(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】光学ガラス、ガラスプリフォーム、光学素子と光学機器
(51)【国際特許分類】
C03C 3/21 20060101AFI20240905BHJP
C03C 3/253 20060101ALI20240905BHJP
G02B 1/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C03C3/21
C03C3/253
G02B1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516718
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2022112973
(87)【国際公開番号】W WO2023040558
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111074235.1
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512264046
【氏名又は名称】成都光明光▲電▼股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU GUANG MING GUANG DIAN GLASS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.359,Sec.3,Chenglong Avenue,Long quan yi District,Chengdu,Sichuan China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】匡 波
【テーマコード(参考)】
4G062
【Fターム(参考)】
4G062AA04
4G062BB09
4G062DA01
4G062DA02
4G062DA03
4G062DB01
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4G062DB03
4G062DC01
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4G062DE01
4G062DE02
4G062DE03
4G062DF01
4G062EA01
4G062EA02
4G062EA03
4G062EA10
4G062EB01
4G062EB02
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4G062FL02
4G062GA04
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4G062HH01
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4G062HH11
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4G062JJ01
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4G062KK01
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4G062KK04
4G062KK05
4G062KK07
4G062KK08
4G062KK10
4G062MM02
4G062NN01
4G062NN02
4G062NN29
4G062NN30
(57)【要約】
本発明は光学ガラスを提供し、前記光学ガラスは重量%で以下の成分を含む:P2O5:10~30%、Bi2O3:16~35%、Nb2O5:20~40%、WO3:5~20%であり、そのうち、Bi2O3/Nb2O5は0.5~1.5である。合理的な成分設計により、本発明により得られる光学ガラスは、期待される屈折率とアッベ数を得ることができると同時に、熱膨張係数が比較的低く、耐結晶性が優れる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で以下の成分を含む、光学ガラス:P
2O
5:10~30%、Bi
2O
3:16~35%、Nb
2O
5:20~40%、WO
3:5~20%であり、Bi
2O
3/Nb
2O
5は0.5~1.5である。
【請求項2】
重量%で以下の成分をさらに含む、請求項1に記載の光学ガラス:TiO
2:0~10%、及び/又はB
2O
3:0~8%、及び/又はLi
2O:0~10%、及び/又はNa
2O:0~10%、及び/又はK
2O:0~10%、及び/又はRO:0~10%、及び/又はSiO
2:0~5%、及び/又はZrO
2:0~5%、及び/又はAl
2O
3:0~5%、及び/又はLn
2O
3:0~8%、及び/又はGeO
2:0~5%、及び/又は清澄剤:0~1%であり、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、Lu
2O
3の一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、CeO
2の一種又は複数種である。
【請求項3】
重量%で成分を含み、P
2O
5、Nb
2O
5、WO
3及びBi
2O
3を必要成分とし、Bi
2O
3/Nb
2O
5が0.5~1.5であり、前記光学ガラスの屈折率n
dが1.88~1.96、アッベ数ν
dが25以下、熱膨張係数α
-30/70℃が100×10
-7/K以下である、光学ガラス。
【請求項4】
重量%で以下の成分をさらに含む、請求項3に記載の光学ガラス:P
2O
5:10~30%、及び/又はBi
2O
3:16~35%、及び/又はNb
2O
5:20~40%、及び/又はWO
3:5~20%、及び/又はTiO
2:0~10%、及び/又はB
2O
3:0~8%、及び/又はLi
2O:0~10%、及び/又はNa
2O:0~10%、及び/又はK
2O:0~10%、及び/又はRO:0~10%、及び/又はSiO
2:0~5%、及び/又はZrO
2:0~5%、及び/又はAl
2O
3:0~5%、及び/又はLn
2O
3:0~8%、及び/又はGeO
2:0~5%、及び/又は清澄剤:0~1%であり、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、Lu
2O
3の一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、CeO
2の一種又は複数種である。
【請求項5】
重量%で成分を含み、以下の9の条件の一種又は複数種を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス:
1)Bi
2O
3/Nb
2O
5は0.6~1.2;
2)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)は0.4~1.5;
3)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)は0.4~1.5;
4)WO
3/Bi
2O
3は0.2~1.0;
5)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)は0.3~1.2;
6)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3は0.05~1.0;
7)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)は1.0以下であり;
8)RO/Li
2Oは1.0以下であり;
9)(Na
2O+TiO
2)/WO
3が0.1~2.0、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種である。
【請求項6】
重量%で成分を含み、以下の9の条件の一種又は複数種を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス:
1)Bi
2O
3/Nb
2O
5は0.65~1.15;
2)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)は0.6~1.2;
3)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)は0.5~1.2;
4)WO
3/Bi
2O
3は0.25~0.8;
5)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)は0.4~1.0;
6)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3は0.1~0.8;
7)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)は0.02~0.8;
8)RO/Li
2Oは0.7以下であり;
9)(Na
2O+TiO
2)/WO
3が0.2~1.5、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種である。
【請求項7】
重量%で成分を含み、以下の9の条件の一種又は複数種を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス:
1)Bi
2O
3/Nb
2O
5は0.7~1.1;
2)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)は0.72~1.0;
3)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)は0.6~1.0;
4)WO
3/Bi
2O
3は0.3~0.6;
5)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)は0.45~0.9;
6)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3は0.15~0.6;
7)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)は0.05~0.6;
8)RO/Li
2Oは0.5以下であり;
9)(Na
2O+TiO
2)/WO
3が0.3~1.2、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種である。
【請求項8】
重量%で成分を含み、以下の8の条件の一種又は複数種を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス:
1)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)は0.75~0.92;
2)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)は0.7~1.0;
3)WO
3/Bi
2O
3は0.35~0.46;
4)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)は0.5~0.8;
5)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3は0.2~0.5;
6)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)は0.1~0.38;
7)RO/Li
2Oは0.4以下であり;
8)(Na
2O+TiO
2)/WO
3が0.4~1.0、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種である。
【請求項9】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス:P
2O
5:15~25%、及び/又はBi
2O
3:18~32%、及び/又はNb
2O
5:25~35%、及び/又はWO
3:7~17%、及び/又はTiO
2:0.5~8%、及び/又はB
2O
3:0~5%、及び/又はLi
2O:0.5~8%、及び/又はNa
2O:1~8%、及び/又はK
2O:0~8%、及び/又はRO:0~8%、及び/又はSiO
2:0~3%、及び/又はZrO
2:0~3%、及び/又はAl
2O
3:0~3%、及び/又はLn
2O
3:0~5%、及び/又はGeO
2:0~3%、及び/又は清澄剤:0~0.5%であり、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、Lu
2O
3の一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、CeO
2の一種又は複数種である。
【請求項10】
重量%で以下の成分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス:P
2O
5:17~23%、及び/又はBi
2O
3:22~29.5%、及び/又はNb
2O
5:27~33%、及び/又はWO
3:9~15%、及び/又はTiO
2:1~5%、及び/又はB
2O
3:0~3%、及び/又はLi
2O:1~5%、及び/又はNa
2O:2~7%、及び/又はK
2O:0~5%、及び/又はRO:0~4%、及び/又はSiO
2:0~2%、及び/又はZrO
2:0~2%、及び/又はAl
2O
3:0~2%、及び/又はLn
2O
3:0~3%、及び/又はGeO
2:0~2%、及び/又は清澄剤:0~0.2%であり、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、Lu
2O
3の一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、CeO
2の一種又は複数種である。
【請求項11】
前記光学ガラスの屈折率n
dは1.88~1.96、アッベ数ν
dは15~25である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項12】
前記光学ガラスの屈折率n
dは1.91~1.94、アッベ数ν
dは18~22である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項13】
前記光学ガラスの耐酸作用安定性D
Aが2類以上、及び/又は耐水作用安定性D
Wが2類以上、及び/又は熱膨張係数α
-30/70℃が100×10
-7/K以下、及び/又は転移温度T
gが500℃以下、及び/又は摩耗度F
Aが310~400、及び/又はλ
70が480nm以下、及び/又はλ
5が410nm以下、及び/又はヤング率Eが8000×10
7/Pa以上、及び/又は密度ρが4.70g/cm
3以下、及び/又は耐結晶上限温度が1000℃以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項14】
前記光学ガラスの耐酸作用安定性D
Aが1類、及び/又は耐水作用安定性D
Wが1類、及び/又は熱膨張係数α
-30/70℃が90×10
-7/K以下、及び/又は転移温度T
gが480℃以下、及び/又は摩耗度F
Aが340~370、及び/又はλ
70が460nm以下、及び/又はλ
5が395nm以下、及び/又はヤング率Eが8700×10
7/Pa~9500×10
7/Pa、及び/又は密度ρが4.50g/cm
3以下、及び/又は耐結晶上限温度が950℃以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれ一項に記載の光学ガラスで製造される、ガラスプリフォーム。
【請求項16】
請求項1~14のいずれ一項に記載の光学ガラス、又は請求項15に記載のガラスプリフォームで製造される、光学素子。
【請求項17】
請求項1~14のいずれ一項に記載の光学ガラス、及び/又は請求項16に記載の光学素子を含む、光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学ガラスに関し、特に屈折率が1.88~1.96、アッベ数が25以下の光学ガラス、及びそれからなるガラスプリフォーム、光学素子及び光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光電情報、デジタル表示などの分野の発展に伴い、光学系に用いられる光学素子に対して、小型化、軽量化、高性能化が要求されている。高屈折の高分散光学ガラスは低分散光学ガラスと結合して使用することができ、それによって色差と二次スペクトルを効果的に除去すると同時に、レンズの光学長を効果的に短縮し、イメージングシステムの小型化を実現できる。したがって、このようなガラスの応用見通しは非常に広い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第101746953号明細書
【特許文献2】中国特許第1332901号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学ガラスの熱膨張係数が大きいほど、ガラスの熱衝撃性が悪くなり、熱間及び冷間加工中に熱膨張と冷収縮により破裂しやすくなり、ガラスの良品率が低下する。また、優れた耐結晶性を有する光学ガラスは、ガラスの生産及び熱間加工の難易度を低減することができる。従来技術では、特許文献1(中国特許出願公開第101746953号明細書)に開示されている屈折率が1.91~1.96、アッベ数が17.5~21である光学ガラス、特許文献2(中国特許第1332901号明細書)に開示されている高屈折高分散光学ガラスのように、その耐結晶性はさらに向上の余地がある。
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、比較的低い熱膨張係数と優れた耐結晶性を有する高屈折高分散光学ガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は次のとおりである。
(1) 重量%で以下の成分を含む、光学ガラス:P2O5:10~30%、Bi2O3:16~35%、Nb2O5:20~40%、WO3:5~20%であり、そのうち、Bi2O3/Nb2O5は0.5~1.5である。
【0007】
(2) 重量%で以下の成分をさらに含む、(1)に記載の光学ガラス:TiO2:0~10%、及び/又はB2O3:0~8%、及び/又はLi2O:0~10%、及び/又はNa2O:0~10%、及び/又はK2O:0~10%、及び/又はRO:0~10%、及び/又はSiO2:0~5%、及び/又はZrO2:0~5%、及び/又はAl2O3:0~5%、及び/又はLn2O3:0~8%、及び/又はGeO2:0~5%、及び/又は清澄剤:0~1%、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln2O3はLa2O3、Gd2O3、Y2O3、Yb2O3、Lu2O3の一種又は複数種であり、清澄剤はSb2O3、SnO2、SnO、CeO2の一種又は複数種である。
【0008】
(3) 重量%で成分を含み、P2O5、Nb2O5、WO3及びBi2O3を必要成分とし、Bi2O3/Nb2O5が0.5~1.5であり、前記光学ガラスの屈折率ndが1.88~1.96、アッベ数νdが25以下、熱膨張係数α-30/70℃が100×10-7/K以下である、光学ガラス。
【0009】
(4) 重量%で以下の成分をさらに含む、(3)に記載の光学ガラス:P2O5:10~30%、及び/又はBi2O3:16~35%、及び/又はNb2O5:20~40%、及び/又はWO3:5~20%、及び/又はTiO2:0~10%、及び/又はB2O3:0~8%、及び/又はLi2O:0~10%、及び/又はNa2O:0~10%、及び/又はK2O:0~10%、及び/又はRO:0~10%、及び/又はSiO2:0~5%、及び/又はZrO2:0~5%、及び/又はAl2O3:0~5%、及び/又はLn2O3:0~8%、及び/又はGeO2:0~5%、及び/又は清澄剤:0~1%、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln2O3はLa2O3、Gd2O3、Y2O3、Yb2O3、Lu2O3の一種又は複数種であり、清澄剤はSb2O3、SnO2、SnO、CeO2の一種又は複数種である。
【0010】
(5) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:Bi2O3/Nb2O5は0.6~1.2、好ましくはBi2O3/Nb2O5は0.65~1.15、より好ましくはBi2O3/Nb2O5は0.7~1.1である。
【0011】
(6) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)は0.4~1.5、好ましくは(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)が0.6~1.2、より好ましくは(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)が0.72~1.0、さらに好ましくは(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)が0.75~0.92である。
【0012】
(7) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)は0.4~1.5、好ましくは(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)は0.5~1.2、より好ましくは(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)は0.6~1.0、さらに好ましくは(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)は0.7~1.0である。
【0013】
(8) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:WO3/Bi2O3は0.2~1.0、好ましくはWO3/Bi2O3は0.25~0.8、より好ましくはWO3/Bi2O3は0.3~0.6、さらに好ましくはWO3/Bi2O3は0.35~0.46である。
【0014】
(9) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:P2O5/(Nb2O5+TiO2)は0.3~1.2、好ましくはP2O5/(Nb2O5+TiO2)は0.4~1.0、より好ましくはP2O5/(Nb2O5+TiO2)は0.45~0.9、さらに好ましくはP2O5/(Nb2O5+TiO2)は0.5~0.8である。
【0015】
(10) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3は0.05~1.0、好ましくは(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3は0.1~0.8、より好ましくは(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3は0.15~0.6、さらに好ましくは(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3は0.2~0.5である。
【0016】
(11) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:TiO2/(Li2O+Na2O+K2O)は1.0以下、好ましくはTiO2/(Li2O+Na2O+K2O)は0.02~0.8、より好ましくはTiO2/(Li2O+Na2O+K2O)は0.05~0.6、さらに好ましくはTiO2/(Li2O+Na2O+K2O)は0.1~0.38である。
【0017】
(12) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:RO/Li2Oは1.0以下、好ましくはRO/Li2Oは0.7以下、より好ましくはRO/Li2Oは0.5以下、さらに好ましくはRO/Li2Oは0.4以下である。
【0018】
(13) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:(Na2O+TiO2)/WO3は0.1~2.0、好ましくは(Na2O+TiO2)/WO3は0.2~1.5、より好ましくは(Na2O+TiO2)/WO3は0.3~1.2、さらに好ましくは(Na2O+TiO2)/WO3は0.4~1.0である。
【0019】
(14) 重量%で以下の成分を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス:P2O5:15~25%、好ましくはP2O5:17~23%、及び/又はBi2O3:18~32%、好ましくはBi2O3:22~29.5%、及び/又はNb2O5:25~35%、好ましくはNb2O5:27~33%、及び/又はWO3:7~17%、好ましくはWO3:9~15%、及び/又はTiO2:0.5~8%、好ましくはTiO2:1~5%、及び/又はB2O3:0~5%、好ましくはB2O3:0~3%、及び/又はLi2O:0.5~8%、好ましくはLi2O:1~5%、及び/又はNa2O:1~8%、好ましくはNa2O:2~7%、及び/又はK2O:0~8%、好ましくはK2O:0~5%、及び/又はRO:0~8%、好ましくはRO:0~4%、及び/又はSiO2:0~3%、好ましくはSiO2:0~2%、及び/又はZrO2:0~3%、好ましくはZrO2:0~2%、及び/又はAl2O3:0~3%、好ましくはAl2O3:0~2%、及び/又はLn2O3:0~5%、好ましくはLn2O3:0~3%、及び/又はGeO2:0~3%、好ましくはGeO2:0~2%、及び/又は清澄剤:0~0.5%、好ましくは清澄剤:0~0.2%、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln2O3はLa2O3、Gd2O3、Y2O3、Yb2O3、Lu2O3の一種又は複数種であり、清澄剤はSb2O3、SnO2、SnO、CeO2の一種又は複数種である。
【0020】
(15) 屈折率ndが1.88~1.96、好ましくは1.90~1.95、より好ましくは1.91~1.94、アッベ数νdが15~25、好ましくは17~23、より好ましくは18~22である、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス。
【0021】
(16) 耐酸安定性DAが2類以上、好ましくは1類、及び/又は耐水安定性DWが2類以上、好ましくは1類、及び/又は熱膨張係数α-30/70℃が100×10-7/K以下、好ましくは95×10-7/K以下、より好ましくは90×10-7/K以下、及び/又は転移温度Tgが500℃以下、好ましくは495℃以下、より好ましくは490℃以下、さらに好ましくは485℃以下、よりさらに好ましくは480℃以下、及び/又は摩耗度FAが310~400、好ましくは320~380、より好ましくは340~370、及び/又はλ70が480nm以下、好ましくは475nm以下、より好ましくは470nm以下、さらに好ましくは465nm以下、よりさらに好ましくは460nm以下、及び/又はλ5が410nm以下、好ましくは405nm以下、より好ましくは400nm以下、さらに好ましくは395nm以下、及び/又はヤング率Eが8000×107/Pa以上、好ましくは8500×107/Pa~10000×107/Pa、より好ましくは8700×107/Pa~9500×107/Pa、及び/又は密度ρが4.70g/cm3以下、好ましくは4.60g/cm3以下、より好ましくは4.50g/cm3以下、及び/又は結晶上限温度が1000℃以下、好ましくは980℃以下、より好ましくは960℃以下、さらに好ましくは950℃以下である、(1)~(4)のいずれか一つに記載の光学ガラス。
【0022】
(17) (1)~(16)のいずれか一つに記載の光学ガラスで製造される、ガラスプリフォーム。
(18)(1)~(16)の一つに記載の光学ガラス又は(17)に記載のガラスプリフォームで製造される、光学素子。
(19) (1)~(16)の一つに記載の光学ガラスを含み、及び/又は(18)に記載の光学素子を含む、光学機器。
【発明の効果】
【0023】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。合理的な成分設計により、本発明により得られる光学ガラスは、期待される屈折率とアッベ数を得ることができると同時に、熱膨張係数が比較的低く、耐結晶性が優れる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明にかかる光学ガラスの実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で適宜変形して実施することが可能である。さらに、適宜省略はあるものの、記載を繰り返すことによって本発明の主旨が限定されるものではない。以下では、本発明の光学ガラスを単にガラスと称することもある。
【0025】
[光学ガラス]
以下に、本発明の光学ガラスの成分の範囲について説明する。本説明書において、各成分の含有量及び合計含有量は、特に指定のない限り、重量パーセント(wt%)で表すものとする。すなわち、各成分の含有量、合計含有量は、酸化組成物に換算するガラス物質の総重量に対する重量パーセントで表すことである。ここでいう「酸化物組成物に換算した」とは、本発明の光学ガラスの組成物の原料として用いた酸化物、錯塩、水酸化物等が溶融時に分解して酸化物に変換された場合の酸化物物質の総重量を100%とした場合のことである。
【0026】
具体的には、本明細書に記載されている数値範囲には、上限値及び下限値が含まれ、「以上」及び「以下」には端点値、ならびに範囲に含まれるすべての整数及び分数が含まれ、範囲が限定されている場合に記載されている具体的な値に限定されるものではない。本明細書で使用される「約」という用語は、組成、パラメータ、その他の数量、及び特徴が精密ではなく、かつ精密である必要がなく、必要に応じて近似及び/又はより大きく、あるいはより低くすることができ、公差、換算係数、測定誤差などを反映するものである。本明細書で「及び/又は」と呼ばれるものは包括的であり、例えば「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、又はAとBの両方を意味する。
【0027】
<必須成分と任意成分>
P2O5はガラス生成体として、ガラス原料の溶融温度を下げ、ガラスの安定性と可視光透過率を高める作用があり、本発明において、上記効果を得るために10%以上のP2O5を含有しており、好ましくはP2O5の含有量が15%以上、より好ましくはP2O5の含有量が17%以上である。また、P2O5の含有量を30%以下に制御することにより、ガラスの屈折率の低下、耐結晶性の低下を防止する。したがって、本発明においては、P2O5の含有量は30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは23%以下である。いくつかの実施形態では、約10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%、15.5%、16%、16.5%、17%、17.5%、18%、18.5%、19%、19.5%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%のP2O5を含めることができる。
【0028】
Bi2O3はガラスの屈折率と部分分散比を高め、ガラスの軟化温度を下げ、ガラスの耐候性と安定性を高めることができる。本発明において、上記効果を得るために16%以上のBi2O3を含有しており、好ましくはBi2O3の含有量が18%以上、より好ましくはBi2O3の含有量が22%以上である。また、Bi2O3の含有量を35%以下に制御することにより、より優れたガラス耐結晶性とヤング率を得ることができる。したがって、Bi2O3の含有量は35%以下、好ましくは32%以下、より好ましくは29.5%以下である。いくつかの実施形態では、約16%、16.5%、17%、17.5%、18%、18.5%、19%、19.5%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、30.5%、31%、31.5%、32%、32.5%、33%、33.5%、34%、34.5%、35%のBi2O3を含めることができる。
【0029】
Nb2O5はガラスの屈折率と分散を高めると同時に、光学ガラスの化学安定性と耐失透性を改善することができる。本発明において、上記効果を得るために20%以上のNb2O5を含有しており、好ましくはNb2O5の含有量が25%以上、より好ましくはNb2O5の含有量が27%以上である。Nb2O5の含有量が40%を超えると、ガラスの耐結晶性が低下し、摩耗度が悪くなる。したがって、本発明の光学ガラスにおいて、Nb2O5の含有量が40%以下、好ましくは35%以下、より好ましくは33%以下である。いくつかの実施形態では、約20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、30.5%、31%、31.5%、32%、32.5%、33%、33.5%、34%、34.5%、35%、35.5%、36%、36.5%、37%、37.5%、38%、38.5%、39%、39.5%、40%のNb2O5を含めることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、Bi2O3の含有量とNb2O5の含有量との比Bi2O3/Nb2O5を0.5~1.5以内に制御することにより、ガラスの化学安定性を向上させると同時に、ガラスの熱膨張係数を低下させることができる。したがって、好ましくはBi2O3/Nb2O5が0.5~1.5であり、より好ましくはBi2O3/Nb2O5が0.6~1.2である。さらに、Bi2O3/Nb2O5を0.65~1.15以内に制御することにより、ガラスの耐結晶性を向上させ、摩耗度を最適化することにも有利である。したがって、さらに好ましくはBi2O3/Nb2O5が0.65~1.15、よりさらに好ましくはBi2O3/Nb2O5が0.7~1.1である。いくつかの実施形態では、Bi2O3/Nb2O5の値は0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5であり得る。
【0031】
WO3はガラスの屈折率と機械的強度を高め、ガラスの転移温度を下げ、精密プレス加工において、WO3はガラス素材と金型の間の濡れ性を抑制し、ガラスの離型性を高めることができる。本発明において、上記効果を得るために5%以上のWO3を含有しており、好ましくはWO3の含有量の下限値が7%、より好ましくはWO3の含有量の下限値が9%である。WO3の含有量が20%を超えると、ガラスの熱安定性が低下し、精密プレス加工で着色しやすくなり、ガラスの高温粘度が低下し、成形難度が増加する。したがって、WO3の含有量上限値は20%、好ましくは17%、より好ましくは15%である。いくつかの実施形態では、約5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%、15.5%、16%、16.5%、17%、17.5%、18%、18.5%、19%、19.5%、20%のWO3を含めることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、WO3の含有量とBi2O3の含有量との比WO3/Bi2O3を0.2~1.0以内に制御することにより、ガラスの耐結晶性とストライプを向上させることができる。したがって、好ましくはWO3/Bi2O3が0.2~1.0、より好ましくはWO3/Bi2O3が0.25~0.8、さらに好ましくはWO3/Bi2O3が0.3~0.6である。さらに、WO3/Bi2O3を0.35~0.46以内に制御することにより、ガラスの転移温度と熱膨張係数をさらに低減することができる。したがって、よりさらに好ましくはWO3/Bi2O3が0.35~0.46である。いくつかの実施形態では、WO3/Bi2O3の値は0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、WO3とBi2O3の合計含有量WO3+Bi2O3とNb2O5及びP2O5の合計含有量Nb2O5+P2O5との比(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)を0.4~1.5以内に制御することにより、ガラスの化学安定性を向上させると同時に、ガラスの光透過率を向上させることができる。したがって、好ましくは(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)が0.4~1.5であり、より好ましくは(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)が0.5~1.2である。さらに、(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)を0.6~1.0以内に制御することにより、ガラスの屈折率温度係数と熱膨張係数を低減することもできる。したがって、さらに好ましくは(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)が0.6~1.0、よりさらに好ましくは(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)が0.7~1.0である。いくつかの実施形態では、(WO3+Bi2O3)/(Nb2O5+P2O5)の値は0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.85、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5であり得る。
【0034】
TiO2はガラスの屈折率と分散を高める作用があり、適量に添加することで適切なヤング率を得て、ガラスの熱膨張係数の増加を防止することができる。TiO2の含有量が高すぎると、ガラスの摩耗度、透過率、化学安定性が悪くなる。したがって、本発明においては、TiO2の含有量は10%以下、好ましくは0.5~8%、より好ましくは1~5%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%のTiO2を含めることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、Nb2O5とTiO2の合計含有量Nb2O5+TiO2とWO3及びBi2O3の合計含有量WO3+Bi2O3との比(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)を0.4~1.5以内に制御することにより、ガラスの化学安定性を最適化し、ガラスの転移温度を低下させることができる。したがって、好ましくは(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)が0.4~1.5、より好ましくは(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)が0.6~1.2である。さらに、(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)を0.72~1.0以内に制御することにより、ガラスのヤング率と密度を最適化することができる。したがって、さらに好ましくは(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)が0.72~1.0、よりさらに好ましくは(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)が0.75~0.92である。いくつかの実施形態では、(Nb2O5+TiO2)/(WO3+Bi2O3)の値は0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.85、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5であり得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、P2O5の含有量とNb2O5とTiO2との合計含有量Nb2O5+TiO2との比P2O5/(Nb2O5+TiO2)を0.3~1.2以内に制御することにより、ガラスの熱膨張係数を低下させると同時に、ガラスの光透過率を高めることもがきる。したがって、好ましくはP2O5/(Nb2O5+TiO2)が0.3~1.2、より好ましくはP2O5/(Nb2O5+TiO2)が0.4~1.0である。さらに、P2O5/(Nb2O5+TiO2)を0.45~0.9以内に制御することにより、ガラスの摩耗度とストライプをさらに最適化することができる。したがって、さらに好ましくはP2O5/(Nb2O5+TiO2)が0.45~0.9、よりさらに好ましくはP2O5/(Nb2O5+TiO2)が0.5~0.8である。いくつかの実施形態では、P2O5/(Nb2O5+TiO2)の値は0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2であり得る。
【0037】
B2O3はガラスの溶融性と耐失透性を高めることができ、本発明のガラスの任意成分である。B2O3の含有量を8%以下に限定することにより、B2O3の過剰含有によるガラス安定性及び屈折率の低下を防止することができる。したがって、B2O3の含有量は8%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%のB2O3を含めることができる。
【0038】
Li2Oはガラスの転移温度を下げ、ガラスの粘度を調整することができるが、その含有量が高いとガラスの化学安定性と熱膨張係数に不利である。したがって、本発明におけるLi2Oの含有量は10%以下、好ましくは0.5~8%、より好ましくは1~5%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%のLi2Oを含めることができる。
【0039】
Na2Oはガラスの溶融性を改善し、ガラスの溶融効果を高め、ガラスの転移温度を下げることができるが、Na2Oの含有量が10%を超えると、ガラスの化学安定性と耐候性が低下する。したがって、Na2Oの含有量は0~10%、好ましくはNa2O含有量が1~8%、より好ましくはNa2Oの含有量が2~7%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%のNa2Oを含めることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、Na2OとTiO2の合計含有量Na2O+TiO2とWO3の含有量との比(Na2O+TiO2)/WO3を0.1~2.0以内に制御することにより、熱膨張係数が比較的低いガラスを得ると同時に、ガラスのヤング率を高めることができる。したがって、好ましくは(Na2O+TiO2)/WO3が0.1~2.0であり、より好ましくは(Na2O+TiO2)/WO3が0.2~1.5である。さらに、(Na2O+TiO2)/WO3を0.3~1.2以内に制御することにより、ガラスの硬度や転移温度を最適化することができる。したがって、さらに好ましくは(Na2O+TiO2)/WO3が0.3~1.2、よりさらに好ましくは(Na2O+TiO2)/WO3が0.4~1.0である。いくつかの実施形態では、(Na2O+TiO2)/WO3の値は0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2.0であり得る。
【0041】
K2Oはガラスの熱安定性と溶融性を改善する作用があるが、その含有量が10%を超えると、ガラスの耐失透性と化学安定性が悪化するため、本発明におけるK2Oの含有量は10%以下、好ましくはK2Oの含有量が8%以下、より好ましくは5%以下である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%のK2Oを含めることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、Li2O、Na2O、K2Oの合計含有量Li2O+Na2O+K2OとBi2O3の含有量との比(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3を0.05~1.0以内に制御することにより、ガラスの光透過率の低下を防止すると同時に、ガラスの耐結晶性を向上させることができる。したがって、好ましくは(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3が0.05~1.0であり、より好ましくは(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3が0.1~0.8である。さらに、(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3を0.15~0.6以内に制御することにより、ガラスの気泡度と摩耗度をさらに最適化することができる。したがって、さらに好ましくは(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3が0.15~0.6であり、よりさらに好ましくは(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3が0.2~0.5である。いくつかの実施形態では、(Li2O+Na2O+K2O)/Bi2O3の値は0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、TiO2の含有量とLi2O、Na2O、K2Oの合計含有量Li2O+Na2O+K2Oとの比TiO2/(Li2O+Na2O+K2O)を1.0以下に制御することにより、ガラスの密度を低下させ、ガラスのストライプと透過率を最適化するのに有利である。したがって、好ましくはTiO2/(Li2O+Na2O+K2O)が1.0以下、より好ましくはTiO2/(Li2O+Na2O+K2O)が0.02~0.8、さらに好ましくはTiO2/(Li2O+Na2O+K2O)が0.05~0.6である。さらに、TiO2/(Li2O+Na2O+K2O)を0.1~0.38以内に制御することにより、ガラスのヤング率と摩耗度を最適化することができる。したがって、よりさらに好ましくはTiO2/(Li2O+Na2O+K2O)が0.1~0.38である。いくつかの実施形態では、TiO2/(Li2O+Na2O+K2O)の値は0、0以上、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0であり得る。
【0044】
RO(ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種である)は、ガラスの屈折率を調整し、ガラスの耐失透性を向上させることができ、本発明の光学ガラス中の任意成分である。ROの含有量を10%以下に制御すると、ガラスの耐結晶性と化学安定性の低下を抑制することができる。したがって、本発明の光学ガラスにおいては、RO含有量範囲の上限値は10%、好ましくは8%、より好ましくは4%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、14%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%のROを含めることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ROの含有量とLi2Oの含有量との比RO/Li2Oを1.0以下に制御することにより、ガラスの化学安定性と熱安定性の向上に有利である。したがって、好ましくはRO/Li2Oは1.0以下、より好ましくはRO/Li2Oは0.7以下である。さらに、RO/Li2Oを0.5以下に制御することにより、ガラスの耐結晶性とヤング率をさらに最適化することができる。したがって、さらに好ましくはRO/Li2Oが0.5以下、よりさらに好ましくはRO/Li2Oが0.4以下である。いくつかの実施形態では、RO/Li2Oの値は0、0以上、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0であり得る。
【0046】
Ln2O3(Ln2O3はLa2O3、Gd2O3、Y2O3、Yb2O3、Lu2O3の一種又は複数種である)はガラスの屈折率と化学安定性を高める成分であり、Ln2O3の含有量を8%以下に制御することにより、ガラスの耐失透性の低下を防止することができ、好ましくはLn2O3含有量範囲の上限値が5%、より好ましくは上限値が3%である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%のLn2O3を含めることができる。
【0047】
SiO2はガラスの耐失透性と化学安定性を高めることができ、本発明のガラスの任意成分である。その含有量が高すぎると、ガラスの転移温度が上昇し、屈折率が低下し、結石が発生しやすい。したがって、本発明においては、SiO2の含有量は5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%のSiO2を含めることができる。
【0048】
ZrO2はガラスの屈折率を高め、分散を調整し、ガラスの耐結晶性と強度を高めることができるが、ZrO2の含有量が多すぎると、ガラスの溶融難度が増加し、転移温度が上昇する。したがって、ZrO2の含有量は5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%のZrO2を含めることができる。
【0049】
Al2O3はガラスの化学安定性を改善することができるが、その含有量が高すぎると、ガラスの耐失透性と溶融性が低下する。したがって、その含有量は5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、さらに好ましくはAl2O3を含まないことである。いくつかの実施形態では、Al2O3の含有量が0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%であり得る。
【0050】
GeO2は、ガラスの屈折率を高め、耐失透性を高める効果があり、本発明の光学ガラスの任意成分であるが、それは高価であり、多く含有するとコストの低下に不利であり、かつ、ガラスの光透過率が低下する。したがって、その含有量は5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下に限定される。いくつかの実施形態では、さらに好ましくはGeO2を含まないことである。いくつかの実施形態では、約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%のGeO2を含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ガラスの脱泡能力を高めるために、本発明の光学ガラスに0~1%の清澄剤を添加することもできる。この清澄剤は、Sb2O3、SnO2、SnOとCeO2の一種又は複数種であり、好ましくはSb2O3を清澄剤として使う。上記清澄剤が単独で又は組み合わせて使用する場合、好ましくはその含有量の上限値が0.5%、より好ましくは上限値が0.2%である。いくつかの実施形態では、上記清澄剤の一種又は複数種の含有量は約0%、0%以上、0.01%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%である。
【0052】
<含まれるべきでない成分>
本発明のガラスにおいては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の遷移金属の酸化物は、単独又は複合的に少量に含まれる場合でも、ガラスが着色され、可視光領域における特定の波長が吸収され、本発明の可視光透過効果を弱めるので、特に可視光領域の波長透過率を要求する光学ガラスは、実際には含まないことが好ましい。
【0053】
Th、Cd、Tl、Os、Be及びSeの酸化物は、近年、有害な化学物質として使用を制御する傾向にあり、ガラスの製造工程だけでなく、加工工程及び完成品の処置に至るまで、環境保護への取り組みが必要である。そのため、環境への影響を重視する場合は、不可避な混入以外は、それらを含まないことが好ましい。これにより、光学ガラスは実際に環境を汚染する物質を含まなくなる。したがって、本発明の光学ガラスは、特殊な環境措置を講じなくても、製造、加工及び廃棄が可能である。また、環境に配慮するため、本発明の光学ガラスは、As2O3及びPbOを含まないことが好ましい。
【0054】
本明細書に記載されている「加えない」、「含まない」、「0%」という用語は、この成分を本発明のガラスの原料として意図的に添加しなかったことを意味する。しかし、ガラスを製造するための原料及び/又は設備として、意図的に添加されていない不純物や成分が、最終的なガラス中に少量又は微量に存在することがあり、それらも本発明の特許の対象となる。
【0055】
以下では、本発明の光学ガラスの性能について説明する。
<屈折率とアッベ数>
光学ガラスの屈折率(nd)とアッベ数(νd)は、「GB/T 7962.1-2010」に規定された方法に従って試験されている。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスの屈折率(nd)の上限値が1.96、好ましくは上限値が1.95、より好ましくは上限値が1.94である。
いくつかの実施形態では、本発明の光学ガラスの屈折率(nd)の下限値は1.88、好ましくは下限値が1.90、より好ましくは下限値が1.91である。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)の上限値が25、好ましくは上限値が23、より好ましくは上限値が22である。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)の下限値が15、好ましくは下限値が17、より好ましくは下限値が18、さらに好ましくは下限値が19である。
【0056】
<着色度>
本発明の光学ガラスの短波透過スペクトル特性は着色度(λ70及びλ5)で表す。λ70とは、ガラス透過率が70%に達したときに対応する波長を指す。λ70の測定は、互いに平行で光学研磨を行った2つの相対平面を有する厚さ10±0.1mmのガラスを用い、280nmから700nmまでの波長領域における分光透過率を測定し、透過率が70%になった場合の波長を示す。分光透過率又は透過率とは、ガラスの前記表面に垂直に強度Iinの光を入射し、ガラスを透過して強度Ioutの光を1つの平面から出射する場合にIout/Iinで表される量であり、ガラスの前記表面における表面反射損失の透過率も含まれる。ガラスの屈折率が高いほど、表面反射損失が大きくなる。したがって、高屈折率ガラスにおいては、λ70の値が小さいほど、ガラス自体の着色が極めて少なく、光透過率が高いことを意味する。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明の光学ガラスのλ70は480nm以下、好ましくは475nm以下、より好ましくは470nm以下、さらに好ましくは465nm以下、よりさらに好ましくは460nm以下である。
いくつかの実施形態では、本発明の光学ガラスのλ5は410nm以下、好ましくは405nm以下、より好ましくは400nm以下、さらに好ましくは395nm以下である。
【0058】
<耐酸安定性>
光学ガラスの耐酸安定性(DA)(粉末法)は「GB/T 17129」に規定された方法で試験されている。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスの耐酸安定性(DA)は2類以上、好ましくは1類である。
【0059】
<耐水安定性>
光学ガラスの耐水安定性(DW)(粉末法)は「GB/T 17129」に規定された方法で試験されている。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスの耐水安定性(DW)は2類以上、好ましくは1類である。
【0060】
<結晶上限温度>
温度勾配炉法を用いて光学ガラスの耐結晶性を測定し、ガラスを180×10×10mmのサンプルを作成し、側面研磨し、温度勾配(10℃/cm)のある最高温度領域の温度が1200℃である炉内で4時間保温した後、取り出して室温まで自然冷却し、顕微鏡でガラスの結晶状態を観察し、結晶が確認された時の最高温度は、すなわちガラスの結晶上限温度とする。
いくつかの実施形態では、本発明の光学ガラスの結晶析出上限温度は1000℃以下、好ましくは980℃以下、より好ましくは960℃以下、さらに好ましくは950℃以下である。
【0061】
<ヤング率>
光学ガラスのヤング率(E)は超音波を用いて縦波速度と横波速度を測定し、以下の式に従って計算する。
【数1】
G=V
S
2ρ
ここで:
Eはヤング率、Pa;
Gはせん断係数、Pa;
V
Tは横波速度、m/s;
V
Sは縦波速度、m/s;
ρはガラス密度、g/cm
3である。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明の光学ガラスのヤング率(E)は8000×107/Pa以上、好ましくは8500×107/Pa~10000×107/Pa、より好ましくは8700×107/Pa~9500×107/Paである。
【0063】
<熱膨脹係数>
光学ガラスの熱膨張係数(α-30/70℃)は、「GB/T 7962.16-2010」に記載された方法に従って-30~70℃のデータを測定する。
本発明の光学ガラスの熱膨張係数(α-30/70℃)は100×10-7/K以下、好ましくは95×10-7/K以下、より好ましくは90×10-7/K以下である。
【0064】
<密度>
光学ガラスの密度(ρ)は「GB/T7962.20-2010」に規定された方法に従って試験されている。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスの密度(ρ)は4.70g/cm3以下、好ましくは4.60g/cm3以下、より好ましくは4.50g/cm3以下である。
【0065】
<摩耗度>
光学ガラスの摩耗度(FA)とは、全く同じ条件下で、試料の摩耗量と標準試料(H-K9ガラス)の摩耗量(体積)との比に100を乗じて得られた数値であり、その式は以下の通りであり:
FA=V/V0×100=(W/ρ)/(W0/ρ0)×100
ここで、V-測定する試料の体積摩耗量;
V0-標準試料の体積摩耗量;
W-測定する試料の質量摩耗量;
W0-標準試料の品質摩耗量;
ρ-測定する試料の密度;
ρ0-標準試料の密度。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスの摩耗度(FA)上限値が400、好ましくは上限値が380、より好ましくは上限値が370である。
いくつかの実施形態において、本発明の光学ガラスの摩耗度(FA)の下限値が310、好ましくは下限値が320、より好ましくは下限値が340である。
【0066】
<転移温度>
光学ガラスの転移温度(Tg)は、「GB/T 7962.16-2010」に規定された方法に従って測定されている。
いくつかの実施形態では、本発明の光学ガラスの転移温度(Tg)は500℃以下、好ましくは495℃以下、より好ましくは490℃以下、さらに好ましくは485℃以下、よりさらに好ましくは480℃以下である。
【0067】
[製造方法]
本発明の光学ガラスの製造方法は以下のとおりである:本発明のガラスは、酸化物、水酸化物、フッ化物、様々な塩類(炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタリン酸塩)等を含むがこれらに限定されない従来の原料、従来の工程で製造され、常法により配合した後、調製した炉材を800~1200℃の溶解炉(白金、金又は白金合金のるつぼなど)に投入して溶融する。その後、清澄化、均一化して、気泡や未溶解物のない均質な溶融ガラスを得るとともに、この溶融ガラスを金型に入れて鋳造し、焼きなましする。当業者であれば、実際の必要に応じて、原料、製法及びプロセスパラメータを適宜選択することができる。
【0068】
[ガラスプリフォーム及び光学素子]
直接滴下成形や研磨加工、又は熱プレス成形などのプレス成形加工方法を用いて、作成された光学ガラスでガラスプリフォームを製造することができる。すなわち、直接精密滴下成形により溶融光学ガラスを精密なガラスプリフォームに製造するか、研削や研磨などの機械加工によりガラスプリフォームを製造するか、光学ガラスを使用してプレス成形用のプリフォームブランクを作製し、このプリフォームブランクを熱プレス加工して研磨し、ガラスプリフォームを作製することができる。なお、光学プリフォームの製造手段は上記手段に限定されないことを説明されたい。
【0069】
上記のように、本発明の光学ガラスは、各種光学素子及び光学設計に有用であり、特に本発明の光学ガラスからブランクを形成し、このブランクを用いて熱プレス成形、精密プレス成形等を行い、レンズ、プリズム等の光学素子を作製することが好ましい。
【0070】
本発明の光学プリフォーム及び光学素子は、いずれも上記本発明の光学ガラスから形成されている。本発明の光学プリフォームは、光学ガラスが備えている優れた特性を有し、本発明の光学素子は、光学ガラスが備えている優れた特性を有し、光学的価値の高いさまざまなレンズ、プリズム等の光学素子を提供することができる。
【0071】
レンズの例としては、レンズ表面が球面又は非球面の凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどのさまざまなレンズが挙げられる。
【0072】
[光学機器]
本発明の光学ガラスにより形成される光学素子は、写真装置、撮像装置、投影装置、表示装置、車載装置及び監視装置などの光学機器を製造することができる。
【実施例】
【0073】
<光学ガラスの実施例>
本発明の技術的解決策をさらに明確に説明するために、以下の非限定的な実施例を提供する。
本実施例は、上記した光学ガラスの製造方法を用いて、表1~表4に示す組成を有する光学ガラスを得るものである。また、各ガラスの特性を本発明に記載の試験方法により測定し、その結果を表1~表4に表した。
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
<ガラスプリフォームの実施例>
光学ガラスの実施例1~26で得られたガラスは、研磨加工手段、又は再熱プレス成形、精密プレス成形などのプレス成形手段を用いて、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどの様々なレンズ、プリズムなどのプリフォームを製造する。
【0079】
<光学素子の実施例>
上記光学プリフォームの実施例で得られたプリフォームを焼き戻しし、屈折率などの光学特性が所望の値に達するように、ガラス内部のひずみを低減しながら屈折率を微調整する。
次に、各プリフォームを研削し、研磨し、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどのさまざまなレンズ、プリズムを作製する。得られた光学素子の表面には反射防止膜を塗布することもできる。
【0080】
<光学機器の実施例>
上記光学素子の実施例で製造された光学素子は、光学設計により、1つ又は複数の光学素子を用いて光学部品又は光学コンポーネントを形成することにより、撮像装置、センサ、顕微鏡、医薬技術、デジタル投影、通信、光学通信技術/情報伝送、自動車分野における光学/照明、フォトリソグラフィ技術、エキシマレーザ、ウエハ、コンピュータチップ及びこのような回路及びチップを含む集積回路及び電子デバイス、又は車載分野の撮像設備と装置に用いることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で以下の成分を含
み、以下の条件を満たす、光学ガラス
。
P
2O
5:10~30%、Bi
2O
3:16~35%、Nb
2O
5:20~40%、
及びWO
3:5~20%
。
Bi
2O
3/Nb
2O
5
(重量比)は0.5~1.5である。
【請求項2】
重量%で以下の
群より選ばれる一種以上の成分をさらに含む、請求項1に記載の光学ガラス
。
TiO
2:0~10%
、B
2O
3:0~8%
、Li
2O:0~10%
、Na
2O:0~10%
、K
2O:0~10%
、RO:0~10%
、SiO
2:0~5%
、ZrO
2:0~5%
、Al
2O
3:0~5%
、Ln
2O
3:0~8%
、GeO
2:0~5%
、及び清澄剤:0~1%
からなる群。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、
及びZnO
からなる群より選ばれる一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、
及びLu
2O
3
からなる群より選ばれる一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、
及びCeO
2
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項3】
必要成分としてP
2O
5、Nb
2O
5、WO
3及びBi
2O
3を
含み、Bi
2O
3/Nb
2O
5
(重量比)が0.5~1.5であり、前記光学ガラスの屈折率n
dが1.88~1.96、アッベ数ν
dが25以下、熱膨張係数α
-30/70℃が100×10
-7/K以下である、光学ガラス。
【請求項4】
重量%で以下の
群より選ばれる一種以上の成分をさらに含む、請求項3に記載の光学ガラス
。
P
2O
5:10~30%
、Bi
2O
3:16~35%
、Nb
2O
5:20~40%
、WO
3:5~20%
、TiO
2:0~10%
、B
2O
3:0~8%
、Li
2O:0~10%
、Na
2O:0~10%
、K
2O:0~10%
、RO:0~10%
、SiO
2:0~5%
、ZrO
2:0~5%
、Al
2O
3:0~5%
、Ln
2O
3:0~8%
、GeO
2:0~5%
、及び清澄剤:0~1%
からなる群。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、
及びZnO
からなる群より選ばれる一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、
及びLu
2O
3
からなる群より選ばれる一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、
及びCeO
2
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項5】
以下の9の条件の
1つ以上を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス
。
1)Bi
2O
3/Nb
2O
5
(重量比)は0.6~1.2;
2)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)
(重量比)は0.4~1.5;
3)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)
(重量比)は0.4~1.5;
4)WO
3/Bi
2O
3
(重量比)は0.2~1.0;
5)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)
(重量比)は0.3~1.2;
6)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3
(重量比)は0.05~1.0;
7)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)
(重量比)は1.0以下
;
8)RO/Li
2O
(重量比)は1.0以下
;
9)(Na
2O+TiO
2)/WO
3
(重量比)が0.1~2.0
。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、
及びZnO
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項6】
以下の9の条件の
1つ以上を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス
。
1)Bi
2O
3/Nb
2O
5
(重量比)は0.65~1.15;
2)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)
(重量比)は0.6~1.2;
3)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)
(重量比)は0.5~1.2;
4)WO
3/Bi
2O
3
(重量比)は0.25~0.8;
5)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)
(重量比)は0.4~1.0;
6)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3
(重量比)は0.1~0.8;
7)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)
(重量比)は0.02~0.8;
8)RO/Li
2O
(重量比)は0.7以下
;
9)(Na
2O+TiO
2)/WO
3
(重量比)が0.2~1.5
。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、
及びZnO
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項7】
以下の9の条件の
1つ以上を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス
。
1)Bi
2O
3/Nb
2O
5
(重量比)は0.7~1.1;
2)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)
(重量比)は0.72~1.0;
3)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)
(重量比)は0.6~1.0;
4)WO
3/Bi
2O
3
(重量比)は0.3~0.6;
5)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)
(重量比)は0.45~0.9;
6)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3
(重量比)は0.15~0.6;
7)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)
(重量比)は0.05~0.6;
8)RO/Li
2O
(重量比)は0.5以下
;
9)(Na
2O+TiO
2)/WO
3
(重量比)が0.3~1.2
。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、
及びZnO
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項8】
以下の8の条件の
1つ以上を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス
。
1)(Nb
2O
5+TiO
2)/(WO
3+Bi
2O
3)
(重量比)は0.75~0.92;
2)(WO
3+Bi
2O
3)/(Nb
2O
5+P
2O
5)
(重量比)は0.7~1.0;
3)WO
3/Bi
2O
3
(重量比)は0.35~0.46;
4)P
2O
5/(Nb
2O
5+TiO
2)
(重量比)は0.5~0.8;
5)(Li
2O+Na
2O+K
2O)/Bi
2O
3
(重量比)は0.2~0.5;
6)TiO
2/(Li
2O+Na
2O+K
2O)
(重量比)は0.1~0.38;
7)RO/Li
2O
(重量比)は0.4以下
;
8)(Na
2O+TiO
2)/WO
3
(重量比)が0.4~1.0
。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、
及びZnO
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項9】
重量%で以下の
群より選ばれる一種以上の成分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス
。
P
2O
5:15~25%
、Bi
2O
3:18~32%
、Nb
2O
5:25~35%
、WO
3:7~17%
、TiO
2:0.5~8%
、B
2O
3:0~5%
、Li
2O:0.5~8%
、Na
2O:1~8%
、K
2O:0~8%
、RO:0~8%
、SiO
2:0~3%
、ZrO
2:0~3%
、Al
2O
3:0~3%
、Ln
2O
3:0~5%
、GeO
2:0~3%
、及び清澄剤:0~0.5%
からなる群。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、ZnOの一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、
及びLu
2O
3
からなる群より選ばれる一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、
及びCeO
2
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項10】
重量%で以下の
群より選ばれる一種以上の成分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス
。
P
2O
5:17~23%
、Bi
2O
3:22~29.5%
、Nb
2O
5:27~33%
、WO
3:9~15%
、TiO
2:1~5%
、B
2O
3:0~3%
、Li
2O:1~5%
、Na
2O:2~7%
、K
2O:0~5%
、RO:0~4%
、SiO
2:0~2%
、ZrO
2:0~2%
、Al
2O
3:0~2%
、Ln
2O
3:0~3%
、GeO
2:0~2%
、及び清澄剤:0~0.2%
からなる群。
ここで、前記ROはMgO、CaO、SrO、BaO、
及びZnO
からなる群より選ばれる一種又は複数種であり、Ln
2O
3はLa
2O
3、Gd
2O
3、Y
2O
3、Yb
2O
3、
及びLu
2O
3
からなる群より選ばれる一種又は複数種であり、前記清澄剤はSb
2O
3、SnO
2、SnO、
及びCeO
2
からなる群より選ばれる一種又は複数種である。
【請求項11】
前記光学ガラスの屈折率n
dは1.88~1.96、アッベ数ν
dは15~25である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項12】
前記光学ガラスの屈折率n
dは1.91~1.94、アッベ数ν
dは18~22である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
【請求項13】
以下の10の条件の1つ以上を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
1)耐酸作用安定性D
Aが2類以上
である。
2)耐水作用安定性D
Wが2類以上
である。
3)熱膨張係数α
-30/70℃が100×10
-7/K以下
である。
4)転移温度T
gが500℃以下
である。
5)摩耗度F
Aが310~400
である。
6)λ
70が480nm以下
である。
7)λ
5が410nm以下
である。
8)ヤング率Eが8000×10
7/Pa以上
である。
9)密度ρが4.70g/cm
3以下
である。
10)耐結晶上限温度が1000℃以下である
。
【請求項14】
以下の10の条件の1つ以上を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学ガラス。
1)耐酸作用安定性D
Aが1類
である。
2)耐水作用安定性D
Wが1類
である。
3)熱膨張係数α
-30/70℃が90×10
-7/K以下
である。
4)転移温度T
gが480℃以下
である。
5)摩耗度F
Aが340~370
である。
6)λ
70が460nm以下
である。
7)λ
5が395nm以下
である。
8)ヤング率Eが8700×10
7/Pa~9500×10
7/Pa
である。
9)密度ρが4.50g/cm
3以下
である。
10)耐結晶上限温度が950℃以下である
。
【請求項15】
請求項1~4のいずれ一項に記載の光学ガラスで製造され
た、ガラスプリフォーム。
【請求項16】
請求項1~4のいずれ一項に記載の光学ガラス、又は
当該光学ガラスで製造されたガラスプリフォームで製造され
た、光学素子。
【請求項17】
請求項1~4のいずれ一項に記載の光学ガラス
を含む、光学機器。
【国際調査報告】