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特表2024-533485がんの治療のためのDR5標的化Multabody
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】がんの治療のためのDR5標的化Multabody
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240905BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20240905BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20240905BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240905BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240905BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240905BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240905BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C07K16/00
C07K14/47
A61P35/00
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K47/68
C12N15/13
C12N15/62 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516380
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 CA2022051361
(87)【国際公開番号】W WO2023035084
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/243,372
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501181075
【氏名又は名称】ザ・ホスピタル・フォー・シック・チルドレン
【氏名又は名称原語表記】THE HOSPITAL FOR SICK CHILDREN
(71)【出願人】
【識別番号】524094745
【氏名又は名称】レイディアント バイオセラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン, ジャン-フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ルハス ディエス, エドゥルネ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューム, ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】ベイリス, ピーター エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ヘ, シンウェン
(72)【発明者】
【氏名】バイルシュミット, メリッサ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB36
4C085BB42
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG10
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
(57)【要約】
1)ナノケージ単量体またはそのサブユニットに連結したFcポリペプチドを含む融合ポリペプチドと、2)DR5に結合することができる抗原結合抗体断片を含む融合ポリペプチドと、を含む自己組織化ポリペプチド複合体。本発明は、(a)(1)Fcポリペプチド及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む融合ポリペプチドと、(b)(1)DR5に結合することができる抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む融合ポリペプチドと、を含む自己組織化ポリペプチド複合体の提供によって、この必要性に対処する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己組織化ポリペプチド複合体であって、
(a)複数の第1の融合ポリペプチドであって、各第1の融合ポリペプチドが、(1)Fcポリペプチド及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む、前記複数の第1の融合ポリペプチドと、
(b)複数の第2の融合ポリペプチドであって、各第2の融合ポリペプチドが、(1)DR5に結合することができる抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む、前記複数の第2の融合ポリペプチドと、を含み、
前記Fcポリペプチドが、IgG1 Fc鎖を含み、前記IgG1鎖が、EU番号付けによる、(1)237位のグリシン以外のアミノ酸残基、及び(2)329位のプロリン残基を含む、前記自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項2】
各第1の融合ポリペプチド及び各第2の融合ポリペプチドにおける前記ナノケージ単量体またはそのサブユニットが、フェリチン単量体またはそのサブユニットである、請求項1に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項3】
前記フェリチン単量体またはそのサブユニットが、フェリチン軽鎖またはそのサブユニットである、請求項2に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項4】
前記フェリチン単量体またはそのサブユニットが、ヒトフェリチンまたはそのサブユニットである、請求項2または3に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項5】
いずれのフェリチン重鎖またはフェリチン重鎖のサブユニットも含まない、請求項2~4のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項6】
前記フェリチン単量体またはそのサブユニットが、フェリチン単量体サブユニットである、請求項2~5のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項7】
a.各第1の融合ポリペプチドが、C-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドが、N-半フェリチンを含むか、または
b.各第1の融合ポリペプチドが、N-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドが、C-半フェリチンを含む、請求項6に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項8】
各第1の融合ポリペプチドが、アミノ酸リンカーを介して前記C-半フェリチンのN末端に連結されたFcポリペプチドを含む、請求項7に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項9】
前記アミノ酸リンカーが、(GS)リンカーを含む、請求項8に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項10】
前記(GS)リンカーが、(GGGGS)(配列番号54)リンカーである、請求項9に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項11】
前記Fcポリペプチドが、2つのFc鎖を含む一本鎖Fc(scFc)を含み、前記2つのFc鎖が、アミノ酸リンカーを介して連結されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項12】
前記2つのFc鎖を連結する前記アミノ酸リンカーが、(GS)リンカーを含む、請求項11に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項13】
前記(GS)リンカーが、(GGGGS)(配列番号54)リンカーである、請求項12に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項14】
前記Fcポリペプチドが、IgG1 Fc鎖を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項15】
前記IgG1 Fc鎖が、EU番号付けによる、237位のアラニンを含む、請求項14に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項16】
前記IgG1 Fc鎖が、EU番号付けによる、234位のアラニン、235位のアラニン、236位のアルギニン、及び330位のロイシンを含む、請求項14または15に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項17】
各第2の融合ポリペプチド内で、前記抗原結合抗体断片が、前記ナノケージ単量体またはそのサブユニットのN末端に連結されている、請求項1~16のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項18】
各第2の融合ポリペプチドの前記抗原結合抗体断片が、Fab断片である、請求項1~17のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項19】
各第2の融合ポリペプチドが、いずれの抗体CH2またはCH3ドメインも含まない、請求項1~18のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項20】
複数の第3の融合ポリペプチドをさらに含み、各第3の融合ポリペプチドが、(1)抗原結合抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含み、前記第3の融合ポリペプチドが、前記第2の融合ポリペプチドとは異なる、請求項1~19のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項21】
各第3の融合ポリペプチドの前記抗原結合抗体断片が、Fab断片である、請求項20に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項22】
各第3の融合ポリペプチドが、いずれの抗体CH2またはCH3ドメインも含まない、請求項21に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項23】
各第1の融合ポリペプチド及び各第2の融合ポリペプチドの前記ナノケージ単量体またはそのサブユニットが、フェリチン単量体サブユニットであり、
a.各第1の融合ポリペプチドが、C-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドが、N-半フェリチンを含むか、または
b.各第1の融合ポリペプチドが、N-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドが、C-半フェリチンを含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項24】
前記自己組織化ポリペプチド複合体が、第1の融合ポリペプチド対第2の融合ポリペプチドの比が1:1であることを特徴とする、請求項1~23のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項25】
合計で24~48個の融合ポリペプチドを含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項26】
合計で少なくとも24個の融合ポリペプチドを含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項27】
合計で少なくとも32個の融合ポリペプチドを含む、請求項26に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項28】
合計で約32個の融合ポリペプチドを有する、請求項27に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項29】
前記自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物を投与した後に、前記自己組織化ポリペプチド複合体の濃度が、投与を必要とする対象への投与後の最初の7日間、同じ投与経路によって及び同様の組成物中で投与される参照IgG分子の濃度と実質的に同様であることを特徴とする、請求項1~28のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項30】
インビトロアッセイで決定された場合、少なくとも1つのヒトFcγ受容体への結合を示さない、請求項1~29のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項31】
インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRI、hFcγRIIa、hFcγRIIb、hFcγRIIIa、hFcγRIIIb、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のヒトFcγ受容体への結合を示さない、請求項30に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項32】
インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIへの結合を示さない、請求項31に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項33】
インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIaへの結合を示さない、請求項31または32に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項34】
インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIIaへの結合を示さない、請求項31、32、または33のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項35】
インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIbへの結合を示さない、請求項31~34のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項36】
インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIIbへの結合を示さない、請求項31~36のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項37】
自己組織化ポリペプチド複合体であって、
(a)複数の第1の融合ポリペプチドであって、各第1の融合ポリペプチドが、(1)scFc及び(2)フェリチン単量体またはそのサブユニットを含む、前記複数の第1の融合ポリペプチドと、
(b)複数の第2の融合ポリペプチドであって、各第2の融合ポリペプチドが、(1)DR5に結合することができる抗体断片及び(2)フェリチン単量体またはそのサブユニットを含む、前記複数の第2の融合ポリペプチドと、を含み、前記scFcが、2つのIgG1 Fc鎖を含み、各IgG1 Fc鎖が、EU番号付けによる、234位のアラニン、235位のアラニン、236位のアルギニン、237位のアラニン、329位のプロリン、及び330位のロイシンを含む、前記自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項38】
a.各第1の融合ポリペプチドが、C-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドが、N-半フェリチンを含むか、または
b.各第1の融合ポリペプチドが、N-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドが、C-半フェリチンを含む、請求項37に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項39】
各第1の融合ポリペプチドが、前記C-半フェリチンのN末端に連結されたscFcを含み、各第2の融合ポリペプチドが、前記N-半フェリチンのN末端に連結されたFabを含む、請求項38に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項40】
(1)各第1の融合ポリペプチドにおいて、前記scFcが、アミノ酸リンカーを介して、前記C-半フェリチンのN末端に連結されており、及び/または(2)各第2の融合ポリペプチドにおいて、前記Fabが、アミノ酸リンカーを介して、N-半フェリチンのN末端に連結されている、請求項39に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項41】
前記自己組織化ポリペプチド複合体が、第1の融合ポリペプチド対第2の融合ポリペプチドの比が1:1であることを特徴とする、請求項38~40のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項42】
複数の第3の融合ポリペプチドをさらに含み、各第3の融合ポリペプチドが、(1)抗原結合抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含み、前記第3の融合ポリペプチドが、前記第2の融合ポリペプチドとは異なる、請求項37~41のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項43】
合計で24~48個の融合ポリペプチドを含む、請求項37~42のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項44】
合計で少なくとも24個の融合ポリペプチドを含む、請求項37~43のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項45】
合計で少なくとも32個の融合ポリペプチドを含む、請求項44に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項46】
合計で約32個の融合ポリペプチドを有する、請求項45に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項47】
前記抗体断片が、(1)CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3を含む重鎖と、(2)CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む軽鎖と、を含み、
(a)(i)前記CDR-H1が、配列番号27の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号28の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号29の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号24の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号25の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号26の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有するか、
(b)(i)前記CDR-H1が、配列番号35の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号36の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号37の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号32の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号33の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号34の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有するか、
(c)(i)前記CDR-H1が、配列番号43の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号44の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号45の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号40の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号41の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号42の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有するか、
または
(d)(i)前記CDR-H1が、配列番号51の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号52の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号53の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号48の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号49の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号50の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有する、請求項1~46のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項48】
前記抗体断片が、
(1)CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3を含む重鎖と、(2)CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む軽鎖と、を含み、
(a)(i)前記CDR-H1が、配列番号27の配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号28の配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号29の配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号24の配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号25の配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号26の配列を有するか、
(b)(i)前記CDR-H1が、配列番号35の配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号36の配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号37の配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号32の配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号33の配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号34の配列を有するか、
(c)(i)前記CDR-H1が、配列番号43の配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号44の配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号45の配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号40の配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号41の配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号42の配列を有するか、
または
(d)(i)前記CDR-H1が、配列番号51の配列を有し、
(ii)前記CDR-H2が、配列番号52の配列を有し、
(iii)前記CDR-H3が、配列番号53の配列を有し、
(iv)前記CDR-L1が、配列番号48の配列を有し、
(v)前記CDR-L2が、配列番号49の配列を有し、
(vi)前記CDR-L3が、配列番号50の配列を有する、請求項47に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項49】
前記抗体断片が、
(1)参照V配列と少なくとも85%同一である重鎖可変領域と、
(2)参照V配列と少なくとも85%同一である軽鎖可変領域と、を含み、
(a)前記参照V配列が、配列番号23の配列を有し、前記参照V配列が、配列番号22の配列を有するか、
(b)前記参照V配列が、配列番号31の配列を有し、前記参照V配列が、配列番号30の配列を有するか、
(c)前記参照V配列が、配列番号39の配列を有し、前記参照V配列が、配列番号38の配列を有するか、または
(d)前記参照V配列が、配列番号47の配列を有し、前記参照V配列が、配列番号46の配列を有する、請求項1~48のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体。
【請求項50】
請求項1~49のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物を、哺乳動物対象に投与することを含む、方法。
【請求項51】
前記対象が、ヒトである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記対象が、投与時に、腫瘍を有すると診断されるか、または腫瘍を発症するリスクがある、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
前記投与ステップが、前記腫瘍の進行の遅延または阻害をもたらす、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記投与ステップが、前記腫瘍の退縮をもたらす、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記投与ステップが、前記腫瘍の完全な退縮をもたらす、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
全身経路による投与を含む、請求項50~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記全身経路が、皮下、静脈内、または筋肉内注射、吸入、または鼻腔内投与を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
哺乳動物対象への投与のための、請求項1~49のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物の使用。
【請求項59】
前記対象が、ヒトである、請求項58に記載の使用。
【請求項60】
前記対象が、投与時に、腫瘍を有すると診断されるか、または腫瘍を発症するリスクがある、請求項58または59に記載の使用。
【請求項61】
前記腫瘍の進行を遅延または阻害するための、請求項60に記載の使用。
【請求項62】
前記腫瘍の退縮を引き起こすための、請求項60または61に記載の使用。
【請求項63】
前記腫瘍の完全な退縮を引き起こすための、請求項62に記載の使用。
【請求項64】
全身投与のための、請求項58~63のいずれか1項に記載の使用。
【請求項65】
全身投与が、皮下、静脈内、もしくは筋肉内注射、吸入、または鼻腔内投与を含む、請求項64に記載の使用。
【請求項66】
哺乳動物対象への投与で使用するための、請求項1~49のいずれか1項に記載の自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物。
【請求項67】
前記対象が、ヒトである、請求項66に記載の使用のための組成物。
【請求項68】
前記対象が、投与時に、腫瘍を有すると診断されるか、または腫瘍を発症するリスクがある、請求項66または67に記載の使用のための組成物。
【請求項69】
前記腫瘍の進行を遅延または阻害するための、請求項68に記載の使用のための組成物。
【請求項70】
前記腫瘍の退縮を引き起こすための、請求項68または69に記載の使用のための組成物。
【請求項71】
前記腫瘍の完全な退縮を引き起こすための、請求項70に記載の使用のための組成物。
【請求項72】
全身投与のための、請求項66~71のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項73】
全身投与が、皮下、静脈内、もしくは筋肉内注射、吸入、または鼻腔内投与を含む、請求項72に記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月13日に出願された米国仮出願第63/243,372号の利益及び優先権を主張するものであり、その全体の内容は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、XMLフォーマットで電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。当該XMLファイルは、2022年9月13日に作成され、Sequence Listing Sep-2022 3206-5069_Rという名前で、サイズは57.6キロバイトである。
【背景技術】
【0003】
デスレセプター5(DR5)は、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。DR5は、リガンド結合時に受容体三量体化によって活性化される。活性化されると、DR5は、細胞内アポトーシスシグナルを細胞に送達する。DR5は、様々な種類のがん細胞において上方制御され、がん療法のための魅力的な標的を提示する。しかしながら、DR5を標的とすることに基づく候補の治療薬の有効性は、例えば、細胞膜内の受容体を架橋する能力が不十分であるなどの要因によって制限され得る。
【0004】
DR5を標的とするための改善された組成物及び方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(a)(1)Fcポリペプチド及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む融合ポリペプチドと、(b)(1)DR5に結合することができる抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む融合ポリペプチドと、を含む自己組織化ポリペプチド複合体の提供によって、この必要性に対処する。ある特定の実施形態では、Fcポリペプチドは、特定の位置にあるある特定のアミノ酸残基、及び自己組織化ポリペプチド複合体を含む。
【0006】
一態様では、
(a)複数の第1の融合ポリペプチドであって、各第1の融合ポリペプチドが、(1)Fcポリペプチド及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む、複数の第1の融合ポリペプチドと、
(b)複数の第2の融合ポリペプチドであって、各第2の融合ポリペプチドが、(1)DR5に結合することができる抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む、複数の第2の融合ポリペプチドと、を含む自己組織化ポリペプチド複合体が提供され、
Fcポリペプチドは、IgG1 Fc鎖を含み、IgG1鎖は、EU番号付けによる、(1)237位のグリシン以外のアミノ酸残基、及び(2)329位のプロリン残基を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、各第1の融合ポリペプチド及び各第2の融合ポリペプチドにおけるナノケージ単量体またはそのサブユニットは、フェリチン単量体またはそのサブユニットである。
【0008】
いくつかの実施形態では、フェリチン単量体またはそのサブユニットは、フェリチン軽鎖またはそのサブユニットである。
【0009】
いくつかの実施形態では、フェリチン単量体またはそのサブユニットは、ヒトフェリチンまたはそのサブユニットである。
【0010】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、いずれのフェリチン重鎖またはフェリチン重鎖のサブユニットも含まない。
【0011】
いくつかの実施形態では、フェリチン単量体またはそのサブユニットは、フェリチン単量体サブユニットである。
【0012】
いくつかの実施形態では、
a.各第1の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンを含むか、または
b.各第1の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、各第1の融合ポリペプチドは、アミノ酸リンカーを介してC-半フェリチンのN末端に連結されたFcポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸リンカーは、(GS)リンカーを含む。いくつかの実施形態では、(GS)リンカーは、(GGGGS)(配列番号54)リンカーである。
【0014】
いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、2つのFc鎖を含む一本鎖Fc(scFc)を含み、2つのFc鎖は、アミノ酸リンカー、例えば、(GS)リンカー、例えば、(GGGGS)(配列番号54)リンカーを含むアミノ酸リンカーを介して連結されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、IgG1 Fc鎖を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、IgG1 Fc鎖は、EU番号付けによる、237位のアラニンを含む。いくつかの実施形態では、IgG1 Fc鎖は、EU番号付けによる、234位のアラニン、235位のアラニン、236位のアルギニン、及び330位のロイシンを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、各第2の融合ポリペプチド内で、抗原結合抗体断片は、ナノケージ単量体またはそのサブユニットのN末端に連結されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、各第2の融合ポリペプチドの抗原結合抗体断片は、Fab断片である。いくつかの実施形態では、各第2の融合ポリペプチドは、いずれの抗体CH2またはCH3ドメインも含まない。
【0019】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、複数の第3の融合ポリペプチドをさらに含み、各第3の融合ポリペプチドは、(1)抗原結合抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含み、第3の融合ポリペプチドは、第2の融合ポリペプチドとは異なる。
【0020】
いくつかの実施形態では、各第3の融合ポリペプチドの抗原結合抗体断片は、Fab断片である。
【0021】
いくつかの実施形態では、各第3の融合ポリペプチドは、いずれの抗体CH2またはCH3ドメインも含まない。
【0022】
いくつかの実施形態では、各第1の融合ポリペプチド及び各第2の融合ポリペプチドのナノケージ単量体またはそのサブユニットは、フェリチン単量体またはそのサブユニットであり、
a.各第1の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンを含むか、または
b.各第1の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、第1の融合ポリペプチド対第2の融合ポリペプチドの比が1:1であることを特徴とする。
【0024】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で24~48個の融合ポリペプチドを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で少なくとも24個の融合ポリペプチドを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で少なくとも32個の融合ポリペプチドを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計約32個の融合ポリペプチドを有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物を投与した後に、自己組織化ポリペプチド複合体の濃度は、投与を必要とする対象への投与後の最初の7日間、同じ投与経路によって及び同様の組成物中で投与される参照IgG分子の濃度と実質的に同様である。
【0029】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、インビトロアッセイで決定された場合、少なくとも1つのヒトFcγ受容体への結合を示さない。
【0030】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRI、hFcγRIIa、hFcγRIIb、hFcγRIIIa、hFcγRIIIb、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のヒトFcγ受容体への結合を示さない。
【0031】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIへの結合を示さない。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIaへの結合を示さない。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIIaへの結合を示さない。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIbへの結合を示さない。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、インビトロアッセイで決定された場合、hFcγRIIIbへの結合を示さない。
【0032】
ある特定の実施形態では、
(a)複数の第1の融合ポリペプチドであって、各第1の融合ポリペプチドが、(1)scFc及び(2)フェリチン単量体またはそのサブユニットを含む、複数の第1の融合ポリペプチドと、
(b)複数の第2の融合ポリペプチドであって、各第2の融合ポリペプチドが、(1)DR5に結合することができる抗体断片及び(2)フェリチン単量体またはそのサブユニットを含む、複数の第2の融合ポリペプチドと、を含む自己組織化ポリペプチド複合体が提供され、scFcは、2つのIgG1 Fc鎖を含み、各IgG1 Fc鎖が、EU番号付けによる、234位のアラニン、235位のアラニン、236位のアルギニン、237位のアラニン、329位のプロリン、及び330位のロイシンを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、
a.各第1の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンを含むか、または
b.各第1の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンを含み、各第2の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、各第1の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンのN末端に連結されたscFcを含み、各第2の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンのN末端に連結されたFabを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、各第1の融合ポリペプチドにおいて、scFcが、アミノ酸リンカーを介して、C-半フェリチンのN末端に連結されており、及び/または(2)各第2の融合ポリペプチドにおいて、Fabは、アミノ酸リンカーを介して、N-半フェリチンのN末端に連結されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、第1の融合ポリペプチド対第2の融合ポリペプチドの比が1:1であることを特徴とする。
【0037】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、複数の第3の融合ポリペプチドをさらに含み、各第3の融合ポリペプチドは、(1)抗原結合抗体断片及び(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットを含み、第3の融合ポリペプチドは、第2の融合ポリペプチドとは異なる。
【0038】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で24~48個の融合ポリペプチドを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で少なくとも24個の融合ポリペプチドを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で少なくとも32個の融合ポリペプチドを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計約32個の融合ポリペプチドを有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、抗体断片は、(1)CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3を含む重鎖と、(2)CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む軽鎖と、を含み、
(a)(i)CDR-H1は、配列番号27の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号28の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号29の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号24の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号25の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号26の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有するか、
(b)(i)CDR-H1は、配列番号35の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号36の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号37の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号32の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号33の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号34の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有するか、
(c)(i)CDR-H1は、配列番号43の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号44の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号45の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号40の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号41の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号42の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有するか、
または
(d)(i)CDR-H1は、配列番号51の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号52の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号53の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号48の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号49の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号50の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸だけ異なる配列を有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、抗体断片は、(1)CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3を含む重鎖と、(2)CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む軽鎖と、を含み、
(a)(i)CDR-H1は、配列番号27の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号28の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号29の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号24の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号25の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号26の配列を有するか、
(b)(i)CDR-H1は、配列番号35の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号36の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号37の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号32の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号33の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号34の配列を有するか、
(c)(i)CDR-H1は、配列番号43の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号44の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号45の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号40の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号41の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号42の配列を有するか、
または
(d)(i)CDR-H1は、配列番号51の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号52の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号53の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号48の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号49の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号50の配列を有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、抗体断片は、
(1)参照VH配列と少なくとも85%同一である重鎖可変領域と、
(2)参照VL配列と少なくとも85%同一である軽鎖可変領域と、を含み、
(a)参照VH配列は、配列番号23の配列を有し、参照VL配列は、配列番号22の配列を有するか、
(b)参照VH配列は、配列番号31の配列を有し、参照VL配列は、配列番号30の配列を有するか、
(c)参照VH配列は、配列番号39の配列を有し、参照VL配列は、配列番号38の配列を有するか、または
(d)参照VH配列は、配列番号47の配列を有し、参照VL配列は、配列番号46の配列を有する。
【0045】
一態様では、本明細書に開示される自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物を哺乳動物対象に投与することを含む方法が提供される。
【0046】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0047】
いくつかの実施形態では、対象は、投与時に腫瘍を有すると診断されるか、または腫瘍を発症するリスクがある。
【0048】
いくつかの実施形態では、投与ステップは、腫瘍の進行の遅延または阻害をもたらす。
【0049】
いくつかの実施形態では、投与ステップは、腫瘍の退縮をもたらす。
【0050】
いくつかの実施形態では、投与ステップは、腫瘍の完全な退縮をもたらす。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法は、全身経路、例えば、皮下、静脈内、もしくは筋肉内注射、吸入、または鼻腔内投与を含む全身経路による投与を含む。
【0052】
一態様では、哺乳動物対象への投与のための、本明細書に記載の自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物の使用が提供される。
【0053】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0054】
いくつかの実施形態では、対象は、投与時に腫瘍を有すると診断されるか、または腫瘍を発症するリスクがある。
【0055】
いくつかの実施形態では、使用は、腫瘍の進行を遅延または阻害するためのものである。
【0056】
いくつかの実施形態では、使用は、腫瘍の退縮を引き起こすためのものである。
【0057】
いくつかの実施形態では、使用は、腫瘍の完全な退縮を引き起こすためのものである。
【0058】
いくつかの実施形態では、使用は、全身投与のためのものである。
【0059】
いくつかの実施形態では、全身投与は、皮下、静脈内、もしくは筋肉内注射、吸入、または鼻腔内投与を含む。
【0060】
一態様では、哺乳動物対象への投与で使用するための、本明細書に記載の自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物が提供される。
【0061】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0062】
いくつかの実施形態では、対象は、投与時に腫瘍を有すると診断されるか、または腫瘍を発症するリスクがある。
【0063】
いくつかの実施形態では、組成物は、腫瘍の進行を遅延または阻害するためのものである。
【0064】
いくつかの実施形態では、組成物は、腫瘍の退縮を引き起こすためのものである。
【0065】
いくつかの実施形態では、組成物は、腫瘍の完全な退縮を引き起こすためのものである。
【0066】
いくつかの実施形態では、組成物は、全身投与のためのものである。
【0067】
いくつかの実施形態では、全身投与は、皮下、静脈内、もしくは筋肉内注射、吸入、または鼻腔内投与を含む。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1A】ヒトフェリチン軽鎖(hFTL)及び例示的なN-半フェリチン(N-hFTL)及びC-半フェリチン(C-hFTL)分子の図的表現である。
【0069】
図1B】本開示の例示的なMultabodyを一緒に形成する融合ポリペプチドの図的表現である。
【0070】
図2】それぞれ、ヒトDR5、ヒトDR4、ヒトオステオプロテゲリン(OPG)、ヒトデコイ受容体1(DcR1)、及びヒトDcR2へのDR5標的化Multabody(Cona MB IgG1 LLRAL)の結合のためのバイオレイヤー干渉法(BLI)時間応答曲線を示す。
【0071】
図3】会合のためにpH6.0及び解離のためにpH7.4で測定した、ヒト、カニクイザル、及びマウスのFcRnへの様々なFc鎖を含むDR5標的化Multabodyの結合のための例示的なBLI時間応答曲線を示す。
【0072】
図4】定量化され、ビヒクル処置された腫瘍細胞に対するMultabodyまたは抗体処置後の生存可能な細胞の割合として表される、異なるヒト腫瘍細胞株におけるCona MB IgG1 wt、Cona MB IgG1 LLRAL、及びコナツムマブ(Cona)によるがん細胞の用量依存的殺傷を示す。
【0073】
図5A】実施例6に記載される薬物動態研究の設計を示す概略図である。
【0074】
図5B】重症複合免疫不全症(SCID)マウスに投与された単回腹腔内(i.p.)または静脈内(i.v.)用量後のCona MB IgG1 wt、Cona MB IgG1 LLRAL、またはコナツムマブ(Cona)の血漿レベルを示すプロットを示す。
【0075】
図5C】96時間間隔で、2つの腹腔内用量を投与されたSCIDマウスにおけるCona MB IgG1 LLRALまたはコナツムマブの血漿レベルを示す。
【0076】
図6A】実施例7に記載され、かつCOLO205異種移植マウスモデルで実施されたインビボ有効性実験の設計を示す概略図である。
【0077】
図6B】COLO205異種移植腫瘍を有し、ビヒクル、コナツムマブ、またはCona MB IgG1 LLRALで処置されたマウスにおける、様々な時点(図6B)及び88日目(図6C)の腫瘍体積を示す。
図6C】COLO205異種移植腫瘍を有し、ビヒクル、コナツムマブ、またはCona MB IgG1 LLRALで処置されたマウスにおける、様々な時点(図6B)及び88日目(図6C)の腫瘍体積を示す。
【0078】
図6D】ビヒクル(図6D)、コナツムマブ(図6E)、またはCona MB IgG1 LLRAL(図6F及び6G)で処置した個々のCOLO205異種移植腫瘍保有マウスの腫瘍増殖曲線を示す。
図6E】ビヒクル(図6D)、コナツムマブ(図6E)、またはCona MB IgG1 LLRAL(図6F及び6G)で処置した個々のCOLO205異種移植腫瘍保有マウスの腫瘍増殖曲線を示す。
図6F】ビヒクル(図6D)、コナツムマブ(図6E)、またはCona MB IgG1 LLRAL(図6F及び6G)で処置した個々のCOLO205異種移植腫瘍保有マウスの腫瘍増殖曲線を示す。
図6G】ビヒクル(図6D)、コナツムマブ(図6E)、またはCona MB IgG1 LLRAL(図6F及び6G)で処置した個々のCOLO205異種移植腫瘍保有マウスの腫瘍増殖曲線を示す。
【0079】
図6H】COLO205異種移植腫瘍保有マウスへの腹腔内投与後のCona MB IgG1 LLRALまたはコナツムマブの血漿レベルを示す時間プロットである。
【0080】
図7A】第1の用量以来の経時的な様々な群におけるマウスの腫瘍体積を示すプロットである。「MB」は、Cona MB IgG1 LLRAL群を示す。X軸上の三角形は、治療時点を示す。
図7B】ビヒクル(図7B)ならびに5mg/kg、1mg/kg、0.25mg/kg、及び0.1mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置(それぞれ、図7C図7D図7E、及び図7F)群内の個々のマウスの腫瘍体積を示す。図7B~7Fにおいて、「CR」は、完全な退縮を示す。
図7C】ビヒクル(図7B)ならびに5mg/kg、1mg/kg、0.25mg/kg、及び0.1mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置(それぞれ、図7C図7D図7E、及び図7F)群内の個々のマウスの腫瘍体積を示す。図7B~7Fにおいて、「CR」は、完全な退縮を示す。
図7D】ビヒクル(図7B)ならびに5mg/kg、1mg/kg、0.25mg/kg、及び0.1mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置(それぞれ、図7C図7D図7E、及び図7F)群内の個々のマウスの腫瘍体積を示す。図7B~7Fにおいて、「CR」は、完全な退縮を示す。
図7E】ビヒクル(図7B)ならびに5mg/kg、1mg/kg、0.25mg/kg、及び0.1mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置(それぞれ、図7C図7D図7E、及び図7F)群内の個々のマウスの腫瘍体積を示す。図7B~7Fにおいて、「CR」は、完全な退縮を示す。
図7F】ビヒクル(図7B)ならびに5mg/kg、1mg/kg、0.25mg/kg、及び0.1mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置(それぞれ、図7C図7D図7E、及び図7F)群内の個々のマウスの腫瘍体積を示す。図7B~7Fにおいて、「CR」は、完全な退縮を示す。
【0081】
図7G】第1の用量が投与された後の様々な時点で収集された血液試料中で検出可能なCona MB IgG1 LLRALの量を示すプロットである。Cona MB IgG1 LLRALは、0.1mg/kg、0.25mg/kg、1mg/kg/、及び5mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置群で試験されたすべての時点で検出可能であり、薬物動態はすべての用量群で直線的に現れた。
【0082】
図8】COLO205異種移植マウスモデルにおけるDR5標的化Multabodyによる大腫瘍浸透及びアポトーシス誘導の研究の設計を示す概略図である。実験は実施例9に記載する。
【0083】
図9】未治療(図9A及び9C)のマウスまたはDR5標的化Multabody(「MB」)で治療(図9B及び9D)したマウス由来の代表的な腫瘍切片を示す。切片を、アポトーシスのマーカーである切断カスパーゼ-3に対する抗体で染色した。実験は実施例9に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0084】
定義
用語「約(about)」及び「およそ(approximately)」は、値に関して本明細書で使用されるとき、互換的に使用され、参照される値と同様の値を指す。一般に、文脈に精通している当業者は、その文脈において「約」または「およそ」に包含される関連する程度の変動を理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、用語「約」及び「およそ」は、参照値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下の範囲に入る値を包含し得る。
【0085】
本明細書で使用される場合、用語「改変する」、「改変された」、「減少させる」、「減少された」、「増加させる」、「増加された」、または「低減」、「低減された」(例えば、特定の結果または効果に関して)は、参照レベルに対する意味を有する。いくつかの実施形態では、Fc鎖またはFcポリペプチドにおける変異を考察する文脈において、参照レベルは、Fc領域内の参照される変異(複数可)を含まないIgGで既知または決定されるレベルである。
【0086】
本明細書で使用される場合、「結合」という用語は、別途指定されない限り、2つ以上の実体間の、またはそれらの間の非共有結合会合を指す。「直接」結合は、実体または部分間の物理的接触を伴い、間接結合は、1つ以上の中間実体との物理的接触による物理的相互作用を伴う。2つ以上の実体間の結合は、典型的には、様々な状況のうちのいずれかで評価することができ、これには、相互作用する実体または部分が、単独で、またはより複雑なシステムの状況で(例えば、共有結合的に、またはそうでなければ担体実体と会合している間、及び/または生物学的システムもしくは細胞内で)研究される場合が含まれる。本明細書で使用される場合、2つの実体間の「非結合(non-binding)」もしくは「非結合(no binding)」、または同様の語句は、1)検出可能な結合の欠如、または2)適切なアッセイ、例えば、バイオレイヤー干渉法などのインビトロ結合アッセイにおける非結合に対応する、設定された閾値を下回る結合を指す。例えば、いくつかの実施形態では、インビトロバイオレイヤー干渉法アッセイにおいて、試験物品が20nMの濃度で存在する場合、0.8nmの標的を充填したバイオセンサへの、180秒後の0.1nm未満の最大会合結合応答は、「非結合」として分類される。
【0087】
「フェリチン」及び「アポフェリチン」という用語は、本明細書において互換的に使用され、一般に、典型的には24個のタンパク質サブユニットを含むフェリチン複合体へと組織化することができるポリペプチド(例えば、フェリチン鎖)を指す。いくつかの実施形態では、フェリチンは、ヒトフェリチン、例えば、ヒトフェリチン軽鎖、例えば、配列番号1またはUniProt P02792と少なくとも85%の配列同一性を有するヒトフェリチン軽鎖である。いくつかの実施形態では、フェリチンは野生型フェリチンである。例えば、フェリチンは、野生型ヒトフェリチンであってもよい。
【0088】
「フェリチン単量体」という用語は、他のフェリチン鎖の存在下で、複数のフェリチン鎖、例えば24個以上のフェリチン鎖を含むポリペプチド複合体に自己組織化することができるフェリチンの一本鎖を指すために本明細書で使用される。
【0089】
本明細書で使用される場合、「リンカー」という用語は、2つ以上のエレメントを接続して多エレメント剤(agent)を形成する実体を指すために使用される。例えば、当業者は、2つ以上の機能的または組織的ドメインを含む構造を有するポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)が、それらを互いに連結するそのようなドメインの間に一連のアミノ酸を含むことが多いことを理解する。いくつかの実施形態では、リンカー要素を含むポリペプチドは、一般的な形態S1-L-S2の全体的な構造を有し、S1及びS2は、同じであっても異なっていてもよく、リンカー(L)によって互いに会合する2つのドメインを表す。いくつかの実施形態では、リンカーは、「アミノ酸リンカー」つまり、アミノ酸残基を含み、例えば、アミノ酸リンカーは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100個以上のアミノ酸残基を含み得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、硬直した三次元構造を採用する傾向がなく、むしろポリペプチドに柔軟性を提供することを特徴とする。
【0090】
本明細書で使用される「多重特異性」という用語は、少なくとも2つの異なる結合パートナー、例えば、抗原または受容体(例えば、Fc受容体)が結合することができる少なくとも2つの結合部位を有する特徴を指す。例えば、少なくとも2つのFab断片を含むポリペプチド複合体であって、2つのFab断片のそれぞれが異なる抗原に結合することができるポリペプチド複合体は、「多重特異性」である。追加の例として、Fc断片(Fc受容体に結合することができる)及びFab断片(抗原に結合することができる)を含むポリペプチド複合体は、「多重特異性」である。
【0091】
本明細書で使用される「多価」という用語は、結合パートナー、例えば、抗原または受容体(例えば、Fc受容体)が結合することができる少なくとも2つの結合部位を有する特徴を指す。少なくとも2つの結合部位に結合することができる結合パートナーは、同じであっても異なっていてもよい。
【0092】
本明細書で使用される「ナノケージ単量体」という用語は、他のナノケージ単量体と自己組織化し、複数のナノケージ単量体を含む自己組織化ポリペプチド複合体を形成することができるポリペプチドの単一鎖を指す。いくつかの実施形態では、ナノケージ単量体は、フェリチン、アポフェリチン、エンカプスリン(encapsulin)、硫黄オキシゲナーゼ還元酵素(SOR)、ルマジン合成酵素、ピルビン酸脱水素酵素、カルボキシソーム、ヴォールトタンパク質、GroEL、熱ショックタンパク質、E2Pコートタンパク質、MS2コートタンパク質、その断片、及びその変異体の単量体から選択される。
【0093】
本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語は、一般に、少なくとも3つのアミノ酸のポリマー、例えば、ペプチド結合によって互いに連結されたポリマーという当技術分野で認識されている意味を有する。当業者は、「ポリペプチド」という用語が、本明細書に列挙される完全な配列を有するポリペプチドだけでなく、そのような完全なポリペプチドの機能的断片(すなわち、少なくとも1つの活性を保持する断片)を表すポリペプチドを包含するように十分に一般的であることが意図されていることを理解するであろう。さらに、当業者は、タンパク質配列が一般に、活性を破壊することなくいくつかの置換を許容することを理解する。したがって、活性を保持し、少なくとも約30~40%、しばしば約50%、約60%、約70%、または約80%を超え、さらに通常は、はるかに高い同一性の少なくとも1つの領域内の1つ以上の高度に保存された領域においてしばしば90%を超え、またはなおも95%、96%、97%、98%、または99%を超え、通常、少なくとも3~4個、しばしば最大20個以上のアミノ酸を包含する全体的な配列同一性を、同じクラスの別のポリペプチドと共有する任意のポリペプチドは、本明細書で使用される関連用語「ポリペプチド」に包含される。ポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸、またはその両方を含み得、当前記技術分野で既知の様々なアミノ酸修飾または類似体のいずれかを含み得る。有用な修飾としては、例えば、末端アセチル化、アミド化、メチル化、グリコシル化などが挙げられる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、合成アミノ酸、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0094】
巨大分子複合体(例えば、ポリペプチド複合体)に関して使用される場合、「自己組織化」という用語は、形成される複合体(例えば、融合ポリペプチド)の十分な構成要素が存在するときに、その複合体が自発的に形成されることを指す。いくつかの実施形態では、複合体は、生理学的条件において、または生理学的条件に対応する緩衝液(例えば、溶液)において自己組織化する。
【0095】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、生物、典型的には哺乳動物(例えば、ヒト)を指す。いくつかの実施形態では、対象は、関連する疾患、障害または状態に罹患しているか、または罹患しやすい。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害または状態の1つ以上の症状または特徴を示す。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、または状態の感受性またはリスクに特徴的な1つ以上の特徴を有する人である。いくつかの実施形態では、対象は患者である。いくつかの実施形態では、対象は、診断及び/または治療が施される及び/または施されている対象である。
【0096】
本明細書で使用される場合、「治療」(また「治療する」または「治療すること」)という用語は、特定の疾患、障害、及び/または状態の1つ以上の症状、特徴、及び/または原因の一部または完全に軽減する(alleviate)、緩和する、軽減する(relieve)、阻害する、発症を遅らせる、重症度を低下させる、及び/または発生率を低下させる任意の療法を施すことを指す。いくつかの実施形態では、そのような処置は、関連する疾患、障害及び/または状態の徴候を示さない対象、及び/または疾患、障害及び/または状態の初期徴候のみを示す対象の処置であってもよい。代替的に、または追加的に、そのような処置は、関連する疾患、障害、及び/または状態の1つ以上の確立された兆候を示す対象のものであってもよい。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/または状態に罹患していると診断された対象の治療であってもよい。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/または状態の発症のリスクの増加と統計的に相関する1つ以上の感受性因子を有することが知られている対象のものであってもよい。
【0097】
A.融合ポリペプチド
多くの実施形態では、本明細書に開示される組成物及び方法と適合性のある融合ポリペプチドは、概して、Fcポリペプチドまたは抗原結合抗体断片のいずれかに連結されたナノケージ単量体またはそのサブユニットを含む。融合ポリペプチド内で、Fcポリペプチドまたは抗原結合抗体断片は、ナノケージ単量体またはそのサブユニットの特定の末端、例えば、N末端またはC末端でナノケージ単量体またはそのサブユニットに連結され得る。いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドまたは抗原結合抗体断片は、本明細書に記載されるリンカーなどのアミノ酸リンカーを介して連結される。
【0098】
1.ナノケージ単量体及びそのサブユニット
いくつかの実施形態では、ナノケージ単量体はフェリチン単量体である。
【0099】
「フェリチン単量体」という用語は、他のフェリチン鎖の存在下で、複数のフェリチン鎖、例えば24個以上のフェリチン鎖を含むポリペプチド複合体に自己組織化することができるフェリチンの一本鎖を指すために本明細書で使用される。いくつかの実施形態では、フェリチン単量体はフェリチン軽鎖である。いくつかの実施形態では、フェリチン単量体は、鉄に結合することができるか、またはフェロキシダーゼ活性が可能であるフェリチン重鎖または他のフェリチン成分を含まない。
【0100】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体内の各融合ポリペプチドは、フェリチン軽鎖またはフェリチン軽鎖のサブユニットを含む。これらの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、いずれのフェリチン重鎖またはフェリチン重鎖のサブユニットも含まない。
【0101】
いくつかの実施形態では、フェリチン単量体は、ヒトフェリチン鎖、例えば、ヒトフェリチン軽鎖、例えば、配列番号1の少なくとも残基2~175の配列を有するヒトフェリチン軽鎖である。
【0102】
フェリチン単量体の「サブユニット」は、サブユニットが一緒にフェリチン単量体を形成するように、フェリチン単量体の別の、別個のサブユニットと自発的に会合することができるフェリチン単量体の一部を指し、フェリチン単量体は、次に、他のフェリチン単量体と自己組織化してポリペプチド複合体を形成することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、フェリチン単量体サブユニットは、フェリチン単量体の約半分を含む。本明細書で使用される場合、「N-半フェリチン」という用語は、フェリチン鎖のN末端を含むフェリチン鎖の約半分を指す。本明細書で使用される場合、「C-半フェリチン」という用語は、フェリチン鎖のC末端を含むフェリチン鎖の約半分を指す。フェリチン鎖がN-半フェリチン及びC-半フェリチンを形成するために分割され得る正確な点は、実施形態に応じて変動し得る。例えば、ヒトフェリチン軽鎖に基づくフェリチン単量体サブユニットの文脈では、半分は、配列番号1の約75位~約100位(またはその実質的な部分)の位置に対応する点で分割され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ヒトフェリチン軽鎖に基づくN-半フェリチンは、配列番号1の残基1~95(またはその実質的な部分、例えば、配列番号1の残基2~95)に対応するアミノ酸配列を有し、ヒトフェリチン軽鎖に基づくC-半フェリチンは、配列番号1の残基96~175(またはその実質的な部分)に対応するアミノ酸配列を有する。
【0104】
いくつかの実施形態では、半分は、配列番号1の約85~約92位の位置に対応する点で分割される。例えば、いくつかの実施形態では、ヒトフェリチン軽鎖に基づくN-半フェリチンは、配列番号1の残基1~90(またはその実質的な部分、例えば、配列番号1の残基2~90)に対応するアミノ酸配列を有し、ヒトフェリチン軽鎖に基づくC-半フェリチンは、配列番号1の残基91~175(またはその実質的な部分)に対応するアミノ酸配列を有する。
【0105】
2.Fcポリペプチド
ある特定の実施形態では、断片結晶化可能な(Fc)ポリペプチドは、それぞれが、同じIgクラスの参照Fc鎖に対して1つ以上の変異を有するFc鎖を含む。以下でさらに説明するように、参照Fc鎖は、例えば、IgG1クラスのものであってもよい。
【0106】
特に明記しない限り、本開示を通しての抗体断片、例えば、Fc鎖内の残基の番号付けは、EU番号付けに従う。
【0107】
いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、1つ以上のヒトIgG1 Fc鎖を含み、すなわち、本明細書に記載の変異を除いて、Fcポリペプチドは、野生型ヒトIgG1内のFc鎖のものと実質的に類似するFc鎖を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、1つ以上のIgG1 Fc鎖(例えば、ヒトIgG1 Fc鎖またはヒトFc鎖)を含み、すなわち、本明細書に記載のある特定の位置に特定の残基(複数可)(対応する野生型Fc鎖内の残基(複数可)とは異なる場合がある)を有することを除いて、Fcポリペプチドは、野生型IgG1 Fc内の鎖のものと実質的に類似するアミノ酸配列を有するFc鎖を含む。いくつかの実施形態では、野生型IgG1 Fcは、ヒトIgG1 Fcであり、各Fc鎖は配列番号4のアミノ酸配列を有する。
例えば、Fcポリペプチドは、野生型IgG1 Fc内のFc鎖の配列と少なくとも85%、少なくとも87.5%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するFc鎖を含み得る。いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、そのFc鎖に対して特異的に記載されるある特定の位置(複数可)に特定の残基(複数可)を含むが、それ以外では、野生型Fc鎖、例えば、野生型IgG1 Fc鎖内の対応するFc鎖と100%同一であるアミノ酸配列を有するFc鎖を含む。いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、配列番号4の配列と少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つのアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を有するFc鎖を含む。いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、配列番号4の配列から10以下、9つ以下、8つ以下、7つ以下、6つ以下、5つ以下、または4つ以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を有するFc鎖を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、Fcポリペプチドは、例えばアミノ酸リンカーを介して共有結合リンカーによって一緒に連結された2つのFc鎖を含む一本鎖Fc(scFc)である。
【0110】
ある特定の実施形態では、Fc鎖は、(1)237位のグリシン以外のアミノ酸残基、及び(2)329位のプロリン残基を含む。いくつかの実施形態では、Fc鎖は、237位のアラニンを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、Fc鎖は、IgG1 Fc鎖であり、234位、235位、236位、330位、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の位置に変異または変異のセットをさらに含む。
【0112】
例えば、いくつかの実施形態では、Fc鎖は、234位のアラニン、235位のアラニン、236位のアルギニン、237位のアラニン、329位のプロリン、及び330位のロイシンを含むIgG1 Fc鎖である。
【0113】
いくつかの実施形態では、Fc鎖は、グリコシル化に関連する位置、例えば、297位(例えば、297位のグルタミンを含むことによって)での変異をさらに含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、Fc鎖は、本明細書においてさらに記載されるような改変された特徴に関連する変異または変異のセット(対応する野生型Fc鎖に対して)を含む。「に関連する」とは、変異または変異のセットが、IgG抗体等の抗体の文脈において、改変された特徴(例えば、FcRnへの改変された結合、改変されたエフェクター機能等)を付与するものとして以前に特徴付けられていることを意味する。「改変された」とは、特性(例えば、Fc受容体(例えば、Fcγ受容体またはFcRn)への結合)が、変異または変異のセットなしで観察されたものとは異なることを意味する。
【0115】
例えば、いくつかの実施形態では、改変された特徴は、Fc受容体への改変された結合を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、改変された特徴は、Fcγ受容体、例えば、ヒトFcγRへの改変された結合を含む。いくつかの実施形態では、FcγRは、hFcγRI、hFcγRIIa、hFcγRIIb、hFcγRIIIa、hFcγRIIIb、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるヒトFcγRである。
【0117】
いくつかの実施形態では、改変された結合は、アッセイ、例えば、インビトロアッセイにおいて、対応する対照(例えば、対応する野生型鎖と同様の状況下で典型的に観察される結合レベル)と比較して、結合を含まないか、または著しく低減した結合を含む。
【0118】
3.DR5に結合することができる抗体断片
抗体断片は、典型的には、DR5内のエピトープに結合することができ、その例示的な配列は、配列番号18~配列番号21に示される。
【0119】
いくつかの実施形態では、抗体断片は、Fabである。いくつかの実施形態では、抗体断片は、一本鎖Fab(scFab)であり、例えば、任意選択でリンカー(例えば、本明細書に開示されるアミノ酸リンカー)によって連結される、Fabの重鎖及び軽鎖の両方を含む融合ポリペプチドが使用される。
【0120】
ある特定の実施形態では、抗体断片は、重鎖可変領域(例えば、V)を含む。ある特定の実施形態では、抗体断片は、重鎖可変ドメイン(例えば、V)及び軽鎖可変ドメイン(例えば、VまたはV)を含む。ある特定の実施形態では、抗体断片は、重鎖可変ドメイン(例えば、V)及び軽鎖可変ドメイン(例えば、VまたはV)を含むFabを含む。
【0121】
ある特定の実施形態では、抗体断片は、Fc領域由来のいずれのドメインも含まず、例えば、いずれのCH2またはCH3ドメインも含まない。ある特定の実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、例えば、完全ヒト、ヒト化、またはキメラDR5抗体を含む、様々なDR5抗体のうちのいずれかの抗体断片、またはそれに由来するものである。抗体断片が得られるか、または由来するDR5抗体は、例えば、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG4抗体を含む様々な抗体クラスのうちのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、抗体断片は、アゴニストDR5抗体、例えば、アゴニストヒト化DR5抗体から得られるか、またはそれに由来する。
【0122】
DR5抗体の非限定的な例としては、例えば、コナツムマブ、チガツズマブ、レキサツムマブ、及びドロジツマブが挙げられる。
【0123】
いくつかの実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、DR5抗体の重鎖CDR及び軽鎖CDRの配列と同様の配列(例えば、各CDRが同一であるか、または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する)を有する重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、(1)CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3を含む重鎖と、(2)CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む軽鎖と、を含み、
(a)(i)CDR-H1は、配列番号27の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号28の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号29の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号24の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号25の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号26の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有するか、
(b)(i)CDR-H1は、配列番号35の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号36の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号37の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号32の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号33の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号34の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有るか、
または
(c)(i)CDR-H1は、配列番号43の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号44の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号45の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号40の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号41の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号42の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有するか、
または
(d)(i)CDR-H1は、配列番号51の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号52の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号53の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号48の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号49の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号50の配列、またはそれとは1つもしくは2つのアミノ酸残基だけ異なる配列を有する。
【0125】
いくつかの実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、6つのCDRすべてにわたって合計1つまたは2つのアミノ酸置換を除いて、DR5抗体の重鎖CDR及び軽鎖CDRの配列と同一である配列を有する重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、DR5抗体のCDRと同じ配列を有する重鎖及び軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、(1)CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3を含む重鎖と、(2)CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含む軽鎖と、を含み、
(a)(i)CDR-H1は、配列番号27の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号28の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号29の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号24の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号25の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号26の配列を有するか、
(b)(i)CDR-H1は、配列番号35の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号36の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号37の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号32の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号33の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号34の配列を有するか、
(c)(i)CDR-H1は、配列番号43の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号44の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号45の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号40の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号41の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号42の配列を有するか、
または
(d)(i)CDR-H1は、配列番号51の配列を有し、
(ii)CDR-H2は、配列番号52の配列を有し、
(iii)CDR-H3は、配列番号53の配列を有し、
(iv)CDR-L1は、配列番号48の配列を有し、
(v)CDR-L2は、配列番号49の配列を有し、
(vi)CDR-L3は、配列番号50の配列を有する。
【0128】
いくつかの実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、
(1)DR5抗体からの重鎖可変領域と少なくとも85%、少なくとも87.5%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である重鎖可変領域と、
(2)DR5抗体からの軽鎖可変領域と少なくとも85%、少なくとも87.5%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である軽鎖可変領域と、を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、DR5に結合することができる抗体断片は、
(1)参照V配列と少なくとも85%、少なくとも87.5%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である重鎖可変領域と、
(2)参照V配列と少なくとも85%、少なくとも87.5%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である軽鎖可変領域と、を含み、
(a)参照V配列は、配列番号23の配列を有し、参照V配列は、配列番号22の配列を有するか、
(b)参照V配列は、配列番号31の配列を有し、参照V配列は、配列番号30の配列を有するか、
(c)参照V配列は、配列番号39の配列を有し、参照V配列は、配列番号38の配列を有するか、または
(d)参照V配列は、配列番号47の配列を有し、参照V配列は、配列番号46の配列を有する。
【0130】
抗体断片を有する複数のタイプの融合ポリペプチドが使用される実施形態では、様々なタイプの融合ポリペプチドにおける抗体断片は、DR5上の同じエピトープに結合することが可能であってもよいか、DR5上の別個でありかつ重複していないエピトープに結合することが可能であってもよいか、またはDR5上の別個であるが重複しているエピトープに結合することが可能であってもよい。
【0131】
4.リンカー
ある特定の実施形態では、リンカーは、融合ポリペプチド内及び/またはscFcなどの一本鎖分子内で使用される。いくつかの実施形態では、リンカーはアミノ酸リンカーである。例えば、本明細書で使用されるリンカーは、約1~約100アミノ酸残基、例えば、約1~約70、約2~約70、約1~約30、または約2~約30個のアミノ酸残基を含み得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10個のアミノ酸残基を含む。
【0132】
ある特定の実施形態では、リンカーは、リンカー内の少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、または少なくとも14のコピーに存在するグリシンセリン配列、例えば、(GS)配列(例えば、GGS、GGGS(配列番号55)、またはGGGGS(配列番号54))を含む。
【0133】
B.自己組織化ポリペプチド複合体
ある態様では、本明細書に開示される複数の融合ポリペプチドを含む自己組織化ポリペプチド複合体が提供される。概して、提供される自己組織化ポリペプチド複合体は、(a)複数の第1の融合ポリペプチドであって、各第1の融合ポリペプチドが、(1)Fcポリペプチドであって、(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットに連結されたFcポリペプチドを含み、Fcポリペプチドが、同じIgクラスの参照Fc鎖に対して1つ以上の変異を有するFc鎖を含む、複数の第1の融合ポリペプチドと、(b)複数の第2の融合ポリペプチドであって、各第2の融合ポリペプチドが、(1)抗原結合抗体断片であって、(2)ナノケージ単量体またはそのサブユニットに連結された抗原結合抗体断片を含む、複数の第2の融合ポリペプチドと、を含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、ナノケージ単量体はフェリチン単量体であり、自己組織化ポリペプチド複合体内の各融合ポリペプチドは、フェリチン軽鎖またはフェリチン軽鎖のサブユニットを含む。これらの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、いずれのフェリチン重鎖、フェリチン重鎖のサブユニット、または鉄に結合することができるか、もしくはフェロキシダーゼ活性が可能である他のフェリチン成分も含まない。
【0135】
いくつかの実施形態では、ナノケージ単量体またはそのサブユニットは、フェリチン単量体サブユニットであり、(a)各第1の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンであるフェリチン単量体サブユニットを含み、各第2の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンであるフェリチン単量体サブユニットを含む、または(b)各第1の融合ポリペプチドは、N-半フェリチンであるフェリチン単量体サブユニットを含み、各第2の融合ポリペプチドは、C-半フェリチンであるフェリチン単量体サブユニットを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で24~48個の融合ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で24個の融合ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、合計で24個を超える融合ポリペプチド、例えば、少なくとも26個、少なくとも28個、少なくとも30個、少なくとも32個の融合ポリペプチド、少なくとも34個の融合ポリペプチド、少なくとも36個の融合ポリペプチド、少なくとも38個の融合ポリペプチド、少なくとも40個の融合ポリペプチド、少なくとも42個の融合ポリペプチド、少なくとも44個の融合ポリペプチド、少なくとも46個の融合ポリペプチド、または少なくとも48個の融合ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、約32個の融合ポリペプチドを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または少なくとも8個の第1の融合ポリペプチドを含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または少なくとも8個の第2の融合ポリペプチドを含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の第3の融合ポリペプチドをさらに含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体は、他のすべての融合ポリペプチドに対する第1の融合ポリペプチドの約1:1、11:13、3:5、1:2、7:17、1:3、2:7、5:19、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:12、1:24の比を含む。
【0141】
薬物動態学的特徴
ある特定の実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与されたとき、提供される自己組織化ポリペプチド複合体は、参照IgG分子(例えば、自己組織化ポリペプチド複合体内の第1の融合ポリペプチドのFcポリペプチド内のFc鎖のクラスにマッチするIgG分子)のものと同様な1つ以上の薬物動態学的特徴を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で論じられる薬物動態学的特徴(例えば、半減期、AUC、及び/またはCmax)の範囲は、自己組織化ポリペプチド複合体がヒト対象に投与されたときに得られる。いくつかの実施形態では、本明細書で論じられる薬物動態学的特徴の範囲は、自己組織化ポリペプチド複合体が全身経路、例えば、静脈内または皮下投与を介して投与されたときに得られる。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される自己組織化ポリペプチド複合体は、参照IgG分子と同様の半減期を有する。参照IgG分子は、例えば、自己組織化ポリペプチド複合体内の第2及び/または第3の融合ポリペプチド内の抗原結合抗体断片が由来する抗体であってもよい。例えば、第2及び/または第3の融合ポリペプチド内の抗原結合断片が「抗体A」由来の可変領域を含む場合、いくつかの実施形態では、参照IgG分子は、「抗体A」であってもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与した後に、自己組織化ポリペプチド複合体は、約3~35日、約3~約28日、約3~約21日、約3~約14日、約3~約10日、約3~約7日、約3~約5日、約5~約35日、約5~約28日、約5~約21日、約5~約14日、約5~約10日、約5~約7日、約7~約35日、約7~約28日、約7~約21日、約7~約14日、約7~約10日、約10~約35日、約10~約28日、約10~約21日、約10~約14日、約14~約35日、約14~約28日、約14~約21日、約21日~約35日、または約21~約28日の半減期を有する。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与した後に、自己組織化ポリペプチド複合体は、少なくとも3日、少なくとも5日、少なくとも7日、少なくとも10日、少なくとも14日、少なくとも21日、または少なくとも28日の半減期を有する。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与した後、自己組織化ポリペプチド複合体は、少なくとも3日後、少なくとも5日後、少なくとも7日後、少なくとも10日後、少なくとも14日後、少なくとも21日後、または少なくとも28日後に血清中で検出可能である。
【0144】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される自己組織化ポリペプチド複合体は、参照IgG分子、例えば、自己組織化ポリペプチド複合体に含まれるFab断片が由来する抗体のものと同様のバイオアベイラビリティを有する。例えば、いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与した後、自己組織化ポリペプチド複合体は、約10~約8000日・μg/mL、約10~約7000日・μg/mL、約10~約6000日・μg/mL、約10~約5000日・μg/mL、約10~約4000日・μg/mL、約10~約3000日・μg/mL、約10~約2500日・μg/mL、約10~約1000日・μg/mL、約10~約1500日・μg/mL、約10~約1000日・μg/mL、約10~約750日・μg/mL、約10~約500日・μg/mL、約10~約400日・μg/mL、約10~約300日・μg/mL、約10~約200日・μg/mL、約10~約100日・μg/mL、約10~約50日・μg/mL、約10~約25日・μg/mL、約25~約8000日・μg/mL、約25~約7000日・μg/mL、約25~約6000日・μg/mL、約25~約5000日・μg/mL、約25~約4000日・μg/mL、約25~約3000日・μg/mL、約25~約2500日・μg/mL、約25~約1000日・μg/mL、約25~約1500日・μg/mL、約25~約1000日・μg/mL、約25~約750日・μg/mL、約25~約500日・μg/mL、約25~約400日・μg/mL、約25~約300日・μg/mL、約25~約200日・μg/mL、約25~約100日・μg/mL、約25~約50日・μg/mL、約50~約8000日・μg/mL、約50~約7000日・μg/mL、約50~約6000日・μg/mL、約50~約5000日・μg/mL、約50~約4000日・μg/mL、約50~約3000日・μg/mL、約50~約2500日・μg/mL、約50~約2000日・μg/mL、約50~約1500日・μg/mL、約50~約1000日・μg/mL、約50~約750日・μg/mL、約50~約500日・μg/mL、約50~約400日・μg/mL、約50~約300日・μg/mL、約50~約200日・μg/mL、約50~約100日・μg/mL、約100~約8000日・μg/mL、約100~約7000日・μg/mL、約100~約6000日・μg/mL、約100~約5000日・μg/mL、約100~約4000日・μg/mL、約100~約3000日・μg/mL、約100~約2500日・μg/mL、約100~約1000日・μg/mL、約100~約1500日・μg/mL、約100~約1000日・μg/mL、約100~約750日・μg/mL、約100~約500日・μg/mL、約100~約400日・μg/mL、約100~約300日・μg/mL、約100~約200日・μg/mL、約200~約8000日・μg/mL、約200~約7000日・μg/mL、約200~約6000日・μg/mL、約200~約5000日・μg/mL、約200~約4000日・μg/mL、約200~約3000日・μg/mL、約200~約2000日・μg/mL、約200~約1000日・μg/mL、約200~約1500日・μg/mL、約200~約1000日・μg/mL、約200~約750日・μg/mL、約200~約500日・μg/mL、約200~約400日・μg/mL、約200~約300日・μg/mL、約300~約8000日・μg/mL、約300~約7000日・μg/mL、約300~約6000日・μg/mL、約300~約5000日・μg/mL、約300~約4000日・μg/mL、約300~約3000日・μg/mL、約300~約2500日・μg/mL、約300~約2000日・μg/mL、約300~約1500日・μg/mL、約300~約1000日・μg/mL、約300~約750日・μg/mL、約300~約500日・μg/mL、約300~約400日・μg/mL、約400~約8000日・μg/mL、約400~約7000日・μg/mL、約400~約6000日・μg/mL、約400~約5000日・μg/mL、約400~約4000日・μg/mL、約400~約3000日・μg/mL、約400~約2500日・μg/mL、約400~約2000日・μg/mL、約400~約1500日・μg/mL、約400~約1000日・μg/mL、約400~約750日・μg/mL、約400~約500日・μg/mL、約500~約8000日・μg/mL、約500~約7000日・μg/mL、約500~約6000日・μg/mL、約500~約5000日・μg/mL、約500~約4000日・μg/mL、約500~約3000日・μg/mL、約500~約2500日・μg/mL、約500~約2000日・μg/mL、約500~約1500日・μg/mL、約500~約1000日・μg/mL、約500~約750日・μg/mL、約750~約8000日・μg/mL、約750~約7000日・μg/mL、約750~約6000日・μg/mL、約750~約5000日・μg/mL、約750~約4000日・μg/mL、約750~約3000日・μg/mL、約750~約2500日・μg/mL、約750~約2000日・μg/mL、約750~約1500日・μg/mL、約750~約1000日・μg/mL、約1000~約8000日・μg/mL、約1000~約7000日・μg/mL、約1000~約6000日・μg/mL、約1000~約5000日・μg/mL、約1000~約4000日・μg/mL、約1000~約3000日・μg/mL、約1000~約2500日・μg/mL、約1000~約2000日・μg/mL、約1000~約1500日・μg/mL、約1500~約8000日・μg/mL、約1500~約7000日・μg/mL、約1500~約6000日・μg/mL、約1500~約5000日・μg/mL、約1500~約4000日・μg/mL、約1500~約3000日・μg/mL、約1500~約2500日・μg/mL、約1500~約2000日・μg/mL、約2000~約8000日・μg/mL、約2000~約7000日・μg/mL、約2000~約6000日・μg/mL、約2000~約5000日・μg/mL、約2000~約4000日・μg/mL、約2000~約3000日・μg/mL、約2000~約2500日・μg/mL、約2500~約8000日・μg/mL、約2500~約7000日・μg/mL、約2500~約6000日・μg/mL、約2500~約5000日・μg/mL、約2500~約4000日・μg/mL、約2500~約3000日・μg/mL、約3000~約8000日・μg/mL、約3000~約7000日・μg/mL、約3000~約6000日・μg/mL、約3000~約5000日・μg/mL、約3000~約4000日・μg/mL、約4000~約8000日・μg/mL、約4000~約7000日・μg/mL、約4000~約6000日・μg/mL、約4000~約5000日・μg/mL、約5000~約8000日・μg/mL、約5000~約7000日・μg/mL、約5000~約6000日・μg/mL、約6000~約8000日・μg/mL、約6000~約7000日・μg/mL、または約7000~約8000日・μg/mLの曲線下面積(AUC)を有する。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与した後、自己組織化ポリペプチド複合体は、少なくとも10日・μg/mL、少なくとも25日・μg/mL、少なくとも50日・μg/mL、少なくとも100日・μg/mL、少なくとも200日・μg/mL、少なくとも300日・μg/mL、少なくとも400日・μg/mL、少なくとも500日・μg/mL、少なくとも750日・μg/mL、少なくとも1000日・μg/mL、少なくとも1500日・μg/mL、少なくとも2000日・μg/mL、少なくとも2500日・μg/mL、少なくとも3000日・μg/mL、少なくとも4000日・μg/mL、少なくとも5000日・μg/mL、少なくとも6000日・μg/mL、少なくとも7000日・μg/mL、または少なくとも8000日・μg/mLのAUCを有する。
【0145】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される自己組織化ポリペプチド複合体は、参照IgG分子のものと同様のバイオアベイラビリティを有する。例えば、いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与した後に、自己組織化ポリペプチド複合体は、約10μg/mL~約750mg/mL、約25μg/mL~約750mg/mL、約50μg/mL~約750mg/mL、約75μg/mL~約750mg/mL、約100μg/mL~約750mg/mL、約250μg/mL~約750mg/mL、約500μg/mL~約750mg/mL、約750μg/mL~約750mg/mL、約1mg/mL~約750mg/mL、約10mg/mL~約750mg/mL、約25mg/mL~約750mg/mL、約50mg/mL~約750mg/mL、約75mg/mL~約750mg/mL、約100mg/mL~約750mg/mL、約250mg/mL~約750mg/mL、約500mg/mL~約750mg/mL、約10μg/mL~約500mg/mL、約25μg/mL~約500mg/mL、約50μg/mL~約500mg/mL、約75μg/mL~約500mg/mL、約100μg/mL~約500mg/mL、約250μg/mL~約500mg/mL、約500μg/mL~約500mg/mL、約750μg/mL~約500mg/mL、約1mg/mL~約500mg/mL、約10mg/mL~約500mg/mL、約25mg/mL~約500mg/mL、約50mg/mL~約500mg/mL、約75mg/mL~約500mg/mL、約100mg/mL~約500mg/mL、約250mg/mL~約500mg/mL、約10μg/mL~約250mg/mL、約25μg/mL~約250mg/mL、約50μg/mL~約250mg/mL、約75μg/mL~約250mg/mL、約100μg/mL~約250mg/mL、約250μg/mL~約250mg/mL、約500μg/mL~約250mg/mL、約750μg/mL~約250mg/mL、約1mg/mL~約250mg/mL、約10mg/mL~約250mg/mL、約25mg/mL~約250mg/mL、約50mg/mL~約250mg/mL、約75mg/mL~約250mg/mL、約100mg/mL~約250mg/mL、約10μg/mL~約100mg/mL、約25μg/mL~約100mg/mL、約50μg/mL~約100mg/mL、約75μg/mL~約100mg/mL、約100μg/mL~約100mg/mL、約250μg/mL~約100mg/mL、約500μg/mL~約100mg/mL、約750μg/mL~約100mg/mL、約1mg/mL~約100mg/mL、約10mg/mL~約100mg/mL、約25mg/mL~約100mg/mL、約50mg/mL~約100mg/mL、約75mg/mL~約100mg/mL、約10μg/mL~約75mg/mL、約25μg/mL~約75mg/mL、約50μg/mL~約75mg/mL、約75μg/mL~約75mg/mL、約100μg/mL~約75mg/mL、約250μg/mL~約75mg/mL、約500μg/mL~約75mg/mL、約750μg/mL~約75mg/mL、約1mg/mL~約75mg/mL、約10mg/mL~約75mg/mL、約25mg/mL~約75mg/mL、約50mg/mL~約75mg/mL、約10μg/mL~約50mg/mL、約25μg/mL~約50mg/mL、約50μg/mL~約50mg/mL、約75μg/mL~約50mg/mL、約100μg/mL~約50mg/mL、約250μg/mL~約50mg/mL、約500μg/mL~約50mg/mL、約750μg/mL~約50mg/mL、約1mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約50mg/mL、約25mg/mL~約50mg/mL、約10μg/mL~約25mg/mL、約25μg/mL~約25mg/mL、約50μg/mL~約25mg/mL、約75μg/mL~約25mg/mL、約100μg/mL~約25mg/mL、約250μg/mL~約25mg/mL、約500μg/mL~約25mg/mL、約750μg/mL~約25mg/mL、約1mg/mL~約25mg/mL、約10mg/mL~約25mg/mL、約10μg/mL~約10mg/mL、約25μg/mL~約10mg/mL、約50μg/mL~約10mg/mL、約75μg/mL~約10mg/mL、約100μg/mL~約10mg/mL、約250μg/mL~約10mg/mL、約500μg/mL~約10mg/mL、約750μg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約10μg/mL~約1mg/mL、約25μg/mL~約1mg/mL、約50μg/mL~約1mg/mL、約75μg/mL~約1mg/mL、約100μg/mL~約1mg/mL、約250μg/mL~約1mg/mL、約500μg/mL~約1mg/mL、約750μg/mL~約1mg/mL、約10μg/mL~約750μg/mL、約25μg/mL~約750μg/mL、約50μg/mL~約750μg/mL、約75μg/mL~約750μg/mL、約100μg/mL~約750μg/mL、約250μg/mL~約750μg/mL、約500μg/mL~約750μg/mL、約10μg/mL~約500μg/mL、約25μg/mL~約500μg/mL、約50μg/mL~約500μg/mL、約75μg/mL~約500μg/mL、約100μg/mL~約500μg/mL、約250μg/mL~約500μg/mL、約10μg/mL~約250μg/mL、約25μg/mL~約250μg/mL、約50μg/mL~約250μg/mL、約75μg/mL~約250μg/mL、約100μg/mL~約250μg/mL、約10μg/mL~約100μg/mL、約25μg/mL~約100μg/mL、約50μg/mL~約100μg/mL、約75μg/mL~約100μg/mL、約10μg/mL~約75μg/mL、約25μg/mL~約75μg/mL、約50μg/mL~約75μg/mL、約10μg/mL~約50μg/mL、約25μg/mL~約50μg/mL、または約10μg/mL~約25μg/mLの最大濃度(Cmax)を有する。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体を必要とする対象に投与した後に、自己組織化ポリペプチド複合体は、少なくとも10μg/mL、少なくとも25μg/mL、少なくとも50μg/mL、少なくとも100μg/mL、少なくとも250μg/mL、少なくとも500μg/mL、少なくとも750μg/mL、少なくとも1mg/mL、少なくとも10mg/mL、少なくとも25mg/mL、少なくとも50mg/mL、少なくとも75mg/mL、少なくとも100mg/mL、少なくとも250mg/mL、少なくとも500mg/mL、または少なくとも750mg/mLの最大濃度(Cmax)を有する。
【0146】
効果
ある特定の実施形態では、提供される自己組織化ポリペプチド複合体は、標的細胞(例えば、がん細胞)上のDR5受容体の多量体化(例えば、三量体化)を誘導することができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、対象への本明細書に開示される自己組織化ポリペプチド複合体の投与は、対象における臨床転帰または測定基準の改善をもたらす。例えば、腫瘍を有する対象において、自己組織化ポリペプチド複合体の投与は、腫瘍の阻害または進行の遅延、例えば、腫瘍の退縮を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、自己組織化ポリペプチド複合体の投与は、腫瘍の完全な退縮をもたらす。
【0148】
C.治療方法
ある態様では、一般に、本開示の自己組織化ポリペプチド複合体を含む組成物を対象に投与するステップを含む、疾患または状態(例えば、感染症、がん、または自己免疫疾患)の治療、緩和、または予防に有用であり得る方法が提供される。
【0149】
いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物、例えばヒトである。
【0150】
対象に投与するための組成物は、一般に、本明細書に開示される自己組織化ポリペプチド複合体を含む。いくつかの実施形態では、そのような組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0151】
組成物は、全身経路(例えば、経口、吸入、鼻腔内、静脈内、腹腔内、皮下、または筋肉内投与)を含む、様々な投与経路のいずれかの投与のために製剤化され得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、投与ステップは、対象における1つ以上の臨床転帰または測定基準の改善をもたらす。
【0153】
いくつかの実施形態では、投与ステップは、腫瘍の進行の遅延または阻害、例えば、腫瘍の退縮をもたらす。いくつかの実施形態では、投与ステップは、腫瘍の完全な退縮をもたらす。
【実施例
【0154】
実施例1.代表的なDR5標的化Multabodyの構築及び発現
この実施例は、(1)ヒトフェリチン軽鎖またはそのサブユニットと、(2)本明細書に記載の(Gly-Ser)アミノ酸リンカーなどのリンカーを介して融合された一本鎖Fab(scFab)または一本鎖Fc-二量体(scFc)とを含む融合タンパク質の組み合わせを含むDR5標的化Multabody(MB)の生成を説明する。
【0155】
遺伝子コード融合タンパク質、(1)hFTL(aDR5-hFTL、配列番号9)のN末端に融合した抗DR5抗体(この場合、コナツムマブ)のscFab、(2)N-半フェリチンのN末端に融合した抗DR5抗体(aDR5-N_hFTL、配列番号11)のscFab、及び(3)C-半フェリチンのN末端に融合したscFc(以下にさらに記載される様々なscFc-C_hFTL構築物)を調製し、2:1:1のモル比で混合し、DR5標的化MBの産生及び形成のためにExpiCHO-S細胞に一過性トランスフェクションした。図1Bを参照されたい。
【0156】
scFc-フェリチン融合タンパク質は、野生型(WT)または操作されたIgG1 Fc鎖を含んでいた。操作されたIgG1 Fc鎖は、以下の表1に示されるように、L234A、L235A、G236R、G237A、P329G、及びA330L変異の様々な組み合わせを含んでいた。表1の番号付けは、EU番号付けスキームに従う。
【0157】
表1.scFc-C_hFTL構築物のMultabody及び対応する配列番号で使用されるIgG1 Fc鎖内のある特定の位置の残基
操作されたFc鎖のセットに対応する行では、残基は、野生型残基とは異なる位置でのみ示される。
【表1】
【0158】
実施例2.バイオレイヤー干渉法によって決定されるMultabodyの標的結合
組換えヒトDR5(hDR5)、カニクイザルDR5(cDR5)、マウスDR5(mDR5)、及びラットDR5(rDR5)への実施例1に記載されるように生成された例示的なMBの結合動態及び親和性を、Octet RED96機器を使用して、バイオレイヤー干渉法(BLI)によって決定した。(1)DR5に結合する完全ヒトモノクローナルIgG1抗体であるコナツムマブ、及び(2)表1に記載の「LLRAL」変異を有するscFcを含む融合ポリペプチドを含み、コナツムマブに由来するscFabを含む融合ポリペプチドも含むMultabodyであるCona MB IgG1 LLRALについて、結合特性を決定した。
【0159】
簡潔には、Ni-NTAバイオセンサをhDR5-His、cDR5-His、mDR5-His、またはrDR5-His(C末端ポリヒスチジンタグを有するhDR5、cDR5、mDR5、またはrDR5の細胞外ドメイン)でコーティングして、0.8nmのシグナル応答に達した。コーティングしたバイオセンサを、PBS-0.02%T-0.01%BSA(0.02%(v/v)Tween(登録商標)20及び0.01%(w/v)BSAを補充したPBS)中の試験MB(20-10-5-2.5-1.25-0.63nM)の連続希釈物を含むウェルに、180秒間(会合段階)浸し、次いで、PBS-0.02%T-0.01%BSAに180秒間(解離段階)浸した。すべての測定は、振盪速度1000rpmで、PBS-0.02%T-0.01%BSA、pH7.4中で、30℃で行い、リアルタイムで監視された。実験の間に、10mMのpH1.7のグリシンを5秒間4回適用し、続いて、10mMのNiSOを1分間再充填することによって、バイオセンサを再生成した。
【0160】
会合段階の終了時の最大会合結合応答、解離速度(koff)、及び/または1:1の適合モデルを使用して計算された平衡解離定数(K)に基づいて、標的結合を評価した。試験MBが20nMのときの0.1nm未満の最大会合結合応答は、「非結合」として分類した。
【0161】
on、koff、及び得られた試験分子のKについて決定した値を表2に要約する。およそのピコモル以下の親和性でヒト及びカニクイザルDR5に結合したCona MB IgG1 LLRALは、マウスまたはラットDR5への結合を示さなかった。(装置は1ピコモルの検出限界を有する。)これらの観察は、コナツムマブ(「Cona」)の結合プロファイルと一致している。
【表2】
【0162】
実施例3.バイオレイヤー干渉法によって決定されるMultabodyの結合特異性
BLIを用いて、例示的なDR標的化MBの関連する腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーへの非特異的結合を評価した。
【0163】
実験は、ヒトDR4、ヒトオステオプロテゲリン(OPG)、ヒトデコイ受容体1(DcR1)、またはヒトDcR2-hDR4-His、hOPG-His、hDcR1-His、もしくはhDcR2-HisのHisタグ付き細胞外ドメインをNi-NTAバイオセンサ上にコーティングし、様々な濃度での試験MBで滴定したことを除いて、実施例2に記載されるように同様に行った。
【0164】
図2A、2B、2C、2D、及び2Eは、得られたセンサグラムの関連するセグメントの代表的な例を示す。Cona MB IgG1 LLRALは高い特異性でDR5と結合し、他の試験したTNFRSFメンバーへの結合を示さなかった。
【0165】
実施例4.バイオレイヤー干渉法によって決定されるFc受容体に対するMultabodyの結合
様々なDR5標的化MB(各々が異なるFc変異のセットを含み、実施例1に記載されるように生成される)の様々なFc受容体への結合動態及び親和性をBLIによって決定した。
【0166】
この実施例で試験したすべてのMBは、DR5に結合するコナツムマブに由来するscFabを含むポリペプチドを含んでいた。これらのDR5標的化MB(「Cona MB」)はまた、野生型Fc鎖(IgG1 wt)またはある特定の変異の組み合わせを有するFc鎖(IgG1 LLRAL)のいずれかを有するscFcを有するポリペプチドを含む。(表1を参照されたい)
【0167】
以下のヒト、カニクイザル、及びマウスFc受容体への結合を決定した:ヒトFcガンマ受容体I型(hFcγRI)、hFcγRIIa、hFcγRIIb、hFcγRIIIa、hFcγRIIIb、ヒト新生児Fc受容体(hFcRn)、カニクイザルFcγRI(cFcγRI)、cFcγRIIa、cFcγRIIb、cFcγRIII、cFcRn、マウスFcγRI(mFcγRI)、mFcγRIIb、mFcγRIII、mFcγRIV、及びmFcRn。
【0168】
実験は、Hisタグ付きFc受容体をNi-NTAバイオセンサ上にコーティングし、様々な濃度での試験MBで滴定したことを除いて、実施例2に記載されるように同様に行った。MBがエンドソームリサイクルを受ける可能性を評価するために、会合についてはpH6.0及び解離についてはpH7.4でFcRnへの結合を測定した。
【0169】
表3は、様々なFcγRに結合するMBについて決定されたkon、koff、及びK値を要約する。野生型IgG1 Fc(IgG1 WT)を有するCona MBは、ヒト、カニクイザル、及びマウスFcγRに結合した。IgG1 LLRALを有するCona MBは、ヒト、カニクイザル、及びマウスFcγRへの減少した結合を示した。
【0170】
図3は、FcRn結合研究から得られたセンサグラムの関連するセグメントの代表的な例を示す。すべての試験したMBは、pH6.0でヒト、カニクイザル、及びマウスFcRnに結合し、pH7.4で受容体から解離した。Cona MB IgG1 LLRALは、pH7.4でヒトまたはカニクイザルFcRnからCona MB IgG1 WTと同等の速度で解離した。
【表3-1】
【表3-2】
【0171】
実施例5.インビトロ腫瘍細胞傷害性の評価
例示的なDR5標的化MB(実施例1に記載されるように生成される)の細胞傷害性を、異なる腫瘍細胞株を使用して評価した。Cona MB IgG1 wt及びCona MB IgG1 LLRALを、COLO205(ヒト結腸癌)、HCT-15(ヒト結腸癌)、NCI-H2122(ヒト肺癌)、SNU-5(ヒト胃癌)、Capan-1(ヒト膵臓癌)、MDA-MB-231(浸潤性導管癌)、BxPC-3(ヒト膵臓癌)、及びNCI-H2228(ヒト肺癌)細胞株に対して試験した。
【0172】
腫瘍細胞株を、96ウェルプレート中にウェル当たり5000個の細胞で播種し、一晩インキュベートして、結合を容易にした。翌日、細胞をDR5標的化MBまたは抗DR5(コナツムマブ)の連続希釈で処理し、37℃で24時間インキュベートした。細胞生存率を、製造業者の指示に従って、CellTiter-Glo Luminescence Cell Viability Assay(Promega)を使用して測定した。簡潔には、アッセイ試薬(100μL)を室温で100μLの細胞に添加し、プレートシェーカーを使用して500rpmで2分間混合し、室温で10分間インキュベートした。発光シグナルは、Synergy Neo2 Multi-Mode Assay Microplate Reader(BioTek Instruments)を使用して読み取った。
【0173】
図4は、これらの実験からの結果を示す。図4において、(ビヒクル処置された腫瘍細胞と比較した)生存細胞のパーセンテージを、x軸上の試験分子濃度に対してy軸上にプロットした。データを、非線形回帰(対数阻害剤対応答、可変スロープ、4つのパラメータ)を用いてPrism9.1.2ソフトウェア(GraphPad)を使用して適合させた。表4は、得られたIC50値を提供する。試験したDR5標的化MB(Cona MB IgG1 wt及びCona MB IgG1 LLRAL)の両方は、ヒトがん細胞株の細胞傷害性を誘導することができた。一方、IgG1抗体であるコナツムマブは、腫瘍細胞傷害性を誘導しなかったか、または非常に乏しい誘導であった。
【表4】
【0174】
実施例6.マウスにおけるMultabodyの薬物動態
実施例1に記載されるように生成された例示的なDR5標的化MB(Cona MB IgG1 LLRAL及びコナツムマブ)の薬物動態(PK)を、8週齢の雌BALB/c SCIDマウス(Jackson Labs)において分析した。
【0175】
単回用量PK研究について、マウスは、5mg/kgで、200μLの試験分子の単回ボーラス注射を腹腔内(i.p.)または静脈内(i.v.)で受けた(1群当たりN=8匹のマウス、1時点当たりN=4匹のマウス)。50~100μLの血液試料を、3時間、24時間、48時間、72時間、5日、7日、15日、及び21日の時点で収集した。
【0176】
複数回用量PK研究について、マウスに、9日目に、5mg/kgで200μLの試験分子を注射し、続いて、96時間後に5mg/kgで200μLの試験分子の第2の注射を行った。50~100μLの血液試料を、第1の用量の3時間後、24時間後、48時間後、72時間後、及び96時間後、ならびに第2の用量の3時間後、24時間後、48時間後、72時間後、5日後、7日後、及び14日後に収集した。
【0177】
血液試料を伏在静脈からヘパリンでコーティングしたチューブに収集し、指でボルテックスして混合を確実にした。その後、試料を、4℃で、1500×gで15分間遠心分離し、血漿試料を収集し、ELISAアッセイで使用するまで直ちに-80℃で保存した。
【0178】
ELISAで血漿薬物レベルを測定するために、PBS中2μg/mLの組換えDR5を4℃で一晩、Maxisorpプレート(Fisher Scientific)にコーティングした。PBS-0.05%T(0.05%(v/v)Tween(登録商標)-20を補充したPBS)で2回洗浄した後、プレートをPBS中3%(w/v)BSAで、室温で1時間ブロックし、その後、PBS-0.05%Tで2回洗浄した。血漿試料を、PBS-0.05%T-0.5%BSA(0.05%(v/v)Tween(登録商標)-20及び0.5%(w/v)BSAを補充したPBS)中に希釈し、ウェルに添加し、室温及び500rpmの振動数で1時間インキュベートし、続いて、PBS-0.05%Tで別の洗浄ステップを行った。1:10000で希釈したヤギポリクローナル抗ヒトFc-HRP二次抗体(Jackson Immunoresearch)でインキュベーションすることによって、結合分子を検出した。PBS-0.05%Tでのさらなる洗浄ステップの後、OptEIA(商標)TMB基質試薬セット(BD Biosciences)を製造業者の指示に従って検出に使用し、Synergy Neo2 Multi-Mode Assay Microplate Reader(BioTek Instruments)を使用して450nmでの吸光度を読み取った。PBS-0.05%T-0.5%BSA中の試験分子の希釈を使用して、較正曲線を準備した。
【0179】
図5Aは、これらの薬物動態研究の設計を示す概略図である。
【0180】
図5Bは、Cona MB IgG1 wt、Cona MB IgG1 LLRAL、及びコナツムマブ(「Cona」)の単回用量PK研究における経時的な血漿濃度のプロットを示す。表5は、計算された半減期の要約を表す。Cona MB IgG1 LLRALは、Cona MB IgG1 wtと比較して著しく増強されたPK特性を示した。最初の7日間、Cona MB IgG1 LLRALの血漿濃度は、コナツムマブの血漿濃度と同等のままであった。15日目のCona MB IgG1 LLRAL血漿濃度は、インビトロ細胞傷害性アッセイ(実施例5を参照されたい)で決定したIC50値(約0.04μg/mL)の125倍、及び21日目でIC50値の40倍であった。
【0181】
図5Cは、Cona MB IgG1 LLRAL及びコナツムマブについての複数回用量PK研究における経時的な血漿濃度のプロットを示す。
【表5】
【0182】
実施例7.異種移植マウスモデルにおけるDR5標的化Multabodyの治療効果
例示的なMultabodyの治療効果を、結腸癌異種移植モデルにおいて評価した。図6Aは、インビボ有効性研究の試験設計を示す概略図を示す。
【0183】
5×10のCOLO205細胞を、BALB/c SCIDマウス(群当たりn=12)の脇腹に皮下注射した。腫瘍を200mmの平均サイズまで成長させた。平均腫瘍体積が群間で等しくなるように、マウスを処置群または対照群に分類した(図6B)。マウスは、2週間にわたって週1回または2回、腹腔内(i.p.)注射を介して処置(用量当たり5mg/kg)または対照を受けた(図6A)。腫瘍体積を、キャリパーを使用して週2回測定した。血液試料を、初回用量の24時間後、7日後、14日後、及び21日後に収集し、血漿中の薬物レベルを実施例6に記載されるように測定した。
【0184】
図6B~6Gは、様々な群におけるマウスの腫瘍体積を示すプロットである。図6B及び図6D~6Gのプロットは、経時的な腫瘍体積を示し、図6Cのプロットは、処置開始後88日目の腫瘍体積を示す。Cona MB IgG1 LLRALによる処置は、週1回または2回、大きな確立された腫瘍の成長を著しく阻害し、Cona MB IgG1 LLRALが大きなサイズであっても腫瘍を浸潤することができたことを示唆している。Cona MB IgG1 LLRALは、コナツムマブよりも腫瘍成長をより強く阻害し、それぞれ、週1回処置群及び週2回処理群において9/12及び11/12の完全な退縮がもたらされた。これは、コナツムマブ処置群でわずか1/12の完全な寛解と比較している。
【0185】
図6Hは、第1の用量(x軸)後の時間の関数としての血漿(y軸)中の試験分子の濃度を示すプロットである。COLO205結腸癌マウスモデルで観察されたCona MB IgG1 LLRALの薬物動態プロファイルは、実施例6に記載の複数回用量PK研究で観察されたものと同様であった。(図5Bを参照されたい)。これらの結果は、腫瘍の存在が、Multabodyのクリアランスに影響を与えないことを示唆している。
【0186】
これらの実験を、ビヒクル、コナツムマブ、またはCona MB IgG1 LLRALを2週間にわたって1週間に1回、用量当たり5mg/kgで使用して、同じ研究設計を有する第2の研究で繰り返した。この第2の研究の結果は、第1の研究の結果と同様であり、ビヒクル群で腫瘍退縮は観察されず、コナツムマブ群の10匹のマウスのいずれも完全な腫瘍退縮を示さず、Cona MB IgG1 LLRAL群の10匹すべてのマウスは完全な腫瘍退縮を示した(データには示さず)。この第2の研究の結果は、Cona MB IgG1 LLRALの治療効果が週1回の投与で非常に再現性があることを示す。
【0187】
実施例8.異種移植マウスモデルにおけるDR5標的化Multabodyの用量範囲有効性
Cona IgG1 MB LLRALの用量範囲有効性も、実施例6で使用した同じ結腸癌異種移植モデルで調査した。
【0188】
5×10個のCOLO205細胞を、Balb/c SCIDマウスの脇腹に皮下注射した。腫瘍を200mmの平均サイズまで成長させた。平均腫瘍体積が各群にわたって等しくなるように、マウスを5つのグループ(ビヒクルまたは用量当たり0.1mg/kg、0.25mg/kg、1mg/kg、もしくは5mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL)のうちの1つに分類した。マウスは、3週間にわたって週1回腹腔内(i.p.)注射を介して処置またはビヒクルを受けた。腫瘍体積を、キャリパーを使用して週2回測定した。実験全体を通して血液試料を採取した。
【0189】
図7Aは、第1の用量後の経時的な様々な群におけるマウスの腫瘍体積を示すプロットである。「MB」は、Cona MB IgG1 LLRAL群を示す。図7B~7Fは、ビヒクル(図7B)ならびに5mg/kg、1mg/kg、0.25mg/kg、及び0.1mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置(それぞれ、図7C図7D図7E、及び図7F)群内の個々のマウスの腫瘍体積を示す。図7Aに示されるように、0.25mg/kg、1mg/kg/、及び5mg/kgの用量で、Cona MB IgG1 LLRALで処置したマウスは、ビヒクル群よりも著しい改善を示した。Cona MB IgG1 LLRALは、最初は1mg/kg及び5mg/kgの用量で同様の有効性を有するように思われた。しかしながら、1mg/kgは、12匹のマウスのうち12匹で完全な退縮が見られた5mg/kgの処置群よりも、より少ない完全奏効及びさらなる再成長を示した。
【0190】
図7Gは、第1の用量が投与された後の様々な時点で収集された血液試料中で検出可能なCona MB IgG1 LLRALの量を示すプロットである。Cona MB IgG1 LLRALは、0.1mg/kg、0.25mg/kg、1mg/kg/、及び5mg/kgのCona MB IgG1 LLRAL処置群で試験されたすべての時点で血漿中で検出可能であり、薬物動態はすべての用量群で直線的に現れた。
【0191】
これらの結果は、Cona MB IgG1 LLRALが、実施例6で試験されたものよりも5倍低い用量レベルでの同等の有効性を含む、試験された複数回用量で治療有効性を示したことを実証する。しかしながら、5mg/kgの用量レベルで完全な腫瘍の退縮が観察されたが、用量レベルを1mg/kgに低下させたときにいくつかの腫瘍の再成長が観察された。
【0192】
実施例9.DR5標的化Multabodyによる大腫瘍の浸潤及びアポトーシスの誘導
実施例1に記載されるように生成された例示的なMultabodyを、結腸異種移植モデルにおいて、大腫瘍を浸潤し、アポトーシスを誘導する能力について評価した。
【0193】
5×10個のCOLO205細胞を、Balb/c SCIDマウスの脇腹に皮下注射した。腫瘍を500mmの平均サイズまで成長させた。腫瘍体積を、キャリパーを使用して週2回測定した。マウスを、平均腫瘍サイズが2つの群にわたって同一であり、各群において約500mmであるように、ビヒクルまたは処置群に無作為に割り当てた。次いで、マウスに、1回の用量のビヒクルまたは5mg/kgのCona MB IgG1 LLRALを、腹腔内(i.p.)注射によって投与した。血液試料は、ビヒクルまたはCona MB IgG1 LLRALの注射の24時間後に収集し、その後の組織学的分析のために腫瘍を採取した。図8は、これらの実験の概略図及びタイムラインを示す。
【0194】
腫瘍をホルマリン固定し、パラフィン中に埋め込み、切片化した。腫瘍切片を、アポトーシスのマーカーである切断カスパーゼ-3について免疫組織化学的に染色した。染色された組織切片の代表的な画像を、図9A及び9C(ビヒクル処置マウス)ならびに図9B及び9D(Cona MB IgG1 LLRAL処置マウス)に示す。これらの図に示されるように、ビヒクル処置マウス由来の腫瘍切片において、ほとんどのアポトーシス細胞が検出されなかった。対照的に、Cona MB IgG1 LLRAL処置マウスからの組織切片は、腫瘍マージンから離れた腫瘍のコア内の深部を含む腫瘍全体にわたってアポトーシス細胞の大部分を含んでいた(図9B及び9Dの染色細胞を参照されたい)。
【0195】
これらの結果は、Cona MB IgG1 LLRALが腫瘍全体の腫瘍細胞のアポトーシスを誘導したことを確認する。さらに、これらの結果は、Multabodyが大規模な確立された腫瘍のコアに浸透することができることを確認する。
配列表
融合配列内の下線は、リンカー配列を示す。
融合配列内の太字は、フェリチンまたはフェリチンサブユニット配列を示す。
可変領域の配列内では、下線及び太字が一緒になって、相補的決定領域の配列を示す。
ボックスを付した残基及び太字の残基は、参照分子に対して、例えば、IgG1 Fcに対して変異した残基を示す。
配列番号1 hFTL
MSSQIRQNYSTDVEAAVNSLVNLYLQASYTYLSLGFYFDRDDVALEGVSHFFRELAEEKREGYERLLKMQNQRGGRALFQDIKKPAEDEWGKTPDAMKAAMALEKKLNQALLDLHALGSARTDPHLCDFLETHFLDEEVKLIKKMGDHLTNLHRLGGPEAGLGEYLFERLTLRHD
配列番号2 N_hFTL
MSSQIRQNYSTDVEAAVNSLVNLYLQASYTYLSLGFYFDRDDVALEGVSHFFRELAEEKREGYERLLKMQNQRGGRALFQDIKKPAEDEW
配列番号3 C_hFTL
GKTPDAMKAAMALEKKLNQALLDLHALGSARTDPHLCDFLETHFLDEEVKLIKKMGDHLTNLHRLGGPEAGLGEYLFERLTLRHD
配列番号4 IgG1 Fc
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号5 IgG1 scFc
【化1】
配列番号6 Cona LC
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQGISRSYLAWYQQKPGQAPSLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQFGSSPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号7 Cona HC
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGGSISSGDYFWSWIRQLPGKGLEWIGHIHNSGTTYYNPSLKSRVTISVDTSKKQFSLRLSSVTAADTAVYYCARDRGGDYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号8 Cona scFab


【化2】
配列番号9 aDR5-hFTL
【化3】
配列番号10 aDR5-hFTL、代替配列
【化4】
配列番号11 aDR5-N_hFTL
【化5】
配列番号12 aDR5-N_hFTL、代替配列
【化6】
配列番号13 scFc-C_hFTL IgG1 WT
【化7】
配列番号14 scFc-C_hFTL IgG1 LALA
【化8】
配列番号15 scFc-C_hFTL IgG1 LALAP
【化9】
配列番号16 scFc-C_hFTL IgG1 LLRAL
【化10】
配列番号17 scFc-C_hFTL IgG1 LLGRAL
【化11】
配列番号18 ヒトDR5(GenBank受託番号AAB67109.1)
【化12】
配列番号19 ヒトDR5(GenBank受託番号AAB71412.1)
【化13】
配列番号20 ヒトDR5(GenBank受託番号AAC01565.1)
【化14】
配列番号21 ヒトDR5(GenBank受託番号AAB67103.1)
【化15】
配列番号22 コナツムマブ由来のV
【化16】
配列番号23 コナツムマブ由来のV
【化17】
配列番号24 コナツムマブ由来のCDR-L1
RASQGISRSYLA
配列番号25 コナツムマブ由来のCDR-L2
GASSRAT
配列番号26 コナツムマブ由来のCDR-L3
QQFGSSPWT
配列番号27 コナツムマブ由来のCDR-H1
GGSISSGDYFWS
配列番号28 コナツムマブ由来のCDR-H2
HIHNSGTTYYNPSLKS
配列番号29 コナツムマブ由来のCDR-H3
DRGGDYYYGMDV
配列番号30 チガツズマブ由来のV
【化18】
配列番号31 チガツズマブ由来のV
【化19】
配列番号32 チガツズマブ由来のCDR-L1
KASQDVGTAVA
配列番号33 チガツズマブ由来のCDR-L2
WASTRHT
配列番号34 チガツズマブ由来のCDR-L3
QQYSSYRT
配列番号35 チガツズマブ由来のCDR-H1
GFTFSSYVMS
配列番号36 チガツズマブ由来のCDR-H2
TISSGGSYTYYPDSVKG
配列番号37 チガツズマブ由来のCDR-H3
RGDSMITTDY
配列番号38 ドロジツマブ由来のV
【化20】
配列番号39 ドロジツマブ由来のV
【化21】
配列番号40 ドロジツマブ由来のCDR-L1
SGDSLRSYYAS
配列番号41 ドロジツマブ由来のCDR-L2
GANNRPS
配列番号42 ドロジツマブ由来のCDR-L3
NSADSSGNHVV
配列番号43 ドロジツマブ由来のCDR-H1
GFTFDDYAMS
配列番号44 ドロジツマブ由来のCDR-H2
INWQGGSTGYADSVKG
配列番号45 ドロジツマブ由来のCDR-H3
ILGAGRGWYFDY
配列番号46 レキサツムマブ由来のV
【化22】
配列番号47 レキサツムマブ由来のV
【化23】
配列番号48 レキサツムマブ由来のCDR-L1
QGDSLRSYYAS
配列番号49 レキサツムマブ由来のCDR-L2
GKNNRPS
配列番号50 レキサツムマブ由来のCDR-L3
NSRDSSGNHVV
配列番号51 レキサツムマブ由来のCDR-H1
GFTFDDYGMS
配列番号52 レキサツムマブ由来のCDR-H2
INWNGGSTGYADSVKG
配列番号53 レキサツムマブ由来のCDR-H3
ILGAGRGWYFDL
配列番号54 GSリンカー配列
GGGGS
配列番号55 GSリンカー配列
GGGS
【0196】
等価物/他の実施形態
本発明は、その特定の実施形態に関連して説明されているが、さらなる修正が可能であり、本出願は、一般的に、本発明の原理に従う本発明の任意の変形、使用、または適応をカバーすることを意図しており、本発明が属する技術分野内の既知のまたは慣習的な実践の範囲内にある本開示からのそのような逸脱を含み、本明細書で先に記載される本発明の本質的な特徴に適用され得ることを理解されたい。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9
【配列表】
2024533485000001.xml
【国際調査報告】