(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】パーソナルケアデバイス用ヘッド
(51)【国際特許分類】
A46B 3/00 20060101AFI20240905BHJP
A46D 3/00 20060101ALI20240905BHJP
A46B 3/04 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A46B3/00
A46D3/00
A46B3/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516540
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 IB2022058453
(87)【国際公開番号】W WO2023047231
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク、ユリアン、フレイ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー、ヘス
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202BA01
3B202EA01
3B202EG03
3B202HA02
(57)【要約】
本開示は、パーソナルケアデバイス用のヘッドであって、前表面を有するキャリア、キャリアに部分的に埋め込まれ、したがって、埋め込まれた洗浄要素部分と、埋め込まれていない洗浄要素部分と、を有する少なくとも1つの洗浄要素であって、埋め込まれていない洗浄要素部分は、キャリアの前表面から前表面上の基端部と自由端部との間に延在し、埋め込まれた洗浄要素部分は、前表面から前表面上の上端部と底端部との間に延在する、洗浄要素を有し、埋め込まれていない洗浄要素部分の基端部は、基端部断面形状及び基端部断面積を有し、埋め込まれた洗浄要素部分の上端部は、基端部断面形状とは異なる上端部断面形状及び基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有する、ヘッドに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケアデバイス用のヘッドであって、
前表面を有するキャリアと、
前記キャリアに部分的に埋め込まれ、したがって、埋め込まれた洗浄要素部分と、埋め込まれていない洗浄要素部分と、を有する、少なくとも1つの洗浄要素、好ましくは一体型洗浄要素であって、前記埋め込まれていない洗浄要素部分が、前記キャリアの前記前表面から前記前表面上の基端部と自由端部との間に延在し、前記埋め込まれた洗浄要素部分が、前記前表面から前記前表面上の上端部と底端部との間に延在する、洗浄要素と、を備え、
前記埋め込まれていない洗浄要素部分の前記基端部が、基端部断面形状及び基端部断面積を有し、前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記上端部が、前記基端部断面形状とは異なる上端部断面形状及び前記基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有する、ヘッド。
【請求項2】
前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記上端部断面積が、前記埋め込まれていない洗浄要素部分の前記基端部断面積よりも少なくとも約30%大きい、請求項1に記載のヘッド。
【請求項3】
前記洗浄要素の材料が、熱可塑性エラストマーである、請求項1又は2に記載のヘッド。
【請求項4】
前記埋め込まれた洗浄要素部分が作製される材料、及び前記キャリアが作製される材料が、化学的及び/又は物理的に結合される、請求項1~3のいずれか一項に記載のヘッド。
【請求項5】
前記埋め込まれた洗浄要素部分が、前記上端部から中間部分又は前記底端部に向かって拡幅している、請求項1~4のいずれか一項に記載のヘッド。
【請求項6】
前記埋め込まれた洗浄要素部分が、前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記上端部と前記底端部との間の拡幅段部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のヘッド。
【請求項7】
一体型アームが、前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記底端部を前記キャリア上又はキャリア内の中心点に接続し、前記中心点が、前記底端部から横方向に変位している、請求項1~6のいずれか一項に記載のヘッド。
【請求項8】
少なくとも1つの更なる一体型アームが、前記中心点と、別の洗浄要素の埋め込まれた洗浄要素部分の底端部と、を接続する、請求項7に記載のヘッド。
【請求項9】
前記洗浄要素の保持力が、少なくとも3ニュートンである、請求項1~8のいずれか一項に記載のヘッド。
【請求項10】
パーソナルケアデバイス用のヘッド、好ましくは請求項1~9に記載のヘッドを作製する方法であって、
キャリアの前部分を画定するための金型内に第1のキャビティを提供するステップであって、前記金型が、前記キャリアの前記前部分に貫通孔を画定するための少なくとも1つのピンを備え、前記貫通孔が、上端部及び底端部を有する、ステップと、
前記キャリアの前記前部分を射出成形するステップと、
前記キャリアの前記前部分をインサートとして備える金型内に第2のキャビティを提供するステップであって、前記第2のキャビティが、洗浄要素の埋め込まれていない部分を画定する少なくとも1つのキャビティ部分を備え、前記キャビティ部分が、前記キャリアの前記前部分内の前記貫通孔の延長部であり、前記キャビティ部分が、基端部断面形状及び基端部断面積を有する基端部と、前記キャビティ部分の前記基端部に隣接する前記貫通孔の前記上端部と、を有し、前記上端部が、前記基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有し、好ましくは、前記基端部断面形状とは異なる上端部断面形状を有する、ステップと、
前記キャビティ部分及び前記貫通孔を充填する少なくとも1つの洗浄要素を射出成形するステップと、
インサートとしての、射出成形された前記洗浄要素を有する前記キャリアの前記前部分と、前記キャリアの後部分を画定するキャビティ部分と、を備える、第3のキャビティを提供するステップと、
前記キャリアの前記後部分の射出成形のステップと、を含む、方法。
【請求項11】
更なるステップ:
前記キャリアの前記前部分の射出成形のためにプラスチック材料を選択するステップであって、好ましくは、前記プラスチック材料が、ポリプロピレン、ポリカーボネート、又はポリエチレンなどの熱可塑性物質である、ステップと、
前記洗浄要素の射出成形のためにプラスチック材料を選択するステップであって、好ましくは、前記材料が、熱可塑性エラストマーである、ステップと、を含み、
両方の前記材料が、それらが化学的及び/又は物理的結合を形成するように選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記貫通孔が、前記上端部から前記貫通孔の中間部分又は底端部に向かって拡幅するような形状を有する前記貫通孔を画定するためのピンを提供するステップを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記貫通孔が前記貫通孔の前記上端部と前記底端部との間に拡幅段部を含むような形状を有する前記貫通孔を画定するための前記ピンを提供するステップを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項14】
前記洗浄要素の射出成形のための前記材料が、熱可塑性エラストマーであり、好ましくは、前記熱可塑性エラストマーが、50ショアA未満の硬度を有する、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のキャビティを提供することが、前記キャリアの前記前部分に更なる貫通孔を画定するための少なくとも更なるピンを提供することを含み、前記少なくとも1つの洗浄要素を射出成形することが、少なくとも前記洗浄要素及び前記更なる洗浄要素を射出成形することと、前記2つの洗浄要素の前記底端部を接続する一体型アームを作り出すために、チャネルを画定する前記第2の金型のキャビティ部分を前記射出された材料で充填することと、を含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パーソナルケアデバイス用のヘッドに関し、このヘッドは、キャリアと、少なくとも1つの洗浄要素と、を備える。
【背景技術】
【0002】
電動歯ブラシ用の洗浄ヘッドなどのパーソナルケアデバイス用のヘッドは、洗浄要素を備えることが知られており、具体的には、射出成形プラスチック材料から作製された洗浄要素を備え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
全般的な目的は、以前から知られているヘッドよりも改善された少なくとも1つの洗浄要素を備えるパーソナルケアデバイス用のヘッドを提供することである。また、全般的な目的は、そのようなヘッドを作製する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの態様によれば、パーソナルケアデバイス用のヘッドであって、前表面を有するキャリア、キャリアに部分的に埋め込まれ、したがって、埋め込まれた洗浄要素部分と、埋め込まれていない洗浄要素部分と、を有する少なくとも1つの洗浄要素であって、埋め込まれていない洗浄要素部分は、キャリアの前表面から前表面上の基端部と自由端部との間に延在し、埋め込まれた洗浄要素部分は、前表面から前表面上の上端部と底端部との間に延在する、洗浄要素を備え、埋め込まれていない洗浄要素部分の基端部は、基端部断面形状及び基端部断面積を有し、埋め込まれた洗浄要素部分の上端部は、基端部断面形状とは異なる上端部断面形状及び基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有する、ヘッドが提供される。
【0005】
少なくとも1つの態様によれば、パーソナルケアデバイス用のヘッドを作製するための方法であって、
・キャリアの前部分を画定するための金型内に第1のキャビティを提供するステップであって、金型は、キャリアの前部分に貫通孔を画定するための少なくとも1つのピンを備え、貫通孔は、上端部及び底端部を有する、ステップと、
・キャリアの前部分を射出成形するステップと、
・キャリアの前部分をインサートとして含む金型内に第2のキャビティを提供するステップであって、第2のキャビティは、洗浄要素の埋め込まれていない部分を画定する少なくとも1つのキャビティ部分を含み、キャビティ部分は、キャリアの前部分内の貫通孔の延長部であり、キャビティ部分は、基端部断面形状及び基端部断面積を有する基端部と、キャビティ部分の基端部に隣接する貫通孔の上端部と、を有し、上端部は、基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有し、好ましくは、基端部断面形状とは異なる上端部断面形状を有する、ステップと、
・キャビティ部分及び貫通孔を充填する少なくとも1つの洗浄要素を射出成形するステップと、
・インサートとしての、射出成形された洗浄要素を有するキャリアの前部分と、キャリアの後部分を画定するキャビティ部分と、を備える、第3のキャビティを提供するステップと、
・キャリアの後部分の射出成形のステップと、を含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、例示的実施形態の詳細な説明及び図面の参照により、更に明瞭にされる。
【
図1】本開示による例示的なヘッドを通る断面図である。
【
図2A】パーソナルケアデバイス用のヘッドの前表面に沿った第1の例示的な洗浄要素を通る断面図である。
【
図2B】パーソナルケアデバイス用のヘッドの前表面に沿った第1の例示的な洗浄要素を通る断面図である。
【
図3A】本開示によるヘッドを作製する第1の方法の概略描示図であり、ステップは、ピンによって画定される貫通孔を有するキャリアの前部分を画定するための第1の金型キャビティを提供することを含む。
【
図3B】本開示によるヘッドを作製する第1の方法の概略描示図であり、ステップは、第1の金型キャビティを充填することを含む。
【
図3C】本開示によるヘッドを作製する第1の方法の概略描示図であり、ステップは、
図3Bに示すように成形されたキャリアの前部分をインサートとして有し、洗浄要素の埋め込まれていない部分を画定するためのキャビティ部分を含む第2の金型キャビティを提供することを含む。
【
図3D】本開示によるヘッドを作製する第1の方法の概略描示図であり、ステップは、第2の金型キャビティを充填することを含む。
【
図3E】本開示によるヘッドを作製する第1の方法の概略描示図であり、ステップは、
図3Dに示すように成形されたキャリアの前部分をインサートとして有し、キャリアの後部分を画定するためのキャビティ部分を含む第3の金型キャビティを提供することを含む。
【
図3F】本開示によるヘッドを作製する第1の方法の概略描示図であり、ステップは、第3の金型キャビティの充填を含む。
【
図4A】本開示によるヘッドを備えるパーソナルケアデバイスの描示図である。
【
図4B】本開示による、ヘッドを含むパーソナルケアデバイスの交換可能なアタッチメントの描示図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本説明の文脈において、「パーソナルケア」とは、皮膚及びその付属器(すなわち、毛及び爪)、並びに歯及び口腔(舌、歯茎などを含む)の育成(又はケア)を意味するものとし、一方では、疾病の予防、並びに健康の維持及び増強を目指し、また一方では、皮膚及びその付属器の美容的処置並びに外観の改善を目指すものである。これは、ウェルビーイングの維持及び強化を含む。これは、スキンケア、ヘアケア、口腔ケア、及びネイルケアを含む。これは、顎ひげケア、シェービング、及び脱毛など整容動作を更に含む。したがって、「パーソナルケアデバイス」とは、このような育成又は整容動作を実行するための任意のデバイス、例えば、皮膚マッサージデバイス又は皮膚ブラシなどの(美容)皮膚処置デバイス;湿式かみそり;電気シェーバ又はトリマ;電動脱毛器;及び手動若しくは電動の歯ブラシ、(電気)フロッサ、(電気)洗浄器、(電気)舌クリーナ、又は(電気)歯肉マッサージ器などの口腔ケアデバイスを意味する。これは、本提案のパーソナルケアデバイスが、これらの育成又はデバイス領域のうちの1つ又は複数において、これらの領域のうちの1つ又は複数の他の領域においてよりも、より顕著な利点を有し得ることを除外するものでない。本説明では、提案されるパーソナルケアデバイスの詳細を示すために、電動歯ブラシが選定されている。詳細が電動歯ブラシに特有でない限り、提案される技術は、任意の他のパーソナルケアデバイスにおいて使用することができる。
【0008】
本開示によれば、パーソナルケアデバイス用のヘッドは、少なくとも1つの洗浄要素を備え、少なくとも1つ又は複数の更なる洗浄要素を備え得る。本開示において、考察される洗浄要素は、「洗浄要素」及び「更なる洗浄要素」と称される。それらはまた、「第1の洗浄要素」及び「第2の洗浄要素」と称される場合があり、この命名規則では相違は見られない。本明細書に説明されるような洗浄要素は、ヘッドのキャリア内に延在する埋め込まれた洗浄要素部分と、キャリアの外側に延在する埋め込まれていない洗浄要素部分と、を有する。洗浄要素は、一体型洗浄要素、すなわち、ワンピース要素である洗浄要素であると理解される。これは、本説明によるヘッドが、洗浄に好適な他の非一体型要素、例えば、複数の個々の繊維から組み立てられた房を有することを排除するものではなく、これは、ブラシ、例えば、歯ブラシ又はボディブラシの技術分野において一般的に知られている。ヘッドのキャリアが前表面を有し、洗浄要素の埋め込まれていない部分がこの前表面から延在し、前表面まで及び前表面の下に延在する洗浄要素の部分が洗浄要素の埋め込まれた部分であることを理解されたい。提示を容易にするために、図に示されるキャリアの前表面は平面状の表面であるが、これは、キャリアの前表面が非平面状であること、具体的には洗浄要素の領域において非平面状であることを排除するものではない。
【0009】
キャリアは、プラスチック材料、好ましくは熱可塑性物質から作製され得、プラスチック材料は、約0.2GPaを超える、好ましくは約1.0GPaを超えるヤング率を有し得る。このプラスチック材料は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、又は任意の他の好適な熱可塑性物質であり得る。
【0010】
本開示によれば、少なくとも1つの洗浄要素の埋め込まれた部分は、キャリアの前表面のレベルで終端する上端部と、典型的にはキャリアの内側のどこかで終端する底端部と、を有するが、これは、いくつかの実施形態では、底端部がキャリアの後側で終端するか、更にそのような後表面を越えて延在するものではない。上端部と底端部との間の洗浄要素の埋め込まれた部分の一部分は、洗浄要素の埋め込まれた部分の中間部分と称され得る。洗浄要素の埋め込まれた部分の上端部は、前表面のレベル上に画定される上端部断面積を有し、上端部断面形状を有する。洗浄要素の埋め込まれていない部分は、キャリアの前表面から、キャリアの前表面のレベルにある基端部と自由端部との間に延在する。洗浄要素の埋め込まれた部分の基端部は、前表面のレベル上に画定される基端部断面積を有し、基端部断面形状を有する。
【0011】
本開示及び提案されるヘッドによれば、洗浄要素の埋め込まれた部分の上端部断面積は、洗浄要素の埋め込まれていない部分の基端部断面積よりも大きい。好ましくは、上端部断面積は、基端部断面積よりも、少なくとも20%大きく、好ましくは少なくとも30%又は少なくとも40%又は少なくとも50%又は少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%又は少なくとも100%大きく、絶対尺度で、より大きい上端部断面積は、少なくとも3mm2、好ましくは少なくとも4mm2又は少なくとも5mm2又は少なくとも6mm2又は少なくとも7mm2又は少なくとも8mm2又は少なくとも9mm2又は少なくとも10mm2のサイズを有する。ここで考察される洗浄要素は、射出成形された洗浄要素であり、例えば、ヘッドが移動する間にそれを噛合することによって、容易に除去され得ないように、キャリアに固定されるべきである。したがって、洗浄要素は、少なくとも3N、好ましくは少なくとも4N又は少なくとも5Nの保持力を有するものとする。高い保持力を達成するためにいくつかの手段を使用することができ、ここで使用される概念は、洗浄要素の埋め込まれた部分の外側表面とキャリアの接触表面との間の接触面積を増加させるので、より大きい上端部断面積である。洗浄要素の少なくとも埋め込まれた部分及びキャリアの材料は、洗浄要素が射出成形されるときに化学的及び/又は物理的結合を形成するように選択され得る。洗浄要素の少なくとも埋め込まれた部分が作製される材料は、熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomer、TPE)であり得る。TPEは、約60ショアA未満、好ましくは約50ショアA未満又は約40ショアA未満又は約30ショアAの硬度を有し得、ショアA硬度は、DIN ISO7619-1に従って測定される。軟性のTPE材料は、TPE洗浄要素を引き剥がすために力が加えられたときに、TPE洗浄要素の相対的に長い伸長をもたらす。保持力を増加させるために、更なる手段、具体的には、キャリアと洗浄要素の埋め込まれた部分との間の抽出方向に対するアンダーカットを追加することができる。更なる手段は、洗浄要素の埋め込まれた部分の底端部に接続された本質的に横方向に延在するアームであり、このアームは、好ましくは、洗浄要素の埋め込まれた部分の底端部をキャリアの中心点に接続し得、アームは、潜在的に、更なる洗浄要素の埋め込まれた部分の底端部にも接続され得る。埋め込まれた部分とキャリアとの間の全体的な接触面積を増加させるために、キャリアと接触している埋め込まれた部分の外側表面の少なくとも一部分の構造を提供することも企図される。この構造は、微視的又は巨視的であり得る。
【0012】
言及されたアンダーカットは、好ましくは、上端部と底端部との間の洗浄要素の埋め込まれた部分の拡幅によって作り出され得、好ましくは、拡幅は、洗浄要素の埋め込まれた部分の中間部分に生じる。ここで「拡幅」とは、連続的な拡幅を意味し、すなわち、ある断面積及び形状から別の断面積及び形状への変化が特定の長さにわたって生じ、後者の断面積がより大きくなることを意味する。連続的な拡幅の代わりに、階段状の拡幅が、洗浄要素の埋め込まれた部分の中央部分に提供され得る。両方の概念を組み合わせることもでき、すなわち、連続的な拡幅及び拡幅段部の両方を組み合わせて使用することができ、任意選択的に、一方又は両方の概念のそれぞれを横方向に延在するアームと組み合わせて使用することもできる。
【0013】
本開示によるヘッドを作製する方法は、
・キャリアの前部分を画定するための金型内に第1のキャビティを提供するステップであって、金型は、キャリアの前部分に貫通孔を画定するための少なくとも1つのピンを備え、貫通孔は、キャリアの前部分の前表面に上端部及びキャリアの前部分の後側に底端部を有する、ステップと、
・第1の金型キャビティにプラスチック材料を充填することによって、キャリアの前部分を射出成形するステップと、
・キャリアの前部分をインサートとして含む(金型内上記の第1のステップで使用された金型と同じ金型であり得る)に第2のキャビティを提供する(キャリアの前部分は、前部分の第2の金型キャビティ内に送られ得、第1のキャビティ内にそのまま残り得る)ステップであって、第2のキャビティは、洗浄要素の埋め込まれていない部分を画定する少なくとも1つのキャビティ部分を含み(このキャビティ部分は、ピンによって塞がれている場合があり、したがって、ピンを後退させることによって開放され得る)、キャビティ部分は、キャリアの前部分内の貫通孔の延長部であり、このキャビティ部分は、基端部断面形状及び基端部断面積を有する基端部と、キャビティ部分の基端部に隣接する貫通孔の上端部と、を有し、上端部は、基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有し、
・任意選択的に、貫通孔の上端部断面形状が基端部断面形状と異なる、ステップと、
・キャビティ部分及び貫通孔をプラスチック材料、好ましくは熱可塑性エラストマーで充填する少なくとも1つの洗浄要素の射出成形するステップと、
・インサートとしての、射出成形された洗浄要素を有するキャリアの前部分射出成形された洗浄要素を有するキャリアが、第3の金型キャビティ内に移され得るか、又は第2の金型キャビティを画定する第1の金型半体が、成形された洗浄要素を有するキャリアとともに残り得、新しい第2の金型半体が、第3の金型キャビティを画定するために使用され得る)と、キャリアの後部分を画定するキャビティ部分と、を備える、第3のキャビティを提供するステップと、
・キャリアの後部分の射出成形のステップと、を含む。
【0014】
本方法は、以下の任意選択的なステップのうちの1つ、又はいくつか、又は全てを含み得る:
・キャリアの前部分の射出成形のためにプラスチック材料を選択し、洗浄要素の射出成形のためにプラスチック材料を選択するステップであって、両方の材料は、それらが化学的及び/又は物理的結合を形成するように選択される、ステップ、
・貫通孔が、上端部から貫通孔の中間部分又は底端部に向かって拡幅するような形状を有する貫通孔を画定するためのピンを提供するステップ、及び/又は貫通孔が貫通孔の上端部と底端部との間に拡幅段部を含むような形状を有する貫通孔を画定するためのピンを提供するステップ、
・キャリアの前部分に更なる貫通孔を画定するための少なくとも1つの更なるピンを提供し、洗浄要素及び更なる洗浄要素を射出成形し、更に2つの洗浄要素の底端部を接続するチャネルを画定する第2の金型のキャビティのキャビティ部分を充填するステップ。
【0015】
一体型(又はTPE)洗浄要素の保持力を測定する方法は、ISO20126:2012+Amd1:2018(「Dentistry-Manual toothbrushes-General requirements and test methods」)によって提供されるタフト保持力を測定する方法を同様に適用する。一体型/TPE洗浄要素の保持力を測定するための力範囲は、一体型洗浄要素のより低い保持力が確実に測定され得るように選択されるべきであり、センサは、100Nの最大力範囲値を有し得る。
【0016】
例示的な一体型洗浄要素は、わずかに円弧状であり、約5mmの長さ及び約1mmの幅を有する、埋め込まれていない部分の基端部断面積を有する。埋め込まれた部分の上端部断面積は、全方向に0.3mm広く、埋め込まれた部分の上端部断面積は、この例では、洗浄要素の埋め込まれていない部分の基端部断面積よりも約80%大きい。キャリアの材料は、ポリプロピレン、具体的には射出成形用の無充填ポリプロピレンホモポリマーであり、一体型洗浄要素のTPE材料(TPE-O、高流量を有する無充填高性能熱可塑性エラストマー)は、35ショアAの硬度を有していた。これらの洗浄要素の保持力が測定され、少なくとも3N、典型的には少なくとも4Nの保持力が見出され、ほとんどの洗浄要素は、少なくとも5Nの保持力を有していた。上で言及される0.3mmが0.1mmに減少される場合、増加した面積は、約25%であり、0.2mmに減少される場合、この増加した面積は、約50%である。埋め込まれていない部分が直径1mmの円形の基端部断面積を有し、かつ先端部断面積が0.3mmである場合、増加は、156%である。
【0017】
図1は、本開示による例示的なヘッド1を通る断面図である。ヘッド1は、キャリア100と、洗浄要素200と、更なる洗浄要素300と、を有し、更なる洗浄要素300は、当然ながら任意選択的であり、代替的又は追加的な態様のいずれかであるいくつかの態様を考察するために使用される。洗浄要素200及び300は、横方向に延在するアーム400によって接続されている。更に、ヘッド1は、ヘッドをパーソナルケアデバイスの駆動ユニットに接続するために使用され得る任意選択的なコネクタ500を備える(パーソナルケアデバイスの例については
図4Aを参照)。
【0018】
キャリア100は、前表面1010と、後表面1020と、を有する。キャリア100は、連続する成形ステップで作製され得る前部分101及び後部分102から作製され得、この構造は、洗浄要素200及び300をキャリア100内に完全に埋め込むように、かつ/又はキャリアをコネクタ500と接続するように機能し得る。
図3A~
図3Eを参照して製造方法に関連して更に以下でより詳細に説明するように、キャリア100の前部分101は、(後部分102がまだ作製されていない間は)後表面1011を有する。
【0019】
左側に示される洗浄要素200は、埋め込まれていない部分210と、埋め込まれた部分220と、を備え、埋め込まれた部分220は、ここではキャリア100内に位置し、ここではキャリア100の平坦な前表面1010のレベルで終端する洗浄要素200の部分を意味する。洗浄要素200の埋め込まれていない部分210は、前表面から、すなわち前表面のレベルから、洗浄要素200の埋め込まれていない部分210の自由端部212に向かって延在する基端部211を有する。洗浄要素200の埋め込まれていない部分210の基端部211は、前表面1010のレベルにおいて基端部断面積及び基端部断面形状を有する。
図2A及び
図2Bを参照して、例を考察する。洗浄要素200の埋め込まれた部分220は、キャリア100の前表面1010にある上端部221を有し、上端部221は、上端部断面積及び上端部断面形状を有する。再び
図2A及び
図2Bを参照して、例を考察する。本開示によれば、上端部断面積は、既に考察した理由、すなわち、洗浄要素200の埋め込まれた部分220とキャリア100との間の改善された化学的及び/物理的結合のために、基端部断面積よりも大きい。
【0020】
洗浄要素200の埋め込まれた部分220は、ここではキャリア100によって完全に埋め込まれた底端部222を有する。上端部221と底端部222との間に、中間部分223が延在する。洗浄要素200に関して、中間部分223に提供された拡幅段部224が存在し、これは、洗浄要素200の埋め込まれた部分220を本質的に自然な拡幅であり、洗浄要素200をキャリア100から引き剥がすために、又は洗浄要素200を引き剥がすために必要な保持力を増加させる。洗浄要素200の埋め込まれた部分220の底端部222は、ここで示されるように、アームセクション410が底端部222と横方向に延在するアーム400の中央セクション430との間に延在するように、横方向に延在するアーム400と接続され得る。中央セクション430は、ヘッド1の製造中に洗浄要素200が作製される材料の注入点を表すことができる。したがって、洗浄要素200及び横方向に延在するアーム400は、互いに一体であり得る。横方向に延在するアーム400は、キャリア100の前部分101の後側に提供されたチャネル内に延在し得る。
【0021】
右側に示される更なる洗浄要素300は、埋め込まれていない部分310と、埋め込まれた部分320と、を備え、埋め込まれた部分320は、ここではキャリア100内に位置し、ここではキャリア100の平坦な前表面1010のレベルで終端する更なる洗浄要素300の部分を意味する。更なる洗浄要素300の埋め込まれていない部分310は、前表面から、すなわち前表面のレベルから、洗浄要素200の埋め込まれていない部分310の自由端部312に向かって延在する基端部311を有する。例として示されるように、更なる洗浄要素300(任意の他の洗浄要素と同様に)は、歯の表面などの表面の洗浄を支援するための構造313を有し得る。更なる洗浄要素300の埋め込まれていない部分310の基端部311は、前表面1010のレベルにおいて基端部断面積及び基端部断面形状を有する。再び
図2A及び
図2Bを参照して、例を考察する。更なる洗浄要素300の埋め込まれた部分320は、キャリア100の前表面1010にある上端部321を有し、上端部321は、上端部断面積及び上端部断面形状を有する。再び
図2A及び
図2Bを参照して、例を考察する。本開示によれば、上端部断面積は、既に考察した理由、すなわち、更なる洗浄要素300の埋め込まれた部分320とキャリア100との間の改善された化学的及び/物理的結合のために、基端部断面積よりも大きい。
【0022】
更なる洗浄要素300の埋め込まれた部分320は、ここではキャリア100によって完全に埋め込まれた底端部322を有する。上端部321と底端部322との間に、中間部分323が延在する。更なる洗浄要素300に関して、中間部分323に提供された拡幅324が存在し、これは、更なる洗浄要素300の埋め込まれた部分320を本質的に連続的な拡幅であり、更なる洗浄要素300をキャリア100から引き剥がすために、又は更なる洗浄要素300を引き剥がすために必要な保持力を増加させる。更なる洗浄要素300の埋め込まれた部分320の底端部322は、アームセクション420が底端部322と横方向に延在するアーム400の中央セクション430との間に延在するように、横方向に延在するアーム400と接続され得る。中央セクション430は、ヘッド1の製造中に更なる洗浄要素300が作製される材料の注入点を表すことができる。したがって、更なる洗浄要素300及び横方向に延在するアーム400は、互いに一体であり得る。横方向に延在するアーム400は、キャリア100の前部分101の後側に提供されたチャネル内に延在し得る。
図1に示す例では、横方向に延在するアーム400は、洗浄要素の埋め込まれた部分220の底端部222と、更なる洗浄要素300の埋め込まれた部分320の底端部322と、を接続する。
【0023】
図2Aは、キャリアの前表面1010Aから延在する洗浄要素200Aの第1の実施形態を通る断面図であり、この断面図は、前表面1010Aの平面内で行われ、視線方向は、
図1の矢印によって示されるように上から下である。この上から見下ろした図では、洗浄要素200Aの埋め込まれていない部分210Aの基端部断面積215A及び基端部断面形状216Aが示されている。更に、洗浄要素200Aの埋め込まれた部分220Aの上端部断面積225A及び上端部断面形状226Aが示されている。この例では、上端部断面積225Aは、基端部断面積215Aよりも大きく、上端部断面積225Aは基端部断面積215Aを完全に包含する。この例では、上端部断面形状226Aが円形であり、基端部断面形状216Aも円形であり、両者は同軸に配置されているが、これは任意選択的な位置決めに過ぎず、非同軸に位置決めされ得る。
【0024】
図2Bは、キャリアの前表面1010Bから延在する洗浄要素200Bの第2の実施形態を通る断面図であり、この断面図は、前表面1010Bの平面内で行われ、視線方向は、
図1の矢印によって示されるように上から下である。この上から見下ろした図では、洗浄要素200Bの埋め込まれていない部分210Bの基端部断面積215B及び基端部断面形状216Bが示されている。更に、洗浄要素200Bの埋め込まれた部分220Bの上端部断面積225B及び上端部断面形状226Bが示されている。この例では、上端部断面積225Bは、基端部断面積215Bよりも大きく、上端部断面積225Bは基端部断面積215Bを完全に包含する。この例では、上端部断面形状226Bは楕円形であり、基端部断面形状216Bは一端に向かって先細になった円弧状である(陰陽の記号の印象を与える)。
【0025】
図2A及び
図2Bに示す形状は例示的なものに過ぎず、当業者であれば、三角形、矩形、星形、バナナ形、腎臓形、半月形、台形などの様々な他の形状を企図できるであろう。
【0026】
図3A~
図3Fは、本開示によるパーソナルケアデバイス用の例示的なヘッドを作製する様々な製造ステップ、並びに中間ヘッド製品及び最終ヘッドの描示図である。
【0027】
図3Aは、キャリアの前部分の射出成形のための第1のキャビティ601Aを画定する第1の金型半体610A及び第2の金型半体620Aを有する、概略的に描示される金型600Aを通る断面図である。2つの金型半体610Aと620Aとの間の分離線は、キャリアの射出成形される前部分の前表面を画定する平面と一致するように示されており、分離線のこの位置は、非限定的であると理解される。この例では、2つのピン630A及び640Aが第1のキャビティ601A内に延在し、これらのピンは、キャリアの前部分に貫通孔を画定する。第2の金型半体620Aが、洗浄要素の埋め込まれていない部分を画定するための1つ又はいくつかのキャビティ部分602Aを備え得ることが、破線によって示されている。次に、このようなキャビティ部分は、ここではピン640Aの場合のように、ピンによって封止され、溶融プラスチック材料を第1のキャビティ601A内に射出する間、プラスチック材料がキャビティ部分602A内に流入しないようにする。この断面図では2つのピンが示されているが、これは概念を提示するために示された非限定的な例であり、いくつかの実施形態では1つのピンのみが使用され、他の実施形態では2つ又は3つ又は4つなどのピンが使用され、射出成形された洗浄要素と同じ数のピンが計画されることを理解されたい。これはまた、射出成形された洗浄要素のうちの少なくとも1つとともに、例えば繊維の束から作製された更なる洗浄要素がキャリア上に存在することを排除するものではない。
【0028】
図3Bは、
図3Aに示された第1のキャビティ601Aに溶融プラスチック材料を注入することによって作製されたキャリアの前部分101Bを通る断面図である。キャリアの前部分101Bは、キャリアの前部分101Bの前表面1010Bと後表面1011Bとの間に延在する2つの貫通孔102B及び103Bを有する。2つの貫通孔102B及び103Bを接続するチャネル104Bが、後表面1011Bに示されている。
【0029】
図3Cは、第2のキャビティ601Cを画定する第1の金型半体610C及び第2の金型半体620Cを有する、概略的に描示される金型600Cを通る断面図である。前部分101Cは、インサートとしてキャビティ601Cに挿入される。前部分101Cは、当然ながら、
図3Bに示される前部分101Bであり得ることが理解されるべきである。前部分101Cが挿入された第2のキャビティ601Cは、いくつかのキャビティ部分6011C~6017Cを含む。中央チャネルキャビティ部分6011Cは、キャリアの前部分101Cの後側に提供され、2つのチャネルアームは、キャビティ部分6012C及び6013Cによって画定され、2つのアームキャビティ部分6012C及び6013Cは、中央チャネルキャビティ部分6011Cをキャリアの前部分101Cの貫通孔と接続し、貫通孔は、洗浄要素の埋め込まれた部分を成形するためのキャビティ部分6014C及び6015Cを画定する。第2の金型半体620Cは、ここでは、それぞれキャビティ部分6014C及び6015Cと整列され、かつ洗浄要素の埋め込まれていない部分を成形することを可能にする2つのキャビティ部分6015C及び6016Cを備える。
図3では、中央チャネルキャビティ部分6011Cと整列して位置決めされた注入ノズル611Cが示されているが、これは非限定的な例として理解されるべきである。
【0030】
図3Dは、キャリア101Dの前部分と、
図3Cに示される第2のキャビティへの射出成形ステップからの結果であり得る2つの洗浄要素200D及び300Dと、を備える、プリヘッド105Dを通る断面図である。洗浄要素200D及び300Dは、前部分101Dの後側で横方向に延在するアーム400Dによって一体的に接続される。前で言及されたように、前部分101D及び洗浄要素200D、300Dのプラスチック材料は、材料が化学的及び/又は物理的結合を形成するように選択され得る。
【0031】
図3Eは、第3のキャビティ601Eを画定する第1の金型半体610E及び第2の金型半体620Eを有する、概略的に描示される金型600Eを通る断面図である。プリヘッド105Eは、成形される最終ヘッドを駆動機構に接続するように機能し得るコネクタ500Eと同様に、第3のキャビティに挿入される。プリヘッド105Eは、
図3Dに示されるプリヘッド105Dであり得る。第3のキャビティ601Eに射出される溶融プラスチック材料は、物理的及び/若しくは化学的結合によって、かつ/又はポジティブフィットによって、プリヘッド105Dと、コネクタ500Dと、を接続する。第3のキャビティ601Eに射出される材料は、キャリアの後部分を形成し、洗浄要素200D及び300D並びに横方向に延在するアーム400Dの埋め込まれた部分を完全に埋め込む。
【0032】
図3Fは、
図3Eに関して考察される最終射出成形ステップからもたらされ得るヘッド1Fの描示図である。ヘッド1Fは、キャリア100Fと、洗浄要素200Fのアレイと、コネクタ500Fと、を備える。コネクタ500Fは、当技術分野で一般的に知られているように、例えば、駆動機構及び/又は係止機構(係止ピンなど)との接続を可能にする接続構造501Fを備え得る。洗浄要素200Fのアレイは、実線で示される2つの洗浄要素201Fを備える。ここでは、ヘッド1Fが、先の
図3A~
図3Eに図示及び考察された2つの洗浄要素よりも多くの洗浄要素、すなわち更なる洗浄要素202Fを備え得ることが破線によって示されている。
【0033】
図4Aは、ハンドル部11と、ヘッド14、好ましくは本開示によるヘッドが提供される交換可能なアタッチメント12と、を備える、電動歯ブラシとして実現されるパーソナルケアデバイス10の描示図である。
【0034】
図4Bは、電動歯ブラシ用の交換可能なブラシヘッドとして実現された交換可能なアタッチメント20の描示図であり、交換可能なアタッチメント20は、ヘッド21、好ましくは本開示によるヘッドを備える。
【0035】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値と、その値を囲む機能的に同等な範囲と、の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケアデバイス用のヘッドであって、
前表面を有するキャリアと、
前記キャリアに部分的に埋め込まれ、したがって、埋め込まれた洗浄要素部分と、埋め込まれていない洗浄要素部分と、を有する、少なくとも1つの洗浄要素、好ましくは一体型洗浄要素であって、前記埋め込まれていない洗浄要素部分が、前記キャリアの前記前表面から前記前表面上の基端部と自由端部との間に延在し、前記埋め込まれた洗浄要素部分が、前記前表面から前記前表面上の上端部と底端部との間に延在する、洗浄要素と、を備え、
前記埋め込まれていない洗浄要素部分の前記基端部が、基端部断面形状及び基端部断面積を有し、前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記上端部が、前記基端部断面形状とは異なる上端部断面形状及び前記基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有する、ヘッド。
【請求項2】
前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記上端部断面積が、前記埋め込まれていない洗浄要素部分の前記基端部断面積よりも少なくとも約30%大きい、請求項1に記載のヘッド。
【請求項3】
前記洗浄要素の材料が、熱可塑性エラストマーである、請求項
1に記載のヘッド。
【請求項4】
前記埋め込まれた洗浄要素部分が作製される材料、及び前記キャリアが作製される材料が、化学的及び/又は物理的に結合される、請求項
1に記載のヘッド。
【請求項5】
前記埋め込まれた洗浄要素部分が、前記上端部から中間部分又は前記底端部に向かって拡幅している、請求項
1に記載のヘッド。
【請求項6】
前記埋め込まれた洗浄要素部分が、前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記上端部と前記底端部との間の拡幅段部を備える、請求項
1に記載のヘッド。
【請求項7】
一体型アームが、前記埋め込まれた洗浄要素部分の前記底端部を前記キャリア上又はキャリア内の中心点に接続し、前記中心点が、前記底端部から横方向に変位している、請求項
1に記載のヘッド。
【請求項8】
少なくとも1つの更なる一体型アームが、前記中心点と、別の洗浄要素の埋め込まれた洗浄要素部分の底端部と、を接続する、請求項7に記載のヘッド。
【請求項9】
前記洗浄要素の保持力が、少なくとも3ニュートンである、請求項
1に記載のヘッド。
【請求項10】
パーソナルケアデバイス用のヘッド、好ましくは請求項1~9
のいずれか一項に記載のヘッドを作製する方法であって、
キャリアの前部分を画定するための金型内に第1のキャビティを提供するステップであって、前記金型が、前記キャリアの前記前部分に貫通孔を画定するための少なくとも1つのピンを備え、前記貫通孔が、上端部及び底端部を有する、ステップと、
前記キャリアの前記前部分を射出成形するステップと、
前記キャリアの前記前部分をインサートとして備える金型内に第2のキャビティを提供するステップであって、前記第2のキャビティが、洗浄要素の埋め込まれていない部分を画定する少なくとも1つのキャビティ部分を備え、前記キャビティ部分が、前記キャリアの前記前部分内の前記貫通孔の延長部であり、前記キャビティ部分が、基端部断面形状及び基端部断面積を有する基端部と、前記キャビティ部分の前記基端部に隣接する前記貫通孔の前記上端部と、を有し、前記上端部が、前記基端部断面積よりも大きい上端部断面積を有し、好ましくは、前記基端部断面形状とは異なる上端部断面形状を有する、ステップと、
前記キャビティ部分及び前記貫通孔を充填する少なくとも1つの洗浄要素を射出成形するステップと、
インサートとしての、射出成形された前記洗浄要素を有する前記キャリアの前記前部分と、前記キャリアの後部分を画定するキャビティ部分と、を備える、第3のキャビティを提供するステップと、
前記キャリアの前記後部分の射出成形のステップと、を含む、方法。
【請求項11】
更なるステップ:
前記キャリアの前記前部分の射出成形のためにプラスチック材料を選択するステップであって、好ましくは、前記プラスチック材料が、ポリプロピレン、ポリカーボネート、又はポリエチレンなどの熱可塑性物質である、ステップと、
前記洗浄要素の射出成形のためにプラスチック材料を選択するステップであって、好ましくは、前記材料が、熱可塑性エラストマーである、ステップと、を含み、
両方の前記材料が、それらが化学的及び/又は物理的結合を形成するように選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記貫通孔が、前記上端部から前記貫通孔の中間部分又は底端部に向かって拡幅するような形状を有する前記貫通孔を画定するためのピンを提供するステップを含む、請求項1
0に記載の方法。
【請求項13】
前記貫通孔が前記貫通孔の前記上端部と前記底端部との間に拡幅段部を含むような形状を有する前記貫通孔を画定するための前記ピンを提供するステップを含む、請求項1
0に記載の方法。
【請求項14】
前記洗浄要素の射出成形のための前記材料が、熱可塑性エラストマーであり、好ましくは、前記熱可塑性エラストマーが、50ショアA未満の硬度を有する、請求項1
0に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のキャビティを提供することが、前記キャリアの前記前部分に更なる貫通孔を画定するための少なくとも更なるピンを提供することを含み、前記少なくとも1つの洗浄要素を射出成形することが、少なくとも前記洗浄要素及び前記更なる洗浄要素を射出成形することと、前記2つの洗浄要素の前記底端部を接続する一体型アームを作り出すために、チャネルを画定する前記第2の金型のキャビティ部分を前記射出された材料で充填することと、を含む、請求項1
0に記載の方法。
【国際調査報告】