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特表2024-533520解剖学的な再建及び/又は増大のための方法及び移植可能なプロテーゼ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】解剖学的な再建及び/又は増大のための方法及び移植可能なプロテーゼ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/12 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61F2/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516566
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022044517
(87)【国際公開番号】W WO2023049332
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/247,860
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507084844
【氏名又は名称】デボル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,イアン,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ダンブローソ,タリア,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クレイポー,ピーター,モーガン
(72)【発明者】
【氏名】コレイア,キャメロン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パガン-オルティス,エンジェル
(72)【発明者】
【氏名】トレクスラー,ジョナサン,ブルース
(72)【発明者】
【氏名】キピエゴ,エバンス
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】クドモア,コレル
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA19
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097DD01
4C097EE02
4C097EE06
4C097EE19
(57)【要約】
生体適合性材料の組織浸透性本体を含む移植可能なプロテーゼであって、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するための三次元形態を備える本体を有する移植可能なプロテーゼ。本体は、プロテーゼの近位端部から遠位端部の方向に延在する長手方向軸の周りで互いの上に積み重ねられた複数の本体セグメントを含む。近位端部は、解剖学的空間内で筋膜に対して位置決めされるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能なプロテーゼであって、
脂肪及び/又は組織を受け入れるように構成された複数の空隙を有する組織浸透性本体であって、近位端部と、前記近位端部から離間された遠位端部とを含み、
前記本体の前記近位端部から前記遠位端部の方向に延在する長手方向軸に沿って積み重ね形態で配置された複数の三次元(3D)本体セグメントであって、前記3D本体セグメントのそれぞれは、1つ以上の外側に面する空隙を含む、複数の三次元(3D)本体セグメント
を含む組織浸透性本体
を含む移植可能なプロテーゼ。
【請求項2】
前記複数の本体セグメントのそれぞれは、プリーツを付けられるか又はハニカム構造を含む、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項3】
前記複数の3D本体セグメントのそれぞれは、隣接する3D本体セグメントと直接接触する、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項4】
前記複数の3D本体セグメントと一緒に前記積み重ね形態で配置された複数の二次元(2D)本体セグメントをさらに含む、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項5】
前記複数の2D本体セグメントのそれぞれは、平面的なシートを含む、請求項4に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項6】
第1の3D本体セグメントは、第1の2D本体セグメントの上に積み重ねられる、請求項4に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項7】
前記第1の3D本体セグメントは、前記第1の2D本体セグメントと直接接触する、請求項6に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項8】
第2の3D本体セグメントは、第2の2D本体セグメントの上に積み重ねられ、及びそれと直接接触する、請求項7に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項9】
前記第1及び第2の3D本体セグメントは、両方ともプリーツを付けられるか又は両方ともハニカム構造を含む、請求項8に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項10】
前記本体の幅は、前記近位端部から前記遠位端部の方向に減少する、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項11】
前記長手方向軸は、前記プロテーゼの中心軸と一致する、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項12】
前記本体に結合され、及び前記本体を支持するように構成された支持構造をさらに含む、請求項1に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項13】
移植可能なプロテーゼであって、
脂肪及び/又は組織を受け入れるように構成された複数の空隙を有する組織浸透性本体であって、近位端部と、前記近位端部から離間された遠位端部とを含み、
前記本体の前記近位端部から前記遠位端部の方向に延在する長手方向軸に沿って互いの上に積み重ねられた複数の三次元(3D)本体セグメントであって、前記複数の本体セグメントのそれぞれは、トロイダル形状である、複数の三次元(3D)本体セグメント
を含む組織浸透性本体
を含み、前記複数の本体セグメントのそれぞれは、隣接する本体セグメントと直接接触する、移植可能なプロテーゼ。
【請求項14】
前記本体セグメントのそれぞれは、開口部を含む、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項15】
前記複数の本体セグメントのそれぞれの前記開口部は、前記長手方向軸に沿って位置合わせされて中空コアを形成する、請求項14に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項16】
前記3D本体セグメントのそれぞれは、脂肪及び/又は組織を受け入れるように構成された複数の空隙を画定する複数の細孔を有する材料で形成される、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項17】
前記本体は、長手方向軸に沿って延在するハブを含み、前記複数の本体セグメントは、前記ハブに取り付けられる、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項18】
前記複数の本体セグメントの幅は、前記近位端部から前記遠位端部の方向に減少する、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項19】
前記本体は、実質的に準半球形状である、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項20】
前記複数の本体構成要素は、第1の本体セグメント及び第2の本体セグメントを含み、前記第2の本体セグメントは、前記第1の本体の開口部内に配置される、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項21】
空洞を画定する外層をさらに含み、前記本体は、前記空洞内に位置する、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項22】
前記本体を覆う外層をさらに含む、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項23】
前記本体に結合され、及び前記本体を支持するように構成された支持構造をさらに含む、請求項13に記載の移植可能なプロテーゼ。
【請求項24】
脂肪及び/又は組織を受け入れるように構成された複数の空隙を有する移植可能なプロテーゼを製作する方法であって、
(a)本体の近位端部から遠位端部の方向に延在する前記本体の長手方向軸に沿って第1の三次元(3D)本体セグメントを積み重ねる行為と、
(b)前記本体の前記長手方向軸に沿って第1の二次元(2D)本体セグメントを積み重ねる行為と、
(c)前記本体の前記長手方向軸に沿って第2の3D本体セグメントを積み重ねる行為と、
(d)前記第1の3D本体セグメント、前記第1の2D本体セグメント及び前記第2の3D本体セグメントを一緒に取り付ける行為であって、前記第1の2D本体セグメントは、前記第1の3D本体セグメントと前記第2の3D本体セグメントとの間に位置決めされる、行為と
を含む方法。
【請求項25】
行為(b)は、前記本体の前記長手方向軸に沿って平面的なシートを積み重ねることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1及び第2の3D本体セグメントのそれぞれは、脂肪及び/又は組織を受け入れるための1つ以上の空隙を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第1及び第2の3D本体セグメントは、同じ形態を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第1及び第2の3D本体セグメントは、異なる形態を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
行為(d)は、前記第1の3D本体セグメント、前記第1の2D本体セグメント及び前記第2の3D本体セグメントを一緒に縫合し、糊付けし、及び/又は超音波溶接することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
(e)前記第1の3D本体セグメント及び前記第2の3D本体セグメントのそれぞれを形成する行為をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
行為(e)は、
第1の材料のシートを複数の折り線に沿って交互方向に折って、第1の折られたシートを形成することと、
前記第1の折られたシートの第1及び第2の端部を第1の軸の周りで折って、第1の円形扇形構成を形成することと
を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
行為(c)は、
第2の材料のシートを複数の折り線に沿って交互方向に折って、第2の折られたシートを形成することと、
前記第2の折られたシートの第1及び第2の端部を第2の軸の周りで折って、第2の円形扇形構成を形成することと、
前記第2の円形扇形構成を前記第1の円形扇形構成に取り付けることと
を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
行為(e)は、ハニカム構造を有する第1及び第2の3D本体セグメントを形成することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
行為(e)は、プリーツを有する第1及び第2の3D本体セグメントを形成することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
行為(e)は、トロイダル形状を有する第1及び第2の3D本体セグメントを形成することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記本体は、ヒト乳房の解剖学的形状を増大させ、及び/又は再建するように構成される、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移植可能なプロテーゼ、より詳細には、乳房再建及び/又は増大のためのプロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
乳房再建は、主に、乳癌の診断及び外科治療に続いて実施される。しかしながら、乳癌のリスクが高い個人を指摘し得る遺伝子検査の結果に応じて、予防のための選択肢として乳房再建を選択する患者が一層増加している。
【0003】
乳房再建は、一般的に、自己移植及び非自己移植として分類され得る。自己移植再建では、患者自身の組織が患者の体の別の部位から採取され、その後、乳房を再建するために使用される。非自己移植再建では、人工インプラント、例えば食塩水、シリコーン又はゲルインプラントが乳房の膨らみを再建するために用いられる。
【0004】
自己移植再建は、一般的に、患者の腹部から組織弁を採取することを伴う。この処置は、患者の組織への血管の供給を維持することができ、一般的に患者に対して見た目が美しい結果をもたらす。しかしながら、そのような処置は、時間がかかり得、血管の供給を再接続するために顕微鏡手術を伴う可能性があり、比較的長い回復時間を要する。組織が除去された部位に機能障害及び弱さも生じさせ得る。この技術は、腹部のボリュームがないか又は筋肉量の減少の余裕がない一部の患者で利用できない場合がある。
【0005】
様々な乳房再建処置の大部分を含む非自己移植再建では、単一段階若しくは中間再建処置又は二段階再建処置を用い得る。乳房切除術及び乳房の再建は、同時に実施され得る(単一段階)か、又は複数の処置に段階分けされ得る(二段階)。各処置において、乳房インプラントは、一般に、胸筋の下(below the pectoral muscle)、すなわち胸筋下(sub-pectoral)に配置され、インプラントが皮膚を通して見えないように隠し、比較的硬質なインプラントを筋肉で覆う。
【0006】
単一段階処置では、乳房組織は、完全に切り離されて、乳房の下に小さい切開部が作られた後に除去される。続いて、胸筋は、その下方端部において引き離され、筋肉下平面は、インプラントを収容するのに十分なサイズの胸筋下ポケットを作り出すために展開される。無細胞真皮マトリクス(ADM)は、一般に、筋肉を再び取り付け、インプラントの下側をさらに補強するために用いられる。
【0007】
単一段階処置は、一般的に、時間が経つと調整できないため、美容的結果をあまり制御することができない。これらの処置は、筋肉下ポケットのサイズに対してインプラントが大きすぎる場合に組織壊死をもたらす可能性もあり得る。
【0008】
二段階処置では、初期の手術段階は、単一段階処置と同様である。しかしながら、筋肉下ポケット中にインプラントを配置するのではなく、初めにADMがポケットに配置され、それに組織拡張器の配置が続く。ADMは、組織拡張器を収容するために必要に応じて操作され、その後、適所に固定される。初期の手術段階に続いて、組織拡張器が複数回の術後通院にわたって満たされ、胸筋の下の空間をゆっくりと拡張させて、ポケットを作り出す。十分なサイズのポケットが形成されると、一般に初期処置の6か月後に第2の外科的処置が実施されて、拡張器を除去し、拡張器によって作り出された筋肉下ポケットに乳房インプラントを挿入する。
【0009】
乳房再建のより最近の傾向は、筋肉下ポケットを作ることを回避するために、胸筋の最上部へのインプラントの胸筋前(pre-pectoral)配置を伴う。そのような処置中、インプラントは、一般に、ADMを吊り器具として使用してインプラントを部分的にのみ覆うのではなく、ADMで完全に包まれる。
【0010】
乳房は、三次元の線維脂肪性の筋膜系によって形作られることが報告されている。この系の2つの層が乳房体を囲んでその周りで一緒に融合させ、それを、乳房周囲靭帯(CML)として特定される構造内で胸壁に留める。乳房の周囲を画定するCMLは、浅筋膜のコラーゲン線維で構成された3Dのほぼ円形の構造であり、これは、脂肪の輪を包んで、それを円形接着ゾーンとして胸部の深筋膜に取り付ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示の目的は、乳房を増大させ、及び/又は再建するための方法及びプロテーゼを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、乳房を増大させ、及び/又は再建するための方法及び移植可能なプロテーゼに関する。
【0013】
一実施形態によれば、移植可能なプロテーゼは、脂肪及び/又は組織を受け入れるように構成された複数の空隙を有する組織浸透性本体を含み、本体は、近位端部と、近位端部から離間された遠位端部とを含む。本体は、本体の近位端部から遠位端部の方向に延在する長手方向軸に沿って積み重ね形態で配置された複数の三次元(3D)本体セグメントを含み、3D本体セグメントのそれぞれは、1つ以上の外側に面する空隙を含む。
【0014】
別の実施形態によれば、移植可能なプロテーゼは、脂肪及び/又は組織を受け入れるように構成された複数の空隙を有する組織浸透性本体を含み、本体は、近位端部と、近位端部から離間された遠位端部とを含む。本体は、本体の近位端部から遠位端部の方向に延在する長手方向軸に沿って互いの上に積み重ねられた複数の三次元(3D)本体セグメントを含み、複数の本体セグメントのそれぞれは、トロイダル形状である。複数の本体セグメントのそれぞれは、隣接する本体セグメントと直接接触する。
【0015】
別の実施形態によれば、脂肪及び/又は組織を受け入れるように構成された複数の空隙を有する移植可能なプロテーゼを製作する方法が開示される。方法は、(a)本体の近位端部から遠位端部の方向に延在する本体の長手方向軸に沿って第1の三次元(3D)本体セグメントを積み重ねる行為と、(b)本体の長手方向軸に沿って第1の二次元(2D)本体セグメントを積み重ねる行為と、(c)本体の長手方向軸に沿って第2の3D本体セグメントを積み重ねる行為と、(d)第1の3D本体セグメントを取り付ける行為とを含む。第1の2D本体セグメント及び第2の3D本体セグメントが一緒にされ、第1の2D本体セグメントは、第1の3D本体セグメントと第2の3D本体セグメントとの間に位置決めされる。
【0016】
上述の概念及び下記で説明する追加的な概念は、本開示がこの点で限定されないため、任意の好適な組み合わせで配置され得ることが理解されるべきである。
【0017】
本技術の上記の及び他の態様、実施形態及び特徴は、添付図面と併せて以下の説明からより詳細に理解され得る。
【0018】
図面の簡単な説明
本開示の態様は、例として添付図面を参照して下記で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】乳房再建処置の概略図である。
図1B】乳房再建処置の概略図である。
図1C】乳房再建処置の概略図である。
図1D】乳房再建処置の概略図である。
図1E】乳房再建処置の概略図である。
図1F】乳房再建処置の概略図である。
図2】本開示の一実施形態による乳房再建及び/又は増大のための移植可能なプロテーゼの斜視図である。
図3図2のプロテーゼの本体セグメントの分解図である。
図4図2のプロテーゼの側面図である。
図5】別の実施形態によるプロテーゼの側面の断面図である。
図6】別の実施形態による移植可能なプロテーゼの本体セグメントを示す。
図7】別の実施形態による移植可能なプロテーゼの本体セグメントの分解図である。
図8】別の実施形態による移植可能なプロテーゼの側面図である。
図9】さらに別の実施形態による移植可能なプロテーゼの側面図である。
図10】別の実施形態による移植可能なプロテーゼの側面図である。
図11A】扇形に広がった構成を備える本体セグメントの形成を示し、広げられたシートの上面図である。
図11B】扇形に広がった構成を備える本体セグメントの形成を示し、蛇腹折りされたシートの側面図である。
図11C】扇形に広がった構成を備える本体セグメントの形成を示し、折り畳まれた構成における折られたシートの上面図である。
図11D】扇形に広がった構成を備える本体セグメントの形成を示し、本体セグメントの扇形に広がった構成の上面図である。
図12】一実施形態による扇形に広がった構成を備える本体セグメントを有するプロテーゼの上面図である。
図13】一実施形態による本体セグメントのハニカム構造の斜視図である。
図14A図13に示すハニカム構造を形成するために使用される積み重ねたシートの上面図である。
図14B図14Bの積み重ねたシートの側面図である。
図15】別の実施形態による移植可能なプロテーゼ斜視図である。
図16】図示の基部がプロテーゼの本体から取り外されている、別の実施形態による移植可能なプロテーゼ斜視図である。
図17図12の移植可能なプロテーゼの本体セグメントの側面の分解図である。
図18図17の移植可能なプロテーゼの断面図である。
図19図17の移植可能なプロテーゼの本体セグメントの底面側を見た斜視図である。
図20】一実施形態による移植可能なプロテーゼの一部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
説明
本開示は、乳房の増大/又は再建に特に適している移植可能なプロテーゼに関する。しかしながら、プロテーゼは、軟組織及び筋肉壁又は他の解剖学的領域の解剖学的欠損及びその弱さを治すのに好適であり得る。本明細書の目的では、語句「欠損を治す」は、欠損及び/又は潜在的な欠損を修復し、補い、及び/又は再建する行為を含む。
【0021】
理解しやすくするために、本開示の範囲を限定することなく、プロテーゼは、下記では特に乳房再建に関連して説明される。しかしながら、当業者に明白であるように、プロテーゼは、そのように限定されず、他の解剖学的処置で用いられ得ることが理解されるべきである。例えば、限定されないが、プロテーゼ又はプロテーゼの態様は、ヘルニア、胸若しくは腹壁の再建又は太りすぎの患者に生じ得るものなどの大きい欠損に用いられ得る。プロテーゼは、1つ以上の特徴を含み得、それぞれ独立して又は組み合わせてそのような特質に寄与する。
【0022】
下記でさらに説明するように、プロテーゼは、胸筋前乳房再建処置を用いる特定の応用を有し得る。
【0023】
胸筋前乳房再建
図1A~1Fに胸筋前乳房再建処置の一実施形態を示す。
【0024】
図1Aに示すように、初期切開部100が作られて、乳房の下部に組織弁102を形成し得る。図1Bに示すように、弁102は、乳房組織へのアクセスをもたらし、及び腫瘍又は他の増殖部を除去できるようにするために広げられ得る。可能な場合、皮膚及び乳輪乳頭を保存することが望ましい。
【0025】
図1Cに示すように、乳房体104がクーパー靭帯の基部と一緒に除去され得る。その後、図1Dに示すように、乳房周囲靭帯(CML)106が締め付けられて、乳房の所望の直径の基部を再確立する。例えば、CMLは、乳房の術前の直径の基部に対応するように締め付けられるか、又はCMLが伸張されて、加齢及び/又は他の要因のために時間と共に緩んでいる場合、より一層締め付けられ得る。
【0026】
図示の通り、CMLは、巾着縫合技術を使用して締め付けられ得、連続縫合がCMLの周りに及び/又はそれを通して配置され、その後、上方に引っ張られて、組織を上方に確実に掴み、基部を締め付ける。しかしながら、乳房の基部の再確立に他の処置が考慮される。
【0027】
CMLが締め付けられると、図1Eに示す通り、乳房体を除去することによって作り出された解剖学的空洞中にプロテーゼインプラント108が挿入され得る。挿入前に、インプラントは、患者から脂肪吸引された脂肪移植片でコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、脂肪移植片は、プロテーゼを柔らかくし、及び/又はプロテーゼ内及びその周辺に新しい脂肪及び/又は組織が形成されるための素地を提供することを促進し得る。脂肪移植片は、処置中、組織の除去によって作り出された空間を流体が満たす可能性も低下させ得る。しかしながら、インプラントは、挿入前に脂肪移植片でコーティングされる必要がないことを理解されたい。
【0028】
必要に応じて、脂肪移植片は、標準的な脂肪吸引技術を使用して患者から採取され得る。吸引された脂肪は、油を除去して、より精製された脂肪を処置に提供するためにその場で処理され得る。処理された脂肪は、シリンジ又は同様の機器を使用してプロテーゼの様々な表面及び様々な空隙内に塗布され得るが、プロテーゼのコーティングのために他の技術も考えられる。
【0029】
挿入されると、インプラントは、縫合糸又は機器の基部に沿って配置された他の留め具を使用してCMLに固定され得る。プロテーゼの移植後、切開部は、図1Fに示す通り、張力をかけずに閉じられ得る。
【0030】
初期の再建処置後、乳房の所望の形状、及び/又は感触、及び/又は両乳房間の対称性を達成するために、時間が経つにつれて、1つ以上の処置によって乳房中への脂肪移植が実施され得る。例えば、いくつかの実施形態では、加工された脂肪は、乳房及びプロテーゼの様々な空隙に注入され得る。
【0031】
プロテーゼ及び製作の概念
本開示は、より詳細には、例えば乳房再建及び/又は増大のための移植可能なプロテーゼに関する。一態様によれば、移植可能なプロテーゼは、生体適合性材料の組織浸透性本体を含み得、これは、解剖学的空間内に配置される。
【0032】
いくつかの実施形態では、本体は、乳房の解剖学的形状を再建し、及び/又は増大させるなどのための三次元(3D)形態を有し得る。プロテーゼは、プロテーゼ内及びその周りの空いている空間を満たすために、脂肪及び/又は組織の内方成長を促すように構成され得る。プロテーゼは、複数の空隙、例えば、限定されないが、室、空洞、チャンネル、開口部、ポケット及び/又は細孔を有する構造を用いて、脂肪及び/又は組織が構造を満たすと共にそれを通過し、再建又は増大された乳房を膨らませることを可能にし得る。プロテーゼ所望の構造全体は、効率的な方法でのその製作のために様々な構造物を用い得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、プロテーゼは、本体の所望の形態(例えば、本体の所望の形状、空隙数及び/又は圧縮性)を作り出すように組み立てられ得る複数の本体セグメントを使用して製作された本体を含み得る。いくつかの実施形態では、各本体セグメントは、二次元(2D)形態を含み得る。そのような実施形態では、2D本体セグメントは、互いに及び/又はプロテーゼの別の好適な部分に取り付けられて、脂肪及び/又は組織を受け入れるための1つ以上の空洞を有する3D本体を形成し得る。2D本体セグメントは、本体セグメントを互いに及び/又は本体の別の好適な部分に取り付ける前に3D形態にも変えられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、平面的な本体セグメントは、別の本体セグメント及び/又はプロテーゼの別の部分に取り付ける前に折られるか、曲げられるか又は他の方法で形作られ得る。このようにして、個々のセグメントは、比較的複雑でない方法で製作されてから、プロテーゼの所望の構成(例えば、形状及び/又は空隙数)を作り出すように組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、プロテーゼは、2D本体セグメントと3D本体セグメントとの組み合わせを含み得る。
【0034】
さらに他の実施形態では、本体セグメントは、3D本体セグメントが互いに取り付けられている状態の3D構成を有するように形成(例えば、3D印刷又は成形)され得る。いくつかの実施形態では、そのような3D本体セグメントは、1つ以上の2D本体セグメントにも取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、本体は、所望の量の弾力及び支持を有するプロテーゼを提供するように構成され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、本体セグメントは、本体の長手方向軸に沿って互いの上に積み重ねられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、各本体セグメントは、本体の一階層を形成し得る。いくつかの実施形態では、複数の3D本体セグメントは、互いの上に積み重ねられて3D本体を形成し得る。他の実施形態では、2D及び3D本体セグメントは、互いの上に積み重ねられて3D本体を形成し得る。例えば、3D及び2D本体セグメントは、長手方向軸に沿って交互にされて3D本体を形成し得る。さらに他の実施形態では、本体セグメントは、入れ子形態で互いの上に積み重ねられて3D本体を形成し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、本体は、筋膜、例えば胸筋に配置するための近位端部、例えば基部又は底面を含み得る。いくつかの実施形態では、基部は、平面的であり得る。いくつかの実施形態では、基部は、全体的に丸みのある形状、例えば、限定されないが、凸形状を有し得る。そのような形態は、胸筋及び乳房周囲靭帯内にプロテーゼを位置決めし、配置することを容易にし得、これにより胸壁上でのプロテーゼの位置を確立する。このようにして、インプラントと解剖学的構造との間の相互作用がボールソケットのような構成を作り出し得る。
【0037】
プロテーゼは、近位端部から離間された遠位端部も含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、遠位端部は、プロテーゼの頂部を含み得る。いくつかの実施形態では、長手方向軸は、プロテーゼの近位端部から遠位端部まで延在し得る。いくつかの実施形態では、複数の本体セグメントは、プロテーゼの近位端部(例えば、底面又は基部)からプロテーゼの遠位端部まで延在し得る。そのような実施形態では、本体セグメントは、脂肪及び/又は組織を受け入れるための空隙を形成するように配置され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、空隙は、隣接する本体セグメント間の空間によって画定され得る。いくつかの実施形態では、空隙は、長手方向軸から離れ、及び外周縁部から離れる方向に延在し得る。他の実施形態では、空隙は、長手方向軸から離れ、及びプロテーゼの近位端部から離れる方向に延在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、近位端部は、筋膜に配置され得、空隙は、筋膜に向かう方向に延在する。他の実施形態では、本体セグメントは、メッシュなどの多孔質材料で形成され得、空隙は、材料の細孔によって画定される。そのような実施形態では、脂肪及び/又は組織は、細孔を通して及び/又は細孔中に移動し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、本体セグメントは、縫い(例えば、縫合)、超音波溶接又は別の好適な取り付け方法によって互いに取り付けられ得る。他の実施形態では、プロテーゼは、1つ以上の本体セグメントが取り付けられるハブを含み得る。例えば、プロテーゼは、中空コア構造を含み得る。いくつかの実施形態では、本体セグメント自体を積み重ねることによって中空中心コアを画定し得る。いくつかの実施形態では、脂肪及び/又は組織は、中空コア内及びその周りを移動し得る。いくつかの実施形態では、プロテーゼは、プロテーゼを支持するための外側骨格を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、プロテーゼは、プロテーゼに支持(例えば、安定性)をもたらすために1つ以上の外部リブを含み得る。
【0040】
ここで、図を参照すると、図2~4は、本開示の一実施形態による移植可能なプロテーゼ108を示す。これらの図に示すように、プロテーゼは、本体を含み得、プロテーゼ本体を形成するために複数の3D本体セグメント112a~112gが互いに結合される。いくつかの実施形態では、本体セグメントは、例えば、再建又は増大された乳房を膨らませるために脂肪及び/又は組織を受け入れるための1つ以上の空隙116を形成し得る。例えば、図4に示すように、空隙は、外周縁部の近くなど、隣接する本体セグメント間の空間によって画定され得る。
【0041】
プロテーゼは、プロテーゼのサイズ及び構成を変えるなどのために、任意の好適な数の本体セグメントを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、図2及び図3に示すように、プロテーゼは、7つの本体セグメントを含み得る。他の実施形態では、プロテーゼは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は8つ以上の本体セグメントも含み得る。
【0042】
理解されるように、各本体セグメントの形状及び/又はサイズは、プロテーゼの所望の形態(例えば、3D構造)次第で同じであり得るか又は変わり得る。いくつかの実施形態では、例えば、各層の厚さ又は高さは、プロテーゼの所望のサイズ次第で変わり得る(例えば、異なる厚さを有する本体セグメントを備えるプロテーゼを示す図4及び図5を参照されたい)。他の実施形態では、各本体セグメントの厚さは、プロテーゼ内で同じであり得るが、本体セグメントの厚さは、プロテーゼ内で変わり得る。
【0043】
図2及び図3に示すように、本体セグメントは、積み重ね形態で配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、本体セグメントは、プロテーゼの長手方向軸Lに沿って互いの上に積み重ねられ得る。いくつかの実施形態では、これらの図に示すように、隣接する本体セグメントは、互いに直接接触して配置され得る。理解されるように、必要に応じて、1つ以上の層は、長手方向軸に沿って軸方向にも互いに離間され得る。いくつかの実施形態では、長手方向軸は、プロテーゼの近位端部120と遠位端部122との間に延在し得る。いくつかの実施形態では、図3に示すように、長手方向軸は、プロテーゼの中心軸Cを画定し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、図2~5に示すように、本体セグメントは、トロイダル形状であり、内側開口部124を有し得る。いくつかの実施形態では、各本体セグメントは、本体セグメントの中心部分に開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、本体セグメントの開口部は、互いに位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、位置合わせされた開口部は、プロテーゼの長手方向軸に沿って中空コアを形成し得る。そのような実施形態では、本体セグメントは、互いに取り付けられ得る(例えば、縫合又は超音波溶接によって)。他の実施形態では、中心ハブ126(例えば、図5を参照されたい)は、長手方向軸に沿って、位置合わせされた開口部のそれぞれを通して延在し得る(図3を参照されたい)。そのような実施形態では、各本体セグメントは、中心ハブに取り付けられ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、図6に示すように、複数の本体セグメント、例えば複数の環状又はトロイダルセグメントが本体の単一の階層を形成するために使用され得る。例えば、限定されないが、第1の本体セグメントは、外側環状又はトロイダル構造の開口部内に位置決めされ得る。理解されるように、第1及び第2の本体セグメントの形状は、同じであり得(例えば、環状又はトロイダル)、第1の本体セグメントは、第2の本体セグメントよりも小さい状態である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の本体セグメントの形状は、異なり得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の本体セグメントの厚さは、同じであり得るが、他の実施形態では、厚さは、異なり得る。第1及び第2の本体セグメントは、任意の好適な方法(例えば、縫合及び/又は超音波溶接)で接合され得る。
【0046】
他の実施形態では、本体セグメントは、他の好適な形状も有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の本体セグメントは、四角形、三角形、長方形、他の多角形又は他の好適な形状であり得る。いくつかの実施形態では、本体セグメントは、本体セグメントの中心部分に開口部がない状態で形成され得る(例えば、図7の本体セグメントを参照されたい)。理解されるように、本体セグメントは、任意の好適な方法で形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、本体セグメントは、3D形態、例えば3Dトロイダル形状を有するように形成(例えば、成形又は3D印刷)され得る。
【0047】
図8に示すように、いくつかの実施形態では、3D本体セグメントは、プロテーゼの長手方向軸の周りで半径方向に外向きの方向に延在する複数のプリーツを備えるように構成され得る。一実施形態では、各本体セグメントは、折られた材料層によって形成され、これは、軸の周りで扇のように広げられ得る。図8に示すように、本体セグメントが積み重ね形態に組み立てられると、プロテーゼは、脂肪及び/又は組織を受け入れるための複数の空隙116を含む。そのような実施形態では、空隙は、隣接する本体セグメントのプリーツ間に位置し得る。
【0048】
理解されるように、プリーツのサイズ及び/又は形状は、所望の量の剛性及び/又は弾力を備えるインプラントを提供するために変更され得る。いくつかの実施形態では、プリーツの形状及び/又はサイズは、本体セグメント毎に変わり得る。形状及び/又はサイズは、同じ本体セグメント内でも変わり得る。例えば、いくつかの実施形態では、プリーツのサイズは、プロテーゼの長手方向軸から半径方向に外向きの方向に大きくなり得る。いくつかの実施形態では、図8に示すように、プリーツは、実質的にU字形状であり得る。他の実施形態では、プリーツは、他の好適な形状(例えば、V字形状)を有し得る。
【0049】
図8に示すように、いくつかの実施形態では、プロテーゼは、互いに直接結合される同じ形態を備える本体セグメントを含み得る。例えば、この図に示すように、いくつかの実施形態では、プリーツ付き本体セグメント112a~112fは、積み重ね形態で互いに直接結合され得る。図3及び図4に示すように、プロテーゼの全ての本体セグメントは、トロイダル又は環状形状であり得る。
【0050】
本体セグメントは、互いに対して異なる形態も有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本体セグメントの3D構成は、長手方向軸に沿って変更され得る。いくつかの実施形態では、プリーツ付き本体セグメントは、3Dトロイダル又は環状本体セグメントの上に積み重ねられ、これは、次に、別のプリーツ付き本体セグメントの上に積み重ねられ得る。本体セグメントは、異なる形状、異なるサイズ、異なる厚さ及び/又はいずれかの所望のこれらの組み合わせも含み得る。
【0051】
他の実施形態では、3D本体セグメントは、平面的な本体セグメントによって互いに分離され得る。例えば、図9に示すように、平面的な本体セグメント132a~132fは、各対の隣接するプリーツ付き本体セグメント12a~112f間に位置決めされ得る。そのような実施形態では、空隙116は、平面的な本体セグメントと、隣接するプリーツ付き本体セグメントとの間に形成され得る。いくつかの実施形態では、平面的な本体セグメント(例えば、132f)は、筋膜に位置決めされる近位面又は底面を形成し得る。いくつかの実施形態では、これらの図に示すように、3D本体セグメントの高さは、平面的な2D本体セグメントの高さを上回り得る。
【0052】
理解されるように、平面的な本体セグメントは、隣接する各対の本体セグメント間に位置決めされる必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、平面的なシートは、隣接する対の本体セグメントのサブセットのみの間に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、平面的な本体セグメントのサイズ(例えば、直径)及び形状は、隣接するプリーツ付き本体セグメントのサイズ及び形状と同じであり得る。他の実施形態では、平面的な本体セグメントのサイズは、隣接するプリーツ付きセグメントのサイズと異なり得る。
【0053】
さらに別の実施形態では、図12に示すように、各本体セグメントは、扇形状(図11Dを参照されたい)にそれぞれ折られた複数のシートから形成され、その後、互いに取り付けられ得る。図11Aは、本体セグメントを形成するために使用される材料のシートを示す。この図に示すように、シートは、複数の折り線134を含み得、それに沿って、シートは、プリーツを形成するように交互に折られ得る(矢印L~Lを参照されたい)。例えば、平行なプリーツのあるシートを形成するために、蛇腹折り法が使用され得る。図11Bに示すように、いくつかの実施形態では、プリーツは、実質的にV字形状であり得、プリーツ間に空隙が形成される。
【0054】
いくつかの実施形態では、プリーツ付きシートは、折り畳まれるか又は折られ得る(図11Bの矢印Mを参照されたい)。そのような実施形態では、プリーツ付きパネルは、互いの上に積み重ねられ得る。図11Cに示すように、積み重ねられて折られたシートの第1及び第2の端部が互いに向かって動かされ得(矢印Pを参照されたい)、積み重ねられて折られたシートが軸Zの周りで折られて、11Dに示す扇形構成を形成する状態になる。理解されるように、この扇形構成では、折られたシートの第1の側は、扇形の内側部分140aを形成する一方、折られたシートの第2の対向側は、扇形の外側部分140bを形成し得る。いくつかの実施形態では、シートの内側部分は、例えば、スポット溶接によって一緒に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、隣接するシートの外側部分140bは、例えば、スポット溶接によって一緒に取り付けられて、本体セグメントを形成し得る(図12を参照されたい)。
【0055】
理解されるように、本開示の本体セグメントは、同じ直径又は異なる直径で形成され得る。従って、シートは、異なる半径r(図11Dを参照されたい)、例えば2.5cm、3.75cm、5cm及び7.5cmを有する扇形構成を形成するために使用され得る。そのような実施形態では、本体セグメントは、直径5cm、7.5cm、10cm又は15cmで形成され得る。理解されるように、複数の本体セグメントは、3Dプロテーゼ本体を形成するために互いの上に積み重ねられ得る。他の実施形態では、本体セグメントは、平面的な本体セグメントによって分離され得る。
【0056】
図10に戻ると、いくつかの実施形態では、3D本体セグメント112a~112eのそれぞれは、互いの上に積み重ねられ、及び平面的な本体セグメント132a~132fによって分離され得る。そのような実施形態では、本体セグメントは、超音波スポット溶接135によって互いに取り付けられ得る。理解されるように、他の実施形態では、本体セグメントは、例えば、スポット溶接又は別の好適な方法によって互いに直接結合され得る。
【0057】
別の実施形態によれば、本体セグメントは、ハニカム構造(例えば、図13を参照されたい)を含み得る。そのような実施形態では、複数のハニカム構造は、上述したものと同様の積み重ね形態で配置され得る。いくつかの実施形態では、ハニカム様の構造は、互いに直接接触し得るが、ハニカム様の構造はまた、平面的な本体セグメントによって分離され得る。一実施形態では、複数のハニカム構造は、インプラントの中心軸の周りに周方向の形態で配置され得る。複数の積み重ねられたハニカム構造を有すると説明したが、本体は、単一のハニカム構造を含み得ることが理解されるであろう。
【0058】
いくつかの実施形態では、ハニカム構造は、積み重ねられて一緒に接合される複数の材料層によって形成され得る(図13を参照されたい)。図14Aは、ハニカム構造を形成するために互いに取り付けられる平面的な積み重ねたシートの上面図である。図14A及び図14Bに示すように、シートは、交互の取り付けスキームを使用して接合され得る。例えば、137を付す実線によって示すように、第1のシート136aは、第1の取り付けパターンにより、第2の隣接するシート136bに接合され得る。138を付す破線によって示すように、第2及び第3のシート136b、136cは、第2の取り付けパターンによって一緒に接合され得る。図14Aに示すように、第1及び第2の取り付けパターン137、138は、積み重ねたシートの長手方向軸に沿って交互であり得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の取り付けパターン137は、積み重ねられたシートの幅に沿って互いに離間した複数の取り付け部(例えば、スポット溶接部)を含み得る(例えば、137を付す実線に沿って)。第2の取り付けパターン138は、積み重ねられたシートの幅に沿って互いに離間した複数の取り付け部を同様に含み得る(例えば、138を付す破線に沿って)。いくつかの実施形態では、第1のパターンの取り付け部は、第2のパターンの取り付け部からオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、取り付け部をもたらした後にシートを互いに引き離す(例えば、積み重ねたシートの底部シートから上部シートを引き離す)ことにより、隣接するシート間に空隙が形成された状態の図13の3Dハニカム構造を形成し得る。
【0060】
理解されるように、層は、任意の好適な取り付け技術を使用して互いに接合され得る。例えば、限定されないが、層は、縫い目及び/又は超音波溶接を使用して一緒に接合され得る。ハニカムの空隙の密度及び/又はサイズは、層間の取り付け位置の数及び/又は間隔によって変更され得る。例えば、取り付け位置を一緒により近くに配置するほど、空隙は、より小さく、密度が高くなり、及び取り付け位置をさらに離間させることにより、空隙は、より大きく、密度が低くなる。必要に応じて、ハニカム構造は、様々な材料層間の取り付け位置のパターンを変更することにより、異なるサイズ及び/又は密度の空隙を有する領域を含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、図4及び図5に示すように、本体セグメントの幅は、プロテーゼの近位端部(例えば、本体セグメント112gの幅W1を参照されたい)からプロテーゼ本体の遠位端部120(例えば、本体セグメント112aの幅W2を参照されたい)の方向に減少し得る。本明細書の目的では、本体セグメントの幅は、本体セグメントの第1の側面から本体セグメントの第2の反対側の側面までの距離を含み得る。理解されるように、本体セグメントが円形の断面形状を有する実施形態では、本体セグメントの幅は、本体セグメントの直径に対応し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、本体セグメントの幅は、図及び5に示すように、プロテーゼ本体の近位端部からプロテーゼ本体の遠位端部まで先細になるように減少し得る。他の実施形態では、本体セグメントの幅は、他の好適な方法でも減少し得る。いくつかの実施形態では、本体構成要素の全てが同じ幅を有し得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、図15に示すように、プロテーゼは、本体を覆う外層130を含み得る。例えば、いくつかの応用では、全体的に滑らかな外表面を備える本体を提供することが望ましい場合がある。一実施形態では、シート又は比較的滑らかな材料、例えば不織材料又は他の好適な材料は、限定されないが、上述の構造構成のいずれかを含む、本体構造の外周面の、全体ではなくとも少なくとも一部分の周りに取り付けられ得る。一実施形態では、Davol, Inc.から入手可能なPHASIX材料の層が本体構造を覆うために使用され得る。カバー構造に好適な他の材料は、限定されないが、コラーゲン及びULTRAFOAMを含み得る。
【0064】
図16~19は、本開示の別の実施形態による移植可能なプロテーゼを示す。これらの図に示すように、プロテーゼは、入れ子形態に互いの上に積み重ねられた複数の本体セグメント112a~112dを備える本体(図17及び図18を参照されたい)を含み得る。例えば、図14に示すように、第1の本体セグメント112dは、第2の本体セグメント112c内に入れ子にされ得、これが第3の本体セグメント112b内に入れ子にされ得、これが第4の本体セグメント112a内に入れ子にされ得る。理解されるように、本体セグメントの数は、隣接する本体セグメント間に形成された空隙116のサイズを変え、及び/又はプロテーゼのサイズを変えるために増加及び/又は減少され得る。図13に示すように、本体セグメントのサイズは、プロテーゼの遠位端部からプロテーゼの近位端部に向かう方向に縮小し得る。
【0065】
図17及び図19に示すように、本体セグメントのそれぞれは、3D形態を有し得る。これらの図に示すように、各本体セグメントは、第1の閉鎖端部139と、第1の端部に対向する第2の開放端部141とを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の端部は、プロテーゼの近位端部又はその近くに位置決めされるように配置される。いくつかの実施形態では、本体セグメントは、それぞれ異なる本体セグメント、脂肪及び/又は組織を受け入れるための空洞142を画定し得る。いくつかの実施形態では、これらの図に示すように、本体セグメントは、実質的に準半球形状であり得る。本体セグメントは、他の好適な形状(例えば、円錐形、円錐台形、涙滴又は洋ナシ形)も有し得る。図13に示すように、いくつかの実施形態では、本体セグメントの全ては、同じ形状を有し得る。他の実施形態では、本体セグメントは、異なる形状を有し得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、各本体セグメントは、本体セグメントの長手方向軸Yの周りで対称であり得る。いくつかの実施形態では、本体セグメントの長手方向軸は、本体の中心軸を画定し得る。他の実施形態では、1つ以上の本体セグメントは、長手方向軸の周りで非対称であり得る。そのような実施形態では、1つ以上の本体セグメントは、洋ナシ又は涙滴の半分の断面形状を有し得る。理解されるように、他の実施形態では、本体セグメントは、他の好適な形状(例えば、円錐形、円錐台形)を有し得る。
【0067】
図12及び図14に示すように、いくつかの実施形態では、プロテーゼは、プロテーゼを本体に取り付けるためにプロテーゼ本体に取り付けられた基部144を含み得る。本明細書で説明するように、基部は、筋膜に配置するためのプロテーゼの近位端部を形成し得る。いくつかの実施形態では、基部は、筋膜へのプロテーゼの取り付けを容易にし得る。いくつかの実施形態では、基部の形状及びサイズは、プロテーゼ本体の近位端部の形状に対応し得る。基部の形状及び/又はサイズは、プロテーゼ本体の近位端部のものと異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、基部は、円形を有し得るが、プロテーゼ本体の円形の近位端部より大きくてもよい。
【0068】
理解されるように、基部は、任意の好適な形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、基部は、実質的に円形を有し得る。基部は、卵形、四角形、長方形、三角形、他の多角形又は他の好適な形状も有し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、当業者に明白であるように、基部は、縫合(例えば、縫い)、超音波溶接又は任意の他の好適な固定技術によって本体に取り付けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、基部は、面ファスナーによって本体に取り付けられ得る。基部は、プロテーゼの他の好適な部分を介しても本体に取り付けられ得る。例えば、基部は、各本体セグメントもハブに取り付けられた状態でプロテーゼのハブに取り付けられ得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、図18に示すように、基部は、平面的であり得る。基部は、他の好適な形態も有し得る。例えば、底面は、全体的に丸みのある形状、例えば、限定されないが、凸形状を有し得る。いくつかの実施形態では、そのような湾曲形状は、筋膜にプロテーゼを配置することを容易にし得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、プロテーゼは、プロテーゼに追加的な支持をもたらす外側骨格構造を含み得る。いくつかの実施形態では、図20に示すように、プロテーゼは、プロテーゼ本体の上に延在し得る第1及び第2の支持用リブ146a、146bを含み得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリブのそれぞれは、プロテーゼの基部144に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリブのそれぞれは、プロテーゼの近位端部の第1の側(例えば、第1の側面)からプロテーゼの遠位端部を越えてプロテーゼ本体の第2の側(例えば、第2の側面)まで延在し得る。いくつかの実施形態では、各リブは、湾曲され得、及び例えばアーチのような形状にされ得る。他の実施形態では、リブは、他の好適な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、リブは、プロテーゼの遠位端部などで互いに交差し得る。図20には2つの支持用リブが示されているが、プロテーゼは、プロテーゼの所望の構成次第でより多い又はより少ないリブを有し得ることが理解されるであろう。
【0072】
本開示を考慮して理解されるように、プロテーゼのサイズは、本体セグメントのサイズ及び/又は数によって画定され得る。しかしながら、プロテーゼの所望のサイズは、患者毎に異なり得る。従って、いくつかの応用に関して、材料を除去及び/又は追加することにより、プロテーゼのサイズ及び/又は嵩を調整することが望ましい場合がある。例えば、限定されないが、プロテーゼのサイズ及び/又は嵩は、プロテーゼ(又はその部分)から1つ以上の本体セグメント(又はその部分)を除去することによって小さくされ得る。理解されるように、いくつかの実施形態では、嵩は、1つ以上の本体セグメントを追加することによってもプロテーゼに追加され得る。
【0073】
いくつかの応用では、プロテーゼは、再建処置前に本体セグメントが組み立てられた状態で事前に形作られ得る。例えば、再建前に、本明細書で説明するように、本体セグメントは、互いに又はプロテーゼの別の好適な部分に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、事前に形作られたプロテーゼは、切り取って整えられて、移植のための所望の形状を作り出し得る。例えば、限定されないが、1つ以上の本体セグメントは、切り取って整えられて、カスタマイズされたインプラント形状を作り出し得る。そのような例では、本体セグメントは、それぞれプロテーゼの所望のサイズ次第で同じ量だけ切り取って整えられ得るか又は異なる量だけ切り取って整えられ得る。
【0074】
他の実施形態では、追加的な本体構成要素がプロテーゼに加えられて、カスタマイズされたプロテーゼ形状を作り出し得る。そのような実施形態では、同じ本体セグメントがプロテーゼ本体に追加され得るが、異なる本体セグメントがプロテーゼ本体に追加され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の本体セグメントは、プロテーゼ本体への取り付け前に切り取って整えられ得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、プロテーゼは、事前に形作られなくてもよいが、代わりに、再建処置と共に(例えば、処置前又はその間に)組み立てられて、カスタマイズされたインプラント形状を作り出し得る。いくつかの実施形態では、プロテーゼは、モジュール設計を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、プロテーゼは、モジュール構成要素のキットを含み得る。そのような実施形態では、プロテーゼは、モジュール構成要素のキットを含み得る。例えば、キットは、1つ以上の本体セグメント、基部及び/又はハブを含み得る。そのような例では、外科医は、1つ以上の本体セグメントを選択し、それらを一緒に及び/又は他の好適な構成要素に取り付けて、カスタマイズされたインプラント形状を達成し得る。そのような例では、各本体セグメントは、同じ形態を有するか又は異なる形態を有し得る。上記のように、外科医は、組み立て中、本体セグメントの1つ以上を切り取って整えることもできる。
【0076】
いくつかの実施形態では、モジュールキットは、異なるプロファイルを有する1つ以上の事前に形作られたプロテーゼ本体と、1つ以上の基部とを含み得る。例えば、モジュールキットは、低プロファイル本体、中プロファイル本体及び高プロファイル本体を含み得る。いくつかの実施形態では、本体セグメントは、プロテーゼが挿入される空洞のサイズに基づいて外科医によって選択され得る。例えば、高プロファイル本体は、再建及び/又は増大中のより大きい乳房に選択され得る。外科医は、対応する基部を選択して、基部をプロテーゼ本体に取り付けることもできる。いくつかの実施形態では、基部は、面ファスナーによって本体に取り付けられ得るが、他の好適な取り付け機構が使用され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、本体セグメントは、互いに及び/又はプロテーゼの別の好適な部分に取り付ける前に事前に形作られ得る。例えば、本体は、プロテーゼに取り付けられる2D形態を含み得る。本体セグメントは、別の本体構成要素、基部又はプロテーゼ本体の別の好適な部分に取り付ける前に3D形態に変わる2D形態も含み得る。いくつかの実施形態では、2D形態は、波形にされるか、プリーツを付けられるか、折られるか又は他の方法で3D形態に形成されるシートを含み得る。3D形態は、他の好適な方法によっても形成(例えば、成形)され得る。
【0078】
様々な構造構成及び/又は製造技術は、比較的複雑なインプラントを製作するために用いられ得る。
【0079】
性能
乳房再建又は増大のために、長期にわたる異物の懸念なく、耐久性があり、軽量な移植可能なプロテーゼを提供することが望ましい場合がある。
【0080】
一態様によれば、プロテーゼは、吸収性材料から製作され得る。一実施形態では、プロテーゼは、ゆっくり吸収される材料、例えばP4HB(ポリ-4-ヒドロキシブチレート)から製作され、乳房に長期間の支持をもたらし、脂肪及び/又は組織がプロテーゼを最終的に満たし、及びそれに置き換わるため、乳房のより自然な見た目及び感触を促し得る。材料は、プロテーゼ内での脂肪の通過及び/又は組織の内方成長を促すのに十分に多孔質であり得るが、多孔質材料は、各実施形態に必要なわけではない。プロテーゼは、編み、織り及び/又は不織材料を含み得る。
【0081】
一実施形態では、プロテーゼは、P4HBから製造されるPHASIXメッシュ(Davol, Inc.(Warwick, RI)から入手可能)で製作され得る。他の好適な材料は、限定されないが、GalaFLEX(Galateaから入手可能)、TIGR Matrix(Novus Scientificから入手可能)、SERI Surgical Scaffold(Allergenから入手可能)、BIO-A(Goreから入手可能)及びULTRAPRO(Ethiconから入手可能)を含み得る。必要に応じて、代替形態として、不織材料、例えばPhasixが用いられ得るか、又はメッシュと一緒にプロテーゼに比較的軟らかい輪郭を提供し得る。いくつかの応用では、非吸収性材料、例えば、限定されないが、ポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からプロテーゼ又はプロテーゼの1つ以上の部分を製作することが望ましい場合がある。
【0082】
いくつかの応用では、1つ以上の特性を提供する材料でプロテーゼをコーティングすることが望ましい場合がある。例えば、限定されないが、出血を最小限にし、漿液腫の形成を最小限にし、及び/又は組織の内方成長を促すことが望ましい場合がある。一実施形態では、プロテーゼは、Arista AH(Davol, Inc.から入手可能)でコーティングされ得る。
【0083】
いくつかの応用に関して、プロテーゼが、比較的滑らかな外表面を有することが望ましい場合がある。一態様によれば、プロテーゼの3D構造は、限定されないが、P4HB又はコラーゲンを含む材料の外層で覆われ得る。例えば、プロテーゼは、プロテーゼ本体を覆い、及びプロテーゼ本体の形状に対応する外層を含み得る。理解されるように、外層は、必ずしもプロテーゼの各実施形態に必要とされるわけではない。他の実施形態では、1つ以上の本体セグメントは、比較的滑らかな外表面を有するように配置され得、及び滑らかな外層を有し得る。そのような実施形態では、外層は、本体セグメントをプロテーゼ本体に取り付ける前に本体セグメントに用いられ得る。
【0084】
プロテーゼの特定の応用に関して、圧縮後の永久変形に対して所望の量の抵抗を提供するように構築されることが望ましい場合がある。一実施形態では、プロテーゼは、その高さHの40%の垂直方向の圧縮を受けた後、高さが低くされるか、又はその元の高さHの10%以下(すなわち≦10%)を有するように構築され得る。高さの低下は、その後の1回以上の圧縮によって決定され得る。一実施形態では、高さの低下は、時点t=0及び時点t=12週間に決定され得る。しかしながら、当業者に明白であるように、プロテーゼは、永久変形に対して任意の好適な量の抵抗を提供するように構成され得ることを理解されたい。
【0085】
回復及びインプラントの統合中、移植された脂肪組織と一緒に、切除された空間を支持し得る移植可能なプロテーゼを提供することが望ましい場合がある。
【0086】
一態様によれば、プロテーゼは、乳房内の生体力学的な力に抵抗するような圧縮強度を有し得る。一実施形態では、インプラントは、時点t=0で25%の垂直方向の圧縮で少なくとも3.1lbf(すなわち≧3.1lbf)の圧縮強度及び時点t=12週間で25%の垂直方向の圧縮で少なくとも2.4lbf(すなわち≧2.4lbf)を有し得る。しかしながら、当業者に理解されるように、プロテーゼは、任意の好適な量の圧縮強度を有するように構成され得ることを理解されたい。
【0087】
一態様によれば、プロテーゼは、機器の機械的完全性を維持するのに十分な接続強度を有する接続部を用い得る。一実施形態では、インプラントは、時点t=0で少なくとも1.0lbf(すなわち≧1.0lbf)の接続強度を有する接続部を用い得る。しかしながら、当業者に理解されるように、プロテーゼは、任意の好適な量の接続強度を有するように構成され得ることを理解されたい。
【0088】
プロテーゼの所望の構造全体は、効率的な方法でのその製作のために様々な構造物を用い得る。
【0089】
本技術を様々な実施形態及び例と併せて説明したが、本技術は、そのような実施形態又は例に限定されるものではない。むしろ、当業者に理解されるように、本技術は、様々な代替形態、修正形態及び均等物を含む。従って、上記の説明及び図面は、例示にすぎない。
【0090】
本発明の様々な態様は、単独で、組み合わせて又は上述の実施形態で具体的に説明されていない様々な構成で使用され得るため、その応用は、上述の説明に記載されるか又は図面に示される構成要素の詳細及び構成に限定されない。例えば、一実施形態で説明した態様は、任意の方法において、他の実施形態で説明した態様と組み合わされ得る。
【0091】
また、本発明は、方法として具現化され得、その例が提供されている。方法の一部として行われる行為は、任意の好適な方法で順序付けられ得る。従って、示されるものと異なる順序で行為を行う実施形態が構成され得、これは、説明に役立つ実施形態において連続的な行為として示されていても、いくつかの行為を同時に行うことを含み得る。
【0092】
本特許出願及びそれに関するいずれかの特許の目的として、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるような不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、明らかに特段の記載がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書及び特許請求の範囲で使用されるような語句「及び/又は」は、そのように等位接続された要素の「いずれか又は両方」、すなわちある場合には接続的に存在し、及び他の場合には離接的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」で列挙される複数の要素は、同じようにみなされるべきであり、すなわち要素の「1つ以上」がそのように等位接続される。他の要素は、任意選択的に、「及び/又は」の節によって具体的に特定された要素以外に、具体的に特定した要素に関連するか又はしないかに関わらず存在し得る。
【0093】
特許請求要素を修飾するための、特許請求の範囲における序数用語、例えば「第1」、「第2」、「第3」などの使用は、それ自体、別の特許請求要素を上回る1つの特許請求要素の優先度、優位若しくは順序又は方法の行為が行われる時間的順序を含意せず、単に、特許請求要素を区別するために、ある名称を有する1つの特許請求要素を、(序数用語を使用することを別にして)同じ名称を有する別の特許請求要素から区別するためのラベルとして使用される。
【0094】
また、本明細書で使用される語句及び用語は、説明のためのものであり、限定とみなされるべきではない。本明細書では、「包含する」、「含む」又は「有する」、「含有する」、「伴う」及びそれらの変形例は、その後に列挙される項目及びその均等物並びに追加的な項目を含むことを意味する。
図1A
図1B
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図1D
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【国際調査報告】