(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ブリッジ接続クラスD-RF増幅器回路
(51)【国際特許分類】
H03F 3/217 20060101AFI20240905BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H03F3/217 130
H01L27/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516589
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022043145
(87)【国際公開番号】W WO2023043686
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522086423
【氏名又は名称】アナログ パワー コンバージョン エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大智 山姆 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】スドュルーラ, デュミトル ゲオルゲ
(72)【発明者】
【氏名】グ, ダブリュ. アルバート
(72)【発明者】
【氏名】高田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】讓原 逸男
(72)【発明者】
【氏名】米山 知宏
(72)【発明者】
【氏名】細山田 佑
【テーマコード(参考)】
5F038
5J500
【Fターム(参考)】
5F038AV06
5F038CA02
5F038DF02
5F038EZ02
5J500AA01
5J500AA41
5J500AA66
5J500AC16
5J500AC58
5J500AC61
5J500AF16
5J500AH10
5J500AH19
5J500AH29
5J500AH33
5J500AK42
5J500AK44
5J500AQ04
5J500AS14
5J500AT01
(57)【要約】
フルブリッジクラスD増幅器回路は、第1~第4のパワーデバイスを備える。第1及び第3のパワーデバイスの第1の導電端子は第1の電源電圧に結合され、第2及び第4のパワーデバイスの第2の導電端子は第2の電源電圧に結合される。第1のパワーデバイスの第2の導電端子と第2のパワーデバイスの第1の導電端子は、第1の増幅器出力に結合されている。第3のパワーデバイスの第2の導電端子と第4のパワーデバイスの第1の導電端子は、第2の増幅器出力に結合されている。第1のパワーデバイスの左右に隣接してそれぞれ配置された左右のドライバデバイスは、第1のパワーデバイスの左右にそれぞれ配置された左右の制御端子にそれぞれ結合された出力を有する。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラスDの増幅器回路であって、
回路基板と、
第1の増幅器出力と、
第2の増幅器出力と、
前記回路基板に配置され、左制御端子、右制御端子、第1及び第2の導電端子を備える第1のパワーデバイスと、
前記回路基板に配置され、第1及び第2の導電端子を備える第2のパワーデバイスと、
前記回路基板に配置され、第1及び第2の導電端子を備える第3のパワーデバイスと、
前記回路基板に配置され、第1及び第2の導電端子を備える第4のパワーデバイスと、
前記第1のパワーデバイスの左側に隣接して配置され、前記第1のパワーデバイスの前記左制御端子に結合された第1の左ドライバデバイスと、
前記第1のパワーデバイスの右側に隣接して配置され、前記第1のパワーデバイスの前記右制御端子に結合された第1の右ドライバデバイスと、
を備え、
前記第1のパワーデバイスの前記第1の導電端子と前記第3のパワーデバイスの前記第1の導電端子は、第1の電源電圧に結合され、
前記第1のパワーデバイスの前記第2の導電端子と前記第2のパワーデバイスの前記第1の導電端子が前記第1の増幅器出力に結合され、
前記第2のパワーデバイスの前記第2の導電端子と前記第4のパワーデバイスの前記第2の導電端子が第2の電源電圧に結合され、
前記第3のパワーデバイスの前記第2の導電端子と前記第4のパワーデバイスの前記第1の導電端子が前記第2の増幅器出力に結合されている、
ことを特徴とする増幅器回路。
【請求項2】
前記第1のパワーデバイスは、マルチタブパワーデバイスであって、
前記第1のパワーデバイスの前記第1の導電端子に相当するドレインコンタクトと、
前記パワーデバイスの左半分に配置された複数の左ゲートコンタクトであって、前記左ゲートコンタクトの1つは前記第1のパワーデバイスの前記左制御端子に相当する、複数の左ゲートコンタクトと、
前記パワーデバイスの左半分に配置された複数の左ソースコンタクトと、
前記パワーデバイスの右半分に配置された複数の右ゲートコンタクトであって、前記右ゲートコンタクトの1つは前記第1のパワーデバイスの前記右制御端子に相当する、複数の右ゲートコンタクトと、
前記パワーデバイスの右半分に配置された複数の右ソースコンタクトと、
を備え、
前記複数の左ソースコンタクト又は前記複数の右ソースコンタクトのうちの少なくとも1つは、前記第1のパワーデバイスの前記第2の導電端子に相当し、
前記複数の左ソースコンタクトと前記複数の右ソースコンタクトは、すべて前記第1の増幅器出力に結合される、請求項1に記載の増幅器回路。
【請求項3】
前記第1の左ドライバデバイスは、複数のケルビンソース接続を備え、
前記第1の右ドライバデバイスは、複数のケルビンソース接続を備え、
前記第1のパワーデバイスの前記複数の左ソースコンタクトは、前記第1の左ドライバデバイスの前記複数のケルビンソース接続に結合され、
前記第1のパワーデバイスの前記複数の右ソースコンタクトは、前記第1の右ドライバデバイスの前記複数のケルビンソース接続に結合される、請求項2に記載の増幅器回路。
【請求項4】
前記第1のパワーデバイスの前記左ソースコンタクトの各々は、前記第1の左ドライバデバイスの対応する前記ケルビンソース接続にそれぞれ接続される、請求項3に記載の増幅器回路。
【請求項5】
前記第1の左ドライバデバイスは、複数のゲート出力を備え、
前記第1の右ドライバデバイスは、複数のゲート出力を備え、
前記第1のパワーデバイスの前記複数の左ゲートコンタクトは、前記第1の左ドライバデバイスの前記複数のゲート出力に結合され、
前記第1のパワーデバイスの前記複数の右ゲートコンタクトは、前記第1の右ドライバデバイスの前記複数のゲート出力に結合される、請求項2に記載の増幅器回路。
【請求項6】
前記第1のパワーデバイスの前記左ゲートコンタクトの各々は、前記第1の左ドライバデバイスの対応する前記ゲート出力にそれぞれ接続される、請求項5に記載の増幅器回路。
【請求項7】
前記第1の左ドライバデバイスが、前記第1の左ドライバデバイスの前記ゲート出力をそれぞれ生成する複数のサブドライバを備え、
前記複数のサブドライバの入力は全て、前記第1の左ドライバデバイスの入力に結合される、請求項5に記載の増幅回路。
【請求項8】
前記第1のパワーデバイスは、シリコンカーバイドパワーデバイスであり、
第1の総面積を有し、前記第1のパワーデバイスの左半分に配置された複数の左活性領域と、
第2の総面積を有し、前記第1のパワーデバイスの右半分に配置された複数の右活性領域と、
複数の非活性領域であって、前記1つ又は複数の非活性領域が第3の総面積を有する、非活性領域と、
を備え、
前記第3の総面積は、前記第1の活性領域と前記第2の活性領域との合計以上である、請求項2に記載の増幅器回路。
【請求項9】
前記第1のパワーデバイス内で、
前記ドレインコンタクトは、前記左右の活性領域のそれぞれに接続され、
前記複数の左ゲートコンタクトは、前記複数の左活性領域にそれぞれ接続され、
前記複数の右ゲートコンタクトは、前記複数の右活性領域にそれぞれ接続され、
前記複数の左ソースコンタクトは、前記複数の左活性領域にそれぞれ接続され、
前記複数の右ソースコンタクトは、前記複数の右活性領域にそれぞれ接続される、請求項8に記載の増幅器回路。
【請求項10】
前記第1のパワーデバイスは、金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を備え、
前記左右の活性領域の各々は、前記MOSFETのセルを備える、請求項9に記載の増幅回路。
【請求項11】
前記MOSFETが垂直型MOSFETである、請求項10に記載の増幅器回路。
【請求項12】
前記左右の活性領域の各々がショットキーバリアダイオード(SBD)を備える、請求項10に記載の増幅器回路。
【請求項13】
前記SBDは、それぞれの前記活性領域の前記MOSFETの前記セル内にモノリシックに集積されたSBDである、請求項12に記載の増幅器回路。
【請求項14】
前記SBDは、それぞれの前記活性領域の前記MOSFETの前記セルに外付けされている、請求項12に記載の増幅器回路。
【請求項15】
前記第1の左ドライバデバイスは複数のゲート出力を備え、
前記第1のパワーデバイスの前記複数の左ゲートコンタクトは、前記第1の左ドライバデバイスの前記複数のゲート出力に結合され、
前記第1のパワーデバイスの隣接する前記左ゲートコンタクト間の方向に沿った間隔に相当する第1のピッチが、前記第1の左ドライバデバイスの隣接する前記左ゲート出力間の方向に沿った間隔に相当する第2のピッチのプラスマイナス20パーセント以内である、請求項8に記載の増幅器回路。
【請求項16】
前記第1の左ドライバデバイスは、複数のケルビンソース接続を備え、
前記第1のパワーデバイスの前記複数の左ソースコンタクトは、前記第1の左ドライバデバイスの前記複数のケルビンソース接続に結合され、
隣接する前記左ソースコンタクト間の方向に沿った間隔に相当する第3のピッチが、前記第1のピッチに実質的に等しく、
前記第1の左ドライバデバイスの隣接する前記ケルビンソース接続の間の方向に沿った間隔に相当する第4のピッチが、前記第2のピッチに実質的に等しいか、又は前記第3のピッチに実質的に等しい、請求項15に記載の増幅器回。
【請求項17】
前記第1の増幅器出力に結合されたローパスフィルタ回路をさらに備える、請求項1に記載の増幅器回路。
【請求項18】
前記第4のパワーデバイスは、左制御端子と右制御端子を備え、
当該増幅器回路は、
前記第4のパワーデバイスの左側に隣接して配置され、前記第4のパワーデバイスの前記左制御端子に接続された第2の左ドライバデバイスと、
前記第4のパワーデバイスの右側に隣接して配置され、前記第4のパワーデバイスの前記右制御端子に接続された第2の右ドライバデバイスと、
を備える、請求項1に記載の増幅器回路。
【請求項19】
前記第1の左ドライバデバイス、前記第1の右ドライバデバイス、前記第4の左ドライバデバイス、及び前記第4の右ドライバデバイスのそれぞれの入力に結合された第1のスイッチ出力と、
前記第2の左ドライバデバイス、前記第2の右ドライバデバイス、前記第3の左ドライバデバイス、及び前記第3の右ドライバデバイスのそれぞれの入力に結合された第2のスイッチ出力と、
を備えるコントローラ回路をさらに備え、
前記コントローラ回路は、前記コントローラ回路によって受信された入力信号に従って前記第1のスイッチ出力及び前記第2のスイッチ出力をアサートし、前記第1のスイッチ出力と前記第2のスイッチ出力の両方を同時にアサートしないように構成される、請求項18に記載の増幅器回路。
【請求項20】
前記第1及び第2の増幅器出力に結合されたローパスフィルタ回路をさらに備える、請求項1に記載の増幅器回路。
【請求項21】
前記第1のパワーデバイスを制御するように構成されたコントローラ回路を備え、
前記第1のパワーデバイスは、複数のセルを備える無線周波数(RF)マルチセルパワー半導体であり、
前記コントローラ回路は、当該増幅器回路の動作中に冗長性を提供するために、前記複数のセルをそれぞれ制御するように構成される、請求項1に記載の増幅器回路。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年9月14日出願の米国特許出願17/475,234の優先権を主張し、その全内容が本願に援用される。
【0002】
クラスD増幅器は、アナログ出力信号の周波数よりも高い周波数で1つ以上のパワースイッチングデバイス(パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)など)をオン/オフしてデジタル変調信号(PWM(Pulse-Width Modulated)信号やPFM(Pulse-Frequency Modulated)信号など)を生成することにより、アナログ出力信号を生成する。デジタル変調された信号は、次に(ローパスフィルタを使用するなどして)フィルタリングされ、アナログ出力信号が生成される。
【0003】
クラスD増幅器は、パワースイッチングデバイスの制御端子にそれぞれの制御信号を供給するドライバデバイスを含むことができる。 ドライバデバイスとパワースイッチングデバイスとの間の接続には、寄生インダクタンスと抵抗がある。
【0004】
ドライバデバイスとパワースイッチングデバイスとの間の接続の寄生インダクタンス及び抵抗は、パワースイッチングデバイスがスイッチングされ得る周波数を制限する可能性があり、これによりアナログ出力信号の最大周波数が制限される可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
実施形態は、無線周波数(RF)増幅器に関し、特に、高バンドギャップ半導体パワーデバイスを使用するフルブリッジクラスD-RF増幅器を含むクラスD-RF増幅器に関する。
【0006】
一実施形態では、クラスD増幅器回路は、回路基板、第1の増幅器出力、及び第2の増幅器出力を備える。第1のパワーデバイスが、回路基板に配置され、左制御端子、右制御端子、及び第1及び第2の導電端子から構成される。第2、第3、第4のパワーデバイスも回路基板に配置され、それぞれの第1、第2の導電端子を備える。第1の左ドライバデバイスが、第1のパワーデバイスの左側に隣接して配置され、第1のパワーデバイスの左制御端子に結合されている。第1の右ドライバデバイスが、第1のパワーデバイスの右側に隣接して配置され、第1のパワーデバイスの右制御端子に結合される。第1のパワーデバイスの第1の導電端子と第3のパワーデバイスの第1の導電端子とは、第1の電源電圧に結合される。第1のパワーデバイスの第2の導電端子と第2のパワーデバイスの第1の導電端子とは、第1の増幅器出力に結合される。第2のパワーデバイスの第2の導電端子と第4のパワーデバイスの第2の導電端子とは、第2の電源電圧に結合されている。第3のパワーデバイスの第2の導電端子と第4のパワーデバイスの第1の導電端子とは、第2の増幅器出力に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態によるフルブリッジクラスD増幅器回路を示す図である。
【
図2】一実施形態による
図1のフルブリッジクラスD増幅器回路で使用するためのハーフブリッジ回路を示す図である。
【
図3】一実施形態によるVMOSFETパワーデバイスに相当する回路を示す図である。
【
図4】一実施形態によるドライバデバイスに相当する回路を示す図である。
【
図5A】一実施形態によるフルブリッジ増幅器出力段のレッグとして使用するのに適した回路の平面図である。
【
図5B】一実施形態による
図5Aに示す回路の断面を示す図である。
【
図6A】一実施形態によるフルブリッジ増幅器出力段のレッグとして使用するのに適した回路の平面図である。
【
図6B】一実施形態による
図6Aに示す回路の断面を示す図である。
【
図7A】一実施形態によるフルブリッジクラスD増幅器回路の出力段回路を示す図である。
【
図7B】一実施形態による
図7Aの出力段回路の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明の実施形態では、出力段を形成するブリッジのレッグにおいて高バンドギャップ半導体スイッチングデバイス(シリコンカーバイド(SiC)MOSFETなど)を使用するフルブリッジクラスD-RF増幅器などに関する。特に、実施形態は、各スイッチングデバイスのそれぞれの側部に隣接して配置された複数のドライバデバイスを備え、各ドライバデバイスの隣接するスイッチングデバイスの側面近傍に配置された制御端子及び/又は導電端子コンタクト(ゲートパッド及び/又はソースパッドなど)にそれぞれ接続される。本明細書で説明する実施形態では、デバイスへの電気的接続に使用される接点を「パッド」として説明する場合があるが、実施形態はこれに限定されず、実施形態において、接点は、例えば、ピラー、バンプ、ボール、ピン、リード、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0009】
実施形態の詳細な説明は、添付の図とともに以下に提供される。本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定され、多数の代替、修正、及び等価を包含する。様々なプロセスのステップが所定の順序で示されているが、実施形態は必ずしも列挙された順序で実行されることに限定されない。実施形態では、特定の操作を同時に行ってもよいし、記載された順序以外の順序で行ってもよいし、全く行わなくてもよい。
【0010】
多数の具体的な詳細が以下の説明に記載されている。これらの詳細は、具体例によって本開示の範囲の徹底的な理解を促進するために提供され、実施形態においてこれらの具体的な詳細のいくつかがなくても、特許請求の範囲に従って実施することができる。したがって、本開示の特定の実施形態は例示であり、排他的又は限定的であることを意図するものではない。明瞭にする目的で、本開示に関連する技術分野で公知の技術的事項は、本開示が不必要に不明瞭にならないように、詳細には記載されていない。
【0011】
本明細書では、SiC-nチャネルVMOSFETを含むスイッチングデバイスを使用する実施形態が説明されるが、実施形態はこれに限定されない。実施形態において、スイッチングデバイスは、代わりに、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、又は任意の電圧制御型パワー半導体を含むことができる。実施形態において、スイッチングデバイスはpチャネルデバイスを含むことができる。実施形態において、スイッチングデバイスは、SiC以外の半導体材料から作製されてもよい。
【0012】
図1は、実施形態によるフルブリッジクラスD増幅器回路100(以下、増幅器100)を示す。増幅器100は、パルス変調(例えばPWM又はPFM)入力信号INを受信し、入力信号INに従ってフィルタ192を介して負荷194に電流を供給する。増幅器100は、コントローラ回路102、第1のハーフブリッジ回路104A、及び第2のハーフブリッジ回路104Bを含む。
【0013】
コントローラ回路102は、入力信号INに従って、第1及び第2のスイッチング信号SWA及びSWBを生成する。実施形態では、第1のスイッチング信号SWAは、入力信号INが第1のレベル(2進数の1に相当するレベルなど)を有する間、コントローラ回路102によってアサートされ(すなわち、「ON」に相当するレベルに駆動され)、それ以外の場合にはデアサートされる(すなわち、「OFF」に相当するレベルに駆動される)。第2のスイッチング信号SWBは、入力信号INが第2のレベル(2進数の0に相当するレベルなど)を有する間、コントローラ回路102によってアサートされ、それ以外の場合はデアサートされる。実施形態では、コントローラ回路102は、第1のスイッチング信号SWA及び第2のスイッチング信号SWBのアサート間に小さなデッドタイムを挿入して、スイッチがそのうちの1つによってオンにされると同時に、別のスイッチがそのうちの他の1つによって(まだ)オンにされないようにする。
【0014】
第1及び第2のハーフブリッジ回路104A及び104Bの各々は、それらのハイ入力INHがアサートされたときにそれらの出力OUTに電流をソース(放電)し、それらのロー入力INLがアサートされたときに出力OUTから電流をシンク(充電)するように動作する。
【0015】
第1のスイッチング信号SWAは、第1のハーフブリッジ回路104Aのハイ入力INH及び第2のブリッジ回路104Bのロー入力INLに電気的に結合される。第2のスイッチング信号SWBは、第1のハーフブリッジ回路104Aのロー入力INL及び第2のブリッジ回路104Bのハイ入力INHに電気的に結合される。したがって、入力信号INが第1のレベルを有するとき、第1のハーフブリッジ回路104Aは負荷194の第1の端子に結合された増幅器出力Aに電流をソースし、第2のハーフブリッジ回路104Bは負荷194の第2の端子に結合された増幅器出力Bから電流をシンクし、入力信号INが第2のレベルを有するとき、第1のハーフブリッジ回路104Aは増幅器出力Aから電流をシンクし、第2のハーフブリッジ回路104Bは増幅器出力Bに電流をソースする。
【0016】
実施形態では、入力信号INは、負荷に出力される所望の周波数よりも実質的に高い周波数でスイッチングされ得る。実施形態では、入力信号INは、負荷に出力される所望の周波数に相当する周波数でスイッチングされ得るが、ハーフブリッジ回路104A及び104Bによって出力される信号においてより高い周波数の高調波を生成し得る。したがって、実施形態では、フィルタ192は、ハーフブリッジ回路104A及び104Bの出力において所望の周波数よりも高い周波数を減衰させるように動作する。フィルタ192は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。フィルタ192は、インダクタ、キャパシタ、又はそれらの組み合わせを備え得る。
【0017】
図2は、一実施形態によるクラスD増幅器回路の出力段のハーフブリッジ204を示す。ハーフブリッジ204は、
図1のフルブリッジDクラス増幅器100のハーフブリッジ104A及びハーフブリッジ104Bの一方又は両方に含まれ得る。
【0018】
ハーフブリッジ204は、ハイレッグ212H及びローレッグ212Lを含む。ハイレッグ212Hはハイ入力信号INHを受信し、ローレッグ212はロー入力信号INLを受信する。ハイレッグ212H及びローレッグ212Lの出力は、出力信号OUTを生成するために結合される。
【0019】
ハイレッグ212Hは、ドライバ回路208H及びスイッチングデバイス210Hを含む。実施形態では、スイッチングデバイス210Hは、シリコンカーバイド(SiC)VMOSFETパワーデバイスである。一実施形態では、SiCは4Hポリタイプを有する。一実施形態では、スイッチングデバイス210Hは、
図2に示すように、SiCショットキーバリアダイオード(SBD)を集積したSiC-VMOSFETパワーデバイスである。他の実施形態では、スイッチングデバイス210Hは、外部SiC-SBDなどの外部ダイオードに結合されたSiC-VMOSFETパワーデバイスであってもよい。
【0020】
ドライバ回路208Hのゲート出力GHは、ハイ入力信号INHに従ってスイッチングデバイス210Hの制御端子(
図2では、ゲート)を制御する。ドライバ回路208Hとスイッチングデバイス210Hの第2の導電端子(
図2では、ソース)との間には、ハイレッグケルビンソース接続KSHが接続されている。 ハイレッグケルビンソース接続KSHは、ドライバ回路208Hのゲート出力GHとスイッチングデバイス210Hの制御端子キャパシタンス(ここでは、ゲート-ソースキャパシタンス)との間を流れる電流のための直接的な低インダクタンスリターン経路を提供し得る。例として、ドライバ回路208HがMOSFETのドレイン端子にゲート出力GH信号を生成するとき、ハイレッグケルビンソース接続KSHは、そのMOSFETのソース端子をスイッチングデバイス210Hの第2の導電端子に電気的に結合することができる。
【0021】
スイッチングデバイス210Hの第1の導電端子(ここでは、ドレイン)は、正電源電圧V++に結合される。実施形態では、正電源電圧V++は、300ボルト以上の電圧値を有し得る。スイッチングデバイス210Hの第2の導電端子は出力信号OUTに結合されており、ハイレッグ212Hは、ハイ入力信号INHがアサートされたときに出力信号OUTに電流をソースすることができる。
【0022】
ローレッグ212Lは、ドライバ回路208L及びスイッチングデバイス210Lを含む。実施形態では、スイッチングデバイス210Lは、シリコンカーバイド(SiC)VMOSFETパワーデバイスである。一実施形態では、スイッチングデバイス210Lは、
図2に示すように、SiC-SBDを集積したSiC-VMOSFETパワーデバイスであってもよい。他の実施形態では、スイッチングデバイス210Lは、外部SiC-SBDなどの外部ダイオードに結合されたSiC-VMOSFETパワーデバイスであってもよい。
【0023】
ドライバ回路208Lのゲート出力GLは、ハイ力信号INLに従ってスイッチングデバイス210Lの制御端子(
図2では、ゲート)を制御する。ろーレッグケルビンソース接続KSLは、ドライバ回路208Lとスイッチングデバイス210Lの第2の導電端子(
図2では、ソース)との間に接続される。 ローレッグケルビンソース接続KSLは、ドライバ回路208Lのゲート出力GLとスイッチングデバイス210Lの制御端子キャパシタンス(ここでは、ゲート-ソースキャパシタンス)との間を流れる電流のための直接的な低インダクタンスリターン経路を提供し得る。例として、ドライバ回路208LがMOSFETのドレイン端子にゲート出力GL信号を生成するとき、ローレッグケルビンソース接続KSLは、そのMOSFETのソース端子をスイッチングデバイス210Lの第2の導電端子に電気的に結合することができる。
【0024】
スイッチングデバイス210Lの第2の導電端子は、パワーグランドPGNDに結合される。 スイッチングデバイス210Lの第1の導電端子(ここでは、ドレイン)は、ロー入力信号INLがアサートされたときにローレッグ212Lが出力信号OUTから電流をシンクし得るように、出力信号OUTに結合される。
【0025】
図3は、一実施形態による、VMOSFETパワーデバイス310に相当する回路を示す。VMOSFETパワーデバイス310は、
図2のスイッチングデバイス210H又はスイッチングデバイス210Lに相当し得る。
【0026】
VMOSFETパワーデバイス310は、それぞれのMOSFETのゲートに接続されたゲートパッドG11及びそのMOSFETのソースに接続されたソースパッドS11を有する第1の左活性領域310-11と、それぞれのMOSFETのゲートに接続されたゲートパッドG21及びそのMOSFETのソースに接続されたソースパッドS21を有する第1の右活性領域310-21とを含む。VMOSFETパワーデバイス310は、それぞれのゲートパッドG12及びG22並びにソースパッドS12及びS22を有する同様に構成された第2の左及び右活性領域310-12及び310-22、それぞれのゲートパッドG13及びG23並びにソースパッドS13及びS23を有する第3の左及び右活性領域310-13及び310-23、そして、それぞれのゲートパッドG14及びG24並びにソースパッドS14及びS24を有する第4の左及び右領域310-14及び310-24をさらに含む。領域310-11~310-24のMOSFETのドレインは、すべてVMOSFETパワーデバイス310の底面に形成されたドレインパッドDPADに接続されている。活性領域310-11~310-24のMOSFETは、VMOSFETパワーデバイス310のセルに相当する。
【0027】
VMOSFETパワーデバイス310は、それぞれがセルに相当する8つの活性領域310-11~310-24を含むように図示され、各セルは、MOSFET及び対応するダイオードを含むように図示されているが、実施形態はこれに限定されない。ソースパッドとゲートパッドの数は設計者の自由であり、動作周波数や出力電流などの設計制約に関係する。実施形態は、ソースパッドへの接続(グラウンドプレーンへの接続及び/又はドライバデバイスのケルビンソース接続への接続など)が可能な限り低い漂遊インダクタンス及び可能な限り低い抵抗を有することができるように、ダイの左右両側及びダイが提供されるパッケージ(もしあれば)のソースパッドを含む。実施形態は、ゲートパッドへの接続(ドライバデバイスの出力への接続など)が可能な限り低い漂遊インダクタンスを有するように、ダイの左側と右側の両方、及びダイが設けられるパッケージ(ある場合)のゲートパッドを含むこともできる。
【0028】
図4は、一実施形態によるドライバデバイス408に相当する回路を示す。ドライバデバイス408は、
図2のハイドライバ回路208H又はロードライバ回路208Lに含まれ得る。
【0029】
ドライバデバイス408は、第1のサブドライバ回路4081、第2のサブドライバ回路4082、第3のサブドライバ回路4083、及び第4のサブドライバ回路4084を含む。第1、第2、第3、及び第4のサブドライバ回路4081、4082、4083、及び4084はそれぞれ、第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4と、第1、第2、第3、及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3、及びKS4とを含む。第1、第2、第3、及び第4のサブドライバ回路4081、4082、4083、及び4084の入力はすべて、入力端子INに電気的に結合される。
【0030】
ドライバデバイス408及び含まれるサブドライバ回路のための電源接続は、明確さを保つため、示されていない。
【0031】
図5Aは、一実施形態による回路512の平面図を示す。回路512は、
図2に示すフルブリッジクラスD増幅器回路の出力段のハーフブリッジ204のハイレッグ212H又はローレッグ212Lで使用され得るが、実施形態はこれに限定されない。
【0032】
回路512は、一実施形態による、VMOSFETパワーデバイス510に結合された左及び右ドライバデバイス508A及び508Bを含む。左及び右ドライバデバイス508A及び508Bはそれぞれ、
図4のドライバデバイス408について示されたものに相当する電気回路を含むことができ、一緒になって、
図2のドライバ回路208H又はドライバ回路208Lに相当し得る。VMOSFETパワーデバイス510は、
図3のVMOSFETパワーデバイス310について示されたものに相当する電気回路を含むことができ、
図2のスイッチングデバイス210H又はスイッチングデバイス210Lに相当し得る。
【0033】
VMOSFETパワーデバイス510の第1、第2、第3、及び第4の左活性領域510-11、510-12、510-13、及び510-14にそれぞれ対応する第1、第2、第3、及び第4の左ゲートパッドG11、G12、G13、及びG14は、それぞれ、左ドライバデバイス508Aの第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4に(例えば、ボンドワイヤによって)接続される。VMOSFETパワーデバイス510の第1、第2、第3、及び第4の左活性領域510-11、510-12、510-13、及び510-14にそれぞれ対応する第1、第2、第3、及び第4の左ソースパッドS11、S12、S13、及びS14はそれぞれ、左ドライバデバイス508Aの第1、第2、第3、及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3、及びKS4に(例えば、ボンドワイヤによって)電気的に接続される。第1、第2、第3及び第4の左ソースパッドS11、S12、S13及びS14はまた、導電性材料(銅、アルミニウムなど)を備えるソースプレーン504に(例えば、左ソースパッドをそれぞれのケルビンソース接続に接続するために使用される以外のボンドワイヤによって)電気的に接続される。
【0034】
VMOSFETパワーデバイス510の第1、第2、第3、及び第4の右活性領域510-21、510-22、510-23、及び510-24にそれぞれ対応する第1、第2、第3、及び第4の右ゲートパッドG21、G22、G23、及びG24は、それぞれ、右ドライバデバイス508Bの第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4に(例えば、ボンドワイヤによって)接続される。VMOSFETパワーデバイス510の第1、第2、第3、及び第4の右活性領域510-21、510-22、510-23、及び510-24にそれぞれ対応する第1、第2、第3、及び第4の右ソースパッドS21、S22、S23、及びS24はそれぞれ、右ドライバデバイス508Bの第1、第2、第3、及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3、及びKS4に(例えば、ボンドワイヤによって)電気的に接続される。 第1、第2、第3、及び第4の左ソースパッドS11、S12、S13、及びS14も、ソースプレーン504に(例えば、右ソースパッドをそれぞれのケルビンソース接続に接続するために使用される以外のボンドワイヤによって)電気的に接続される。
【0035】
左及び右ドライバデバイス508A及び508Bのそれぞれについて、ケルビンソース接続KS1~KS4をVMOSFETパワーデバイス510の対応するソースパッドS11~S14及びS21~S24に接続するケルビンソース配線は、VMOSFETパワーデバイス510と左及び右ドライバデバイス508A及び508Bとの絶縁を提供する。そして、VMOSFETパワーデバイス510のゲート出力GO1~GO4とゲートパッドG11~G14及びG21~G24とケルビンソース配線との間の接続の近接は、VMOSFETパワーデバイス510のゲートの過電圧及び不足電圧の抑制を助ける差動モード低インピーダンス(即ち、低誘導)経路を形成する。VMOSFETパワーデバイス510のゲートは過電圧及び不足電圧に対して脆弱であるため、過電圧及び不足電圧の抑制は、VMOSFETパワーデバイス510の信頼性の大幅な向上につながる。VMOSFETパワーデバイス510のソースパッドS11~S14及びS21~S24を絶縁層502に配置されたソースプレーン504に接続するために太いボンドワイヤが使用され、VMOSFETパワーデバイス510のソースインダクタンス及び抵抗を低減する。分散ソースパッドS11~S14及びS21~S24は、パワー能力を改善するために、VMOSFETパワーデバイス510の全体的なソースインダクタンスをさらに低減する。
【0036】
VMOSFETパワーデバイス510の底部側(すなわち、ゲートパッド及びソースパッドが配置される側とは反対側のダイの側)のドレインの接続(図示せず)は、導電性材料を備えるドレインプレーン506に電気的に接続される。電源接続及び左右のドライバデバイス508A、508Bの入力端子への接続は、明瞭さを保つために図示されていない。
【0037】
左及び右ドライバデバイス508A及び508Bの各々のゲート出力GO1~GO4は、第1のピッチΦ1に従って垂直方向に間隔をあけて配置される。左及び右ドライバデバイス508A及び508Bの各々のケルビンソース接続KS1~KS4も又、第1のピッチΦ1に従って垂直方向に間隔を置いて配置され得る。
【0038】
VMOSFETパワーデバイス510の左ゲートパッドG11~G14は、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔を置いて配置される。右ゲートパッドG21~G24も、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔を置いて配置される。左ソースパッドS11~S14も、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔を置いて配置され得、右ソースパッドS21~S24も、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔を置いて配置され得る。
【0039】
第1のピッチΦ1は、第2のピッチΦ2と同じであるか、又は同様であり得る。例えば、一実施形態では、第1のピッチΦ1は、第2のピッチΦ2の10%以内であってもよい。別の実施形態では、第1のピッチΦ1に従って垂直方向に間隔をあけて配置されたN個のゲート出力を有するドライバデバイスの最上部のゲート出力と最下部のゲート出力との間の距離、すなわち(N-1)Φ1は、式1に示すように、第2のピッチΦ2のN-2倍以上であり、第2のピッチΦ2のN倍以下であってよい。
[式1]
このように配置することで、ドライバデバイス508A及び508B並びにVMOSFETパワーデバイス510は、すべてのゲート出力が対応するゲートパッドから第2のピッチΦ2の2分の1以下だけ垂直方向にずれるように配置され得る。より一般的には、ゲート出力と対応するゲートパッドとの間の最大許容垂直変位が、第2のピッチΦ2の分数kとして表され、kが0より大きい実施形態では、第1のピッチΦ1は式2を満たす。
[式2]
【0040】
第1のピッチΦ1が第2のピッチΦ2と同じであるか、又は近いので、左右のドライバデバイス508A及び508BのサブドライバをVMOSFETパワーデバイス510のそれぞれの活性領域に接続するボンドワイヤのそれぞれの長さの間のばらつきが低減され、それらのボンドワイヤのうち最も長いものの長さが低減され、それに応じて、寄生インダクタンスが低減され、及び/又はそれぞれの活性領域がより同様のものにされ得る。
【0041】
図5Bは、実施形態による
図5Aに示される回路512の断面を示す。
【0042】
左及び右ドライバデバイス508A及び508Bは、ソースプレーン504に実装され、VMOSFETパワーデバイス510は、ドレインプレーン506に実装される。ソースプレーン504及びドレインプレーン506は、電気絶縁層502を含む回路基板に配置される。図示の実施形態では、電気絶縁層502は、熱伝導率の高い酸化ベリリウム(BeO)(Insulating Substrate)を含むが、実施形態はこれに限定されない。
【0043】
図5Bに示されるように、実施形態では、VMOSFETパワーデバイス510のソースパッドをソースプレーン504に接続するボンドワイヤは、ソースパッドを左及び右ドライバデバイス508A及び508Bのケルビンソース接続に接続するために使用されるボンドワイヤよりも重くてもよい。別の実施形態では、ソースパッドはそれぞれ、複数のボンドワイヤを用いてソースプレーン504に接続されてもよい。
【0044】
電気絶縁層(Insulating Substrate)502は、高い電気伝導性及び熱伝導性を有するベースプレート(Base Plate)501に配置され得る。図示の実施形態では、ベースプレート501は銅(Cu)を含むが、実施形態はこれに限定されない。
【0045】
回路512は、以下のようにして、回路512の性能を低下させる可能性のある寄生特性(寄生インダクタンスなど)を低減する:
1. VMOSFETパワーデバイス510に複数のソースパッドS11~S14及びS21~S24を提供し、第1の複数のボンドワイヤを使用して、それらを、ソースプレーン504を備える近傍の仮想グランドに接続し、第2の複数のボンドワイヤを使用して、左右のドライバデバイス508A及び508Bの各々のケルビンソース接続KS1及びKS4に接続して、ソース接続の寄生インダクタンスを最小化する。
2. VMOSFETパワーデバイス510に複数のゲートパッドG11~G14及びG21~G24を提供し、それらを左右のドライバデバイス508A及び508Bのそれぞれのゲート出力GO1~GO4に接続して、ソース接続の寄生インダクタンスを最小化する。
3. VMOSFETパワーデバイス510の左側に左ソースパッドS11~S14及び左ゲートパッドG11~G14を配置し、VMOSFETパワーデバイス510の左側に隣接して配置された左ドライバデバイス508Aに接続すること、そして、VMOSFETパワーデバイス510の右側に右ソースパッドS21~S24と右ゲートパッドG21~G24を配置し、VMOSFETパワーデバイス510の右側に隣接して配置された右ドライバデバイス508Bに接続することで、ゲート及びソース接続の寄生インダクタンスを最小化し、VMOSFETパワーデバイス510内部の寄生インダクタンスを最小化する。
4. 左右のドライバデバイス508A、508BとVMOSFETパワーデバイス510のパッドピッチを一致させて寄生インダクタンスを低減し、寄生インダクタンス間のばらつきを低減してVMOSFETパワーデバイス510のセルがより安定して動作するようにする。
【0046】
これらの特徴の結果として、一実施形態では、回路512のゲート及びソースインダクタンスは、0.1ナノヘンリー(nH)未満であり得、回路512の動作周波数は、100MHzを超え得る。
【0047】
図6Aは、実施形態による回路612の平面図を示す。 回路612は、
図1に示されるフルブリッジクラスD増幅器回路の出力段の
図2に示されるハーフブリッジ204のハイレッグ212H又はローレッグ212Lに使用され得るが、実施形態はこれに限定されない。
【0048】
回路612は、実施形態による、第1及び第2のドライバデバイス608A及び608Bと、VMOSFETパワーデバイス610とを含む。回路612は、各々が導電性材料を備えるソースプレーン604及びドレインプレーン606をさらに含む。
【0049】
第1及び第2のドライバデバイス608A及び608Bは、それぞれ、
図4のドライバデバイス408について示されたものに相当する電気回路を含み得、一緒になって、
図2のドライバ回路208H又はドライバ回路208Lのいずれかに相当し得る。VMOSFETパワーデバイス610は、
図3のVMOSFETパワーデバイス310について示されたものに相当する電気回路を含み得、
図2のスイッチングデバイス210H又はスイッチングデバイス210Lに相当し得る。
【0050】
回路612は、以下の点で
図5Aの回路512とは異なる:
・第1及び第2のドライバデバイス608A及び608BをVMOSFETパワーデバイス610に接続するために、ボンドワイヤの代わりに、トレース及びビア(例えば、ポリイミドに成膜されたフォトリソグラフィ形成銅導体など)又はストリップラインが使用される。
・VMOSFETパワーデバイス610のゲート及びソースパッドは、VMOSFETパワーデバイス610の活性領域にかかるのではなく、VMOSFETパワーデバイス610の周辺に配置される。
【0051】
したがって、VMOSFETパワーデバイス610の第1、第2、第3、及び第4の左ゲートパッドG11、G12、G13、及びG14は、それぞれ、第1のドライバデバイス608Aの第1、第2、第3、及び第4のゲート出力GO1、GO2、GO3、及びGO4に(それぞれのトレース又はストリップラインによって)接続される。第1、第2、第3、及び第4の左ソースパッドS11、S12、S13、及びS14はそれぞれ、第1のドライバデバイス608Aの第1、第2、第3、及び第4のケルビンソース接続KS1、KS2、KS3、及びKS4に(それぞれのトレース又はストリップラインを通じて)電気的に接続され、(異なるそれぞれのトレース又はストリップラインによって)ソースプレーン604にも接続される。例として、回路612において、第4の左ソースパッドS14は、左ケルビン接続ストリップライン622Aによって第1のドライバデバイス608Aの第4のケルビンソース接続KS4に接続され、左ソース接続ストリップライン624Aによってソースプレーン604に接続される。
【0052】
対照的に、VMOSFETパワーデバイス610の第1、第2、第3、及び第4の右ゲートパッドG21、G22、G23、及びG24は、それぞれ、第2のドライバデバイス608Bの第4、第3、第2、及び第1のゲート出力GO4、GO3、GO2、及びGO1に(それぞれのトレース又はストリップラインによって)接続される。同様に、VMOSFETパワーデバイス610の第1、第2、第3、及び第4の右ソースパッドS21、S22、S23、及びS24はそれぞれ、(それぞれのトレース又はストリップラインによって)第2のドライバデバイス608Bの第4、第3、第2、及び第1のケルビンソース接続KS4、KS3、KS2、及びKS1、並びに(異なるそれぞれのトレース又はストリップラインによって)ソースプレーン604に電気的に接続される。例として、回路612において、第4の右ソースパッドS24は、右ケルビン接続ストリップライン622Bによって第2のドライバデバイス608Bの第1のケルビンソース接続KS1に接続され、右ソース接続ストリップライン624Bによってソースプレーン604に接続される。
【0053】
VMOSFETパワーデバイス610の底面のドレイン接続(図示せず)は、ドレインプレーン606に電気的に接続される。電源接続及び第1及び第2のドライバデバイス608A、608Bの入力端子への接続は、明瞭さを保つために図示されていない。
【0054】
第1及び第2のドライバデバイス608A及び608Bの各々のゲート出力GO1~GO4は、第1のピッチΦ1に従って垂直方向に間隔をあけて配置される。第1及び第2のドライバデバイス608A及び608Bの各々のケルビンソース接続KS0~KS4も、第1のピッチΦ1に従って垂直方向に間隔を置いて配置され得る。
【0055】
VMOSFETパワーデバイス610の左ゲートパッドG11~G14は、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔を置いて配置される。右ゲートパッドG21~G24も、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔をあけて配置される。左ソースパッドS11~S14も、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔を置いて配置され得、右ソースパッドS21~S24も、第2のピッチΦ2に従って垂直方向に間隔を置いて配置され得る。
【0056】
第1のピッチΦ1は、
図5Aに関して説明したように、第2のピッチΦ2に関連し得、それに応じて、
図5Aに関して説明したように、第1及び第2のドライバデバイス608A、608BとVMOSFETパワーデバイス610との間の接続の寄生インダクタンスの大きさ及びばらつきの有利な低減が実現され得る。
【0057】
図6Bは、一実施形態による、
図6Aに示されるVMOSFETパワーデバイス610に結合された第1及び第2のドライバデバイス608A及び608Bの断面を示す。
【0058】
第1及び第2のドライバデバイス608A及び608Bは、ソースプレーン604に取り付けられ、VMOSFETパワーデバイス610は、ドレインプレーン606に取り付けられる。ソースプレーン604及びドレインプレーン606は、回路基板の電気絶縁層602に配置される。図示の実施形態では、電気絶縁層602は、熱伝導率の高い酸化ベリリウム(BeO)を含むが、実施形態はこれに限定されない。
【0059】
電気絶縁層602は、高い電気伝導性及び熱伝導性を有するベースプレート601に配置され得る。図示の実施形態では、ベースプレート601は銅(Cu)を含むが、実施形態はこれに限定されない。
【0060】
図6Aに関して説明したように、第1及び第2のドライバデバイス608A及び608B、VMOSFETパワーデバイス610、並びにソースプレーン604を電気的に接続するために、ストリップライン又はトレース及びビアが形成され得る。ポリイミドなどの絶縁層(図示せず)がトレースを支持することができる。
【0061】
回路612は、以下のようにして、回路612の性能を低下させ得る寄生特性(寄生インダクタンスなど)を低減する:
1. VMOSFETパワーデバイス610のために複数のソースパッドS11~S14及びS21~S24を提供し、第1の複数の導体を用いてそれらをソースプレーン604を備える近傍の仮想グランドに接続し、第2の複数の導体を用いてそれらを左右のドライバデバイス608A及び608Bのうち最も近いもののケルビンソース接続KS1~KS4に接続して、ソース接続の寄生インダクタンスを最小化する。
2. VMOSFETパワーデバイス610に複数のゲートパッドG11~G14及びG21~G24を提供し、それらを左右のドライバデバイス608A及び608Bのうち最も近いもののそれぞれのゲート出力GO1~GO4に接続して、ゲート接続の寄生インダクタンスを最小化する。
3. VMOSFETパワーデバイス610の左側に左ソースパッドS11~S14と左ゲートパッドG11~G14を配置し、それらをVMOSFETパワーデバイス610の左側に隣接して配置された左ドライバデバイス608Aに接続し、そして、VMOSFETパワーデバイス610の右側に右ソースパッドS21~S24と右ゲートパッドG21~G24を配置し、それらをVMOSFETパワーデバイス610の右側に隣接して配置された右ドライバデバイス608Bに接続して、ゲートとソース接続の寄生インダクタンスを最小化し、VMOSFETパワーデバイス610の内部の寄生インダクタンスを最小化する。
4. 左右のドライバデバイス608A、608BとVMOSFETパワーデバイス610のパッドピッチを一致させて寄生インダクタンスを低減し、寄生インダクタンス間のばらつきを低減してVMOSFETパワーデバイス610のセルがより安定して動作するようにする。
【0062】
これらの特徴を使用することによって、実施形態では、
図5A及び
図5Bの回路512に関して説明した利点を達成することができる。
【0063】
図7Aは、一実施形態による、フルブリッジクラスD増幅器の出力段回路704を示す。出力段回路704は、
図1の第1及び第2のハーフブリッジ回路104A及び104Bにそれぞれ相当し得る第1及び第2のハーフブリッジ回路704A及び704Bを含む。
【0064】
出力段回路704は、それぞれがフルブリッジ増幅器の4つのレッグのうちの1つに対応する4つのマルチセルパワーデバイス:第1のパワーデバイス710U、第2のパワーデバイス710V、第3のパワーデバイス710X、及び第4のパワーデバイス710Yを備え得る。これらを総称してパワーデバイス710と呼び得る。マルチセルパワーデバイスは、各々がマルチセルパワーデバイスの動作に寄与し、各々が同一であってもよく、各々が同一の入力刺激を受け取ってもよく、マルチセルパワーデバイスの機能を提供するために各々が同一の方法で動作してもよい複数のセルを含む1つ以上の「タブ」を用いて作製されたパワーデバイスである。実施形態では、タブの各セルに提供される同一の入力刺激は、タブの異なるセルに異なる信号を用いて提供されてもよい。このアプローチは、クラスDパワー増幅器に比類のない冗長性と信頼性を提供し、クラスDパワー増幅器は、フラグ信号が制御システムに送信されるまで、第1~第4パワーデバイス710U~710Yの1つ又は複数のタブ(すなわち、セル)が故障した場合でも、満足のいく動作を継続することができる。
【0065】
図7Aの実施形態では、第1、第2、第3、及び第4のパワーデバイス710U、710V、710X、及び710Yの各々は、集積されたSiC-SBDを有するマルチセルSiC-VMOSFETであり、各デバイスのエンベロープ内にそれぞれ図示された2つのMOSFET及び関連するダイオードの各々は、
図3又は
図6に図示されたように、複数のMOSFET/ダイオードセルを表す。しかしながら、実施形態はこれに限定されない。
【0066】
第1、第2、第3、及び第4のパワーデバイス710U、710V、710X、及び710Yはそれぞれ、
図6のVMOSFETパワーデバイス610に対応し得る。
【0067】
したがって、第1のパワーデバイス710Uは、第1のパワーデバイス710Uの左半分に配置された第1の複数の活性領域を含み得る。第1の複数の活性領域の各活性領域はそれぞれ、第1のパワーデバイス710Uのセルを含み、ここで、第1のパワーデバイス710UがSiC-SBDを集積したマルチセルSiC-VMOSFETである場合、各セルは、SiC-VMOSFET及びSiC-SBDを含み得る。第1の複数の活性領域は、第1のパワーデバイス710Uの左半分に配置された第1の複数のそれぞれの制御端子コンタクト(ここでは、第1~第nの左ゲートパッド)と、第1のパワーデバイス710Uの左半分に配置された複数のそれぞれの第1の導電端子コンタクト(ここでは、第1~第mの左ソースパッド)とを有する。実施形態では、nは、第1の複数の活性領域の活性領域の数に等しく、mは、第1の複数の活性領域の活性領域の数に等しいか、又はそれよりも大きい。
【0068】
第1のパワーデバイス710Uは、第1のパワーデバイス710Uの右半分に配置された第2の複数の活性領域をさらに含み得る。第2の複数の活性領域の各活性領域はそれぞれ、第1のパワーデバイス710Uのセルを含み、ここで、第1のパワーデバイス710UがSiC-SBDを集積したマルチセルSiC-VMOSFETである場合、各セルは、SiC-VMOSFET及びSiC-SBDを含み得る。第2の複数の活性領域は、第1のパワーデバイス710Uの右半分に配置された第2の複数のそれぞれの制御端子コンタクト(ここでは、第1~第nの右ゲートパッド)と、第1のパワーデバイス710Uの右半分に配置された第2の複数のそれぞれの第1の導電端子コンタクト(ここでは、第1~第mの右ソースパッド)とを有する。
【0069】
その中に含まれるMOSFETのドレインに対応し得る、第1及び第2の複数の活性領域のそれぞれの第2の導電端子は、共通のドレインパッドDに結合される。
【0070】
第2、第3、及び第4のパワーデバイス710V、710X、及び710Yは、第1のパワーデバイス710Uについて説明したように構成され得る。
【0071】
出力段回路704は、4組のドライバデバイス:第1のパワーデバイス710Uに関連する左右の第1のドライバデバイス708UL及び708UR、第2のパワーデバイス710Vに関連する左右の第2のドライバデバイス708VL及び708VR、第3のパワーデバイス710Xに関連する左右の第3のドライバデバイス708XL及び708XR、並びに第4のパワーデバイス710Yに関連する左右の第4のドライバデバイス708YL及び708YRをさらに備え得る。これらを総称してドライバデバイス708と呼び得る。左ドライバデバイス708UL、708VL、708XL、及び708YLはそれぞれ、
図6Aの第1ドライバデバイス608Aに対応し得る。右ドライバデバイス708UR、708VR、708XR、及び708YRはそれぞれ、
図6Aの第2ドライバデバイス608Bに対応し得る。
【0072】
左右の第1のドライバデバイス708UL及び708UR、第1のパワーデバイス710U、左右の第3のドライバデバイス708XL及び708XR、並びに第3のパワーデバイス710Xは、第1のハーフブリッジ回路704Aに備えられる。左右の第2ドライバデバイス708VL、708VR、第2パワーデバイス710V、左右の第4ドライバデバイス708YL、708YR、第4パワーデバイス710Yは、第2ハーフブリッジ回路704Bに備えられる。
【0073】
ドライバデバイス708の各々は、入力信号INに共通に電気的に結合されたそれぞれの入力、複数のゲート出力GOに電気的に結合されたそれぞれの出力、及び複数のケルビンソース接続KSに電気的に結合されたそれぞれのケルビン接続を有する複数のサブドライバ回路を含む。一実施形態では、ドライバデバイス708の各々は、第1から第nのゲート出力GOと、第1から第mのケルビンソース接続KSとを備え、ここで、nは、パワーデバイス710の対応する1つの半分に配置されたゲートパッドの数であり、mは、パワーデバイス710の対応する1つの半分に配置されたソースパッドの数である。
【0074】
第1のハーフブリッジ回路704Aに関して、左第1のドライバデバイス708ULの第1~第nのゲート出力GOは、第1のパワーデバイス710Uの第1~第nの左ゲートパッドにそれぞれ電気的に結合され得、左第1のドライバデバイス708ULの第1~第mのケルビンソース接続KSは、第1のパワーデバイス710Uの第1~第mの左ソースパッドにそれぞれ電気的に結合され得る。
【0075】
一実施形態では、右第1のドライバデバイス708URは、第1のパワーデバイス710Uに同様に接続され得、右第1のドライバデバイス708URの第1~第nのゲート出力GOが、第1のパワーデバイス710Uの第1~第nの右ゲートパッドにそれぞれ電気的に結合され、右第1のドライバデバイス708ULの第1~第mのケルビンソース接続KSが、第1のパワーデバイス710Uの第1~第mの右ソースパッドにそれぞれ電気的に結合される。
【0076】
別の実施形態では、右第1のドライバデバイス708URは、第1のパワーデバイス710Uに逆接続され、右第1のドライバデバイス708URの第1~第nのゲート出力GOがそれぞれ、第1のパワーデバイス710Uの第n~第1の右ゲートパッドに電気的に結合され、右第1のドライバデバイス708ULの第1~第mのケルビンソース接続KSがそれぞれ、第1のパワーデバイス710Uの第m~第1の右ソースパッドに電気的に結合される。
【0077】
左右の第3のドライバデバイス708XL及び708XRは、左右の第1のドライバデバイス708UL及び708UR並びに第1のパワーデバイス710Uについて上述したように、第3のパワーデバイス710Xに電気的に結合され得る。
【0078】
第1のパワーデバイス710UのドレインパッドDは、電源V++に電気的に結合される。第1のパワーデバイス710Uの第1から第mの左ソースパッド及び第1から第mの右ソースパッドは、第1の増幅器出力Aに共通に結合される。
【0079】
第3のパワーデバイス710XのドレインパッドDは、第1の増幅器出力Aに電気的に結合され、第3のパワーデバイス710Xの第1から第mの左ソースパッド及び第1から第mの右ソースパッドは、パワーグランドPGNDに共通に結合される。
【0080】
第2のハーフブリッジ回路704Bに関して、左右の第2のドライバデバイス708VL及び708VRは、左右の第1のドライバデバイス708UL及び708UR並びに第1のパワーデバイス710Uについて上述した方法で第2のパワーデバイス710Vに電気的に結合され、そして、左右の第4のドライバデバイス708YL及び708YRは、第2のパワーデバイス710Vの第1から第mの左ソースパッド及び第1から第mの右ソースパッドが第2の増幅器出力Bに共通に結合されること及び第4のパワーデバイス710YのドレインパッドDが第2の増幅器出力Bに電気的に結合されることを除いて、左右の第3のドライバデバイス708XL及び708XR並びに第3のパワーデバイス710Xについて上述した方法で第4のパワーデバイス710Yに電気的に結合され得る。
【0081】
左右の第1のドライバデバイス708UL及び708URは、それぞれの入力INで第1の入力信号INUを受信する。左右の第2ドライバデバイス708VL及び708VRは、それぞれの入力INで第2入力信号INVを受信する。左右の第3ドライバデバイス708XL及び708XRは、それぞれの入力INで第3入力信号INXを受信する。左右の第4のドライバデバイス708YL及び708YRは、それぞれの入力INで第4の入力信号INYを受信する。
【0082】
第1、第2、第3、及び第4の入力信号INU、INV、INX、及びINYは、第1及び第4の入力信号INU及びINYが一緒にアサート及びデアサートされ、第2及び第3の入力信号INV及びINXが一緒にアサート及びデアサートされるように制御され得る。したがって、出力段回路704は、第1及び第4の入力信号INU及びINYがアサートされると、第1の増幅器出力Aに電流をソースし、第2の増幅器出力Bから電流をシンクし、第2及び第3の入力信号INV及びINXがアサートされると、第2の増幅器出力Bに電流をソースし、第1の増幅器出力Aから電流をシンクするように制御され得る。
【0083】
図7Bは、実施形態による出力段回路704の平面図を示す。
【0084】
左右の第1のドライバデバイス708UL及び708URは、それぞれ、第1のパワーデバイス710Uの左側及び右側に配置される。左第1のドライバデバイス708ULのゲート出力及びケルビンソース接続は、それぞれ、第1のパワーデバイス710Uの左側に配置された左ゲートパッド及び左ソースパッドにストリップラインによって電気的に接続される。右第1のドライバデバイス708ULのゲート出力及びケルビンソース接続は、第1のパワーデバイス710Uの右側に配置された右ゲートパッド及び右ソースパッドにそれぞれストリップラインによって接続される。
【0085】
左右の第2のドライバデバイス708VL及び708VRは、それぞれ、第2のパワーデバイス710Vの左側及び右側に配置され、上記の左右の第1のドライバデバイス708UL及び708URならびに第1のパワーデバイス710Uについて説明したように電気的に接続される。
【0086】
左右の第3のドライバデバイス708XL及び708XRは、それぞれ、第3のパワーデバイス710Xの左側及び右側に配置され、上記の左右の第1のドライバデバイス708UL及び708URならびに第1のパワーデバイス710Uについて説明したように電気的に接続される。
【0087】
左右の第4のドライバデバイス708YL及び708YRは、それぞれ、第4のパワーデバイス710Yの左側及び右側に配置され、上記の左右の第1のドライバデバイス708UL及び708URならびに第1のパワーデバイス710Uについて説明したように電気的に接続される。
【0088】
第1のパワーデバイス710Uの左ソースパッド及び右ソースパッドも、左ソースパッド及び右ソースパッドをそれぞれのケルビンソース接続に接続するために使用されない導体を使用して、導電性材料を含んだ第1の増幅器出力Aに対応する第1の出力パッドOUTAに電気的に接続される。第1のパワーデバイス710Uの底面のドレインパッドは、導電性材料を含む電源パッドV++に電気的に接続される。
【0089】
第2のパワーデバイス710Vの左ソースパッド及び右ソースパッドも、左ソースパッド及び右ソースパッドをそれぞれのケルビンソース接続に接続するために使用されない導体を使用して、導電性材料を含んだ第2の増幅器出力Bに対応する第2の出力パッドOUTBに電気的に接続される。第2のパワーデバイス710Vの底面のドレインパッドは、電源パッドV++に電気的に接続される。
【0090】
第3のパワーデバイス710Xの左ソースパッド及び右ソースパッドも、左ソースパッド及び右ソースパッドをそれぞれのケルビンソース接続に接続するために使用されない導体を使用して、導電性材料を備えるグランドパッドPGNDに電気的に接続される。第3のパワーデバイス710Xの底面のドレインパッドは、第1の出力パッドOUTAに電気的に接続されている。
【0091】
第4のパワーデバイス710Yの左ソースパッド及び右ソースパッドも、左ソースパッド及び右ソースパッドをそれぞれのケルビンソース接続に接続するために使用されない導体を使用して、グランドパッドPGNDに電気的に接続される。第4のパワーデバイス710Yの底面のドレインパッドは、第2の出力パッドOUTBに電気的に接続されている。
【0092】
また、
図7Bに、第1、第2、第3、及び第4のコントローラ回路712U、712V、712X、及び712Yが示される。第1~第4のコントローラ回路712U~712Yは、
図1のコントローラ回路102の機能の一部又はすべてを提供し得る。第1のコントローラ回路712Uは、左右の第1のドライバデバイス708UL及び708URを制御し、第2のコントローラ回路712Vは、左右の第2のドライバデバイス708VL及び708VRを制御し、第3のコントローラ回路712Xは、左右の第3のドライバデバイス708XL及び708XRを制御し、第4のコントローラ回路712Yは、左右の第4のドライバデバイス708YL及び708YRを制御する。コントローラ回路とドライバデバイスのそれぞれのペアとの間の接続は、
図7Bには示されていない。
【0093】
パワーデバイス710U~710Xが複数のセルを備えるマルチセルパワーデバイスであり、ドライバデバイス708UL~708YRが複数のセルの各々に異なるゲート出力信号GOを提供する実施形態では、第1~第4のコントローラ回路712U~712Yは、1つ又は複数のセルが不良であるか、又は不良になった場合であっても増幅器704が動作し続けるように、パワーデバイス710U~710X内の冗長性を利用するように構成され得る。例として、第1~第4のコントローラ回路712U~712Yは、複数のセルのうちの欠陥のあるセルを、そのセルに対応するゲート出力信号GOを使用して無効にするように構成され得る。
【0094】
入力信号INU、INV、INX、及びINYのための電気配線、又はドライバデバイス708のための電源は、明瞭さを保つために図示されていない。
【0095】
出力段回路704の4つのレッグの各々は、
図6A及び
図6Bに関して説明した回路612と同様に構成され、それに応じて、出力段回路704の4つのレッグの各々は、回路612に関して説明した利点を得る。
【0096】
示された実施形態では、フルブリッジクラスD増幅器のレッグはそれぞれ、パワーデバイス及びそれぞれ関連する複数のドライバデバイスを備え、パワーデバイスは、ワイヤボンド又はストリップラインを使用して、ゲート出力及びそれぞれの複数のデバイスドライバのケルビンソース接続に接続されたそれぞれのゲートパッド及びソースパッドを有する複数の活性領域をそれぞれ有する。しかし、実施形態はこれに限定されない。例えば、実施形態では、パワーデバイスのゲートパッド及びソースパッドは、ワイヤボンド、ストリップライン、プリント回路トレース、フリップチップ技術、シリコン貫通ビア、又はそれらの組み合わせを使用して、関連する複数のドライバデバイスの対応するゲート出力及びケルビンソースパッドに接続され得る。
【0097】
本明細書に開示される例示的な実施形態では、2つのドライバデバイスが、それらが接続される対応するスイッチングデバイスの反対側に隣接して配置されているが、実施形態はこれに限定されない。例えば、一実施形態では、2つのドライバデバイスは、互いに対向していない対応するスイッチングデバイスのそれぞれの側面に隣接して配置されてもよい。別の例として、一実施形態では、3つ以上のドライバデバイスが、対応するスイッチングデバイスのそれぞれの側面に隣接して配置され、それぞれが、それぞれの側面の近くのスイッチングデバイスに配置されたパッドに接続されてもよい。
【0098】
本開示の態様は、例示として提示される特定の実施形態と共に説明された。開示された実施形態に対する多数の代替、修正、及び変形が、特許請求の範囲から逸脱することなく行われ得る。本明細書で開示される実施形態は、限定を意図するものではない。
【0099】
特段の記載がない限り、要素が別の要素に結合又は接続されていると記載される場合、結合は電気的結合を意味し、接続は電気的接続を意味する。
【国際調査報告】