(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】眼組織を冷却するための患者インターフェース
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20240905BHJP
A61F 9/009 20060101ALI20240905BHJP
A61F 9/01 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61F9/007 200Z
A61F9/009
A61F9/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515942
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 IB2022058739
(87)【国際公開番号】W WO2023042130
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マリオ アーブラハム
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ビットネーベル
(57)【要約】
眼科レーザシステムのための患者インターフェースは、インターフェース部分と取付部分とを含む。インターフェース部分は、透過部分とインターフェース壁とを含む。透過部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させる。インターフェース壁は、透過部分よりも外側に配置される。取付部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて角膜に到達させるために、インターフェース部分を角膜の領域に結合する。取付部分はまた、眼科処置中にその領域の温度を低下させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科レーザシステムのための患者インターフェースであって、
眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させるように構成された透過部分と、
前記透過部分よりも外側に配置されたインターフェース壁と、
を含む、インターフェース部分と、
前記眼科処置を施すように前記レーザビームを透過させて前記角膜に到達させるために、前記インターフェース部分を前記眼の前記角膜の領域に結合し、
前記眼科処置中に前記領域の温度を低下させる、
ように構成された取付部分と、
を含む、患者インターフェース。
【請求項2】
前記取付部分は、1つ又は複数のチャネルを含み、
前記取付部分は、前記1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項3】
前記取付部分は、冷却芯を受け入れるように構成された受け部を含み、
前記取付部分は、前記領域から離れる方向に前記冷却芯が熱を伝達できるようにすることによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項4】
前記取付部分は、熱を伝達するように構成されたヒートポンプを含み、
前記取付部分は、前記ヒートポンプによって前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項5】
前記取付部分は、前記インターフェース部分の前記インターフェース壁を受け入れて前記インターフェース部分を前記取付部分に取り外し可能に結合するように構成された環状形状を有する、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項6】
前記インターフェース部分及び前記取付部分は、一体として形成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項7】
眼科レーザシステムのための患者インターフェースであって、
眼科処置を角膜の領域に施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させ、
前記眼科処置中に前記領域の温度を低下させる
ように構成された透過部分と、
前記透過部分よりも外側に配置されたインターフェース壁と、
を含む、インターフェース部分と、
前記眼科処置を施すように前記レーザビームを透過させて前記角膜に到達させるために、前記インターフェース部分を前記眼の前記角膜の前記領域に結合するように構成された取付部分と、
を含む、患者インターフェース。
【請求項8】
前記透過部分は、
熱を第1の方向に伝達するように構成された第1の層と、
前記第1の層よりも外側に配置された第2の層であって、前記第2の層は、熱を第2の方向に伝達するように構成され、前記第2の方向は、前記第1の方向と略反対である、第2の層と、
を含む、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項9】
前記取付部分は、1つ又は複数のチャネルを含み、
前記取付部分は、前記1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項10】
前記取付部分は、冷却芯を受け入れるように構成された受け部を含み、
前記取付部分は、前記領域から離れる方向に前記冷却芯が熱を伝達できるようにすることによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項11】
前記取付部分は、熱を伝達するように構成されたヒートポンプを含み、
前記取付部分は、前記ヒートポンプによって前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項12】
前記取付部分は、前記インターフェース部分の前記インターフェース壁を受け入れて前記インターフェース部分を前記取付部分に取り外し可能に結合するように構成された環状形状を有する、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項13】
前記インターフェース部分及び前記取付部分は、一体として形成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項14】
眼科レーザ処置中に眼の角膜の領域を冷却するための方法であって、
前記眼科レーザ処置のための前記角膜の前記領域よりも外側に患者インターフェースを結合することであって、前記患者インターフェースは、インターフェース部分と取付部分とを含み、前記インターフェース部分は、前記眼科レーザ処置を前記角膜に施すようにレーザビームを透過させて前記角膜に到達させるように構成され、前記取付部分は、前記インターフェース部分を前記角膜の前記領域に結合するように構成される、結合することと、
前記患者インターフェースによって、前記角膜の前記領域から離れる方向に熱を伝達することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記患者インターフェースによって、前記角膜の前記領域から離れる方向に熱を前記伝達することは、
前記患者インターフェースの前記インターフェース部分によって、前記角膜の前記領域から離れる方向に熱を伝達することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記患者インターフェースによって、前記角膜の前記領域から離れる方向に熱を前記伝達することは、
前記患者インターフェースの前記取付部分によって、前記角膜の前記領域から離れる方向に熱を伝達することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記患者インターフェースを前記角膜の前記領域よりも外側に結合する前に前記患者インターフェースの少なくとも一部を冷却することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記患者インターフェースを前記角膜の前記領域よりも外側に結合する前に前記患者インターフェースの前記インターフェース部分を冷却することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記患者インターフェースを前記角膜の前記領域よりも外側に結合する前に前記患者インターフェースの前記取付部分を冷却することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
眼科レーザシステムのための患者インターフェースであって、
眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させるように構成された透過部分と、
前記透過部分よりも外側に配置されたインターフェース壁と、
を含むインターフェース部分と、
前記眼科処置を施すように前記レーザビームを透過させて前記角膜に到達させるために、前記インターフェース部分を前記眼の前記角膜の領域に結合するように構成された取付部分と、
を含み、
前記取付部分及び前記インターフェース部分は、以下、
前記取付部分及び前記インターフェース部分が、1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて前記領域から離れる方向に熱を伝達するように構成される、
前記取付部分及び前記インターフェース部分が、冷却芯を受け入れて前記領域から離れる方向に前記冷却芯が熱を伝達できるようにするように構成された受け部を含む、及び
前記取付部分及び前記インターフェース部分は、ヒートポンプを含み、前記ヒートポンプによって前記領域から離れる方向に熱を伝達するように構成される、
のうちの1つを実現することによって前記眼科処置中に前記領域の温度を低下させるように構成される、
患者インターフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、眼科レーザ手術システムのための患者インターフェースに関し、より詳細には、眼組織を冷却する患者インターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
眼科レーザ手術は、レーザパルスを使用して眼の組織に対する照射、整形、及び/又は切断を行う。手術中に、レーザパルスが眼に向けて誘導される。レーザパルスは、眼のある箇所に当たると、その箇所における温度を上昇させる。温度が損傷閾値を超えると、眼が一時的又は永久的な損傷を受ける可能性がある。例えば、IEC規格60601-1では、組織の最高温度として41℃が設定されている。よって、眼の組織を冷却することが重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
特定の実施形態では、眼科レーザシステムのための患者インターフェースは、インターフェース部分と取付部分とを含む。インターフェース部分は、透過部分とインターフェース壁とを含む。透過部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させ、インターフェース壁は、透過部分よりも外側に配置される。取付部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて角膜に到達させるために、インターフェース部分を角膜の領域に結合する。取付部分はまた、眼科処置中にその領域の温度を低下させる。
【0004】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてもよく、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。取付部分は、1つ又は複数のチャネルを含み、1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて領域から離れる方向に熱を伝達することによって領域の温度を低下させる。取付部分は、冷却芯を受け入れるように構成された受け部を含み、領域から離れる方向に冷却芯が熱を伝達できるようにすることによって領域の温度を低下させる。取付部分は、熱を伝達するように構成されたヒートポンプを含み、ヒートポンプを用いて領域から離れる方向に熱を伝達することによって領域の温度を低下させる。取付部分は、インターフェース部分のインターフェース壁を受け入れてインターフェース部分を取付部分に取り外し可能に結合する環状形状を有する。インターフェース部分及び取付部分は、一体として形成される。
【0005】
特定の実施形態では、眼科レーザシステムのための患者インターフェースは、インターフェース部分と取付部分とを含む。インターフェース部分は、透過部分とインターフェース壁とを含む。透過部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させる。透過部分もまた、眼科処置中に領域の温度を低下させる。インターフェース壁は、透過部分よりも外側に配置される。取付部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて角膜に到達させるために、インターフェース部分を角膜の領域に結合する。
【0006】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてもよく、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。透過部分は、第1の層と第2の層を含む。第1の層は、熱を第1の方向に伝達する。第2の層は、第1の層よりも外側に配置され、第1の方向と略反対の第2の方向に熱を伝達する。取付部分は、1つ又は複数のチャネルを含み、1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて領域から離れる方向に熱を伝達することによって領域の温度を低下させる。取付部分は、冷却芯を受け入れるように構成された受け部を含み、領域から離れる方向に冷却芯が熱を伝達できるようにすることによって領域の温度を低下させる。取付部分は、熱を伝達するように構成されたヒートポンプを含み、ヒートポンプを用いて領域から離れる方向に熱を伝達することによって領域の温度を低下させる。取付部分は、インターフェース部分のインターフェース壁を受け入れてインターフェース部分を取付部分に取り外し可能に結合する環状形状を有する。インターフェース部分及び取付部分は、一体として形成される。
【0007】
特定の実施形態では、眼科レーザ処置中に眼の角膜の領域を冷却するための方法は、眼科レーザ処置のための角膜の領域よりも外側に患者インターフェースを結合することを含む。患者インターフェースは、インターフェース部分と取付部分とを含む。インターフェース部分は、眼科レーザ処置を角膜に施すようにレーザビームを透過させて角膜に到達させる。取付部分は、角膜の領域にインターフェース部分を結合する。方法は、患者インターフェースによって、角膜の領域から離れる方向に熱を伝達することを含む。
【0008】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてもよく、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。患者インターフェースのインターフェース部分は、角膜の領域から離れる方向に熱を伝達する。患者インターフェースの取付部分は、角膜の領域から離れる方向に熱を伝達する。方法は、患者インターフェースを角膜の領域よりも外側に結合する前に患者インターフェースの少なくとも一部を冷却することを更に含む。方法は、患者インターフェースを角膜の領域よりも外側に結合する前に患者インターフェースのインターフェース部分を冷却することを更に含む。方法は、患者インターフェースを角膜の領域よりも外側に結合する前に患者インターフェースの取付部分を冷却することを更に含む。
【0009】
特定の実施形態では、眼科レーザシステムのための患者インターフェースは、インターフェース部分と取付部分とを含む。インターフェース部分は、透過部分とインターフェース壁とを含む。透過部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させる。インターフェース壁は、透過部分よりも外側に配置される。取付部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて角膜に到達させるために、インターフェース部分を角膜の領域に結合する。取付部分及びインターフェース部分は、1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて領域から離れる方向に熱を伝達すること、冷却芯を受け入れて領域から離れる方向に冷却芯が熱を伝達できるようにする受け部を含むこと、及び/又は領域から離れる方向に熱を伝達するヒートポンプを含むことによって眼科処置中に領域の温度を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】特定の実施形態による、眼の手術部位における組織の温度を低下させる患者インターフェースを備えた眼科手術システムの一例を示す。
【
図2】特定の実施形態による、
図1の眼科手術システムに対する眼の位置を安定させるために使用され得る患者インターフェースの一例を示す。
【
図3】角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースの取付部分の一例を示す。
【
図4】角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースの取付部分の別の例を示す。
【
図5】角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースの取付部分の別の例を示す。
【
図6】角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースのインターフェース部分の一例を示す。チャネルの側面図を示す。
【
図7A-C】
図7Aは、角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースのインターフェース部分の一例を示す。チャネルの上面図を示す。
図7Bは、角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースのインターフェース部分の一例を示す。チャネルの上面図を示す。
図7Cは、角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースのインターフェース部分の一例を示す。チャネルの上面図を示す。
【
図7D】角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースのインターフェース部分の一例を示す。チャネルの斜視図を示す。
【
図8】角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースのインターフェース部分の別の例を示す。
【
図9】角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェースのインターフェース部分の別の例を示す。
【
図10】特定の実施形態による、
図2の患者インターフェースと共に使用され得る、眼科処置中に角膜を冷却するための方法の一例を示す。
【
図11】特定の実施形態による、
図2の患者インターフェースと共に使用され得る、眼科処置中に角膜を冷却するための方法の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、説明及び図面を参照して、開示される装置、システム、及び方法の例示的な実施形態を詳細に示す。説明及び図面は、網羅的であることも、或いは、特許請求の範囲を、図面において示され、説明において開示される特定の実施形態に限定することも意図するものではない。図面は可能な実施形態を表すが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態をよりよく示すために特定の特徴部を簡略化、誇張、削除、又は部分的に分割している場合がある。
【0012】
特定の実施形態では、患者インターフェースは、眼の損傷を回避する目的で、眼科処置前、眼科処置中、及び/又は眼科処置後に眼組織を冷却するために使用することができる。実施形態では、患者インターフェースは、インターフェース部分と取付部分とを含む。インターフェース部分は、眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて角膜に到達させ、取付部分は、インターフェース部分を角膜に結合する。インターフェース部分及び/又は取付部分は、眼科処置前、眼科処置中、及び/又は眼科処置後に角膜を冷却する構造を有し得る。
【0013】
患者インターフェースを用いて眼組織を冷却することによって、特定の状況では利点がもたらされ得る。第1に、患者インターフェースは、組織の温度を上昇させる手術パラメータを調節するための柔軟性を提供し得る。例えば、患者インターフェースは、より高いレーザーショット周波数又はパルスエネルギーを可能にし得、これによって、治療時間が短縮され得る。別の例として、温度に関連する治療の一時停止が場合により低減又は排除されることがあり、これによって、治療時間の延長が回避され得る。第2に、患者インターフェースは、温度に関連する副作用又は他の問題を軽減し得、これによって、治療の安全性及び有効性が向上し得る。第3に、患者インターフェースは、より困難な周囲条件での、例えば、非常に暑い地域における非空調領域での治療を可能にし得る。
【0014】
図1は、特定の実施形態による、眼22の手術部位における組織の温度を低下させる患者インターフェース20を備えた眼科手術システム10の一例を示している。図示の例において、システム10は、図示のように結合された、レーザ装置15、患者インターフェース20、カメラ38、及び制御コンピュータ30を含む。コンピュータ30は、図示のように結合された、ロジック31、(コンピュータプログラム34を記憶する)メモリ32、及びディスプレイ36を含む。レーザ装置15は、図示のように結合された、レーザ源12、スキャナ16、1つ若しくは複数の光学要素17、及び集束対物レンズ18などの、制御可能な構成要素を含む。患者インターフェース20は、図示のように結合される。
【0015】
システム10の部分に着目すると、レーザ源12は、レーザビーム、例えば、エキシマレーザ又はフェムト秒レーザなどの超短パルスレーザを発生させる任意の適切な供給源であり得る。超短パルスとは、ピコ秒、フェムト秒、又はアト秒などのオーダーのナノ秒未満の持続時間を有する光パルスを指す。レーザビームは、300~1500ナノメートル(nm)の範囲の波長などの、任意の適切な波長を有し得る。いくつかの実施形態では、レーザビームの焦点は、組織(例えば、角膜組織)においてレーザ誘起光破壊(laser-induced optical breakdown(LIOB))を生じさせて、組織において光切断を生じさせ得る。他の実施形態では、レーザビームの焦点は、組織を切除して組織の一部分を除去し得る。
【0016】
スキャナ16は、レーザビームの焦点を横方向及び縦方向に誘導する。縦方向とは、z方向としても知られる、レーザビームの伝播方向を指す。横方向とは、xy方向としても知られる、ビームの伝播方向に直交する方向を指す。スキャナ16は、任意の適切な手法でレーザビームを横方向に誘導し得る。例えば、スキャナ16は、互いに垂直な軸の周りでチルトすることができる、一対のガルバノメトリック駆動型スキャナミラーを含み得る。別の例として、スキャナ16は、レーザビームを電気光学的に操作することができる電気光学結晶を含み得る。スキャナ16は、レーザビームを任意の適切な手法で縦方向に誘導し得る。例えば、スキャナ16は、縦方向に調節可能なレンズ、可変屈折力レンズ、又はビーム焦点のz位置を制御できる変形可能ミラーを含み得る。スキャナ16の構成要素は、例えば同じ又は異なるモジュラユニット内にビーム経路に沿って任意の適切な手法で配置され得る。
【0017】
1つ(又は複数の)光学要素17は、レーザビームを集束対物レンズ18に向けて誘導する。光学要素17は、レーザビームに作用(例えば、透過、反射、屈折、回折、コリメート、調整、整形、集束、変調、及び/又は別様に作用)することができる。光学要素の例としては、レンズ、プリズム、ミラー、回折光学要素(DOE)、ホログラフィック光学要素(HOE)、及び空間光変調器(SLM)が挙げられる。この例では、光学要素17はミラーである。集束対物レンズ18は、患者インターフェース20を通してレーザビームの焦点を眼22の一点に向けて集束させる。この例では、集束対物レンズ18は対物レンズ、例えばfシータ対物レンズである。
【0018】
カメラ38は、眼22の動きの画像を記録する。カメラ38の例としては、ビデオ、光干渉断層撮影(optical coherence tomography(OCT))、又は視線追跡カメラが挙げられる。カメラ38は、眼22の記録された画像を表す画像データをコンピュータ30に送達する。コンピュータ30は、眼の特徴を識別して眼を位置合わせするために、画像データに対して画像処理を行い得る。
【0019】
コンピュータ30は、コンピュータプログラム34に従って、制御可能な構成要素(例えば、レーザ源12、スキャナ16、光学要素17、及び/又は集束対物レンズ18)を制御する。コンピュータプログラム34は、角膜の一領域にレーザビームを集束させ、その領域の少なくとも一部分を光破壊するように制御可能な構成要素に命令するコンピュータコードを含む。
【0020】
患者インターフェース20は、眼22の角膜とインターフェースして、眼22をレーザ装置15に結合する。患者インターフェース20は、レーザビームが眼22を治療し得るように、所定の位置に眼22を維持する役割を果たす。患者インターフェース20は、
図2を参照してより詳細に説明される。
【0021】
図2は、特定の実施形態による、
図1の眼科手術システム10に対する眼22の位置を安定させるために使用され得る患者インターフェース20の一例を示す。特定の実施形態では、患者インターフェース20は、取付部分21とインターフェース部分26とを含む。インターフェース部分26は、通常は手術部位において、眼22の角膜に接触する。取付部分21は、インターフェース部分26を眼22に結合する。取付部分21及びインターフェース部分26は、一体として形成され得る、又は互いに取り外し可能に結合させることができる2つ以上の別個の部品として形成され得る。
【0022】
取付部分21は、任意の適切な手法、例えば、吸引又は機械的取付によって、患者インターフェース20を眼22に結合する。この例では、取付部分21は、吸引リング24を含む。吸引リング24は、リング軸と、内面39と、外面41とを備えた略環状形状(例えば、垂直な直径軸は20%又は10%の偏差範囲内で等しい)を有する。内面は開口部44を画定する。吸引リング24は、吸引源42に結合された1つ又は複数の排気チャネル40(40a、40b)を含む。吸引源42は吸引力を供給する。排気チャネル40は、患者インターフェース20を眼22に結合するための吸引を可能にする。この例では、排気チャネル40aを通る吸引力が吸引リング24を眼22に取り付ける、及び/又は排気チャネル40bを通る吸引力がインターフェース部分26を吸引リング24に固定する。
【0023】
インターフェース部分26は、円錐軸又は円筒軸と、円錐内部47を画定する円錐壁46とを備えた略円錐台形状又は略円筒形状(例えば、垂直な直径軸は20%又は10%の偏差範囲内で等しい)を有する。インターフェース部分26は、開口部44内に少なくとも部分的に嵌合するように形状を定められる。円錐壁46は内面70と外面72とを有し、内面70は円錐内部47を画定する。円錐壁46は、上部分74と下部分76とを有する。上部分74は通常、患者インターフェース20をシステム10に結合し、下部分76は、接触部分48を含む又は接触部分48に結合される。接触部分48は、レーザビームに対して半透明又は透明であり、眼22の角膜に接触する当接面49を有する。当接面49は、概して、手術部位よりも外側に配置される。特定の実施形態では、当接面49は平面であり、角膜上に平面領域を形成し、これがxy平面を画定し得る。他の実施形態では、当接面49は平面ではなく、例えば、凸面又は凹面であり得る。
【0024】
患者インターフェース20は、角膜から離れる方向に熱を導く1つ又は複数の構造を有する。構造は、任意の適切な構成を有し得る。そのような構造の例としては、(a)角膜から離れる方向に熱を運ぶ流体を移送する1つ又は複数のチャネル、(b)角膜から離れる方向に熱を移送する冷却芯、及び(c)角膜を冷却するヒートポンプが挙げられる。特定の実施形態では、取付部分21は、角膜の温度を低下させるための1つ又は複数の構造を含み得る。他の実施形態では、インターフェース部分26は、角膜の温度を低下させるための構造の1つ又は複数を含み得る。更に他の実施形態では、取付部分21及びインターフェース部分26は、角膜の温度を低下させるための構造の1つ又は複数を含み得る。構造の例は、
図3~
図9を参照してより詳細に説明される。
【0025】
図3は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェース20の取付部分21の一例を示す。この例では、取付部分21は、入口62と出口64とを備えたチャネル60を有する吸引リング24を含む。チャネル60は、吸引リング24が眼に取り付けられるときに、眼22の近傍に配置される。チャネル60は、任意の適切なサイズ又は形状を有し得る。この例では、チャネル60は環状であり、例えば環状リングであり、このリングは、吸引リング24の内径と等しいか又はそれよりも僅かに大きい内径(例えば、0~10ミリメートル(mm))を有する。チャネル60を通る経路は、任意の適切な直径、例えば、0~10ミクロンの直径を有し得る。
【0026】
動作の一例では、チャネル60は、入口62を通して流体を受け入れる。任意の適切な生体適合性のある冷却又は被冷却流体(例えば、液体又はガス)、例えば、冷水、生理食塩水、又は他の流体、圧縮流体、又は非毒性の冷媒流体が使用され得る。流体は、チャネル60を通って出口64から流出し、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する。
【0027】
図4は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェース20の取付部分21の別の例を示す。この例では、取付部分21は、角膜から離れる方向に熱を伝達するために冷却できる冷却芯70を有する。冷却芯70は、熱を吸収する生体適合性のある冷却又は被冷却材料(例えば、液体、気体、ゲル、又は固体)、例えば、液状、ガス状、ゲル状、又は固体状の、
図3を参照して列挙された生体適合性のある冷却又は被冷却材料、或いは被冷却金属又は他の固体を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却芯70は、材料を収容する筐体を含み得る。
【0028】
冷却芯70は、任意の適切なサイズ又は形状を有し得る。この例では、冷却芯70は、吸引リング24の外径と等しいか又はそれよりも僅かに大きい内径(例えば、0~10mm)を有する環状であり、その結果、冷却芯70は、取付部分21の吸引リング24の溝72などの、受け部内に部分的又は完全に配置することができる。冷却芯70は、吸引リング26の周囲に嵌るように芯70の直径を増大させるために開放でき、その後、吸引リング26の周囲に芯70を固定するために閉鎖できる着脱部分を有し得る。動作の一例では、吸引リング24の溝72は、冷却芯70を受け入れ、この冷却芯70は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する。
【0029】
図5は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェース20の取付部分21の別の例を示す。この例では、取付部分21は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達するヒートポンプ76を有する。任意の適切なヒートポンプ76が使用され得る。ヒートポンプ76の例としては、ペルチェ冷却器、熱電ヒートポンプ、又は熱を伝達する他の固体能動ヒートポンプが挙げられる。
【0030】
図6~
図7Dは、眼22の角膜から熱を除去する、
図2の患者インターフェース20のインターフェース部分26の例を示す。
図6は、チャネル60の側面図を示し、
図7A~
図7Cは、チャネル60a、60b、60cの上面図を示し、
図7Dは、チャネル60dの斜視図を示す。この例では、インターフェース部分26は、入口62と出口64とを備えたチャネル60(60a、60b、60c、60d)を有する。チャネル60aは、接触部分48の領域の大部分(例えば、75~90%又は90%超)を占有し得るチャンバである。チャネル60bは、入口62から出口64への複数の経路を有する。複数の経路は、任意の適切な配置を有し得る。図示の例では、2つの経路は、接触部分48の領域を取り囲む。他の例では、1つ以上の経路は、接触部分48の領域を横断し得る。
【0031】
チャネル60cは、接触部分48を通るラスタパターンを呈する。ラスタパターンは、パターンの第1の側から反対側に移動し、その後、第1の側に戻る線で領域を走査する。チャネル60cのラスタパターンは、任意の適切な構成を有し得る。図示の例では、経路は、接触部分48の領域の約半分を通るラスタパターンを辿り、別の経路は、残りの約半分を通るラスタパターンを辿る。別の例では、1つの経路は、領域の大部分(例えば、75~90%又は90%以上)を通るラスタパターンを辿り得る。更に別の例では、3つ以上の経路は、領域の大部分を通るラスタパターンを辿り得る。更に別の例では、線は、互いにより近付いている又はより離れている場合がある。
【0032】
チャネル60dは、接触部分48の複数の層66(66a、66b)内に配置されている。この例では、流体は、端部68aから層66aに流入し、層66aの端部68b(例えば、反対側の端部)から方向67aに流出する。次いで、流体は、層66aの端部68bにより近い端部68cから層66bに流入し、層66aの端部68aにより近い層66bの端部66d(例えば、反対側の端部)から、方向67aと略反対の(例えば、40度以内で平行な)方向67bに流出する。冷たい流体が最初に流入する端部68a近傍の、層66aの冷たい部分が、温かい流体が流出する端部68d近傍の、層66bの暖かい部分よりも外側に配置されるようにチャネル60dが配置され、その結果、冷たい部分が温かい部分の影響を弱める。チャネル60dは、任意の適切なパターンを有し得る。この例では、チャネル60dは、ラスタパターンを有するが、任意の他の適切なパターン、例えば、チャネル60a又は60bのパターンを有し得る。
【0033】
動作の一例では、チャネル60は、入口62を通して流体を受け入れる。流体は、チャネル60を通り、インターフェース20の接触部分48を通って、出口64から流出し、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する。実施形態では、チャネル60及び/又は流体は、レーザビームの経路内にあり得る。よって、患者インターフェース20及び/又はシステム10の設計及び/又は動作は、チャネル60及び/又は流体がレーザビームにどのように影響を及ぼすかを考慮に入れて補償する必要がある場合がある。例えば、チャネル60及び/又は流体の屈折率を考慮する必要がある場合がある。
【0034】
図8は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェース20のインターフェース部分26の別の例を示す。この例では、インターフェース部分26は、患者インターフェース20の接触部分48よりも外側に配置された冷却芯70を有する。角膜から離れる方向に熱を伝達するために、冷却芯70を冷却することができる。冷却芯70は、任意の適切なサイズ又は形状を有し得る。この例では、冷却芯70は、インターフェース部分26の内径と等しいか又はそれよりも僅かに小さい外径(例えば、0~10mm)を有する環状又は円形である。動作の一例では、インターフェース部分26は、冷却芯70を受け入れ、この冷却芯70は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する。
【0035】
図9は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達する、
図2の患者インターフェース20のインターフェース部分26の別の例を示す。この例では、インターフェース部分26は、眼22の角膜から離れる方向に熱を伝達するヒートポンプ76を有する。ヒートポンプ76は、ヒートポンプ76がレーザビームと干渉しない箇所などの、患者インターフェース20(例えば、インターフェース部分26及び/又は吸引リング24)の任意の適切な箇所に配置又は結合され得る。この例では、ヒートポンプ76は、インターフェース部分26に結合されているが、眼22に接触していない。他の例では、ヒートポンプ76は、眼22に近接する又は触れる患者インターフェース20の表面に結合されるなど、ヒートポンプ76が眼22に接触する場所に配置され得る。任意の適切なヒートポンプ76、例えば、
図5を参照して説明したヒートポンプが使用され得る。
【0036】
図10は、特定の実施形態による、
図2の患者インターフェース20と共に使用され得る、眼科処置中に角膜を冷却するための方法の一例を示す。方法は、患者インターフェース20の少なくとも一部が冷却される、ステップ210で始まる。冷却された部分は、取付部分21及び/又はインターフェース部分26であり得る。特定の実施形態では、この部分は、熱を吸収する生体適合性のある冷却又は被冷却材料(例えば、液体、気体、ゲル、又は固体)、例えば、
図4を参照して列挙された材料を含み得る。患者インターフェース20は、ステップ212において、角膜の領域よりも外側に結合される。患者インターフェース20の冷却された部分は、ステップ214において、角膜の領域から離れる方向に熱を伝達して領域を冷却する。方法は終了する。
【0037】
図11は、特定の実施形態による、
図2の患者インターフェース20と共に使用され得る、眼科処置中に角膜を冷却するための方法の別の例を示す。方法は、患者インターフェース20が角膜の領域よりも外側に結合される、ステップ310で始まる。ステップ312において、角膜の領域から離れる方向に熱が伝達される。患者インターフェース20のタイプに応じて、チャネル、冷却芯、又はヒートポンプを介して熱が伝達され得る。
【0038】
ステップ320及び322において、チャネルを介して熱が伝達される。患者インターフェースは、ステップ320において流体をチャネル内に受け入れる。流体は、ステップ322においてチャネルを通って移動し、領域から離れる方向に熱を伝達する。ステップ330及び332において、冷却芯を介して熱が伝達される。患者インターフェースは、ステップ330において冷却芯をチャネル又は溝内に受け入れる。冷却芯は、ステップ332において、領域から離れる方向に熱を伝達する。ステップ340において、ヒートポンプを介して熱が伝達される。ヒートポンプは、ステップ340において、領域から離れる方向に熱を伝達する。熱を伝達した後に、方法はステップ350で終了する。
【0039】
本明細書に開示されるシステム及び装置の構成要素(コンピュータ30など)は、インターフェース、ロジック、及び/又はメモリを含み得、これらのうちのいずれかがコンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。インターフェースは、構成要素への入力を受信する、及び/又は構成要素からの出力を送信することができ、通常、ソフトウェア、ハードウェア、周辺機器、ユーザ、及びこれらの組み合わせなどの間で情報を交換するために使用される。ユーザインターフェースは、コンピュータと通信する(例えば、コンピュータに入力を送信する及び/又はコンピュータから出力を受信する)ためにユーザが利用できるインターフェースの一種である。ユーザインターフェースの例としては、ディスプレイ、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジェスチャセンサ、マイク、及びスピーカが挙げられる。
【0040】
ロジックは、構成要素の操作を行うことができる。ロジックは、データを処理する、例えば命令を実行して入力から出力を生成する1つ又は複数の電子装置を含み得る。かかる電子装置の例としては、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ(例えば中央処理装置(CPU))、及びコンピュータチップが挙げられる。ロジックは、操作を行うために電子装置により実行されることができる命令を符号化するコンピュータソフトウェアを含み得る。コンピュータソフトウェアの例としては、コンピュータプログラム、アプリケーション、及びオペレーティングシステムが挙げられる。
【0041】
メモリは、情報を記憶することができ、有形のコンピュータ可読及び/又はコンピュータ実行可能なストレージ媒体を含み得る。メモリの例としては、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM))、マスストレージメディア(例えば、ハードディスク)、リムーバブルストレージメディア(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオ若しくは多用途ディスク(DVD))、データベース、ネットワークストレージ(例えば、サーバ)、及び/又は他のコンピュータ可読媒体が挙げられる。特定の実施形態は、コンピュータソフトウェアを用いて符号化されたメモリを対象とし得る。
【0042】
特定の実施形態に関して本開示を説明してきたが、実施形態の修正形態(例えば、変更形態、置換形態、追加形態、省略形態及び/又は他の修正形態)が、当業者には明らかになろう。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に対する修正がなされ得る。例えば、本明細書で開示されたシステム及び装置に対する修正がなされ得る。当業者に明らかであるように、システム及び装置の構成要素は、統合若しくは分離され得る、又はシステム及び装置の動作は、より多い、より少ない、若しくは他の構成要素によって実行され得る。別の例として、本明細書で開示された方法に対する修正がなされ得る。当業者に明らかであるように、方法は、より多い、より少ない、又は他のステップを含み得、ステップは、任意の適当な順序で実行され得る。
【0043】
請求項を解釈する際に特許庁及び読者を助けるために、本出願人らは「用語“means for”又は“step for”が特定請求項において明示的に使用されない限り請求項又は請求要素のいかなるものも米国特許法第112条(f)を想起させるように意図されてない」ということを注記する。請求項内の任意の他の用語(例えば、「機構」、「モジュール」、「装置」、「ユニット」、「構成要素」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」、又は「コントローラ」)の使用は、当業者にとって知られている構造を指すものと本出願人らにより理解され、したがって米国特許法第112条(f)想起させるように意図されていない。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科レーザシステムのための患者インターフェースであって、
眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させるように構成された透過部分と、
前記透過部分よりも外側に配置されたインターフェース壁と、
を含む、インターフェース部分と、
前記眼科処置を施すように前記レーザビームを透過させて前記角膜に到達させるために、前記インターフェース部分を前記眼の前記角膜の領域に結合し、
前記眼科処置中に前記領域の温度を低下させる、
ように構成された取付部分と、
を含む、患者インターフェース。
【請求項2】
前記取付部分は、1つ又は複数のチャネルを含み、
前記取付部分は、前記1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項3】
前記取付部分は、冷却芯を受け入れるように構成された受け部を含み、
前記取付部分は、前記領域から離れる方向に前記冷却芯が熱を伝達できるようにすることによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項4】
前記取付部分は、熱を伝達するように構成されたヒートポンプを含み、
前記取付部分は、前記ヒートポンプによって前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項5】
前記取付部分は、前記インターフェース部分の前記インターフェース壁を受け入れて前記インターフェース部分を前記取付部分に取り外し可能に結合するように構成された環状形状を有する、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項6】
前記インターフェース部分及び前記取付部分は、一体として形成される、請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項7】
眼科レーザシステムのための患者インターフェースであって、
眼科処置を角膜の領域に施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させ、
前記眼科処置中に前記領域の温度を低下させる
ように構成された透過部分と、
前記透過部分よりも外側に配置されたインターフェース壁と、
を含む、インターフェース部分と、
前記眼科処置を施すように前記レーザビームを透過させて前記角膜に到達させるために、前記インターフェース部分を前記眼の前記角膜の前記領域に結合するように構成された取付部分と、
を含む、患者インターフェース。
【請求項8】
前記透過部分は、
熱を第1の方向に伝達するように構成された第1の層と、
前記第1の層よりも外側に配置された第2の層であって、前記第2の層は、熱を第2の方向に伝達するように構成され、前記第2の方向は、前記第1の方向と略反対である、第2の層と、
を含む、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項9】
前記取付部分は、1つ又は複数のチャネルを含み、
前記取付部分は、前記1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項10】
前記取付部分は、冷却芯を受け入れるように構成された受け部を含み、
前記取付部分は、前記領域から離れる方向に前記冷却芯が熱を伝達できるようにすることによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項11】
前記取付部分は、熱を伝達するように構成されたヒートポンプを含み、
前記取付部分は、前記ヒートポンプによって前記領域から離れる方向に熱を伝達することによって前記領域の前記温度を低下させるように構成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項12】
前記取付部分は、前記インターフェース部分の前記インターフェース壁を受け入れて前記インターフェース部分を前記取付部分に取り外し可能に結合するように構成された環状形状を有する、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項13】
前記インターフェース部分及び前記取付部分は、一体として形成される、請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項14】
眼科レーザシステムのための患者インターフェースであって、
眼科処置を施すようにレーザビームを透過させて眼の角膜に到達させるように構成された透過部分と、
前記透過部分よりも外側に配置されたインターフェース壁と、
を含むインターフェース部分と、
前記眼科処置を施すように前記レーザビームを透過させて前記角膜に到達させるために、前記インターフェース部分を前記眼の前記角膜の領域に結合するように構成された取付部分と、
を含み、
前記取付部分及び前記インターフェース部分は、以下、
前記取付部分及び前記インターフェース部分が、1つ又は複数のチャネルを通して流体を受け入れて前記領域から離れる方向に熱を伝達するように構成される、
前記取付部分及び前記インターフェース部分が、冷却芯を受け入れて前記領域から離れる方向に前記冷却芯が熱を伝達できるようにするように構成された受け部を含む、及び
前記取付部分及び前記インターフェース部分は、ヒートポンプを含み、前記ヒートポンプによって前記領域から離れる方向に熱を伝達するように構成される、
のうちの1つを実現することによって前記眼科処置中に前記領域の温度を低下させるように構成される、
患者インターフェース。
【国際調査報告】