(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電池パックおよびそれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/211 20210101AFI20240905BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240905BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240905BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240905BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20240905BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20240905BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240905BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240905BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240905BHJP
H01M 10/627 20140101ALI20240905BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240905BHJP
H01M 10/647 20140101ALN20240905BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/262 Z
H01M50/264
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/6554
H01M10/653
H01M50/588
H01M50/593
H01M10/625
H01M10/627
H01M50/244 A
H01M10/647
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515899
(86)(22)【出願日】2023-03-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 KR2023003319
(87)【国際公開番号】W WO2023172106
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0030046
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0031250
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン・ウォン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンキ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ウナ・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・タンネンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ハラストージ
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE04
5H031KK01
5H031KK08
5H040AA01
5H040AA28
5H040AS01
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC59
5H040LL06
5H040NN03
5H043AA05
5H043AA09
5H043BA19
5H043CA08
5H043KA45
5H043KA45F
(57)【要約】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セル積層体の両側面に位置する第1サイドプレートおよび第2サイドプレートおよび前記電池セル積層体の上部と下部に配置されて前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートを連結する連結部材を含む電池モジュール;前記電池モジュールを収納するパックトレー;および内部に冷媒が流れる少なくとも一つの冷却部を含むヒートシンクを含む。前記ヒートシンクは、前記電池モジュールの上部に位置する上部ヒートシンクまたは前記電池モジュールの下部に位置する下部ヒートシンクのうち少なくとも一つを含む。前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは前記パックトレーに固定される。前記上部ヒートシンクの前記冷却部は前記電池モジュールの上部で前記連結部材の一側に位置し、前記下部ヒートシンクの前記冷却部は、前記電池モジュールの下部で前記連結部材の一側に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体の側面それぞれに位置する第1サイドプレートおよび第2サイドプレートと、前記電池セル積層体の上部および下部に配置された連結部材であって、前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートを連結する前記連結部材と、を含む電池モジュール;
前記電池モジュールを収納するパックトレー;ならびに
冷媒が流れる際に通過する少なくとも一つの冷却部を含むヒートシンク;
を含む電池パックであって、
前記ヒートシンクは、前記電池モジュールの上部に位置する上部ヒートシンクおよび前記電池モジュールの下部に位置する下部ヒートシンクのうち少なくとも一つを含み、
前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは、前記パックトレーに固定され、
前記上部ヒートシンクの前記冷却部は、前記電池モジュールの上部において前記連結部材の一側に位置し、前記下部ヒートシンクの前記冷却部は、前記電池モジュールの下部において前記連結部材の一側に位置する、電池パック。
【請求項2】
複数の前記連結部材は、前記電池セル積層体の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に設けられ、
前記連結部材は、前記電池セルが積層される積層方向と垂直な方向に沿って互いに離隔して位置する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記冷却部は、互いに離隔した前記連結部材同士の間の空間に配置される、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記連結部材は、前記電池セル積層体の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に単独で設けられる、請求項1に記載の電池パック。
【請求項5】
前記電池モジュールは複数で構成され、
少なくとも2個の電池モジュールは、前記電池セルが積層される積層方向に沿って配置される、請求項1に記載の電池パック。
【請求項6】
前記冷却部は、いずれか一つの電池モジュールの前記連結部材の一側を通過して、前記いずれか一つの電池モジュールと隣り合う他の電池モジュールの前記連結部材の一側を通過する、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記冷却部は、一方向に沿って延びる第1冷却部および第2冷却部を含み、
前記上部ヒートシンクおよび前記下部ヒートシンクそれぞれは、前記第1冷却部と連結されて冷媒が流入する流入部、前記第2冷却部と連結されて冷媒が排出される排出部、および前記第1冷却部と前記第2冷却部を連結する連結部をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記冷媒は、前記流入部、前記第1冷却部、前記連結部、前記第2冷却部、および前記排出部に沿って流れ、循環構造を形成する、請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記一方向は、前記電池セルが積層される積層方向と平行な方向である、請求項7に記載の電池パック。
【請求項10】
前記電池モジュールを基準として、前記流入部と前記排出部が同じ側に位置し、前記連結部は前記流入部および前記排出部と反対側に位置する、請求項7に記載の電池パック。
【請求項11】
前記電池モジュールは、前記冷却部と前記電池セル積層体との間に位置するサーマルレジン層をさらに含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項12】
前記サーマルレジン層は、前記上部ヒートシンクの前記冷却部と前記電池セル積層体との間に位置する上部サーマルレジン層および前記下部ヒートシンクの前記冷却部と前記電池セル積層体との間に位置する下部サーマルレジン層のうち少なくとも一つを含む、請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートそれぞれは、前記電池セル積層体の最外側電池セルを支持し、前記パックトレーの底部と垂直な形状に配置される支持部および前記支持部の一面と垂直な方向に突出する固定部を含み、
前記固定部が前記パックトレーに固定される、請求項1に記載の電池パック。
【請求項14】
前記パックトレーは、前記パックトレーの前記底部の上面に配置された取付ビームを含み、
前記固定部が前記取付ビームに固定される、請求項13に記載の電池パック。
【請求項15】
前記電池セル積層体は、第1電池セル積層体および第2電池セル積層体を含み、
前記第1電池セル積層体および前記第2電池セル積層体は、前記電池セルが積層される積層方向と垂直な方向に沿って離隔して配置される、請求項1に記載の電池パック。
【請求項16】
前記第1サイドプレートは、前記第1電池セル積層体の一側面および前記第2電池セル積層体の一側面のすべてをカバーするように延び、
前記第2サイドプレートは、前記第1電池セル積層体の他側面および前記第2電池セル積層体の他側面のすべてをカバーするように延びる、請求項15に記載の電池パック。
【請求項17】
前記第1電池セル積層体と前記第2電池セル積層体との間に位置する絶縁プレートをさらに含む、請求項15に記載の電池パック。
【請求項18】
前記上部ヒートシンクおよび前記下部ヒートシンクそれぞれは、複数の冷却部を含み、
前記上部ヒートシンクの前記冷却部は、前記第1電池セル積層体の上部および前記第2電池セル積層体の上部で前記連結部材の一側または両側に配置され、
前記下部ヒートシンクの前記冷却部は、前記第1電池セル積層体の下部および前記第2電池セル積層体の下部で前記連結部材の一側または両側に配置される、請求項15に記載の電池パック。
【請求項19】
前記電池セルが前記第1サイドプレートから前記第2サイドプレートまで一方向に沿って積層され、
隣り合う前記電池セル同士の間、最外側の前記電池セルのうち一つと前記第1サイドプレートとの間または最外側の前記電池セルのうち他の一つと前記第2サイドプレートとの間のうち少なくとも一ヶ所に圧縮パッドが介在し、
EOL(End of Life)状態において、前記電池セルが積層される方向の変形率が12%以下であり、前記電池セルに印加される面圧が0.9MPa以下である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項20】
前記電池モジュールのモジュール剛性曲線が、0.00417以上かつ0.225以下の傾き(MPa/%)の範囲で算出され、
前記電池モジュールのモジュール剛性曲線は、前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートの変形率と前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートに印加される面圧との間の関係に対応する、請求項19に記載の電池パック。
【請求項21】
前記電池モジュールのモジュール剛性曲線は、前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートのフレーム剛性曲線に、前記圧縮パッドに印加される面圧に対して前記圧縮パッドが圧縮される程度および前記圧縮パッドの個数を反映して導き出される、請求項19に記載の電池パック。
【請求項22】
請求項1による電池パックを少なくとも一つ含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2022年3月10日付韓国の特許出願第10-2022-0030046号および2023年3月9日付韓国の特許出願第10-2023-0031250号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国の特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池パックおよびそれを含むデバイスに関し、より具体的には冷却性能が向上した電池パックおよびそれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれて、前記のようなモバイル機器と関連する分野の技術に対する開発が活発に進められている。また、充放電が可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられるため、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、その中でリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギ密度が高い長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体および電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースを備える。
【0006】
一般にリチウム二次電池は外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に組み込まれている缶型二次電池と電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに組み込まれているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BDU(Battery Disconnect Unit)、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0008】
電池パックを構成する時、電池モジュールを先に構成し、このような電池モジュールにBDU(Battery Disconnect Unit)、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムを追加して電池パックを構成することが一般的な方法である。従来の電池パックの場合、電池モジュールをパックトレーのようなハウジング構造物に配置して製造し、このような電池パックを自動車などに取り付ける。
【0009】
二次電池は、適正温度より高まる場合、二次電池の性能が低下し得、はなはだしい場合は爆発や発火の危険性もある。特に、多数の二次電池、すなわち電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合わさって温度が急速かつ過度に上昇し得る。言い換えれば、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが取り付けられた電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱がきちんと行われない場合は電池セルの劣化が早くなることにより寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0010】
さらに、車両用電池パックに含まれる電池モジュールの場合、直射日光に頻繁に露出され、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれることもある。したがって、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定かつ効率的な冷却性能を確保することは非常に重要であると言える。電池モジュールや電池パックの冷却方法は、大きく冷却水などの冷媒を活用した水冷式と冷却風を活用した空冷式に区分することができる。その中でも水冷式冷却は、冷却性能に優れるため、大容量の電池モジュールや電池パックで発生する高い熱を効果的に冷却することができる。
【0011】
最近では、エネルギ密度を高め、かつ軽量化することにより全体重量を減らすことができると共に、水冷式冷却構造を効果的に配置して冷却性能を極大化できる電池パック構造に対する必要性が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、エネルギ密度を高め、軽量化が可能であり、制限された空間で冷却性能を高められる電池パックおよびそれを含むデバイスを提供することにある。
【0013】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セル積層体の両側面に位置する第1サイドプレートおよび第2サイドプレートおよび前記電池セル積層体の上部と下部に配置されて前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートを連結する連結部材を含む電池モジュール;前記電池モジュールを収納するパックトレー;および内部に冷媒が流れる少なくとも一つの冷却部を含むヒートシンクを含む。前記ヒートシンクは、前記電池モジュールの上部に位置する上部ヒートシンクまたは前記電池モジュールの下部に位置する下部ヒートシンクのうち少なくとも一つを含む。前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは前記パックトレーに固定される。前記上部ヒートシンクの前記冷却部は、前記電池モジュールの上部で前記連結部材の一側に位置し、前記下部ヒートシンクの前記冷却部は、前記電池モジュールの下部で前記連結部材の一側に位置する。
【0015】
複数の前記連結部材は、前記電池セル積層体の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に複数で設けられ得る。前記連結部材は前記電池セルが積層される積層方向と垂直な方向に沿って互いに離隔して位置し得る。
【0016】
前記冷却部は、互いに離隔した前記連結部材の間同士の空間に配置され得る。
【0017】
前記連結部材は、前記電池セル積層体の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に単独で設けられ得る。
【0018】
前記電池モジュールは複数で構成され得、少なくとも2個の電池モジュールは、前記電池セルが積層される積層方向に沿って配置され得る。
【0019】
前記冷却部は、いずれか一つの電池モジュールの前記連結部材の一側を通過して、前記いずれか一つの電池モジュールと隣り合う他の電池モジュールの前記連結部材の一側を通過し得る。
【0020】
前記冷却部は、一方向に沿って延びる第1冷却部および第2冷却部を含み得る。前記上部ヒートシンクおよび前記下部ヒートシンクそれぞれは、前記第1冷却部と連結されて冷媒が流入する流入部、前記第2冷却部と連結されて冷媒が排出される排出部および前記第1冷却部と前記第2冷却部を連結する連結部をさらに含み得る。
【0021】
前記冷媒は、前記流入部、前記第1冷却部、前記連結部、前記第2冷却部および前記排出部に沿って流れ、循環構造を形成し得る。
【0022】
前記一方向は、前記電池セルが積層される積層方向と平行な方向であり得る。
【0023】
前記電池モジュールを基準として、前記流入部と前記排出部が同じ側に位置し得、前記連結部は前記流入部および前記排出部と反対側に位置し得る。
【0024】
前記電池モジュールは、前記冷却部と前記電池セル積層体の間に位置するサーマルレジン層をさらに含み得る。
【0025】
前記サーマルレジン層は、前記上部ヒートシンクの前記冷却部と前記電池セル積層体との間に位置する上部サーマルレジン層および前記下部ヒートシンクの前記冷却部と前記電池セル積層体との間に位置する下部サーマルレジン層のうち少なくとも一つを含み得る。
【0026】
前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートそれぞれは、前記電池セル積層体の最外側電池セルを支持し、前記パックトレーの底部と垂直な形状に配置される支持部および前記支持部の一面と垂直な方向に突出する固定部を含み得る。前記固定部が前記パックトレーに固定され得る。
【0027】
前記パックトレーは、前記パックトレーの前記底部の上面に配置された取付ビームを含み得、前記固定部が前記取付ビームに固定され得る。
【0028】
前記電池セル積層体は、第1電池セル積層体および第2電池セル積層体を含み得、前記第1電池セル積層体と前記第2電池セル積層体は、前記電池セルが積層される積層方向と垂直な方向に沿って離隔して配置され得る。
【0029】
前記第1サイドプレートは、前記第1電池セル積層体の一側面と前記第2電池セル積層体の一側面をすべてカバーするように延び得る。前記第2サイドプレートは、前記第1電池セル積層体の他側面と前記第2電池セル積層体の他側面をすべてカバーするように延び得る。
【0030】
前記電池モジュールは、前記第1電池セル積層体と前記第2電池セル積層体の間に位置する絶縁プレートをさらに含み得る。
【0031】
前記上部ヒートシンクと前記下部ヒートシンクは、それぞれ複数の冷却部を含み得る。前記上部ヒートシンクの前記冷却部は、前記第1電池セル積層体の上部と前記第2電池セル積層体の上部で前記連結部材の一側または両側に配置され得る。前記下部ヒートシンクの前記冷却部は、前記第1電池セル積層体の下部と前記第2電池セル積層体の下部で前記連結部材の一側または両側に配置され得る。
【0032】
前記電池セルが前記第1サイドプレートから前記第2サイドプレートまで一方向に沿って積層され得る。隣り合う前記電池セルの間、最外側の前記電池セルのうち一つと前記第1サイドプレートの間または最外側の前記電池セルのうち他の一つと前記第2サイドプレートの間のうち少なくとも一ヶ所に圧縮パッドが介在し得る。EOL(End of Life)状態において、前記電池セルが積層される方向の変形率が12%以下であり、前記電池セルに印加される面圧が0.9MPa以下であり得る。
【0033】
前記電池モジュールのモジュール剛性曲線が、0.00417以上かつ0.225以下の傾き(MPa/%)の範囲で算出され、前記電池モジュールのモジュール剛性曲線は、前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートの変形率と前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートに印加される面圧の間の関係に対応し得る。
【0034】
前記電池モジュールのモジュール剛性曲線は、前記第1サイドプレートおよび第2サイドプレートのフレーム剛性曲線に、前記圧縮パッドに印加される面圧に対して前記圧縮パッドが圧縮される程度および前記圧縮パッドの個数を反映して導き出され得る。
【0035】
本発明の一実施形態によるデバイスは前記電池モジュールを少なくとも一つ含み得る。
【発明の効果】
【0036】
本発明の実施形態によれば、モジュール構造が簡素化されて重量当たりのエネルギ密度が向上して軽量化が可能な電池パックおよびそれを含むデバイスを提供することができる。
【0037】
また、簡素化されたモジュール構造に合わせて、制限された上と下の空間に上部ヒートシンクおよび下部ヒートシンクを配置して冷却性能を高めることができる。
【0038】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の一実施形態による電池パックに含まれる電池モジュールを示す斜視図である。
【
図2】
図1の電池モジュールに対する分解斜視図である。
【
図3】
図2の電池モジュールに含まれた電池セルのうち一つを示す側面図である。
【
図4】
図2の電池モジュールに含まれたサイドプレートを示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による電池パックに含まれる電池モジュール、サーマルレジン層、上部ヒートシンクおよび下部ヒートシンクを示す斜視図である。
【
図6】
図5の切断線A-A’に沿って切断した断面を概略的に示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による上部ヒートシンクを示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態による電池パックを示す平面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。
【
図10】本実施形態による電池パックでの、電池モジュールをパックトレーに固定する方式を示す部分斜視図である。
【
図11】本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図14】本発明の他の一実施形態による電池モジュールにヒートシンクが配置された様子を示す斜視図である。
【
図16】本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図17】本発明の一実施形態による電池モジュールに対するモジュール剛性曲線と電池セル積層体のP-D曲線を示すグラフである。
【
図18】本発明の一実施形態による電池モジュールに対するモジュール剛性曲線と電池セル積層体のP-D曲線を示すグラフである。
【
図19】本発明の一実施形態による電池モジュールに対するモジュール剛性曲線と電池セル積層体のP-D曲線を示すグラフである。
【
図20】本発明の一実施形態による電池モジュールのモジュール剛性曲線の範囲を示すグラフである。
【
図21】単一の電池セルに対するP-D曲線を示すグラフである。
【
図22】単一の電池セルに対するP-D曲線と電池セル積層体のP-D曲線を示すグラフである。
【
図23】本発明による実施形態1~実施形態4に対するモジュール剛性曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限られない。
【0041】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0042】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限られない。図面では複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして図面では、説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0043】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0044】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0045】
また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見たときを意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときを意味する。
【0046】
図1は本発明の一実施形態による電池パックに含まれる電池モジュールを示す斜視図である。
図2は
図1の電池モジュールに対する分解斜視図である。
図3は
図2の電池モジュールに含まれた電池セルのうち一つを示す側面図である。
【0047】
図1~
図3を参照すると、本発明の一実施形態による電池パックは、電池モジュール100;電池モジュールを収納するパックトレー;および内部に冷媒が流れる少なくとも一つの冷却部を含むヒートシンク;を含む。ヒートシンクは、電池モジュールの上部に位置する上部ヒートシンクまたは前記電池モジュールの下部に位置する下部ヒートシンクのうち少なくとも一つを含む。パックトレーについては
図8および
図9とともに後述し、上部ヒートシンクと下部ヒートシンクについては
図5~
図7と共に後述する。
【0048】
再び
図1~
図3を参照すると、電池パックに含まれる電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120、電池セル積層体120の両側面に位置する第1サイドプレート210および第2サイドプレート220および電池セル積層体120の上部と下部に配置されて第1サイドプレート210および第2サイドプレート220を連結する連結部材600を含む。
【0049】
まず、電池セル110はパウチ型電池セルであり得る。このようなパウチ型電池セルは、樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに電極組立体を収納した後、前記パウチケースの外周部を接着して形成することができる。このような電池セル110は長方形シート構造で形成することができる。具体的には、本実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111,112が互いに対向して電池本体113の一端部114aと他端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。電池セル110は、電池ケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態で電池ケース114の一端部114aおよび他端部114bとこれらを連結する一側部114cを接着することにより製造することができる。換言すれば、本発明の一実施形態による電池セル110は、総3ケ所のシーリング部を有し、シーリング部は融着などの方法でシーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなる。
【0050】
ただし、上で説明した電池セル110は例示的構造であり、2個の電極リードが同じ方向に突出した単方向電池セルも可能であることはもちろんである。
【0051】
このような電池セル110は複数で構成され、複数の電池セル110は互いに電気的に接続されるように積層されて電池セル積層体120を形成する。特に、
図2に図示のようにy軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層されることができる。電池ケース114は一般に樹脂層/金属箔膜層/樹脂層のラミネート構造で形成されている。例えば、電池ケース表面がO(oriented)-ナイロン層で形成されている場合には、中大型電池モジュールを形成するために多数の電池セルを積層するとき、外部衝撃によって容易に滑る傾向がある。したがって、これを防止し、電池セルの安定した積層構造を維持するために、電池ケースの表面に両面テープなどの粘着式接着剤または接着時の化学反応によって結合される化学接着剤などの接着部材を付着して電池セル積層体120を形成することができる。
【0052】
図4は
図2の電池モジュールに含まれた第1サイドプレートを示す斜視図である。
【0053】
図2および
図4を参照すると、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は、電池セル積層体120を支持できるように、それぞれ電池セル積層体120の両側面に位置する。より具体的には、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は、複数の電池セル110が積層される方向、すなわち
図2でy軸と平行な方向の両側面にそれぞれ位置し得る。
図4には第1サイドプレート210のみを示したが、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は互いに同一であるが、対称形状の構成であり得る。
【0054】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体120の上側および下側にそれぞれ位置し、第1サイドプレート210と前記第2サイドプレート220を連結する連結部材600を含む。
【0055】
本実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体120がモジュールハウジングに収納および密閉される形態でなく、電池セル積層体120の両側面に第1サイドプレート210と第2サイドプレート220を配置し、連結部材600により第1サイドプレート210と第2サイドプレート220を固定する構成を有することができる。すなわち、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールハウジングの構造が従来に比べて簡素化された形状であり、密閉されたモジュールハウジングを有さず直接電池パックに取り付けられる。電池パックに取り付けられる形態は
図8および
図9とともに後述する。したがって、本実施形態では、モジュールハウジング構造を省略して後述する電池パック単位での空間活用性を高め、全体のエネルギ密度の向上および軽量化が可能である。
【0056】
本実施形態による連結部材600は、金属バンド形態の部材であり得る。より具体的には、連結部材600は弾性材質の金属素材を含むバンド形態であり得る。
【0057】
連結部材600は、電池セル積層体120の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に複数または単独で設けられる。一例として、複数の連結部材600が、電池セル積層体120の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に設けられることができる。
図2には、複数の連結部材600が、電池セル積層体120の上側と下側の両方に設けられることが示されている。このような、連結部材600が一定間隔で互いに離隔し、電池セル積層体120の上部および下部それぞれに位置することができる。一例として、
図2には電池セル積層体120の上側と下側それぞれに3個の連結部材600が配置されていることが示されている。
【0058】
連結部材600は、上述したように、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220を連結する部材であるため、第1サイドプレート210から第2サイドプレート220までの方向、すなわち電池セル110の積層方向に沿って連なる形状であり得る。換言すれば、連結部材600はy軸方向と平行な方向に沿って延び、一端部は第1サイドプレート210と連結され、他端部は第2サイドプレート220と連結されることができる。このような連結部材600は、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に溶接の方法で固定することができる。
【0059】
具体的に示していないが、本発明の他の一実施形態で、連結部材は、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220と締結される長ボルト部材であり得る。すなわち、連結部材が第1サイドプレート210および第2サイドプレート220と溶接でないボルト結合により締結されることができる。
【0060】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体120の一側と他側にそれぞれ位置する第1エンドプレート310と第2エンドプレート320;電池セル積層体120と第1エンドプレート310の間に位置する第1バスバーフレーム410;および電池セル積層体120と第2エンドプレート320の間に位置する第2バスバーフレーム420;をさらに含み得る。
【0061】
より具体的には、電池セル110のいずれか一つの電極リード(111,
図3を参照)が突出する方向(x軸方向)の一側に第1バスバーフレーム410と第1エンドプレート310が順に位置し得、電池セル110の他の電極リード(112,
図3を参照)が突出する方向(-x軸方向)の他側に第2バスバーフレーム420と第2エンドプレート320が順に位置し得る。
【0062】
第1バスバーフレーム410と第2バスバーフレーム420は、電極リード111,112が突出する方向(x軸方向と-x軸方向)に相当する電池セル積層体の前面と後面をそれぞれカバーするように配置され得る。
【0063】
第1エンドプレート310と第2エンドプレート320は、それぞれ第1バスバーフレーム410の一面と第2バスバーフレーム420の一面をカバーするように配置され得る。このような第1エンドプレート310と第2エンドプレート320は、電気的絶縁を有するプラスチック絶縁カバーであり得、第1バスバーフレーム410と第2バスバーフレーム420上に位置するバスバー500や電極リード111,112などをはじめとするその他電装品を外部から保護すると同時に外部とのショートの可能性を遮断することができる。一方、第1エンドプレート310および第2エンドプレート320と第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の結合方式に特に制限はなく、一例として、機械的な結合方式やボルト結合を適用することができる。
【0064】
一方、本発明の他の実施形態では、第1エンドプレート310と第2エンドプレート320が、アルミニウムのような金属素材を含んで高い剛性を有することができる。ただし、この場合、第1エンドプレート310と第1バスバーフレーム410の間および第2エンドプレート320と第2バスバーフレーム420の間に別途の絶縁カバーが追加されることが好ましい。
【0065】
本実施形態による電池モジュール100は、第1バスバーフレーム410と第2バスバーフレーム420に取り付けられるバスバー500をさらに含み得る。第2バスバーフレーム420とそれに取り付けられたバスバー500は図示を省略したが、
図2に示す第1バスバーフレーム410と類似の構造を有することができる。
【0066】
電池セル110の電極リード111,112は、第1バスバーフレーム410または第2バスバーフレーム420に形成されたリードスリットを通過した後に曲がってバスバー500と連結されることができる。より具体的には、いずれか一つの電極リード111は第1バスバーフレーム410のリードスリットを通過した後にバスバー500と連結され、他の電極リード112は第2バスバーフレーム420のリードスリットを通過した後にバスバー500と連結されることができる。電極リード111,112とバスバー500の間の接続方式に特に制限はないが、一例として溶接接合が行われ得る。
【0067】
前記のような方式により、電池セル積層体120を構成する電池セル110が互いに直列または並列に連結されることができる。
【0068】
一方、具体的に示していないが、第1バスバーフレーム410または第2バスバーフレーム420には、電池モジュール100の外部電力連結のためのターミナルバスバーや電圧と温度のセンシング情報伝達のためのモジュールコネクタが取り付けられる。
【0069】
本実施形態による第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は、第1バスバーフレーム410の側面と第2バスバーフレーム420の側面までカバーするように配置されることができる。
【0070】
一方、
図2に図示のように、電池セル積層体120の上側または下側で、連結部材600が位置することができる。連結部材600の一側にヒートシンクが配置されることができる。複数の連結部材600が電池セル積層体120の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に設けられる場合、離隔した連結部材600の間の空間にヒートシンクを配置することができる。
【0071】
前記のような構造では、モジュール単位での冷却部材とパック単位での冷却部材を統合して一つの冷却部材のみ設けることができるという利点につながる。すなわち、電池パックの内部で電池モジュール100の冷却経路を統合および短縮することができ、軽量化およびコスト削減の効果を実現することができる。以下では
図5~
図7などを参照して、連結部材600の一側に位置する上部ヒートシンクおよび下部ヒートシンクについて詳しく説明する。
【0072】
図5は本発明の一実施形態による電池パックに含まれる電池モジュール、サーマルレジン層、上部ヒートシンクおよび下部ヒートシンクを示す斜視図である。
図6は
図5の切断線A-A’に沿って切断した断面を概略的に示す断面図である。
図7は本発明の一実施形態による上部ヒートシンクを示す斜視図である。
【0073】
図2、
図5、
図6および
図7を参照すると、本実施形態による電池パックは、上述したように、内部に冷媒が流れる少なくとも一つの冷却部710を含むヒートシンク700A,700Bを含み、ヒートシンク700A,700Bは電池モジュール100の上部に位置する上部ヒートシンク700Aまたは電池モジュール100の下部に位置する下部ヒートシンク700Bのうち少なくとも一つを含む。すなわち、図面には上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bの両方を含む一実施形態が示されているが、上部ヒートシンク700Aのみ配置された電池パックや下部ヒートシンク700Bのみ配置された電池パックはいずれも本発明の実施形態に該当する。以下では上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bの両方を含む一実施形態を基準として説明するが、その構造的な内容は、上部ヒートシンク700Aのみ配置された実施形態と下部ヒートシンク700Bのみ配置された実施形態にもすべて適用することができる。
【0074】
上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bは、それぞれ内部に冷媒が流れる少なくとも一つの冷却部710を含み得る。上部ヒートシンク700Aの冷却部710は、電池モジュール100の上部で連結部材600の一側に位置し、下部ヒートシンク700Bの冷却部710は、電池モジュール100の下部で連結部材600の一側に位置する。
【0075】
具体的には、上述したように、複数の連結部材600は、電池セル積層体120の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に設けられることができる。より具体的には、連結部材600は、電池セル積層体120の上側または下側のうち少なくとも一ヶ所に、電池セル110が積層される積層方向と垂直な方向に沿って互いに離隔して位置し得、上部ヒートシンク700Aの冷却部710と下部ヒートシンク700Bの冷却部710は、互いに離隔した連結部材600の間の空間に配置されることができる。冷却部710は内部空間Sが形成されたチューブ部材であり得、このような内部空間Sは冷媒が流れる空間であり得る。前記冷媒は冷却水であり得、本実施形態による上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bは水冷式冷却構造物であり得る。
【0076】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、冷却部710と電池セル積層体120の間に位置するサーマルレジン層(900,Thermal resin layer)をさらに含み得る。具体的には、サーマルレジン層900は、上部ヒートシンク700Aの冷却部710と電池セル積層体120との間に位置する上部サーマルレジン層900Aおよび下部ヒートシンク700Bの冷却部710と電池セル積層体120との間に位置する下部サーマルレジン層900Bのうち少なくとも一つを含み得る。
【0077】
サーマルレジン層900は、塗布または注入されたサーマルレジン(Thermal resin)が硬化して形成されることができる。このような、サーマルレジンは熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にはシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうち少なくとも一つを含むことができる。前記サーマルレジンは、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体120を構成する一つ以上の電池セル110を固定する役割を遂行することができる。また、熱伝導特性に優れ、電池セル110で発生した熱を迅速に上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bに伝達することができる。
【0078】
まとめると、本実施形態による電池モジュールは、モジュールハウジング構造が従来に比べて簡素化された形態であり、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220とこれらを連結する連結部材600を備え、連結部材600の一側の空間に上部ヒートシンク700Aおよび下部ヒートシンク700Bを配置した。さらに、上部ヒートシンク700Aおよび下部ヒートシンク700Bと隣接する領域にサーマルレジン層900を配置することができる。
【0079】
前記のような構造により、電池モジュール100およびそれを含む電池パックの観点から高さ方向に沿った空間損失を最小化することができる。別途のモジュールハウジング構造でなく、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220を連結する連結部材600の一側の隣接する空間をヒートシンクおよびサーマルレジン層が位置できる空間として活用し、電池モジュールの高さを減らすことができる。これは電池モジュールを含む電池パックのエネルギ密度が向上し、軽量化されることにつながる。
【0080】
また、ヒートシンクおよびサーマルレジン層が、別途のモジュールハウジングの外側に配置されるものではなく、連結部材600の一側で電池セル積層体120の上部と下部に隣接して位置するものであるため、熱伝達経路を単純化して冷却性能を高めることができる。
【0081】
また、上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bの両方を含む一実施形態の場合、電池モジュールの上部と下部それぞれに上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bを設け、上、下方向の両方、すなわちデュアル冷却経路を形成したことであるため冷却性能を極大化することができる。
【0082】
一方、
図6および
図7を参照すると、上部ヒートシンク700Aまたは下部ヒートシンク700Bにおいて、冷却部710は一方向に沿って延びる第1冷却部711および第2冷却部712を含み得る。また、上部ヒートシンク700Aおよび下部ヒートシンク700Bそれぞれは、第1冷却部711と連結されて冷媒が流入する流入部720、第2冷却部712と連結されて冷媒が排出される排出部730および第1冷却部711と第2冷却部712を連結する連結部740をさらに含み得る。
【0083】
この時、冷媒は、流入部720、第1冷却部711、連結部740、第2冷却部712および排出部730に沿って流れ、循環構造を形成することができる。
【0084】
以下では、本発明の一実施形態による電池パック1000で電池モジュール100の配置形態とヒートシンクの関係について詳しく説明する。
【0085】
図8は本発明の一実施形態による電池パックを概略的に示す平面図である。具体的には、電池モジュール100がパックトレー1100に配置された電池パック1000に対してxy平面上で-z軸方向に沿って見た平面である。
【0086】
図6~
図8を共に参照すると、本実施形態による電池パック1000は、上述したように、電池モジュール100、電池モジュール100を収納するパックトレー1100および内部に冷媒が流れる少なくとも一つの冷却部を含むヒートシンク700A,700Bを含む。
図8には上部ヒートシンク700Aのみ示したが、下部ヒートシンクも電池モジュール100の下部で図示された上部ヒートシンク700Aと互いに同一または類似の形態を有することができる。
【0087】
パックトレー1100上で、電池モジュール100は複数で構成されることができ、少なくとも2個の電池モジュール100が電池セルが積層される積層方向に沿って配置されることができる。電池セルが積層される前記積層方向は、図面上y軸と平行な方向を意味する。
【0088】
冷却部710は、いずれか一つの電池モジュール100の連結部材600の一側を通過して、前記いずれか一つの電池モジュール100と隣り合う他の電池モジュール100の連結部材600の一側を通過することができる。
【0089】
より具体的には、冷却部710は、いずれか一つの電池モジュール100の連結部材600の間を通過して、前記いずれか一つの電池モジュール100と隣り合う他の電池モジュール100の連結部材600の間を通過することができる。すなわち、少なくとも2個の電池モジュール100が冷却部710を共に共有することができる。
【0090】
上述したように、冷却部710は一方向に沿って延びる第1冷却部711および第2冷却部712を含み得、冷媒Cは、流入部720、第1冷却部711、連結部740、第2冷却部712および排出部730に沿って流れ、循環構造を形成することができる。この時、第1冷却部711と第2冷却部712が延びる前記一方向は、電池セルが積層される積層方向と平行な方向であり得る。少なくとも2個の電池モジュール100が第1冷却部711と第2冷却部712を共有することができる。
【0091】
この時、電池モジュール100を基準として、流入部720と排出部730が同じ側に位置し、連結部740は流入部720および排出部730の反対側に位置することができる。すなわち、冷媒循環構造を形成することにおいて、第1冷却部711、第2冷却部712および第1冷却部711と第2冷却部712を連結する連結部740を設け、流入部720と排出部730が電池モジュール100の一区域A1に共に位置させることができる。
【0092】
そのため、流入部720と排出部730と連結される冷媒循環システム(図示せず)を電池パック1000のいずれか一方にのみ設ければ良いので、電池パック1000内部の空間を効率的に活用することができ、冷媒の漏洩の恐れがある領域を一区域A1の近傍に制限することができる。
【0093】
一方、
図5および
図6を再び参照すると、一つの電池モジュール100に配置される第1冷却部711と第2冷却部712の個数に制限はない。一例として、電池セル積層体120の上部および下部それぞれに3個の連結部材600が位置し、3個の連結部材600の間に2個の第1冷却部711と2個の第2冷却部712を分けて配置することができる。
【0094】
以下では本実施形態による電池モジュールがパックケースに固定される形態について詳しく説明する。
【0095】
図9は本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。
図10は本実施形態による電池パックにおいて、電池モジュールをパックトレーに固定する方式を示す部分斜視図である。説明の便宜上
図9では、上部ヒートシンクと上部サーマルレジン層の図示を省略した。すなわち、図示のように、下部ヒートシンクのみ配置された実施形態を適用することができ、他の実施形態としては
図9に上部ヒートシンクおよび上部サーマルレジン層が追加された形態を適用することができる。
【0096】
図4、
図9および
図10を共に参照すると、本実施形態による電池モジュール100がパックトレー1100に収納されることにおいて、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220はパックトレー1100に固定される。
【0097】
まず、本実施形態による第1サイドプレート210および第2サイドプレート220は、それぞれ電池セル積層体120の最外側電池セルを支持する支持部200Sおよび支持部200Sの一面と垂直な方向に突出する固定部200Fを含み得る。第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の両方は電池セル積層体が位置する方向の面の反対面に固定部200Fが形成されることができる。
【0098】
固定部200Fには取付固定のための貫通孔200FHが形成されることができる。固定部200Fの個数に特に制限はなく、固定部200Fは、一つまたは複数で設けられることができる。
図4には複数の固定部200Fが所定の間隔に配置された場合が示されている。
【0099】
パックトレー1100は内部空間を有する構造物であって、その内部空間に一つまたはそれ以上の電池モジュール100が収納されることができる。一つまたはそれ以上の電池モジュール100は、パックトレー1100の底部1100F上に配置される。具体的に図示していないが、パックトレー1100の開放された上部を覆うパックカバーが配置されることができる。
【0100】
この時、外部振動や衝撃に備えて、電池モジュール100をパックトレー1100に固定させる取付固定が必要であるが、本実施形態による電池モジュール100の第1サイドプレート210および第2サイドプレート220がパックトレー1100に固定される。
【0101】
具体的には、上述したように、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220は、電池セル積層体の最外側電池セルを支持し、パックトレー1100の底部1100Fと垂直な形状に配置される支持部200Sおよび支持部200Sの一面と垂直な方向に突出する固定部200Fを含み得る。この時、固定部200Fがパックトレー1100に固定され得る。
【0102】
より具体的には、本実施形態によるパックトレー1100は、パックトレー1100の底部1100Fの上面に配置される取付ビーム1200をさらに含み得、固定部200Fが取付ビーム1200に固定され得る。
【0103】
取付ビーム1200は、パックトレー1100の底部1100Fの上面で一方向に沿って延びる形状を有する。具体的に図示していないが、複数の電池モジュール100が配置される場合、その電池モジュール100の間に取付ビーム1200が位置し得る。このような取付ビーム1200は、電池モジュール100を固定し、外部衝撃などから電池モジュール100に伝達される衝撃などを緩衝させることができる。
【0104】
図10に図示のように、固定部200Fには取付固定のための貫通孔200FHが形成されることができる。一方、高さ方向に対して、固定部200Fは、取付ビーム1200の高さより高く位置することができる。ここで、高さ方向とは、パックトレー1100の底部1100Fの一面と垂直な方向を意味する。
【0105】
固定部200Fが取付ビーム1200の上面に固定され得るが、
図10に図示のようにボルト結合が行われることができる。すなわち、取付ビーム1200の上面には、内側にねじ山が形成された取付孔1200Hが形成されることができ、ボルト形状の締結部材1300が固定部200Fの貫通孔200FHを通過した後に取付孔1200Hに挿入および締結されることができる。
【0106】
上記の通りに、本実施形態による電池モジュール100は、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220によりパックトレー1100に固定されて電池パック1000を構成することができる。
【0107】
一方、電池セル110は充放電が繰り返される過程でその内部の電解質が分解され、ガスが発生して電池セル110が膨らむ現象、すなわちスウェリング(Swelling)現象が発生し得る。このような電池セル110のスウェリングを制御できない場合、多数の電池セル110が積層された電池モジュール100の構造的変形を起こし得、また、電池モジュール100の耐久性と性能に悪影響を及ぼすことができる。
【0108】
特に、最近では高容量電池モジュールと電池パックを製造するために電池セルとして、Pure Siセル、全固体電池、SiO高含量セルを用いるが、前記セルの場合、スウェリングの程度がより大きい。すなわち、高容量電池モジュールと電池パックを製造するためには電池モジュールや電池パック内部の電池セル110のスウェリングを効果的に制御することが必須である。
図2を再び参照すると、パウチ型電池セル110は通常厚さ方向にスウェリングの程度が大きいので、スウェリング制御と直接関連する構造物は、電池セル積層体120の両側面に配置された第1サイドプレート210と第2サイドプレート220である。
【0109】
本実施形態による電池モジュール100は、一体で電池セル積層体を囲む形態であったモジュールハウジングでない、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220およびこれを連結する連結部材600により簡素化されたハウジング構造を有する。そのため、電池セル110のスウェリングを制御できる程の側面剛性と耐久性を備えにくいこともある。
【0110】
そのため、本実施形態による電池パック1000は、簡素化されたハウジング構造の電池モジュール100が配置されることにおいて、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220が直接パックトレー1100上の取付ビーム1200に結合および固定され、取付ビーム1200が第1サイドプレート210や第2サイドプレート220を側面で支持してスウェリングを制御するように設計された。
【0111】
すなわち、取付固定を第1サイドプレート210と第2サイドプレート220により実施して、同時に取付ビーム1200がスウェリング制御のために電池モジュール100の剛性と耐久性を補完できるようにした。
【0112】
まとめると、本実施形態による第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は、簡素化されたハウジング構造の電池モジュール100において、パックトレー1100上の取付ビーム1200に直接固定されて取付固定の機能をすることができ、電池モジュール100のスウェリング制御のための剛性補完の機能をすることもできる。また、このような第1サイドプレート210と第2サイドプレート220を連結する連結部材600の一側の空間に上部ヒートシンク700Aおよび下部ヒートシンク700Bを配置することによって、高さ増加を最小化して冷却構造を配置した。高さ方向に対する空間損失を減らして電池パックのエネルギ密度を高めようとした。
【0113】
一方、
図2を再び参照すると、本実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体120と電池セル積層体120の上側に位置する連結部材600の間に位置する絶縁シート800をさらに含み得る。絶縁シート800は電気的に絶縁である薄いシートであって、電池セル積層体120の上側に対する電気的絶縁を確保するために電池セル積層体120の上面全体をカバーするように配置されることができる。このような絶縁シート800は、絶縁フィルムまたは絶縁テープであり得、厚さは0.1mm以下であり得る。
【0114】
本発明の他の実施形態で、電池セル積層体120と連結部材600の間に絶縁シートが配置されないことも可能である。すなわち、電池セル積層体120の上面が、連結部材600の間または連結部材600と第1エンドプレート310および第2エンドプレート320の間を介して外側に露出し、上部サーマルレジン層900Aと直接接触する実施形態も可能である。同様に、電池セル積層体120が下部サーマルレジン層900Bとも直接接触することができる。
【0115】
以下では
図11~
図15などを参照して、本発明の他の一実施形態による電池モジュールとそれを含む電池パックについて詳しく説明する。ただし、前述した実施形態に係る内容と重複する部分は便宜のために省略する。
【0116】
図11は本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図12および
図13は
図11の電池モジュールに対する分解斜視図である。具体的には、
図12は電池セル積層体120、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220、第1エンドプレート310および第2エンドプレート320が分離した形態を図示し、
図13は
図12に加えて第1バスバーフレーム410および第2バスバーフレーム420と連結部材600が分離した形態を示した。
【0117】
図11~
図13を参照すると、本発明の他の一実施形態による電池モジュール100tは、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120、電池セル積層体120の両側面に位置する第1サイドプレート210および第2サイドプレート220および電池セル積層体120の上部と下部に配置されて第1サイドプレート210および第2サイドプレート220を連結する連結部材600を含む。連結部材600は、電池セル積層体120の上部と下部に複数または単独で設けられることができる。
【0118】
この時、本実施形態による電池セル積層体120は、第1電池セル積層体120aおよび第2電池セル積層体120bを含み得る。第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120bは、電池セル110が積層される積層方向と垂直な方向に沿って離隔して配置されることができる。第1電池セル積層体120aおよび第2電池セル積層体120bそれぞれは、電池セル110が一方向に積層される形態において、前述した電池セル積層体の構造と同様である。すなわち、第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120b内で電池セル110がy軸と平行な方向に沿って積層され、第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120bはx軸と平行な方向に沿って離隔して配置されることができる。
【0119】
本実施形態は、一つの電池モジュール100tで、第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120bが配置される形態である。すなわち、一種のツイン(twin)モデルの電池モジュールに該当する。
【0120】
第1サイドプレート210は、第1電池セル積層体120aの一側面と第2電池セル積層体120bの一側面をすべてカバーするように延び得、第2サイドプレート220は、第1電池セル積層体120aの他側面と第2電池セル積層体120bの他側面をすべてカバーするように延び得る。
【0121】
第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は、電池セル110が積層される方向の第1電池セル積層体120aおよび第2電池セル積層体120bの両側面をカバーするように位置し得る。
【0122】
また、第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は電池セル積層体120の最外側電池セルを支持する支持部200Sおよび支持部200Sの一面と垂直な方向に突出する固定部200Fを含み得る。また、連結部材600は第1サイドプレート210と前記第2サイドプレート220を連結し得る。一例として、複数の連結部材600が第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120bの上側と下側に位置した状態で、連結部材600の一端部は第1サイドプレート210と連結され、連結部材600の他端部は第2サイドプレート220と連結され得る。これに関する説明は前の実施形態の説明と重複するため省略する。
【0123】
一方、本実施形態による電池モジュール100tは、第1電池セル積層体120aの一側に位置する第1エンドプレート310と第2電池セル積層体120bの一側に位置する第2エンドプレート320をさらに含み得る。第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120bを基準として第1エンドプレート310と第2エンドプレート320は互いに反対側に位置し得る。
【0124】
また、電池モジュール100tは、第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120bの間に位置する絶縁プレート330をさらに含み得る。第1エンドプレート310、第2エンドプレート320および絶縁プレート330は、電気的絶縁を有するプラスチック絶縁カバーであり得る。一方、第1エンドプレート310および第2エンドプレート320、絶縁プレート330並びに第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の結合方式は特に制限はなく、一例として、機械的結合方式やボルト結合を適用することができる。
【0125】
電池モジュール100tは、第1電池セル積層体120aと第1エンドプレート310の間に位置する第1バスバーフレーム410および第1電池セル積層体120aと絶縁プレート330の間に位置する第2バスバーフレーム420を含み得る。また、電池モジュール100tは、第2電池セル積層体120bと絶縁プレート330の間に位置する第3バスバーフレーム430および第2電池セル積層体120bと第2エンドプレート320の間に位置する第4バスバーフレーム440を含み得る。
【0126】
第1バスバーフレーム~第4バスバーフレーム410,420,430,440は、前述したバスバーフレームの構造と互いに同一または類似の構造を有することができる。一例として、第1バスバーフレーム~第4バスバーフレーム410,420,430,440にバスバー500が取り付けられる。電池セル110の電極リード111,112は第1バスバーフレーム~第4バスバーフレーム410,420,430,440に形成されたリードスリットを通過した後に曲がってバスバー500と連結されることができる。これに係る詳しい内容は上述した内容と重複するため省略する。
【0127】
絶縁プレート330は、第2バスバーフレーム420と第3バスバーフレーム430の間に位置し得る。絶縁プレート330の一面が第2バスバーフレーム420をカバーし、絶縁プレート330の他面が第3バスバーフレーム430をカバーし得る。絶縁プレート330が電気的絶縁素材を含んでいるので、第2バスバーフレーム420と第3バスバーフレーム430それぞれに取り付けられた電装品の間にショートが発生することを遮断することができる。
【0128】
本実施形態による第1サイドプレート210と第2サイドプレート220は、第1バスバーフレーム410の側面と第4バスバーフレーム440の側面までカバーするように配置されることができる。
【0129】
図11~
図13に示す電池モジュール100tと
図1および
図2に示す電池モジュール100について同じ電池容量を実現するためには、1個の電池モジュール100tと2個の電池モジュール100を比較しなければならない。
図11~
図13に示す電池モジュール100tが第1電池セル積層体120aおよび第2電池セル積層体120bを含んでいるからである。
【0130】
電池セル110の積層方向と垂直な方向、すなわち、x軸と平行な方向に沿って、1個の電池モジュール100tは、第1エンドプレート310、第2エンドプレート320および絶縁プレート330が配置される。すなわち、合計3個の部材が配置される。反面、2個の電池モジュール100は、第1エンドプレート310と第2エンドプレート320がそれぞれ2個ずつ配置される。すなわち、合計4個の部材が配置される。
【0131】
したがって、本実施形態による電池モジュール100tは、前述した電池モジュール100に比べてモジュールの長手方向に対する空間活用率が増大し、部品数が節減されるという長所を有する。
【0132】
また、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の場合も、電池モジュール100tはそれぞれ1個ずつのみ必要なことに対して、前述した電池モジュール100は2個が配置されるので、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220もそれぞれ2個ずつ必要である。すなわち、部品数を節減できるという長所を有する。
【0133】
図14は本発明の他の一実施形態による電池モジュールにヒートシンクが配置された様子を示す斜視図である。具体的には
図14は
図11~
図13の電池モジュールが複数に配置され、このような電池モジュールにヒートシンクが配置された状態を示す。
図15は
図14の電池モジュールに対する分解斜視図である。
【0134】
図13~
図15を共に参照すると、本実施形態による電池パックは、電池モジュール100tを含み得る。上述したように、電池モジュール100tがパックトレーに配置されるが、パックトレーの図示は省略した。この時、電池パックは、内部に冷媒が流れる少なくとも一つの冷却部710を含むヒートシンク700A,700Bを含む。ヒートシンク700A,700Bは電池モジュール100tの上部に位置する上部ヒートシンク700Aまたは電池モジュール100tの下部に位置する下部ヒートシンク700Bのうち少なくとも一つを含み得る。図面には上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bの両方を含む一実施形態が示されているが、上部ヒートシンク700Aのみ配置された電池パックと下部ヒートシンク700Bのみ配置された電池パックはいずれも本発明の実施形態に該当する。
【0135】
上部ヒートシンク700Aと下部ヒートシンク700Bは、複数の冷却部710を含み得る。上部ヒートシンク700Aの冷却部710は、第1電池セル積層体120aの上部と第2電池セル積層体120bの上部で、連結部材600の一側または両側に配置されることができる。下部ヒートシンク700Bの冷却部710は、第1電池セル積層体120aの下部と第2電池セル積層体120bの下部で、連結部材600の一側または両側に配置されることができる。
【0136】
複数の連結部材600が設けられる場合、第1電池セル積層体120aと第2電池セル積層体120bの上側または下側で、連結部材600が電池セル110が積層される積層方向と垂直な方向に沿って互いに離隔して位置し得、上部ヒートシンク700Aの冷却部710と下部ヒートシンク700Bの冷却部710は、互いに離隔した連結部材600の間の空間に配置されることができる。冷却部710は内部空間Sが形成されたチューブ部材であり得、このような内部空間Sが冷媒が流れる空間であり得る。
【0137】
本実施形態による電池モジュール100tは、冷却部710と電池セル積層体120の間に位置するサーマルレジン層(900,Thermal resin layer)をさらに含み得る。具体的には、サーマルレジン層900は、上部ヒートシンク700Aの冷却部710と電池セル積層体120との間に位置する上部サーマルレジン層900Aおよび下部ヒートシンク700Bの冷却部710と電池セル積層体120との間に位置する下部サーマルレジン層900Bのうち少なくとも一つを含み得る。
【0138】
上述したように、前記のような構造により、連結部材600の一側の空間をヒートシンクおよびサーマルレジン層が位置できる空間として活用して電池モジュールの高さを減らすことができる。また、熱伝達経路を単純化して冷却性能を高めることができる。
【0139】
一方、上部ヒートシンク700Aまたは下部ヒートシンク700Bにおいて、冷却部710は一方向に沿って延びる第1冷却部711および第2冷却部712を含み得る。また、上部ヒートシンク700Aおよび下部ヒートシンク700Bそれぞれは、第1冷却部711と連結されて冷媒が流入する流入部720、第2冷却部712と連結されて冷媒が排出される排出部730および第1冷却部711と第2冷却部712を連結する連結部740をさらに含み得る。冷媒は、流入部720、第1冷却部711、連結部740、第2冷却部712および排出部730に沿って流れ、循環構造を形成することができる。
【0140】
一方、複数の電池モジュール100tは複数で構成されることができ、少なくとも2個の電池モジュール100tが、電池セルが積層される積層方向に沿って配置されることができる。電池セルが積層される前記積層方向は、図面上y軸と平行な方向を意味する。一例として
図14および
図15には、3個の電池モジュール100tが、電池セルが積層される積層方向に沿って配置されることが示されている。
【0141】
冷却部710は、いずれか一つの電池モジュール100tの連結部材600の一側を通過して、前記いずれか一つの電池モジュール100tと隣り合う他の電池モジュール100tの連結部材600の一側を通過することができる。すなわち、少なくとも2個の電池モジュール100tが冷却部710を共有することができる。本実施形態による電池モジュール100tは、モジュールの長手方向に第1電池セル積層体および第2電池セル積層体が配置される形態を有するので、電池セルの積層方向に沿って配置された電池モジュール100tの間の冷却部710の共有形態が可能である。
【0142】
上述したように、冷却部710は一方向に沿って延びる第1冷却部711および第2冷却部712を含み得、第1冷却部711と第2冷却部712が延びる前記一方向は、電池セルが積層される積層方向と平行な方向であり得る。少なくとも2個の電池モジュール100tが第1冷却部711と第2冷却部712を共有することができる。
【0143】
この時、電池モジュール100tを基準として、流入部720と排出部730が同じ側に位置し得、連結部740は流入部720および排出部730と反対側に位置し得る。そのため、流入部720と排出部730と連結される冷媒循環システム(図示せず)を電池パック1000のいずれか一方にのみ設ければ良いので、電池パック1000内部の空間を効率的に活用することができ、冷媒の漏洩の恐れがある領域を一区域の付近に制限することができる。
【0144】
なお、一つの電池モジュール100tに配置される第1冷却部711と第2冷却部712の個数に制限はない。特に、電池モジュール100tはモジュールの長手方向に第1電池セル積層体および第2電池セル積層体が配置される形態を有するので、第1冷却部711と第2冷却部712の個数がさらに必要である。
【0145】
以下では
図16を参照して、本発明の他の一実施形態による電池モジュールについて詳しく説明する。ただし、前述した実施形態に係る内容と重複する部分は便宜のために省略する。
【0146】
図16は、本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
【0147】
図16を参照すると、本発明の他の一実施形態による電池モジュール100sは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体120、電池セル積層体120の両側面に位置する第1サイドプレート210と第2サイドプレート(図示せず)を含む。電池セル積層体120、第1サイドプレート210と第2サイドプレート(図示せず)については前述した実施形態と互いに同一または類似の構造を適用することができる。これに係る詳しい説明は上で述べた内容と重複するため省略する。
【0148】
本実施形態による電池モジュール100sは、電池セル積層体120の上部と下部に配置されて第1サイドプレート210と第2サイドプレート(図示せず)を連結する連結部材600を含む。この時、連結部材600は、電池セル積層体120の上部と下部に単独で設けられることができる。すなわち、電池セル積層体120の上部に単一の連結部材600が位置し、電池セル積層体120の下部でも単一の連結部材が位置することができる。連結部材600はy軸方向と平行な方向に沿って延び、一端部は第1サイドプレート210と連結され、他端部は第2サイドプレート(図示せず)と連結され得る。このような連結部材600は、第1サイドプレート210および第2サイドプレート(図示せず)に溶接の方法で固定することができる。
【0149】
すなわち、前述した実施形態では、複数の連結部材が、電池セル積層体120の上部と下部それぞれに設けられたこととは異なり、本実施形態による電池モジュール100sは電池セル積層体120の上部と下部それぞれに一つずつ配置される連結部材600を含む。
【0150】
具体的に示していないが、ヒートシンクは、このような連結部材600の一側または両側に配置されることができる。すなわち、上部ヒートシンクは、電池セル積層体120の上部に位置する連結部材600の一側または両側に配置されることができ、下部ヒートシンクは電池セル積層体120の下部に位置する連結部材600の一側または両側に配置されることができる。
【0151】
より具体的には、電池セル積層体120の上部領域のうち連結部材600と第1エンドプレート310の間の領域および連結部材600と第2エンドプレート320の間の領域に上部サーマルレジン層900Aが形成されることができる。このような上部サーマルレジン層900Aの上に上部ヒートシンク(図示せず)が位置することができる。
【0152】
同様に、電池セル積層体120の下部領域のうち連結部材600と第1エンドプレート310との間の領域および連結部材600と第2エンドプレート320との間の領域に、下部サーマルレジン層900Bが形成されることができる。このような下部サーマルレジン層900Bの下に下部ヒートシンク(図示せず)が位置することができる。
【0153】
以下では、
図17~
図23を参照して、本実施形態による電池モジュールの設計方案について説明する。
【0154】
図17~
図19は本発明の一実施形態による電池モジュールに対するモジュール剛性曲線と電池セル積層体のP-D曲線を示すグラフである。
図20は、本発明の一実施形態による電池モジュールのモジュール剛性曲線の範囲を示すグラフである。
【0155】
図2および
図17~
図20を共に参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100で、電池セル110が第1サイドプレート210から第2サイドプレート220まで一方向に沿って積層されることができる。また、隣り合う電池セル110の間、最外側の電池セル110のうち一つと第1サイドプレート210の間または最外側の電池セル110のうち他の一つと第2サイドプレート220の間のうち少なくとも一ヶ所に圧縮パッドが介在し得る。
【0156】
この時、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に起因するモジュール剛性曲線C1と電池セル110がスウェリング特性を示す電池セル積層体120のP-D(Pressure-Displacement)曲線C3をそれぞれ算出し、これらを一つのグラフにフィッティング(fitting)する。その後、両曲線の間の平衡点(交点)を見つける方式で電池モジュールのスウェリング挙動を予測することができる。
【0157】
図17~
図19にはモジュール剛性曲線(C1,C1’,C”)と電池セル積層体のP-D曲線C3の間の交点(P,P’,P”)が示されている。電池セル積層体のP-D曲線C3は、電池セル110のスウェリングにより電池セル110の厚さが変化することにおいて、変化程度に応じて電池セル110が受ける面圧(Surface pressure)の関係を示すグラフである。このような電池セル積層体のP-D曲線C3は、電池セル110のEOL(End of Life)状態において測定することができる。ここで、EOLとは、電池の初期容量(initial capacity)に対する電池の現在容量の比率があらかじめ定めた比率に到達したときの状態を指し、前記比率は80%であり得る。すなわち、EOLは、電池の容量が初期の80%に到達したときのバッテリ状態を指し、当該電池の寿命が終了または交換が必要な状態に該当する。一方、モジュール剛性曲線(C1,C1’,C”)は、電池セル110が積層される方向に沿った第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の幅(W)が変化する程度と第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に加えられる荷重の関係を示すグラフである。電池セル110が積層される方向は第1サイドプレート210から第2サイドプレート220までの方向であり、以下では電池セル110が積層される方向は幅方向という。また、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の幅(W)は、前記幅方向に沿った第1サイドプレート210と第2サイドプレート220の間の距離を意味する。モジュール剛性曲線C1と電池セル積層体のP-D曲線C3それぞれについては以下でまた詳しく説明する。
【0158】
モジュール剛性曲線(C1,C1’,C”)と電池セル積層体のP-D曲線C3のそれぞれにおいて、X軸は変形率に相当し、単位は%であり得、Y軸は印加される面圧(Surface pressure)に相当し、単位はMPaであり得る。
【0159】
モジュール剛性曲線(C1,C1’,C”)と電池セル積層体のP-D曲線C3の間の交点(P,P’,P”)は、電池セル積層体120のスウェリングによる挙動と、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の変形による挙動が平衡をなす地点に相当する。言い換えれば、EOL(End of Life)状態で特定のP-D曲線C3を示す電池セル積層体120が特定のモジュール剛性曲線C1を示す第1サイドプレート210および第2サイドプレート220と連結部材600が形成する空間に収納された電池モジュールの場合、該当電池モジュールは、EOL状態において交点(P,P’,P”)に相当する変形率と面圧を有すると予測することができる。すなわち、該当電池モジュールは、EOL状態において幅方向に交点(P,P’,P”)のX軸値に相当するだけ変形され、交点(P,P’,P”)のY軸値に相当するだけ電池セル110と第1サイドプレート210および第2サイドプレート220が面圧を受ける。
【0160】
この時、
図17に図示のように前記交点Pは、変形限界点x1と圧力限界点y1内に位置することが好ましい。変形限界点x1は12%であり、圧力限界点y1は0.9MPaである。すなわち、該当交点PのX軸値が変形限界点x1の12%以下であり、該当交点PのY軸値が圧力限界点y1の0.9MPa以下であることが好ましい。すなわち、本実施形態による電池モジュールは、EOL状態において、電池セル110が積層される方向の変形率が12%以下であり、電池セル110に印加される面圧が0.9MPa以下であり得る。
【0161】
図18に図示のように、交点P’のY軸値が圧力限界点y1を超える場合、EOL状態において該当電池モジュールの電池セル110と第1サイドプレート210および第2サイドプレート220とに圧力限界点y1を超える面圧が印加されると予測される。電池セル110に圧力限界点y1の0.9MPaを超える圧力が印加される場合、sudden dropのような電池セル110の寿命性能低下の問題が発生し得る。また、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に圧力限界点y1の0.9MPaを超える圧力が印加される場合、降伏強度を超える面圧が印加されて第1サイドプレート210および第2サイドプレート220が損傷および変形され得る。
【0162】
図19に図示のように、交点P”のX軸値が変形限界点x1を超える場合、EOL状態において当該電池モジュールが幅方向に変形限界点x1よりも変形されると予測される。これは、電池セル110の膨張による厚さの変化が過度に許されることを意味し、電池セル110内で電極リードとタブの間の断線、電池セル110のパウチ型電池ケースにクラック発生などの問題を起こし得る。また、変形限界点x1の12%よりも電池モジュールが変形されると予測されるので、電池パックの内部で電池モジュールが占める空間が過度に増加し、これは電池モジュールと電池パックのエネルギ密度が低下することの原因になる。
【0163】
一方、
図20を参照すると、本実施形態による電池モジュールの場合、モジュール剛性曲線C1が、0.00417以上かつ0.225以下の傾き(MPa/%)の傾きの範囲で算出されることができる。すなわち、本実施形態による電池モジュールのモジュール剛性曲線C1が、傾きSb値が0.00417MPa/%である下限モジュール剛性曲線C1bと、傾きSa値が0.225MPa/%である上限モジュール剛性曲線C1aの間の範囲に形成されることができる。モジュール剛性曲線C1と電池セル積層体のP-D曲線C3の間の交点Pが変形限界点x1と圧力限界点y1内の範囲に位置するために、モジュール剛性曲線C1が、0.00417以上かつ0.225以下の傾き(MPa/%)の範囲で算出されることが好ましい。
【0164】
以下では、モジュール剛性曲線C1について具体的に説明する。モジュール剛性曲線C1は、上述したように、電池セル110が積層される方向に沿った第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の幅が変化する程度と、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に加えられる荷重の関係を示すグラフである。モジュール剛性曲線C1の観点からX軸は、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の幅方向に応じた変形率(%)に相当する。前記変形率は、変形される前の第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の幅に対して、幅方向に沿って変形された第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の幅に基づいて計算することができる。例えば、変形される前の第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の幅に対して、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の間の幅が変形された程度の比率で前記変形率が計算されることができる。モジュール剛性曲線C1の観点からY軸は、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の変形率に応じて第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に印加される面圧MPaに相当する。
【0165】
モジュール剛性曲線C1を算出するために、まずフレーム剛性曲線を算出する。フレーム剛性曲線は、第1サイドプレート210および第2サイドプレート220の変形率と第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に印加される面圧の関係に対するグラフである。このようなフレーム剛性曲線は、数回の実際のテストまたはシミュレーションにより得ることができる。例えば、連結部材600に連結された第1サイドプレート210および第2サイドプレート220に実際の力を印加し、これによる第1サイドプレート210と第2サイドプレート220の間の幅方向の変形程度を測定するが、印加される力を変化させながら繰り返し行うことによってフレーム剛性曲線を導き出すことができる。このようなフレーム剛性曲線に圧縮パッドによる影響を考慮してモジュール剛性曲線C1が導き出されることができる。具体的には、圧縮パッドに印加される面圧に対して圧縮パッドが圧縮される程度および圧縮パッドの個数をフレーム剛性曲線に反映して最終的にモジュール剛性曲線C1が導き出されることができる。
【0166】
以下では電池セル積層体のP-D曲線C3について詳しく説明する。電池セル積層体のP-D曲線C3は、上述したように、スウェリングにより電池セル110の厚さが変化することにおいて、変化の程度によって電池セル110が受ける面圧の関係を示すグラフである。電池セル積層体のP-D曲線C3の観点から、X軸は電池セル積層体120の幅方向に応じた変形率(%)であり、Y軸は電池セル積層体120に含まれる電池セル110に印加される面圧MPaに相当する。
【0167】
以下では
図21および
図22を参照して、このような電池セル積層体のP-D曲線C3を算出する過程について詳しく説明する。
【0168】
図21は単一の電池セルに対するP-D曲線を示すグラフである。
【0169】
図21を参照すると、単一の電池セル110の充放電サイクルによる厚さの変化量と面圧を測定することができる。具体的には、厚さの変化が制限される固定ジグ内に単一の電池セル110を位置させた後に充放電サイクルを繰り返す。その後、当該固定ジグに配置されたロードセルによりa0の面圧値を測定する。測定されたa0はY軸上のP0で表す。次に、ばねなどによって厚さの変化が可能な可変ジグ内に単一の電池セル110を位置させた後、充放電サイクルを繰り返す。その後、当該可変ジグに配置されたロードセルによりa1の面圧値を測定し、電池セル110の増加した厚さを測定してb1の厚さ変形率を計算する。当該a1とb1はP1地点で表す。可変ジグのばね定数を異なるようにし、前記測定過程を繰り返してa2、a3、a4の面圧値とb2、b3、b4の変形率値をそれぞれ測定する。このような値に基づいて座標点P2、P3、P4を表示し、一つの曲線C2を導き出すことができる。そして、このように導き出された曲線C2が単一の電池セルのP-D(Pressure-Displacement)曲線に相当する。
【0170】
図22は、単一の電池セルに対するP-D曲線と電池セル積層体のP-D曲線を示すグラフである。
【0171】
図21と
図22を共に参照すると、
図21で説明した過程により得られた単一の電池セルのP-D曲線C2に、電池セル積層体120に含まれた電池セル110の個数を反映して電池セル積層体120のP-D曲線C3を得ることができる。電池セル110の個数が多くなるほど変形程度に応じて求められる面圧が増加するので、電池セル積層体120のP-D曲線C3は単一の電池セルのP-D曲線C2に比べて当然上側の部分に位置することになる。
【0172】
図23は本発明による実施形態1~実施形態4に対するモジュール剛性曲線を示すグラフである。
【0173】
図23を参照すると、実施形態1~実施形態4それぞれのモジュール剛性曲線が示されている。電池セル積層体のP-D曲線は示されていないが、実施形態1~実施形態4それぞれのモジュール剛性曲線が、実施形態1~実施形態4それぞれの電池セル積層体のP-D曲線と交わる平衡点(交点)は表示されている。
【0174】
上述した方式により予測される電池モジュールのスウェリング挙動を調べると、EOL状態において、実施形態1の電池モジュールは、5.4%だけ幅方向に変形され、内部の電池セルと第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは0.8MPaの面圧を受けると予測される。また、EOL状態において、実施形態2の電池モジュールは、6.7%だけ幅方向に変形され、内部の電池セルと第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは0.71MPaの面圧を受けると予測される。また、EOL状態において、実施形態3の電池モジュールは、6.1%だけ幅方向に変形され、内部の電池セルと第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは0.29MPaの面圧を受けると予測される。最後に、EOL状態において、実施形態4の電池モジュールは、9.3%だけ幅方向に変形され、内部の電池セルと第1サイドプレートおよび第2サイドプレートは0.44MPaだけ面圧を受けると予測される。
【0175】
実施形態1~実施形態4の電池モジュールがいずれも、EOL(End of Life)状態において、電池セルが積層される方向の変形率が12%以下であり、前記電池セルに印加される面圧が0.9MPa以下である。また、実施形態1~実施形態4の電池モジュールは、モジュール剛性曲線が、0.00417以上かつ0.225以下の傾き(MPa/%)の範囲で算出される。すなわち、実施形態1~実施形態4の電池モジュールのモジュール剛性曲線は、傾きSb値が0.00417MPa/%である下限モジュール剛性曲線C1bと、傾きSa値が0.225MPa/%である上限モジュール剛性曲線C1aの間の範囲に形成されることができる。
【0176】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであり、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得る。
【0177】
前述した本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、BDU(Battery Disconnect Unit)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0178】
前記電池パックは多様なデバイスに適用することができる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段やESS(Energy Storage System)に適用できるが、これに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスに適用することが可能である。
【0179】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0180】
100,100t、100s 電池モジュール
110 電池セル
210 第1サイドプレート
220 第2サイドプレート
600 連結部材
700A 上部ヒートシンク
700B 下部ヒートシンク
1000 電池パック
1100 パックトレー
【国際調査報告】