(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】圧電性シアシニング材料組成物及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 41/00 20200101AFI20240905BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20240905BHJP
A61K 49/08 20060101ALI20240905BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240905BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240905BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240905BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240905BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240905BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240905BHJP
A61K 33/24 20190101ALI20240905BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240905BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240905BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20240905BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61K41/00
A61N1/36
A61K49/08
A61K45/00
A61K9/48
A61K47/02
A61K47/42
A61K47/36
A61K47/06
A61K47/34
A61K47/38
A61K47/10
A61K47/46
A61K47/32
A61K33/24
A61P35/00
A61P43/00 105
A61P25/00
A61P25/04
A61P17/02
A61P9/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515854
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 US2022036980
(87)【国際公開番号】W WO2023038703
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジャバルザデ、エフサン
(72)【発明者】
【氏名】ダビン、カレン
(72)【発明者】
【氏名】モガダム、サラ エスランボルチ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C076
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C053JJ40
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC01
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4C076CC19
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4C086MA52
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4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA08
4C086ZA36
4C086ZA89
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC78
(57)【要約】
本明細書では、圧電特性を示す一連のシアシニングハイドロゲルを定義するための方法及び組成物を開示する。記載される圧電材料は、無線インパルスを作動機構として使用して細胞又は組織の局所領域刺激を行うために、経皮的に又は経カテーテル血管経路を介して標的環境に注入することができる。これらの外部刺激は、腫瘍アブレーション、薬物送達、エレクトロポレーション、ケモエレクトロポレーション、神経刺激、創傷治癒、心血管アプリケーション、及び筋骨格系の痛みの管理などの医療介入のために、埋め込まれた圧電材料における電気的又は機械的反応を引き起こす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電ナノ粒子、
1つ以上のポリマー、及び
脱イオン水
を含む圧電性シアシニング組成物。
【請求項2】
約0.1%~約50%(w/w)の圧電ナノ粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記圧電ナノ粒子は、合成(ラポナイト)及び天然(ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト-スメクタイト)ナノクレイ、石英、酸化亜鉛ナノ粒子、窒化アルミニウムからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
約0.5%~約20%(w/w)の1つ以上のポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマーは、ゼラチン、コラーゲン、キトサン、シルク、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(l)乳酸(PLLA)、ポリ(d)乳酸(PLDA)、セルロース、アルギン酸塩、アガロース、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレングリコール(PEG)、リグニン、ケラチン、及びポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
造影剤をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記造影剤は、タンタル、タングステン、及びイオヘキソールからなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物の貯蔵弾性率(G’)は約1kPa~約40kPaである、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物をそれを必要とする患者に経皮又は血管投与した後、投与された前記組成物を外部刺激にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の前記誘導電圧は約0.01V~約10,000Vである、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記外部刺激は、超音波刺激、無線周波数刺激、及びマイクロ波刺激から選択される、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物を約20kHz~約20MHzの超音波周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物を約50MHz~約200MHzの無線周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物を約300MHz~約300GHzのマイクロ波周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
複数の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズであって、
圧電ナノ粒子、及び
1つ以上のポリマー
を含む、圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項16】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズの平均粒径は約50μm~約1000μmである、請求項15に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項17】
約0.1%~約50%(w/w)の圧電ナノ粒子を含む、請求項15又は16に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項18】
前記圧電ナノ粒子は、合成(ラポナイト)及び天然(ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト-スメクタイト)ナノクレイ、石英、酸化亜鉛ナノ粒子、窒化アルミニウムからなる群から選択される、請求項15~17のいずれか一項に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項19】
約0.5%~約20%(w/w)の1つ以上のポリマーを含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項20】
前記ポリマーは、ゼラチン、コラーゲン、キトサン、シルク、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(l)乳酸(PLLA)、ポリ(d)乳酸PLDA、セルロース、アルギン酸塩、アガロース、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレングリコール(PEG)、リグニン、ケラチン、及びポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される、請求項15~19のいずれか一項に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項21】
造影剤をさらに含む、請求項15~20のいずれか一項に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項22】
前記造影剤は、タンタル、タングステン、及びイオヘキソールからなる群から選択される、請求項21に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項23】
前記マイクロスフェア又はマイクロビーズをそれを必要とする患者に経皮又は血管投与した後、投与された組成物を外部刺激にさらすと、前記マイクロスフェア又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項15~22のいずれか一項に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項24】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズの前記誘導電圧は約0.01V~約10,000Vである、請求項15~23のいずれか一項に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項25】
前記外部刺激は、超音波刺激、無線周波数刺激、及びマイクロ波刺激から選択される、請求項23又は24に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項26】
前記マイクロスフェア又はマイクロビーズを約20kHz~約20MHzの超音波周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項25に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項27】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズを約50MHz~約200MHzの無線周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項25に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項28】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズを約300MHz~約300GHzのマイクロ波周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項25に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項29】
アブレーションによってがん又はがん性病変を治療する方法であって、
(a)請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物又は請求項15~28のいずれか一項に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び
(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えること
を含む方法。
【請求項30】
前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズは、経カテーテル送達又は経皮注射によって投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記外部刺激は、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズが投与された領域に超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを適用することを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
神経刺激方法であって、
(a)請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物又は請求項15~28のいずれか一項に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び
(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えること
を含む方法。
【請求項33】
前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズは、経カテーテル送達又は経皮注射によって投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記外部刺激は、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズが投与された領域に超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを適用することを含む、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
疼痛管理の方法であって、
(a)請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物又は請求項15~28のいずれか一項に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び
(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えること
を含む方法。
【請求項36】
前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズは、経カテーテル送達又は経皮注射によって投与される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記外部刺激は、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズが投与された領域に超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを適用することを含む、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
創傷治癒を促進する方法であって、
(a)請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物又は請求項15~28のいずれか一項に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び
(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えること
を含む方法。
【請求項39】
前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズは、経カテーテル送達又は経皮注射によって投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記外部刺激は、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズが投与された領域に超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを適用することを含む、請求項38又は39に記載の方法。
【請求項41】
心血管ペーシングの方法であって、
(a)請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物又は請求項15~28のいずれか一項に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び
(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えること
を含む方法。
【請求項42】
前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズは、経カテーテル送達又は経皮注射によって投与される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記外部刺激は、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズが投与された領域に超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを適用することを含む、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
単独で、又は化学療法剤と併用してエレクトロポレーションを行う方法であって、
(a)請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物又は請求項15~28のいずれか一項に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び
(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えること
を含む方法。
【請求項45】
前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズは、経カテーテル送達又は経皮注射によって投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記外部刺激は、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズが投与された領域に超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを適用することを含む、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記外部刺激は、化学療法剤を含むカプセル化された治療剤の制御された放出を刺激する、請求項44~46のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医学的病状の治療のための埋め込み型バイオエレクトロニクス及び圧電材料に関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込み型バイオエレクトロニクスは、研究者に人体とのインターフェース接続及び通信の能力を提供する。ペースメーカー、心臓除細動器、電極などのデバイスを含むこれらのシステムが、外部刺激によって組織や器官を刺激したり、診断目的で患者から情報を収集したりするために開発されてきた。埋め込み型バイオエレクトロニクスの最近の発展には、神経変性疾患の治療や、麻痺からジスキネジアに至るまでの問題を引き起こす可能性のある傷害の治療のための神経刺激への関心の高まりが含まれている。さらに、これら及びその他の埋め込み型バイオエレクトロニクスは、慢性疼痛のシナリオにおける疼痛管理の方法として有望であることが示されている。電極材料は腫瘍の治療にも使用されており、病変部に電流又は機械的エネルギーを送達することで腫瘍細胞をアブレーションする。電極材料を使用したさらなる治療には、外部から誘発される薬物放出アプリケーションや、エレクトロポレーションによる薬物浸透に対する細胞の感受性を高める全身薬物送達治療などがある。腫瘍細胞の場合、このプロセスはケモエレクトロポレーションと呼ばれる。
【0003】
埋め込み型バイオエレクトロニクスは、人間の様々な症状に対する解決策を提供するが、電極埋め込みに関連する問題(例えば、電極埋め込みには侵襲的手術が必要である)、外部ハードウェア(電極や刺激制御装置など)による物理的な負担、又は組織と電極の硬さの不一致などのため、広く導入されていないものが多くある。埋め込み型電極の場合、目的の場所にデバイスを埋め込むために侵襲的な手術が必要であり、これには回復に長い時間がかかることがある。同様に、多くの金属ベースの電極はマトリックスの硬さの不一致に直面しており、患者に不快感や瘢痕を残す可能性がある。
【0004】
例えば、外部に適用される電極は、電極を装着している間だけでなく治療期間中も患者にとって不快であり、目に見えるワイヤやデバイスを長時間装着することは不便である。この不快感は、電極の近くに埋め込まれ、交換のためにフォローアップの診察が必要になる可能性のある有線電源、又は体外に配置されるが治療中に患者が有線電源を携帯する必要がある有線電源を必要とする生体電極システムでは、より大きな懸念事項になる。
【0005】
したがって、これらの種類の治療の臨床的関連性を高めるために、ワイヤレスで電力を供給でき、最小限の侵襲で送達できる生体適合性電極材料に対する需要が存在する。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、埋め込み型バイオエレクトロニクスを提供する。
一実施形態では、本開示は、圧電ナノ粒子、1つ以上のポリマー、及び脱イオン水を含む圧電性シアシニング組成物に関する。
【0007】
一実施形態では、前記組成物は約0.1%~約50%(w/w)の圧電ナノ粒子を含む。
一実施形態では、前記圧電ナノ粒子は、合成(ラポナイト)及び天然(ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト-スメクタイト)ナノクレイ、石英、酸化亜鉛ナノ粒子、窒化アルミニウムからなる群から選択される。
【0008】
一実施形態では、前記組成物は約0.5%~約20%(w/w)の1つ以上のポリマーを含む。
一実施形態では、前記ポリマーは、ゼラチン、コラーゲン、キトサン、シルク、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(l)乳酸(PLLA)、ポリ(d)乳酸(PLDA)、セルロース、アルギン酸塩、アガロース、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレングリコール(PEG)、リグニン、ケラチン、及びポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される。
【0009】
一実施形態では、前記組成物は、タンタル、タングステン、及びイオヘキソールからなる群から選択される造影剤を含む。
一実施形態では、前記組成物の貯蔵弾性率(G’)は約1kPa~約40kPaである。
【0010】
一実施形態では、前記組成物をそれを必要とする患者に経皮又は血管投与した後、投与された組成物を外部刺激にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される。
一実施形態では、前記組成物の前記誘導電圧は約0.01V~約10,000Vである。
【0011】
一実施形態では、前記外部刺激は、超音波刺激、無線周波数刺激、及びマイクロ波刺激から選択される。
一実施形態では、前記組成物を約20kHz~約20MHzの超音波周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される。
【0012】
一実施形態では、前記組成物を約50MHz~約200MHzの無線周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される。
一実施形態では、前記組成物を約300MHz~約300GHzのマイクロ波周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される。
【0013】
一実施形態では、本開示は、複数の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズに関するものであり、前記マイクロゲル又はマイクロビーズは、圧電ナノ粒子と、1つ以上のポリマーとを含む。
【0014】
一実施形態では、前記マイクロゲル又はマイクロビーズの平均粒径は約50ミクロン~約1000ミクロンである。
一実施形態では、前記マイクロゲル又はマイクロビーズは、約0.1%~約50%(w/w)の圧電ナノ粒子を含む。
【0015】
一実施形態では、前記圧電ナノ粒子は、合成(ラポナイト)及び天然(ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト-スメクタイト)ナノクレイ、石英、酸化亜鉛ナノ粒子、窒化アルミニウムからなる群から選択される。
【0016】
一実施形態では、前記マイクロゲル又はマイクロビーズは、約0.5%~約20%(w/w)の1つ以上のポリマーを含む。
一実施形態では、ポリマーは、ゼラチン、コラーゲン、キトサン、シルク、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(l)乳酸(PLLA)、ポリ(d)乳酸PLDA、セルロース、アルギン酸塩、アガロース、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレングリコール(PEG)、リグニン、ケラチン、及びポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される。
【0017】
一実施形態では、前記圧電マイクロゲル又はマイクロビーズは、タンタル、タングステン、及びイオヘキソールからなる群から選択される造影剤をさらに含む。
一実施形態では、前記マイクロスフェア又はマイクロビーズをそれを必要とする患者に経皮又は血管投与した後、投与された組成物を外部刺激にさらすと、前記マイクロスフェア又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される。
【0018】
一実施形態では、前記マイクロゲル又はマイクロビーズの前記誘導電圧は約0.01V~約10,000Vである。
一実施形態では、前記外部刺激は、超音波刺激、無線周波数刺激、及びマイクロ波刺激から選択される。
【0019】
一実施形態では、前記マイクロスフェア又はマイクロビーズを約20kHz~約20MHzの超音波周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される。
【0020】
一実施形態では、前記マイクロゲル又はマイクロビーズを約50MHz~約200MHzの無線周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される。
【0021】
一実施形態では、前記マイクロゲル又はマイクロビーズを約300MHz~約300GHzのマイクロ波周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される。
【0022】
一実施形態では、本開示は、アブレーションによってがん又はがん性病変を治療する方法に関するものであり、前記方法は、(a)本明細書に記載の組成物又は本明細書に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えることを含む。
【0023】
一実施形態では、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズは、経カテーテル送達又は経皮注射によって投与される。
一実施形態では、前記外部刺激は、前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズが投与された領域に超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを適用することを含む。
【0024】
一実施形態では、本開示は神経刺激方法に関するものであり、前記方法は(a)本明細書に記載の組成物又は本明細書に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えることを含む。
【0025】
一実施形態では、本開示は疼痛管理の方法に関するものであり、前記方法は、(a)本明細書に記載の組成物又は本明細書に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えることを含む。
【0026】
一実施形態では、本開示は創傷治癒を促進する方法に関し、前記方法は、(a)本明細書に記載の組成物又は本明細書に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えることを含む。
【0027】
一実施形態では、本開示は心血管ペーシングの方法に関するものであり、前記方法は、(a)本明細書に記載の組成物又は本明細書に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えることを含む。
【0028】
一実施形態では、本開示は、単独で、又は化学療法剤と併用してエレクトロポレーションを行う方法に関するものであり、前記方法は、(a)本明細書に記載の組成物又は本明細書に記載のマイクロゲル又はマイクロビーズを治療有効量投与すること、及び(b)前記組成物、マイクロゲル、又はマイクロビーズから誘導電圧を提供するために外部刺激を与えることを含む。
【0029】
一実施形態では、前記外部刺激は、化学療法剤を含むカプセル化された治療剤の制御された放出を刺激する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態による、圧電ベースのバイオエレクトロニクスを送達する方法のフロー図を示す。
【
図1B】本開示の例示的な実施形態による圧電ベースのバイオエレクトロニクスの実装を示す。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、ラポナイト、ゼラチン、及び水を含む圧電ベースのバイオエレクトロニクスの3つの組成物における圧電効果の図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、ラポナイト、ゼラチン、及び水に基づく圧電ベースのバイオエレクトロニクスの3つの組成物の図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による、異なる量のタンタル造影剤を含む圧電ベースのバイオエレクトロニクスの3つの組成物の図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による、タンタル造影剤の量を変化させた組成物における圧電効果のグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
「1つ」という用語は、その実体の1つ以上を指す。つまり、複数の参照対象を指すことができる。したがって、本願では「1つ」、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は互換的に使用される。さらに、不定冠詞「1つ」による「1つの要素」の参照は、文脈上、要素が1つだけであることを明確に要求しない限り、複数の要素が存在する可能性を排除するものではない。
【0032】
本願全体を通じて、「約」という用語は、値に、その値を決定するために使用される装置又は方法に固有の誤差の変動、あるいは測定されているサンプル間に存在する変動が含まれることを示すために使用される。別途記載されている場合や文脈から明らかな場合を除き、「約」という用語は、報告された数値の上下10%以内を意味する(ただし、その数値が可能な値である100%を超える場合、又は0%を下回る場合を除く)。値の範囲又は一連の値と組み合わせて使用される場合、「約」という用語は、特に明記されていない限り、その範囲の端点又はその一連の列挙された各値に適用される。本願で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は同義語として使用される。
【0033】
患者に電気刺激又は他の治療価値及び/又は診断価値を提供することを目的とした従来の埋め込み型デバイスとは異なり、本開示は、臨床的関連性を高めるために最小限の侵襲性で送達されるデバイス、組成物、及び/又は材料を電気的に刺激する方法について説明する。そのようなデバイスは、本明細書では、「バイオエレクトロニクス」組成物又は「バイオエレクトロニクス」材料から構成される「バイオエレクトロニクス」デバイスとして互換的に記載される。
【0034】
電気刺激を生成する方法の1つは、圧電材料を使用することである。圧電材料は、機械的刺激(例えば、超音波圧力)に対して電荷又は電流を伴って反応する材料の一種である。無線周波数やマイクロ波などのエネルギー源を適用すると、この材料は機械的に変形する。この現象は、圧電材料を刺激するエネルギー源の周波数と振幅を調整することで利用でき、その結果、材料の部位で直接、電気的又は機械的な出力が得られる。これまで、圧電材料は、超音波、無線周波数、マイクロ波、その他の組織浸透刺激などの外部刺激を通じて電子機器をワイヤレスで起動する手段として利用されてきた。この特性は、圧電結晶の中心単位セルの対称性の欠如から生じ、機械的歪みに応じて不均一な電荷分布をもたらすことが示されている。残念ながら、最も一般的に使用されている圧電材料の多く(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛)は、この圧電材料の製造又は劣化によって生成される有毒な副産物の結果として、医療現場から除外されている。さらに、工業用圧電材料は、生物学的用途に転用する場合、サイズの制限、生物学的適合性、及び柔軟性の問題にも直面する。このため、圧電ベースのバイオエレクトロニクスデバイス用のポリマー、複合材料、ナノ構造材料などの鉛フリー圧電材料の研究が増加している。
【0035】
ハイドロゲルは粘弾性があるため、バイオエレクトロニクス用の従来の金属電極材料に代わる魅力的な代替品となる。したがって、ハイドロゲル電極は標的組織とより密接に統合され、不一致に関連する問題を軽減することができる。通常、ハイドロゲルは、貯蔵弾性率が人体の組織や器官の範囲内(<100kPa)にある柔らかい材料であるため、金属電極で見られる硬さによる瘢痕形成の問題を回避できる。圧電ハイドロゲルは、天然又は人工のバイオポリマーの階層構造及び/又はキラル構造を利用して、対称性の低い構造を形成し、圧電効果を生み出す。タンパク質などの生物学的に採取された材料は圧電効果を示す可能性があるが、これらの生体材料の多くは化学的架橋を受けるので、調整可能性と注入可能性が制限される。その結果、低侵襲アプローチによる送達能力が妨げられる。したがって、本開示に記載される組成物及び/又は材料は、以下に詳述されるように、従来の方法に比べて明らかな利点を提供する。
【0036】
本開示の組成物:
いくつかの実施形態では、本開示は、注入可能なバイオエレクトロニクスを作成するためのバイオエレクトロニクス組成物を提供し、それによって、低侵襲医療介入を可能にする。本開示のバイオエレクトロニクス組成物は、バイオエレクトロニクスシアシニングハイドロゲルであり得る。本開示のバイオエレクトロニクス組成物は、超音波、無線周波数、マイクロ波、又はその他の組織浸透刺激などの外部刺激の適用によってワイヤレスで通電される手段として圧電効果を使用する。
【0037】
バイオエレクトロニクス組成物は、圧電物質、担体、及び溶媒の混合物であり得る。前記混合物は、例えば、0.1%~50%の濃度の広範な圧電物質、0.5%~20%の濃度の広範な担体、及び残部の溶媒を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、圧電物質は、とりわけ、ラポナイト、帯電ナノケイ酸塩、石英、酸化亜鉛ナノ粒子、及び窒化アルミニウムであり得る。いくつかの実施形態では、前記担体はハイドロゲルであり得る。いくつかの実施形態では、前記担体は、とりわけ、ゼラチン、コラーゲン、キトサン、シルク、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(l)乳酸(PLLA)、ポリ(d)乳酸(PLDA)、セルロース、アルギン酸塩、アガロース、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレングリコール(PEG)、リグニン、ケラチン、及びポリビニルアルコール(PVA)などの少なくとも1つのポリマーであり得る。一例では、前記担体はゼラチンハイドロゲルである。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記組成物は、タンタル、タングステン、イオヘキソール、オムニパークなどの造影剤、又は類似の作用剤をさらに含み得る。
一実施形態によれば、前記バイオエレクトロニクス組成物はシアシニング組成物である。シアシニングとは、応力を受けると粘度が減少する流体の非ニュートン挙動である。言い換えれば、特定の力(つまり、せん断)がそのようなシアシニング流体に加えられると、流体はより容易に流れる。これにより、本開示のシアシニング組成物をカテーテル、経皮などを介して送達することが可能になる。
【0040】
さらに、バイオエレクトロニクス組成物は、埋め込んだ時にバイオエレクトロニクス組成物に近接する組織と同様の機械的特性を有し得る。例えば、バイオエレクトロニクス組成物の貯蔵弾性率(G’)は、1kPa~1MPaであり得る。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の貯蔵弾性率(G’)は、1kPa~100kPaであり得る。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の貯蔵弾性率(G’)は、1kPa~40kPaである。理解できるように、バイオエレクトロニクス組成物の機械的特性は、部分的には、埋め込まれたバイオエレクトロニクス組成物に近接すると予想される組織の予測される機械的特性によって決められる。
【0041】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の降伏応力は約1Paから約200Paである。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の降伏応力は約1Paから約100Paである。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の降伏応力は約2Paから約50Paである。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の降伏応力は約1Paから約25Paである。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の降伏応力は約1Paから約10Paである。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の降伏応力は約1Paから約5Paである。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、降伏応力よりも大きい圧力を加えると流動する。
【0042】
一実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の相転移特性は、とりわけ、バイオエレクトロニクス組成物中の成分の比率及び/又はバイオエレクトロニクス組成物の全固形分含有量によって決まる。成分の比率(例えば、反対に帯電したポリマー及びナノ粒子)は静電相互作用に影響を与える可能性がある。成分の比率と総固形分含有量の組み合わせによって、バイオエレクトロニクス組成物の粘弾性特性(例えば、せん断速度下での粘度の変化や回復/可逆性の程度)が決まる。
【0043】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物の大きさ及び形状は、バイオエレクトロニクス組成物の機械的特性及びその相転移特性を考慮して、成分の中でもとりわけ圧電物質、担体、及び溶媒の特定の混合物によって決定することができる。低せん断速度では、組成物は柔らかい固体として機能し、それぞれのせん断速度閾値を超えると、組成物は粘性流体として機能する。そのようなシアシニング挙動により、バイオエレクトロニクス組成物を注入可能にすることができる。固体は、所定の形状である場合もあれば、固体が存在する空間(すなわち、移植空間)の形状をとる場合もある。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、バイオエレクトロニクス組成物の大きさ及び形状は用途に応じて変化し得ることを認識しながら、バイオエレクトロニクス組成物が導入される体積によって定義されてもよい。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、マイクロゲル又はマイクロビーズとして構成され得る。マイクロゲル又はマイクロビーズは、より大きいバイオエレクトロニクス組成物と同じ組成を有してもよく、異なる組成であってもよいが(例えば、溶媒を除外するか、追加の成分を加えるなど)、直径50μm~1000μmのサイズを有し得る。マイクロゲル又はマイクロビーズの寸法を小さくすると、直径100μm~5mmの範囲の毛細血管への浸透が可能になる。
【0044】
本開示の組成物の使用方法:
本開示の実施形態は、バイオエレクトロニクス組成物として、低侵襲医療介入のための注入可能な種類の圧電性シアシニングハイドロゲルを提供する。バイオエレクトロニクス組成物(本明細書ではバイオエレクトロニクス材料とも呼ばれる)は、直接経皮注射又は経カテーテル血管経路を介するなど、様々な手段で埋め込むことができる。一例では、バイオエレクトロニクス組成物は、病変部(例えば、腫瘍)への直接経皮注射によって送達することができる。一例では、バイオエレクトロニクス組成物は経カテーテル血管経路を介して(例えば、塞栓物質として)送達される。
【0045】
本開示の実施形態は、バイオエレクトロニクス組成物に基づいて、カテーテルを介して、又は直接注射によって経皮的に治療部位に送達される圧電マイクロゲル又は圧電マイクロビーズの形成について記載している。そのようなアプローチにより、より深い浸透が可能になる。
【0046】
少なくとも本明細書で定義されるバイオエレクトロニクス組成物に基づくバイオエレクトロニクスデバイスは、経カテーテル送達又は経皮注射によって治療部位に直接送達することができる。バイオエレクトロニクスデバイスが標的領域に送達されると、超音波、無線周波数、マイクロ波、又はその他のエネルギー源を介して刺激され、治療される組織に電流が誘導される。外部に配置されたトランスデューサーを使用して、超音波、無線周波数、マイクロ波、又はその他のエネルギー場を圧電塞栓材料に送ることができる。
【0047】
図1Aは、本開示の例示的な実施形態に従って、バイオエレクトロニクスデバイス、バイオエレクトロニクス組成物、及び/又はバイオエレクトロニクス材料を送達する方法のフロー図を示す。明確にするために、バイオエレクトロニクス組成物を参照して、この方法を以下で説明する。
【0048】
図1Aは、バイオエレクトロニクス組成物が治療のために送達される実施形態に従った方法100のフロー図である。方法100のステップ101では、バイオエレクトロニクス組成物が準備される。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、圧電物質が担体内に均一に懸濁されるように混合することができる。これにより、混合物は、機械的又は電気的インパルスによって活性化されたときに、既知の量の電荷又は運動を生じるように使用できるようになる。この均一な懸濁を実現するために、様々な技術が使用され得る。いくつかの実施形態では、この均一な懸濁液を生成するために機械的な撹拌(例えば、振盪及び混合)が使用される。他の例では、遠心分離機又は渦流撹拌機が使用される。
【0049】
いくつかの実施形態では、方法100のステップ101で準備されたバイオエレクトロニクス組成物は、
図1Bに示すように、マイクロゲル又はマイクロビーズとして使用することを含む、様々な用途及び寸法上の制約に合わせて構成され得る。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、直径50ミクロンから10ミリメートルの範囲の管腔内に送達されるように構成され得る。
【0050】
方法100のステップ102では、バイオエレクトロニクス組成物を治療領域に送達することができる。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、混合物を治療部位に送達するように構成された針やカテーテルなどの送達デバイスを介して送達され得る。いくつかの実施形態では、針を治療部位まで進めることができ(例えば、経皮注射)、あるいは、カテーテルを血管系を通して治療部位への血管流入部の静脈又は動脈まで導くことができる。
【0051】
方法100のステップ103では、磁気共鳴画像法(MRI)、透視法、又は超音波などの医用画像診断法を使用して、方法100のステップ102での前進中又は注入中に送達デバイス及び/又はバイオエレクトロニクス組成物の位置を決定することができる(バイオエレクトロニクス組成物に造影剤が含まれている場合)。正確に配置されたら、混合物を治療部位に注入することができる。注入中及び注入後に、例えば腫瘍床における混合物の局所的な沈着を識別することができる。バイオエレクトロニクス組成物中に造影剤がない場合、バイオエレクトロニクス組成物の一部として注入された圧電物質は、電気的又は機械的刺激に応答して圧電物質によって生成されるフィードバックに基づいて局所沈着を識別するために使用できる。
【0052】
方法100のステップ104では、バイオエレクトロニクス組成物中の圧電物質が励起され、熱(RFインパルスなどの電気インパルスの適用による)又は電気(超音波などの機械的インパルスの適用による)が生成される。治療部位におけるバイオエレクトロニクス組成物の正確な位置により、励起のために適用されるエネルギーが局所領域にのみ影響を与えることができる。このようにして、超音波インパルスをバイオエレクトロニクス組成物に送達して電気を発生させ、バイオエレクトロニクス組成物が送達された場所の近くの領域を、それ自体では組織を損傷することなくアブレーションすることができる。同様に、RFインパルスなどの電磁インパルスを送達することで、圧電物質に機械的変形を引き起こし、組織自体に損傷を与えることなく、加熱によって組織をアブレーションすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物(すなわち、その中の圧電物質)は、求められている特定の臨床結果に応じて励起される。例えば、固形がんの場合、臨床的結果は腫瘍のアブレーションである場合がある。いくつかの実施形態では、がんの治療のための化学療法を伴う又は伴わないエレクトロポレーションが、バイオエレクトロニクス組成物中の圧電物質の励起によって実現され得る。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物中の圧電物質の励起により、とりわけ、神経刺激、疼痛管理、創傷治癒、心血管アプリケーション、及び薬物送達が可能になり得る。方法100のこのような実装については、本開示の残りの部分でさらに詳しく説明する。
【0054】
いくつかの実施形態では、通常利用可能な治療用超音波に対応する20kHz~20MHzの超音波周波数が外部から適用される。1000W/m2から100000W/m2までの超音波強度も使用され得る。無線周波数刺激の場合、無線周波数として分類される周波数の範囲に対応する50MHz~200MHzの周波数が使用され得る。マイクロ波刺激の場合、300MHz~300GHzの周波数が使用され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、時間領域における刺激の適用は、所与の実装に基づいて行われる。言い換えれば、ここで説明した方法の様々な用途は、刺激への様々な曝露から恩恵を受けることになる。一例として、刺激は、短いパルス、長いパルス、又はそれらの組み合わせであってもよい。当然ながら、そのような例は限定的なものではなく、特定の望ましい結果に応じて決定される。
【0056】
バイオエレクトロニクス組成物の外部刺激には、最大浸透深度に対応する周波数に応じて、皮膚近傍刺激(外部刺激から1cm未満)又は深部皮膚刺激(最大15cm)用の外部刺激デバイスを利用できる。これにより、皮膚の表面から約0.01cmから最大約25cmの間でバイオエレクトロニクス組成物を刺激することが可能になる。
【0057】
いくつかの実施形態では、外部刺激により、バイオエレクトロニクス組成物内に0.1V~10000Vの電圧を誘導することができる。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は2回~100回励起され、送達後最低24時間体内に留まるように構成することができる。刺激は、励起回数及び体内の滞留時間に関連するため、本開示の方法の特定の実施の要件に従って決定することができる。一実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、生体適合性、生体吸収性、又はそれらの組み合わせであり得る。バイオエレクトロニクス組成物の再吸収は、所望の期間にわたって治療効果を提供するために、特定の用途に合わせて調整することができる。
【0058】
方法100の105では、バイオエレクトロニクス組成物の励起がモニタリングされる。方法100のステップ104及び105は、十分な結果が得られるまで繰り返される場合がある。そのような十分な結果は、例えば医療専門家によって判断することができる。上記十分な結果とは、組織のアブレーションに関連する臨床結果であり得る。
【0059】
図2は、本開示の一実施形態による、例示的なバイオエレクトロニクス組成物の図である。
図2では、バイオエレクトロニクス組成物は、様々な量のラポナイト(すなわち合成ナノクレイ)、ゼラチン、及び水を含む。5NC85は、固形分5重量パーセントかつ総固形分の85%がナノクレイであるものに相当し、6NC85は、固形分6重量パーセントかつ総固形分の85%がナノクレイであるものに相当し、7NC85は、固形分7重量パーセントかつ総固形分の85%がナノクレイであるものに相当する。
【0060】
図3は、ラポナイト、ゼラチン、及び水の含有量が異なる3つのバイオエレクトロニクス組成物のグラフである。市販のソニック・ディスメンブレータを使用して20kHzの音波エネルギーを適用することにより、各バイオエレクトロニクス組成物内に電圧が生成された。励起は20秒ごとに15秒のパルスで適用された。結果は、各バイオエレクトロニクス組成物内で測定された電圧が、音波エネルギーが適用された期間中に上昇したことを示している。
【0061】
図4は、本開示の一実施形態による、例示的なバイオエレクトロニクス組成物の図である。
図4では、バイオエレクトロニクス組成物は、様々な量のラポナイト、ゼラチン、水、及び造影剤としてのタンタルを含んでいる。ドープされたナノクレイ組成物は7NC85であり、これは固形分7重量パーセントかつ総固形分の85%がナノクレイであるものに相当する。画像の左から右にかけて、タンタルが0%から20%、さらに30%に増加しており、各バイオエレクトロニクス組成物の色はこの変化を大まかに反映していることが分かる。
【0062】
図5は、様々な量のラポナイト、ゼラチン、水、及び造影剤としてのタンタルを含む2つのバイオエレクトロニクス組成物のグラフである。理解できるように、20kHzの音波エネルギーを適用している間、バイオエレクトロニクス組成物内に電圧が誘導される。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のバイオエレクトロニクス組成物は、腫瘍のアブレーションを含むがこれに限定されない、がん及びがん性病変の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍アブレーションは、電極を含むバイオエレクトロニクスデバイスによって、電流又は電荷の送達、腫瘍又は病変部の加熱、及び超音波又は高密度焦点式超音波からの音波エネルギーを含む機械的エネルギーの適用を介して開始される。典型的には、腫瘍治療の標準治療には、病変部の直接切除又は化学療法を含む化学的治療が含まれる。腫瘍切除に適さない腫瘍に対する追加の治療法には、熱アブレーション(例えば、マイクロ波アブレーション、高周波アブレーション)が含まれる。
【0064】
それぞれの治療には、治療部位の周囲の非腫瘍組織への損傷など、欠点が伴う。例えば、周囲に健康な組織や重要な静脈や管(門脈、胆管など)が存在する場合、臨床医が腫瘍に直接、治療レベルで超音波、無線周波数、又はマイクロ波のエネルギーを正確に送達することは困難な場合がある。注入可能なバイオエレクトロニクス組成物を送達すると、アブレーションエネルギーをがん組織に集中させ、周囲の組織への損傷を制限することができる。いくつかの方法には、超音波、高密度焦点式超音波、又は無線周波数などの外部刺激による無線電気刺激が含まれる。圧電物質ベースのバイオエレクトロニクス組成物の存在により、この領域の導電性が増大するか、又は電流が直接流れることによって、これらのエネルギー源が治療領域に集中する。さらに、バイオエレクトロニクス組成物の使用により、閾値下のエネルギーレベルの使用が可能になり、ここでの閾値とは、組織損傷が本質的に発生するポイントである。
【0065】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物をエレクトロポレーションに使用することができる。この治療では、圧電物質ベースのバイオエレクトロニクス組成物によって誘発される電気刺激は、細胞膜の透過性を高めるのに十分な大きさである。臨床応用には良性腫瘍、前悪性腫瘍、又は悪性腫瘍の治療が含まれる。いくつかの実施形態では、この処理は、アポトーシス、壊死、ネクロプトーシス、及びピロトーシスを介して細胞死を直接誘導することができる。いくつかの実施形態では、この治療はケモエレクトロポレーションに使用され、この治療は、典型的な全身化学療法又は免疫療法の薬物送達に対して反応を示さないか、又は反応が乏しい患者に使用される治療である。この反復(iteration)では、バイオエレクトロニクス組成物は、電流を導入して薬剤が細胞膜に侵入しやすくすることで、細胞質への化学療法薬又は免疫療法薬の送達を助ける。この技術は、タイトジャンクションの破壊及び/又は小胞輸送による細胞間通過の促進によって血液脳関門を開くのを助けることにより、脳への薬物送達をさらに強化することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、器官未満の組織において電流を介して非侵襲的に神経刺激を与えるために使用され得る。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、特定の深部皮質下、皮質、脊髄、頭蓋、及び末梢神経構造を標的として神経活動を調節し、無数の神経精神疾患に対する治療効果をもたらすために使用される。対象となる神経組織には、とりわけ迷走神経刺激(関節リウマチやクローン病の治療に使用される)、脾臓神経刺激(内毒素血症の治療に使用される)、坐骨神経刺激などが含まれるが、これらに限定されない。この目的のために、いくつかの実施形態では、外部刺激(例えば、超音波)によって電流が生成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は疼痛管理を助けるために使用され得る。経皮的に神経に電気刺激を与える方法は、長年にわたり疼痛管理に使用されてきた。この方法では、電極を外部から適用して電気刺激を与え、複雑な神経ネットワークを活性化することで痛みを軽減する。このように外部に配置すると、より正確で精密な治療を行うために痛みの特定の領域を標的にすることが難しくなる可能性がある。経皮的電気神経刺激により、治療対象部位の痛みを直接治療することができる。この実施形態では、本開示のバイオエレクトロニクス組成物が経皮的に治療部位に送達され、外部刺激が神経経路の興奮のために適用され、下行性抑制系が活性化されて、疼痛が軽減される。
【0068】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は創傷治癒を助けるために使用することができる。電気刺激は、慢性又は糖尿病の創傷患者の創傷治癒を助けたり、促進したりする効果が期待できることが示されている。創傷には、損傷後の細胞の移動を助ける内因性の電界があり、この電界の強さによってリンパ球、線維芽細胞、マクロファージ、及びケラチノサイトの移動が促進されることが分かっている。一部の慢性創傷では、これらの電界が存在しないか乱れているため、患者が標準的な創傷治療に適切に反応しないことがある。これに対応して、研究者たちは、外部から電極を当てて外因性の電界刺激を与え、創傷治癒を促進し、強化する方法を研究してきた。本開示に関して、本明細書に記載される圧電物質ベースのバイオエレクトロニクス組成物は、この外因性電界を導入し、細胞の移動を刺激し、創傷治癒反応を強化するために使用することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、心血管アプリケーションに使用され得る。心臓ペースメーカーは、有線電子デバイスを使用して心臓信号をペーシングするために一般的に使用されている埋め込み型バイオエレクトロニクスである。心臓ペースメーカーのリードは、心臓再同期療法への反応の欠如、感染、破壊、脱落などの有害な影響と結び付けられてきた。その結果、ワイヤレス心臓ペーシング技術の必要性が生まれた。本開示は、心臓血管系の近く又は心臓血管系内の圧電ベースのバイオエレクトロニクスの周期的な刺激を通じて心臓のリズムをペーシングする能力を有する組成物について記載する。バイオエレクトロニクスデバイス内のバイオエレクトロニクス組成物を経血管的に送達する能力は、心臓への適用において侵襲性が最小限であるという追加の利点をもたらす。
【0070】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、カプセル化された薬物の送達を助けるために使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物はバイオエレクトロニクス組成物内に封入されており、薬物の放出は超音波、無線周波数、マイクロ波エネルギーなどの外部刺激の導入に対応している。この薬物送達方法は、薬物の送達と放出が特定の治療部位に向けられるため、全身送達すると毒性を示す薬物の場合に特に有利である。したがって、この技術は、全身投与の多くの有害な影響なしに化学療法剤の投与を助けることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、米国特許第10,034,958号に記載された組成物であり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、バイオエレクトロニクス組成物は、米国特許第11,083,780号に記載された組成物であり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
参照による組み込み
ここに引用されているすべての参考文献、論文、出版物、特許、特許公報、及び特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。ただし、ここで引用されている参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、特許出願に言及することは、それらが有効な先行技術を構成したり、世界のいずれかの国における一般的な常識の一部を形成したりすることを自認するもの、あるいは何らかの示唆をするものとして解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電ナノ粒子、
1つ以上のポリマー、及び
脱イオン水
を含む圧電性シアシニング組成物。
【請求項2】
約0.1%~約50%(w/w)の圧電ナノ粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記圧電ナノ粒子は、合成(ラポナイト)及び天然(ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト-スメクタイト)ナノクレイ、石英、酸化亜鉛ナノ粒子、窒化アルミニウムからなる群から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項4】
約0.5%~約20%(w/w)の1つ以上のポリマーを含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマーは、ゼラチン、コラーゲン、キトサン、シルク、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(l)乳酸(PLLA)、ポリ(d)乳酸(PLDA)、セルロース、アルギン酸塩、アガロース、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレングリコール(PEG)、リグニン、ケラチン、及びポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項6】
造影剤をさらに含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項7】
前記造影剤は、タンタル、タングステン、及びイオヘキソールからなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物の貯蔵弾性率(G’)は約1kPa~約40kPaである、請求項
1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物をそれを必要とする患者に経皮又は血管投与した後、投与された前記組成物を外部刺激にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項
1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の前記誘導電圧は約0.01V~約10,000Vである、請求項
9に記載の組成物。
【請求項11】
前記外部刺激は、超音波刺激、無線周波数刺激、及びマイクロ波刺激から選択される、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物を約20kHz~約20MHzの超音波周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物を約50MHz~約200MHzの無線周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物を約300MHz~約300GHzのマイクロ波周波数にさらすと、前記組成物から誘導電圧が提供される、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
複数の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズであって、
圧電ナノ粒子、及び
1つ以上のポリマー
を含む、圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項16】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズの平均粒径は約50μm~約1000μmである、請求項15に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項17】
約0.1%~約50%(w/w)の圧電ナノ粒子を含む、請求項1
5に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項18】
前記圧電ナノ粒子は、合成(ラポナイト)及び天然(ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト-スメクタイト)ナノクレイ、石英、酸化亜鉛ナノ粒子、窒化アルミニウムからなる群から選択される、請求項1
5に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項19】
約0.5%~約20%(w/w)の1つ以上のポリマーを含む、請求項1
5に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項20】
前記ポリマーは、ゼラチン、コラーゲン、キトサン、シルク、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(l)乳酸(PLLA)、ポリ(d)乳酸PLDA、セルロース、アルギン酸塩、アガロース、デンプン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレングリコール(PEG)、リグニン、ケラチン、及びポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される、請求項1
5に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項21】
造影剤をさらに含む、請求項1
5に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項22】
前記造影剤は、タンタル、タングステン、及びイオヘキソールからなる群から選択される、請求項21に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項23】
前記マイクロスフェア又はマイクロビーズをそれを必要とする患者に経皮又は血管投与した後、投与された組成物を外部刺激にさらすと、前記マイクロスフェア又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項1
5に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項24】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズの前記誘導電圧は約0.01V~約10,000Vである、請求項
23に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項25】
前記外部刺激は、超音波刺激、無線周波数刺激、及びマイクロ波刺激から選択される、請求項23又は24に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項26】
前記マイクロスフェア又はマイクロビーズを約20kHz~約20MHzの超音波周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項25に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項27】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズを約50MHz~約200MHzの無線周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項25に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【請求項28】
前記マイクロゲル又はマイクロビーズを約300MHz~約300GHzのマイクロ波周波数にさらすと、前記マイクロゲル又はマイクロビーズから誘導電圧が提供される、請求項25に記載の圧電マイクロゲル又はマイクロビーズ。
【国際調査報告】