための触媒であって、担体と、当該担体上に担持された、希土類金属から選択される第1の活性成分、第VIII族の非貴金属から選択される第2の活性成分および貴金属成分を含み、前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が25~95重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が4~60重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が2~12重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.01~2重量%であり;
前記第1の活性成分と前記第2の活性成分との金属酸化物としてのモル比は、(0.5~15):1である、触媒。
【0228】
2.技術的解決手段1に記載の触媒であって、当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が40~90重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が8~50重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が2~12重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.02~1.5重量%であることを特徴とし;
好ましくは、前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が50~88重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が8~40重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が2~10重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.03~1.2重量%である、触媒。
【0229】
3.技術的解決手段1または2に記載の触媒であって、前記第1の活性成分と、前記第2の活性成分との金属酸化物としてのモル比が(1~10):1であり、さらに好ましくは(2~5):1である、触媒。
【0230】
4.技術的解決手段1~3のいずれか1つに記載の触媒であって、ここで、
前記第1の活性成分はLaおよび/またはCeであり、好ましくはLaであり;
前記第2の活性成分は、VIII族の金属の少なくとも1種であり、好ましくはCoおよび/またはFeであり、より好ましくはCoであり;
前記貴金属成分は、Pt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdであり;
前記担体は、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトの少なくとも1種であり、好ましくはアルミナである、触媒。
【0231】
5.技術的解決手段1~4のいずれか1つに記載の排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減するための触媒の調製方法であって、当該方法は:
(1)希土類金属から選択される第1の活性成分の前駆体と、VIII族の非貴金属から選択される第2の活性成分の前駆体とを含む前駆体溶液を準備すること;
(2)前記前駆体溶液と共沈剤との共沈反応を行い、次いで、乾燥および焼成すること;
(3)工程(2)で得られた固体生成物と、担体および/または担体の前駆体とを混合およびスラリー化してスラリーを得、次いで、当該スラリーを乾燥および焼成すること;
(4)工程(3)で得られた固形生成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させ、次いで、乾燥および/または焼成する、を含む、方法。
【0232】
6.技術的解決手段5に記載の調製方法であって、前記第1の活性成分の前駆体および前記第2の活性成分の前駆体が、各々独立して、各金属成分の硝酸塩および/または塩化物から選択され;
前記貴金属成分の前駆体は、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩素酸白金および塩化ロジウムのうちの少なくとも1種であり、好ましくは硝酸パラジウムおよび/または塩化パラジウムである、調製方法。
【0233】
7.技術的解決手段5または6に記載の調製方法であって、工程(2)において、前記共沈剤が炭酸塩であり、さらに好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのうち少なくとも1種であり;
好ましくは、前記共沈反応はpH=8~10で行われ;
好ましくは、工程(2)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~8時間であることを含む、調製方法。
【0234】
8.技術的解決手段5~7のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程(3)において、前記スラリーが7~35重量%の固形分量を有し;
好ましくは、工程(3)の焼成条件は、温度が300~800℃であり、時間が1~5時間であることを含む、調製方法。
【0235】
9.技術的解決手段5~8のいずれか1つに記載の調製方法であって、工程(4)において、前記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで含浸液を提供し;
好ましくは、前記酸は水溶性無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうちの少なくとも1種であり;
好ましくは、前記酸は、前記含浸液のpH値が5.0未満、好ましくは2~5となるような量で使用され;
好ましくは、工程(4)の焼成条件は、温度が300~700℃であり、時間が0.1~5時間であることを含む、調製方法。
【0236】
10.排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減する方法であって、当該方法は:SOxおよびNOxを同時に除去するための条件下で、SOxおよびNOxを含む排ガスを、技術的解決手段1~4のいずれか1つに記載の排ガス中のNOxおよびSOxの排出を低減するための触媒と接触させること、を含み;
好ましくは、前記SOxおよびNOxを同時に除去するための条件は:温度が500~800℃であり、圧力が0.01~4MPaであり、前記排ガスの体積時間空間速度が100~50000h-1であることを含み;
好ましくは、前記排ガス中の前記SOxの含有量は、0.001~0.5体積%であり、前記NOxの含有量は、0.001~0.3体積%であり;
好ましくは、前記排ガスは接触分解再生排ガスである。
【0237】
本発明の一態様において、本発明は以下の技術的解決手段を提供する:
1.排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒であって、担体と、当該担体上に担持された、希土類金属から選択される第1の活性成分、VB族、VIII族、IB族、IIB族の非貴金属から選択される第2の活性成分、IIA族の金属から選択される第3の活性成分、および、貴金属成分とを含み;前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は25~93重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は4~60重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は2~30重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量は1~30重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.01~2重量%である、触媒。
【0238】
2.技術的解決手段1に記載の触媒であって、ここで、
前記第1の活性成分と前記第2の活性成分との金属酸化物としてのモル比が、(0.4-12):1であり、好ましくは(0.5-8):1であり、さらに好ましくは(1-4):1である、触媒。
【0239】
3.技術的解決手段1に記載の触媒であって、ここで、
前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は40~87重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は8~50重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は3~20重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量は1~20重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.02~1.5重量%であり;
好ましくは、前記触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量は45~80重量%であり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量は8~40重量%であり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量は3~15重量%であり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量は2~15重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量は0.03~1.2重量%である、触媒。
【0240】
4.技術的解決手段1~3のいずれか1つに記載の触媒であって、ここで、
前記担体は、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、好ましくはアルミナであり;
前記第1の活性成分はLaおよび/またはCeであり、好ましくはLaであり;
前記第2の活性成分は、VIII族の金属の少なくとも1種であり、好ましくはCoおよび/またはFeであり、より好ましくはCoであり;
前記第3の活性成分は、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaから選択される1種以上であり、好ましくはMgであり;
前記貴金属成分は、Pt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである、触媒。
【0241】
5.排ガス中のSOxとNOxとを同時に低減可能な触媒の調製方法であって、当該方法は:
(1)希土類金属から選択される第1の活性成分の前駆体、VB族、VIII族、IB族およびIIB族の非貴金属から選択される第2の活性成分の前駆体、およびIIA族の金属から選択される第3の活性成分の前駆体を含む前駆体溶液を準備すること;
(2)前記前駆体溶液と共沈剤との共沈反応を行い、次いで、乾燥および焼成すること;
(3)工程(2)で得られた固体生成物と、担体および/または担体の前駆体と、任意に貴金属成分の前駆体とを混合およびスラリー化してスラリーを得、次いで、当該スラリーを乾燥および焼成すること;
前記方法はまた、任意に、(4)工程(3)で得られた固体生成物に、貴金属成分の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させ、次いで乾燥および/または焼成することを含み;
前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体、前記第3の活性成分の前駆体、前記担体および/または担体の前駆体、ならびに、前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒において、前記触媒の全重量を基準として、前記担体の含有量が25~93重量%となり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が4~60重量%となり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が2~30重量%となり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量が1~30重量%となり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.01~2重量%となるような量で使用される、方法。
【0242】
6.技術的解決手段5に記載の方法であって、前記第1の活性成分の前駆体と前記第2の活性成分の前駆体との金属元素としてのモル比が、(0.4~12):1であり、好ましくは(0.5~8):1であり、さらに好ましくは(1~4):1である、方法。
【0243】
7.技術的解決手段5または6に記載の方法であって、前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体、前記第3の活性成分の前駆体、前記担体および/または担体の前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体が、調製された触媒中において、当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が40~87重量%となり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が8~50重量%となり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が3~20重量%となり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量が1~20重量%となり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.02~1.5重量%となるような量で使用され;
好ましくは、前記第1の活性成分の前駆体、前記第2の活性成分の前駆体、前記第3の活性成分の前駆体、前記担体および/または担体の前駆体、ならびに前記貴金属成分の前駆体は、調製された触媒中において、当該触媒の総重量を基準として、前記担体の含有量が45~80重量%となり、前記第1の活性成分の酸化物としての含有量が8~40重量%となり、前記第2の活性成分の(酸化物としての)含有量が3~15重量%となり、前記第3の活性成分の(酸化物としての)含有量が2~15重量%であり、前記貴金属成分の元素としての含有量が0.03~1.2重量%となるような量で使用される、方法。
【0244】
8.技術的解決手段5~7のいずれか1つに記載の方法であって、ここで
前記担体は、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、好ましくはアルミナであり;
前記第1の活性成分はLaおよび/またはCeであり、好ましくはLaであり;
前記第2の活性成分は、VIII族の金属の1種以上であり、好ましくはCoおよび/またはFeであり、より好ましくはCoであり;
前記第3の活性成分は、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaから選択される1種以上であり、好ましくはMgであり;
前記貴金属成分は、Pt、PdおよびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである、方法。
【0245】
9.技術的解決手段5~8のいずれか1つに記載の方法であって、ここで、
工程(2)において、前記共沈剤は炭酸塩であり、好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であり;
好ましくは、工程(2)において、前記共沈反応はpH=8~10で行われ;
好ましくは、工程(3)において、前記スラリーは6~38重量%の固形分量を有する、方法。
【0246】
10.技術的解決手段5~9のいずれか1つに記載の方法であって、ここで、
工程(4)において、前記貴金属成分の前駆体を酸溶液中で加水分解することで、前記含浸液を提供し;
好ましくは、前記酸は水溶性無機酸および/または有機酸から選択され、好ましくは塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうちの少なくとも1種であり;
好ましくは、前記酸は、前記含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは2~5となるような量で使用される、方法。
【0247】
11.技術的解決手段5~10のいずれか1つに記載の方法であって、工程(2)、工程(3)および工程(4)における、焼成の条件は、それぞれ独立して:温度が300~800℃であること、時間が0.5~8時間であること、を含み得る、方法。
【0248】
12.技術的解決手段5~11のいずれか1つに記載の方法で調製された、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒。
【0249】
13.SOxおよびNOxを含む排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に除去するための、技術的解決手段1~4および12のいずれか1つに記載の、排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒の、使用。
【0250】
14.排ガス中のSOxおよびNOxの両方を同時に低減する方法であって、当該方法は:
技術的解決手段1~4および12のいずれか1つに記載の排ガス中のSOxおよびNOxを同時に低減可能な触媒と、排ガスとを接触させることを含み;
好ましくは、前記接触の条件は:温度が500~800℃であり、圧力が0.01~4MPaであり、接触分解再生排ガスの体積時間空間速度が200~20000h-1であることを含み;
好ましくは、前記排ガス中の前記SOxの含有量は0.001~0.5体積%であり、前記NOxの含有量は0.001~0.3体積%である、方法。
【0251】
本発明の一態様において、本発明は以下の技術的解決手段を提供する:
1.排ガス中のSOxとNOxとを同時に低減可能な触媒であって、活性成分が(2)~(6)の成分であることを特徴とする、排ガス中のSOxとNOxとを同時に低減可能な触媒:
(1)担体または無機酸化物マトリックス、(2)希土類金属、(3)VIII族から選択される非貴金属、またはVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、(5)任意に、VIIB族の非貴金属、(6)任意に、IIA族の金属、
ここで、前記触媒の総重量である100重量%を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、25~95重量%であり、例えば、25~93重量%、または25~92重量%、または40~90重量%、または40~87重量%、または40~85重量%、または45~80重量%、または50~88重量%、または50~80重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は、2~70重量%であり、例えば、4~60重量%、または4~50重量%、または4~40重量%、または6~70重量%、または8~50重量%、または8~40重量%、または12~60重量%、または12~48重量%であり;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属またはVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、1~30重量%であり、例えば1~15重量%、または1~12重量%、または2~30重量%、または2~12重量%、または2~10重量%、または2~8重量%、または3~20重量%、または3~15重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は、0.01~2重量%であり、例えば0.01~1.5重量%、または0.01~2重量%、または0.02~1.5重量%、または0.02~1.2重量%、または0.02~1.0重量%、または0.03~1.2重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族非貴金属の酸化物としての含有量は0または1~10重量%であり、0または1~8重量%であり、0または2~5重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は、0または1~30重量%であり、0または1~20重量%であり、0または2~15重量%である;
ここで、前記成分(2)と前記成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1であり、例えば、(0.4~12):1、または(0.5~15):1、または(0.5~12):1、または(0.5~8):1、または(0.6~18):1、または(1~10):1、または(1~6):1、または(1~4):1、または(2~12):1、または(2~5):1、または(3~6):1であり;
好ましくは、前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量と、前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量との合計はゼロではない。
【0252】
2.技術的解決手段1に記載の触媒であって、ここで
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスは、アルミナ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、スピネル、カオリン、珪藻土、パーライト、およびペロブスカイトのうちの少なくとも1種であり、好ましくはアルミナである;および/または
前記成分(2)の希土類金属は、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種以上であり、より好ましくはLaおよび/またはCeであり、最も好ましくはLaである;および/または
前記成分(3)の第VIII族から選択される前記非貴金属は、Coおよび/またはFeであり、より好ましくはCoであり;または、前記成分(3)の第VB族、第VIII族、第IB族および第IIB族から選択される非貴金属は、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、およびVのうちの1種以上であり、より好ましくはCoおよび/またはFeであり、最も好ましくはCoである;および/または
前記成分(4)の貴金属は、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ag、Ir、およびAuのうちの1種以上であり、より好ましくはPt、Pd、およびRhのうちの1種以上であり、最も好ましくはPdである;および/または
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属はMnである;および/または
前記成分(6)のIIA族の金属は、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaの1種以上であり、より好ましくはMgである、触媒。
【0253】
3.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、ここで、
前記触媒が、(1)担体と、当該担体に担持された(2)希土類金属、(3)第VIII族から選択される非貴金属、および(4)貴金属とを含み、前記活性成分が成分(2)~(4)であり;
ここで、前記触媒の総重量である100重量%を基準として、
前記成分(1)の担体の含有量は25~95重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~60重量%であり;
前記成分(3)の第VIII族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~2重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体の含有量は40~90重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~50重量%であり;
前記成分(3)の第VIII族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.5重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、50~88重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~40重量%であり;
前記成分(3)の第VIII族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~10重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.03~1.2重量%である;
ここで、前記成分(2)と前記成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.5~15):1、または(1~10):1、または(2~5):1である、触媒。
【0254】
4.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、前記触媒が、(1)担体と、当該担体上に担持された、(2)希土類金属、(3)VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、ならびに(6)IIA族の金属と、を含み、
ここで、前記活性成分は成分(2)~(4)および(6)であり;
ここで、前記触媒の総重量である100重量%を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、25~93重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~60重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~30重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~2重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~30重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~87重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~50重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、3~20重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.5重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~20重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~85重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は8~40重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は3~15重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.03~1.2重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は2~15重量%である;
ここで、前記成分(2)と前記成分(3)との金属元素としてのモル比は、(0.4~18):1であり、例えば(0.4~12):1、または(0.5~8):1、または(1~4):1である。
【0255】
5.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、
前記触媒は、以下の成分を含むか、または本質的に以下の成分からなり、ここで、前記活性成分は成分(2)~(5)であり:
(1)担体または無機酸化物マトリックス、(2)希土類金属、(3)VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、ならびに(5)VIIB族の非貴金属、
ここで、前記触媒の総重量である100重量%を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、25~92重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は6~70重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、1~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~1.5重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族非貴金属の酸化物としての含有量は、1~10重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~85重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は12~60重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~10重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.2重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は1~8重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、40~85重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は12~48重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~8重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.0重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は、2~5重量%である;
ここで、前記成分(2)と前記成分(3)との金属元素としてのモル比は(0.6~18):1であり、例えば(2~12):1、または(3~6):1である、触媒。
【0256】
6.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、
前記触媒は、以下の成分を含むか、または本質的に以下の成分からなり、ここで、前記活性成分は成分(2)~(6)であり:
(1)担体または無機酸化物マトリックス、(2)希土類金属、(3)VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属、(4)貴金属、(5)VIIB族の非貴金属、ならびに(6)IIA族の金属、
ここで、前記触媒の総重量である100重量%を基準として、
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は、25~95重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は2~70重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、1~15重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.01~1.5重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は、1~10重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~30重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は40~90重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~50重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~12重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.2重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は1~8重量%であり;
前記成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は1~20重量%であるか;
または
前記成分(1)の担体または無機酸化物マトリックスの酸化物としての含有量は50~80重量%であり;
前記成分(2)の希土類金属の酸化物としての含有量は4~40重量%であり;
前記成分(3)のVB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属の酸化物としての含有量は、2~10重量%であり;
前記成分(4)の貴金属の元素としての含有量は0.02~1.0重量%であり;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属の酸化物としての含有量は、2~5重量%であり;
成分(6)のIIA族の金属の酸化物としての含有量は2~15重量%である;
ここで、前記成分(2)と前記成分(3)との金属元素としてのモル比は(0.4~18):1であり、例えば(0.5~12):1、または(1~6):1である、触媒。
【0257】
7.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、前記触媒が、SOを含む雰囲気に曝露された触媒であり;
例えば、前記触媒は、SOを含む雰囲気に暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、350~1000℃の温度、0~8MPaの圧力、および0.001~100体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~800℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~900℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~750℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に少なくとも1分間曝露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~700℃の温度、0~5MPaの圧力、および0.001~5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~900℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~800℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~750℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に30~480分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~700℃の温度、0~2MPaの圧力、および0.01~1体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~900℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~800℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、650~750℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、400~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、450~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、500~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、550~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、ここで、前記SOを含む雰囲気は、600~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する;または
前記触媒は、SOを含む雰囲気に60~120分間暴露された触媒であり、前記SOを含む雰囲気は、650~700℃の温度、0~0.5MPaの圧力、および0.02~0.5体積%のSO含有量を有する、触媒。
【0258】
8.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、ここで
前記成分(2)の希土類金属はLaを含み;
前記成分(3)のVIII族から選択される非貴金属、または、VB族、VIII族、IB族およびIIB族から選択される非貴金属は、Coを含み;
前記成分(4)の貴金属はPdを含み;
前記成分(5)のVIIB族の非貴金属は、存在する場合、Mnを含み;
前記成分(6)のIIA族の金属は、存在する場合、Mgを含む、触媒。
【0259】
9.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、
成分(2)の希土類金属はLaである;
第VIII族から選択される非貴金属、または成分(3)の第VB族、第VIII族、第IB族、および第IIB族から選択される前記非貴金属がCoであり
成分(4)の貴金属はPdである;
もしあれば、成分(5)のVIIB族非貴金属はMnである;
もしあれば、成分(6)のIIA族の金属はMgである。
【0260】
10.前記技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、ここで、前記触媒は、SOを含む雰囲気に暴露された触媒であり、前記触媒は、粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=28.6°±0.1°、30.0°±0.1°および50.4°±0.1°に特徴的なピークを有する。
【0261】
11.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒であって、(未使用の(fresh))前記触媒が、粉末XRDスペクトルにおいて、2θ=33.0°±0.1°、33.5°±0.1°および47.5°±0.1°、ならびに27.0°±0.1°、28.0°±0.1°および39.5°±0.1°に特徴的なピークを有する、触媒。
【0262】
12.前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒を調製する方法であって、当該方法は:
(I)共沈法またはゾル-ゲル法を用いて活性金属前駆体を製造すること、
ここで、前記活性金属前駆体中の活性金属は、(2)希土類金属、(3)VIII族から選択される非貴金属、またはVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属、(5)任意で、VIIB族の非貴金属、および(6)任意で、IIA族の金属を含む:および、
(II)前記活性金属前駆体と、(1)担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体と、任意に(4)貴金属の前駆体とを混合およびスラリー化してスラリーを得、得られたスラリーを乾燥および/または焼成することで、触媒を製造すること;または、
前記活性金属前駆体と、(1)担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体と、任意に(4)貴金属の前駆体とを混合してスラリー化し、得られたスラリーを乾燥および/または焼成して触媒半生成物を製造し、次いで、前記触媒半生成物に(4)貴金属の前駆体を含む溶液を含浸液として含浸させて固体生成物を製造し、次いで、前記固体生成物を乾燥および/または焼成することで触媒を製造すること;を含み、
ここで、前記活性金属前駆体、前記担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体、および前記貴金属の前駆体は、製造される触媒が、前記の技術的解決手段のいずれかに記載の触媒の組成となるような量で使用される、方法。
【0263】
13.前記技術的解決手段のいずれかに記載の調製方法であって、工程(I)において、共沈法を用いて前記活性金属前駆体を製造し;好ましくは、前記共沈法は:
(I-1)(2)希土類金属の前駆体、(3)VIII族から選択される非貴金属、またはVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属の前駆体、任意に(5)VIIB族の非貴金属の前駆体、ならびに、任意に(6)IIA族の金属の前駆体、を含む第1の溶液を準備すること;
好ましくは、各前駆体は独立して、各金属の硝酸塩および/または塩化物から選択される;
(I-2)前記第1の溶液と、共沈剤とを共沈反応させること;
好ましくは、前記共沈剤は炭酸塩であり、さらに好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であり;
好ましくは、前記共沈反応はpH=8~10で行われる;
(I-3)前記共沈反応で得られた固体生成物を乾燥および/または焼成し、活性金属前駆体を製造すること;
好ましくは、工程(I-3)における焼成条件は以下を含む:温度は300~800℃、例えば300~700℃であり、時間は0.5~8時間、例えば1~8時間または1~5時間である、を含み、
ここで、前記担体もしくは無機酸化物マトリックスまたはその前駆体、前記希土類金属の前駆体、前記VIII族から選択される非貴金属の前駆体、またはVB族、VIII族、IB族、およびIIB族から選択される非貴金属の前駆体、前記貴金属の前駆体、任意の前記VIIB族の非貴金属の前駆体、および任意の前記IIA族の金属の前駆体は、製造される触媒が、前記の技術的解決手段のいずれかに記載の触媒の組成となるような量で使用される、方法。
【0264】
14.前記技術的解決手段のいずれか1つに記載の調製方法であって、
工程(II)において、前記貴金属成分の前駆体は、硝酸塩、塩化物、および/または塩素酸塩のうちの少なくとも1種であり、例えば、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩化白金、および塩化ロジウムのうちの少なくとも1種であり、好ましくは硝酸パラジウムおよび/または塩化パラジウムであり;および/または、
前記工程(II)において、前記スラリーは5~40重量%の、例えば6~38重量%、または7~35重量%の固形分含量を有し;および/または、
工程(II)において、前記スラリーを焼成するための条件は以下を含む:温度は300~800℃、例えば300~700℃であり、時間は0.5~8時間、例えば1~8時間または1~5時間であり;および/または、
工程(II)において、前記貴金属の前駆体が、酸溶液中で加水分解されることで前記含浸液が提供され;好ましくは、前記酸は、水溶性無機酸および/または有機酸から選択され、より好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸および酢酸のうちの少なくとも1種であり;好ましくは、前記酸は、前記含浸液のpH値が6.0未満、好ましくは5.0未満、例えば2.0~5.0となるような量で使用され;好ましくは、前記固体生成物を焼成する条件は以下を含む:温度は300~800℃、例えば300~700℃であり、時間は0.5~8時間、例えば1~8時間または1~5時間である、方法。
【0265】
15.排ガスからSOxおよびNOxを同時に低減する方法であって、SOxおよびNOxを除去するための条件下で、前記排ガスを、前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の触媒または前記の技術的解決手段のいずれか1つに記載の調製方法で調製された触媒と接触させることを含み;
好ましくは、前記SOxおよびNOxを除去するための条件は:温度は300~1000℃、例えば500~800℃、または600~750℃、または625~750℃、または650~750℃、または675~750℃、または700~750℃、または725~750℃、または600~725℃、または625~725℃、または650~725℃、または675~725℃、または700~725℃、または600~700℃、または625~700℃、または650~700℃、または675~700℃、または600~675℃、または625~675℃、または650~675℃、または600~650℃、または625~650℃、または600~625℃であり;圧力は0~4MPa、例えば0.01~4MPa、または0.02~4MPa、または0~0.5MPaであり、排ガスの体積時間空間速度は、100~50000h-1、または200~20000h-1であることを含み;および/または、
好ましくは、前記排ガス中におけるSOx含有量は0.001~0.5体積%であり、NOx含有量は0.001~0.3体積%であり、または、前記排ガス中のSOxおよびNOxの体積分率はそれぞれ1~3000μL/Lであり、SOxとNOxとのモル比は0.5:1~2:1であり;および/または、
好ましくは、前記排ガスは、特定の濃度のSOxおよびNOxを同時に含む排ガス、例えば、接触分解再生排ガスであり;好ましくは、前記接触分解再生排ガスと前記触媒との接触は、接触分解サイクロン分離器の後および/またはCO焼却炉の後に設けられた排ガス通路において実施される、方法。
【0266】
本発明では、一定の構造を有する触媒中の成分の含有量は、蛍光X線分析法(楊翠鼎ら編、「石油化学分析法(RIPP実験法)」、サイエンスプレス社、1990年発行)を用いて測定する。
【0267】
本発明では、触媒試料の粉末X線回折(XRD)分析を行うために、シーメンス社製回折計D5005を使用し、40kV、40mAの条件下でCuKα(λ=0.15418nm)放射線を発生させ、Niでフィルタ処理する。回折シグナルは2θが5-70°の範囲で、0.02°の段階で記録される。
【0268】
本発明において、焼成の条件は特に限定されない。例えば、焼成は、空気中または不活性雰囲気(例えば窒素)中で行うことができ、焼成の条件は、温度が300~900℃、例えば400℃、500℃、600℃、700℃、800℃およびこれらの任意の2点から形成される温度範囲であり、時間が0.1~12時間、例えば0.1~5時間であり、圧力が大気圧未満、大気圧、または大気圧超(例えば0~5MPa)であり得る。
【0269】
本発明において、乾燥の条件は特に限定されない。例えば、乾燥の条件は、温度が25~250℃、時間が0.1~12時間であり、圧力は真空中(例えば、絶対圧力が0~1kPa、0~5kPa、0~10kPa、0~20kPa、0~30kPa、0~40kPa、0~50kPa、0~60kPa、0~70kPa、0~80kPa、0~90kPa、0~100kPa)であってもよいし、大気圧(絶対圧力が0.1MPa)であってもよい。本発明において、染色後に焼成を行う場合、乾燥温度は焼成温度よりも低い。
【0270】
本発明においてppmとは、他に特定されない限り、体積濃度を意味する。
【0271】
〔実施例〕
以下、具体的な実施例を通じて本発明の実施プロセスおよび有益な効果を詳細に説明するが、これは読者が本発明の精神および本質をより明確に理解するためのものであり、本発明の実施範囲を何ら限定するものではない。
【0272】
以下の実施例および比較例で使用した原料は、すべて市販品である。具体的なメーカーおよびグレードは以下の表1に示す:
【0273】
【表1】
【0274】
以下の実施例では、蛍光X線分析法(XRF)によって触媒中の成分含有量を測定している。詳しくは、Yang Cuidingら編「石油化学分析法(RIPP実験法)」(Science Press、1990年発行)を参照のこと。
【0275】
以下の実施例では、触媒試料の粉末X線回折(XRD)分析を行うために、Siemens社製D5005回折計を使用し、40kV、40mAの条件下でCuKα(λ=0.15418nm)放射線を発生させ、Niによって濾過した。回折シグナルは、2θ5~70°の範囲で、0.02°のステップで記録された。
【0276】
実施例A1
脱イオン水350mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸コバルトのCoの質量として5gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(52.5g)を脱イオン水(210mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0277】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した担体に加え、得られた混合物を撹拌した。スラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成し、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0278】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥させた後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒A1を製造した。
【0279】
新触媒A1のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0280】
触媒A1を、SOを含む雰囲気に5分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が400℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001体積%であった。SO処理に曝した後、触媒A1のXRD分析を行った。触媒A1のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0281】
実施例A2
脱イオン水125mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として10g、硝酸コバルトのCoの質量として2.5gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(18.75g)を脱イオン水(75mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0282】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0283】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水330mLと塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体10gを秤量し、酸性化した担体に加え、得られた混合物を撹拌した。スラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成し、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の20重量%を占めた。
【0284】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.003g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥させた後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒A2を製造した。
【0285】
新触媒A2のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0286】
触媒A2を、SOを含む雰囲気に5分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が400℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001体積%であった。SO処理に曝した後、触媒A2のXRD分析を行った。触媒A2のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0287】
実施例A3
脱イオン水331mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸コバルトのCoの質量として3.1gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(49.65g)を脱イオン水(200mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0288】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0289】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した担体に加え、得られた混合物を撹拌した。スラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成し、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0290】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.003g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥させた後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒A3を製造した。
【0291】
新触媒A3のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0292】
触媒A3を、SOを含む雰囲気に5分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が400℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001体積%であった。SO処理に曝した後、触媒A3のXRD分析を行った。触媒A3のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0293】
実施例A4
ボーキサイトの使用量を減らして、非貴金属活性成分が調製された触媒微小球半製品の50重量%を占めるようにしたこと以外は、実施例A1を繰り返した。具体的には、ボーキサイトのAlの質量として20g、および活性金属前駆体20gを使用して、触媒A4を製造した。
【0294】
新触媒A4のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0295】
触媒A4を、SOを含む雰囲気に5分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が400℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001体積%であった。SO処理に曝した後、触媒A4のXRD分析を行った。触媒A4のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0296】
実施例A5
脱イオン水350mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として34g、硝酸コバルトのCoの質量として1gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(52.5g)を脱イオン水(210mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0297】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0298】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した担体に加え、得られた混合物を撹拌した。スラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成し、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0299】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.003g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥させた後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒A5を製造した。
【0300】
新触媒A5のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0301】
触媒A5を、SOを含む雰囲気に5分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が400℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001体積%であった。SO処理に曝した後、触媒A5のXRD分析を行った。触媒A5のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0302】
実施例A6
脱イオン水440mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として22g、硝酸コバルトのCoの質量として22gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(66g)を脱イオン水(264mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0303】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0304】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した担体に加え、得られた混合物を撹拌した。スラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成し、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0305】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.003g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥させた後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒A6を製造した。
【0306】
新触媒A6のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0307】
触媒A6を、SOを含む雰囲気に5分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が400℃、圧力が0MPa、SO含有量が0.001体積%であった。SO処理に曝した後、触媒A6のXRD分析を行った。触媒A6のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0308】
実施例A7
塩化パラジウム溶液を等濃度の塩化ルテニウム溶液に置き換えたこと以外は実施例A1を繰り返し、調製した触媒中の貴金属の含有量は変化させずに触媒A7を製造した。
【0309】
実施例A8
酸化物として硝酸ランタンを等質量の硝酸セリウムに置き換え、酸化物として硝酸コバルトを等質量の硝酸第二鉄に置き換えたこと以外は、実施例A1を繰り返して触媒A8を製造した。
【0310】
比較例1
硝酸ランタンのLaの質量として30gをビーカーに溶解させた。別のビーカーに炭酸アンモニウム45gを完全に溶解させた。撹拌下の硝酸ランタン溶液を撹拌下の炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。得られた混合物を吸引濾過した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成した後、粉砕して活性金属前駆体Lを得た。
【0311】
硝酸コバルトのCoの質量として5gをビーカーに溶解させた。別のビーカーに炭酸アンモニウム7.5gを完全に溶解させた。撹拌下の硝酸コバルト溶液を撹拌下の炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。得られた混合物を吸引濾過した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成した後、粉砕して活性金属前駆体Cを得た。
【0312】
最初の2つのステップで得られた活性金属前駆体Lと活性金属前駆体Cとを完全に機械的に混合し、混合前駆体を製造した。
【0313】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。混合前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。スラリーを120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成し、触媒E1を製造した。
【0314】
比較例2
触媒は以下のように調製した:OX50(SiO)粉末15gを秤量し、実施例A1で調製した塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。塩化パラジウム溶液をOX50粉末に加え、撹拌を続けながら均一に混合した。得られた混合物を乾燥するまで120℃のオーブンに入れ、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒E2を製造した。
【0315】
比較例3
30gのLaと5gのCoとを完全に機械的に混合し、混合前駆体を得た。
【0316】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。混合前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。スラリーを120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒E3を製造した。
【0317】
比較例4
CN110787834Aに記載された方法に従って比較触媒を調製した。アルミナ、カオリン、Mg、B、La、Pt、Ti、アルミナゾル、および酢酸エチルを表2の割合に従って秤量し、混合した。5倍量の水を加え、混合物を85℃で3時間超含浸させた。含浸後、混合物を85℃で3時間撹拌し、均一に分散させた。上記スラリーを300℃で噴霧乾燥し、ふるい分けして200μm以下の粒子を得た。得られた粒子を500℃で4時間焼成し、活性金属前駆体を得た。得られた活性金属前駆体を十分に粉砕し、錠剤にプレスし、ふるい分けして、E4と表示した最終触媒を製造した。
【0318】
【表2】
【0319】
実施例B1
S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水360mLをビーカーに加え、次いで硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸コバルトのCoの質量として3.5g、塩化マンガンのMnOの質量として2.5gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム54gを脱イオン水(215mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0320】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0321】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥し、次いで空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0322】
S3.触媒の調製:Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B1を製造した。
【0323】
新触媒B1のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0324】
触媒B1を、SOを含む雰囲気に30分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が650℃、圧力が0.05MPa、SO含有量が0.01体積%であった。SO処理に曝した後、触媒B1のXRD分析を行った。触媒B1のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0325】
実施例B2
S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水150mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として10g、硝酸コバルトのCoの質量として1.6g、塩化マンガンのMnOの質量として3.4gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(22.5g)を脱イオン水(90mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0326】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0327】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水330mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体10gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の20重量%を占めた。
【0328】
S3.触媒の調製:Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B2を製造した。
【0329】
実施例B3
S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水360mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸コバルトのCoの質量として2.6g、塩化マンガンのMnOの質量として3.4gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム54gを脱イオン水(215mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0330】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0331】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0332】
S3.触媒の調製:Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B3を製造した。
【0333】
新触媒B3のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0334】
触媒B3を、SOを含む雰囲気に30分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が650℃、圧力が0.05MPa、SO含有量が0.01体積%であった。SO処理に曝した後、触媒B3のXRD分析を行った。触媒B3のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0335】
実施例B4
ボーキサイトの使用量を減らし、非貴金属活性成分が調製された触媒微小球半製品の50重量%を占めるようにしたこと以外は、実施例B1を繰り返した。
【0336】
具体的には、S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水360mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸コバルトのCoの質量として3.5g、塩化マンガンのMnOの質量として2.5gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム54gを脱イオン水(215mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0337】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0338】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として20gを秤量し、水240mLと濃塩酸(36重量%)3gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の50重量%を占めた。
【0339】
S3.触媒の調製:Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0060g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B4を製造した。
【0340】
新触媒B4のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0341】
触媒B4を、SOを含む雰囲気に30分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が650℃、圧力が0.05MPa、SO含有量が0.01体積%であった。SO処理に曝した後、触媒B4のXRD分析を行った。触媒B4のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0342】
実施例B5
S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水340mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸コバルトのCoの質量として1g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム51gを脱イオン水(205mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0343】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0344】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、380mLの水と濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0345】
S3.触媒の調製:Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B5を製造した。
【0346】
実施例B6
S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水330mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として15g、硝酸コバルトのCoの質量として15g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(49.5g)を脱イオン水(200mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0347】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0348】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0349】
S3.触媒の調製:Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B6を製造した。
【0350】
新触媒B6のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0351】
触媒B6を、SOを含む雰囲気に30分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が650℃、圧力が0.05MPa、SO含有量が0.01体積%であった。SO処理に曝した後、触媒B6のXRD分析を行った。触媒B6のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0352】
実施例B7
S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水365mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸コバルトのCoの質量として3.5g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(54.75g)を脱イオン水(220mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0353】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0354】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0355】
S3.触媒の調製:Ruの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化ルテニウム溶液を生成した。触媒微小球半製品15gを採取し、濃度5.6g/Lの塩化ルテニウム溶液を一定量(Ru換算質量0.0045g)採取した。このRu含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B7を製造した。
【0356】
実施例B8
S1.活性金属前駆体の調製:脱イオン水365mLをビーカーに加え、次いで、硝酸セリウムのCeO2の質量として30g、硝酸第二鉄のFeの質量として3.5g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(54.75g)を脱イオン水(220mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0357】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0358】
S2.触媒半製品の調製:ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0359】
S3.触媒の調製:Pdの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。このPd含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒B8を製造した。
【0360】
実施例C1
脱イオン水390mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として5.5gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(59.25g)を脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0361】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0362】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0363】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒C1を製造した。
【0364】
新触媒C1のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0365】
触媒C1を、SOを含む雰囲気に240分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が750℃、圧力が0.1MPa、SO含有量が0.02体積%であった。SO処理に曝した後、触媒C1のXRD分析を行った。触媒C1のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0366】
実施例C2
脱イオン水220mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として10g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として7g、硝酸コバルトのCoの質量として5gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(33g)を脱イオン水(150mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0367】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0368】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水330mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体10gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに加え、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の20重量%を占めた。
【0369】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒C-2を製造した。
【0370】
実施例C3
脱イオン水390mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として5g、硝酸コバルトのCoの質量として4gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(58.5g)を脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0371】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0372】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0373】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒C-3を製造した。
【0374】
新触媒C3のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0375】
触媒C3を、SOを含む雰囲気に240分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が750℃、圧力が0.1MPa、SO含有量が0.02体積%であった。SO処理に曝した後、触媒C3のXRD分析を行った。触媒C3のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0376】
実施例C4
ボーキサイトの使用量を減らし、非貴金属活性成分が調製された触媒微小球半製品の50重量%を占めるようにしたこと以外は、実施例C1を繰り返した。すなわち、ボーキサイトのAlの質量として20g、活性金属前駆体20gを使用して触媒C4を製造した。
【0377】
新触媒C4のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0378】
触媒C4を、SOを含む雰囲気に240分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が750℃、圧力が0.1MPa、SO含有量が0.02体積%であった。SO処理に曝した後、触媒C4のXRD分析を行った。触媒C4のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0379】
実施例C5
脱イオン水390mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として34g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として1gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(58.5g)を脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0380】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0381】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0382】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒C5を製造した。
【0383】
実施例C6
脱イオン水480mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として22g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として22gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(72g)を脱イオン水(300mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0384】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0385】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0386】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒C6を製造した。
【0387】
新触媒C6のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0388】
触媒C6を、SOを含む雰囲気に240分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が750℃、圧力が0.1MPa、SO含有量が0.02体積%であった。SO処理に曝した後、触媒C6のXRD分析を行った。触媒C6のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0389】
実施例C7
塩化パラジウム溶液を等濃度の塩化ルテニウム溶液に置き換えたこと以外は実施例C1を繰り返し、調製した触媒中の貴金属の含有量は変化させずに触媒C7を製造した。
【0390】
実施例C8
酸化物として硝酸ランタンを等質量の硝酸セリウムに置き換え、酸化物として硝酸コバルトを等質量の硝酸第二鉄に置き換えたこと以外は、実施例C1を繰り返して触媒C8を製造した。
【0391】
実施例D1
脱イオン水420mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として5g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム63gを脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0392】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0393】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0394】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥させた後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D1を製造した。
【0395】
新触媒D1のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0396】
触媒D1を、SOを含む雰囲気に480分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が800℃、圧力が0.2MPa、SO含有量が0.02体積%であった。SO処理に曝した後、触媒D1のXRD分析を行った。触媒D1のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0397】
実施例D2
脱イオン水250mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として10g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として7g、硝酸コバルトのCoの質量として5g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(37.5g)を脱イオン水(150mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0398】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0399】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体10gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の20重量%を占めた。
【0400】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D-2を製造した。
【0401】
実施例D3
脱イオン水410mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として5g、硝酸コバルトのCoの質量として2.6g、塩化マンガンのMnOの質量として3.4gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(61.5g)を脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0402】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0403】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0404】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D-3を製造した。
【0405】
実施例D4
ボーキサイトの使用量を減らしたこと以外は実施例D1を繰り返し、非貴金属活性成分が調製された触媒微小球半製品の50重量%を占めるようにした。
【0406】
具体的には、脱イオン水420mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として5g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム63gを脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0407】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0408】
ボーキサイトのAlの質量として20gを秤量し、水240mLと濃塩酸(36重量%)3gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の50重量%を占めた。
【0409】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0060g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D4を製造した。
【0410】
新触媒D4のXRD分析を行った。XRDスペクトルでは、2θ=約33.0°、約33.5°、および約47.5°、ならびに2θ=約27.0°、約28.0°、および約39.5°に特徴的なピークが認められた。
【0411】
触媒D4を、SOを含む雰囲気に480分間曝露した。ここで、SOを含む雰囲気は、温度が800℃、圧力が0.2MPa、SO含有量が0.02体積%であった。SO処理に曝した後、触媒D4のXRD分析を行った。触媒D4のXRDスペクトルでは、2θ=約28.6°、約30.0°、および約50.4°に特徴的なピークが認められた。
【0412】
実施例D5
脱イオン水420mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として34g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として1g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム63gを脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0413】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0414】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0415】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0030g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D5を製造した。
【0416】
実施例D6
脱イオン水510mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として22g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として22g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム(76.5g)を脱イオン水(300mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に添加し、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0417】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0418】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0419】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を調製した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D6を製造した。
【0420】
実施例D7
脱イオン水420mLをビーカーに加え、次いで、硝酸ランタンのLaの質量として30g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸コバルトのCoの質量として5g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム63gを脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0421】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0422】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0423】
Ruの前駆体を希塩酸に1:1で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/Lの塩化ルテニウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化ルテニウム溶液を一定量(Ru換算質量0.0045g)採取した。このRu含有溶液を含浸液として上記触媒半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D7を製造した。
【0424】
実施例D8
脱イオン水420mLをビーカーに加え、次いで、硝酸セリウムのCeO2の質量として30g、硝酸マグネシウムのMgOの質量として4g、硝酸第二鉄のFeの質量として5g、塩化マンガンのMnOの質量として3gを、完全に溶解するまで撹拌下に加えた。炭酸アンモニウム63gを脱イオン水(250mL)に加え、混合物を完全に溶解するまで撹拌した。金属硝酸塩混合溶液を撹拌しながら炭酸アンモニウム溶液に加え、一定量のアンモニア水を加えて溶液のpH値を9に維持した。
【0425】
完全に沈殿した混合物を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄した。吸引濾過によって得られた濾過ケーキ混合物を120℃で乾燥し、空気雰囲気中、700℃で6時間焼成し、次いで粉砕して活性金属前駆体を得た。
【0426】
ボーキサイトのAlの質量として40gを秤量し、水380mLと濃塩酸(36重量%)6gとを加えた。得られた混合物をスラリー化した。活性金属前駆体20gを秤量し、酸性化した無機酸化物マトリックスに添加し、得られた混合物を撹拌した。このスラリーを200℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒微小球半製品を製造した。非貴金属活性成分は、調製された触媒微小球半製品の33重量%を占めた。
【0427】
Pdの前駆体を希塩酸に1:1の質量比で溶解し、得られた混合物を脱イオン水で希釈して、濃度5.6g/L、pH=2の塩化パラジウム溶液を生成した。触媒微小球半製品を15g採取し、濃度5.6g/Lの塩化パラジウム溶液を一定量(Pd換算質量0.0045g)採取した。この塩化パラジウム溶液を含浸液として上記触媒微小球半製品に含浸させて固形物を製造し、次いでこの固形物を120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で4時間焼成して、触媒D8を製造した。
【0428】
性能試験
成分の含有量の測定:実施例で調製した触媒中の成分の含有量は、蛍光X線分析法(XRF)を用いて測定した。詳しくは、Yang Cuidingら編「石油化学分析法(RIPP実験法)」(Science Press、1990年発行)を参照されたい。具体的な結果を、下記表3に示す。
【0429】
【表3】
【0430】
活性評価:本発明では、反応生成物中のSOxおよびNOxの濃度変化を触媒活性の評価基準とした。生成物中のSOxおよびNOxの含有量は、FT-IRフーリエ変換赤外排ガス分析装置を用いて測定した。評価用の実験装置として固定床マイクロリアクターを用いた。触媒活性の評価結果は転化率として表した。
【0431】
転化率の計算方法:
X=[C入口-C出口]/C入口×100%
ここで、C入口は、実験装置の入口におけるSOxまたはNOxの濃度を指し、C出口は、実験装置の出口におけるSOxまたはNOxの濃度を指す。
【0432】
上記の実施例および比較例で提供された触媒について、排ガス中のNOおよびSOの両方の排出を同時に低減する効果を評価した。触媒分解反応-再生評価は、小型の固定床模擬排ガス装置で実施した。触媒を1.5g担持し、内径16.8mmの石英管固定床反応器に設置した。触媒床の両端には石英繊維および石英砂(20~40メッシュ)を充填し、触媒床が反応器中央の恒温部に固定されるようにした。反応温度は680℃であり、反応圧力は0.03MPaであった。原料ガスは体積流量(STP、標準温度および圧力)1500mL/分、体積時間空間速度約15000時間-1(h-1)であった。反応器温度が安定した後、まず触媒をN2雰囲気中で30分間前処理し、触媒表面の吸着種を完全に除去した。反応開始時、原料ガスは1200ppm体積%のNO、1200ppm体積%のSO、残りはNを含んでいた。ガス生成物をオンライン赤外線によって分析し、反応後のSOおよびNOの濃度を得た。評価時間0.5時間の結果を表4に示す。評価時間1.5時間の結果を表5に示す。表4および表5において、単独-NOおよび単独-SOは、原料ガスがそれぞれ1200ppm体積%のNOまたは1200ppm体積%のSOのみを含んでいたことを意味した。
【0433】
【表4】
【0434】
【表5】
【0435】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内において、本発明の技術的解決策に対して、任意の他の好適な態様における様々な技術的特徴の組み合わせを含む、様々な簡単な変更を加えることができる。これらの簡単な変更および組み合わせも、本発明の開示内容とみなされるべきである。すべてが本発明の保護範囲に属する。
【国際調査報告】