(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】カートリッジ識別等の製造コンポーネント識別の装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240905BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240905BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G06T7/00 300E
B05C5/00 101
B05C11/00
G06T7/00 350C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516604
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022075801
(87)【国際公開番号】W WO2023044246
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】クローウェル カトラー
(72)【発明者】
【氏名】ゴーマン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パジェット デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
5L096
【Fターム(参考)】
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F042AB00
4F042DH09
5L096AA06
5L096DA02
5L096FA67
5L096HA11
5L096JA03
5L096KA04
(57)【要約】
基材上に流体材料をディスペンスするためのディスペンシングシステムが、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサを備え、ジェットディスペンサは、それに動作可能に接続されたジェットカートリッジを有し、ジェットカートリッジは、ジェットディスペンサから流体材料を受け入れるように構成され、それを通って流体材料が基材に向けて吐出されるノズルを有する。ディスペンシングシステムは、更に、ジェットディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラと、メモリ及びプロセッサを有するコントローラと、を有する。プロセッサは、ジェットディスペンサのデジタル画像上において、ジェットディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、識別パターンをメモリに記憶された記憶パターンと比較し、識別パターンと記憶パターンとの間の類似度を計算し、記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する、ように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェットディスペンサ識別システムであって、
ジェットディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラと、
メモリ及びプロセッサを有するコントローラと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ジェットディスペンサの前記デジタル画像上において、前記ジェットディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、
前記識別パターンを、前記メモリに記憶された記憶パターンと比較し、
前記識別パターンと前記記憶パターンとの間の類似度を計算し、
前記記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する
ように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記識別値は、前記ジェットディスペンサに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、
前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する
ように構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する
ように更に構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、
前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する
ためのニューラルネットワークを実装するように構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する
ように前記ニューラルネットワークを実装するように更に構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと有線通信状態に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと無線通信状態に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
基材上に流体材料をディスペンスするためのディスペンシングシステムであって、
内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと、
請求項1に記載のジェットディスペンサ識別システムと、
を備え、
前記ジェットディスペンサは、それに動作可能に接続されたジェットカートリッジを有しており、
前記ジェットカートリッジは、前記流体材料を受け入れるように構成され、前記流体材料を吐出するように構成されたノズルを有する
ことを特徴とするディスペンシングシステム。
【請求項8】
記憶された複数のコンポーネントのリストから1つのコンポーネントを識別するようにニューラルネットワークを訓練する方法であって、
前記ニューラルネットワークは、コントローラのメモリに記憶され、前記コントローラ上のプロセッサによって動作可能であり、
当該方法は、
第1コンポーネントを前記コントローラと電子通信する入力デバイスに導入する工程であって、前記第1コンポーネントはその上に第1特徴を有する、工程と、
前記プロセッサを介して、前記第1コンポーネントに関連付けられた第1識別子を前記第1特徴に関連付ける工程と、
前記第1特徴の前記第1識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、
第2コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第2コンポーネントは第2特徴を有する、工程と、
前記プロセッサを介して、前記第2コンポーネントに関連付けられた第2識別子を前記第2特徴に関連付ける工程と、
前記第2特徴の前記第2識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記入力デバイスは、前記第1及び第2コンポーネントのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを有する
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1及び第2識別子は、前記第1及び第2コンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第3コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第3コンポーネントは第3特徴を有する、工程と、
前記第3コンポーネントの前記第3特徴を、前記第1コンポーネントの前記第1特徴及び前記第2コンポーネントの前記第2特徴と比較する工程と、
前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントのどちらが前記第3コンポーネントにより類似しているか、についての予測を前記プロセッサから受信する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記予測が正しいか否かを前記プロセッサに示す工程
を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ディスペンシングシステム内のジェットカートリッジを識別する方法であって、
前記ディスペンシングシステムは、前記ジェットカートリッジと、カメラと、プロセッサ及びメモリを有するコントローラと、を含んでおり、
当該方法は、
前記カメラを起動して前記ジェットカートリッジの画像を取得する工程と、
前記取得された画像上において視認可能な前記ジェットカートリッジ上の特徴のパターンを識別する工程と、
前記識別されたパターンを前記メモリ内の複数の記憶パターンと比較する工程と、
前記プロセッサを起動して前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する工程と、
前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つに関連付けられた識別子を表示する工程と、
を備え、
前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別されたパターンに最も類似しているものである
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記識別されたパターンと、前記複数の記憶パターンのうちの前記選択されたパターンと、の間の類似度の測定値を表示する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記識別子は、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記特徴のパターンは、バーコードを含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記比較する工程及び前記起動する工程は、更に、ニューラルネットワークを実装する工程を含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記識別子に関連付けられた精度値を表示する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
流体材料をディスペンスするための製造システムであって、
その中に流体材料を受け入れるように構成されたディスペンサと、
前記ディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラと、
メモリ及びプロセッサを有するコントローラと、
を備え、
前記ディスペンサは、それに動作可能に接続されたディスペンサコンポーネントを有しており、
前記ディスペンサコンポーネントは、前記ディスペンサから前記流体材料を受け入れるように構成され、前記流体材料を吐出するように構成されたノズルを有しており、
前記プロセッサは、
前記ディスペンサの前記デジタル画像上において、前記ディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、
前記識別パターンを、前記メモリに記憶された記憶パターンと比較し、
前記識別パターンと前記記憶パターンとの間の類似度を計算し、
前記記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する
ように構成されていることを特徴とする製造システム。
【請求項20】
前記識別値は、前記ディスペンサコンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の製造システム。
【請求項21】
前記プロセッサは、
前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、
前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する
ように構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する
ように更に構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである
ことを特徴とする請求項19に記載の製造システム。
【請求項22】
前記プロセッサは、
前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、
前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する
ためのニューラルネットワークを実装するように構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する
ように前記ニューラルネットワークを実装するように更に構成されており、
前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである
ことを特徴とする請求項19に記載の製造システム。
【請求項23】
記憶された複数のコンポーネントのリストから1つのコンポーネントを識別するようにニューラルネットワークを訓練する方法であって、
前記ニューラルネットワークは、コントローラのメモリに記憶され、前記コントローラ上のプロセッサによって動作可能であり、
当該方法は、
第1コンポーネントを前記コントローラと電子通信する入力デバイスに導入する工程であって、前記第1コンポーネントはその上に第1特徴を有する、工程と、
前記プロセッサを介して、前記第1コンポーネントに関連付けられた第1識別子を前記第1特徴に関連付ける工程と、
前記第1特徴の前記第1識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、
第2コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第2コンポーネントは第2特徴を有する、工程と、
前記プロセッサを介して、前記第2コンポーネントに関連付けられた第2識別子を前記第2特徴に関連付ける工程と、
前記第2特徴の前記第2識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記入力デバイスは、前記第1及び第2コンポーネントのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを有する
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1及び第2識別子は、前記第1及び第2コンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
第3コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第3コンポーネントは第3特徴を有する、工程と、
前記第3コンポーネントの前記第3特徴を、前記第1コンポーネントの前記第1特徴及び前記第2コンポーネントの前記第2特徴と比較する工程と、
前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントのどちらが前記第3コンポーネントにより類似しているか、についての予測を前記プロセッサから受信する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記予測が正しいか否かを前記プロセッサに示す工程
を更に備えたことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
製造システム内のディスペンサコンポーネントを識別する方法であって、
前記製造システムは、前記ディスペンサコンポーネントと、カメラと、プロセッサ及びメモリを有するコントローラと、を含んでおり、
当該方法は、
前記カメラを起動して前記ディスペンサコンポーネントの画像を取得する工程と、
前記取得された画像上において視認可能な前記ディスペンサコンポーネント上の特徴のパターンを識別する工程と、
前記識別されたパターンを前記メモリ内の複数の記憶パターンと比較する工程と、
前記プロセッサを起動して前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する工程と、
前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つに関連付けられた識別子を表示する工程と、
を備え、
前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別されたパターンに最も類似しているものである
ことを特徴とする方法。
【請求項29】
前記識別されたパターンと、前記複数の記憶パターンのうちの前記選択されたパターンと、の間の類似度の測定値を表示する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記識別子は、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記特徴のパターンは、バーコードを含む
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記比較する工程及び前記起動する工程は、更に、ニューラルネットワークを実装する工程を含む
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記識別子に関連付けられた精度値を表示する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体として、製造システムに関し、より詳細には、製造システムにおけるコンポーネント(部品)の識別に関する。更に、本開示は、全体として、流体ディスペンサに関し、より詳細には、流体ディスペンサ内のコンポーネントの識別に関する。更に詳細には、本開示は、全体として、流体ディスペンサに関し、更に詳細には、流体ディスペンサ内のカートリッジの識別に関する。
【背景技術】
【0002】
製造システムは、様々な機器、コンポーネント(部品)、及び/または、同様のもの、を伴う基材などの製品を、製造及び/または修正するために実装される。例えば、製造システムは、基材に粘性材料を塗布するために時々使用される非接触式の粘性材料ディスペンサを含み得る。非接触式の粘性材料ディスペンサは、製造ラインに実装される、カートリッジなどの、機器、コンポーネント(部品)、及び/または、同様のもの、を含み得る。製造ラインにおけるプロセス制御は、非常に重要である。例えば、カートリッジなどの非接触式の粘性材料ディスペンサの機器の僅かな変動を考慮して調整することが可能であれば、様々な異なる状況下での良好な部品の継続的な製造が許容される。この点に関して、所与の時点で使用されている特定の機器の情報を追跡することが有益である。この情報を追跡することにより、特定の機器の寿命を判断することが許容され、この情報を利用して、当該特定の機器が推奨使用量を超えた場合に、当該特定の機器を稼働(使用)から外すことが決定され得る。しかしながら、現在のところ、非接触式の粘性材料ディスペンサ等の製造システムの個々の機器を識別及び追跡する良好な方法が存在しない。
【0003】
従って、非接触式の粘性材料ディスペンサ等の製造システム内において使用される個々の機器を効率的に識別する機構及び方法のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
前述のニーズは、開示されているように、ジェットディスペンサなどのコンポーネントの様々な態様、及び、ディスペンシングシステムなどの製造システムの様々な態様、によって満たされる。本開示の一態様によれば、ジェットディスペンサ識別システムは、ジェットディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラと、メモリ及びプロセッサを有するコントローラと、を備える。前記プロセッサは、前記ジェットディスペンサの前記デジタル画像上において、前記ジェットディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、前記識別パターンを、前記メモリに記憶された記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記記憶パターンとの間の類似度を計算し、前記記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する、ように構成される。
【0005】
選択的に、前記識別値は、前記ジェットカートリッジに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0006】
選択的に、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算するように構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択するように更に構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものであり得る。
【0007】
選択的に、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算するためのニューラルネットワークを実装するように構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択するように前記ニューラルネットワークを実装するように更に構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものであり得る。
【0008】
選択的に、前記システムは、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと有線通信状態に構成され得る。あるいは、前記システムは、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと無線通信状態に構成され得る。
【0009】
別の一態様によれば、基材上に流体材料をディスペンスするためのディスペンシングシステムが、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと、を備え得る。前記ジェットディスペンサは、それに動作可能に接続されたジェットカートリッジを有し得る。前記ジェットカートリッジは、前記流体材料を受け入れるように構成され得て、前記流体材料を吐出するように構成されたノズルを有し得る。当該ディスペンシングシステムは、更に、ジェットディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラと、メモリ及びプロセッサを有するコントローラと、を有するジェットディスペンサ識別システムを備え得る。前記プロセッサは、前記ジェットディスペンサの前記デジタル画像上において、前記ジェットディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、前記識別パターンを、前記メモリに記憶された記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記記憶パターンとの間の類似度を計算し、前記記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する、ように構成される。
【0010】
本開示の別の一態様によれば、記憶された複数のコンポーネントのリストから1つのコンポーネントを識別するようにニューラルネットワークを訓練する方法が開示される。前記ニューラルネットワークは、コントローラのメモリに記憶され、前記コントローラ上のプロセッサによって動作可能である。当該方法は、第1コンポーネントを前記コントローラと電子通信する入力デバイスに導入する工程であって、前記第1コンポーネントはその上に第1特徴を有する工程と、前記プロセッサを介して、前記第1コンポーネントに関連付けられた第1識別子を前記第1特徴に関連付ける工程と、前記第1特徴の前記第1識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、第2コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第2コンポーネントは第2特徴を有する工程と、前記プロセッサを介して、前記第2コンポーネントに関連付けられた第2識別子を前記第2特徴に関連付ける工程と、前記第2特徴の前記第2識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、を備える。
【0011】
選択的に、前記入力デバイスは、前記第1及び第2コンポーネントのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを有し得る。
【0012】
選択的に、前記第1及び第2識別子は、前記第1及び第2コンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0013】
選択的に、当該方法は、第3コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第3コンポーネントは第3特徴を有する工程と、前記第3コンポーネントの前記第3特徴を、前記第1コンポーネントの前記第1特徴及び前記第2コンポーネントの前記第2特徴と比較する工程と、前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントのどちらが前記第3コンポーネントにより類似しているか、についての予測を前記プロセッサから受信する工程と、を備え得る。
【0014】
選択的に、当該方法は、前記予測が正しいか否かを前記プロセッサに示す工程を備え得る。
【0015】
別の一態様によれば、ディスペンシングシステム内のジェットカートリッジを識別する方法が開示される。前記ディスペンシングシステムは、前記ジェットカートリッジと、カメラと、プロセッサ及びメモリを有するコントローラと、を含んでいる。当該方法は、前記カメラを起動して前記ジェットカートリッジの画像を取得する工程と、前記取得された画像上において視認可能な前記ジェットカートリッジ上の特徴のパターンを識別する工程と、前記識別されたパターンを前記メモリ内の複数の記憶パターンと比較する工程と、前記プロセッサを起動して前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する工程と、前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つに関連付けられた識別子を表示する工程と、を備え、前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別されたパターンに最も類似しているものである。
【0016】
選択的に、当該方法は、前記識別されたパターンと、前記複数の記憶パターンのうちの前記選択されたパターンと、の間の類似度の測定値を表示する工程を備え得る。
【0017】
選択的に、前記識別子は、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0018】
選択的に、前記特徴のパターンは、バーコードを含み得る。
【0019】
選択的に、前記比較する工程及び前記起動する工程は、ニューラルネットワークを実装する工程を含み得る。
【0020】
選択的に、当該方法は、前記識別子に関連付けられた精度値を表示する工程を備え得る。
【0021】
本開示の別の一態様によれば、流体材料をディスペンスするための製造システムが、その中に流体材料を受け入れるように構成されたディスペンサを備える。当該ディスペンサは、それに動作可能に接続されたディスペンサコンポーネントを有し得て、前記ディスペンサコンポーネントは、前記ディスペンサから前記流体材料を受け入れるように構成され得て、前記流体材料をそれを通して吐出するように構成されたノズルを有し得る。当該製造システムは、更に、前記ディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラと、メモリ及びプロセッサを有するコントローラと、を備える。前記プロセッサは、前記ディスペンサの前記デジタル画像上において、前記ディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、前記識別パターンを、前記メモリに記憶された記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記記憶パターンとの間の類似度を計算し、前記記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する、ように構成される。
【0022】
選択的に、前記識別値は、前記ディスペンサコンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0023】
選択的に、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する、ように構成され得る。前記プロセッサは、更に、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択するように構成され得る。前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである。
【0024】
選択的に、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する、ためのニューラルネットワークを実装するように構成され得る。前記プロセッサは、更に、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する、ように前記ニューラルネットワークを実装するように構成され得る。前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである。
【0025】
本開示の更に別の一態様によれば、記憶された複数のコンポーネントのリストから1つのコンポーネントを識別するようにニューラルネットワークを訓練する方法が開示される。前記ニューラルネットワークは、コントローラのメモリに記憶され、前記コントローラ上のプロセッサによって動作可能である。当該方法は、第1コンポーネントを前記コントローラと電子通信する入力デバイスに導入する工程であって、前記第1コンポーネントはその上に第1特徴を有する工程と、前記プロセッサを介して、前記第1コンポーネントに関連付けられた第1識別子を前記第1特徴に関連付ける工程と、前記第1特徴の前記第1識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、第2コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第2コンポーネントは第2特徴を有する工程と、前記プロセッサを介して、前記第2コンポーネントに関連付けられた第2識別子を前記第2特徴に関連付ける工程と、前記第2特徴の前記第2識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程と、を備える。
【0026】
選択的に、前記入力デバイスは、前記第1及び第2コンポーネントのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを有し得る。
【0027】
選択的に、前記第1及び第2識別子は、前記第1及び第2コンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0028】
選択的に、当該方法は、第3コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第3コンポーネントは第3特徴を有する工程と、前記第3コンポーネントの前記第3特徴を、前記第1コンポーネントの前記第1特徴及び前記第2コンポーネントの前記第2特徴と比較する工程と、前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントのどちらが前記第3コンポーネントにより類似しているか、についての予測を前記プロセッサから受信する工程と、を備え得る。
【0029】
選択的に、当該方法は、前記予測が正しいか否かを前記プロセッサに示す工程を備え得る。
【0030】
本開示の更に別の一態様によれば、製造システム内のディスペンサコンポーネントを識別する方法が開示される。前記製造システムは、前記ディスペンサコンポーネントと、カメラと、プロセッサ及びメモリを有するコントローラと、を含んでいる。当該方法は、前記カメラを起動して前記ディスペンサコンポーネントの画像を取得する工程と、前記取得された画像上において視認可能な前記ディスペンサコンポーネント上の特徴のパターンを識別する工程と、前記識別されたパターンを前記メモリ内の複数の記憶パターンと比較する工程と、前記プロセッサを起動して前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する工程と、前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つに関連付けられた識別子を表示する工程と、を備え、前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別されたパターンに最も類似しているものである。
【0031】
選択的に、当該方法は、前記識別されたパターンと、前記複数の記憶パターンのうちの前記選択されたパターンと、の間の類似度の測定値を表示する工程を備え得る。
【0032】
選択的に、前記識別子は、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0033】
選択的に、前記特徴のパターンは、バーコードを含み得る。
【0034】
選択的に、前記比較する工程及び前記起動する工程は、ニューラルネットワークを実装する工程を含み得る。
【0035】
選択的に、当該方法は、前記識別子に関連付けられた精度値を表示する工程を備え得る。
【0036】
本願は、添付の図面と併せて読まれる時に更に理解される。主題を説明する目的で、主題の例示的な態様が図面に示されている。もっとも、本願で開示される主題は、開示される特定の方法、装置及びシステムに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本開示の一態様によるディスペンシングシステムの側面図である。
【0038】
【0039】
【
図3】
図3は、本開示の一態様によるジェットカートリッジの斜視図である。
【0040】
【0041】
【
図5】
図5は、
図3のジェットカートリッジの一部の斜視図である。
【0042】
【
図6】
図6は、本開示の一態様によるジェットディスペンサの一部の断面図である。
【0043】
【
図7A】
図7Aは、本開示の一態様によるジェットカートリッジの一部の底面図の画像である。
【0044】
【
図7B】
図7Bは、本開示の一態様による別のジェットカートリッジの一部の底面図の画像である。
【0045】
【
図7C】
図7Cは、本開示の一態様による更に別のジェットカートリッジの一部の底面図の画像である。
【0046】
【
図8】
図8は、本開示の一態様によるディスペンシングシステムの概略図である。
【0047】
【
図9】
図9は、本開示の一態様による学習モジュールの概略図である。
【0048】
【
図10】
図10は、本開示の一態様による動作モジュールの概略図である。
【0049】
【0050】
【0051】
【
図13】
図13は、本開示の一態様による訓練プロセスのフローチャートである。
【0052】
【
図14】
図14は、本開示の一態様による動作プロセスのフローチャートである。
【0053】
次に、本開示の態様が、図面を参照して詳細に説明される。ここで、他に特定されない限り、同様の参照番号は全体を通して同様の要素を指している。
【発明を実施するための形態】
【0054】
カートリッジなどの製造システムのコンポーネントは、当該コンポーネント上において、ノズルの面などの視認可能な特徴を有し得る。例えば、視認可能な特徴は、機械の跡(マーク)、他の僅かな欠陥、及び/または、それらと同様のもの、を含み得る。それらは、それらが属するカートリッジなどのコンポーネントを正確に認識及び識別(特定)するために、ニューラルネットワークによって使用され得る。特に、ディープニューラルネットワーク及び画像認識を使用すると、ノズルがクリーンであるか汚れているか、を判定できることが見出された。更に、適切な照明や倍率等を使用することで、カートリッジのノズルなどの各コンポーネントの表面上の僅かな変化が視認可能になり得る、ということが認識された。例えば、機械の跡(マーク)、明るさの変化、僅かな欠陥、などの僅かな変化である。更に、これらの僅かな変化は、使用されているカートリッジなどの正確なコンポーネントを識別するようにディープニューラルネットワークを教示するために使用され得る。それらは、コンポーネントの指紋、コンポーネントの顔認識、等であり得る。ルックアップカメラがインストールされている機械の場合、これは、カートリッジの使用などのコンポーネントの使用を、識別する、追跡する、及び/または、同様の動作をする、ための効果的な方法であり得る。これは、ユーザにとって明確な利点となり得る。更に、開示されるシステムは、ノズル面上などのコンポーネント内の新たな物理的欠陥を識別するためにも、潜在的に使用され得る。例えば、ノズルの欠け、カートリッジ面の損傷、などの物理的欠陥である。
【0055】
本開示の態様は、全体として製造システムに関し、より具体的には、製造システムにおけるコンポーネントの識別に関する。例えば、本開示は、全体として流体ディスペンサに関する。非接触式の粘性材料ディスペンサが、基材上に粘性材料を塗布するために使用され得る。例えば、非接触式の粘性材料ディスペンサが、微量の粘性材料、すなわち、50センチポアズを超える粘度を有する材料を、基材上に塗布するために使用され得る。本明細書で使用される場合、「非接触式」とは、ディスペンシングプロセス中にジェットディスペンサ(噴射ディスペンサ)が基材に接触しないことを意味する。例えば、非接触式のジェットディスペンサが、プリント回路基板などの電子基板上に様々な粘性材料を塗布するために使用され得る。電子基板に適用される粘性材料は、限定ではなく例示として、汎用接着剤、はんだペースト、はんだフラックス、はんだマスク、サーマルグリース、リッドシーラント、オイル、封止剤、ポッティングコンパウンド、エポキシ、ダイアタッチ液、シリコーン、室温加硫(RTV)材料、シアノアクリレート、及び/または、他の適切な材料、を含み得る。
【0056】
半導体パッケージアセンブリでは、アンダーフィル、ボールグリッドアレイのはんだボール補強、ダムアンドフィル操作、チップ封入、チップスケールパッケージのアンダーフィル、キャビティフィルディスペンシング、ダイアタッチディスペンシング、リッドシールディスペンシング、ノーフローアンダーフィル、フラックスジェッティング、サーマルコンパウンドのディスペンシング、などの用途に使用される。表面実装技術(SMT)やプリント基板(PCB)製造等のために、表面実装接着剤、はんだペースト、導電性接着剤、はんだマスク材料、及び/または、同様のものが、選択的フラックス噴射だけでなく、非接触式のディスペンサから、ディスペンス(分配)され得る。
【0057】
ジェットディスペンサは、当該ディスペンサの出口オリフィスから粘性材料の液滴を噴射させながらシャフトやタペット等をシート(着座部)に向かって繰り返し移動させるための、空気圧アクチュエータまたは電気アクチュエータを含み得る。電気的に起動されるジェットディスペンサは、より具体的には、圧電アクチュエータを使用し得る。バルブシートに接触するバルブ閉鎖構造を使用して流体を正確に噴射することは、ノズルの出口から流体材料のドットを効果的に噴射するために、所定のストローク(変位)及び速度を使用してシャフトがバルブシートとの接触にもたらされることを要求し得る。変位曲線と速度曲線とが、集合的に、運動プロファイルを形成する。
【0058】
ジェットディスペンサは、一般に、バルブ部材でバルブシートに急速に衝撃を与えて、区別できる高圧パルスを生成することにより、少量の流体材料を基材にディスペンスするように動作し得る。当該高圧パルスが、当該ディスペンサのノズルから、流体材料の少量または液滴を噴射する。それは、ノズルから空気中を飛行し、流体材料が塗布されるべき表面または基材に衝突する。
【0059】
バルブ部材及びノズルは、そのようなジェットディスペンサと共に使用されるように設計されたジェットカートリッジ内に収容され得る。カートリッジは、特定の比率及び公差に合わせて製造され得る。カートリッジは、異なる材料を含み得て、異なるツール及びプロセスを使用して製造され得る。このように、ジェットディスペンサと互換的に使用され得て、様々な区別を有し得る、様々なタイプのカートリッジが存在する。
【0060】
本開示は、全体として製造システムに関し、より具体的には、製造システムにおけるコンポーネントの識別に関する。もっとも、簡潔のため、本開示は、流体ディスペンサに関連して説明され、より具体的には、流体ディスペンサ内のカートリッジの識別に関連して説明される。しかしながら、本開示の態様は、多くの他のアプリケーション、実装などに適用可能であり得る。
【0061】
図1及び
図2を参照して、本開示の一実施形態によるジェットディスペンサ10を有するディスペンシングシステム90が示されている。ジェットディスペンサ10は、アクチュエータ12と、アクチュエータ12に動作可能に結合されたジェットカートリッジ14と、流体供給管16を介してジェットカートリッジ14に流体材料を供給するように適合された流体リザーバ15と、を含み得る。流体材料は、エポキシ、シリコーン、温度依存性粘度を有する他の接着剤、などの様々な感熱性流体材料を含み得る。
【0062】
ジェットディスペンサ10は、基板(基材)11に向かって流体材料を吐出するように構成され得る。流体材料は、様々な態様及び/またはパターンで吐出され得る。例えば、流体材料は、注ぐ、滴下する、強制的に押すまたは噴射する、等がなされ得る。幾つかの態様では、流体材料は、ジェットディスペンサ10から強制的に射出され(すなわち「噴射され」)得て、このシナリオでは、流体材料の液滴が、基板11と接触する前に、ジェットディスペンサ10から離脱する。従って、噴射タイプのディスペンサでは、吐出される液滴は、ジェットディスペンサ10と基板11との間で「飛行中」であり、ジェットディスペンサ10と基板11との間の距離の少なくとも一部においてジェットディスペンサ10にも基板11にも接触していない。他のタイプの用途では、液滴が基板11に向かって移動される間、区分的(離散的)に噴射される材料の液滴は、(例えば、細い材料のストランドを介して)ジェットディスペンサ10に接続されたままの状態であり得る。更なる態様では、後続の液滴の各々が、先行する及び/または後続する液滴に接続され得る。このような噴射ディスペンサの実施形態は、アンダーフィル材料、封入材料、表面実装接着剤、はんだペースト、導電性接着剤、はんだマスク材料、フラックス、サーマルコンパウンド、等を含むがこれらに限定されない流体材料をディスペンスするために使用され得る。
【0063】
ジェットディスペンサ10は、流体材料が当該ジェットディスペンサ10内にある間に当該流体材料に熱を提供するように構成された加熱要素18を更に含み得る。加熱要素18は、電子ヒータ、ラジエータヒータ、対流ヒータ、などのヒータ及び/または加熱コイルを含み得る。加熱要素18の少なくとも一部は、ジェットカートリッジ14の少なくとも一部が当該加熱要素18と接触するように、ジェットカートリッジ14に隣接して配置され得る。加熱要素18は、動作中に流体材料の最適な温度及び粘度を維持するために、制御可能な電源19によって電力供給され得る。
【0064】
使用中、アクチュエータ12は、ジェットカートリッジ14内のバルブ部材(不図示)を作動させて、流体材料がジェットディスペンサ10から基材11に向かってディスペンスされることを許容する、ように動作可能である。幾つかの態様では、アクチュエータ12は、バルブ部材を移動させて、流体材料がそれを通ってジェットディスペンサ10から流出し得るジェットカートリッジ14を通る通路を開放する、ように構成され得る。流体材料は、当該流体材料に作用する、重力、流体圧、空気圧、機械的圧力、などによって流れ得る。幾つかの態様では、流体材料は、ジェットカートリッジ14から基材11上に強制的に射出される、噴出される、等がなされ得る。このような態様では、アクチュエータ12は、バルブ部材をジェットカートリッジ14内の流体材料に向かって及びそれを通過するように移動させ、ジェットカートリッジ14内の流体材料の少なくとも一部に接触してこれをジェットカートリッジ14から基材11に向かって強制的に押す、ように構成されている。
【0065】
図3乃至
図6を参照して、例示的なジェットカートリッジ14が示されている。他のジェットカートリッジもジェットディスペンサ10と共に使用され得ることが、理解されるであろう。ジェットカートリッジ14は、ジェットディスペンサ10に取り外し可能に固定され得て、ジェットディスペンサ10から解放可能かつ取り外し可能であり得る。幾つかの態様では、ジェットディスペンサ10は、異なるタイプのジェットカートリッジ14及び/または複数の同一タイプのジェットカートリッジ14を選択的に受け入れてそれらと協働するように構成され得る。
【0066】
ジェットカートリッジ14は、外側カートリッジ本体20と、当該外側カートリッジ本体20内または当該外側カートリッジ本体20上に受容されるように構成されたフローインサート(不図示)と、を含み得る。外側カートリッジ本体20及びフローインサートは、例えば303ステンレス鋼などの、任意の適切な耐熱材料で形成され得る。ジェットカートリッジ14は、流体入口24を含み得て、当該流体入口24を通って流体材料がジェットカートリッジ14内に受け入れられるように構成される。ジェットカートリッジ14は、流体出口26を更に含み得て、当該流体出口26を通って流体材料がジェットカートリッジ14から例えば基板11に向かって吐出され得る。流体通路は、流体入口24と流体出口26との間のジェットカートリッジ14内に画定され得る。ジェットカートリッジ14が複数の流体通路を含み得ることが、理解されるであろう。流体通路は、様々な異なる形状を含み得て、本開示は、特定の流体通路の形状または方向に限定されない。例えば、流体通路は、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。流体通路は、第1部分22と、第1部分22から角度をなしてオフセットされた第2部分28と、を含み得る。流体通路は、ジェットカートリッジ14の周囲に、例えばディスペンシング軸A(
図3に示す)周りに、周方向に延在し得る。幾つかの態様では、流体通路は、螺旋形状を含み得て、ディスペンシング軸Aに沿って螺旋状に延在し得る。
【0067】
流体チャンバ31が、流体入口24と流体出口26との間のジェットカートリッジ14内に画定され得る。流体チャンバ31は、流体入口24から流体材料を受け入れるように構成され得る。流体チャンバ31は、流体通路と流体連通状態であり得る。幾つかの態様では、流体通路が流体チャンバ31を含み得る。
【0068】
ジェットカートリッジ14は、流体材料が当該ジェットカートリッジ14から吐出される時に通過するように構成されたノズル40を含み得る。ノズル40は、外側カートリッジ本体20及びフローインサートのうちの少なくとも一方の上部に、内部に、または、それに隣接して、配置され得る。ノズルは、ノズル本体42と、ノズル本体42から延びるノズル先端44と、を含み得る。幾つかの態様では、ノズル本体42の少なくとも一部が、ジェットカートリッジ14内に配置され得て、ノズル先端44の少なくとも一部が、ジェットカートリッジ14の外部に配置され得る。
【0069】
幾つかの態様では、ジェットカートリッジ14は、その上部またはその内部にノズル40を受け入れるように構成されたノズルハブ34を含み得る。ノズルハブ34は、ジェットカートリッジ14に、例えば外側カートリッジ本体20に、固定され得る。ノズル本体42は、ノズルハブ34内に配置され得て、ノズル先端44は、ノズルハブ34の外部に延在し得る。
【0070】
流体出口26は、ノズル40上部に、または、ノズル40を通るように、画定され得る。動作中、アクチュエータ12は、流体チャンバ31内で流体チャンバ31を通ってノズル40に向かうバルブ部材32の動きを起動させ得る。このような動きの間、バルブ部材32は、流体チャンバ31内の流体材料と接触し得て、その少なくとも一部をノズル40に向かって押し出し得て、流体出口26を通って押し出し得る。
【0071】
外側カートリッジ本体20は、表面50を画定し得て、当該表面50の少なくとも一部は、ディスペンシング軸Aに直交し得る(
図3参照)。外側カートリッジ本体20は、当該外側カートリッジ本体20の遠位端に遠位面52を画定し得る。遠位面52の少なくとも一部が、ディスペンシング軸Aに対して直交し得る。ノズルハブ34は、その上に画定された複数の表面36を含み得て、当該複数の表面36の各々の少なくとも一部が、ディスペンシング軸Aに対して直交し得る。
図5を参照して、ノズル40は、1または複数の表面46を画定し得て、当該1または複数の表面46の各々の少なくとも一部が、ディスペンシングAに対して直交し得る。当該1または複数の表面46は、ノズル本体42上に、ノズル先端44上に、または、ノズル本体42とノズル先端44との両方の上に、配置され得る。
【0072】
ジェットディスペンサ識別システム92(
図8参照)が、オンライン識別またはオフライン識別のために、ジェットディスペンサ10(または別のジェットディスペンサ)を観察するために利用され得る。ジェットディスペンサ10の1または複数の特性が、ジェットディスペンサ識別システム92によって検出及び/または測定され得る。幾つかの実施形態では、ジェットディスペンサ識別システム92は、ジェットディスペンサ10に物理的に接続され得て、または、ジェットディスペンサ10に無線で接続され得る。幾つかの態様では、ジェットディスペンサ識別システム92は、ジェットディスペンサ10の動作中にジェットディスペンサ10から情報を受信し得る。代替的に、ジェットディスペンサ識別システム92は、ジェットディスペンサ10の動作前または動作後に情報を受信するように構成され得る。ジェットディスペンサ識別システム92は、複数のジェットディスペンサ10または他の適切な複数のジェットディスペンサから情報を受信するように構成され得る。
【0073】
カメラ30が、ジェットディスペンサ10を観察するために使用され得る(
図1参照)。カメラ30は、ジェットディスペンサ10に取り付けられ得るし、ジェットディスペンサ10から物理的に分離されていてもよい。カメラ30は、ジェットディスペンサ10及び/または基材11の少なくとも一部の画像及び/またはビデオ(動画)を光学的に捕捉するように向けられ得る。カメラ30は、カメラ方向Bに沿って向けられ得る(
図1参照)。カメラ方向Bは、ディスペンシング軸Aに対して平行であり得る。カメラ30は、当該カメラ30が捕捉可能な視野領域を画定する適切な視野角を有し得ることが、理解されよう。カメラ方向Bは、視野領域内のカメラ30からの任意の方向を含み得る。更に、カメラ30は、1または複数の軸に沿って当該カメラ30を所定位置に移動させたり、1または複数の軸の周りで当該カメラ30を回転させたり、等するように構成された支持構造を有し得る。支持構造は、カメラ30及び動作位置等を配置(アレンジ)するための、様々なモータ、コントローラ、ガントリ、キャリッジ、等を含み得る。ジェットディスペンサ識別システム92が、カメラ30を含み得る。
【0074】
カメラ30は、ジェットディスペンサ10の動作前、動作中、及び/または、動作後、に視覚データを光学的に捕捉及び/または記録するように構成され得る。カメラ30は、1または複数の別個のカメラを含み得る。カメラ30は、電荷結合素子(CCD)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ、裏面照射型CMOS、等を含み得る。カメラ30によって捕捉される画像は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)ファイルフォーマット、TIFF(Tag Image File Format)ファイルフォーマット、RAW特徴フォーマット、等を含む様々なフォーマットに変換されて記憶され得る。カメラ30は、レンズ、光学系、照明コンポーネントなど、並びに、それらを制御するためのコントローラ、を含み得る。カメラ30は、当該カメラ30の方向の少なくとも一部がディスペンシング軸Aと平行になるように、ジェットディスペンサ10に向けられ得る。カメラ30は、ジェットカートリッジ14を視覚的に視認(観察)するように構成され得る。幾つかの態様では、カメラ30は、外側カートリッジ本体20、ノズルハブ34、ノズル40、等を視認(観察)するように構成され得る。
【0075】
カメラ30は、カメラ30の視野角がディスペンシング軸Aに実質的に平行な(すなわち、カメラ方向Bに沿った)部分を含むようにジェットディスペンサ10を観察するように配置され得る。すなわち、カメラ30によって観察及び/または記録される画像及び/またはビデオは、ディスペンシング軸Aに平行な方向で捕捉され得る。カメラ30は、前述のジェットカートリッジ14の1または複数の表面、例えば、外側カートリッジ本体20の1または複数の表面50、外側カートリッジ本体20の1または複数の遠位面52、ノズルハブ34の1または複数の表面36、ノズル40の1または複数の表面46、並びに/または、ジェットカートリッジ14及び/若しくはジェットディスペンサ10の残部の他の表面など、を視認し得る。
【0076】
ジェットカートリッジ14は、カメラ30によって観察され得る特徴を、その上に含み得る。当該特徴は、ジェットカートリッジ14内に、あるいは、ジェットカートリッジ14上に、配置され得る。この特徴は、ジェットカートリッジ14の製造中の機械加工プロセスによって生じた跡(マーキング)、使用中にジェットカートリッジ14に生じた損傷、ジェットカートリッジ14上の汚れまたは材料の蓄積、などを含み得る。様々な態様において、当該特徴は、ジェットカートリッジ14の表面、表面の一部、構造、構造の一部などの、形状、輪郭、アウトライン、テクスチャ、変化、連続性、不連続性、隆起部分、凹部分、平坦部分、湾曲部分、等であり得る。当該特徴は、カメラ30によって視覚的に識別可能な任意の他の属性を含み得ることが、理解されよう。ジェットカートリッジ14は、複数の特徴を有し得て、当該複数の特徴は、前述と同一の特徴または異なる特徴の組み合わせを含み得る。
図7A乃至
図7Cは、ジェットカートリッジ14上の複数の例示的な特徴60を示す。
【0077】
図7A乃至
図7Cは、カメラ30によって捕捉される例示的なジェットカートリッジ14の一部の画像を示す。
図7A乃至
図7Cの画像は、ディスペンシング軸Aに直交する平面で示されている。
【0078】
各ジェットカートリッジ14は、1または複数の特徴60の特定の量、タイプ及び/または配置を含み得る。従って、各ジェットカートリッジ14は、カメラ30によって視覚的に識別可能及び/または認識可能であるパターン114を有し得る。各パターン114は、ジェットカートリッジ14の様々な表面上の1または複数の特徴60の特定の配置を含み得る。幾つかの態様では、各ジェットカートリッジ14は、1または複数の特徴60の固有の、または実質的に固有の、パターン114を有し得る。従って、各ジェットカートリッジ14は、他のジェットカートリッジ14と区別され得る。
【0079】
あるジェットカートリッジ14は、他のジェットカートリッジ14よりも一部のジェットカートリッジ14に近いパターン114を有し得る。第1の製造プロセスによって製造される幾つかのジェットカートリッジ14は、互いに非常に類似したパターン114を有し得るが、第2の異なる製造プロセスによって製造される他のジェットカートリッジ14と比較して非常に異なるパターン114を有し得る。パターン114の相違は、製造によって引き起こされる特徴60の違い、例えば、異なる材料の使用、異なる材料の組み合わせの使用、異なる製造ツールの使用、異なる製造制約及び公差の使用、異なる製造手順の使用、などによって引き起こされる特徴60の相違、に依存し得る。
【0080】
従って、第1の製造プロセスによって製造されたジェットカートリッジ14は、第2の製造プロセスによって製造されたジェットカートリッジ14と、区別され得る。このような区別は、カメラ30を使用して異なるジェットカートリッジ14間の特徴60のパターン114を比較することによって、判定され得る。これは、ジェットカートリッジの使用を識別(特定)して追跡する効果的な方法であり得る。これは、ユーザが、カートリッジの使用期間を監視及び追跡してジェットカートリッジが取り外される、交換される、清掃される、等が行われるべき時を決定することを許容し得る。このような識別はまた、使用中に現れるジェットカートリッジ14の、特にはノズル40上の、物理的欠陥を識別するためにも使用され得る。幾つかの態様では、この識別が、使用前に望ましくない物理的欠陥、例えばノズルの欠けやカートリッジ面の損傷など、を識別するために使用され得て、これにより、ユーザは、欠陥のあるジェットカートリッジ14を交換することができる。
【0081】
前記の識別は、異なるタイプのジェットカートリッジ14間を区別するために使用され得る。特徴60のパターン114の識別が、新しいジェットカートリッジ14と以前使用されたジェットカートリッジ14とを区別するために使用され得る。このような識別は、ジェットカートリッジ14が修理、交換、清掃等される必要がある時をユーザが判定するのに、役立ち得る。この識別は、異なるタイプのジェットディスペンサ10、異なるディスペンスされる流体材料、及び/または、異なる基材、と共に利用されるように設計された様々なジェットカートリッジ14間を区別するために使用され得る。このような識別は、適切なジェットカートリッジ14がジェットディスペンサ10内で利用されているか否かをユーザが判定するのに、役立ち得る。当該識別は、前述されたような異なる製造プロセスによって製造されるジェットカートリッジ14間を区別するために使用され得る。このような識別は、使用されているジェットカートリッジ14が正規の機器製造業者からの適切な部品(または許容される代替品)であるか、あるいはその代わりに、ジェットカートリッジ14があまり望ましくない、または望ましくない複製品または偽造品であるか、をユーザが判定するのに、役立ち得る。
【0082】
使用されているジェットカートリッジ14を識別するために、ユーザは、例えばカメラ方向Bに沿ってジェットカートリッジ14を見ることができ、ジェットカートリッジ14上に存在する特徴60のパターンを識別することができる。ユーザは、ジェットカートリッジ14を肉眼で見ることができるし、光学装置の助けを借りてみることもできる。幾つかの態様では、ユーザは、カメラ30を通してジェットカートリッジ14を見ることができる。
【0083】
前述の識別は、カメラ30と動作可能な通信状態にあるコントローラ100によって実行され得る。
図8を参照して、例示的なシステム90が図示されている。システム90は、ジェットディスペンサ10を含み得る。システム90は、カメラ30及びコントローラ100を含み得る。カメラ30は、当該カメラ30に動作可能に接続された電源110から電力を受け取るように構成され得る。電源110は、バッテリ、燃料電池、ソーラーパネル、壁コンセント、等を含み得る。カメラ30は、電源110から直接的に、あるいは、コントローラ100を介して、電力を受け取ることができる。幾つかの態様では、ジェットディスペンサ識別システム92は、コントローラ100及び/または電源110を含み得る。システム90は、ジェットディスペンサ10とは別個のジェットディスペンサ識別システム92を含み得る(
図8参照)。幾つかの態様では、ジェットディスペンサ識別システム92は、ジェットディスペンサ10、異なるジェットディスペンサ、または、異なるジェットディスペンサ10と他の適切なジェットディスペンサとの組み合わせ、に動作可能に接続され得て、それらと共に利用され得る。
【0084】
コントローラ100は、従来のサーバコンピュータ、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、ネットワーク機器、携帯情報端末(PDA)、デジタル携帯電話、及び/または、他の適切なコンピューティングデバイス、などのコンピューティングデバイスを含み得るか、または、その上またはその内部に配置され得る。コントローラ100は、プロセッサ102、メモリ104、ユーザインターフェース112、等を含み得る。メモリ104は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、または、デジタル情報を記憶可能な任意の他のデバイス、を含むがこれらに限定されない、単一のメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスであり得る。メモリ104はまた、ハードドライブ、光学ドライブ、テープドライブ、不揮発性ソリッドステートデバイス、または、デジタル情報を記憶可能な任意の他のデバイス、などの大容量記憶デバイス(図示せず)を含み得る。
【0085】
プロセッサ102は、メモリ104内に常駐するオペレーティングシステムの制御下で動作し得る。プロセッサ102は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、ステートマシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/または、メモリ104に記憶された動作命令に基づいて信号(アナログまたはデジタル)を操作する任意の他のデバイス、から選択される1または複数のデバイスを含み得る。
【0086】
ユーザインターフェース112は、システムオペレータがコントローラ100と対話(相互作用)することを許容するように、コントローラ100に通信可能に接続され得る。ユーザインターフェース112は、1または複数の入力/出力デバイスを含み得る。ユーザインターフェース112は、ビデオモニタ、英数字ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、及び、システムオペレータに情報を提供可能な任意の他の適切な聴覚及び/または視覚インジケータ、を含み得る。ユーザインターフェース112は、英数字キーボード、ポインティングデバイス、キーパッド、押しボタン、制御ノブ、マイクロホン、等のような、オペレータからのコマンドまたは入力を受け入れることができる1または複数の入力デバイスを含み得る。このようにして、ユーザインターフェース112は、例えば、セットアップ中、較正中、検査中、及び/または、清掃中に、システム機能の手動始動を可能にし得る。
【0087】
プロセッサ102は、カメラ30の動作を制御するように構成され得る。プロセッサ102は、ジェットカートリッジ14の識別の仕方をプロセッサ102に「教示する」または訓練するために使用されるように構成された学習モジュール106を含み得る。プロセッサ102は、ジェットディスペンサ10の動作中に学習モジュール106からの「学習された」情報を利用してジェットカートリッジ14を識別し得る動作モジュール108を含み得る。
【0088】
幾つかの態様では、コントローラ100及び/またはプロセッサ102は、学習モジュール106を実装しない場合もある。この態様では、教示または訓練機能の実装は、別個のコンピュータシステムで実現され得て、プロセッサ102は、動作モジュール108の機能を利用し得る。幾つかの態様では、この別個のコンピュータシステムは、システム90の機能のうちの任意の1または複数を含み、それは、システム90の訓練実装であり得る。
【0089】
学習モジュール106は、様々なジェットカートリッジ14の画像を識別し、当該識別された画像をジェットカートリッジ14のタイプと関連付けるように、システム90を訓練または教示するために使用され得る。
図9を参照して、学習モジュール106は、画像識別モジュール120及び画像関連付けモジュール122を含み得る。画像識別モジュール120は、ジェットディスペンサ10上のジェットカートリッジ14の1つの画像、複数の画像、1つのビデオ、及び/または、複数のビデオ、等を取得するようにカメラ30に送信される指令(命令)を含み得る。画像識別モジュール120は、取得された1つの画像、1つのビデオ、複数の画像、複数のビデオ等の上の1または複数の特徴60をデジタル的に識別し得て、特徴60のパターンを識別し得る。次に、画像関連付けモジュール122は、識別された特徴パターン60を、検査された特定のジェットカートリッジ14と関連付け得る。関連付けは、名前、タイプ、シリアル番号、番号、製造ロット番号、及び/または、ジェットカートリッジ14の他の製品識別子、に関してなされ得る。製品識別子は、ユーザによってユーザインターフェース112を介してコントローラ100に入力され得る、あるいは、コントローラ100のメモリ104内のソフトウェアに事前プログラムされ得る。画像関連付けモジュール122によって行われる関連付けは、メモリ104に記憶され得る。幾つかの態様では、同一の製品識別子の複数のジェットカートリッジ14が、学習モジュール106を教示するために使用され得る。従って、学習モジュール106は、単一のタイプのジェットカートリッジ14について、特徴60について異なる識別パターンの複数の関連付けを生成し得る。同一の識別タイプのジェットカートリッジ14の特徴60の複数のパターンは、一緒に記憶され得て、一緒に平均化され得て、あるいは、他の態様で組み合わされ得て、観察された同一タイプの複数のジェットカートリッジ14の各々の特徴パターンの各々に類似する単一の特徴パターン60を生成し得る。同様の学習プロセスが、異なるタイプのジェットカートリッジ14の関連付けを生成するために利用され得る。
【0090】
システム90が前述のように「訓練」された後、システム90は、記憶された訓練データに基づいてジェットカートリッジ14を識別するように使用され得る。
図10を参照して、システム90の使用中、プロセッサの動作モジュール108がジェットカートリッジ14を識別するために利用され得る。動作モジュール108は、画像識別モジュール130、比較モジュール132、及び、予測モジュール136、を含み得る。画像識別モジュール130は、ジェットカートリッジ14のカメラ30から1または複数の画像及び/またはビデオを受信するように構成され得る。各画像は、1つのジェットカートリッジ14または複数のジェットカートリッジ14の1セットに固有であり得る特定のパターンに配置された1または複数の特徴60を含み得る。比較モジュール132は、それぞれのパターンの識別された特徴60を、学習モジュール106による教示段階中に記憶されたメモリ104内の記憶された特徴60及びパターンと比較し得る。比較モジュール132は、特徴60の最もよく一致するパターンと、当該最もよく一致するパターンに関連付けられたジェットカートリッジ識別子と、を識別し得る。次いで、予測モジュール136は、例えばユーザインターフェース112を介して、観察されたジェットカートリッジ14が最もよく一致するパターンの識別された関連ジェットカートリッジと同一(タイプ)である可能性が高いことを、ユーザに示し得る。比較モジュール132及び予測モジュール136は、予測の精度の測定値をユーザに提供し得る。当該精度の測定値は、識別されたパターンが最もよく一致するパターンにどの程度類似しているか、に基づき得る。類似度が高いほど、精度の表示は高くなり得る。
【0091】
図11を参照して、例示的な学習モジュール106が、それぞれ図示されている。例えば前述されたような学習プロセス中に、第1ジェットカートリッジ14Aがカメラ30によって観察され得る。カメラ30は、第1ジェットカートリッジ14Aの1または複数の画像を生成する。各画像は、カメラ30によって観察される時に特定の第1パターン114Aに配置された1または複数の特徴60を含み得る。生成された画像は、コントローラ100に電子的に送信され得て、そこで当該画像はメモリ104に保存され得る。次に、第1パターン114Aは、名前、タイプ、製造ロット番号、等の第1ジェットカートリッジ14Aの識別子に関連付けられ得る。当該関連付けは、メモリ104に保存され得る。前術のプロセスは、任意の所望の反復回数だけ繰り返され得る。例えば、第2ジェットカートリッジ14Bが、カメラ30によって観察されるように位置決めされ得る。カメラ30は、第2ジェットカートリッジ14Bの画像を生成し得て、当該画像は、特定の第2パターン114Bに配置された1または複数の特徴60を有する。第2パターン114Bは、第2ジェットカートリッジ14Bの識別子に関連付けられ得て、当該関連付けはメモリ104に保存され得る。第1ジェットカートリッジ14A及び第2ジェットカートリッジ14Bは、同一の識別子に関連付けられ得る(すなわち、同一タイプのジェットカートリッジ14であり得る)。あるいは、第1ジェットカートリッジ14Aは、第2ジェットカートリッジ14Bとは異なり得て、第2ジェットカートリッジ14Bとは異なるカートリッジ識別子に関連付けられ得る。システム90は、任意の適切な数の異なるジェットカートリッジ14A、14B、・・・、14nを識別する及び関連づけるように訓練され得て、当該訓練及び教示は、異なるジェットカートリッジ14A、14B、・・・、14nの各々の任意の適切な反復回数を利用し得る。
【0092】
図12を参照して、動作モジュール108を使用する例示的なプロセスが図示されている。カメラ30は、ジェットカートリッジ14を観察するように向けられ得る。カメラ30は、ジェットカートリッジ14の画像を撮影し得る。当該画像は、特定のパターン114に配置された1または複数の特徴60を含み得る。パターン114を有する画像は、コントローラ100に送信され得て、メモリ104に記憶され得る。プロセッサ102は、当該パターン114を、学習モジュール106による教示プロセス中に記憶されたメモリ104内の記憶されたパターンのうちの1または複数と比較し得る。比較モジュール132は、パターン114の特徴60のパラメータを、記憶されたパターン、例えば第1パターン114A及び/または第2パターン114B、と比較し得る。比較可能なパラメータは、1または複数の特徴60のタイプ、サイズ、数量、色、形状、向き、及び/または、他の特性、を含み得る。比較可能なパラメータは、複数の特徴60の相対的な位置(位置関係)を含み得る。比較可能なパラメータは、ジェットカートリッジ14上、特にはノズル40上、の1または複数の特徴60の位置を含み得る。予測モジュール136は、識別されたパターン114に最も近い記憶されたパターン114を選択し得る。記憶されたパターン114の各々が特定のジェットカートリッジ14に関連付けられているため、予測モジュール136は、選択された最もよく一致するパターン114の関連付けられたジェットカートリッジを識別し得る。
【0093】
幾つかの態様では、プロセッサ102は、パターン114が(それと)最もよく一致する記憶されたパターンとどの程度類似しているか、をユーザに示すように構成され得る。プロセッサ102は、観察されたジェットカートリッジ14のパターン114と(それと)最もよく一致するパターン114との間の類似度の数値パーセンテージを提供し得る。2つのパターン114がより類似しているほど、パーセンテージはより高くなる。例えば、システム90が第1ジェットカートリッジ14Aに関連するデータを識別して記憶していて、動作中に当該システム90が第1ジェットカートリッジ14Aを再度観察する場合、当該システム90は、高い確証度のパーセンテージで、観察されたジェットカートリッジを第1ジェットカートリッジ14Aとして正確に識別し得る。理想的な環境では、完全な一致は、100%の一致に帰結するであろう。しかしながら、システム90内またはシステム90の周囲の製造公差、照明、カメラの特徴(機能)、他のハードウェア、ソフトウェア、及び、他のコンポーネントが、識別プロセスと干渉し得て、識別の精度が正確ではないことがあり得る、ということが理解されるべきであろう。
【0094】
学習モジュール106は、プロセッサ102が観察されたパターン114に基づいてジェットカートリッジ14を識別して照合する際の精度を向上することを許容するための機械学習コンポーネントを含み得る。システム90の教示は、プロセッサ102をより良く訓練するためのユーザ支援のガイダンスを含み得る。
図13を参照すると、例示的な訓練プロセス200が図示されている。
図13に示されて以下に説明される訓練プロセス200は、本明細書に説明される任意の1または複数の他の特徴、コンポーネント、配置、及び/または、同様のものを含み得る。訓練プロセス200の態様は、本明細書で説明される態様と整合する異なる順序で実行され得る。更に、訓練プロセス200は、本明細書に開示される様々な態様と整合するより多くのまたはより少ないプロセスを有するように修正され得る。
【0095】
ステップ202において、識別のために製品がシステム90内に導入され得る。製品は、ジェットカートリッジ14を含み得る。カメラ30は、本願を通じて説明されるように、ジェットカートリッジ14及びその上の特徴60の1または複数の画像を生成するように構成され得る。ジェットカートリッジ14は、第1ジェットカートリッジ14Aであり得る。ジェットカートリッジの数値的な識別が、本願を通じて実施形態及びプロセスの相対的な記述のために使用されるが、特定のジェットカートリッジに限定するという意図はない、ということが理解されるであろう。プロセッサ102は、第1ジェットカートリッジ14Aの特徴60の第1パターン114Aを記憶し得る。ステップ204中に、プロセッサ102は、特徴60の識別されたパターン114を第1ジェットカートリッジ14Aの識別子と関連付け得る。当該識別子は、ユーザによって入力され得るし、あるいは、コントローラ100に事前プログラムされ得る。
【0096】
ステップ206において、第1製品とは異なる第2製品が導入される。第2製品は、第2ジェットカートリッジ14Bであり得る。ステップ208において、システム90は、第2ジェットカートリッジ14Bのカメラ30からの画像を受信し得て、特徴60の識別された第2パターン114Bを第2ジェットカートリッジ14Bの識別子と関連付け得る。プロセス200のこの時点で、システム90は、少なくとも第1ジェットカートリッジ14Aと第2ジェットカートリッジ14Bとを識別するように訓練される。
【0097】
ステップ210において、カメラ30がその画像を識別して生成するように構成されるように、第3製品がシステム90に導入され得る。第3製品は、第1ジェットカートリッジ14A、第2ジェットカートリッジ14B、または、別のジェットカートリッジ14、であり得る。プロセッサ102は、第3製品の特徴60及び当該特徴60のパターン114を識別する。
【0098】
ステップ212において、プロセッサ102は、前述のように動作モジュール108を使用して、第3製品を識別してそれを(それと)最もよく一致する記憶された製品と照合する、ということを試みることができる。プロセッサ102は、最もよく一致するパターン114に関連付けられた製品識別子が当該第3製品に対応する可能性が高い、という予測をユーザに提供し得る。プロセッサ102はまた、前述のように、第3製品のパターン114が(それと)最もよく一致するパターン114にどの程度近いか、の指標をユーザに提供する精度測定値を提供し得る。精度測定値は、第3製品のパターン114と(それと)最もよく一致するパターン114との間の類似度のパーセンテージであり得る。
【0099】
ステップ214において、ユーザは、予測が正しいか否か、をシステム90に示す。予測モジュール136が第3製品を適切に識別した場合、ユーザは(例えばユーザインタフェース112を介して)その旨を指示し、プロセス200はステップ216に進む。ステップ216において、プロセッサ102は、第3製品のパターンを適切に識別された製品(例えば、第1製品または第2製品)と関連付け、その関連付けをメモリ104に記憶する。関連付けが正しくない場合、ユーザはその旨を示し、プロセス200はステップ218に進む。ステップ218において、プロセッサ102は、ステップ212で行われたものとは異なる関連付けを予測し得る。プロセス200は、ステップ218からステップ212に戻り、適切な関連付けを識別することを再び試みることができる。
【0100】
図14は、訓練されたシステム90を利用して製品を識別する例示的なプロセス300を図示している。識別の対象の製品は、例えば本願を通じて説明されるような、ジェットカートリッジ14であり得る。
図14に示されて以下に説明されるプロセス300は、本明細書に説明される任意の1または複数の他の特徴、コンポーネント、配置、及び/または、同様のものを含み得る。プロセス300の態様は、本明細書で説明される態様と整合する異なる順序で実行され得る。更に、プロセス300は、本明細書に開示される様々な態様と整合するより多くのまたはより少ないプロセスを有するように修正され得る。
【0101】
ステップ302において、システム90は、ジェットカートリッジ14を観察するように構成され得る。当該観察は、カメラ30によって行われ得る。カメラ30は、ジェットカートリッジ14の1または複数の画像を取得し得て、取得された画像をコントローラ100に送信し得る。
【0102】
ステップ304において、システム90は、取得された1または複数の画像上の1または複数の特徴60を識別し得る。システム90は、特徴60のパターン114を検出し得る。
【0103】
ステップ306において、システム90は、識別されたパターン114を、教示プロセス200または同様のプロセス中にメモリ104に保存された1または複数のパターン(例えば、パターン114A、114B、・・・、114n)と比較し得る。
【0104】
ステップ308において、システム90は、前述の比較を使用して、識別されたパターン114に最も近いパターンを有する保存された画像を識別し得る。システム90は、パターンの特徴を比較して、最も近い一致を識別し得る。当該比較は、特徴60、具体的には、特徴のタイプ、サイズ、数量、色、形状、向き等、並びに、複数の特徴60の相対的な位置、及び/または、取得された画像上の1または複数の特徴60の位置、を調べることができる。
【0105】
ステップ310において、システム90は、パターン114及びその特徴60と、メモリ104からの最もよく一致するパターンと、の間の類似度を計算し得る。ステップ312において、計算された類似度がユーザに表示され得る。当該類似度は、パーセンテージとして表され得る。当該パーセンテージは、最もよく一致するパターンが取得されたパターンにどの程度近いか、をユーザに示し得る。類似度が高いほど、精度パーセンテージは高くなり得る。例えば、パターン114がメモリ104内の最もよく一致するパターンと正確に(完全に)同一である場合、精度パーセンテージは100%であり得る(あるいは、製造公差、光学的区別、誤差、等を考慮する場合は、100%より僅かに小さい)。ユーザは、示された精度パーセンテージがシステム90の識別を信頼するのに十分に高いか否か、を判断し得る。
【0106】
ユーザは、精度のために、様々な受容可能な閾値範囲を頼りにできる。例えば、精度が90%~100%の間である場合、ユーザは、予測が正しい可能性が高い、と確信できる。一方、精度が30%未満である場合、ユーザは、予測の精度について不確かであり得る。精度測定値は、ユーザがジェットカートリッジ14の磨耗を判断するのにも役立ち得る。例えば、特定のジェットカートリッジ14が新品である時点で保存されたデータポイントと90%一致するものとして識別される場合において、設定された使用期間の後、同一のジェットカートリッジ14が、以前と同じ保存されたデータポイントに80%一致するものとして識別される場合、精度の変化は、使用中の時間経過に伴うパターン114の変化を示している可能性がある。例えば、ジェットカートリッジ14は、使用中に、より多くのまたは異なる特徴60を受け入れることができ、及び/または、既存の特徴60が使用中に変更され得る。このような観察は、特定のコンポーネントがどの程度早く摩耗するか、及び、いつ当該コンポーネントを交換または清掃するべきか、のユーザの判断能力を促進し得る。
【0107】
前述の範囲は例示的なものであり、本明細書に記載されるいずれかの実施形態の適用を限定することは意図されていない、ということを理解されたい。
【0108】
前述のように、コンポーネントを識別するためにシステム90を利用する利点は、偽造品の識別を含み得る。幾つかの態様では、偽造品は、オリジナル製造業者製品(相手先商標製品)(OEM)である製品と比較して、異なる特徴60を含み得て、及び/または、異なる特徴60のパターン114を含み得る。OEM製品(または他の意図された製品)と偽造品とを区別する能力を向上させるために、OEM製品は、オリジナルの(または他の態様で承認された)部品であることを示す1または複数の特徴60を含むように製造され得る。例えば、OEMジェットカートリッジ14は、OEMジェットカートリッジ14にのみ含まれて偽造ジェットカートリッジには含まれない保護特徴をその上に含み得る。保護特徴は、本明細書で説明される特徴60のいずれか1つを含み得る。保護特徴は、OEM部品の製造者、及び/または、ジェットディスペンサ10及び/またはシステム90のユーザに知られている必要がある。従って、本出願全体に亘って説明される識別プロセス中において、システム90は、特徴60を検出する工程中に保護特徴を検出するように構成され得る。保護特徴が存在する場合、プロセッサ102は、当該保護特徴を備えた製品がOEM製品(または他の態様で受容可能な製品)であることをユーザに示し得る。保護特徴が検出されない場合、プロセッサ102は、製品が偽造品であり得ることをユーザに示し得る。
【0109】
保護特徴は、前述の特徴60のいずれかを含み得る。幾つかの態様では、保護特徴は、一連の特定の形状、数字、文字、記号等を含み得る。幾つかの態様では、保護特徴は、バーコードリーダ(不図示)によって読み取り可能なバーコードを含み得る。幾つかの態様では、バーコードリーダは、システム90内の別個のコンポーネントであり得る。他の態様では、バーコード読み取り機能は、カメラ30内またはコントローラ100のソフトウェア内に組み込まれ得る。
【0110】
システム90は、学習モジュール106、動作モジュール108、訓練プロセス200、プロセス300等を含み得るが、幾つかの態様では、ニューロンのネットワーク、ニューロンの回路、人工ニューラルネットワーク、人工ニューロン、人工ノード等を含み得るニューラルネットワークとして実装され得る。システム90は、興奮性結合や抑制性結合などを反映し得る、重みを用いてモデル化され得る結合を伴う複数のニューロンを含み得る。システム90は、重みによって修正され得て合計され得る複数の入力を受信し得る。それは、線形結合であり得る。当該入力は、1または複数の画像、製品識別子、等を含み得る。システム90は、前述のように、訓練プロセス200、プロセス300、等と整合する出力を生成し得る。特に、システム90は、ステップ310、ステップ312等と整合する出力を生成し得る。
【0111】
システム90は、学習モジュール106、動作モジュール108、訓練プロセス200、プロセス300等を含み得るが、それが本明細書に記載される画像に関連する時、経験から得られる自己学習を利用して、本明細書に記載されるようなデータセットを介して訓練され得る。システム90は、画像認識、画像分析、等のための情報処理パラダイムを実装し得る。システム90は、人工ニューラルネットワーク(ANN)、シミュレートされたニューラルネットワーク(SNN)、等の人工ニューロンを実装し得る。それらは、人口ニューロンの相当接続群であり得て、学習モジュール106、動作モジュール108等における実装のための計算についてのコネクショニスティックアプローチに基づく情報処理のために、数学的モデル、計算モデル、等を使用する。特に、システム90は、学習モジュール106、動作モジュール108等における実装のためのパターン認識、視覚化等のための、パターン認識、パターン検出、等を含む分類(化)を実装し得る。
【0112】
以下は、本開示の態様の多くの非限定的な実施例である。
【0113】
一実施例が提供するジェットディスペンサ識別システムは、ジェットディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを備える。当該ジェットディスペンサ識別システムは、更に、メモリ及びプロセッサを有するコントローラを備える。前記プロセッサは、前記ジェットディスペンサの前記デジタル画像上において、前記ジェットディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、前記識別パターンを、前記メモリに記憶された記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記記憶パターンとの間の類似度を計算し、前記記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する、ように構成される。
【0114】
前述の実施例は、以下の実施例の任意の1つ、または、2以上の組合せ、を更に含み得る。前述の実施例のシステムにおいて、前記識別値は、前記ジェットディスペンサカートリッジに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。前述の実施例のシステムにおいて、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算するように構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択するように更に構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものであり得る。前述の実施例のシステムにおいて、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算するためのニューラルネットワークを実装するように構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択するように前記ニューラルネットワークを実装するように更に構成され得て、前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものであり得る。前述の実施例のシステムにおいて、当該システムは、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと有線通信状態に構成され得る。前述の実施例のシステムにおいて、当該システムは、内部に流体材料を受け入れるように構成されたジェットディスペンサと無線通信状態に構成され得る。前述の実施例のディスペンシングシステム。
【0115】
一実施例の方法は、第1コンポーネントを前記コントローラと電子通信する入力デバイスに導入する工程であって、前記第1コンポーネントはその上に第1特徴を有する工程を備える。当該方法は、更に、前記プロセッサを介して、前記第1コンポーネントに関連付けられた第1識別子を前記第1特徴に関連付ける工程を備える。当該方法は、更に、前記第1特徴の前記第1識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程を備える。当該方法は、更に、第2コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第2コンポーネントは第2特徴を有する工程を備える。当該方法は、更に、前記プロセッサを介して、前記第2コンポーネントに関連付けられた第2識別子を前記第2特徴に関連付ける工程を備える。当該方法は、更に、前記第2特徴の前記第2識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程を備える。
【0116】
前述の実施例は、以下の実施例の任意の1つ、または、2以上の組合せ、を更に含み得る。前述の実施例の方法において、前記入力デバイスは、前記第1及び第2コンポーネントのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを有し得る。前述の実施例の方法において、前記第1及び第2識別子は、前記第1及び第2コンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、第3コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第3コンポーネントは第3特徴を有する工程と、前記第3コンポーネントの前記第3特徴を、前記第1コンポーネントの前記第1特徴及び前記第2コンポーネントの前記第2特徴と比較する工程と、前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントのどちらが前記第3コンポーネントにより類似しているか、についての予測を前記プロセッサから受信する工程と、を備え得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、前記予測が正しいか否かを前記プロセッサに示す工程を備え得る。
【0117】
一実施例の方法は、前記カメラを起動して前記ジェットカートリッジの画像を取得する工程を備える。当該方法は、更に、前記取得された画像上において視認可能な前記ジェットカートリッジ上の特徴のパターンを識別する工程を備える。当該方法は、更に、前記識別されたパターンを前記メモリ内の複数の記憶パターンと比較する工程を備える。当該方法は、更に、前記プロセッサを起動して前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する工程を備える。前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別されたパターンに最も類似しているものである。当該方法は、更に、前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つに関連付けられた識別子を表示する工程を備える。
【0118】
前述の実施例は、以下の実施例の任意の1つ、または、2以上の組合せ、を更に含み得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、前記識別されたパターンと、前記複数の記憶パターンのうちの前記選択されたパターンと、の間の類似度の測定値を表示する工程を備え得る。前述の実施例の方法において、前記識別子は、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。前述の実施例の方法において、前記特徴のパターンは、バーコードを含み得る。前述の実施例の方法において、前記比較する工程及び前記起動する工程は、ニューラルネットワークを実装する工程を更に含み得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、前記識別子に関連付けられた精度値を表示する工程を備え得る。
【0119】
一実施例の製造システムは、その中に流体材料を受け入れるように構成されたディスペンサを備え、当該ディスペンサは、それに動作可能に接続されたディスペンサコンポーネントを有し、当該ディスペンサコンポーネントは、前記ディスペンサから前記流体材料を受け入れるように構成され、前記流体材料を吐出するように構成されたノズルを有する。当該製造システムは、更に、前記ディスペンサのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを備える。当該製造システムは、更に、メモリ及びプロセッサを有するコントローラを備える。前記プロセッサは、前記ディスペンサの前記デジタル画像上において、前記ディスペンサ上に存在する特徴の識別パターンを識別し、前記識別パターンを、前記メモリに記憶された記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記記憶パターンとの間の類似度を計算し、前記記憶パターンに関連付けられた識別値を提供する、ように構成される。
【0120】
前述の実施例は、以下の実施例の任意の1つ、または、2以上の組合せ、を更に含み得る。前述の実施例の製造システムにおいて、前記識別値は、前記ディスペンサコンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。前述の実施例の製造システムにおいて、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する、ように構成され得る。前記プロセッサは、更に、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択するように構成され得る。前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである。前述の実施例の製造システムにおいて、前記プロセッサは、前記識別パターンを複数の記憶パターンと比較し、前記識別パターンと前記複数の記憶パターンの各々との間の類似度を計算する、ためのニューラルネットワークを実装するように構成され得る。前記プロセッサは、更に、前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する、ように前記ニューラルネットワークを実装するように構成され得る。前記複数の記憶パターンのうちの前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別パターンに最も類似しているものである。
【0121】
一実施例の方法は、第1コンポーネントを前記コントローラと電子通信する入力デバイスに導入する工程を備える。当該方法は、更に、前記第1コンポーネントはその上に第1特徴を有する工程を備える。当該方法は、更に、前記プロセッサを介して、前記第1コンポーネントに関連付けられた第1識別子を前記第1特徴に関連付ける工程を備える。当該方法は、更に、前記第1特徴の前記第1識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程を備える。当該方法は、更に、第2コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第2コンポーネントは第2特徴を有する工程を備える。当該方法は、更に、前記プロセッサを介して、前記第2コンポーネントに関連付けられた第2識別子を前記第2特徴に関連付ける工程を備える。当該方法は、更に、前記第2特徴の前記第2識別子との関連付けを前記メモリに記憶する工程を備える。
【0122】
前述の実施例は、以下の実施例の任意の1つ、または、2以上の組合せ、を更に含み得る。前述の実施例の方法において、前記入力デバイスは、前記第1及び第2コンポーネントのデジタル画像を取得するように構成されたカメラを有し得る。前述の実施例の方法において、前記第1及び第2識別子は、前記第1及び第2コンポーネントに関連付けられた、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、第3コンポーネントを前記入力デバイスに導入する工程であって、前記第3コンポーネントは第3特徴を有する工程と、前記第3コンポーネントの前記第3特徴を、前記第1コンポーネントの前記第1特徴及び前記第2コンポーネントの前記第2特徴と比較する工程と、前記第1コンポーネントと前記第2コンポーネントのどちらが前記第3コンポーネントにより類似しているか、についての予測を前記プロセッサから受信する工程と、を備え得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、前記予測が正しいか否かを前記プロセッサに示す工程を備え得る。
【0123】
一実施例の方法は、前記カメラを起動して前記ディスペンサコンポーネントの画像を取得する工程を備える。当該方法は、更に、前記取得された画像上において視認可能な前記ディスペンサコンポーネント上の特徴のパターンを識別する工程を備える。当該方法は、更に、前記識別されたパターンを前記メモリ内の複数の記憶パターンと比較する工程を備える。当該方法は、更に、前記プロセッサを起動して前記複数の記憶パターンのうちの1つを選択する工程を備える。前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つは、前記複数の記憶パターンのうち、前記識別されたパターンに最も類似しているものである。当該方法は、更に、前記複数の記憶パターンのうちの選択された前記1つに関連付けられた識別子を表示する工程を備える。
【0124】
前述の実施例は、以下の実施例の任意の1つ、または、2以上の組合せ、を更に含み得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、前記識別されたパターンと、前記複数の記憶パターンのうちの前記選択されたパターンと、の間の類似度の測定値を表示する工程を備え得る。前述の実施例の方法において、前記識別子は、製品名、製品タイプ、製品シリアル番号、製品番号、及び、製品製造ロット番号、のうちの少なくとも1つを含み得る。前述の実施例の方法において、前記特徴のパターンは、バーコードを含み得る。前述の実施例の方法において、前記比較する工程及び前記起動する工程は、ニューラルネットワークを実装する工程を更に含み得る。前述の実施例の方法において、当該方法は、前記識別子に関連付けられた精度値を表示する工程を備え得る。
【0125】
システム及び方法が、様々な図の様々な実施形態に関連して説明されているが、当業者であれば、その広範な発明概念から逸脱することなく、当該実施形態に変更が加えられ得ることが理解されよう。従って、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されないことが理解され、特許請求の範囲によって定義される本開示の精神及び範囲内の変更を網羅することが意図されている。
【0126】
本明細書で使用される「複数」という用語は、2以上を意味する。単数形の表記「a」、「an」及び「the」も、複数の参照を含み(含むと理解され)、特定の数値への参照は、文脈が明確に別段の指示を与えない限り、少なくとも当該特定の数値を含む(という意味である)。従って、例えば、「材料」についての言及は、当業者に知られているそのような材料及びそれらの等価物のうちの少なくとも1つについての言及である(と理解される)。
【0127】
先行詞「約」を使用して値が近似値として表現される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。一般に、「約」という用語の使用は、開示された主題によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似を示し、その機能に基づいて、それが使用される特定の文脈で解釈されるべきである。当業者であれば、それをそのように解釈できるであろう。幾つかの場合、特定の値に使用される有効数字の数が、「約」という用語の範囲を決定する非限定的な方法の1つであり得る。他の場合には、一連の値で使用される階調が、各値の「約」という用語に利用可能な意図された範囲を決定するために利用され得る。存在する場合、全での範囲は包括的で、組み合わせ可能である。すなわち、範囲で表現された値への言及は、その範囲内の各々の値を含む。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の記載がない限り、当該範囲内にある各々別個の値を個別に参照する簡略的な方法として機能することが単に意図されており、各々別個の値は、あたかも本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法が、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。
【0128】
リストが提示される場合、別段の記載がない限り、当該リストの個々の要素、及び、当該リストのあらゆる組み合わせが、別個の実施形態である、ということが理解されるべきである。例えば、「A、BまたはC」として提示された実施形態のリストは、「A」、「B」、「C」、「AまたはB」、「AまたはC」、「BまたはC」、または、「A、BまたはC」を含むものとして解釈されるべきである。
【0129】
本明細書で使用される、とりわけ「できる」、「できるであろう」、「かもしれないであろう」、「かもしれない」、「例えば」等の、条件付きの文言は、特に別段の記載がない限り、または使用される文脈内で別段に理解されない限り、一般に、特定の実施形態は特定の特徴、要素及び/または工程を含むが、他の実施形態はそれらを含まないことを伝えることが意図されている。従って、そのような条件付きの文言は、一般に、特徴、要素及び/または工程が1または複数の実施例に何らかの態様で必要であること、または、1または複数の実施例がこれらの特徴、要素及び/または工程を必ず含むこと、を示唆することは意図されていない。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、同義であり、無制限に包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを排除しない。
【0130】
特定の実施例が説明されたが、これらの実施例は例としてのみ提示されたに過ぎず、本明細書に開示される発明の範囲を限定することは意図されていない。従って、前述の説明は、何らかの特定の特徴、特性、工程、モジュールまたはブロックが必要または不可欠であることを示唆することを意図したものではない。実際に、本明細書に記載された新規な方法及びシステムは、様々な他の形式で具体化され得て、更に、本明細書に開示される発明の精神から逸脱することなく、本明細書に記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が行われ得る。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本明細書に開示される特定の発明の範囲及び精神に含まれるような形態または修正を網羅することが意図されている。
【国際調査報告】