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特表2024-533508スティックの形態の化粧製品をパッケージングするためのデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】スティックの形態の化粧製品をパッケージングするためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A45D40/00 R
A45D40/00 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516498
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 EP2022075451
(87)【国際公開番号】W WO2023041543
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2109615
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マルセル・サンチェス
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・ブーシェ
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・メール
(57)【要約】
口紅をパッケージングするためのデバイス(1)であって、
- 近位部(25)および回転遠位部(22)を有し、近位部に対する遠位部の回転運動が、近位部に対する前記スティックの軸方向移動と同時に起こるように構成されている、口紅分配器機構(2)と、
- 前記機構が中に嵌合され固定される、鉱物ガラスで作製されている本体(31)を有するケース(3)と
を有する、デバイス(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティックの形態の化粧製品、特に口紅をパッケージングするためのデバイス(1)であって、
- 近位部(25)および回転可能な遠位部(22)を有し、前記近位部に対する前記遠位部の回転運動が、前記近位部に対する前記スティックの軸方向移動と同時に起こるように構成されている、分配器機構(2)と、
- 前記分配器機構が中に嵌合されかつ固定され得る、特に透明な鉱物ガラスで作製されている本体(31)を有するケース(3)と
を有する、デバイス(1)。
【請求項2】
前記ガラス本体(31)はネック部(32)を有し、
前記ケースは、熱可塑性材料で作製されているリング(40)であって、前記ネック部に取り付けられて固定され、前記機構(2)がそれに固定される、リング(40)を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記リング(40)は少なくとも2つの固定タブ(41)を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ネック部(32)は、前記ネック部の外面上に突出部を形成している少なくとも1つの位置決めレリーフ(34)を有し、前記リングの前記固定タブ(41)のうちの少なくとも1つが、前記レリーフを受け入れるための陥凹部(26)を有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記固定タブの少なくともいくつかが、径方向内面上に、スナップ締結歯を有し、前記陥凹部(26)は前記スナップ締結歯の中断によって形成されている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記リング(40)は4つの固定タブ(41)を有し、前記ネック部(32)は2つの直径方向において反対側にある位置決めレリーフ(34)を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ケース(3)は、前記リング(40)に固定されるように設計されているカバー(50)を有する、請求項2から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記固定タブ(41)は、これら固定タブ(41)の外面上に、前記カバー(50)を保持するためのリブ(44)を有し、前記カバーが前記リブ(44)に当接する、請求項3から6および7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カバー(50)は金属である、請求項7または8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記リングは、前記カバー上の対応するレリーフ(75)とスナップ締結されるように設計されている少なくとも1つのレリーフ(70)を有し、
前記リングの前記タブは、好ましくは、少なくとも1つの突出レリーフ(70)を有し、
前記カバーの前記スカートは、この突出レリーフ(70)が受け入れられる少なくとも1つのハウジングを画定する少なくとも1つのレリーフ(75)を有し、
前記カバーの前記スカートは好ましくは端部(78)を有し、前記端部(78)は、前記端部(78)自体の上に折り畳まれて前記カバーの内面に隣接し、この折畳み部の上方に、前記リング上の前記レリーフを受け入れるための前記ハウジングが画定され、
前記カバーの前記スカート(51)は、好ましくは、前記折畳み部(75)の上方に、前記レリーフに軸方向に当接するショルダ部(79)を有する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
i)前記リングのリップ部(55)が完全に平坦であり、同様に平坦な、前記リングの環状部(42)の最上部上に載っており、または変形形態では、ii)前記リングは、その上面上に、上向き突出部を形成する位置決めリブ(60)を有し、前記カバー(50)は径方向内側縁部で、このリブに実質的に当接して担持し、前記位置決めリブと前記カバーとは、好ましくは、相補的に斜角が付けられている相互接触縁部を有し、前記位置決めリブは特に上外向き傾斜縁部を有し、溝部上での前記カバーの前記担持は、前記リングの前記環状部に当接した前記カバーの前記縁部を軸方向に保持するのに役立ち、または変形形態では、iii)前記カバーの前記リップ部(55)はその径方向内側縁部に近接して、内向きかつ下向きに傾斜する部分(58)を有し、この部分は前記位置決めリブ(60)に当接するに至ることが好ましい、請求項7から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記機構(2)はベース(21)、特に金属ベースを有し、前記近位部(25)はその中に受け入れられ、このベース(21)は前記ケース上にスナップ締結されるように設計されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ベース(21)は、前記リング上にスナップ締結されるように設計されている固定レリーフ(24)を設けられている管状スカート(23)を有する、請求項12および請求項2から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記固定レリーフはボス(24)の形態のものであり、前記スナップ締結は前記リングの径方向内側円形縁部(47)上で実現される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのデバイス(1)と詰替え機構(2)とを有する組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスティックの形態の口紅または他の製品をパッケージングするためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
口紅をパッケージングするためのデバイスは、従来、近位部と回転遠位部とを有する口紅分配器機構であって、近位部に対する遠位部の回転運動が近位部に対するスティックの軸方向移動と同時に起こるように構成されている、口紅分配器機構と、前記機構が中に嵌合され固定され得るケースとを有する。
【0003】
市場で見られるケースは、通常、プラスチック材料で作製されており、一般に、再利用されることが意図されていない。
【0004】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6が、分配器機構と、透明プラスチック材料で作製されている保護ケースとを有する、口紅をパッケージングするためのデバイスについて説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6561711号公報
【特許文献2】中国実用新案登録番号第206744845号明細書
【特許文献3】中国実用新案登録番号第207821342号明細書
【特許文献4】中国特許公開番号第111671225号明細書
【特許文献5】中国実用新案登録番号第211021359号明細書
【特許文献6】中国実用新案登録番号第208725025号明細書
【特許文献7】米国特許第3333689号公報
【特許文献8】米国特許第7144171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スティックが使い果たされたら、新しい機構にケースを再利用するために、ユーザがケースを保持するように促し、同時に消費者にとって魅力的である、口紅をパッケージングしかつそれを塗布するためのデバイスから利益を得る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、スティックの形態の化粧製品、特に口紅をパッケージングするためのデバイスであって、
- 近位部および回転遠位部を有し、近位部に対する遠位部の回転運動が、近位部に対するスティックの軸方向移動と同時に起こるように構成されている、分配器機構と、
- 前記機構が中に嵌合され固定され得る、鉱物ガラスで作製されている本体を有するケースと
を有する、デバイスによって、このニーズを満たす。
【0008】
ガラスは傷付けにくい材料であるので、鉱物ガラスの使用は耐久性をもたらし、その美的外観の劣化の心配なく、ケースを再利用することを可能にする。
【0009】
その上、ケースは、必要に応じて、容易に清浄化され得る。
【0010】
その重量の理由で、ケースは垂直状態位置における安定性ももたらし、それにより、他の商品または付属品とともに、それを垂直に保管することを可能にする。
【0011】
また、ケースは、本体が透明である場合、ケースを除去する必要なく、ケースを通してスティックの色を見ることを可能にし、それにより、ユーザがいくつかの商品の間で選択する必要がある場合、ユーザの時間を節約する。
【0012】
また、ガラスが、紫外線、横方向および軸方向の機械的圧力に対する効果的な保護を実現し、ケースに心地良い冷たい感触をもたらす。
【0013】
ケースは、既存の陳列台上での使用に関してある程度の互換性があるようにする外側寸法を備えて作製され得る。
【0014】
機構はそれ自体が既知であり、回転運動を軸方向移動に転換するための任意のシステムを含む。多数の機構が市販されている。機構の例が、とりわけ、特許文献7および特許文献8において説明されている。
【0015】
ガラス本体はネック部を有し、ケースは、熱可塑性材料で作製されているリングであって、ネック部に取り付けられ固定され、前記機構がそれに固定される、リングを有することが好ましい。そのようなリングは、かなり大きい製造公差を有する本体を製造することを可能にし、同時に、ケース上での機構の正確な取付けを可能にする。
【0016】
リングはネック部上に少なくとも2つの固定タブを有していてもよく、さらに良好には4つである。
【0017】
ネックは、その外面上に、特に歯状の、突出部を形成する少なくとも1つの位置決めレリーフを有していてもよく、リングの固定タブのうちの少なくとも1つが前記レリーフを受け入れるための陥凹部を有し得る。
【0018】
固定タブの少なくともいくつかが径方向内面上にスナップ締結歯を有し、前記陥凹部は歯の中断によって形成されている。ネック部は2つの直径方向において反対側にある位置決めレリーフを有していてもよく、リングの固定タブの2つが対応する陥凹部を有する。
【0019】
ケースは、「カップ」とも呼ばれるカバーを有することが好ましく、カバーは特に金属であり、前記リングに固定されるように設計されている。このカバーはケースの外観に関与し、リングを保持する機能も有し得る。
【0020】
カバーは様々な方法で固定され得る。
【0021】
固定タブは、それらの外面上に、カバーを保持するためのリブを有していてもよく、カバーはそれに当接する。カバーは、タブを担持することによって、タブをネック部上に保ち、それにより、リングを偶然に取り外すことをより難しくすることを可能にする。
【0022】
また、リングは、カバーの少なくとも1つの対応するレリーフとスナップ締結されるように設計されている、少なくとも1つのレリーフを有し得る。たとえば、リングのタブは少なくとも1つの突出レリーフを有し、カバーのスカートは、この突出レリーフが中に受け入れられる少なくとも1つのハウジングを画定する少なくとも1つのレリーフを有し、一例では、カバーのスカートは、カバーの内面に隣接してそれ自体の上に折り畳まれる端部を有し、それは、この折畳み部の上方に、リング上のレリーフを受け入れるための前記ハウジングを画定するためである。カバーのスカートは、折畳み部の上方に、前記レリーフに軸方向に当接するに至るショルダ部を有し得る。これは、折畳み部とともに、レリーフを受け入れるための上記のハウジングを形成するはずである。レリーフは、リングの各タブと一体に成形されているリブによって形成され得る。面取り部が、折畳み部を収容するための空間を形成するために、リブの下に延在し得る。
【0023】
リングのリップ部は完全に平坦である可能性があり、やはり平坦である可能性があるリングの環状部の最上部上に載る可能性がある。この場合、カバーのリップ部の径方向内側縁部は、リングの環状部の径方向内側縁部から短い距離(たとえば径方向に測定された1mm未満)の所にある可能性がある。
【0024】
また、リングは、その上面上に、上向き突出部を形成する位置決めリブを有していてもよく、カバーは径方向内側縁部で、このリブに実質的に当接する可能性がある。リングの環状部の径方向内側縁部に近接して置かれていることが好ましい、そのようなリブは、リング上のカバーのセンタリングを改善する。カバーのリップ部の下縁部がこのように開口部から後退していることは、組立て、スナップ締結、およびセンタリングの容易さをもたらす。
【0025】
必要に応じて、位置決めリブとカバーとは、相補的に斜角が付けられている相互担持縁部を有し、溝部上でのカバーの担持は、リングの環状部に当接してカバーの縁部を軸方向に保持するのに役立つように、位置決めリブは、特に、上外向き傾斜縁部を有し得る。さらに、このようにして、機構は、リングに当接する前に、カバーに軸方向に当接することを可能にされ、これは、カバーが金属である場合に有利である。
【0026】
カバーのリップ部は、径方向内側縁部に近接して、内下向き傾斜部を有していてもよく、この部分は上記の位置決めリブに当接するに至ることが有利である可能性がある。そのような傾斜部は、カバーのリップ部を、リングとのカバーのリップ部との接触域を除いて、リブの環状部から離間された状態に保ってよく、この接触域は傾斜部の下縁角部によって画定されていてもよく、傾斜部は、上縁角部により、位置決めリブと接触し得る。カバーとリングとの間のそのような制限された接触は組立てをより容易にする。
【0027】
機構は、近位部が中に受け入れられるベース、特に金属ベースを有していてもよく、このベースはケース上にスナップ締結されるように設計されている。ベースは、リングにスナップ締結されるように設計されている固定レリーフを設けられている管状スカートを有し得る。
【0028】
これらの固定レリーフはボスの形であり得、スナップ締結は、リングの径方向内側円形縁部上で実現されることが好ましい。
【0029】
ガラス本体は透明であることが好ましい。本体は再生ガラス、または一定の割合、たとえば少なくとも20%、の再生ガラスを含むガラスから製造され得る。
【0030】
本発明のさらなる対象が、本発明による少なくとも1つのデバイスを有する組立品および詰替え機構である。必要に応じて、2つは一緒にパッケージングされ得る。また、詰替え機構は個別にパッケージングされてもよい。
【0031】
本発明は、その非限定的実施例の次の詳細な説明を読むことによって、かつ添付の図面を検討することによって、よりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明によるデバイスの例の概略斜視図である。
図2】機構のベースの図である。
図3】デバイスの分解図である。
図4】ケースのガラス本体のネック部の図である。
図5】単独で、リングの斜視図である。
図6】異なる視野角での、図5によるリングの図である。
図7】カバーを設けられているリングの図である。
図8】ネック部上でのリングの取付けの図である。
図9】閉形態にあるデバイスを貫通する、軸方向概略部分断面図である。
図10】異なる断面における、図9に類似した図である。
図11】リングおよびカバーの変形形態の図である。
図12】別の変形形態の、図11に類似した図である。
図13】別の変形形態の、図11に類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、口紅機構2と、口紅を塗布するのに使用されていない時に機構が固定され得るケース3とを有する、本発明によるパッケージングデバイス1を示す。
【0034】
従来の方法では、図3に示されているように、機構2は、近位部25と、図示されていないスティックホルダカップを軸方向に移動させるために、近位部25に対して回転することができる回転遠位部22とを有する。
【0035】
近位部25は、図2に示されているベース21、たとえば金属ベース、内に受け入れられ、近位部はたとえばベースに圧入かつ/またはスナップ締結等される。
【0036】
図示のように、近位部25は、その端部に回転防止レリーフ29を設けられ得る。
【0037】
ベース21は、図示のようにたとえば表面格子を設けられている、より長い直径の把持部と、ボス24、たとえば機構の長手方向軸を中心として互いに均等に120°で分布された3つのボス、を設けられている管状取付けスカート23とを有する。スカート23の外径は、たとえば15mm以下であり、たとえば約14.5mmである。
【0038】
ベース21は、近位部がベース21に対して回転することができないように、レリーフ29と協働する。
【0039】
ケース3は、たとえば透明な鉱物ガラスで作製されている本体31を有し、鉱物ガラスは図4に示されているように、その上端部に、熱可塑性材料で作製され、金属カバー50で覆われているリング40が上に固定されるネック部32を有する。本体31は、平坦な底面によって、その下端部で閉じられている。
【0040】
ネック部32は、歯突出部の形の、2つの直径方向において反対側にある位置決めレリーフ34が中へ突出する溝部33をネック部32の周囲に画定する、径方向外向き突出部を形成するカラーを有し、これらのレリーフ34の1つだけが図4に示されている。
【0041】
本体31は、たとえば、ネック部32のベースの所のショルダ部の下に、丸い角部を有する四角形の外側断面を有する。
【0042】
図5および図6をより詳細に参照すると、リング40は、最上部で環状部42に接続されている4つの固定タブ41を有することが明らかである。
【0043】
この環状部42の外形は、実質的に、丸い角部を有する四角形であり、各タブ41は角部に置かれている。
【0044】
各タブ41は、その径方向外面上に、ケースの長手方向軸に対して垂直に配向されている、それぞれの平面内に延在する一連の平行なリブ44と、その径方向内面上に、スナップ締結歯45とを有する。
【0045】
2つの直径方向において反対側にあるタブ41の歯45は、図8に示されているようにネック部32上の位置決めレリーフ34がその中に係合するための陥凹部46を画定するために、中断されている。これらのレリーフ34は、それらが陥凹部46内に係合されると、リング40がネック部32に対して回転することを防止する。
【0046】
スロット48が、射出成形によるリング40の製造中に歯45を成形するための金型の通過のために、環状部42を貫通して設けられている。
【0047】
カバー50は、タブ41のリブ44上に担持される外側スカート51を有し、その保持を確実にする。
【0048】
ケース3を組み立てるために、リング40はネック部32上にスナップ締結されることが可能であり、次に、カバー50は前記リング40上に係合される。変形形態では、リング40は、図7に示されている組立品を形成するために、カバー50内に配設され、次に、組立品はネック部32上にスナップ締結される。
【0049】
リング40の環状部42は円形開口部47を画定しており、その直径はベース21の固定スカート23の直径よりも僅かに大きい。したがって、図10に示されているように、固定スカート23はこの開口部47の縁部上でボス24によりスナップ締結され得る。
【0050】
図11に示されている変形形態では、リングの環状部は環状位置決めリブ60を有し、環状位置決めリブは開口部47を縁どっている。このリブ60は、リング40の残部とともに射出成形によって形成されている。リブは、僅かに上外向きに傾斜している径方向外側フランク61を有し得る。
【0051】
カバー50は、フランク61の所まで延在するリップ部55を有する。このリップ部は、たとえば、カバー50の残部と一緒のものとして形成されている。リップは、2つが補完的形状を有して一方の縁部が他方内に嵌合されることを可能にするように、フランク61と同一の傾斜で僅かに斜角が付けられている径方向内側縁部56を有し得る。
【0052】
デバイスの長手方向軸の方向のリブ60の厚さtは、図示のように、リップ部55の厚さに等しいことが好ましい。
【0053】
図示のように、リップ部55の上面57はリブ60の上面よりも僅かにより高く置かれ得る。
【0054】
図12に示されている変形形態では、カバー50のリップ部55は、デバイスの長手方向軸に対して垂直に配向されている平坦な環状部57を有し、それは内向きかつ下向きに傾斜する端部58によって延ばされている。
【0055】
端部58は、図示のように、リブ60の周囲に、一方の縁角部58aで環状リブ60に当接して、かつ別の縁角部58bでリングの環状部の最上部に当接して、載っている可能性がある。
【0056】
リブ44による摩擦によってではないいくつかの他の方法で、リング40によってカバー50の保持を実現する可能性が図13に示されている。
【0057】
この例では、タブ41は各々、それらの下縁部の近傍に、保持リブ70を有する。各タブ41はこのリブ70の下に面取り部72を有する。
【0058】
カバー50の外側スカート51は、カバー50をリング40上に保つために、リブ70の下に配置されている折畳み部75を画定するために、その下端部に、それ自体の上に内向きに折り畳まれているより細い下部78を有し得る。
【0059】
下部78とカバー50の残部との間の結合点は、リブ70に軸方向に当接するに至るショルダ部79を画定し得る。
【0060】
本例では、図示のように、リング40の上面は平坦である可能性があり、カバーのリップ部55は、その下面55aで、リングの最上部に当接するに至る。
【0061】
リング40上でのカバー50の取付け中、リブ70は、折畳み部75とショルダ部79との間に形成されている溝部内に嵌合し、カバー50がリング40に連結することを確実にする。
【0062】
面取り部72の存在はリブ70の下に空間を解放し、それは、折畳み部75を収容することを可能にする。
【0063】
リブ70の上方でカバー50の外側スカート上に担持されるリング40のタブ41は、カバー50とリング40との間に所望される径方向の締付けを達成するために、肉厚部80を有し得る。カバー50は、図示のように、ネック部32のベースにおいて、その下端部51bで本体31のショルダ部38に当接するに至ることができる。
【0064】
機構2を使用するために、ユーザはそれをケース3から引き出す:リング40のプラスチック材料の弾性は、ボス24がリングを通過することを可能にする。次に、ユーザは、2本の指の間でベース21を保持し、遠位部22を回転させてスティックを延ばすことができる。
【0065】
使用後、機構2は、ボス24がリング40にスナップ締結されるまで、ケース3内へ挿入される。
【0066】
スティックが使い果たされたら、ユーザは、ベース21およびケース3を保持して、機構2を取り替えることができる。
【0067】
もちろん、本発明は、ここで説明した例に限定されない。
【0068】
たとえば、ガラス本体31は、回転対称を示す形状を有して、製造され得る。
【0069】
必要に応じて、機構2はベース21なしで製造され、機構は、リング40に直接固定されるように構成されている近位部である。
【0070】
カバー50はプラスチック材料で作製され得る。
【0071】
機構2は、封止で、たとえば可撓性シールを設けることによって、ケース3に固定され得る。
【符号の説明】
【0072】
1 パッケージングデバイス
2 口紅機構、口紅分配器機構
3 ケース
21 ベース
22 (機構の)回転遠位部
23 管状取付けスカート、固定スカート
24 ボス、固定レリーフ
25 (機構の)近位部
26、46 陥凹部
29 回転防止レリーフ
31 本体、ガラス本体
32 ネック部
33 (ネック部の)溝部
34 位置決めレリーフ
38 (本体の)ショルダ部
40 リング
41 固定タブ
42 環状部
44 リブ
45 スナップ締結歯
47 (リングの)円形開口部、径方向内側円形縁部
48 スロット
50 金属カバー
51 外側スカート
51b (外側スカートの)下端部
55 リップ部
55a (リップ部の)下面
56 径方向内側縁部
57 (リップ部の)上面、平坦な環状部
58 内向きかつ下向きに傾斜する端部
58a、58b (内向きかつ下向きに傾斜する端部の)縁角部
60 環状位置決めリブ
61 径方向外側フランク
70 保持リブ、突出レリーフ
72 面取り部
75 折畳み部、レリーフ
78 (折畳み部の)より細い下部、(カバーのスカートの)端部
79 (カバーのスカートの)ショルダ部
80 肉厚部
t (リブ60の)厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティックの形態の化粧製品をパッケージングするためのデバイス(1)であって、
- 近位部(25)および回転可能な遠位部(22)を有し、前記近位部に対する前記遠位部の回転運動が、前記近位部に対する前記スティックの軸方向移動と同時に起こるように構成されている、分配器機構(2)と、
- 前記分配器機構が中に嵌合されかつ固定され得る、鉱物ガラスで作製されている本体(31)を有するケース(3)と、
備える、デバイス(1)。
【請求項2】
ガラス製の前記本体(31)はネック部(32)を有し、
前記ケースは、熱可塑性材料で作製されているリング(40)であって、前記ネック部に取り付けられて固定され、前記分配器機構(2)がそれに固定される、リング(40)を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記リング(40)は少なくとも2つの固定タブ(41)を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ネック部(32)は、前記ネック部の外面上に突出部を形成している少なくとも1つの位置決めレリーフ(34)を有し、前記リングの前記固定タブ(41)のうちの少なくとも1つが、前記レリーフを受け入れるための陥凹部(26)を有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記固定タブの少なくともいくつかが、径方向内面上に、スナップ締結歯を有し、前記陥凹部(26)は前記スナップ締結歯の中断によって形成されている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記リング(40)は4つの固定タブ(41)を有し、前記ネック部(32)は2つの直径方向において反対側にある位置決めレリーフ(34)を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ケース(3)は、前記リング(40)に固定されるように設計されているカバー(50)を有する、請求項2から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
固定タブ(41)は、これら固定タブ(41)の外面上にバー(50)を保持するためのリブ(44)を有し、前記カバーが前記リブ(44)に当接する、請求項3から6のいずれか一項と、請求項7と、に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カバー(50)は金属である、請求項7または8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記リングは、前記カバー上の対応するレリーフ(75)とスナップ締結されるように設計されている少なくとも1つのレリーフ(70)を有し、
前記リングの固定タブは、少なくとも1つの突出レリーフ(70)を有し、
前記カバーのカートは、この突出レリーフ(70)が受け入れられる少なくとも1つのハウジングを画定する少なくとも1つのレリーフ(75)を有し、
前記カバーの前記スカートは端部(78)を有し、前記端部(78)は、前記端部(78)自体の上に折り畳まれて前記カバーの内面に隣接し、この折畳み部の上方に、前記リング上の前記レリーフを受け入れるための前記ハウジングが画定され、
前記カバーの前記スカート(51)は、前記折畳み部(75)の上方に、前記レリーフに軸方向に当接するショルダ部(79)を有する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
i)前記カバーのリップ部(55)は完全に平坦であり、同様に平坦な、前記リングの環状部(42)の最上部上に載っており、
または変形形態では、ii)前記リングは、その上面上に、上向き突出部を形成する位置決めリブ(60)を有し、前記カバー(50)は径方向内側縁部で、この位置決めリブに当接して担持され、前記位置決めリブと前記カバーとは、相補的に斜角が付けられている相互接触縁部を有し、前記位置決めリブは上外向き傾斜縁部を有し、前記位置決めリブ上での前記カバーの前記担持は、前記リングの前記環状部に当接した前記カバーの前記縁部を軸方向に保持するのに役立ち、または
変形形態では、iii)前記カバーの前記リップ部(55)は、その径方向内側縁部に近接して、内向きかつ下向きに傾斜する部分(58)を有し、前記部分(58)、前記位置決めリブ(60)に当接するように構成されている、請求項7から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記分配器機構(2)はベース(21)を有し、前記近位部(25)はその中に受け入れられ、このベース(21)は前記ケース上にスナップ締結されるように設計されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
ース(21)は、ング上にスナップ締結されるように設計されている固定レリーフ(24)を設けられている管状スカート(23)を有する、請求項12と、請求項2から11のいずれか一項と、に記載のデバイス。
【請求項14】
前記固定レリーフはボス(24)の形態のものであり、前記スナップ締結は前記リングの径方向内側円形縁部(47)上で実現される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのデバイス(1)と、詰替え機構として機能する分配器機構(2)とを有する組立品。
【国際調査報告】