IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-533496光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法
<>
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図1
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図2
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図3
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図4
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図5
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図6
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図7
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図8
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図9
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図10
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図11
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図12
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図13
  • 特表-光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】光学センサを伴う外科用器具、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20240905BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516430
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022043406
(87)【国際公開番号】W WO2023043755
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】17/474,537
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ネルセン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】セラ,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL07
4C160LL43
4C160LL70
(57)【要約】
患者の解剖学的構造に作用する負荷を光学的に感知する際に使用するための医療用又は外科用デバイス、器具、システム、及び方法は、手術部位に挿入するように構成された外科用デバイス又は器具と、負荷が感知される外科用デバイス又は器具の場所に感知領域を有する光ファイバを介して外科用デバイス又は器具に結合されたインテロゲータとを含み得る。測定された負荷は、患者の解剖学的構造に作用する負荷を示すものとして使用され得る。そのような測定又は判定された負荷は、患者処置の前、間、又は後に決定を行うために使用されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術システムであって、
手術部位への挿入のために構成された外科用デバイスであって、
第1の部分を有する組織接触コンポーネントであって、前記第1の部分は、組織接触コンポーネントに作用する力に応答する、組織接触コンポーネントと、
前記組織接触コンポーネントの前記第1の部分に沿って配設され、前記組織接触コンポーネントに作用する負荷に応答して変形するように構成されている、光ファイバと、を備える、
外科用デバイスと、
前記光ファイバに結合されたインテロゲータであって、前記光ファイバを通って反射された光を感知し、感知された前記光を電気信号に変換するように構成されている、インテロゲータと、を備え、
前記電気信号は、前記外科用デバイスの前記組織接触コンポーネントに作用する負荷を示す、
外科手術システム。
【請求項2】
前記外科用デバイスは、前記外科用デバイスに隣接する神経組織を感知する際に使用されるように構成された取り外し可能な本体を備え、電極及び前記光ファイバが、前記取り外し可能な本体内に配設されており、前記取り外し可能な本体は、前記外科用デバイスに摺動可能に結合されている、請求項1に記載の外科手術システム。
【請求項3】
前記組織接触コンポーネントの前記第1の部分は、第1の材料から構築されており、前記組織接触コンポーネントの第2の部分が、第2の材料から構築されており、前記第2の材料は、前記組織接触コンポーネントに作用する負荷に対して前記第2の材料よりも応答性が高く、
前記光ファイバは、前記第1の材料に沿って配設された感知部分を含む、請求項1に記載の外科手術システム。
【請求項4】
前記光ファイバは、前記組織接触コンポーネントの前記第1の部分に沿って配設された感知部分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科手術システム。
【請求項5】
前記インテロゲータは、前記光ファイバを通って光を放出するように構成された光エミッタと、前記光ファイバを通って反射された前記光を感知するように構成された検出器と、を含む、請求項1に記載の外科手術システム。
【請求項6】
圧力感知外科用デバイスであって、
手術部位において又はその近くで調節されるように構成され、組織接触面を有する、コンポーネントと、
前記コンポーネントに隣接して、又は前記コンポーネントを通って延在する、光ファイバと、
前記光ファイバの感知部分と、を備え、前記光ファイバの前記感知部分は、前記コンポーネントの調節によって引き起こされた前記組織接触面に作用する負荷に応答して変形するように構成されている、
圧力感知外科用デバイス。
【請求項7】
前記光ファイバの前記感知部分は、最大25個のファイバブラッグ格子を含み、
前記ファイバブラッグ格子は、少なくとも1ミリメートル(mm)の格子周期を有し、かつ
前記ファイバブラッグ格子は、1mmの格子周期を有する少なくとも2つのファイバブラッグ格子と、10mmの格子周期を有する少なくとも2つのファイバブラッグ格子とを含む、
請求項6に記載の圧力感知外科用デバイス。
【請求項8】
前記コンポーネントは、開創器本体に結合された開創器ブレードである、請求項6に記載の圧力感知外科用デバイス。
【請求項9】
前記コンポーネントは、拡張可能なインプラントである、請求項6に記載の圧力感知外科用デバイス。
【請求項10】
前記コンポーネントは、拡張可能なトライアルである、請求項6に記載の圧力感知外科用デバイス。
【請求項11】
前記コンポーネントは、第1の材料から構築された部分と、前記第1の材料よりも剛性が低い第2の材料から構築された部分とを含み、前記光ファイバの前記感知部分は、前記第2の材料に沿って配設されている、請求項6に記載の圧力感知外科用デバイス。
【請求項12】
前記コンポーネントに隣接して延在する複数の光ファイバを更に備え、前記複数の光ファイバが前記光ファイバを含む、請求項6~11のいずれか一項に記載の圧力感知外科用デバイス。
【請求項13】
前記コンポーネントは、外科用ドリルビットである、請求項6に記載の圧力感知外科用デバイス。
【請求項14】
手術部位に近接して外科用デバイスを位置決めすることと、
インテロゲータを用いて、前記外科用デバイスに沿って延在する光ファイバを通って反射された光を検出することと、
検出された前記光ファイバを通って反射された前記光に基づいて、前記外科用デバイスによって前記手術部位における又は隣接する組織に加えられている負荷を判定することと、を含む、
方法。
【請求項15】
前記外科用デバイスは、開創器であり、
前記外科用デバイスを位置決めすることは、前記開創器を使用して前記手術部位への手術回廊を形成することを含み、
当該方法は、
神経組織の存在を検出するために、前記開創器の電極を用いて、前記手術部位における又は隣接する組織に電気刺激を加えることを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記神経組織の存在が検出されたときに、前記手術部位における又は隣接する前記組織に加えられている前記負荷を判定することは、前記神経組織に加えられた負荷を推定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記神経組織の前記存在を検出することに応答して、前記神経組織が検出されたという指標と、前記神経組織に加えられた推定負荷とを、ユーザインターフェース上に表示することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電気刺激に基づいて検出された前記神経組織の近接度に基づいて閾値をカスタマイズすることと、
前記外科用デバイスによって前記神経組織に加えられた前記負荷を前記閾値と比較することと、
前記神経組織に加えられた前記負荷が前記閾値を超えたと判定することに応答して、タイマを開始することと、を更に含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記神経組織の前記存在を検出することに応答して、前記神経組織が検出されたという指標と、前記神経組織に加えられた負荷と、前記神経組織に加えられた前記負荷が前記閾値を上回っていた時間の長さとを、ユーザインターフェース上に表示することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記手術部位において、前記外科用デバイスのコンポーネントの位置を調節することと、
検出された前記光ファイバを通って反射された前記光に基づいて、前記コンポーネントの位置を判定することと、を更に含む、
請求項14~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2021年9月14日に出願された、SURGICAL INSTRUMENTS,SYSTEMS,AND METHODS WITH OPTICAL SENSORSと題した米国特許出願第17/474,537号の優先権を主張し、この米国特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
外科用及び医療用用途のために、多種多様な外科用及び医療用デバイス、器具、並びにシステムが開発されている。これらのデバイス、器具、及びシステムのうちのいくつかは、脊髄手術などにおいて使用される器具を含む。これらのデバイス、器具、及びシステムは、種々の異なる製造方法のうちのいずれか1つによって製造され、種々の方法のうちのいずれか1つに従って使用され得る。既知の医療用デバイス、器具、システム、及び方法のうちの各々は、特定の利点及び欠点を有する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、外科用及び医療用デバイス、器具、並びにシステムのための設計、材料、製造方法、及び使用の代替案を提供する。代替的な外科用及び医療用デバイス、器具、並びにシステムに加え、外科用及び医療用デバイス、器具、並びにシステムを製造及び使用するための代替的な方法も提供する必要性が継続的に存在している。
【0004】
例示的な外科手術システムは、光ファイバを有し、かつ手術部位への挿入のために構成された外科用デバイスと、光ファイバに結合されたインテロゲータとを含み得、インテロゲータは、光ファイバを通って反射された光を感知し、感知された光を電気信号に変換するように構成されている。外科用デバイスは、組織接触コンポーネントであって、組織接触コンポーネントが、第1の部分を有し、第1の部分が、組織接触コンポーネントに作用する負荷に応答する、組織接触コンポーネントと、組織接触コンポーネントの第1の部分に沿って配設された光ファイバであって、光ファイバが、組織接触コンポーネントに作用する負荷に応答して変形するように構成されている、光ファイバとを含む。電気信号は、外科用デバイスの組織接触コンポーネントに作用する負荷を示し得る。
【0005】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、光ファイバは、外科用デバイスから取り外されるように構成されている。
【0006】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、外科用デバイスは、組織接触コンポーネントの第1の部分の少なくとも一部を画定する本体を備え、本体は、外科用デバイスに隣接する神経組織を感知する際に使用するように構成された電極と、光ファイバとを有する。
【0007】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、光ファイバの少なくとも一部分は、組織接触コンポーネントに沿って永続的に固定されている。
【0008】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、外科用デバイスは、外科用デバイスに隣接する神経組織を感知する際に使用されるように構成された取り外し可能な本体を備え、電極が取り外し可能な本体内に配設されており、取り外し可能な本体は、外科用デバイスに摺動可能に結合されている。
【0009】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、組織接触コンポーネントの第1の部分は第1の材料から構築されており、組織接触コンポーネントの第2の部分は第2の材料から構築されている。
【0010】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、第1の材料は、第2の材料よりも組織接触コンポーネントに作用する負荷に対して応答性が高い。
【0011】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、光ファイバは、第1の材料に沿って配設された感知部分を含む。
【0012】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、光ファイバは、組織接触コンポーネントの第1の部分に沿って配設された感知部分を含む。
【0013】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、インテロゲータは、光ファイバを通って光を放出するように構成された光エミッタを含む。
【0014】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、インテロゲータは、光ファイバを通って反射された光を感知するように構成された検出器を含み、光ファイバを通って反射された光は光エミッタから放出される。
【0015】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、外科用デバイスは、外科用インプラント、外科用開創器、外科用拡張器、トライアルインプラント、外科用ドリルビット、及び外科用測定ツールからなるグループから選択されるデバイスである。
【0016】
更なる例では、圧力感知外科用デバイスが、手術部位において又はその近くで調節されるように構成されたコンポーネントであって、コンポーネントが、組織接触面を有する、コンポーネントと、コンポーネントに隣接して、又はコンポーネントを通って延在する光ファイバと、光ファイバの感知部分と、を含み得、光ファイバの感知部分は、コンポーネントの調節によって引き起こされた組織接触面に作用する負荷に応答して変形するように構成されている。
【0017】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、光ファイバの感知部分は、3インチ~9インチの範囲内の長さを有する。
【0018】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、光ファイバの感知部分は、最大25個のファイバブラッグ格子を含み、ファイバブラッグ格子は、少なくとも1ミリメートル(millimeter、mm)の格子周期を有し、ファイバブラッグ格子は、1mmの格子周期を有する少なくとも2つのファイバブラッグ格子と、10mmの格子周期を有する少なくとも2つのファイバブラッグ格子とを含む。
【0019】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、コンポーネントは、開創本体に対して結合された開創ブレードである。
【0020】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、コンポーネントは、拡張可能なインプラントである。
【0021】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、コンポーネントは、拡張可能なトライアルインプラントである。
【0022】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、コンポーネントは、第1の材料から構築された部分と、第2の材料から構築された部分とを含み、光ファイバの感知部分は、第2の材料に沿って配設されている。
【0023】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、第2の材料は、第1の材料よりも剛性が低い。
【0024】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、デバイスは、コンポーネントに隣接して延在する複数の光ファイバを含んでもよく、複数の光ファイバは光ファイバを含む。
【0025】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、コンポーネントは、外科用ドリルビットである。
【0026】
更なる例では、方法が、手術部位に近接して外科用デバイスを位置決めすることと、インテロゲータを用いて、外科用デバイスに沿って延在する光ファイバを通って反射された光を検出することと、検出された光ファイバを通って反射された光に基づいて、外科用デバイスによって手術部位における又は隣接する組織に加えられている負荷を判定することと、を含み得る。
【0027】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、外科用デバイスは開創器であり、外科用デバイスを位置決めすることは、開創器を使用して手術部位への手術回廊を形成することを含み、方法は、神経組織の存在を検出するために、開創器の電極を用いて、手術部位における又は隣接する組織に電気刺激を加えることを含む。
【0028】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、神経組織の存在が検出されたときに、手術部位における又は隣接する組織に加えられている負荷を判定することは、神経組織に加えられた負荷を推定することを含む。
【0029】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、方法は、神経組織の存在を検出することに応答して、神経組織が検出されたという指標と、神経組織に加えられた負荷とをユーザインターフェース上に表示することを更に含む。
【0030】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、方法は、電気刺激に基づいて検出された神経組織の近接度に基づいて閾値をカスタマイズすることと、外科用デバイスによって神経組織に加えられた負荷を閾値と比較することと、神経組織に加えられた負荷が閾値を超えたと判定することに応答して、タイマを開始することと、を更に含む。
【0031】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、方法は、神経組織の存在を検出することに応答して、神経組織が検出されたという指標と、神経組織に加えられた負荷と、神経組織に加えられた負荷が閾値を上回っていた時間の長さとをユーザインターフェース上に表示することを更に含む。
【0032】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、方法は、手術部位において、外科用デバイスのコンポーネントの位置を調節することと、検出された光ファイバを通って反射された光に基づいて、コンポーネントの位置を判定することとを更に含む。
【0033】
このセクションの実施形態のいずれかに代えて、又はそれに加えて、外科用デバイスは、外科用インプラント、外科用開創器、外科用拡張器、トライアルインプラント、外科用ドリルビット、及び外科用測定ツールからなるグループから選択される外科用デバイスである。
【0034】
いくつかの実施形態の上記の概要は、本開示の各開示された実施形態又は全ての実施態様を説明することを意図していない。以下の図面及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本開示は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明の考慮において、より完全に理解され得る。
【0036】
図1】外科用デバイスに加えられた負荷を感知するための例示的なシステムの概略図である。
【0037】
図2】負荷を感知するための例示的なシステムの概略図である。
【0038】
図3】例示的な光ファイバベースのセンサシステムの構成要素の概略図である。
【0039】
図4】例示的な組織牽引アセンブリの概略斜視図である。
【0040】
図5】外科用デバイスに加えられた負荷を感知するための例示的なシステムの概略図である。
【0041】
図6】外科用デバイスに加えられた負荷を感知するための例示的なシステムの概略図である。
【0042】
図7】取り外し可能な本体を含む例示的な開創ブレードの概略図である。
【0043】
図8】外科用デバイスに加えられた負荷を感知するための例示的なシステムの概略図である。
【0044】
図9】外科用監視システムのための例示的な画面表示の概略図である。
【0045】
図10】外科用デバイスに加えられた負荷を感知するための例示的なシステムの概略図である。
【0046】
図11図10に図示される例示的な測定ツールの遠位部分の概略図である。
【0047】
図12】外科用デバイスに加えられた負荷を感知するための例示的なシステムの概略図である。
【0048】
図13図12に図示される例示的なインプラントに接続された例示的な挿入ツールの遠位部分の概略図である。
【0049】
図14】例示的な方法の概略図である。
【0050】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態を受け入れることができるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明されることになる。しかしながら、その意図は、説明される特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解されたい。逆に、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内に収まる全ての修正物、均等物、及び代替物を包含するものである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
外科用及び医療用デバイス並びに器具(例えば、ツール、インプラントなど)は、デバイス及び器具に負荷(例えば、歪み、圧力、振動、温度、又は力)が加えられる(例えば、デバイス若しくは器具の動作に応答して、患者の解剖学的構造に負荷を加えることに応答して、又はデバイス若しくは器具の他の使用に応答して)様々な処置において使用される。一例では、患者に対する低侵襲外科的処置中に、手術部位のサイズを増大させる(例えば、インプラントを収容するために椎間板腔を増大させるか、又は神経を減圧する)必要が生じ得る。別の例では、開創器のブレードが、患者の解剖学的構造を開創するために力を加える場合がある。ブレードが患者の解剖学的構造と相互作用するときに、ブレードに加えられる力、ひいては、患者の解剖学的構造、並びに器具全体にわたる歪み分散を理解することは、ユーザにとって有利であり得る。同様に、ユーザが、医療及び外科的処置において使用される他のデバイス及び器具によって患者の解剖学的構造に加えられる負荷を理解することが有利であり得る。場合によっては、負荷を知ることは、患者の解剖学的構造内で使用されるデバイス及び器具の位置決め又は場所を判定することを容易にし得る。
【0052】
外科用デバイス及び器具内に力センサを設置する試みがなされてきたが、力センサのそのような使用は実装が困難であった。一例では、外科用及び医療用デバイス並びに器具内に薄膜力センサを設置することが試みられてきたが、デバイス及び器具の所望の使用を可能にし、有意義な力、歪みデータ、又は力及び歪みデータの両方を医療用及び外科用デバイス並びに器具のユーザに提供する様式で、そのようなセンサを埋め込むことは実用的でないことが分かっている。
【0053】
光学感知システムを医療用及び外科用デバイス並びに器具とともに使用することは、医療用及び外科用デバイス並びに器具がどのように使用されるかに有意義な影響を有し得る様式で、ユーザにデータを提供し得る。場合によっては、データをリアルタイムで使用して、外科的処置中に決定を行うことができる。加えて、又は代替として、データは、処置の有効性を判定又は評価するために、処置後に使用及び分析され得る。このデータは、処置室又は遠隔場所において、1つ以上の他の好適な様式で利用され得る。
【0054】
歪み、圧力、振動、温度、力、及び位置決めは、医療用及び外科用器具並びにデバイス(例えば、外科用ツール、インプラントなど)に埋め込まれた1つ以上の光ファイバケーブルを使用して感知され得、光ファイバケーブルは、その中にファイバブラッグ格子(fiber Bragg grating、FBG)を有する。一例では、光学感知システムは、光ファイバケーブル(例えば、光ファイバセンサチェーン)上にFBGを含んでもよく、インテロゲータは、脊髄手術の前、間、又は後に応力及び歪み情報を提供するために、外科用デバイス又は器具内にあり得るか、又はそれとともに利用され得る。
【0055】
光ファイバケーブルは、分光計、信号プロセッサ、又はその両方として作用するインテロゲータに接続し得る。インテロゲータは、ファイバを通って光をブロードキャストすることができ、ファイバの長さに沿った「格子」は、光をインテロゲータに反射して戻すことができる。光ファイバケーブルが、それに作用する負荷に応答して形状を変化させる(例えば、変形する)につれて、格子は、形状又は位置決めを変化させ、光ファイバケーブルに作用する負荷を判定するために検出及び使用され得る光波長の変化(例えば、デルタ)をインテロゲータに反射して戻すことができる。
【0056】
光ファイバケーブル構成の一例では、外科用器具に埋め込まれた光ファイバケーブルの一部分は、1ミリメートル(mm)の最小間隔又は他の好適な間隔で、最大25個の固有のFBGを有し得る。場合によっては、埋め込まれた光ファイバケーブルの外径は、約0.15mm(例えば、むき出し)~約1.6mm(例えば、PEEK管類を伴う)の範囲内であってもよいが、他の好適な外径が企図される。
【0057】
場合によっては、光学感知システムは、外科用器具あるいは他の好適な外科用若しくは医療用デバイス又は器具の中に、又はそれとともに実装されてもよい。例えば、本明細書で述べる光ファイバ感知システムは、開創器、電極、ドリルビット、ドリル、骨鋸、インプラント、トライアルインプラント(すなわち、インプラント定寸又は試験コンポーネント)、エキスパンダ、又は他の好適な外科用若しくは医療用器具及びデバイスとともに、又はその中で利用されてもよい。光学感知システムが外科用器具に実装されると、負荷が、外科的行為中に光ファイバケーブルに加えられている(例えば、光ファイバケーブルが、外科用器具を通して負荷をかけられている)間、光が、インテロゲータに反射して戻され、使用可能なデータにデジタル化され、ユーザインターフェースを介してユーザ(例えば、外科医、技術者、又は他の好適な医療提供者)に提示され得る。これは、デバイス又は器具が外科的処置において使用される際に、ユーザが、外科用器具上の応力及び歪み、並びに患者の解剖学的構造上又はそれに近接した応力及び歪みのリアルタイムな変化を識別することを可能にし得、データは、ユーザが器具をどのように位置決めするか、又は別様に器具と相互作用するかに影響を及ぼすために使用され得る。更に、使用可能なデータは、後の時間(例えば、処置後又は他の好適な時間)に処置を評価するために利用されてもよい。
【0058】
図を参照すると、図1は、外科用器具又はデバイス102によって患者(例えば、対象)の解剖学的構造に作用する負荷を示し得る、外科用器具又はデバイス102に作用する機械的特性又は他の好適な特性若しくは条件を判定するための例示的なシステム100の概略図を図示する。システム100は、外科用器具又はデバイス102に関して説明され、外科用器具又はデバイス102を含むが、システム100は、医療用デバイス又は器具に関して同様に実装されてもよい。
【0059】
図1において、システム100は、コントローラ104と、光ファイバベースのセンサシステム106(例えば、圧力、力、歪み、温度などの負荷感知システム、又は他の好適な負荷感知システム)と、外科用デバイス102(例えば、光ファイバベースのセンサシステム106又は少なくともその光ファイバケーブル110に含まれるか又は結合されているときの圧力、力、歪み、温度、又は他の負荷を感知する外科用デバイスであってもよい)とを含み得る。光ファイバベースのセンサシステム106は、コントローラ104と通信することができ、かつコントローラ104のハウジングとは別個のハウジングを含むことができか、又はコントローラ104及び光ファイバベースのセンサシステム106は、ハウジングを共有することができる。光ファイバベースのセンサシステム106は、主に、力又は歪みの大きさを検出又は感知するものとして本明細書で説明されるが、光ファイバベースのセンサシステム106は、本明細書で説明されるように、又は別様に、他の負荷を検出又は感知してもよい。
【0060】
光ファイバベースのセンサシステム106は、他の好適なコンポーネントの中でも特に、インテロゲータ108及び光ファイバケーブル110(例えば、その一部分が外科用器具又はデバイス102に含まれてもよい)を含んでもよく、光ファイバケーブル110はインテロゲータ108から外科用デバイス102まで延在してもよい。インテロゲータ108は、光ファイバケーブル110に光を提供し、光ファイバケーブル110に作用する力(例えば、圧力)若しくは歪み、又は他の機械的特性を示す、光ファイバケーブル110を通って反射されて戻る光を収集するように構成されてもよい。インテロゲータ108は、光ファイバケーブル110に光を提供するための光エミッタ112(例えば、光源)と、光ファイバケーブル110を通って反射されて戻る光を検出又は収集するための検出器114(例えば、光検出器)とを含んでもよい。
【0061】
図2は、コントローラ104及びユーザインターフェース216と通信する光ファイバベースのセンサシステム106の概略図を図示する。コントローラ104、光ファイバベースのセンサシステム106、及びユーザインターフェース216の組み合わせは、医療用若しくは外科用デバイス又は器具102と接触している患者の解剖学的構造に作用する力に関連し得る、デバイス又は器具102に作用する機械的特性又は他の好適な特性若しくは条件を判定又は確立するために使用されてもよい。コントローラ104、光ファイバベースのセンサシステム106、及びユーザインターフェース216は、必要に応じて、単一のハウジングコンポーネント又は2つ以上の別個のハウジング内に位置してもよく、それらは、互いに隣接していても、又は互いから離れていてもよい。
【0062】
光ファイバベースのセンサシステム106は、医療用若しくは外科用デバイス又は器具102に沿った力又は歪みを感知するように構成された任意の好適なタイプの光ファイバベースのセンサシステムであってもよい。一例では、光ファイバベースのセンサシステム106は、光ファイバケーブル110の長さに沿った場所に対応する複数のデータ点を使用して、医療用若しくは外科用デバイス又は器具102に沿った力又は歪み分散を識別することができる光ファイバ分散歪み感知(distributed strain sensing、DSS)システムであってもよい。
【0063】
コントローラ104は、光ファイバベースのセンサシステム106のデータ又はセンサシステム106からのデータを処理するように構成された任意の好適なコントローラであってもよい。コントローラ104は、図2に図示されるように、光ファイバベースのセンサシステム106とは別個のコンポーネントであってもよく、又はコントローラ104若しくはコントローラ104の一部分は、光ファイバベースのセンサシステム106のコンポーネントであってもよく、又はそうでなければ光ファイバベースのセンサシステム106に含まれてもよい。
【0064】
上述したように、光ファイバベースのセンサシステム106は、他の好適なコンポーネントの中でも特に、光ファイバケーブル110と、検出器114及び光エミッタ112を含むインテロゲータ108とを含み得、これらは両方とも光ファイバケーブル110と通信することができる。検出器114(例えば、光検出器及び/又は他の好適なタイプの検出器)は、光ファイバケーブル110の第1の端部に接続されてもよく、光ファイバケーブル110のファイバの材料(例えば、ガラス又は他の好適な材料)と相互作用した後に第1の端部に反射して戻る光を検出するように構成されてもよい。
【0065】
光ファイバケーブル110は、光が各ファイバに沿って進むことを可能にするように構成された1つ以上の光ファイバを含み得る。一例では、光ファイバケーブル110は、センサチェーンであってもよい。必須ではないが、センサチェーンは、複数の光ファイバを含み得る。
【0066】
光ファイバケーブル110及びそのファイバは、任意の好適な構成をとることができる。例えば、光ファイバケーブル110は、1つ以上のファイバがむき出しであるか、又は第1の材料によって被覆されている遠位部分と、1つ以上のファイバが第2の材料によって被覆されている近位部分とを含んでもよい。第1及び第2の材料は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせであってもよい。一例では、第1の材料は、シリカ毛細管材料、PEEK管類材料、ステンレス鋼毛細管材料、又は他の好適な材料であってもよい。別の例では、第2の材料は、ガラス織物材料、波形ステンレス鋼管類、又は他の好適な材料であってもよい。
【0067】
光ファイバケーブル110及びそのファイバは、任意の好適なサイズ及び構成を有してもよい。一例では、光ファイバケーブル110のファイバの外径は、約0.15ミリメートル(mm)~約1mmの範囲、又は他の好適な範囲であってもよい。別の例では、光ファイバケーブル110の外径は、約1.6mm~約3mmの範囲、又は他の好適な範囲であってもよい。
【0068】
場合によっては、光ファイバケーブル110及びその1つ以上のファイバは、1つ以上の所望の場所に加えて、外科用又は医療用デバイス又は器具に沿った力の分散感知を容易にするFBGを含む感知領域(例えば、感知部分)を含み得る。そのような光ファイバケーブル110を組み込んだ光ファイバベースのセンサシステム106は、他の力及び歪みセンサ(例えば、薄膜センサ又は他のセンサ)と比較したとき、相対的に頑丈で小型であるという利点を有し得る。加えて、FBGを用いた光ファイバ感知は、無線周波数(radio frequency、RF)及び電磁場並びに高電圧の影響を受けない場合があり、これは、撮像システムと、RF又は電磁場を放出し得る他のシステムとを含む外科処置室での使用に有益であり得る。
【0069】
FBGは、光ファイバのコア内に形成され、かつファイバの下層のガラス材料の屈折率の周期的変調を含む微細構造である。光(例えば、広帯域光)が周期的変調を有する微細構造に当たると、1つの特定の波長帯域が反射され、他の全ての波長がファイバを透過する。すなわち、各FBGに対してガラスに刻まれる微細構造は、反射される特定の波長帯域を規定し得る。したがって、局所条件(例えば、温度、歪みなど)がFBGにおいて変化する場合、FBGの周期的変調は、FBGが反射する波長帯域をシフトさせる既知の方法でわずかに変化する。典型的には、FBGにおけるファイバが圧縮されている場合、反射波長は、FBGにおいて歪みが加えられていないときに比べて減少し、FBGにおけるファイバが伸張されている場合、反射波長は、FBGに歪みが加えられていないときに比べて増加する。これらの効果は、FBGセンサを形成するために利用され得る。
【0070】
温度及び/又は歪みは、FBGの屈折率及び/又は格子周期に各々が影響を及ぼし、反射波長シフトをもたらす可能性がある。FBGは、概して、温度及び歪みの両方に(波長シフトにおいて)応答し得るが、FBGは、FBGにおいて観察される物理的条件を変調又は制御するためにパッケージ化(例えば、収容)され得る。例えば、FBGは、温度からFBGを分離するためにパッケージ化されてもよい。そのようにパッケージ化された場合、FBGの反射波長の変化は、主に、FBGに対する曲げ、張力、圧縮、ねじれ、又は他の力によって引き起こされるファイバの屈折率の変化に起因し得る。
【0071】
光ファイバケーブル110の一例では、光ファイバケーブル110は、ファイバ内に形成された複数のFBGを有する単一のファイバスプライスレスチェーンを含み得る。そのような構成は、力又は歪み測定のためのマルチポイント分散感知ソリューションを可能にし得る。他の構成も企図される。
【0072】
光エミッタ112は、光ファイバケーブル110の1つ以上のファイバを通って光を提供するように構成される、任意の好適なタイプの光エミッタ112であり得る。場合によっては、光エミッタ112は、1つ以上のレーザ、1つ以上の発光ダイオード(light emitting diode、LED)、1つ以上のスーパールミネセント発光ダイオード(super luminescent light emitting diode、SLED)、又は光ファイバケーブル110の1つ以上のファイバを通って光波を送信するように構成された他の好適な光源を組み込んでもよい。一例では、光エミッタ112は、フェムト秒レーザ(fentosecond laser、fs-Laser)であってもよい。
【0073】
光エミッタ112は、既知の波長を有する光を放出することができる。場合によっては、光エミッタ112は、405ナノメートル(nanometer、nm)~1580nm、800nm~880nm、800~865nmの範囲内の波長の光、又は1つ以上の他の好適な波長の光を放出することができる。
【0074】
検出器114は、任意の好適なタイプの光検出器であってもよい。場合によっては、検出器114は、本明細書で説明されるように、光ファイバケーブル110を通して検出器114に反射された光を検出するように構成されてもよい。一例では、検出器114は、検出器114で受け取られる光の量、検出器114で受け取られる光のパターン、検出器114で受け取られる光の波長、検出器114で受け取られる光に関連する1つ以上の他の好適なパラメータ、又はそれらの組み合わせを検出するように構成することができる。必須ではないが、検出器114で受け取られた光に関連する量、パターン、波長、又は他の好適なパラメータの測定値は、光ファイバベースのセンサシステム106のメモリ又は他の適切なメモリに保存され得る。
【0075】
いくつかの異なる光エミッタ112及び検出器114の組み合わせが、インテロゲータ108内で採用されてもよい。例示的な一構成では、広帯域連続光源を、反射光の様々な波長成分を検出器アレイ上の異なる場所に分散する分散要素とともに使用することができる。別の例示的な構成では、波長可変レーザは、ある範囲の波長にわたって掃引されてもよく、光検出器は、所与の掃引時間においてレーザによって提供される波長に対応する反射光の強度を測定してもよい。他の光エミッタ112と検出器114との組み合わせも企図され、光エミッタ112と検出器114との任意の好適な組み合わせをインテロゲータ108で採用することができる。
【0076】
光ファイバケーブル110と、検出器114及び光エミッタ112を含むインテロゲータ108とに加えて、又はその代わりに、光ファイバベースのセンサシステム106は、光ファイバケーブル110に沿った歪みの感知を容易にするための1つ以上の他の好適なコンポーネントを含むことができる。一例では、光ファイバベースのセンサシステム106は、他の特徴の中でも特に、1つ以上のプロセッサ、メモリ、入出力(input/output、I/O)ユニット、通信コンポーネント、ユーザインターフェース、タッチスクリーン、表示画面、選択可能ボタン、ハウジング、及び/又は光ファイバケーブル110に沿った歪みの感知を容易にするように構成された他の好適なコンポーネントを含み得る。場合によっては、検出器114又は光エミッタ112は、メモリ、1つ以上のプロセッサ、及び/又はコンピューティングデバイスの他の好適なコンポーネントを有するコンピューティングデバイスであってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0077】
図2に図示されるように、コントローラ104は、光ファイバベースのセンサシステム106と通信することができる。場合によっては、コントローラ104は、光ファイバベースのセンサシステム106からデータを受信するように構成されてもよく、光ファイバベースのセンサシステム106を組み込んだ医療用又は外科用デバイスに作用する力又は歪みの量を判定し得る。
【0078】
コントローラ104が光ファイバベースのセンサシステム106から受信し得る例示的なデータは、光ファイバベースのセンサシステム106によって感知された歪みに関連する値、光ファイバベースのセンサシステム106に関連付けられた時間データ、又は他の好適なデータを含み得るが、これらに限定されない。光ファイバベースのセンサシステム106からデータを受信することに加えて、又はその代わりに、コントローラ104は、受信データを1つ以上の閾値と比較し、受信データを以前に受信したデータと比較し、外科用又は医療用デバイス又は器具において力又は歪みの変化が検出された時間量を判定し、検出された力が閾値を超えてからの経過時間を判定し、受信データ及び処置の結果を他の処置のデータ及び結果と比較し、又は1つ以上の他の好適なデータ分析を実行し得る。加えて、又は代替として、コントローラ104は、アラームを鳴らし、すなわちアラートを提供するように構成されてもよく、神経組織が検出されたときを判定し、又は受信されたデータに基づいて1つ以上の他の好適なアクションを行ってもよい。
【0079】
例示的なコントローラ104は、他の好適なコンポーネントの中でも特に、1つ以上のプロセッサ218、メモリ220、及び/又はI/Oユニット222を含み得る。コントローラ104の一部として図2に明示的に図示されていないコントローラ104の例示的な他の好適なコンポーネントは、通信コンポーネント、ユーザインターフェース、タッチスクリーン、表示画面、選択可能ボタン、ハウジング、電極とともに使用するための神経感知コントローラ、デバイス若しくは器具コントローラ、又はコントローラの他の好適なコンポーネントを含み得るが、これらに限定されない。上述したように、コントローラ104の1つ以上のコンポーネントは、図2に図示されるように、光ファイバベースのセンサシステム106とは別個であってもよく、又は光ファイバベースのセンサシステム106に組み込まれていてもよい。
【0080】
コントローラ104のプロセッサ218は、単一のプロセッサ、又は個々に若しくは互いに動作する2つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサ218は、メモリ220及び/又は他の好適なメモリにロードされ得る命令を含む命令を実行するように構成され得る。プロセッサ218の例示的なコンポーネントは、中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、マルチコアプロセッサ、グラフィカル処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、人工知能アクセラレータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、ディスクリート回路、及び/又は他の好適なタイプのデータ処理デバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0081】
コントローラ104のメモリ220は、単一のメモリコンポーネント、又は各々が個別に又は互いに動作する2つ以上のメモリコンポーネントを含むことができる。例示的なタイプのメモリ220は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、EEPROM、FLASH、好適な揮発性記憶デバイス、好適な不揮発性記憶デバイス、永続メモリ(例えば、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、ハードドライブ、フラッシュメモリ、光ディスクメモリ、及び/若しくは他の好適な永続メモリ)、並びに/又は他の好適なタイプのメモリを含み得る。メモリ220は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得るか、又は非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。メモリ44は、本明細書で説明する方法及び/又は技法のうちの1つ以上をプロセッサに実行させるためにプロセッサ42によって実行可能であり得る、コンピュータ可読媒体上に一時的及び/又は非一時的状態で記憶された命令を含み得る。
【0082】
コントローラ104のI/Oユニット222は、単一のI/Oコンポーネント又は2つ以上の入出力コンポーネントを含むことができ、各入出力コンポーネントは、1つ以上のデバイス又はユーザとインターフェースするために個別に又は互いに動作する。例示的なI/Oユニット222は、光ファイバベースのセンサシステム106又は他の好適なコンピューティングデバイス若しくはシステムと通信するように構成された通信ポートを含むがこれらに限定されない、任意の好適なタイプの通信ハードウェア若しくはソフトウェアであってもよく、又はそれらを含んでもよい。例示的なタイプのI/Oユニット222は、有線通信コンポーネント(例えば、HDMI(登録商標)コンポーネント、イーサネットコンポーネント、VGAコンポーネント、シリアル通信コンポーネント、パラレル通信コンポーネント、コンポーネントビデオポート、S-ビデオコンポーネント、コンポジットオーディオ/ビデオコンポーネント、DVIコンポーネント、USBコンポーネント、光通信コンポーネント、及び/若しくは他の好適な有線通信コンポーネント)、無線通信コンポーネント(例えば、無線周波数(RF)コンポーネント、低エネルギーBLUETOOTH(登録商標)プロトコルコンポーネント、BLUETOOHプロトコルコンポーネント、近距離通信(Near-Field Communication、NFC)プロトコルコンポーネント、WI-FIプロトコルコンポーネント、光通信コンポーネント、ZIGBEE(登録商標)プロトコルコンポーネント、及び/若しくは他の好適な無線通信コンポーネント)、並びに/又は他の好適なI/Oユニット222を含んでもよい。
【0083】
ユーザインターフェース216は、1つ以上の有線又は無線接続を介してコントローラ104又は光ファイバベースのセンサシステム106と通信するように構成された1つ以上の物理的又は仮想コンポーネントのセットであってもよい。ユーザインターフェース216は、1つ以上のディスプレイデバイス223、1つ以上のI/Oコンポーネント225、又は1つ以上の他の好適な機構若しくはコンポーネントを含み得る。
【0084】
ディスプレイデバイス223は、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。例示的な好適なディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイ、非タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)スクリーン、発光ダイオード(light emitting diode、LED)ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、仮想現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、及び/又は他の好適なディスプレイタイプを含むが、これらに限定されない。
【0085】
I/Oコンポーネント225は、ユーザインターフェース216を介してユーザ入力を受信するか、又はユーザインターフェース216を介して出力を提供するための任意の好適なコンポーネント又は機構であってもよく、及び/又はそれらを含んでもよい。I/Oコンポーネント225の例示的な入力デバイスは、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、タッチパッド、マイクロフォン、選択可能ボタン、選択可能ノブ、光学入力、カメラ、ジェスチャセンサ、アイトラッカ、音声認識コントロール(例えば、適切な自然言語処理コンポーネントに結合されたマイクロフォン)、及び/又は他の好適な入力デバイスを含み得るが、これらに限定されない。I/Oコンポーネント225の例示的な出力デバイスは、ディスプレイ、スピーカ、振動システム、触覚フィードバックシステム、光出力、及び/又は他の好適な出力デバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0086】
図3は、光ファイバベースのセンサシステム106の例示的な構成の概略図を図示する。システム106は、インテロゲータ108に光学的に結合され得る1つ以上のファイバコア324を有する光ファイバケーブル110を含む。ファイバコア324は、光ファイバケーブル110の1つ以上の所望の場所において長手方向長さに沿って延在する感知領域328(例えば、感知部分)において1つ以上のFBG326(明確にするために全てのFBGに符号が付されているわけではない)を含み得る。光ファイバベースの感知システム106が外科用デバイス(例えば、外科用デバイス102)に実装されている場合、1つ以上の感知領域328は、そこに作用する力を知ることが望ましい外科用デバイスに沿った場所(例えば、そこに作用する力が、感知領域に近接する外科用デバイスによって患者の解剖学的構造に加えられる力又は圧力である場所、又はそれを示す場所)において、又はそれに近接して位置し得る。
【0087】
図3は、概略図であり、当業者によって理解されるように、必ずしもFBGを有する光ファイバケーブルの技術的特徴の全てを図示するわけではない。例えば、光ファイバケーブル110は、コア、クラッディング、及びバッファコーティング、保護ハウジングなどの任意の他の好適な層を含んでもよい。更に、光ファイバケーブル110のFBG326などの本開示のFBGは、2ビーム干渉、位相又はフォトマスキング、レーザによるポイントバイポイント書き込みなどの任意の好適な方法によって形成され得る。
【0088】
格子周期又は格子ピッチΛとして知られるFBG326(例えば、格子構造)の単一周期の長さは、任意の好適な距離であってもよい。場合によっては、FBG326の格子ピッチΛは、約0.5μm~20mmの範囲内であってもよい。更に、FBG326の格子ピッチΛは、FBG326の全てにわたって一定であってもよく、又は1つ以上の格子ピッチΛは、FBG326の1つ以上の他の格子ピッチΛと異なっていてもよい。場合によっては、光ファイバケーブル110は、FBG326を有するファイバコア324を含んでもよく、FBG326の遠位端における格子ピッチΛは、FBG 326の近位端における格子ピッチΛよりも短くてもよい。光ファイバケーブル110の一例では、光ファイバケーブル110は、最遠位格子ピッチΛが1mmであり、他の全ての格子ピッチΛが10mmである25個のFBG326を有する少なくとも1つの感知領域328を有するファイバコア324を含んでもよい。光ファイバケーブル110の感知領域328におけるFBG326の他の好適な構成が企図される。
【0089】
感知領域328は、任意の好適な長さを有し得る。一例では、感知領域328は、1インチ~10インチの範囲の長さを有し得る。別の例では、感知領域328は、3インチ~9インチの範囲の長さを有し得る。
【0090】
更に、感知領域328は、任意の好適な数のFBGを有してもよい。一例では、感知領域328は、1~30個のFBG又はそれ以上を有することができる。別の例では、感知領域328は、最大25個のFBG326を有してもよい。
【0091】
複数のFBG326及び感知領域328は、各FBG326又は感知領域328が固有の反射波長を有するように、単一の光ファイバ上に製造されてもよい。そのような波長分割多重化は、単一の光ファイバケーブル110上の複数のFBG326又は感知領域328からの反射信号を区別することを可能にする。FBG反射信号を解釈する際の曖昧さを回避するために、各FBG326又は各感知領域328を、物理的に誘起された反射波長シフト(信号情報を符号化する)並びにシフトされていない反射分散の固有の非零幅に対応するのに十分な広さのそれ自体の専用波長帯域内で反射するように作製することが望ましい場合がある。典型的には、FBG歪みセンサは、約5nm幅の範囲を割り当てられ得る。必要に応じて、より広い範囲又はより狭い範囲を採用することができる。固有の反射波長を有するFBG326又は感知領域328は、各特定の反射波長が、光ファイバケーブル110の長さに沿った特定のセンサ場所に対応し得るように、光ファイバケーブル110に沿った別個の/所望の場所に形成されてもよい。
【0092】
光ファイバケーブル110に光学的に結合され得るインテロゲータ108は、光ファイバケーブル110内に光を伝送し、1つ以上のFBG326から反射された光を検出するように構成され得る。1つ以上のFBG326から反射された結果として検出された光は、1つ以上のFBG326又は感知領域328の各々における局所的な歪み又は力を符号化し得る。より具体的には、インテロゲータ108は、光ファイバケーブル110のFBG326又は感知領域328によって反射された波長を測定するために採用され得る。更に、インテロゲータ110は、光カプラ330を介してファイバコア324に光を伝送することができる任意の好適な光エミッタ112を含むことができる(例えば、光エミッタ112に関して上述した通り)。光カプラ330は、部分反射ミラー又はビームスプリッタを示唆するように概略的に示されているが、任意の好適な光カプラを採用することができる。
【0093】
例示的な構成では、光は、光ファイバケーブル110を伝搬することができ、1つ以上のFBG326によってそれらの特定の反射波長で選択的に反射される。特定の反射波長は、ファイバコア324に作用する圧力など、光ファイバケーブル110に沿ったFBG326又は感知領域328における条件に関する情報を符号化又は確立することができる。その後に得られた反射光は、インテロゲータ108に戻り、光カプラ330は、反射光を検出器114に向けることができる。反射波長を判定することを含み得る、FBG326又は感知領域328によって反射された光の検出は、次いで、FBG326又は感知領域328によって感知された測定値(又は測定値に関連する算出値)に到達するために、インテロゲータ108の他のコンポーネント(図示せず)(又はインテロゲータ108の外部のコンポーネント、ローカル若しくはリモートコントローラなど)によって解釈され得る。
【0094】
本明細書で説明されるように、光ファイバベースの感知システム(例えば、光ファイバベースのセンサシステム106又は他の好適な光ファイバベースの感知システム)は、種々の医療用又は外科用デバイス又は器具(例えば、外科用デバイス102又は他の好適な外科用デバイス)内に、又はそれとともに実装されてもよい。図4図12は、そのような光ファイバベースの感知システム106が実装され得る、例示的な医療用又は外科用デバイス又は器具102を図示する。
【0095】
図4は、本明細書に記載される技術から利益を得ることができる外科用器具又はデバイス102であり得る組織開創アセンブリ432の概略斜視図を図示する。組織開創アセンブリ432(例えば、開創器)は、外科用アクセスシステムの一部を形成してもよく、手術部位(例えば、手術回廊)を作成又は拡大するために使用され得る。例示的な組織開創アセンブリ432は、2013年2月6日に出願され、SYSTEMS AND METHODS FOR PERFORMING NEUROPHYSIOLOGIC MONITORING DURING SPINE SURGERYと題された米国特許第9,655,505号に記載されており、この米国特許は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
組織開創アセンブリ432は、本体又はハンドルアセンブリ436から延在する、1つ以上の開創ブレード434(例えば、開創器ブレード)を含んでもよい。図4に図示されるように、組織開創アセンブリ432は、中央開創ブレード438(例えば、開創器ブレード)、第1の側方開創ブレード440、及び第2の側方開創ブレード442、又は開創器ブレードの他の好適な組み合わせを含んでもよい。図4は、部分的に開いた構成の開創ブレード434を図示しており、外面444(例えば、各開創ブレード434が外面444を含んでいてもよい)は、解剖学的構造に半径方向外向きの力を加えて開創ブレード434内の手術部位を拡大することによって、患者の組織と相互作用又は接触するように構成されている。外面444は、組織に力を加えることによって手術部位を拡大するのに十分に剛性であり得るが、外面444又はその少なくとも一部分は、光ファイバベースのセンサシステムを使用して外面444を通して力を測定することができるように、患者組織に接触するときに外面444に作用する力に応答し得る。
【0097】
開創ブレード434は、人体内への導入に好適な任意の材料から形成され得る。例示的な材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、ポリカーボネート(例えば、透明ポリカーボネート又は他の好適なポリカーボネート)、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)、ポリフェニルスルホン(polyphenylsulfone、PPSU)、RADEL(商標)、他の好適な材料、又は材料の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。更に、開創ブレード434は、強度及び耐久性を高めるために、炭素繊維強化コーティング又は他の好適なコーティングで任意選択的にコーティングされてもよい。
【0098】
図5は、外科用器具又はデバイス102及び光ファイバベースの感知システム106を有する例示的な外科手術システム100を図示し、外科用器具又はデバイス102は、組織開創アセンブリ(例えば、組織開創アセンブリ432又は他の好適な組織開創アセンブリ)であってもよい。
光ファイバベースの感知システム106は、光ファイバケーブル110に光学的に結合されたインテロゲータ108を含み得る。他のコンポーネントの中でも特に、インテロゲータ108は、光ファイバケーブル110に、光ファイバケーブル110を通って光を提供するように構成された光エミッタ112と、光ファイバケーブル110を通ってインテロゲータ108に反射して戻る光を感知又は検出するように構成された光検出器114とを含み得る。場合によっては、光ファイバケーブル110は、FBG326を含み得る。
【0099】
図5に図示されるように、開創ブレード434は、破線で示される光ファイバケーブル110を組み込んでいる。光ファイバケーブル110は、1つ以上のFBG326を含む感知領域328が開創ブレード434に沿って位置決めされて、光ファイバベースの感知システム106が開創ブレード434の外面444に作用する力を感知し、外面444によって患者の解剖学的構造に加えられている力の量を判定又は推論することを可能にするように、開創ブレード434に対して位置決めされてもよい。
【0100】
光ファイバケーブル110は、光ファイバケーブル110が開創ブレード434に作用する力に応答して機械的に変形し、それに加えられた力の測定を促進し得るように、任意の好適な様式で、そこに作用する力に応答して開創ブレード434の一部分(例えば、外面444)に隣接して開創ブレード434(例えば、組織接触コンポーネント)内に、若しくはそれに沿って位置決めされてもよい。場合によっては、光ファイバケーブル110は、開創ブレード434内に、若しくはそれに沿って永続的に位置決めされてもよく、又は光ファイバケーブル110は、開創ブレード434内に、若しくはそれに沿って取り外し可能に位置決めされてもよい。一例では、光ファイバケーブル110は、開創ブレード434を形成するときに開創ブレード434に埋め込まれてもよい。別の例では、チャネルは、開創ブレードの形成時又はその後のいずれかに開創ブレード434内に形成されてもよく、光ファイバケーブル110は、永続的又は取り外し可能にチャネルに通されるか、又は別様にチャネル内に配設されてもよい。場合によっては、チャネル内に挿入され、その中に永続的に固定されていないとき、光ファイバケーブル110は、所望の測定が行われた後、そのチャネルから引き出されてもよい。更なる例では、開創ブレード434は、チャネルを含むように三次元(three-dimensionally、3D)印刷されてもよく、光ファイバケーブル110は、光ファイバケーブル110の感知領域328が、歪み又は力が感知される開創ブレードの一部分に沿って延在するように、開創ブレード434内のチャネルを通して蛇行又は別様に挿入されてもよい。
【0101】
チャネルは、形成される場合、任意の好適なサイズであってもよい。場合によっては、チャネルは、約1/64インチ~約1/16インチの範囲の断面直径を有してもよいが、他の直径も企図される。一例では、チャネルは、1/32インチの直径を有し得るが、これは必須ではない。
【0102】
光ファイバケーブル110が、開創ブレード434又は他の外科用若しくは医療用デバイス若しくは器具102内に永続的に位置決めされる(例えば、接着剤、オーバーモールド、又は光ファイバケーブル110の非破壊的除去に抵抗するように構成された別の技法によって固定される)とき、光ファイバケーブル110の近位端は、光コネクタ(図示せず)を含んでもよい。光コネクタは、含まれる場合、インテロゲータ108又はインテロゲータ108から延在する更なる光コネクタに光学的に接続するように構成されてもよい。光コネクタは、任意の好適な様式で嵌合するように構成されてもよい。
【0103】
図5は、開創ブレード434を通って、又は別様にそれに沿って延在する、比較的直線的な光ファイバケーブル110を図示するが、光ファイバケーブル110(又は開創ブレード434内のチャネル)は、1つ以上の他の好適なパターンで位置決めされてもよい。例示的なパターンには、直線、U字形(例えば、開創ブレード434の遠位端に隣接して位置決めされるU字形の丸みを帯びた基部を伴う)、S字形(例えば、開創ブレード434の長さに沿って繰り返されるS字形)、他の好適なパターン、又はパターンの組み合わせが挙げられる、これらに限定されない。そのようなパターンは、取得されるべき有用なデータの能力を高めるように選択され得る。
【0104】
感知領域328を有する光ファイバケーブル110を組み込んだ開創ブレード434の1つの例示的な構成例では、開創ブレード434は、約1/32インチの直径を有するチャネルを用いて3D印刷によって形成されてもよい。次いで、光ファイバケーブル110は、少なくとも1つの感知領域328が開創ブレード434の所望の場所に沿って延在するように、チャネルを通されてもよい。ブレードが約4.25インチの長さを有し、チャネル又はチャネルに通された結果として生じる光ファイバケーブル110のパターンがU字形である例示的な事例では、光ファイバケーブル110の感知領域328は、25個のFBG326を有する約8.5インチの長さであってもよく、最遠位格子周期又はピッチΛは、約1mmであり、他の格子周期又はピッチは、約10mmである。
【0105】
図6は、外科用器具又はデバイス102及び光ファイバベースの感知システム106を有する例示的な外科手術システム100を図示し、外科用器具又はデバイス102は、組織開創アセンブリ(例えば、組織開創アセンブリ432又は他の好適な組織開創アセンブリ)であってもよい。図6に図示されるように、外科用器具又はデバイス102の開創ブレード434は、感知部分646と、破線で示される光ファイバケーブル110とを組み込むものとして図示されている。開創ブレード434内の光ファイバケーブル110の部分は、1つ以上のFBG326を有する感知領域328を含んでもよい。
【0106】
感知部分646は、開創ブレード434の外面444に作用する力の伝達を容易にし得る。場合によっては、開創ブレード434の感知部分646は、開創ブレード434に沿って延在する光ファイバケーブル110と開創ブレード434の外面444との間に延在し得る、又はその間に少なくとも部分的に延在し得る第1の材料を含んでもよく、外面44を画定する開創ブレード434の少なくとも別の部分は、第2の材料を含んでもよい。場合によっては、第1の材料は、開創ブレード434に作用する力が光ファイバケーブルの感知領域328に正確かつ十分に伝達され得る一方で、開創ブレード434が手術部位において患者組織を開創するのに十分な剛性を維持するように、第2の材料よりも開創ブレードの外面444に作用する力に対してより高い応答性を有してもよい(例えば、より高い可撓性があってもよく、又はより低い剛性であってもよい)。第2の材料よりもそこに作用する力に対して応答性がより高い第1の材料のタイプの例としては、ポリフェニルスルホン(PPSU、例えばベルギー、ブリュッセルのSOLVAYによるRADEL)、ポリカーボネート、他の好適な材料、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。第1の材料よりもそこに作用する力に対して応答性がより低い第2の材料のタイプの例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、他の好適な材料、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
図7は、外科用器具又はデバイス102の例示的な構成を図示し、外科用器具又はデバイス102は、取り外し可能な電極コンポーネント748を含む開創ブレード434を有する開創アセンブリの一部分である。電極コンポーネント748は使い捨てであってもよいが、これは必須ではない。例示的な電極コンポーネントは、2013年2月6日に出願され、SYSTEMS AND METHODS FOR PERFORMING NEUROPHYSIOLOGIC MONITORING DURING SPINE SURGERYと題された米国特許第9,655,505号に記載されており、この米国特許は、あらゆる目的のためにその全体が上記に組み込まれている。
【0108】
電極コンポーネント748は、検出器によって直接又は間接的に検出され得る、身体を通して送信される電気信号を出力することによって、開創アセンブリが設置された後又は設置されている間に、開創ブレード434の長さに対する神経の深さ又は場所の検出を支援し得る。電極コンポーネント748はまた、開創ブレード434に最も近い神経の健康及び状態を評価することを支援し得る。使い捨て又は取り外し可能な電極コンポーネント748を使用することにより、電極コンポーネント748の劣化を考慮することなく、開創ブレード434を滅菌し、際限なく再使用することが可能になり得、これにより、電極コンポーネント748を使用した神経モニタリングからの結果が一貫していることが確実になり、電極コンポーネント748が劣化した場合にブレード構造全体を交換する潜在的に高いコストが低減される。
【0109】
図7に図示されるように、開創ブレード434は、その外面444を通る開口部750を含み得る。電極コンポーネント748は、電極コンポーネント748の導電性部分752が外面444の一部分を形成し得るように、取り外し可能な本体753内の導電性部分752(例えば、電極)を開創ブレード434の外面444を通して開口部750内に挿入することによって、開創ブレード434に追加され得る。
【0110】
取り外し可能な本体753は、任意の好適な構成及び/又は材料特性を有してもよい。場合によっては、取り外し可能な本体753は、中実、剛性、可撓性、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0111】
取り外し可能な本体753は、人体内への導入に好適な任意の材料から形成され得る。材料の例としては、PPSU、ポリカーボネート、他の好適な材料、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、取り外し可能な本体753の材料は、それに作用する力に対して、開創ブレード434の材料よりも応答性が高くてもよい。
【0112】
電極コンポーネント748は、任意の好適な様式で開創ブレード434に結合されてもよい。必須ではないが、一例では、電極コンポーネント748は、開口部750内に摺動され、スナップ嵌めされ、又は別様に開口部750内に位置決めされ、若しくは開口部750に結合され、開創ブレード434に結合されてもよい。
【0113】
図8は、光ファイバベースの感知システム106と通信する電極コンポーネント748(例えば、外科用デバイス若しくは器具102又はその一部分)の例示的な構成の側面図で外科手術システム100を図示する。図8に図示されるように、光ファイバケーブル110は、インテロゲータ108から電極コンポーネント748まで延在してもよく、感知領域328は、電極コンポーネント748の導電性部分752(例えば、電極)に沿って又は隣接して延在してもよい。光ファイバケーブル110は、光ファイバが他の医療用又は外科用デバイス又は器具に挿入又は埋め込まれ得る方法と同様の様式又は異なる様式で、電極コンポーネント748に挿入又は埋め込まれ得る。加えて、又は代替として、光ファイバケーブル110は、超音波溶接、接着剤などを含むがこれらに限定されない任意の好適な様式で、電極コンポーネント748に接合されてもよい。
【0114】
図8の光ファイバケーブル110を表す破線の太字部分は、電極コンポーネント748に作用する力/歪みを感知するように構成され得る光ファイバケーブル110の感知部分328を表し得る。そのような場合、電極コンポーネント748は、光ファイバケーブル110の材料特性が変化させられ、電極コンポーネント748に作用する力が光ファイバベースの感知システム106を使用して測定されることを可能にし得るように、可撓性であるか、又はそれに作用する力に応答することが意図されるハウジング材料から形成され得る。
【0115】
更に、電極コンポーネント748は使い捨てでもよいため、光ファイバケーブル110が電極コンポーネント748を通って延在して、インテロゲータ108に解除可能に結合されることが望ましい場合がある。図8に図示されるように、電極コンポーネント748を通して延在する光ファイバケーブル110の近位端は、インテロゲータ108と通信する光ファイバケーブル110から延在する第2のコネクタ856に光学的に結合又は別様に接続するように構成された第1のコネクタ854を含んでもよい。そのような接続技術は、以前の電極コンポーネント748を廃棄した後に、交換用電極コンポーネント748の光ファイバケーブル110がインテロゲータ108に結合されることを可能にし得る。
【0116】
電極コンポーネント748の1つの例示的な構成では、取り外し可能な本体753は、感知領域328及び導電性部分752(例えば、電極)を有する光ファイバケーブル110を組み込むことができる。そのような構成では、光ファイバケーブル110は、取り外し可能な本体753に接合され、埋め込まれ、又は別様に結合されてもよい。導電性部分752は、約0.055インチの厚さ、及び約8.75インチの長さを有し得るが、他の構成も企図される。光ファイバケーブル110の感知領域328は、25個のFBGを有する長さ約3.5インチであってもよく、遠位格子周期又はピッチΛは、1mm又は約1mmであり、他の格子周期又はピッチは、約10mmであるが、他の構成も企図される。
【0117】
図9は、神経方向及び力監視システムの一構成を示す例示的な画面960(例えば、本明細書で説明するディスプレイ223若しくはユーザインターフェース216、又は他の好適なディスプレイ若しくはユーザインターフェース上に表示される)である。神経モニタリングシステムの例示的な画面は、2013年2月6日に出願され、SYSTEMS AND METHODS FOR PERFORMING NEUROPHYSIOLOGIC MONITORING DURING SPINE SURGERYと題された米国特許第9,655,505号に記載されており、この米国特許は、あらゆる目的のためにその全体が上記に組み込まれている。
【0118】
画面960は、処置室内の外科医又は他の者に、解釈が容易な様式で、種々の情報を通信することが意図され得る。そのような情報又は他の好適な情報は、視覚指標(例えば、英数字、発光素子、グラフィックスなど)及び音声通信(例えば、スピーカを介して)の使用を含むがこれらに限定されない、任意の数の好適な様式で通信され得る。一例では、情報は、関数の表示962(例えば、この場合、「方向」が選択されている)、患者のグラフィック表現964、監視されている筋分節レベル966、表示された筋分節に関連する神経又はグループ968、使用されている器具の名称970(例えば、開創器)、使用されている器具のサイズ972、刺激閾値電流974、器具から神経への相対方向を例示する基準点を提供するための使用されている器具のグラフィック表現976、刺激電極に加えられている刺激電流978、ユーザに対する指示980、器具から神経への方向を示す矢印982、(例えば、光ファイバベースの感知システムから)器具に加えられた力の検出量984、神経組織が検出されている間における検出された力が閾値量の力を超えてからの経過時間986、又は他の好適な情報を含んでもよいが、必ずしもそれらに限定されない。
【0119】
図10は、外科用器具又はデバイス102及び光ファイバベースの感知システム106を有する例示的な外科手術システム100を図示しており、外科用器具又はデバイス102は、測定ツール1081であってもよい。測定ツール1081は、椎体間への挿入時にインプラント(例えば、脊椎インプラント又は他の好適なインプラント)によって要求されるおおよその高さ又は幅を判定するために、又は他の好適な目的のために使用され得る。例示的な測定ツール1081は、2018年7月6日に出願され、LORDOTIC EXPANDABLE FUSION IMPLANTと題された米国特許第10,973,650号に記載されており、この米国特許は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
測定ツール1081は、ドライバ1085を伴う第1の端部1083と、2つの可動端板1089を伴う第2の端部1087とを含み得る。更に、測定ツール1081は、光ファイバベースの感知システム106を含むか、又はそれと通信することができる。光ファイバベースの感知システム106は、患者の解剖学的構造(例えば、端板1089)に力を加え得る測定ツール1081の場所に近接する感知領域328から、インテロゲータ108に結合された近位場所まで延在する光ファイバケーブル110を含み得る。
【0121】
ドライバ1085は回転可能であり得る。ドライバ1085が回転すると、その回転運動は、シャフト1091内に位置する一連のリンク機構によって、可動端板1089を拡張し得る力に変換され得る。端板1089は、一連のアームに取り付けられてもよく、アームは、順に、リンク機構に取り付けられ、ドライバ1085が回転すると、端板1089は、シャフト1091から離れるように上昇させられるか、又はシャフト1091に向かって下降させられてもよい。
【0122】
光ファイバケーブル110の感知領域328は、端板1089の一方又は両方、及びリンク機構のうちの1つ以上など、1つ以上の場所に配設され得る。感知領域328は、それに近接する測定ツール1081の場所に存在する応力又は歪みの指標を提供するように構成されてもよい。いくつかの例では、応力又は歪みを使用して、インプラントに必要な高さの測定中において患者の組織(例えば、椎骨)に加えられている圧力又は力の量を直接又は間接的に測定することができる。
【0123】
測定ツール1081は、インジケータ機構1093を更に備えてもよい。端板1089が折り畳まれた構成で椎体間に挿入されると、インジケータ機構1093は、折り畳まれた位置の端板1089の高さを位置「1」に相関させるマーカーを有してもよく、端板1089がドライバ1085の回転によって拡張された構成に移動すると、マーカーは位置「1」から位置「2」、「3」などに移動し得る。次いで、位置番号を端板1089の作動高さ(例えば、分離)と相関させて、測定ツール1081のユーザに、特定の患者の解剖学的構造に必要なインプラントの高さの推定値を提供してもよく、次いで、これは、必要な高さで椎体に加えられる力に関連付けられ得る。
【0124】
図11は、端板1089が拡張されている、測定ツール1081の第2の端部1087の拡大斜視図を図示している。測定ツール1081を通って延在する光ファイバケーブル110の感知領域328は、単一の端板1089のみに近接して図示されているが、光ファイバケーブル110は、感知領域を有する2つ以上の光コアを含んでもよく、第2の光コアは、第2の端板1089に作用する力又は歪みを第2の光コアの感知領域が感知することができるように、第2の端板1089まで延在し得ることが企図される。
【0125】
図12は、外科用器具又はデバイス102及び光ファイバベースの感知システム106を有する例示的な外科手術システム100を図示しており、外科用器具又はデバイス102は、インプラント1290を含むか又はそれと係合し得る挿入ツール1288であり得る。場合によっては、挿入ツール1288は、脊椎手術の間にインプラント1290と係合してもよい。例示的な挿入ツール及びインプラントは、あらゆる目的のためにその全体が参照により既に組み込まれている、2018年7月6日に出願され、LORDOTIC EXPANDABLE FUSION IMPLANTと題された米国特許第10,973,650号、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれている、2014年2月10日に出願され、VERTEBRAL BODY REPLACEMENTと題された米国特許第9,687,357号、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる、2016年9月14日に出願され、EXPANDABLE SPINAL FUSION IMPLANT,RELATED INSTRUMENTS AND METHODSと題された米国特許第10,350,084号、及びあらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる、2014年3月17日に出願され、EXPANDABL INVERTEBRAL IMPLANT AND METHOD OF USE THEREOFと題された米国特許第9,795,493号に記載されている。インプラントのための部位を試験するために使用されるコンポーネントであり得るトライアルインプラントは、本明細書で説明されるインプラント1290と同様であっても異なっていてもよく、インプラント1290と同様の様式で挿入ツール1288に結合され得る。
【0126】
挿入ツール1288は、インプラント1290が位置し得る遠位端の反対側の挿入ツール1288の近位端に回転可能要素1292を含み得る。回転可能要素1292は、回転可能要素1292がユーザによって回転させられると、インプラント1290の端板が、インプラント1290を患者の椎体間に固定するように調節され得るように、インプラント1290と連通してもよい。
【0127】
光ファイバケーブル110は、互いに分離して患者の椎体に接触するように構成されたインプラントの1つ以上の端板に沿って感知領域328が延在することができるように、挿入ツール1288を通ってインプラント1290内に延在することができる。そのような構成は、システム100のユーザが、インプラントが挿入されるときに患者の身体に作用する力をより良く理解することを可能にし得る。示されていないが、インプラント1290内に延在する光ファイバケーブル110は、インプラント1290から摺動可能に取り外し可能であってもよく、又はインプラント1290と挿入ツール1288との間の接続部に隣接する1つ以上のコネクタを介して光学的に結合されてもよい。
【0128】
図13は、挿入ツール1288に接続されたインプラント1290の拡大斜視図を図示する。挿入ツール1288を通って延在する光ファイバケーブル110の感知領域328は、インプラント1290の片側のみに近接して図示されているが、光ファイバケーブル110は、感知領域を有する2つ以上の光コアを含んでもよく、第2の光コアは、第2の光コアの感知領域がインプラント1290の第2の側又は他の側に作用する力又は歪みを感知することができるように、インプラント1290の第2の側又は他の側まで延在し得ることが企図される。
【0129】
埋め込み後に患者内に留まるインプラント1290における光ファイバケーブル110の使用を容易にするために、インプラント1290内の光ファイバケーブル110は、その近位端に第1のコネクタ854を含み得、この第1のコネクタは、挿入ツール1288を通って延在する光ファイバケーブル110の遠位端にある第2のコネクタ856に光学的に結合又は他の方法で接続するように構成することができる。第1及び第2のコネクタ854、856は、挿入ツール1288がインプラント1290から分離されるときに分離されてもよい。
【0130】
第1及び第2のコネクタ854、856を含む代わりに、又はそれに加えて、光ファイバケーブル110は、光ファイバケーブル110の一部分が埋め込み後にインプラント1290内に残るように切断されるように構成されてもよい。例えば、光ファイバケーブル110の一部分は、(例えば、挿入ツール1288及びインプラント1290の分離時に)脆弱化されるか、又は別様に破断されるように構成され得る。場合によっては、挿入ツール1288は、光ファイバケーブル110を切断するように構成されたカッター(例えば、鋭利な表面)又は他のコンポーネントを含むことができる(例えば、挿入ツール1288にインプラント1290を拡張又は接続解除させるステップと同じ又は別個のステップ)。
【0131】
場合によっては、光ファイバベースの感知システム106を使用して感知された測定値は、拡張可能なインプラント又はトライアルインプラントが拡張される程度を判定するために使用されてもよい。そのような判定結果は、高さインジケータ機構(例えば、インジケータ機構1093又は他の好適なインジケータ機構)とともに、又はその代替として使用されてもよい。光ファイバベースの感知システム106を使用して感知された測定値は、インプラント又はトライアルインプラントが、高さに加えて、又は高さの代替として、長さ又は幅において拡張する程度を判定するために使用されてもよい。例えば、感知された測定値は、その高さで拡張可能なインプラント又はトライアルインプラントによって加えられた力の量を判定するために使用することができ、そのような半値結果は、適切な高さ(例えば、適切なサイズ又は加えられた力の外科医の主観的感覚を超える)の判定を容易にするために使用することができる。
【0132】
動作中、インプラント1290に作用する予想される力の量が、拡張可能なインプラント1290の異なる拡張量に対して既知である場合、インプラント1290を挿入及び設置するプロセス全体を通して、挿入器又は拡張可能なインプラント1290の位置を追跡することが可能であり得る。例えば、感知された力に基づいて、2つの椎骨の間の椎間板空間内の拡張可能なインプラント1290の位置を判定することができる。更に、インプラントの位置決めを知ることにより、ユーザ及び/又はシステムは、触覚又はフィードバックと力の読み取り値とを相関させて、拡張可能なインプラント1290が、仮にあるとすると、椎間板空間内の所望の位置決めを達成するためにどのように更に操作されるべきかをより良く理解することができる。
【0133】
図14は、外科用デバイスによって手術部位における又は隣接する組織に加えられる力の量を判定する例示的な方法1400のボックス図を図示する。手術部位に近接する組織に加えられる力の量を判定することは、ユーザ(例えば、外科医又は他のユーザ)が、外科的行為がどのように患者に影響を及ぼし得るか(例えば、組織の開創がどのように神経にある量の力を加え得るか)を識別すること、処置において使用されるインプラントのサイズを識別すること、インプラントが患者の体内に完全に挿入されたときを識別することなどを容易にし得る。
【0134】
方法1400は、対象(例えば、患者又は他の好適な対象)の手術部位に近接して外科用デバイス又は器具102を位置決めること1402を含み得る。外科用デバイス又は器具102は、外科用アクセスチューブを通して挿入されることによって、外科用ロボットを介して、外科用ナビゲーションツールの使用を介して、又は1つ以上の他の好適な様式で挿入されることによってなど、任意の好適な様式で、手術部位において、又はそれに近接して位置決めされてもよい。
【0135】
任意の好適な外科用デバイスは、手術部位に近接して位置決めされてもよく、本明細書で議論されるもの及び他の外科用デバイスを含む。例示的な外科用デバイスは、手術部位を拡張又は維持するために使用される開創器、測定ツール及びトライアルインプラント、挿入ツール及びインプラント、ドリル、ドリルビット、鋸、骨鋸、ねじ、又は他の好適な外科用デバイス若しくはインプラントを含むがこれらに限定されない。
【0136】
外科用デバイス102が手術部位において位置決めされているとき、又は外科用デバイス102が手術部位において位置決めされると、のいずれかにおいて、外科用デバイス102に関連付けられた光学センサによって反射された光又は光学センサを通って反射された光が検出され得る(1404)。光学センサは、光ファイバベースのセンサシステム106であってもよく、又はその一部であってもよく、光ファイバケーブル110は、インテロゲータ108から、手術部位に近接して位置決めされるように構成された外科用デバイス102の遠位端部分まで延在してもよい。光ファイバケーブル110は、外科用デバイス102の遠位端部分又は他の部分に近接する場所にFBGを有する感知領域328を含み得る。そのように構成されるとき、インテロゲータ108は、光ファイバケーブル110を通して光を方向付けてもよく、感知領域328は、光ファイバケーブル110に作用する力、ひいては、外科用デバイス102の遠位端部分に作用する力を示す光を反射してインテロゲータ108に戻す。インテロゲータ108によって検出された光の波長は、力又は歪みが加えられていないときに対する力又は歪みが加えられているときの感知領域におけるFBGの構成に依存し得る。
【0137】
反射光がインテロゲータ108によって検出されると、外科用デバイス102によって手術部位において又は隣接して(例えば、手術部位に近接して)患者の組織に加えられる力の量が、光ファイバケーブル110を通って反射された検出光に基づいて判定され得る(1406)。場合によっては、光を検出することは、検出された光の波長を判定することと、その情報を使用可能なデータに変換することとを含んでもよく、使用可能なデータは、光ファイバケーブル110に加えられた相対的な力を判定するために、光ファイバケーブル110の感知領域328に力又は歪みが加えられていないときの波長と比較されてもよい。既知の関係によって、外科用デバイス102を通して患者の解剖学的構造に加えられた力又は圧力の量の推定値が、光ファイバケーブル110に加えられた力に基づいて判定されてもよい。
【0138】
外科用デバイス102によって患者の組織に加えられた力又は圧力を判定することは、ユーザが手術中にリアルタイムでアクションを行うことを容易にし得る。例えば、リアルタイムでアクションを行うことは、インプラントの埋め込み中の力測定値を閲覧することと、力測定値を使用して、インプラントが調節を必要とするとき、又はインプラントが調節を必要とするかどうかを判定することとを含み得る。別の例では、リアルタイムでアクションを行うことは、手術部位回廊を展開している間に力測定値を閲覧することと、神経に対してある量の力が実現された場合に、手術部位回廊を作成するために使用される外科用デバイスを調節して神経に対する力を軽減することとを含み得る。
【0139】
場合によっては、インテロゲータ108は、外科用デバイス102によって患者の解剖学的構造に加えられた力の量を判定するために必要な計算の一部又は全部を判定してもよい。代替として、又は加えて、インテロゲータ108は、外科用デバイス102によって患者の解剖学的構造に加えられた圧力を計算又は判定するために、感知されたデータの一部又は全部をコントローラに出力し得る。
【0140】
場合によっては、外科用デバイスによって患者の解剖学的構造に加えられた力を判定する前、判定している間、又は判定した後に、電気刺激を患者の解剖学的構造に加えることができる。一例では、外科用デバイス102は、光ファイバベースのセンサシステム106を組み込む開創器と、電極神経識別システムとを含んでもよく、神経識別と併せて力が測定されて、神経組織又は他の組織への損傷を軽減することを助け得る。神経が識別されると、インテロゲータ108又はコントローラは、検出された神経に加えられている力の量の推定値を提供するように構成され得る。検出された神経に加えられている力の量を推定することは、外科用デバイス102に対する神経の方向、外科用デバイス102に対する神経の距離、外科用デバイス102によって患者の解剖学的構造に加えられている計算された力又は圧力、又は他の好適な要因のうちの1つ以上を考慮に入れ得る。
【0141】
神経を検出したことに応答して、神経が検出されたという指標がユーザインターフェース上に提供され得る。指標を提供又は表示することに加えて、神経に加えられている力の推定値が提供されてもよい。場合によっては、神経に加えられている力の推定値を提供することは、神経が検出されたことの指標であってもよいが、他の追加又は代替のグラフィカル指標又は英数字指標が提供されてもよい。神経モニタリングと力感知との組み合わせは、システム(例えば、それによって、ユーザ)が、どの特定の神経が開創によって影響を受けたか、及びそのような神経に加えられた力の量を判定する能力を可能にすることができる。更に、安全な開創時間又は開創力のための特定のパラメータは、神経モニタリングを介して検出される神経の近接性、方向、又は他の特徴に基づいて、(例えば、ルックアップテーブル又は所定のアルゴリズムから)カスタマイズされることができる。例えば、神経が特定の距離だけ離れている(例えば、神経モニタリングを介して検出される)ときに適切な特定の力は、神経がより短い距離だけ離れて検出されるときに不適切(例えば、大きすぎる)場合がある。同様に、神経の検出された方向が、安全な開創時間又は力を判定する際の要因であり得る。アラート又は他の機構は、そのようなパラメータに基づいてカスタマイズされることができる。
【0142】
更に、光ファイバベースのセンサシステム106を使用することは、外科用デバイスによって患者の組織に加えられた力の量を1つ以上の閾値と比較することを含み得る。患者の組織に加えられた力の量が閾値を超えたと判定することに応答して、タイマが開始されてもよく(例えば、光ファイバベースの感知システム106によって自動的に開始されるか、又は別様に開始される)、これは画面上に表示されても、されなくてもよい。タイマのそのような開始は、ユーザが、判定された量の力が患者の組織(例えば、神経組織又は他の組織)にどれだけ長く加えられたかを理解することを可能にし得、それは、より大きい量の力が組織に加えられ得る時間量に対して、比較的小さい量の力がより長い時間量にわたって組織に加えられ得ると判定され得るためである。場合によっては、タイマが開始されると、タイマ(例えば、経過時間)、力の量、及び神経が検出されたという指標が、画面上に提供されてもよく、又は別様にユーザインターフェース上に提供されてもよい。上述したように、閾値は、神経モニタリングから得られたデータ、例えば神経の開創器への近接度に基づいて設定することができる。いくつかの例では、タイマは、タイマ閾値(例えば、所定の分数)を経過すると、アラートを提供してもよい。タイマ閾値はまた、神経モニタリング、感知された力、又は外科医選好に基づいてカスタマイズされてもよい。
【0143】
外科用デバイスによって患者の組織に加えられた力の量を判定することに加えて、又はその代替として、システムは、検出された光に基づいて、調節可能な外科用デバイス(例えば、開創器、外科用拡張器、インプラント、トライアルインプラント、及び外科用測定ツールなど)の位置(例えば、サイズ又は他の好適な位置)を判定してもよい。一例では、外科用デバイスに作用する予想される力の量が、調節可能又は拡張可能なインプラントの異なる拡張量に対して既知である場合、調節可能又は拡張可能なインプラントは、調節されてもよく、インプラントの調節又は位置決めの量(例えば、高さ、幅、長さ、又はそれらの組み合わせ)は、外科用デバイス又は患者の解剖学的構造に加えられる判定された力に基づいて(例えば、光ファイバセンサベースシステムによる反射光の検出に応答して)判定されてもよい。
【0144】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
【0145】
全ての数値は、本明細書において、明示的に示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されると想定される。「約」という用語は、概して、当業者が列挙された値と等しい(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。
【0146】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0147】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「又は」という用語は、概して、内容が明らかに別のことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で使用される。
【0148】
本明細書における「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が1つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性を含み得ることを示すことに留意されたい。しかしながら、そのような列挙は、全ての実施形態が特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むことを必ずしも意味しない。加えて、特定の特徴、構造、及び/又は特性が一実施形態と関連して説明されるとき、そのような特徴、構造、及び/又は特性はまた、明確に反対に述べられない限り、明示的に説明されるか否かにかかわらず、他の実施形態と関連しても使用され得ることを理解されたい。
【0149】
上記の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面の同様の要素は、同様の番号を有する。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、例示的な実施形態を図示し、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0150】
本開示は、多くの点で例示的なものにすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、及びステップの配置に関して変更が行われ得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態で使用される1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。本発明の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現される文面で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】