(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】喫煙代替装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240905BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516716
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2022075289
(87)【国際公開番号】W WO2023041485
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501024897
【氏名又は名称】インペリアル、タバコ、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IMPERIAL TOBACCO LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル, ニキル
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, デレク
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC08
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
喫煙代替装置について説明する。当該装置は、上流空気流入口、下流空気流出口、及び空気流入口と空気流出口を接続する空気流路を有するハウジングを含む。当該装置はまた、エアロゾル発生用のヒーターを含む。ヒーターは空気流路内に位置する。空気流入口は、空気透過性と液体吸収性のある遮断要素によって閉塞される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを含む喫煙代替装置であり、前記ハウジングは、
上流空気流入口、下流空気流出口、及び前記空気流入口と前記空気流出口を接続する空気流路と、
前記空気流路内に位置する、エアロゾル生成用のヒーターとを含み、
前記空気流入口が、空気透過性と液体吸収性のある遮断要素によって閉塞される、喫煙代替装置。
【請求項2】
前記遮断要素が、前記ヒーターの上流に位置する、請求項1に記載の喫煙代替装置。
【請求項3】
前記空気流入口が、複数の空気流副入口の配置を備える、請求項1又は請求項2に記載の喫煙代替装置。
【請求項4】
前記ハウジングが、上流側エンドキャップを含み、前記エンドキャップが、前記遮断要素を含む、先行するいずれかの請求項に記載の喫煙代替装置。
【請求項5】
前記遮断要素が多孔質材料を備える、先行するいずれかの請求項に記載の喫煙代替装置。
【請求項6】
前記遮断要素が、前記ハウジング内の空洞内に位置し、前記空気流入口が、前記空洞の基部内に形成されている、先行するいずれかの請求項に記載の喫煙代替装置。
【請求項7】
前記空洞が、空洞壁形状を有する周壁を含み、前記空洞壁の形状が、前記遮断部材の形状と一致する、請求項6に記載の喫煙代替装置。
【請求項8】
前記装置が、前記遮断部材を前記ハウジング内に保持するための保持フレームを含む、先行するいずれかの請求項に記載の喫煙代替装置。
【請求項9】
前記保持フレームが、前記周壁に当接することにより、前記遮断部材を前記空洞内に保持する、請求項7に従属する請求項8に記載の喫煙代替装置。
【請求項10】
前記保持フレームが、フレーム空気流開口部を含み、前記フレーム空気流開口部が、前記空気流入口の空気流の断面積と等しいか又はこれより大きい空気流の断面積を有する、請求項8又は請求項9に記載の喫煙代替装置。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記空気流入口に隣接する一対の電極アクセス通路を含み、各電極アクセス通路が、上流開口部及び下流開口部を含む、先行するいずれかの請求項に記載の喫煙代替装置。
【請求項12】
前記遮断要素が、前記下流開口部の上流に位置する、請求項11に記載の喫煙代替装置。
【請求項13】
前記ヒーターが略平面状である、先行するいずれかの請求項に記載の喫煙代替装置。
【請求項14】
前記遮断要素が略平面状である、先行するいずれかの請求項に記載の喫煙代替装置。
【請求項15】
前記平面ヒーターの主面が、前記遮断要素の主面と略平行である、請求項13に記載の、かつ請求項13に従属する請求項14に記載の喫煙代替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月17日に出願された欧州特許出願公開第21197530.5号明細書からの優先権を主張し、その内容及び要素は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、喫煙代替装置に関し、より具体的には、限定的ではないが、ヒーターを含む喫煙代替装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、タバコの喫煙は、喫煙者を有害となる可能性のある物質に晒すと考えられている。一般に、有害となる可能性のある物質のかなりの量が、タバコの燃え及び/又は燃焼によって生じる熱、及びタバコの煙自体の燃えたタバコの成分によって生成されると考えられている。
【0004】
タバコなどの有機物質の燃焼は、タールや他の有害となる可能性のある副生成物を生み出すことが知られている。タバコの喫煙を避けるために、様々な喫煙代替装置が提案されている。
【0005】
このような喫煙代替装置は、禁煙してニコチン依存症を克服したい人を対象としたニコチン代替療法の一部を形成することができる。
【0006】
電子ニコチンデリバリシステムとしても知られる喫煙代替装置は、ユーザが「蒸気」とも呼ばれるエアロゾルを生成することによって喫煙行為をシミュレートすることを可能にする電子システムを備え得るもので、エアロゾルは、口を通して肺に引き込まれ(吸入され)、そして吐き出される。吸入されたエアロゾルは、典型的にはニコチン及び/又は香料を含み、従来の喫煙に関連する臭気及び健康リスクがないか又は少ない。
【0007】
一般に、喫煙代替装置は、従来の喫煙及びタバコ製品で経験したものと同様の経験及び満足をユーザに提供しながら、喫煙の習慣の代替を提供することを意図している。
【0008】
禁煙を希望する常習喫煙者を支援するための補助として、喫煙代替装置の人気と使用がここ数年で急速に増加している。喫煙代替装置の中には、従来の巻きタバコに似せて設計され、一端にマウスピースが付いた円筒形のものがある。他の喫煙代替装置は、一般に巻きタバコには似ていない(例えば、喫煙代替装置は概して箱状の形態であり得る)。
【0009】
喫煙代替装置にはいくつかの異なるカテゴリーがあり、それぞれが異なる喫煙代替のアプローチを用いている。喫煙代替のアプローチは、代替システムがユーザのために作動する方法に対応する。
【0010】
喫煙代替装置の1つのアプローチはいわゆる「ベイピング」アプローチであり、このアプローチでは、典型的には(本明細書では)「イーリキッド」と呼ばれる気化可能な液体が、加熱装置によって加熱されてエアロゾル蒸気を生成し、これがユーザによって吸入される。イーリキッドは、典型的にはベース液体と、ニコチン及び/又は香料を含む。従って、結果として生じる蒸気は、典型的にニコチン及び/又は香料を含む。ベース液体は、プロピレングリコール及び/又は植物性グリセリンを含んでよい。
【0011】
典型的なベイピング喫煙代替装置は、マウスピース、電源(典型的には電池)、イーリキッドを含むタンク又は液体容器、並びに加熱装置を含む。使用中は、電気エネルギーが電源から加熱装置に供給され、加熱装置はイーリキッドを加熱してエアロゾル(又は「蒸気」)を生成し、これがユーザによってマウスピースを通して吸入される。
【0012】
ベイピング喫煙代替装置は、様々な態様で構成することができる。例えば、典型的にはイーリキッドが予め充填されており、エンドユーザによって再充填されることを意図している密閉されたタンクと加熱要素とを有する「クローズドシステム」のベイピング喫煙代替装置がある。クローズドシステムのベイピング喫煙代替装置の1つのサブセットは、電源を含む本体を含み、この本体は、タンク及び加熱要素を含む消耗品に物理的かつ電気的に結合されるように構成されている。このようにして、消耗品のタンクが空になった場合は、本体を新しい消耗品に接続することによって、本体を再利用することができる。クローズドシステムのベイピング喫煙代替装置の別のサブセットは、完全に使い捨てであり、1回のみの使用が意図されている。
【0013】
また、典型的にはユーザが再充填するように構成されたタンクを有する「オープンシステム」のベイピング喫煙代替装置もあり、この装置は複数回使用することができる。
【0014】
ベイピング喫煙代替装置の一例は、電子タバコmyblu(mybluは商標)である。電子タバコmybluは、本体と消耗品を含むクローズドシステム装置である。本体と消耗品は、消耗品を本体に押し込むことによって物理的かつ電気的に結合される。本体は、充電式電池を含む。消耗品は、マウスピース、イーリキッドを含む密閉タンク、そして加熱装置を含み、この装置では、加熱装置はイーリキッドに部分的に浸漬されたウィックの一部の周りに巻かれた加熱フィラメントである。当該装置は、本体に搭載されたマイクロプロセッサが、マウスピースを通してユーザによる吸入を検出すると作動する。装置が作動すると、電気エネルギーが電源から加熱装置に供給され、加熱装置はタンクからのイーリキッドを加熱して蒸気を生成し、この蒸気をユーザがマウスピースを通して吸入する。
【0015】
他の例のベイピング喫煙代替装置として、電子タバコblu PRO(blu PROは商標)がある。電子タバコblu PROは、本体、(再充填可能な)タンク、及びマウスピースを含むオープンシステム装置である。本体とタンクは、一方を他方にねじ込むことによって物理的かつ電気的に結合される。マウスピースと再充填可能タンクは、一方を他方にねじ込むことによって物理的に結合され、マウスピースを再充填可能タンクから取り外すことによって、タンクにイーリキッドを充填することができる。この装置は本体のボタンで作動する。装置が作動すると、電気エネルギーが電源から加熱装置に供給され、加熱装置はタンクからのイーリキッドを加熱して蒸気を生成させ、この蒸気をユーザがマウスピースを介して吸入する。
【0016】
喫煙代替装置のための別のアプローチは、タバコ(イーリキッドではなく)を加熱又は加温して蒸気を放出する、いわゆる「加熱非燃焼」(「HNB」)アプローチである。タバコは、葉タバコ又は再構成タバコであってもよい。蒸気は、ニコチン及び/又は香料を含んでもよい。HNBアプローチでは、タバコは加熱されるが燃やされない、すなわち燃焼されないことが意図されている。
【0017】
典型的なHNB喫煙代替装置は、本体と消耗品を含み得る。消耗品は、タバコ材料を含み得る。本体と消耗品は、物理的に結合されるように構成されてもよい。使用中は、典型的に本体に位置する加熱装置によってタバコ材料に熱を与えてよく、タバコ材料を通る空気流によってタバコ材料中の水分が蒸気として放出される。蒸気は、タバコ材料中のキャリヤ(このキャリヤは、例えばプロピレングリコール及び/又は植物性グリセリンを含み得る)及びさらにタバコから放出される揮発性化合物から形成され得る。放出された蒸気は、タバコを通して引き出される空気流に巻き込まれてもよい。
【0018】
蒸気が入口からマウスピース(出口)へと(空気流に巻き込まれて)喫煙代替装置を通過する際に、蒸気は冷却して凝縮し、ユーザが吸入するエアロゾル(蒸気ともいう)を形成する。エアロゾルは通常、揮発性化合物を含む。
【0019】
HNB喫煙代替装置では、タバコ材料を燃やすのではなく加熱することにより、通常は喫煙中に生成されるより有害な化合物が少なくなるか又はその量が減少すると考えられる。その結果、HNBアプローチは、タバコの燃え、燃焼及び熱分解劣化によって生じる可能性のある臭気及び/又は健康リスクを低減し得る。
【0020】
従来技術の喫煙代替装置では、消耗品の部品間に存在する漏れ経路のために、未気化イーリキッドの一部が装置から漏れ出すことがある。さらに、製造がより容易で安価な消耗品を提供することが望ましい。
【0021】
本発明は、以上の点を鑑みて考案される。
【発明の概要】
【0022】
第1の態様に従い、ハウジングを含む喫煙代替装置であって、前記ハウジングは、上流空気流入口、下流空気流出口、及び空気流入口と空気流出口を接続する空気流路と、空気流路内に位置する、エアロゾル生成用のヒーターとを含み、空気流入口が、空気透過性と液体吸収性のある遮断要素によって閉塞される。かかる構成では、空気流入口を介したエアロゾル形成基質の漏れが低減され得る。
【0023】
オプションとして、遮断要素はヒーターの上流に位置している。このような配置では、エアロゾル形成基質の漏れは、ヒーターの上流位置からさらに軽減され得るもので、これはヒーターから空気流入口に漏れ得るエアロゾル形成基質であるが、これは通常の空気流の方向に反しており、通常の空気流は、ユーザが装置で吸い込んでいない時に発生する可能性が高い。
【0024】
オプションとして、空気流入口は、複数の空気流副入口の配置を備える。このような配置では、空気流副入口は、遮断要素を適切な位置に保持するのに役立ち得る。
【0025】
オプションとして、ハウジングは上流側エンドキャップを含み、エンドキャップは遮断要素を備える。このような構成では、エンドキャップと遮断要素を別々に組み立て得るので、装置の製造を簡素化し得る。
【0026】
オプションとして、遮断要素は多孔質材料を備える。このような構成では、遮断要素の特性は、空気透過性と液体吸収性の両方に適する可能性がある。
【0027】
オプションとして、閉塞要素はハウジング内の空洞内に位置し、空気流入口は空洞の基部に形成される。このような実施形態では、遮断要素は、ハウジング内に確実に保持され得る。このような実施形態はまた、空洞が遮断要素の定義された位置を提供するので、製造を簡素化し得る。
【0028】
オプションとして、空洞は、空洞壁の形状を有する周壁を含み、空洞壁の形状が遮断部材の形状と一致する。このような配置は、空洞壁が所定の位置に配置されると、遮断要素の移動の可能性を低減し得るので、装置の性能を向上し得る。
【0029】
オプションとして、装置は、遮断部材をハウジング内に保持する保持フレームを含む。このような実施形態は、フレームが所定の位置に配置されると、遮断要素の移動の可能性を低減し得るので、装置の性能を向上し得る。
【0030】
オプションとして、保持フレームが周壁に当接することにより遮断部材を空洞内に保持する。このような実施形態は、フレーム及び遮断要素が所定の位置に配置されると、空洞内に密接に保持されているフレームが、フレーム及び遮断要素の移動の可能性を低減し得るので、装置の性能を向上し得る。
【0031】
オプションとして、保持フレームはフレーム空気流開口部を含み、フレーム空気流開口部は、空気流入口の空気流の断面積と等しいか又はこれより大きい空気流の断面積を有する。このような実施形態では、空気流の断面はフレームによって決定されず、これによって装置のエアロゾル発生性能が向上し得る。フレーム開口部がより大きい場合には、これによって液体を吸収するための遮断要素がより露出され、装置の漏れ性能を向上し得る。
【0032】
オプションとして、ハウジングは、空気流入口に隣接する一対の電極アクセス通路を含み、各電極アクセス通路は、上流開口部及び下流開口部を含む。このような実施形態では、入口に隣接している電極アクセス通路、よって遮断要素は、電極アクセス通路を介した漏れを低減し得る。
【0033】
オプションとして、遮断要素は下流開口部の上流に位置する。このような実施形態では、電極アクセス通路の開口部が遮断要素の上方(又は下流)にあるため、漏れはさらに低減され得る。
【0034】
オプションとして、ヒーターは略平面状である。このような実施形態では、平面ヒーターの平面がヒーターからの潜在的な液体排出の点であり、よって潜在的な漏れの源であるため、遮断要素は特に有利であり得る。
【0035】
オプションとして、遮断要素は略平面状である。このような実施形態では、遮断要素は、液体吸収のためのより大きな表面積を提供することができ、これは漏れを低減することができる。
【0036】
オプションとして、平面ヒーターの主面は、遮断要素の主面に略平行である。このような実施形態では、漏れを低減することができる。
【0037】
第2の態様に従い、第1の態様に従う喫煙代替装置と、電源を含む本体装置とを含む喫煙代替システムが提供され、本体装置と代替喫煙装置は、電極をヒーターと電気的に接触させるように互いに係合するように構成されている。
【0038】
本発明は、上述の態様と好適な特徴の組み合わせを含むが、但し、かかる組み合わせが明らかに許容できないか又は明示的に回避される場合を除く。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明が理解され得るように、また、本発明のさらなる態様及び特徴が理解され得るように、本発明の原理を例示する実施形態について、添付の図を参照してさらに詳細に説明する。
【
図1】
図1aは、一実施形態に係る喫煙代替装置の側面図である。
図1bは、一実施形態に係る喫煙代替装置の本体の側面図である。
図1cは、一実施形態に係る喫煙代替装置の消耗品の側面図である。
【
図2】
図2aは、一実施形態に係る本体の概略図である。
図2bは、一実施形態に係る消耗品の概略図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る消耗品の断面図である。
【
図6】
図6aは、一実施形態に係る消耗品の一部の斜視図である。
図6bは、一実施形態に係る消耗品の一部の斜視図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る消耗品の斜視端図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る消耗品の斜視端図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る消耗品の一部の斜視図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係る消耗品の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の態様及び実施形態について、添付の図を参照して説明する。さらなる態様及び実施形態が当業者にとって明らかになるだろう。本文中に記載されたすべての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
図1aは、喫煙代替システム110を示す。この例では、喫煙代替システム110は、本体120と消耗品150を含む。消耗品150は、代わりに「ポッド」と呼んでもよい。消耗品150はまた、カートリッジ又はカトマイザーと呼んでもよい。他の例では、「エアロゾルデリバリ装置」又は「喫煙代替装置」という用語は、本体120と消耗品150の組み合わせではなく、消耗品150のみを指してもよい。
【0042】
この例では、喫煙代替システム110はクローズドシステムのベイピング装置であり、消耗品150は密閉タンク又は液体容器156を含み、1回のみの使用が意図されている。
【0043】
図1aは、本体120が消耗品150に物理的に結合された喫煙代替システム110を示す。
【0044】
図1bは、消耗品150のない喫煙代替システム110の本体120を示す。
【0045】
図1cは、本体120のない喫煙代替システム110の消耗品150を示す。
【0046】
本体120と消耗品150は、本体120と消耗品150との間が干渉フィットとなるように、この例では消耗品150を本体120の上端122のアパーチャに押し込むことによって、物理的に結合されるように構成される。他の例では、本体120と消耗品は、一方を他方にねじ込むことによって、又は、例えばバヨネットフィッティングを通して物理的に結合することができる。小さい半透明カバーの背後に位置するオプションのライト126、例えばLEDは、本体120の下端124に位置している。ライト126は、喫煙代替システム110が作動した時に点灯するように構成されてよい。
【0047】
消耗品150は、消耗品150の上端152のマウスピース(
図1a~
図1cには示されていない)と、ユーザがマウスピースを通して吸入する時に空気を喫煙代替システム110に引き込むことができるようにするための1つ以上の空気入口(図示されていない)とを含む。消耗品150の下端154には、イーリキッドを含むタンク156が位置している。タンク156は、例えば半透明体であってもよい。
【0048】
タンク156は、タンク156のイーリキッドの量を視覚的に評価できるように、ウィンドウ158を含むことが好ましい。本体120は、消耗品150のウィンドウ158が見えるようにスロット128を含み、一方、消耗品150が本体120の上端122のアパーチャに挿入された時に、タンク156の残りの部分が視界から隠される。
【0049】
タンク156は、ウィンドウ158を含む場合には「クリアロマイザー」と呼び、ウィンドウを含まない場合には「カトマイザー」と呼び得る。
【0050】
消耗品150は、電気インタフェース、RFIDチップ、又はバーコードを介して本体120に対して消耗品150自体を認識させ得る。
【0051】
図2aは、喫煙代替装置110の本体120の概略図である。
【0052】
図2bは、喫煙代替装置110の消耗品150の概略図である。
【0053】
図2aに示されるように、本体120は、電源128、制御部130、メモリ132、無線インタフェース134、電気インタフェース136、及びオプションとして、1つ以上の追加部品138を含む。
【0054】
電源128は、電池であることが好ましく、充電式電池であることがより好ましい。
【0055】
制御部130は、例えばマイクロプロセッサを含み得る。
【0056】
メモリ132は、不揮発性メモリを含むことが好ましい。メモリは、指示が実施された場合に、制御部130に方法の特定のタスク又はステップを実行させる指示を含み得る。
【0057】
無線インタフェース134は、別の装置、例えばモバイル装置と、例えばBluetooth(登録商標)を介して無線通信するように構成されることが好ましい。この目的のために、無線インタフェース134は、Bluetoothアンテナを含むことができる。他の無線通信インタフェース、例えばWiFi(登録商標)も可能である。無線インタフェース134は、リモートサーバと無線通信するように構成されてもよい。
【0058】
本体120の電気インタフェース136は、1つ以上の電気接点を含み得る。電気インタフェース136は、本体120の上端122のアパーチャの中に、かつ好ましくは底部に位置づけられ得る。本体120が消耗品150に物理的に結合されている場合、喫煙代替システム110が例えば消耗品150の電気インタフェース160を介して作動された時に(後述)、電気インタフェース136は、電力を電源128から消耗品150(の例えば加熱装置)へと渡すように構成されてもよい。電気インタフェース136は、本体120が消耗品150に物理的に結合されておらず、代わりに充電ステーションに結合されている場合に、充電ステーションから電力を受けるように構成されてもよい。電気インタフェース136はまた、既知の消耗品のリストから消耗品150を識別するために使用されてもよい。例えば、消耗品は、特定の風味及び/又はある濃度のニコチンを有してもよい。これは、消耗品が本体120に接続されている時に、本体120の制御部130に対して識別可能である。さらに、あるいは代わりに、本体120に設けられた別個の通信インタフェースと、接続された時に消耗品が本体120に対して消耗品自体を識別できるように、消耗品150内に対応する通信インタフェースとがあってもよい。
【0059】
本体120の追加部品138は、上述したオプションの光126を含んでもよい。
【0060】
本体120の追加部品138は、電源128が充電式電池である場合、電力を充電ステーションから受けるように構成された充電ポートを備えてもよい。これは、本体120の下端124に位置してもよい。代わりに、上述の電気インタフェース136は、別個の充電ポートを必要としないように、電力を充電ステーションから受けるように構成された充電ポートとして機能するように構成される。
【0061】
本体120の付加部品138は、電源128が充電式電池である場合には、充電式電池の充電を制御するための電池充電制御回路を含んでもよい。しかし、電池充電制御回路は、充電ステーション(存在する場合)内に、同様に位置することができる。
【0062】
本体120の追加部品138は、例えば、ユーザが喫煙代替システム110のマウスピース166(後述)を通して吸入することによって生じる、喫煙代替装置110の空気流を検出するための空気流センサを含んでもよい。喫煙代替システム110は、空気流が空気流センサによって検出された時に作動されるように構成され得る。このオプションのセンサは、代わりに、消耗品150に含まれることができる(ただし、この例のように、消耗品150が使用後に廃棄されることが意図されている場合には、これはあまり好ましくない)。例えば、ユーザがマウスピースをどの程度強く吸うか、又はユーザが特定の期間にマウスピースを何回吸うかを判定するために、空気流センサを使用できる。
【0063】
本体120の追加部品138は、例えばボタンなどのアクチュエータを含んでもよい。喫煙代替システム110は、アクチュエータが作動された時に作動されるように構成されてもよい。これは、喫煙代替システム110を作動させるための機構として、注記した空気流センサに代わるものを提供する。
【0064】
図2bに示されるように、消耗品150は、タンク156、電気インタフェース160、加熱装置162、1つ以上の空気入口164、マウスピース166、及びオプションとして、1つ以上の追加部品168を含む。消耗品150は、加熱装置162を含むヒーター室170を含む。
【0065】
消耗品150の電気インタフェース160は、1つ以上の電気接点を含んでもよい。一実施形態では、電気接点は、それぞれ加熱装置162の一部と見なされ得る。本体120の電気インタフェース136と消耗品150の電気インタフェース160は、消耗品150の下端154が本体の上端122に挿入されて(
図1aに示すように、
図3も参照)、消耗品150を本体120に物理的に結合する際に、互いに接触して本体120を消耗品150に電気的に結合するように構成されることが好ましい。このようにして、電気エネルギー(例えば電流の形で)を本体120の電源128から消耗品150内の加熱装置162に供給することができる。
【0066】
加熱装置162は、イーリキッドを気化させるために、例えば電源128から供給される電気エネルギーを用いて、タンク156から供給されるイーリキッドを加熱するように構成されることが好ましい。タンク156は、エアロゾル形成基質(例えばイーリキッド)を加熱装置162に供給するための貯槽の一例である。
【0067】
1つ以上の空気入口164は、ユーザがマウスピース166を通して吸入する時に、空気が喫煙代替システム110に引き込まれるように構成されることが好ましい。消耗品150が本体120に物理的に結合されると、空気入口164は、本体120の上端122から、本体120と消耗品150の下端154との間を流れる空気を受ける。
【0068】
使用時には、ユーザは、上述のように、例えば本体120に含まれるアクチュエータを作動させることによって又はマウスピース166を通して吸入することによって、喫煙代替装置110を作動させる。作動時に、制御部130は、電気エネルギーを電源128から加熱装置162に(電気インタフェース136、166を介して)供給し得るもので、これによって、加熱装置162はタンク156から引き出されたイーリキッドを加熱して蒸気/エアロゾルを生成し、それをユーザがマウスピース166を通して吸入する。
【0069】
1つ以上の追加部品168の一例として、消耗品の識別子を取得するためのインタフェースを提供してもよい。上述のように、このインタフェースは、例えば、RFIDリーダ、バーコードもしくはQRコードリーダ、又は本体120に対して消耗品を識別することができる電子インタフェースであってよい。従って、消耗品150は、RFIDチップ、バーコードもしくはQRコード、又は内部に識別子があり、かつ本体120の電子インタフェースを介して問い合わせ可能なメモリのうち、いずれか一つ以上を含んでよい。
【0070】
当然ながら当業者は、
図1及び
図2に示される喫煙代替システム110が喫煙代替システムの一実施例を示しているにすぎず、他の形態の喫煙代替システムを使用することができることを容易に理解するであろう。
【0071】
別の例として、完全に使い捨て(1回のみの使用)の喫煙代替システムを喫煙代替システムとして使用することができる。
図3は、一実施形態に係る消耗品150の断面図を示す。消耗品150は、喫煙代替装置の一例である。
【0072】
消耗品150は、エアロゾル形成基質(例えばイーリキッド)を収容するタンク156を含む。
図4の実施形態では、タンク156は環状タンクである。空気流管157は、タンク156を通過する。空気流管157は、消耗品150を通る空気流路の一部を形成する。空気流路の上流端には、空気流入口164がある。空気流路の下流端には、空気流出口168がある。使用中に、空気流は、空気流入口164で消耗品150に入り、空気流管157に沿って流れ、消耗品150のマウスピース166に位置する空気流出口168で消耗品150から出る。
【0073】
空気流路内には加熱装置162がある。加熱装置162は、ウィックヒーター170を含む。ウィックヒーター170は、ウィックヒーター170がウィックとヒーターの複合部品であることから、このように呼ばれる。すなわち、ウィックヒーター170は、エアロゾル形成基質をそれ自体の内部又は上に搬送/格納するように構成され、また、ウィックヒーター170の内部又は上に含まれるエアロゾル形成基質の少なくとも一部を気化させるように加熱されるように構成された部品である。本実施形態では、エアロゾル形成基質は液体であり、特にイーリキッドである。
【0074】
ウィックヒーター170は、多孔質導電性ファブリック、例えば炭素繊維を含むファブリックから形成される。導電性ファブリックは、導電性ファブリックのシートであってもよい。このようなファブリックウィックヒーター170の導電性は、電流がウィックヒーター170を通過する時に、ウィックヒーター170の孔内のイーリキッドを加熱し、その結果、ウィックヒーター170の抵抗加熱を介して気化させることを可能にする。ウィックヒーター170の多孔性は、ウィックヒーター170がウィックヒーター170の内部又は上でイーリキッドをウィックし又は搬送し、かつ保持することを可能にする。ウィックヒーター170の孔は、ファブリック内(例えば、ファブリックの繊維及び/又は糸の間)の隙間であってよい。
【0075】
ウィックヒーター170は、概して細長い形状をしている。換言すると、ウィックヒーター170は、長手方向長軸が長く、短横軸が比較的短い。ウィックヒーター170は深さもある。深さは幅より小さくてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、ウィックヒーター170は概して平面である。よって、ウィックヒーター170は主面を有し、これは最大表面積を有するウィックヒーター170の表面に対応する。ウィックヒーター170が消耗品150内に位置する場合、主面は必ずしもウィックヒーター170全体に亘って平坦ではない。いくつかの実施形態では、ウィックヒーター170の主面の少なくとも一部は、例えば、ウィックヒーター170自体の長軸及び/又は短軸の少なくとも一部に沿って湾曲又は屈曲してよい。
【0077】
ウィックヒーター170は、本体120の電気インタフェース136を介して電源128(
図2aを参照)と電気的に係合可能である。本実施形態では、消耗品150が本体120に係合する時に、係合が生じる。かかる係合の間に、本体120の電気インタフェース136の2つの電源電極が、消耗品150の上流側エンドキャップ172を通して形成された一対の電気接触穴171に侵入する。これによって、電源電極は、ウィックヒーター170と電気的に係合する。
【0078】
いくつかの実施形態では、エンドキャップ172はまた、タンク156を効果的に密閉する。製造中に、エンドキャップ172は、タンク156がエアロゾル形成基質で充填された後に、消耗品150の残りの部分に適用されてよい。
【0079】
ウィックヒーター170は、ヒーター室174全体に亘っている。ウィックヒーター170の少なくとも一部の上流、下流、又はその両方に空の空間ができるように、ウィックヒーター170は部分的にヒーター室174内につり下げられている。使用時には、空気は、ウィックヒーター170の少なくとも一部が位置する空気流路に沿って流れる。蒸気/エアロゾル(本明細書ではエアロゾルとのみ呼ばれる)が、(空気流路の一部も形成する)ヒーター室174を通過する際に、ウィックヒーター170からの空気流に取り込まれる。エアロゾルは、空気流によって空気流出口168まで下流に搬送され、最終的には吸入のためにユーザまで送られる。
【0080】
空気流入口164は、下流方向にヒーター室174の中へと開いている。空気流入口164は、多くの空気流副入口176を含む。一般に、ユーザが空気流出口168で吸入すると、空気は、空気流副入口176を介してほぼ同時に流路に引き込まれる。各空気流副入口176は、消耗品150の上流側エンドキャップ172を通る副入口通路177への開口部である。いくつかの実施形態では、かつ図示されるように、副入口通路177は、概して互いに平行である。副入口通路177自体は、消耗品150を通る空気流路の一部を形成する。各副入口通路の下流端は、ヒーター室174への開口部を形成する。
【0081】
空気流副入口通路177の下流、及びヒーター室174内で、流路12内の空気流が結合して単一の空気流となる。副入口通路177の下流の単一の空気流、よってウィックヒーター170(特にウィックヒーター170の加熱部分)に衝突する空気流の周辺断面形状は、少なくとも部分的には、空気流副入口176及び副入口通路177の特徴によって制御され得る。空気流副入口176及び副入口通路177の数、サイズ、及び/又は位置を制御することによって、ウィックヒーター170からの気化特性を改良するため、ウィックヒーター170に衝突する空気流を制御し得る。例えば、一般に、ヒーターに入る空気流は、ヒーターに対して冷却効果を生じさせ得る。これは、平面ヒーターについて特に顕著であり、実質的に非空気力学的な物体を流路内に形成し得る。空気流の流入口が1つしかない場合、その冷却効果は、流入する空気流が入るヒーターの領域に局在し得る。これは、ヒーター上の冷点及びヒーターからの非効率的な気化を引き起こす可能性がある。
【0082】
副入口176を介してウィックヒーター170のより大きな部分に亘って衝突する空気流の領域を拡大することによって、結果として生じる任意の冷却効果をウィックヒーター170のより大きな領域に亘って広げることができ、ウィックヒーター170上の任意の一点における局所的な冷却効果を低減する。ウィックヒーター170の広い領域に位置合わせされた単一の大きな空気流入口は、この局所的な冷却の問題を緩和し得ると考えるかもしれない。しかし、このような単一の大きな空気流入口は、このような空気流入口を介して器具の内部領域への異物損傷のリスク、特にヒーターへの損傷のリスクのために望ましくないかもしれない。大きな入口は破屑物の潜在的な入口ともなり得る。さらに、大きな単一の空気流入口は、その出口を介して器具からエアロゾル形成基質の漏れのリスクを増加させ得る。一方、空気流副入口176の使用は、損傷又は汚染のリスクの低減と、ヒーター170の局所的冷却効果の緩和と、消耗品150からの漏れの低減との間の妥協点である。
【0083】
副入口176を設けることにより、ウィックヒーター170上の局所的な空気流速度の低下をもたらし得る。これによって、消耗品150によって生成されるエアロゾル粒子のサイズが大きくなり得る。より大きいエアロゾル粒子のサイズは、有効成分(例えばニコチン)をより効率的にユーザにデリバリし得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、消耗品150は、少なくとも3個の空気流副入口176、より好ましくは少なくとも6個の空気流副入口176、より好ましくは少なくとも10個の空気流副入口176を含み得る。
【0085】
単一の空気流副入口176の典型的な開口径は、0.1mm~1.0mmの間、好ましくは0.3mm~0.5mmの間であってよい。他の実施形態では、典型的な開口径は、0.1mmより小さくてもよい。いくつかの実施形態では、各空気流副入口176は、一定の断面形状の副入口通路177につながる。いくつかの実施形態では、各空気流副入口176及び副入口通路177の断面形状は、概して円形であってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、すべての空気流副入口176は、略同一のサイズである。他のいくつかの実施形態では、空気流副入口176は、異なるサイズの空気流副入口176を含んでもよい。例えば、空気流副入口176の少なくとも1つは、他の空気流副入口176よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、空気流副入口176は、空気流副入口の少なくとも2つの集団を含み、空気流副入口の各集団は、特定のサイズの少なくとも1つの空気流副入口を含む。空気流副入口176のサイズは、集団間で異なってもよい。このようにして、ウィックヒーター176上の空気流のプロファイルは、空気流副入口のサイズ及び位置の分布を制御することによってさらに最適化され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、空気流副入口176の平面は、ウィックヒーター170の主面に対して概して平行であってよい。すなわち、副入口176を含む平面は、ウィックヒーター170の主面に対して概して平行であってよい。副入口通路177は、ウィックヒーター170の主面に対して概して垂直であってよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、空気流副入口通路177とウィックヒーター170の下流出口の間の距離(すなわち、これらの間の分離)は、10ミリメートル未満、好ましくは1ミリメートル~10ミリメートル、より好ましくは1ミリメートル~5ミリメートルであってよい。この距離は、ウィックヒーター170に入る空気流のパラメータを変化させるために制御され得る。例えば、小さい分離は、ウィックヒーター170に入るそれぞれの副入口通路177からの複数の比較的別個の空気流をもたらし得る。より大きい分離は、副入口通路177からの個々の空気流が、副入口通路177の下流の1つの空気流に合流するため、ウィックヒーター170に入るより単一で均一な空気流をもたらし得る。
【0089】
図4は、
図3の消耗品150の代替図を示す。空気流副入口176は、消耗品150の上流端に、特に消耗品150のエンドキャップ172上に見える。空気流副入口176は、二次元アレイに分布している。空気流副入口176のアレイは、アレイ形状によって結合されている。
図5の実施形態では、アレイ形状は矩形である。他の実施形態では、アレイ形状は異なっていてもよい。アレイ形状は、例えば正方形、矩形又はひし形などの多角形であってよい。他の例では、アレイ形状は、楕円もしくは円形、又は他の任意の適切な形状であってよい。
【0090】
副入口176は、アレイ形状の少なくともあるカバー範囲割合をカバーしてもよい。換言すると、アレイ形状の表面積の少なくともカバー範囲割合は、1個の副入口176であってよい。カバー範囲割合は、20%、より好ましくは30%、より好ましくは40%、より好ましくは50%、より好ましくは60%、より好ましくは70%、より好ましくは80%であってよい。
【0091】
アレイ形状は、少なくとも6mm2、より好ましくは少なくとも8mm2、より好ましくは少なくとも10mm2、より好ましくは少なくとも12mm2、より好ましくは少なくとも14mm2、より好ましくは少なくとも16mm2、より好ましくは少なくとも18mm2の表面積を有してもよい。
【0092】
空気流副入口176は、電気接触穴171と電気接触穴171の間に位置している。換言すると、電気接触穴は、空気流副入口176の外側に横方向に位置している。電気接触穴171はまた、エンドキャップ172を通して形成されている。
【0093】
図5は、消耗品150の上流部の詳細図を示す。消耗品150は、一対の電源供給ピン178(電気供給電極の例)と係合して図示されている。電源供給ピン178は、本体120の電気インタフェース136の一部である。電源供給ピン178は、一対の電気接触穴171を通してエンドキャップ172内に延びている。電源供給ピン178の上部(すなわち下流)の表面は、それぞれの導電性ディスク180と電気的に接触する。次に、各電気接触ディスク180は、ウィックヒーター170のそれぞれの電気接続領域と電気的に接触する。よって、電流は、電気接点ディスク180及びウィックヒーター170を介して、供給ピン178と供給ピン178の間を流れることができる。よって、ウィックヒーター170は抵抗加熱、すなわちオーム加熱によって加熱される。
【0094】
供給ピン178の各々は、それぞれの電気接触ディスク180の上流面と同一平面上で係合するように上方に向けられた平坦面を含む。同一平面上とは、平坦面の平面が電気接触ディスク180の上流面の平面に接することを意味する。平坦面を有する供給ピン178は、先の尖ったポゴピンに対するウィックヒーター170と供給ピン178との間の電気接続の信頼性を高め得る。特に、供給ピン178とウィックヒーター170との間の接触抵抗を低減し得る。平坦面は、0.1mm2~250mm2の間の平坦な表面積を有し得る。より好ましくは、約3~40mm2の間、より好ましくは約5~20mm2の間である。
【0095】
図6a及び
図6bは、それぞれエンドキャップ172の図を示す。
図6bでは、電気接触ディスク180は、一対のそれぞれの保持ディスク空洞182内に位置している。
図6aでは、電気接触ディスクは、保持ディスク空洞182を示すために図示されていない。
【0096】
各ディスク空洞182は、それぞれの電気接触ディスク180の周縁が位置しているレッジを囲むそれぞれの周壁から形成される。レッジは、電気接触穴171の下流開口部によって形成される。周壁は、対応する電気接触穴171の下流開口部を囲む。従って、所定の位置(すなわち
図6bに示すように)にある時に、電気接触ディスク180は、電気接触穴171の下流開口部の上に懸架される。周辺レッジ上の周壁の高さは、そこに置かれる電気接触ディスク180の深さより大きくてもよい。これは、電気接触ディスク180が、消耗品150の長手方向軸に沿ってそれぞれのディスク空洞182内で移動可能であることを意味する。接触ディスク180は、空洞182の周壁によって横方向の位置に保持される。電気接触ディスク180は移動可能であるため、電源供給ピン178によってウィックヒーター170と電気的に接触するように押し込まれる。
【0097】
これは、製造プロセス中に、接触ディスク180とウィックヒーター170との間に恒久的な電気接続を形成する必要がないことを意味する。さらに、消耗品150の製造公差を下げることができ、製造性を向上させることができる。特に、信頼性の高い電気的接触が接触ディスク180上の供給ピン178の作動によって行われるので、例えば、ばね式供給ピン178は、固定の、剛性の、又は永久的な接続に依存するのではなく、電源からヒーターへの信頼性の高い電気接続を確保することができるが、この電気接続は、時間の経過とともに弱まり、信頼性の高い製造が困難になり得る。
【0098】
電気接触ディスク180(すなわちブリッジ要素の実施形態)は導電性である。例えば、電気接触ディスクは、金属材料で形成されるか、又は金属材料から形成される。いくつかの実施形態では、接触ディスク180は、銀で形成されるか、又は銀から形成される。いくつかの実施形態では、電気接触ディスク180は、金属箔から形成される。
【0099】
図6a及び
図6bは、ディスク空洞が副入口通路177の下流開口部から長手方向にずれていることを示す。このずれは、ディスク空洞壁の頂部のすぐ下流に位置するウィックヒーター170の位置を制御し得る。従って、ディスク空洞壁は、ウィックヒーター170が下流に位置し、かつ副入口通路177の下流開口部から(又は概して任意の空気流入口から)分離されるように、ウィックヒーター170を長手方向にずらし得る。ウィックヒーター170は、使用中、液体エアロゾル形成基質を含んでよい。副入口通路177(又は概して任意の空気流入口)は、エアロゾル形成基質の消耗品150からの潜在的な漏れ経路である。従って、ウィックヒーター170と副入口通路177(又は概して任意の空気流入口)との間の分離を維持することが有益であり得る。
【0100】
図6a及び
図6bの実施形態では、電気接触ディスク180は円形である。これは、製造時に接触ディスク180をエンドキャップ172内に配置する前に達成すべき優先される向きがないかもしれないため、製造性を改善し得る。他の実施形態では、ブリッジ要素は他の形状(例えば多角形)であってもよい。
【0101】
図7は、消耗品200の別の実施形態を示す。消耗品200は、
図5、
図6a及び
図6bの実施形態、特に消耗品150と多くの点で類似し得る。該当する場合には、同様の符号が使用される。
【0102】
消耗品200はまた、エンドキャップ172を含む。エンドキャップ172は、単一の中央に位置する空気流入口202を含む。空気流入口202は、概して楕円形であり、楕円形の狭い端部は凸状である。いくつかの実施形態では、空気流入口202は、
図4及び
図5に関して上述した空気流副入口176に置き換えてもよい。エンドキャップ172は、本体120の電気ピン178が消耗品200内に位置するヒーターにアクセスするための一対の電気接触穴171を含む。いくつかの実施形態では、ヒーターは、上述した種類のウィックヒーター170である。
【0103】
空気流入口202は、電気接触穴171と電気接触穴171の間に位置する。電気接触穴171は、空気流入口202の凸端に隣接している。空気流入口202は、エンドキャップ172の開口部であり、この開口部を通して空気が消耗品200に入る。空気流入口202は、エンドキャップ172内に位置する多孔パッド204によって覆われている。多孔パッド204は、遮断要素の一例である。
図7の実施形態では、多孔パッド204は、空気流入口202を通して見える。多孔パッド204は、空気流に対して透過性がある。多孔パッド204は吸収性がある。多孔パッド204は、例えば、セルロースアセテート又は綿から形成されてよい。
【0104】
図8は消耗品200の変形例を示す。
図8の消耗品200は、電気接触穴171と電気接触穴171の間に位置する円形の空気流アパーチャ202を有する。
【0105】
図9は、
図7のエンドキャップ172の内部図を示す。多孔パッド204は、対応するサイズ及び形状の凹部内に位置し、凹部は、エンドキャップ172の下流側のエンドキャップ172内に形成されている。多孔パッド204の深さは、凹部の深さよりも小さい。多孔パッド204は、多孔パッド204の下流に位置し、かつ凹部の周壁に係合する保持フレーム206によって所定の位置に保持される。フレーム206は、空気が流れることができる開口部を含む。フレーム206の開口部は、空気流入口(
図8では見えない)の下流にあり、多孔パッド204の下流にある。空気流アパーチャ202は、フレーム206を受けるためのエンドキャップ172の開口部より小さくかつ/又は異なる形状であってよい。これは、多孔パッド204が位置するレッジを提供することができる。フレーム206は、エンドキャップ172の空気流開口部202によって形成されたレッジに対して多孔パッド204を保持する。エンドキャップ172の空気流アパーチャ202は、フレーム206のアパーチャの周囲内に位置する。
【0106】
多孔パッド204は空気流に対して透過性があるため、ユーザがマウスピースを吸う時に空気が消耗品200に入ることがある。多孔パッド204は、液体に対して吸収性もある。従って、多孔パッド204は、そうでなければ空気流アパーチャ202を介して消耗品200から漏れるかもしれない液体エアロゾル形成基質を吸収し得る。これにより、消耗品200からの望ましくない漏れを減らし得る。多孔パッド204は、消耗品200の全横断領域の少なくとも50%を覆い得る。より大きな多孔パッド204は、より多くの量の液体を吸収することができ、よって、消耗品200からの漏れを低減し得る。
【0107】
図10は、
図9のエンドキャップ172の内部図を示す。多孔パッド204は、対応するサイズ及び形状の凹部に位置し、凹部はエンドキャップ172の下流側のエンドキャップ172内に形成されている。多孔パッド204の深さは、凹部の深さよりも小さい。多孔パッド204は、多孔パッド204の下流に位置し、かつ凹部の周壁に係合する保持フレーム206によって所定の位置に保持される。フレーム206は、空気が流れることができる開口部を含む。フレーム206の開口部は、空気流入口(
図10では見えない)の下流にあり、多孔パッド204の下流にある。
図10の実施形態では、フレーム206内の空気流アパーチャは円形である。これは、多孔パッド204が位置するレッジを提供する。次に、フレーム206は、エンドキャップ172の空気流開口部202によって形成されたレッジに対して多孔パッド204を保持する。フレーム206のアパーチャは、エンドキャップ172の空気流アパーチャ202に位置合わせされる。空気流アパーチャ202の直径は3.5mmである。いくつかの実施形態では、空気流アパーチャの直径は、2.0~5.0ミリメートルの間、より好ましくは3.0~4.0ミリメートルの間である。
【0108】
上記明細書又は以下の特許請求の範囲又は添付図面に開示され、これらの特定の形態で、又は開示された機能を実行するための手段、又は開示結果を得るための方法もしくはプロセス(該当する場合)に関して表現されている特徴は、個別に又はかかる特徴の任意の組合せで、多様な形態で発明を実現するために利用され得る。
【0109】
本発明は、上述した例示的な実施形態に関連して説明されてきたが、本開示が与えられると、多くの同等の修正及び変形が当業者にとって明らかになるであろう。従って、上記の本発明の例示的な実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではないと見なされる。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する様々な変更を行い得る。
【0110】
疑義を避けるために、本明細書で提供される理論的説明は、読者の理解を向上させる目的で提供される。発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望まない。
【0111】
本明細書で使用されているセクション見出しは、構成上の目的のみのものであり、記載されている主題を制限するものと解釈されてはならない。
【0112】
本明細書全体を通して(この後に続く請求の範囲も含めて)文脈が別段の要求をしない限り、「have(有する)」、「comprise(備える)」及び「include(含む)」という言葉、並びに「having」、「comprises」、「comprising」及び「including」などのバリエーションは、記載された1つの整数もしくはステップ、又は複数の整数もしくはステップのグループを包含することを暗示するが、その他の1つの整数もしくはステップ、又は複数の整数もしくはステップのグループを除外することを暗示するものではないと理解される。
【0113】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されているように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。本明細書において範囲は、「約」ある特定の値から、かつ/又は「約」別の特定の値までとして表され得る。このような範囲が表現される場合、他の実施形態は、前記1つの特定の値から、かつ/又は前記別の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行語「約(about)」の使用により、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。数値に関する語である「約(about)」はオプションであり、例えば+/-10%を意味する。
【0114】
「好適な(preferred)」及び「好ましく(preferably)」という用語は、本明細書では、ある状況下で特定の利益を提供し得る本発明の実施形態を意味する。しかしながら、他の実施形態も、同一の又は異なる状況下で好適であり得ることが認められるべきである。従って、1つ以上の好適な実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを意味又は暗示するものではなく、他の実施形態を開示の範囲から、又は請求の範囲から除外することを意図するものではない。
【国際調査報告】